以下、本発明に係る押出器具の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1〜図5は、本実施形態の押出器具1を示す。押出器具1は、流動性を有する収容体を複数回に分けて押し出すことが可能な器具である。
収容体は、例えば、芳香成分や洗浄成分などを含むゲル状薬剤などを例示することができ、押出器具1は、水洗トイレの便器の内面にゲル状薬剤を付着させるのに好適に使用することができる。ゲル状薬剤は、水洗時にリムの裏側の給水孔から流出するフラッシュ水に晒されることで、フラッシュ水に溶出して芳香成分や洗浄成分などを便器に供給する。なお、収容体は、薬剤以外のもの、例えば食品や化粧品などであってもよい。
押出器具1は、押出部材2と、収容部材10とを備えている。収容部材10は、収容体を収容するとともに軸aの方向(以下、「軸方向」という。)の一端側から収容体を吐き出すことが可能である。押出部材2は、収容部材10の軸方向に沿って移動可能であるとともに収容部材10の軸aの周り(以下、「軸周り」という。)に回転可能である。押出部材2は、収容部材10に対して軸方向に押し込む押込操作と、収容部材10に対して軸周りに回転させる回転操作とを交互に繰り返すことにより、収容部材10に収容された収容体を収容部材10から複数回に分けて押し出す。具体的に、収容体の1回の押し出しは、1回の回転操作と1回の押込操作とにより行われる。押出部材2により収容部材10内の収容体が全て押し出されると、押出部材2は収容部材10から引き抜かれて、収容部材10は廃棄され、押出部材2は再利用される。本実施形態では、回転操作の回転方向は、時計回りに設定されている。以下、押出器具1の各構成部材について説明する。
まず、押出部材2は、図6〜図12に示すように、把持部3と、押出軸部4と、複数の突起5と、カバー部6と、係合部7とを有している。なお、本明細書では、押出部材2の中心に向かう側を内側、その反対側を外側とする。また、押出部材2の収容部材10に押し込まれる側を下側(先端側)とし、その反対側を上側(基端側)とする。
把持部3は、押出部材2の押込操作や回転操作の際に操作者が把持する部位である。把持部3は、下側に向かって次第に外径が小さくなるように形成されており、これにより、操作者が把持部3を把持する際の握りやすさを向上させている。
次に、押出軸部4は、収容部材10内の収容体を収容部材10から押し出すために収容部材10に挿入される部位である。押出軸部4は、長手形状を呈している。長手形状とは、一方向における長さが、前記一方向と直交する方向における長さよりも十分に長い形状をいう。前記一方向を軸方向(上下方向)とする。押出軸部4は、収容部材10の軸方向の他端側の開口から挿入可能な大きさに形成されている。
押出軸部4は、円柱や角柱などの柱状、円筒や角筒などの筒状、1枚の板状体からなる板状、複数の板状体を例えばT字形、Y字形、L字形、X字形、十字形、その他の放射状に組み合わせた異形な柱状など、種々の形状とすることができる。本実施形態では、押出軸部4は、2つの板状体の一方の板状体を他方の板状体に対して垂直にかつ他方の板状体の両板面から突き出るように交差させた十字形の柱状を呈しており、交差位置の芯部40から延びるとともに十字形に組み合わされた4つの突出部44を含んでいる。突出部44の厚みは2mm以上であることが好ましい。
押出軸部4には、複数の外向きの突起5が設けられている。本実施形態では、9個の突起5A〜5Iが設けられている。複数の突起5は、本実施形態では、芯部40から延びる4つの突出部44のうち、芯部40を間に挟んで直線状に延びる1組の突出部44の対向する2つの端面41A,41Bにそれぞれ軸方向に間隔をあけて設けられている。また、本実施形態では、複数の突起5が、押出軸部4の当該2つの端面41A,41Bに、交互に順次下側に位置するように設けられている。なお、以下の説明では、複数の突起5の個々の突起を指すときは突起5A〜5Iということがある。
つまり、複数の突起5は、押出軸部4の軸周りに180°互いに離間した2つの突起群にそれぞれ分けられており、一方(端面41A側)の突起群の各突起5と対向する他方(端面41B側)の突起群の各突起5とで同じ高さ位置にはなく軸方向に位置ずれするように配置されている。複数の突起5は、押出軸部4が収容部材10に挿入される際に、最も下側に位置する先頭の突起5Aから順次、押出軸部4とともに収容部材10に挿入されるが、先頭の突起5Aが収容部材10に挿入された後、次に収容部材10に挿入される1つ後方に位置する突起は、先頭の突起5Aとは反対側の突起群で突起5Aの1つ上の突起5Cとなる。以下、突起5D、突起5E、突起5F、突起5G、突起5H、突起5I、そして、最も上側に位置する最後尾の突起5Bの順に収容部材10に挿入される。なお、端面41A側の突起群が、複数の突起5のうち先頭の突起5Aを含むとともに、最後尾の突起5Bを含んでいる。
