JP2019529463A - 群発頭痛の治療方法 - Google Patents

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Abstract

本明細書において、CGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体を対象に投与する工程を含む、対象における群発頭痛(例えば、慢性群発頭痛および反復性群発頭痛)ならびに/または群発頭痛に付随する少なくとも1つの副症状を治療する、またはその発生率を低減させる方法を開示する。また、本開示の方法に使用するための組成物も提供する。また、CGRPに対するアンタゴニスト抗体G1およびG1に由来する抗体も記載している。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2016年9月23日に出願された米国特許仮出願第62/399,156号の優先権の恩典を主張する。この先行出願の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
背景
群発頭痛(CH)は、耐え難いほどの一側性の頭部の痛みの反復発作を特徴とし、頭部自律神経の特徴(例えば、流涙、結膜充血、鼻閉、鼻漏、および部分的ホルネル症候群)を伴う原発性頭痛障害である(Rozen, Curr Pain Headache Rep 2005; 9(2): 135-40(非特許文献1))。CH発作は180分間までも持続し、1日おきに1回から日に8回まで起こる。群発期間は通常、数ヶ月間(典型的には、3ヶ月間)持続し、その後、数ヶ月間から数年間の寛解期間がみられる(国際頭痛学会[IHS]2013の頭痛分類委員会)。CHの特有の特徴は、頭痛の発作の概日的および概年的な周期性の性質である。1日のうちのCH発症のピーク時間帯は01:00〜02:00時、13:00〜15:00時、および21:00時以降であり、夜間に目が覚める発作は、日中に起こるものより重度である(Rozen, Curr Pain Headache Rep 2005; 9(2): 135-40)。一部の患者は、光周期の持続期間に関連して季節性の発作を有する傾向にあり、発作は1月または7月に最も高頻度に発生し、おそらく夏至/冬至または春分/秋分と関係している(Kudrow, Cephalalgia 1987; 7(Suppl6):76-8(非特許文献2))。
CHには、反復性群発頭痛(ECH)(これは最も一般的な形態であり、少なくとも1ヶ月間持続する、明らかに痛みのない期間が明確である)、および慢性群発頭痛(CCH)(1年間を超えて起こり、寛解が無いかまたは寛解期間の持続が1ヶ月未満である)という2つの形態がある。CHを有する患者の約10%〜15%がCCH形態を有する(IHS 2013の頭痛分類委員会)。
CHの病態生理学は複雑であり、充分に理解されていない。現在の理論では、血管の拡張、三叉神経の刺激および概日効果などの機構が示唆されている。また、ヒスタミンの放出、肥満細胞の増加、遺伝的要素および自律神経系の活性化も寄与している可能性がある(Weaver-Agostoni, J. Cluster headache, Am Fam Physician 2013; 188(2): 122-8(非特許文献3))。しかしながら、CHの3大特徴である、痛みの三叉神経分布(例えば、神経ペプチドレベルの変化との関連)、同側性の頭部自律神経の特徴、および発作の(概日的)反復性パターンが、その病態生理学的モデルを理解するための主な焦点である(May, Lancet 2005; 366(9488): 843-55(非特許文献4))。
耐え難いほど重度の一側性の痛みは、三叉神経の第一枝(眼神経枝)の活性化によって媒介されている可能性が高く、一方、流涙などの自律神経症状は、第7脳神経から出ている頭部副交感神経の活性化による(Goadsby, Lancet Neurol 2002; 1(4): 251-7(非特許文献5))。三叉神経系が高度に活性化された状態になると、興奮が上唾液核まで広がり、翼口蓋神経節から頭蓋内の大きな血管、涙腺、および鼻粘膜の副交感神経へと興奮がもたらされる。その結果、同側性の自律神経症状(例えば、ホルネル徴候、流涙、鼻閉、および鼻漏)が現れる(Goadsby, Lancet Neurol 2002; 1(4): 251-7;日本頭痛学会, 慢性頭痛の診療ガイドライン 2013(非特許文献6))。上矢状静脈洞が刺激されると三叉神経血管経路が活性化され、また、これにより、外頸静脈内への神経ペプチド、例えばカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)および血管活性腸管ペプチド(VIP)の放出がもたらされる。発作中、すべての患者で頭部静脈血中のCGRPレベルおよびVIPレベルが上昇している。
世界中で、現在承認されているCHの予防的処置のための投薬物はなく、この適応症のために診療で適応外使用されている投薬物は、その使用を裏付けるための有意義な証拠がない。中でも、ECHおよびCCHのために使用されている投薬物は、暫定的予防のための短期間でのコルチコステロイドおよびベラパミル(最も一般的なファーストライン治療薬)、抗痙攣薬(バルプロ酸、トピラマート)、エルゴタミン、メラトニン、ならびに維持的予防のためのカプサイシンである。また、リチウムおよび脳深部刺激もCCHの予防的処置として使用されている(Weaver-Agostoni J. Cluster headache. Am Fam Physician 2013; 188(2): 122-8)。これらの処置選択肢の各々は、有効性の証拠が限定的であること、厄介な副作用があること、および/または便益/リスク比が好ましくないことのために次善のものである(Rozen, Curr Pain Headache Rep 2005; 9(2): 135-40, Weaver-Agostoni, J. Cluster headache. Am Fam Physician 2013; 188(2): 122-8)。
片頭痛と同様に、三叉神経系がCHの病態生理学において中枢的な役割を果たしている。CH発作時、三叉神経系の活性化により、CGRPおよび他の神経ペプチドによって媒介される神経血管の炎症が引き起こされる(Fanciullacci et al., Pain 1995; 60(2): 119-23(非特許文献7); Fanciullacci et al. Brain 1997; 120(Pt 2): 283-8(非特許文献8); Goadsby and Edvinsson, Brain 1994; 117(Pt 3): 427-34(非特許文献9))。CHの発生源は、視床下部(第三ニューロン)の後部灰白質内のようである(May et al. Nat Med 1999; 5(7): 836-8(非特許文献10))。三叉神経系の末梢神経節におけるCGRPをブロックすることにより、三叉神経系の第一および第二ニューロンの鈍化がもたらされ得る。
したがって、CGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体は、ECHまたはCCHと診断された患者のための有望な治療薬候補の一類型である。
Rozen, Curr Pain Headache Rep 2005; 9(2): 135-40 Kudrow, Cephalalgia 1987; 7(Suppl6):76-8 Weaver-Agostoni, J. Cluster headache, Am Fam Physician 2013; 188(2): 122-8 May, Lancet 2005; 366(9488): 843-55 Goadsby, Lancet Neurol 2002; 1(4): 251-7 日本頭痛学会, 慢性頭痛の診療ガイドライン 2013 Fanciullacci et al., Pain 1995; 60(2): 119-23 Fanciullacci et al. Brain 1997; 120(Pt 2): 283-8 Goadsby and Edvinsson, Brain 1994; 117(Pt 3): 427-34 May et al. Nat Med 1999; 5(7): 836-8
概要
本明細書において、群発頭痛、例えば慢性群発頭痛(CCH)および反復性群発頭痛(ECH)を予防する、治療する、またはその発生率を低減させるための抗CGRPアンタゴニスト抗体およびその使用方法を開示する。また、本明細書において、CGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体を対象に投与する工程を含む、対象におけるCCHおよびECHを予防する、治療する、またはその発生率を低減させる方法も開示する。
また、CGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体を対象に投与する工程を含む、対象におけるCCHおよびECHに関連する少なくとも1つの二次症状を予防する、治療する、またはその発生率を低減させる方法も提供する。一部の態様では、患者に投与される該モノクローナル抗体の量は、約225mg〜約1000mg、例えば約675mgまたは約900mgであり得る。したがって、いくつかの局面では、対象におけるCCHおよびECHを予防する、治療する、またはその発生率を低減させる方法は、CGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体を対象に投与する工程を含み、該患者に投与される該モノクローナル抗体の量は、約225mg〜約1000mg、例えば約675mgまたは約900mgであり得る。他の局面において、CGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体を対象に投与する工程を含み得る、対象におけるCCHおよびECHに関連する少なくとも1つの二次症状を予防する、治療する、またはその発生率を低減させる方法であって、該患者に投与される該モノクローナル抗体の量が、約225mg〜約1000mg、例えば約675mgまたは約900mgであり得る方法もまた提供する。一態様において、投与レジメンは、約675mgの初回抗体用量を皮下投与し、その後、例えば、約2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間、11ヶ月間、もしくは12ヶ月間、またはさらには1年より長い期間(例えば、18ヶ月間、2年間もしくは3年間)にわたって約225mgの月間抗体用量を皮下投与することを含む。一態様において、投与レジメンは、約900mgの初回抗体用量を静脈内投与し、その後、例えば、約2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間、11ヶ月間、12ヶ月間、またはさらには1年より長い期間(例えば、18ヶ月間、2年間もしくは3年間)にわたって約225mgの月間抗体用量を皮下投与することを含む。また別の投与レジメンは、約900mgの初回用量を約60分間の点滴により静脈内投与し、その後、例えば約1年間、2年間、3年間、4年間、または5年間にわたって、四半期毎に約900mgの用量を約60分間の点滴により静脈内投与することを含む。
CHは人が経験し得る痛みのうち最も重度の形態の1つとみなされているため、即効性で持続性(すなわち、群発期間の持続期間中)の軽減をもたらす処置が優先事項である。この疾患の生物学的性質は、三次ニューロンを鈍化させるためのなんらかの処置の必要性を強いるものであり、一次ニューロンで高レベルのブロックが必要であることが示唆される。したがって、即時応答を得るために、初回または開始用量は高用量(例えば、900mgを静脈内または675mgを皮下)が計画される。高い初回用量投与後に、有効性を維持するために1ヶ月に1回、225mgがsc投与され得る。モデル設計に基づくと、高い初回(または開始)用量を含めることにより、患者が、より迅速に定常状態に到達することが可能になる。
好適な投与スケジュールとしては、非限定的に、1ヶ月毎の投与、四半期毎の投与、または単回投与が挙げられる。一部の態様では、前記モノクローナル抗体は1ヶ月に1回投与され得る。例えば、前記モノクローナル抗体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12ヶ月間、またはそれ以上にわたって1ヶ月に1回投与され得る。いくつかの局面では、前記モノクローナル抗体は、3ヶ月以上にわたって1ヶ月に1回投与され得る。1ヶ月に1回投与する場合、患者に投与される前記モノクローナル抗体の用量は、約100mg〜約1000mg、例えば225mg〜約900mgであり得る。最初の1ヶ月間に投与される量は、その後の数ヶ月間に投与される量と異なっていてもよい。例えば、最初の1ヶ月間に患者に投与される前記モノクローナル抗体の用量は約675mgまたは約900mg(例えば、初回または開始用量)であり得、その後、1ヶ月に1回投与される前記モノクローナル抗体の用量は約225mgであり得る。
前記モノクローナル抗体を単回投与として投与してもよい。単回投与として投与する場合、患者に投与される前記モノクローナル抗体の用量は約675mg〜約1000mgであり得る。
前記治療または低減には、任意の重症度の頭痛時間数の減少、任意の重症度の月間頭痛日数の減少、任意の急性期頭痛薬(例えば、トリプタンおよび麦角化合物などの群発頭痛に特異的な急性期頭痛薬)の使用の減少、6項目の頭痛インパクトテスト(6-item Headache Impact Test)(HIT-6)の不能状態スコアの低下、12項目の短縮版健康調査票(12-Item Short Form Health Survey)(SF-12)スコア(Ware et al., Med Care 4:220-233, 1996)の改善、変化に対する患者の全般的印象(Patient Global Impression of Change)(PGIC)スコア(Hurst et al., J Manipulative Physiol Ther 27:26-35, 2004)の低減、スポーツによる脳震盪評価ツール 3(Sport ConCuSSion ASSeSment tool 3)(SCAT-3)スコア(McCrory et al. British Journal of Sports Medicine 47:263-266, 2013)の改善、またはそれらの任意の組合せが含まれ得る。一部の態様では、月間頭痛日数が、単回投与後少なくとも7日間減少し得る。
一部の態様では、前記投与後に対象に起こる月間頭痛時間は、該対象の投与前レベルから40時間以上(例えば、45、50、55、60、65、70、75、80時間、またはそれ以上)減少する。月間頭痛時間は60時間より多く減少し得る。一部の態様では、前記投与後に対象に起こる月間頭痛時間は、該対象の投与前レベルと比べて25%以上(例えば、30%、35%、40%、45%、50%またはそれ以上)減少する。月間頭痛時間は40%以上減少し得る。一部の態様では、前記投与後に対象に起こる月間頭痛日数は、該対象の投与前レベルから3日以上(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20日、またはそれ以上)減少する。一部の態様では、月間頭痛日数は、該対象の投与前レベルから少なくとも約50%減少し得る。したがって、一部の局面では、月間頭痛日数は、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%減少し得る。
一部の態様では、前記投与は皮下投与であり得る。一部の態様では、前記投与は静脈内投与であり得る。一部の態様では、前記投与は、ある用量の前記モノクローナル抗体を含むプレフィルドシリンジ、針安全装置を有するプレフィルドシリンジ、ペン型注入器、または自動注入装置の使用を含むものであり得る。一部の態様では、前記モノクローナル抗体は少なくとも150mg/mLの濃度で製剤化され得る。一部の態様では、前記モノクローナル抗体は、2mL未満、例えば約1.5mLの体積で投与され得る。
一部の態様では、前記方法は、対象に第2の薬剤を、前記モノクローナル抗体と同時にまたは逐次的に投与する工程をさらに含む。第2の薬剤は、5-HT1アゴニスト、トリプタン、麦角アルカロイド、および非ステロイド性抗炎症薬のうちのいずれかであり得る。一部の態様では、第2の薬剤は、対象によって予防的に摂取される薬剤である。一部の態様では、対象による第2の薬剤の月間使用が、前記モノクローナル抗体の投与後に少なくとも約15%、例えば少なくとも16%、17%、18%、20%、22%、25%、28%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または少なくとも約95%減少する。一部の態様では、第2の薬剤はトリプタンである。
一部の態様では、対象はヒトである。
前記モノクローナル抗体は抗CGRPアンタゴニスト抗体であり得る。一部の態様では、前記モノクローナル抗体はヒトモノクローナル抗体またはヒト化モノクローナル抗体である。一部の態様では、前記モノクローナル抗体は、(a)SEQ ID NO: 3に示すCDR H1; SEQ ID NO: 4に示すCDR H2; SEQ ID NO: 5に示すCDR H3; SEQ ID NO: 6に示すCDR L1; SEQ ID NO: 7に示すCDR L2; およびSEQ ID NO: 8に示すCDR L3を有する抗体; または(b)表6に示す(a)に記載の抗体の変異体を含む。
また、CCHおよびECHを有する対象に起こる月間頭痛時間数を減少させる方法も開示する。一態様において、該方法は、該対象に、ある量のCGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体を投与する工程を含み、該モノクローナル抗体は、単回投与後に月間頭痛時間数を少なくとも20頭痛時間(例えば、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70頭痛時間、またはそれ以上)減少させるのに有効な量である。一部の態様では、月間頭痛時間数は少なくとも約50時間減少する。一態様において、該方法は、該対象に、ある量のCGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体を投与する工程を含み、該モノクローナル抗体は、単回投与後に月間頭痛時間数を少なくとも15%(例えば、20%、25%、30%、35%、40%またはそれ以上)減少させるのに有効な量である。一部の態様では、月間頭痛時間数が少なくとも約30%減少する。一部の態様では、該モノクローナル抗体は抗CGRPアンタゴニスト抗体である。一部の態様では、患者に投与される該モノクローナル抗体の量は約225mg〜約1000mgである。一部の態様では、該モノクローナル抗体が1ヶ月に1回投与される。一部の態様では、該モノクローナル抗体は単回投与として投与される。一部の態様では、投与は皮下投与または静脈内投与である。一部の態様では、該モノクローナル抗体は少なくとも150mg/mLの濃度で製剤化されている。一部の態様では、該モノクローナル抗体は2mL未満、例えば約1.5mLの体積で投与される。一部の態様では、対象はヒトである。一部の態様では、該モノクローナル抗体はヒト抗体またはヒト化抗体である。一部の態様では、該モノクローナル抗体は、(a)SEQ ID NO: 3に示すCDR H1; SEQ ID NO: 4に示すCDR H2; SEQ ID NO: 5に示すCDR H3; SEQ ID NO: 6に示すCDR L1; SEQ ID NO: 7に示すCDR L2; およびSEQ ID NO: 8に示すCDR L3を有する抗体; または(b)表6に示す(a)に記載の抗体の変異体を含む。
また、CCHおよびECHを有する対象に起こる月間頭痛日数を減少させる方法も開示する。一態様において、該方法は、該対象に、ある量のCGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体を投与する工程を含み、該モノクローナル抗体は、単回投与後に月間頭痛日数を少なくとも3日(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20頭痛日以上)減少させるのに有効な量である。一部の態様では、月間頭痛日数が少なくとも約6頭痛日減少する。一部の態様では、月間頭痛日数が、該対象の投与前レベルから少なくとも約50%減少し得る。したがって、一部の局面では、月間頭痛日数は、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%減少し得る。一部の態様では、該モノクローナル抗体は抗CGRPアンタゴニスト抗体である。一部の態様では、患者に投与される該モノクローナル抗体の量は約225mg〜約1000mgである。一部の態様では、該モノクローナル抗体は1ヶ月に1回投与される。一部の態様では、該モノクローナル抗体は単回投与として投与される。一部の態様では、投与は皮下投与または静脈内投与である。一部の態様では、該モノクローナル抗体は少なくとも150mg/mLの濃度で製剤化されている。一部の態様では、該モノクローナル抗体は2mL未満、例えば約1.5mLの体積で投与される。一部の態様では、対象はヒトである。一部の態様では、該モノクローナル抗体はヒト抗体またはヒト化抗体である。一部の態様では、該モノクローナル抗体は、(a)SEQ ID NO: 3に示すCDR H1; SEQ ID NO: 4に示すCDR H2; SEQ ID NO: 5に示すCDR H3; SEQ ID NO: 6に示すCDR L1; SEQ ID NO: 7に示すCDR L2; およびSEQ ID NO: 8に示すCDR L3を有する抗体; または(b)表6に示す(a)に記載の抗体の変異体を含む。
また、CCHおよびECHを有する対象における任意の急性期頭痛薬の使用を減少させる方法であって、該対象に、CGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体(例えば、抗CGRPアンタゴニスト抗体)を投与する工程を含み、該モノクローナル抗体は、該対象による抗頭痛薬の月間使用を少なくとも15%(例えば、20%、25%、30%、35%、40%、またはそれ以上)減少させるのに有効な量である、前記方法も開示する。一部の態様では、抗頭痛薬は、5-HT1アゴニスト、トリプタン、アヘン剤、βアドレナリン受容体拮抗薬、麦角アルカロイド、ならびに非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)からなる群より選択される。一部の態様では、抗頭痛薬はトリプタンである。一部の態様では、患者に投与される該モノクローナル抗体の量は約225mg〜約1000mg、例えば約675mgまたは約900mgである。一部の態様では、該モノクローナル抗体は1ヶ月に1回投与される。一部の態様では、該モノクローナル抗体は単回投与として投与される。一部の態様では、投与は皮下投与または静脈内投与である。一部の態様では、該モノクローナル抗体は少なくとも150mg/mL(例えば、225mg/1.5mL)の濃度で製剤化されている。一部の態様では、該モノクローナル抗体は2mL未満、例えば約1.5mLの体積で投与される。一部の態様では、対象はヒトである。一部の態様では、該モノクローナル抗体はヒト抗体またはヒト化抗体である。一部の態様では、該モノクローナル抗体は、(a)SEQ ID NO: 3に示すCDR H1; SEQ ID NO: 4に示すCDR H2; SEQ ID NO: 5に示すCDR H3; SEQ ID NO: 6に示すCDR L1; SEQ ID NO: 7に示すCDR L2; およびSEQ ID NO: 8に示すCDR L3を有する抗体; または(b)表6に示す(a)に記載の抗体の変異体を含む。
一局面では、本発明は、CGRP経路をモジュレートする量の単回用量のモノクローナル抗体(例えば、モノクローナル抗CGRP-アンタゴニスト抗体)を対象に投与する工程を含み、該モノクローナル抗体の該量が約225mg〜約1000mg、例えば約675mgまたは約900mgである、対象におけるCCHおよびECHを予防する、治療する、またはその発生率を低減させる方法を提供する。
さらなる一態様では、本発明は、有効量の抗CGRPアンタゴニスト抗体を、CCHおよびECHの治療に有用な少なくとも1種類のさらなる薬剤と併用して個体に投与する工程を含む、個体のCCHおよびECHを予防する、治療する、寛解させる、コントロールする、その発生率を低減させる、またはその発現もしくは進行を遅延させるための方法を提供する。かかるさらなる薬剤としては、5-HT1様アゴニスト(および他の5-HT1部位に作用するアゴニスト)、ならびに非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)が挙げられる。
抗CGRP抗体と併用して使用され得る5-HT1アゴニストの例としては、トリプタンとして知られる類型の化合物、例えば、スマトリプタン、ゾルミトリプタン、ナラトリプタン、リザトリプタン、エレトリプタン、アルモトリプタン、およびフロバトリプタンが挙げられる。また、麦角アルカロイドおよび関連化合物も、5-HTアゴニスト活性を有することが知られており、かつ頭痛の治療に用いられている。中でも、このような化合物としては、酒石酸エルゴタミン、マレイン酸エルゴノビン、ならびにメシル酸エルゴロイド(例えば、ジヒドロエルゴコルニン、ジヒドロエルゴクリスチン、ジヒドロエルゴクリプチン、およびメシル酸ジヒドロエルゴタミン(DHE 45))が挙げられる。
抗CGRP抗体と併用して使用され得るNSAIDの例としては、アスピリン、ジクロフェナク、ジフルニサル、エトドラク、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルフェニサル(flufenisal)、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラク、メクロフェナム酸、メフェナム酸、ナブメトン、ナプロキセン、オキサプロジン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、スリンダク、トルメチンもしくはゾメピラク、シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)阻害薬、セレコキシブ; ロフェコキシブ; メロキシカム; JTE-522; L-745,337; NS398;またはその薬学的に許容される塩が挙げられる。
一態様において、上記の任意の方法に使用される抗CGRPアンタゴニスト抗体は、本明細書に記載の任意の抗体である。
一部の態様では、抗CGRPアンタゴニスト抗体はヒトCGRPを認識する。一部の態様では、抗CGRPアンタゴニスト抗体はヒトα-CGRPとβ-CGRPの両方に結合する。一部の態様では、抗CGRPアンタゴニスト抗体はヒトCGRPおよびラットCGRPに結合する。一部の態様では、抗CGRPアンタゴニスト抗体は、CGRPの25〜37番目のアミノ酸を有するC末端断片に結合する。一部の態様では、抗CGRPアンタゴニスト抗体は、CGRPの25〜37番目のアミノ酸内のC末端エピトープに結合する。
一部の態様では、抗CGRPアンタゴニスト抗体はモノクローナル抗体である。一部の態様では、抗CGRPアンタゴニスト抗体はヒト化抗体である。一部の態様では、該抗体はヒト抗体である。一部の態様では、抗CGRPアンタゴニスト抗体は(本明細書に記載の)抗体G1である。一部の態様では、抗CGRPアンタゴニスト抗体は、抗体G1または表6に示すG1の変異体の1つまたは複数のCDR(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、または一部の態様では6つのすべてのCDR)を含む。さらに他の態様では、抗CGRPアンタゴニスト抗体は、図5に示す重鎖可変領域のアミノ酸配列(SEQ ID NO: 1)と図5に示す軽鎖可変領域のアミノ酸配列(SEQ ID NO: 2)を含む。
一部の態様では、前記抗体は、修飾された定常領域、例えば、免疫学的に不活性な(例えば、部分的に免疫学的に不活性な)定常領域、例えば、補体媒介性溶解を誘発しない、抗体依存性細胞介在性細胞傷害(ADCC)を刺激しない、小膠細胞を活性化させない、またはこれらの活性のうちの1つもしくは複数が低下している、定常領域を含む。一部の態様では、該定常領域は、Eur. J. Immunol.(1999)29:2613-2624; PCT出願番号PCT/GB99/01441;および/または英国特許出願第9809951.8号に記載のようにして修飾されたものである。他の態様では、該抗体は、以下の変異: A330P331からS330S331(野生型IgG2の配列を基準にしたアミノ酸の番号付け)を含むヒト重鎖IgG2の定常領域を含む(Eur. J. Immunol.(1999)29:2613-2624)。一部の態様では、該抗体の重鎖定常領域は、以下の変異のいずれかを有するヒト重鎖IgG1である: 1)A327A330P331からG327S330S331への変異; 2)E233L234L235G236(SEQ ID NO: 48)からP233V234A235(G236が欠失している)への変異; 3)E233L234L235からP233V234A235への変異; 4)E233L234L235G236A327A330P331(SEQ ID NO: 49)からP233V234A235G327S330S331(SEQ ID NO: 50)(G236が欠失している)への変異; 5)E233L234L235A327A330P331(SEQ ID NO: 51)からP233V234A235G327S330S331(SEQ ID NO: 50)への変異; および6)N297からA297またはN以外の任意の他のアミノ酸への変異。一部の態様では、該抗体の重鎖定常領域は、以下の変異のいずれかを有するヒト重鎖IgG4である: E233F234L235G236(SEQ ID NO: 52)からP233V234A235(G236が欠失している)への変異; E233F234L235からP233V234A235への変異; およびS228L235からP228E235への変異。
さらに他の態様では、前記定常領域は、N結合型グリコシル化について脱グリコシル化されている。一部の態様では、該定常領域は、該定常領域内においてオリゴ糖結合残基(例えば、Asn297)および/またはN-グリコシル化認識配列の一部である隣接残基を変異させることにより、N結合型グリコシル化について脱グリコシル化されている。一部の態様では、該定常領域は、N結合型グリコシル化について脱グリコシル化されている。該定常領域は、酵素的に、またはグリコシル化欠損宿主細胞内での発現によって、N結合型グリコシル化について脱グリコシル化され得る。
CGRPに対する抗CGRPアンタゴニスト抗体の結合親和性(KD)は(例えば、ヒトα-CGRPについて、適切な温度、例えば25℃または37℃にて表面プラズモン共鳴により測定した場合に)約0.02〜約200nMであり得る。一部の態様では、該結合親和性は、約200nM、約100nM、約50nM、約10nM、約1nM、約500pM、約100pM、約60pM、約50pM、約20pM、約15pM、約10pM、約5pM、または約2pMのいずれかである。一部の態様では、該結合親和性は、約250nM、約200nM、約100nM、約50nM、約10nM、約1nM、約500pM、約100pM、または約50pMのいずれかより小さい。一部の態様では、該結合親和性は約50nM未満である。
抗CGRPアンタゴニスト抗体は、群発頭痛前、群発頭痛中、および/または群発頭痛後に投与され得る。一部の態様では、抗CGRPアンタゴニスト抗体は、CCHまたはECHの発作前に投与される。抗CGRPアンタゴニスト抗体の投与は、当技術分野で公知の任意の手段、例えば、経口、静脈内、皮下、動脈内、筋肉内、鼻腔内(例えば、吸入を伴うもの、もしくは伴わないもの)、心臓内、脊髄内、胸郭内、腹腔内、脳室内、舌下、経皮、および/または吸入によるものであり得る。投与は、全身性投与(例えば静脈内投与)であってもよいし、局部投与であってもよい。一部の態様では、初回用量投与と1回以上の追加用量投与は同じ様式で、すなわち、皮下投与または静脈内投与にて行われる。一部の態様では、該1回以上の追加用量投与は初回用量投与とは異なる様式で行われ、すなわち、初回用量投与は静脈内投与であり得、該1回以上の追加用量投与は皮下投与であり得る。
一部の態様では、抗CGRPアンタゴニスト抗体は別の薬剤と共に、例えば、CCHまたはECHを治療するための別の薬剤と共に投与され得る。
別の局面では、本発明は、本明細書に記載の任意の方法に使用するための医薬(例えば、CCHまたはECHを予防する、治療する、または低減させるための医薬)を製造するための抗CGRPアンタゴニスト抗体の使用を提供する。
別の局面では、本発明は、有効量の抗CGRPアンタゴニスト抗体を1種または複数種の薬学的に許容される賦形剤との組合せで含む、CCHまたはECHを予防する、治療する、または低減させるための薬学的組成物を提供する。
別の局面では、本発明は、本明細書に記載の任意の方法に使用するためのキットを提供する。一部の態様では、キットは、容器、本明細書に記載の抗CGRPアンタゴニスト抗体を薬学的に許容される担体との組合せで含む組成物、ならびに本明細書に記載の任意の方法において該組成物を使用するための使用説明書を含む。
また、本発明は、抗CGRPアンタゴニスト抗体および抗体G1または表6に示すその変異体に由来するポリペプチドを提供する。したがって、一局面において、本発明は、ATCCアクセッション番号PTA-6866およびPTA-6867を有する発現ベクターによって生成される抗体G1(互換的に「G1」および「TEV-48125」と称する)を提供する。例えば、一態様では、ATCCアクセッション番号PTA-6867を有する発現ベクターによって生成される重鎖を含む抗体である。さらなる一態様では、ATCCアクセッション番号PTA-6866を有する発現ベクターによって生成される軽鎖を含む抗体である。G1の重鎖および軽鎖の可変領域のアミノ酸配列を図5に示す。また、抗体G1の相補性決定領域(CDR)部分(例えば、Chothia方式およびKabat方式のCDR)も図5に示す。G1の任意の一部分または全領域に対する言及は、ATCCアクセッション番号PTA-6866およびPTA-6867を有する発現ベクターによって生成される配列、および/または図5に示す配列を包含していることを理解されたい。一部の態様では、本発明は、表6に示すアミノ酸配列を有するG1の抗体変異体も提供する。
一部の態様では、抗体は、アミノ酸配列がSEQ ID NO: 1と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97% 少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一であるVHドメインを含む。
一部の態様では、抗体は、アミノ酸配列がSEQ ID NO: 2と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97% 少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一であるVLドメインを含む。
一部の態様では、前記抗体は、アミノ酸配列がSEQ ID NO: 11と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一である重鎖配列を含む。
一部の態様では、前記抗体は、アミノ酸配列がSEQ ID NO: 12と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一である軽鎖配列を含む。
一部の態様では、抗体は、抗体G1または表6に示すその変異体の断片または領域を含む。一態様において、該断片は抗体G1の軽鎖である。別の態様では、該断片は抗体G1の重鎖である。また別の態様では、該断片は、抗体G1の軽鎖および/または重鎖の1つまたは複数の可変領域を含む。また別の態様では、該断片は、図5に示す軽鎖および/または重鎖の1つまたは複数の可変領域を含む。また別の態様では、該断片は、抗体G1の軽鎖および/または重鎖の1つまたは複数のCDRを含む。
一部の態様では、前記ポリペプチド(例えば、抗体)は、
Figure 2019529463
のアミノ酸配列を含み、配列中、5位のXaaはR、W、G、LまたはNであり; 7位のXaaはT、A、D、G、R、S、WまたはVである。一部の態様では、
Figure 2019529463
のアミノ酸配列は抗体軽鎖のCDR1である。
一部の態様では、前記ポリペプチド(例えば、抗体)は、
Figure 2019529463
のアミノ酸配列を含み、配列中、1位のXaaはGまたはAであり; 2位のXaaはAまたはHであり; 7位のXaaはL、T、IまたはSである。一部の態様では、
Figure 2019529463
のアミノ酸配列は抗体軽鎖のCDR2である。
一部の態様では、前記ポリペプチド(例えば、抗体)は、
Figure 2019529463
のアミノ酸配列を含み、配列中、5位のXaaはE、R、K、QまたはNであり; 8位のXaaはA、G、N、E、H、S、L、R、C、F、Y、V、DまたはPであり; 9位のXaaはS、G、T、Y、C、E、L、A、P、I、N、R、V、DまたはMであり; 12位のXaaはHまたはFであり; 15位のXaaはEまたはDである。一部の態様では、
Figure 2019529463
のアミノ酸配列は抗体重鎖のCDR2である。
一部の態様では、前記抗体はヒト抗体である。他の態様では、前記抗体はヒト化抗体である。一部の態様では、前記抗体はモノクローナル抗体である。一部の態様では、前記抗体(またはポリペプチド)は単離された抗体である。一部の態様では、前記抗体(またはポリペプチド)は実質的に純粋である。
前記抗体の重鎖定常領域は、任意の型の定常領域、例えばIgG、IgM、IgD、IgAおよびIgE; ならびに任意のアイソタイプ、例えばIgG1、IgG2、IgG3およびIgG4の定常領域であり得る。
一部の態様では、前記抗体は、本明細書に記載の修飾された定常領域を含む。
また別の局面では、本発明は、慢性群発頭痛治療用の医薬を製造するための、SEQ ID NO: 3に示すCDR H1; SEQ ID NO: 4に示すCDR H2; SEQ ID NO: 5に示すCDR H3; SEQ ID NO: 6に示すCDR L1; SEQ ID NO: 7に示すCDR L2;およびSEQ ID NO: 8に示すCDR L3を含むモノクローナル抗体の使用を特徴とする。
