用語の定義
本明細書で使用するとき、「天然油」、「天然原料」、又は「天然油原料」とは、植物又は動物の供給源から得られる油を指す。「天然油」なる用語には、特に断らない限り、天然油誘導体が含まれる。これら用語は、特に断らない限り、改変された植物又は動物の供給源(例えば、遺伝的に改変された植物又は動物の供給源)、及び発酵又は酵素的プロセスによって生成又は改変された誘導体も含む。天然油の例としては、これらに限定されるものではないが、植物油、藻類油、魚油、動物脂、トール油、これらの油の誘導体、これらの油のいずれかの組み合わせなどが挙げられる。植物油の代表的な非限定例としては、低エルカ酸ナタネ油(キャノーラ油)、高エルカ酸ナタネ油、ヤシ油、コーン油、綿実油、オリーブ油、パーム油、ピーナッツ油、サフラワー油、ゴマ油、ダイズ油、ヒマワリ油、アマニ油、パーム核油、きり油、ジャトロファ油、カラシ油、ペニークレス油、カメリナ油、麻実油、及びヒマシ油が挙げられる。動物脂の代表的な非限定例としては、ラード、獣脂、家禽油、黄色油脂、及び魚油が挙げられる。トール油は、木材パルプ製造の副生成物である。いくつかの実施形態では、天然油又は天然油原料は、1つ以上の不飽和グリセリド(例えば、不飽和トリグリセリド)を含む。いくつかのこのような実施形態では、天然油は、天然油の総重量に基づいて、少なくとも50重量%、又は少なくとも60重量%、又は少なくとも70重量%、又は少なくとも80重量%、又は少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%、又は少なくとも97重量%、又は少なくとも99重量%の1つ以上の不飽和トリグリセリドを含む。
用語「天然油グリセリド」とは、天然油から得られた脂肪酸のグリセリルエステルを指す。このようなグリセリドは、モノアシルグリセリド、ジアシルグリセリド、及びトリアシルグリセリド(トリグリセリド)を含む。いくつかの実施形態では、天然油グリセリドはトリグリセリドである。同様に、用語「不飽和天然油グリセリド」とは、その脂肪酸残基のうちの少なくとも1つが不飽和を含有する天然油グリセリドを指す。例えば、オレイン酸のグリセリドは不飽和天然油グリセリドである。用語「不飽和アルケニル化天然油グリセリド」とは、短鎖オレフィン(sort-chain olefin)(以下に定義される)とのメタセシス反応を介して誘導体化された不飽和天然油グリセリド(上に定義された)を指す。場合によっては、オレフィン化プロセスによって、化合物における脂肪酸鎖のうちの1本以上が短くなる。例えば、9−デカン酸のグリセリドは不飽和アルケニル化天然油グリセリドである。同様に、(例えば、1−ブテン及び/又は2−ブテンで)ブテニル化されたキャノーラ油は、いくつかの短鎖不飽和C10〜15エステル基を含有するようにメタセシスを介して修飾された天然油グリセリドである。
「天然油誘導体」なる用語は、天然油から誘導された天然油の誘導体を指す。これら天然油誘導体を生成するために使用される方法としては、付加、中和、過塩基化(overbasing)、鹸化、エステル転移、エステル交換、エステル化、アミド化、水素化、異性化、酸化、アルキル化、アシル化、硫化、スルホン化、転位、還元、発酵、熱分解、加水分解、液化、嫌気的消化、水熱処理、気化のうちの1つ以上、又はこれらの2つ以上の組み合わせを挙げることができる。これら天然誘導体の例としては、カルボン酸、ゴム、リン脂質、ソーダ油滓、ダーク油、蒸留物又は蒸留スラッジ、脂肪酸、脂肪酸エステル、並びに不飽和ポリオールエステルを含むヒドロキシ置換されたこれらの改変物を挙げることができる。いくつかの実施形態では、天然油誘導体は、約5個〜約30個の炭素原子を有し、炭化水素(アルケン)鎖中に1つ以上の炭素−炭素二重結合を有する、不飽和カルボン酸を含み得る。天然油誘導体は、天然油のグリセリドから誘導された不飽和脂肪酸アルキル(例えば、メチル)エステルも含み得る。例えば、天然油誘導体は、天然油のグリセリドから誘導された脂肪酸メチルエステル(「FAME」)であってよい。いくつかの実施形態では、原料は、キャノーラ又はダイズ油、非限定例として、精製、漂白、及び脱臭された油(すなわち、RBDダイズ油)を含む。
本明細書で使用するとき、用語「不飽和ポリオールエステル」とは、2つ以上のヒドロキシル基を有する化合物であって、当該ヒドロキシル基のうちの少なくとも1つがエステルの形態であり、当該エステルが少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む有機基を有する化合物を指す。
用語「オリゴマーグリセリド部分」は、天然油グリセリド及び/又はアルケニル化天然油グリセリドからオレフィンメタセシスを介して形成された、2個以上、一態様では20個以下、別の態様では10個以下の構成単位を含む部分である。
用語「遊離炭化水素」とは、C2〜30の範囲の不飽和又は飽和の直鎖、分枝鎖、又は環状の炭化水素のいずれか1つ又はこれらの組み合わせを指す。
用語「メタセシスモノマー」とは、同じ分子内(分子内メタセシス)、及び/又はオレフィンなどの1つ以上の炭素−炭素二重結合を含有する別の化合物の分子(分子間メタセシス)のいずれかの炭素−炭素二重結合のうちの1つ以上を介してアルキリデン単位の交換を受けた1つ以上の炭素−炭素二重結合を有する化合物の分子を含むオレフィンメタセシス反応の生成物である単一の実体を指す。いくつかの実施形態では、この用語は、アルキリデン単位の交換を未だ受けていないが、「オメガマイナスn」位に炭素−炭素二重結合を有する少なくとも1つのC4〜17エステルを含有するトリグリセリド又は他の不飽和ポリオールエステル(n=0、1、2、3、4、5、又は6であり、エステル部分は少なくともn+3個の炭素原子を有する)を指す。
「メタセシスダイマー」なる用語は、それぞれが1つ以上の炭素−炭素二重結合を有する同じか又は異なっていてよい2つの反応剤化合物が、メタセシス反応の結果としてそれぞれの反応剤化合物中の1つ以上の炭素−炭素二重結合を介して互いに結合する、メタセシス反応の生成物を指す。
「メタセシストリマー」なる用語は、それぞれが1つ以上の炭素−炭素二重結合を有する同じか又は異なっていてよい2つ以上の反応剤化合物の3個の分子が、1回以上のメタセシス反応の結果としてそれぞれの反応剤化合物中の1つ以上の炭素−炭素二重結合を介して互いに結合する、1回以上のメタセシス反応の生成物であって、反応剤化合物から誘導された3個の結合基を含有するトリマーを指す。
「メタセシステトラマー」なる用語は、それぞれが1つ以上の炭素−炭素二重結合を有する同じか又は異なっていてよい2つ以上の反応剤化合物の4個の分子が、1回以上のメタセシス反応の結果としてそれぞれの反応剤化合物中の1つ以上の炭素−炭素二重結合を介して互いに結合する、1回以上のメタセシス反応の生成物であって、反応剤化合物から誘導された4個の結合基を含有するテトラマーを指す。
「メタセシスペンタマー」なる用語は、それぞれが1つ以上の炭素−炭素二重結合を有する同じか又は異なっていてよい2つ以上の反応剤化合物の5個の分子が、1回以上のメタセシス反応の結果としてそれぞれの反応剤化合物中の1つ以上の炭素−炭素二重結合を介して互いに結合する、1回以上のメタセシス反応の生成物であって、反応剤化合物から誘導された5個の結合基を含有するペンタマーを指す。
「メタセシスヘキサマー」なる用語は、それぞれが1つ以上の炭素−炭素二重結合を有する同じか又は異なっていてよい2つ以上の反応剤化合物の6個の分子が、1回以上のメタセシス反応の結果としてそれぞれの反応剤化合物中の1つ以上の炭素−炭素二重結合を介して互いに結合する、1回以上のメタセシス反応の生成物であって、反応剤化合物から誘導された6個の結合基を含有するヘキサマーを指す。
「メタセシスヘプタマー」なる用語は、それぞれが1つ以上の炭素−炭素二重結合を有する同じか又は異なっていてよい2つ以上の反応剤化合物の7個の分子が、1回以上のメタセシス反応の結果としてそれぞれの反応剤化合物中の1つ個以上の炭素−炭素二重結合を介して互いに結合する、1回以上のメタセシス反応の生成物であって、反応剤化合物から誘導された7個の結合基を含有するヘプタマーを指す。
「メタセシスオクタマー」なる用語は、それぞれが1つ以上の炭素−炭素二重結合を有する同じか又は異なっていてよい2つ以上の反応剤化合物の8個の分子が、1回以上のメタセシス反応の結果としてそれぞれの反応剤化合物中の1つ以上の炭素−炭素二重結合を介して互いに結合する、1回以上のメタセシス反応の生成物であって、反応剤化合物から誘導された8個の結合基を含有するオクタマーを指す。
「メタセシスノナマー」なる用語は、それぞれが1つ以上の炭素−炭素二重結合を有する同じか又は異なっていてよい2つ以上の反応剤化合物の9個の分子が、1回以上のメタセシス反応の結果としてそれぞれの反応剤化合物中の1つ以上の炭素−炭素二重結合を介して互いに結合する、1回以上のメタセシス反応の生成物であって、反応剤化合物から誘導された9個の結合基を含有するノナマーを指す。
「メタセシスデカマー」なる用語は、それぞれが1つ以上の炭素−炭素二重結合を有する同じか又は異なっていてよい2つ以上の反応剤化合物の10個の分子が、1回以上のメタセシス反応の結果としてそれぞれの反応剤化合物中の1つ以上の炭素−炭素二重結合を介して互いに結合する、1回以上のメタセシス反応の生成物であって、反応剤化合物から誘導された10個の結合基を含有するデカマーを指す。
「メタセシスオリゴマー」なる用語は、それぞれが1つ以上の炭素−炭素二重結合を有する同じか又は異なっていてよい2つ以上の反応剤化合物の2個以上(例えば、2個〜約10個、又は2個〜約4個)の分子が、1回以上のメタセシス反応の結果としてそれぞれの反応剤化合物中の1つ以上の炭素−炭素二重結合を介して互いに結合する、1回以上のメタセシス反応の生成物であって、反応剤化合物から誘導された数個(例えば、2個〜約10個、又は2個〜約4個)の結合基を含有するオリゴマーを指す。いくつかの実施形態では、「メタセシスオリゴマー」なる用語は、それぞれが1つ以上の炭素−炭素二重結合を有する同じか又は異なっていてよい2つ以上の反応剤化合物の10個よりも多い分子が、1回以上のメタセシス反応の結果としてそれぞれの反応剤化合物中の1つ以上の炭素−炭素二重結合を介して結合する、メタセシス反応であって、反応剤化合物から誘導された10個よりも多い結合基を含有するオリゴマーを含み得る。
本明細書で使用するとき、「メタセシス」とは、オレフィンメタセシスを指す。本明細書で使用するとき、「メタセシス触媒」は、オレフィンメタセシス反応を触媒する任意の触媒又は触媒系を含む。
本明細書で使用するとき、「メタセシス化」及び「メタセシス化する」とは、メタセシス触媒の存在下で原料を反応させて、新たなオレフィン性化合物を含む「メタセシス化生成物」、すなわち、「メタセシス化」化合物を形成することを指す。メタセシス化するとは、任意の特定の種類のオレフィンメタセシスに限定されるものではなく、交差メタセシス(すなわち、共メタセシス)、自己メタセシス、開環メタセシス、開環メタセシス重合(「ROMP」)、閉環メタセシス(「RCM」)、及びアクリルジエンメタセシス(「ADMET」)を指し得る。いくつかの実施形態では、メタセシス化するとは、メタセシス触媒の存在下で天然原料中に存在する2つのトリグリセリドを反応させること(自己メタセシス)であって、各トリグリセリドが不飽和炭素−炭素二重結合を有し、それによって、オレフィンとトリグリセリドダイマーを含み得るエステルとの新規混合物を形成することを指す。このようなトリグリセリドダイマーは、1つ超のオレフィン結合を有し得、それによって、より高次のオリゴマーを形成することもできる。これらのより高次のオリゴマーは、メタセシスモノマー、メタセシスダイマー、メタセシストリマー、メタセシステトラマー、メタセシスペンタマー、及びより高次のメタセシスオリゴマー(例えば、メタセシスへキサマー、メタセシス、メタセシスヘプタマー、メタセシスオクタマー、メタセシスノナマー、メタセシスデカマー、及びメタセシスデカマーよりも高次のもの)のうちの1つ以上を含み得る。更に、いくつかの他の実施形態では、メタセシス化するとは、エチレンなどのオレフィンと少なくとも1つの不飽和炭素−炭素二重結合を有する天然原料中のトリグリセリドとを反応させ、それによって、新規オレフィン性分子及び新規エステル分子を形成すること(交差メタセシス)を指し得る。
本明細書で使用するとき、用語「オレフィン化天然ポリオールエステル及び/又はオレフィン化合成ポリオールエステル」とは、天然及び/又は合成のポリオールエステルをC2〜14オレフィン、好ましくはC2〜6オレフィン、より好ましくはC3〜4オレフィン、並びにこれらの混合物及び異性体とメタセシス化することによって生成される生成物を指す。
本明細書で使用するとき、「オレフィン」とは、少なくとも1つの不飽和炭素−炭素二重結合を有する化合物を指す。特定の実施形態では、用語「オレフィン」とは、異なる炭素長を有する不飽和炭素−炭素二重結合化合物の群を指す。特に断らない限り、用語「オレフィン」は、1つ超の炭素−炭素二重結合を有する「多価不飽和オレフィン」又は「ポリオレフィン」を包含する。本明細書で使用するとき、用語「一価不飽和オレフィン」又は「モノオレフィン」とは、炭素−炭素二重結合を1つだけ有する化合物を指す。末端炭素−炭素二重結合を有する化合物は、「末端オレフィン」又は「アルファ−オレフィン」と呼ぶことができ、一方、非末端炭素−炭素二重結合を有するオレフィンは、「内部オレフィン」と呼ぶことができる。いくつかの実施形態では、アルファ−オレフィンは、末端炭素−炭素二重結合を有するアルケン(以下に定義される)である末端アルケンである。更なる炭素−炭素二重結合が存在する場合もある。
任意の基又は化合物における炭素原子の数は、用語「Cz」(これは、z個の炭素原子を有する化合物の群を指す)及び「Cx−y」(これは、x個以上y個以下の炭素原子を含有する基又は化合物を指す)によって表すことができる。例えば、「C1〜6アルキル」は、1〜6個の炭素原子を有するアルキル鎖を表し、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、イソブチル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソペンチル、n−ペンチル、ネオペンチル、及びn−ヘキシルが挙げられるが、これらに限定されない。更なる例としては、「C4〜10アルケン」とは、4〜10個の炭素原子を有するアルケン分子を指し、例えば、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−ヘキセン、1−ヘプテン、3−ヘプテン、1−オクテン、4−オクテン、1−ノネン、4−ノネン、及び1−デセンが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用するとき、用語「短鎖アルケン」又は「短鎖オレフィン」とは、C2〜14の範囲又はC2〜12の範囲又はC2〜10の範囲又はC2〜8の範囲の不飽和直鎖、分枝鎖、又は環状の炭化水素の任意の1つ又は組み合わせを指す。このようなオレフィンとしては、化合物の一端に不飽和炭素−炭素結合が存在するアルファ−オレフィンが挙げられる。また、このようなオレフィンは、ジエン又はトリエンも含む。また、このようなオレフィンは、内部オレフィンも含む。C2〜6の範囲の短鎖アルケンの例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、3−メチル−1−ブテン、シクロペンテン、1,4−ペンタジエン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、3−ヘキセン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−メチル−2−ペンテン、3−メチル−2−ペンテン、4−メチル−2−ペンテン、2−メチル−3−ペンテン、及びシクロヘキセンが挙げられるが、これらに限定されない。C7〜9の範囲の短鎖アルケンの非限定例としては、1,4−ヘプタジエン、1−ヘプテン、3,6−ノナジエン、3−ノネン、1,4,7−オクタトリエンが挙げられる。特定の実施形態では、C4〜10の範囲の直鎖及び分枝鎖低分子量オレフィンを含む、オレフィンの混合物を使用することが好ましい。いくつかの実施形態では、直鎖及び分枝鎖のC4オレフィンの混合物(すなわち、1−ブテン、2−ブテン、及び/又はイソブテンの組み合わせ)を使用することが好ましい場合がある。他の実施形態では、より大きな範囲のC11〜14を使用してもよい。
本明細書で使用するとき、「アルキル」とは、所望により置換されていてもよい、1〜30個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖飽和炭化水素を指し、本明細書に更に記載されるとおり、複数の置換度が許容される。「アルキル」の例としては、本明細書で使用するとき、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、イソブチル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソペンチル、n−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、及び2−エチルヘキシルが挙げられるが、これらに限定されない。アルキル基における炭素原子の数は、語句「Cx−yアルキル」によって表され、これは、本明細書に定義されるとおり、x個以上y個以下の炭素原子を含有するアルキル基を指す。したがって、「C1〜6アルキル」は、1〜6個の炭素原子を有するアルキル鎖を表し、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、イソブチル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソペンチル、n−ペンチル、ネオペンチル、及びn−ヘキシルが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの例では、「アルキル」基は二価であってもよく、この場合、当該基は、代わりに「アルキレン」基と呼ばれることもある。
本明細書で使用するとき、「アルケニル」とは、所望により置換されていてもよい、2〜30個の炭素原子を有しかつ1つ以上の炭素−炭素二重結合を有する直鎖又は分枝鎖非芳香族炭化水素を指し、本明細書に更に記載するとおり、複数の置換度が許容される。「アルケニル」の例としては、本明細書で使用するとき、エテニル、2−プロペニル、2−ブテニル、及び3−ブテニルが挙げられるが、これらに限定されない。アルケニル基における炭素原子の数は、語句「Cx−yアルケニル」によって表され、これは、本明細書に定義されるとおり、x個以上y個以下の炭素原子を含有するアルケニル基を指す。したがって、「C2〜6アルケニル」は、2〜6個の炭素原子を有するアルケニル鎖を表し、例えば、エテニル、2−プロペニル、2−ブテニル、及び3−ブテニルが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの例では、「アルケニル」基は二価であってもよく、この場合、当該基は、代わりに「アルケニレン」基と呼ばれることもある。
本明細書で使用するとき、「直接結合」とは、特定された部分が構造に存在しない実施形態を指し、それに接続されている他の部分との間の結合によって置き換えられる。例えば、明細書又は特許請求の範囲でA−D−Eと記載され、Dが直接結合であると定義されている場合、生じる構造はA−Eである。
本明細書で使用するとき、「置換されている」とは、置換の結果安定な又は化学的に実現可能な化合物が得られる限り、指定された部分の1個以上の水素原子の指名された置換基による置換を指し、特に指定しない限り複数の置換度が許容される。安定な化合物又は化学的に実現可能な化合物は、少なくとも1週間、水分又は他の化学的反応条件の非存在下において約−80℃〜+40℃の温度で維持したときに化学構造が実質的に変化しないものである。本明細書で使用するとき、語句「1つ以上の...で置換されている」又は「...で1回以上置換されている」とは、上記安定性及び化学的実現可能性の条件が満たされる限り、1から利用可能な結合部位の数に基づいて可能な最大の置換基数までに等しい置換基の数を指す。
本明細書で使用するとき、用語「ポリオール」は、少なくとも2つのヒドロキシ部分を有する有機物質を意味する。
本明細書で使用するとき、用語「C10〜14不飽和脂肪酸エステル」は、10、11、12、13、又は14個の炭素原子を含む脂肪酸エステルであって、脂肪酸エステル鎖が少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する脂肪酸エステルを意味する。
本明細書における一部の場合では、有機化合物は、化学結合が線によって示され、炭素原子は明示的に表示されず、炭素に共有結合している水素原子(又はC−H結合)は全く示されない、「線構造」方法論を使用して記載される。例えば、その慣習によって、式
は、n−プロパンを表す。本明細書における一部の場合では、化合物が2つ以上の異性体のうちの任意の1つを有し得ることを示すために波線が使用される。例えば、構造
は、(E)−2−ブテン又は(Z)−2−ブテンを指し得る。これは、どの異性体を指すのかが不明瞭なオレフィン性構造を描くときにも当てはまる。例えば、CH
3−CH=CH−CH
3は、(E)−2−ブテン又は(Z)−2−ブテンを指し得る。
本明細書で使用するとき、表される様々な官能基は、ハイフン若しくはダッシュ(−)又はアスタリスク(*)を有する官能基に結合点を有すると理解される。換言すれば、−CH2CH2CH3の場合、結合点は左端のCH2基であると理解される。アスタリスクもダッシュもなしで基が記載されている場合、結合点は、記載された基の通常の普通の意味によって指定される。
本明細書で使用するとき、多核二価種は左から右へと読まなければならない。例えば、明細書又は特許請求の範囲にA−D−Eと記載されDが−OC(O)−であると定義されている場合、Dが置換されて生じる基はA−OC(O)−Eであり、A−C(O)O−Eではない。
本明細書で使用するとき、「a」及び「an」などの冠詞は、特許請求の範囲で使用されるときに、特許請求又は記載されるもののうちの1つ以上を意味するものと理解される。
本明細書で使用するとき、用語「含む(include)」、「含む(includes)」、及び「含んでいる(including)」は、非限定的であることを意味する。
別途記載のない限り、成分又は組成物の濃度は全て、当該成分又は組成物の活性部分に関するものであり、このような成分又は組成物の市販の供給源に存在し得る不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は除外される。
全ての百分率及び比率は、特に指示がない限り、重量で計算される。全ての百分率及び比率は、特に指示がない限り、全組成物に基づいて計算される。
本明細書の全体を通して記載される全ての最大数値限定は、それよりも小さい全ての数値限定を、かかるより小さい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように包含するものと理解すべきである。本明細書の全体を通して記載される全ての最小数値限定は、それよりも高い全ての数値限定を、かかるより高い数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように包含する。本明細書の全体を通して記載される全ての数値範囲は、かかるより広い数値範囲内に入るより狭い全ての数値範囲を、かかるより狭い数値範囲が全てあたかも本明細書に明確に記載されているかのように包含する。
組成物及び使用方法
段落(a)〜(ff)
以下の組成物、使用方法、及び処理された物品が開示される:
(a)組成物であって、
A)
(i)第1のグリセリドコポリマーであって、第1のグリセリドコポリマーの総重量に基づいて約3%〜約30%、約3%〜約25%、又は約5%〜約20%のC10〜14不飽和脂肪酸エステルを含み;一態様では、第1のグリセリドコポリマーの総重量に基づいて約3%〜約30%、約3%〜約25%、又は約3%〜約20%のC10〜13不飽和脂肪酸エステルを含み;一態様では、第1のグリセリドコポリマーの総重量に基づいて約0.1%〜約30%、約0.1%〜約25%、約0.2%〜約20%、又は約0.5%〜約15%のC10〜11不飽和脂肪酸エステルを含む、第1のグリセリドコポリマー;
(ii)式(I)を有する第2のグリセリドコポリマーであって:
式中、
第2のグリセリドコポリマーにおける各R
1、R
2、R
3、R
4、及びR
5は、独立して、オリゴマーグリセリド部分、C
1〜24アルキル、置換基が1つ以上の−OH部分である置換C
1〜24アルキル、C
2〜24アルケニル、若しくは置換基が1つ以上の−OH部分である置換C
2〜24アルケニルからなる群から選択され;並びに/又は以下の部分の組み合わせ:
R
1及びR
3、
R
2及びR
5、
R
1及び隣接するR
4、
R
2及び隣接するR
4、
R
3及び隣接するR
4、
R
5及び隣接するR
4、又は
任意の2つの隣接するR
4
のそれぞれは、共有結合した部分がアルケニレン部分を形成するように、それぞれ独立して共有結合してもよく;
当該第2のグリセリドコポリマーにおける各X
1及びX
2は、独立して、C
1〜32アルキレン、置換基が1つ以上の−OH部分である置換C
1〜32アルキレン、C
2〜32アルケニレン、又は置換基が1つ以上の−OH部分である置換C
2〜32アルケニレンからなる群から選択され;
G
1、G
2、及びG
3のうちの2つは−CH
2−であり、G
1、G
2、及びG
3のうちの1つは直接結合であり;
指数nを有する繰り返し単位における各個々の繰り返し単位について、G
4、G
5、及びG
6のうちの2つは−CH
2−であり、G
4、G
5、及びG
6のうちの1つは直接結合であり、各個々の繰り返し単位についてのG
4、G
5、及びG
6の値は、他の繰り返し単位におけるG
4、G
5、及びG
6の値から独立的に選択され;
G
7、G
8、及びG
9のうちの2つは−CH
2−であり、G
7、G
8、及びG
9のうちの1つは直接結合であり;
nは、3〜250の整数であり;
ただし、当該第2のグリセリドコポリマーのそれぞれについて、R
1、R
2、R
3、及びR
5のうちの少なくとも1つ並びに/又は当該指数nを有する繰り返し単位のある個々の繰り返し単位における少なくとも1つのR
4は、8−ノネニル;8−デセニル;8−ウンデセニル;8−ドデセニル;8,11−ドデカジエニル;8,11−トリデカジエニル;8,11−テトラデカジエニル;8,11−ペンタデカジエニル;8,11,14−ペンタデカトリエニル;8,11,14−ヘキサデカトリエニル;8,11,14−オクタデカトリエニル;9−メチル−8−デセニル;9−メチル−8−ウンデセニル;10−メチル−8−ウンデセニル;12−メチル−8,11−トリデカジエニル;12−メチル−8,11−テトラデカジエニル;13−メチル−8,11−テトラデカジエニル;15−メチル−8,11,14−ヘキサデカトリエニル;15−メチル−8,11,14−ヘプタデカトリエニル;16−メチル−8,11,14−ヘプタデカトリエニル;12−トリデセニル;12−テトラデセニル;12−ペンタデセニル;12−ヘキサデセニル;13−メチル−12−テトラデセニル;13−メチル−12−ペンタデセニル;及び14−メチル−12−ペンタデセニルからなる群から選択され;一態様では、第2のグリセリドコポリマーの総重量に基づいて約3%〜約30%、約3%〜約25%、又は約5%〜約20%のC
9〜13アルケニル部分を含み;一態様では、第2のグリセリドコポリマーの総重量に基づいて約3%〜約30%、約3%〜約25%、又は約3%〜約20%のC
9〜12アルケニル部分を含み;一態様では、第2のグリセリドコポリマーの総重量に基づいて約0.1%〜約30%、約0.1%〜約25%、約0.2%〜約20%、又は約0.5%〜約15%のC
9〜10アルケニル部分を含む、第2のグリセリドコポリマー;並びに
(iii)任意選択的に、第3のグリセリドコポリマーであって、メタセシス触媒の存在下で、以下の式を有する化合物のそれぞれから1つ以上の化合物を反応させることから形成された構成単位を含み;
式(IIa):
式中、
各R
11、R
12、及びR
13は、独立して、C
1〜24アルキル、置換基が1つ以上の−OH部分である置換C
1〜24アルキル、C
2〜24アルケニル、又は置換基が1つ以上の−OH部分である置換C
2〜24アルケニルであり、ただし、R
11、R
12、及びR
13のうちの少なくとも1つは、C
2〜24アルケニル又は置換基が1つ以上の−OH部分である置換C
2〜24アルケニルであり;
各R
21、R
22、及びR
23は、独立して、C
1〜24アルキル、置換基が1つ以上の−OH部分である置換C
1〜24アルキル、C
2〜24アルケニル、又は置換基が1つ以上の−OH部分である置換C
2〜24アルケニルであり、ただし、R
21、R
22、及びR
23のうちの少なくとも1つは、8−ノネニル;8−デセニル;8−ウンデセニル;8−ドデセニル;8,11−ドデカジエニル;8,11−トリデカジエニル;8,11−テトラデカジエニル;8,11−ペンタデカジエニル;8,11,14−ペンタデカトリエニル;8,11,14−ヘキサデカトリエニル;8,11,14−オクタデカトリエニル;9−メチル−8−デセニル;9−メチル−8−ウンデセニル;10−メチル−8−ウンデセニル;12−メチル−8,11−トリデカジエニル;12−メチル−8,11−テトラデカジエニル;13−メチル−8,11−テトラデカジエニル;15−メチル−8,11,14−ヘキサデカトリエニル;15−メチル−8,11,14−ヘプタデカトリエニル;16−メチル−8,11,14−ヘプタデカトリエニル;12−トリデセニル;12−テトラデセニル;12−ペンタデセニル;12−ヘキサデセニル;13−メチル−12−テトラデセニル;13−メチル−12−ペンタデセニル;及び14−メチル−12−ペンタデセニルであり;
式(IIa)のモノマー化合物から形成される構成単位の式(IIb)のモノマー化合物から形成される構成単位に対する数比は、10:1以下である、第3のグリセリドコポリマー;並びに
(iv)これらの混合物;
からなる群から選択される材料と、
B)当該ヘアケア組成物の約5重量%〜約50重量%の1種以上のアニオン性界面活性剤と、
C)当該ヘアケア組成物の少なくとも約20重量%の水性キャリアと
を含む、組成物。
(b)当該第1、第2、及び第3のグリセリドコポリマーが、約4,000g/モル〜約150,000g/モル、約5,000g/モル〜約130,000g/モル、約6,000g/モル〜約100,000g/モル、約7,000g/モル〜約50,000g/モル、約8,000g/モル〜約30,000g/モル、又は約8,000g/モル〜約20,000g/モルの重量平均分子量を有する、段落(a)に記載の組成物。
(c)当該第1、第2、及び第3のグリセリドコポリマーが、メタセシスを含むプロセスによって生成され;一態様では、当該プロセスが、反応混合物の一部としてのメタセシス触媒の存在下で2つ以上のモノマーを反応させることを含み、反応混合物中の式(IIa)のモノマー化合物の式(IIb)のモノマー化合物に対する重量−重量比が、10:1以下、9:1以下、8:1以下、7:1以下、6:1以下、5:1以下、4:1以下、3:1以下、2:1以下、又は1:1以下であり;一態様では、当該メタセシス触媒が、有機ルテニウム化合物、有機オスミウム化合物、有機タングステン化合物、又は有機モリブデン化合物である、段落(a)〜(b)に記載の組成物。
(d)当該第2のグリセリドコポリマーについて、R1、R2、R3、R4、又はR5のうちの少なくとも1つがC9〜13アルケニルであり、一態様では、R1、R2、R3、R4、又はR5のうちの少なくとも1つがC9〜12アルケニルであり、別の態様では、R1、R2、R3、R4、又はR5のうちの少なくとも1つがC9〜10アルケニルである、段落(a)〜(c)に記載の組成物。