押出軸部4には、複数の貫通穴43が形成されている。貫通穴43は、複数の突起5の少なくとも一部の突起5にそれぞれ対応するように、各突起5の内側にかつ各突起5の近傍に位置するように形成されている。本実施形態では、先頭の突起5A及び最後尾の突起5Bを除いた各突起5C〜5Iに対応して貫通穴43が形成されている。複数の貫通穴43は、各突起5C〜5Iに合わせて、押出軸部4の軸周りに180°互いに離間した2つの群にそれぞれ分けられており、一方の群の貫通穴43と対向する他方の群の貫通穴43とで同じ高さ位置にはなく軸方向に位置ずれするように配置されている。
貫通穴43は、外側に位置する突起5C〜5Iに軸方向(上下方向)からの押圧力が作用した際に、突起5C〜5Iが内側に変位するのを許容する空間を構成する。押出部材2は収容部材10内の収容体を全て吐出させると、収容部材10から引き抜かれるように構成されているが、押出部材2を収容部材10から引き抜く際に、突起5C〜5Iには収容部材10の規制部12を通過するときに規制部12が上から当たることで規制部12から下向きの押圧力を受ける。このとき、突起5C〜5Iが押圧力を受けて内側に変位することで突起5C〜5Iは規制部12を通過することができる。突起5C〜5Iを良好に内側に変位させるためには、貫通穴43の上下方向の長さは、突起5C〜5Iの上下方向の長さと同等か、それ以上であることが好ましい。貫通穴43の形状は、特に限定されるものではないが、突起5C〜5Iの形状よりも大きすぎると、押出軸部4の強度が低下するため、突起5C〜5Iの形状に対応した形状であることが好ましく、本実施形態では断面視三角形状を呈している。また、突起5C〜5Iは、前記押圧力を受けた際には、上端を中心に下端が内側に回転するように変位するので、突起5C〜5Iを良好に内側に変位させるためには、貫通穴43は、突起5C〜5Iの下端の位置において幅が最も広く形成されていることが好ましい。そのため、本実施形態では、貫通穴43は、三角形の最も長い斜辺が上下方向を向き、また、前記斜辺に対向する角が突起5C〜5Iの下端とほぼ同じ高さに位置するように向きが設定されている。
なお、先頭の突起5A及び最後尾の突起5Bの内側にも貫通穴43を形成してもよいが、先頭の突起5A及び最後尾の突起5Bは、押出部材2を収容部材10から引き抜く際に、規制部12の回避部122を通り抜けるので、規制部12を通過するときに規制部12からの押圧力を受けないため、先頭の突起5A及び最後尾の突起5Bに対応する貫通穴43を必ずしも形成する必要はない。さらには、突起5D,5F,5Hについても、押出部材2を収容部材10から引き抜く際に、規制部12の回避部122を通り抜けるので、対応する貫通穴43を必ずしも形成する必要はない。
また、押出軸部4は、図2及び図4に示すように、収容部材10への挿入時に、収容部材10の規制部12の内周面に当接する部位であるガイド部8を含んでいる。ガイド部8は、本実施形態では、押出軸部4の芯部40から延びる4つの突出部44のうち、端面41A,41Bに突起5が設けられている組の突出部44とは異なる組の2つの突出部44により構成されている。押出軸部4の当該2つの突出部44の対向する端面42A,42Bの間の長さは、収容部材10の収容部11の内径よりも小さいが、端面42A,42Bが規制部12の内周面に当接するよう規制部12の内径と同じか又は僅かに小さく設定されている。なお、押出軸部4の当該2つの突出部44の端面42A,42Bは、平坦面であってもよいし、外向きに凸状をなす湾曲面であってもよい。
ガイド部8は、押出軸部4が収容部材10に軸方向の他端側から挿入されてから一端側(吐出部13側)の最後まで挿入される間、つまりは、押出軸部4が収容部材10に挿入されている間中ずっと収容部材10の規制部12の内周面に対して当接する。これにより、押出軸部4が収容部材10に挿入される際に、押出軸部4は、ガイド部8により収容部材10に真っ直ぐ挿入されるよう案内されるので、収容部材10への挿入時の挿入姿勢が安定する。
なお、ガイド部8は、押出軸部4の芯部40から延びる2つの突出部44で構成されているが、規制部12の内周面に当接する部位であれば、押出軸部4の他の部位、例えば、突出部44の端面42A,42Bや芯部40から外向きに突き出る板状などの突条体で構成することができる。また、押出軸部4が円柱状や角柱状であれば、例えば外周面より外向きに突き出る板状などの突条体で構成することができる。この場合、ガイド部8は、押出軸部4の軸方向の全長にわたって設けられている必要は必ずしもなく、軸方向に沿って所定の長さだけに設けられていてもよい。
次に、複数の突起5は、図1〜図12に示すように、押出軸部4の収容部材10への挿入時に、規制部12の内周面に向かう径方向外側に突き出るように形成されている。複数の突起5は、押出軸部4とともに収容部材10に挿入される際に、規制部12の回避部122を軸方向に通り抜けることで押出軸部4とともに規制部12を通過する一方で、規制部12の受け部121に突き当たることで押出軸部4が規制部12を通過するのを阻害する部位である。
