JP2019529056A - 眼球の房水排出のための排水装置及び方法 - Google Patents

眼球の房水排出のための排水装置及び方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019529056A
JP2019529056A JP2019538738A JP2019538738A JP2019529056A JP 2019529056 A JP2019529056 A JP 2019529056A JP 2019538738 A JP2019538738 A JP 2019538738A JP 2019538738 A JP2019538738 A JP 2019538738A JP 2019529056 A JP2019529056 A JP 2019529056A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
drainage
tube
drainage device
plate
sclera
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019538738A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019529056A5 (ja
Inventor
ガブリエーレ・ウバルド・フェレンティーニ
ファビオ・フェレンティーニ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fabio Ferentini
Gabriele Ubaldo Ferentini
Original Assignee
Fabio Ferentini
Gabriele Ubaldo Ferentini
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fabio Ferentini, Gabriele Ubaldo Ferentini filed Critical Fabio Ferentini
Publication of JP2019529056A publication Critical patent/JP2019529056A/ja
Publication of JP2019529056A5 publication Critical patent/JP2019529056A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61FFILTERS IMPLANTABLE INTO BLOOD VESSELS; PROSTHESES; DEVICES PROVIDING PATENCY TO, OR PREVENTING COLLAPSING OF, TUBULAR STRUCTURES OF THE BODY, e.g. STENTS; ORTHOPAEDIC, NURSING OR CONTRACEPTIVE DEVICES; FOMENTATION; TREATMENT OR PROTECTION OF EYES OR EARS; BANDAGES, DRESSINGS OR ABSORBENT PADS; FIRST-AID KITS
    • A61F9/00Methods or devices for treatment of the eyes; Devices for putting-in contact lenses; Devices to correct squinting; Apparatus to guide the blind; Protective devices for the eyes, carried on the body or in the hand
    • A61F9/007Methods or devices for eye surgery
    • A61F9/00781Apparatus for modifying intraocular pressure, e.g. for glaucoma treatment
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61FFILTERS IMPLANTABLE INTO BLOOD VESSELS; PROSTHESES; DEVICES PROVIDING PATENCY TO, OR PREVENTING COLLAPSING OF, TUBULAR STRUCTURES OF THE BODY, e.g. STENTS; ORTHOPAEDIC, NURSING OR CONTRACEPTIVE DEVICES; FOMENTATION; TREATMENT OR PROTECTION OF EYES OR EARS; BANDAGES, DRESSINGS OR ABSORBENT PADS; FIRST-AID KITS
    • A61F2220/00Fixations or connections for prostheses classified in groups A61F2/00 - A61F2/26 or A61F2/82 or A61F9/00 or A61F11/00 or subgroups thereof
    • A61F2220/0008Fixation appliances for connecting prostheses to the body
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61FFILTERS IMPLANTABLE INTO BLOOD VESSELS; PROSTHESES; DEVICES PROVIDING PATENCY TO, OR PREVENTING COLLAPSING OF, TUBULAR STRUCTURES OF THE BODY, e.g. STENTS; ORTHOPAEDIC, NURSING OR CONTRACEPTIVE DEVICES; FOMENTATION; TREATMENT OR PROTECTION OF EYES OR EARS; BANDAGES, DRESSINGS OR ABSORBENT PADS; FIRST-AID KITS
    • A61F2230/00Geometry of prostheses classified in groups A61F2/00 - A61F2/26 or A61F2/82 or A61F9/00 or A61F11/00 or subgroups thereof
    • A61F2230/0002Two-dimensional shapes, e.g. cross-sections
    • A61F2230/0017Angular shapes
    • A61F2230/0019Angular shapes rectangular

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Ophthalmology & Optometry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Vascular Medicine (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Surgery (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Prostheses (AREA)
  • External Artificial Organs (AREA)
  • Media Introduction/Drainage Providing Device (AREA)

Abstract

眼球の前眼房にある房水を排水するための排水装置は、チューブ軸に沿って遠位端(10’)と近位端(10”)の間で軸方向に延びる排水チューブ(10)を含む。遠位端及び近位端は少なくとも部分的に開口しており、同じ方向に斜めに切られている。保持フランジ(30)は、排水チューブ(10)の近位端(10”)から延び、上面(32’)及び(下面32”)を有する板状部(32)を含む。排水チューブ(10)の近位端(10”)は斜めであり、その開口部が板状部の上面(32’)のほうを向く。

