高周波NR/5Gやその他のネットワークにおけるユーザ装置(UE)やその他のノードなどのネットワークデバイスは、送受信ポイント(TRP)識別子、ビーム強度レベルおよび利用可能性、ビーム識別子、(セル/TRPビームやUEビーム)、周波数チャネルやチャネル帯域幅などの動作周波数情報、および不正または禁止されたTRPやセルのリストなどの情報を含む、複数のモビリティセットを維持することが可能である。さらに、モビリティセットは、NRレベルモビリティセットと物理(PHY)レベルモビリティセットの2つのレベルで定義することができる。NRレベルモビリティセットは、そのモビリティセット内でUEが移動可能な、TRP、セル、またはビームのセットであり、UEへの接続を提供する次世代無線アクセスネットワークノードB(gNB)に対しては未知である、すなわち、gNBは知らされる必要がない。PHYレベルモビリティセットは、そのモビリティセット内でビームレベルのモビリティが適用されるTRP、セル、またはビームのセットである。例えば、物理(PHY)レベルモビリティセットは、一般的なNRレベルモビリティセットのサブセットとして維持されてもよい。次世代無線アクセスネットワークノードB(gNB)、セル、TRP、UE、またはその他のデバイスがNRモビリティセットを決定してもよい。同様に、UE、TRP、セル、gNB、またはその他のデバイスがPHYモビリティセットを決定してもよい。UEは、ネットワーク(例えば、セル/TRPやgNB)から受信したNRモビリティセットまたはPHYモビリティセットを、UEのビーム(すなわち、UL TXビームおよびDL RXビーム)をそれらのセットに含めることによって拡張することができる。ネットワーク(例えば、gNBやTRPやセル)は、TRPのビーム、セルのビーム、またはUEのビームを、UEにシグナリングされるNRモビリティセットやPHYモビリティセットに含めてもよい。ネットワークは、例えば、UE構成やUE能力シグナリングを知るためのネットワークのUL測定やUEシグナリングを通じて得た、UEのビーム(UL TXビームおよびDL RXビーム)の知識を有することができる。複数のノードは、統一されたモビリティセットの枠組みを得るために、モビリティセット情報を交換することができる。
このようなモビリティセットを使用すると、周波数ビームの変更が容易化され、接続オプションが改善され、ネットワークオーバーヘッドが低減されることによって、接続性と動作性が改善され、例えば、ユーザ体験の改善やバッテリ寿命の向上につながる。
例えば、UEは、gNBなどの第1の無線アクセスネットワークのエンティティ管理動作から、汎用モビリティセットを得ることができる。汎用モビリティセットは、例えば、無線アクセスネットワーク内の送受信ポイント(TRP)のリストと、セルのリストと、ビーム(UEのビームとTRPのビームの少なくとも一方)のリストとのうち少なくとも1つを含むことが可能である。次に、UEは、例えば、汎用モビリティセット内の送受信ポイントの各種ビームとの通信条件を測定することができる。次に、UEは、好適なビーム(TRPのビームまたはUEのビーム)やTRPのさらに詳細なリストを保存することができる。UEは、それらを単独で実行しても、gNBやTRPやセルと合同でしてもよい。あるいは、UEは、通信条件の観測結果をTRPやgNBやセルに提供して、TRPやgNBやセルがそれに従って汎用または特定のモビリティセットを調整できるようにしてもよい。通信条件の観測結果の報告は、ポリシーに従って行ってもよい。例えば、UEは、信号が所定のしきい値以下または以上になったことに応じて、または、接続の喪失に応じて、条件変化を報告してもよい。
同様に、UEは、ポリシーまたは通信条件の変化に基づいて、異なるビームまたはTRPを選択するよう決定することができる。
TRPまたはgNBは、例えば、UEに適用されたコアネットワークのポリシーに部分的に基づいて、汎用または特定のモビリティセットを決定することができる。例えば、gNBは、コアネットワーク内のUEのコンテキストに基づいて、そのような決定をすることができる。
UEは、複数の無線アクセスネットワークの各々に対して、複数のモビリティセットを維持することができる。
UEやTRPやgNBは、例えば、ネットワークリソースの利用の変化などの、変化するネットワーク条件に基づいて、接続経路を変更する決定をすることができる。
UEは、例えば、内蔵のMEMSジャイロスコープを用いて、TRPに対する自身の方向を監視することができる。UEは、角度や方向の変化による状態の変化と、TRPの接続強度やその他のモビリティに関するイベントとのうち少なくとも一方に応じて、自身のビームフォーミングパラメータを変更することができる。例えば、UEは、方向の変化に応じて、より広角のビームや、異なるビームや、複数ビームなどに切り替えてもよい。UEは、新規のビームフォーミング設定を、例えば、TRPとの各種接続オプションの質の新しい観測結果と共に、TRPに報告することができる。その後、UEまたはTRPは、MCSのバックオフを選択的に用いて、ビームフォーミングトレーニングを開始して、トレーニングが完了するまで実行することができる。UEは、例えば、選択されたビームとその選択されたビームに隣接するビームなどの、限られたセットのビームをトレーニングに含むように指示することができる。
「モビリティイベント」は、一般に、デバイスまたはネットワークにおける通信リンクの信号品質または信号強度のしきい値を超える低下または向上をもたらす何らかのイベントとして、説明することができる。モビリティイベントの例は多様であり、例えば、デバイスまたはネットワークノード(例えば、gNBやgNB内のセル)の地理的位置の変化、デバイスまたはネットワークの角度や方向の変化で、より具体的には、デバイスまたはネットワークにおける送受信(TX/RX)アンテナの角度や方向の変化、例えば、周辺の固定もしくは移動物体などの外部要因による信号阻止または信号減衰、通信チャネル周波数の変化、無線アクセス技術(RAT)の変化、無線リンクの故障、ビームの不具合、デバイスとサービングセルの間の信号品質または信号強度の変化、デバイスと隣接セルの間の信号品質または信号強度の絶対的変化、デバイスと隣接セルの間の信号品質または信号強度の、サービングセルとの相対的変化、などがありうる。モビリティイベントは、デバイス内の共存問題の影響である可能性があり、例えば、デバイスの感度低下を招く恐れのある、セルラー技術とWLAN技術の同時使用の結果である可能性がある。
初期アクセス信号送信を、初期アクセス信号の単一周波数ネットワーク(SFN)ブロードキャストを用いて、ビームスイーピングすることなく実行する、シングルビームベースまたはマルチビームベースの新無線(NR)ネットワークに対するセル選択およびセル再選択のための、統一的ソリューションを実現することも可能である。あるいは、送受信ポイント(TRP)における協調的または非協調的スイープによるマルチビームベースの展開を用いて、ビームスイーピングしながら、初期アクセス信号のSFNブロードキャストを実行することも可能である。
セル選択関連のメカニズムおよびプロシージャは、一般的なセル選択プロシージャおよびルールと、セル選択プロセスのための情報取得メカニズムとを含むことができる。
セル再選択関連のメカニズムおよびプロシージャは、一般的なセル再選択プロシージャおよびルールと、優先処理およびセルランキングのメカニズムと、セル再選択プロセスのための情報取得メカニズムと、設定可能性および最適化関連のメカニズムとを含むことができる。
新無線(NR)アクセス技術に関する検討項目(Study Item on New Radio (NR) Access Technology)の1つの目的は、100GHz以下の周波数で動作するシステムに必要な技術要素を特定し、開発することである。3GPP TR 38.913、次世代アクセス技術に関するシナリオと要件に関する検討(リリース14)V0.3.0(3GPP TR 38.913, Study on Scenarios and Requirements for Next Generation Access Technologies (Release 14) V0.3.0)およびRP−161214、SIの改訂:新無線アクセス技術に関する検討(NTTドコモ)(RP-161214, Revision of SI: Study on New Radio Access Technology (NTT DOCOMO))を参照のこと。高周波NR(HF−NR)システムにおいて増加した経路損失を補償するために、ビームフォーミングが広く用いられることが予想される。しかし、全方向またはセクターベースの基準信号に基づく既存のセル選択および再選択は、例えば、図1に示すような、ビームスイーピング、ビームペアリング、ビームトレーニングなどによってセル品質を検出して決定する方法などの、ビームフォーミングに基づくアクセスに必要な機能をサポートしていない。図1の例では、サブフレームのスイーピングの際に、幅の狭い高ゲインビームがスイープされる。
第三世代パートナーシッププロジェクト(3rd Generation Partnership Project:3GPP)は、無線アクセス、コア伝送ネットワーク、および、コーデックへの取り組みやセキュリティやサービスの質を含むサービス能力を含むセルラー通信ネットワーク技術に関する技術規格を開発している。最近の無線アクセス技術(Radio Access Technology:RAT)規格は、広帯域符号分割多重アクセス(Wideband Code-Division Multiple Access:WCDMA)(通称3G)、LTE(通称4G)、およびLTEアドバンストの規格を含んでいる。3GPPは、新無線(NR)と呼ばれ、「5G」とも呼ばれる次世代セルラー技術の標準化への取り組みを開始した。3GPPのNR規格開発は、次世代無線アクセス技術(新RAT)の定義を含むと予想され、それは、6GHz未満の新しいフレキシブル無線アクセスの規定および6GHz以上の新しいウルトラモバイルブロードバンド無線アクセスの規定を含むと予想される。フレキシブル無線アクセスは、新しい6GHz未満のスペクトルの、新しい、後方互換性のない無線アクセスで構成されると予想され、要件が多様な広範囲の3GPP NRのユースケースを扱うために、同一スペクトル内で多重化可能な異なる動作モードを含むと予想される。ウルトラモバイルブロードバンドは、例えば、屋内用途やホットスポットのためのウルトラモバイルブロードバンドアクセスの機会を提供するセンチ波(cmWave)スペクトルおよびミリ波(mmWave)スペクトルを含むと予想される。特に、ウルトラモバイルブロードバンドは、センチ波およびミリ波に特有の設計最適化を施した共通設計枠組みを、6GHz未満のフレキシブル無線アクセスと共有すると予想される。
3GPPは、NRによるサポートが期待されている様々なユースケースを特定した結果、データ転送速度やレイテンシやモビリティに対する広範囲にわたるユーザ体験の要件を設定した。ユースケースには、以下の一般的カテゴリが含まれる。すなわち、拡張モバイルブロードバンド(例えば、密集エリア内のブロードバンドアクセス、屋内超高ブロードバンドアクセス、人混みでのブロードバンドアクセス、あらゆる場所での50Mbps以上、超低コストブロードバンドアクセス、車内モバイルブロードバンド)、クリティカル通信、大規模マシンタイプ通信、ネットワークオペレーション(例えば、ネットワークスライシング、ルーティング、マイグレーションとインターワーキング、および省エネルギー)、および高度車車間/路車間(Enhanced vehicle-to-everything:eV2X)通信。これらのカテゴリ内の具体的なサービスおよびアプリケーションには、例を挙げると、モニタおよびセンサネットワーク、デバイスの遠隔制御、双方向遠隔制御、パーソナルクラウドコンピューティング、ビデオストリーミング、無線クラウドベースのオフィス、ファーストレスポンダへの接続性、自動車向けeCall、災害警報、リアルタイムゲーム、多人数ビデオ通話、自律走行、拡張現実、タッチインターネット、仮想現実などが含まれる。ここでは、これらすべてのユースケースおよびその他について考える。
図2は、本明細書で説明し、特許請求する方法および装置を実現することが可能な通信システム100の一例の実施形態を示す。図示のように、通信システム100の例は、無線送受信ユニット(Wireless Transmit/Receive Unit:WTRU)102a、102b、102c、および102dのうち少なくとも1つ(一般的、すなわち総称的に、WTRU102と呼ばれることもある)と、無線アクセスネットワーク(RAN)103/104/105/103b/104b/105bと、コアネットワーク106/107/109と、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network:PSTN)108と、インターネット110と、その他のネットワーク112とを含むことが可能であるが、開示された実施形態は任意の数のWTRUや、基地局や、ネットワークや、ネットワーク要素を考えてもよいことが理解される。WTRU102a、102b、102c、102d、102eの各々は、無線環境下で動作や通信を行うように構成された任意の種類の装置またはデバイスであってよい。WTRU102a、102b、102c、102d、102eの各々はハンドヘルド無線通信装置として図2〜図6に図示されているが、5G無線通信に対する多様なユースケースを考えれば、WTRUの各々は、無線信号を送受信するように構成された、ほんの一例として、ユーザ装置(UE)、モバイルステーション、固定または移動加入者ユニット、無線呼び出し装置、携帯電話、携帯情報端末(Personal Digital Assistant:PDA)、スマートフォン、ラップトップ、タブレット、ネットブック、ノートブックコンピュータ、パーソナルコンピュータ、無線センサ、家庭用電化製品、スマートウォッチやスマートクロージングのようなウェアラブルデバイス、医療機器やeHealthデバイス、ロボット、産業機器、ドローン、乗用車、トラック、列車、航空機などの輸送手段などを含む、任意の装置またはデバイスを含むか、または、その中に具現化されてもよいことが理解される。
通信システム100は、また、基地局114aと基地局114bを含むことができる。基地局114aは、WTRU102a、102b、102cの少なくとも1つと無線でインターフェースを取って、コアネットワーク106/107/109やインターネット110やその他のネットワーク112などの1つ以上の通信ネットワークへのアクセスを円滑にするように構成された任意の種類のデバイスであってもよい。基地局114bは、遠隔無線ヘッド(Remote Radio Head:RRH)118a、118bや送受信ポイント(TRP)119a、119bのうち少なくとも1つと有線または無線でインターフェースを取って、コアネットワーク106/107/109やインターネット110やその他のネットワーク112などの1つ以上の通信ネットワークへのアクセスを円滑にするように構成された任意の種類のデバイスであってもよい。RRH118a、118bは、WTRU102cの少なくとも1つと無線でインターフェースを取って、コアネットワーク106/107/109やインターネット110やその他のネットワーク112などの1つ以上の通信ネットワークへのアクセスを円滑にするように構成された任意の種類のデバイスであってもよい。TRP119a、119bは、WTRU102dの少なくとも1つと無線でインターフェースを取って、コアネットワーク106/107/109やインターネット110やその他のネットワーク112などの1つ以上の通信ネットワークへのアクセスを円滑にするように構成された任意の種類のデバイスであってもよい。例として、基地局114a、114bは、無線基地局装置(Base Transceiver Station:BTS)、ノードB、eノードB、ホームノードB、ホームeノードB、サイトコントローラ、アクセスポイント(Access Point:AP)、無線ルータなどであってもよい。各基地局114a、114bは単一要素として図示されているが、基地局114a、114bは任意の数の相互接続された基地局やネットワーク要素を含むことができることは理解されるであろう。
基地局114aはRAN103/104/105の一部であってもよく、RAN103/104/105は、基地局コントローラ(Base Station Controller:BSC)、無線ネットワークコントローラ(Radio Network Controller:RNC)、中継ノードなどの他の基地局やネットワーク要素(図示せず)を含むことができる。基地局114bはRAN103b/104b/105bの一部であってもよく、RAN103b/104b/105bは、基地局コントローラ(BSC)、無線ネットワークコントローラ(RNC)、中継ノードなどの他の基地局やネットワーク要素(図示せず)を含むことができる。基地局114aは、セル(図示せず)と称することもある特定の地理的領域内の無線信号を送受信するように構成されうる。基地局114bは、セル(図示せず)と称することもある特定の地理的領域内の有線や無線の信号を送受信するように構成されうる。セルは、さらにセルセクタに分割することができる。例えば、基地局114aに対応するセルを3つのセクタに分割することができる。一実施形態においては、基地局114aは、そのようにして、例えば、セルの各セクタ当たり1つとなる、3つの送受信機を含むことができる。一実施形態においては、基地局114aは、多入力多出力(Multiple Input Multiple Output:MIMO)技術を採用することができ、したがって、セルの各セクタ当たり複数の送受信機を利用することができる。
基地局114aは、WTRU102a、102b、102cのうちの1つ以上と、エアインターフェース115/116/117を介して通信してもよく、エアインターフェース115/116/117は、任意の適切な無線通信リンク(例えば、無線周波数(Radio Frequency:RF)、マイクロ波、赤外線(Infrared:IR)、紫外線(Ultraviolet:UV)、可視光、センチ波、ミリ波など)であってもよい。エアインターフェース115/116/117としては、任意の適切な無線アクセス技術(RAT)を使って構築することができる。
基地局114bは、RRH118a、118bやTRP119a、119bのうち1つ以上と、有線またはエアインターフェース115b/116b/117bを介して通信してもよく、エアインターフェース115/116/117は、任意の適切な有線(例えば、ケーブルや光ファイバなど)または無線通信リンク(例えば、無線周波数(RF)、マイクロ波、赤外線(IR)、紫外線(UV)、可視光、センチ波、ミリ波など)であってもよい。エアインターフェース115b/116b/117bは、任意の適切な無線アクセス技術(RAT)を使って構築することができる。
RRH118a、118bやTRP119a、119bは、WTRU102c、102dのうち1つ以上と、エアインターフェース115c/116c/117cを介して通信してもよく、エアインターフェース115c/116c/117cは、任意の適切な無線通信リンク(例えば、無線周波数(RF)、マイクロ波、赤外線(IR)、紫外線(UV)、可視光、センチ波、ミリ波など)であってもよい。エアインターフェース115c/116c/117cは、任意の適切な無線アクセス技術(RAT)を使って構築することができる。
より具体的には、上記のように、通信システム100は多重アクセスシステムでもよく、例えば、符号分割多元接続(Code Division Multiple Access:CDMA)、時分割多元接続(Time Division Multiple Access:TDMA)、周波数分割多元接続(Frequency Division Multiple Access:FDMA)、直交周波数分割多元接続(Orthogonal Frequency Division Multiple Access:OFDMA)、シングルキャリア周波数分割多元接続(Single Carrier Frequency Division Multiple Access:SC−FDMA)などの、1つ以上のチャネルアクセス方式を採用することができる。例えば、RAN103/104/105内の基地局114aとWTRU102a、102b、102c、またはRAN103b/104b/105b内のRRH118a、118bおよびTRP119a、119bとWTRU102c、102dは、ユニバーサルモバイル通信システム(Universal Mobile Telecommunications System:UMTS)地上無線アクセス(Terrestrial Radio Access:UTRA)などの無線技術を使用してもよく、該技術は広帯域CDMA(WCDMA)を使ったエアインターフェース115/116/117または115c/116c/117cをそれぞれ構築することができる。WCDMAは、高速パケットアクセス(High-Speed Packet Access:HSPA)や進化型HSPA(HSPA+)などの通信プロトコルを含むことができる。HSPAは、高速ダウンリンクパケットアクセス(High-Speed Downlink Packet Access:HSDPA)や高速アップリンクパケットアクセス(High-Speed Uplink Packet Access:HSUPA)を含むことができる。
一実施形態においては、基地局114aとWTRU102a、102b、102c、またはRAN103b/104b/105b内のRRH118a、118bおよびTRP119a、119bとWTRU102c、102dは、進化型UMTS地上無線アクセス(E−UTRA)などの無線技術を使用してもよく、ロングタームエボリューション(LTE)やLTEアドバンスト(LTE-Advanced:LTE−A)を使ったエアインターフェース115/116/117または115c/116c/117cをそれぞれ構築してもよい。将来は、エアインターフェース115/116/117は3GPP NR技術を使用してもよい。
一実施形態においては、RAN103/104/105内の基地局114aとWTRU102a、102b、102c、またはRAN103b/104b/105b内のRRH118a、118bおよびTRP119a、119bとWTRU102c、102dは、IEEE 802.16(例えば、マイクロ波アクセスの世界的相互運用性(Worldwide Interoperability for Microwave Access:WiMAX))、CDMA2000、CDMA2000 1X、CDMA2000 EV−DO、暫定基準(Interim Standard:IS)2000(IS−2000)、暫定基準95(IS−95)、暫定基準856(IS−856)、モバイル通信のためのグローバルシステム(GSM)、GSM進化型高速データレート(Enhanced Data rates for GSM Evolution:EDGE)、GSM EDGE(GERAN)などの無線技術を使用してもよい。
図2の基地局114cは、例えば、無線ルータ、ホームノードB、ホームeノードB、またはアクセスポイントでもよく、事業所、家庭、車両、キャンパスなどの局所的な区域における無線接続性を円滑にするための任意の適切なRATを利用してもよい。一実施形態においては、基地局114cとWTRU102eは、IEEE 802.11などの無線技術を使用して無線ローカルエリアネットワーク(Wireless Local Area Network:WLAN)を構築してもよい。一実施形態においては、基地局114cとWTRU102dは、IEEE 802.15などの無線技術を使用して無線パーソナルエリアネットワーク(Wireless Personal Area Network:WPAN)を構築してもよい。さらに他の実施形態においては、基地局114cとWTRU102eは、セルラーベースのRAT(例えば、WCDMA、CDMA2000、GSM、LTE、LTE−Aなど)を利用してピコセルまたはフェムトセルを構築してもよい。図2に示すように、基地局114bはインターネット110と直接接続されてもよい。そのように、基地局114cは、コアネットワーク106/107/109を介する必要なしにインターネット110にアクセスできる。
RAN103/104/105やRAN103b/104b/105bはコアネットワーク106/107/109と通信可能であり、コアネットワーク106/107/109は、音声やデータやアプリケーションやボイスオーバーインターネットプロトコル(Voice Over Internet Protocol:VoIP)サービスを、WTRU102a、102b、102c、102dのうち1つ以上に提供するように構成された任意の種類のネットワークであってもよい。例えば、コアネットワーク106/107/109は、呼制御、ビリングサービス、モバイル位置情報サービス、プリペイドコーリング、インターネット接続性、ビデオ配信などを提供したり、ユーザ認証などの高度セキュリティ機能を実行したりしてもよい。
図2には図示しないが、RAN103/104/105やRAN103b/104b/105bやコアネットワーク106/107/109は、RAN103/104/105やRAN103b/104b/105bと同一のRATまたは異なるRATを採用している他のRANと、直接または間接的に通信可能であることは理解されるであろう。例えば、コアネットワーク106/107/109は、E−UTRA無線技術を利用しうるRAN103/104/105やRAN103b/104b/105bと接続されていることに加えて、GSM無線技術を採用している別のRAN(図示せず)とも通信可能である。
コアネットワーク106/107/109は、WTRU102a、102b、102c、102d、102eがPSTN108やインターネット110やその他のネットワーク112にアクセスするためのゲートウェイとして機能することができる。PSTN108は、基本電話サービス(Plain Old Telephone Service:POTS)を提供する回路交換式電話網を含むことができる。インターネット110は、TCP/IPインターネットプロトコル群の中のトランスミッションコントロールプロトコル(Transmission Control Protocol:TCP)、ユーザデータグラムプロトコル(User Datagram Protocol:UDP)、インターネットプロトコル(Internet Protocol:IP)などの共通通信プロトコルを用いる相互接続されたコンピュータネットワークとデバイスのグローバルシステムを含むことができる。ネットワーク112は、他のサービスプロバイダが所有や運用をする有線または無線通信ネットワークを含むことができる。例えば、ネットワーク112は、RAN103/104/105やRAN103b/104b/105bと同一のRATまたは異なるRATを採用しうる1つ以上のRANと接続された別のコアネットワークを含むことができる。
通信システム100におけるWTRU102a、102b、102c、102dの一部または全部はマルチモード能力を有しうる。すなわち、例えば、WTRU102a、102b、102c、102d、102eは、異なる無線ネットワークと異なる無線リンクを介して通信するための複数の送受信機を有しうる。例えば、図2に示すWTRU102eは、セルラーベースの無線技術を採用しうる基地局114a、および、IEEE 802無線技術を採用しうる基地局114cと通信するように構成されうる。
図3は、例えば、WTRU102などの、本明細書に示す実施形態にしたがって無線通信用に構成された装置またはデバイスの一例のブロック図である。図3に示すように、例示のWTRU102は、プロセッサ118と、送受信機120と、送受信要素122と、スピーカ/マイク124と、キーパッド126と、ディスプレイ/タッチパッド/インジケータ128と、取り外し不能メモリ130と、取り外し可能メモリ132と、電源134と、グローバルポジショニングシステム(GPS)チップセット136と、その他の周辺機器138とを含むことができる。WTRU102は、一実施形態との整合性を維持しながら上記要素の任意のサブコンビネーションを含むことができることは理解されるであろう。また、各実施形態では、基地局114a、114bや、基地局114a、114bが代表しうるノード(とりわけ、無線基地局装置(BTS)、ノードB、サイトコントローラ、アクセスポイント(AP)、ホームノードB、進化型ホームノードB(Evolved Home Node-B:eNodeB)、ホーム進化型ノードB(Home Evolved Node-B:HeNB)、ホーム進化型ノードBゲートウェイ、およびプロキシノードなどであるが、これらに限らない)は、図3に示し本明細書で述べる要素の一部または全部を含むことができるということを想定している。
プロセッサ118は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、従来型プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(Digital Signal Processor:DSP)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと関連する1つ以上のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)回路、任意の他の種類の集積回路(Integrated Circuit:IC)、状態マシンなどであってもよい。プロセッサ118は、WTRU102の無線環境下での動作を可能にする信号符号化や、データ処理や、電源制御や、入出力処理や、任意のその他の機能などを実行することができる。プロセッサ118は送受信機120に接続されてもよく、送受信機120は送受信要素122に接続されてもよい。図3はプロセッサ118と送受信機120を別々の構成要素として図示しているが、プロセッサ118と送受信機120を1つの電子パッケージまたはチップに統合してもよいことは理解されるであろう。
送受信要素122は、エアインターフェース115/116/117を介して基地局(例えば、基地局114a)と信号の送受信を行うように構成されうる。例えば、一実施形態においては、送受信要素122はRF信号を送受信するように構成されたアンテナであってもよい。図2には図示しないが、RAN103/104/105やコアネットワーク106/107/109はRAN103/104/105と同一のRATまたは異なるRATを採用している他のRANと直接または間接的に通信可能であることは理解されるであろう。例えば、コアネットワーク106/107/109は、E−UTRA無線技術を利用しうるRAN103/104/105と接続されていることに加えて、GSM無線技術を採用している別のRAN(図示せず)とも通信可能である。
コアネットワーク106/107/109は、WTRU102a、102b、102c、102dがPSTN108やインターネット110やその他のネットワーク112にアクセスするためのゲートウェイとして機能しうる。PSTN108は、基本電話サービス(POTS)を提供する回路交換式電話網を含むことができる。インターネット110は、TCP/IPインターネットプロトコル群の中のトランスミッションコントロールプロトコル(TCP)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)、インターネットプロトコル(IP)などの共通通信プロトコルを用いる相互接続されたコンピュータネットワークとデバイスのグローバルシステムを含むことができる。ネットワーク112は、他のサービスプロバイダが所有や運用をする有線または無線通信ネットワークを含むことができる。例えば、ネットワーク112は、RAN103/104/105と同一のRATまたは異なるRATを採用しうる1つ以上のRANと接続された別のコアネットワークを含むことができる。
通信システム100におけるWTRU102a、102b、102c、102dの一部または全部はマルチモード能力を有しうる。すなわち、例えば、WTRU102a、102b、102c、102dは、異なる無線ネットワークと異なる無線リンクを介して通信するための複数の送受信機を有しうる。例えば、図2に示すWTRU102cは、セルラーベースの無線技術を採用しうる基地局114a、および、IEEE 802無線技術を採用しうる基地局114bと通信するように構成されうる。
図3は、例えば、WTRU102などの、本明細書に示す実施形態にしたがって無線通信用に構成された装置またはデバイスの一例のブロック図である。図3に示すように、例示のWTRU102は、プロセッサ118と、送受信機120と、送受信要素122と、スピーカ/マイク124と、キーパッド126と、ディスプレイ/タッチパッド/インジケータ128と、取り外し不能メモリ130と、取り外し可能メモリ132と、電源134と、グローバルポジショニングシステム(GPS)チップセット136と、その他の周辺機器138とを含むことができる。WTRU102は、一実施形態との整合性を維持しながら上記要素の任意のサブコンビネーションを含むことができることは理解されるであろう。また、各実施形態では、基地局114a、114bや、基地局114a、114bが代表しうるノード(とりわけ、無線基地局装置(BTS)、ノードB、サイトコントローラ、アクセスポイント(AP)、ホームノードB、進化型ホームノードB(eノードB)、ホーム進化型ノードB(HeNB)、ホーム進化型ノードBゲートウェイ、およびプロキシノードなどであるが、これらに限らない)は、図3に示し本明細書で述べる要素の一部または全部を含むことができるということを想定している。
プロセッサ118は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、従来型プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと関連する1つ以上のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)回路、任意の他の種類の集積回路(IC)、状態マシンなどであってもよい。プロセッサ118は、WTRU102の無線環境下での動作を可能にする信号符号化や、データ処理や、電源制御や、入出力処理や、任意のその他の機能などを実行することができる。プロセッサ118は送受信機120に接続されてもよく、送受信機120は送受信要素122に接続されてもよい。図3はプロセッサ118と送受信機120を別々の構成要素として図示しているが、プロセッサ118と送受信機120を1つの電子パッケージまたはチップに統合してもよいことは理解されるであろう。
送受信要素122は、エアインターフェース115/116/117を介して基地局(例えば、基地局114a)と信号の送受信を行うように構成されうる。例えば、一実施形態においては、送受信要素122はRF信号を送受信するように構成されたアンテナであってもよい。一実施形態においては、送受信要素122は、例えば、IRやUVや可視光の信号を送受信するように構成されたエミッタ/検出器であってもよい。さらに1つの実施形態においては、送受信要素122はRFおよび光信号のどちらも送受信するように構成されうる。送受信要素122は無線信号の任意の組み合わせを送受信するように構成されうることは理解されるであろう。
