JP2020001392A - 立体画像形成システムおよびプログラム、ならびに立体画像およびその製造方法 - Google Patents

立体画像形成システムおよびプログラム、ならびに立体画像およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】色彩を損なうことなく所望の凹凸形状を形成可能な立体画像形成システムを提供する。【解決手段】立体画像形成システム90は、熱膨張性シートの表面を膨張させる膨張高さを黒色インク濃度で表したデータである立体ビットマップデータ4oに基づいて、熱膨張性シートの裏面に黒色インクで濃淡画像を印刷するための裏面発泡ビットマップデータ4bを生成する立体形成パターンデータ生成部5を備え、立体形成パターンデータ生成部5は、立体ビットマップデータ4oにおける黒色インク濃度の異なる2つの領域の境界を抽出する境界抽出部52と、境界を挟んだ少なくとも一方の領域について、境界から所定距離までの範囲である輪郭部の黒色インク濃度を変更する濃度補正部53と、を含む濃度調整部51を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、立体画像を製造する立体画像形成システムおよびプログラムに関し、特に立体画像の裏面に黒色インクで印刷される濃淡画像に関する。
熱によって膨張する熱膨張層を厚口の紙等からなる基材の一面側に設けた熱膨張性シートを用いて、この一面側に凹凸を有する立体画像を形成する技術が知られている。詳しくは、凸状にしようとする領域のパターンを、熱膨張性シートの熱膨張層側の表面(以下、熱膨張性シートの表面)に、または鏡像反転して基材側の表面(以下、熱膨張性シートの裏面)に、光吸収性の高い黒色インクで印刷する。この印刷面に近赤外線等の光を照射することによって、黒色インクが発熱して熱膨張層を黒色インクの濃淡に応じた表面高さに膨張させて、立体画像を形成することができる。さらに熱膨張性シートの表面に、光吸収性の実質的にないシアン、マゼンタ、イエローの色インクで所望の画像パターンを印刷して、この画像パターンに対応した凹凸を有する所望の色彩の立体画像を形成することができる(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−150812号公報
立体画像の表面の凹凸を形成するための黒色インクで印刷される二次元パターン(以下、適宜、濃淡画像と称する)は、熱膨張性シートの表面に印刷された方が、熱が熱膨張層に伝播し易いので、濃淡画像における黒色インクの濃淡が膨張高さに反映され易く、表面を高低差の明瞭な、また微細な凹凸形状に形成することができる。しかし、熱膨張性シートの表面に印刷された黒色インクによる濃淡画像は、色インクの画像パターン(以下、適宜、色彩画像と称する)の下から透けて色彩を損なわせるという問題がある。これに対して、裏面側の基材に印刷された濃淡画像は表面から視認されないので、色彩に影響を与えない立体画像が得られる。しかし、濃淡画像(黒色インク)の熱が、厚さ方向に基材を経由して熱膨張層へ伝播する際に面方向にも拡散するため、凸状または凹状の領域を細い線や点等に形成したり、凹凸の高低差を急峻に形成することが困難であった。
あるいは、濃淡画像は、鮮明な画像と高低差の明瞭な凹凸形状とを表面に有する立体画像を製造するために、形成しようとする表面形状に基づいて、熱膨張性シートの表面に印刷するか裏面に印刷するかを適宜選択して2つに振り分けられて設計される。しかし、面積が少ないものの表面に濃淡画像が印刷されるため、色彩画像の色調等によっては部分的に鮮明さに劣る外観となる。また、濃淡画像の印刷は2回、色彩画像の印刷を加えると3回行う必要があり、アライメントが必要となり、表面と裏面とで濃淡画像の印刷位置がずれて、所望の凹凸形状が形成されない不良品が発生する虞がある。
本発明の課題は、色彩を損なうことなく所望の凹凸形状を形成可能な立体画像形成システムを提供することである。
上記課題を解決するため、本発明に係る立体画像形成システムは、基材上に熱膨張層を積層してなる熱膨張性シートの表面を所望の領域で膨張させて凹凸を形成するシステムであって、濃度に応じた表面高さに前記熱膨張性シートを膨張させるための濃淡画像を前記熱膨張性シートの裏面に印刷するための印刷データに対して、前記濃淡画像における互いに濃度が異なる隣接した2つの領域の境界上で前記熱膨張性シートの表面に急峻な段差が形成されるように、前記2つの領域の少なくとも一方における前記境界から所定距離までの範囲を輪郭部として、前記輪郭部の濃度を調整する印刷データ濃度調整手段を有することを特徴とする。
本発明に係る立体画像形成システムによれば、色彩を損なうことなく所望の凹凸形状を形成可能である。
