JP2020002896A - 内燃機関制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、減速時に空気量を適切に制御することで内燃機関回転数を、タービン回転数を上回らない回転数範囲に制御することができる内燃機関制御装置を提供する。【解決手段】 上記の課題を解決するため、本発明の内燃機関制御装置は、内燃機関とトランスミッションを備えた車両に設置され、吸気管に設けたスロットル弁を制御することで前記内燃機関に供給する空気量を制御するものであって、前記内燃機関の回転数をアイドル回転数に維持するベース空気流量を演算するベース空気量演算部と、前記車両の車速が閾値未満であるときに、前記内燃機関の回転数の吹き上がりを抑制する空気削減量を演算する空気削減量演算部と、前記ベース空気流量から前記空気削減量を減算した目標空気量を演算する目標空気量演算部と、を構成する制御部(CPU)を備えたものとした。【選択図】 図4
Description
本発明は、内燃機関の吸入空気量を調整することで、内燃機関の回転数を制御する内燃機関制御装置に関する。
車両の走行中に、運転者がアクセルペダルから足を離して車速が減少していく減速走行の状態では、内燃機関から車輪へ駆動力を伝達しないように、内燃機関回転数をトルクコンバータのタービン回転数より小さくするアイドリング状態とする必要がある。このため、実際の内燃機関回転数と内燃機関目標回転数の差に応じて、内燃機関の吸入空気量を減らしたり、点火時期を遅らせたりすることにより、内燃機関回転数を抑制する(アイドリングする)制御が行われてきた。
ところで、アイドリング時に、タービン回転速度が内燃機関回転速度より早いと、タービンのトルクが内燃機関に伝わり、内燃機関回転数が吹き上がる(急激に上昇する)可能性があった。内燃機関回転数の吹き上がりは、内燃機関の点火時期を遅らせることである程度は抑制できるが、これだけでは十分な抑制は困難であった。一方で、内燃機関に供給するベース空気量を小さく設定することで、内燃機関回転数の吹き上がりを抑制する方法もあるが、供給空気量が少ないと、内燃機関回転数が過度に低下し設計上の最小回転数を下回るおそれがある。そして、内燃機関回転数が最小回転数以下に低下すると、内燃機関回転数と連動する油ポンプの揚力も設計値を下回り、オートマチックトラスミッション(AT)の油圧低下等の問題を引き起こすおそれもあった。
これに対して、特許文献1には、実際の吸入空気量により発生するトルクとMBT(Minimum advance for the Best Torque)時トルクの比である「実点火効率」と、アクセルペダル開度・内燃機関回転数により決まる目標トルクとMBT時トルクの比である「目標点火効率」の差に基づき、ゲインを算出し、このゲインを次の吸気量補正値として利用している。特許文献1では、この方法により調整した吸気量に基づき、点火時期を変更することにより、適切なトルクを確保できるようにしていた。
しかしながら、特許文献1は、前回算出した「目標点火効率」と「実点火効率」の差に応じる補正量を算出し、積算してフィードバックすることによって、目標空気量を決めるものであるため、それらの演算のために所定の時間遅れが発生する。その上、目標空気量を決定した後、それに基づき内燃機関の吸気側の吸気弁の開度を変更しても、その空気が内燃機関に到達するまでにある程度の時間を要するため、内燃機関回転数が抑制されるまでの応答性が悪くなるおそれがあった。
上記の課題を解決するため、本発明の内燃機関制御装置は、内燃機関とトランスミッションを備えた車両に設置され、吸気管に設けたスロットル弁を制御することで前記内燃機関に供給する空気量を制御するものであって、前記内燃機関の回転数をアイドル回転数に維持するベース空気流量を演算するベース空気量演算部と、前記車両の車速が閾値未満であるときに、前記内燃機関の回転数の吹き上がりを抑制する空気削減量を演算する空気削減量演算部と、前記ベース空気流量から前記空気削減量を減算した目標空気量を演算する目標空気量演算部と、を構成する制御部(CPU)を備えたものとした。