加えて、図3には、送受信要素122は単一要素として図示されているが、WTRU102は任意の数の送受信要素122を含んでもよい。より具体的には、WTRU102はMIMO技術を採用してもよい。このように、一実施形態においては、WTRU102は、無線信号をエアインターフェース115/116/117を介して送受信するための2つ以上の送受信要素122(例えば、複数のアンテナ)を含んでもよい。
送受信機120は送受信要素122に送信させる信号を変調し、送受信要素122が受信した信号を復調するように構成されうる。上記のように、WTRU102はマルチモード能力を有しうる。そのため、送受信機120は、WTRU102が、例えば、UTRAやIEEE 802.11などの複数のRATを介して通信できるように、複数の送受信機を含むことができる。
WTRU102のプロセッサ118は、スピーカ/マイク124やキーパッド126やディスプレイ/タッチパッド/インジケータ128(例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD)表示ユニットまたは有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode:OLED)表示ユニット)に接続されて、そこからユーザ入力データを受信することができる。プロセッサ118は、また、ユーザデータをスピーカ/マイク124やキーパッド126やディスプレイ/タッチパッド/インジケータ128に出力することができる。さらに、プロセッサ118は、取り外し不能メモリ130や取り外し可能メモリ132などの任意の適切なメモリからの情報にアクセスし、そこにデータを保存することができる。取り外し不能メモリ130はランダムアクセスメモリ(random-access memory:RAM)、読み出し専用メモリ(Read-Only Memory:ROM)、ハードディスク、または任意のその他の種類の記憶装置を含むことができる。取り外し可能メモリ132は加入者識別モジュール(Subscriber Identity Module:SIM)カード、メモリスティック、セキュアデジタル(Secure Digital:SD)メモリカードなどを含むことができる。一実施形態においては、プロセッサ118は、例えばサーバもしくはホームコンピュータ(図示せず)上にあるWTRU102上に物理的に位置しないメモリからの情報にアクセスし、そこにデータを保存してもよい。
プロセッサ118は電源134から電力を受け取ることが可能であり、WTRU102内の他の構成要素に対して電力の分配や制御をするように構成されうる。電源134は、WTRU102に電力を供給するための任意の適切なデバイスであってもよい。例えば、電源134は、1つ以上の乾電池、太陽電池、燃料電池などを含むことができる。
プロセッサ118は、また、WTRU102の現在の位置に関する位置情報(例えば、経度および緯度)を提供するように構成されることが可能なGPSチップセット136に接続されてもよい。WTRU102は、GPSチップセット136からの情報に加えて、またはそれに代えて、基地局(例えば、基地局114a、114b)からエアインターフェース115/116/117を介して位置情報を受信することと、2つ以上の近隣の基地局から受信されている信号のタイミングに基づいて自身の位置を決定することとの少なくとも一方を実行することができる。WTRU102は、一実施形態との整合性を維持しながら、任意の適切な位置決定方法によって位置情報を取得してもよいことは理解されるであろう。
プロセッサ118は、その他の周辺機器138にさらに接続されてもよく、その他の周辺機器138は、追加的特徴や、機能性や、有線または無線接続性を提供する1つ以上のソフトウェアやハードウェアのモジュール含むことができる。例えば、周辺機器138は、加速度計や生体計測(例えば、指紋)センサなどの各種センサ、電子コンパス、衛星トランシーバ、(写真またはビデオ用)デジタルカメラ、ユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus:USB)ポートまたはその他の相互接続インターフェース、振動デバイス、テレビジョントランシーバ、ハンズフリーヘッドセット、Bluetooth(登録商標)モジュール、周波数変調(Frequency Modulated:FM)無線ユニット、デジタル音楽プレーヤ、メディアプレーヤ、ビデオゲームプレーヤモジュール、インターネットブラウザなどを含むことができる。
WTRU102は、センサ、家庭用電化製品、スマートウォッチやスマートクロージングのようなウェアラブルデバイス、医療機器やeHealthデバイス、ロボット、産業機器、ドローン、乗用車、トラック、列車、航空機などの輸送手段などの、他の装置またはデバイス内に具現化されてもよい。WTRU102は、別の、そのような装置またはデバイスの構成要素、モジュール、またはシステムに、周辺機器138の1つを含みうる相互接続インターフェースなどの1つ以上の相互接続インターフェースを介して接続されてもよい。
図4は、一実施形態に係るRAN103とコアネットワーク106のシステム図である。上記のように、RAN103は、UTRA無線技術を用いて、エアインターフェース115を介してWTRU102a、102b、102cと通信することができる。RAN103はコアネットワーク106とも通信することができる。図4に示すように、RAN103は、ノードB140a、140b、140cを含んでもよく、ノードB140a、140b、140cは、それぞれ、WTRU102a、102b、102cとエアインターフェース115を介して通信するための1つ以上の送受信機を含むことができる。各ノードB140a、140b、140cは、RAN103内の特定のセル(図示せず)と関連付けられてもよい。RAN103はRNC142a、142bをさらに含むことができる。RAN103は、一実施形態との整合性を維持しながら、任意の数のノードBやRNCを含みうることは理解されるであろう。
図4に示すように、ノードB140a、140bはRNC142aと通信することができる。さらに、ノードB140cはRNC142bと通信してすることができる。ノードB140a、140b、140cは、Iubインターフェースを介して、RNC142a、142bそれぞれと通信してすることができる。RNC142a、142bは、Iurインターフェースを介して相互に通信することができる。各RNC142a、142bは、接続相手のノードB140a、140b、140cのそれぞれを制御するように構成されうる。加えて、RNC142a、142bの各々は、外部ループ電源制御、負荷制御、承認制御、パケットスケジューリング、ハンドオーバ制御、マクロダイバーシティ、セキュリティ機能、データ暗号化などの、他の機能性を実行またはサポートするように構成されうる。
図4に示すコアネットワーク106は、メディアゲートウェイ(Media Gateway:MGW)144と、モバイルスイッチングセンタ(Mobile Switching Center:MSC)146と、サービング汎用パケット無線サービス(General Packet Radio Service:GPRS)サポートノード(Serving GPRS Support Node:SGSN)148と、ゲートウェイGPRSサポートノード(Gateway GPRS Support Node:GGSN)150とのうち少なくとも1つを含むことができる。上記要素の各々はコアネットワーク106の部分として図示されているが、これらの要素のうちのいずれも、コアネットワークオペレータ以外の事業体による所有や運用が可能なことは理解されるであろう。
RAN103内のRNC142aは、IuCSインターフェースを介して、コアネットワーク106内のMSC146に接続されてもよい。MSC146はMGW144に接続されてもよい。MSC146とMGW144は、WTRU102a、102b、102cに、PSTN108などの回線交換ネットワークへのアクセスを提供して、WTRU102a、102b、102cと従来の固定通信デバイスの間の通信を円滑にすることができる。
RAN103内のRNC142aは、さらに、IuPSインターフェースを介して、コアネットワーク106内のSGSN148に接続されてもよい。SGSN148はGGSN150に接続されてもよい。SGSN148とGGSN150は、WTRU102a、102b、102cに、インターネット110などのパケット交換ネットワークへのアクセスを提供して、WTRU102a、102b、102cとIP対応デバイスの間の通信を円滑にすることができる。
上記のように、コアネットワーク106は、さらに、他のサービスプロバイダが所有や運用をする有線または無線ネットワークを含みうるネットワーク112に接続されてもよい。
図5は、一実施形態に係るRAN104とコアネットワーク107のシステム図である。上記のように、RAN104は、E−UTRA無線技術を用いて、エアインターフェース116を介して、WTRU102a、102b、102cと通信することができる。RAN104は、コアネットワーク107とも通信できる。
RAN104は、eノードB160a、160b、160cを含みうるが、RAN104は、一実施形態との整合性を維持しながら、任意の数のeノードBを含みうることは理解されるであろう。eノードB160a、160b、160cの各々は、WTRU102a、102b、102cとエアインターフェース116を介して通信するための1つ以上の送受信機を含むことができる。一実施形態においては、eノードB160a、160b、160cはMIMO技術を具現化しうる。そのため、eノードB160aは、例えば、複数のアンテナを使用して、WTRU102aに無線信号を送信し、そこから無線信号を受信しうる。
eノードB160a、160b、160cの各々は、特定のセル(図示せず)に関連付けられてもよく、無線リソース管理上の決定、ハンドオーバの決定、アップリンクやダウンリンクにおけるユーザのスケジューリングなどの処理をするように構成されうる。図5に示すように、eノードB160a、160b、160cは、X2インターフェースを介して、相互に通信することができる。
図5に示すコアネットワーク107は、モビリティ管理ゲートウェイ(MME)162と、サービングゲートウェイ164と、パケットデータネットワーク(Packet Data Network:PDN)166とを含むことができる。上記要素の各々はコアネットワーク107の部分として図示されているが、これらの要素のうちのいずれも、コアネットワークオペレータ以外の事業体によって所有や運用をされてもよいことは理解されるであろう。
MME162は、S1インターフェースを介してRAN104内のeノードB160a、160b、160cの各々に接続されてもよく、制御ノードとして機能してもよい。例えば、MME162は、WTRU102a、102b、102cのユーザの認証、ベアラのアクティブ化/非アクティブ化、WTRU102a、102b、102cの初期アタッチ中における特定のサービングゲートウェイの選択などを司ってもよい。MME162は、さらに、RAN104と、GSMやWCDMAなどの他の無線技術を用いる他のRAN(図示せず)の間の切り替えをするための、制御プレーン機能を提供してもよい。
サービングゲートウェイ164は、S1インターフェースを介して、RAN104内のeノードB160a、160b、160cの各々に接続されてもよい。サービングゲートウェイ164は、一般に、ユーザデータパケットをWTRU102a、102b、102cから、またはそこへルーティングおよびフォワーディングすることができる。サービングゲートウェイ164は、さらに、eノードB間のハンドオーバ中におけるユーザプレーンのアンカリング、WTRU102a、102b、102cがダウンリンクデータを利用可能なときのページングのトリガリング、WTRU102a、102b、102cのコンテキストの管理および記憶などの、他の機能を実行することができる。
サービングゲートウェイ164は、さらに、PDNゲートウェイ166に接続されてもよく、PDNゲートウェイ166は、WTRU102a、102b、102cに、インターネット110などのパケット交換ネットワークへのアクセスを提供して、WTRU102a、102b、102cとIP対応デバイスの間の通信を円滑にすることができる。
コアネットワーク107は、他のネットワークとの通信を円滑にしうる。例えば、コアネットワーク107は、WTRU102a、102b、102cに、PSTN108などの回線交換ネットワークへのアクセスを提供して、WTRU102a、102b、102cと従来の固定通信デバイスの間の通信を円滑にすることができる。例えば、コアネットワーク107は、コアネットワーク107とPSTN108の間のインターフェースとして機能するIPゲートウェイ(例えば、IPマルチメディアサブシステム(IP Multimedia Subsystem:IMS)サーバ)を含むか、またはそれと通信してもよい。さらに、コアネットワーク107は、WTRU102a、102b、102cに、他のサービスプロバイダが所有や運用をする有線または無線通信ネットワークを含みうるネットワーク112へのアクセスを提供することができる。
図6は、一実施形態に係るRAN105とコアネットワーク109のシステム図である。RAN105は、IEEE 802.16無線技術を用いて、エアインターフェース117を介して、WTRU102a、102b、102cと通信するアクセスサービスネットワーク(Access Service Network:ASN)であってもよい。後にさらに論じるように、WTRU102a、102b、102cと、RAN105と、コアネットワーク109との異なる機能エンティティ間の通信リンクを、基準ポイントとして定義することができる。
図6に示すように、RAN105は基地局180a、180b、180cとASNゲートウェイ182を含みうるが、RAN105は、一実施形態との整合性を維持しながら、任意の数の基地局とASNゲートウェイを含みうることは理解されるであろう。基地局180a、180b、180cの各々は、RAN105内の特定のセルに関連付けられてもよく、エアインターフェース117を介してWTRU102a、102b、102cと通信するための1つ以上の送受信機を含むことができる。一実施形態においては、基地局180a、180b、180cはMIMO技術を具現化しうる。そのため、基地局180aは、例えば、複数のアンテナを使用して、WTRU102aに無線信号を送信し、そこから無線信号を受信しうる。基地局180a、180b、180cは、さらに、ハンドオフトリガリング、トンネル確立、無線リソース管理、トラフィック分類、サービスの品質(QoS)ポリシー強制などのモビリティ管理機能を提供することができる。ASNゲートウェイ182は、トラフィック集約ポイントとして機能することができ、ページング、加入者プロファイルのキャッシング、コアネットワーク109へのルーティングなどを司ることができる。
WTRU102a、102b、102cとRAN105の間のエアインターフェース117を、IEEE 802.16仕様を具現化したR1基準ポイントとして定義することができる。さらに、WTRU102a、102b、102cの各々は、コアネットワーク109との論理インターフェース(図示せず)を構築することができる。WTRU102a、102b、102cとコアネットワーク109の間の論理インターフェースを、認証、許可、IPホスト構成管理、およびモビリティ管理のうち少なくとも1つのために使用されうるR2基準ポイントとして定義することができる。
基地局180a、180b、180cの各々の間の通信リンクを、WTRUハンドオーバ、および、基地局間のデータの転送を円滑にするためのプロトコルを含むR8基準ポイントとして定義することができる。基地局180a、180b、180cとASNゲートウェイ182の間の通信リンクをR6基準ポイントとして定義することができる。R6基準ポイントは、WTRU102a、102b、102cの各々に関連付けられたモビリティイベントに基づくモビリティ管理を円滑にするためのプロトコルを含むことができる。
図6に示すように、RAN105はコアネットワーク109に接続してもよい。RAN105とコアネットワーク109の間の通信リンクを、例えば、データ転送およびモビリティ管理能力を促進するためのプロトコルを含むR3基準ポイントとして定義することができる。コアネットワーク109は、モバイルIPホームエージェント(Mobile IP Home Agent:MIP−HA)184と、認証、許可、アカウンティング(Authentication, Authorization, Accounting:AAA)サーバ186と、ゲートウェイ188とを含むことができる。上記要素の各々はコアネットワーク109の部分として図示されているが、これらの要素のうちのいずれも、コアネットワークオペレータ以外の事業体によって所有や運用をされてもよいことは理解されるであろう。
MIP−HAはIPアドレス管理を司ることができ、WTRU102a、102b、102cが異なるASNや異なるコアネットワークの間をローミングできるようにすることもできる。MIP−HA184は、WTRU102a、102b、102cに、インターネット110などのパケット交換ネットワークへのアクセスを提供して、WTRU102a、102b、102cとIP対応デバイスの間の通信を円滑にすることができる。AAAサーバ186は、ユーザ認証とユーザサービスのサポートを司ることができる。ゲートウェイ188は、他のネットワークとの相互作用を円滑にすることができる。例えば、ゲートウェイ188は、WTRU102a、102b、102cに、PSTN108などの回線交換ネットワークへのアクセスを提供して、WTRU102a、102b、102cと従来の固定通信デバイスの間の通信を円滑にすることができる。さらに、ゲートウェイ188は、WTRU102a、102b、102cに、他のサービスプロバイダが所有や運用をする有線または無線通信ネットワークを含みうるネットワーク112へのアクセスを提供することができる。
図6には図示しないが、RAN105は他のASNに接続されてもよく、コアネットワーク109は他のコアネットワークと接続されてもよいことは理解されるであろう。RAN105と他のASNとの間の通信リンクをR4基準ポイントとして定義することができ、R4基準ポイントは、RAN105と他のASNとの間の、WTRU102a、102b、102cのモビリティを調整するためのプロトコルを含むことができる。コアネットワーク109と他のコアネットワークの間の通信リンクを、R5基準として定義することができ、R5基準は、ホームコアネットワークと訪問先コアネットワークの間の相互作用を円滑にするためのプロトコルを含むことができる。
本明細書で説明され、図2〜図6に示されたコアネットワークエンティティは、特定の既存の3GPP仕様においてそれらのエンティティに付けられた名前で識別されるが、将来は、それらのエンティティや機能性は他の名前で識別される可能性があり、特定のエンティティまたは機能性は、3GPPが発行する、3GPP NR仕様を含む将来の仕様において、組み合わされる可能性があることが理解される。そのため、説明され、図2〜図6に示された特定のネットワークエンティティおよび機能性は、単に例として提示したものであり、本明細書に開示され、特許請求された主題は、現在定義されているかまたは将来定義される任意の類似の通信システムの中に具現化または実装してもよいことが理解される。
図7は、図2〜図6に示された通信ネットワークの1つ以上の装置を実現しうる、例えば、RAN103/104/105内の特定のノードや機能エンティティ、コアネットワーク106/107/109、PSTN108、インターネット110、またはその他のネットワーク112などの、コンピューティングシステム90の一例のブロック図である。コンピューティングシステム90は、コンピュータまたはサーバを含むことができ、主としてコンピュータ読み取り可能な命令によって制御されてもよく、その命令はソフトウェア形式であってもよく、ソフトウェアは任意の場所に、あるいは任意の手段によって保存もしくはアクセスされてもよい。そのようなコンピュータ読み取り可能な命令は、プロセッサ91内で実行されて、コンピューティングシステム90を作動させることができる。プロセッサ91は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、従来型プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと関連する1つ以上のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)回路、任意の他の種類の集積回路(IC)、状態マシンなどであってもよい。プロセッサ91は、コンピューティングシステム90の通信ネットワーク内での動作を可能にする信号符号化や、データ処理や、電源制御や、入出力処理や、任意のその他の機能などを実行することができる。コプロセッサ81は、メインプロセッサ91とは別個の、追加的機能を実行するか、またはプロセッサ91をアシストするオプショナルプロセッサである。プロセッサ91とコプロセッサ81のうち少なくとも一方は、本明細書に開示の方法と装置に関係するデータを受信、生成、および処理することができる。
作動中、プロセッサ91は命令をフェッチし、解読し、実行し、そして、コンピューティングシステムの主たるデータ転送経路であるシステムバス80を介して、他のリソースと情報をやりとりする。そのようなシステムバスは、コンピューティングシステム90の構成要素を接続し、データ交換の媒介手段を規定する。システムバス80は、典型的には、データを送信するためのデータラインと、アドレスを送信するためのアドレスラインと、割り込みを送信するためとシステムバスを動作させるための制御ラインとを含む。そのようなシステムバス80の例は、周辺構成要素相互接続(Peripheral Component Interconnect:PCI)バスである。
システムバス80に接続されるメモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)82と読み出し専用メモリ(ROM)93を含む。そのようなメモリは、情報が保存され、読み出されることを可能にする回路を含む。ROM93は、一般に、容易に修正できない保存データを収納する。RAM82内に保存されたデータは、プロセッサ91または他のハードウェアデバイスによって読み取られるか、もしくは変更されうる。RAM82とROM93のうち少なくとも一方へのアクセスは、メモリコントローラ92によって制御されうる。メモリコントローラ92は、命令が実行されると、仮想アドレスを物理アドレスに変換するアドレス変換機能を提供することができる。メモリコントローラ92は、さらに、システム内のプロセスを隔離し、システムプロセスをユーザプロセスから隔離するメモリ保護機能を提供することができる。そのため、第1モードで実行中のプログラムは、それ自身のプロセス仮想アドレス空間によってマップされるメモリのみにアクセスすることができ、プロセス間のメモリ共有が設定されていない限り、別のプロセスの仮想アドレス空間内のメモリにアクセスすることはできない。
さらに、コンピューティングシステム90は、プロセッサ91から、プリンタ94、キーボード84、マウス95、およびディスクドライブ85などの周辺機器への命令伝達を司る周辺機器コントローラ83を含むことができる。
ディスプレイコントローラ96によって制御されるディスプレイ86は、コンピューティングシステム90によって生成される視覚出力を表示するために使用される。そのような視覚出力は、テキスト、グラフィックス、動画グラフィックス、およびビデオを含むことができる。視覚出力は、グラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の形態で提示されうる。ディスプレイ86は、ブラウン管(Cathode-Ray Tube:CRT)ベースのビデオディスプレイ、LCDベースのフラットパネルディスプレイ、ガスプラズマベースのフラットパネルディスプレイ、またはタッチパネルを用いて実現されうる。ディスプレイコントローラ96は、ディスプレイ86に送信されるビデオ信号を生成するために必要な電子部品を含む。
さらに、コンピューティングシステム90は、図2〜図6のRAN103/104/105、コアネットワーク106/107/109、PSTN108、インターネット110、またはその他のネットワーク112などの外部通信ネットワークにコンピューティングシステム90を接続するために使用されうる、例えば、ネットワークアダプタ97などの通信回路を含むことができ、それによって、コンピューティングシステム90がネットワークの他のノードまたは機能エンティティと通信することを可能にすることができる。通信回路は、単独に、またはプロセッサ91と共に使用されて、本明細書に記載された特定の装置、ノード、または機能エンティティの送信および受信ステップを実行することができる。
本明細書で説明されるシステム、方法、およびプロセスのうちのいずれかまたはすべては、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体上に記憶されたコンピュータ実行可能な命令(例えば、プログラムコード)の形態で具現化されることができ、その命令は、プロセッサ118または91などのプロセッサによって実行されると、プロセッサに、本明細書で説明されるシステム、方法、およびプロセスを実行または具現化させることが理解される。具体的には、本明細書で説明されるステップ、動作、または機能のうちのいずれかは、そのような、無線および有線ネットワーク通信のうち少なくとも一方のために構成された装置またはコンピューティングシステムのプロセッサ上で実行される、コンピュータ実行可能な命令の形態に具現化されうる。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、情報の記憶のための任意の非一過性の(例えば、有形、すなわち、物理的な)方法または技術の中に具現化される、揮発性および不揮発性、取り外し可能および取り外し不能な媒体を含むが、そのようなコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は信号を含まない。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、RAM、ROM、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory:EEPROM)、フラッシュメモリまたは他のメモリ技術、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(Compact Disc Read-Only Memory:CD−ROM)、デジタルバーサタイルディスク(Digital Versatile Disc:DVD)または他の光学ディスク記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置または他の磁気記憶デバイス、または所望の情報を記憶するために使用可能で、コンピューティングシステムによってアクセス可能な任意の他の有形すなわち物理的媒体を含むが、それらに限定されない。
ITU−R M.2083 2020年以降の国際モバイル通信(IMT)(IMT2020)(ITU-R M.2083 International Mobile Telecommunications (IMT) for 2020 and Beyond (IMT 2020))は、現在のIMTを超える使用法シナリオとアプリケーションの多様なファミリーへの拡張について説明している。幅広い種類の可能性が、これらの意図された異なる使用法シナリオとアプリケーションに緊密に結びつけられるであろう。想定される使用法シナリオのファミリーには、例えば、高度モバイルブロードバンド(Enhanced Mobile Broadband:eMBB)、超高信頼性低遅延通信(Ultra-Reliable and Low Latency Communications:URLLC)、および大規模マシンタイプ通信(Massive Machine Type Communications:mMTC)が含まれる。
3GPP TR 38.913、次世代アクセス技術に関するシナリオと要件に関する検討(リリース14)V0.3.0は、新無線(NR)技術のシナリオおよび要件を定義している。eMBB、URLLC、およびmMTCのデバイスに関する重要業績評価指標(KPI)を表3にまとめている。
システム情報(SI)は、UEがネットワーク内でアクセスや動作をするために取得する必要のある、進化型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(E−UTRAN)によってブロードキャストされる情報である。SIは、マスター情報ブロック(MIB)と多数のシステム情報ブロック(SIB)に分けられる。MIBとSIBの高レベルの概要は、3GPP TS 36.300 概説、ステージ2(リリース13)(3GPP TS 36.300 Overall description; Stage 2 (Release 13))に提示されている。詳細な説明は、3GPP TS 36.331 無線リソース制御(RRC)、プロトコル仕様(リリース13)(3GPP TS 36.331 Radio Resource Control (RRC); Protocol specification (Release 13))で与えられる。
UEは、3GPP TS 36.331に記述されているシステム情報取得手順を適用して、E−UTRANによってブロードキャストされたアクセス層(AS)と非アクセス層(NAS)に関係する情報を取得する。手順は、RRC_IDLE状態にあるUEとRRC_CONNECTED状態にあるUEに適用される。
図8に、システム取得手順の上位レベルの図を提示する。UEは、まず、他システムの情報を受信する必要があるセルの最も重要な物理層情報を含むMIBを取得する。MIBを取得したら、UEはSIB1を取得する。SIB1は、UEがセルへのアクセスを許可されているかどうか評価する際の関連情報を含み、他のシステム情報のスケジューリングを定義している。SIB1を取得したら、UEは、SIB1に含まれるSIBスケジュールに従って、残りのシステム情報を取得する。
UEは、システム情報取得手順を、以下のような数々のシチュエーションで、適用することができる。すなわち、セルの選択時(例えば、電源投入時)およびセルの再選択時、ハンドオーバ完了後、別の無線アクセス技術(RAT)からE−UTRAが入力された後、カバレッジ圏外からの復帰時、システム情報が変更されたことを通知された時点、ETWS通知、CMAS通知、およびEABパラメータ変更通知のうち少なくとも1つの存在を示す情報の受信時、CDMA2000上位層からの要求の受信時、および最大有効期限を超過した時点。
図9に、ネットワークスライシング概念の上位レベルの図を提示する。ネットワークスライスは、特定のユースケースの通信サービス要件をサポートする一群のロジカルネットワーク機能から構成される。それは、オペレータまたはユーザの、例えば、加入またはターミナルタイプに基づいたニーズを満足させるように、ターミナルを選択されたスライスに導きうるものとする。ネットワークスライシングは、主として、コアネットワークの分割を対象とするが、例えば、3GPP TR 22.891,新しいサービスおよびマーケットテクノロジーイネーブラ(SMARTER)の実現可能性検討、ステージ1(リリース14)(3GPP TR 22.891, Feasibility Study on New Services and Markets Technology Enablers (SMARTER); Stage 1 (Release 14))に説明されているように、無線アクセスネットワーク(RAN)が、複数スライスを、あるいは、異なるネットワークスライスのためにリソースを分割することさえもサポートする具体的機能性を必要としうることを除外するものではない。
電源投入後、UEは、図10に示すような、「アイドル」または「パケット通信」の2つの異なる状態をとることができる。電源投入後、およびセル検索実行後、UEは、セルを選択し、「アイドル」に移行する。状態間の移行は、進化型パケットシステム(Evolved Packet System:EPS)モビリティ管理(Evolved Packet System (EPS) Mobility Management:EMM)、EPS接続管理(EPS Connection Management:ECM)、および無線リソース制御(RRC)の機能によって全面的に管理される。各機能に関連付けられた状態の説明を表5にまとめている。
図11は、互いにオーバーレイされたEMM、ECM、およびRRCの状態マシンの図解である。UEが所定の状態にあるときの例を表6に提示する。対応する状態に対して各EPSエンティティ内に設定されるUE位置情報を表7にまとめている。
図12は、RRC状態マシンのさらに詳細な図解である。RRC_IDLE状態においては、無線アクセスネットワーク(RAN)内にはRRCコンテキストはなく、UEは特定のセルに所属しない。RRC_IDLE状態においては、データ転送は行われない。UEは、低電力状態にあり、制御トラフィック、すなわち、流入トラフィックのページング通知やシステム情報の変更などの制御チャネルブロードキャストをリッスンするだけである。UEは、まず、ネットワークブロードキャストをリッスンすることによって自身をネットワークに同期させ、次に、「接続」状態への移行を依頼する要求をRRCに出して、RANとUEの間にRRCコンテキストを確立するようにする必要がある。LTEアドバンストにおいては、目標時間はさらに50 msまで短縮される。
RRC_CONNECTED状態下では、UEのためのRRCコンテキストと資源の割り当てがある。UEが所属するセルは既知であり、UEとネットワークの間のシグナリングのために用いられるUEの識別子である、セル無線ネットワーク一時識別子(C−RNTI)は構成済みである。UEは、高電力状態にあり、進化型ノードB(eNB)とデータをやりとりできる状態にある。UEの電力を節約するために、不連続受信(DRX)が用いられる。すべての無線送信は、たとえ少量であっても、高電力状態への移行を強いる。その後、送信が終了すると、非活動タイマが切れるまで、無線はこの高電力状態に留まる。タイマは、実際のデータ転送のサイズの影響を受けない。その後さらに、デバイスは、アイドルに戻れるようになるまで、さらに何回かの中間的状態を繰り返す必要があるかもしれない。タイマ作動による状態移行によって生じる「エネルギーテール」によって、周期的転送の、モバイルネットワーク上のネットワークアクセスパターンは、非常に非効率的なものとなる。図13を参照のこと。
