JP2020008530A - 粒子状物質測定装置とゼロエア供給装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】測定結果に影響を与えることなく、通常測定と空試験とを自動的に切り替えることができる粒子状物質測定装置とゼロエア供給装置とを得る。【解決手段】本発明にかかる粒子状物質測定装置(1b)は、試料大気を導入する試料大気導入口(11)と、試料大気に含まれる粒子状物質を測定する測定部(14)と、試料大気を試料大気導入口から測定部に導く流路(R)と、流路にゼロエアを供給するゼロエア導入口(25h)と、を有してなり、流路にゼロエアが供給されるとき、流路に供給されたゼロエアの一部は、試料大気導入口から排出される、ことを特徴とする。【選択図】図13
Description
本発明は、粒子状物質測定装置とゼロエア供給装置とに関する。
大気中に浮遊する粒子状物質(固体粒子、液体粒子)のうち、SPM(Suspended Particulate Matter)や、PM10、PM2.5は、人に吸引されることで、人の呼吸器などに悪影響を及ぼす。
ここで、「SPM」は、粒径10μm以下(粒径10μm以上の粒子を100%カットしたもの)の粒子状物質(浮遊粒子状物質)である。「PM10」は、粒径10μm以下(粒径10μmにおける捕集率50%のフィルタを用いて、粒径の大きい粒子をカットしたもの)の粒子状物質である。「PM2.5」は、粒径2.5μm以下(2.5μmにおける捕集率50%のフィルタを用いて、粒径の大きい粒子をカットしたもの)の粒子状物質(微小粒子状物質)である。
これら粒子状物質のうち、PM2.5は、SPMやPM10よりも肺の奥に入り込むため、呼吸器へ影響を及ぼし易い。そのため、世界各国においてPM2.5の濃度の環境基準値が定められている。我が国においても、大気汚染防止法の規定に基づいて、浮遊粒子状物質やPM2.5の濃度の環境基準値と測定方法とが、定められている(例えば、非特許文献1参照)。
このような大気中の粒子状物質の濃度は、β線吸収方式、圧電天秤方式、光散乱方式、フィルタ振動方式、など種々の測定方式の粒子状物質測定装置を用いて、粒子状物質測定装置内に導入された大気(試料大気)に含まれる粒子状物質の濃度を測定することにより測定される。
図18は、従来の粒子状物質(PM2.5)測定装置の機能ブロック図である。
粒子状物質測定装置100は、試料大気導入口111と、第1分粒器112と、第2分粒器113と、測定部114と、試料大気吸引部115と、制御部116と、記憶部117と、第1試料流路r111と、第2試料流路r112と、第3試料流路r113と、第4試料流路r114と、を有してなる。
粒子状物質測定装置100は、試料大気導入口111と、第1分粒器112と、第2分粒器113と、測定部114と、試料大気吸引部115と、制御部116と、記憶部117と、第1試料流路r111と、第2試料流路r112と、第3試料流路r113と、第4試料流路r114と、を有してなる。
第1分粒器112は、第1試料流路r111を介して第2分粒器113に接続される。第2分粒器113は、第2試料流路r112を介して測定部114に接続される。測定部114は、第3試料流路r113を介して試料大気吸引部115に接続される。
粒子状物質測定装置100は、試料大気吸引部115の吸引により試料大気導入口111から試料大気を吸引し、第1分粒器112と第2分粒器113とにより試料大気を分粒し、測定部114により試料大気に含まれる粒子状物質を測定し、制御部116により試料大気に含まれる粒子状物質の濃度を算出する。測定部114により粒子状物質が測定された試料大気は、第3試料流路r113と、試料大気吸引部115と、第4試料流路r114と、を介して、大気中に排気される。
ここで、我が国のPM2.5の濃度は、約10μg/m3−20μg/m3程度と低い。そのため、これらの粒子状物質測定装置においてPM2.5の濃度を正確に測定するためには、濃度ゼロを示す値(ゼロ値)の確認やゼロ校正は、重要である。
粒子状物質測定装置100のゼロ値の確認は、空試験と呼ばれる性能試験において、粒子状物質を含まない空気(以下「ゼロエア」という。)に対する指示値を確認することにより実行される。空試験は、粒子状物質を含まない空気(ゼロエア)を測定し、その1時間値の24時間平均値と標準偏差とを算出して、これらの値が所定の閾値を超えないことを確認する試験である。空試験は、例えば、粒子状物質測定装置100の管理者などが試料大気導入口111から測定部114までの流路の一部を取り外して、残された流路にゼロエアを生成するフィルタ(以下「ゼロフィルタ」という。)Fを取り付けることにより実行される。ゼロ校正は、空試験の結果に基づいて、実行される。
図19は、粒子状物質測定装置100が空試験を実行するときの構成を示す機能ブロック図である。同図は、第2試料流路r112の一部が取り外されて、ゼロフィルタFが取り付けられていることを示す。同図は、大気の流れを実線の矢印で示す。
図19に示されるように、ゼロフィルタFが流路(第2試料流路r112の一部)に取り付けられた状態で試料大気吸引部115が動作することにより、大気は、ゼロフィルタFを介して吸引されて、ゼロエアとして測定部に供給される。その結果、測定部114は、ゼロエアを測定することができる。このように、粒子状物質測定装置100において空試験を実行している間、同装置100は、ゼロエアを測定することができるが、試料大気の測定をすることができない。空試験は、1回につき24時間(例えば、所定の日の正午から翌日の正午まで)実行され、1回または数回実行される。そのため、粒子状物質測定装置100の測定結果には、空試験の回数に1日を加えた時間の欠測が生じる。また、粒子状物質測定装置100の管理者などは、空試験の終了後に、ゼロフィルタFを取り外して、空試験前に取り外した流路の一部を取り付けなければならない。
これまでにも、ゼロエアを供給する機構を内蔵して空試験を自動的に実行する粒子状物質測定装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示された粒子状物質測定装置は、試料大気の導入をオンオフするバルブと、ゼロエアの供給をオンオフするバルブと、ゼロエア供給源と、を備える。同装置は、2つのバルブを操作して試料大気とゼロエアのいずれか一方を測定部に導入することにより、試料大気に含まれる粒子状物質の測定と、空試験と、を自動的に切り替える。
「環境大気常時監視マニュアル第6版」、[online]、環境省、[平成30年2月26日検索]、インターネット<https://www.env.go.jp/air/osen/manual_6th/>
特許文献1に開示された粒子状物質測定装置は、試料大気の経路とゼロエアの経路それぞれへのバルブの取り付けと、各バルブの制御と、各バルブの保守管理と、を必要とする。そのため、特許文献1に開示された粒子状物質測定装置は、製造コストや維持管理コストの増加や、同装置の制御の複雑化などの問題を有する。
また、特許文献1に開示された粒子状物質測定装置を既存の測定装置に適用する場合、配管へのバルブの取り付けや、バルブの制御の追加など、既存の測定装置に対する大掛かりな改良が必要となる。
さらに、特許文献1に開示された粒子状物質測定装置は、試料大気の導入をオンオフするバルブを試料大気の流路(試料大気導入管)中に備える。同装置において、バルブの操作を自動的に行う場合、バルブには、例えば、電磁弁が用いられる。この構成の場合、試料大気の流れは、バルブ部分の影響を受け得る。また、粒子状物質、特にPM2.5は、バルブ部分に付着する可能性がある。前述のとおり、我が国の大気中のPM2.5の濃度は低いため、バルブ部分における試料大気の流れの影響やPM2.5の付着がPM2.5の濃度の測定結果に与える影響は、相対的に大きくなる。
さらにまた、非特許文献1は、「試料大気導入口より粒子捕集部までは鉛直線状に構成するものとし、試料大気導入管に屈曲部があってはならない」、とPM2.5の測定方法を規定している。そのため、バルブに電磁弁を用いる場合、同粒子状物質測定装置の構成は、非特許文献1に規定されている理想的な装置構成とならない。
一方、バルブに試料大気導入管と同じ内径のボールバルブを用いる場合、試料大気の流れは、バルブ部分の影響を受け難い。また、試料大気導入管の構成は、バルブ部分を含めて屈曲部のない構成とすることができる。そのため、同粒子状物質測定装置の構成は、非特許文献1に規定されている理想的な装置構成とすることができる。しかし、バルブにボールバルブを用いる場合、バルブに掛かるコストが増加するだけでなく、粒子状物質測定装置自体が大型化することになり、同装置全体に掛かるコストが増加する。
