サイクリン依存性キナーゼ(CDK)(例えば、サイクリン依存性キナーゼ12(CDK12))は、細胞周期の主要制御因子である。それらの継続的な活性化および不活性化は、周期を先へと進める。CDKの活性は、正および負のリン酸化、サイクリンのような制御性タンパク質の結合、およびCDK阻害剤など複数のメカニズムにより制御される。ほとんどのCDKは、完全なキナーゼ活性を獲得するために、Tループ中に位置するスレオニン残基のリン酸化を必要とする。このスレオニン残基は、細胞周期の制御において機能するすべてのCDKにおいて保存されている。CDK12は、転写において、およびあるいはDNA修復においてもまた役割を担う。これは、CDK12酵素複合体が細胞において、例えば細胞周期の制御、アポトーシス、転写制御、およびDNA修復といった、複数の機能に関連していることを示唆している。
サイクリン依存性キナーゼ12(CDK12)は、RNA PolIIのCTDドメイン上でのリン酸化のそのキナーゼ機能を通したRNAポリメラーゼIIを仲介した転写の伸長制御因子として認識されている。しかしながら、詳細なメカニズムは明確ではなく、CDK12によるCTD上のリン酸化の正確な部位はいまだ物議をかもしている。ゲノム全域にわたるスクリーニングはまた、DDR遺伝子の発現の制御を介したゲノム安定性を仲介することにおいて重要な役割を担うCDK12/サイクリンKを同定した。CDK12/サイクリンKの欠失は、細胞中のBRCA1、ATR、FANCI、およびFANCD2タンパク質などのゲノム安定性のいくつかの重要な制御因子を激しく損なった。さらにいくつかのCDK12の変異は、卵巣、乳房および前立腺を包含する様々な腫瘍においてすでに同定され、CDK12上のこれらの変化は、これらの腫瘍をシスプラチンならびにその誘導体などのDNA損傷剤、およびPARP阻害剤などのDNA修復阻害剤に対し増感させる。それゆえに、CDK12はがんおよび他の疾患のための薬剤の潜在的な治療標的となっている。CDK12上のシステイン1039は、CDK7のシステイン312から離れた3残基である。最近解明されたCDK12の構造は、システイン1039はまた、CDK7上のシステイン312と同様の方向で目標設定可能であることを示している。特定の理論に拘束されることを望むことなく、本発明の化合物のCDK12への選択性は、これらのキナーゼの特定のシステイン残基(例えば、CDK12のCys1039)に共有結合的に修飾する化合物の能力に起因するだろう。THZ1とは対照的に、これらの化合物はしかしながら、CDK7のシステイン312に拘束されず、他のCDKをもまた可逆的に阻害しない。特定の理論に拘束されることを望むことなく、本発明の化合物によるCDK12の不可逆阻害は、転写の長期の中断および種々のがん細胞株の下位集合のアポトーシスの誘導をもたらす。阻害剤処置の後のゲノム全域にわたる転写解析は、がん細胞の状態の維持においてCDK12応答性遺伝子が重要であることを詳述している。選択的なCDK12の共有結合的な阻害は、実行可能ながん治療戦略であるだろう。
本発明は、式(I’)および(II)の化合物、ならびにその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体、プロドラッグおよび組成物を提供する。式(I’)および(II)の化合物ならびにその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体、プロドラッグおよび組成物は、キナーゼの活性を阻害することができる。ある態様において、キナーゼは、CDKである。ある態様において、キナーゼは、CDK12である。ある態様において、式(I’)および(II)の化合物は、他のキナーゼと比較して、CDK12について選択的である。本発明はさらに、キナーゼ(例えばCDK12)の阻害を研究するために、ならびに、キナーゼ(例えばCDK12)の過剰発現および/または異常な(例えば、増加した)活性に関連する疾患の予防および/または処置のための治療として、本発明の化合物、ならびにその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体、プロドラッグおよび組成物を用いる方法を提供する。ある態様において、本発明の化合物は、対象における増殖性疾患(例えば、がん(例えば、白血病、リンパ腫、メラノーマ、多発性骨髄腫、乳がん、ユーイング肉腫、骨肉腫、脳がん、神経芽細胞腫、肺がん)、良性新生物、血管新生、炎症性疾患、自己炎症性疾患、および自己免疫性疾患)の予防および/または処置のために用いられる。
本発明は、式(I’)および(II)の化合物、ならびにその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体、プロドラッグおよび組成物を提供する。式(I’)および(II)の化合物ならびにその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体、プロドラッグおよび組成物は、キナーゼの活性を阻害することができる。本明細書において記載される化合物は、ある態様において具体的なCDKサブタイプ、例えばCDK12を選択的に阻害することができる。ある態様において、式(I’)および(II)の化合物は、他のキナーゼと比較して、CDK12について選択的である。本発明はまた、キナーゼ(例えばCDK12)の阻害を研究するために、ならびに、キナーゼ(例えばCDK12)の過剰発現および/または異常な活性に関連する疾患の予防および/または処置のための治療として、本発明の化合物、ならびにその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体、プロドラッグおよび組成物を用いる方法を提供する。ある態様において、本発明の化合物は、対象における増殖性疾患(例えば、がん(例えば、白血病、急性リンパ芽球性白血病、リンパ腫、バーキットリンパ腫、メラノーマ、多発性骨髄腫、乳がん、ユーイング肉腫、骨肉腫、脳がん、神経芽細胞腫、肺がん、大腸がん)、良性新生物、血管新生に関連する疾患、炎症性疾患、自己炎症性疾患、および自己免疫性疾患)の予防および/または処置のために用いられる。
一側面において、本発明は、式(I’)の化合物:
およびその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、およびプロドラッグを提供し、ここで環A、Z、W、R1b、R2、R3、R4、R7、R8、m、およびnは本明細書において定義されている。
一側面において、本発明は、式(I)の化合物:
およびその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、およびプロドラッグを提供し、ここで環A、Z、R1b、R2、R3、R4、R7、R8、m、およびnは本明細書において定義されている。
一側面において、本発明は、式(II)の化合物:
およびその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体およびプロドラッグを提供し、ここで環A、R1b、R3、R6、R7、R8、n、およびpが本明細書において定義されている。
別の側面において、本開示は、本明細書において記載される化合物および任意に薬学的に許容し得る賦形剤を包含する医薬組成物を提供する。ある態様において、本明細書において記載される医薬組成物は、本明細書において記載される化合物の治療または予防有効量を包含する。医薬組成物は、それを必要とする対象において増殖性疾患を処置するため、それを必要とする対象において増殖性疾患を予防するため、対象、生体試料、組織もしく細胞においてタンパク質キナーゼの活性を阻害するため、および/または細胞においてアポトーシスを誘導するために有用であり得る。ある態様において、増殖性疾患は、炎症性疾患である。ある態様において、炎症性疾患は、関節リウマチ、クローン病または繊維症である。
別の側面において、本発明は増殖性疾患の処置および/または予防のための方法を提供する。処置されるだろう例示的な増殖性疾患は、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)の過剰発現に関連する疾患、がん、良性新生物、血管新生に関連する疾患、炎症性疾患、自己炎症性疾患、および自己免疫性疾患である。ある態様において、増殖性疾患はがんである。ある態様において、がんは以下からなる群より選択される;膵がん、肺がん(例えば、小細胞肺がん(SCLC)、および非小細胞肺がん)、前立腺がん、乳がん、卵巣がん、腎臓がん、肝がん、ユーイング肉腫、骨肉腫、脳がん、神経芽細胞腫、および大腸がん。ある態様において、増殖性疾患は、良性新生物または血管新生に関連する疾患である。ある態様において、増殖性疾患は、自己炎症性疾患である。ある態様において、増殖性疾患は、自己免疫性疾患である。
本発明の別の側面は、本明細書において記載された化合物を使用して生体試料または対象においてキナーゼの活性(例えばCDK(例えばCDK12))を阻害する方法に関する。ある態様において、方法は、CDK12の選択的阻害を含む。
また本発明により提供されるのは、本発明に記載された化合物を使用して生体試料または対象の細胞において1つ以上の遺伝子の転写を阻害する方法である。CDK12の活性により影響を受ける遺伝子の転写は、本発明の化合物により阻害することができる。ある態様において、これらの遺伝子は、以下からなる群より選択される1つ以上であってもよい:BRCA1、FANCI、ATR、FANCD2、APEX1、NEK9、CHEK1、CHEK2、ATM、RAD51C、RAD51D、ORC3L、MDC1、TERF2、ERCC4、FANCF、PARP9、RUNX1、MYB、TAL1、MCL1、MYC、BCL2、ETS1、およびEWS−FLI。
本発明はまた、生体試料または対象において細胞増殖を阻害する方法を提供する。なお別の側面において、本発明は、生体試料または対象において細胞のアポトーシスを誘導する方法を提供する。
本発明は、それを必要とする対象に本明細書に記載されるような有効量の化合物、またはその医薬組成物を投与するための方法を提供する。また記載されるものは、細胞に本明細書に記載されるような有効量の化合物またはその医薬組成物を接触させるための方法である。ある態様において、本明細書に記載される方法はさらに、対象にさらなる医薬品を投与することを包含する。ある態様において、本明細書に記載される方法はさらに、細胞にさらなる医薬品を接触されることを包含する。本明細書に記載される方法はさらに、放射線療法、免疫療法、および/または対象への移植を実施することを包含するだろう。
さらに別の側面において、本発明は、対象における疾患(例えば、がんなどの増殖性疾患)の処置における使用のための、式(I’)および(II)の化合物ならびにその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体、プロドラッグおよび組成物を提供する。
本開示の別の側面は、本明細書に記載される化合物またはその医薬組成物の容器を含むキットに関する。本明細書に記載されるキットは、化合物または医薬組成物の単回用量(a single dose)または複数回用量(multiple doses)を包含し得る。キットは本開示の方法に有用であり得る。ある態様において、キットは化合物または医薬組成物を用いるための説明書をさらに包含する。本明細書に記載されるキットはまた、U.S.食品医薬品局(FDA)などの規制当局によって要求される情報(例えば処方の情報)をもまた包含する。
本発明の1つ以上の態様の詳細は、本明細書において記載される。本発明の他の特徴、目的および利点は、詳細な説明、例、図面および請求の範囲から明らかとなるであろう。
定義
具体的な官能基および化学用語の定義が下でより詳細に記載される。化学元素はHandbook of Chemistry and Physics, 75th Ed.内表紙の元素周期表CAS版に従って同定され、具体的な官能基はそこに記載されるどおりに一般に定義される。加えて、有機化学の一般の法則、さらには具体的な官能部分および反応性は、Thomas Sorrell, Organic Chemistry, University Science Books, Sausalito, 1999;Smith and March, March's Advanced Organic Chemistry, 5th Edition, John Wiley & Sons, Inc., New York, 2001;Larock, Comprehensive Organic Transformations, VCH Publishers, Inc., New York, 1989;および、Carruthers, Some Modern Methods of Organic Synthesis, 3rd Edition, Cambridge University Press, Cambridge, 1987に記載されている。本開示は、いかなるやり方によっても、本明細書に記載の置換基の例示列挙で限定されることを意図していない。
本明細書に記載される化合物は1つ以上の不斉中心を含み得、それゆえに種々の異性体形態、例えばエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーで存在し得る。例えば、本明細書に記載される化合物は単体のエナンチオマー、ジアステレオマー、もしくは幾何異性体の形態であり得るか、または、立体異性体の混合物の形態であり得る(ラセミ混合物および1つ以上の立体異性体が濃縮された混合物を包含する)。異性体は、当業者に知られている方法(キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)ならびにキラル塩の形成および結晶化を包含する)によって混合物から単離され得るか;または、好ましい異性体は、不斉合成によって調製され得る。例えば、Jacques et al., Enantomers, Racemates and Resolutions (Wiley Interscience, New York, 1981);Wilen et al., Tetrahedron 33:2725 (1977);Eliel, Stereochemistry of Carbon Compounds (McGraw-Hill, NY, 1962);および、Wilen, Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions p. 268 (E.L. Eliel, Ed., Univ. of Notre Dame Press, Notre Dame, IN 1972) を参照。本発明は、加えて、他の異性体が実質的にない単体の異性体としての、およびその代わりに、種々の異性体の混合物としての、本明細書に記載される化合物を包摂する。
値の範囲が列挙されるときには、範囲内の各値および部分範囲を包摂することが意図される。例えば「C1〜6」はC1、C2、C3、C4、C5、C6、C1〜6、C1〜5、C1〜4、C1〜3、C1〜2、C2〜6、C2〜5、C2〜4、C2〜3、C3〜6、C3〜5、C3〜4、C4〜6、C4〜5、およびC5〜6を包摂することが意図される。
「炭化水素鎖」は、置換または非置換の二価のアルキル、アルケニルまたはアルキニル基を指す。炭化水素鎖は、少なくとも1つの鎖、少なくとも1つの炭素原子を炭化水素鎖の2つのラジカルの間に包含している、各々の節(「炭素単位」)を包含する。例えば、炭化水素鎖−CAH(CBH2CCH3)−は、1つの炭素単位CAのみを包含する。用語「Cx炭化水素鎖」は、炭化水素鎖の2つのラジカルの間にxの数の炭素単位(単数または複数)を包含する炭化水素鎖を指し、ここでxは正の整数である。xの取り得る値が1つ以上ある場合に、xの最小の取り得る値が、炭化水素鎖の定義に用いられる。例えば、−CH(C2H5)−は、C1炭化水素鎖
であり、
は、C3炭化水素鎖である。例えば、C1−6炭化水素鎖といった値の範囲が使用されるとき、範囲の意味は本明細書に記載される通りである。炭化水素鎖は、飽和していてもよい(例えば、−(CH2)4−)。炭化水素鎖はまた、不飽和であっても、炭化水素鎖中のどこにでも1つ以上のC=Cおよび/またはC≡C結合を包含していてもよい。例えば、−CH=CH−(CH2)2−、−CH2−C≡C−CH2−、および−C≡C−CH=CH−はすべて非置換で不飽和の炭化水素鎖の例である。ある態様において、炭化水素鎖は、非置換(例えば、−(CH2)4−)である。ある態様において、炭化水素鎖は、置換されている(例えば、−CH(C2H5)−および−CF2−)。炭化水素鎖上のいずれか2つの置換基は、任意置換カルボシクリル、任意置換へテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール環を連結して形成してもよい。例えば、
は、すべて炭化水素鎖の例である。これに対して、ある態様において、
は、本明細書に記載される炭化水素の範囲にはない。
「アルキル」は、1〜20個の炭素原子を有する直鎖または分枝状飽和炭化水素基のラジカルを言う(「C1〜20アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は1〜10の炭素原子を有する(「C1〜10アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は1〜9つの炭素原子を有する(「C1〜9アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は1〜8つの炭素原子を有する(「C1〜8アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は1〜7つの炭素原子を有する(「C1〜7アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は1〜6つの炭素原子を有する(「C1〜6アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は1〜5つの炭素原子を有する(「C1〜5アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は1〜4つの炭素原子を有する(「C1〜4アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は1〜3つの炭素原子を有する(「C1〜3アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は1〜2つの炭素原子を有する(「C1〜2アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は1つの炭素原子を有する(「C1アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は2〜6つの炭素原子を有する(「C2〜6アルキル」)。C1〜6アルキル基の例は、メチル(C1)、エチル(C2)、n−プロピル(C3)、イソプロピル(C3)、n−ブチル(C4)、tert−ブチル(C4)、sec−ブチル(C4)、イソブチル(C4)、n−ペンチル(C5)、3−ペンタニル(C5)、アミル(C5)、ネオペンチル(C5)、3−メチル−2−ブタニル(C5)、第三級アミル(C5)、およびn−ヘキシル(C6)を包含する。アルキル基の追加の例はn−ヘプチル(C7)、n−オクチル(C8)、および同類を包含する。別様に指定されない限り、アルキル基のそれぞれは独立して非置換であるか(「非置換アルキル」)、または1つ以上の置換基によって置換される(「置換アルキル」)などの任意置換である。ある態様において、アルキル基は非置換C1〜10アルキルである(例えば−CH3)。ある態様において、アルキル基は置換C1〜10アルキルである。
「アルケニル」は、2〜20個の炭素原子、1つ以上の炭素−炭素二重結合を有し、三重結合を有さない、直鎖または分岐状炭化水素基のラジカルを指す(「C2〜20アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は2〜10個の炭素原子を有する(「C2〜10アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は2〜9個の炭素原子を有する(「C2〜9アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は2〜8個の炭素原子を有する(「C2〜8アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は2〜7個の炭素原子を有する(「C2〜7アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は2〜6個の炭素原子を有する(「C2〜6アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は2〜5つの炭素原子を有する(「C2〜5アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は2〜4個の炭素原子を有する(「C2〜4アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は2〜3個の炭素原子を有する(「C2〜3アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は2個の炭素原子を有する(「C2アルケニル」)。1個以上の炭素−炭素二重結合は、内部(例えば2−ブテニル中)または末端(例えば1−ブテニル中)であり得る。C2〜4アルケニル基の例は、エテニル(C2)、1−プロペニル(C3)、2−プロペニル(C3)、1−ブテニル(C4)、2−ブテニル(C4)、ブタジエニル(C4)、および同類を包含する。C2〜6アルケニル基の例は、前述のC2〜4アルケニル基、さらにはペンテニル(C5)、ペンタジエニル(C5)、ヘキセニル(C6)、および同類を包含する。アルケニルの追加の例はヘプテニル(C7)、オクテニル(C8)、オクタトリエニル(C8)、および同類を包含する。別様に指定されない限り、アルケニル基のそれぞれは、独立して任意に置換され、すなわち非置換であるか(「非置換アルケニル」)または1つ以上の置換基によって置換される(「置換アルケニル」)。ある態様において、アルケニル基は非置換C2〜10アルケニルである。ある態様において、アルケニル基は置換C2〜10アルケニルである。
「アルキニル」は、2〜20個の炭素原子、1つ以上の炭素−炭素三重結合、および任意に1つ以上の二重結合を有する、直鎖または分岐状炭化水素基のラジカルを指す(「C2〜20アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は2〜10個の炭素原子を有する(「C2〜10アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は2〜9個の炭素原子を有する(「C2〜9アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は2〜8個の炭素原子を有する(「C2〜8アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は2〜7個の炭素原子を有する(「C2〜7アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は2〜6個の炭素原子を有する(「C2〜6アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は2〜5個の炭素原子を有する(「C2〜5アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は2〜4個の炭素原子を有する(「C2〜4アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は2〜3個の炭素原子を有する(「C2〜3アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は2個の炭素原子を有する(「C2アルキニル」)。1個以上の炭素−炭素三重結合は内部(例えば2−ブチニル中)または末端(例えば1−ブチニル中)であり得る。C2〜4アルキニル基の例は、限定なしにエチニル(C2)、1−プロピニル(C3)、2−プロピニル(C3)、1−ブチニル(C4)、2−ブチニル(C4)、および同類を包含する。C2〜6アルケニル基の例は前述のC2〜4アルキニル基、さらにはペンチニル(C5)、ヘキシニル(C6)、および同類を包含する。アルキニルの追加の例は、ヘプチニル(C7)、オクチニル(C8)、および同類を包含する。別様に指定されない限り、アルキニル基のそれぞれは、独立して任意に置換され、すなわち非置換であるか(「非置換アルキニル」)または1つ以上の置換基によって置換される(「置換アルキニル」)。ある態様において、アルキニル基は非置換C2〜10アルキニルである。ある態様において、アルキニル基は置換C2〜10アルキニルである。
「カルボシクリル」または「炭素環式」は、3〜10個の環内炭素原子(「C3〜10カルボシクリル」)および0個(wwero)のヘテロ原子を非芳香族環系中に有する非芳香族環式炭化水素基のラジカルを指す。いくつかの態様において、カルボシクリル基は3〜8個の環内炭素原子を有する(「C3〜8カルボシクリル」)。いくつかの態様において、カルボシクリル基は3〜6個の環内炭素原子を有する(「C3〜6カルボシクリル」)。いくつかの態様において、カルボシクリル基は3〜6個の環内炭素原子を有する(「C3〜6カルボシクリル」)。いくつかの態様において、カルボシクリル基は5〜10個の環内炭素原子を有する(「C5〜10カルボシクリル」)。例示的なC3〜6カルボシクリル基は、限定なしにシクロプロピル(C3)、シクロプロペニル(C3)、シクロブチル(C4)、シクロブテニル(C4)、シクロペンチル(C5)、シクロペンテニル(C5)、シクロヘキシル(C6)、シクロヘキセニル(C6)、シクロヘキサジエニル(C6)、および同類を含む。例示的なC3〜8カルボシクリル基は、限定なしに、前述のC3〜6カルボシクリル基、さらにはシクロヘプチル(C7)、シクロヘプテニル(C7)、シクロヘプタジエニル(C7)、シクロヘプタトリエニル(C7)、シクロオクチル(C8)、シクロオクテニル(C8)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル(C7)、ビシクロ[2.2.2]オクタニル(C8)、および同類を含む。例示的なC3〜10カルボシクリル基は、限定なしに、前述のC3〜8カルボシクリル基、さらにはシクロノニル(C9)、シクロノネニル(C9)、シクロデシル(C10)、シクロデセニル(C10)、オクタヒドロ−1H−インデニル(C9)、デカヒドロナフタレニル(C10)、スピロ[4.5]デカニル(C10)、および同類を含む。前述の例が例示している通り、ある態様において、カルボシクリル基は単環式であるか(「単環式カルボシクリル」)、または縮合、架橋、もしくはスピロ環系、例えば二環式系を含有するか(「二環式カルボシクリル」)のいずれかであり、飽和であり得るかまたは部分不飽和であり得る。「カルボシクリル」はまた、上で定義されている炭素環式環が1つ以上のアリールまたはヘテロアリール基と縮合しており、取り付け点が炭素環式環上にある環系をも含む。かかる場合には、炭素数は炭素環式環系中の炭素数を継続して指示する。別様に指定されない限り、カルボシクリル基のそれぞれは、独立して任意に置換され、すなわち非置換であるか(「非置換カルボシクリル」)または1つ以上の置換基によって置換される(「置換カルボシクリル」)。ある態様において、カルボシクリル基は非置換C3〜10カルボシクリルである。ある態様において、カルボシクリル基は置換C3〜10カルボシクリルである。
いくつかの態様において、「カルボシクリル」は3〜10個の環内炭素原子を有する単環式飽和カルボシクリル基である(「C3〜10シクロアルキル」)。いくつかの態様において、シクロアルキル基は3〜8個の環内炭素原子を有する(「C3〜8シクロアルキル」)。いくつかの態様において、シクロアルキル基は3〜6個の環内炭素原子を有する(「C3〜6シクロアルキル」)。いくつかの態様において、シクロアルキル基は5〜6個の環内炭素原子を有する(「C5〜6シクロアルキル」)。いくつかの態様において、シクロアルキル基は5〜10個の環内炭素原子を有する(「C5〜10シクロアルキル」)。C5〜6シクロアルキル基の例はシクロペンチル(C5)およびシクロヘキシル(C5)を含む。C3〜6シクロアルキル基の例は、前述のC5〜6シクロアルキル基、さらにはシクロプロピル(C3)およびシクロブチル(C4)を含む。C3〜8シクロアルキル基の例は前述のC3〜6シクロアルキル基、さらにはシクロヘプチル(C7)およびシクロオクチル(C8)を含む。別様に指定されない限り、シクロアルキル基のそれぞれは、独立して非置換であるか(「非置換シクロアルキル」)または1つ以上の置換基によって置換される(「置換シクロアルキル」)。ある態様において、シクロアルキル基は非置換C3〜10シクロアルキルである。ある態様において、シクロアルキル基は置換C3〜10シクロアルキルである。
「ヘテロシクリル」または「ヘテロ環式」は、環内炭素原子および1〜4個の環内ヘテロ原子を有する3〜10員非芳香族環系のラジカルを指し、各へテロ原子は独立して窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リン、およびケイ素から選択される(「3〜10員ヘテロシクリル」)。1以上の窒素原子を含有するヘテロシクリル基において、原子価が許容すれば取り付け点は炭素または窒素原子であり得る。ヘテロシクリル基は単環式(「単環式ヘテロシクリル」)または縮合、架橋、もしくはスピロ環系(例えば二環式系(「二環式ヘテロシクリル」))のいずれかであり得、飽和であり得るかまたは部分不飽和であり得る。ヘテロシクリル二環式環系は1以上のへテロ原子を一方または両方の環中に含み得る。「ヘテロシクリル」は、上で定義されているヘテロ環式環が1以上のカルボシクリル基と縮合しており、取り付け点がカルボシクリルもしくはヘテロ環式環上のいずれかにある環系、または、上で定義されているヘテロ環式環が1以上のアリールもしくはヘテロアリール基と縮合しており、取り付け点がヘテロ環式環上にある環系をもまた包含する。かかる場合には、環員数はヘテロ環式環系中の環員数を継続して指示する。別様に指定されない限り、ヘテロシクリルのそれぞれは独立して任意に置換され、すなわち非置換であるか(「非置換ヘテロシクリル」)または1以上の置換基によって置換される(「置換ヘテロシクリル」)。ある態様において、ヘテロシクリル基は非置換3〜10員ヘテロシクリルである。ある態様において、ヘテロシクリル基は置換3〜10員ヘテロシクリルである。
いくつかの態様において、ヘテロシクリル基は環内炭素原子および1〜4個の環内ヘテロ原子を有する5〜10員非芳香族環系であり、各へテロ原子は独立して窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リン、およびケイ素から選択される(「5〜10員ヘテロシクリル」)。いくつかの態様において、ヘテロシクリル基は環内炭素原子および1〜4個の環内ヘテロ原子を有する5〜8員非芳香族環系であり、各へテロ原子は独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される(「5〜8員ヘテロシクリル」)。いくつかの態様において、ヘテロシクリル基は環内炭素原子および1〜4個の環内ヘテロ原子を有する5〜6員非芳香族環系であり、各へテロ原子は独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される(「5〜6員ヘテロシクリル」)。いくつかの態様において、5〜6員ヘテロシクリルは窒素、酸素、および硫黄から選択される1〜3個の環内ヘテロ原子を有する。いくつかの態様において、5〜6員ヘテロシクリルは窒素、酸素、および硫黄から選択される1〜2個の環内ヘテロ原子を有する。いくつかの態様において、5〜6員ヘテロシクリルは窒素、酸素、および硫黄から選択される1個の環内ヘテロ原子を有する。
1個のへテロ原子を含有する例示的な3員ヘテロシクリル基は、限定なしにアジルジニル(azirdinyl)、オキシラニル、およびチイラニル(thiiranyl)を包含する。1個のへテロ原子を含有する例示的な4員ヘテロシクリル基は、限定なしにアゼチジニル、オキセタニル、およびチエタニルを包含する。1個のへテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロシクリル基は、限定なしにテトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチオフェニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリル、およびピロリル−2,5−ジオンを包含する。2個のへテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロシクリル基は、限定なしにジオキソラニル、オキサスルフラニル、ジスルフラニル、およびオキサゾリジン−2−オンを包含する。3個のへテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロシクリル基は、限定なしにトリアゾリニル、オキサジアゾリニル、およびチアジアゾリニルを包含する。1個のへテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロシクリル基は、限定なしにピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピリジニル、およびチアニルを包含する。2個のへテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロシクリル基は、限定なしにピペラジニル、モルホリニル、ジチアニル、ジオキサニルを包含する。2個のへテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロシクリル基は、限定なしにトリアジナニルを包含する。1個のへテロ原子を含有する例示的な7員ヘテロシクリル基は、限定なしにアゼパニル、オキセパニル、およびチエパニルを包含する。1個のへテロ原子を含有する例示的な8員ヘテロシクリル基は、限定なしにアゾカニル、オキセカニル、およびチオカニルを包含する。C6アリール環に対して縮合した例示的な5員ヘテロシクリル基(本明細書においては5,6−二環式ヘテロ環式環ともまた言われる)は、限定なしにインドリニル、イソインドリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリノニル、および同類を包含する。アリール環に対して縮合した例示的な6員ヘテロシクリル基(本明細書においては6,6−二環式ヘテロ環式環ともまた言われる)は、限定なしにテトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、および同類を包含する。
「アリール」は、芳香族環系中に提供された6〜14個の環内炭素原子およびゼロ個のへテロ原子を有する、単環式または多環式(例えば、二環式または三環式)4n+2芳香族環系(例えば、環式アレイ中に共有された6、10、または14個のπ電子を有する)のラジカルを指す(「C6〜14アリール」)。いくつかの態様において、アリール基は6つの環内炭素原子を有する(「C6アリール」、例えばフェニル)。いくつかの態様において、アリール基は10個の環内炭素原子を有する(「C10アリール」、例えば1−ナフチルおよび2−ナフチルなどのナフチル)。いくつかの態様において、アリール基は14個の環内炭素原子を有する(「C14アリール」、例えばアントラシル(anthracyl))。「アリール」はまた、上で定義されているアリール環が1以上のカルボシクリルまたはヘテロシクリル基と縮合しており、ラジカルまたは取り付け点がアリール環上にある環系をも包含する。かかる場合には、炭素原子数はアリール環系中の炭素原子数を継続して指示する。別様に指定されない限り、アリール基のそれぞれは、独立して任意に置換され、すなわち非置換であるか(「非置換アリール」)または1以上の置換基によって置換される(「置換アリール」)。ある態様において、アリール基は非置換C6〜14アリールである。ある態様において、アリール基は置換C6〜14アリールである。
「アラルキル」はアルキルおよびアリールの下位集合であり、任意置換アリール基によって置換された、任意置換アルキル基を指す。ある態様において、アラルキルは任意置換ベンジルである。ある態様において、アラルキルはベンジルである。ある態様において、アラルキルは任意置換フェネチルである。ある態様において、アラルキルはフェネチルである。
「ヘテロアリール」は、芳香族環系中に提供された環内炭素原子および1〜4個の環内ヘテロ原子を有する5〜10員単環式または二環式4n+2芳香族環系(例えば、環式アレイ中に共有された6または10個のp電子を有する)のラジカルを指し、各へテロ原子は独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される(「5〜10員ヘテロアリール」)。1以上の窒素原子を含有するヘテロアリール基において、原子価が許容する限りにおいて取り付け点は炭素または窒素原子であり得る。ヘテロアリール二環式環系は1以上のへテロ原子を一方または両方の環中に含み得る。「ヘテロアリール」は、上で定義されているヘテロアリール環が1以上のカルボシクリルまたはヘテロシクリル基と縮合しており、取り付け点がヘテロアリール環上にある環系を包含する。かかる場合には、環員数はヘテロアリール環系中の環員数を継続して指示する。「ヘテロアリール」は、上で定義されているヘテロアリール環が1以上のアリール基と縮合しており、取り付け点がアリールまたはヘテロアリール環上のいずれかにある環系をもまた包含する。かかる場合には、環員数は縮合(アリール/ヘテロアリール)環系中の環員数を指示する。一方の環がへテロ原子を含有しない二環式ヘテロアリール基(例えば、インドリル、キノリニル、カルバゾリル、および同類)において、取り付け点はいずれかの環(すなわち、へテロ原子を持つ環(例えば2−インドリル)またはへテロ原子を含有しない環(例えば5−インドリル)いずれか)上にあり得る。
いくつかの態様において、ヘテロアリール基は、芳香族環系中に提供された環内炭素原子および1〜4員の環内ヘテロ原子を有する5〜10員芳香族環系であり、各ヘテロ原子は独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される(「5〜10員ヘテロアリール」)。いくつかの態様において、ヘテロアリール基は、芳香族環系中に提供される環内炭素原子および1〜4個の環内ヘテロ原子を有する5〜8員の芳香族環系であり、ここで、各々のヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素および硫黄から選択される(「5〜8員のヘテロアリール」)。いくつかの態様において、ヘテロアリール基は、芳香族環系中に提供される環内炭素原子および1〜4個の環内ヘテロ原子を有する5〜6員の芳香族環系であって、ここで、各々のヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素および硫黄から選択される(「5〜6員のヘテロアリール」)。いくつかの態様において、5〜6員ヘテロアリールは窒素、酸素、および硫黄から選択される1〜3個の環内ヘテロ原子を有する。いくつかの態様において、5〜6員ヘテロアリールは窒素、酸素、および硫黄から選択される1〜2個の環内ヘテロ原子を有する。いくつかの態様において、5〜6員ヘテロアリールは窒素、酸素、および硫黄から選択される1個の環内ヘテロ原子を有する。別様に指定されない限り、ヘテロアリール基のそれぞれは、独立して任意に置換され、すなわち非置換(「非置換ヘテロアリール」)または1以上の置換基によって置換される(「置換ヘテロアリール」)。ある態様において、ヘテロアリール基は非置換5〜14員ヘテロアリールである。ある態様において、ヘテロアリール基は置換5〜14員ヘテロアリールである。
1個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロアリール基は、限定なしにピロリル、フラニル、およびチオフェニルを包含する。2個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロアリール基は、限定なしに、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、およびイソチアゾリルを包含する。3個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロアリール基は、限定なしに、トリアゾリル、オキサジアゾリル、およびチアジアゾリルを包含する。4個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロアリール基は、限定なしにテトラゾリルを包含する。1つのヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロアリール基は、限定なしにピリジニルを包含する。2個のヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロアリール基は、限定なしにピリダジニル、ピリミジニル、およびピラジニルを包含する。3または4個のヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロアリール基は、限定なしにトリアジニルおよびテトラジニルをそれぞれ包含する。1個のヘテロ原子を含有する例示的な7員ヘテロアリール基は、限定なしに、アゼピニル、オキセピニル、およびチエピニルを包含する。例示的な5,6−二環式ヘテロアリール基は、限定なしに、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイソフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、インドリジニル、およびプリニルを包含する。例示的な6,6−二環式ヘテロアリール基は、限定なしに、ナフチリジニル、プテリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、フタラジニル、およびキナゾリニルを包含する。
「ヘテロアラルキル」はアルキルおよびヘテロアリールの下位集合であり、任意置換ヘテロアリール基によって置換された任意置換アルキル基を指す。
「部分不飽和」は、少なくとも1つの二重または三重結合を包含する基を指す。「部分不飽和」環系は、不飽和の複数部位を有する環を包摂することをさらに意図されるが、本明細書において定義される芳香族基(例えばアリールまたはヘテロアリール基)を包含することは意図されない。同様に、「飽和」は、二重または三重結合を含有しない、すなわち全て単結合を含有する基を指す。
さらに、二価性架橋基であるアルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリール基は接尾辞エン(-ene)を使用して言及される。例えば、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、カルボシクリレン、ヘテロシクリレン、アリーレン、およびヘテロアリーレンである。
用語「任意置換」は、置換または非置換を指す。
アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリール基は任意置換である(例えば、「置換」もしくは「非置換」アルキル、「置換」もしくは「非置換」アルケニル、「置換」もしくは「非置換」アルキニル、「置換」もしくは「非置換」カルボシクリル、「置換」もしくは「非置換」ヘテロシクリル、「置換」もしくは「非置換」アリール、または「置換」もしくは「非置換」ヘテロアリール基)。一般に、用語「置換」は、用語「任意」によって先行されているか否かにかかわらず、基(例えば炭素または窒素原子)の上に存在する少なくとも1個の水素が、許容される置換基(例えば、置換によって安定な化合物(例えば、転位、環化、脱離、または他の反応などによって自発的に変換をしない化合物)をもたらす置換基)によって置き換えられるということを意味する。別様に表されない限り、「置換」された基は基の1つ以上の置換可能な位置に置換基を有し、いずれかの所与の構造中の1つの位置よりも多くが置換されるときには、置換基は各位置において同じかまたは異なるかのいずれかである。用語「置換」は、有機化合物の全ての許容される置換基、安定な化合物の形成をもたらす本明細書に記載される置換基のいずれかによる置換を包含すると企図する。本発明は、安定な化合物に達するためにいずれかのおよび全てのかかる組み合わせを企図する。本発明の目的のためには、窒素などのへテロ原子は、へテロ原子の原子価を満たし且つ安定な部分の形成をもたらす本明細書に記載される水素置換基および/またはいずれかの好適な置換基を有し得る。
例示的な炭素原子置換基は、ハロゲン、−CN、−NO2、−N3、−SO2H、−SO3H、−OH、−ORaa、−ON(Rbb)2、−N(Rbb)2、−N(Rbb)3 +X−、−N(ORcc)Rbb、−SH、−SRaa、−SSRcc、−C(=O)Raa、−CO2H、−CHO、−C(ORcc)2、−CO2Raa、−OC(=O)Raa、−OCO2Raa、−C(=O)N(Rbb)2、−OC(=O)N(Rbb)2、−NRbbC(=O)Raa、−NRbbCO2Raa、−NRbbC(=O)N(Rbb)2、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa、−OC(=NRbb)Raa、−OC(=NRbb)ORaa、−C(=NRbb)N(Rbb)2、−OC(=NRbb)N(Rbb)2、−NRbbC(=NRbb)N(Rbb)2、−C(=O)NRbbSO2Raa、−NRbbSO2Raa、−SO2N(Rbb)2、−SO2Raa、−SO2ORaa、−OSO2Raa、−S(=O)Raa、−OS(=O)Raa、−Si(Raa)3、−OSi(Raa)3、−C(=S)N(Rbb)2、−C(=O)SRaa、−C(=S)SRaa、−SC(=S)SRaa、−SC(=O)SRaa、−OC(=O)SRaa、−SC(=O)ORaa、−SC(=O)Raa、−P(=O)(Raa)2、−P(=O)(ORcc)2、−OP(=O)(Raa)2、−OP(=O)(ORcc)2、−P(=O)(N(Rbb)2)2、−OP(=O)(N(Rbb)2)2、−NRbbP(=O)(Raa)2、−NRbbP(=O)(ORcc)2、−NRbbP(=O)(N(Rbb)2)2、−P(Rcc)2、−P(ORcc)2、−P(Rcc)3 +X−、−P(ORcc)3 +X−、−P(Rcc)4、−P(ORcc)4、−OP(Rcc)2、−OP(Rcc)3 +X−、−OP(ORcc)2、−OP(ORcc)3 +X−、−OP(Rcc)4、−OP(ORcc)4、−B(Raa)2、−B(ORcc)2、−BRaa(ORcc)、C1〜10アルキル、C1〜10ペルハロアルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、ヘテロC1〜10アルキル、ヘテロC2〜10アルケニル、ヘテロC2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員ヘテロシクリル、C6〜14アリール、および5〜14員ヘテロアリールを包含するが、これに限定されず、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して0、1、2、3、4、もしくは5つのRdd基によって置換されるか;ここで、X−は対イオンである;
または、炭素原子上の2つのジェミナルな水素が、基=O、=S、=NN(Rbb)2、=NNRbbC(=O)Raa、=NNRbbC(=O)ORaa、=NNRbbS(=O)2Raa、=NRbb、もしくは=NORccによって置き換えられ;
Raaのそれぞれは独立してC1〜10アルキル、C1〜10ペルハロアルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、ヘテロC1〜10アルキル、ヘテロC2〜10アルケニル、ヘテロC2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員ヘテロシクリル、C6〜14アリール、および5〜14員ヘテロアリールから選択されるか、または、2つのRaa基が連結されて3〜14員ヘテロシクリルもしくは5〜14員ヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して0、1、2、3、4、または5つのRdd基によって置換され;
