JP2019532787A - 放射線療法の治療計画を選択するシステムおよび方法 - Google Patents

放射線療法の治療計画を選択するシステムおよび方法 Download PDF

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Abstract

患者のための、放射線療法の治療計画を選択する方法である。治療計画は、寝台の周りを回転することができるガントリを備える放射線照射システムによって実施され、その中で寝台は、ガントリに対して直線方向に移動可能である。寝台およびガントリの移動は、ピッチを有する螺旋状の照射経路を生成する。放射線照射システムはさらに、ガントリに結合され、放射線ビームを供給することが可能な放射線モジュールを備え、ここでビームは、放射線フルエンスに対応するビームウェイトを有する。この方法は、コントローラにより、所望の線量、所望の線量分布、および線量の制約を含むリストからの少なくとも1つを含む目標値を受け取るステップと、最適化されたピッチを得るためにピッチを最適化するステップと、最適化されたビームウェイトを得るためにビームウェイトを最適化するステップと、最適化されたピッチおよび最適化されたビームウェイトに基づいて、治療計画および線量を含む、後に続くリストから少なくとも1つを決定するステップと、治療計画および線量のうちの少なくとも一方を出力するステップとを含む。

Description

[0001]本発明は概ね、癌などの治療のための変調放射線療法に関し、詳細には、患者のための放射線療法の治療計画を選択する方法に関する。
[0002]放射線治療用の医療機器は、高エネルギー放射線で腫瘍組織を治療する。腫瘍組織が破壊されるのに十分な放射線を受けること、および周囲および隣接する非腫瘍組織への損傷が最小限に抑えられることを確実にするために、放射線量および放射線の位置を正確に制御するため、患者に対する治療計画が生成される。さらに、放射線が照射される手法(たとえば、角度、強度、持続時間)は、治療計画の質および効率に影響を及ぼし得る。
[0003]放射線治療のプロセスは、通常は、治療計画および治療の提供を含む。放射線治療のプロセスは、一般的に、コンピュータ断層撮影(CT:computed tomography)画像または磁気共鳴画像(MRI:magnetic resonance image)などの、患者の3次元画像の取得から始まる。次に、関連する解剖学的構造体が描写されるか、またはその輪郭像が取られる。こうした構造体は、照射されるべき標的領域、または放射線が最小化されるべき影響を受けやすい構造体として分類され得る。次いで、影響を受けやすい構造体への放射線を最小限に抑えながら、照射野への治療を最大化するように、最適化された治療計画が準備される。
[0004]治療計画は、腫瘍に放射線を照射しながらも、健康な臓器(たとえば、脊髄、心臓、直腸など)への放射線を避けるよう試みる。より具体的には、治療計画は、放射線の標的領域と、腫瘍の近くに位置する健康な臓器である、危険に晒される臓器との間の、線量の勾配を最大化することを目的としている。典型的には、ボリュームの大きい腫瘍は、適切に調整された放射線ビームの強度および形状を用いて、いくつかの相異なる角度から治療されることになる。腫瘍の部位上に集束する複数のビームを使用する目的は、周囲の非腫瘍組織の領域への線量を減らすためである。腫瘍が照射される角度は、腫瘍部位の近くで特に影響を受けやすい構造体への照射をもたらすことになる角度を、回避するように選択される。特定の腫瘍に対するビームの角度および強度は、その腫瘍に対する治療計画を形成する。
[0005]放射線治療の適用において、治療計画はまた、腫瘍内に均一の線量分布を供給するよう試みる。放射線療法の治療は、健康な細胞に回復の機会を与えながらも、癌性細胞に損傷を与えるために、分割と呼ばれる少量の増分で放射線を照射する。腫瘍内の均一な線量分布は、癌性細胞に損傷を与え、癌性細胞が増殖するのを防ぐのに十分な放射線を依然として照射しながらも、腫瘍内の健康な細胞に与える損傷を、回復可能なレベルに制限する。
[0006]治療計画が整うと、治療提供システムによって治療計画が実行され、治療提供システムによって処方された放射線が照射される。治療提供システムは通常、患者を支持する寝台、および寝台の周りを回転して様々な角度から腫瘍に放射線を照射する放射線源を具備するガントリを備える。ガントリが回転すると、寝台はガントリに対して直線方向に平行移動する。したがって、ガントリ上の放射線源から照射される放射線は、螺旋状経路に沿って照射される。螺旋状の照射経路は、ガントリが1回転する間に寝台が移動する距離の尺度である、そのピッチによって部分的に特徴づけられる。回転するガントリおよび平行移動する寝台によって作り出される螺旋状経路のピッチが、標的への線量分布の均一性、したがって治療計画の質および効率に大きく影響することが、研究により示されている。しかし、治療に適したピッチを選ぶことには、いくつかの困難な点がある。したがって、治療計画段階の間にピッチを最適化することで、治療提供を全体的に改善することができる。
本願発明の一実施例は、例えば、放射線療法の治療計画を選択するシステムおよび方法に関する。
[0007]本明細書で使用されるフルエンスは、放射線ビームに垂直な単位面積を横切る光子またはX線の数である。フルエンス率は、単位時間当たりのフルエンスである。強度は、単位時間当たりに単位面積を横切るエネルギーである。フルエンスおよび強度は、患者に起こることとは無関係であり、より具体的には、フルエンスおよび強度は線量ではない。線量は、組織に影響を与える放射線によって、組織に吸収されるエネルギー量である。放射線量はグレイ(Gy)の単位で測定され、ここで各Gyは、単位質量の組織に吸収される一定量のエネルギー(たとえば、1ジュール/kg)に対応する。線量はフルエンスと同じではないが、フルエンスが増減すると増減する。
[0008]本発明は、患者の放射線療法の治療計画を選択する方法に関する。治療計画は、寝台の周りを回転することができるガントリを備え、その中で寝台がガントリに対して直線方向に移動可能である、放射線照射システムによって実施される。寝台およびガントリの移動は、ピッチを有する螺旋状の照射経路を生成する。放射線照射システムはさらに、ガントリに結合され、放射線ビームを供給することが可能な放射線モジュールを備え、ここでビームは、放射線フルエンスに対応するビームウェイトを有する。この方法は、コントローラにより、所望の線量、所望の線量分布、および線量の制約を含むリストからの少なくとも1つを含む目標値を受け取るステップと、最適ピッチを得るためにピッチを最適化するステップと、最適なビームウェイトを得るためにビームウェイトを最適化するステップと、最適化されたピッチおよび最適化されたビームウェイトに基づいて、治療計画および線量を含む、後に続くリストから少なくとも1つを決定するステップと、治療計画および線量の少なくとも一方を出力するステップとを含む。
[0009]別の実施形態では、本発明は、開口を有するガントリ、および患者を支持するように構成され、開口内で直線方向に移動可能である寝台を備える放射線療法治療システムに関する。放射線モジュールは、ガントリと結合され、寝台の周りを回転可能であり、放射線モジュールは、患者の方へ放射線ビームを照射するように構成される。放射線ビームは、放射線フルエンスに対応するビームウェイトを有する。寝台の直線状の移動および放射線モジュールの回転が、放射線照射の螺旋状経路を生み出し、螺旋状経路はピッチを有する。コンピュータは、ガントリ、放射線モジュール、および寝台と通信する。コンピュータは、放射線照射モジュールのピッチを最適化し、放射線ビームのビームウェイトを最適化し、最適化されたピッチおよび最適化されたビームウェイトに基づいて、治療計画および線量のうちの少なくとも一方を決定し、治療計画および線量のうちの少なくとも一方を出力するように構成される、コントローラを備える。
[0010]さらに別の実施形態において、本発明は、患者の放射線療法の治療計画を選択する方法に関する。治療計画は、寝台の周りを回転可能なガントリであって、ここで寝台が、ガントリに対して直線方向に移動可能であるガントリと、ガントリと結合され、放射線ビームを供給することができる放射線モジュールであって、ここでビームは放射線フルエンスに対応するビームウェイトを有する放射線モジュールとを備える、放射線照射システムによって実施される。この方法は、コントローラにより、所望の線量、所望の線量分布、および線量の制約を含むリストからの少なくとも1つを含む目標値を受け取るステップと、第1のピッチおよび第1のビームウェイトを受け取るステップとを含む。この方法はさらに、コントローラにより、調整されるピッチを決定するために、第1の幾何形状を使用して第1のピッチを調整するステップと、コントローラにより、調整されるビームウェイトを決定するために、第2の幾何形状を使用して第1のビームウェイトを調整するステップと、コントローラにより、調整されたビームウェイトを、第2の幾何形状から第1の幾何形状に変換するステップと、コントローラにより、調整されたピッチおよび調整されたビームウェイトに基づいて調整される線量を計算するステップであって、ここで調整される線量は第1の幾何形状で表されるステップとを含む。
[0011]本発明の他の態様は、詳細な説明および添付図面を考慮することによって、明らかとなろう。
[0012]放射線療法治療システムの概略図である。 [0013]放射線療法治療システムの斜視図である。 [0014]図2に示す放射線療法治療システムで使用され得る、マルチリーフコリメータの斜視図である。 [0015]放射線療法治療システムで使用されるソフトウェアプログラムの概略図である。 [0016]本発明の実施形態による、患者のための放射線療法の治療計画を選択する方法の流れ図である。 [0017]本発明の実施形態による、治療療法システムを最適化する方法の流れ図である。 [0018]本発明の実施形態による、治療療法システムを最適化する方法の流れ図である。 [0019]本発明の実施形態による、治療療法システムを最適化する様々なサイクルを示す流れ図である。