本発明は、以上のような従来技術の問題点を解消するためになされたもので、測定結果に影響を与えることなく、通常の測定と空試験とを自動的に切り替えることが可能な粒子状物質測定装置とゼロエア供給装置とを提供することを目的とする。
本発明にかかる粒子状物質測定装置は、試料大気を導入する試料大気導入口と、試料大気に含まれる粒子状物質を測定する測定部と、試料大気を試料大気導入口から測定部に導く流路と、流路にゼロエアを供給するゼロエア導入口と、を有してなり、流路にゼロエアが供給されるとき、流路に導入されたゼロエアの一部は、試料大気導入口から排出される、ことを特徴とする。
本発明によれば、測定結果に影響を与えることなく、通常の測定と空試験とを自動的に切り替えることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明にかかるゼロエア供給装置(以下「本供給装置」という。)と本発明にかかる粒子状物質測定装置(以下「本測定装置」という。)との実施の形態について説明する。
●ゼロエア供給装置(1)●
先ず、本供給装置について、本供給装置が従来の粒子状物質測定装置(以下「従来測定装置」という。)に取り付けられる場合を例に、説明する。
先ず、本供給装置について、本供給装置が従来の粒子状物質測定装置(以下「従来測定装置」という。)に取り付けられる場合を例に、説明する。
●従来の粒子状物質測定装置の構成
図1は、本供給装置が取り付けられる従来測定装置の機能ブロック図である。
同図は、大気(空気)の流れる経路を実線で、信号の流れる経路を破線で、それぞれ示す。
図1は、本供給装置が取り付けられる従来測定装置の機能ブロック図である。
同図は、大気(空気)の流れる経路を実線で、信号の流れる経路を破線で、それぞれ示す。
従来測定装置1は、大気に含まれる粒子状物質を捕集して、その濃度(質量濃度:μg/m3)を測定する。従来測定装置1が濃度を測定する粒子状物質は、例えば、粒径2.5μm以下の粒子状物質(微小粒子状物質)、すなわち、PM2.5である。従来測定装置1は、試料大気導入口11と、第1分粒器12と、第2分粒器13と、測定部14と、試料大気吸引部15と、制御部16と、記憶部17と、第1試料流路r11と、第2試料流路r12と、第3試料流路r13と、第4試料流路r14と、を備える。
試料大気導入口11は、測定部14が粒子状物質の濃度を測定する大気(以下「試料大気」という。)を大気中から導入する。試料大気導入口11は、風雨の影響を受けにくい形状、例えば、傘状である。試料大気導入口11は、第1分粒器12に接続される。
第1分粒器12は、試料大気導入口11から導入された試料大気に含まれる粒子状物質を分粒して、試料大気に含まれる粒子状物質の主な粒径を10μm以下(PM10相当)にする。第1分粒器12は、例えば、インパクタ方式の分粒器である。第1分粒器12は、ドレントラップ(不図示)を備える。第1分粒器12は、第1試料流路r11を介して、第2分粒器13に接続される。
第2分粒器13は、第1分粒器12からの試料大気に含まれる粒子状物質を分粒して、試料大気に含まれる粒子状物質の主な粒径を2.5μm以下(PM2.5相当)にする。第2分粒器13は、例えば、サイクロン方式の分粒器である。第2分粒器13は、第2試料流路r12を介して、測定部14に接続される。
図2は、第2分粒器13の模式断面図である。
同図は、第2分粒器13内の試料大気の流れを破線矢印で示す。
同図は、第2分粒器13内の試料大気の流れを破線矢印で示す。
第2分粒器13は、本体部131と移送管132とを備える。本体部131は、第1分粒器12からの試料大気に含まれる粒子状物質を分粒する。移送管132は、本体部131内で分粒された試料大気を下流(測定部14)側に移送する管状の部材である。移送管132は、本体部131から取り外し可能である。
図1に戻る。
測定部14は、第2分粒器13からの試料大気に含まれる粒子状物質(PM2.5)を捕集して、粒子状物質を測定する。測定部14の粒子状物質の測定方式は、例えば、β線吸収方式である。測定部14は、β線源(不図示)と、β線検出器(不図示)と、リール状の濾紙(不図示)と、を備える。測定部14は、濾紙に捕集された粒子状物質にβ線を照射して、粒子状物質を透過したβ線の強度を検出する。すなわち、測定部14の測定結果は、粒子状物質を透過したβ線の強度に関する情報を含む。測定部14は、第3試料流路r13を介して、試料大気吸引部15に接続される。測定部14の動作については、後述する。
測定部14は、第2分粒器13からの試料大気に含まれる粒子状物質(PM2.5)を捕集して、粒子状物質を測定する。測定部14の粒子状物質の測定方式は、例えば、β線吸収方式である。測定部14は、β線源(不図示)と、β線検出器(不図示)と、リール状の濾紙(不図示)と、を備える。測定部14は、濾紙に捕集された粒子状物質にβ線を照射して、粒子状物質を透過したβ線の強度を検出する。すなわち、測定部14の測定結果は、粒子状物質を透過したβ線の強度に関する情報を含む。測定部14は、第3試料流路r13を介して、試料大気吸引部15に接続される。測定部14の動作については、後述する。
なお、測定部の測定方式は、β線吸収方式に限定されない。すなわち、例えば、測定部は、圧電天秤方式、光散乱方式、フィルタ振動方式、などの測定方式を用いて、大気に含まれる粒子状物質の濃度を測定してもよい。
試料大気吸引部15は、試料大気を大気中から吸引することにより、試料大気を測定部14に供給する。試料大気吸引部15は、例えば、偏心ロータリーポンプやダイヤフラムポンプなどの気体(大気)を吸引可能なポンプである。試料大気吸引部15は、第4試料流路r14を介して、従来測定装置1の外部(大気中)に接続される。すなわち、試料大気吸引部15の排気は、第4試料流路r14を介して、従来測定装置1の外部(大気中)に排出される。試料大気吸引部15の動作については、後述する。
制御部16は、測定部14と、試料大気吸引部15と、の動作の制御など、従来測定装置1全体の動作の制御を実行すると共に、測定部14からの測定結果に基づいて試料大気に含まれる粒子状物質の濃度などを算出する。また、制御部16は、測定局のテレメータシステム(不図示)やデータロガー(不図示)などの外部機器に接続されて、記憶部17に記憶されている粒子状物質の濃度や、後述する1時間値、24時間平均値、標準偏差などの測定値を外部機器に出力する。制御部16は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)などのプロセッサや、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により構成される。制御部16の動作については、後述する。
記憶部17は、従来測定装置1が後述する動作を実行するために必要な情報や、測定部14の測定結果、制御部16が算出した粒子状物質の濃度などを記憶する。記憶部17は、例えば、SSD(Solid State Drive)などの記録装置や、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、などにより構成される。
第1試料流路r11は、第1分粒器12と第2分粒器13とに接続されて、第1分粒器12からの試料大気を第2分粒器13に導く。第2試料流路r12は、第2分粒器13と測定部14とに接続されて、第2分粒器13からの試料大気を測定部14に導く。第1試料流路r11と第2試料流路r12とは、例えば、アルミニウム製の直管である。第2試料流路r12は、分割可能である。すなわち、第2試料流路r12の一部は、従来測定装置1から取り外し可能である。第1分粒器12と第1試料流路r11と第2分粒器13と第2試料流路r12とは、試料大気を試料大気導入口11から測定部14に導く、本発明における流路Rを構成する。
なお、第2試料流路に代えて、第1試料流路が分割可能でも良い。
第3試料流路r13は、測定部14と試料大気吸引部15とに接続されて、測定部14からの試料大気を試料大気吸引部15に導く。第4試料流路r14は、試料大気吸引部15と従来測定装置1の外部(大気中)とに接続されて、試料大気吸引部15からの試料大気を従来測定装置1の外部(大気中)に導く。第3試料流路r13と第4試料流路r14とは、例えば、合成樹脂製のチューブである。
●従来の粒子状物質測定装置の動作
次に、従来測定装置1の動作について、従来測定装置1が試料大気を測定する場合と、従来測定装置1がゼロエアを測定する場合と、を例に説明する。ゼロエアについては、後述する。