Rbbのそれぞれは独立して水素、−OH、−ORaa、−N(Rcc)2、−CN、−C(=O)Raa、−C(=O)N(Rcc)2、−CO2Raa、−SO2Raa、−C(=NRcc)ORaa、−C(=NRcc)N(Rcc)2、−SO2N(Rcc)2、−SO2Rcc、−SO2ORcc、−SORaa、−C(=S)N(Rcc)2、−C(=O)SRcc、−C(=S)SRcc、−P(=O)(Raa)2、−P(=O)(ORcc)2、−P(=O)(N(Rcc)2)2、C1〜10アルキル、C1〜10ペルハロアルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、ヘテロC1〜10アルキル、ヘテロC2〜10アルケニル、ヘテロC2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員ヘテロシクリル、C6〜14アリール、および5〜14員ヘテロアリールから選択されるか、または、2つのRbb基が連結されて3〜14員ヘテロシクリルもしくは5〜14員ヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して0、1、2、3、4、または5つのRdd基によって置換され;ここで、X−は対イオンである;
Rccのそれぞれは独立して水素、C1〜10アルキル、C1〜10ペルハロアルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、ヘテロC1〜10アルキル、ヘテロC2〜10アルケニル、ヘテロC2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員ヘテロシクリル、C6〜14アリール、および5〜14員ヘテロアリールから選択されるか、または、2つのRcc基が連結されて3〜14員ヘテロシクリルもしくは5〜14員ヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して0、1、2、3、4、または5つのRdd基によって置換され;
Rddのそれぞれは独立してハロゲン、−CN、−NO2、−N3、−SO2H、−SO3H、−OH、−ORee、−ON(Rff)2、−N(Rff)2、−N(Rff)3 +X−、−N(ORee)Rff、−SH、−SRee、−SSRee、−C(=O)Ree、−CO2H、−CO2Ree、−OC(=O)Ree、−OCO2Ree、−C(=O)N(Rff)2、−OC(=O)N(Rff)2、−NRffC(=O)Ree、−NRffCO2Ree、−NRffC(=O)N(Rff)2、−C(=NRff)ORee、−OC(=NRff)Ree、−OC(=NRff)ORee、−C(=NRff)N(Rff)2、−OC(=NRff)N(Rff)2、−NRffC(=NRff)N(Rff)2、−NRffSO2Ree、−SO2N(Rff)2、−SO2Ree、−SO2ORee、−OSO2Ree、−S(=O)Ree、−Si(Ree)3、−OSi(Ree)3、−C(=S)N(Rff)2、−C(=O)SRee、−C(=S)SRee、−SC(=S)SRee、−P(=O)(ORee)2、−P(=O)(Ree)2、−OP(=O)(Ree)2、−OP(=O)(ORee)2、C1〜6アルキル、C1〜6ペルハロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ヘテロC1〜6アルキル、ヘテロC2〜6アルケニル、ヘテロC2〜6アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜10員ヘテロシクリル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリールから選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して0、1、2、3、4、もしくは5つのRgg基によって置換されるか、または、2つのジェミナルRdd置換基が連結されて=Oもしくは=Sを形成し得;ここで、X−は対イオンである;
Reeのそれぞれは独立してC1〜6アルキル、C1〜6ペルハロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ヘテロC1〜6アルキル、ヘテロC2〜6アルケニル、ヘテロC2〜6アルキニル、C3〜10カルボシクリル、C6〜10アリール、3〜10員ヘテロシクリル、および3〜10員ヘテロアリールから選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して0、1、2、3、4、または5つのRgg基によって置換され;
Rffのそれぞれは独立して水素、C1〜6アルキル、C1〜6ペルハロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ヘテロC1〜6アルキル、ヘテロC2〜6アルケニル、ヘテロC2〜6アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜10員ヘテロシクリル、C6〜10アリール、および5〜10員ヘテロアリールから選択されるか、または、2つのRff基が連結されて3〜10員ヘテロシクリルもしくは5〜10員ヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して0、1、2、3、4、または5つのRgg基によって置換され;ならびに、
Rggのそれぞれは独立してハロゲン、−CN、−NO2、−N3、−SO2H、−SO3H、−OH、−OC1〜6アルキル、−ON(C1〜6アルキル)2、−N(C1〜6アルキル)2、−N(C1〜6アルキル)3 +X−、−NH(C1〜6アルキル)2 +X−、−NH2(C1〜6アルキル)+X−、−NH3 +X−、−N(OC1〜6アルキル)(C1〜6アルキル)、−N(OH)(C1〜6アルキル)、−NH(OH)、−SH、−SC1〜6アルキル、−SS(C1〜6アルキル)、−C(=O)(C1〜6アルキル)、−CO2H、−CO2(C1〜6アルキル)、−OC(=O)(C1〜6アルキル)、−OCO2(C1〜6アルキル)、−C(=O)NH2、−C(=O)N(C1〜6アルキル)2、−OC(=O)NH(C1〜6アルキル)、−NHC(=O)(C1〜6アルキル)、−N(C1〜6アルキル)C(=O)(C1〜6アルキル)、−NHCO2(C1〜6アルキル)、−NHC(=O)N(C1〜6アルキル)2、−NHC(=O)NH(C1〜6アルキル)、−NHC(=O)NH2、−C(=NH)O(C1〜6アルキル)、−OC(=NH)(C1〜6アルキル)、−OC(=NH)OC1〜6アルキル、−C(=NH)N(C1〜6アルキル)2、−C(=NH)NH(C1〜6アルキル)、−C(=NH)NH2、−OC(=NH)N(C1〜6アルキル)2、−OC(NH)NH(C1〜6アルキル)、−OC(NH)NH2、−NHC(NH)N(C1〜6アルキル)2、−NHC(=NH)NH2、−NHSO2(C1〜6アルキル)、−SO2N(C1〜6アルキル)2、−SO2NH(C1〜6アルキル)、−SO2NH2、−SO2C1〜6アルキル、−SO2OC1〜6アルキル、−OSO2C1〜6アルキル、−SOC1〜6アルキル、−Si(C1〜6アルキル)3、−OSi(C1〜6アルキル)3、−C(=S)N(C1〜6アルキル)2、C(=S)NH(C1〜6アルキル)、C(=S)NH2、−C(=O)S(C1〜6アルキル)、−C(=S)SC1〜6アルキル、−SC(=S)SC1〜6アルキル、−P(=O)(OC1〜6アルキル)2、−P(=O)(C1〜6アルキル)2、−OP(=O)(C1〜6アルキル)2、−OP(=O)(OC1〜6アルキル)2、C1〜6アルキル、C1〜6ペルハロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ヘテロC1〜6アルキル、ヘテロC2〜6アルケニル、ヘテロC2〜6アルキニル、C3〜10カルボシクリル、C6〜10アリール、3〜10員ヘテロシクリル、5〜10員ヘテロアリールであるか;または、2つのジェミナルなRgg置換基が連結されて=Oもしくは=Sを形成し得;ここで、X−は対イオンである。
「対イオン」または「アニオン性対イオン」は、電子的中性を保つために、正電荷を帯びる基と結合した負電荷を帯びる基である。アニオン性対イオンは、一価であってもよい(すなわち1個の負の形式電荷を包含する)。アニオン性対イオンはまた、二価または三価などの多価であってもよい(すなわち1個より多くの負の形式電荷を包含する)。例示的な対イオンは、ハロゲン化物イオン(例えば、F−、Cl−、Br−、I−)、NO3 −、ClO4 −、OH−、H2PO4 −、HCO3 −、HSO4 −、スルホン酸イオン(例えば、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、10−カンファースルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ナフタレン−1−スルホン酸−5−スルホン酸、エタン−1−スルホン酸−2−スルホン酸、および同類)、およびカルボン酸イオン(例えば、酢酸、プロパン酸、安息香酸、グリセリン酸、乳酸、酒石酸、グリコール酸、グルコン酸、および同類)、BF4 −、PF4 −、PF6 −、AsF6 −、SbF6 −、B[3,5−(CF3)2C6H3]4]−、B(C6F5)4 −、BPh4 −、Al(OC(CF3)3)4 −、ならびにカルボランアニオン(例えば、CB11H12 −または(HCB11Me5Br6)−)を包含する。多価であってもよい例示的な対イオンは、CO3 2−、HPO4 2−、PO4 3−、B4O7 2−、SO4 2−、S2O3 2−、カルボン酸アニオン(例えば、酒石酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、グルコン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、サリチル酸、フタル酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、および同類)、ならびにカルボランを包含する。
「ハロ」または「ハロゲン」は、フッ素(フルオロ、−F)、塩素(クロロ、−Cl)、臭素(ブロモ、−Br)、またはヨウ素(ヨード、−I)を指す。
用語「アシル」は、一般式−C(=O)RX1、−C(=O)ORX1、−C(=O)−O−C(=O)RX1、−C(=O)SRX1、−C(=O)N(RX1)2、−C(=S)RX1、−C(=S)N(RX1)2、および−C(=S)S(RX1)、−C(=NRX1)RX1、−C(=NRX1)ORX1、−C(=NRX1)SRX1、および−C(=NRX1)N(RX1)2を有する基を指し、ここでRX1は水素;ハロゲン;置換または非置換のヒドロキシル;置換または非置換のチオール;置換または非置換のアミノ;置換または非置換のアシル、環式または非環式、置換または非置換の、分枝状または非分枝状の脂肪族;環式または非環式、置換または非置換の、分枝状または非分枝状のヘテロ脂肪族;環式または非環式、置換または非置換の、分枝状または非分枝状のアルキル;環式または非環式、置換または非置換の、分枝状または非分枝状のアルケニル;置換または非置換のアルキニル;置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、脂肪族オキシ、ヘテロ脂肪族オキシ、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ、ヘテロ脂肪族チオキシ、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシ、モノ−またはジ−脂肪酸アミノ、モノ−またはジ−ヘテロ脂肪酸アミノ、モノ−またはジ−アルキルアミノ、モノ−またはジ−ヘテロアルキルアミノ、モノ−またはジ−アリールアミノ、またはモノ−またはジ−ヘテロアリールアミノ;またはあわさって5〜6員のヘテロ環式環を形成する2つのRX1基である。例示的なアシル基は、アルデヒド(−CHO)、カルボン酸(−CO2H)、ケトン、アシルハロゲン化物、エステル、アミド、イミン、炭酸塩、カルバメート、および尿素を包含する。アシル置換基は、これらに限定されるものではないが、本明細書に記載された置換基のいずれかであって、安定な部分の形態をもたらすもの(例えば、脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ環式、アリール、ヘテロアリール、アシル、オキソ、イミノ、チオオキソ、シアノ、イソシアノ、アミノ、アジド、ニトロ、ヒドロキシル、チオール、ハロ、脂肪酸アミノ、ヘテロ脂肪酸アミノ、アルキルアミノ、ヘテロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アルキルアリール、アリールアルキル、脂肪族オキシ、ヘテロ脂肪族オキシ、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ、ヘテロ脂肪族チオキシ、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシ、アシルオキシ、およびそのようなもの、さらに置換されていてもされていなくてもよいそれらの各々)を包含する。
「アルコキシ」または「アルコキシル」は、式:−O−アルキルのラジカルを指す。
窒素原子は、原子価が許容する限りにおいて、置換または非置換であり得、一級、二級、三級、および四級窒素原子を包含する。例示的な窒素原子置換基は、水素、−OH、−ORaa、−N(Rcc)2、−CN、−C(=O)Raa、−C(=O)N(Rcc)2、−CO2Raa、−SO2Raa、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRcc)ORaa、−C(=NRcc)N(Rcc)2、−SO2N(Rcc)2、−SO2Rcc、−SO2ORcc、−SORaa、−C(=S)N(Rcc)2、−C(=O)SRcc、−C(=S)SRcc、−P(=O)(ORcc)2、−P(=O)(Raa)2、−P(=O)(N(Rcc)2)2、C1〜10アルキル、C1〜10ペルハロアルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、ヘテロC1〜10アルキル、ヘテロC2〜10アルケニル、ヘテロC2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員ヘテロシクリル、C6〜14アリール、および5〜14員ヘテロアリールを包含するが、これに限定されず、または、窒素原子に取り付けられた2つのRcc基が連結されて3〜14員ヘテロシクリルもしくは5〜14員ヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して0、1、2、3、4、または5個のRdd基によって置換され、Raa、Rbb、Rcc、およびRddは上で定義されているとおりである。
ある態様において、窒素原子上に存在する置換基は、窒素保護基である(アミノ保護基ともまた言われる)。窒素保護基は、−OH、−ORaa、−N(Rcc)2、−C(=O)Raa、−C(=O)N(Rcc)2、−CO2Raa、−SO2Raa、−C(=NRcc)Raa、−C(=NRcc)ORaa、−C(=NRcc)N(Rcc)2、−SO2N(Rcc)2、−SO2Rcc、−SO2ORcc、−SORaa、−C(=S)N(Rcc)2、−C(=O)SRcc、−C(=S)SRcc、C1〜10アルキル(例えば、アラルキル、ヘテロアラルキル)、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員ヘテロシクリル、C6〜14アリール、および5〜14員ヘテロアリール基を包含するが、これに限定されず、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アリール、およびヘテロアリールは独立して0、1、2、3、4、または5個のRdd基によって置換され、Raa、Rbb、Rcc、およびRddは本明細書において定義される通りである。窒素保護基は当該技術分野において周知であり、参照によって本明細書に組み込まれるProtecting Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd edition, John Wiley & Sons, 1999に詳細に記載されているものを包含する。
例えば、アミド基などの窒素保護基(例えば−C(=O)Raa)は、ホルムアミド、アセトアミド、クロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、トリフルオロアセトアミド、フェニルアセトアミド、3−フェニルプロパンアミド、ピコリンアミド、3−ピリジルカルボキサミド、N−ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、ベンズアミド、p−フェニルベンズアミド、o−ニトロフェニルアセトアミド、o−ニトロフェノキシアセトアミド、アセトアセトアミド、(Ν’−ジチオベンジルオキシアシルアミノ)アセトアミド、3−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンアミド、3−(o−ニトロフェニル)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−ニトロフェノキシ)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−フェニルアゾフェノキシ)プロパンアミド、4−クロロブタンアミド、3−メチル−3−ニトロブタンアミド、o−ニトロケイ皮酸アミド、N−アセチルメチオニン誘導体、o−ニトロベンズアミド、およびo−(ベンゾイルオキシメチル)ベンズアミドを包含するが、これらに限定されない。
カルバメート基などの窒素保護基(例えば−C(=O)ORaa)は、メチルカルバメート、エチルカルバメート(ethyl carbamante)、9−フルオレニルメチルカルバメート(Fmoc)、9−(2−スルホ)フルオレニルメチルカルバメート、9−(2,7−ジブロモ)フルオレニルメチル(fluoroenylmethyl)カルバメート、2,7−ジ−t−ブチル−[9−(10,10−ジオキソ−10,10,10,10−テトラヒドロチオキサンチル)]メチルカルバメート(DBD−Tmoc)、4−メトキシフェナシルカルバメート(Phenoc)、2,2,2−トリクロロエチルカルバメート(Troc)、2−トリメチルシリルエチルカルバメート(Teoc)、2−フェニルエチルカルバメート(hZ)、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルカルバメート(Adpoc)、1,1−ジメチル−2−ハロエチルカルバメート、1,1−ジメチル−2,2−ジブロモエチルカルバメート(DB−t−BOC)、1,1−ジメチル−2,2,2−トリクロロエチルカルバメート(TCBOC)、1−メチル−1−(4−ビフェニリル)エチルカルバメート(Bpoc)、1−(3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−1−メチルエチルカルバメート(t−Bumeoc)、2−(2’−および4’−ピリジル)エチルカルバメート(Pyoc)、2−(N,N−ジシクロヘキシルカルボキサミド)エチルカルバメート、t−ブチルカルバメート(BOC)、1−アダマンチルカルバメート(Adoc)、ビニルカルバメート(Voc)、アリルカルバメート(Alloc)、1−イソプロピルアリルカルバメート(Ipaoc)、シンナミルカルバメート(Coc)、4−ニトロシンナミルカルバメート(Noc)、8−キノリルカルバメート、N−ヒドロキシピペリジニルカルバメート、アルキルジチオカルバメート、ベンジルカルバメート(Cbz)、p−メトキシベンジルカルバメート(Moz)、p−ニトベンジルカルバメート、p−ブロモベンジルカルバメート、p−クロロベンジルカルバメート、2,4−ジクロロベンジルカルバメート、4−メチルスルフィニルベンジルカルバメート(Msz)、9−アントリルメチルカルバメート、ジフェニルメチルカルバメート、2−メチルチオエチルカルバメート、2−メチルスルホニルエチルカルバメート、2−(p−トルエンスルホニル)エチルカルバメート、[2−(1,3−ジチアニル)]メチルカルバメート(Dmoc)、4−メチルチオフェニルカルバメート(Mtpc)、2,4−ジメチルチオフェニルカルバメート(Bmpc)、2−ホスホニオエチルカルバメート(Peoc)、2−トリフェニルホスホニオイソプロピルカルバメート(Ppoc)、1,1−ジメチル−2−シアノエチルカルバメート、m−クロロ−p−アシルオキシベンジルカルバメート、p−(ジヒドロキシボリル)ベンジルカルバメート、5−ベンゾイソオキサゾリルメチルカルバメート、2−(トリフルオロメチル)−6−クロモニルメチルカルバメート(Tcroc)、m−ニトロフェニルカルバメート、3,5−ジメトキシベンジルカルバメート、o−ニトロベンジルカルバメート、3,4−ジメトキシ−6−ニトロベンジルカルバメート、フェニル(o−ニトロフェニル)メチルカルバメート、t−アミルカルバメート、S−ベンジルチオカルバメート、p−シアノベンジルカルバメート、シクロブチルカルバメート,シクロヘキシルカルバメート、シクロペンチルカルバメート、シクロプロピルメチルカルバメート、p−デシルオキシベンジルカルバメート、2,2−ジメトキシアシルビニルカルバメート、o−(N,N−ジメチルカルボキサミド)ベンジルカルバメート、1,1−ジメチル−3−(N,N−ジメチルカルボキサミド)プロピルカルバメート、1,1−ジメチルプロピニルカルバメート、ジ(2−ピリジル)メチルカルバメート、2−フラニルメチルカルバメート、2−ヨードエチルカルバメート、イソボルニルカルバメート(isoborynl carbamate)、イソブチルカルバメート、イソニコチニルカルバメート、p−(p’−メトキシフェニルアゾ)ベンジルカルバメート、1−メチルシクロブチルカルバメート、1−メチルシクロヘキシルカルバメート、1−メチル−1−シクロプロピルメチルカルバメート、1−メチル−1−(3,5−ジメトキシフェニル)エチルカルバメート、1−メチル−1−(p−フェニルアゾフェニル)エチルカルバメート、1−メチル−1−フェニルエチルカルバメート、1−メチル−1−(4−ピリジル)エチルカルバメート、フェニルカルバメート、p−(フェニルアゾ)ベンジルカルバメート、2,4,6−トリ−t−ブチルフェニルカルバメート、4−(トリメチルアンモニウム)ベンジルカルバメート、および2,4,6−トリメチルベンジルカルバメートを包含するが、これらに限定されない。
スルホンアミド基などの窒素保護基(例えば−S(=O)2Raa)は、p−トルエンスルホンアミド(Ts)、ベンゼンスルホンアミド、2,3,6,−トリメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mtr)、2,4,6−トリメトキシベンゼンスルホンアミド(Mtb)、2,6−ジメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Pme)、2,3,5,6−テトラメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mte)、4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mbs)、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホンアミド(Mts)、2,6−ジメトキシ−4−メチルベンゼンスルホンアミド(iMds)、2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホンアミド(Pmc)、メタンスルホンアミド(Ms)、β−トリメチルシリルエタンスルホンアミド(SES)、9−アントラセンスルホンアミド、4−(4’,8’−ジメトキシナフチルメチル)ベンゼンスルホンアミド(DNMBS)、ベンジルスルホンアミド、トリフルオロメチルスルホンアミド、およびフェナシルスルホンアミドを包含するが、これらに限定されない。
他の窒素保護基は、フェノチアジニル−(10)−アシル誘導体、N’−p−トルエンスルホニルアミノアシル誘導体、N’−フェニルアミノチオアシル誘導体、N−ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、N−アセチルメチオニン誘導体、4,5−ジフェニル−3−オキサゾリン−2−オン、N−フタルイミド、N−ジチアスクシンイミド(Dts)、N−2,3−ジフェニルマレイミド、N−2,5−ジメチルピロール、N−1,1,4,4−テトラメチルジシリルアザシクロペンタンアダクト(STABASE)、5−置換1,3−ジメチル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、5−置換1,3−ジベンジル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、1−置換3,5−ジニトロ−4−ピリドン、N−メチルアミン、N−アリルアミン、N−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチルアミン(SEM)、N−3−アセトキシプロピルアミン、N−(1−イソプロピル−4−ニトロ−2−オキソ−3−ピロリン−3−イル)アミン、四級アンモニウム塩、N−ベンジルアミン、N−ジ(4−メトキシフェニル)メチルアミン、N−5−ジベンゾスベリルアミン、N−トリフェニルメチルアミン(Tr)、N−[(4−メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミン(MMTr)、N−9−フェニルフルオレニルアミン(PhF)、N−2,7−ジクロロ−9−フルオレニルメチレンアミン、N−フェロセニルメチルアミノ(Fcm)、N−2−ピコリルアミノN’−オキシド、N−1,1−ジメチルチオメチレンアミン、N−ベンジリデンアミン、N−p−メトキシベンジリデンアミン、N−ジフェニルメチレンアミン、N−[(2−ピリジル)メシチル]メチレンアミン、N−(N’,N’−ジメチルアミノメチレン)アミン、N,N’−イソプロピリデンジアミン、N−p−ニトロベンジリデンアミン、N−サリチリデンアミン、N−5−クロロサリチリデンアミン、N−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)フェニルメチレンアミン、N−シクロヘキシリデンアミン、N−(5,5−ジメチル−3−オキソ−1−シクロヘキセニル)アミン、N−ボラン誘導体、N−ジフェニルボロン酸誘導体、N−[フェニル(ペンタアシルクロムまたはタングステン)アシル]アミン、N−銅キレート、N−亜鉛キレート、N−ニトロアミン、N−ニトロソアミン、アミンN−オキシド、ジフェニルホスフィンアミド(Dpp)、ジメチルチオホスフィンアミド(Mpt)、ジフェニルチオホスフィンアミド(Ppt)、ジアルキルホスホロアミデート、ジベンジルホスホロアミデート、ジフェニルホスホロアミデート、ベンゼンスルフェンアミド、o−ニトロベンゼンスルフェンアミド(Nps)、2,4−ジニトロベンゼンスルフェンアミド、ペンタクロロベンゼンスルフェンアミド、2−ニトロ−4−メトキシベンゼンスルフェンアミド、トリフェニルメチルスルフェンアミド、および3−ニトロピリジンスルフェンアミド(Npys)を包含するが、これらに限定されない。
ある態様において、酸素原子上に存在する置換基は、酸素保護基である(本明細書において「ヒドロキシル保護基」ともまた言われる)。酸素保護基は、−Raa、−N(Rbb)2、−C(=O)SRaa、−C(=O)Raa、−CO2Raa、−C(=O)N(Rbb)2、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa、−C(=NRbb)N(Rbb)2、−S(=O)Raa、−SO2Raa、−Si(Raa)3、−P(Rcc)2、−P(Rcc)3 +X−、−P(ORcc)2、−P(ORcc)3 +X−、−P(=O)(Raa)2、−P(=O)(ORcc)2、および−P(=O)(N(Rbb)2)2を包含するが、これに限定されず、X−、Raa、Rbb、およびRccは本明細書において定義される通りである。酸素保護基は当分野において周知であり、参照によって本明細書に組み込まれるProtecting Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd edition, John Wiley & Sons, 1999に詳細に記載されているものを包含する。
例示的な酸素保護基は、メチル、メトキシルメチル(MOM)、メチルチオメチル(MTM)、t−ブチルチオメチル、(フェニルジメチルシリル)メトキシメチル(SMOM)、ベンジルオキシメチル(BOM)、p−メトキシベンジルオキシメチル(PMBM)、(4−メトキシフェノキシ)メチル(p−AOM)、グアイアコールメチル(GUM)、t−ブトキシメチル、4−ペンテニルオキシメチル(POM)、シロキシメチル、2−メトキシエトキシメチル(MEM)、2,2,2−トリクロロエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEMOR)、テトラヒドロピラニル(THP)、3−ブロモテトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1−メトキシシクロヘキシル、4−メトキシテトラヒドロピラニル(MTHP)、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル、4−メトキシテトラヒドロチオピラニルS,S−ジオキシド、1−[(2−クロロ−4−メチル)フェニル]−4−メトキシピペリジン−4−イル(CTMP)、1,4−ジオキサン−2−イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ−7,8,8−トリメチル−4,7−メタノベンゾフラン−2−イル、1−エトキシエチル、1−(2−クロロエトキシ)エチル、1−メチル−1−メトキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−トリメチルシリルエチル、2−(フェニルセレニル)エチル、t−ブチル、アリル、p−クロロフェニル、p−メトキシフェニル、2,4−ジニトロフェニル、ベンジル(Bn)、p−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、p−ハロベンジル、2,6−ジクロロベンジル、p−シアノベンジル、p−フェニルベンジル、2−ピコリル、4−ピコリル、3−メチル−2−ピコリルN−オキシド、ジフェニルメチル、p,p’−ジニトロベンズヒドリル、5−ジベンゾスベリル、トリフェニルメチル、α−ナフチルジフェニルメチル、p−メトキシフェニルジフェニルメチル、ジ(p−メトキシフェニル)フェニルメチル、トリ(p−メトキシフェニル)メチル、4−(4’−ブロモフェナシルオキシフェニル)ジフェニルメチル、4,4’,4”−トリス(4,5−ジクロロフタルイミドフェニル)メチル、4,4’,4”−トリス(レブリノイルオキシフェニル)メチル、4,4’,4”−トリス(ベンゾイルオキシフェニル)メチル、3−(イミダゾール−1−イル)ビス(4’,4”−ジメトキシフェニル)メチル、1,1−ビス(4−メトキシフェニル)−1’−ピレニルメチル、9−アントリル、9−(9−フェニル)キサンテニル、9−(9−フェニル−10−オキソ)アントリル、1,3−ベンゾジスルフラン−2−イル、ベンゾイソチアゾリルS,S−ジオキシド、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、ジメチルイソプロピルシリル(IPDMS)、ジエチルイソプロピルシリル(DEIPS)、ジメチルテキシルシリル、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、トリベンジルシリル、トリ−p−キシリルシリル、トリフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル(DPMS)、t−ブチルメトキシフェニルシリル(TBMPS)、蟻酸、蟻酸ベンゾイル、酢酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、メトキシ酢酸、トリフェニルメトキシ酢酸、フェノキシ酢酸、p−クロロフェノキシ酢酸、3−フェニルプロピオン酸、4−オキソペンタン酸(レブリン酸)、4,4−(エチレンジチオ)ペンタン酸(レブリノイルジチオアセタール)、ピバル酸、アダマントエート(adamantoate)、クロトン酸、4−メトキシクロトン酸、安息香酸、p−フェニル安息香酸、2,4,6−トリメチル安息香酸(メシト酸)、アルキルメチルカーボネート、9−フルオレニルメチルカーボネート(Fmoc)、アルキルエチルカーボネート、アルキル2,2,2−トリクロロエチルカーボネート(Troc)、2−(トリメチルシリル)エチルカーボネート(TMSEC)、2−(フェニルスルホニル)エチルカーボネート(Psec)、2−(トリフェニルホスホニオ)エチルカーボネート(Peoc)、アルキルイソブチルカーボネート、アルキルビニルカーボネート、アルキルアリルカーボネート、アルキルp−ニトロフェニルカーボネート、アルキルベンジルカーボネート、アルキルp−メトキシベンジルカーボネート、アルキル3,4−ジメトキシベンジルカーボネート、アルキルo−ニトロベンジルカーボネート、アルキルp−ニトロベンジルカーボネート、アルキルS−ベンジルチオカーボネート、4−エトキシ−1−ナフチルカーボネート、メチルジチオカーボネート、2−ヨード安息香酸、4−アジドブチレート、4−ニトロ−4−メチルペンタノエート、o−(ジブロモメチル)安息香酸、2−ホルミルベンゼンスルホン酸、2−(メチルチオメトキシ)エチル、4−(メチルチオメトキシ)酪酸、2−(メチルチオメトキシメチル)安息香酸、2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ酢酸、2,6−ジクロロ−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシ酢酸、2,4−ビス(1,1−ジメチルプロピル)フェノキシ酢酸、クロロジフェニル酢酸、イソ酪酸、モノコハク酸、(E)−2−メチル−2−ブテン酸、o−(メトキシアシル)安息香酸、α−ナフトエ酸、硝酸、アルキルΝ,Ν,Ν’,Ν’−テトラメチルホスホロジアミデート、アルキルN−フェニルカルバメート、ホウ酸、ジメチルホスフィノチオイル、アルキル2,4−ジニトロフェニルスルフェン酸、硫酸、メタンスルホン酸(メシレート)、ベンジルスルホン酸、およびトシル酸(Ts)を包含するが、これらに限定されない。
ある態様において、硫黄原子上に存在する置換基は硫黄保護基である(「チオール保護基」ともまた言われる)。硫黄保護基は、−Raa、−N(Rbb)2、−C(=O)SRaa、−C(=O)Raa、−CO2Raa、−C(=O)N(Rbb)2、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa、−C(=NRbb)N(Rbb)2、−S(=O)Raa、−SO2Raa、−Si(Raa)3、−P(Rcc)2、−P(Rcc)3 +X−、−P(ORcc)2、−P(ORcc)3 +X−、−P(=O)(Raa)2、−P(=O)(ORcc)2、および−P(=O)(N(Rbb)2)2を包含するが、これらに限定されず、Raa、Rbb、およびRccは本明細書において定義されるとおりである。硫黄保護基は当該技術分野において周知であり、参照によって本明細書に組み込まれるProtecting Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd edition, John Wiley & Sons, 1999に詳細に記載されているものを包含する。
本明細書において使用されるとおり、「脱離基」(LG)は、不均等結合開裂において電子対を分ける分子フラグメントを指すものとして理解される用語であり、ここで分子フラグメントは、陰イオンまたは中性分子である。本明細書において使用されるとおり、脱離基は、原子または求核剤により置き換えられることができる基であり得る。例えば、Smith, March’s Advanced Organic Chemistry 6th ed. (501-502)を参照する。例示的な脱離基は、これらに限定されるものではないが、ハロゲン(例えば、クロロ、ブロモ、ヨード)および活性化置換ヒドロキシル基(例えば、−OC(=O)SRaa、−OC(=O)Raa、−OCO2Raa、−OC(=O)N(Rbb)2、−OC(=NRbb)Raa、−OC(=NRbb)ORaa、−OC(=NRbb)N(Rbb)2、−OS(=O)Raa、−OSO2Raa、−OP(Rcc)2、−OP(Rcc)3、−OP(=O)2Raa、−OP(=O)(Raa)2、−OP(=O)(ORcc)2、−OP(=O)2N(Rbb)2、および−OP(=O)(NRbb)2、ここでRaa、Rbb、およびRccは、本明細書に定義される通りである)。好適な脱離基の例は、これらに限定されるものではないが、ハロゲン(F、Cl、Br、またはI(ヨウ素)など)、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、アルカンスルホニルオキオシ、アレーンスルホニルオキシ、アルキル−カルボニルオキシ(例えば、アセトキシ)、アリールカルボニルオキシ、アリールオキシ、メトキシ、N,O−ジメチルヒドロキシルアミノ、ピキシル、およびハロギ酸を包含する。いくつかの場合において、脱離基は、トルエンスルホン酸(トシル酸、−OT)、メタンスルホン酸(メシル酸、−OM)、p−ブロモベンゼンスルホニルオキシ(ブロシル酸、−OB)、またはトリフルオロメタンスルホナート(トリフル酸、−OTf)などのスルホン酸エステルである。いくつかの場合において、脱離基は、p−ブロモベンゼンスルホニルオキシなどのブロシル酸である。いくつかの場合において、脱離基は、2−ニトロベンゼンスルホニルオキシなどのノシル酸である。いくつかの態様において、脱離基は、スルホン酸含有基である。いくつかの態様において、脱離基は、トシル酸基である。脱離基はまた、ホスフィンオキシド(例えば、光延反応の間に形成されたもの)またはエポキシドもしくは環式硫酸塩などの内部の脱離基である。他の脱離基の非限定的例は、水、アンモニア、アルコール、エーテル部分、チオエーテル部分、亜鉛ハロゲン化物、マグネシウム部分、ジアゾニウム塩、および銅部分である。
これらおよび他の例示的な置換基は、詳細な説明、図面、例、および請求項においてより詳細に記載されている。本発明は、上の例示的な置換基のリストによるいずれかのやり方に限定されることを意図しない。
他の定義
以下の定義は、本願のいたるところで使用されるより一般的な用語である:
用語「薬学的に許容し得る塩」は、正当な医学的見識の範囲内において、ヒトおよび下等動物の組織と接触しての使用にとって好適であって、過度の毒性、刺激、アレルギー性応答、および同類がなく、妥当なベネフィット/リスク比に見合った塩を指す。薬学的に許容し得る塩は当該技術分野において周知である。例えば、Bergeらは薬学的に許容し得る塩を詳細にJ. Pharmaceutical Sciences, 1977, 66, 1-19に記載しており、これは参照によって本明細書に組み込まれる。本発明の化合物の薬学的に許容し得る塩は、好適な無機および有機酸および塩基に由来するものを包含する。薬学的に許容し得る無毒な酸付加塩の例はアミノ基の塩であり、無機酸(例えば塩化水素酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、および過塩素酸)によって、または有機酸(例えば酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、もしくはマロン酸)によって、あるいは、当該技術分野において知られている他の方法(例えばイオン交換)を用いることによって、形成される。他の薬学的に許容し得る塩は、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、しょうのう酸塩、しょうのうスルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、二グルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、蟻酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチニン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩、および同類を包含する。適切な塩基に由来する塩は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、およびN+(C1〜4アルキル)4 −塩を包含する。代表的なアルカリまたはアルカリ土類金属塩は、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、および同類を包含する。さらなる薬学的に許容し得る塩は、適切なときには、無毒のアンモニウム、四級アンモニウム、および対イオンを用いて形成されたアミンカチオン(例えばハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、低級アルキルスルホン酸塩、およびアリールスルホン酸塩)を包含する。
用語「溶媒和物」は、通常はソルボリシス反応によって溶媒と結合した化合物の形態を指す。この物理的結合は水素結合を含み得る。従来の溶媒は、水、メタノール、エタノール、酢酸、DMSO、THF、ジエチルエーテル、および同類を包含する。式(I’)および(II)の化合物は、例えば結晶形態で調製され得、溶媒和され得る。好適な溶媒和物は薬学的に許容し得る溶媒和物を包含し、さらに、化学量論的な溶媒和物および非化学量論的な溶媒和物を両方包含する。ある場合には、例えば1つ以上の溶媒分子が結晶固体の結晶格子中に組み込まれるときに、溶媒和物が単離できるであろう。「溶媒和物」は溶液相および単離可能な溶媒和物を両方包摂する。代表的な溶媒和物は、水和物、エタノレート、およびメタノレートを包含する。
用語「水和物」は、水と結合した化合物を指す。典型的には、化合物の水和物中に含有される水分子数は水和物中の化合物分子数に対して明確な比である。そのため、化合物の水和物は例えば一般的式R・xH2Oによってあらわされ得、Rは化合物であり、xは0よりも大きい数である。所与の化合物は水和物の1つの型よりも多くを形成し得、例えば、一水和物(xは1である)、低級水和物(xは0よりも大きく1よりも小さい数である。例えばヘミ水和物(R・0.5H2O))、および多水和物(xは1よりも大きい数である。例えば二水和物(R・2H2O)および六水和物(R・6H2O))を包含する。
用語「互変異性体」は、特定の化合物構造の交換可能な形であり、水素原子および電子の転置の点で相違する化合物を指す。それゆえに、2つの構造は、π電子および原子(通常はH)の運動を通して釣り合っていてもよい。例えば、それらが酸または塩基のいずれかによる処置にて迅速に相互変換されるために、エノールおよびケトンは、互変異性体である。互変異性の別の例は、酸または塩基による処理にて同様に形成された、フェニルニトロメタンのアシ−およびニトロ−形態である
互変異性型は、最適の化学反応性および目的の化合物の生物学的活性の達成と関連があってもよい。
同じ分子式を有するがそれらの原子の結合の性質もしくは順序または空間中のそれらの原子の配置が異なる化合物は、「異性体」と呼ばれるということもまた理解されるであろう。空間中のそれらの原子の配置が異なる異性体は「立体異性体」と呼ばれる。
互いの鏡像でない立体異性体は「ジアステレオマー」と呼ばれ、互いの重ね合わせ不可能な鏡像であるものは「エナンチオマー」と呼ばれる。化合物が不斉中心を有する(例えばそれが4つの異なる基に結合している)ときには、一対のエナンチオマーが可能である。エナンチオマーはその不斉中心の絶対立体配置によってキャラクタリゼーションされ得、カーンおよびプレローグのRおよびS順位則によって、または分子が偏光面を回転させるやり方によって記載され、右旋性または左旋性として(すなわち、それぞれ(+)または(−)異性体として)指示される。キラル化合物は、単体のエナンチオマーまたはその混合物のいずれかとして存在し得る。エナンチオマーの等しい割合を含有する混合物は「ラセミ混合物」と呼称される。
用語「多形」は、特定の結晶充填配置にある化合物(またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物)の結晶形態を指す。全ての多形は同じ元素組成を有する。異なる結晶形態は、異なるX線回折パターン、赤外スペクトル、融点、密度、硬さ、結晶形状、光学的および電気的特性、安定性、ならびに可溶性を通常は有する。再結晶化溶媒、結晶化速度、保管温度、および他の因子は、1つの結晶形態を優勢にさせ得る。化合物の種々の多形は、異なる条件下の結晶化によって調製され得る。
用語「プロドラッグ」は、式(I’)および(II)の化合物の誘導体を包含する、切断可能な基を有し、ソルボリシスによってまたは生理条件下で式(I’)および(II)の化合物になる(これはin vivoで薬学的に活性である)化合物を指す。かかる例は、エステル誘導体および同類を包含するが、これらに限定されない。本発明の化合物の他の誘導体は、それらの酸および酸誘導体形態両方で活性を有するが、酸感応性形態においては、哺乳生物において、可溶性、組織適合性、または遅放の利点を多くの場合に提供する(Bundgard, H., Design of Prodrugs, pp. 7-9, 21-24, Elsevier, Amsterdam 1985を参照)。プロドラッグは、当業者に周知の酸誘導体(例えば、親酸と好適なアルコールとの反応によって調製されたエステル、または親酸化合物と置換もしくは非置換アミンとの反応によって調製されたアミド、または酸無水物、または混合無水物など)を包含する。本発明の化合物上のペンダントな酸性基に由来する単純な脂肪族または芳香族エステル、アミド、および無水物は、特定のプロドラッグである。いくつかのケースにおいては、二重エステル型プロドラッグ、例えば(アシルオキシ)アルキルエステルまたは((アルコキシカルボニル)オキシ)アルキルエステルを調製することが望ましい。式(I’)および(II)の化合物のC1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、アリール、C7〜C12置換アリール、およびC7〜C12アリールアルキルエステルが好ましくあり得る。
投与が期待されている「対象」は、これらに限定されるものではないが、ヒト(すなわち、任意の年齢郡の男性または女性、例えば、小児科学の対象(例えば、幼児、子供、思春期)または成人対象(例えば、若年成人、中年成人、または高齢者))および/または他の非ヒト動物、例えば、哺乳動物(例えば、類人猿(例えば、カニクイザル、アカゲザル);ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ネコおよび/またはイヌなどの商業に関連した哺乳動物)および鳥類(例えば、ニワトリ、アヒル、ガチョウ、および/またはシチメンチョウなどの商業に関連した鳥類)を包含する。ある態様において、動物は哺乳動物である。動物は、男性であっても女性であっても、および任意の発育段階であってもよい。非ヒト動物は、遺伝子組み換え動物であってもよい。
用語「投与する」、「投与すること」、または「投与」は、発明の化合物またはその医薬組成物をインプラントすること、吸収させること、摂取すること、注射すること、吸入すること、または別様に導入することを指す。
用語「処置」、「処置する」、および「処置すること」は、本明細書に記載される「病的な状態」(例えば、疾患、障害、または状態または1つ以上のその徴候もしくは症状)を反転させること、緩和すること、その発症を遅延させること、またはその進行を阻害することを指す。いくつかの態様において、処置は、1以上の徴候または症状が発生したかまたは観察された後に投与され得る。他の態様において、処置は、疾患または状態の徴候または症状の非存在下で投与され得る。例えば、処置は、症状の発症に先立って(例えば、症状の既往に照らしておよび/または遺伝的もしくは他の感受性因子に照らして)易罹患性の個体に投与され得る。処置は、例えば再発を遅延させるかまたは予防するために、症状が消散した後にもまた継続され得る。