[0020]本発明の任意の実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、以下の説明に示す、または以下の図面に示す、構造の詳細および構成要素の配置に限定されないことを理解されたい。本発明は他の実施形態が可能であり、様々なやり方で実施または実行され得る。また、本明細書で使用されている表現および用語は、説明を目的としており、限定すると見なされるべきではないことを理解されたい。本明細書における「含む」、「備える」、または「有する」およびそれらの変形の使用は、その後に列挙される項目およびその均等物、ならびに追加の項目を包含することを意味する。別段の指定または限定がない限り、「搭載された」、「接続された」、「支持された」、および「結合された」という用語およびその変形は、広く使用されており、直接および間接の両方の搭載、接続、支持、および結合を包含する。本明細書で「最適化する」、「最適化」、および「最適な」という使用する用語は、改善または向上を指すことを意味し、理想的または最良の結果に限定されるものではない。
[0021]本明細書で図の説明において、より上の、より下の、下方へ、上方へ、後方へ、底部、前部、後部などのような、方向への言及がなされることがあるが、こうした言及は便宜上(一般に見られるように)、図に対してなされる。こうした指示は、文字通りに解釈されること、またはいかなる形でも本発明を限定することを意図しない。さらに、「第1の」、「第2の」、および「第3の」などの用語は、説明の目的で、本明細書で使用されており、相対的な重要性もしくは意義を示す、または暗示することを意図するものではない。
[0022]さらに、本発明の実施形態は、論議の目的で、あたかも大部分の構成要素が単にハードウェアで実施されているかのように図示され、説明され得る、ハードウェア、ソフトウェア、および電子構成要素またはモジュールを含み得ることを理解されたい。しかし当業者は、この詳細な説明を読んでそれに基づいて、少なくとも1つの実施形態において、本発明の電子ベースの態様が、ソフトウェア(たとえば、非一時的なコンピュータ可読媒体に格納された)で実施され得ることを認識されよう。したがって、複数のハードウェアベースおよびソフトウェアベースの装置、ならびに複数の様々な構造的構成要素が、本発明を実施するために使用され得ることに留意されたい。さらに、そして後に続く段落で説明されるように、図に示される特定の機械的構成は、本発明の実施形態を例示することを意図しており、他の代替の機械的構成も可能である。
[0023]図1および図2は、本発明の一実施形態による、患者14に放射線療法を提供する、放射線療法治療システム10を示す。放射線療法治療システム10は、治療提供システム11および治療計画システム12を備える。放射線療法治療は、光子ベースの放射線療法、近接照射療法、電子ビーム療法、陽子、中性子、粒子療法、または他の種類の治療療法を含み得る。
治療提供システム
[0024]治療提供システム11は、ガントリ18を備える。ガントリ18は、放射線源24、および放射線のビーム30を発生させる直線加速器(またはLINAC)26を備える、放射線モジュール22を支持する。図2に示すガントリ18は環状のガントリ(すなわちガントリが、完全な環または円を作り出す、完全な360°の弧にわたって延在する)であるが、他の種類の装着構造もまた使用され得る。たとえば、C型の、部分的な環状のガントリ、またはロボットアームのガントリ構造が使用され得る。患者14に対する様々な回転位置および/または軸方向位置に、放射線モジュール22を配置することが可能な、他の任意の枠組みもまた使用され得る。さらに、放射線源24は、ガントリ18の形状に従わない経路で移動することができる。たとえば、図示されるガントリ18はほぼ円形であっても、放射線源24は円形でない経路を移動することができる。ガントリ18は、ガントリ18の位置および/またはガントリ18内の放射線モジュール22の位置を操作するように動作可能な駆動システム20を備える。本明細書で使用されているフレーズである「ガントリ回転」、「ガントリの回転」、および「ガントリの移動」は、ガントリ18の移動、またはガントリ18内の放射線モジュール22の移動のいずれかを指すことを意図している。駆動システム20は、コンピュータ74および/またはコントローラ75(これ以降、コントローラ)によって制御され得る。図示される実施形態のガントリ18は、治療中に患者14がその中に移動する、ガントリ開口32を画定する。
[0025]放射線モジュール22はまた、放射線ビーム30を変更または変調するように動作可能な変調装置34を備える。放射線源24によって生成されたビーム30は、変調装置34によって扇状ビーム30の形に整えられる。扇の形状のビーム30は、一緒にビーム30を形成する多くの相異なるビームレット30Aとして概念化され得る。他の実施形態では、ビーム30は異なる形状を有している。変調装置34は、放射線ビーム30を変調し、患者14の方へ放射線ビーム30を向ける。具体的には、放射線ビーム30は、標的38を含む患者14の一部の方へ向けられる。患者14はまた、放射線療法を受ける必要がある複数の部分を有することがある。その部分には、患者の身体全体が含まれ得るが、概して患者の身体全体よりは小さく、2次元の領域および/または3次元のボリュームで画定され得る。1つの部分は、1つまたは複数の関心領域を含み得る。たとえば、放射線を受けることが望まれる1つの部分は、標的38または照射野と呼ばれることがあり、関心領域の一例である。もう1種類の関心領域は、危険に晒されている領域である。1つの部分が危険に晒されている領域を含む場合、放射線ビーム30は、危険に晒されている領域からそらされることが好ましい。たとえば、標的38の方へ向けられている概念化されたビームレット30Aが、変調装置34を通過することができる一方で、危険に晒されている領域の方へ向けられている概念化されたビームレット30Aは、変調装置34によって遮断または制限され得る。
[0026]かかる変調は、強度変調放射線治療(「IMRT:intensity modulated radiation therapy」)と呼ばれることがある。IMRTは、本質的に、患者へ向けられるビーム強度を変更する、いくつかの放射線治療技術のための一般用語である。変調装置34は、空間的に、時間的に、またはその両方で、ビーム30を変更することができる。変調装置34は、図2に示されるコリメータ装置42を備え得る。コリメータ装置42は、そこを放射線ビーム30が通過することができる、開口50の大きさを画定し、調整する、1組の顎部46を備える。顎部46は、上側顎部54および下側顎部58を備える。上側顎部54および下側顎部58は、開口50の大きさを調整するために移動可能である。
[0027]一実施形態において、また図3で示される、変調装置34は、放射線ビーム30の強度変調を提供するために、第1の位置から第2の位置へ移動するように動作可能な、複数の組み合わされたリーフ66を具備する、マルチリーフコリメータ62(またはMLC)を備え得る。リーフ66は、最小開位置と最大開位置との間の任意の位置に移動することができることにもまた留意されたい。複数の組み合わされたリーフ66は、放射線ビーム30が患者14の標的38に到達する前に、放射線ビーム30の強度、大きさ、および形状を変調する。ビーム30の変調は、リーフ66を、順次単調に所望の位置に移動させて、特定のビームレット30Aを遮断または晒し、それによって全体として所望の形状のビーム30を実現することによって行われる。概念化されたビームレット30Aが晒される時間は、ビームレット30Aによって照射される放射線量を制御する、1つの手法である。リーフ66のそれぞれは、モータまたは空気弁などのアクチュエータ70によって独立して制御され、その結果リーフ66は放射線の通過を可能にする、または遮断するために、迅速に開閉可能である。アクチュエータ70は、コンピュータ74および/またはコントローラ75によって制御され得る。図示される実施形態において、アクチュエータ70は、ガントリ18を制御する駆動システム20の一構成要素である。
[0028]概念的に、リーフ66は、ビームレット30Aが、変調装置34を通過して標的38上に達するのをそれぞれ選択的に可能にする、または遮断するように、制御され得る。リーフ66を独立して制御することによって、変調装置34は、特定のビームレット30Aを遮断し、他のビームレット30Aを許容することができる。ある実施形態では、リーフ66は2進法的に動作し、それによってリーフ66は、全開位置から全閉位置に直接移動する。リーフ66が2進法的に動作するとき、変調装置34は、ビーム30の強度を時間的に変調するように構成されることが多い。ビーム30を時間的に変調することは、各リーフ66が開いたまま、または閉じたままでいる時間を制御すること、したがって各ビームレット30Aが晒されるおよその時間を制御することを含む。ビームレット30Aからより多くの放射線が望まれるほどに、リーフ66はより長く開いたままである。リーフ66が開いたままでいる時間は、リーフ開時間と呼ばれる。他の実施形態では、変調装置34は、ビーム30の強度を空間的に変調することができる。具体的には、リーフ66は、全開位置と全閉位置との間の様々な位置に移動して、通過するビームレット30Aの一部を、部分的に遮断または減少させることができる。ある実施形態では、変調装置34は、時間的および空間的変調技術の組合せを使用する。
[0029]ビームレット30Aが時間的または空間的に変調されているかどうかにかかわらず、各ビームは、ビームレットウェイトを有するように変調される。ビームレットウェイトは、放射線のフルエンス、および標的38によって受け取られる線量に対応する。サイノグラムは、ビーム30の変調に関する情報を含む。ビームレット30Aが時間的に変調されるとき、サイノグラムは、各リーフ66が全投射時間に対する開いている時間についての情報を含む。サイノグラムは次いで、放射線の照射を誘導するために使用される。以下にさらに詳細に説明されるように、ビームレットウェイトおよび対応するサイノグラムは、治療計画システム12によって計算され最適化される。
[0030]さらに図1を参照して、治療提供システム11はまた、検出器78、たとえば放射線ビーム30を受け取る、キロボルトまたはメガボルト検出器を備えることができる。直線加速器26および検出器78はまた、患者14のCT画像を生成するためのコンピュータ断層撮影(CT)システムとしても動作することができる。直線加速器26は、患者14内の標的38に向かって放射線ビーム30を放射する。ターゲット38は、いくらかの放射線を吸収する。検出器78は、標的38によって吸収される放射線量を、検出または測定する。検出器78は、直線加速器26が患者14の周りを回転し、患者14に向かって放射線を放射するときに、様々な角度からの吸収データを収集する。収集された吸収データは、吸収データを処理し、患者の身体組織および臓器の画像を生成するために、コントローラ75に送信される。画像はまた、骨、軟組織、および血管を示すことができる。
