JP2019528698A - イヌ科動物において胃腸管微生物叢を調節するための組成物及び方法 - Google Patents

イヌ科動物において胃腸管微生物叢を調節するための組成物及び方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、イヌ科動物において胃腸管微生物叢を調節するための方法及び組成物に関する。一実施形態では、イヌ科動物において胃腸管微生物叢を調節するための方法は、約25%〜約60%のタンパク質、約5%〜約30%の炭水化物、脂肪、及び繊維を含む、ペットフード組成物をイヌ科動物に投与すること、を含み、投与後、イヌ科動物の、バクテロイデスのフィルミクテスに対する(B/F)比が、0.8未満であることができる。【選択図】 なし

Description

(関連出願の相互参照)
[0001]本出願は、2016年9月2日に出願された米国特許仮出願第62/382,923号の優先権を主張するものであり、その開示の全容が参照により本明細書に組み込まれる。
[0002]米国では、ペットのうちの50%より多くが、体重過多又は肥満のいずれかである。過剰な体重に伴う健康面のリスクとしては、糖尿病、心血管疾患、代謝障害、筋骨格障害、癌、及び短寿命が挙げられる。
[0003]膨大な数の微生物又は細菌が、宿主の体の表面及び胃腸(GI)管に定着し、共生関係をもたらす。腸内微生物叢は、宿主に不可欠の役割を果たし、それには、栄養吸収、エネルギー恒常性(例えば脂肪蓄積、脂質生成及び脂肪酸酸化)、並びに免疫系発現の調整が挙げられる。結果として、腸管微生物叢と宿主との関係悪化が、肥満症及び他の代謝障害と関連付けられてきた。最近になって、腸内微生物叢の平衡失調は、多くの他の健康面の問題、例えば、心血管疾患、免疫疾患、及び肝疾患病又は脳疾患と関係付けられてきた。宿主との共生復元のための、栄養管理(例えばプレバイオティクス、プロバイオティクス)による腸管微生物叢の改善により、様々な健康面の利点を得ることができる。
[0004]研究により、ヒト及び齧歯類の両者において、胃腸管微生物叢におけるバクテロイデス(Bacteroidetes)(B)のフィルミクテス(Firmicutes)(F)に対する比の増加は代謝の健全性に有益であることが、示唆されている。しかし、同じことがペットに当てはまるかについては、不明確である。
[0005]本開示は全般的に、イヌ科動物において胃腸管微生物叢を調節するための組成物及び方法に関する。
一実施形態では、イヌ科動物において胃腸管微生物叢を調節するための方法は、約25%〜約60%のタンパク質、約5%〜約30%の炭水化物、脂肪、及び繊維を含む、ペットフード組成物をイヌ科動物に投与すること、を含み得る。一般に、投与後、イヌ科動物の、バクテロイデスのフィルミクテスに対する(B/F)比が、0.8未満である。
[0006]別の実施形態では、イヌ科動物の、糖尿病、肥満症、炎症性疾患、心血管疾患、代謝障害、筋骨格障害、又は癌の治療方法は、イヌ科動物の、バクテロイデスのフィルミクテスに対する(B/F)比を、0.8未満に調節すること、を含み得る。
[0007]更なる特徴及び利点が本明細書において記述されており、下記の「発明を実施するための形態」から明らかとなるであろう。
[0008]定義
[0009]本開示及び添付の特許請求の範囲において使用するとき、単数形「1つの」(「a」、「an」及び「the」)には、別段の指示がない限り、複数の参照物も含まれる。したがって、例えば、「組成物(a composition)」又は「組成物(the composition)」についての言及は、2つ以上の組成物を含む。「X及び/又はY」という文脈で使用される用語「及び/又は」は、「X」若しくは「Y」又は「X及びY」と解釈すべきである。本明細書で使用する場合、「例」及び「例えば」という用語は、特に用語の列挙が続くときには、単に例示的及び図示的に用いられるものであり、排他的又は包括的なものでない。
[0010]本明細書で使用されるとき、「約」は、例えば、参照数字の−10%〜+10%の範囲、−5%〜+5%の範囲内、又は一態様では、参照番号の−1%〜+1%の範囲内、及び特定の態様では、参照番号の−0.1%〜+0.1%の範囲内の数を指すものと理解される。更に、本明細書における全ての数値範囲は、その範囲内の全ての整数(integers, whole)又は分数を含むものと理解されるべきである。更に、これらの数値範囲は、この範囲内の任意の数又は数の部分集合を対象とする請求項を支持するために与えられていると解釈すべきである。例えば、1〜10という開示は、1〜8、3〜7、1〜9、3.6〜4.6、3.5〜9.9などの範囲を支持するものと解釈すべきである。