実施形態に係る立体画像形成システムの構成を示すブロック図である。 熱膨張性シートの構造および立体画像の製造方法を模式的に説明する断面図であって、(a)は熱膨張性シート、(b)は色彩画像と濃淡画像を各面に印刷した熱膨張性シート、(c)は立体画像である。 (a)は、熱膨張性シートの表面の膨張高さを、裏面に印刷されてその高さに膨張させる光熱変換成分濃度で表した2次元データの外観図であり、(b)は、(a)に示す2次元データに基づいて濃淡画像を裏面に印刷された立体画像の断面における、前記濃淡画像の光熱変換成分濃度および表面高さを表すグラフで、(a)のA−A部分断面に相当する。 光熱変換成分濃度の一様なパターンを熱膨張性シートの裏面に印刷された立体画像の、表面高さの推移を表すグラフである。 濃淡画像の印刷データの生成手順を説明するフローチャートである。 図3(a)に示す2次元データから抽出した境界の外観図である。 境界に沿った輪郭部における光熱変換成分濃度の補正を説明する模式図であり、図3(a)に示す2次元データの部分拡大図に相当する。 図3(a)に示す2次元データの光熱変換成分濃度を調整したデータの外観図である。 実施形態に係る光熱変換成分の濃度分布の2次元パターンデータの外観図であり、図8に示すデータを鏡像反転した印刷データである。 実施形態に係る立体画像の外観を説明する図であって、(a)は表面の外観図、(b)は、(a)のB−B部分断面における表面高さと裏面に形成された濃淡画像の光熱変換成分濃度を表すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態を、各図を参照して詳細に説明する。ただし、以下に示す形態は、本実施形態の技術思想を具現化するための立体画像形成システムを例示するものであって、以下に限定するものではない。図面に示す被印刷物である熱膨張性シートや製造された立体画像は、説明を明確にするために、大きさや位置関係、および濃淡等を誇張していることがあり、また、形状を単純化していることがある。なお、本明細書において、立体画像とは、部分的に厚いことにより一面側の表面に凹凸を有するシート状の印刷物であり、さらに、前記一面側の表面に色彩を付されたものも含まれる。また、以下の説明において、同一のまたは同質の部材や工程については、同一の符号を付し、説明を適宜省略する。
〔立体画像形成システム〕
本発明の実施形態に係る立体画像形成システムの構成について、図1を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る立体画像形成システムの構成を示すブロック図である。本明細書において、立体画像形成システムとは、紙等の基材の一面上に加熱されて膨張する熱膨張層を一定の厚さに形成してなる熱膨張性シートを印刷媒体として、立体画像を形成するためのシステムである。立体画像形成システム90は、コンピュータ9と、入力操作部7と、表示装置8と、印刷機91と、光照射装置92と、を備える。
コンピュータ9は、例えばパーソナルコンピュータであり、演算処理装置50および記憶装置40を備え、入力操作部7、表示装置8、印刷機91、および光照射装置92のそれぞれと通信ケーブル等で通信可能に接続されている。入力操作部7と表示装置8は、例えば一体化されたタッチパネルディスプレイであり、あるいは、入力操作部7はキーボードやマウスであってもよく、表示装置8は単なるディスプレイであってもよい。
演算処理装置50は、CPU(Central Processing Unit)であり、裏面発泡ビットマップデータ生成部5を含む。記憶装置40は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、およびHDD(Hard Disk Drive)等であり、コンピュータ9に内蔵されたものに限られず、通信ケーブル等で接続された外付けHDDを含んでもよい。記憶装置40には、印刷データベース4等のデータベース、印刷を印刷機91に実行させるプログラム、近赤外線の照射を光照射装置92に実行させるプログラム、裏面発泡ビットマップデータ生成部5を具現化するプログラム(図示省略)等が記憶されている。印刷データベース4は、裏面発泡ビットマップデータ4bや表面画像ビットマップデータ4c等の、印刷機91で熱膨張性シートに画像を印刷するためのビットマップデータを格納する。
印刷機91は、例えばインクジェットプリンタであり、カーボンブラックの黒色インクによって、熱膨張性シートにグレースケール印刷する機能と、カラーインクによって熱膨張性シートにカラー印刷する機能とを有している。
光照射装置92は、熱膨張性シートに光を照射する装置であり、熱膨張性シートで立体画像を形成するための公知の装置を適用することができる。詳しくは、光照射装置92は、印刷機91のように熱膨張性シートを一方向に搬送する搬送機構と、近赤外線を含む光を放射する光源と、反射板と、当該光照射装置を冷却する冷却器と、を主に備える。光源は、例えばハロゲンランプであり、熱膨張性シートへその全幅にわたって設けられる。反射板は、光源から熱膨張性シートへ光を効率的に照射するために、略半円柱の柱面形状の曲面に形成されて内側に鏡面を有し、光源の熱膨張性シートと対向する側の反対側を覆う。冷却器は、空冷方式のファンや水冷方式のラジエータ等であり、反射板の近傍に設けられる。
(裏面発泡ビットマップデータ生成部)
裏面発泡ビットマップデータ生成部5は、濃度調整部51および反転処理部55を備える。さらに、濃度調整部51は、境界抽出部52、濃度補正部53、および境界位置補正部54を備える。裏面発泡ビットマップデータ生成部5は、立体画像の表面に形成しようとする凹凸の高さ情報である立体ビットマップデータ4oを、印刷データベース4または立体画像形成システム90の外部から入力されて、印刷用の裏面発泡ビットマップデータ4bを生成、出力する。裏面発泡ビットマップデータ生成部5の詳細な動作は後記する。
(熱膨張性シート)
