JP2020003287A - 計測装置および計測方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】構成が簡単な上に使用環境による制限を受けにくくすることで、従来よりも使用の自由度が高い計測装置および計測方法を提供する。【解決手段】構造物の鉛直方向の変位量を液体の液面の高さの変化量として計測する計測装置1であって、計測点Pに設置され、比重の異なる第一液体および第二液体を収容した検知部10と、検知部10から延伸しており、前記第一液体を収容する第一管状部材および前記第二液体を収容する第二管状部材を有する連結部30と、前記第二液体の液面の位置を読み取り可能な読取手段を有する表示部20とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、計測装置および計測方法に関する。
地質が不良な地山等においては、トンネルの上部だけでなくトンネルの底部(インバート部)にも設計で想定した値を超える外圧が作用することがあるため、インバート部の隆起現象が発生する場合がある。
インバート部の隆起が継続するとトンネル周囲の地盤は安定化せず、破壊や崩壊に至る前に隆起現象の程度に応じた対策を講じる必要がある。また、インバート部の覆工コンクリートの打設はトンネル変形の収束を条件としているため、変位計測により確認する必要があり、インバート部の変位計測は重要である。しかしながら、実際の計測は路盤を構成する土砂の下の上下動を計測する必要があるため、その困難さから上半や上部アーチ部分の変位の収束状況から、間接的にインバート部変位の収束が判断されていた。
これに関連して、地中に埋設した配管の沈下量や傾斜量を検出する相対位置検出装置が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
また、山岳トンネル掘削中に路盤下の地山の隆起を計測できる変位計が開発されている(例えば、非特許文献1参照)。この変位計では、路盤下に埋設した水圧計を、水で満たしたビニール管で地上の基準水槽と連結し、路盤の隆起量を水頭差で計測する。この変位計によれば、インバート部の鉛直方向の変位を計測することができる。
特開2004−053317号公報
"施工中にトンネル路盤の隆起を計測できる「インバート変位計」を開発"、[online]、株式会社大林組、[平成30年5月22日検索]、インターネット、<http://www.obayashi.co.jp/press/news20150907_1>
しかし、特許文献1に記載される技術は、配管の2点間の相対位置の差から配管の沈下量や傾斜量を検出するものであったので、1地点における高さ方向の変位を計測できなかった。そのため、インバート部の特定部分の高さ変状を計測するという要望に応えることができなかった。
また、非特許文献1に記載される技術では、1地点における高さ方向の変位を計測できるものの、水圧計を用いているので、特許文献1に記載される技術に比べて費用が高くなるという問題があった。そのため、変位計を回収しない場合や、複数の変位計を用いてインバート部を多点観測する場合などのように、一つの施工現場で多数の変位計を同時に用いることは、コストの面での採用が難しかった。さらに、非特許文献1に記載される技術では、水圧計の計測結果を電気信号に変換してデータロガーに送信するので、使用に際して電源の確保が必要になる。そのため、非特許文献1に記載される技術は、使用環境による制限を受ける場合があった。
このような観点から、本発明は、構成が簡単な上に使用環境による制限を受けにくくすることで、従来よりも使用の自由度が高い計測装置および計測方法を提供する。
前記課題を解決するため、本発明に係る計測装置は、構造物の鉛直方向の変位量を液体の液面の高さの変化量として計測する計測装置である。
この計測装置は、計測点に設置され、比重の異なる第一液体および第二液体を収容した検知部と、前記検知部から延伸しており、前記第一液体を収容する第一管状部材および前記第二液体を収容する第二管状部材を有する連結部と、前記第二液体の液面の位置を読み取り可能な読取手段を有する表示部とを備える。
