JP2019530907A - 投与量レジメンデザインに関する材料および方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明により、治療剤の至適投与量レジメンを決定するための材料および方法を提供する。特に、本発明は、IL-2受容体を標的とし得る治療剤、好ましくはインターロイキン2(IL2)ベースの治療剤の投与量レジメンに関する。本発明の方法により、新しいIL-2Rを標的とする治療剤のための一般的な投与量レジメンを決定することが可能になるが、また、IL-2Rを標的とする治療剤で処置される個体のための特別に個別調整された投与量レジメンを得ることも可能になる。
組換え野生型IL2(プロロイキン)では、転移性黒色腫および転移性腎細胞がんを有する患者の5〜10%で完全寛解および長期持続性の疾病管理が達成される。プロロイキンの血清半減期は13〜85分の範囲であり、1日3回(q8h、t.i.d)の輸注を連続5日間まで(最大14回の用量)2サイクルで投与し、その間に1週間の休薬期間をもうける緻密な処置スケジュールが必要とされる1。高用量のプロロイキンでは重大な全身毒性が引き起こされ、制御性T細胞(T-reg)および活性化誘導型細胞死(AICD)の誘導によって抗腫瘍免疫が障害されるとともに、腫瘍付近のサイトカイン濃度が至適抗腫瘍応答のためには低くなり過ぎる2。
(a)治療剤の用量投与後の1つまたは複数の時点において1または複数の個体から得られたデータを用いて、モデル、例えば薬物動態(PK)モデルまたは薬物動態/薬力学(PKPD)モデルをシミュレーションする工程であって、該データが、未結合治療剤の濃度に関するPKデータを含み、
該モデルが、
であり、
式中、
[Ab]freeは、血漿中の未結合治療剤の濃度であり、
[IL2R]freeは、血中の未結合のIL2受容体発現免疫細胞の濃度であり、kin/koutにより得られるか、または任意でPDデータから得られ、
[Complex]は、治療剤とIL-2受容体発現免疫細胞(IL2R+細胞)の複合体の濃度であり、
kclearは、血漿からの治療剤の一定の消失速度であり、0.02〜0.04時間-1の値を有し、
konは、治療剤とIL-2受容体発現免疫細胞の複合体の結合速度であり、0.26〜4.5μM.-1h-1の値を有し、
koffは、治療剤とIL-2受容体発現免疫細胞の複合体の解離速度であり、0.0035〜0.02 h-1の値を有し、
kinは、血漿中のIL2R+細胞の一定の流入速度であり、0.0006〜0.0144μM.h-1の値を有し、
koutは、血漿中のIL2R+細胞の自然崩壊速度であり、0.0018〜0.069 h-1の値を有し、
kintは、治療剤のインターナリゼーション速度であり、0.0066〜0.023 h-1の値を有し、かつ
ηは、治療剤の結合(インターナリゼーション)の結果としての血漿中のIL2R+細胞の一定の増殖速度であり、1.02〜3.31の値を有する、工程
(b)未結合治療剤の減少を代償するために必要とされる治療剤の増分に基づいて至適投与量レジメンを提供する工程
を含み、
治療剤は、IL2Rを標的とし得る化合物である。
(a)治療剤の用量投与後の1つまたは複数の時点において該個体から得られたデータを用いて、モデル、例えば薬物動態(PK)モデルまたは薬物動態/薬力学(PKPD)モデルをシミュレーションする工程であって、該データが、未結合治療剤の量に関するPKデータを含み、
該モデルが、
であり、
式中、
[Ab]freeは、血漿中の未結合治療剤の濃度であり、
[IL2R]freeは、血中の未結合のIL2受容体発現免疫細胞の濃度であり、kin/koutにより得られるか、または任意でPDデータから得られ、
[Complex]は、治療剤とIL-2受容体発現免疫細胞(IL2R+細胞)の複合体の濃度であり、
kclearは、血漿からの治療剤の一定の消失速度であり、0.02〜0.04時間-1の値を有し、
konは、治療剤とIL-2受容体発現免疫細胞の複合体の結合速度であり、0.26〜4.5μM.-1h-1の値を有し、
koffは、治療剤とIL-2受容体発現免疫細胞の複合体の解離速度であり、0.0035〜0.02 h-1の値を有し、
kinは、血漿中のIL2R+細胞の一定の流入速度であり、0.0006〜0.0144μM.h-1の値を有し、
koutは、血漿中のIL2R+細胞の自然崩壊速度であり、0.0018〜0.069 h-1の値を有し、
kintは、治療剤のインターナリゼーション速度であり、0.0066〜0.023 h-1の値を有し、かつ
ηは、治療剤の結合(インターナリゼーション)の結果としての血漿中のIL2R+細胞の一定の増殖速度であり、1.02〜3.31の値を有する、工程;
(b)遊離治療剤の減少を代償するために必要とされる治療剤の増分に基づいて、該個体に対する至適投与量レジメンを提供する工程
を含んでもよく、
治療剤は、IL2Rを標的とし得る化合物である。
(a)治療剤の初回用量または前回用量の投与後の1つまたは複数の時点において個体から得られたデータを用いて、モデルをシミュレーションする工程であって、該データが、未結合治療剤の量に関するPKデータを含み、
該モデルが、
であり、
式中、
[Ab]freeは、血漿中の未結合治療剤の濃度であり、
[IL2R]freeは、血中の未結合のIL2受容体発現免疫細胞の濃度であり、kin/koutにより得られるか、または任意でPDデータから得られ、
[Complex]は、治療剤とIL-2受容体発現免疫細胞(IL2R+細胞)の複合体の濃度であり、
kclearは、血漿からの治療剤の一定の消失速度であり、0.02〜0.04時間-1の値を有し、
konは、治療剤とIL-2受容体発現免疫細胞の複合体の結合速度であり、0.26〜4.5μM.-1h-1の値を有し、
koffは、治療剤とIL-2受容体発現免疫細胞の複合体の解離速度であり、0.0035〜0.02 h-1の値を有し、
kinは、血漿中のIL2R+細胞の一定の流入速度であり、0.0006〜0.0144μM.h-1の値を有し、
koutは、血漿中のIL2R+細胞の自然崩壊速度であり、0.0018〜0.069 h-1の値を有し、
kintは、治療剤のインターナリゼーション速度であり、0.0066〜0.023 h-1の値を有し、かつ
ηは、治療剤の結合(インターナリゼーション)の結果としての血漿中のIL2R+細胞の一定の増殖速度であり、1.02〜3.31の値を有する、工程;
(b)遊離治療剤の減少を代償するために必要とされる治療剤の増分に基づいて該個体に対する有効用量を決定する工程; および
(c)該有効用量を該個体に投与する工程
を含み、
治療剤は、IL2Rを標的とし得る化合物である。
(a)個体に対する治療剤の有効量を決定するための解析結果を提供する試験を依頼する工程; および
(b)治療剤を決定された有効量で該個体に投与する工程
を含み、
ここで、該試験は、
(a)治療剤の初回用量または前回用量の投与後の1つまたは複数の時点において該個体から得られたデータを用いて、モデル、例えば薬物動態(PK)モデルまたは薬物動態/薬力学(PKPD)モデルをシミュレーションする工程であって、該データが、未結合治療剤の量に関するPKデータを含み、
該モデルが、
であり、
式中、
[Ab]freeは、血漿中の未結合治療剤の濃度であり、
[IL2R]freeは、血中の未結合のIL2受容体発現免疫細胞の濃度であり、kin/koutにより得られるか、または任意でPDデータから得られ、
[Complex]は、治療剤とIL-2受容体発現免疫細胞(IL2R+細胞)の複合体の濃度であり、
kclearは、血漿からの治療剤の一定の消失速度であり、0.02〜0.04時間-1の値を有し、
konは、治療剤とIL-2受容体発現免疫細胞の複合体の結合速度であり、0.26〜4.5μM.-1h-1の値を有し、
koffは、治療剤とIL-2受容体発現免疫細胞の複合体の解離速度であり、0.0035〜0.02 h-1の値を有し、
kinは、血漿中のIL2R+細胞の一定の流入速度であり、0.0006〜0.0144μM.h-1の値を有し、
koutは、血漿中のIL2R+細胞の自然崩壊速度であり、0.0018〜0.069 h-1の値を有し、
kintは、治療剤のインターナリゼーション速度であり、0.0066〜0.023 h-1の値を有し、かつ
ηは、治療剤の結合(インターナリゼーション)の結果としての血漿中のIL2R+細胞の一定の増殖速度であり、1.02〜3.31の値を有する、工程;
(b)遊離治療剤の減少を代償するために必要とされる治療剤の増分に基づいて該個体に対する有効用量を決定する工程
を含み、
治療剤は、IL2Rを標的とし得る化合物である。
に従うモデル、例えば薬物動態(PK)モデルまたは薬物動態/薬力学(PKPD)モデルに適用することにより決定されたものであり、
式中、
[Ab]freeは、血漿中の未結合治療剤の濃度であり、
[IL2R]freeは、血中の未結合のIL2受容体発現免疫細胞の濃度であり、kin/koutにより得られるか、または任意でPDデータから得られ、