ここで、立体画像形成システム90における媒体である熱膨張性シートについて、図2(a)を参照して説明する。図2(a)は、熱膨張性シートの構造を模式的に説明する断面図である。熱膨張性シート10は、基材12と、基材12の一方の面(表面)に均一な厚さに形成された熱膨張層11と、を備える。熱膨張性シート10は、例えばA4用紙サイズの長方形で、向きを識別するために角の一つを斜めに切欠いた形状である。熱膨張層11は、熱可塑性樹脂をバインダとして熱膨張性のマイクロカプセルを含有し、さらに必要に応じて酸化チタン等の白色顔料を含有して、地色(背景色)を白くする。マイクロカプセルは、熱可塑性樹脂で形成され、揮発性溶媒を内包し、膨張温度域、具体的には前記熱可塑性樹脂や揮発性溶媒の種類にもよるが約80℃以上に加熱されると、加熱温度と加熱時間に応じた大きさに膨張する。これにより、熱膨張層11は、最大で膨張前の10倍程度の厚さに膨張させることができる。基材12は、熱膨張層11が部分的に膨張したときに、皺を生じたり大きく波打ったりしない程度の強度を有し、また、厚さ方向において熱伝導性ができるだけ高くなるように、前記強度を確保できる程度に厚さが小さいことが好ましく、例えば厚口の紙からなる。
熱膨張性シート10の表面や裏面の所望の領域に、特定の波長域の光、例えば近赤外線(波長780nm〜2.5μm)を吸収して熱に変換して放出する発熱成分を付着させて、前記近赤外線を全面に照射することにより、前記領域に限定して、かつその付着量に対応した厚さに熱膨張層を膨張させて立体画像を形成することができる。発熱成分には、カーボンブラックを含有する一般的な印刷用の黒色(K)インクを適用することができる。すなわち、後記するように、立体画像形成システム90の印刷機91が黒色インクで熱膨張性シート10の少なくとも一方の面に濃淡画像を印刷し、その後、光照射装置92が、熱膨張性シート10の濃淡画像を印刷した面の全体に、近赤外線を照射することにより、熱膨張層11が部分的に膨張して表面が隆起した立体画像が形成される。本発明においては、熱膨張性シート10の基材12側の面(裏面)に濃淡画像を形成し、近赤外線を照射する。
(立体画像の製造方法)
立体画像形成システム90による立体画像の製造方法について、図2(b)、(c)を参照して説明する。図2(b)は色彩画像と濃淡画像を各面に印刷した熱膨張性シート、図2(c)は立体画像である。印刷機91を使用して、裏面発泡ビットマップデータ4bにより熱膨張性シート10の裏面に印刷して、黒色インクで濃淡画像2を形成する。次に、光照射装置92で、熱膨張性シート10の裏面に近赤外線を照射して、熱膨張性シート10の熱膨張層11を膨張させると、立体画像1が得られる。また、近赤外線を照射する前に、色インクで色彩画像3を熱膨張性シート10の表面に形成して、表面に画像を付した立体画像1を製造することもできる。色彩画像3は、濃淡画像2と同様に印刷機91を使用して、当該色彩画像3の印刷用データである表面画像ビットマップデータ4c(図1参照)を印刷して形成することができる。濃淡画像2と色彩画像3の印刷順序は規定されない。
〔裏面発泡ビットマップデータ生成方法〕
濃淡画像2の印刷用データである裏面発泡ビットマップデータ4bおよびその生成方法について説明する。裏面発泡ビットマップデータ4bは、熱膨張性シート10の裏面に、濃淡画像2を黒色インク(光熱変換成分)一色でグレースケール印刷するためのデータである。このような裏面発泡ビットマップデータ4bは、立体画像の表面に形成しようとする凹凸の高さ情報の2次元データである立体ビットマップデータ4oを基にして作成される。まず、立体ビットマップデータ4oについて、図3を参照して説明する。図3(a)は、熱膨張性シートの表面の膨張高さを、裏面に印刷されてその高さに膨張させる黒色インク濃度で表した2次元データの外観図である。図3(b)は、図3(a)に示す2次元データに基づいて濃淡画像を裏面に印刷された立体画像の断面における、前記濃淡画像の光熱変換成分濃度および表面高さを表すグラフで、図3(a)のA−A部分断面に相当する。なお、図3(b)は、立体画像の断面を高さ方向に拡大、強調して表す。
立体ビットマップデータ4oは、図3(a)に示すように、白色〜黒色の濃淡で表された2次元データであり、中央に大きく正方形(角丸四角形)が灰色で描画され、その内部に相対的に淡い灰色でアットマーク「@」の文字が描画され、背景が白色である。詳しくは、正方形の内部の領域R1は、濃度60%の黒色(K60)、文字の領域R2は濃度10%の黒色(K10)であり、また、背景(領域R0)の白色は濃度0%の黒色(K0)といえる。立体ビットマップデータ4oは、膨張高さ情報が、熱膨張性シート10の裏面に印刷されてその高さに膨張させる黒色インク濃度(以下、黒色濃度)で表されている。したがって、表面が高いほど高濃度にすなわち黒っぽく表される。ここでは、立体画像形成システム90によって熱膨張性シート10の熱膨張層11を膨張させられる最大高さとする黒色濃度は、K80とする。これは、立体画像形成システム90において、熱膨張性シート10の裏面における黒色濃度がK80を超えて高濃度であっても、熱膨張層11がさらには高く膨張しない、あるいは、発熱温度が高くなり過ぎて安全性が確保し難い、等によって設定される。また、白色(K0)は、黒色インクがまったく付着しないので、熱膨張層11が膨張せず、膨張高さが最小の0、すなわち膨張前の熱膨張性シート10の表面の高さである。したがって、設計上、立体ビットマップデータ4oによって得られる立体画像は、表面が、正方形に最大膨張高さ(図3(b)で表面高さ:1)の75%の高さまで隆起し、この正方形内にアットマーク「@」の文字の形状に、底の高さ12.5%の溝が形成され、断面で図3(b)に破線で示すような凹凸の表面に形成される。なお、実際の立体画像において、濃淡画像2の黒色濃度と熱膨張層11の膨張高さとの関係は、必ずしも線形ではない。