Description

本願発明は、眼科手術の分野、特に緑内障(glaucoma)の治療技術に関する。
本発明の目的は、眼球の前眼房(anterior chamber)の房水(aqueous humor)を排出するための装置及び方法である。業界技術用語で「シャント」(shunt)としても知られるこの装置は、緑内障発症の主原因の1つである眼内圧(intraocular pressure)を軽減するために使用される。
「緑内障」という用語は、視神経乳頭(optic nerve head)の解剖学上の変化、視野障害、及び眼内圧の上昇を特徴とする一連の目の病態を含む。
この異種性の病理群の中で、最もよく知られ、世界の視力喪失の主因の1つであるのが、原発開放隅角緑内障(POAG、Primary Open Angle Glaucoma)である。それは、放置されると視力喪失に向かって自然にゆっくりと進行する慢性的な視神経障害であるが、概して両眼に起こる(ただし、左右で重篤度が異なり得る)。
事実上、網膜神経節細胞(retinal ganglion cells)及び視神経の神経線維(nerve fibers)の進行性喪失が発生し、これらの線維は網膜の特定の領域からの光刺激を集めるため、患者は視野を「ゾーン」ごとに徐々に喪失し、病態が進行段階に入ると初めにトンネル状視野(tunnel vision)となり最終的に全盲となる。
視神経の緑内障損傷を起こし得るリスク要素は、多く知られており、最も重要なのは眼内圧上昇である。その他のリスク要素には、近視、視神経及び網膜神経線維層の外観変化、加齢、家族健康歴、黒色人種、糖尿病、及び心血管系障害が含まれる。
視神経の神経線維を損傷させる緑内障の原因メカニズムは、一方で、上昇した眼内圧が視神経を機械的に直接圧迫することであり、もう一方は、例えば、拡張期血圧(diastolic pressure)が限界値を下回ることが長引いて神経への血流不全が起こるときの血液潅流欠乏(vascular perfusion deficiency)などの血管系要素である。
現状では緑内障の唯一の治療方法は、長期にわたって眼内圧が正常値を超えたときに、それを軽減することである。目は房水と呼ばれる水に近い液体を常に製造しており、製造は毛様体突起(ciliary processes)で行われ、そこから房水が後眼房、すなわち水晶体レンズと虹彩の後ろとの間の隙間、を満たし、次に前眼房、又は虹彩と角膜との間の隙間、に流入する。房水は、「線維柱体帯網」(trabecular meshwork)と呼ばれフィルタにも例えられる複雑な構造を通って前眼房から出なければならず、次に隣接した「シュレム管」(Schlemm’s canal)と呼ばれる管状構造に浸含され、房水静脈を経て静脈叢(venous plexus)に流入する。
房水の製造と房水の流出とのバランスが変化すると眼圧は上昇する。流出に抵抗する解剖学的な構造は、線維柱体帯網とシュレム管である。圧力値が高いまま目の治療を怠ると神経節細胞、網膜神経線維、及び視神経乳頭に不可逆的な損傷が起こり、永続的で進行性の視力喪失を起こす。
症状が診断されると、治療方法には次の選択肢がある。
低張性点滴薬(hypotonic drops)による医学療法。
これらの点滴薬は、特に房水の製造を減らす、又はその吸収を増やす若しくは流出を促進することで眼内圧を低減させるように作用する。最も広く使われる薬品群は、β受容体遮断薬(beta blockers)、局所二酸化炭素拮抗薬(topical carbon dioxide antagonists)、α2選択性作動薬(alpha2 selective agonists)、プロスタグランディン(prostaglandins)、プロスタミド(prostamides)、及び副交感神経興奮薬(parasympathomimetics)である。
通常、単剤療法が当初選択され、それでも眼圧が通常値まで下がらない場合、他の点滴薬が組み合わせられてもよい。その他の治療には処方された療法と適合しやすくするために使用可能な2つの成分による固定された組み合わせが用意される。
レーザー療法。
ALT(アルゴンレーザー線維柱帯形成術、使用終了)又はSLT(選択的レーザー線維柱帯形成術)などの準外科的療法も使われ得て、レーザーを利用して線維柱帯レベルで房水の流出量を増大させようとするものである。前者療法は熱作用メカニズムで、線維柱体帯網に孔を形成するものであり、後者療法は生物学的作用でサイトカインの生成を刺激するものである。
外科手術。
緑内障の手術療法は従来から医学療法又はレーザー療法が効果的ではないとき、又は患者が点滴薬を正しく使用するかどうか疑わしいときに採用される。
しかし、この10年の間に、より優れより安定した圧力制御、継続通院の低減、及び最終的には患者の快適な生活への障害低減のため、外科手術が第一の治療選択肢として提案されるようになってきた。
緑内障が十分に抑制されず、損傷の進行又は病状の進行リスクが高いことが明らかな場合の全ての症例において、手術療法は前向きに考慮されるべきである。