RAN2#94会議において、NRの「RAN制御状態(RAN controlled state)」(論文によっては非活動(INACTIVE)状態とも呼ばれる。例えば、サムスン社による、R2−165722、NRにおける新しいRRC状態に関する議論(R2-165722, Discussion on new RRC state in NR, by Samsung)参照)の概念について議論され、RAN制御状態とは、RAN/CN内において、シングリングが最小限に抑えられ、消費電力が最小化され、リソースコストが最小化され、この状態を利用する(そしてその恩恵を受ける)UEの数が最大化されうる状態であるべきとされた。さらに、RAN制御状態にあるUEは、RAN要件によって必要とされる低遅延でデータ転送を開始できなければならない。RAN2#95において、RAN制御状態に関してさらに詳細な検討がされ、以下の合意に達した。
第1に、UEは、一度に1つのNR RRC状態しかとれない。第2に、RANとコアの間の接続(コントロールプレーン(Control Plane:CP)とユーザプレーン(User Plane:UP))は「新状態(new state)」に維持されるべきである。第3に、「新状態」にあるUEのために、UE宛のRANからの通知手順を使用するべきである。そして、通知に関するパラメータは、RAN自身が構成すべきである。第4に、RANは、「新状態」にあるUEのために、UEが1つの「RANベース通知エリア」から別のエリアに移動したときは、いつでもそれを認識すべきである。「新状態」のコアに対する開示の可能性、通知の送信方法(例えば、ビーム、ブロードキャストなど)、およびCN位置更新とRAN更新の相互関連方法の問題は、必要があれば、さらに検討の余地がある。
LTEは、アイドルモードのアクセス層(AS)手順を含む。LTEにおいては、UEのアイドルモード手順は、3GPP TS 36.304、アイドルモードにおけるユーザ装置(UE)手順(リリース13)、V13.2.0(3GPP TS 36.304, User Equipment (UE) procedures in idle mode (Release 13), V13.2.0)の、以下の4つのプロセスに細分化できる。すなわち、公衆地上モバイルネットワーク(Public Land Mobile Network:PLMN)の選択、セル選択および再選択、位置登録、および限定加入者グループ(Closed Subscriber Group:CSG)の手動選択に対するサポート。
これらの手順間の関係を図14に示す。UEがスイッチオンされると、公衆地上モバイルネットワーク(PLMN)が、NASによって選択される。選択されたPLMNに対して、関連するRATを設定可能である。3GPP TS 23.122、アイドルモードにおけるモバイルステーション(Mobile Station:MS)に関係するNAS機能(リリース14)、V14.0.0(3GPP TS 23.122, NAS functions related to Mobile Station (MS) in idle mode (Release 14), V14.0.0)を参照のこと。NASは、可能なら、セル選択とセル再選択のためにASが用いなければならない等価なPLMNのリストを提供するものとする。
セル選択では、UEは、選択されたPLMNの適切なセルを検索し、その利用可能なサービスを提供するセルを選択し、さらに、UEは、その制御チャネルに同調するものとする。この選択は、「セルへのキャンピング(camping on the cell)」として知られている。
より適切なセルを発見した場合、UEは、セル再選択基準に従って、そのセルへの再選択を実施し、そこにキャンピングする。新しいセルが、少なくとも1つの、UEが登録済みのトラッキングエリアに属さない場合、位置登録が実施される。
アイドルモードにおけるセルへのキャンピングの目的は5つある。第1に、それによって、UEは、PLMNからシステム情報を受信することができる。第2に、UEが登録済みで、RRC接続の確立を希望すれば、UEがキャンピングしているセルの制御チャネル上のネットワークに最初にアクセスすることによって、UEはRRC接続をすることができる。
第3に、PLMNは、登録済みのUEへのコールを受信した場合、UEがキャンピングしている一連のトラッキングエリアを(ほとんどの場合)知っている。PLMNは、その後、この一連のトラッキングエリア内のすべてのセルの制御チャネル上のUEに対する「ページング」メッセージを送信する。すると、UEは、登録されたトラッキングエリアの1つの中のセルの制御チャネルに同調しているため、そのページングメッセージを受信し、その制御チャネル上で応答することができる。
第4に、セルへのキャンピングによって、UEは、ETWS通知およびCMAS通知を受信することができる。第5に、セルへのキャンピングによって、UEは、MBMSサービスを受けることができる。
UEが、キャンピングに適切なセルを発見できないか、位置登録に失敗した場合、UEは、PLMN識別子に関わらず、セルにキャンピングを試み、「限定サービス(limited service)」状態に入る。
LTEは、アイドルモードにおけるセル選択および再選択を含む。3GPP TS 36.133、無線リソース管理のサポートに対する要件、(リリース13)V13.2.0(3GPP TS 36.133, Requirements for Support of Radio Resource Management (Release 13) V13.2.0)に規定されているように、UEは、セル選択および再選択のための測定を実施するものとする。
NASは、例えば、選択されたPLMNに関連付けられたRATを指定し、登録禁止エリアのリストと等価PLMNのリストを維持することによって、セル選択を実施すべきRATを制御することができる。UEは、アイドルモード測定とセル選択基準に基づいて、適切なセルを選択するものとする。
セル選択プロセスを高速化するために、UEにおいて複数のRATのための記憶情報を利用することができる。
UEは、セルにキャンピングしているときは、セル再選択基準に従って、定期的により良いセルを検索するものとする。より良いセルが発見された場合、そのセルが選択される。セルの変更は、RATの変更を意味しうる。セル再選択の性能要件の詳細については、3GPP TS 36.133に述べられている。
NASは、セル選択および再選択が、NASに関連する受信済みのシステム情報の変更をもたらすかどうかを知らされる。
通常のサービスに対しては、UEは、PLMNからシステム情報を受信し、PLMNから、例えば、トラッキングエリア情報などの登録エリア情報を受信し、その他のASおよびNAS情報を受信することができるように、適切なセルにキャンピングし、そのセルの制御チャネルに同調する。登録されたら、UEは、PLMNから、ページングおよび通知メッセージを受信して、接続モードへの移行を開始することができる。
図15Aおよび図15Bは、RRC_IDLE状態におけるLTE UE状態、状態移行、および手順を示す。新しいPLMNの選択が実施されたら、常に、No.1に抜け出る。
LTEにおいては、例えば、3GPP TS 36.300に説明されているように、以下のイベントに対して、ランダムアクセス法が実行される。すなわち、RRC_IDLE状態からの初期アクセス、RRC接続再確立方法、ハンドオーバ、ランダムアクセス法を必要とするRRC_CONNECTED期間中のDLデータ到着(例えば、UL同期状態が「非同期」のとき)、ランダムアクセス法を必要とするRRC_CONNECTED期間中のULデータ到着(例えば、UL同期状態が「非同期」、または利用可能なスケジューリング要求(SR)に対する物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)リソースがないとき)、ランダムアクセス法を必要とするRRC_CONNECTED期間中のUEのポジショニングのため(例えば、UEのポジショニングのためにタイミングアドバンスが必要なとき)。
ランダムアクセス法は、2つの異なった形態をとる。すなわち、コンテンションベース(最初の5つの場合に適用可能)、および非コンテンションベース(ハンドオーバ、DLデータの到着、ポジショニング、および二次タイミングアドバンスグループ(Secondary Timing Advance Group:sTAG)のタイミングアドバンスアライメント取得のみに適用可能)。コンテンションベースのランダムアクセスでは、図16に示す4ステップ法が用いられる。
コンテンションベースのランダムアクセス法には4つのステップがある。ステップ1は、アップリンクにおけるランダムアクセスチャネル(RACH)上のランダムアクセスプリアンブルであり、eNBによるUEの送信タイミングの推定を可能にするRACHプリアンブルの送信を含む。ステップ2は、MACにより生成される、下り共通チャネル(Downlink Shared Channel:DL−SCH)上のランダムアクセス応答である。ネットワークは、タイミングアドバンスコマンド送信して、UE送信タイミングを調整する。ネットワークは、さらに、最初のスケジューリングされた上り共通チャネル(Uplink Shared Channel:UL−SCH)上のUL送信であるステップ3で使用するULリソースを、UEに割り当てる。ステップ3は、UL−SCHを使用した、モバイルターミナル識別子のネットワークへの送信を含む。ステップ4は、DL上のコンテンション解決であり、ネットワークからDL−SCH上のULへのコンテンション解決メッセージの送信を含む。
コンテンションフリーのランダムアクセスは、ダウンリンクデータの到着、ハンドオーバ、およびポジショニング時点において、アップリンク同期を再確立するためだけに用いられる。コンテンションフリーのランダムアクセス法を実施する際は、コンテンション解決は不要であるため、上記方法の最初の2つのステップだけが適用可能である。PHY層およびMAC層の観点からのランダムアクセス法のさらに詳細な説明は、それぞれ、3GPP TS 36.213、物理層法(リリース13)(3GPP TS 36.213 Physical Layer Methods (Release 13))および3GPP TS 36.321、ミディアムアクセス制御(MAC)プロトコル仕様(リリース13)(3GPP TS 36.321 Medium Access Control (MAC) protocol specification (Release 13))で与えられる。
RAN#71の期間中に、新無線アクセス技術に関する検討項目(SI)[14]が承認された。特に、SIの説明(SID)には、検討の目的が、機能強化されたモバイルブロードキャスト、大規模MTC、クリティカルMTC、およびRAN要件検討中に定義された追加要件を含む、広範囲のユースケースに応えられる新しいRATを開発することにあるという記述が含まれている。さらに、RAN#71では、新しいRATは、最高100GHzの周波数範囲を考慮すると述べられている(TR38.913)。
そのような高周波域での経路損失の増大を克服するために、指向性アンテナゲインによるビームフォーミングが、より高周波数におけるスペクトル効率とカバレッジの要件を満足させるための鍵となる実現技術として、想定されている。
NRはLTEとは異なる。1つの新次元として、送受信ポイント(TRP)におけるRFビームフォーミング能力がある。1つのgNBは(集中的または分散的な)複数のTRPを有しうる。各TRPは複数のビームを形成できる。特定のカバレッジに対して形成されるビーム数と、時間/周波数領域において同時的にアクティブなビーム数は、アンテナ配列中のアンテナ要素数と、TRPにおけるRFチェーンの数に依存する。同様に、UEも、TRPに向かうビームの形成をサポートすることができる。1つのUEは、単一または複数の送受信ビームをサポートすることができる。
ビームスイーピングを用いてもよい。指向性ビームのビーム幅/角度間隔は必然的に小さくなるので、UEとTRPのうち少なくとも一方は、各方向のビームを形成して、360度すべてをカバーするまで、ビームスイーピングを実施する必要がありうる。例えば、各ビーム幅をx度と仮定する。TRPが1回に1ビームしか形成できない場合、360度をカバーするためにはyビームスイープを要することになる。ただし、y ≧ [360/x]であり、[.]は最も近い整数関数であり、≧ は隣接するビームが重なる可能性があるためである。ビームフォーミングを用いる際には、いくつかの課題がある。a)基準信号の送信(例えば、ビームごとに基準信号を送信することはエネルギー的に効率的ではないかもしれない)、b)TRPの発見(例えば、ビームスイーピングのために、TRPが一時的に検出不能となりうる)、そしてc)サービングビームの維持(例えば、ビームの変更が非常に頻繁になる恐れがある)。そこで、NRのモビリティを設計する際には、これらの課題に留意することが好ましい。
ビーム変更のケースを、セル内高周波新無線(HF−NR)システムにおいて用いることが可能である。指向性アンテナゲインを持つビームフォーミングから成るHF−NRシステムにおいて、送受信に対して最良のビームは、無線環境のばらつきとUEモビリティのうち少なくとも一方のために、時間的に変化しうる。したがって、接続性を維持するためには、NR TRP/ノードとUEは、サービングビームを適切に追跡して変更できるべきである。セル内HF−NRシステムにおけるUEのビーム変更のケースの可能な例を表8に示す。
ここで留意すべきことは、上記のビーム変更は、ダウンリンクとアップリンクの両方に関して、(DL、UEとUL、TRP/ノードBに対して)異なった測定およびフィードバックエンティティを用いて、考えうるということである。図17は、表8に提示された各種ユースケースの例を示す。
現在、ビームフォーミングによるアクセスのための枠組みの設計をするための3GPP標準化の取り組みが進行中である。より高い周波数における無線チャネルの特性は、LTEが現在展開されている6GHz未満のチャネルとは大幅に異なっている。より高周波数を目指す新しい無線アクセス技術(RAT)の設計への鍵となる課題は、より高い周波数域における経路損失の増大を克服することにあるであろう。この経路損失の増大に加えて、回折の弱さに起因する閉塞によって、より高い周波数の波は不利な散乱環境にさらされる。したがって、十分な信号レベルを保証するためには、受信機側におけるMIMO/ビームフォーミングが必須である(R1−164013、ビームフォーミングによるアクセスのための枠組み(サムスン))(R1-164013, Framework for Beamformed Access (Samsung))。
より高い周波数域における経路損失の増大を補償するために、デジタルビームフォーミング(Beam Forming:BF)によって用いられるMIMOデジタルプリコーディングに頼るだけでは、6GHz未満と同様のカバレッジを提供するには不十分と思われる。そこで、デジタルビームフォーミングと合わせて、ゲインの増加を達成するためのアナログビームフォーミングを用いることが、代替手段になりうる。多数のアンテナ要素を用いて、十分に狭いビームを形成すべきであるが、それは、LTE評価のために想定されるものとは全く違ったものになる可能性が高い。ビームフォーミングゲインを大きくするためには、それに相応して、ビーム幅が小さくなる傾向があり、そのため、具体的には、3セクタ構成においては、ゲインの大きな指向性アンテナによるビームは、水平セクタ面積全体をカバーできない。同時に発せられるハイゲインビームの数を制限する要因には、コストおよび送受信機構造の複雑さが含まれる。
カバレッジの狭いビームを、異なるサービングエリアをカバーするようにステアリングする、時間領域における多重送信が有用となりうる。本質的に、サブアレイのアナログビームは、直交周波数分割多重(OFDM)シンボルの時間分解能で、またはセル内の異なるサービングアリア間のビームステアリングのために定義された任意の適切な時間間隔単位で、単一方向にステアリングされうる。そのため、サブアレイの数が、ビーム方向の数、および各OFDMシンボル上の対応するカバレッジ、またはビームステアリングのために定義された時間間隔単位を決定する。文献によっては、この目的のための、カバレッジの狭い複数ビームの供給を、「ビームスイーピング(beam sweeping)」と呼んでいる。アナログおよびハイブリッドビームフォーミングのためには、ビームスイーピングが、NRにおける基本的なカバレッジを提供する上で必須であると思われる。この概念を示す図18では、セクタビームと、複数の高ゲインで狭いビームによって、セクタレベルのセルのカバレッジが達成されている。また、大規模MIMOを伴うアナログおよびハイブリッドビームフォーミングのためには、カバレッジの狭いビームを、異なるサービングエリアをカバーするようにステアリングする、時間領域における多重送信が、NRにおけるサービングセル内のカバレッジエリア全体をカバーするためには必須である。
ビームスイーピングと密接に関連する1つの概念は、UEとそのサービングセル/TRPの間の最良のビームペアを選択するために用いられる、ビームペアリングの概念であり、ビームペアリングは、制御シグナリングまたはデータ送信のために用いることができる。ダウンリンク送信のためには、ビームペアは、UE RXビームとNRノード/TRP TXビームで構成され、アップリンク送信のためには、ビームペアは、UE TXビームとNRノード/TRP RXビームで構成されるであろう。
もう1つの関連概念は、ビームリファインメントに用いられる、ビームトレーニングの概念である。例えば、図18に示すように、ビームスイーピングとセクタビームペアリングの手順の期間中に、粗いセクタのビームフォーミングが適用されうる。続いて、例えば、アンテナ重みベクトルをリファインするビームトレーニングが行われ、次に、高ゲインで狭いビームのUEとNRノードの間のペアリングが行われる。
NRにおいては、初期アクセス手順は、例えば、初期同期化とセル検索、ビームトレーニングとトラッキング、およびMIBシステム情報配信を含みうる。初期同期化とセル検索は、PSSやSSSなどのDL同期化チャネルを含みうる。ビームトレーニングとトラッキングは、ビーム基準信号の使用を伴いうる。MIBシステム情報配信は、物理報知チャネル(Physical Broadcast Channel:PBCH)を含みうる。
NRは、低周波NR(Low Frequency NR:LF−NR)、すなわち、6GHz未満、および高周波NR(High Frequency NR:HF−NR)、すなわち、6GHz以上をサポートする。LF−NRにおいては、単一のより幅の広いビームが、カバレッジには十分でありうる。しかし、HF−NRにおいては、単一のより幅の広いビームは、カバレッジには十分でない恐れがあり、そのため、カバレッジを高めるには、複数の幅の狭いビームが、好適な解決策である。したがって、NRは、初期アクセス信号送信に対して、シングルビームベース(すなわち、シングルセクタ)、およびマルチビーム(マルチセクタ)ベースのアプローチをサポートすることが可能である。初期アクセス信号は、DL同期化チャネル、すなわち、PSS/SSS、ビームフォーミング基準信号、およびPBCHチャネルを含む。初期アクセス信号送信のためのシングルおよびマルチビームを、図19および図20に示す。図19では、DL初期アクセス信号が、単一のより幅の広いビームを用いて送信される。図20では、DL初期アクセス信号は、各々の幅の狭いビームを用いて送信され、各々の幅の狭いビームは、2次元(2-dimensional:2D)のビームの瞬間ごとに異なる水平角度に向けられている。
NRノードにおいて、大量の複数ビームを同時に送信するには限界がありうるので、DL初期アクセス信号のためのマルチビームを送信するために、考えられる解決策として、ビームスイーピングを用いる方法がある。ビームスイーピングは、一度に1つのスイーピングビームと複数のスイーピングビームのいずれかに分類できる。ここで、ビームスイーピング時間ユニットの単位として、スイーピングブロックを定義する。さらに、ビームスイーピングサブフレームは、複数のスイーピングブロックから構成され、各スイーピングブロックは、少なくとも1つ以上のOFDMシンボルから構成されうる。図21には、DLスイーピングサブフレームの例が図示されている。DLビームスイーピングサブフレームは、時間周期Tで周期的に送信されうる。この周期Tは、URLLC、mMTC、あるいはeMBBサービスなどの異なるアプリケーションごとに変化しうる。さらに、単一または複数スイーピングサブフレームを、NRシステム内で用いることもできる。
ビームスイーピングブロックは、DL同期化チャネル(PSS/SSS)、ビームトラッキング基準信号、PBCHチャネルなどのDL初期アクセス信号を運ぶことができる。OFDMシンボルがビームスイーピングブロックごとに用いられた場合、DL同期化チャネル、ビーム基準信号、およびPBCHは、OFDMシンボル内に共存する必要がある。この場合、DL同期化チャネル、ビーム基準チャネル、およびPBCHは、OFDMシンボル内で周波数分割多重化(FDM化)される。
複数のOFDMシンボルがスイーピングブロックごとに用いられた場合、ビームスイーピングブロックの各々は、数々のオプションを持ちうる。DL同期化チャネル(PSS/SSS)は、例えば、異なるOFDMシンボルに置かれてもよい。別のオプションでは、1つのビームスイーピングブロックにDL同期化チャネルが1つだけあり、PSSは、最後のOFDMシンボル、またはビームスイーピングブロックの最初のシンボルに位置する。同様に、ビーム基準信号およびPBCHは、同一のOFDMシンボルまたは異なるOFDMシンボルを用いることができる。さらに、PBCHは、DL同期化チャネルおよびビーム基準信号とは異なる送信周期をもつことも可能である。
図22は、単一のOFDMシンボルが提示されているスイーピングブロックの例を示す。図22の例では、DL同期化とPBCHが共存している。
図23は、複数のOFDMシンボルが提示されているスイーピングブロックの例を示す。図23の例では、DL同期化、PBCH、およびビーム基準信号は、異なったOFDMシンボルに置かれうる。しかし、一般に、1つのビームスイーピングブロックには、DL同期化は1つしかない。
ビームスイーピングを実行するために、NRノードは、各スイーピングブロックの期間中、ビームのサブセットを有効にする。シングルビームかマルチビームかの選択を、ビームスイーピングブロックに関連付けることができる。図24は、4ビームから成る1セクタがスイーピングブロックごとに有効化される例を示す。この例では、12ビームから成るフルセットが、3スイーピングブロックでスイープされる。図25は、各セクタ内の1ビームがスイーピングブロックごとに有効化される例を示す。この例では、12ビームから成るフルセットが、4スイーピングブロックでスイープされる。
スイーピングブロックを、自己完結型サブフレーム用に採用することができる。図26は、Rx/Tx切り替えを考慮した保護期間によって分離されたDLスイーピングブロックを持つ自己完結型スイーピングサブフレーム構造の一例を示す。
3GPP TdocR2−162210、ビームレベル管理(3GPP TdocR2-162210, Beam level management)において、UEモビリティ管理が議論されている。LTE Rel−11は、多数のTRPから成るセルをサポートしており、そのセルでは、TRPからの送信をさらに特定のUEに向けることができる(例えば、1つのTRPからの送信は必ずしも同じカバレッジエリアを持っていない)。あるUEに対してどのTRPを使うかということは、層1(L1)によって(例えば、物理層によって、TRPによって送信されたチャネル状態情報基準信号(Channel State Information Reference Signal:CSI−RS)から測定されたUEフィードバックに基づいて)決定される。RRCは、依然として、CSI−RS構成とUEフィードバック構成のUEへの通知には関与しているが、RRCは、続く送信時間間隔(TTI)内の、1つのTRPから別のTRPへの切り替えには直接関与しない。同様に、RRCは、UEに向けて使用されるビームの方向の決定にも関与しない。このTRP、ビームフォーミング、または選択は、UEからのL1フィードバックに基づいて決定され、RRCは、フィードバック報告の構成には関与するものの、特定のUEへのビーム方向には関与しない。
あるUEに対してどのTRPを用いるか、およびどのようにして送信をそのUEに向けるかという選択は、一般に、ビームレベルUEモビリティ管理と呼ばれる。LTEにおいては、UEモビリティは、2つのレベルで処理される。すなわち、IDLE状態におけるセル選択/再選択であり、CONN状態でRRCによって処理される、セルレベルモビリティ、およびL1が、UEに使用すべきTRPと最適なビーム方向の適切な選択を処理する、ビームレベル管理である。
NRシステムは、UEモビリティを処理するために、UEモビリティに関するセルベースのハンドオーバに加えて、「ビームベースモビリティ」により強く依存すると予想される。MIMO、フロントホール、クラウドRAN(C−RAN)、およびネットワーク機能仮想化(NFV)のような技術は、1つのNRノードによって制御されるカバレッジエリアの増大を可能にし、したがって、ビームレベル管理の可能性を拡大し、セルレベルモビリティの必要性を抑制するであろう。1つのNRノードのカバレッジエリア内のすべてのモビリティを、ビームレベルで処理ことも可能であり、セルレベルのハンドオーバを、NRノード間のモビリティ管理だけのために使用することも可能であろう。
1つのNRノードによって制御されるエリアには常に境界がありうるので、セルレベルモビリティはやはり必要である。このような場合のためには、RRCベースのハンドオーバが適切なメカニズムと思われる。UEは、恐らく、IDLE状態でセル再選択を実施するか、または、CONN状態でセル品質の測定と測定結果の報告をする必要があるであろうし、それによって、NRノード間のハンドオーバが発生する可能性があるであろう。
NRにおいては、ビームフォーミングは、UE回転の影響を受ける。高周波数帯(>6GHz)において、その帯域での大きな経路損失を克服するために、ビームフォーミングが重要である。したがって、6GHz以上でのUE回転は、6GHz以下の帯域よりもはるかに大きな影響を及ぼすであろう。3GPP tdoc R1−166904には、UE側のビームフォーミングを用いた場合、UE回転によって著しい性能劣化を生じうることが示されている。
RAN1会議86(RAN1 meeting 86)のR1−168308において、UE/TRPのビーム変化、およびCSI報告インスタンスからデータ送信インスタンスへのCSIのミスマッチに対する、UEの移動や回転やチャネル/ビーム閉塞の影響を検討することが合意された。さらに、ロバスト性を向上させるために、UE/TRPのTx/Rxビームの管理および送受信技術(例えば、セミオープンループ(semi-Open Loop:OL)MIMO送信、ビームサイクリング、およびビームの広角化)について検討することが合意された。
NR測定およびモビリティに関して、RAN2#95の期間中、RAN2は、R2−166001、RAN2草案95ヨーテボリ、v0.1(R2-166001 Draft Report RAN2 95 Gothenburg v0.1)について討議し、5Gにおいては、UEは、IDLEモード動作中に、最良のセルにキャンピングすることを合意した。しかし、UEが最良のセルを決定する方法については合意されなかった。
RAN2#95の期間中、RAN2は、「xSS」(LTEセル固有のRSに類似する)があり、「xSS」上には少なくともNRセルの識別子(Identifier:ID)があり、xSSは少なくともアイドル状態で用いられることを合意した。
2016年8月22日〜26日に、スウェーデンのヨーテボリで開催された、3GPP TSG RAN WG1会議#86において、NRにおける測定に関する初期合意がなされた。RAN1#86 v020に関する議事録草案のレポートには、NRにおける無線リソース管理(Radio Resource Management:RRM)測定、少なくともDL測定は、シングルビームベースの動作とマルチビームベースの動作の両方を考慮してサポートされると記載されている。マルチビームベースの動作に対するRRM測定の定義、RRM測定のためのDL信号、およびDL測定を適用する時期に関する問題については要検討とされた。現時点では、DL測定が、NRにおけるRRM測定に対する完全な解決策であるという結論は得られていない。
RAN1#86 v020に関する議事録草案のレポートには、1個または複数のTRP内でサポートされる数々のDL L1/L2ビーム管理手順が含まれていた。TRPのTxビーム/UEのRxビームの選択をサポートするための、異なるTRPのTxビームに対するUE測定を可能にするために、1つの手順が用いられる。TRPにおけるビームフォーミングのために、手順は、一般的には、一群の異なるビームからの、TRP内/TRP間のTxビームスイーピングを含む。UEにおけるビームフォーミングのために、手順は、一般的には、一群の異なるビームからの、UEのRxビームスイーピングを含む。TRPのTxビームおよびUEのRxビームを一緒に決定できるか、もしくは順次に決定できるかについては検討が必要である。TRP間/TRP内のTxビームを、P−1におけるよりも小さい可能性がある群のビームリファインメント用のビームから場合によっては変更するための、異なるTRPのTxビームに対するUE測定を可能にするために、第2の手順が用いられる。このように、第2の手順は、第1の手順の特殊ケースでありうる。UEがビームフォーミングを用いる場合にUEのRxビームを変更するための、同一のTRPのTxビームに対するUE測定を可能にするために、第3の手順が用いられる。
R1−168468、ビーム関連手順をサポートする定義(ノキア、クアルコム、CATT、インテル、NTTドコモ、メディアテック、エリクソン、ASB、サムスン、LG)(R1-168468, Definitions Supporting Beam Related Procedures (Nokia, Qualcomm, CATT, Intel, NTT DoCoMo, Mediatek, Ericsson, ASB, Samsung, LG))には、ビーム決定、測定、報告、およびスイーピングを含むDLおよびUL送受信のために使用可能な、一群のTRPとUEのうち少なくとも一方のビームを取得して維持するための一連のL1/L2手順として、ビーム管理が説明されている。ビーム決定とは、TRPまたはUEが、それ自身のTx/Rxビームを選択することである。ビーム測定とは、TRPまたはUEが、受信したビームフォーミングされた信号の特性を測定することである。ビーム報告とは、UEが、ビーム測定に基づいて、ビームフォーミングされた信号に関する情報を報告することである。ビームスイーピングとは、所定の方法で、ある期間に送信や受信されるビームで、空間エリアをカバーする動作である。
3GPP TR 38.913、次世代アクセス技術に関するシナリオと要件に関する検討(リリース14)の第10.6節には、現在LTEで使用されている測定モデルが定義されている。そのモデルを図27に示す。入力Aが、物理層の内部の測定値(サンプル)である。層1フィルタリングは、点Aで測定された入力の内部フィルタリングである。厳密なフィルタリングは、実装に依存する。実装(入力Aと層1フィルタリング)によって物理層内で実際に測定をする方法を、規格は制約していない。層1フィルタリング後に、測定値Bが、層1から層3に報告される。測定値Bに対して、層3フィルタリングが実行される。層3フィルタの挙動は標準化されており、層3フィルタの構成はRRCシグナリングによって与えられる。層3フィルタ内の処理によって、測定値Cが生じる。測定値Cのフィルタリングの報告期間は、Bにおける、1測定期間と等しい。レポーティングレートは、点Bにおけるレポーティングレートと等しい。この測定値は、報告基準の1つ以上の評価に対する入力として使用される。報告基準の評価では、点Dにおける実際の測定報告が必要かチェックされる。評価は、基準点Cにおける測定値の複数の流れに基づいて(例えば、異なる測定値を比較することで)行うことができる。これを、入力CおよびC’で示す。UEは、少なくとも新しい測定結果が点C、C’で報告されるたびに、報告基準を評価するものとする。報告基準は標準化され、その構成はRRCシグナリング(UE測定値)によって与えられる。測定値Dは、無線インターフェース上で送信される報告情報(メッセージ)である。
層1フィルタリングは、あるレベルの測定値平均化をもたらすであろう。UEが、必要な測定を実行する厳密な方法および時期は、Bにおける出力が、3GPP TS 36.133:進化型ユニバーサル地上無線アクセス(E−UTRA)(3GPP TS 36.133: Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA)) に設定されている性能要件を満足する程度に、実装に固有であろう。層3フィルタリングおよび用いられるパラメータは、3GPP TS 36.331に指定されており、BとCの間のサンプルの利用可能性にいかなる遅延ももたらさない。点C、C’における測定値は、イベント評価で用いられる入力である。
NRシステム情報に関しては、RAN2#95会議において、UEは、最良のセルにキャンピングするべきであることが合意された。最小SIと他のSIの、2種類のSIがある。最小SIの内容は、少なくとも、セル選択をサポートし、他のSIを取得し、セルにアクセスするための情報を含むべきである。ヨーテボリ会議議長メモによれば、RAN2#95において、以下の5点が合意された。第1に、R2−164006、システム情報配布要件(エリクソン)(R2-164006, Requirements for System Information Distribution (Ericsson))の提案1、4、5、6、および7を、必要であれば一部を書き換えた上で、RAN2 TRにおけるSI設計のガイドラインとしてとらえること。第2に、システム情報の定期的ブロードキャスト以外のメカニズムを、検討項目の検討中に、検討すべきである。第3に、最小SIを定期的にブロードキャストする必要がある。第4に、最小SIの内容は、少なくとも、セル選択をサポートし、他のSIを取得し、セルにアクセスするための情報を含むであろう。第5に、他のSIをブロードキャストするか、もしくはUE固有のシグナリングを通じて配布するかについては、ネットワークが決定するであろう。
最小SIの設計は、配布の効率性、およびアクセスネットワークとUEの消費電力を考慮したものとでなければならない。
R2−162571、仮想セルの導入(CATT)(R2-162571, Introduction of Virtual Cell (CATT))は、図28に示すように、仮想セルを、中央ユニットの制御下にある、同一のセルIDを持つ複数の送受信ポイント(TRP)として定義している。共通情報またはセルレベルの情報は、広いセルエリアの中に送信され、専用データはUE近傍の隣接するTRPから、CP/UPを分割して送信される。
