JP2019531387A - 脂質膜を通した合成ポリマーのトランスロケーション - Google Patents

脂質膜を通した合成ポリマーのトランスロケーション Download PDF

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Abstract

本発明は、交互に存在する疎水性単位と親水性単位とを含むコポリマー、および脂質二重層、特に脂質膜を通過する有効成分用担体としての該コポリマーの使用に関する。

Description

本発明は、交互に存在する疎水性単位と親水性単位とを含むコポリマー、および脂質二重層、特に脂質膜を通過する有効成分用担体としての該コポリマーの使用に関する。
医学で使用され、かつ分離膜を通過できるコポリマーは、生体適合性である必要がある。国際公開第2015/161841号(WO 2015/161841 A2)からは、埋め込み可能な担体系として生体適合性である、有効成分の制御放出用の修飾されたポリ(ジカルボン酸マルチオール(Multiol)エステル)が公知である。その際、有効成分を、コポリマーの遊離ヒドロキシ基に共有結合させる。Wernerら(Biomacromolecules、2015、16、125〜135)は、計算モデルを手がかりに両親媒性コポリマーをシミュレートし、脂質二重膜上でのまたは脂質二重膜を通した吸収および受動的なトランスロケーションに関するその特性を理論的に予測することを試みている。その結果、コポリマーは、HLB値が5〜10である親油性を示すことが望ましい。さらにWernerらは、シミュレートしたコポリマーの化学構造を記載していない。
本発明の趣旨では、脂質二重膜を通した「トランスロケーション」という概念は、その膜の、好ましくは受動輸送による貫通、つまり、分子、特にコポリマーの、その機序にかかわりのないその膜の一方の側から他方の側への移転として用いられる。
Wernerらが記載したように、目下、トランスロケーションによって細胞に入り込むいくつかの物質が公知であり、その中で、例えばいわゆるCPP(cell−penetrating peptides(細胞膜透過性ペプチド))、高分子電解質が公知である。制御放出用のさらなる担体系として、国際公開第2015/161841号(WO 2015/161841)では、例えば非水溶性のミクロ粒子およびナノ粒子が挙げられている。ブロックコポリマー、ランダムコポリマーまたはグラジエントコポリマーは、例えば独国特許第69620898号明細書翻訳文(DE 69620898 T2)、国際公開第01/70288号(WO 01/70288 A2)、国際公開第2005/121196号(WO 2005/121196 A1)または国際公開第2007/109584号(WO 2007/109584 A1)から公知である。例えば癌に対する有効成分用の担体分子も、国際公開第2008/150996号(WO 2008/150996 A1)から公知である。ただし、これらの担体はトランスロケーションに関連しない。
有効成分を制御放出させるためのこれらの担体系(Drug Carrier Systems(ドラッグキャリアシステム)とも呼ばれる)の目的は、一方では、身体から有効成分が素早く排出されるのを阻止することにある。従来の大半の有効成分は小さいため、血液循環内に短時間しかとどまらない。なぜなら、そのサイズに起因して腎閾値を下回り、したがって血液から分離されて再び排出されてしまうからである。
他方、担体系は、できる限り有効成分を特異的に特定の器官または特定の細胞の近傍へと輸送し、そこでできるだけ制御放出することが望ましい。
本発明の課題は、脂質二重層、つまり脂質二重膜、特に細胞膜を通したトランスロケーションを可能にし、かつ従来技術の欠点、例えばナノ毒性、または分子のイオン性に起因する細胞成分との望ましくない相互作用を有しない担体を提供することであった。
さらに、これらの分子は、非膜透過性の有効成分および生体効果を示す薬剤も細胞内に移行または輸送可能とすることが望ましい。その際、一実施形態では、細胞膜が損傷を受けないことが望ましい。
さらに、本発明によるコポリマーは、生理的条件下で使用するために、水性媒体に可溶であることが望ましい。
この課題は、少なくとも1つの有効成分と共有結合させたまたは物理的に結合させたコポリマーであって、交互に存在する疎水性単位と親水性単位とを含む主鎖を含むまたは該主鎖からなるコポリマーにおいて、20〜90℃、20〜80℃、20〜70℃、好ましくは25〜90℃、特に25〜90℃または35〜90℃のLCST値を有することを特徴とするコポリマーによって解決される。
主鎖は、重合生成物であり、場合によっては、コポリマーを形成する少なくとも2つのモノマーの縮合生成物または付加生成物であり、実質的に直鎖状であり、好ましくは直鎖状である。
本発明によれば、LCST値とは下限臨界溶解温度を表し、つまり、このLCST値を下回ると、本発明によるコポリマーは、水または水溶液に完全に可溶である。LCST値を上回る温度では、ポリマーは不溶になる。
LCSTは、比濁法または示差走査熱量測定によって測定できる。別法として、LCST値は目視により測定され、その際、LCST値は、溶液の混濁が生じる温度である。その混濁は、ポリマーの沈殿によって引き起こされる。
一別法では、ポリマーは、厳密なある1点のLCST値ではなく、LCST範囲を有する。本発明によれば、LCST値は、および/または特にLCST範囲の場合、特定値周辺の、各値の30%または20%、好ましくは15%、特に10%周辺の温度範囲に関する。このことは、つまり、例えば20℃と定められたLCST値には、14〜26または16〜24、好ましくは17〜23、特に18〜22(それぞれセルシウス度)の値も含まれることを意味する。
完全に可溶であるとは、本発明によるコポリマーが分子分散状態で溶解している、つまり真の溶液を形成することを意味する。これに関連して、「水溶液」という概念は、溶媒としての水の他に、分子分散状態で溶解されたさらなる物質、例えば塩イオンも含有し得る溶液に対して使用される。体液に着目すると、水溶液には、懸濁または調合された状態で存在し得るさらなる物質も含まれる。
本発明によるポリマーは、交互に存在する親水性単位と疎水性単位とからなる。本発明の趣旨では、本発明による疎水性−親水性交互コポリマーの個々の単位は、出発原料として使用されるモノマーと同一ではなく、特に、本発明によるポリマーの単位の親水性ないしは疎水性は、いずれの実施形態においても、出発原料として使用されるモノマーの親水性ないしは疎水性と同一ではない。
