JP2020003425A - 空気入りタイヤの周方向偏摩耗の判定方法および装置 - Google Patents

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【課題】空気入りタイヤの周方向偏摩耗の判定方法および装置において、正確に周方向偏摩耗の発生の有無を判定する。【解決手段】空気入りタイヤの周方向偏摩耗の判定方法は、タイヤ1を所定回転数で転動させ、パターンノイズの音圧を測定し、パターンノイズがタイヤ1の1回転当たりに規則的にN回発せられるとき、前記所定回転数をN倍した特定周波数において、測定した音圧と、新品時の音圧とを比較し、測定した音圧が新品時の音圧よりも所定以上大きければ摩耗していると判定する。【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りタイヤの周方向偏摩耗の判定方法および装置に関する。
自動車などに取り付けられる空気入りタイヤでは、使用状態に応じて様々な偏摩耗が発生する。例えば、このような偏摩耗として、周方向に局部的に摩耗が発生する局部摩耗およびタイヤ全体が多角形状に摩耗する多角形摩耗が発生することがある。これらの偏摩耗を総じて周方向偏摩耗と称する。周方向偏摩耗は、タイヤ性能を悪化させるとともにノイズを増大させるため、正確に検知して対処することが求められている。
特許文献1には、タイヤのパターンノイズにおける周波数毎の音圧レベルを測定して、基準タイヤの音圧レベルと比較演算することによりタイヤの摩耗量を測定する方法が開示されている。
特開2000−346755号公報
特許文献1のタイヤの摩耗量の測定方法は、一般的な摩耗を測定するものであり、特定の偏摩耗を効果的に測定できるものではない。従って、特定の偏摩耗として周方向偏摩耗の発生の有無を判定する観点で改善の余地がある。
本発明は、空気入りタイヤの周方向偏摩耗の判定方法および装置において、周方向偏摩耗の発生の有無を正確に判定することを課題とする。
本発明の第1の態様は、空気入りタイヤを所定回転数で転動させ、パターンノイズの音圧を測定し、前記パターンノイズが前記空気入りタイヤの1回転当たりに規則的にN回発せられるとき(Nは自然数)、前記所定回転数に前記Nを乗じた値である特定周波数において、測定した音圧と、新品時の音圧とを比較し、前記測定した音圧が前記新品時の音圧よりも所定以上大きければ摩耗していると判定することを含む、空気入りタイヤの周方向偏摩耗の判定方法を提供する。
この方法によれば、パターンノイズの音圧を測定し、特定周波数において、測定した音圧が新品時の音圧よりも所定以上大きければ摩耗していると判定する。従って、特定周波数に対応する周方向偏摩耗の発生の有無を判定できる。周方向偏摩耗が発生すると、所定回転数をN倍した特定周波数でパターンノイズが増加する。そのため、この特定周波数で、新品時のタイヤと、測定したタイヤとの音圧を比較することで、周方向偏摩耗の発生の有無を判定できる。さらに言えば、比較する音圧の周波数を厳密に特定していることで、周方向偏摩耗の検知に特化した正確な判定が可能となっている。なお、ここでの音圧比較の閾値は、判定したい周方向偏摩耗の度合いに応じて設定してもよい。
前記Nは3〜8であり、前記空気入りタイヤの多角形摩耗を検知してもよい。
この方法によれば、多角形摩耗の発生の有無を判定できる。例えば、N=6のときは六角形摩耗の発生の有無を判定できる。即ち、タイヤが1回転する際に6回の規則的なパターンノイズが発せられ、これを検知することで、六角形摩耗の発生の有無を判定する。多角形摩耗の原因の一つは、タイヤの振動である。この振動数がタイヤの固有振動数と一致すると、振動モードに応じた多角形摩耗が生じる。このような振動モードに応じて生じる多角形摩耗は、概ね八角形以下である。従って、N=3〜8と規定することで、周方向偏摩耗の発生の有無を効率的に判定することができる。
前記Nは1であり、前記空気入りタイヤの局部摩耗を検知してもよい。
