JP2020004566A - 触媒層材料の製造方法、製造装置及び燃料電池の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】触媒層の触媒性能に優れた燃料電池の生産性を高める。【解決手段】触媒層材料の製造方法は、触媒、前記触媒を担持する担体及び高分子電解質を含む触媒層材料を、溶媒と混合し、触媒層用インクを調製するステップと、前記触媒層用インクに静電気力又は圧力を加えてスプレーし、前記溶媒を蒸発させるとともに前記触媒層材料を粒状化するステップと、前記スプレーにより得られた粒状の前記触媒層材料を貯留装置(J1)において貯留するステップと、を含む。【選択図】図2
Description
本発明は、触媒層材料の製造方法、製造装置及び燃料電池の製造方法に関する。
固体高分子型の燃料電池は、2つの電極間に固体高分子である電解質膜が設けられた膜電極接合体を備える。各電極は原料ガスである水素ガス及び酸素ガスの反応を触媒する触媒層を備える。触媒層では、白金等の触媒がカーボン等の担体に担持されている。一般的に、触媒層は、触媒と担体を被覆する高分子電解質を含み、高分子電解質のイオン伝導性によってその触媒性能の向上が図られている。
触媒層の形成方法としては、触媒、担体、高分子電解質等の触媒層材料を溶媒と混合してインクを調製し、このインクを電解質膜上に塗布して乾燥するウェットプロセスが一般的である(例えば、特許文献1参照。)。一方、触媒と担体を結着剤と混錬後、粉砕して得られた電極材料粉末を使用して、静電スプレー法により成膜する方法も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。形成された膜に、高分子電解質溶液を塗布又は含浸させることで、電極層が得られる。
上記のように、膜の形成後に高分子電解質溶液を塗布又は含浸する場合、高分子電解質を膜中に均一に分散させることができず、触媒性能にムラが生じる可能性がある。溶媒を蒸発させる乾燥工程も必要になるため、乾燥条件によっては、触媒及び担体が十分に被覆されずに触媒性能が低下することがある。
また、静電スプレー法は、成膜時間が非常に長いことが知られている。例えば、1つのノズルから触媒層材料をスプレーして1cm2の触媒層を形成するまで、約1時間かかることが報告されている。そのため、静電スプレー法を用いた商業的生産は、実現化が難しかった。
例えば、ロール・トゥ・ロールによって触媒層と電解質膜を連続的に積層できれば、燃料電池の生産性が高まる。しかし、ロール・トゥ・ロールの製造ラインにおいて、触媒層の成膜方法として静電スプレー法を使用すると、塗布法等によって形成される電解質膜と比べて触媒層のみ成膜速度が著しく低下するため、1つの製造ラインで両方を成膜することが難しい。ノズルの数を増やして、一度に形成できる触媒層の面積を増やすこともできるが、製造ラインの拡張を招く。
本発明は、触媒層の触媒性能に優れた燃料電池の生産性を高めることを目的とする。
本発明の1つの側面によれば、触媒、前記触媒を担持する担体及び高分子電解質を含む触媒層材料を、溶媒と混合し、触媒層用インクを調製するステップと、前記触媒層用インクに静電気力又は圧力を加えてスプレーし、前記溶媒を蒸発させるとともに前記触媒層材料を粒状化するステップと、前記スプレーにより得られた粒状の前記触媒層材料を貯留装置(J1)において貯留するステップと、を含む触媒層材料の製造方法が提供される。
本発明のもう1つの側面によれば、触媒、前記触媒を担持する担体及び高分子電解質を含む触媒層材料を、溶媒と混合して得られた触媒層用インクに、静電気力又は圧力を加えてスプレーし、前記溶媒を蒸発させるとともに前記触媒層材料を粒状化するスプレー装置(52、62)と、前記スプレー装置(52、62)により得られた粒状の前記触媒層材料の貯留装置(J1)と、を備える触媒層材料の製造装置(101、102)が提供される。
本発明のもう1つの側面によれば、2つの電極(2)間に電解質膜(1)を備える燃料電池の製造方法であって、前記電極(2)は、触媒、前記触媒を担持する担体及び高分子電解質を含む触媒層(21)を備え、前記触媒、前記担体及び前記高分子電解質を含む粒状の触媒層材料を製造するステップと、粒状の前記触媒層材料を前記電解質膜(1)上に堆積させて、前記触媒層(21)を形成するステップと、を含み、前記触媒層材料を製造するステップは、前記触媒層材料を、溶媒と混合し、触媒層用インクを調製するステップと、前記触媒層用インクに静電気力又は圧力を加えてスプレーし、前記溶媒を蒸発させるとともに前記触媒層材料を粒状化するステップと、前記スプレーにより得られた粒状の前記触媒層材料を貯留装置(J1)において貯留するステップと、を含み、前記触媒層材料を製造するステップと、前記触媒層(21)を形成するステップは、異なるラインで実施され、前記触媒層材料を製造するラインで製造され、前記貯留装置(J1)において貯留された粒状の前記触媒層材料が、前記触媒層(21)を形成するラインに供給される、燃料電池の製造方法が提供される。
