JP2020000097A - ライソゾーム酸性リパーゼ欠損症の予防または治療剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】新規なライソゾーム酸性リパーゼ欠損症の予防または治療剤を提供することを目的とする。【解決手段】 ヒトライソゾーム酸性リパーゼ遺伝子の第8番目のイントロンのアンチセンス鎖に対して80%以上のホモロジーを有する配列からなり、かつ5’‐CCCAAAXGCACXCCXGGA‐3’(XはTまたはU)に対して13個以上同一の塩基である配列を含む、13個以上40個以下のオリゴマーをライソゾーム酸性リパーゼ欠損症の予防または治療剤とする。【選択図】なし

Description

本発明は、ライソゾーム酸性リパーゼ欠損症の予防または治療剤に関する。
ライソゾーム酸性リパーゼ欠損症(Lysosomal acid lipase deficiency;LAL−D)は、進行性の常染色体劣性遺伝疾患であって、臨床的には、乳児期に致死的に発症するウォルマン(Wolman)病と、成人期になって発症するコレステロールエステル蓄積症が知られている。LAL−D患者では、ライソゾーム酸性リパーゼ(Lysosomal acid lipase;LAL)の活性が遺伝的に著しく低下するため、肝臓や脾臓などの臓器に脂質が慢性的に蓄積し、その結果、重篤な肝臓病をはじめとする臓器異常、中枢疾患、心血管系疾患などによって、早期に死に至る場合もある。
LAL−Dの責任遺伝子は、10番染色体上にあるライソゾーム酸性リパーゼ(Lysosomal acid type lipase gene;LIPA)遺伝子であることが知られている。この遺伝子のcDNAの894番目に対応する塩基がG(野生型)からA(変異型)に変異することにより(以下、この変異をc.894G>A変異と称する)、第8番目のエクソンからの転写領域を欠失した異常mRNAを産生するスプライシングが起こるようになる。それにより、ライソゾーム酸性リパーゼの産生量が顕著に低下することでLAL−Dが発症する。
従来、LAL−Dの治療には、造血幹細胞移植、またはLAL酵素を投与することによって行われてきた。
特開2013−540733
本発明は、新規なライソゾーム酸性リパーゼ欠損症の予防または治療剤を提供することを目的とする。
本発明の一実施態様は、ヒトライソゾーム酸性リパーゼ遺伝子の第8番目のイントロンのアンチセンス鎖に対して80%以上のホモロジーを有する配列からなり、かつ5’‐CCCAAAXGCACXCCXGGA‐3’(XはTまたはU)に対して13個以上同一の塩基である配列を含む、13個以上40個以下のオリゴマーである。5’‐CCCAAAXGCACXCCXGGA‐3’(XはTまたはU)に対して15個以上同一の塩基である配列を含み、15個以上40個以下であってもよい。5’‐CCCAAAXGCACXCCXGGA‐3’(XはTまたはU)に対して17個以上同一の塩基である配列を含み、17個以上40個以下であってもよい。5’‐CCCAAAXGCACXCCXGGA‐3’(XはTまたはU)である配列を含み、18個以上40個以下であってもよい。また、上記オリゴマーは、ヒトライソゾーム酸性リパーゼ遺伝子の第8番目のイントロンのセンス鎖に対して100%の相補的な塩基を有する配列からなり、かつ5’‐CCCAAAXGCACXCCXGGA‐3’(XはTまたはU)からなる配列を含んでもよい。また、上記オリゴマーは、配列1に記載のヒトライソゾ‐ム酸性リパ‐ゼ遺伝子の第8番目のイントロンのセンス鎖の塩基配列における、5’末端から第7〜24番目、第8〜25番目、第9〜26番目、第10〜27番目、第11〜28番目、第12〜29番目、第13〜30番目、及び第14〜31番目からなる群から選択される塩基配列のいずれか1つに相補的な塩基配列からなってもよい。
また、上記オリゴマーは、オリゴヌクレオチドまたは1以上の糖部分及び/またはリン酸結合部分が修飾されている修飾オリゴヌクレオチドを含んでもよい。前記修飾された糖部分の2’位が修飾されていてもよい。前記修飾された糖部分の2’位の‐OH基が、‐H、‐OR、‐R、‐R’ ‐OR、‐SH、‐SR、‐NH、‐NHR、‐NRR’’、‐ONH、‐ONR、‐N、‐CN、‐F、‐Cl、‐Br及び‐Iからなる群より選択されるいずれかの基(‐R、‐R’’は、それぞれ独立にC-Cアルキル、アルケニル、アルキニル、C-Cアルキルカルボニル又はアリールから選択され、上記‐R’は、アルキレンを表す。)で置換されることによって、前記糖部分の2’位が修飾されていてもよい。前記修飾された糖部分の2’位の‐OH基が、‐OCHまたは‐OCHCHOCHで置換されていてもよい。前記修飾された糖部分の2’位と4’位が架橋されていてもよい。前記修飾された糖部分を有するヌクレオチドが、Locked Nucleic Acid(LNA)、2’−O, 4’−C−Ethylene−bridged Nucleic Acid(ENA)、Amido−bridged Nucleic Acid(AmNA)、Guanidine bridged Nucleic Acid(GuNA)、2’−O,4’−C−Spirocyclopropylene bridged Nucleic Acid(scpBNA)からなる群から選択されてもよい。前記修飾された糖部分を有するヌクレオチドが、2’‐デオキシ‐リボヌクレオチドであってもよく、前記2’‐デオキシ‐リボヌクレオチドが、2’‐デオキシ‐アデノシン、または2’‐デオキシ‐グアノシンであってもよい。また、前記修飾された糖部分を有するヌクレオチドが、2’‐フルオロ‐シチジン、2’‐フルオロ‐ウリジン、2’‐フルオロ‐アデノシン、2’‐フルオロ‐グアノシン、2’‐アミノ‐シチジン、2’‐アミノ‐ウリジン、2’‐アミノ‐アデノシン、2’‐アミノ‐グアノシン、および2’‐アミノ‐ブチリルピレン‐ウリジンからなる群から選択されるヌクレオチドであってもよい。前記修飾された糖部分を有するヌクレオチドが、5‐ブロモ‐ウリジン、5‐ヨード‐ウリジン、5‐メチル‐シチジン、リボチミジン、2‐アミノ‐プリン、5‐フルオロ‐シチジン、5‐フルオロ‐ウリジン、2、6‐ジアミノ‐プリン、4‐チオ‐ウリジン、5‐アミノ‐アリル‐ウリジンからなる群から選択されるヌクレオチドであってもよい。前記修飾されたリン酸結合部分が、ホスホロチオエート結合、ホスホロジチオエート結合、アルキルホスホネート結合、ホスホロアミデート結合、及びボラノフォスフェート結合からなる群より選択される結合で構成されてもよい。
また、前記オリゴマーが、モルフォリノオリゴヌクレオチドを含むオリゴマーでもよい。前記モルフォリノオリゴヌクレオチドがホスホロジアミデ‐トモルフォリノオリゴヌクレオチドを含んでもよい。5’末端が、下記化学式(1)〜(3)のいずれかの基であってもよい。
また、前記オリゴマーが、ペプチド核酸を含んでもよい。
また、前記オリゴマーが、オリゴヌクレオチドまたは1以上の糖部分及び/またはリン酸結合部分が修飾されている修飾オリゴヌクレオチド、及びモルフォリノオリゴヌクレオチドの両方を含むオリゴマーであってもよい。前記修飾オリゴヌクレオチドが、上記いずれかに記載の修飾オリゴヌクレオチドであってもよい。
本発明のさらなる実施態様は、上記いずれかのオリゴマー又はその薬学的に許容可能な塩若しくは水和物を有効成分として含有する、スプライシング機能調節剤である。
本発明のさらなる実施態様は、上記いずれかのオリゴマー又はその薬学的に許容可能な塩若しくは水和物を有効成分として含有する、医薬組成物である。
本発明のさらなる実施態様は、上記医薬組成物を含有する医薬またはライソゾ‐ム酸性リパーゼ欠損症治療薬である。
本発明のさらなる実施態様は、哺乳動物細胞において、ライソゾーム酸性リパーゼ遺伝子のmRNA前駆体に対し、第8番目のエクソンからの転写領域を欠失した異常mRNAを産生するスプライシング機構を、第8番目のエクソンからの転写領域を有する正常mRNAを産生するスプライシング機構にする、スプライシング機構調節方法であって、上記いずれかのオリゴマー又はその薬学的に許容可能な塩若しくは水和物を、前記ヒト細胞に投与する工程を含む、スプライシング機構調節方法である。