[0031]CT画像は、扇形の幾何形状、複数スライスの幾何形状、または円錐形ビームの幾何形状を有する、放射線ビーム30を使って取得され得る。さらにCT画像は、メガボルトのエネルギーまたはキロボルトのエネルギーを送達する、直線加速器26を使って取得され得る。また、取得されたCT画像が、以前に取得されたCT画像(放射線療法治療システム10、または他のCTスキャナ、MRIシステム、およびPETシステムなどの他の画像取得装置からの)と、位置合せされ得ることにも留意されたい。たとえば、患者14について以前に取得されたCT画像は、輪郭像を取るプロセスを通して作られた、識別された標的38を含み得る。患者14について新たに取得されたCT画像は、新たなCT画像内の標的38を識別するのを助けるために、以前に取得されたCT画像と位置合せされ得る。位置合せプロセスは、剛性または変形可能な位置合せツールを使用することができる。画像データは、3次元画像または一連の2次元画像として、ディスプレイ上に提示され得る。さらに、画像を含む画像データは、ボクセル(3次元画像用)またはピクセル(2次元画像用)であり得る。画像要素という用語は、概ね、両方を指すよう説明の中で使用される。
[0032]治療提供システム11はまた、患者14を支持する寝台82(図2に示される)などの、患者支持装置を備える。寝台82または少なくともその一部は、軸84に沿って照射野の中または外へ移動する。寝台82はまた、図2に示されるX軸およびY軸に沿って移動することができる。本発明の他の実施形態では、患者支持体は、患者の身体の任意の部分を支持するように適合される装置であり得る。患者支持体は、患者の身体全体を支持する必要があるものに限定されない。システム11はまた、寝台82の位置を操作するように動作可能な、駆動システム86を備えることができる。駆動システム86は、コントローラ75によって制御され得る。寝台82は、ガントリを通って定速で移動するように制御され得るか、または一定の間隔で開始および停止するように制御され得る。寝台82はまた、変化する速度でガントリを通って移動するように制御され得る。治療計画は、寝台82を定速で、または変化する速度でガントリを通って移動する、あるいは寝台82をある一定の間隔で開始および停止するように、コントローラ75に送達される命令を含むことができる。治療計画はまた、治療が提供されているときに、治療中の解剖学的構造の動きまたは患者の動きの予期せぬ変化に適応させるように、寝台の計画された動きを調整するために、「実行中に」調整され得る。こうした「実行中」の変更は、治療計画に組み入れられてもよく、または治療提供システムは、特定の治療の一部分についての変更を加えるだけでもよい。
[0033]治療提供中に、コントローラ75は、駆動システム20および86を制御して、ガントリ18および寝台82の位置をそれぞれ操作し、放射モジュール22が、様々な角度および側部から標的38の方へ放射線を向けることを可能にする。図示される実施形態において、コントローラ75は、駆動システム86を制御し、寝台82を軸84に沿って、ガントリ18の開口32の中へ、および外へ移動させる。それによって、寝台82は、ガントリ18に対して平行移動する。同時にコントローラ75は、駆動システム20を制御し、寝台82の周りのガントリ18および/または放射線モジュール22を回転させる。ガントリ18の回転移動および寝台82の直線状の平行移動は、共同で、放射線照射の螺旋状経路を作り出す。
[0034]放射線の螺旋状軌道は、部分的に、そのピッチによって特徴づけられる。螺旋のピッチは、螺旋の軸に平行に測定された、1つの完全な螺旋の巻きの高さとして定義される。図示される実施形態では、螺旋状軌道は、ガントリと寝台との組み合わされた動きによって完成される。したがって、本明細書に記載される治療提供システム11に関して、ピッチは、ガントリ18の回転運動に対する寝台82の直線運動の尺度である。言い換えれば、螺旋の特定のピッチは、ガントリ18と寝台82との、互いに対する移動を制御することによって実現され得る。
[0035]螺旋状放射線の照射に伴う1つの複雑さは、螺旋接合効果、すなわち「スレッド効果」である。螺旋状経路で放射線を照射するとき、ガントリ18が軸84の周りで様々な角度に回転するにつれて、放射線源24と標的38との間の距離(すなわち線源−標的箇所間距離)が変化する。これは、軸から外れた、ガントリ18の回転の軸84に沿って位置していないことを意味する、あらゆる標的38に当てはまる。図示される実施形態では、y軸84に沿って配置されていない任意の標的38は、ガントリ18がy軸の周りを回転するときに、線源−標的箇所間距離が変動することになる。線源−標的箇所間距離が変動するので、放射線のフルエンスもまたガントリ18の回転と共に変動し、照射される線量にリップル(すなわち、不均一性)を引き起こす。照射する線量のリップルは、一般的にはスレッド効果と呼ばれている。放射線を照射するために使用される特定の螺旋状経路、具体的には螺旋のピッチは、スレッド効果の程度に影響を及ぼし得ると判断されてきた。したがって、治療計画システムの一態様は、放射線療法を提供するために使用される螺旋状経路のピッチを最適化することを目的とする。
治療計画システム
[0036]治療計画システム12は、治療を受けている人14に対して、放射線療法を個人に合ったものにするために使用される。治療計画システム12は、標的38の特徴(たとえば、大きさ、位置など)およびあらゆる危険領域を識別するのを助ける。次いで治療計画システム12は、こうした特性に適合した治療計画を作成するのを助ける。治療計画は、処方された投与量、および線量ボリュームヒストグラム(DVH:dose volume histogram)などの線量分布を含むことができる。治療計画はまた、処方された投与量を投与するためのパラメータを識別することができる。たとえば、ある実施形態では、治療計画は、必要とされる放射線療法セッション数(すなわち、分割)の内訳、ならびに各セッションについての特定の治療計画および投与量を含む。さらに治療計画は、放射線療法を与えるための、治療提供システム11のパラメータを指定することができる。たとえば治療計画は、機械が、寝台82およびガントリ18の速度、ピッチ、ならびにリーフ開時間および/またはビームレットウェイトなどのリーフ変調パラメータを指定するための命令を有することができる。
[0037]ピッチは、スレッド効果を低減し、治療計画を最適化するために、治療計画段階の間に選択され得るパラメータの1つである。前述したように、放射線を照射するために使用される特定の螺旋状経路、具体的にはピッチは、治療計画の質および効率に影響を及ぼし得る。図示される実施形態では、ピッチは、ガントリ18の回転運動に対する寝台82の直線運動の尺度である。より具体的には、ピッチは、ガントリ18が1回転する間に寝台82が移動する、照射野の幅の分割として定義され得る。他の実施形態では、ピッチの定義は、螺旋状の照射経路が実現されるやり方によって異なり得る。たとえば、他の実施形態では、寝台を固定位置に保持しながら、ガントリを回転させ平行移動させることによって、螺旋状放射線照射が作り出され得る。
[0038]螺旋の最適なピッチを選択することは、スレッド効果を減少させ、より均一な放射線の分布が得られるという結果をもたらし得る。ビーム発散、逆二乗則、減衰、および円錐効果を含む、スレッド効果に影響を与える少なくとも4つの要因が研究によって確認されてきた。これらの要因は、各患者に対する、相異なる最適なピッチの値をもたらす。所与の治療計画では、スレッド効果を低減し、より均一な放射線の分布を生成するのを助ける、複数の最適なピッチの値があり得る。
[0039]最適なピッチを選択することは、ピッチを選択するときに考慮される要因の数によって困難になり得る。さらに、ピッチが最適なピッチの1つから僅かに異なる結果、線量の均一性および/または照射効率が急激に劣化する可能性がある。最適なピッチの選択において、ビームレット30Aを変調して最適なビームレットウェイトを選択するときに、別の困難が生じる。現在の多くのシステムでは、ピッチおよびビームレットウェイトを、片側だけ最適化することはできない。むしろ、いったんピッチが選択されると、ビームレット30Aは、選択されたピッチに基づいて変調される。後で異なるピッチを使用されるべきであると判断される場合、ビーム30の変調は、プロセスの始めから再開されることが多い。本明細書に記載される治療計画システム12は、ピッチおよびビーム30の変調の同時最適化を可能にする、放射線療法の治療計画を選択するためのシステムおよび方法を提供する。
[0040]治療計画システム12は、医療関係者によってアクセスされることになる、オペレータステーションとして具体化される、コンピュータ74を備える。コンピュータ74は、コントローラ75、ユーザインタフェースモジュール76、ディスプレイ77、および通信モジュール79を備える。コントローラ75およびユーザインタフェース76は、とりわけ、治療提供システム11の動作およびディスプレイ77上に提示される情報を制御するように動作可能な、ソフトウェアとハードウェアとの組合せを含む。
[0041]コントローラ75はたとえば、処理装置80(たとえば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、または他の好適なプログラム可能な装置)、メモリ81およびソフトウェアプログラム90を備える。処理装置80は、1つまたは複数の汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサなどの特定用途向けプロセッサ、あるいはコントローラまたは現場でプログラム可能なゲートアレイなどの他の種類のデバイスを表し得る。
