JP2019526809A - アルツハイマー病の診断方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、a)被検体の生体液または当該生体液由来のサンプルのラマンスペクトルにおける、約1256cm−1のラマンバンドの強度値を決定する工程と、b)工程a)で得られた強度値を基準値と比較する工程とを含み、当該基準値に対する当該ラマンバンド強度の値の増加は、被検体がアルツハイマー病に罹患していることを示す、被検体のアルツハイマー病を診断する振動分光法に関する。本発明は、血漿サンプル分析のための装置、コンピュータプログラム、データ媒体、およびアルツハイマー病を治療するのに適した療法にさらに関する。

Description

本発明は、特に振動分光法に基づいてアルツハイマー病を診断する方法に関する。
欧州には、アルツハイマー病患者が3,000万人以上おり、診断されていない人は700万人を超えている。
現在、アルツハイマー病(AD:Alzheimer’s Disease)は、患者および近親者双方との面談を含む一連の神経心理学的検査によって診断される。このプロセスには、主観的な推論が関わり、臨床医の側にかなりの専門知識を必要とする。しかし、これらの検査は決定的なものではなく、それは、さまざまな種類の認知症の症状が誤診されやすく、通常の老化プロセスと混同される可能性もあるためである。
したがって、これらの検査は、診断検査によって補完されるべきである。今日、ADを診断する主な2つの方法があるが、それらは費用がかかり、侵襲的で、かつ複数の副作用を有する。陽電子放出断層撮影法(PET:Positron Emission Tomography)では、放射性マーカを注射した後に患者の脳をスキャンするが、これは重度のアレルギー反応を引き起こす可能性がある。もう一方の方法では、髄液を分析するが、これは患者が腰椎穿刺を行うことを必要とする。比較的費用のかかるこの方法は、重度の頭痛、脚のしびれの一時的な疼痛、感染および脊柱管への出血を引き起こし得る。
髄液中のβ−アミロイドの検出に基づくいくつかの診断方法がある。上記のように、このアプローチでは、患者が腰椎穿刺を受ける必要があり、これは多くの副作用を有する。他の検査では血液サンプルを分析するが、その有効性は80歳を超える患者では試験されておらず、小グループの患者からしかデータが得られていない。
AB試験(Araclon Biotech)およびINNO−BIA Aβ(Innogenetics)等の他の血液検査が現在開発中である。これらの検査は、アルツハイマー病の脳に蓄積し、損傷を引き起こす特定のタンパク質、βアミロイドの血漿中濃度を測定することによってADを診断しようと試みる。しかし、いくつかの結果は、血漿中のその濃度が脳内の濃度を反映していないことが示されている。
ラマン分光法が、脳組織切片におけるスペクトルを測定することによってADの診断に応用され、これは、AD患者の脳組織の切片がアミロイドβペプチドの沈着、コレステロールおよび過リン酸化タウの増加を示すという観察をもたらした(Archerら European Conference on Biomedical Optics(ECBO),Munich,Germany,2007;Chenら、Appl.Optics 48,4743−4748(2009))。しかし、この研究は特異度および感度の値を提供せず、さらに、組織サンプルの使用を必要とし、組織サンプルは末梢血ほど入手しやすくない。さらに、脳組織に生じる変化は、末梢血においても必ずしも起こるとは限らない。
したがって、ADを診断する方法、とりわけ良好な精度を示す非侵襲的で安価な方法が、当該技術分野において求められている。
第一の態様において、本発明は、
a)被検体の生体液または当該生体液由来のサンプルのラマンスペクトルにおける、約1256cm−1の周波数におけるラマンバンドの強度値を決定する工程と、
b)工程a)で得られた強度値を基準値と比較する工程と
を含んでなり、
前記基準値に対する前記ラマンバンド強度の値の増加が、被検体がアルツハイマー病に罹患していることを示すものとする、被検体のアルツハイマー病を診断する振動分光法に関する。
第二の態様において、本発明は、
a)血漿サンプルを受容する容器と、