本発明のさらなる実施態様は、哺乳動物におけるライソゾ‐ム酸性リパ‐ゼ欠損症の予防または治療方法であって、前記哺乳動物に対し、上記いずれかのオリゴマー又はその薬学的に許容可能な塩若しくは水和物の有効量を投与する工程を含む、予防または治療方法である。
本発明のさらなる実施態様は、ライソゾ‐ム酸性リパ‐ゼ欠損症の予防または治療に使用するための、上記いずれかのオリゴマー又はその薬学的に許容可能な塩若しくは水和物である。
本発明のさらなる実施態様は、ライソゾ‐ム酸性リパ‐ゼ欠損症の予防または治療剤を製造するための、上記いずれかのオリゴマー又はその薬学的に許容可能な塩若しくは水和物の使用である。
本発明によって、新規なライソゾーム酸性リパーゼ欠損症の予防または治療剤を提供することが可能になった。
本発明の実施例において、正常LIPA遺伝子と変異LIPA遺伝子の検出方法とその結果を示す図である。(A)GM03111患者ゲノムにおける各変異[c.894G>Aと967_968delAG(p.S323Lfs*44)]の位置を示す。(B)FL LIPA検出用のプライマー/プローブセットの位置を示す。(C)FL LIPA検出用のプライマー/プローブセットを用いた定量PCR(qPCR)の結果を示す。(D)Delta8 LIPA検出用のプライマー/プローブセットの位置を示す。(E)Delta8 LIPA検出用のプライマー/プローブセットを用いたqPCRの結果を示す。 本発明の実施例において、c.894G>A変異及びc.967_968delAG(p.S323Lfs*44)変異を複合ヘテロ接合で有する患者(GM03111)とc.894G>A変異を有しないがc.193C>T変異をヘテロ接合で有する保因者(GM03558)において、実施例1のqPCR法で、(A)エクソン8を含有した正常cDNAと(B)エクソン8を含有しない変異cDNAを検出した時の結果の一例である。 本発明の実施例において、エンドポイントRT−PCRによる患者由来のLIPAcDNAの検出結果を示した図である。(A)LIPAcDNAの検出原理(B)検出結果を示す図である。 本発明の実施例において、LIPA遺伝子のイントロン8に対するアンチセンスオリゴマーがLIPA遺伝子発現におけるスプライシング調節機能を有することを示す図である。 本発明の実施例において、アンチセンスオリゴマーL9−26の(A)用量依存性および(B)時間依存性を評価した結果を示す。 本発明の実施例において、L9−26によるスプライシング調節の正確性を評価する実験の結果を示す図である。 本発明の実施例において、LIPAスプライシングを調節するアンチセンスオリゴマーによるLAL酵素活性への影響を調べた結果を示す。 本発明の実施例において、LAL酵素活性増強に対するアンチセンスオリゴマーL9−26の濃度依存性を評価した結果を示す。 ヒトライソゾーム酸性リパーゼ遺伝子(lipase A, lysosomal acid type [Homo sapiens]、Gene ID: 3988)の塩基配列(配列番号1)を示した図である。 ヒトライソゾーム酸性リパーゼ遺伝子(lipase A, lysosomal acid type [Homo sapiens]、Gene ID: 3988)の第8番目のイントロンのセンス鎖の塩基配列を示した図である。下線は、オリゴマーのコア配列である。
本発明の目的、特徴、利点、およびそのアイデアは、本明細書の記載により、当業者には明らかであり、本明細書の記載から、当業者であれば、容易に本発明を再現できる。以下に記載された発明の実施の形態および具体的な実施例などは、本発明の好ましい実施態様を示すものであり、例示または説明のために示されているのであって、本発明をそれらに限定するものではない。本明細書で開示されている本発明の意図並びに範囲内で、本明細書の記載に基づき、様々な改変並びに修飾ができることは、当業者にとって明らかである。
なお、実施の形態及び実施例に特に説明がない場合には、M. R. Green & J. Sambrook (Ed.), Molecular cloning, a laboratory manual (4th edition), Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, New York (2012); F. M. Ausubel, R. Brent, R. E. Kingston, D. D. Moore, J.G. Seidman, J. A. Smith, K. Struhl (Ed.), Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons Ltd.などの標準的なプロトコール集に記載の方法、あるいはそれを修飾したり、改変した方法を用いる。また、市販の試薬キットや測定装置を用いる場合には、特に説明が無い場合、それらに添付のプロトコールを用いる。
[オリゴマー]
本発明の一実施形態であるオリゴマーは、オリゴヌクレオチド、モルホリノオリゴマー、又はペプチド核酸(Peptide Nucleic Acid:PNA)オリゴマーを含む。
オリゴヌクレオチドは、ヌクレオチドを構成単位とする。ヌクレオチドは、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド又は修飾ヌクレオチドのいずれであってもよい。修飾ヌクレオチドとは、リボヌクレオチド又はデオキシリボヌクレオチドを構成する核酸塩基、糖部分、及びリン酸結合部分の全部又は一部が修飾されているものをいう。
本発明の一実施形態のオリゴマーは、ヒトライソゾーム酸性リパーゼ遺伝子の第8番目のイントロンのアンチセンス鎖に対してホモロジーを有する配列からなり、かつ5’‐CCCAAAXGCACXCCXGGA‐3’(XはTまたはU)(配列番号3)に対して13個以上同一の塩基である配列を含む、13個以上40個以下のアンチセンスオリゴマーである。
ヒトライソゾーム酸性リパーゼ遺伝子(lipase A, lysosomal acid type [Homo sapiens]、Gene ID: 3988)の塩基配列(配列番号1)の一例と第8番目のイントロンのセンス鎖の塩基配列(配列番号2)を、図9と図10に示す。
このオリゴマーと第8番目のイントロンのアンチセンス鎖とのホモロジーは、80%以上であればよいが、85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることがさらに好ましく、100%であることがもっとも好ましい。ここで、ホモロジーの測定は、Pro.Natl.Acad.Sci.USA, 90, 5873 (1993))によって決定することができる。各パラメータはデフォルト値で行うものとする。
このオリゴマーは、13個以上、好ましくは15個以上、より好ましくは17個以上、さらに好ましくは18個以上で、40個以下、好ましくは32個以下、より好ましくは24個以下、さらに好ましくは16個以下のオリゴマーからなり、5’‐CCCAAAXGCACXCCXGGA‐3’(XはTまたはU)(配列番号3)に対して、13個以上、好ましくは15個以上、より好ましくは17個以上、さらに好ましくは18個の同一の塩基を有する。
具体的には、このオリゴマーは、配列1に記載のヒトライソゾ‐ム酸性リパ‐ゼ遺伝子の第8番目のイントロンのセンス鎖の塩基配列における、5’末端から第4〜21番目、第7〜24番目、第8〜25番目、第9〜26番目、第10〜27番目、第11〜28番目、第12〜29番目、第13〜30番目、及び第14〜31番目からなる群から選択される塩基配列のいずれか1つに相補的な塩基配列からなっていてもよい。
このオリゴマーを構成するヌクレオチドは、天然核酸であってもよく、人工核酸であってもよい。天然核酸の場合、アデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシルであってもよく、リボヌクレオチド(RNA)であってもデオキシリボヌクレオチド(DNA)であってもよい。このオリゴマーは、全部のヌクレオチドがRNAであってもDNAであってもよいが、RNAとDNAが混成するキメラ核酸であってもよい。人工核酸の場合、例えば、1以上の糖部分及び/またはリン酸結合部分が修飾されているものでもよいが、特に限定されない。ここで、糖部分とは、各ヌクレオチドのリボースまたはデオキシボースを構成する原子団のことをいう。また、リン酸結合部分とは、各ヌクレオチド間のフォスフォジエステル結合を構成する原子団のことをいう。