次に、従来測定装置1の動作について、従来測定装置1が試料大気を測定する場合と、従来測定装置1がゼロエアを測定する場合と、を例に説明する。ゼロエアについては、後述する。
●試料大気の測定
図3は、従来測定装置1が試料大気を測定するときの大気の流れと、信号の流れと、を示す機能ブロック図である。同図は、大気の流れを実線の矢印で、信号の流れを破線の矢印で、それぞれ示す。
図3は、従来測定装置1が試料大気を測定するときの大気の流れと、信号の流れと、を示す機能ブロック図である。同図は、大気の流れを実線の矢印で、信号の流れを破線の矢印で、それぞれ示す。
従来測定装置1が試料大気を測定するとき、制御部16は、試料大気吸引部15を動作させる制御信号を生成して、同制御信号を試料大気吸引部15に送信する。試料大気吸引部15は、制御信号に基づいて、動作を開始する。
試料大気吸引部15が動作を開始すると、試料大気は、流路R(第1分粒器12、第1試料流路r11、第2分粒器13、第2試料流路r12)を介して試料大気導入口11から測定部14に供給される。試料大気に含まれる粒子状物質は、試料大気が濾紙を通過する際に濾紙に捕集される。濾紙を通過した試料大気は、第3試料流路r13と、試料大気吸引部15と、第4試料流路r14と、を介して、大気中に排気される。
次いで、制御部16は、測定部14を動作させる制御信号を生成して、同制御信号を測定部14に送信する。測定部14は、制御信号に基づいて、濾紙に捕集された粒子状物質を測定して、測定結果を制御部16に送信する。
測定部14は、例えば、所定時間(例えば、1時間)ごとにリール状の濾紙を所定間隔分送る(巻き取る)ことにより、試料大気が通過する位置に未使用の濾紙を供給する。
測定部14から測定結果が送信されたとき、制御部16は、粒子状物質の濃度を算出する。粒子状物質の濃度は、所定の係数や定数と、測定部14からの測定結果と、に基づいて、算出される。所定の係数や定数は、予め記憶部17に記憶されている。算出された粒子状物質の濃度は、例えば、測定部14が測定した日時に関する情報と、測定部14からの測定結果と、に関連付けられて、記憶部17に記憶される。
従来測定装置1が試料大気を測定しているとき、制御部16は、粒子状物質の濃度の1時間値を算出する。算出された1時間値は、例えば、これらの値に対応する日時に関する情報(例えば、従来測定装置1が備える不図示の計時手段が出力する情報)に関連付けられて、記憶部17に記憶される。
なお、制御部は、24時間平均値や、その標準偏差を算出して、記憶部に記憶してもよい。
制御部16は、測定値(記憶部17に記憶されている1時間値)を測定局のテレメータシステムまたは、データロガーに出力する。測定局のテレメータシステムは、制御部16からの測定値を定期的に、または、テレメータシステムを介した中央局からの指示に基づいて、同中央局に送信する。その結果、従来測定装置1が測定(算出)した測定値は、テレメータを介して、中央局に集約されて遠隔管理される。
●ゼロエアの測定
次いで、従来測定装置1によるゼロエアの測定(空試験)について説明する。
次いで、従来測定装置1によるゼロエアの測定(空試験)について説明する。
「ゼロエア」は、従来測定装置1が測定する、粒子状物質を含まない空気である。「粒子状物質を含まない空気」は、例えば、JIS K 0901に規定する捕集率A1の濾過材2枚に相当する濾過材を通すことにより得られる空気である。
「空試験」は、ゼロエア(粒子状物質を含まない空気)を測定することで、濃度ゼロを示す指示値(ゼロ値)を確認する試験である。空試験は、通常、24時間実行される。
従来測定装置1においてゼロエアを測定するとき、例えば、従来測定装置1の管理者は、試料大気導入口11から測定部14までの流路R(本実施の形態では第2試料流路r12)の一部を取り外して、残された流路に大気からゼロエアを生成するフィルタ(以下「ゼロフィルタ」という。)Fを取り付ける。
図4は、従来測定装置1がゼロエアを測定するときの大気の流れと、信号の流れと、を示す機能ブロック図である。同図は、第2試料流路r12の一部が取り外されて、ゼロフィルタFが取り付けられていることを示す。同図は、大気の流れを実線の矢印で、信号の流れを破線の矢印で、それぞれ示す。
従来測定装置1がゼロエアを測定するとき、制御部16は、試料大気吸引部15を動作させる制御信号を生成して、同制御信号を試料大気吸引部15に送信する。試料大気吸引部15は、制御信号に基づいて、動作を開始する。
試料大気吸引部15が動作を開始すると、ゼロエアの原料となる大気は、ゼロフィルタFに供給される。ゼロフィルタFは、大気に含まれる粒子状物質を捕集して、ゼロエアを生成する。ゼロエアは、測定部14に供給される。濾紙を通過したゼロエアは、第3試料流路r13と、試料大気吸引部15と、第4試料流路r14と、を介して、大気中に排気される。
次いで、制御部16は、測定部14を動作させる制御信号を生成して、同制御信号を測定部14に送信する。測定部14は、試料大気の場合と同様に測定結果を制御部16に送信する。制御部16は、試料大気の場合と同様に粒子状物質の濃度や1時間値を算出して、記憶部17に記憶する。制御部16は、試料大気の測定の場合と同様にこれらの測定値を測定局のテレメータシステムやデータロガーに出力する。
ゼロエアの測定(空試験)が終了したとき、従来測定装置1の管理者は、流路RからゼロフィルタFを取り外して、空試験前に取り外した流路の一部を取り付ける。その結果、従来測定装置1は、試料大気を測定可能な状態となる。
●ゼロエア供給装置(1)の構成
図5は、本供給装置の実施の形態を示す機能ブロック図である。
本供給装置2は、従来測定装置1に取り付けられて、従来測定装置1の流路R(図1参照)にゼロエアを供給する。
図5は、本供給装置の実施の形態を示す機能ブロック図である。
本供給装置2は、従来測定装置1に取り付けられて、従来測定装置1の流路R(図1参照)にゼロエアを供給する。
本供給装置2は、大気導入口21と、大気供給部22と、フィルタ23と、制御部24と、接続部材25と、第1大気流路r21と、第2大気流路r22と、ゼロエア流路r23と、を備える。
大気導入口21は、ゼロエアの原料となる大気を大気中から導入する。大気導入口21は、例えば、本供給装置2を収容する筐体(不図示)内に配置される。大気導入口21は、第1大気流路r21を介して、大気供給部22に接続される。
なお、本発明における大気導入口は、試料大気導入口と共に屋外(測定局外)に配置されてもよい。この場合、ゼロエア流路を流れるゼロエアに含まれる水分量は、屋外の大気(環境大気)に含まれる水分量と同じになる。
大気供給部22は、ゼロエアの原料となる大気を大気中(筐体内)から大気導入口21を介して吸引して、同大気をフィルタ23に供給する。大気供給部22は、例えば、偏心ロータリーポンプやダイヤフラムポンプなどの気体(大気)の吸引と吐出とが可能なポンプである。大気供給部22の吐出量は、試料大気吸引部15の吐出量(例えば、16.7L/min)よりも大きく設定される。大気供給部22は、第2大気流路r22を介して、フィルタ23に接続される。すなわち、大気供給部22の吐出空気は、第2大気流路r22を介して、フィルタ23に供給される。
フィルタ23は、大気供給部22から供給される大気(吐出空気)に含まれる粒子状物質を捕捉して、同大気からゼロエアを生成するゼロフィルタである。フィルタ23は、ゼロエア流路r23を介して、接続部材25に接続される。
制御部24は、大気供給部22の動作の制御など、本供給装置2全体の動作の制御を実行する。また、制御部24は、測定局のテレメータシステム(不図示)に接続されて、ゼロエアの供給の開始・停止の情報を同テレメータシステムに出力する。
図6は、接続部材25の模式断面図である。
同図は、接続部材25に接続されるゼロエア流路r23の模式断面も併せて示す。
同図は、接続部材25に接続されるゼロエア流路r23の模式断面も併せて示す。
接続部材25は、ゼロエア流路r23(本供給装置2)を従来測定装置1の流路Rに接続する管状の部材である。接続部材25は、接続孔25hを備える。接続部材25の構成は、接続孔25hを備える点を除き、移送管132(図2参照)の構成と共通する。すなわち、接続部材25は、従来測定装置1の移送管132と置き換え可能である。
接続孔25hは、ゼロエア流路r23が接続されて、ゼロエア流路r23からのゼロエアを接続部材25の内部に案内(供給)する孔である。接続孔25hは、後述する試料大気の流れに対して側方または後方からゼロエアを供給可能な態様で、接続部材25に配置される。
