JP2020006318A - 被濾過液の排出治具、フィルタエレメント装置、および被濾過液の排出方法 - Google Patents

被濾過液の排出治具、フィルタエレメント装置、および被濾過液の排出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】使用後のフィルタエレメントの内部に残った被濾過液を容易に排出することができる被濾過液の排出治具、フィルタエレメント装置、および被濾過液の排出方法を提供すること。【解決手段】被濾過液の排出治具110は、被濾過液が流れる流路112を内部に有する筒状の治具本体111を備える。治具本体111の少なくとも一部が排出口を通して内部空間に挿入された状態において、治具本体111の第1端部113は、排出口を通してフィルタエレメントの外部に位置し、治具本体111の第2端部115は、第2蓋体の近傍に位置する。エアが供給口を通して注入室に供給されると、フィルタエレメントの内部に残留した被濾過液は、エアの圧力により第2端部115から流路112に導かれ、第1端部113の開口部114を通してフィルタエレメントの外部に排出される。【選択図】図5

Description

本発明は、被濾過液の排出治具、フィルタエレメント装置、および被濾過液の排出方法に関する。
放電加工装置等の金属加工機械に用いられる加工液や切削油等には、加工後においてスラッジ等の夾雑物が含まれる。そこで、金属加工機械から排出される加工液や切削油等を濾過して再利用するための濾過装置が知られている。
例えば、特許文献1に開示されたワイヤカット放電加工用液処理装置では、ワイヤカット放電加工装置で汚濁した加工液(汚濁液)が汚濁液槽に一旦溜められる。汚濁液槽の汚濁液は、ポンプにより濾材フィルタに供給される。そして、濾材フィルタで濾過された処理済の加工液は、清浄液槽に溜められる。清浄液槽の加工液は、ポンプにより再びワイヤカット放電加工装置に戻される。
特許文献1に記載されたワイヤカット放電加工用液処理装置に用いられる濾材フィルタなどのフィルタエレメントには、外圧式のフィルタエレメントと、内圧式のフィルタエレメントと、が存在する。外圧式のフィルタエレメントでは、円筒状のフィルタが、例えば密封された筐体の中に収容されている。汚濁液は、筐体の内側であってフィルタの外側の内部空間にポンプにより供給される。円筒状のフィルタの外側の内部空間に圧力を加えながら、フィルタの内側に向かって汚濁液を通過させることにより、濾過処理済の液体がフィルタの内側から取り出される。
これに対して、特許文献2および特許文献3に開示されたフィルタ装置のような内圧式のフィルタエレメントでは、周側面に多数の貫通孔が形成された筐体の中に、円筒状のフィルタが収容されている。汚濁液は、円筒状のフィルタの内側にポンプにより供給される。フィルタの内側に圧力を加えながら、フィルタの外側に向かって汚濁液を通過させることにより、濾過処理済の液体が筐体の貫通孔から排出される。
内圧式のフィルタエレメントでは、濾過処理済の加工液等が筐体の貫通孔を通して自然と排出されるため、外圧式のフィルタエレメントに比べて、加工液等を送るために加える圧力が小さくて済むという利点がある。そのため、小型のポンプを使用することができるという利点がある。また、内圧式のフィルタエレメントでは、加工液等に加える圧力が小さくて済むため、外圧式のフィルタエレメントに比べて、筐体内の圧力により蓋体が外れるおそれが少ない。
一方で、内圧式のフィルタエレメントでは、例えば特許文献1に開示されたワイヤカット放電加工用液処理装置のように、筐体の貫通孔から排出された濾過処理済の加工液等を溜める清浄液槽が必要である。また、内圧式のフィルタエレメントでは、フィルタエレメントの上流および下流側において、濾過処理前の加工液等を送るためのポンプと、濾過処理後の加工液等を送るためのポンプと、の2台のポンプが必要である。そのため、内圧式フィルタエレメントが用いられる濾過装置では、濾過装置が大型化するという欠点がある。また、濾過装置が大型化すると、濾過作業を事業とするメンテナンス事業者にとっては、金属加工機械が設置された客先に自前の濾過装置を搬送して、客先において濾過作業を行うことが大変である。
これに対して、特許文献4には、内圧式のフィルタ部と、フィルタ部の上端部および下端部に接続された蓋体と、フィルタ部を包囲する円筒状の筐体と、を備えたフィルタエレメントが開示されている。特許文献4に記載されたフィルタエレメントは、内圧式であり、蓋体に設けられた供給口から注入された被濾過液を、フィルタ部の内側から外側に向かって通過させて夾雑物を濾過できる。特許文献4に記載されたフィルタエレメントでは、フィルタ部の外周側面に沿って内部空間が設けられ、フィルタ部を包囲する筒状の筐体が内部空間を覆っている。そうすると、フィルタ部を通過してきた濾過処理後の液は、筐体内の内部空間に溜まる。そして、被濾過液がポンプで注入室に供給され続けると、その圧力によって、内部空間に溜められた被濾過液が蓋体の排出口から排出される。例えば、配管等が排出口に接続されている場合には、排出口から排出された被濾過液は、金属加工機械に送られる。特許文献4に記載されたフィルタエレメントによれば、清浄液槽や、清浄液槽から金属加工機械に加工液を供給するための専用のポンプが不要であるため、濾過装置を小型化することができる。
特開2005−219201号公報 特開2011−136261号公報 特開2001−286708号公報 特開2015−3282号公報
ここで、特許文献1〜4に記載されたようなフィルタエレメントには、寿命がある。すなわち、フィルタは、加工後の加工液や切削油等を濾過し、加工後の加工液や切削油等に含まれるスラッジ等の夾雑物を汚濁液から除去する。そのため、加工後の加工液や切削油等に含まれていた夾雑物がフィルタに溜まると、フィルタが本来の機能を発揮できなくなる。そのため、フィルタエレメントには寿命がある。例えば、濾過装置の使用者等は、フィルタが収容された筐体内の圧力を管理することにより、フィルタの寿命や交換時期を把握することができる。
フィルタの寿命がくると、濾過装置の使用者やメンテナンス事業者等は、濾過装置を停止し、フィルタエレメントを交換する。このとき、特許文献4に記載されたフィルタエレメントでは、濾過処理前および濾過処理後の加工液等がフィルタエレメントの筐体内に残っている。例えば約20リットル程度の加工液等がフィルタエレメントの筐体内に残ることがあり、フィルタエレメントは、このままの状態では比較的重い。そのため、特許文献4に記載されたフィルタエレメントについては、フィルタエレメントの交換作業や使用後のフィルタエレメントの搬送作業にかかる負担が大きいという点において改善の余地がある。
すなわち、フィルタエレメントを持ち上げ、筐体内の加工液等を排出口から排出し、フィルタエレメントを軽くする場合には、フィルタエレメントを持ち上げる作業における身体的負担が比較的大きい。また、供給口から筐体内にエアを噴き入れ、筐体内に残った加工液等を排出口から排出し、フィルタエレメントを軽くする場合であっても、エアが供給口から排出口へ直接的に流れ、所定量以上の加工液等が筐体内に残留する場合がある。このように、特許文献4に記載されたフィルタエレメントでは、使用後のフィルタエレメントの筐体内に残った被濾過液を排出しフィルタエレメントを軽くすることが困難であるという点において改善の余地がある。
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、使用後のフィルタエレメントの内部に残った被濾過液を容易に排出することができる被濾過液の排出治具、フィルタエレメント装置、および被濾過液の排出方法を提供することを目的とする。
前記課題は、本発明によれば、金属加工機械から排出される被濾過液を濾過するフィルタエレメントの内部に残留した前記被濾過液を前記フィルタエレメントの外部に排出するときに用いられる被濾過液の排出治具であって、前記フィルタエレメントは、前記被濾過液が注入される注入室を包囲するように配置され前記被濾過液を内側から受けて濾過するフィルタ部と、前記フィルタ部の上端部に接続された第1蓋体であって、前記金属加工機械から排出された前記被濾過液を前記注入室に導く供給口と、前記フィルタ部を通過した前記被濾過液を前記フィルタエレメントの外部に導く排出口と、を有する第1蓋体と、前記フィルタ部の下端部に接続された第2蓋体と、前記第1蓋体および前記第2蓋体に接続されるとともに前記フィルタ部を包囲し、前記排出口と連通する内部空間を前記フィルタ部の外側に形成する筐体と、を備えた濾過ユニットであり、前記被濾過液が流れる流路を内部に有するとともに、少なくとも一部が前記排出口を通して前記内部空間に挿入された状態において前記第1蓋体から前記第2蓋体にわたって延びる筒状の治具本体を備え、前記治具本体の一方の第1端部は、前記治具本体の少なくとも一部が前記排出口を通して前記内部空間に挿入された状態において前記排出口を通して前記フィルタエレメントの外部に位置し、前記治具本体の他方の第2端部は、前記治具本体の少なくとも一部が前記排出口を通して前記内部空間に挿入された状態において前記第2蓋体の近傍に位置し、エアが前記供給口を通して前記注入室に供給されると、前記フィルタエレメントの内部に残留した前記被濾過液は、前記エアの圧力により前記第2端部から前記流路に導かれ、前記第1端部の開口部を通して前記フィルタエレメントの外部に排出されることを特徴とする被濾過液の排出治具により解決される。
前記構成によれば、本発明に係る被濾過液の排出治具は、金属加工機械から排出される被濾過液を濾過するフィルタエレメントの内部に残留した被濾過液をフィルタエレメントの外部に排出するときに用いられる。本発明に係る排出治具が適用されるフィルタエレメントは、フィルタ部と、第1蓋体と、第2蓋体と、筐体と、を備えた濾過ユニットである。フィルタ部は、被濾過液が注入される注入室を包囲するように配置され、被濾過液を内側から受けて濾過する。つまり、本発明に係る排出治具が適用されるフィルタエレメントは、内圧式のフィルタエレメントである。第1蓋体には、被濾過液を注入室に導く供給口と、フィルタ部を通過した被濾過液をフィルタエレメントの外部に導く排出口と、が設けられている。筐体は、フィルタ部を包囲し、排出口と連通する内部空間をフィルタ部の外側に形成する。
