JP2019534698A - 核酸の自動処理のための装置、方法およびシステムならびに電気泳動試料調製 - Google Patents

核酸の自動処理のための装置、方法およびシステムならびに電気泳動試料調製 Download PDF

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Abstract

本明細書に開示される様々な実装形態は、核酸の自動処理および電気泳動試料の調製に関する。自動分子処理装置のための例示的な使い捨てカセットは、ベースハウジングと、ハウジング内に配置された中央チャネルと、中央チャネルに受け取られ、中央チャネルを第1のチャンバと第2のチャンバとに分割するように構成された溶出モジュールとを備えてもよい。溶出モジュールは、近位側、遠位側、および近位側から遠位側へ通じる溶出モジュールチャネルを有するハウジングを備える。また溶出モジュールは、溶出モジュールの近位側に取り付けられた第1の膜と、溶出モジュールの遠位側に取り付けられた第2の膜と、溶出モジュールチャネルに流体連通し、試料を受けるように構成されたポートホールとを備える。

Description

本出願は、2016年10月4日に出願された、「Apparatuses, Methods and Systems for Automated Processing of Nucleic Acids and Electrophoretic Sample Preparation.」とのタイトルの米国仮出願第62/404,112号の仮出願ではなく、その優先権を主張する、前述の出願の全てを、本明細書において、その全体を参照により明示的に組み込む。
本開示の一部の実施形態は、核酸の自動処理のための装置、方法およびシステム、ならびに電気泳動試料の調製を提示する。
一部の実施形態では、インタクトな細胞で開始するDNAの精製のための試薬、使い捨てカセット、器具、およびプロトコールを含む、システム、方法およびデバイスが提供される。一部の実施形態では、ベースと、中央チャネルと、溶出モジュールとを備える使い捨てカセットが提供される。溶出チャネルは、中央チャネルを、第1のチャンバと第2のチャンバとに分割するように構成される。溶出モジュールは、第1および第2の膜を備えることができる。第1の膜は、溶出モジュールの近位側に取り付けられ、中央チャネルを横断し、それによって第1のチャンバの端部を形成することができる。第2の膜は、溶出モジュールの遠位側に取り付けられ、中央チャネルを横断し、それによって第2のチャンバの端部を形成することができる。溶出モジュールは、近位側と遠位側の間の試料を受けるように構成することができる。
一部の実施形態では、自動分子処理装置のための使い捨てカセットは、ベースハウジングと、ハウジング内に配置された中央チャネルと、中央チャネルに収容され、中央チャネルを第1のチャンバと第2のチャンバとに分割するように構成された溶出モジュールとを備える。溶出モジュールは、近位側、遠位側、および近位側から遠位側へ通じる溶出モジュールチャネルを有する溶出モジュールハウジングを備えることができる。第1の膜は、溶出モジュールの近位側に取り付けることができる。溶出チャネルの近位側は、中央チャネルを横断し、第1のチャンバの端部を形成している。第2の膜は、チャネルの近位側に平行であり、第2のチャンバの端部を形成している溶出モジュールの遠位側に取り付けることができる。溶出モジュールはまた、溶出モジュールチャネルに流体連通し、試料を受けるように構成されたポートホールを備える。
ベースはスロットを有してもよく、カセットは、スロット内にはめ込むように構成された少なくとも2つの電極ホルダーをさらに備えてもよい。電極ホルダーは、少なくとも1つの電極が第1のチャンバ内に配置され、少なくとも1つの電極が第2のチャンバ内に配置されるようにして電極を収容するように構成されてもよい。一部の実施形態では、第1および第2の膜は、電流の印加時に分子を通過させるように構成される。
一部の実施形態では、第1の膜は、第2の膜より多孔性である。第2の膜は、核酸分子を保持するように構成されてもよい。核酸分子は、DNAを含むことができる。
溶出モジュールは、プラスチックを含んでもよい。第1および第2の膜は、溶出モジュールの近位側および遠位側のプラスチックにそれぞれ熱融着されてもよい。第1および第2の膜は、流体の流れを実質的に遮断するように構成されてもよい。
一部の実装形態では、第1のチャンバおよび第2のチャンバは、バッファー溶液を含有する。
溶出モジュールは、カセットにモジュールを固定する留め具を収容するように構成された開口部をさらに備えてもよい。溶出モジュールは、カセットにクランプ取り付けするように構成されてもよい。
溶出モジュールは、自動分子処理装置で使用される使い捨てカセットのために提供されてもよく、カセットは、その中に配置された中央チャネルを備え、中央チャネルに対して、溶出モジュールは、チャネルを第1のチャンバと第2のチャンバとに分割するように置かれる。モジュールは、近位側、遠位側、および近位側から遠位側へ通じる溶出モジュールチャネルを有するハウジングを備える。モジュールはまた、第1のチャンバの端部を形成している溶出モジュールの近位側に取り付けられた第1の膜と、チャネルの近位側に平行であり、第2のチャンバの端部を形成している溶出モジュールの遠位側に取り付けられた第2の膜とを備える。溶出モジュールはまた、溶出モジュールチャネルに流体連通し、試料を受けるように構成されたポートホールを備える。
第1の膜の多孔度は、第2の膜の多孔度より大きくてもよい。第2の膜は、核酸分子を保持するように構成されてもよい。核酸分子は、DNAを含むことができる。
ハウジングは、プラスチックを含んでもよく、第1の膜および第2の膜は、ハウジングのそれぞれの側に熱融着されてもよい。第1および第2の膜は、流体の流れを実質的に遮断するように構成されてもよい。第1および第2の膜は、電流の印加時に分子が通過するように構成されてもよい。
溶出モジュールは、カセットにモジュールを固定する留め具を収容するように構成された開口部を有してもよい。ハウジングは、カセットにクランプ取り付けするように構成されてもよい。
カセットを調製するための方法は、第1の端部と第2の端部とを有する中央チャネルを有するベースを用意することを含んでもよい。また中央プラスチック片、中央プラスチック片の第1の側に取り付けられた第1の膜、および中央プラスチック片の第2の側に取り付けられた第2の膜を備える溶出モジュールが用意される。ワイヤがそれぞれ接続されている少なくとも2つの電極ホルダーが用意されてもよい。中央チャネルの第1の端部と第1の膜との間の部分を遮断するように構成されたキャスティングダムも用意され、同様に、中央チャネルの少なくとも一部を覆うように構成されたカバーも用意される。第1の端部および第2の端部から離間した溶出モジュールがベースに取り付けられてもよい。第1の端部は、中央チャネルの第1の端部に面し、第2の膜は、中央チャネルの第2の端部に面している。キャスティングダムは、キャスティングダムの遠位の端部と第1の膜との間に隙間が生じるように、中央チャネルの第1の端部に当接するように置かれてもよい。隙間は、隙間をアガロースで充填し、アガロースをゲル化することによってキャストされてもよい。キャスティングダムを取り除いて、第1の端部とアガロースゲルとの間の中央チャネルの一部を露出させてもよい。第1の電極ホルダーを、中央チャネルの第1の端部と第1の膜との間に取り付けてもよく、第2の電極ホルダーを、中央チャネルの第2の端部と第2の膜との間に取り付けてもよい。チャネルの一部、および第2の膜と中央チャネルの第2の端部との間の領域を、電気泳動バッファーで充填してもよく、カバーをベースに取り付けてもよい。
標的分子を含む試料を、溶出モジュールに挿入してもよい。少なくとも標的分子を第1の膜に向けて移動させる電流を、電極ホルダーを介して印加してもよい。標的分子を、第1の膜でまたはその近傍で収集してもよい。
図1A〜Cは、一部の実施形態によるデバイスの様々な断面図を示す。
図2A〜Fは、一部の実施形態によるデバイスの概要を示す。
図3A〜Bは、一部の実施形態による溶出モジュールを示す。
図4A〜Bは、一部の実施形態によるベースおよび溶出モジュールを示す。
図5A〜Cは、一部の実施形態による電極ホルダー、ベースおよび溶出モジュールを示す。
図6A〜Bは、一部の実施形態によるデバイスを示す。
図7A〜Cは、一部の実施形態による、蓋を備えるデバイスを示す。
図8A〜Dは、一部の実施形態によるデバイスおよび溶出モジュールを示す。
図9Aは、一部の実施形態によるデバイスを示す。
図9Bは、一部の実施形態による、アガロースを加えるために使用されるピペットを備えるデバイスを示す。
図9Cは、一部の実施形態による、加えられたアガロースを有するデバイスを示す。
図10Aは、一部の実施形態による、加えられた第1のバッファーを有するデバイスを示す。
図10Bは、一部の実施形態による、加えられた第2のバッファーを有するデバイスを示す。
図10Cは、一部の実施形態による、バッファーチャンバ内に第1および第2のバッファーと電極とを備えるデバイスを示す。
図11A〜Cは、一部の実施形態によるデバイスを示す。
図12は、一部の実施形態による、4つの試料を同時に実行することができるデバイスを示す。
図13は、一部の実施形態による、4つの試料を同時に実行することができるデバイスを示す。
図14は、一部の実施形態による、一次元デバイスを使用した精製DNAのサイズ分画のための表を示す。
図15は、一部の実施形態による、一次元デバイスを使用した精製DNAのサイズ分画のためのレーン試料の一例を示す。