[Complex]は、治療剤とIL-2受容体発現免疫細胞(IL2R+細胞)の複合体の濃度であり、
kclearは、血漿からの治療剤の一定の消失速度であり、0.02〜0.04時間-1の値を有し、
konは、治療剤とIL-2受容体発現免疫細胞の複合体の結合速度であり、0.26〜4.5μM.-1h-1の値を有し、
koffは、治療剤とIL-2受容体発現免疫細胞の複合体の解離速度であり、0.0035〜0.02 h-1の値を有し、
kinは、血漿中のIL2R+細胞の一定の流入速度であり、0.0006〜0.0144μM.h-1の値を有し、
koutは、血漿中のIL2R+細胞の自然崩壊速度であり、0.0018〜0.069 h-1の値を有し、
kintは、治療剤のインターナリゼーション速度であり、0.0066〜0.023 h-1の値を有し、かつ
ηは、治療剤の結合(インターナリゼーション)の結果としての血漿中のIL2R+細胞の一定の増殖速度であり、1.02〜3.31の値を有し、
ここで、該データは、(i)未結合治療剤の量に関するPKデータと、任意で(ii)治療剤の初回用量または前回用量の投与後の1つまたは複数の時点において該個体から得られたIL2受容体発現免疫細胞に関するPDデータとを含む。
(a)治療剤(例えば、IL2ベース治療剤)の初回用量または前回用量の投与を行なう工程;
(b)治療剤の初回用量または前回用量の投与後の1つまたは複数の時点において、該個体からPKデータおよび任意でPDデータを得る工程;
(c)該PKデータおよび任意のPDデータを、該初回用量または前回用量の投与後の循環している遊離治療剤の損失を予測するためのモデル、例えば薬物動態(PK)モデルまたは薬物動態/薬力学(PKPD)モデルに適用する工程;
(d)少なくとも第2の用量投与に対する投与量レジメンを提供する工程であって、該投与量レジメンは、循環している遊離の剤の予測される損失分を単回用量の量の増大によって代償するための調整された量の治療剤、用量間の時間間隔の短縮、または両者の組み合わせを提供する、工程; ならびに
(e)該少なくとも第2の用量投与を該投与量レジメンに従って行なう工程
を含み、
該モデルは、
であり、
式中、
[Ab]freeは、血漿中の未結合治療剤の濃度であり、
[IL2R]freeは、血中の未結合のIL2受容体発現免疫細胞の濃度であり、kin/koutにより得られるか、または任意でPDデータから得られ、
[Complex]は、治療剤とIL-2受容体発現免疫細胞(IL2R+細胞)の複合体の濃度であり、
kclearは、血漿からの治療剤の一定の消失速度であり、0.02〜0.04時間-1の値を有し、
konは、治療剤とIL-2受容体発現免疫細胞の複合体の結合速度であり、0.26〜4.5μM.-1h-1の値を有し、
koffは、治療剤とIL-2受容体発現免疫細胞の複合体の解離速度であり、0.0035〜0.02 h-1の値を有し、
kinは、血漿中のIL2R+細胞の一定の流入速度であり、0.0006〜0.0144μM.h-1の値を有し、
koutは、血漿中のIL2R+細胞の自然崩壊速度であり、0.0018〜0.069 h-1の値を有し、
kintは、治療剤のインターナリゼーション速度であり、0.0066〜0.023 h-1の値を有し、 かつ
ηは、治療剤の結合(インターナリゼーション)の結果としての血漿中のIL2R+細胞の一定の増殖速度であり、1.02〜3.31の値を有し、
該データは、(i)未結合治療剤の量に関するPKデータと、任意で(ii)IL2受容体発現免疫細胞に関するPDデータとを含む。
(i)該個体に、最大30mg、好ましくは20mgの第1および任意で第2の用量のセルグツズマブ・アムナロイキンを投与する工程;
(ii)該第1および/または第2の用量の投与後の該個体からPKデータ(および任意でPDデータ)を収集し、本発明の第1の局面に従って該PKデータ(および任意でPDデータ)を用いてモデルをシミュレーションし、TMDDを予測する工程;
(iii)該個体にさらなる用量のセルグツズマブ・アムナロイキンを投与する工程であって、該さらなる用量は、該第1および任意の第2の用量と比べて、工程(ii)で求められたTMDDに基づいて調整されたものである、工程; ならびに
(iv)任意で工程(ii)と(iii)を反復する工程
を含む。
(i)該個体に20 mgの第1および第2の用量(D1およびD2)のセルグツズマブ・アムナロイキンを投与する工程、ならびに
(ii)該個体に25 mgの第3および任意でさらなる用量(D3)のセルグツズマブ・アムナロイキンを投与する工程
を含んでよく、用量投与間の時間間隔は1週間または2週間、好ましくは1週間である。
(i)該個体に20 mgの第1および第2の用量(D1およびD2)のセルグツズマブ・アムナロイキンを投与する工程、
(ii)該個体に25 mgの第3および第4の用量(D3およびD4)のセルグツズマブ・アムナロイキンを投与する工程、ならびに
(iii)該個体に30 mgの第5および任意でさらなる用量(D5)のセルグツズマブ・アムナロイキンを投与する工程
を含んでよく、用量投与間の時間間隔は1週間または2週間、好ましくは1週間である。
(i)該個体に20 mgの第1および第2の用量(D1およびD2)のセルグツズマブ・アムナロイキンを投与する工程、
(ii)該個体に30 mgの第3および第4の用量(D3およびD4)のセルグツズマブ・アムナロイキンを投与する工程、
(iii)該個体に40 mgの第5および第6の用量(D5およびD6)のセルグツズマブ・アムナロイキンを投与する工程、ならびに
(iv)該個体に45 mgの第7および任意でさらなる用量(D7)のセルグツズマブ・アムナロイキンを投与する工程
を含んでよく、用量投与間の時間間隔は1週間または2週間、好ましくは1週間である。
(i)該個体に最大40mg、好ましくは20mgの第1および任意で第2の用量のFAP-IL2vを投与する工程、
(ii)該第1および/または第2の用量の投与後の該個体からPKデータ(任意でPDデータ)を収集し、本発明の第1の局面に従って該PKデータ(および任意でPDデータ)を用いてモデルをシミュレーションし、TMDDを予測する工程、
(iii)該個体にさらなる用量のFAP-IL2vを投与する工程であって、該さらなる用量は、該第1および任意の第2の用量と比べて、工程(ii)で求められたTMDDに基づいて調整されたものである、工程、ならびに
(iv)任意で工程(ii)と(iii)を反復する工程
を含む。
(1)該情報通信端末装置は、
(1a)治療剤の初回用量投与を受けた個体から採取した試料から導出されたPKデータと、任意でPDデータとを該投与量決定装置に伝送するデータ送信ユニット、
(1b)該有効用量決定装置から伝送された対象に対して決定された第2の有効用量投与を受信する結果受信ユニット
を含み;
(2)該有効用量決定装置は、
(2a)該情報通信端末装置から伝送された該個体から採取された試料から導出されたPKおよびPDデータを受信するPKデータおよび任意でPDデータの受信ユニット、
(2b)該データ受信ユニットからのデータを、モデル、例えばPKまたはPKPDモデルを用いて処理するデータ処理ユニット、
(2c)治療剤の治療有効レベルを維持するために該個体に必要とされる第2の有効用量を、該データ処理ユニットの結果に基づいて決定する用量計算ユニット、ならびに
(2d)該用量計算ユニットによって得られた該個体に対する算出された第2の有効用量を該情報通信端末装置に伝送する有効用量結果送信ユニットであって、該有効用量が、単回用量中の治療剤の量の増大および/または同じかもしくは改変された量の治療剤を有する用量間の時間間隔の変更(例えば、短縮)を含む、有効用量結果送信ユニット
を含み;
該モデルは、
であり、
式中、
[Ab]freeは、血漿中の未結合治療剤の濃度であり、
[IL2R]freeは、血中の未結合のIL2受容体発現免疫細胞の濃度であり、kin/koutにより得られるか、または任意でPDデータから得られ、
[Complex]は、治療剤とIL-2受容体発現免疫細胞(IL2R+細胞)の複合体の濃度であり、
kclearは、血漿からの治療剤の一定の消失速度であり、0.02〜0.04時間-1の値を有し、
konは、治療剤とIL-2受容体発現免疫細胞の複合体の結合速度であり、0.26〜4.5μM.-1h-1の値を有し、
koffは、治療剤とIL-2受容体発現免疫細胞の複合体の解離速度であり、0.0035〜0.02 h-1の値を有し、
kinは、血漿中のIL2R+細胞の一定の流入速度であり、0.0006〜0.0144μM.h-1の値を有し、
koutは、血漿中のIL2R+細胞の自然崩壊速度であり、0.0018〜0.069 h-1の値を有し、
kintは、治療剤のインターナリゼーション速度であり、0.0066〜0.023 h-1の値を有し、かつ
ηは、治療剤の結合(インターナリゼーション)の結果としての血漿中のIL2R+細胞の一定の増殖速度であり、1.02〜3.31の値を有し、
