次に、本発明の実施形態について説明する。
(A)本発明の第1実施形態の構成の説明
図1は、本発明の第1実施形態に係る放送システムの構成の一例を示す図である。図1に示すように、本発明の第1実施形態に係る放送システム1は、ヘッドエンド装置A10−1(以下、適宜「ヘッドエンド装置A」または「ヘッドエンド装置10−1」と称する)、ヘッドエンド装置B10−2(以下、適宜「ヘッドエンド装置B」または「ヘッドエンド装置10−2」と称する)、加入者宅内装置20−1,20−2、監視制御装置30、および、ネットワーク50を有している。
ここで、ヘッドエンド装置10−1は、図示しない放送衛星から送信される、BS(Broadcasting Satellite)放送、高度BS放送、CS(Communication Satellite)放送、および/または、高度広帯域CS放送等の衛星放送信号を受信し、ネットワーク50を介してヘッドエンド装置10−2に送信するとともに、衛星放送信号を配下の加入者宅内装置20−1に配信する。ヘッドエンド装置10−2は、図示しない放送衛星から送信される、BS放送、高度BS放送、CS放送、および/または、高度広帯域CS放送等の衛星放送信号を受信し、ネットワーク50を介してヘッドエンド装置10−1に送信するとともに、衛星放送信号を配下の加入者宅内装置20−2に配信する。
監視制御装置30は、ヘッドエンド装置10−1,10−2によって受信された衛星放送信号の品質を監視するとともに、ヘッドエンド装置10−1,10−2を制御する。
加入者宅内装置20−1は、加入者の宅内に配置され、ヘッドエンド装置10−1から供給されるCATV放送信号を受信し、衛星放送信号を復調し、図示しないテレビジョン受像機に供給して再生させる。加入者宅内装置20−2も同様に、加入者の宅内に配置され、ヘッドエンド装置10−2から供給されるCATV放送信号を受信し、衛星放送信号を復調し、図示しないテレビジョン受像機に供給して再生させる。
ネットワーク50は、例えば、IP(Internet Protocol)に基づいて動作するネットワークであり、ヘッドエンド装置10−1,10−2および監視制御装置30の間でパケットによってデータを送受信する。
図2は、図1に示すヘッドエンド装置10−1,10−2の構成例を示す図である。なお、ヘッドエンド装置10−1,10−2の構成は同様であるので、以下では、これらをヘッドエンド装置10として説明する。
図2に示す例では、ヘッドエンド装置10は、アンテナ11、復調部12、切換部13、CATV出力部14、IP送信部15、および、IP受信部16を有している。
ここで、アンテナ11は、図示しない放送衛星から送信される衛星放送信号を受信し、中間周波数帯の信号に変換して出力する。
復調部12は、アンテナ11から供給される中間周波数帯の衛星放送信号を復調(TC8PSK復調、QPSK復調、または、16APSK復調)してTS(Transport Stream)またはTLV(Type Length Value)を生成して出力する。
切換部13は、復調部12から供給されるTSまたはTLV、および、IP受信部16から供給されるTSまたはTLVのいずれか一方を選択してCATV出力部14に供給する。
CATV出力部14は、切換部13から供給されるTSまたはTLVを変調(例えば、QAM(Quadrature Amplitude Modulation)変調)して出力し、加入者宅内装置20に配信する。
IP送信部15は、復調部12から出力されるTSまたはTLVをパケット化してネットワーク50を介して他のヘッドエンド装置に対して送信する。IP受信部16は、ネットワーク50を介して他のヘッドエンド装置から送信されるパケット化されたTSまたはTLVを受信し、パケットに含まれるTSまたはTLVを抽出して切換部13に供給する。
図3は、図1に示す監視制御装置30の構成例を示す図である。図3に示すように、監視制御装置30は、制御部31、IP送信部32、および、IP受信部33を有している。
ここで、制御部31は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を有し、装置の各部を制御する。
IP送信部32は、制御部31から供給されるデータをパケット化して、ネットワーク50を介してヘッドエンド装置10−1,10−2に対して送信する。
IP受信部33は、ネットワーク50を介してヘッドエンド装置10−1,10−2から送信されるデータを受信して、制御部31に供給する。
(B)本発明の第1実施形態の動作の説明
つぎに、本発明の第1実施形態の動作について説明する。システムが起動されると、監視制御装置30は、ヘッドエンド装置10−1,10−2から、それぞれが有するアンテナ11によって受信される衛星放送信号の品質を示す情報(以下、適宜「信号品質情報」と称する)を受信する。例えば、衛星放送信号の信号品質情報として、MER(Modulation Error Ratio)および/またはBER(Bit Error Rate)を用いることができる。
監視制御装置30の制御部31は、ヘッドエンド装置10−1,10−2から受信したMERまたはBERを参照し、衛星放送信号の品質(状態)が良い方を特定する。例えば、ヘッドエンド装置10−2のアンテナ11が配置されている地域に雨が降っている場合には、ヘッドエンド装置10−2のアンテナ11が受信する衛星放送信号の品質が降雨減衰によって悪くなるので、監視制御装置30の制御部31は、ヘッドエンド装置10−1の方が衛星放送信号の品質が良いと判定する。
監視制御装置30の制御部31は、衛星放送信号の品質が良い方のヘッドエンド装置10−1に対して、復調部12から出力されるTSまたはTLVをCATV出力部14に供給するように指示する。これにより、品質が良い方の衛星放送信号が配下の加入者宅内装置20−1に配信される。また、監視制御装置30の制御部31は、ヘッドエンド装置10−1に対して、アンテナ11で受信した衛星放送信号をネットワーク50を介して、ヘッドエンド装置10−2に送信するように制御する。この結果、ヘッドエンド装置10−1の復調部12による復調処理によって得られたTSまたはTLVは、切換部13を介してIP送信部15に供給される。IP送信部15は、切換部13から供給されたTSまたはTLVをパケット化して、ネットワーク50を介してヘッドエンド装置10−2に送信する。