[0042]コントローラ75、ユーザインタフェースモジュール76、ディスプレイ77、および通信モジュール79は、単一のサーバまたはコンピュータ処理装置の一部として示されているが、治療計画システム12の構成要素は、複数のサーバまたはコンピュータ処理装置にわたって分散され得ることを理解されたい。同様に、治療計画システム12は、複数のコントローラ75、ユーザインタフェースモジュール76、ディスプレイ77、および通信モジュール79を備えることができる。
[0043]メモリ81はたとえば、読み出し専用メモリ(「ROM:read−only memory」)、ランダムアクセスメモリ(「RAM:random access memory」)、電気的に消去可能でプログラム可能な読み出し専用メモリ(「EEPROM:electrically erasable programmable read−only memory」)、フラッシュメモリ、ハードディスク、SDカード、または他の好適な磁気式、光学式、物理的、もしくは電気式メモリデバイスを含む。処理装置80は、メモリ81に接続され、RAM(たとえば、実行中に)、ROM(たとえば、概して恒久ベースで)、または別のメモリもしくはディスクなどの別の非一時的なコンピュータ可読の媒体の中に格納されることが可能な、ソフトウェアプログラム90を実行する。追加的または代替的に、メモリ81は、処理装置80内に備えられる。コントローラ75はまた、コントローラ75内の構成要素と治療計画システム12の他の構成要素との間で情報を転送するためのルーチンを含む、入力/出力(「I/O:input/output」)システム85を備える。治療計画システム12の実施において含まれるソフトウェアは、コントローラ75のメモリ81に格納されている。ソフトウェアはたとえば、ファームウェア、1つまたは複数のアプリケーション、プログラムデータ、1つまたは複数のプログラムモジュール、および他の実行可能な命令を含む。コントローラ75は、とりわけ、以下で説明される方法に関連する命令を、メモリから読み出して実行するように構成される。
[0044]ユーザインタフェースモジュール76は、治療計画システム12をユーザが制御し、治療計画システム12に様々なパラメータを入力するように構成される。たとえば、ユーザインタフェースモジュール76は、ディスプレイ77上に提示された情報を制御するために、コントローラ75に動作可能に結合されている。一実施形態では、ユーザは、インタフェースモジュール76を使用して、治療計画を最適化し作成するために使用される、複数の機械パラメータおよび臨床データを入力する。ユーザインタフェースモジュール76は、ユーザによって入力された情報を、コントローラ75および/または処理装置80に送信することができる。ユーザインタフェースモジュール76は、治療計画システム12に対する所望のレベルの制御を実現させるために必要とされる、デジタルおよびアナログの入力または出力装置の組合せを備えることができる。たとえば、ユーザインタフェースモジュール76は、タッチスクリーンディスプレイ、複数のノブ、複数のダイヤル、複数のスイッチ、複数の釦などの、入力装置を備えることができる。
[0045]ディスプレイ77はたとえば、液晶ディスプレイ(「LCD:liquid crystal display」)、発光ダイオード(「LED:light−emitting diode」)ディスプレイ、有機LED(「OLED:organic LED」)ディスプレイ、電界発光ディスプレイ(「ELD:electroluminescent display」)、表面伝導型電子放射ディスプレイ(「SED:surface−conduction electron−emitter display」)、電界放射ディスプレイ(「FED:field emission display」)、薄膜トランジスタ(「TFT:thin−film transistor」)LCDなどである。他の構成では、ディスプレイ77は、スーパーアクティブマトリックスOLED(「AMOLED:active−matrix OLED」)ディスプレイである。
[0046]ある実施形態では、治療計画システム12はまた、通信モジュール79を介してネットワーク94(たとえば、WAN、LANなど)に接続し、他のプログラム、ソフトウェア、または治療計画システム12、または治療提供システム11にアクセスするように構成される。通信モジュール79は、治療計画システム12が、ローカルエリアネットワークまたはインターネットなどのネットワークを介して、情報を送受信することを可能にする、イーサネットカードまたは無線ネットワークカードなどのネットワークインタフェースを備えることができる。ある実施形態では、通信モジュール79は、キーボード、マウス、プリンタなどの様々な入力および/または出力装置との間でデータを送受信するように構成されるドライバを備える。データ通信は、無線ローカルエリアネットワーク(「LAN:local area network」)を介して、Wi−Fi、Bluetooth、ZigBeeなどの種々の通信プロトコルのいずれかを使用して行われ得る。追加的または代替的に、データ通信は、広域ネットワーク(「WAN:wide area network」)(たとえば、TCP/IPベースのネットワークなど)を介して行われ得る。
[0047]通信モジュール79はまた、任意のバージョンのDigital Imaging and Communications in Medicine(DICOM)プロトコル、および/または他の必要なプロトコルとも互換性がある。DICOMは、相異なる医療機器間で医療画像関連データを転送するために使用されるフォーマットを定義する、NEMAによって開発された、国際的な通信規格である。DICOM RTは、放射線療法データに特有の規格を指す。
[0048]図1および図3における双方向の矢印は、指示されている場合、概して、双方向通信および双方向情報伝送を表す。しかし、いくつかの医療装置およびコンピュータ化された装置では、片方向通信および片方向情報伝送だけが必要となり得る。
[0049]処理装置80は、コンピュータ可読の媒体内に格納された命令を実行する。命令は、処理装置80によって実行されると、特定の機能を実行するように構成される、様々な構成要素またはモジュールを含むことができる。たとえば、ソフトウェアプログラム90は、患者の治療計画を作成し、治療計画を修正または適応させ、患者の画像を取得し、治療提供システム11の構成要素を制御するために、処理装置80に命令を供給するよう、互いに相互作用または通信する、複数のモジュールまたはアプリケーションを含む。ソフトウェアプログラム90は、以下に詳細に説明されるモジュールに加えて、様々なモジュールを含むことができることを理解されたい。
[0050]ソフトウェアプログラム90は、患者の治療計画を作成し、治療計画に関連する様々な「画面」または「ページ」をディスプレイ77上に表示するために、ユーザインタフェースモジュール76およびコントローラ75の他の構成要素と相互作用する、治療計画モジュール89を含む。ユーザインタフェースの画面は、限定されるものではないが、画像、チャート、概略図、フィールド、列、行、ダイアログボックス、タブ、釦、ラジオ釦、およびドロップダウンメニューを含み得る。ユーザインタフェースの画面は、どんな特定の構成にも限定されない。
[0051]一実施形態では、治療計画システム12は、治療計画モジュール89を、ネットワークベースのツールまたはアプリケーションとしてホスティングするサーバを表すことができる。したがって、ユーザは、インターネットなどのネットワークを介して、治療計画モジュール89にアクセスすることができる。したがって、ある実施形態では、ユーザは、治療計画モジュール89を恒久的にコントローラ75に設置する必要はない。むしろ、ユーザは、Internet Explorer(登録商標)またはGoogle Chromeなどのブラウザアプリケーションを使用して、治療計画モジュール89にアクセスすることができる。
[0052]治療計画モジュール89は、複数のサブモジュールを含むことができる。図4は、ソフトウェアプログラム90および治療計画モジュール89を、より詳細に示す。一実施形態では、治療計画モジュール89は、臨床データ入力モジュール95、機械パラメータモジュール97、優先順位付けモジュール99、最適化モジュール100、および治療計画作成モジュール101を含む。これらのサブモジュールの機能については、以下でより詳しく説明される。他の実施形態では、治療計画モジュール89は、治療計画システム12に異なる機能を提供する、より多いまたはより少ないモジュールを含むことができる。
[0053]図4で示されるように、ソフトウェアプログラム90はまた、患者14の少なくとも一部の画像を取得または受信するように動作可能な、画像モジュール102を含む。画像モジュール102は、所望のプロトコルに従って、治療の開始前、治療中、および治療後の患者14の画像を取得するためのCT撮像装置などの、オンボードまたはオンライン画像装置に対する命令を生成することができる。たとえばオンボードまたはオンライン画像装置は、放射線源および検出器を含むことができ、ここで放射線源は患者にkVまたはMVの放射線を照射し、それは検出器によって収集され、3次元(たとえば、CT)画像に処理される。CT画像の場合、患者の画像を構成するデータは、放射線療法治療システムにデータとして格納されている画像要素を表す、画像要素からなる。こうした画像要素は、2次元ピクセルまたは3次元ボクセルを含む、画像データを表すために使用される任意のデータ構成体であり得る。画像は、メモリまたはデータベース内に格納され、後で使用するために画像モジュール102によって読み出され得る。画像は、患者14に対する治療計画を作成するために、治療計画モジュール89によって使用され得る。
[0054]一態様において、画像モジュール102は、患者14が実質的に治療位置にいる間に、患者14の画像を取得する。非定量的CT、MRI、PET、SPECT、超音波、透過撮像、蛍光透視法、RFベースの局所化などの、他のオフライン撮像装置またはシステムが、患者14の治療前画像(たとえば、3次元)を取得するために使用され得る。取得された画像は、標的領域と影響を受けやすい構造体との相対位置を判断するために使用され得る。さらに、取得された画像は、ガントリまたは他の箇所に対する患者14の位置合せ/整列のために、および/または患者14に照射されるべき放射線量を判断または予測するために使用され得る。取得された画像はまた、以前の治療中に患者14が受けた放射線量を判断するために使用され得る。画像モジュール102はまた、患者が治療を受けている間に、患者14の少なくとも一部の画像を取得して、患者14がリアルタイムで受けている放射線量を判断するように動作可能である。