本発明に係る排出治具は、筒状の治具本体を備える。治具本体は、被濾過液が流れる流路を内部に有するとともに、少なくとも一部がフィルタエレメントの排出口を通して内部空間に挿入された状態において第1蓋体から第2蓋体にわたって延びる。つまり、治具本体は、第1蓋体から第2蓋体にわたって延びた長さを有する筒体である。治具本体の一方の第1端部は、治具本体の少なくとも一部がフィルタエレメントの排出口を通して内部空間に挿入された状態において、排出口を通してフィルタエレメントの外部に位置する。治具本体の他方の第2端部は、治具本体の少なくとも一部がフィルタエレメントの排出口を通して内部空間に挿入された状態において、第2蓋体の近傍に位置する。そして、エアがフィルタエレメントの供給口を通して注入室に供給されると、フィルタエレメントの内部に残留した被濾過液は、エアの圧力により第2端部から治具本体の流路に導かれ、第1端部の開口部を通してフィルタエレメントの外部に排出される。
すなわち、治具本体がフィルタエレメントの排出口を通して内部空間に挿入された状態では、治具本体の周囲における排出口は、第2端部と第2蓋体との間の隙間よりも狭い。そのため、エアが注入室に供給されると、フィルタエレメントの内部の圧力が高くなることで、フィルタエレメントの内部に残留した被濾過液は、フィルタ部の上端部に接続された第1蓋体からフィルタ部の下端部に接続された第2蓋体に向かって流れる。そして、第2蓋体に向かって流れた被濾過液は、治具本体の周囲における排出口ではなく、第2端部と第2蓋体との間の隙間を通して第2端部から治具本体の流路に導かれ、第1端部の開口部を通してフィルタエレメントの外部に排出される。
これによれば、フィルタエレメントの内部に残留する被濾過液の量を所定量以下に抑え、フィルタエレメントの内部に残った多量の被濾過液を治具本体の流路を通してフィルタエレメントの外部に排出することができる。これにより、本発明に係る被濾過液の排出治具は、使用後のフィルタエレメントの内部に残った被濾過液を容易に排出することができる。
本発明に係る被濾過液の排出治具において、好ましくは、前記第2端部は、前記治具本体の少なくとも一部が前記排出口を通して前記内部空間に挿入された状態において前記第2蓋体の内面に当接するとともに、前記流路の外部から前記流路の内部にわたって前記治具本体を貫通した流入口を有することを特徴とする。
前記構成によれば、第2端部は、治具本体の少なくとも一部が排出口を通して内部空間に挿入された状態において第2蓋体の内面に当接する。また、治具本体の第2端部に設けられた流入口は、流路の外部から流路の内部にわたって治具本体を貫通している。そのため、第2蓋体の内面の近傍に存在する被濾過液や、第2蓋体の内面に接触する被濾過液は、より確実に、流入口を通って治具本体の流路に導かれる。すなわち、例えば、フィルタ部が第2蓋体に接着剤で接着され接続される場合において、接着剤の厚さにばらつきが生ずることがある。そうすると、接着剤の厚さに応じて、排出口と第2蓋体の内面との間の距離が変化する。そのため、排出口と第2蓋体の内面との間の距離を管理し、第2蓋体と第2端部との間の隙間を管理することは困難である。これに対して、前記構成では、第2端部は、治具本体の少なくとも一部が排出口を通して内部空間に挿入された状態において第2蓋体の内面に当接する。さらに、第2端部に設けられた流入口は、流路の外部から流路の内部にわたって治具本体を貫通している。そのため、第2蓋体と第2端部との間の隙間を管理しなくとも、第2端部において一定の空間(流入口)を確保することができる。これにより、使用後のフィルタエレメントの内部に残った被濾過液は、より確実に、フィルタエレメントの外部に排出される。
本発明に係る被濾過液の排出治具において、好ましくは、前記流入口は、前記第2端部の開口部に接続されたことを特徴とする。
前記構成によれば、第2端部が第2蓋体の内面に当接した状態において、一定以上の開口面積を有する流入口を確保することができる。これにより、エアがフィルタエレメントの供給口を通して注入室に供給されたときに、フィルタエレメントの内部の圧力が過度に高くなることを抑えることができる。
本発明に係る被濾過液の排出治具において、好ましくは、前記第2端部は、2つの前記流入口を有し、前記2つの流入口は、前記治具本体の長手方向に沿って延びた中心軸に関して対称な位置に設けられたことを特徴とする。
前記構成によれば、2つの流入口は、治具本体の長手方向に沿って延びた中心軸に関して対称な位置に設けられている。つまり、治具本体の長手方向に沿ってみたときに、2つの流入口は、互いに対向する位置に設けられている。これにより、第2蓋体の内面の近傍に存在する被濾過液や、第2蓋体の内面に接触する被濾過液は、互いに対向する位置に設けられた2つの流入口から略均等に治具本体の流路に導かれる。これにより、使用後のフィルタエレメントの内部に残った被濾過液は、より確実に、フィルタエレメントの外部に排出される。
前記課題は、本発明によれば、金属加工機械から排出される被濾過液を濾過するフィルタエレメントと、前記フィルタエレメントの内部に残留した前記被濾過液を前記フィルタエレメントの外部に排出するときに用いられる被濾過液の排出治具と、を備え、前記フィルタエレメントは、前記被濾過液が注入される注入室を包囲するように配置され前記被濾過液を内側から受けて濾過するフィルタ部と、前記フィルタ部の上端部に接続された第1蓋体であって、前記金属加工機械から排出された前記被濾過液を前記注入室に導く供給口と、前記フィルタ部を通過した前記被濾過液を前記フィルタエレメントの外部に導く排出口と、を有する第1蓋体と、前記フィルタ部の下端部に接続された第2蓋体と、前記第1蓋体および前記第2蓋体に接続されるとともに前記フィルタ部を包囲し、前記排出口と連通する内部空間を前記フィルタ部の外側に形成する筐体と、を有し、前記排出治具は、前記被濾過液が流れる流路を内部に有するとともに、少なくとも一部が前記排出口を通して前記内部空間に挿入された状態において前記第1蓋体から前記第2蓋体にわたって延びる筒状の治具本体を有し、前記治具本体の一方の第1端部は、前記治具本体の少なくとも一部が前記排出口を通して前記内部空間に挿入された状態において前記排出口を通して前記フィルタエレメントの外部に位置し、前記治具本体の他方の第2端部は、前記治具本体の少なくとも一部が前記排出口を通して前記内部空間に挿入された状態において前記第2蓋体の近傍に位置し、エアが前記供給口を通して前記注入室に供給されると、前記フィルタエレメントの内部に残留した前記被濾過液は、前記エアの圧力により前記第2端部から前記流路に導かれ、前記第1端部の開口部を通して前記フィルタエレメントの外部に排出されることを特徴とするフィルタエレメント装置により解決される。
前記構成によれば、本発明に係るフィルタエレメント装置は、金属加工機械から排出される被濾過液を濾過するフィルタエレメントと、フィルタエレメントの内部に残留した被濾過液をフィルタエレメントの外部に排出するときに用いられる被濾過液の排出治具と、を備える。フィルタエレメントは、フィルタ部と、第1蓋体と、第2蓋体と、筐体と、を備えた濾過ユニットである。フィルタ部は、被濾過液が注入される注入室を包囲するように配置され、被濾過液を内側から受けて濾過する。つまり、フィルタエレメントは、内圧式のフィルタエレメントである。第1蓋体には、被濾過液を注入室に導く供給口と、フィルタ部を通過した被濾過液をフィルタエレメントの外部に導く排出口と、が設けられている。筐体は、フィルタ部を包囲し、排出口と連通する内部空間をフィルタ部の外側に形成する。
排出治具は、筒状の治具本体を有する。治具本体は、被濾過液が流れる流路を内部に有するとともに、少なくとも一部がフィルタエレメントの排出口を通して内部空間に挿入された状態において第1蓋体から第2蓋体にわたって延びる。つまり、治具本体は、第1蓋体から第2蓋体にわたって延びた長さを有する筒体である。治具本体の一方の第1端部は、治具本体の少なくとも一部がフィルタエレメントの排出口を通して内部空間に挿入された状態において、排出口を通してフィルタエレメントの外部に位置する。治具本体の他方の第2端部は、治具本体の少なくとも一部がフィルタエレメントの排出口を通して内部空間に挿入された状態において、第2蓋体の近傍に位置する。そして、エアがフィルタエレメントの供給口を通して注入室に供給されると、フィルタエレメントの内部に残留した被濾過液は、エアの圧力により第2端部から治具本体の流路に導かれ、第1端部の開口部を通してフィルタエレメントの外部に排出される。
すなわち、治具本体がフィルタエレメントの排出口を通して内部空間に挿入された状態では、治具本体の周囲における排出口は、第2端部と第2蓋体との間の隙間よりも狭い。そのため、エアが注入室に供給されると、フィルタエレメントの内部の圧力が高くなることで、フィルタエレメントの内部に残留した被濾過液は、フィルタ部の上端部に接続された第1蓋体からフィルタ部の下端部に接続された第2蓋体に向かって流れる。そして、第2蓋体に向かって流れた被濾過液は、治具本体の周囲における排出口ではなく、第2端部と第2蓋体との間の隙間を通して第2端部から治具本体の流路に導かれ、第1端部の開口部を通してフィルタエレメントの外部に排出される。
これによれば、フィルタエレメントの内部に残留する被濾過液の量を所定量以下に抑え、フィルタエレメントの内部に残った多量の被濾過液を治具本体の流路を通してフィルタエレメントの外部に排出することができる。これにより、本発明に係るフィルタエレメント装置は、使用後のフィルタエレメントの内部に残った被濾過液を容易に排出することができる。