糖部分の修飾は、どの原子においてでもよいが、2’位が好ましい。例えば、糖部分の2’位の‐OH基が、‐H、‐OR、‐R、‐R’ ‐OR、‐SH、‐SR、‐NH、‐NHR、‐NRR’’、‐ONH、‐ONR、‐N、‐CN、‐F、‐Cl、‐Br及び‐Iからなる群より選択されるいずれかの基(‐R、‐R’’は、それぞれ独立にC-Cアルキル、アルケニル、アルキニル、C-Cアルキルカルボニル又はアリールから選択され、‐R’は、アルキレンを表す。)で置換されてもよいが、特に‐OCHまたは‐OCHCHOCHで置換されていることが好ましい。あるいは、ヌクレオチドが、2’‐フルオロ‐シチジン、2’‐フルオロ‐ウリジン、2’‐フルオロ‐アデノシン、2’‐フルオロ‐グアノシン、2’‐アミノ‐シチジン、2’‐アミノ‐ウリジン、2’‐アミノ‐アデノシン、‐アミノ‐グアノシン、および2’‐アミノ‐ブチリルピレン‐ウリジンからなる群から選択されてもよく、5‐ブロモ‐ウリジン、5‐ヨード‐ウリジン、5‐メチル‐シチジン、リボチミジン、2‐アミノ‐プリン、5‐フルオロ‐シチジン、5‐フルオロ‐ウリジン、2、6‐ジアミノ‐プリン、4‐チオ‐ウリジン、5‐アミノ‐アリル‐ウリジンからなる群から選択されてもよい。
糖部分の2’位と4’位が直接に、またはリンカーなどで間接的に架橋されていてもよい。その場合、糖部分を有するヌクレオチドが、Locked Nucleic Acid(LNA)、2’−O, 4’−C−Ethylene−bridged Nucleic Acid(ENA)、Amido−bridged Nucleic Acid(AmNA)、Guanidine bridged Nucleic Acid(GuNA)、2’−O,4’−C−Spirocyclopropylene bridged Nucleic Acid(scpBNA)からなる群から選択されることが例示できる。
また、一部または全部の糖部分がモルフォリンで置換されていてもよい。モルフォリンの製造方法や使用方法については、公知の方法に従えばよい(たとえば、Biochem Biophys Res Commun. 2007 Jun 29;358(2):521-7; WO2014189142; WO2016060135)。なお、本明細書では、一部または全部の糖部分がモルフォリンで置換されたモルフォリノオリゴヌクレオチドもオリゴマーに含まれる。ここで、モルフォリンは、ホスホロジアミデートモルフォリンなどの修飾モルフォリンであってもよい。
また、修飾されたリン酸結合部分は特に限定されないが、ホスホロチオエート結合、ホスホロジチオエート結合、アルキルホスホネート結合、ホスホロアミデート結合、及びボラノフォスフェート結合からなる群より選択される結合で構成されることが好ましい。
また、オリゴマーの5’末端が、下記化学式(1)〜(3)のいずれかの基であってもよい。
本発明の一実施形態のオリゴマーは、これらの修飾を複数種類含んでもよい。
オリゴマーに対してこれらの修飾をすることにより、非特異的な分解を防止すること、アニーリングの安定性や特異性を高めることができ、従ってスプライシング調整の効率を上げることができるようになる。
オリゴマーまたはその修飾部分は、光学異性体、立体異性体、位置異性体、回転異性体等の異性体を有する場合には、いずれか一方の異性体であっても混合物であってもよい。これらの異性体は、公知の合成手法、分離手法(例、濃縮、溶媒抽出、カラムクロマ卜グラフィー、再結晶、等)によりそれぞれを単品として得ることができる。例えば、光学異性体は、ラセミ体から分割された光学異性体であってもよい。
オリゴマーは、薬学的に許容され得る結晶であってもよく、結晶形が単一であっても結晶形混合物であってもよい。結晶は、公知の結晶化法を適用して製造することができる。
また、オリゴマーは、薬学的に許容され得る共結晶または共結晶塩であってもよい。共結晶または共結晶塩は、公知の共結晶化法に従い製造することができる。オリゴマーにおける共結晶または共結晶塩のカウンタ一分子としては、酸(例えば、カルボン酸、リン酸、糖酸、スルホン酸)、アミド、尿素、塩基、マルトール、アミノ酸などが挙げられる。カルボン酸の好適な例としては、フマル酸、クエン酸、グルタル酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、リンゴ酸、酒石酸、マンデル酸、乳酸、グルコン酸、酢酸、安息香酸、ゲンチシン酸、サリチル酸、馬尿酸が挙げられる。糖酸の好適な例としては、アスコルビン酸が挙げられる。スルホン酸の好適な例としては、2−ナフタレンスルホン酸、10−カンファースルホン酸、メタンスルホン酸が挙げられる。アミドの好適な例としては、ニコチンアミド、ベンズアミド、ラクトアミド、グリコールアミド、サッカリンが挙げられる。塩基の好適な例としては、トロメタミン、メグルミンが挙げられる。マルトールの好適な例としては、エチルマルトールが挙けられる。アミノ酸の好適な例としては、チロシン、アラニン、セリン、トレオニン、イソロイシン、ロイシン、アルギニン、リジン、プロリン、トリプトファン、バリン、グルタミン酸、アスパラギン酸、グリシン、アスパラギン、メチ才ニン、システイン、フエニルアラニン、グルタミン、ヒスチジンが挙げられる。
オリゴマーは、水和物であっても、非水和物であっても、溶媒和物であっても、無溶媒和物であってもよい。
オリゴマーは、同位元素(例、H、H、11C、14C、35S、125I)で標識されていてもよい。同位元素で標識または置換された化合物(I)は、例えば、陽電子断層法(Positron Emission Tomography:PET)において使用するトレーサー(PETトレーサー)として用いることができ、医療診断などの分野において有用である。
[医薬]
本発明の一実施形態のオリゴマー又はその薬学的に許容可能な塩若しくは水和物は、スプライシング機能調節剤、医薬組成物、医薬、ライソゾ‐ム酸性リパーゼ欠損症治療薬に用いることができる。投与対象は特に限定されず、哺乳類であればよいが、ヒトであることがより好ましい。
オリゴマーは、ヒトを含む動物へ投与され、代謝された後に、生物学的に活性な物質となるプロドラッグであってもよい。例えば、細胞内のエステラーゼにより除去される保護基をリン酸ジエステル部位に導入したオリゴマーが挙げられよう。
本医薬組成物は、共溶媒系を含む。例えば、ベンジルアルコール、非極性界面活性剤、水混和性有機ポリマー、水相、VPD共溶媒系(3w/v%のベンジルアルコール、8w/v%の非極性界面活性剤ポリソルベート80(商標)、および65w/v%のポリエチレングリコール300を含む無水エタノールの溶液)が挙げられるが、これらに限定されない。共溶媒系の割合は、それらの溶解度および毒性特性を著しく変化させることなく大幅に変化することができる。さらに、共溶媒成分の同一性は変更するこができる。例えば、他の界面活性剤をポリソルベート80(商標)の代わりに使用してもよく、他の生体適合性ポリマーは、ポリエチレングリコール、例えば、ポリビニルピロリドンに取って代わり、他の糖または多糖は、デキストロースと置き換わり得るが、これらに限定されない。
これらは、有効成分以外の様々な目的の各種成分を含有してもよい。例えば、1種以上の医薬的に許容され得る賦形剤、崩壊剤、希釈剤、滑沢剤、着香剤、着色剤、甘味剤、酸味剤、矯味剤、懸濁化剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、補助剤、防腐剤、緩衝剤、結合剤、安定化剤、コーティング剤、局所麻酔剤、等張化剤などが挙げられる。具体的には、賦形剤としては、水、エタノール、ポリエチレングリコール、ゼラチン、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、デンプン、アミラーゼ、炭酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、カオリン、ヒドロキシメチルセルロース、微結晶セルロース、滑石、珪酸、粘性パラフィン、ポリビニルピロリドンなどを、結合剤としては、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、エチルセルロース、シェラック、リン酸カルシウム、ポリビニルピロリドンなどを、崩壊剤としては乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、乳糖などを、滑沢剤としては精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ砂、ポリエチレングリコールなどを、緩衝剤としてはクエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウムなどを、安定化剤としてはトラガント、アラビアゴム、ゼラチン、ピロ亜硫酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、チオグリコール酸、チオ乳酸などを、局所麻酔剤としては塩酸プロカイン、塩酸リドカインなどを、等張化剤としては、塩化ナトリウム、ブドウ糖などを例示できる。