本発明によれば、疎水性単位および/または疎水基とは、ポリマーのLCST値を低下させる単位および/または基である。それは、簡易な比較によって特定できる。つまり、まず、合成されたポリマーまたは出発ポリマーのLCST値を測定する。続いて、さらなる単位および/または基を含む、そのポリマーの誘導体を合成する。別法として、そのような単位および/または基を、出発ポリマー内へと組み込む。続いて、その第2のポリマーのLCST値を測定する。測定された第2のLCST値が最初のLCST値よりも低い場合には疎水性単位であり、測定された第2のLCST値が最初のLCST値よりも高い場合には親水性単位である。したがって、LCST値は、ポリマーの親水性または疎水性を表す尺度である。
親水性単位の一例は、EO、ないしは出発原料としてのPEGである。
疎水性の単位ないしは出発原料の例は、アルコールに関しては、ポリアルカンジオール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールおよび/またはポリテトラメチレングリコールである。
したがって、本発明によるポリマーを製造するために、20℃で640g/Lと易水溶性ではあるものの、例えばグルタル酸を使用できる。もっとも、ポリエステル中に存在するようなグルタル酸エステルは、実質的に疎水性であり、せいぜいのところわずかに水溶性である。例えばグルタル酸ジメチルエステルの水への溶解度は、わずか53g/Lである。
非常に重要であるのは、ポリマーの水への溶解挙動である。
本発明によるポリマーは、下限臨界溶解温度(LCST)を有する。ポリマーは、LCSTを下回ると可溶であり、LCSTを上回ると不溶である。親水性単位および疎水性単位の出発原料の分子量、ならびにそれらの分子量比により、LCSTを調整できる。さらに、成分の極性は非常に重要である。例えば疎水性単位の出発原料が非極性であるほど、所与のLCSTを調整するためのその分子量は小さくなる(表1:P(EG4PG3)対P(C4EG4)を参照;P(C5EG4)の場合、13℃のLCST値が測定された)。さらに、重合反応時に形成される結合の性質が非常に重要である。エステル結合は非極性であるため、疎水性単位を増加させる。アミド結合またはウレタン結合は極性であるため、親水性単位を増加させる。
本発明によるコポリマーの特別な利点は、生理的条件下での、特に25〜50℃、好ましくは25〜45℃または30〜50℃の温度における、その良好な水溶性にある。
コポリマーは、そのLCST値に基づき親水性であるため、親水性の全体的特性を有し、つまり、室温で水溶性である。
本発明の趣旨では、「交互に存在する疎水性単位と親水性単位」とは、疎水性単位と親水性単位とが交互に、つまり−abababab−として存在する交互ポリマーが存在することを意味し、ここで、aが例えば疎水性単位を表してbが親水性単位を表すか、またはその逆である。
したがって、この交互コポリマーは、例えば鎖中でのこれら双方の単位の分布が例えば−aaabbababbbbaababaa−のようにランダムであるランダムコポリマーとは異なる。ランダムコポリマーと類似するものの、例えば−aaaabaaabbaabbbabbbbのように一方の単位の分率は鎖の推移において上昇するが他方の単位の分率は低下するグラジエントコポリマーも、異なる。ブロックコポリマーおよびセグメントコポリマーも、構造の点で本発明による交互コポリマーとは異なる。なぜなら、この場合には、それぞれ疎水性単位および親水性単位から構成される、より長い配列またはブロックが存在するからである。
したがって、本発明によるコポリマーは、親水性単位対疎水性単位の比率が実質的に1:1であり、したがって「実質的」という概念に関して、偏差がそれぞれ最大10%であり、つまり比率は1.1:0.9〜0.9:1.1であるが、好ましくは1:1である。偏差は特に、双方のモノマー単位のうちの一方が合成時に過剰に使用された結果、そのモノマー単位が、好ましくは鎖末端部を形成することになる場合に生じ得る。
一別法では、親水性単位(EO−)または誘導体、例えばポリエーテルジカルボン酸は、(以下でも記載するように)疎水性単位および/または疎水性出発原料よりも大きい分子量を有する。
さらなる一実施形態では、本発明によるコポリマーは、その分子量を特徴とし、特に1000〜100000g/mol、好ましくは2000〜50000、2500〜25000、特に好ましくは3000〜14000g/mol、3200〜13000、特に3500〜12000g/molという数平均分子量Mnを特徴とする。
一別法では、数平均分子量Mnは、1000〜20000、好ましくは1000〜10000、特に1000〜5000または1000〜3000g/molである。
異なる一別法では、数平均分子量Mnは、7000〜14000、好ましくは8000〜13000、特に7500〜12000g/molであるか、または分子量範囲は、少なくとも5000でかつ10000未満、つまり5000<Mn<10000である。
式A:D=Mw/Mnによれば、適切なGPC法を利用して測定した場合に、本発明によるコポリマーに関して、1.01〜3.0、好ましくは1.3〜2.0という多分散度Dが得られる。
好ましくは、本発明によるコポリマーは、1.01〜1.6、特に1.3〜1.6という値Dを有する。
一別法では、分別されたポリマーに関して、Dは、1.01〜1.2または1.01〜1.5、好ましくは1.01〜1.3、特に好ましくは1.01〜1.2、特に1.01〜1.17または1.01〜1.15である。本発明によれば、分別とは分子量による分離を意味し、つまり、各画分は分子量分布が狭い状態で存在する。
一実施形態では、本発明によるコポリマーは離散分子として存在し、つまり、交差架橋されておらず、かつ/またはゲルも形成しない。
一別法では、それぞれの成分、つまりモノマー成分、したがって疎水性単位および/または親水性単位は、狭い分子量分布を有する成分である。つまり、使用される反応物も同様に、狭い分子量分布、好ましくは前記のような多分散度Dを有する。成分は、所定の分子量および分子構造を有してもよく、例えばブタン二酸またはヘキサン二酸といったジカルボン酸であってもよい。
一実施形態では、本発明によるコポリマーは、実質的に直鎖状の主鎖を含むかまたは該主鎖からなることを特徴とする。
「実質的に直鎖状」という概念は、本発明によれば、コポリマーの長さを決定づける直鎖状の主鎖を有する分子を表す。本発明によるコポリマーは、場合によっては分岐を有してもよく、ただし、場合によっては短い分岐および側鎖を有する二官能性モノマー成分から構成されている。つまり、ベースである直鎖状主鎖は、側鎖を有してもよい。側鎖は、一別法では、生理的条件下で不活性の基、例えばアルキル基、アリール基またはアルキルアリール基である。