複数の突起5のうちの最も下側に位置する先頭の突起5Aは、図1に示すように、押出部材2を収容部材10に装着する際に、押出軸部4と規制部12との位置合わせに用いられる部位である。先頭の突起5Aは、押出軸部4の先端の係合部7及びカバー部6に隣接する位置に設けられている。
また、突起5B〜5Iは、収容部材10内の収容体を複数回に分けて収容部材10から押し出す際に用いられる部位である。その中で、最も上側に位置する最後尾の突起5Bは、収容部材10内の収容体を最後に全て収容部材10から押し出す際に用いられる。
最後尾の突起5Bは、図4及び図5に示すように、押出軸部4が収容部材10の最後まで挿入されたときに、規制部12の回避部122を完全に通り抜けるのではなく、一部は通り抜けるが残部は少なくとも一部分が回避部122内に位置して回避部122に嵌まるように、軸方向の長さが設定されている。これにより、最後尾の突起5Bは、押出軸部4が収容部材10の最後まで挿入されたときに、規制部12の回避部122により周方向の移動が規制されている。
複数の突起5は、押出軸部4に対して、上端の少なくとも一部及び下端の少なくとも一部が押出軸部4とつながるように設けられている。これにより、突起5は、上端及び下端が押出部材4に拘束されることで、軸方向(上下方向)からの押圧力を受けた際には内側に変位するが、周方向(左右方向)からの押圧力を受けた際には内側に変位するのが規制されている。
本実施形態では、複数の突起5は、押出軸部4の端面42A,42Bよりも幅が広く形成されているため、上端の一部及び下端の一部が押出軸部4とつながっているが、突起5を押出軸部4の端面42A,42Bと同じ幅で形成することで、上端の全部及び下端の全部が押出軸部4とつながるように構成してもよい。
複数の突起5のうち最後尾の突起5Bを除く突起5A,5C〜5Iは、上端から下端に向かうにしたがって押出軸部4から大きく突き出る(押出軸部4からの突出量が次第に大きくなる)ように形成されている。つまり、突起5A,5C〜5Iは、図13に示すように、押出軸部4から突き出た外面50が、外側に向かって低く傾斜する傾斜面となっている。押出部材2を収容部材10から引き抜く際に、突起5A,5C〜5Iには収容部材10の規制部12を通過するときに規制部12に当たって下向きの押圧力を受けるが、このとき、外面50が傾斜していることにより突起5A,5C〜5Iが内側にスムーズに変位するので、突起5A,5C〜5Iは容易に規制部12を通過する。なお、突起5A,5C〜5Iは、外面50の他、一対の側面51,52及び底面53を有しており、一対の側面51,52は三角形状を呈し、底面53は台形状(直角台形状)を呈している。
なお、最後尾の突起5Bは、図15に示すように、外面50が垂直面となっており、上端から下端まで押出軸部4からの突出量が一定となるように形成されている。突起5Bは、外面50の他、一対の側面51,52及び底面53を有しており、一対の側面51,52は矩形状を呈し、底面53は台形状(直角台形状)を呈している。
複数の突起5の形状は、規制部12の回避部122を軸方向に通り抜けることが可能な形状であれば特に限定されないが、回避部122の内周面に沿った形状に形成されることが好ましい。本実施形態では、回避部122が横断面で台形状(直角台形状)を呈していることに対応して、複数の突起5は横断面視台形状(直角台形状)に形成されている。そのため、図13及び図14に示すように、各突起5A〜5Iの一対の側面51,52のうち、押出部材2の回転方向と反対側の側面51、すなわち、外面50に対して回転方向と反対側で連なる側面(外面50が回転方向側に連なる側面)51は、回避部122の内周面のうちの前記台形の斜辺をなす傾斜面122Bに沿うように、外面50に対して90°よりも大きい交差角度をなしている。これにより、各突起5A〜5Iが規制部12の回避部122を軸方向に通り抜ける際に、図13及び図14に示すように、側面51の少なくとも一部が回避部122の内周面に対して当接する。よって、押出軸部4の収容部材10への挿入時に、押出軸部4は、規制部12の回避部122により収容部材10に真っ直ぐ挿入されるよう案内されるので、収容部材10への挿入時の挿入姿勢が安定する。なお、突起5の回転方向側の側面52は、段部123に突き当たったまま回避部122を通過する。また、最後尾の突起5Bは、規制部12の回避部122を軸方向に通り抜ける際に、図15及び図16に示すように、外面50も回避部122の内周面の底面122Aに当接する。
次に、カバー部6は、図1及び図6〜図11に示すように、押出軸部4の先端に設けられており、押出部材2を収容部材10に装着する際に、規制部12に対する押出軸部4の位置合わせを容易にする部位である。カバー部6は、所定の厚みを有するとともに断面視で円形状を呈しており、本実施形態では、円板状を呈している。カバー部6は、中心が押出軸部4の中心と一致するように押出軸部4に設けられている。カバー部6は、底面視において、押出軸部4を内側に包含し、押出軸部4から突き出る外向きの突起5のみが外側に露出する大きさに形成されている。また、カバー部6は、押出軸部4の収容部材10への挿入時に外周面が規制部12の内周面に沿う大きさに形成されており、外径が収容部材10の収容部11の内径よりも小さいが、規制部12の内径と同じに又は僅かに小さく設定されている。