図16は、一部の実施形態による精製DNAのサイズ分画のための表を示す。
図17は、一部の実施形態による精製DNAのサイズ分画の一例を示す。
図18は、一部の実施形態による精製DNAのサイズ分画の一例のデータを示す。
図19は、一部の実施形態による細菌DNAの単離のための表を示す。
図20は、一部の実施形態による細菌DNAの単離のための表を示す。
図21は、一部の実施形態による細菌DNAの単離のための表を示す。
図22A〜Bは、一部の実施形態による細菌DNAの単離の例を示す。
図23は、一部の実施形態による細菌DNAの単離の一例を示す。
図24は、一部の実施形態による、白血球からの高分子量DNAの単離の一例を示す。
図25は、一部の実施形態による、白血球からの高分子量DNAの単離の一例を示す。
図26A〜Bは、一部の実施形態による、白血球からの高分子量DNAの単離の一例を示す。
図27は、一部の実施形態による、白血球からの高分子量DNAの単離の一例を示す。
図28は、一部の実施形態によるデバイスの断面図を示す。
図29は、一部の実施形態による、図17の精製DNAのサイズ分画の例の別の図を示す。
図30A〜Eは、一部の実施形態によるHMW DNA抽出ワークフローの上面概略図を示す。
図31A〜Kは、一部の実施形態によるワークフローの上面概略図を示す。 図31A〜Kは、一部の実施形態によるワークフローの上面概略図を示す。 図31A〜Kは、一部の実施形態によるワークフローの上面概略図を示す。
図32A〜Dは、一部の実施形態によるサイズ選択ワークフローの上面概略図を示す。
本明細書に記載の装置、システム、および方法は、インタクトな細胞で開始するDNAの精製のための試薬、使い捨てカセット、器具、およびプロトコールを含む。これらの装置、システムおよび方法は、哺乳動物白血球またはリゾチーム処理E coli細胞のいずれかからの高分子量ゲノムDNAの精製ならびに精製DNAで開始するDNAのサイズ分画を実証する。
一部の実施形態では、本明細書に記載される装置、システム、および方法は、単純で低コストの使い捨て品(「カセット」)、大量または少量の試料を取扱うことができる能力、1つもしくは少数の試料を用いる手動システムまたは多数の試料に適した自動システムのいずれかとして使用するための適性を含む。
複数の逐次的な酵素反応が行われてもよい。そのような反応の間に、DNAは、アガロースマトリックス内に埋め込まれたままである。これにより、酵素、補因子またはバッファーなどの試薬を追加および除去するために、液体取扱い(ピペット)または電気泳動のいずれかを使用することが可能になりうる。さらに、DNAは、アガロースマトリックス内に埋め込まれたままであってよいので、SPRIビーズなどの粒子を使用する中間精製ステップまたはエタノール沈殿などの他のプロセスが必要でなく、したがってそのようなプロトコールを用いる場合の複雑さ、コスト、および試料の損失を回避しうる。
図1Aは、溶出モジュール2をはめ込んだベース1を示す。溶出モジュール2は、中央チャネルを、2つの区画3、4に分割する。2つの膜が、試料区画8の境界を形成している。図1Bでは、アガロースのブロック5が溶出モジュール2の隣にキャストされ、バッファーが、チャンバ3、4を充填するために加えられる。バッファーレベルが棚7未満である場合には、チャンバ3、4間にバルク流はないが、バッファーが棚7より高い場合には、液体がバッファーチャンバ3、4間を流れ得る。それにもかかわらず、膜はイオンおよび電流に対して透過性であるので、電気泳動のための連続的な流路がある。図1Cは、図1A〜Bに示す構成に加えられた白金ワイヤを備える電極ホルダー6を示す。白金ワイヤは、電源に接続されている。試料は、ポートホール9を介して試料区画8に加えられる。
図2A〜Fに示されるように、カセットは、溶出モジュール、ベース、および電極ホルダーからなってもよい。図2Aは、膜1A、1Cおよびアクリル溶出モジュール1Bを示す溶出モジュールの分解図を示す。組み立てられた溶出モジュールを図2Bに示しており、膜(1A、1C)は、熱融着によってアクリル溶出モジュール(1C)に封止されている。例示的なベースを図2Cに示しており、一方、図2Dは、(図2Bの)溶出モジュールが中に挿入されたベースを示す。一部の実施形態では、溶出モジュールは、図2Dに示されるように、2つのねじによって押さえることができる。図2Eは、電極ホルダー6を示す。図2Eの電極ホルダーは、図2Fに示されるように、ベースに挿入されてもよい。示されるように、いくつかの電極ホルダー6が、ベースに挿入されてもよい。例示的な実施形態では、1つまたは複数の電極ホルダーが溶出モジュールの第1の側に置かれてもよく、1つまたは複数の電極ホルダーが溶出モジュールの第2の側に置かれてもよい。キャスティングダムは、カセットにアガロースゲルをキャスティングできるように用意されてもよい(図9)。
溶出モジュールは、図3に示されるように、中央プラスチック片に熱融着されている(および/または他の方法で取り付けられている)2つの長方形の膜の片からなってもよい。第1の膜1は、DNAおよびタンパク質を通過させることができる(例えばDurapor)。中央片は、溶出モジュール本体2を含んでもよい。溶出モジュール本体は、機械加工アクリルであってもよい。本体2は、M2またはM3ねじなどのねじを通すように構成された少なくとも1つの穴3を有してもよい。ねじは、溶出モジュールが本体(例えば、図2C)にねじ留めされるとき溶出モジュールを所定の位置に保持するために使用することができる。また本体は、ポートホール4および中央チャネル5を有してもよい。第2の膜6は、DNA分子を保持するように構成されたもの、例えば、10kdカットオフPESを有する膜であってもよい。膜1、6は、組み立てられたとき、図3Bに示されるようにチャネル5を囲み、膜によって両側の境界を形成された空間を形成する。この場合を、図4B(6)に、断面図で示す。
上述のように、溶出モジュールに結合された2つの膜は異なる特性を有してもよい。1つの膜は、目的の分子を保持するように選択される。例えば、第1の膜は、質量で10,000ダルトンより大きい分子を保持する定格のPES(ポリエーテルスルホン)膜であってもよく、他方の膜は、DNA分子が膜を通過することができるように選択されてもよく、例えば、公称0.5ミクロンサイズの孔を有する定格の膜であってもよい。
膜の公称または定格特性は、様々でありうる。電界が溶出モジュールを通過できるように、両方の膜は、水およびイオンに対して透過性であってもよい。下記に説明されるように、1つの膜は、目的の分子を保持することができ、一方で、他方の膜は相対的に浸透性であってもよい。
一部の実施形態では、多孔性膜は、0.45ミクロン孔を持つDurapor PVDF HVPP膜(EMD Millipore Corporation、Chicago IL 60673)、または5.0ミクロン孔を持つDurapor(Millipore tSVPP型、カタログ番号:SVLP09050)であってもよい。非多孔性膜は、Biomax PES、カタログSF1J007A1であってもよい。再生セルロース膜を含む、他の膜を使用してもよい。一部のそのような膜は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるMillipore: Ultrafiltration Membranes: Ultrafiltration membranes forMacromolecule Processing Product Selection Guide、2008年4月、Millipore Corporationに記載されている。
図3A〜Bに示されるように、溶出モジュールは、液体を膜に境界を形成された空間に加えまたはそこから取り出すことを可能にするポートホール4を備える;またモジュールは、(図2D、2F、7に示されるように)、ねじでモジュールをベースに取り付けることを可能にする穴3を備える。
電極ホルダーは白金ワイヤがはめ込まれ、ベース内のスロットに挿入される(図2F、6)。
図4Aに示されるように、ベース1は、中央チャネル4、溶出モジュールを保持するための楕円形スロット5、および電極ホルダーを保持するためのスロット2を有する。また、ベースは、蓋のためのカットアウト3を有してもよい。
図4Bは、ベース1に挿入された溶出モジュール6を示す。ベースにおける中央チャネルは、溶出モジュール6によって2つのバッファーチャンバ4aおよび4bに分割される。溶出モジュール6には、膜によって境界を形成された試料区画7がある。液体を加えると、バッファーチャンバ4aおよび4bならびに試料区画7は、線形液体経路を形成する。膜は、バルク流体の流れを実質的に遮断するが、電流が印加されるとき、イオンおよび他の分子を通過させる。
図5Aは、一部の実施形態による電極ホルダー1を示す。電極ホルダー1は、電極ワイヤを保持するためのタブ3を備えて構成されてもよく、タブはまた、電極ワイヤを受けるための少なくとも1つの穴2を有してもよい。図5Bは、タブに巻き付いたワイヤ5と、貫通穴2を備えるタブを示す。一部の実施形態では、電極ワイヤは、白金である。電極ホルダー1は、図5Cに示されるように、ベース8におけるスロット7の1つにはめ込まれるように構成されたタブ4(図5A、B)を備えるように構成されてもよい。
図6Aは、電極ホルダー2と、中に挿入された溶出モジュール3とを備えるベース1を示す。図6Bは、溶出モジュール3に固定された膜6を示し、溶出モジュール3は、ねじ4を使用して所定の位置に保持される。示されるように、溶出モジュール3は、ポートホール5を有する。