この方法によれば、局部摩耗の発生の有無を判定できる。局部摩耗はタイヤ周方向に局部的に生じる摩耗である。そのため、タイヤが1回転する際に1回のパターンノイズが発せられ、これを検知することで局部摩耗の発生の有無を判定する。
前記測定した音圧が前記新品時の音圧の2倍以上大きければ摩耗していると判定してもよい。
この方法によれば、音圧比較の際に2倍を閾値として周方向偏摩耗の発生の有無を判定している。パターンノイズの音圧が2倍となると、一般の運転者にも感じられるほどの違いが生じ、ノイズが目立つことが多いためである。また、音圧で2倍を閾値としているため、風および路面状態等の外乱の影響を受けることによって測定する音圧がわずかに変化しても誤判定することなく、周方向偏摩耗の発生の有無を正確に判定できる。
前記所定回転数は、前記特定周波数が気柱管共鳴周波数範囲から外れる回転数であってもよい。
この方法によれば、パターンノイズがタイヤのトレッド部の周方向溝の気柱管共鳴によって影響を受けることを防止できる。仮に、パターンノイズの周波数範囲と気柱管共鳴の周波数範囲が一致する速度で評価すると、摩耗するごとに溝は浅くなるため、気柱管共鳴の影響は減少する。すなわち、評価中の気柱管共鳴の影響は一定ではない。従って、特定周波数が気柱管共鳴周波数範囲内から外れるように回転数を設定することで、パターンノイズを正確に測定できる。
前記空気入りタイヤの転動方向前方に音圧センサを設置し、前記音圧センサによって前記パターンノイズの音圧を測定してもよい。
この方法によれば、パターンノイズはタイヤの転動方向前方において明瞭に強く現れるため、効率よくパターンノイズの音圧を測定できる。これに対し、タイヤの転動方向後方ではタイヤが地面を蹴り出す際のこすれやすべりなどにより発生する音が測定したいパターンノイズに混ざるおそれがあり、かつ、石ころなどが飛んで音圧センサが破損する可能性もある。タイヤの転動方向に対して側方ではパターンノイズの音圧が低い。従って、タイヤの転動方向前方においてパターンノイズを測定することが好ましい。
前記空気入りタイヤの転動は、前記空気入りタイヤを備える自動車の実車走行によって行われ、音圧センサを前記自動車の車室内に設置し、前記音圧センサによって前記パターンノイズの音圧を測定し、前記特定周波数が前記自動車の車室内共鳴範囲内となるように前記実車走行の速度を調整して前記所定回転数を調整してもよい。
この方法によれば、車室内共鳴によって効率よくパターンノイズを増幅させ、パターンノイズの音圧を測定できる。車室内共鳴は、車室の大きさおよび形状等に応じた周波数範囲で発生する。共鳴する周波数は車室内の位置によっても変わるため、車室内共鳴範囲といったように範囲として定義されている。従って、好ましくは、所定回転数は音圧センサを取り付けた位置における車室内共鳴周波数と一致する回転数である。
本発明の第2の態様は、空気入りタイヤを所定回転数で転動させる転動装置と、パターンノイズの音圧を測定する音圧センサと、新品時の音圧を記憶した記憶部と、前記パターンノイズが前記空気入りタイヤの1回転当たりに規則的にN回発せられるとき(Nは自然数)、前記所定回転数にNを乗じた値である特定周波数において、前記音圧センサにて測定した音圧と、前記記憶部の新品時の音圧とを比較し、前記測定した音圧が前記新品時の音圧よりも所定以上大きければ摩耗していると判定する判定部とを備える、空気入りタイヤの周方向偏摩耗の判定装置を提供する。
本発明によれば、空気入りタイヤの周方向偏摩耗の判定方法および装置において、特定周波数にて、新品時の音圧と測定時の音圧とを比較しているため、周方向偏摩耗の発生の有無を正確に判定できる。
空気入りタイヤの斜視図。 多角形摩耗が発生した空気入りタイヤの側面図。 マイクロホンの設置位置を示す空気入りタイヤの平面図。 空気入りタイヤの転動装置の側面図。 空気入りタイヤの転動装置の平面図。 制御装置のブロック図。 新品時の周波数と音圧の関係を示すグラフ。 測定時の周波数と音圧の関係を示すグラフ。 空気入りタイヤの転動装置の変形例の側面図。 局部摩耗が発生した空気入りタイヤの斜視図。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