本発明に係る計測装置においては、検知部の変位量が2種類の液体(第一液体および第二液体)の比重差によって液面の変化量として表れる。そのため、計測点の鉛直方向の変位量を計測することができる。そして、本発明に係る計測装置は、水圧計や電源を必要としないことから、構成が簡単な上に、使用環境による制限を受けにくいので、従来よりも使用の自由度が高い。
前記検知部は、前記第一管状部材および前記第二管状部材の少なくとも何れか一方をコイル状に巻いたコイル部を有するのがよい。
このようにすると、検知部が変位することにともなって第一液体および第二液体が移動した場合でも、第一液体と第二液体との境界部はコイル部内を周回する。つまり、境界部が計測点から離れて連結部に移動することがないので、計測点の近くに常に境界部が存在する。そのため、計測点の鉛直方向の変位量を高い精度で計測することができる。
前記第一液体と前記第二液体との間には、当該第一液体と当該第二液体とを混ざらないように分離する分離用液体が収容されているのがよい。
このようにすると、第一液体と第二液体とが混ざらない(または混ざり難い)ので、第一液体と第二液体は理想的な比重差が維持される。そのため、計測点の鉛直方向の変位量を高い精度で計測することができる。
前記第一管状部材の先端には、第一バルブが設置されており、前記第二管状部材の先端側は、第一分岐管および第二分岐管の二つに分岐しているのがよい。そして、前記第一分岐管には、第二バルブが設置されており、前記第二分岐管には、第三バルブを介して余剰分の前記第二液体を排出する排出用ノズルが設置されている。
このようにすると、液面の位置調整が容易になるので、変位量の計測を正確かつ迅速に行うことができる。
また、本発明に係る計測方法は、構造物の鉛直方向の変位量を液体の液面の高さの変化量として計測する計測方法である。
この計測方法は、前記記載の計測装置を準備する準備工程と、前記計測装置を計測対象の構造物に設置する設置工程と、前記計測装置を初期状態に調整する調整工程と、前記計測装置を用いて変位量を計測する計測工程とを有する。また、前記調整工程は、第1工程と、第2工程と、第3工程とを有する。
前記第1工程では、前記第一バルブ、前記第二バルブおよび前記第三バルブを閉鎖した状態から、前記第一バルブおよび前記第三バルブを開放して、前記第一液体の液面を低下させるとともに、余剰分の前記第二液体を前記排出用ノズルから排出する。
前記第2工程では、前記第1工程の状態から前記第一バルブを閉鎖するとともに前記第二バルブを開放して、前記第二液体の液面を低下させるとともに、余剰分の前記第二液体を前記排出用ノズルからさらに排出する。
前記第3工程では、前記第2工程の状態から前記第一バルブを開放するとともに前記第三バルブを閉鎖する。
本発明に係る計測方法においては、検知部の変位量が2種類の液体(第一液体および第二液体)の比重差によって液面の変化量として表れる。そのため、計測点の鉛直方向の変位量を計測することができる。そして、本発明に係る計測方法は、水圧計や電源を必要としないことから、構成が簡単な上に、使用環境による制限を受けにくいので、従来よりも使用の自由度が高い。
また、本発明に係る計測方法では、液面の位置調整が容易なので、変位量の計測を正確かつ迅速に行うことができる。
本発明によれば、構成が簡単な上に使用環境による制限を受けにくくすることで、従来よりも使用の自由度が高い。
本発明の実施形態に係る計測装置の全体図である。 本発明の実施形態に係る計測装置を構成する検知部を説明するための図であり、(a)は平面図であり、(b)は縦断面図である。(a)では、連結部の一部を破断して内部を示している。また、(b)では、第一管状部材および第二管状部材に収容される液体の記載を省略している。 検知部本体のイメージ図である。 本発明の実施形態に係る計測装置を構成する表示部の正面図である。 本発明の実施形態に係る計測装置の作動原理を説明するための図であり、(a)は変位発生前の状態を示し、(b)は変位発生後の状態を示す。 本発明の実施形態に係る計測装置の調整工程を説明するための図であり、(a)は第1工程を実施する前の状態を示し、(b)は第1工程を実施した後の状態を示し、(c)は第2工程を示し、(d)は第3工程を示す。