該データは、(i)未結合治療剤の量に関するPKデータと、任意で(ii)治療剤の初回用量または前回用量の投与後の1つまたは複数の時点において該個体から得られたIL2受容体発現免疫細胞に関するPDデータとを含む。
本明細書で用いる場合、用語「サイトカイン」は、生物学的または細胞の機能または過程(例えば、免疫、炎症および造血)を媒介および/または調節する分子をいう。用語「サイトカイン」は、本明細書で用いる場合、「リンホカイン」、「ケモカイン」、「モノカイン」、および「インターロイキン」を包含している。有用なサイトカインの例としては、非限定的に、GM-CSF、IL-1α、IL-1β、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、IL-10、IL-12、IL-15、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、MIP-1α、MIP-1β、TGF-β、TNF-α、およびTNF-βが挙げられる。特定のサイトカインの一例はIL-2である。用語「サイトカイン」は、本明細書で用いる場合、対応する野生型サイトカインのアミノ酸配列内に1つまたは複数のアミノ酸変異を含むサイトカイン変異体、例えば、Sauve et al., Proc Natl Acad Sci USA 88, 4636-40(1991); Hu et al., Blood 101, 4853-4861(2003)および米国特許出願公開第2003/0124678号; Shanafelt et al., Nature Biotechnol 18, 1197-1202(2000); Heaton et al., Cancer Res 53, 2597-602(1993)および米国特許第5,229,109号; 米国特許出願公開第2007/0036752号; WO 2008/0034473; WO 2009/061853; またはWO 2012/107417に記載のIL-2変異体なども包含していることを意図している。
100×分数X/Y
式中、Xは、配列アラインメントプログラムALIGN-2による該プログラムでのAとBのアラインメントによって同一マッチとスコアリングされたアミノ酸残基の数であり、Yは、B内のアミノ酸残基の総数である。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと等しくない場合、BとのAのアミノ酸配列同一性%はAとのBのアミノ酸配列同一性%と等しくならないことは認識されよう。そうでないことを具体的に記載していない限り、本明細書で用いるアミノ酸配列同一性%の値はすべて、すぐ前の段落に記載のようにしてALIGN-2 コンピュータプログラムを用いて得られるものである。
(a)アミノ酸残基26〜32(L1)、50〜52(L2)、91〜96(L3)、26〜32(H1)、53〜55(H2)および96〜101(H3)に存在する超可変ループ(Chothia and Lesk, J. Mol. Biol. 196:901-917(1987));
(b)アミノ酸残基24〜34(L1)、50〜56(L2)、89〜97(L3)、31〜35b(H1)、50〜65(H2)および95〜102(H3)に存在するCDR (Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD(1991));
(c)アミノ酸残基27c〜36(L1)、46〜55(L2)、89〜96(L3)、30〜35b(H1)、47〜58(H2)および93〜101(H3)に存在する抗原接触部(MacCallum et al. J. Mol. Biol. 262: 732-745(1996)); ならびに
(d)(a)、(b)および/または(c)の組み合わせ、例えば、アミノ酸残基46〜56(L2)、47〜56(L2)、48〜56(L2)、49〜56(L2)、26〜35(H1)、26〜35b(H1)、49〜65(H2)、93〜102(H3)および94〜102(H3)のHVR
が挙げられる。
(1)アッセイでは、抗体の抗原結合領域によって認識される標的抗原を発現することがわかっている標的細胞を使用する;
(2)アッセイでは、無作為に選択された健常ドナーの血液から単離されたヒト末梢血単核細胞(PBMC)をエフェクター細胞として使用する;
(3)アッセイを、以下のプロトコルに従って行なう:
(i)PBMCを、標準的な密度勾配遠心分離手順を用いて単離し、RPMI細胞培養培地中に5×106細胞/mlで懸濁させる;
(ii)標的細胞を標準的な組織培養方法によって増殖させ、90%より高いバイアビリティを有する対数増殖期で回収し、RPMI細胞培養培地中で洗浄し、100マイクロキュリーの51Crで標識し、細胞培養培地で2回洗浄し、細胞培養培地中に105細胞/mlの密度で再懸濁させる;
(iii)100マイクロリットルの上記の最終標的細胞懸濁液を96ウェルマイクロタイタープレートの各ウェルに移す;
(iv)抗体を4000 ng/mlから0.04 ng/mlまで細胞培養培地中で連続希釈し、50マイクロリットルの得られた抗体溶液を96ウェルマイクロタイタープレート内の標的細胞に添加し、上記の全濃度範囲をカバーする種々の抗体濃度を三連で試験する;
(v)最大放出(MR)の対照として、プレート内の標識された標的細胞が入った3つのさらなるウェルに、抗体溶液(上記の項目iv)の代わりに非イオンデタージェント(Nonidet, Sigma, St. Louis)の50マイクロリットルの2%(V/V)水溶液を入れる;
(vi)自然放出(SR)の対照として、プレート内の標識された標的細胞が入った3つのさらなるウェルに、抗体溶液(上記の項目iv)の代わりに50マイクロリットルのRPMI細胞培養培地を入れる;
(vii)次いで、この96ウェルマイクロタイタープレートを50×gで1分間遠心し、4℃で1時間インキュベートする;
(viii)50マイクロリットルのPBMC懸濁液(上記の項目i)を各ウェルに添加してエフェクター:標的細胞比を25:1にし、プレートを37℃で5%CO2雰囲気のインキュベータ内に4時間入れる;
(ix)各ウェルから無細胞の上清みを回収し、この実験で放出された放射能(ER)を、ガンマカウンターを用いて定量する;
(x)特異的溶解のパーセンテージを各抗体濃度について、式(ER-MR)/(MR-SR)×100に従って算出する。式中、ERは、その抗体濃度で定量された平均放射能(上記の項目ix参照)であり、MRは、MR対照(上記の項目v参照)で定量された平均放射能(上記の項目ix参照)であり、SRは、SR対照(上記の項目vi参照)で定量された平均放射能(上記の項目ix参照)である;
(4)「ADCCの増大/低減」は、試験した上記の抗体濃度範囲内で観察された特異的溶解の最大パーセンテージの上昇/低下、および/または試験した上記の抗体濃度範囲内で観察された特異的溶解の最大パーセンテージの半分を達成するのに必要とされる抗体濃度の低減/増大のいずれかであると定義する。ADCCの増大/低減は、当業者に公知の同じ標準的な産生、精製、製剤化、および保存方法を使用するが改変操作されていない同じ型の宿主細胞によって産生される同じ抗体によって媒介される、上記のアッセイで測定されるADCCとの比較である。
本明細書において、標的増殖によって引き起こされる薬物消失の、標的組織(例えば、腫瘍)による該薬物の取込みに対する影響を定量するための統合的モデリングプラットフォームを説明する。このモデルにより、個体集団(例えば、普遍的な投薬レジメン)または一例の個体(例えば、個別化投与量レジメン)のいずれかのための至適投薬レジメンを算出することが可能になる。
この状況においては、混合効果モデリング手法4により、複数の個体(集団)のデータを解析して、調査下の動的過程(例えば、抗体の腫瘍による取込み)における変動性を特性評価すること、および集団レベルでの情報を用いて一例の各個体について、この過程のダイナミクスに関する情報を提供することが可能になる。簡単には、このモデリングプロセスは2つの工程を含む。第1工程では、尤度関数を最小にして、集団全体におけるモデルパラメータの平均値ならびにその個体間変動性を推定する。得られた推定値を「母数」と称する。第2工程では、母数に関する情報を使用し、個体情報に基づいて各個体の最良のモデルパラメータを推定する。このようなパラメータを「個々のパラメータ」と称する。Monolixソフトウェア(Lixoft)5(期待値最大化アルゴリズムの確率的近似に基づく)を使用し、母数および個々のパラメータを推定した。
yij=f(xij,φi)+g(xij,φi)εij; 1≦i≦N; 1≦i≦ni
式中、Nは個体の数、niは個体iについての観察結果の数、xは回帰変数(例えば、時間)、およびyは観察結果(例えば、血漿中の薬物濃度)である。項fは構造モデルである。残余誤差モデルはg(xij,φi)εijと記載され、式中、εij〜N(0,σ2)である。個々のパラメータ(φi)は以下のように定義され得る:
φi=h(μ+ηi), ηi〜N(0,Ω), i=1, ... ,N
式中、μは固定母数のp-ベクトルであり(すなわち、h(μ)は各pパラメータについての個体全体の中央値である)、ηiはp-ベクトルまたは変量効果であり、Ωは変量効果のp×pの分散共分散行列であり、hはなんらかの所定の変換である。ここでは、個々のパラメータは対数正規分布している(すなわち、h(μ)=eμ)と仮定している。
θ=(μ,Ω,σ2)
となる。
臨床試験で収集したデータから、本発明者らは、本発明によるPKPDモデルのためのパラメータ値を得た。このようなパラメータ値は好ましくは、
kclearが0.02〜0.04時間-1の値を有し、
konが0.26〜4.5μM.-1h-1の値を有し、
koffが0.0035〜0.02 h-1の値を有し、
kinが0.0006〜0.0144μM.h-1の値を有し、
koutが0.0018〜0.069 h-1の値を有し、
kintが0.0066〜0.023 h-1の値を有し、かつ
ηが1.02〜3.31の値を有する。
kclearが0.025〜0.035時間-1の値であり、
konが1〜3.5μM.-1h-1の値であり、
koffが0.006〜0.018 h-1の値であり、
kinが0.002〜0.0035μM.h-1の値であり、
koutが0.005〜0.02 h-1の値を有し、
kintが0.01〜0.02 h-1の値を有し、 かつ
ηが1.5〜2.0の値を有する。
kclearが集団の平均で0.0307時間-1であり(標準偏差=0.06)、
konが平均で1.09μM.-1h-1であり(標準偏差=0.467)、
koffが平均で0.0061 h-1であり(標準偏差=0.177)、
kinが平均で0.0029μM.h-1であり(標準偏差=0.53)、
koutが平均で0.011 h-1であり(標準偏差=0.606)、
kintが平均で0.012 h-1であり(標準偏差=0.205)、 かつ
ηが平均で1.84である(標準偏差=0.196)。
治療用抗体のより大きな有効性のための大きな制限はインビボでの不充分な分布である。この分子のサイズが大きいことは、腫瘍の異常な生理学と相まって遅くて不均一な取込みを引き起こす。大きな影響として、多くの場合不充分な治療量で、抗体の組織分布はゆっくりと起こる。抗体の組織取込みの時間推移の特性評価は、いつ画像を撮影するか、または予備標的化治療ストラテジーの状況においていつ二次試薬を送達するかを判断するために絶対に極めて重要である。最近、Schmidt、WittrupおよびThurberにより、抗体の組織浸透を示すための数学的枠組みが提案された6,7。一般的な枠組みを図1に示す。
いくつかの要素、例えば、血管新生した腫瘍は、正常な毛細血管よりも透過性であり、高い間質液圧を特徴とする、形成が不充分な血管のネットワークを有することを考慮しなければならない。抗体は、血管から出たら、自身の組織内への拡散を妨害するさまざまな他の輸送バリア(例えば、細胞外マトリックス、細胞密度、...)に直面する。
a. クローシリンダーの容積に対する毛細管表面の比
b. Pで表される毛細血管を通過する透過性
c. εで表される利用可能な容積分率
を考慮することが重要である。
式中、[Ab]freeは血漿中の抗体濃度を表し、
は、腫瘍組織内の未結合の抗体の濃度である。容積分率εは、文献からインビトロおよびインビボで、マウスにて推定され得ることに注意されたい(例えば、IgGでは、これは典型的には0.3〜0.5である)6。また、透過性は、文献に報告されたインビボでの異種移植実験データから算出され得る。SchmidtおよびWittrupにより、透過性を化合物の分子サイズの関数として算出するための実験式が提案されている6。一例として、CEA-IL2v(160kDa)では、毛細管への透過性Pは3.78e-7 cm/秒と推定される。
抗原に対する治療的結合プロセスのモデリングは3つの主要な仮説に依存する。
a. 抗体結合は急速に起こり(数秒)、したがって組織内において遊離抗体と結合抗体との間で局所平衡に達する。
b. インターナリゼーションはより遅いタイムスケール(数分〜数時間)で起こるが、これは局所平衡に影響しないと仮定する。
c. 腫瘍は飽和状態ではなく、したがって腫瘍の抗原濃度は抗体濃度より高い。
最後に、インターナリゼーションおよび分解のシグナルの減少は一次プロセスによって支配されると仮定することにより、方程式は、
となる。
CEA-IL2vの臨床開発の第一段階で収集した臨床データを解析することにより、モデリングプラットフォームの開発を行なった。概して、このデータセットには以下を含めた:
1. 末梢の薬物動態: CEA-IL2vをQ2WまたはQWで受けた74名のがん患者において、いろいろな時点で測定した血漿中のCEA-IL2v濃度を用いてこのモデルを開発した。全体でこれは824の観察結果を表す(患者1人あたり平均11.14の観察結果)。
2. 末梢の薬力学: CEA-IL2v Q2WまたはQWで処置した74名の患者の末梢血中における免疫細胞の動力学データ(CD8+、CD4+T細胞、NKおよびB細胞)をモデル開発に使用した。全体で273の評価値を使用した(患者1人あたり平均3.69)。
3. 取込みのイメージング: 進行型および/または転移性のCEA陽性(CEA+)またはCEA陰性(CEA-)の充実性腫瘍を有する患者を、現在進行中のフェーズI治験のイメージングサブスタディに適格とした。CEA-IL2vをq2Wで、6、20または30mgの総用量(およそ50 MBqの89Zr-CEA-IL2vを含む)で静脈内投与した。サイクル1の間(すなわち、初回のCEA-IL2v投与後2週間以内)、すべての患者に3回までの89Zr-PET評価を行なったが、サブセットの患者には初回の89Zr-PET後6週目に、さらなる89Zr-PET評価を行なった。全体で14名の患者(6 mg(4名の患者 CEA+; 3名の患者 CEA-)または30 mg(4名の患者 CEA+; 3名の患者 CEA-))のデータを、プロトコルごとに、3つの時点(1、4、8日目)において解析した。全体で合計38の取込み評価をモデル構築に使用した(患者1人あたり平均2.71の評価)。20 mgで処置した患者のデータ(合計n=8)(初回の89Zr-PET後6週目にさらなる89Zr-PET評価を行なった患者を含む)を検証解析の外部患者として使用した。
式中、[Ab]freeは、血漿中の未結合治療剤の濃度であり、[IL2R]freeは、血中の未結合のIL2受容体発現免疫細胞(IL2R+細胞)の濃度であり、[Complex]は、治療剤とIL2R+細胞の複合体の濃度である。kclearは、血漿からの治療剤の一定の消失速度を表し、konは、治療剤とIL2R+細胞の複合体の結合速度であり、koffは治療剤とIL2R+細胞の複合体の解離速度、kinは血漿中のIL2R+細胞の一定の流入速度、koutは血漿中のIL2R+細胞の自然崩壊速度、kintは治療剤のインターナリゼーション速度、およびηは治療剤の結合(インターナリゼーション)の結果としての血漿中のIL2R+細胞の一定の増殖速度である。
薬物動態の(PK)データには多くの場合、クリアランス、バイオアベイラビリティおよび消失半減期などのパラメータが含められる。本発明の場合では、治療剤濃度を、治療剤の用量投与後の個体から採取した生物学的試料において測定する。生物学的試料は、血漿、血清、唾液、尿、およびさらには組織から選択され得る。好ましくは、試料は血液または血清である。PKデータとしては、具体的には、血液、血清または血漿(特に血漿)中の未結合治療剤の濃度が挙げられる。
薬力学データには、身体に対する治療剤の生化学的および生理学的効果の考慮事項を含める。IL2ベース治療剤では、測定には、治療剤と相互作用し得る(標的であり得る)免疫学的成分を含める(薬物-受容体相互作用)。かかる免疫学的成分としては、IL2R+細胞、例えばCD8+およびCD4+T細胞、NK細胞ならびにB細胞が挙げられる。PDデータとしては、具体的には、血中のIL-2R発現免疫細胞の濃度が挙げられる。
治療標的組織、例えば腫瘍によって取り込まれる治療剤の量を知ることは有用であり得る。この情報は、標識された型の治療剤(例えば、放射性標識型)を投与し、治療標的組織内に取り込まれた治療剤の濃度を1つまたは複数の時点において測定することにより得ることができる。例えば、同位体標識した治療剤を投与することができ、その標的組織(例えば、腫瘍)内への取込みが質量分析などの手法を用いて測定され得る。他の手法としては、C-14標識治療剤および加速器質量分析(AMS)を用いて治療標的組織内への取込みを測定することが挙げられる。他の標識手法、例えば、蛍光標識が当技術分野において利用可能である。任意の機能インビボイメージングが、トレーサーの性質に関係なく使用され得る。例えば、共鳴トレーサーの使用を伴う超音波、放射線不透過性トレーサーを伴うX-線/CT、強磁性トレーサーを伴うMRI、ガンマ放射性トレーサーを伴うシンチグラフィ、PET、SPECT、または光子放出性トレーサーを伴う光検出器。