(第1実施形態)
本実施形態では、空気入りタイヤの多角形摩耗の発生の有無を判定する。多角形摩耗は、周方向偏摩耗の一態様である。空気入りタイヤ1は、例えば一般の乗用自動車用タイヤであり得る。代替的には、トラックまたはバス用タイヤなどであってもよい。以降、空気入りタイヤ1のことを単にタイヤ1ともいう。
図1を参照して、タイヤ1は、ホイールリム2に装着される。タイヤ1は、ホイールリム2に装着された状態で路面上を転動する。路面上をタイヤ1が転動すると、タイヤ1の多角形摩耗に応じたパターンノイズが生じる。本実施形態の判定方法は、当該パターンノイズを測定することにより、多角形摩耗の発生の有無を判定するものである。
パターンノイズは路面状態に応じて異なり得るため、正確な判定を行うためには一定の路面状態でパターンノイズを測定することが好ましい。一定の路面状態としては、例えば、JIS D 8301:2013(ISO 10844:2011)を採用してもよい。
図2は、周方向偏摩耗として多角形摩耗が発生したタイヤ1の側面図を示している。図2の例では、タイヤ1が概ね正六角形状に摩耗している。このような多角形摩耗の原因の一つは、タイヤの振動である。この振動数がタイヤの固有振動数と一致すると、振動モードに応じて多角形摩耗が生じる。多角形摩耗は、正六角形に限らず、正三角形から正八角形程度の範囲で生じる傾向にある。
図3は、タイヤ1の平面図を示している。パターンノイズを測定するためには、マイクロホン(音圧センサ)20を使用する。好ましくは、マイクロホン20は、タイヤ1の転動方向前方Frに設置される。詳細には、平面視においてタイヤ1の幅を一辺とする正三角形領域S1にマイクロホン20は設置されることが好ましい。タイヤ1の前方では、ブロック13が接地する瞬間の大きなパターンノイズを明瞭に測定できるためである。代替的には、マイクロホン20は、タイヤ1の転動方向の後方に設置されてもよい。詳細には、平面視においてタイヤ1の幅を一辺とする正三角形領域S2にマイクロホン20は設置されてもよい。さらに代替的には、マイクロホン20は、タイヤ1の側方に設置されてもよい。詳細には、平面視においてタイヤ1の長さを一辺とする正三角形領域S3にマイクロホン20は設置されてもよい。また、タイヤ高さ方向については、地面からタイヤ中心までの範囲にマイクロホン20が設置されることが好ましい。なお、図3中の符号32で示す部材は、後述する支持部32を示している。
本実施形態では、タイヤ1の周方向偏摩耗を判定するための判定装置を使用する。
判定装置は、タイヤ1を所定回転数で転動させる転動装置30と、パターンノイズの音圧を測定するマイクロホン20と、制御装置40と、判定結果を表示するモニタ50とを備える。
図4,5を参照して転動装置30は、タイヤ1を載置する路面部31と、タイヤ1を支持する支持部32とを備える。路面部31は、2つのローラ31a,31bと、ベルト31cとを備える。2つのローラ31a,31bは、図示しないモータに機械的に接続されている。2つのローラ31a,31bは、モータによって同方向に回転駆動される。また、ベルト31cは、2つのローラ31a,31bを囲むように2つのローラ31a,31bに跨って架けられている。従って、2つのローラ31a,31bが回転すると、ベルト31cが回転されるようになっている。支持部32は、タイヤ1を回転軸Laまわりに回転可能に支持する部材である。タイヤ1は、支持部32によってベルト31cの上面に載置された状態で支持される。2つのローラ31a,31bを回転させるモータは、制御装置40によって速度制御されている。従って、タイヤ1は、ベルト31cの所定速度の回転に伴ってベルト31cの上を所定回転数で転動する。
マイクロホン20の種類は、特に限定されず、市販のものを使用できる。本実施形態では、マイクロホン20は、図3に示すタイヤ1の転動方向前方Frの領域S1に設置される。また、タイヤ高さ方向については、図4に示す路面部31のタイヤ1を載置した面からタイヤ回転軸Laまでの範囲にマイクロホン20は設置される。
