JP2019534707A - アルブミン及びその類似体の融合タンパク質を含有する組成物、前記組成物を製造及び使用するための方法 - Google Patents

アルブミン及びその類似体の融合タンパク質を含有する組成物、前記組成物を製造及び使用するための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、ヒトソマトスタチンに対し少なくとも85%相同である領域、及びヒト血清アルブミンに対し少なくとも85%相同である領域、若しくはヒト血清アルブミンの一部のアミノ酸配列を有する領域を含む、ヒトソマトスタチン(例えばSST-14又はSST-28)及びヒト血清アルブミンの融合タンパク質であって、リンカーペプチド配列がソマトスタチン部分とソマトスタチン部分との間、又はソマトスタチン部分とアルブミン部分との間に存在し得る、融合タンパク質に関する。ソマトスタチン部分が複数のソマトスタチン配列のタンデム反復を含む、コンストラクトもまた開示される。選択された実施形態では、ソマトスタチン部分及びアルブミン部分の配置は変更され得、このような配列は開示された融合タンパク質の結合及び有効性に影響し得る。上述のコンストラクトを製造及び使用する方法もまた開示される。ソマトスタチン−アルブミン融合タンパク質は、in vitroでラット血漿中でインキュベートした場合、向上した安定性を示し、遊離ソマトスタチンに比べ、in vivoでの血漿半減期の延長を示した。【選択図】 なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2016年8月26日に出願された米国特許出願第15/249,346号の利益を主張し、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
米国特許出願第15/249,346号は、PCT/US2016/019950の一部継続出願であり、それは2015年2月26日に出願された米国仮特許出願第62/121,487号に基づく優先権の利益を主張する。これら各々の内容は参照により本明細書に組み込まれる。
米国特許出願第15/249,346号はまた、2016年2月26日に出願された台湾特許出願第105106088号に基づく利益を主張し、それはまた2015年2月26日に出願された米国仮特許出願第62/121,487号に基づく優先権の利益を主張する。これら各々の内容は参照により本明細書に組み込まれる。
技術分野
本発明は、ソマトスタチン又はその類似体若しくは誘導体、リンカー又はスペーサー、及びアルブミン又はその類似体若しくはバリアントを含む融合タンパク質に関連する。
本発明はまた、スペーサー配列により分離されるヒト血清アルブミン部分及びソマトスタチン部分を含む組み換え融合タンパク質及びその類似体に関連する。
ソマトスタチン(「SST」)は、様々な内分泌及び非内分泌組織の分泌産物であり、全身に広く分布する。ソマトスタチンは、下垂体、膵臓及び胃腸のホルモン分泌物の放出、並びにサイトカイン産生、腸運動及び腸管吸収、血管収縮性、及び細胞増殖を阻害する。最近の研究により、SSTは癌の治療としての用途を有し、腫瘍成長を抑制し、内分泌腫瘍及び他の多数の固形腫瘍、例えば乳癌、大腸癌、肝臓癌、肺癌、内分泌癌、神経内分泌癌、膵臓癌及び前立腺癌、の増殖を抑制することが分かった。ソマトスタチン分子は、2つの生物学的に活性な形態:環状テトラデカペプチドであるソマトスタチン-14(SST-14)、及びSST-14のN-末端が伸長した形態のソマトスタチン-28(SST-28)を有する。SST-14は、14残基長の環状ペプチドであり、位置3及び14のシステインの間にジスルフィド結合を含む。SST-28は、タンパク質分解により切断されてSST-14を生成する同一前駆体のN-末端伸長形態(28残基)である。2つの形態は同様の活性を有するが、それら各々の強さ及び組織学的特徴は異なる。例えば、SST-14はグルカゴン及びガストリンのより顕著な阻害を示すのに対し、SST-28は成長ホルモン及びインスリン作用のより顕著な阻害を示す。どちらのソマトスタチン形態も、標的細胞上の受容体及び細胞内経路を通して、各々の生物学的機能を発揮する。5つのソマトスタチン受容体のサブタイプ(SSTR 1-5)が、異なるカルボキシル末端を有するSSTR2の2つのスプライスバリアント(spliced variant)であるSSTR2A及びSSTR2Bとともに、認められている。
特定の過分泌性内分泌障害の治療におけるソマトスタチンの有益な効果及び腫瘍に対するその抗増殖効果はよく認識されている。しかしながら、in vivoにおけるソマトスタチンの半減期は、酵素分解及びエンドサイト―シスのために2〜3分に過ぎず、それによりソマトスタチンの臨床的有用性は限定されている。過去10年間において、多数の安定なソマトスタチン類似体が開発されてきた。例えば、オクトレオチド及びランレオチドは成長ホルモン(GH)分泌腺腫及び類癌腫の治療において使用される。しかしながら、SSTRへの結合親和性の変化のために、治療上の制限が依然として存在する。結果として、当該技術分野において、SSTRに対する望ましい結合親和性を維持しつつ、in vivoでの高い半減期を達成するソマトスタチンコンストラクトが依然として必要とされる。
血漿中に最も豊富にあるタンパク質であるアルブミンは、67kDaのモノマータンパク質として肝臓で産生され、血漿の膠質浸透圧の80%の原因となる。HSAと融合されたヒト顆粒球コロニー刺激因子(G- CSF)、ヒト成長ホルモン(GH)、ヒトインスリン、ヒトインターフェロン-a-2b(INF-2b)、及びインターロイキン-28B(IL-28B)は、長時間作用性の治療薬候補を構築するために効果的に使用されていた。しかしながら、生物学的及び分子的メカニズムにおける、HSA融合タンパク質と親分子との間の比較研究はあまり報告されていない。
中国特許出願公開第102391376号及び中国特許出願公開第102675467号(いずれも参照により本明細書に組み込まれる)は、ソマトスタチン−アルブミン融合タンパク質を開示する。しかしながら、依然としてソマトスタチン−アルブミン融合タンパク質の更なる開発が必要とされる。
本発明は、ソマトスタチン−アルブミン融合タンパク質及びその類似体、並びにそれらを製造及び使用する方法を提供する。本発明により調製されるコンストラクトにはアルブミン(又はその類似体)部分、ソマトスタチン部分(SST-14、SST-28)、及び2つの部分を分離するスペーサー、例えばスペーサー又はリンカーペプチド、が含まれる。
本発明による融合タンパク質はまた、本明細書においてポリペプチドとも称される。本発明によるポリペプチドは、特定の実施形態において、1個以上の非天然アミノ酸又はアミノ酸残基を任意で含み得る。
ソマトスタチン−アルブミン融合タンパク質及びその類似体は、概してヒトSSTペプチド部分、リンカー又はスペーサー、及びヒトアルブミン部分を含む。SSTペプチド部分は、ヒト成長ホルモンの活性を活発に阻害するその類似体及び誘導体を含み得る。任意で、SSTペプチド部分は天然又は合成源から得られる。アルブミン部分は、例えば、ヒトアルブミン及び/又はその活性断片若しくはサブドメインである。リンカー又はスペーサーは、ソマトスタチン−アルブミン融合タンパク質の安定性を向上させるために選択される。より具体的には、ソマトスタチン−アルブミン融合タンパク質及びその類似体は以下のような構造を有する。
本発明は、以下を含む融合タンパク質を提供する:
SST;
L;及び
ALB、
ここで、
SSTはソマトスタチン、その類似体又は誘導体であり;
Lはスペーサー又はリンカーであり;及び
ALBはアルブミン、その類似体又はバリアントである。
好ましくは、本発明の融合タンパク質は単離及び精製される。
任意で、本発明の融合タンパク質のALB要素は哺乳類の血清アルブミンである。一実施形態において、哺乳類の血清アルブミンは配列番号25、又はそれに対し少なくとも85%の配列同一性を有する配列である。