監視制御装置30の制御部31は、ヘッドエンド装置10−2に対して、ヘッドエンド装置10−1から受信したTSまたはTLVをCATV出力部14に供給するように切換部13を設定するように指示する。また、監視制御装置30の制御部31は、ヘッドエンド装置10−2に対して、IP送信部15の動作を停止するように指示する。この結果、ヘッドエンド装置10−1のIP送信部15から送信されたパケットは、ヘッドエンド装置10−2のIP受信部16によって受信され、パケットからTSまたはTLVが抽出され、切換部13に供給される。切換部13は、前述したように、監視制御装置30からの指示によって、IP受信部16から出力されるTSまたはTLVをCATV出力部14に出力するように設定されているので、TSまたはTLVはCATV出力部14に供給される。
以上の処理により、例えば、降雨減衰等によってヘッドエンド装置10−2のアンテナ11によって受信される衛星放送信号の品質が悪い場合には、ヘッドエンド装置10−1のアンテナ11によって受信され、ネットワーク50を介して伝送されたTSまたはTLVがCATV出力部14を介して加入者宅内装置20−2に供給されるので、降雨減衰等の影響がある場合でも、加入者は品質の良い衛星放送を視聴することができる。
また、衛星放送信号の品質が悪い側のヘッドエンド装置は、IP送信部15の動作が停止されるので、ネットワーク50の伝送容量を少なくすることができる。
なお、時間の経過に伴って、ヘッドエンド装置10−1よりもヘッドエンド装置10−2の方が、信号品質が良い状態に変化した場合には、監視制御装置30の制御部31がこれを検出する。このような変化を検出した監視制御装置30の制御部31は、まず、ヘッドエンド装置10−2の切換部13を制御して、復調部12から供給されるTSまたはTLVをCATV出力部14に供給する。この結果、加入者宅内装置20−2には、品質が良い衛星放送信号が供給される。つぎに、監視制御装置30の制御部31は、ヘッドエンド装置10−1に対して、IP送信部15による送信を停止させる。つづいて、監視制御装置30の制御部31は、ヘッドエンド装置10−2に対して復調部12から供給されるTSまたはTLVをIP送信部15を介してヘッドエンド装置10−1に送信させる。つづいて、監視制御装置30の制御部31は、ヘッドエンド装置10−1の切換部13を制御し、IP受信部16によってヘッドエンド装置10−2から受信したTSまたはTLVをCATV出力部14に供給させる。この結果、加入者宅内装置20−1には、ヘッドエンド装置10−2によって受信された品質が良い衛星放送信号が供給される。
なお、以上では、衛星放送信号の品質が良い場合には、ヘッドエンド装置10−1,10−2の役割を直ちに変更するようにしたが、頻繁に変更が実行されると、衛星放送信号が途絶する場合があるので、例えば、品質が所定の閾値未満になった場合や、品質の劣化が所定の時間以上継続した場合に変更するようにしてもよい。
つぎに、図4および図5を参照して、第1実施形態の動作について説明する。図4は、図3に示す監視制御装置30において実行される処理の一例を説明するためのフローチャートである。図4に示すフローチャートが開始されると、以下のステップが実行される。
ステップS10では、監視制御装置30の制御部31は、2つのヘッドエンド装置10−1,10−2から衛星放送信号の品質を示す信号品質情報を取得する。例えば、制御部31は、ヘッドエンド装置10−1,10−2から、MERおよび/またはBERを取得する。
ステップS11では、制御部31は、ステップS10で取得した信号品質情報を比較する。より詳細には、制御部31は、ステップS10で取得したMERおよび/またはBERを比較する。
ステップS12では、制御部31は、A系(ヘッドエンド装置10−1)の信号品質の方が、B系(ヘッドエンド装置10−2)の信号品質よりも良好であるか否かを判定し、A系の信号品質の方が、B系の信号品質よりも良好であると判定した場合(ステップS12:Y)にはステップS13に進み、それ以外の場合(ステップS12:N)にはステップS17に進む。
ステップS13では、制御部31は、A系に対してアンテナ11によって受信した衛星放送信号を配信するように指示する。この結果、ヘッドエンド装置10−1の切換部13は、復調部12から供給されるTSまたはTLVを、CATV出力部14を介して加入者宅内装置20−1に配信する。
ステップS14では、制御部31は、B系に対してアンテナ受信信号の送信停止を指示する。この結果、ヘッドエンド装置10−2のIP送信部15は、TSまたはTLVを、ネットワーク50を介してヘッドエンド装置10−1に送信する動作を停止する。
ステップS15では、制御部31は、A系に対してアンテナ11によって受信した衛星放送信号を送信するように指示する。この結果、ヘッドエンド装置10−1のIP送信部15は、復調部12から供給されるTSまたはTLVを、ネットワーク50を介してヘッドエンド装置10−2に送信する。
ステップS16では、制御部31は、B系に対してIP受信信号を配信するように指示する。この結果、ヘッドエンド装置10−2の切換部13は、IP受信部16から供給されるTSまたはTLVを、CATV出力部14を介して加入者宅内装置20−2に配信する。なお、切り換えが終了するまでは、アンテナ11によって受信した衛星放送信号を配信する。これにより、停波が生じないようにすることができる。
ステップS17では、制御部31は、B系に対してアンテナ11によって受信した衛星放送信号を配信するように指示する。この結果、ヘッドエンド装置10−2の切換部13は、復調部12から供給されるTSまたはTLVを、CATV出力部14を介して加入者宅内装置20−2に配信する。
ステップS18では、制御部31は、A系に対してアンテナ受信信号の送信停止を指示する。この結果、ヘッドエンド装置10−1のIP送信部15はTSまたはTLVを、ネットワーク50を介してヘッドエンド装置10−2に送信する動作を停止する。
ステップS19では、制御部31は、B系に対してアンテナ11によって受信した衛星放送信号を送信するように指示する。この結果、ヘッドエンド装置10−2のIP送信部15は、復調部12から供給されるTSまたはTLVを、ネットワーク50を介してヘッドエンド装置10−1に送信する。