本発明によれば、触媒層の触媒性能に優れた燃料電池の生産性を高めることができる。
以下、本発明の触媒層材料の製造方法、製造装置及び燃料電池の製造方法の実施形態について、図面を参照して説明する。以下に説明する構成は、本発明の一実施態様としての一例(代表例)であり、本発明は以下に説明する構成に限定されない。
(燃料電池)
本発明の製造方法によって製造される燃料電池は、単セル構造を有する燃料電池であってもよいし、スタック構造を有する燃料電池であってもよい。
図1は、燃料電池の基本単位である燃料電池セルの構成例を示す。
本発明の製造方法によって製造される燃料電池は、単セル構造を有する燃料電池であってもよいし、スタック構造を有する燃料電池であってもよい。
図1は、燃料電池の基本単位である燃料電池セルの構成例を示す。
図1に示す燃料電池セル10は、水素ガスと酸素ガスの供給を受けて発電する固体高分子電解質型燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cell)である。燃料電池セル10は、図1に示すように、2つのセパレータ3と、2つのセパレータ3間に設けられた膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)4とを備える。セパレータ3には、燃料電池セル10に供給される原料ガスを膜電極接合体4へ流す流路が設けられている。燃料電池セル10がスタック構造である場合、セパレータ3は隣り合うセル間を電気的に接続する。
(膜電極接合体)
膜電極接合体4は、図1に示すように、電解質膜1と、2つの電極2とを備える。
膜電極接合体4は、図1に示すように、電解質膜1と、2つの電極2とを備える。
電解質膜1は、2つの電極2間に設けられる。電解質膜1は、イオン伝導性を有する高分子電解質の膜である。電解質膜1には、後述する電極2において使用可能な高分子電解質と同様の高分子電解質を使用することができる。
(電極)
2つの電極2は、電解質膜1の両面にそれぞれ設けられる。一方の電極2はアノードであり、燃料極とも呼ばれる。他方の電極2はカソードであり、空気極とも呼ばれる。アノードである電極2では、セパレータ3を介して供給された水素ガス(H2)から電子(e−)とプロトン(H+)を生成する反応が生じる。電子は外部回路を経由してカソードである電極2へ移動する。この電子の移動により外部回路では電流が発生する。プロトンは電解質膜1を経由してカソードである電極2へ移動する。カソードである電極2では、セパレータ3を介して酸素ガス(O2)が供給され、外部回路から移動してきた電子により酸素イオン(O2−)が生成される。酸素イオンは、電解質膜1から移動してきたプロトン(2H+)と結合して、水(H2O)になる。
2つの電極2は、電解質膜1の両面にそれぞれ設けられる。一方の電極2はアノードであり、燃料極とも呼ばれる。他方の電極2はカソードであり、空気極とも呼ばれる。アノードである電極2では、セパレータ3を介して供給された水素ガス(H2)から電子(e−)とプロトン(H+)を生成する反応が生じる。電子は外部回路を経由してカソードである電極2へ移動する。この電子の移動により外部回路では電流が発生する。プロトンは電解質膜1を経由してカソードである電極2へ移動する。カソードである電極2では、セパレータ3を介して酸素ガス(O2)が供給され、外部回路から移動してきた電子により酸素イオン(O2−)が生成される。酸素イオンは、電解質膜1から移動してきたプロトン(2H+)と結合して、水(H2O)になる。
電極2は、図1に示すように、触媒層21及びガス拡散層22を備える。
ガス拡散層22は、供給された原料ガスを各電極2に均一に拡散させる目的で、必要に応じて設けることができる。ガス拡散層22としては、例えばカーボン繊維等の導電性、ガス透過性及びガス拡散性を有する多孔性繊維シート、発砲金属、エキスパンドメタル等の多孔性の金属板を用いることができる。
ガス拡散層22は、供給された原料ガスを各電極2に均一に拡散させる目的で、必要に応じて設けることができる。ガス拡散層22としては、例えばカーボン繊維等の導電性、ガス透過性及びガス拡散性を有する多孔性繊維シート、発砲金属、エキスパンドメタル等の多孔性の金属板を用いることができる。
(触媒層)
触媒層21は、電解質膜1に隣接して設けられる。触媒層21は、触媒、担体及び高分子電解質を含み、触媒によって原料ガスの反応を促進する。触媒層21では、粒子状の触媒が担体に担持され、高分子電解質によって担体及び触媒が被覆されている。
触媒層21は、電解質膜1に隣接して設けられる。触媒層21は、触媒、担体及び高分子電解質を含み、触媒によって原料ガスの反応を促進する。触媒層21では、粒子状の触媒が担体に担持され、高分子電解質によって担体及び触媒が被覆されている。
(触媒)