他の特定の実施形態では、本発明の融合タンパク質は以下から成る群から選択される:
SST-(L)x1-ALB (I);
ALB-(L)x1-SST (II);
[SST-(L)x1]y1-ALB (III);
ALB-[(L)x1-SST]y1 (IV);
[SST-(L)x1]y1-ALB-[(L)x2-SST]y2 (V);
[SST-(L)x1]y1-ALB-[(L)x2-SST]y2-(L)x3-ALB (VI);
[SST-(L)x1]y1-ALB-[(L)x2-SST]y2-(L)x3-ALB-[(L)x4-SST]y3 (VII);
ALB-(L)x1-[SST-(L)x2]y1-ALB (VIII);
ALB-(L)x1-[SST-(L)x2]y1-ALB-[(L)x3-SST]y2-(L)x1-ALB (IX);及び
ALB-(L)x1-[SST-(L)x2]y1-ALB-[(L)x3-SST]y2-(L)x1-ALB-[(L)x4-SST]y3 (X);
[式中、x1、x2、x3、x4、y1、y2又はy3は、独立的に0、又は1〜10若しくはより具体的には1〜5から選択される整数、又は1〜4の整数であり、ただし、少なくとも1つのLがアルブミン−ソマトスタチン融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列中に存在する]。
代替の実施形態では、本発明の融合タンパク質は天然の又は合成により製造されたSSTを含む。
更なる実施形態では、本発明の融合タンパク質のSSTは、配列番号17若しくは18によりそれぞれ表されるSST-14若しくはSST-28をコードする配列、又はこれらの配列いずれかに対し少なくとも85%の同一性を有する配列の、1個以上のタンデム反復を含む。
SST部分は任意でSST-14又はSST-28である。
更なる実施形態では、融合タンパク質は、フレキシブルな若しくはαへリックス構造を有するポリペプチドリンカー又はスペーサーであるLを含む。
更なる実施形態では、融合タンパク質は、2〜100アミノ酸を有するポリペプチドであるLを含む。本発明の更なる実施形態によるリンカー又はスペーサーは、1つの末端でソマトスタチンに、他の末端でアルブミンに共有結合するペプチドを包含する。
「リンカー」及び「スペーサー」との用語は、本明細書において同義で使用され、単一のタンパク質中の複数のドメインを分離するために用いられる短いアミノ酸配列を指す。タンパク質中の2個以上の個別のドメイン間にリンカーがなければ、立体障害のために、タンパク質ドメインの機能性の低下又は異常が生じ得、例えば触媒活性又は受容体/リガンドに対する結合親和性が減少し得る。人工リンカーを用い、キメラタンパク質においてタンパク質ドメインを連結させることにより、ドメイン間の空間が増大し得る。好ましくは、リンカー又はスペーサーは、ソマトスタチン及びアルブミンから独立して選択される。
リンカーLは、フレキシブルな若しくはαへリックス構造を有するポリペプチドリンカー又はスペーサーである。特定の実施形態では、Lは、少なくとも1つの、GGGGS、A(EAAAK)4A、(AP)n(nは10〜34から選択される整数)、(G)8、(G)5、又はそれらの任意の組み合わせを含む。
本明細書に記載のアルブミン−ソマトスタチン融合コンストラクトはまた、シグナルペプチド配列(「SP」)を含み得る。シグナルペプチドは、新たに合成されたタンパク質の細胞配置を指令する、ポリペプチドのN末端に存在する短いアミノ酸配列を指すと理解される。例えば、シグナルペプチドにより、タンパク質は特定の細胞内領域(例えば核)に局在し、膜(例えば細胞膜又は小胞体膜)に挿入され、又は細胞から分泌され得る。局在を指令することに加え、シグナルペプチドはまた、組み換えタンパク質の安定性を改善し、発現レベルを調整し、適切なフォールディングを助けるために、組み換えタンパク質に組み込まれても良い。前駆タンパク質のシグナルペプチド配列は通常、宿主細胞においてシグナルペプチダーゼにより除去され、成熟タンパク質が生産される。
本明細書に記載のアルブミン−ソマトスタチン融合コンストラクトはまた、精製を容易にするためにポリペプチド配列の一部として親和性又は精製タグを含み得る。このようなタグは、粗製の生物源(biological source)からタンパク質試料を精製するために、アフィニティークロマトグラフィー法、例えば高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、の一部として用いられる。適切な精製タグには、限定されないが、ポリヒスチジン(例えばHis-6又はH6)、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)、マルトース結合タンパク質(MBP)、キチン結合タンパク質(CBP)、FLAGタグ(FLAGオクタペプチド)が含まれる。融合タンパク質から親和性タグを除去することが必要である場合、特定の酵素切断部位がリンカー領域に導入され得る。親和性タグの除去のために一般的に使用される酵素には、限定されないが、第Xa因子、エンテロキナーゼ(entrokinase)、トロンビン、TEVプロテアーゼ、及びライノウイルス3Cプロテアーゼが含まれる。
更なる実施形態では、本発明は、以下を含むポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を提供する:
SST;
L;及び
ALB、
ここで、
SSTはソマトスタチン又はその類似体若しくは誘導体であり;
Lはスペーサー又はリンカーであり;及び
ALBはアルブミン又はその類似体若しくはバリアントである。
特定の実施形態では、本発明のヌクレオチドは、以下から成る群から選択されるポリペプチドをコードする:
SST-(L)x1-ALB (I);
ALB-(L)x1-SST (II);
[SST-(L)x1]y1-ALB (III);
ALB-[(L)x1-SST]y1 (IV);
[SST-(L)x1]y1-ALB-[(L)x2-SST]y2 (V);
[SST-(L)x1]y1-ALB-[(L)x2-SST]y2-(L)x3-ALB (VI);
[SST-(L)x1]y1-ALB-[(L)x2-SST]y2-(L)x3-ALB-[(L)x4-SST]y3 (VII);
ALB-(L)x1-[SST-(L)x2]y1-ALB (VIII);
ALB-(L)x1-[SST-(L)x2]y1-ALB-[(L)x3-SST]y2-(L)x1-ALB (IX);及び
ALB-(L)x1-[SST-(L)x2]y1-ALB-[(L)x3-SST]y2-(L)x1-ALB-[(L)x4-SST]y3 (X);
[式中、x1、x2、x3、x4、y1、y2又はy3の各々は、独立的に0、又は1〜10、若しくはより具体的には1〜5、若しくは1〜4から選択される整数であり、ただし、少なくとも1つのLが当該ポリペプチド中に存在する]。
更なる実施形態では、ヌクレオチド配列は、SSTが、配列番号17若しくは18によりそれぞれ表されるSST-14若しくはSST-28をコードする配列、又はこれらの配列いずれかに対し少なくとも85%の同一性を有する配列の、1個以上のタンデム反復を含む、融合タンパク質をコードする。
本発明はさらに、本発明のアルブミン−ソマトスタチン融合タンパク質を発現することができる発現ベクター、例えばプラスミドコンストラクト、発現ベクターを含む宿主細胞を含むよう企図される。宿主細胞は、適切な細菌宿主細胞、適切な哺乳類宿主細胞、適切な植物宿主細胞、又は適切な昆虫宿主細胞であっても良い。
本発明はまた、本発明の融合タンパク質を含む有効量の医薬組成物を投与することにより、哺乳類において、例えばヒト対象において、内分泌物放出の疾患又は障害を処置する方法であって、前記内分泌物放出の疾患又は障害がソマトスタチンの投与に反応を示す状態である、方法を提供する。
例えば、前記疾患又は障害は、乳癌、大腸癌、肝臓癌、内分泌癌、神経内分泌癌、膵臓癌、前立腺癌、脳癌及び肺癌から成る群から選択される癌である。特定の実施形態では、癌はソマトスタチン受容体のタイプ1、2、3、4又は5を発現する。