用語「状態」、「疾患」および「障害」は交換可能に使用される。
式(I’)または(II)の化合物の「有効量」は、所望の生物学的応答を惹起し、すなわち状態を処置するのに十分な量を指す。当業者によって認められるであろうとおり、式(I’)または(II)の化合物の有効量は、所望の生物学的エンドポイント、化合物の薬物動態、処置されようとする状態、投与のモード、ならびに対象の年齢および健康などの因子に依存して変わり得る。有効量は、治療および予防処置を包摂する。例えば、がんの処置において、発明の化合物の有効量は、腫瘍負荷を低減するかまたは腫瘍の成長もしくは拡大を停止させ得る。
式(I’)または(II)の化合物の「治療有効量」は、状態の処置における治療効果を提供すること、または状態に関連する1つ以上の症状を遅延もしくは最小化するのに十分である量である。化合物の治療有効量は、単独または他の療法と組み合わせた治療薬の量を意味し、それが状態の処置における治療効果を提供する。用語「治療有効量」は、総合的な療法を改善し、症状もしくは状態の原因を低減または無効にするか、または別の治療薬の治療有効性を高める量を包摂し得る。
式(I’)または(II)の化合物の「予防有効量」は、状態または状態と関連する1つ以上の症状を予防するかあるいはその再発を予防するのに十分な量である。化合物の予防有効量は、単独でまたは他の剤と組み合わせて、状態の予防の点で予防ベネフィットを提供する治療剤の量を意味する。用語「予防有効量」は、総合的な予防法を改善するかまたは別の予防剤の予防有効性を増強する量を包摂し得る。
「増殖性疾患」は、細胞の増加による異常な成長または進展が原因で生起する疾患を指す(Walker, Cambridge Dictionary of Biology; Cambridge University Press: Cambridge, UK, 1990)。増殖性疾患は、1)正常には静止期の細胞の病的な増殖、2)それらの正常な所在からの細胞の病的な移動(例えば、新生物性細胞の転移)、3)マトリックスメタロプロテイナーゼなどのタンパク質分解酵素(例えば、コラゲナーゼ、ゼラチナーゼ、およびエラスターゼ)の病的な発現、または4)増殖性網膜症および腫瘍転移におけるような病的な血管新生と関連し得る。例示的な増殖性疾患は、がん(すなわち「悪性新生物」)、良性新生物、血管新生、炎症性疾患、自己炎症性疾患、および自己免疫疾患を含む。
用語「新生物」および「腫瘍」は交換可能に用いられ、組織の異常な集塊を指し、集塊の成長は正常な組織の成長を上回り、正常な組織の成長と調和しない。新生物または腫瘍は以下の特徴に依存して「良性」または「悪性」であり得る。細胞分化の程度(形および機能性を包含する)、成長の速度、局所浸潤、および転移。「良性新生物」は一般的に良く分化しており、悪性新生物よりも特徴的に低速の成長を有し、元部位に局在したままである。加えて、良性新生物は浸潤、侵襲、または遠隔部位に転移する素質を有さない。例示的な良性新生物は、脂肪腫、軟骨腫、アデノーマ、アクロコルドン、老人性血管腫、脂漏性角化症、黒子、および脂腺増殖症を包含するが、これらに限定されない。いくつかのケースにおいて、ある「良性」腫瘍は後に悪性新生物を生じさせ得、これは腫瘍の新生物性細胞の部分集団中の追加の遺伝子変化からもたらされ得、これらの腫瘍は「前悪性新生物」と言われる。例示的な前悪性新生物はテラトーマである。対照的に、「悪性新生物」は一般的に不良に分化しており(退形成)、進行性の浸潤、侵襲、および周辺組織の破壊を伴う特徴的に急速な成長を有する。なおその上に、悪性新生物は遠隔部位に転移する素質を一般的に有する。
用語「転移(metastasis)」、「転移(metastatic)」、または「転移する」は、原発性のまたは元の腫瘍から別の臓器または組織へのがん細胞の拡散または遊走を指し、典型的には、二次性(転移)腫瘍が在る臓器または組織のものではなく、原発性のまたは元の腫瘍の組織型の「二次性腫瘍」または「二次性細胞集塊」の存在によって同定可能である。例えば、骨に遊走した前立腺がんは転移前立腺がんと言われ、骨組織中で増殖するがん性の前立腺がん細胞を包含する。
用語「がん」は、悪性新生物を指す(Stedman’s Medical Dictionary, 25th ed.; Hensyl ed.; Williams & Wilkins:Philadelphia, 1990)。例示のがんとしては、これらに限定はされないが、以下が挙げられる:聴神経腫;腺癌;副腎のがん;肛門がん;血管肉腫(例えば、リンパ管肉腫、リンパ管内皮性肉腫、血管肉腫);虫垂がん;良性単一クローン性免疫グロブリン血症;胆管がん(例えば、胆管癌);膀胱がん;乳房のがん(breast cancer)(例えば、乳房の腺癌、乳房の乳頭癌、乳がん(mammary cancer)、乳房の髄様癌);脳がん(例えば、髄膜腫、神経膠芽腫、神経膠腫(例えば、星状細胞腫、乏突起神経膠腫)、髄芽腫);気管支がん;カルチノイド腫瘍;子宮頚がん(例えば、子宮頸部腺癌);絨毛癌;脊索腫;頭蓋咽頭腫;大腸がん(例えば、結腸がん、直腸がん、結腸直腸腺癌);結合組織のがん;上皮癌;上衣腫;内皮性肉腫(例えば、カポジ肉腫、多発性特発性出血性肉腫);子宮内膜がん(例えば、子宮がん、子宮肉腫);食道がん(例えば、食道の腺癌、バレット腺癌);ユーイング肉腫;眼のがん(例えば、眼内黒色腫、網膜芽細胞腫);家族性過好酸球増加症;胆嚢がん;胃がん(例えば、胃腺癌);消化管間質腫瘍(GIST);胚細胞がん;頭頸部がん(例えば、頭頸部扁平上皮癌、口腔がん(例えば、口腔扁平上皮癌)、咽喉がん(例えば、喉頭がん、咽頭がん、鼻咽頭がん、口腔咽頭がん));造血性のがん(急性リンパ性白血病(ALL)(例えば、B細胞ALL、T細胞ALL)、急性骨髄性白血病(AML)(例えば、B細胞AML、T細胞AML)、慢性骨髄性白血病(CML)(例えば、B細胞CML、T細胞CML)、および慢性リンパ性白血病(CLL)(例えば、B細胞CLL、T細胞CLL));ホジキンリンパ腫(HL)(例えば、B細胞HL、T細胞HL)および非ホジキンリンパ腫(NHL)(例えば、びまん性大細胞型リンパ腫(DLCL)(例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫)、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、辺縁帯B細胞リンパ腫(例えば、粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、脾臓辺縁帯B細胞リンパ腫)、縦隔原発性B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫(すなわち、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症)、ヘアリー細胞白血病(HCL)、免疫芽球性大細胞リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫および中枢神経系(CNS)原発リンパ腫などのB細胞NHL);および前駆Tリンパ芽球性リンパ腫/白血病、末梢T細胞リンパ腫(PTCL)(例えば、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)(例えば、菌状息肉腫、セザリー症候群)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、節外性のナチュラルキラーT細胞リンパ腫、腸症型T細胞リンパ腫、皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫、および未分化大細胞リンパ腫)などのT細胞NHL;上記の1つ以上の白血病/リンパ腫の混合物;多発性骨髄腫(MM)などの白血病)重鎖病(例えば、アルファ鎖病、ガンマ鎖病、ミュー鎖病);血管芽腫;下咽頭がん;炎症性筋線維芽細胞腫瘍;免疫球性アミロイドーシス;腎臓がん(例えば、腎芽細胞腫、別名ウィルムス腫瘍、腎細胞癌);肝臓がん(例えば、肝細胞がん(HCC)、悪性肝細胞癌);肺がん(例えば、気管支癌、小細胞肺がん(SCLC)、非小細胞肺がん(NSCLC)、肺の腺癌);平滑筋肉腫(LMS);肥満細胞症(例えば、全身性肥満細胞症);筋肉のがん;骨髄異形成症候群(MDS);中皮腫;骨髄増殖性疾患(MPD)(例えば、真性多血症(PV)、本態性血小板増加症(ET)、特発性骨髄様化生(AMM)、別名骨髄線維症(MF)、慢性特発性骨髄線維症、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好中球性白血病(CNL)、好酸球増多症候群(HES));神経芽細胞腫;神経線維腫(例えば、神経線維腫症(NF)1または2型、神経鞘腫症);神経内分泌癌(例えば、胃腸すい管神経内分泌腫瘍(GEP−NET)、カルチノイド腫瘍);骨肉腫(例えば、骨のがん);卵巣がん(例えば、嚢胞腺癌、卵巣胎児性癌、卵巣腺癌);乳頭腺癌;膵臓がん(例えば、膵臓腺癌、管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)、膵島細胞腫瘍);陰茎がん(例えば、陰茎と陰嚢のパジェット病);松果体腫;原始神経外胚葉性腫瘍(PNT);形質細胞新生物;腫瘍随伴症候群;上皮内新生物;前立腺がん(例えば、前立腺腺癌);直腸がん;横紋筋肉腫;唾液腺のがん;皮膚がん(例えば、扁平上皮癌(SCC)、角化棘細胞腫(KA)、黒色腫、基底細胞癌(BCC));小腸がん(例えば、虫垂がん);軟部組織肉腫(例えば、悪性線維性組織球腫(MFH)、脂肪肉腫、悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)、軟骨肉腫、線維肉腫、粘液肉腫);皮脂腺癌;小腸がん;汗腺癌;滑膜腫;精巣がん(例えば、精上皮腫、精巣胚性癌腫);甲状腺がん(例えば、甲状腺の乳頭癌、甲状腺乳頭癌(PTC)、甲状腺髄様がん);尿道がん;膣のがん;および外陰がん(例えば、外陰部パジェット病)。
用語「血管新生」とは、新たな血管の形成および成長を指す。正常な血管新生は、対象の健康な身体において、損傷後の創傷を治癒および組織への血流の回復のために生じる。健康な身体は、例えば血管新生刺激性の成長因子および血管新生阻害剤といったいくつかの手段を通して血管新生を制御する。がん、糖尿病による失明、加齢黄斑変性、関節リウマチ、および乾癬など多くの疾患の状態は、異常な(すなわち、増加したまたは過度の)血管新生により特徴づけられる。異常または病的な血管新生とは、正常な身体におけるそれよりも大きな血管新生を指し、特に成人における正常な血管新生(例えば、月経または創傷の治癒)に関係しない血管新生を指す。異常な血管新生は、疾患に罹った組織に栄養を与え、および/または正常な組織を破壊する新たな血管を提供し得、がんの場合においては、新たな管は腫瘍細胞が循環へと逃れ、他の臓器へ入ることを可能とし得る(腫瘍転移)。ある態様において、血管新生は病的な血管新生である。
用語「炎症性疾患」とは、炎症によって引き起こされる疾患、炎症から生じる疾患、または炎症をもたらす疾患を指す。用語「炎症性疾患」はまた、マクロファージ、顆粒球、および/またはTリンパ球による過剰応答を引き起こして、異常な組織の損傷および/または細胞死に至る、調節不全の炎症反応を指す。炎症性疾患は、急性または慢性の炎症状態のいずれかであることができ、感染性または非感染性の原因から生じ得る。炎症性疾患としては、限定されないが、以下が挙げられる:アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、自己免疫疾患、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、リウマチ性多発筋痛(PMR)、痛風性関節炎、変形性関節症、腱炎、滑液包炎、乾癬、嚢胞性線維症、骨関節炎、関節リウマチ、炎症性関節炎、シェーグレン症候群、巨細胞性動脈炎、進行性全身性硬化症(強皮症)、強直性脊椎炎、多発性筋炎、皮膚筋炎、天疱瘡、類天疱瘡、糖尿病(例えば、I型)、重症筋無力症、橋本甲状腺炎、グレーブス病、グッドパスチャー病、混合性結合組織病、硬化性胆管炎、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、悪性貧血、炎症性皮膚疾患、通常型間質性肺炎(UIP)、石綿肺、珪肺、気管支拡張症、ベリリウム中毒症、滑石肺、塵肺、サルコイドーシス、剥離性間質性肺炎、リンパ性間質性肺炎、巨細胞間質性肺炎、細胞間質性肺炎、外因性アレルギー性肺胞炎、ウェゲナー肉芽腫症および関連形態の血管炎(側頭動脈炎および結節性多発動脈炎)、炎症性皮膚病、肝炎、遅延型過敏反応(例えば、ツタウルシ皮膚炎)、肺炎、気道の炎症、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)、脳炎、即時型過敏反応、喘息、花粉症、アレルギー、急性アナフィラキシー、リウマチ熱、糸球体腎炎、腎盂腎炎、蜂巣炎、膀胱炎、慢性胆嚢炎、虚血(虚血性傷害)、再灌流障害、同種移植片拒絶反応、宿主対移植片拒絶、虫垂炎、動脈炎、眼瞼炎、細気管支炎、気管支炎、子宮頸管炎、胆管炎、絨毛羊膜炎、結膜炎、涙腺炎、皮膚筋炎、心内膜炎、子宮内膜炎、腸炎、全腸炎、上顆炎、精巣上体炎、筋膜炎、結合組織炎、胃炎、胃腸炎、歯肉炎、回腸炎、虹彩炎、喉頭炎、脊髄炎、心筋炎、腎炎、臍炎、卵巣炎、精巣炎、骨炎、中耳炎、膵炎、耳下腺炎、心膜炎、咽頭炎、胸膜炎、静脈炎、間質性肺炎、直腸炎、前立腺炎、鼻炎、卵管炎、副鼻腔炎、口内炎、滑膜炎、精巣炎、扁桃炎、尿道炎、膀胱炎、ブドウ膜炎、膣炎、血管炎、外陰炎、外陰膣炎、血管炎、慢性気管支炎、骨髄炎、視神経炎、側頭動脈炎、横断性脊髄炎、壊死性筋膜炎、および壊死性全腸炎。
「自己免疫疾患」は、対象の身体の、身体内に通常に存在する物質および組織に対する、不適切な免疫応答に起因する疾患を指す。言い換えれば、免疫系は、身体の一部を病原体と誤って、それ自身の細胞を攻撃する。これは、特定の臓器に限定されるか(例えば、自己免疫性甲状腺炎におけるように)、または異なる部位における特定の組織が関与する(例えば、グッドパスチャー病では、肺および腎臓の両方において基底膜に影響を与え得る)。自己免疫疾患の処置は典型的には、免疫抑制により、例えば、免疫応答を低減する薬剤による。例示の自己免疫疾患としては、限定はされないが、以下が挙げられる:糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、壊死性血管炎、リンパ節炎、結節性動脈周囲炎、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、乾癬性関節炎、全身性エリテマトーデス、乾癬、潰瘍性大腸炎、全身性硬化症、皮膚筋炎/多発性筋炎、抗リン脂質抗体症候群、強皮症、尋常性天疱瘡、ANCA関連血管炎(例えば、ウェゲナー肉芽腫症、顕微鏡的多発性血管炎)、ブドウ膜炎、シェーグレン症候群、クローン病、ライター症候群、強直性脊椎炎、ライム関節炎、ギラン・バレー症候群、橋本甲状腺炎、および心筋症。
用語「自己炎症性疾患」とは、自己免疫疾患とは似ているが異なる疾患のカテゴリーを指す。自己炎症性および自己免疫疾患は、両方の障害のグループにおいて免疫系が対象自身の組織を攻撃し、炎症の増加をもたらすという共通の特徴を有する。自己炎症性疾患において、対象の自然免疫系は未知の理由のために炎症を生じる。自然免疫系は、対象において自己抗体または抗原に遭遇したことがなかったとしても反応する。自己炎症性障害は、発熱、発疹、または関節腫脹といった症状をもたらす炎症の激しい発症により特徴づけられる。これらの疾患はまた、アミロイド症、重要臓器における血液タンパク質の潜在的に致命的な蓄積のリスクを負う。自己炎症性疾患は、これらに限定するものではないが、家族性地中海熱(FMF)、新生児期発症多臓器性炎症性疾患(NOMID)、腫瘍壊死因子(TNF)受容体関連周期熱症候群(TRAPS)、インターロイキン1受容体アンタゴニスト欠損症、(DIRA)、およびベーチェット病を包含する。
用語「生体試料」とは、以下を包含する任意の試料を指す;組織試料(組織切片および組織の針生検など);細胞試料(例えば、細胞学的な塗抹標本(パップスメア、血液塗抹標本など)または顕微解剖により得られた細胞の試料);生物全体の試料(酵母または微生物の試料など);または細胞分画、フラグメントまたは細胞小器官(細胞を溶解することおよび遠心分離または他の方法によりそれらの成分を分離することにより得られたものなど)。生体試料の他の例は、血液、血清、尿、精液、糞便、脳脊髄液、間質液、粘液、涙、汗、膿、生検組織(例えば、外科生検または針生検により得られたもの)、乳頭吸引液、乳、膣液、唾液、スワッブ(頬側スワッブなど)、または最初の生体試料に由来する生体分子を含有する任意の材料を包含する。生体試料はまた、遺伝子組み換えの卵母細胞、精細胞、胚盤胞、胚、胎児、ドナー細胞、または細胞核などの遺伝子組換えであるそれらの生体試料を包含する。
「タンパク質」または「ペプチド」は、ペプチド結合により互いに結びついたアミノ酸残基のポリマーを含む。該用語は、タンパク質、ポリペプチド、および任意のサイズ、構造、または機能のペプチドを指す。典型的には、タンパク質は、少なくとも3アミノ酸長であろう。タンパク質は、個々のタンパク質またはタンパク質の収集物であってもよい。発明のタンパク質は、非天然アミノ酸(すなわち、天然に存在しないが、ポリペプチド鎖に組み入れることができる化合物)および/または当該技術分野において周知のアミノ酸アナログをその代わりに用いることができるだろうが、好ましくは天然アミノ酸のみを含有する。また、発明のタンパク質中のアミノ酸の1つ以上は、例えば、炭化水素基、ヒドロキシル基、リン酸基、ファルネシル基、イソファルネシル基、脂肪酸基、結合または機能付与のためのリンカー、または他の修飾などの化学成分の付加により、修飾されていてもよい。タンパク質はまた、単一分子であってもよく、または多分子複合体であってもよい。タンパク質は、天然に存在するタンパク質またはペプチドのフラグメントであってもよい。タンパク質は、天然に存在する物であっても、組み換え体、または合成物もしくはこれらの組み合わせであってもよい。
用語「キナーゼ」は、アミノ酸残基の基質(例えば、タンパク質またはヌクレオチド)へのリン酸基の付加を触媒する任意の酵素を指す。例えば、セリンキナーゼは、タンパク質中のセリン残基へのリン酸基の付加を触媒する。ある態様において、キナーゼは、タンパク質キナーゼである。キナーゼの例は、これらに限定されるものではないが、CMGCキナーゼ(例えば、サイクリン依存性キナーゼ(CDK、例えば、CDK1、CDK2、CDK2、CDK4、CDK5、CDK7、CDK8、CDK9、CDK10、CDK11、CDK12、CDK13、CDK14、CDK16、CDK20)、分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ(MAPK、例えば、MAPK1、MAPK3、MAPK4、MAPK6、MAPK7、MAPK8、MAPK9、MAPK10、MAPK11、MAPK12、MAPK13、MAPK14、MAPK15)、グリコーゲン合成キナーゼ3(GSK3、例えば、GSK3α、GSK3β)、またはCDC様キナーゼ(CLK、例えば、CLK1、CLK2、CLK3、CLK4))、AGCキナーゼ(例えば、タンパク質キナーゼA(PKA)、タンパク質キナーゼC(PKC)、タンパク質キナーゼG(PKG))、Ca2+/カルモジュリン依存性タンパク質キナーゼ(CaMキナーゼ、例えば、特異的CaMキナーゼ、多機能性CaMキナーゼ)、カゼインキナーゼ1(CK1、例えば、CK1アルファ、CK1ベータ1、CK1ガンマ1、CK1ガンマ2、CK1ガンマ3、CK1デルタ、CK1エプシロン)、STEキナーゼ(例えば、酵母Sterile 7、Sterile 11、またはSterile 20キナーゼのホモログ)、チロシンキナーゼ(TK、例えば、受容体型チロシンキナーゼ(RTK)、非受容体型チロシンキナーゼ(nRTK))、およびチロシンキナーゼ様キナーゼ(TKL、例えば、混合系統キナーゼ(MLK)、RAF、セリンスレオニンキナーゼ受容体(STKR)、ロイシンリッチリピートキナーゼ(LRRK)、LIMドメインキナーゼ(LIMK)、精巣発現型セリンキナーゼ(TESK)、IL1受容体関連キナーゼ(IRAK)、受容体共役タンパク質キナーゼ(RIPK))を包含する。
用語「CDK」とは。サイクリン依存性キナーゼを指す。CDKは、調節性タンパク質であるサイクリン(例えばサイクリンH)に結合する。CDKは、それらの基質を、セリンおよびスレオニンにおいてリン酸化する。CDK基質のアミノ酸配列中のリン酸化部位についてのコンセンサス配列は、[S/T*]PX[K/R]であり、ここで、S/T*は、リン酸化されたセリンまたはスレオニンであり、Pはプロリンであり、Xは任意のアミノ酸であり、Kはリジンであり、Rはアルギニンである。CDKは、CDK1、CDK2、CDK2、CDK4、CDK5、CDK7、CDK8、CDK9、CDK10、CDK11、CDK12、CDK14、CDK16、およびCDK20を含む。
CDK7、サイクリン依存性キナーゼ7は、基質がサイクリンH、MAT1(例えばMNAT1)、またはサイクリンHおよびMAT1であるCDKである。CDK7は、代替的に、CAK1、HCAK、MO15、STK1、CDKN7およびp39MO15とも称される。ヒトCDK7についてのヌクレオチドおよびタンパク質配列の非限定的な例は、本明細書において参考として援用されるGenBankアクセッション番号NP_001790において記載される。このCDK7のアミノ酸配列は、以下のとおりである:
CDK12、すなわちサイクリン依存性キナーゼ12は、基質がサイクリンKまたはフラボピリドールであるCDKである。CDK12は、あるいはCdc2関連キナーゼ、CDC2関連タンパク質キナーゼ7、細胞分裂周期2関連タンパク質キナーゼ7、細胞分裂タンパク質キナーゼ12、CRK7、CRKR、CRKRS、サイクリン依存性キナーゼ12、またはKIAA0904と呼ばれる。ヒトCDK12についてのヌクレオチドおよびタンパク質配列の非限定的な例は、Uniprot番号:Q9NYV4であり、それは参照によって本明細書中に組み込まれる。このCDK12のアミノ酸配列は以下のとおりである:
CDK13、すなわちサイクリン依存性キナーゼ13は、関連するサイクリンがサイクリンKであり、参照阻害剤がpan−CDK阻害剤であるフラボピリドールであり、RNAポリメラーゼIIのC末端ドメイン(CTD)が生理学的基質であるCDKである。CDK13は、あるいはCHED;CDC2L;CDC2L5;またはhCDK13と呼ばれる。ヒトCDK12についてのヌクレオチドおよびタンパク質配列の非限定的例は、GenBankアクセッション番号M80629に記載されており、それは参照によって本明細書に組み込まれる。このCDK13のアミノ酸配列は以下のとおりである:
付随する図面は、本明細書の一部を構成し、本発明のいくつかの態様をその説明とともに図解し、本発明の原理を説明するために役立つ。
図1は、THZ1−ビオチンプローブを用いたサイクリンKのプルダウンを示す。例示的な化合物BSJ−01−175−1は、選択的に細胞内CDK12/13−サイクリンK複合体と結合し、CDK7−サイクリンH複合体とは結合しない。
ジャーカット細胞は、THZ1(1μM)、化合物BSJ−01−175−1(1μM)、またはDMSOビヒクルコントロールで6時間処置された。各々の処置の状態からの澄明化した細胞溶解物は、次いで1μMのTHZ1−ビオチン、CDK7−サイクリンH、CDK12−サイクリンK、およびCDK13−サイクリンK複合体に結合する濃縮物のいずれかと共にインキュベートされた。溶解物は、THZ1−ビオチンと摂氏4度で一晩中インキュベートされた。その後、ストレプトアビジンがコーティングされたビーズの付加が、指示されたタンパク質複合体の免疫沈降法を可能にする。次に溶解バッファーでビーズを洗浄し、免疫沈降されたタンパク質は、SDSバッファー中で煮沸することにより、ビーズから溶出された。サイクリンKについてのウェスタンブロッティングは、沈殿したCDK12−サイクリンKまたはCDK7−サイクリンH複合体を同定するために使用された。サイクリンHについてのウェスタンブロッティングは、沈殿したCDK7−サイクリンH複合体を同定するために使用された。THZ1および化合物BSJ−01−175−1が、意図した標的に共有結合的に結合するにつれて、これらの化合物での細胞の前処置は、後続のこれらのタンパク質のTHZ1−ビオチンを用いた免疫沈降および捕捉をブロックすることが予期されるだろう。化合物BSJ−01−175−1が細胞内CDK12−サイクリンKおよびCDK13−サイクリンK複合体に(CDK7−サイクリンHではなく)選択的に結合する一方で、ウェスタンブロッティングのデータは、THZ1が細胞内CDK12−サイクリンK、CDK13−サイクリンKおよびCDK7−サイクリンH複合体に結合することを示す。
図2は、例示された化合物1.0μMの濃度で6時間ジャーカット細胞の生存能力を阻害し、続いて溶解し、ビオチン−THZ1を用いてプルダウンし、その後サイクリンK(CycK)およびサイクリンH(CycH)についてブロットしたものを示す。化合物BSJ−01−033、BSJ−01−175、BSJ−01−202、BSJ−02−139、BSJ−02−109およびBSJ−02−108は、サイクリンKのプルダウンにおける損失を示し、このことはCDK12結合の損失を示し、BSJ−02−139およびBSJ−02−108もまた、サイクリンHのプルダウンにおける損失を示し、このことはCDK7結合の損失を示す。
図3は、CDK12を化合物BSJ−01−175で標識した例示的な質量スペクトルを示す。化合物BSJ−01−175は、5倍の過剰な化合物BSJ−01−175を1時間室温で一度処置したCDK12を標識することができる。
発明のある態様の詳細な説明
本発明は、対象の増殖性疾患を予防および/または処置のための、キナーゼの活性を阻害する化合物を提供する。ある態様において、本発明の化合物は、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)の活性を阻害する。ある態様において、本発明の化合物は、サイクリン依存性キナーゼ12(CDK12)の活性を阻害する。本発明はさらに、例えば、キナーゼ(例えばCDK(例えばCDK12))の活性の阻害を研究するための生物学的プローブとして、ならびに、例えばキナーゼ(例えばCDK(例えばCDK12))の過剰発現および/または異常な活性に関連する疾患の予防および/または処置における治療薬として、本明細書において記載される化合物を用いる方法を提供する。ある態様において、疾患は、増殖性疾患である。増殖性疾患として、限定されないが、がん(例えば、白血病、メラノーマ、多発性骨髄腫)、良性新生物、血管新生、炎症性疾患、自己炎症性疾患、および自己免疫性疾患が挙げられる。ある態様において、がんは、キナーゼ(例えばCDK(例えばCDK12))の過剰発現および/または異常な活性に関連する。また本開示により提供されるのは、本明細書において記載されるような式(I’)または(II)の化合物の、医薬組成物、キット、方法および使用である。
化合物
ある態様において、本明細書において記載される化合物は、式(I’)および(II)のいずれか1つの化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグである。
本発明の1つの側面において、式(I’):
の化合物およびその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、および立体異性体であって、式中:
環Aは、式(ii−1)〜(ii−5):
のいずれか1つ任意置換ヘテロアリール環、または任意置換6員アリールまたはヘテロアリール環であり;
V1、V2、V3、V4、V5、V6、V7、V8、V9、V10、V11、V12、V13、およびV14のそれぞれは、独立して、O、S、N、N(RA1)、C、またはC(RA2)であり;
Zは、−CH−または−N−であり;
RA1のそれぞれは、独立して、水素、任意置換アシル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリールから選択され;
RA2のそれぞれは、独立して、水素、ハロゲン、−CN、任意置換アシル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、−ORA2a、−N(RA2b)2、および−SRA2aから選択され、ここで、RA2aは、独立して、水素、任意置換アシル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、酸素原子に付着している場合は酸素保護基、および硫黄原子に付着している場合は硫黄保護基から選択され;
ここで、RA2bの各々は、独立して、水素、任意置換アシル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、および窒素保護基から選択され、または任意に2つのRA2bは、それらの介在原子と一緒になって、置換または非置換のヘテロ環式または置換または非置換のヘテロアリール環を形成するか;または
いずれか2つのRA1、いずれか2つのRA2、または1つのRA1および1つのRA2は、連結して、任意置換炭素環式、任意置換ヘテロ環式、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール環を形成し;
R1bの各々は、独立して、水素、ハロゲン、任意置換アシル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、−CN、−ORB1a、−N(RB1b)2、および−SRB1aから選択され、ここで、RB1aの各々は、独立して、水素、任意置換アシル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、酸素原子に付着している場合は酸素保護基、および硫黄原子に付着している場合は硫黄保護基から選択され、
ここで、RB1bの各々は、独立して、水素、任意置換アシル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、および窒素保護基から選択され、または任意に2つのRB1bは、それらの介在原子と一緒になって、置換または非置換のヘテロ環式または置換または非置換のヘテロアリール環を形成すし;
R2は、−O−、−S−、−N(R6)−、または任意置換C1−C4アルキレンであり、ここで、アルキレンの1つ以上のメチレン単位は、任意におよび独立して、−O−、−S−、または−N(R6)−で置き換えられ;
R3のそれぞれは、存在する場合、独立して、ハロゲン、任意置換アシル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、−ORC1、−N(RC1a)2、および−SRC1から選択され、ここで、RC1の各々は、独立して、水素、任意置換アシル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、酸素原子に付着している場合は酸素保護基、および硫黄原子に付着している場合は硫黄保護基から選択され;
ここで、RC1aの各々は、独立して、水素、任意置換アシル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、および窒素保護基から選択され、または任意に2つのRC1aは、それらの介在原子と一緒になって、置換または非置換のヘテロ環式または置換または非置換のヘテロアリール環を形成するか;または
同じ環内炭素原子に結合している2つのR3基は、一緒になって、=Oを形成するか、または
同じかまたは異なる環内炭素原子に結合している2つのR3基は、連結して、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール環を形成し;
R4は、結合、−C(=O)−、−O−、−S−、−N(R6)−、−S(=O)2−、および任意置換C1−C4アルキレンから選択され、ここで:
窒素原子に結合しているメチレン単位以外の、アルキレンの1つ以上のメチレン単位は、任意におよび独立して、
−C(=O)、−O−、−S−、−N(R6)−、または−S(=O)2−で置き換えられ;
各々のR6は、独立して、水素および−C1−C6アルキルから選択され;
R7は、式:
の弾頭であり、
ここで:
L3は、結合または任意置換C1−4炭化水素鎖であり、任意にここで、炭化水素鎖の1つ以上の炭素単位は、独立して、−C=O−、−O−、−S−、−NRL3a−、−NRL3aC(=O)−、−C(=O)NRL3a−、−SC(=O)−、−C(=O)S−、−OC(=O)−、−C(=O)O−、−NRL3aC(=S)−、−C(=S)NRL3a−、トランス−CRL3b=CRL3b−、シス−CRL3b=CRL3b−、−C≡C−、−S(=O)−、−S(=O)O−、−OS(=O)−、−S(=O)NRL3a−、−NRL3aS(=O)−、−S(=O)2−、−S(=O)2O−、−OS(=O)2−、−S(=O)2NRL3a−、または−NRL3aS(=O)2−で置き換えられ、ここで、RL3aは、水素、置換または非置換のC1−6アルキル、または窒素保護基であり、およびここで、RL3bの各々は、独立して、水素、ハロゲン、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリールであるか、または2つのRL3b基は、連結して、任意置換炭素環式または任意置換ヘテロ環式環を形成し;
L4は、結合または任意置換、分枝状または非分枝状のC1−6炭化水素鎖であり;
RE1、RE2、およびRE3の各々は、独立して、水素、ハロゲン、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、−CN、−CH2OREE、−CH2N(REE)2、−CH2SREE、−OREE、−N(REE)2、−Si(REE)3、または−SREEであり、ここで、REEのそれぞれは、独立して、水素、任意置換アルキル、任意置換アルコキシ、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリールであるか、または2つのREE基は、連結して、任意置換ヘテロ環式環を形成するか;またはRE1およびRE3、またはRE2およびRE3、またはRE1およびRE2は、連結して、任意置換炭素環式または任意置換ヘテロ環式環を形成し;
RE4は、脱離基であり;
RE5は、ハロゲンであり;
RE6は、水素、置換または非置換のC1−6アルキル、または窒素保護基であり;
Yのそれぞれは、独立して、O、S、またはNRE7であり、ここで、RE7は、水素、置換または非置換のC1−6アルキル、または窒素保護基であり;
aは、1または2であり;
zのそれぞれは、独立して、原子価が許容する限りにおいて、0、1、2、3、4、5、または6であり;
および
Wは、−CRD1−または−N=であり;
R8のそれぞれは、存在する場合、独立して、水素、ハロゲン、任意置換アシル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、−ORD1、−N(RD1a)2、および−SRD1から選択され、ここで、RD1の各々は、独立して、水素、任意置換アシル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、酸素原子に付着している場合は酸素保護基、および硫黄原子に付着している場合は硫黄保護基から選択され、
ここで、RD1aの各々は、独立して、水素、任意置換アシル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、および窒素保護基から選択され、または任意に2つのRD1aは、それらの介在原子と一緒になって、置換または非置換のヘテロ環式または置換または非置換のヘテロアリール環を形成するか;または
2つのR8基は、連結して、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール環を形成し;
mは、0、1、2、3または4であり;および
nは、0、1、2、3、4、5または6である、
前記化合物、およびその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、および立体異性体が提供される。
ある態様において、式(I’)の化合物は、式(I)のものである。
本発明の1つの側面において、式(I):
の化合物または薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグであって、式中:
環Aは、式(ii−1)〜(ii−5):
のいずれか1つの任意置換ヘテロアリール環、または任意置換6員アリールまたはヘテロアリール環であり;
V1、V2、V3、V4、V5、V6、V7、V8、V9、V10、V11、V12、V13、およびV14のそれぞれは、独立して、O、S、N、N(RA1)、C、またはC(RA2)であり;
Zは、−CH−または−N−であり;
RA1のそれぞれは、独立して、水素、任意置換アシル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリールから選択され;
RA2のそれぞれは、独立して、水素、ハロゲン、−CN、任意置換アシル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、−ORA2a、−N(RA2b)2、および−SRA2aから選択され、ここで、RA2aは、独立して、水素、任意置換アシル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリール、酸素原子に付着している場合は酸素保護基、または硫黄原子に付着している場合は硫黄保護基から選択され;
ここで、RA2bの各々は、独立して、水素、任意置換アシル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリール、窒素保護基から選択され、または任意に2つのRA2bは、それらの介在原子と一緒になって、置換または非置換のヘテロ環式または置換または非置換のヘテロアリール環を形成するか;または
いずれか2つのRA1、いずれか2つのRA2、または1つのRA1および1つのRA2は、連結して、任意置換炭素環式、任意置換ヘテロ環式、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール環を形成し;
R1bの各々は、独立して、水素、ハロゲン、任意置換アシル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、−CN、−ORB1a、−N(RB1b)2、および−SRB1aから選択され、ここで、RB1aの各々は、独立して、水素、任意置換アシル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリール、酸素原子に付着している場合は酸素保護基、または硫黄原子に付着している場合は硫黄保護基から選択され;
ここで、RB1bの各々は、独立して、水素、任意置換アシル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリール、窒素保護基から選択され、または任意に2つのRB1bは、それらの介在原子と一緒になって、置換または非置換のヘテロ環式または置換または非置換のヘテロアリール環を形成し;
R2は、−O−、−S−、−N(R6)−、または任意置換C1−C4アルキレンであり、ここで、アルキレンの1つ以上のメチレン単位は、任意におよび独立して、−O−、−S−、または−N(R6)−で置き換えられ;
R3のそれぞれは、存在する場合、独立して、ハロゲン、任意置換アシル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、−ORC1、−N(RC1a)2、および−SRC1から選択され、ここで、RC1の各々は、独立して、水素、任意置換アシル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリール、酸素原子に付着している場合は酸素保護基、または硫黄原子に付着している場合は硫黄保護基から選択され;
ここで、RC1aの各々は、独立して、水素、任意置換アシル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリール、窒素保護基から選択され、または任意に2つのRC1aは、それらの介在原子と一緒になって、置換または非置換のヘテロ環式または置換または非置換のヘテロアリール環を形成するか;または
同じ環内炭素原子に結合している2つのR3基は、一緒になって=Oを形成するか、または
同じかまたは異なる環内炭素原子に結合している2つのR3基は、連結して、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール環を形成し;
R4は、結合、−C(=O)−、−O−、−S−、−N(R6)−、−S(=O)2−、または任意置換C1−C4アルキレンから選択され、ここで:
窒素原子に結合しているメチレン単位以外の、アルキレンの1つ以上のメチレン単位は、任意におよび独立して、−C(=O)、−O−、−S−、−N(R6)−、または−S(=O)2−で置き換えられ;
R6の各々は、独立して、水素および−C1−C6アルキルから選択され;
R7は、式:
の弾頭であり、
ここで;
L3は、結合または任意置換C1−4炭化水素鎖であり、任意にここで、炭化水素鎖の1つ以上の炭素単位は、独立して、−C=O−、−O−、−S−、−NRL3a−、−NRL3aC(=O)−、−C(=O)NRL3a−、−SC(=O)−、−C(=O)S−、−OC(=O)−、−C(=O)O−、−NRL3aC(=S)−、−C(=S)NRL3a−、トランス−CRL3b=CRL3b−、シス−CRL3b=CRL3b−、−C≡C−、−S(=O)−、−S(=O)O−、−OS(=O)−、−S(=O)NRL3a−、−NRL3aS(=O)−、−S(=O)2−、−S(=O)2O−、−OS(=O)2−、−S(=O)2NRL3a−、または−NRL3aS(=O)2−で置き換えられ、ここで、RL3aは、水素、置換または非置換のC1−6アルキル、または窒素保護基であり、およびここで、RL3bの各々は、独立して、水素、ハロゲン、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリールであるか、または2つのRL3b基は、連結して、任意置換炭素環式または任意置換ヘテロ環式環を形成し;
L4は、結合または任意置換、分枝状または非分枝状のC1−6炭化水素鎖であり;
RE1、RE2、およびRE3の各々は、独立して、水素、ハロゲン、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、−CN、−CH2OREE、−CH2N(REE)2、−CH2SREE、−OREE、−N(REE)2、−Si(REE)3、または−SREEであり、ここで、REEのそれぞれは、独立して、水素、任意置換アルキル、任意置換アルコキシ、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリールであるか、または2つのREE基は、連結して、任意置換ヘテロ環式環を形成し;またはRE1およびRE3、またはRE2およびRE3、またはRE1およびRE2は、連結して、任意置換炭素環式または任意置換ヘテロ環式環を形成し;
RE4は、脱離基であり;
RE5は、ハロゲンであり;
RE6は、水素、置換または非置換のC1−6アルキル、または窒素保護基であり;
Yのそれぞれは、独立して、O、S、またはNRE7であり、ここで、RE7は、水素、置換または非置換のC1−6アルキル、または窒素保護基であり;
aは、1または2であり;
zのそれぞれは、独立して、原子価が許容する限りにおいて、0、1、2、3、4、5、または6であり;および
R8のそれぞれは、存在する場合、独立して、水素、ハロゲン、任意置換アシル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、−ORD1、−N(RD1a)2、および−SRD1から選択され、ここで、RD1の各々は、独立して、水素、任意置換アシル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、酸素原子に付着している場合は酸素保護基、および硫黄原子に付着している場合は硫黄保護基から選択され;
ここで、RD1aの各々は、独立して、水素、任意置換アシル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリール、窒素保護基から選択され、または任意に2つのRD1aは、それらの介在原子と一緒になって、置換または非置換のヘテロ環式または置換または非置換のヘテロアリール環を形成するか;または
2つのR8基は、連結して、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール環を形成し;
mは、0、1、2、3または4であり;および
nは、0、1、2、3、4、5または6である、
前記化合物、または薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグが提供される。
ある態様において、本明細書において記載される化合物は、式(II):
のもの、または薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグであって、式中:
環Aは、式(ii−1)〜(ii−5):
のいずれか1つの任意置換ヘテロアリール環または任意置換6員アリールまたはヘテロアリール環であり;
V1、V2、V3、V4、V5、V6、V7、V8、V9、V10、V11、V12、V13、およびV14のそれぞれは、独立して、O、S、N、N(RA1)、C、またはC(RA2)であり;
RA1のそれぞれは、独立して、水素、任意置換アシル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリールから選択され;
RA2のそれぞれは、独立して、水素、ハロゲン、−CN、任意置換アシル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、−ORA2a、−N(RA2b)2、および−SRA2aから選択され、ここで、RA2aは、独立して、水素、任意置換アシル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリール、酸素原子に付着している場合は酸素保護基、または硫黄原子に付着している場合は硫黄保護基から選択され;
ここで、RA2bの各々は、独立して、水素、任意置換アシル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリール、窒素保護基から選択されるか、または任意に2つのRA2bは、それらの介在原子と一緒になって、置換または非置換のヘテロ環式または置換または非置換のヘテロアリール環を形成するか;または
いずれか2つのRA1、いずれか2つのRA2、または1つのRA1および1つのRA2は、連結して、任意置換炭素環式、任意置換ヘテロ環式、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール環を形成し;
R1bの各々は、独立して、水素、ハロゲン、任意置換アシル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、−CN、−ORB1a、−N(RB1b)2、および−SRB1aから選択され、ここで、RB1aの各々は、独立して、水素、任意置換アシル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリール、酸素原子に付着している場合は酸素保護基、または硫黄原子に付着している場合は硫黄保護基から選択され;
ここで、RB1bの各々は、独立して、水素、任意置換アシル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリール、窒素保護基から選択され、または任意に2つのRB1bは、それらの介在原子と一緒になって、置換または非置換のヘテロ環式または置換または非置換のヘテロアリール環を形成し;