緑内障に対する手術療法には、人工の房水流路を作ることにより房水の流出への抵抗を減らすことで眼圧を低減させることを全てが目標とする多くの技術がある。
処置の主なタイプには、線維柱帯切除術(trabeculectomy)、深層強膜切開術(deep sclerotomy)や粘弾性管切開術(viscocanalostomy)などの非穿通介入、及び排水インプラントがある。
線維柱帯切除術が、1969以来最も広く使われてきた処置である。それは、被嚢(capsule)及び結膜(conjunctiva)を切り離し、その下のスペースに強膜のフラップ(scleral flap)を作り、線維柱帯網の一部を取り除き、虹彩切除(iridectomy)すなわち虹彩(iris)の一部の除去を行い、強膜及び結膜を縫い合わせることから成る。この方法によれば房水は目の内部から外、すなわち結膜の下のスペース、に線維柱帯網及びシュレム管からの抵抗を通らずに流出できる。
排水システムは、ここ20年で画期的に進歩した。ほとんどの場合、複合の排出システムであり、強膜の外に配置された収集槽と連通するチューブを利用し、テノン鞘(Tenon’s capsule)と結膜の下に房水を放散させる。チューブは前眼房に挿入され、線維柱帯網を通ることなく房水を後ろ向きに収集槽へ排水する。
したがって、形成される排水領域は十分に広く、後ろに位置され、処置失敗の原因となる結膜とテノン鞘の瘢痕隆起(cicatricial processes)の影響を小さくする。
実際に、瘢痕隆起は緑内障処置の全てのタイプにおいて最も重要な失敗原因である。通常、収集槽は1平方センチメートル以上の断面積を有し、チューブは15ミリメートル以上の長さを有する。
排水インプラントのなかで最も頻繁に使用されるものには「Baerveldt and Molteno バルブ」、及び「Ahmed and Krupin インプラント」が含まれる。これらのインプラントは従来の線維柱帯切除術が望ましい結果をもたらさないときに考慮される。
現在使用される排水インプラントの結果は、元の病態によって大きな違いがある。一般に補助療法の有無にかかわらず21mmHg(水銀柱ミリメートル)以下の眼圧が術後2年のケースの53〜74パーセントで得られている。しかし、排水インプラントでは、瘻形成処置(fistulizing procedures)に通常伴う合併症の多くが起こり得る。さらに、第一の術後期に緊張亢進症(hypertonicity)もしくは緊張低下症(hypotonicity)が起こり得ることを特徴とする。バルブプレートのために目の運動性障害に付属して二重視(diplopia)が起こり得るケースもある。長期的には緊張力の漸増又は処置の失敗の可能性がある。
最新考案の排水装置は、安定化のための付属部分を備えた、又は位置決めのための湾曲角度を備えたマイクロチューブから成り、上述の装置よりも遥かに単純である。それらの装置は、全てのケースにおいて手術処置を線維柱帯切除術よりも簡単にする。それらの装置は房水を結膜の下(sub−conjunctival)のスペース、又はシュレム管、又は脈絡膜上(suprachoroidal)のスペースに排水するよう設計されている。
インプラント技術は、排水装置が強膜の外から目の内部、より正確には前眼房に挿入されるときは切り込み切開(ab externo)と分類される。それは装置が結膜を分離することなく前眼房から外に設置されるときは切り出し切開(ab interno)と分類される。全てのケースにおいて線維柱帯切除術よりも簡単な処置である。
本願発明の目的は、手術処置をより効果的で短時間にし、患者と執刀医への負担を軽減する排水装置を提供することである。
その目的は、請求項1に係る排水装置、及び請求項11に係る排水方法によって達成される。
本願発明に係る装置及び排水方法の特徴や有利な点は、非排他的な下記の実施形態の説明によりさらに明らかとなり、非限定的な例が添付の図面により示される。
図1は、本願発明に係る排水装置の斜視図である。 図1aは、装置の近位部の拡大図である。 図2は、排水装置の平面図である。 図2aは、排水装置の側面図である。 図2bは、排水装置の端面図である。 図3は、図2bにおいて円で囲まれた詳細の拡大図である。 図4は、眼球に設置された排水装置を模式的に示す。 図5は、眼球に設置された排水装置を模式的に示す。
図において眼球の前眼房内の房水を排水するための排水装置は集合的に符号1で示される。
一般の実施形態において、排水装置1は、排水チューブ10及び保持フランジ30を含む。
排水チューブ10は、チューブ軸Xに沿って遠位端10’と近位端10”の間で軸方向に延びる。遠位端10’及び近位端10”は少なくとも部分的に開口しており、同じ方向に斜めに切られている。例えば、端部の傾斜はチューブ軸Xに対して30度から60度の間であり、約45度が望ましい。
一実施形態によれば、遠位端10’は完全に開口している。
一実施形態によれば、近位端10”は完全に開いているが、後述のとおり、排水チューブ10が保持フランジ30に連結されると保持フランジ30によって部分的に閉じられる。