「a」、「an」及び「the」等の単数形は本出願全般にわたって便宜のために用いられるが、文脈又は明確な記述がそうでないことを示す場合を除いて、単数形は複数形を含むよう意図されていることはまた理解されるべきである。さらに、本明細書で言及されるすべての雑誌論文、特許、特許出願及び出版物等は、その全体がすべての目的のために参照により本明細書に組み込まれることは理解されるべきである。
すべての数値範囲は、その数値範囲内の各々の及びすべての数値を含むと理解されるべきであり、各々の及びすべての数値を個々に記載しているように解釈されるべきである。同一の構成要素又は特性についてのすべての範囲の端点は包括的であり、独立に組み合わせることができるよう意図されている。
本明細書で用いられる場合、「約」との用語は、述べられた数値の10%の範囲内、好ましくは述べられた数値の5%の範囲内を意味する。
「から本質的に成る」との語句は、追加の成分及び/又は工程が特許請求の範囲に記載された組成物又は方法の基本的な及び新たな特徴を実質的に変えない場合のみ、組成物又は方法が追加の成分及び/又は工程を含み得ることを意味する。
本願のSST及びアルブミン融合タンパク質は、(a)in vivoでの安定性が高く、(b)SST受容体に対する結合親和性が高く、(c)タンパク質発現収率が高く、かつ(d)薬物動態学的/薬理学的性質が優れているという、天然のSSTに対する利点を提供する。
以下本発明を詳細に説明する前に、本明細書に記載の特定の方法、手順及び試薬は変化し得るため、本発明はこれらに限定されないことは理解されるべきである。本明細書で用いられる専門用語は特定の実施形態を説明するという目的だけのためのものであり、本発明の範囲を限定することを目的とせず、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるだろうこともまた、理解されるべきである。別段定義されない限り、本明細書で用いられるすべての技術及び科学用語は、当業者が一般的に理解するのと同一の意味を有する。
図1は、ラットにおけるSSTの薬物動態プロファイルを示す:ここで、ひし形(◆)ラベル付きの曲線はラット#6から得たデータを表し;三角形(▲)のラベル付きの曲線はラット#7から得たデータを表し;正方形(■)のラベル付きの曲線はラット#8から得たデータを表し;「Y」軸は、その時点におけるSSTの血漿濃度の測定値の自然対数を表すLn(Ct/C0)であり;「t」(Ct)は、SSTの最初の血漿濃度の測定値(C0)により割られ;及び、「X」軸は時間(hour)単位による血漿のサンプリング時間(「t」)である。ここで、特定の時点では、SSTの血漿濃度の検出は定量の限界を下回っていたことに留意されたい。 図2は、ラットにおけるSST融合タンパク質の2相の薬物動態プロファイルを示す(黒の点線はα相(0〜0.5時間)とβ相(0.75〜4時間)とを区別する):ここで、ひし形(◆)のラベル付きの曲線はラット#1から得たデータを表し;三角形(▲)のラベル付きの曲線はラット#2から得たデータを表し;星印(*)のラベル付きの曲線はラット#3から得たデータを表し;正方形(■)のラベル付きの曲線はラット#4から得たデータを表し;「x」(×)のラベル付きの曲線はラット#5から得たデータを表し;「Y」軸は、その時点におけるSST融合タンパク質の血漿濃度の測定値の自然対数を表すLn(Ct/C0)であり;「t」(Ct)は、SST融合タンパク質の最初の血漿濃度の測定値(C0)により割られ;及び、「X」軸は時間(hour)単位による血漿のサンプリング時間(「t」)である。
本発明は、ソマトスタチン−アルブミン融合タンパク質及びその類似体、並びにそれらを製造及び使用する方法を包含する。本発明により調製されるコンストラクトは、アルブミン(又はその類似体)部分、ソマトスタチン部分(例えば、SST-14、SST-28)、及び2つの部分を分離するスペーサーを含む。
本発明の特定の実施形態のソマトスタチン−アルブミン融合タンパク質は、ヒト血清アルブミンを含むアルブミンのバリアント、及び/又はソマトスタチンの誘導体を含む。本発明の他の実施形態のスペーサーは、1つの末端でソマトスタチンに、他の末端でアルブミンに共有結合するペプチドを包含する。本発明の他の実施形態におけるスペーサーは、2〜100アミノ酸を有するペプチド配列を含む。
一実施形態では、本発明は、以下を含む融合タンパク質を提供する:
SST;
L;及び
ALB、
ここで、SSTはソマトスタチン又はその類似体若しくは誘導体であり;
Lはスペーサー又はリンカーであり;及び
ALBはアルブミン又はその類似体若しくはバリアントである。
特定の実施形態では、本発明の融合タンパク質は以下の式I〜Xから選択される。
SST-(L)x1-ALB (I);
ALB-(L)x1-SST (II);
[SST-(L)x1]y1-ALB (III);
ALB-[(L)x1-SST]y1 (IV);
[SST-(L)x1]y1-ALB-[(L)x2-SST]y2 (V);
[SST-(L)x1]y1-ALB-[(L)x2-SST]y2-(L)x3-ALB (VI);
[SST-(L)x1]y1-ALB-[(L)x2-SST]y2-(L)x3-ALB-[(L)x4-SST]y3 (VII);
ALB-(L)x1-[SST-(L)x2]y1-ALB (VIII);
ALB-(L)x1-[SST-(L)x2]y1-ALB-[(L)x3-SST]y2-(L)x1-ALB (IX);及び
ALB-(L)x1-[SST-(L)x2]y1-ALB-[(L)x3-SST]y2-(L)x1-ALB-[(L)x4-SST]y3 (X);
[式中、
各々のx1、x2、x3、x4、y1、y2又はy3は、独立的に0又は1〜10から選択される整数であり、
ただし、少なくとも1つのLが融合タンパク質中に存在する]。
さらに別の実施形態では、本発明は、以下を含むアルブミン−ソマトスタチン融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列を提供する:
SST;
L;及び
ALB、
ここで、
SSTはソマトスタチン又はその類似体若しくは誘導体であり;
Lはスペーサー又はリンカーであり;
ALBはアルブミン又はその類似体若しくはバリアントである。
特定の実施形態では、本発明のヌクレオチド配列は、アルブミン−ソマトスタチン融合タンパク質をコードするために以下から選択される:
SST-(L)x1-ALB (I);
ALB-(L)x1-SST (II);
[SST-(L)x1]y1-ALB (III);
ALB-[(L)x1-SST]y1 (IV);
[SST-(L)x1]y1-ALB-[(L)x2-SST]y2 (V);
[SST-(L)x1]y1-ALB-[(L)x2-SST]y2-(L)x3-ALB (VI);
[SST-(L)x1]y1-ALB-[(L)x2-SST]y2-(L)x3-ALB-[(L)x4-SST]y3 (VII);
ALB-(L)x1-[SST-(L)x2]y1-ALB (VIII);
ALB-(L)x1-[SST-(L)x2]y1-ALB-[(L)x3-SST]y2-(L)x1-ALB (IX);及び
ALB-(L)x1-[SST-(L)x2]y1-ALB-[(L)x3-SST]y2-(L)x1-ALB-[(L)x4-SST]y3 (X);
[式中、
各々のx1、x2、x3、x4、y1、y2又はy3は、独立的に0、又は1〜10、1〜5、若しくは1〜4から選択される整数であり、ただし、少なくとも1つのLがアルブミン−ソマトスタチン融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列中に存在する]。
本発明の別の実施形態は、アルブミン−ソマトスタチン融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列であって、スペーサー配列が、配列番号31又は-GGGGS-により表されるアミノ酸配列をコードする配列から成る、ヌクレオチド配列を提供する。