ここで、熱膨張性シート10の基材12側の面(裏面)に形成された濃淡画像2による熱膨張層11の膨張について、図4を参照して説明する。図4は、黒色インク濃度(光熱変換成分濃度)の一様なパターンを熱膨張性シートの裏面に印刷された立体画像の、表面高さの推移を表すグラフである。濃淡画像2(裏面に付着した黒色インク)は、近赤外線を照射されて発熱すると、その熱が基材12を経由して熱膨張層11に伝播する。ところが、濃淡画像2から放出された熱は、熱膨張性シート10の厚さ方向だけでなく、面方向にも伝播する。そのため、裏面に黒色インクが付着していない白色の領域(低濃度領域)であっても、灰色〜黒色の領域(高濃度領域)との境界近傍では熱が拡散されてきて、その分、高濃度領域であっても境界近傍では、当該高濃度領域における黒色インクの熱が全部は伝播されない。その結果、図4に示すように、低濃度領域(−)と高濃度領域(+)との境界(0)近傍における立体画像(膨張後の熱膨張層11)の表面は、境界を挟んで傾斜した形状となり、高濃度領域において境界からある程度の距離をおいて黒色インクの濃度に基づいた表面高さに到達する(図4において十字「+」を付した箇所から右側)。一方、低濃度領域においては、境界に近いほど高濃度領域の黒色インクの熱の影響が大きく、すなわち、高濃度領域と同様、境界からある程度の距離をおいて黒色インクの濃度に基づいた表面高さに到達する。そして、膨張させようとする高さが高く、高濃度領域の黒色インクが高濃度なすなわち2つの領域間の濃度差が大きいほど、境界から低濃度領域の側へ広がって熱膨張層11が膨張し、かつ高濃度領域で最大高さに到達するまでの境界からの距離が長く、ただし、傾斜面の角度が垂直により近いものとなる。
このような現象により、立体ビットマップデータ4oの膨張高さ情報をそのまま黒色インクの濃度として鏡像反転したデータにより、熱膨張性シート10の裏面に印刷して近赤外線を照射して立体画像とすると、正方形の領域R1の背景(領域R0)からの隆起部分やその内側の文字(領域R2)の形状の溝は、いずれも段差が緩やかに傾斜して、立ち上がり、立ち下がりが不明瞭な形状となる。さらに、領域R2の溝は、線幅の狭い部分で溝の深さが浅く(底が高く)、また、領域R1において溝に挟まれた凸状の狭い部分が周囲よりも低く凹んだ状態となる。このような立体画像は、断面で図3(b)に実線で示すような凹凸の表面に形成される。その結果、立体画像は、表面に色彩画像を付さない状態において、全体に輪郭がぼやけ、さらに文字の線幅の細い部分や文字の線同士の間隔の狭い部分がよりぼやけた外観となる。すなわち、外観で、その位置に高低差があるか不明瞭である。また、表面の触感によっても、凸状、凹状となる位置や形状が判別し難い。
そこで、裏面発泡ビットマップデータ生成部5が、立体ビットマップデータ4oに基づいて、熱膨張性シート10の裏面に形成される濃淡画像2の印刷データである裏面発泡ビットマップデータ4bを生成する。以下、濃淡画像の印刷データの生成方法について、図5から図9を参照して説明する。図5は、濃淡画像の印刷データの生成手順を説明するフローチャートである。図6は、図3(a)に示す2次元データから抽出した境界の外観図である。図7は、境界に沿った輪郭部における光熱変換成分濃度の補正を説明する模式図であり、図3(a)に示す2次元データの部分拡大図に相当する。図8は、図3(a)に示す2次元データの光熱変換成分濃度を調整したデータの外観図である。図9は、実施形態に係る光熱変換成分の濃度分布の2次元パターンデータの外観図であり、図8に示すデータを鏡像反転した印刷データである。
裏面発泡ビットマップデータ4bは、図5に示すように、立体ビットマップデータ4oに対して黒色インク濃度の異なる隣接した領域の境界に沿った一定の幅の輪郭部で黒色インク濃度を変更する濃度調整工程S1と、濃度調整工程S1で得たパターンを鏡像反転する鏡像反転工程S2と、を行って生成する。さらに、濃度調整工程S1は、まず、黒色インク濃度の異なる隣接した領域の境界を抽出する境界抽出工程S10と、境界を挟んだ2つの領域のそれぞれに境界に沿って黒色インク濃度を変更した輪郭部を設ける輪郭濃度補正工程S20と、境界の位置を必要に応じて高濃度領域側または低濃度領域側に移動させる境界補正工程S30と、を行う。
(濃度調整工程)
境界抽出工程S10において、境界抽出部52が、立体ビットマップデータ4oら黒色濃度が異なる領域間の境界を抽出する。図6にデータ4a1として示すように、領域R0(背景)と領域R1(正方形)との境界(正方形の輪郭線)L1、領域R1と領域R2(文字)との境界L2(外側)、L3(内側)が抽出される。
次に、輪郭濃度補正工程S20において、濃度補正部53が、データ4a1の境界毎に、当該境界を挟んでその近傍における黒色濃度差を拡大するように、境界に沿った所定の幅の輪郭部(縁)の濃度を変更する。まず、境界L1を選択して(S21)、境界L1の高濃度側である正方形の内側(領域R1)の濃度補正、すなわち輪郭部を高濃度化する。ただし、領域R1の黒色濃度CKDが最大のK80である場合は(S22:CKD=K80)、それよりも高濃度に変更することができないので、工程S23は実行せず、すなわち輪郭部を設けない。領域R1は、黒色濃度CKDがK60であるので(S22:CKD<K80)、図7に示すように、境界L1から距離dDまでの部分を領域R1の輪郭部R1rim1(図中、ハッチングを付した領域)として、この輪郭部R1rim1を元の濃度CKDよりも高濃度に変更する(S23)。ここで、図4を参照して説明したように、境界を挟んで濃度差が大きいほど、段差が急峻になる。そこで、ここでは、輪郭部R1rim1の黒色濃度を最大値のK80に変更する。また、輪郭部R1rim1の幅dDは、当該輪郭部R1rim1の黒色濃度(K80)によって、領域R1の黒色濃度CKD(K60)に対応する膨張高さに到達するまでの距離に基づいて設定される。また、輪郭部の黒色濃度は、常に最大値(K80)としてもよいし、元の濃度CKDに対する上げ幅(ポイント)の上限を予め設定していてもよい。また、低濃度側の領域R0(背景)については、黒色濃度CKLが最小のK0(白色)であるため(S24:CKL=K0)、工程S25は実行せず、領域R0には輪郭部を設けない。