上記医薬の投与経路は、全身投与または局所投与のいずれも選択することができる。いずれの場合も、経口経路、非経口経路のどちらであってもよい。非経口経路としては、静脈内投与、動脈内投与、経皮投与、皮下投与、皮内投与、筋肉内投与、腹腔内投与、経粘膜投与などを挙げることができる。局所投与の場合、くも膜下注入、脳室内注入、脳せき髄液内注入(例えば髄腔内注入)などが例示できる。脳関門の通過を考慮に入れて、全身投与と局所投与(特に、脳内投与)を併用してもよい。
剤形は、特に限定されず、上記投与経路に適した剤形であればよい。例えば、経口投与のためには、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、丸剤、液剤、乳剤、懸濁液、溶液剤、酒精剤、シロップ剤、エキス剤、エリキシル剤とすることができる。非経口剤としては、例えば、皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤などの注射剤;経皮投与または貼付剤、軟膏またはローション;口腔内投与のための舌下剤、口腔貼付剤;ならびに経鼻投与のためのエアゾール剤;坐剤とすることができる。これらの製剤は、製剤工程において通常用いられる公知の方法により製造することができる。また本発明に係る薬剤は、持続性または徐放性剤形であってもよい。
上記医薬に含有される有効成分の量は、該有効成分の用量範囲や投薬の回数などにより適宜決定できる。用量範囲は特に限定されず、含有される成分の有効性、投与形態、投与経路、疾患の種類、対象の性質(体重、年齢、病状および他の医薬の使用の有無など)、および担当医師の判断など応じて適宜選択できる。一般的には適当な用量は、例えば対象の体重1kgあたり約0.01μg〜約100mg、好ましくは約0.1μg〜約1mgの範囲である。上記投与は1日1回であってもよく、数回に分けてもよい。
薬学的に許容可能な塩は、有機塩、無機塩、酸性塩、塩基性塩、金属塩、非金属塩、酸付加塩、塩基付加塩など様々な分類の塩や様々な態様の塩が考えられる。例としては、酢酸塩、酸性リン酸塩、アスコルビン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酒石酸水素塩、ホウ酸塩、酪酸塩、塩化物、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、蟻酸塩、フマル酸塩、ゲンチシン酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、グルタミン酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、二塩化水素化物、ヨウ化水素酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パモン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩、プロピオン酸塩、糖酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩、トリフルオロ酢酸塩、アルミニウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、リチウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、亜鉛塩、ジエタノールアミン塩などが挙げられるが、これらに限定されない。
スプライシング機能調節剤は、哺乳動物細胞において、ライソゾーム酸性リパーゼ遺伝子のmRNA前駆体に対し、第8番目のエクソンからの転写領域を欠失した変異mRNAを産生するスプライシング機構を、第8番目のエクソンからの転写領域を有する正常mRNAを産生するスプライシング機構に正常化する機能を有するものである。この細胞は、培養細胞であっても個体(ヒトであってもよく、ヒト以外であってもよい。)中の細胞であっても構わない。
なお、本明細書において、正常mRNAとは、正常な位置でスプライシングが起きることでエクソン8を有して生じたmRNAを意味し、異常mRNAとは、正常な位置でスプライシングが起きず、エクソン8を飛ばして生じたmRNAを意味する。変異の例としては、c.894G>Aが挙げられる.従って、c.894G>A変異を有していても、正常な位置でスプライシングが起きることでエクソン8を有して生じたmRNAは正常mRNAと称する。
[実施例1]合成オリゴヌクレオチドを鋳型とした、正常配列と変異配列の検出と定量
本実施例では、LIPA遺伝子のエクソン7〜10の配列を有する以下の合成オリゴヌクレオチドを鋳型として用い、プライマー及びプローブがqPCRで機能することを確認した。
<方法>
用いた合成オリゴヌクレオチドは、以下の目的を有する(原理を図1A、図1B、図1Dに示した)。
05:エクソン8の配列を欠失している。
06:c.894G>A変異を有するが、エクソン8の配列を有する。なお、894番目のヌクレオチドは、エクソン8とエクソン9が結合した境界のエクソン8側のヌクレオチドである。
07:野生型配列である。
08:cDNAの967〜968番目の配列AGを欠失したc.967_968delAGを有している。この欠失は、プライマー03上にあるので、この合成オリゴヌクレオチドに対しては、プライマー03が機能しないと考えられる。
そして、各オリゴヌクレオチドは、以下の配列を有する。
05−Standard delta8_E7_9_10 (5’−GACTTATTTGGAGACAAAGAATTTCTTCCCCAGAGTGCGTTTTTGAAGTGGCTGGGTACCCACGTTTGCACTCATGTCATACTGAAGGAGCTCTGTGGAAATCTCTGTTTTCTTCTGTGTGGATTTAATGAGAGAAATTTAAATATGGCTGTTAAATTCCAAAAGTTTCAAGCCTTTGACTGGGGAAGCAGTGCCAAGAATTATTTTCATTACAACCAGAGTTATCCTCCCACATACAATGTGAAGGACATGCTTGTGCCGACTGCAGTCTGGAGCGGG−3’)(配列番号4);
06−Standard FL_mutant_894 G to A_E7_8_9_10 (5’−GACTTATTTGGAGACAAAGAATTTCTTCCCCAGAGTGCGTTTTTGAAGTGGCTGGGTACCCACGTTTGCACTCATGTCATACTGAAGGAGCTCTGTGGAAATCTCTGTTTTCTTCTGTGTGGATTTAATGAGAGAAATTTAAATATGTCTAGAGTGGATGTATATACAACACATTCTCCTGCTGGAACTTCTGTGCAAAACATGTTACACTGGAGCCAAGCTGTTAAATTCCAAAAGTTTCAAGCCTTTGACTGGGGAAGCAGTGCCAAGAATTATTTTCATTACAACCAGAGTTATCCTCCCACATACAATGTGAAGGACATGCTTGTGCCGACTGCAGTCTGGAGCGGG−3’)(配列番号5);