[0011]本明細書で表されている全ての百分率(パーセンテージ)は、別段の記述がない限り、乾物ベースでの組成物の重量百分率である。当業者は、「乾物ベース(dry matter basis)」という用語が、含有物の組成物中での濃度又は百分率が、組成物中の全ての自由水分が除去された後に、計測される又は決定されることを意味していることを十分に理解するであろう。pHについての参照がなされるとき、値は標準的な装置により25℃にて測定されるpHに相当する。「量」は、組成物の1回分当たりの参照成分の総量、又は組成物の別個の単位当たりの総量であってよく、及び/又は乾燥重量による参照成分の重量%であり得る。更に、「量」は、ゼロを含み、例えば、化合物の量の記述は、ゼロを除外する範囲を伴わない限り、化合物が存在することを必ずしも意味しない。
[0012]用語「食品」、「食品製品」、及び「食品組成物」とは、動物による摂取を意図し、動物に少なくとも1種の栄養素を提供する製品又は組成物を意味する。更に、この点において、これらの用語は、製品又は組成物は、摂取の準備が整った形態であり、それから摂取可能な製品又は組成物が作られる、単なる中間体ではないことを意味しているものの、いくつかの実施形態では、他の食品組成物を加えることができる。用語「ペットフード」とは、ペットに摂取されることを意図した任意の食品組成物を意味する。用語「ペット」とは、本開示により提供される組成物から恩恵を授かることができるか、又はかかる組成物を堪能することのできる任意の動物を意味する。例えば、ペットは、鳥類、ウシ科動物、イヌ科動物、ウマ科動物、ネコ科動物、ヤギ、オオカミ科動物、ネズミ、ヒツジ又はブタといった動物であってもよいが、ペットは任意の好適な動物であり得る。
[0013]用語「コンパニオンアニマル」とは、犬又は猫を意味する。一実施形態では、本明細書に開示される組成物及び方法は、高齢の犬にも関わる。犬は、犬の寿命の最後の25%にある場合高齢と見なされる。犬の寿命は、その体格及び/又は犬種によるが、本開示においては、高齢犬は、少なくとも5歳齢(例えば、少なくとも6歳齢、少なくとも7歳齢、又は少なくとも8歳齢)である犬である。
[0014]「ブレンドされた」組成物は、本開示の文脈において、互いに対して異なる特性を少なくとも1つ有する、好ましくは、少なくとも水分含有量及び水分活性が異なる、少なくとも2種類の成分を単に有する。この点において、「ブレンドされた」組成物についての記載は、ブレンドされた組成物が「ブレンド」と称されることがある、つまりは成分を互いに区別できないように混合する加工を受けることを意味するものではなく、一態様では、ある成分を他の成分と混合してブレンドされた組成物を形成する際(例えば、ドライ成分をウェット成分又はセミモイスト成分と混合する際)、かかる加工は回避される。更にこの点において、ブレンドされた組成物では、少なくとも1つの互いに異なる特性を有する少なくとも2つの成分の各々は、好ましくは別個の同一性及び外観を保持する。
[0015]「ウェットフード」とは、含水率が約50%〜約90%、一態様では約70%〜約90%のペットフードを意味する。「ドライフード」とは、含水率が約20%未満、一態様では約15%未満、特定の態様では約10%未満のペットフードを意味する。「セミモイストフード」とは、含水率が約20%〜約50%、一態様では約25%〜約35%のペットフードを意味する。
[0016]「キブル」は本明細書では「チャンク」と同義的に使用され、両方の用語はペレット形状又は他の任意の形状を有し得るドライ又はセミモイストのペットフード片を意味し、食品組成物を個別の片にスライスすることで作ることができる。キブルの非限定例としては、粒子状のもの、ペレット、ペットフード、脱水肉、食肉代替品、野菜、及びこれらの組み合わせの片、並びに肉若しくは野菜の干物、ローハイド、及びビスケットなどのペットスナックが挙げられる。「代用肉」とは、外観、食感及び物理的構造の点で天然の肉片に類似している肉エマルジョン製品である。
[0017]用語「治療的に有効な量」の「有効な量」とは、(i)特定の疾患、状態、若しくは障害を治療若しくは予防するか、(ii)特定の疾患、状態、若しくは障害の1つ以上の症状を和らげるか、寛解させるか、若しくは取り除くか、又は(iii)特定の疾患、状態、若しくは本明細書に記載の障害の1つ以上の症状の発現を予防若しくは遅延させる、本発明の化合物の量を意味する。いくつかの態様では、特定の疾患、状態、又は障害は、糖尿病、肥満症、炎症性疾患、心血管疾患、代謝障害、筋骨格障害又は癌であってもよい。