本発明に係るフィルタエレメント装置において、好ましくは、前記第2端部は、前記治具本体の少なくとも一部が前記排出口を通して前記内部空間に挿入された状態において前記第2蓋体の内面に当接するとともに、前記流路の外部から前記流路の内部にわたって前記治具本体を貫通した流入口を有することを特徴とする。
前記構成によれば、第2端部は、治具本体の少なくとも一部が排出口を通して内部空間に挿入された状態において第2蓋体の内面に当接する。また、治具本体の第2端部に設けられた流入口は、流路の外部から流路の内部にわたって治具本体を貫通している。そのため、第2蓋体の内面の近傍に存在する被濾過液や、第2蓋体の内面に接触する被濾過液は、より確実に、流入口を通って治具本体の流路に導かれる。すなわち、例えば、フィルタ部が第2蓋体に接着剤で接着され接続される場合において、接着剤の厚さにばらつきが生ずることがある。そうすると、接着剤の厚さに応じて、排出口と第2蓋体の内面との間の距離が変化する。そのため、排出口と第2蓋体の内面との間の距離を管理し、第2蓋体と第2端部との間の隙間を管理することは困難である。これに対して、前記構成では、第2端部は、治具本体の少なくとも一部が排出口を通して内部空間に挿入された状態において第2蓋体の内面に当接する。さらに、第2端部に設けられた流入口は、流路の外部から流路の内部にわたって治具本体を貫通している。そのため、第2蓋体と第2端部との間の隙間を管理しなくとも、第2端部において一定の空間(流入口)を確保することができる。これにより、使用後のフィルタエレメントの内部に残った被濾過液は、より確実に、フィルタエレメントの外部に排出される。
本発明に係るフィルタエレメント装置において、好ましくは、前記第2端部の開口部に接続されたことを特徴とする。
前記構成によれば、第2端部が第2蓋体の内面に当接した状態において、一定以上の開口面積を有する流入口を確保することができる。これにより、エアがフィルタエレメントの供給口を通して注入室に供給されたときに、フィルタエレメントの内部の圧力が過度に高くなることを抑えることができる。
本発明に係るフィルタエレメント装置において、好ましくは、前記第2端部は、2つの前記流入口を有し、前記2つの流入口は、前記治具本体の長手方向に沿って延びた中心軸に関して対称な位置に設けられたことを特徴とする。
前記構成によれば、2つの流入口は、治具本体の長手方向に沿って延びた中心軸に関して対称な位置に設けられている。つまり、治具本体の長手方向に沿ってみたときに、2つの流入口は、互いに対向する位置に設けられている。これにより、第2蓋体の内面の近傍に存在する被濾過液や、第2蓋体の内面に接触する被濾過液は、互いに対向する位置に設けられた2つの流入口から略均等に治具本体の流路に導かれる。これにより、使用後のフィルタエレメントの内部に残った被濾過液は、より確実に、フィルタエレメントの外部に排出される。
前記課題は、本発明によれば、金属加工機械から排出される被濾過液を濾過するフィルタエレメントの内部に残留した前記被濾過液を前記フィルタエレメントの外部に排出する被濾過液の排出方法であって、前記フィルタエレメントは、前記被濾過液が注入される注入室を包囲するように配置され前記被濾過液を内側から受けて濾過するフィルタ部と、前記フィルタ部の上端部に接続された第1蓋体であって、前記金属加工機械から排出された前記被濾過液を前記注入室に導く供給口と、前記フィルタ部を通過した前記被濾過液を前記フィルタエレメントの外部に導く排出口と、を有する第1蓋体と、前記フィルタ部の下端部に接続された第2蓋体と、前記第1蓋体および前記第2蓋体に接続されるとともに前記フィルタ部を包囲し、前記排出口と連通する内部空間を前記フィルタ部の外側に形成する筐体と、を備えた濾過ユニットであり、前記被濾過液が流れる流路を内部に有する筒状の治具本体を備えた被濾過液の排出治具の少なくとも一部を前記排出口を通して前記内部空間に挿入する工程と、前記排出治具の少なくとも一部が前記排出口を通して前記内部空間に挿入された状態において、前記治具本体の一方の第1端部を前記排出口を通して前記フィルタエレメントの外部に位置させるとともに、前記治具本体の他方の第2端部を前記第2蓋体の近傍に位置させる工程と、前記供給口を通して前記注入室にエアを供給し、前記フィルタエレメントの内部に残留した前記被濾過液を前記エアの圧力により前記第2端部から前記流路に導き、前記第1端部の開口部を通して前記フィルタエレメントの外部に排出する工程と、を備えたことを特徴とする被濾過液の排出方法により解決される。
前記構成によれば、本発明に係る被濾過液の排出方法は、金属加工機械から排出される被濾過液を濾過するフィルタエレメントの内部に残留した被濾過液をフィルタエレメントの外部に排出する方法である。本発明に係る排出方法が適用されるフィルタエレメントは、フィルタ部と、第1蓋体と、第2蓋体と、筐体と、を備えた濾過ユニットである。フィルタ部は、被濾過液が注入される注入室を包囲するように配置され、被濾過液を内側から受けて濾過する。つまり、本発明に係る排出方法が適用されるフィルタエレメントは、内圧式のフィルタエレメントである。第1蓋体には、被濾過液を注入室に導く供給口と、フィルタ部を通過した被濾過液をフィルタエレメントの外部に導く排出口と、が設けられている。筐体は、フィルタ部を包囲し、排出口と連通する内部空間をフィルタ部の外側に形成する。
本発明に係る被濾過液の排出方法では、まず、被濾過液が流れる流路を内部に有する筒状の治具本体を備えた被濾過液の排出治具の少なくとも一部を、第1蓋体に設けられた排出口を通してフィルタエレメントの内部空間に挿入する工程を実行する。続いて、排出治具の少なくとも一部が排出口を通して内部空間に挿入された状態において、治具本体の一方の第1端部を排出口を通してフィルタエレメントの外部に位置させるとともに、治具本体の他方の第2端部を第2蓋体の近傍に位置させる工程を実行する。続いて、供給口を通して注入室にエアを供給し、フィルタエレメントの内部に残留した被濾過液をエアの圧力により第2端部から治具本体の流路に導き、第1端部の開口部を通してフィルタエレメントの外部に排出する工程を実行する。
すなわち、被濾過液の排出治具の少なくとも一部を排出口を通してフィルタエレメントの内部空間に挿入する工程、および治具本体の一方の第1端部を排出口を通してフィルタエレメントの外部に位置させるとともに、治具本体の他方の第2端部を第2蓋体の近傍に位置させる工程により、治具本体の周囲における排出口は、第2端部と第2蓋体との間の隙間よりも狭くなる。そのため、フィルタエレメントの内部に残留した被濾過液をフィルタエレメントの外部に排出する工程において、エアが注入室に供給されると、フィルタエレメントの内部の圧力が高くなることで、フィルタエレメントの内部に残留した被濾過液は、フィルタ部の上端部に接続された第1蓋体からフィルタ部の下端部に接続された第2蓋体に向かって流れる。そして、第2蓋体に向かって流れた被濾過液は、治具本体の周囲における排出口ではなく、第2端部と第2蓋体との間の隙間を通して第2端部から治具本体の流路に導かれ、第1端部の開口部を通してフィルタエレメントの外部に排出される。
これによれば、フィルタエレメントの内部に残留する被濾過液の量を所定量以下に抑え、フィルタエレメントの内部に残った多量の被濾過液を治具本体の流路を通してフィルタエレメントの外部に排出することができる。これにより、本発明に係る被濾過液の排出方法は、使用後のフィルタエレメントの内部に残った被濾過液を容易に排出することができる。
本発明によれば、使用後のフィルタエレメントの内部に残った被濾過液を容易に排出することができる被濾過液の排出治具、フィルタエレメント装置、および被濾過液の排出方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係るフィルタエレメント装置を表す斜視図である。 図1に表した切断面A−Aにおける断面図である。 図1に表した切断面A−Aにおける断面図である。 図3に表した切断面B−Bにおける断面図である。 本実施形態に係る被濾過液の排出治具を表す平面図である。 図5に表した領域A11における拡大図である。 図6に表した切断面C−Cにおける断面図である。 本実施形態に係るフィルタエレメントを備えた濾過装置を表す平面図である。 図8に表した矢印A2の方向からみたときの濾過装置を表す平面図である。 図8に表した矢印A3の方向からみたときの濾過装置を表す平面図である。 本実施形態に係る被濾過液の排出方法を説明するフローチャートである。
以下に、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して詳しく説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施形態に係るフィルタエレメント装置を表す斜視図である。
図2および図3は、図1に表した切断面A−Aにおける断面図である。
図4は、図3に表した切断面B−Bにおける断面図である。
なお、図1では、説明の便宜上、筐体40の側面の一部が切り欠いて図示されている。また、図2は、本発明の実施形態に係る被濾過液の排出治具が筐体40の内部空間S2に挿入される前の状態を表す断面図である。図3は、本実施形態に係る被濾過液の排出治具が筐体40の内部空間S2に挿入された後の状態を表す断面図である。
本実施形態に係るフィルタエレメント装置100は、フィルタエレメント10と、被濾過液の排出治具110と、を備える。フィルタエレメント10は、金属加工機械から排出された被濾過液を濾過するものであり、フィルタ装置や濾過ユニット等とも呼ばれる。被濾過液は、すなわち、濾過対象液である。フィルタエレメント10により濾過される被濾過液は、フィルタエレメント10と金属加工機械との間で循環して使用される(例えば図8参照)。例えば、被濾過液は、ワイヤ放電加工機等で加工に用いられる加工液や、工作機械で加工に用いられる切削油等である。本実施形態では、被濾過液がワイヤ放電加工機の加工液である場合を例に挙げて説明する。被濾過液の排出治具110は、フィルタエレメント10の内部に残留した被濾過液をフィルタエレメント10の外部に排出するときに用いられる。