(e)当該第3のグリセリドコポリマーについて、R11、R12、R13、R21、R22、又はR23のうちの少なくとも1つがC9〜13アルケニルであり、一態様では、R11、R12、R13、R21、R22、又はR23のうちの少なくとも1つがC9〜12アルケニルであり、別の態様では、R11、R12、R13、R21、R22、又はR23のうちの少なくとも1つがC9〜10アルケニルである、段落(a)〜(d)に記載の組成物。
(f)第2のグリセリドコポリマーのG1及びG2部分が−CH2−であり、G3が直接結合である、段落(a)〜(e)に記載の組成物。
(g)第2のグリセリドコポリマーのG1及びG3部分が−CH2−であり、G2が直接結合である、段落(a)〜(e)のいずれかに記載の組成物。
(h)第2のグリセリドコポリマーのG2及びG3部分が−CH2−であり、G1が直接結合である、段落(a)〜(e)のいずれかに記載の組成物。
(i)第2のグリセリドコポリマーについて、G4及びG5のうちの少なくとも1つが−CH2−であり、G6が直接結合である、段落(a)〜(h)に記載の組成物。
(j)第2のグリセリドコポリマーについて、G4及びG6のうちの少なくとも1つが−CH2−であり、G5が直接結合である、段落(a)〜(h)のいずれかに記載の組成物。
(k)第2のグリセリドコポリマーについて、G5及びG6のうちの少なくとも1つが−CH2−であり、G4が直接結合である、段落(a)〜(h)のいずれかに記載の組成物。
(l)第2のグリセリドコポリマーについて、G7及びG8のうちの少なくとも1つが−CH2−であり、G9が直接結合である、段落(a)〜(k)のいずれかに記載の組成物。
(m)第2のグリセリドコポリマーについて、G7及びG9のうちの少なくとも1つが−CH2−であり、G8が直接結合である、段落(a)〜(k)に記載の組成物。
(n)第2のグリセリドコポリマーについて、G8及びG9のうちの少なくとも1つが−CH2−であり、G7が直接結合である、段落(a)〜(k)に記載の組成物。
(o)第2のグリセリドコポリマーについて、各X1が、−(CH2)16−、−(CH2)18−、−(CH2)19−、−(CH2)20−、−(CH2)22−、−(CH2)24−、−(CH2)25−、−(CH2)28−、−(CH2)7−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)11−CH=CH−(CH2)11−、−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)11−、−(CH2)11−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)11−、−(CH2)11−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)9−CH=CH−(CH2)7、−(CH2)7−CH=CH−(CH2)9、−(CH2)11−CH=CH−(CH2)7−、又は−(CH2)7−CH=CH−(CH2)11−からなる群から独立的に選択される、段落(a)〜(n)のいずれかに記載の組成物。
(p)第2のグリセリドコポリマーについて、各X2が、−(CH2)16−、−(CH2)18−、−(CH2)19−、−(CH2)20−、−(CH2)22−、−(CH2)24−、−(CH2)25−、−(CH2)28−、−(CH2)7−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)11−CH=CH−(CH2)11−、−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)11−、−(CH2)11−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)11−、−(CH2)11−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)9−CH=CH−(CH2)7、−(CH2)7−CH=CH−(CH2)9、−(CH2)11−CH=CH−(CH2)7−、又は−(CH2)7−CH=CH−(CH2)11−からなる群から独立的に選択される、段落(a)〜(m)のいずれかに記載の組成物。
(q)第2のグリセリドコポリマーについて、R1がC1〜24アルキル又はC2〜24アルケニルであり;一態様では、R1が、8−ノネニル、8−デセニル、8−ウンデセニル、8−ドデセニル、8,11−ドデカジエニル、8,11−トリデカジエニル、8,11−テトラデカジエニル、8,11−ペンタデカジエニル、8,11,14−ペンタデカトリエニル、8,11,14−ヘキサデカトリエニル、8,11,14−オクタデカトリエニル、9−メチル−8−デセニル、9−メチル−8−ウンデセニル、10−メチル−8−ウンデセニル、12−メチル−8,11−トリデカジエニル、12−メチル−8,11−テトラデカジエニル、13−メチル−8,11−テトラデカジエニル、15−メチル−8,11,14−ヘキサデカトリエニル、15−メチル−8,11,14−ヘプタデカトリエニル、16−メチル−8,11,14−ヘプタデカトリエニル、12−トリデセニル、12−テトラデセニル、12−ペンタデセニル、12−ヘキサデセニル、13−メチル−12−テトラデセニル、13−メチル−12−ペンタデセニル、及び14−メチル−12−ペンタデセニルからなる群から選択され、別の態様では、R1が、8−ノネニル、8−デセニル、8−ウンデセニル、8,11−ドデカジエニル、8,11−トリデカジエニル、8,11−テトラデカジエニル、8,11,14−ペンタデカトリエニル、8,11,14−ヘキサデカトリエニル、12−トリデセニル、12−テトラデセニル、及び12−ペンタデセニルからなる群から選択される、段落(a)〜(p)のいずれかに記載の組成物。
(r)第2のグリセリドコポリマーについて、R2がC1〜24アルキル又はC2〜24アルケニルであり;一態様では、R2が、8−ノネニル、8−デセニル、8−ウンデセニル、8−ドデセニル、8,11−ドデカジエニル、8,11−トリデカジエニル、8,11−テトラデカジエニル、8,11−ペンタデカジエニル、8,11,14−ペンタデカトリエニル、8,11,14−ヘキサデカトリエニル、8,11,14−オクタデカトリエニル、9−メチル−8−デセニル、9−メチル−8−ウンデセニル、10−メチル−8−ウンデセニル、12−メチル−8,11−トリデカジエニル、12−メチル−8,11−テトラデカジエニル、13−メチル−8,11−テトラデカジエニル、15−メチル−8,11,14−ヘキサデカトリエニル、15−メチル−8,11,14−ヘプタデカトリエニル、16−メチル−8,11,14−ヘプタデカトリエニル、12−トリデセニル、12−テトラデセニル、12−ペンタデセニル、12−ヘキサデセニル、13−メチル−12−テトラデセニル、13−メチル−12−ペンタデセニル、及び14−メチル−12−ペンタデセニルからなる群から選択され;別の態様では、R2が、8−ノネニル、8−デセニル、8−ウンデセニル、8,11−ドデカジエニル、8,11−トリデカジエニル、8,11−テトラデカジエニル、8,11,14−ペンタデカトリエニル、8,11,14−ヘキサデカトリエニル、12−トリデセニル、12−テトラデセニル、及び12−ペンタデセニルからなる群から選択される、段落(a)〜(q)のいずれかに記載の組成物。
(s)第2のグリセリドコポリマーについて、R3がC1〜24アルキル又はC2〜24アルケニルであり;一態様では、R3が、8−ノネニル、8−デセニル、8−ウンデセニル、8−ドデセニル、8,11−ドデカジエニル、8,11−トリデカジエニル、8,11−テトラデカジエニル、8,11−ペンタデカジエニル、8,11,14−ペンタデカトリエニル、8,11,14−ヘキサデカトリエニル、8,11,14−オクタデカトリエニル、9−メチル−8−デセニル、9−メチル−8−ウンデセニル、10−メチル−8−ウンデセニル、12−メチル−8,11−トリデカジエニル、12−メチル−8,11−テトラデカジエニル、13−メチル−8,11−テトラデカジエニル、15−メチル−8,11,14−ヘキサデカトリエニル、15−メチル−8,11,14−ヘプタデカトリエニル、16−メチル−8,11,14−ヘプタデカトリエニル、12−トリデセニル、12−テトラデセニル、12−ペンタデセニル、12−ヘキサデセニル、13−メチル−12−テトラデセニル、13−メチル−12−ペンタデセニル、及び14−メチル−12−ペンタデセニルからなる群から選択され;別の態様では、R3が、8−ノネニル、8−デセニル、8−ウンデセニル、8,11−ドデカジエニル、8,11−トリデカジエニル、8,11−テトラデカジエニル、8,11,14−ペンタデカトリエニル、8,11,14−ヘキサデカトリエニル、12−トリデセニル、12−テトラデセニル、及び12−ペンタデセニルからなる群から選択される、段落(a)〜(r)のいずれかに記載の組成物。
(t)第2のグリセリドコポリマーについて、各R4が、C1〜24アルキル及びC2〜24アルケニルから独立的に選択され;一態様では、各R4が、8−ノネニル、8−デセニル、8−ウンデセニル、8−ドデセニル、8,11−ドデカジエニル、8,11−トリデカジエニル、8,11−テトラデカジエニル、8,11−ペンタデカジエニル、8,11,14−ペンタデカトリエニル、8,11,14−ヘキサデカトリエニル、8,11,14−オクタデカトリエニル、9−メチル−8−デセニル、9−メチル−8−ウンデセニル、10−メチル−8−ウンデセニル、12−メチル−8,11−トリデカジエニル、12−メチル−8,11−テトラデカジエニル、13−メチル−8,11−テトラデカジエニル、15−メチル−8,11,14−ヘキサデカトリエニル、15−メチル−8,11,14−ヘプタデカトリエニル、16−メチル−8,11,14−ヘプタデカトリエニル、12−トリデセニル、12−テトラデセニル、12−ペンタデセニル、12−ヘキサデセニル、13−メチル−12−テトラデセニル、13−メチル−12−ペンタデセニル、及び14−メチル−12−ペンタデセニルからなる群から独立的に選択され;別の態様では、各R4が、8−ノネニル、8−デセニル、8−ウンデセニル、8,11−ドデカジエニル、8,11−トリデカジエニル、8,11−テトラデカジエニル、8,11,14−ペンタデカトリエニル、8,11,14−ヘキサデカトリエニル、12−トリデセニル、12−テトラデセニル、及び12−ペンタデセニルからなる群から独立的に選択される、段落(a)〜(s)のいずれかに記載の組成物。
(u)第2のグリセリドコポリマーについて、R5がC1〜24アルキル又はC2〜24アルケニルであり;一態様では、R5が、8−ノネニル、8−デセニル、8−ウンデセニル、8−ドデセニル、8,11−ドデカジエニル、8,11−トリデカジエニル、8,11−テトラデカジエニル、8,11−ペンタデカジエニル、8,11,14−ペンタデカトリエニル、8,11,14−ヘキサデカトリエニル、8,11,14−オクタデカトリエニル、9−メチル−8−デセニル、9−メチル−8−ウンデセニル、10−メチル−8−ウンデセニル、12−メチル−8,11−トリデカジエニル、12−メチル−8,11−テトラデカジエニル、13−メチル−8,11−テトラデカジエニル、15−メチル−8,11,14−ヘキサデカトリエニル、15−メチル−8,11,14−ヘプタデカトリエニル、16−メチル−8,11,14−ヘプタデカトリエニル、12−トリデセニル、12−テトラデセニル、12−ペンタデセニル、12−ヘキサデセニル、13−メチル−12−テトラデセニル、13−メチル−12−ペンタデセニル、及び14−メチル−12−ペンタデセニルからなる群から選択され;別の態様では、R5が、8−ノネニル、8−デセニル、8−ウンデセニル、8,11−ドデカジエニル、8,11−トリデカジエニル、8,11−テトラデカジエニル、8,11,14−ペンタデカトリエニル、8,11,14−ヘキサデカトリエニル、12−トリデセニル、12−テトラデセニル、及び12−ペンタデセニルからなる群から選択される、段落(a)〜(t)のいずれかに記載の組成物。
(v)第2のグリセリドコポリマーについて、nが、3〜250、5〜180、6〜140、8〜70、9〜40、又は9〜26の整数である、段落(a)〜(u)のいずれかに記載の組成物。
(w)第3のグリセリドコポリマーについて、R11、R12、及びR13が、それぞれ独立して、ペンタデシル、ヘプタデシル、8−ヘプタデセニル、8,11−ヘプタデカジエニル、及び8,11,14−ヘプタデカトリエニルからなる群から選択される、段落(a)〜(c)のいずれかに記載の組成物。
(x)第3のグリセリドコポリマーについて、R21、R22、及びR23のうちの2つが、独立して、ペンタデシル、ヘプタデシル、8−ヘプタデセニル、8,11−ヘプタデカジエニル、及び8,11,14−ヘプタデカトリエニルからなる群から選択され;R21、R22、及びR23のうちの1つが、8−ノネニル、8−デセニル、8−ウンデセニル、8−ドデセニル、8,11−ドデカジエニル、8,11−トリデカジエニル、8,11−テトラデカジエニル、8,11−ペンタデカジエニル、8,11,14−ペンタデカトリエニル、8,11,14−ヘキサデカトリエニル、8,11,14−オクタデカトリエニル、9−メチル−8−デセニル、9−メチル−8−ウンデセニル、10−メチル−8−ウンデセニル、12−メチル−8,11−トリデカジエニル、12−メチル−8,11−テトラデカジエニル、13−メチル−8,11−テトラデカジエニル、15−メチル−8,11,14−ヘキサデカトリエニル、15−メチル−8,11,14−ヘプタデカトリエニル、16−メチル−8,11,14−ヘプタデカトリエニル、12−トリデセニル、12−テトラデセニル、12−ペンタデセニル、12−ヘキサデセニル、13−メチル−12−テトラデセニル、13−メチル−12−ペンタデセニル、及び14−メチル−12−ペンタデセニルからなる群から選択され;一態様では、R21、R22、及びR23のうちの1つが、8−ノネニル、8−デセニル、8−ウンデセニル、8,11−ドデカジエニル、8,11−トリデカジエニル、8,11−テトラデカジエニル、8,11,14−ペンタデカトリエニル、8,11,14−ヘキサデカトリエニル、12−トリデセニル、12−テトラデセニル、及び12−ペンタデセニルからなる群から選択される、段落(a)〜(c)及び(w)に記載の組成物。
(y)第3のグリセリドコポリマーについて、R21、R22、及びR23のうちの1つが、ペンタデシル、ヘプタデシル、8−ヘプタデセニル、8,11−ヘプタデカジエニル、及び8,11,14−ヘプタデカトリエニルからなる群から選択され;R21、R22、及びR23のうちの2つが、独立して、8−ノネニル、8−デセニル、8−ウンデセニル、8−ドデセニル、8,11−ドデカジエニル、8,11−トリデカジエニル、8,11−テトラデカジエニル、8,11−ペンタデカジエニル、8,11,14−ペンタデカトリエニル、8,11,14−ヘキサデカトリエニル、8,11,14−オクタデカトリエニル、9−メチル−8−デセニル、9−メチル−8−ウンデセニル、10−メチル−8−ウンデセニル、12−メチル−8,11−トリデカジエニル、12−メチル−8,11−テトラデカジエニル、13−メチル−8,11−テトラデカジエニル、15−メチル−8,11,14−ヘキサデカトリエニル、15−メチル−8,11,14−ヘプタデカトリエニル、16−メチル−8,11,14−ヘプタデカトリエニル、12−トリデセニル、12−テトラデセニル、12−ペンタデセニル、12−ヘキサデセニル、13−メチル−12−テトラデセニル、13−メチル−12−ペンタデセニル、及び14−メチル−12−ペンタデセニルからなる群から選択され;一態様では、R21、R22、及びR23のうちの2つが、独立して、8−ノネニル、8−デセニル、8−ウンデセニル、8,11−ドデカジエニル、8,11−トリデカジエニル、8,11−テトラデカジエニル、8,11,14−ペンタデカトリエニル、8,11,14−ヘキサデカトリエニル、12−トリデセニル、12−テトラデセニル、及び12−ペンタデセニルからなる群から選択される、段落(a)〜(c)及び(w)に記載の組成物。
(z)グリセリドコポリマーを含む組成物であって、
a)メタセシス触媒の存在下で、少なくとも不飽和天然油グリセリドと不飽和アルケニル化天然油グリセリド;
b)メタセシス触媒の存在下で、少なくとも不飽和合成ポリオールエステルと不飽和アルケニル化天然油グリセリド;
c)メタセシス触媒の存在下で、少なくとも不飽和天然油グリセリドと不飽和アルケニル化合成ポリオールエステル;
d)メタセシス触媒の存在下で、少なくとも不飽和合成ポリオールエステルと不飽和アルケニル化合成ポリオールエステル;
e)メタセシス触媒の存在下で、少なくとも不飽和アルケニル合成ポリオールエステルと不飽和アルケニル化合成ポリオールエステル;
f)メタセシス触媒の存在下で、少なくとも不飽和アルケニル化天然油グリセリドと不飽和アルケニル化天然油グリセリド、
を反応させることから形成される構成単位を含み;
一態様では、当該グリセリドコポリマーが、C10〜14不飽和脂肪酸エステルを含み、
一態様では、当該触媒が、有機ルテニウム化合物、有機オスミウム化合物、有機タングステン化合物、有機モリブデン化合物、及びこれらの混合物からなる群から選択され、
一態様では、当該不飽和アルケニル化天然油グリセリドが、メタセシス触媒の存在下で、不飽和天然油グリセリドと短鎖アルケンとを反応させることから形成され、一態様では、当該触媒が、有機ルテニウム化合物、有機オスミウム化合物、有機タングステン化合物、有機モリブデン化合物、及びこれらの混合物からなる群から選択され、一態様では、短鎖アルケンが、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、3−ヘキセン、及びこれらの混合物からなる群から選択され、一態様では、短鎖アルケンが、エチレン、プロピレン、1−ブテン、及び2−ブテン、並びにこれらの混合物からなる群から選択され、一態様では、不飽和アルケニル化天然油グリセリドが、第2の不飽和天然油グリセリドよりも低分子量を有し;
一態様では、不飽和天然油グリセリドが、天然油から得られ;一態様では、植物油、動物脂、及び/又は藻類油から得られ;一態様では、アビシニアン油、アーモンド油、あんず油、杏仁油、アルガン油、アボカド油、ババス油、バオバブ油、ブラッククミン油、クロフサスグリ油、ボラージ油、カメリナ油、カリナタ油、キャノーラ油、ヒマシ油、チェリー核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、エチウム油、イブニングプリムローズ油、フラックスシード油、グレープシード油、グレープフルーツシード油、ヘーゼルナッツ油、麻実油、ジャトロファ油、ホホバ油、ククイナッツ油、アマニ油、マカダミアナッツ油、メドウフォームシード油、モリンガ油、ニーム油、オリーブ油、パーム油、パーム核油、ピーチ核油、ピーナッツ油、ペカン油、ペニークレス油、ペリラシード油、ピスタチオ油、ザクロシード油、ポンガミア油、パンプキンシード油、ラズベリー油、レッドパームオレイン、糠油、ローズヒップ油、サフラワー油、シーバックソーンフルーツ油、ゴマ油、シアオレイン、ヒマワリ油、ダイズ油、トンカ油、きり油、クルミ油、小麦胚芽油、高オレオイルダイズ油、高オレオイルヒマワリ油、高オレオイルサフラワー油、高エルカ酸ナタネ油、及びこれらの混合物から得られ;
一態様では、当該合成ポリオールエステルが、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、ポリグリセロール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、糖、例えばスクロース、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料に由来し、
一態様では、グリセリドコポリマーが、4,000g/モル〜150,000g/モル、5,000g/モル〜130,000g/モル、6,000g/モル〜100,000g/モル、7,000g/モル〜50,000g/モル、8,000g/モル〜30,000g/モル、又は8,000g/モル〜20,000g/モルの範囲の重量平均分子量を有する、組成物。
(aa)短鎖アルケンが、エチレンである、段落(z)に記載の組成物。
(bb)短鎖アルケンが、プロピレンである、段落(z)に記載の組成物。
(cc)短鎖アルケンが、1−ブテンである、段落(z)に記載の組成物。
(dd)短鎖アルケンが、2−ブテンである、段落(z)に記載の組成物。
(ee)第1のグリセリドコポリマーが、天然ポリオールエステル及び/又は合成ポリオールエステルに由来し、一態様では、当該天然ポリオールエステルが、植物油、動物脂、藻類油、及びこれらの混合物からなる群から選択され、当該合成ポリオールエステルが、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、ポリグリセロール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、糖類、例えばスクロース、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料に由来する、段落(a)〜(c)に記載の組成物。
(ff)当該組成物が、当該第1のグリセリドコポリマー、第2のグリセリドコポリマー、第3のグリセリドコポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択されるグリセリドコポリマーを、組成物の総重量に基づいて、約0.1%〜約50%、約0.5%〜約30%、又は約1%〜約20%含む、段落(aa)〜(ee)のいずれかに記載の組成物。
(gg)当該第1及び第2のグリセリドコポリマーが、グリセリドコポリマーの重量に基づいて、約0%〜約5%、約0.1%〜約5%、約0.1%〜約4%、約0.1〜約3%、又は約0.1%〜約1%の遊離炭化水素含量を有する、段落(aa)〜(ff)のいずれかに記載の組成物。
(hh)当該第3のグリセリドコポリマーが、グリセリドコポリマーの重量に基づいて、約0%〜約5%、約0.1%〜約5%、約0.1%〜約4%、約0.1〜約3%、又は約0.1%〜約1%の遊離炭化水素含量を有する、段落(aa)〜(ii)のいずれかに記載の組成物。
(ii)第3のグリセリドコポリマーについて、R21、R22、及びR23が、それぞれ独立して、8−ノネニル、8−デセニル、8−ウンデセニル、8−ドデセニル、8,11−ドデカジエニル、8,11−トリデカジエニル、8,11−テトラデカジエニル、8,11−ペンタデカジエニル、8,11,14−ペンタデカトリエニル、8,11,14−ヘキサデカトリエニル、8,11,14−オクタデカトリエニル、9−メチル−8−デセニル、9−メチル−8−ウンデセニル、10−メチル−8−ウンデセニル、12−メチル−8,11−トリデカジエニル、12−メチル−8,11−テトラデカジエニル、13−メチル−8,11−テトラデカジエニル、15−メチル−8,11,14−ヘキサデカトリエニル、15−メチル−8,11,14−ヘプタデカトリエニル、16−メチル−8,11,14−ヘプタデカトリエニル、12−トリデセニル、12−テトラデセニル、12−ペンタデセニル、12−ヘキサデセニル、13−メチル−12−テトラデセニル、13−メチル−12−ペンタデセニル、及び14−メチル−12−ペンタデセニルからなる群から選択され;一態様では、R21、R22、及びR23が、それぞれ独立して、8−ノネニル、8−デセニル、8−ウンデセニル、8,11−ドデカジエニル、8,11−トリデカジエニル、8,11−テトラデカジエニル、8,11,14−ペンタデカトリエニル、8,11,14−ヘキサデカトリエニル、12−トリデセニル、12−テトラデセニル、及び12−ペンタデセニルからなる群から選択される、段落(a)〜(c)及び(w)のいずれかに記載の組成物。
組成物の製造方法
本発明の組成物は、任意の好適な形態に製剤化することができ、また配合者によって選択される任意のプロセスによって調製することができ、その非限定例は、参照として本明細書に組み込まれる米国特許第5,879,584号及び米国特許出願第12/491,478号に記載されている。例えば、グリセリドコポリマーを予備乳化及び/又は予備混合なしで組成物の他の成分と直接合わせて、最終製品を形成することができる。あるいは、最終製品を化合する前に、グリセリドコポリマーを界面活性剤若しくは乳化剤、溶媒、適切な補助剤、及び/又は任意の他の好適な成分と合わせて、エマルションを調製してもよい。いくつかの実施形態では、グリセリドコポリマーを、ゲルマトリクスとは別々に組成物に添加してよい。このような実施形態では、グリセリドコポリマーを含む不連続相が存在する場合、不連続相は、所望により、ヘアケア組成物中で約0.5μm〜約20μmの平均粒径を有し得る。他の実施形態では、グリセリドコポリマーをまずゲルマトリクスに添加してよく、次いで、このゲルマトリクスを組成物の他の成分と合わせる。
本明細書で開示されるプロセスで使用するのに好適な装置としては、連続攪拌槽型反応器、ホモジナイザー、タービン攪拌器、再循環ポンプ、パドルミキサー、プラウせん断ミキサー、リボンブレンダー、垂直軸造粒機及びドラムミキサー(両方ともバッチ式であり、利用可能な場合は連続プロセスの構成のもの)、スプレー乾燥機、並びに押出成形機を挙げることができる。このような設備は、Lodige GmbH(Paderborn,Germany)、Littleford Day,Inc.(Florence,Kentucky,U.S.A.)、Forberg AS(Larvik,Norway)、Glatt Ingenieurtechnik GmbH(Weimar,Germany)、Niro(Soeborg,Denmark)、Hosokawa Bepex Corp.(Minneapolis,Minnesota,U.S.A.)、Arde Barinco(New Jersey,U.S.A.)から入手することができる。
A.グリセリドオリゴマー
ヘアケア組成物は、組成物の総重量に基づいて、約0.05%〜約30%、又は約0.1%〜約15%、又は約0.25%〜約10%、又は約0.5%〜約5%の本明細書に記載されるグリセリドオリゴマーを含む。
一態様では、本開示は、式(I)のグリセリドコポリマーを提供する:
(式中、各R
1、R
2、R
3、R
4、及びR
5は、独立して、オリゴマーグリセリド部分、C
1〜24アルキル、置換基が1つ以上の−OH部分である置換C
1〜24アルキル、C
2〜24アルケニル、又は置換基が1つ以上の−OH部分である置換C
2〜24アルケニルからなる群から選択され;並びに/又は以下の部分の組み合わせ:R
1及びR
3、R
2及びR
5、R
1及び隣接するR
4、R
2及び隣接するR
4、R
3及び隣接するR
4、R
5及び隣接するR
4、又は任意の2つの隣接するR
4のそれぞれは、共有結合した部分がアルケニレン部分を形成するように、それぞれ独立して共有結合してもよく;各X
1及びX
2は、独立して、C
1〜32アルキレン、置換基が1つ以上の−OH部分である置換C
1〜32アルキレン、C
2〜32アルケニレン、又は置換基が1つ以上の−OH部分である置換C
2〜32アルケニレンからなる群から選択され;G
1、G
2、及びG
3のうちの2つは−CH
2−であり、G
1、G
2、及びG
3のうちの1つは直接結合であり;指数nを有する繰り返し単位における各個々の繰り返し単位について、G
4、G
5、及びG
6のうちの2つは−CH
2−であり、G
4、G
5、及びG
6のうちの1つは直接結合であり、各個々の繰り返し単位についてのG
4、G
5、及びG
6の値は、他の繰り返し単位におけるG
4、G
5、及びG
6の値から独立的に選択され;G
7、G
8、及びG
9のうちの2つは−CH
2−であり、G
7、G
8、及びG
9のうちの1つは直接結合であり;nは、3〜250の整数であり;ただし、当該第2のグリセリドコポリマーのそれぞれについて、R
1、R
2、R
3、及びR
5のうちの少なくとも1つ並びに/又は当該指数nを有する繰り返し単位のある個々の繰り返し単位における少なくとも1つのR
4は、8−ノネニル;8−デセニル;8−ウンデセニル;8−ドデセニル;8,11−ドデカジエニル;8,11−トリデカジエニル;8,11−テトラデカジエニル;8,11−ペンタデカジエニル;8,11,14−ペンタデカトリエニル;8,11,14−ヘキサデカトリエニル;8,11,14−オクタデカトリエニル;9−メチル−8−デセニル;9−メチル−8−ウンデセニル;10−メチル−8−ウンデセニル;12−メチル−8,11−トリデカジエニル;12−メチル−8,11−テトラデカジエニル;13−メチル−8,11−テトラデカジエニル;15−メチル−8,11,14−ヘキサデカトリエニル;15−メチル−8,11,14−ヘプタデカトリエニル;16−メチル−8,11,14−ヘプタデカトリエニル;12−トリデセニル;12−テトラデセニル;12−ペンタデセニル;12−ヘキサデセニル;13−メチル−12−テトラデセニル;13−メチル−12−ペンタデセニル;及び14−メチル−12−ペンタデセニルからなる群から選択される)。
G1、G2、及びG3は、任意の好適な値を有し得る。いくつかの実施形態では、G1及びG2は−CH2−であり、G3は直接結合である。いくつかの他の実施形態では、G1及びG3は−CH2−であり、G2は直接結合である。いくつかの他の実施形態では、G2及びG3は−CH2−であり、G1は直接結合である。
G4、G5、及びG6は、いずれの場合も、独立して、任意の好適な値を有し得る。上述の実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、少なくとも一例において、G4及びG5は−CH2−であり、G6は直接結合である。上述の実施形態のいずれかのいくつかの他の実施形態では、少なくとも一例において、G4及びG6は−CH2−であり、G5は直接結合である。上述の実施形態のいずれかのいくつかの他の実施形態では、少なくとも一例において、G5及びG6は−CH2−であり、G4は直接結合である。
G7、G8、及びG9は、任意の好適な値を有し得る。上述の実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、G7及びG8は−CH2−であり、G9は直接結合である。上述の実施形態のいずれかのいくつかの他の実施形態では、G7及びG9は−CH2−であり、G8は直接結合である。上述の実施形態のいずれかのいくつかの他の実施形態では、G8及びG9は−CH2−であり、G7は直接結合である。
X1は、任意の好適な値を有し得る。上述の実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、X1は、−(CH2)16−、−(CH2)18−、−(CH2)19−、−(CH2)20−、−(CH2)22−、−(CH2)24−、−(CH2)25−、−(CH2)28−、−(CH2)7−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)11−CH=CH−(CH2)11−、−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)11−、−(CH2)11−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)11−、−(CH2)11−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)9−CH=CH−(CH2)7、−(CH2)7−CH=CH−(CH2)9、−(CH2)11−CH=CH−(CH2)7−、又は−(CH2)7−CH=CH−(CH2)11−である。いくつかのこのような実施形態では、X1は、−(CH2)16−、−(CH2)18−、−(CH2)19−、−(CH2)22−、−(CH2)25−、−(CH2)28−、−(CH2)7−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)9−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)7−CH=CH−(CH2)9−、−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−、又は−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−である。いくつかのこのような実施形態では、X1は、−(CH2)16−、−(CH2)19−、−(CH2)22−、−(CH2)25−、−(CH2)28−、−(CH2)7−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−、又は−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−である。いくつかの更なるこのような実施形態では、X1は、−(CH2)7−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)9−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)7−CH=CH−(CH2)9−、−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−、又は−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−である。いくつかの更なるこのような実施形態では、X1は、−(CH2)7−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−、又は−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−である。