図5に戻る。
第1大気流路r21は、大気導入口21と大気供給部22とに接続されて、大気導入口21からの大気を大気供給部22に導く。第2大気流路r22は、大気供給部22とフィルタ23とに接続されて、大気供給部22からの大気をフィルタ23に導く。ゼロエア流路r23は、フィルタ23と接続部材25の接続孔25hとに接続されて、フィルタ23からのゼロエアを接続部材25に導く。第1大気流路r21と第2大気流路r22とゼロエア流路r23とは、例えば、合成樹脂製のチューブである。
第1大気流路r21は、大気導入口21と大気供給部22とに接続されて、大気導入口21からの大気を大気供給部22に導く。第2大気流路r22は、大気供給部22とフィルタ23とに接続されて、大気供給部22からの大気をフィルタ23に導く。ゼロエア流路r23は、フィルタ23と接続部材25の接続孔25hとに接続されて、フィルタ23からのゼロエアを接続部材25に導く。第1大気流路r21と第2大気流路r22とゼロエア流路r23とは、例えば、合成樹脂製のチューブである。
●従来の粒子状物質測定装置とゼロエア供給装置(1)との接続
本供給装置2は、接続部材25が従来測定装置1の第2分粒器13の移送管132(図2参照)と置き換えられることにより、従来測定装置1に取り付けられる。
本供給装置2は、接続部材25が従来測定装置1の第2分粒器13の移送管132(図2参照)と置き換えられることにより、従来測定装置1に取り付けられる。
先ず、従来測定装置1の第2分粒器13の移送管132が、従来測定装置1の管理者などにより、第2分粒器13の本体部131から取り外される。
図7は、第2分粒器13の移送管132が取り外された状態を示す模式断面図である。
同図は、移送管132と置き換えられる本供給装置2の接続部材25を合わせて示す。
同図は、移送管132と置き換えられる本供給装置2の接続部材25を合わせて示す。
次いで、本供給装置2の接続部材25が、従来測定装置1の管理者などにより、第2分粒器13の本体部131に取り付けられる。すなわち、接続部材25は、移送管132に代えて、第2分粒器13の一部を構成すると共に、従来測定装置1の流路Rの一部を構成する。その結果、本供給装置2からのゼロエアは、ゼロエア流路r23と接続孔25hとを介して従来測定装置1の流路Rに供給可能となる。換言すれば、接続孔25hは、流路Rにゼロエアを供給する、本発明におけるゼロエア導入口として機能する。
このように、本供給装置2は、従来測定装置1に接続される。このとき、従来測定装置1(制御部16)は、本供給装置2の制御部24との接続を要しない。そのため、本供給装置2は、従来測定装置1に対して容易に着脱可能である。すなわち、本発明にかかるゼロエア供給装置は、いわゆるポータブル機器として持ち運びすることができ、1つのゼロエア供給装置により、複数の測定局の従来測定装置に対し、空試験を順次実施することができる。
図8は、従来測定装置1と、本供給装置2と、の接続の例を示す模式断面図である。
本実施の形態では、接続孔25hは、第2分粒器13の移送管132と置き換え可能な接続部材25に配置されて、本供給装置2からのゼロエアを流路Rに供給する。そのため、移送管132と接続部材25とを交換するだけで本供給装置2を既存の従来測定装置1に取り付けることができ、従来測定装置1に対する大掛かりな改良は、不要である。
本実施の形態では、接続孔25hは、第2分粒器13の移送管132と置き換え可能な接続部材25に配置されて、本供給装置2からのゼロエアを流路Rに供給する。そのため、移送管132と接続部材25とを交換するだけで本供給装置2を既存の従来測定装置1に取り付けることができ、従来測定装置1に対する大掛かりな改良は、不要である。
さらに、本供給装置2の動作の制御は、従来測定装置1ではなく、本供給装置2の制御部24が実行する。そのため、本供給装置2は、従来測定装置1に対するソフト変更などの変更をすることなく、従来測定装置1に取り付けられて、従来測定装置1にゼロエアを供給することができる。換言すれば、本供給装置2は、従来測定装置1のソフト変更などをすることなく、本供給装置2から供給されたゼロエアを用いて、従来測定装置1に後述する空試験を実行させることができる。
さらに、ゼロエア流路r23は、第2分粒器13(流路R)内の試料大気の進行方向(図8の破線矢印が示す方向)に対して、側方または後方側から第2分粒器13に接続される。そのため、ゼロエア流路r23が第2分粒器13に接続されていても、第2分粒器13内の試料大気の流れは、阻害されない。
●従来の粒子状物質測定装置とゼロエア供給装置(1)とが接続された状態における、両装置の動作
次に、従来測定装置1と本供給装置2とが接続された状態(以下「接続状態」という。)における、従来測定装置1の動作と、本供給装置2の動作と、について説明する。接続状態における従来測定装置1は、本発明にかかる粒子状物質測定装置として機能する。
次に、従来測定装置1と本供給装置2とが接続された状態(以下「接続状態」という。)における、従来測定装置1の動作と、本供給装置2の動作と、について説明する。接続状態における従来測定装置1は、本発明にかかる粒子状物質測定装置として機能する。
図9は、接続状態における従来測定装置1と本供給装置2との機能ブロック図である。
以下の説明は、接続状態において、従来測定装置1の動作とは無関係に本供給装置2が定期的に動作して従来測定装置1にゼロエアを供給する場合を例に説明する。すなわち、従来測定装置1は、本供給装置2が動作しないとき試料大気の測定(通常測定)を実行し、本供給装置2が動作するときゼロエアの測定(空試験)を実行する。
本供給装置2は、通常、動作せず、所定期間が経過するごとに動作する。「所定期間」は、例えば、予め従来測定装置1の管理者や本供給装置2の管理者などにより設定されたメンテンナンス期間(例えば、3か月間)である。所定期間は、例えば、制御部24が備えるタイマー(不図示)により設定される。すなわち、本供給装置2の制御部24は、従来測定装置1の空試験のスケジュール管理を行う。
●試料大気の測定
図10は、接続状態における従来測定装置1が試料大気を測定するときの大気の流れと、信号の流れと、を示す機能ブロック図である。同図は、大気の流れを実線の矢印で、信号の流れを破線の矢印で、それぞれ示す。
図10は、接続状態における従来測定装置1が試料大気を測定するときの大気の流れと、信号の流れと、を示す機能ブロック図である。同図は、大気の流れを実線の矢印で、信号の流れを破線の矢印で、それぞれ示す。
接続状態において、従来測定装置1は、従来測定装置1に本供給装置2が接続されていない状態(以下「未接続状態」という。)における従来測定装置1の試料大気の測定と同様に、試料大気の測定を実行する。すなわち、制御部16は、試料大気吸引部15と測定部14とを動作させて、試料大気に含まれる粒子状物質の濃度を測定する。このとき、本供給装置2は、動作を停止している。
試料大気吸引部15が動作を開始すると、試料大気は、試料大気導入口11から流路R(第1分粒器12、第1試料流路r11、第2分粒器13(接続部材25)、第2試料流路r12)を介して試料大気導入口11から測定部14に供給される。試料大気に含まれる粒子状物質は、試料大気が濾紙を通過する際に濾紙に捕集される。濾紙を通過した試料大気は、第3試料流路r13と、試料大気吸引部15と、第4試料流路r14と、を介して、大気中に排気される。
測定部14は、制御信号に基づいて、濾紙に捕集された粒子状物質を測定して、測定結果を制御部16に送信する。制御部16は、未接続状態の場合と同様に粒子状物質の濃度や1時間値を算出して、記憶部17に記憶して、これらの測定値を測定局のテレメータシステムやデータロガーに出力する。
●ゼロエアの測定
図11は、接続状態における従来測定装置1がゼロエアを測定するときの大気の流れと、信号の流れと、を示す機能ブロック図である。同図は、大気の流れを実線の矢印で、信号の流れを破線の矢印で、それぞれ示す。
図11は、接続状態における従来測定装置1がゼロエアを測定するときの大気の流れと、信号の流れと、を示す機能ブロック図である。同図は、大気の流れを実線の矢印で、信号の流れを破線の矢印で、それぞれ示す。
従来測定装置1がゼロエアを測定するとき、本供給装置2の制御部24は、大気供給部22を動作させる制御信号を生成して、同制御信号を大気供給部22に送信する。同制御信号を受信した大気供給部22は、制御信号に基づいて、動作を開始する。このとき、試料大気吸引部15は、従来測定装置1が試料大気を測定するときと同様に動作する。