押出部材2の装着時に、押出軸部4の先端に設けられたカバー部6が規制部12の内側に嵌まることで、押出部材2を収容部材10に対して真っ直ぐセットしやすくなり、押出軸部4が収容部材10に挿入される際の挿入姿勢が安定する。よって、その後の押出部材の押込操作による押出軸部の挿入が容易となる。また、押出部材2を収容部材10に装着するには、押出軸部4を収容部材10に所定ストローク挿入する必要があり、そのためには、押出部材4の複数の突起5のうち、先頭の突起5Aについて規制部12の回避部122を通過させる必要がある。ここで、押出軸部4はカバー部6の外周縁よりも内側に収まっているのに対して先頭の突起5Aはカバー部6の外周縁よりも外側に突き出ていることで、押出軸部4の周方向のどの位置に先頭の突起5Aが設けられているのかを容易に見つけることができる。そのため、先頭の突起5Aを規制部12の回避部122を通過させるのに、規制部12に対する押出軸部4の軸周りの向きの調整が容易になり、カバー部6を規制部12の内側に嵌める際に、先頭の突起5Aを回避部122に確実に位置合わせすることができる。よって、収容部材10に対する押出部材2の装着を容易に行うことができる。
次に、係合部7は、図3及び図5〜図11に示すように、押出部材2の最先端に位置し、押出部材2の装着時に押出軸部4が収容部材10に所定ストローク挿入されることで収容部材10内の栓部材14の被係合部141と係合する部位である。係合部7は、所定の厚みを有するとともに断面視で円形状を呈しており、本実施形態では、平たい円柱状を呈している。係合部7は、収容部材10の栓部材14の被係合部141に嵌合する大きさに形成されており、外径が被係合部141の内径と同じ大きさであるか、僅かに大きく又は小さく設定されている。また、係合部7の外径は、カバー部6の外径よりも小さく設定されている。なお、係合部7は中空の円筒状を呈していてもよい。
次に、収容部材10は、図1及び図17に示すように、収容部11と、規制部12と、吐出部13と、栓部材14と、キャップ15とを有している。
収容部11は、図17〜図19に示すように、両端が開口した円筒状を呈しており、内部に収容体を収容可能な収容空間を有する。収容部11は、押出部材2の押出軸部4及び突起5を挿入可能な大きさに形成されている。収容部11は、軸方向の一端側(図13の下側)に吐出部13が設けられ、他端側(図13の上側)に規制部12が装着され、内部に栓部材14が収納される。収容部11の他端側には、筒壁110の一部分が他の部分よりも上方に延びた延出部111が設けられており、延出部111及び筒壁110の延出部111と反対側の部分には係止孔112が形成されている。
規制部12は、図17及び図20〜図21に示すように、リング状を呈している。規制部12は、一対の係合突起120を有しており、各係合突起120がそれぞれ収容部11の対応する係止孔112に嵌め込まれることで、収容部11に固定される。
規制部12は、押出部材2の押し込み操作により押出軸部4が収容部材10に挿入される際に、押出軸部4が収容部材10に段階的に挿入されるように、押出部材2の収容部材10に対する軸方向の移動を規制する部位である。具体的に、規制部12は、押出軸部4が収容部材10に挿入される過程において、各突起5のそれぞれに対して、突起5が規制部12の位置まで軸方向に移動してきたときに、突起5が規制部12に対して軸周りで特定の角度関係をなす所定位置に位置していないと(軸周りで前記特定の角度関係とは異なる角度関係をなす位置に位置していると)、突起5の軸方向への移動を禁止し、突起5が、押出部材2の回転により前記所定位置に位置したときに、突起5の軸方向への移動を許容する。
規制部12は、受け部121と、回避部122と、段部123,124と、包囲部125と、傾斜部126とを備えている。
受け部121は、平面視で内周縁及び外周縁を有する円環状を呈している。受け部121は、押出軸部4が内周縁の内側に収まる一方で、押出軸部4から突き出る外向きの突起5は内周縁の外側に張り出す大きさに形成されている。そのため、受け部121は、押出軸部4は挿通可能であるが、突起5は突き当たることで挿通不可能とする部位である。受け部121は、本実施形態では、下段受け部121Aと上段受け部121Bとで構成されている。
下段受け部121Aは、図2及び図3に示すように、押出部材2の複数の突起5のうち収容部材10外に位置しかつ最も収容部材10に近く、次に収容部材10に挿入される1次挿入突起(図示例では突起5F)が、規制部12に対して軸周りで特定の角度関係をなす所定位置に位置することで回避部122を軸方向に通り抜けて規制部12を通過したときに、当該1次挿入突起5Fの1つ後方に位置し、当該1次挿入突起5Fの次に収容部材10に挿入される2次挿入突起(図示例では突起5G)が突き当たることで、2次挿入突起5Gの軸方向の移動を禁止する部位である。また、押出部材2の回転時に2次挿入突起5Gが周方向に摺動する部位である。