本発明の別の特定の実施形態は、アルブミン−ソマトスタチン融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列であって、第2領域(b)が、配列番号19に対し少なくとも85%の配列同一性を有するポリペプチド、アルブミン又はその断片をコードする、ヌクレオチド配列を提供する。
本発明の一実施形態は、アルブミン−ソマトスタチン融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列であって、第1領域(a)が、配列番号17又は18に対し少なくとも85%の配列同一性を有するポリペプチド、SST-14、SST-28又はそれらの断片をコードする、ヌクレオチド配列を提供する。
本発明はまた、以下を含む、アルブミン−ソマトスタチン融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列:
(a)ヒトソマトスタチンペプチドをコードする配列の1個以上の隣接反復(adjacent repeat)を含むヌクレオチド配列を含む第1領域;
(b)ヒト血清アルブミン又はその断片をコードするヌクレオチド配列を含む第2領域;
(c)2〜100残基長のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むスペーサー領域;
であって、
スペーサー領域は、第1領域と第2領域との間に、又は第1領域と別の第1領域との間に存在し;
ヒトソマトスタチンペプチドをコードする配列の1個以上の隣接反復は、配列番号17若しくは18によりそれぞれ表されるSST-14若しくはSST-28、又はこれら2つの配列のいずれかに対し少なくとも85%の同一性を有する配列をコードし;又は
スペーサー配列は、配列番号31若しくはGGGGSにより、又は配列番号30 A(EAAAK)4Aにより表されるアミノ酸配列をコードする配列から成り;又は
領域(a)は、配列番号23及び24によりそれぞれ表されるSST-14若しくはSST-28、又はこれら2つの配列いずれかに対し少なくとも85%の同一性を有する配列の1個以上の隣接反復から成る、
ヌクレオチド配列を提供する。
さらに、本発明は、以下を含むポリペプチド配列、アルブミン−ソマトスタチン融合タンパク質を提供する:
(a)ソマトスタチンペプチド(ヒトソマトスタチンペプチドであっても良い)のポリペプチド配列を含む第1領域;
(b)血清アルブミン(ヒト血清アルブミンであっても良い)、又はその断片のポリペプチド配列を含む第2領域;
(c)2〜100残基長のポリペプチドを含むスペーサー領域。
スペーサー領域(c)は、領域(a)と領域(b)との間、又は領域(a)と領域(a)との間に存在し得る。さらに、領域(a)は、配列番号17若しくは18によりそれぞれ表されるSST-14若しくはSST-28をコードする配列、又はこれらの配列いずれかに対し少なくとも85%の同一性を有する配列の1個以上のタンデム反復を含み得る。
本発明の別の実施形態は、上述の任意の融合タンパク質又はポリペプチド配列を有する、アルブミン−ソマトスタチン融合タンパク質を発現するプラスミドコンストラクトを提供する。
本発明のさらに別の実施形態は、上述のプラスミドコンストラクトで形質転換された細菌細胞を含む。
本発明の更なる実施形態は、上述のポリペプチド配列(例えば、アルブミン−ソマトスタチン融合タンパク質のポリペプチド配列又はこのようなタンパク質を発現するプラスミドコンストラクト)を有する、単離及び精製されたアルブミン−ソマトスタチン融合タンパク質を含む。
Figure 2019534707
融合タンパク質、例えば配列番号1〜5、7〜10及び13〜16について、これらは22残基のシグナルペプチド(配列番号20)を有するプロタンパク質としてコードされていることに注意すべきである。
ソマトスタチン−アルブミン融合タンパク質
本発明は、ソマトスタチン部分が、内在性ヒトSST-14又はSST-28(それぞれ配列番号23及び24)のヌクレオチド配列に対し少なくとも85%の配列同一性を有するヌクレオチドによりコードされる、ポリペプチドコンストラクトを包含する。
本発明はまた、ヒト血清アルブミン部分が、内在性ヒト血清アルブミン(配列番号25)のヌクレオチド配列に対し少なくとも85%の配列同一性を有するヌクレオチドによりコードされる、ポリペプチドコンストラクトを包含する。本発明はさらに、ヒト血清アルブミン部分が、内在性ヒト血清アルブミンタンパク質の断片であり、例えばそれは配列番号25の部分配列から成るヌクレオチドによりコードされる、ポリペプチドコンストラクトを包含する。例えば、ヒト血清アルブミン断片は任意で、3つのヒト血清アルブミンの球状ドメインのうち1つ以上を含む。ヒト血清アルブミンの球状ドメインは各々、サブドメインIA、IB、IIA、IIB、IIIA及びIIIBと称される2つのサブドメインを含有する(Dockal, 1999, The Journal Of Biological Chemistry, 274(41): 29303−29310)。
本発明はまた、ソマトスタチン部分が、内在性SST-14又はSST-28(それぞれ配列番号17及び18)のポリペプチド配列に対して少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%の配列同一性のポリペプチド配列を有する、ポリペプチドコンストラクトを包含する。
本発明はまた、ヒト血清アルブミン部分が、成熟ヒト血清アルブミン(配列番号19)のポリペプチド配列に対して少なくとも85%の配列同一性のポリペプチド配列を有する、ポリペプチドコンストラクトを包含する。
本発明はまた、シグナルペプチド、精製タグ(His-6)、第1リンカー、ヒト血清アルブミン部分、第2リンカー及びソマトスタチン部分を含む融合タンパク質を包含する。一実施形態では、融合タンパク質は配列番号9により表されるポリペプチド又はそれに対し85%の配列同一性を有する配列である。
本発明はまた、ソマトスタチン部分、第1リンカー、ヒト血清アルブミン部分、第2リンカー、ソマトスタチン部分、及び精製タグ(His-6)を含む融合タンパク質を包含する。一実施形態では、融合タンパク質は配列番号10により表されるポリペプチド又はそれに対し85%の配列同一性を有する配列である。
本発明はまた、ペプチドスペーサーにより分離されるN末端のヒト血清アルブミン部分及びC末端のソマトスタチン部分を含む融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列(配列番号11)を包含する。本発明はさらに、配列番号11に対し85%の配列同一性を有するアルブミン−ソマトスタチン融合コンストラクトをコードするヌクレオチド配列を包含する。
本発明はまた、ペプチドスペーサーにより分離されるN末端のソマトスタチン部分及びC末端のヒト血清アルブミン部分を含む融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列(配列番号12)を包含する。本発明はさらに、配列番号12に対し85%の配列同一性を有するアルブミン−ソマトスタチン融合コンストラクトをコードするヌクレオチド配列を包含する。
本発明はまた、ソマトスタチン部分が、タンデムに配置された2個以上のSST-14又はSST-28配列、即ちそれぞれ「(SST-14)2」若しくは「(SST-14)3」又は「(SST-28)2」若しくは「(SST-28)3」、を含む、ポリペプチドコンストラクトを包含する。任意で、2個以上のタンデムなソマトスタチン部分の間にリンカー配列が含まれ、及び/又は融合タンパク質のN末端にシグナルペプチド配列が含まれる。