ステップS20では、制御部31は、A系に対してIP受信信号を配信するように指示する。この結果、ヘッドエンド装置10−1の切換部13は、IP受信部16から供給されるTSまたはTLVを、CATV出力部14を介して加入者宅内装置20−1に配信する。なお、切り換えが終了するまでは、アンテナ11によって受信した衛星放送信号を配信する。これにより、停波が生じないようにすることができる。
つぎに、図5を参照して、図2に示すヘッドエンド装置10において実行される処理の一例を説明する。図5に示すフローチャートが開始されると、以下のステップが実行される。
ステップS30では、IP送信部15は、復調部12から出力される信号品質情報を監視制御装置30に送信する。より詳細には、IP送信部15は、復調部12から供給されるMERおよび/またはBERを監視制御装置30に対して送信する。
ステップS31では、IP受信部16は、監視制御装置30から送信される指示情報を受信する。より詳細には、図4に示す、ステップS13〜ステップS20のいずれかにおいて送信される指示を受信する。
ステップS32では、ステップS31で受信した指示情報を参照し、A系に切り換える指示を受けたか否かを判定し、A系に切り換える指示を受けたと判定した場合(ステップS32:Y)にはステップS33に進み、それ以外の場合(ステップS32:N)にはステップS35に進む。
ステップS33では、アンテナ受信信号を配信する。より詳細には、切換部13は、復調部12から供給されるTSまたはTLVを、CATV出力部14を介して配下の加入者宅内装置20に配信する。
ステップS34では、アンテナ受信信号を送信する。より詳細には、IP送信部15は、復調部12から供給されるTSまたはTLVを、ネットワーク50を介して他のヘッドエンド装置に対して送信する。
ステップS35では、アンテナ受信信号の送信を停止する。より詳細には、IP送信部15は、復調部12から供給されるTSまたはTLVを送信する動作を停止する。
ステップS36では、IP受信信号を配信する。より詳細には、切換部13は、IP受信部16から供給されるTSまたはTLVを、CATV出力部14を介して配下の加入者宅内装置20に配信する。
以上のフローチャートによれば、第1実施形態の動作を実現することができる。
(C)本発明の第2実施形態の構成の説明
図6は、本発明の第2実施形態の構成例を示す図である。図6において、図1と対応する部分には同じ符号を付してその説明を省略する。図6では、図1と比較すると、ヘッドエンド装置C60(以下、適宜、「ヘッドエンド装置C」または「ヘッドエンド装置60」と称する)および加入者宅内装置20−3が追加されている。これら以外の構成は、図1と同様である。
ここで、加入者宅内装置20−3は、第1実施形態と同様の構成を有している。また、ヘッドエンド装置60は、図2に示すヘッドエンド装置10とは構成が一部異なっている。
図7は、図6に示すヘッドエンド装置60の詳細な構成例を示す図である。図7に示す構成例では、ヘッドエンド装置60は、切換部13、CATV出力部14、IP受信部16−1,16−2を有している。
切換部13は、IP受信部16−1から出力されるTSまたはTLV、および、IP受信部16−2から出力されるTSまたはTLVのいずれか一方を選択してCATV出力部14に供給する。
CATV出力部14は、切換部13から供給されるTSまたはTLVを変調(例えば、QAM変調)して出力する。
IP受信部16−1は、例えば、ヘッドエンド装置10−1からネットワーク50を介して送信されるパケットを受信し、パケットに含まれるTSまたはTLVを抽出し、切換部13に供給する。IP受信部16−2は、例えば、ヘッドエンド装置10−2からネットワーク50を介して送信されるパケットを受信し、パケットに含まれるTSまたはTLVを抽出し、切換部13に供給する。
(D)本発明の第2実施形態の動作の説明
つぎに、本発明の第2実施形態の動作について説明する。なお、第2実施形態では、ヘッドエンド装置10−1,10−2および加入者宅内装置20−1,20−2の動作は、第1実施形態と同様であるのでその説明は適宜省略する。
第2実施形態では、第1実施形態と同様に、ヘッドエンド装置10−1およびヘッドエンド装置10−2のうち、衛星放送信号の品質が良い方が監視制御装置30によって選択され、TSまたはTLVを含むパケットがネットワーク50を介して他方のヘッドエンド装置に供給される。
より詳細には、監視制御装置30は、ヘッドエンド装置60に指示情報を送り、切換部13にIP受信部16−1,16−2のいずれか一方を選択させる。例えば、ヘッドエンド装置10−1の方がヘッドエンド装置10−2に比較して、アンテナ11によって受信される衛星放送信号の品質(例えば、MERおよび/またはBERの値)が良い場合、監視制御装置30は、ヘッドエンド装置10−1に指示情報を送り、アンテナ11で受信して復調部12で復調されて得られたTSまたはTLVを、ネットワーク50を介して送信させる。また、復調部12で復調されて得られたTSまたはTLVをCATV出力部14に供給させる。
また、監視制御装置30は、ヘッドエンド装置10−2に指示情報を供給し、ヘッドエンド装置10−1からネットワーク50を介して送信されるパケットを受信させ、切換部13を介してCATV出力部14に供給させる。さらに、ヘッドエンド装置10−2に対して、IP送信部15による送信動作を停止させる。
さらに、監視制御装置30は、ヘッドエンド装置60に指示情報を供給し、IP受信部16−1から出力される、ヘッドエンド装置10−1から送信されたTSまたはTLVをCATV出力部14に供給させる。
以上の動作により、ヘッドエンド装置10−1によって受信される衛星放送信号の品質が良い場合には、ヘッドエンド装置10−1によって受信された衛星放送信号が加入者宅内装置20−1に対して配信されるとともに、ネットワーク50を介してヘッドエンド装置10−2に供給され、その配下の加入者宅内装置20−2にも供給される。また、ヘッドエンド装置10−1によって受信された衛星放送信号がヘッドエンド装置60を介して加入者宅内装置20−3に配信される。