[0018]用語「栄養補助食品」とは、通常の動物の食餌に加えて摂取されることが意図された製品を意味する。栄養補助食品は、任意の形態、例えば、固体、液体、ゲル、錠剤、カプセル、粉末などであってよい。一態様では、それらは都合のよい投与形態で提供され得る。いくつかの実施形態では、それらは、バルク粉末、液体、ゲル、又は油などのバルク消費者パッケージで提供され得る。他の実施形態では、補助食品は、スナック、トリート、サプリメントバー、飲料などの他の食品アイテムに含まれるようにバルク量で提供され得る。
[0019]用語「長期投与」は、1ヶ月を超える反復投与又は摂取の期間を意味する。所定の実施形態のために、2、3、又は4ヶ月より長い期間を用いることができる。また、5、6、7、8、9、又は10ヶ月以上を含むより長い期間を用いることもできる。11ヶ月又は1年を超える期間を使用してもよい。1年、2年、3年、又はそれ以上の年を超えて延長したより長期の使用は、本発明に含まれる。特定の老齢動物については、動物は、その残りの生涯にわたって定期的な摂取を続けることになるであろう。これはまた、「長い」期間の摂取と称することができる。
[0020]「定期的に」という用語は、少なくとも毎月の組成物の投与又は組成物の摂取を意味し、一態様では、少なくとも毎週の投与を意味する。所定の実施形態では、週に2回又は3回など、より頻繁な投与又は摂取を行うことができる。更に、他の実施形態では、少なくとも1日1回の摂取を含む計画を用いることができる。当業者は、B/F比が、投与頻度の評価又は決定に有用な手法となり得ることを、理解するであろう。例えば、ペットフード組成物又は栄養補助食品の投与量又は投与頻度決定のため、B/F比を測定し、組成物を改善するか、又は投与を改善し、特定の所望の比を達成することができる。B/F比を許容可能な範囲内に維持することが可能な頻度は、本明細書で明示的に例示されているか否かと無関係に、本明細書で有用であり得る。当業者は、投与頻度が、摂取されるか又は投与される組成物の関数であり、いくつかの組成物が、所望のB/F比を維持するために、より多い又はより少ない頻度での投与を必要とする場合があることを、理解するであろう。
[0021]本明細書において表現される投与量は、別に表現しない限り、1日当たりの体重1kg当たりのミリグラム(mg/kg/日)である。
[0022]本明細書に開示される組成物には、本明細書にて具体的に開示されない任意の要素が存在しない場合がある。したがって、「を含む(comprising)」という用語を用いた実施形態の開示は、特定されている構成成分「から本質的になる(consisting essentially of)」及び「からなる(consisting of)」実施形態の開示を含む。同様にして、本明細書で開示される方法には、本明細書において具体的に開示されない任意のステップが存在しない場合がある。したがって、「を含む」という用語を用いた実施形態の開示は、特定されているステップ「から本質的になる」及び「からなる」実施形態の開示を含む。別途記載のない限り及び直接的に明言のない限り、本明細書に開示される任意の実施形態を、任意の他の実施形態と組み合わせることもできる。
実施形態
[0023]本開示のある態様では、イヌ科動物において胃腸管微生物叢を調節するための方法は、約25%〜約60%のタンパク質、約5%〜約30%の炭水化物、脂肪、及び繊維を含む、ペットフード組成物をイヌ科動物に投与すること、を含み得る。一般に、投与後、イヌ科動物の、バクテロイデスのフィルミクテスに対する(B/F)比が、0.8未満であることができる。
[0024]別の態様では、イヌ科動物の、糖尿病、肥満症、炎症性疾患、心血管疾患、代謝障害、筋骨格障害、又は癌の治療方法は、イヌ科動物の、バクテロイデスのフィルミクテスに対する(B/F)比を、0.8未満に調節すること、を含み得る。
[0025]また、本発明の方法は、所望の治療に応じてイヌ科動物の別個の集団を識別すること、を含み得る。一実施形態では、方法は、B/F比調節の必要があるイヌ科動物を識別すること、を更に含み得る。このような必要があるイヌ科動物としては、糖尿病、肥満症、炎症性疾患、心血管疾患、代謝障害、筋骨格障害又は癌のイヌ科動物を挙げることができる。一態様では、イヌ科動物の胃腸管微生物叢を調節することは、糖尿病、肥満症、炎症性疾患、心血管疾患、代謝障害、筋骨格障害又は癌の治療の一部であってもよい。
[0026]本発明のペットフード組成物は一般に、イヌ科動物の完全でバランスのよいペットフードである。また、ペットフード組成物は、一般的にはタンパク質及び炭水化物を、イヌ科動物のB/F比を調節することができる量で含み、これにより、比が0.8未満であることができる。本明細書で論じるように、一般に、タンパク質含有量は、ペットフード組成物の約25%〜60%であってもよい。一態様では、タンパク質含有量は、約45%〜60%であってもよい。また、炭水化物含有量は、ペットフード組成物の約5%〜約30%であってもよい。一態様では、炭水化物含有量は、約10%〜約20%であってもよい。