触媒としては、水素ガス又は酸素ガスの反応の触媒作用を有するのであれば特に限定されないが、例えば白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、タングステン(W)、鉛(Pb)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、バナジウム(V)、モリブデン(Mo)、ガリウム(Ga)及びアルミニウム(Al)等の金属、これら金属の混合物、合金等が挙げられる。なかでも、触媒活性、一酸化炭素等に対する耐被毒性、耐熱性等を向上させる観点から、白金、白金を含む混合物又は合金が好ましい。触媒が合金からなる場合、合金の組成は、合金化する金属の種類にもよるが、例えば白金の含有量を30〜90原子%とし、その他の金属の含有量を10〜70原子%とすることができる。
触媒としては、水素ガス又は酸素ガスの反応の触媒作用を有するのであれば特に限定されないが、例えば白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、タングステン(W)、鉛(Pb)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、バナジウム(V)、モリブデン(Mo)、ガリウム(Ga)及びアルミニウム(Al)等の金属、これら金属の混合物、合金等が挙げられる。なかでも、触媒活性、一酸化炭素等に対する耐被毒性、耐熱性等を向上させる観点から、白金、白金を含む混合物又は合金が好ましい。触媒が合金からなる場合、合金の組成は、合金化する金属の種類にもよるが、例えば白金の含有量を30〜90原子%とし、その他の金属の含有量を10〜70原子%とすることができる。
触媒の平均粒子径は、特に限定されないが、触媒利用率及び担体での担持性の向上の観点からは、好ましくは1〜30nm、より好ましくは1〜20nmである。
触媒の平均粒子径は、X線回折における触媒粒子の回折ピークの半値幅より求められる結晶子径として求めることができる。また、触媒の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)又は走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)により観察したn個の触媒粒子の粒子径の平均値として求めることもできる。nは、例えば200〜300とすることができる。
触媒の平均粒子径は、X線回折における触媒粒子の回折ピークの半値幅より求められる結晶子径として求めることができる。また、触媒の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)又は走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)により観察したn個の触媒粒子の粒子径の平均値として求めることもできる。nは、例えば200〜300とすることができる。
(担体)
担体としては、細孔を有する導電性の多孔性金属化合物を用いることができる。多孔性金属化合物としては、例えばメソポーラスカーボンが挙げられる。メソポーラスカーボンとしては、例えばケッチェンブラック(登録商標)、アセチレンブラック、バルカン(登録商標)等のカーボンブラック、複数層のグラフェンシートが積層されてメソポーラスが形成された構造を有するカーボン等が挙げられる。また、多孔性金属化合物としては、例えばPtブラック、Pdブラック、フラクタル状に析出させたPt金属、Ti、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W等の酸化物、窒化物、炭化物、酸窒化物、炭窒化物等が挙げられる。なかでも、分散性が良好で表面積が大きく、触媒の担持量が多い場合でも高温での粒子成長が少ない観点からは、メソポーラスカーボンが好ましい。
担体としては、細孔を有する導電性の多孔性金属化合物を用いることができる。多孔性金属化合物としては、例えばメソポーラスカーボンが挙げられる。メソポーラスカーボンとしては、例えばケッチェンブラック(登録商標)、アセチレンブラック、バルカン(登録商標)等のカーボンブラック、複数層のグラフェンシートが積層されてメソポーラスが形成された構造を有するカーボン等が挙げられる。また、多孔性金属化合物としては、例えばPtブラック、Pdブラック、フラクタル状に析出させたPt金属、Ti、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W等の酸化物、窒化物、炭化物、酸窒化物、炭窒化物等が挙げられる。なかでも、分散性が良好で表面積が大きく、触媒の担持量が多い場合でも高温での粒子成長が少ない観点からは、メソポーラスカーボンが好ましい。
担体の平均粒子径は、特に限定されないが、触媒粒子の担持性を高める観点からは、10〜100nmが好ましい。
担体の平均粒子径は、触媒の平均粒子径と同様にして、TEM又はSEMにより求めることができる。
担体の平均粒子径は、触媒の平均粒子径と同様にして、TEM又はSEMにより求めることができる。