さらなる一別法では、いくつかの側鎖、ポリマー末端部もしくは付加的な側鎖またはそのすべてに、有効成分と結合するための末端官能基がある。その際、コポリマーまたは有効成分のいずれか一方が、相補的官能基Aを含み、これらの相補的官能基Aは、それぞれ他方の反応相手に含まれている相補的官能基Bとそれぞれ反応する。相補的官能基AおよびBは、以下を含む群または以下からなる群から選択される。
Figure 2019531387
一実施形態では、本発明によるコポリマーは、ラジカル重合の反応生成物ではない。一別法では、本発明によるコポリマーは、さらなる架橋のための二重結合を含まない。
さらなる一実施形態では、本発明によるコポリマーは、少なくとも2つの親水性単位と少なくとも2つの疎水性単位とを含むかまたはそれらからなり、好ましくは3つ、特に好ましくは5つ、特に10個のそれぞれ親水性単位と疎水性単位とを含むかまたはそれらからなる。
一実施形態では、コポリマーは、実質的に非イオン性である。「実質的に非イオン性」という概念は、本発明によれば、イオン性ゆえではなく、その親水性ゆえに水溶性である分子を表す。コポリマーは、pHに応じてイオンとして存在する、末端にある末端基および/または側基を有してもよい。もっとも、それらの基は、水溶性には影響を及ぼさない。
コポリマーの親水性単位は、好ましい一実施形態では、式
(I) −(CH−CH−O−)
によって定義され、ここで、l=2〜30または2〜20、好ましくは2〜18または2〜16である。
本発明の一実施形態は、l=3〜20、好ましくは3〜10、特に4〜6であるコポリマーに関する。
したがって、本発明によるコポリマーは、一別法では、少なくとも4つ、好ましくは少なくとも6つのエーテル官能部および/またはそれらの誘導体が主鎖中に存在することを特徴とする。
本発明の趣旨では、エーテル官能部とは、官能基、つまり一般式R1−O−Raのエーテル基であり、ここで、Ra=もしくはR1=CH−CHであるか、またはR1および/もしくはRaは、互いに独立してC〜C10の炭素鎖を有する基である。その基は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、また芳香族部を含んでもよいし芳香族部からなってもよい。
さらなる一実施形態では、コポリマーは、エステル官能部、アミド官能部および/もしくはウレタン官能部ならびに/もしくはそれらの誘導体および/もしくは組合せを含むかまたはそれらからなる群から選択される少なくとも2つ、好ましくは少なくとも4つのさらなる官能部が主鎖中に存在することを特徴とする。
本発明のさらなる一実施形態は、ジカルボン酸とジオールとの縮合生成物であるため、少なくとも2つ、好ましくは少なくとも4つのエステル官能部および/またはそれらの誘導体を主鎖中に有する本発明によるコポリマーに関する。
本発明の趣旨では、エステル官能部とは、官能基、つまり一般式R2COOR3のエステル基である。したがって、本発明によるコポリマーのモノマーは、主鎖中でエステル基を介して互いに結合されている。
エステル官能部を有する本発明によるコポリマーは、一般式II:(−R2−CO−O−R3−O−CO−)によって表され、
ここで、n=3〜500、好ましくは3〜100であり、ただし、指定されるMw値を超過せず、
R2およびR3は、互いに独立して、1〜60個(EO単位各30個であるため)のC原子を含むかまたはこれらからなり、場合によっては主鎖中で2つのC原子の間に少なくとも1つの酸素原子を含む。
R2は、ジカルボン酸の基であり、R3は、ジオールの基である。これらの基は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、また芳香族部を含んでもよいし芳香族部からなってもよい。
ジカルボン酸は、4〜12個、好ましくは4〜8個、特に好ましくは4〜6個のC原子を有する。
一実施形態では、R2および/またはR3は、式Iによる少なくとも1つの親水性単位を含むか、またはそれらからなる。
したがって、一別法では、本発明によるコポリマーは、式II−1a:HOOC−R2−COOHのジカルボン酸と、
式II−1b:HO−(EO)−Hのポリエチレングリコール(PEG)との縮合生成物であり、ここで、R2およびlは、前記のとおりである。Eは、CH−CH、つまり2つのCH基を意味し、したがって、EOはエトキシを意味する。
R2が少なくとも10個のC原子を、好ましくは鎖として含む場合、R3は、最大20個のEO単位から構成されている。
好ましくは、150〜1000g/mol、好ましくはおよそ150〜600g/mol、特に200〜450g/molまたは200〜300g/molの分子量を有するPEGを使用する。
その別法では、R3は、2〜30個のEO基、好ましくは4〜20個、特に好ましくは6〜14個、4〜10個または4〜6個のEO基から構成される基である。
さらなる一別法では、本発明によるコポリマーは、式II−2a:HOOC−CH−O−(EO−)(l−2)−CH−O−COOHのポリエチレングリコールジカルボン酸と、
式II−2b:HO−(CHn1−OHのジオールとの縮合生成物であり、
ここで、n1=2〜20、好ましくは2〜10、特に好ましくは2〜8、2〜6または2〜4である。
本発明によるコポリマーは、一実施形態において、エステル官能部ではない官能部を主鎖中に少なくとも2つ、好ましくは4つ有する。
本発明の趣旨では、一別法において、この官能部は、アミド官能部である。アミド官能部とは、官能基、つまり式R4−CO−NRb−R5のアミドである。つまり、アミド官能部とは、カルボン酸とアミンとの縮合生成物である。Rbは、互いに独立して、H、−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CHCHCHCH、好ましくはメチル、C〜C鎖のアルキル、アリール(好ましくはフェニルまたはナフチル)、アルキルアリール(好ましくはベンジル)、または別の不活性基、特に好ましくはH、メチルまたはエチル、特にHまたはメチルである。
したがって、コポリマーのモノマーは、アミド官能部を介して互いに結合されている。
アミド官能部を有する本発明によるコポリマーは、一般式III:−(R4−CO−NRb−R5−NRb−CO−)によって表され、
ここで、m=5〜500、好ましくは5〜100であり、ただし、指定されるMw値を超過せず、