本発明はまた、ソマトスタチン部分が、アルブミンの両側それぞれに少なくとも1個のSST-14が連結されるよう配置された2個以上のSST-14配列を含む、ポリペプチドコンストラクトを包含する。任意で、2個以上のタンデムなソマトスタチン部分の間、及びソマトスタチンとアルブミンとの間にリンカー配列が含まれ、及び/又は融合タンパク質のN末端にシグナルペプチド配列が含まれる。例えば、ポリペプチドコンストラクトは、記載されたように、シグナルペプチド、スペーサーにより分離される2個のSST-14部分、第2スペーサー、及びHSA部分を含み得る。任意で、コンストラクトからN末端のシグナルペプチドが省かれる。
本発明はまた、ソマトスタチン部分が、タンデムに配置された2個又は3個のSST-28配列、即ちそれぞれ「(SST-28)2」又は「(SST-28)3」、を含む、ポリペプチドコンストラクトを包含する。任意で、2個以上のタンデムなソマトスタチン部分の間にリンカー配列が含まれる。
本発明はまた、先行する段落に記載の任意のアルブミン−ソマトスタチン融合タンパク質を含む、ポリペプチドコンストラクトであって、アルブミン−ソマトスタチン融合タンパク質が内在性のSST-14又はSST-28ペプチドよりも長いin vivoでの半減期を有する、ポリペプチドコンストラクトを包含する。
本発明はまた、先行する段落に記載の任意のアルブミン−ソマトスタチン融合タンパク質を含む、ポリペプチドコンストラクトであって、アルブミン−ソマトスタチン融合タンパク質が、内在性のSST-14又はSST-28ペプチドに比べ、ソマトスタチン受容体に対するほぼ同等の又は高い結合親和性を有する、ポリペプチドコンストラクトを包含する。
本発明はまた、配列番号15、配列番号16及び配列番号2に表されるような、N-末端のアルブミン部分、内側のSST部分、及び配列番号7及び配列番号8に表されるようなC末端のアルブミン部分を含むアルブミン−ソマトスタチン融合タンパク質を包含する。任意で、N末端はさらにシグナルペプチドを含み得る。任意で、1個以上のアルブミン及びSSTドメインは、配列番号1に表されるように、独立に選択されたリンカー配列により各々分離され得る。
いくつかの実施形態では、SST部分は、2個以上のタンデムSST反復の間に介在するスペース配列を有する又は有しない2個又は複数個のタンデムSST配列、例えば(SST-14)2又は(SST-28)3、を含み得る。任意で、融合タンパク質の精製を助けるために、2つの部分の間の配列中に又はN若しくはC末端に1個以上の精製タグ配列が含まれ得る。代替の実施形態は、配列番号4に表されるように、スペーサーにより分離された2個のSST-14部分を含む。更なる実施形態では、配列番号5に表されるポリペプチド配列に示されるように、精製タグ(例えばHis6)が省かれ得る。
ソマトスタチン
本発明での使用のためのソマトスタチンは、任意のソマトスタチン、その類似体又は誘導体であり得る。それはヒトソマトスタチン、任意の他の単離されたソマトスタチン又は天然のソマトスタチンであり得る。SST部分は、オクトレオチド、ランレオチド、パシレオチド、セグリチド又はバプレオチド等の類似体であり得る。
本発明はまた、ソマトスタチン部分がソマトスタチン類似体を含む、ポリペプチドコンストラクトを包含する。好ましくは、このような類似体は組み換え宿主細胞において融合タンパク質の一部として発現するのに適する。適切なソマトスタチン類似体の配列が、本明細書で開示される任意の実施例に含まれるSST-14又はSST-28配列の代わりに使用され得ることは理解される。
本発明はまた、ソマトスタチン部分が、ソマトスタチンポリペプチド配列、例えばSST-14又はSST-28;それぞれ配列番号17及び18、の2個以上のタンデム反復を含む、ポリペプチドコンストラクトを包含する。各々の反復ソマトスタチンポリペプチド配列は、SST-14又はSST-28に対し少なくとも85%の配列同一性を有するポリペプチド配列で有り得る。これらの反復バリアント配列は独立に選択される、即ち、いくつかの実施形態では反復は同一であるのに対し、他の実施形態では反復は相異なる。
アルブミン
本発明での使用のためのアルブミンは、任意のアルブミン、その類似体又はバリアントであり得る。アルブミンは、ヒト血清アルブミン、又は任意の他の単離された若しくは天然のアルブミンであり得る。
本発明はまた、ヒト血清アルブミン部分が、代替的な配置を有する又は天然形態(配列番号25)よりも多い若しくは少ないシステイン残基の存在のために代替的なジスルフィド結合数を有するポリペプチド配列バリアントを含む、ポリペプチドコンストラクトを包含する。
スペーサー又はリンカー
前述のように、スペーサー又はリンカーが本発明で使用され得る。スペーサー又はリンカーはソマトスタチン又はアルブミンと無関係で有り得る。
本発明はまた、ペプチドスペーサー(代替的にリンカーと称される)が、約2〜約100アミノ酸残基長のポリペプチド配列から成る、ポリペプチドコンストラクトを包含する。本発明はさらに、ペプチドスペーサーが、約2〜約50アミノ酸残基長、好ましくは約2〜約30、又はより好ましくは約3〜約20アミノ酸残基長である、ポリペプチドコンストラクトを包含する。
本発明はまた、ペプチドスペーサー(代替的にリンカーと称される)がポリペプチド配列「GGGGS」(配列番号31)を有する、ポリペプチドコンストラクトを包含する。Gly、Ser又はThrに富むポリペプチドは、限定されないが以下を含む特別な利点を提供する:(i)ポリペプチド骨格の回転自由、これにより隣接するドメインが自由に動くことができる(ii)溶解度の向上(iii)タンパク質分解への抵抗。さらに、多数の天然リンカーはαへリックス構造を示した。αへリックス構造は、Glyに富むリンカーより強固で安定である。A(EAAAK)4A(配列番号30)の配列を有する経験上強固なリンカーは、機能的ドメインを分離するために使用され得る。タンパク質ドメインを互いに連結させるという役割に加え、人工リンカーは、融合タンパク質の生産に対し他の利点、例えば生物学的活性の改善、タンパク質発現の増大、及び望ましい薬物動態プロファイルの達成、を提供し得る。
Figure 2019534707
ソマトスタチン−アルブミン融合タンパク質の調製
本発明の一実施形態は、ソマトスタチン−アルブミン融合タンパク質の調製のための方法を提供する。一実施形態では、本発明のソマトスタチン−アルブミン融合タンパク質は、コード遺伝子を含有するベクターを発現させ、ベクターを適切な宿主細胞に導入することにより調製される。例えば、融合タンパク質は、酵母等の宿主における適切なベクターの発現により得られる。一実施形態では、ピキアパストリス(Pichia pastoris)GS115が適切な発現宿主として使用され得、ベクターはpPIC9Kである。特に、CHO又はHEK293等の哺乳類細胞株が発現宿主として使用され得る。
本発明はまた、任意の先行する段落に記載のソマトスタチンアルブミン融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む、アルブミンソマトスタチン融合タンパク質を発現することができるプラスミドコンストラクトを包含する。例えば、適切なプラスミドコンストラクトには、限定されないが、ベクターの多重クローニング部位に連結された、本明細書に開示の任意のアルブミン−ソマトスタチン融合タンパク質をコードするDNA配列を有する、配列番号26に表されるpcDNA3.1ベクターが含まれる。当該技術分野において既知の他の適切なタンパク質発現ベクターは、発現宿主に基づいて選択され得る(例えば、哺乳類のプロモーター系を有する発現ベクターはヒト細胞株における発現に適するだろうが、酵母又は細菌における発現が望まれる場合には酵母又は細菌の発現プラスミドが選択されるだろう)。
本発明はまた、任意の先行する段落に記載のソマトスタチンアルブミン融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含むプラスミドコンストラクトで形質転換された細菌又は酵母細胞を含む、細菌又は酵母のタンパク質発現系を包含する。適切な細菌株には、例えば大腸菌(Escherichia coli)が含まれる。適切な酵母株には例えば、ピキアパストリスが含まれる。例示的なプラスミドコンストラクトには、ベクターの多重クローニング部位に組み込まれた、本明細書に記載の任意のアルブミン−ソマトスタチン融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列を有する、配列番号27に表されるpPIC9K (Invitrogen)が含まれる。