本発明の内燃機関制御装置によれば、減速時の目標空気量の演算速度を上げつつ、その演算の正確性も向上させることができる。
以下、本発明に係る内燃機関制御装置の一実施例を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施例に係る内燃機関制御装置を備えた車両10の主要部を示す概略図である。ここに示すように、車両10は、内燃機関1、トラスミッション2、内燃機関制御装置(Engine Control Unit、以下、「ECU」と称する)3、トランスミッション制御装置(Automatic Transmission Control Unit、以下、「ATCU」と称する)4、クランクシャフト5、プロペラシャフト6、吸気管7、排気管8、外部負荷9などを備えている。なお、ECU3とATCU4は、CPU等の演算装置、半導体メモリ等の主記憶装置、ハードディスク等の補助記憶装置、および、通信装置などのハードウェアを備えた計算機である。そして、補助記憶装置に記録されたデータベースを参照しながら、主記憶装置にロードされたプログラムを演算装置が実行することで、後述する各機能を実現するが、以下では、このような周知技術を適宜省略しながら説明する。また、図1中の破線矢印は信号線を示しており、例えば、ECU3とATCU4が相互に通信可能であり、必要な情報を交換できることを示している。
このような車両10において、動力源である内燃機関1は、クランクシャフト5を介して、トラスミッション2に動力を伝達する。また、トラスミッション2は、内燃機関1から伝達された動力を減速し、プロペラシャフト6を介して、ドライブシャフト6bに伝達する。ドライブシャフト6bが回転すると、ドライブシャフト6bに連結された駆動輪6cが回転し、車両10を所望の速度で走行させることができる。以下、各々の構成について、詳細に説明する。
<内燃機関1>
内燃機関1は、吸気管7からの吸入空気と燃料を混合して燃焼し、排気管8から排気するものであり、燃焼時のエネルギーを利用してクランクシャフト5を回転させるエンジン等である。なお、図1では、シリンダ内を往復摺動するピストン1aを4つ備えた直列四気筒エンジンを例示しているが、他形態の内燃機関1を用いても良い。
<内燃機関1>
内燃機関1は、吸気管7からの吸入空気と燃料を混合して燃焼し、排気管8から排気するものであり、燃焼時のエネルギーを利用してクランクシャフト5を回転させるエンジン等である。なお、図1では、シリンダ内を往復摺動するピストン1aを4つ備えた直列四気筒エンジンを例示しているが、他形態の内燃機関1を用いても良い。
吸気管7には、フィルタ7a、吸気量センサ7b、スロットル弁7c、弁開度センサ7d、吸気圧センサ7eが配されている。フィルタ7aは、吸気した空気中の埃などを除去する。スロットル弁7cは、図示しない弁駆動モータにより弁開度を調整し、所望量の空気を内燃機関1に供給する。スロットル弁7cに設置した弁開度センサ7dは、スロットル弁7cの開度を示すデータ(弁開度TH)を検出し、ECU3に送信する。同様に、吸気管7に設置された吸気量センサ7bと吸気圧センサ7eは、それぞれ、吸気管7を通過する空気の吸気量、吸気圧のデータをECU3に送信する。
内燃機関1内に配置されるピストン1aは、図示しないコネクティングロッドを介してクランクシャフト5に接続されている。クランクシャフト5には、その回転角θを検出し、ECU3に送信するクランク角センサ1bが設けられる。回転角θの単位時間あたりの変化量は、内燃機関回転数Neに比例するため、ECU3では、クランク角センサ1bが検出した回転角θに基づき、内燃機関回転数Neを演算することができる。
<トランスミッション2>
トランスミッション2は、トルクコンバータ2aと、タービン2bと、ロックアップクラッチ2cと、タービン回転数センサ2dと、自動変速機2eと、変速用ソレノイド2fを備えたものであり、クランクシャフト5の回転を、トルクコンバータ2aと自動変速機2eにより減速してプロペラシャフト6に伝達するものである。トルクコンバータ2aの出力側を構成するタービン2bの回転数であるタービン回転数Ntは、タービン回転数センサ2dで検出され、ATCU4に送信される。