保持フランジ30は、排水チューブ10の近位端10”から延び、チューブ軸Xに対して軸方向と直角方向の両方に延びる板状部32を含む。実施形態によれば、板状部32はチューブ軸Xに対して主に直角方向に延びる。
この板状部32は上面32’及び下面32”を境界とする。
一実施形態によれば、上面32’及び下面32”は平面である。
排水チューブ10の近位端10”は斜めであり、その開口部は板状部32の上面32’のほうを向けられる。したがって、排水チューブの遠位端10’から入る流体は、この上面32’に向けられる。
一実施形態によれば、保持フランジ30はチューブ軸Xに関して対称に延びる。
例えば、保持フランジ30の板状部32は実質的に長方形であり、長辺はチューブ軸Xに直角である。
したがって、一実施形態によれば、排水装置1は平面図(図2)において概して「T字」型を有する。
一実施形態によれば、排水チューブ10の近位端10”は板状部32の近位側から軸方向に離れている。
図示された実施形態によれば、排水チューブ10の近位端10”は板状部32の上面32’の中央部で開口する。
一実施形態によれば、保持フランジ30は、排水チューブ10に連結されるチューブ部34を含む。排水チューブ10の近位部は、このチューブ部34の「カプリング形状」に挿入される。「カプリング形状」とは、排水チューブ10の外側壁とチューブ部34の内側壁との間には実質的に遊びがないことを表す。
板状部32の上面32’において排水チューブ10が開口できるために、チューブ部34は、少なくとも部分的に板状部32の上面32’に向いて開いた近位側開口部34’を有する。
一実施形態によれば、板状部32の厚みは、排水チューブ10の近位端10”の開口部及びチューブ部34の近位側開口部34’の両方を部分的に塞ぐ。
言い換えると、チューブ部34は、一部が板状部32の厚み内に作られ、一部がその上面32’から突出する。例えば、板状部32の厚みはチューブ部34の半径と等しい又は、それより小さい。
したがって、図示の実施形態によれば、排水チューブ10の近位端10”の開口部は、チューブ部34の近位側開口部34’よりも突き出るが、突き出るのは板状部32の厚みの高さを超える斜め切り口のみである。
一実施形態によれば、排水チューブ10及び保持フランジ30は実質的に互いに同一平面上である。
一実施形態によれば、排水チューブ10は横壁に沿う開口部を有さない。言い換えれば、排水チューブ10の開口部は遠位及び近位端のみである。
一実施形態によれば、排水チューブ10及びチューブ部34は、例えば嵌合、接着、又は同時モールド成形により、互いに固定される。
一実施形態によれば、排水チューブ10は、例えばポリイミド又は類似の生体適合性材料などの高性能プラスチック材料で作られる。
一実施形態によれば、排水チューブ10は3.5ミリメートルと6ミリメートルの間で、望ましくは4.5ミリメートルの長さを有し、0.2ミリメートルと0.3ミリメートルの間の外径を有し、0.04ミリメートルと0.06ミリメートルの間の壁厚みを有する。
一実施形態によれば、保持フランジ30は、ポリエーテルイミド(polyetherimide)又は類似の生体適合性材料などの高性能テクノポリマから作られ、モールド成形又は機械加工のためにも望ましい。
一実施形態によれば、保持フランジは0.1ミリメートルと0.25ミリメートルの間の厚みを有し、チューブ軸Xを横切る又はチューブ軸Xに直角な寸法は1.5ミリメートルと2.5ミリメートルの間の長さを有する。
図4及び5を参照して、本願発明はまた上述の排水装置1を通して眼球3の前眼房50内の房水を排水する方法に関する。排水装置は排水ホース10の遠位端10’が前眼房50内になるよう配置され、遠位端10’の開口部が角膜60を向き、保持フランジ30が強膜70内に配置され、被嚢80及び結膜90には接触しない。
具体的に、排水装置1を挿入する手術技術は、切り込み切開であり、したがって被嚢及び結膜は、望ましくは目の四分円の上側2つの間で強膜から切り離される必要がある。
装置が挿入される位置は強膜の10時と2時の方向の間でもよく、孔をあけると出血し得るため血管の損傷を避ける。強膜の表面は出血を防ぐために注意深く焼灼(cauterize)されるべきである。
瘢痕性癒着(cicatricial adhesion)を回避するために、強膜の表面約1平方センチメートルにわたって被嚢を除去することが推奨される。
一実施形態によれば、縁郭(limbus)から切開100が始まる場所(図5)までの距離は3.5ミリメートル−4ミリメートルである。
切開100は、縁郭に平行な直線であり、例えば長さは2.5ミリメートル、深さは強膜厚みの約半分である。例えば、較正微細メス(calibrated micro scalpel)がある場合、200ミクロン〜250ミクロンに設定されてもよい。切開のエッジは、下が堀広げられ、保持フランジ30の遠位部は切開部の遠位縁の下に埋め込まれ、保持フランジ30の近位部は切開部の近位縁の下に埋め込まれてもよい。このように配置すれば、保持フランジがロックされ、目の内部又は外部のいずれかに向かって動くことが防がれる。