R3のそれぞれは、存在する場合、独立して、ハロゲン、任意置換アシル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、−ORC1、−N(RC1a)2、および−SRC1から選択され、ここで、RC1の各々は、独立して、水素、任意置換アシル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリール、酸素原子に付着している場合は酸素保護基、または硫黄原子に付着している場合は硫黄保護基から選択され;
ここで、RC1aの各々は、独立して、水素、任意置換アシル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリール、窒素保護基から選択され、または任意に2つのRC1aは、それらの介在原子と一緒になって、置換または非置換のヘテロ環式または置換または非置換のヘテロアリール環を形成するか;または
同じ環内炭素原子に結合している2つのR3基は、一緒になって、=Oを形成するか、または
同じかまたは異なる環内炭素原子に結合している2つのR3基は、連結して、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール環を形成し;
R6の各々は、独立して、水素および−C1−C6アルキルから選択され;
R7は、式:
の弾頭であり、
ここで:
L3は、結合または任意置換C1−4炭化水素鎖であり、任意にここで、炭化水素鎖の1つ以上の炭素単位は、独立して、−C=O−、−O−、−S−、−NRL3a−、−NRL3aC(=O)−、−C(=O)NRL3a−、−SC(=O)−、−C(=O)S−、−OC(=O)−、−C(=O)O−、−NRL3aC(=S)−、−C(=S)NRL3a−、トランス−CRL3b=CRL3b−、シス−CRL3b=CRL3b−、−C≡C−、−S(=O)−、−S(=O)O−、−OS(=O)−、−S(=O)NRL3a−、−NRL3aS(=O)−、−S(=O)2−、−S(=O)2O−、−OS(=O)2−、−S(=O)2NRL3a−、または−NRL3aS(=O)2−で置き換えられ、ここで、RL3aは、水素、置換または非置換のC1−6アルキル、または窒素保護基であり、およびここで、RL3bの各々は、独立して、水素、ハロゲン、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリールであるか、または2つのRL3b基は、連結して、任意置換炭素環式または任意置換ヘテロ環式環を形成し;
L4は、結合または任意置換、分枝状または非分枝状のC1−6炭化水素鎖であり;
RE1、RE2、およびRE3の各々は、独立して、水素、ハロゲン、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、−CN、−CH2OREE、−CH2N(REE)2、−CH2SREE、−OREE、−N(REE)2、−Si(REE)3、または−SREEであり、ここで、REEのそれぞれは、独立して、水素、任意置換アルキル、任意置換アルコキシ、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリールであるか、または2つのREE基は、連結して、任意置換ヘテロ環式環を形成し;またはRE1およびRE3、またはRE2およびRE3、またはRE1およびRE2は、連結して、任意置換炭素環式または任意置換ヘテロ環式環を形成し;
RE4は、脱離基であり;
RE5は、ハロゲンであり;
RE6は、水素、置換または非置換のC1−6アルキル、または窒素保護基であり;
Yのそれぞれは、独立して、O、S、またはNRE7であり、ここで、RE7は、水素、置換または非置換のC1−6アルキル、または窒素保護基であり;
aは、1または2であり;
zのそれぞれは、独立して、原子価が許容する限りにおいて、0、1、2、3、4、5、または6であり;および
R8のそれぞれは、存在する場合、独立して、水素、ハロゲン、任意置換アシル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、−ORD1、−N(RD1a)2、および−SRD1から選択され、ここで、RD1の各々は、独立して、水素、任意置換アシル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリール、酸素原子に付着している場合は酸素保護基、または硫黄原子に付着している場合は硫黄保護基から選択され;
ここで、RD1aの各々は、独立して、水素、任意置換アシル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリール、窒素保護基から選択され、または任意に2つのRD1aは、それらの介在原子と一緒になって、置換または非置換のヘテロ環式または置換または非置換のヘテロアリール環を形成するか;または
2つのR8基は、連結して、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール環を形成し;
nは、0、1、2、3、4、5または6であり;および
pは、0、1、2、3、4、または5である、
前記化合物または薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグである。
式(I’)および(II)において本明細書に一般的に記載されるように、環Aは、式(ii−1)−(ii−5):
のいずれか1つの任意置換ヘテロアリール環または任意置換6員アリールまたはヘテロアリール環であり;ここで、V1、V2、V3、V4、V5、V6、V7、V8、V9、V10、V11、V12、V13、およびV14のそれぞれは、独立して、O、S、N、N(RA1)、C、またはC(RA2)である。
式(I’)および(II)の化合物は、環Aを包含する。ある態様において、環Aは、任意置換単環式アリール環と縮合した任意置換単環式ヘテロアリール環である。ある態様において、環Aは、任意置換6員アリール環である。ある態様において、環Aは、任意置換6員ヘテロアリール環である。ある態様において、環Aは、任意置換二環式ヘテロアリール環である。ある態様において、環Aは、別の任意置換単環式ヘテロアリール環と縮合した任意置換単環式ヘテロアリール環である。環Aは、任意置換6,5員ヘテロアリール環または任意置換5,6員ヘテロアリール環であってもよい。ある態様において、環Aは、任意置換単環式6員アリール環と縮合した任意置換単環式5員ヘテロアリール環である。ある態様において、環Aは、任意置換単環式6員ヘテロアリール環と縮合した任意置換単環式5員ヘテロアリール環である。環Bへの環Aの取り付け点は、原子価が許容する限りにおいて、環Aのいずれの原子でもよい。ある態様において、環Aは、式(ii−1):
のものである。ある態様において、環Aは、式(ii−2):
のものである。ある態様において、環Aは、式(ii−3):
のものである。ある態様において、環Aは、式(ii−4):
のものである。式(I’)および(II)において本明細書に一般的に記載されるように、環AのV1、V2、V3、V4、V5、V6、V7、V8、およびV9は、各々独立して、原子価が許容する限りにおいて、O、S、N、NRA1、C、またはCRA2であってもよい。ある態様において、V1は、O、S、NまたはNRA1である。ある態様において、V1は、NまたはNRA1である。ある態様において、環Aは、式:
のものである。ある態様において、環Aは、式:
のものである。ある態様において、環Aは、式:
のものである。ある態様において、環Aは、式:
のものである。ある態様において、環Aは、式:
のものである。ある態様において、環Aは、式:
のものである。ある態様において、環Aは、式:
のものである。
ある態様において、V1、V2、V3、V4、V5、V6、V7、V8、およびV9の1つのみが、O、S、N、およびNRA1からなる群から選択される。ある態様において、V1、V2、V3、V4、V5、V6、V7、V8、およびV9の1つのみが、NおよびNRA1からなる群から選択される。ある態様において、V1は、NまたはNRA1であり;V2、V3、V4、V5、V6、V7、V8、およびV9は、各々独立して、CまたはCRA2であり;およびしたがって、環Aは、任意置換インドール環である。ある態様において、環Aは、式(iii−1):
のものである。ある態様において、環Aは、式(iii−2):
のものである。ある態様において、環Aは、式(iii−3):
のものである。ある態様において、環Aは、式:
のものである。ある態様において、環Aは、式:
のものである。ある態様において、環Aは、式:
のものである。ある態様において、環Aは、式:
のものである。ある態様において、環Aは、式:
のものである。
ある態様において、環Aは、式(iii−4):
のものである。ある態様において、環Aは、式(iii−5):
のものである。ある態様において、環Aは、式(iii−6):
のものである。ある態様において、環Aは、式(iii−7):
のものである。
ある態様において、V1、V2、V3、V4、V5、V6、V7、V8、およびV9の2つのみが、各々独立して、O、S、N、およびNRA1からなる群から選択される。ある態様において、V1、V2、V3、V4、V5、V6、V7、V8、およびV9の2つのみが、各々独立して、NおよびNRA1からなる群から選択される。ある態様において、V1は、NまたはNRA1であり;およびV2、V3、V4、V5、V6、V7、V8、およびV9の1つのみが、NまたはNRA1である。ある態様において、V1およびV2は、各々独立して、NまたはNRA1であり;V3、V4、V5、V6、V7、V8、およびV9は、各々独立してCまたはCRA2であり;およびしたがって、環Aは、任意置換インダゾール環である。ある態様において、環Aは、式:
のものである。ある態様において、環Aは、式:
のものである。ある態様において、環Aは、式:
のものである。ある態様において、環Aは、式:
のものである。ある態様において、環Aは、式:
のものである。ある態様において、環Aは、式:
のものである。
ある態様において、V1およびV3は、各々独立して、NまたはNRA1であり;V2、V4、V5、V6、V7、V8、およびV9は、各々独立して、CまたはCRA2であり;およびしたがって、環Aは、任意置換ベンズイミダゾール環である。ある態様において、環Aは、式(iv−1):
のものである。ある態様において、環Aは、式(iv−2):
のものである。ある態様において、環Aは、式(iv−3):
のものである。ある態様において、環Aは、式(iv−4):
のものである。ある態様において、環Aは、式(iv−5):
のものである。ある態様において、環Aは、式(iv−6):
のものである。
ある態様において、V1およびV4は、各々独立して、NまたはNRA1であり;V2、V3、V5、V6、V7、V8、およびV9は、各々独立して、CまたはCRA2であり;およびしたがって、環Aは、任意置換4−アザインダゾール環である。ある態様において、環Aは、式:
のものである。ある態様において、環Aは、式:
のものである。ある態様において、環Aは、式:
のものである。ある態様において、環Aは、式:
のものである。ある態様において、環Aは、式:
のものである。ある態様において、環Aは、式:
のものである。
ある態様において、V1およびV5は、各々独立して、NまたはNRA1であり;V2、V3、V4、V6、V7、V8、およびV9は、各々独立して、CまたはCRA2であり;およびしたがって、環Aは、任意置換5−アザインダゾール環である。ある態様において、環Aは、式:
のものである。ある態様において、環Aは、式:
のものである。ある態様において、環Aは、式:
のものである。ある態様において、環Aは、式:
のものである。ある態様において、環Aは、式:
のものである。ある態様において、環Aは、式:
のものである。
ある態様において、V1およびV6は、各々独立して、NまたはNRA1であり;V2、V3、V4、V5、V7、V8、およびV9は、各々独立して、CまたはCRA2であり;およびしたがって、環Aは、任意置換6−アザインドール環である。ある態様において、環Aは、式:
のものである。ある態様において、環Aは、式:
のものである。ある態様において、環Aは、式:
のものである。ある態様において、環Aは、式:
のものである。ある態様において、環Aは、式:
のものである。ある態様において、環Aは、式:
のものである。
ある態様において、V1およびV7は、各々独立して、NまたはNRA1であり;V2、V3、V4、V5、V6、V8、およびV9は、各々独立して、CまたはCRA2であり;およびしたがって、環Aは、任意置換7−アザインドール環である。ある態様において、環Aは、式(v−1):
のものである。ある態様において、環Aは、式(v−2):
のものである。ある態様において、環Aは、式(v−3):
のものである。ある態様において、環Aは、式(v−4):
のものである。ある態様において、環Aは、式(v−5):
のものである。ある態様において、環Aは、式(v−6):
のものである。
ある態様において、V1およびV8は、各々独立して、NまたはNRA1であり、V2、V3、V4、V5、V6、V7、およびV9は、各々独立して、CまたはCRA2であり;およびしたがって、環Aは、任意置換8−アザインドール環である。ある態様において、環Aは、式(vi−1):
のものである。ある態様において、環Aは、式(vi−2):
のものである。ある態様において、環Aは、式(vi−3):
のものである。ある態様において、環Aは、式(vi−4):
のものである。ある態様において、環Aは、式(vi−5):
のものである。ある態様において、環Aは、式(vi−6):
のものである。
ある態様において、V1およびV9は、各々独立して、NまたはNRA1であり;V2、V3、V4、V5、V6、V7、およびV8は、各々独立して、CまたはCRA2であり;およびしたがって、環Aは、任意置換9−アザインドール環である。ある態様において、環Aは、式:
のものである。ある態様において、環Aは、式:
のものである。ある態様において、環Aは、式:
のものである。ある態様において、環Aは、式:
のものである。ある態様において、環Aは、式:
のものである。ある態様において、環Aは、式:
のものである。
ある態様において、V1、V2、V3、V4、V5、V6、V7、V8、およびV9の3つのみが、各々独立して、O、S、N、およびNRA1からなる群から選択される。ある態様において、V1、V2、V3、V4、V5、V6、V7、V8、およびV9の3つのみが、各々独立して、NおよびNRA1からなる群から選択される。ある態様において、V1は、NまたはNRA1であり;およびV2、V3、V4、V5、V6、V7、V8、およびV9の2つのみが、各々独立して、NまたはNRA1である。
式(I’)および(II)において本明細書に一般的に記載されるように、環Aはまた、任意置換5員ヘテロアリール環であってもよい。ある態様において、環Aは、式(ii−5):
のものである。
式(I’)および(II)において本明細書に一般的に記載されるように、環AのV10、V11、V12、V13、およびV14は、各々独立して、原子価が許容する限りにおいて、O、S、N、NRA1、C、またはCRA2であってもよい。ある態様において、V10、V11、V12、V13、およびV14の1つのみが、O、S、N、およびNRA1からなる群から選択される。ある態様において、環Aは、式:
のものである。
ある態様において、環Aは、式:
のものである。
ある態様において、環Aは、式:
のものである。
ある態様において、V10、V11、V12、V13、およびV14の2つのみが、独立してO、S、N、およびNRA1からなる群から選択される。ある態様において、環Aは、式:
のものである。
ある態様において、環Aは、式:
のものである。
ある態様において、環Aは、式:
のものである。
ある態様において、環Aは、式(vii):
のものである。
ある態様において、環Aは、式:
のものである。ある態様において、環Aは、式:
のものである。ある態様において、環Aは、式:
のものである。
ある態様において、V10、V11、V12、V13、およびV14の3つのみが、各々独立して、O、S、N、およびNRA1からなる群から選択される。ある態様において、環Aは、式:
のものである。
ある態様において、環Aは、式:
のものである。
ある態様において、環Aは、式:
のものである。
ある態様において、V10、V11、V12、V13、およびV14の4つのみが、各々独立して、NおよびNRA1からなる群から選択される。ある態様において、環Aは、式:
のものである。
ある態様において、環Aは、任意置換6員アリール環である。ある態様において、環Aは、任意置換フェニルである。ある態様において、環Aは、任意置換6員ヘテロアリール環である。ある態様において、環Aは、式(ii−6):
のものである。ある態様において、環AのV10、V11、V12、V13、V14、およびV15は、各々独立して、原子価が許容する限りにおいて、N、C、またはCRA2であってもよい。ある態様において、V10、V11、V12、V13、V14、およびV15の1つのみが、Nである。ある態様において、環Aは、式:
のものである。
ある態様において、V10、V11、V12、V13、V14、およびV15の2つのみが、Nである。ある態様において、環Aは、式:
のものである。ある態様において、V10、V11、V12、V13、V14、およびV15の3つのみが、Nである。ある態様において、環Aは、式:
のものである。
ある態様において、環Aは、式(ii−1)、(ii−5)、または(ii−6)のものである。ある態様において、環Aは、式:
のものである。
式(I’)および(II)において本明細書に一般的に記載されるように、環Aは、RA1基が窒素原子に付着している場合、1つ以上のRA1基で置換されていてもよい。ある態様において、少なくとも1つのRA1は、H(水素)である。ある態様において、少なくとも1つのRA1は、ハロゲンである。ある態様において、少なくとも1つのRA1は、F(フッ素)である。ある態様において、少なくとも1つのRA1は、Cl(塩素)である。ある態様において、少なくとも1つのRA1は、Br(臭素)である。ある態様において、少なくとも1つのRA1は、I(ヨウ素)である。ある態様において、少なくとも1つのRA1は、置換アシルである。ある態様において、少なくとも1つのRA1は、非置換のアシルである。ある態様において、少なくとも1つのRA1は、アセチルである。ある態様において、少なくとも1つのRA1は、置換アセチルである。ある態様において、少なくとも1つのRA1は、置換アルキルである。ある態様において、少なくとも1つのRA1は、非置換のアルキルである。ある態様において、少なくとも1つのRA1は、C1−6アルキルである。ある態様において、少なくとも1つのRA1は、メチルである。ある態様において、少なくとも1つのRA1は、エチルである。ある態様において、少なくとも1つのRA1は、プロピルである。ある態様において、少なくとも1つのRA1は、ブチルである。ある態様において、少なくとも1つのRA1は、置換アルケニルである。ある態様において、少なくとも1つのRA1は、非置換のアルケニルである。ある態様において、少なくとも1つのRA1は、ビニルである。ある態様において、少なくとも1つのRA1は、置換アルキニルである。ある態様において、少なくとも1つのRA1は、非置換のアルキニルである。ある態様において、少なくとも1つのRA1は、エチニルである。ある態様において、少なくとも1つのRA1は、置換カルボシクリルである。ある態様において、少なくとも1つのRA1は、非置換のカルボシクリルである。ある態様において、少なくとも1つのRA1は、置換ヘテロシクリルである。ある態様において、少なくとも1つのRA1は、非置換のヘテロシクリルである。ある態様において、少なくとも1つのRA1は、置換アリールである。ある態様において、少なくとも1つのRA1は、非置換のアリールである。ある態様において、少なくとも1つのRA1は、置換フェニルである。ある態様において、少なくとも1つのRA1は、非置換のフェニルである。ある態様において、少なくとも1つのRA1は、置換ヘテロアリールである。ある態様において、少なくとも1つのRA1は、非置換のヘテロアリールである。ある態様において、少なくとも1つのRA1は、置換ピリジルである。ある態様において、少なくとも1つのRA1は、非置換のピリジルである。ある態様において、少なくとも1つのRA1は、窒素保護基(例えば、Bn、BOC、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、またはTs)である。
ある態様において、少なくとも1つのRA1は、水素、C1−6アルキル、または窒素保護基である。ある態様において、RA1のすべては、各々独立して、水素、C1−6アルキル、または窒素保護基である。ある態様において、RA1のすべては、水素である。
式(I’)および(II)において、環Aは、RA2基が炭素原子に付着している場合、1つ以上のRA2基で置換されていてもよい。ある態様において、少なくとも1つのRA2は、Hである。ある態様において、少なくとも1つのRA2は、ハロゲンである。ある態様において、少なくとも1つのRA2は、Fである。ある態様において、少なくとも1つのRA2は、Clである。ある態様において、少なくとも1つのRA2は、Brである。ある態様において、少なくとも1つのRA2は、I(ヨウ素)である。ある態様において、少なくとも1つのRA2は、置換アシルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2は、非置換のアシルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2は、アセチルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2は、置換アセチルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2は、置換アルキルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2は、非置換のアルキルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2は、C1−6アルキルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2は、メチルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2は、エチルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2は、プロピルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2は、ブチルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2は、置換アルケニルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2は、非置換のアルケニルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2は、ビニルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2は、置換アルキニルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2は、非置換のアルキニルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2は、エチニルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2は、置換カルボシクリルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2は、非置換のカルボシクリルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2は、置換ヘテロシクリルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2は、非置換のヘテロシクリルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2は、置換アリールである。ある態様において、少なくとも1つのRA2は、非置換のアリールである。ある態様において、少なくとも1つのRA2は、置換フェニルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2は、非置換のフェニルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2は、置換ヘテロアリールである。ある態様において、少なくとも1つのRA2は、非置換のヘテロアリールである。ある態様において、少なくとも1つのRA2は、置換ピリジルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2は、非置換のピリジルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2は、−CNである。ある態様において、少なくとも1つのRA2は、−ORA2aである。ある態様において、少なくとも1つのRA2は、−N(RA2b)2である。ある態様において、少なくとも1つのRA2は、−SRA2aである。
ある態様において、2つのRA2基は、各々独立して、ハロゲン、任意置換アルキル、または任意置換アリールであり;および他のすべてのRA2は、水素である。ある態様において、2つのRA2基は、各々独立して、ハロゲンまたは任意置換アルキルであり;および他のすべてのRA2は、水素である。ある態様において、2つのRA2基は、ハロゲンであり;および他のすべてのRA2は、水素である。ある態様において、2つのRA2基は、任意置換アルキルであり;および他のすべてのRA2は、水素である。ある態様において、2つのRA2基は、C1−6アルキルであり;および他のすべてのRA2は、水素である。ある態様において、2つのRA2基は、メチルであり;および他のすべてのRA2は、水素である。ある態様において、2つのRA2基は、エチルであり;および他のすべてのRA2は、水素である。ある態様において、2つのRA2基は、プロピルであり;および他のすべてのRA2は、水素である。ある態様において、2つのRA2基は、ブチルであり;および他のすべてのRA2は、水素である。ある態様において、2つのRA2基は、任意置換アリールであり;および他のすべてのRA2は、水素である。ある態様において、2つのRA2基は、任意置換フェニルであり;および他のすべてのRA2は、水素である。
ある態様において、1つのRA2基は、ハロゲン、任意置換アルキル、または任意置換アリールであり;および他のすべてのRA2は、水素である。ある態様において、1つのRA2は、ハロゲンまたは任意置換アルキルであり;および他のすべてのRA2は、水素である。ある態様において、1つのRA2は、ハロゲンであり;および他のすべてのRA2は、水素である。ある態様において、1つのRA2は、任意置換アルキルであり;および他のすべてのRA2は、水素である。ある態様において、1つのRA2は、C1−6アルキルであり;および他のすべてのRA2は、水素である。ある態様において、1つのRA2は、メチルであり;および他のすべてのRA2は、水素である。ある態様において、1つのRA2は、エチルであり;および他のすべてのRA2は、水素である。ある態様において、1つのRA2は、プロピルであり;および他のすべてのRA2は、水素である。ある態様において、1つのRA2は、ブチルであり;および他のすべてのRA2は、水素である。ある態様において、1つのRA2は、任意置換アリールであり;および他のすべてのRA2は、水素である。ある態様において、1つのRA2は、任意置換フェニルであり;および他のすべてのRA2は、水素である。ある態様において、RA2のすべては、水素である。
ある態様において、RA2が−ORA2aまたは−SRA2aである場合、RA2aは、Hである。ある態様において、RA2aは、ハロゲンである。ある態様において、RA2aは、Fである。ある態様において、RA2aは、Clである。ある態様において、RA2aは、Brである。ある態様において、RA2aは、I(ヨウ素)である。ある態様において、RA2aは、置換アシルである。ある態様において、RA2aは、非置換のアシルである。ある態様において、RA2aは、アセチルである。ある態様において、RA2aは、置換アセチルである。ある態様において、RA2aは、置換アルキルである。ある態様において、RA2aは、非置換のアルキルである。ある態様において、RA2aは、C1−6アルキルである。ある態様において、RA2aは、メチルである。ある態様において、RA2aは、エチルである。ある態様において、RA2aは、プロピルである。ある態様において、RA2aは、ブチルである。ある態様において、RA2aは、置換アルケニルである。ある態様において、RA2aは、非置換のアルケニルである。ある態様において、RA2aは、ビニルである。ある態様において、RA2aは、置換アルキニルである。ある態様において、RA2aは、非置換のアルキニルである。ある態様において、RA2aは、エチニルである。ある態様において、RA2aは、置換カルボシクリルである。ある態様において、RA2aは、非置換のカルボシクリルである。ある態様において、RA2aは、置換ヘテロシクリルである。ある態様において、RA2aは、非置換のヘテロシクリルである。ある態様において、RA2aは、置換アリールである。ある態様において、RA2aは、非置換のアリールである。ある態様において、RA2aは、置換フェニルである。ある態様において、RA2aは、非置換のフェニルである。ある態様において、RA2aは、置換ヘテロアリールである。ある態様において、RA2aは、非置換のヘテロアリールである。ある態様において、RA2aは、置換ピリジルである。ある態様において、RA2aは、非置換のピリジルである。ある態様において、RA2aは、酸素原子に付着している場合は酸素保護基(例えば、シリル、TBDPS、TBDMS、TIPS、TES、TMS、MOM、THP、t−Bu、Bn、アリル、アセチル、ピバロイル、またはベンゾイル)である。ある態様において、RA2aは、硫黄原子に付着している場合は硫黄保護基である。ある態様において、RA2aは、硫黄原子に付着している場合、アセトアミドメチル、t−Bu、3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル、2−ピリジン−スルフェニル、またはトリフェニルメチルである。
ある態様において、RA2が−N(RA2b)2である場合、少なくとも1つのRA2bは、Hである。ある態様において、少なくとも1つのRA2bは、ハロゲンである。ある態様において、少なくとも1つのRA2bは、Fである。ある態様において、少なくとも1つのRA2bは、Clである。ある態様において、少なくとも1つのRA2bは、Brである。ある態様において、少なくとも1つのRA2bは、I(ヨウ素)である。ある態様において、少なくとも1つのRA2bは、置換アシルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2bは、非置換のアシルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2bは、アセチルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2bは、置換アセチルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2bは、置換アルキルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2bは、非置換のアルキルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2bは、C1−6アルキルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2bは、メチルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2bは、エチルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2bは、プロピルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2bは、ブチルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2bは、置換アルケニルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2bは、非置換のアルケニルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2bは、ビニルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2bは、置換アルキニルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2bは、非置換のアルキニルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2bは、エチニルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2bは、置換カルボシクリルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2bは、非置換のカルボシクリルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2bは、置換ヘテロシクリルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2bは、非置換のヘテロシクリルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2bは、置換アリールである。ある態様において、少なくとも1つのRA2bは、非置換のアリールである。ある態様において、少なくとも1つのRA2bは、置換フェニルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2bは、非置換のフェニルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2bは、置換ヘテロアリールである。ある態様において、少なくとも1つのRA2bは、非置換のヘテロアリールである。ある態様において、少なくとも1つのRA2bは、置換ピリジルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2bは、非置換のピリジルである。ある態様において、少なくとも1つのRA2bは、窒素原子に付着している場合、窒素保護基である。ある態様において、少なくとも1つのRA2bは、窒素原子に付着している場合、Bn、BOC、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、またはTsである。ある態様において、2つのRA2b基は、連結して、置換ヘテロ環式環を形成する。ある態様において、2つのRA2b基は、連結して、非置換のヘテロ環式環を形成する。
式(I’)および(II)において、いずれか2つのRA1、いずれか2つのRA2、または1つのRA1および1つのRA2は、連結して、任意置換炭素環式、任意置換ヘテロ環式、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール環を形成してもよい。ある態様において、2つのRA1は、連結して、置換または非置換の炭素環式環を形成する。ある態様において、2つのRA1は、連結して、置換または非置換のヘテロ環式環を形成する。ある態様において、2つのRA1は、連結して、置換または非置換のアリール環を形成する。ある態様において、2つのRA1は、連結して、置換または非置換のヘテロアリール環を形成する。ある態様において、2つのRA2は、連結して、置換または非置換の炭素環式環を形成する。ある態様において、2つのRA2は、連結して、置換または非置換のヘテロ環式環を形成する。ある態様において、2つのRA2は、連結して、置換または非置換のアリール環を形成する。ある態様において、2つのRA2は、連結して、置換または非置換のヘテロアリール環を形成する。ある態様において、1つのRA1および1つのRA2は、連結して、置換炭素環式環を形成する。ある態様において、1つのRA1および1つのRA2は、連結して、非置換の炭素環式環を形成する。ある態様において、1つのRA1および1つのRA2は、連結して、置換ヘテロ環式環を形成する。ある態様において、1つのRA1および1つのRA2は、連結して、非置換のヘテロ環式環を形成する。ある態様において、1つのRA1および1つのRA2は、連結して、置換アリール環を形成する。ある態様において、1つのRA1および1つのRA2は、連結して、非置換のアリール環を形成する。ある態様において、1つのRA1および1つのRA2は、連結して、置換ヘテロアリール環を形成する。ある態様において、1つのRA1および1つのRA2は、連結して、非置換のヘテロアリール環を形成する。
本明細書において一般的に定義されるように、式(I’)および(II)は、置換基R1bを包含する。ある態様において、R1bは、Hである。ある態様において、R1bは、ハロゲンである。ある態様において、R1bは、Fである。ある態様において、R1bは、Clである。ある態様において、R1bは、Brである。ある態様において、R1bは、I(ヨウ素)である。ある態様において、R1bは、置換アシルである。ある態様において、R1bは、非置換のアシルである。ある態様において、R1bは、アセチルである。ある態様において、R1bは、置換アセチルである。ある態様において、R1bは、置換アルキルである。ある態様において、R1bは、非置換のアルキルである。ある態様において、R1bは、C1−6アルキルである。ある態様において、R1bは、メチルである。ある態様において、R1bは、エチルである。ある態様において、R1bは、プロピルである。ある態様において、R1bは、ブチルである。ある態様において、R1bは、置換アルケニルである。ある態様において、R1bは、非置換のアルケニルである。ある態様において、R1bは、ビニルである。ある態様において、R1bは、置換アルキニルである。ある態様において、R1bは、非置換のアルキニルである。ある態様において、R1bは、エチニルである。ある態様において、R1bは、置換カルボシクリルである。ある態様において、R1bは、非置換のカルボシクリルである。ある態様において、R1bは、置換アリールである。ある態様において、R1bは、非置換のアリールである。ある態様において、R1bは、置換フェニルである。ある態様において、R1bは、非置換のフェニルである。ある態様において、R1bは、置換ヘテロアリールである。ある態様において、R1bは、非置換のヘテロアリールである。ある態様において、R1bは、置換ピリジルである。ある態様において、R1bは、非置換のピリジルである。ある態様において、R1bは、−CNである。ある態様において、R1bは、−ORB1aである。ある態様において、R1bは、−N(RB1b)2(例えば、−NMe2)である。ある態様において、R1bは、−SRB1aである。ある態様において、R1bは、水素、ハロゲン、置換または非置換のC1−6アルキル、−CN、−ORB1a、または−N(RB1b)2である。ある態様において、R1bは、水素、ハロゲン、−CN、−ORB1a、−N(RB1b)2、非置換のC1−6アルキル、または1つ以上のハロゲンで置換されたC1−6アルキル、ここで、RB1aのそれぞれは、独立して、水素、非置換のC1−6アルキル、または1つ以上のハロゲンで置換されたC1−6アルキル;およびRB1bの各々は、独立して、水素、任意置換アシル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリール、窒素保護基から選択される。
ある態様において、RB1bが、−ORB1aまたは−SRB1aである場合、RB1aは、Hである。ある態様において、RB1aは、置換アシルである。ある態様において、RB1aは、非置換のアシルである。ある態様において、RB1aは、アセチルである。ある態様において、RB1aは、置換アセチルである。ある態様において、RB1aは、置換アルキルである。ある態様において、RB1aは、非置換のアルキルである。ある態様において、RB1aは、C1−6アルキルである。ある態様において、RB1aは、メチルである。ある態様において、RB1aは、エチルである。ある態様において、RB1aは、プロピルである。ある態様において、RB1aは、ブチルである。ある態様において、RB1aは、置換アルケニルである。ある態様において、RB1aは、非置換のアルケニルである。ある態様において、RB1aは、ビニルである。ある態様において、RB1aは、置換アルキニルである。ある態様において、RB1aは、非置換のアルキニルである。ある態様において、RB1aは、エチニルである。ある態様において、RB1aは、置換カルボシクリルである。ある態様において、RB1aは、非置換のカルボシクリルである。ある態様において、RB1aは、置換ヘテロシクリルである。ある態様において、RB1aは、非置換のヘテロシクリルである。ある態様において、RB1aは、置換アリールである。ある態様において、RB1aは、非置換のアリールである。ある態様において、RB1aは、置換フェニルである。ある態様において、RB1aは、非置換のフェニルである。ある態様において、RB1aは、置換または非置換のヘテロアリールである。ある態様において、RB1aは、置換または非置換のピリジルである。ある態様において、RB1aは、酸素原子に付着している場合は酸素保護基である。ある態様において、RB1aは、酸素原子に付着している場合、シリル、TBDPS、TBDMS、TIPS、TES、TMS、MOM、THP、t−Bu、Bn、アリル、アセチル、ピバロイル、またはベンゾイルである。ある態様において、RB1aは、硫黄原子に付着している場合、硫黄保護基である。ある態様において、RB1aは、硫黄原子に付着している場合、アセトアミドメチル、t−Bu、3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル、2−ピリジン−スルフェニル、またはトリフェニルメチルである。
ある態様において、R1bは、−N(RB1b)2である。ある態様において、少なくとも1つのRB1bは、置換アシルである。ある態様において、少なくとも1つのRB1bは、非置換のアシルである。ある態様において、少なくとも1つのRB1bは、置換または非置換のアセチルである。ある態様において、少なくとも1つのRB1bは、置換アルキルである。ある態様において、少なくとも1つのRB1bは、非置換のアルキルである。ある態様において、少なくとも1つのRB1bは、C1−6アルキルである。ある態様において、少なくとも1つのRB1bは、メチルである。ある態様において、少なくとも1つのRB1bは、エチルである。ある態様において、少なくとも1つのRB1bは、プロピルである。ある態様において、少なくとも1つのRB1bは、ブチルである。ある態様において、少なくとも1つのRB1bは、置換アルケニルである。ある態様において、少なくとも1つのRB1bは、非置換のアルケニルである。ある態様において、RB1bは、ビニルである。ある態様において、少なくとも1つのRB1bは、置換アルキニルである。ある態様において、少なくとも1つのRB1bは、非置換のアルキニルである。ある態様において、少なくとも1つのRB1bは、エチニルである。ある態様において、少なくとも1つのRB1bは、置換カルボシクリルである。ある態様において、少なくとも1つのRB1bは、非置換のカルボシクリルである。ある態様において、少なくとも1つのRB1bは、置換ヘテロシクリルである。ある態様において、少なくとも1つのRB1bは、非置換のヘテロシクリルである。ある態様において、少なくとも1つのRB1bは、置換アリールである。ある態様において、少なくとも1つのRB1bは、非置換のアリールである。ある態様において、RB1bは、置換フェニルである。ある態様において、RB1bは、非置換のフェニルである。ある態様において、少なくとも1つのRB1bは、置換または非置換のヘテロアリールである。ある態様において、少なくとも1つのRB1bは、置換または非置換のピリジルである。ある態様において、少なくとも1つのRB1bは、窒素原子に付着している場合、窒素保護基(例えば、Bn、BOC、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、またはTs)である。ある態様において、2つのRB1bは、それらの介在原子と一緒になって、置換または非置換のヘテロ環式または置換または非置換のヘテロアリール環を形成する。
式(I’)および(II)において本明細書に一般的に定義されるように、R2は、環Bと環Cとを接続する二価リンカー部分である。ある態様において、R2は、−O−である。ある態様において、R2は、−S−である。ある態様において、R2は、−N(R6)−であり、ここで、各々のR6は、独立して、水素および−C1−C6アルキルから選択される。ある態様において、R2は、−NH−である。ある態様において、R2は、−N(C1−C6アルキル)−(例えば、−N(Me)である。ある態様において、R2は、任意置換C1−C4アルキレンであり、ここで、アルキレンの1つ以上のメチレン単位は、任意におよび独立して、−O−、−S−、または−N(R6)−で置き換えられる。ある態様において、R2は、任意置換C2炭化水素鎖であり、任意にここで、炭化水素鎖の1つまたは2つの炭素単位は、−O−、−S−、または−NR6−で置き換えられる。ある態様において、R2は、任意置換C3炭化水素鎖であり、任意にここで、炭化水素鎖の1つ以上の炭素単位は、−O−、−S−、または−NR6−で置き換えられる。ある態様において、R2は、任意置換C4炭化水素鎖であり、任意にここで、炭化水素鎖の1つ以上の炭素単位は、−O−、−S−、または−NR6−で置き換えられる。ある態様において、C1−4炭化水素鎖の少なくとも1つの炭素単位は、−O−、−S−、または−NR6−(例えば、−NH−または−NMe−)からなる群から独立して選択される、1つ以上の置換基で置換されている。
式(I’)および(II)は、式:
の環Cを包含する。ある態様において、Zは、−CH−である。ある態様において、Zは、Nである。ある態様において、環Cは、式:
のものである。ある態様において、環Cは、式:
のものである。ある態様において、環Cは、式:
のものである。ある態様において、環Cは、式:
のものである。ある態様において、環Cは、式:
のものである。ある態様において、環Cは、式:
のものである。ある態様において、環Cは、式:
のものである。ある態様において、環Cは、式:
のものである。環Cは、1つ以上の置換基R3を包含していてもよい。ある態様において、nは0である。ある態様において、nは1である。ある態様において、nは2である。ある態様において、nは3である。ある態様において、nは4である。ある態様において、nは5である。ある態様において、nは6である。