別の局面では、本発明により、反復性群発頭痛治療用の医薬を製造するための、SEQ ID NO: 3に示すCDR H1; SEQ ID NO: 4に示すCDR H2; SEQ ID NO: 5に示すCDR H3; SEQ ID NO: 6に示すCDR L1; SEQ ID NO: 7に示すCDR L2;およびSEQ ID NO: 8に示すCDR L3を含むモノクローナル抗体の使用を提供する。
一局面では、本発明は、本明細書に記載の任意の方法に従うモノクローナル抗体の使用のための組成物を提供する。
一局面では、本発明は、対象に起こる月間頭痛時間数を減少させるのにモノクローナル抗体を使用するための組成物を提供する。一態様において、該使用は、該対象に、ある量のCGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体を投与することを含み、該モノクローナル抗体は、単回投与後に月間頭痛時間数を少なくとも20頭痛時間(例えば、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70頭痛時間、またはそれ以上)減少させるのに有効な量である。一部の態様では、月間頭痛時間数は少なくとも約50時間減少する。一態様において、該使用は、該対象に、ある量のCGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体を投与することを含み、該モノクローナル抗体は、単回投与後に月間頭痛時間数を少なくとも15%(例えば、20%、25%、30%、35%、40%またはそれ以上)減少させるのに有効な量である。一部の態様では、月間頭痛時間数が少なくとも約30%減少する。一部の態様では、該モノクローナル抗体は抗CGRPアンタゴニスト抗体である。一部の態様では、患者に投与される該モノクローナル抗体の量は約675mg〜約1000mgである。一部の態様では、該モノクローナル抗体は1ヶ月に1回投与される。一部の態様では、該モノクローナル抗体は単回投与として投与される。一部の態様では、投与は皮下投与または静脈内投与である。一部の態様では、該モノクローナル抗体は少なくとも150mg/mLの濃度で製剤化されている。一部の態様では、該モノクローナル抗体は2mL未満の体積で投与される。一部の態様では、対象はヒトである。一部の態様では、該モノクローナル抗体はヒト抗体またはヒト化抗体である。一部の態様では、該モノクローナル抗体は、(a)SEQ ID NO: 3に示すCDR H1; SEQ ID NO: 4に示すCDR H2; SEQ ID NO: 5に示すCDR H3; SEQ ID NO: 6に示すCDR L1; SEQ ID NO: 7に示すCDR L2; およびSEQ ID NO: 8に示すCDR L3を有する抗体; または(b)表6に示す(a)に記載の抗体の変異体を含む。
一局面では、本発明は、対象に起こる月間頭痛日数を減少させるのにモノクローナル抗体を使用するための組成物を提供する。一態様において、該使用は、該対象に、ある量のCGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体を投与することを含み、該モノクローナル抗体は、単回投与後に月間頭痛日数を少なくとも3日(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20頭痛日以上)減少させるのに有効な量である。一部の態様では、月間頭痛日数が少なくとも約6頭痛日、減少する。一部の態様では、該モノクローナル抗体は抗CGRPアンタゴニスト抗体である。一部の態様では、患者に投与される該モノクローナル抗体の量は約675mg〜約1000mgである。一部の態様では、該モノクローナル抗体は1ヶ月に1回投与される。一部の態様では、該モノクローナル抗体は単回投与として投与される。一部の態様では、投与は皮下投与または静脈内投与である。一部の態様では、該モノクローナル抗体は少なくとも150mg/mLの濃度で製剤化されている。一部の態様では、該モノクローナル抗体は2mL未満、例えば約1.5mLの体積で投与される。一部の態様では、対象はヒトである。一部の態様では、該モノクローナル抗体はヒト抗体またはヒト化抗体である。一部の態様では、該モノクローナル抗体は、(a)SEQ ID NO: 3に示すCDR H1; SEQ ID NO: 4に示すCDR H2; SEQ ID NO: 5に示すCDR H3; SEQ ID NO: 6に示すCDR L1; SEQ ID NO: 7に示すCDR L2; およびSEQ ID NO: 8に示すCDR L3を有する抗体; または(b)表6に示す(a)に記載の抗体の変異体を含む。
一局面では、本発明は、対象における任意の急性期頭痛薬の使用を減少させるのにモノクローナル抗体を使用するための組成物であって、該使用が、CGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体(例えば、抗CGRPアンタゴニスト抗体)を該対象に投与することを含み、該モノクローナル抗体が、該対象による該急性期頭痛薬の月間使用を少なくとも15%(例えば、20%、25%、30%、35%、40%またはそれ以上)減少させるのに有効な量である、前記組成物を提供する。一部の態様では、抗頭痛薬は、5-HT1アゴニスト、トリプタン、アヘン剤、βアドレナリン受容体拮抗薬、麦角アルカロイド、ならびに非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)からなる群より選択される。一部の態様では、抗頭痛薬はトリプタンである。一部の態様では、患者に投与される該モノクローナル抗体の量は約675mg〜約1000mgである。一部の態様では、該モノクローナル抗体は1ヶ月に1回投与される。一部の態様では、該モノクローナル抗体は単回投与として投与される。一部の態様では、投与は皮下投与または静脈内投与である。一部の態様では、該モノクローナル抗体は少なくとも150mg/mLの濃度で製剤化されている。一部の態様では、該モノクローナル抗体は2mL未満、例えば約1.5mLの体積で投与される。一部の態様では、対象はヒトである。一部の態様では、該モノクローナル抗体はヒト抗体またはヒト化抗体である。一部の態様では、該モノクローナル抗体は、(a)SEQ ID NO: 3に示すCDR H1; SEQ ID NO: 4に示すCDR H2; SEQ ID NO: 5に示すCDR H3; SEQ ID NO: 6に示すCDR L1; SEQ ID NO: 7に示すCDR L2; およびSEQ ID NO: 8に示すCDR L3を有する抗体; または(b)表6に示す(a)に記載の抗体の変異体を含む。
一局面では、本発明は、CGRP経路をモジュレートする量の単回用量のモノクローナル抗体(例えば、モノクローナル抗CGRP-アンタゴニスト抗体)を対象に投与することを含む、対象におけるCCHまたはECHの予防、治療またはその発生率の低減にモノクローナル抗体を使用するための組成物であって、該患者に投与される該モノクローナル抗体の量が約675mg〜約1000mgである、前記組成物を提供する。
図1は、いろいろなアラニン置換ヒトα-CGRP断片に対する12種類のマウス抗体の結合親和性を示す表である。結合親和性は、25℃でFabをチップ上のCGRPに流すことにより、Biacoreを用いて測定した。四角で囲まれた値は、親断片25-37(イタリック体)に対するアラニン変異体の親和性の低下を表すが、例外としてK35Aは親19-37に由来する。「a」は、19-37断片および25-37断片に対する親和性が、異なるセンサーチップでの2つの独立した測定の平均±標準偏差であることを示す。「b」は、これらの相互作用が、二相性の解離速度のため単純な二分子間相互作用モデルから外れていることを示し、そのため、それらの親和性は、立体構造変化モデルを用いて調べた。グレースケールの凡例: 白(1.0)は親の親和性を示し; 薄いグレー(0.5未満)は親より高い親和性を示し; 濃いグレー(2より大きい)は親より低い親和性を示し; 黒は結合が検出されなかったことを示す。 図2Aおよび2Bは、30秒間の電気パルス刺激後の血球流量として測定される皮膚の血流に対するCGRP8-37(400nmol/kg)、抗体4901(25mg/kg)および抗体7D11(25mg/kg)の投与の効果を示す。CGRP8-37は、電気パルス刺激の3〜5分前に静脈内(iv)投与した。抗体は、電気パルス刺激の72時間前に腹腔内(IP)投与した。グラフ内の各点は、表示したとおりの条件で処置した1匹のラットのAUCを表す。グラフ内の各線は、表示したとおりの条件で処置したラットの平均AUCを表す。AUC(曲線下面積)はΔ流量×Δ時間に等しい。「Δ流量」は、電気パルス刺激後の流量単位の変化を表し;「Δ時間」は、血球流量レベルが電気パルス刺激前のレベルに戻るのにかかった期間を表す。 図2Aの説明を参照。 図3は、30秒間の電気パルス刺激後の血球流量として測定される皮膚の血流に対する種々の投与量(25mg/kg、5mg/kg、2.5mg/kg、または1mg/kg)の抗体4901の投与の効果を示す。抗体は、電気パルス刺激の24時間前に静脈内(IV)投与した。グラフ内の各点は、表示したとおりの条件で処置した1匹のラットのAUCを表す。グラフ内の線は、表示したとおりの条件で処置したラットの平均AUCを表す。 図4Aおよび4Bは、30秒間の電気パルス刺激後の血球流量として測定される皮膚の血流に対する抗体4901(1mg/kgまたは10mg/kg、i.v.)、抗体7E9(10mg/kg、i.v.)および抗体 8B6(10mg/kg、i.v.)の投与の効果を示す。抗体を静脈内(i.v.)投与し、その後、抗体投与の30分後、60分後、90分後および120分後に電気パルス刺激を行なった。Y軸は、抗体を投与していないとき(時間0)のAUCレベルと比べた場合のAUCの比率(%)を表す。X軸は、抗体投与と電気パルス刺激の間の時間(分)を表す。「」は、時間0と比べた場合のP<0.05を示し、「**」はP<0.01を示す。データは、一元配置ANOVAをダネットの多重比較検定と共に用いて解析した。 図4Aの説明を参照。 図5は、抗体G1の重鎖可変領域のアミノ酸配列(SEQ ID NO: 1)および軽鎖可変領域のアミノ酸配列(SEQ ID NO: 2)を示す。Kabat方式のCDRは太字にし、Chothia方式のCDRに下線を付している。重鎖および軽鎖の可変領域のアミノ酸残基に連続番号を付している。 図6は、ペプチド競合によるBiacoreを用いた抗体G1のエピトープマッピングを示す。N-ビオチン化ヒトα-CGRPをSAセンサーチップ上に捕捉させた。競合ペプチドの非存在下または10μMの競合ペプチドと共に1時間プレインキュベートしたG1 Fab(50nM)を、このチップ上に流した。チップ上のヒトα-CGRPに対するG1 Fabの結合を測定した。Y軸は、競合ペプチドの非存在下での結合と比べた場合の、競合ペプチドの存在によってブロックされた結合の割合(%)を表す。
詳細な説明
一部の局面において、本明細書に開示の発明は、治療有効量の抗CGRPアンタゴニスト抗体を個体に投与することによる、個体のCCHまたはECHを予防、治療、および/または低減させるための方法を提供する。
一部の局面において、本明細書に開示の発明は、抗CGRPアンタゴニスト抗体およびG1または表6に示すその変異体に由来するポリペプチドも提供する。
一般的手法
本発明の種々の局面の実施には、特に記載のない限り、分子生物学(例えば、組換え手法)、微生物学、細胞生物学、生化学および免疫学の慣用的な手法が使用され、これは当技術分野の技量の範囲内である。かかる手法は、文献、例えばMolecular Cloning: A Laboratory Manual, second edition(Sambrook et al., 1989)Cold Spring Harbor Press; Oligonucleotide Synthesis(M.J. Gait, ed., 1984); Methods in Molecular Biology, Humana Press; Cell Biology: A Laboratory Notebook(J.E. Cellis, ed., 1998)Academic Press; Animal Cell Culture(R.I. Freshney, ed., 1987); Introduction to Cell and Tissue Culture(J.P. Mather and P.E. Roberts, 1998)Plenum Press; Cell and Tissue Culture: Laboratory Procedures(A. Doyle, J.B. Griffiths, and D.G. Newell, eds., 1993-1998)J. Wiley and Sons; Methods in Enzymology(Academic Press, Inc.); Handbook of Experimental Immunology(D.M. Weir and C.C. Blackwell, eds.); Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells(J.M. Miller and M.P. Calos, eds., 1987); Current Protocols in Molecular Biology(F.M. Ausubel et al., eds., 1987); PCR: The Polymerase Chain Reaction, (Mullis et al., eds., 1994); Current Protocols in Immunology(J.E. Coligan et al., eds., 1991); Short Protocols in Molecular Biology(Wiley and Sons, 1999); Immunobiology(C.A. Janeway and P. Travers, 1997); Antibodies(P. Finch, 1997); Antibodies: a practical approach(D. Catty., ed., IRL Press, 1988-1989); Monoclonal antibodies: a practical approach(P. Shepherd and C. Dean, eds., Oxford University Press, 2000); Using antibodies: a laboratory manual(E. Harlow and D. Lane(Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1999); The Antibodies(M. Zanetti and J.D. Capra, eds., Harwood Academic Publishers, 1995)に充分に説明されている。
定義
本明細書で用いる場合、「約」は、数値範囲、カットオフまたは具体的な値に関して用いている場合、記載の値が、列挙した値から10%程度まで異なってもよいことを示すために用いている。したがって、用語「約」は、明記された値から±10%以下の変動、±5%以下の変動、±1%以下の変動、±0.5%以下の変動、または±0.1%以下の変動を包含するために用いている。
「抗体」は、免疫グロブリン分子の可変領域内に存在する少なくとも1つの抗原認識部位を介して、標的(例えば、糖質、ポリヌクレオチド、脂質、ポリペプチドなど)に特異的に結合し得る免疫グロブリン分子である。本明細書で用いる場合、この用語は、インタクトなポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体だけでなく、その断片(例えば、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv)、一本鎖(ScFv)、その変異体、抗体の一部分を含む融合タンパク質(例えば、ドメイン抗体)、および抗原認識部位を含む免疫グロブリン分子の任意の他の修飾型構成も包含している。抗体には、任意のクラス、例えばIgG、IgAもしくはIgM(またはそのサブクラス)の抗体が包含され、抗体は、任意の特定のクラスのものである必要はない。抗体のその重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に応じて、免疫グロブリンは異なるクラスに指定され得る。免疫グロブリンには5つの主要なクラス: IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgMが存在し、これらのうちのいくつかは、さらに、サブクラス(アイソタイプ)、例えばIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、およびIgA2に分けられ得る。免疫グロブリンの異なるクラスに対応する重鎖定常ドメインは、それぞれα、δ、ε、γ、およびμと称される。免疫グロブリンの異なるクラスのサブユニットの構造および3次元構成は周知である。
本明細書で用いる場合、「モノクローナル抗体」は実質的に均一な抗体集団から得られる抗体を指し、すなわち、該集団を構成する個々の抗体は、微量に存在する場合があり得る自然発生の変異の可能性以外、同一である。モノクローナル抗体は、特異性が高く、単一の抗原部位を標的とする。さらに、典型的には異なる決定基(エピトープ)を標的とする種々の抗体を含むポリクローナル抗体調製物とは対照的に、各モノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定基を標的とする。修飾語「モノクローナル」は、実質的に均一な抗体集団から得られたものであるという抗体の性質を示すものであり、なんらかの特定の方法による抗体の作製が必要とされると解釈されるべきでない。例えば、本発明に従って使用されるモノクローナル抗体は、Kohler and Milstein, 1975, Nature, 256:495に最初に報告されたハイブリドーマ法によって作製してもよく、米国特許第4,816,567号に記載されたものなどの組換えDNA法によって作製してもよい。また、モノクローナル抗体は、例えばMcCafferty et al., 1990, Nature, 348:552-554に記載の手法を用いて作製したファージライブラリーから単離したものであってもよい。
本明細書で用いる場合、「ヒト化」抗体は、含有される非ヒト免疫グロブリン由来の配列が最小限である特異的なキメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖またはその断片(例えば、Fv、Fab、Fab'、F(ab')2もしくは抗体の他の抗原結合部分配列)である非ヒト(例えば、マウス)抗体をいう。ヒト化抗体は、大部分がヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)であり、レシピエントの相補性決定領域(CDR)の残基が、所望の特異性、親和性および生物学的活性を有するマウス、ラットまたはウサギなどの非ヒト種(ドナー抗体)のCDRの残基で置き換えられている。一部の場合では、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク領域(FR)の残基が対応する非ヒト残基で置き換えられている。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体または移植されるCDRまたはフレームワーク配列のいずれにおいてもみられないが抗体の性能をさらに精緻化および最適化するために含めた残基を含むものであってもよい。一般に、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全部を含み、そのCDR領域の全部または実質的に全部が非ヒト免疫グロブリンのものに対応しており、FR領域の全部または実質的に全部がヒト免疫グロブリンのコンセンサス配列のものである。また、ヒト化抗体は最適には、典型的にはヒト免疫グロブリンのものである免疫グロブリンの定常領域またはドメイン(Fc)の少なくとも一部分も含む。抗体は、WO99/58572に記載のようにして修飾されたFc領域を有するものであってもよい。他の形態のヒト化抗体は、元の抗体と比べて改変された1つまたは複数のCDR(1、2、3、4、5、6)(また、これは、元の抗体の1つまたは複数のCDR「に由来する」1つまたは複数のCDRとも称する)を有する。
本明細書で用いる場合、「ヒト抗体」は、ヒトにおいて生成される抗体のものに対応するアミノ酸配列を有する抗体を意味し、および/または当技術分野で公知の、もしくは本明細書に開示された任意のヒト抗体作製手法を用いて作製されたものである。ヒト抗体のこの定義には、少なくとも1つのヒト重鎖ポリペプチドまたは少なくとも1つのヒト軽鎖ポリペプチドを含む抗体が包含される。かかるものの一例は、マウス軽鎖とヒト重鎖のポリペプチドを含む抗体である。ヒト抗体は、当技術分野で公知の種々の手法を用いて作製され得る。一態様において、ヒト抗体は、ヒト抗体を発現しているファージライブラリーから選択される(Vaughan et al., 1996, Nature Biotechnology, 14:309-314; Sheets et al., 1998, PNAS, (USA)95:6157-6162; Hoogenboom and Winter, 1991, J. Mol. Biol., 227:381; Marks et al., 1991, J. Mol. Biol., 222:581)。また、ヒト抗体は、ヒト免疫グロブリン遺伝子座をトランスジェニック動物、例えば内在性免疫グロブリン遺伝子を一部または完全に不活化させたマウスに導入することによっても作製され得る。このアプローチは、米国特許第5,545,807号; 同第5,545,806号; 同第5,569,825号; 同第5,625,126号; 同第5,633,425号; および同第5,661,016号に記載されている。あるいはまた、ヒト抗体は、標的抗原に対する抗体を産生するヒトBリンパ球を不死化させることにより調製され得る(かかるBリンパ球は、個体から回収したものであってもよく、インビトロで免疫性を付与したものであってもよい)。例えば、Cole et al., Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R. Liss, p. 77(1985); Boerner et al., 1991, J. Immunol., 147(1):86-95; および米国特許第5,750,373号を参照のこと。
本明細書で用いる場合、用語「カルシトニン遺伝子関連ペプチド」および「CGRP」は、任意の形態のカルシトニン遺伝子関連ペプチドおよびCGRPの活性の少なくとも一部を保持しているその変異体をいう。例えば、CGRPはα-CGRPまたはβ-CGRPであり得る。本明細書で用いる場合、CGRPは、あらゆる哺乳動物の種、例えばヒト、イヌ、ネコ、ウマおよびウシの天然配列のCGRPを包含している。
本明細書で用いる場合、「抗CGRPアンタゴニスト抗体」(互換的に「抗CGRP抗体」と称する)は、CGRPに結合して、CGRPシグナル伝達によって媒介されるCGRPの生物学的活性および/または下流経路を阻害することができる抗体をいう。抗CGRPアンタゴニスト抗体は、CGRPの生物学的活性をモジュレートする、ブロックする、拮抗作用をもたらす、抑制する、もしくは低減させる(有意にそうすることを含む)抗体、あるいは別の様式でCGRP経路、例えばCGRPシグナル伝達によって媒介される下流経路、例えばCGRPに対する受容体の結合および/または細胞応答の誘導に拮抗作用をもたらす抗体を包含している。本発明の解釈上、用語「抗CGRPアンタゴニスト抗体」は、既に特定されている用語、タイトル、ならびにCGRP自体、CGRPの生物学的活性(例えば非限定的に、任意の局面の頭痛を媒介する能力)または該生物学的活性の結果が、なんらかの意味のある度合で実質的に無効化、低減または中和される機能的状態および特徴をすべて包含していることを明白に理解されたい。一部の態様では、抗CGRPアンタゴニスト抗体はCGRPに結合して、CGRP受容体に対するCGRPの結合を抑制する。他の態様では、抗CGRP抗体はCGRPに結合して、CGRP受容体の活性化を抑制する。抗CGRPアンタゴニスト抗体の例は本明細書に示している。
本明細書で用いる場合、用語「G1」、「抗体G1」、「TEV-48125」、および「フレマネズマブ」は、寄託番号ATCC PTA-6867およびATCC PTA-6866を有する発現ベクターによって生成される抗CGRPアンタゴニスト抗体をいうために互換的に用いている。重鎖および軽鎖の可変領域のアミノ酸配列を図5に示す。抗体G1のCDR部分(例えば、Chothia方式およびKabat方式のCDR)を図5に図式的に示す。該重鎖および軽鎖の可変領域をコードしているポリヌクレオチドをSEQ ID NO: 9およびSEQ ID NO: 10に示す。G1の重鎖の全抗体アミノ酸配列をSEQ ID NO: 11に示す。G1の軽鎖の全抗体アミノ酸配列をSEQ ID NO: 12に示す。抗体G1(およびその変異体)の特性評価および作製方法は、後記の実施例1〜4ならびにPCT国際出願番号PCT/IB2006/003181(これは参照によりその全体が本明細書に組み入れられる)に記載されている。
用語「ポリペプチド」、「オリゴペプチド」、「ペプチド」および「タンパク質」は本明細書において、任意の長さのアミノ酸ポリマーをいうために互換的に用いている。該ポリマーは、線状であっても分枝状であってもよく、修飾アミノ酸を含むものであってもよく、非アミノ酸が介在していてもよい。また、この用語は、天然に、または介入; 例えば、ジスルフィド結合の形成、グリコシル化、脂質化、アセチル化、リン酸化または任意の他の操作もしくは修飾、例えば標識成分とのコンジュゲーションによって修飾されているアミノ酸ポリマーも包含している。また、この定義には、例えば1つまたは複数のアミノ酸アナログ(例えば非天然アミノ酸など)ならびに当技術分野で公知の他の修飾を含むポリペプチドも含まれる。本発明のポリペプチドは抗体ベースのものであるため、該ポリペプチドは一本鎖として存在するものであっても会合した鎖として存在するものであってもよいことを理解されたい。
「ポリヌクレオチド」または「核酸」は、本明細書において互換的に用いており、任意の長さのヌクレオチドポリマーをいい、DNAおよびRNAを包含している。ヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、修飾されたヌクレオチドまたは塩基および/またはそのアナログ、あるいはDNAポリメラーゼまたはRNAポリメラーゼによってポリマーに組み込まれ得る任意の基質であり得る。ポリヌクレオチドは、修飾ヌクレオチド、例えばメチル化ヌクレオチドおよびそのアナログを含むものであり得る。存在させる場合、ヌクレオチド構造に対する修飾は、ポリマー構築の前に行なっても後に行なってもよい。ヌクレオチドの配列に非ヌクレオチド成分が介在していてもよい。ポリヌクレオチドをさらに、重合後、例えば標識成分とのコンジュゲーションによって修飾してもよい。他の型の修飾としては、例えば「キャップ」、1個または複数の天然に存在するヌクレオチドのアナログでの置換、ヌクレオチド間修飾、例えば無電荷の結合(例えば、メチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホアミデート、カルバメートなど)を有するもの、および電荷を有する結合(例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエートなど)を有するもの、懸垂部分、例えばタンパク質など(例えば、ヌクレアーゼ、毒素、抗体、シグナルペプチド、ply-L-リシンなど)を含むもの、インターカレーター(例えば、アクリジン、ソラレンなど)を有するもの、キレート剤(例えば、金属、放射性金属、ホウ素、酸化性金属など)を含むもの、アルキル化剤を含むもの、修飾結合(例えば、αアノマー核酸など)を有するものなど、ならびに該ポリヌクレオチドの非修飾形態が挙げられる。さらに、糖部分に通常存在しているヒドロキシル基のいずれかを、例えばホスホネート基、ホスフェート基で置き換えてもよく、標準的な保護基で保護してもよく、さらなるヌクレオチドとのさらなる結合の準備のために活性化させてもよく、または固相支持体にコンジュゲートさせてもよい。5’および3’末端のOHをリン酸化してもよく、アミンまたは1〜20個の炭素原子の有機キャッピング基部分で置換してもよい。また、他のヒドロキシルを標準的な保護基に誘導体化させてもよい。また、ポリヌクレオチドに、当技術分野で一般的に知られた類似の形態のリボースまたはデオキシリボース糖部分、例えば2’-O-メチル-、2’-O-アリル、2’-フルオロ-または2’-アジド-リボース、炭素環式糖アナログ、α-アノマー糖、エピマー糖、例えばアラビノース、キシロースまたはリキソース、ピラノース糖、フラノース糖、セドヘプツロース、非環式アナログおよび脱塩基ヌクレオシドアナログ、例えばメチルリボシドなどが含有されていてもよい。1つまたは複数のホスホジエステル結合が代替的な連結基で置き換えられていてもよい。このような代替的な連結基としては、非限定的に、リン酸部がP(O)S(「チオエート」)、P(S)S(「ジチオエート」)、(O)NR2(「アミデート」)、P(O)R、P(O)OR’、COまたはCH2(「ホルムアセタール」)で置き換えられた態様が挙げられ、ここで、各RまたはR’は独立して、Hもしくは置換もしくは非置換のアルキル(1〜20 C)(任意でエーテル(-O-)結合を含むもの)、アリール、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニルもしくはアラルジル(araldyl)である。ポリヌクレオチド内のすべての結合が同一である必要はない。先の説明は、本明細書において言及しているすべてのポリヌクレオチド、例えばRNAおよびDNAにあてはまる。
本明細書で用いる場合、「群発頭痛」(CH)は、眼窩、眼窩上、側頭、またはこれらの部位の任意の組合せにおいて、15〜180分間持続し、1日おきに1回から1日に8回まで起こる、重度の厳密に一側性の痛みの発作である。この痛みは、同側の結膜充血、流涙、鼻閉、鼻漏、額および顔面の発汗、縮瞳、眼瞼下垂および/または眼瞼浮腫、および/または情動不安もしくは不穏を伴う場合があり得、これは、The International Classification of Headache Disorders, 3rd edition(β版), Cephalalgia, 33(9): 629-808(2013)にさらに記載されている。
当業者は、群発頭痛を有する対象を容易に認識することができよう。例えば、群発頭痛の診断基準としては、
A. 基準B〜Dを満たす少なくとも5回の発作
B. 15〜180分間持続する(未処置の場合)重度または非常に重度の一側性の眼窩、眼窩上および/または側頭の痛み
C. 以下のうちのいずれかまたは両方:
1. 頭痛と同側の以下の症状または徴候のうちの少なくとも1つ:
a)結膜充血および/または流涙
b)鼻閉および/または鼻漏
c)眼瞼浮腫
d)額および顔面の発汗
e)額および顔面の紅潮
f)耳の閉塞感
g)縮瞳および/または眼瞼下垂
2. 情動不安または不穏の感じ
D. 発作が、当該障害が活動性である期間の半分より多くで1日おきに1回から1日に8回の頻度を有する
E. 別のICHD-3診断ではよりよく説明されない
が挙げられ得る。
反復性群発頭痛は、群発頭痛発作が7日間〜1年間持続する期間で起こり、当該期間と当該期間の間に痛みのない期間が少なくとも1ヶ月間持続する、群発頭痛である。診断基準としては:
A. 群発頭痛についての上記の基準を満たし、
発作期(群発期間)に起こる発作
B. 7日間〜1年間持続し(未処置の場合)、≧1ヶ月間の痛みのない寛解期間をはさむ、少なくとも2回の群発期間
が挙げられ得る。
群発期間は、2週間〜3ヶ月間持続し得る。
慢性群発頭痛は、群発頭痛発作が1年間を超えて起こり、寛解期が無いか、または寛解期の持続が1ヶ月未満であることを特徴とする。診断基準としては、発作が、群発頭痛についての上記の基準を満たし、それが少なくとも1年間起こり、寛解期間が無いかまたは持続が1ヶ月未満であることが挙げられ得る。
本明細書で用いる場合、「予防する」とは、CCHまたはECHを既に有しているのではない対象にCCHまたはECHが起こること、または存在することを止めるためのアプローチである。本明細書で用いる場合、「治療」は、有益な臨床結果または所望の臨床結果を得るためのアプローチである。本発明の解釈上、有益な臨床結果または所望の臨床結果としては、非限定的に、以下のうちの1つまたは複数が挙げられる: 任意の局面のCCHまたはECHの改善、例えば重症度の低下、痛みの強度および付随する他の症状の緩和、再発頻度の低下、CCHまたはECHに苦しんでいる人の生活の質の向上、ならびにCCHまたはECHを治療するために必要とされる他の投薬物の用量の低減。
CCHまたはECHの「発生率の低減」は、任意の重症度の低下(これには、この病状に対して一般的に使用される他の薬物および/または治療薬、例えばエルゴタミン、ジヒドロエルゴタミンもしくはトリプタンなど(例えば、これらに対する曝露)の必要性および/または量の減少も含まれ得る)、持続期間の短縮、および/または頻度の低下(例えば、個体において次の一過性発作が起こるまでの時間の遅延もしくは延長など)を意味する。当業者には理解されるように、個体は、処置に対する応答に関してさまざまであり得、そのため、例えば「個体におけるCCHまたはECHの発生率を低減させる方法」には、かかる投与によってこの特定の個体における発生率のかかる低減がおそらく引き起こされ得るという妥当な期待に基づいた抗CGRPアンタゴニスト抗体の投与を反映させる。
CCHもしくはECHまたはCCHもしくはECHの1つもしくは複数の症状を「寛解させる」とは、抗CGRPアンタゴニスト抗体の投与なしと比べた場合のCCHまたはECHの1つもしくは複数の症状の低減または改善を意味する。また、「寛解させる」には、症状の持続期間の短縮または低減も包含される。
本明細書で用いる場合、「CCHまたはECHをコントロールする」とは、個体におけるCCHまたはECHの1つまたは複数の症状の重症度もしくは持続期間またはCCHまたはECHの発作の頻度の維持または低下(処置前のレベルと比べた場合の)をいう。例えば、頭部の痛みの持続期間または重症度あるいは発作の頻度は、個体において処置前のレベルと比べて少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%または70%のいずれかの分だけ低下する。
本明細書で用いる場合、「頭痛時間」は、対象に頭痛が起こっている時間をいう。頭痛時間は、整数時間(例えば、1頭痛時間、2頭痛時間、3頭痛時間など)で表示してもよく、整数と端数の時間(例えば、0.5頭痛時間、1.2頭痛時間、2.67頭痛時間など)で表示してもよい。1または複数の頭痛時間を特定の期間について記載してもよい。例えば、「1日あたりの頭痛時間」は、1日という期間(例えば、24時間の間)に対象に起こっている頭痛時間数を示すものであり得る。別の例では、「週間頭痛時間」は、1週間という期間内(例えば、7日間)に対象に起こっている頭痛時間数を示すものであり得る。理解され得るように、1週間という期間は暦週に対応していても、そうでなくてもよい。別の例では、「月間頭痛時間」は、1ヶ月という期間内に対象に起こっている頭痛時間数を示すものであり得る。理解され得るように、1ヶ月という期間(例えば、28、29、30、または31日間)は、具体的な月に応じて日数が異なり得、暦月に対応していても、そうでなくてもよい。また別の例では、「年間頭痛時間」は、1年という期間内に対象に起こっている頭痛時間数を示すものであり得る。理解され得るように、1年という期間(例えば、365または366日間)は、具体的な年に応じて日数が異なり得、暦年に対応していても、そうでなくてもよい。
本明細書で用いる場合、「頭痛日」は、対象に頭痛が起こっている日をいう。頭痛日は、整数日(例えば、1頭痛日、2頭痛日、3頭痛日など)で表示してもよく、整数と端数の日(例えば、0.5頭痛日、1.2頭痛日、2.67頭痛日など)で表示してもよい。1または複数の頭痛日を特定の期間について記載してもよい。例えば、「週間頭痛日」は、1週間という期間内(例えば、7日間)に対象に起こっている頭痛の日数を示すものであり得る。理解され得るように、1週間という期間は暦週に対応していても、そうでなくてもよい。別の例では、「月間頭痛日」は、1ヶ月という期間内に対象に起こっている頭痛の日数を示すものであり得る。理解され得るように、1ヶ月という期間(例えば、28、29、30、または31日間)は、具体的な月に応じて日数が異なり得、暦月に対応していても、そうでなくてもよい。また別の例では、「年間頭痛日」は、1年という期間内に対象に起こっている頭痛の日数を示すものであり得る。理解され得るように、1年という期間(例えば、365または366日間)は、具体的な年に応じて日数が異なり得、暦年に対応していても、そうでなくてもよい。
本明細書で用いる場合、CCHまたはECHの発現を「遅延させる」とは、該疾患の進行を延期する、妨げる、低速化させる、遅らせる、安定化させる、および/または先送りにすることを意味する。この遅延は、疾患歴および/または処置対象の個体に応じてさまざまな時間長であり得る。当業者には明らかなように、充分または有意な遅延には、事実上、個体にCCHまたはECHが発現していないという点で予防が包含され得る。該症状の発現を「遅延させる」方法は、該方法を使用しない場合と比べた場合、所与の時間枠における該症状の発現の確率を低下させる方法および/または所与の時間枠における症状の程度を低減させる方法である。かかる比較は典型的には、統計学的に有意な対象数を用いた臨床試験に基づいたものである。
CCHまたはECHの「発現」または「進行」は、該障害の最初の顕現化および/またはその後の進行を意味する。CCHまたはECHの発現は検出可能であり、当技術分野で周知の標準的な臨床手法を用いて評価され得る。しかしながら、発現はまた、検出不可能であり得る進行もいう。本開示の解釈上、発現または進行は、症状の生物学的過程をいう。「発現」には発生、再発および開始が包含される。本明細書で用いる場合、CCHまたはECHの「開始」または「発生」には最初の開始および/または再発が包含される。