例えば、角度付きのNo.23外科用メス又は、No.25又はNo.27ニードルを使い、器具の先端が虹彩と接触することなく虹彩上に見えるところまで、器具が線維柱帯網をとおして前眼房に挿入される。
したがって、排水装置1を差し込むトンネルが形成される。切り進むときの抵抗が少なく、扱いやすいため外科用メスの使用が望ましい。
入口は直線切開部の中央であることが望ましい。
一旦トンネルが形成されれば、開口部が上を向くように遠位端10’を持って排水装置10が挿入される。
保持フランジ30は、切開部のエッジの分離及び持ち上がりを保ちながら直線切開部の下に配置される。
したがって、図4の矢印で示されるとおり、房水は前眼房から排水装置の保持フランジへ流れ、次に強膜の切開部をとおって結膜の下へ流れる。液体は結膜を持ち上げ、その後静脈循環によって再吸収される。
最終的に、結膜は施術前の位置に戻り、被嚢も切除されていなければ元に戻る。結膜及び/又は被嚢は小さい縫い目で縫合される。
上述の排水装置、特に小型化されているもの、を使用すれば、いくつかの排水装置や、先行技術に係る線維柱帯切除術で現在実施されている強膜の4x4又は4x5ミリメートルの長方形切開であるモバイル強膜弁(mobile scleral flap)の形成を回避できる。
さらに、本願発明に係る排水チューブがその構造をバイパスするため、線維柱帯網と、その強膜角膜要素(scleral corneal component)の除去は必要ではない。
虹彩切除は必要ではない。
封止するフラップがないため、縫合は必要ではない。
要約すると、本願発明に係る排水装置によれば、房水が、流出の最大の妨害である線維柱帯網及びシュレム管との接触を回避して目から出ることが可能となる。
目の中にある排水チューブ端、すなわち前眼房内にあるもの、は斜めに切られ、虹彩によって容易に塞がれることを防ぐため角膜の方に向けられる。
排水チューブ及び保持フランジの両方は強膜内に残り、装置の有効性を減少又は喪失させ得る瘢痕性線維芽細胞(cicatricial fibroblasts)拡大の刺激を回避するため、被嚢及び結膜との接触を避ける。
保持フランジに面したチューブ端の傾斜により、房水がフランジに対して流れ、液体は幅全体にわたって強膜の外に分配される。したがって、瘢痕性現象(cicatricial phenomena)は例えば2ミリメートルなどまで長く延びない限り、房水の流出を妨害することにならない。
排水チューブに対するフランジの形状及び位置により、装置がインプラントされた位置から動くことが防がれる。実際に、流体のアクセス孔を塞ぎ得る虹彩との接触を防ぐため、及び、流体出口孔の外部分が強膜の切開部から離れすぎて閉塞するリスクが増大することを防ぐため、装置は目の中で動いてはならない。装置は、内側部分が房水を吸い出せなくなる押し出し(extrusion)を防ぐために外向きに動いてはならない。
保持フランジ30は、エッジが開いたままになるように強膜の切開部の下に配置されるように形成され、保持フランジの幅により房水はより容易に流出できる。さらに、チューブ及びフランジの厚みが切開部のエッジを分離することで持ち上げ、流出を促進し、瘢痕隆起を妨害する。
本願発明の一態様によれば、排水装置がチューブとフランジのみにより形成される。排水装置は、フランジが強膜のポケットにロックされ続けるため事実上インプラントされた位置に残る。したがって保持要素を追加する必要がなく、その結果、角膜の内覆組織(endothelium)と無機材料との接触可能性のリスクが減る。
房水の強膜外面への流路が確保できること、及び被嚢及び結膜の線維症(fibrosis)反応を刺激する装置が強膜外面に全くないことにより、目の緊張症(ocular tonicity)の軽減達成の成功可能性が高まる。
本願発明に係る排水装置のさらなる有利な点として、フランジが強膜内(intra−scleral)にあるため強膜筋と接触することがなく、したがって眼球運動障害(ocular motility problems)を起こすことがない。
ここで提案される排水装置の使用により、排水チューブが挿入されるトンネル形成中起こり得る出血を止めることが可能である。この場合、内部焼灼法(endocautery)が使われるが、切り出し切開(ab interno)においては、既に挿入されたチューブを引き抜く必要があり、全く同じ道筋をたどることはほぼ不可能であるから、この方法は行われない。
本願発明に係る装置の排水チューブは滑らかな外面を有し、固定させる機能は保持フランジによって提供される。
保持フランジは板状構造を有し、金属とは異なり強膜浸食(scleral erosion)を起こさない柔らかい材料から作られる。
チューブが房水の層流を自動的に制限するような内部直径を有することも明らかである。
本願発明に係る排水装置及び方法の実施形態に、当業者は、本特許請求の範囲のスコープを逸脱することなく、不特定の要求を満たす目的でいくつかの構成要素を機能的に等価なものと変更、適合、及び置換してもよい。実施形態の一例に属する特徴はそれぞれ独立して、別の実施形態において実施されてもよい。