07−Standard FL WT_894G to G_E7_8_9_10 (5’−GACTTATTTGGAGACAAAGAATTTCTTCCCCAGAGTGCGTTTTTGAAGTGGCTGGGTACCCACGTTTGCACTCATGTCATACTGAAGGAGCTCTGTGGAAATCTCTGTTTTCTTCTGTGTGGATTTAATGAGAGAAATTTAAATATGTCTAGAGTGGATGTATATACAACACATTCTCCTGCTGGAACTTCTGTGCAAAACATGTTACACTGGAGCCAGGCTGTTAAATTCCAAAAGTTTCAAGCCTTTGACTGGGGAAGCAGTGCCAAGAATTATTTTCATTACAACCAGAGTTATCCTCCCACATACAATGTGAAGGACATGCTTGTGCCGACTGCAGTCTGGAGCGGG−3’)(配列番号6);
08−Standard FL c967_968delAG_894G to G_E7_8_9_10 (5’−GACTTATTTGGAGACAAAGAATTTCTTCCCCAGAGTGCGTTTTTGAAGTGGCTGGGTACCCACGTTTGCACTCATGTCATACTGAAGGAGCTCTGTGGAAATCTCTGTTTTCTTCTGTGTGGATTTAATGAGAGAAATTTAAATATGTCTAGAGTGGATGTATATACAACACATTCTCCTGCTGGAACTTCTGTGCAAAACATGTTACACTGGAGCCAGGCTGTTAAATTCCAAAAGTTTCAAGCCTTTGACTGGGGAAGCAGTGCCAAGAATTATTTTCATTACAACCAGTTATCCTCCCACATACAATGTGAAGGACATGCTTGTGCCGACTGCAGTCTGGAGCGGG−3’)(配列番号7)。
具体的には、THUNDERBIRD(登録商標) Probe qPCR Mix (Toyobo life science)を用いて、qPCRプローブ(0.225μM)、プライマー(0.6μM)、PCR酵素を含むPCR反応液を調製した。合成オリゴヌクレオチド溶液(05、06、07、08)5μLと10μLのPCR反応溶液とを混合した。PCRの増幅効率を正確に評価し、且つコピー数を絶対値として定量するため、濃度が既知の合成オリゴクレオチド(gBlocks, Integrated DNA Technologies, Inc./IDT)を段階希釈し、得られたCt値で検量線を作成した。qPCRにはViiA7(Applied Biosystems)を用い、
初期変性: 95℃ (1分);
サイクル: 95℃ (15秒)/60℃ (1分)を40回
以上の条件で反応させた。なお、プライマーとプローブは以下のものを用いた。
<Delta8 LIPA 検出用(エクソン8を欠失したcDNAを検出)>
01−Fw−LIPA (Exon7, 9) (5’−ATGAGAGAAATTTAAATATGGCTGT−3’)(配列番号8);
03−Rv−LIPA (5’−TTGTATGTGGGAGGATAACTCTGG−3’)(配列番号9);
02−Probe−LIPA (5’−/56−FAM/CCAAAAGTT/ZEN/TCAAGCCTTTGACTGGGG/3lABkFQ/−3’)(配列番号10)。
<FL LIPA 検出用(エクソン8を有するcDNAを検出)>
04−Fw−LIPA (Exon8) (5’−AACATGTTACACTGGAGCCA)(配列番号11);
03−Rv−LIPA (5’−TTGTATGTGGGAGGATAACTCTGG−3’)(配列番号9);
02−Probe−LIPA (5’−/56−HEX/CCAAAAGTT/ZEN/TCAAGCCTTTGACTGGGG/3lABkFQ/−3’)(配列番号12)、または検出の蛍光色素が異なる(5’−/56−FAM/CCAAAAGTT/ZEN/TCAAGCCTTTGACTGGGG/3lABkFQ/−3’)(配列番号10)。
得られた結果からCtを計算し、標準曲線から絶対的なコピー数を算出した。そして、コピー数(x軸)とCt(y軸)のグラフに、得られた結果をプロットし、図1C及び図1Eとした。
<結果>
図1(B)より、FL LIPA 検出用のプライマー/プローブセットを用いた場合、エクソン8が存在するcDNAが検出されるので、05が検出できず、図1(D)より、Delta8 LIPA 検出用のプライマー/プローブセットを用いた場合、エクソン8が存在しないcDNAが検出されるので、06〜07が検出できないと予測される。なお、いずれの場合も、08はプライマー03が機能しないので、検出できないと予想される。
実際にqPCRを行ったところ、図1C及び図1Eに示すように、FL LIPA 検出用のプライマー/プローブセットでは、06及び07が検出され、05及び08が検出されず、Delta8 LIPA 検出用のプライマー/プローブセットでは、05のみが検出され、06〜08が検出されなかった。従って、予測通りの結果が得られたことになる。
また、本条件で、Ct値と鋳型DNAのコピー数が相関を示し、Ctの値から、反応溶液に含まれているDNAのコピーが算出できることが明らかになった。なお、(C)において、06のオリゴヌクレオチドに対して、PCRの増幅効率は92%で150 copies/well以上で定量可能であり、05のオリゴヌクレオチドに対して、PCRの増幅効率は100%で15 copies/well以上で定量可能であった。
以上のように、実施例1のPCRの条件で、正常LIPAmRNAと異常LIPAmRNAが判別でき、そのコピー数を計算できた。
[実施例2]ウォルマン病患者の繊維芽細胞のRNAを用いた、内在性LIPAmRNA含量の測定
本実施例では、ウォルマン病患者の繊維芽細胞を用い、実施例1と同様の方法で、内在性LIPAmRNAを測定した。
<方法>
c.849G>A及びc.967_968delAGを複合ヘテロ接合で有するウォルマン病患者(GM03111)とc.193C>Tをヘテロ接合で有する保因者(GM03558)由来の繊維芽細胞(Coriell Cell Repositoriesをより入手)を、10%FBSを含有するDMEM(Life technologies社)、High Glucose(Life technologies社)を用いて培養した。0.5x10個の細胞をtissue culture treated 96ウェルプレート(Corning社)のウェルに播種し、所定時間培養した後に、D−PBS(−)(wako社)で洗浄した。次に、SuperPrep(登録商標) Cell Lysis&RT Kit for qPCR(Toyobo life science社)を用い、Lysis緩衝液を25μL/ウェル添加して細胞を溶解してゲノムDNAを分解し、5μLの反応停止用緩衝液を添加し、RNA含有溶液を得た。4μLのRNA含有液を、dNTP,ランダムおよびオリゴdTプライマーと逆転写酵素含有の逆転写用緩衝液の16μLと混合した。37℃(15分)、50℃(5分)、98℃(5分)で反応させ、逆転写反応によりcDNAを得た。cDNAをUltra−pure water (invitrogen社)で、LIPAcDNAを測定するために4倍希釈、もしくはGAPDHを測定するために44倍希釈した。こうして得られたcDNAを用い、実施例1と同様にして定量PCR(qPCR)を行った。
なお、内部標準として、GAPDHのmRNAコピー数を測定のために、20X gene expression PCR assay (Life Technologies, Inc.,品番4326317E)とstandard−GAPDH (5’−AAATTGAGCCCGCAGCCTCCCGCTTCGCTCTCTGCTCCTCCTGTTCGACAGTCAGCCGCATCTTCTTTTGCGTCGCCAGCCGAGCCACATCGCTCAGACACCATGGGGAAGGTGAAGGTCGGAGTCAACGGATTTGGTCGTATTGGGCGCCTGGTCACCAGGGCTGCTTTTAACTCTGGTAAAGTGGATATTGTTGCCATCAATGACCCCTTCATTGACCTCAACTACATGGTTTACATGTTCCAATATGATTCCACCCATGGCAAATTCCATGGCACCGTCAAGGCTGAGAACGGGAAGCTTGTCATCAATGGAAATCCCATCACCATCTTCCAGGAGCGAGATCCCTCCAAAATCAAGTGGGGCGATGCTGGCGCTGAGTACGTCGTGGAGTCCACTGGCGTCTTCACCACCATGGAGAAGGCTGGGGCTCATTTGCAGGGGGGAGCCAAAAGGGTCATCATCTCTGCCCCCTCTGCTGATGCCCCCATGTTCGTCAT−3’)(配列番号13)を用いた。cDNAを用いた測定結果の定量値は、GAPDHの定量値で標準化した。
