JP2019536479A - アミコラトプシス・ルリダ由来シトクロムp450を用いた分岐状脂肪族または芳香族基質のヒドロキシ化法 - Google Patents
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Abstract
Description
多食アメーバ(A. polyphaga)由来の、P450と推定されるものが最近報告された(Lamb, DC; Lei, L; Warrilow, AG; Lepesheva, GI; Mullins, JG; Waterman, MR; Kelly, SL (2009). "The first virally encoded cytochrome P450". Journal of Virology. 83 (16): pp8266-9)。シトクロムP450は大腸菌(E.coli)では確認されていない(Roland Sigel; Sigel, Astrid; Sigel, Helmut (2007). The Ubiquitous Roles of Cytochrome
P450 Proteins: Metal Ions in Life Sciences. New York: Wiley. ISBN 0-470-01672-8; Danielson PB (December 2002). "The cytochrome P450 superfamily: biochemistry, evolution and drug metabolism in humans". Curr. Drug Metab. 3 (6): pp561-97)。
R−H+O2+2e−→R−OH+H2O
"Electron Transfer Proteins of Cytochrome P450 Systems". Advances in Molecular and Cell Biology. Advances in Molecular and Cell Biology. 14: 29-56によって提唱
されている、それらの酸化還元パートナー輸送タンパク質系によって分類することができる。要約すると、シトクロムP450は以下の群に分類できる。
電子を補因子からシトクロムP450に移動させるためにシトクロムP540還元酵素ま
たはシトクロムb5を利用するミクロソーム型P450系;
電子を還元された補因子からシトクロムP450に移動させるためにアドレノドキシン還元酵素とアドレノドキシンを利用するミトコンドリア型P450系;
電子を還元された補因子からシトクロムP450に移動させるためにフェレドキシン還元酵素とフェレドキシンを利用する細菌型P450系;
補因子からシトクロムP450への電子移動のためにシトクロムb5を利用するCYB5R−cytb5−P450系;
電子パートナー還元酵素が縮合FMNドメインであるFMN−Fd−P450系;
酸化還元パートナータンパク質を必要としないP450のみの系、例えば、P450BM−3。
;ダイズ根粒菌(Rhizobium japonicum)由来のP450a、P450b、およびP45
0c(Biochim Biophys Acta (1967) 147, 399);並びに、ノカルジアNHI(Nocardia
NHI)由来のP450npd(Microbios (1974) 9, 119)が挙げられる。
よって果たされる、エポチロンBのエポチロンFへの酵素的ヒドロキシ化が記述されている。
は、化合物の物理化学的特性や薬理学的特性のC−H活性化またはC−H修飾を目的とした、イソプロピル部分もしくは第三ブチル部分、またはそのような部分を含む化学物質のヒドロキシ化に使用される。
、システインおよびメチオニン(含硫側鎖を有するアミノ酸)が挙げられる。変異型には自然発生的な変異型と人工的な変異型とが包含される。人工的な変異型は、核酸分子、細胞または生物に適用されるものを含む突然変異誘発法を用いて生成することができる。前記変異型は、本明細書に例示されるアミノ酸配列と実質的同一性を有することが好ましい。本明細書で使用される場合、用語「変異型」または「その変異体」とは、配列番号3と、「実質的同一性」を有するアミノ酸配列を指し、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも98.1%、少なくとも98.2%、少なくとも98.3%、少なくとも98.4%、少なくとも98.5%、少なくとも98.6%、少なくとも98.7%、少なくとも98.8%、少なくとも98.9%、少なくとも99%、少なくとも99.1%、少なくとも99.2%、少なくとも99.3%、少なくとも99.4%、少なくとも99.5%、少なくとも99.6%、少なくとも99.1%、少なくとも99.8%または少なくとも99.9%の同一性を有するアミノ酸配列が好ましい。「実質的同一性」という用語は、望ましくは、前記配列が、従来技術のアミノ酸配列とよりも、本明細書に記載される配列のいずれかと、より大きな程度の同一性を有することを示す。アミノ酸配列を比較するために、CLUSTALプログラム等のプログラムを利用することができる。このプログラムは、アミノ酸配列同士を比較するものであり、必要に応じていずれかの配列にスペースを挿入することで最適なアラインメントを見つける。最適アラインメントを目的として、アミノ酸の同一性または類似性(アミノ酸種類の同一性および保存)を算出することができる。BLASTxのようなプログラムは、類似配列が最長となるようにアラインメントを行い、その一致に対して値を割り当てる。すなわち、類似領域がいくつか存在し、それぞれが異なるスコアを有する場合も、比較を行うことができる。上記は本出願で開示される全てのアミノ酸配列に準用される。
式中、Rは化合物の残りの部分を表す。R1、R2およびR3は独立してHまたはC1−12アルキルまたはC6−10アリールから選択され、あるいは、R1、R2およびR3のうちいずれか2つが互いに結合して、置換されていてもよいシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルを形成していてもよく、あるいは、R1、R2およびR3が互いの架橋炭素と結合してオレフィン、アリールまたはヘテロアリールを形成していてもよい。Aは置換されていてもよいベンジル、アリールまたはヘテロアリールである。
する基であることが最も好ましい。
鎖状であっても分岐鎖状であっても環式であってもよい。例としてプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられる。C3〜C10のアルキル部分であることが好ましい。C5〜C6のアルキル部分であることがより好ましい。前記アルキルは置換されていてもよいシクロヘキシルであることが好ましい。