このモビリティフレームワークの代表的なユースケースを図29に示す。図29に明示されている2つのUEは、eMBB、URLLC、またはmMTCデバイスでありうる。mMTCデバイスの場合、UEは、例えば、アンテナに制約のある(例えば、周波数帯域幅の制約、アンテナポートなど)限られたフロントエンド能力を有している可能性があり、したがって、UEによって形成されるビームはレガシー(旧来の)無指向性ビームである恐れがある。UE1が新しい位置へ移動した場合、同じTRP(図29のTRP1)からより良いビームが得られる可能性がある。この場合、TRP内のビームスイッチングが実行される可能性がある。UE2が新しい位置へ移動した場合、検出された現在のPHYモビリティセットの中に、TRPからの許容可能なビームがないかもしれない。現在のPHYモビリティセットを更新する必要がある。更新した後、UE2は、TRP3からのビームを新しいサービングビームとして使用可能であると決定する。この場合、TRP間のビーム変更を実施してもよい。ここで、ダウンリンクとアップリンクに用いるビームは同じでなくてもよいことに留意すべきである。ここでは、例示の都合上、アップリンクビームとダウンリンクビームの両方にビーム変更を適用すると考えてもよい。
NRでは、高周波数における信号伝搬が頻繁に閉塞やデフネス状態に陥ることになる困難な伝搬特性を補償するために、ULとDLの両方において、初期アクセス情報のような制御情報のためのビームフォーミングを広く用いることができる。代表的なビームカバレッジエリアは狭くなりがちであり、このことは、より広いカバレッジエリアをカバーするためのビームスイーピングの必要性を示唆している。さらに、アナログビームフォーミング、デジタルビームフォーミング、およびハイブリッドビームフォーミングなどの、異なるビームフォーミング法がサポートされる可能性がある。これらの新しい方法によって、ビームトレーニング/スイーピングや、閉塞やデフネスあるいはモビリティに起因する頻繁なビーム変更などに対する、新しいニーズが発生する。例えば、より良品質のビームが利用できる可能性があるが、ビームスイーピングのために、一時的に検出不能である。また、ユーザが単に首を回したり、電話の方向を変えたりしたときでも、使用するビームを切り替える(例えば、TRP/ビーム方向を切り替える)必要があるかもしれず、LTEにおける場合よりもはるかに頻繁なビームスイッチングを引き起こすことになる。
レガシーLTEにおいては、セル内モビリティでは、異なるTRPを考慮すべき場合には、RRCは、依然として、非常に頻繁にL1ビーム測定およびL1ビーム報告の構成を再構成するであろう。より狭いビームカバレッジエリアと、より頻繁なビームスイッチングを仮定すると、RRCベースのレガシーハンドオーバ法では、RRC再構成は、オーバーヘッドの観点からは高コストであり、しかも比較的低速であるため、様々なNRユースケース(eMBB、URLLC、mMTC)に対する遅延、ユーザの経験するデータレート、およびエネルギー効率のKPI要件を満足できないであろう。
複数TRPの使用、フロントホール、C−RAN、およびNFVなどの技術は、1つのNRノードによって制御されるカバレッジエリアの拡大を可能にし、それによって、ビームレベルのモビリティ管理の可能性を高め、セルレベルのモビリティ管理の必要性を少なくする。
さらに頻繁なビーム/TRPの変更の可能性を考慮すると、NRノード内モビリティのシチュエーションにおけるeMBB、URLLC、mMTCデバイスに対する遅延、ユーザの経験するデータレート、およびバッテリ寿命の要件を満足させるモビリティ管理の実施方法に関して、新しい解決策が必要となる可能性がある。
4Gの既存MIMO技術(プリコーディング、フィードバック、およびスケジューリングを含む)は、UEの回転に比較的鈍感である。既存技術は、6GHz以上の周波数帯域におけるUE回転に起因する特定の問題を解決することができない。例えば、極めて短時間以内のビームフォーミングの不一致が、UE回転に起因して発生する可能性がある。同様に、実際のCSIと報告されたCSIが、UE回転のために、大幅に相違する可能性がある。したがって、NRにおけるUE回転に起因する問題に対処するためには、適切なUEおよびネットワークチャネルの構造と手順の設計が必要である。
高周波新無線(HF−NR)においては、レガシーLTEよりも頻繁なビーム/TRPの変更が予想される。遅延、ユーザの経験するデータレート、およびバッテリ寿命の要件を満足させるためには、NRノード内モビリティの場合、統一されたモビリティフレームワークが、効果的かつ効率的に、より短い遅延で、上位層を含むシグナリングで、TRPおよびビームの選択/再選択を実施することができる。可能な解決策には、マルチレベルモビリティセットの構築、構成、および更新が含まれ、例えば、初期構成を決定するメカニズム、初期構成の実施方法、トリガイベントを更新する決定とメカニズム、モビリティセットを更新するメカニズム、更新動作の実施方法、UE制御によるビーム変更のコールフロー、およびその他のビーム中心型アーキテクチャの統一されたフレームワークのモビリティ法が含まれる。
統一されたモビリティフレームワークは、モビリティ決定がUEによってなされる、例えば、「UE制御モビリティ」、ネットワークによってなされる、例えば、「ネットワーク制御モビリティ」、またはUEとネットワークの両方によってなされる場合に達成されうる。UEの中においては、モビリティ決定は、L3層(例えば、NR RRC)、L2層(例えば、MAC)、またはL1層(例えば、PHY層)によってなされうる。図30に示すように、解決策は、NRモビリティセットとPHYモビリティセットの概念を導入して用いる。NRモビリティセットは、TRP(またはセル)のセットであり、その中では、UEは、次世代無線アクセスネットワークノードB(gNB)への情報提供を必要とせず移動できる(例えば、UE内モビリティセットのモビリティはUE制御される)。PHYモビリティセットは、NRモビリティセットのサブセットであり、その中では、ビームレベルモビリティが適用される。両方のセットは、UE固有であり、例えば、各UEはそれ自身のモビリティセットを有しており、UE、ネットワーク、およびオペレータからの動的な要求に合わせることができる。NRモビリティセットは、RANを集中的に制御する、例えば、gNBなどのネットワークエンティティによって決定される。NRモビリティセット内のモビリティは、UE制御される。PHYモビリティセットは、NRモビリティセットのサブセットであり、ビームレベルモビリティが適用されるRRC層などの、UEの上位層によって決定される。
このフレームワークは、いくつもの利点を持っている。例えば、モビリティがUE制御されるため、レガシーハンドオーバ法における高コストで比較的遅いRRCシグナリングが回避され、遅延やバッテリ消費の低減、スループット変動の減少につながる。このフレームワークは、ネットワーク制御に対して一定レベルの柔軟性と、モビリティセット構成としての一定の度合の将来の拡張性を提供し、影響を及ぼすイベントおよびしきい値は構成可能である。モビリティセットの構成、および関連するしきい値およびイベントを調整することにより、QoS要件、ネットワーク/RANスライシング、および異なるユースケースをサポートすることができる。gNBは、解決策を柔軟に構成して、NRモビリティセットのサイズをTRP1個分のサイズに設定することにより、完全なネットワーク制御を可能にする。オペレータは、解決策を構成して、NRモビリティセットのサイズを無線アクセスネットワーク全体のサイズに設定することにより、完全なUE制御モビリティを可能にする。例えば、この場合のNRモビリティセットは、ネットワークが動作する周波数の全体セット上で動作するすべてのTRPまたはセルを含むように構成されうる。オペレータは、NRモビリティセットを、UE制御モビリティが可能なネットワークのサブセットを含むように構成することもできる。NRモビリティセット内のモビリティがUE制御下にある間は、NRモビリティセット間のモビリティはRAN制御下にある。解決策は、中央コントローラと分散ユニットを含むRANアーキテクチャにも有用である。NRモビリティセットは、分散ユニットにマッピングするようにも構成されることもでき、すると、UE制御によるモビリティは、分散ユニットレベルに限定され、一方、RAN制御によるモビリティは、中央コントローラによって、NRモビリティセット間のモビリティのために実行される。
本明細書の例では、RRCシグナリングは、物理(PHY)層より上位のプロトコルスタック層に関係するシグナリングに準拠して、一般的な方法で用いられる。RRCシグナリングの代わりに、他の上位層シグナリング(例えば、MAC制御要素(MAC CE)シグナリング)を用いることもできる。
特定のネットワークエンティティを識別するために、3GPP TS 36.300の第8.2節に定義されているものと類似の、各種識別子を用いることができる。TRP識別子(TRP ID)は、gNB制御されるネットワーク内の異なるTRPを識別するために用いられる。IDは、xビット長(例えば、xは、16、32、など)で、ネットワークシグナリングメッセージのフィールド内に収納されうる。複数のTRPは、同一または異なるIDを選択的に持ちうる。モビリティフレームワークの能力フラグ(eMobFrameworkFlag)は、モビリティフレームワークがネットワークエンティティ内でサポートされているかを示すために用いられる。このフラグは1ビット長である。このフラグが含まれており、その値が1であれば、フレームワークはサポートされており、そうでなければ、フレームワークはサポートされていない。ただし、このフレームワークを適用するには、UEおよび関連するRANエンティティ(例えば、TRP、gNBなど)が両方とも能力を有している必要があることに留意すべきである。
NRモビリティセットは、TRP IDによって識別された1つ以上の分散型送受信ポイント(TRP)のセットであり、その中では、UEは、モビリティ決定をしたときに、同一のNRモビリティセットにときにする異なるTRP間で、gNBへの情報提供を必要とせず、UE制御モビリティを実行することができる。
LTEにおいては、物理セルID(Physical Cell ID:PCI)は、セル固有基準信号(CRS)リソースパターン、全伝送のスクランブルおよびスクランブル解除、およびシステム情報を含む制御チャネルを決定し、暗号キーの導出に用いられる。これらの依存性によって、LTEにおけるセル変更は常に暗号キーの変更を余儀なくし、そのため、MAC/RLCの再設定およびPDCPの再構築が必要となる。セルを変更すると、新しいターゲットセルへのランダムアクセスも必要となるため、これらの機能はすべて、いわゆる「モビリティ制御情報付きRRCConnectionReconfiguration」法にバンドルされる。この方法の構成要素は、正当とされ、ソースおよびターゲットセルが異なるノードに属するときに必要とされうるが、gNB内のハンドオーバには、不必要に重すぎると見なされる可能性がある。フレームワークは、gNB内のモビリティを対象にしているため、UEが移動して、NRモビリティセット内の1つ以上の異なるTRPに接続するときに、実際の実装に対して選択的であるセキュリティ証明の更新は不要でありうる。あるいは、UEは、新しいサービングTRPのID,その他のID、および新しいサービングTRPの具体的情報のうち少なくとも1つに基づいて、新しいセキュリティ証明を再作成してもよい。セット内のUE制御モビリティと再使用された可能性のあるセキュリティ証明があるため、NRモビリティセットは、物理的ネットワークトポロジーの制約を破ることによって、UEに、抽象的モビリティの可能性を与える。
UEは、測定を実施して、結果をgNBに定期的またはオンデマンドで報告するように、RANによって構成される。gNBは、測定報告、ネットワーク関連情報、およびUE固有の要件のうち少なくとも1つを考慮し、次に、NRモビリティセットの初期形成およびその後の更新に関する決定をする。したがって、NRモビリティセットはUE固有であり(例えば、異なるUEは異なるNRモビリティセットを有する)、オペレータおよびUEからの具体的要求だけでなく、ネットワーク諸条件に適応するものとされている。第5.2.1節に、モビリティセットの決定および更新に影響を及ぼす可能性のある要因の詳細な説明が提示されている。
NRモビリティセットに属さないTRPへのUEモビリティは、gNBによって制御され、例えば、UEによって提示された測定報告に基づいて、NRモビリティセットを更新する。レガシーハンドオーバ法のような、上位層が関わるネットワーク制御による方法を、このケースのために用いることもできる。例えば、UEが、現在のNRモビリティセットの外部のTRPへの移行を望む場合、gNBは、例えば、ハンドオーバ決定をして、ハンドオーバの準備または経路切り替え要求を実施する必要があるかもしれない。UEは、NRモビリティセット間のモビリティを増すために、複数のNRモビリティセットを用いて構成されてもよく、例えば、他のNRモビリティセット内のTRPの方が、UEのコンテキストおよび構成を事前に取り込むことによって、ハンドオーバより先行して、より準備が整っているかもしれない。UEコンテキストは、一般的には、サービングTRP内に維持されている。しかし、UEのTRP変更が発生しようとしている場合、gNBは事前に何らかの準備をすることもでき、その結果、UEが現在のサービングTRPから切り離される前に、可能な限り多くの作業が完了する。この、NRモビリティセット間のモビリティ、例えば、1つのNRモビリティセットから他のUE NRモビリティセットへのUEモビリティは、RAN制御(例えば、gNB制御)であることが推奨される。例えば、gNBは、1つのNRモビリティセットから他のNRモビリティセットへのハンドオーバを決定する。方法は、レガシーハンドオーバ法、またはキャリア集約(Carrier Aggregation)手法で用いられるような、活性化/不活性化と類似のものであってもよい。ここでは、NRモビリティセット間のモビリティには注目しないが、発明の何らかの部分はNRモビリティセット間のモビリティに適用可能でありうる。
UEは、(例えば、NRモビリティセット間のモビリティをより良くサポートするために)複数のNRモビリティセットを用いて構成されてもよい。ここでは、単一のNRモビリティセットに注目する。しかし、NRモビリティセット間のモビリティも可能である。
NRモビリティセットベースのモビリティは、RRC駆動型モビリティであってもよく、それによって、モビリティ決定はRRCによって実施され、サポートする方法はRRC法である。あるいは、NRモビリティセットベースのモビリティは、MAC駆動型であってもよい。さらに、NRモビリティセットベースのモビリティは、RRCとMACの両駆動型モビリティであってもよい。
PHYモビリティセットは、NRモビリティセットのサブセットであり、また、UE固有である。PHYレベルモビリティセットは、TRPまたはセルまたはビーム(セル/TRPビームとUEビームのうち少なくとも一方)のセットであり、その中では、ビームレベルモビリティが適用される。NRモビリティセットとは違って、PHYモビリティセットの初期形成およびその後の更新は、いずれも、gNBではなくUEによって決定される。UEは、UEによって検出された適格な(例えば、N本の最良ビームの平均RSRPがしきい値を超えている)ビームを有しており、かつ、UEのNRモビリティセット内のTRPに対応する識別子を持つ周辺のTRPを用いて、それらのTRPをPHYモビリティセット内に入れる。
上位層プロトコルとネットワークシグナリングの関与を最小限に抑えるために、PHYモビリティにおけるビームレベルモビリティが、主として、PHYまたはL2のレベルで(MAC制御要素シグナリング)、UEによって実行されてもよい。UEと比べて、gNBは、ネットワーク全体情報をより多く持っており、全体的性能に対するより優れた制御を提供できるため、ネットワーク(Network:NW)制御によるビーム変更も可能でありうる。UEは、PHYモビリティセット内のすべてのTRPと同時に送受信する必要はない。UEの能力(例えば、アンテナ構成)に応じて、PHYモビリティセット内の一本以上のビームの活性化および不活性化(CA法のような方法を用いてもよい)をビームレベルで考慮することもありうる。UEは、PHYモビリティセットを1回に1個だけ用いて構成されてもよい。
1つの好適な実施形態においては、PHYモビリティセットベースのモビリティはPHY駆動型モビリティであり、例えば、モビリティ決定はPHYにおいて実行され、サポートする方法はPHY法である。他の実施形態においては、PHYモビリティセットベースのモビリティはMAC駆動型モビリティであり、例えば、モビリティ決定はMACにおいて実行され、サポートする方法はPHY法である。他の代替形態においては、PHY決定はPHYによってなされるが、サポートするシグナリング方法はMAC法である。
次世代ネットワークは、多様なセットのユースケースをサポートすると予想される。オペレータが、多様で、相矛盾することもあるユースケース要件を満足させることができるように、ネットワーク/RANスライシングが提案されている。ネットワーク/RANスライシングアーキテクチャをサポートするために、2レベルのモビリティセットにおけるTRPリストを決定するとき、異なる観点からの各種要因を考慮に入れる必要がある。例えば、異なるTRPは、異なった能力(例えば、アンテナや搬送周波数など)および異なった選好(例えば、安定したカバレッジのための、より広いビーム、指向性ゲインによる、より大きな容量のための狭角ビームなど)を持つ可能性があり、オペレータによって、異なるレベルの密度で展開される可能性がある。例えば、UE、ネットワーク、およびオペレータの観点からの要因を考えうる。UEの観点からの要因のいくつかの例を表9に示す。
ネットワークの観点からの要因のいくつかの例を表10に示す。
オペレータの観点からの要因のいくつかの例を表11に示す。
要因の使い方は、実装に依存してもよい。一般性を失わず、一例として、NRモビリティセットを決定するネットワークエンティティは、以下のように、上記要因のサブセットを、定性的選択基準を定義するためのインプットとして捕えてもよい。
ただし、Nは選択されたNRモビリティセットを表し、C
iは、Cから選択されたi番目の定性的条件を満足するTRPのセットを表す。式(1)は、セットNからの任意のTRP n
iは、Cによって定義される条件のすべてを定性的に満足することができるということを意味する。
他の例として、ネットワークエンティティは、以下のように、上記要因の他のサブセットを、定量的選択基準を定義するためのインプットとして捕えてもよい。
ただし、qjは、選択された定量的条件Qのうちの任意の1つであり、Qi,jは、qjと関連する特性の観点からのTRP niの計算値であり、Thjは条件qjのしきい値であり、wi,jは対応するスケールファクタであり、offseti,jは、特にTRP ni用に構成された条件qjのオフセット値である。式(2)は、セットNからの任意のTRP niも、重み係数wi,jによってスケーリングされた後、Qによって定義される条件のすべてを、offseti,jによって定量的に満足することができるということを意味する。
あるいは、(1)と(2)の組み合わせによって定義される選択基準の他の例に加えて、もう1つの例として、最初にeMBB UEに対して構成されたNRモビリティセットは、ユースケース条件c1、ネットワークトポロジー条件c2(UEと同じショッピングモール)、オペレータの課金ポリシー条件c3、リアルタイムビデオ条件q1(往復遅延時間(Round Trip Time:RTT)は100ms未満)q2(ジッタバッファ遅延は50ms未満)を満足することができるかもしれない。
明らかに、考慮する要因が多いほど、決定されたNモビリティセットのサイズは小さくなるであろう。したがって、バランスのとれた決定は、実際の実装次第である。
代替実施形態においては、NRモビリティセットを決定するエンティティは、いくつかの要因間のバランスのためUEに柔軟性を委ねて、さらなる選択のために、特性の異なるTRPのリストをUEに提供してもよく、その一方、エンティティは、異なるしきい値またはその他のパラメータをUEに対して構成することによって、依然として間接的に選択プロセスに影響を与えてもよい。例えば、TRPのリストには、現在のトラフィック負荷、およびTRPごとの上限のある待ち行列遅延が含まれ、UEが考慮しうる待ち行列遅延のしきい値も含まれる。
gNBは、通常、ネットワークおよびコアネットワーク内のすべてのTRPと接続しており(図30参照)、ネットワークとオペレータの両方から情報を直接収集できるため、gNBをUEのためのNRモビリティセットを決定するエンティティとして選定することは端的な方法である。他のネットワークエンティティも、そのネットワークエンティティが必要情報を効率的に収集でき、さらにRANアーキテクチャまたはRAN/ネットワークスライシング管理に適している限り、NRモビリティセットを決定できる可能性がある。gNBは、UEのためのNRモビリティセットを決定するエンティティでありうる。実際の実装は、この場合に限らない。
モビリティフレームワークをサポートするUEは、最初にシステムにアクセスする時に、NRモビリティセットの初期構成を取得する必要があるかもしれない。この、最初のシステムアクセスは、電源投入、リセット、または長時間のスリープ後にUEコンテキストが失効したためであるかもしれないが、これらに限らない。アイドルモードでの測定基準と同様に、eMobFrameworkFlagをSIBメッセージに入れて伝達してもよい。このフラグは、モビリティフレームワークがRANによってサポートされているかを、(UEがアイドルモード中であっても)UEに知らせ、UEもフレームワークをサポートしている場合は、UEは、NRモビリティセットの初期構成の明示的要求を送信する必要がある。あるいは、UEが接続モードのときは、フラグを、対応するTRPからの専用RRCConnectionReconfigurationメッセージに入れて伝達してもよい。最初のシステムアクセス中の、IDLEモード中のUEからの測定値は、主として、セル選択および再選択プロセスのものであり、接続モード中の測定値とは異なり、測定報告をトリガしないことに留意すべきである。フラグはSIBメッセージに入れて伝達してもよく、UEは、RRC接続を確立して、接続モード測定報告(図33のステップ2に示すように、eMobFrameworkFlagも含む)、およびUE固有の要件(あれば、例えば、QoS要件、ユースケース)を、UEがNRモビリティセットの初期構成の要求をトリガする方法の例として、gNBに送信する。
ビーム動作を伴うHF−NRにおいては、セルは、1つまたは複数のTRPによって提供される複数ビームによってカバーされてもよく、各ビームはそれ自身の基準信号を有している。ビーム固有の基準信号に対する測定値は、ビーム管理(ビーム評価、ビーム変更など)のために下位層によって利用されるだけでなく、セルレベルモビリティ(TRP内またはTRP間)のためにも利用される。UEが、異なるビームに対する測定を実施する場合には、UEは、各要素が1本のビームに対応する測定結果のセットを導出することができる。総合的TRP/セル品質を表すためには、異なるビームの測定結果に対する集約(consolidation)オペレーションを決定する必要がある。この集約は、測定報告のトリガリングおよびセル品質評価のための計量値として利用できるだけでなく、測定報告の内容の決定にも役立つ(集約後の測定値の報告は、シグナリングオーバーヘッドを大幅に削減することができる)。1つの端的な集約方法は、常に最良のビームを選ぶということである。HFの急速なチャネル変化を考慮すれば、特に、UEがモビリティの高い状態にあるとき、最良ビームは非常に頻繁に変化する可能性がある。言い換えれば、最良ビームに基づく集約は不安定で不確かである。代わりに、評価用のビームの数が固定されておらず、ネットワーク条件により良く適合しうる、何らかの複合集約法による測定値を、以下のような、基準信号受信電力(RSRP)の異なる測定値として、考えることができる。
・N本の最良ビームのRSRPの平均または移動平均
・すべての検出されたビームのRSRPの平均または移動平均
・しきい値を超えるRSRPを有するビームのRSRPの平均または移動平均
・しきい値を超えるRSRPを有するビームのRSRPの総計
・しきい値を超えるRSRPを有するビームの数
例えば、TRP ID、セルID、ビームID(UEのビームとTRPビーム)のうち少なくとも1つと、TRPまたはセルまたはビームに関連する特性と、もしあれば、構成されたしきい値/パラメータとを含む、決定されたNRモビリティセットを、専用RRCシグナリングまたはMAC制御要素(MAC CE)シグナリングを通じて、UEに伝えてもよい。例えば、専用RRCシグナリングを用いて、gNBが、接続されたTRPを介して、セットをRRCメッセージまたはMAC CEメッセージに入れて、オンデマンドシステム情報として非周期的にユニキャストしてもよい。代替実施形態においては、マルチキャストまたはブロードキャスト法も適用しうる。UEは、この情報を、接続されたTRPから送信された、DLブロードキャストまたはマルチキャストチャネル上のシステム情報の中を検索するか、またはキャンピングしたTRPに、その情報をオンデマンドシステム情報として要求することによって、取得してもよい。
表12は、例えば、3GPP TS 36.331に説明されているように、情報を、RadioResourceConfigDedicatedに含めて、UEにシグナリングしうる方法のコードリストの例を示す。
gNBから(サービングTRPによってフォワーディングされた)NRモビリティセットの初期構成を受信すると、UEは、PHYモビリティセットの初期構成の決定を開始する。とりわけ、測定構成に基づく集約された測定結果、NRモビリティセットに含まれるTRP特性、およびUE固有の要件の3つの側面を考慮しうる。
PHYモビリティセット内のTRP、ビーム、またはセルのすべてが必ずしもUEによって同時に使われるわけではないが、これらのTRP、ビーム、またはセルはUEにとって検出可能でなければならない。gNBが、UEのためのNRモビリティセットを決定するときには、頻繁なネットワークシグナリングを避けるために、検出可能なTRPよりも多くのTRPが含まれるであろう。UEは、近接するセル/TRP/ビームを検出して測定するように構成され、それに基づいて、集約された測定結果が生成されるであろう。集約方法は、実装に固有である。選択された集約方法(例えば、TRPのN本の最良ビームの平均RSRPがしきい値を超えている)によって決定された基準を満足するTRPまたはセルまたはビームのすべてをPHYモビリティセットに含ませるか、またはM本の最良ビームを選択するかは、UE次第である。ただし、NとMは構成可能なパラメータである。
さらに、各々の個別のTRPまたはセルまたはビームに関連する特性は、いずれかがNRモビリティセットに含まれる場合、それも考慮する必要がある可能性がある。例えば、TRPがすでに80%を超えるトラフィック負荷/リソース利用率を有している場合、広い推定帯域幅を要するeMBB UEは、そのPHYモビリティセットの中にこのTRPを含めるべきではない。
あるいは、UE固有の要件次第では、UEは、他の特性のいくつかを無視することを選択することもできる。eMBB UEの帯域幅要件を満足するTRPが、なぜか長い平均アップリンクアクセス時間を持つ可能性がある。UE上で実行中のビデオストリーミングアプリケーションが、例えば、数秒に達するバッファリング時間を許容しうるため、UEは、アクセス時間要件を無視する可能性がある。
UEがPHYモビリティセットを決定するための選択基準を定義するために、選ばれた要因の組み合わせを使用してもよい。そして、設計された選択基準は、動的なネットワーク条件とUEのアプリケーション要件に適合できるような柔軟なものであるべきである。いくつかのシナリオにおいては、セットの中に十分な数のTRPの候補が確実に存在して、チャネルの変化が大きい場合にも基本的な接続性が維持できるようにするために、UEは、選定基準の一部について妥協するか、または完全に無視してもよい。選定基準のいくつかが非常に重要で、UEが無視すべきではない場合、例えば、2つの方法を用いることができる。第1として、gNBは選択をUEに委ねることなく、これらの基準を考慮した後、NRモビリティセットを決定する。第2として、それらの基準の前に、UEに処理を要求するフラグを追加してもよい。
PHYモビリティセット内のモビリティ処理は、ビームレベルの管理を用いることもできる。このビームレベルモビリティ管理は、上位層のプロトコルおよびネットワークシグナリングの関与を最小限に抑えるように、PHYまたはL2レベル(MAC CEシグナリング)内でUEが主として実行してもよい。この設計目的をサポートするための一方法は、PHYモビリティセット情報をPHYまたはMAC層に直接記憶することである。したがって、将来のビーム動作は、層間の通信を必ずしも必要とせず、上位層プロトコルの関与のさらなる最小化につながる。このPHYモビリティセットへの記憶動作は、UEのRRC層が開始してもよく、RRC層では、NRモビリティセット情報が受信され、各種要因を考慮に入れた上で、PHYモビリティセットが決定される。どの層がビームレベル管理を実施するかの最終的な決定に応じて、PHYモビリティセットは、RRCによるMAC制御シグナリングを通じてUEのMAC層に送信されるか、L1構成を通じてUEのPHY層に送信されてもよい。
上述のように、HFにおける急速なチャネル変化のために、NRにおけるUEは、ビームの品質/検出可能性の頻繁な変化に直面する可能性がある。それらの異なるビームは、サービングビームとして同一のTRPから来るので同期している可能性もあるが、恐らくは同期していない別々のTRPから来ている可能性もある。UEがサービングビームを変更する必要があるときは、一般的には、TRP内でビーム変更を行うことが望ましい。それは、UEは、初期アクセス(必要ならUL時間整合も含む)や、コンテキスト転送や、TRP切り替え方法およびデータフォワーディング(無損失モビリティ管理が必要な場合)の実施が不要である可能性が高いことから、遅延、エネルギー、そして、恐らく、中断時間の低減につながるためである。
TRP内およびTRP間の優先されたビーム変更をサポートするための1つの選択肢は、例えば、TRP IDを各々の個別ビームの基準信号と共に付加するとき、検出されたビームは、それらが同一のTRPから来た場合でも、異なるTRPから来た場合でも、区別可能であると仮定することである。あるいは、ビームIDを、例えば、先頭のmビット(mは正整数)などの第1部分がTRP識別子であり、続くmビットなどの第2部分がビーム識別子である、2つの部分で構成することもできる。さらに、現在の目的のために、(例えば、すべての検出されたビームではなく)すべての考慮されているビームは、UEのPHYモビリティセットに含まれるTRPだけから来ているので、表9、表10、および表11に記載された要因は、例えば、処理済みであると仮定することもできる。
例えば、TRP内およびTRP間の優先されたビーム変更をサポートするために、ネットワークは、PHYモビリティセットの初期構成に加えて、例えば、RSRPや基準信号受信品質(RSRQ)などの選ばれた計量値の観点から、例えば、 beam_thd1とbeam_thd2(beam_thd2 > beam_thd1)などの2つのしきい値を用いてUEを構成することもできる。beam_thd1を超える考慮されたビームは、候補セットに含められるであろう。サービングTRPに属し、かつ、beam_thd2を超える候補ビームが少なくとも1つある場合、サービングTRPから来る最良ビームが、新しいサービングビームとして選択されるであろう。そうでない場合は、TRP間のビーム変更を考える必要がある。
サービングTRPに属し、かつ、beam_thd2を超える候補ビームが1つもない場合、すべての候補ビームが同一のTRPに属し、beam_thd2を超える測定計量値を有するなら、すべての候補ビームのうちの最良ビームが選択されるであろう。例えば、この最良ビームはサービングTRPからのものであっても、そうでなくてもよい。これらの基準を満足するビームがない場合、異なるTRPに属して、beam_thd2を超える測定計量値を有する候補ビームが存在するなら、最高ランクのTRPからのビームが選択される。同じランクのTRPから来るそのようなビームが複数ある場合は、そのうちの最良ビームが選択される。TRPのランキングアルゴリズムは実装に依存する。1つの推奨アルゴリズムは、しきい値を超えるRSRPを有するビームのRSRPの総計を、TRPの総合的信号品質を表すものとして用いるというものである。このRSRPの総計値がより高ければ、より許容可能なビームがこのTRPから得られる可能性があるということを意味する。UEがこのTRPを選択した場合、TRP内のビームスイッチングが発生する可能性が高くなるであろう。
図31および図32は、2レベルのモビリティセットの初期構成に対する、NRにおけるコントロールプレーンプロトコルスタックの観点からの一般的な相互作用の例を説明している。ネットワークエンティティ、gNBは、UE、ネットワーク、およびオペレータから各種入力を受けて、UEのための特定のNRモビリティセットを決定して、その後、このセットを、間にある様々なエンティティを越えて、UEにシグナリングする。UEは、gNBからの情報を考慮した上で、その詳細な要件を調べて、上位層(この例図の場合、RRC層)の適切なPHYモビリティセットを決定する。その後、このPHYモビリティセットは、専用のクロスレイヤシグナリングインターフェースとコンフィギュレーションインターフェースを介して、UEの下位層に転送される。PHYモビリティセットのサイズは比較的小さくすべきであるので、PHYモビリティセットは、通常、非常に限られた記憶量の、MAC層とPHY層だけが直接アクセスできる超高速オンチップRAM内に記憶可能であることに留意すべきである。図31および図32において、どの層がビームレベル管理をしているかに応じて、PHYモビリティセットは、MAC層またはPHY層のソフトウェアバッファ(例えば、一種のオンチップRAMでもよい)に記憶されるであろう。受信されたNRモビリティセット、および生成されたPHYモビリティは、後の参照用に、ローカルコンフィギュレーションデータベース(例えば、外部RAMまたはフラッシュメモリ)に保存されてもよい。
システムレベルの制御シグナリングの観点から、2レベルのモビリティセットの初期構成の全般的な方法は、図33〜図36に示すステップを包含しうる。
UEが方々移動するにつれて、ネットワーク条件、UEのアプリケーション要件、そしてネットワークオペレータのポリシー/ルールさえも、時間と共に変化しうる。その結果、UEに対する無線リソース構成も、それに応じて、UEとネットワークの両方の動的変化に適応するために、調整されるべきである。イベントがモビリティセットの更新をトリガする可能性もある。
UEによって評価されて使用されうる検出されたビームは、UEのPHYモビリティセットに含まれるTRPから来る必要がある。PHYモビリティセットはUEのNRモビリティセットから選択されるため、UEとネットワークの動的変化を把握するために、NRモビリティセットが確実に適正に更新されることが重要である。ネットワークおよびUEにトリガされる側面を考慮すべきである。