制御部24は、大気供給部22を動作させたとき、従来測定装置1へのゼロエアの供給を開始したことを示す情報を測定局のテレメータシステムに出力する。その結果、従来測定装置1の空試験が開始されたことを示す情報が、テレメータシステムを介して中央局に送信される。
大気供給部22が動作を開始すると、ゼロエアの原料となる大気は、大気導入口21から第1大気流路r21と大気供給部22と第2大気流路r22とを介して、フィルタ23に供給される。大気供給部22から供給される大気に含まれる粒子状物質は、同大気がフィルタ23を通過する際にフィルタ23に捕捉される。フィルタ23を通過した大気(ゼロエア)は、ゼロエア流路r23を介して、接続部材25の接続孔25hから流路Rに供給される。換言すれば、大気供給部22は、ゼロエア導入口(流路R)にゼロエアを供給する。流路Rに供給されるゼロエアの量は、大気供給部22の吐出量により定まる。
前述のとおり、大気供給部22の吐出量は、試料大気吸引部15の吐出量よりも大きい。すなわち、従来測定装置1の流路Rに供給されるゼロエアは、試料大気吸引部15の吐出(吸引)能力を超える過剰分のゼロエアを含む。そのため、流路Rにゼロエアが供給されるとき、第2分粒器13に供給されたゼロエアの一部は、流路Rを逆流して、試料大気導入口11から大気中に排出される。その結果、試料大気導入口11から流路Rへの試料大気の供給は、停止(阻害)される。換言すれば、大気供給部22の吐出量は、第2分粒器13に供給されたゼロエアの一部が流路Rを逆流して試料大気導入口11から大気中に排出されるように設定される(オーバーフロー)。本供給装置2は、オーバーフローを十分に確保することにより、試料大気導入口11から流路Rへの試料大気の混入を防ぐ。
試料大気導入口11からの試料大気の供給が停止されたとき、測定部14には、ゼロエアのみが供給される。すなわち、従来測定装置1は、空試験を実行する。
測定部14は、試料大気の場合と同様にゼロエアを測定して、測定結果を制御部16に送信する。制御部16は、試料大気の場合と同様に粒子状物質の濃度や、1時間値を算出して、記憶部17に記憶する。制御部16は、試料大気の測定の場合と同様にこれらの測定値を測定局のテレメータシステムやデータロガーに出力する。
空試験が終了したとき、本供給装置2の制御部24は、大気供給部22の動作を停止させる制御信号を生成して、同制御信号を大気供給部22に送信する。同制御信号を受信した大気供給部22は、動作を停止する。
制御部24は、大気供給部22の動作を停止させたとき、従来測定装置1へのゼロエアの供給を停止したことを示す情報を測定局のテレメータシステムに出力する。その結果、従来測定装置1の空試験が終了したことを示す情報が、テレメータシステムを介して中央局に送信される。
大気供給部22が動作を停止したとき、大気供給部22は、大気導入口21からの大気流入を防止する封止弁として機能する。その結果、従来測定装置1が試料大気を測定するとき、ゼロエアは、流路Rに流入しない。すなわち、流路R内の試料大気の流れは、ゼロエア流路r23(本供給装置2)による影響を受けない。つまり、測定部14の測定結果は、ゼロエア流路r23(本供給装置2)による影響を受けない。
なお、試料大気測定時のゼロエア流路からのゼロエア流入を確実に防止するために、ゼロエア流路の途中に2方電磁弁などの封止弁(不図示)を配置してもよい。この場合、例えば、封止弁は、空試験実施時にはゼロエア流路を開放し、試料大気測定時にはゼロエア流路を封止するように動作させてもよい。
このように、接続状態における従来測定装置1の動作において、通常測定(試料大気の測定)と空試験(ゼロエアの測定)とは、本供給装置2の動作に基づいて、自動的に切り替わる。
なお、本供給装置の制御部は、従来測定装置の空試験が実行されている間、定期的に、従来測定装置へのゼロエアの供給を継続していることを示す情報を測定局のテレメータシステムに出力してもよい。
●まとめ(1)
以上説明した実施の形態によれば、接続状態において、従来測定装置1は、本供給装置2が動作しないときは試料大気を測定し、本供給装置2が動作するときはゼロエアを測定することになる。
以上説明した実施の形態によれば、接続状態において、従来測定装置1は、本供給装置2が動作しないときは試料大気を測定し、本供給装置2が動作するときはゼロエアを測定することになる。
また、以上説明した実施の形態によれば、従来測定装置1は、流路に取り付けられたバルブが操作されることにより動作モードが切り替わる従来の粒子状物質測定装置(以下「バルブ付測定装置」という。)と比較して、流路へのバルブの取り付けや、バルブの操作を必要としない。そのため、接続状態において、従来測定装置1は、バルブ付測定装置と比較して、製造コストや維持管理コストを抑えることができると共に、試料大気の流れに影響を及ぼすことなくゼロエアを流路Rに供給することができる。
さらに、以上説明した実施の形態によれば、流路Rの一部を構成する部材(第2分粒器13の移送管132)が接続部材25に置き換えられることにより、本供給装置2が従来測定装置1に接続される。このとき、従来測定装置1(制御部16)は、本供給装置2の制御部24との接続を要しない。そのため、本供給装置2は、従来測定装置1に対して容易に着脱可能である。すなわち、本供給装置2は、いわゆるポータブル機器として持ち運びすることができる。つまり、1つの本供給装置で、複数の測定局の従来測定装置との組み合わせが可能になる。
また、本供給装置2は、既存の粒子状物質測定装置(従来測定装置1)に対する大掛かりな改良を要せず、同測定装置に取り付けることができる。さらに、本供給装置2は、既存の粒子状物質測定装置(従来測定装置1)に対するソフト変更などを要せず、同測定装置に接続されて、同測定装置にゼロエアを供給することができる。
なお、本供給装置の動作は、従来測定装置の制御部に制御されてもよい。すなわち、例えば、従来測定装置が通常測定と空試験とを切り替えるときに、従来測定装置の制御部が大気供給部の動作を制御してもよい。この場合、従来測定装置の制御部には予め本供給装置の動作を制御するソフトが組み込まれ、従来測定装置の制御部は本供給装置の制御部と通信可能に接続される。
また、従来測定装置は、試料大気導入口が大気中(屋外(測定局外))に配置された状態で、屋内に配置されてもよい。この場合、本供給装置は、従来測定装置と同じ屋内に配置されてもよい。
さらに、以上説明した実施の形態では、従来測定装置と本供給装置とは、独立した構成であった。これに代えて、従来測定装置は、本供給装置を備えて(内蔵して)もよい。この構成の場合、従来測定装置は、本測定装置として機能する。
図12は、本供給装置を備える従来測定装置、すなわち、本測定装置の実施の形態を示す機能ブロック図である。同図において、他の図面と同じ符号を付された部材は、他の図面に示される部材と同じ機能を備える。
同図は、本測定装置1aが試料大気導入口11と、第1分粒器12と、第2分粒器13と、測定部14と、試料大気吸引部15と、制御部16aと、記憶部17と、第1試料流路r11と、第2試料流路r12と、第3試料流路r13と、第4試料流路r14と、大気導入口21と、大気供給部22aと、フィルタ23と、接続部材25と、第1大気流路r21と、第2大気流路r22と、ゼロエア流路r23と、を備えることを示す。同図は、本測定装置1aの制御部16aが、試料大気吸引部15の動作と大気供給部22aの動作とを制御することを示す。
制御部16aと大気供給部22aそれぞれの構成は、制御部16aが大気供給部22aの動作も制御する点を除き、共通する。制御部16aは、空試験の開始時刻と終了時刻とをコントロールする時計(不図示)を備える。ここで、測定装置とゼロエア供給装置それぞれが時計を備える場合、各時計は同期をとる必要がある。しかし、本測定装置1aは1つの時計のみを備えるため、本測定装置1aは、時計の同期をとる必要がない。
また、図9に示される構成では、制御部16は、試料大気吸引部15の動作を制御することができるが、大気供給部22の動作を制御することができない。そのため、濾紙巻取り動作時に試料大気吸引部15を停止している間も大気供給部22は動作を続け、測定部14に少なからずゼロエアが導入されていた。しかし、本測定装置1aの制御部16aは、濾紙巻取りの場合などに、試料大気吸引部15の動作と大気供給部22aの動作とを停止することができる。そのため、意図されないゼロエアが測定部14に導入されて、濾紙に吹き付けられることはない。
●粒子状物質測定装置(1)●