ある態様において、少なくとも1つのR3は、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、またはI)である。ある態様において、少なくとも1つのR3は、置換または非置換のアシル(例えば、−C(=O)Me)である。ある態様において、少なくとも1つのR3は、置換または非置換のアルキル(例えば、置換または非置換のC1−6アルキル)である。ある態様において、少なくとも1つのR3は、置換または非置換のメチルである。ある態様において、少なくとも1つのR3は、置換または非置換のエチルである。ある態様において、少なくとも1つのR3は、置換または非置換のプロピルである。ある態様において、少なくとも1つのR3は、置換または非置換のアルケニル(例えば、置換または非置換のC2−6アルケニル)である。ある態様において、少なくとも1つのR3は、置換または非置換のアルキニル(例えば、置換または非置換のC2−6アルキニル)である。ある態様において、少なくとも1つのR3は、置換または非置換のカルボシクリル(例えば、炭素環式環系中に0、1、または2個の二重結合を含む、置換または非置換の、3〜7員の単環式カルボシクリル)である。ある態様において、少なくとも1つのR3は、置換または非置換のヘテロシクリル(例えば、置換または非置換の、5〜10員の単環式または二環式ヘテロ環式環、ここで、ヘテロ環式環中の1つまたは2つの原子は、独立して、窒素、酸素、または硫黄である)である。ある態様において、少なくとも1つのR3は、置換または非置換のアリール(例えば、置換または非置換の、6〜10員のアリール)である。ある態様において、少なくとも1つのR3は、ベンジルである。ある態様において、少なくとも1つのR3は、置換または非置換のフェニルである。ある態様において、少なくとも1つのRA1は、置換または非置換のヘテロアリール(例えば、置換または非置換の、5〜6員の単環式ヘテロアリール、ここで、ヘテロアリール環系中の1つ、2つ、3つ、または4つの原子は、独立して、窒素、酸素、または硫黄である;または置換または非置換の、9〜10員の二環式ヘテロアリール、ここで、ヘテロアリール環系中の1つ、2つ、3つ、または4つの原子は、独立して、窒素、酸素、または硫黄である)である。ある態様において、少なくとも1つのR3は、−ORC1(例えば、−OHまたは−OMe)である。ある態様において、少なくとも1つのR3は、−N(RC1a)2(例えば、−NMe2)である。ある態様において、少なくとも1つのR3は、−SRC1(例えば、−SMe)である。ある態様において、同じ環内炭素原子に結合している2つのR3基は、一緒になって、=Oを形成する。ある態様において、同じかまたは異なる環内炭素原子に結合している2つのR3基は、連結して、任意置換カルボシクリル環(例えば、炭素環式環系中に0、1、または2個の二重結合を含む、置換または非置換の、3〜7員の単環式カルボシクリル)を形成する。ある態様において、同じかまたは異なる環内炭素原子に結合している2つのR3基は、連結して、任意置換ヘテロシクリル(例えば、置換または非置換の、5〜10員の単環式または二環式ヘテロ環式環、ここで、ヘテロ環式環中の1つまたは2つの原子は、独立して、窒素、酸素、または硫黄である)を形成する。ある態様において、同じかまたは異なる環内炭素原子に結合している2つのR3基は、連結して、任意置換アリールを形成する。ある態様において、同じかまたは異なる環内炭素原子に結合している2つのR3基は、連結して、任意置換ヘテロアリール環(例えば、置換または非置換の、5〜6員の単環式ヘテロアリール、ここで、ヘテロアリール環系中の1つ、2つ、3つ、または4つの原子は、独立して、窒素、酸素、または硫黄である;または置換または非置換の、9〜10員の二環式ヘテロアリール、ここで、ヘテロアリール環系中の1つ、2つ、3つ、または4つの原子は、独立して、窒素、酸素、または硫黄である)を形成する。
ある態様において、RC1の各々は、独立して、水素、任意置換アシル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリール、酸素原子に付着している場合は酸素保護基、または硫黄原子に付着している場合は硫黄保護基から選択される。ある態様において、RC1aの各々は、独立して、水素、任意置換アシル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリール、窒素保護基から選択され、または任意に2つのRC1aは、それらの介在原子と一緒になって、置換または非置換のヘテロ環式または置換または非置換のヘテロアリール環を形成する。
式(I’)において本明細書に一般的に定義されるように、R4は、環Cと環D1とを接続する二価リンカー部分である。式(I)において本明細書に一般的に定義されるように、R4は、環Cと環Dとを接続する二価リンカー部分である。ある態様において、R4は、結合である。ある態様において、R4は、単結合である。ある態様において、R4は、−C(=O)−である。ある態様において、R4は、−O−である。ある態様において、R4は、−S−である。ある態様において、R4は、−N(R6)−(例えば、−NH−)である。ある態様において、R4は、−S(=O)2−である。ある態様において、R4は、任意置換C1−C4アルキレンであり、ここで、窒素原子に結合しているメチレン単位以外の、アルキレンの1つ以上のメチレン単位は、任意におよび独立して、−C(=O)−、−O−、−S−、−N(R6)−、または−S(=O)2−で置き換えられる。ある態様において、R4は、任意置換C2炭化水素鎖であり、任意にここで、炭化水素鎖の1つまたは2つの炭素単位は、−O−、−S−、−NR6−、または−S(=O)2−で置き換えられる。ある態様において、R4は、−NR6C(=O)−、−C(=O)NR6−、−NR6S(=O)2−、−S(=O)2NR6−、−NR6(C1−2アルキレン)−、または−(C1−2アルキレン)NR6−である。ある態様において、R4は、−NR6C(=O)−、−C(=O)NR6−、−NR6S(=O)2−、−S(=O)2NR6−、−NR6(C1−2アルキレン)−である。ある態様において、R4は、−NHC(=O)−、−C(=O)NH−、−NHS(=O)2−、−N(C(O)OC(CH3)3)−、−N(Boc)−CH2−、−NH−、−NHCH2−、−NMeCH2−、または−OCH2−である。ある態様において、R4は、任意置換C4炭化水素鎖であり、任意にここで、炭化水素鎖の1つ以上の炭素単位は、−C(=O)−、−O−、−S−、−N(R6)−、または−S(=O)2−で置き換えられる。ある態様において、C1−4炭化水素鎖の少なくとも1つの炭素単位は、−C(=O)−、−O−、−S−、−N(R6)−、または−S(=O)2−からなる群から独立して選択される、1つ以上の置換基で置換される。
式(I’)は、式:
の環D1を包含し、ここで、Wは、−CRD1=または−N=であり、およびRD1は、独立して、水素、任意置換アシル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリールである。ある態様において、環D1は、
である。ある態様において、Wは、−CH=である。ある態様において、Wは、−C(Me)−である。ある態様において、Wは、−N=である。
ある態様において、環D1は、式:
の環Dの化合物である。
式(I)は、式:
の環Dを包含する。環Dは、0以上の置換基R8を包含する。ある態様において、mは、0である。ある態様において、mは、1である。ある態様において、mは、2である。ある態様において、mは、3である。ある態様において、mは、4である。ある態様において、少なくとも1つのR8は、水素、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、またはI)である。ある態様において、少なくとも1つのR8は、Fである。ある態様において、少なくとも1つのR8は、Clである。ある態様において、少なくとも1つのR8は、Brである。ある態様において、少なくとも1つのR8は、I(ヨウ素)である。ある態様において、少なくとも1つのR8は、置換または非置換のアシル(例えば、−C(=O)Me)である。ある態様において、少なくとも1つのR8は、置換または非置換のアルキル(例えば、置換または非置換のC1−6アルキル)である。ある態様において、少なくとも1つのR8は、置換または非置換のC1−6アルキルである。ある態様において、少なくとも1つのR8は、非置換のC1−6アルキルである。ある態様において、少なくとも1つのR8は、置換または非置換のメチルである。ある態様において、少なくとも1つのR8は、置換メチルである。ある態様において、少なくとも1つのR8は、非置換のメチルである。ある態様において、少なくとも1つのR8は、置換または非置換のエチルである。ある態様において、少なくとも1つのR8は、置換または非置換のプロピルである。ある態様において、少なくとも1つのR8は、置換または非置換のアルケニル(例えば、置換または非置換のC2−6アルケニル)である。ある態様において、少なくとも1つのR8は、置換または非置換のアルキニル(例えば、置換または非置換のC2−6アルキニル)である。ある態様において、少なくとも1つのR8は、置換または非置換のカルボシクリル(例えば、炭素環式環系中に0、1、または2個の二重結合を含む、置換または非置換の、3〜7員の単環式カルボシクリル)である。ある態様において、少なくとも1つのR8は、置換または非置換のヘテロシクリル(例えば、置換または非置換の、5〜10員の単環式または二環式ヘテロ環式環、ここで、ヘテロ環式環中の1つまたは2つの原子は、独立して、窒素、酸素、または硫黄である)である。ある態様において、少なくとも1つのR8は、置換または非置換のアリール(例えば、置換または非置換の、6〜10員のアリール)である。ある態様において、少なくとも1つのR8は、ベンジルである。ある態様において、少なくとも1つのR8は、置換または非置換のフェニルである。ある態様において、少なくとも1つのR8は、置換または非置換のヘテロアリール(例えば、置換または非置換の、5〜6員の、単環式ヘテロアリール、ここで、ヘテロアリール環系中の1つ、2つ、3つ、または4つの原子は、独立して、窒素、酸素、または硫黄である;または置換または非置換の、9〜10員の二環式ヘテロアリール、ここで、ヘテロアリール環系中の1つ、2つ、3つ、または4つの原子は、独立して、窒素、酸素、または硫黄である)である。ある態様において、少なくとも1つのR8は、−ORD1(例えば、−OHまたは−OMe)である。ある態様において、少なくとも1つのR8は、−OHである。ある態様において、少なくとも1つのR8は、−OMeである。ある態様において、少なくとも1つのR8は、−O(C1−6アルキル)である。ある態様において、少なくとも1つのR8は、−N(RD1a)2(例えば、−NMe2)である。ある態様において、少なくとも1つのR8は、−NMe2である。ある態様において、少なくとも1つのR8は、−SRD1(例えば、−SMe)である。ある態様において、少なくとも1つのR8は、ハロゲン、−O(アルキル)、または任意置換アルキルである。ある態様において、2つのR8基は、連結して、任意置換カルボシクリル(例えば、炭素環式環系中に0、1、または2個の二重結合を含む、置換または非置換の、3〜7員の単環式カルボシクリル)を形成する。ある態様において、2つのR8基は、連結して、任意置換ヘテロシクリル(例えば、置換または非置換の、5〜10員の単環式または二環式ヘテロ環式環、ここで、ヘテロ環式環中の1つまたは2つの原子は、独立して、窒素、酸素、または硫黄である)を形成する。ある態様において、2つのR8基は、連結して、任意置換アリール環(例えば、置換または非置換の、6〜10員のアリール)を形成する。ある態様において、2つのR8基は、連結して、任意置換ヘテロアリール環(例えば、置換または非置換の、5〜6員の単環式ヘテロアリール、ここで、ヘテロアリール環系中の1つ、2つ、3つ、または4つの原子は、独立して、窒素、酸素、または硫黄である;または置換または非置換の、9〜10員の二環式ヘテロアリール、ここで、ヘテロアリール環系中の1つ、2つ、3つ、または4つの原子は、独立して、窒素、酸素、または硫黄である)を形成する。
ある態様において、RD1の各々は、独立して、水素、任意置換アシル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリール、酸素原子に付着している場合は酸素保護基、または硫黄原子に付着している場合は硫黄保護基から選択される。ある態様において、RD1aの各々は、独立して、水素、任意置換アシル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリール、窒素保護基から選択され、または任意に2つのRD1aは、それらの介在原子と一緒になって、置換または非置換のヘテロ環式または置換または非置換のヘテロアリール環を形成する。
式(II)は、式:
の環Eを包含する。環Eは、0以上の置換基R8を包含する。ある態様において、pは、0である。ある態様において、pは、1である。ある態様において、pは、2である。ある態様において、mは、3である。ある態様において、pは、4である。ある態様において、pは、5である。ある態様において、少なくとも1つのR8は、水素である。ある態様において、少なくとも1つのR8は、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、またはI)である。ある態様において、少なくとも1つのR8は、Fである。ある態様において、少なくとも1つのR8は、Clである。ある態様において、少なくとも1つのR8は、Brである。ある態様において、少なくとも1つのR8は、I(ヨウ素)である。である。ある態様において、少なくとも1つのR8は、置換または非置換のアシル(例えば、−C(=O)Me)である。ある態様において、少なくとも1つのR8は、置換または非置換のアルキル(例えば、置換または非置換のC1−6アルキル)である。ある態様において、少なくとも1つのR8は、置換または非置換のC1−6アルキルである。ある態様において、少なくとも1つのR8は、非置換のC1−6アルキルである。ある態様において、少なくとも1つのR8は、置換または非置換のメチルである。ある態様において、少なくとも1つのR8は、置換メチルである。ある態様において、少なくとも1つのR8は、非置換のメチルである。ある態様において、少なくとも1つのR8は、置換または非置換のエチルである。ある態様において、少なくとも1つのR8は、置換または非置換のプロピルである。ある態様において、少なくとも1つのR8は、置換または非置換のアルケニル(例えば、置換または非置換のC2−6アルケニル)である。ある態様において、少なくとも1つのR8は、置換または非置換のアルキニル(例えば、置換または非置換のC2−6アルキニル)である。ある態様において、少なくとも1つのR8は、置換または非置換のカルボシクリル(例えば、炭素環式環系中に0、1、または2個の二重結合を含む、置換または非置換の、3〜7員の単環式カルボシクリル)である。ある態様において、少なくとも1つのR8は、置換または非置換のヘテロシクリル(例えば、置換または非置換の、5〜10員の単環式または二環式ヘテロ環式環、ここで、ヘテロ環式環中の1つまたは2つの原子は、独立して、窒素、酸素、または硫黄である)である。ある態様において、少なくとも1つのR8は、置換または非置換のアリール(例えば、置換または非置換の、6〜10員のアリール)である。ある態様において、少なくとも1つのR8は、ベンジルである。ある態様において、少なくとも1つのR8は、置換または非置換のフェニルである。ある態様において、少なくとも1つのR8は、置換または非置換のヘテロアリール(例えば、置換または非置換の、5〜6員の単環式ヘテロアリール、ここで、ヘテロアリール環系中の1つ、2つ、3つ、または4つの原子は、独立して、窒素、酸素、または硫黄である;または置換または非置換の、9〜10員の二環式ヘテロアリール、ここで、ヘテロアリール環系中の1つ、2つ、3つ、または4つの原子は、独立して、窒素、酸素、または硫黄である)である。ある態様において、少なくとも1つのR8は、−ORD1(例えば、−OHまたは−OMe)である。ある態様において、少なくとも1つのR8は、−OHである。ある態様において、少なくとも1つのR8は、−OMeである。ある態様において、少なくとも1つのR8は、−O(C1−6アルキル)である。ある態様において、少なくとも1つのR8は、−N(RD1a)2(例えば、−NMe2)である。ある態様において、少なくとも1つのR8は、−NMe2である。ある態様において、少なくとも1つのR8は、−SRD1(例えば、−SMe)である。ある態様において、2つのR8基は、連結して、任意置換カルボシクリル(例えば、炭素環式環系中に0、1、または2個の二重結合を含む、置換または非置換の、3〜7員の単環式カルボシクリル)を形成する。ある態様において、2つのR8基は、連結して、任意置換ヘテロシクリル(例えば、置換または非置換の、5〜10員の単環式または二環式ヘテロ環式環、ここで、ヘテロ環式環中の1つまたは2つの原子は、独立して、窒素、酸素、または硫黄である)を形成する。ある態様において、2つのR8基は、連結して、任意置換アリール環(例えば、置換または非置換の、6〜10員のアリール)を形成する。ある態様において、2つのR8基は、連結して、任意置換ヘテロアリール環(例えば、置換または非置換の、5〜6員の単環式ヘテロアリール、ここで、ヘテロアリール環系中の1つ、2つ、3つ、または4つの原子は、独立して、窒素、酸素、または硫黄である;または置換または非置換の、9〜10員の二環式ヘテロアリール、ここで、ヘテロアリール環系中の1つ、2つ、3つ、または4つの原子は、独立して、窒素、酸素、または硫黄である)を形成する。
ある態様において、RD1の各々は、独立して、水素、任意置換アシル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリール、酸素原子に付着している場合は酸素保護基、または硫黄原子に付着している場合は硫黄保護基から選択される。ある態様において、RD1aの各々は、独立して、水素、任意置換アシル、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、および任意置換ヘテロアリール、窒素保護基から選択され、または任意に、2つのRD1aは、それらの介在原子と一緒になって、置換または非置換のヘテロ環式または置換または非置換のヘテロアリール環を形成する。
本明細書において一般的に定義されるように、式(I’)および(II)は、置換基R7を包含し、ここで、R7は、式:
の弾頭であり、
ここで:
L3は、結合または任意置換C1−4炭化水素鎖であり、任意にここで、炭化水素鎖の1つ以上の炭素単位は、独立して、−C=O−、−O−、−S−、−NRL3a−、−NRL3aC(=O)−、−C(=O)NRL3a−、−SC(=O)−、−C(=O)S−、−OC(=O)−、−C(=O)O−、−NRL3aC(=S)−、−C(=S)NRL3a−、トランス−CRL3b=CRL3b−、シス−CRL3b=CRL3b−、−C≡C−、−S(=O)−、−S(=O)O−、−OS(=O)−、−S(=O)NRL3a−、−NRL3aS(=O)−、−S(=O)2−、−S(=O)2O−、−OS(=O)2−、−S(=O)2NRL3a−、または−NRL3aS(=O)2−で置き換えられ、ここで、RL3aは、水素、置換または非置換のC1−6アルキル、または窒素保護基であり、およびここで、RL3bの各々は、独立して、水素、ハロゲン、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリールであるか、または2つのRL3b基は、連結して、任意置換炭素環式または任意置換ヘテロ環式環を形成し;L4は、結合または任意置換、分枝状または非分枝状のC1−6炭化水素鎖であり;RE1、RE2およびRE3の各々は、独立して、水素、ハロゲン、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、−CN、−CH2OREE、−CH2N(REE)2、−CH2SREE、−OREE、−N(REE)2、−Si(REE)3、または−SREEであり、ここで、REEのそれぞれは、独立して、水素、任意置換アルキル、任意置換アルコキシ、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリールであるか、または2つのREE基は、連結して、任意置換ヘテロ環式環を形成し;またはRE1およびRE3、またはRE2およびRE3、またはRE1およびRE2は、連結して、任意置換炭素環式または任意置換ヘテロ環式環を形成し;RE4は、脱離基であり;RE5は、ハロゲンであり;RE6は、水素、置換または非置換のC1−6アルキル、または窒素保護基であり;Yのそれぞれは、独立して、O、S、またはNRE7であり、ここで、RE7は、水素、置換または非置換のC1−6アルキル、または窒素保護基であり;aは、1または2であり;およびzのそれぞれは、独立して、原子価が許容する限りにおいて、0、1、2、3、4、5、または6である。
ある態様において、R7は、式(i−1)〜(i−41)の弾頭である。ある態様において、弾頭は、式
のものである。ある態様において、R7は、式
の弾頭である。ある態様において、R7は、式
の弾頭である。ある態様において、弾頭は、式
のものである。ある態様において、弾頭は、式
のものである。ある態様において、弾頭は、式
のものである。ある態様において、弾頭は、式
のものである。ある態様において、弾頭は、式
のものである。ある態様において、弾頭は、式
のものである。ある態様において、弾頭は、式
のものである。ある態様において、弾頭は、式
のものである。ある態様において、弾頭は、式
のものである。ある態様において、弾頭は、
である。ある態様において、弾頭は、式
のものである。ある態様において、弾頭は、式
のものである。ある態様において、弾頭は、式
のものである。ある態様において、弾頭は、式
のものである。
ある態様において、弾頭は、式
のものである。ある態様において、弾頭は、式
のものである。ある態様において、弾頭は、式
のものである。ある態様において、弾頭は、式
のものである。ある態様において、弾頭は、式
のものである。ある態様において、弾頭は、
である。ある態様において、弾頭は、式
のものである。ある態様において、弾頭は、式
のものである。ある態様において、弾頭は、式
のものである。ある態様において、弾頭は、式
のものである。ある態様において、弾頭は、式
のものである。ある態様において、弾頭は、式
のものである。ある態様において、弾頭は、式
のものである。ある態様において、弾頭は、式
のものである。
ある態様において、弾頭は、式
のものである。ある態様において、弾頭は、式
のものである。ある態様において、弾頭は、式
のものである。ある態様において、弾頭は、式
のものである。ある態様において、弾頭は、式
のものである。ある態様において、弾頭は、式
のものである。ある態様において、弾頭は、式
のものである。ある態様において、弾頭は、式
のものである。ある態様において、弾頭は、式
のものである。ある態様において、弾頭は、式
のものである。ある態様において、弾頭は、式
のものである。ある態様において、弾頭は、式
のものである。
ある態様において、L3は、結合(例えば、単結合、二重結合、または三重結合)である。ある態様において、L3は、単結合である。ある態様において、L3は、二重結合である。ある態様において、L3は、三重結合である。ある態様において、L3は、任意置換C1−4炭化水素鎖であり、任意にここで、炭化水素鎖の1つ以上の炭素単位は、独立して、−C=O−、−O−、−S−、−NRL3a−、−NRL3aC(=O)−、−C(=O)NRL3a−、−SC(=O)−、−C(=O)S−、−OC(=O)−、−C(=O)O−、−NRL3aC(=S)−、−C(=S)NRL3a−、トランス−CRL3b=CRL3b−、シス−CRL3b=CRL3b−、−C≡C−、−S(=O)−、−S(=O)O−、−OS(=O)−、−S(=O)NRL3a−、−NRL3aS(=O)−、−S(=O)2−、−S(=O)2O−、−OS(=O)2−、−S(=O)2NRL3a−、または−NRL3aS(=O)2−で置き換えられ、ここで、RL3aは、水素、置換または非置換のC1−6アルキル、または窒素保護基であり、およびここで、RL3bの各々は、独立して、水素、ハロゲン、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリールであるか、または2つのRL3b基は、連結して、任意置換炭素環式または任意置換ヘテロ環式環を形成する。ある態様において、L4は、結合(例えば、単結合、二重結合、または三重結合)である。ある態様において、L4は、任意置換分枝状C1−6炭化水素鎖(例えば、i−Pr)である。ある態様において、L4は、任意置換非分枝状C1−6炭化水素鎖(例えば、n−Pr、またはn−Bu)である。ある態様において、少なくとも1つのRE1は、Hである。ある態様において、少なくとも1つのRE1は、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、またはI)である。ある態様において、少なくとも1つのRE1は、任意置換アルキル(例えば、Me、またはEt)である。ある態様において、少なくとも1つのRE1は、任意置換アルケニル(例えば、任意置換ビニル)である。ある態様において、少なくとも1つのRE1は、任意置換アルキニルである。ある態様において、少なくとも1つのRE1は、置換または非置換のカルボシクリル(例えば、炭素環式環系中に0、1、または2個の二重結合を含む、置換または非置換の、3〜7員の単環式カルボシクリル)である。ある態様において、少なくとも1つのRE1は、置換または非置換のヘテロシクリル(例えば、ヘテロ環式環系中に0、1、または2個の二重結合を含む、置換または非置換の、3〜7員の単環式ヘテロシクリル、ここで、ヘテロ環式環系中の1つ、2つ、または3つの原子は、独立して、窒素、酸素、または硫黄である)である。ある態様において、少なくとも1つのRE1は、置換または非置換のアリール(例えば、置換または非置換の、6〜10員のアリール)である。ある態様において、少なくとも1つのRE1は、置換または非置換のフェニルである。ある態様において、少なくとも1つのRE1は、置換または非置換のヘテロアリール(例えば、置換または非置換の、5〜6員の単環式ヘテロアリール、ここで、ヘテロアリール環系中の1つ、2つ、3つ、または4つの原子は、独立して、窒素、酸素、または硫黄である)である。ある態様において、少なくとも1つのRE1は、−CNである。ある態様において、少なくとも1つのRE1は、−CH2OREEであり、ここで、REEのそれぞれは、独立して、水素、任意置換アルキル、任意置換アルコキシ、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリールである。ある態様において、少なくとも1つのRE1は、−CH2N(REF)2またはN(REF)2であり、ここで、REFのそれぞれは、独立して、水素、任意置換アルキル、任意置換アルコキシ、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリールであり、任意に、ここで、2つのREF基は、連結して、任意置換ヘテロ環式環を形成する。ある態様において、少なくとも1つのRE1は、−CH2SREEまたは−SREE(例えば、−CH2SMeまたは−SMe)である。ある態様において、少なくとも1つのRE1は、−OREE(例えば、−OMe)である。ある態様において、少なくとも1つのRE1は、−Si(REG)3であり、ここで、REGのそれぞれは、独立して、水素、任意置換アルキル、任意置換アルコキシ、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール(例えば、−Si(Me)3)である。
ある態様において、少なくとも1つのRE2は、Hである。ある態様において、少なくとも1つのRE2は、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、またはI)である。ある態様において、少なくとも1つのRE2は、任意置換アルキル(例えば、Me、またはEt)である。ある態様において、少なくとも1つのRE2は、任意置換アルケニル(例えば、任意置換ビニル)である。ある態様において、少なくとも1つのRE2は、任意置換アルキニルである。ある態様において、少なくとも1つのRE2は、置換または非置換のカルボシクリル(例えば、炭素環式環系中に0、1、または2個の二重結合を含む、置換または非置換の、3〜7員の単環式カルボシクリル)である。ある態様において、少なくとも1つのRE2は、置換または非置換のヘテロシクリル(例えば、ヘテロ環式環系中に0、1、または2個の二重結合を含む、置換または非置換の、3〜7員の単環式ヘテロシクリル、ここで、ヘテロ環式環系中の1つ、2つ、または3つの原子は、独立して、窒素、酸素、または硫黄である)である。ある態様において、少なくとも1つのRE2は、置換または非置換のアリール(例えば、置換または非置換の、6〜10員のアリール)である。ある態様において、少なくとも1つのRE2は、置換または非置換のフェニルである。ある態様において、少なくとも1つのRE2は、置換または非置換のヘテロアリール(例えば、置換または非置換の、5〜6員の、単環式ヘテロアリール、ここで、ヘテロアリール環系中の1つ、2つ、3つ、または4つの原子は、独立して、窒素、酸素、または硫黄である)である。ある態様において、少なくとも1つのRE2は、−CNである。ある態様において、少なくとも1つのRE2は、−CH2OREEであり、ここで、REEのそれぞれは、独立して、水素、任意置換アルキル、任意置換アルコキシ、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリールである。ある態様において、少なくとも1つのRE2は、−CH2N(REF)2またはN(REF)2であり、ここで、REFのそれぞれは、独立して、水素、任意置換アルキル、任意置換アルコキシ、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリールであり、n任意にここで、2つのREF基は、連結して、任意置換ヘテロ環式環を形成する。ある態様において、少なくとも1つのRE2は、−CH2SREEまたは−SREE(例えば、−CH2SMeまたは−SMe)である。ある態様において、少なくとも1つのRE2は、−OREE(例えば、−OMe)である。ある態様において、少なくとも1つのRE2は、−Si(REG)3であり、ここで、REGのそれぞれは、独立して、水素、任意置換アルキル、任意置換アルコキシ、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール(例えば、−Si(Me)3)である。ある態様において、少なくとも1つのRE3は、Hである。ある態様において、少なくとも1つのRE3は、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、またはI)である。ある態様において、少なくとも1つのRE3は、任意置換アルキル(例えば、Me、またはEt)である。ある態様において、少なくとも1つのRE3は、任意置換アルケニル(例えば、任意置換ビニル)である。ある態様において、少なくとも1つのRE3は、任意置換アルキニルである。ある態様において、少なくとも1つのRE3は、置換または非置換のカルボシクリル(例えば、炭素環式環系中に0、1、または2個の二重結合を含む、置換または非置換の、3〜7員の単環式カルボシクリル)である。ある態様において、少なくとも1つのRE3は、置換または非置換のヘテロシクリル(例えば、ヘテロ環式環系中に0、1、または2個の二重結合を含む、置換または非置換の、3〜7員の単環式ヘテロシクリル、ここで、ヘテロ環式環系中の1つ、2つ、または3つの原子は、独立して、窒素、酸素、または硫黄である)である。ある態様において、少なくとも1つのRE3は、置換または非置換のアリール(例えば、置換または非置換の6〜10員のアリール)である。ある態様において、少なくとも1つのRE3は、置換または非置換のフェニルである。ある態様において、少なくとも1つのRE3は、置換または非置換のヘテロアリール(例えば、置換または非置換の、5〜6員の単環式ヘテロアリールであり、ここで、ヘテロアリール環系中の1つ、2つ、3つ、または4つの原子は、独立して、窒素、酸素、または硫黄である)である。ある態様において、少なくとも1つのRE3は、−CNである。ある態様において、少なくとも1つのRE3は、−CH2OREEであり、ここで、REEのそれぞれは、独立して、水素、任意置換アルキル、任意置換アルコキシ、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリールである。ある態様において、少なくとも1つのRE3は、−CH2N(REF)2またはN(REF)2であり、ここで、REFのそれぞれは、独立して、水素、任意置換アルキル、任意置換アルコキシ、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリールであり、任意にここで、2つのREF基は、連結して、任意置換ヘテロ環式環を形成する。ある態様において、少なくとも1つのRE3は、−CH2SREEまたは−SREE(例えば、−CH2SMeまたは−SMe)である。ある態様において、少なくとも1つのRE3は、−OREE(例えば、−OMe)である。ある態様において、少なくとも1つのRE3は、−Si(REG)3であり、ここで、REGのそれぞれは、独立して、水素、任意置換アルキル、任意置換アルコキシ、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール(例えば、−Si(Me)3)である。ある態様において、RE1およびRE3は、連結して、任意置換炭素環式環(例えば、炭素環式環系中に0、1、または2個の二重結合を含む、置換または非置換の、3〜7員の単環式カルボシクリル)を形成する。ある態様において、RE1およびRE3は、連結して、任意置換ヘテロ環式環(例えば、ヘテロ環式環系中に0、1、または2個の二重結合を含む、置換または非置換の、3〜7員の単環式ヘテロシクリル、ここで、ヘテロ環式環系中の1つ、2つ、または3つの原子は、独立して、窒素、酸素、または硫黄である)を形成する。ある態様において、RE2およびRE3は、連結して、任意置換炭素環式環(例えば、炭素環式環系中に0、1、または2個の二重結合を含む、置換または非置換の、3〜7員の単環式カルボシクリル)を形成する。ある態様において、RE2およびRE3は、連結して、任意置換ヘテロ環式環(例えば、ヘテロ環式環系中に0、1、または2個の二重結合を含む、置換または非置換の、3〜7員の単環式ヘテロシクリル、ここで、ヘテロ環式環系中の1つ、2つ、または3つの原子は、独立して、窒素、酸素、または硫黄である)を形成する。ある態様において、RE1およびRE2は、連結して、任意置換炭素環式環(例えば、炭素環式環系中に0、1、または2個の二重結合を含む、置換または非置換の、3〜7員の単環式カルボシクリル)を形成する。ある態様において、RE1およびRE2は、連結して、任意置換ヘテロ環式環(例えば、ヘテロ環式環系中に0、1、または2個の二重結合を含む、置換または非置換の、3〜7員の単環式ヘテロシクリル、ここで、ヘテロ環式環系中の1つ、2つ、または3つの原子は、独立して、窒素、酸素、または硫黄である)を形成する。ある態様において、RE4は、脱離基(例えば、ハロゲン、またはスルホン酸エステル、例えば、−O(トシラート)または−O(メシラート))である。ある態様において、RE5は、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、またはI)である。ある態様において、RE6は、Hである。ある態様において、RE6は、置換または非置換のC1−6アルキル(例えば、Me、−CF3、Bn、Et、ペルフルオロエチル、Pr、ペルフルオロプロピル、Bu、またはペルフルオロブチル)である。ある態様において、RE6は、窒素保護基(例えば、Bn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、またはTs)である。ある態様において、少なくとも1つのYは、Oである。ある態様において、少なくとも1つのYは、Sである。ある態様において、少なくとも1つのYは、NRE7であり、ここで、RE7は、水素、置換または非置換のC1−6アルキル、または窒素保護基(例えば、NMe)である。ある態様において、aは1である。ある態様において、aは2である。ある態様において、少なくとも1つのzは0である。ある態様において、少なくとも1つのzは1である。ある態様において、少なくとも1つのzは2である。ある態様において、少なくとも1つのzは3である。ある態様において、少なくとも1つのzは4である。ある態様において、少なくとも1つのzは5である。ある態様において、少なくとも1つのzは6である。
ある態様において、式(I’)の化合物は、式:
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグである。
ある態様において、式(I)の化合物は、式:
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグである。
ある態様において、式(I’)の化合物は、式:
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグである。
ある態様において、式(I)の化合物は、式:
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグである。
ある態様において、式(I’)の化合物は、式:
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグである。
ある態様において、式(I)の化合物は、式:
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグである。
ある態様において、式(I’)の化合物は、式:
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグである。
ある態様において、式(I)の化合物は、式:
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグである。
ある態様において、式(I’)の化合物は、式:
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグである。
ある態様において、式(I)の化合物は、式:
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグである。
ある態様において、式(I’)の化合物は、式:
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグである。
ある態様において、式(I)の化合物は、式:
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグである。
ある態様において、式(I’)の化合物は、式:
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグである。
ある態様において、式(I)の化合物は、式:
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグである。
ある態様において、式(I’)の化合物は、式:
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグである。
ある態様において、式(I)の化合物は、式:
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグである。
ある態様において、式(I’)の化合物は、式:
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグである。
ある態様において、式(I)の化合物は、式:
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグである。
ある態様において、式(I’)の化合物は、式:
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグである。
ある態様において、式(I)の化合物は、式:
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグである。
式(I’)の例示的な化合物は、
およびその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、およびプロドラッグを包含するが、これに限定されない。
式(I)の例示的な化合物は、
およびその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、およびプロドラッグを包含するが、これに限定されない。
別の側面において、本開示は、式(II):
の化合物またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグを提供する。
ある態様において、式(II)の化合物は、式:
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグである。
ある態様において、式(II)の化合物は、式:
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグである。
ある態様において、式(II)の化合物は、式:
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグである。
ある態様において、式(II)の化合物は、式:
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグである。
ある態様において、式(II)の化合物は、式:
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグである。
ある態様において、式(II)の化合物は、式:
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグである。
ある態様において、式(II)の化合物は、式:
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグである。
ある態様において、式(II)の化合物は、式:
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグである。
ある態様において、式(II)の化合物は、式:
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグである。
式(II)の例示的な化合物は、
およびその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、およびプロドラッグを包含するが、これに限定されない。
式(II)の例示的な化合物は、
およびその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、およびプロドラッグを包含するが、これに限定されない。
医薬組成物、キット、および投与
本開示はまた、本明細書に記載の化合物および任意に薬学的に許容し得る賦形剤を含む医薬組成物を提供する。ある態様において、本明細書に記載の化合物は、式(I’)または(II)の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、および薬学的に許容し得る賦形剤である。
ある態様において、本明細書に記載の化合物は、医薬組成物中に有効量で提供される。ある態様において、有効量は治療有効量である。ある態様において、有効量は予防有効量である。ある態様において、治療有効量はCDK(例えばCDK12)の活性を阻害するために有効な量である。ある態様において、治療有効量は、疾患(例えば、CDKの異常な活性に関連する疾患(例えば、増殖性疾患))を処置するために有効な量である。ある態様において、治療有効量は、CDK(例えば、CDK12)の活性を阻害し、疾患(例えば、CDKの異常な活性に関連する疾患(例えば、増殖性疾患))を処置するために有効な量である。ある態様において、治療有効量は、細胞においてアポトーシスを誘導するために有効な量である。ある態様において、治療有効量は、細胞周期制御に影響を及ぼすために有効な量である。ある態様において、治療有効量は、DNA修復またはDNA損傷応答に影響を及ぼすために有効な量である。ある態様において、予防有効量は、CDK(例えば、CDK12)の活性を阻害するために有効な量である。ある態様において、予防有効量は、疾患(例えば、CDKの異常な活性に関連する疾患(例えば、増殖性疾患))を予防するか、またはそれを必要とする対象を疾患の寛解において維持するために有効な量である。ある態様において、予防有効量は、CDK(例えば、CDK12、またはCDK12の変異型)の活性を阻害し、疾患(例えば、CDKの活性に関連する疾患(例えば、増殖性疾患))を予防するか、または、それを必要とする対象を疾患の寛解において維持するために有効な量である。ある態様において、予防有効量は、細胞においてアポトーシスを誘導するために有効な量である。
ある態様において、有効量は、CDK(例えば、CDK12)の活性を、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%阻害するために有効な量である。ある態様において、有効量は、CDK(例えば、CDK12)の活性を、10%以下、20%以下、30%以下、40%以下、50%以下、60%以下、70%以下、80%以下、90%以下、95%以下、または98%以下阻害するために有効な量である。
ある態様において、対象は動物である。動物はどちらの性であってもよく、発達の任意の段階にあってもよい。ある態様において、本明細書に記載の対象はヒトである。ある態様において、対象は非ヒト動物である。ある態様において、対象は哺乳動物である。ある態様において、対象は非ヒト哺乳動物である。ある態様において、対象は、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、またはヤギなどの飼いならされた動物である。ある態様において、対象は、イヌまたはネコなどのコンパニオン動物である。ある態様において、対象は、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、またはヤギなどの家畜動物である。ある態様において、対象は動物園の動物である。別の態様において、対象は、げっ歯類(例えば、マウス、ラット)、イヌ、ブタ、または非ヒト霊長類などの研究動物である。ある態様において、動物は、遺伝子操作された動物である。ある態様において、動物は、トランスジェニック動物(例えば、トランスジェニックマウスおよびトランスジェニックブタ)である。ある態様において、対象は、魚類または爬虫類である。
ある態様において、本明細書に記載の化合物または組成物と接触させる細胞はインビトロである。ある態様において、本明細書に記載の化合物または組成物と接触させる細胞はインビボである。
本明細書に記載される医薬組成物は、薬理学の分野において知られているいずれかの方法によって調製され得る。一般的に、かかる調製方法は、本明細書に記載される化合物(すなわち「活性成分」)を担体もしくは添加剤および/または1つ以上の他の補助的な成分と結合させることと、それから、必要なおよび/または望ましい場合には、生成物を望ましい単回用量または複数回用量の単位に成形および/またはパッケージングすることを包含する。
医薬組成物は、バルクで、単一の単位用量として、および/または単一の単位用量の複数として調製、パッケージング、および/または販売され得る。「単位用量」は、活性成分の所定量を含む医薬組成物の個別的な量である。活性成分の量は、一般的には、対象に投与されるであろう活性成分の投与量および/またはかかる投与量の便利な分数、例えばかかる投与量の1/2もしくは1/3に等しい。
活性成分、薬学的に許容し得る賦形剤および/またはあらゆる追加の成分の相対量は、処置される対象のアイデンティティー、サイズ、および/または状態に応じて、およびさらに、組成物が投与される経路に応じて、変化し得る。組成物は、0.1%〜100%(w/w)の間の活性成分を含んでよい。
提供される医薬組成物の製造に使用される、薬学的に許容し得る賦形剤としては、不活性希釈剤、分散および/または造粒剤、界面活性剤および/または乳化剤、崩壊剤、結合剤、保存剤、緩衝剤、潤滑剤、および/または油が挙げられる。例えば、ココアバターおよび坐剤ワックスなどの賦形剤、着色剤、コーティング剤、甘味料、香味料、および香料も、組成物中に存在してもよい。
例示の希釈剤としては、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸ナトリウム、ラクトース、スクロース、セルロース、微結晶性セルロース、カオリン、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、コーンスターチ、粉砂糖、およびそれらの混合物が挙げられる。