本発明はまた、任意の先行する段落に記載のポリペプチド配列を有する単離及び精製された融合ソマトスタチン融合タンパク質を包含する。
Figure 2019534707
SSTがソマトスタチン類似体である場合には、コンジュゲートを調製するために、当該分野において既知の代替的方法が使用され得る。
ソマトスタチン−アルブミン融合タンパク質の有用性
本発明の融合タンパク質は、ソマトスタチンが使用されることが当該技術分野において既知である状態を処置するために使用され得る。従って、本発明はまた、単離及び精製された任意の先行する段落に記載のアルブミン−ソマトスタチン融合タンパク質を投与することにより、ヒト対象において癌を治療する方法であって、前記癌は、例えば、乳癌、大腸癌、肝臓癌、肺癌、内分泌癌、神経内分泌癌、膵臓癌及び前立腺癌から選択される、ソマトスタチン治療に反応を示すことが知られている任意の癌である、方法を包含する。
本発明はまた、本発明の融合タンパク質、例えば任意の先行する段落に記載の単離及び精製されたアルブミン−ソマトスタチン融合タンパク質を含有する組成物を投与することにより、ヒト対象において癌を治療する方法を包含する。前記組成物はまた、適切な担体を含み得る。
様々なリンカー配列を有する11個のSST14−アルブミン融合タンパク質コンストラクトを設計した。これらのコンストラクトのうち8個を、プラスミド中の融合遺伝子とし、100mLスケールでHEK 293一時発現により作製した。タンパク質を培地から収集し、アルブミンに基づく親和性精製により精製し、透析して貯蔵バッファーに入れた。これらの融合タンパク質のSSTR2受容体への結合親和性について、さらにSSTR2過剰発現CHO-K1細胞株におけるcAMP産生の阻害における細胞ベースの活性について、これらの融合タンパク質を評価した。これらの研究結果により、リンカーの長さと種類が、SSTR2受容体結合親和性、in vitroでの細胞ベースの機能活性、及び融合タンパク質の生産収率に著しく影響することが示された。
本発明のSST−アルブミン融合タンパク質は、対応する融合していない遊離SST分子に比べ、顕著に長い血清半減期、及び/又はin vitro及び/又はin vivoで、溶液中又は医薬組成物中における薬物動態プロファイルの改善を示した。遊離SST及びSST融合タンパク質の安定性をin vitroのラット血漿において比較した。新たに用意したラット血漿中で37℃でインキュベートすると、遊離SST及びSST融合タンパク質は、それぞれ33分及び5.5時間の分解半減期を示した(表4)。
さらにインビボでの薬物動態プロファイルを作成し、遊離SSTに比べ、SST融合タンパク質の安定性が改善されることを実証した。SSTを静脈内投与したラットは、3.5分のT1/2の計算値を示した。一方、SST融合タンパク質を静脈内投与したラットは、2相の薬物動態プロファイルを示し、ここでα相のT1/2は1.01時間であり、β相のT1/2は6.14時間であった。SST融合タンパク質の半減期の計算値は、ラットにおける遊離SSTのT1/2の計算値(3.5分)、及び報告されたラットにおける遊離SSTの血漿T1/2(<1分;参考文献#1)よりも顕著に長かった(表4)。
Figure 2019534707
参考文献#1:Yogesh C. Patel 及び Thomas Wheatley. In Vivo and in Vitro Plasma Disappearance and Metabolism of Somatostatin-28 and Somatostatin-14 in the Rat. Endocrinology. Vol. 112, No. 1 (1992), pages 220-225.
本発明の選択された実施形態は、以下の実験例及び比較例を参考とし、さらに詳細に説明される。これらの実施例は説明のためだけのものであり、本発明の範囲を制限することは意図されていない。
[実施例1:哺乳類系における発現]
<実施例1−1:組み換え遺伝子の合成>
表5に列挙した融合タンパク質に対応する8個のコンストラクトを調製した。最初に、各融合タンパク質をコードする遺伝子配列をde novo合成し、次にpcDNA3.1ベクターに挿入した。
<実施例1−2:プラスミド生成>
Maxi-prep又はMega-prepを用いて〜20mgの各DNAを生成した。
<実施例1−3:トランスフェクション及びタンパク質の生産>
(A)懸濁細胞法
FreeStyle(商標)293-F細胞をフラスコ中に0.55〜0.6×106細胞/mLで播種した。約24時間後、細胞を1.1〜1.2×106細胞/mLで振とうフラスコ中に播種した。FreeStyle培地において500μgDNA/80mLでDNAを調製した。FreeStyle培地において、80mLあたり1.8mL PEIでポリエチレンイミン(PEI)を調製した。DNAをFreeStyle培地中に混合し、有効量のPEIをDNA溶液に添加し、当該混合物をボルテックスし室温で約15分間インキュベートし、DNA-PEI複合体を形成した。80mLのインキュベートしたDNA-PEI複合体を細胞培養物に添加した。約3時間後、TCイーストレート養分(TC Yeastolate feed、BD)を最終濃度が培養物1リットルあたり4gとなるよう添加した。約7〜8日後、遠心分離により当該培地を回収した。
(B)接着細胞法
トランスフェクションの約24時間前、HEK293細胞をフラスコ内に播種して、50〜90%のコンフルエンシーにし、完全培地を添加した。約24時間後、細胞を洗浄後、基礎培地を添加した。
無血清培地にDNAを添加することにより、DNA及びPEI溶液を調製した。PEI溶液をDNA溶液に添加し、室温で15分間インキュベートしてDNA-PEI複合体を形成した。
PEI/DNA混合物を細胞に添加し、混合物を37℃で約4〜6時間インキュベートした。培地を除去し、グルタミン及び血清を含有する新しい培地を添加した後、37℃で4日間インキュベートした。
約4日後に、遠心分離して上清を収集することにより、培地を回収した。沈殿物をL-グルタミンを含有する新しい培地で再び満たし、さらに3日間インキュベーションし、当該回収工程を繰り返した。
<実施例1−4:タンパク質濃縮、Ni-NTA精製及びバッファー交換>
回収した培地を、精製方法(連続クロマトグラフィー又は手作業によるバッチ精製)に応じて特定の体積までTFFシステム(Millipore)により濃縮した。
クロマトグラフィー又はバッチ系を用い、濃縮したタンパク質を結合バッファー中で約4℃で新しいNi-NTA樹脂と共にインキュベートし、洗浄バッファーで洗浄した。タンパク質を溶出バッファーで溶出し、当該画分を収集及び濃縮して精製タンパク質を回収した。タンパク質は、サイズ排除クロマトグラフィーを用いてさらに精製され得る。
最後の溶出液のバッファーは、透析により所望のバッファーに交換され得る。
[実施例2:複数のSST−アルブミン融合タンパク質の収率]
SST-HSA融合タンパク質はすべて、高収率の可溶形態で発現された。リンカーの長さ又は性質はタンパク質の収率及び融合タンパク質の溶解度に影響し得る。融合タンパク質コンストラクトがより長く、より複雑になるにつれて生産収率は僅かに減少することが、結果により示された。しかし、すべてのコンストラクトが、拡大生産(scale up production)のための収率を示した。
Figure 2019534707
[実施例3:複数のSST−アルブミン融合タンパク質の結合親和性]