図7Aは、図7Bに示されるベース2にはめ込むように構成された蓋1(本明細書で「カバー」とも称される)を示す。一部の実施形態では、蓋は、ベースの実質的に全てを覆ってもよい。示されている実施形態では、カバー1は、ベース1の挿入部にはめ込むように構成されている。ベース100は、溶出モジュールの周囲をはめ込むように構成された開口部、および電極ホルダータブ3を収容するように構成された開口部を有してもよい(図5A)。図7Cは、溶出モジュール、カバー、および電極ホルダーを備えて構成されたベースを示す。
図8A〜Dは、溶出モジュールの分解図(図8A)、溶出モジュール(図8B)、ベース(図8C)およびベース内に構成された溶出モジュール(図8D)の一実施形態を示す。
図9Aは、アガロースのキャスティングのための用意ができたデバイスを示す。溶出モジュール1は、ベース2に挿入され、キャスティングダム3がはめ込まれている。一部の実施形態では、キャスティングダム3は、キャスティングダム3と溶出モジュール1との間に約1cmの隙間4を作る大きさにすることができる。図9Bに示されるように、パスツールピペット5を使用して、キャスティングダム3と溶出モジュール1との間の空間4にアガロースを加えることができる。図9Cは、キャスティングダム3が取り除かれ、アガロース6のブロックは、隙間4に留まっていることを示す。任意の余分なアガロース7は、使用前にトリミングすることができる。
一部の実施形態では、溶出膜をベース内(図1A)に挿入してもよく、キャスティングダム3(図9)を加え、次いで溶融アガロース溶液を加えることによって、アガロースのブロックをキャストしてもよい(図9Bおよび実施例1);アガロースゲルは、隣接する膜と連続するハイドロゲルを形成する。上述のように、2つの膜は異なってもよい。例えば、1つの膜は比較的多孔性(公称0.5ミクロン孔)であり、1つの膜はDNA分子を保持する(10,000ダルトン公称定格)。アガロースのブロックは、多孔性膜の隣にキャストされてもよい。
バッファーチャンバ3、4(図1C)は、電気泳動バッファーで充填してもよく、試料は、ポートホール9を通じて溶出モジュールに加えられてもよい。図10Aは、アガロースがゲル化した後に加えられるバッファーを示す。バッファーは、アガロースの隣のバッファーチャンバに加えられてもよい。バッファーは、図10Bに示されるように、他方のバッファーチャンバに加えられてもよい。図10Cに示されるように、電極ホルダー(導電体として白金ワイヤを備える)を加えてもよく、ワイヤは電源に取り付けられる。
これは、図11A〜Cにも示されている。図11Aでは、ベース1に溶出モジュール2がはめ込まれる。溶出モジュールは、溶出モジュール2の各膜が各区画3、4の端部を形成するように、中央チャネルを2つの区画3、4に分割する。アガロースのブロック5は、図11Bに示されるように、溶出モジュールの隣にキャストされる。図11Cに示されるように、電極ホルダー6を加えてもよい。一部の実施形態では、1つの電極ホルダーが溶出モジュール3の各側に構成され、各電極ホルダーのタブがそれぞれのチャンバ3、4に挿入される。他の実施形態では、複数の電極ホルダーが、片側または両側に構成される。液体は、液体レベルが棚7の高さを上回る場合のみ、バッファーチャンバ3、4間を流れることができる。
電流が、例えば、チャンバ3の陽極で印加されるとき、細胞またはDNAなどの負に荷電された粒子が、試料区画のアガロース/膜側に向かって移動する。アガロースゲルの孔は細胞より小さいので、細胞はアガロース被覆膜の表面の近傍または表面で絡まる。次いで、ドデシル硫酸ナトリウム(「SDS」)を、ポートホール(図1C、9)を介して溶出モジュールに加え、電気泳動を継続する。
SDSは、陽極に向かって移動するとき、アガロース膜表面で、絡まった細胞に遭遇する。SDSは、細胞を溶解し、タンパク質はSDSで被覆され、そして細胞デブリおよびSDS被覆タンパク質は、アガロースゲルを通って、バッファーチャンバ3へと移動する。
しかし、インタクトな染色体は、哺乳動物であっても細菌であっても、ゲルに適切に移動しない場合がある。参照によりその全体が本明細書に組み込まれる「Pulsed-Field Gel Electrophoresis」、MBurmeisterおよびL Ulanovsky編、HuumanPress、Totowa New Jersey、1992年の第7章「preparation, manipulation, and pulse strategy for one-dimensionalPulsed-field gel Electrophoresis (OFPFGE)」で説明されているように、インタクトな哺乳動物または細菌の染色体は、DC電場でアガロースゲル内に適切に移動しない;最大6メガベース対のDNA分子は、特別な条件下の場合のみ、移動する。
したがって、インタクトな染色体は、アガロース/膜表面で絡まったままである。染色体DNAは、アガロース/膜表面の近傍または表面にあるので、試料区画に加えられた酵素に接近可能である。そのような酵素は、アガロース層内に短い距離で拡散することができ、絡まったDNA分子に作用することができる。アガロースゲル中のタンパク質の拡散は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるPluen、Alainら、「Diffusionof Macromolecules in Agarose Gels: Comparison of Linear and GlobularConfigurations」、Biophysical Journal、第77巻、1999年7月、542〜552頁で考察されている(100,000ダルトンまでのタンパク質が、アガロースゲルに拡散することを示す図2参照)。したがって、DNAにおいて二本鎖切断をなす酵素の添加は、動かない絡まった染色体を、可動性の絡まった短い断片に変換させる;つまり、断片がおよそ2メガベース対未満であれば、断片はアガロースゲル電気泳動の間にいくらかの可動性を示す。
したがって、細胞、次いでSDS、次いで酵素を加えた後、切断されたDNAを、バッファーチャンバ4内の陽極を用いた電気泳動により、溶出モジュール内で回収することができる(図1A)。DNA分子は、ゲルから出て試料区画内に移動し、非アガロース被覆膜に向かって移動する。上述したように、この膜は、DNA分子が試料区画内に保持され、膜を通過しないように選択される。
溶出モジュールの例
図3A〜Bに示されるように、溶出モジュールは、中央チャネル5、穴3、およびポートホール4を備えたプラスチック本体(2)を有してもよい。膜1および6は、組み立てられた溶出モジュール7を製造するために、プラスチック本体に熱固定されてもよい。ベースに挿入された溶出モジュールの断面を図4Bに示す;試料区画7は、膜によって両側の境界を形成され、ポートホールを介して接近可能であるものであってもよい。
溶出モジュールは、ベースに固定されてもよく、これは、例えば、接着、超音波溶接、圧入などによって行うことができる。以下の具体的な例では、溶出モジュールは、2つの異なる方法でベースに固定した。
第1の方法では、ねじを使用した。図6A〜Bに示されるように、穴(図3、3)により、2つの非導電性ねじ4(ナイロンM2)は、溶出モジュールを通って、ベースのねじ付き穴内に入ることができる。代替的に、穴のない溶出モジュールを、クランプでベースに固定してもよい。この場合を図26に示す。
上述したように、膜1、6(図3)は異なっていてもよい。1つの膜は、DNAおよびタンパク質分子が比較的障害なく膜を移行できるように選択してもよい。一部の実施形態では、0.45ミクロン孔を持つDurapor PVDF HVPP膜(EMD Millipore Corporation、Chicago IL 60673)が使用され得る;他の実施形態では、5.0ミクロン孔を持つDurapor(Millipore SVPP型、カタログ番号:SVLP09050)を使用され得る。第2の膜は、目的の分子を保持するがそれに結合しないように選択してもよい。一部の実施形態では、Biomax PES、カタログSF1J007A10が使用され得る。膜は、サイズ選択PES表面が、内側で、試料区画に面するように貼り合わされる。
一部の実施形態では、バッファーを加えるときに気泡が捕捉されないように、PES膜は、使用前に、親水性にされる。例えば、グリセロールエタノール溶液(グリセロールとエタノールが同じ重量部)の滴を、PES膜の外表面に添加してもよく、溶出モジュールを少なくとも数時間室温で放置させる。
以下の実施例は、上述の実施形態の少なくとも一部に対応し、またステップ/プロセスは、さらなる実施形態に対応する。
(実施例1)
カセット組み立ておよびアガロースのキャスト
DuraporおよびPES膜を備えた溶出モジュールを、最初に、PESをグリセロール/エタノール溶液で処理することにより調製した。数時間後、溶出モジュールを、ピペットを使用して、バッファー(0.5X KBB、sage science;51mM Tris塩基;24mM Taps;0.08mM EDTAを含有する0.5X KBB)で充填し、ポートホールを通じて中央区画に液体を加えた。
膜が溶出モジュールにしっかりと結合していることを実証するために、ポートホールの上部で液体を押圧することによって、僅かな圧力をかけた。
バッファーを、ピペッターを使用して吸引し、溶出モジュールを、ペーパータオルでのプラスチックおよびDuraporの吸い取りにより注意深く乾燥させる;PES表面には触れなかった。
Duraporが乾燥している場合は、溶融アガロース溶液が添加されるとき、アガロースが毛細管作用によってDurapor内に取り込まれ、それによってアガロースと膜との間に耐久性のあるタイトなシールが形成されると考えられる。