ネットワークにトリガされる更新は、ネットワークオペレーション関連のイベントおよびネットワークオペレータ関連のイベントに起因する可能性がある。ネットワークオペレーション関連のイベントのトリガの一例は、gNBがいくつかのTRPから過負荷を示す情報を受信する場合である。gNBは、現在それらのTRPをNRモビリティセット内に持つUEに、更新メッセージ(輻輳したTRPのリストを含む)をマルチキャストすることを決定してもよい。gNBが、UEに通知すべき保存された情報を持っていない場合、代替的方法として更新メッセージをブロードキャストする方法がある。まれなケースとして、影響を受けるTRPの数が大きい場合、gNBは、初期構成プロセスをトリガして、現在UEが使用中のセットを完全に交換してもよい。
ネットワークオペレーション関連のイベントは、周期的または非周期的にgNBに対してシグナリングされてもよい。例えば、TRPは周期的にトラフィック負荷をgNBに知らせてもよいが、輻輳またはその他の非常事態の場合、1回限りのシグナリングを必要とすることもある。gNBは、周期的報告の頻度を、個別TRPごとに構成してもよい。
ネットワークオペレーション関連のイベントは、オンデマンドで、gNBにシグナリングされてもよい。エネルギー効率のために、いくつかのTRPは、より長期間のオペレーション条件を報告するように構成されてもよい。gNBが、更新された情報を直ちに必要とする場合には、gNBは、明示的な更新要求を送信してもよい。
gNBは、時々、ネットワークイベントに関して推測する必要がありうる。例えば、いくつかのTRPが、地震、停電、磁気パルス攻撃、マルウェアなどのために完全に故障するかも知れない。したがって、能動的報告やオンデマンド要求に対する応答は期待できない。
ネットワークオペレータ関連のイベントの一例は、サービス加入の変更のために、UEの優先順位を上げるか下げるかする必要があり、その結果、いくつかのアクセス権分類されたTRPをそれに応じてUEのNRモビリティセットに加えるか、そこから取り除く可能性がある場合である。
UEにトリガされる更新は、例えば、以下の理由によってトリガされる。定期的更新要求、現在のNRモビリティセットの失効、良好なビームを持つ新しいTRPの検出、UEが、現在のNRモビリティセット内の全TRPを再評価した後に、PHYモビリティセット内に十分な数の適格なTRPを維持できない場合、サービスタイプ、ユースケース、QoS要件などの変更の結果、無線リンク故障が検出された場合、またはUEのPHYモビリティセットの更新。周期的な更新要求によって、現在のNRモビリティセットの失効は避けられる。さらに、NRモビリティセット内の何らかの情報を、現在のネットワーク条件の特定の精度以内に維持するために、例えば、NRモビリティセット内のTRPのトラフィック負荷を更新する必要がある。周期性を、UEのユースケースまたはサービスタイプに応じて構成してもよい。例えば、mMTC UEの周期として大きな値を使用することもできる。
現在のNRモビリティセットの失効に関しては、例えば、UEのNRモビリティセットは、有効期間後、以前の位置からある距離だけ離れた場合、または現在のサービングビームまたはTRPによる測定の不良または失敗の場合に、失効となりうる。mMTC UEは、一般的に、モビリティがないか、もしくは低く、しかも遅延耐性があるので、大きな満了値を持つように構成されてもよい。
良好なビームを持つ新しいTRPの検出に関しては、十分な数(構成可能なしきい値)の候補TRP(PHYモビリティセット内の全TRPは候補TRPと見なされる)を維持して、モビリティと無線環境のうち少なくとも一方が変化した場合、代替ビーム/TRPを早急に決定できるようにするために、例えば、いくつかのバッテリに制約されないUEは、周辺のビーム/TRPを事前に測定してもよい。したがって、良好なビームを持つ(例えば、RSRPの高い)新しいTRPが検出され、NRモビリティセット内に存在せず、なおかつ(例えば、レガシーLTEによってモビリティ構成中に使用される、例えば、3GPP TS 36.331にあるような、ブラックリストによって)ブロックされていない場合、UEは、NRモビリティセットの更新をトリガしてもよい。
現在のNRモビリティセット内の全TRPを再評価した後、UEがPHYモビリティセット内に十分な数の適格なTRPを維持できないシチュエーションに関しては、例えば、格付け基準は実装に依存してもよい。例えば、UEは、表9、表10、および表11に記載された要因のサブセットを考慮に入れて、適切な格付け基準を決定してもよい。
サービスタイプ、ユースケース、QoS要件などの変更に関しては、例えば、以前のNRモビリティセットの決定の基準となった選択基準は有効性を失っている可能性がある。その結果、新しいNRモビリティセットを新しい選択基準に基づいて決定する必要があるかもしれない。あるいは、この場合、UEは、まず、そのNRモビリティセットが、新しい要件を満足するTRPをすでにいくつか含んでいる場合、UEのPHYモビリティセットの更新を選択してもよい。PHYモビリティセットの更新後に適格なTRPを発見できた場合、UEは、PHYモビリティセットの更新を要求せずに、そこで停止してもよいが、そうでない場合は、UEは、やはり、PHYモビリティセットの更新の要求を送出する必要がありうる。
検出された無線リンク故障に関しては、例えば、UEは、現在のPHYモビリティセットとNRモビリティセット内の全TRPの再評価後においても、リンク故障から回復できないこともありうる。NRモビリティセットの更新を要求することが、次の端的な措置である。
gNBは、更新されたNRモビリティセットを用いてUEを構成すると、より新しいオペレーションのためにRANネットワークを再構成してもよい。例えば、gNBは、更新を、追加的ビーム基準信号(例えば、追加されたTRPからの新しいビーム)の送信を開始するトリガとして利用してもよいし、そして/あるいは、UEを再構成して、それに応じて、追加された時間/周波数リソース上で測定をするようにもよい。それらの新しいTRPは、それまではサイレント(省エネルギーや干渉回避)であってもよい。このネットワーク側の再構成は、UEが新しい信号を検出して測定しうることを除いて、UEにとって透明であり続けるであろう。
同時に、ネットワークは、また、UEを、さらに新しい測定挙動をするように再構成してもよい。例えば、UEが「セルエッジ(cell edge)」に達しつつあることを検知すると、ネットワークは、UEを、追加された時間/周波数リソース上でより頻繁に測定をするように構成してもよい。そのような再構成は、RRCConnectionReconfiguration、または、もしあれば、他の(より高速の)方法によって、実施されてもよい。さらに、UEは、NRモビリティセットに含まれない1つまたは複数のTRPが最良のサービングTRPよりも良好になったら測定報告を送信するように構成されてもよい。一方、UEは、また、例えば、3GPP TS 36.331に説明されているような、レガシーLTE測定方法におけるブラックリストおよびホワイトリストと同様に、(例えば、特定のポリシーのためにオペレータがブロックした)1つまたは複数のTRPを測定しないように構成されてもよい。これらの種類の、測定対象やギャップや報告構成などの測定構成は、NRにおいても、RRM測定に用いるビーム基準信号が周期的に発生する構成に適しているであろう。
NRは、周期的に構成されたビーム基準信号に加えて、さらに動的に構成された測定をサポートすべきである。例えば、ネットワークは、測定基準信号をリッスンして、検出した時点で測定値を報告するようにUEを構成した後、測定基準信号の1回限りの送信を開始してもよい。いくつかの利用可能なTRP/ビームは、ビームスイーピングのために一時的に検出不能になる可能性があり、UEがそれらの信号を測定するように構成されていれば、この1回限りの送信によって、それらの信号がアクティブであることを確認することができる。測定基準信号の構成可能性によって(仕様がハードコードされている場合よりも)、低いオーバーヘッド/干渉、エネルギー消費の低減、および将来の拡張性の容易化が確実となる。
有効かつ効率的な更新を達成するために、NRは、各UEに対する更新プロセス頻度を入念に制御する必要がある。UEのモビリティセットの更新の発生間隔の値を低くすると、各種ダイナミックスの迅速な適応がもたらされるが、シグナリング負荷の増大の原因となる可能性があり、ネットワークエンティティ数が増加するときに、ネットワークがスケーラブルでなくなる。しかし、発生間隔の値を高くすると、例えば、UEとネットワークからの変化する要件の一部にタイムリーに適合せず、UEのモビリティセットの一部が時代遅れになる原因となる。この問題を軽減するために、UEの要求に基づいて最適化してもよい。いくつかの方法でこれをすることができる。説明に役立つ6つの例を以下に挙げる。
第1に、各UEは、例えば、lastUpdateTime、requestTimeout、およびupdateIntervalの3つの変数を、各UEにおいて維持することができる。ただし、UEごとの変数の値は、gNB、またはネットワーク内の他の適切なエンティティによって構成可能である。3つの変数の値は、UEから送信される各要求に含まれてもよく、あるいはgNBからアクセス可能などこかに保存されてもよい。
第2に、(currentTime - lastUpdateTime) < updateIntervalである場合は、UEは、一般的に、更新を要求しない。定義すべきいくつかの例外がある。例えば、ユースケース、サービスタイプの突然の変更、および現在のNRモビリティセット内のどのTRPもUEの要件を満たさない場合のうち少なくとも一方、または無線リンク故障が検出され、現在のモビリティセットから回復できない、すなわち、例えば、PHYモビリティセットが更新されている、など。
第3に、UEから更新要求を受信すると、gNBは、複数の要因を考慮に入れた後、要求を受け入れても、受け入れなくてもよい。例えば、gNBまたはネットワークがすでに他の制御信号で充満している場合、および要求が単なる定期点検である場合。
第4に、ネットワークまたはオペレータから現状報告を受信すると、gNBは対応策を取るか、または単に無視してもよい。例えば、報告を受信したときには、その件のもう1つの報告にすでに対応済みかもしれない。
第4に、gNBは、更新要求の処理を、そのUEへの対応がrequestTimeoutで指定されたタイムアウト値以内である間は遅らせてもよい。遅延期間中は、必要な更新をさせる複数の理由(例えば、ネットワーク報告、オペレータの要求)があれば、gNBはそれらを処理して、単一のマージされた更新で応じることができる。UEの要求を受信後、gNBが更新をしない決定をした場合、コンテンツのないACKメッセージが送出される。
第5に、異なるトリガイベントがgNBの異なる挙動をもたらしうるように、優先順位表を使用してもよい。例として、例えば、一群のTRPが事故で故障した場合などの、なんらかの緊急の要求に対して、巻き込まれたUEのための即時の更新が、高い優先度で必要とされるかもしれない。
第6に、UEが応答もしくはACKをrequestTimeout以内に受信しない場合、UEは、予め定義されたバックオフ時間だけ遅らせて、その後、更新要求を再送信することができる。
最適化法のフローチャートの例を図37に示す。
PHYモビリティセットが、UEのために最初に構成されると、モビリティ、無線環境、またはUEのサービスが変化したために、PHYモビリティセットを時々更新する必要があるかもしれない。NRは、そのような条件/イベントの下でUEがPHYモビリティセットの更新をする必要があるかを構成することができる。例えば、以下の理由から、更新が必要になる可能性がある。更新のNRモビリティへの到着、周期的更新、現在のPHYモビリティセットの失効、良好なビームを持つ1つまたは複数の新しいTRPの検出、TRPの数または現在のセット内のTRPからのビームがしきい値未満である、サービスタイプ、ユースケース、QoS要件などの変更、および無線リンク故障の検出。
様々なイベントや条件が、UEのNRモビリティセットの更新の原因となりうる。2つのセットの間の完全な一貫性を保つために、PHYモビリティセットも更新する必要がある。例えば、現在のPHYモビリティセット内に存在するTRPは、更新されたNRモビリティセットからTRPが取り除かれたという理由だけで、取り除かれる必要があるかもしれない。代替実施形態においては、定義された選択基準で評価した結果、TRP(NRモビリティセットの更新後)のいくつかの特性が適格または不適格となったという理由で、TRPを現在のPHYモビリティセット加えるか、またはそこから取り除いてもよい。例えば、TRP3のトラフィック負荷が70%から90%に変化、または90%から70%に変化すると、それを理由に、更新後、TRP3はPHYモビリティセットから取り除かれるか、そこに追加される。
PHYモビリティセットの失効を避けるために、周期的に繰り返す更新を用いてもよい。それに伴って、周辺のTRP/ビームを測定し、新しい連結されたTRPレベルの測定結果に従って、現在のPHYモビリティセットを更新してもよい。
UEのPHYモビリティセットは、有効期間後、または以前の位置からある距離だけ離れた所で失効してもよい。mMTC UEは、一般的に、モビリティがないか、もしくは低く、しかも遅延耐性があるので、大きな満了値を持つように構成されてもよい。
良好なビームを持つ新しいTRPの検出に関しては、必要数(構成可能なしきい値数)の候補TRP(PHYモビリティセット内のTRP)を維持して、モビリティと無線環境のうち少なくとも一方が変化した場合、代替ビーム/TRPを早急に決定できるようにするために、いくつかのバッテリに制約されないUEは、周辺のビーム/TRPを事前に測定してもよい。この場合、良好なビームを持つ(例えば、RSRPの高い)新しいTRPの検出によって、現在の候補TRPの総合的品質を向上させる機会が示される可能性がある。したがって、PHYモビリティセットの更新と共に、新しいTRPの評価プロセスが必要とされるかもしれない。
現在のセット内のTRPまたはTRPからのビームの、しきい値未満の数に関しては、UEは、特定数のTRP/ビームをバックアップ用に事前に維持しておいてもよい。現在のPHYモビリティセットからTRPを取り除いた結果、周期的ビーム測定後に、それらの取り除かれたTRPから、十分な数の適格なビームが発見されなかったという理由で、TRP数を小さくしてもよい。例えば、RSRP値がmを超えるビームが、TRPxから、n本未満だけ発見された場合、TRPxは、現在のPHYモビリティセットから取り除かれる。ただし、nとmは構成可能である。しきい値は構成可能で、しかもUE固有であることに留意すべきである。
サービスタイプ、ユースケース、QoS要件などの変更に関しては、これらが変更されると、以前のNRモビリティセットの決定のベースになっていた選択基準は、もはや有効ではない可能性がある。その結果、新しいPHYモビリティセットは、新しい選択基準に基づいて決定する必要があるかも知れない。
無線リンク故障に関しては、無線リンク故障の発生は、現在のPHYモビリティセット内に、利用可能な、代わりになる適格なビーム/TRPが存在しないということを意味しているかもしれないし、意味していないかもしれない。PHYモビリティセット内のTRPから来る代わりになるビームが存在する場合、UEは、まず、他のビーム/TRPを選択して切り替えることによって、リンク故障からの回復を試行することができる。構成可能な時間ウィンドウ後になっても接続性が回復しない場合、PHYモビリティセットの更新に対する合理的な必要性がある。
HF−NRにおいては、幅の狭い高ゲインビームが多く使用されるであろう。異なるビームの放射パターンが重なり合うに従って、また無線環境(例えば、表面からの反射や、空中での散乱)によって、UEは、単一TRPからの複数ビームのカバレッジエリアにさらされる可能性がある。図38は、UEがTRPからの複数ビーム、あるいは異なるTRPの複数ビームまでも見るシナリオを示す。候補ビームは、ダウンリンク方向とアップリンク方向の少なくとも一方の通信に用いられる可能性のある(アップリンクとダウンリンクは同じビームを用いても用いなくてもよい)ビームであり、(表9、表10、および表11に記載されたものと同様の)複数要因を考慮に入れた後、定義された選択基準に基づいて、検出されたビームから選択されるものである。サービングビーム(一本または複数本)は、情報の送信と受信の少なくとも一方に現在用いられているビームである。
現在、レガシーLTEにおける無線リンクモニタリング(Radio Link Monitoring:RLM)は、無指向性ビームまたは広角ビームによってカバーされて一本の無線リンクと考えられるプライマリセル(Primary Cell:Pcell)/セカンダリセル(Secondary Cell:Scell)のリンク品質を検出するために用いられている。ビーム動作を伴うHF−NRに関しては、図38に示すように、TRPエリアは複数ビームによってカバーされ、接続性を維持するために、ビームスイッチングが実施される。異なるビームに対して独立に、複数無線リンクとしてRLMが実施されるように、ビーム当たりベースのRLMの機能性を用いてもよい。
無線リンク障害(Radio Link Failure:RLF)がディープシャドーイング(deep shadowing)のために発生する従来の低周波とは違って、ビーム動作を伴うHFに対しては、ビームスイッチング/トラッキング障害もRLFを引き起こす可能性がある。急速なチャネル変化のために、ビームスイッチング/トラッキングに必要なシグナリングのどれか1つが適時かつ正確に受信されない場合、UEとネットワークが相互間のビームを失う可能性がある。
それら2つのイベントの無線リンク回復メカニズムは相違する可能性がある。第1の場合、UEがディープシャドーイングのあるエリアに移動するとき、他の以前のビームも利用できない可能性があるため、端的な方法は、新たな測定(測定構成も要する可能性がある)とPHYモビリティセットの更新を実行することによって、接続再確立を開始することである。gNBがRLFの通知を受け、追加的な時間/周波数領域の基準信号を送信するいくつかのTRPを構成し、UEを、それらの追加的な周波数をスキャンするように構成することができるように、恐らく、NRモビリティセットの更新さえも必要となる。第2の場合、UEは、ビームアライメントを開始して、まず、PHYモビリティセット内の既存TRPから、代わりのビームを取得することを試みてもよい。
ビームスイーピングがされているために、同一TRPからの全ビームの測定は、順次実施すべきである(複数ビームは、時間と周波数の両領域で重なり合っている可能性があるため、複数ビームを一度に測定してもよいが、全般的なビームレベル測定は、やはり、順次実施される)。例えば、UEにおいて、時間t1に、ビームx、y、およびzが測定され、時間t2に、ビームs、q、およびwが測定される。その結果、測定周期が、完全なビームスイーピングの周期性をカバーするだけの十分な長さでない場合、以前は入手できた良品質のビームが一時的に検出不能になる可能性があり、不必要に頻繁なビーム変更に至り、モビリティセットの頻繁な更新にまで至る可能性さえある。しかし、過度に長時間の測定は、特に、UE周辺のTRP数が増加しているときには、遅延とエネルギー効率の問題を引き起こす可能性がある。さらに、TRPごとに能力が異なるために、全TRPのビームスイーピングの周期性をカバーする比較的短い測定時間を求めるのは困難であるということに留意すべきである。十分な数の候補ビームを持つ構成可能な数の候補TRPを事前に維持することが1つの解決策になりうる。そうすれば、サービングビームが一時的に利用不能になったときには、UEは、現在のPHYモビリティセットから他の候補ビーム/TRPを迅速に発見することができ、PHYモビリティセットの更新や、費用のかかるNRモビリティセットの更新さえもトリガすることなく、RLFの誤警報を回避することができる。
システムレベルの制御シグナリングの観点から、2レベルのモビリティセットの更新の全般的な方法は、図39〜図42に示すステップを包含しうる。
図43〜図47に示すように、モビリティフレームワークベースのNRネットワークのための方法のフローチャートの例が示されている。一般的に言えば、本図は、ネットワークにトリガされたモビリティセットの更新、UEにトリガされたモビリティセットの更新、およびモビリティフレームワークにアシストされたビーム中心のモビリティ管理(TRP内ビーム変更およびTRP間ビーム変更)の3つの部分から構成されている。
図48は、UE制御によるモビリティ方法を示す。ステップ1は、接続の確立である。UEは、無線アクセスネットワークに向けたシグナリング接続を、例えば、1つ以上のシグナリング無線ベアラ(SRBなど)を介して、完了する。UEは、接続状態であり、無線アクセスネットワーク内にコンテキストを持つ。加えて、UEとコアネットワークの間にシグナリング接続を確立することもできる。UEは、コアネットワーク内にもコンテキストを持つことができる。さらに、UEとコアネットワークの間にデータベアラ、IPフロー、または他の形態のユーザデータ接続を確立することも可能である。
ステップ1において、コアネットワークが、モビリティ管理用のオペレータポリシーを、gNBに提供してもよい。そのようなポリシーは、UE固有、ベアラ固有、サービス固有、あるいはサービスデータフローまたはIPデータフローに固有でもよい。ポリシーは、例えば、エリア制限、ユーザモビリティプロファイル、サービス利用法プロファイル、課金、サービス固有の加入レベル(例えば、プラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズ)に関連するポリシーを含んでもよい。ポリシーは、 代替的または追加的に、ネットワークに関するポリシー、およびネットワークスライス発見、アクセスネットワーク発見、サービス発見を含む発見情報と、例えば、等価ホームサービスプロバイダ(equivalent home service providers)、優先サービスプロバイダ(preferred service providers)などに関するホームネットワーク選好と、ポリシーごとの有効性基準とを含む。コアネットワークは、QoS情報をgNBに提供してもよい。例えば、本明細書に説明する、オペレータのポリシー、およびQoS情報は、UE制御によるモビリティをサポートして、UEにも提供されてもよく、UEは、この情報を、PHYモビリティセットの決定または更新において使用してもよい。
2.ステップ2は、測定構成である。UEは、次世代(Next Generation:NextGen)RAN(例えば、gNB)によって、モビリティ決定をサポートして(例えば、NRモビリティセットの構成をサポートして)測定を実行するように構成されてもよい。測定は、周波数内測定、周波数間E−UTRAN測定、RAT間測定などの測定タイプを含んでもよい。各測定タイプに対して、1つまたは複数の測定対象を定義することができる(測定対象は、例えば、監視すべき搬送周波数を定義する)。測定対象は、例えば、搬送周波数識別子、セル識別子、TRP識別子、ビーム識別子、国コード、および動作クラスを使用するように構成されうる。測定量は、以下のうち1つ以上でありうる。基準信号受信電力(RSRP)、基準信号受信品質(RSRQ)、基準信号と信号対雑音干渉比(Reference Signal and Signal to Noise and Interference Ratio:RS−SINR)、受信信号強度インジケータ(Received Signal Strength Indicator:RSSI)など。
例えば、測定は、初期NRモビリティセットの構成を含むUE制御モビリティ活性化、NRモビリティセットへの更新を含むNRモビリティセット間モビリティ、PHYモビリティセットへの更新をサポートする測定を含むPHYモビリティセット間モビリティ、およびUE制御モビリティ不活性化をサポートするように構成されうる。
ステップ3は、UE制御モビリティのためのNRモビリティセット構成である。NRモビリティセット構成方法の例を図49および図50に示す。
ステップ4は、UE制御モビリティのためのPHYモビリティセット構成である。PHYモビリティセット構成方法の例を図51に示す。
ステップ5は、UE制御モビリティのためのビーム管理である。UE制御モビリティのためのビーム管理方法の例を図52に示す。
NRモビリティセット構成方法は、例えば、NRモビリティセット更新サイクルをループして、連続的に実行されてもよい。以下は、方法例である。例えば、各ステップは、厳密に図示の順序に従う必要はない。
第1に、無線アクセスネットワーク負荷(例えば、エアインターフェース負荷を含む可能性のある複合負荷、フロントホール負荷、バックホール負荷、中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)負荷など)がgNBに報告される。報告は、イベント駆動型、または周期的でありうる。
第2に、コアネットワークは、オペレータポリシー情報、ユーザ加入情報、QoS情報などを含む支援情報を、無線アクセスネットワーク(例えば、gNB)に提供してもよい。
第3に、UEは、無線アクセスネットワークから以前に受信した測定構成を使って、測定を実施する。UEの物理層からUEのL23層への測定報告は、ビームレベル測定値でもよい。UEのL23層は、ビームレベル測定値からTRPまたはセルレベル測定値への測定値集約を実施してもよい。UEのL23層は、測定値に対してL23フィルタリングを施してもよい。UE L23は、無線アクセスネットワークから受信した測定報告基準に従って測定値評価を実施してもよい。測定値評価は、例えば、ビームレベル測定値からTRPまたはセルレベル測定値に集約された測定値であるTRPまたはセルレベル測定値に対して実施してもよい。あるいは、直接、ビームレベル測定値に対して測定値評価を実施してもよい。
測定報告のための測定イベントは、初期NRモビリティセットの構成を含むUE制御モビリティ活性化、NRモビリティセットへの更新を含むNRモビリティセット間モビリティ、PHYモビリティセットへの更新をサポートする測定を含むPHYモビリティセット間モビリティ、およびUE制御モビリティ不活性化をサポートして定義されてもよい。
測定イベントは、以下のような、多様な形態をとりうる。イベントNR−M1:TRPがしきい値よりも良好になる。このイベントを、UE制御モビリティ活性化をトリガするために用いてもよい。同様のイベントをセルレベルまたはビームレベルで定義することができる。イベントNR−M2:NRモビリティセット内の全TRPがthreshold1よりも悪化し、NRモビリティセットの外部のTRPがthreshold2よりも良好になる。このイベントを、NRモビリティセット更新をもたらす、NRモビリティセット間モビリティ評価をトリガするために用いてもよい。同様のイベントをセルレベルまたはビームレベルで定義することができる。イベントNR−M3:NRモビリティセット内の全TRPがしきい値よりも悪化する。このイベントを、UE制御モビリティ不活性化をトリガするために用いてもよい。測定イベントを、周期的タイマの満了に基づいて開始することもできる。これを定期測定報告に適用してもよい。UEは、所定の測定構成用の定期測定報告タイマを用いて構成されてもよい。
測定報告は、測定報告基準を満足するTRP(または、TRPビームとUEビームの両方を含む可能性のあるセルまたはビーム)の識別を含んでもよい。測定報告は、さらに、無線装置(Radio Equipment:RE)が無線リンク障害に陥っているTRP(ビームまたはセル)を含んでもよい。
第4に、無線アクセスネットワーク(例えば、gNB、図49参照、またはTRP、図50参照)は、測定報告、オペレータのポリシー、およびQoS情報のうち1つ以上に基づいて、初期NRモビリティセットまたは更新されたNRモビリティセットを決定する。
測定報告は、例えば、NRモビリティセットに含めるか、そこから取り除く候補である新しいTRP(TRPビームとUEビームの両方を含む可能性のあるセルまたはビーム)を含んでもよい。オペレータのポリシーは、エリア制限、ユーザモビリティプロファイル、サービス利用法プロファイル、課金、サービス固有の加入レベル(例えば、プラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズ)、ネットワークおよびネットワークスライス発見ポリシー、および、例えば、等価ホームサービスプロバイダ、優先サービスプロバイダなどに関するホームネットワーク選好を含んでもよい。
第5に、UEは、無線アクセスネットワークからのNRモビリティセット情報を用いて、NRモビリティセットを初期化または更新する。UEにおけるNRモビリティセットの受信によって、PHYモビリティセットの更新がトリガされてもよい。NRモビリティセットが更新されると、UEは、PHYモビリティセットを更新してもよい。
図50のNRモビリティセット構成方法は、図49に示す方法と類似しているが、以下の点で異なる。NRモビリティセットの決定はTRPにおいて実行され、NRモビリティセットの決定に用いられるネットワーク支援情報はTRPに提供される。
PHYモビリティセット構成方法は、例えば、PHYモビリティセット更新サイクルをループして、連続的に実行されることを期待される方法である。以下のステップは、例として示すものであり、例えば、各ステップは、厳密に順序に従って実行される必要はない。
第1に、コアネットワークまたは無線アクセスネットワークは、オペレータポリシー情報、ユーザ加入情報、QoS情報などを含む支援情報を、UEに提供してもよい。
第2に、UE PHYは、UE L23によってPHYモビリティセットを決定するために提供された測定構成に基づいて、測定を実施する。測定値は、UEの物理層からUE L23に報告される。これらの測定値は、チャネル状態情報(Channel State Information:CSI)を含んでもよい。測定値は、代替的または追加的に、PHYモビリティセット内のすべてのビーム(例えば、TRPビーム)/TRPがthreshold1よりも悪化し、PHYモビリティセット外部でNRモビリティセットの内部のビーム/TRPがthreshold2よりも良好になることを含んでもよい。このイベントを、PHYモビリティセット更新をもたらす、PHYモビリティセットのモビリティ評価をトリガするために用いてもよい。測定値は、PHYモビリティセット内のすべてのビーム(例えば、TRPビーム)がしきい値よりも悪化することを含んでもよい。このイベントを、PHYモビリティセット更新をもたらす、PHYモビリティセットのモビリティ評価をトリガするために用いてもよい。測定イベントを、周期的タイマの満了に基づいて開始することもできる。これを定期測定報告に適用してもよい。PHYは、所定の測定構成用の定期測定報告タイマを用いて構成されてもよい。
第3に、例えば、ビームレベル無線リンク状態のような、無線リンク状態がUE L23に報告される。無線リンク状態報告は、物理層無線リンクモニタリングプロセスからの、無線リンク非同期報告、または無線リンク同期報告の形態をとってもよい。
第4に、UE L23は、UEのPHY層からの測定報告、オペレータのポリシー、およびQoS情報などのうち1つ以上に基づいて、初期PHYモビリティセットまたは更新されたPHYモビリティセットを、NRモビリティセットのサブセットとして決定する。オペレータのポリシーは、エリア制限、ユーザモビリティプロファイル、サービス利用法プロファイル、課金、サービス固有の加入レベル(例えば、プラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズ)、ネットワークおよびネットワークスライス発見ポリシー、および、例えば、等価ホームサービスプロバイダ、優先サービスプロバイダなどに関するホームネットワーク選好に関するポリシーを含んでもよい。
第5に、UE PHYは、UE L23からのPHYモビリティセット情報を用いて、PHYモビリティセットを初期化または更新する。UE PHYにおけるPHYモビリティセットの受信によって、PHYモビリティセットの更新がトリガされてもよい。UE L23から新しいPHYモビリティセット情報が受信されると、UE PHYはPHYモビリティセットを更新してもよい。
ビーム管理方法は、ビームトラッキング、ビームアライメント/ビームペアリング、およびビームスイッチングを含む。方法は、下記ステップの1つ以上を含みうる。ここでは、ビームトラッキングは、例えば、ビームプリコーディングベクトルの調整、ビーム評価とビーム変更決定、および補助的測定を包含してもよい。
第1に、ビームプリコーディングベクトルの調整では、UEは、PHYモビリティセットのビームに関する測定を実施し、その測定値をネットワークPHYに報告する。そのような測定値の一例は、他の情報の中でも、とりわけ、チャネル品質指標(Channel Quality Indicator:CQI)と、REが推奨するプリコーダマトリクス指示(Precoder-matrix Indication:PMI)とを含む、チャネル状態情報(CSI)であってもよい。その後、ネットワークは、それに従って、ビームプリコーディングベクトルを調整してもよい。この方法は、UEからの測定報告に基づく継続的方法である。測定は、PHYモビリティセット構成をサポートして定義されたものと類似する、イベント駆動型または周期的な測定であってもよい。
第2に、ビーム評価とビーム変更決定については、この方法は継続的方法である。UEは、例えば、CSI測定や無線リンク状態モニタリング測定などの測定を実施する。UE PHYは、サービングビームに対する候補ビームを継続的に評価する。そして、サービングビームの更新基準が満足された場合、サービングビームを変更するように決定してもよい。ビーム更新基準の例は、以下のようなものであってもよい。候補がサービングビームよりも良好な補正となるか、または、例えば、サービングビームがしきい値よりも悪化した場合。
第3に、ビーム変更が決定されると、UEは、新しいサービングビームをネットワーク(例えば、gNB)に知らせてもよい。そのような情報は、さらに、例えば、正確な時間間隔、または、最良/最適ビームに関するUEとネットワークの間の整合性を得るには旧サービングビームから新サービングビームへの切り替えをいつ実行すべきかに関するサブフレームなどの、ビーム切り替え時間を含んでもよい。例えば、ダウンリンク(DL)送信を仮定すると、UEは、ネットワークからの新しい最良TXビームを特定してもよい。UEは、UEの観点から見て最適なネットワーク側のTxビームを、ビーム変更指示メッセージを通じて、ネットワークに知らせてもよい。UEは、さらに、UE側の最良のRxビームをネットワークに知らせてもよく、このようにして、対を成すeNB TxビームとUE Rxビームを、UEとネットワークの両方が知ることとなる。同様の論理を、UE Txビームとネットワーク側が受信したビームの整合性と一対性にも適用することができる。この場合でも、UEは、決定を下して、ネットワークに知らせることが可能である。代替実施形態においては、ネットワークが、ネットワークの観点から見て最適なUL Txビームを選択して、そのビームをUEに知らせてもよい。また、ネットワークは、ネットワーク側からの最良RxビームをUEに知らせてもよい。
第4に、第3ステップで示したビームスイッチングの時点で、UEとネットワークは、両方とも、サービングビームの切り替え/更新を実行し、新しいサービングビーム上で送受信を開始する。
図53〜56は、UE制御モビリティに関する他の実施形態、無線アクセスネットワークにおけるRANレベル登録への登録を示す。