本明細書で用いる場合、薬物、化合物または薬学的組成物の「有効投与量」または「有効量」は、有益な結果または所望の結果がもたらされるのに充分な量である。予防的使用では、有益な結果または所望の結果としては、該疾患(該疾患の生化学的、組織学的および/または行動的症状、その合併症ならびに該疾患の発現中に提示される中間の病理学的表現型を含む)のリスクの解消もしくは低減、重症度の低下、または開始の遅延などの結果が挙げられる。治療的使用では、有益な結果または所望の結果としては、CCHまたはECHの発作の痛みの強度、持続期間の短縮もしくは頻度の低下、ならびにCCHまたはECH(生化学的、組織学的および/または行動的)(その合併症および該疾患の発現中に提示される中間の病理学的表現型を含む)に起因する1つまたは複数の症状の減少、該疾患に苦しんでいる人の生活の質の向上、該疾患を治療するために必要とされる他の投薬物の用量の減少、別の投薬物の効果の増強、および/または患者の該疾患の進行の遅延などの臨床結果が挙げられる。有効投与量を1回以上の投与で投与してもよい。本開示の解釈上、薬物、化合物または薬学的組成物の有効投与量は、直接的または間接的のいずれかで予防的処置または治療的処置が実施されるのに充分な量である。臨床状況において理解されるように、薬物、化合物または薬学的組成物の有効投与量は、別の薬物、化合物または薬学的組成物と共同して奏功するものであってもよいし、そうでなくてもよい。したがって、「有効投与量」は、1種または複数種の治療用薬剤の投与の状況で考慮されるものであってもよく、単独薬剤は、1種または複数種の他の薬剤と共同して望ましい結果が得られ得る場合、または得られる場合、有効量で投与されるとみなされ得る。
「個体」または「対象」は、哺乳動物、より好ましくはヒトである。また、哺乳動物としては、非限定的に、家畜、競技用動物、愛玩動物、霊長類、ウマ、イヌ、ネコ、マウスおよびラットが挙げられる。
A.CCHもしくはECHおよび/またはCCHもしくはECHに付随する少なくとも1つの副症状を予防、治療または低減させるための方法
一局面では、本発明は、対象におけるCCHまたはECHを予防する、治療する、またはその発生率を低減させる方法を提供する。別の局面では、本発明は、対象におけるCCHまたはECHに付随する少なくとも1つの副症状を治療する、またはその発生率を低減させる方法を提供する。一部の態様では、該方法は、該個体に、有効量のCGRP経路をモジュレートする抗体(例えば、抗CGRPアンタゴニストモノクローナル抗体)または該抗体に由来するポリペプチドを投与する工程を含む。
別の局面では、本発明は、個体に、有効量のCGRP経路をモジュレートする抗体または抗CGRPアンタゴニスト抗体を、CCHまたはECHの予防、治療または低減に有用な少なくとも1種類のさらなる薬剤と併用して投与する工程を含む、個体のCCHまたはECHまたはCCHまたはECHに付随する症状の発現または進行を予防するため、寛解させるため、コントロールするため、その発生率を低減させるため、または遅延させるための方法を提供する。
かかるさらなる薬剤としては、非限定的に、5-HTアゴニストおよびNSAIDが挙げられる。例えば、前記抗体と前記少なくとも1種類のさらなる薬剤は並存的に投与され得る、すなわち、これらは、それらの個々の治療効果が重なることが可能であるのに充分に時間的に近接して投与され得る。例えば、抗CGRP抗体と併用して投与される5-HTアゴニストまたはNSAIDの量は、これらの薬剤のいずれか一方の他方なしでの投与と比べて、患者のCCHまたはECHの再発の頻度が低下するのに充分な、またはより長期間持続する有効性がもたらされるのに充分なものであるのがよい。
抗CGRPアンタゴニスト抗体と併用して投与され得るさらなる薬剤のさらなる非限定的な例としては:
(i)オピオイド鎮痛薬、例えばモルヒネ、ヘロイン、ヒドロモルフォン、オキシモルホン、レボルファノール、レバロルファン、メタドン、メペリジン、フェンタニル、コカイン、コデイン、ジヒドロコデイン、オキシコドン、ヒドロコドン、プロポキシフェン、ナルメフェン、ナロルフィン、ナロキソン、ナルトレキソン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、ナルブフィンまたはペンタゾシン;
(ii)非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、例えばアスピリン、ジクロフェナク、ジフルニサル、エトドラク、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルフェニサル、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラク、メクロフェナム酸、メフェナム酸、ナブメトン、ナプロキセン、オキサプロジン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、スリンダク、トルメチンもしくはゾメピラク、シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)阻害薬、セレコキシブ; ロフェコキシブ; メロキシカム; JTE-522; L-745,337; NS398;またはその薬学的に許容される塩;
(iii)バルビツール酸系鎮静剤、例えばアモバルビタール、アプロバルビタール、ブタバルビタール、ブタルビタール(ブタルビタールの組み合わせ、例えば、ブタルビタール/アスピリン/カフェイン(Fiorinal(登録商標)、Actavis)またはブタルビタール/パラセタモール/カフェイン(Fioricet(登録商標)、Cardinal Health)を含む)、メホバルビタール、メタルビタール、メトヘキシタール、ペントバルビタール、フェノバルビタール、セコバルビタール、タルブタール、テアミラール(theamylal)もしくはチオペンタールまたはその薬学的に許容される塩;
(iv)バルビツール酸系鎮痛薬、例えばブタルビタールもしくはその薬学的に許容される塩またはブタルビタールを含む組成物。
(v)鎮静作用を有するベンゾジアゼピン、例えばクロルジアゼポキシド、クロラゼプ酸、ジアゼパム、フルラゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム、テマゼパムもしくはトリアゾラムまたはその薬学的に許容される塩;
(vi)鎮静作用を有するH1拮抗薬、例えばジフェンヒドラミン、ピリラミン、プロメタジン、クロルフェニラミンもしくはクロルシクリジンまたはその薬学的に許容される塩;
(vii)鎮静剤、例えばグルテチミド、メプロバメート、メタカロンもしくはジクロラルフェナゾン(dichloralphenazone)またはその薬学的に許容される塩;
(viii)骨格筋弛緩薬、例えばバクロフェン、カリソプロドール、クロルゾキサゾン、シクロベンザプリン、メトカルバモールもしくはオルフレナジン(orphrenadine)またはその薬学的に許容される塩;
(ix)NMDA受容体拮抗薬、例えばデキストロメトルファン((+)-3-ヒドロキシ-N-メチルモルフィナン)もしくはその代謝産物デキストロルファン((+)-3-ヒドロキシ-N-メチルモルフィナン)、ケタミン、メマンチン、ピロロキノリンキノンもしくはシス-4-(ホスホノメチル)-2-ピペリジンカルボン酸またはその薬学的に許容される塩;
(x)αアドレナリン受容体拮抗薬、例えばドキサゾシン、タムスロシン、クロニジンまたは4-アミノ-6,7-ジメトキシ-2-(5-メタンスルホンアミド-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノル-2-イル)-5-(2-ピリジル)キナゾリン;
(xi)三環系抗鬱薬、例えばデシプラミン、イミプラミン、アミトリプチリン(amytriptiline)またはノルトリプチリン(nortriptiline);
(xii)抗痙攣薬、例えばカルバマゼピンまたはバルプロエート;
(xiii)タキキニン(NK)拮抗薬、特に、NK-3、NK-2またはNK-1拮抗薬、例えば(αR,9R)-7-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]-8,9,10,11-テトラヒドロ-9-メチル-5-(4-メチルフェニル)-7H-[1,4]ジアゾシノ[2,1-g][1,7]ナフトリジン(naphthridine)-6-13-ジオン(TAK-637)、5-[[(2R,3S)-2-[(1R)-1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ-3-(4-フルオロフェニル)-4-モルホリニル]メチル]-1,2-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾル-3-オン(MK-869)、ラネピタント、ダピタントまたは3-[[2-メトキシ-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチルアミノ]-2-フェニル-ピペリジン(2S,3S);
(xiv)ムスカリン性拮抗薬、例えばオキシブチン(oxybutin)、トルテロジン、プロピベリン、トロプシウム(tropsium)塩化物またはダリフェナシン;
(xv)COX-2阻害薬、例えばセレコキシブ、ロフェコキシブまたはバルデコキシブ;
(xvi)非選択的COX阻害薬(好ましくは、GI保護するもの)、例えばニトロフルルビプロフェン(HCT-1026);
(xvii)コールタール系鎮痛薬、特にパラセタモール;
(xviii)神経弛緩薬、例えばドロペリドール;
(xix)バニロイド受容体アゴニスト(例えば、レシンフェラトキシン(resinferatoxin))または拮抗薬(例えば、カプサゼピン);
(xx)βアドレナリン受容体拮抗薬、例えばプロプラノロール;
(xxi)局部麻酔薬、例えばメキシレチン;
(xxii)コルチコステロイド、例えばデキサメタゾン;
(xxiii)セロトニン受容体アゴニストまたは拮抗薬;
(xxiv)コリン作動性(ニコチン性)鎮痛薬;
(xxv)Tramadol(商標);
(xxvi)PDEV阻害薬、例えばシルデナフィル、バルデナフィルまたはタラダフィル(taladafil);
(xxvii)α-2-δリガンド、例えばガバペンチンまたはプレガバリン;
(xxviii)カナビノイド(canabinoid); ならびに
(xxix)抗鬱薬、例えばアミトリプチリン(Elavil)、トラゾドン(Desyrel)およびイミプラミン(Tofranil)または抗痙攣薬、例えばフェニトイン(Dilantin)またはカルバマゼピン(Tegretol)
のうちの1種または複数種が挙げられる。
当業者は、抗CGRP抗体と併用して使用される具体的な薬剤の適切な投与量の量を決定することができよう。例えば、スマトリプタンは約0.01〜約300mgの投与量で投与され得る。一部の場合では、スマトリプタンは、約2mg〜約300mg、例えば、約5mg〜約250mg、約5mg〜約200mg、約5mg〜約100mg、約5mg〜約50mg、または約5mg〜約25mgの投与量で投与され得る。非経口以外で投与する場合、スマトリプタンの典型的な投与量は約25〜約100mgであり、約50mgが一般的に好ましく、例えば、約45mg、約55mg、または約60mgである。スマトリプタンを非経口投与する場合、好ましい投与量は約6mg、例えば約5mg、約7mg、または約8mgである。しかしながら、このような投与量は、当技術分野で標準的な方法に従って、具体的な患者または具体的な併用療法に対して最適化されるように変更され得る。さらに、例えばセレコキシブは、50〜500mg、例えば、約50mg〜約400mg、約50mg〜約300mg、約50mg〜約200mg、約50mg〜約100mg、約100mg〜約400mg、または約200mg〜約300mgの量で投与され得る。
別の局面では、本開示により、CGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体(例えば、抗CGRPアンタゴニストモノクローナル抗体)を対象に投与する工程を含む、対象におけるCCHまたはECHを予防する、治療する、またはその発生率を低減させる方法を提供する。一部の態様では、複数の日の各日に投与される該モノクローナル抗体の量は、0.1mg〜5000mg、1mg〜5000mg、10mg〜5000mg、100mg〜5000mg、1000mg〜5000mg、0.1mg〜4000mg、1mg〜4000mg、10mg〜4000mg、100mg〜4000mg、1000mg〜4000mg、 0.1mg〜3000mg、1mg〜3000mg、10mg〜3000mg、100mg〜3000mg、1000mg〜3000mg、0.1mg〜2000mg、1mg〜2000mg、10mg〜2000mg、100mg〜2000mg、1000mg〜2000mg、0.1mg〜1000mg、1mg〜1000mg、10mg〜1000mg、または100mg〜1000mgであり得る。一部の態様では、該量は、約225mg〜約1000mg、例えば約675mgまたは約900mgである。例示的な投与レジメンは、約675mgの初回抗体用量を皮下投与し、その後、例えば、約2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間、11ヶ月間、もしくは12ヶ月間、またはさらには1年より長い期間(例えば、18ヶ月間、2年間もしくは3年間)にわたって約225mgの月間抗体用量を皮下投与することを含む。一態様において、投与レジメンは、約900mgの初回抗体用量を静脈内投与し、その後、例えば、約2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間、11ヶ月間、12ヶ月間、またはさらには1年より長い期間(例えば、18ヶ月間、2年間もしくは3年間)にわたって約225mgの月間抗体用量を皮下投与することを含む。また別の投与レジメンは、約900mgの初回抗体用量を約60分間の点滴により静脈内投与し、その後、1年間、2年間、3年間、4年間、または5年間にわたって四半期毎に約900mgの用量を約60分間の点滴により静脈内投与することを含む。しかしながら、実務者が得たいと思っている薬物動態学的減衰パターンによっては他の投与量レジメンが有用な場合もあり得る。一部の態様では、初回用量投与と1回以上の追加用量投与は同じ様式で(例えば、皮下投与または静脈内投与にて)行われる。一部の態様では、該1回以上の追加用量投与は初回用量投与と異なる様式で行われ、例えば、初回用量投与は静脈内投与であり得、該1回以上の追加用量投与は皮下投与であり得る。
別の局面では、本開示により、CGRP経路をモジュレートする量の単回用量のモノクローナル抗体(例えば、抗CGRPアンタゴニストモノクローナル抗体)を対象に投与する工程を含む、対象におけるCCHまたはECHを予防する、治療する、またはその発生率を低減させる方法を提供する。一部の態様では、該単回用量は、0.1mg〜5000mg、1mg〜5000mg、10mg〜5000mg、100mg〜5000mg、1000mg〜5000mg、0.1mg〜4000mg、1mg〜4000mg、10mg〜4000mg、100mg〜4000mg、1000mg〜4000mg、0.1mg〜3000mg、1mg〜3000mg、10mg〜3000mg、100mg〜3000mg、1000mg〜3000mg、0.1mg〜2000mg、1mg〜2000mg、10mg〜2000mg、100mg〜2000mg、1000mg〜2000mg、0.1mg〜1000mg、1mg〜1000mg、10mg〜1000mg、または100mg〜1000mgの抗体量であり得る。一部の態様では、該単回用量は、225mg〜約1000mg、例えば約675mgまたは約900mgの抗体量であり得る。
別の局面では、本開示により、対象に、CGRP経路をモジュレートする量の月間用量のモノクローナル抗体(例えば、抗CGRPアンタゴニストモノクローナル抗体)を投与する工程を含む、対象におけるCCHまたはECHを予防する、治療する、またはその発生率を低減させる方法を提供する。一部の態様では、該単回用量は、0.1mg〜5000mg、1mg〜5000mg、10mg〜5000mg、100mg〜5000mg、1000mg〜5000mg、0.1mg〜4000mg、1mg〜4000mg、10mg〜4000mg、100mg〜4000mg、1000mg〜4000mg、0.1mg〜3000mg、1mg〜3000mg、10mg〜3000mg、100mg〜3000mg、1000mg〜3000mg、0.1mg〜2000mg、1mg〜2000mg、10mg〜2000mg、100mg〜2000mg、1000mg〜2000mg、0.1mg〜1000mg、1mg〜1000mg、10mg〜1000mg、または100mg〜1000mgの抗体量であり得る。一部の態様では、該月間用量は約225mg〜約1000mg、例えば約675mgまたは約900mgの抗体量であり得る。例示的な投与レジメンは、約675mgの初回抗体用量を皮下投与し、その後、例えば、約2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間、11ヶ月間、もしくは12ヶ月間、またはさらには1年より長い期間(例えば、18ヶ月間、2年間もしくは3年間)にわたって約225mgの月間抗体用量を皮下投与することを含む。一態様において、投与レジメンは、約900mgの初回抗体用量を静脈内投与し、その後、例えば、約2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間、11ヶ月間、12ヶ月間、またはさらには1年より長い期間(例えば、18ヶ月間、2年間もしくは3年間)にわたって約225mgの月間抗体用量を皮下投与することを含む。また別の投与レジメンは、約900mgの初回用量を約60分間の点滴により静脈内投与し、その後、1年間、2年間、3年間、4年間、または5年間にわたって四半期毎に約900mgの用量を約60分間の点滴により静脈内投与することを含む。しかしながら、実務者が得たいと思っている薬物動態学的減衰パターンによっては他の投与量レジメンが有用な場合もあり得る。一部の態様では、初回用量投与と1回以上の追加用量投与は同じ様式で、例えば皮下投与または静脈内投与にて行われる。一部の態様では、該1回以上の追加用量投与は初回用量投与とは異なる様式で行われ、例えば、初回用量投与は静脈内投与であり得、該1回以上の追加用量投与は皮下投与であり得る。
別の局面では、本開示により、対象に、CGRP経路をモジュレートする量のモノクローナル抗体(例えば、抗CGRPアンタゴニストモノクローナル抗体)を投与する工程を含む、対象に起こる月間頭痛時間数を減少させる方法を提供する。一部の態様では、該モノクローナル抗体は、単回投与後、1ヶ月毎の投与後、または四半期毎の投与後に、月間頭痛時間数を少なくとも0.1、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100時間、またはそれ以上の頭痛時間減少させるのに有効な量であり得る。一部の態様では、該モノクローナル抗体は、単回投与後、1ヶ月毎の投与後、または四半期毎の投与後に、月間頭痛時間数を少なくとも20頭痛時間減少させるのに有効な量であり得る。一部の態様では、該モノクローナル抗体は、月間頭痛時間数を少なくとも40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125時間、またはそれ以上の頭痛時間減少させるのに有効な量であり得る。一部の態様では、該モノクローナル抗体は、単回投与後に月間頭痛時間数を少なくとも0.1%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%またはそれ以上減少させるのに有効な量であり得る。一部の態様では、該モノクローナルは、単回投与後、1ヶ月毎の投与後、または四半期毎の投与後に、月間頭痛時間数を少なくとも15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%またはそれ以上減少させるのに有効な量であり得る。
別の局面では、本開示により、対象に、CGRP経路をモジュレートする量のモノクローナル抗体(例えば、抗CGRPアンタゴニストモノクローナル抗体)を投与する工程を含む、対象に起こる月間頭痛日数を減少させる方法を提供する。一部の態様では、該モノクローナル抗体は、単回投与後に月間頭痛日数を少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20日、またはそれ以上の頭痛日減少させるのに有効な量であり得る。一部の態様では、該モノクローナル抗体は、1ヶ月毎の投与後または四半期毎の投与後に月間頭痛日数を少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20日、またはそれ以上の頭痛日減少させるのに有効な量であり得る。一部の態様では、該モノクローナル抗体は、単回投与後、1ヶ月毎の投与後、または四半期毎の投与後に、月間頭痛日数を少なくとも0.1%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%またはそれ以上減少させるのに有効な量であり得る。
別の局面では、本開示により、対象に、CGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体(例えば、抗CGRPアンタゴニストモノクローナル抗体)を投与する工程を含む、対象の抗頭痛薬の使用を減少させる方法を提供する。一部の態様では、該モノクローナル抗体は、対象による抗頭痛薬の1日あたり、1ヶ月あたり、四半期あたり、および/または1年あたりの使用を少なくとも0.1%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%またはそれ以上減少させるのに有効な量であり得る。一部の態様では、該モノクローナル抗体は、対象による抗頭痛薬の月間使用を少なくとも15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%またはそれ以上減少させるのに有効な量であり得る。抗頭痛薬は、本明細書に記載の任意の型の抗頭痛薬であり得る。抗頭痛薬の非限定的な例としては、例えば5-HT1アゴニスト(および他の5-HT1部位に作用するアゴニスト)、トリプタン(例えば、スマトリプタン、ゾルミトリプタン、ナラトリプタン、リザトリプタン、エレトリプタン、アルモトリプタン、アフロバトリプタン(afrovatriptan))、麦角アルカロイド(例えば、酒石酸エルゴタミン、マレイン酸エルゴノビン、ならびにメシル酸エルゴロイド(例えば、ジヒドロエルゴコルニン、ジヒドロエルゴクリスチン、ジヒドロエルゴクリプチン、およびメシル酸ジヒドロエルゴタミン(DHE 45))ならびに非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)(例えば、アスピリン、ジクロフェナク、ジフルニサル、エトドラク、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルフェニサル、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラク、メクロフェナム酸、メフェナム酸、ナブメトン、ナプロキセン、オキサプロジン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、スリンダク、トルメチンもしくはゾメピラク、シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)阻害薬、セレコキシブ; ロフェコキシブ; メロキシカム; JTE-522; L-745,337; NS398;またはその薬学的に許容される塩)、アヘン剤(例えば、オキシコドン)、ならびにβアドレナリン受容体拮抗薬(例えば、プロプラノロール)が挙げられる。
別の局面では、本開示により、CGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体(例えば、モノクローナル抗CGRPアンタゴニスト抗体)を対象に投与する工程を含む、群発頭痛(ECHまたはCCH)を有する対象の群発頭痛に特異的な急性期頭痛薬の平均週間使用日数を減少させる方法を提供する。一部の態様では、前記モノクローナル抗体は、単回投与後に、該急性期頭痛薬の平均週間使用日数を1、2、3、4、5、6、または7日減少させるのに有効な量であり得る。一部の態様では、前記モノクローナル抗体は、1ヶ月毎の投与後または四半期毎の投与後に、該急性期頭痛薬の平均週間使用日数を1、2、3、4、5、6、または7日減少させるのに有効な量であり得る。一部の態様では、群発頭痛に特異的な急性期頭痛薬はトリプタンまたは麦角化合物である。
別の局面では、本開示により、CGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体(例えば、モノクローナル抗CGRPアンタゴニスト抗体)を対象に投与する工程を含む、群発頭痛(ECHまたはCCH)を有する対象を処置するための酸素の平均週間使用日数を減少させる方法を提供する。一部の態様では、前記モノクローナル抗体は、単回投与後に、酸素の平均週間使用日数を1、2、3、4、5、6、または7日減少させるのに有効な量であり得る。一部の態様では、前記モノクローナル抗体は、1ヶ月毎の投与後または四半期毎の投与後に、酸素の平均週間使用日数を1、2、3、4、5、6、または7日減少させるのに有効な量であり得る。
別の局面では、本開示により、CGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体(例えば、モノクローナル抗CGRPアンタゴニスト抗体)を対象に投与する工程を含む、群発頭痛を有する対象の健康に関連した生活の質を改善する方法を提供する。一部の態様では、健康に関連した生活の質の変化が対象によって自己報告される。一部の態様では、対象の生活の質の変化が、患者が認識する満足度の改善(Patient-Perceived Satisfactory Improvement)(PPSI)または患者の全般的印象の変化(Patient Global Impression of Change)(PGIC)スケールを用いて測定される。PPSIおよびPGICの評価法およびその種々のバージョンは当技術分野において公知である。
本明細書に記載のすべての方法に関して、抗体(例えば、CGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体、抗CGRPアンタゴニスト抗体、抗CGRPアンタゴニストモノクローナル抗体)に対する言及はまた、1種または複数種のこれらの薬剤を含む組成物も包含している。したがって、かかる組成物は、本明細書に記載の抗体について言及している方法に従って使用され得る。これらの組成物は、さらに、好適な賦形剤、例えば本明細書の他の箇所に記載している薬学的に許容される賦形剤を含むものであってもよい。本発明は単独で、または他の慣用的な治療方法との併用で使用され得る。
本明細書に記載の抗体(例えば、モノクローナル抗体、抗CGRPアンタゴニスト抗体、抗CGRPアンタゴニストモノクローナル抗体)は、個体または対象に任意の治療用量で、任意の好適な経路によって任意の好適な製剤にて投与され得る。本明細書に記載の例は、利用可能な手法の限定を意図するものではなく例示を意図するものであることは当業者には明らかであろう。したがって、一部の態様では、本明細書に記載の抗体は、対象に既知の方法に従って静脈内投与などで、例えばボーラスとして、またはある時間、例えば約10分間、約20分間、約30分間、約40分間、約50分間、約60分間、約90分間、約120分間、約180分間もしくは約240分間にわたる連続点滴によって投与され得る。また、本明細書に記載の抗体を対象に皮下、筋肉内、腹腔内、脳脊髄内、関節内、舌下、動脈内、滑液嚢内、吹送、髄腔内、経口、吸入、鼻腔内(例えば、吸入を伴うもの、もしくは伴わないもの)、口腔内、経直腸、経皮、心腔内、骨内、皮内、経粘膜、経膣、硝子体内、関節周囲、局部、皮膚上、または局所経路によって投与してもよい。投与は全身性、例えば静脈内投与であってもよく、局部性であってもよい。液剤用の市販のネブライザー、例えばジェット式ネブライザーおよび超音波式ネブライザーが投与に有用である。液剤は、直接霧化にしてもよく、凍結乾燥粉末を再構成後に霧状にしてもよい。あるいはまた、本明細書に記載の抗体を、フルオロカーボン製剤と定量吸入器を用いてエアロゾル化してもよく、凍結乾燥させてミリングした粉末として吸入してもよい。
一部の態様では、本明細書に記載の抗体は、部位特異的または標的化局部送達手法によって投与され得る。部位特異的または標的化局部送達手法の例としては、抗体の種々の埋込み可能なデポー源または局部送達用カテーテル、例えば点滴用カテーテル、留置カテーテルもしくはニードルカテーテル、人工血管移植、外膜ラップ(adventitial wrap)、シャントおよびステントもしくは他の埋込み可能なデバイス、部位特異的担体、直接注射、または直接適用が挙げられる。例えば、PCT公開番号WO00/53211および米国特許第5,981,568号(これらは参照によりその全体が本明細書に組み入れられる)を参照のこと。
本明細書に記載の抗体の種々の製剤が投与に使用され得る。一部の態様では、抗体は、そのままの状態で投与され得る。一部の態様では、抗体と薬学的に許容される賦形剤が種々の製剤にされ得る。薬学的に許容される賦形剤は当技術分野で公知のものであり、薬理学的に有効な物質の投与を容易にする比較的不活性な物質である。例えば、賦形剤は、形もしくは粘稠度を付与するもの、または希釈剤としての機能を果たすものであり得る。好適な賦形剤としては、非限定的に、安定化剤、湿潤剤および乳化剤、容量オスモル濃度変動用の塩、封入剤、バッファー、ならびに皮膚浸透向上剤が挙げられる。非経口および非経口以外での薬物送達のための賦形剤ならびに製剤は、Remington, The Science and Practice of Pharmacy 20th Ed. Mack Publishing(2000)に示されている。
一部の態様では、このような薬剤、例えば本明細書に記載の抗体は、注射(例えば、静脈内、皮下、腹腔内、筋肉内など)による投与のために製剤化され得る。したがって、このような薬剤は、薬学的に許容されるビヒクル、例えば生理食塩水、リンゲル液、デキストロース液などと合わされ得る。具体的な投与量レジメン、すなわち用量、タイミングおよび反復は、具体的な個体および該個体の病歴に依存する。
一部の態様では、このような薬剤、例えば本明細書に記載の抗体は末梢投与のために製剤化され得る。かかる製剤は、任意の好適な末梢経路によって、例えば静脈内および皮下に末梢投与され得る。末梢投与のために調製される薬剤としては、中枢内、脊髄、髄腔内または直接CNS内に送達されない物質、医薬および/または抗体が挙げられ得る。末梢投与経路の非限定的な例としては、経口、舌下、口腔内、局所、経直腸、吸入、経皮、皮下、静脈内、動脈内、筋肉内、心腔内、骨内、皮内、腹腔内、経粘膜、経膣、硝子体内、関節内、関節周囲、局部、または皮膚上である経路が挙げられる。
本開示に従って使用される該抗体の治療用製剤は、保存および/または使用のために、所望の度合の純度を有する抗体を、任意選択の薬学的に許容される担体、賦形剤または安定剤(Remington, The Science and Practice of Pharmacy 20th Ed. Mack Publishing(2000))と混合することにより調製され得、一部の場合では、凍結乾燥製剤または水性液剤の形態であり得る。許容され得る担体、賦形剤、または安定剤は、使用される投与量および濃度でレシピエントに対して無毒性である。抗体の治療用製剤に1種または複数種の薬学的に許容される担体、賦形剤または安定剤を含めてもよく、かかる種の非限定的な例としては、バッファー、例えばリン酸、クエン酸および他の有機酸; 塩、例えば塩化ナトリウム; 酸化防止剤、例えばアスコルビン酸およびメチオニン; 保存料(例えば、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド; 塩化ヘキサメトニウム; 塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム; フェノール、ブチルもしくはベンジルアルコール; アルキルパラベン、例えばメチルもしくはプロピルパラベン; カテコール; レゾルシノール; シクロヘキサノール; 3-ペンタノール; およびm-クレゾール); 低分子量(約10個未満の残基)ポリペプチド; タンパク質、例えば血清アルブミン、ゼラチンもしくは免疫グロブリン; 親水性ポリマー、例えばポリビニルピロリドン; アミノ酸(例えば、0.1mM〜100mM、0.1mM〜1mM、0.01mM〜50mM、1mM〜50mM、1mM〜30mM、1mM〜20mM、10mM〜25mMの濃度で)、例えばグリシン、グルタミン、メチオニン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニンもしくはリシン; 単糖類、二糖類および他の糖質、例えばグルコース、マンノースもしくはデキストリン; キレート剤(例えば、0.001mg/mL〜1mg/mL、0.001mg/mL〜1mg/mL、0.001mg/mL〜0.1mg/mL、0.001mg/mL〜0.01mg/mL、0.01mg/mL〜0.1mg/mLの濃度で)、例えばEDTA(例えば、EDTA二ナトリウム二水和物); 糖(例えば、1mg/mL〜500mg/mL、10mg/mL〜200mg/mL、10mg/mL〜100mg/mL、50mg/mL〜150mg/mLの濃度で)、例えばスクロース、マンニトール、トレハロースもしくはソルビトール; 塩形成性対イオン、例えばナトリウム; 金属錯体(例えば、Zn-タンパク質複合体);および/または非イオン界面活性剤(例えば、0.01mg/mL〜10mg/mL、0.01mg/mL〜1mg/mL、0.1mg/mL〜1mg/mL、0.01mg/mL〜0.5mg/mLの濃度で)、例えばTWEEN(商標)(例えば、ポリソルベート(例えば、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80))、PLURONICS(商標)またはポリエチレングリコール(PEG)が挙げられる。
抗体製剤は、任意のさまざまな物性に関して特性評価され得る。例えば、液状の抗体製剤は、治療有効性、安全性および保存のための任意の好適なpHを有するものであり得る。例えば、液状の抗体製剤のpHはpH 4〜約pH 9、約pH 5〜約pH 8、約pH 5〜約pH 7、または約pH 6〜約pH 8であり得る。一部の態様では、液状の抗体製剤は、約3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5もしくは約10またはこれらより高いか、もしくは低いpHを有するものであり得る。
別の例では、液状の抗体製剤は、治療有効性、安全性および保存のための任意の好適な粘度を有するものであり得る。例えば、液状の抗体製剤の粘度は、25℃において約0.5センチポイズ(cP)〜約100cP、約1cP〜約50cP、約1cP〜約20cP、約1cP〜約15cP、または約5cP〜約15cPであり得る。一部の態様では、液状の抗体製剤は、25℃において約0.5cP、1cP、1.2cP、1.4cP、1.6cP、1.8cP、2.0cP、2.2cP、2.4cP、2.6cP、2.8cP、3.0cP、3.2cP、3.4cP、3.6cP、3.8cP、4.0cP、4.2cP、4.4cP、4.6cP、4.8cP、5.0cP、5.2cP、5.4cP、5.6cP、5.8cP、6.0cP、6.2cP、6.4cP、6.6cP、6.8cP、7.0cP、7.2cP、7.4cP、7.6cP、7.8cP、8.0cP、8.2cP、8.4cP、8.6cP、8.8cP、9.0cP、9.2cP、9.4cP、9.6cP、9.8cP、10.0cP、10.2cP、10.4cP、10.6cP、10.8cP、11.0cP、11.2cP、11.4cP、11.6cP、11.8cP、12.0cP、12.2cP、12.4cP、12.6cP、12.8cP、13.0cP、13.2cP、13.4cP、13.6cP、13.8cP、14.0cP、14.2cP、14.4cP、14.6cP、14.8cP、または約15.0cPの粘度を有するものであり得、該粘度はこれらより高い場合または低い場合もあり得る。
別の例では、液状の抗体製剤は、治療有効性、安全性および保存のための任意の好適な伝導度を有するものであり得る。例えば、液状の抗体製剤の伝導度は、約0.1ミリジーメンスパーセンチメートル(mS/cm)〜約15mS/cm、0.1mS/cm〜10mS/cm、0.1mS/cm〜5mS/cm、0.1mS/cm〜2mS/cm、または0.1mS/cm〜1.5mS/cmであり得る。一部の態様では、液状の抗体製剤は、0.19mS/cm、0.59mS/cm、1.09mS/cm、1.19mS/cm、1.29mS/cm、1.39mS/cm、1.49mS/cm、1.59mS/cm、1.69mS/cm、1.79mS/cm、1.89mS/cm、1.99mS/cm、2.09mS/cm、2.19mS/cm、2.29mS/cm、2.39mS/cm、2.49mS/cm、2.59mS/cm、2.69mS/cm、2.79mS/cm、2.89mS/cm、2.99mS/cm、3.09mS/cm、3.19mS/cm、3.29mS/cm、3.39mS/cm、3.49mS/cm、3.59mS/cm、3.69mS/cm、3.79mS/cm、3.89mS/cm、3.99mS/cm、4.09mS/cm、4.19mS/cm、4.29mS/cm、4.39mS/cm、4.49mS/cm、4.59mS/cm、4.69mS/cm、4.79mS/cm、4.89mS/cm、4.99mS/cm、5.09mS/cm、6.09mS/cm、6.59mS/cm、7.09mS/cm、7.59mS/cm、8.09mS/cm、8.59mS/cm、9.09mS/cm、9.59mS/cm、10.09mS/cm、10.59mS/cm、11.09mS/cm、11.59mS/cm、12.09mS/cm、12.59mS/cm、13.09mS/cm、13.59mS/cm、14.09mS/cm、14.59mS/cm、または約15.09mS/cmの伝導度を有するものであり得、該伝導度はこれらより高い場合または低い場合もあり得る。