b)少なくとも1つのラマン分光計と、
c)本発明による診断方法を実施する手段を備えたコンピュータシステムと
を備える、血漿サンプル分析のための装置に関する。
第三の態様において、本発明は、本発明による診断方法を実行するのに適したコードを含む、コンピュータプログラムに関する。
第四の態様において、本発明は、本発明によるコンピュータプログラムを含む、データ媒体に関する。
第五の態様において、本発明は、被検体のアルツハイマー病の治療に用いるためのアルツハイマー病の治療に適した療法に関し、本発明の方法により当該被検体が選択される。
約1256cm−1のバンドが現れるラマンスペクトル領域を示す図である。 AD患者と健康な患者との間の、約1256cm−1のバンドの強度の差を示す図である。 1256cm−1に現れるバンドの強度に基づくアルツハイマー病の診断に関連するROC曲線。
本発明の発明者らは、約1256cm−1のラマンバンドの強度の値が、アルツハイマー病患者を高い確率で分類可能な分光パラメータであることを見出した(実施例1参照)。
アルツハイマー病を診断する方法
第一の態様において、本発明は、
a)被検体の生体液または当該生体液由来のサンプルのラマンスペクトルにおける、約1256cm−1の周波数におけるラマンバンドの強度値を決定する工程と、
b)工程a)で得られた強度値を基準値と比較する工程と
を含んでなり、
前記基準値に対する前記ラマンバンド強度の値の増加が、被検体がアルツハイマー病に罹患していることを示すものとする、被検体のアルツハイマー病を診断する振動分光法に関する。
本明細書において「診断する」とは、被検体の可能な疾患を決定および/または特定しようとするプロセス、すなわち、診断手順、およびこのプロセスによって到達される所見、すなわち診断所見の両方を指す。そのため、これは、個体の状態を別の異なるカテゴリに分類する際に、なされるべき治療および予後に関する医学的判断を可能にする試みとみなすこともできる。当業者には理解されるように、アルツハイマー病の診断は、診断または評価される被検体の100%にとって正しいとは限らないが、そうであることが好ましい。しかしながら、この用語は、被検体の統計学的に有意な部分がアルツハイマー病に罹患していると特定できることを必要とする。被検体が統計学的に有意であるか否かは、信頼区間の決定、p値決定、スチューデントt検定、マン−ホイットニー検定等のさまざまな周知の統計学的評価ツールを用いて当業者がさらに熟考することなく判定することができる。詳細は、Dowdy and Wearden,Statistics for Research,John Wiley&Sons,New York 1983に記載されている。好ましい信頼区間は、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%である。p値は、好ましくは、0.05、0.01、0.005、またはそれ以下である。
本明細書において「アルツハイマー病」または「AD」または「アルツハイマー」という用語は、臨床的には、進行性記憶障害、混乱、行動障害、自分自身をケアできないこと、漸進的な肉体の衰え、そして最終的には死に到る、老人斑、神経原線維のもつれ、および進行性ニューロン脱落を特徴とする特定の退行性脳疾患に関連する痴呆を指す。典型的には、ADに罹患している患者は、NINCDS−ADRDA(National Institute of Neurological and Communicative Disorders and the Alzheimer’s Disease and Related Disorders Association)基準:臨床認知症評価法(CDR)=1;ミニメンタルステート試験(MMSE)=16〜24点、および側頭葉内側萎縮度(磁気共鳴イメージング、MRIにより決定)>3点(Scheltensスケール)を用いて特定される。
本明細書において、「AD」の用語は、これに限定されないが、1984年のNINCDS−ADRDAアルツハイマー診断基準によって定義される以下の段階(McKhannら,1984,Neurology 34:939−44)を含む、疾患の全段階を含むことが意図される。
・確定AD:患者は、ほぼ確実なADの基準を満たし、剖検または生検を介してADの組織病理学的証拠を有する。
