JP2020001645A - シート防振構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】コストの上昇を抑制しつつ、作業機からシートに伝わる振動を低減できる、シート防振構造を提供する。【解決手段】シート17の下方には、ガススプリング35が設けられている。ガススプリング35は、シート17に連結されて、上下方向に延びるように配置されている。また、シート17の下方には、シート17を支持する防振ゴム53が配置されている。防振ゴム53の上下方向の圧縮は、脚63により規制される。そのため、防振ゴム53は、主として左右方向の荷重に対して防振作用を発揮する。【選択図】図2
Description
本発明は、コンバインなどの作業車両に好適なシート防振構造に関する。
たとえば、コンバインの運転台には、作業者が着座して作業(運転)を行うことができるように、シートが設けられている。シートには、コンバインの各部から各種の振動が伝わる。シートに伝わる振動が大きいと、着座している作業者の身体が大きく揺れるので、作業者が不快に感じる。
そのため、従来のコンバインでは、防振ゴムをシートの下に配置して、その防振ゴムでシートを支えることにより、シートに伝わる振動の低減が図られている。防振ゴムとしては、たとえば、略円柱状のゴム部材を円板状の金属板で挟持した構成のものが広く知られている。
シートに伝わる振動は、エンジンの振動、刈取機や脱穀機などの作業機の振動、走行時のクローラの振動が主である。とくに、作業機の振動は、作業者が不快に感じる大きな振動であるので、低減することが望ましいが、周波数が低いため、防振ゴムでは低減されにくい。防振ダンパを採用すれば、振動を低減できるものの、コストが高くつく。
本発明の目的は、コストの上昇を抑制しつつ、作業機からシートに伝わる振動を低減できる、シート防振構造を提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明に係るシート防振構造は、作業機を搭載した作業車両に備えられるシートの防振のための構造であって、シートの下に配置されて、シートを支持する防振ゴムと、シートの下に上下方向に延びるように配置されて、シートに連結され、シリンダとロッドとの相対移動によりシートを昇降させるガススプリングと、防振ゴムの上下方向の圧縮を規制する規制部材とを含む。
この構成によれば、作業車両には、作業者(運転者)が着座するためのシートが備えられている。そのシートの下には、ガススプリングが設けられている。ガススプリングは、直接または間接にシートに連結されて、上下方向に延びるように配置されている。また、シートの下には、シートを支持する防振ゴムが配置されている。防振ゴムの上下方向の圧縮は、規制部材により規制される。そのため、防振ゴムは、主として左右方向の荷重に対して防振作用を発揮する。
防振ゴムに水平方向に加わる荷重は、上下方向に加わる荷重に対し、シート重量および作業者の体重が加わらないことで大幅に小さい。そのため、防振ゴムのばね定数を小さく設定することができ、これにより、作業機で発生する低い周波数の振動の低減を図ることができる。よって、高価な防振ダンパを用いないことにより、コストの上昇を抑制しつつ、作業機からシートに伝わる振動を低減することができる。
規制部材は、防振ゴムの上端および下端の一方に対して固定され、その他方に対して固定された部材に向けて延びる脚であってもよい。簡素な構成により、防振ゴムの上下方向の圧縮を規制することができ、ひいては、作業機からシートに伝わる振動を低減することができる。
脚の数に限定はなく、1であってもよいし、2以上であってもよい。
ガススプリングは、シリンダおよびロッドの一方が上下方向に固定され、その他方が上下方向に移動するように設けられており、シート防振装置は、ガススプリングの外周を取り囲む筒状の外筒部材と、上下方向に移動可能なシリンダまたはロッドに外嵌され、外筒部材の内周面に摺擦するブッシュとをさらに含む構成であってもよい。
ガススプリングのガス圧を変更して、ガススプリングのロック時のばね定数を変更することにより、シートの上下方向の防振を図ることができる。これに加えて、ブッシュの径および/または材質を変更して、ブッシュが外筒部材の内周面に摺擦するときの摩擦力を高めることにより、上下方向の振動でガススプリングが伸縮したときに、ブッシュと外筒部材の内周面との摩擦による反力でその振動を減衰することができる。
本発明によれば、コストの上昇を抑制しつつ、作業機からシートに伝わる振動を低減することができる。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<コンバイン>
図1は、本発明の一実施形態に係るシート防振構造が適用されるコンバイン1の前部を示す右側面図である。
図1は、本発明の一実施形態に係るシート防振構造が適用されるコンバイン1の前部を示す右側面図である。
コンバイン1は、圃場を走行しながら穀稈の刈り取りおよび穀稈からの脱穀を行う作業車両である。コンバイン1の機体11は、左右一対の走行装置12に支持されている。走行装置12には、圃場でのコンバイン1の走行可能にするため、不整地走破能力を有するクローラが採用されている。
機体11には、運転台13、刈取機14、脱穀機15および穀粒タンク16が設けられている。
運転台13は、走行装置12の前端部の上方に配置されている。運転台13には、作業者が着座するシート17が設けられている。また、運転台13には、たとえば、シート17の前方から左方にわたって、作業者により操作される操作パネル18が設けられている。