Claims (13)

  1. 眼球の前眼房にある房水を排水するための排水装置であって、
    前記排水装置は、
    チューブ軸に沿って遠位端(10’)と近位端(10”)の間で軸方向に延びる排水チューブ(10)を含み、
    前記遠位端及び前記近位端は少なくとも部分的に開口し、同じ方向に斜めに切られており、
    前記排水装置はさらに、
    上面(32’)及び下面(32”)を有する板状部(32)を含み、前記排水チューブ(10)の前記近位端(10”)から延びる保持フランジ(30)を含み、
    前記近位端(10”)は斜めであり、その開口部が前記板状部の前記上面(32’)のほうを向く、
    排水装置。
  2. 前記板状部(32)が主に前記チューブ軸(X)と直交する方向に延びる、請求項1に記載の排水装置。
  3. 前記保持フランジ(30)が前記チューブ軸(X)に関して対称に延びる、請求項1又は2に記載の排水装置。
  4. 前記保持フランジ(30)の前記板状部(32)が実質的に長方形であり、長辺は前記チューブ軸(X)に直角である、請求項1〜3のいずれか1つに記載の排水装置。
  5. 前記排水チューブ(10)の前記近位端(10”)が前記板状部(32)の前記上面(32’)の中央部で開口する、請求項1〜4のいずれか1つに記載の排水装置。
  6. 前記保持フランジ(30)が、前記排水チューブ(10)に連結されるチューブ部(34)を含み、
    排水チューブ(10)の近位部が、前記チューブ部(34)のカプリング形状に挿入され、
    前記チューブ部が、少なくとも部分的に前記板状部(32)の前記上面(32’)に向いて開いた近位側開口部(34’)を有する、
    請求項1〜5のいずれか1つに記載の排水装置。
  7. 前記板状部(32)の厚みが、前記排水チューブの近位側開口部と前記チューブ部の前記近位側開口部との両方を部分的に塞ぐ、請求項1〜6のいずれか1つに記載の排水装置。
  8. 前記チューブ部(34)が、一部が前記板状部(32)の前記厚み内に作られ、一部がその前記上面(32’)から突出する、請求項6又は7に記載の排水装置。
  9. 前記排水チューブ(10)及び前記保持フランジ(30)は実質的に互いに同一平面上である、請求項1〜8のいずれか1つに記載の排水装置。
  10. 前記排水チューブが横壁に沿う開口部を有さない、請求項1〜9のいずれか1つに記載の排水装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか1つに記載の排水装置を使って目の前眼房にある房水を排水するための排水方法であって、
    前記排水装置を、
    前記前眼房内の前記遠位端が前記角膜を向くように、かつ
    前記強膜内の前記保持フランジが被嚢及び結膜に接触しないように配置することを提供する排水方法。
  12. 請求項11に記載の排水方法であって、
    前記方法は、
    前記被嚢及び前記結膜を前記強膜から切り離すステップと、
    前記強膜を、前記強膜の厚みの約半分の深さで直線切開するステップと、
    前記直線切開の中央から前記前眼房までの線維柱帯網を通るトンネルを作るステップと、
    前記トンネルに前記排水装置を挿入するステップと、
    前記切開のエッジが分離され持ち上げられたままで前記保持フランジを前記直線切開の下に配置するステップと、
    を含む排水方法。
  13. 前記強膜から前記被嚢を切り離した後、前記被嚢の表面約1平方センチメートルにわたって前記被嚢が除去される、請求項12に記載の排水方法。
JP2019538738A 2016-09-30 2017-09-28 眼球の房水排出のための排水装置及び方法 Pending JP2019529056A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
IT102016000098246A IT201600098246A1 (it) 2016-09-30 2016-09-30 Dispositivo e metodo di drenaggio dell'umore acqueo del bulbo oculare
IT102016000098246 2016-09-30
PCT/IB2017/055951 WO2018060912A1 (en) 2016-09-30 2017-09-28 Drainage device and method for draining the aqueous humour of the eyeball