[0055]臨床データ入力モジュール95は、ユーザが、患者14の治療に関連する、様々な臨床目標および制約(まとめて「目標値」)を入力することを可能にする。目標値は、処方された、または所望の線量を含むことができる。具体的な臨床目標値は、概して、治療される患者の形態または状態によって変わる。具体的には、臨床目標値は、システム10によって治療されることになる患者14の関心領域(たとえば、腫瘍の種類および/または大きさ)によって変わる。さらに臨床目標値は、各関心領域に対する、具体的な放射線量の治療値によって変わる。一実施形態では、臨床目標値には、積極的な治療、影響を受けやすい構造体を残すことなどを含むことができる。治療プロセスの的が肺腫瘍である場合、データ入力モジュール95を介して入力される臨床データは、肺腫瘍の治療に概ね関連する、腫瘍の位置および放射線量によって変わることになる。一実施形態では、臨床データは、ユーザによって(たとえば、ユーザインタフェースモジュール76を介して)臨床データ入力モジュール95に直接入力される。他の実施形態では、臨床データ入力モジュール95は、メモリ81に格納されている臨床データを、自動的に検索する。臨床データ入力モジュール95は、ユーザが同時に複数の臨床目標値を入力または選択することを可能にする。
[0056]機械パラメータモジュール97は、ユーザが、治療計画モジュール89で使用されることになる複数の機械パラメータを、入力または選択することを可能にする。これらの機械パラメータは、患者への放射線照射の特定の態様を制御するために使用される、ユーザに可視のパラメータである。たとえば、機械パラメータは、ガントリ、放射線照射装置、および寝台に関連する。一実施形態では、機械パラメータは、顎部の幅、ピッチ、ガントリの速度、寝台の速度、ガントリの位置、および寝台の位置を含むことができる。さらに機械パラメータは、放射線照射の種類、すなわち螺旋状放射線治療の提供、静的放射線治療の提供、揺動ガントリ放射線治療の提供、および運転開始/停止型放射線治療の提供を含むことができる。一実施形態では、機械パラメータは、ユーザによって(たとえば、ユーザインタフェースモジュール76を介して)機械パラメータモジュール97に直接入力される。他の実施形態では、機械パラメータモジュール97は、メモリ81に格納されている機械パラメータを、自動的に検索する。機械パラメータが機械パラメータ入力モジュール97に入力された後、ユーザは、治療計画を作り出すのに使用されることになる1つまたは複数の機械パラメータを選択することができる。
[0057]優先順位付けモジュール99は、臨床データ入力モジュール95によって選択された臨床目標値のうちの少なくとも1つを優先させる。いくつかの臨床目標値は、限界値または固定値を有し、他の臨床目標値は、柔軟性があり、治療計画を最適化して生成するプロセスの間に調整され得るものであり、それは以下でより詳細に説明されるであろう。たとえば、非常に大きい放射線量は脊髄を損傷することになるので、脊髄の治療のために照射される放射線量は、特定の値を超えることはできない。ある実施形態では、優先順位付けモジュール99は、最適化モジュール100と同時に動作する。たとえば、最適化モジュール100は、優先順位付けモジュールによって設定された一定の制限を守りながらも、柔軟にパラメータを最適化する。
[0058]最適化モジュール100は、選択された機械パラメータを用いて、優先される臨床目標値を最適化する。ある実施形態では、ユーザが複数の機械パラメータを選択すると、最適化モジュール100は、選択された全ての機械パラメータを用いて、優先される臨床目標値を最適化する。最適化モジュール100は、ユーザ入力を、治療計画の形で放射線治療装置に転送される詳細な機械命令に変換する。放射線治療装置は、これらの機械命令を受けて、計画された放射線治療線量を生成する。上述のように、最適化モジュール100は、優先順位付けモジュール99と同時に動作する。最適化のプロセスは、連続するプロセスである。最適化モジュール100は、選択された機械パラメータを用いて、優先される臨床目標値を最適化し、ユーザはその結果を見て、次いでユーザは、機械パラメータを用いて、異なる臨床目標値を最適化することができる。したがって、最適化モジュール100は、複数組の機械命令を同時に最適化することができる。さらにある実施形態では、最適化モジュール100は、治療提供中に最適化プロセスを実行することができる。
[0059]治療計画作成モジュール101は、データ入力モジュール95、機械パラメータモジュール97、最適化モジュール100、および優先順位付けモジュール99を含む、他のモジュールのうちの少なくとも1つから生成されたデータに基づいて、患者14の治療計画を作成するための命令を含む。治療計画作成モジュール101は、サブモジュール95、97、99、および100から受信したデータを用いて、いくつかの治療計画を作成することができる。さらに治療計画作成モジュール101は、医療従事者によってシステム10に入力された、メモリもしくはデータベースから読み出された、他のモジュールから受信した、またはさもなければシステム10によって取得されたデータを、使用することができる。データは、患者14の少なくとも一部の、1つまたは複数の画像(たとえば、計画画像および/または治療前画像)を含むことができる。これらの画像は、前の段落で説明したやり方で、画像モジュール102によって取得され、処理され得る。作成された治療計画は、患者14に治療放射線を照射するための命令を供給する。たとえば、治療計画は標的領域に対する放射線量分布を含む。治療計画作成モジュール101は、治療計画を複数の治療部分に分離することができ、医療従事者によって入力された放射線量の処方に基づいて、各治療部分または治療のための放射線量を決定することができる。治療計画を複数の部分に分離するプロセスは、分割と呼ばれる。
[0060]治療計画が作成された後、ユーザは、患者14のために使用されることになる作成された計画のうちの1つを選択することができる。治療提供システム11は、選択された治療計画に従って、患者14に放射線を照射する。たとえば、患者14は、治療計画の各分割について処方された放射線量を受ける。各分割が照射される前に、患者は、寝台82上に配置され、そして治療提供システム11に対して位置合せされるか、または整列される。治療計画は静的ではなく、治療の過程全体を通して変化する可能性があることを理解されたい。たとえば、治療計画は、分割のうちの1つを照射している間に発見された変化(たとえば、解剖学的変化、機械パラメータの変化など)を、組み込むように適応し得る。次いで治療計画は、今後の分割において、そうした変更を実施する。
[0061]図5〜図8は、放射線療法の治療計画を選択する様々な方法を示す。本明細書で説明される様々な方法は、ソフトウェアプログラム90ならびに治療計画モジュール89およびサブモジュール95、97、99、100、101の助けを借りて、コントローラ75の処理装置80によって実行され得る。この方法に関して本明細書で説明される様々なステップは、同時に、並行して、または例示された一連の実行手法とは異なる順序で、実行され得る。この方法はまた、図示される実施形態に示されているものへの追加ステップ、またはより少ないステップを使用して、実行され得る。
[0062]図5は、本発明の実施形態による、放射線療法の治療計画を選択する方法150を示す流れ図である。方法150は、標的38を含む患者14の一部の画像を取得するステップ(ステップ154)と、必要に応じてその画像の輪郭像を取るステップとを含む。画像は、前述のように、治療提供システム11と共に画像モジュール102を使用して取得され得る。画像は、関心領域(ROI:regions of interest)を識別するために使用される(ステップ158)。たとえば、標的38、および危険で影響を受けやすい構造体の領域が特定される。
[0063]ステップ154およびステップ158の間に得られた情報は、臨床データ入力モジュール95に入力され得る。さらに、臨床目標値(すなわち、目標および制約)は、臨床データ入力モジュール95および優先順位付けモジュール99に追加され得る(ステップ162)。ユーザはまた、一連の計画設定を、機械パラメータモジュール97に入力する(ステップ162)。たとえば設定は、その中でもとりわけ、照射モードの種類、照射野の幅、顎部のモード、およびピッチを含むことができる。方法150全体を通じて入力されるデータは、ユーザインタフェースモジュール76を介して入力され、メモリ81に格納され得る。必要に応じてユーザは、優先順位付けモジュール99を使用して、目標値を優先させることができる。
[0064]次いで治療計画システム12は、最適化プロセス(ステップ166)に携わり、機械パラメータを臨床目標値に対して調和させる、最適な治療計画を計算する。具体的には、コントローラ75は、最適化モジュール100と通信し、臨床データモジュール95、機械パラメータモジュール97、および優先順位付けモジュール99に入力されたデータに基づいて、治療を提供するための最適な機械パラメータを決定するための命令を実行する。
[0065]最適化モジュール100が最適化プロセスを完了し、治療計画を計算すると、コントローラ75は、治療計画モジュール101の助けを借りて、分割プロセスを実行する(ステップ170)。分割プロセスの間、治療計画モジュール101は、最適化プロセス(ステップ166)の間に計算された治療計画を使用して、治療の各分割に対する放射線量を決定する。言い換えれば、全体の治療計画は、そのそれぞれが総処方線量の1分割を照射する、いくつかの異なる治療セッションの間に投与されることになる、相異なる線量に分割される。
[0066]図6〜図8は、一実施形態による、方法150の(ステップ166)の最適化プロセスを実行する、様々な方法200および300を示す。これらの方法200および300は、処方された線量を実施するために、治療提供システム11のパラメータを最適化しようとするものである。方法200および300の多くの様々な態様は、交換可能であり、他の方法に再結合され得る。治療提供システム11のピッチおよびビームレットウェイトは、方法200および300によって最適化され得るパラメータのうちの2つである。より具体的には、目標値または処方された線量を達成するために、各ビームレット30Aの、リーフ開時間およびビームレットウェイトのパターンが決定される。ビームレット30Aの変調に関するこの情報は、サイノグラムによって表され得るもので、サイノグラムは放射線の照射を誘導するために使用される。