[0027]本明細書で論じるように、一般に、ペットフード組成物は、0.8未満のB/F比が得られる成分を含むことができる。一態様では、比が、0.7未満であることができる。別の態様では、比が、0.6未満であることができる。更に別の態様では、比が、0.5未満であることができる。
[0028]更に、ペットフード組成物は、適切なB/F比を得るために、他の成分を含んでもよい。一実施形態では、ペットフード組成物は、イヌ科動物においてバクテロイデスの微生物叢を減少させる、プロバイオティクスを含んでもよい。別の実施形態では、ペットフード組成物は、フィルミクテスの微生物叢を増加させる、プロバイオティクスを含んでもよい。いくつかの態様では、ペットフード組成物は、バクテロイデスの微生物叢を減少させるプロバイオティクス、及びフィルミクテスの微生物叢を増加させるプロバイオティクスを、含んでもよい。このようなプロバイオティクスがペットフード組成物の成分であってもよいが、一実施形態では、プロバイオティクスを、ペットフード組成物と別にして投与することができる。また、一態様では、プロバイオティクスを、投与する前のペットフード組成物に添加することができる。また、ペットフード組成物は、プレバイオティクスを含んでもよい。
[0029]本発明のペットフード組成物を、一般的に、B/F比を所望のレベルに調節するのに十分に、イヌ科動物に投与する。また、このような投与を、所望の治療効果を達成するのに十分な期間/頻度にて行うことができる。例えば、糖尿病、肥満症、炎症性疾患、心血管疾患、代謝障害、筋骨格障害又は癌の治療に十分なものとする。一態様では、投与を、定期的なものにすることができる。他の態様では、投与が、長期投与であることができ、又は期間延長したものにすることができる。
[0030]典型的には、本明細書で論じている方法及び組成物により、0.8未満のB/F比を得ることができる。このようなB/F比を、フィルミクテス門からの、ストレプトコッカス・インファンタリウス(Streptococcus infantarius)、ルミノコッカス属ルミノコッカス種(Ruminococcus ruminococcus sp.)、[クロストリジウム]ヒラノニス([Clostridium] hiranonis)、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、[クロストリジウム]バルトレッティ([Clostridium] bartlettii)、[クロストリジウム]ディフィシル([Clostridium] difficile)、[ルミノコッカス]グナバス([Ruminococcus] gnavus)、ラクノスピラ・バクテリウム(Lachnospiraceae bacterium)、ブラウティア・ハンセニイ(Blautia hansenii)、[ルミノコッカス]オベウム([Ruminococcus] obeum)、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィ(Faecalibacterium prausnitzii)、クロストリジウム・ブチリカム(Clostridium butyricum)、ラクトバシラス・ルミニス(Lactobacillus ruminis)、ツリシバクター・サングイニス(Turicibacter sanguinis)及びラクトバシラス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、並びに、バクテロイデス門からの、バクテロイデス・コプロコラ(Bacteroides coprocola)、パラバクテロイデス・メルダエ(Parabacteroides merdae)、バクテロイデス・コプロフィルス(Bacteroides coprophilus)、プレボテラ・コプリ(Prevotella copri)及びバクテロイデス属バクテロイデス種(Bacteroides Bacteroides sp.)の相対的存在から算出することができる。
[0031]B/F比に加え、本発明の組成物及び方法により、他の有益な効果を得ることができる。一実施形態では、投与後、ラクトバシラス・ルミニスが、25%減少することができる。他の態様では、ラクトバシラス・ルミニスが、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は更には100%減少することができる。