ノが挙げられるが、これらに限定はされない。
族ラジカルを意味する。前記アリールは置換されていてもよいC6アリールであることが好ましい。
2およびR3のうち1つだけがHである、またはどれもHでないことが好ましい。R1、R2およびR3は独立してH、メチル、エチル、プロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチルおよびヘキシルから選択されることが最も好ましいが、ただし、R1、R2およびR3のうち1つだけがHである、またはどれもHでないことが好ましい。
式中、Rは化合物の残りの部分を表し、R1はCH3またはHである。
レドキシン還元酵素成分が使用される。シトクロムP−450を活性化するものであればいかなる成分が用いられてもよく、例えば、直接的もしくは間接的に作用する小分子化学物質、溶液状のタンパク質化学物質、または直接的にもしくはペプチド結合で融合したもの、または、電極を介した電気的なもの、が挙げられる。特に好ましい実施形態では、前記配列番号3を有するシトクロムP−450aluC09酵素、または配列番号3と少なくとも70%の同一性を有し且つCYP−450活性を有する変異型酵素を、好適なフェレドキシンおよびフェレドキシン還元酵素成分と組み合わせることで、基質化合物をヒドロキシ化された誘導体に変換するのに効果的な系が得られる。
0)の培養は、係る微生物との共に使用されることがよく知られている栄養分を含有する従来培地の播種によって、好適に行われる。すなわち、前記培地は同化できる炭素の供給源および同化できる窒素の供給源を含有する。前記培地は無機塩類を含有していてもよい。同化できる炭素の供給源の例としては、グルコース、スクロース、デンプン、グリセリン、水飴、糖蜜およびダイズ油が挙げられる。同化できる窒素の供給源の例としては、ダイズ固形分(大豆ミールまたは大豆粉等)、コムギ胚芽、肉エキス、ペプトン、コーンスティープリカー、乾燥酵母、および硫酸アンモニウム等のアンモニウム塩類が挙げられる。必要であれば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、炭酸カルシウムおよび各種リン酸塩類等の無機塩類が含まれてもよい。前記培地は、滅菌され、5〜8に調整されたpHを有することが好ましい。
クローニング法が記載されている。
の特性が向上したり、溶解性が向上したり、非特異的な相互作用が低減したり、以降の合成用等、単純にさらに有用であったり、分析用標準として有用となり得る。上記の式(I)および式(II)のヒドロキシ化された化合物が特に好ましい。
Omura and Sato et al. (J Biol Chem, 239. 1964, 2370)の方法に従って測定を行う。すなわち、下記式を用いて、450nmおよび490nmにおける差スペクトルの減少に対する、還元されたCOの吸光度差に基づいて、シトクロムP−450aluC09が定量分析される。
以下の成分の混合物を用いる。
リン酸カリウム緩衝液(pH7.4) 50mM
MgCl2 5mM
発現されたフェレドキシン、フェレドキシン還元酵素、P450を含有する酵素溶液 シトクロムP450濃度において2.4μM
NADP+ 1mM
グルコース−6−リン酸 5mM
グルコース−6−リン酸脱水素酵素 2UN/ml
ボセンタン基質 0.1mg/ml
総体積 0.50ml
5g/Lのグリセロール、20g/Lのグルコース、5g/Lの酵母エキスペプトン、2g/Lの肉エキス、5g/Lの真菌用ペプトン、1g/Lの二塩基性リン酸アンモニウム、3g/lの塩化ナトリウム、0.3g/Lの硫酸マグネシウム・七水化物および3.5g/Lの炭酸カルシウムを含有する培地を調製し、pH7.0に調整した。12個の250ml体積の三角フラスコに、この培地をそれぞれ50ml含ませ、115℃で15分間滅菌した。アミコラトプシス・ルリダ(NRRL−2430)を、液体窒素中に保存されたクライオバイアル内ストックから戻して、50mlの上記増殖培地を含む2個のフラスコ内に播種した。27℃、200rpmで、2日間増殖させた後、そのシード培養物(2%v/v)を用いて、50mLの上記増殖培地をそれぞれ含む10個の250mL三角フラスコに播種した。培養物を27℃、200rpmで24時間発酵させた後、52.7mgのボセンタンを1.05mLのDMSOに溶解させて、その溶液を100μLずつ各フラスコに加え、ボセンタンの最終濃度を100mg/Lとした。培養物を27℃、200rpmでインキュベートした。27時間後、10個全てのフラスコの内容物を合わせ、500mLの酢酸エチルで2回抽出し、得られた抽出物を集めて乾燥させることで、189.3mgの粗抽出物を得た。
6.81, (1H, t, 7.6), 6.71 (1H, d, 8.0), 4.71 (1H, t, 5.3), 4.67 (1H, t, 5.3), 4.33 (2H, t, 5.4), 3.80 (3H, s), 3.47 (2H, m), 3.42 (2H, d, 4.8), 1.21, 6H, s).
5g/Lのグリセロール、20g/Lのグルコース、5g/Lの酵母エキスペプトン、2g/Lの肉エキス、5g/Lの真菌用ペプトン、1g/Lの二塩基性リン酸アンモニウム、3g/lの塩化ナトリウム、0.3g/Lの硫酸マグネシウム・七水化物および3.5g/Lの炭酸カルシウムを含有する培地を調製し、pH7.0に調整した。12個の250ml体積の三角フラスコに、この培地をそれぞれ50ml含ませ、117℃で15分間滅菌した。アミコラトプシス・ルリダ(NRRL−2430)を、液体窒素中に保存されたクライオバイアル内ストックから戻して、50mlの上記増殖培地を含む2個のフラスコ内に播種した。27℃、200rpmで、2日間増殖させた後、そのシード培養物(2%v/v)を用いて、50mLの上記増殖培地をそれぞれ含む10個の250mL三角フラスコに播種した。培養物を27℃、200rpmで24時間発酵させた後、20%ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン中1mg/mlのブパルバコン(1mlのDMSO中の52.6mgのブパルバコンという原液の50分の1希釈により調製)を、フラスコ当たり5mlずつ加えて、105mg/Lという濃度を得た。投与後の培養物の経時変化を追い、標的代謝産物であるヒドロキシ−ブパルバコンの生産を評価した。経時的解析に基づき、24時間後に培養物を回収し抽出した。
(1H, td, 7.5, 1.4), 4.31 (1H, t, 5.4), 3.11 (2H, d, 4.1), 2.36 (2H, d, 7.0), 1.68 (2H, m), 1.63 (2H, m), 1.46 (1H, m), 1.16 (1H, m), 0.90 (4H, m), 0.70 (6H, s)
.