まず、本実施形態のフィルタエレメント10を説明する。図1に表したように、フィルタエレメント10は、略円柱状を呈する。図1〜図3に表したフィルタエレメント10の例では、直径φ1が約300mmであり、高さH1が約280mmである。フィルタエレメント10は、比較的小型とされ、回動可能な取っ手13を有する、これにより、フィルタエレメント10の使用者やメンテナンス事業者等は、フィルタエレメント10を片手で容易に持ち運ぶことができる。
図2〜図4に表したように、フィルタエレメント10は、フィルタ部20と、蓋体30と、筐体40と、を有する。
フィルタ部20は、被濾過液が注入される注入室12を包囲するように配置され、被濾過液を内側から受けて濾過する。注入室12は、濾過処理前の被濾過液が外部のポンプ(不図示)により注入される空間であり、全体的に略円柱状とされ、フィルタ部20の中央部に配置されている。図2および図3に表した矢印F1のように、注入室12に注入された被濾過液は、注入室12からフィルタ部20に向かって流れる。なお、本実施形態の注入室12の容積は、フィルタエレメント10全体の容積の約19〜20%とされている。注入室12は、蓋体30により封止されている。そのため、注入室12に注入された被濾過液がフィルタエレメント10の外部の漏れることは、防止される。
フィルタ部20は、フィルタ23を有する。フィルタ23は、全体的に円筒状を呈する。具体的には、フィルタ23は、環状体として設けられている。図4に表したように、フィルタ23の周側面は、襞状あるいはプリーツ状などと呼ばれる形状に連続して折られており、多数の襞状部24を有している。襞状部24は、プリーツライン24aが高さH1方向に沿うように折り曲げ加工されている。このようなフィルタ23は、プリーツフィルタなどとも呼ばれる。互いに隣接する襞状部24同士の間には、空間S1が形成されている。本実施形態のフィルタ23では、空間S1の体積は、いずれの領域においても略同じである。
フィルタ23としては、パルプを主原料とした濾紙が好適に用いられる。フィルタ23の破裂強度は、例えば245kPa以下である。フィルタ23の濾過精度は、濾紙の中では極めて高い約0.5μmである。これにより、本実施形態のフィルタ23は、高精度な濾過を行うことができる。このような高精度な濾紙が用いられたフィルタ23については、フィルタエレメント10からフィルタ23を取り出して洗浄することは困難である。そのため、本実施形態のフィルタ23は、原則として使い捨て部材として使用され、フィルタエレメント10を分解して新品に交換される。なお、本実施形態のフィルタ23は、以上の構成に限られるものではなく、例えば、凹凸加工が濾紙表面に施されたものや、湿潤強化がなされたものであってもよい。また、フィルタ23としては、不織布が用いられてもよい。
蓋体30は、金属製であり、エンドプレートなどとも呼ばれ、図2および図3に表したように、フィルタ23の上端部23bおよびフィルタ23の下端部23cと接着剤で接着されている。蓋体30とフィルタ23とを互いに接着する接着剤としては、水に浸漬しても接着力が低下せず、かつ、加熱等により剥離可能なエポキシ樹脂系等の接着剤が挙げられる。これにより、蓋体30とフィルタ23との間の隙間が塞がれている。また、蓋体30は、注入室12およびフィルタ部20(図4に表した空間S1を含む)を覆っている。さらに、蓋体30は、注入室12およびフィルタ部20(図4表した空間S1を含む)を覆うだけではなく、半径方向に延伸して、内部空間S2も覆っている。換言すれば、蓋体30は、図1〜図3に表したように、筐体40の上側の開口部全体、筐体40の下側の開口部全体を覆っている。
蓋体30は、上蓋31と、下蓋32と、を有する。上蓋31は、フィルタ23の上端部23bと接着剤で接着され接続されている。下蓋32は、フィルタ23の下端部23cと接着剤で接着され接続されている。本実施形態のフィルタエレメント10では、蓋体30とフィルタ23とを互いに接着する接着剤は、蓋体30の一部に含まれる。すなわち、上蓋31とフィルタ23の上端部23bとを互いに接着する接着剤は、上蓋31の一部に含まれる。また、下蓋32とフィルタ23の下端部23cとを互いに接着する接着剤は、下蓋32の一部に含まれる。本実施形態の上蓋31は、本発明の第1蓋体の一例である。本実施形態の下蓋32は、本発明の第2蓋体の一例である。
上蓋31は、注入室12に被濾過液を導く供給口14と、フィルタ部20を通過した被濾過液をフィルタエレメント10の外部に導く排出口18と、を有する。供給口14は、カプラ(流体継手)33の中心軸CL1に沿って貫通した貫通孔であり、内側領域S3と直接的に連通している。内側領域S3の詳細については、後述する。カプラ33の中心軸CL1は、筐体40の中心軸CL2と略合致している。カプラ33は、上蓋31を貫通しており、ナット34で留められている。排出口18は、カプラ(流体継手)35の中心軸CL3に沿って貫通した貫通孔であり、内部空間S2と直接的に連通している。カプラ35は、内部空間S2に対応した上蓋31の周縁部の位置で貫通しており、ナット36で留められている。排出口18の直径φ2および供給口の直径φ3のそれぞれは、約20mmである。
上蓋31および下蓋32は、筐体40から分解可能とされている。フィルタエレメント10の使用者やメンテナンス事業者等は、上蓋31および下蓋32の少なくともいずれかを筐体40から分解することにより、フィルタ23等を交換することができる。なお、本実施形態のフィルタエレメント10では、上蓋31および下蓋32は、互いに別部材として設けられ、筐体40から分解可能とされているが、これだけには限定されない。例えば、上蓋31および下蓋32のいずれか一方が筐体40とは別部材として設けられ、上蓋31および下蓋32のいずれか他方が筐体40と一体的に形成されていてもよい。この場合には、上蓋31および下蓋32のいずれか一方が筐体40から分解可能とされる。
筐体40は、金属製であり、蓋体30に接続されて注入室12およびフィルタ部20を封止するハウジングである。フィルタ部20は、筐体40および蓋体30により囲まれた空間に収容されている。図2および図3に表したように、筐体40は、外周側面40bにおいて箱状の蓋体30の内側側面30aに接着されている。筐体40の外周側面40bと蓋体30の内側側面30aとを互いに接着する接着剤としては、接着性、分解性および防水性などを考慮して、エポキシ樹脂系等の接着剤が挙げられる。
図1および図4に表したように、筐体40の周側面には、孔などは設けられていない。図4に表したように、筐体40は、円筒状を呈し、フィルタ部20を包囲してフィルタ部20の外周側面に沿って内部空間S2を形成する。すなわち、図4に表したように、筐体40の内面40aとフィルタ部20の外周側面との間には、フィルタ部20の全周囲にわたって内部空間S2が設けられている。これにより、フィルタ部20を通過した被濾過液(濾過処理後の加工液)は、内部空間S2に一旦溜まることになる。
図4に表したように、本実施形態のフィルタエレメント10では、筐体40の内面40aとフィルタ部20の外周側面との間の間隔Wは、一定ではなく、内部空間S2のうちで排出口18から最も離れた領域S2−1において最も小さく、領域S2−1から排出口18が設けられた領域S2−2に向かうに従って除々に大きくなる。但し、筐体40の内面40aとフィルタ部20の外周側面との間の間隔Wは、これだけには限定されず、一定であってもよい。
また、本実施形態のフィルタエレメント10では、フィルタ23を通過した後の被濾過液の流れを円滑にして、外部のポンプの負担を抑えるために、次の種々の手段が用いられている。すなわち、フィルタ部20は、フィルタ23の外周側に設けられた円筒状の仕切り板26を有する。仕切り板26は、内部空間S2と、フィルタ23が設けられた空間と、を仕切っている。仕切り板26は、金属製であり、フィルタ23で乱れた被濾過液の流れを、内部空間S2内において整流するための部材である。
仕切り板26は、複数の貫通孔26aを有する。貫通孔26aは、仕切り板26の厚み方向を貫通する孔である。図4に表した矢印F2に表したように、注入室12に供給されフィルタ部20を通過した被濾過液(濾過処理後の加工液)は、仕切り板26の貫通孔26aを通過し内部空間S2側に向かって噴出する。図1〜図4に表したように、複数の貫通孔26aは、仕切り板26の周側面に万遍なく形成され、仕切り板26の周側面の全面に千鳥状に配列されている。これにより、仕切り板26は、偏ることなく一様に被濾過液を内部空間S2に噴出させる。一つの貫通孔26aの直径は、約6mmである。複数の貫通孔26aの合計面積は、仕切り板26の面積の約半分程度(約51%)とされている。
また、仕切り板26は、被濾過液の流れ(図1および図4に表した矢印F2参照)を水平方向にガイドする流路部26bを有する。流路部26bは、貫通孔26aを除く仕切り板26の周側面により形成されている。仕切り板26は、平面視おいて、円筒状の筐体40と相似形である。これにより、内部空間S2に凸凹部分が生ずることを抑え、被濾過液の流れを整えることができる。
仕切り板26を含むフィルタ部20は、筐体40の中心軸CL2に対して排出口18とは反対側に偏心して配置されている。すなわち、仕切り板26と筐体40とは、平面視おいて相似形の円形状である。そのため、図4に表したように、仕切り板26の外面と筐体40の内面との間隔Wは、内部空間S2のうち排出口18から最も離れた領域S2−1において最も小さく、領域S2−1から排出口18が設けられた領域S2−2に向かうに従って除々に大きくなる。これにより、内部空間S2の内圧は、相対的に狭い空間の領域S2−1において相対的に高く、領域S2−2に向かうに従って徐々に低くなる。そのため、内部空間S2内の被濾過液については、領域S2−1から排出口18側の領域S2−2に向かう流れ(図1および図4に表した矢印F2参照)を作り出すことができる。