なお、前述した状況において、例えば、降雨減衰等の影響によって、ヘッドエンド装置10−1よりもヘッドエンド装置10−2の衛星放送信号の品質が良好となった場合には、監視制御装置30がこれを検出し、ヘッドエンド装置10−2に対して衛星放送信号を加入者宅内装置20−2に配信させる。また、ヘッドエンド装置10−1に対して、ネットワーク50を介して衛星放送信号を送信する動作を停止させる。また、ヘッドエンド装置10−2に対して、ネットワーク50を介してヘッドエンド装置10−1およびヘッドエンド装置60に衛星放送信号を供給させる。さらに、ヘッドエンド装置10−1に対して、ヘッドエンド装置10−2から供給される衛星放送信号を受信して加入者宅内装置20−1に供給させる。さらに、ヘッドエンド装置60には、IP受信部16−2から供給されるTSおよびTLVをCATV出力部14に供給するように切換部13を制御させる。
以上に説明したように、本発明の第2実施形態によれば、アンテナ11を有しないヘッドエンド装置60が存在する場合に、ヘッドエンド装置10−1,10−2のうち、衛星放送信号の品質が良い方を選択して供給することができる。
また、以上の第2実施形態では、ヘッドエンド装置10−1,10−2のうち、衛星放送信号の品質が良い方を選択して、ネットワーク50に送信させ、他方は送信を停止するようにしたので、ネットワーク50を伝送させるデータの量が増加することを防止できる。
(E)本発明の第3実施形態の構成の説明
つぎに、本発明の第3実施形態について説明する。図8は、本発明の第3実施形態の構成例を示す図である。図8において、図1と対応する部分には同じの符号を付してその説明を省略する。図8では、図1と比較すると、ヘッドエンド装置10−1,10−2がヘッドエンド装置70−1,70−2に置換されるとともに、ヘッドエンド装置C70−3(以下、適宜「ヘッドエンド装置C」または「ヘッドエンド装置70−3」と称する)および加入者宅内装置20−3が追加されている。これら以外の構成は、図1と同様である。
ここで、ヘッドエンド装置70−1〜70−3は、図9に示す構成を有している。なお、図9において、図2と対応する部分には同一の符号を付してその説明を省略する。図9に示す例では、図2と比較すると、1つのIP受信部16が、2つのIP受信部16−1,16−2に変更されている。これ以外の構成は図2と同様である。また、加入者宅内装置20−3は、第1実施形態と同様の構成を有している。
(F)本発明の第3実施形態の動作の説明
つぎに、本発明の第3実施形態の動作について説明する。第3実施形態では、監視制御装置30は、ヘッドエンド装置70−1〜70−3から衛星放送信号の信号品質情報を受信し、これらの品質の順にベスト1〜ベスト3に分類する。より詳細には、監視制御装置30は、ヘッドエンド装置70−1〜70−3から衛星放送信号の信号品質を示すMERおよび/またはBERを信号品質情報として受信し、これらを品質が良い順に並べる。この結果、例えば、ヘッドエンド装置70−1、ヘッドエンド装置70−2、ヘッドエンド装置70−3の順に衛星放送信号の品質が良いことが明らかになったとすると、これを順にベスト1〜ベスト3とする。なお、BERは、符号訂正が機能しない程度に信号品質が劣化した場合に値が急激に変化する。このため、衛星放送信号の品質を判定する方法としては、例えば、信号品質が良好な場合には、MERを優先的に採用して信号品質を判定し、MERが劣化した場合にBERを採用して判定するようにしてもよい。また、CN(Carrier Noise)比や、受信レベルを参照して、信号品質を判定するようにしてもよい。
監視制御装置30は、衛星放送信号の品質に応じて、ヘッドエンド装置70−1〜70−3を設定する。図10は、監視制御装置30によるヘッドエンド装置70−1〜70−3の設定の一例を示す図である。図10において、「信号品質」は、ヘッドエンド装置70−1〜70−3のアンテナ11によって受信される衛星放送信号の品質の序列(ベスト1〜ベスト3)を示している。また、「配信」は、ヘッドエンド装置70−1〜70−3が配下の加入者宅内装置20−1〜20−3に対して供給する衛星放送信号の供給元を示している。また、「送信」は、ヘッドエンド装置70−1〜70−3がネットワーク50に対してパケットを送信するか否かを示している。また、「ケース1」〜「ケース3」は、後述するように、信号品質が変化した場合の分類の一例を示している。
なお、以下では、ヘッドエンド装置70−1〜70−3がそれぞれレベル1〜レベル3である場合を例に挙げて説明する。監視制御装置30は、図10に示すように、衛星放送信号の品質がベスト1と判定したヘッドエンド装置70−1については、アンテナ11からの受信信号をCATV出力部14に供給するように指示するとともに、アンテナ11からの受信信号を、IP送信部15を介してネットワーク50に対してマルチキャスト(またはブロードキャスト)によって送信するように指示する。
また、監視制御装置30は、図10に示すように、衛星放送信号の品質がベスト2と判定したヘッドエンド装置70−2については、ベスト1であるヘッドエンド装置70−1から受信したパケットから抽出したTSまたはTLVをCATV出力部14に供給するように指示するとともに、アンテナ11からの受信信号を、IP送信部15を介してネットワーク50に対してマルチキャスト(またはブロードキャスト)によって送信するように指示する。
さらに、監視制御装置30は、図10に示すように、衛星放送信号の品質がベスト3と判定したヘッドエンド装置70−3については、ベスト1であるヘッドエンド装置70−1から受信したパケットから抽出したTSまたはTLVをCATV出力部14に供給するように指示をするとともに、IP送信部15によるパケットの送信を停止するように指示する。
以上の動作によって、衛星放送信号の信号品質がベスト1のヘッドエンド装置によって受信された衛星放送信号が加入者宅内装置20−1〜20−3に配信されるので、各加入者は最も品質が良い衛星放送を視聴することができる。
また、以上の動作によれば、衛星放送信号の信号品質がベスト1およびベスト2のヘッドエンド装置はネットワーク50に対してパケットを送出し、ベスト3のヘッドエンド装置についてはパケットの送出を停止するようにしたので、3台のヘッドエンド装置が全てパケットを送出する場合に比較して、ネットワーク50を伝送されるデータ量を削減することができる。