図53のステップ1において、UEは電源投入され、どのTRPとも非接続であるか、あるいはUEはTRP1およびコアネットワークとの接続を確立済みであり、長時間のディープスリープ後に復帰するか、または別のエリアに移動する。
図53のステップ2において、UEは、RRM測定を実施し、無線ネットワークアクセスのために、TRPxに接続するか、接続をTRPxに切り替えることを決定する。
図54のステップ3a〜3dにおいて、UEは、TRPxとの接続を確立する。ステップ3aにおいて、UEは、UEの一時的IDまたはデバイスID、デバイスタイプ、サービス、アクセスなどを用いて、TRPxに無線接続要求を送信する。ステップ3bにおいて、UEのコンテキストがTRPxの記録中に見つかった場合、TRPxは、gNBまたは自身によって、UEの要求を承認する。ステップ3cにおいて、TRPxは、無線構成に関する構造を、妥当な場合、TRPx IDとUE IDの少なくとも一方と共に、UEに返答する。ステップ3dにおいて、UEは、無線接続構成の完了を確認して、さらに、RANへの登録を無線接続セットアップ完了メッセージに挿入してもよい。
ステップ4aおよび4bにおいて、UEは、例えば、UEの一時的IDまたはデバイスID、デバイスタイプ、サービス、スケジュール、データレート、モビリティ、位置、無線ネットワークアクセス優先順位などのUE情報と共に、登録をgNBに送信する。
ステップ5において、gNBは、UE登録情報を、コアネットワークと交換し、コアネットワークとの認証方法を実施する。
ステップ6において、UEとTRPx/RANは、相互認証を実施し、コアネットワークとの認証から導出されたセキュリティキーパラメータを用いて、保護された無線接続を確立する。
図55のステップ7において、コアネットワークは、UE情報を更新して、UE用のIPまたは非IP接続を生成する。
ステップ8において、gNBは、UE関連の情報(例えば、サービス加入、課金ポリシー、セキュリティ、デバイスタイプ、スケジューリング、データレート、モビリティ、位置、無線ネットワークアクセス優先順位など)を用いて、UEコンテキストを作成または更新する。gNBは また、UE登録エリア、ブロードキャスト範囲、モビリティトラッキングエリア、あるいは到達可能性状態なども作成または更新する。さらに、gNBは、UE情報および無線アクセスネットワークの負荷、スライシング、アクセスポリシー、スケジューリングなどに基づいて、UEのためのNRモビリティセットを生成または更新する。
ステップ9において、gNBは、RANへの登録を確認するために、NRモビリティセット、IPまたは非IP接続情報などをUEに返答する。
ステップ10において、UEは、自身のPHYモビリティセットを作成または更新する。
ステップ11において、UEは、「無線接続完了」メッセージによって、無線接続を確証する。
ステップ12において、TRP1、TRPx、およびgNBは、UEコンテキストとデータ(可能な場合)をTRP1からTRPxに転送し、位置や到達可能性状態などのUE状態を更新する。
図56のステップ13aおよび13bにおいて、UEは、測定値、位置などを報告する。
ステップ14において、gNBは、UE登録エリア、ブロードキャスト範囲、モビリティトラッキングエリア、到達可能性状態、NRモビリティセットなどを維持/更新する。
UEは、ビーム変更を開始してもよい。UEは、デバイス方向または回転を定期的に測定することによって、デバイス方向または回転角を追跡するであろう。そのような物理的測定は、ジャイロスコープセンサを用いて実現される。例えば、携帯電話で広く利用されている多軸MEMSジャイロスコープを、デバイス方向測定のために使用してもよい。UE内のデバイス方向測定エンティティは、デバイス方向の変化を、測定周波数と同頻度で、UE内でビームフォーミングを管理するエンティティに報告することができるが、それは、その報告が、(エアインターフェース越しではなく)内部報告であるからである。例えば、UE回転に起因するビームのミスアライメントに対処するために、以下の方法を用いることができる。
第1に、RRC接続セットアップの実行中または実行後、UEは、自身のTRPまたはNRノードとのアップリンクおよびダウンリンク送信の両方のための一対のビームを、ビームフォーミングトレーニングを通じて獲得する。可逆的なケースでは、UEによって使用されるTxおよびRxビームは同じであり、TRPによって使用されるTxおよびRxビームも同じである。例示のために、以下に述べる手順は、UEとTRPにおける可逆的なTxおよびRxビームの仮定に基づいている。しかし、手順は、一般性を失うことなく、非可逆的なケースに拡張可能である。
第2に、UE側に関しては、RRC接続状態(または、等価な状態)の間は、UEは、自身のビームのセット(UEのTxおよびRxビームフォーミングで用いられる)と、それに関連する、現在使用中のTxおよびRxビームに対する相対ビーム角度を維持する。ビームのミスアライメントがUE回転に起因する場合には、それらのビームを、シームレススイッチングまたはジョイントトランシービング(Joint Transceiving)のために用いることができる。例示の単純化のために、2次元ビームの例を図57に示す。しかし、一般性を失うことなく、それを3次元(3-dimensional:3D)ビームに拡張可能である。図57の本例では、ビーム5が、UEにおいて(TxおよびRxビームフォーミング用に)現在使用されているビームである。UEは、自身のビーム(1〜N)とそれらの、使用中のビーム、例えば、ビーム5との相対角度のデータベースを保持する。ビームnとビームn+1の間の角度をθnとする。一様に分布したビームの場合、θnの値は、隣接するビームの各対間で同等である。
第3に、TRP側に関しては、UEは、TRP/NRノードのPHYモビリティセットまたはNRモビリティセット、それらのビーム、およびいかなるビームのミスアライメントの際にもTRPビームスイッチングに用いるために検出される、関連する位置と角度のうち少なくとも一方を維持する。
第4に、UEは、デバイス方向または回転を定期的に測定することによって、デバイス方向または回転角を追跡する。さらに、UEは、モビリティセット内の現在のビームとその他のビームのRSRP/RSRQ/RS−SINR/RSSIを監視するであろう。
第5に、UEが、ビームフォーミングされた信号の品質の無視できない劣化を招くことになる、しきい値を超える自身の回転と角度変化の少なくとも一方を検出した場合、UEは、ビームフォーミングを調整してもよい。そのような、回転度合い(方向変化度合い)に関するしきい値は、現在使用中のビームのビーム幅に依存してもよい。狭角ビームに対するしきい値は広角ビームに対するしきい値より小さいであろう。
UEが、現在のビームのRSRP/RSRQ/RS−SINR/RSSIまたはビームフォーミングされた信号のSINRの測定値から、受信されたビームフォーミング信号の品質変化がしきい値を超えることを検知した場合も、UEは、ビームフォーミングを調整してもよい。これを、UEによるデバイス方向測定と合わせて用いることによって、ビームフォーミングを調整するかを決定してもよい。
第6に、UEの回転に起因するビームフォーミングのミスアライメントがあるので、UEがビームフォーミングを調整することを決定した場合、UEは、測定された角度と方向の少なくとも一方のUE回転による変化に従って、自身のビーム(TxおよびRxビームフォーミングに用いられる)を自発的に切り替えるであろう。1つの方法は、シームレスなビームスイッチングを用いたUEのビームフォーミングベースの送受信において、狭角ビームを使い続けることである。測定された角度または方向の変化と、UEの他のビームおよび関連ビームの現在使用中のTxおよびRxビームに対する相対ビーム角度のデータベースに従って、UEは、使用すべき適切な新ビームの指標(またはビームID)を計算することができる。例えば、図58に示すように、UE回転に起因して、UEのTxおよびRxビームフォーミングに使用されるビーム5は、回転前のビーム7の方向を指し、そのために、ビームフォーミングのミスアライメントが生じるであろう。UEは、ビーム5からビーム3にシームレスに切り替えて、ビームフォーミングを再調整することができ、続くビームフォーミングベースの送信において、ビーム3を使用することができる。UEのビームフォーミング送信において、ビームフォーミングトレーニングが再度実行されるまで、UEは、変調および符号化スキーム(Modulation and Coding Scheme:MCS)バックオフを用いてもよい。
もう1つの方法は、UEのポテンシャルMCSバックオフ(potential MCS back-off)を用いた送信において、数本の狭角ビームを共に用いることである。ビームは、少なくともTRPのサブセットがビームを受信するように、協調マルチポイント(Coordinated Multi-Point:CoMP)送信における場合のように、複数のTRPに属してもよい。
さらにもう1つの方法は、UEのビームフォーミングベースの送受信において、ビーム幅のより広いビーム(すなわち、広角ビーム)を用いることである。測定された角度または方向の変化と、UEの他のビームおよび関連ビームの現在使用中のTxおよびRxビームに対する相対ビーム角度のデータベースに従って、UEは、使用すべき適切な新ビームの指標(またはビームID)を計算することができる。UEのビームフォーミング送信において、ビームフォーミングトレーニングが再度実行されるまで、UEは、MCSバックオフを用いてもよい。一例を図59に示す。例えば、図59に示すように、UE回転に起因して、UEのTxおよびRxビームフォーミングに使用されるビーム5は、回転前のビーム7および8と重なる方向を指し、そのために、ビームフォーミングのミスアライメントが生じるであろう。図60の例に示すように、UEは、UE回転の測定に従って、狭角ビーム2および3の両方をカバーする広角ビームxの使用を選択することができる。そして、UEは、続くビームフォーミングベースの送信において、広角ビームxを使用するであろう。
第7に、UEは、自身の回転とビーム変更を報告する。UEは、自身の回転に関する報告を、ビームID,UEの角度などの1つ以上のパラメータを用いて、自身のサービングTRP/NRノードに対して行うべきである。例えば、UEは、UEの切り替えられたビーム(狭角、広角、または結合ビーム)のビームIDおよび対応するSINR、CSI測定値などを報告してもよい。
UEは、UEの回転に起因するUEの角度または方向の変化を(度に換算して)報告してもよい。さらに、(例えば、ジャイロスコープセンサによって測定された)デバイスの方向/回転の測定値から、角度の近似値を計算して、オンデマンドビームフォーミングトレーニング手順を実行する前に、NRノードに報告してもよい。UEからの回転およびビームの変化の報告を受信すると、TRPまたはNRノードは、UEビームがUEによって自発的に変更されたことを認識することとなり、そして、オンデマンドビームフォーミングトレーニングセッションの開始を選択してもよい。
第8に、UEは、オンデマンドビームフォーミングトレーニングをTRPまたはNRノードに要求することを選択してもよい。そのようなオンデマンドビームフォーミングトレーニング要求は、UEのアップリンクデータ送信またはその他の制御チャネル上をピギーバック送信されても、別個の制御チャネルとして送信されてもよい。オンデマンドビームフォーミングトレーニング要求を受信すると、TRP/NRノードは、フォーミングトレーニングのセッションを実行するであろう。シグナリングオーバーヘッドを削減するために、そのようなビームフォーミングトレーニングにおいては、TRPビームとUEビームの選択されたサブセットだけをスイープしてもよい。例えば、ビームフォーミングトレーニングにおいてスイープされるTRMビームは、現在のTRPビームとそれに隣接する数本のビームを含んでもよい。そして、ビームフォーミングトレーニングにおいてスイープされるUEビームは、切り替えられた新しいビームとそれに隣接する数本のビームを含んでもよい。
第9に、オンデマンドビームフォーミングトレーニングの後、UEは、TRPビームとUEビームのモビリティセット、および関連する角度に関する自身のデータベースを更新してもよい。
図61は、ネットワーク制御によるモビリティ方法の一例を示す。第1は、接続の確立であり、前述のUE制御によるモビリティ方法に関するものと同じである。
第2は、測定構成である。UEは、NextGen RAN(例えば、gNB)によって、モビリティ決定をサポートして(例えば、NRモビリティセットの構成をサポートして)測定を実行するように構成されてもよい。例えば、分散型ネットワーク制御モビリティスキームにおいて、gNBは、NRモビリティセットを用いて、TRPに対して構成してもよい。図62および図63参照。この場合、ローカルモビリティ決定は、gNBからgNBの下位のTRPに委ねられる。測定は、周波数内測定、周波数間E−UTRAN測定、RAT間測定などの測定タイプを含んでもよい。各測定タイプに対して、1つまたは複数の測定対象を定義することができる(測定対象は、例えば、監視すべき搬送周波数を定義する)。測定対象は、例えば、搬送周波数識別子、セル識別子、TRP識別子、ビーム識別子、国コード、および動作クラスを使用するように構成されうる。測定量は、以下のうち1つ以上でありうる。基準信号受信電力(RSRP)、基準信号受信品質(RSRQ)、基準信号と信号対雑音干渉比(RS−SINR)、受信信号強度インジケータ(RSSI)など。
測定は、例えば、TRP制御による、TRPにおける初期NRモビリティセットの構成を含むモビリティ活性化、TRPにおけるNRモビリティセットへの更新を含むNRモビリティセット間モビリティ、PHYモビリティセットへの更新をサポートする測定を含むPHYモビリティセット間モビリティ、およびTRP制御モビリティ不活性化をサポートするように構成されうる。TRP制御モビリティのためのNRモビリティセット構成:NRモビリティセット構成方法を図29Aおよび図29Bに示す。
第3は、ネットワーク制御モビリティのためのNRモビリティセット構成である。NRモビリティセット構成方法の例を図62および図63に示す。
第4は、ネットワーク制御モビリティのためのPHYモビリティセット構成である。PHYモビリティセット構成方法の例を図64および図65に示す。
第5は、ネットワーク制御モビリティのためのビーム管理である。ネットワーク制御モビリティのためのビーム管理方法の例を図60に示す。
図62および図63は、ネットワーク制御モビリティのためのNRモビリティセット構成方法の例を示す。この方法は、例えば、NRモビリティセット更新サイクルをループして、連続的に実行されることを期待される。この方法は、一例として見るべきである。例えば、各ステップは、表示された順序に厳密に従って実行される必要はない。
gNBがNRモビリティセットを決定する場合には、無線アクセスネットワーク負荷(例えば、エアインターフェース負荷を含む可能性のある複合負荷、フロントホール負荷、バックホール負荷、CPU負荷など)はgNBに報告される。報告は、イベント駆動型、または周期的でありうる。代替実施形態においては、NRモビリティセットがサービングTRPによって決定される場合、無線アクセスネットワーク負荷(例えば、エアインターフェース負荷を含む可能性のある複合負荷、フロントホール負荷、バックホール負荷、CPU負荷など)はサービングTRPに報告される。
コアネットワークは、オペレータポリシー情報、ユーザ加入情報、QoS情報などを含む支援情報を、無線アクセスネットワーク(例えば、サービングTRP)に提供してもよい。
UEは、無線アクセスネットワークから以前に受信した測定構成を使って、測定を実施する。UEの物理層からUEのL23層への測定報告は、ビームレベル測定値でもよい。UEのL23層は、ビームレベル測定値からTRPまたはセルレベル測定値への測定値集約を実施してもよい。UEのL23層は、測定値に対してL23フィルタリングを施してもよい。UE L23は、無線アクセスネットワークから受信した測定報告基準に従って測定値評価を実施してもよい。測定値評価は、例えば、ビームレベル測定値からTRPまたはセルレベル測定値に集約された測定値であるTRPまたはセルレベル測定値に対して実施してもよい。あるいは、直接、ビームレベル測定値に対して測定値評価を実施してもよい。測定報告のための測定イベントは、例えば、以下のものをサポートして定義されてもよい。TRPにおける初期NRモビリティセットの構成を含むTRP制御モビリティ活性化、TRPにおけるNRモビリティセットへの更新を含むNRモビリティセット間モビリティ、PHYモビリティセットへの更新をサポートする測定を含むPHYモビリティセット間モビリティ、およびTRP制御モビリティ不活性化。
測定イベントの例は、以下のうち1つ以上を含んでもよい。イベントNR−M4:TRPがTRP制御モビリティのしきい値よりも良好になる。このイベントを、TRP制御モビリティ活性化をトリガするために用いてもよい。同様のイベントをセルレベルまたはビームレベルで定義することができる。イベントNR−M5:NRモビリティセット内の全TRPがTRP制御モビリティのthreshold1よりも悪化し、NRモビリティセットの外部のTRPがTRP制御モビリティのthreshold2よりも良好になる。このイベントを、NRモビリティセット更新をもたらす、NRモビリティセット間モビリティ評価をトリガするために用いてもよい。同様のイベントをセルレベルまたはビームレベルで定義することができる。イベントNR−M6:NRモビリティセット内の全TRPがTRP制御モビリティのしきい値よりも悪化する。このイベントを、TRP制御モビリティ不活性化をトリガするために用いてもよい。測定イベントを、周期的タイマの満了に基づいて開始することもできる。これを定期測定報告に適用してもよい。UEは、所定の測定構成用の定期測定報告タイマを用いて構成されてもよい。
測定報告は、測定報告基準を満足するTRP(またはセルまたはビーム)の識別を含んでもよい。測定報告は、さらに、REが無線リンク障害に陥っているTRP(ビームまたはセル)を含んでもよい。
いくつかの実施形態においては、gNB(図62および図63参照)が、例えば、測定報告、オペレータのポリシー、およびQoS情報のうち1つ以上に基づいて、初期NRモビリティセットまたは更新されたNRモビリティセットを決定する。測定報告は、例えば、NRモビリティセットに含めるか、そこから取り除く候補である新しいTRP(セルまたはビーム)を含んでもよい。オペレータのポリシーは、エリア制限、ユーザモビリティプロファイル、サービス利用法プロファイル、課金、サービス固有の加入レベル(例えば、プラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズ)、ネットワークおよびネットワークスライス発見ポリシー、および、例えば、等価ホームサービスプロバイダ、優先サービスプロバイダなどに関するホームネットワーク選好に関するポリシーを含んでもよい。
他の実施形態においては、サービングTRPが、初期NRモビリティセットまたは更新されたNRモビリティセットを決定する。
gNBがNRモビリティセットを決定する実施形態において、サービングTRPは、gNBからのNRモビリティセット情報を使って、NRモビリティセットを初期化または更新しなければならない。TRPにおけるNRモビリティセットの受信によって、PHYモビリティセットの更新がトリガされてもよい。NRモビリティセットが更新されると、サービングTRPは、PHYモビリティセットを更新してもよい。
図64および図65は、PHYモビリティセット更新サイクルをループして連続的に実行されうる、ネットワーク制御モビリティのためのPHYモビリティセット構成方法の例を示す。各ステップは、図64および図65に示す順序に厳密に従う必要はない。まず、図64において、サービングTRPは、オペレータポリシー情報、ユーザ加入情報、QoS情報などを含む支援情報を提供されてもよい。
次に、UEは、PHYモビリティセットを決定するためにネットワークから受信された測定構成に基づいて、測定を実施する。TRPがPHYモビリティセットを決定する実施形態においては、測定値の報告がサービングTRPに返される。gNBがPHYモビリティセットを決定する実施形態においては、測定値の報告がgNBに返される。これらの測定値はチャネル状態情報(CSI)を含んでもよい。測定値は、例えば、PHYモビリティセット内の全ビーム(例えば、TRPビーム)/TRPがthreshold1よりも悪化し、PHYモビリティセット外部でNRモビリティセットの内部のビーム/TRPがthreshold2よりも良好になる場合を検出するしきい値を追加的または代替的に含んでもよい。このイベントを、PHYモビリティセット更新をもたらす、PHYモビリティセットのモビリティ評価をトリガするために用いてもよい。例えば、PHYモビリティセット内の全ビーム(例えば、TRPビーム)がしきい値よりも悪化することを検知するために測定をしてもよい。このイベントを、PHYモビリティセット更新をもたらす、PHYモビリティセットのモビリティ評価をトリガするために用いてもよい。測定イベントを、周期的タイマの満了に基づいて開始することもできる。これを定期測定報告に適用してもよい。PHYは、所定の測定構成用の定期測定報告タイマを用いて構成されてもよい。
次に、UEは、例えば、ビームレベル無線リンク状態などの無線リンク状態を、サービングTRPに報告してもよい。無線リンク状態報告は、物理層無線リンクモニタリングプロセスからの、無線リンク非同期報告、または無線リンク同期報告の形態をとってもよい。
一実施形態においては、サービングTRPのL23が、初期PHYモビリティセットまたは更新されたPHYモビリティセットを、NRモビリティのサブセットとして決定する。他の実施形態においては、gNBが、初期PHYモビリティセットまたは更新されたPHYモビリティセットを、NRモビリティのサブセットとして決定する。以下の情報のうち1つ以上を、NRモビリティセットを決定するために用いてもよい。UEからの測定報告、オペレータのポリシー、QoS情報など。オペレータのポリシーは、例えば、エリア制限、ユーザモビリティプロファイル、サービス利用法プロファイル、課金、サービス固有の加入レベル(例えば、プラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズ)、ネットワークおよびネットワークスライス発見ポリシー、および、例えば、等価ホームサービスプロバイダ、優先サービスプロバイダなどに関するホームネットワーク選好に関するポリシーを含んでもよい。
例えば、gNBがPHYモビリティセットを決定する場合、サービングTRPは、gNBからのPHYモビリティセット情報を用いて、PHYモビリティセットを初期化または更新してもよい。サービングTRPによるPHYモビリティセットの受信によって、PHYモビリティセットの更新がトリガされてもよい。gNBから新しいPHYモビリティセット情報が受信されると、サービングTRPはPHYモビリティセットを更新してもよい。
UE制御に基づくモビリティのためのビーム管理と同様に、ネットワーク制御モビリティのためのビーム管理方法は、ビームトラッキング、ビームアライメント/ビームペアリング、およびビームスイッチングを含む。方法は、下記ステップの1つ以上を含みうる。ビームトラッキングは、ビームプリコーディングベクトルの調整、ビーム評価とビーム変更決定、および補助的測定を包含してもよい。
第1に、ビームプリコーディングベクトルの調整に関しては、UEは、PHYモビリティセットのビームに関する測定を実施して、その測定値をネットワークPHYに報告してもよい。そのような測定値の一例は、他の情報の中でも、とりわけ、CQIと、REが推奨するプリコーダマトリクス指示(PMI)とを含む、チャネル状態情報(CSI)であってもよい。その後、ネットワークは、それに従って、ビームプリコーディングベクトルを調整する。この方法は、UEからの測定報告に基づく継続的方法である。測定は、PHYモビリティセット構成をサポートして定義されたものと類似する、イベント駆動型または周期的な測定であってもよい。
第2に、ビーム評価とビーム変更決定に関しては、評価は継続的であってもよい。UEは、例えば、CSI測定や無線リンク状態モニタリング測定などの測定を実施する。測定値は、UEの構成に用いられた報告基準に基づいてTRPに報告される。測定報告は、周期的であっても、イベント駆動型であってもよい。イベントの一例は、ビームがサービングビームよりも中間側にずれたか、または、例えば、サービングビームがしきい値よりも悪化したかのいずれかであってもよい。また、UEが最良/最適ビームを推奨してもよい。TRPは、候補ビームを評価し、測定報告、または、オペレータポリシーやQoS要件などの他の選択基準に基づいて、最良または最適ビームを選択する。
第3に、TRPによってビーム変更が決定されると、TRPは、新しいサービングビームをUEに知らせてもよい。そのような情報は、さらに、例えば、正確な時間間隔、または、最良/最適ビームに関するUEとネットワークの間の整合性を得るには旧サービングビームから新サービングビームへの切り替えをいつ実行すべきかに関するサブフレームなどの、ビーム切り替え時間を含んでもよい。例えば、ダウンリンク(DL)送信を仮定すると、UEは、ネットワークからの新しい最良TXビームを特定してもよい。UEは、UEの観点から見て最適なネットワーク側のTxビームを、測定報告を通じて、ネットワークに知らせてもよい。UEは、さらに、UE側の最良のRxビームをネットワークに知らせてもよい。TRPは最終的なビーム選択決定を下し、UEに知らせる。このようにして、対を成すeNB TxビームとUE Rxビームを、UEとネットワークの両方が知ることとなる。同様に、アップリンクに対して、TRPは、ネットワークの観点から見て最良または最適UE Txビーム、および対応する最適なTRPの受信ビームを決定する。同様の論理を、UE Txビームとネットワーク側が受信したビームの整合性と一対性にも適用することができる。その後、ネットワークは、これらのビームをUEに知らせる。
第4に、ビームスイッチングの時点で、UEとネットワークは、両方とも、サービングビームの切り替え/更新を実行し、新しいサービングビーム上で送受信を開始する。
NRは、LF−NR、すなわち、6GHz未満、およびHF−NR、すなわち、6GHz以上の両方の展開をサポートする。LF−NRにおいては、単一の広角ビームで十分にカバーしうる。しかし、HF−NRにおいては、単一の広角ビームでは十分にカバーできない恐れがあり、したがって、カバレッジの拡大には、複数の狭角ビームが好適な解決策である。したがって、NRは、シングルビームベース(すなわち、シングルセクタ)、およびマルチビーム(マルチセクタ)ベースの展開をサポートすることが可能である。
NRにおいて、初期アクセスとは、UEがスイッチオンされてから、UEがUE固有のシグナリングとデータを送信可能となるまでの間の手順のことである。主なステップは、セル検索と同期化、セル選択、システム情報の受信、およびランダムアクセス手順である。UEの初期アクセスに関して、セル選択プロセスは、NRシステムにおけるシングルビームとマルチビームの動作の両方に共通であるべきである。一方、UEのアイドル状態モビリティ測定は、通常、初期アクセスに用いられる同期信号に基づいている。ビーム中心型NRネットワークに関する、セル選択および再選択関連の定義と手順は、シングルビーム(例えば、NR−LF、LTE−NRインターワーキングなど )およびマルチビームの両方に基づく展開において機能するように、統一されたフレームワークの下で実装されうる。
ここでは、説明の容易化のために、ビームスイーピングベースのNRネットワークを例として用いたが、シングルビームベースのNRネットワークにおいても、本技術を用いることは可能である。シングルビームベースのNRネットワークは、マルチビームベースのNRネットワークにおいて、複数ビームの数Nが1に等しい特殊ケースと考えることができる。
ここでは、R2−165722で説明されている「新しいRRC状態」をINACTIVE状態と呼び、LTEにおいて定義されているRRC−IDLE状態およびRRC−CONNECTED状態に相当するものを、それぞれ、IDLE状態およびCONNECTED状態と呼ぶ。
LTEにおいては、ネットワーク制御モビリティはCONNECTEDモードのUEのために用いられ、UEベースのモビリティはIDLEモードのUEのために用いられる。ネットワーク制御モビリティにおいては、モビリティは、eNBによって、UEによって報告された測定結果に従ってトリガされるであろう。一方、UEベースのモビリティにおいては、モビリティ決定は、UE自身によって、プロトコルに定義されたルール(3GPP TS 36.304に定義されているセル選択および再選択プロセス)に従ってなされるであろう。専用リソースは、「新RAN制御状態」にあるUEにとって使用可能ではないため、ネットワーク制御モビリティを「新RAN制御状態」にあるUEのために使用しようとする場合、測定結果を転送し、モビリティコマンドを受信するためには、UEは、INACTIVEモードからCONNECTEDモードに転換される必要があるかもしれない。このため、実際にはばらつきがあるかもしれないが、UE制御モビリティ(例えば、NRネットワークのために提案されたセル選択および再選択ソリューション)は、UEのIDLEモードおよび新しいINACTIVEモードの両方に通用すると仮定することは合理的である。
RAN1#85において把握されたように、新状態を導入する重要な理由の1つは、RAN要件によって要求されるように、低遅延のデータ転送を開始(例えば、新状態以内でのデータ転送、またはIDLEモードへの移行よりも速いCONNECTEDDモードへの移行)するが、なおかつ、IDLEモードに匹敵するエネルギー効率を可能にすることである。したがって、新状態におけるUEのセル再選択プロセスは、高速で簡易な手順を必要とする可能性がある。例えば、この新状態に入る前に、専用シグナリングによって、隣接セルのシステム情報があらかじめ提供された場合、UEは、どの構成を用いるか、および位置をネットワークに更新するかを決定するために、明確にセルを特定することができるべきである。セル再選択後にシステム情報を読むことなく、これが可能であれば、中断時間およびUEの電力消費の両方が最適化されるであろう。
UEからの多様なサービス要求の下であっても、新状態は、データ転送の遅延の少なさとエネルギー効率を維持すると予想される。サービスは、モビリティ、信頼性、遅延、帯域幅、セキュリティとプライバシー、およびバッテリ寿命の多様な要件に基づいて特徴付けられることができる。したがって、新状態におけるUEのセル再選択プロセスは、UEの多様で動的なサービス要件を満足させる程度に、十分に構成可能で柔軟であるべきである。
新状態の導入によって、NRにおける省エネルギーのための主要状態が新状態となることが可能であり、一方、IDLEモードは、適切なセルが発見される前の中間状態として使用可能であろう。UEは、例えば、UE電源オン/オフ時、デタッチ、アタッチ拒否、無線リンク障害から回復しない、またはその他の限定サービス下におけるエラーシナリオ(例えば、緊急呼のみ可能、および警告通知受信が可能)などの、主として、初期ネットワークアクセスと故障管理のために、NRのIDLEモードに入るであろう。特別な故障回復メカニズムの新状態への追加は、設計の複雑さを増すことは必至であるので、不意の故障またはネットワーク障害の場合に、UEは、円滑に回復するために、IDLE状態に戻るかフォールバックする必要がなおもあるかもしれない。ほとんどの非活動または低活動期間中、UEは、IDELモードではなく、新状態に留まることができる。言い換えれば、UEが、適切なセルを利用可能な通常サービスの下にあるときは、新状態がNRの省エネルギーのための主要状態であると考えてもよく、その結果、UEのセル再選択プロセスは、主として、INACTIVEモードのUEのために実行されてもよい。本解決策は、IDLEモードのUEがセル再選択プロセスを実行しうる可能性を除外するものではない。
基本的には、5GのRATのためのセル再選択プロセスを設計する際に考慮すべき2つの基本的側面は、多様なセットのユースケースをサポートすること、および少なくとも高周波展開シナリオのために、ビームフォーミングをサポートすることである。
NRは、様々なユースケース(例えば、eMBB、mMTC、およびURLLC)をサポートし、それによって、様々なUE能力(例えば、サポートされるチャネル帯域幅、妥当な電力消費など)、およびネットワークに使用されるヌメロロジー(例えば、異なるサービスの多重化をサポートするサブキャリア間隔、シンボル/サブフレーム/フレーム長など)も、直接的に、もたらされる。しかし、代表的なNR展開において、全サービスが全周波数上でサポートされるわけではないかもしれない。例えば、eMBBサービスは周波数X(例えば、高周波数)だけでサポートされ、mMTCサービスは周波数Y(例えば、低周波数)でサポートされるかもしれない。そこで、NRにおいては、LTEにおいて定義されているように、適合性基準(3GPP TS 36.304参照)に従うだけでなく、UEが要求するサービスをセルがサポートしている場合も、UEは、セルを選択または再選択する必要がある、一方、NRネットワーク内のセルは、各セルがサポートするサービスをUEに知らせる手段(例えば、最小SIなどにおけるブロードキャスト)でもあるべきである。セルは、さらに、近接する周波数/セルでサポートされるサービスをブロードキャストしてもよい。
ヌメロロジーの観点からは、UEは、すべてのヌメロロジーをサポートするわけではないかもしれず、サポートするヌメロロジーを提供しないセルにはキャンピングするべきではない。UEが、デフォルトのヌメロロジーをサポートしない場合、UEは、セル検出プロセスに失敗するかもしれず、そうすると、セルは選択および再選択の候補セルとは見なされない。UEが、デフォルトのヌメロロジーをサポートし、デフォルトのヌメロロジーが初期アクセス用のセルによって使用されている場合、UEは、そのセルを検出して選択することができる。しかし、セルは、後の専用サービスのために、他のヌメロロジーを使用しているかもしれない。この場合、UEは、セルの優先順位を下げるように、できるだけ早く、この情報を知る必要があるかもしれない。例えば、サポートされているヌメロロジーのリストを最小SIに加えて、UEがこのセルに「アタッチ」を要求したり、UEの候補セルリストにこのセルを載せたりしないようにする。
NRにおいて、第2の考慮すべき基本的側面は、ビームフォーミングの使用である。NRマルチビームベースの動作の場合、セル内の異なるビームからの複数の信号にわたって、セル測定を実施する必要がある。セルの(再)選択のために、各セルの総合的無線品質を評価するための単一の代表的測定値を持つことが望ましい。各セルの単一の代表的測定値があれば、UEは、Txビーム数の相違する異なるセルを公平に比較することができる。一例として、異なるビームからの信号の複数の測定値から、セルの単一の代表的測定値を導出する関数に基づいて、セル測定を行うことができる。NRのシングルビームベースの動作の場合、LTEのように、単一ビームからの単一信号を用いて、セル測定を行うことができる。これは、マルチビームベースの動作の特殊ケースと考えることができる。