境界L2(文字の輪郭)を選択して(S21)、高濃度側である領域R1においては境界L1と同様に、幅dDの輪郭部R1rim2を設けて、黒色濃度K80に変更する(S23)。一方、低濃度側である文字(領域R2)は、黒色濃度CKLがK10であるので(S24:CKL>K0)、境界L2から距離dLまでの部分を領域R2の輪郭部R2rimとして、この輪郭部R2rimを元の濃度CKLよりも低濃度に変更する(S25)。ここでは、最小値のK0(白色)に変更する。輪郭部R2rimの幅dLは、高濃度側の幅dDと同様に、当該輪郭部R2rimの黒色濃度と元の濃度CKLとに基づいて設定する。輪郭部の黒色濃度は、常に最小値(K0)としてもよいし、元の濃度CKLに対する下げ幅(ポイント)の上限や、例えば、境界を挟んだ高濃度側の輪郭部の黒色濃度との差の上限を予め設定していてもよい。さらに、境界L3を選択して(S21)、工程S22〜S25を同様に実行する。境界L1,L2,L3についてすべて実行したら(S26:ない)、輪郭濃度補正工程S20を終了し、データ4a2が得られる。
領域R1の輪郭部R1rim1と輪郭部R1rim2は、同一の黒色濃度や幅dDでなくてよく、例えば、隣接する領域R0,R2のそれぞれの黒色濃度CKLや輪郭部R2rimの黒色濃度との差に応じて、異なる値に設定することもできる。また、輪郭部のそれぞれにおける黒色濃度は一様でなくてもよく、境界からの距離に応じて変化させてもよい。特に、境界L1,L2,L3の高濃度側である領域R1においては、輪郭部R1rim1,R1rim2の黒色濃度が元の濃度CKDに対して20ポイント差と大きいことにより、輪郭部R1rimと元の濃度部分との切換え箇所で、膨張高さが一旦低下して、小さな段差や溝を生じる場合がある。そこで、輪郭部R1rim1,R1rim2を、境界の側から順に幅dD1,dD2(dD1+dD2≧dD)に分割して、それぞれの黒色濃度をK80,K70に設定する。このように、輪郭部R1rim1,R1rim2を、領域R1の元の黒色濃度CKDから段階的に濃度を高くすることで、溝等を生じることなく段差を垂直に近付けることができる。低濃度側の領域についても、元の濃度CKLと輪郭部の濃度との差によっては、同様に段階的に濃度を低くしてもよい。なお、輪郭部の濃度は3分割以上としてもよく、また、濃度を明確に切り換えずに連続的に変化させたグラデーションとしてもよい。
境界補正工程S30においては、境界位置補正部54が、データ4a2における元の(立体ビットマップデータ4oの)黒色濃度CKD,CKLに対する境界近傍の輪郭部の濃度差(変更量)ΔCKD,ΔCKLに基づき、必要に応じて、境界を輪郭部と共に移動させる。例えば、境界L1について、高濃度側である内側の領域R1で輪郭部R1rim1において黒色濃度をK60からK80に引き上げたことにより、熱膨張する領域が境界L1の外側(領域R0(背景)側)へ拡張されることになる(図4参照)。このままでは、得られる立体画像の外観上、領域R1の外形である正方形の寸法が設計よりも大きくなる。そこで、境界L1を領域R1側へ輪郭部R1rim1と共に所定距離移動させ、すなわち正方形を僅かに縮小する。
同様に、境界L2,L3についても、外側となる領域R1に高濃度化した輪郭部R1rim2を設けたことにより、領域R1が拡張、すなわち内側の領域R2(文字)の幅が狭くなることになる。一方で、境界L2,L3については、低濃度側の領域R2に黒色濃度をK10からK0に引き下げた輪郭部R2rimを設けたことで、領域R2が拡張して幅が広くなり、すなわち領域R1が縮小することになる。そこで、境界L2,L3を挟んだ2つの領域R1,R2について、当該領域R1,R2のそれぞれの膨張高さとなる領域のどちらが拡張するかを予測し(S31)、その結果に基づいて、領域R1の側または領域R2の側へ、境界L2,L3を隣接する輪郭部R1rim2,R2rimと共に移動させる(S32,S33)、あるいは移動させない。一例として、境界L2について、高濃度側の領域R1の濃度CKDに対する輪郭部R1rim2の濃度差ΔCKDと、低濃度側の領域R2の濃度CKLに対する輪郭部R2rimの濃度差ΔCKLと、を比較して、大きい方の領域が拡張すると判定する。ここでは、変化量が領域R1においては20ポイント、領域R2においては10ポイントにつき、領域R1の方が大きいので、領域R1の側へ境界L2を移動させる。さらに、変更量の差に基づいて境界L2の移動距離を算出する。一連の濃度調整工程S1により、図8に示す正像発泡ビットマップデータ4bNが生成される。なお、図8には、移動前の境界L1,L2,L3を点線で示す。