以下、本発明の実施をするための形態を、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。なお、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
<実施形態に係る計測装置の構成>
図1を参照して、実施形態に係る計測装置1の構成について説明する。計測装置1は、計測対象物の鉛直方向の変位を計測するものである。変位は、ある基準点に対する鉛直方向における相対的な距離であり、例えば、第1の時刻における計測対象物の位置と第2の時刻における計測対象物の位置との差である。計測対象物は、時間経過により鉛直方向の変位が発生するものであればよく、特に限定されるものではない。実施形態に係る計測装置1は、地中や水中などの視認不能または視認し難い場所にある構造物の変位を計測するのに有効である。
ここでは、図1に示すように、施工中のトンネル2のインバート部2aの変位計測に計測装置1を用いることを想定する。土被りの大きい地山や膨張性の地山等においては、インバート部2aにも大きな外圧が作用するので、インバート部2aが隆起する現象が発生する場合がある。本実施形態では、施工した直後のインバート部2aの位置を基準点とし、所定の時間経過後のインバート部2aの位置(変位)を計測する。ここでのインバート部2aは、路盤3に埋もれており、視認ができない状態である。
計測装置1は、計測対象物の鉛直方向の変位量を作動媒体である液体の高さの変化量として計測する液柱式の計測器である。本実施形態における計測装置1では、比重の異なる2種類の液体を作動媒体として用いる。以下では、2種類の液体のうち、比重が重たい液体を「重液」と称し、比重が軽い液体を「軽液」と称する。本実施形態では、重液が「第一液体」に相当し、軽液が「第二液体」に相当する。
図1に示すように、計測装置1は、計測対象物であるインバート部2aの計測点Pに設置される検知部10と、インバート部2aの変位が液面の位置変化として表示される表示部20と、検知部10および表示部20を連結する連結部30とを備えて構成される。表示部20は、計測点Pよりも高い位置(つまり、検知部10よりも高い位置)であって、時間経過により鉛直方向の変位が発生しない(発生したとしても微小である)場所に設置される。表示部20は、例えば、トンネル2の側壁2bに設置される。
検知部10は、計測点P(図1参照)に設置されるものであり、図2に示すように、検知部本体10aと、ケース部10bとからなる。
ケース部10bは、検知部本体10aを保護するとともに、計測点Pから移動しないように設置することができるものであればよく、形状などは特に限定されない。検知部本体10aは、ケース部10bの内部に図示しない固定手段によって固定される。なお、検知部10は、ケース部10bを備えない構成であってもよく、その場合、検知部本体10aが計測点Pに直接設置される。
図2(a)に示すように、検知部本体10aは、主に重液を収容した第一管状部材11と、主に軽液を収容した第二管状部材12と、第一管状部材11と第二管状部材12とを連通するように接続する折返し部13とを備えて構成される。折返し部13は、検知部本体10aの製造を容易にするために設けられている構成要素であるので、検知部本体10aは、折返し部13を備えない構成であってもよい。本実施形態では、第一管状部材11および第二管状部材12の内径が同じになっている。また、図2に示すように、第一管状部材11および第二管状部材12の少なくとも何れか一方(ここでは、第二管状部材12)は、ケース部10b内で多重に巻かれることでコイル部14を形成している。