<トランスミッション2>
トランスミッション2は、トルクコンバータ2aと、タービン2bと、ロックアップクラッチ2cと、タービン回転数センサ2dと、自動変速機2eと、変速用ソレノイド2fを備えたものであり、クランクシャフト5の回転を、トルクコンバータ2aと自動変速機2eにより減速してプロペラシャフト6に伝達するものである。トルクコンバータ2aの出力側を構成するタービン2bの回転数であるタービン回転数Ntは、タービン回転数センサ2dで検出され、ATCU4に送信される。
また、自動変速機2eの出力側に設けられるプロペラシャフト6の回転数は、車速センサ6aで検出されECU3に送信される。車速はプロペラシャフト6の回転数に比例するため、ECU3では車速センサ6aが検出したプロペラシャフト6の回転数に基づいて車速vを演算することができる。
<ATCU4>
ATCU4は、自動変速機2eでの変速を制御するとともに、トルクコンバータ2aのロックアップクラッチ2cの係合や解放を制御する。自動変速機2eに対する変速制御は、ECU3から入力された、車速vおよびアクセル踏込量をパラメータとする変速マップに基づき、変速用ソレノイド2fに適宜制御信号を出力して、シフトアップまたはシフトダウンを実行するものである。一方、トルクコンバータ2aのロックアップクラッチ2cに対する係合や解放の制御は、対応する油圧制御弁を通じた油圧制御によってロックアップクラッチ2cや各摩擦係合要素の係合圧を調整することによって行われるものである。なお、シフトレバー位置や、ギヤ比などのトランスミッション情報は図示しない信号線を介して、トランスミッション2からECU3に伝達される。
<外部負荷9>
外部負荷9は、内燃機関1の運転状態から独立して作動状態が変化する負荷であり、例えば、エアコン、オルタネータ、ラジファン、ABS(Antilock Brake System)、EPS(Electric Power Steering)、各ライトなどである。それらの外部負荷9の負荷状態は、信号線を介して、ECU3に送信される。
<ECU3>
ECU3は、信号線を介して、内燃機関1、ATCU4、外部負荷9などと接続されている。そして、ECU3では、演算により求めた内燃機関回転数Neや車速v、ATCU4から入力されたタービン2bの回転数Ntなどに基づいて、内燃機関1の吹き上がりを抑制するための目標空気量Qtを演算し、演算した目標空気量を供給できるようにスロットル弁7cの弁開度THを制御する。なお、目標空気量Qtの演算時に、ECU3は、外部負荷9が内燃機関1に与える負荷変動を検出し、その負荷変動に対応するためのトルク増分を加味したトルクベース制御を実施する。ここでいう負荷変動とは、例えば、エアコンのON/OFFおよび設定温度の変更や、AT/CVT装置のシフトレバー操作、ABSやEPSの動作などに伴って発生する負荷変動である。
<ATCU4>
ATCU4は、自動変速機2eでの変速を制御するとともに、トルクコンバータ2aのロックアップクラッチ2cの係合や解放を制御する。自動変速機2eに対する変速制御は、ECU3から入力された、車速vおよびアクセル踏込量をパラメータとする変速マップに基づき、変速用ソレノイド2fに適宜制御信号を出力して、シフトアップまたはシフトダウンを実行するものである。一方、トルクコンバータ2aのロックアップクラッチ2cに対する係合や解放の制御は、対応する油圧制御弁を通じた油圧制御によってロックアップクラッチ2cや各摩擦係合要素の係合圧を調整することによって行われるものである。なお、シフトレバー位置や、ギヤ比などのトランスミッション情報は図示しない信号線を介して、トランスミッション2からECU3に伝達される。
<外部負荷9>