初期アクセス信号の送信のためにSFNが実際に使用された場合、(初期アクセス信号を送信するための)共通制御チャネルと(後の制御およびデータ送信のための)UE専用チャネルの間で、カバレッジに、SFNゲインに起因する相違があるかもしれない。例えば、UEは、セルの信号品質がSFNゲインのおかげで良好な(例えば、このセルのすべてのTRP/ビームが初期アクセス信号を送信している)ため、そのセルを選択するかもしれないが、その後、ただ1つまたは複数のビームがUEによって使用されたとき、信号品質またはカバレッジは全く異なる。一方、実際にビームが初期アクセス信号の送信のために使われる場合、初期アクセスがトリガされた時点でビームトラッキングを開始できても、初期アクセス後に一種の周期的ビームトラッキングが必要であっても、実行可能である。
ここでは、用語「利用可能PLMN」は、一般に、IDLE/INACTIVEなUEが少なくとも1つのセルを発見し、そのPLMN識別子を読むとき、その1つ以上のPLMNを表す。
ここでは、用語「選択されたPLMN」は、一般に、IDLE/INACTIVEなUEのNAS層が手動または自動的に選択したPLMNを表す。
ここでは、用語「登録エリア」は、一般に、IDLE/INACTIVEなUEが、NAS手順である位置登録をする必要なくローミングできるエリアとしての(NAS)登録エリアを表す。
ここでは、用語「セルにキャンピング」は、一般に、IDLE/INACTIVEなUEがセル選択/再選択プロセスを完了したとき、セルを選択したことを表す。UEは、システム情報と(ほとんどの場合)ページング情報を監視する。
ここでは、用語「任意セルにキャンピング」は、一般に、UEがIDLEモードで、セル選択/再選択プロセスを完了し、PLMN識別子を問わず、セルを選択したことを表す。INACTIVEモードのUEは、例えば、任意セルにキャンピングする前に、IDLEモードに切り替える必要があるであろう。
ここでは、用語「サービスタイプ」は、一般に、ネットワークによって、IDLEまたはINACTIVEモードのUEに提供されうるサービスのレベルを表す。何らかのサービスにアクセスするには、セルにキャンピングする行動が必要である。UEに対するサービスのレベルの例として、IDLEモードのUE用のような、受容可能なセル上の、例えば、緊急呼、ETWS、CMASなどの限定サービス、IDLEモードのUEおよびINACTIVEモードのUEの両方用のような、例えば、適切なセル上の公共用などの通常サービス、およびIDLEモードのUEおよびINACTIVEモードのUEの両方用のような、例えば、予約済みのセル上のオペレータ用などのオペレータサービスがある。
ここでは、用語「禁止セル」は、一般に、UEがキャンピングすることを許可されていないセルを表し、オペレータによって指定される可能性があるものである。
ここでは、用語「受容可能なセル」は、一般に、IDLE状態のUEが、限定サービス(緊急呼を発したり、ETWSおよびCMAS通知を受信したり)を受けるためにキャンピングしてもよいセルを表す。そのようなセルは、NRネットワーク内で緊急呼を発したり、ETWSおよびCMAS通知を受信したりするための要件の最小限のセットである以下の要件を満たす必要がある。セルは禁止されていないこと。図70〜図79を参照して説明する、セル選択/再選択基準によって決定される最低限の無線品質。
ここでは、用語「適切なセル」は、一般に、UEが通常サービスを受けるためにキャンピングしてもよいセルを表す。そのセルは、以下の要件のうち1つ以上を満たす必要がありうる。セルは、選択されたPLMN、登録されたPLMN,または等価PLMNリスト上のPLMNの一部である、セルは禁止されていない、セルは、少なくとも1つの禁止されていないトラッキングエリアの一部である、セルはUEのブラックリストに載っていない、および、セルは、図70〜図79を参照して説明する、セル選択/再選択基準によって決定される最低限の無線品質を提供する。
ここでは、用語「サービングセル」は、一般に、IDLE/INACTIVEなUEが現在キャンピングしているセルを表す。
ここでは、用語「予約済みのセル」は、一般に、オペレータが指定しうる特定のUE以外にはキャンピングが許可されていないセルであることが、システム情報に示されている場合、そのセルを表す。
ここでは、用語「サービングビーム」は、一般に、同期化、RANページング/通知、SI取得のうち少なくとも1つのために、IDLE/INACTIVEなUEが利用中のサービングセルによって送信されるビームを表す。
ここでは、用語「適格ビーム」は、一般に、所定のしきい値を超える信号強度を有するビームを表す。
ここでは、用語「候補ビーム」は、一般に、適格ビーム基準を満足するが、同期化、RANページング/通知、SI取得のうちのどのためにも、IDLE/INACTIVEなUEが利用していないサービングセルによって送信されるビームを表す。候補ビームは、適切なビームであり、サービングセルである適切なセルによって送信される。UEにとっては、サービングセルによって送信される適切なビームと、それ以外の適切なセルによって送信されるビームとを区別することは重要である。それによって、UEは、サービングセルによって送信される適切なビームを、それ以外の適切なセルによって送信されるビームとは別扱いにすることができる。
ここでは、用語「最強ビーム」は、一般に、ビーム測定手順に従って最強と見なされた特定のセルによって送信されるビームを表す。
ここでは、用語「適切なビーム」は、一般に、適格ビーム基準を満足する適切なセルによって送信されるビームを表す。
NRにおいては、初期アクセス信号、すなわち、PSS、SSS、PBCHに対するセルカバレッジを向上させるために、単一周波数ネットワーク(SFN)技術を用いてもよい。初期アクセス信号がビームフォーミングされているかを、UEに対して開示してもよい。実際には、一部のTRPがビームフォーミングを用い、他は用いないということがありうる。このことが有益であるのは、それによって、NRセルは、異なるマルチアンテナ能力を有するTRPで構成されうるからである。図66に示す一実施形態においては、NRセル内の初期アクセスのために用いられるすべてのTRP/ビームは、初期アクセス信号を同時に送信する。TRPが完全なカバレッジを提供するためにビームスイーピングを使用する必要がない展開に対して、この実施形態を用いてもよい。
あるいは、HF−NR展開のケースとして予想される、ビームスイーピングを要する展開に対しては、スイーピングブロック中に、SFN技術を用いること、すなわち、所定のスイーピングブロック中に送信されるビームが同一の初期アクセス信号を送信することを提案する。UEが受信する初期アクセス信号のSINRを最大化するために、TRP間でビームスイーピングを協調させ、図67に示すように、カバレッジの重なり合うビームが同時に送信されるようにしてもよい。この例では、スイーピングブロック0中のTRP−1、TRP−2、およびTRP−3からの送信によって仮想ビームが形成され、それらが単一のTRP/ビームを用いて送信される場合より高いSNRで、UE−1に受信されるであろう。スイーピングブロック2中のTRP−2とTRP−3からの送信によって、仮想ビームが形成され、UE−2に受信されるであろう。2つのTRP/ビームしかこの送信に寄与していないため、SINRは、3つのTRP/ビームを受信するUE−1に対するものほど良好ではないが、それでも、単一のTRP/ビームが受信される場合よりは良好である。
図68に示す展開のような、別の展開も可能である。この展開においては、カバレッジの重なり合うビームは、必ずしも同一スイーピングブロック中に送信されない。例えば、UE−1は、協調スイーピングシナリオの場合のように、TRP−1、TRP−2、およびTRP−4からの信号を受信することができるが、同一スイーピングブロック中に送信されるのはTRP−2とTRP−4だけである。
LTEにおいては、3GPP TS 36.304に説明されているように、UEがスイッチオンされて、PLMNが選択された後、セル選択プロセスが実行される。このプロセスによって、UEは、利用可能なサービスにアクセスするためにキャンピングすべき適切なセルを選択することができる。LTEのIDLEモードと同様に、NRにおけるIDLE/INACTIVEモードのUEは、キャンピングに適したセルを検索するために、同様のセル選択プロセスを実行する。NRのセル選択手順中に行われる処理を表す上位レベルのフローチャートを図69に示す。
UEは、セルを選択するための測定を実施する。UEは、その測定値と選択基準に基づいて、セルを選択する。NRに対しては、NRセルとの時間および周波数同期を得るため、およびそのセルの物理セル識別子(PCI)を検出するための、例えば、PSSやSSSなどの同期信号がUEによって使用されることを提案する。さらに、同期信号は、最強セルの決定と特定の搬送周波数上のセルのランキングの少なくとも一方のために用いうる、例えば、信号強度、SNRなどの検出計量値を計算するために用いてもよい。NRにおいては、3次同期信号(Tertiary Synchronization Signal:TSS)も送信してもよい。この信号を、PSSおよびSSSと共に、同期およびPCI検出のために用いることに加えて、ビームIDを検出するために用いてもよい。
NRにおいては、初期アクセス信号はビームフォーミングされてもよく、セルの異なるエリアのカバレッジを時分割的に提供するために、DLスイーピングサブフレームが使用されてもよい。NRに対しては、UEが、DLスイーピングブロック中に送信された初期アクセス信号の検出を試みることによって、セルを検索することを提案する。所定のDLスイーピングブロック中に、UEは、1つ以上のセルに対応しうる1本以上のビームのカバレッジエリア内に存在してもよい。また、UEは、異なるDLスイーピングブロック中に同一のセルによって送信される1本以上のビームのカバレッジエリア内に存在することもできる。したがって、UEは、1つ以上のDLスイーピングブロック内の同一のセルに対応する初期アクセス信号を検出してもよい。
一実施形態においては、所定のDLスイーピングブロック中にセルによって送信されたビームは、UEによって分離可能ではないかもしれない。UEが、DLスイーピングブロック中に同一のセルから送信された複数ビームのカバレッジエリア内に存在する場合、ビームが同一の初期アクセス信号を運んでおり、サイクリックプリフィックス(Cyclic Prefix:CP)以内にUEに達すると仮定すると、信号はUEにおいて合成されて、複合信号、すなわち仮想ビームを形成する。この場合、所定のDLスイーピングブロック中に検出されたセルごとに、単一の検出計量値が計算されるであろう。UEが、複数のDLスイーピングブロックの中に同じセルを検出した場合、それらの検出のそれぞれは、別々の検出計量値を持つ、同じセルの異なる仮想ビームに対応するものであるとみなすことができる。
あるいは、所定のDLスイーピングブロック中にセルによって送信されたビームがUEによって分離可能である場合、UEは、同期信号に基づく検出計量値に加えて、ビーム固有基準信号(Beam Specific Reference Signal:BRS、またはビームに特有でありうる他の任意の信号に基づく計量値を計算してもよい。
計量値Q
rxlevmeasおよびQ
qualmeas(ただし、Q
rxlevmeas,beamとQ
qualmeas,beamは、それぞれ、ビーム固有の受信された信号レベル測定値と信号品質測定値である)は、所定のセルに対してセル選択基準Sが満たされるかを決定する計算に用いられる。NRに対しては、Q
rxlevmeasとQ
qualmeasの値を決定する際に、ビーム固有の計量値を考慮することを提案する。一実施形態においては、計量値Q
rxlevmeasおよびQ
qualmeasは、最大Rxレベルのビームのビーム固有の測定値に対応する。
あるいは、計量値Q
rxlevmeasおよびQ
qualmeasは、最高品質のビームのビーム固有の測定値に対応してもよい。
他の実施形態においては、計量値はビーム固有の計量値の平均値として定義されてもよい。
平均値は、すべての検出されたビーム、または検出されたビームのサブセットに基づくものであってもよい。ただし、サブセットは、何らかのしきい値を超える検出計量値を持つビームに対応してもよい。平均値は、各ビームが等しく重みづけられる普通の平均、または各ビームが不均等に重みづけられる加重平均であってもよい。
所定のDLスイーピングブロック中にセルによって送信されたビームがUEによって分離可能ではない場合、ビーム固有の計量値が、DLスイーピングブロック中に受信された仮想ビームの初期アクセス信号の測定値に対応することを提案する。一実施形態においては、計量値Qrxlevmeas,beamおよびQqualmeas,beamは、信号強度、および受信された仮想ビームの同期信号から決定されたSINRに対応してもよい。
あるいは、所定のDLスイーピングブロック中にセルによって送信されたビームがUEによって分離可能である場合、ビーム固有の計量値は、BRS、またはビームに特有な他の任意の信号に基づく測定に対応することを提案する。一実施形態においては、計量値Qrxlevmeas,beamは、考慮されている測定周波数帯域幅内のビーム固有の基準信号を伝達するリソース要素の電力の寄与(単位:W)の線形平均に対応し、計量値Qqualmeas,beamは、比 N×RSRP/(NR搬送波のRSSI)に対応する。ただし、NはNR搬送波のRSSI測定周波数帯域幅のリソースブロック(Resource Block:RB)数であり、RSSIは、スイーピングブロック中に観測された合計受信電力(単位:W)の線形平均を含む。
NRに対しては、セル選択に必要なSI、すなわち、Qrxlevmin、Qrxlevminoffset、Qqualmin、Qqualminoffset、p-Max、およびNS-PmaxListを、NRセルによって定期的にブロードキャストされる最小SIの一部として含むことを提案する。一実施形態においては、セル選択SIの所定の構成セットを「ルックアップ」するために用いうる構成指標を用いて、セル選択SIをUEに示すことができる。この実施形態においては、構成指標を、MIB/PBCHを介してUEにシグナリングしてもよい。あるいは、セル選択SIを、明示的にUEにシグナリングすることもできる。この実施形態においては、MIB/PBCH、および物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)上で送信される他のSIBの少なくとも一方を介して、セル選択Iesをシグナリングしてもよい。
最小SIの送信のロバスト性を向上させるために、最小SIを送信するために使用される、例えば、PBCH、PDSCHなどの物理チャネルの送信のために、SFN技術を用いてもよい。一実施形態においては、初期アクセスビームは、所定のDLスイーピングブロック中に、同一の情報をPBCH上で送信する。最小SIの一部または全部に対してPDSCHも使用される場合、初期アクセスビームは、また、最小SIを送信するために使用されるPDSCH上で同一の情報をシグナリングし、その送信のために同一の物理リソースブロック(Physical Resource Block:PRB)を使用するように構成されてもよい。あるいは、PBCHやPDSCHのためにSFN技術を用いない場合、各ビームから受信されたチャネルビットは、復号化される前にソフトコンバインされてもよい。また、同一の最小SIが各ビーム上で送信されると仮定すると、同一のDLスイーピングサブフレームの異なるスイーピングブロック中に送信された各ビームから受信されたチャネルビットを組み合わせるために、ソフトコンバインを用いてもよい。他の実施形態においては、DLスイーピングサブフレームの異なるスイーピングブロック中の最小SIの送信に、冗長性の異なるバージョンを用いてもよく、異なるビームから受信されたチャネルビットを組み合わせるために、増加的冗長性(Incremental Redundancy:IR)を用いてもよい。
図70および図71は、NRセル選択方法の一例を示す。ステップ1において、UEは、DLスイーピングブロック中のセルを検索し、セル1および3を検出する。注記:セル検索は初期セル選択だけのために実施される。UEは、N回のDLスイーピングブロック中に送信された初期アクセス信号の検出を試みることによって、セルを検索する。ただし、Nは、包括的なセルカバレッジを提供するために必要なビーム数、および、例えば、TRPが同時に送信可能なビーム数などのTRP能力に依存する。セルがビームスイーピングを行う必要がなければ、セルは、N = 1として構成されてもよい。
図70のステップ1において、セルは、所定のDLスイーピングブロック中に複数のビームを送信してもよい。NRにおいては、セルは、PSSとSSSの送信に加えて、所定のDLスイーピングブロック中に送信されたビームのそれぞれに特有のTSSを送信して、それによって、UEが、所定のDLスイーピングブロック中にセルによって送信されたビームを分離して識別できるようにしてもよい。一実施形態においては、セルのPCIを決定するために、PSSとSSSが使用され、ビームIDを決定するためにTSSが使用される。NRセルのビームを表す項BPCI,n,xを定義する。ただし、下付き文字PCIは、PSS/SSSによって示されるセル識別子を表し、nは、ビームを送信するDLスイーピングブロックを表し、xは、TSSによって示されるビームIDを表す。TSSが送信されない場合は、セルによって所定のDLスイーピング中に送信されたビームは分離可能ではなく、PSS/SSSによって示されるPCIに識別されうる仮想ビーム、およびビームを送信するDLスイーピングブロックnを形成する可能性がある。これらの仮想ビームを、PCIとDLスイーピングブロックnを用いて、例えば、BPCI,nと表してもよい。また、所定のビーム上で検出されたNRセルの検出計量値を表す項DPCI,n,xを定義する。検出計量値は、TSSの測定値に基づくものであってもよい。あるいは、検出計量値は、ビーム基準信号(Beam Reference Signal:BRS)に基づくものであってもよい。ただし、どのBRSを測定するかは、TSSを介して示されたビームIDを使って決定してもよい。所定のDLスイーピングブロック中に送信されたビームが分離可能ではない場合、検出計量値は、PSSとSSSの少なくとも一方の測定値に基づいたものであってもよく、DPCI,nと表されてもよい。
検出されたセルのリストが作成され、その中で、例えば、信号強度などの何らかの基準に従って、セルがランク付けされてもよい。一実施形態においては、リストは、検出されたセルごとに1つまでのエントリを含み、セルリストは、セルに関して検出された最強ビームに従って順序付けられる。あるいは、所定のセルに関して、UEが複数のビームを検出した場合、所定のセルに関する検出計量値は平均化され、平均検出計量値を用いて、セルリストが順序付けされもよい。
説明のため、ビームはUEによって分離可能であり、UEは、B1,0,0、B3,2,0、およびB3,2,1上で送信される初期アクセス信号を検出して、検出計量値がD1,0,0 > D3,2,1 > D3,2,0となり、検出されたセルのリストは、検出されたセルごとに1エントリを含み、リストは、ビームのRSRPに対応する検出計量値を使ってランク付けされ、すなわち、リストは、セル1およびセル2の2つのセルから構成され、セル1がリストの1番目に位置し、セル2がリストの2番目に位置すると仮定する。
図70のステップ2において、UEは、最小SIを取得し、DLスイーピングブロック中のセル1に対する測定を実施する。最小SIを取得して測定を実施するためには、複数のDLスイーピングサブフレームを必要とする可能性がある。UEは、最小SIの取得を試み、本例ではセル1である、リストの1番目のセルに関するセル選択測定を実施する。
UEは、検出されたビームのうちの1本以上から最小SIの取得を試みて、それに対する測定を実施してもよい。一実施形態においては、UEは、最強ビームからの最小SIの取得を試みる。あるいは、複数のビームが検出された場合、UEは、その複数ビームからの最小SIの取得を試みて、検出の成功確率を高めるために、復号化を実施する前に、受信したシンボルを組み合わせてもよい。UEは、最強ビーム、全ビーム、すべての検出されたビーム、または検出されたビームのサブセットに対して、セル選択測定を実施してもよい。ただし、サブセットは、何らかのしきい値を超える検出計量値を持つビームに対応してもよい。
説明のため、UEは、最小SIを、B1,0,0から取得すると仮定する。UEは、B1,0,0に対する測定も実施し、セル選択計量値Q
rxlevmeasおよびQ
qualmeasを、B1,0,0の対応する測定値に設定する。
図70の方法例は、図71に続く。図71のステップ3において、セル1は適切なセルとは見なされない。最小SIを取得して、セル選択測定を実施した後、UEは、セル1が適切なセルか判定する。セルが、3GPP TS 36.304の第4.3節に指定された適切なセルに対する要件を満たす場合、そのセルは適切なセルと見なされる。説明のため、セル1は適切なセルとは見なされないと仮定する。この理由は、セルが禁止されている、PLMNとTAの少なくとも一方が許可されていない、S基準が満たされていないなどであってもよい。
図71のステップ4において、UEは、最小SIを取得し、DLスイーピングブロック中のセル3に対する測定を実施する。最小SIを取得して測定を実施するために、複数のDLスイーピングサブフレームが必要かもしれない。UEは、最小SIを取得し、本例ではセル3である、リスト中の次のセルに対するセル選択測定を実施する。ステップ2で説明した、最小SIを取得してセル選択測定を実施するための方法を、本ステップに適用してもよい。説明のため、UEは、B3,2,1から最小SIを取得すると仮定する。UEは、B3,2,1に対する測定も実施し、セル選択計量値Q
rxlevmeasおよびQ
qualmeasを、B3,2,1の対応する測定値に設定する。
ステップ5において、セル3は適切なセルと見なされる。最小SIを取得して、セル選択測定を実施した後、UEは、セル3が適切なセルか判定する。ステップ3で説明した、セルが適切なセルか判定するための方法を、本ステップに適用してもよい。説明のため、セル3は適切なセルと見なされると仮定する。
ステップ6において、UEは、セルをサービングセルとして選択する。UEは、セル3をサービングセルとして選択し、そのセルにキャンピングする。
本明細書で述べるようなセル再選択方法は、UEが、より適切なセルを選択して、そこにキャンピングすることを可能にする。それを、ビーム中心型NRネットワーク上で用いてもよい。その特徴には、以下が含まれる。ビームフォーミング、多様なユースケース、および新RAN制御状態の、NRネットワークにおける3つの基本的側面の影響に対処するセル再選択手順と測定ルールの汎用セット、ネットワーク制御のケースとUE制御のケースの両方を考慮して、多様なユースケースを促進する、構成可能な優先付け処理とセルランキングのメカニズム、異なる情報媒体(例えば、最小SI、その他のSIなど)および送信方法(例えば、ブロードキャストかユニキャストか、定期的かオンデマンドか、など)を考慮した、セル再選択情報取得のための異なるメカニズム、および測定、セル再選択関連のシステム情報および信号の取得、および通常または縮小されたセル再選択プロセスとバランスのとれたビームトラッキング手順を考慮した、NRネットワークにおける異なるアプリケーションシナリオをサポートする構成可能な最適化。
一般的に言えば、NRのIDLE/INACTIVEなUEが、キャンピングした正常状態またはセルにキャンピングした任意の状態にあるとき、UEは、サービングセルによって示された周波数内、周波数間、およびRAT間のセルを検出し、同期化し、監視することを試みてもよい。周波数内および周波数間のNRセルに関しては、サービングセルは明示的な近隣リストを提供せず、搬送周波数情報と帯域幅情報だけを提供するかもしれない。
セル再選択プロセスを実行するとき、NRのIDLE/INACTIVEなUEは、上位レベルのセル再選択方法を用いてもよい。例えば、再選択方法は、以下を含みうる。NR周波数以内の周波数内再選択はセルのランキングに基づくこと、異なるNR周波数間の周波数間再選択およびRAT周波数間の再選択は、両方とも、絶対優先順位に基づくこと、同一RAT内の周波数上のすべての近隣セルに共通な、周波数固有のセル再選択パラメータ、近隣セルリストおよびブラックセルリストの概念、速度依存性セル再選択プロセス、およびシングルビームベースおよびマルチビームベースの両動作に関する統一的枠組み。
NRにおいては、総合的セル再選択方法は、例えば、3段階で構成されてもよい。第1段階において、UEは、測定ルールをチェックする。第2段階において、UEは、検出され、測定された各セルの無線品質をチェックする。第3段階において、UEは、例えば、PLMN、セル禁止状態、UEが関心のあるサービスなどの適合性基準をチェックする。
測定ルールは、必要な測定を減らして、UEが出来るだけ電力効率を維持するために使用される。測定ルールのセットの一例には、サービングセルの測定と評価、周波数内測定、およびNRにおける周波数間測定およびRAT周波数間測定が含まれる。
サービングセルの測定と評価に関しては、UEは、サービングセルのRSRPおよびRSRQのレベルを測定して、少なくともNR_DRXサイクルごとに、図69〜図78を参照して説明する、セル選択基準S(QrxlevmeasおよびQqualmeas)による評価を実施してもよい。サービングセルが、表12に定義された、連続NNR_servNR_DRXサイクルによって規定された時間の間、セル選択基準Sを満たさない場合、UEは、UEの測定活動を現在制限している測定ルールに関わらず、サービングセルによって示されたすべての近隣セルを測定するものとする。UEが、NR_eDRX(拡張DRXサイクル)を用いて構成されている場合、それに従って時間は変化しうる。
周波数内測定に関しては、近隣セルは、通常、サービングセルによって(ブロードキャストまたはユニキャストを介して)送信されたシステム情報内の近隣セルリストに示されている。リストに載っていないその他の周波数内の近隣セルは、測定されない可能性がある。周波数間およびRAT間の測定に関しては、UEは、任意の近隣セルを測定できる。これは、ネットワークオペレータが、通常、周波数内展開に関する十分な情報を持っており、近隣セルリストは、一定レベルのUEの管理可能性をネットワークに提供できるからである。サービングセルが、Qrxlevmeas > SNR_IntraSearchP、およびQqualmeas > SNR_IntraSearchQを満たす場合、UEは、周波数内測定を行わないことを選択してもよい。そうでない場合、UEは、周波数内測定を実施するであろう。
NRにおける周波数間測定およびRAT周波数間測定に関しては、異なるRATからの周波数の優先順位は同一にはできない。UEは、サービングセルの周波数の優先順位よりも高い優先順位を有する周波数間およびRAT周波数間測定を、常に実行する。NRにおける周波数間またはRAT間の周波数の優先順位の方が低い場合には、サービングセルが、Qrxlevmeas > SNR_NonIntraSearchP、およびQqualmeas > SNR_NonIntraSearchQを満たさないか、UEが、専用シグナリングによって構成された周波数を測定するようにトリガされた場合に、UEは、測定を実行する。それ以外の場合、UEは、NRにおける周波数間またはRAT周波数間測定を実行しないであろう。
期間TNR_sel後になっても、UEが、システム情報内に示された周波数内、周波数間、およびRAT間の情報を用いた検索および測定に基づいて、新しい適切なセルを発見できなかった場合、UEは、選択されたPLMNに対するセル選択手順を開始するものとする。
ここで留意すべきことは、測定ルール中で用いられているしきい値(例えば、SNR_IntraSearchP、SNR_NonIntraSearchP、TNR_selなど)のすべては、構成可能なパラメータとして定義されているものと仮定するということである。そして、UEが異なるモビリティ状態にあるときは、各パラメータの値はスケーリングされてもよい。例えば、UEが高モビリティ状態にあれば、チャネルの劣化に即応するためにより頻繁にセル再選択プロセスを実行できるよう、パラメータ値の一部が調整されてもよい。
異なるNR周波数またはRAT周波数間の絶対優先順位は、システム情報中または専用シグナリングメッセージ中で、またはRAT間のセル(再)選択における他のRATからの継承によって、UEに提供されてもよい。周波数の優先順位が専用シグナリングの中で提供される場合、UEは、システム情報中に提供されている優先順位の値を無視するものとする。
UEは、システム情報中に与えられており、UEに対して優先順位値が提供されているNR周波数とRAT周波数間に対して、セル再選択評価だけを行うものとする。
第2段階において、評価プロセスが、無線条件の観点から最良の適切なセルを選択することになっている。非サービングセルの無線条件も、QrxlevmeasおよびQqualmeasのようなRSRPおよびRSRQのレベルを測定することによって決定される。UEは、ブラックリスト上のいかなるセルも、セル再選択の候補とは見なさないものとする。非サービングセルのQrxlevmeasとQqualmeasを再選択のために評価する際、UEは、サービングセルによって提供されたパラメータを使用するものとする。UEは、少なくとも時間TNR_minReselの間、現在のサービングセルにキャンピングした後、他の測定されたセルの無線品質を評価する。UEが、サービングセルの、同一周波数上、または異なるNR周波数の同一優先順位の新しいセルの無線品質を評価する際、セルランキングアルゴリズムを使用してもよい。UEが、優先順位のより高いNR周波数またはRAT周波数間の新しいセルの無線品質を評価するとき、時間TNR_resel_tの間、Qrxlevmeas > Thresh NR_new_highPが満たされているか、または時間TNR_resel_tの間、Qqualmeas > ThreshNR_new _highQが満たされている場合、セルは再選択されてもよい。UEが、優先順位のより低いNR周波数またはRAT間周波数上の新しいセルの無線品質を評価するとき、時間TNR_resel_tの間、サービングセルがQrxlevmeas > Thresh NR_ser_lowPを満たし、新しいセルがQrxlevmeas > ThreshNR_new _lowPを満たすか、または時間TNR_resel_tの間、サービングセルが Qqualmeas > Thresh NR_ser_lowQを満たし、新しいセルがQqualmeas > ThreshNR_new _lowQを満たす場合、セルは再選択されてもよい。優先順位の異なる複数のセルが無縁品質基準を満たす場合、まず優先順位のより高い周波数からセルが選択され、優先順位の等しい周波数の複数のセルの場合は、セルランキングアルゴリズムに基づいて、セルが選択される。異なるRATからの周波数の優先順位は等しくないであろう。
この場合も、無線品質評価ルール中で用いられているしきい値(例えば、Thresh NR_ser_lowP、TNR_resel_tなど)は、同様に、構成可能なパラメータとして定義されているものと仮定する。そして、UEが異なるモビリティ状態にあるときは、各パラメータの値はスケーリングされてもよい。例えば、UEが高モビリティ状態にあれば、電力消費やシグナリングオーバーヘッドを低減するためにより低い頻度でセル再選択プロセスを実行できるよう、パラメータ値の一部が調整されてもよい。
第3段階において、第2段階から得られた目標とする最良セルの選択によって、次に、UEは、実際にキャンピングする前に他の適合性基準(例えば、PLMN,セル禁止状態、サポートされているサービスなど)をチェックするために、そのセルから必要なシステム情報を読む。チェックの詳細は、図69〜図78を参照して説明する手順と同様である。
NRのセル再選択手順中に行われる処理を表す上位レベルのフローチャートを図72および図73に示す。
NRマルチビームベースの動作のためにビームスイーピングを用いる場合、サービングセルのためのDLビームペアの維持が、セル再選択機能によって行われる。すなわち、UEにおいて受信される信号のSNR最大化するように、「最良の」DL Txビームが「最良の」DL Rxビームとペアリングされる(例えば、UEはネットワークページング/通知メッセージを受信する、など)。もう1つの観点から言えば、IDLE/INACTIVEモードの主目的の1つは省電力であって、UEにとって、連続してビームペアリングを行うことは電力的に効率的ではない。NRにおけるユースケースとUE能力の多様性を前提とすると、ビームペアリングが積極的に更新されるために、異なるUEは、異なる優先度をエネルギー効率とデータ転送(データの送信と受信の両方)の低遅延性に置く可能性がある。異なるレベルのビーム微調整の周期性と精細さが達成されるように、このビームペアリングプロセスは構成可能であった方がよい。例えば、INACTIVEなUEはデータ転送の低遅延性を必要とし、INACTIVE状態中に小さなデータのバースト送信を要求するかもしれないので、一定のレベルのエネルギー消費を許容しつつ、データ送信のための一定のレベルのビームの精細さを持つことが望ましい。
NRにおいては、異なるNR周波数またはRAT周波数間の優先順位は、一般的に、システム情報中または専用シグナリングメッセージ中で、またはRAT間のセル(再)選択における他のRATからの継承によって、UEに提供される。これらの場合、異なる周波数の優先順位は、すべてネットワーク/オペレータによって決定される。
一方、NRは、広範囲のユースケースを、異なった性能要件、および、近接サービス(例えば、デバイス間(Device-to-Device:D2D))、車車間/路車間(Vehicle-to-X:V2X)、MBMSなどの各種サービスでサポートすることが期待される。UEが、自身で周波数優先順位を調整したい場合もあるかもしれない。例えば、周波数によっては、限られたセットのサービスしかサポートしないこともあり、UEは、それらの周波数によってサポートされている関心のあるサービスを見つけられないかもしれない。あるいは、UEは、UEの関心のあるサービスをサポートしている別の周波数が、ネットワークによってシグナリングされた優先順位にかかわりなく、より高い優先順位を有していると見なすかもしれない。これによって、サービング品質がしきい値を超え、サービング周波数がより高い優先順位を有している場合であっても、UEは、所望のサービスをサポートしているセルを再選択し、そこにキャンピングすることができるかもしれない。この、UE制御による優先順位の調整がなければ、UEは、例えば、図72および図73を参照して説明されたセル再選択手順に従って、そのセルを再選択することはできないかもしれない。