担体のBET比表面積は、多くの触媒粒子を担持する観点から、50m2/g以上が好ましく、500m2/g以上がより好ましく、700m2/g以上がさらに好ましい。一方、担体のBET比表面積は、均一に触媒粒子を担持する観点から、1500m2/g以下が好ましく、1300m2/g以下がより好ましく、1000m2/g以下がさらに好ましい。したがって、担体のBET比表面積は、50〜1500m2/gが好ましく、500〜1300m2/gがより好ましく、700〜1000m2/gがさらに好ましい。
上記担体のBET比表面積は、窒素吸着法により測定される。
上記担体のBET比表面積は、窒素吸着法により測定される。
担体に担持された触媒の質量は、触媒と担体を合わせた質量(100質量%)に対して、通常1〜99質量%とすることができ、触媒活性及び担持性の向上の観点からは、10〜90質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましい。
(高分子電解質)
触媒層21に使用できる高分子電解質としては、プロトン供与性の有機高分子、無機高分子、セラミックス等が挙げられる。なかでも、量産性の観点からは、有機高分子が好ましい。電解質膜1に使用できる有機高分子電解質としては、例えばスルホン酸基、リン酸基、カルボン酸基等の酸性の官能基を有するフッ素系ポリマー、炭化水素系ポリマー等が挙げられる。フッ素系ポリマーとしては、例えばパーフルオロスルホン酸ポリマー等が挙げられる。炭化水素系ポリマーとしては、例えばスルホン化ポリエーテルエーテルケトン(SPEEK)、スルホン化ポリエーテルスルホン(SPES)、スルホン化ポリフェニルスルホン(SPPSU)、スルホン化ポリイミド、スルホン化ポリエーテルイミド、スルホン化ポリスルホン、スルホン化ポリスチレン等の芳香族系ポリマー、ポリビニルスルホン酸、ポリビニルリン酸等の脂肪族系ポリマー等が挙げられる。
触媒層21に使用できる高分子電解質としては、プロトン供与性の有機高分子、無機高分子、セラミックス等が挙げられる。なかでも、量産性の観点からは、有機高分子が好ましい。電解質膜1に使用できる有機高分子電解質としては、例えばスルホン酸基、リン酸基、カルボン酸基等の酸性の官能基を有するフッ素系ポリマー、炭化水素系ポリマー等が挙げられる。フッ素系ポリマーとしては、例えばパーフルオロスルホン酸ポリマー等が挙げられる。炭化水素系ポリマーとしては、例えばスルホン化ポリエーテルエーテルケトン(SPEEK)、スルホン化ポリエーテルスルホン(SPES)、スルホン化ポリフェニルスルホン(SPPSU)、スルホン化ポリイミド、スルホン化ポリエーテルイミド、スルホン化ポリスルホン、スルホン化ポリスチレン等の芳香族系ポリマー、ポリビニルスルホン酸、ポリビニルリン酸等の脂肪族系ポリマー等が挙げられる。
(燃料電池の製造方法)
上記燃料電池セル10は、膜電極接合体4の両面をセパレータ3で挟むことにより、製造することができる。膜電極接合体4は、電解質膜1の両面に電極2の触媒層21を形成し、触媒層21の電解質膜1と反対側の面にガス拡散層22を形成することで、製造することができる。本実施形態では、触媒、担体及び高分子電解質を含む粒状の触媒層材料を製造するステップと、製造された粒状の触媒層材料を電解質膜1上に堆積させるステップとを経て、触媒層21が形成される。粒状の触媒層材料を製造するステップと、触媒層21を形成するステップは、異なるラインで実施される。触媒層材料を製造するラインで製造された粒状の触媒層材料が、触媒層21を形成するラインに供給される。
上記燃料電池セル10は、膜電極接合体4の両面をセパレータ3で挟むことにより、製造することができる。膜電極接合体4は、電解質膜1の両面に電極2の触媒層21を形成し、触媒層21の電解質膜1と反対側の面にガス拡散層22を形成することで、製造することができる。本実施形態では、触媒、担体及び高分子電解質を含む粒状の触媒層材料を製造するステップと、製造された粒状の触媒層材料を電解質膜1上に堆積させるステップとを経て、触媒層21が形成される。粒状の触媒層材料を製造するステップと、触媒層21を形成するステップは、異なるラインで実施される。触媒層材料を製造するラインで製造された粒状の触媒層材料が、触媒層21を形成するラインに供給される。
(触媒層材料の製造方法)
粒状の触媒層材料を製造するステップは、触媒層用インクを調製するステップと、触媒層用インクをスプレーし、触媒層材料を粒状化するステップと、得られた粒状の触媒層材料を貯留装置において貯留するステップと、を含む。
粒状の触媒層材料を製造するステップは、触媒層用インクを調製するステップと、触媒層用インクをスプレーし、触媒層材料を粒状化するステップと、得られた粒状の触媒層材料を貯留装置において貯留するステップと、を含む。