輪郭濃度補正工程S20においては、工程S22〜S23と工程S24〜S25とを順序を入れ替えて、または並列して実行してもよい。また、境界補正工程S30においては、予測による判定(S31)を行わずに、2つの領域のそれぞれにおける輪郭部の濃度変更量ΔCKD,ΔCKLに基づく距離で、高濃度領域側と低濃度領域側とに境界を移動させ(S32,S33)てもよい。また、輪郭濃度補正工程S20で1つの境界を選択する(S21)毎に、工程S22〜S25および境界補正工程S30(S31〜S33)を連続して実行してもよい。さらにはこの場合、輪郭部を設ける(S23,S25)際に、その濃度変更量ΔCKD,ΔCKLに基づく距離で境界を移動させ(S32,S33)てもよい。
図8に示すように、正像発泡ビットマップデータ4bNは、立体ビットマップデータ4o(図3(a)参照)の膨張高さに対応した黒色濃度に加え、膨張高さの異なる境界を挟んで黒色濃度の差が大きくなるように、黒色濃度の異なる輪郭部が当該境界に沿って設けられている。なお、正像発泡ビットマップデータ4bNは、領域R1が、立体ビットマップデータ4oにおいて幅の狭い部分で、元の黒色濃度CKDであるK60の領域がなくなって、K80,K70の輪郭部R1rim2のみとなる。この部分は、幅が狭いために、K80,K70でも、膨張高さがK60相当に抑制される。同様に、領域R2が、立体ビットマップデータ4oにおいて幅の狭い部分で、元の黒色濃度CKLであるK10の領域がなくなって、K0(白色)の輪郭部R2rimのみとなる。この部分は、幅が狭く、両側を領域R1におけるK80の輪郭部R1rim2で挟まれていることによって、輪郭部R1rim2から拡散する熱でK10相当の高さまで熱膨張する。
(鏡像反転工程)
鏡像反転工程S2において、反転処理部55が正像発泡ビットマップデータ4bNを鏡像反転して、図9に示す裏面発泡ビットマップデータ4bとする。正像発泡ビットマップデータ4bNは、熱膨張性シート10の表面からの正像であるので、裏面に印刷するために鏡像にする。生成された裏面発泡ビットマップデータ4bを、裏面発泡ビットマップデータ生成部5が出力して、印刷データベース4に格納する。
裏面発泡ビットマップデータ4bに基づいて熱膨張性シート10の裏面に濃淡画像2を印刷して、近赤外線を照射することにより、熱膨張層11が膨張、表面が隆起して、立体画像1が製造される。立体画像の形状について、図10を参照して説明する。図10は実施形態に係る立体画像の外観を説明する図であって、(a)は表面の外観図、(b)は、(a)のB−B部分断面における表面高さと裏面に形成された濃淡画像の光熱変換成分濃度を表すグラフである。なお、図10(b)は、図3(b)と同様に、立体画像の断面を高さ方向に拡大、強調して表す。図10(b)に示すように、立体画像1は、表面の凹凸の段差が比較的垂直に近い、急峻なものとなり、また、凸状、凹状の領域のそれぞれにおいて、領域が狭くても所望の表面高さに合ったものとなる。このように、裏面発泡ビットマップデータ4bによれば、熱膨張性シート10の裏面に印刷された濃淡画像2によって、段差が比較的急峻なエッジの立った表面形状となって、外観にてそこに高低差があることが明瞭であり、また、凸状や凹状の領域が狭くても所望の高さ、深さとなる表面形状を有する立体画像1を製造することができる。また、裏面発泡ビットマップデータ4bによれば、熱膨張性シート10の表面に黒色インクのパターンを印刷される必要がないので、表面に所望の色彩の画像パターンを印刷して、鮮明な画像を付したり、熱膨張性シート10の地色の白一色の立体画像1とすることができる。さらに、立体画像1は、熱膨張性シート10の裏面にのみ、すなわち片面への濃淡画像2の印刷および近赤外線の照射によって形成されるので、アライメント不良が発生し難く、また、工程が少なく、生産性が高い。
裏面発泡ビットマップデータ4bにおいては、境界抽出工程S10で立体ビットマップデータ4oから抽出される境界L1,L2,L3がいずれも閉曲線であり、そのため、輪郭部も幅dD,dLの閉曲線であるが、これに限られない。例えば、ある膨張高さとする領域が、近接する異なる膨張高さとする領域との間の一部で膨張高さが連続的に変化して、設計上、表面形状を傾斜させる場合には、この部分では境界が抽出されないので、抽出される境界は線分や開曲線となり、輪郭部もこれに沿った形状になる。
前記したように、輪郭濃度補正工程S20においては、黒色濃度K80,K0の領域には輪郭部を設けることができない。したがって、立体ビットマップデータ4oにおいて、隣接した領域のそれぞれの黒色濃度がK80,K0である場合、例えば、領域R1がK80、領域R2がK0では、立体画像の表面の段差を急峻に形成することができず、文字の形状(領域R2)の溝が部分的に浅くなる。そこで、隣接した領域がK0とK80、またはそれに近く、輪郭部の十分な濃度補正ができない(例えば、K0とK70)場合には、輪郭濃度補正工程S20の前に、高濃度側の領域の全体の濃度を低くする、または低濃度側の領域の全体の濃度を高くする、あるいはその両方を行うことができる。その後、変更後の濃度をCKD,CKLとして、輪郭濃度補正工程S20を行う。領域の黒色濃度の変更量は、立体画像の表面に十分な高低差が形成されるようにCKD,CKLの差を一定以上に保ちつつ、例えば、2つの領域のそれぞれの最小幅に基づき、幅が狭いほど、輪郭濃度補正工程S20で、輪郭部の濃度の変更量ΔCKD,ΔCKLを大きくすることができるようにする。