[0067]方法200および300は、ピッチを最適化してスレッド効果を低減し、治療提供の質および効率を改善することができる。いくつかの既存の方法では、治療提供システムの他のパラメータは最適化され得るが、このプロセス中にピッチは調整され得なかった。むしろ、最適化プロセス全体に対して、一定のピッチが選択されることになる。異なるピッチが望まれる場合、最適化プロセスは最初から再起動されることになる。したがって、ピッチは、既存の方法では最適化されない。
[0068]本明細書に示す方法200および300は、ピッチを最適化し、かつビームレットウェイトを最適化することができる。言い換えれば、最適化プロセス全体を通して、これらの値の一方を一定の値に保持する必要なしに、ビームレットウェイトとピッチとの両方を最適化することが可能である。その代わりに、ビームレットウェイトサイノグラムとピッチとの両方が、最適化プロセス中に調整され得る(ステップ166)。ピッチおよびビームレットウェイトは、最適化プロセス(166)の一部に関して、他の定数を保持することによって、独立して最適化され得る。しかし、完全な最適化プロセス(ステップ166)の間、ピッチを一定に保持する必要はない。さらにある実施形態では、ピッチとビームレットウェイトとの両方が最適化され、一方他の実施形態では、ピッチおよびビームレットウェイトのうちの一方のみが最適化される。
[0069]図6は、一実施形態による、方法150の最適化プロセス(ステップ166)を実行する方法200を示す。方法200によれば、治療提供システム11のピッチは、最適化される(ステップ204)。ある実施形態では、ピッチが最適化されている間、ビームレットウェイトの値を一定に保持することによって、ピッチが独立して最適化される。ピッチは、線形モデル、非線形モデル、勾配最適化方法、および進化的方法を含む、様々な標準の最適化技法のうちの任意の1つを実施するための命令を実行することができる、コントローラ72によって最適化され得る。ある実施形態では、初期のピッチが開始点として使用されてもよく、コントローラ75は、初期ピッチに最も近い最適ピッチを決定するために、最適化モジュール100への命令を実行することができる。最適化の繰り返し回数は、変わってもよい。ある実施形態では、コントローラ75は、最適ピッチを決定する前に、複数回の最適化を繰り返して実行することができる。他の実施形態では、次のステップに移る前に、ただ1回の最適化の繰り返しが使用される。さらにある実施形態では、ユーザは、所定の最適化繰り返し回数を実行するために、コントローラ75へ指示することができる。あるいは、ユーザは、各繰り返し後に計算されたピッチを見ることができ、コントローラ75が次回の最適化の繰り返しを実行するのを、手動で止めることができる。
[0070]方法200はまた、ビームレットウェイトの変調を最適化するステップ(ステップ208)を含む。より具体的には、コントローラ75は、所望の線量(または処方された線量)を実施するようにビームレット30Aを変調するプロセスを実行するために、最適化モジュール100への命令を実行する。ビームレットウェイトの変調に関する情報は、ビームレットウェイトサイノグラムによって表され得ることを思い出されたい。ピッチの最適化(ステップ204)と同様に、コントローラ75は、複数回のビームレットウェイト最適化の繰り返しを、実行することができる(ステップ208)。前述のように、繰り返し回数は変わる可能性があり、ビームレットウェイトの最適化は、様々な方法で終了され得る。ある実施形態では、ビームレットウェイトは、ビームレットウェイトが最適化されている間に、ピッチを一定に保持することによって独立して最適化される。
[0071]ある実施形態では、ピッチの最適化(ステップ204)およびビームレットウェイトの最適化(ステップ208)は、異なった別個のサイクルとして、順次行われてもよい。たとえば、コントローラ75が、ビームレットウェイトサイノグラムを最適化する(ステップ208)前に、ピッチが最適化され得る(ステップ204)。この場合、ビームレットウェイトの最適化を、最適のピッチで開始することができるように、ビームレットウェイトの最適化を開始する前に、ピッチが完全に最適化され得る。
[0072]他の実施形態では、ピッチの最適化(ステップ204)およびビームレットウェイトの最適化(ステップ208)は、組み合わされた交番サイクルとして、同時に実行される。たとえば、交番サイクルにおいて、コントローラ75は、ピッチとビームレットウェイトとの両方が十分に最適化されるまで、ピッチを最適化するための命令の実行(ステップ204)と、ビームレットウェイトを最適化するための命令の実行(ステップ208)との間を、交互に行うことができる。言い換えれば、ビームレットウェイトを最適化する1回または複数回の繰り返し(ステップ208)は、ピッチを最適化する1回または複数回の繰り返し(ステップ204)によって中断される。この場合、ピッチは、ビームレットウェイトの変調に対する調整に基づいて、ビームレットウェイトの最適化の、全繰り返し、または数回の繰り返しごとの間に、更新され得る。
[0073]たとえば、最適化サイクルは、ビームレットウェイトの最適化(ステップ208)のただ1回の繰り返し、およびそれに続くピッチの最適化(ステップ204)のただ1回の繰り返しを含むことができる。このサイクルは、ビームレットウェイトを最適化する(ステップ208)、別のただ1回の繰り返しに戻り、そしてこのサイクルを繰り返し実行することによって、繰り返され得る。最適化サイクルは、任意の回数の最適化の繰り返しを含むことができ、この繰り返しは任意の順序で行われ得る。たとえば、このサイクルは、ピッチを最適化する一連の2回の繰り返し、およびそれに続くビームレットウェイトを最適化する一連の3回の繰り返しを含むことができる。ある実施形態では、最適化プロセス(ステップ166)は、一連の繰り返しの後に完了し、一方他の実施形態では、その一連の繰り返しが繰り返され得る。最適化のそれぞれの繰り返しの間に、ピッチおよびビームレットウェイトの、一方または両方が調整され得る。
[0074]ある実施形態では、ビームレットウェイトの最適化は、所望のビームレットウェイトを決定するときに、治療提供システム11の螺旋状経路を無視することによって実施され得る。むしろ、ビームレットウェイトは、ガントリ18の移動を、寝台82の位置の直線移動の僅かな増分によって分割された、一連の円軌道として、モデル化することによって決定される。この幾何形状は、「軸方向の幾何形状」と呼ばれる。言い換えれば、ビームレットウェイトを最適化し変調するために螺旋状の幾何形状を使用するのではなく、軸方向の幾何形状が使用される。これにより、ビームレットウェイトが、螺旋状の幾何形状を使用するピッチの最適化から、効果的に切り離される。図7および図8は、ピッチおよびビームレットウェイトを最適化するために、様々な幾何形状の組合せを使用することによって、方法150の最適化プロセス(ステップ166)を実行する方法300を示す。
[0075]ピッチとビームレットウェイトとの両方が最適化されると、コントローラは命令74を実行して線量を計算し、治療計画を決定する(ステップ212)。ある実施形態では、コントローラ75は、ピッチ最適化の各繰り返し(ステップ204)後、またはビームレットウェイト最適化の各繰り返し(ステップ208)後、あるいはその両方で、線量を計算する命令を実行する。コントローラ75は、計算された線量を所望の線量または線量ボリュームのヒストグラムと比較して、ピッチおよび/またはビームレットウェイトが所望の線量を達成するのに十分であるかどうかを確認することができる。さらに、コントローラ75は、計算された線量が、優先順位付けモジュール99の臨床目標値および要件を満たすかどうかを判断することができる。計算された線量が臨床目標値を満たすとき、コントローラ75は、最適化されたピッチおよび最適化されたビームレットウェイトに基づいて、治療計画を決定することができる(ステップ212)。コントローラ75が治療計画を決定すると、コントローラ75は、治療計画を出力することができる(ステップ216)。
[0076]図7は、方法150の最適化プロセス(166)を実行する別の方法300を示す。方法300は、開始点として、初期パラメータを入力するステップ(ステップ304)から始まる。たとえば、初期のピッチおよび初期のビームレットウェイトサイノグラムは、ユーザによって入力され得る。初期パラメータはまた、他のモジュール95、97、および99に既に入力されている情報に基づいて、またはメモリ81に保存された所定のチャートに基づいて、コントローラ75によって入力され得る。図示される実施形態では、初期のサイノグラムは、ビームレット30Aが、等しいウェイトを有することを説明している。他の実施形態では、初期サイノグラムは、異なる組のビームレットウェイトを表す。初期ピッチおよび初期サイノグラムに加えて、以前にモジュール95、97、99、および100のいずれにも入力されていなかった任意の臨床目標値が追加され得る(ステップ304)。たとえば、所望の線量、および特定の領域または構造体が受けることができる放射線量を制限する、1組の臨床的制約が入力され得る。
[0077]次いでコントローラ75は、入力パラメータから得られる線量を、計算する(ステップ308a)ための命令を実行する。図示される実施形態において、線量は、初期ピッチおよび初期ビームレットウェイトサイノグラムに基づいて計算される。コントローラ75は、計算された線量を、目標値と比較することができる(ステップ308a)。たとえば、コントローラ75は、計算された線量が、所望の線量または所望の線量ボリュームのヒストグラムにどれほど近いかを判断することができる。コントローラ75はまた、計算された線量が、制約の範囲内に入るかどうかを判定することができる。ある実施形態では、ステップ304および308aは、方法300から省略されている。