例示の造粒剤および/または分散剤としては、ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン、タピオカデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、クレー、アルギン酸、グアーガム、シトラスパルプ、寒天、ベントナイト、セルロース、および木製品、天然スポンジ、カチオン交換樹脂、炭酸カルシウム、ケイ酸塩、炭酸ナトリウム、架橋ポリ(ビニル−ピロリドン)(クロスポビドン)、カルボキシメチルスターチナトリウム(デンプングリコール酸ナトリウム)、カルボキシメチルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム(クロスカルメロース)、メチルセルロース、アルファ化デンプン(starch 1500)、微晶質デンプン、水不溶性デンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(Veegum)、ラウリル硫酸ナトリウム、第四級アンモニウム化合物、およびそれらの混合物が挙げられる。
例示の界面活性剤および/または乳化剤としては、以下が挙げられる:天然の乳化剤(例えば、アカシア、寒天、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、トラガカント、コンドラックス(chondrux)、コレステロール、キサンタン、ペクチン、ゼラチン、卵黄、カゼイン、羊毛脂、コレステロール、ワックス、およびレシチン)、コロイドクレー(例えば、ベントナイト(ケイ酸アルミニウム)およびVeegum(ケイ酸アルミニウムマグネシウム))、長鎖アミノ酸誘導体、高分子量アルコール(例えば、ステアリルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、トリアセチンモノステアレート、エチレングリコールジステアレート、グリセリルモノステアレート、およびプロピレングリコールモノステアラート、ポリビニルアルコール)、カルボマー(例えば、カルボキシポリメチレン、ポリアクリル酸、アクリル酸ポリマー、およびカルボキシビニルポリマー)、カラギーナン、セルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、粉末セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース)、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(Tween(登録商標)20)、ポリオキシエチレンソルビタン(Tween(登録商標)60)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート(Tween(登録商標)80)、ソルビタンモノパルミテート(Span(登録商標)40)、ソルビタンモノステアラート(Span(登録商標)60)、ソルビタントリステアレート(Span(登録商標)65)、グリセリルモノオレエート、ソルビタンモノオレエート(Span(登録商標)80))、ポリオキシエチレンエステル(例えば、ポリオキシエチレンモノステアレート(Myrj(登録商標)45)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエトキシル化ヒマシ油、ポリオキシメチレンステアレート、およびSolutol(登録商標))、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(例えば、Cremophor(登録商標))、ポリオキシエチレンエーテル(例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(Brij(登録商標)30))、ポリ(ビニルピロリドン)、ジエチレングリコールモノラウレート、トリエタノールアミンオレエート、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸エチル、オレイン酸、ラウリン酸エチル、ラウリル硫酸ナトリウム、Pluronic(登録商標)F-68、poloxamer P-188、臭化セトリモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、ドクサート・ナトリウム、および/またはそれらの混合物。
例示の結合剤としては、デンプン(例えば、コーンスターチおよびデンプン糊)、ゼラチン、糖(例えば、スクロース、グルコース、デキストロース、デキストリン、糖蜜、ラクトース、ラクチトール、マンニトールなど)、天然および合成ゴム(例えば、アカシア、アルギン酸ナトリウム、アイリッシュモスの抽出物、パンワルゴム(panwar gum)、ガッチゴム(ghatti gum)、イサポール殻(isapol husk)の粘液、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶性セルロース、酢酸セルロース、ポリ(ビニルピロリドン)、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(Veegum(登録商標))、および落葉松アラボガラクタン)、アルギネート、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、無機カルシウム塩、ケイ酸、ポリメタクリレート、ワックス、水、アルコール、および/またはそれらの混合物が挙げられる。
例示の保存剤としては、抗酸化剤、キレート剤、抗菌性保存剤、抗真菌性保存剤、抗原虫性保存剤、アルコール保存剤、酸性保存剤、および他の保存剤が挙げられる。ある態様において、保存剤は抗酸化剤である。他の態様において、保存剤はキレート剤である。
例示の酸化防止剤としては、αトコフェロール、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、モノチオグリセロール、メタ重亜硫酸カリウム、プロピオン酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、および亜硫酸ナトリウムが挙げられる。
例示のキレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)ならびにその塩および水和物(例えば、エデト酸ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸カルシウム二ナトリウム、エデト酸二カリウム等)、クエン酸ならびにその塩および水和物(例えばクエン酸一水和物)、フマル酸ならびにその塩および水和物、リンゴ酸塩ならびにその塩および水和物、リン酸ならびにその塩および水和物、および酒石酸ならびにその塩および水和物が挙げられる。例示の抗菌性保存剤としては、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、ブロノポール、セトリミド、塩化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン、クロロブタノール、クロロクレゾール、クロロキシレノール、クレゾール、エチルアルコール、グリセリン、ヘキセチジン、イミド尿素、フェノール、フェノキシエタノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル水銀、プロピレングリコール、およびチメロサールが挙げられる。
例示の抗真菌性保存剤としては、ブチルパラベン、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、安息香酸カリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、およびソルビン酸が挙げられる。
例示のアルコール保存剤としては、エタノール、ポリエチレングリコール、フェノール、フェノール化合物、ビスフェノール、クロロブタノール、ヒドロキシベンゾエート、およびフェニルエチルアルコールが挙げられる。
例示の酸性保存剤としては、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ベータカロチン、クエン酸、酢酸、デヒドロ酢酸、アスコルビン酸、ソルビン酸、およびフィチン酸が挙げられる。
その他の他の保存剤としては、トコフェロール、酢酸トコフェロール、メシル酸デテロキシム(deteroxime mesylate)、セトリミド、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、エチレンジアミン、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸カリウム、Glydant(登録商標)Plus、Phenonip(登録商標)、メチルパラベン、Germall(登録商標)115、Germaben(登録商標)II、Neolone(登録商標)、Kathon(登録商標)、およびEuxyl(登録商標)が挙げられる。
例示の緩衝剤としては、クエン酸緩衝液、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液、塩化アンモニウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、グルビオン酸カルシウム、グルセプト酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、D−グルコン酸、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、プロパン酸、レブリン酸カルシウム、ペンタン酸、二塩基性リン酸カルシウム、リン酸、三塩基性リン酸カルシウム、リン酸カルシウムヒドロキシド(calcium hydroxide phosphate)、酢酸カリウム、塩化カリウム、グルコン酸カリウム、カリウム混合物、二塩基性リン酸カリウム、一塩基性リン酸カリウム、リン酸カリウム混合物、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、一塩基性リン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム混合物、トロメタミン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルギン酸、発熱物質非含有水、等張食塩水、リンゲル液、エチルアルコール、およびそれらの混合物が挙げられる。
例示の潤滑剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、シリカ、タルク、麦芽、ベヘン酸グリセリル、水素化植物油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、およびそれらの混合物が挙げられる。
例示の天然オイルとしては、以下の油が挙げられる:アーモンド、杏仁、アボカド、ババス、ベルガモット、ブラックカレント種子、ルリジサ、カデ、カモミール、キャノーラ、キャラウェイ、カルナバ、ヒマシ油、シナモン、ココアバター、ココナッツ、タラ肝臓、コーヒー、トウモロコシ、綿実、エミュー、ユーカリ、月見草、魚、アマニ、ゲラニオール、ヘチマ、ブドウ種子、ヘーゼルナッツ、ヒソップ、ミリスチン酸イソプロピル、ホホバ、ククイナッツ、ラバンジン、ラベンダー、レモン、リツェアクベバ、マカデミアナッツ、ゼニアオイ、マンゴー種子、メドウフォームシード、ミンク、ナツメグ、オリーブ、オレンジ、オレンジラフィー、パーム、パームカーネル(kernel)、桃カーネル、ピーナッツ、ケシの実、カボチャの種、菜種、米ぬか、ローズマリー、ベニバナ、サンダルウッド、サザンカ、セイボリー、シーバックソーン、ゴマ、シアバター、シリコーン、大豆、ヒマワリ、ティーツリー、アザミ、ツバキ、ベチベル、クルミ、および小麦胚芽。例示の合成油としては、限定はされないが、ステアリン酸ブチル、カプリル酸トリグリセリド、カプリン酸トリグリセリド、シクロメチコン、セバシン酸ジエチル、ジメチコーン360、ミリスチン酸イソプロピル、鉱油、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、シリコーン油、およびそれらの混合物が挙げられる。
経口および非経口投与のための液体剤形としては、薬学的に許容し得るエマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液剤、懸濁液剤、シロップ剤およびエリキシル剤を含む。活性成分に加えて、液体剤形は、当該技術分野で一般に使用される不活性希釈剤、例えば水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(例えば、綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、およびそれらの混合物を含んでよい。不活性希釈剤以外に、経口組成物は、アジュバントを、例えば湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、甘味料、香味料、および香料などを含むことができる。非経口投与のためのある態様において、本明細書に記載のコンジュゲートは、可溶化剤と、例えば、Cremophor(登録商標)、アルコール、油、変性油、グリコール、ポリソルベート、シクロデキストリン、ポリマー、およびそれらの混合物などと、混合される。
注射用製剤、例えば、無菌の注射用水性または油性懸濁液は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を用いて、周知の技術に従って製剤化することができる。無菌注射用製剤は、非毒性の非経口的に許容し得る希釈剤または溶媒、例えば1,3−ブタンジオール溶液中の、無菌の注射可能な溶液、懸濁液、またはエマルジョンであることができる。使用可能な許容し得るビヒクルおよび溶媒としては、水、リンゲル液、U.S.P.、および等張塩化ナトリウム溶液がある。さらに、無菌の固定油は、溶媒または懸濁媒体として、従来から使用されている。この目的のために、あらゆる無刺激性の固定油が、合成モノ−またはジ−グリセリドを含めて使用することができる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸は、注射剤の調製に使用される。
注射用製剤は例えば、細菌保持フィルターを通す濾過により、または、使用の前に、滅菌水または他の滅菌注射用媒体に溶解または分散され得る滅菌固体組成物の形態で滅菌剤を組み込むことによって、滅菌することができる。
薬物の効果を延長するために、皮下または筋肉内注射からの薬物の吸収を遅らせることがしばしば望ましい。これは、低い水溶性の、結晶または非晶質材料の液体懸濁液の使用によって達成することができる。薬物の吸収速度は、その溶解速度に依存し、これは次に、結晶サイズおよび結晶形に依存し得る。代替的に、非経口投与された薬物形態の遅延吸収は、薬物を油ビヒクルに溶解または懸濁することによって、達成してよい。
直腸または膣投与のための組成物は、典型的には、本明細書に記載のコンジュゲートを、ココアバター、ポリエチレングリコールなどの適切な非刺激性賦形剤または担体と混合することにより調製可能な坐剤、または周囲温度では固体であるが、体温では液体となり、したがって直腸または膣腔で融解して活性成分を放出する、坐剤ワックスである。
経口投与のための固体剤形は、カプセル剤、錠剤、丸剤、粉末剤、および顆粒剤を含む。かかる固体剤形において、活性成分は、少なくとも1つの、不活性な薬学的に許容し得る賦形剤または担体、例えばクエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムと、および/または、(a)充填剤または増量剤、例えばデンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよびケイ酸など、(b)バインダー、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロース、およびアカシア、(c)湿潤剤(humectant)、例えばグリセロール、(d)崩壊剤、例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩、および炭酸ナトリウム、(e)溶解遅延剤(solution retarding agent)、例えばパラフィン、(f)吸収促進剤、例えば、第四級アンモニウム化合物、(g)湿潤剤(wetting agent)、例えば、セチルアルコールおよびグリセロールモノステアレート、(h)吸収剤、例えばカオリンおよびベントナイトクレー、および(i)潤滑剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびこれらの混合物と、混合される。カプセル剤、錠剤、および丸剤の場合、剤形は緩衝剤を含んでもよい。
同様の種類の固体組成物は、軟質および硬質充填ゼラチンカプセル中の充填剤として、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を用いて、使用することができる。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤の固体剤形は、腸溶コーティングおよび薬理学の技術分野で知られている他のコーティングなどのコーティングおよびシェルを用いて、調製することができる。それらは、任意に不透明化剤を含んでもよく、活性成分(単数または複数)のみを、またはこれを優先的に、腸管の特定の部分において、任意に遅延様式で、放出する組成物であることができる。使用され得る封入組成物の例としては、ポリマー物質およびワックスが挙げられる。同様の種類の固体組成物は、軟質および硬質充填ゼラチンカプセル中の充填剤として、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を用いて、使用することができる。
活性成分は、上述の1以上の賦形剤を有するマイクロカプセル化形態であることができる。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤の固体剤形は、腸溶コーティング、放出制御コーティング、および医薬製剤分野で知られている他のコーティングなどの、コーティングおよびシェルを用いて調製することができる。かかる固体剤形において、活性成分は、スクロース、ラクトース、またはデンプンなどの少なくとも1種の不活性希釈剤と混合することができる。かかる固体剤形は、常法に従って、不活性な希釈剤以外の追加的な物質、例えば、錠剤化潤滑剤および他の錠剤化補助剤、例えばステアリン酸マグネシウムおよび微結晶性セルロースなどを、含むことができる。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、剤形は緩衝剤を含んでいてもよい。それらは、任意に不透明化剤を含んでもよく、活性成分(単数または複数)のみを、またはこれを優先的に、腸管の特定の部分において、任意に遅延様式で、放出する組成物であることができる。使用することができるカプセル化剤の例としては、ポリマー物質およびワックスが挙げられる。
本明細書に記載の化合物の局所および/または経皮投与用の剤形は、軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、粉末剤、溶液剤、スプレー剤、吸入剤、および/または貼付剤を含むことができる。一般に、活性成分は、無菌条件下で、薬学的に許容し得る担体または賦形剤、および/または必要に応じて、あらゆる必要な保存剤および/または緩衝剤と混合される。さらに本開示は、経皮貼付剤の使用を意図し、これは多くの場合、活性成分の身体への制御送達を提供するという追加の利点を有する。かかる剤形は、例えば、活性成分を適切な媒体中に溶解および/または分配することによって、調製することができる。代替的にまたは付加的に、速度は、速度制御膜を提供することにより、および/または活性成分をポリマーマトリックスおよび/またはゲル中に分散させることにより、制御することができる。
本明細書に記載の皮内医薬組成物の送達に使用するための好適なデバイスとしては、短針デバイスを含む。皮内組成物は、皮膚への針の有効侵入長を制限するデバイスにより、投与することができる。代替的にまたは付加的に、従来の注射器を、皮内投与の古典的なマントー法で使用することができる。液体ジェット注射器を介して、および/または角質層を貫通して真皮に達するジェットを生成する針を介して、液体製剤を真皮に送達するジェット式注射デバイスは、好適である。圧縮ガスを使用して粉末形態の化合物を皮膚の外側の層を通って真皮へと加速する、衝撃(ballistic)粉末/粒子送達デバイスは、好適である。
局所投与に適した製剤としては、限定はされないが、リニメント剤、ローション剤などの液剤および/または半液剤、クリーム剤、軟膏剤などの水中油型および/または油中水型エマルジョン、および/またはペースト剤、および/または溶液剤および/または懸濁液剤が挙げられる。局所投与製剤は、例えば、約1%〜約10%(w/w)活性成分を含んでもよく、ただし活性成分の濃度は、溶媒中の活性成分の溶解限度まで高くすることができる。局所投与のための製剤はさらに、本明細書に記載の1種以上の追加の成分を含んでもよい。
本明細書に記載の医薬組成物は、口腔を介した肺投与に適した製剤として、調製、包装、および/または販売することができる。かかる製剤は、有効成分を含みかつ、約0.5〜約7nm、または約1〜約6nmの範囲の直径を有する、乾燥粒子を含んでもよい。かかる組成物は、便利には、乾燥粉末の形態であって、噴射剤の流れを導いて粉末を分散させる乾燥粉末リザーバを備えたデバイスを用いて、および/または、密閉された容器中の低沸点噴射剤中に溶解または懸濁された活性成分を含むデバイスなどの、自己推進溶媒/粉末分注容器を用いて、投与される。かかる粉末剤は、重量において粒子の少なくとも98%が0.5nmより大きい直径を有し、数において粒子の少なくとも95%が7nm未満の直径を有する。代替的に、重量において粒子の少なくとも95%が1nmより大きい直径を有し、数において粒子の少なくとも90%が6nm未満の直径を有する。乾燥粉末組成物は、糖などの固体微粉末希釈剤を含んでもよく、単位用量形態で便利に提供される。
低沸点噴射剤は、大気圧で65°F未満の沸点を有する液体噴射剤を一般に含む。一般に噴射剤は、組成物の50〜99.9%(w/w)を構成してもよく、活性成分は、組成物の0.1〜20%(w/w)を構成してもよい。噴射剤はさらに、液体非イオン性および/もしくは固体アニオン性界面活性剤、および/または固体希釈剤(これは有効成分を含む粒子と同程度の粒径を有してもよい)などの、追加成分をさらに含んでよい。
肺送達のために製剤化された本明細書に記載の医薬組成物は、有効成分を、溶液および/または懸濁液の液滴の形態で提供することができる。かかる製剤は、活性成分を含む任意に滅菌性の水性および/または希釈アルコール溶液および/または懸濁液として、調製、包装、および/または販売されることができ、あらゆる噴霧および/または微粒化デバイスを用いて、便利に投与され得る。かかる製剤はさらに、限定はされないが以下を含む1種以上の追加の成分、例えばサッカリンナトリウムなどの香味剤、揮発性油、緩衝剤、界面活性剤、および/またはメチルヒドロキシベンゾエート等の保存剤を含んでもよい。この投与経路によって提供される液滴は、約0.1〜約200nmの範囲の平均直径を有してよい。
肺送達に有用であるとして本明細書に記載された製剤は、本明細書に記載の医薬組成物の鼻腔内送達に有用である。鼻腔内投与に適した別の製剤は、活性成分を含み、約0.2〜500μmの平均粒子を有する、粗い粉末である。かかる製剤は、鼻孔の近くに保持された粉末の容器から、鼻腔を通した急速な吸入によって投与される。
経鼻投与のための製剤は、例えば、わずか0.1%(w/w)から100%(w/w)という多量の活性成分を含んでもよく、および1種以上の本明細書中に記載の追加の成分を含んでいてもよい。本明細書に記載の医薬組成物は、口腔内投与のための製剤として、調製、包装、および/または販売することができる。かかる製剤は、例えば、従来の方法を用いて作製した錠剤、および/またはロゼンジの形態であってもよく、例えば、0.1〜20%(w/w)の活性成分を含んでよく、バランスは、経口的に溶解可能および/または分解可能な組成物と、任意に、本明細書に記載の1種以上の追加の成分を含む。代替的に、口腔内投与用の製剤は、活性成分を含有する粉末、および/またはエアロゾル化および/または微粒化された溶液および/または懸濁液を含んでよい。かかる粉末化、エアロゾル化、および/またはエアロゾル化製剤は、分散された場合、約0.1〜約200nmの範囲の平均粒子および/または液滴サイズを有していてもよく、さらに、本明細書に記載の1種以上の追加の成分を含んでもよい。
本明細書に記載の医薬組成物は、眼への投与のための製剤として、調製、包装、および/または販売することができる。かかる製剤は、例えば点眼剤の形態であってもよく、例えば、水性または油性液体担体または賦形剤中の、活性成分の0.1〜1.0%(w/w)の溶液および/または懸濁液を含む。かかる滴剤は、さらに、緩衝剤、塩、および/または本明細書に記載の1種以上の追加の成分を含んでよい。有用な他の眼科的に投与可能な製剤としては、微結晶形態および/またはリポソーム製剤中に活性成分を含むものが挙げられる。点耳剤、および/または点眼剤もまた本開示の範囲内であると考えられる。
本明細書で提供される医薬組成物の説明は、ヒトへの投与に適した医薬組成物に主として向けられているが、かかる組成物は、一般的にあらゆる種類の動物への投与に適していると当業者に理解されるであろう。ヒトへの投与に適した医薬組成物を、様々な動物への投与に適した組成物にするための改変はよく理解されており、獣医薬理学の当業者は、かかる改変を、通常の実験を用いて設計および/または実施することができる。
本明細書で提供される化合物は典型的には、投与の容易さおよび投与量の均一性のために投与量単位形態で処方される。しかし、本明細書に記載の組成物の1日総使用量は、健全な医学的判断の範囲内で医師によって決定されることが、理解されるであろう。あらゆる特定の対象または生物に対する具体的な治療有効用量レベルは、様々な要因に依存し、これには、処置される疾患および障害の重症度;使用される特定の活性成分の活性;使用される特定の組成物;対象の年齢、体重、一般的健康状態、性別、および食事;投与の時間、投与経路、および使用される特定の活性成分の排出速度;処置期間;使用される特定の活性成分と組み合わせて、またはこれと同時に使用される薬物;および、医療分野で知られている類似の要因を含む。
本明細書で提供される化合物および組成物は、あらゆる経路で、例えば経腸(例えば経口)、非経口、静脈内、筋肉内、動脈内、髄内、髄腔内、皮下、脳室内、経皮、インターダーマル(interdermal)、直腸、膣内、腹腔内、局所(散剤、軟膏剤、クリーム剤、および/または滴剤によるものなど)、粘膜、経鼻、口腔内、舌下;気管内点滴注入、気管支点滴注入、および/または吸入によって;および/または経口スプレー、鼻腔スプレーおよび/またはエアロゾルとして、投与することができる。具体的に企図される経路は、経口投与、静脈内投与(例えば、全身静脈内注射)、血液および/またはリンパ供給を介した局所投与、および/または患部への直接適用である。一般的には、投与の最も適切な経路は、薬剤の性質(例えば、胃腸管の環境でのその安定性)、および/または対象の状態(例えば、対象が経口投与を耐容できるかどうか)、を含む、種々の要因に依存する。ある態様において、本明細書に記載の化合物または医薬組成物は、対象の眼への局所投与に適している。
有効量を達成するために要求される化合物の厳密な量は、例えば対象の種、年齢、および一般的状態、副作用または障害の重さ、特定の化合物のアイデンティティー、投与モード、ならびに同類に依存して対象毎に変わるであろう。有効量は、単回用量(例えば単回経口用量)または複数回用量(例えば、複数回経口用量)として包含され得る。ある態様において、複数回用量が対象に投与または生体試料、組織、もしくは細胞に適用されるときには、複数回用量のいずれか2つの用量は、本明細書に記載される化合物の、異なるかまたは実質的に同じ量を包含する。ある態様において、複数回用量が対象に投与または生体試料、組織、もしくは細胞に適用されるときには、複数回用量を対象に投与または複数回用量を生体試料、組織もしくは細胞に適用する頻度は、1日3用量、1日2用量、1日1用量、2日に1用量、3日に1用量、毎週1用量、2週間に1用量、3週間に1用量、または4週間に1用量である。ある態様において、複数回用量を対象に投与または複数回用量を生体試料、組織もしくは細胞に適用する頻度は、1日あたり1用量である。ある態様において、複数回用量を対象に投与または複数回用量を生体試料、組織もしくは細胞に適用する頻度は、1日あたり2用量である。ある態様において、複数回用量を対象に投与または複数回用量を生体試料、組織もしくは細胞に適用する頻度は、1日あたり3用量である。ある態様において、複数回用量が対象に投与または生体試料、組織、もしくは細胞に適用されるときには、複数回用量の第1の用量および最後の用量の間の期間は1日、2日、4日、1週間、2週間、3週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、1年、2年、3年、4年、5年、7年、10年、15年、20年、または対象、組織、もしくは細胞の寿命である。ある態様において、複数回用量の第1の用量および最後の用量の間の期間は3ヶ月、6ヶ月、または1年である。ある態様において、複数回用量の第1の用量および最後の用量の間の期間は対象、組織、または細胞の寿命である。ある態様において、本明細書に記載される用量(例えば、単回用量、または複数回用量のいずれかの用量)は、独立して、本明細書に記載される化合物の0.1μgと1μgとの間(両端を含む)、0.001mgと0.01mgとの間、0.01mgと0.1mgとの間、0.1mgと1mgとの間、1mgと3mgとの間、3mgと10mgとの間、10mgと30mgとの間、30mgと100mgとの間、100mgと300mgとの間、300mgと1,000mgとの間、または1gと10gとの間を包含する。ある態様において、本明細書に記載される用量は、独立して本明細書に記載される化合物の1mgと3mgとの間(両端を含む)を包含する。ある態様において、本明細書に記載される用量は、独立して本明細書に記載される化合物の3mgと10mgとの間(両端を含む)を包含する。ある態様において、本明細書に記載される用量は、独立して本明細書に記載される化合物の10mgと30mgとの間(両端を含む)を包含する。ある態様において、本明細書に記載される用量は、独立して最初と最後を含めて本明細書に記載される化合物の30mgと100mgとの間(両端を含む)を包含する。
本明細書に記載の用量範囲は、提供される医薬組成物の、成人への投与のための指針を提供する。例えば、小児または青年に投与する量は、医師または当業者によって決定することができ、成人に投与するより少ないか、または同一であることができる。
本明細書に記載の化合物または組成物は、1以上の追加の医薬品(例えば、治療的および/または予防的に活性な薬剤)と組み合わせて投与され得る。化合物または組成物は、それらの活性(例えば、疾患の処置を、それを必要とする対象に行うことにおける、疾患の予防を、それを必要とする対象に行うことにおける、対象、生体試料、組織または細胞のタンパク質キナーゼ(例えば、CDK)の活性を阻害することにおける、活性(例えば、効力および/または有効性))を改善する、生物学的利用能を改善する、安全性を改善する、薬物耐性を低下させる、代謝を減少および/または変更する、排出する阻害する、および/または、対象、生体試料、組織または細胞における分布を変更する、追加の医薬品と組み合わせて、投与され得る。化合物または組成物は、それらの活性(例えば、以下:必要としている対象における疾患を処置すること、必要としている対象における疾患を予防すること、必要としている対象における疾患の発生のリスクを低減すること、ウイルスの複製を阻害すること、ウイルスを死滅させること、対象または細胞におけるブロモドメイン含有タンパク質の活性を阻害すること、対象または細胞におけるブロモドメインの活性を阻害すること、対象または細胞における、ブロモドメイン含有タンパク質のブロモドメインの、第2タンパク質(例えば、ヒストン)のアセチル−リシン残基への結合を阻害すること、転写伸長を調整する(例えば、阻害する)こと、対象または細胞における、ブロモドメイン含有タンパク質により調節される遺伝子の発現(例えば転写)を調整する(例えば、阻害する)こと、細胞のアポトーシスを誘導すること、対象におけるアポトーシスを誘導すること、対象または細胞におけるG1停止を誘導すること、における、活性(例えば、効力および/または有効性))、生物学的利用能、および/または安全性を改善する、薬剤耐性を低下させる、それらの代謝を減少および/または変更する、それらの排出を阻害する、および/または対象の体内でのそれらの分布を変更する、追加の医薬品と組み合わせて、投与することができる。使用される治療法が、同じ障害に対して所望の効果を達成できる、および/または、異なる効果を達成できることもまた理解されるであろう。ある態様において、本明細書に記載の化合物および追加の医薬品を含む本明細書に記載の医薬組成物は、化合物と追加の医薬品の両方ではなく、その1つを含む医薬組成物には存在しない相乗効果を示す。
化合物または組成物は、例えば併用療法として有用であり得る、1以上の追加の医薬品と同時に、その前に、またはその後に、投与され得る。医薬品は、治療的に活性な薬剤を含む。医薬品はまた、予防的に活性な薬剤も含む。医薬品は、小有機分子を、例えば薬物化合物(例えば、ヒトまたは獣医学的使用のために米国食品医薬品局によって承認された、米国連邦規則集(CFR)に提供されている化合物)、ペプチド、タンパク質、炭水化物、単糖、オリゴ糖、多糖、核タンパク質、ムコタンパク質、リポタンパク質、合成ポリペプチドまたはタンパク質、タンパク質に連結された小分子、糖タンパク質、ステロイド、核酸、DNA、RNA、ヌクレオチド、ヌクレオシド、オリゴヌクレオチド、アンチセンスオリゴヌクレオチド、脂質、ホルモン、ビタミン、および細胞を含む。ある態様において、追加の医薬品は、疾患(例えば、増殖性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、遺伝性疾患、血液疾患、神経疾患、痛みを伴う症状、精神障害、または代謝性障害)を処置および/または予防するのに有用な医薬品である。それぞれの追加の医薬品は、その医薬品について決定された用量および/または時間スケジュールで、投与されてもよい。追加の医薬品はまた、本明細書に記載の化合物または組成物と互いに一緒に単回用量で、および/または、単回用量の本明細書に記載の化合物または組成物とともに、投与されてもよく、あるいは、異なる用量で個別に投与されてもよい。レジメンにおいて使用するための特定の組合せには、本明細書に記載の化合物の、追加の医薬品(単数または複数)に対する適合性、および/または、達成される所望の治療効果および/または予防効果が、考慮されるであろう。一般に、併用される追加の品(単数または複数)は、それらが個別に利用されるレベルを超えないレベルで利用されることが期待される。いくつかの態様において、組み合わせで利用されるレベルは、個別で利用されるレベルよりも低くなるであろう。
追加の医薬品は、抗増殖剤、抗がん剤、抗血管新生剤、抗炎症剤、免疫抑制剤、抗細菌剤、抗ウイルス剤、心臓血管剤、コレステロール低下剤、抗糖尿病剤、抗アレルギー剤、避妊剤、鎮痛剤、およびそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。ある態様において、追加の医薬品は抗増殖剤(例えば抗がん剤)である。ある態様において、追加の医薬品は抗白血病剤である。ある態様において、追加の医薬品はABITREXATE(メトトレキサート)、ADE、Adriamycin RDF(ドキソルビシン塩酸塩)、Ambochlorin(クロラムブシル)、ARRANON(ネララビン)、ARZERRA(オファツムマブ)、BOSULIF(ボスチニブ)、BUSULFEX(ブスルファン)、CAMPATH(アレムツズマブ)、CERUBIDINE(ダウノルビシン塩酸塩)、CLAFEN(シクロホスファミド)、CLOFAREX(クロファラビン)、CLOLAR(クロファラビン)、CVP、CYTOSAR-U(シタラビン)、CYTOXAN(シクロホスファミド)、ERWINAZE(Asparaginase Erwinia Chrysanthemi)、FLUDARA(フルダラビンリン酸エステル)、FOLEX(メトトレキサート)、FOLEX PFS(メトトレキサート)、GAZYVA(オビヌツズマブ)、GLEEVEC(イマチニブメシル酸塩)、Hyper-CVAD、ICLUSIG(ポナチニブ塩酸塩)、IMBRUVICA(イブルチニブ)、LEUKERAN(クロラムブシル)、LINFOLIZIN(クロラムブシル)、MARQIBO(ビンクリスチン硫酸塩リポソーム)、METHOTREXATE LPF(メトトレキサート)、MEXATE(メトトレキサート)、MEXATE-AQ(メトトレキサート)、ミトキサントロン塩酸塩、MUSTARGEN(メクロレタミン塩酸塩)、MYLERAN(ブスルファン)、NEOSAR(シクロホスファミド)、ONCASPAR(ペグアスパラガーゼ)、PURINETHOL(メルカプトプリン)、PURIXAN(メルカプトプリン)、ルビドマイシン(ダウノルビシン塩酸塩)、SPRYCEL(ダサチニブ)、SYNRIBO(オマセタキシンメペスクシネート)、TARABINE PFS(シタラビン)、TASIGNA(ニロチニブ)、TREANDA(ベンダムスチン塩酸塩)、TRISENOX(三酸化ヒ素)、VINCASAR PFS(ビンクリスチン硫酸塩)、ZYDELIG(イデラリシブ)、またはその組み合わせである。ある態様において、追加の医薬品は抗リンパ腫剤である。ある態様において、追加の医薬品はABITREXATE(メトトレキサート)、ABVD、ABVE、ABVE-PC、ADCETRIS(ブレンツキシマブベドチン)、ADRIAMYCIN PFS(ドキソルビシン塩酸塩)、ADRIAMYCIN RDF(ドキソルビシン塩酸塩)、AMBOCHLORIN(クロラムブシル)、AMBOCLORIN(クロラムブシル)、ARRANON(ネララビン)、BEACOPP、BECENUM(カルムスチン)、BELEODAQ(ベリノスタット)、BEXXAR(トシツモマブおよびヨウ素I131トシツモマブ)、BICNU(カルムスチン)、BLENOXANE(ブレオマイシン)、CARMUBRIS(カルムスチン)、CHOP、CLAFEN(シクロホスファミド)、COPP、COPP-ABV、CVP、CYTOXAN(シクロホスファミド)、DEPOCYT(シタラビンリポソーム)、DTIC-DOME(ダカルバジン)、EPOCH、FOLEX(メトトレキサート)、FOLEX PFS(メトトレキサート)、FOLOTYN(プララトレキサート)、HYPER-CVAD、ICE、IMBRUVICA(イブルチニブ)、INTRON A(組み換え体インターフェロンアルファ−2b)、ISTODAX(ロミデプシン)、LEUKERAN(クロラムブシル)、LINFOLIZIN(クロラムブシル)、ロムスチン、MATULANE(プロカルバジン塩酸塩)、METHOTREXATE LPF(メトトレキサート)、MEXATE(メトトレキサート)、MEXATE-AQ(メトトレキサート)、MOPP、MOZOBIL(プレリキサフォル)、MUSTARGEN(メクロレタミン塩酸塩)、NEOSAR(シクロホスファミド)、OEPA、ONTAK(デニロイキンディフティトックス)、OPPA、R-CHOP、REVLIMID(レナリドミド)、RITUXAN(リツキシマブ)、STANFORD V、TREANDA(ベンダムスチン塩酸塩)、VAMP、VELBAN(ビンブラスチン硫酸塩)、VELCADE(ボルテゾミブ)、VELSAR(ビンブラスチン硫酸塩)、VINCASAR PFS(ビンクリスチン硫酸塩)、ZEVALIN(イブリツモマブチウキセタン)、ZOLINZA(ボリノスタット)、ZYDELIG(イデラリシブ)、またはその組み合わせである。ある態様において、追加の医薬品はREVLIMID(レナリドミド)、DACOGEN(デシタビン)、VIDAZA(アザシチジン)、CYTOSAR-U(シタラビン)、IDAMYCIN(イダルビシン)、CERUBIDINE(ダウノルビシン)、LEUKERAN(クロラムブシル)、NEOSAR(シクロホスファミド)、FLUDARA(フルダラビン)、LEUSTATIN(クラドリビン)、またはその組み合わせである。ある態様において、追加の医薬品はABITREXATE(メトトレキサート)、ABRAXANE(アルブミン安定化ナノ粒子パクリタキセル製剤)、AC、AC-T、ADE、ADRIAMYCIN PFS(ドキソルビシン塩酸塩)、ADRUCIL(フルオロウラシル)、AFINITOR(エベロリムス)、AFINITOR DISPERZ(エベロリムス)、ALDARA(イミキモド)、ALIMTA(ペメトレキセド二ナトリウム)、AREDIA(パミドロン酸二ナトリウム)、ARIMIDEX(アナストロゾール)、AROMASIN(エキセメスタン)、AVASTIN(ベバシズマブ)、BECENUM(カルムスチン)、BEP、BICNU(カルムスチン)、BLENOXANE(ブレオマイシン)、CAF、CAMPTOSAR(イリノテカン塩酸塩)、CAPOX、CAPRELSA(バンデタニブ)、CARBOPLATIN-TAXOL、CARMUBRIS(カルムスチン)、CASODEX(ビカルタミド)、CEENU(ロムスチン)、CERUBIDINE(ダウノルビシン塩酸塩)、CERVARIX(組み換え体HPV二価ワクチン)、CLAFEN(シクロホスファミド)、CMF、COMETRIQ(カボザンチニブ−s−リンゴ酸塩)、COSMEGEN(ダクチノマイシン)、CYFOS(イホスファミド)、CYRAMZA(ラムシルマブ)、CYTOSAR-U(シタラビン)、CYTOXAN(シクロホスファミド)、DACOGEN(デシタビン)、DEGARELIX、DOXIL(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、DOXORUBICIN HYDROCHLORIDE、DOX-SL(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、DTIC-DOME(ダカルバジン)、EFUDEX(フルオロウラシル)、ELLENCE(エピルビシン塩酸塩)、ELOXATIN(オキサリプラチン)、ERBITUX(セツキシマブ)、ERIVEDGE(ビスモデギブ)、ETOPOPHOS(リン酸エトポシド)、EVACET(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、FARESTON(トレミフェン)、FASLODEX(フルベストラント)、FEC、FEMARA(レトロゾール)、FLUOROPLEX(フルオロウラシル)、FOLEX(メトトレキサート)、FOLEX PFS(メトトレキサート)、FOLFIRI、FOLFIRI-BEVACIZUMAB、FOLFIRI-CETUXIMAB、FOLFIRINOX、FOLFOX、FU-LV、GARDASIL(組み換え体ヒトパピローマウイルス(HPV)四価ワクチン)、GEMCITABINE-CISPLATIN、GEMCITABINE-OXALIPLATIN、GEMZAR(ゲムシタビン塩酸塩)、GILOTRIF(アファチニブ二マレイン酸塩)、GLEEVEC(イマチニブメシル酸塩)、GLIADEL(カルムスチンインプラント)、GLIADEL WAFER(カルムスチンインプラント)、HERCEPTIN(トラスツズマブ)、HYCAMTIN(トポテカン塩酸塩)、IFEX(イホスファミド)、IFOSFAMIDUM(イホスファミド)、INLYTA(アキシチニブ)、INTRON A(組み換え体インターフェロンアルファ−2b)、IRESSA(ゲフィチニブ)、IXEMPRA(イキサベピロン)、JAKAFI(ルキソリチニブリン酸塩)、JEVTANA(カバジタキセル)、KADCYLA(ado-トラスツズマブエムタンシン)、KEYTRUDA(ペムブロリズマブ)、KYPROLIS(カルフィルゾミブ)、LIPODOX(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、LUPRON(酢酸ロイプロリド)、LUPRON DEPOT(酢酸ロイプロリド)、LUPRON DEPOT-3 MONTH(酢酸ロイプロリド)、LUPRON DEPOT-4 MONTH(酢酸ロイプロリド)、LUPRON DEPOT-PED(酢酸ロイプロリド)、MEGACE(酢酸メゲストロール)、MEKINIST(トラメチニブ)、METHAZOLASTONE(テモゾロミド)、METHOTREXATE LPF(メトトレキサート)、MEXATE(メトトレキサート)、MEXATE-AQ(メトトレキサート)、MITOXANTRONE HYDROCHLORIDE、MITOZYTREX(マイトマイシンc)、MOZOBIL(プレリキサフォル)、MUSTARGEN(メクロレタミン塩酸塩)、MUTAMYCIN(マイトマイシンc)、MYLOSAR(アザシチジン)、NAVELBINE(ビノレルビン酒石酸塩)、NEOSAR(シクロホスファミド)、NEXAVAR(ソラフェニブトシル酸塩)、NOLVADEX(タモキシフェンクエン酸塩)、NOVALDEX(タモキシフェンクエン酸塩)、OFF、PAD、PARAPLAT(カルボプラチン)、PARAPLATIN(カルボプラチン)、PEG-INTRON(ペグインターフェロンアルファ−2b)、PEMETREXED DISODIUM、PERJETA(ペルツズマブ)、PLATINOL(シスプラチン)、PLATINOL-AQ(シスプラチン)、POMALYST(ポマリドミド)、プレドニゾン、PROLEUKIN(アルデスロイキン)、PROLIA(デノスマブ)、PROVENGE(シプリューセル−t)、REVLIMID(レナリドミド)、RUBIDOMYCIN(ダウノルビシン塩酸塩)、SPRYCEL(ダサチニブ)、STIVARGA(レゴラフェニブ)、SUTENT(スニチニブリンゴ酸塩)、SYLATRON(ペグインターフェロンアルファ−2b)、SYLVANT(シルツキシマブ)、SYNOVIR(サリドマイド)、TAC、TAFINLAR(ダブラフェニブ)、TARABINE PFS(シタラビン)、TARCEVA(エルロチニブ塩酸塩)、TASIGNA(ニロチニブ)、TAXOL(パクリタキセル)、TAXOTERE(ドセタキセル)、TEMODAR(テモゾロミド)、THALOMID(サリドマイド)、TOPOSAR(エトポシド)、TORISEL(テムシロリムス)、TPF、TRISENOX(三酸化ヒ素)、TYKERB(ラパチニブ二トシル酸塩)、VECTIBIX(パニツムマブ)、VEIP、VELBAN(ビンブラスチン硫酸塩)、VELCADE(ボルテゾミブ)、VELSAR(ビンブラスチン硫酸塩)、VEPESID(エトポシド)、VIADUR(酢酸ロイプロリド)、VIDAZA(アザシチジン)、VINCASAR PFS(ビンクリスチン硫酸塩)、VOTRIENT(パゾパニブ塩酸塩)、WELLCOVORIN(ロイコボリンカルシウム)、XALKORI(クリゾチニブ)、XELODA(カペシタビン)、XELOX、XGEVA(デノスマブ)、XOFIGO(塩化ラジウム223)、XTANDI(エンザルタミド)、YERVOY(イピリムマブ)、ZALTRAP(ziv-アフリベルセプト)、ZELBORAF(ベムラフェニブ)、ZOLADEX(ゴセレリン酢酸塩)、ZOMETA(ゾレドロン酸)、ZYKADIA(セリチニブ)、ZYTIGA(酢酸アビラテロン)、ENMD-2076、PCI-32765、AC220、ドビチニブ乳酸塩(TKI258、CHIR-258)、BIBW 2992(TOVOK(商標))、SGX523、PF-04217903、PF-02341066、PF-299804、BMS-777607、ABT-869、MP470、BIBF 1120(VARGATEF(登録商標))、AP24534、JNJ-26483327、MGCD265、DCC-2036、BMS-690154、CEP-11981、チボザニブ(AV-951)、OSI-930、MM-121、XL-184、XL-647、および/またはXL228)、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ(ベルケード))、mTOR阻害剤(例えば、ラパマイシン、テムシロリムス(CCI-779)、エベロリムス(RAD-001)、リダホロリムス、AP23573(Ariad)、AZD8055(AstraZeneca)、BEZ235(Novartis)、BGT226(Norvartis)、XL765(Sanofi Aventis)、PF-4691502(Pfizer)、GDC0980(Genetech)、SF1126(Semafoe)およびOSI-027(OSI))、オブリマーセン、ゲムシタビン、カルミノマイシン、ロイコボリン、ペメトレキセド、シクロホスファミド、ダカルバジン、プロカルビジン、プレドニゾロン、デキサメタゾン、カンパテシン、プリカマイシン、アスパラギナーゼ、アミノプテリン、メトプテリン、ポルフィロマイシン、メルファラン、ロイロシジン、ロイロシン、クロラムブシル、トラベクチン、プロカルバジン、ディスコデルモライド、カルモマイシン、アミノプテリン、およびヘキサメチルメラミン、またはその組み合わせである。ある態様において、追加の医薬品は、CDK(例えば、CDK12)の結合剤または阻害剤である。ある態様において、追加の医薬品はタンパク質キナーゼ阻害剤(例えば、チロシンタンパク質キナーゼ阻害剤)である。ある態様において、追加の医薬品は、エピジェネティックまたは転写モジュレーター(例えば、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(HDAC阻害剤)、リジンメチルトランスフェラーゼ阻害剤)、抗有糸分裂薬(例えば、タキサンおよびビンカアルカロイド)、ホルモン受容体モジュレーター(例えば、エストロゲン受容体モジュレーターおよびアンドロゲン受容体モジュレーター)、細胞シグナル伝達経路阻害剤(例えば、チロシンタンパク質キナーゼ阻害剤)、タンパク質安定性のモジュレーター(例えば、プロテアソーム阻害剤)、Hsp90阻害剤、グル