別の例では、液状の抗体製剤は、治療有効性、安全性および保存のための任意の好適な重量オスモル濃度を有するものであり得る。例えば、液状の抗体製剤の重量オスモル濃度は、約50ミリオスモルパーキログラム(mOsm/kg)〜約5000mOsm/kg、約50mOsm/kg〜約2000mOsm/kg、約50mOsm/kg〜約1000mOsm/kg、約50mOsm/kg〜約750mOsm/kg、または約50mOsm/kg〜約500mOsm/kgであり得る。一部の態様では、液状の抗体製剤は、約50mOsm/kg、60mOsm/kg、70mOsm/kg、80mOsm/kg、90mOsm/kg、100mOsm/kg 120mOsm/kg、140mOsm/kg、160mOsm/kg、180mOsm/kg、200mOsm/kg、220mOsm/kg、240mOsm/kg、260mOsm/kg、280mOsm/kg、300mOsm/kg、320mOsm/kg、340mOsm/kg、360mOsm/kg、380mOsm/kg、400mOsm/kg、420mOsm/kg、440mOsm/kg、460mOsm/kg、480mOsm/kg、500mOsm/kg、520mOsm/kg、540mOsm/kg、560mOsm/kg、580mOsm/kg、600mOsm/kg、620mOsm/kg、640mOsm/kg、660mOsm/kg、680mOsm/kg、700mOsm/kg、720mOsm/kg、740mOsm/kg、760mOsm/kg、780mOsm/kg、800mOsm/kg、820mOsm/kg、840mOsm/kg、860mOsm/kg、880mOsm/kg、900mOsm/kg、920mOsm/kg、940mOsm/kg、960mOsm/kg、980mOsm/kg、1000mOsm/kg、1050mOsm/kg、1100mOsm/kg、1150mOsm/kg、1200mOsm/kg、1250mOsm/kg、1300mOsm/kg、1350mOsm/kg、1400mOsm/kg、1450mOsm/kg、約1500mOsm/kgの重量オスモル濃度を有するものであり得、該重量オスモル濃度はこれらより高い場合または低い場合もあり得る。
抗体を含有させたリポソームは、当技術分野で公知の方法、例えばEpstein, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:3688(1985); Hwang, et al., Proc. Natl Acad. Sci. USA 77:4030(1980); ならびに米国特許第4,485,045号および同第4,544,545号に記載の方法によって調製され得る。循環時間が向上したリポソームが米国特許第5,013,556号に開示されている。特に有用なリポソームは、逆相蒸発法により、ホスファチジルコリン、コレステロールおよびPEG誘導体化ホスファチジルエタノールアミン(PEG-PE)を含む脂質組成物を用いて作製され得る。リポソームは、規定の細孔径のフィルターから押し出すと所望の直径を有するリポソームが得られる。
また、活性成分を、例えばコアセルベーション手法または界面重合によって調製されるマイクロカプセル内に、例えばそれぞれヒドロキシメチルセルロースまたはゼラチン-マイクロカプセルおよびポリ-(メチルメタクリレート(methacylate))マイクロカプセル内、コロイド状薬物送達系(例えば、リポソーム、アルブミンミクロスフィア、マイクロエマルジョン、ナノ粒子およびナノカプセル)内、またはマクロエマルジョン中に閉じ込めてもよい。かかる手法はRemington, The Science and Practice of Pharmacy 20th Ed. Mack Publishing(2000)に開示されている。
徐放性調製物を調製してもよい。徐放性調製物の好適な例としては、該抗体を含有させた固形の疎水性ポリマーの半透過性マトリックスが挙げられ、該マトリックスは成形物品、例えばフィルムまたはマイクロカプセルの形態である。徐放性マトリックスの例としては、ポリエステル、ヒドロゲル(例えば、ポリ(2-ヒドロキシエチル-メタクリレート)、または'ポリ(ビニル(v nyl)アルコール))、ポリラクチド(米国特許第3,773,919号)、L-グルタミン酸と7エチル-L-グルタメートのコポリマー、非分解性エチレン-酢酸ビニル、分解性乳酸-グリコール酸コポリマー、例えばLUPRON DEPOT(商標)(乳酸-グリコール酸コポリマーと酢酸ロイプロリドで構成された注射用ミクロスフィア)、スクロース酢酸イソブチル、およびポリ-D-(-)-3-ヒドロキシ酪酸が挙げられる。
インビボ投与に使用される製剤は一般的に、滅菌されているのがよい。これは、例えば滅菌濾過膜に通す濾過によって容易に行なわれる。治療用抗体組成物は一般的に、滅菌されたアクセスポートを有する容器、例えば皮下注射針によって貫通可能なストッパーを有する静脈内用液剤バッグまたはバイアルに入れられる。
本発明による組成物は、経口、非経口もしくは経直腸投与または吸入もしくは吹送による投与のための単位投与形態、例えば錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、液剤もしくは懸濁剤または坐剤であり得る。一部の場合では、単位投与形態は、対象への該投与単位の投与に有用なプレフィルド容器(例えば、プレフィルドシリンジ)内に供給され得る。
一部の態様では、本明細書に記載の抗体(例えば、CGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体、抗CGRPアンタゴニスト抗体、抗CGRPアンタゴニストモノクローナル抗体)を含む製剤は、任意の好適な投与経路のために、約0.1mg〜約3000mg、約1mg〜約1000mg、約100mg〜約1000mg、または約100mg〜約500mg、約200mg〜約800mg、約500mg〜約1500mg、約1500mg〜約2500mg、または約2000mg〜約3000mgの範囲の抗体量で調製され得る。一部の場合では、本明細書に記載の抗体(例えば、CGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体、抗CGRPアンタゴニスト抗体、抗CGRPアンタゴニストモノクローナル抗体)を含む製剤は、最大で、または少なくとも約0.1mg、1mg、100mg、1mg、10mg、25mg、50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、225mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、375mg、400mg、450mg、475mg、500mg、525mg、550mg、575mg、600mg、625mg、650mg、675mg、700mg、725mg、750mg、775mg、800mg、825mg、850mg、875mg、900mg、925mg、950mg、975mg、1000mg、1100mg、1200mg、1300mg、1400mg、1500mg、1600mg、1700mg、1800mg、1900mg、2000mg、または約3000mgの抗体量を含むものであり得る。
一部の態様では、本明細書に記載の抗体(例えば、CGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体、抗CGRPアンタゴニスト抗体、抗CGRPアンタゴニストモノクローナル抗体)を含む液剤は、任意の好適な投与経路のために、約0.1mg/mL〜約500mg/mL、約0.1mg/mL〜約375mg/mL、約0.1mg/mL〜約250mg/mL、約0.1〜約175mg/mL、約0.1〜100mg/mL、約1mg/mL〜約500mg/mL、約1mg/mL〜約375mg/mL、約1mg/mL〜約300mg/mL、約1mg/mL〜250mg/mL、約1mg/mL〜200mg/mL、約1mg/mL〜150mg/mL、約1mg/mL〜約100mg/mL、約10mg/mL to 500mg/mL、約10mg/mL〜約375mg/mL、約10mg/mL〜250mg/mL、約10mg/mL〜約150mg/mL、約10mg/mL〜100mg/mL、約100mg/mL〜500mg/mL、約100mg/mL〜450mg/mL、約100mg/mL〜400mg/mL、約100mg/mL〜約350mg/mL、約100mg/mL〜約300mg/mL、約100mg/mL〜約250mg/mL、100mg/mL〜200mg/mL、または約100mg/mL〜約150mg/mLの範囲の抗体濃度で調製され得る。一部の態様では、該液剤は、本明細書に記載の抗体を最大で、少なくとも約0.1、0.5、1、5、10、15 20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105 110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185, 190, 195、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490もしくは約500mg/mLまたはこれら未満の濃度で含むものであり得る。
抗体製剤は、1種または複数種の成分、例えば該抗体および本明細書の他の箇所に記載の他の種を含むものであってもよい。該抗体および該他の成分は、該抗体の治療有効性、安全性および保存のための任意の好適な量および/または任意の好適な濃度のものであり得る。一例では、抗体製剤は、約51.4mg/mLの抗体(例えば、抗体G1、別の抗CGRPアンタゴニスト抗体、またはCGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体)、16〜20mMのヒスチジン、0.1mg/mLのメチオニン、84mg/mLのトレハロース二水和物、0.05mg/mLのEDTA二ナトリウム二水和物および0.2mg/mLのポリソルベート80を含む液剤であり得る。
別の例では、抗体製剤は、約200mg/mLの抗体(例えば、抗体G1、別の抗CGRPアンタゴニスト抗体、またはCGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体)、15mMのアルギニン、78mg/mLのスクロース、0.3mg/mLのEDTAおよび0.1mg/mLのポリソルベート80を含むものであり得る。
別の例では、抗体製剤は、約175mg/mLの抗体(例えば、抗体G1、別の抗CGRPアンタゴニスト抗体、またはCGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体)、20mMのグリシン、88mg/mLのトレハロース二水和物、0.015mg/mLのEDTAおよび0.25mg/mLのポリソルベート80を含むものであり得る。
別の例では、抗体製剤は、約225mg/mLの抗体(例えば、抗体G1、別の抗CGRPアンタゴニスト抗体、またはCGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体)、23mMのアスパラギン、84mg/mLのソルビトール、0.1mg/mLのEDTAおよび0.15mg/mLのポリソルベート60を含むものであり得る。
別の例では、抗体製剤は、約150mg/mLの抗体(例えば、抗体G1、別の抗CGRPアンタゴニスト抗体、またはCGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体)、17mMのアスパラギン、74mg/mLのマンニトール、0.025mg/mLのEDTAおよび0.2mg/mLのポリソルベート80を含むものであり得る。
別の例では、抗体製剤は、約100mg/mLの抗体(例えば、抗体G1、別の抗CGRPアンタゴニスト抗体、またはCGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体)、16mMのアルギニン、87mg/mLのマンニトール、0.025mg/mLのEDTAおよび0.15mg/mLのポリソルベート20を含むものであり得る。
別の例では、抗体製剤は、約250mg/mLの抗体(例えば、抗体G1、別の抗CGRPアンタゴニスト抗体、またはCGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体)、25mMのヒスチジン、74mg/mLのマンニトール、0.025mg/mLのEDTAおよび0.25mg/mLのポリソルベート20を含むものであり得る。
別の例では、抗体製剤は、約50mg/mLの抗体(例えば、抗体G1、別の抗CGRPアンタゴニスト抗体、またはCGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体)、19mMのアルギニン、84mg/mLのスクロース、0.05mg/mLのEDTAおよび0.3mg/mLのポリソルベート80を含むものであり得る。
別の例では、抗体製剤は、約125mg/mLの抗体(例えば、抗体G1、別の抗CGRPアンタゴニスト抗体、またはCGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体)、22mMのグリシン、79mg/mLのトレハロース二水和物、0.15mg/mLのEDTAおよび0.15mg/mLのポリソルベート80を含むものであり得る。
別の例では、抗体製剤は、約175mg/mLの抗体(例えば、抗体G1、別の抗CGRPアンタゴニスト抗体、またはCGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体)、20mMのヒスチジン、0.1mg/mLのメチオニン、84mg/mLのトレハロース二水和物、0.05mg/mLのEDTA二ナトリウム二水和物および0.2mg/mLのポリソルベート80を含む液剤であり得る。
別の例では、抗体製剤は、約200mg/mLの抗体(例えば、抗体G1、別の抗CGRPアンタゴニスト抗体、またはCGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体)、30mMのアルギニン、78mg/mLのスクロース、0.3mg/mLのEDTAおよび0.1mg/mLのポリソルベート80を含むものであり得る。
別の例では、抗体製剤は、約175mg/mLの抗体(例えば、抗体G1、別の抗CGRPアンタゴニスト抗体、またはCGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体)、20mMのグリシン、88mg/mLのトレハロース二水和物、0.015mg/mLのEDTAおよび0.15mg/mLのポリソルベート80を含むものであり得る。
別の例では、抗体製剤は、約150mg/mLの抗体(例えば、抗体G1、別の抗CGRPアンタゴニスト抗体、またはCGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体)、20mMのヒスチジン、84mg/mLのスクロース、0.05mg/mLのEDTAおよび0.2mg/mLのポリソルベート80を含むものであり得る。
別の例では、抗体製剤は、約225mg/mLの抗体(例えば、抗体G1、別の抗CGRPアンタゴニスト抗体、またはCGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体)、23mMのヒスチジン、84mg/mLのソルビトール、0.1mg/mLのEDTAおよび0.15mg/mLのポリソルベート60を含むものであり得る。
別の例では、抗体製剤は、約150mg/mLの抗体(例えば、抗体G1、別の抗CGRPアンタゴニスト抗体、またはCGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体)、17mMのアスパラギン、74mg/mLのマンニトール、0.3mg/mLのEDTAおよび0.2mg/mLのポリソルベート80を含むものであり得る。
別の例では、抗体製剤は、約100mg/mLの抗体(例えば、抗体G1、別の抗CGRPアンタゴニスト抗体、またはCGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体)、16mMのアルギニン、87mg/mLのマンニトール、0.025mg/mLのEDTAおよび0.25mg/mLのポリソルベート20を含むものであり得る。
別の例では、抗体製剤は、約250mg/mLの抗体(例えば、抗体G1、別の抗CGRPアンタゴニスト抗体、またはCGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体)、25mMのヒスチジン、89mg/mLのマンニトール、0.025mg/mLのEDTAおよび0.25mg/mLのポリソルベート20を含むものであり得る。
別の例では、抗体製剤は、125mg/mLの抗体(例えば、抗体G1、別の抗CGRPアンタゴニスト抗体、またはCGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体)、29mMのアルギニン、84mg/mLのスクロース、0.05mg/mLのEDTAおよび0.3mg/mLのポリソルベート80を含むものであり得る。
別の例では、抗体製剤は、150mg/mLの抗体(例えば、抗体G1、別の抗CGRPアンタゴニスト抗体、またはCGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体)、25mMのアスパラギン、84mg/mLのマンニトール、0.05mg/mLのEDTAおよび0.2mg/mLのポリソルベート80を含むものであり得る。
別の例では、抗体製剤は、145mg/mLの抗体(例えば、抗体G1、別の抗CGRPアンタゴニスト抗体、またはCGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体)、22mMのヒスチジン、72mg/mLのトレハロース二水和物、0.05mg/mLのEDTAおよび0.1mg/mLのポリソルベート80を含むものであり得る。
本明細書に記載の抗体は、任意の好適な方法を用いて、例えば注射によって(例えば、静脈内、皮下、腹腔内、筋肉内などに)投与され得る。また、該抗体を、本明細書に記載のようにして吸入によって投与してもよい。一部の場合では、抗体は、吸入を伴って、または伴わずに経鼻投与され得る。概して、本明細書に記載の抗体の投与では、初回候補投与量は約2mg/kgであり得る。本発明の解釈上、典型的な1日あたりの投与量は、上記の要素にもよるが、3μg/kgから30μg/kgまで、300μg/kgまで、3mg/kgまで、30mg/kgまで、100mg/kgまで、またはそれ以上の範囲のいずれかのおよその量であろう。例えば、約1mg/kg、約2.5mg/kg、約5mg/kg、約10mg/kg、約25mg/kg、および約30mg/kgの投与量が使用され得る。病状に応じて数日間またはそれ以上にわたる反復投与では、処置は、所望の症状抑制が起こるまで、または例えば痛みが軽減されるのに充分な治療レベルが得られるまで持続される。例示的な投与レジメンは、約8.5mg/kgまたは約10mg/kgの初回または開始用量、その後、約2.8mg/kgの維持用量の抗体か、または約2.8mg/kgの維持用量を隔週で投与することを含む。別の例示的な投与レジメンは、約100mg、125mg、150mg、200mg、225mg、250mg、275mg、300mg、350mg、400mg、450mg、500mg、550mg、600mg、約675mg、または約900mgの用量を対象に1ヶ月(例えば、およそ28日毎)に1回、約1時間の点滴により静脈内投与、または皮下投与することを含む。別の例示的な投与レジメンは、約675mgの初回または開始抗体用量を皮下投与し、その後、例えば、約2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間、11ヶ月間、もしくは12ヶ月間、またはさらには1年より長い期間(例えば、18ヶ月間、2年間もしくは3年間)にわたって約225mgの月間抗体用量を皮下投与することを含む。別の例示的な投与レジメンは、約900mgの初回抗体用量を静脈内投与し、その後、例えば、約2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間、11ヶ月間、12ヶ月間、またはさらには1年より長い期間(例えば、18ヶ月間、2年間もしくは3年間)にわたって約225mgの月間抗体用量を皮下投与することを含む。また別の投与レジメンは、約900mgの初回用量を約60分間の点滴により静脈内投与し、その後、1年間、2年間、3年間、4年間、または5年間にわたって四半期毎に約900mgの用量を約60分間の点滴により静脈内投与することを含む。しかしながら、実務者が得たいと思っている薬物動態学的減衰パターンによっては他の投与量レジメンが有用な場合もあり得る。例えば、一部の態様では、週に約1〜約4回の投与が想定される。この治療の経過は、慣用的な手法およびアッセイによって容易にモニタリングされる。投与レジメン(例えば、使用されるCGRP拮抗薬(1種類または複数))を経時的に変更してもよい。
一部の態様では、対象に投与される本明細書に記載の抗体(例えば、CGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体、抗CGRPアンタゴニスト抗体、抗CGRPアンタゴニストモノクローナル抗体)の用量または量は、約0.1μg〜約3000mg、1mg〜1000mg、100mg〜1000mg、100mg〜500mg、0.1mg〜5000mg、1mg〜4000mg、250mg〜1000mg、500mg〜1000mg、100mg〜900mg、400mg〜900mg、10mg〜3000mg、10mg〜2000mg、100mg〜2000mg、150mg〜2000mg、200mg〜2000mg、250mg〜2000mg、300mg〜2000mg、350mg〜2000mg、400mg〜2000mg、450mg〜2000mg、500mg〜2000mg、550mg〜2000mg、600mg〜2000mg、650mg〜2000mg、700mg〜2000mg、750mg〜2000mg、800mg〜2000mg、850mg〜2000mg、900mg〜2000mg、950mg〜2000mg、または1000mg〜2000mgの範囲であり得る。一部の態様では、対象に投与される本明細書に記載の抗体の用量または量は、約0.1μg、1μg、100μg、1mg、10mg、25mg、50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、225mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、375mg、400mg、450mg、475mg、500mg、525mg、550mg、575mg、600mg、625mg、650mg、675mg、700mg、725mg、750mg、775mg、800mg、825mg、850mg、875mg、900mg、925mg、950mg、975mg、1000mg、1100mg、1200mg、1300mg、1400mg、1500mg、1600mg、1700mg、1800mg、1900mg、2000mg、または約3000mgであり得るか、最大でこれらの量であり得るか、これらの量未満であり得るか、または少なくともこれらの量であり得る。一部の態様では、該量は約225mg〜約1000mg、例えば約675mgまたは約900mgである。例示的な投与レジメンは、約675mgの初回抗体用量を皮下投与し、その後、例えば約2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間、11ヶ月間、もしくは12ヶ月間、またはさらには1年より長い期間(例えば、18ヶ月間、2年間もしくは3年間)にわたって、約225mgの月間抗体用量を皮下投与することを含む。別の例示的な投与レジメンは、約900mgの初回抗体用量を静脈内投与し、その後、例えば約2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間、11ヶ月間、12ヶ月間、またはさらには1年より長い期間(例えば、18ヶ月間、2年間もしくは3年間)にわたって、約225mgの月間抗体用量を皮下投与することを含む。また別の投与レジメンは、約900mgの初回用量を約60分間の点滴により静脈内投与し、その後、1年間、2年間、3年間、4年間、または5年間にわたって四半期毎に約900mgの用量を約60分間の点滴により静脈内投与することを含む。しかしながら、実務者が得たいと思っている薬物動態学的減衰パターンによっては他の投与量レジメンが有用な場合もあり得る。
一部の態様では、対象に投与される本明細書に記載の抗体(例えば、CGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体、抗CGRPアンタゴニスト抗体、抗CGRPアンタゴニストモノクローナル抗体)の用量または量は、約0.1〜500、0.1〜100、0.1〜50、0.1〜20、0.1〜10、1〜10、1〜7、1〜5、または0.1〜3mg/kg体重の範囲であり得る。一部の態様では、対象に投与される本明細書に記載の抗体(例えば、CGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体、抗CGRPアンタゴニスト抗体、抗CGRPアンタゴニストモノクローナル抗体)の用量または量は、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10.0、10.5、11.0、11.5、12.0、12.5、13.0、13.5、14.0、14.5、15.0、15.5、16.0、16.5、17.0、17.5、18.0、18.5, 19.0, 19.5、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180, 190、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、または約500mg/kg体重であり得るか、最大でこれらの量であり得るか、これらの量未満であり得るか、または少なくともこれらの量であり得る。
一部の態様では、ある用量または量の本明細書に記載の抗体(例えば、CGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体、抗CGRPアンタゴニスト抗体、抗CGRPアンタゴニストモノクローナル抗体)を対象に投与する頻度はさまざまであり得る。一部の態様では、治療全体を通して単回用量の抗体が対象に投与され得る。一部の態様では、ある用量または量の抗体を対象に投与する頻度は一定である(例えば、1ヶ月あたり約1回または四半期あたり約1回、投与される)。一部の態様では、ある用量または量の抗体を対象に投与する頻度は、約1年間、2年間、3年間、4年間、または5年間にわたって四半期毎に約1回である。一部の態様では、ある用量または量の本明細書に記載の抗体を対象に投与する頻度は一定ではない(例えば、初回投与後に1ヶ月に1回の投与、その後、約3ヶ月目と約7ヶ月目に追加投与)。一部の態様では、抗体を対象に投与する頻度は、1日あたり約1、2、3、4、5、または6回であるか、少なくともこれらの回数であるか、これらの回数未満であるか、または最大でこれらの回数である。一部の態様では、抗体(例えば、CGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体、抗CGRPアンタゴニスト抗体、抗CGRPアンタゴニストモノクローナル抗体)を対象に投与する頻度は、1日あたり約1、2、3、4、5、または6回の投与であるか、少なくともこれらの回数の投与であるか、これら未満の回数の投与であるか、または最大でこれらの回数の投与である。
一部の態様では、ある用量または量の本明細書に記載の抗体(例えば、CGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体、抗CGRPアンタゴニスト抗体、抗CGRPアンタゴニストモノクローナル抗体)を対象に投与する頻度は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、125、150、180、または200日あたり1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20回であるか、少なくともこれらの回数であるか、これらの回数未満であるか、または最大でこれらの回数である。
一部の態様では、ある用量または量の本明細書に記載の抗体(例えば、CGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体、抗CGRPアンタゴニスト抗体、抗CGRPアンタゴニストモノクローナル抗体)を対象に投与する頻度は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100週あたり1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20回であるか、少なくともこれらの回数であるか、これらの回数未満であるか、または最大でこれらの回数である。一部の態様では、本明細書に記載の抗体(例えば、CGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体、抗CGRPアンタゴニスト抗体、抗CGRPアンタゴニストモノクローナル抗体)を対象に投与する頻度は、1週あたり1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15回未満の投与である。
一部の態様では、ある用量または量の抗体(例えば、CGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体、抗CGRPアンタゴニスト抗体、抗CGRPアンタゴニストモノクローナル抗体)を対象に投与する頻度は、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、13ヶ月、14ヶ月、15ヶ月、16ヶ月、17ヶ月、または18ヶ月あたり約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20回であるか、少なくともこれらの回数であるか、これらの回数未満であるか、または最大でこれらの回数である。一部の態様では、ある用量または量の抗体(例えば、CGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体、抗CGRPアンタゴニスト抗体、抗CGRPアンタゴニストモノクローナル抗体)を対象に投与する頻度は、1ヶ月あたり約1回である。一部の態様では、ある用量または量の抗体(例えば、CGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体、抗CGRPアンタゴニスト抗体、抗CGRPアンタゴニストモノクローナル抗体)を対象に投与する頻度は、3ヶ月あたり約1回である。一部の態様では、本明細書に記載の抗体(例えば、CGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体、抗CGRPアンタゴニスト抗体、抗CGRPアンタゴニストモノクローナル抗体)を対象に投与する頻度は、1ヶ月あたり約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15回未満の投与である。一部の態様では、ある用量または量の抗体が、1ヶ月あたり1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、またはそれ以上、対象に投与され得る(例えば、皮下に、または静脈内に点滴で)。
一部の態様では、約50mg、100mg 150mg、200mg、225mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mg、500mg、550mg、600mg、650mg、675mg、700mg、750mg、800mg、850mg、900mg、950mg、1000mg、1050mg、1100mg、1150mg、1200mg、1250mg、1300mg、1350mg、1400mg、1450mg、1500mg、1550mg、1600mg、1650mg、1700mg、1750mg、1800mg、1850mg、1900mg、1950mg、2000mg、2050mg、2100mg、2150mg、2200mg、2250mg、2300mg、2350mg、2400mg、2450mg、2500mg、2550mg、2600mg、2650mg、2700mg、2750mg、2800mg、2850mg、2900mg、2950mg、3000mgまたはそれ以上の用量または量の前記抗体が1ヶ月あたり1回、対象に投与され得る(例えば、皮下に、または静脈内に点滴で)。一部の態様では、約0.1mg〜5000mg、1mg〜4000mg、10mg〜3000mg、10mg〜2000mg、100mg〜2000mg、150mg〜2000mg、200mg〜2000mg、250mg〜2000mg、300mg〜2000mg、350mg〜2000mg、400mg〜2000mg、450mg〜2000mg、500mg〜2000mg、550mg〜2000mg、600mg〜2000mg、650mg〜2000mg、700mg〜2000mg、750mg〜2000mg、800mg〜2000mg、850mg〜2000mg、900mg〜2000mg、950mg〜2000mg、または約1000mg〜2000mgの用量または量の前記抗体が1ヶ月あたり1回、対象に投与され得る(例えば、皮下に、または静脈内に点滴で)。一部の態様では、約225mg〜約1000mg、例えば約225mgの抗体が1ヶ月あたり1回、投与される。例示的な投与レジメンは、約675mgの初回抗体用量を皮下投与し、その後、例えば約2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間、11ヶ月間、もしくは12ヶ月間、またはさらには1年より長い期間(例えば、18ヶ月間、2年間もしくは3年間)にわたって、約225mgの月間抗体用量を皮下投与することを含む。例示的な投与レジメンは、約900mgの初回抗体用量を静脈内投与し、その後、例えば約2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間、11ヶ月間、12ヶ月間、またはさらには1年より長い期間(例えば、18ヶ月間、2年間もしくは3年間)にわたって、約225mgの月間抗体用量を皮下投与することを含む。しかしながら、実務者が得たいと思っている薬物動態学的減衰パターンによっては他の投与量レジメンが有用な場合もあり得る。
一部の態様では、約50mg、100mg 150mg、200mg、225mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mg、500mg、550mg、600mg、650mg、675mg、700mg、750mg、800mg、850mg、900mg、950mg、1000mg、1050mg、1100mg、1150mg、1200mg、1250mg、1300mg、1350mg、1400mg、1450mg、1500mg、1550mg、1600mg、1650mg、1700mg、1750mg、1800mg、1850mg、1900mg、1950mg、2000mg、2050mg、2100mg、2150mg、2200mg、2250mg、2300mg、2350mg、2400mg、2450mg、2500mg、2550mg、2600mg、2650mg、2700mg、2750mg、2800mg、2850mg、2900mg、2950mg、3000mgまたはそれ以上の用量または量の前記抗体が3ヶ月毎に対象に投与され得る(例えば、皮下に、または静脈内に点滴で)。一部の態様では、約0.1mg〜5000mg、1mg〜4000mg、10mg〜3000mg、10mg〜2000mg、100mg〜2000mg、150mg〜2000mg、200mg〜2000mg、250mg〜2000mg、300mg〜2000mg、350mg〜2000mg、400mg〜2000mg、450mg〜2000mg、500mg〜2000mg、550mg〜2000mg、600mg〜2000mg、650mg〜2000mg、700mg〜2000mg、750mg〜2000mg、800mg〜2000mg、850mg〜2000mg、900mg〜2000mg、950mg〜2000mg、または1000mg〜2000mgの用量または量の前記抗体が3ヶ月毎に対象に投与され得る(例えば、皮下に、または静脈内に点滴で)。一部の態様では、約225mg〜約1000mgが3ヶ月以下毎に1回、投与され、例えば約900mgが3ヶ月毎に点滴により静脈内投与される。しかしながら、実務者が得たいと思っている薬物動態学的減衰パターンによっては他の投与量レジメンが有用な場合もあり得る。
一部の態様では、約50mg、100mg 150mg、200mg、225mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mg、500mg、550mg、600mg、650mg、675mg、700mg、750mg、800mg、850mg、900mg、950mg、1000mg、1050mg、1100mg、1150mg、1200mg、1250mg、1300mg、1350mg、1400mg、1450mg、1500mg、1550mg、1600mg、1650mg、1700mg、1750mg、1800mg、1850mg、1900mg、1950mg、2000mg、2050mg、2100mg、2150mg、2200mg、2250mg、2300mg、2350mg、2400mg、2450mg、2500mg、2550mg、2600mg、2650mg、2700mg、2750mg、2800mg、2850mg、2900mg、2950mg、3000mgまたはそれ以上の用量または量の前記抗体が6ヶ月毎に対象に投与され得る(例えば、皮下に、または静脈内に点滴で)。一部の態様では、約0.1mg〜5000mg、1mg〜4000mg、10mg〜3000mg、10mg〜2000mg、100mg〜2000mg、150mg〜2000mg、200mg〜2000mg、250mg〜2000mg、300mg〜2000mg、350mg〜2000mg、400mg〜2000mg、450mg〜2000mg、500mg〜2000mg、550mg〜2000mg、600mg〜2000mg、650mg〜2000mg、700mg〜2000mg、750mg〜2000mg、800mg〜2000mg、850mg〜2000mg、900mg〜2000mg、950mg〜2000mg、または1000mg〜2000mgの用量または量の前記抗体が6ヶ月毎に対象に投与され得る(例えば、皮下に、または静脈内に点滴で)。一部の態様では、225mg〜1000mgが6ヶ月以下毎に1回、投与される。しかしながら、実務者が得たいと思っている薬物動態学的減衰パターンによっては他の投与量レジメンが有用な場合もあり得る。