R4は、ジカルボン酸の基であり、R5は、ジアミンの基である。これらの基は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、また芳香族部を含んでもよいし芳香族部からなってもよい。
一実施形態では、R4および/またはR5は、例示的に、式Iによる少なくとも1つの親水性単位を含むか、またはそれらからなる。
したがって、一別法では、本発明によるコポリマーは、式III−1a(II−1aと同一):HOOC−R4−COOHのジカルボン酸と、
式III−1b:HN−CH−CH−O−(EO−)(l−2)−CH−CH−NHのポリエチレングリコールジアミンとの縮合生成物である。
この別法では、R4は、2〜12個のメチレン基、好ましくは4〜8個、特に好ましくは4〜6個のメチレン基からなるアルキルである。
さらなる一別法では、本発明によるコポリマーは、式III−2a(II−2aと同一):HOOC−CH−(EO−)(l−2)−CH−COOHのポリエチレングリコールジカルボン酸と、
式III−2b:HN−(CHm1−NHのジアミンとの縮合生成物であり、
ここで、m1=2〜20、好ましくは2〜10または4〜12、特に好ましくは2〜8または4〜6である。
さらなる一別法では、コポリマーは、少なくとも2つ、好ましくは4つのウレタン官能部を主鎖中に含む。本発明の趣旨でのウレタン官能部とは、官能基、つまり式R6−NH−CO−O−R7のウレタン基、つまりイソシアネートとアルコールとの付加生成物である。したがって、この別法の主鎖中ではモノマーがウレタン官能部によって互いに結合されている。
ウレタン官能部を有する本発明によるコポリマーは、一般式IV:−(R6−NRb−CO−O−R7−O−CO−NRb−)によって表され、
ここで、o=5〜500、好ましくは5〜100であり、ただし、指定されるMw値を超過せず、
R6は、ジイソシアネートの基であり、R7は、ジオールの基である。これらの基は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、また芳香族部を含んでもよいし芳香族部からなってもよい。
一実施形態では、R6および/またはR7は、式Iによる少なくとも1つの親水性単位を含むか、またはそれらからなる。
したがって、一別法では、本発明によるコポリマーは、式IV−1a:O=C=N−R6−N=C=Oのジイソシアネートと、
ポリアルコキシジオール、好ましくは式IV−1b(式Iと同一):HO−(EO−)−H(前記のとおり)のポリエチレングリコールとから構成される付加生成物である。
好ましくは150〜1000g/mol、好ましくはおよそ150〜600g/mol、特に200〜450または200〜300g/molの分子量を有するPEGを使用する。
この別法では、R6は、2〜10個のメチレン基、好ましくは4〜8個、特に好ましくは4〜6個のメチレン基からなるアルキルである。
さらなる一別法では、本発明によるコポリマーは、式IV−2a:O=C=N−(CHn4−(EO−)−(CHn5−N=C=Oのポリエチレングリコールジイソシアネートと、
式IV−2b(II−2bと同一):HO−(CHn3−OHのジオールとの付加生成物であり、
ここで、
n4=n5=2〜20、好ましくは2〜10、特に好ましくは2〜8、特に2であり、
n3=2〜20、好ましくは2〜10、特に好ましくは2〜8である。
本発明のさらなる一実施形態は、ジオールからの縮合生成物であるため、少なくとも2つ、好ましくは少なくとも4つのエーテル官能体および/またはその誘導体を主鎖中に有する本発明によるコポリマーに関する。
本発明の趣旨では、エーテル官能部とは、官能基、つまり一般式(V)R8−O−R9のエーテル基である。したがって、本発明によるコポリマーのモノマーは、主鎖中でエーテル基を介して互いに結合されている。
エーテル官能部を有する本発明によるコポリマーを製造するためには、出発原料として、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリアルカンジオール、および5つ以上の炭素原子を有するアルコキシ単位から構成されるポリエーテルを含むかまたはこれらからなる群から選択される、好ましくはポリエーテルであるジオールを使用する。
好ましくは、親水性出発原料、例えばポリエチレングリコール、ならびに疎水性ジオール、例えばポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリアルカンジオール、および5つ以上の炭素原子を有するアルコキシ単位から構成されるポリエーテルから構成される本発明によるコポリマーを使用する。
一実施形態では、R8および/またはR9は、式Iによる少なくとも1つの親水性単位を含むか、またはそれらからなる。R8および/またはR9は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、また芳香族部を含んでもよいし芳香族部からなってもよい。
好ましい実施形態では、コポリマーは、記載したとおり、ポリエーテルまたはポリエステル、特にポリエステルである。官能性末端基は、有効成分を結合し得る。
さらなる好ましい実施形態:
一実施形態では、親水性単位用の出発原料として、特に以下:
ポリエチレングリコール(HO−(CH−CH−O)−H)、ポリエチレングリコール−ビス(カルボキシメチル)エーテル(HOOC−CH−O−(CH−CH−O)(l−2)CH−COOH)、ポリエチレングリコールジエチルアミン(HN−(CH−CH−O−)(l−2)CH−CH−NH)、およびポリエチレングリコール−ビス(イソシアナトメチル)エーテル(OCN−CH−O−(CH−CH−O−)(l−2)CH−NCO)
を含むか、またはそれらからなる群から選択される、好ましくはポリエチレングリコールまたはポリエチレングリコールの誘導体を利用する。
さらなる一実施形態では、疎水性単位用の出発原料として、好ましくは以下の群:
アルカンジオール(HO−(CH−OH)、アルカンジカルボン酸(HOOC−(CH(p−2)−COOH)、アルカンジアミン(HN−(CH(p−2)−NH)、およびアルカンジイソシアネート(OCN−(CH(p−2)−NCO)(ここで、p=1〜20、好ましくは1〜12である)
から選択される、2つの末端官能基を有する炭化水素基を利用する。
炭化水素基(CHは、直鎖状であってもよいし分岐状であってもよい。さらに、炭化水素基は、前記のような官能基、つまり相補的官能基AまたはBを含んでもよい。