<結果>
図2(A)ウォルマン病患者(GM03111)由来のmRNA、(B)保因者(GM03558)由来のmRNAを用いた、LIPAmRNAの解析結果を示す。ウォルマン病患者では、LIPAmRNA全体を100%とすると、異常mRNAのDelta8が99.9%、正常mRNAのFL LIPAが0.1%生成していた。一方、保因者では、Delta8は検出感度以下であった。
このように、実施例1の検出方法は、ウォルマン病患者のc.894G>A変異による異常スプライシングを特異的に検出することができる。そして、ウォルマン病患者(GM03111)は、c.894G>Aを有する変異アレルからのmRNAの100%近くが異常mRNAを占めることがわかる。
[実施例3]エンドポイントRT−PCRによる内在性LIPAmRNAの検出
本実施例では、エンドポイントRT−PCRを用い、LIPAcDNAのエクソン8の有無を検出した。
<方法>
LIPAcDNAに対し、以下のプライマーを用いてPCRを行うことにより、図3Aに示したように、エクソン8が存在する場合、320bpの長さのDNA断片が検出され、エクソン8が存在しない場合、248bpの長さのDNA断片が検出される。
1113, [kpn]−hLIPA(E7)−F:5’−TGTATACAAAAGTTGACTTATTTGGAGACAAAGAATTTCTTCCCCA−3’(配列番号14)
1098, hLIPA(E9)−(attB2)−R:5’−GTACAAGAAAGCTGGGTGGTTGTAATGAAAATAATTCTTGGCAC−3’(配列番号15)
PCRは、TaKaRa Ex Taq(登録商標) Hot Start Versionの添付文書に従いPrimerの終濃度を1μMになるようにして行った。そして、10μLの増幅産物に1μLのXCdye(ニッポンジーン社)を混合し、3%アガロースゲルで電気泳動した。エチジウムブロマイド溶液とBioDoc−It System (analytik jena US, An Endress+Hauser Company)で可視化した。その結果を図3Bに示す。
<結果>
図3Bに示すように、ウォルマン病患者(GM03111)では、320bpと248bpの両方のシグナルが得られたが、保因者(GM03558)では、320bpだけのシグナルが得られた。
実施例2の結果を考慮すると、GM03111の248bpのシグナルは、320bpからエクソン8の72bpが欠損しており、c.894G>A変異を有するアレルからのcDNAであることがわかる。
[実施例4]LIPAスプライシングを調節するオリゴマー
本実施例では、オリゴマーが、c.894G>A変異を有するアレルから正常mRNAを作るように、LIPAスプライシングを調節することを示す。
<方法>
本実施例では、イントロン8のオリゴマーを、ウォルマン病患者(GM03111)由来の繊維芽細胞に投与し、細胞が発現するLIPA遺伝子のmRNAを調べた。オリゴマーの配列は、LIPA遺伝子のイントロン8のp番目のヌクレオチドからq番目のヌクレオチドに対応するものとし、Lp−qと名付けた。ヌクレオチドの構成として、LNA(Locked Nucleic Acid)ヌクレオチドとデオキシリボヌクレオチドを交互に配置させたものを用いた。用いたオリゴマーの構成を以下に記す。
L4−21, 5’−a^T(L)^g^5(L)^a^5(L)^t^5(L)^℃^T(L)^g^G(L)^a^A(L)^t^G(L)^c^c−3’(配列番号16)
L7−24, 5’−c^A(L)^a^A(L)^t^G(L)^c^A(L)^c^T(L)^c^5(L)^t^G(L)^g^A(L)^a^t−3’(配列番号17)
L8−25, 5’−c^5(L)^a^A(L)^a^T(L)^g^5(L)^a^5(L)^t^5(L)^c^T(L)^g^G(L)^a^a−3’(配列番号18)
L9−26, 5’−c^5(L)^c^A(L)^a^A(L)^t^G(L)^c^A(L)^c^T(L)^c^5(L)^t^G(L)^g^a−3’(配列番号19)
L10−27, 5’−c^5(L)^c^5(L)^a^A(L)^a^T(L)^g^5(L)^a^5(L)^t^5(L)^c^T(L)^g^g−3’(配列番号20)
L11−28, 5’−a^5(L)^c^5(L)^c^A(L)^a^A(L)^t^G(L)^c^A(L)^c^T(L)^c^5(L)^t^g−3’(配列番号21)
L12−29, 5’−a^A(L)^c^5(L)^c^5(L)^a^A(L)^a^T(L)^g^5(L)^a^5(L)^t^5(L)^c^t−3’(配列番号22)
L13−30, 5’−g^A(L)^a^5(L)^c^5(L)^c^A(L)^a^A(L)^t^G(L)^c^A(L)^c^T(L)^c^c−3’(配列番号23)
L14−31, 5’−t^G(L)^a^A(L)^c^5(L)^c^5(L)^a^A(L)^a^T(L)^g^5(L)^a^5(L)^t^c−3’(配列番号24)
Scramble ASO (negative control, NC), 5’− t^A(L)^a^5(L)^a^5(L)^g^T(L)^c^T(L)^a^T(L)^a^5(L)^g^5(L)^c^c−3’(配列番号25)
Scramble ASO (negative control−2, NC−2), 5’− a^T(L)^g^5(L)^a^T(L)^c^T(L)^c^A(L)^t^T(L)^g^T(L)^a^G(L)^t^c−3’(配列番号26)
上記配列中、N(L)はリボース環が架橋されたLNAと核酸塩基を有する修飾核酸を示し、5(L)は塩基にメチルシトシンを有するLNAを示す。^はホスホロチオエート修飾を示す。小文字はデオキシリボヌクレオチドを示す。
これらのオリゴマーをLipofectamine 2000 (Life technologies社)を用いて、ウォルマン病患者由来の繊維芽細胞に導入した。具体的には、導入の前日に1ウェル当たり0.5x10個の細胞をtissue culture treated 96ウェルプレート(Corning社)に播種し、オリゴマー(30または100nM)を導入してから24時間後にD−PBS(−)(wako社)で洗浄し、実施例2と同様にして、定量PCR(qPCR)を行った。図4に、N=2の平均値とそれぞれの値を示す。
<結果>
図4に示すように、L14-31以外のオリゴマーは、c.894G>A変異を有するアレルから正常mRNAを作るような、LIPAスプライシングを調節する作用を有していた。特に、L7-24、L8-25、L9-26、L10-27は、優れた作用を有し、中でもL9-26が最も優れた作用を有していた。
[実施例5]オリゴマーL9−26の用量依存性および時間依存性の評価
本実施例では、オリゴマーL9−26の持つスプライシング調節作用の用量依存性および時間依存性を評価した。
<方法>
まず、実施例4と同様に、ウォルマン病患者(GM03111)由来の繊維芽細胞に30nMのL9−26をリポフェクトし、細胞を1,6,24,48,72,96時間後に回収してcDNAを合成した。FL LIPAを特異的に測定できるqPCR(04,02,03の組み合わせ)またはDelta8 LIPAを特異的に測定できるqPCR(01,02,03の組み合わせ)を用いて定量PCRで測定した。GAPDHに対する測定値で標準化した後、得られた値からネガティブコントロールの測定値を引いたΔ値を算出した。N=2で実施した結果を図5Aに示す。
一方、GM03111由来の繊維芽細胞に様々な濃度でL9−26を導入し、48時間後に細胞を回収し、同様に定量PCRの結果を算出した。N=2で実施した結果を図5Bに示す。
<結果>