X2は、任意の好適な値を有し得る。上述の実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、X2は、−(CH2)16−、−(CH2)18−、−(CH2)19−、−(CH2)20−、−(CH2)22−、−(CH2)24−、−(CH2)25−、−(CH2)28−、−(CH2)7−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)11−CH=CH−(CH2)11−、−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)11−、−(CH2)11−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)11−、−(CH2)11−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)9−CH=CH−(CH2)7、−(CH2)7−CH=CH−(CH2)9、−(CH2)11−CH=CH−(CH2)7−、又は−(CH2)7−CH=CH−(CH2)11−である。いくつかのこのような実施形態では、X2は、−(CH2)16−、−(CH2)18−、−(CH2)19−、−(CH2)22−、−(CH2)25−、−(CH2)28−、−(CH2)7−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)9−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)7−CH=CH−(CH2)9−、−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−、又は−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−である。いくつかのこのような実施形態では、X2は、−(CH2)16−、−(CH2)19−、−(CH2)22−、−(CH2)25−、−(CH2)28−、−(CH2)7−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−、又は−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−である。いくつかの更なるこのような実施形態では、X2は、−(CH2)7−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)9−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)7−CH=CH−(CH2)9−、−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−、又は−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−である。いくつかの更なるこのような実施形態では、X2は、−(CH2)7−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−、−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−、又は−(CH2)7−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−CH2−CH=CH−(CH2)7−である。
R1は、任意の好適な値を有し得る。上述の実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、R1は、C1〜24アルキル、又はC11〜24アルキル、又はC13〜24アルキル、又はC15〜24アルキルである。いくつかのこのような実施形態では、R1は、ウンデシル、トリデシル、ペンタデシル、又はヘプタデシルである。いくつかの更なるこのような実施形態では、R1は、ペンタデシル又はヘプタデシルである。上述の実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、R1は、C2〜24アルケニル又はC9〜24アルケニルである。いくつかのこのような実施形態では、R1は、8−ヘプタデセニル、10−ヘプタデセニル、12−ヘネイコセニル、8,11−ヘプタデカジエニル、8,11,14−ヘプタデカトリエニル、8−ノネニル、8−デセニル、8−ウンデセニル、10−ウンデセニル、8−ドデセニル、12−トリデセニル、12−テトラデセニル、12−ペンタデセニル、12−ヘキサデセニル、9−メチル−8−デセニル、9−メチル−8−ウンデセニル、10−メチル−8−ウンデセニル、13−メチル−12−テトラデセニル、13−メチル−12−ペンタデセニル、14−メチル−12−ペンタデセニル、8,11−ドデカジエニル、8,11−トリデカジエニル、8,11−テトラデカジエニル、8,11−ペンタデカジエニル、12−メチル−8,11−トリデカジエニル、12−メチル−8,11−テトラデカジエニル、13−メチル−8,11−テトラデカジエニル、15−メチル−8,11,14−ヘキサデカトリエニル、15−メチル−8,11,14−ヘプタデカトリエニル、16−メチル−8,11,14−ヘプタデカトリエニル、8,11,14−ペンタデカトリエニル、8,11,14−ヘキサデカトリエニル、8,11,14−ヘプタデカトリエニル、又は8,11,14−オクタデカトリエニルである。いくつかの更なるこのような実施形態では、R1は、8−ヘプタデセニル、10−ヘプタデセニル、8,11−ヘプタデカジエニル、又は8,11,14−ヘプタデカトリエニルである。いくつかの更なるこのような実施形態では、R1は、8−ヘプタデセニル、8,11−ヘプタデカジエニル、又は8,11,14−ヘプタデカトリエニルである。いくつかのこのような実施形態では、R1は、8−ノネニル、8−デセニル、8−ウンデセニル、10−ウンデセニル、8−ドデセニル、8,11−ドデカジエニル、8,11−トリデカジエニル、12−トリデセニル、8,11−テトラデカジエニル、8,11−ペンタデカジエニル、8,11,14−ペンタデカトリエニル、8,11,14−ヘキサデカトリエニル、8,11,14−ヘプタデカトリエニル、又は8,11,14−オクタデカトリエニルである。いくつかの更なるこのような実施形態では、R1は、8−ノネニル、8−デセニル、8−ウンデセニル、8−ドデセニル、8,11−ドデカジエニル、8,11−トリデカジエニル、8,11−テトラデカジエニル、8,11−ペンタデカジエニル、8,11,14−ペンタデカトリエニル、8,11,14−ヘキサデカトリエニル、8,11,14−ヘプタデカトリエニル、又は8,11,14−オクタデカトリエニルである。いくつかの更なるこのような実施形態では、R1は、8−ノネニル、8−ウンデセニル、8,11−ドデカジエニル、8,11−テトラデカジエニル、又は8,11,14−ペンタデカトリエニルである。いくつかの実施形態では、R1は、オリゴマーグリセリド部分である。
R2は、任意の好適な値を有し得る。上述の実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、R2は、C1〜24アルキル、又はC11〜24アルキル、又はC13〜24アルキル、又はC15〜24アルキルである。いくつかのこのような実施形態では、R2は、ウンデシル、トリデシル、ペンタデシル、又はヘプタデシルである。いくつかの更なるこのような実施形態では、R2は、ペンタデシル又はヘプタデシルである。上述の実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、R2は、C2〜24アルケニル又はC9〜24アルケニルである。いくつかのこのような実施形態では、R2は、8−ヘプタデセニル、10−ヘプタデセニル、12−ヘネイコセニル、8,11−ヘプタデカジエニル、8,11,14−ヘプタデカトリエニル、8−ノネニル、8−デセニル、8−ウンデセニル、10−ウンデセニル、8−ドデセニル、12−トリデセニル、12−テトラデセニル、12−ペンタデセニル、12−ヘキサデセニル、9−メチル−8−デセニル、9−メチル−8−ウンデセニル、10−メチル−8−ウンデセニル、13−メチル−12−テトラデセニル、13−メチル−12−ペンタデセニル、14−メチル−12−ペンタデセニル、8,11−ドデカジエニル、8,11−トリデカジエニル、8,11−テトラデカジエニル、8,11−ペンタデカジエニル、12−メチル−8,11−トリデカジエニル、12−メチル−8,11−テトラデカジエニル、13−メチル−8,11−テトラデカジエニル、15−メチル−8,11,14−ヘキサデカトリエニル、15−メチル−8,11,14−ヘプタデカトリエニル、16−メチル−8,11,14−ヘプタデカトリエニル、8,11,14−ペンタデカトリエニル、8,11,14−ヘキサデカトリエニル、8,11,14−ヘプタデカトリエニル、又は8,11,14−オクタデカトリエニルである。いくつかの更なるこのような実施形態では、R2は、8−ヘプタデセニル、10−ヘプタデセニル、8,11−ヘプタデカジエニル、又は8,11,14−ヘプタデカトリエニルである。いくつかの更なるこのような実施形態では、R2は、8−ヘプタデセニル、8,11−ヘプタデカジエニル、又は8,11,14−ヘプタデカトリエニルである。いくつかのこのような実施形態では、R2は、8−ノネニル、8−デセニル、8−ウンデセニル、10−ウンデセニル、8−ドデセニル、8,11−ドデカジエニル、8,11−トリデカジエニル、8,11−テトラデカジエニル、8,11−ペンタデカジエニル、8,11,14−ペンタデカトリエニル、8,11,14−ヘキサデカトリエニル、8,11,14−ヘプタデカトリエニル、又は8,11,14−オクタデカトリエニルである。いくつかの更なるこのような実施形態では、R2は、8−ノネニル、8−デセニル、8−ウンデセニル、8−ドデセニル、8,11−ドデカジエニル、8,11−トリデカジエニル、12−トリデセニル、8,11−テトラデカジエニル、8,11−ペンタデカジエニル、8,11,14−ペンタデカトリエニル、8,11,14−ヘキサデカトリエニル、8,11,14−ヘプタデカトリエニル、又は8,11,14−オクタデカトリエニルである。いくつかの更なるこのような実施形態では、R2は、8−ノネニル、8−ウンデセニル、8,11−ドデカジエニル、8,11−テトラデカジエニル、又は8,11,14−ペンタデカトリエニルである。いくつかの実施形態では、R2は、オリゴマーグリセリド部分である。
R3は、任意の好適な値を有し得る。上述の実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、R3は、C1〜24アルキル、又はC11〜24アルキル、又はC13〜24アルキル、又はC15〜24アルキルである。いくつかのこのような実施形態では、R3は、ウンデシル、トリデシル、ペンタデシル、又はヘプタデシルである。いくつかの更なるこのような実施形態では、R3は、ペンタデシル又はヘプタデシルである。上述の実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、R3は、C2〜24アルケニル又はC9〜24アルケニルである。いくつかのこのような実施形態では、R3は、8−ヘプタデセニル、10−ヘプタデセニル、12−ヘネイコセニル、8,11−ヘプタデカジエニル、8,11,14−ヘプタデカトリエニル、8−ノネニル、8−デセニル、8−ウンデセニル、10−ウンデセニル、8−ドデセニル、12−トリデセニル、12−テトラデセニル、12−ペンタデセニル、12−ヘキサデセニル、9−メチル−8−デセニル、9−メチル−8−ウンデセニル、10−メチル−8−ウンデセニル、13−メチル−12−テトラデセニル、13−メチル−12−ペンタデセニル、14−メチル−12−ペンタデセニル、8,11−ドデカジエニル、8,11−トリデカジエニル、8,11−テトラデカジエニル、8,11−ペンタデカジエニル、12−メチル−8,11−トリデカジエニル、12−メチル−8,11−テトラデカジエニル、13−メチル−8,11−テトラデカジエニル、15−メチル−8,11,14−ヘキサデカトリエニル、15−メチル−8,11,14−ヘプタデカトリエニル、16−メチル−8,11,14−ヘプタデカトリエニル、8,11,14−ペンタデカトリエニル、8,11,14−ヘキサデカトリエニル、8,11,14−ヘプタデカトリエニル、又は8,11,14−オクタデカトリエニルである。いくつかの更なるこのような実施形態では、R3は、8−ヘプタデセニル、10−ヘプタデセニル、8,11−ヘプタデカジエニル、又は8,11,14−ヘプタデカトリエニルである。いくつかの更なるこのような実施形態では、R3は、8−ヘプタデセニル、8,11−ヘプタデカジエニル、又は8,11,14−ヘプタデカトリエニルである。いくつかのこのような実施形態では、R3は、8−ノネニル、8−デセニル、8−ウンデセニル、10−ウンデセニル、8−ドデセニル、8,11−ドデカジエニル、8,11−トリデカジエニル、8,11−テトラデカジエニル、8,11−ペンタデカジエニル、8,11,14−ペンタデカトリエニル、8,11,14−ヘキサデカトリエニル、8,11,14−ヘプタデカトリエニル、又は8,11,14−オクタデカトリエニルである。いくつかの更なるこのような実施形態では、R3は、8−ノネニル、8−デセニル、8−ウンデセニル、8−ドデセニル、8,11−ドデカジエニル、8,11−トリデカジエニル、12−トリデセニル、8,11−テトラデカジエニル、8,11−ペンタデカジエニル、8,11,14−ペンタデカトリエニル、8,11,14−ヘキサデカトリエニル、8,11,14−ヘプタデカトリエニル、又は8,11,14−オクタデカトリエニルである。いくつかの更なるこのような実施形態では、R3は、8−ノネニル、8−ウンデセニル、8,11−ドデカジエニル、8,11−テトラデカジエニル、又は8,11,14−ペンタデカトリエニルである。いくつかの実施形態では、R3は、オリゴマーグリセリド部分である。
R4は、いずれの場合も、任意の好適な値を有し得る。上述の実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、R4は、少なくとも一例において、C1〜24アルキル、又はC11〜24アルキル、又はC13〜24アルキル、又はC15〜24アルキルである。いくつかのこのような実施形態では、R4は、少なくとも一例において、ウンデシル、トリデシル、ペンタデシル、又はヘプタデシルである。いくつかの更なるこのような実施形態では、R4は、少なくとも一例において、ペンタデシル又はヘプタデシルである。上述の実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、R4は、少なくとも一例において、C2〜24アルケニル又はC9〜24アルケニルである。いくつかのこのような実施形態では、R4は、少なくとも一例において、8−ヘプタデセニル、10−ヘプタデセニル、12−ヘネイコセニル、8,11−ヘプタデカジエニル、8,11,14−ヘプタデカトリエニル、8−ノネニル、8−デセニル、8−ウンデセニル、10−ウンデセニル、8−ドデセニル、12−トリデセニル、12−テトラデセニル、12−ペンタデセニル、12−ヘキサデセニル、9−メチル−8−デセニル、9−メチル−8−ウンデセニル、10−メチル−8−ウンデセニル、13−メチル−12−テトラデセニル、13−メチル−12−ペンタデセニル、14−メチル−12−ペンタデセニル、8,11−ドデカジエニル、8,11−トリデカジエニル、8,11−テトラデカジエニル、8,11−ペンタデカジエニル、12−メチル−8,11−トリデカジエニル、12−メチル−8,11−テトラデカジエニル、13−メチル−8,11−テトラデカジエニル、15−メチル−8,11,14−ヘキサデカトリエニル、15−メチル−8,11,14−ヘプタデカトリエニル、16−メチル−8,11,14−ヘプタデカトリエニル、8,11,14−ペンタデカトリエニル、8,11,14−ヘキサデカトリエニル、8,11,14−ヘプタデカトリエニル、又は8,11,14−オクタデカトリエニルである。いくつかの更なるこのような実施形態では、R4は、少なくとも一例において、8−ヘプタデセニル、10−ヘプタデセニル、8,11−ヘプタデカジエニル、又は8,11,14−ヘプタデカトリエニルである。いくつかの更なるこのような実施形態では、R4は、少なくとも一例において、8−ヘプタデセニル、8,11−ヘプタデカジエニル、又は8,11,14−ヘプタデカトリエニルである。いくつかのこのような実施形態では、R4は、少なくとも一例において、8−ノネニル、8−デセニル、8−ウンデセニル、10−ウンデセニル、8−ドデセニル、8,11−ドデカジエニル、8,11−トリデカジエニル、12−トリデセニル、8,11−テトラデカジエニル、8,11−ペンタデカジエニル、8,11,14−ペンタデカトリエニル、8,11,14−ヘキサデカトリエニル、8,11,14−ヘプタデカトリエニル、又は8,11,14−オクタデカトリエニルである。いくつかの更なるこのような実施形態では、R4は、少なくとも一例において、8−ノネニル、8−デセニル、8−ウンデセニル、8−ドデセニル、8,11−ドデカジエニル、8,11−トリデカジエニル、8,11−テトラデカジエニル、8,11−ペンタデカジエニル、8,11,14−ペンタデカトリエニル、8,11,14−ヘキサデカトリエニル、8,11,14−ヘプタデカトリエニル、又は8,11,14−オクタデカトリエニルである。いくつかの更なるこのような実施形態では、R4は、少なくとも一例において、8−ノネニル、8−ウンデセニル、8,11−ドデカジエニル、8,11−テトラデカジエニル、又は8,11,14−ペンタデカトリエニルである。いくつかの実施形態では、R4は、少なくとも一例において、オリゴマーグリセリド部分である。
R5は、任意の好適な値を有し得る。上述の実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、R5は、C1〜24アルキル、又はC11〜24アルキル、又はC13〜24アルキル、又はC15〜24アルキルである。いくつかのこのような実施形態では、R5は、ウンデシル、トリデシル、ペンタデシル、又はヘプタデシルである。いくつかの更なるこのような実施形態では、R5は、ペンタデシル又はヘプタデシルである。上述の実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、R5は、C2〜24アルケニル又はC9〜24アルケニルである。いくつかのこのような実施形態では、R5は、8−ヘプタデセニル、10−ヘプタデセニル、12−ヘネイコセニル、8,11−ヘプタデカジエニル、8,11,14−ヘプタデカトリエニル、8−ノネニル、8−デセニル、8−ウンデセニル、10−ウンデセニル、8−ドデセニル、12−トリデセニル、12−テトラデセニル、12−ペンタデセニル、12−ヘキサデセニル、9−メチル−8−デセニル、9−メチル−8−ウンデセニル、10−メチル−8−ウンデセニル、13−メチル−12−テトラデセニル、13−メチル−12−ペンタデセニル、14−メチル−12−ペンタデセニル、8,11−ドデカジエニル、8,11−トリデカジエニル、8,11−テトラデカジエニル、8,11−ペンタデカジエニル、12−メチル−8,11−トリデカジエニル、12−メチル−8,11−テトラデカジエニル、13−メチル−8,11−テトラデカジエニル、15−メチル−8,11,14−ヘキサデカトリエニル、15−メチル−8,11,14−ヘプタデカトリエニル、16−メチル−8,11,14−ヘプタデカトリエニル、8,11,14−ペンタデカトリエニル、8,11,14−ヘキサデカトリエニル、8,11,14−ヘプタデカトリエニル、又は8,11,14−オクタデカトリエニルである。いくつかの更なるこのような実施形態では、R5は、8−ヘプタデセニル、10−ヘプタデセニル、8,11−ヘプタデカジエニル、又は8,11,14−ヘプタデカトリエニルである。いくつかの更なるこのような実施形態では、R5は、8−ヘプタデセニル、8,11−ヘプタデカジエニル、又は8,11,14−ヘプタデカトリエニルである。いくつかのこのような実施形態では、R5は、8−ノネニル、8−デセニル、8−ウンデセニル、10−ウンデセニル、8−ドデセニル、8,11−ドデカジエニル、12−トリデセニル、8,11−トリデカジエニル、8,11−テトラデカジエニル、8,11−ペンタデカジエニル、8,11,14−ペンタデカトリエニル、8,11,14−ヘキサデカトリエニル、8,11,14−ヘプタデカトリエニル、又は8,11,14−オクタデカトリエニルである。いくつかの更なるこのような実施形態では、R5は、8−ノネニル、8−デセニル、8−ウンデセニル、8−ドデセニル、8,11−ドデカジエニル、8,11−トリデカジエニル、8,11−テトラデカジエニル、8,11−ペンタデカジエニル、8,11,14−ペンタデカトリエニル、8,11,14−ヘキサデカトリエニル、8,11,14−ヘプタデカトリエニル、又は8,11,14−オクタデカトリエニルである。いくつかの更なるこのような実施形態では、R5は、8−ノネニル、8−ウンデセニル、8,11−ドデカジエニル、8,11−テトラデカジエニル、又は8,11,14−ペンタデカトリエニルである。いくつかの実施形態では、R5は、オリゴマーグリセリド部分である。
変数nは、任意の好適な値を有し得る。上述の実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、nは、3〜250、又は5〜180、又は6〜140、又は8〜70、又は9〜40、又は9〜26の整数である。いくつかの他の実施形態では、nは、3〜35、又は5〜30、又は7〜25、又は10〜20の整数である。
上述の実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、グリセリドポリマーは、R1、R2、R3、及びR5のうちの少なくとも1つ又はR4の少なくとも一例が、8−ノネニル;8−デセニル;8−ウンデセニル;10−ウンデセニル、12−トリデセニル;8−ドデセニル;8,11−ドデカジエニル;8,11−トリデカジエニル;8,11−テトラデカジエニル;8,11−ペンタデカジエニル;8,11,14−ペンタデカトリエニル;8,11,14−ヘキサデカトリエニル;8,11,14−ヘプタデカトリエニル;及び8,11,14−オクタデカトリエニルからなる群から選択される化合物のみを含む。上述の実施形態のいずれかのいくつかの他の実施形態では、グリセリドポリマーは、R1、R2、R3、及びR5のうちの少なくとも1つ又はR4の少なくとも一例が、8−ノネニル;8−デセニル;8−ウンデセニル;8−ドデセニル;8,11−ドデカジエニル;8,11−トリデカジエニル;8,11−テトラデカジエニル;8,11−ペンタデカジエニル;8,11,14−ペンタデカトリエニル;8,11,14−ヘキサデカトリエニル;8,11,14−ヘプタデカトリエニル;及び8,11,14−オクタデカトリエニルからなる群から選択される化合物のみを含む。上述の実施形態のいずれかのいくつかの他の実施形態では、グリセリドポリマーは、R1、R2、R3、及びR5のうちの少なくとも1つ又はR4の少なくとも一例が、8−ノネニル;8−ウンデセニル;8,11−ドデカジエニル;8,11−テトラデカジエニル;又は8,11,14−ペンタデカトリエニルからなる群から選択される化合物のみを含む。上述の実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、グリセリドポリマーは、R1、R2、R3、及びR5のうちの少なくとも1つ又はR4の少なくとも一例が、8−ノネニル;8−デセニル;8−ウンデセニル;10−ウンデセニル;12−トリデセニル;8−ドデセニル;8,11−ドデカジエニル;8,11−トリデカジエニル;8,11−テトラデカジエニル;8,11−ペンタデカジエニル;8,11,14−ペンタデカトリエニル;及び8,11,14−ヘキサデカトリエニルからなる群から選択される化合物のみを含む。上述の実施形態のいずれかのいくつかの他の実施形態では、グリセリドポリマーは、R1、R2、R3、及びR5のうちの少なくとも1つ又はR4の少なくとも一例が、8−ノネニル;8−デセニル;8−ウンデセニル;8−ドデセニル;8,11−ドデカジエニル;8,11−トリデカジエニル;8,11−テトラデカジエニル;8,11−ペンタデカジエニル;8,11,14−ペンタデカトリエニル;及び8,11,14−ヘキサデカトリエニルからなる群から選択される化合物のみを含む。上述の実施形態のいずれかのいくつかの他の実施形態では、グリセリドポリマーは、R1、R2、R3、及びR5のうちの少なくとも1つ又はR4の少なくとも一例が、C2〜15アルケニル、又はC2〜14アルケニル、又はC5〜14アルケニル、又はC2〜13アルケニル、又はC2〜12アルケニル、又はC5〜12アルケニルである化合物のみを含む。
別の態様では、グリセリドコポリマーは、メタセシス触媒の存在下で2つ以上のモノマーを反応させることから形成される構成単位を含み、当該2つ以上のモノマーは、式(IIa)のモノマー化合物:
を含み、
式中、各R
11、R
12、及びR
13は、独立して、C
1〜24アルキル、置換基が1つ以上の−OH部分である置換C
1〜24アルキル、C
2〜24アルケニル、又は置換基が1つ以上の−OH部分である置換C
2〜24アルケニルであり、ただし、R
11、R
12、及びR
13のうちの少なくとも1つは、C
2〜24アルケニル、又は置換基が1つ以上の−OH部分である置換C
2〜24アルケニルであり;各R
21、R
22、及びR
23は、独立して、C
1〜24アルキル、置換基が1つ以上の−OH部分である置換C
1〜24アルキル、C
2〜24アルケニル、又は置換基が1つ以上の−OH部分である置換C
2〜24アルケニルであり、ただし、R
21、R
22、及びR
23のうちの少なくとも1つは、8−ノネニル;8−デセニル;8−ウンデセニル;8−ドデセニル;8,11−ドデカジエニル;8,11−トリデカジエニル;8,11−テトラデカジエニル;8,11−ペンタデカジエニル;8,11,14−ペンタデカトリエニル;8,11,14−ヘキサデカトリエニル;8,11,14−オクタデカトリエニル;9−メチル−8−デセニル;9−メチル−8−ウンデセニル;10−メチル−8−ウンデセニル;12−メチル−8,11−トリデカジエニル;12−メチル−8,11−テトラデカジエニル;13−メチル−8,11−テトラデカジエニル;15−メチル−8,11,14−ヘキサデカトリエニル;15−メチル−8,11,14−ヘプタデカトリエニル;16−メチル−8,11,14−ヘプタデカトリエニル;12−トリデセニル;12−テトラデセニル;12−ペンタデセニル;12−ヘキサデセニル;13−メチル−12−テトラデセニル;13−メチル−12−ペンタデセニル;及び14−メチル−12−ペンタデセニルである。
変数R11、R12、及びR13は、任意の好適な値を有し得る。いくつかの実施形態では、R11、R12、及びR13は、独立して、C1〜24アルキル、又はC11〜24アルキル、又はC13〜24アルキル、又はC15〜24アルキルである。いくつかのこのような実施形態では、R11、R12、及びR13は、独立して、ウンデシル、トリデシル、ペンタデシル、又はヘプタデシルである。いくつかの更なるこのような実施形態では、R11、R12、及びR13は、独立して、ペンタデシル又はヘプタデシルである。上述の実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、R11、R12、及びR13は、独立して、C2〜24アルケニル、又はC9〜24アルケニル、又はC11〜24アルケニル、又はC13〜24アルケニル、又はC15〜24アルケニルである。いくつかのこのような実施形態では、R11、R12、及びR13は、独立して、8−ヘプタデセニル、10−ヘプタデセニル、8,11−ヘプタデカジエニル、又は8,11,14−ヘプタデカトリエニルである。いくつかの更なるこのような実施形態では、R11、R12、及びR13は、独立して、8−ヘプタデセニル、8,11−ヘプタデカジエニル、又は8,11,14−ヘプタデカトリエニルである。
変数R21、R22、及びR23は、任意の好適な値を有し得る。上述の実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、R21、R22、及びR23のうちの0、1、又は2つは、独立して、C1〜24アルキル、又はC11〜24アルキル、又はC13〜24アルキル、又はC15〜24アルキルである。いくつかのこのような実施形態では、R21、R22、及びR23のうちの0、1、又は2つは、独立して、ウンデシル、トリデシル、ペンタデシル、又はヘプタデシルである。いくつかの更なるこのような実施形態では、R21、R22、及びR23のうちの0、1、又は2つは、独立して、ペンタデシル又はヘプタデシルである。上述の実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、R21、R22、及びR23のうちの0、1、又は2つは、独立して、C2〜24アルケニル、又はC9〜24アルケニル、又はC11〜24アルケニル、又はC13〜24アルケニル、又はC15〜24アルケニルである。いくつかのこのような実施形態では、R21、R22、及びR23のうちの0、1、又は2つは、独立して、8−ヘプタデセニル、10−ヘプタデセニル、8,11−ヘプタデカジエニル、又は8,11,14−ヘプタデカトリエニルである。いくつかの更なるこのような実施形態では、R21、R22、及びR23のうちの0、1、又は2つは、独立して、8−ヘプタデセニル、8,11−ヘプタデカジエニル、又は8,11,14−ヘプタデカトリエニルである。