このアッセイは、ヒトソマトスタチンsst2受容体に対する[125I]ソマトスタチンの結合を測定する。標準的な方法を用い、改変HEPES(modified HEPES)pH7.4バッファーにおいて膜を調製するために、ヒトソマトスタチンsst2受容体をコードするプラスミドで安定的にトランスフェクトしたCHO-K1細胞を使用する。25℃で240分間、0.1mg分の膜を0.03nMの[125I]ソマトスタチンと共にインキュベートし、融合タンパク質を調べる。1μMソマトスタチンの存在下で非特異的結合を推定する。膜を濾過し3回洗浄し、フィルターを計数して特異的に結合した[125I]ソマトスタチンを判定する。
125I-Tyr−ソマトスタチン対融合タンパク質の競合的結合試験により、以下の結果が実証された。阻害効率は、融合タンパク質のコンストラクトによって異なった。2個のαへリックスリンカー、A(EAAAK)4Aを有する融合タンパク質コンストラクト(配列番号1)は、ソマトスタチン及びその受容体の相互作用の100%の阻害を示した。配列番号1のコンストラクトは、ヒト血清アルブミンのN及びC末端側両方において、2つのソマトスタチン部分を有する。ヒト血清アルブミンのC末端側に、同一のαへリックスリンカーにより連結された1個のソマトスタチンを有する、小さいコンストラクト(配列番号2)は、96%の阻害を示した。よりフレキシブルなGGGGSリンカーを有する同一のコンストラクトは、その長さに応じて82〜85%のより低い阻害を示した。GGGGSリンカーの長さもまた阻害に影響した。5アミノ酸GGGGSリンカーを有するコンストラクト(配列番号9及び配列番号8)は57〜59%の阻害を示したのに対し、15アミノ酸(配列番号15)又は30アミノ酸GGGGSリンカー(配列番号16)を有するコンストラクトは80%を超えた阻害を示し、5アミノ酸より長いGGGGSがSST機能により有利であることが示唆された。より強固なA(EAAAK)4A(αへリックス)リンカーは、フレキシブルなGGGGSリンカーよりも結合効率が良いだろう。多重のSSTはSST受容体結合のためのリガンドの有効濃度を増大させ得る。ヒスチジン精製タグの位置はおそらく結合に影響しないだろう。融合タンパク質におけるアルブミンの配置又は位置を変えることにより、タンパク質結合の効率がさらに増大し得る。
Figure 2019534707
[実施例4:SSTR2発現細胞におけるcAMPの蓄積に対する複数のSST−アルブミン融合タンパク質による阻害]
CHO-K1細胞において発現されるヒト組み換えソマトスタチンsst2a受容体を使用した。試験化合物及び/又はビヒクルを37℃で20分間、インキュベーションバッファー中で、前記細胞(2 × 105 細胞/mL)と共にインキュベートした。10nMのオクトレオチド応答と比較した、試験化合物により誘導される50%以上のcAMPの減少により、sst2a受容体アゴニスト活性が示された。
cAMPの蓄積の阻害が、SST受容体タイプ2発現CHO-K1細胞において観察された。EC50の値は260nMであった。より長いリンカーを有するコンストラクト(配列番号1、15及び2)はより低いEC50値を示し、それは結合アッセイのデータと一致した。アルブミン−(GGGGS)3−SST14とアルブミン−(GGGGS)3−SST14のEC50値を比較すると、αへリックスのリンカーはcAMP産生の阻害においてより効率が良いように見えた。
Figure 2019534707
[実施例5:ラット血漿における遊離SST及びSST融合タンパク質の安定性の測定]
ラット血漿におけるSST融合タンパク質の安定性の改善をELISAを用いて証明した。試験結果により、ラット血漿中37℃でインキュベートすると、33分未満の半減期を示す遊離SSTとは対照的に、SST融合タンパク質(配列番号1)は5.5時間の分解半減期を見せることが示された(表4)。
<実施例5−1:試料の調製>
500pg/mLの遊離SST又は750ng/mLのSST融合タンパク質(配列番号1)を1分、2分、5分、20分、60分、80分、100分、120分、150分及び180分間、ラットのプール血漿中でインキュベートした。各時点の血液試料はトリプリケートでインキュベートした。すべての血液試料を10分間5500rpmで遠心分離し、分析のための血漿試料を得た。バックグラウンド測定のためにラットのプール血漿をブランクとして用いた。すべての試料はデュプリケートで分析した。
SST融合タンパク質を有するすべての血漿試料は、ラットのプール血漿で15倍希釈した。例えば、SST融合タンパク質を有する血漿試料10μLに140μLのラットのプール血漿を添加した。
<実施例5−2:遊離SST及びSST融合タンパク質スタンダードの調製>
(1)遊離SSTスタンダードの調製
標準曲線を以下の手順により作成した。遊離SSTのストック(1 mg/mL)を希釈バッファーで連続的に希釈して5、2.5、1.25、0.625、0.313、0.156、0.078及び0.039 ng/mL溶液を作製することにより、デュプリケートの標準点を調製した。
(2)SST融合タンパク質スタンダードの調製
標準曲線を以下の手順により作成した。SST融合タンパク質のストック(2.42 mg/mL)を希釈バッファーで連続的に希釈して225、112.5、56.2、28.1、14.1、7.03、3.51及び1.76 ng/mL溶液を作製することにより、デュプリケートの標準点を調製した。
<実施例5−3:ELISAアッセイの手順>
1)分析前、すべてのキットの構成品を室温(20〜25℃)で維持した。
2)50μL/ウェルのスタンダード、試料、又は陽性対照溶液をキットに添加した。そして、ブランクウェルを除く各ウェルに25μL/ウェルの一次抗体を添加した。最後に、ブランクウェルを除く各ウェルに25μL/ウェルのビオチン化ペプチドを添加した。免疫プレートを、300〜400rpmで振とうしながら、室温で2時間インキュベートした。ウェルを空にし、300μLの洗浄液で3回洗浄した。最後の洗浄後、吸収性のティッシュ上でストリップをタップすることによりウェルを空にした。
3)ウェルの中身を捨て、各ウェルを300μLの1x EIAアッセイバッファーで洗浄し、バッファーを捨てプレートを反転しふき取り乾燥させた。これを4回繰り返す。
4)100μLのSA-HRP溶液を各ウェルに添加する。免疫プレートを300〜400rpmで振とうしながら室温で1時間インキュベートする。
5)上記工程3に記載したように、1x EIAアッセイバッファーで4回、免疫プレートを洗浄及びふき取り乾燥させる。
6)100μLのTMB基質溶液を各ウェルに添加する。光から保護するために、免疫プレートにカバーを掛ける。免疫プレートを、300〜400rpmで振とうしながら、室温で1時間インキュベートする。
7)100μLの2N HClを各ウェルに添加し反応を停止させる。ウェル内の色は青色から黄色に変化するはずである。色の変化が均一であるように見えなければ、プレートを優しくタップして完全な攪拌を確実にする。20分以内に次の工程に進む。
8)免疫プレートをプレートリーダーに取り込む。450nmでの吸光度O.D.を読み取る。
[実施例6:ラットにおける遊離SST及びSST融合タンパク質のin vivoでの薬物動態プロファイルの測定]
SST及びSST融合タンパク質(配列番号1)を、それぞれ3及び5匹のSprague Dawley雄ラットに、尾静脈注射により、それぞれ0.02及び27.1mg/kgの用量で投与し、それぞれSST及びSST融合タンパク質の薬物動態プロファイル及びパラメーターを測定した(表8及び表9)。注射の前、水を自由に飲める状態で当該動物を一晩断食させ、その後、ネガティブな臨床徴候は観察されなかった。SSTを投与したラット各々において、SSTは急速な薬物動態プロファイルを示し(図1)、T1/2の計算値は3.5分だった(表4)。SST融合タンパク質を投与したラット各々において、SST融合タンパク質は2相の薬物動態プロファイルを示し(図2)、平均のα相(0〜0.5時間)のT1/2及びβ相(0.75〜4時間)のT1/2は、それぞれ1.01時間及び6.14時間と計算された(表4)。SST融合タンパク質の半減期の計算値は、遊離SSTの血漿T1/2の計算値(3.5分)、及び報告されたラットにおける遊離SSTの血漿T1/2(<1分;参考文献#1)よりも顕著に長かった(表4)。この一連の結果により、SST融合タンパク質はin vivoで顕著にSSTの安定性を改善し半減期を延長させることが示された。