外部負荷9は、内燃機関1の運転状態から独立して作動状態が変化する負荷であり、例えば、エアコン、オルタネータ、ラジファン、ABS(Antilock Brake System)、EPS(Electric Power Steering)、各ライトなどである。それらの外部負荷9の負荷状態は、信号線を介して、ECU3に送信される。
<ECU3>
ECU3は、信号線を介して、内燃機関1、ATCU4、外部負荷9などと接続されている。そして、ECU3では、演算により求めた内燃機関回転数Neや車速v、ATCU4から入力されたタービン2bの回転数Ntなどに基づいて、内燃機関1の吹き上がりを抑制するための目標空気量Qtを演算し、演算した目標空気量を供給できるようにスロットル弁7cの弁開度THを制御する。なお、目標空気量Qtの演算時に、ECU3は、外部負荷9が内燃機関1に与える負荷変動を検出し、その負荷変動に対応するためのトルク増分を加味したトルクベース制御を実施する。ここでいう負荷変動とは、例えば、エアコンのON/OFFおよび設定温度の変更や、AT/CVT装置のシフトレバー操作、ABSやEPSの動作などに伴って発生する負荷変動である。
次に、図2の機能ブロック図を用いて、ECU3が実行する目標空気量制御の詳細を説明する。ここに示す、目標空気量演算部31と空気量制御部32は、ECU3が内蔵するCPUが所定のプログラムを実行することで実現されるものである。
目標空気量演算部31は、内燃機関回転数Ne、車速v、内燃機関1の冷却水温、トランスミッション2の油温、負荷状態、ギヤ位置などから目標空気量Qtを算出するものである。
まず、目標空気量演算部31を説明する。この目標空気量演算部31は、ベース空気量演算部31aと、空気削減量演算部31bと、減算器31cと、を備えている。
ベース空気量演算部31aは、クランク角センサ1bの出力に基づいて演算した内燃機関回転数Ne、運転手によるセレクトレバーの操作情報(ドライブ、パーキング、リバース等の選択状態)、内燃機関1に設置した温度センサの出力から求めた冷却水温、トランスミッション2に設置した温度センサの出力から求めた油温に基づき、アイドル回転数の維持に必要なベース空気量Qbaseを演算する。なお、ベース空気量Qbaseの演算方法は従来同様であるので、詳細な説明は省略する。
空気削減量演算部31bは、車速センサ6aの出力に基づいて演算した車速v、外部負荷9の負荷状態、ギヤ位置、タービン回転数センサ2dで検出されたタービン回転数Ntに基づき、内燃機関1の吹き上がりを防止するための空気削減量Qdecを演算する。なお、空気削減量Qdecの演算方法の詳細は後述する。
一方、空気量制御部32は、目標空気量演算部31で求めた目標空気量Qtと、吸気圧センサ7eが検出した吸気管7の吸気圧に応じて、スロットル弁7cの目標開度を算出する。そして、この目標開度に基づいて弁駆動モータを駆動することにより、適切な空気削減量Qdecを反映させた目標空気量Qtを内燃機関1に供給することで、減速時の内燃機関回転数Neの吹き上がりを抑制する。
以上の通り、本実施例の内燃機関制御装置(ECU3)は、内燃機関1とトランスミッション2を備えた車両10に設置され、吸気管7に設けたスロットル弁7cを制御することで前記内燃機関に供給する空気量を制御するものであって、前記内燃機関の回転数をアイドル回転数に維持するベース空気流量Qbaseを演算するベース空気量演算部31aと、前記車両の車速が閾値未満であるときに、前記内燃機関の回転数の吹き上がりを抑制する空気削減量Qdecを演算する空気削減量演算部31bと、前記ベース空気流量から前記空気削減量を減算した目標空気量Qtを演算する目標空気量演算部31と、を構成する制御部(CPU)を備えたものとした。
<空気削減量演算部31bでの空気削減量Qdecの演算方法>
続いて、図3と図4を用いて、空気削減量演算部31bでの空気削減量Qdecの演算処理を詳細に説明する。図3は、空気削減量演算部31bでの処理内容を示したフローチャートであり、図4は、それを実現するための機能ブロック図である。
<空気削減量演算部31bでの空気削減量Qdecの演算方法>