図3に示すように、本実施形態では、重液と軽液との間には、これらの液体が混ざらないように分離する隔離シリコンオイルが収容されている。隔離シリコンオイルは、分離用液体の一例である。隔離シリコンオイルの量は、特に限定されるものではなく、重液と軽液とが混ざらない最小限量であるのがよい。これにより、本実施形態におけるコイル部14には、重液と隔離シリコンオイルとの界面である重液側境界部K1、および軽液と隔離シリコンオイルとの界面である軽液側境界部K2が形成されている。所定の粘度の隔離シリコンオイルを使用するとこで、重液や軽液の粘度に関わらず、重液側境界部K1や軽液側境界部K2を適切に形成することができる。なお、重液と軽液とが混じり合わないものである場合には、隔離シリコンオイルを設けなくてもよい(つまり、重液と軽液とが接することで、界面を形成していてもよい)。
重液と軽液との境界部(ここでは、重液側境界部K1から軽液側境界部K2までの領域であり、以下では「境界部K」と呼ぶ)は、後述する「計測工程」や「計測装置の調整工程」において第一管状部材11および第二管状部材12内を移動する。本実施形態では、境界部Kがコイル部14の外側(連結部30)に移動しないようになっている。つまり、境界部Kがコイル部14の外側に移動しない程度の距離になるように、コイル部14の巻き数Nや半径Rが設定されている。なお、境界部Kの移動量は、重液と軽液との比重差や検知部10から表示部20までの距離L(図1参照)などによって決定される。
折返し部13は、重液側接続部13aと、軽液側接続部13bと、U字管13cとを備えて構成されている。重液側接続部13aには、第一管状部材11の端部が取り付けられ、また、軽液側接続部13bには、第二管状部材12の端部が取り付けられる。第一管状部材11と第二管状部材12とは、折返し部13を介して連通しているので、第一管状部材11、第二管状部材12およびU字管13c内の液体は、互いに移動可能である。なお、重液側接続部13aおよび軽液側接続部13bの何れか一方を外すことで、第一管状部材11、第二管状部材12および折返し部13内への液体の注入、並びに、第一管状部材11、第二管状部材12および折返し部13内の液体の排出が可能である。
図1に示すように、連結部30は、検知部10と表示部20とを連結するものであり、本実施形態では、トンネル2のインバート部2aおよび側壁2bに沿うようにして設置されている。なお、連結部30の設置方法は、図1に示すものに限定されない。図2(a)に示すように、連結部30は、重液を収容した第一管状部材11と、軽液を収容した第二管状部材12と、第一管状部材11および第二管状部材12を保護する保護管31とからなる。ここでの第一管状部材11および第二管状部材12は、円筒状のチューブである。
図4に示すように、表示部20には、重液を収容した第一管状部材11および軽液を収容した第二管状部材12が上下方向に延伸するように左右に並べて固定されている。また、表示部20には、計測する側の液体の表面(ここでは、軽液の液面B2a)の位置を読み取るための目盛り25aが付された目盛板25が設置されている。目盛板25は、読取手段の一例であり、読取手段は目盛板25に限定されない。目盛り25aには、変位発生前に軽液の液面B2aを合わせる零点25bが設定されている。なお、軽液の液面B2aの位置を読み取り易くするために、軽液の液面B2aを視認しやすい色で着色したり、また、着色された液体(例えば、オイル)で軽液の液面B2aを覆ってもよい。
第一管状部材11の端部には、第一バルブ21が取り付けられており、第一管状部材11の端部を開閉可能である。詳細は後記するが、計測時において、重液の液面B1aは、第一管状部材11の端部から離れた場所に位置する。第一管状部材11内において重液は柱状を呈し、以下では、特に「重液柱」と呼ぶ場合がある。