[0032]一般的には、本明細書に記載される方法及び組成物は、コンパニオンアニマルにおける有機物消化率、乾物消化率、繊維消化率、エネルギー消化率、脂肪消化率又はタンパク質消化率のうちの少なくとも1つを増減させ得る。いくつかの実施形態では、増減は、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、又は更に50%であり得る。一態様では、組成物及び方法は増加を提供し得る。別の態様では、組成物及び方法は低下を提供し得る。
[0033]
[0034]これらの組成物及び方法の各々において、ペットフード組成物は、ウェットフード、セミモイストフード又はドライフードであり得る。ある実施形態では、ペットフード組成物は、1つ以上の成分のブレンドされた組成物であってもよい。いくつかの実施形態では、ペットフード組成物はキブルであり、いくつかの実施形態では、ペットフード組成物は食肉代替品である。
[0035]本明細書において開示されるペットフード組成物は、イヌ科動物による摂取のために配合されたいかなるフードであってもよい。ある実施形態では、ペットフード組成物により、米国飼料検査官協会(AAFCO)による定義の完全栄養が得られる。
[0036]ペットフード組成物は、乳化した肉などの肉を含んでもよい。好適な肉の例としては、家禽肉、牛肉、豚肉、ラム肉、及び魚、特にペットに好適な種類の肉が挙げられる。肉は、臓物を含む、動物の任意の追加的な部分を含むことができる。肉のいくらか又は全てを、1種以上のミートミールとして、すなわち、AAFCOが規定するとおりの、乾燥したか又はひき肉にした、実質的に均一なサイズの粒子を形成する肉として提供してもよい。追加的又は代替的に、エンドウ豆タンパク質、トウモロコシタンパク質(例えば、挽いたトウモロコシ又はトウモロコシグルテン)、小麦タンパク質(例えば、挽いた小麦又は小麦グルテン)、大豆タンパク質(例えば、大豆粕、大豆濃縮物、又は大豆分離物)、米タンパク質(例えば、挽いた米又は米グルテン)等の植物性タンパク質を使用することができる。
[0037]本明細書に開示されるペットフード組成物は、植物油、風味剤、着色剤及び水を含み得る。好適な植物油としては、大豆油、トウモロコシ油、綿実油、ヒマワリ油、キャノーラ油、落花生油、紅花油等が挙げられる。好適な風味剤の例としては、酵母、獣脂、レンダリングされた動物肉(例えば、家禽肉、牛肉、ラム肉、豚肉)、風味抽出物又はブレンド(例えば、グリルした牛肉)、動物消化物などが挙げられる。好適な着色剤としては、青色1号、青色2号、緑色3号、赤色3号、赤色40号、黄色5号、黄色6号等のFD&C着色剤、カラメル色素、アンナット、クロロフィリン、コチニール、ベタニン、ウコン、サフラン、パプリカ、リコピン、ニワトコジュース、パンダン、チョウマメ等の天然色素、二酸化チタン;並びに当業者に既知の任意の好適な食品着色剤が挙げられる。
[0038]本明細書で開示されるペットフード組成物は、穀粉に追加又はその代替として他の穀物及び/又は他のデンプン、アミノ酸、食物繊維、糖類、動物油、アロマ類、植物油に追加又はその代替として他の油、湿潤剤、保存料、ポリオール、塩、口腔ケア成分、抗酸化剤、ビタミン、ミネラル、プロバイオティクス微生物、生理活性分子、又はこれらの組み合わせ等の追加の原材料を任意に含み得る。
[0039]好適なデンプンとしては、例えば、トウモロコシ、米、小麦、大麦、カラス麦、大豆等の穀物、並びにこれらの穀物の混合物が挙げられ、好適なデンプンは、いずれかの穀粉に少なくとも部分的に含まれ得る。好適な湿潤剤としては、塩、糖類、プロピレングリコール、並びにグリセリン及びソルビトール等の多価グリコール(polyhydric glycol)等が挙げられる。好適な口腔ケア成分としては、クロロフィルを含有するアルファルファ栄養素濃縮物、重炭酸ナトリウム、ホスフェート(例えば、リン酸三カルシウム、ピロリン酸、ピロリン酸四ナトリウム、メタリン酸、及びオルトリン酸)、ペパーミント、クローブ、パセリ、生姜などが挙げられる。好適な抗酸化剤の例としては、ブチル化ヒドロキシアニソール(「BHA」)、及びブチル化ヒドロキシトルエン(「BHT」)、ビタミンE(トコフェロール)等が挙げられる。
[0040]使用され得るビタミンの非限定的な例としては、ビタミンA、B複合体(B−1、B−2、B−6及びB−12等)、C、D、E及びK、ナイアシン並びにパントテン酸及び葉酸等の酸性ビタミン並びにビオチンが挙げられる。好適なミネラルの非限定的な例としては、カルシウム、鉄、亜鉛、マグネシウム、ヨウ素、銅、リン、マンガン、カリウム、クロム、モリブデン、セレン、ニッケル、スズ、ケイ素、バナジウム、及びホウ素などが挙げられる。