続いて、図3と図4を用いて、空気削減量演算部31bでの空気削減量Qdecの演算処理を詳細に説明する。図3は、空気削減量演算部31bでの処理内容を示したフローチャートであり、図4は、それを実現するための機能ブロック図である。
まず、図3のフローチャートを説明する。ステップS1では、車速センサ6aの出力に基づいて車両10の車速vを演算する。そして、ステップS2では、その車速vと所定の速度閾値vth(例えば40km/h)を比較する。車速vが速度閾値vth以上の速度であれば、ステップS2に戻り(すなわち、空気削減量Qdecを演算しない)、車速vが速度閾値vth未満の速度であれば、ステップS3に進む(すなわち、空気削減量Qdecの実質的な演算処理を開始する)。なお、車速vが速度閾値vth以上のときに内燃機関1に供給する空気量の削減制御を行わないのは、例えば40km/hを超えるような高速走行時には、内燃機関回転速度がそもそも大きく、タービンの回転速度が内燃機関回転速度より早いという吹き上がりの条件が発生しないからである。
ステップS3では、外部負荷9の負荷状態を検出する。ここで、空気削減量を演算する際に外部負荷9の負荷状態を考慮するのは、例えば、エアコンの使用時と非使用時では内燃機関1に与える負荷の程度が相違するため、内燃機関回転数Neをアイドル回転数目標値Ne_i近傍にするには、外部負荷9の負荷の程度を考慮して供給する空気量を決定する必要があるからである。
次に、ステップS4では、負荷状態ごとに準備されたマップの中から、検出した負荷状態に応じた一つを選択する。これらのマップは、例えば、車速vと空気削減量の関係を規定するマップや、タービン回転数Ntと空気削減量の関係を規定するマップであり、負荷状態別に傾きの異なる複数のマップが用意されている。ステップS5では、負荷状態に基づいて選択したマップを用い、現在の車速vに対応する空気削減量Qdec_1を算出する。
ステップS6では、トランスミッション2の自動変速機2eがシフトダウン中かを判定する。この判定には、例えば、ギヤ位置状態とタービン回転数Ntの二つの情報を用いる。シフトダウン中でないと判定された場合は、ステップS7に進み、ステップS5で求めた空気削減量Qdec_1をそのまま空気削減量Qdecに設定する。一方、シフトダウン中と判定された場合は、ステップS8に進み、マップを用い、現在の車速v(または、タービン回転数Nt)に対応する空気削減量Qdec_2を算出する。そして、ステップS9では、ステップS5で求めた空気削減量Qdec_1と、ステップS8で求めた空気削減量Qdec_2の和を空気削減量Qdecに設定する。なお、空気削減量Qdec_2は、タービン回転数Ntが下降し始めるか、シフトダウンが完了するまでは車速vに応じた値が設定されるが、その期間を経過した後は、ゼロにリセットされるものである。
続いて、図3に示した処理を実行するために、ECU3が実現する各機能を、図4を用いて説明する。まず、演算部41では、車速vを検出し、速度閾値vthと比較し、内燃機関1に供給する空気量の削減制御を開始するか判断する。これは、図3のステップS1、S2に相当するものである。次に、演算部42では、外部負荷9の負荷状態を検出し、複数用意されたマップ(マップ1〜マップn)から現在の負荷状態に対応する適切なマップを選択するとともに、選択したマップに基づいて車速vに応じた空気削減量Qdec_1を演算する。これは、図3のステップS3、S4、S5に相当するものである。なお、図4に示すように、マップ1〜マップnは傾きが異なるため、同じ車速vでも負荷状態が異なり選択されたマップが異なれば、演算部42が出力する空気削減量Qdec_1の値は相違する。次に、シフトダウン判定部43では、ギヤ位置とタービン回転数Ntに基づいて、シフトダウン中かを判定し、予め用意されたマップ0に基づいて車速vに応じた空気削減量Qdec_2を演算する。これは、図3のステップS6、S8に相当するものである。最後に、演算部45では、空気削減量Qdec_1、空気削減量Qdec_2に基づいて、最終的な空気削減量Qdecを設定する。これは、図3のS7、S9に相当するものである。