一部の態様では、ある用量または量の抗体(例えば、CGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体、抗CGRPアンタゴニスト抗体、抗CGRPアンタゴニストモノクローナル抗体)を対象に(例えば、皮下または静脈内)投与する頻度は、四半期毎に1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20回であるか、少なくともこれらの回数であるか、これらの回数未満であるか、または最大でこれらの回数である。理解され得るように、「四半期」は、1年の4分の1の期間を示すものであり得るか、あるいは、また暦四半期、例えば1月1日〜3月31日、4月1日〜6月30日、7月1日〜9月30日、または10月1日〜12月31日の期間を示すものであってもよい。一部の場合では、「四半期」は、約3ヶ月間の期間を示すものであり得る。
一部の態様では、約50mg、100mg 150mg、200mg、225mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mg、500mg、550mg、600mg、650mg、675mg、700mg、750mg、800mg、850mg、900mg、950mg、1000mg、1050mg、1100mg、1150mg、1200mg、1250mg、1300mg、1350mg、1400mg、1450mg、1500mg、1550mg、1600mg、1650mg、1700mg、1750mg、1800mg、1850mg、1900mg、1950mg、2000mg、2050mg、2100mg、2150mg、2200mg、2250mg、2300mg、2350mg、2400mg、2450mg、2500mg、2550mg、2600mg、2650mg、2700mg、2750mg、2800mg、2850mg、2900mg、2950mg、3000mgまたはそれ以上の用量または量の前記抗体が四半期毎に対象に投与され得る(例えば、皮下に、または静脈内に点滴で)。一部の態様では、約0.1mg〜5000mg、1mg〜4000mg、10mg〜3000mg、10mg〜2000mg、100mg〜2000mg、150mg〜2000mg、200mg〜2000mg、250mg〜2000mg、300mg〜2000mg、350mg〜2000mg、400mg〜2000mg、450mg〜2000mg、500mg〜2000mg、550mg〜2000mg、600mg〜2000mg、650mg〜2000mg、700mg〜2000mg、750mg〜2000mg、800mg〜2000mg、850mg〜2000mg、900mg〜2000mg、950mg〜2000mg、または1000mg〜2000mgの用量または量の前記抗体が四半期毎に対象に投与され得る(例えば、皮下に、または静脈内に点滴で)。また別の投与レジメンは、約900mgの初回用量を約60分間の点滴により静脈内投与し、その後、1年間、2年間、3年間、4年間、または5年間にわたって四半期毎に約900mgの用量を約60分間の点滴により静脈内投与することを含む。しかしながら、実務者が得たいと思っている薬物動態学的減衰パターンによっては他の投与量レジメンが有用な場合もあり得る。
一部の態様では、ある用量または量の抗体(例えば、CGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体、抗CGRPアンタゴニスト抗体、抗CGRPアンタゴニストモノクローナル抗体)を投与する頻度は、1年、2年、3年、4年、または5年あたり約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20回であるか、少なくともこれらの回数であるか、これらの回数未満であるか、または最大でこれらの回数である。一部の態様では、抗体(例えば、CGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体、抗CGRPアンタゴニスト抗体、抗CGRPアンタゴニストモノクローナル抗体)を対象に投与する頻度は、1年あたり1回未満、2回未満、3回未満、4回未満、5回未満、6回未満、7回未満、8回未満、9回未満、10回未満、11回未満、12回未満、13回未満、14回未満、15回未満、16回未満、17回未満、18回未満、19回未満、20回未満、21回未満、22回未満、23回未満、24回未満、または25回未満の投与である。
一部の態様では、約50mg、100mg 150mg、200mg、225mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mg、500mg、550mg、600mg、650mg、675mg、700mg、750mg、800mg、850mg、900mg、950mg、1000mg、1050mg、1100mg、1150mg、1200mg、1250mg、1300mg、1350mg、1400mg、1450mg、1500mg、1550mg、1600mg、1650mg、1700mg、1750mg、1800mg、1850mg、1900mg、1950mg、2000mg、2050mg、2100mg、2150mg、2200mg、2250mg、2300mg、2350mg、2400mg、2450mg、2500mg、2550mg、2600mg、2650mg、2700mg、2750mg、2800mg、2850mg、2900mg、2950mg、3000mgまたはそれ以上の用量または量の前記抗体が1年に1回、対象に投与され得る。一部の態様では、約0.1mg〜5000mg、1mg〜4000mg、10mg〜3000mg、10mg〜2000mg、100mg〜2000mg、150mg〜2000mg、200mg〜2000mg、250mg〜2000mg、300mg〜2000mg、350mg〜2000mg、400mg〜2000mg、450mg〜2000mg、500mg〜2000mg、550mg〜2000mg、600mg〜2000mg、650mg〜2000mg、700mg〜2000mg、750mg〜2000mg、800mg〜2000mg、850mg〜2000mg、900mg〜2000mg、950mg〜2000mg、または1000mg〜2000mgの用量または量の前記抗体が1年に1回毎に対象に投与され得る。一部の態様では、約450mg〜約2000mgが1年以下毎に1回、投与される。
一部の態様では、前記方法は、本明細書に記載の抗体(例えば、CGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体、抗CGRPアンタゴニスト抗体、抗CGRPアンタゴニストモノクローナル抗体)を複数の日に対象に投与する工程を含み得る。該複数の日のうちの2、3、4、5、6、7、8つの日またはそれより多くが、1日より多く、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75日またはそれより多く離され得る。一部の態様では、該複数の日のうちの2つの日が1日より多く、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30日またはそれより多く離される。さらに、一部の態様では、該複数の日の第1の日に投与される抗体の量は、第2の日に投与される該抗体の量と異なる(例えば、より多い、またはより少ない)ものであり得る。
一部の態様では、初回用量(負荷用量または開始用量とも呼ばれ得る)の本明細書に記載の抗体(例えば、CGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体、抗CGRPアンタゴニスト抗体、抗CGRPアンタゴニストモノクローナル抗体)が対象に投与され、その後、1回以上の追加用量が所望の間隔で投与され得る。一部の態様では、初回用量(または開始用量)と1回以上の該追加用量は同じ用量である。一部の態様では、該1回以上の追加用量は初回または開始用量とは異なる用量である。一部の態様では、初回用量と該1回以上の追加用量は同じ様式で、すなわち皮下または静脈内に投与される。一部の態様では、該1回以上の追加用量は初回用量とは異なる様式で投与され、例えば初回用量は静脈内投与され得、該1回以上の追加用量は皮下投与され得る。一部の態様では、該1回以上の追加用量を投与する頻度は一定(例えば、1ヶ月毎または3ヶ月毎)である。一部の態様では、該1回以上の追加用量を投与する頻度は一定ではない(例えば、ある追加用量を初回用量投与後1ヶ月目に投与し、その後、別の追加用量を初回用量投与後3ヶ月目に投与する)。初回負荷用量、追加用量および、追加用量投与頻度(例えば、本明細書に記載のものなど)の任意の望ましいおよび/または治療的レジメンが使用され得る。例示的なレジメンとしては、約675mgの初回負荷用量の抗CGRPアンタゴニスト抗体を皮下投与した後、続いて、約225mgの後続の維持用量の該抗体を1ヶ月間隔で皮下投与することが挙げられる。別の例示的な投与レジメンとしては、約900mgの初回負荷用量の抗CGRPアンタゴニスト抗体を静脈内投与した後、続いて、約225mgの後続の維持用量の該抗体を1ヶ月間隔で皮下投与することが含まれれる。また別の例示的なレジメンとしては、約900mgの初回用量の抗CGRPアンタゴニスト抗体を約60分間の点滴により静脈内投与した後、続いて、約900mgの後続の維持用量の抗CGRPアンタゴニスト抗体の約60分間の点滴による静脈内投与を3ヶ月間隔で行うことが挙げられる。
一部の態様では、約0.1μg、1μg、100μg、1mg、10mg、25mg、50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、225mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、375mg、400mg、450mg、475mg、500mg、525mg、550mg、575mg、600mg、625mg、650mg、675mg、700mg、725mg、750mg、775mg、800mg、825mg、850mg、875mg、900mg、925mg、950mg、975mg、1000mg、1500mg、2000mg、または約3000mgの初回用量(または開始用量)の抗体(例えば、CGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体、抗CGRPアンタゴニスト抗体、抗CGRPアンタゴニストモノクローナル抗体)を対象に投与した後、約0.1μg、1μg、100μg、1mg、10mg、25mg、50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、225mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、375mg、400mg、450mg、475mg、500mg、525mg、550mg、575mg、600mg、625mg、650mg、675mg、700mg、725mg、750mg、775mg、800mg、825mg、850mg、875mg、900mg、925mg、950mg、975mg、1000mg、1500mg、2000mg、または約3000mgの1回以上の追加用量の該抗体が投与され得る。例示的なレジメンとしては、約675mgの初回負荷用量の抗CGRPアンタゴニスト抗体を皮下投与した後、続いて、約225mgの後続の維持用量の該抗体を1ヶ月間隔で皮下投与することが挙げられる。例示的なレジメンとしては、約900mgの初回負荷用量の抗CGRPアンタゴニスト抗体を静脈内投与した後、続いて、約225mgの後続の維持用量の該抗体を1ヶ月間隔で皮下投与することが挙げられる。また別の例示的なレジメンとしては、約900mgの初回用量の抗CGRPアンタゴニスト抗体を約60分間の点滴により静脈内投与した後、続いて、約900mgの後続の維持用量の抗CGRPアンタゴニスト抗体の約60分間の点滴による静脈内投与を3ヶ月間隔で行うことが挙げられる。
一部の態様では、ある用量または量の本明細書に記載の抗体(例えば、CGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体、抗CGRPアンタゴニスト抗体、抗CGRPアンタゴニストモノクローナル抗体)は、例えば投与経路および/または投与される具体的な製剤に応じて分割用量に分けられ、複数の分割用量として投与され得る。例えば、ある用量を皮下投与する場合、例えば単一部位における大量の単回皮下注射となることを回避するために、当該皮下用量は複数の分割用量に分けられ、各分割用量が異なる部位に投与され得る。例えば、900mgの静脈内用量が225mgずつの4つの分割用量に分けられ得る。別の例として、675mgの皮下用量が225mgずつの3つの分割用量に分けられ得、各225mg用量が異なる部位に投与され得、これは、各部位に注射される体積を最小化するのに役立ち得る。分割用量の分け方は、均等(例えば、3つの等しい分割用量)であってもよいし、不均等(例えば、3つの分割用量で、2つの分割用量が他の分割用量の2倍多い)であってもよい。
一部の態様では、処置過程にわたって対象に投与される抗体の用量数は、例えば、対象におけるCCHもしくはECHおよび/またはCCHもしくはECHに付随する副症状の発生率の低減の達成に応じてさまざまであり得る。例えば、処置過程にわたって投与される用量数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50であり得るか、少なくともこれらの数であり得るか、もしくは最大でこれらの数であり得るか、または処置が無制限に施され得る。一部の場合では、処置は、治療のために最大で1、2、3、4、5、または6回の用量が対象に投与されるような急性処置であり得る。
一部の態様では、ある用量(もしくは分割用量)または量の本明細書に記載の抗体(例えば、CGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体、抗CGRPアンタゴニスト抗体、抗CGRPアンタゴニストモノクローナル抗体)は、液剤として製剤化されて(例えば、皮下注射によって、静脈内注射によって)対象に投与され得る。かかる場合では、抗体を含む液剤の体積は、例えば、液剤中の抗体の濃度、所望の抗体用量および/または使用される投与経路に応じてさまざまであり得る。例えば、本明細書に記載の抗体を含み、(例えば、注射、例えば皮下注射または点滴静注などによって)対象に投与される液剤の体積は、約0.001mL〜約10.0mL、約0.01mL〜約5.0mL、約0.1mL〜約5mL、約0.1mL〜約3mL、約0.5mL〜約2.5mL、または約1mL〜約2.5mLであり得る。例えば、(例えば、注射、例えば皮下注射または点滴静注などによって)対象に投与される本明細書に記載の抗体(例えば、CGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体、抗CGRPアンタゴニスト抗体、抗CGRPアンタゴニストモノクローナル抗体)を含む液剤の体積は、約0.001、0.005、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.10、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、または約10.0mLであり得るか、少なくともこれらの体積であり得るか、これらの体積未満であり得るか、または最大でこれらの体積であり得る。
一部の態様では、ある用量(もしくは分割用量)または量の本明細書に記載の抗体(例えば、CGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体、抗CGRPアンタゴニスト抗体、抗CGRPアンタゴニストモノクローナル抗体)は、対象への抗体の投与に有用なプレフィルド容器内にて供給され得る。かかるプレフィルド容器は、自己投与のために設計されたものであってもよいし、他者による投与のために設計されたものであってもよい。例えば、ある用量(もしくは分割用量)または量の本明細書に記載の抗体は、液剤としてプレフィルドシリンジ、針安全装置を有するプレフィルドシリンジ、ペン型注入器、または自動注入装置内にて供給され得る。かかる例において、プレフィルドシリンジは、自己投与のために設計されたものであってもよいし、他者による投与のために設計されたものであってもよい。一部の場合では、プレフィルドシリンジまたは自動注入装置は、皮下投与および/または静脈内投与のために設計されたものであり得る。
本発明の目的のためには、抗体の適切な投与量は、使用される抗体(またはその組成物)、副症状の型および重症度、処置対象のCCHもしくはECHまたは他の病状の型および重症度、薬剤が予防目的で投与されるのか治療目的で投与されるのか、これまでの治療、患者の病歴および薬剤に対する応答、ならびに担当医師の自由裁量に依存し得る。典型的には、医師は抗体を、所望の結果が得られる投与量に達するまで投与する。用量および/または頻度を処置過程にわたって変更してもよい。
半減期などの経験的考慮事項が一般的に投与量の決定に寄与する。例えば、抗体の半減期を長くするため、および抗体が宿主の免疫系によって攻撃されるのを抑制するためにはヒト免疫系と適合性である抗体、例えばヒト化抗体または完全ヒト抗体が使用され得る。投与頻度は、治療過程において決定および調整され得、一般的に、必ずしもそうとは限らないが、CCHもしくはECHまたは他の病状の治療および/または抑制および/または寛解および/または遅延に基づいている。あるいはまた、抗体の連続徐放製剤が適切な場合もあり得る。徐放性を得るための種々の製剤およびデバイスは当技術分野で公知である。
一態様において、本明細書に記載の抗体(例えば、CGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体、抗CGRPアンタゴニスト抗体、抗CGRPアンタゴニストモノクローナル抗体)の投与量は、該抗体の1回以上の投与を受けた個体において経験的に決定され得る。個体には、抗体投与量が漸増的に投与される。抗体の有効性を評価するため、疾患の指標が追跡され得る。
本発明の方法に従う抗体(例えば、CGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体、抗CGRPアンタゴニスト抗体、抗CGRPアンタゴニストモノクローナル抗体)の投与は、例えば、レシピエントの生理学的状態、投与の目的が治療であるのか予防であるのか、および当業者に公知の他の要素に応じて連続的であっても間欠的であってもよい。抗体の投与は、事前に設定した期間にわたって本質的に連続的であってもよく、間隔をあけた一連の投与であってもよく、例えば、CCHまたはECHの発現前、該発現中または該発現後のいずれか; CCHまたはECHの発現前; 該発現中; 該発現前と該発現後; 該発現中と該発現後; 該発現前と該発現中; または該発現前と該発現中と該発現後であってもよい。投与は、CCHまたはECHをもたらす可能性がある任意の事象の前、該事象中および/または事象後であってもよい。
一部の態様において、1種類より多くの抗体を存在させてもよい。少なくとも1種類、少なくとも2種類、少なくとも3種類、少なくとも4種類、少なくとも5種類の異なる抗体、またはそれ以上の抗体を存在させ得る。一般的に、該抗体は、互いに有害な影響を及ぼさない相補的な活性を有するものであり得る。また、本明細書に記載の抗体(例えば、CGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体、抗CGRPアンタゴニスト抗体、抗CGRPアンタゴニストモノクローナル抗体)を、他のCGRP拮抗薬またはCGRP受容体拮抗薬と共に使用してもよい。例えば、1種または複数種の以下のCGRP拮抗薬: CGRPに対するアンチセンス分子(例えば、CGRPをコードしている核酸に対するアンチセンス分子)、CGRP阻害性化合物、CGRP構造類似体、CGRPに結合するCGRP受容体のドミナントネガティブ変異、および抗CGRP受容体抗体が使用され得る。また、抗体を、他の薬剤を増強する機能を果たす該薬剤および/または他の薬剤の有効性を補足する該薬剤と共に使用してもよい。
CCHまたはECHの診断または評価は、当技術分野で充分に確立されている。評価は、主観的尺度、例えば患者による症状の特性評価に基づいて行なわれ得る。一部の態様ではCCHまたはECHの評価は、本明細書の他の箇所に記載しているような頭痛時間によるものであり得る。例えば、CCHまたはECHは、1日あたりの頭痛時間、週間頭痛時間、月間頭痛時間および/または年間頭痛時間に関するものであり得る。一部の場合では、頭痛時間は対象によって報告されたとおりのものであり得る。
処置の有効性は、当技術分野で周知の方法によって評価され得る。例えば、痛みの軽減が評価され得る。したがって、一部の態様では、痛みの軽減を、抗CGRP抗体を投与した後1、2または数時間後に主観的に観察する。一部の態様では、CCHまたはECHの発作の頻度を、抗CGRP抗体を投与した後に主観的に観察する。
一部の態様では、対象におけるCCHまたはECHを予防する、治療する、またはその発生率を低減させるための本明細書に記載の方法により、長期間の本明細書に記載の抗体(例えば、CGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体、抗CGRPアンタゴニスト抗体、抗CGRPアンタゴニストモノクローナル抗体)の単独投与後にCCHまたはECHの発生率が低減され得る。例えば、CCHまたはECHの発生率は、単独投与後に少なくとも0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50日間またはそれより長く低減され得る。
一部の態様では、対象におけるCCHまたはECHを治療するかまたはその発生率を低減させるための本明細書に記載の方法により、該対象への1回以上の用量の本明細書に記載の抗体(例えば、CGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体、抗CGRPアンタゴニスト抗体、抗CGRPアンタゴニストモノクローナル抗体)の投与後に対象に起こる頭痛時間数が投与前レベルから減少し得る。例えば、対象に起こる1日あたりの頭痛時間が、該対象への1回以上の用量の抗体の投与後に該対象の投与前レベルから0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、または24頭痛時間、減少し得る。一部の場合では、対象に起こる1日あたりの頭痛時間が、該対象への1回以上の用量の抗体の投与後に該対象の投与前レベルと比べて0.5%、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%またはそれ以上、減少し得る。別の例では、対象に起こる週間頭痛時間が、該対象への1回以上の用量の抗体の投与後に該対象の投与前レベルから0.5、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75頭痛時間、またはそれ以上、減少し得る。一部の場合では、対象に起こる週間頭痛時間が、該対象への1回以上の用量の抗体の投与後に該対象の投与前レベルと比べて0.5%、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%またはそれ以上、減少し得る。別の例では、対象に起こる月間頭痛時間が、該対象への1回以上の用量の抗体の投与後に投与前レベルから0.5、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125頭痛時間、またはそれ以上、減少し得る。一部の場合では、対象に起こる月間頭痛時間が、該対象への1回以上の用量の抗体の投与後に該対象の投与前レベルと比べて0.5%、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%またはそれ以上、減少し得る。
一部の態様では、対象におけるCCHまたはECHを治療するかまたはその発生率を低減させるための本明細書に記載の方法により、該対象への1回以上の用量の本明細書に記載の抗体(例えば、CGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体、抗CGRPアンタゴニスト抗体、抗CGRPアンタゴニストモノクローナル抗体)の投与後に対象に起こる頭痛日数が投与前レベルから減少し得る。例えば、対象に起こる週間頭痛日数が、該対象への1回以上の用量の抗体の投与後に該対象の投与前レベルから0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、または7頭痛日、減少し得る。一部の場合では、対象に起こる週間頭痛日数が、該対象への1回以上の用量の抗体の投与後に該対象の投与前レベルと比べて0.5%、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%またはそれ以上、減少し得る。別の例では、対象に起こる月間頭痛日数が、該対象への1回以上の用量の抗体の投与後に投与前レベルから0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20頭痛日以上、減少し得る。
一部の態様では、前記方法は、対象に1種または複数種のさらなる薬剤を、抗体(例えば、CGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体、抗CGRPアンタゴニスト抗体、抗CGRPアンタゴニストモノクローナル抗体)と同時にまたは逐次的に投与する工程を含み得る。一部の態様では、該さらなる薬剤は、抗頭痛薬、例えば、本明細書の他の箇所に記載した一例の抗頭痛薬(例えば、5-HT1アゴニスト、トリプタン、麦角アルカロイド、アヘン剤、βアドレナリン受容体拮抗薬、NSAID)であり得る。一部の態様では、治療効果は、抗体または該1種または複数種のさらなる薬剤の単独使用と比べて大きくなり得る。したがって、抗体と該1種または複数種のさらなる薬剤の相乗効果が得られ得る。一部の態様では、該1種または複数種のさらなる薬剤は、対象によって予防的に摂取されるものであり得る。
B.抗CGRPアンタゴニスト抗体
一部の態様では、本発明の方法において、抗CGRPアンタゴニスト抗体であり得る抗体を使用する。抗CGRPアンタゴニスト抗体は、CGRPの生物学的活性、例えばCGRPシグナル伝達によって媒介される下流経路、例えば受容体結合および/またはCGRPに対する細胞応答の誘導をブロックする、抑制する、または低減させる(有意にそうすることを含む)任意の抗体分子を示し得る。
抗CGRPアンタゴニスト抗体は、以下の特徴:(a)CGRPに結合すること;(b)CGRPがその受容体(1種または複数種)に結合するのをブロックすること;(c)CGRP受容体の活性化(例えば非限定的に、cAMP活性化)をブロックする、または低減させること;(d)CGRPシグナル伝達機能によって媒介されるCGRPの生物学的活性または下流経路を阻害すること;(e)任意の局面のCCHまたはECHを予防する、寛解させる、または治療すること;(f)CGRPのクリアランスを増進させる; および(g)CGRPの合成、産生または放出を阻害する(低減させる)ことのうちのいずれか1つまたは複数を示すものであり得る。抗CGRPアンタゴニスト抗体は当技術分野で公知である。例えば、Tan et al., Clin. Sci.(Lond). 89:565-73, 1995; Sigma(Missouri, US), product number C7113(clone #4901); Plourde et al., Peptides 14:1225-1229, 1993を参照のこと。
一部の態様では、前記抗体は、CGRPおよび/またはCGRP経路、例えばCGRPシグナル伝達機能によって媒介される下流経路を阻害する様式でCGRPと反応する。一部の態様では、抗CGRPアンタゴニスト抗体はヒトCGRPを認識する。一部の態様では、抗CGRPアンタゴニスト抗体はヒトα-CGRPとβ-CGRPの両方に結合する。一部の態様では、抗CGRPアンタゴニスト抗体はヒトCGRPおよびラットCGRPに結合する。一部の態様では、抗CGRPアンタゴニスト抗体は、CGRPの25〜37番目のアミノ酸を有するC末端断片に結合する。一部の態様では、抗CGRPアンタゴニスト抗体は、CGRPの25〜37番目のアミノ酸内のC末端エピトープに結合する。
本発明において有用な抗体には、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、抗体断片(例えば、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv、Fcなど)、キメラ抗体、二重特異性抗体、ヘテロコンジュゲート抗体、一本鎖(ScFv)、その変異体、抗体の一部分を含む融合タンパク質(例えば、ドメイン抗体)、ヒト化抗体、および必要とされる特異性の抗原認識部位を含む免疫グロブリン分子の任意の他の修飾型構成、例えば、抗体のグリコシル化変異体、抗体のアミノ酸配列変異体、ならびに共有結合により修飾された抗体が包含され得る。該抗体はマウス、ラット、ヒトまたは任意の他の起源のもの(例えば、キメラ抗体またはヒト化抗体)であり得る。
一部の態様では、抗CGRPアンタゴニスト抗体はモノクローナル抗体である。一部の態様では、抗CGRPアンタゴニスト抗体はヒト化型である。一部の態様では、該抗体はヒト抗体である。一部の態様では、抗CGRPアンタゴニスト抗体は抗体G1(本明細書に記載の)である。一部の態様では、抗CGRPアンタゴニスト抗体は、抗体G1または表6に示すG1の変異体の1つまたは複数のCDR(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、または一部の態様では6つのすべてのCDR)を含む。さらに他の態様では、抗CGRPアンタゴニスト抗体は、図5に示す重鎖可変領域のアミノ酸配列(SEQ ID NO: 1)と図5に示す軽鎖可変領域のアミノ酸配列(SEQ ID NO: 2)を含む。さらに他の態様では、抗CGRPアンタゴニスト抗体は、SEQ ID NO: 11に示される重鎖の全抗体アミノ酸配列と、SEQ ID NO: 12に示される軽鎖の全抗体アミノ酸配列とを含む。
一部の態様では、該抗体は:(a)LCVR17(SEQ ID NO: 58)とHCVR22(SEQ ID NO: 59);(b)LCVR18(SEQ ID NO: 60)とHCVR23(SEQ ID NO: 61);(c)LCVR19(SEQ ID NO: 62)とHCVR24(SEQ ID NO: 63);(d)LCVR20(SEQ ID NO: 64)とHCVR25(SEQ ID NO: 65);(e)LCVR21(SEQ ID NO: 66)とHCVR26(SEQ ID NO: 67);(f)LCVR27(SEQ ID NO: 68)とHCVR28(SEQ ID NO: 69);(g)LCVR29(SEQ ID NO: 70)とHCVR30(SEQ ID NO: 71);(h)LCVR31(SEQ ID NO: 72)とHCVR32(SEQ ID NO: 73);(i)LCVR33(SEQ ID NO: 74)とHCVR34(SEQ ID NO: 75);(j)LCVR35(SEQ ID NO: 76)とHCVR36(SEQ ID NO: 77); および(k)LCVR37(SEQ ID NO: 78)とHCVR38(SEQ ID NO: 79)からなる群より選択される軽鎖可変領域(LCVR)と重鎖可変領域(HCVR)を含む。これらの領域の配列は本明細書に示している。抗CGRP抗体の他の例がUS20110305711(SEQ ID NO: 5、6、7、12、16, 19、24、29、34および39)、US20120294802、US20120294797(SEQ ID NO: 51〜60)に記載されており、これらは参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。例えば、以下の任意の配列を有する抗体が使用され得る。
Figure 2019529463
Figure 2019529463
Figure 2019529463
Figure 2019529463
一部の態様では、該抗体は、修飾された定常領域、例えば、本明細書に記載の免疫学的に不活性な定常領域を含む。一部の態様では、該定常領域は、Eur. J. Immunol.(1999)29:2613-2624; PCT出願番号PCT/GB99/01441;および/または英国特許出願第9809951.8号に記載のようにして修飾されたものである。他の態様では、該抗体は、以下の変異: A330P331からS330S331(野生型IgG2の配列を基準にアミノ酸の番号付け)を含むヒト重鎖IgG2の定常領域を含む。Eur. J. Immunol.(1999)29:2613-2624。一部の態様では、該抗体は、以下の変異: E233F234L235からP233V234A235を含むIgG4の定常領域を含む。さらに他の態様では、該定常領域は、N結合型グリコシル化について脱グリコシル化されている。一部の態様では、該定常領域は、該定常領域内においてオリゴ糖結合残基(例えば、Asn297)および/またはN-グリコシル化認識配列の一部である隣接残基を変異させることにより、N結合型グリコシル化について脱グリコシル化されている。一部の態様では、該定常領域は、N結合型グリコシル化について脱グリコシル化されている。該定常領域は、酵素的に、またはグリコシル化欠損宿主細胞内での発現によって、N結合型グリコシル化について脱グリコシル化され得る。
CGRP(例えば、ヒトα-CGRP)に対する抗CGRPアンタゴニスト抗体の結合親和性(KD)は約0.02〜約200nMであり得る。一部の態様では、該結合親和性は、約200nM、約100nM、約50nM、約10nM、約1nM、約500pM、約100pM、約60pM、約50pM、約20pM、約15pM、約10pM、約5pM、または約2pMのいずれかである。一部の態様では、該結合親和性は、約250nM、約200nM、約100nM、約50nM、約10nM、約1nM、約500pM、約100pM、または約50pMのいずれかより小さい。
CGRPに対する抗体の結合親和性を測定する方法の一例は、抗体の単官能性Fab断片の結合親和性を測定することによるものである。単官能性Fab断片を得るために、抗体(例えば、IgG)はパパインで切断され得るか、または組換え発現され得る。抗体の抗CGRP Fab断片の親和性は、予め固定化されたストレプトアビジンセンサーチップ(SA)を備えた表面プラズモン共鳴(Biacore3000(商標)表面プラズモン共鳴(SPR)システム, Biacore, INC, Piscataway NJ)により、HBS-EPランニングバッファー(0.01M HEPES, pH 7.4, 0.15 NaCl, 3mMのEDTA, 0.005%v/vのSurfactant P20)を用いて測定され得る。ビオチン化ヒトCGRP(または任意の他のCGRP)をHBS-EPバッファーで0.5μg/mL未満の濃度まで希釈し、個々のチップのチャネルに、詳細な反応速度論試験のための50〜200応答単位(RU)またはスクリーニングアッセイのための800〜1,000 RUのいずれかの2つの抗原密度範囲が得られるように、さまざまな接触時間を用いて注入され得る。再生試験により、25% v/vのエタノール中25mMのNaOHにより、200回を超える注入でチップ上においてCGRPの活性が維持されたまま、結合Fabが有効に取り出されることが示された。典型的には、精製Fab試料の段階希釈系列(推定KDの0.1〜10倍の濃度範囲)を100μL/分で1分間注入し、2時間までの解離時間をもうける。Fabタンパク質の濃度をELISAおよび/またはSDS-PAGE電気泳動により、既知濃度(アミノ酸解析によって測定)のFabを標準として用いて測定する。1:1 Langmuir結合モデル(Karlsson, R. Roos, H. Fagerstam, L. Petersson, B.(1994). Methods Enzymology 6. 99-110)に、BIA評価プログラムを用いてデータをグローバルフィッティングさせることにより、反応速度論的会合速度(kon)と解離速度(koff)を同時に得る。平衡解離定数(KD)値をkoff/konとして計算する。このプロトコルは、任意のCGRP、例えばヒトCGRP、別の哺乳動物のCGRP(例えば、マウスCGRP、ラットCGRP、霊長類CGRP)ならびに異なる形態のCGRP(例えば、α形態およびβ形態)に対する抗体の結合親和性の測定における使用に適している。抗体の結合親和性は一般的に25℃で測定されるが、37℃で測定してもよい。
抗体(例えば、抗CGRPアンタゴニスト抗体)は、当技術分野で公知の任意の方法によって作製され得る。宿主動物の免疫処置の経路およびスケジュールは一般的に、本明細書にさらに記載しているような、抗体の刺激および産生のための確立された慣用的な手法に従う。ヒト抗体およびマウス抗体の作製のための一般的な手法は当技術分野で公知であり、本明細書に記載している。
任意の哺乳動物対象、例えばヒトまたはその抗体産生細胞が、哺乳動物の、例えばヒトのハイブリドーマ細胞株の作製のためのベースとしての機能を果たすように操作され得ることが想定される。典型的には、宿主動物には、本明細書に記載のものなどのある量の免疫原が腹腔内、筋肉内、経口、皮下、足底内(intraplantar)および/または皮内に接種される。