UE制御による優先順位処理ルールが有利となる要因の例として、負荷バランシング、ネットワーク構成、干渉レベル、サービス、およびヌメロロジーがある。負荷バランシングに関しては、トラフィックは、異なった周波数を持つ異なるセルに分割する必要があるかもしれない。ネットワーク再構成に関しては、地震、停電、あるいはテロ攻撃のようなインスタンスのために、例えば、現在のサービング周波数よりも高い優先順位値を持つ周波数上の一部のセルが非動作になるか、オペレータが、優先順位の低い周波数を持つ一部のセルおよび省エネルギーのために本来はスイッチオフされていたセルを一時的にスイッチオンする。一部の周波数上の小さなセルを密集して展開すると、干渉レベルが増大することになるかもしれない。サービスに関しては、一部の優先順位の高い周波数は、UEの関心のあるサービスをサポートしていないかもしれない。ヌメロロジーに関しては、一部の優先順位の高い周波数は、UEの関心のあるヌメロロジーをサポートしていないかもしれない。
UEがキャンピングするのに最良の適切なセルを発見するために、セルランキングルールが用いられる。UEは、周波数内のセル、および同等の優先順位を有するS基準を満たす他の周波数上のセルを、NR_Resel基準として知られている基準を用いて、ランク付けする。NR_R基準は、サービングセルおよび近隣セルに対して、それぞれ、ランキングNR_RsおよびNR_Rnを生成する。NRのUEのサービングセルに対して、NR_Rs = Pmeas,s + Physt - Poffset。NRのUEの測定された近隣セルに対して、NR_Rm = Pmeas,m - Poffset。
PmeasをRSRP測定量(この値は、NRマルチビーム展開シナリオ中の場合、複数のビームレベル測定値からの集約値であってもよい)とすると、Phystはピンポンを回避するためのパワードメインヒステリシスであり、Poffsetは、周波数固有の異なる特性(例えば、異なる搬送周波数の伝搬特性)とセル固有の特性(例えば、アクティブなTRPとビームの数、トラフィック負荷など)の少なくとも一方を制御するためのオフセット値である。時間領域において、過度に頻繁な再選択を制限するために、TNR_resel_tが用いられる。最高位にランク付けされた近隣セルが、TNR_resel_tよりも長い間サービングセルよりも上位にランク付けされた場合、その近隣セルは再選択される。Phystは、再選択の実行が可能になるまでに、任意の近隣セルが、構成可能な量だけサービングセルよりも良好であることを要求することによって、ヒステリシスを提供する。Poffsetは、特定のセルと周波数の少なくとも一方に向けて、再選択を偏らせることができる。例えば、UEまたはネットワークは、Phystの値を大きくして、UEが、現在のサービングセルに留まる可能性を高め、その後のマルチビームベースのNRネットワークに対するビームペアリング/トラッキング動作が、セル間ビームスイッチングよりもセル/TRP内ビームスイッチングになる可能性を高めるようにしてもよい。
RAN2#95会議においては、セル再選択プロセスに関連する情報(例えば、例えば図72と図73を参照して説明された、IDLEモードのUEおよびINACTIVEモードのUEのパラメータとしきい値、高速UEのためのスケールファクタなど)を最小SIに含めることはまだ合意されていない。
図74に示すように、5G展開が進展する中で、UEは、方々移動中に、異なるセルを異なる周波数および異なるRAT(例えば、5GおよびLTE)から見てもよい。例えば、図74において、eMBBサービスに加入しているUEにとって、NRのeMBBセルAは利用可能で望ましいかもしれない。移動中、eMBBおよびURLLCサービスをサポートしているセルCに到着する前に、UEは、LTEにフォールバックする。UEが異なるセル中に移動するか、記憶された情報が無効である場合、セル再選択情報を取得する必要がある。セル再選択情報の取得には、最小SIに含まれるような情報の周期的送信と、他のSIに含まれるような情報のオンデマンド送信の選択肢がある。
最小SIに含まれるような情報の周期的送信に関しては、最小SIは常時オン信号の1つであり、RAN1/RAN2は、常時オン信号のオーバーヘッドを制御することに合意している。最小SIのいかなる増加も全般的なブロードキャストオーバーヘッドを増加させる可能性があるため、最小SIの一部として含まれる再選択情報の量を、妥当な量に抑える必要がある。周期的送信を用いても、新しい信号は導入されないので、シグナリングオーバーヘッドが追加されることはない。
他のSIに含まれるような情報のオンデマンド送信に関しては、セル再選択情報が他のSIに含まれ、オンデマンドで取得する必要がある場合、NRにおけるIDLE/INACTIVE状態のUEは、UE制御による取得(例えば、UEが特定の要求を送信するなど)、またはネットワーク制御による取得(例えば、DLチャネルを監視してページングのような信号が到着したか確かめるなど)によって、情報を取得する必要があるかもしれない。UE制御の場合、UEは、サービングセルがセル再選択情報を配信するようトリガする要求を送信する必要がある。要求は、ランダムアクセス手順中に(例えば、要求はランダムアクセス応答におけるグラントされたリソース上で送信される、など)、またはグラントなし送信(例えば、コンテンションベース送信)で送信してもよい。要求が受信されたら、サービングセルは、セル再選択情報を、1回限りのブロードキャストまたはUE固有のシグナリングを介して送信することを選択してもよい。ネットワーク制御の場合、ネットワークは、再選択情報の配信をトリガする時期を、近隣ネットワークトポロジーやネットワーク構成の更新時、およびトラッキングエリア(IDLEモードのUE)またはRAN制御エリア(INACTIVEモードのUE)の更新の受信時の少なくとも一方にする、柔軟な対応が可能である。この場合も、情報は1回限りのブロードキャストとUE固有のシグナリングのどちらを介してUEに送信されてもよい。いずれの場合に対しても、再選択情報の配信のために1回限りのブロードキャストが選択された場合は、UEが情報を受け入れるかを決めることができるように、情報の新または旧内容を示すために用いるメカニズム(例えば、タグ変数)が必要である。
いずれの選択肢を用いるかは、実際の実装次第である。一実施形態においては、ハイブリッド手法を用いてもよい。すなわち、再選択情報の一部(例えば、何らかの好適な近隣周波数と優先順位)が最小SIに含まれ、周期的にブロードキャストされてもよく、例えば、すべての既存の周波数とセルの測定後、UEの関心のあるサービスがいかなる測定済みのセルにおいてもサポートされていないため、UEが適切なセルを発見できなかった場合、他の再選択情報(例えば、何らかのバックアップ周波数)がオンデマンドでUEに送信されてもよい。図75は、図74のUEがセル再選択関連情報を、異なる手法を用いて取得する手順の例を示す。
5Gのユースケースの多様で、ときには相矛盾する要件を考慮すると、システムの柔軟性、および次世代UEの多様なサービス要件をサポートする十分な能力を確保することが重要である。例えば、mMTCデバイスは、大半の時間は全く停止していると予想される。その結果、低電力消費のために、静止したIoTデバイスのアイドルモードモビリティ機能(例えば、セル再選択プロセス)を最小化することが可能であるべきである。一方、表1に示すように、URLLCのUEは非常に低い遅延が要求されている。その結果、URLLCのUEは、最小もしくはゼロのセル再選択中断/最小のIDLE/INACTIVEからCONNECTEDへの移行時間の恩恵を受ける可能性があり、そのために、セル再選択プロセスは急激なチャネル変更に迅速に反応してNRにおける最良の適切なセルを確実に再選択することを要求され、頻繁な測定、迅速な評価および再選択プロセスをもたらすことになる。
新しいINACTIVE状態では、RAN要件の要求通り、低遅延でデータ転送(例えば、新状態でのデータ転送、またはIDLEモードよりも迅速なCONNECTEDDモードへの移行)を開始する必要があるかもしれず、また、IDLEモードのエネルギー効率に匹敵するエネルギー効率をサポートする必要がある。さらにその上、新しいセルにキャンピングするための潜在的コンテキストのフェッチおよび経路切り替えの手順に起因する遅延とシグナリング負荷の追加を考慮すると、新状態におけるUEのセル再選択プロセスは、迅速で簡便な手順で構成された方がよい。
例えば図72と図73を参照して説明された総合的セル再選択プロセスは、以下のような様々な方法で最適化されうる。例えば、測定、セル再選択関連のシステム情報および信号の取得、発生または遅延の観点から見た、通常または縮小されたセル再選択プロセス、およびビームスイーピングベースのNRネットワークのためのバランスのとれたビームトラッキング手順。一般的に、セル再選択のための測定は時間平均され、ピンポン効果を避けるために比較的低速である。3GPP TS 36.133によれば、周波数内ハンドオーバ測定期間は200msで、周波数間測定期間は480msである。NRにおいては、3GPP TS 36.133によって用いられた手法を再使用した場合、マルチビームベースのNRネットワーク内で用いられるビームスイーピングメカニズム、およびビームレベル測定値のセルレベル品質測定値への集約のために、測定期間はさらに長くなるかもしれない。その結果、NRでは、これらの測定(RSRPおよびRSRQ)は遅すぎて、急激なチャネル変更に反応できないかもしれず、より迅速な測定が必要である。
LTEにおいては、UEは、少なくとも2つの測定値を用いて、RSRP測定とRSRQ測定をフィルタリングすることになっている。フィルタリングに用いられる測定値のセットの中で、少なくとも2つの測定値は、少なくとも、DRXサイクル/2だけ離すことになっている。3GPP TS 36.133を参照すること。一実施形態においては、NRのUEは、周波数内、周波数間、およびRAT間測定のための異なる測定期間に対する構成可能な測定構成をサポートしてもよい。例えば、隣接する2つの測定値は、例えば、DRXサイクル/4という、より短い時間だけ離されるか、DRXサイクルの値が、表12に示すように、小さくされてもよい。構成可能な異なる測定期間によって、即応する必要のある一部のUEは、より迅速な測定をすることができ、バッテリ効率を良くする必要のありうる他のUEは、よりゆったりとした測定時間をかけることができる。他の実施形態においては、同一RATまたは異なるRATに属する測定される搬送周波数の数は、サービスタイプ、遅延要件、移動速度、バッテリレベルなどに依存して構成可能であってもよい。
セル再選択関連のシステム情報および信号の取得に関する最適化は、指標ベースのセル再選択システム情報、最小SIのブロードキャストに対する構成可能な周期性、およびハイブリッド取得方法などの様々な観点から達成されてもよい。
指標ベースのセル再選択システム情報に関しては、UEは、一般的に、サービングセルによって提供された再選択情報を使用する。UEが新しいセルを再選択するときは、他のSIに含まれる再選択情報を再取得する必要がある。したがって、UEのサービングセル変更率はSI要求率に影響を与え、そのため、オンデマンドSI配信の性能に大きな影響を与える。UEがサービングセルを変更する際、再選択情報の各セットが固有の指標を有しており、その再選択情報のセットが柔軟に広いエリアをカバーしている場合、UEが同一の指標によってカバーされるエリア内で移動する限りは、必ずしもSIを再取得する必要はない。UEが、指標によってカバーされるエリア外に移動する場合、UEは、SI要求を指標と共に送信して、サービングセルがSIの2つのセットを比較して、新しいSI中の相違点だけを送信することができるようにしてもよい。いずれにしても、シグナリングオーバーヘッドと遅延は低減される。
最小SIのブロードキャストに対する構成可能な周期性に関しては、NRにおいては、すべての周波数が多様なサービスのすべてをサポートするわけではない。遅延耐性があるサービス(例えば、mMTC)をサポートするセルにとっては、最小SIはまばらに送信されると都合がよいかもしれない。まばらな送信によって、干渉が低減され、ネットワークは、省エネルギーのために、長い不連続送信(Discontinuous Transmision:DTX)サイクルを構成することができるかもしれない。これは、ネットワーク内のトラフィックが少ない状況の下では、特に重要である。セル再選択関連のシステム情報の一部が最小SIに含まれる場合、遅延耐性のあるUEに対する電力効率の観点から、まばらな送信は有益である。UEまたはネットワークがより高速の送信を必要とする場合、より頻繁な送信が可能になるように、再構成から、周期が短縮されてもよい。常時オン信号を、RAN1会議で合意されたように制御する必要があるが、一部のSIをより迅速に取得する必要が依然としてある場合、オンデマンドSI配信がもう1つの選択肢である。
ハイブリッド取得方法に関しては、オンデマンドSI配信に関しては、例えば、図74と図75を参照して説明したように、ネットワーク制御とUE制御の、少なくとも2つの選択肢がありうる。いつ、どのような情報をUEに送信して、中断時間の短縮をもたらす新しいセルの再選択に先立って準備する必要があるかに関して、ネットワークは、適切な決定を下すことができる。例えば、ネットワークは、特定の周波数上のいくつかのTRP/セルを活性化/不活性化して、UEが何をいつ測定すべきかを再構成してもよい。UEは、再選択の失敗を低減するために、チャネル劣化に十分に即応することができる。UEが、ネットワークによって決定された周波数とセルの候補の中から、最良のターゲットセルを選択し、ネットワークは、UEのセル再選択のポリシー、しきい値、およびパラメータを制御することができるので、ネットワークは依然としてセル再選択プロセスを制御することができる。
例えば、省エネルギー、またはいかなるページング/通知メッセージも逃さないように現在のサービングセルに可能な限り留まるために、UEが、セル再選択プロセスの発生の低減を望むのはいつかという条件があってもよい。また、例えば、INACTIVEモードのUEにとって、通知の受信やデータ転送が低遅延であるように、UEが、セル再選択プロセスの手順/遅延の低減を望むのはいつかという条件があってもよい。
測定に関する最適化が、目的にかなう一実施形態である。代替実施形態においては、大きな容量や帯域幅を必要としなくてもよいUEは、URLLCデバイスのように、高周波よりもカバレッジが良く、チャネル劣化の信頼性および安定性が高い、より低周波のセルを選択/再選択するように構成されてもよい。他の実施形態においては、IDLE/INACTIVEなUEは、ビームトラッキング/トレーニングが移行前に実施済みである場合、将来のCONNECTEDモードへの復帰に際して、それらのビームレベル動作を再実施する必要がないように、サービングセル内に留まることを選んでもよい。CONNECTEDモードへの復帰に際して、ビームスイッチングが依然として必要である場合、セル間ビームスイッチング以外の、少なくともセル内ビームスイッチングが実施される。ここで留意すべきことは、セル間ビームスイッチングは、通常、UEコンテキスト転送、データフォワーディング、および経路切り替え動作を伴うということである。
例えば、図72と図73を参照して説明したように、NRマルチビームベースの動作のためにビームスイーピングを用いる場合、サービングセルのためのDLビームペアの維持を、セル再選択機能の一部と見なすべきである。ビームペアリング/微調整を、IDLE/INACTIVEなUEのために実施する際、矛盾が生じる。性能(例えば、データ転送、ページング/通知の受信)の観点からは、より精細で、更新されたビームペアリング/トラッキングが望ましい。しかし、エネルギー効率の観点からは、ビームペアリング/トラッキング動作を制限する必要がある。したがって、ビームペアリング/トラッキングに関するイベント(例えば、L1/L2ビーム測定にトリガされたビームペアリング/トラッキング)およびタイマ(例えば、UEが連続的ビーム測定を行うまでの待ち時間)の少なくとも一方は、構成可能であり、異なるユースケース、UE能力などに応じて調整される必要がある。他の実施形態においては、IDLE/INACTIVEなUEのためのページング/通知メッセージは、分離可能ビームレベルの送信ではなく、(例えば、図66〜図68を参照して説明したように)SFNを用いて、転送されてもよい。
図76〜図78は、NRセル再選択プロセス中に用いうる方法の例を示す。シングルビームベースのNRネットワークまたはビームスイーピングが不使用中の場合、図76〜図78中の数Nを1に設定することができ、それでも残りの手順は有効である。最初に、UEは、先立つセル選択プロセスの結果、セル1にキャンピングする。
図76のステップ1において、UEは、測定ルールに従って、近隣周波数/セルを測定する。より適切なセルを検索して選択し、そこにキャンピングするために、UEは、セル再選択プロセスを開始する。検索プロセスは、測定ルールに従って、近隣周波数/セルを測定することによって開始される。本例では、評価プロセスとセルランキングルールを実施した後、すべての検出されたセル(セル1、2、および3)の中で、セル1が最良の適切なセルとなる。
ステップ2において、セル1が最高優先順位を有する周波数上にあるが、UEの関心のあるサービスをサポートしていない。セル2が測定され、ランク付けされ、検証され、適合性チェックの後、サービングセルとして再選択される。UEは、新しいサービスを要求する新しいアプリケーションを起動する。測定ルールによれば、最高優先順位の周波数が最初に測定される。現在のサービングセル1は、最高優先順位を有する周波数上にあるが、UEが要求するサービスは現在のサービングセルによってサポートされていない。一方、セル1の無線品質は、例えば、図72と図73を参照して説明したような、ネットワーク定義の周波数内測定ルールを満たしていない。UEは、現在のサービング周波数/セル(本例ではセル1)の優先順位を、ネットワークによってシグナリングされた本来の優先順位にかかわりなく、一時的に下げて、他の近隣周波数/セルを測定してもよい。これによって、サービングセルの品質がしきい値を超え、サービング周波数が、所望のサービスをサポートしている周波数よりも高い優先順位を有していても、UEは、自身が要求するサービスをサポートしているセルを再選択し、そこにキャンピングすることができる。
UEの測定に基づいて、セル2が最上位にランク付けされる。そこで、UEは、実際にキャンピングする前に他の適合性基準(例えば、PLMN,セルの禁止、禁止されているTAなど)をチェックするために、セル2から最小SIを取得する。セル2は適合性チェックに合格し、UEの新規サービングセルとして選択される。
図77において、ステップ3では、セル2にキャンピングすると、UEは、セル2から再選択情報を取得して、さらに、将来のページング/通知メッセージのために、最良のDLビームペアを維持する。セル再選択情報は、最小SIに含まれていてもいなくてもよく、あるいは、その一部さえも最小SIに含まれている。本例では、セル再選択情報は他のSIが持っており、UEは、オンデマンドベースで、セル2にそれを要求する必要がある。本例では、このUEはINACTIVEモードにあり、ビームペアリングプロセスを実行している背景は、将来のデータ転送の遅延を低減することができるので、UEが、通常サービスを提供するセルにキャンピングすると、(例えば、図18を参照して説明したように)UEによるDLビームペアの維持は、セル再選択機能の一部となると考えられる。
ステップ4において、チャネル劣化のため、UEはより良いセルを検索する。新しいサービングセルとして、セル3が選択される。UEは、そのサービングセルの無線品質を定期的に測定し、信号強度Qrxlevmeasが、現在、構成可能なしきい値を下回っていることを発見する。UEは、別の一連のセル再選択プロセスを開始して、その後、セル3を新しいサービングセルとして選択する。これが、UR主導のセル再選択プロセスの例である。
ステップ5において、ネットワークのトリガによって、再選択情報が更新されたため、UEは、近隣周波数/セルを測定し、セル1が最良の適切なセルであることを発見する。このようにして、セル1が新しいサービングセルとして選択される。オペレータは、ネットワーク展開の更新を決定し、無線リソースを再構成する。活動が終了すると、セル3は、そのすべてのサービングUEを、更新されたシステム情報を他のSIの一部として用いて更新することを決定する。この更新は、1回限りのブロードキャストとして、UEに送信される。UEは、ローカルに記憶されている関連するセル再選択情報を更新して、新情報を用いて、新しい一連のセル再選択プロセスを実施する。セル1はセル再選択基準を満たし、優先順位の高い周波数上で機能し、さらに重要なことには、ネットワーク再構成後のUEに要求されたサービスをサポートしているため、セル再選択プロセスのアウトプットとして、UEは、セル1を新しいサービングセルとして選択する。
ステップ6において、高モビリティ状態で、UEは速度に依存するスケーリングルールを用いて、セル再選択プロセスを実行する。UEは、高モビリティ状態であることを検知し、そこで、UEは、以後のセル再選択プロセスが、高モビリティ状態において定義されたように適正に実行されるよう、速度に依存するスケーリングルールを用いて、セル再選択関連のパラメータおよびしきい値を調整する。
NRは、ビーム中心型アーキテクチャにおける柔軟なフレーム構造、ハイブリッド自動再送要求(Hybrid Automatic Repeat Request:HARQ)、肯定応答/否定応答(ACK/NACK)動作をサポートする新構想を含みうる。これらは、NRにおけるスケジューリングに関連する各種問題を処理する新しい手法を必要とする可能性がある。
単一共通制御領域(検索空間)または複数共通制御領域は、帯域幅以内で定義されうる。各々の共通制御領域は、帯域幅が限られている、すなわち、特に、複数共通制御領域が存在する場合、1つ以上のサブバンドに限定される。共通制御領域のリソースは、スペクトルが制限されてもよく、あるいは、単一共通制御領域だけが定義されている場合は、帯域幅全体に及んでもよい。
これらのうち少なくとも1つの共通制御領域の、位置やヌメロロジーのような構成情報は、仕様の定義、MIB中の情報、またはそれら2つの組み合わせを通じて、UEに知らされているであろう。これ以降、この共通制御領域を、「デフォルト」共通制御領域と称する。図79および図80は、単一および複数共通制御構成の場合に対して定義されたデフォルト共通制御領域の例を示す。
例えば、デフォルト共通制御チャネルの位置は、帯域の中央のN PRBに固定されてもよい。
あるいは、MIBはヌメロロジーと搬送波帯域幅を示し、仕様は、与えられたヌメロロジーと搬送波帯域幅に対するデフォルト共通制御チャネルの位置をあらかじめ定義してもよい。
このように、初期アクセスを行うUEは、ランダムアクセス応答(Random Access Response:RAR)やページングのような共通制御信号情報を、デフォルト共通制御領域を介して受信するであろう。
UEがUE固有のDCI、または共通制御シグナリング、または両方を監視できるUE固有のサブバンドが、RRC、または、ページングまたはRARメッセージを伴うなんらかのシグナリングを通じて構成されてもよい。
UE固有のサブバンド構成を獲得すると、UEは、UE固有のDCI、または共通制御DCI、または両方に関する構成されたサブバンドを監視する。共通制御シグナリングをUE固有のサブバンドに含める理由は、UEに対するサブバンドの割り当ては限定されており、RF処理と遅延を許容範囲に保つために、共通およびUE固有DCIの両方を監視するのに十分であることを確実にするためである。
UE固有のDCIに関するリソース、およびUE固有のサブバンド内のUCIに関する共通制御シグナリングに対する構成の例を図81と図82に示す。図81において、UEに対する共通制御とUE固有制御が、別々の領域に包含されており、一方、図82において、サブバンドリソースが、共通とUE固有の制御リソースの間にFDM方式で多重化されている。
ここで留意すべきことは、共通とUE固有の領域は、スペクトル分離されるか、または帯域幅の一部を、時間または周波数領域で多重化されたREと共有してもよいということである。さらに、解決策は、UE固有サブバンドはデフォルト共通制御領域を完全または部分的に包含しうるというシナリオを受け入れてもよいことに留意すべきである。
DL制御情報を通じて、スロットフォーマットを示すことができる。NRは、フレーム構造における大幅な柔軟性を維持する可能性が高い。スロット/ミニスロット構成は動的に変化しうるため、スロットフォーマットに対する指標が必要である。DL領域、UL領域、保護期間、空白領域、およびULおよびDLにおけるデータおよび制御のヌメロロジーなどの1つ以上のスロットパラメータを示すために、物理スロット構成インジケータチャネル(Physical Slot Configuration Indicator Channel:PSCICH)を用いてもよい。DL領域パラメータは、DL制御シンボルの数、DL共有チャネルシンボルの数、共有チャネルシンボルに対するビームID、制御シンボルヌメロロジー、およびデータシンボルヌメロロジーのうち1つ以上を含んでもよい。UL領域パラメータは、UL制御シンボルの数、UL共有チャネルシンボルの数、共有チャネルシンボルに対するULビームID、制御シンボルヌメロロジー、およびデータシンボルヌメロロジーのうち1つ以上を含んでもよい。
PSCICHは、全体送信帯域幅にわたって広がっているリソース内でシグナリングされてもよい。しかし、広帯域に対しては、RF処理パワーの限られたUEは、帯域幅をサポートできないかもしれない。この場合、PSCICHは、ヌメロロジーとリソースがMIBまたはSIBの仕様内の定義を通じてUEに知られているデフォルト共通制御領域の幅のような、限られた帯域内でシグナリングされてもよい。本例を図83に示す。
制御シンボルのビーム中心型シグナリングが展開されるとき、PSCICHは、アナログビーム中で繰り返されてもよい。この場合、異なるビーム中のPSCICHは、異なるビーム中のスロット構造に応じて、同一または異なる内容を運んでもよく、PSCICH信号は、セルID、またはビームID,または両方に結び付けられていてもよい。
ビームを示すために、データチャネルを用いてもよい。セル内および他のセルの他のTRPからの干渉をランダム化するために、ビームに埋め込まれた共有チャネルおよびRSは、ビームID、またはセルID、または両方に結び付けられるべきである。この依存性は、RE位置と、セルID、またはビームID,または両方をシーケンス生成に組み込むスクランブリングコードを通じて、導入されてもよい。
同一のビームがDL制御とDL共有チャネルシグナリングの両方に用いられる場合、共有チャネル復号化のためのビームIDの明示的な指示は必要ない。しかし、ビーム(ビーム幅、ステアリング角、ビームID)が制御と共有のチャネル間で相違する場合、UEは、共有チャネルを復号化するために、正しいビームIDを用いるように構成されなければならない。
このことを指示する1つの方法が、前節で説明したように、PSCICHを通じた方法である。
共有チャネルリソースに対するビームIDをUEに示すために、他の解決策を用いてもよい。DLグラントを生成するDCIが、ビームIDをUEに示してもよい。この指標が存在しない場合、UEは同じビームIDを共有チャネル用の制御チャネルと仮定してもよい。
あるいは、共有チャネルに対するビームIDが、RRCを通じて、半静的に構成されてもよい。
図84は、DLビームが4つの制御シンボル(ビーム1から4)をスイープする例を示す。ビーム1、3の制御シンボルからの共有チャネルグラントのためのDLビームは、制御シンボルのそれらと同じであるが、ビーム2、4上の制御シンボルからのグラントのためのもの(ビーム5、6)とは異なる。
UEは、RRCを通じて、共通またはUE固有のRSを用いてUE固有のDCIを復号化するように構成されてもよい。
サブキャリア間隔(Subcarrier Spacing:SCS)を増加させれば(リソース利用の改善のためにはSCSは大きい方が望ましい)、保護期間(Guard Period:GP)およびシンボル区間を短縮することができる。SCSを2倍にすると、グリッドリソース数を変更せずに、2シンボルが利用可能になる。これによって、リソースを追加することなく、RSとUCIのTDM化、特に、離散型フーリエ変換(Discrete Fourier Transform:DFT)のOFDM化が可能になる。
NRは、データのために用いられるSCSを2倍にするUCI送信を考慮するように定義されうる。しかし、UEは、自身の能力に応じてこのモードで動作するように、NRノードによって構成されてもよい。この構成はRRCを通じて規定されてもよい。
ロングおよびショートフォーマットの両方のUL送信において、このアーキテクチャを用いてもよい。図85および図86は、それぞれ、ロングおよびショートフォーマットの例を示す。各フォーマットでは、UCIとUL RSのヌメロロジーがDL/UL共有チャネルのサブキャリア間隔の2倍(そしてシンボル区間の半分)を使用する。GPは、UL UCIのシンボルと同程度の小ささに調整されてもよい。
UEは、様々な方法で、ロングまたはショートフォーマットを用いてUCIを送信するように構成されうる。例えば、UEは、RRC構成を通じて半静的に構成されてもよい。UEは、DCIを通じて動的に構成されてもよい。特に、UCIのリソースが、DCI、対応する(ACK/NACKに対する)DLグラント、またはULグラント(同時的な制御およびデータ送信)から非明示的に導出される場合、DCIにおける1ビットが、ロングまたはショートフォーマットを表してもよい。リソース(シンボル/PRB/REの数を含む)が明示的に表されている場合、UEは、割り当てられたリソース/シンボルの数からフォーマットを導出してもよい。NRでは、DCIを通じた動的構成によって、RRC割り当てをオーバーライドすることを考慮してもよい。
本節は、NRシステムにおける初期信号の設計のためのDL同期化チャネルラスタの設計を取り扱う。初期アクセス信号送信に対して、NRシステムは、シングルビーム(すなわち、単一セクタ)ベースおよびマルチビーム(すなわち、マルチセクタ)ベースの手法をサポートすることができる。初期アクセス信号は、DL同期化チャネル、すなわち、PSS/SSSおよびPBCHチャネルの少なくとも一方を含む。LTEにおいては、DL同期化およびPBCH信号の中心周波数(すなわち、ここでは、同期中心周波数を同期信号ラスタ/SSラスタと呼ぶ)は常に搬送中心周波数(すなわち、キャリアラスタ)と一致する。NRにおいては、キャリアラスタはSSラスタと一致してもしなくてもよい。例として、図87〜図89を参照のこと。したがって、SSラスタとNRキャリアラスタの間には周波数オフセットがありうる。
NRキャリアラスタとSSラスタの間の周波数オフセットを発見するには、いくつかの検出方法を使うことができる。SSラスタはNR−PSS信号の中心周波数位置に基づいてもよい。これは、NR−PSSとNR−SSSは同一CP−OFDMシンボル内のFDMであってもよく、したがって、SSラスタはNR−PSSに基づくからである。
SSラスタとNRキャリアラスタの間のオフセットは、動作周波数範囲によって予め定義することができる。例えば、NRが6GHz未満で動作する場合は、オフセットは、xと称する固定値に設定されてもよく、NRが30GHzを超えて動作する場合は、オフセットは、yと称する固定値に設定されてもよい。
SSラスタとNRキャリアラスタの間のオフセットをシグナリングするために、SSSを用いることができる。SSラスタとNRキャリアラスタの間のオフセットをシグナリングするために、SSS ISの一部を用いることができる。
SSラスタとNRキャリアラスタの間のオフセットをシグナリングするために、サービングセルのMIBとSIBの少なくとも一方を用いることができる。さらに、近隣セルのSSラスタとNRラスタの間の周波数オフセットを、サービングセルのMIBとSIBの少なくとも一方に含めることができる。
ページングビームスイーピングブロックを、アイドルモード中のページングチャネルのためのビームスイーピング時間ユニットの単位として取り扱うことができる。各ページングブロックは、少なくとも1つ以上のCP−OFDMシンボルから構成されてもよい。複数のブロックは、ページングビームスイーピングバーストまたはページング時点(PO)を形成することができる。ここで、スイーピングバーストの長さとは、バースト中におけるページングビームスイーピングブロックの数のことである。例えば、ページングビームスイーピングバースト/POの長さがMに等しい場合、1つのPOの中にMスイーピングブロックが存在する。
図90は、DCI構成なしでPOでのリソース割り当てが達成される場合を示す。図90は、ページングビームスイーピングバースト/POおよびブロックを表す。ページングビームスイーピングバースト/POは、周期的または非周期的送信を通じて構成することができる。各ページングビームスイーピングブロックは、単一ビームまたは複数ビームに関連付けることができ、関連付ける方法は、下りリンク制御情報(DCI)の有無に依存しうる。
POに関していかなるDCI指定も用いない場合、ビームを関連付ける方法を、NR−PSS/NR−SSSやNR−PBCHなどの初期アクセスチャネルに整合させることができる。この場合、ページングチャネルのための復調基準信号(Demodulation Reference Signal:DMRS)に対するビームフォーミングを、NR−PBCHとSSの少なくとも一方に整合させることができる。
DCIとの関係がある場合、リソース割り当て方法のためのビームフォーミングを、SSとPBCHのセットアップの少なくとも一方に整合させることができる。さらに、ページングチャネルは、NR−PBCHまたはNR−SSSとしての空間周波数ブロック符号化(Space Frequency Block Coding:SFBC)のような送信ダイバーシティをサポートしうる。送信ダイバーシティを有するページングチャネルのための復調基準信号は、擬似コロケーション(Quasi-Co-Location:QCL)と仮定することができる。ページングチャネルに対するポートマッピングは、2mポートm≧0∈Z+に設定することができる。
PO構成にDCIの関与がない場合、POのリソース割り当ては、SSを伴うFDM、またはSSを伴うTDM、または専用リソースが割り当てられる。
ページングチャネルがNR−PBCHとNR−SSの少なくとも一方を伴うFDMの場合、ページングチャネルのためのDMRSが、NR−PBCHと共有されるか、またはそれぞれが専用DMRSを持つことができる。
ページングチャネルがNR−PBCHとNR−SSの少なくとも一方を伴うTDMの場合、ページングチャネルのためのDMRSがNR−PBCHと共有される(ページングチャネルがNR−PBCHやNR−SSに近接する場合)か、またはそれぞれが専用DMRSを持つことができる。
図91は、DCI構成を用いて、POでのリソース割り当てが達成される場合を示す。POがDCIによって指定/構成される場合、割り当てられたPOリソースはDCIによって構成されることができ、POのDMRSが、対応するDL制御チャネルと共有されるか、またはそれぞれが専用DMRSを持つことができる。この場合、ページングチャネルのポートマッピングを、DL制御信号と整合させることができる。送信スキームを、対応するDL制御チャネルと整合させる(または同一にする)ことができる。さらに、デフォルトとして、送信ダイバーシティを用いるフォールバックも許容することができる。POリソースは、RRCシグナリングを通じて割り当てることができる。