図9Aは、溶出モジュール1およびキャスティングダム3を備えたベース2を示す。キャスティングダムは、ダムと溶出モジュールとの間の隙間4が10mmとなるような大きさにする。
図9Bは、使い捨てパスツールピペット5で加えられる溶融アガロース溶液(0.5X KBBバッファー(Sage Science)中の0.75%wt/v seakem goldアガロース(Lonza);アガロースは加熱により溶解され、溶液は、摂氏65度で、使用前に数日間まで保管される)を示す。
アガロースを、棚3のレベルになるように加える(図4A〜B、さらに図1A〜C、7、図11A〜C、7を参照)。
アガロースが冷却してゲルを形成した後、キャスティングダムを取り除き(図9C)、キャスティングダムとベースとの間の狭い空間に埋まった余分なアガロース7を使い捨てメスで取り除く。
この実施例では、溶出モジュールを、単にベース内に押圧した;同一の手順を、モジュールが2本のねじでベースに固定されることを除く、ねじ穴を有するモジュールに使用する。
(実施例2)一次元デバイスを使用した精製DNAのサイズ分画
この実施例では、精製DNAを単純で迅速なハイスループット線形デバイスを使用してサイズ分画できることを実証する。
カセットの調製
溶出モジュールを、M2ねじでベースを固定したことを除いて、実施例1に記載されるように調製した。
膜は、Durapore PVDF HVPP 0.45μm Roll Stock(EMD Millipore、Chicago IL)およびPES Biomax 10kD 27インチSF1J007A10)である。アガロースを、実施例1に記載されるようにキャストし、アガロースがゲル化後、キャスティングダムを取り除き、0.5X KBBバッファーをバッファーチャンバ(図4B、4a 4b)に加え、バッファーを溶出モジュールの試料区画に加えた。
電極を加え、Pippin Pulse電源(Sage Science)に接続した。
デバイスを、50V DCでDurapor側の陽極で数分間実行させて、デバイスを調整した。電流(BK precision Mini−Pro Digital Multimeter Model 2405Aで測定)は、4.5mAであった。
試料の調製
20マイクロリットルのラムダDNA(カタログ番号N3013、New England Biolabs、Ipswich MA、500マイクログラム/mL)と、20マイクロリットルの2ログラダー(カタログ番号N3200、New England Biolabs、Ipswich MA、1,000マイクログラム/mL)と、410マイクロリットルのTEバッファー(TEバッファーは、10mM Tris HCl pH7.5および1mM EDTAを含む)とを混合する。DNA濃度をQubit HSアッセイ(カタログ番号:Q32851 ThermoFisher)で決定した;結果は、52ナノグラム/マイクロリットルであり、ベンダーの仕様に基づいて予測される値の78%である。
試料ローディングおよびDNA分画
溶出モジュール試料区画を、ピペットを使用して空にし、430マイクロリットルの試料、2マイクロリットルのキシレンシアノール色素溶液(10ミリグラム/mL)および100マイクロリットルのTEを試料区画に加え、溶液を穏やかに混合した。
電気泳動を、50V DCで、Pippin Pulse電源を使用して、アガロース被覆Duraporの隣のバッファーチャンバ内の陽極を用いて、40分間行った。
15分間で、キシレンシアノール色素がDuraporの隣のアガロースゲル内に広域バンドを形成していることが観察される:バンドは40分間でゲルの端部に移動する。電流は、実行の間に4.5mAから2.5mAへと低下する。
溶出モジュールのバッファーを回収した(画分1);溶出モジュールを0.5x KBBでリンスした(画分2);溶出モジュールを0.5X KBBで充填し、ポートホールをゴム栓で封止した。
バッファーチャンバを0.5X KBBで2回リンスし、次いで新鮮なバッファーで再充填した。
依然としてアガロースゲルにあるDNAは、電気泳動によって回収した:PES側を陽極で50V DCを10分間、次いで4ミリ秒フォワード/4ミリ秒リバースのパルスプログラムを使用して1分間(Pippin Pulseソフトウェアにおいて、波形パラメータの値は4/4/0/0/0/0/1000であった)、次いで、DNAを膜から引き離すために、PES側を陰極で25V DCを8秒間。
溶出モジュール中のDNAを画分3として回収した。
溶出ステップをさらに4回繰り返し、材料を画分4〜7として回収した。
異なる画分中のDNAの濃度をQubit HSアッセイを使用して決定した−図14参照。
DNAをアガロースゲル電気泳動(0.75% seakem gold(Lonza)、0.5X KBBバッファー(Sage)、Sage Pippin Pulse電源100V DCを120分間使用)によって調べた;ゲルを臭化エチジウムで染色し、UV透視法で撮影した。サイズ分画されたDNAのアガロースゲルを図15に示す。
結果
アガロースゲル電気泳動によって示されるように、出発材料は、0.1〜48.5KBpのサイズの範囲の断片からなる。サイズ分画が生じる場合、より小さい断片の損失があるはずである。見られるように、2Kbp未満の断片は溶出DNAで回収されず、したがって2〜3Kbpの間のカットオフを有するサイズ分画が実証される。Qubitアッセイにより、39%のインプット試料を回収した。
(実施例3)精製DNAのサイズ分画
カセットを、実施例2に記載されるように調製した。
全体積450μLの試料は、7,000ナノグラムのE coliゲノムDNA(Lofstrand Laboratories)および18,000ナノグラムの2ログラダー(New England Biolabs、Ipswich MA、0.1〜10kbpのサイズの一連の分離したバンド)を含有した;DNAを、TEバッファーに希釈する(10ミリモルのTris HCl、pH7.5;1ミリモルのEDTA)。
試料を溶出モジュールにロードし、100マイクロリットルのTEバッファーを加え、混合後、15マイクロリットルを取り、画分0(インプット)として保存した。
DNAを、電気泳動により、pippin pulseコントローラを使用して、EMのDurapor側を陽極で、以下のスケジュールを使用して、サイズ分画した:
10分、DC、50V
110分、パルスフィールド、40V。パルスフィールドは、Pippin Pulseソフトウェアに入力された次の値によって定義した:150、50、30、10、3、1、81。
電気泳動のDC部分の間、溶出モジュール内の体積は減少し、7分で、240マイクロリットルの0.5X KBBを加えた。
サイズ分画ステップの終了時に、溶出モジュールの内容物を回収し、サイズステップの後、画分1として保存した。
次いで、DNAを、アガロースゲルから溶出モジュールへ溶出した。
以下の電気泳動スケジュールを、PES側を陽極で使用した。
溶出モジュール中の材料を回収し、画分3、第1の溶出液として保存した。
溶出プロセスをさらに3回繰り返した。
結果
Qubitアッセイ−図16。
ゲル電気泳動−図17(文字なしの画像を図29に示す)、図18。
このことは、所望の高分子量E coliゲノムDNA(約30Kbpの質量中心)を、所望しない低分子量DNA(2ログラダー)と混合し、次いで、サイズ分画したとき、約12kbpより小さい断片が除去されたことを示す。
これは、サイズ分画カットオフが、使用した電気泳動の条件に依存していることを実証する。
(実施例4)細菌DNAの単離
デバイスの調製
2つのカセットを、Durapor膜の隣のアガロースゲルカラムが0.5cm長であることを除いて、実施例1に記載のように調製した。
細菌増殖およびスフェロプラスト形成のための条件
MG1655株(ATCC 700926)を、1%グルコース、1ミリモルのチアミン、0.2ミリモルの硫酸マグネシウム、0.1ミリモルの塩化カルシウム、0.1%5−フルオロオロト酸、および20μg/mLのウラシルを含むM9最小プレートで増殖させる。
一晩培養物は、単一コロニーを5〜40mLのトリプチカーゼ大豆ブロスに接種し、そして細胞を振盪させながら摂氏37度で一晩増殖させることによって作製される。
スフェロプラストを、E coli細胞をリゾチームとインキュベートすることによって調製する。
リゾチーム(Epicentre、Ready−Lyse(商標)リゾチーム溶液、カタログ番号R1804M、37,500単位/μL)を、2.5マイクロリットルのリゾチームを、100マイクロリットルのTES20+BSAバッファーと混合することによって、1:40希釈した。TES20は、10ミリモルのTris7.5;1ミリモルのEDTA;100ミリモルのNaCl;20%w/vのスクロースである。TES20+BSAは、1mLのTES20プラス5マイクロリットルのBSA(New England Biolabs、Ipswich MA、20ミリグラム/mL)である。
溶解に必要とされるリゾチームの量を以下のように決定した。一連のチューブを以下のように調製した:1.7mLの微量遠心チューブに、800マイクロリットルのACPS20バッファー(10ミリモルのTris HCl pH7.5;5ミリモルのEDTA;20%wt/vスクロース)を加え、次いで500マイクロリットルのE coliの一晩培養物を加えた。チューブを混合し(ボルテックスミキサー)、細胞を遠心分離(14,000×gで1分間)によってペレット化した。上清をデカントし、細胞ペレットをボルテックスすることによって、100マイクロリットルのACPS20に再懸濁した。図19に示されるように、異なる量のリゾチームを加え、アリコートを取って水に1:10希釈することによって溶解を確認した;溶解した細胞は透明な溶液を形成するが、未溶解の細胞は希釈に際して濁った溶液を形成した。