ココルチコイド、オールトランスレチノイン酸、および分化を促進する他の薬剤からなる群から選択される。ある態様において、本明細書に記載される化合物または医薬組成物は抗がん治療との組み合わせで投与され得、外科手術、放射線療法、移植(例えば幹細胞移植、骨髄移植)、免疫療法、および化学療法を包含するが、これらに限定されない。
さらに本開示に包摂されるのは、キット(例えば、医薬パック)である。提供されるキットは、本明細書に記載の医薬組成物または化合物、および容器(例えば、バイアル、アンプル、ボトル、シリンジ、および/またはディスペンサーパッケージ、または他の適切な容器)を含んでもよい。いくつかの態様において、提供されるキットは、任意にさらに、本明細書に記載の医薬組成物または化合物の希釈または懸濁のための薬学的賦形剤を含有する、第2の容器を含んでもよい。いくつかの態様において、第1の容器および第2の容器内に提供される、本明細書に記載の医薬組成物または化合物は、混合されて1単位剤形を形成する。
したがって、一側面において、本明細書に記載の化合物または医薬組成物を含む第一の容器を含むキットが提供される。ある態様において、キットは、それを必要とする対象において、疾患(例えば、増殖性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、遺伝性疾患、血液疾患、神経疾患、痛みを伴う症状、精神障害、または代謝障害)の処置に有用である。ある態様において、キットは、それを必要とする対象において、疾患(例えば、増殖性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、遺伝性疾患、血液疾患、神経疾患、痛みを伴う症状、精神障害、または代謝障害)の予防に有用である。ある態様において、キットは、対象、生体試料、組織、または細胞におけるタンパク質キナーゼ(例えば、CDK)の活性(例えば、増加した活性などの異常な活性)を阻害するために有用である。ある態様において、キットは細胞においてアポトーシスを誘導するために有用である。
ある態様において、本明細書に記載のキットは、キットに含まれる化合物または医薬組成物を使用するための説明書をさらに含む。本明細書に記載のキットはまた、米国食品医薬品局(FDA)などの規制当局によって要求される情報を含み得る。ある態様において、キットに含まれる情報は処方情報である。ある態様において、キットおよび説明書は、それを必要とする対象において、疾患(例えば、増殖性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、遺伝性疾患、血液疾患、神経疾患、痛みを伴う症状、精神障害、または代謝障害)の処置を提供する。ある態様において、キットおよび説明書は、それを必要とする対象において、疾患(例えば、増殖性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、遺伝性疾患、血液疾患、神経疾患、痛みを伴う症状、精神障害、または代謝障害)の予防を提供する。ある態様において、キットおよび説明書は、対象、生体試料、組織、または細胞におけるCDKの活性(例えば、増加した活性などの異常な活性)を調節(例えば、阻害)することを提供する。ある態様において、キットおよび説明書は、細胞におけるアポトーシスの誘導を提供する。本明細書に記載のキットは、別々の組成物として本明細書に記載の1つ以上の追加の医薬品を含み得る。
処置および使用の方法
本開示は、タンパク質キナーゼ(例えば、CDK)の活性(例えば、増加または減少した活性などの異常な活性)を調節(例えば、阻害または増加)する方法を提供する。本開示は、対象または細胞において、CDK(例えば、CDK12)の活性(例えば、望ましくない活性、増加した活性、正常レベルを超える活性、または減少した活性などの異常な活性)を調節(例えば、阻害または増加)する方法を提供する。ある態様において、CDKはCDK12の変異型である。本開示はまた、それを必要とする対象において、タンパク質キナーゼの異常な活性(例えば、増加した活性)に関連する疾患、例えば、増殖性疾患、筋骨格系疾患、遺伝性疾患、血液疾患、神経疾患、痛みを伴う症状、精神障害、代謝障害、良性新生物、血管新生に関連する疾患、炎症性疾患、自己炎症性疾患、および自己免疫疾患などの広範囲の疾患の処置のための方法も提供する。本発明は、対象における増殖性疾患(例えば、がん(例えば、白血病、急性リンパ芽球性白血病、リンパ腫、バーキットリンパ腫、メラノーマ、多発性骨髄腫、乳がん、ユーイング肉腫、骨肉腫、脳がん、神経芽細胞腫、肺がん、大腸がん)、良性新生物、血管新生に関連する疾患、炎症性疾患、自己炎症性疾患、および自己免疫性疾患)の処置または予防のための方法を提供する。
別の側面において、本開示は、対象または細胞におけるタンパク質キナーゼ(例えば、CDK、(例えば、CDK12))の活性を調節する方法を提供する。ある態様において、対象においてタンパク質キナーゼの活性を阻害する方法が提供される。ある態様において、キナーゼはCDK12の変異型である。ある態様において、細胞においてタンパク質キナーゼの活性を阻害する方法が提供される。ある態様において、対象においてタンパク質キナーゼ(例えば、CDK(例えば、CDK12))の活性を増加させる方法が提供される。本明細書に記載の化合物は、キナーゼ阻害活性;サイクリン依存性キナーゼ(CDK)を阻害する能力;サイクリン依存性キナーゼ12(CDK12)を阻害する能力;別のサイクリン依存性キナーゼ(CDK)を阻害することなく、サイクリン依存性キナーゼ12(CDK12)を阻害する能力;がんの処置における治療効果および/または予防効果;Myc依存性がんの処置における治療効果および/または予防効果;および/または既存の化学療法剤より優れている治療プロファイル(例えば、最適な安全性および治療効果)を示し得る。ある態様において、別のサイクリン依存性キナーゼ(CDK7)を阻害することなくCDK12を阻害する方法が提供される。ある態様において、別のサイクリン依存性キナーゼ(CDK)を阻害することなく、変異型のサイクリン依存性キナーゼ12(CDK12)を阻害する方法が提供される。
ある態様において、本明細書に記載の対象または細胞におけるタンパク質キナーゼ(例えば、CDK、(例えば、CDK12))の活性を少なくとも約1%、少なくとも約3%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%減少させる方法が提供される。ある態様において、対象または細胞におけるタンパク質キナーゼ(例えば、CDK、(例えば、CDK12))の活性は、本明細書に記載の方法によって少なくとも約1%、少なくとも約3%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%減少する。いくつかの態様において、対象または細胞におけるタンパク質キナーゼ(例えば、CDK、(例えば、CDK12))の活性は、前記方法によって選択的に阻害される。いくつかの態様において、対象または細胞におけるタンパク質キナーゼ(例えば、CDK、(例えば、CDK12))の活性は、前記方法によって選択的に減少する。
特定の理論に縛られることを望むものではないが、ある態様において、本明細書に記載の化合物は、阻害されているタンパク質キナーゼに結合(例えば、共有結合的に修飾)することができる。ある態様において、本明細書に記載の化合物は、タンパク質キナーゼに結合(例えば、共有結合的に修飾)することができる。ある態様において、本明細書に記載の化合物は、タンパク質キナーゼのシステイン残基と共有結合することができる。ある態様において、本明細書に記載の化合物は、他のキナーゼと共有結合することなく、CDK12の残基Cys1039と共有結合することができる。ある態様において、本明細書に記載の化合物は、CDK7のCys312と共有結合することなく、CDK12の残基Cys1039と共有結合することができる。ある態様において、本明細書に記載の化合物は、CDK12の他の残基と共有結合することなく、CDK12の残基Cys1039と共有結合することができる。ある態様において、前記化合物はCDK12(例えば、CDK12のCys1039)を共有結合的に修飾することができる。ある態様において、本明細書に記載の化合物は、CDK12の残基Cys1039を共有結合的に修飾することができる。ある態様において、本明細書に記載の化合物は、他のキナーゼを共有結合的に修飾することなく、CDK12の残基Cys1039を共有結合的に修飾することができる。ある態様において、本明細書に記載の化合物は、CDK7のCys312を共有結合的に修飾することなく、CDK12の残基Cys1039を共有結合的に修飾することができる。ある態様において、本明細書に記載の化合物は、CDK12の他の残基を共有結合的に修飾することなく、CDK12の残基Cys1039を共有結合的に修飾することができる。
別の側面において、本開示は、対象においてタンパク質キナーゼの活性を阻害する方法を提供し、該方法は、対象に、本明細書において記載される化合物またはその医薬組成物の有効量(例えば治療有効量)を投与することを含む。別の側面において、本開示は生体試料におけるタンパク質キナーゼの活性を阻害する方法を提供し、方法は、生体試料を本明細書に記載されるような化合物またはその医薬組成物の有効量と接触させることを含む。別の側面において、本開示は組織におけるタンパク質キナーゼの活性を阻害する方法を提供し、方法は、組織を本明細書に記載されるような化合物またはその医薬組成物の有効量と接触させることを含む。
別の側面において、本開示は細胞におけるタンパク質キナーゼの活性を阻害する方法を提供し、方法は、細胞を本明細書に記載されるような化合物またはその医薬組成物の有効量と接触させることを含む。
ある態様において、処置されている対象は、哺乳動物である。ある態様において、対象は、ヒトである。ある態様において、対象は、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジまたはヤギなどの家畜化された動物である。ある態様において、対象は、イヌまたはネコなどの愛玩動物である。ある態様において、対象は、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジまたはヤギなどの家畜動物である。ある態様において、対象は、動物園の動物である。別の態様において、対象は、げっ歯類、イヌまたは非ヒト霊長類などの研究動物である。ある態様において、対象は、トランスジェニックマウスまたはトランスジェニックブタなどの非ヒトトランスジェニック動物である。
ある態様において、化合物または組成物と接触している生体試料は、乳房組織、骨髄、リンパ節、リンパ組織、脾臓、または血液である。
ある態様において、化合物または組成物と接触している細胞はインビトロで存在する。ある態様において、化合物または組成物と接触している細胞はインビボで存在する。ある態様において、化合物または組成物と接触している細胞はエクスビボで存在する。ある態様において、化合物または組成物と接触している細胞は悪性細胞(例えば、悪性血液細胞)である。ある態様において、化合物または組成物と接触している細胞は悪性造血幹細胞(例えば、悪性骨髄性細胞または悪性リンパ性細胞)である。ある態様において、化合物または組成物と接触している細胞は悪性リンパ球(例えば、悪性T細胞または悪性B細胞)である。ある態様において、化合物または組成物と接触している細胞は、悪性赤血球、悪性白血球、または悪性血小板である。ある態様において、化合物または組成物と接触している細胞は、悪性好中球、悪性マクロファージ、または悪性形質細胞である。ある態様において、化合物または組成物と接触している細胞は癌細胞である。ある態様において、化合物または組成物と接触している細胞は癌乳房細胞である。ある態様において、化合物または組成物と接触している細胞は肉腫細胞である。ある態様において、化合物または組成物と接触している細胞は、乳房組織由来の肉腫細胞である。
本明細書において記載される化合物を用いて処置または予防されるべき増殖性疾患は、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)などのキナーゼの過剰発現と関連していてもよい。真核生物の細胞分裂のプロセスは、広く、G1、S、G2およびMと称される一連の逐次的な期に分けられる。細胞周期の多様な期を通しての正確な進行は、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)として知られるタンパク質のファミリー、およびサイクリンと称されるそれらのコグネートタンパク質パートナーの多様なセットの、空間的および時間的制御に決定的に依存することが示されている。CDKは、CDC2(別名CDK1)に相同なセリン−スレオニンキナーゼタンパク質であって、配列依存的な状況における多様なポリペプチドのリン酸化においてATPを基質として利用することができるものである。サイクリンは、「サイクリンボックス」と称される約100アミノ酸を含む相同領域により特徴づけられるタンパク質のファミリーである。「サイクリンボックス」は、特異的なCDKパートナータンパク質に対して結合すること、およびこれについての選択性を定義することにおいて用いられる。
細胞周期全体にわたる多様なCDKおよびサイクリンの発現レベル、分解速度、タンパク質レベル、および活性レベルの調節は、CDKが酵素的に活性となる一連のCDK/サイクリン複合体の周期性形成をもたらす。これらの複合体の形成は、別々の細胞周期チェックポイントを通しての継代を制御し、それにより、細胞分裂のプロセスが継続することを可能にする。所与の細胞周期チェックポイントにおいて必須の生化学的条件を満たすことに失敗すること、例えば、必要とされるCDK/サイクリン複合体を形成することに失敗することにより、細胞周期停止および/または細胞のアポトーシスがもたらされ得る。異常な細胞増殖は、しばしば、正確な細胞周期制御の喪失に起因し得る。CDK酵素活性の阻害は、したがって、異常分裂している細胞が、その分裂を停止させるかおよび/または細胞死する手段を提供する。CDKおよびCDK複合体の多様性、ならびに細胞周期を調節することにおけるそれらの重要な役割は、定義された生化学的原理に基づいて選択される広域性の潜在的治療標的を提供する。
ある態様において、本明細書に記載の化合物を使用して処置または予防される増殖性疾患は、CDK(例えば、CDK12)の過剰発現に関連し得る。
CDK12およびCDK13は、それらのキナーゼドメインにおいて92%の同一性を共有するCdc2関連タンパク質である(Chen et al., Exp. Neurol., 2014, 261, 10-21)。CDK12は、細胞プロセスにおいて重要な役割を果たし、例えば、RNAPIIとDNAの相互作用を安定させることによって転写およびスプライシングの機構を制御し、DDR遺伝子の発現を調節することによってDNA損傷応答(DDR)およびゲノムの安定性の維持を制御する。CDK12の過剰発現は、転写およびタンパク質レベルの両方で、乳がん疾患の病理学的パラメータと相関することが見出されている。
増殖性疾患は、CDK(例えばCDK12)の異常な活性に関連していてもよい。CDK(例えばCDK12)の異常な活性は、上昇した、および/または不適切なCDKの活性であってよい。細胞周期の進行の調節解除は、増殖性疾患の特徴であり、増殖性疾患の多くは、しばしば、上昇した、および/または不適切なCDKの活性化を通して、CDK(例えばCDK12)の活性の一部の成分において異常を有する。CDK12の触媒活性の阻害は、細胞周期CDKのリン酸化を遮断することにより、細胞周期の進行を阻害すると予期され、さらに、細胞分裂のエフェクターの転写を阻害するであろう。ある態様において、CDK12は過剰発現されないが、CDK12の活性が上昇しているか、および/または不適切である。ある態様において、CDK12が過剰発現され、CDK12の活性が上昇しているか、および/または不適切である。本明細書に記載の化合物、およびその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、プロドラッグ、および組成物は、CDK7の活性を阻害し得、増殖性疾患の処置および/または予防に有用であり得る。本明細書において記載される化合物、ならびにその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体、プロドラッグおよび組成物は、CDK12の活性を阻害することができ、増殖性疾患を処置および/または予防することにおいて有用であり得る。
増殖性疾患はまた、生体試料または対象中の細胞のアポトーシスの阻害と関連していてもよい。本明細書において記載されるかまたは当該分野において公知の全ての型の生体試料が、本発明の範囲内であるものとして企図される。アポトーシスは、プログラムされた細胞死のプロセスである。アポトーシスの阻害は、制御されない細胞増殖をもたらし得、したがって、増殖性疾患を引き起こし得る。発現マイクロアレイにおいて明らかにされるように、CycK/Cdk12複合体は、RNAポリメラーゼIIのC末端ドメインにおけるSer2のリン酸化およびヒト遺伝子の小サブセットの発現を制御する。DNA損傷応答遺伝子(すなわち、癌遺伝子)の発現の制御を通じて、CycK/Cdk12は細胞をゲノム不安定性から保護する。ある態様において、CDK12によって制御されるDNA損傷応答遺伝子は、BRCA1、BRCA2、HER1、HER2、ATR、FANCI、またはFANCD2である。ある態様において、CDK12によって制御されるDNA損傷応答遺伝子は、BRCA1、HER2、ATR、FANC1、およびFANCD2である。ある態様において、CDK12によって制御されるDNA損傷応答遺伝子はBRCA1である。ある態様において、CDK12によって制御されるDNA損傷応答遺伝子はHER2である。ある態様において、DNA損傷応答遺伝子はCDK12によって下方制御される。
ある態様において、本明細書において記載される化合物を用いて処置または予防されるべき増殖性疾患は、がんである。本明細書において開示されるか当該分野において公知の全ての型のがんは、本発明の範囲内であるものとして企図される。ある態様において、増殖性疾患は、BCL−2抗アポトーシス性タンパク質(例えば、MCL−1および/またはXIAP)に関連するがん(例えば、BCL−2抗アポトーシス性タンパク質に対する依存性に関連するがん)である。ある態様において、増殖性疾患は、MYC(転写因子をコードする遺伝子)の過剰発現に関連するがんである。ある態様において、がんは、MYC依存性のがんである。ある態様において、増殖性疾患は、BRCA1の増幅に関連するがんである。ある態様において、増殖性疾患は、HER2の増幅に関連するがんである。ある態様において、増殖性疾患は血液悪性腫瘍である。ある態様において、増殖性疾患は血液がんである。
ある態様において、増殖性疾患は、血液学的悪性疾患である。ある態様において、増殖性疾患は、白血病である。ある態様において、増殖性疾患は、慢性リンパ球性白血病(CLL)である。ある態様において、増殖性疾患は、急性リンパ芽球性白血病(ALL)である。ある態様において、増殖性疾患は、T細胞急性リンパ芽球性白血病(T−ALL)である。ある態様において、増殖性疾患は、慢性骨髄性白血病(CML)である。ある態様において、増殖性疾患は、急性骨髄性白血病(AML)である。ある態様において、増殖性疾患は、急性単球性白血病(AMoL)である。ある態様において、増殖性疾患は、リンパ腫である。いくつかの態様において、増殖性疾患は、バーキットリンパ腫である。ある態様において、増殖性疾患は、ホジキンリンパ腫である。ある態様において、増殖性疾患は、非ホジキンリンパ腫である。ある態様において、増殖性疾患は、多発性骨髄腫である。ある態様において、増殖性疾患は、メラノーマである。ある態様において、増殖性疾患は、大腸がんである。ある態様において、増殖性疾患は、乳がんである。ある態様において、増殖性疾患は再発性乳がんである。ある態様において、増殖性疾患は変異型乳がんである。ある態様において、増殖性疾患はHER2+乳がんである。ある態様において、増殖性疾患はHER2乳がんである。ある態様において、増殖性疾患は、三種陰性乳がん(TNBC)である。ある態様において、増殖性疾患は、骨がんである。ある態様において、増殖性疾患は、骨肉腫である。ある態様において、増殖性疾患は、ユーイング肉腫である。いくつかの態様において、増殖性疾患は、脳がんである。いくつかの態様において、増殖性疾患は、神経芽細胞腫である。いくつかの態様において、増殖性疾患は、肺がんである。いくつかの態様において、増殖性疾患は、小細胞肺がん(SCLC)である。いくつかの態様において、増殖性疾患は、非小細胞肺がんである。いくつかの態様において、増殖性疾患は、良性新生物である。本明細書において開示されるか当該分野において公知の全ての型の良性新生物は、本発明の範囲内であるものとして企図される。いくつかの態様において、増殖性疾患は、血管新生に関連する。本明細書において開示されるか当該分野において公知の全ての型の血管新生は、本発明の範囲内であるものとして企図される。ある態様において、増殖性疾患は、炎症性疾患である。本明細書において開示されるか当該分野において公知の全ての型の炎症性疾患は、本発明の範囲内であるものとして企図される。ある態様において、炎症性疾患は、関節リウマチである。
ある態様において、増殖性疾患は急性炎症性疾患である。ある態様において、急性炎症性疾患は関節リウマチ、クローン病、または線維症である。いくつかの態様において、増殖性疾患は、自己炎症性疾患である。本明細書において開示されるか当該分野において公知の全ての型の自己炎症性疾患は、本発明の範囲内であるものとして企図される。いくつかの態様において、増殖性疾患は、自己免疫性疾患である。本明細書において開示されるか当該分野において公知の全ての型の自己免疫性疾患は、本発明の範囲内であるものとして企図される。
本発明の別の側面は、生体試料、組織、細胞または対象においてキナーゼの活性を阻害する方法に関する。ある態様において、キナーゼは、CDKである。ある態様において、キナーゼは、CDK12である。ある態様において、キナーゼは、CDK12の変異型である。ある態様において、キナーゼの活性は、キナーゼの異常な活性または望ましくない活性である。ある態様において、キナーゼの活性は、キナーゼの増加した活性である。ある態様において、キナーゼの活性の阻害は、不可逆的である。他の態様において、キナーゼの活性の阻害は、可逆的である。ある態様において、キナーゼの活性を阻害する方法は、本明細書において記載される化合物を、キナーゼに共有結合的に付着させることを含む。
本発明においてまた提供されるのは、生体試料または対象における遺伝子の転写を阻害する方法である。ある態様において、CDK12の活性によって制御される遺伝子の転写は、発明の化合物によって阻害され得る。ある態様において、CDK12の活性によって制御される遺伝子の転写は、発明の化合物によって阻害され得る。ある態様において、CDK12の活性によってそれらの転写が阻害され得る遺伝子は、BRCA1、FANCI、ATR、FANCD2、APEX1、NEK9、CHEK1、CHEK2、ATM、RAD51C、RAD51D、ORC3L、MDC1、TERF2、ERCC4、FANCF、PARP9、RUNX1、MYB、TAL1、MCL1、MYC、BCL2、ETS1、およびEWS−FLIからなる群から選択される1つ以上の遺伝子である。ある態様において、それを必要とする対象に本明細書に記載の化合物を投与することは、BRCA1、FANCI、ATR、FANCD2、APEX1、NEK9、CHEK1、CHEK2、ATM、RAD51C、RAD51D、ORC3L、MDC1、TERF2、ERCC4、FANCF、PARP9、RUNX1、MYB、TAL1、MCL1、MYC、BCL2、ETS1、およびEWS−FLIからなる群から選択される1つ以上の遺伝子を上方制御するであろう。本発明はまた、BRCA1、FANCI、ATR、FANCD2、APEX1、NEK9、CHEK1、CHEK2、ATM、RAD51C、RAD51D、ORC3L、MDC1、TERF2、ERCC4、FANCF、PARP9、RUNX1、MYB、TAL1、MCL1、MYC、BCL2、ETS1、およびEWS−FLIからなる群から選択される1つ以上の遺伝子を上方制御する方法を提供し、前記方法は、それを必要とする対象に本明細書に記載の化合物を投与することを含む。本発明はまた、BRCA1、FANCI、ATR、FANCD2、APEX1、NEK9、CHEK1、CHEK2、ATM、RAD51C、RAD51D、ORC3L、MDC1、TERF2、ERCC4、FANCF、PARP9、RUNX1、MYB、TAL1、MCL1、MYC、BCL2、ETS1、およびEWS−FLIからなる群から選択される1つ以上の遺伝子を上方制御するための本明細書に記載の化合物の使用を提供し、それを必要とする対象に本明細書に記載の化合物を投与することを含む。
本発明はまた、生体試料、組織、細胞または対象において細胞増殖を阻害する方法を提供する。
なお別の側面において、本発明は、生体試料、組織、細胞または対象において細胞のアポトーシスを誘導する方法を提供する。
ある態様において、本明細書において記載される方法は、本明細書において記載される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグ、またはその医薬組成物の有効量を、対象に投与するか、または生体試料をこれと接触させることを含む。ある態様において、本明細書において記載される方法は、本明細書において記載される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、またはその医薬組成物の有効量を、対象に投与するか、または生体試料をこれと接触させることを含む。ある態様において、化合物を、生体試料と接触させる。ある態様において、化合物を、対象に投与する。ある態様において、化合物を、本明細書において記載される1つ以上のさらなる医薬品と組み合わせて投与する。さらなる医薬品は、抗増殖剤であってもよい。ある態様において、さらなる医薬品は、抗がん剤である。さらなる医薬品はまた、キナーゼ阻害剤であってもよい。ある態様において、さらなる医薬品は、CDKの阻害剤である。ある態様において、さらなる医薬品は、CDK12の阻害剤である。ある態様において、さらなる医薬品は、CDK12の選択的阻害剤である。ある態様において、さらなる医薬品は、CDK12の非選択的阻害剤である。ある態様において、さらなる医薬品は、別のCDKの阻害剤である。ある態様において、さらなる医薬品は、別のCDKの選択的阻害剤である。ある態様において、さらなる医薬品は、別のCDKの非選択的阻害剤である。ある態様において、さらなる医薬品は、フラボピリドール、トリプトライド、SNS-032(BMS-387032)、PHA-767491、PHA-793887、BS-181、(S)-CR8、(R)-CR8、またはNU6140である。ある態様において、さらなる医薬品は、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)の阻害剤である。ある態様において、さらなる医薬品は、グリコーゲンシンターゼキナーゼ3(GSK3)の阻害剤である。ある態様において、さらなる医薬品は、AGCキナーゼの阻害剤である。ある態様において、さらなる医薬品は、カルモジュリン依存性キナーゼ(CaMキナーゼ)の阻害剤である。ある態様において、さらなる医薬品は、カゼインキナーゼ1の阻害剤である。ある態様において、さらなる医薬品は、STEキナーゼの阻害剤である。ある態様において、さらなる医薬品は、チロシンキナーゼの阻害剤である。
いくつかの態様において、さらなる医薬品は、トポイソメラーゼ阻害剤、MCL1阻害剤、BCL−2阻害剤、BCL−xL阻害剤、BRD4阻害剤、BRCA1阻害剤、BRCA2阻害剤、HER1阻害剤、HER2阻害剤、CDK9阻害剤、十文字ヒストンデメチラーゼ阻害剤、またはDNA損傷誘導因子である。いくつかの態様において、さらなる医薬品は、エトポシド、オバトクラックス(obatoclax)、ナビトクラックス(navitoclax)、JQ1、4−(((5’−クロロ−2’−(((1R,4R)−4−(((R)−1−メトキシプロパン−2−イル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−[2,4’−ビピリジン]−6−イル)アミノ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボニトリル、JIB04、またはシスプラチンである。いくつかの態様において、さらなる医薬品は、エトポシド、オバトクラックス、またはナビトクラックスであり、処置されるべき疾患は、乳がん、例えば、三種陰性乳がん、HER2陽性乳がん、HER2陰性乳がん、ER陽性乳がん、ER陰性乳がん、またはER/PR陽性乳がんである。いくつかの態様において、さらなる医薬品は、エトポシド、JIB04、またはシスプラチンであり、処置されるべき疾患は、ユーイング肉腫である。いくつかの態様において、さらなる医薬品は、JQ1またはNVP2であり、処置されるべき疾患は、白血病、例えば、急性骨髄性白血病、骨髄芽球性白血病、前骨髄球性白血病、骨髄単球性白血病、単球性白血病、単芽球性白血病、または巨核芽球性白血病である。ある態様において、本明細書において記載される医薬組成物はさらに、本明細書において記載されるさらなる医薬品の組み合わせを含む。
本発明の化合物または組成物は、生体試料または対象において、さらなる医薬品により誘導されるCDK12の阻害を、相乗的に増強することができる。したがって、本発明の化合物または組成物とさらなる医薬品との組み合わせは、本発明の化合物または組成物なしでさらなる医薬品を用いる処置に対して耐性の増殖性疾患を処置することにおいて有用であり得る。
いくつかの態様において、タンパク質キナーゼの活性は、本明細書において記載される化合物または医薬組成物により、非選択的に阻害される。いくつかの態様において、阻害されるタンパク質キナーゼの活性は、本明細書において記載される化合物または医薬組成物により、異なるタンパク質(例えば、異なるタンパク質キナーゼ)の活性と比較して、選択的に阻害される。ある態様において、CDK(例えばCDK12)の活性は、本明細書において記載される化合物または医薬組成物により、異なるタンパク質の活性と比較して、選択的に阻害される。ある態様において、CDK12の活性は、本明細書において記載される化合物または医薬組成物により、別のCDK(例えば、CDK7またはCDK13)の活性と比較して、選択的に阻害される。
異なるタンパク質(例えば、異なるタンパク質キナーゼ)に対して、あるタンパク質キナーゼの活性を阻害する際の本明細書に記載される化合物または医薬組成物の選択性は、タンパク質キナーゼの活性を阻害する際の化合物または医薬組成物のIC50値で割った異なるタンパク質の活性を阻害する際の化合物または医薬組成物のIC50値の商によって測定され得る。異なるタンパク質に対して、あるタンパク質キナーゼについての本明細書に記載される化合物または医薬組成物の選択性は、化合物または医薬組成物とタンパク質キナーゼとのアダクトのKd値で割った化合物または医薬組成物と異なるタンパク質とのアダクトのKd値の商によって測定され得る。ある態様において、選択性は少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも30倍、少なくとも100倍、少なくとも300倍、少なくとも1,000倍、少なくとも3,000倍、少なくとも10,000倍、少なくとも30,000倍、または少なくとも100,000倍である。ある態様において、選択性は100,000倍以下、10,000倍以下、1,000倍以下、100倍以下、10倍以下、または2倍以下である。上で参照された範囲の組み合わせ(例えば、少なくとも2倍かつ10,000倍以下)もまた本開示の範囲内である。
ある態様において、本明細書において記載されるキットは、本明細書において記載される化合物または医薬組成物を含む第1の容器を含む。ある態様において、本明細書において記載されるキットは、それを必要とする対象において増殖性疾患(例えば、がん(例えば、白血病、急性リンパ芽球性白血病、リンパ腫、バーキットリンパ腫、メラノーマ、多発性骨髄腫、乳がん、ユーイング肉腫、骨肉腫、脳がん、神経芽細胞腫、肺がん、大腸がん)、良性新生物、血管新生に関連する疾患、炎症性疾患、自己炎症性疾患、および自己免疫性疾患)を処置すること、それを必要とする対象において増殖性疾患を予防すること、対象、生体試料、組織もしくは細胞においてタンパク質キナーゼ(例えばCDK(例えばCDK12))の活性を阻害すること、ならびに/または細胞においてアポトーシスを誘導することにおいて、有用である。
ある態様において、本明細書において記載されるキットは、さらに、キット中に含まれる化合物または医薬組成物を使用するための説明を含む。本明細書において記載されるキットはまた、米国食品医薬品局(FDA)などの規制当局により必要とされる情報を含んでもよい。ある態様において、キット中に含まれる情報は、処方情報である。ある態様において、キットおよび説明は、それを必要とする対象において増殖性疾患を処置すること、それを必要とする対象において増殖性疾患を予防すること、対象、生体試料、組織もしくは細胞においてタンパク質キナーゼ(例えばCDK(例えばCDK12))の活性を阻害すること、ならびに/または細胞においてアポトーシスを誘導することを提供する。本明細書において記載されるキットは、本明細書において記載される1つ以上のさらなる医薬品を、個別の組成物として含んでもよい。
例
本明細書において記載される発明がより完全に理解され得るために、以下の例を記載する。本願において記載される合成例および生物学的例は、本明細書において提供される化合物、医薬組成物および方法を説明するために提供され、決してそれらの範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
選択した化合物の構造活性分析
本明細書に記載の選択化合物を構造活性分析について評価した。Invitrogen生化学アッセイからの他のCDKキナーゼに対する、例示的な化合物BSJ−01−175−1のIC
50値の例示的な結果を表1に示す。インビトロのキナーゼアッセイは、Life technologyによって、各々のキナーゼについてATP濃度=K
mで2回行った。ジャーカット細胞に対するIC
50は抗増殖アッセイからのものであり、CDK2、CDK7、およびCDK9に対するIC
50は、Life technologyからの生化学キナーゼ阻害アッセイからのものである。表1Aと表1を参照されたい。
ジャーカット細胞に対する抗増殖活性のアッセイ
ジャーカット細胞を30,000細胞/ウェルで播種し、示した化合物の用量設定で処理した。細胞を72時間増殖させた。細胞をCELLTITER GLO(Promega)を用いてアッセイし、細胞代謝活性の指標であるATPの存在量を測定することにより、細胞生存率を決定した。DMSOP=.cent値と比較して、結果を、発光としての相対としてグラフ化し、計算した。曲線をPRISMを用いて作成し、IC50値を決定した。表1Aを参照されたい。
選択した化合物についての抗増殖活性のアッセイ
本明細書に記載の選択化合物を抗増殖活性について評価した。抗増殖活性(nM)についてのアッセイの例示的な結果を表2に示す。HAP1 WTおよびCDK12 C1039S/CDK13 C1017S二重変異体細胞を96ウェルプレートに12,000細胞/ウェルの密度で播種した。24時間後、次いで細胞を1nMから10μMの10pt用量漸増フォーマットの化合物BSJ−01−175−1またはDMSO対照で72時間処理した。72時間後、CellTiter−Glo発光細胞生存度アッセイ(Promega)を用いて細胞をアッセイし、細胞代謝活性の指標である各試料細胞集団中に存在するATPの量を測定することにより、細胞生存率を決定した。結果を、72時間でのDMSO対照の割合としてグラフ化する。すべてのデータ点は、生物学的に三重に行った。CDK12(C1039S)およびCDK13(C1017S)において推定上の阻害剤抵抗性の変異を発現するHAP1細胞は、対照WT HAP1細胞と比較して、化合物BSJ−01−175−1に対して約半分の感受性がある。この結果は、細胞内の化合物活性の一部がCDK12および/またはCDK13の共有結合阻害に由来し、標的とするシステイン(CDK12中のC1039およびCDK13中のC1017)のより低い求核性のセリンへの変異が、化合物BSJ−01−175−1の抗増殖活性のいくつかを救済するのに十分であることを示す。化合物BSJ−1−0175−1の抗増殖効果は、CDK12およびCDK13における重要なシステインの変異によって部分的に救済されることを見出した。
選択した化合物についてのプルダウンアッセイ
ジャーカット細胞を、THZ1(1μM)、化合物BSJ−01−175−1(1μM)、またはDMSOビヒクル対照で6時間処理した。次いで、各処理条件からの清澄化した細胞溶解物を1μMのTHZ1−ビオチン(CDK7−サイクリンH、CDK12−サイクリンK、およびCDK13−サイクリンK複合体に結合する濃度)のいずれかと共にインキュベートした。溶解物をTHZ1−ビオチンと共に4℃で終夜インキュベートした。その後のストレプトアビジン被覆ビーズの添加は、示したタンパク質複合体の免疫沈降を可能にする。溶解緩衝液でビーズを洗浄した後、免疫沈降したタンパク質をSDS緩衝液中で沸騰させることによってビーズから溶出した。サイクリンKについてのウエスタンブロッティングを使用して、沈殿したCDK12−サイクリンKまたはCDK13−サイクリンK複合体を同定した。サイクリンHについてのウエスタンブロッティングを使用して、沈殿したCDK7−サイクリンH複合体を同定した。THZ1および化合物BSJ−01−175−1がそれらの意図する標的に共有結合するため、これらの化合物による細胞の前処理は、THZ1−ビオチンによるこれらのタンパク質複合体のその後の捕捉および免疫沈降を阻止すると期待した。ウエスタンブロットデータは、THZ1が細胞内CDK12−サイクリンK、CDK13−サイクリンKおよびCDK7−サイクリンH複合体に結合する一方、化合物BSJ−01−175−1は細胞内CDK12−サイクリンKおよびCDK13−サイクリンK複合体に選択的に結合することを示す(CDK7−サイクリンHには結合しない)。図1は、THZ1−ビオチンプローブを用いたサイクリンKプルダウンのこのプルダウンアッセイの結果を示す。例示的な化合物BSJ−01−175−1が、CDK7−サイクリンH複合体ではなく、細胞内CDK12/13−サイクリンK複合体に選択的に結合することを示す。
別の実験では、ジャーカット細胞を、DMSOまたは1.0μMの例示的な化合物BSJ−01−033、BSJ−01−175、BSJ−01−202、BSJ−02−139、BSJ−02−109およびBSJ−02−108で処理した。処理の6時間後、細胞を洗浄し、溶解緩衝液(50mMのHepes pH7.4、150mMのNaCl、1%のNP−40、5mMのEDTA、プロテアーゼおよびホスファターゼ阻害剤)に再懸濁し、そして氷上で30分間溶解することによって回収した。溶解物を15,000rpmで30分間の遠心分離により清澄化した。ビオチン標識THZ1を溶解物に1μMまで添加し、4℃で終夜回転させた。ストレプトアビジン−アガロースビーズを洗浄し、30μLのスラリーを各溶解物に添加し、4℃で1時間回転させた。ビーズを溶解緩衝液で5回洗浄し、50μLの2×LDS緩衝液を各試料に添加した。試料を煮沸し、等量のタンパク質をゲルにロードした。ゲルをニトロセルロースに移し、サイクリンKおよびサイクリンHについてブロットした。図2は、このプルダウンアッセイの結果を示す。
本明細書に記載の化合物の調製
本明細書で提供される化合物は、以下の一般的な方法および手順を用いて容易に入手可能な出発物質から調製することができる。典型的なまたは好ましいプロセス条件(すなわち、反応温度、時間、反応物のモル比、溶媒、圧力など)が示されている場合、特に明記しない限り、他のプロセス条件も使用することができる。最適な反応条件は、使用する特定の反応物または溶媒によって異なり得るが、かかる条件は、日常的な最適化手順によって当業者によって決定され得る。
例1.N−(4−((1R,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルオキシ)フェニル)アクリルアミド(BSJ−01−033)の合成
(1R,3R)−3−(4−ニトロフェノキシ)シクロヘキサンアミン
3.0mLの無水DMF中のNaH(0.8g、8.25mmol)の懸濁液に、(1R,3R)−3−アミノシクロヘキサノールHCl塩(0.5g、3.3mmol)を0℃でゆっくり加え、0.5時間撹拌し続け、次いで1−フルオロ−4−ニトロベンゼン(0.465g、3.3mmol)を加えた。反応混合物を0℃でさらに0.5時間撹拌し続け、次いで室温まで温め、2時間撹拌し続けた。1.0mLのH2Oを滴下して反応を停止させた。混合物をDCM(100mL)で抽出し、食塩水(3×50mL)で洗浄し、乾燥し(無水Na2SO4)、濾過し、そして減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、標題の化合物(623mg、80%)を褐色の固体として得た。LC-MS (m/z): 237 [M+H]+。
5−クロロ−N−((1R,3R)−3−(4−ニトロフェノキシ)シクロヘキシル)−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−アミン
3−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール(50mg、0.12mmol)および(1R,3R)−3−(4−ニトロフェノキシ)シクロヘキサンアミン(58mg、0.25mmol)を1.0mLのNMPに溶解し、0.2mLのDIPEAを加え、混合物を140℃まで加熱し、5時間撹拌し続けた。次いで反応混合物を室温まで冷却し、EtOAc(20mL)で希釈し、飽和NaHCO3(5mL)、食塩水(5mL)で洗浄し、乾燥し(無水Na2SO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。LC-MS (m/z): 604 [M+H]+。
N−((1R,3R)−3−(4−アミノフェノキシ)シクロヘキシル)−5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−アミン
SnCl2(230mg、1.2mmol)を、5.0mLのエチルエステル(4.0mL)およびMeOH(1.0mL)中の最後の工程から得た5−クロロ−N−((1R,3R)−3−(4−ニトロフェノキシ)シクロヘキシル)−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−アミンの溶液に加えた。混合物を80℃まで加熱し、2時間撹拌し続けた。次いで反応混合物を室温まで冷却し、100mLの飽和NaHCO3で希釈し、200mLのCHCl3/i−PrOH(v/v=4:1)で抽出し、食塩水(3×100mL)で洗浄し、乾燥し(無水Na2SO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。LC-MS (m/z): 574 [M+H]+。
N−((1R,3R)−3−(4−アミノフェノキシ)シクロヘキシル)−5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−アミン
2.0mLの1NのNaOH水溶液を、2.0mLのジオキサン中の最後の工程から得られたN−((1R,3R)−3−(4−アミノフェノキシ)シクロヘキシル)−5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−アミンの懸濁液に加え、室温で5時間撹拌した。次いで2.0mLの1N HClを加えて反応を停止させ、溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣を分取HPLC(MeOH/H2O、0.05%TFA)によって精製して、標題の化合物を得た(38.9mg、3ステップで75%)。LC-MS (m/z): 434 [M+H]+。
N−(4−((1R,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルオキシ)フェニル)アクリルアミド(BSJ−01−033)
1.0mLのDCM中の塩化アクリル(3.46mg、0.038mmol)を、2.0mLの無水CH3CN中のN−((1R,3R)−3−(4−アミノフェノキシ)シクロヘキシル)−5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−アミン(15mg、0.035mmol)および0.1mLのDIPEAの溶液に滴下し、0℃で1時間撹拌した。次いで反応混合物を濃縮し、残渣を分取HPLC(MeOH/H2O、0.05%TFA)により精製して、凍結乾燥後に標題の化合物(14.8mg、87%)を明黄色の固体として得た。LC-MS (m/z): 488 [M+H]+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 10.99 (dd, J = 10.4, 5.6 Hz, 1H), 10.36 (s, 1H), 8.60 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 8.36 (s, 1H), 7.66 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.54 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.49-7.31 (m, 1H), 7.25 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.21 - 7.13 (m, 3H), 7.09-6.96 (m, 2H), 6.76 (dt, J = 14.7, 7.2 Hz, 1H), 6.48 (d, J = 15.3 Hz, 1H), 4.81 (s, 1H), 2.22 - 1.94 (m, 2H), 1.88 - 1.69 (m, 3H), 1.69 - 1.50 (m, 2H), 1.43 (d, J = 11.9 Hz, 2H)。
例2.(E)−N−(4−((1R,3R)−3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルオキシ)フェニル)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エナミド(BSJ−01−175)の合成