<実施例6−1:試料の調製>
所定の時点でラットを手で押さえ、EDTA-K2チューブに頸静脈により約300μLの血液試料を集めた後、4℃かつ1500gで10分間遠心分離して血漿試料を得た。
<実施例6−2:SST及びSST融合タンパク質スタンダードの調製>
(1)遊離SSTスタンダードの調製
標準曲線を以下の手順により作成した。遊離SSTのストック(1 mg/mL)を希釈バッファーで連続的に希釈して5、2.5、1.25、0.625、0.313、0.156、0.078及び0.039 ng/mL溶液を作製することにより、デュプリケートの標準点を調製した。
(2)SST融合タンパク質スタンダードの調製
標準曲線を以下の手順により作成した。SST融合タンパク質(2.42 mg/mL)をラットの血漿プールで連続的に希釈して225、112.5、56.2、28.1、14.1、7.03、3.51及び1.76 ng/mL溶液を作製することにより、デュプリケートの標準点を調製した。
<実施例6−3:ELISAアッセイの手順>
実施例5−3に記載のように、ELISAアッセイを行った。
Figure 2019534707
Figure 2019534707

Claims (21)

  1. 以下を含む融合タンパク質:
    SST;
    L;及び
    ALB
    であって、
    ここで、SSTはソマトスタチン、その類似体又は誘導体であり;
    Lはスペーサー又はリンカーであり;及び
    ALBはアルブミン、その類似体又はバリアントである、融合タンパク質。
  2. 以下から成る群から選択される、請求項1に記載の融合タンパク質:
    SST-(L)x1-ALB (I);
    ALB-(L)x1-SST (II);
    [SST-(L)x1]y1-ALB (III);
    ALB-[(L)x1-SST]y1 (IV);
    [SST-(L)x1]y1-ALB-[(L)x2-SST]y2 (V);
    [SST-(L)x1]y1-ALB-[(L)x2-SST]y2-(L)x3-ALB (VI);
    [SST-(L)x1]y1-ALB-[(L)x2-SST]y2-(L)x3-ALB-[(L)x4-SST]y3 (VII);
    ALB-(L)x1-[SST-(L)x2]y1-ALB (VIII);
    ALB-(L)x1-[SST-(L)x2]y1-ALB-[(L)x3-SST]y2-(L)x1-ALB (IX);及び
    ALB-(L)x1-[SST-(L)x2]y1-ALB-[(L)x3-SST]y2-(L)x1-ALB-[(L)x4-SST]y3 (X);
    [式中、
    x1、x2、x3、x4、y1、y2又はy3は、独立的に0又は1〜10から選択される整数であり、
    ただし、少なくとも1つのLがアルブミン−ソマトスタチン融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列中に存在する]。
  3. SSTが天然に存在する又は合成により製造される、請求項1に記載の融合タンパク質。
  4. SSTが、配列番号17若しくは18によりそれぞれ表されるSST-14若しくはSST-28をコードする配列、又はこれらの配列のいずれかに対し少なくとも85%の同一性を有する配列の、1個以上のタンデム反復を含む、請求項1に記載の融合タンパク質。
  5. SSTがSST-14又はSST-28である、請求項1に記載の融合タンパク質。
  6. Lが、フレキシブルな若しくはαへリックス構造を有するポリペプチドリンカー又はスペーサーである、請求項1に記載の融合タンパク質。
  7. Lが、2〜100アミノ酸を有するポリペプチドである、請求項1に記載の融合タンパク質。
  8. 前記ポリペプチドが少なくとも1つの、GGGGS、A(EAAAK)4A、(AP)n、(G)8、(G)5、又はそれらの任意の組み合わせを含み、nは10〜34から選択される整数である、請求項6に記載の融合タンパク質。
  9. ALBが哺乳類血清アルブミンである、請求項1に記載の融合タンパク質。
  10. 哺乳類血清アルブミンが、配列番号25、又は配列番号25に対し少なくとも85%の配列同一性を有する配列である、請求項1に記載の融合タンパク質。
  11. x1、x2、x3、x4は、それぞれ独立に1〜5から選択される整数である、請求項2に記載の融合タンパク質。
  12. y1、y2、y3は、それぞれ独立に1〜5から選択される整数である、請求項2に記載の融合タンパク質。
  13. 以下を含むポリペプチドをコードするヌクレオチド配列:
    SST;
    L;及び
    ALB、
    であって、
    SSTはソマトスタチン又はその類似体若しくは誘導体であり;
    Lはスペーサー又はリンカーであり;及び
    ALBはアルブミン又はその類似体若しくはバリアントである、ヌクレオチド配列。
  14. 以下から成る群から選択されるポリペプチドをコードする、請求項13に記載のヌクレオチド配列:
    SST-(L)x1-ALB (I);
    ALB-(L)x1-SST (II);
    [SST-(L)x1]y1-ALB (III);
    ALB-[(L)x1-SST]y1 (IV);
    [SST-(L)x1]y1-ALB-[(L)x2-SST]y2 (V);
    [SST-(L)x1]y1-ALB-[(L)x2-SST]y2-(L)x3-ALB (VI);
    [SST-(L)x1]y1-ALB-[(L)x2-SST]y2-(L)x3-ALB-[(L)x4-SST]y3 (VII);
    ALB-(L)x1-[SST-(L)x2]y1-ALB (VIII);
    ALB-(L)x1-[SST-(L)x2]y1-ALB-[(L)x3-SST]y2-(L)x1-ALB (IX);及び
    ALB-(L)x1-[SST-(L)x2]y1-ALB-[(L)x3-SST]y2-(L)x1-ALB-[(L)x4-SST]y3 (X);
    [式中、
    x1、x2、x3、x4、y1、y2又はy3の各々は、独立的に0、又は1〜10から選択される整数であり、
    ただし、少なくとも1つのLが当該ポリペプチド中に存在する]。
  15. SSTが、配列番号17若しくは18によりそれぞれ表されるSST-14若しくはSST-28をコードする配列、又は配列番号17若しくは18に対し少なくとも85%の同一性を有する配列の、1個以上のタンデム反復を含む、前記ポリペプチド配列をコードする、請求項13に記載のヌクレオチド配列。
  16. 請求項1に記載の融合タンパク質を含むアルブミン−ソマトスタチン融合タンパク質を発現するプラスミドコンストラクト。
  17. 請求項16に記載のプラスミドコンストラクトで形質転換された細菌宿主細胞。
  18. 単離及び精製される、請求項1に記載の融合タンパク質。
  19. 請求項1に記載の融合タンパク質を含む有効量の医薬組成物を投与することにより、ヒト対象において、内分泌物放出の疾患又は障害を治療する方法であって、前記内分泌物放出の疾患又は障害はソマトスタチンの投与に反応を示す状態である、方法。
  20. 前記状態が、乳癌、大腸癌、肝臓癌、内分泌癌、神経内分泌癌、膵臓癌、前立腺癌、脳癌及び肺癌から成る群から選択される癌である、請求項19に記載の方法。
  21. 前記癌が、ソマトスタチン受容体のタイプ1、2、3、4又は5を発現する、請求項20に記載の方法。
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