図6を参照して、制御装置40は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、およびROM(Read Only Memory)のような記憶装置を含むハードウェアと、それに実装されたソフトウェアとにより構築されている。制御装置40は、特定周波数算出部41と、記憶部42と、判定部43と、回転数制御部44とを備える。
特定周波数算出部41は、後述する音圧比較を行う特定周波数faを算出する。特定周波数faは、タイヤ1の回転数Vに多角形摩耗の角数N(Nは自然数)を乗じることによって求められる(fa=N×V)。本実施形態では、タイヤ1に六角形摩耗(図2参照)が生じているため、角数N=6となり、特定周波数fa=6Vとなる。多角形摩耗の角数Nは、パターンノイズがタイヤ1の1回転当たりに規則的にN回発せられることを測定することで確認できる。なお、本実施形態では角数N=6の場合を例に説明するが、前述のように多角形摩耗は正三角形から正八角形までの範囲で生じる傾向にある。従って、実際には、角数N=3〜8となり得る。
記憶部42は、新品時のタイヤ1の音圧を記憶している。特に、記憶部42は、少なくとも特定周波数faにおけるタイヤ1の音圧を記憶している。
判定部43は、特定周波数faにおいて、測定した音圧が記憶部42に記憶された新品時の音圧よりも所定以上大きければ多角形摩耗が発生していると判定し、そうでなければ多角形摩耗が発生していないと判定する。多角形摩耗が進行すると、角部がより顕著に現れるため、パターンノイズが大きくなる。そのため、摩耗判定の閾値は摩耗の度合いに応じて設定されてもよい。本実施形態では、測定した音圧が新品時の音圧と比べて2倍以上であれば、多角形摩耗が発生していると判定し、そうでなければ多角形摩耗が発生していないと判定する。この判定の有効性については後述する。
判定部43での判定結果は、モニタ50に随時表示される。特に、判定部43にて多角形摩耗が発生していると判定された場合、モニタ50に警告を表示するようにしてもよい。
図7は新品時のデータを示し、図8は測定したデータを示している。グラフの横軸は周波数[Hz]を示し、縦軸が音圧レベル[dB]を示している。図7,8はともに特定周波数faを含むある周波数範囲の音圧レベルを示している。ただし、図7,8はともに説明のためのイメージ図であり、実際のものとは異なり得る。
図7は新品時のイメージデータであるため、タイヤには多角形摩耗が生じていない。従って、特定周波数faで音圧レベルのピークが生じておらず、特定周波数faでの音圧レベルの値はP0となっている。図8は本実施形態の測定時のイメージデータであるため、図2のように多角形摩耗が生じている。従って、特定周波数faで音圧レベルがピークをとり、特定周波数faでの音圧レベルの値はP1となっている。本実施形態では、特定周波数faでの音圧を比較し、測定した音圧が新品時の音圧と比べて2倍以上であれば、多角形摩耗が発生していると判定する。より詳細には、図7,8では、単位がデシベル表記(dB)となっているため、音圧レベルP1が音圧レベルP0よりも3dB以上大きければ、測定した音圧が新品時の音圧と比べて2倍以上大きいと判定し、多角形摩耗が発生していると判定する。
本実施形態の回転数制御部44は、上記の2つのローラ31a,31bを回転させるモータを制御する。従って、回転数制御部44によってタイヤ1が転動する回転数Vを制御できるため、特定周波数faを調整できる。好ましくは、特定周波数faがタイヤ1のトレッド部10の溝(図示せず)の気柱管共鳴周波数範囲Δgから外れるようにタイヤ1の回転数Vを制御する。気柱管共鳴周波数範囲Δgは、以下の式によって求められる。ここで、cは音速であり、Lはトレッド部10の溝の管長である。αは補正係数であり、0.6以上かつ0.8以下の値をとる。
Figure 2020003425
本実施形態の空気入りタイヤの周方向偏摩耗の判定方法および装置によれば以下のメリットがある。