さらなる一実施形態では、本発明によるコポリマーは、いわゆるマイケル付加の反応生成物である。その際、疎水性単位と親水性単位とが、炭素−炭素単結合、炭素−硫黄結合、炭素−酸素結合または炭素−窒素結合を介して結合される。マイケル付加とは、いわゆるマイケル供与体の、マイケル受容体と呼ばれるα,β−不飽和カルボニル化合物への付加である。マイケル受容体は、例えばα,β−不飽和アルデヒド、ケトンエステルもしくはカルボン酸アミド、またはα,β−不飽和ニトリルである。マイケル供与体としては、求核性であり、かつ好ましくはHSAB則に基づいて比較的軟らかい化合物、例えば塩基の添加によりα位にアニオン、つまり脱プロトン化されたカルボニル化合物を形成する化合物を使用する。そのような求核剤としては、アミン、チオール、フェノレートイオンまたはシアニドが使用可能である。本発明によるコポリマーに関しては、反応物として、それぞれ、マイケル付加用の2つの官能基、つまり2つのマイケル受容体、2つのマイケル供与体、または1つのマイケル受容体と1つのマイケル供与体とのいずれかを有する化合物を使用する。反応物中または少なくとも1つの反応物中には、双方の官能基(マイケル受容体、マイケル供与体)間にEO−(l)鎖が存在してもよい。マイケル受容体としては、特にポリエチレングリコールジメタクリレートまたはポリエチレングリコールジアクリレートが適切である(双方の鎖末端部において、メタクリル酸またはアクリル酸とエステル化させたポリエチレングリコール)。マイケル供与体としては、特にアルカンジチオール、例えば1,4−ブタンジチオールまたは1,6−ヘキサンジチオールが適切である。
疎水性単位用の出発原料としては、官能性末端基を有する限り、疎水性ポリマーも使用できる。特に、ポリエーテル、例えばポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールまたはポリテトラヒドロフランが適切である。末端基は、アルコール、アミンまたは別の官能基であってもよい。
親水性単位または疎水性単位の出発原料から、適切な重合方法により、交互に存在する親水性単位と疎水性単位とからなるポリマーを製造する。適切な重合方法は、例えば重縮合または重付加である。それにより、例えばポリエステル、ポリアミド、ポリエーテルまたはポリウレタンが得られる。
例えばポリエチレングリコールとジカルボン酸との重合によって、構造−(OC−(CHp−2−CO−O(CH−CH−O)−のポリエステルが得られる。別法として、ポリエステルは、ポリエチレングリコール−ビス(カルボキシメチル)エーテルをアルカンジオールと反応させても得られる。
ポリエチレングリコール−ビス(カルボキシメチル)エーテルをアルカンジアミンと反応させると、次の構造−(OC−CH−O−(CH−CH−O−)−CH−CO−(NH)−(CHp2−(NH))−を有するポリアミドが得られ、ただし、xは繰返し単位の数を規定し、前記の分子量によって決まる。
前記化合物に代わり、反応性を高めるために別の化合物も使用できる。つまり、ポリエステルまたはポリアミドを製造するために、例えばカルボン酸基を酸塩化物に置換してもよい。例えばポリエチレングリコールとジオールとからポリエーテルを製造するためには、両成分のうち一方を、中間的に、対応するジトシレートへと転化させ、次いで、次の構造−(O−(CH−CH−O)−(CHp2−を有するポリエーテルを製造してもよい。
第一級アミンの代わりに、第二級アミンも使用できる。その際、例えば構造H(CH)N−(CH(p−2)−N(CH)Hを有するメチル化アミンが好ましい。
ポリマー鎖の末端基は、使用した出発原料からもたらされる。ポリエステル中では、例えばカルボン酸基およびアルコール基が生じる。末端基は、ポリマーのトランスロケーション挙動に対して重大な影響を及ぼさない。例えば有効成分分子を結合させるために、末端基を、後重合反応によって変化させることもできる。
直鎖の代わりに、例えば二官能性出発原料と三官能性出発原料とからなる混合物を使用して得られる分岐構造も可能である。しかしながら、三以上の官能性の出発原料の分率は、その場合にも依然として可溶性ポリマーが得られるように、低くなければならない。
親水性単位および疎水性単位の出発原料は、単分散性であってよい。しかしながら、出発原料は、分子量分布を有することも可能である。それは、特に高分子出発原料に当てはまる。ジカルボン酸のような低分子出発原料も、様々な鎖長の混合物として使用可能である。
本発明は、前記コポリマーの製造方法にも関する。
本発明による方法の利点は、一別法においてさらなる後処理なく直ちに使用できるコポリマーの簡便な製造にある。
異なる一別法では、後処理、特にポリマーの精製を行ってもよい。
その場合、ポリマーの溶解度が異なることによって、比較的狭い分子量分布を有する特定の画分を分離し精製できる。
分離するためには、すべてのポリマーを好ましくは水または別の溶媒に溶解させ、非溶媒の添加により、該当するコポリマー画分をその溶解度に基づいて沈殿させる。この分離方法は、温度依存性である。
分離は、温度変化によっても行うことができる。
それにより、低分子画分および高分子画分を分離する。これが、分別に相当する(例を参照)。
コポリマーの分子量MwおよびMnの測定は、本発明によれば、場合によってはオンライン光散乱検出と連結させたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC−LS)を利用して、または末端基特定によるNMRを利用して行うことができる。
さらに、本発明の趣旨では、分子量(Mn)を計算するために、H−NMRにより、OH末端基およびCOOH末端基の分率の算出を行う。
本発明は、さらに、前記のように、有効成分用、つまり生体効果を示す薬剤用の担体として使用するためのコポリマーに関する。コポリマーは、有効成分、つまり生体効果を示す薬剤用の担体として利用される。なぜなら、そのコポリマーは、それらの物質に、脂質二重膜、好ましくは細胞膜を通したトランスロケーションを可能にさせ、つまりそれらの物質のトランスロケーションを引き起こし、かつ初めて可能にするからである。
本発明の趣旨では、有効成分、または生体効果を示す薬剤は、同等に使用できる。有効成分とは、一実施形態では、薬事法第2条(1)および第2条(2)ならびに第4条(19)(2016年4月4日現在)で規定されている医薬品である。
一別法では、有効成分とは、医薬効果および/または生体効果を示すすべての物質と理解される。したがって、有効成分とは、医薬活性化合物、治療活性化合物および生体活性化合物、化粧学的な活性化合物、生化学および/または生理プロセスに生体内でおよび/または量的に影響を及ぼす、つまりこれらのプロセスを促進する、そもそも初めて可能にする、または阻止する物質からなる群から選択される化合物である。