第二管状部材12は、分岐部22によって第一分岐管12aと、第二分岐管12bとに分岐されている。第一分岐管12aの端部には、第二バルブ23が取り付けられており、第一分岐管12aの端部を開閉可能である。詳細は後記するが、計測時において、軽液の液面B2aは、第一分岐管12aの端部から離れた場所に位置する。第一分岐管12a内において軽液は柱状を呈し、以下では、特に「軽液柱」と呼ぶ場合がある。また、第二分岐管12bの端部には、第三バルブ24を介して第二分岐管12bよりも内径が極めて小さい排出用ノズル24aが取り付けられている。詳細は後記するが、計測装置1を使用可能な初期状態に調整する際に発生する余剰の軽液を排出用ノズル24aから排出する。排出用ノズル24aの先端は、目盛板25の零点25bに位置合わせされている。
(計測装置の作動原理)
図5を参照して、計測装置1の作動原理を説明する。図5は、2つの液柱(重液柱、軽液柱)の水頭バランスを示した模式図である。
比重が異なり、かつ、混じり合わない(不混和)な2種類の液体からなる液柱が図5のように液だまりで接する場合を考える。図5(a)に示すように、重液の水頭の高さを「H」とすれば、軽液の水頭の高さは「(ρh/ρl)・H」の位置でつり合う。「ρh」は重液の比重であり、「ρl」は軽液の比重である。また、液だまりの高さ「Hc」は、高さ「H」に比べて無視できる程に小さいものとする。なお、図1に示す計測装置1では、液だまりの安定性の向上や温度依存性の低減を目的として、液だまりをタンク構造ではなく管状部材を多重に巻いたコイル構造にしている。
ここで、図5(b)に示すように、液だまりに鉛直方向の変位「x」が生じた場合、各々の水頭のバランスが崩れ、バランスの不均衡を打ち消すために、各水頭はそれぞれ「ΔHh,ΔHl」だけ変化する。
このとき、両水頭のバランスは、以下の式(1)で表される。
(H−x+ΔHh):{(ρh/ρl)・H−x+ΔHl}=ρl:ρh ・・式(1)
また、両液柱間を移動する液体の体積は等しいので、以下の式(2)が成立する。ここで、「Ah」は重液の液柱面積であり、「Al」は軽液の液柱面積である。
(Ah・ΔHh)=(−1・Al・ΔHl) ・・式(2)
式(1),(2)より、軽液柱の変化量「ΔHl」と液だまりの変位「x」との関係は、以下の式(3)のようになる。
ΔHl=(ρl−ρh)/{ρl+ρh・(Al/Ah)}・x ・・式(3)
つまり、「ΔHl」(あるいは「ΔHh」でもよい)を知ることができれば、液だまりの変位「x」を知ることができる。また、2種類の液体の比重差が大きく、軽液注が重液注にくらべて細いほど、軽液柱の変化量「ΔHl」は、液だまりの変位「x」に対して感度がよくなる。ただし、液柱を収容する管が細すぎると、液の粘性抵抗によって液柱の動きが悪くなる。
(計測装置の製造方法)
計測装置1は、様々な材料を用いて製造することができる。特に、重液、軽液、並びにこれらの液体を収容する第一管状部材11および第二管状部材12の材料は、計測する変位量の精度に関わるので重要である。また、材料の選定に際しては、個別の材料特定に加えて、それぞれの材料の相性を考慮する必要がある。以下、計測装置1で使用可能な材料の一例を示す。
軽液としては、例えば、スピンドルオイル、シリコンオイル、水、エチレングリコールを用いることができる。
重液としては、例えば、NaNO3+Ca(NO32混合水溶液、ZnCl2溶液、ポリタングステン酸ナトリウム(SPT)水溶液を用いることができる。
第一管状部材11や第二管状部材12の材料が備えていることが好ましい特性は、温度膨張率が低いこと、軽液や重液が浸透しない(または浸透し難い)こと、軽液、重液または隔離シリコンオイルと化学的な反応が起きない(または影響が小さい)こと、耐久性が高いことなどが挙げられる。
第一管状部材11や第二管状部材12の材料としては、例えば、ナイロン、ポリオレフィン、フッ素樹脂(FEP、PFA)、ポリプロピレン、ステンレス鋼を用いることができる。
<実施形態に係る計測装置を用いた計測方法>
図1ないし図6を参照して、実施形態に係る計測装置1を用いた変位の計測方法について説明する。計測方法の工程は、主に「計測装置の準備工程」、「計測装置の設置工程」、「計測装置の調整工程」、「計測装置を用いた計測工程」がある。以下では、各工程について説明する。
(計測装置の準備工程)