触媒層用インクを調製するステップでは、触媒、担体及び高分子電解質を含む触媒層材料を溶媒と混合する。溶媒としては、通常、水、アルコール等のプロトン性極性溶媒が使用され得る。すべての材料を溶媒と混合してもよいし、担体と触媒を混合した後、さらに高分子電解質と溶媒を添加して混合してもよい。例えば、担体としてメソポーラスカーボンを使用し、触媒として白金を使用する場合、メソポーラスカーボンを純水中に分散させ、この分散液中に硝酸を添加する。さらに、ジニトロジアミン白金塩水溶液を添加した後、エタノールを添加して加熱することにより還元する。これにより、外表面及び細孔の内部に白金粒子を担持したメソポーラスカーボンが得られる。次いで、高分子電解質と溶媒を加えて撹拌することで、触媒層用インクが得られる。
触媒層材料を粒状化するステップでは、触媒層用インクに静電気力又は圧力を加えてスプレーし、溶媒を蒸発させるとともに触媒層材料を粒状化する。
触媒層材料の粒径は、各材料を触媒層21中に均一に分散させる観点からは、小さいことが好ましい。具体的には、触媒層材料の平均粒径が、マイクロメートルサイズであることが好ましく、ナノメートルサイズであることがより好ましい。触媒層材料の粒径は、TEM又はSEMにより、触媒を担持し、高分子電解質により被覆された担体の粒子を観察し、観察したn個の粒子の粒子径の平均値として求めることができる。nは、例えば200〜300とすることができる。
触媒層材料の粒径は、各材料を触媒層21中に均一に分散させる観点からは、小さいことが好ましい。具体的には、触媒層材料の平均粒径が、マイクロメートルサイズであることが好ましく、ナノメートルサイズであることがより好ましい。触媒層材料の粒径は、TEM又はSEMにより、触媒を担持し、高分子電解質により被覆された担体の粒子を観察し、観察したn個の粒子の粒子径の平均値として求めることができる。nは、例えば200〜300とすることができる。
貯留するステップでは、スプレーされた粒状の触媒層材料を貯留装置内で堆積させて貯留する。貯留装置としては、触媒層材料を貯留できるのであれば特に限定されず、例えばホッパー、タンク、サイロ等を使用できる。触媒層材料を均一に分散させる観点から、貯留装置は、撹拌羽根等を備えて、貯留した触媒層材料を撹拌する構成を有することが好ましい。
触媒層用インクをスプレーして触媒層21を直接成膜する場合、すなわち粒状の触媒層材料の製造と触媒層21の形成が1つのライン上で実施される場合、同じラインで成膜する電解質膜1等の成膜速度を触媒層21の成膜速度に合わせる必要があり、生産性が低下する。これに対し、本実施形態では、粒状の触媒層材料の製造と触媒層21の形成が別ラインであるため、触媒層材料の粒状化だけを連続的に行えばよく、触媒層材料を大量生産することができる。また、スプレーによって直接成膜する場合、圧力によって電解質膜1等の下地層が損傷することを避けるため、触媒層材料に加える圧力を制限せざるを得ず、高圧スプレーによる細粒化が難しい。本実施形態では、粒状化のみで成膜は行わないため、高圧を加えて細粒化することができる。
(触媒層材料の製造例1)
図2は、静電気力を加えてスプレーする場合の触媒層材料の製造装置の一例を示す。静電気力を加えてスプレーする方法は、静電スプレー(ES:Electrostatic spray)法と呼ばれる。
図2に示すように、製造装置101は、タンク51、スプレー装置52及び貯留装置J1を備える。スプレー装置52は、2つのノズル521、電源522及びポンプ523を備える。貯留装置J1は、底部に撹拌羽根J11を備える。図2に示すノズル521の数は2つだが、数はこれに限定されない。ノズル521の数が多いほど、触媒層材料の生産性が高まるため、好ましい。
図2は、静電気力を加えてスプレーする場合の触媒層材料の製造装置の一例を示す。静電気力を加えてスプレーする方法は、静電スプレー(ES:Electrostatic spray)法と呼ばれる。
図2に示すように、製造装置101は、タンク51、スプレー装置52及び貯留装置J1を備える。スプレー装置52は、2つのノズル521、電源522及びポンプ523を備える。貯留装置J1は、底部に撹拌羽根J11を備える。図2に示すノズル521の数は2つだが、数はこれに限定されない。ノズル521の数が多いほど、触媒層材料の生産性が高まるため、好ましい。
製造装置101では、ノズル521が電源522に接続され、貯留装置J1が接地されている。タンク51には、触媒層用インクが貯留され、ポンプ523によってタンク51からノズル521へ触媒層用インクが移送される。ノズル521に、電源522により正の電圧を印加すると、ノズル521と接地された貯留装置J1間に電界が生じ、ノズル521内の触媒層用インクに静電気力が加えられる。静電気力により触媒層用インクが分極すると、ノズル521の先端から帯電した液滴が吐出される。液滴からは溶媒が蒸発し、液滴表面の電荷密度が過剰になって、クーロン反発力によって液滴が分裂する。溶媒の蒸発と液滴の分裂を繰り返しながら、液滴は静電気力によって貯留装置J1側に引き寄せられる。これにより、細粒化された触媒層材料が貯留装置J1内に堆積する。