5g/Lのグリセロール、20g/Lのグルコース、5g/Lの酵母エキスペプトン、2g/Lの肉エキス、5g/Lの真菌用ペプトン、1g/Lの二塩基性リン酸アンモニウム、3g/lの塩化ナトリウム、0.3g/Lの硫酸マグネシウム・七水化物および3.5g/Lの炭酸カルシウムを含有する培地を調製し、pH7.0に調整した。42個の250ml体積の三角フラスコに、この培地をそれぞれ50ml含ませ、115℃で15分間滅菌した。アミコラトプシス・ルリダ(NRRL−2430)を、液体窒素中に保存されたクライオバイアル内ストックから戻して、50mlの上記増殖培地を含む2個のフラスコ内に播種した。27℃、200rpmで、2日間増殖させた後、そのシード培養物(2%v/v)を用いて、50mLの上記増殖培地をそれぞれ含む40個の250mL三角フラスコに播種した。培養物を27℃、200rpmで24時間発酵させた後、リトナビルを100mg/Lの濃度で投与した。リトナビルは、上記実施例2のブパルバコンに関して記載されたように配合してから投与した。投与後の培養物の一日の経時変化を追い、標的産物であるヒドロキシ−リトナビルの生産を評価した。経時的解析に基づき、72時間後に培養物を回収し抽出した。
(14H, m), 6.87 (1H, d, 9.4), 6.01 (1H, d, 8.7), 5.91 (1H, s), 5.15 (2H, m), 4.62 (1H, d, 6.3), 4.42 (2H, s), 4.14 (1H, m), 3.92, 1H, dd, 8.7, 7.7), 3.82 (1H, q, 9.3), 3.58 (1H, q, 8.8), 2.86 (3H, s), 2.67 (2H, m), 2.62 (2H, m), 1.88 (1H, m), 1.49 (3H, s), 1.48 (3H, s), 1.45 (1H, m), 0.77 (1H, m), 0.74 (6H, d, 6.8).
5g/Lのグリセロール、20g/Lのグルコース、5g/Lの酵母エキスペプトン、
2g/Lの肉エキス、5g/Lの真菌用ペプトン、1g/Lの二塩基性リン酸アンモニウム、3g/lの塩化ナトリウム、0.3g/Lの硫酸マグネシウム・七水化物および3.5g/Lの炭酸カルシウムを含有する培地を調製し、pH7.0に調整した。40個の250ml体積の三角フラスコに、この培地をそれぞれ50ml含ませ、115℃で15分間滅菌した。アミコラトプシス・ルリダ(NRRL−2430)を、液体窒素中に保存されたクライオバイアル内ストックから戻して、50mlの上記増殖培地を含む2個のフラスコ内に播種した。27℃、200rpmで、2日間増殖させた後、そのシード培養物(2%v/v)を用いて、50mLの上記増殖培地をそれぞれ含む40個の250mL三角フラスコに播種した。培養物を27℃、200rpmで24時間発酵させた後、チバンチニブをDMSOに溶解させ、各フラスコに加えて、チバンチニブの最終濃度を100mg/Lとした。培養物を27℃、200rpmでインキュベートした。72時間後、40個全てのフラスコの内容物を合わせて遠心分離した。細胞塊をMeCN(1.5L)で抽出し、回転蒸発で濃縮した。水性のブロス上清をHP20に吸着させ(500ml)、水で洗浄し、MeCN(1.5L)で溶出し、回転蒸発で濃縮した。このHP20濃縮物と細胞抽出物濃縮物とを合わせ(500ml)、酢酸エチル(3×500ml)で抽出した。合わせた酢酸エチル層を回転蒸発により乾固し、得られた物質をアセトニトリル−H2O(9:1、500ml)とヘキサン(500ml)との間で分割した。ヘキサン層を廃棄し、アセトニトリル層を濃縮乾固した。この物質をウォーターズ社製Novapak C18カラム(40×100mm)+ガードカラム(40×10mm)を用いた逆相HPLCで分画した。流速は50ml/分であり、勾配は、まず90/5/5%(H2O/MeCN/200mMギ酸アンモニウム+2%ギ酸水溶液)を1.1分間維持し、次の10分間で15/80/5に直線的に増加させ、1分間かけて0/95/5に再度増加させ、2分間洗浄し、1分間かけて開始条件に戻し、5分間かけて再平衡化した。モノヒドロキシ化された代謝産物を含有する画分は6.5分〜8.0分(画分14〜16)に溶出されていることが分かり、さらなる精製のためにこれらを濃縮乾固した。
れらの2種のエピマーを区別することはできなかった。
8.1, 7.0, 1.1 Hz), 7.05 (1H, d, 7.1 Hz), 6.96 (1H, t, 7.8 Hz), 6.94 (1H, t, 8.0
Hz), 5.34 (1H, q, 5.3 Hz), 4.90 (1H, d, 5.2 Hz), 4.51 (1H, d, 6.9 Hz), 4.48 (1H
, d, 7.0 Hz), 4.14 (2H, m), 2.11 (2H, m).
oral administration to humans, dogs and cats. Xenobiotica 44: 996-1008)。
Hz), 7.16 (1H, d, 7.8 Hz), 6.88 (1H, t, 7.4 Hz), 6.84 (1H, d, 7.2 Hz), 6.82 (1H, d, 8.0 Hz), 6.75 (1H, t, 7.7 Hz), 6.49 (1H, d, 7.4 Hz), 4.47 (1H, d, 6.8 Hz), 4.41 (1H, d, 6.8 Hz), 4.09 (2H, t, 5.7 Hz), 2.90 (2H, t, 6.0 Hz), 2.11 (2H, p, 5.6 Hz).