抗体(例えば、抗CGRPアンタゴニスト抗体)および該抗体に由来するポリペプチドは、当技術分野で公知の方法を用いて同定または特性評価され得、これによりCGRPの生物学的活性の低下、寛解または中和を検出および/または測定する。例えば、抗CGRPアンタゴニスト抗体はまた、候補薬剤をCGRPと共にインキュベートし、以下の特徴:(a)CGRPに結合すること;(b)CGRPがその受容体(1種または複数種)に結合するのをブロックすること;(c)CGRP受容体の活性化(例えば、cAMP活性化)をブロックする、または低減させること;(d)CGRPシグナル伝達機能によって媒介されるCGRPの生物学的活性または下流経路を阻害すること;(e)任意の局面のCCHまたはECHを予防する、寛解させる、または治療すること;(f)CGRPのクリアランスを増進させること; および(g)CGRPの合成、産生または放出を阻害する(低減させる)ことのいずれか1つまたは複数をモニタリングすることによっても同定され得る。一部の態様では、抗CGRPアンタゴニスト抗体またはポリペプチドは、候補薬剤をCGRPと共にインキュベートし、CGRPの結合および/または結果として伴うその生物学的活性の低下もしくは中和をモニタリングすることにより同定される。結合アッセイは、精製されたCGRPポリペプチド(1種類もしくは複数)を用いて、またはCGRPポリペプチド(1種類もしくは複数)を天然に発現するか、もしくは発現するようにトランスフェクトされた細胞を用いて行なわれ得る。一態様において、結合アッセイは、候補抗体が既知の抗CGRP拮抗薬とCGRPの結合について競合する能力を評価する競合的結合アッセイである。該アッセイは種々の形式で、例えばELISA形式で行なわれ得る。他の態様では、抗CGRPアンタゴニスト抗体は、候補薬剤をCGRPと共にインキュベートし、細胞の表面上に発現しているCGRP受容体の結合および結果として伴うその活性化の阻害をモニタリングすることにより同定される。一部の態様では、抗CGRP受容体抗体は、本明細書に記載の任意の方法に使用され得る。例えば、US20100172895および米国特許第9,102,731号(これらは参照によりその全体が本明細書に組み入れられる)に記載の抗CGRP受容体抗体が使用され得る。したがって、以下の配列のうちのいずれかを有する抗体が使用され得る。
Figure 2019529463
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最初の同定後、候補抗体(例えば、抗CGRPアンタゴニスト抗体)の活性が、目的の生物学的活性を試験するための公知のバイオアッセイによってさらに確認され、精緻化され得る。CCHまたはECHの動物モデルはさらに、アンタゴニスト抗体またはポリペプチドの有効性を試験するために使用され得る(Reuter, et al., Functional Neurology(15)Suppl.3, 2000)。
抗体(例えば、抗CGRPアンタゴニスト抗体)は、当技術分野で周知の方法を用いて特性評価され得る。例えば、一例の方法は、結合対象のエピトープを同定すること、すなわち「エピトープマッピング」である。当技術分野において、タンパク質上のエピトープの位置をマッピングおよび特性評価するための多くの方法、例えば、抗体-抗原複合体の結晶構造の解明、競合アッセイ、遺伝子断片の発現アッセイ、および合成ペプチドベースのアッセイ(例えば、Harlow and Lane, Using Antibodies, a Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York, 1999の第11章に記載のようなもの)が知られている。
抗体(例えば、抗CGRPアンタゴニスト抗体)を特性評価するために使用され得るまた別の方法は、同じ抗原、すなわちCGRP上の種々の断片に結合することがわかっている他の抗体を用いる競合アッセイを使用し、抗CGRPアンタゴニスト抗体が他の抗体と同じエピトープに結合するかどうかを調べることである。競合アッセイは当業者に周知である。
C.抗体G1および関連抗体、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、ベクターおよび宿主細胞
本発明は、抗体G1および表6に示すその変異体または抗体G1および表6に示すその変異体に由来するポリペプチドを含む組成物、例えば薬学的組成物; ならびにG1およびその変異体またはそのポリペプチドをコードしている配列を含むポリヌクレオチドを包含している。一部の態様では、組成物は、CGRPに結合する1種または複数種の抗体またはポリペプチド(これは抗体であっても抗体でなくてもよい)、および/またはCGRPに結合する1種または複数種の抗体またはポリペプチドをコードしている配列を含む1種または複数種のポリヌクレオチドを含む。このような組成物にはさらに、当技術分野で周知の好適な賦形剤、例えば薬学的に許容される賦形剤、例えばバッファーが含められ得る。
一部の態様では、本発明の抗CGRPアンタゴニスト抗体およびポリペプチドは、以下の特徴:(a)CGRPに結合すること;(b)CGRPがその受容体(1種または複数種)に結合するのをブロックすること;(c)CGRP受容体の活性化(例えば、cAMP活性化)をブロックする、または低減させること;(d)CGRPシグナル伝達機能によって媒介されるCGRPの生物学的活性または下流経路を阻害すること;(e)任意の局面のCCHまたはECHを予防する、寛解させる、または治療すること;(f)CGRPのクリアランスを増進させること; および(g)CGRPの合成、産生または放出を阻害する(低減させる)ことのいずれかによって特性評価される。
一部の態様では、本発明は、以下のいずれか、または以下のいずれかを含む組成物(例えば、薬学的組成物)を提供する:(a)抗体G1または表6に示すその変異体;(b)抗体G1または表6に示すその変異体の断片または領域;(c)抗体G1または表6に示すその変異体の軽鎖;(d)抗体G1または表6に示すその変異体の重鎖;(e)抗体G1または表6に示すその変異体の軽鎖および/または重鎖の1つまたは複数の可変領域;(f)抗体G1または表6に示すその変異体の1つまたは複数のCDR(1、2、3、4、5、または6つのCDR);(g)抗体G1の重鎖のCDR H3;(h)抗体G1または表6に示すその変異体の軽鎖のCDR L3;(i)抗体G1または表6に示すその変異体の軽鎖の3つのCDR;(j)抗体G1または表6に示すその変異体の重鎖の3つのCDR;(k)抗体G1または表6に示すその変異体の軽鎖の3つのCDRと重鎖の3つのCDR; ならびに(l)(b)〜(k)のいずれか1つを含む抗体。一部の態様では、本発明はまた、上記のもののいずれか1つまたは複数を含むポリペプチドを提供する。
抗体G1のCDR部分(例えば、Chothia方式およびKabat方式のCDR)を図5に図式的に示す。CDR領域の決定は充分に当技術分野の技量の範囲内である。一部の態様において、CDRは、Kabat方式とChothia方式の組合せのCDR(「組み合わせ型CDR」または「拡張型CDR」とも称される)である場合があり得ることを理解されたい。一部の態様では、CDRはKabat方式のCDRである。他の態様では、CDRはChothia方式のCDRである。換言すると、複数のCDRを有する態様では、CDRはKabat方式、Chothia方式、組合せCDRまたはこれらの組合せのいずれであってもよい。
一部の態様では、本発明は、G1または表6に示すその変異体の少なくとも1つのCDR、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つまたは6つすべてのCDRと実質的に同一である少なくとも1つのCDR、少なくとも2つ、少なくとも3つ、または少なくとも4つ、少なくとも5つ、または6つすべてのCDRを含むポリペプチド(これは抗体であっても抗体でなくてもよい)を提供する。他の態様としては、G1の、またはG1に由来する少なくとも2、3、4、5、または6つのCDRと実質的に同一である少なくとも2、3、4、5、または6つのCDRを有する抗体が挙げられる。一部の態様では、該少なくとも1、2、3、4、5、または6つのCDRは、G1または表6に示すその変異体の少なくとも1、2、3、4、5、または6つのCDRと少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、95%、96%、97%、98%または99%同一である。本発明の解釈上、結合特異性および/または全体的な活性は一般的に保持されているが、活性の程度は、G1または表6に示すその変異体と比べてさまざまであり得る(より大きい場合またはより小さい場合があり得る)ことを理解されたい。
一部の態様では、本発明はまた、以下: G1または表6に示すその変異体の配列の連続する少なくとも5個のアミノ酸、連続する少なくとも8個のアミノ酸、連続する少なくとも約10個のアミノ酸、連続する少なくとも約15個のアミノ酸、連続する少なくとも約20個のアミノ酸、連続する少なくとも約25個のアミノ酸、連続する少なくとも約30個のアミノ酸のいずれかを有するものであり、該アミノ酸のうちの少なくとも3個がG1(図5)または表6に示すその変異体の可変領域に由来する、G1または表6に示すその変異体のアミノ酸配列を含むポリペプチド(これは抗体であっても抗体でなくてもよい)を提供する。一態様において、該可変領域はG1の軽鎖に由来する。別の態様では、該可変領域はG1の重鎖に由来する。例示的なポリペプチドは、G1の重鎖と軽鎖の両方の可変領域の連続するアミノ酸(上記の長さ)を有する。別の態様では、連続する5個(またはそれ以上)のアミノ酸が、図5に示すG1の相補性決定領域(CDR)に由来する。一部の態様では、該連続するアミノ酸はG1の可変領域に由来する。
CGRP(例えば、ヒトα-CGRP)に対する抗CGRPアンタゴニスト抗体およびポリペプチドの結合親和性(KD)は約0.06〜約200nMであり得る。一部の態様では、該結合親和性は、約200nM、100nM、約50nM、約10nM、約1nM、約500pM、約100pM、約60pM、約50pM、約20pM、約15pM、約10pM、約5pM、または約2pMのいずれかである。一部の態様では、該結合親和性は、約250nM、約200nM、約100nM、約50nM、約10nM、約1nM、約500pM、約100pM、または約50pMのいずれかより小さい。
本明細書において提供される抗体は、当技術分野で公知の手順によって作製され得る。該ポリペプチドは、該抗体のタンパク質分解性の分解または他の分解によって作製してもよく、上記の組換え法(すなわち、単一または融合ポリペプチド)または化学合成によって作製してもよい。該抗体のポリペプチド、特に、約50個までのアミノ酸の短鎖ポリペプチドは化学合成によって簡便に作製される。化学合成の方法は当技術分野で公知であり、市販により入手可能である。例えば、抗体は、自動ポリペプチド合成装置により、固相法を用いて作製することができよう。また、米国特許第5,807,715号; 同第4,816,567号; および同第6,331,415号も参照のこと。
別の代替例では、該抗体は、当技術分野で周知の手順を用いて組換え作製され得る。一態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO: 9およびSEQ ID NO: 10に示す、抗体G1の重鎖および/または軽鎖の可変領域をコードしている配列を含む。別の態様では、SEQ ID NO: 9およびSEQ ID NO: 10に示すヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを、発現または増殖のために1つまたは複数のベクター内にクローニングする。関心対象の抗体をコードしている配列は宿主細胞内でベクター内に維持され得、次いで、該宿主細胞が拡大培養され、将来使用するために凍結され得る。ベクター(例えば、発現ベクター)および宿主細胞は本明細書にさらに記載している。
一部の態様では、本発明はまた、本発明の抗体、例えばG1の一本鎖の可変領域断片(「scFv」)も包含している。一本鎖の可変領域断片は、短鎖の連結ペプチドを使用することによって軽鎖および/または重鎖の可変領域を連結させることにより作製される。(Bird et al.(1988)Science 242:423-426)連結ペプチドの一例は(GGGGS)3(SEQ ID NO: 57)であり、これは、一方の可変領域のカルボキシ末端と他方の可変領域のアミノ末端との間のおよそ3.5 nmを橋架けする。他の配列のリンカーも設計され、使用されている。(Bird et al.(1988))リンカーをさらに、さらなる機能、例えば薬物の結合または固相支持体との結合のために修飾してもよい。該一本鎖変異体は組換え的にまたは合成的にのいずれかで作製され得る。scFvの合成による作製には、自動合成装置が使用され得る。scFvの組換え産生には、scFvをコードしているポリヌクレオチドを含む好適なプラスミドが、真核生物系、例えば酵母、植物、昆虫もしくは哺乳動物の細胞、または原核生物系、例えば大腸菌のいずれかの好適な宿主細胞内に導入され得る。関心対象のscFvをコードしているポリヌクレオチドは、常套的な操作、例えばポリヌクレオチドのライゲーションによって作製され得る。得られたscFvは、当技術分野で公知の標準的なタンパク質精製手法を用いて単離され得る。
他の形態の一本鎖抗体、例えばダイアボディもまた包含される。ダイアボディは、VHドメインとVLドメインが単一のポリペプチド鎖上に発現されているが、同じ鎖上でこの2つのドメイン間の対合を可能にするには短すぎるリンカーが使用されており、それにより、該ドメインは別の鎖の相補的ドメインと対合することを強いられ、2つの抗原結合部位が作出される二価の二重特異性抗体である(例えば、Holliger, P., et al.(1993)Proc. Natl. Acad Sci. USA 90:6444-6448; Poljak, R. J., et al.(1994)Structure 2:1121-1123参照)。
例えば、少なくとも2種類の異なる抗原に対する結合特異性を有する二重特異性抗体であるモノクローナル抗体が、本明細書に開示の抗体を用いて調製され得る。二重特異性抗体の作製方法は当技術分野で公知である(例えば、Suresh et al., 1986, Methods in Enzymology 121:210参照)。従来より、二重特異性抗体の組換え産生は、2種類の免疫グロブリン重鎖-軽鎖ペア(2種類の重鎖は異なる特異性を有する)の共発現に基づいたものであった(Millstein and Cuello, 1983, Nature 305, 537-539)。
二重特異性抗体を作製するためのアプローチの一つによれば、所望の結合特異性(抗体-抗原結合部位)を有する抗体の可変ドメインを免疫グロブリンの定常ドメイン配列と融合させる。この融合は好ましくは、ヒンジ、CH2およびCH3領域の少なくとも一部を含む免疫グロブリン重鎖の定常ドメインとの融合である。軽鎖の結合に必要な部位を含む第1の重鎖定常領域(CH1)を少なくとも一方の融合体に存在させることが好ましい。免疫グロブリン重鎖融合体と所望により免疫グロブリン軽鎖をコードしているDNAを別個の発現ベクター内挿入し、好適な宿主生物体にコトランスフェクトする。これにより、この3種類のポリペプチド鎖を等しくない比率で構築に使用すると最適な収率が得られる態様において、該3種類のポリペプチド断片の相互の割合の調整の際に大きな柔軟性がもたらされる。しかしながら、少なくとも2種類のポリペプチド鎖を等しい比率で発現させると高収率がもたらされる場合または比率が特に重要でない場合、2種類または3種類全部のポリペプチド鎖のコード配列を1つの発現ベクター内に挿入することも可能である。
一つのアプローチでは、二重特異性抗体は、第1の結合特異性を有する一方の腕のハイブリッド免疫グロブリン重鎖と、他方の腕のハイブリッド免疫グロブリン重鎖-軽鎖ペア(第2の結合特異性をもたらす)で構成される。二重特異性分子の片方だけに免疫グロブリン軽鎖を有するこの非対称構造により、所望の二重特異性化合物を不要な免疫グロブリン鎖の組合せから分離することが容易になる。このアプローチは、PCT公開番号WO94/04690に記載されている。
共有結合により連接された2つの抗体を含むヘテロコンジュゲート抗体もまた本発明の範囲内である。かかる抗体は、免疫系細胞を不要な細胞に標的化させるため(米国特許第4,676,980号)、ならびにHIV感染の治療のため(PCT国際出願公開番号WO91/00360およびWO92/200373; 欧州特許第03089号)に使用されている。ヘテロコンジュゲート抗体は、任意の簡便な架橋法を用いて作製され得る。好適な架橋剤および架橋手法は当技術分野で周知であり、米国特許第4,676,980号に記載されている。
また、キメラ抗体またはハイブリッド抗体は、合成タンパク質化学の既知の方法、例えば架橋剤を伴うものを用いてインビトロでも調製され得る。例えば、免疫毒素は、ジスルフィド交換反応を用いて、またはチオエーテル結合を形成することによって構築され得る。この目的のための好適な試薬の例としては、イミノチオレートおよびメチル-4-メルカプトブチルイミデートが挙げられる。
抗体G1もしくは表6に示すその変異体の1つまたは複数のCDR、または抗体G1もしくは表6に示すその変異体に由来する1つまたは複数のCDRを含むヒト化抗体は、当技術分野で公知の任意の方法を用いて作製され得る。例えば、モノクローナル抗体をヒト化するためには4つの一般的な工程が使用され得る。
一部の態様では、本発明は、抗体G1または表6に示すその変異体(その特性に有意に影響を及ぼさない機能的に等価な抗体ならびに活性および/または親和性が向上もしくは低下した変異体を含む)に対する修飾を包含している。例えば、抗体G1または表6に示すその変異体のアミノ酸配列は、CGRPに対して所望の結合親和性を有する抗体を得るために変異され得る。ポリペプチドの修飾は当技術分野において常套的な実務であり、本明細書において詳細に記載する必要はない。ポリペプチドの修飾は本実施例において例示している。修飾ポリペプチドの例としては、アミノ酸残基の保存的置換、機能的活性を有意に有害に変化させないアミノ酸の1つもしくは複数の欠失もしくは付加、または化学的アナログの使用を有するポリペプチドが挙げられる。
アミノ酸配列の挿入としては、長さが1残基のものから100個以上の残基を含むポリペプチドまでに及ぶ範囲のアミノ-および/またはカルボキシル-末端融合体、ならびに単一または複数のアミノ酸残基の配列内挿入体が挙げられる。末端挿入の例としては、N末端メチオニル残基を有する抗体またはエピトープタグと融合させた抗体が挙げられる。抗体分子の他の挿入型変異体としては、該抗体の血清中半減期を長くする酵素またはポリペプチドとの該抗体のN-またはC-末端との融合体が挙げられる。
置換変異体は、抗体分子内の少なくとも1個のアミノ酸残基が除去されてその場所に異なる残基が挿入されている。置換型変異誘発に最も重要な部位としては超可変領域が挙げられるが、FR改変もまた想定される。保存的置換を「保存的置換」の表題の表1に示す。かかる置換によって生物学的活性の変化がもたらされる場合は、表1に「例示的な置換」と表示した、またはアミノ酸クラスに関して以下にさらに記載しているようなさらに実質的な変更を導入し、生成物をスクリーニングしてもよい。
(表1)アミノ酸置換
Figure 2019529463
抗体の生物学的特性の実質的な修飾は、(a)例えばシート状もしくはらせん状のコンホメーションとしての、置換領域内の該ポリペプチド主鎖の構造、(b)標的部位における該分子の電荷もしくは疎水性、または(c)側鎖の嵩高さの維持に対する効果が有意に異なる置換を選択することにより行なわれる。天然に存在する残基は、共通する側鎖特性に基づいてグループ分けされる:
(1)無極性: ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile;
(2)電荷なしの極性: Cys、Ser、Thr、Asn、Gln;
(3)酸性(負電荷を有する): Asp、Glu;
(4)塩基性(正電荷を有する): Lys、Arg;
(5)鎖の向きに影響を及ぼす残基: Gly、Pro; および
(6)芳香族: Trp、Tyr、Phe、His。
非保存的置換は、これらのクラスのうちの1つの構成員を別のクラスに交換することにより行なわれる。
また、該分子の酸化安定性を改善するため、および異常な架橋を抑制するために、抗体の適正なコンホメーションの維持に関与していない任意のシステイン残基が置換され得る(一般的にはセリンと)。逆に、特に抗体が抗体断片、例えばFv断片である場合、安定性を改善するために、該抗体にシステイン結合が付加され得る。
アミノ酸の修飾は、1個または複数のアミノ酸の変更または修飾から領域、例えば可変領域の完全な再設計までの範囲に及び得る。可変領域の変更により結合親和性および/または特異性が改変され得る。一部の態様では、1個以下から5個の保存的アミノ酸置換がCDRドメイン内で行なわれる。他の態様では、1個以下から3個の保存的アミノ酸置換がCDRドメイン内で行なわれる。さらに他の態様では、CDRドメインはCDR H3および/またはCDR L3である。
また、修飾体としては、グリコシル化ポリペプチドおよび非グリコシル化ポリペプチドならびに他の翻訳後修飾、例えば、いろいろな糖によるグリコシル化、アセチル化およびリン酸化などを有するポリペプチドも挙げられる。抗体は、定常領域内の保存された位置でグリコシル化される(Jefferis and Lund, 1997, Chem. Immunol. 65:111-128; Wright and Morrison, 1997, TibTECH 15:26-32)。免疫グロブリンのオリゴ糖側鎖は、タンパク質の機能(Boyd et al., 1996, Mol. Immunol. 32:1311-1318; Wittwe and Howard, 1990, Biochem. 29:4175-4180)および糖タンパク質部分間の分子内相互作用(これは、該糖タンパク質のコンホメーションおよび提示される3次元表面に影響を及ぼし得る)(Hefferis and Lund, 上掲; Wyss and Wagner, 1996, Current Opin. Biotech. 7:409-416)に影響を及ぼす。また、該オリゴ糖は、特定の認識構造に基づいて所与の糖タンパク質を特定の分子に標的化する機能も果たし得る。また、抗体のグリコシル化は抗体依存性細胞傷害(ADCC)にも影響することが報告されている。特に、分割性GlcNAcの形成を触媒するグリコシルトランスフェラーゼである、β(1,4)-N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼIII(GnTIII)のテトラサイクリン調節型発現を有するCHO細胞は、改善されたADCC活性を有することが報告された(Umana et al., 1999, Mature Biotech. 17:176-180)。
抗体のグリコシル化は、典型的にはN結合型またはO結合型のいずれかである。N結合型は、アスパラギン残基の側鎖への糖質部分の結合をいう。トリペプチド配列アスパラギン-X-セリン、アスパラギン-X-トレオニンおよびアスパラギン-X-システイン(ここで、Xは、プロリン以外の任意のアミノ酸である)は、アスパラギン側鎖への糖質部分の酵素的結合のための認識配列である。したがって、ポリペプチド内におけるこれらのトリペプチド配列のいずれかの存在により潜在的グリコシル化部位が作出される。O結合型グリコシル化は、ヒドロキシアミノ酸、最も一般的にはセリンまたはトレオニンへの糖N-アセチルガラクトサミン、ガラクトースまたはキシロースのうちの1つの結合をいうが、5-ヒドロキシプロリンまたは5-ヒドロキシリシンもまた使用され得る。
抗体へのグリコシル化部位の付加は、簡便には、アミノ酸配列を上記のトリペプチド配列のうちの1つまたは複数を含むように改変することにより行なわれる(N結合型グリコシル化部位の場合)。また、改変は、元の抗体の配列に対する1個または複数のセリン残基またはトレオニン残基の付加、またはこれらによる置換によっても行なわれ得る(O結合型グリコシル化部位の場合)。
他の修飾方法としては、当技術分野で公知のカップリング手法の使用、例えば非限定的に、酵素的手段、酸化的置換およびキレート化が挙げられる。修飾を、例えばイムノアッセイのための標識の結合のために使用してもよい。修飾G1ポリペプチドは、当技術分野で確立された手順を用いて作製され得、当技術分野で公知の標準的なアッセイ(その一例を以下および本実施例に記載している)を用いてスクリーニングすることができる。
本発明の一部の態様では、前記抗体は、修飾された定常領域、例えば、免疫学的に不活性もしくは部分的に不活性である定常領域、例えば、補体媒介性溶解を誘発しない、抗体依存性細胞介在性細胞傷害(ADCC)を刺激しない、または小膠細胞を活性化させない、定常領域を含むもの; あるいは以下: 補体媒介性溶解の誘発、抗体依存性細胞介在性細胞傷害(ADCC)の刺激、または小膠細胞の活性化のうちのいずれか1つまたは複数において(非修飾抗体と比べて)低い活性を有するものである。最適なレベルおよび/または組合せのエフェクター機能を得るために、定常領域のいろいろな修飾が使用され得る。例えば、Morgan et al., Immunology 86:319-324(1995); Lund et al., J. Immunology 157:4963-9 157:4963-4969(1996); Idusogie et al., J. Immunology 164:4178-4184(2000); Tao et al., J. Immunology 143: 2595-2601(1989); およびJefferis et al., Immunological Reviews 163:59-76(1998)を参照のこと。一部の態様では、該定常領域は, Eur. J. Immunol.(1999)29:2613-2624; PCT出願番号PCT/GB99/01441;および/または英国特許出願第9809951.8号に記載のようにして修飾されたものである。他の態様では、該抗体は、A330P331からS330S331への変異(野生型IgG2の配列を基準にアミノ酸の番号付け)を含むヒト重鎖IgG2の定常領域を含む(Eur. J. Immunol.(1999)29:2613-2624)。さらに他の態様では、該定常領域は、N結合型グリコシル化について脱グリコシル化されている。一部の態様では、該定常領域は、該定常領域内においてグリコシル化アミノ酸残基またはN-グリコシル化認識配列の一部である隣接残基を変異させることにより、N結合型グリコシル化について脱グリコシル化されている。例えば、N-グリコシル化部位N297がA、Q、K、またはHに変異され得る。Tao et al., J. Immunology 143: 2595-2601(1989); およびJefferis et al., Immunological Reviews 163:59-76(1998)参照。一部の態様では、該定常領域は、N結合型グリコシル化について脱グリコシル化されている。該定常領域は、酵素的に(例えば、酵素PNGaseによる糖質の除去)、またはグリコシル化欠損宿主細胞内での発現によって、N結合型グリコシル化について脱グリコシル化され得る。
他の抗体修飾体としては、1999年11月18に公開されたPCT公開番号WO99/58572に記載のようにして修飾されている抗体が挙げられる。このような抗体は、標的分子に対する結合ドメインに加えて、ヒト免疫グロブリン重鎖の定常ドメインの全部または一部に実質的に相同なアミノ酸配列を有するエフェクタードメインを含む。このような抗体は、有意な補体依存性溶解または標的の細胞介在性破壊を誘発することなく標的分子に結合し得る。一部の態様では、該エフェクタードメインは、FcRnおよび/またはFcγRIIbに特異的に結合し得る。このようなものは、典型的には、2種類以上のヒト免疫グロブリン重鎖CH2ドメインに由来するキメラドメインに基づく。この様式で修飾された抗体は長期的な抗体療法における使用に特に好適であり、慣用的な抗体療法に対する炎症反応および他の有害反応が回避される。
一部の態様では、本発明は親和性成熟型の態様を包含している。例えば、親和性成熟型の抗体は、当技術分野で公知の手順によって作製され得る(Marks et al., 1992, Bio/Technology, 10:779-783; Barbas et al., 1994, Proc Nat. Acad. Sci, USA 91:3809-3813; Schier et al., 1995, Gene, 169:147-155; Yelton et al., 1995, J. Immunol., 155:1994-2004; Jackson et al., 1995, J. Immunol., 154(7):3310-9; Hawkins et al, 1992, J. Mol. Biol., 226:889-896; およびWO2004/058184)。
一部の態様では、本発明はまた、本発明の抗体(例えば、G1)またはポリペプチド由来の1つまたは複数の断片または領域を含む融合タンパク質も包含している。一態様において、SEQ ID NO: 2(図5)に示す軽鎖可変領域の連続する少なくとも10個のアミノ酸および/またはSEQ ID NO: 1(図5)に示す重鎖可変領域の少なくとも10個のアミノ酸を含む融合ポリペプチドを提供する。他の態様では、SEQ ID NO: 2(図5)に示す軽鎖可変領域の連続する少なくとも約10個、少なくとも約15個、少なくとも約20個、少なくとも約25個もしくは少なくとも約30個のアミノ酸および/またはSEQ ID NO: 1(図5)に示す重鎖可変領域の連続する少なくとも約10個、少なくとも約15個、少なくとも約20個、少なくとも約25個もしくは少なくとも約30個のアミノ酸を含む融合ポリペプチドを提供する。別の態様では、該融合ポリペプチドは、図5のSEQ ID NO: 2およびSEQ ID NO: 1に示すG1の軽鎖可変領域および/または重鎖可変領域を含む。別の態様では、該融合ポリペプチドはG1の1つまたは複数のCDRを含む。さらに他の態様では、該融合ポリペプチドは抗体G1のCDR H3および/またはCDR L3を含む。本発明の解釈上、G1融合タンパク質は、1種類または複数のG1抗体と、天然分子では該抗体に結合されていない別のアミノ酸配列、例えば別の領域からの異種配列または相同配列を含む。例示的な異種配列としては、非限定的に、「タグ」、例えばFLAGタグまたは6Hisタグ(SEQ ID NO: 56)が挙げられる。タグは当技術分野で周知である。
一部の態様では、本発明はまた、抗体G1、および/または本明細書に記載の抗体もしくはポリペプチドのいずれかもしくは全部を含む組成物(例えば、薬学的組成物)およびキットを提供する。
好ましくは、「配列同一性(%)」は、最適に整列させた2つの配列を少なくとも20個の位置の比較ウィンドウで比較することにより求め、この場合、2つの配列の最適な整列(アラインメント)のためには、比較ウィンドウ内のポリヌクレオチド配列部分またはポリペプチド配列部分に含まれていてもよい付加または欠失(すなわち、ギャップ)は、参照配列(これには付加または欠失が含まれていない)と比べた場合に20%以下、通常、5〜15%または10〜12%である。パーセント値は、両方の配列に同一の核酸塩基またはアミノ酸残基が存在している位置の数を調べ、マッチしている位置の数を得、マッチしている位置の数を参照配列内の位置の総数(すなわち、ウィンドウサイズ)で割り、その結果に100を乗じて配列同一性のパーセント値を得ることにより計算される。
また、変異体も同様に、あるいは代替的に、天然遺伝子またはその一部分もしくは相補体と実質的に相同であってもよい。かかるポリヌクレオチド変異体は、天然抗体をコードしている天然に存在するDNA配列(または相補配列)と、中ストリンジェント条件下でハイブリダイズし得る。
D.組成物
一部の態様では、本発明の方法で使用される組成物は、有効量の本明細書に記載の抗体(例えば、抗CGRPアンタゴニスト抗体、CGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体)または抗体由来のポリペプチドを含む。また、かかる組成物の例ならびにどのようにして製剤化するかは、先のセクションおよび以下にも記載している。一態様において、該組成物はさらにCGRP拮抗薬を含む。一部の態様では、当該組成物は、CGRP経路をモジュレートする1種または複数種のモノクローナル抗体を含む。一部の態様では、当該組成物は、1種または複数種の抗CGRPアンタゴニスト抗体を含む。一部の態様では、抗CGRPアンタゴニスト抗体はヒトCGRPを認識する。一部の態様では、抗CGRPアンタゴニスト抗体はヒト化型である。一部の態様では、抗CGRPアンタゴニスト抗体は、不要なまたは望ましくない免疫応答、例えば抗体媒介性溶解またはADCCを誘発しない定常領域を含む。一部の態様では、抗CGRPアンタゴニスト抗体は、抗体G1の1つまたは複数のCDR(例えば、G1の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、または一部の態様では6つのすべてのCDR)を含む。一部の態様では、抗CGRPアンタゴニスト抗体はヒト抗体である。
当該組成物は、1種類より多くの抗体(例えば、1種類より多くの抗CGRPアンタゴニスト抗体-CGRPの異なるエピトープを認識する抗CGRPアンタゴニスト抗体の混合物)を含むものであってもよいことを理解されたい。他の例示的な組成物は、同じエピトープを認識する1種類より多くの抗CGRPアンタゴニスト抗体を含むもの、またはCGRPの異なるエピトープに結合する異なる種の抗CGRPアンタゴニスト抗体を含む。
組成物にはさらに、薬学的に許容される担体、賦形剤または安定剤が含められ得る(Remington: The Science and practice of Pharmacy 20th Ed.(2000)Lippincott Williams and Wilkins, Ed. K. E. Hoover)。許容され得る担体、賦形剤、または安定剤は、使用される投与量および濃度でレシピエントに対して無毒性である。抗体の治療用製剤は1種または複数種の薬学的に許容される担体、賦形剤または安定剤(stabilizes)を含むものであり得、かかる種の非限定的な例としては、バッファー、例えばリン酸、クエン酸および他の有機酸; 塩、例えば塩化ナトリウム; 酸化防止剤、例えばアスコルビン酸およびメチオニン; 保存料(例えば、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド; 塩化ヘキサメトニウム; 塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム; フェノール、ブチルもしくはベンジルアルコール; アルキルパラベン、例えばメチルもしくはプロピルパラベン; カテコール; レゾルシノール; シクロヘキサノール; 3-ペンタノール; およびm-クレゾール); 低分子量(約10個未満の残基)ポリペプチド; タンパク質、例えば血清アルブミン、ゼラチンもしくは免疫グロブリン; 親水性ポリマー、例えばポリビニルピロリドン; アミノ酸(例えば、0.1mM〜100mM、0.1mM〜1mM、0.01mM〜50mM、1mM〜50mM、1mM〜30mM、1mM〜20mM、10mM〜25mMの濃度で)、例えばグリシン、グルタミン、メチオニン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニンもしくはリシン; 単糖類、二糖類および他の糖質、例えばグルコース、マンノースもしくはデキストリン; キレート剤(例えば、0.001mg/mL〜1mg/mL、0.001mg/mL〜1mg/mL、0.001mg/mL〜0.1mg/mL、0.001mg/mL〜0.01mg/mLの濃度で)、例えばEDTA(例えば、EDTA二ナトリウム二水和物); 糖(例えば、1mg/mL〜500mg/mL、10mg/mL〜200mg/mL、10mg/mL〜100mg/mL、50mg/mL〜150mg/mLの濃度で)、例えばスクロース、マンニトール、トレハロースもしくはソルビトール; 塩形成性対イオン、例えばナトリウム; 金属錯体(例えば、Zn-タンパク質複合体);および/または非イオン界面活性剤(例えば、0.01mg/mL〜10mg/mL、0.01mg/mL〜1mg/mL、0.1mg/mL〜1mg/mL、0.01mg/mL〜0.5mg/mLの濃度で)、例えばTWEEN(商標)(例えば、ポリソルベート(例えば、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80))、PLURONICS(商標)またはポリエチレングリコール(PEG)が挙げられる。薬学的に許容される賦形剤は本明細書にさらに記載している。
また、抗体(例えば、抗CGRPアンタゴニスト抗体)およびその組成物を、他の薬剤(該薬剤の有効性を増強および/または補足する機能を果たすもの)と共に使用してもよい。
E.キット
一局面では、本発明はまた、本発明の方法に使用するためのキットを提供する。キットは、本明細書に記載の抗体(例えば、抗CGRPアンタゴニスト抗体(例えば、ヒト化抗体))または本明細書に記載のポリペプチドを含む1つまたは複数の容器と、本明細書に記載の任意の方法に従う使用のための使用説明書を含むものであり得る。一般的に、このような使用説明書は、本明細書に記載の任意の方法に従ってCCHまたはECHを治療する、寛解させる、または予防するための前記抗体の投与の説明を含む。キットはさらに、個体がCCHまたはECHを有するかどうか、または個体がCCHまたはECHを有するリスクがあるかどうかの確認に基づいて、処置に適した個体を選択する説明を備えていてもよい。さらに他の態様では、使用説明書は、CCHまたはECHを有するリスクがある個体に抗体(例えば、抗CGRPアンタゴニスト抗体)を投与する説明を含む。
一部の態様では、前記抗体はヒト化抗体である。一部の態様では、前記抗体はヒト抗体である。他の態様では、前記抗体はモノクローナル抗体である。一部の態様では、前記抗体は、抗体G1の1つまたは複数のCDR(例えば、G1の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、または一部の態様では6つのすべてのCDR)を含む。
抗体(例えば、抗CGRPアンタゴニスト抗体)の使用に関する使用説明書には一般的に、意図される処置のための投与量、投与スケジュールおよび投与経路に関する情報が含まれている。容器は、単位用量のものであってもよいし、バルクパッケージ(例えば、複数用量パッケージ)のものであってもよいし、分割単位用量のものであってもよい。キットに備えられる使用説明書は、典型的にはラベルまたは添付文書(例えば、キットに含められる紙片)での書面による使用説明書であるが、機械可読型使用説明書(例えば、磁気保存ディスク上または光学保存ディスク上に担持される使用説明書)もまた許容され得る。
ラベルまたは添付文書は、当該組成物がCCHまたはECHの治療、寛解および/または予防のために使用されるものであることを示す。本明細書に記載の任意の方法を実施するための使用説明書を供給してもよい。