上段受け部121Bは、下段受け部121Aの上方に位置している。上段受け部121Bは、1次挿入突起5Fが規制部12を通過し、押出部材2の回転時に2次挿入突起5Gが下段受け部121A上を周方向に摺動するときに、当該2次挿入突起5Gの1つ後方に位置し、2次挿入突起5Gの次に収容部材10に挿入される3次挿入突起(図示例では突起5H)が周方向に摺動する部位である。上段受け部121Bは、下段受け部121Aから起立する2つの段部123,124で下段受け部121Aに接続されている。
回避部122は、図1〜図5に示すように、突起5が収容部材10の規制部12に対して軸周りで特定の角度関係をなす所定位置に位置したときに、突起5の軸方向への移動を許容して突起5が規制部12を通過するのを可能にする部位である。回避部122は、図17及び図20〜図21に示すように、受け部121(本実施形態では下段受け部121A)の内周縁に設けられており、内周縁の一部をへこませることで形成された凹所で構成されている。回避部122は、下段受け部121Aと上段受け部121Bとの一方の境界部分に配置されている。回避部122は、内側を突起5が軸方向に通り抜けることが可能な形状に形成されている。本実施形態では、回避部122は横断面で台形状(具体的には直角台形状)を呈している。回避部121は、軸方向に所定の長さ延びており、受け部121の内周縁よりも外側に位置する底面122Aと、後述する包囲部125と底面122Aとをつなげる傾斜面122Bとを有している。
段部123は、回避部121に対して押出部材2の回転方向側に隣接する位置に設けられている。段部123は、押出部材2の回転により突起5が前記所定位置に達して回避部121上に位置したときに、突起5が突き当たる部位である。
包囲部125は、規制部12の内周面を構成する部位であり、受け部121の内周縁より軸方向の下方に所定の長さ延びている。包囲部125は、収容部材10に挿入される押出軸部4を包囲し、押出軸部4のガイド部8が当接することで、押出軸部4が軸方向に真っ直ぐ挿入されるよう案内する。包囲部125は、本実施形態では、下段受け部121Aの内側縁から垂れ下がる下段側包囲部125Aと、上段受け部121Bの内側縁から垂れ下がる上段側包囲部125Bとを有している。下段側包囲部125Aは、回避部121と周方向に連続している。
傾斜部126は、包囲部125の先端に接続されている。傾斜部126は、先端側に向かうに連れて次第に径方向の外向きに広がるように傾斜する逆テーパ状を呈している。傾斜部126は、本実施形態では、下段側包囲部125Aにつながる下側傾斜部126Aと、上段側包囲部125Bにつながる上側傾斜部126Bとを有している。上側傾斜部126Bの先端には、円弧状の脚部127が垂下しており、この脚部127は、下側傾斜部126Aとつながっている。傾斜部126は、規制部12において、押出部材2を収容部材10から引き抜く際に突起5が突き当たって、突起5に下向きの押圧力を作用させる部位であり、傾斜部126は、逆テーパ状に傾斜していることにより、突起5を内側にスムーズに変位させることが可能であり、突起5を難なく規制部12を通過させることができる。また、上段傾斜部125Bは、押出部材2が回転操作される際に突起5が描く軌跡から径方向外側に退避していることで、押出部材2がスムーズに回転動作することを可能にしている。
吐出部13は、図17〜図19に示すように、筒状かつ先端に向かうに連れて先細るテーパ状を呈しており、収容部11内の収容体を先端側の吐出口130より吐出する。吐出部13は、吐出口130より下方の先端に、吐出口130から吐き出した収容体を付着させる被付着面に当接する複数の当接部131を有している。複数の当接部131は、周方向に間隔をあけて配置されており、周方向に隣り合う当接部131の間には、隙間Sが設けられている。この隙間Sは、収容体が吐出部13の吐出口130から被付着面に向けて軸方向に沿って吐出される際に、軸方向と直交する方向にも収容体が吐出することを可能にする。これにより、被付着面には収容体が各当接部131の外側にも広がるようにして付着するので、被付着面に付着した収容体の形状を隙間Sの形状に応じて種々の形状とすることができる。なお、吐出部13の詳細な説明は、特開2016−124595号公報を参照することができる。
栓部材14は、図1、図3、図5及び図17に示すように、収容部11内に配置され、収容部11の他端側の開口を密閉する。また、栓部材14は、収容部材10に対する押出部材2の軸方向の移動に伴って収容部11内を先端側に移動することで、収容部11内の収容体を吐出部13に向けて押圧する。栓部材14は、摺動部140と、被係合部141と、押圧部142とを有する。