なお、前述したように、仕切り板26を含むフィルタ部20は、筐体40の中心軸CL2に対して必ずしも偏心していなくともよい。例えば、仕切り板26を含むフィルタ部20の中心軸は、筐体40の中心軸CL2に合致していてもよい。
また、本実施形態のフィルタエレメント10では、筐体40内に加えられた圧力により蓋体30が筐体40から外れたり、蓋体30とフィルタ部20との間に隙間が生じたりすることを抑えるために、次の種々の手段が用いられている。すなわち、上蓋31と下蓋32とを連結する連結体50が、注入室12に収容されている。連結体50は、上蓋31および下蓋32が筐体40から外れることを抑える。連結体50は、単に上蓋31と下蓋32を連結するだけではなく、濾過が可能なフィルタとして設けられている。フィルタ部20は、第1フィルタ部の一例である。第1フィルタ部より内側の連結体50は、第2フィルタ部の一例である。
連結体50は、全体として円筒状を呈する。連結体50の上端部および連結体50の下端部は、接着性や分解性を考慮して、接着剤で蓋体30に接着されている。連結体50と蓋体30とを互いに接着する接着剤としては、蓋体30とフィルタ23とを互いに接着する接着剤と同様のエポキシ樹脂系等の接着剤が挙げられる。連結体50は、平面視において筐体40の中心部に配置されている。つまり、連結体50の中心軸は、筐体40の中心軸CL2と略合致している。連結体50の内側領域S3は、供給口14に対応して配置されている。図2および図3に表したように、供給口14を有するカプラ33は、連結体50の内側領域S3に飛び出すように上蓋31に接続されている。そのため、供給口14を通して筐体40の内部に供給された被濾過液は、まず、内側領域S3に注入される。
連結体50は、フィルタ部20のフィルタ23と同様のプリーツフィルタである。連結体50は、フィルタ部20のフィルタ23と比べて、引張強度が大きく、かつ、目の粗いフィルタからなっている。
本実施形態の連結体50は、不織布のフィルタである。例えば、連結体50に用いられる不織布は、ポリエステル樹脂等をスパンボンド法で溶出・紡績して長い合成繊維を形成し、合成繊維の長さ方向と、上蓋31と下蓋32とを結ぶ方向(図2および図3における上下方向)と、を可能な限り対応させ、多数の合成繊維を熱溶着して形成される。このような不織布は、比較的大きい引張強度を有する。このような不織布としては、例えば東レ株式会社のアクスター(商標)等が挙げられる。連結体50のフィルタの濾過精度は、約10μmであり、フィルタ部20のフィルタ23の濾過精度0.5μmの約20分の1である。連結体50は、比較的大きい引張強度を有するため、内側領域S3がフィルタエレメント10の内部のうちで圧力の最も高い領域であっても、上蓋31と下蓋32との連結状態を維持できる。また、連結体50は、目の粗さにより、圧力により受ける影響を軽減することができ、変形および変形に伴う蓋体30の外れを防止できる。
連結体50の内側には、円筒状の金属体52が配設されている。金属体52は、厚み方向に貫通した複数の開口部37を有しており、被濾過液を内側領域S3から開口部37を通して連結体50に向かって噴出させている。開口部37は、被濾過液の整流が可能なように、仕切り板26と同様に全面に一様に形成されている。金属体52は、上下端部において上蓋31および下蓋32と接着剤で接続され、内側領域S3がフィルタエレメント10の内部のうちで圧力の最も高い領域であっても、上蓋31と下蓋32とを確実に連結することができる。すなわち、本実施形態では、上蓋31と下蓋32との連結は、分解可能な限りにおいて、フィルタ部20、連結体50、金属体52および筐体40の上下端部と蓋体30と間における接着剤を用いた接着により行われている。
金属体52と連結体50との間には、間隔W4の空間が設けられている。金属体52と連結体50との間の空間は、金属体52の開口部37から噴出する被濾過液の流れの勢いによる影響を抑えることができる。具体的には、金属体52と連結体50との間の空間は、金属体52の開口部37から噴出する被濾過液の流れから連結体50が受ける圧力を抑え、フィルタとしての連結体50が破損することを抑えることができる。
図4に表したように、連結体50は、圧力解放部55を有する。図4に表した例では、圧力解放部55は、連結体50の不織布に形成された切れ目または切り欠きであり、領域S2−1と領域S2−2とを結ぶ仮想線GLと直交する方向に沿って2箇所に配置されている。圧力解放部55は、連結体50の内側の圧力を連結体50の外側に逃がし、連結体50の変形および連結体50の変形に伴う蓋体30の外れをより確実に防止できる。
フィルタとしての連結体50の折り曲げ加工を行う際の曲げ角度θ2は、フィルタ部20のフィルタ23の折り曲げ加工を行う際の曲げ角度θ1よりも小さい。これにより、連結体50を密なフィルタとして形成し、連結体50により拿捕した夾雑物を逃がし難くすることができる。また、より高い強度のフィルタとして連結体50を形成することができる。
次に、本実施形態のフィルタエレメント10における被濾過液の流れを、図面を参照して説明する。
まず、金属加工機械から排出された被濾過液は、外部のポンプにより供給口14を通して連結体50の内側領域S3に導かれる。外部のポンプが供給口14を通して連結体50の内側領域S3に被濾過液を供給し続けると、内側領域S3の内圧が高くなっていく。そうすると、内側領域S3に導かれた被濾過液は、金属体52の開口部37を通してフィルタとしての連結体50に導かれる。連結体50に導かれた被濾過液は、フィルタとしての連結体50を通過することにより濾過される。つまり、被濾過液が連結体50を通過することにより、被濾過液の濾過処理が実行される。連結体50を通過した被濾過液は、図2および図3に表した矢印F1のように、注入室12のうちの連結体50の外側の空間からフィルタ部20に向かって流れ、フィルタ部20のフィルタ23により濾過される。つまり、被濾過液がフィルタ23を通過することにより、被濾過液の濾過処理がさらに実行される。フィルタ部20を通過した被濾過液は、仕切り板26の貫通孔26aを通して内部空間S2に導かれ、内部空間S2に一旦溜まる。内部空間S2に一旦溜まった被濾過液は、排出口18を通してフィルタエレメント10の外部に排出される。
このように、本実施形態のフィルタエレメント10は、いわゆる内圧式のフィルタエレメントであり、外部のポンプにより被濾過液(濾過処理前の加工液)を注入室12に注入し続けることで注入室12の内圧を高め、フィルタとしての連結体50およびフィルタ部20のフィルタ23を通過させることにより被濾過液を濾過している。そして、本実施形態のフィルタエレメント10は、外部のポンプにより被濾過液(濾過処理前の加工液)を注入室12に注入し続けることにより、内部空間S2に一旦溜まった被濾過液を排出口18を通してフィルタエレメント10の外部に排出している。
本実施形態のフィルタエレメント10によれば、内圧式のフィルタエレメントであっても、濾過処理後の加工液等を溜める清浄液槽や、清浄液槽に溜められた濾過処理後の加工液等を金属加工機械に供給するための専用のポンプを不要とすることができる。
ここで、フィルタとしての連結体50やフィルタ23には、寿命がある。すなわち、以下の説明においてフィルタ23を例に挙げると、フィルタ23は、加工後の加工液を濾過し、加工後の加工液に含まれるスラッジ等の夾雑物を被濾過液から除去する。そのため、加工後の加工液に含まれていた夾雑物がフィルタ23に溜まると、フィルタ23が本来の機能を発揮できなくなる。そのため、フィルタ23には寿命がある。例えば、フィルタエレメント10の使用者やメンテナンス事業者等は、フィルタ23が収容された筐体40内の圧力を管理することにより、フィルタ23の寿命や交換時期を把握することができる。
前述したように、フィルタ23は、原則として使い捨て部材として使用される。そのため、フィルタエレメント10の使用者やメンテナンス事業者等は、フィルタ23に寿命がくると、濾過装置60(図8参照)を停止し、フィルタエレメント10を分解して使用後のフィルタ23を新品のフィルタ23に交換する。このとき、濾過処理前および濾過処理後の加工液がフィルタエレメント10の筐体40内に残っていることがある。例えば、約20リットル程度の加工液がフィルタエレメント10の筐体40内に残ることがある。加工液がフィルタエレメントの筐体内に残ったままの状態では、フィルタエレメントは、比較的重い。そのため、加工液がフィルタエレメントの筐体内に残ったままの状態では、フィルタの交換作業や使用後のフィルタエレメントの搬送作業にかかる負担が大きい。
すなわち、フィルタエレメントを持ち上げ、筐体内の加工液を排出口から排出し、フィルタエレメントを軽くする場合には、フィルタエレメントを持ち上げる作業における身体的負担が比較的大きい。また、供給口から筐体内にエアを噴き入れ、筐体内に残った加工液を排出口から排出し、フィルタエレメントを軽くする場合であっても、エアが供給口から排出口へ直接的に流れ、所定量以上の加工液が筐体内に残留する場合がある。このように、使用後のフィルタエレメントの筐体内に残った被濾過液を排出し、フィルタエレメントを軽くする作業には、身体的負担が発生したり、困難が生じたりすることがある。
これに対して、本実施形態に係るフィルタエレメント装置100は、フィルタエレメント10の内部に残留した被濾過液をフィルタエレメント10の外部に排出するときに用いられる被濾過液の排出治具110を備える。図1に表した矢印A1のように、フィルタエレメント10の使用者やメンテナンス事業者等は、フィルタエレメント10の内部に残留した被濾過液をフィルタエレメント10の外部に排出する際には、排出治具110を排出口18を通して内部空間S2に挿入する。