本発明のキットは好適なパッケージング内に存在させる。好適なパッケージングとしては、非限定的に、バイアル、ボトル、ビン、柔軟性パッケージング(例えば、密封用Mylarまたはプラスチックの袋)などが挙げられる。また、特定のデバイス、例えば吸入器、経鼻投与デバイス(例えば、アトマイザー)または点滴用デバイス、例えばミニポンプとの組合せにおける使用のためのパッケージも想定される。キットは、滅菌されたアクセスポートを有するものであってもよい(例えば、容器は、静脈内用液剤バッグまたは皮下注射針によって貫通可能なストッパーを有するバイアルであり得る)。また、容器は、滅菌されたアクセスポートを有するものであってもよい(例えば、容器は静脈内用液剤バッグまたは皮下注射針によって貫通可能なストッパーを有するバイアルであり得る)。組成物中の少なくとも1種類の活性薬剤は抗CGRPアンタゴニスト抗体および/またはCGRP経路をモジュレートするモノクローナル抗体である。容器にさらに、第2の薬学的に活性な薬剤を含めてもよい。
キットは任意で、さらなる要素、例えばバッファーおよび解釈的情報を提供するものであってもよい。通常、キットは、容器および該容器上または該容器に付随させたラベルまたは添付文書を備えたものである。
以下の実施例は、本発明を例示するために示したものであって、本発明を限定するために示したものではない。本明細書に記載の実施例および態様は例示の目的にすぎないこと、ならびに該実施例および態様に鑑みて、種々の修正および変更が当業者に示唆され、本出願の趣旨および範囲に含まれることを理解されたい。本明細書において挙げた刊行物、特許および特許出願はすべて、参照によりその全体があらゆる目的のために、あたかも個々の各刊行物、特許または特許出願が具体的に個々に示されて参照によりそのように組み入れられているのと同程度に本明細書に組み入れられる。
実施例1: CGRPに対するモノクローナル抗体の作製および特性評価
抗CGRP抗体の作製。ラットCGRPとヒトCGRPに対して異種間反応性を有する抗CGRP抗体を作製するため、マウスを、KLHにコンジュゲートさせた25〜100μgのヒトα-CGRPまたはβ-CGRP(アジュバント中)で、種々の期間で免疫処置した(50μl/足底球、全部で100μl/マウス)。免疫処置は概して、Geerligs HJ et al., 1989, J. Immunol. Methods 124:95-102; Kenney JS et al., 1989, J. Immunol. Methods 121:157-166; およびWicher K et al., 1989, Int. Arch. Allergy Appl. Immunol. 89:128-135に記載のようにして行なった。マウスをまず、KLHにコンジュゲートさせた50μgのヒトα-CGRPまたはβ-CGRP(CFA(完全フロイントアジュバント)中)で免疫処置した。21日後、マウスを、KLHにコンジュゲートさせた25μgのヒトβ-CGRP(最初にヒトα-CGRPで免疫処置したマウスの場合)またはα-CGRP(最初にヒトβ-CGRPで免疫処置したマウスの場合)(IFA(不完全フロイントアジュバント)中)で2回目の免疫処置を行なった。2回目の免疫処置の23日後、KLHにコンジュゲートさせた25μgのラットα-CGRP(IFA中)で3回目の免疫処置を行なった。10日後、抗体力価を、ELISAを用いて試験した。4回目の免疫処置を、25μgのペプチド(ラットα-CGRP-KLH)(IFA中)で、3回目の免疫処置後34日目に行なった。最終追加免疫は、100μgの可溶性ペプチド(ラットα-CGRP)で、4回目の免疫処置後32日目に行なった。
脾細胞を免疫処置マウスから採取し、ポリエチレングリコール1500を用いて10:1の比でNSO骨髄腫細胞と融合させた。このハイブリッドを、96ウェルプレート内の20%のウマ血清および2-オキサロアセテート/ピルベート/インスリンを含有するDMEM(Sigma)中にプレーティングし、ヒポキサンチン/アミノプテリン/チミジン選択を開始した。8日目、20%のウマ血清を含有する100μlのDMEMをすべてのウェルに添加した。ハイブリッドの上清みを、抗体捕捉イムノアッセイを使用することによりスクリーニングした。抗体クラスの決定は、クラス特異的二次抗体を用いて行なった。
モノクローナル抗体産生細胞株パネルを、ヒトCGRPおよびラットCGRPに対する結合性に基づいて、さらなる特性評価のために選択した。このような抗体および特徴を以下に表2と3に示す。
精製およびFab断片の調製。さらなる特性評価のために選択したモノクローナル抗体をハイブリドーマ培養物の上清みから、プロテインAアフィニティクロマトグラフィーを用いて精製した。上清みをpH 8に平衡化した。次いで、上清みを、PBSでpH 8に平衡化したプロテインAカラムMabSelect(Amersham Biosciences #17-5199-02)にロードした。カラムは5カラム容量のPBS(pH 8)で洗浄した。抗体を、50mMのクエン酸-リン酸バッファー(pH 3)で溶出させた。溶出した抗体を1Mリン酸バッファー(pH 8)で中和した。精製された抗体を、PBS(pH 7.4)を用いて透析した。抗体濃度をSDS-PAGEにより、マウスモノクローナル抗体標準曲線を用いて求めた。
Fabを、全長抗体のパパインによるタンパク質分解により、Immunopure Fabキット(Pierce #44885)を用いて調製し、製造業者の使用説明書に従ってプロテインAクロマトグラフィーで流すことにより精製した。濃度をELISAおよび/またはSDS-PAGE電気泳動により、既知濃度(アミノ酸解析によって測定)の標準Fabを用いて、およびA280により、1OD=0.6mg/ml(またはアミノ酸配列に基づいた理論当量)を用いて調べた。
Fabの親和性の測定。抗CGRPモノクローナル抗体の親和性を、25℃または37℃のいずれかで、BIACORE3000(商標)表面プラズモン共鳴(SPR)システム(Biacore, INC, Piscataway NJ)を、製造業者の(manufacture's)独自のランニングバッファー、HBS-EP(10mMのHEPES pH 7.4、150mMのNaCl、3mMのEDTA、0.005%v/vのポリソルベートP20)と共に用いて調べた。親和性は、N末端ビオチン化CGRPペプチド(GenScript Corporation, New JerseyまたはGlobal Peptide Services, Coloradoでカスタムオーダー)を、SAチップ上に予め固定化されたストレプトアビジンによって捕捉し、CGRP表面全体で滴定された抗体Fabの結合反応速度論を調べることによりにより調べた。ビオチン化CGRPをHBS-EP中で希釈し、チップ上に0.001mg/ml未満の濃度で注入した。個々のチップチャネルにおいていろいろな流下時間を使用し、2つの抗原密度範囲: 詳細な反応速度論試験のための<50応答単位(RU)と濃度試験およびスクリーニングのための約800 RUを得た。典型的には1μMから0.1nMまでに及ぶ範囲の濃度(推定KDの0.1〜10倍を目標)の精製Fab断片の2倍または3倍段階希釈系列を100μL/分で1分間注入し、10分間の解離時間をもうけた。各結合サイクル後、表面を、25% v/vのエタノール中25mMのNaOHを用いて再生させ、これは数百回を超えるサイクルに耐えられた。1:1 Langmuir結合モデル(Karlsson, R. Roos, H. Fagerstam, L. Petersson, B.(1994). Methods Enzymology 6. 99-110)に、BIA評価プログラムを用いてデータをフィッティングさせることにより、反応速度論的会合速度(kon)と解離速度(koff)を同時に得た。グローバル平衡解離定数(KD)または「親和性」をKD=koff/konの比から計算した。マウスFab断片の親和性を表2と3に示す。
マウス抗CGRP抗体のエピトープマッピング。抗CGRP抗体が結合するヒトα-CGRP上のエピトープを調べるため、上記のように、N末端ビオチン化CGRP断片の19〜37番目のアミノ酸および25〜37番目のアミノ酸をSAセンサーチップ上に捕捉させることにより、種々のCGRP断片に対するFab断片の結合親和性を調べた。図1は、25℃において測定された結合親和性を示す。図1に示されるように、抗体4901を除くすべての抗体は、ヒト全長α-CGRP(1-37)に対する結合親和性と同等の親和性で、ヒトα-CGRP断片19-37および25-37に結合する。抗体4901は、主として解離速度の低下のため、ヒト全長α-CGRP断片に対する結合よりも6倍低い親和性で、ヒトα-CGRP断片25-37に結合する。データは、これらの抗CGRP抗体が概してCGRPのC末端に結合することを示している。
抗CGRP抗体の結合に関与するヒトα-CGRP内のアミノ酸をさらに特性評価するため、アラニンスキャニングを行なった。単一のアラニン置換を有するヒトα-CGRPのいろいろな変異体をペプチド合成によって作製した。そのアミノ酸配列を表4に、Biacore解析に使用したその他のすべてのペプチドと共に示す。これらの変異体に対する抗CGRP抗体のFab断片の親和性を、Biacoreを用いて上記のようにして調べた。図1に示されるように、12種類の抗体はすべてC末端エピトープを標的とし、アミノ酸F37が最も重要な残基である。F37のアラニンへの変異は、親和性を有意に低下させるか、またはさらには該ペプチドに対する抗CGRP抗体の結合を完全にノックアウトした。次に最も重要なアミノ酸残基はG33であるが、高親和性抗体(7E9、8B6、10A8および7D11)のみが、この位置のアラニン置換により影響を受けた。アミノ酸残基S34もまた、これらの4種類の高親和性抗体の結合において重要な役割を果たすが程度は低い。
(表2)ヒトα-CGRPに対する抗CGRPモノクローナル抗体の結合特性およびそのアンタゴニスト活性
Figure 2019529463
注: 抗体4901は市販のものである(Sigma, 製品番号C7113)。
n.d.=測定せず
(表3)ラットα-CGRPに対する抗CGRPモノクローナル抗体の結合特性およびアンタゴニスト活性
Figure 2019529463
「n.d.」は、その抗体については試験を行なわなかったことを示す。
(表4)ヒトα-CGRP断片のアミノ酸配列(SEQ ID NO: 15〜40)および関連ペプチドのアミノ酸配列(SEQ ID NO: 41〜47)。SEQ ID NO: 36〜40以外のすべてのペプチドはC末端がアミド化されている。太字の残基は点変異を示す。
Figure 2019529463
実施例2: インビトロアッセイを用いた抗CGRPアンタゴニスト抗体のスクリーニング。
マウス抗CGRP抗体を、インビトロでのアンタゴニスト活性について、細胞ベースのcAMP活性化アッセイおよび結合アッセイを用いてさらにスクリーニングした。
cAMPアッセイによって測定されたアンタゴニスト活性。抗CGRP抗体(終濃度1〜3000nM)の存在下もしくは非存在下の5マイクロリットルのヒトもしくはラットα-CGRP(終濃度50nM)、またはラットα-CGRPまたはヒトα-CGRP(終濃度0.1nM〜10μM; cAMP活性化の陽性対照として)を384ウェルプレート(Nunc, カタログ番号264657)内に分注した。刺激バッファー(20mMのHEPES、pH 7.4、146mMのNaCl、5mMのKCl、1mMのCaCl2、1mMのMgCl2および500μM 3-イソブチル-1-メチルキサンチン(IBMX))中の10マイクロリットルの細胞(ヒトα-CGRPを使用する場合はヒトSK-N-MC、またはラットα-CGRPを使用する場合はATCCのラットL6)をプレートのウェル内に添加した。プレートを室温で30分間インキュベートした。
インキュベーション後、cAMP活性化を、HitHunter(商標)Enzyme Fragment Complementation Assay(Applied Biosystems)を製造業者の指示に従って用いて行なった。このアッセイは、エンザイムアクセプター(Enzyme Acceptor)(EA)およびエンザイムドナー(Enzyme Donor)(ED)と称される2つの断片からなる遺伝子操作されたβ-ガラクトシダーゼ酵素に基づいたものである。この2つの断片が分離している場合、前記酵素は不活性である。前記断片を一緒にした場合、これらは自発的に再結合され、相補化(complementation)と称されるプロセスによって活性な酵素が形成され得る。EFCアッセイプラットフォームでは、cAMPが抗cAMPによって認識されるED-cAMPペプチドコンジュゲートが使用される。このED断片は、EAと再会合して活性な酵素を形成し得る。このアッセイでは、抗cAMP抗体は最適には、ED-cAMPコンジュゲートに結合して酵素形成を阻害するように滴定される。細胞ライセート試料中の複数レベルのcAMPがED-cAMPコンジュゲートと、抗cAMP抗体との結合について競合する。アッセイにおける遊離EDコンジュゲートの量はcAMPの濃度に比例する。したがって、cAMPは、β-ガラクトシダーゼ発光基質のターンオーバーによって定量される活性な酵素の形成によって測定される。cAMP活性化アッセイは、10μlの溶解バッファーと抗cAMP抗体(1:1の比)を添加した後、室温で60分間インキュベーションすることにより行なった。次いで、10μlのED-cAMP試薬を各ウェル内に添加し、室温で60分間インキュベートした。インキュベーション後、20μlのEA試薬とCL混合物(基質を含有している)(1:1の比)を各ウェル内に添加し、1〜3時間または一晩、室温でインキュベートした。プレートの読み取りを、PMT装置において1秒/ウェルで、または撮像装置において30秒/箇所にて行なった。α-CGRPによってcAMPの活性化を阻害する抗体を上記の表2と3において同定した(「あり」と示している)。表2と3のデータは、このアッセイでアンタゴニスト活性を示した抗体が概して高い親和性を有していることを示す。例えば、ヒトα-CGRPに対して約80nM以下のKD(25℃で測定)を有するか、またはラットα-CGRPに対して約47nM以下のKD(37℃で測定)を有する抗体は、このアッセイにおいてアンタゴニスト活性を示した。
放射性リガンド結合アッセイ。CGRPのその受容体に対する結合のブロックにおける抗CGRP抗体のIC50を調べるため、結合アッセイを既報のとおりに行なった。(Zimmermann et al., Peptides 16:421-4, 1995; Mallee et al., J. Biol. Chem. 277:14294-8, 2002)SK-N-MC細胞の膜(25μg)を室温で90分間、10pMの125I-ヒトα-CGRPを含有するインキュベーションバッファー(50mMのTris-HCl、pH 7.4、5mMのMgCl2、0.1%のBSA)中で、1mLの総体積でインキュベートした。阻害濃度(IC50)を求めるため、抗体または非標識CGRP(対照として)を、約100倍高濃度のストック溶液からさまざまな濃度でインキュベーションバッファー中に溶解させ、膜および10pMの125I-ヒトα-CGRPと共に同時にインキュベートした。0.5%ポリエチレンイミン(polyethylemimine)でブロックしておいたガラスマイクロファイバーフィルター(GF/B、1μm)に通す濾過によってインキュベーションを終了させた。用量応答曲線をプロットし、式: Ki=IC50/(1+([リガンド]/KD)を使用することによりKi値を求めた; ここで、平衡解離定数KD=8pM(SK-N-MC細胞に存在するCGRP1受容体に対するヒトα-CGRPの場合)、およびBmax=0.025pmol/mgタンパク質である。報告したIC50値(IgG分子に関するもの)を、Biacoreによって測定される親和性(KD)と比較できるようにするために結合部位に変換した(2倍に掛け算することにより)(表2参照)。
表2は、マウス抗体7E9、8B6、6H2および4901のIC50を示す。データは、抗体の親和性が概してIC50と相関していること: 高親和性(低KD値)を有する抗体は、放射性リガンド結合アッセイにおいて低IC50を有することを示す。
実施例3: ラット伏在神経の刺激によって誘導される皮膚の血管拡張に対する抗CGRPアンタゴニスト抗体の効果
抗CGRP抗体のアンタゴニスト活性を試験するため、ラット伏在神経の刺激による皮膚の血管拡張に対する該抗体の効果を、ラットモデルを用いて既報のとおりに試験した。Escott et al., Br. J. Pharmacol. 110:772-776, 1993。このラットモデルにおいて、伏在神経の電気刺激により神経終末からのCGRPの放出が誘導され、皮膚の血流の増大がもたされる。雄Sprague Dawleyラット(170〜300g、Charles River Hollister)の足の皮膚の血流を、伏在神経刺激後に測定した。ラットを2%のイソフルランでの麻酔下に維持した。伏在神経の交感神経線維の併存刺激による血管収縮を最小限にするため、実験開始時にブレチリウムトシレート(30mg/kg、i.v.投与)を投与した。温度制御型ヒーターパッドにサーモスタット式に接続した経直腸プローブの使用によって体温を37℃に維持した。抗体、陽性対照(CGRP8-37)およびビヒクル(PBS、0.01%のTween 20)などの化合物を右大腿静脈から静脈内投与したが、図3に示す実験では試験化合物および対照を尾静脈から注射し、図2Aおよび2Bに示す実験では抗体4901および7D11を腹腔内(IP)注射した。陽性対照化合物CGRP8-37(血管拡張拮抗薬)は、半減期が短いため、神経刺激の3〜5分前に400nmol/kg(200μl)で投与した。Tan et al., Clin. Sci. 89:656-73, 1995。抗体は、いろいろな用量(1mg/kg、2.5mg/kg、5mg/kg、10mg/kg、および25mg/kg)で投与した。
図2Aおよび2Bに示す実験では、抗体4901(25mg/kg)、抗体7D11(25mg/kg)またはビヒクル対照(0.01%のTween 20を含むPBS)を、電気パルス刺激の72時間前に腹腔内(IP)投与した。図3に示す実験では、抗体4901(1mg/kg、2.5mg/kg、5mg/kg、もしくは25mg/kg)またはビヒクル対照(0.01%のTween 20を含むPBS)を、電気パルス刺激の24時間前に静脈内投与した。抗体またはビヒクル対照の投与後に右後肢の伏在神経を外科的に露出させ、近位で切断し、乾燥を防ぐためにプラスチックラップで覆った。レーザーDopplerプローブを、伏在神経によって神経支配されている領域である後足の皮膚の背側正中面に配置した。血球流量として測定される皮膚の血流を、レーザーDoppler流量計を用いてモニタリングした。安定なベースライン流量(5%未満の変動)が少なくとも5分間、確立されたら、神経を複極式白金電極上に置き、60パルス(2Hz、10V、1ms、30秒間)で、次いで20分後に再度、電気刺激した。皮膚の血流の累積変化量を、電気パルス刺激に対する各流量応答について、流量-時間曲線下面積(AUC、これは、流量変化量に時間変化量を掛け算したものに等しい)によって推定した。2回の刺激に対する血流応答の平均をとった。動物は、1〜3時間の期間、麻酔下に維持した。
図2Aおよび図2Bに示されるように、伏在神経に対する電気パルスの負荷によって刺激される血流増加は、対照と比べると、CGRP8-37(400nmol/kg、i.v.投与)、抗体4901(25mg/kg、ip投与)または抗体7D11(25mg/kg、ip投与)の存在によって阻害された。CGRP8-37は伏在神経刺激の3〜5分前に投与し; 抗体は伏在神経刺激の72時間前に投与した。図3に示されるように、伏在神経に対する電気パルスの負荷によって刺激される血流増加は、伏在神経刺激前24時間目に静脈内投与されたいろいろな用量(1mg/kg、2.5mg/kg、5mg/kg、および25mg/kg)の抗体4901の存在によって阻害された。
図4Aおよび4Bに示す実験では、伏在神経を、抗体投与前に外科的に露出させた。右後肢の伏在神経を外科的に露出させ、近位で切断し、乾燥を防ぐためにプラスチックラップで覆った。レーザーDopplerプローブを、伏在神経によって神経支配されている領域である後足の皮膚の背側正中面に配置した。血球流量として測定される皮膚の血流を、レーザーDoppler流量計を用いてモニタリングした。ブレチリウムトシレート注射から30〜45分後、安定なベースライン流量(5%未満の変動)が少なくとも5分間、確立されたら、神経を複極式白金電極上に置き、電気刺激し(2Hz、10V、1ms、30秒間)、再度、20分後にも行なった。この2回の刺激に対する血流流量応答の平均を使用し、電気刺激に対するベースライン応答(時間0)を確立した。次いで、抗体4901(1mg/kgもしくは10mg/kg)、抗体7E9(10mg/kg)、抗体 8B6(10mg/kg)またはビヒクル(0.01%のTween 20を含むPBS)を静脈内(i.v.)投与した。続いて、神経を、抗体またはビヒクル投与から30分後、60分後、90分後および120分後に刺激した(2Hz、10V、1ms、30秒間)。動物は、およそ3時間の期間、麻酔下に維持した。皮膚の血流の累積変化量を、電気パルス刺激に対する各流量応答について、流量-時間曲線下面積(AUC、これは、流量変化量に時間変化量を掛け算したものに等しい)によって推定した。
図4Aに示されるように、伏在神経に対する電気パルスの負荷によって刺激される血流増加は、電気パルス刺激を抗体投与から60分後、90分後および120分後に負荷した場合、i.v.投与された抗体4901 1mg/kgの存在によって有意に阻害され、伏在神経に対する電気パルスの負荷によって刺激される血流増加は、電気パルス刺激を抗体投与から30分後、60分後、90分後および120分後に負荷した場合、i.v.投与された抗体4901 10mg/kgの存在によって有意に阻害された。図4Bは、伏在神経に対する電気パルスの負荷によって刺激される血流増加が、電気パルス刺激を抗体投与から30分後、60分後、90分後および120分後に負荷した場合は抗体7E9(10mg/kg、i.v.投与)の存在によって、電気パルス刺激を抗体投与の30分後に負荷した場合は抗体 8B6(10mg/kg、i.v.投与)の存在によって有意に阻害されたことを示す。
このようなデータは、抗体4901、7E9、7D11および8B6が、ラット伏在神経の刺激によって誘導される皮膚の血管拡張によって測定されるCGRP活性のブロックに有効であることを示す。
実施例4.抗CGRP抗体G1およびその変異体の特性評価
抗CGRP抗体G1の重鎖可変領域および軽鎖可変領域のアミノ酸配列を図5に示す。以下の方法を、抗体G1およびその変異体の発現および特性評価のために使用した。
使用した発現ベクター。前記抗体のFab断片の発現は、Barbas(2001)Phage display: a laboratory manual, Cold Spring Harbor, NY, Cold Spring Harbor Laboratory Press pg. 2.10. Vector pComb3X)に記載のものと同様のIPTG誘導性lacZプロモーターの制御下であったが、変更には、以下のさらなるドメイン: ヒトκ軽鎖の定常ドメインおよびIgG2ヒト免疫グロブリンのCH1定常ドメイン、Ig γ-2鎖 C領域、タンパク質アクセッション番号P01859; 免疫グロブリンκ軽鎖(ホモサピエンス)、タンパク質アクセッション番号CAA09181の付加および発現を含めた。
小規模Fab調製。Fabライブラリーを用いて形質転換した大腸菌から(エレクトロポレーションコンピテントTG1細胞またはケミカルコンピテントな上位10個の細胞のいずれかを使用)、単一のコロニーを使用し、マスタープレート(寒天LB+カルベニシリン(50μg/mL)+2% グルコース)および作業プレート(2mL/ウェル、96ウェル/プレート)(この場合、各ウェルには1.5mLのLB+カルベニシリン(50μg/mL)+2% グルコースを含めた)の両方に接種した。ガス透過性接着シール(ABgene, Surrey, UK)をプレートに適用した。どちらのプレートも30℃で12〜16時間インキュベートし; 作業プレートは激しく振盪させた。マスタープレートは必要時まで4℃で保存し、一方、作業プレートの細胞はペレット化し(4000 rpm、4℃、20分間)、1.0mL LB+カルベニシリン(50μg/mL)+0.5mMのIPTG中に再懸濁させ、30℃で5時間、激しく振盪させることによりFabの発現を誘導した。誘導された細胞を4000 rpm、4℃で20分間、遠心分離し、0.6mLのBiacore HB-SEPバッファー(10mMのHEPES pH 7.4、150mMのNaCl、3mMのEDTA、0.005%v/vのP20)中に再懸濁させた。HB-SEPに再懸濁させた細胞の溶解を、凍結(-80℃)、次いで37℃での解凍によって行なった。細胞ライセートを4000rpm、4℃で1時間、遠心分離して残屑をFab含有上清みから分離し、続いて、これをMillipore MultiScreen Assay System 96-Well Filtration Plateおよび真空マニフォールドを用いて濾過した(0.2μm)。Biacoreを使用し、濾過した上清みを、センサーチップ上のCGRPに注入することによって分析した。Fabを発現している親和性選択されたクローンをマスタープレートから取り出し、PCR、配列決定およびプラスミド調製のための鋳型DNAとして準備した。
大規模Fab調製。反応速度論パラメータを得るため、Fabを大規模で以下のようにして発現させた。150mL LB+カルベニシリン(50μg/mL)+2% グルコースを入れた三角フラスコ内に、1mLの親和性選択されたFab発現大腸菌クローンの「開始剤」一夜培養物を接種した。残りの開始剤培養物(約3mL)を用いて、配列決定およびさらなる操作のためのプラスミドDNAを調製した(QIAprep mini-prep、Qiagenキット)。この大規模培養物を激しく振盪させながら30℃で、1.0のOD600nmが得られるまで(典型的には、12〜16時間)インキュベートした。細胞を、4000 rpm、4℃で20分間、遠心分離することによってペレット化し、150mL LB+カルベニシリン(50μg/mL)+0.5mMのIPTG中に再懸濁させた。30℃で5時間の発現後、細胞を、4000 rpm、4℃で20分間、遠心分離することによってペレット化し、10mLのBiacore HBS-EPバッファー中に再懸濁させ、1回の凍結(-80℃)/解凍(37℃)サイクルを用いて溶解させた。細胞ライセートを、4000rpm、4℃で1時間、遠心分離することによってペレット化し、上清みを収集し、濾過した(0.2um)。濾過した上清みをNi-NTAスーパーフローセファロース(Qiagen, Valencia, CA)カラム(PBS, pH 8で平衡化し、次いで5カラム容量のPBS, pH 8で洗浄)にロードした。個々のFabは、PBS(pH 8)+300mMのイミダゾールにより異なる画分中に溶出された。Fab含有画分をプールし、PBS中で透析し、次いで、親和性特性評価の前にELISAによって定量した。
全長抗体の調製。全長抗体の発現のため、重鎖および軽鎖の可変領域を哺乳動物発現ベクター内にクローニングし、リポフェクタミンを用いてHEK 293細胞に一過性発現のためにトランスフェクトした。抗体を、プロテインAを使用して標準的な方法を用いて精製した。
ベクターpDb.CGRP.hFcGIは、G1抗体の重鎖を含む発現ベクターであり、該重鎖の一過性発現または安定発現に適している。ベクターpDb.CGRP.hFcGIは、以下の領域: マウスサイトメガロウイルスプロモーター領域(ヌクレオチド7〜612); 合成イントロン(ヌクレオチド613〜1679); DHFRコード領域(ヌクレオチド688〜1253); ヒト成長ホルモンシグナルペプチド(ヌクレオチド1899〜1976); G1の重鎖可変領域(ヌクレオチド1977〜2621); 以下の変異: A330P331からS330S331(野生型IgG2の配列を基準にアミノ酸の番号付け; Eur. J. Immunol.(1999)29:2613-2624参照)を含むヒト重鎖IgG2の定常領域に対応するヌクレオチド配列を有している。ベクターpDb.CGRP.hFcGIはATCCに2005年7月15日に寄託され、ATCCアクセッション番号PTA-6867が割り当てられた。
ベクターpEb.CGRP.hKGIは、G1抗体の軽鎖を含む発現ベクターであり、該軽鎖の一過性発現に適している。ベクターpEb.CGRP.hKGIは、以下の領域: マウスサイトメガロウイルスプロモーター領域(ヌクレオチド2〜613); ヒトEF-1イントロン(ヌクレオチド614〜1149); ヒト成長ホルモンシグナルペプチド(ヌクレオチド1160〜1237); 抗体G1軽鎖可変領域(ヌクレオチド1238〜1558); ヒトκ鎖定常領域(ヌクレオチド1559〜1882)に対応するヌクレオチド配列を有している。ベクターpEb.CGRP.hKGIはATCCに2005年7月15日に寄託され、ATCCアクセッション番号PTA-6866が割り当てられた。
親和性の測定のためのBiacoreアッセイ。G1モノクローナル抗体およびその変異体の親和性を、25℃または37℃のいずれかで、BIACORE3000(商標)表面プラズモン共鳴(SPR)システム(Biacore, INC, Piscataway NJ)を用いて調べた。親和性は、N末端ビオチン化CGRPまたは断片を、予め固定化されたストレプトアビジン(SAセンサーチップ)によって捕捉し、チップ上のCGRPまたは断片において滴定された抗体G1 Fab断片または変異体の結合反応速度論を測定することにより調べた。Biacoreアッセイはすべて、HBS-EPランニングバッファー(10mMのHEPES pH 7.4、150mMのNaCl、3mMのEDTA、0.005%v/vのポリソルベートP20)中で実施した。CGRP表面を、N-ビオチン化CGRPを0.001mg/mL未満の濃度までHBS-EPバッファー中で希釈し、これをSAセンサーチップに、さまざまな接触時間を用いて注入することにより調製した。捕捉レベル<50応答単位(RU)に対応する低能力表面を高分解能反応速度論試験に使用し、一方、高能力表面(約800 RUの捕捉CGRP)を濃度試験、スクリーニングおよび溶液状態の親和性の測定に使用した。抗体G1 Fabを1uMから0.1nMまでに及ぶ範囲の濃度(推定KDの0.1〜10倍を目標)に2倍または3倍漸増で段階希釈することにより、反応速度論データを得た。試料は典型的には100μL/分で1分間注入し、少なくとも10分間の解離時間をもうけた。各結合サイクル後、表面を、25% v/vのエタノール中25mMのNaOHを用いて再生させ、これは数百回を超えるサイクルに耐えられた。滴定系列全体(典型的には、二連で作製)を1:1 Langmuir結合モデルに、BIA評価プログラムを用いてグローバルフィッティングさせた。これにより、各結合相互作用について特有の会合および解離の反応速度論的速度定数(それぞれ、konおよびkoff)のペアが得られ、これらの比により平衡解離定数(KD=koff/kon)を得た。このようにして求めた親和性(KD値)を表6と7に示す。
極めて遅い解離速度での結合相互作用の高分解能解析。極めて遅い解離速度での相互作用(特に、25℃におけるチップ上のヒトα-CGRPに対する抗体G1 Fabの結合)の場合について、親和性を二部形式の実験で得た。上記のプロトコルを、以下の変更を伴って使用した。会合速度定数(kon)は、550nMから1nMまでに及ぶ範囲の2倍滴定系列(二連で)を100μL/分で30秒間注入し、もうけた解離期を30秒間だけにすることにより求めた。解離速度定数(koff)は、3つの濃度(高、中および低)の同じ滴定系列を二連で30秒間注入し、2時間の解離期をもうけることにより求めた。各相互作用の親和性(KD)を、表5に示すように、両方の型の実験で得られたkon値およびkoff値を合わせることにより得た。
Biacoreによる溶液状態の親和性の測定。ラットα-CGRPおよびF37A(19-37)ヒトα-CGRPに対する抗体G1の溶液状態の親和性を、37℃においてBiacoreによって測定した。高能力CGRPチップ表面を使用し(高親和性ヒトα-CGRPを検出目的のために選択した)、HBS-EPランニングバッファーを5μL/分で流した。5nMの定濃度(溶液ベースの相互作用の予測KD以下を目標)の抗体G1 Fab断片を、1nMから1μMまでに及ぶ範囲の終濃度の3倍段階希釈系列のラットα-CGRPまたはF37A(19-37)ヒトα-CGRPのいずれかの競合ペプチドと共にプレインキュベートした。溶液ベースの競合ペプチドなしまたはありの抗体G1 Fab溶液をチップ上のCGRPに注入し、チップ表面上で溶液状態での競合の結果、検出される結合応答の枯渇をモニタリングした。このような結合応答を検量曲線を用いて「遊離Fab濃度」に変換し、検量曲線は、抗体G1 Fab単独(5、2.5、1.25、0.625、0.325および0nM)をチップ上のCGRPにおいて滴定することにより作成した。「遊離Fab濃度」を、溶液ベースの競合ペプチドの使用濃度に対してプロットして各データ点を得、BIA評価ソフトウェアを用いて溶液状態の親和性のモデルにフィッティングさせた。このようにして(間接的に)測定された溶液状態の親和性を表5と7に示し、Fabを直接、SAチップ上のN-ビオチン化CGRPに注入した場合に得られる親和性を検証するために使用した。これらの2つの方法によって測定した親和性同士の近接した一致により、N-ビオチン化型のCGRPをチップに結合化させてもその天然の溶液状態の結合活性は改変されないことが確認される。
以下の表5は、Biacoreにより、Fab断片をSAチップ上のN-ビオチン化CGRPに流すことにより測定されたヒトα-CGRP、ヒトβ-CGRP、ラットα-CGRPおよびラットβ-CGRPに対する抗体G1の結合親和性を示す。極めて遅い解離速度での結合相互作用の親和性をよりよく解明するため、このアッセイの方向性(orientation)を補完するための二部形式の実験でも親和性を調べ、ラットα-CGRP相互作用の溶液状態の親和性も調べた(上記のとおり)。両方のアッセイの方向性で測定された親和性同士の近接した一致により、天然ラットα-CGRPの溶液状態の結合親和性は、N-ビオチン化してSAチップに結合化させた場合でも改変されないことが確認される。
(表5)チップ上のCGRPにおいて滴定された抗体G1 Fabの結合親和性
Figure 2019529463
α-CGRP(ラットおよびヒト)に対する親和性は、二部形式の高分解能実験において調べ、この場合、解離期を2時間モニタリングした(kon、koffおよびKDの値はn連の実験の平均を表し、標準偏差を分散パーセントとして表示している)。β-CGRP(ラットおよびヒト)に対する親和性は、極端な解離速度を定量するのに充分に精密でない20分間だけの解離期を用いたグローバル解析によって調べた(この解離速度は、おそらくここに記載のものよりも遅く、したがって、その親和性はおそらくさらにもっと高いであろう)。抗体G1 Fabは、すべてのCGRP(α-ラットCGRPを除く)から、Biacoreアッセイの解像限界に近い解離速度で極めて遅く解離した(特に25℃で)。
**溶液ベースのラットα-CGRP競合因子と共にプレインキュベートした抗体G1 Fabについて、チップ上のCGRPにおいて検出される結合応答の枯渇を測定することにより測定された溶液状態の親和性。
以下の表6は、抗体G1と比べてアミノ酸配列の違いを有する抗体ならびにラットα-CGRPおよびヒトα-CGRPの両方に対するそれらの親和性を示す。表6に示す変異体のアミノ酸置換はすべて、G1の配列と比べたものである。Fab断片の結合親和性はBiacoreにより、該断片をSAチップ上のCGRPに流すことによって調べた。
(表6)Biacoreにより37℃において測定された抗体G1変異体のアミノ酸配列および結合親和性のデータ。
Figure 2019529463
Figure 2019529463
Figure 2019529463
Figure 2019529463
Kabat方式およびChothia方式の両方のCDRを含むすべてのCDR。アミノ酸残基には連続的番号を付している(図5参照)。クローンはすべて、G1と同一のL3+H1+H3配列を有する。KD=koff/kon。koff値は、下線を付したもの(これは、Fab濃度系列のグローバル解析によって得た)以外はすべて、スクリーニングモードで求めた(G1は高分解能モードで解析した)。したがって、下線を付したKD値は、konを測定することにより実験によって求めた。他のkon値はM25と同じであると推定した。
n.d.=測定せず
抗体G1によって認識されるヒトα-CGRP上のエピトープを調べるため、上記のBiacoreアッセイを使用した。ヒトα-CGRPを、SAセンサーチップによる高親和性捕捉を可能にするためにN-ビオチン化型として購入した。チップ上のヒトα-CGRPに対するG1 Fab断片の結合を、CGRPペプチドの非存在下または存在下で調べた。典型的には、2000:1(mol基準)のペプチド/Fab溶液(例えば、10μMのペプチドを含む50nMのG1 Fab)をチップ上のヒトα-CGRPに注入した。図6は、競合ペプチドによってブロックされた結合の割合(%)を示す。図6に示すデータは、ヒトα-CGRPに対するG1 Fabの結合を100%ブロックするペプチドがヒトα-CGRPの1-37(WT)、8-37、26-37、P29A(19-37)、K35A(19-37)、K35E(19-37)およびK35M(19-37); β-CGRPの1-37(WT); ラットα-CGRPの1-37(WT); ならびにラットβ-CGRPの1-37(WT)であることを示す。これらのペプチドはすべて、C末端がアミド化されている。また、ヒトα-CGRPのペプチドF37A(19-37)と19-37(後者はC末端がアミド化されていない)もヒトα-CGRPに対するG1 Fabの結合の約80%〜90%をブロックした。ヒトα-CGRPのペプチド1〜36(C末端がアミド化されていない)は、ヒトα-CGRPに対するG1 Fabの結合の約40%をブロックした。ヒトα-CGRPのペプチド断片19-36(C末端がアミド化されている); ヒトα-CGRPのペプチド断片1-13および1-19(いずれもC末端はアミド化されていない); ならびにヒトアミリン、カルシトニンおよびアドレノメデュリン(すべて、C末端はアミド化されている)は、チップ上のヒトα-CGRPに対するG1 Fabの結合と競合しなかった。このようなデータは、G1がCGRPのC末端エピトープを標的化すること、および最末端の残基(F37)の実体とそのアミド化の両方が結合に重要であることを示す。