摺動部140は、円筒状を呈しており、外周面が収容部11の内周面に対して当接可能である。摺動部140は、外周面が収容部11の内周面に当接しながら収容部11内を移動する。
被係合部141は、円筒状を呈しており、摺動部140の内側に摺動部140と同心円状に配置される。被係合部141は、押出部材2の先端の係合部7が内側に嵌合可能であり、被係合部141が押出部材2と一体になることで、摺動部140は押出部材2とともに収容部11内を移動する。
押圧部142は、中空の円錐台状を呈しており、摺動部140及び被係合部141のそれぞれの先端に接続されている。押圧部142は、摺動部140の先端側の開口を全域にわたって閉塞している。
キャップ15は、図1及び図17に示すように、収容部11の軸方向の一端側に着脱可能に装着される。キャップ15は非使用時に収容部11に装着されることで、収容部11内を密封して収容体が空気と触れることを防止する。キャップ15は、使用時に収容部11から取り外される。
次に、上述した構成の押出器具1の使用方法について説明する。
押出器具1を使用する際には、まず、収容部材10に押出部材2を装着する。具体的に、図1に示すように、押出部材2の先頭の突起5Aが規制部12の回避部122を通過するように規制部12に対する押出軸部4の軸周りの向きを調整したうえで、押出部材2を収容部材10にセットする。そして、押出部材2を押し込むことで押出軸部4を収容部材10に所定ストローク挿入する。この押出部材2の押込操作により、押出部材2の先端の係合部7が栓部材14の被係合部141の内側に嵌合することで、押出部材2と栓部材14とが一体化する。
この押出部材2の装着時には、押出軸部4の先端に設けられたカバー部6が規制部12の内側に嵌まってカバー部6の外周面が規制部12の内周面に沿うので、押出部材2を収容部材10に対して真っ直ぐセットすることができ、その後の押出部材2の押込操作による押出軸部4の挿入を容易にすることができる。また、カバー部6を規制部12の内側に嵌める際に、先頭の突起5Aはカバー部6の外周縁よりも外側に突き出ているので、先頭の突起5Aを容易に見つけることができる。そのため、先頭の突起5Aを基準にして規制部12に対する押出軸部4の軸周りの向きを調整することで、先頭の突起5Aを回避部122に対して確実に位置合わせすることができ、カバー部6を容易に規制部12の内側に嵌めることができる。さらに、先頭の突起5Aが規制部12の回避部122を軸方向に通り抜ける際には、先頭の突起5Aの側面51の少なくとも一部が回避部122の内周面に対して当接するので、押出軸部4を収容部材10に挿入する際の挿入姿勢が安定する。よって、押出軸部4を真っ直ぐ収容部材10に挿入することができる。
そして、先頭の突起5Aの1つ後方に位置する突起5Cが規制部12の下段受け部121Aに突き当たるまで押出部材2をさらに押し込むことにより、収容部材10に対する押出部材2の装着動作が完了する。なお、このとき、規制部12の下段受け部121Aに突き当たった突起5Cの1つ後方に位置する突起5Dは、規制部12の上段受け部121Bの上方に位置している。押出部材2の装着が完了すると、収容部材10のキャップ15を取り外す。なお、キャップ15は、押出部材2の装着の前に取り外してもよい。
次に、突起5Cが規制部12の下段受け部121Aに当接している状態で、押出部材2を時計回りに回転させることで、突起5Cを規制部12の回避部122に近づける。押出部材2の回転操作により、突起5Cが規制部12の段部123に突き当たると、押出部材2の回転操作が規制され、突起5Cが回避部122上に位置する。これにより、突起5Cは回避部122を通り抜けることで押出軸部4とともに規制部12を通過可能になり、押出部材2の押込操作が可能となる。
この押出部材2の回転操作の際には、突起5Cは、上端及び下端が押出部材4につながっていることで押出軸部4に拘束されているので、段部123に突き当たることで段部123から周方向の押圧力を突起5Cが受けても、内側に変位することが規制されている。突起5Cが段部123から周方向の押圧力を受けた場合に内側に変位すると、突起5Cが段部123で止まることなく回避部122上の所定位置を越えてしまうおそれがあるが、段部123からの周方向の押圧力によっては内側への変位が規制されていることで、押出部材2を強く回転させても、突起5Cを段部123で止めることができ、回避部122上の所定位置に確実に位置させることができる。
次に、収容部材10の吐出部130の当接部131を被付着面に当接させた後、押出部材2を押し込むことで、押出軸部4をさらに収容部材10に挿入する。このとき、押出軸部4のガイド部8が規制部12の内周面(包囲部125)に当接するうえ、突起5Cが規制部12の回避部122を軸方向に通り抜ける際に、側面51の少なくとも一部が回避部122の内周面に対して当接する。よって、押出軸部4を収容部材10に挿入する際の挿入姿勢が安定する。よって、押出軸部4を真っ直ぐ収容部材10に挿入することができる。この押出部材2の押込操作により、収容部材10の栓部材14が吐出部13に向かって所定ストローク押圧され、栓部材14により収容部材10内の収容体の一部が吐出部13から被付着面に吐き出されて、被付着面に収容体が付着する。そして、突起5Cの1つ後方に位置する突起5Dが規制部12の下段受け部121Aに突き当たるまで押出部材2を押し込むことにより、1回目の収容体の押し出し動作が完了する。