刈取機14は、走行装置12の前方に配置されている。刈取機14は、その前端に分草具23を備え、分草具23の後方に刈刃24を備えている。分草具23および刈刃24は、刈取装置フレーム25に支持されている。刈取装置フレーム25の後端部には、左右方向に延びる刈取横フレーム26が設けられている。刈取横フレーム26には、刈取主フレーム27の一端部が接続されている。刈取主フレーム27は、刈取横フレーム26から後側に延び、その他端部(前下がりに設けられて、その後端部)が機体11のフレームに回動可能に接続されている。シリンダ(図示せず)の動作により、刈取主フレーム27が揺動し、その揺動により、分草具23および刈刃24が地面から高く上昇した上昇位置と、分草具23および刈刃24が地面近くに下降した下降位置とに昇降する。分草具23および刈刃24が下降位置に位置した状態で機体11が前進すると、圃場に植立されている穀稈の株元が分草具23によって分けられながら、穀稈が刈刃24によって刈り取られる。
脱穀機15および穀粒タンク16は、走行装置12の上方かつ刈取機14の後方の位置で左右に並べて配置されている。刈り取られた穀稈は、刈取機14により脱穀機15へと搬送される。脱穀機15は、穀稈の株元側を脱穀フィードチェーンによって後方向きに搬送し、穀稈の穂先側を扱室に供給して脱穀する。そして、脱穀機15から穀粒タンク16に穀粒が搬送されて、穀粒が穀粒タンク16に貯留される。穀粒タンク16には、穀粒排出オーガ28が連設されており、穀粒タンク16に貯留された穀粒は、穀粒排出オーガ28により機外に排出することができる。
<シート>
図2は、シート17の支持構造を示す斜視図である。
図2は、シート17の支持構造を示す斜視図である。
シート17は、作業者が着座するシートクッション31と、シートクッション31に着座した作業者の背中を支えるシートバック32とを備えている。シートバック32は、シートクッション31の後端部で左右方向に延びる回動軸33に支持されており、回動軸33を支点として起立角度を調節可能に設けられている。
シートクッション31の下方には、ベース部材34が設けられている。ベース部材34の下方には、ガススプリング35が設けられている。ガススプリング35は、シリンダ(チューブ)36およびロッド37を備えている。ロッド37は、シリンダ36内に挿入されて、シリンダ36に対して進退可能に設けられている。ガススプリング35は、ロッド37を下側にして、鉛直方向に沿って配置されている。シリンダ36の上端部は、ベース部材34に固定され、ロッド37の下端部は、運転台13に対して固定されている。ガススプリング35には、シリンダ36から側方に延びるレバー38が備えられている。レバー38の操作により、シリンダ36が昇降可能となり、レバー38の操作が解除されると、シリンダ36の位置が固定(ロック)される。
シリンダ36の外周面には、2個の円環状のブッシュ41が軸線方向に間隔を空けて外嵌されている。そして、シリンダ36の外周を取り囲むように、円筒状の外筒部材42が設けられている。外筒部材42は、運転台13に対して固定されている。シリンダ36の昇降時には、ブッシュ41が外筒部材42の内周面に摺擦することにより、シリンダ36がスムーズに昇降するよう案内される。
ベース部材34上には、2個のブラケット51が設けられている。2個のブラケット51は、前後方向に間隔を空けて配置され、それぞれ左右方向に延びている。ブラケット51は、左端部および右端部がベース部材34に固定され、左端部と右端部との間の部分52がベース部材34から浮き上がって水平に延びる板状に形成されている。
各ブラケット51の板状部分52には、2個の防振ゴム53が左右方向に間隔を空けて取り付けられ、シートクッション31は、合計4個の防振ゴム53を介してブラケット51に支持されている。
図3は、防振ゴム53の正面図である。
防振ゴム53は、略円柱状のゴム本体54と、ゴム本体54の各端面に接する金属板55,56とを備え、その2個の金属板55,56でゴム本体54を挟持した構成となっている。金属板55,56には、それぞれボルト57,58が外側に向けて立設されている。
一方の金属板55から延出したボルト57は、シートクッション31の下面61(図2参照)に埋め込まれたナットに螺合される。これにより、防振ゴム53がシートクッション31に取り付けられる。他方の金属板56から延出したボルト58は、ブラケット51の板状部分52に形成されたボルト挿通孔に挿通される。そして、板状部分52の下側からボルト58にナット62が螺合されることにより、防振ゴム53が板状部分52に取り付けられる。
シートクッション31側、つまり上側の金属板55と一体的に、複数の脚63が設けられている。脚63は、金属板を屈曲して形成されており、金属板55の側面(周端面)から側方に延出し、下方に屈曲して延びている。脚63の下端は、ブラケット51の板状部分52に当接するか、または、板状部分52に僅かな隙間を空けて対向している。脚63が設けられていることにより、防振ゴム53が上下方向に圧縮したときに、脚63が板状部分52に当接して、防振ゴム53のそれ以上の圧縮が規制される。
<作用効果>
以上のように、コンバイン1には、作業者が着座するためのシート17が備えられている。シート17の下方には、ガススプリング35が設けられている。ガススプリング35は、シート17に連結されて、上下方向に延びるように配置されている。また、シート17の下方には、シート17を支持する防振ゴム53が配置されている。防振ゴム53の上下方向の圧縮は、脚63により規制される。そのため、防振ゴム53は、主として左右方向の荷重に対して防振作用を発揮する。