本実施形態では、パターンノイズの音圧を測定し、特定周波数faにおいて、新品時の音圧レベルP0よりも測定した音圧レベルP1が所定以上(例えば3dB)大きければ摩耗していると判定する。従って、特定周波数faに対応する多角形摩耗の発生の有無を判定できる。多角形摩耗が発生すると、所定回転数をN倍した特定周波数faでパターンノイズが増加する。そのため、この特定周波数faで、新品時のタイヤと、測定したタイヤとの音圧を比較することで、多角形摩耗の発生の有無を判定できる。さらに言えば、比較する音圧の周波数を厳密に特定していることで、多角形摩耗の検知に特化した正確な判定が可能となっている。
また、本実施形態では、音圧比較の際に2倍(即ち、音圧レベルの比較では3dB)を閾値として多角形摩耗の発生の有無を判定している。パターンノイズの音圧が2倍となると、即ちdB値で3dB大きくなると、一般の運転者にも感じられるほどの違いが生じ、ノイズが目立つことが多いためである。また、音圧で2倍を閾値としているため、風および路面状態等の外乱の影響を受けることによって測定する音圧がわずかに変化しても誤判定することなく、多角形摩耗の発生の有無を正確に判定できる。
また、本実施形態では、特定周波数faがタイヤ1のトレッド部10の溝(図示せず)の気柱管共鳴周波数範囲Δgから外れるようにタイヤ1の回転数Vを制御している。そのため、パターンノイズがタイヤ1のトレッド部10の周方向溝の気柱管共鳴によって影響を受けることを防止できる。仮に、パターンノイズの周波数範囲と気柱管共鳴の周波数範囲が一致する速度で評価すると、摩耗するごとに溝は浅くなるため、気柱管共鳴の影響は減少する。すなわち、評価中の気柱管共鳴の影響は一定ではない。従って、特定周波数faが気柱管共鳴周波数範囲内から外れるように回転数を設定することで、パターンノイズを正確に測定できる。
また、本実施形態では、マイクロホン20が図3に示すタイヤ1の転動方向前方Frの領域S1に設置されている。このように設置することで、パターンノイズはタイヤ1の転動方向前方Frにおいて明瞭に強く現れるため、効率よくパターンノイズの音圧を測定できる。これに対し、タイヤの転動方向後方ではタイヤが地面を蹴り出す際のこすれやすべりなどにより発生する音がパターンノイズに混ざるおそれがあり、タイヤの転動方向に対して側方ではパターンノイズの音圧が低い。従って、タイヤ1の転動方向前方Frにおいてパターンノイズを測定することが好ましい。
(第1変形例)
転動装置30の路面部31は平坦でなくてもよい。具体的には、図9に示すように、路面部31は、タイヤ1と比較して十分大きい曲率半径を有する回転可能なドラム31dを備えてもよい。
(第2変形例)
転動装置30は、自動車であってもよい。この場合、特定周波数faが自動車の車室内共鳴範囲と一致する速度で自動車を走行させることが好ましい。これにより、車室内共鳴によってパターンノイズを増幅させ、パターンノイズの音圧を測定できる。車室内共鳴は、車室の大きさおよび形状等に応じた周波数範囲で発生する。共鳴する周波数は車室内の位置によっても変わるため、車室内共鳴範囲といったように範囲として定義されている。従って、好ましくは、走行速度はマイクロホン20を取り付けた位置における車室内共鳴周波数と一致する速度である。
(第2実施形態)
本実施形態では、空気入りタイヤの局部摩耗の発生の有無を判定する。局部摩耗は、周方向偏摩耗の一態様である。本実施形態は、摩耗の態様が異なる以外は、第1実施形態と実質的に同じであるため、重複する説明は省略する。
図10は、局部摩耗が発生したタイヤ1の斜視図である。局部摩耗によって、タイヤ1のトレッド部10に凹部11が発生している。凹部11によって、タイヤ1が1回転するごとにノイズが1回発生する。本実施形態では、このノイズをパターンノイズとして測定し、第1実施形態と同様にして摩耗の発生の有無を判定する。なお、本実施形態で判定する局部摩耗の形状や大きさは特に限定されない。
本実施形態では、音圧比較を行う特定周波数faは、タイヤ1の回転数Vに一致する(fa=V)。これは、第1実施形態における多角形摩耗の角数N=1のときに対応すると考えることもできる。