なお、前述したような場合において、衛星放送信号の品質がベスト1のヘッドエンド装置70−1の受信品質が、例えば、降雨減衰等によってヘッドエンド装置70−2のそれよりも劣化したとする。そのような場合には、監視制御装置30は、ヘッドエンド装置70−1〜70−3の設定を以下のように変更する。
より詳細には、監視制御装置30は、図10にケース1として示す、ベスト1とベスト2を入れ換える設定を実行する。例えば、ヘッドエンド装置70−1をベスト1からベスト2へ、また、ヘッドエンド装置70−2をベスト2からベスト1へ変更する場合、図10のベスト1およびベスト2の比較から、「送信」については設定の変更はない。一方、配信については、ベスト1がアンテナ11からの受信信号を配信するのに対して、ベスト2はベスト1からのパケットを配信する。そこで、監視制御装置30は、ヘッドエンド装置70−1に対して、IP受信部16から供給されるTSまたはTLVをCATV出力部14に供給するように指示する。また、監視制御装置30は、ヘッドエンド装置70−2に対して、復調部12から供給されるTSまたはTLVをCATV出力部14に供給するように指示する。なお、ヘッドエンド装置70−1,70−2における、切換部13による切り換えの際に、タイミングを調整することで、データの一部が欠落し、画像や音声が乱れることを防止できる。すなわち、シームレスの切り換えを実現できる。
また、監視制御装置30は、ヘッドエンド装置70−3に対して、パケットの受信先をヘッドエンド装置70−1からヘッドエンド装置70−2に変更するように指示する。例えば、ヘッドエンド装置70−3がIP受信部16−1によってヘッドエンド装置70−1からのパケットを受信し、IP受信部16−2によってヘッドエンド装置70−2からのパケットを受信しているとすると、切換部13によってIP受信部16−1からIP受信部16−2に選択を変更する。このとき、ヘッドエンド装置70−3が切換のタイミングを調整することで、データの一部が欠落し、画像や音声が乱れることを防止できる。すなわち、シームレスの切り換えを実現できる。
以上は、ベスト1とベスト2を入れ換える場合の動作であるが、ベスト2とベスト3を入れ換えることも可能である。例えば、ヘッドエンド装置70−1〜70−3がそれぞれベスト1〜ベスト3である場合に、ベスト2とベスト3を入れ換えることを考える。この場合、監視制御装置30は、ヘッドエンド装置70−2に対して、IP送信部15によるパケットの送信を停止させる。この結果、ヘッドエンド装置70−1,70−3は、ヘッドエンド装置70−2からのパケットの受信を終了する。
つぎに、監視制御装置30は、ヘッドエンド装置70−3に対して、復調部12から出力されるTSまたはTLVを、IP送信部15を介してマルチキャストまたはブロードキャストで送信するように指示する。この結果、ヘッドエンド装置70−1,70−2は、ヘッドエンド装置70−3から送信されるパケットの受信を開始する。
以上の動作によって、図10にケース2として示すベスト2とベスト3のヘッドエンド装置の入れ換えを実行することができる。
つぎに、図10にケース3として示す、ベスト1とベスト3を入れ換える場合の動作について説明する。例えば、ヘッドエンド装置70−1〜70−3がそれぞれベスト1〜ベスト3である場合に、ベスト1とベスト3を入れ換えることを考える。この場合、入れ換え後は、ヘッドエンド装置70−1がパケット送信を停止する。入れ換え前の状態では、ヘッドエンド装置70−2,70−3は、ヘッドエンド装置70−1からのパケットを受信して配信している。また、入れ換え前の状態では、ヘッドエンド装置70−3はパケットを送信していない。このため、ヘッドエンド装置70−1によるパケットの送信を停止すると、衛星放送信号の配信が途絶してしまう。そこで、本実施形態では、まず、ヘッドエンド装置70−2に対して、パケットの送信を停止させる。つぎに、ヘッドエンド装置70−3に対して、パケットの送信を開始させるとともに、アンテナ11の出力をCATV出力部14によって配信させる。このとき、ヘッドエンド装置70−3の切換部13の切り換えのタイミングを調整することで、データの一部が欠落し、画像や音声が乱れることを防止できる。これにより、ヘッドエンド装置70−3は、図10に示すベスト1の状態になる。
つぎに、監視制御装置30は、ヘッドエンド装置70−1,70−2に対して、ヘッドエンド装置70−3から送信されるパケットを受信して配信するように指示する。このとき、ヘッドエンド装置70−1,70−2の切換部13の切り換えのタイミングを調整することで、データの一部が欠落し、画像や音声が乱れることを防止できる。
つぎに、監視制御装置30は、ヘッドエンド装置70−1に対して、パケットの送信を停止させる。これにより、ヘッドエンド装置70−1は、図10に示すベスト3の状態になる。
つぎに、監視制御装置30は、ヘッドエンド装置70−2に対して、パケットの送信を再開させる。これにより、ヘッドエンド装置70−2は、図10に示すベスト2の状態に戻る。
以上に説明したように、本発明の第3実施形態によれば、衛星放送信号の品質がベスト1およびベスト2のヘッドエンド装置が衛星放送信号を、ネットワーク50を介して送信するようにしたので、これらのいずれかの品質が劣化した場合でも、画像や音声が乱れることなく、切り換えを行うことができる。また、2つのヘッドエンド装置に限定して衛星放送信号を送信させることで、ネットワーク50の必要な伝送容量を低減することができる。
つぎに、図11〜図13を参照して、第3実施形態の詳細な動作について説明する。
図11は、監視制御装置30において初回に実行される処理の一例を説明するためのフローチャートである。図11に示すフローチャートが開始されると、以下のステップが実行される。
ステップS50では、制御部31は、3つのヘッドエンド装置70−1〜70−3から衛星放送信号の信号品質情報を取得する。より詳細には、ヘッドエンド装置70−1〜70−3からMERおよび/またはBERを取得する。
ステップS51では、制御部31は、ステップS50で取得した信号品質情報を比較する。
ステップS52では、制御部31は、ステップS51の比較結果に基づいて、信号品質のベスト1〜ベスト3を決定する。例えば、ベスト1〜ベスト3として、図8に示す、ヘッドエンド装置70−1〜70−3のそれぞれが決定される。