血液、血清または血漿中の薬物および代謝産物の濃度(レベル)の測定は、個体における治療剤の薬物動態および薬力学を評価するための最も直接的なアプローチである。全血には、細胞要素、例えば赤血球および白血球、血小板、ならびに種々の他のタンパク質、例えばアルブミンおよびグロブリンが含まれている。本発明のPKPDモデルのための薬力学データを測定するためには、処置される個体由来の血液試料を使用することが好ましい。PKデータには、血清試料または血漿試料を使用することが好ましい。血清を得るためには、全血を凝固させ、遠心分離後の上清みから血清を収集する。血漿は、抗凝固薬、例えばヘパリンを添加しておいた全血を遠心した上清みから得られる。その結果、血漿と血清のタンパク質含有量は同じではない。血漿は、血中の細胞要素を含む身体の全組織に灌流される。血漿中の治療剤濃度の変化は、該治療剤の組織内濃度の変化を反映する。
本治療剤は、末梢においておよび治療標的組織の微小環境内において、NKおよびCD8+エフェクターT細胞をIL-2Rを介して活性化および増殖させることができる。したがって、本治療剤は理想的には、腫瘍、特に悪性腫瘍の処置に適したものである。したがって、好ましい一態様では、治療標的組織は腫瘍である。一部の態様では、治療標的組織は充実性腫瘍である。
最近の研究により、FAP-およびCEA-IL2vは、CD25に対する結合が完全に欠如しているがIL-Rβγ結合は保持しており、それぞれの抗原、線維芽細胞上のFAPおよび腫瘍細胞上のCEAに対してpMの結合親和性を示すことが示唆されている(Klein; J. Immunother. Cancer 2014; 2(supp1.2):18)。CD25に対する結合の無効化の結果、このような分子はT-regを優先的に活性化させない。エフェクター細胞をIL2vで処理すると、Fas媒介性アポトーシス(活性化誘導性細胞死としても知られている)に対するその感受性が、野生型IL-2ベースの免疫サイトカイン(immunocytokine)と比べて低下する。IL-2Rβγの生理活性は保持され、FAP-およびCEA-IL2vは、活性化マーカーの誘導、細胞増殖およびサイトカイン放出によって示されるように、NK、CD4+およびCD8+T細胞を活性化させる。さらに、CEA-IL2vおよびFAP-IL2vをADCC適格抗体と併用すると、NK細胞の細胞傷害活性が向上した。充分に免疫適格性マウスでの作用機序の研究により、この分子は、末梢血、リンパ系組織および腫瘍においてNK、CD8+T細胞およびγδ(gd)T細胞を強力に増殖および活性化させ(最大100倍)、CD4:CD8比をCD8+T細胞の方に強力に傾けることが示された。C57Bl/6マウスでは、CEA-およびFAP-IL2vは、同様のIL-2ベースの免疫サイトカインよりも曝露および循環半減期が長いにもかかわらず安全性の改善を示す。放射性標識FAP-IL2vを用いたMicroSPECT/CTイメージングにより、同所性同系Rencaモデルにおいて、正常組織による取込みが少なく、リンパ系組織内への蓄積が少ない良好なFAP媒介性腫瘍標的化が示されたのに対して、同様のIL-2ベースの免疫サイトカインはリンパ系組織に対する優先的な標的化を示した。腫瘍担持マウスにおける研究により、同系モデルにおいてFAP-IL2vおよびCEA-IL2vの用量依存性の抗腫瘍有効性が示された。ヒトCD16AについてトランスジェニックのSCIDマウスの異種移植モデルでのさらなる研究により、CEA-IL2vは、ADCC適格抗体、例えばトラスツズマブおよびセツキシマブによって媒介される抗腫瘍有効性および/または生存率を強力に向上させることが示された。
一態様では、治療剤が、IL2受容体(IL2R)、例えばIL-2Rβ(CD122)および/またはIL-2Rγ(CD132)を標的とし得るポリペプチド、その変異体または断片を含む。したがって、治療剤はCD122および/またはCD132リガンドを含んでもよい。該ポリペプチドは好ましくは、サイトカインポリペプチド、例えばIL2ポリペプチド、変異体または断片である。より好ましくは、治療剤は、IL-2受容体のα-サブユニットに対して野生型IL-2と比べて低い結合親和性を有する変異体IL-2ポリペプチドを含む。
(i)CEAに特異的に結合し、SEQ ID NO: 3の重鎖CDR(HCDR)1、SEQ ID NO: 4のHCDR2、およびSEQ ID NO: 5のHCDR3を含む重鎖可変領域と、SEQ ID NO: 6の軽鎖CDR(LCDR)1、SEQ ID NO: 7のLCDR2およびSEQ ID NO: 8のLCDR3を含む軽鎖可変領域とを含む、ヒトIgG1サブクラスの抗体、ならびに
(ii)アミノ酸置換F42A、Y45AおよびL72G(ヒトIL-2配列SEQ ID NO: 1を基準に番号付け)を含む変異体ヒトIL-2ポリペプチド
を含むイムノコンジュゲートを含む。
(i)FAPに特異的に結合し、SEQ ID NO: 14の重鎖可変領域およびSEQ ID NO: 15の軽鎖可変領域を含むヒトIgG1サブクラスの抗体、ならびに
(ii)アミノ酸置換F42A、Y45A、およびL72G(ヒトIL-2配列SEQ ID NO: 1を基準に番号付け)を含む変異体ヒトIL-2ポリペプチド
を含むイムノコンジュゲートを含む。
治療剤中に含められる抗体、例えばイムノコンジュゲートは、抗体分子の重鎖ドメインを含む1対のポリペプチド鎖からなるFcドメインを含み得る。例えば、免疫グロブリンG(IgG)分子のFcドメインは二量体であり、その各サブユニットはCH2およびCH3 IgG重鎖定常ドメインを含む。このFcドメインのこの2つのサブユニットは、互いに安定な会合が可能である。
治療剤中に含められる抗体、例えばイムノコンジュゲートは、該Fcドメインの2つのサブユニットの一方または他方と融合させたいろいろな成分(例えば、抗原結合ドメイン、サイトカイン)を含んでもよく、したがって、該Fcドメインの2つのサブユニットは、典型的には同一でない2つのポリペプチド鎖内に含まれる。このようなポリペプチドの組換え共発現、その後の二量体化により、該2つのポリペプチドのいくつかの可能な組み合わせがもたらされる。したがって、組換え産生におけるかかる抗体の収量および純度を改善するためには、該抗体のFcドメイン内に、所望のポリペプチドの会合を促進させる修飾を導入すること好都合である。
Fcドメインは、抗体、例えばイムノコンジュゲートに、標的組織内への良好な蓄積および好都合な組織-血液分布比に寄与する好都合な薬物動態特性、例えば長い血清半減期を付与する。しかしながら、同時に、これは、好ましい抗原担持細胞ではなくFc受容体発現細胞への、該抗体の望ましくない標的化をもたらす場合がある。さらに、Fc受容体シグナル伝達経路の共活性化によってサイトカイン放出がもたらされる場合があり、これは、該抗体が有し得る他の免疫賦活特性と該抗体の長い半減期との組み合わせで、全身性投与時にサイトカイン受容体の過度な活性化および深刻な副作用をもたらす。
この方法を開発するため、本発明者らは、CEA-IL2vのフェーズIの臨床試験の薬物動態データ、薬力学データ、およびイメージングデータを使用した:
- 薬物動態(PK): CEA-IL2vをQ2WまたはQWで受けた74名のがん患者において、いろいろな時点で測定されたCEA-IL2v濃度(合計824の解析時点、患者1人あたり平均11.14、最少4および最大28)
- 薬力学(PD): 同じ74名の患者においていろいろな時点で実施したFACS解析のアウトプットとしてのCD8+およびCD4+T細胞、NK細胞ならびにB細胞の濃度(合計273の解析時点、患者1人あたり平均3.69、最少0および最大9)
- イメージング: 3つの時点(1、4、8日目)で測定された、化合物濃縮物とともに放射性標識剤を受けた14名の患者のデータ
先に記載のデータに基づき、数学的モデルを開発した(図1)。このモデルにより、薬物のQW送達で血中における免疫細胞の増殖がもたらされることを予測する(図2参照)。
この実施例では、充分なPK測定を伴い、QWレジメンで20 mgの投薬を受けたCEA陽性CRC患者を選択した。最初は、最初の7回のPK測定だけ(4日目まで: 試料採取1時間目、2.5時間目、4.5時間目、6.5時間目、24時間目、72時間目、96時間目; 値2.72、6.54、5.83、5.72、3.22、0.193、0.027 mg/mL)を解析し、個々のPKパラメータ、すなわちkclear、kon、koff、kin、kout、kintおよびηを、ベイジアン法を用いて推定し、母数の値(本明細書において上記に報告したとおり)は前述のとおりに使用した。これにより以下の推定値が得られた:
kclear=0.036283;
kon=1.1229;
koff=0.0054365;
kin=0.0022355;
kout=0.010648;
kint=0.010352。
η= 1.9224.