上述の実施形態のいずれかのいくつかの他の実施形態では、R21、R22、及びR23のうちの1、2、又は3つは、独立して、C2〜15アルケニル、又はC2〜14アルケニル、C5〜14アルケニル、又はC2〜13アルケニル、又はC2〜12アルケニル、又はC5〜12アルケニルである。いくつかのこのような実施形態では、R21、R22、及びR23のうちの1、2、又は3つは、独立して、8−ノネニル、8−デセニル、8−ウンデセニル、8−ドデセニル、8,11−ドデカジエニル、8,11−トリデカジエニル、8,11−テトラデカジエニル、8,11−ペンタデカジエニル、8,11,14−ペンタデカトリエニル、8,11,14−ヘキサデカトリエニル、8,11,14−オクタデカトリエニル、9−メチル−8−デセニル、9−メチル−8−ウンデセニル、10−メチル−8−ウンデセニル、12−メチル−8,11−トリデカジエニル、12−メチル−8,11−テトラデカジエニル、13−メチル−8,11−テトラデカジエニル、15−メチル−8,11,14−ヘキサデカトリエニル、15−メチル−8,11,14−ヘプタデカトリエニル、16−メチル−8,11,14−ヘプタデカトリエニル、12−トリデセニル、12−テトラデセニル、12−ペンタデセニル、12−ヘキサデセニル、13−メチル−12−テトラデセニル、13−メチル−12−ペンタデセニル、及び14−メチル−12−ペンタデセニル、10−ウンデセニル、8,11,14−ヘプタデカトリエニル、又は8,11,14−オクタデカトリエニルである。いくつかの更なるこのような実施形態では、R21、R22、及びR23のうちの1、2、又は3つは、独立して、8−ノネニル、8−デセニル、8−ウンデセニル、8−ドデセニル、8,11−ドデカジエニル、8,11−トリデカジエニル、8,11−テトラデカジエニル、8,11−ペンタデカジエニル、8,11,14−ペンタデカトリエニル、8,11,14−ヘキサデカトリエニル、8,11,14−ヘプタデカトリエニル、又は8,11,14−オクタデカトリエニルである。いくつかの更なるこのような実施形態では、R21、R22、及びR23のうちの1、2、又は3つは、独立して、8−ノネニル、8−ウンデセニル、8,11−ドデカジエニル、8,11−テトラデカジエニル、又は8,11,14−ペンタデカトリエニルである。
本明細書に開示されるグリセリドコポリマーは、任意の好適な分子量を有し得る。上述の実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、グリセリドコポリマーは、4,000g/モル〜150,000g/モル、又は5,000g/モル〜130,000g/モル、又は6,000g/モル〜100,000g/モル、又は7,000g/モル〜50,000g/モル、又は8,000g/モル〜30,000g/モル、又は8,000g/モル〜20,000g/モルの範囲の重量平均分子量を有する。
いくつかの実施形態では、グリセリドコポリマーは、2,000g/モル〜150,000g/モル、又は3,000g/モル〜30,000g/モル、又は4,000g/モル〜20,000g/モルの数平均分子量(Mn)を有する。
本明細書に開示されるグリセリドコポリマーは、式(IIa)のモノマー化合物から形成される構成単位の式(IIb)のモノマー化合物から形成される構成単位に対する任意の好適な比を有し得る。上述の実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、式(IIa)のモノマー化合物から形成される構成単位の式(IIb)のモノマー化合物から形成される構成単位に対する数比は、10:1以下、又は9:1以下、又は8:1以下、又は7:1以下、又は6:1以下、又は5:1以下、又は4:1以下、又は3:1以下、又は2:1以下、又は1:1以下である。本明細書に開示されるグリセリドコポリマーは、不飽和ジオール、トリオールなどの他の不飽和ポリオールエステルから形成される構成単位が挙げられるが、これらに限定されない、式(IIa)のモノマー化合物からも式(IIb)のモノマー化合物からも形成されない更なる構成単位を含み得る。
あるいは、上述の実施形態のいずれかのいくつかの他の実施形態では、反応混合物の一部としてのメタセシス触媒の存在下で2つ以上のモノマーを反応させ、反応混合物中の式(IIa)のモノマー化合物の式(IIb)のモノマー化合物に対する重量−重量比は、10:1以下、又は9:1以下、又は8:1以下、又は7:1以下、又は6:1以下、又は5:1以下、又は4:1以下、又は3:1以下、又は2:1以下、又は1:1以下である。いくつかの実施形態では、反応混合物は、式(IIa)及び式(IIb)のモノマー化合物に加えて、更なるモノマー化合物を含む。
以下により詳細に記載されるように、任意の好適なメタセシス触媒を用いることができる。上述の実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、メタセシス触媒は、有機ルテニウム化合物、有機オスミウム化合物、有機タングステン化合物、又は有機モリブデン化合物である。
別の態様では、本開示は、第1のメタセシス触媒の存在下で2つ以上のモノマーを反応させることから形成される構成単位を含むグリセリドコポリマーであって、第1のモノマーが不飽和天然油グリセリドであり、第2のモノマーが不飽和アルケニル化天然油グリセリドである、グリセリドコポリマーを提供する。別の態様では、本開示は、第1のメタセシス触媒の存在下で2つ以上のモノマーを反応させることから形成される構成単位を含むグリセリドコポリマーであって、第1のモノマーが不飽和合成ポリオールエステルであり、第2のモノマーが不飽和アルケニル化天然油グリセリドである、グリセリドコポリマーを提供する。別の態様では、本開示は、第1のメタセシス触媒の存在下で2つ以上のモノマーを反応させることから形成される構成単位を含むグリセリドコポリマーであって、第1のモノマーが不飽和天然油グリセリドであり、第2のモノマーが不飽和アルケニル化合成ポリオールエステルである、グリセリドコポリマーを提供する。別の態様では、本開示は、第1のメタセシス触媒の存在下で2つ以上のモノマーを反応させることから形成される構成単位を含むグリセリドコポリマーであって、第1のモノマーが不飽和合成ポリオールエステルであり、第2のモノマーが不飽和アルケニル化合成ポリオールエステルである、グリセリドコポリマーを提供する。別の態様では、本開示は、第1のメタセシス触媒の存在下で2つ以上のモノマーを反応させることから形成される構成単位を含むグリセリドコポリマーであって、第1のモノマーが第1の不飽和アルケニル化合成ポリオールエステルであり、第2のモノマーが第2の不飽和アルケニル化合成ポリオールエステルである、グリセリドコポリマーを提供する。別の態様では、本開示は、第1のメタセシスの存在下で2つ以上のモノマーを反応させることから形成される構成単位を含むグリセリドコポリマーであって、第1のモノマーが第1の不飽和アルケニル化天然油グリセリドであり、第2のモノマーが第2の不飽和アルケニル化天然油グリセリドである、グリセリドコポリマーを提供する。別の態様では、本開示は、第1のメタセシスの存在下で2つ以上のモノマーを反応させることから形成される構成単位を含むグリセリドコポリマーであって、第1のモノマーが不飽和アルケニル化天然油グリセリドであり、第2のモノマーが不飽和アルケニル化合成ポリオールエステルである、グリセリドコポリマーを提供する。
いくつかの実施形態では、不飽和アルケニル化天然油グリセリドは、第2のメタセシス触媒の存在下で、第2の不飽和天然油グリセリドと短鎖アルケンとを反応させることから形成される。いくつかのこのような実施形態では、不飽和アルケニル化天然油グリセリドは、第2の不飽和天然油グリセリドよりも低分子量を有する。上記実施形態に従って、任意の好適な短鎖アルケンを用いることができる。いくつかの実施形態では、短鎖アルケンは、C2〜8オレフィン又はC2〜6オレフィンである。いくつかのこのような実施では、短鎖アルケンは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、又は3−ヘキセンである。いくつかの更なるこのような実施形態では、短鎖アルケンは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、又はイソブテンである。いくつかの実施形態では、短鎖アルケンはエチレンである。いくつかの実施形態では、短鎖アルケンはプロピレンである。いくつかの実施形態では、短鎖アルケンは1−ブテンである。いくつかの実施形態では、短鎖アルケンは2−ブテンである。いくつかの他の実施形態では、短鎖アルケンは、分枝状短鎖アルケンである。このような分枝状短鎖アルケンの非限定例としては、イソブチレン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、及び4−メチル−1−ペンテンが挙げられるが、これらに限定されない。
不飽和天然油グリセリドは、任意の好適な天然油供給源から得ることができる。上述の実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、不飽和天然油グリセリドは、合成油、天然油(例えば、植物油、藻類油、細菌由来油、及び動物脂)、これらの組み合わせなどから得られる。いくつかの実施形態では、天然油は、種子油などの植物油から得られる。再生された使用済み植物油を用いてもよい。いくつかの更なる実施形態では、植物油は、アビシニアン油、アーモンド油、あんず油、杏仁油、アルガン油、アボカド油、ババス油、バオバブ油、ブラッククミン油、クロフサスグリ油、ボラージ油、カメリナ油、カリナタ油、キャノーラ(低エルカ酸ナタネ)油、ヒマシ油、チェリー核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、エチウム油、イブニングプリムローズ油、フラックスシード油、グレープシード油、グレープフルーツシード油、ヘーゼルナッツ油、麻実油、ジャトロファ油、ホホバ油、ククイナッツ油、アマニ油、マカダミアナッツ油、メドウフォームシード油、モリンガ油、カラシ油、ニーム油、オリーブ油、パーム油、パーム核油、ピーチ核油、ピーナッツ油、ペカン油、ペニークレス油、ペリラシード油、ピスタチオ油、ザクロシード油、ポンガミア油、パンプキンシード油、ラズベリー油、レッドパームオレイン、糠油、ローズヒップ油、サフラワー油、シーバックソーンフルーツ油、ゴマ油、シアオレイン、ヒマワリ油、ダイズ油、トンカ油、きり油、クルミ油、小麦胚芽油、高オレオイルダイズ油、高オレオイルヒマワリ油、高オレオイルサフラワー油、高エルカ酸ナタネ油、及びこれらの混合物である。いくつかの実施形態では、植物油はパーム油である。いくつかの実施形態では、植物油はダイズ油である。いくつかの実施形態では、植物油はキャノーラ油である。いくつかの実施形態では、動物脂の代表的な非限定例としては、ラード、獣脂、鶏脂、イエローグリース、魚油、エミュー油、これらの組み合わせなどである。いくつかの実施形態では、合成油の代表的な非限定例としてはトール油が挙げられ、これは、木材パルプ製造の副生成物である。いくつかの実施形態では、天然油は、精製、漂白、及び/又は脱臭される。
本明細書に述べられる種類の天然油は、一般的に脂肪酸のトリグリセリドで構成されている。これらの脂肪酸は、飽和、一価不飽和、又は多価不飽和のいずれかであってよく、C8〜C30の範囲の異なる鎖長を含有する。最も一般的な脂肪酸としては、ラウリン酸(ドデカン酸)、ミリスチン酸(テトラデカン酸)、パルミチン酸(ヘキサデカン酸)、ステアリン酸(オクタデカン酸)、アラキジン酸(エイコサン酸)、及びリグノセリン酸(テトラコサン酸)などの飽和脂肪酸が挙げられ、不飽和酸としては、パルミトレイン酸(C16酸)、及びオレイン酸(C18酸)などの脂肪酸が挙げられ、多価不飽和酸としては、リノール酸(二価不飽和C18酸)、リノレン酸(三価不飽和C18酸)、及びアラキドン酸(四価不飽和C20酸)などの脂肪酸が挙げられる。天然油は、三官能性グリセリン分子の3つの部位にランダムに位置するこれらの脂肪酸のエステルで更に構成される。異なる天然油は異なるこれらの脂肪酸の比を有し、所定の天然油内でも、野菜又は作物がどこで育てられたか、野菜又は作物の成熟度、生育シーズン中の季候といった要因に応じて、これらの酸にも幅が生じる。したがって、任意の所定の天然油に特定の又は独特の構造を持たせることは困難であるが、構造は、典型的にはいくつかの統計的平均に基づいている。例えば、ダイズ油は、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、及びリノレン酸の比が約15:24:50:11であり、トリグリセリド1個当たりの二重結合の平均数が4.4〜4.7である、主にC16及びC18の酸基の混合物を含有する。二重結合の数を定量化する方法の1つとして、100gの油と反応するヨウ素のグラム数として定義されるヨウ素価(IV)がある。したがって、ダイズ油の場合、平均ヨウ素価の範囲は120〜140となる。ダイズ油は、約95重量%以上(例えば、約99重量%以上)の脂肪酸のトリグリセリドを含み得る。ダイズ油のポリオールエステル中の主な脂肪酸としては、飽和脂肪酸(非限定的な例として、パルミチン酸(ヘキサデカン酸)及びステアリン酸(オクタデカン酸))、及び不飽和脂肪酸(非限定的な例として、オレイン酸(9−オクタデセン酸)、リノール酸(9,12−オクタデカジエン酸)、及びリノレン酸(9,12,15−オクタデカトリエン酸))が挙げられる。
例示的な実施形態では、植物油は、キャノーラ油、例えば、精製、漂白、及び脱臭されたキャノーラ油(すなわち、RBDキャノーラ油)である。キャノーラ油は、一般的に約95重量%以上(例えば、99重量%以上)の脂肪酸のトリグリセリドを含むグリセロールの不飽和ポリオールエステルである。キャノーラ油のポリオールエステル中の主な脂肪酸としては、飽和脂肪酸、例えば、パルミチン酸(ヘキサデカン酸)及びステアリン酸(オクタデカン酸)、及び不飽和脂肪酸、例えば、オレイン酸(9−オクタデセン酸)、リノール酸(9,12−オクタデカジエン酸)、及びリノレン酸(9,12,15−オクタデカトリエン酸)が挙げられる。キャノーラ油は、トリグリセリド分子の多くが少なくとも2個の不飽和脂肪酸を有する(すなわち、多価不飽和トリグリセリド)高次不飽和植物油である。
いくつかの実施形態では、不飽和アルケニル化合成ポリオールエステルは、第2のメタセシス触媒の存在下で、不飽和合成ポリオールエステルと短鎖アルケンとを反応させることから形成される。いくつかのこのような実施形態では、不飽和アルケニル化合成ポリオールエステルは、第2の不飽和合成ポリオールエステルよりも低分子量を有する。上記実施形態に従って、任意の好適な短鎖アルケンを用いることができる。いくつかの実施形態では、短鎖アルケンは、C2〜8オレフィン又はC2〜6オレフィンである。いくつかのこのような実施では、短鎖アルケンは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、又は3−ヘキセンである。いくつかの更なるこのような実施形態では、短鎖アルケンは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、又はイソブテンである。いくつかの実施形態では、短鎖アルケンはエチレンである。いくつかの実施形態では、短鎖アルケンはプロピレンである。いくつかの実施形態では、短鎖アルケンは1−ブテンである。いくつかの実施形態では、短鎖アルケンは2−ブテンである。いくつかの他の実施形態では、短鎖アルケンは、分枝状短鎖アルケンである。このような分枝状短鎖アルケンの非限定例としては、イソブチレン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、及び4−メチル−1−ペンテンが挙げられるが、これらに限定されない。
不飽和合成ポリオールエステルとしては、エチレングリコール若しくはプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、若しくはポリ(テトラメチレンエーテル)グリコールに由来するものなどのエステル、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、若しくはネオペンチルグリコールに由来するものなどのエステル、又はSEFOSE(登録商標)などの糖エステルが挙げられる。SEFOSE(登録商標)のような糖エステルは、1つ以上の種類のスクロースポリエステルであって、メタセシス交換反応を行うことのできるエステル基を最大8個有するものを含む。スクロースポリエステルは天然資源に由来するので、スクロースポリエステルを用いると、環境に対して有益な影響をもたらすことができる。スクロースポリエステルは、脂肪鎖の鎖長、飽和、及び派生変数に加えて、スクロース主鎖の周囲に複数の置換位置を有するポリエステル物質である。このようなスクロースポリエステルは、約5超のエステル化(「IBAR」)を有し得る。1つの実施形態では、スクロースポリエステルは、約5〜約8のIBARを有し得る。別の実施形態では、スクロースポリエステルのIBARは約5〜7であり、別の実施形態では、スクロースポリエステルのIBARは約6である。更に別の実施形態では、スクロースポリエステルは、約8のIBARを有する。スクロースポリエステルは、天然資源に由来するので、IBAR及び鎖長に分布が存在し得る。例えば、6のIBARを有するスクロースポリエステルは、いくらかの約5のIBAR及びいくらかの約7のIBARを含むが大部分が約6のIBARである混合物を含有し得る。更に、このようなスクロースポリエステルは、約3〜約140の不飽和又はヨウ素価(「IV」)を有し得る。別の実施形態では、スクロースポリエステルは、約10〜約120のIVを有し得る。更に別の実施形態では、スクロースポリエステルは、約20〜100のIVを有し得る。更に、このようなスクロースポリエステルは、約C12〜20の鎖長を有するが、これらの鎖長に限定されない。
使用するのに好適なスクロースポリエステルの非限定的な例としては、SEFOSE(登録商標)1618S、SEFOSE(登録商標)1618U、SEFOSE(登録商標)1618H、Sefa Soyate IMF40、Sefa Soyate LP426、SEFOSE(登録商標)2275、SEFOSE(登録商標)C1695、SEFOSE(登録商標)C18:095、SEFOSE(登録商標)C1495、SEFOSE(登録商標)1618H B6、SEFOSE(登録商標)1618S B6、SEFOSE(登録商標)1618U B6、Sefa Cottonate、SEFOSE(登録商標)C1295、Sefa C895、Sefa C1095、SEFOSE(登録商標)1618S B4.5が挙げられ、これらは全て、The Procter and Gamble Co.(Cincinnati,Ohio)から入手可能である。
好適な不飽和ポリオールエステルの他の例としては、ソルビトールエステル、マルチトールエステル、ソルビタンエステル、マルトデキストリンに由来するエステル、キシリトールエステル、ポリグリセロールエステル、及び他の糖に由来するエステルを挙げることができるが、これらに限定されない。
本明細書に開示されるグリセリドコポリマーは、任意の好適な分子量を有し得る。上述の実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、グリセリドコポリマーは、4,000g/モル〜150,000g/モル、又は5,000g/モル〜130,000g/モル、又は6,000g/モル〜100,000g/モル、又は7,000g/モル〜50,000g/モル、又は8,000g/モル〜30,000g/モル、又は8,000g/モル〜20,000g/モルの範囲の重量平均分子量を有する。
いくつかの実施形態では、グリセリドコポリマーは、2,000g/モル〜150,000g/モル、又は3,000g/モル〜30,000g/モル、又は4,000g/モル〜20,000g/モルの数平均分子量(Mn)を有する。
本明細書に開示されるグリセリドコポリマーは、第1のモノマーから形成される構成単位の第2のモノマーから形成される構成単位に対する任意の好適な比を有し得る。上述の実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、第1のモノマーから形成される構成単位の第2のモノマーから形成される構成単位に対する数比は、10:1以下、又は9:1以下、又は8:1以下、又は7:1以下、又は6:1以下、又は5:1以下、又は4:1以下、又は3:1以下、又は2:1以下、又は1:1以下である。本明細書に開示されるグリセリドコポリマーは、不飽和ジオール、トリオールなどの他の不飽和ポリオールエステルから形成される構成単位が挙げられるがこれらに限定されない、第1のモノマーからも第2のモノマーからも形成されない更なる構成単位を含み得る。
あるいは、上述の実施形態のいずれかのいくつかの他の実施形態では、反応混合物の一部としてのメタセシス触媒の存在下で2つ以上のモノマーを反応させ、反応混合物中の第1のモノマーの第2のモノマーに対する重量−重量比は、10:1以下、又は9:1以下、又は8:1以下、又は7:1以下、又は6:1以下、又は5:1以下、又は4:1以下、又は3:1以下、又は2:1以下、又は1:1以下である。いくつかの実施形態では、反応混合物は、第1のモノマー及び第2のモノマーに加えて、更なるモノマー化合物を含む。
以下により詳細に記載されるように、任意の好適なメタセシス触媒を、第1のメタセシス触媒又は第2のメタセシス触媒として使用することができる。上述の実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、第1及び第2のメタセシス触媒は、有機ルテニウム化合物、有機オスミウム化合物、有機タングステン化合物、又は有機モリブデン化合物である。
更なるグリセリドコポリマーは、本明細書に開示される合成方法及び実施例の生成物として想到される。
合成方法
第5の態様では、本開示は、グリセリドコポリマー組成物を形成する方法であって、(a)メタセシス触媒及び式(IIIa)のモノマー化合物:
(式中、R
31、R
32、及びR
33は、独立して、C
1〜24アルキル又はC
2〜24アルケニルであり、これらはそれぞれ、所望により、−OHによって1回以上置換されていてもよく、ただし、R
31、R
32、及びR
33のうちの少なくとも1つはC
2〜24アルケニルであり、これは、所望により、−OHによって1回以上置換されていてもよく;R
41、R
42、及びR
43は、独立して、C
1〜24アルキル又はC
2〜24アルケニルであり、これらはそれぞれ、所望により、−OHによって1回以上置換されていてもよく、ただし、R
41、R
42、及びR
43のうちの少なくとも1つは、8−ノネニル、8−デセニル、8−ウンデセニル、8−ドデセニル、8,11−ドデカジエニル、8,11−トリデカジエニル、8,11−テトラデカジエニル、8,11−ペンタデカジエニル、8,11,14−ペンタデカトリエニル、8,11,14−ヘキサデカトリエニル、8,11,14−ヘプタデカトリエニル、又は8,11,14−オクタデカトリエニルである)を含む反応混合物を提供することと;(b)メタセシス触媒の存在下で、式(IIIa)のモノマー化合物と式(IIIb)のモノマー化合物とを反応させて、グリセリドポリマー組成物を形成することとを含む、方法を提供する。
変数R31、R32、及びR33は、任意の好適な値を有し得る。いくつかの実施形態では、R31、R32、及びR33は、独立して、C1〜24アルキル、又はC11〜24アルキル、又はC13〜24アルキル、又はC15〜24アルキルである。いくつかのこのような実施形態では、R31、R32、及びR33は、独立して、ウンデシル、トリデシル、ペンタデシル、又はヘプタデシルである。いくつかの更なるこのような実施形態では、R31、R32、及びR33は、独立して、ペンタデシル又はヘプタデシルである。上述の実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、R31、R32、及びR33は、独立して、C2〜24アルケニル、又はC9〜24アルケニル、又はC11〜24アルケニル、又はC13〜24アルケニル、又はC15〜24アルケニルである。いくつかのこのような実施形態では、R31、R32、及びR33は、独立して、8−ヘプタデセニル、10−ヘプタデセニル、8,11−ヘプタデカジエニル、又は8,11,14−ヘプタデカトリエニルである。いくつかの更なるこのような実施形態では、R31、R32、及びR33は、独立して、8−ヘプタデセニル、8,11−ヘプタデカジエニル、又は8,11,14−ヘプタデカトリエニルである。
変数R41、R42、及びR43は、任意の好適な値を有し得る。上述の実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、R41、R42、及びR43のうちの0、1、又は2つは、独立して、C1〜24アルキル、又はC11〜24アルキル、又はC13〜24アルキル、又はC15〜24アルキルである。いくつかのこのような実施形態では、R41、R42、及びR43のうちの0、1、又は2つは、独立して、ウンデシル、トリデシル、ペンタデシル、又はヘプタデシルである。いくつかの更なるこのような実施形態では、R41、R42、及びR43のうちの0、1、又は2つは、独立して、ペンタデシル又はヘプタデシルである。上述の実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、R41、R42、及びR43のうちの0、1、又は2つは、独立して、C2〜24アルケニル、又はC9〜24アルケニル、又はC11〜24アルケニル、又はC13〜24アルケニル、又はC15〜24アルケニルである。いくつかのこのような実施形態では、R41、R42、及びR43のうちの0、1、又は2つは、独立して、8−ヘプタデセニル、10−ヘプタデセニル、8,11−ヘプタデカジエニル、又は8,11,14−ヘプタデカトリエニルである。いくつかの更なるこのような実施形態では、R41、R42、及びR43のうちの0、1、又は2つは、独立して、8−ヘプタデセニル、8,11−ヘプタデカジエニル、又は8,11,14−ヘプタデカトリエニルである。
上述の実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、R41、R42、及びR43のうちの1、2、又は3つは、独立して、C2〜15アルケニル、又はC2〜14アルケニル、又はC2〜13アルケニル、又はC2〜12アルケニル、又はC5〜12アルケニルである。いくつかのこのような実施形態では、R41、R42、及びR43のうちの1、2、又は3つは、独立して、8−ノネニル、8−デセニル、8−ウンデセニル、10−ウンデセニル、8−ドデセニル、8,11−ドデカジエニル、8,11−トリデカジエニル、8,11−テトラデカジエニル、8,11−ペンタデカジエニル、8,11,14−ペンタデカトリエニル、8,11,14−ヘキサデカトリエニル、8,11,14−ヘプタデカトリエニル、又は8,11,14−オクタデカトリエニルである。いくつかの更なるこのような実施形態では、R41、R42、及びR43のうちの1、2、又は3つは、独立して、8−ノネニル、8−デセニル、8−ウンデセニル、8−ドデセニル、8,11−ドデカジエニル、8,11−トリデカジエニル、8,11−テトラデカジエニル、8,11−ペンタデカジエニル、8,11,14−ペンタデカトリエニル、8,11,14−ヘキサデカトリエニル、8,11,14−ヘプタデカトリエニル、又は8,11,14−オクタデカトリエニルである。いくつかの更なるこのような実施形態では、R41、R42、及びR43のうちの1、2、又は3つは、独立して、8−ノネニル、8−ウンデセニル、8,11−ドデカジエニル、8,11−テトラデカジエニル、又は8,11,14−ペンタデカトリエニルである。
本明細書に開示される方法によって形成されたグリセリドコポリマーは、任意の好適な分子量を有し得る。上述の実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、グリセリドコポリマーは、4,000g/モル〜150,000g/モル、又は5,000g/モル〜130,000g/モル、又は6,000g/モル〜100,000g/モル、又は7,000g/モル〜50,000g/モル、又は8,000g/モル〜30,000g/モル、又は8,000g/モル〜20,000g/モルの範囲の重量平均分子量を有する。
本明細書に開示される方法によって形成されたグリセリドコポリマーは、式(IIIa)のモノマー化合物から形成される構成単位の式(IIIb)のモノマー化合物から形成される構成単位に対する任意の好適な比を有し得る。上述の実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、式(IIIa)のモノマー化合物から形成される構成単位の式(IIIb)のモノマー化合物から形成される構成単位に対する数比は、10:1以下、又は9:1以下、又は8:1以下、又は7:1以下、又は6:1以下、又は5:1以下、又は4:1以下、又は3:1以下、又は2:1以下、又は1:1以下である。本明細書に開示されるグリセリドコポリマーは、式(IIIa)のモノマー化合物からも式(IIIb)のモノマー化合物からも形成されない更なる構成単位を含み得る。
あるいは、上述の実施形態のいずれかのいくつかの他の実施形態では、反応混合物の一部としてのメタセシス触媒の存在下で2つ以上のモノマーを反応させ、反応混合物中の式(IIIa)のモノマー化合物の式(IIIb)のモノマー化合物に対する重量−重量比は、10:1以下、又は9:1以下、又は8:1以下、又は7:1以下、又は6:1以下、又は5:1以下、又は4:1以下、又は3:1以下、又は2:1以下、又は1:1以下である。いくつかの実施形態では、反応混合物は、式(IIIa)及び式(IIIb)のモノマー化合物に加えて、更なるモノマー化合物を含む。
以下により詳細に記載されるように、任意の好適なメタセシス触媒を用いることができる。上述の実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、メタセシス触媒は、有機ルテニウム化合物、有機オスミウム化合物、有機タングステン化合物、又は有機モリブデン化合物である。
本明細書に開示される方法は、得られたグリセリドコポリマーを更に化学的及び物理的に処理することを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、得られたグリセリドコポリマーを、ジエン選択的水素化などの完全又は部分的水素化に供する。また、いくつかの実施形態では、未使用メタセシス触媒及び/又は使用済みメタセシス触媒残渣を回収する。上述の実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、得られたグリセリドコポリマーを、オレフィン異性化などの異性化を誘導する方法に供する。
別の態様では、本開示は、グリセリドコポリマーを形成する方法であって、(a)第1のメタセシス触媒、不飽和天然油グリセリド、及び不飽和アルケニル化天然油グリセリドを含む反応混合物を提供することと;(b)当該第1のメタセシス触媒の存在下で不飽和天然油グリセリドと不飽和アルケニル化天然油グリセリドとを反応させて、グリセリドコポリマーを形成することとを含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、不飽和アルケニル化天然油グリセリドは、第2のメタセシス触媒の存在下で、第2の不飽和天然油グリセリドと短鎖アルケンとを反応させることから形成される。いくつかのこのような実施形態では、不飽和アルケニル化天然油グリセリドは、第2の不飽和天然油グリセリドよりも低分子量を有する。上記実施形態に従って、任意の好適な短鎖アルケンを用いることができる。いくつかの実施形態では、短鎖アルケンは、C2〜14オレフィン、C2〜12オレフィン、C2〜10オレフィン、C2〜8オレフィン、C2〜6オレフィン、又はC2〜4オレフィンである。いくつかのこのような実施形態では、短鎖アルケンは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、3−ヘキセン、シクロヘキセン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、3−メチル−1−ブテン、シクロペンテン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−メチル−2−ペンテン、3−メチル−2−ペンテン、4−メチル−2−ペンテン、又は4,4−ジメチル−2−ペンテンのうちの少なくとも1つを含み得る。いくつかの更なるこのような実施形態では、短鎖アルケンは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、又はイソブテンである。いくつかの実施形態では、短鎖アルケンはエチレンである。いくつかの実施形態では、短鎖アルケンはプロピレンである。いくつかの実施形態では、短鎖アルケンは1−ブテンである。いくつかの実施形態では、短鎖アルケンは2−ブテンである。