押出部材2の各突起5D〜5Iを順次、回避部122上の所定位置に位置させて、その後、回避部122を通り抜けて規制部12を通過するように、以上の押出部材2の回転操作及び押込操作を交互に繰り返し行うことで、収容部材10内の収容体を複数回に分けて被付着面に吐き出して付着させることができる。そして、図4に示すように、最後尾の突起5Bを回避部122を介して規制部12を通過させることで、押出部材2を最後まで押し込むと、収容部材10内の収容体が全て吐き出される。
収容部材10内の収容体を全て押し出すと、押出部材2を上述した押込操作の方向と反対方向に引っ張ることで、押出部材2を収容部材10から引き抜く。このとき、本実施形態では、押出部材2の押出軸部4は規制部12を通過し、また、複数の突起5のうち、最後尾の突起5Bと同じ突起群の突起5A,5B,5D,5F,5Hは、回避部122と位置が重複するため規制部12を通過するものの、残りの突起5C,5E,5G,5Iは押出部材2を収容部材10から引き抜く際に規制部12の傾斜部126(上段傾斜部126B)に突き当たる。ただし、各突起5C,5E,5G,5Iの内側に貫通穴43が形成されているので、各突起5C,5E,5G,5Iが規制部12の傾斜部126(上段傾斜部126B)に突き当たって傾斜部126(上段傾斜部126B)から下向きの押圧力を受けると、各突起5C,5E,5G,5Iは内側に変位可能となる。これにより、各突起5C,5E,5G,5Iが包囲部125の内側まで変位することで、各突起5C,5E,5G,5Iも規制部12を通過する。よって、押出部材2を収容部材10から容易に引き抜くことができる。
この押出部材2の引抜操作の際には、図4に示すように、押出部材2の最後尾の突起5Bが規制部材12の回避部122の内側に嵌まっている。そのため、押出部材2は収容部材10に対する回転操作が禁止された状態であるから、押出部材2が不測に回転して各突起5A,5B,5D,5F,5Hが回避部122と位置ずれすることがなく、各突起5A,5B,5D,5F,5Hを回避部122と位置が重複した状態に維持することができる。よって、押出部材2を収容部材10から引き抜く際に、突起5を規制部12の回避部122に対して位置合わせするなどの突起5と規制部12との位置関係の調整のために押出部材2を回転させる必要がない。
また、各突起5C,5E,5G,5Iが上端から下端に向かうにしたがって押出軸部4から大きく突き出るように形成されているため、規制部12を通過する際に傾斜部126(上段傾斜部126B)から下向きの押圧力を受けたとき、各突起5C,5E,5G,5Iが内側にスムーズに変位する。よって、突起5C,5E,5G,5Iを容易に規制部12を通過させることができるので、収容部材10から押出部材2をさらに容易に引き抜くことができる。
押出部材2の引抜操作後、収容部材10は廃棄される一方、押出部材2は、別の収容部材10内の収容体を押し出す時に再利用することができる。
以上、本実施形態の押出器具1によれば、突起5は、押出軸部4に対して、上端の少なくとも一部及び下端の少なくとも一部が押出軸部4とつながるように設けられている。これにより、突起5は、上端及び下端が押出軸部4に拘束されることで、軸方向(上下方向)からの押圧力を受けた際には内側に変位するが、周方向(左右方向)からの押圧力を受けた際には内側に変位するのが規制されている。そのため、押出部材2の回転操作の際に、突起5が規制部12の段部123に突き当たることで段部123から周方向の押圧力を受けても、突起5が内側に変位して段部123で止まることなく回避部122上の所定位置を越えてしまうことがない。よって、押出部材2を強く回転させても、突起5を規制部12の段部123で止めることができ、回避部122上の所定位置に確実に位置させることができる。
また、本実施形態の押出器具1は、少なくとも一部の突起5の内側に貫通穴43が形成されている。そのため、押出部材2の引抜操作の際に、突起5が規制部12に突き当たっても、規制部12から下向きの押圧力を受けることで、突起5は内側に容易に変位して、規制部12を通過する。よって、押出部材2を収容部材10から容易に引き抜くことができる。
また、本実施形態の押出器具1は、少なくとも一部の突起5の外面50が、外側に向かって低く傾斜する傾斜面となっているので、押出部材2の引抜操作の際に、突起5に突き当たって規制部12から下向きの押圧力を受けても、外面50が傾斜していることにより突起5は内側にスムーズに変位して、規制部12を通過する。よって、押出部材2を収容部材10から容易に引き抜くことができる。