5g/Lのグリセロール、20g/Lのグルコース、5g/Lの酵母エキスペプトン、2g/Lの肉エキス、5g/Lの真菌用ペプトン、1g/Lの二塩基性リン酸アンモニウム、3g/lの塩化ナトリウム、0.3g/Lの硫酸マグネシウム・七水化物および3.5g/Lの炭酸カルシウムを含有する培地を調製し、pH7.0に調整した。20個の250ml体積の三角フラスコに、この培地をそれぞれ50ml含ませ、115℃で15分間滅菌した。アミコラトプシス・ルリダ(NRRL−2430)を、液体窒素中に保存されたクライオバイアル内ストックから戻して、50mlの上記増殖培地を含む2個のフラスコ内に播種した。27℃、200rpmで、2日間増殖させた後、そのシード培養物(2%v/v)を用いて、50mLの上記増殖培地をそれぞれ含む20個の250mL三角フラスコに播種した。培養物を27℃、200rpmで24時間発酵させた後、DMSOに溶解させたジクロフェナクを各フラスコに加えて、ジクロフェナクの最終濃度を100mg/Lとした。培養物を27℃、200rpmでインキュベートした。22時間後、20個全てのフラスコの内容物を合わせ、遠心することにより、水性上清を細胞から分離した。この細胞をアセトニトリル(900ml)で1時間抽出した後、再度遠心してアセト
ニトリル抽出物を集めた。これを前記水性ブロス上清と混合し、硫酸アンモニウム(132g)を加えた。この混合物を2相分離するまで撹拌した。アセトニトリル層を集め、回転蒸発することで、水性濃縮物を得た。この物質を、ウォーターズ社製Symmetry
Shield RP8カラム(19×100mm)を用い、17ml/分の流速で以下の勾配により溶出される、逆相HPLCで分画した。勾配は、55/45/5(H2O/MeCN/200mM酢酸アンモニウム(ammomium acetate)+2%ギ酸水溶液)から開始し、10分間かけて45/50/5に直線的に増加し、この濃度でさらに20分間維持し、その後、開始条件に戻した。溶出液を280nmでモニターし、6.5分と9分とに溶出したピークを集めて、濃縮乾固したところ、それぞれ5−ヒドロキシジクロフェナク(11.6mg)および4’−ヒドロキシジクロフェナク(12.4mg)が得られた。
(1H, d, 2.8 Hz), 6.49 (1H, dd, 8.5, 2.8 Hz), 6.25 (1H, d, 8.5), 3.57 (2H, s).
アミコラトプシス・ルリダ(NRRL2430)からのゲノムDNAの抽出
アミコラトプシス・ルリダ(NRRL2430)の発酵物質の細胞ペレットからゲノムDNA(gDNA)を単離した。4g/L酵母エキス、10g/L麦芽エキス、4g/Lグルコースを含有し、pH7.0に調整された培地。2個の250ml体積の三角フラスコに、この培地をそれぞれ50ml含ませ、115℃で20分間滅菌した。アミコラトプシス・ルリダ(NRRL−2430)を、液体窒素中に保存されたクライオバイアル内ストックから戻して、50mlの上記増殖培地を含む2個のフラスコ内に播種した。27℃、200rpmで2日間増殖させた後、50mlの培養液を50ml遠心管に移し、遠心して、ペレット化された細胞を集めた。このペレットを等張緩衝液で1回洗浄することで残留培地成分を除去し、その後、下記の通りの後のゲノムDNA抽出用にこのペレットを−80℃で凍結した。この細胞ペレットを解凍し、7.5mlのTE緩衝液(10mMトリス塩酸(pH7.5)、1mM Na2EDTA)に再懸濁した。75μlの20mg/mlリゾチーム溶液を加え、その溶液を37℃で1時間インキュベートした後、750μlの10%(w/vol)SDSを加え、反転により混合した。20μlの20mg/mlプロナーゼを加え、37℃で1.5時間インキュベートした後、その溶液に16μlの10mg/ml RNase溶液を加え、続いて、37℃で1時間および50℃で1時間の別のインキュベーション工程を行った。900μlの0.5M NaCl溶液を加えた後、その溶液を等量のフェノール−クロロホルム−イソアミルアルコール(25:24:1;シグマ・アルドリッチ社(Sigma-Aldrich))で2回抽出した。水層を集め、1倍
量のイソプロパノールおよび遠心分離(10,000×g、30分間、20℃)でゲノムDNAを沈殿させた。ゲノムDNAペレットを100%エタノールで1回、70%エタノールで2回洗浄した(各洗浄工程で約30ml)。ゲノムDNAペレットを風乾し、5mlのTE緩衝液に再懸濁させた。NanoDrop装置(サーモサイエンティフィック社(Thermo Scientific))を用いてゲノムDNAの濃度および純度を測定し、ゲノムDN
Aの完全性をアガロースゲル電気泳動で評価した。
遺伝子間領域を含めて、P450aluC09(GenBank:AJK52184.1;Uniprotアクセッション(Uniprot Accession):A0A093BCG8;ロ
ーカスタグ(Locus tag):BB31_01535)と、フェレドキシンaluF03(
GenBank:AJK52183.1;UniProtアクセッション:A0A093BIZ3;ローカスタグ:BB31_01530)とから構成されるオペロンをコードするDNA配列を、ゲノムDNAから、aluC09−F03_fプライマー(5’−プライマー配列−3’:gtttaactttaagaaggagatataCATATGACTGACGTCGAGGAAACCAC)(配列番号5)と、aluC09−F03_rプライマー(5’−プライマー配列−3’:gagggcggggcatAAGCTTCCTATTAAGCGAGCGACAAGG)(配列番号6)とを用いる総反応体積50μlのPCRにより、増幅した。PCR反応は、10μlの5×HF緩衝液、1.5μlのDMSO、1μlの10mM dNTP、0.5μlのPhusion(登録商標)High−Fidelity DNA Polymerase(1ユニット;ニュー・イングランド・バイオラボ社(New England Biolabs))、約90ngのゲノムDNA、各
0.5μMのフォワードプライマーおよびリバースプライマーを含有し、この反応はMilliQ(登録商標)のH2Oで総体積50μlにフィルアップした。バイオラド社製(Biorad)C1000 Touch(商標)サーマルサイクラーシステムで、以下のサイクル条件を用いて、PCR反応を行った:98℃、30秒間、35サイクル(98℃、10秒間、57℃、15秒間、72℃、45秒間)、72℃、5分間。PCRアンプリコンの予測サイズは1468bpであった。