ステップS53では、制御部31は、ステップS52においてベスト1に決定されたヘッドエンド装置に対してアンテナ受信信号を配信するように指示情報を送信する。より詳細には、いまの例では、ベスト1に決定されたヘッドエンド装置10−1に対して、復調部12から出力されるTSまたはTLVをCATV出力部14に供給させる。
ステップS54では、制御部31は、ステップS52においてベスト1に決定されたヘッドエンド装置に対してアンテナ受信信号を送信するように指示情報を送信する。より詳細には、いまの例では、ベスト1に決定されたヘッドエンド装置10−1に対して、復調部12から出力されるTSまたはTLVを、IP送信部15を介してネットワーク50にマルチキャストまたはブロードキャストにより送信させる。
ステップS55では、制御部31は、ステップS52においてベスト2に決定されたヘッドエンド装置に対して、ベスト1に決定されたヘッドエンド装置から送信された信号(IP受信信号)を配信するように指示情報を送信する。より詳細には、いまの例では、ベスト2に決定されたヘッドエンド装置10−2に対して、ベスト1に決定されたヘッドエンド装置10−1から送信されIP受信部16−1によって受信されたTSまたはTLVをCATV出力部14に供給させる。
ステップS56では、制御部31は、ステップS52においてベスト2に決定されたヘッドエンド装置に対して、アンテナ受信信号を送信するように指示情報を送信する。より詳細には、いまの例では、ベスト2に決定されたヘッドエンド装置10−2に対して、復調部12から出力されるTSまたはTLVを、IP送信部15を介してネットワーク50にマルチキャストまたはブロードキャストにより送信させる。
ステップS57では、制御部31は、ステップS52においてベスト3に決定されたヘッドエンド装置に対して、ベスト1に決定されたヘッドエンド装置から送信された信号(IP受信信号)を配信するように指示情報を送信する。より詳細には、いまの例では、ベスト3に決定されたヘッドエンド装置10−3に対して、ベスト1に決定されたヘッドエンド装置10−1から送信されIP受信部16−1によって受信されたTSまたはTLVをCATV出力部14に供給させる。
ステップS58では、制御部31は、ステップS52においてベスト3に決定されたヘッドエンド装置に対してアンテナ受信信号の送信の停止を指示する。より詳細には、いまの例では、ベスト3に決定されたヘッドエンド装置10−3に対して、復調部12から出力されるTSまたはTLVを、IP送信部15を介してネットワーク50に送信する動作を停止させる。
つぎに、図12を参照して、図9に示すヘッドエンド装置10において実行される処理の一例について説明する。図12に示すフローチャートの処理が開始されると以下のステップが実行される。
ステップS70では、IP送信部15は、復調部12から信号品質情報を取得し、監視制御装置30に送信する。より詳細には、IP送信部15は、復調部12からMERおよび/またはBERを信号品質情報として取得し、監視制御装置30に送信する。
ステップS71では、IP受信部16−1(またはIP受信部16−2)は、監視制御装置30から指示情報を受信する。より詳細には、IP受信部16−1(またはIP受信部16−2)は、監視制御装置30から、図12に示す、ステップS52〜ステップS58において送信される指示情報を受信する。
ステップS72では、切換部13は、監視制御装置30からの指示情報により、アンテナ送信(アンテナ11で受信した衛星放送信号をネットワーク50に送信)することが指示されているか否かを判定し、アンテナ送信が指示されていると判定した場合(ステップS72:Y)にはステップS73に進み、それ以外の場合(ステップS72:N)にはステップS74に進む。
ステップS73では、切換部13は、アンテナ受信信号をネットワーク50に送信させる。より詳細には、例えば、切換部13は、復調部12から供給されるTSまたはTLVを、IP送信部15を介してマルチキャストまたはブロードキャストによって、他のヘッドエンド装置に対して送信させる。
ステップS74では、切換部13は、アンテナ受信信号のネットワーク50への送信を停止させる。より詳細には、例えば、切換部13は、復調部12から供給されるTSまたはTLVのIP送信部15への供給を停止することで、アンテナ受信信号のネットワーク50への送信を停止させる。
ステップS75では、切換部13は、アンテナ配信(アンテナ11で受信した衛星放送信号をCATV出力部14により配信)するか否かを判定し、アンテナ配信すると判定した場合(ステップS75:Y)にはステップS76に進み、それ以外の場合(ステップS75:N)にはステップS77に進む。例えば、アンテナ11によって受信された衛星放送信号を、CATV出力部14を介して配下の加入者宅内装置20に配信する場合には、Yと判定してステップS76に進む。
ステップS76では、切換部13は、アンテナ受信信号を配信する。より詳細には、例えば、切換部13は、アンテナ11によって受信され、復調部12による復調処理によって得られたTSまたはTLVを、CATV出力部14を介して、加入者宅内装置20に配信する。
ステップS77では、切換部13は、IP受信信号を配信する。より詳細には、例えば、切換部13は、IP受信部16−1(またはIP受信部16−2)によって受信された他のヘッドエンド装置からのパケットからTSまたはTLVを抽出し、CATV出力部14を介して加入者宅内装置20に配信する。
つぎに、図13を参照して、図11に示す処理が実行された後に、監視制御装置30において実行される処理の一例について説明する。図13に示すフローチャートが開始されると、以下のステップが実行される。
ステップS90では、制御部31は、3つのヘッドエンド装置から信号品質情報を取得する。より詳細には、制御部31は、3つのヘッドエンド装置70−1〜70−3からMERおよび/またはBERを取得する。
ステップS91では、制御部31は、ステップS90で取得した信号品質情報を比較する。より詳細には、制御部31は、ステップS90において、ヘッドエンド装置70−1〜70−3から取得したMERおよび/またはBERを比較する。
ステップS92では、制御部31は、ステップS91における比較結果に基づいて、信号品質のベスト1〜ベスト3を決定する。
ステップS93では、制御部31は、ステップS92で新たに決定したベスト1〜ベスト3と、1つ前のベスト1〜ベスト3と比較する。