実施形態に係る裏面発泡ビットマップデータの生成においては、黒色濃度を調整した(濃度調整工程S1)後のデータである正像発泡ビットマップデータ4bNに対して鏡像反転工程S2を行ったが、立体ビットマップデータ4oを鏡像反転させて、反転させたデータに対して濃度調整工程S1を行ってもよい。また、立体ビットマップデータ4oについて、膨張高さ情報が、熱膨張性シートの裏面に印刷されてその高さに膨張させる黒色インク濃度で表されていない場合、例えば、最大高さが黒色(K100)で表されていたり、濃淡画像2の黒色濃度と膨張高さとの関係が非線形であるのに対して線形で表されていた場合、膨張高さ情報を黒色インク濃度に変換する処理を実行する。具体的には、裏面発泡ビットマップデータ生成部5に膨張高さ−黒色濃度変換手段(図示せず)を備えて、濃度調整工程S1(境界抽出工程S10)の前に、前記手段に予め設定されている、膨張高さに対する黒色濃度の相関(膨張高さの黒色濃度依存性)に基づいて、立体ビットマップデータ4oの膨張高さを黒色濃度に変換する。
実施形態においては、完成した立体ビットマップデータ4oに基づいて裏面発泡ビットマップデータ4bを生成したが、立体ビットマップデータ4oを設計するための作業過程で直接、裏面発泡ビットマップデータ4bを生成してもよい。例えば、立体画像における位置および形状ならびにその表面高さを指定すると同時に、その領域について正像発泡ビットマップデータ4bNを生成し、全体を設計したら、鏡像反転させて裏面発泡ビットマップデータ4bを生成してもよい。
以上のように、本発明の実施形態によれば、熱膨張性シートの裏面のみへの黒色インクのパターンの印刷および近赤外線の照射によって、高低差の明瞭な、また微細な凹凸形状を表面に有し、かつ鮮明な画像を付することのできる立体画像が得られる。つまり、色彩を損なうことなく所望の凹凸形状を形成可能である。
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更実施が可能である。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲のとおりである。
〔付記〕
《請求項1》
基材上に熱膨張層を積層してなる熱膨張性シートの表面を所望の領域で膨張させて凹凸を形成する立体画像形成システムであって、
濃度に応じた表面高さに前記熱膨張性シートを膨張させるための濃淡画像を前記熱膨張性シートの裏面に印刷するための印刷データに対して、前記濃淡画像における互いに濃度が異なる隣接した2つの領域の境界上で前記熱膨張性シートの表面に急峻な段差が形成されるように、前記2つの領域の少なくとも一方における前記境界から所定距離までの範囲を輪郭部として、前記輪郭部の濃度を調整する印刷データ濃度調整手段を有することを特徴とする立体画像形成システム。
《請求項2》
前記印刷データ濃度調整手段は、前記濃淡画像における前記2つの領域の高濃度側の領域上の前記輪郭部の濃度をさらに高濃度に変更し、低濃度側の領域上の前記輪郭部の濃度をさらに低濃度に変更することを特徴とする請求項1に記載の立体画像形成システム。
《請求項3》
前記印刷データ濃度調整手段は、前記輪郭部を、前記2つの領域の境界からの距離毎に異なる濃度に変更し、前記境界に近いほど濃度の変更量を大きくすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の立体画像形成システム。
《請求項4》
前記印刷データ濃度調整手段は、前記輪郭部と当該輪郭部を設けた2つの領域の境界とを、前記2つの領域の一方の側へ所定距離移動させることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の立体画像形成システム。
《請求項5》
基材上に熱膨張層を積層してなる熱膨張性シートの表面を所望の領域で膨張させて凹凸を形成する立体画像形成システムであって、
濃度に応じた表面高さに前記熱膨張性シートを膨張させるための濃淡画像を、前記熱膨張性シートの裏面に印刷する濃淡画像印刷手段を備え、
前記濃淡画像は、前記熱膨張性シートの表面に急峻な段差を形成しようとする部分を境界とする2つの領域の少なくとも一方において、前記境界から所定距離までの範囲である輪郭部が前記輪郭部外と異なる濃度であって、表面高さの高い側の領域の前記輪郭部がより高濃度であることを特徴とする立体画像形成システム。
《請求項6》
前記輪郭部が、前記2つの領域の境界に沿った前記所定距離の幅の少なくとも一本の線であって、線分、曲線、その組合せ、その組合せによる閉曲線を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の立体画像形成システム。
《請求項7》
基材上に熱膨張層を積層してなる熱膨張性シートの裏面に、濃度に応じた表面高さに前記熱膨張性シートを膨張させるための濃淡画像を印刷するための印刷データに対して、前記濃淡画像における互いに濃度が異なる隣接した2つの領域の境界上で前記熱膨張性シートの表面に急峻な段差が形成されるように、前記2つの領域の少なくとも一方における前記境界から所定距離までの範囲を輪郭部として、前記輪郭部の濃度を調整する印刷データ濃度調整手段として、コンピュータを機能させるためのプログラム。
《請求項8》
基材上に熱膨張層を積層してなる熱膨張性シートの裏面に、濃度に応じた表面高さに前記熱膨張性シートを膨張させるための濃淡画像を、印刷データに基づいて印刷する濃淡画像印刷工程と、前記熱膨張性シートに光を照射する光照射工程と、を順に行って、前記熱膨張性シートの表面を所望の領域で膨張させて凹凸を形成する立体画像製造方法であって、
前記印刷データに対して、前記濃淡画像における互いに濃度が異なる隣接した2つの領域の境界上で前記熱膨張性シートの表面に急峻な段差が形成されるように、前記2つの領域の少なくとも一方における前記境界から所定距離までの範囲を輪郭部として、前記輪郭部の濃度を調整する印刷データ濃度調整工程をさらに行うことを特徴とする立体画像製造方法。