以上の通り、本実施例の内燃機関制御装置(ECU3)は、内燃機関1とトランスミッション2と外部負荷9を備えた車両10に設置され、吸気管7に設けたスロットル弁7cを制御することで前記内燃機関に供給する空気量を制御するものであって、前記内燃機関の回転数をアイドル回転数に維持するベース空気流量Qbaseを演算するベース空気量演算部31aと、前記車両の車速が閾値未満であるときに、前記外部負荷の負荷状態、前記車両の速度v、空気削減量Qdecの三者の関係を規定したマップ、または、前記外部負荷の負荷状態、前記トランスミッションのトルクコンバータタービン回転数Nt、空気削減量Qdecの三者の関係を規定したマップに基づいて、空気削減量を演算する空気削減量演算部31bと、前記ベース空気流量から前記空気削減量を減算した目標空気量Qtを演算する目標空気量演算部31と、を構成する制御部(CPU)を備えたものとした。
また、前記空気削減量演算部31bは、外部負荷19の負荷状態に基づき前記空気削減量Qdecを算出するものとした。さらに、前記空気削減量演算部31bは、前記トランスミッションのシフトダウン後に、前記空気削減量を増やすものとした。
<車速vに基づく目標空気量の補正方法>
次に、図5のタイミングチャートを用いて、図4に例示したマップが、車速vと空気削減量の関係を規定するものであった場合の、目標空気量Qtと、内燃機関回転数Neの変化の具体例を説明する。
<車速vに基づく目標空気量の補正方法>
次に、図5のタイミングチャートを用いて、図4に例示したマップが、車速vと空気削減量の関係を規定するものであった場合の、目標空気量Qtと、内燃機関回転数Neの変化の具体例を説明する。
図中のT51は、車速vが空気量補正の必要な車速vthまで減速したタイミングであり、これ以降、図3のステップS3からステップS9の処理による空気削減量Qdecの演算を開始する。ここでは、車速vと空気削減量の関係を規定するマップを用いているため、ステップS5で求めたQdec_1は車速vに連動(例えば、比例)したものとなる。T52は、図5(a)の破線で示すように、四速から三則にシフトダウンしたタイミングであり、これ以降の空気削減量QdecにはステップS8で求めた空気削減量Qdec_2が反映されたものとなる。T53は、図5(a)の点線で示すように、タービン回転数Ntが上昇から下降に転じたタイミングであり、このタイミングで、空気削減量Qdecへの空気削減量Qdec_2の反映を終了する。すなわち、空気削減量Qdecはシフトダウン判定後の所定期間(T52〜T53)のみ、図3のステップS9により演算され、一時的に増加する。T53からT54の期間は、T51からT52と同様に、図3のステップS7により空気削減量Qdecが決定され、また、三速から二速にシフトダウンした直後のT54からT55の期間は、T52からT53と同様に、図3のステップS9により空気削減量Qdec_2が反映された空気削減量Qdecが決定される。そして、車速vが十分に小さくなったT55以降は、マップに従って、空気削減量Qdecをゼロとしている。
この結果、目標空気量Qtは、図5(b)の実線で示すものから、破線で示すものに補正され、また、内燃機関回転数Neは、図5(c)の実線で示すものから、破線で示すものに補正される。このように、目標空気量Qtを補正することで、アイドリング時の内燃機関回転数Neが目標値Ne_iの近傍(上限値Ne_uと下限値Ne_lの範囲内)となるように制御することができ、内燃機関回転数Neの吹き上がりを抑制することができる。
以上の通り、本実施例の内燃機関制御装置(ECU3)は、前記空気削減量演算部31bは、前記車速vに基づき前記空気削減量Qdecを算出するものとした。
<タービン回転数Ntに基づく目標空気量の補正方法>
次に、図6のタイミングチャートを用いて、図4に例示したマップが、タービン回転数Ntと空気削減量の関係を規定するものであった場合の、目標空気量Qtと、内燃機関回転数Neの変化の具体例を説明する。