また、ヒトα-CGRPの変異体に対するG1 Fabの結合親和性(37℃における)も調べた。以下の表7は、チップ上のN-ビオチン化ヒトα-CGRPおよび変異体についてG1 Fabを直接滴定することにより測定された親和性を示す。表7のデータは、抗体G1は、最も重要な残基であるF37およびG33を有するC末端エピトープに結合することを示す。G1は、C末端(これはアミド化されている)に追加のアミノ酸残基(アラニン)を付加した場合、CGRPに結合しない。
(表7)37℃で測定されたヒトα-CGRPおよび変異体に対するG1 Fabの結合親和性(これらのアミノ酸配列については表4を参照)
Figure 2019529463
上記のデータは、抗体G1が結合するエピトープがヒトα-CGRPのC末端に存在しており、ヒトα-CGRPの33番目および37番目のアミノ酸が抗体G1の結合に重要であることを示す。また、残基F37のアミド化も結合に重要である。
実施例5: CHの臨床試験プロトコル
全般的デザイン
これは、CHを有する成人患者におけるTEV-48125の長期安全性を評価するための68週間の継続試験である。この試験中、ECHおよびCCHを有する適格患者に、以下の表にまとめたとおりにTEV-48125を投与する。
試験中の処置の概要
Figure 2019529463
a 試験全体を通して盲検性を維持するため、各来院時のsc注射の回数は、割り付けられた処置群に関係なく、Study TV48125-CNS-30056の日が巡ってきた(rolling over)すべての患者で同じにする。したがって、患者には、試験IMP(各々、150mg/mLの濃度のTEV-48125を含む1.5mL-注射)またはプラセボIMP(1.5-mL注射)のいずれかの3回のsc注射を来院1、4、7および10回目に、試験IMPまたはプラセボIMPの単回sc注射を来院2、3、5、6、8および9回目に行う。
b 試験全体を通して盲検性を維持するため、各来院時のsc注射の回数は、割り付けられた処置群に関係なく、Study TV48125-CNS-30057の日が巡ってきたすべての患者で同じにする。したがって、患者には、試験IMP(各々、150mg/mLの濃度のTEV-48125を含む1.5mL-注射)の3回のsc注射、または試験IMPの1回のsc注射とプラセボIMP(1.5-mL注射)の2回のsc注射のいずれかを来院1回目に行う。
c ピボタル試験の来院2回目(0週目)に900mgのTEV-48125をiv投与し、ピボタル試験の来院3回目と4回目(それぞれ、4週目と8週目)に225mgのTEV-48125をsc投与。
d ピボタル試験の来院2回目(0週目)に675mgのTEV-48125をsc投与し、ピボタル試験の来院3回目と4回目(それぞれ、4週目と8週目)にプラセボをsc投与。
e ピボタル試験の来院2回目(0週目)にプラセボをivおよびscで投与し、ピボタル試験の来院3回目と4回目(それぞれ、4週目と8週目)にプラセボをsc投与。
f ピボタル試験の来院2回目(0週目)に675mgのTEV-48125をsc投与し、ピボタル試験の来院3回目と4回目(それぞれ、4週目と8週目)に225mg のTEV-48125をsc投与。
CCH=慢性群発頭痛; ECH=反復性群発頭痛; IMP=試験薬; iv=静脈内; sc=皮下。
CHの寛解(IMPの開始(すなわち、ピボタル試験において初回用量のIMPの投与)後、任意の時点で連続12週間、CH発作がないと定義する)がみられるECHの診断を有する患者は処置を止める。処置を止めた後12週間以内にCH発作が再発した場合、患者は先の投与レジメンでの処置を36週目まで再開する。処置を止めた後12週間を超えてからCH発作が再発した場合、患者は四半期に1回の675mgのTEV-48125のsc処置を36週目まで再開する。
CHの寛解(IMPの開始(すなわち、ピボタル試験において初回用量のIMPの投与)後、任意の時点で連続24週間、CH発作がないと定義する)がみられるCCHの診断を有する患者は処置を止める。処置を止めた後12週間以内にCH発作が再発した場合、患者は1ヶ月に1回の225mgのTEV-48125のsc処置を36週目まで再開する。処置を止めた後12週間を超えてからCH発作が再発した場合、患者は負荷用量675mgのTEV-48125のsc処置と、その後の1ヶ月に1回の225mgのTEV-48125のsc処置を36週目まで再開する。
すべての患者は、初回用量のIMPの投与(来院1回目[0週目])後、処置終了(EOT)時の来院(来院11回目[40週目])(これは、最終用量のIMPの投与(36週目)後、およそ4週間目に行う)まで、およそ4週間毎に試験センターに戻る。患者は、ADA、TEV-48125濃度、バイオマーカー、ならびに安全性(有害事象および併用薬)を評価するための追跡来院(来院12回目)のために、最後のIMP投与のおよそ7.5ヶ月後に戻る。この来院は、ADA、TEV-48125濃度、バイオマーカー、および安全性を評価する目的のためだけの来院である。40週間の処置期間を完了する前に試験から離脱する患者の場合、患者にIMPが投与された最後の日またはその後できるだけ早くに、EOT来院時の処置と評価が行われ、患者は、最後のIMP投与のおよそ7.5週間後に追跡来院のために戻ることが求められる。
CH発作情報は、処置期間全体を通して(すなわち、来院1回目[0週目]から来院11回目[40週目]まで)、電子日記デバイスを用いて毎日収集される。CH関連支障度、生活の質の変化、および健康状態の評価(入院時の不安および抑鬱スケール(Hospital Anxiety and Depression Scale)[HADS]、EuroQol 5 Dimension[EQ-5D]質問票、12項目の健康調査票(12-Item Short-Form Health Survey)[SF 12]、パートナーおよび家族に対する影響(Impact on Partner and Family)の質問票、ならびに作業の生産性および活動障害(Work Productivity and Activity Impairment)[WPAI]の質問票を使用);処置の満足度(患者が認識する満足度の改善[PPSI]および患者の全般的印象の変化[PGIC]スケールを使用);安全性評価;薬物動態、免疫原性およびバイオマーカーの解析のための血液採取;ならびにバイオマーカーの解析のための尿試料採取を、事前に指定した時間点において行う。
CHを有する患者におけるTEV-48125の長期安全性を、有害事象および併用薬についての問診、ECG、バイタルサインの測定値、臨床検査試験、身体検査、注射部位の評価、アナフィラキシーおよび過敏性に関する評価ならびにeC-SSRSの投与によって評価する。試験終了時は、最後の患者が追跡来院に訪れる日と定義する。
試験薬は、試験IMPおよびプラセボIMPと定義する。試験IMPおよびプラセボIMPの詳細を以下の表に示す。
試験に使用した試験薬
Figure 2019529463
IMP=試験薬; INN=国際一般名; n/a=該当なし; sc=皮下。
推奨されるsc注射部位は、米国立衛生研究所の2015年9月の患者教育ガイドライン(Patient Education Guidelines)に従うものであり、これは、以下のウェブサイト: cc.nih.gov/ccc/patient_education/pepubs/subq.pdfで入手可能である。提案される注射部位は上腕の裏側、下腹/腹部/ウエストラインおよび大腿前面である。各来院時、注射は、異なる箇所に行う(例えば、厳密に同じ場所にしない)のがよく、注射の実施を担当する試験スタッフメンバーは、アザおよび圧痛がないこと、ならびに部位の適正なローテーションが行われていることを確実にするために先の注射部位を点検するのがよい。sc注射の総回数およびその箇所を、各投与来院で(来院1回目から10回目まで)記録する。投与が完了したとみなされるためには、各プレフィルドシリンジで体積1.5-mLがsc注射されなければならない。
試験薬
TEV-48125は、マウス前駆体に由来するヒト化IgG2a/κモノクローナル抗体である。
開始用量および用量レベル
Study TV48125-CNS-30056の日が巡ってきたECHを有する患者:
・負荷用量900mgのTEV-48125のiv処置群になった患者には、225mg scのTEV-48125を単回注射として、来院1回目およびその後4週間毎に36週目(来院10回目)まで投与する。盲検性のため、これらの患者には、来院1、4、7および10回目に2回のプラセボsc注射も行う。
・プラセボ群および四半期に1回675mgのTEV-48125のsc処置群になった患者には、675mg scのTEV-48125を3回の注射(225mg/1.5mL)として、来院1回目およびその後12週間毎に36週目(来院10回目)まで投与する。盲検性のため、患者には、1回の単回プラセボsc注射を来院2、3、5、6、8および9回目に行う。
CHの寛解(IMPの開始(すなわち、ピボタル試験において初回用量のIMPの投与)後、任意の時点で連続12週間、CH発作がないと定義する)がみられるECHの診断を有する患者は処置を止める。処置を止めた後12週間以内にCH発作が再発した場合、患者は先の投与レジメンでの処置を36週目まで再開する。処置を止めた後12週間を超えてからCH発作が再発した場合、患者は四半期に1回の675mgのTEV-48125のsc処置を36週目まで再開する。
Study TV48125-CNS-30057の日が巡ってきたCCHを有する患者:
・負荷用量900mgのTEV-48125のiv処置群および負荷用量675mgのTEV-48125のsc処置群になった患者には、225mgのTEV-48125を単回sc注射(225mg/1.5mL)として、来院1回目およびその後4週間毎に36週目(来院10回目)まで投与する。盲検性のため、これらの患者にはまた、来院1回目に2回のプラセボsc注射も行う。
・プラセボ群になった患者には、来院1回目に675mgの負荷用量のTEV-48125を3回のsc注射(225mg/1.5mL)として投与し、その後4週間毎に36週目(来院10回目)まで225mgのTEV-48125を単回sc注射として投与する。
CHの寛解(IMPの開始(すなわち、ピボタル試験において初回用量のIMPの投与)後、任意の時点で連続24週間、CH発作がないと定義する)がみられるCCHの診断を有する患者は処置を止める。処置を止めた後12週間以内にCH発作が再発した場合、患者は1ヶ月に1回の225mgのTEV-48125のsc処置を36週目まで再開する。処置を止めた後12週間を超えたからCH発作が再発した場合、患者は負荷用量675mgのTEV-48125のsc処置と、その後の1ヶ月に1回の225mgのTEV-48125のsc処置を36週目まで再開する。
実施例6: CCHの臨床試験プロトコル
慢性群発頭痛の予防のためのTEV-48125対プラセボの2つの投与レジメン(静脈内/皮下および皮下)の有効性および安全性を比較する多施設無作為化二重盲検ダブルダミープラセボ対照並行群間比較試験。これは、成人患者におけるCCHの予防のためのTEV-48125対プラセボの2つの投与レジメンの有効性および安全性を比較するための16週間の多施設無作為化二重盲検ダブルダミープラセボ対照並行群間比較試験である。この試験は、スクリーニング来院、およそ4週間(+3日間)続く導入期間、および12週間の二重盲検処置期間からなる。
患者は、書面でのインフォームドコンセントを提出した後にスクリーニング来院(来院1回目)を完了し、適格患者は、少なくとも4週間(+3日間)続く導入期間にエントリーされ、当該期間中は毎日、ベースラインCH発作情報を電子日記デバイスに入力する。患者は、導入期間(来院2回目[0週目])の完了後に試験センターに戻る。導入期間中に少なくとも10回のCH発作を有する患者および継続して適格基準を満たす(例えば、電子日記のCH発作情報の入力内容が導入期間中の日数の85%でコンプライアンスを示す)患者を、来院2回目(0週目)に、以下の3つの処置群のうちの1つに1 : 1 :1の比で無作為に割り付ける:
1)負荷用量900mgのTEV-48125のiv処置群: 来院2回目(0週目)に900mgのTEV-48125をおよそ1時間のiv点滴により投与し、その後、来院3回目と4回目(それぞれ、4週目と8週目)に225mgのTEV-48125を単回sc注射(225mg/1.5mL)として投与。
2)負荷用量675mgのTEV-48125のsc処置群: 来院2回目(0週目)に675mgのTEV-48125を3回のsc注射(225mg/1.5mL)として投与し、その後、来院3回目と4回目(それぞれ、4週目と8週目)に225mgのTEV-48125を単回sc注射(225mg/1.5mL)として投与。
3)プラセボ群: 来院2回目(0週目)にプラセボをおよそ1時間のiv点滴によって、および3回のsc注射として投与し、その後、来院3回目と4回目(それぞれ、4週目と8週目)にプラセボを単回sc注射として投与。
試験全体を通して盲検性を維持するため、各来院時の点滴および注射の回数は、無作為化された処置群に関係なく、すべての患者で同じにする。したがって、すべての患者に、試験IMPまたはプラセボIMPを点滴によりiv投与し、その後、来院2回目(0週目)に試験IMPまたはプラセボIMPの3回のsc注射を行い、来院3回目と4回目(それぞれ、4週目と8週目)にすべての患者に試験IMPまたはプラセボIMPの単回sc注射を行う。
無作為化は、電子双方向応答技術(IRT)を用いて行う。患者を、性別、国、およびベースライン時の併用予防薬(あり/なし)に基づいた層別化を伴って、負荷用量900mgのTEV-48125のiv処置群、負荷用量675mgのTEV-48125のsc処置群、またはプラセボ群に1 : 1 : 1の比で無作為に割り付ける。
盲検処置は、1ヶ月に1回(すなわち、およそ4週間毎に)、合計3ヶ月間行う。最終試験評価は、初回用量のIMPの投与のおよそ12週間後の、この試験の最終来院時(来院5回目)に行う。最終試験評価を申し分なく完了したら、患者は、最後のIMP投与のおよそ7.5ヶ月後に、40週間の長期処置期間と最終追跡来院からなる68週間の長期安全性試験(Study TV48125-CNS-30058)にエントリーすることを依頼される。この長期安全性試験のために別個のプロトコルが作成される。なんらかの理由で長期安全性試験に登録しない患者は、最後のIMP投与のおよそ7.5ヶ月後に、ADA、TEV-48125濃度、ならびに安全性(有害事象および併用薬)を評価する目的のための試験にエントリーすることを依頼される。
CH発作情報は、二重盲検処置期間中、電子日記デバイスを用いて毎日収集される。CH関連支障度、生活の質の変化、および健康状態の評価(入院時の不安および抑鬱スケール[HADS]、EuroQol-5 Dimension[EQ-5D]質問票、12項目の健康調査票[SF-12]、パートナーおよび家族に対する影響の質問票、ならびに作業の生産性および活動障害[WPAI]の質問票を使用);処置の満足度(PPSIおよび患者の全般的印象の変化[PGIC]スケールを使用);安全性評価(例えば、eC-SSRS);薬物動態、免疫原性、バイオマーカーおよびファーマコゲノミクス(地方条例によって許容されないものでない限り)の解析のための血液採取;ならびにバイオマーカーの解析のための尿試料採取を、事前に指定した時間点において行う。
試験に使用した試験薬
試験薬は、試験IMPおよびプラセボIMPと定義する。試験IMPおよびプラセボIMPの詳細を以下の表に示す。
Figure 2019529463
IMP=試験薬; iv=静脈内; n/a=該当なし; sc=皮下。
この二重盲検ダブルダミープラセボ対照試験で評価するTEV-48125の用量、レジメン、および投与経路は、3つのカギとなる要素に基づいて選択した。第1に、シミュレーションにより、Cmaxは、TEV-48125の(片頭痛における)有効性の最も重要な薬物動態パラメータであることが示唆されている。CHは人が経験し得る痛みの最も重度の形態の1つとみなされているため、この患者集団にとって、即座で持続性(すなわち、群発期間の持続期間中)の軽減をもたらす処置が優先事項である。第2に、この疾患の生物学的性質は、(片頭痛の場合と同様に)二次ニューロンではなく三次ニューロンを鈍化させるためのなんらかの処置の必要性を強いるものであり、一次ニューロンで高レベルのブロックが必要であろうことが示唆される。第3に、薬物の好都合な安全性プロフィールおよび計算された安全域に基づいたモデル設計およびシミュレーション、ならびに曝露に対する臨床および非臨床安全性データにより、提案される用量、レジメン、および投与経路はなんら安全性の懸念を提示しないことが示唆される。
本試験では、即時応答を得るために、初回用量は高用量(900mg ivまたは675mg sc)を計画しており、特にiv点滴の場合は、概して点滴終了時またはその直後(sc注射の場合は投与後96〜108時間)に高ピーク血漿濃度(Cmax)を得られる(tmax値の中央値はiv点滴の開始後1.0〜5.0時間目に得られる)。この2つの負荷用量形態により、負荷用量としてivまたはscのいずれかの有益性を確認するためのデータが得られる。毎月用量225mgのTEV-48125のsc処置を、有効性の維持のために、初回用量900mgのiv投与および675mgのsc投与の両方に加えた。モデル設計に基づくと、負荷用量投与を含めることにより、患者が、より速く定常状態に到達することが可能になるはずである。このCCH集団における毎月用量225mgのsc投与が、このCH形態では、発作間の無頭痛期が1ヶ月未満である連続的発作がみられることの原因であろう。
IMPの投与はivおよびsc経路による。来院2回目に、IMP(試験薬またはプラセボ)を、IMP(試験薬またはプラセボ)のおよそ1時間のiv点滴、その後、3回のsc注射によって投与する。来院3回目と4回目に、IMP(試験薬またはプラセボ)を単回sc注射として投与する。推奨されるsc注射部位は、米国立衛生研究所の2015年9月の患者教育ガイドラインに従うものであり、これは、以下のウェブサイト: www.cc.nih.gov/ccc/patient_education/pepubs/subq.pdfで入手可能である。提案される注射部位は上腕の裏側、下腹/腹部/ウエストラインおよび大腿前面である。各来院時、注射は、異なる箇所に行う(例えば、厳密に同じ場所にしない)のがよく、注射の実施を担当する試験スタッフメンバーは、アザおよび圧痛がないこと、ならびに部位の適正なローテーションが行われていることを確実にするために先の注射部位を点検するのがよい。sc注射の総回数およびその箇所を各投与来院で記録する(来院2回目から4回目まで、試験薬またはプラセボ)。投与が完了したとみなされるためには、各プレフィルドシリンジで体積1.5-mLがsc注射されなければならない。
試験薬
TEV-48125は、マウス前駆体に由来するヒト化IgG2a/κモノクローナル抗体である。CHのためのTEV-48125はiv投与用およびsc投与用に開発中である。
開始用量および用量レベル
TEV-48125の投与に無作為化された患者には、900mgまたは675mgのいずれかを投与する。来院2回目(0週目)に、処置薬(IMPまたはプラセボ)のiv投与をsc投与より先に行う。負荷用量900mgのiv処置群に無作為化された患者には、900mgのTEV-48125をおよそ1時間のiv点滴として、その後、3回のプラセボsc注射を来院2回目(0週目)に投与し、来院3回目と4回目(それぞれ、4週目と8週目)に225mgのTEV-48125を単回sc注射(225mg/1.5mL)として投与する。用量675mgのsc処置群の患者には、プラセボをおよそ1時間のiv点滴として投与し、その後、675mgのTEV-48125を3回のsc注射(225mg/1.5mL)として来院2回目(0週目)に投与し、来院3回目と4回目(それぞれ、4週目と8週目)に225mgのTEV-48125を単回sc注射として投与する。
試験の目的およびエンドポイント
一次目的およびエンドポイント:
この試験の一次目的は、成人患者の慢性群発頭痛(CCH)の予防におけるフレマネズマブの有効性を実証することである。
この試験の有効性の一次エンドポイントは、初回用量の試験薬(IMP)の投与後12週間の期間中の、すなわち0〜12週目のデータに基づいた群発頭痛(CH)発作の平均月間回数のベースライン(導入期間)からの平均変化である。
二次目的およびエンドポイント
この試験の二次目的は、成人患者のCCHの予防におけるフレマネズマブの有効性をさらに実証することである。
有効性をさらに実証するための有効性の二次エンドポイントは:
・初回用量のIMPの投与後12週間の期間にわたる、すなわち0〜12週目のデータに基づいたCH発作の平均月間回数のベースライン(導入期間)から≧50%の減少を有する患者集団;
・初回用量のIMPの投与後4週間の期間中の、すなわち0〜4週目のデータに基づいたCH発作の回数のベースライン(導入期間)からの平均変化;
・3回目のIMP投与後4週間の期間中の、すなわち8〜12週目のデータに基づいたCH発作の回数のベースライン(導入期間)からの平均変化;
・初回用量のIMPの投与後12週間の期間中の、すなわち0〜12週目のデータに基づいた、群発頭痛に特異的な急性期頭痛薬(トリプタンおよび麦角化合物)を使用した日の週間平均日数のベースライン(導入期間)からの平均変化;
・初回用量のIMPの投与後12週間の期間中の、すなわち0〜12週目のデータに基づいた、CCHを処置するために酸素を使用した日の週間平均日数のベースライン(導入期間)からの平均変化;および
・初回用量のIMPの投与後1、4、8および12週間目においてベースライン(0日目)と比べたときの、患者が認識する満足度の改善(PPSI)によって測定される、患者による改善の認識の評価
である。
この試験の二次目的は、CCHを有する成人患者におけるフレマネズマブの安全性を評価することである。
安全性の二次エンドポイントは以下のとおりである:
・試験全体を通しての有害事象の発生;
・各来院時の臨床検査(血清化学検査、血液検査、凝固および尿検査)の試験結果;
・各来院時のバイタルサイン(最高および最低血圧、口腔内温度および脈拍数)の測定値。注:アナフィラキシーおよび重度の過敏性が疑われる場合は酸素飽和度を測定する。また、このような場合は呼吸数も測定するが標準的なバイタルサインとしてではない;
・スクリーニング時、ベースライン時および12週目における12リード心電図(ECG)の所見
・試験中における併用薬の使用;
・体重などの身体検査値の臨床的に有意な変化;
・注射部位の反応(すなわち、紅斑、硬結および斑状出血)ならびに注射部位の痛みの評価;
・過敏性/アナフィラキシー反応の発生;および
・電子コロンビア自殺重症度評価尺度(eC-SSRS)によって測定される自殺の念慮および行動。
実施例7: ECHの臨床試験プロトコル
全般的デザイン
これは、成人患者におけるECHの予防のためのTEV-48125対プラセボの2つの投与レジメンの安全性および有効性を比較するための13週間の多施設無作為化二重盲検ダブルダミープラセボ対照並行群間比較試験である。この試験は、スクリーニング来院、少なくとも1週間(+3日間)続く導入期間、および12週間の二重盲検処置期間からなる。
患者は、書面でのインフォームドコンセントを提出した後にスクリーニング来院(来院1回目)を完了し、適格患者は、少なくとも1週間(+3日間)続く導入期間にエントリーされ、当該期間中は毎日、ベースラインCH発作情報を電子日記デバイスに入力する。患者は、導入期間(来院2回目[0週目])の完了後に試験センターに戻る。導入期間中に少なくとも7回のCH発作を有した患者、および継続して適格基準を満たす(例えば、電子日記のCH発作情報の入力内容が導入期間中の日数の85%でコンプライアンスを示す)患者を、来院2回目(0週目)に、以下の3つの処置群のうちの1つに1 : 1 : 1の比で無作為に割り付ける:
1)負荷用量900mgのTEV-48125のiv処置群: 来院2回目(0週目)に900mgのTEV-48125をおよそ1時間のiv点滴によって投与し、その後、来院3回目と4回目(それぞれ、4週目と8週目)に225mgのTEV-48125を単回sc注射(225mg/1.5mL)として投与
2)四半期に1回675mgのTEV-48125のsc処置群: 来院2回目(0週目)に675mgのTEV-48125を3回のsc注射(225mg/1.5mL)として投与し、その後、来院3回目と4回目(それぞれ、4週目と8週目)にプラセボを単回sc注射として投与
3)プラセボ群: 来院2回目(0週目)にプラセボをおよそ1時間のiv点滴によって、および3回のsc注射として投与し、その後、来院3回目と4回目(それぞれ、4週目と8週目)にプラセボを単回sc注射として投与
試験全体を通して盲検性を維持するため、各来院時の点滴および注射の回数は、無作為化された処置群に関係なく、すべての患者で同じにする。したがって、すべての患者に、試験IMPまたはプラセボIMPのiv点滴を行い、その後、来院2回目(0週目)に試験IMPまたはプラセボIMPの3回のsc注射を行い、来院3回目と4回目(それぞれ、4週目と8週目)に試験IMPまたはプラセボIMPの単回sc注射を行う。
無作為化は、電子双方向応答技術(IRT)を用いて行う。患者を、性別、国、およびベースライン時の併用予防薬(あり/なし)に基づいた層別化を伴って、負荷用量900mgのTEV-48125のiv処置群、四半期に1回675mgのTEV-48125のsc処置群、またはプラセボ群に1 : 1 : 1の比で無作為に割り付ける。
盲検処置は、1ヶ月に1回(すなわち、およそ4週間毎に)、合計3ヶ月間行う。最終試験評価は、初回用量のIMPの投与のおよそ12週間後の、この試験の最終来院時(来院5回目)に行う。最終試験評価を申し分なく完了したら、患者は、最終IMP投与のおよそ7.5ヶ月後に、40週間の長期処置期間と最終追跡来院からなる68週間の長期安全性試験(Study TV48125-CNS-30058)にエントリーすることを依頼される。この長期安全性試験のために別個のプロトコルが作成される。なんらかの理由で長期安全性試験に登録しない患者は、最終IMP投与のおよそ7.5ヶ月後に、ADA、TEV-48125濃度、ならびに安全性(有害事象および併用薬)を評価する目的のための試験にエントリーすることを依頼される。
CH発作情報は、二重盲検処置期間中、電子日記デバイスを用いて毎日収集される。CH関連支障度、生活の質の変化、および健康状態の評価(入院時の不安および抑鬱スケール[HADS]、EuroQol-5 Dimension[EQ-5D]質問票、12-Item Short Form Health Survey[SF-12]、パートナーおよび家族に対する影響の質問票、ならびに作業の生産性および活動障害[WPAI]の質問票を使用);処置の満足度(PPSIおよび患者の全般的印象の変化[PGIC]スケールを使用);安全性評価(例えば、eC-SSRS);薬物動態、免疫原性、バイオマーカーおよびファーマコゲノミクス(地方条例によって許容されないものでない限り)の解析のための血液採取;ならびにバイオマーカーの解析のための尿試料採取を、事前に指定した時間点において行う。
試験終了時は、最後の患者の最終来院と定義する。
試験に使用した試験薬
試験薬は、試験IMPおよびプラセボIMPと定義する。試験IMPおよびプラセボIMPの詳細を以下の表に示す。
Figure 2019529463
IMP=試験薬; iv=静脈内; n/a=該当なし; sc=皮下。
この二重盲検ダブルダミープラセボ対照試験で評価するTEV-48125の用量、レジメン、および投与経路は、3つのカギとなる要素に基づいて選択した。第1に、シミュレーションにより、Cmaxは、TEV-48125の(片頭痛における)有効性の最も重要な薬物動態パラメータであることが示唆されている。CHは人が経験し得る痛みの最も重度の形態の1つとみなされているため、この患者集団にとって、即座で持続性(すなわち、群発期間の持続期間中)の軽減をもたらす処置が優先事項である。第2に、この疾患の生物学的性質は、(片頭痛の場合と同様に)二次ニューロンではなく三次ニューロンを鈍化させるためのなんらかの処置の必要性を強いるものであり、一次ニューロンで高レベルのブロックが必要であろうことが示唆される。第3に、薬物の好都合な安全性プロフィールおよび計算された安全域に基づいたモデル設計およびシミュレーション、ならびに曝露に対する臨床および非臨床安全性データにより、提案される用量、レジメン、および投与経路はなんら安全性の懸念を提示しないことが示唆される。
本試験では、即時応答を得るために、初回用量は高用量(900mg ivまたは675mg sc)を計画しており、特にiv点滴の場合は、概して点滴終了時またはその直後(sc注射の場合は投与後96〜108時間)に高ピーク血漿濃度(Cmax)を得られる(tmax値の中央値はiv点滴の開始後1.0〜5.0時間目に得られる)。この2つの負荷用量形態により、負荷用量としてivまたはscのいずれかの有益性を確認するためのデータが得られる。毎月用量225mgのTEV-48125 sc投与を、有効性の維持のために、初回用量900mgのiv投与に加えた。モデル設計に基づくと、負荷用量投与を含めることにより、患者が、より速く定常状態に到達することが可能になるはずである。このECH集団における四半期に1回の675mgのsc投与により、このCH形態でみられる寛解期間を考慮した単回処置用量の評価が可能になる。
IMPの投与はivおよびsc経路による。来院2回目に、IMP(試験薬またはプラセボ)を、IMP(試験薬またはプラセボ)のおよそ1時間のiv点滴、その後、3回のsc注射によって投与する。来院3回目と4回目に、IMP(試験薬またはプラセボ)を単回sc注射として投与する。推奨されるsc注射部位は、米国立衛生研究所の2015年9月の患者教育ガイドラインに従うものであり、これは、以下のウェブサイト: http://www.cc.nih.gov/ccc/patient_education/pepubs/subq.pdfで入手可能である。提案される注射部位は、上腕の裏側、下腹/腹部/ウエストライン、および大腿前面である。各来院時、注射は、異なる箇所に行う(例えば、厳密に同じ場所にしない)のがよく、注射の実施を担当する試験スタッフメンバーは、アザおよび圧痛がないこと、ならびに部位の適正なローテーションが行われていることを確実にするために先の注射部位を点検するのがよい。IMPのsc注射の総回数およびその箇所を各投与来院で記録する(来院2回目から4回目まで、試験薬またはプラセボ)。投与が完了したとみなされるためには、各プレフィルドシリンジで体積1.5-mLがsc注射されなければならない。
試験薬
TEV-48125は、マウス前駆体に由来するヒト化IgG2a/κモノクローナル抗体である。CHのためのTEV-48125はiv投与用およびsc投与用に開発中である。
開始用量および用量レベル
TEV-48125の投与に無作為化された患者には900mgまたは675mgのいずれかを投与する。来院2回目(0週目)に、処置薬(IMPまたはプラセボ)のiv投与をsc投与より先に行う。負荷用量900mgのiv処置群に無作為化された患者には、900mgのTEV-48125の投与をおよそ1時間のiv点滴によって、その後、プラセボを3回のsc注射として来院2回目(0週目)に行い、来院3回目と4回目(それぞれ、4週目と8週目)に225mgのTEV-48125を単回sc注射(225mg/1.5mL)として投与する。四半期に1回675mgのTEV-48125のsc処置群に無作為化された患者には、プラセボの投与をおよそ1時間のiv点滴によって行い、その後、675mgのTEV-48125を3回のsc注射(225mg/1.5mL)として来院2回目(0週目)に投与し、来院3回目と4回目(それぞれ、4週目と8週目)にプラセボを単回sc注射として投与する。
試験の目的およびエンドポイント
一次目的およびエンドポイント:
この試験の一次目的は、成人患者の反復性群発頭痛(ECH)の予防におけるフレマネズマブの有効性を実証することである。
この試験の有効性の一次エンドポイントは、初回用量の試験薬(IMP)の投与後4週間の期間中の、すなわち0〜4週目のデータに基づいた群発頭痛(CH)発作の平均週間回数のベースライン(導入期間)からの平均変化である。
二次目的およびエンドポイント:
この試験の二次目的は、成人患者のECHの予防におけるフレマネズマブの有効性をさらに実証することである。
有効性をさらに実証するための有効性の二次エンドポイントは:
・初回用量のIMP後4週間の期間中の、すなわち0〜4週目のデータに基づいたCH発作の平均週間回数のベースライン(導入期間)から≧50%の減少を有する患者集団;
・初回用量のIMPの投与後12週間の期間中の、すなわち0〜12週目のデータに基づいたCH発作の回数のベースライン(導入期間)からの平均変化;
・3回目のIMPの投与後4週間の期間中の、すなわち8〜12週目のデータに基づいたCH発作の回数のベースライン(導入期間)からの平均変化;
・初回用量のIMPの投与後12週間の期間中の、すなわち0〜12週目のデータに基づいた、群発頭痛に特異的な急性期頭痛薬(トリプタンおよび麦角化合物)を使用した日の週間平均日数のベースライン(導入期間)からの平均変化;
・初回用量のIMPの投与後12週間の期間中の、すなわち0〜12週目のデータに基づいた、ECHを処置するために酸素を使用した日の週間平均日数のベースライン(導入期間)からの平均変化;および
・初回用量のIMPの投与後1、4、8および12週間目においてベースライン(0日目)と比べたときの、患者が認識する満足度の改善(PPSI)によって測定される、患者による改善の認識の評価
である。
この試験の二次目的は、ECHを有する成人患者におけるフレマネズマブの安全性を評価することである。
安全性の二次エンドポイントは以下のとおりである:
・試験全体を通しての有害事象の発生;
・各来院時の臨床検査(血清化学検査、血液検査、凝固および尿検査)の試験結果;
・各来院時のバイタルサイン(最高および最低血圧、口腔内温度および脈拍数)の測定値。注:アナフィラキシーおよび重度の過敏性が疑われる場合は酸素飽和度を測定する。また、このような場合は呼吸数も測定するが標準的なバイタルサインとしてではない;
・スクリーニング時、ベースライン時および12週目におけるにおける12リード心電図(ECG)の所見;
・試験中における併用薬の使用;
・体重などの身体検査値の臨床的に有意な変化;
・注射部位の反応(すなわち、紅斑、硬結および斑状出血)ならびに注射部位の痛みの評価;
・過敏性/アナフィラキシー反応の発生;および
・電子コロンビア自殺重症度評価尺度(eCSSRS)によって測定される自殺の念慮および行動。
抗体の配列
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Claims (14)

  1. 対象における慢性群発頭痛(CCH)を治療する方法であって、
    CCHが起こりやすいかまたはCCHを有する対象を選択する工程;および
    カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)経路をモジュレートする治療有効量のモノクローナル抗体を該対象に投与する工程であって、該モノクローナル抗体が約900mgの用量で静脈内投与され、その後、約225mgの後続用量が1ヶ月間隔で皮下投与される、工程
    を含む、前記方法。
  2. 対象における反復性群発頭痛(ECH)を治療する方法であって、
    ECHが起こりやすいかまたはECHを有する対象を選択する工程;および
    カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)経路をモジュレートする治療有効量のモノクローナル抗体を該対象に投与する工程であって、該モノクローナル抗体が約900mgの用量で静脈内投与され、その後、約225mgの後続用量が1ヶ月間隔で皮下投与される、工程
    を含む、前記方法。
  3. 前記投与する工程が、
    ある用量の前記モノクローナル抗体を含む、プレフィルドシリンジ、針の安全装置を有するプレフィルドシリンジ、ペン型注射器、または自動注入装置で該抗体を前記対象に投与すること
    を含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記モノクローナル抗体が、該抗体を少なくとも約150mg/mLの濃度で含む製剤として投与される、請求項1または2に記載の方法。
  5. 前記モノクローナル抗体が、2mL未満の体積で投与される、請求項1または2に記載の方法。
  6. 前記モノクローナル抗体が、抗CGRPアンタゴニスト抗体である、請求項1または2に記載の方法。
  7. 前記モノクローナル抗体が、ヒト抗体またはヒト化抗体である、請求項1または2に記載の方法。
  8. 前記モノクローナル抗体が、ヒト化抗CGRPアンタゴニスト抗体である、請求項1または2に記載の方法。
  9. 前記モノクローナル抗体が、SEQ ID NO: 3に示すCDR H1; SEQ ID NO: 4に示すCDR H2; SEQ ID NO: 5に示すCDR H3; SEQ ID NO: 6に示すCDR L1; SEQ ID NO: 7に示すCDR L2;およびSEQ ID NO: 8に示すCDR L3を含む、請求項1または2に記載の方法。
  10. 前記モノクローナル抗体が、IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4抗体である、請求項1または2に記載の方法。
  11. 前記対象がヒトである、請求項1または2に記載の方法。
  12. 慢性群発頭痛治療用の医薬を製造するための、SEQ ID NO: 3に示すCDR H1; SEQ ID NO: 4に示すCDR H2; SEQ ID NO: 5に示すCDR H3; SEQ ID NO: 6に示すCDR L1; SEQ ID NO: 7に示すCDR L2;およびSEQ ID NO: 8に示すCDR L3を含むモノクローナル抗体の使用。
  13. 反復性群発頭痛治療用の医薬を製造するための、SEQ ID NO: 3に示すCDR H1; SEQ ID NO: 4に示すCDR H2; SEQ ID NO: 5に示すCDR H3; SEQ ID NO: 6に示すCDR L1; SEQ ID NO: 7に示すCDR L2;およびSEQ ID NO: 8に示すCDR L3を含むモノクローナル抗体の使用。
  14. 前記請求項のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体の使用のための組成物。
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