被濾過液の排出治具110は、被濾過液が流れる流路112(図5参照)を内部に有する筒状の治具であり、図3に表したように、排出治具110が内部空間S2に挿入された状態において上蓋31から下蓋32にわたって延びている。具体的には、図3および図4に表したように、排出治具110が内部空間S2に挿入された状態では、排出治具110の一方の第1端部113は、排出口18を通してフィルタエレメント10の外部に位置する。また、排出治具110が内部空間S2に挿入された状態では、排出治具110の他方の第2端部115は、下蓋32の近傍に位置する。具体的には、本実施形態では、排出治具110の他方の第2端部115は、下蓋32の内面32aに当接する。ここで、前述したように、下蓋32とフィルタ23の下端部23cとを互いに接着する接着剤は、下蓋32の一部に含まれる。そのため、本実施形態において、「下蓋32の内面32aに当接する」という範囲には、「下蓋32とフィルタ23の下端部23cとを互いに接着する接着剤を介して下蓋32の内面32aに当接する」ことが含まれる。第2端部115は、流路112の外部と流路112の内部とを接続する流入口116を有する。
図3および図4に表したように、排出治具110が内部空間S2に挿入された状態において、エアが供給口14を通して注入室12に供給されると、フィルタエレメント10の内部に残留した被濾過液は、エアの圧力により排出治具110の流入口116を通して排出治具110の流路112に導かれ、第1端部113の開口部114を通してフィルタエレメント10の外部に排出される。
すなわち、排出治具110の外径は、排出口18の直径φ2よりもわずかに小さい。そのため、排出治具110がフィルタエレメント10の排出口18を通して内部空間S2に挿入された状態では、排出治具110の外面とカプラ35の内面との間の隙間、すなわち排出治具110の周囲における排出口18は、第2端部115と下蓋32との間の隙間よりも狭い。ここで、本願明細書において、「第2端部115と下蓋32との間の隙間」の範囲には、第2端部115の末端と下蓋32の内面32aとの間に生じた隙間だけではなく、第2端部115に設けられた空間(本実施形態では流入口116)が含まれるものとする。そのため、エアが注入室12に供給されると、フィルタエレメント10の内部の圧力が高くなることで、フィルタエレメント10の内部に残留した被濾過液は、フィルタ23の上端部23bに接続された上蓋31からフィルタ23の下端部23cに接続された下蓋32に向かって流れる。そして、下蓋32に向かって流れた被濾過液は、排出治具110の周囲における排出口18ではなく、第2端部115と下蓋32との間の隙間を通して第2端部115から流路112に導かれ、第1端部113の開口部114を通してフィルタエレメント10の外部に排出される。
本実施形態に係るフィルタエレメント装置100によれば、フィルタエレメント10の内部に残留する被濾過液の量を所定量以下に抑え、フィルタエレメント10の内部に残った多量の被濾過液を排出治具110の流路112を通してフィルタエレメント10の外部に排出することができる。これにより、本実施形態に係る被濾過液の排出治具110は、使用後のフィルタエレメント10の内部に残った被濾過液を容易に排出することができる。
次に、本実施形態に係る被濾過液の排出治具110を、図面を参照してさらに説明する。
図5は、本実施形態に係る被濾過液の排出治具を表す平面図である。
図6は、図5に表した領域A11における拡大図である。
図7は、図6に表した切断面C−Cにおける断面図である。
本実施形態に係る被濾過液の排出治具110は、筒状の治具本体111を備える。治具本体111は、被濾過液が流れる流路112を内部に有する。流路112は、第1端部113から第2端部115にわたって治具本体111を貫通している。すなわち、第1端部113の末端は、開口部114として開口している。また、第2端部115の末端は、開口部117として開口している。これにより、第1端部113の開口部114および第2端部115の開口部117のいずれか一方から流路112の内部に流れた被濾過液は、第1端部113の開口部114および第2端部115の開口部117のいずれか他方から流路112の外部に流れることができる。
本願明細書において、「端部」とは、排出治具の末端だけでなく、排出治具の末端の近傍部分、すなわち排出治具の末端から排出治具の長手方向の中央部に向かった所定の長さの部分を含むものとする。
治具本体111は、少なくとも一部が排出口18を通して内部空間S2に挿入された状態において、上蓋31から下蓋32にわたって延びている。治具本体111の長手方向の長さL1は、フィルタエレメント10の高さH1よりも長い。そのため、治具本体111の少なくとも一部が排出口18を通して内部空間S2に挿入された状態において、第2端部115が下蓋32の内面32aに当接すると、第1端部113は、排出口18を通してフィルタエレメント10の外部に位置する。
第2端部115は、流路112の外部と流路112の内部とを接続する流入口116を有する。図6に表したように、流入口116は、流路112の外部から流路112の内部にわたって治具本体111を貫通し、第2端部115の開口部117に接続されている。つまり、流入口116は、第2端部の開口部117に繋がっている。但し、流入口116は、第2端部115に設けられている限りにおいて、必ずしも第2端部115の開口部117に接続されていなくともよい。
図5〜図7に表した排出治具110の例では、第2端部115は、2つの流入口116を有する。図7に表したように、2つの流入口116は、治具本体111の長手方向に沿って延びた中心軸CL4に関して対称な位置に設けられている。但し、流入口116の設置数は、2つには限定されず、1つであってもよく、3つ以上であってもよい。
治具本体111の材料は、金属であってもよく、樹脂であってもよい。例えば、治具本体111の材料としては、ステンレス鋼(SUS)を含む材料が挙げられる。
図1〜図4に関して前述したように、排出治具110の外径すなわち治具本体111の外径は、排出口18の直径φ2よりもわずかに小さい。言い換えれば、排出口18の直径φ2は、治具本体111の外径よりもわずかに大きい。そのため、エアが注入室12に供給されると、下蓋32に向かって流れた被濾過液は、治具本体111の周囲における排出口18ではなく、第2端部115に設けられた流入口116を通過し治具本体111の流路112に導かれる。このとき、第2端部115が下蓋32の内面32aに当接するとともに、流入口116が第2端部115に設けられているため、下蓋32の内面32aの近傍に存在する被濾過液や、下蓋32の内面32aに接触する被濾過液は、より確実に、流入口116を通って治具本体111の流路112に導かれる。すなわち、下蓋32とフィルタ23の下端部23cとを互いに接着する接着剤の厚さに、ばらつきが生ずることがある。そうすると、接着剤の厚さに応じて、排出口18と下蓋32の内面32a(接着剤を含む)との間の距離が変化する。そのため、排出口18と下蓋32の内面32a(接着剤を含む)との間の距離を管理し、下蓋32と第2端部115との間の隙間を管理することは困難である。これに対して、本実施形態に係る被濾過液の排出治具110では、第2端部115は、治具本体111の少なくとも一部が排出口18を通して内部空間S2に挿入された状態において下蓋32の内面32aに当接する。さらに、第2端部115に設けられた流入口116は、流路112の外部から流路112の内部にわたって治具本111体を貫通している。そのため、下蓋32と第2端部115との間の隙間を管理しなくとも、第2端部115において一定の空間(流入口116)を確保することができる。これにより、使用後のフィルタエレメント10の内部に残った被濾過液は、より確実に、フィルタエレメント10の外部に排出される。
また、流入口116が第2端部115の開口部117に接続されているため、第2端部115が下蓋32の内面32aに当接した状態において、一定以上の開口面積を有する流入口116を確保することができる。これにより、エアが供給口14を通して注入室12に供給されたときに、フィルタエレメント10の内部の圧力が過度に高くなることを抑えることができる。
また、前述したように、2つの流入口116は、治具本体111の中心軸CL4に関して対称な位置に設けられている。つまり、治具本体111の長手方向に沿ってみたときに、2つの流入口116は、互いに対向する位置に設けられている。これにより、下蓋32の内面32aの近傍に存在する被濾過液や、下蓋32の内面32aに接触する被濾過液は、互いに対向する位置に設けられた2つの流入口116から略均等に治具本体111の流路112に導かれる。これにより、使用後のフィルタエレメント10の内部に残った被濾過液は、より確実に、フィルタエレメント10の外部に排出される。
次に、本実施形態に係るフィルタエレメント装置100を備えた濾過装置を、図面を参照して説明する。
図8は、本実施形態に係るフィルタエレメントを備えた濾過装置を表す平面図である。
図9は、図8に表した矢印A2の方向からみたときの濾過装置を表す平面図である。
図10は、図8に表した矢印A3の方向からみたときの濾過装置を表す平面図である。
なお、図8では、説明の便宜上、濾過装置60に接続された金属加工機械70および汚濁液槽80が概略図として表されている。
図8〜図10に表した濾過装置60は、台車62と、台車62に搭載されたフィルタエレメント装置100と、ポンプ64と、を備える。