IL2vの初回用量は、標的増殖がまだ起こっていない静止状態の系を直撃するため最も重要である。薬物の曝露は最高になりしたがって、毒性は初回投与後に非常に顕著である。CEA-IL2vの初回用量は最大30mg(MTD)であり得、FAP-IL2vでは、好ましい用量は25mgである。しかしながら、本発明者らは依然として、用量の段階的増大を考察中であり、MTDを得るに至っていない。したがって、30mg以上の用量が可能であり得る。
患者1: 用量(D)1 =20mg、D3=25mg、D5以降=30 mg
患者2: D1 =20mg、D3 =30mg、D5=40mg、D7以降=45mg。
(a)低TMDD → 20 mg(3週目以降)、
(b)中TMDD → 25 mg(3週目以降)、
(c)高TMDD → 25 mg(3+4週目)、30 mg(5週目以降)。
(a)低TMDD: 25 mg(w3+w4)、30 mg(w5以降)、
(b)中TMDD: 30 mg(w3+w4)、40 mg(w5以降)、
(c)高TMDD: 30 mg(w3+w4)、40 mg(w5+w6)、50 mg(w7以降)。
Claims (56)
- 治療剤の至適投薬レジメンを決定するための方法であって、
(a)治療剤の用量投与後の1つまたは複数の時点において1または複数の個体から得られたデータを用いてモデルをシミュレーションする工程であって、該データが、未結合治療剤の量に関するPKデータを含み、
該モデルが、
であり、
式中、
[Ab]freeは、血漿中の未結合治療剤の濃度であり、
[IL2R]freeは、血中の未結合のIL2受容体発現免疫細胞の濃度であり、kin/koutにより得られるか、または任意でPDデータから得られ、
[Complex]は、治療剤とIL-2受容体発現免疫細胞(IL2R+細胞)の複合体の濃度であり、
kclearは、血漿からの治療剤の一定の消失速度であり、0.02〜0.04時間-1の値を有し、
konは、治療剤とIL-2受容体発現免疫細胞の複合体の結合速度であり、0.26〜4.5μM.-1h-1の値を有し、
koffは、治療剤とIL-2受容体発現免疫細胞の複合体の解離速度であり、0.0035〜0.02 h-1の値を有し、
kinは、血漿中のIL2R+細胞の一定の流入速度であり、0.0006〜0.0144μM.h-1の値を有し、
koutは、血漿中のIL2R+細胞の自然崩壊速度であり、0.0018〜0.069 h-1の値を有し、
kintは、治療剤のインターナリゼーション速度であり、0.0066〜0.023 h-1の値を有し、 かつ
ηは、治療剤の結合(インターナリゼーション)の結果としての血漿中のIL2R+細胞の一定の増殖速度であり、1.02〜3.31の値を有する、工程
(b)遊離治療剤の減少を代償するために必要とされる治療剤の増分に基づいて、至適投与量レジメンを提供する工程
を含み、
治療剤が、IL2Rを標的とし得る化合物である、
方法。 - PKデータが、1または複数の個体への治療剤の用量投与後の1つまたは複数の時点における血漿中の未結合治療剤の濃度である、請求項1記載の方法。
- 前記データがさらにPDデータを含み、PDデータが、1または複数の個体の治療剤での処置後の1つまたは複数の時点における血中のIL2R+細胞の濃度を含む、請求項1または請求項2記載の方法。
- 1つまたは複数の時点が、1または複数の個体への用量投与後0〜120時間の間の3つ以上の時点を含む、請求項2または請求項3記載の方法。
- 1つまたは複数の時点が、1または複数の個体への治療剤の初期用量投与後である、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
- 血中のIL2R+細胞の濃度を、可溶性CD25の濃度を測定することにより求める、請求項3記載の方法。
- 血中のIL2R+細胞の濃度を、CD4+、CD8+、NK細胞、T細胞、およびB細胞からなる群より選択される1種または複数種の免疫細胞の濃度を測定することにより求める、請求項3記載の方法。
- kclearが0.025〜0.035時間-1の値を有し、konが1〜3.5μM.-1h-1の値を有し、koffが0.006〜0.018 h-1の値を有し、kinが0.002〜0.0035μM.h-1の値を有し、koutが0.005〜0.02 h-1の値を有し、kintが0.01〜0.02 h-1の値を有し、ηが1.5〜2.0の値を有する、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
- 治療剤が、IL2ポリペプチド、その変異体または断片を含む、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
- 治療剤がイムノコンジュゲートである、請求項9記載の方法。
- イムノコンジュゲートが、腫瘍細胞に特異的な抗体またはその断片を含む、請求項10記載の方法。
- 前記抗体またはその断片ががん胎児性抗原(CEA)に特異的である、請求項11記載の方法。
- 前記抗体またはその断片が線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)に特異的である、請求項11記載の方法。
- 前記1または複数の個体が、がんの処置対象である、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
- 前記至適化された投与量レジメンが、前回用量に対する治療剤の単回用量の量の増大を含む、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
- 前記至適化された投与量レジメンが、前回用量の投与間の時間間隔に対する用量投与間の時間間隔の短縮を含む、請求項1〜15のいずれか一項記載の方法。
- 治療剤で処置される個体に対する至適投与量レジメンを決定する方法であって、
(a)治療剤の用量投与後の1つまたは複数の時点において個体から得られたデータを用いて、モデル、例えばPKモデルまたはPKPDモデルをシミュレーションする工程であって、該データが、(i)未結合治療剤の量に関するPKデータと、任意で(ii)IL2受容体発現免疫細胞に関するPDデータとを含み、
該モデルが、
であり、
式中、
[Ab]freeは、血漿中の未結合治療剤の濃度であり、
[IL2R]freeは、血中の未結合のIL2受容体発現免疫細胞の濃度であり、kin/koutにより得られるか、または任意でPDデータから得られ、
[Complex]は、治療剤とIL-2受容体発現免疫細胞(IL2R+細胞)の複合体の濃度であり、
kclearは、血漿からの治療剤の一定の消失速度であり、0.02〜0.04時間-1の値を有し、
konは、治療剤とIL-2受容体発現免疫細胞の複合体の結合速度であり、0.26〜4.5μM.-1h-1の値を有し、
koffは、治療剤とIL-2受容体発現免疫細胞の複合体の解離速度であり、0.0035〜0.02 h-1の値を有し、
kinは、血漿中のIL2R+細胞の一定の流入速度であり、0.0006〜0.0144μM.h-1の値を有し、
koutは、血漿中のIL2R+細胞の自然崩壊速度であり、0.0018〜0.069 h-1の値を有し、
kintは、治療剤のインターナリゼーション速度であり、0.0066〜0.023 h-1の値を有し、 かつ
ηは、治療剤の結合(インターナリゼーション)の結果としての血漿中のIL2R+細胞の一定の増殖速度であり、1.02〜3.31の値を有する、工程;
(b)遊離治療剤の減少を代償するために必要とされる治療剤の増分に基づいて、該個体に対する至適投与量レジメンを提供する工程
を含み、
治療剤が、IL2Rを標的とし得る化合物である、
方法。 - 前記個体から採取した試料からPKデータおよび任意でPDデータを得る工程をさらに含む、請求項17記載の方法。
- 用量投与後の個体から試料を採取する工程をさらに含む、請求項17または請求項18記載の方法。
- PKデータが、1または複数の個体への治療剤の用量投与後の1つまたは複数の時点における血漿中の未結合治療剤の濃度である、請求項17〜19のいずれか一項記載の方法。