上述のように、所望のメタセシス生成物分布を実現するために、反応において様々な直鎖又は分枝鎖の低分子量オレフィンの混合物を使用することが可能である。一実施形態では、ブテンの混合物(1−ブテン、2−ブテン、及び任意選択的にイソブテン)を低分子量オレフィンとして用いて、1つの特定のブテンの精製された供給源の代わりに、低コストで商業的に入手可能な原料を提供することができる。このような低コストの混合ブテン原料は、典型的には、n−ブタン及び/又はイソブタンで希釈される。
第1の不飽和天然油グリセリド及び第2の不飽和天然油グリセリドは、任意の好適な天然油供給源から得ることができる。上述の実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、第1又は第2の不飽和天然油グリセリドは、種子油などの植物油から得ることができる。いくつかの更なる実施形態では、植物油は、ナタネ油、キャノーラ油(低エルカ酸ナタネ油)、ヤシ油、コーン油、綿実油、オリーブ油、パーム油、ピーナッツ油、サフラワー油、ゴマ油、ダイズ油、ヒマワリ油、アマニ油、パーム核油、きり油、ジャトロファ油、カラシ油、ペニークレス油、カメリナ油、麻実油、又はヒマシ油である。いくつかの実施形態では、植物油はパーム油である。いくつかの実施形態では、植物油はダイズ油である。いくつかの実施形態では、植物油はキャノーラ油である。
本明細書に開示される方法によって形成されたグリセリドコポリマーは、任意の好適な分子量を有し得る。上述の実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、グリセリドコポリマーは、4,000g/モル〜150,000g/モル、又は5,000g/モル〜130,000g/モル、又は6,000g/モル〜100,000g/モル、又は7,000g/モル〜50,000g/モル、又は8,000g/モル〜30,000g/モル、又は8,000g/モル〜20,000g/モルの範囲の重量平均分子量を有する。
いくつかの実施形態では、グリセリドコポリマーは、2,000g/モル〜150,000g/モル、又は3,000g/モル〜30,000g/モル、又は4,000g/モル〜20,000g/モルの数平均分子量(Mn)を有する。
本明細書に開示される方法によって形成されたグリセリドコポリマーは、第1のモノマーから形成される構成単位の第2のモノマーから形成される構成単位に対する任意の好適な比を有し得る。上述の実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、第1のモノマーから形成される構成単位の第2のモノマーから形成される構成単位に対する数比は、10:1以下、又は9:1以下、又は8:1以下、又は7:1以下、又は6:1以下、又は5:1以下、又は4:1以下、又は3:1以下、又は2:1以下、又は1:1以下である。本明細書に開示されるグリセリドコポリマーは、第1のモノマーからも第2のモノマーからも形成されない更なる構成単位を含み得る。
あるいは、上述の実施形態のいずれかのいくつかの他の実施形態では、反応混合物の一部としてのメタセシス触媒の存在下で2つ以上のモノマーを反応させ、反応混合物中の第1のモノマーの第2のモノマーに対する重量−重量比は、10:1以下、又は9:1以下、又は8:1以下、又は7:1以下、又は6:1以下、又は5:1以下、又は4:1以下、又は3:1以下、又は2:1以下、又は1:1以下である。いくつかの実施形態では、反応混合物は、第1のモノマー及び第2のモノマーに加えて、更なるモノマー化合物を含む。
以下により詳細に記載されるように、任意の好適なメタセシス触媒を、第1のメタセシス触媒又は第2のメタセシス触媒として使用することができる。上述の実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、第1及び第2のメタセシス触媒は、有機ルテニウム化合物、有機オスミウム化合物、有機タングステン化合物、又は有機モリブデン化合物である。
本明細書に開示される方法は、得られたグリセリドコポリマーを更に化学的及び物理的に処理することを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、得られたグリセリドコポリマーを、ジエン選択的水素化などの完全又は部分的水素化に供する。
再生可能な供給源からの由来
本明細書に開示される態様又は実施形態のいずれかにおいて使用される化合物は、特定の実施形態では、様々な天然油又はその誘導体などの再生可能な供給源に由来し得る。任意の好適な方法を用いて、このような再生可能な供給源からこれら化合物を作製することができる。
オレフィンメタセシスは、様々な用途で使用することができるか又は化学的に更に修飾して様々な用途で使用することができるオレフィン及びエステルに特定の天然油原料を変換するための、1つの可能な手段を提供する。いくつかの実施形態では、組成物(又は組成物の成分)は、天然油及び/又はその脂肪酸若しくは脂肪酸エステル誘導体のメタセシス反応によって形成される再生可能な原料などの再生可能な原料から形成され得る。炭素−炭素二重結合を含有する化合物がメタセシス触媒の存在下でメタセシス反応を受けたとき、元の炭素−炭素二重結合の一部又は全てが破壊され、新規な炭素−炭素二重結合が形成される。このようなメタセシス反応の生成物は、様々な箇所に炭素−炭素二重結合を含み、これによって、有用な化学的特性を有する不飽和有機化合物を提供することができる。
このようなメタセシス反応では、広範囲にわたる天然油又はその誘導体を使用することができる。好適な天然油の例としては、植物油、藻類油、魚油、動物脂、トール油、これら油の誘導体、これら油のいずれかの組み合わせなどが挙げられるが、これらに限定されない。植物油の代表的な非限定例としては、ナタネ油(キャノーラ油)、ヤシ油、コーン油、綿実油、オリーブ油、パーム油、ピーナッツ油、サフラワー油、ゴマ油、ダイズ油、ヒマワリ油、アマニ油、パーム核油、きり油、ジャトロファ油、カラシ油、ペニークレス油、カメリナ油、麻実油、及びヒマシ油が挙げられる。動物脂の代表的な非限定例としては、ラード、獣脂、家禽油、黄色油脂、及び魚油が挙げられる。トール油は、木材パルプ製造の副生成物である。いくつかの実施形態では、天然油又は天然油原料は、1つ以上の不飽和グリセリド(例えば、不飽和トリグリセリド)を含む。いくつかのこのような実施形態では、天然油原料は、天然油原料の総重量に基づいて、少なくとも50重量%、又は少なくとも60重量%、又は少なくとも70重量%、又は少なくとも80重量%、又は少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%、又は少なくとも97重量%、又は少なくとも99重量%の1つ以上の不飽和トリグリセリドを含む。
天然油は、キャノーラ油又はダイズ油、例えば、精製、漂白、及び脱臭されたダイズ油(すなわち、RBDダイズ油)を含み得る。ダイズ油は、典型的には、約95重量%(wt%)以上(例えば、約99wt%以上)の脂肪酸のトリグリセリドを含む。ダイズ油のポリオールエステル中の主な脂肪酸としては、飽和脂肪酸、例えば、パルミチン酸(ヘキサデカン酸)及びステアリン酸(オクタデカン酸)、並びに不飽和脂肪酸、例えば、オレイン酸(9−オクタデセン酸)、リノール酸(9,12−オクタデカジエン酸)、及びリノレン酸(9,12,15−オクタデカトリエン酸)が挙げられるが、これらに限定されない。
このような天然油又はその誘導体は、様々な不飽和脂肪酸のトリグリセリドなどのエステルを含有する。このような脂肪酸の同一性及び濃度は、油の供給源、場合によっては、品種に依存して変動する。いくつかの実施形態では、天然油は、オレイン酸、リノール酸、リノール酸、又はこれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上のエステルを含む。このような脂肪酸エステルをメタセシス化すると、新規化合物が形成される。例えば、メタセシスが特定の短鎖アルケン、例えば、エチレン、プロピレン、又は1−ブテンを使用し、天然油がオレイン酸のエステルを含む実施形態では、生成物の中でも特に、ある量の1−デセン及び1−デセノイド酸(1-decenoid acid)(又はそのエステル)が形成される。
いくつかの実施形態では、天然油を様々な前処理プロセスに供してよく、これによって、特定のメタセシス反応における使用についてのその有用性を促進することができる。有用な前処理方法は、米国特許出願公開第2011/0113679号、同第2014/0275595号、及び同第2014/0275681号に記載されており、これら3つは全て本明細書に完全に記載されているかのように参照により本明細書に組み込まれる。
特定の実施形態では、メタセシス反応の前に天然油及び/又は不飽和ポリオールエステル原料を処理して、天然油を後続のメタセシス反応に対してより好適なものにすることができる。一実施形態では、天然油及び/又は不飽和ポリオールエステルの処理は、メタセシス触媒の活性を低下させる恐れのある過酸化物などの触媒毒の除去を含む。触媒毒を低減するための天然油及び/又は不飽和ポリオールエステル原料の処理方法の非限定例としては、その全体が参照により本明細書に組み込まれる国際出願第PCT/US2008/09604号、同第PCT/US2008/09635号、並びに米国特許出願第12/672,651号及び同第12/672,652号に記載されているものが挙げられる。特定の実施形態では、天然油及び/又は不飽和ポリオールエステル原料を、無酸素状態で原料を100℃よりも高い温度に加熱することによって熱処理し、原料中の触媒毒を低減するのに十分な時間その温度を保持する。他の実施形態では、温度は、約100℃〜300℃、約120℃〜250℃、約150℃〜210℃、又は約190〜200℃である。一実施形態では、無酸素状態は、天然油及び/又は不飽和ポリオールエステル原料を窒素でスパージすることによって実現されるが、その際、窒素ガスを約1000kPa(10atm(150psig))の圧力で原料処理容器内に送り込む。
特定の実施形態では、天然油及び/又は不飽和ポリオールエステル原料を、触媒毒の化学反応を通して原料中の触媒毒を低減するのに十分な条件下で化学的に処理する。特定の実施形態では、原料は還元剤又はカチオン−無機塩基組成物で処理される。還元剤の非限定的な例としては、重硫酸塩、ホウ化水素、ホスフィン、チオサルフェート、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
特定の実施形態では、天然油及び/又は不飽和ポリオールエステル原料を吸着剤で処理して触媒毒を除去する。一実施形態では、原料は熱処理による方法と吸着剤による方法との組み合わせで処理される。別の実施形態では、原料は化学的方法と吸着剤による方法との組み合わせで処理される。別の実施形態では、この処理は、天然油及び/又は不飽和ポリオールエステル原料のメタセシス触媒との反応性を改変するための部分水素化処理を含む。原料の処理の更なる非限定例については、以下で様々なメタセシス触媒について論じる際にも記載する。
いくつかの実施形態では、天然油原料の何らかの任意の前処理の後に、メタセシス反応器においてメタセシス触媒の存在下で天然油供給原料を反応させる。いくつかの他の実施形態は、メタセシス反応器においてメタセシス触媒の存在下で、不飽和エステル(例えば、不飽和トリグリセリドなどの不飽和グリセリド)を反応させる。これら不飽和エステルは、天然油原料の成分であってもよく、他の供給源、例えば、前もって実施されたメタセシス反応において生成されたエステルに由来していてもよい。
いくつかの実施形態では、天然油は脱蝋される。脱蝋とは、(1)蝋及び他の非トリグリセリド成分を除去し、(2)天然に存在する高融点トリグリセリドを除去し、(3)部分水素化中に形成された高融点トリグリセリドを除去するプロセスを指す。脱蝋は、例えば、油を制御された速度で冷却することで、油から除去しようとする高融点成分を結晶化させることを含む、既知の方法によって行うことができる。その後、結晶化した高融点成分を濾過により油から除去することで、脱蝋された油が得られる。脱蝋されたダイズ油は、Cargill,Incorporated(Minneapolis,Minn.)から市販されている。
このようなメタセシス反応のための条件、及び反応器の設計、及び好適な触媒は、オレフィンエステルのメタセシスに関して以下に記載されるとおりである。この議論は、本明細書に完全に記載されているかのように参照により組み込まれる。
オレフィンメタセシス
いくつかの実施形態では、不飽和モノマーのうちの1つ以上は、天然油又は天然油誘導体をメタセシス化することによって作製することができる。用語「メタセシス化」及び「メタセシス化する」とは、交差メタセシス、自己メタセシス、開環メタセシス、開環メタセシス重合(「ROMP」)、閉環メタセシス(「RCM」)、及びアクリルジエンメタセシス(「ADMET」)を含むがこれらに限定されない、様々な異なる反応を指し得る。所望の生成物又は生成物混合物に応じて任意の好適なメタセシス反応を用いることができる。
いくつかの実施形態では、天然油原料の何らかの任意の前処理の後に、メタセシス反応器においてメタセシス触媒の存在下で天然油供給原料を反応させる。いくつかの他の実施形態は、メタセシス反応器においてメタセシス触媒の存在下で、不飽和エステル(例えば、不飽和トリグリセリドなどの不飽和グリセリド)を反応させる。これら不飽和エステルは、天然油原料の成分であってもよく、他の供給源、例えば、前もって実施されたメタセシス反応において生成されたエステルに由来していてもよい。特定の実施形態では、メタセシス触媒の存在下において、天然油又は不飽和エステルは、自身との自己メタセシス反応を受け得る。
いくつかの実施形態では、メタセシスは、メタセシス触媒の存在下で天然油原料(又は別の不飽和エステル)を反応させることを含む。いくつかのこのような実施形態では、メタセシスは、メタセシス触媒の存在下で天然油原料中の1つ以上の不飽和グリセリド(例えば、不飽和トリグリセリド)を反応させることを含む。いくつかの実施形態では、不飽和グリセリドは、オレイン酸、リノール酸、リノール酸、又はこれらの組み合わせのうちの1つ以上のエステルを含む。いくつかの他の実施形態では、不飽和グリセリドは、別の不飽和グリセリド(上記のとおり)の部分水素化及び/又はメタセシスの生成物である。
いくつかの実施形態では、不飽和ポリオールエステルは、メタセシス化に先立って部分水素化される。例えば、いくつかの実施形態では、不飽和ポリオールエステルを部分水素化することで、部分水素化ポリオールエステルをメタセシスに供する前にヨウ素価(IV)を約120以下にする。
メタセシスプロセスは、所望のメタセシス生成物を生成するのに適切な任意の条件下で行うことができる。例えば、当業者は、所望の生成物を生成し、望ましくない副生成物を最小限に抑えるために、化学量論、雰囲気、溶媒、温度、及び圧力を選択することができる。いくつかの実施形態では、メタセシスプロセスは、不活性雰囲気下で実施することができる。同様に、試薬が気体として供給される実施形態では、不活性ガス状希釈剤を気流中で使用することができる。このような実施形態では、不活性雰囲気又は不活性ガス状希釈剤は、典型的には不活性ガスであるが、これは、触媒作用を実質的に阻害するようにはガスがメタセシス触媒と相互作用しないことを意味する。例えば、不活性ガスの非限定例としては、個々に使用されるか、又は互いに及び他の不活性ガスと共に使用されるヘリウム、ネオン、アルゴン、メタン、及び窒素が挙げられる。
メタセシス反応のための反応器の設計は、反応の規模、反応条件(熱、圧力など)、触媒の同一性、反応器内で反応する材料の同一性、及び使用される原料の性質を含むがこれらに限定されない、様々な要因に依存して変動し得る。好適な反応器は、関連する要因に応じて当業者が設計することができ、本明細書に開示されるものなどの精製プロセスに組み込むことができる。
本明細書に開示されるメタセシス反応は、一般的に、1つ以上のメタセシス触媒の存在下で生じる。このような方法は、任意の好適なメタセシス触媒を使用することができる。この反応におけるメタセシス触媒は、メタセシス反応を触媒する任意の触媒又は触媒系を含み得る。任意の公知の又は将来的に開発されるメタセシス触媒を、単独で又は1つ以上の更なる触媒と組み合わせて使用してよい。メタセシス触媒及びプロセス条件の例は、任意の開示又は定義が本明細書と矛盾する場合、本明細書における開示又は定義を優先するとみなすものとすることを除いて、その全体が本明細書に参照により組み込まれる米国特許出願公開第2011/0160472号に記載されている。米国特許出願公開第2011/0160472号に記載されている多数のメタセシス触媒は、現在、Materia,Inc.(Pasadena,Calif.)から入手可能である。
いくつかの実施形態では、メタセシス触媒は、グラブス型オレフィンメタセシス触媒及び/又はそれに由来する実体を含む。いくつかの実施形態では、メタセシス触媒は、第1世代グラブス型オレフィンメタセシス触媒及び/又はそれに由来する実体を含む。いくつかの実施形態では、メタセシス触媒は、第2世代グラブス型オレフィンメタセシス触媒及び/又はそれに由来する実体を含む。いくつかの実施形態では、メタセシス触媒は、第1世代ホベイダ−グラブス型オレフィンメタセシス触媒及び/又はそれに由来する実体を含む。いくつかの実施形態では、メタセシス触媒は、第2世代ホベイダ−グラブス型オレフィンメタセシス触媒及び/又はそれに由来する実体を含む。いくつかの実施形態では、メタセシス触媒は、Materia,Inc.(Pasadena,California)によって販売されている1つ若しくは複数のルテニウムカルベンメタセシス触媒、及び/又はこのような触媒に由来する1つ以上の実体を含む。本教示に従って使用するためのMateria,Inc.製の代表的なメタセシス触媒としては、以下の製品番号で販売されているもの及びその組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない:製品番号C823(CAS番号172222〜30〜9)、製品番号C848(CAS番号246047〜72〜3)、製品番号C601(CAS番号203714〜71〜0)、製品番号C627(CAS番号301224〜40〜8)、製品番号C571(CAS番号927429〜61〜6)、製品番号C598(CAS番号802912〜44〜3)、製品番号C793(CAS番号927429〜60〜5)、製品番号C801(CAS番号194659〜03〜9)、製品番号C827(CAS番号253688〜91〜4)、製品番号C884(CAS番号900169〜53〜1)、製品番号C833(CAS番号1020085〜61〜3)、製品番号C859(CAS番号832146〜68〜6)、製品番号C711(CAS番号635679〜24〜2)、製品番号C933(CAS番号373640〜75〜6)。
いくつかの実施形態では、メタセシス触媒は、モリブデン、及び/又はタングステンカルベン錯体、及び/又はこのような錯体に由来する実体を含む。いくつかの実施形態では、メタセシス触媒は、シュロック型オレフィンメタセシス触媒及び/又はそれに由来する実体を含む。いくつかの実施形態では、メタセシス触媒は、モリブデンの高酸化状態アルキリデン錯体及び/又はそれに由来する実体を含む。いくつかの実施形態では、メタセシス触媒は、タングステンの高酸化状態アルキリデン錯体及び/又はそれに由来する実体を含む。いくつかの実施形態では、メタセシス触媒は、モリブデン(VI)を含む。いくつかの実施形態では、メタセシス触媒は、タングステン(VI)を含む。いくつかの実施形態では、メタセシス触媒は、任意の開示又は定義が本明細書と矛盾する場合、本明細書における開示又は定義を優先するとみなすものとすることを除いて、それぞれ全体が本明細書に参照により組み込まれる(a)Angew.Chem.Int.Ed.Engl.,2003,42,4592〜4633;(b)Chem.Rev.,2002,102,145〜179;及び/又は(c)Chem.Rev.,2009,109,3211〜3226のうちの1つ以上に記載されている種類のモリブデン及び/又はタングステン含有アルキリデン錯体を含む。
好適な均一系メタセシス触媒としては、遷移金属ハロゲン化物又はオキソハライド(例えば、WOCl4又はWCl6)とアルキル化共触媒(例えば、Me4Sn)との組み合わせ、又は遷移金属、特にRu又はWのアルキリデン(又はカルベン)錯体が挙げられる。これらとしては、第1世代及び第2世代のグラブス触媒、グラブス−ホベイダ触媒などが挙げられる。好適なアルキリデン触媒は、一般構造:
(式中、Mは第8族の遷移金属であり、L
1、L
2、及びL
3は中性電子ドナー配位子であり、nは0(この場合、L
3は存在しない場合がある)又は1であり、mは0、1、又は2であり、X
1及びX
2はアニオン性配位子であり、R
1及びR
2は、独立して、H、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、置換されたヘテロ原子を含有するヒドロカルビル、及び官能基から選択される)を有する。X
1、X
2、L
1、L
2、L
3、R
1及びR
2のうちの任意の2つ以上が環式基を形成することができ、これらの基のうちの任意の1つが支持体に結合され得る。
第1世代グラブス触媒は、全てのメタセシス触媒に関する教示が参考として本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2010/0145086号に記載されているように、m=n=0であり、n、X1、X2、L1、L2、L3、R1、及びR2については特定の選択がなされる、このカテゴリーに分類される。
第2世代グラブス触媒もまた上記の一般式を有するが、L1はカルベン配位子であり、カルベン炭素にはN、O、S、又はP原子、好ましくは2個のN原子が隣接する。通常、カルベン配位子は環式基の一部である。好適な第2世代グラブス触媒の例も、上記’086号出願公開に見られる。
適切なアルキリデン触媒の別の部類では、L1は第1及び第2世代のグラブス触媒のように強く配位する中性電子ドナーであり、L2及びL3は、場合により置換されている複素環式基の形態の弱く配位する中性電子ドナー配位子である。したがって、L2及びL3は、ピリジン、ピリミジン、ピロール、キノリン、チオフェンなどである。
好適なアルキリデン触媒の更に別の部類では、ビホスフィン、ジアルコキシド、又はアルキルジケトネートなどの二座又は三座配位子を形成するために一対の置換基が用いられる。グラブス−ホベイダ触媒は、L2とR2とが連結されたこの種類の触媒のサブセットである。一般的に、中性酸素又は窒素が金属に配位する一方で、カルベン炭素に対してα、β、又はγである炭素にも結合していることで、二座配位子が得られる。適切なグラブス−ホベイダ触媒の例は、上記’086号出願公開に見られる。
以下の構造は、使用可能な適切な触媒のほんの数例を提供するものである。
固定化触媒をメタセシスプロセスに使用することができる。固定化触媒は、触媒と支持体とを含む系であり、触媒は支持体と会合している。触媒と支持体との間の例示的な会合は、触媒又はその任意の部分と支持体又はその任意の部分との間の化学結合又は弱い相互作用(例えば水素結合、ドナーアクセプター相互作用)によって生じ得る。支持体は、触媒を支持するのに適した任意の材料を含むものとする。一般的に、固定化触媒は、液相又は気相反応物質及び生成物に作用する固相触媒である。例示的な支持体としては、ポリマー、シリカ、又はアルミナがある。かかる固定化触媒をフロープロセスで使用することができる。固定化触媒は、生成物の精製及び触媒の回収を容易にし得るため、触媒の再利用をより便利に行うことができる。
任意の有用な量の選択されたメタセシス触媒をプロセスで使用することができる。例えば、不飽和ポリオールエステルと触媒とのモル比は、約5:1〜約10,000,000:1、又は約50:1〜500,000:1の範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、出発組成物の二重結合1個当たり約1〜約20ppm、又は約2ppm〜約15ppm(すなわち、モル/モル基準)の量のメタセシス触媒が使用される。
いくつかの実施形態では、メタセシス反応は遷移金属成分及び非遷移金属成分の両方を含有する系により触媒される。最も活性が高く、最も多くの触媒系は、第6族及び第8族の遷移金属、例えば、タングステン、モリブデン、及びルテニウムに由来する。
特定の実施形態では、メタセシス触媒は、メタセシス反応を行う前に溶媒に溶解されている。特定のこのような実施形態では、選択される溶媒は、メタセシス触媒に対して実質的に不活性であるように選択することができる。例えば、実質的に不活性な溶媒としては、これらに限定されるものではないが、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;クロロベンゼン及びジクロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの脂肪族溶媒;並びにジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタンなどの塩素化アルカンが挙げられる。いくつかの実施形態では、溶媒はトルエンを含む。
他の実施形態では、メタセシス触媒は、メタセシス反応を実施する前に溶媒に溶解していない。その代わり、例えば、液体状態にある天然油又は不飽和エステルで、触媒をスラリー化してもよい。これらの条件下では、プロセスから溶媒(例えば、トルエン)を除去し、溶媒を分離するときに下流のオレフィンの損失をなくすことが可能である。他の実施形態では、メタセシス触媒は、天然油又は不飽和エステル(例えば、オーガー式供給として)に固体状態形態で(かつスラリー化せずに)添加してもよい。
特定の実施形態では、メタセシス反応混合物に配位子を加えることができる。配位子を用いる多くの実施形態では、触媒を安定化させる分子となるように配位子が選択され、これにより触媒のターンオーバー数を大きくすることができる。特定の場合において、配位子は反応選択性及び生成物の分布を変えることができる。使用可能な配位子の例としては、これらに限定されるものではないが、例えばトリシクロヘキシルホスフィン及びトリブチルホスフィンなどのトリアルキルホスフィン;トリフェニルホスフィンなどのトリアリールホスフィン;ジフェニルシクロヘキシルホスフィンなどのジアリールアルキルホスフィン;2,6−ジメチルピリジン、2,4,6−トリメチルピリジンなどのピリジン;並びにホスフィンオキシド及びホスフィナイトなどのその他のルイス塩基配位子などのルイス塩基配位子が挙げられる。触媒寿命を延ばす添加剤がメタセシス中に存在してもよい。
場合によっては、メタセシス反応温度が律速変数であり得、この場合、温度は、許容される速度で所望の生成物を提供するように選択される。特定の実施形態では、メタセシス反応温度は、約−40℃よりも高い、又は約−20℃よりも高い、又は約0℃よりも高い、又は約10℃よりも高い。特定の実施形態では、メタセシス反応温度は、約200℃未満、又は約150℃未満、又は約120℃未満である。いくつかの実施形態では、メタセシス反応温度は、約0℃〜約150℃、又は約10℃〜約120℃である。
メタセシス反応は、任意の所望の圧力下で行うことができる。一般的に、溶液中に交差メタセシス試薬を維持するために充分に高い全圧力を維持することが望ましい。したがって、交差メタセシス試薬の分子量が増加するにしたがって、交差メタセシス試薬の沸点が高くなるために圧力範囲の下限は通常低くなる。全圧力は、約10kPa(0.1atm)よりも高くなるように、いくつかの実施形態では約30kPa(0.3atm)よりも高くなるように、又は約100kPa(1atm)よりも高くなるように選択してよい。一般的に、反応圧力は約7000kPa(70atm)以下であり、いくつかの実施形態では約3000kPa(30atm)以下である。メタセシス反応の非限定的な例示的圧力範囲は、約100kPa(1atm)〜約3000kPa(30atm)である。特定の実施形態では、100kPa(雰囲気)の減圧下でメタセシス反応を行うことが望ましい場合がある。減圧又は真空条件を用いてオレフィンがメタセシス反応で生成されると同時にこれを除去することで、メタセシス平衡を低揮発性生成物の形成に向けることができる。天然油の自己メタセシスの場合、減圧を用いて、メタセシス反応が進行する際に、ヘキセン、ノネン、及びドデセンが挙げられるがこれらに限定されない、C12以下のオレフィン、並びにシクロヘキサジエン及びベンゼンが挙げられるがこれらに限定されない、副生成物を除去することができる。これらの化学種の除去は、反応をジエステル基及び架橋トリグリセリドの形成に向けるための手段として利用することができる。
いくつかの実施形態では、メタセシスが生じた後、得られた生成物からメタセシス触媒を除去する。触媒を除去する一方法は、メタセシス化生成物を吸着床で処理することである。本教示に従って使用するための代表的な吸着剤としては、炭素、シリカ、シリカアルミナ、アルミナ、粘土、ケイ酸マグネシウム(例えば、Magnesols)、W.R.Grace&Co.によって商標名TRISYLとして販売されている合成シリカ吸着剤、珪藻土、ポリスチレン、マクロ孔質(MP)樹脂など、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、吸着剤は粘土床である。粘土床はメタセシス触媒を吸着し、濾過工程の後に、更に処理するためにメタセシス化生成物を分離ユニットに送ってよい。分離ユニットは、蒸留ユニットを含み得る。いくつかの実施形態では、蒸留は、例えば、メタセシス化生成物を水蒸気ストリッピングすることによって実施され得る。蒸留は、典型的な蒸留充填物(例えば、ランダム又は構造化)を含有し得るカラム内のガス流と混合物を接触させることによって、真空蒸留によって、又はワイピングされた薄膜蒸発器などの蒸発器においてライト(lights)を蒸発させることによって、典型的には撹拌されている容器内で混合物をスパージすることによって行われ得る。典型的には、水蒸気ストリッピングは、減圧において、約100℃〜250℃の範囲の温度で行われる。温度は、例えば、使用される真空のレベルに依存し得、より高真空はより低温を可能にし、そして、揮発物のより効率的かつ完全な分離を可能にする。
別の実施形態では、吸着剤は、トリスヒドロキシメチルホスフィン(THMP)などの水溶性ホスフィン試薬である。THMPは、触媒に対して少なくとも1:1、5:1、10:1、25:1、又は50:1のモル比に等しい比率で添加してよい。水相を有機相からデカントすることによって、公知の液−液抽出機構を介して、水溶性ホスフィンで触媒を分離することができる。他の実施形態では、触媒分離は、極性溶媒で混合物を洗浄又は抽出する(例えば、特に、排他的ではないが、試薬が極性溶媒に少なくとも部分的に可溶性である実施形態の場合)ことを含む。本教示に従って使用するための代表的な極性溶媒としては、水、アルコール(例えば、メタノール、エタノールなど)、エチレングリコール、グリセロール、DMF、ポリエチレングリコール及び/又はグリムが挙げられるこれらに限定されない、多官能極性化合物、イオン液体など、並びにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、混合物は水で抽出される。いくつかの実施形態では、少なくとも部分的に加水分解性である亜リン酸エステル(例えば、いくつかの実施形態では、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、及びこれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない、低分子量を有する亜リン酸エステル)を試薬として使用するとき、混合物を水で洗浄すると、亜リン酸エステルを対応する酸に変換することができる。他の実施形態では、メタセシス化生成物を反応物と接触させて、触媒を不活化又は抽出してもよい。