「計測装置の準備工程」は、計測装置1を準備する工程である。この工程では、例えば、第一管状部材11内に重液を注入するとともに、第二管状部材12内に軽液を注入する。また、折返し部13を取り外して、重液と軽液との間に隔離シリコンオイルを注入する。重液,軽液および隔離シリコンオイルを収容後は、第一バルブ21、第二バルブ23および第三バルブ24を閉じた状態にする。
(計測装置の設置工程)
「計測装置の設置工程」は、計測装置1を設置する工程である。この工程では、例えば、図1に示すように、計測対象物であるインバート部2aの計測点Pに検知部10を設置するとともに、連結部30をインバート部2aおよび側壁2bに沿うように設置する。また、表示部20を、時間経過により鉛直方向の変位が発生しない(発生したとしても微小である)側壁2bに設置する。
(計測装置の調整工程)
「計測装置の調整工程」は、計測装置1を使用可能な初期状態に調整する工程である。この工程では、図6(a)に示すように、第一バルブ21および第三バルブ24を開放する。なお、第二バルブ23は閉鎖したままの状態にする。これにより、図6(b)に示すように、重液柱の液面B1a(図4参照)と軽液柱の液面B2a(図4参照)とがつり合う位置まで重液柱の液面B1a(図4参照)が低下する。また、それに伴い、排出用ノズル24aから余剰分の軽液が排出するとともに、隔離シリコンオイルがコイル部14内を軽液柱側に移動する。本実施形態では、コイル部14を構成する第一管状部材11や第二管状部材12の長さを十分に取ってあるので、隔離シリコンオイルが移動したとしても、境界部K(図3参照)がコイル部14の外側に移動することがない。その結果、重液柱の液面B1aは、目盛板25の零点25b(図4参照)よりも低い位置まで移動する。
続いて、図6(c)に示すように、第一バルブ21を閉鎖するとともに、第二バルブ23を開放する。なお、第三バルブ24は開放したままの状態にする。これにより、軽液柱の液面B2a(図4参照)が目盛板25の零点25b(図4参照)まで低下する。また、それに伴い、排出用ノズル24aから余剰分の軽液が排出する。
続いて、図6(d)に示すように、第一バルブ21を開放するとともに、第三バルブ24を閉鎖する。なお、第二バルブ23は開放したままの状態にする。これにより、計測装置の調整工程は完了する。
(計測装置を用いた計測工程)
「計測装置を用いた計測工程」は、計測装置1を用いて計測点Pの鉛直方向の変位を計測する工程である。この工程は、例えば、所定時間間隔で行われる。この工程では、作業者(図1参照)は、目盛板25を用いて軽液柱の液面B2a(図4参照)の位置を確認し、前記説明した式(3)に従って、検知部10の位置を計測点Pの位置として算出する。そして、例えば、計測点Pの変位量が許容範囲であるか否かを判定し、変位量が許容範囲を超えている場合には、インバート部2aにコンクリートを吹付けるなどの適切な対応を行う。なお、本実施形態では、コイル部14を構成する第一管状部材11や第二管状部材12の長さを十分に取ってあるので、計測点Pの変位に伴って隔離シリコンオイルが移動したとしても、境界部K(図3参照)がコイル部14の外側に移動することがない。
以上のように、本実施形態に係る計測装置1は、検知部10の変位量が2種類の液体(重液、軽液)の比重差によって液面の変化量として表れる。そのため、計測点Pの鉛直方向の変位量を計測することができる。そして、本実施形態に係る計測装置1は、水圧計や電源を必要としないことから、構成が簡単な上に、使用環境による制限を受けにくいので、従来よりも使用の自由度が高い。
また、本実施形態に係る計測装置1は、検知部10が変位することにともなって重液および軽液が移動した場合でも、重液と軽液との境界部Kはコイル部14内を周回する。つまり、境界部Kが計測点Pから離れて連結部30に移動することがないので、計測点Pの近くに常に境界部Kが存在する。そのため、計測点Pの鉛直方向の変位量を高い精度で計測することができる。
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を変えない範囲で実施することができる。