bbSCF15a_fプライマー(5’−プライマー配列−3’:taataggAAGCTTATGCCCCGCCCTCTGCGGG)(配列番号7)およびpQR368_bbSCF15a_rプライマー(5’−プライマー配列−3’:gccgccCATATGTATATCTCCTTCTTAAAGTTAAAC)(配列番号8)を用いる総反応体積50μlのPCRによって、増幅した。PCR反応は、10μlの5×HF緩衝液、1.5μlのDMSO、1μlの10mM dNTP、0.5μlのPhusion(登録商標)High−Fidelity DNA Polymerase(1ユニット)、15ngのプラスミドDNA pQR368、各0.5μMのフォワードプライマーおよびリバースプライマーを含有し、この反応はMilliQ(登録商標)のH2Oで総体積50μlにフィルアップした。バイオラド社製C1000 Touch(商標)サーマルサイクラーシステムで、以下のサイクル条件を用いて、PCR反応を行った:98℃、30秒間、35サイクル(98℃、10秒間、56℃、15秒間、72℃、3分25秒)、72℃、10分間。PCRアンプリコンの予測サイズは6768bpであった。
環状ポリメラーゼ伸長クローニング(circular polymerase extension cloning)(C
PEC;Quan & Tian. Nat Protoc. 2011;6:242-51)により、P450aluC09−フェレドキシンaluF03オペロンをベクター骨格pQR368bbにクローニングした。
pQR368bb PCR産物を含有する総体積100μlで、37℃で4時間、制限消化を行ったが、この反応はMilliQ(登録商標)のH2Oで100μlにフィルアップした。65℃で20分間のNdeIの不活性化により反応を止めた。QIAquick(登録商標)PCR Purification Kit(キアゲン社)を用いて、消化後のpQR368bb PCR産物を精製した。
クローニングされたP450aluC09−フェレドキシンaluF03オペロンおよびpQR368bbベクター骨格の還元酵素部分というDNA配列を、ユーロフィンジェノミクス社(Eurofins Genomics)(ドイツ)におけるサンガー法シーケンシングで確認
した。構築したプラスミドはpQR368bb−aluC09−aluF03と称した。
P450aluC09、フェレドキシンaluF03およびフェレドキシン還元酵素SCF15Aの組換え発現用の宿主として、大腸菌BL21 Star(DE3)pLysS株(インビトロジェン社)を用いた。この発現菌株を構築するために、ヒートショック法を用いて、大腸菌BL21 Star(DE3)pLysS細胞をプラスミドpQR368bb−aluC09−aluF03で形質転換した。50μlのケミカルコンピテントセルを0.5μl(68ng)のプラスミドpQR368bb−aluC09−aluF03と混合した後、氷上で50分間インキュベートする。42℃の水浴中で45秒間のヒートショックを行った後、細胞を氷上でおよそ2分間冷却した。800μlのLBを添加した後、Thermoshaker(エッペンドルフ社(Eppendorf))において、3
7℃、500rpmで1.5時間、細胞をインキュベートした。この混合物1μlをLB50μlと混合し、100μg/mlアンピシリンおよび34μg/mlクロラムフェニコールを含有するLBプレートに播種した。プレートを37℃でおよそ14時間インキュベートした。
形質転換/寒天プレート:
100μg/mlのアンピシリンおよび25μg/mlのクロラムフェニコールを、50%グリセロール凍結ストックから得たpQR368bb−aluC09−aluF03プラスミドを持つ大腸菌BL21 Star(DE3)pLysSと共に画線することによって、LB寒天プレートに対して添加し、37℃で一晩インキュベートした。
34μg/mlのクロラムフェニコールおよび100μg/mlのアンピシリンを添加した5mlのLB Miller培地に、上記のように作製された寒天プレートから得られた大腸菌BL21 Star(DE3)pLysS/pQR368bb−aluC09−aluF03の単一コロニーを接種した。細胞を37℃、200rpmで一晩増殖させた。
バッフル付250mlフラスコに、34μg/mlのクロラムフェニコールと100μg/mlのアンピシリンとを添加した50mlのテリフィックブロス(Terrific Broth)培地を、0.5mlの前記播種培養物と共に接種し、OD(600)が0.6〜0.8に達するまで37℃、200rpmで細胞増殖させた。この時点で、0.1mMの最終濃度に達するまでIPTGを添加することにより遺伝子発現を誘導し、さらに、この培養物にFeSO4および5‘−アミノレブリン酸をそれぞれ0.1mMおよび80μg/mlの濃度に達するまで添加した。誘導された細胞を27℃、140rpmでさらに4時間培養した後、培養物を遠心分離で回収した。
実施例5に記載されるように、1gの細胞に対し15mlの緩衝液の割合で、50mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)、5mM MgCl2、0.1mM DTT、および1mM PMSF中に、組換えP450aluC09、フェレドキシンaluF03およびフェレドキシン還元酵素SCF15Aを含有する、細胞ペレットの懸濁物を得た。3サイクルの30kpsiによる高圧破壊で、溶解細胞を得た。溶解した物質を38,000×gで30分間(4℃)遠心分離し、その上清を0.22ミクロンフィルターに通すことにより滅菌することで、2.9μMの組換えP450aluC09および919UNの組換えフェレドキシン還元酵素を含有する酵素調製物を得た。次に、この粗抽出物をガラス製バイアルに分注し(2mlバイアル当たり0.5ml)、エドワーズ社(Edwards)
製Supermodulyo凍結乾燥機を用いて凍結および凍結乾燥し、その後、使用のために必要とされるまで標準的な実験用冷凍庫内で−20℃で保存した。
実施例5および実施例6に記載されるように、組換えP450aluC09、フェレドキシンaluF03およびフェレドキシン還元酵素SCF15Aの凍結乾燥物質を作製し、最終濃度2.9μMのP450AluC09および最終濃度919UNのフェレドキシン還元酵素SCF15Aとなるように水に懸濁させた。30℃の以下の条件下で生体触媒作用を実施した:最終体積100μL中、50mMのリン酸カリウム(pH7.4)、5mMのMgCl2、0.1mg/mlの基質化合物、例えば、ボセンタン(カルボシンス社(CarboSynth Ltd)、英国)、ブパルバコン(メドケムトロニカ社(MedChemtronica)、スウェーデン)、BIRB796(ストラテック・サイエンティフィック社(Stratech
Scientific Limited)、英国)、ジクロフェナク(シグマ・アルドリッチ社、英国)、
エポチロンB(LCラボラトリーズ社(LC Laboratories)、米国)またはリトナビル(