さらに、有効成分は、少量で多大な医薬効果、化学効果、生体効果または生理効果を発揮する。
一実施形態では、有効成分は、色素、蛍光標識剤、放射活性標識剤でもある。
さらなる一実施形態では、有効成分、ないしは生体効果を示す薬剤は、殺生物剤でもある。
前記コポリマーは、一実施形態では、前記エステル官能部ならびにOH末端基およびCOOH末端基の他にはさらなる官能基を有しない。それに応じて、ジカルボン酸とアミンとの縮合生成物、およびイソシアネートとジオールとの付加生成物としての前記コポリマーは、アミド官能部ないしはウレタン官能部、ならびにCOOH末端基およびNH末端基ないしはOH末端基の他に、一実施形態では、さらなる官能基を有しない。
さらなる一別法では、前記コポリマーは、官能基を有する。官能基とは、コポリマーに共有結合している前記の基ないしは分子である。官能基は、コポリマーの化学的特性および物理的特性を変化させるため、または有効成分、つまり生体効果を示す薬剤をコポリマーに結合させるために導入できる。
したがって、本発明は、有効成分と結合させた前記コポリマーであり、ただし、その結合は共有結合である。
本発明は、さらなる一実施形態では、有効成分と結合させた前記コポリマーであり、ただし、その結合は共有結合ではない。
その場合、結合は、水素結合、親水性相互作用、疎水性相互作用、静電相互作用、ないしは親水結合、疎水結合、静電結合および/または立体的固定化によって行われる。共有結合によらない結合は、共有結合と比べて容易な有効成分の放出を提供する。なぜなら、化学結合を解く必要がなく、生理環境の変化がすでに放出をもたらし得るからである。
一別法では、共有結合によらない結合を行うために、有効成分を前記コポリマーの超格子に含めてもよい。
本発明の主題は、医薬品として使用するための、有効成分ないしは生体効果を示す薬剤と結合させた前記コポリマーでもある。
本発明のさらなる主題は、脂質二重膜、特に細胞膜を通した輸送を目的とした、有効成分および生体効果を示す薬剤用の担体としての前記コポリマーの使用である。
有効成分および/または生体効果を示す薬剤と結合させた前記コポリマーの、医薬品としての使用も主題である。調合は、例えばUrsula Schoeffling、Arzneiformellehre、第4版(2003年)に記載されるような当業者に公知の方法で行われる。
ただし、一実施形態では、前記コポリマーをエクスビボ(ex vivo)で使用し、例えば前記のような担体として、様々な有効成分のトランスロケーションをイン・ビトロ(in vitro)で試験するために使用する。そのためには、例において記載するように実施されるテストを行う。そのためには、特に、人工脂質二重膜が適切である。
コポリマーおよび有効成分を、本発明により互いに調整する。例えば高分子量の疎水性有効成分が存在する場合、この有効成分を、高分子量および/または高LCST値を有するコポリマーと結合させる。その結果、有効成分と結合させるコポリマーの全体的により高い親水性が達成される。
一実施形態では、場合によっては異なる有効成分を伴う、出発原料の化学組成に関してまたは分子量に関して異なるコポリマーを使用して、かなり長期間にわたる有効成分のトランスロケーションを保証するか、または異なる有効成分の正確な順序を保証する。
本発明の主題は、前記コポリマーを含むキットでもある。そのようなキットにおいて、一別法では、前記コポリマーが溶解状態で存在する。異なる一別法では、コポリマーは粉末として存在する。さらに、キットは、例えば緩衝剤または溶液を含む容器を含んでもよい。すべての成分が、同一容器内に包装されていてもよいし互いに別々に包装されていてもよい。さらに、キットの使用説明書も存在してよい。コポリマーは、例えば栓またはセプタムの付いたインダクションボトル内に存在し得る。その他に、キットは、さらに試料採取用使い捨て注射器を含んでもよい。
前記コポリマーならびに対応する製造方法は、特に、その疎水性特性および親水性特性ならびにLCST値に関して正確に調整されたコポリマーを製造する可能性を提供する。例えばアミド官能部および/またはウレタン官能部は、エステル官能部よりも極性が高いため、高い疎水性分率を達成するために、疎水性要素、例えばCH鎖を、それらの官能部間に挿入してもよい。
浸透圧法を利用して測定されたトランスロケーションのキネティクスを示す。 浸透圧法を利用して測定されたトランスロケーションのキネティクスを示す。
例:
1.本発明によるポリマーの製造
P(C4EG6):無水コハク酸16.81g(168mmol)を、ガラスフラスコ中で、ポリエチレングリコール300 49.97g(Mn=298g/mol、168mmol)およびトルエンスルホン酸一水和物53mgと混合し、撹拌しながら1日間、アルゴン下で120℃に加熱した。続いて、圧力を100mbarに下げ、2時間以内に160℃に加熱した。その温度において、圧力をさらに20mbarへと下げた。16時間後に圧力をさらにおよそ0.1mbarへと下げて、さらに4日間加熱した。そのようにして得られた生成物を、さらなる後処理なしに引き続き使用した。
P(C5EG6):グルタル酸12.91g(97.5mmol)を、ガラスフラスコ中で、ポリエチレングリコール300 29.01g(Mn=298g/mol、97.4mmol)およびトルエンスルホン酸一水和物37mgと混合し、真空条件(およそ0.1mbar)下で加熱し撹拌した。それぞれ1時間にわたって、80℃、100℃および120℃に加熱した。続いて、3時間かけて温度を140℃に上げ、最後に62時間かけて160℃で加熱した。そのようにして得られた生成物を、さらなる後処理なしに引き続き使用した。
P(C6EG6):アジピン酸24.24g(166mmol)を、ガラスフラスコ中で、ポリエチレングリコール300 49.54g(Mn=298g/mol、166mmol)およびトルエンスルホン酸一水和物58mgと混合し、100mbarにおいて加熱し撹拌した。それぞれ1時間かけて、120℃、140℃および160℃に加熱した。続いて、圧力を50mbarに下げ、160℃で16時間にわたって引き続き加熱した。その温度において、圧力を1日以内におよそ0.1mbarへと下げて、その条件下でこの混合物をさらに4日間放置した。そのようにして得られた生成物を、さらなる後処理なしに引き続き使用した。