ステップS94では、制御部31は、ステップS93における比較に基づいて、図10に示すケース1に該当するか否かを判定し、該当すると判定した場合(ステップS94:Y)にはステップS95に進み、それ以外の場合(ステップS94:N)にはステップS98に進む。より詳細には、1つ前のベスト1〜ベスト3と比較して、新たなベスト1とベスト2が入れ替わっている場合には、Yと判定してステップS95に進む。例えば、1つ前のベスト1〜ベスト3がヘッドエンド装置70−1〜70−3である場合に、新たなベスト1〜ベスト3がヘッドエンド装置70−2,70−1,70−3である場合にはYと判定してステップS95に進む。
ステップS95では、制御部31は、1つ前のベスト1に該当するヘッドエンド装置に対して、1つ前のベスト2に該当するヘッドエンド装置からのIP受信信号を配信するように指示する。いまの例では、ヘッドエンド装置70−1に対して、ヘッドエンド装置70−2からのIP受信信号を配信するように指示する。
ステップS96では、制御部31は、1つ前のベスト2に該当するヘッドエンド装置に対して、アンテナ11から受信した衛星放送信号を配信するように指示する。いまの例では、ヘッドエンド装置70−2に対して、アンテナ11から受信した衛星放送信号を、CATV出力部14を介して配信するように指示する。
ステップS97では、制御部31は、1つ前のベスト3に該当するヘッドエンド装置に対して、1つ前のベスト2に該当するヘッドエンド装置からのIP受信信号を配信するように指示する。いまの例では、ヘッドエンド装置70−3に対して、ヘッドエンド装置70−2からのIP受信信号を、CATV出力部14を介して配信するように指示する。
ステップS98では、制御部31は、ステップS93における比較に基づいて、図10に示すケース2に該当するか否かを判定し、該当すると判定した場合(ステップS98:Y)にはステップS99に進み、それ以外の場合(ステップS98:N)にはステップS101に進む。より詳細には、1つ前のベスト1〜ベスト3と比較して、新たなベスト2とベスト3が入れ替わっている場合には、Yと判定してステップS99に進む。例えば、1つ前のベスト1〜ベスト3がヘッドエンド装置70−1〜70−3である場合に、新たなベスト1〜ベスト3がヘッドエンド装置70−1,70−3,70−2である場合にはYと判定してステップS99に進む。
ステップS99では、制御部31は、1つ前のベスト2に該当するヘッドエンド装置に対して、アンテナ11から受信した衛星放送信号の送信を停止するように指示する。いまの例では、ヘッドエンド装置70−2に対して、アンテナ11から受信した衛星放送信号のIP送信部15による送信を停止するように指示する。
ステップS100では、制御部31は、1つ前のベスト3に該当するヘッドエンド装置に対して、アンテナ11から受信した衛星放送信号の送信を開始するように指示する。いまの例では、ヘッドエンド装置70−3に対して、アンテナ11から受信した衛星放送信号のIP送信部15による送信を開始するように指示する。
ステップS101では、制御部31は、ステップS93における比較に基づいて、図10に示すケース3に該当するか否かを判定し、該当すると判定した場合(ステップS101:Y)にはステップS102に進み、それ以外の場合(ステップS101:N)には処理を終了する。より詳細には、1つ前のベスト1〜ベスト3と比較して、新たなベスト1とベスト3が入れ替わっている場合には、Yと判定してステップS102に進む。例えば、1つ前のベスト1〜ベスト3がヘッドエンド装置70−1〜70−3である場合に、新たなベスト1〜ベスト3がヘッドエンド装置70−3,70−2,70−1である場合にはYと判定してステップS102に進む。
ステップS102では、制御部31は、1つ前のベスト2に該当するヘッドエンド装置に対して、アンテナ11から受信した衛星放送信号の送信を停止するように指示する。いまの例では、ヘッドエンド装置70−2に対して、アンテナ11から受信した衛星放送信号のIP送信部15による送信を停止するように指示する。
ステップS103では、制御部31は、1つ前のベスト3に該当するヘッドエンド装置に対して、アンテナ11から受信した衛星放送信号を送信するように指示する。いまの例では、ヘッドエンド装置70−3に対して、アンテナ11から受信した衛星放送信号をIP送信部15によって送信するように指示する。
ステップS104では、制御部31は、1つ前のベスト3に該当するヘッドエンド装置に対して、アンテナ11から受信した衛星放送信号を配信するように指示する。いまの例では、ヘッドエンド装置70−3に対して、アンテナ11から受信した衛星放送信号を配下の加入者宅内装置20−3にCATV出力部14によって配信するように指示する。
ステップS105では、制御部31は、1つ前のベスト1に該当するヘッドエンド装置に対して、1つ前のベスト3に該当するヘッドエンド装置からのIP受信信号を配信するように指示する。いまの例では、ヘッドエンド装置70−1に対して、ヘッドエンド装置70−3からのIP受信信号を配下の加入者宅内装置20−1にCATV出力部14によって配信するように指示する。
ステップS106では、制御部31は、1つ前のベスト2に該当するヘッドエンド装置に対して、1つ前のベスト3に該当するヘッドエンド装置からのIP受信信号を配信するように指示する。いまの例では、ヘッドエンド装置70−2に対して、ヘッドエンド装置70−3からのIP受信信号を配下の加入者宅内装置20−2にCATV出力部14によって配信するように指示する。
ステップS107では、制御部31は、1つ前のベスト1に該当するヘッドエンド装置に対して、アンテナ11から受信した衛星放送信号の送信を停止するように指示する。いまの例では、ヘッドエンド装置70−1に対して、アンテナ11から受信した衛星放送信号のIP送信部15による送信を停止するように指示する。
ステップS108では、制御部31は、1つ前のベスト2に該当するヘッドエンド装置に対して、アンテナ11から受信した衛星放送信号を送信するように指示する。いまの例では、ヘッドエンド装置70−2に対して、アンテナ11から受信した衛星放送信号のIP送信部15による送信を開始するように指示する。
以上の処理によれば、前述した第3実施形態の動作を実現することができる。