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019529056A true JP2019529056A (ja) 2019-10-17
JP2019529056A5 JP2019529056A5 (ja) 2020-08-27

Family

ID=57960636

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019538738A Pending JP2019529056A (ja) 2016-09-30 2017-09-28 眼球の房水排出のための排水装置及び方法

Country Status (12)

Country Link
US (1) US11406534B2 (ja)
EP (1) EP3518846B1 (ja)
JP (1) JP2019529056A (ja)
CN (1) CN109890334B (ja)
AU (1) AU2017335400A1 (ja)
BR (1) BR112019006443A2 (ja)
CA (1) CA3038470A1 (ja)
ES (1) ES2831089T3 (ja)
IT (1) IT201600098246A1 (ja)
MX (1) MX2019003631A (ja)
RU (1) RU2749066C2 (ja)
WO (1) WO2018060912A1 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102017104543A1 (de) * 2017-03-03 2018-09-06 Rowiak Gmbh Glaukom-Drainage-Implantat
US11517477B2 (en) 2019-10-10 2022-12-06 Shifamed Holdings, Llc Adjustable flow glaucoma shunts and associated systems and methods
CN115379818A (zh) 2020-01-23 2022-11-22 施菲姆德控股有限责任公司 可调节流量的青光眼分流器及相关系统和方法
US11291585B2 (en) 2020-02-14 2022-04-05 Shifamed Holdings, Llc Shunting systems with rotation-based flow control assemblies, and associated systems and methods
EP4106695A4 (en) 2020-02-18 2024-03-20 Shifamed Holdings, LLC ADJUSTABLE FLOW GLAUCOMA SHUNTS WITH NON-LINEAR FLOW CONTROL ELEMENTS AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS
WO2021188952A1 (en) 2020-03-19 2021-09-23 Shifamed Holdings, Llc Intraocular shunts with low-profile actuation elements and associated systems and methods
US11596550B2 (en) 2020-04-16 2023-03-07 Shifamed Holdings, Llc Adjustable glaucoma treatment devices and associated systems and methods
JP2023537256A (ja) * 2020-07-22 2023-08-31 ナショナル ユニバーシティ ホスピタル (シンガポール) ピーティーイー エルティーディー 眼の排液インプラント
US11865283B2 (en) 2021-01-22 2024-01-09 Shifamed Holdings, Llc Adjustable shunting systems with plate assemblies, and associated systems and methods