特定周波数faの求め方以外は、第1実施形態と実質的に同じである。即ち、特定周波数faにおいて、測定した音圧が新品時の音圧よりも所定以上大きければ局部摩耗が発生していると判定し、そうでなければ局部摩耗が発生していないと判定する。局部摩耗が進行すると、凹部11がより顕著に現れるため、パターンノイズが大きくなる。そのため、摩耗判定の閾値は摩耗の度合いに応じて設定されてもよい。なお、本実施形態の作用効果は、第1実施形態と実質的に同じである。
以上より、本発明の具体的な実施形態および変形例について説明したが、本発明は上記形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。例えば、個々の実施形態および変形例の内容を適宜組み合わせたものを、この発明の一実施形態としてもよい。
1 空気入りタイヤ(タイヤ)
2 ホイールリム
10 トレッド部
11 凹部
20 マイクロホン(音圧センサ)
30 転動装置(自動車)
31 路面部
31a,31b ローラ
31c ベルト
31d ドラム
32 支持部
40 制御装置
41 特定周波数算出部
42 記憶部
43 判定部
44 回転数制御部
50 モニタ

Claims (8)

  1. 空気入りタイヤを所定回転数で転動させ、
    パターンノイズの音圧を測定し、
    前記パターンノイズが前記空気入りタイヤの1回転当たりに規則的にN回発せられるとき(Nは自然数)、前記所定回転数に前記Nを乗じた値である特定周波数において、測定した音圧と、新品時の音圧とを比較し、前記測定した音圧が前記新品時の音圧よりも所定以上大きければ摩耗していると判定する
    ことを含む、空気入りタイヤの周方向偏摩耗の判定方法。
  2. 前記Nは3〜8であり、前記空気入りタイヤの多角形摩耗を検知する、請求項1の空気入りタイヤの周方向偏摩耗の判定方法。
  3. 前記Nは1であり、前記空気入りタイヤの局部摩耗を検知する、請求項1の空気入りタイヤの周方向偏摩耗の判定方法。
  4. 前記測定した音圧が前記新品時の音圧の2倍以上大きければ摩耗していると判定する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの周方向偏摩耗の判定方法。
  5. 前記所定回転数は、前記特定周波数が気柱管共鳴周波数範囲から外れる回転数である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの周方向偏摩耗の判定方法。
  6. 前記空気入りタイヤの転動方向前方に音圧センサを設置し、
    前記音圧センサによって前記パターンノイズの音圧を測定する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの周方向偏摩耗の判定方法。
  7. 前記空気入りタイヤの転動は、前記空気入りタイヤを備える自動車の実車走行によって行われ、
    音圧センサを前記自動車の車室内に設置し、
    前記音圧センサによって前記パターンノイズの音圧を測定し、
    前記特定周波数が前記自動車の車室内共鳴範囲内となるように前記実車走行の速度を調整して前記所定回転数を調整する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの周方向偏摩耗の判定方法。
  8. 空気入りタイヤを所定回転数で転動させる転動装置と、
    パターンノイズの音圧を測定する音圧センサと、
    新品時の音圧を記憶した記憶部と、
    前記パターンノイズが前記空気入りタイヤの1回転当たりに規則的にN回発せられるとき(Nは自然数)、前記所定回転数に前記Nを乗じた値である特定周波数において、前記音圧センサにて測定した音圧と、前記記憶部の新品時の音圧とを比較し、前記測定した音圧が前記新品時の音圧よりも所定以上大きければ摩耗していると判定する判定部と
    を備える、空気入りタイヤの周方向偏摩耗の判定装置。
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