1.0mLのDCM中の(E)−4−ブロモブタ−2−エノイルクロリド(6.34mg、0.035mmol)の溶液を、2.0mLの無水CH3CN中のN−((1R,3R)−3−(4−アミノフェノキシ)シクロヘキシル)−5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−アミン(15mg、0.035mmol)および0.1mLのDIPEAの冷溶液(0℃)に滴下した。0℃で0.5時間後、THF中のジメチルアミンの2M溶液(1.0mL)を加え、混合物を0℃で1時間撹拌した。次いで1.5mLのDMSOを加え、続いて減圧下で低沸点溶媒を除去した。残渣を分取HPLC(MeOH/H2O、0.05%TFA)によって精製して、凍結乾燥後に標題の化合物(11mg、58%)を明黄色の固体として得た。LC-MS (m/z): 545 [M+H]+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 10.92 (dd, J = 10.4, 5.6 Hz, 1H), 10.38 (s, 1H), 8.65 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 8.36 (s, 1H), 7.59 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.54 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.34 (d, J = 50.9 Hz, 1H), 7.25 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.21
7.13 (m, 2H), 6.95 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 6.76 (dt, J = 14.7, 7.2 Hz, 1H), 6.48 (d, J = 15.3 Hz, 1H), 4.81 (s, 1H), 3.89 (t, J = 6.1 Hz, 2H), 2.74 (s, 3H), 2.73 (s, 3H), 2.22 - 1.94 (m, 2H), 1.88 - 1.69 (m, 3H), 1.69 - 1.50 (m, 2H), 1.43 (d, J = 11.9 Hz, 2H)。
例3.(E)−N−(4−(3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルオキシ)フェニル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エナミド(BSJ−01−193)の合成
3−(4−ニトロフェノキシ)シクロヘキサンアミン
3−アミノシクロヘキサノールHCl塩(0.5g、3.3mmol)を、3.0mLの無水DMF中のNaH(0.8g、8.25mmol)の懸濁液に0℃でゆっくり加え、0.5時間撹拌し続け、次いで、1−フルオロ−4−ニトロベンゼン(0.465g、3.3mmol)を加えた。反応混合物を0℃でさらに0.5時間撹拌し続け、次いで室温まで温め、2時間撹拌し続けた。1.0mLのH2Oを滴下して反応を停止させた。混合物をDCM(100mL)で抽出し、食塩水(3×50mL)で洗浄し、乾燥し(無水Na2SO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、標題の化合物(623mg、80%)を褐色の固体として得た。LC-MS (m/z): 237 [M+H]+。
5−クロロ−N−(3−(4−ニトロフェノキシ)シクロヘキシル)−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−アミン
3−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール(50mg、0.12mmol)および3−(4−ニトロフェノキシ)シクロヘキサンアミン(58mg、0.25mmol)を1.0mLのNMPに溶解し、0.2mLのDIPEAを加え、混合物を140℃まで加熱し、5時間撹拌し続けた。次いで反応混合物を室温まで冷却し、EtOAc(20mL)で希釈し、飽和NaHCO3(5mL)、食塩水(5mL)で洗浄し、乾燥し(無水Na2SO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。LC-MS (m/z): 604 [M+H]+。
N−(3−(4−アミノフェノキシ)シクロヘキシル)−5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−アミン
SnCl2(230mg、1.2mmol)を、5.0mLのエチルエステル(4.0mL)およびMeOH(1.0mL)中の最終工程から得られた5−クロロ−N−(3−(4−ニトロフェノキシ)シクロヘキシル)−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−アミンの溶液に加えた。混合物を80℃まで加熱し、2時間撹拌し続けた。次いで反応混合物を室温まで冷却し、100mLの飽和NaHCO3で希釈し、200mLのCHCl3/i−PrOH(v/v=4:1)で抽出し、食塩水(3×100mL)で洗浄し、乾燥し(無水Na2SO4)、濾過し、そして減圧下で濃縮した。残渣をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。LC-MS (m/z): 574 [M+H]+。
N−(3−(4−アミノフェノキシ)シクロヘキシル)−5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−アミン
2.0mLの1NのNaOH水溶液を、2.0mLのジオキサン中の最後の工程から得られたN−(3−(4−アミノフェノキシ)シクロヘキシル)−5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−アミンの懸濁液に加え、室温で5時間撹拌した。次いで2.0mLの1N HClを加えて反応を停止させ、溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣を分取HPLC(MeOH/H2O、0.05%TFA)によって精製して、標題の化合物を得た(3工程で38.8mg、75%)。LC-MS (m/z): 434 [M+H]+。
(E)−N−(4−(3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシルオキシ)フェニル)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エナミド
1.0mLのDCM中の(E)−4−ブロモブト−2−エノイルクロリド(6.34mg、0.035mmol)の溶液を、2.0mLの無水CH3CN中のN−(3−(4−アミノフェノキシ)シクロヘキシル)−5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−アミン(15mg、0.035mmol)および0.1mLのDIPEAの冷溶液(0℃)に滴下した。0℃で0.5時間後、THF中のジメチルアミンの2M溶液(1.0mL)を加え、混合物を0℃で1時間撹拌した。次いで1.5mLのDMSOを加え、続いて減圧下で低沸点溶媒を除去した。残渣を分取HPLC(MeOH/H2O、0.05%TFA)によって精製して、凍結乾燥後に標題の化合物(11mg、58%)を明黄色の固体として得た。LC-MS (m/z): 545[M+H]+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 10.92 (dd, J = 10.4, 5.6 Hz, 1H), 10.38 (s, 1H), 8.65 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 8.36 (s, 1H), 7.59 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.54 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.34 (d, J = 50.9 Hz, 1H), 7.25 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.21 - 7.13 (m, 2H), 6.95 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 6.76 (dt, J = 14.7, 7.2 Hz, 1H), 6.48 (d, J = 15.3 Hz, 1H), 4.81 (s, 1H), 3.89 (t, J = 6.1 Hz, 2H), 2.74 (s, 3H), 2.73 (s, 3H), 2.22 - 1.94 (m, 2H), 1.88 - 1.69 (m, 3H), 1.69 - 1.50 (m, 2H), 1.43 (d, J = 11.9 Hz, 2H)。
例4.(E)−N−(6−(3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)ピペリジン−1−カルボニル)ピリジン−3−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エナミド(BSJ−01−202)の合成
(R)−tert−ブチル3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)ピペリジン−1−カルボキシレート
3−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール(500mg、1.2mmol)および(R)−tert−ブチル3−アミノピペリジン−1−カルボキシレート(480mg、2.4mmol)を5.0mLのNMPに溶解し、0.8mLのDIPEAを加え、混合物を140℃まで加熱し、5時間撹拌し続けた。次いで反応混合物を室温まで冷却し、EtOAc(20mL)で希釈し、飽和NaHCO3(5mL)、食塩水(5mL)で洗浄し、乾燥し(無水Na2SO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して標題の化合物(620mg、91%)を得た。LC-MS (m/z): 568 [M+H]+。
(R)−(3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)ピペリジン−1−イル)(5−ニトロピリジン−2−イル)メタノン
5mLのMeOH中の(R)−tert−ブチル3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)ピペリジン−1−カルボキシレート(100mg、0.18mmol)の溶液をジオキサン中の2.0mLの4N HClで処理した。得られた混合物を室温で4時間撹拌した後、蒸発乾固した。次いで残渣を5.0mLのDCMに溶解し、0.5mLのDIPEAを加え、混合物を0℃まで冷却した。塩化5−ニトロピコリノイル(36.2mg、0.19mmol)を加え、反応混合物を室温で2時間撹拌し続けた後、蒸発乾固した。残渣をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。LC-MS (m/z): 618 [M+H]+。
(R)−(5−アミノピリジン−2−イル)(3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)ピペリジン−1−イル)メタノン
SnCl2(340.0mg、1.8mmol)を、5mLのエチルエステル(4.0mL)およびMeOH(1.0mL)中の最後の工程から得られた(R)−(3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)ピペリジン−1−イル)(5−ニトロピリジン−2−イル)メタノンの溶液に加えた。混合物を80℃まで加熱し、2時間撹拌し続けた。次いで反応混合物を室温まで冷却し、100mLの飽和NaHCO3で希釈し、200mLのCHCl3/i−PrOH(v/v=4:1)で抽出し、食塩水(3×100mL)で洗浄し、乾燥し(無水Na2SO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。LC-MS (m/z): 588 [M+H]+。
(R)−(5−アミノピリジン−2−イル)(3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)ピペリジン−1−イル)メタノン
2.0mLの1NのNaOH水溶液を、2.0mLのジオキサン中の最後の工程から得られた(R)−(5−アミノピリジン−2−イル)(3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)ピペリジン−1−イル)メタノンの溶液に加え、室温で5時間撹拌した。次いで2.0mLの1N HClを加えて反応を停止させ、溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣を分取HPLC(MeOH/H2O、0.05%TFA)によって精製して、標題の化合物(4工程で40mg、50%)を得た。LC-MS (m/z): 448 [M+H]+。
(E)−N−(6−(3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)ピペリジン−1−カルボニル)ピリジン−3−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エナミド
1.0mLのDCM中の(E)−4−ブロモブタ−2−エノイルクロリド(6.34mg、0.035mmol)の溶液を、2.0mLの無水CH3CN中の(R)−(5−アミノピリジン−2−イル)(3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)ピペリジン−1−イル)メタノン(16mg、0.035mmol)および0.1mLのDIPEAの冷溶液(0℃)に滴下した。0℃で0.5時間後、THF中のジメチルアミンの2M溶液(1.0mL)を加え、混合物を0℃で1時間撹拌した。次いで1.5mLのDMSOを加え、続いて減圧下で低沸点溶媒を除去した。残渣を分取HPLC(MeOH/H2O、0.05%TFA)によって精製して、凍結乾燥後に標題の化合物(12mg、61%)を明黄色の固体として得た。LC-MS (m/z): 559 [M+H]+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 11.99 - 11.79 (m, 1H), 10.81-10.54 (M, 1H), 9.88 (s, 1H), 8.92 - 8.57 (m, 1H), 8.39-8.22 (m, 1H), 8.02 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.63 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.55 - 7.29 (m, 2H), 7.25-7.17 (m, 1H), 7.16-7.05 (m, 1H), 6.91 - 6.68 (m, 1H), 6.56-6.39 (m, 1H), 3.96 (d, J = 9.2 Hz, 2H), 3.85 - 3.61 (m, 1H), 3.48 (s, 1H), 3.07 (s, 1H), 2.81 (s, 6H), 2.17-1.94 (m, 2H), 1.84 - 1.70 (m, 2H), 1.70 - 1.45 (m, 2H)。
例5.N−(6−(3−(5−ブロモ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)ピペリジン−1−カルボニル)ピリジン−3−イル)アクリルアミド(BSJ−02−057)の合成
(R)−tert−ブチル3−(5−ブロモ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)ピペリジン−1−カルボキシレート
3−(5−ブロモ−2−クロロピリミジン−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール(536mg、1.2mmol)および(R)−tert−ブチル3−アミノピペリジン−1−カルボキシレート(480mg、2.4mmol)を5.0mLのNMPに溶解し、0.8mLのDIPEAを加え、混合物を140℃まで加熱し、5時間撹拌し続けた。次いで反応混合物を室温まで冷却し、EtOAc(20mL)で希釈し、飽和NaHCO3(5mL)、食塩水(5mL)で洗浄し、乾燥し(無水Na2SO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して標題の化合物(594mg、81%)を得た。LC-MS (m/z): 612 [M+H]+。
(R)−(3−(5−ブロモ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)ピペリジン−1−イル)(5−ニトロピリジン−2−イル)メタノン
5mLのMeOH中の(R)−tert−ブチル3−(5−ブロモ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)ピペリジン−1−カルボキシレート(110mg、0.18mmol)の溶液をジオキサン中の2.0mLの4N HClで処理した。得られた混合物を室温で4時間撹拌した後、蒸発乾固した。次いで残渣を5.0mLのDCMに溶解し、0.5mLのDIPEAを加え、混合物を0℃まで冷却した。塩化5−ニトロピコリノイル(36.2mg、0.19mmol)を加え、反応混合物を室温で2時間撹拌し続けた後、蒸発乾固した。残渣をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。LC-MS (m/z): 662 [M+H]+。
(R)−(5−アミノピリジン−2−イル)(3−(5−ブロモ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)ピペリジン−1−イル)メタノン
SnCl2(340.0mg、1.8mmol)を、5mLのエチルエステル(4.0mL)およびMeOH(1.0mL)中の最後の工程から得られた(R)−(3−(5−ブロモ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)ピペリジン−1−イル)(5−ニトロピリジン−2−イル)メタノンの溶液に加えた。混合物を80℃まで加熱し、2時間撹拌し続けた。次いで反応混合物を室温まで冷却し、100mLの飽和NaHCO3で希釈し、200mLのCHCl3/i−PrOH(v/v=4:1)で抽出し、食塩水(3×100mL)で洗浄し、乾燥し(無水Na2SO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。LC-MS (m/z): 632 [M+H]+。
(R)−(5−アミノピリジン−2−イル)(3−(5−ブロモ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)ピペリジン−1−イル)メタノン
2.0mLの1NのNaOH水溶液を、2.0mLのジオキサン中の最後の工程から得られた(R)−(3−(5−ブロモ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)ピペリジン−1−イル)(5−ニトロピリジン−2−イル)メタノンの溶液に加え、室温で5時間撹拌した。次いで2.0mLの1N HClを加えて反応を停止させ、溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣を分取HPLC(MeOH/H2O、0.05%TFA)で精製して標題の化合物を得た(4工程で51mg、51%)。LC-MS (m/z): 492 [M+H]+。
N−(6−(3−(5−ブロモ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)ピペリジン−1−カルボニル)ピリジン−3−イル)アクリルアミド
1.0mLのDCM中の塩化アクリル(3.46mg、0.038mmol)を、2.0mLの無水CH3CN中の(R)−(5−アミノピリジン−2−イル)(3−(5−ブロモ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)ピペリジン−1−イル)メタノン(17mg、0.035mmol)および0.1mLのDIPEAの溶液に滴下し、0℃で1時間撹拌した。次いで反応混合物を濃縮し、残渣を分取HPLC(MeOH/H2O、0.05%TFA)により精製して、凍結乾燥後に標題の化合物(17.2mg、90%)を明黄色の固体として得た。LC-MS (m/z): 546 [M+H]+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 11.94 - 11.70 (m, 1H), 10.69 - 10.25 (m, 1H), 8.94 - 8.69 (m, 1H), 8.65 - 8.34 (m, 1H), 8.34 - 7.93 (m, 1H), 7.81 - 7.56 (m, 1H), 7.48 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.44 - 7.29 (m, 2H), 7.19 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 7.12 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 6.45 (ddd, J = 21.8, 16.7, 10.0 Hz, 1H), 6.37 - 6.22 (m, 1H), 5.94-5.83 (m, 1H), 4.67-4.37 (m, 1H), 3.20 - 2.78 (m, 1H), 2.15 - 1.59 (m, 3H), 1.53 (qt, J = 8.1, 4.5 Hz, 1H), 1.42 (d, J = 6.5 Hz, 1H), 1.37 - 1.14 (m, 2H)。
例6.(E)−N−(6−(3−(5−ブロモ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)ピペリジン−1−カルボニル)ピリジン−3−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エナミド(BSJ−02−058)の合成
1.0mLのDCM中の(E)−4−ブロモブタ−2−エノイルクロリド(6.34mg、0.035mmol)の溶液を、2.0mLの無水CH3CN中の(R)−(5−アミノピリジン−2−イル)(3−(5−ブロモ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)ピペリジン−1−イル)メタノン(17mg、0.035mmol)および0.1mLのDIPEAの冷溶液(0℃)に滴下した。0℃で0.5時間後、THF中のジメチルアミンの2M溶液(1.0mL)を加え、混合物を0℃で1時間撹拌した。次いで1.5mLのDMSOを加え、続いて減圧下で低沸点溶媒を除去した。残渣を分取HPLC(MeOH/H2O、0.05%TFA)によって精製して、凍結乾燥後に標題の化合物(12mg、61%)を明黄色の固体として得た。LC-MS (m/z): 603 [M+H]+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 11.81 (dd, J = 13.1, 3.1 Hz, 1H), 10.87-10.64 (m, 1H), 9.94 (s, 1H), 8.91-8.75 (m, 1H), 8.66 - 8.35 (m, 3H), 8.23 (dd, J = 8.5, 2.5 Hz, 1H), 8.17 - 7.91 (m, 1H), 7.76-7.61 (m, 2H), 7.44 - 7.24 (m, 2H), 7.21-7.02 (m, 2H), 6.80 (ddd, J = 15.2, 12.7, 7.2 Hz, 1H), 6.47 (dd, J = 24.4, 15.3 Hz, 1H), 4.54 (d, J = 12.3 Hz, 1H), 3.22 - 2.90 (m, 2H), 2.81 (s, 6H), 2.17 - 1.84 (m, 2H), 1.77 (d, J = 14.0 Hz, 1H), 1.70 - 1.46 (m, 2H), 1.32 - 1.14 (m, 1H)。
例7.(E)−N−(6−(3−(5−ブロモ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)ピペリジン−1−カルボニル)ピリジン−3−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エナミド(BSJ−03−055)の合成
1.0mLのDCM中の塩化アクリル(3.46mg、0.038mmol)を、2.0mLの無水CH3CN中の(R)−(5−アミノピリジン−2−イル)(3−((5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ピペリジン−1−イル)メタノン(16mg、0.035mmol)および0.1mLのDIPEAの溶液に滴下し、0℃で1時間撹拌した。次いで反応混合物を濃縮し、残渣を分取HPLC(MeOH/H2O、0.05%TFA)により精製して、凍結乾燥後に標題の化合物(17.2mg、90%)を明黄色の固体として得た。LC-MS (m/z): 502 [M+H]+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 11.80 (s, 1H), 10.66 (s, 1H), 9.78 (s, 1H), 8.98-8.67 (m, 1H), 8.39-8.22 (m, 1H), 8.10 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.68 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.55-7.29 (m, 2H), 7.25-7.17 (m, 1H), 7.16-7.05 (m, 1H), 6.85-6.61 (m, 1H), 6.56-6.39 (m, 1H), 3.86 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 3.85-3.61 (m, 1H), 3.48 (s, 1H), 3.07 (s, 1H), 2.27-1.99 (m, 2H), 1.88-1.73 (m, 2H), 1.71-1.45 (m, 2H)。
例8.(R)−N−(4−(3−((5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ピペリジン−1−イル)フェニル)アクリルアミド(BSJ−02−139)の合成
(R)−5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)−N−(ピペリジン−3−イル)ピリミジン−2−アミン
5mLのMeOH中の(R)−tert−ブチル3−(5−クロロ−4−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)ピペリジン−1−カルボキシレート(100mg、0.18mmol)をジオキサン中の2.0mLの4N HClで処理した。得られた混合物を室温で4時間撹拌した後、蒸発乾固した。次いで残渣を3mLのジオキサンに溶解し、3mLの1N NaOH水溶液を加え、混合物を2時間撹拌した。次いで、1N HCl水溶液を加えてpHを7に調節した。得られた混合物を蒸発させ、残渣を分取HPLC(MeOH/H2O、0.05%TFA)により精製して、凍結乾燥後に標題の化合物(54mg、92%)を明黄色の固体として得た。LC-MS (m/z): 328 [M+H]+。
(R)−N−(1−(4−アミノフェニル)ピペリジン−3−イル)−5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−アミン
0.1mLのDIPEAおよび1−フルオロ−4−ニトロベンゼン(24mg、0.17mmol)を、3mLのDMF中の(R)−5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)−N−(ピペリジン−3−イル)ピリミジン−2−アミン(54mg、0.17mmol)の溶液に加えた。混合物を70℃まで加熱し、8時間撹拌し続けた。次いで反応混合物を室温まで冷却し、溶媒を蒸発させた。残渣を5mLのエチルエステル(4.0mL)およびMeOH(1.0mL)に再溶解し、SnCl2(340.0mg、1.8mmol)を加えた。混合物を80℃まで加熱し、2時間撹拌し続けた。次いで反応混合物を室温まで冷却し、100mLの飽和NaHCO3で希釈し、200mLのCHCl3/i−PrOH(v/v=4:1)で抽出し、食塩水(3×100mL)で洗浄し、乾燥し(無水Na2SO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLC(MeOH/H2O、0.05%TFA)によって精製して、凍結乾燥後に標題の化合物(59mg、85%)を灰色の固体として得た。LC-MS (m/z): 419 [M+H]+。
(R)−N−(4−(3−((5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ピペリジン−1−イル)フェニル)アクリルアミド
1.0mLのDCM中の塩化アクリル(3.46mg、0.038mmol)を、2.0mLの無水CH3CN中の(R)−N−(1−(4−アミノフェニル)ピペリジン−3−イル)−5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−アミン(15mg、0.035mmol)および0.1mLのDIPEAの溶液に滴下し、0℃で1時間撹拌した。次いで反応混合物を濃縮し、残渣を分取HPLC(MeOH/H2O、0.05%TFA)により精製して、凍結乾燥後に標題の化合物(15mg、91%)を明黄色の固体として得た。LC-MS (m/z): 473 [M+H]+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 11.83 (s, 1H), 10.58 (s, 1H), 8.61 - 8.38 (m, 1H), 8.33 - 7.91 (m, 1H), 7.84 - 7.51 (m, 1H), 7.45 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.49 - 7.25 (m, 2H), 7.13 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 7.08 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 6.59-6.42 (m, 1H), 6.34- 6.20 (m, 1H), 5.90-5.85 (m, 1H), 4.67-4.36(m, 1H), 3.22 - 2.80 (m, 1H), 2.05 - 1.62 (m, 3H), 1.60-1.49 (m, 1H), 1.48 (d, J = 6.3 Hz, 1H), 1.38 - 1.16 (m, 2H).
例9.(R,E)−N−(4−(3−((5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ピペリジン−1−イル)フェニル)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エナミド(BSJ−02−109)の合成
(R)−N−(1−(5−アミノピリジン−2−イル)ピペリジン−3−イル)−5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−アミン
0.1mLのDIPEAおよび2−フルオロ−5−ニトロピリジン(24mg、0.17mmol)を、3mLのDMF中の(R)−5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)−N−(ピペリジン−3−イル)ピリミジン−2−アミン(54mg、0.17mmol)の溶液に加えた。混合物を70℃まで加熱し、8時間撹拌し続けた。次いで反応混合物を室温まで冷却し、溶媒を蒸発させた。残渣を5mLのエチルエステル(4.0mL)およびMeOH(1.0mL)に再溶解し、SnCl2(340.0mg、1.8mmol)を加えた。混合物を80℃まで加熱し、2時間撹拌し続けた。次いで反応混合物を室温まで冷却し、100mLの飽和NaHCO3で希釈し、200mLのCHCl3/i−PrOH(v/v=4:1)で抽出し、食塩水(3×100mL)で洗浄し、乾燥し(無水Na2SO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLC(MeOH/H2O、0.05%TFA)によって精製して、凍結乾燥後に標題の化合物(61mg、85%)を灰色の固体として得た。LC-MS (m/z): 420 [M+H]+。
(R)−N−(6−(3−((5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ピペリジン−1−イル)ピリジン−3−イル)アクリルアミド
1.0mLのDCM中の塩化アクリル(3.46mg、0.038mmol)を、2.0mLの無水CH3CN中の(R)−N−(1−(5−アミノピリジン−2−イル)ピペリジン−3−イル)−5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−アミン(15mg、0.035mmol)および0.1mLのDIPEAの溶液に滴下し、0℃で1時間撹拌した。次いで反応混合物を濃縮し、残渣を分取HPLC(MeOH/H2O、0.05%TFA)により精製して、凍結乾燥後に標題の化合物(14mg、91%)を明黄色の固体として得た。LC-MS (m/z): 474 [M+H]+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 11.87 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 10.25 (s, 1H), 8.48 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 8.39 (s, 2H), 8.32 (s, 1H), 7.85 (t, J = 21.2 Hz, 1H), 7.46 (t, J = 8.6 Hz, 2H), 7.19 (s, 2H), 6.38 (dd, J = 17.0, 10.1 Hz, 1H), 6.25 (dd, J = 17.0, 2.0 Hz, 1H), 5.78 (dd, J = 10.0, 2.0 Hz, 1H), 4.27 (s, 1H), 4.06 (d, J = 13.4 Hz, 1H), 3.06 (dd, J = 24.8, 13.0 Hz, 2H), 2.09 (s, 1H), 1.91 (s, 1H), 1.74-1.56 (m, 2H)。
例10.(R,E)−N−(6−(3−((5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ピペリジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エナミド(BSJ−02−108)の合成
1.0mLのDCM中の(E)−4−ブロモブタ−2−エノイルクロリド(6.34mg、0.035mmol)の溶液を、2.0mLの無水CH3CN中の(R)−N−(1−(5−アミノピリジン−2−イル)ピペリジン−3−イル)−5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−アミン(15mg、0.035mmol)および0.1mLのDIPEAの冷溶液(0℃)に滴下した。0℃で0.5時間後、THF中のジメチルアミンの2M溶液(1.0mL)を加え、混合物を0℃で1時間撹拌した。次いで1.5mLのDMSOを加え、続いて減圧下で低沸点溶媒を除去した。残渣を分取HPLC(MeOH/H2O、0.05%TFA)によって精製して、凍結乾燥後に標題の化合物(16mg、86%)を明黄色の固体として得た。LC-MS (m/z): 531 [M+H]+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 11.91 (s, 1H), 10.20 (s, 1H), 8.68 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 8.39 (s, 2H), 8.30 (s, 1H), 7.9-7.66 (m, 1H), 7.46 (t, J = 8.6 Hz, 2H), 7.11 (s, 2H), 6.45 (dd, J = 17.0, 10.1 Hz, 1H), 6.22-6.03 (m, 1H), 5.78 (dd, J = 10.0, 2.0 Hz, 1H), 4.27 (s, 1H), 4.16-3.99 (m, 3H), 3.26-3.08 (m, 2H), 2.84 (s, 6H), 2.19 (s, 1H), 1.90 (s, 1H), 1.76-1.51 (m, 2H)。
例11.(R)−N−(4−(3−((5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ピペリジン−1−イル)−5−フルオロ−2−メチルフェニル)アクリルアミド(BSJ−03−005)の合成
例11は例8と同様の手順で合成した。LC-MS (m/z): 505 [M+H]+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 11.87 (s, 1H), 9.38 (s, 1H), 8.49 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 8.28 (s, 1H), 7.47 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.35 (d, J = 14.1 Hz, 2H), 7.19 (d, J = 14.8 Hz, 1H), 6.92 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 6.52 (dd, J = 17.0, 10.2 Hz, 1H), 6.22 (dd, J = 17.0, 2.1 Hz, 1H), 5.73 (dd, J = 10.2, 2.1 Hz, 1H), 3.31 (d, J = 11.7 Hz, 1H), 2.76 - 2.57 (m, 2H), 2.22 - 1.93 (m, 4H), 1.92 - 1.62 (m, 2H), 1.55 (qd, J = 11.9, 4.0 Hz, 1H)。
例12.(R)−N−(4−(3−((5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ピペリジン−1−イル)−5−メトキシ−2−メチルフェニル)アクリルアミド(BSJ−03−014)
例12は例8と同様の手順で合成した。LC-MS (m/z): 517 [M+H]+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 11.86 (s, 1H), 9.41 (s, 1H), 8.48 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 8.29 (s, 1H), 7.48 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.22 (d, J = 36.4 Hz, 3H), 6.52 (dd, J = 17.0, 10.2 Hz, 1H), 6.22 (dd, J = 17.0, 2.1 Hz, 1H), 5.72 (dd, J = 10.3, 2.1 Hz, 1H), 3.14 (qd, J = 7.4, 4.2 Hz, 2H), 2.11 (s, 3H), 1.96 - 1.51 (m, 3H), 1.26 (s, 7H)。
例13.N−(4−(((1R,3R)−3−((5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)シクロヘキシル)オキシ)−3−フルオロフェニル)アクリルアミド(BSJ−03−161)
例13は例1と同様の手順で合成した。LC-MS (m/z): 506 [M+H]+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 11.88 (s, 1H), 10.18 (s, 1H), 8.67 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 8.52 (s, 1H), 8.26 (s, 1H), 7.69 (dd, J = 13.5, 2.5 Hz, 1H), 7.49 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.34 - 7.25 (m, 1H), 7.25 - 7.17 (m, 2H), 7.11 (s, 1H), 6.38 (dd, J = 16.9, 10.1 Hz, 1H), 6.24 (dd, J = 17.0, 2.0 Hz, 1H), 5.75 (dd, J = 10.1, 2.0 Hz, 1H), 4.78 (s, 1H), 3.17 (s, 1H), 2.17 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 1.81 (d, J = 13.8 Hz, 3H), 1.67 - 1.46 (m, 2H), 1.46 - 1.20 (m, 1H)。
例14.(E)−N−(4−(((1R,3R)−3−((5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)シクロヘキシル)オキシ)−3−フルオロフェニル)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エナミド(BSJ−03−162)
例14は例2と同様の手順で合成した。LC-MS (m/z): 563 [M+H]+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 11.86 (s, 1H), 10.37 (s, 1H), 9.80 (s, 1H), 8.66 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 8.50 (s, 1H), 8.25 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.69 (dd, J = 13.3, 2.5 Hz, 1H), 7.48 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.33 - 7.09 (m, 4H), 6.73 (dt, J = 14.8, 7.2 Hz, 1H), 6.49 - 6.33 (m, 1H), 4.79 (s, 1H), 3.97 - 3.91 (m, 2H), 2.80 (s, 6H), 2.17 (d, J = 13.1 Hz, 1H), 1.81 (d, J = 14.2 Hz, 3H), 1.68 - 1.48 (m, 2H), 1.48 - 1.18 (m, 1H)。
例15.(R)−N−(4−(3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)ピペリジン−1−イル)−2−メチルフェニル)アクリルアミド(BSJ−03−012)
例15は例8と同様の方法で合成した。LC-MS (m/z): 487 [M+H]+。
例16.(R)−N−(4−(3−(5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)ピペリジン−1−イル)−3−フルオロフェニル)アクリルアミド(BSJ−03−018)
例16は例8と同様の方法で合成した。LC-MS (m/z): 491 [M+H]+。
例17(E)−N−(4−(((1S,3R)−3−((5−クロロ−4−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)シクロヘキシル)オキシ)フェニル)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エナミド(BSJ−03−149)
例17は例2と同様の手順で合成した。LC-Mz (m/z) 546 [M+H]+。
均等物および範囲
クレームにおいて、「a」、「an」および「the」などの冠詞は、1または1より多いことを意味してもよいが、それと反する指示がないか、またはそれとは別に、文脈から明らかでない場合に限る。ある群の1以上のメンバー間に「または」を含むクレームまたは記載は、その群のメンバーのうち、1つ、1つより多いか、または、すべてが、所定の生成物またはプロセスに存在するか、それに用いられるか、あるいはそれとは別に、それに関係があるか、を満たすと考えるが、それと反する指示がないか、またはそれとは別に、文脈から明らかでない場合に限る。本発明は、その群のうち、厳密に1つのメンバーが、所定の生成物またはプロセスに存在するか、それに用いられるか、またはそれとは別に、それに関係がある態様を含む。本発明は、その群のメンバーのうち、1つより多いかまたはすべてが、所定の生成物またはプロセスに存在するか、それに用いられるか、またはそれとは別に、それに関係がある態様を含む。
その上、本発明は、列挙されたクレームの1以上からの1以上の限定、要素、節および記述用語が別のクレーム中へ導入されるすべての変動、組み合わせおよび順列を包含する。例えば、別の請求項に従属するいずれの請求項も、同じ基本クレームに従属するいずれか他の請求項中に見出される1以上の限定を含むように修飾され得る。要素が、例えばマーカッシュ群形式において列挙されたものとして提示されている場合、要素の各下位群もまた開示されており、いずれの要素(単数または複数)も群から除去され得る。一般に、本発明または本発明の側面が、特定の要素および/または特徴を含むとして見なされる場合、本発明のある態様または本発明のある側面は、かかる要素および/または特徴からなるか、または、実質的にそれからなると理解されるべきである。簡潔さを目的として、それらの態様は、本明細書中、in haec verbaで具体的に記載されていない。用語「含むこと(comprising)」および「含有すること(containing)」が、オープンであることを意図し、追加の要素またはステップの包含を容認することにもまた留意する。範囲が与えられたとき、エンドポイントも含まれる。その上、別段の指示がないか、またはそれとは別に、文脈および当業者の理解から明らかでない場合に限り、範囲として表現された値は、いずれか具体的な数値、または、本発明の異なる態様において述べられた範囲内の下位の範囲を、文脈が明確に別段の指図をしない限り範囲の下限の単位の10倍まで、想定し得る。
本願は種々の発行済み特許、公開特許出願、雑誌記事、および他の公刊物を参照し、それらの全ては参照によって本明細書に組み込まれる。組み込まれる参照のいずれかと本明細書との間に矛盾がある場合には、本明細書がコントロールするものとする。加えて、先行技術に属する本発明のいずれかの特定の態様は請求項のいずれかの1つ以上からはっきりと除外され得る。かかる態様は当業者に知られていると思われるので、それらは除外が本明細書においてはっきりと示されていない場合であっても除外され得る。本発明のいずれかの特定の態様は、先行技術の存在に関するか否かにかかわらず、いずれかの請求項からいずれかの理由で除外され得る。
当業者は、本明細書に記載される具体的な態様の多くの均等物を認識するか、またはせいぜい通例の実験作業を用いて確かめる能力があるであろう。本明細書に記載される本発明の態様の範囲は上の明細書に限定されることを意図されず、むしろ添付の請求項に示されている通りである。当業者は、次の請求項において定義される本発明の趣旨または範囲から離れることなしに、本明細書の種々の変更および改変がなされ得るということを理解するであろう。