[0041]本明細書で論じるように、組成物は、プレバイオティクス又はプロバイオティクスを更に含んでもよい。プロバイオティクスは、摂取した場合に特定の医学的状態の予防及び治療において有益な効果を有する生きた微生物である。プロバイオティクスは、コロニー形成耐性として知られる現象を通して生物学的効果を発揮すると考えられる。プロバイオティクスは、常在嫌気性菌叢が、消化管内で潜在的に有害な(主に好気性の)細菌の濃度を制限するプロセスを促進する。胃腸管における酵素の供給又は酵素活性への影響などの他の作用機序も、プロバイオティクスの関与する他の機能の一部を構成し得る。プレバイオティクスは、結腸内で細菌の増殖及び/又は活動を選択的に刺激することによって宿主の健康に有益に影響を与える非消化性の食品原材料である。プレバイオティクスとしては、フルクトオリゴ糖(FOS)、キシロオリゴ糖(XOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、及びマンノオリゴ糖(通常、ペットフードなどの非ヒト食品用)が挙げられる。プレバイオティクスであるフルクトオリゴ糖(FOS)は、小麦、タマネギ、バナナ、蜂蜜、ニンニク、及びリーキなどの多くの食品中に天然に見られる。また、FOSはチコリ根から単離することもでき、スクロースから酵素的に合成することもできる。結腸内でのFOS発酵は、結腸内のビフィズス菌の数の増加、カルシウム吸収の増加、糞便重量の増加、胃腸通過時間の短縮、及び場合により血中脂質濃度の低下を含む多数の生理学的効果をもたらす。プロバイオティクスは、全身の細胞性免疫応答を増強し、他の点では健康な成体における自然免疫をブーストするための栄養補助食品として有用であり得る。プロバイオティクスとしては、多くの種類の細菌が挙げられるが、一般に、ラクトバシラス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacteria)、ラクトコッカス属(Lactococcus)、及びペディオコッカス属(Pediococcus)の4つの細菌属から選択される。有益な種としては、エンテロコッカス属(Enterococcus)及びサッカロマイセス属(Saccharomyces)の種が挙げられる。動物に投与されるプロバイオティクス及びプレバイオティクスの量は、プレバイオティクス及びプロバイオティクスの種類及び性質、並びに動物の種類及び性質、例えば、齢、体重、健康状態、性別、微生物の枯渇の程度、有害な細菌の存在、及び動物の食餌に基づいて、当業者によって決定される。一般に、プロバイオティクスは、腸管微生物叢の健康的な維持のために1日当たり約1〜約200億コロニー形成単位(CFU)、一態様では、1日当たり約50億〜約100億の生きている細菌の量で動物に投与される。一般に、プレバイオティクスは、腸内の健康な微生物叢を積極的に刺激し、これらの「善玉」細菌を繁殖させるのに十分な量で投与される。本明細書で論じるように、プロバイオティクス及び/又はプレバイオティクスを選択し、B/F比が0.8未満であることができる。典型的な量は、1食分あたり約1g〜約10g、又は動物の1日あたりの食物繊維推奨量の約5%〜約40%である。プロバイオティクス及びプレバイオティクスは、任意の好適な手段によって組成物の一部とすることができる。一般に、作用物質は、組成物と混合される、又は組成物の表面に、例えば散布又は噴霧によって適用される。作用物質がキットの一部である場合、作用物質は他の材料と又はそれら自体のパッケージ内で混合することができる。
[0042]好適な保存料の非限定例としては、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸、パラヒドロキシ安息香酸メチルナトリウム、プロピオン酸カルシウム、プロピオン酸及びこれらの組み合わせが挙げられる。
[0043]本明細書で開示されるペットフード組成物における各々の更なる成分の具体的な量は、第1の食材及び任意の第2の食材に含まれる成分;動物の種;動物の年齢、体重、健康状態、性別、及び食餌;動物の飲食速度;食品製品を動物に摂取させる目的などの様々な因子に応じたものとなる。したがって、成分、及びその量は非常に様々であり得る。
[0044]例えば、上述の成分のいずれかの量を、糖尿病、肥満症、炎症性疾患、心血管疾患、代謝障害、筋骨格障害、又は癌のうちの1つ以上に対する推定効果に基づいて、増減させてもよい。
[0045]以下の非限定的な実施例は、本開示の実施形態の例示である。
実施例1−イヌ科動物の微生物叢試験
[0046]32匹のビーグル及び32匹のラブラドールを、半数が肥満/体重過多、及び半数が痩身/正常として選択した。全ての犬に、基本食餌で4週間(第1相)にわたって給餌した。犬を、年齢、性別、及び体脂肪に基づいて2つの食餌群(表1−試験の設計)にランダム化した。犬に、食餌A(HPLC)又は食餌B(LPHC)のいずれかにより、更に4週間(第2相)にわたって給餌した。糞便試料を、各相の終了時に採取した。食餌を、表2に示す。