TCI社、英国)、チバンチニブ(メドケムトロニカ社、スウェーデン)、2.4μMのP450AluC09、767UNのフェレドキシン還元酵素SCF15A、5mMのG6P、1mMのNADP、2UN/mlのG6PDH。16〜20時間後、反応物を等量のアセトニトリルで抽出し、遠心分離することで沈殿したタンパク質を除去し、UPLC
−MS解析で変換を評価した。
カラム:Acquity UPLC BEH Shield RP18、1.7μm、内径2.1mm、長さ50mm
溶媒:H2O、B:アセトニトリル、共に0.1%ギ酸を含有
流速:1.0ml/分
検出器:ウォーターズ社製Acquity UPLC PDA(紫外可視検出)およびウォーターズ社製Acquity UPLC QDA(MS)
滞留時間:ボセンタン基質:1.75分;ヒドロキシ化されたボセンタン:1.42分
実施例7に記載された凍結乾燥物質と同様に作製された凍結乾燥物質を用いて、様々な反応pHのヒドロキシラーゼ活性に対する影響を、ボセンタンとジクロフェナクという2種類の基質を用いて評価した。緩衝液交換の部分を除き実施例7の方法に従った。4種類の異なる緩衝液を選んだ:a)50mM 酢酸塩 pH5、100mM NaCl、5mM MgCl2;b)50mM リン酸カリウム pH7.5、5mM MgCl2;c)50mM Tris pH8、100mM NaCl、5mM MgCl2;d)50mM ピペリジン pH11、100mM NaCl、5mM MgCl2。各緩衝液条件について、凍結乾燥された粗抽出物の懸濁液1.5mlを、濃縮および新たな緩衝液による前記物質の希釈を3サイクル行うことによりカットオフされたVivaspin 20Kを用いて交換した。50mMリン酸カリウム pH7.5、5 mM MgCl2で交換したとき、酵素調製物の作製および評価用に通常の前記緩衝液は、緩衝液交換プロセス中の前記物質のロバストネス制御を与えた。表示pHで16〜20時間インキュベートした後、反応物を等量のアセトニトリルで抽出し、遠心分離により沈殿タンパク質を除去し、実施例7に記載されたUPLC−MS解析と同様のUPLC−MS解析により変換を評価した。結果を図10および図11に示す。ヒドロキシラーゼ活性が7.5以上のpH値(pH8〜11)で変わらないこと、および、ヒドロキシラーゼ活性がpH5ではほとんど検出されないこと、が示された。特に注目すべきは、そのような高pH値(例えばpH値11)におけるこの組換え酵素の活性である。そのようなpHでも反応を触媒可能であることは、カルボキシル部分を有する化合物等の、pHが高くなるほど溶解性が向上する選択された基質について、基質添加量を増加させることができるため、特別な商業的利点をもたらす。より高いpHにおける触媒作用の他の利点は、化学合成、原料の塩基触媒加水分解、またはpH上昇を利用して反応が停止された別の酵素による反応産物等、生成物をもたらした前の工程から係る生成物をそのまま利用することができることである。
実施例7に記載された凍結乾燥物質と同様に組換えP450aluC09、フェレドキシンaluF03およびフェレドキシン還元酵素SCF15Aの凍結乾燥物質を用いて、様々なインキュベーション温度のヒドロキシラーゼ活性に対する影響を、ボセンタン、ジクロフェナク、リトナビル、およびチバンチニブ(tivantanib)という4種類の基質を用いて評価した。評価した温度は表1に示した通りであった。表示温度で16〜20時間インキュベートした後、反応物を等量のアセトニトリルで抽出し、遠心分離により沈殿タンパク質を除去し、実施例7に記載されたUPLC−MS解析と同様のUPLC−MS解析により変換を評価した。結果を表1に示す。ヒドロキシラーゼ活性は10℃において概して最も高く、22℃と27℃とにおいても同様の触媒変換であったが、37℃への、さらには45℃への温度の上昇によって変換は大きく減少した。
高コピープラスミド(pUC複製開始点)と中コピープラスミド(pBR322複製開始点)とにおいてP450aluF03、フェレドキシンaluF03およびフェレドキシン還元酵素SCF15Aを発現する組換え型菌株の、ボセンタン基質およびジクロフェナク基質に対する全細胞ヒドロキシ化活性を比較した。
pQR368bb−aluC09−aluF03プラスミドから、P450aluC09−フェレドキシンaluF03−フェレドキシン還元酵素SCF15Aオペロンを切り出し、T4 DNAリガーゼにより、高コピーpUC複製開始点を含有するベクター骨格にサブクローニングした。
.1−AluC09−AluF03と称した。
組換え発現株の、pQR368bb−aluC09−aluF03を有する大腸菌BL21 Star(DE3)pLysSおよびp3C.1−AluC09−AluF03を有する大腸菌BL21 Star(DE3)pLysSを、実施例5と同様にテリフィックブロス培地中で培養し、最終濃度が1mMに達するようにIPTGを添加することで遺伝子発現を誘導した。実施例5と同様に、培養物にFeSO4および5‘−アミノレブリン酸を添加した。
アンピシリン耐性プラスミドとカナマイシン耐性プラスミドとにおいてP450aluF03、フェレドキシンaluF03およびフェレドキシン還元酵素SCF15Aを発現する組換え型菌株の、ボセンタン基質およびジクロフェナク基質に対する全細胞ヒドロキシ化活性を比較した。
pQR368bb−aluC09−aluF03プラスミドからP450aluC09
−フェレドキシンaluF03−フェレドキシン還元酵素SCF15Aオペロンを切り出し、実施例10における実施と同様に、NdeIおよびNotIを介し、T4 DNAリガーゼによって、pET29aベクター骨格にクローニングした。構築したプラスミドはpHD02−AluC09−AluF03と称した。
組換え発現株の、pQR368bb−aluC09−aluF03を有する大腸菌BL21 Star(DE3)pLysSおよびpHD02−AluC09−AluF03を有する大腸菌BL21 Star(DE3)pLysSの全細胞ヒドロキシ化活性を、実施例10の記載と同様に実施した。
異なるBL21由来発現宿主においてP450aluF03、フェレドキシンaluF03およびフェレドキシン還元酵素SCF15Aを発現する組換え型菌株の、ボセンタン基質およびジクロフェナク基質に対する全細胞ヒドロキシ化活性を比較した。
実施例4における記載と同様に、pQR368bb−aluC09−aluF03プラスミドを各種BL21由来発現宿主に導入した。
pQR368bb−aluC09−aluF03プラスミドを全て持つ各種組換え発現株、大腸菌BL21 Star(DE3)pLysS、大腸菌BL21 Star(DE
3)、大腸菌BL21(DE3)および大腸菌BL21(DE3)pLysSの全細胞ヒドロキシ化活性を、実施例10の記載と同様に実施した。