台車62は、使用者やメンテナンス事業者等が台車62を押して動かすための取っ手81と、キャスタ66と、を有し、搬送可能とされている。また、台車62は、例えば搬送された後において、フロアロック77(図9参照)により設置面に対して固定可能とされている。図8に表したように、台車62は、棚部68を有することで2段構造を有しており、棚部68の上に複数のフィルタエレメント装置100を搭載している。図8〜図10に表した濾過装置60では、2台のフィルタエレメント装置100が台車62の棚部68に搭載されている。図8〜図10では、説明の便宜上、2台のフィルタエレメント装置100のいずれか一方がフィルタエレメント装置100−1として表され、2台のフィルタエレメント装置100のいずれか他方がフィルタエレメント装置100−2として表されている。また、2台のフィルタエレメント10のいずれか一方がフィルタエレメント10−1として表され、2台のフィルタエレメント10のいずれか他方がフィルタエレメント10−2として表されている。フィルタエレメント装置100は、台車62の枠体72に挟まれて固定されている。
棚部68の下には、比較的大きい重量のポンプ64および電源部65が搭載されている。ポンプ64は、電源部65から供給される電力により駆動可能となっている。本実施形態の濾過装置60では、1台のポンプ64が設けられている。例えば、ポンプ64としては、吸引量40L/min、吸引圧力3MPa、およびモータ容量0.75kWの真空ポンプが用いられている。ポンプ64には、圧力スイッチ74が接続されている。圧力スイッチ74は、圧力が所要値未満になるとスイッチをオン(ON)に設定してポンプ64を駆動させ、圧力が所要値以上になるとスイッチをオフ(OFF)に設定してポンプ64を停止させる。これにより、フィルタエレメント10の破壊(蓋体30の外れ等)を防止している。所要圧力は、設定変更可能とされており、本実施形態の場合には2.2MPaに設定されている。
ポンプ64の上流側には、ジョイント部75を介してフレキシブルホース76が接続されている。フレキシブルホース76の上流側には、可撓性のない硬質パイプ(不図示)が接続されている。硬質パイプの先端は、汚濁液槽80に挿入されている。金属加工機械70から流れてきた夾雑物を含む被濾過液RKは、汚濁液槽80に一旦溜められ、硬質パイプに吸入される。つまり、汚濁液槽80内の被濾過液RKは、ポンプ64によって、硬質パイプ(不図示)およびフレキシブルホース76を通じて吸い込まれ、2台のフィルタエレメント10に送られる。
具体的には、フレキシブルホース76は、ジョイント部75を介して配管82に接続されている。図9に表したように、配管82は、ポンプ64および圧力スイッチ74よりも下流側において2つの配管83、84に分岐されている。配管83は、フィルタエレメント10−2の供給口14に接続されている。配管84は、フィルタエレメント10−1の供給口14に接続されている。2つの配管83、84のそれぞれは、フレキシブルチューブ67を介して供給口14に対して着脱可能に接続されている。
2つの配管83、84のそれぞれには、圧力計90が設けられている。圧力計90は、配管83、84内の圧力を監視している。すなわち、フィルタエレメント10のフィルタ23にスラッジ等の夾雑物が溜まると、フィルタエレメント10の内部の圧力が高まる。使用者やメンテナンス事業者等は、圧力計90を管理することにより、フィルタ23の寿命や交換時期を把握できる。
各圧力計90の上流側には、バルブ92が設けられている。例えば、使用者やメンテナンス事業者等は、圧力計90が故障した際にバルブ92を閉めることにより各配管83、84内での被濾過液の流れを止め、濾過装置60の全体を止めることなく故障した圧力計90のみを交換することができる。また、バルブ92は、フィルタエレメント10に供給される被濾過液の流量を調整できる。
図10に表したように、フィルタエレメント10で濾過処理された被濾過液は、上蓋31の排出口18に着脱可能に接続されたフレキシブルチューブ96を流れ、フィルタエレメント10の外部に排出される。2本のフレキシブルチューブ96、96は、1本の配管98に接続されている。そのため、2本のフレキシブルチューブ96、96を流れた濾過処理後の被濾過液は、配管98において合流する。配管98を流れた被濾過液は、配管98に対して着脱可能に接続されたジョイント部75を介してフレキシブルチューブ99を流れ、金属加工機械70に戻される。
使用者やメンテナンス事業者等は、圧力計90を管理し、フィルタ23の寿命や交換時期が来たことを確認すると、電源部65を停止させる。これにより、ポンプ64の駆動が停止し、フィルタエレメント10に向かう被濾過液の流れが停止する。また、使用者やメンテナンス事業者等は、バルブ92を閉め、供給口14が設けられたカプラ33からフレキシブルチューブ67を取り外す。このとき、バルブ92が閉じているため、被濾過液がフレキシブルチューブ67から漏れることを抑えることができる。続いて、使用者やメンテナンス事業者等は、調整弁および圧力計が付設されたエア注入用の治具を供給口14が設けられたカプラ33に取り付ける。これにより、例えば、濾過装置60が設置された工場のエア配管を通して供給されるエアを、圧力を調整(例えば減圧)した状態でフィルタエレメント10の供給口14を通して注入室12に供給することが可能になる。
続いて、使用者やメンテナンス事業者等は、排出口18が設けられたカプラ35からフレキシブルチューブ96を外す。続いて、図8〜図10に表したように、使用者やメンテナンス事業者等は、被濾過液の排出治具110を排出口18を通して内部空間S2(図3参照)に挿入し、フレキシブルチューブ96を排出口18が設けられたカプラ35に再び取り付ける。そして、使用者やメンテナンス事業者等は、エア注入用の治具および供給口14を通してエアを注入室12に供給する。これにより、フィルタエレメント10の内部に残った多量の被濾過液を排出治具110の流路112を通してフィルタエレメント10の外部に排出することができる。そのため、本実施形態に係る被濾過液の排出治具110は、使用後のフィルタエレメント10の内部に残った被濾過液を容易に排出することができる。
また、これにより、フィルタエレメント10の内部に残った多量の被濾過液は、金属加工機械70に戻される。そのため、被濾過液(図8〜図10では、金属加工機械70に用いられる加工液)の無駄な消費を抑えることができる。すなわち、メンテナンス事業者等が、使用後のフィルタエレメントの内部に被濾過液が残った状態でフィルタエレメントを搬送すると、フィルタエレメントの内部に残った被濾過液は、廃棄される。そうすると、フィルタエレメントの交換が行われるたびに、金属加工機械に用いられる加工液が減っていく。そのため、フィルタエレメントの交換が行われた所定のタイミングにおいて、使用者やメンテナンス事業者等は、金属加工機械に用いられる加工液を補充する必要がある。これに対して、本実施形態の濾過装置60では、フィルタエレメント10の内部に残った多量の被濾過液が金属加工機械70に戻されるため、金属加工機械70に用いられる加工液の無駄な消費を抑えることができる。また、金属加工機械70に用いられる加工液を補充する手間を省くことができる。
なお、排出治具110およびフレキシブルチューブ96の少なくともいずれかに、排出治具110の浮き上がりを抑える浮き上がり抑制手段が設けられていることが好ましい。すなわち、エアを注入室12に供給されると、フィルタエレメント10の内部の圧力が高くなる。そうすると、排出治具110が排出口18を通して上昇し、内部空間S2から外側へ向かって移動することがある。このような排出治具110の移動を抑えるために、排出治具110およびフレキシブルチューブ96の少なくともいずれかに、排出治具110の浮き上がりを抑える浮き上がり抑制手段が設けられていることが好ましい。例えば、浮き上がり抑制手段は、フレキシブルチューブ96の内部に設けられ排出治具110の第1端部113の動きを抑えるフィルタやネットであってもよい。あるいは、例えば、浮き上がり抑制手段は、排出治具110の第1端部113に設けられたフランジ部と、フレキシブルチューブ96の端部に設けられ第1端部113のフランジ部を押さえる押さえ部と、を有し、フレキシブルチューブ96がカプラ35に取り付けられたときに、フレキシブルチューブ96の押さえ部が第1端部113のフランジ部を押さえる構造を有していてもよい。
次に、本実施形態に係る被濾過液の排出方法を、図面を参照して説明する。
図11は、本実施形態に係る被濾過液の排出方法を説明するフローチャートである。
まず、使用者やメンテナンス事業者等は、フィルタ23の寿命や交換時期が来たことを確認すると、電源部65を停止させ、フレキシブルチューブ67をカプラ33から取り外してエア注入用の治具をカプラ33に取り付けるとともに、フレキシブルチューブ96をカプラ35から取り外す。これは、図8〜図10に関して前述した通りである。
続いて、ステップS11において、使用者やメンテナンス事業者等は、被濾過液の排出治具110の少なくとも一部をフィルタエレメント10の排出口18を通して内部空間S2に挿入する。被濾過液の排出治具110は、図1〜図7に関して前述した通りである。
続いて、ステップS12において、使用者やメンテナンス事業者等は、排出治具110をフィルタエレメント10の排出口18を通して内部空間S2にさらに挿入し、治具本体111の一方の第1端部113を排出口18を通してフィルタエレメント10の外部に位置させる。また、使用者やメンテナンス事業者等は、治具本体111の他方の第2端部115を下蓋32の近傍に位置させる。具体的には、使用者やメンテナンス事業者等は、治具本体111の他方の第2端部115を下蓋32の内面32aに当接させる。そして、使用者やメンテナンス事業者等は、フレキシブルチューブ96をカプラ35に再び取り付ける。