メタセシス反応によって、直鎖状又は環状であり得る内部オレフィン化合物も形成される。メタセシス化ポリオールエステルが完全に又は部分的に水素化される場合、直鎖状及び環状オレフィンは、典型的には、対応する飽和直鎖状及び環状炭化水素に完全に又は部分的に変換される。直鎖状/環状オレフィン及び飽和直鎖状/環状炭化水素は、メタセシス化ポリオールエステル中に残存するか、又はこれらは、ワイプフィルム蒸発、流下フィルム蒸発、回転蒸発、水蒸気ストリッピング、真空蒸留などを含むがこれらに限定されない、1つ以上の既知のストリッピング法を用いて、メタセシス化ポリオールエステルから除去又は部分的に除去することができる。
複数の連続したメタセシス反応工程を用いてもよい。例えば、グリセリドコポリマー生成物は、メタセシス触媒の存在下で不飽和ポリオールエステルを反応させて第1のグリセリドコポリマー生成物を形成することによって作製することができる。次いで、第1のグリセリドコポリマー生成物を自己メタセシス反応で反応させて別のグリセリドコポリマー生成物を形成することができる。あるいは、第1のグリセリドコポリマー生成物を不飽和ポリオールエステルと交差メタセシス反応で反応させて別のグリセリドコポリマー生成物を形成してもよい。また、別の例では、エステル交換した生成物、オレフィン及び/又はエステルを、メタセシス触媒の存在下で更にメタセシス化してもよい。かかる複数及び/又は連続したメタセシス反応は、当業者により理解されるプロセス/組成上の必要条件に応じて必要な回数だけ、また、少なくとも1回以上の回数、行うことができる。本明細書で使用するとき、「グリセリドコポリマー生成物」は、1回メタセシス化された及び/又は複数回メタセシス化された生成物を含み得る。これらの手順を用いて、メタセシスダイマー、メタセシストリマー、メタセシステトラマー、メタセシスペンタマー、及びより高次のメタセシスオリゴマー(例えば、メタセシスへキサマー、メタセシスヘプタマー、メタセシスオクタマー、メタセシスノナマー、メタセシスデカマー、及びメタセシスデカマーよりも高次のもの)を形成することができる。これら手順を必要な回数だけ(例えば、2回〜約50回、又は2回〜約30回、又は2回〜約10回、又は2回〜約5回、又は2回〜約4回、又は2回又若しくは3回)繰り返して、例えば2個〜約100個の結合基、又は2個〜約50個、又は2個〜約30個、又は2個〜約10個、又は2個〜約8個、又は2個〜約6個の結合基、又は2個〜約4個の結合基、又は2個〜約3個の結合基を含み得る所望のメタセシスオリゴマー又はポリマーを提供することができる。特定の実施形態では、別のグリセリドコポリマー生成物を生成するための自己メタセシス反応における反応物として、不飽和ポリオールエステル又は不飽和ポリオールエステルのブレンドとC2〜14オレフィン、好ましくはC2〜6オレフィン、より好ましくはC4オレフィン、並びにこれらの混合物及び異性体との交差メタセシスによって生成されるグリセリドコポリマー生成物を使用することが望ましい場合がある。あるいは、不飽和ポリオールエステル又は不飽和ポリオールエステルのブレンドとC2〜14オレフィン、好ましくはC2〜6オレフィン、より好ましくはC4オレフィン、並びにこれらの混合物及び異性体との交差メタセシスによって生成されるメタセシス化生成物を、不飽和ポリオールエステル又は不飽和ポリオールエステルのブレンドと合わせ、更にメタセシス化して、別のグリセリドコポリマー生成物を生成することもできる。
いくつかの実施形態では、油の安定性を改善するか又はその粘性若しくは他の特性を改変するために、グリセリドコポリマーを水素化(例えば、完全に又は部分的に水素化)してもよい。不飽和ポリオールエステルを水素化するための代表的な方法は当該技術分野では既知であり、本明細書で述べる。
他の実施形態では、グリセリドコポリマーは、1種以上のヘアケア有益剤及び/又はヘアコンディショニング活性物質とのブレンドとして使用することができる。
水素化:
いくつかの実施形態では、不飽和ポリオールエステルは、メタセシス反応に供される前に部分水素化される。不飽和ポリオールエステルの部分水素化は、続くメタセシス反応で利用可能な二重結合の数を低減させる。いくつかの実施形態では、不飽和ポリオールエステルをメタセシス化してグリセリドコポリマーを形成し、次いで、当該グリセリドコポリマーを水素化(例えば、部分的又は完全に水素化)して水素化グリセリドコポリマーを形成する。
水素化は、植物油などの二重結合含有化合物を水素化するための任意の既知の方法に従って実施してよい。いくつかの実施形態では、不飽和ポリオールエステル、天然油、又はグリセリドコポリマーは、水素によって活性状態に化学的に還元されたニッケル触媒の存在下で水素化される。担持ニッケル水素化触媒の市販の例としては、「NYSOFACT」、「NYSOSEL」、及び「NI 5248D」(Englehard Corporation(Iselin,N.H.))の商品名で入手可能なものが挙げられる。更なる担持ニッケル水素化触媒としては、「PRICAT9910」、「PRICAT9920」、「PRICAT9908」、「PRICAT9936」(Johnson Matthey Catalysts(Ward Hill,Mass.))の商品名で市販されているものが挙げられる。
いくつかの実施形態では、水素化触媒は、例えば、ニッケル、銅、パラジウム、白金、モリブデン、鉄、ルテニウム、オスミウム、ロジウム、又はイリジウムを含む。金属の組み合わせを使用することもできる。有用な触媒は、異種でも同種でもあり得る。いくつかの実施形態では、触媒は、担持ニッケル又はスポンジニッケル型の触媒である。
いくつかの実施形態では、水素化触媒は、水素によって活性状態に化学的に還元されたニッケル(すなわち、還元ニッケル)が支持体上に供給されている。いくつかの実施形態では、支持体は、多孔質シリカ(例えば、キーゼルグール(kieselguhr)、滴虫土、珪藻土、又は珪質土)又はアルミナを含む。触媒は、ニッケル1g当たりの高いニッケル表面積によって特徴付けられる。
いくつかの実施形態では、担持ニッケル触媒の粒子は、硬化トリアシルグリセリド、食用油、又は獣脂を含む保護媒質中に分散されている。例示的な実施形態では、担持ニッケル触媒は、約22重量%のニッケルの濃度で保護媒質中に分散されている。
水素化は、バッチプロセス又は連続プロセスで行うことができ、部分水素化であっても完全水素化であってもよい。代表的なバッチプロセスでは、攪拌反応容器のヘッドスペースに真空を引き、反応容器に、水素化する材料(例えば、RBDダイズ油又はメタセシス化RBDダイズ油)を入れる。次いで、材料を所望の温度に加熱する。典型的には、温度は、約50℃〜350℃、例えば、約100℃〜300℃又は約150℃〜250℃の範囲である。望ましい温度は、例えば、水素ガス圧によって異なり得る。一般的に、高いガス圧では温度を下げる必要がある。別の容器中で、水素化触媒を混合容器に計り入れ、少量の水素化する材料(例えば、RBDダイズ油又はメタセシス化RBDダイズ油)中でスラリー化する。水素化する材料が所望の温度に達した時点で、水素化触媒のスラリーを反応容器に加える。次いで、水素ガスを反応容器内に送り込んで所望の圧力のH2ガスにする。典型的には、H2ガス圧力は、約103〜20000kPa(15〜3000psig)、例えば、約103psig〜1030kPa(約15psig〜150psig)の範囲である。ガス圧が高くなると、より特殊な高圧処理装置が必要となり得る。これら条件下で水素化反応を開始し、温度を所望の水素化温度(例えば、約120℃〜200℃)に上昇させ、例えば冷却コイルで反応塊を冷却することによってその温度を維持する。所望の水素化度に達した時点で、反応塊を所望の濾過温度に冷却する。
水素化触媒の量は、典型的には、例えば、使用する水素化触媒の種類、使用する水素化触媒の量、水素化される材料の不飽和度、所望の水素化速度、所望の水素化度(例えば、ヨウ素価(IV)によって測定される)、試薬の純度、及びH2ガス圧力などの多くの要因を考慮して選択される。いくつかの実施形態では、水素化触媒は、約10重量%以下、例えば約5重量%以下、又は約1重量%以下の量で使用される。
水素化の後、水素化触媒は、例えば濾過などの公知の技術によって水素化生成物から除去することができる。いくつかの実施形態では、水素化触媒は、Sparkler Filters,Inc.(Conroe Tex)より市販されているもののような板枠式圧濾機を使用して除去される。いくつかの実施形態では、濾過は、圧力又は真空を用いて行われる。濾過性能を向上させるために濾過助剤を使用してもよい。濾過助剤はメタセシス化された生成物に直接添加してもよく、又はフィルターに適用してもよい。濾過助剤の代表的な例としては、珪藻土、シリカ、アルミナ、及び炭素が挙げられる。一般的に、濾過助剤は、約10重量%以下、例えば、約5重量%以下、又は約1重量%以下の量で使用される。使用済みの水素化触媒を除去するために、他の濾過技術及び濾過助剤を使用することもできる。他の実施形態では、水素化触媒は、遠心分離を用いた後、生成物をデカンテーションすることによって除去される。
潜在的な加工助剤及び/又は不純物
不飽和ポリオールエステル、特に天然供給源に由来するか又は天然供給源から合成されたものは、広範囲の微量成分及び不純物を含有することが当業者に公知である。これらは、トコフェロール、カロテン、遊離脂肪酸、遊離グリセリン、ステロール、グルコシノレート、リン脂質、過酸化物、アルデヒド、及び他の酸化生成物などを含み得る。広範囲にわたる天然油中に存在する不純物及び反応生成物は、「Bailey’s Industrial Oil and Fat Products」、第5版、Y.H.Hui,Ed.,Wiley(1996)及びその中に引用されている参照文献;「Lipid Analysis in Oil and Fats」、R.J.Hamilton,Ed.,Chapman Hall(1998)及びその中に引用されている参照文献;並びに「Flavor Chemistry of Fats and Oils」、D.B.Min and T.H.Smouse,Ed.,American Oil Chemists Society(1985)及びその中に引用されている参照文献に記載されている。
特許請求され、本明細書に記載されるグリセリドコポリマーを作製するこれら方法のいずれかの結果、最終グリセリドコポリマー中に、そして、グリセリドコポリマーを使用した結果としての、請求され、本明細書に記載される組成物/消費者製品中に不純物が存在し得ることが当業者に理解される。これらの非限定例としては、本明細書に記載される金属及び配位子を含むメタセシス触媒;シリカ又はアルミナを含む固定化触媒担体;還元剤、カチオン−無機塩基組成物、及び吸着剤を含む油前処理剤;油熱前処理から生じる構造物;芳香族炭化水素、ハロゲン化芳香族炭化水素、脂肪族溶媒、及び塩素化アルカンなどの溶媒を含む加工助剤;ヘキサン、ノネン、ドデセン、及びシクロヘキサジエンを含む脂肪族オレフィン;吸着剤、例えば、粘土、炭素、シリカ、シリカアルミナ、アルミナ、粘土、ケイ酸マグネシウム、合成シリカ、珪藻土、ポリスチレン、マクロ孔質ポリマー(MP)樹脂、又はトリスヒドロキシメチルホスフィン(THMP)などの水溶性ホスフィン試薬などを含む触媒死滅剤及び/又は触媒除去剤;水、アルコール(例えば、メタノール、エタノールなど)、エチレングリコール、グリセロール、DMF、ポリエチレングリコール及び/若しくはグリムを含むがこれらに限定されない、多官能性極性化合物、又はイオン性液体を含む極性溶媒;亜リン酸エステル加水分解副生成物;本明細書に記載される金属及び配位子を含む水素化触媒;多孔質シリカ又はアルミナを含む固定化水素化触媒担体;水素化触媒を保護、活性化、及び/又は除去するのに必要な補助剤;並びに/又は水が挙げられる。
請求され、本明細書に記載されるグリセリドコポリマーは、以下の加工助剤及び/又は不純物を含有し得る:
表2グリセリドコポリマーから作製される消費者製品中の潜在的加工助剤及び/又は不純物
以下の加工助剤及び/又は不純物は、本明細書に提供されるレベルで、グリセリドコポリマーの使用の結果としての、請求され、本明細書に記載される組成物/消費者製品に持ち込まれ得る又は保管中に生成し得る:
B.界面活性剤
ヘアケア組成物は、洗浄性界面活性剤を含んでよく、これは、組成物に洗浄性能をもたらす。次に、洗浄性界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、若しくは双性イオン性界面活性剤、又はこれらの混合物を含む。洗浄性界面活性剤の種々の例及び説明が、米国特許第6,649,155号、米国特許出願公開第2008/0317698号、及び米国特許出願公開第2008/0206355号に記述されており、これらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
ヘアケア組成物中の洗浄性界面活性剤成分の濃度は、所望の洗浄及び泡立ち性能を提供するのに十分でなければならず、一般に、約2重量%〜約50重量%、約5重量%〜約30重量%、約8重量%〜約25重量%、又は約10重量%〜約20重量%の範囲である。したがって、ヘアケア組成物は、例えば、約5重量%、約10重量%、約12重量%、約15重量%、約17重量%、約18重量%、又は約20重量%の量の洗浄性界面活性剤を含んでよい。
本組成物で用いるのに好適なアニオン性界面活性剤は、アルキル及びアルキルエーテルサルフェートである。他の好適なアニオン性界面活性剤は、有機硫酸反応生成物の水溶性の塩である。更に他の好適なアニオン性界面活性剤は、イセチオン酸でエステル化されかつ水酸化ナトリウムで中和された脂肪酸の反応生成物である。他の同様なアニオン性界面活性剤は、米国特許第2,486,921号、同第2,486,922号、及び同第2,396,278号に記載されており、参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる。
ヘアケア組成物で用いられる例示的なアニオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエチルアミン、ラウレス硫酸トリエチルアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウレス硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸ジエタノールアミン、ラウレス硫酸ジエタノールアミン、ラウリルモノグリセリド硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウレス硫酸カリウム、ナトリウムラウリルサルコシネート、ナトリウムラウロイルサルコシネート、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、ココイル硫酸アンモニウム、ラウロイル硫酸アンモニウム、ココイル硫酸ナトリウム、ラウロイル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ココイル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、及びこれらの組み合わせが挙げられる。更なる実施形態では、アニオン性界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム又はラウレス硫酸ナトリウムである。
本明細書におけるヘアケア組成物で用いるのに好適な両性又は双性イオン性の界面活性剤としては、ヘアケア又は他のパーソナルケアクレンジングにおける使用について公知のものが挙げられる。そのような両性界面活性剤の濃度は、約0.5重量%〜約20重量%、及び約1重量%〜約10重量%の範囲である。好適な双性イオン性又は両性界面活性剤の非限定的な例が、米国特許第5,104,646号及び同第5,106,609号に記載されており、参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる。
ヘアケア組成物で用いるのに好適な両性洗浄性界面活性剤としては、脂肪族ラジカルが直鎖又は分枝鎖であってよく、脂肪族置換基のうちの1つが、約8〜約18個の炭素原子を含有し、1つが、カルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネートなどのアニオン性基を含有する、脂肪族二級及び三級アミンの誘導体として広く記載されている界面活性剤が挙げられる。本ヘアケア組成物で用いるための例示的な両性洗浄性界面活性剤としては、ココアンホアセテート、ココアンホジアセテート、ラウロアンホアセテート、ラウロアンホジアセテート、及びこれらの混合物が挙げられる。
ヘアケア組成物で用いるのに好適な双性イオン性洗浄性界面活性剤としては、脂肪族ラジカルが直鎖又は分枝鎖であってよく、脂肪族置換基のうちの1つが、約8〜約18個の炭素原子を含有し、1つが、カルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネートなどのアニオン性基を含有する、脂肪族四級アンモニウム、ホスホニウム、及びスルホニウム化合物の誘導体として広く記載されている界面活性剤が挙げられる。別の実施形態では、ベタインなどの双性イオンが選択される。
組成物において用いるのに好適なその他のアニオン性、双性イオン性、両性、又は任意の追加の界面活性剤の非限定例は、McCutcheon著、Emulsifiers and Detergents,1989年版、M.C.Publishing Co.刊、並びに米国特許第3,929,678号、同第2,658,072号、同第2,438,091号、同第2,528,378号において記載されており、参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる。
C.水性キャリア
ヘアケア組成物は、(周囲条件下で)注ぐことが可能な液体の形態であってよい。したがって、このような組成物は典型的には、キャリアを含み、これは約20重量%〜約95重量%、又は更には約60重量%〜約85重量%の濃度で存在する。キャリアは、水、又は水と有機溶媒との混和性混合物を含んでもよいが、1つの態様では、他の構成要素の微量成分として組成物中に偶発的に組み込まれる場合を除き、最小限の有機溶媒しか含まないか又は著しい濃度の有機溶媒を含まない水を含んでよい。
ヘアケア組成物の実施形態において有用なキャリアとしては、水並びに低級アルキルアルコール及び多価アルコールの水溶液が挙げられる。本明細書で有用な低級アルキルアルコールは、1〜6個の炭素を有する一価アルコール、一態様では、エタノール及びイソプロパノールである。本明細書で有用な例示的な多価アルコールとしては、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、及びプロパンジオールが挙げられる。
D.更なる任意成分
ヘアケア組成物は、追加成分が製品の安定性、審美性、又は性能を過度に損なわない限り、ヘアケア又はパーソナルケア製品で用いるための公知の追加成分を1つ以上更に含んでもよい。このような任意成分は、最も典型的には、CTFA Cosmetic Ingredient Handbook、第2版、The Cosmetic,Toiletries,and Fragrance Association,Inc.1988,1992などの参考文献に記載されているものである。このような追加成分の個々の濃度は、パーソナルケア組成物の約0.001重量%〜約10重量%の範囲であり得る。
ヘアケア組成物で用いるための追加成分の非限定的な例としては、コンディショニング剤(例えばシリコーン、炭化水素油、脂肪酸エステル)、天然カチオン性付着ポリマー、合成カチオン性付着ポリマー、ふけ防止剤、粒子、懸濁剤、パラフィン系炭化水素、噴射剤、粘度調整剤、染料、不揮発性溶媒又は希釈剤(水溶性及び水不溶性)、真珠光沢助剤、起泡剤、追加の界面活性剤又は非イオン性補助界面活性剤、シラミ駆除剤、pH調整剤、香料、保存剤、タンパク質、皮膚活性剤、日焼け止め剤、UV吸収剤、及びビタミンが挙げられる。
1.コンディショニング剤
1つの実施形態では、ヘアケア組成物は、1つ以上のコンディショニング剤を含む。コンディショニング剤としては、毛髪及び/又は皮膚に特定のコンディショニング効果を与えるために使用される物質が挙げられる。ヘアケア組成物において有用なコンディショニング剤は、典型的には、乳化液体粒子を形成する水不溶性で水分散性の不揮発性液体を含む。ヘアケア組成物において用いるのに好適なコンディショニング剤は、一般に、シリコーン(例えば、シリコーンオイル、カチオン性シリコーン、シリコーンゴム、高屈折率シリコーン、及びシリコーン樹脂)、有機コンディショニングオイル(例えば、炭化水素油、ポリオレフィン、及び脂肪酸エステル)、若しくはこれらの組み合わせを特徴とするコンディショニング剤、又は他の方法で水性界面活性剤マトリックス中に液体分散粒子を形成するコンディショニング剤である。
1つ以上のコンディショニング剤は、組成物の約0.01重量%〜約10重量%、あるいは約0.1重量%〜約8重量%、あるいは約0.2重量%〜約4重量%で存在する。
a.シリコーン
ヘアケア組成物のコンディショニング剤は、不溶性シリコーンコンディショニング剤であってよい。シリコーンコンディショニング剤粒子は、揮発性シリコーン、不揮発性シリコーン、又はこれらの組み合わせを含んでよい。揮発性シリコーンが存在する場合、典型的には、シリコーンゴム及び樹脂などの市販の形態の不揮発性シリコーン物質成分用の溶媒又はキャリアとしての使用に付随するものである。シリコーンコンディショニング剤粒子は、シリコーン流体コンディショニング剤を含んでよく、シリコーン流体の付着効率を改善するか又は毛髪の光沢を高めるために、シリコーン樹脂などの他の成分を更に含んでもよい。
シリコーンコンディショニング剤の濃度は、典型的に、組成物の約0.01重量%〜約10重量%、あるいは約0.1重量%〜約8重量%、あるいは約0.1重量%〜約5重量%、あるいは約0.2重量%〜約3重量%の範囲である。好適なシリコーンコンディショニング剤、及びシリコーン用の任意選択の懸濁化剤の非限定的な例が、米国再発行特許第34,584号、米国特許第5,104,646号、及び米国特許第5,106,609号に記載されており、これらの記載を参照により本明細書に組み込まれる。ヘアケア組成物において使用するためのシリコーンコンディショニング剤は、25℃で測定したとき、約20〜約2,000,000平方ミリメートル/秒(「mm2/s」)、あるいは約1,000〜約1,800,000mm2/s、あるいは約50,000〜約1,500,000mm2/s、あるいは約100,000〜約1,500,000mm2/s(約20〜約2,000,000センチストークス(「cSt」)、あるいは約1,000〜約1,800,000cSt、あるいは約50,000〜約1,500,000cSt、あるいは約100,000〜約1,500,000cSt)の粘度を有し得る。
分散したシリコーンコンディショニング剤粒子は、典型的には、約0.01マイクロメートル〜約50マイクロメートルの範囲の体積平均粒径を有する。小さな粒子を毛髪に塗布するには、体積平均粒径は、典型的に、約0.01マイクロメートル〜約4マイクロメートル、あるいは約0.01マイクロメートル〜約2マイクロメートル、あるいは約0.01マイクロメートル〜約0.5マイクロメートルの範囲である。より大きい粒子を毛髪に塗布するには、体積平均粒径は、典型的に、約5マイクロメートル〜約125マイクロメートル、あるいは約10マイクロメートル〜約90マイクロメートル、あるいは約15マイクロメートル〜約70マイクロメートル、あるいは約20マイクロメートル〜約50マイクロメートルの範囲である。
シリコーン流体、ゴム、及び樹脂、並びにシリコーンの製造について議論する項を含むシリコーンに関する参考資料は、Encyclopedia of Polymer Science and Engineering,vol.15,2d ed.,pp 204〜308,John Wiley & Sons,Inc.(1989)に見られ、これは参照により本明細書に組み込まれる。
i.シリコーンオイル
シリコーン流体はシリコーンオイルを含み、これは、25℃で測定したとき、1,000,000mm2/s未満、あるいは約5mm2/s〜約1,000,000mm2/s、あるいは約100mm2/s〜約600,000mm2/s(1,000,000cSt未満、あるいは約5cSt〜約1,000,000cSt、あるいは約100cSt〜約600,000cSt)の粘度を有する流動性のシリコーン材料である。ヘアケア組成物で用いるのに好適なシリコーンオイルとしては、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、ポリエーテルシロキサンコポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。毛髪コンディショニング特性を有する他の不溶性不揮発性シリコーン流体を使用してもよい。
シリコーンオイルとしては、以下の式(I)に一致するポリアルキル又はポリアリールシロキサンが挙げられる:
(式中、Rは、脂肪族、いくつかの実施形態では、アルキル、アルケニル、又はアリールであり、Rは置換又は非置換であってよく、xは1〜約8,000の整数である)。組成物で用いるのに好適なR基としては、アルコキシ、アリールオキシ、アルカリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アルカミノ、並びにエーテル置換、ヒドロキシル置換、及びハロゲン置換脂肪族及びアリール基が挙げられるが、これらに限定されない。また、好適なR基としては、カチオン性アミン及び四級アンモニウム基が挙げられる。
可能性のあるアルキル及びアルケニル置換基としては、C1〜C5、あるいはC1〜C4、あるいはC1〜C2アルキル及びアルケニルが挙げられる。他のアルキル−、アルケニル−、又はアルキニル含有基(例えば、アルコキシ、アルカリール、及びアルカミノ)の脂肪族部分は、直鎖であっても分枝鎖であってもよく、C1〜C5、あるいはC1〜C4、あるいはC1〜C3、あるいはC1〜C2であってよい。上述のとおり、R置換基は、アミノ官能基(例えば、アルカミノ基)を含有してもよく、これは一級、二級若しくは三級アミン又は四級アンモニウムであってよい。これらとしては、モノ−、ジ−、及びトリ−アルキルアミノ並びにアルコキシアミノ基が挙げられ、ここで、脂肪族部分の鎖長は、本明細書に記載されているとおりであってよい。
ii.アミノ及びカチオン性シリコーン
組成物で用いるのに好適なカチオン性シリコーン流体としては、一般式(II)に一致するものが挙げられるが、これらに限定されない:
(R1)aG3−a−Si−−(−−OSiG2)n−(−−OSiGb(R1)2−b)m−−O−−SiG3−a(R1)a
[式中、Gは、水素、フェニル、ヒドロキシ、又はC1〜C8アルキル、いくつかの実施形態では、メチルであり、aは、0、又1〜3の値を有する整数であり、bは、0又は1であり、nは、0〜1,999、あるいは49〜499の数であり、mは、1〜2,000、あるいは1〜10の整数であり、n及びmの合計は、1〜2,000、あるいは50〜500の数であり、R1は、一般式CqH2qL[式中、qは、2〜8の値を有する整数であり、Lは、以下の基:
−−N(R2)CH2−−CH2−−N(R2)2
−−N(R2)2
−−N(R2)3A−
−−N(R2)CH2−−CH2−−NR2H2A−
(式中、R2は、水素、フェニル、ベンジル、又は飽和炭化水素ラジカル、いくつかの実施形態では、約C1〜約C20のアルキルラジカルであり、A−は、ハロゲン化物イオンである)から選択される]に一致する一価ラジカルである]。
一実施形態では、式(II)に対応するカチオン性シリコーンは、式(III)において以下に示す、「トリメチルシリルアモジメチコン」として知られているポリマーである:
ヘアケア組成物で使用し得る他のシリコーンカチオン性ポリマーは、一般式(IV)で表される:
(式中、R
3は、C
1〜C
18の一価炭化水素ラジカルであり、いくつかの実施形態では、アルキル又はアルケニルラジカル、例えばメチルであり、R
4は、炭化水素ラジカルであり、いくつかの実施形態では、C
1〜C
18アルキレンラジカル、又は、C
10〜C
18アルキレンオキシラジカル、あるいはC
1〜C
8アルキレンオキシラジカルであり、Q
−は、ハロゲン化物イオンであり、いくつかの実施形態では塩化物であり、rは、2〜20の平均統計値であり、いくつかの実施形態では2〜8であり、sは、20〜200の平均統計値であり、いくつかの実施形態では20〜50である)。このクラスの1つのポリマーは、Union Carbideから入手可能なUCARE SILICONE ALE 56(登録商標)として既知である。
iii.シリコーンゴム
ヘアケア組成物で用いるのに好適な他のシリコーン流体は、不溶性シリコーンゴムである。これらゴムは、25℃で測定したとき、1,000,000mm2/s(1,000,000cSt)以上の粘度を有するポリオルガノシロキサン材料である。シリコーンゴムは、米国特許第4,152,416号;Noll and Walter,Chemistry and Technology of Silicones,New York:Academic Press(1968);また、General Electric Silicones Rubber Product Data Sheets SE30、SE33、SE54、及びSE76に記載され、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。ヘアケアで用いるためのシリコーンゴムの非限定的な具体例としては、ポリジメチルシロキサン、(ポリジメチルシロキサン)(メチルビニルシロキサン)コポリマー、ポリ(ジメチルシロキサン)(ジフェニルシロキサン)(メチルビニルシロキサン)コポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。
iv.高屈折率シリコーン
ヘアケア組成物において用いるのに好適な他の不揮発性不溶性シリコーン流体コンディショニング剤は、少なくとも約1.46、あるいは少なくとも約1.48、あるいは少なくとも約1.52、あるいは少なくとも約1.55の屈折率を有する「高屈折率シリコーン」として知られているものである。ポリシロキサン流体の屈折率は、一般に約1.70未満、典型的には約1.60未満である。この文脈において、ポリシロキサン「流体」としては、油及びゴムが挙げられる。高屈折率ポリシロキサン流体としては、上記一般式(I)によって表されるもの、及び下記式(V)によって表されるものなどの環状ポリシロキサンが挙げられる:
(式中、Rは上記に定義されたとおりであり、nは、約3〜約7、あるいは約3〜約5の数である)。
高屈折率ポリシロキサン流体は、本明細書に記載する所望のレベルまで屈折率を増大させるのに十分な量のアリール含有R置換基を含有する。更に、R及びnは、物質が不揮発性になるように選択してよい。
アリール含有置換基としては、脂環式及び複素環式の5員及び6員アリール環を含有するもの、並びに5員又は6員縮合環を含有するものが挙げられる。アリール環自体は、置換されていてもよく、されていなくてもよい。
一般に、高屈折率ポリシロキサン流体は、少なくとも約15%、あるいは少なくとも約20%、あるいは少なくとも約25%、あるいは少なくとも約35%、あるいは少なくとも約50%のアリール含有置換度を有する。典型的には、アリール置換度は、約90%未満、より一般的には約85%未満、あるいは約55%〜約80%である。いくつかの実施形態では、高屈折率ポリシロキサン流体は、フェニル又はフェニル誘導体置換基と、アルキル置換基、いくつかの実施形態では、C1〜C4アルキル、ヒドロキシ、又はC1〜C4アルキルアミノ(特に、−R4NHR5NH2(式中、各R4及びR5は、独立して、C1〜C3アルキル、アルケニル、及び/又はアルコキシである))との組み合わせを有する。