図5Aに示すように、オリゴマーL9−26のスプライシング調節作用は、リポフェクション後、48時間でほぼほぼプラトーに達する。
また、図5Bに示すように、オリゴマーL9−26は、nMオーダーからスプライシング調節作用を発揮する。
[実施例6]L9−26によるスプライシング調節の正確性の評価
本実施例では、L9−26によって起きるスプライシングが、野生型と同様の正確な位置で生じていることを示す。
<方法>
実施例4と同様に、ウォルマン病患者(GM03111)由来の繊維芽細胞にL9−26を導入して24時間後に回収した細胞から得たcDNA溶液に対して、プライマー03と04でPCRを行った。PCR産物の8.7μLに対し、0.3μL EcoRII及び1μL Buffer K(Takara社)、または0.3μL AluI及び1μL Buffer L(Takara社)を混合し、37度で1時間反応させた。次に、200mM EDTA溶液(Wako社)を0.5μLと1μLのXCdye(ニッポンジーン社)を混合した溶液を3%アガロースゲルで電気泳動して、エチジウムブロマイド溶液とBioDoc−It System(analytik jena US, An Endress+Hauser Company)で可視化した。結果を図6(B)に示す。
なお、コントロールとして、実施例1で用いたオリゴヌクレオチド06(c.894G>A変異を有するが、エクソン8の配列を有する。なお、894番目のヌクレオチドは、エクソン8とエクソン9が結合した境界のエクソン8側のヌクレオチドである。)及びオリゴヌクレオチド07(野生型配列である。)を各制限酵素で切断したもの、L9−26で処理しないウォルマン病患者(GM03111)由来の繊維芽細胞及び保因者(GM03558)由来の繊維芽細胞由来のcDNAを増幅させた産物を各制限酵素で切断したものを同時に電気泳動した。
ここで、野生型アレルの発現において、正確にスプライシングが起きてエクソン8を有する正常mRNAが得られると、対応するcDNAにはEcoRIIの認識配列が生じ、EcoRIIで切断することにより、17塩基長と98塩基長の断片が生じる。一方、変異型アレルの場合は、c.894 G>A変異を有するため、正確にスプライシングが起きてエクソン8を有する正常mRNAが得られると、対応するcDNAにはAluIの認識配列が生じ、AluIで切断することにより、19塩基長と96塩基長の断片が生じる。この原理を図6(A)に示す。
<結果>
図6(B)に示すように、オリゴヌクレオチド06の増副産物はAluIのみで切断され、オリゴヌクレオチド07の増副産物はEcoRIIのみで切断される。L9−26で処理しない保因者(GM03558)由来の繊維芽細胞由来のcDNAの場合は、エクソン8については野生型配列を有するので、PCRによる増幅断片はEcoRIIのみで切断され、L9−26で処理しないウォルマン病患者(GM03111)由来の繊維芽細胞由来のcDNAの場合は、エクソン8を有しないので、PCRによる増幅断片が存在せず、シグナルが検出されない。
しかしながら、L9−26で処理しないウォルマン病患者(GM03111)由来の繊維芽細胞由来のcDNAの場合は、AluIのみで切断される。すなわち、c.894G>A変異を有しているにもかかわらず、スプライシングは正常に起こっていることを示している。
このようにオリゴマーL9−26によって、本来のスプライシング機構が回復し、野生型と同じ正確なスプライシングが起きる。
[実施例7]LIPAスプライシングを調節するオリゴマーによるLAL酵素活性への影響
本実施例では、ウォルマン病患者(GM03111)由来の繊維芽細胞において、LIPAスプライシングを調節するオリゴマーが、ライソゾーム酸性リパーゼ(LAL)の酵素活性を増強することを示す。
<方法>
1ウェルにつき1.0x10個のウォルマン病患者(GM03111)繊維芽細胞、c.894G>A変異を有しないウォルマン病患者(GM06144)繊維芽細胞および保因者(GM03558)繊維芽細胞をtissue culture treated 96ウェルプレート(Corning社)に播種した。16時間後にL4-21、L7−24、L8−25、L9−26、L10−27、L11−28、L12−29、L13−30の各オリゴマーおよび比較用としてネガティブコントロールオリゴマー(NC)を 各100nM/ウェルの用量でリポフェクトした。48時間後にPBS(−)で洗浄して、50μLの0.5%TritonX−100含有MilliQ溶液 (和光純薬)で細胞を溶解させ、抽出物を回収した。13,200x gで5分間、4℃で遠心分離し、回収した上清を測定に用いた。酵素活性の測定の為、上清各5μLずつを蛍光測定用384ウェルプレート(Corning社)の2ウェルに分注した。一方のウェルにMilliQ溶液、もう一方に7.5μM Lalistat2(in houseにおいて合成)をそれぞれ1.25μL添加して、37℃で10分間インキュベートした後、各ウェルに18.75μLの基質溶液[0.4:1:14;13.3mM palmitoyl 4−Metylumbeliferone(CAYMAN社 ):0.5%Cardiolipin(SIGMA社):100mM酢酸緩衝液(pH4.0)]を添加、更に30分間、37℃でインキュベーションした。反応後、5uLの1Mリン酸緩衝液(pH12.0)を加え、EnSpire(パーキンエルマー社)を用い、励起および蛍光波長を320nmおよび460nmに設定して蛍光強度を測定した。標準曲線用として、4−Umbeliferone(in houseにおいて合成)を細胞懸濁液の代わりに使用した。酵素活性は、同一サンプルのタンパク質量をプロテインアッセイBCAキット(和光純薬)で測定して、1mgタンパク量で1時間あたりに分解される基質濃度(nmol/mg of protein/hour)に標準化して算出し、NCを対照としてt検定を実施した (*P<0.05、**p<0.01、***p<0.001)。N=4で得られた平均値+SEMを図7に示す。なお、実験自体のネガティブコントロールとして、Intactは無処理の結果、Vehicleはトランスフェクション試薬のみで処理した結果を示す。
<結果>
図7に示したように、GM03111において、L7−24、L8−25、L9−26、L10−27のオリゴマーにより、NCと比較して有意にLAL活性の上昇が認められた。L9−26がNCの15.1倍と最も強い活性上昇を示した。一方、L4-21、L11−28、L12−29、L13−30では、NCと比較して有意差は認められなかった。この結果は、実施例4におけるオリゴマー処理による正常LIPAmRNA発現増強と相関している。
一方、c.894G>A変異を有しないウェルマン病患者由来のGM06144の場合、いずれのオリゴマー処理においても有意差は認められなかった。c.894G>A変異を有しない保因者であるGM03558の場合も、いずれのオリゴマー処理においても有意差は認められなかった。
このように、L7-24、L8-25、L9-26、L10-27のオリゴマーは、GM03111のc.894G>A変異によるミススプライシングを特異的に是正して、LAL酵素の活性を増強する作用を有し、中でもL9-26が最も強い作用を有していた。
[実施例8]LAL酵素活性増強に対するオリゴマーL9−26の濃度依存性の評価
オリゴマーL9−26を用い、用いた濃度以外は実施例9と同様にして、LAL酵素活性増強効果を調べた。オリゴマーの濃度は、10、30、100nMで測定を行った。その結果を図8に示す。
<結果>
図8に示すように、GM03111由来の繊維芽細胞においては、GM03558由来の繊維芽細胞に比べてLAL活性が有意に低かったが、L9−26が導入されたGM03111由来の繊維芽細胞において、LAL活性は10nMで未処置のGM03558と同レベルまで増加し、30nMでは未処理GM03111に比べて有意な増加が観察された。
ヒトライソゾーム酸性リパーゼ遺伝子の第8番目のイントロンのセンス鎖に対して80%以上の相補的な塩基を有する配列からなり、かつ5’‐CCCAAAXGCACXCCXGGA‐3’(XはTまたはU)に対して13個以上同一の塩基である配列を含む、13個以上40個以下のヌクレオチドからなるオリゴマーは、c.894G>A変異を有するLIPA遺伝子転写産物のミススプライシングを是正し、LAL酵素活性を正常レベルまたはそれ以上に増強できることから、ウォルマン病およびコレステロールエステル蓄積症(CESD)を含むライソゾーム酸性リパーゼ(LAL)欠損症の治療に利用できる。