次に、本測定装置の実施の形態について、先に説明した実施の形態(以下「第1実施形態」という。)と異なる部分を中心に説明する。本実施の形態(以下「第2実施形態」という。)にかかる粒子状物質測定装置は、第1実施形態のゼロエア供給装置に対応する部材を備える点と、同ゼロエア供給装置に対応する部材の構成と、制御部の制御と、第4試料流路の接続先と、が第1実施形態と異なる。
次に、本測定装置の実施の形態について、先に説明した実施の形態(以下「第1実施形態」という。)と異なる部分を中心に説明する。本実施の形態(以下「第2実施形態」という。)にかかる粒子状物質測定装置は、第1実施形態のゼロエア供給装置に対応する部材を備える点と、同ゼロエア供給装置に対応する部材の構成と、制御部の制御と、第4試料流路の接続先と、が第1実施形態と異なる。
●粒子状物質測定装置(1)の構成
図13は、本測定装置の別の実施の形態を示す機能ブロック図である。
同図は、大気(空気)の流れる経路を実線で、信号の流れる経路を破線で、それぞれ示す。同図において、他の図面と同じ符号を付された部材は、他の図面に示される部材と同じ構成と機能とを備える。
図13は、本測定装置の別の実施の形態を示す機能ブロック図である。
同図は、大気(空気)の流れる経路を実線で、信号の流れる経路を破線で、それぞれ示す。同図において、他の図面と同じ符号を付された部材は、他の図面に示される部材と同じ構成と機能とを備える。
本測定装置1bは、例えば、β線吸収方式を用いて、大気に含まれる粒子状物質の濃度を測定する。本測定装置1bは、試料大気導入口11と、第1分粒器12と、第2分粒器13bと、測定部14と、試料大気吸引部15と、制御部16bと、記憶部17と、第1試料流路r11と、第2試料流路r12と、第3試料流路r13と、第4試料流路r14bと、大気導入口21と、大気供給部22bと、フィルタ23と、接続部材25と、切替部26bと、第1大気流路r21と、第2大気流路r22bと、ゼロエア流路r23と、空気流路r24bと、排気流路r25bと、を備える。大気導入口21と、大気供給部22bと、フィルタ23と、接続部材25と、切替部26bと、第1大気流路r21と、第2大気流路r22bと、ゼロエア流路r23と、空気流路r24bと、排気流路r25bとは、本発明にかかるゼロエア供給装置として機能する。すなわち、本測定装置1bは、本発明にかかるゼロエア供給装置を備える。
第2分粒器13bの構成は、移送管132に代えて、接続部材25が本体部131に取り付けられている点を除き、第1実施形態の第2分粒器13と共通する。すなわち、第2分粒器13bは、接続孔25h(ゼロエア導入口)を備える。つまり、本実施の形態では、接続孔25h(ゼロエア導入口)は、第2分粒器13bに配置される。
制御部16bは、測定部14と、試料大気吸引部15と、大気供給部22bと、切替部26bと、の動作の制御など、本測定装置1b全体の動作の制御を実行すると共に、測定部14からの測定結果に基づいて試料大気に含まれる粒子状物質の濃度を算出する。また、制御部16bは、測定局のテレメータシステム(不図示)やデータロガー(不図示)などの外部機器に接続されて、記憶部17に記憶されている粒子状物質の濃度や、後述する1時間値、24時間平均値、標準偏差などの測定値を外部機器に出力すると共に、本測定装置1bの状態(後述する動作モード)を測定局のテレメータシステムに出力する。制御部16bは、例えば、CPU、MPU、DSPなどのプロセッサや、ASIC、FPGAなどの集積回路により構成される。
第4試料流路r14bは、切替部26bに接続されて、試料大気吸引部15からの試料大気を切替部26bに導く。第4試料流路r14bは、例えば、合成樹脂製のチューブである。
大気供給部22bは、ゼロエアの原料の一部となる大気を大気中から大気導入口21を介して吸引して、同大気をフィルタ23に供給する。大気供給部22bは、例えば、偏心ロータリーポンプやダイヤフラムポンプなどの気体(大気)を吸引可能なポンプである。大気供給部22bは、第1実施形態の大気供給部22よりも吐出量が小さなポンプである。大気供給部22bの吐出量は、試料大気吸引部15の吐出量(例えば、16.7L/min)よりも小さく、第1実施形態における過剰分のゼロエアを供給可能な程度に設定される。大気供給部22bは、第2大気流路r22bと空気流路r24bとを介して、フィルタ23に接続される。すなわち、大気供給部22bの排気(吐出空気)は、第2大気流路r22bと空気流路r24bとを介して、フィルタ23に供給される。
切替部26bは、試料大気吸引部15の接続先を切り替える。切替部26bは、例えば、3方向電磁弁である。切替部26bは、第4試料流路r14bを介して試料大気吸引部15に接続され、空気流路r24bを介してフィルタ23に接続され、排気流路r25bを介して本測定装置1bの外部(大気中)に接続される。すなわち、切替部26bは、試料大気吸引部15の接続先を、フィルタ23と本測定装置1bの外部(大気中)のいずれか一方に切り替える。つまり、切替部26bが試料大気吸引部15とフィルタ23とを接続したとき、試料大気吸引部15からの試料大気は、フィルタ23に供給される。一方、切替部26bが試料大気吸引部15と本測定装置1bの外部(大気中)とを接続したとき、試料大気吸引部15からの試料大気(吐出空気)は、本測定装置1bの外部(大気中)に排出される。
第2大気流路r22bは、大気供給部22bからの大気を空気流路r24bを介して、フィルタ23に導く。第2大気流路r22bは、合流点Aにおいて、空気流路r24bに接続される。空気流路r24bは、切替部26bからの試料大気をフィルタ23に導く。切替部26bと空気流路r24bとは、後述する循環エアをフィルタ23に導く、本発明における循環流路を構成する。
●粒子状物質測定装置(1)の動作
次に、本測定装置1bの動作について説明する。本測定装置1bは、所定の動作モードに従い動作する。動作モードは、測定モードと空試験モードとを含む。
次に、本測定装置1bの動作について説明する。本測定装置1bは、所定の動作モードに従い動作する。動作モードは、測定モードと空試験モードとを含む。
「測定モード」は、試料大気を測定部14に導入して、試料大気に含まれる粒子状物質の濃度を算出するモードである。
「空試験モード」は、ゼロエアを測定部14に導入して、ゼロエアに含まれる粒子状物質の濃度を算出する(空試験を実行する)モードである。すなわち、空試験モードは、本測定装置1bにおける測定部14のゼロを示す指示値(ゼロ値)を確認する動作モードである。
本測定装置1bは、通常、測定モードで動作し、所定期間が経過するごとに空試験モードで動作する。「所定期間」は、例えば、予め本測定装置1bの管理者により設定されたメンテンナンス期間(例えば、3か月間)である。所定期間は、例えば、制御部16bが備えるタイマー(不図示)により設定される。すなわち、本測定装置1bの制御部16bは、本測定装置1bの空試験のスケジュール管理を行う。
●測定モード
図14は、本測定装置1bが測定モードで動作するときの大気の流れと、信号の流れと、を示す機能ブロック図である。同図は、大気の流れを実線の矢印で、信号の流れを破線の矢印で、それぞれ示す。
図14は、本測定装置1bが測定モードで動作するときの大気の流れと、信号の流れと、を示す機能ブロック図である。同図は、大気の流れを実線の矢印で、信号の流れを破線の矢印で、それぞれ示す。
本測定装置1bが測定モードで動作するとき、制御部16bは、切替部26bに試料大気吸引部15と本測定装置1bの外部とを接続させる制御信号を生成して、同制御信号を切替部26bに送信する。切替部26bは、制御信号に基づいて、試料大気吸引部15と本測定装置1bの外部(大気中)とを接続する。
切替部26bが試料大気吸引部15と本測定装置1bの外部(大気中)とを接続したとき、制御部16bは、試料大気吸引部15を動作させる制御信号を生成して、同制御信号を試料大気吸引部15に送信する。試料大気吸引部15は、制御信号に基づいて、動作を開始する。
試料大気吸引部15が動作を開始したとき、試料大気は、流路Rを介して試料大気導入口11から測定部14に供給される。試料大気に含まれる粒子状物質は、試料大気が濾紙を通過する際に濾紙に捕集される。濾紙を通過した試料大気は、第3試料流路r13と、試料大気吸引部15と、第4試料流路r14bと、切替部26bと、排気流路r25bと、を介して、大気中に排気される。
測定部14は、第1実施形態の測定部14と同様にゼロエアに含まれる粒子状物質を測定して、測定結果を制御部16bに送信する。制御部16bは、第1実施形態の制御部16と同様に粒子状物質の濃度や、1時間値を算出して、記憶部17に記憶する。また、制御部16bは、本測定装置1bが測定モードで動作していることを示す情報や、測定値を測定局のテレメータシステムに出力すると共に、粒子状物質の濃度をデータロガーに出力する。