高屈折率シリコーンをヘアケア組成物で用いる場合、こらは、表面張力を低減するために、展着を増強し、それによって組成物で処理された毛髪の(乾燥後の)光沢を強化するのに十分な量で、シリコーン樹脂又は界面活性剤などの展着剤を含む溶液中で用いてよい。
ヘアケア組成物で用いるのに好適なその他のシリコーン流体は、米国特許第2,826,551号、同第3,964,500号、同第4,364,837号、英国特許第849,433号、及びSilicon Compounds,Petrarch Systems,Inc.(1984)に開示されており、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。
v.シリコーン樹脂
シリコーン樹脂が、ヘアケア組成物のシリコーンコンディショニング剤に含まれていてもよい。これら樹脂は、高度に架橋したポリマーシロキサン系である。架橋は、シリコーン樹脂の製造中に、三官能性及び四官能性シランを単官能性若しくは二官能性又はこれら両方のシランと共に組み込むことによって導入される。
具体的には、シリコーン物質及びシリコーン樹脂は、「MDTQ」命名法として当業者に知られている省略命名法のシステムによって便利に同定することができる。このシステムでは、シリコーンは、シリコーンを構成する様々なシロキサンモノマー単位の存在に従って記載される。要約すると、記号Mは、単官能性単位(CH3)3SiO0.5を表し、Dは、二官能性単位(CH3)2SiOを表し、Tは、三官能性単位(CH3)SiO1.5を表し、Qは、クァドラ(quadra)又は四官能性単位SiO2を表す。ダッシュ記号の付いた単位記号(例えば、M’、D’、T’、及びQ’)は、メチル以外の置換基を表しており、出現の度に具体的に規定されなければならない。
ヘアケア組成物で用いるためのシリコーン樹脂としては、MQ、MT、MTQ、MDT及びMDTQ樹脂が挙げることができるが、これらに限定されない。メチルは、可能性のあるシリコーン置換基である。いくつかの実施形態では、シリコーン樹脂は、M:Q比が約0.5:1.0〜約1.5:1.0であり、シリコーン樹脂の平均分子量が約1000〜約10,000であるMQ樹脂である。
使用されるとき、屈折率が1.46未満の不揮発性シリコーン流体のシリコーン樹脂成分に対する重量比は、特に、シリコーン流体成分が本明細書に記載するとおりポリジメチルシロキサン流体であるか又はポリジメチルシロキサン流体とポリジメチルシロキサンゴムとの混合物である場合、約4:1〜約400:1、あるいは約9:1〜約200:1、あるいは約19:1〜約100:1であってよい。シリコーン樹脂が、本発明の組成物中でシリコーン流体、即ち、コンディショニング活性物質と同じ相の一部を形成する限り、組成物中のシリコーンコンディショニング剤のレベルを決定する際には、流体及び樹脂の合計が含まれなければならない。
b.有機コンディショニングオイル
ヘアケア(hair care hair care)組成物のコンディショニング剤は、単独で又は上記シリコーンなどのその他のコンディショニング剤と組み合わせて、少なくとも1つの有機コンディショニングオイルを含んでもよい。
i.炭化水素油
ヘアケア組成物でコンディショニング剤として用いるのに好適な有機コンディショニングオイルとしては、少なくとも約10個の炭素原子を有する炭化水素油、例えば、環状炭化水素、直鎖脂肪族炭化水素(飽和又は不飽和)、及び分枝鎖脂肪族炭化水素(飽和又は不飽和)(これらのポリマー及びこれらの混合物を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。直鎖炭化水素油は、約C12〜約C19であってよい。分枝鎖炭化水素油(炭化水素ポリマーを含む)は、典型的に、19個超の炭素原子を含有する。
ii.ポリオレフィン
ヘアケア組成物で使用するための有機コンディショニングオイルは、液体ポリオレフィン、あるいは液体ポリ−α−オレフィン、あるいは水素添加された液体ポリ−α−オレフィンを含んでもよい。本明細書で用いるためのポリオレフィンは、C4〜約C14の、いくつかの実施形態では、約C6〜約C12のオレフィン系モノマーを重合させることによって調製される。
iii.脂肪酸エステル
ヘアケア組成物においてコンディショニング剤として用いるのに好適な他の有機コンディショニングオイルとしては、少なくとも10個の炭素原子を有する脂肪酸エステルが挙げられる。これら脂肪酸エステルとしては、脂肪酸又はアルコールに由来するヒドロカルビル鎖を有するエステルが挙げられる。本発明の脂肪酸エステルのヒドロカルビルラジカルは、アミド及びアルコキシ部分(例えば、エトキシ又はエーテル結合等)など、他の適合性官能基を含んでいてもよく、それに共有結合していてもよい。
iv.フッ素化コンディショニング化合物
有機コンディショニングオイルとして毛髪又は皮膚にコンディショニング効果を送達するのに好適なフッ素化化合物としては、ペルフルオロポリエーテル、ペルフルオロ化オレフィン、既に記載したシリコーン流体に類似する流体又はエラストマー形態であってよいフッ素系の特定のポリマー、及びペルフルオロ化ジメチコーンが挙げられる。
v.脂肪族アルコール
パーソナルケアヘアケア組成物において用いるのに好適な他の有機コンディショニングオイルとしては、少なくとも約10個の炭素原子、あるいは約10〜約22個の炭素原子、あるいは約12〜約16個の炭素原子を有する脂肪族アルコールが挙げられるが、これらに限定されない。
vi.アルキルグルコシド及びアルキルグルコシド誘導体
パーソナルケアヘアケア組成物で用いるのに好適な有機コンディショニングオイルとしては、アルキルグルコシド及びアルキルグルコシド誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。好適なアルキルグルコシド及びアルキルグルコシド誘導体の非限定的な具体例としては、Amercholから市販されているGlucam E−10、Glucam E−20、Glucam P−10、及びGlucquat125が挙げられる。
c.他のコンディショニング剤
i.四級アンモニウム化合物
パーソナルケアヘアケア組成物でコンディショニング剤として用いるのに好適な四級アンモニウム化合物としては、アミド部分のようなカルボニル部分、若しくはリン酸エステル部分、又は類似の親水性部分を有する長鎖置換基を有する親水性四級アンモニウム化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
有用な親水性四級アンモニウム化合物の例としては、CTFA Cosmetic Dictionaryにリシノールアミドプロピルトリモニウムクロリド、リシノールアミドトリモニウムエチルサルフェート、ヒドロキシステアラミドプロピルトリモニウムメチルサルフェート、及びヒドロキシステアラミドプロピルトリモニウムクロリドとして記載される化合物、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
ii.ポリエチレングリコール
コンディショニング剤として本明細書において有用な追加の化合物としては、CTFA名称がPEG−200、PEG−400、PEG−600、PEG−1000、PEG−2M、PEG−7M、PEG−14M、PEG−45Mであるもの、及びこれらの混合物などの、約2,000,000以下の分子量を有するポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールが挙げられる。
iii.カチオン性付着ポリマー
ヘアケア組成物は、カチオン性付着ポリマーを更に含んでもよい。任意の公知の天然又は合成カチオン性付着ポリマーを本明細書で使用してよい。例としては、全体が参照として本明細書に組み込まれる米国特許第6,649,155号、米国特許出願公開第2008/0317698号、同第2008/0206355号、及び同第2006/0099167号に開示されている。
カチオン性付着ポリマーは、ヘアケア組成物の効果を提供することを考慮して、約0.01重量%〜約1重量%、1つの実施形態では約0.05重量%〜約0.75重量%、別の実施形態では約0.25重量%〜約0.50重量%の濃度で組成物中に含まれる。
カチオン性付着ポリマーは、電荷密度が約0.5ミリ当量/グラム〜約12ミリ当量/グラムの水溶性ポリマーである。組成物で用いられるカチオン性付着ポリマーは、約100,000ダルトン〜約5,000,000ダルトンの分子量を有する。カチオン性付着ポリマーは、低電荷密度、中電荷密度、又は高電荷密度のカチオン性ポリマーである。
これらのカチオン性付着ポリマーは、(a)カチオン性グアーポリマー、(b)カチオン性非グアーポリマー、(c)カチオン性タピオカポリマー、(d)アクリルアミドモノマーとカチオン性モノマーとのカチオン性コポリマー、及び/又は(e)洗浄性界面活性剤と組み合わせた際にリオトロピック液晶を形成する、合成非架橋カチオン性ポリマーのうちの少なくとも1つを含んでよい。更に、カチオン性付着ポリマーは、付着ポリマーの混合物であってよい。
(1)カチオン性グアーポリマー
一実施形態によれば、カチオン性グアーポリマーは、約1,000,000g/mol未満の重量平均分子量を有し、約0.1meq/g〜約2.5meq/gの電荷密度を有する。ある実施形態では、カチオン性グアーポリマーは、900,000g/mol未満、又は約150,000〜約800,000g/mol、又は約200,000〜約700,000g/mol、又は約300,000〜約700,000g/mol、又は約400,000〜約600,000g/mol、約150,000〜約800,000g/mol、又は約200,000〜約700,000g/mol、又は約300,000〜約700,000g/mol、又は約400,000〜約600,000g/molの重量平均分子量を有する。1つの実施形態では、カチオン性グアーポリマーは、約0.2〜約2.2meq/g、又は約0.3〜約2.0meq/g、又は約0.4〜約1.8meq/g、又は約0.5meq/g〜約1.5meq/gの電荷密度を有する。
ある実施形態では、本組成物は、カチオン性グアーポリマー(a)を、その組成物全体の、約0.01重量%〜約0.6重量%未満、又は約0.04重量%〜約0.55重量%、又は約0.08重量%〜約0.5重量%、又は約0.16重量%〜約0.5重量%、又は約0.2重量%〜約0.5重量%、又は約0.3重量%〜約0.5重量%、又は約0.4重量%〜約0.5重量%含む。
好適なカチオン性グアーポリマーとしては、グアーヒドロキシプロピル塩化トリモニウムなどのカチオン性グアーガム誘導体が挙げられる。ある実施形態では、カチオン性グアーポリマーは、グアーヒドロキシプロピル塩化トリモニウムである。グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドの具体的な例としては、Rhone−Poulenc Incorporatedから市販されているJaguar(登録商標)シリーズ、例えば、Rhodiaから市販されているJaguar(登録商標)C−500が挙げられる。Jaguar(登録商標)C−500は、0.8meq/gの電荷密度及び500,000g/molの分子量を有する。約1.1meq/gの電荷密度及び約500,000g/モルの分子量を有する別のグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドが、Ashlandから入手可能である。約1.5meq/gの電荷密度及び約500,000g/モルの分子量を有する更なるグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドは、Ashlandから入手可能である。
他の好適なポリマーとしては、約0.7meq/gの電荷密度及び約600,000g/モルの分子量を有し、Rhodiaから入手可能であるHi−Care1000;約0.7meq/gの電荷密度及び約425,000g/モルの分子量を有し、Ashlandから入手可能であるN−Hance3269及びN−Hance3270;約0.9meq/gの電荷密度及び約50,000g/モルの分子量を有し、Ashlandから入手可能であるAquaCat CG518が挙げられる。更なる非限定的な例は、Ashland製のN−Hance 3196である。
(2)カチオン性非グアーポリマー
本発明のシャンプー組成物は、モノマー対モノマー基準でマンノースのガラクトースに対する比が2:1超であるガラクトマンナンポリマー誘導体を含み、当該ガラクトマンナンポリマー誘導体は、カチオン性ガラクトマンナンポリマー誘導体、及び正味の正電荷を有する両性ガラクトマンナンポリマー誘導体からなる群から選択される。本明細書で使用するとき、用語「カチオン性ガラクトマンナン」とは、カチオン性基が付加されたガラクトマンナンポリマーを指す。用語「両性ガラクトマンナン」とは、ポリマーが正味の正電荷を有するように、カチオン性基及びアニオン性基が付加されたガラクトマンナンポリマーを指す。
本発明のシャンプー組成物で用いるためのガラクトマンナンポリマー誘導体は、約1,000〜約10,000,000の分子量を有する。本発明の1つの実施形態では、ガラクトマンナンポリマー誘導体は、約5,000〜約3,000,000の分子量を有する。本明細書で使用するとき、用語「分子量」とは、重量平均分子量を指す。重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定され得る。
本発明のシャンプー組成物は、約0.9meq/g〜約7meq/gのカチオン電荷密度を有するガラクトマンナンポリマー誘導体を含む。本発明の一実施形態では、ガラクトマンナンポリマー誘導体は、約1meq/g〜約5meq/gのカチオン電荷密度を有する。ガラクトマンナン構造へのカチオン性基の置換度は、必要なカチオン電荷密度をもたらすのに十分でなければならない。
(3)カチオン変性デンプンポリマー
本発明のシャンプー組成物は、水溶性カチオン変性デンプンポリマーを含む。本明細書で使用するとき、用語「カチオン性加工デンプン」とは、デンプンがより小さい分子量に分解される前にカチオン性基が付加されたデンプン、又はデンプンの変性後にカチオン性基が付加されて所望の分子量に達したデンプンを指す。用語「カチオン性加工デンプン」の定義には、両性変性デンプンも含まれる。用語「両性変性デンプン」とは、カチオン性基及びアニオン性基が付加されたデンプン加水分解物を指す。
本発明のシャンプー組成物は、組成物の約0.01重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.05重量%〜約5重量%の範囲のカチオン変性デンプンポリマーを含む。
これらのアンモニウム基の非限定的な例としては、ヒドロキシプロピルトリモニウムクロライド、トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウムクロライド、ジメチルステアリルヒドロキシプロピルアンモニウムクロライド、及びジメチルドデシルヒドロキシプロピルアンモニウムクロライドなどの置換基を挙げることができる。Solarek,D.B.,Cationic Starches in Modified Starches:Properties and Uses,Wurzburg,O.B.,Ed.,CRC Press,Inc.(Boca Raton,Fla.),1986,pp 113〜125を参照のこと。カチオン性基は、より小さな分子量に分解される前にデンプンに付加されてもよく、又は、カチオン性基は、このような変性の後に付加されてもよい。
化学修飾前のデンプン源は、塊茎、マメ科植物、穀草及び穀物などの様々な供給源から選択することができる。この供給源のデンプンの非限定的な例としては、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、ワキシーコーンスターチ、オートムギデンプン、キャッサバデンプン、もち麦、もち米(waxy rice)デンプン、グルテン状ライススターチ、もち米(sweet rice)デンプン、アミオカ、バレイショデンプン、タピオカデンプン、オートムギデンプン、サゴデンプン、もち米、又はこれらの混合物を挙げることができる。タピオカデンプンが好ましい。
本発明の一実施形態では、カチオン変性デンプンポリマーは、分解されたカチオン性トウモロコシデンプン、カチオン性タピオカ、カチオン性ポテトデンプン、及びこれらの混合物から選択される。別の実施形態では、カチオン変性デンプンポリマーは、カチオン性コーンスターチ及びカチオン性タピオカである。カチオン性タピオカデンプンが好ましい。
別の実施形態では、カチオン性付着ポリマーは、天然由来のカチオン性ポリマーである。本明細書で使用するとき、用語「天然由来のカチオン性ポリマー」とは、天然源から得られるカチオン性付着ポリマーを指す。天然資源は、多糖ポリマーであってもよい。したがって、天然由来カチオン性ポリマーは、デンプン、グアー、セルロース、カッシア、イナゴマメ、コンニャク、タラ、ガラクトマンナン、及びタピオカを含む群から選択され得る。更なる実施形態では、カチオン性付着ポリマーは、Jaguar(登録商標)C17、カチオン性タピオカデンプン(Akzo)、及びこれらの混合物から選択される。
(4)アクリルアミドモノマーとカチオン性モノマーとのカチオン性コポリマー
本発明のある実施形態によれば、シャンプー組成物は、アクリルアミドモノマーとカチオン性モノマーとのカチオン性コポリマーであって、約1.0meq/g〜約3.0meq/gの電荷密度を有する、カチオン性コポリマーを含む。ある実施形態では、カチオン性コポリマーは、アクリルアミドモノマーとカチオン性モノマーとの合成カチオン性コポリマーである。
ある実施形態では、カチオン性コポリマー(b)は、アクリルアミドと1,3−プロパンジアミニウム,N−[2−[[[ジメチル[3−[(2−メチル−1−オキソ−2−プロペニル)アミノ]プロピル]アンモニオ]アセチル]アミノ]エチル]2−ヒドロキシ−N,N,N’,N’,N’−ペンタメチル−トリクロリドとのコポリマーであるAM:TRIQUATであり得る。AM:TRIQUATはまた、ポリクオタニウム76(PQ76)としても知られている。AM:TRIQUATは、1.6meq/gの電荷密度及び1,100,000g/モルの分子量を有し得る。
ある実施形態では、カチオン性コポリマーは、トリメチルアンモニオプロピルメタクリルアミドクロリド−N−アクリルアミドコポリマーであり、これは、AM:MAPTACとしても知られている。AM:MAPTACは、約1.3meq/gの電荷密度及び約1,100,000g/モルの分子量を有し得る。ある実施形態では、カチオン性コポリマーはAM:ATPACである。AM:ATPACは、約1.8meq/gの電荷密度及び約1,100,000g/モルの分子量を有し得る。
(5)カチオン性合成ポリマー
本明細書に記載されるカチオン性ポリマーは、ダメージヘア、特に化学的に処理された毛髪に、代用の疎水性F層をもたらすのに役立つ。リオトロピック液晶は、本明細書に記載する合成カチオン性ポリマーをシャンプー組成物の前述のアニオン性洗浄性界面活性剤成分と合わせることにより形成される。合成カチオン性ポリマーの電荷密度は比較的高い。カチオン電荷密度が比較的高い一部の合成ポリマーは、主としてそれらの異常な線形の電荷密度のためにリオトロピック液晶を形成しないことに留意されたい。このような合成カチオン性ポリマーは、国際公開第94/06403号(Reichら)に記載されている。
カチオン性ポリマーの濃度は、シャンプー組成物の約0.025重量%〜約5重量%、好ましくは約0.1重量%〜約3重量%、より好ましくは約0.2重量%〜約1重量%の範囲である。
カチオン性ポリマーは、約2meq/gm〜約7meq/gm、好ましくは約3meq/gm〜約7meq/gm、より好ましくは約4meq/gm〜約7meq/gmのカチオン電荷密度を有する。いくつかの実施形態では、カチオン電荷密度は約6.2meq/gmである。また、このポリマーは、約1,000〜約5,000,000、より好ましくは約10,000〜約2,000,000、最も好ましくは100,000〜約2,000,000の分子量を有する。
カチオン性モノマーの例として、アミノアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アミノアルキル(メタ)アクリルアミド;少なくとも1つの二級、三級、若しくは四級アミン官能基、又は窒素原子含有複素環基を含むモノマー、ビニルアミン又はエチレンイミン;ジアリルジアルキルアンモニウム塩;これらの混合物、これらの塩、及びこれらに由来するマクロモノマーが挙げられる。
カチオン性モノマーの更なる例としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジテルチオ(ditertio)ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、エチレンイミン、ビニルアミン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートメチルサルフェート、ジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートベンジルクロリド、4−ベンゾイルベンジルジメチルアンモニウムエチルアクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリルアミドクロリド、トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドクロリド、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドが挙げられる。
カチオン性モノマーの非限定例は、式−NR3 +(式中、Rは、同一であるか又は異なり、水素原子、1〜10個の炭素原子を含むアルキル基、又はベンジル基を表し、所望によりヒドロキシル基を有し、かつアニオン(対イオン)を含む)の四級アンモニウム基を含む。アニオンの例は、塩化物、臭化物などのハロゲン化物、サルフェート、ヒドロサルフェート、アルキルサルフェート(例えば、1〜6個の炭素原子を含む)、ホスフェート、シトレート、ホルメート、及びアセテートである。合成カチオン性付着ポリマーの非限定例は、ポリクオタニウム−6から選択される。
カチオン性モノマーの非限定例としては、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートメチルサルフェート、ジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートベンジルクロリド、4−ベンゾイルベンジルジメチルアンモニウムエチルアクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリルアミドクロリド、トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドクロリド、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリドが挙げられる。カチオン性モノマーの非限定例としては、トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドクロリドが挙げられる。
2.アニオン性乳化剤
様々なアニオン性乳化剤をヘアケア組成物で以下のように使用することができる。アニオン性乳化剤としては、例示であって限定するものではないが、アルキルサルフェートの水溶性塩、アルキルエーテルサルフェート、アルキルイソチオネート、アルキルカルボキシレート、アルキルスルホスクシネート、アルキルスクシナメート、ドデシル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸塩、アルキルサルコシネート、タンパク質加水分解物のアルキル誘導体、アシルアスパルテート、アルキル若しくはアルキルエーテル若しくはアルキルアリールエーテルリン酸エステル、ドデシル硫酸ナトリウム、リン脂質若しくはレシチン、又は石鹸、ナトリウム、カリウム又はアンモニウムのステアレート、オレエート又はパルミテート、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルアリールスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチル、ジラウリルスルホコハク酸ナトリウム、ポリ(スチレンスルホネート)ナトリウム塩、イソブチレン−無水マレイン酸コポリマー、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、硫酸セルロース及びペクチン、ポリ(スチレンスルホネート)、イソブチレン−無水マレイン酸コポリマー、アラビアゴム、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、ペクチン酸、トラガカントゴム、アーモンドゴム及び寒天;カルボキシメチルセルロース、硫酸化セルロース、硫酸化メチルセルロース、カルボキシメチルデンプン、リン酸化デンプン、リグニンスルホン酸などの半合成ポリマー;並びに無水マレイン酸コポリマー(その加水分解物を含む)、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸ブチルアクリレートコポリマー又はクロトン酸ホモポリマー及びコポリマー、ビニルベンゼンスルホン酸、又は2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ホモポリマー及びコポリマー、並びにこのようなポリマー及びコポリマーの部分アミド又は部分エステル、カルボキシ修飾ポリビニルアルコール、スルホン酸修飾ポリビニルアルコール、及びリン酸修飾ポリビニルアルコール、リン酸化又は硫酸化トリスチリルフェノールエトキシレートなどの合成ポリマーが挙げられる。
更に、アクリレート官能基を有するアニオン性乳化剤を本シャンプー組成物で使用してもよい。本明細書において有用なアニオン性乳化剤としては、ポリ(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸及びその(メタ)アクリレートとC1〜22アルキル、C1〜C8アルキル、ブチルとのコポリマー;(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリルアミドとのコポリマー;カルボキシビニルポリマー;アクリレート/C10〜30アルキルアクリレートクロスポリマー、アクリル酸/ビニルエステルコポリマー/アクリレート/ビニルイソデカノエートクロスポリマー、アクリレート/Palmeth−25アクリレートコポリマー、アクリレート/Steareth−20イタコネートコポリマー、及びアクリレート/Celeth−20イタコネートコポリマーなどのアクリレートコポリマー;ポリスチレンスルホネート、メタクリル酸とアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸とのコポリマー、及びアクリル酸とアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸とのコポリマー;カルボキシメチルセルロース;カルボキシグアー;エチレンとマレイン酸とのコポリマー;並びにアクリレートシリコーンポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書のアニオン性乳化剤を中和するために中和剤を含んでもよい。このような中和剤の非限定例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、アミノメチルプロパノール、トロメタミン、テトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン、及びこれらの混合物が挙げられる。市販されているアニオン性乳化剤としては、例えば、商標名Carbopol981及びCarbopol980としてNoveonから供給されているCarbomer;全てNoveonから入手可能な、商標名Pemulen TR−1、Pemulen TR−2、Carbopol1342、Carbopol1382、及びCarbopol ETD2020を有するアクリレート/C10〜30アルキルアクリレートクロスポリマー;HerculesからCMCシリーズとして供給されているナトリウムカルボキシメチルセルロース;並びにSeppicから供給されている商標名Capigelを有するアクリレートコポリマーが挙げられる。別の実施形態では、アニオン性乳化剤はカルボキシメチルセルロースである。
3.有益剤
ある実施形態では、ヘアケア組成物は、1種以上の更なる有益剤を更に含む。有益剤は、ふけ防止剤、ビタミン、脂溶性ビタミン、キレート剤、香料、増白剤、酵素、感覚剤、誘引剤、抗細菌剤、染料、顔料、漂白剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料を含む。
一態様において、当該有益剤は、抗ふけ剤を含んでよい。このような抗ふけ微粒子は、組成物の成分と物理的及び化学的に適合しなければならず、別段に製品の安定性、審美性又は性能を過度に損なわせてはならない。
ある実施形態によると、ヘアケア組成物は抗ふけ活性物質を含み、その抗ふけ活性物質は抗ふけ活性の微粒子であってよい。ある実施形態では、抗ふけ活性物質は、ピリジンチオン塩;ケトコナゾール、エコナゾール、及びエルビオールなどのアゾール;硫化セレン;粒子状硫黄;サリチル酸などの角質溶解剤;並びにこれらの混合物からなる群から選択される。ある実施形態では、抗ふけ微粒子はピリジンチオン塩である。
ピリジンチオン微粒子は、好適な微粒子抗ふけ活性物質である。ある実施形態では、抗ふけ活性物質は、1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオン塩であり、微粒子形態である。ある実施形態では、ピリジンチオンふけ防止粒子の濃度は、約0.01重量%〜約5重量%、又は約0.1重量%〜約3重量%、又は約0.1重量%〜約2重量%の範囲である。ある実施形態では、ピリジンチオン塩は、亜鉛、スズ、カドミウム、マグネシウム、アルミニウム及びジルコニウムなどの重金属、一般的には亜鉛から形成されるもの、典型的には1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオンの亜鉛塩(「亜鉛ピリジンチオン」又は「ZPT」として知られている)、通常、血小板粒子形態の1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオン塩である。ある実施形態では、プレートレット状粒子形態の1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオン塩は、約20μm以下、又は約5μm以下、又は約2.5μm以下の平均粒径を有する。他のカチオン(例えば、ナトリウム)から形成される塩もまた好適であり得る。ピリジンチオン抗ふけ活性物質は、例えば、米国特許第2,809,971号、同第3,236,733号、同第3,753,196号、同第3,761,418号、同第4,345,080号、同第4,323,683号、同第4,379,753号、及び同第4,470,982号に記載されている。
ある実施形態では、組成物は、ピリチオンの多価金属塩から選択される抗ふけ活性物質に加えて、1種以上の抗真菌及び/又は抗細菌活性物質を更に含む。ある実施形態では、抗細菌活性物質は、コールタール、硫黄、炭、ウィットフィールド軟膏、カステラーニ塗剤、塩化アルミニウム、ゲンチアナバイオレット、オクトピロックス(ピロクトンオラミン)、シクロピロックスオラミン、ウンデシレン酸及びその金属塩、過マンガン酸カリウム、硫化セレン、チオ硫酸ナトリウム、プロピレングリコール、ビターオレンジ油、尿素調製物、グリセオフルビン、8−ヒドロキシキノリンシロキノール、チオベンダゾール、チオカルバメート、ハロプロジン、ポリエン、ヒドロキシピリドン、モルホリン、ベンジルアミン、アリルアミン(テルビナフィンなど)、茶木油、クローブリーフ油、コリアンダー、パルマローザ、ベルベリン、タイムレッド、桂皮油、ケイ皮アルデヒド、シトロネル酸、ヒノキトール、イヒチオールペール、Sensiva SC−50、Elestab HP−100、アゼライン酸、リチカーゼ(lyticase)、ヨードプロピニルブチルカルバメート(IPBC)、オクチルイソチアザリノンなどのイソチアザリノン、及びアゾール、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。ある実施形態では、抗細菌剤は、イトラコナゾール、ケトコナゾール、硫化セレン、コールタール、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