リゾチームおよびアクロモペプチダーゼの混合物中の細胞の溶解(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第4,900,677号につき)。1mLあたり1ミリグラムのBSA(New England Biolabs、Ipswich MA)の水溶液、100マイクロリットルを、アクロモペプチダーゼ(Sigmaカタログ#A3422、25,000単位、1ミリグラム)の1つのバイアルに加えた。
アリコートを作製し、摂氏−20度で保管した。
一連のチューブを上述のように調製し、図20に示されるように、リゾチーム(lysozme)およびアクロモペプチダーゼを加えた。溶解は、水に希釈することにより、上記のように確認される。
結果は、それ自体(チューブ12)では、アクロモペプチダーゼは細胞を溶解しないが、ACPはリゾチームと相乗的であり、例えば、図20のチューブ7〜9は、図19のチューブ1〜3より高度に溶解されることを示す。
スフェロプラストの調製およびDNAの単離
細胞の2本のチューブを上述のように調製した。チューブ1には、1.5マイクロリットルの希釈したリゾチームを加え、チューブ2には、1.5マイクロリットルのリゾチームと1マイクロリットルのACPを加えた。チューブをボルテックスし、40分間室温で放置した。
試料
溶出モジュールに、100マイクロリットルのスフェロプラストと300マイクロリットルのACPS20バッファーとの混合物をローディングした。溶出モジュールを充填した後、10マイクロリットルを引き抜き、190マイクロリットルのQLB(Qubit溶解バッファー、0.5× KBB、1重量/体積%SDS、5ミリモルのEDTA、50ミリモルのNaCl)中に希釈した;チューブを室温で放置した。
追跡用色素として、10ミリグラム/mlのフェノールレッド1マイクロリットルを、各溶出モジュールに加え、内容物を穏やかにピペットで混合した。
スフェロプラストは、電気泳動(40V DC、20分間、Durapor側を陽極)で、アガロース被覆膜に絡まった。この期間の間に、フェノールレッドは、溶出モジュールから出て、広域バンドとしてアガロースに移動した。
溶出モジュールに、100マイクロリットルの10%SDSを加え、溶液を混合し、上記のように電気泳動を40分間継続した。
数分後、溶出モジュール内の液体の体積が増加したことが観察された。溶出モジュールの上部のポートホールを、ゴム栓で封止した。
SDSの添加後の体積の増加は、電気浸透によるものであり、液体の正味の変化は、電気浸透の正味のバランスを反映していると考えられる。電気浸透は、固定電荷によるものである。最初のステップの間、電荷の大半は、PES膜上の負電荷である。結果として、水の正味の流れは、PES膜を通り、溶出モジュールを外れる。
SDSを加えた後、DNAをin vivoで被覆する正のタンパク質が除去される。長いDNA分子は、動かず、高い正味の負電荷を有することから、チャンバ内に液体を移動させる電気浸透ポンプとして機能する。
電気泳動ステップの終了時に、バッファーチャンバを0.5X KBBを除去し、再充填することによって洗浄した。ゴム栓を溶出モジュールから取り外し、内容物を吸引し、画分1として保存した。
溶出モジュールを0.5x KBBで2回リンスし(画分2)、次いで500マイクロリットルの酵素反応バッファーでリンスした(画分3)。酵素反応バッファー(ERB)は、0.5x KBB;32ミリグラム/mLヒドロキシプロピルベータシクロデキストリン[ACROS Organics、97%、カタログ#297560250、CAS 128446−35−5];10ミリモルのMg(Cl)2;50マイクログラム/mL BSA)である。
次いで、溶出モジュールを、500マイクロリットルのERBで充填し、これに5マイクロリットルの20ミリグラム/mL BSA(New England Biolabs、Ipswich M))、1.5マイクロリットルのfragmentase酵素(New England Biolabs、Ipswich MA);および1マイクロリットルのT7エンドヌクレアーゼI(New England Biolabs、Ipswich MA)を加えた。室温で30分後、15マイクロリットルの500ミリモルのEDTAを溶出モジュールに加え、内容物を混合し、溶液を取り出した(画分4)。溶出モジュールを0.5X KBBでリンスし(画分5)、同じバッファーで再充填した。消化したDNAを、電気泳動(50V DC、2分、PES側が陽極;4ミリ秒のフォワード/4ミリ秒のリバースのパルス列で30秒)によって回収した。溶出モジュールの内容物を取り出し、画分6/溶出1として保存した。
溶出プロセスをさらに2回繰り返し、画分7/溶出2および画分8/溶出3を生成した。
画分のQubit分析
各画分中のDNAの濃度を、Qubit HSアッセイを使用して測定した。
画分0、インプットのQubit HSアッセイから、溶出モジュールに加えられたスフェロプラストのDNAの全量は40マイクログラムであった。
図21に示されるように、リゾチームで処理した細胞から溶出画分に回収されたDNAの量は、5,492ナノグラム、インプットの11%であった。
他の画分で回収されたDNAの量は7%であった。画分4および5に回収されたDNAは非常に少なかった(1%);このことは、fragmentaseで消化した後、DNAが依然としてアガロースに絡まっており、試料区画に拡散されるように遊離していないことを示す。
同様の結果が、リゾチームおよびアクロモペプチダーゼの両方で処理した細胞で得られた(図21)。
アガロースゲル電気泳動によるDNAの分析
図22A:アガロースゲル電気泳動によるE coliDNAの分析。
0.75% seakem goldアガロース(Lonza);0.5X KBB(Sage);Pippin Pulse(Sage)を、以下の波形パラメータで使用した:150;50;30;10;3;1;48。
ゲルを、80ボルトで8時間、実行させた。
DNAの大部分は、約45Kbpの限界移動度でバンドとして移動する。
図22B:アガロースゲル電気泳動によるE coliDNAの分析。
0.75% seakem goldアガロース(Lonza);0.5X KBB(Sage);Pippin Pulse(Sage)を、以下の波形パラメータで使用した:300;100;30;10;30;10;45。
ゲルを、80ボルトで12時間、実行させた。
図23を参照。
アガロースゲル電気泳動によって分析したoneDからのE coliDNA。
1% SGKゲル、BioRad CHEF mapperを含む0.5X KBB、プログラム分子量:低50K、高1000K;勾配:6V/cm;角度:120;実行時間:14:54;初期切り替え時間:6.75秒;最終切り替え時間:1分33.69秒;ランピング要因:リニア
(実施例5)白血球からの高分子量DNAの単離。
デバイス
図7A〜Bに示されるように、蓋1をベース2にはめ込む;シリコーングリースを棚4に塗布する。蓋は、バッファーチャンバを、溶出モジュールを介してのみ連絡することができる別個の陽極および陰極区画に分割する役割を果たす。
また蓋は、アガロースゲルの上部表面を確定する役割を果たす。
組み立て体
グリセロール/EtOHの溶液を、溶出モジュールのPES膜に適用する。EtOHの蒸発後、溶出モジュールに0.5X KBBバッファーを充填し、漏れについて調べる。次いで、溶出モジュールを、バッファーを除去し、ペーパータオルで注意深く吸い取り乾燥することによって乾燥させる;溶出モジュールをベースに置く。
少量のシリコーングリースをベースの棚に塗布し、蓋を追加する;組み立て体をばねクランプで一緒に保持する。キャスティングダムを使用して、Durapor膜の隣にアガロースブロックを形成する;アガロースがゲル化後、5mm長のブロックにトリミングする。
次いで、デバイスにバッファーを充填し、50V DCで、Durapor側を陽極で、数分間、実行させる。電流は4.3mAであることが観察される。
白血球
全てのステップは、摂氏4度。
白血球(本明細書で「WBC」とも称される)をヤギ全血(Lampire、3599 Farm School Rd、Ottsville、PA 18942)からACD抗凝固剤を用いて調製する。37mLの冷RBC溶解バッファー(1Xバッファーは、155ミリモルの塩化アンモニウム;10ミリモルのNaHCO3;1ミリモルのNa2EDTAである)に10mLの全血を添加した;チューブを反転により混合し、時々混合しながら摂氏4度で5分間インキュベートした。WBCを、遠心分離(2,400×gで4分)により回収する。
上清をデカントし、白血球の赤みがかったペレットを20mLのRBC溶解バッファー中に再懸濁(ボルテックス)することによって洗浄し、2,200×gで2分間、遠心分離した。
細胞ペレットが赤色のトレースのみを有するまで、洗浄ステップを2〜3回繰り返す。
細胞を、1.5mLのFSE(50%v/v Sage Ficollローディングバッファー;80ミリグラム/mLスクロース;10ミリモルのEDTA)中に再懸濁し、濾過する(40ミクロン滅菌セルストレーナー、Fisher Scientific、カタログ#22363547)。
白血球は、数日間、摂氏4度で保管することができる。細胞懸濁液が、均質なクリーム状の溶液でない場合には、ボルテックスまたは再濾過する。再濾過した場合、細胞またはDNAの濃度は再測定する必要がある。
Qubit HSアッセイを用いたDNAの定量