- PDデータが、治療剤での個体の処置後の1つまたは複数の時点における血中のIL2R+細胞の濃度である、請求項17〜20のいずれか一項記載の方法。
- 1つまたは複数の時点が、個体への用量投与後0〜120時間の間の3つ以上の時点を含む、請求項20または請求項21記載の方法。
- 1つまたは複数の時点が個体への治療剤の初期用量投与後である、請求項17〜22のいずれか一項記載の方法。
- 血中のIL2R+細胞の濃度を、可溶性CD25の濃度を測定することにより求める、請求項21記載の方法。
- 血中のIL2R+細胞の濃度を、CD4+、CD8+、NK細胞、T細胞、およびB細胞からなる群より選択される1種または複数種の免疫細胞の濃度を測定することにより求める、請求項21記載の方法。
- kclearが0.025〜0.035時間-1の値を有し、konが1〜3.5μM.-1h-1の値を有し、koffが0.006〜0.018 h-1の値を有し、kinが0.002〜0.0035μM.h-1の値を有し、koutが0.005〜0.02 h-1の値を有し、kintが0.01〜0.02 h-1の値を有し、ηが1.5〜2.0の値を有する、請求項17〜25のいずれか一項記載の方法。
- 治療剤が、IL2ポリペプチド、その変異体または断片を含む、請求項17〜26のいずれか一項記載の方法。
- 治療剤がイムノコンジュゲートである、請求項27記載の方法。
- イムノコンジュゲートが、腫瘍細胞に特異的な抗体またはその断片を含む、請求項28記載の方法。
- 前記抗体またはその断片ががん胎児性抗原(CEA)に特異的である、請求項29記載の方法。
- 前記抗体またはその断片が線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)に特異的である、請求項29記載の方法。
- 前記個体が、がんの処置対象である、請求項17〜31のいずれか一項記載の方法。
- 前記至適化された投与量レジメンが、前回用量に対する治療剤の単回用量の量の増大を含む、請求項17〜32のいずれか一項記載の方法。
- 前記至適化された投与量レジメンが、前回用量の投与間の時間間隔に対する用量投与間の時間間隔の短縮を含む、請求項17〜33のいずれか一項記載の方法。
- 処置を必要とする個体を有効用量の治療剤で処置する方法であって、有効用量がモデルを用いて算出され、該方法が、
(a)治療剤の初回用量または前回用量の投与後の1つまたは複数の時点において個体から得られたデータを用いてモデルをシミュレーションする工程であって、該データが、(i)未結合治療剤の量に関するPKデータと、任意で(ii)IL2受容体発現免疫細胞に関するPDデータとを含み、
該モデルが、
であり、
式中、
[Ab]freeは、血漿中の未結合治療剤の濃度であり、
[IL2R]freeは、血中の未結合のIL2受容体発現免疫細胞の濃度であり、kin/koutにより得られるか、または任意でPDデータから得られ、
[Complex]は、治療剤とIL-2受容体発現免疫細胞(IL2R+細胞)の複合体の濃度であり、
kclearは、血漿からの治療剤の一定の消失速度であり、0.02〜0.04時間-1の値を有し、
konは、治療剤とIL-2受容体発現免疫細胞の複合体の結合速度であり、0.26〜4.5μM.-1h-1の値を有し、
koffは、治療剤とIL-2受容体発現免疫細胞の複合体の解離速度であり、0.0035〜0.02 h-1の値を有し、
kinは、血漿中のIL2R+細胞の一定の流入速度であり、0.0006〜0.0144μM.h-1の値を有し、
koutは、血漿中のIL2R+細胞の自然崩壊速度であり、0.0018〜0.069 h-1の値を有し、
kintは、治療剤のインターナリゼーション速度であり、0.0066〜0.023 h-1の値を有し、 かつ
ηは、治療剤の結合(インターナリゼーション)の結果としての血漿中のIL2R+細胞の一定の増殖速度であり、1.02〜3.31の値を有する、工程;
(b)遊離治療剤の減少を代償するために必要とされる治療剤の増分に基づいて、該個体に対する有効用量を決定する工程; および
(c)該有効用量を該個体に投与する工程
を含み、
治療剤が、IL2Rを標的とし得る化合物である、
方法。 - 処置を必要とする個体を有効用量の治療剤で処置するための方法であって、
(a)個体に対する治療剤の有効量を決定するための解析結果を提供する試験を依頼する工程;および
(b)治療剤を該個体に、決定された有効量で投与する工程
を含み、
該試験が、
(a)治療剤の初回用量または前回用量の投与後の1つまたは複数の時点において該個体から得られたデータを用いて、モデル、例えばPKモデルまたはPKPDモデルをシミュレーションする工程であって、該データが、(i)未結合治療剤の量に関するPKデータと、任意で(ii)IL2受容体発現免疫細胞に関するPDデータとを含み、
該モデルが、
であり、
式中、
[Ab]freeは、血漿中の未結合治療剤の濃度であり、
[IL2R]freeは、血中の未結合のIL2受容体発現免疫細胞の濃度であり、kin/koutにより得られるか、または任意でPDデータから得られ、
[Complex]は、治療剤とIL-2受容体発現免疫細胞(IL2R+細胞)の複合体の濃度であり、
kclearは、血漿からの治療剤の一定の消失速度であり、0.02〜0.04時間-1の値を有し、
konは、治療剤とIL-2受容体発現免疫細胞の複合体の結合速度であり、0.26〜4.5μM.-1h-1の値を有し、
koffは、治療剤とIL-2受容体発現免疫細胞の複合体の解離速度であり、0.0035〜0.02 h-1の値を有し、
kinは、血漿中のIL2R+細胞の一定の流入速度であり、0.0006〜0.0144μM.h-1の値を有し、
koutは、血漿中のIL2R+細胞の自然崩壊速度であり、0.0018〜0.069 h-1の値を有し、
kintは、治療剤のインターナリゼーション速度であり、0.0066〜0.023 h-1の値を有し、 かつ
ηは、治療剤の結合(インターナリゼーション)の結果としての血漿中のIL2R+細胞の一定の増殖速度であり、1.02〜3.31の値を有する、工程;
(b)遊離治療剤の減少を代償するために必要とされる治療剤の増分に基づいて、該個体に対する有効用量を決定する工程
を含み、
治療剤が、IL2Rを標的とし得る化合物である、
方法。 - がんに罹患している個体の治療的に有効な処置を至適化する方法であって、
(a)治療剤の初回用量または前回用量の投与を行なう工程;
(b)治療剤の初回用量または前回用量の投与後の1つまたは複数の時点において、該個体のPKデータおよび任意でPDデータを測定する工程;
(c)該PKデータおよび任意でPDデータを、初回用量または前回用量の投与後の循環している遊離治療剤の損失を予測するためのモデルに適用する工程;
(d)少なくとも第2の用量投与に対する投与量レジメンを提供する工程であって、該投与量レジメンは、循環している遊離の剤の予測される損失分を単回用量の量の増大によって代償するための調整された量の治療剤、用量投与間の時間間隔の短縮、または両者の組み合わせを提供する、工程; ならびに
(e)少なくとも第2の用量投与を該投与量レジメンに従って行なう工程
を含み、
該モデルが、
であり、
式中、
[Ab]freeは、血漿中の未結合治療剤の濃度であり、
[IL2R]freeは、血中の未結合のIL2受容体発現免疫細胞の濃度であり、kin/koutにより得られるか、または任意でPDデータから得られ、
[Complex]は、治療剤とIL-2受容体発現免疫細胞(IL2R+細胞)の複合体の濃度であり、
kclearは、血漿からの治療剤の一定の消失速度であり、0.02〜0.04時間-1の値を有し、
konは、治療剤とIL-2受容体発現免疫細胞の複合体の結合速度であり、0.26〜4.5μM.-1h-1の値を有し、
koffは、治療剤とIL-2受容体発現免疫細胞の複合体の解離速度であり、0.0035〜0.02 h-1の値を有し、
kinは、血漿中のIL2R+細胞の一定の流入速度であり、0.0006〜0.0144μM.h-1の値を有し、
koutは、血漿中のIL2R+細胞の自然崩壊速度であり、0.0018〜0.069 h-1の値を有し、