(E)変形実施形態の説明
以上の実施形態は一例であって、本発明が上述したような場合のみに限定されるものでないことはいうまでもない。例えば、以上の各実施形態では、監視制御装置30は、ネットワーク50に接続する独立した構成としたが、例えば、ヘッドエンド装置のいずれかに内蔵したり、接続したりするようにしてもよい。
また、図7に示すヘッドエンド装置60を、図8に示す第3実施形態に接続するようにしてもよい。なお、そのような構成の場合、ヘッドエンド装置60は、IP送信することができないので、ヘッドエンド装置60は、他のヘッドエンド装置から受信したIP受信信号を配信するようにすればよい。
また、以上の各実施形態では、ヘッドエンド装置が2台または3台の場合を例に挙げて説明したか、ヘッドエンド装置が4台以上存在するようにしてもよい。また、ヘッドエンド装置を冗長構成としてもよいことは言うまでもない。
また、図10では、2つのヘッドエンド装置の信号品質の順位が変化した場合を例に挙げて説明したが、3つのヘッドエンド装置の信号品質の順位が変化した場合には、2つずつに分解することで、3つのヘッドエンド装置の信号品質の順位が変化した場合にも対応することができる。
また、以上の各実施形態では、図面を簡略化するために、CATV出力部14には1台の加入者宅内装置20が接続されるようにしたが、複数の加入者宅内装置20が接続されるようにしてもよいことは言うまでもない。
また、図7および図9では、2つのIP受信部を有するようにしたが、1つのIP受信部によって複数のヘッドエンド装置からのパケットを受信するようにしてもよい。2つ以上のIP受信部を有するようにしてもよいことは言うまでもない。
また、以上の各実施形態では、衛星放送信号の品質をMERおよび/またはBERを用いて判定するようにしたが、例えば、CN比または信号レベルを参照して判定するようにしてもよい。また、MER、BER、CN比、および、信号レベルの少なくとも1つを用いて信号品質を判定するようにしてもよい。
また、以上の第1実施形態では、信号品質が変化した場合には、信号品質が悪くなったヘッドエンド装置からの送信を停止した後に、信号品質が良くなったヘッドエンド装置に送信を開始するようにしたが、信号品質が良くなったヘッドエンド装置が送信を開始した後に、信号品質が悪くなったヘッドエンド装置からの送信を停止するようにしてもよい。このような構成によれば、一時的に、2つのヘッドエンド装置からの伝送容量が増加するが、切り換えのタイミングを調整することで、シームレスな切り換えを実現できる。
また、以上の各実施形態では、監視制御装置30がヘッドエンド装置に対して配信すべき衛星放送信号を指示するようにした。しかしながら、各ヘッドエンド装置が配信すべき衛星放送信号を各自で判断するようにしてもよい。
図14および図15は、第1実施形態の変形実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。なお、図14および図15において、図4および図5と対応する部分には同一の符号を付しているのでその説明を省略する。
図14は、図4と比較すると、ステップS14、ステップS16、ステップS18、および、ステップS20が省略されている。これら以外は、図4と同様である。
また、図15は、図5と比較すると、ステップS33およびステップS36が省略され、ステップS37〜ステップS39が新たに追加されている。これら以外は、図5と同様である。
図14に示す変形実施形態では、信号品質に応じて、2つのヘッドエンド装置のいずれが送信するかを判断し、送信の指示を行う。より詳細には、A系の方がB系よりも信号品質が良い場合(ステップS12:Y)には、ステップS13においてB系にアンテナ受信信号の送信停止を指示し、ステップS15においてA系にアンテナ受信信号の送信を指示する。また、B系の方がA系よりも信号品質が良い場合(ステップS12:N)には、ステップS17においてA系にアンテナ受信信号の送信停止を指示し、ステップS19においてB系にアンテナ受信信号の送信を指示する。
また、図15に示す変形実施形態では、監視制御装置30からの指示に応じて、アンテナ受信信号の送信を開始または停止する動作を実行する。また、アンテナ受信信号の品質と、IP受信信号の品質を比較し、品質が良い方の受信信号を配下の加入者宅内装置に対して配信する。
より詳細には、ステップS32では、A系の信号品質がB系の信号品質よりも良好か否かを判定し、良好である場合(ステップS32:Y)にはステップS34に進み、それ以外の場合(ステップS32:N)にはステップS35に進む。
ステップS34では、IP送信部15は、復調部12から供給されるTSまたはTLVを、ネットワーク50を介して他のヘッドエンド装置に対して送信する。また、ステップS35では、IP送信部15は、復調部12から供給されるTSまたはTLVを送信する動作を停止する。
ステップS37では、アンテナ受信信号の品質がIP受信信号の品質よりも良好か否かを判定し、良好であると判定した場合(ステップS37:Y)にはステップS38に進み、それ以外の場合(ステップS37:N)にはステップS39に進む。なお、ステップS37の処理は、アンテナ受信信号を送信しているヘッドエンド装置では実行されず、アンテナ受信信号を送信していないヘッドエンド装置で実行される。
ステップS38では、切換部13は、復調部12から供給されるTSまたはTLVを、CATV出力部14を介して配下の加入者宅内装置20に配信する。また、ステップS39では、切換部13は、IP受信部16から供給されるTSまたはTLVを、CATV出力部14を介して配下の加入者宅内装置20に配信する。
以上の処理によれば、ヘッドエンド装置において、アンテナ受信信号とIP受信信号の品質を比較し、品質が良好な方の受信信号を配信するようにしたので、例えば、ネットワーク50の通信状態が良好でない場合には、アンテナ受信信号を選択することができる。また、処理を分散することで、監視制御装置30の負荷を低減することができる。
なお、以上では、図14および図15を参照して、第1実施形態の変形実施形態について説明したが、第2実施形態および第3実施形態の場合も同様に、各ヘッドエンド装置がアンテナ受信信号とIP受信信号の品質を比較し、品質が良好な方の受信信号を配信するようにすることができる。