以上のように、コンバイン1には、作業者が着座するためのシート17が備えられている。シート17の下方には、ガススプリング35が設けられている。ガススプリング35は、シート17に連結されて、上下方向に延びるように配置されている。また、シート17の下方には、シート17を支持する防振ゴム53が配置されている。防振ゴム53の上下方向の圧縮は、脚63により規制される。そのため、防振ゴム53は、主として左右方向の荷重に対して防振作用を発揮する。
防振ゴム53に水平方向に加わる荷重は、上下方向に加わる荷重に対し、シート17の重量および作業者の体重が加わらないことで大幅に小さい。そのため、防振ゴム53のばね定数を小さく設定することができ、これにより、刈取機14および脱穀機15で発生する低い周波数の振動の低減を図ることができる。よって、高価な防振ダンパを用いないことにより、コストの上昇を抑制しつつ、刈取機14および脱穀機15からシート17に伝わる振動を低減することができる。
ガススプリング35は、ロッド37が上下方向に固定され、シリンダ36が上下方向に移動するように設けられている。そして、シリンダ36の外周を取り囲む筒状の外筒部材42が設けられ、シリンダ36には、外筒部材42の内周面に摺擦するブッシュ41が外嵌されている。
ガススプリング35のガス圧を変更して、ガススプリング35のロック時のばね定数を変更することにより、シート17の上下方向の防振を図ることができる。これに加えて、ブッシュ41の径および/または材質を変更して、ブッシュ41が外筒部材42の内周面に摺擦するときの摩擦力を高めることにより、上下方向の振動でガススプリング35が伸縮したときに、ブッシュ41と外筒部材42の内周面との摩擦による反力でその振動を減衰することができる。
<変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することも可能である。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することも可能である。
たとえば、作業車両の一例として、コンバイン1を取り上げたが、本発明は、コンバイン1に限らず、人参や大根、枝豆、キャベツなどの野菜を収穫する収穫機など、コンバイン1以外の作業車両に適用することができる。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1:コンバイン(作業車両)
14:刈取機(作業機)
15:脱穀機(作業機)
17:シート
35:ガススプリング
36:シリンダ
37:ロッド
41:ブッシュ
42:外筒部材
53:防振ゴム
63:脚
14:刈取機(作業機)
15:脱穀機(作業機)
17:シート
35:ガススプリング
36:シリンダ
37:ロッド
41:ブッシュ
42:外筒部材
53:防振ゴム
63:脚
Claims (3)
- 作業機を搭載した作業車両に備えられるシートの防振のための構造であって、
前記シートの下に配置されて、前記シートを支持する防振ゴムと、
前記シートの下に上下方向に延びるように配置されて、前記シートに連結され、シリンダとロッドとの相対移動により前記シートを昇降させるガススプリングと、
前記防振ゴムの上下方向の圧縮を規制する規制部材とを含む、シート防振構造。 - 前記規制部材は、前記防振ゴムの上端および下端の一方に対して固定され、その他方に対して固定された部材に向けて延びる脚を含む、請求項1に記載のシート防振構造。
- 前記ガススプリングは、前記シリンダおよび前記ロッドの一方が上下方向に固定され、その他方が上下方向に移動するように設けられており、
前記ガススプリングの外周を取り囲む筒状の外筒部材と、
上下方向に移動可能な前記シリンダまたは前記ロッドに外嵌され、前記外筒部材の内周面に摺擦するブッシュとをさらに含む、請求項1または2に記載のシート防振構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018125627A JP2020001645A (ja) | 2018-06-29 | 2018-06-29 | シート防振構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018125627A JP2020001645A (ja) | 2018-06-29 | 2018-06-29 | シート防振構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020001645A true JP2020001645A (ja) | 2020-01-09 |
Family
ID=69098381
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018125627A Pending JP2020001645A (ja) | 2018-06-29 | 2018-06-29 | シート防振構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2020001645A (ja) |
-
2018
- 2018-06-29 JP JP2018125627A patent/JP2020001645A/ja active Pending
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