●空試験モード
図15は、本測定装置1bが空試験モードで動作するときの大気の流れと、信号の流れと、を示す機能ブロック図である。同図は、大気の流れを実線の矢印で、信号の流れを破線の矢印で、それぞれ示す。
図15は、本測定装置1bが空試験モードで動作するときの大気の流れと、信号の流れと、を示す機能ブロック図である。同図は、大気の流れを実線の矢印で、信号の流れを破線の矢印で、それぞれ示す。
本測定装置1bの動作モードが測定モードから空試験モードに切り替わるとき、制御部16bは、切替部26bに試料大気吸引部15とフィルタ23とを接続させる制御信号を生成して、同制御信号を切替部26bに送信する。切替部26bは、制御信号に基づいて、試料大気吸引部15とフィルタ23とを接続する。制御部16bは、本測定装置1bが空試験モードで動作していることを示す情報を測定局のテレメータシステムに出力する。
切替部26bが試料大気吸引部15とフィルタ23とを接続したとき、試料大気吸引部15からの吐出空気(試料大気)は、第4試料流路r14bと切替部26bとを介して、全て空気流路r24bに供給される。
切替部26bが試料大気吸引部15とフィルタ23とを接続したとき、制御部16bは、大気供給部22bを動作させる制御信号を生成して、同制御信号を大気供給部22bに送信する。同制御信号を受信した大気供給部22bは、制御信号に基づいて、動作を開始する。このとき、試料大気吸引部15は、測定モードと同様に動作する。
大気供給部22bが動作を開始したとき、ゼロエアの原料の一部となる大気は、第1大気流路r21と大気供給部22bと第2大気流路r22bとを介して、大気導入口21から空気流路r24bに供給される。
空気流路r24bに供給された排気空気と、ゼロエアの原料の一部となる大気(大気供給部22bの吐出空気)とは、合流点Aで合流して、フィルタ23に供給される。合流した空気(合流空気)に含まれる粒子状物質は、合流空気がフィルタ23を通過する際にフィルタ23に捕捉される。フィルタ23を通過したゼロエアは、ゼロエア流路r23を介して、第2分粒器13に取り付けられた接続部材25の接続孔25hから流路Rに供給される。流路Rに供給されるゼロエアの量は、試料大気吸引部15の吐出量と、大気供給部22bの吐出量と、により定まる。換言すれば、大気供給部22bは、流路Rにゼロエア(の一部)を供給する。
前述のとおり、試料大気吸引部15からの排気(試料大気、ゼロエア)は、全てフィルタ23に供給される。一方、フィルタ23には、大気供給部22bからの吐出空気(ゼロエアの原料の一部となる大気)も供給される。前述のとおり、大気供給部22bの吐出量は、第1実施形態における過剰分のゼロエアを供給可能な程度に設定される。すなわち、フィルタ23から流路Rに供給されるゼロエアは、試料大気吸引部15の吸引能力を超える過剰分のゼロエアを含む。そのため、流路Rにゼロエアが供給されるとき、第2分粒器13に供給されたゼロエアの一部は、流路Rを逆流して、試料大気導入口11から大気中に排出される。その結果、試料大気導入口11から流路Rへの試料大気の供給は、停止(阻害)される。
このように、本実施の形態において、フィルタ23から流路Rに供給されたゼロエアは、試料大気導入口11から排出されるゼロエア(以下「排出エア」という。)と、流路Rから測定部14に供給された後に再び流路Rに供給されるゼロエア(以下「循環エア」という。)と、に分かれる。すなわち、フィルタ23から流路Rに供給されたゼロエアは、排出エアと循環エアとを含む。流路Rからの循環エアは、測定部14と第3試料流路r13と試料大気吸引部15と第4試料流路r14bと切替部26bと空気流路r24bとフィルタ23とゼロエア流路r23とを介して、再び流路Rに供給される。換言すれば、循環エアは、試料大気吸引部15を介して、循環流路(切替部26b、空気流路r24b)に導入される。
測定部14は、測定モード時と同様にゼロエアを測定して、測定結果を制御部16bに送信する。制御部16bは、測定モード時と同様に粒子状物質の濃度や、1時間値を算出して、記憶部17に記憶する。制御部16bは、測定モード時と同様に測定値を測定局のテレメータシステムやデータロガーに出力する。
空試験が終了したとき、制御部16bは、大気供給部22bの動作を停止させる制御信号を生成して、同制御信号を大気供給部22bに送信する。同制御信号を受信した大気供給部22bは、動作を停止する。その結果、本測定装置1bの動作モードは、空試験モードから測定モードに切り替わる。
制御部16bは、大気供給部22bの動作を停止させたとき、本測定装置1bが測定モードで動作していることを示す情報を測定局のテレメータシステムに出力する。
●まとめ(2)
本測定装置1bは、測定モードでの動作時は試料大気吸引部15のみを動作させると共に切替部26bに試料大気吸引部15と本測定装置1bの外部とを接続させ、空試験モードでの動作時は試料大気吸引部15と大気供給部22bとを動作させると共に切替部26bに試料大気吸引部15とフィルタ23とを接続させることにより、自動的に動作モードを切り替える。本測定装置1bが空試験モードで動作するとき、本測定装置1bは、流路Rに過剰なゼロエアを供給することにより、ゼロエアの一部を試料大気導入口11から排出させて、測定部14にゼロエアのみを供給する。一方、本測定装置1bが測定モードで動作するとき、本測定装置1bは、大気供給部22bの動作を停止させることにより、測定部14に試料大気のみを供給する。その結果、本測定装置1bは、測定部14の測定結果に影響を与えることなく、通常の測定と空試験とを自動的に切り替えることができる。
本測定装置1bは、測定モードでの動作時は試料大気吸引部15のみを動作させると共に切替部26bに試料大気吸引部15と本測定装置1bの外部とを接続させ、空試験モードでの動作時は試料大気吸引部15と大気供給部22bとを動作させると共に切替部26bに試料大気吸引部15とフィルタ23とを接続させることにより、自動的に動作モードを切り替える。本測定装置1bが空試験モードで動作するとき、本測定装置1bは、流路Rに過剰なゼロエアを供給することにより、ゼロエアの一部を試料大気導入口11から排出させて、測定部14にゼロエアのみを供給する。一方、本測定装置1bが測定モードで動作するとき、本測定装置1bは、大気供給部22bの動作を停止させることにより、測定部14に試料大気のみを供給する。その結果、本測定装置1bは、測定部14の測定結果に影響を与えることなく、通常の測定と空試験とを自動的に切り替えることができる。
また、以上説明した実施の形態によれば、本測定装置1bは、試料大気吸引部15の排気をゼロエアとして再利用することにより、ゼロエアの一部を循環エアとして循環させる。そのため、大気供給部22bは、第1実施形態の大気供給部22よりも小型化することができる。その結果、本測定装置1bは、第1実施形態の従来測定装置1よりも低コスト・低消費電力、かつ、測定部14の測定結果に影響を及ぼすことなく、通常測定と空試験とを自動的に切り替えることができる。
さらに、以上説明した実施の形態によれば、本測定装置1bは、第1実施形態の従来測定装置1と同様に、従来装置と比較して、流路へのバルブの取り付けや、バルブの操作を必要としない。そのため、本測定装置1bは、従来装置と比較して、製造コストや維持管理コストを抑えることができると共に、試料大気の流れに影響を及ぼすことなくゼロエアを流路Rに供給することができる。
なお、本測定装置は、試料大気導入口が大気中(屋外(測定局外))に配置された状態で、屋内(測定局内)に配置されてもよい。この場合、大気導入口は、屋外に配置されるが、換気により屋内の湿度と屋外の湿度とが同じであるならば屋内に配置されてもよい。
また、本発明における制御部は、空試験モードにおいて算出した値(24時間平均値と標準偏差)と、記憶部に記憶されている所定の閾値と、を比較して、同値が所定の閾値を超えているとき、同値に基づいてゼロ校正を実行してもよい。