[0078]次いでコントローラ75は、ビームレットウェイトを調整するための最適化手順を実行する(ステップ312)ように、最適化モジュール100への命令を実行する。より具体的には、コントローラ75は、所望の線量を実現するために、ビームレットウェイトの変調を複数回繰り返して実行することによって、ビームレットウェイトを最適化する。最適化の各繰り返し中に、ビームレットウェイトは、以前の繰り返しから調整される。最初の繰り返し中に、ビームレットウェイトは、初期サイノグラムから調整され、初期サイノグラムは、ビームレット30Aが、等しいビームレットウェイトを有することを説明している。図示される実施形態において、ビームレットウェイト30Aの最適化は、軸方向の幾何形状に基づいており、そこでガントリ18は、寝台82の位置の小さな増分によって分割される一連の円形軌道を通って移動するようにモデル化される。言い換えれば、ビームレットの最適化は、寝台82の離散的な直線状の平行移動によって分割されるガントリ18の、離散的な1組の円形回転に基づいて計算される。一方、線量は螺旋状の幾何形状を使用して計算され、螺旋を形成するために、寝台82の連続的な平行移動と組み合わされるガントリ18の連続的な回転としてモデル化される。したがって、ビームレットウェイトサイノグラムは、線量を計算する前に、軸方向の幾何形状から螺旋状の幾何形状へと変換される(ステップ316)。
[0079]次いでコントローラ75は、最適化中に決定された、調整されたビームレットウェイトに基づいて、線量を計算する(ステップ308b)ための命令を実行する。ある実施形態では、線量は、ビームレットウェイトを最適化する各繰り返しの後に計算される。この場合、ビームレットウェイトサイノグラムは、ビームレットウェイトを最適化する各繰り返しの間に、螺旋状の幾何形状に変換される。他の実施形態では、線量は、最適化の数回の繰り返しごとにのみ計算される。この場合、ビームレットウェイトサイノグラムは、線量を計算するときにのみ螺旋状の幾何形状に変換され得る。たとえば、最適化モジュール100が完全な線量の繰り返しを実行するときはいつでも、ピッチの最適化が実行されてもよく、一方、全てのおおよその線量の繰り返しは、もっぱら軸方向の幾何形状で動作することができる。
[0080]方法300はまた、治療提供システム11のピッチを最適化するステップ(ステップ320)を含む。コントローラ75は、最適化モジュール100への、初期のピッチ入力に最も近い、最適なピッチを判断するための命令を実行する。コントローラ75は、最適化プロセスを終了する前に、ピッチの最適化を、複数回繰り返して実行することができる。ある実施形態では、ビームレットウェイトは、ピッチが調整される前に調整されるが、他の実施形態では、ピッチが最初に調整される。また、方法200に関して前述したように、ビームレットウェイトの最適化およびピッチ最適化は、たとえば交番サイクルを使用して同時に行われ得る。あるいは、ビームレットウェイトの最適化およびピッチ最適化は、順次行われる、異なった別個のサイクルとして実行されてもよい。さらに、方法200に関して前述したように、繰り返し回数は変わる可能性があり、ビームレットウェイトおよびピッチの最適化は、様々な方法で終了され得る。
[0081]次いでコントローラ75は、最適化中に決定された、調整されたピッチに基づいて、線量を計算する(ステップ308c)ための命令を実行し得る。ステップ308bに関して説明したように、線量は、数回の最適化の繰り返しの間に計算され得るが、それ以外の計算は行われない。さらにある実施形態では、線量を計算し治療計画を決定する前に、ピッチが新しい幾何形状に変換される(図8のステップ324を参照)。たとえば、ピッチは、異なる螺旋状の幾何形状に変換され得る。
[0082]方法300では、螺旋状の幾何形状を使用して最適化されたピッチ、および軸方向の幾何形状を使用して最適化されたビームレットウェイトが図示されているが、他の様々な幾何形状が使用され得る。たとえば、ある実施形態では、ピッチは第1の螺旋状の幾何形状を使用して最適化され、ビームレットウェイトは第1の幾何形状とは異なる第2の螺旋状の幾何形状を使用して最適化される。この実施形態では、治療計画を決定するときに、ピッチおよびビームレットウェイトが、次いで、同じ幾何形状に変換される。これは、様々な方法で実行され得る。たとえば、ピッチは、第1の幾何形状から第2の幾何形状に変換されてもよく、ビームレットウェイトは、第2の幾何形状から第1の幾何形状に変換されてもよく、またはピッチおよびビームレットウェイトの両方ともが、第3の幾何形状に変換されてもよい。他の実施形態では、ピッチは、第1の螺旋状の幾何形状を使用して最適化され、ビームレットウェイトは、第1の軸方向の幾何形状を使用して最適化され、次いで、ピッチとビームレットウェイトとの両方が、第3の幾何形状に変換される。ピッチおよびビームレットウェイトの幾何形状は、各最適化サイクルの間、または最適化プロセスの完了後にのみ変換され得る。
[0083]ある実施形態では、最適化されたピッチ、最適化されたビームレットウェイト、または治療計画は、変化する幾何形状を含むことができる。たとえば、最適化されたピッチは変えられたピッチであってもよく、したがってピッチは、治療計画の様々な部分で、異なる幾何形状を使用する。言い換えれば、ピッチは、治療計画の第1の部分の間に、第1の螺旋状の幾何形状を有することができ、治療計画の第2の部分の間に、第2の螺旋状の幾何形状を有することができる。
[0084]図8は、様々な、有効な最適化サイクルのいくつかを示す。ピッチ最適化のただ1回の繰り返しは、サイクルAで表される(ステップ320)。サイクルAは、ピッチを新しい幾何形状に変換する、任意選択のステップ(ステップ324)を含む。ビームレットウェイトを計算して、または線量を計算して、治療計画を決定するために、様々な幾何形状が使用されるとき、ピッチの幾何形状を、ビームレットウェイトの幾何形状、または線量を計算して治療計画を決定するために使用されている幾何形状のいずれかに変換することが望ましい可能性がある。ただし、このステップは、必ずしも必要ではない。ビームレットウェイト最適化のただ1回の繰り返しは、サイクルBで表される(ステップ312)。サイクルAと同様に、サイクルBは、ビームレットウェイトを新しい幾何形状に変換する、任意選択のステップ(ステップ316)を含む。ビームレットウェイトは、最適化されたピッチの幾何形状、または線量を計算して治療計画を決定するために使用されている別の幾何形状に変換され得る。ピッチとビームレットウェイトとの両方の最適化の繰り返しは、サイクルAとサイクルBを組み合わせたものである。これは、ABサイクルと呼ばれ得る。
[0085]また前述のように、線量の計算(ステップ308)は、ピッチまたはビームレットウェイトが最適化されるたびに実行されなくてもよい。したがって、サイクルCは、その後に線量を計算する(ステップ308)ことなく、ピッチを最適化する(ステップ320)ステップを表す。サイクルCはまた、概して、ピッチを新しい幾何形状に変換するステップ(ステップ324)を含まない。しかしある実施形態では、線量が計算されていないときでも、ピッチは新しい幾何形状に変換され得る。サイクルDは、その後に線量を計算する(ステップ308)ことなく、ビームレットウェイトを最適化するステップ(ステップ316)を表す。サイクルCと同様に、サイクルDは、概して、ビームレットウェイトを新しい幾何形状に変換するステップ(ステップ316)を含まないことになるが、このステップ(ステップ316)は、場合によっては含まれ得る。コントローラ75は、最終回用に線量が計算され、その線量が臨床目標値を満たすとき、治療計画を決定する。コントローラ75は、治療計画を決定するために、最新の最適化されたピッチおよび最適化されたビームレットウェイトを使用することができる。
[0086]方法300は、方法200に関して論じられたものと同様に、一連の最適化サイクルを一緒に組み合わせることによって実行され得る。方法150の完全な最適化プロセス(ステップ166)を満たすために、サイクルA〜Dは、様々なシリーズに組み合わされ得る。たとえば、最適化プロセス(ステップ166)は、シリーズ:BADBCAの2回繰り返しによって、方法300を使用して実行され得る。この実施形態では、ピッチおよびビームレットウェイトは、交番するシリーズにより同時に最適化される。コントローラはまた、ピッチおよびビームレットウェイトを、別々のサイクルとして最適化するシリーズをたどるための、最適化モジュール100への命令を実行することもできる。たとえば、シリーズ:CCACCA−DDBDDBがあり得る。この実施形態では、ビームレットウェイトサイノグラムを最適化する前に、ピッチが完全に最適化される。図7はまた、「任意選択の繰り返し」という表記を通して、最適化サイクルが繰り返され得るいくつかのやり方を示している。
[0087]方法200および300に記載されたものを超える追加のステップが、最適化プロセス(ステップ166)に含まれ得る。たとえば、コントローラ75は、スケール因子をビームレットウェイトに適用するための命令を実行することができる。これにより、所望の線量または主な線量ボリュームのヒストグラム点を実現させるために、線量を増加または減少させることが可能になる。さらにコントローラ75は、複数のビームレットウェイトが互いから異なる程度に関して、制限を設けるための命令を実行することができる。ビームレット30Aの複数のウェイト間の変化量の程度は、変調度と呼ばれる。ビームレットウェイトの大きすぎる変化が始まると(たとえば、1つのリーフ66が別のリーフ66と比較して、非常に長時間開いている)、コントローラ75は、ビームレットウェイトが異なる程度を制限(またはクランプ)することができる。一実施形態では、この制限は、ビームレットウェイトの平均を取り、それにユーザが選択した変調度(たとえば、2.0)を掛けることによって決定される。これが、最大可能なビームレットウェイトということになる。ビームレットウェイトが最大値を超えると、コントローラは、そのビームレットウェイトを最大値まで減少させる命令を実行することができる。
[0088]ビームレットウェイトサイノグラムおよびピッチが最適化されると(ステップ166)、コントローラ75は、分割プロセスを実行することによって方法150を完了する(ステップ170)ように実行する。本明細書に記載されるように、方法200、300は、最適な治療計画を決定するのを助けるために、主に治療計画段階の間に使用される。他の実施形態では、方法200、300は、治療中に実行されてもよく、その結果治療提供システム11のピッチおよびビームレットウェイトは、治療の途中で調整され得る。