Figure 2019528698

基本食餌:Purina(登録商標)ProPlan(登録商標)Chicken and Rice、食餌A:高タンパク質、低炭水化物、食餌B:高炭水化物、低タンパク質
Figure 2019528698
[0047]16S rRNA遺伝子の配列を、各試料について求めた。各試料について平均して167,500の配列が、生成していた。データ処理及びクレンジングを、MOTHUR(バージョン1.34.3)(http://www.mothur.org/から入手可能)を使用して行った。全ての配列を、標準FASTAフォーマットに変換した。2組の対になった配列をアライメントとし、コンティグに加えた。あいまいな塩基を有する、200bpより短いか若しくは500bpより長い、ホモポリマーのストレッチが8bpより長い配列、又は、Silva細菌参照配列の適切な16S rRNA可変領域でアライメントにすることができなかった配列を、除外した。次に、配列を、バーコード配列を使用した試料群によって振り分けた。8,000未満の配列の試料は、解析に含めなかった。複数の配列のPCR増幅によって生成したキメラ配列は、使用して除去した。次に、処理した読み取りを、バーコードで索引付けした試料分類に振り分けた。閉鎖基準によるUCLUST(Drive 5 Bioinformatics software and servicesから入手可能)のアルゴリズムを97%の配列類似性レベルで使用し、読み取りを操作的分類単位(OTU)にクラスタ化した。Greengenesデータベース(2013年8月公開)による事前定義した分類マップを使用し、分類を割り当てた。
[0048]腸内糞便細菌組成物及び存在量に対する食餌の効果を、PCAプロットによりが可視化した。2つの食餌処置群間で分化して存在する細菌の分類(DAT)を、線形判別分析有効サイズ(LEfSe)(表3)を使用して特定した。また、Whiteのノンパラメトリックt検定も行い、表3に存在していない更なるDATも特定した(表4)。バクテロイデスはLPHC食餌群内で多過ぎ、他方、フィルミクテスはHPLC食餌群内で多過ぎた。
Figure 2019528698
[0049]表3:分化して存在する細菌の分類を、線形判別分析有効サイズ(LEfSe)を使用して特定した。イタリックの名称はLPHC食餌での存在量増加を示し、太字の名称はHPLC食餌での存在量増加を示す。Pが0.01未満である場合、細菌の分類をDATのとおり選択した。線形判別分析(LDA)の得点は3を上回る。バクテロイデス門及びフィルミクテス門の細菌のみを列挙する。
Figure 2019528698
[0050]表4:更なる、分化して存在する細菌の分類(DAT)を、Whiteのノンパラメトリックt検定を使用し特定した。表3におけるDATは含めなかった。イタリックの名称はLPHC食餌での存在量増加を示し、太字の名称はHPLC食餌での存在量増加を示す。0.05未満のp値のDATを選択した。バクテロイデス門及びフィルミクテス門の細菌のみを列挙する。
[0051]加えて、メタゲノム(細菌全体のゲノム)の配列を、各試料について求めた。各試料について平均して11.8ギガ塩基の配列が、得られた。Gehanの検定を用いたデータ解析により、2つの食餌処置群間でのDATが明らかになった(表5)。
Figure 2019528698
[0052]表5:分化して存在する細菌の分類(DAT)を、メタゲノムの検討にて特定した。イタリックの名称はLPHC食餌での存在量増加を示し、太字の名称はHPLC食餌での存在量増加を示す。0.05未満のP値のDATを選択した。バクテロイデス門及びフィルミクテス門の細菌のみを列挙する。
[0053]体重管理検討、又は肥満症若しくは他の関連する状態に対する治療効果確認のため、この検討にて特定したDATをバイオマーカーとして使用することができる。また、プレバイオティクス及び/又はプロバイオティクスにより食餌を処方し、肥満の犬対痩身の犬にて認めた分化した分類プロファイルに基づき、肥満症の食餌治療計画の一部として共生を復元することもできる。
[0054]このように、本発明の実施形態は、表3〜表5に記載したDATのうちの1つ又は組み合わせを含み、GI微生物叢を調節することができる。本明細書で論じるように、B/F比を手法として使用し、体重管理検討の利点を確認することができる。更に、本発明により記載されている組成物及び方法では、表3〜表5に記載したDATに基づいてプレバイオティクス及び/又はプロバイオティクスを使用し、腸管内のB/F比を調節し、ペットにおけるHPLC食餌がもたらす体重管理の利点を、得ることができる。