チューブを回転させることによってWBCを穏やかに混合し、10マイクロリットルを微量遠心チューブに移し;次いで190マイクロリットルのQubit溶解バッファーを加え、ピペッティングで混合する;溶液はスノッティになる。摂氏58度で10分間インキュベートする。室温まで冷却し、600マイクロリットルのTEを加え、フルスピードで10秒間ボルテックスする。
0.5〜1マイクロリットルの溶解した細胞ミックスをQubit HSアッセイでアッセイする。DNAの予想濃度は、200〜300ナノグラム/μLである。
細胞計数による細胞の定量
BioRad TC20自動細胞計数器を使用して、全細胞数および生存パーセントを、トリパンブルーを用い、ベンダーの指示にしたがって決定した。
細胞をロードし、DNAを単離する
試料を調製するために、75マイクロリットルのWBC(69,000細胞/μL、DNA1マイクロリットルあたり公称416ナノグラム、6ピコグラム/細胞と推定)を、350マイクロリットルのSEKバッファー(0.5x KBB;5ミリモルのEDTA;80ミリグラム/mLのスクロース;10マイクログラム/mLフェノールレッド)と混合し、溶出モジュールに加える。
この溶液中のDNA(インプット)の濃度を決定するために、2つの10マイクロリットルのアリコートを引き抜き、190マイクロリットルのqubit溶解バッファーに加えた;溶液をボルテックスし、Qubit HSアッセイを用いてアッセイするまで室温で保管した。
試料を、50V DCで、Durapor側を陽極で、13分間、電気泳動した。13分後、150マイクロリットルの10%SDSを溶出モジュールに加え、溶液を穏やかに混合した。20マイクロリットルのアリコート(画分0)を取り、190マイクロリットルのqubit溶解バッファーに加え、DNAの濃度を決定した。
溶出モジュールを栓で封止し、電気泳動を50V DCでさらに10分間継続した。バッファーチャンバ内のバッファーを交換し、電気泳動をさらに10分間継続した。
溶出モジュールの内容物を取り出し、12マイクロリットルの500ミリモルのEDTAを加えた;これを画分1、SDS後とする。溶出モジュールをKBBでリンスし、液体を、画分2、SDSリンス後として保存した。
バッファーチャンバを3回リンスしてSDSを除去し、新鮮なバッファーをバッファーチャンバに置いた。溶出モジュールを、500マイクロリットルのERBでリンスした(画分3、ERBリンス)。DNAを、500マイクロリットルのERBを加えることによって消化し、これに5マイクロリットルの20mg/mL BSA(New England Biolabs、Ipswich M))、1.5マイクロリットルのFragmentase酵素(New England Biolabs、Ipswich MA)、および0.5マイクロリットルのT7エンドヌクレアーゼI(New England Biolabs、Ipswich MA)を加えた;インキュベーションを、摂氏37度で10分間行った(デバイス全体を、恒温アルミニウム板(Benchmark、「myBlock」ドライブロックヒータユニット)上に置いた)。インキュベーションの最後に、15マイクロリットルの0.5MのEDTAを溶出モジュールに加え、内容物を穏やかに混合し、溶液を溶出モジュールから吸引し、画分4、ERBとして保存した。
次いで、DNAを電気溶出によって回収した;溶出モジュールを、500マイクロリットルの0.5X KBBおよび5マイクロリットルの0.5M EDTAで充填し、電圧を印加した(50V DC、90秒、Durapor側を陽極);溶液を、画分5、溶出1として回収した。
溶出モジュールを、0.5x KBBで再充填し、DNAを、2分間、50V DCで溶出した。
溶液を保存した(画分6、溶出2)。溶出モジュールを再充填し、電気泳動を4分間適用し、25V DCで、Durapor側を陽極で5秒間印加した(逆電流パルス、DNAをPES膜から引き離すため)。デバイスを、蒸発を防ぐために覆って、一晩室温で放置し、溶出モジュール中の材料を翌日回収した(画分7、溶出3)。
結果
各画分中のDNAの量を、Qubit HSアッセイを使用して決定した。
図24を参照。
図25に示されるように、20,663ngのDNAを溶出モジュールにロードし、50V DC、Durapor側を陽極で13分間の電気泳動後、33%のDNA(6,800ng)のみが、SDSを加えた後に回収しうる形態で溶出モジュールに存在した。このことは、DNAが、何らかの形態でDuraporまたはアガロースのいずれかまたはその両方に結合したかまたは絡まり、このDNAが、洗浄(画分2、3)または酵素による処置(画分4)では放出されなかったことを示唆する。
結果は、39%(8,100ng)のインプットDNAが溶出で回収できたことを示している。
各画分のDNAのサイズを、アガロースゲル電気泳動によって決定した。
30マイクロリットルの画分4、5、6および7をパルスフィールドアガロースゲル(BioRad CHEF mapper;プログラムは50〜1,000KBp断片の分離のためのデフォルトであり、時間係数は0.5である)で分析した;ゲルは、0.5X KBBバッファー(Sage)中0.75% seakem goldアガロース(Lonza)である;実行温度は摂氏14度である。
結果は、およそ160(画分5)〜300kb(画分6)に質量中心を有する高分子量DNAが得られたことを示す。画分7では、一部のDNAが、限界移動度(このゲルシステムでは約2Mbp)で視認される。
(実施例6)白血球からの高分子量DNAの単離
この実施例では、バッファーチャンバが1つである−つまり陽極バッファーチャンバと陰極バッファーチャンバとの間に障壁が存在しない−デバイス構成を使用して、白血球からの迅速で高収率のDNA回収が実証される。
デバイス組み立て体
図26Aに示されるように、溶出モジュールをベースに挿入し、キャスティングダムを溶出モジュールからおよそ5mmに手動で置いた;アガロースをピペットで加え、蓋棚までの空間を充填した。
アガロースがゲル化後、ダムを取り除き、バッファー(0.5x KBB)を加え、溶出物のほぼ頂部までバッファーチャンバを充填した;バッファーは棚上の溶出モジュールの側面周りを自由に流動する。
溶出モジュールは、使用前にバッファーで充填されている。
溶出モジュールがしっかりと所定の位置にあることを確実にするために、図26Bに示されるように、ばねクランプを加えた。
使用中のデバイス;ベースは、冷却のために金属ブロックの上に載せている;白金ワイヤを備える2つの電極ホルダーが示される;クランプは、溶出モジュールを所定の位置に保持している。
バッファーは、溶出モジュールの側面周りの2つの電極の間を流動することができる。
試料
実施例3に記載したように、ヤギ全血からWBCを調製した。細胞の2つのアリコートをTBS中に希釈し、製造業者の説明書にしたがって、BioRad細胞計数器で計数した。結果は以下の通りであった:
(1)細胞あたり6pgのDNAと推定
細胞を摂氏4度で一晩保管し、次いで、再計数した。
41マイクロリットルの細胞(20マイクログラムのDNA)を、290マイクロリットルのSEKバッファー(0.5x KBB;5ミリモルのEDTA;80ミリグラム/mLのスクロース;10マイクログラム/mLのフェノールレッド)と混合し、溶出モジュールに加えた。DNA(「インプット」)の開始濃度を決定するために、2つの10マイクロリットルのアリコートを取り、各アリコートを190マイクロリットルのQLB(Qubit溶解バッファー、0.5x KBB、1%SDS、5ミリモルのEDTA、50ミリモルのNaCl)に希釈した;試料を混合し、室温で保管した。
細胞を、アガロース被覆Duraporに電気泳動した;電気泳動は、50V DC、溶出モジュールのDurapor側を陽極で行った。電流は、6.2mAであった。
8分30秒後、電気泳動を一時停止した;SEK中のフェノールレッド色素は、溶出モジュールから出てアガロースを広域バンドとして通って途中まで移動した。
溶出モジュールに、80マイクロリットルの10%SDSおよび160マイクロリットルの0.5X KBBを加えた;溶出モジュール内容物を穏やかに混合し、ポートホールをゴム栓で封止した。
電気泳動を50Vで再開;電流は、9.8mAであった;40Vに切り替えた;電流は、7.6mAであった。
SDSの溶出モジュールへの添加は、通常、電流を上昇させることが観察される。ジュール熱は電流に比例するので、電圧を、過熱を回避するために減少させる。
電気泳動を合計で20分間継続し、次いで、一時停止する。
ゴム栓を外し、溶出モジュールから10マイクロリットルを取る;90マイクロリットルのQLBに画分1として加える、「SDS溶解後ステップ」。
バッファーチャンバを新鮮なバッファーで3回リンスし、SDSをデバイスから取り除く。
溶出モジュールをバッファーで2回リンスし、画分2、「SDSリンス後」として保存する。
3回目をKBBでリンスし、画分3として保存する、「SDSリンス後」。
500マイクロリットルのERB(5x KBB;32ミリグラム/mLヒドロキシプロピルベータシクロデキストリン;10ミリモルのMg(Cl)2;50マイクログラム/mL BSA)を、5マイクロリットルの20mg/mL BSA(New England Biolabs、Ipswich MA))、1マイクロリットルのT7エンドヌクレアーゼI(New England Biolabs、Ipswich MA))、および1マイクロリットルのFragmentase(New England Biolabs、Ipswich MA))と混合する;ERB/酵素カクテルを溶出モジュールに加え、36分間室温で放置する。