kintは、治療剤のインターナリゼーション速度であり、0.0066〜0.023 h-1の値を有し、 かつ
ηは、治療剤の結合(インターナリゼーション)の結果としての血漿中のIL2R+細胞の一定の増殖速度であり、1.02〜3.31の値を有し、
該データが、
治療剤の初回用量投与後の1つまたは複数の時点において該個体から得られた、(i)未結合治療剤の量に関するPKデータと、任意で(ii)IL2受容体発現免疫細胞に関するPDデータと
を含む、
方法。 - 前記個体から採取した試料からPKおよびPDデータを得る工程をさらに含む、請求項35〜37のいずれか一項記載の方法。
- 用量投与後の個体から試料を採取する工程をさらに含む、請求項35〜38のいずれか一項記載の方法。
- PKデータが、個体への治療剤の用量投与後の1つまたは複数の時点における血漿中の未結合治療剤の濃度である、請求項35〜39のいずれか一項記載の方法。
- PDデータが、個体への治療剤の用量投与後の1つまたは複数の時点における血中のIL2R+細胞の濃度である、請求項35〜40のいずれか一項記載の方法。
- 1つまたは複数の時点が、個体への用量投与後0〜120時間の間の3つ以上の時点を含む、請求項40または請求項41記載の方法。
- 1つまたは複数の時点が個体への治療剤の初期用量投与後である、請求項35〜42のいずれか一項記載の方法。
- 血中のIL2R+細胞の濃度を、可溶性CD25の濃度を測定することにより求める、請求項41記載の方法。
- 血中のIL2R+細胞の濃度を、CD4+、CD8+、NK細胞、T細胞、およびB細胞からなる群より選択される1種または複数種の免疫細胞の濃度を測定することにより求める、請求項41記載の方法。
- kclearが0.025〜0.035時間-1の値を有し、konが1〜3.5μM.-1h-1の値を有し、koffが0.006〜0.018 h-1の値を有し、kinが0.002〜0.0035μM.h-1の値を有し、koutが0.005〜0.02 h-1の値を有し、kintが0.01〜0.02 h-1の値を有し、ηが1.5〜2.0の値を有する、請求項35〜45のいずれか一項記載の方法。
- 治療剤が、IL2ポリペプチド、その変異体または断片を含む、請求項35〜46のいずれか一項記載の方法。
- 治療剤がイムノコンジュゲートである、請求項47記載の方法。
- イムノコンジュゲートが、腫瘍細胞に特異的な抗体またはその断片を含む、請求項48記載の方法。
- 前記抗体またはその断片ががん胎児性抗原(CEA)に特異的である、請求項49記載の方法。
- 前記抗体またはその断片が線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)に特異的である、請求項49記載の方法。
- 前記個体が、がんの処置対象である、請求項35〜51のいずれか一項記載の方法。
- 有効用量が、前回用量に対する治療剤の単回用量の量の増大を含む、請求項35〜52のいずれか一項記載の方法。
- 有効用量が、前回用量の投与間の時間間隔に対する用量投与間の時間間隔の短縮を含む、請求項35〜53のいずれか一項記載の方法。
- 個体の処置方法における使用のための治療剤(例えば、IL2ベース治療剤)であって、
該方法が、該個体に有効量の治療剤を投与する工程を含み、該有効量が、PKデータおよび任意でPDデータを、下記の式:
に従うモデルに適用することにより決定されたものであり、
式中、
[Ab]freeは、血漿中の未結合治療剤の濃度であり、
[IL2R]freeは、血中の未結合のIL2受容体発現免疫細胞の濃度であり、kin/koutにより得られるか、または任意でPDデータから得られ、
[Complex]は、治療剤とIL-2受容体発現免疫細胞(IL2R+細胞)の複合体の濃度であり、
kclearは、血漿からの治療剤の一定の消失速度であり、0.02〜0.04時間-1の値を有し、
konは、治療剤とIL-2受容体発現免疫細胞の複合体の結合速度であり、0.26〜4.5μM.-1h-1の値を有し、
koffは、治療剤とIL-2受容体発現免疫細胞の複合体の解離速度であり、0.0035〜0.02 h-1の値を有し、
kinは、血漿中のIL2R+細胞の一定の流入速度であり、0.0006〜0.0144μM.h-1の値を有し、
koutは、血漿中のIL2R+細胞の自然崩壊速度であり、0.0018〜0.069 h-1の値を有し、
kintは、治療剤のインターナリゼーション速度であり、0.0066〜0.023 h-1の値を有し、 かつ
ηは、治療剤の結合(インターナリゼーション)の結果としての血漿中のIL2R+細胞の一定の増殖速度であり、1.02〜3.31の値を有し、
ここで、該データが、(i)治療剤の初回用量または前回用量の投与後の1つまたは複数の時点において該個体から得られた、未結合治療剤の量に関するPKデータと、任意で(ii)治療剤の初回用量または前回用量の投与後の1つまたは複数の時点において該個体から得られた、IL2受容体発現免疫細胞に関するPDデータとを含む、
治療剤。 - 治療剤で処置される個体に対する有効用量または投与量レジメンを決定するためのネットワークシステムであって、
該システムが投与量決定装置と情報通信端末装置を備えており、該投与量決定装置が制御要素およびメモリ要素を含み、該装置が互いにネットワークによって通信接続されており、
(1)該情報通信端末装置が、
(1a)治療剤の初回用量投与を受けた個体から採取した試料から導出されたPKデータおよび任意でPDデータを該投与量決定装置に伝送する、データ送信ユニット、
(1b)有効用量決定装置から伝送された対象に対して決定された第2の有効用量投与を受信する、結果受信ユニット
を含み;
(2)該有効用量決定装置が、
(2a)該情報通信端末装置から伝送された該個体から採取された試料から導出されたPKデータおよび任意でPDデータを受信する、PKデータおよび任意でPDデータの受信ユニット、
(2b)該データ受信ユニットからのデータをモデルを用いて処理する、データ処理ユニット、
(2c)治療剤の治療有効レベルを維持するために該個体に必要とされる第2の有効用量を、該データ処理ユニットの結果に基づいて決定する、用量計算ユニット、ならびに
(2d)該用量計算ユニットによって得られた該個体に対する算出された第2の有効用量を該情報通信端末装置に伝送する有効用量結果送信ユニットであって、該有効用量が、前回用量に対する単回用量中の治療剤の量の増大および/または同じかもしくは改変された量の治療剤を有する用量間の時間間隔の変更(例えば、短縮)を含む、有効用量結果送信ユニット
を含み;
該モデルが、
であり、
式中、
[Ab]freeは、血漿中の未結合治療剤の濃度であり、
[IL2R]freeは、血中の未結合のIL2受容体発現免疫細胞の濃度であり、kin/koutにより得られるか、または任意でPDデータから得られ、
[Complex]は、治療剤とIL-2受容体発現免疫細胞(IL2R+細胞)の複合体の濃度であり、
kclearは、血漿からの治療剤の一定の消失速度であり、0.02〜0.04時間-1の値を有し、
konは、治療剤とIL-2受容体発現免疫細胞の複合体の結合速度であり、0.26〜4.5μM.-1h-1の値を有し、
koffは、治療剤とIL-2受容体発現免疫細胞の複合体の解離速度であり、0.0035〜0.02 h-1の値を有し、
kinは、血漿中のIL2R+細胞の一定の流入速度であり、0.0006〜0.0144μM.h-1の値を有し、
koutは、血漿中のIL2R+細胞の自然崩壊速度であり、0.0018〜0.069 h-1の値を有し、
kintは、治療剤のインターナリゼーション速度であり、0.0066〜0.023 h-1の値を有し、 かつ
ηは、治療剤の結合(インターナリゼーション)の結果としての血漿中のIL2R+細胞の一定の増殖速度であり、1.02〜3.31の値を有し、
データが、(i)未結合治療剤の量に関するPKデータと、任意で(ii)治療剤の初回用量または前回用量の投与後の1つまたは複数の時点において該個体から得られたIL2受容体発現免疫細胞に関するPDデータとを含む、
ネットワークシステム。
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