P(C4EG4):無水コハク酸32.58g(326mmol)を、ガラスフラスコ中で、テトラエチレングリコール63.21g(325mmol)、トルエンスルホン酸一水和物351mg、およびトルエン117gと混合し、ディーン・スターク装置を中間に挟んで還流下に、撹拌しながら沸騰するまで加熱した。2日後に圧力をおよそ0.1mbarへと下げ、この混合物を120℃でさらに1日間加熱した。そのようにして得られた生成物を、さらなる後処理なしに引き続き使用した。
P(C8EG13):スベリン酸15.53g(89.2mmol)を、ガラスフラスコ中で、ポリエチレングリコール600 53.40g(Mn=599g/mol、89.1mmol)およびトルエンスルホン酸一水和物70mgと混合し、100mbarにおいて加熱し撹拌した。それぞれ1時間かけて、120℃、140℃および160℃に加熱した。続いて、圧力を10mbarに下げ、160℃で16時間にわたって引き続き加熱した。その温度において、圧力を1日以内におよそ0.1mbarへと下げて、その条件下でこの混合物をさらに2日間放置した。そのようにして得られた生成物を、さらなる後処理なしに引き続き使用した。
P(C10EG22):セバシン酸15.16g(75.0mmol)を、ガラスフラスコ中で、ポリエチレングリコール1000 73.95g(Mn=986g/mol、75.0mmol)、トルエンスルホン酸一水和物85mg、およびトルエン112gと混合し、ディーン・スターク装置を中間に挟んで還流下に撹拌しながら沸騰するまで加熱した。1日後に圧力をおよそ0.1mbarへと下げ、この混合物を140℃でさらに5日間加熱した。そのようにして得られた生成物を、さらなる後処理なしに引き続き使用した。
P(EG4PG3):ポリ(エチレングリコール)ビス(カルボキシメチル)エーテル33.16g(Mn=217g/mol、153mmol)を、ガラスフラスコ中で、トリプロピレングリコール29.38g(153mmol)およびトルエンスルホン酸一水和物110mgと混合し、100mbarで0.5時間にわたって120℃に加熱して撹拌した。続いて、140℃で3.5時間以内に圧力を5mbarへと下げた。さらに18時間後に温度を160℃に上げてから、さらに2日間にわたって5mbarにおき、そして1日間にわたっておよそ0.1mbarにおいて撹拌した。そのようにして得られた生成物を、さらなる後処理なしに引き続き使用した。
P(C5EG6)の分別:P(C5EG6)7.35gをトルエン500mL中に溶解させ、室温で撹拌しながら、混合物が明らかに混濁するまでエタノール1.4Lをゆっくりと添加した。わずかに加熱することで透明溶液が得られ、その溶液を数時間かけて再び室温に冷却した。その際に生じる下側相が沈殿したら、上澄みの透明な混合物を傾瀉により除去し、さらなるエタノールを混合し、この混合物が透明になるまで加熱し、ゆっくりと室温に冷却し、透明な上澄み液を第2の下側相から分離した。このプロセスをさらに2回繰り返した。合計で3.3Lのエタノールを添加した。4つの下側相を乾燥させ、エタノールで洗浄し、最終的に乾燥させて、画分P(C5EG6)−F1〜P(C5EG6)−F4を得た。なおもトルエン/エタノール混合物に溶解しているポリマーを、溶媒の分留により単離し、70℃でエタノール1L中に溶解させた。徐々に冷却することにより、39〜−15℃でさらに4つの画分が得られ、それらを乾燥させた(画分P(C5EG6)−F5〜P(C5EG6)−F8)。各々の画分は、およそ0.5g〜1gのポリマーを含んでいた。
例2:ポリマーの特性決定
絶対分子量(前記の数平均分子量Mnおよび重量平均分子量Mw)ならびにポリマー生成物の多分散度Mw/Mnを、オンライン光散乱検出器を連結させたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC−LS)を利用して、溶離剤としてのTHF中で算出した。Mn、ならびにOH末端基およびCOOH末端基の分率(%OH、%COOH)を、重水素化ピリジン中でのH−NMRにより算出した。多分散度Mw/Mnを、さらに、PEO較正を伴うGPC(GPC−PEO)により算出した。この場合、84重量%のTHF、15重量%のジメチルアセトアミドおよび1重量%の酢酸から構成される溶離剤混合物を使用した。結果を表1にまとめる。分別されていないコポリマーは、幅広い分子量分布を有する。GPC−LSを利用した場合、低分子画分が完全には検知されないため、この値は、GPC−PEOを利用して測定した値をいくぶん下回る。
Figure 2019531387
Figure 2019531387
上記で使用した命名法によれば、Pは、ポリエステルコポリマーであるポリマーを意味する。まず第一に、酸単位について定める。酸単位は、例えばC4の場合には4つのC原子から構成される鎖を含み、C5(C5は、HOOC−(CH−COOHである)の場合には5つのC原子から構成される鎖を含む(以下略)。次にアルコール単位について定める。アルコール単位は、例えばEG6の場合には6個の縮合したエチレングリコールサブユニットから構成される鎖を含み、EG14の場合には14個の縮合したエチレングリコールサブユニットから構成される鎖を含む(以下略)。まず、ジカルボン酸に関して例えばEG4があれば、その出発原料は、およそ4つのEO単位を有するエチレングリコールベースのポリエチレングリコールジカルボン酸であるが、ただし、末端C原子がカルボキシ基中に存在する。
例3:
ポリマーの膜透過性の算出
本発明によるポリマーの膜透過性、つまり膜を通したトランスロケーションを測定するために、Bayley(2008年、Journal Anal Chem)による、いわゆるDIB(Droplet Interface Bilayer、液滴界面二重膜)法の変法を使用した。この方法に基づき、自立型脂質二重膜をマイクロ流体チップ中で生成させた。
チップのマイクロチャネルは、十字に交差するように配置されていた。マイクロチャネルに、まず、スクアレン中に溶解させたリン脂質混合物(DOPC、1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン)を充填した。
2つの対向する末端部において、注射器用の容量制御ポンプを利用して、100mMのNaClを含有する水性相を、チャネルの2つの末端部に注入した。
注射器からの水性相が、注射器から離れて広がる2つのいわゆるフィンガーないしはバブルを形成した。数秒後に、水相と油相との間の相境界にそれぞれ1つの脂質単層が形成され、その脂質単層は、フィンガー全体にわたって延在した。脂質単層を含む2つのフィンガーが接触すると直ちに、それら2つの脂質単層から1つの脂質二重層が形成された。このプロセスは、すぐに起こるのではなく、いわゆる「ジッピングプロセス」の最中に双方の脂質単層間にある油、ここではスクアレンの、後退ないしは導出に基づいて起こる。二重層は、その形成後は安定であり、光学顕微鏡検査および電気生理学実験によって同時に分析可能であった。