ノズル521に印加する電圧、ノズル521と貯留装置J1間の距離等を調整することで、触媒層材料の粒子のサイズをナノメートルサイズまで細粒化することができる。電圧は、通常1〜30kVの範囲内とすることができる。触媒層材料の劣化が少なく、細粒化できる電圧を選択すればよい。
触媒層材料のなかでも、高分子電解質の粒子のサイズが小さいほど、イオン伝導性が向上しやすい。高分子電解質の表面でのイオン伝導は、バルク部分でのイオン伝導に比べて速く、伝導距離も長い。つまり、高分子電解質の表面積が大きいほどイオン伝導性が高くなる。よって、触媒層材料の粒子をナノメートルサイズまで最粒化することにより、イオン伝導性に優れた触媒層21が得られる。
貯留装置J1に堆積した触媒層材料は、貯留装置J1でそのまま貯留することもできるし、貯留装置J1からさらに袋体やコンテナ等の容器J2へ小分けすることも可能である。貯留装置J1に貯留している間、撹拌羽根J11によって触媒層材料は撹拌され得る。
(触媒層材料の製造例2)
図3は、圧力を加えてスプレーする場合の触媒層材料の製造装置の一例を示す。
図3に示すように、製造装置102は、タンク61、スプレー装置62及び貯留装置J1を備える。スプレー装置62は、4つの噴射弁621、ポンプ622及びコモンレール623を備える。コモンレール623には圧力センサ624が設けられ、ポンプ622には圧力制御弁625が設けられている。貯留装置J1は、底部に撹拌羽根J11を備える。図3に示す噴射弁621の数は4つだが、数はこれに限定されない。噴射弁621の数が多いほど、触媒層材料の生産性が高まるため、好ましい。
図3は、圧力を加えてスプレーする場合の触媒層材料の製造装置の一例を示す。
図3に示すように、製造装置102は、タンク61、スプレー装置62及び貯留装置J1を備える。スプレー装置62は、4つの噴射弁621、ポンプ622及びコモンレール623を備える。コモンレール623には圧力センサ624が設けられ、ポンプ622には圧力制御弁625が設けられている。貯留装置J1は、底部に撹拌羽根J11を備える。図3に示す噴射弁621の数は4つだが、数はこれに限定されない。噴射弁621の数が多いほど、触媒層材料の生産性が高まるため、好ましい。
製造装置102では、タンク61に貯留された触媒層用インクが、ポンプ622によりコモンレール623に移送される。ポンプ622は触媒層用インクに高圧を加え、供給路631を介してコモンレール623へ触媒層用インクを圧送する。コモンレール623は蓄圧器であり、供給路632を介して、ほぼ均等な圧力で各噴射弁621に触媒層用インクを供給する。各噴射弁621からは、高圧が加えられた触媒層用インクがスプレーされる。噴射弁621は、例えば電磁弁であり、図示しない制御装置からの指示によって弁を開閉する。触媒層用インクは、高圧によって小さな液滴となり、貯留装置J1に到達するまでに液滴から溶媒が蒸発して、細粒化された触媒層材料が貯留装置J1内に堆積する。
噴射弁621での余剰の触媒層用インクは、排出路633を介してタンク61へ戻される。圧力制御弁625は、排出路633を流れる余剰の触媒層用インクの流路面積を調整する。この圧力制御弁625の調整によって、圧力センサ624により検出される圧力が、目標とする圧力と一致するように、コモンレール623内の触媒層用インクの圧力が制御される。
なお、貯留装置J1から容器J2へ小分けできる点、貯留装置J1内の触媒層材料を撹拌羽根J11によって撹拌できる点は、上記製造装置101と同じである。
加える圧力が高いほど、また噴射弁621の孔径が小さいほど、触媒層材料を細粒化できる。触媒層用インクの粘性が低い方が、同じ圧力でも触媒層材料が細粒化される傾向があるが、高圧下では粘性の影響は小さい。よって、圧力を変えて触媒層用インクを噴射し、十分に細粒化できるときの圧力を求めて設定すればよい。通常は、50MPa以上の圧力とすることができ、上限は特に限定されないが、200〜350MPa程度の圧力を加えれば、触媒層用インクの粘性によらず、十分に細粒化できる。噴射弁621の孔径は、圧力との関係で目的の粒径の触媒層材料が得られるときの孔径を選択すればよい。
噴射時の温度の上限は、例えば高分子電解質の融点、ガラス転移点又は熱分解温度よりも低い温度とし、触媒層材料の劣化を避けることが好ましい。
スプレーによって製造された粒状の触媒層材料を使用して触媒層21を形成することにより、触媒、担体及び高分子電解質を触媒層21中に均一に分散させることができる。また、触媒及び担体が高分子電解質によって十分被覆された触媒層21が得られる。
図4は、触媒層用インクを塗布して触媒層21を形成する場合の触媒層材料の状態を説明する図である。