溶液を回収する;15マイクロリットルの0.5M EDTAを加え、画分4「酵素ミックス」として保存する。
500マイクロリットルの0.5X KBBに、EDTAを25ミリモルまで、およびDTTを5ミリモルまで加える;溶出モジュールに加え、5分間放置する;回収し、画分5、「酵素洗浄後」として保存する。
400マイクロリットルのKBBを加え、DNAを電気泳動で溶出する(2分間、40V DC、Durapor側が陰極)。試料を回収し、画分6、「溶出1」として保存する。
溶出プロセスを繰り返す;第2の溶出が「スノッティ」であること、および高分子量DNAの指示を観察する;画分7、「溶出2」として保存する。
400マイクロリットルのKBBを溶出モジュールに加え、Pippin pulseコントローラを使用して、以下のプログラムでDNAを溶出した。
溶出モジュール中の材料を、画分8、「溶出3」として回収する。
結果
各画分中のDNAの量を、Qubit HSアッセイを使用して決定した。
図27を参照。
結論
データは、陽極および陰極区画に分割されていない単一のバッファーチャンバがある様式を使用して、インプットDNAの30%を回収できることを示す。
さらに、データは、溶出モジュール試料区画中の液体の体積が、電気泳動の間に変化することを示す。第1のステップの間に、細胞がアガロース被覆膜に移動し、それに絡まるとき、試料区画内の体積が減少する。
第2ステップの間に、SDSを加えた後、数分後に体積が増加し始めることが観察される。
本発明者らは、この体積の変化が、電気浸透によるものと考える。第1のステップにおいて、本発明者らは、固定電荷の大半がPES膜上の負電荷であると考える;これにより、水は、PESを通って、溶出モジュールの外へ排出される。
SDSの添加の後、染色体DNAは、正に荷電されたタンパク質(例えば、ヒストン)から解放される;結果として、動かない絡まった染色体DNAは、固定負電荷として作用し、バッファーを溶出モジュールへ送り込む。
(実施例7)仮想例:複数の試料を同時に実行するように設計されたデバイス
DNAを精製するための本発明者らのシステムの1つの利点は、多数の試料の取扱うために適応可能ということである。
多数の試料は共通しており(参照によりその全体が本明細書に組み込まれるLedford、Heidi、「AstraZeneca launches project tosequence 2 million genomes」、Nature: InternationalWeekly Journal of Science、532巻、427号、2016年4月28日)、したがって、数百または数千の試料を、確実に、迅速に、低コストで取扱うことができるシステムが必要とされている。
大きい試料容量に関する需要は、実験室の自動化のために販売されている多数の製品から明らかである(例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるTecan Liquid Handling and Robotics製品ライン)。
そのような製品は、液体の取扱い、カセットなどの使い捨て品の移動、データの収集および分析などのステップを自動化している。
図12〜13は、4つの試料を一度に分析することを可能にする4つの溶出モジュールを保持するように構成されたカセットを示す。カセットに4つの溶出モジュールをはめ込み、各溶出モジュールに1つで4つのアガロースゲルをキャストする;バッファーを加え、カセットを封止する。自動化されたアガロースゲルのキャスティング、カセットのバッファー充填およびカセット封止のための手順は、PippinおよびELF器具のためのカセットの製造に関してSage Scienceで利用されている(例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるSageHLS高分子量ライブラリーシステム、PippinHT DNAサイズ選択システム、SageELF試料分画システム、BluePippinサイズ選択システム、Pippin Prep DNAサイズ選択システム、SageHLS、PippinHT、SageELF、Pippin Prep、BluePippin)。
バッファーで充填され、封止されるカセットは、必要になるまで保管するために適している。
図13に示されるカセットのようなデバイスのための液体取扱ステップの自動化は、液体取扱ロボット(例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるTecan Freedom EVO(登録商標)Series)を用いて達成することができる。そのようなロボットは、図13に示されるもののように、様々な試料および試薬を保持し、使い捨てカセットに試薬を送達するように構成することができる。
これにより、DNAの単離に必要な全ての液体取扱ステップの自動化が可能である。
さらに、電極を提供する手段を使用してもよい。Sage Scienceは、可動蓋の上に電極を有する(HLS)器具を実証している。
(実施例8)3つのバッファーチャンバを備えるカセットでのSDSの電気泳動
図28を参照。
ベース4を、試料区画5およびポートホール6を備える溶出モジュール13にはめ込んだ。アガロース7のブロックを、実施例6に記載されるように、キャスティングダムを使用して溶出モジュールの隣にキャストした。
M2ねじ(ナイロン)8を、ねじ付き穴14に入れ、次いで、2つのキャスティングダムをベース4のねじ8の周りに置き、溶融アガロースを加えた:アガロースが固まってブロック9を形成した後、キャスティングダムを取り除き、バッファーチャンバ11をバッファーで充填した。
20分後、バッファーチャンバ10中に液体が非常に少ししか存在しないことが観察された。本発明者らは、アガロースブロック9が、バッファーチャンバ10と11とを分離するシールを形成していると推測する。
ねじ8およびねじ穴14のない同様の実験は、アガロースのブロック8がシールを形成しなかった。
試料区画5およびバッファーチャンバ10、11、12をバッファーで充填し、電極1、2、3を加えた。
少量の追跡用色素(キシレンシアノール)を、溶液が肉眼で容易に見ることができるように、試料区画に加えた。
Pippin pulse電源を使用して、電極2と3の間に、電極2を陽極で、50V DCを供給した。キシレンシアノール追跡用色素は、試料区画2から、アガロースブロック7を通って、バッファーチャンバ11内に移動したことが観察された。
次いで、pippin pulse電源を、電極1および2に電極1を陽極で接続し、50V DCを印加した。追跡用色素は、バッファーチャンバ11を出て、アガロースブロック7を通り、バッファーチャンバ10内へ移動することが観察された;バッファーチャンバ11中の溶液は、濃青色から透明に変化した。
本発明者らは、この逐次的な電気泳動が、負に荷電されたキシレンシアノール分子を電気泳動によって試料区画から輸送させ(キシレンシアノールは正味の負電荷を有する。参照によりその全体が本明細書に組み込まれるTer Ming Tan, Timothyら、「Gel Electrophoresis:DNA Science without the DNA!」、Biochemistry andMolecular Biology Education、第35巻、第5号、342〜349頁、2007年)、バッファーチャンバ10内に隔離させると推論する。
(実施例9)仮想例:カセットの洗浄なしのDNAの単離
実施例6では、高分子量DNAの単離を記載している。その例では、SDSを使用して細胞を除タンパクし、そしてSDSおよびSDS被覆タンパク質を、酵素消化が起こりうるように、ならびにSDSおよびSDS被覆タンパク質が溶出ステップの間に精製DNAを汚染しないように、カセットから除去する。
そのプロセスでは、SDSおよびSDS被覆タンパク質が溶出の間にDNAを汚染しないように、洗浄を使用して、SDSおよびSDS被覆タンパク質をバッファーチャンバから除去した。
この例では、洗浄が必要でないように、電気泳動輸送を使用して、SDSおよびSDS被覆タンパク質を隔離する。
カセットを、図28に関して説明されたように調製し、試料を、実施例6に記載されるように調製し、ロードする。
アガロース被覆膜に細胞を絡ませる電気泳動は、電極2、3(図28)を使用することを除いて、実施例6に記載される通りである。SDSを実施例6に記載のように加え、電気泳動を、電極2、3を使用する以外は実施例6に記載のように使用して、細胞溶解および除タンパクを生じさせる。
次いで、電流(50V DC)を、電極1と2の間に、電極1を陽極で、1時間印加し、SDSおよびSDC被覆タンパク質を、バッファーチャンバ11から、アガロースゲル9を通って、バッファーチャンバ10内へと輸送させる。
次いで、アガロース被覆膜に絡まっているDNAを、バッファーチャンバをSDS除去のために洗浄していないことを除いて、実施例6に記載されるように、fragmentaseで処理する。DNAを、電極2、3を電極3が陽極で使用することを除いて、実施例6に記載されるように回収する。
この実施例は、SDSまたは他の汚染物質を除去するためにカセットを洗浄する必要のない、細胞試料からの高分子量DNAの精製を示す。
他の出願
この出願は、さらに以下に関連している:
2016年6月15日に出願された米国特許出願第15/183,097号、
2014年6月5日に出願された米国特許出願第14/297,001号、
2013年1月28日に出願された米国特許出願第13/751,606号、
2010年4月14日に出願された米国特許出願第12/760,548号、
2009年10月8日に出願された米国特許出願第12/576,148号、