《請求項9》
表面に凹凸を有する発泡層を基材に積層してなり、吸収した光を熱に変換する光熱変換成分の濃淡画像を裏面に形成した立体画像であって、
前記濃淡画像は、表面の急峻な段差を境界とする2つの領域の少なくとも一方において、前記境界から所定距離までの範囲である輪郭部が、前記輪郭部外と異なる光熱変換成分濃度であって、表面高さの高い側の領域の前記輪郭部がより高濃度であることを特徴とする立体画像。
1 立体画像
10 熱膨張性シート
11 熱膨張層
12 基材
2 濃淡画像
3 色彩画像
4 印刷データベース
4b 裏面発泡ビットマップデータ(印刷データ)
4c 表面画像ビットマップデータ
4o 立体ビットマップデータ
5 裏面発泡ビットマップデータ生成部
51 濃度調整部(印刷データ濃度調整手段)
52 境界抽出部
53 濃度補正部
54 境界位置補正部
55 反転処理部
S1 濃度調整工程
S2 鏡像反転工程
90 立体画像形成システム
91 印刷機(濃淡画像印刷手段)
92 光照射装置

Claims (9)

  1. 基材上に熱膨張層を積層してなる熱膨張性シートの表面を所望の領域で膨張させて凹凸を形成する立体画像形成システムであって、
    濃度に応じた表面高さに前記熱膨張性シートを膨張させるための濃淡画像を前記熱膨張性シートの裏面に印刷するための印刷データに対して、前記濃淡画像における互いに濃度が異なる隣接した2つの領域の境界上で前記熱膨張性シートの表面に急峻な段差が形成されるように、前記2つの領域の少なくとも一方における前記境界から所定距離までの範囲を輪郭部として、前記輪郭部の濃度を調整する印刷データ濃度調整手段を有することを特徴とする立体画像形成システム。
  2. 前記印刷データ濃度調整手段は、前記濃淡画像における前記2つの領域の高濃度側の領域上の前記輪郭部の濃度をさらに高濃度に変更し、低濃度側の領域上の前記輪郭部の濃度をさらに低濃度に変更することを特徴とする請求項1に記載の立体画像形成システム。
  3. 前記印刷データ濃度調整手段は、前記輪郭部を、前記2つの領域の境界からの距離毎に異なる濃度に変更し、前記境界に近いほど濃度の変更量を大きくすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の立体画像形成システム。
  4. 前記印刷データ濃度調整手段は、前記輪郭部と当該輪郭部を設けた2つの領域の境界とを、前記2つの領域の一方の側へ所定距離移動させることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の立体画像形成システム。
  5. 基材上に熱膨張層を積層してなる熱膨張性シートの表面を所望の領域で膨張させて凹凸を形成する立体画像形成システムであって、
    濃度に応じた表面高さに前記熱膨張性シートを膨張させるための濃淡画像を、前記熱膨張性シートの裏面に印刷する濃淡画像印刷手段を備え、
    前記濃淡画像は、前記熱膨張性シートの表面に急峻な段差を形成しようとする部分を境界とする2つの領域の少なくとも一方において、前記境界から所定距離までの範囲である輪郭部が前記輪郭部外と異なる濃度であって、表面高さの高い側の領域の前記輪郭部がより高濃度であることを特徴とする立体画像形成システム。
  6. 前記輪郭部が、前記2つの領域の境界に沿った前記所定距離の幅の少なくとも一本の線であって、線分、曲線、その組合せ、その組合せによる閉曲線を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の立体画像形成システム。
  7. 基材上に熱膨張層を積層してなる熱膨張性シートの裏面に、濃度に応じた表面高さに前記熱膨張性シートを膨張させるための濃淡画像を印刷するための印刷データに対して、前記濃淡画像における互いに濃度が異なる隣接した2つの領域の境界上で前記熱膨張性シートの表面に急峻な段差が形成されるように、前記2つの領域の少なくとも一方における前記境界から所定距離までの範囲を輪郭部として、前記輪郭部の濃度を調整する印刷データ濃度調整手段として、コンピュータを機能させるためのプログラム。
  8. 基材上に熱膨張層を積層してなる熱膨張性シートの裏面に、濃度に応じた表面高さに前記熱膨張性シートを膨張させるための濃淡画像を、印刷データに基づいて印刷する濃淡画像印刷工程と、前記熱膨張性シートに光を照射する光照射工程と、を順に行って、前記熱膨張性シートの表面を所望の領域で膨張させて凹凸を形成する立体画像製造方法であって、
    前記印刷データに対して、前記濃淡画像における互いに濃度が異なる隣接した2つの領域の境界上で前記熱膨張性シートの表面に急峻な段差が形成されるように、前記2つの領域の少なくとも一方における前記境界から所定距離までの範囲を輪郭部として、前記輪郭部の濃度を調整する印刷データ濃度調整工程をさらに行うことを特徴とする立体画像製造方法。
  9. 表面に凹凸を有する発泡層を基材に積層してなり、吸収した光を熱に変換する光熱変換成分の濃淡画像を裏面に形成した立体画像であって、
    前記濃淡画像は、表面の急峻な段差を境界とする2つの領域の少なくとも一方において、前記境界から所定距離までの範囲である輪郭部が、前記輪郭部外と異なる光熱変換成分濃度であって、表面高さの高い側の領域の前記輪郭部がより高濃度であることを特徴とする立体画像。
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