乾燥前の塗布膜においては、溶媒と高分子電解質13が触媒11と担体12間を満たしている。この塗布膜を乾燥処理すると、乾燥時の熱によって急激な溶媒の蒸発が生じ、その影響で高分子電解質13の表面張力が生じて、担体12の表面との接触角が大きくなる。その結果、図4に示すように、高分子電解質13の被覆が局所化し、触媒11及び担体12を被覆する面積が減って、担体12間に不均一な隙間が生じる。担体12同士が繋がって2次粒子14が形成されやすくなるため、膜中の触媒11、担体12及び高分子電解質13の均一性が低下する。
乾燥前の塗布膜においては、溶媒と高分子電解質13が触媒11と担体12間を満たしている。この塗布膜を乾燥処理すると、乾燥時の熱によって急激な溶媒の蒸発が生じ、その影響で高分子電解質13の表面張力が生じて、担体12の表面との接触角が大きくなる。その結果、図4に示すように、高分子電解質13の被覆が局所化し、触媒11及び担体12を被覆する面積が減って、担体12間に不均一な隙間が生じる。担体12同士が繋がって2次粒子14が形成されやすくなるため、膜中の触媒11、担体12及び高分子電解質13の均一性が低下する。
図5は、粒状の触媒層材料を堆積させて触媒層を形成する場合の触媒層材料の状態を説明する図である。
スプレーによって触媒層用インクは微細な液滴となる。乾燥工程がなく、各液滴から少量の溶媒が少しずつ蒸発するため、高分子電解質13の表面張力が生じにくい。その結果、図5に示すように、触媒11及び担体12の表面が高分子電解質13によって十分に覆われた粒子状の触媒層材料が得られる。高分子電解質13によって担体12の表面が覆われ、また液滴が個々の粒子となるため、担体12の2次粒子は形成されにくく、触媒11、担体12及び高分子電解質13が均一に分散した触媒層21が得られる。このように、高分子電解質13が触媒11等を被覆し、各材料が均一に分散することによって、イオン伝導性が高くムラも少ない、触媒性能に優れた触媒層21が得られる。
スプレーによって触媒層用インクは微細な液滴となる。乾燥工程がなく、各液滴から少量の溶媒が少しずつ蒸発するため、高分子電解質13の表面張力が生じにくい。その結果、図5に示すように、触媒11及び担体12の表面が高分子電解質13によって十分に覆われた粒子状の触媒層材料が得られる。高分子電解質13によって担体12の表面が覆われ、また液滴が個々の粒子となるため、担体12の2次粒子は形成されにくく、触媒11、担体12及び高分子電解質13が均一に分散した触媒層21が得られる。このように、高分子電解質13が触媒11等を被覆し、各材料が均一に分散することによって、イオン伝導性が高くムラも少ない、触媒性能に優れた触媒層21が得られる。
図6は、燃料電池セル10の膜電極接合体4の製造装置の一例を示す。
図6に示すように、製造装置200は、搬送機構70、積層部81〜84及び安定化処理部85を備える。製造装置200は、膜電極接合体4をロール・トゥ・ロールで製造する。
図6に示すように、製造装置200は、搬送機構70、積層部81〜84及び安定化処理部85を備える。製造装置200は、膜電極接合体4をロール・トゥ・ロールで製造する。
搬送機構70は、巻き出しローラー71、巻き取りローラー72及び複数の搬送ローラー73を備える。搬送機構70は、巻き出しローラー71によりロール状の基材Wを巻き出して、巻き出した基材Wのシートを各搬送ローラー73により搬送する。また、搬送機構70は、基材W上に電解質膜1及び電極2を積層することにより得られた膜電極接合体4のシートを、巻き取りローラー72により巻き取る。
基材Wとしては、電極2のガス拡散層22として使用されるカーボン繊維シート等を使用できる。触媒層21のみの電極2を形成する場合は、基材Wとして保護フィルム等を用い、後で保護フィルムを剥がしてカーボン繊維シートを貼り合わせる等してガス拡散層22を設けることもできる。以下、ガス拡散層22を基材Wとして用いた場合を説明する。
積層部81では、粒状の触媒層材料を基材W上に堆積させることで、触媒層21が形成される。積層部81には、製造装置101、102等の別ラインであらかじめ製造され、貯留装置J1に貯留された粒状の触媒層材料が供給される。積層部81では、例えばバー等を用いて貯留装置J1又は容器J2から供給された粒状の触媒層材料をペーストすることにより、触媒層21を形成することができる。
溶媒を使用しないドライプロセスにより、触媒層21が形成されるので、乾燥工程を省略することができ、製造コストを減らすことができる。また、乾燥時の熱による触媒層材料の粒子同士の融着等を避けることができ、イオン伝導性が高く、優れた触媒性能の触媒層21を形成することができる。
積層部82では、触媒層21上に電解質膜1が形成される。電解質膜1の形成方法は特に限定されず、電解質膜1の材料である高分子電解質を溶媒と混合したインクを用いるウェットプロセスでもよいし、溶媒を用いずに高分子電解質の粒子を堆積させるドライプロセスでもよい。ウェットプロセスとしては、例えばダイコート法、バーコード法、スプレーコート法、インクジェット法、グラビア法等が挙げられる。ウェットプロセスの場合、積層部82は乾燥装置を備えて、膜を乾燥すればよい。ドライプロセスとしては、例えば例えばパウダージェットデポジション法、電界紡糸法等が挙げられる。