<タービン回転数Ntに基づく目標空気量の補正方法>
次に、図6のタイミングチャートを用いて、図4に例示したマップが、タービン回転数Ntと空気削減量の関係を規定するものであった場合の、目標空気量Qtと、内燃機関回転数Neの変化の具体例を説明する。
図中のT61は、車速vが空気量補正の必要な車速vthまで減速したタイミングであり、これ以降、図3のステップS3からステップS9の処理による空気削減量Qdecの演算を開始する。ここでは、タービン回転数Ntと空気削減量の関係を規定するマップを用いているため、ステップS5で求めたQdec_1はタービン回転数Ntに連動(例えば、比例)したものとなる。T62は、図6(a)の破線で示すように、四速から三則にシフトダウンしたタイミングであり、これ以降の空気削減量QdecにはステップS8で求めた空気削減量Qdec_2が反映されたものとなる。T63は、図6(a)の実線で示すように、タービン回転数Ntが上昇から下降に転じたタイミングであり、このタイミングで、空気削減量Qdecへの空気削減量Qdec_2の反映を終了する。すなわち、空気削減量Qdecはシフトダウン判定後の所定期間(T62〜T63)のみ、図3のステップS9により演算され、一時的に増加する。T63からT64の期間は、T61からT62と同様に、図3のステップS7により空気削減量Qdecが決定され、また、三速から二速にシフトダウンした直後のT64からT65の期間は、T62からT63と同様に、図3のステップS9により空気削減量Qdec_2が反映された空気削減量Qdecが決定される。そして、タービン回転数Ntが十分に小さくなったT66以降は、マップに従って、空気削減量Qdecをゼロとしている。なお、図6では、期間T62〜T63および期間T64〜T65で空気削減量Qdec_2を用いているが、この処理を省略する構成としても良い。
この結果、目標空気量Qtは、図5(b)の実線で示すものから、破線で示すものに補正され、また、内燃機関回転数Neは、図5(c)の実線で示すものから、破線で示すものに補正される。このように、目標空気量Qtを補正することで、アイドリング時の内燃機関回転数Neが目標値Ne_iの近傍(上限値Ne_uと下限値Ne_lの範囲内)となるように制御することができ、内燃機関回転数Neの吹き上がりを抑制することができる。
以上の通り、本実施例の内燃機関制御装置(ECU3)は、前記空気削減量演算部31bは、前記トランスミッション2のトルクコンバータタービン回転数Ntに基づき前記空気削減量Qdecを算出するものとした。
以上で説明した本実施例の内燃機関制御装置によれば、減速時の目標空気量の演算速度を上げつつ、その演算の正確性も向上させることができる。
1 内燃機関、
1a ピストン、
1b クランク角センサ、
2 トランスミッション、
2a トルクコンバータ、
2b タービン、
2c ロックアップクラッチ、
2d タービン回転数センサ、
2e 自動変速機、
2f 変速用ソレノイド、
3 内燃機関制御装置(ECU)
31 目標空気量演算部、
31a ベース空気量演算部、
31b 空気削減量演算部、
31c 減算器、
32 空気量制御部、
4 トラスミッション制御装置(ATCU)
5 クランクシャフト、
6 プロペラシャフト、
6a 車速センサ、
6b ドライブシャフト、
6c 駆動輪、
7 吸気管、
7a フィルタ、
7b 吸気量センサ、
7c スロットル弁、
7d 弁開度センサ、
7e 吸気圧センサ、
8 排気管、
9 外部負荷、
10 車両
1a ピストン、
1b クランク角センサ、
2 トランスミッション、
2a トルクコンバータ、
2b タービン、
2c ロックアップクラッチ、
2d タービン回転数センサ、
2e 自動変速機、
2f 変速用ソレノイド、
3 内燃機関制御装置(ECU)
31 目標空気量演算部、
31a ベース空気量演算部、
31b 空気削減量演算部、
31c 減算器、
32 空気量制御部、
4 トラスミッション制御装置(ATCU)
5 クランクシャフト、
6 プロペラシャフト、
6a 車速センサ、