本実施形態では、目盛板25を用いて軽液の液面B2aの位置を読み取っていたが、重液の液面B1aの位置を読み取るように構成されていてもよい。その場合、軽液が「第一液体」に相当し、重液が「第二液体」に相当する。
また、本実施形態では、検知部10は、第一管状部材11および第二管状部材12の少なくとも何れか一方(ここでは、第二管状部材12)をケース部10b内で多重に巻いたコイル部14を有していた。しかしながら、検知部10が変位することにともなって重液および軽液が移動した場合でも、重液と軽液との境界部Kを検知部10内に維持することができればよく、ケース部10b内における第一管状部材11および第二管状部材12の収納方法はこれに限定されるものではない。例えば、第一管状部材11および第二管状部材12の少なくとも何れか一方をS字状やM字状の状態でケース部10b内に収納してもよい。また、図5に示すように、コイル部14に代えて、タンク構造にしてもよい。
1 計測装置
2 トンネル
2a インバート部
10 検知部
11 第一管状部材
12 第二管状部材
12a 第一分岐管
12b 第二分岐管
13 折返し部
14 コイル部
20 表示部
21 第一バルブ
22 分岐部
23 第二バルブ
24 第三バルブ
24a 排出用ノズル
25 目盛板(読取手段)
30 連結部
P 計測点
K 境界部

Claims (5)

  1. 構造物の鉛直方向の変位量を液体の液面の高さの変化量として計測する計測装置であって、
    計測点に設置され、比重の異なる第一液体および第二液体を収容した検知部と、
    前記検知部から延伸しており、前記第一液体を収容する第一管状部材および前記第二液体を収容する第二管状部材を有する連結部と、
    前記第二液体の液面の位置を読み取り可能な読取手段を有する表示部とを備える、ことを特徴とする計測装置。
  2. 前記検知部は、前記第一管状部材および前記第二管状部材の少なくとも何れか一方をコイル状に巻いたコイル部を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の計測装置。
  3. 前記第一液体と前記第二液体との間には、当該第一液体と当該第二液体とを混ざらないように分離する分離用液体が収容されている、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の計測装置。
  4. 前記第一管状部材の先端には、第一バルブが設置されており、
    前記第二管状部材の先端側は、第一分岐管および第二分岐管の二つに分岐しており、
    前記第一分岐管には、第二バルブが設置されており、
    前記第二分岐管には、第三バルブを介して余剰分の前記第二液体を排出する排出用ノズルが設置されている、
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか一項に記載の計測装置。
  5. 構造物の鉛直方向の変位量を液体の液面の高さの変化量として計測する計測方法であって、
    請求項4に記載の計測装置を準備する準備工程と、
    前記計測装置を計測対象の構造物に設置する設置工程と、
    前記計測装置を初期状態に調整する調整工程と、
    前記計測装置を用いて変位量を計測する計測工程と、を有し、
    前記調整工程は、
    前記第一バルブ、前記第二バルブおよび前記第三バルブを閉鎖した状態から、前記第一バルブおよび前記第三バルブを開放して、前記第一液体の液面を低下させるとともに、余剰分の前記第二液体を前記排出用ノズルから排出する第1工程と、
    前記第1工程の状態から前記第一バルブを閉鎖するとともに前記第二バルブを開放して、前記第二液体の液面を低下させるとともに、余剰分の前記第二液体を前記排出用ノズルからさらに排出する第2工程と、
    前記第2工程の状態から前記第一バルブを開放するとともに前記第三バルブを閉鎖する第3工程とを有する、
    ことを特徴とする計測方法。
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