[0089]本発明の様々な特徴および利点は、以下の特許請求の範囲に示される。

Claims (28)

  1. 患者のための放射線療法の治療計画を選択する方法であって、前記治療計画は、寝台の周りを回転することができるガントリと、前記ガントリに対して直線方向に移動することができる前記寝台と、前記ガントリに結合され、放射線ビームを供給することができる放射線モジュールとを備える放射線照射システムによって実施され、前記寝台および前記ガントリの移動が、ピッチを有する螺旋状の照射経路を作り出し、前記ビームは、放射線フルエンス(radiation fluence)に対応するビームウェイトを有し、前記方法は、
    コントローラにより、所望の線量、所望の線量分布、および線量の制約を含むリストからの少なくとも1つを含む目標値を受け取るステップと、
    前記コントローラにより、最適化されたピッチを得るために、前記ピッチを最適化するステップと、
    前記コントローラにより、最適化されたビームウェイトを得るために、前記ビームウェイトを最適化するステップと、
    前記コントローラにより、前記最適化されたピッチおよび前記最適化されたビームウェイトに基づいて、前記治療計画および前記線量を含む、後に続くリストから少なくとも1つを決定するステップと、
    前記コントローラにより、前記治療計画および前記線量のうちの前記少なくとも一方を出力するステップと
    を含む、方法。
  2. 前記ピッチを最適化するステップは、第1の幾何形状(geometry)を使用して前記ピッチを最適化するステップを含み、前記ビームウェイトを最適化するステップは、第2の幾何形状を使用して、前記ビームウェイトを最適化するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1の幾何形状は、螺旋状の幾何形状であり、前記第2の幾何形状は、軸方向の幾何形状である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記第1の幾何形状は、螺旋状の幾何形状であり、前記第2の幾何形状は、前記第1の幾何形状とは異なる螺旋状の幾何形状である、請求項2に記載の方法。
  5. 前記ビームウェイトを最適化するステップは、軸方向の幾何形状を使用して前記ビームウェイトを最適化するステップを含み、軸方向の幾何形状は、前記寝台の直線状の移動の増分で分割された、前記放射線モジュールの一連の離散的な円形回転としてモデル化される、請求項1に記載の方法。
  6. 前記治療計画および前記線量のうちの少なくとも一方を決定する前に、前記ビームウェイトを、前記第2の幾何形状から前記第1の幾何形状に変換するステップをさらに含む、請求項2に記載の方法。
  7. 前記最適化されたピッチは、可変のピッチであり、その結果、前記最適化されたピッチは、前記治療計画の様々な段階で相異なる幾何形状に対応する、請求項1に記載の方法。
  8. 前記コントローラは、前記ピッチおよび前記ビームウェイトを順次最適化し、その結果前記ピッチおよび前記ビームウェイトのうちの一方は、前記ピッチおよび前記ビームウェイトのうちの他方の最適化が始まる前に、完全に最適化される、請求項1に記載の方法。
  9. 前記コントローラは、前記ピッチおよび前記ビームウェイトを同時に最適化し、その結果前記コントローラは、前記ピッチを最適化するための命令を実行するステップと、前記ビームウェイトを最適化するための命令を実行するステップとの間を交互に行う、請求項1に記載の方法。
  10. 前記放射線モジュールは、前記ビームを複数のビームレット(beamlets)の形に整えることができる変調装置を備え、それぞれの前記ビームレットは、ビームレットウェイトを有し、前記コントローラは、前記ビームレットウェイトを最適化するステップによって、前記ビームウェイトを最適化する、請求項1に記載の方法。
  11. 前記複数のビームレットウェイトは、ビームレットウェイトサイノグラム(sonogram)として表され、前記ビームレットウェイトを最適化するステップは、前記ビームレットウェイトサイノグラムを最適化するステップを含む、請求項10に記載の方法。
  12. 前記コントローラは、複数回最適化を繰り返して実行することによって、前記ピッチおよび前記ビームウェイトのうちの少なくとも一方を最適化する、請求項1に記載の方法。
  13. 前記コントローラは、ユーザ入力として、初期ピッチを受け取り、前記ピッチは、前記初期ピッチに近い最適なピッチを得るように最適化される、請求項1に記載の方法。
  14. 開口を有するガントリと、
    患者を支持するように構成され、前記開口内で直線方向に移動可能である寝台と、
    前記ガントリに結合され、前記寝台の周りを回転可能な放射線モジュールであって、前記放射線モジュールは、前記患者の方へ、放射線フルエンスに対応するビームウェイトを有する放射線ビームを照射するように構成され、前記寝台の前記直線移動および前記放射線モジュールの前記回転が、放射線照射の螺旋状経路を作り出し、前記螺旋状経路はピッチを有する放射線モジュールと、
    前記ガントリ、前記放射線モジュール、および前記寝台と通信し、コントローラを備えるコンピュータと
    を備え、前記コントローラは、
    前記放射線照射モジュールの前記ピッチを最適化し、
    前記放射線ビームの前記ビームウェイトを最適化し、
    前記最適化されたピッチおよび前記最適化されたビームウェイトに基づいて、治療計画および線量のうちの少なくとも1つを決定し、
    前記治療計画および前記線量のうちの少なくとも一方を出力するように構成される、
    放射線療法治療システム。
  15. 前記コントローラは、第1の幾何形状を使用して前記ピッチを最適化するように構成され、また第2の幾何形状を使用して前記ビームウェイトを最適化するように構成される、請求項14に記載の放射線療法治療システム。
  16. 前記第2の幾何形状は、前記寝台の直線状の移動の増分で分割された、前記放射線モジュールの一連の離散的な円形回転としてモデル化される、軸方向の幾何形状である、請求項15に記載の放射線療法治療システム。
  17. 前記第1の幾何形状は、螺旋状の幾何形状であり、前記第2の幾何形状は、前記第1の幾何形状とは異なる螺旋状の幾何形状である、請求項15に記載の放射線療法治療システム。
  18. 前記コントローラはさらに、前記ビームウェイトを、前記第2の幾何形状から前記第1の幾何形状に変換するように構成される、請求項15に記載の放射線療法治療システム。
  19. 前記最適化されたピッチは、可変のピッチであり、その結果、前記最適化されたピッチは、前記治療計画の様々な段階で相異なる幾何形状に対応する、請求項14に記載の放射線療法治療システム。
  20. 前記放射線モジュールは、前記ビームを複数のビームレットの形に整えることができる変調装置を備え、それぞれの前記ビームレットは、ビームレットウェイトを有し、前記コントローラは、前記ビームレットウェイトを最適化するように構成される、請求項14に記載の放射線療法治療システム。
  21. 前記変調装置は、複数のリーフを具備するマルチリーフコリメータを備え、それぞれの前記リーフが、前記複数のビームレットのうちの1つを選択的に遮断し、また選択的に晒すように構成され、前記ビームレットウェイトは、前記ビームレットが晒される時間に対応する、請求項20に記載の放射線療法治療システム。
  22. 前記ビームレットウェイトは、サイノグラムとして表され、前記コントローラは、前記サイノグラムを最適化することによって、前記ビームウェイトを最適化するように構成される、請求項20に記載の放射線療法治療システム。
  23. 前記コントローラはさらに、一連の最適化サイクルを交互に行うことを利用して、前記ピッチおよび前記ビームウェイトを同時に最適化するように構成される、請求項14に記載の放射線療法治療システム。
  24. 前記コントローラはさらに、前記ピッチおよび前記ビームウェイトを順次最適化するように構成され、その結果前記ピッチおよび前記ビームウェイトのうちの一方は、前記コントローラが前記ピッチおよび前記ビームウェイトのうちの他方の最適化を開始する前に、完全に最適化される、請求項14に記載の放射線療法治療システム。
  25. 患者のための放射線療法の治療計画を選択する方法であって、前記治療計画は、寝台の周りを回転することができるガントリと、前記ガントリに対して直線方向に移動することができる前記寝台と、前記ガントリに結合され、放射線ビームを供給することができる放射線モジュールとを備える放射線照射システムによって実施され、前記ビームは、放射線フルエンスに対応するビームウェイトを有し、前記方法は、
    コントローラにより、所望の線量、所望の線量分布、および線量の制約を含むリストからの少なくとも1つを含む目標値を受け取るステップと、
    前記コントローラにより、第1のピッチおよび第1のビームウェイトを受け取るステップと、
    前記コントローラにより、調整されるピッチを決定するために、第1の幾何形状を使用して前記第1のピッチを調整するステップと、
    前記コントローラにより、調整されるビームウェイトを決定するために、第2の幾何形状を使用して前記第1のビームウェイトを調整するステップと、
    前記コントローラにより、前記調整されたビームウェイトを、前記第2の幾何形状から前記第1の幾何形状に変換するステップと、
    前記コントローラにより、前記調整されたピッチおよび前記調整されたビームウェイトに基づいて、前記第1の幾何形状で表される、調整される線量を計算するステップと
    を含む、方法。
  26. 前記コントローラは、前記患者に治療を提供している間に、前記ピッチおよび前記ビームウェイトのうちの少なくとも一方を調整する、請求項25に記載の方法。
  27. 前記第1のピッチを調整するステップは、前記第1のビームウェイトを調整するステップの後に行われる、請求項25に記載の方法。
  28. 前記ビームは、複数のビームレットを有し、それぞれの前記ビームレットは、ビームレットウェイトを有し、前記第1のビームウェイトを調整するステップは、複数の前記ビームレットウェイトを調整するステップを含む、請求項25に記載の方法。
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