Claims (31)

  1. ヒトライソゾーム酸性リパーゼ遺伝子の第8番目のイントロンのアンチセンス鎖に対して80%以上のホモロジーを有する配列からなり、かつ5’‐CCCAAAXGCACXCCXGGA‐3’(XはTまたはU)に対して13個以上同一の塩基である配列を含む、13個以上40個以下のオリゴマー。
  2. 5’‐CCCAAAXGCACXCCXGGA‐3’(XはTまたはU)に対して15個以上同一の塩基である配列を含み、15個以上40個以下である、請求項1に記載のオリゴマー。
  3. 5’‐CCCAAAXGCACXCCXGGA‐3’(XはTまたはU)に対して17個以上同一の塩基である配列を含み、17個以上40個以下である、請求項1に記載のオリゴマー。
  4. 5’‐CCCAAAXGCACXCCXGGA‐3’(XはTまたはU)である配列を含み、18個以上40個以下である、請求項1に記載のオリゴマー。
  5. ヒトライソゾーム酸性リパーゼ遺伝子の第8番目のイントロンのセンス鎖に対して100%の相補的な塩基を有する配列からなり、かつ5’‐CCCAAAXGCACXCCXGGA‐3’(XはTまたはU)からなる配列を含む、13個以上40個以下である、請求項1に記載のオリゴマー。
  6. 配列1に記載のヒトライソゾ‐ム酸性リパ‐ゼ遺伝子の第8番目のイントロンのセンス鎖の塩基配列における、5’末端から第7〜24番目、第8〜25番目、第9〜26番目、第10〜27番目、第11〜28番目、第12〜29番目、第13〜30番目、及び第14〜31番目からなる群から選択される塩基配列のいずれか1つに相補的な塩基配列からなる、請求項5に記載のオリゴマー。
  7. オリゴヌクレオチドまたは1以上の糖部分及び/またはリン酸結合部分が修飾されている修飾オリゴヌクレオチドを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のオリゴマー。
  8. 前記修飾された糖部分の2’位が修飾されている、請求項7に記載のアンチセンスオリゴマー。
  9. 前記修飾された糖部分の2’位の‐OH基が、‐H、‐OR、‐R、‐R’ ‐OR、‐SH、‐SR、‐NH、‐NHR、‐NRR’’、‐ONH、‐ONR、‐N、‐CN、‐F、‐Cl、‐Br及び‐Iからなる群より選択されるいずれかの基(‐R、‐R’’は、それぞれ独立にC-Cアルキル、アルケニル、アルキニル、C-Cアルキルカルボニル又はアリールから選択され、上記‐R’は、アルキレンを表す。)で置換されることによって、前記糖部分の2’位が修飾されている、請求項8に記載のオリゴマー。
  10. 前記修飾された糖部分の2’位の‐OH基が、‐OCHまたは‐OCHCHOCHで置換されている、請求項7〜9のいずれか1項に記載のアンチセンスオリゴマー。
  11. 前記修飾された糖部分の2’位と4’位が架橋されている、請求項7または8に記載のオリゴマー。
  12. 前記修飾された糖部分を有するヌクレオチドが、Locked Nucleic Acid(LNA)、2’−O, 4’−C−Ethylene−bridged Nucleic Acid(ENA)、Amido−bridged Nucleic Acid(AmNA)、Guanidine bridged Nucleic Acid(GuNA)、2’−O,4’−C−Spirocyclopropylene bridged Nucleic Acid(scpBNA)からなる群から選択される、請求項11に記載のオリゴマー。
  13. 前記修飾された糖部分を有するヌクレオチドが、2’‐デオキシ‐リボヌクレオチドである、請求項請求項7〜9のいずれか1項に記載のオリゴマー。
  14. 前記2’‐デオキシ‐リボヌクレオチドが、2’‐デオキシ‐アデノシン、または2’‐デオキシ‐グアノシンである、請求項13に記載のオリゴマー。
  15. 前記修飾された糖部分を有するヌクレオチドが、2’‐フルオロ‐シチジン、2’‐フルオロ‐ウリジン、2’‐フルオロ‐アデノシン、2’‐フルオロ‐グアノシン、2’‐アミノ‐シチジン、2’‐アミノ‐ウリジン、2’‐アミノ‐アデノシン、2’‐アミノ‐グアノシン、および2’‐アミノ‐ブチリルピレン‐ウリジンからなる群から選択されるヌクレオチドである、請求項7または8に記載のオリゴマー。
  16. 前記修飾された糖部分を有するヌクレオチドが、5‐ブロモ‐ウリジン、5‐ヨード‐ウリジン、5‐メチル‐シチジン、リボチミジン、2‐アミノ‐プリン、5‐フルオロ‐シチジン、5‐フルオロ‐ウリジン、2、6‐ジアミノ‐プリン、4‐チオ‐ウリジン、5‐アミノ‐アリル‐ウリジンからなる群から選択されるヌクレオチドである、請求項7に記載のオリゴマー。
  17. 前記修飾されたリン酸結合部分が、ホスホロチオエート結合、ホスホロジチオエート結合、アルキルホスホネート結合、ホスホロアミデート結合、及びボラノフォスフェート結合からなる群より選択される結合で構成される、請求項7に記載のオリゴマー。
  18. モルフォリノオリゴヌクレオチドを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のオリゴマー。
  19. 前記モルフォリノオリゴヌクレオチドがホスホロジアミデ‐トモルフォリノオリゴヌクレオチドを含む、請求項18に記載のオリゴマー。
  20. 5’末端が、下記化学式(1)〜(3)のいずれかの基である、請求項18又は19に記載のオリゴマー。
  21. ペプチド核酸を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のオリゴマー。
  22. オリゴヌクレオチドまたは1以上の糖部分及び/またはリン酸結合部分が修飾されている修飾オリゴヌクレオチド、及びモルフォリノオリゴヌクレオチドの両方を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のオリゴマー。
  23. 前記修飾オリゴヌクレオチドが、請求項8〜17のいずれか1項に記載の前記修飾オリゴヌクレオチドである、請求項21に記載のオリゴマー。
  24. 請求項1〜23のいずれか1項に記載のオリゴマー又はその薬学的に許容可能な塩若しくは水和物を有効成分として含有する、スプライシング機能調節剤。
  25. 請求項1〜23のいずれか1項に記載のオリゴマー又はその薬学的に許容可能な塩若しくは水和物を有効成分として含有する、医薬組成物。
  26. 請求項25に記載の医薬組成物を含有する医薬。
  27. 請求項25に記載の医薬組成物を含有するライソゾ‐ム酸性リパーゼ欠損症治療薬。
  28. 哺乳動物細胞において、ライソゾーム酸性リパーゼ遺伝子のmRNA前駆体に対し、第8番目のエクソンからの転写領域を欠失した異常mRNAを産生するスプライシング機構を、第8番目のエクソンからの転写領域を有する正常mRNAを産生するスプライシング機構にする、スプライシング機構調節方法であって、
    請求項1〜23のいずれか1項に記載のオリゴマー又はその薬学的に許容可能な塩若しくは水和物を、前記ヒト細胞に投与する工程を含む、スプライシング機構調節方法。
  29. 哺乳動物におけるライソゾ‐ム酸性リパ‐ゼ欠損症の予防または治療方法であって、
    前記哺乳動物に対し、請求項1〜23のいずれか1項に記載のオリゴマー又はその薬学的に許容可能な塩若しくは水和物の有効量を投与する工程を含む、予防または治療方法。
  30. ライソゾ‐ム酸性リパ‐ゼ欠損症の予防または治療に使用するための、請求項1〜23のいずれか1項に記載のオリゴマー又はその薬学的に許容可能な塩若しくは水和物。
  31. ライソゾ‐ム酸性リパ‐ゼ欠損症の予防または治療剤を製造するための、請求項1〜23のいずれか1項に記載のオリゴマー又はその薬学的に許容可能な塩若しくは水和物の使用。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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