続いて、ステップS13において、使用者やメンテナンス事業者等は、調整弁および圧力計が付設されたエア注入用の治具およびフィルタエレメント10の供給口14を通して注入室12にエアを供給する。そして、使用者やメンテナンス事業者等は、エアを注入室12に供給し続け、フィルタエレメント10の内部に残留した被濾過液を、注入室12に供給されたエアの圧力により治具本体111の第2端部115から治具本体111の流路112に導く。具体的には、フィルタエレメント10の内部に残留した被濾過液は、注入室12に供給されたエアの圧力により、治具本体111の流入口116を通して治具本体111の流路112に導かれる。そして、使用者やメンテナンス事業者等は、エアを注入室12に供給し続け、治具本体111の第1端部113の開口部114を通してフィルタエレメント10の外部に被濾過液を排出する。
本実施形態に係る被濾過液の排出方法によれば、フィルタエレメント10の内部に残留する被濾過液の量を所定量以下に抑え、フィルタエレメント10の内部に残った多量の被濾過液を排出治具110の流路112を通してフィルタエレメント10の外部に排出することができる。そのため、本実施形態に係る被濾過液の排出方法は、使用後のフィルタエレメント10の内部に残った被濾過液を容易に排出することができる。
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。上記実施形態の構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせたりすることができる。
10・・・フィルタエレメント、 12・・・注入室、 13・・・取っ手、 14・・・供給口、 18・・・排出口、 20・・・フィルタ部、 23・・・フィルタ、 23b・・・上端部、 23c・・・下端部、 24・・・襞状部、 24a・・・プリーツライン、 26・・・仕切り板、 26a・・・貫通孔、 26b・・・流路部、 30・・・蓋体、 30a・・・内側側面、 31・・・上蓋、 32・・・下蓋、 32a・・・内面、 33・・・カプラ、 34・・・ナット、 35・・・カプラ、 36・・・ナット、 37・・・開口部、 40・・・筐体、 40a・・・内面、 40b・・・外周側面、 50・・・連結体、 52・・・金属体、 55・・・圧力解放部、 60・・・濾過装置、 62・・・台車、 64・・・ポンプ、 65・・・電源部、 66・・・キャスタ、 67・・・フレキシブルチューブ、 68・・・棚部、 70・・・金属加工機械、 72・・・枠体、 74・・・圧力スイッチ、 75・・・ジョイント部、 76・・・フレキシブルホース、 77・・・フロアロック、 80・・・汚濁液槽、 81・・・取っ手、 82、83、84・・・配管、 90・・・圧力計、 92・・・バルブ、 96・・・フレキシブルチューブ、 98・・・配管、 99・・・フレキシブルチューブ、 100・・・フィルタエレメント装置、 110・・・排出治具、 111・・・治具本体、 112・・・流路、 113・・・第1端部、 114・・・開口部、 115・・・第2端部、 116・・・流入口、 117・・・開口部、 CL1、CL2、CL3、CL4・・・中心軸、 GL・・・仮想線、 RK・・・被濾過液、 S1・・・空間、 S2・・・内部空間、 S3・・・内側領域

Claims (9)

  1. 金属加工機械から排出される被濾過液を濾過するフィルタエレメントの内部に残留した前記被濾過液を前記フィルタエレメントの外部に排出するときに用いられる被濾過液の排出治具であって、
    前記フィルタエレメントは、
    前記被濾過液が注入される注入室を包囲するように配置され前記被濾過液を内側から受けて濾過するフィルタ部と、
    前記フィルタ部の上端部に接続された第1蓋体であって、前記金属加工機械から排出された前記被濾過液を前記注入室に導く供給口と、前記フィルタ部を通過した前記被濾過液を前記フィルタエレメントの外部に導く排出口と、を有する第1蓋体と、
    前記フィルタ部の下端部に接続された第2蓋体と、
    前記第1蓋体および前記第2蓋体に接続されるとともに前記フィルタ部を包囲し、前記排出口と連通する内部空間を前記フィルタ部の外側に形成する筐体と、
    を備えた濾過ユニットであり、
    前記被濾過液が流れる流路を内部に有するとともに、少なくとも一部が前記排出口を通して前記内部空間に挿入された状態において前記第1蓋体から前記第2蓋体にわたって延びる筒状の治具本体を備え、
    前記治具本体の一方の第1端部は、前記治具本体の少なくとも一部が前記排出口を通して前記内部空間に挿入された状態において前記排出口を通して前記フィルタエレメントの外部に位置し、
    前記治具本体の他方の第2端部は、前記治具本体の少なくとも一部が前記排出口を通して前記内部空間に挿入された状態において前記第2蓋体の近傍に位置し、
    エアが前記供給口を通して前記注入室に供給されると、前記フィルタエレメントの内部に残留した前記被濾過液は、前記エアの圧力により前記第2端部から前記流路に導かれ、前記第1端部の開口部を通して前記フィルタエレメントの外部に排出されることを特徴とする被濾過液の排出治具。
  2. 前記第2端部は、前記治具本体の少なくとも一部が前記排出口を通して前記内部空間に挿入された状態において前記第2蓋体の内面に当接するとともに、前記流路の外部から前記流路の内部にわたって前記治具本体を貫通した流入口を有することを特徴とする請求項1に記載の被濾過液の排出治具。
  3. 前記流入口は、前記第2端部の開口部に接続されたことを特徴とする請求項2に記載の被濾過液の排出治具。
  4. 前記第2端部は、2つの前記流入口を有し、
    前記2つの流入口は、前記治具本体の長手方向に沿って延びた中心軸に関して対称な位置に設けられたことを特徴とする請求項2または3に記載の被濾過液の排出治具。
  5. 金属加工機械から排出される被濾過液を濾過するフィルタエレメントと、
    前記フィルタエレメントの内部に残留した前記被濾過液を前記フィルタエレメントの外部に排出するときに用いられる被濾過液の排出治具と、
    を備え、
    前記フィルタエレメントは、
    前記被濾過液が注入される注入室を包囲するように配置され前記被濾過液を内側から受けて濾過するフィルタ部と、
    前記フィルタ部の上端部に接続された第1蓋体であって、前記金属加工機械から排出された前記被濾過液を前記注入室に導く供給口と、前記フィルタ部を通過した前記被濾過液を前記フィルタエレメントの外部に導く排出口と、を有する第1蓋体と、
    前記フィルタ部の下端部に接続された第2蓋体と、
    前記第1蓋体および前記第2蓋体に接続されるとともに前記フィルタ部を包囲し、前記排出口と連通する内部空間を前記フィルタ部の外側に形成する筐体と、
    を有し、
    前記排出治具は、前記被濾過液が流れる流路を内部に有するとともに、少なくとも一部が前記排出口を通して前記内部空間に挿入された状態において前記第1蓋体から前記第2蓋体にわたって延びる筒状の治具本体を有し、
    前記治具本体の一方の第1端部は、前記治具本体の少なくとも一部が前記排出口を通して前記内部空間に挿入された状態において前記排出口を通して前記フィルタエレメントの外部に位置し、
    前記治具本体の他方の第2端部は、前記治具本体の少なくとも一部が前記排出口を通して前記内部空間に挿入された状態において前記第2蓋体の近傍に位置し、
    エアが前記供給口を通して前記注入室に供給されると、前記フィルタエレメントの内部に残留した前記被濾過液は、前記エアの圧力により前記第2端部から前記流路に導かれ、前記第1端部の開口部を通して前記フィルタエレメントの外部に排出されることを特徴とするフィルタエレメント装置。
  6. 前記第2端部は、前記治具本体の少なくとも一部が前記排出口を通して前記内部空間に挿入された状態において前記第2蓋体の内面に当接するとともに、前記流路の外部から前記流路の内部にわたって前記治具本体を貫通した流入口を有することを特徴とする請求項5に記載のフィルタエレメント装置。
  7. 前記流入口は、前記第2端部の開口部に接続されたことを特徴とする請求項6に記載のフィルタエレメント装置。
  8. 前記第2端部は、2つの前記流入口を有し、
    前記2つの流入口は、前記治具本体の長手方向に沿って延びた中心軸に関して対称な位置に設けられたことを特徴とする請求項6または7に記載のフィルタエレメント装置。
  9. 金属加工機械から排出される被濾過液を濾過するフィルタエレメントの内部に残留した前記被濾過液を前記フィルタエレメントの外部に排出する被濾過液の排出方法であって、
    前記フィルタエレメントは、
    前記被濾過液が注入される注入室を包囲するように配置され前記被濾過液を内側から受けて濾過するフィルタ部と、
    前記フィルタ部の上端部に接続された第1蓋体であって、前記金属加工機械から排出された前記被濾過液を前記注入室に導く供給口と、前記フィルタ部を通過した前記被濾過液を前記フィルタエレメントの外部に導く排出口と、を有する第1蓋体と、
    前記フィルタ部の下端部に接続された第2蓋体と、
    前記第1蓋体および前記第2蓋体に接続されるとともに前記フィルタ部を包囲し、前記排出口と連通する内部空間を前記フィルタ部の外側に形成する筐体と、
    を備えた濾過ユニットであり、
    前記被濾過液が流れる流路を内部に有する筒状の治具本体を備えた被濾過液の排出治具の少なくとも一部を前記排出口を通して前記内部空間に挿入する工程と、
    前記排出治具の少なくとも一部が前記排出口を通して前記内部空間に挿入された状態において、前記治具本体の一方の第1端部を前記排出口を通して前記フィルタエレメントの外部に位置させるとともに、前記治具本体の他方の第2端部を前記第2蓋体の近傍に位置させる工程と、
    前記供給口を通して前記注入室にエアを供給し、前記フィルタエレメントの内部に残留した前記被濾過液を前記エアの圧力により前記第2端部から前記流路に導き、前記第1端部の開口部を通して前記フィルタエレメントの外部に排出する工程と、
    を備えたことを特徴とする被濾過液の排出方法。

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