2009年2月5日に出願された米国仮特許出願第61/150,243号、
2008年10月8日に出願された米国仮特許出願第61/195,566号、
2017年3月20日に出願された米国特許出願第15/464,278号、
2013年10月10日に出願された米国特許出願第14/051,300号、
2013年2月20日に出願された米国仮特許出願第61/766,910号、
2012年10月15日に出願された米国仮特許出願第61/713,916号、
2012年10月12日に出願された米国仮特許出願第61/713,156号、
2017年4月14日に出願された米国特許出願第15/519,516号、
2015年10月15日に出願されたPCT出願第PCT/US2015/055833号、
2015年6月23日に出願された米国仮特許出願第62/183,514号、
2014年10月15日に出願された米国仮特許出願第62/064,454号
前述の出願は、参照によりその全体が本明細書に全て明示的に組み込まれる。
本出願において提示されている特許、特許出願、論文、ウェブページ、書籍などを含むがこれらに限定されない刊行物および他の文献の全ての参照は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
デバイス、システムおよび方法の例示的な実施形態が本明細書に記載される。他の箇所で述べたように、これらの実施形態は、例示の目的のためのみに記載されており、限定するものではない。本明細書に含まれる教示から明らかな他の実施形態も可能であり、本開示によって包含される。したがって、本開示の広さおよび範囲は、上述の実施形態のいずれによっても制限されるべきではなく、本開示によって支持される特許請求の範囲およびそれらの均等物によってのみ定義されるべきである。さらに、本開示の実施形態は、分子処理に対応する全ての要素を含む任意の他の開示された方法、システムおよびデバイスから全ての要素をさらに含むことができる方法、システムおよびデバイスを含むことができる。換言すれば、1つまたは別の開示された実施形態からの要素は、他の開示された実施形態からの要素と交換することができる。さらに、開示された実施形態のうちの1つまたは複数の特徴/要素を削除して、依然として特許性のある主題をもたらすことができる(したがって、本開示のさらなる実施形態をもたらすことができる)。これに対応して、本開示の一部の実施形態は、1つおよび/または別の参照/従来技術に開示されたシステム、デバイスおよび/または方法の1つまたは複数の要素/特徴を特異的に欠いていることにより、そのような先行技術と特許的に区別することができる。換言すれば、ある特定の実施形態への主張は、1つまたは複数の要素/特徴を特異的に排除して、そのような特徴/要素を含む先行技術と特許的に区別される実施形態をもたらす、負の限定を含むことができる。

Claims (22)

  1. 自動分子処理装置のための使い捨てカセットであって、
    ベースハウジングと、
    前記ハウジング内に配置された中央チャネルと、
    中央チャネルに収容され、前記中央チャネルを第1のチャンバと第2のチャンバとに分割するように構成された溶出モジュールと
    を備え、
    前記溶出モジュールは、
    近位側、遠位側、および前記近位側から前記遠位側へ通じる溶出モジュールチャネルを有する溶出モジュールハウジングと、
    前記中央チャネルを横断し、前記第1のチャンバの端部を形成している前記溶出モジュールの近位側に取り付けられた第1の膜と、
    前記チャネルの近位側に平行であり、前記第2のチャンバの端部を形成している前記溶出モジュールの遠位側に取り付けられた第2の膜と、
    前記溶出モジュールチャネルに流体連通し、試料を受けるように構成されたポートホールと
    を備える、使い捨てカセット。
  2. 前記ベースのスロット内にはめ込むように構成され、少なくとも1つの電極が前記第1のチャンバ内に配置され、少なくとも1つの電極が前記第2のチャンバ内に配置されるようにして電極を収容するように構成された、少なくとも2つの電極ホルダーをさらに備える、請求項1に記載のカセット。
  3. 前記第1の膜が、前記第2の膜より多孔性である、請求項1に記載のカセット。
  4. 前記第2の膜が、核酸分子を保持するように構成されている、請求項1に記載のカセット。
  5. 前記核酸分子が、DNAを含む、請求項4に記載のカセット。
  6. 前記溶出モジュールが、プラスチックを含み、前記第1の膜および前記第2の膜が、前記溶出モジュールの近位側および遠位側のプラスチックにそれぞれ熱融着されている、請求項1に記載のカセット。
  7. 前記第1および第2の膜が、流体の流れを実質的に遮断するように構成されている、請求項1に記載のカセット。
  8. 前記第1および第2の膜が、電流の印加時に分子を通過させるように構成されている、請求項2に記載のカセット。
  9. 前記第1のチャンバおよび前記第2のチャンバが、バッファー溶液を含有する、請求項1に記載のカセット。
  10. 前記溶出モジュールが、前記カセットに前記モジュールを固定する留め具を収容するように構成された開口部をさらに備える、請求項1に記載のカセット。
  11. 前記溶出モジュールが、前記カセットにクランプ取り付けするように構成されている、請求項1に記載のカセット。
  12. 自動分子処理装置で使用される使い捨てカセットのための溶出モジュールであって、前記カセットは、その中に配置された中央チャネルを備え、前記中央チャネルに対して、前記溶出モジュールは、前記チャネルを第1のチャンバと第2のチャンバとに分割するように置かれており、前記モジュールは、
    近位側、遠位側、および前記近位側から前記遠位側へ通じる溶出モジュールチャネルを有するハウジングと、
    前記第1のチャンバの端部を形成している前記溶出モジュールの近位側に取り付けられた第1の膜と、
    前記チャネルの近位側に平行であり、前記第2のチャンバの端部を形成している前記溶出モジュールの遠位側に取り付けられた第2の膜と、
    前記溶出モジュールチャネルに流体連通し、試料を受けるように構成されたポートホールと
    を備える、溶出モジュール。
  13. 前記第1の膜の多孔度が、前記第2の膜の多孔度より大きい、請求項12に記載のモジュール。
  14. 前記第2の膜が、核酸分子を保持するように構成されている、請求項12に記載のモジュール。
  15. 前記核酸分子が、DNAを含む、請求項14に記載のモジュール。
  16. ハウジングが、プラスチックを含み、前記第1の膜および前記第2の膜が、前記ハウジングのそれぞれの側に熱融着されている、請求項12に記載のモジュール。
  17. 前記第1および第2の膜が、流体の流れを実質的に遮断するように構成されている、請求項12に記載のモジュール。
  18. 前記第1および第2の膜が、電流の印加時に分子を通過させるように構成されている、請求項12に記載のモジュール。
  19. 前記カセットに前記モジュールを固定する留め具を収容するように構成された開口部をさらに備える、請求項12に記載のモジュール。
  20. 前記ハウジングが、前記カセットにクランプ取り付けするように構成されている、請求項12に記載のモジュール。
  21. カセットを調製するための方法であって、
    第1の端部と第2の端部とを有する中央チャネルを有するベースと、
    中央プラスチック片、前記中央プラスチック片の第1の側に取り付けられた第1の膜、および前記中央プラスチック片の第2の側に取り付けられた第2の膜を有する溶出モジュールと、
    ワイヤがそれぞれ接続されている少なくとも第1の電極ホルダーおよび第2の電極ホルダーと、
    前記中央チャネルの前記第1の端部と前記第1の膜との間の部分を遮断するように構成されたキャスティングダムと、
    前記中央チャネルの少なくとも一部を覆うように構成されたカバーと
    を用意することと、
    前記第1の端部および前記第2の端部から離間した前記溶出モジュールを前記ベースに取り付けることであって、前記第1の膜は、前記中央チャネルの前記第1の端部に面し、前記第2の膜は、前記中央チャネルの前記第2の端部に面している、取り付けることと、
    前記キャスティングダムを、前記キャスティングダムの遠位の端部と前記第1の膜との間に隙間が生じるように、前記中央チャネルの前記第1の端部に当接するように置くことと、
    前記隙間をアガロースで充填し、前記アガロースをゲル化することによって前記隙間をキャストすることと、
    前記キャスティングダムを取り除いて、前記第1の端部と前記アガロースゲルとの間の前記中央チャネルの一部を露出させることと、
    前記中央チャネルの前記第1の端部と前記第1の膜との間に前記第1の電極ホルダーを取り付け、前記中央チャネルの前記第2の端部と前記第2の膜との間に前記第2の電極ホルダーを取り付けることと、
    前記チャネルの前記一部を電気泳動バッファーで充填することと、
    前記第2の膜と前記中央チャネルの前記第2の端部との間の領域を、電気泳動バッファーで充填することと、
    前記カバーを前記ベースに取り付けることと
    を含む、方法。
  22. 標的分子を含む試料を、前記溶出モジュールに挿入することと、
    少なくとも前記標的分子を前記第1の膜に向けて移動させる電流を、前記電極ホルダーを介して印加することと、
    前記標的分子を、前記第1の膜でまたはその近傍で収集することと
    をさらに含む、請求項21に記載の方法。
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