本発明によるポリマーを、注射器の一方の中の水性相に分散ないしは溶解させた結果、フィンガーの一方の中には本発明によるポリマーが存在したのに対して、他方のフィンガー中には存在しなかった。他方のフィンガーは、純水(例えば蒸留水または脱塩水)中の100mMのNaCl水溶液しか含有していなかった。
したがって、形成されたリン脂質二重膜の片側にしか本発明によるポリマーは存在しなかった。24時間後に、元は本発明によるポリマーを含有しなかった水性相から試料(マイクロピペットを使っておよそ100〜200μl)を採取して化学分析した。
まず、およそ1ミリリットルの量が存在するまで、複数のマイクロ流体チップないしは複数の実験から試料を採取した。
水性試料の化学分析は、以下のように行った。
凍結乾燥により水を除去した。得られた残渣を、GPCおよびH−NMRを利用して特性決定した。比較ないしは対照として、片側に注入された本発明によるポリマーを含有する元の溶液も、同様にその方法で化学分析した。
本発明によるコポリマー、つまりP(C5EG6)、P(C4EG6)、P(C6EG6)、および(C8EG13)に関して、対照のGPCクロマトグラムおよびNMRスペクトルは、採取された試料のものと同一であった。
浸透圧法を利用した浸透キネティクスの測定:
前記のように、油相中での2つの水滴の接触により脂質二重層を形成させた。2つのいわゆる水フィンガーを、圧力制御系を利用してマイクロチャネルに注入した。圧力制御系は、マイクロチャネルと直接に結合された静水タンク(hydrostatisches Reservoir)からなっていた。したがって、2つの水フィンガーが互いに接触するまでこれらをマイクロチャネル系の両側から互いの方へと押し、そのようにして脂質二重層を形成させた。その際、元はマイクロチャネル内に存在していた連続的な油相が排除された。双方の液滴、ないしはこの場合は水フィンガーが接触して、それに基づいて脂質二重層が形成されると、双方の水フィンガーに作用する圧力が均一化されたため、力学的平衡が生じた。双方の水フィンガーの各々に作用する静水圧は、水タンクの高さによって精密に調整されている(Ph=pxgxh)。双方の水滴(水フィンガー)の一方は純粋な水性緩衝剤であったのに対して、他方は、同一の緩衝剤中に本発明によるポリマーをおよそ5mg/mlの濃度で含有していた。脂質二重層を通したトランスロケーションに起因し、双方の水フィンガー中におけるポリマー濃度が経時的に変化し、その結果、力学的平衡が崩れた。これが、再び、マイクロチャネル内における脂質二重層の非常にゆっくりとした移動を引き起こした。脂質二重層の位置を、顕微鏡を使って詳細に記録した。脂質二重層の位置は、詳細には水タンクの高さの変更による水フィンガーにかかる圧力の変更によって新たに調整された。二重層の平衡を回復するために必要であった静水圧の変化は、ポリマー濃度の変化によって引き起こされた浸透圧の変化を直接に表した。
標準物質としては、Mn=2000g/molの分子量を有するポリエチレングリコールを使用した。
測定開始時の0というC/Coの値は、すべてのポリマーが膜の片側に存在することを意味する。0.5という値は、膜の両側においてポリマー濃度が同一であることを意味する。
図1では、PEGに対する値とP(C10EG22)に対する値とが重なっている。
この結果から、二重膜を通したコポリマーのトランスロケーションが生じたことが明らかに分かる。

Claims (15)

  1. 少なくとも1つの有効成分と共有結合させたまたは物理的に結合させたコポリマーであって、交互に存在する疎水性単位と親水性単位とを含むコポリマーにおいて、20〜90℃のLCST値を有することを特徴とする、コポリマー。
  2. 20〜80℃、好ましくは20〜70℃のLCST値を有する、請求項1記載のコポリマー。
  3. 実質的に直鎖状の主鎖を含むかまたは該主鎖からなることを特徴とする、請求項1または2記載のコポリマー。
  4. 実質的に非イオン性であることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載のコポリマー。
  5. 前記親水性単位は、式−(CH−CH−O−)[式中、l=2〜30である]によって定義されていることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載のコポリマー。
  6. l=2〜20である、請求項1から5までのいずれか1項記載のコポリマー。
  7. l=3〜8、好ましくは4〜6であることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載のコポリマー。
  8. 少なくとも4つ、好ましくは少なくとも6つのエーテル官能基が前記主鎖中に存在することを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載のコポリマー。
  9. エステル官能基、アミド官能基および/もしくはウレタン官能基ならびに/もしくはそれらの誘導体および/もしくは組合せを含むかまたはそれらからなる群から選択される少なくとも2つ、好ましくは少なくとも4つの官能基が前記主鎖中に存在することを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載のコポリマー。
  10. 脂質二重層を通過する有効成分用担体として使用するための、請求項1から9までのいずれか1項記載のコポリマー。
  11. 前記脂質二重層は、生体膜の一部、好ましくは細胞膜であることを特徴とする、請求項8記載のコポリマー。
  12. 医薬品として使用するための、請求項8から11までのいずれか1項記載のコポリマー。
  13. 脂質二重層を通して有効成分を輸送するための、請求項1から11までのいずれか1項記載のコポリマーの使用。
  14. 前記脂質二重層は、生体膜の一部、好ましくは細胞膜であることを特徴とする、請求項12記載の使用。
  15. 脂質二重層を通した有効成分の輸送方法であって、請求項1から11までのいずれか1項記載のコポリマーを水溶液中で前記脂質二重層の片側で提供する、方法。
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