6b ドライブシャフト、
6c 駆動輪、
7 吸気管、
7a フィルタ、
7b 吸気量センサ、
7c スロットル弁、
7d 弁開度センサ、
7e 吸気圧センサ、
8 排気管、
9 外部負荷、
10 車両
Claims (6)
- 内燃機関とトランスミッションを備えた車両に設置され、吸気管に設けたスロットル弁を制御することで前記内燃機関に供給する空気量を制御する内燃機関制御装置であって、
前記内燃機関の回転数をアイドル回転数に維持するベース空気流量を演算するベース空気量演算部と、
前記車両の車速が閾値未満であるときに、前記内燃機関の回転数の吹き上がりを抑制する空気削減量を演算する空気削減量演算部と、
前記ベース空気流量から前記空気削減量を減算した目標空気量を演算する目標空気量演算部と、
を構成する制御部(CPU)を備えたことを特徴とする内燃機関制御装置。 - 請求項1に記載の内燃機関制御装置において、
前記空気削減量演算部は、前記車速に基づき前記空気削減量を算出することを特徴とする内燃機関制御装置。 - 請求項1に記載の内燃機関制御装置において、
前記空気削減量演算部は、前記トランスミッションのトルクコンバータタービン回転数に基づき前記空気削減量を算出することを特徴とする内燃機関制御装置。 - 請求項1に記載の内燃機関制御装置において、
前記空気削減量演算部は、外部負荷の負荷状態に基づき前記空気削減量を算出することを特徴とする内燃機関制御装置。 - 請求項1から請求項4の何れか一項に記載の内燃機関制御装置において、
前記空気削減量演算部は、前記トランスミッションのシフトダウン後に、前記空気削減量を増やすことを特徴とする内燃機関制御装置。 - 内燃機関とトランスミッションと外部負荷を備えた車両に設置され、吸気管に設けたスロットル弁を制御することで前記内燃機関に供給する空気量を制御する内燃機関制御装置であって、
前記内燃機関の回転数をアイドル回転数に維持するベース空気流量を演算するベース空気量演算部と、
前記車両の車速が閾値未満であるときに、前記外部負荷の負荷状態、前記車両の速度、空気削減量の三者の関係を規定したマップ、または、前記外部負荷の負荷状態、前記トランスミッションのトルクコンバータタービン回転数、空気削減量の三者の関係を規定したマップに基づいて、空気削減量を演算する空気削減量演算部と、
前記ベース空気流量から前記空気削減量を減算した目標空気量を演算する目標空気量演算部と、
を構成する制御部(CPU)を備えたことを特徴とする内燃機関制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018124459A JP2020002896A (ja) | 2018-06-29 | 2018-06-29 | 内燃機関制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018124459A JP2020002896A (ja) | 2018-06-29 | 2018-06-29 | 内燃機関制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020002896A true JP2020002896A (ja) | 2020-01-09 |
Family
ID=69099814
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018124459A Pending JP2020002896A (ja) | 2018-06-29 | 2018-06-29 | 内燃機関制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2020002896A (ja) |
-
2018
- 2018-06-29 JP JP2018124459A patent/JP2020002896A/ja active Pending
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