A:元のフェレドキシンaluF03のストレプトマイセス・グリセウス(11796)由来フェレドキシンfd1との交換
P450aluF03と、フェレドキシン還元酵素SCF15Aと、元のフェレドキシンaluF03または近縁生物由来の別のフェレドキシン(ストレプトマイセス・グリセウス(S. griseus)(11796)由来のFd1、Hussain & Ward,. Appl Environ Microbiol. 2003; 69(1):373-82)とを発現する組換え型菌株の、ボセンタン基質およびジク
ロフェナク基質に対する全細胞ヒドロキシ化活性を比較した。
pQR368bb−aluC09−aluF03由来P450aluC09をpD454−SR:242370プラスミドにクローニングすることによって、元のフェレドキシンaluF03を、ストレプトマイセス・グリセウス(11796)由来のフェレドキシンfd1と交換した。前記P450aluC09遺伝子は、pQR368bb−aluC09−aluF03プラスミドDNAから、aluC09_p3C_Fプライマー(5’−プライマー配列−3’:ctttttgagaccttaaggaggtaaaaaATGTCTCATATGACTGACGTCGAGGAAACCAC)(配列番号12)およびaluC09_p3C_Rプライマー(5’−プライマー配列−3’:gatccgcactcacccgcatggtcatgaattctgtttcctataaTT
ACCAGGTGACCGGAAGGGCG)(配列番号13)を用いたPCRにより、実施例4の記載と同様に増幅した。1294bpの予測サイズのアンプリコンをアガロースゲルから精製した。
pD454−SR:24370プラスミドをNdeIおよびEcoRIで消化して、予測サイズが5616bpの生成物を得た。この消化生成物を、実施例4に記載のようにアガロースから精製した。Gibson assembly(ニュー・イングランド・バイオラボ社)により、この精製DNAを、NdeIおよびEcoRIで消化されたpD454−SR:242370プラスミドにアセンブルした。プロトコルは製造業者の取扱説明書に従い、等温インキュベーション工程は20分間行った。構築したプラスミドはp3C−AluC09と称した。
実施例10の記載と同様にして、p3C.1−AluC09−AluF03プラスミドまたはp3C−AluC09プラスミドを有する大腸菌BL21 Star(DE3)pLysSの、ボセンタン基質およびジクロフェナク基質に対する全細胞ヒドロキシ化活性を比較した。
さらに、P450aluC09が他の酸化還元パートナーからも電子を受け取れることを確認するために。pQR368bb−aluC09−aluF03プラスミド由来のフェレドキシンaluF03およびフェレドキシン還元酵素SCF15Aを、プチダ菌(Psuedomonas putida)(ATCC17453)由来のフェレドキシンcamBおよびフェレドキシン還元酵素camA酸化還元パートナーと交換した(Koga et al. J Biochem. 1989; 106(5):831-6)。
フェレドキシン還元酵素camB−フェレドキシンcamAオペロンを、プチダ菌(ATCC17453)から、PdR−Pdx_op_Fプライマー(5’−プライマー配列−3’:gtaaaaaatgtctcatATGGGCGGCGAATTCATGAACGCAAACGACAACGTG)(配列番号17)およびPdR−Pdx_op_Rプライマー(5’−プライマー配列−3’:gtgagacctcaaccgcggccgctcaTTACCATTGCCTATCGGGAAC)(配列番号18)を用いたPCRによって、実施例4の記載と同様に増幅した。1704bpの予測サイズのアンプリコンをアガロースゲルから精製した。
実施例13の記載と同様にして、Gibson assemblyにより、この精製DNAを、EcoRIおよびNotIで消化されたpD454−SR:242370プラスミドにアセンブルした。構築したプラスミドはpCamABnと称した。
実施例10の記載と同様にして、フェレドキシン還元酵素camA−フェレドキシンcamBオペロンを、pCamABnからpET29aプラスミドにサブクローニングした。pCamABnプラスミドおよびpET29aプラスミドはEcoRIおよびNotIで消化し、それぞれ1658bpおよび5345bpの断片をアガロースゲルから精製した。フェレドキシン還元酵素camA−フェレドキシンcamBオペロンを、T4 DNAリガーゼによりpET29aベクター骨格にサブクローニングした。構築したプラスミドはpET29a−PdR−PdXと称した。
P450aluC09遺伝子をpET29a−PdR−PdXプラスミドにクローニングすることで、P450aluC09、フェレドキシン還元酵素camAおよびフェレドキシンcamBを含有する単一の多シストロン性オペロンを得た。
Bとの交換の全細胞ヒドロキシ化活性に対する影響
実施例10の記載と同様にして、pHD02−AluC09−AluF03プラスミドまたはpHD02−AluC09−PdR−PdXプラスミドを有する大腸菌BL21(DE3)の、ボセンタン基質およびジクロフェナク基質に対する全細胞ヒドロキシ化活性を比較した。
Scheps et al. Microb Biotechnol. 2013; 6(6):694-707に記載される方法と同様にし
て、P450aluC09を、巨大菌由来P450BM3の還元酵素ドメインにインフレームで融合するように操作した。
終止コドンを持たないP450aluC09を、pQR368bb−aluC09−aluF03から、AluC09_BM3_Forプライマー(5’−プライマー配列−3’:tctcatATGACTGACGTCGAGGAAACCACC)(配列番号21)およびAluC09_LBM3_Revプライマー(5’−プライマー配列−3’:CTGTTCAGTGCTAGGTGAAGGAATGCTGCCGCCGCTGCCGCCGCTGCCGCCCCAGGTGACCGGAAGGGCGTGGAGGCCG)(配列番号22)を用いたPCRによって、実施例4の記載と同様に増幅した。1269bpの予測サイズのアンプリコンをアガロースゲルから精製した。
pET21a_BM3プラスミドはP450BM3の還元酵素ドメイン(配列番号23)を含有しており、ジェンスクリプト社(Genscript)によって構築された。pET21
a_BM3プラスミドをNdeIおよびBsmIで消化し、実施例4の記載と同様にして
、7155bpの予測サイズを有するバンドをアガロースゲルから精製した。
実施例10の記載と同様にして、pQR368bb−aluC09−aluF03プラスミドまたはpET21a−AluC09_BM3プラスミドを有する大腸菌BL21 Star(DE3)pLysSの、ボセンタン基質およびジクロフェナク基質に対する全細胞ヒドロキシ化活性を比較した。