[0055]上記に加え、ラクトバシラス・ルミニスは、炭水化物を多く含む食餌(LPHC又は基本食餌)を給餌した犬において多く存在したが、HPLCの給餌後には完全に根絶された。運動性ラクトバシラス・ルミニスが炎症誘発性と考えられることから、本発明の組成物及びHPLC食餌を使用する方法は、ラクトバシラス・ルミニスなどの炎症誘発性細菌の根絶により部分的に有益な効果をもたらすことができる。また、ラクトバシラス・ルミニスの増殖を抑制するための、プレバイオティクス、プロバイオティクス又は他の食餌組成物の使用は、HPLC食餌からの上記の有益な効果の達成に寄与することができる。
[0056]本明細書に記載される現在好ましい実施形態に対する様々な変更及び修正が、当業者には明らかであることは理解されるべきである。このような変更及び修正は、本発明の主題の趣旨及び範囲から逸脱することなく、かつ意図される利点を損なうことなく、行うことができる。したがって、このような変更及び修正は、添付の特許請求の範囲に包含されることが意図される。

Claims (15)

  1. イヌ科動物において胃腸管微生物叢を調節するための方法であって、
    約25%〜約60%のタンパク質、約5%〜約30%の炭水化物、脂肪、及び繊維を含む、ペットフード組成物を前記イヌ科動物に投与すること、を含み、
    投与後、前記イヌ科動物の、バクテロイデスのフィルミクテスに対する(B/F)比を、0.8未満とする、方法。
  2. 前記ペットフード組成物が、前記イヌ科動物においてバクテロイデスの微生物叢を減少させる、第1のプロバイオティクスを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ペットフード組成物が、フィルミクテスの微生物叢を増加させる、第2のプロバイオティクスを含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記ペットフード組成物が、前記イヌ科動物においてフィルミクテスの微生物叢を増加させる、プロバイオティクスを含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記プロバイオティクスを、前記ペットフード組成物と別にして投与する、請求項4に記載の方法。
  6. 前記プロバイオティクスを、投与する前の前記ペットフード組成物に添加する、請求項4に記載の方法。
  7. 前記イヌ科動物が糖尿病、肥満症、炎症性疾患、心血管疾患、代謝障害、筋骨格障害又は癌を有すると同定すること、を更に含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記イヌ科動物の胃腸管微生物叢を調節することが、糖尿病、肥満症、炎症性疾患、心血管疾患、代謝障害、筋骨格障害又は癌の治療の一部である、請求項1に記載の方法。
  9. 前記イヌ科動物の、バクテロイデスのフィルミクテスに対する比、(B/F)比が、0.7未満である、請求項1に記載の方法。
  10. 前記ペットフード組成物が、約45%〜約60%のタンパク質を含む、請求項1に記載の方法。
  11. 前記ペットフード組成物が、約10%〜約20%の炭水化物を含む、請求項1に記載の方法。
  12. 前記ペットフード組成物がプレバイオティクスを含む、請求項1に記載の方法。
  13. 前記投与を、定期的なものにする、請求項1に記載の方法。
  14. B/F比を、フィルミクテス門からの、ストレプトコッカス・インファンタリウス、ルミノコッカス属ルミノコッカス種、[クロストリジウム]ヒラノニス、クロストリジウム・パーフリンジェンス、エンテロコッカス・フェシウム、[クロストリジウム]バルトレッティ、[クロストリジウム]ディフィシル、[ルミノコッカス]グナバス、ラクノスピラ・バクテリウム、ブラウティア・ハンセニイ、[ルミノコッカス]オベウム、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィ、クロストリジウム・ブチリカム、ラクトバシラス・ルミニス、ツリシバクター・サングイニス及びラクトバシラス・アシドフィルス、並びに、バクテロイデス門からの、バクテロイデス・コプロコラ、パラバクテロイデス・メルダエ、バクテロイデス・コプロフィルス、プレボテラ・コプリ及びバクテロイデス属バクテロイデス種の存在から算出する、請求項1に記載の方法。
  15. 投与後、ラクトバシラス・ルミニスが、25%減少する、請求項1に記載の方法。
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