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5752928A (en) * 1997-07-14 1998-05-19 Rdo Medical, Inc. Glaucoma pressure regulator
US20050267398A1 (en) * 2004-05-27 2005-12-01 Dimitri Protopsaltis Glaucoma shunt
US20100241046A1 (en) * 2006-09-06 2010-09-23 Innfocus, Llc Apparatus, methods and devices for treatment of ocular disorders
JP2013202088A (ja) * 2012-03-27 2013-10-07 Chukyo Medical Co Inc インプラント

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5476445A (en) * 1990-05-31 1995-12-19 Iovision, Inc. Glaucoma implant with a temporary flow restricting seal
US5454796A (en) * 1991-04-09 1995-10-03 Hood Laboratories Device and method for controlling intraocular fluid pressure
US6589203B1 (en) * 2000-01-26 2003-07-08 Peter Mitrev Glaucoma drainage device implant
US20040162545A1 (en) * 2003-02-14 2004-08-19 Brown J. David Bypass for glaucoma drainage device
EP1596902B1 (en) * 2003-02-18 2017-07-05 Hampar Karageozian Device for draining fluids and lowering intraocular pressure
EP2468327A1 (en) * 2004-04-29 2012-06-27 iScience Interventional Corporation Apparatus and method for surgical enhancement of aqueous humor drainage
US8771220B2 (en) * 2011-12-07 2014-07-08 Alcon Research, Ltd. Glaucoma active pressure regulation shunt
CN203458527U (zh) * 2013-09-02 2014-03-05 王玲玲 一种多功能青光眼房水引流装置
US10342702B2 (en) * 2014-08-29 2019-07-09 Camras Vision Inc. Apparatus and method for reducing intraocular pressure

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5752928A (en) * 1997-07-14 1998-05-19 Rdo Medical, Inc. Glaucoma pressure regulator
US20050267398A1 (en) * 2004-05-27 2005-12-01 Dimitri Protopsaltis Glaucoma shunt
US20100241046A1 (en) * 2006-09-06 2010-09-23 Innfocus, Llc Apparatus, methods and devices for treatment of ocular disorders
JP2013202088A (ja) * 2012-03-27 2013-10-07 Chukyo Medical Co Inc インプラント

Also Published As

Publication number Publication date
CN109890334A (zh) 2019-06-14
RU2749066C2 (ru) 2021-06-03
EP3518846B1 (en) 2020-08-12
MX2019003631A (es) 2019-08-12
CA3038470A1 (en) 2018-04-05
AU2017335400A1 (en) 2019-05-16
RU2019109262A (ru) 2020-09-30
US20190388273A1 (en) 2019-12-26
BR112019006443A2 (pt) 2019-06-25
CN109890334B (zh) 2021-10-15
EP3518846A1 (en) 2019-08-07
WO2018060912A1 (en) 2018-04-05
RU2019109262A3 (ja) 2020-10-26
ES2831089T3 (es) 2021-06-07
US11406534B2 (en) 2022-08-09
IT201600098246A1 (it) 2018-03-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2019529056A (ja) 眼球の房水排出のための排水装置及び方法
JP6074011B2 (ja) 流体の排出、供給システム
US11980574B2 (en) Ocular device for treating glaucoma and related minimally invasive glaucoma surgery method
US6699211B2 (en) Method and apparatus for treatment of glaucoma
US7641627B2 (en) Method and apparatus for reducing intraocular pressure
US6736791B1 (en) Glaucoma treatment device
US7713228B2 (en) Surgical method
US8771216B2 (en) Fluid communication device and method of use thereof
US20030060752A1 (en) Glaucoma device and methods thereof
US20130211315A1 (en) Near Quadrant Glaucoma Treatment Method

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200717

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200717

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210611

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210615

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20210830

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20220301