融合産物の活性が向上することが期待される。
Claims (25)
- 有機化合物をヒドロキシ化するための、配列番号3を含むシトクロムP−450酵素、または配列番号3と少なくとも70%の同一性を有し且つCYP−450活性を有する変異型酵素の使用。
- 脂肪族基または芳香環のヒドロキシ化を触媒するために前記シトクロムP−450酵素が使用される、請求項1に記載の使用。
- 前記ヒドロキシ化がpH5.5〜13、好ましくはpH8〜11で起こる、請求項1または2に記載の使用。
- プロピル基またはブチル基のヒドロキシ化を触媒するために、好ましくはイソプロピル基またはイソブチル基のヒドロキシ化を触媒するために、より好ましくはtert−ブチル基のヒドロキシ化を触媒するために、前記シトクロムP−450酵素が使用される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の使用。
- ヒドロキシ化される化合物が式(II)の化合物であり、
式中、Rは化合物の残りの部分を表し、R1はCH3またはHである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の使用。 - ヒドロキシ化される化合物が、ボセンタン、ジクロフェナク、ブパルバコン、BIRB796またはリトナビルである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の使用。
- 前記シトクロムP−450酵素が、還元酵素成分と、好ましくはフェレドキシンおよびフェレドキシン還元酵素成分と併用される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の使用。
- 前記シトクロムP−450酵素が、配列番号3と少なくとも90%の同一性、好ましくは95%の同一性、より好ましくは96%の同一性、さらにより好ましくは97%の同一性、最も好ましくは100%の同一性を有する配列を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の使用。
- 前記P−450酵素が、精製された形態、部分精製された形態、粗酵素抽出物、組換え宿主細胞の形態、または天然宿主細胞の形態である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の使用。
- 前記シトクロムP−450酵素またはその変異型が、アミコラトプシス・ルリダ(Amycolatopsis lurida)(NRRL−2430)細胞に存在する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の使用。
- 前記シトクロムP−450酵素またはその変異型が、アミコラトプシス・ルリダ(NRRL2430)由来の、前記酵素をコードする異種核酸を含む少なくとも1種の組み換え
微生物によって発現される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の使用。 - ヒドロキシ化有機化合物の生産法であって、前記有機化合物と、配列番号3を含むシトクロムP−450酵素、または配列番号3と少なくとも70%の同一性を有し且つCYP−450活性を有する変異型酵素とを反応させることを含む、前記生産法。
- プロピル基またはブチル基のヒドロキシ化を触媒するために、好ましくはイソプロピル基またはイソブチル基のヒドロキシ化を触媒するために、より好ましくはtert−ブチル基のヒドロキシ化を触媒するために、前記酵素が使用される、請求項12に記載の方法。
- 式(II)の化合物のヒドロキシ化を触媒するために前記酵素が使用され、
式中、Rは化合物の残りの部分を表し、R1はCH3またはHである、請求項12または13に記載の方法。 - ヒドロキシ化される化合物が、ボセンタン、ジクロフェナク、ブパルバコン、BIRB796またはリトナビルである、請求項12〜14のいずれか一項に記載の方法。
- 前記シトクロムP−450酵素が、還元酵素成分と、好ましくはフェレドキシンおよびフェレドキシン還元酵素成分と併用される、請求項12〜15のいずれか一項に記載の方法。
- 前記シトクロムP−450酵素が、配列番号3と少なくとも90%の同一性、好ましくは95%の同一性、より好ましくは96%の同一性、さらにより好ましくは97%の同一性、最も好ましくは100%の同一性を有する配列を含む、請求項12〜16のいずれか一項に記載の方法。
- 前記P−450酵素が、精製された形態、部分精製された形態、粗酵素抽出物、組換え宿主細胞の形態、または天然宿主細胞の形態である、請求項12〜17のいずれか一項に記載の方法。
- 前記シトクロムP−450酵素またはその変異型がアミコラトプシス・ルリダ(NRRL−2430)細胞に存在し、且つ、前記細胞がヒドロキシ化される有機化合物を投与され、その後所望により前記細胞が回収および精製されることで前記ヒドロキシ化された化合物が得られる、請求項12〜18のいずれか一項に記載の方法。
- 前記シトクロムP−450酵素またはその変異型が、アミコラトプシス・ルリダ(NRRL2430)由来の、前記酵素をコードする異種核酸を含む少なくとも1種の組み換え微生物によって発現され、前記少なくとも1種の組み換え微生物がヒドロキシ化される有機化合物を投与され、その後所望により精製工程にかけられることで、前記ヒドロキシ化された化合物が得られる、請求項12〜19のいずれか一項に記載の方法。
- ヒドロキシ化される化合物がジクロフェナクである、請求項12に記載の方法。
- i)配列番号3を含むシトクロムP−450酵素、もしくは配列番号3と少なくとも70%の同一性を有し且つCYP−450活性を有する変異型酵素、または、ii)配列番号3を含むシトクロムP−450酵素、もしくは配列番号3と少なくとも70%の同一性を有し且つCYP−450活性を有する変異型酵素を発現する微生物を含み、且つ、有機化合物をヒドロキシ化するための使用説明書をさらに含む、キット。
- 還元剤、好ましくはフェレドキシン還元酵素およびフェレドキシンをさらに含み、所望により緩衝液をさらに含み、所望によりこれらが別々の成分として提供される、または単一の融合タンパク質コンストラクト内で連結されている、請求項22に記載の使用のためのキット。
- 1または複数の他のCYP−450酵素をさらに含む、請求項22または23に記載のキット。
- 前記シトクロムP−450酵素または微生物が凍結乾燥されている、請求項22〜24のいずれか一項に記載のキット。
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