さらに、本発明における大気導入口と、大気供給部と、フィルタと、接続部材と、切替部と、第1大気流路と、第2大気流路と、ゼロエア流路と、空気流路と、排気流路とは、他の要素(試料大気導入口,第1分粒器,第2分粒器,測定部,試料大気吸引部,制御部,記憶部,第1試料流路,第2試料流路,第3試料流路,第4試料流路)から構成される装置(粒子状物質測定装置)とは別体の、本発明にかかるゼロエア供給装置として機能してもよい。すなわち、本測定装置は、本発明にかかるゼロエア供給装置を備えなくてもよい。この場合、同ゼロエア供給装置は、第1実施形態のゼロエア供給装置と同様に制御部(図5の制御部24に相当)を備える。この構成によれば、ゼロエア供給装置は、流路の一部(第2分粒器の移送管)と接続部材とを置き換えて、第4試料流路に切替部を接続させるという簡易な作業により、粒子状物質測定装置に取り付けられる。すなわち、本発明にかかるゼロエア供給装置は、既存の粒子状物質測定装置に対する大掛かりな改良を要せず、同装置に取り付けられる。
さらにまた、従来測定装置や本測定装置において、接続部材は、第1分粒器のドレントラップや、流路を構成する他の部材(例えば、第1試料流路や第2試料流路)の一部と置き換え可能に構成されてもよい。また、接続部材は、流路を構成する部材の一部を加工して構成されてもよい。すなわち、例えば、接続部材や接続孔(ゼロエア導入口)は、従来測定装置に備えられてもよい。この場合、接続部材と接続孔を備える従来測定装置は、本測定装置として機能する。
さらにまた、従来測定装置や本測定装置において、ゼロエア流路の流路への接続の位置や態様は、流路内の試料大気の流れに影響を与えない位置や態様であれば、以上説明した各実施の形態に限定されない。すなわち、例えば、ゼロエア流路は、以上説明した各実施の形態とは異なる位置において第2分粒器に接続されてもよく、あるいは、第1分粒器に接続されてもよい。また、例えば、ゼロエア流路は、分粒器(第1分粒器、第2分粒器)から測定部の間、すなわち、第1試料流路や第2試料流路に接続されてもよい。
図16は、流路とゼロエア流路との接続の別の例を示す模式断面図である。
同図は、第2分粒器13cの本体部131cに接続部材25cが取り付けられていることを示す。同図は、接続部材25cの接続孔25ch(ゼロエア導入口)が、第2分粒器13cにおいて図6に示される位置とは異なる位置に配置されて、同接続孔25chにゼロエア流路r23cが接続されていることを示す。このように、ゼロエア流路r23cが流路Rc内を流れる試料大気の進行方向に対して斜め後方(側方)もしくは後方から流路Rcに接続されることで、ゼロエア流路r23cは、流路Rc内の試料大気の流れに影響を及ぼすことなくゼロエアを流路Rcに供給することができる。
同図は、第2分粒器13cの本体部131cに接続部材25cが取り付けられていることを示す。同図は、接続部材25cの接続孔25ch(ゼロエア導入口)が、第2分粒器13cにおいて図6に示される位置とは異なる位置に配置されて、同接続孔25chにゼロエア流路r23cが接続されていることを示す。このように、ゼロエア流路r23cが流路Rc内を流れる試料大気の進行方向に対して斜め後方(側方)もしくは後方から流路Rcに接続されることで、ゼロエア流路r23cは、流路Rc内の試料大気の流れに影響を及ぼすことなくゼロエアを流路Rcに供給することができる。
図17は、流路とゼロエア流路との接続のさらに別の例を示す模式断面図である。
同図は、ゼロエア導入口Rdhが第2分粒器13と測定部14との間である第2試料流路r12dに配置されて、ゼロエアが第2分粒器13と測定部14との間から流路Rdに供給されることを示す。同図は、ゼロエア流路r23dが流路Rd(第2試料流路r12d)内を流れる試料大気の進行方向(破線矢印)に対して斜め後方から第2試料流路r12dに接続されていることを示す。このように、ゼロエア流路r23dが流路Rd内を流れる試料大気の進行方向に対して斜め後方から流路Rdに接続されることで、ゼロエア流路r23dは、流路Rd内の試料大気の流れに影響を及ぼすことなくゼロエアを流路Rdに供給することができる。
同図は、ゼロエア導入口Rdhが第2分粒器13と測定部14との間である第2試料流路r12dに配置されて、ゼロエアが第2分粒器13と測定部14との間から流路Rdに供給されることを示す。同図は、ゼロエア流路r23dが流路Rd(第2試料流路r12d)内を流れる試料大気の進行方向(破線矢印)に対して斜め後方から第2試料流路r12dに接続されていることを示す。このように、ゼロエア流路r23dが流路Rd内を流れる試料大気の進行方向に対して斜め後方から流路Rdに接続されることで、ゼロエア流路r23dは、流路Rd内の試料大気の流れに影響を及ぼすことなくゼロエアを流路Rdに供給することができる。
1 粒子状物質測定装置(従来測定装置)
11 試料大気導入口
12 第1分粒器(分粒器)
13 第2分粒器(分粒器)
14 測定部
15 試料大気吸引部
2 ゼロエア供給装置
21 大気導入口
22 大気供給部
23 フィルタ
1a 粒子状物質測定装置
16a 制御部
22a 大気供給部
1b 粒子状物質測定装置
16b 制御部
22b 大気供給部
26b 切替部(循環流路)
r24b 空気流路(循環流路)
R 流路
Rc 流路
Rd 流路
11 試料大気導入口
12 第1分粒器(分粒器)
13 第2分粒器(分粒器)
14 測定部
15 試料大気吸引部
2 ゼロエア供給装置
21 大気導入口
22 大気供給部
23 フィルタ
1a 粒子状物質測定装置
16a 制御部
22a 大気供給部
1b 粒子状物質測定装置
16b 制御部
22b 大気供給部
26b 切替部(循環流路)
r24b 空気流路(循環流路)
R 流路
Rc 流路
Rd 流路
Claims (5)
- 試料大気を導入する試料大気導入口と、
前記試料大気に含まれる粒子状物質を測定する測定部と、
前記試料大気を前記試料大気導入口から前記測定部に導く流路と、
前記流路にゼロエアを供給するゼロエア導入口と、
を有してなり、
前記流路に前記ゼロエアが供給されるとき、前記流路に供給された前記ゼロエアの一部は、前記試料大気導入口から排出される、
ことを特徴とする粒子状物質測定装置。 - 前記試料大気に含まれる前記粒子状物質を分粒する分粒器、
を有してなり、
前記試料大気は、前記分粒器を介して前記測定部に導かれ、
前記ゼロエア導入口は、前記分粒器に配置される、
請求項1記載の粒子状物質測定装置。 - 前記試料大気に含まれる前記粒子状物質を分粒する分粒器、
を有してなり、
前記試料大気は、前記分粒器を介して前記測定部に導かれ、
前記ゼロエア導入口は、前記分粒器と前記測定部との間に配置される、
請求項1記載の粒子状物質測定装置。 - 請求項1記載の粒子状物質測定装置に前記ゼロエアを供給するゼロエア供給装置であって、
大気を導入する大気導入口と、
前記大気に含まれる前記粒子状物質を捕捉して、前記ゼロエアを生成するフィルタと、
前記ゼロエアを前記ゼロエア導入口に供給する大気供給部と、
を有してなる、
ことを特徴とするゼロエア供給装置。 - 請求項1記載の粒子状物質測定装置に前記ゼロエアを供給するゼロエア供給装置であって、
前記粒子状物質測定装置は、
前記試料大気を前記測定部に供給する試料大気吸引部、
を備え、
前記流路に供給された前記ゼロエアは、
前記試料大気導入口から排出される排出エアと、
前記流路から前記測定部に供給された後に、再び前記流路に供給される循環エアと、
を含み、
大気を導入する大気導入口と、
前記大気に含まれる前記粒子状物質を捕捉して、前記ゼロエアを生成するフィルタと、
前記ゼロエアを前記ゼロエア導入口に供給する大気供給部と、
前記循環エアを前記フィルタに導く循環流路と、
を有してなり、
前記循環エアは、前記試料大気吸引部を介して前記循環流路に導入される、
ことを特徴とするゼロエア供給装置。
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JP2018132578A JP2020008530A (ja) | 2018-07-12 | 2018-07-12 | 粒子状物質測定装置とゼロエア供給装置 |
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JP2018132578A JP2020008530A (ja) | 2018-07-12 | 2018-07-12 | 粒子状物質測定装置とゼロエア供給装置 |
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ID=69151583
Family Applications (1)
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2018
- 2018-07-12 JP JP2018132578A patent/JP2020008530A/ja active Pending
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