積層部83では、積層部81と同様にして、あらかじめ製造され、貯留装置J1に貯留された粒状の触媒層材料を電解質膜1上に堆積させることで、触媒層21が形成される。
積層部84では、触媒層21上にカーボン繊維シート等を貼り合わせることにより、ガス拡散層22が形成される。これにより、ガス拡散層22、触媒層21、電解質膜1、触媒層21及びガス拡散層22の積層体、すなわち膜電極接合体4が得られる。
安定化処理部85では、膜電極接合体4に対して加圧処理及び加熱処理の少なくとも1つが実施される。加圧又は加熱により、膜電極接合体4の各層の強度を高めて安定化させることができる。
その後、膜電極接合体4は、巻き取りローラー72によりロール状に巻き取られる。ロール状の膜電極接合体4を巻き出して必要なサイズにカットした後、セパレータ3で挟むことにより、燃料電池セル10が得られる。
以上のように、あらかじめスプレーにより粒状化した触媒層材料を製造し貯留しておくことにより、触媒層21の形成時には必要とする量の触媒層材料をすみやかに供給することができる。触媒層用インクをスプレーして直接成膜する場合、一定面積の触媒層21の形成に非常に時間を要するため、電解質膜1等と同じラインで製造することは難しい。多数のノズルを使用して成膜速度を上げることもできるが、ラインが大幅に拡張されるため、設備に限界がある。これに対し、本実施形態によれば、触媒層材料を製造するラインと、膜電極接合体4を製造するラインとが分けられている。電解質膜1の成膜速度等に触媒層21の成膜速度が影響しないため、搬送速度を落とすことなく製造が可能であり、燃料電池セル10の生産性が高まる。
また、スプレーにより粒状化された触媒層材料を使用することにより、触媒及び担体が高分子電解質により十分に被覆され、それぞれが均一に分散した触媒層21が得られる。したがって、触媒層21の触媒性能が優れた燃料電池セル10を製造することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、本発明の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
10・・・燃料電池セル、1・・・電解質膜、2・・・電極、21・・・触媒層、22・・・ガス拡散層、4・・・膜電極接合体、3・・・セパレータ、101、102・・・触媒層材料の製造装置、52、62・・・スプレー装置、J1・・・貯留装置、200・・・膜電極接合体の製造装置
Claims (3)
- 触媒、前記触媒を担持する担体及び高分子電解質を含む触媒層材料を、溶媒と混合し、触媒層用インクを調製するステップと、
前記触媒層用インクに静電気力又は圧力を加えてスプレーし、前記溶媒を蒸発させるとともに前記触媒層材料を粒状化するステップと、
前記スプレーにより得られた粒状の前記触媒層材料を貯留装置(J1)において貯留するステップと、を含む
触媒層材料の製造方法。 - 触媒、前記触媒を担持する担体及び高分子電解質を含む触媒層材料を、溶媒と混合して得られた触媒層用インクに、静電気力又は圧力を加えてスプレーし、前記溶媒を蒸発させるとともに前記触媒層材料を粒状化するスプレー装置(52、62)と、
前記スプレー装置(52、62)により得られた粒状の前記触媒層材料の貯留装置(J1)と、を備える
触媒層材料の製造装置(101、102)。 - 2つの電極(2)間に電解質膜(1)を備える燃料電池の製造方法であって、
前記電極(2)は、触媒、前記触媒を担持する担体及び高分子電解質を含む触媒層(21)を備え、
前記触媒、前記担体及び前記高分子電解質を含む粒状の触媒層材料を製造するステップと、
粒状の前記触媒層材料を前記電解質膜(1)上に堆積させて、前記触媒層(21)を形成するステップと、を含み、
前記触媒層材料を製造するステップは、
前記触媒層材料を、溶媒と混合し、触媒層用インクを調製するステップと、
前記触媒層用インクに静電気力又は圧力を加えてスプレーし、前記溶媒を蒸発させるとともに前記触媒層材料を粒状化するステップと、
前記スプレーにより得られた粒状の前記触媒層材料を貯留装置(J1)において貯留するステップと、を含み、
前記触媒層材料を製造するステップと、前記触媒層(21)を形成するステップは、異なるラインで実施され、
前記触媒層材料を製造するラインで製造され、前記貯留装置(J1)において貯留された粒状の前記触媒層材料が、前記触媒層(21)を形成するラインに供給される、
燃料電池の製造方法。
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JP2018121661A JP2020004566A (ja) | 2018-06-27 | 2018-06-27 | 触媒層材料の製造方法、製造装置及び燃料電池の製造方法 |
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