また、本実施形態の押出器具1は、貫通穴43は、突起5の形状に対応して断面視三角形状を呈するとともに、突起5の下端の位置において幅が最も広く形成されている。突起5は、押出部材2の引抜操作の際に、収容部材10の規制部12が上から当たることで下向きの押圧力を受けると、上端を中心に下端が内側に回転するように変位するので、貫通穴43は、突起5の下端の位置において幅が最も広く形成されていることで、突起5を良好に内側に変位させることができる。
また、本実施形態の押出器具1は、押出軸部4の構造が複雑でなく、簡易である。従来例のように押出軸部4の構造が複雑であると、押出器具1の製造時に金型などが破損しやすいが、本実施形態の押出器具1は、構造の簡易化に成功したので、製造時に金型が破損し難く、容易かつ低コストで製造することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態の押出器具1では、突起5は、押出軸部4に対して、上端及び下端が押出軸部4とつながるように設けられているが、突起5は、上端又は下端が押出部材4とつながるように構成されていてもよい。図22〜図25は、変形例の押出部材2を示す。図22〜図25に示す押出部材2は、上記実施形態の押出部材2と基本的な構成は同様であり、対応する構成には同一の符号を付することで説明を省略する。
この図22〜図25に示す押出部材2は、押出軸部4に、突起5の下方に貫通穴43に繋がる開口45が形成されている。突起5は、押出軸部4に対して、上端が押出軸部4とつながるように設けられているが、下端は押出軸部4とつながっておらず、自由端となっている。これにより、突起5は、上端及び下端が押出軸部4とつながる場合と比べて、下向きの押圧力を受けた際により良好に内側の貫通穴43に向けて変位することができる。一方で、突起5は、上端及び下端が押出軸部4とつながる場合と比べて、周方向の押圧力を受けた場合に、周方向に変位して折れやすいが、図22〜図25に示す押出部材2は、この突起5の周方向の変位を防止するために、補強部9をさらに有している。
補強部9は、押出部材2の回転操作時に、収容部材10の規制部12の段部123に突き当たったときに突起5が回転方向と反対向きの押圧力を受けるため、突起5が回転方向と反対方向に変位するのを規制するように、押出軸部4に設けられている。具体的には、十字形状をなす押出軸部4の4つの突出部44のうち、突起5が設けられている突出部44の1つ回転方向と反対側の突出部44の板面から、突起5が設けられている突出部44の板面の突起5の近傍位置に向けて補強部9がアーチ状に延びている。これにより、突起5が回転方向と反対向きの押圧力を受けても、補強部9によりこの押圧力を受け止めるため、突起5が回転方向と反対方向に変位するのが規制される。その結果、突起5の破損を防止することができる。また、補強部9は、突起5の押出軸部4の端面41A,41Bから幅方向にはみ出す内面にも接続されている。これにより、突起5が下向きの押圧力を受けることで内側に変位する際に、この押圧力の一部を補強部9が受けることで、突起5の内側への変位においても突起5を破損し難くすることができる。
なお、この図22〜図25に示す押出部材2は、押出軸部4に、突起5の下方に貫通穴43につながる開口45が形成されているが、突起5の上方に貫通穴43につながる開口45が形成されていてもよい。
また、この図22〜図25に示す押出部材2は、最後尾の突起5Bが他の突起5A,5C〜5Iと同じ形状を呈している。上記実施形態においても、最後尾の突起5Bは、他の突起5A,5C〜5Iと異なる形状である必要はなく、同じ形状を呈していてもよい。
なお、補強部9は、突起5の上端及び下端が押出軸部4とつながる上記実施形態においても設けられていてもよい。
また、上記実施形態では、カバー部6が断面視円形状を呈しているが、底面視において、押出軸部4を内側に包含し、押出軸部4から突き出る外向きの突起5のみが外側に露出する大きさに形成されているとともに、押出軸部4の収容部材10への挿入時に外周面が規制部12の内周面に内接する大きさに形成されていれば、その他の形状、例えば正方形状や菱形状を呈していてもよい。
また、上記実施形態では、ある突起5と、当該突起の1つ後方に位置する突起5とが周方向に180°離間するように、複数の突起5の位置関係が決められているが、この位置関係に限られるものではなく、ある突起5と、当該突起の1つ後方に位置する突起5とが周方向に離間する角度は180°とは異なる角度であってもよい。
また、上記実施形態において、貫通穴43は必ずしも押出軸部4に形成されている必要はない。 また、収容部材10の規制部12は、受け部121や包囲部125などが上下2段の構造となっているが、1段の構造であってもよい。
また、上記実施形態において、突起5は、収容部材10の規制部12の回避部122に沿った形状を呈しているが、回避部122を軸方向に通過することが可能であれば、その形状は特に限定されない。