ある実施形態では、アゾール抗細菌剤は、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ビフォナゾール、硝酸ブタコナゾール、クリンバゾール、クロトリマゾール、クロコナゾール、エベルコナゾール、エコナゾール、エルビオール、フェンチコナゾール、フルコナゾール、フルチマゾール、イソコナゾール、ケトコナゾール、ラノコナゾール、メトロニダゾール、ミコナゾール、ネチコナゾール、オモコナゾール、硝酸オキシコナゾール、セルタコナゾール、硝酸サルコナゾール、チオコナゾール、チアゾール、及びこれらの混合物からなる群から選択されるイミダゾールである。あるいは、アゾール抗細菌剤は、テルコナゾール、イトラコナゾール、及びこれらの混合物からなる群から選択されるトリアゾールである。アゾール抗細菌活性物質は、ヘアケア組成物中に存在する場合、約0.01重量%〜約5重量%、又は約0.1重量%〜約3重量%、又は約0.3重量%〜約2重量%の量で含まれる。ある実施形態では、アゾール抗細菌活性物質は、ケトコナゾールである。ある実施形態では、唯一の抗細菌活性物質がケトコナゾールである。
ヘアケア組成物の実施形態は、抗細菌活性物質の組み合わせも含んでもよい。ある実施形態では、抗細菌活性物質の組み合わせは、オクトピロックスとジンクピリチオン、パインタールと硫黄、サリチル酸とジンクピリチオン、サリチル酸とエルビオール、ジンクピリチオンとエルビオール、ジンクピリチオンとクリムバゾール、オクトピロックスとクリムバゾール、サリチル酸とオクトピロックス、及びこれらの混合物からなる組み合わせの群から選択される。
ある実施形態では、組成物は、有効な量の亜鉛含有層状物質を含む。ある実施形態では、組成物は、組成物の総重量に基づいて、約0.001重量%〜約10重量%、又は約0.01重量%〜約7重量%、又は約0.1重量%〜約5重量%の亜鉛含有層状材料を含む。
亜鉛含有層状物質は、結晶の成長が主に二次元で生じたものであってよい。層構造は、全ての原子が明確な層に組み込まれているものだけではなく、ギャラリーイオン(gallery ion)と呼ばれる、層間にイオン又は分子があるものとすることが慣例的である(A.F.Wellsの「Structural Inorganic Chemistry」Clarendon Press,1975)。亜鉛含有層状物質(Zinc-containing layered material、ZLM)は、亜鉛を層に組み込んでいてよく、及び/又はギャラリーイオンの構成成分であってよい。以下のZLMのクラスは、一般的分野における比較的一般的な例を代表するものであり、この定義に適合する、より広範囲の物質に関して限定的であることを意図するものではない。
多くのZLMが鉱物として天然に存在する。ある実施形態において、ZLMは、水亜鉛土(炭酸水酸化亜鉛)、水亜鉛銅鉱(炭酸水酸化亜鉛銅)、亜鉛孔雀石(炭酸水酸化銅亜鉛)、及びこれらの混合物からなる群から選択される。亜鉛を含有する関連鉱物が組成物中に含まれていてもよい。粘土性鉱物(例えば、フィロシリケート)などのアニオン性層の種がイオン交換された亜鉛ギャラリーイオンを含有する、天然のZLMもまた存在し得る。これらの天然物質は全て、合成によって得ることもでき、又は組成物中においてその場で、若しくは製造プロセスの間に形成することもできる。
必ずしもそうではないが、多くの場合合成である、ZLMの別の一般的なクラスは、層状複水酸化物である。ある実施形態では、ZLMは、式[M2+ 1−xM3+ x(OH)2]x+Am− x/m・nH2O(式中、二価イオン(M2+)の一部又は全ては、亜鉛イオンである)に一致する層状複水酸化物である(Crepaldi,EL,Pava,PC,Tronto,J,Valim,JB J.Colloid Interfac.Sci.2002,248,429〜42)。
ヒドロキシ複塩と呼ばれる、更に別のクラスのZLMを調製することもできる(Morioka,H.,Tagaya,H.,Karasu,M,Kadokawa,J,Chiba,KInorg.Chem.1999,38,4211〜6)。ある実施形態では、ZLMは、式[M2+ 1−xM2+ 1+x(OH)3(1−y)]+An− (1=3y)/n・nH2Oに一致するヒドロキシ複塩であり、2つの金属イオン(M2+)は同一であっても異なっていてもよい。金属イオンが同一であって亜鉛で表される場合、式は、[Zn1+x(OH)2]2x+ 2x A−・nH2Oに簡素化される。この後者の式は、ヒドロキシ塩化亜鉛及びヒドロキシ硝酸亜鉛などの物質を表す(x=0.4である場合)。ある実施形態では、ZLMは、ヒドロキシ塩化亜鉛及び/又はヒドロキシ硝酸亜鉛である。これらはまた、二価のアニオンで一価のアニオンを置き換える、水亜鉛土にも関連する。また、これらの物質は、組成物中においてその場で、又は製造プロセスの間に形成することができる。
亜鉛含有層状物質及びピリチオン又はピリチオンの多価金属塩を有する実施形態では、亜鉛含有層状物質とピリチオン又はピリチオンの多価金属塩との比は、約5:100〜約10:1、又は約2:10〜約5:1、又は約1:2〜約3:1である。
抗ふけ活性物質の頭皮への付着は、少なくとも約1マイクログラム/cm2である。抗ふけ活性物質が頭皮に到達し、そこで確実にその作用を発揮できるようにすることを考慮すれば、抗ふけ活性物質の頭皮上への付着量は重要である。ある実施形態では、頭皮上への抗ふけ活性物質の付着は、少なくとも約1.5マイクログラム/cm2、又は少なくとも約2.5マイクログラム/cm2、又は少なくとも約3マイクログラム/cm2、又は少なくとも約4マイクログラム/cm2、又は少なくとも約6マイクログラム/cm2、又は少なくとも約7マイクログラム/cm2、又は少なくとも約8マイクログラム/cm2、又は少なくとも約8マイクログラム/cm2、又は少なくとも約10マイクログラム/cm2である。頭皮上への抗ふけ活性物質の付着量は、熟練の美容師が従来の洗浄プロトコルに従い、個人の毛髪を抗ふけ活性物質含有の組成物、例えば、本発明による組成物で洗浄することによって測定される。次いで、表面に開放端ガラスシリンダを保持できるよう毛髪を頭皮の領域上で分けて、同時に抽出溶液のアリコートを添加し撹拌した後、抗ふけ活性物質の内容物を回収し、HPLCのような従来の方法論に基づいて分析定量する。
ヘアケア組成物の実施形態は、脂肪族アルコールゲル網状組織も含んでよいが、これは化粧用クリーム及びヘアコンディショナーにおいて長年使用されてきた。これらゲルネットワークは、約1:1〜約40:1(あるいは約2:1〜約20:1、あるいは約3:1〜約10:1)の比で脂肪族アルコールと界面活性剤とを合わせることによって形成される。ゲルネットワークの形成には、脂肪族アルコールの水分散液を界面活性剤と共に、脂肪族アルコールの融点を超える温度まで加熱することを伴う。この混合プロセスの間に、脂肪族アルコールは融解し、界面活性剤を脂肪族アルコール液滴に分配できるようになる。界面活性剤は、脂肪族アルコール中に界面活性剤といっしょに水を運び込む。これによって、等方性脂肪族アルコール液滴が液晶相液滴へと変化する。この混合物が鎖溶融温度よりも低温に冷却されると、液晶相は固体結晶性ゲルネットワークへと変換される。ゲルネットワークは、化粧用クリーム及びヘアコンディショナーに安定化効果をもたらす。加えて、これらは、ヘアコンディショナーに対して調整された感触効果をもたらす。
したがって、ある実施形態によれば、脂肪族アルコールは、約0.05重量%〜約14重量%の濃度で脂肪族アルコールゲルネットワークに含まれる。例えば、脂肪族アルコールは、約1重量%〜約10重量%、あるいは約6重量%〜約8重量%の範囲の量で存在してよい。
本明細書において有用な脂肪族アルコールは、約10〜約40個の炭素原子、約12〜約22個の炭素原子、約16〜約22個の炭素原子、又は約16〜約18個の炭素原子を有するものである。これらの脂肪族アルコールは、直鎖又は分枝鎖アルコールであってよく、かつ飽和又は不飽和であってよい。脂肪族アルコールの非限定的な例としては、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、及びこれらの混合物が挙げられる。約20:80〜約80:20の比のセチルアルコールとステアリルアルコールとの混合物が好適である。
ゲルネットワークの調製:容器を水で満たし、その水を約74℃まで加熱する。セチルアルコール、ステアリルアルコール、及びSLES界面活性剤を、加熱した水に添加する。組み込み後、得られた混合物を熱交換器に通し、そこで混合物を約35℃まで冷却する。冷却すると、脂肪族アルコール及び界面活性剤が結晶化して、結晶性ゲルネットワークが形成される。以下の表は、ゲルネットワーク組成物の成分及びそれぞれの量を提供する。
試験方法
A.分子量分布
グリセリドコポリマーの重量平均分子量(Mw)の値は、以下のように決定する。サンプルの分子量は、オートサンプラー、カラムオーブン、及び屈折率検出器を備えたAgilent 1260 HPLCシステムにおいて決定する。オペレーティングシステムは、OpenLAB CDS ChemStation Workstation(A.01.03)である。データの保存及び解析は、Cirrus GPC offline、GPC/SEC Software for ChemStation、バージョン3.4.を用いて実施する。クロマトグラフィー条件は表3に示す。計算を実施する際、公知の分子量を有するポリスチレン標準サンプルを用いて結果を較正する。Mw値の測定値は、5%以下で変化する。分子量分析は、クロロホルム移動相を用いて決定する。
表4は、ポリスチレン標準の分子量及び保持時間を示す。
B.ヨウ素価
本発明の別の態様は、グリセリドコポリマーのヨウ素価の測定方法を提供する。ヨウ素価は、以下を改変したAOCS Official Method Cd 1〜25を用いて決定する:四塩化炭素溶媒をクロロホルム(25mL)に交換し、精度チェックサンプル(オレイン酸99%、Sigma−Aldrich;IV=89.86±2.00cg/g)をサンプルセットに添加し、報告されたIVを、グリセリドコポリマーの遊離炭化水素含量を決定するときに同定されるオレフィンからの軽微な寄与について補正する。
C.グリセリドコポリマー中の脂肪酸残基のガスクロマトグラフ分析
オレフィンを1重量%未満まで真空蒸留し、得られたオリゴマー生成物を以下の手順によってメチルエステルにエステル交換した後、実施例4、5、及び6に記載の最終グリセリドオリゴマー生成物をガスクロマトグラフィーによって分析する。
サンプル0.10±0.01gを20mLのシンチレーションバイアルに計り入れる。バイアルにメタノール中ナトリウムメトキシドの1%溶液(1.0mL)をピペットで移し、バイアルに蓋をする。蓋をしたバイアルをサンプル振盪器に入れ、サンプルが完全に均質かつ透明になるまで250rpm及び60℃で振盪する。サンプルを振盪器から取り出し、5mLのブライン溶液、続いて、5mLの酢酸エチルをピペットで添加する。バイアルを1分間ボルテックスで混合して、溶液を十分に混合する。2層が分離するまで混合溶液を静置する。上(酢酸エチル)層(1mL)をガスクロマトグラフ分析用バイアルに移す。これらの正規化された組成物を、成分の選択された群に基づいて、重量%の単位で表9に示す。
Agilent DB−WAXETRカラム(122〜7332E、30m×250μm×0.25μm膜厚)及び水素炎イオン化検出器を備えたAgilent 6850機器を用いて、ガスクロマトグラフのデータを収集する。使用する方法及び条件を以下のとおり記載する:合成例1〜7において全てのサンプルを分析するためにGC法「Fast_FAME.M」を使用する。
D.遊離炭化水素含量
本発明の別の態様は、グリセリドコポリマーポリオールエステルの遊離炭化水素含有量の測定方法を提供する。この方法は、ガスクロマトグラフィー/質量分析を組み合わせて(GC/MS)、遊離炭化水素ホモログの種類を確認し、ガスクロマトグラフィーを炎イオン化検出法と組み合わせて(GC/FID)、存在する遊離炭化水素を定量化するものである。
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそのような全ての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。
本明細書に開示される製品配合物の非限定な例を以下に要約する。
合成例1−ブテニル化キャノーラ油(BCO)との反応:BCO含量の効果
実験装置は、電磁攪拌棒、セプタムキャップ、及び真空系への出口を備えた3つ口丸底フラスコからなる。シリコーン油浴を介して外部加熱を提供する。セプタムを使用して、メタセシス触媒を添加し、サンプルを取り除く。真空系は、TEFLON隔膜ポンプ及び圧力制御装置からなっていた。
米国特許第8,957,268号に記載の方法に従って、キャノーラ油(Wesson)を1−ブテン(油中C=C二重結合1モルあたり1モルの1−ブテン)と交差メタセシス化することによって、ブテニル化キャノーラ油(BCO)を作製する。BCOをキャノーラ油(Wesson)と混合し、500mLの丸底フラスコに充填する。油混合物を約15分間窒素ガス(Airgas、UHP)でパージする。反応フラスコを約70℃に加熱し、所望の圧力(以下を参照:30又は60絶対kPa(200又は450絶対トル))まで排気する。C827メタセシス触媒(10mg/mL;Materia,Inc.,Pasadena,California,USA)のトルエン(Sigma−Aldrich、無水、99.8%)溶液を油混合物に添加して、触媒濃度を100重量ppmにする。2時間にわたって所望の圧力で動的真空を維持しながら、反応物を70℃で保持する。反応混合物のサンプルを少量シリンジによって取り出し、エチルビニルエーテル(Sigma−Aldrich)でクエンチし、GPCによって分析して、得られたグリセリドオリゴマーの重量平均分子量(Mw)を決定する。
表5は、BCOの割合が増加する場合の、様々な反応について得られたMwを示す。報告されるBCOの割合は、油の総重量(BCOとキャノーラ油との合計)に対するBCOの重量パーセントである。分子量はg/モル単位で報告する。
合成例2−ブテニル化キャノーラ油(BCO)との反応:反応時間の効果
合成例1に記載のものと同じ装置及び手順を用いて、30又は60kPa(絶対)(200又は450トル(絶対))で動的真空を維持しながらBCO及びキャノーラ油の50重量%/50重量%混合物を4時間反応させ、1時間ごとにサンプルを採取する。表6は、経時的な分子量(Mw)を示す。分子量(Mw)はg/モル単位で報告する。
合成例3−キャノーラ油とブテニル化パーム油(BPO)との交差メタセシス:原料組成の効果
合成例1に記載のものと同じ装置及び手順を用いて、BPO(Wilmar)及びキャノーラ油の3つの異なる混合物を2時間反応させる。表7は、2時間後の分子量(Mw)を示す。分子量(Mw)はg/モル単位で報告する。
合成例4−触媒除去及びオレフィンストリッピングを伴う1キログラムスケールのキャノーラとブテニル化キャノーラ油(BCO)との交差メタセシス
合成例1に記載のものと同様のメタセシス手順及び装置を用いて、BCOとキャノーラ油との混合物(50重量%/50重量%)1kgを2時間反応させる。触媒除去は、THMP処理によって行われる。THMP処理は、水中1Mトリス(ヒドロキシメチル)ホスフィン(THMP、1.0M、50モルTHMP/モルC827)を添加し、周囲温度で2時間攪拌した後、分液漏斗において生成物を水(2×100mL)で洗浄することからなる。液体の温度及び蒸気の温度を測定するために、短行程蒸留ヘッド;5℃に冷却された凝縮器;ドライアイス/イソプロパノールによる20mLの丸底フラスコ冷却器;電磁攪拌棒;及び温度計を備えた1Lの3つ口丸底フラスコにおいて、真空蒸留によってオレフィンを除去する。加熱は、抵抗加熱マントルを介して供給する。真空は、二段回転羽根真空ポンプによって供給する。熱入力を徐々に増加させることによってオレフィン系材料のバルクを除去する。最終圧力は約0.03絶対kPa(0.2絶対トル)であり、最終液体温度は195℃である。オレフィン含量は1質量%未満であり、グリセリドオリゴマーのMwは16,700g/モルである。最終生成物のサンプルをエステル交換し、GCによって分析して、上記のように脂肪酸残基を決定する。以下の表8を参照。
合成例5−触媒除去及びオレフィンストリッピングを伴う2キログラムスケールのダイズ油とブテニル化ダイズ油(BSO)との交差メタセシス
500mLのフラスコの代わりに3Lのフラスコを用いることを除いて合成例1に記載のものと同様の手順及び装置を用いて、ブテニル化ダイズ油とダイズ油(Costco)との50/50重量%混合物1kgを、100重量ppmのC827触媒を用いて約4時間反応させる。更に40ppmの触媒を添加し、更に約2時間後、エチルビニルエーテルで反応をクエンチする。合成例4に記載したものと同様の蒸留手順及び装置によって、生成物のサンプル265gからオレフィン副生成物及び微量の残留水を除去する。最終圧力は約0.01絶対kPa(0.1トル絶対)であり、最終液体温度は195℃である。オレフィン含量は1質量%未満である。最終生成物のサンプルをエステル交換し、GCによって分析して、上記のように脂肪酸残基を決定する。以下の表8を参照。
合成例6−触媒除去及びオレフィンストリッピングを伴う12キログラムスケールのキャノーラ油とブテニル化キャノーラ油(BCO)との交差メタセシス
この例は、インペラ、無気触媒添加用の入口、及びサンプリング用のStrahmanバルブを備えた、20リットル(5ガロン)のステンレス鋼製反応器(Parr)において実施する。開始前に、反応器システムを窒素で完全にパージする。
合成例1で用いたものと同様の手順によってBCO(6.16kg)を生成し、キャノーラ油(6.12kg)と混合し、反応器に充填する。0.5SCFMの速度でディップチューブを通して約30分間窒素ガスでパージしながら、油混合物を200rpmで撹拌する。反応器を30kPa(絶対)(200トル(絶対))まで排気し、70℃に加熱する。C827メタセシス触媒(1.0g、Materia,Inc.,Pasadena,California,USA)をキャノーラ油(50mL)に懸濁し、油混合物に添加する。70℃及び30kPa(200トル)で4時間、反応を維持する。キャノーラ油(50mL)に懸濁しているC827触媒(0.25g)の更なる充填物を反応に添加する。更に2時間後、反応器を窒素でバックフィルする。
触媒除去は、撹拌器、底部排水弁、及び試薬添加用の入口を備えた、20リットル(5ガロン)のジャケット付ガラス製反応器において実施する。THMP(0.31kg)の0.12M水溶液をガラス製反応器に充填し、約90℃に予熱する。依然として70℃で粗メタセシス反応生成物をガラス製反応器に移し、混合物を約80〜90℃で20分間撹拌する(150rpm)。以下の洗浄手順を2回行う。脱イオン水(1.9kg、60℃)を反応器に添加し、これを80〜90℃に加熱し、得られた混合物を20分間撹拌する(100rpm)。撹拌器を停止し、反応器の内容物を、80〜90℃の一定温度で16時間沈降させる。底部の水層を慎重に排水する。2回目の洗浄後、洗浄された生成物を冷却し、次いで、容器に排水する。
洗浄された生成物を2つに分けてオレフィン及び残留水を除去するが、これは、合成例4に記載のものと同様の蒸留手順及び装置を用いて行われる。最終蒸留圧力は約0.01絶対kPa(0.1絶対トル)であり、最終液体温度は約190℃である。蒸留後、2つの部分を再度合わせる。再度合わせた生成物のサンプル少量をエステル交換し、GCによって分析して、上記のように脂肪酸残基を決定する。以下の表8を参照。
合成例4、5、及び6で生成された最終グリセリドオリゴマー生成物中の脂肪酸残基を、オレフィンを1重量%未満まで真空蒸留した後に、上記方法によって分析する。C10〜14不飽和脂肪酸エステル、C10〜13不飽和脂肪酸エステル、及びC10〜11不飽和脂肪酸エステルを計算し、以下の表9に報告する。
合成例7−粗グリセリドポリマーのジエン選択的水素化
600mLのParr反応器において、合成例6から得られた粗メタセシス生成物170g、n−デカン(Sigma−Aldrich、無水、≧99%)170g、及びPRICAT9908(Johnson Matthey Catalysts);トルエン洗浄を介して反応前に除去される飽和トリグリセリドワックス)0.60gを、それぞれ15分間、N2、次いでH2でパージし、次いで、ガス分散インペラを用いて1000rpmで撹拌しながら700kPa(100psig)H2(Airgas,UHP)下、160℃で反応させる。H2圧をモニタリングし、約500kPaに低下したとき700kPaに(約70psigに低下したとき100psigに)なるまで反応器に再充填する。6時間後、反応物を50℃未満に冷却し、水素を窒素ガスによって置換する。反応混合物を珪藻土を介して真空濾過して、触媒固形物を除去する。合成例4に記載したものと同様の蒸留手順及び装置によって、生成物からオレフィン副生成物及びn−デカンを除去する。最終蒸留圧力は約0.01絶対kPa(0.1絶対トル)であり、最終液体温度は約195℃である。オレフィン含量は1質量%未満である。最終生成物のサンプルをメタノールでエステル交換し、GCによって分析する。多価不飽和C18脂肪酸メチルエステル(C18:2+C18:3)の濃度は出発原料中の3.88%から1.13%に減少し、C21:2ジエステルは出発原料中の6.40%から3.72%に減少する。
以下の表10〜13は、本発明の代表的なヘアケア組成物の例を含む。表13の組成物は、脂肪族アルコールゲルネットワークを含む。
例示する組成物は、従来の配合及び混合技術により調製することできる。ヘアケア製剤分野の当業者の技術範囲内でヘアケア組成物の他の変更が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく行われ得ることが理解されよう。本明細書における全ての部、比率(%)、及び比は、特に指定しない限り、重量基準である。いくつかの成分は、供給元から希釈溶液として供給され得る。記載される量は、特に指定しない限り、活性物質の重量%を表す。
1 RhodiaからJaguar Excelとして入手可能なグアーヒドロキシプロピル塩化トリモニウム
2 Procter&Gamble製のラウレス硫酸ナトリウム
3 Procter&Gamble製のラウリル硫酸ナトリウム
4 Stepan製のNinol Comf
5 Stepan製のAmphosol HCA−B
6 表7中の合成例3C
7 表8中の合成例4
8 Wacker製のSLM28104
1 RhodiaからJaguar C−500として入手可能なグアーヒドロキシプロピル塩化トリモニウム
2 Lubrizol Advanced Materials製のカチオン性カッシア、MW=300,000;4.25%窒素
3 Amerchol製のLR400
4 RhodiaからMirapol AT−1として入手可能なアクリルアミドと1,3−プロパンジアミニウム,N−[2−[[[ジメチル[3−[(2−メチル−1−オキソ−2−プロペニル)アミノ]プロピル]アンモニオ]アセチル]アミノ]エチル]2−ヒドロキシ−N,N,N’,N’,N’−ペンタメチル−,トリクロリドとのコポリマー
5 Procter&Gamble製のラウレス硫酸ナトリウム
6 Procter&Gamble製のラウリル硫酸ナトリウム
7 Stepan製のNinol Comf
8 Stepan製のAmphosol HCA−B
9 表7中の合成例3C
10 表8中の合成例4
11 Dow Corning製のDC−1664
12 Dow Corning製のViscasil 330M
13 Evonik製のEGDS pure
1 AshlandからNHance 3196として入手可能なグアーヒドロキシプロピル塩化トリモニウム
2 RhodiaからMirapol 100Sとして入手可能なポリ(ジアリル)ジメチルアンモニウムクロリド
3 Procter&Gamble製のラウレス硫酸ナトリウム
4 Stepan製のAmphosol HCA−B
5 Elementis Specialtiesから入手可能なThixcin R
6 表7中の合成例3C
7 表8中の合成例4
8 表8中の合成例5
9 表8中の合成例6
10 合成例7
11 Crodaから入手可能なBrij C20
12 Abitecから入手可能なCapmul GMO−50
13 Crodaから入手可能なSpan60
14 Crodaから入手可能なTween 60
1 AshlandからNHance 3196として入手可能なグアーヒドロキシプロピル塩化トリモニウム
2 RhodiaからMirapol 100Sとして入手可能なポリ(ジアリル)ジメチルアンモニウムクロリド
3 Procter&Gamble製のラウレス硫酸ナトリウム
4 Procter&Gamble製のラウリル硫酸ナトリウム
5 Stepan製のAmphosol HCA−B
6 Elementis Specialtiesから入手可能なThixcin R
7 表7中の合成例3C
8 表8中の合成例4
9 表8中の合成例5
10 表8中の合成例6
11 合成例7
12 Wacker Chemie AGから入手可能なBelsil DM5500シリコーンエマルジョン
13 Procter&Gambleから入手可能なステアリルアルコール
14 Procter&Gambleから入手可能なセチルアルコール
15 Crodaから入手可能なポリソルベート20
16 Crodaから入手可能なソルビタンステアレート
1 AshlandからNHance 3196として入手可能なグアーヒドロキシプロピル塩化トリモニウム
2 RhodiaからMirapol 100Sとして入手可能なポリ(ジアリル)ジメチルアンモニウムクロリド
3 Procter&Gamble製のラウレス硫酸ナトリウム
4 Procter&Gamble製のラウリル硫酸ナトリウム
5 Stepan製のAmphosol HCA−B
6 Elementis Specialtiesから入手可能なThixcin R
7 Elevance Renewable Sciences製のElevance Smooth CS110
8 合成例6
9 Procter&Gambleから入手可能なステアリルアルコール
10 Procter&Gambleから入手可能なセチルアルコール
11 Crodaから入手可能なポリソルベート20
12 Crodaから入手可能なソルビタンステアレート
表14に含まれる試験結果は、本発明の組成物によって提供される、以下の湿式摩擦コンディショニング試験を用いて測定したときの有益なコンディショニング特性を反映している。
湿式摩擦コンディショニング試験
この湿式摩擦試験は、濡れている間に2本の櫛を備えるInstronを通して毛髪を引っ張るのに必要な力によって測定される、シャンプー製品によって提供されるコンディショニングの量を決定する。操作者は、ベースライン力を求めるためにInstron機を使用することによってベースライン状態について4g、20.3cm(8インチ)の一般集団ヘアピースをランク付けし、釣り合わせる。次いで、操作者は、測定された量のシャンプーをヘアピースに塗布し、ヘアピース全体に製品を均等に分布させる。次いで、2本の櫛を備えたInstron機を用いて、製品をすすいだ後に湿潤力を測定する。各試験製品を合計3つのヘアピースに塗布する。次いで、標準的な統計的手法を用いてデータを解析する。
乾式コンディショニング試験
この繊維間摩擦試験は、毛髪を互いに上下に動かすのに必要な力によって測定される、シャンプーによって提供される毛髪上の摩擦の量を決定する。この方法は、処理されたヘアピースを親指と人差し指との間で毛髪を上下方向に擦る動きを模倣するものである。操作者は、Instron機を使用することによってベースライン状態について4g、20.3cm(8インチ)のヘアピースをランク付けし、釣り合わせる。次いで、操作者は、測定された量のシャンプーをヘアピースに塗布し、ヘアピース全体に製品を均等に分布させ、プロトコルに従ってすすぐ。次いで、濡れたヘアピースを一晩乾燥させ、次の日にInstron機を用いて摩擦力を評価する。各試験製品を合計4つのヘアピースに塗布する。次いで、標準的な統計的手法を用いてデータを解析する。
ヘアケア組成物は、典型的なヘアケア製剤で提供され得る。当該製剤は、溶液、分散液、エマルション、粉末、タルク、カプセル化球体、スポンジ、固形剤形、泡、及び他の送達機構の形態であってよい。本発明の実施形態の組成物は、ヘアトニック、リーブオンヘア製品(例えば、トリートメント及びスタイリング製品)、リンスオフヘア製品(例えば、シャンプー)、及び毛髪に塗布可能である任意の他の形態であり得る。
一実施形態によれば、ヘアケア組成物は、多孔質の溶解性固体構造体の形態で提供されてよく、例えば、参照により全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2009/0232873号及び同第2010/0179083号に開示されているものなどである。これら参照文献に記載されているように、このような溶解性固体構造体の実施形態は、典型的には、上記特定の実施形態の少なくとも約20%の水性キャリア要素を大きく下回る含水量を有する。
ヘアケア組成物は、一般に、組成物を製造する技術分野において公知であるものなどの従来の方法によって調製される。このような方法は、典型的に、加熱、冷却、真空の適用等を用いて又は用いずに、成分を1つ以上の工程で混合して比較的均一な状態にすることを含む。組成物は、安定性(物理的安定性、化学的安定性、光安定性)及び/又は活性物質の送達を最適化するように調製される。ヘアケア組成物は、単相若しくは単一製品中に存在してもよく、又はヘアケア組成物は、別個の相若しくは別個の製品中に存在してもよい。2つの製品を使用する場合、それらの製品は、一緒に、同時に又は逐次使用してよい。逐次使用は、1つの製品の使用直後などの短時間に行われてもよく、数時間又は数日の期間にわたって行われてもよい。
上記の配合によりもたらされる組成物は、これらの成分を本明細書に記載される製造方法に従って加え合わせることによって作製される。
本明細書で開示する寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限られるとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、このような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図されている。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
「発明を実施するための形態」の中で引用される全ての文献は、関連部分において本明細書に参照により組み込まれる。いかなる文書の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを認めるものとして解釈されるべきではない。本文書における用語のいずれかの意味又は定義が、参照により組み込まれる文書における同じ用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいては、本文献においてその用語に与えられる意味又は定義が優先するものとする。
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそのような全ての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。