・プロバブルまたは前駆期AD:臨床および神経心理学的検査によって認知症が確定されている。さらに、認知障害は、進行性であり、かつ認知の2つ以上の領域で存在していなければならない。障害の発症が40〜90歳の間であり、最終的に、認知症候群を引き起こし得る他の疾患が不在でなくてはならない。
・ポッシブルまたは非前駆期AD:非定型発症、症候または進行を伴い、公知の病因のない認知症候群があるが、認知症を引き起こし得るいかなる併存症もその原因にはなっていないと考えられる。
さらに、National Institute on Aging and Alzheimer’s Associationは、2011年に診断基準を改定し、NIA−AAのアルツハイマー病基準(Albertら,2011,Alzheimer Dement 7:270−9;Jackら,2011,Alzheimer’s Dement 7:257−62;McKhannら,2011,Alzheimer’s Dement 7:263−9;Sperlingら,2011,Alzheimer’s Dement 7:280−92)にした。「AD」の用語は、これらの基準によって定義される段階も含むことを意図している。
本明細書において「振動分光法」は、分子レベルでの振動に基づく分子特性の分析に関する。特に、ラマンは、50〜4,000cm−1の範囲で有効な散乱/分散技術であり、入射光のシフト(ラマンシフト)を伴う。
「被検体」または「個体」または「動物」または「患者」という用語は、任意の被検体、特に哺乳動物被検体を含む。哺乳類被検体としては、ヒト、家畜(domestic animal、farm animal)、および動物園またはペット動物、例えばイヌ、ネコ、モルモット、ウサギ、ラット、マウス、ウマ、蓄牛、乳牛等が挙げられる。好ましい実施形態において、被検体はヒトである。
第一の工程において、本発明の診断方法は、被検体の生体液または当該生体液由来のサンプルのラマンスペクトルにおける、約1256cm−1の周波数でのラマンバンドの強度値を決定することを含む。
本発明の範囲において、表現「ラマンスペクトル」は、600〜3100cm−1の間に含まれるスペクトル領域を含む波数の集合を指すが、スペクトル領域は、前述の当該ペクトル領域を含むならば、より広いものであってもよい。
本明細書において「生体液」の用語は、生体の身体由来の任意の体液または液体を指す。本発明の診断方法での使用に適したサンプルとしては、血液、血清、血漿、CSF、唾液、歯肉溝滲出液、尿、精漿、涙液および乳頭液からなる群から選択される任意の体液が挙げられる。
本発明によれば、被検体からサンプルを採取してから、そのラマンスペクトルが決定される。
好ましい実施形態において、生体液サンプルは血漿である。別の好ましい実施形態において、生体液サンプルは血清である。
本発明において、「血漿」とは血液の液体成分を指し、血液の全体積の60%に相当し、赤血球および白血球を含まない。血漿分画は、得るのが簡単なため、血小板分画より好ましく、その上、血小板凝集または破裂現象に起因して血小板を得ることの困難性がよく知られているという事実もある。
本発明は、実質的に血小板を含まない血漿で行うことができる。あるいは、別の態様において、多血小板血漿サンプルが好ましい。本発明で使用されるように、「多血小板血漿」とは、血小板が豊富な血漿を指し、一般に300〜350,000血小板/μL超を含む。多血小板血漿を得るために、現況技術で知られている種々の方法を使用することができる。種々の方法は、抗凝固剤を含んだ試験管に血液を採取すること、その血液を、血液が密度に応じてその基本成分へと分離するようにさまざまなプロトコルに従ってさまざまな遠心分離条件に供すること、多血小板血漿に対応する画分を選択することからなる。
本発明によれば、分析される血漿画分は、例えば、遠心濾過分画等の標準的な血液分画プロセスのいずれかによって既に得られているヒト血液サンプル(好ましくはヒト末梢血)から予め得ることができる。
好ましい実施形態において、本発明の診断方法は、被検体の生体液または当該生体液由来のサンプルのラマンスペクトルを記録することを含む工程から始まる。より好ましい実施形態において、生体液サンプルは、ラマンスペクトル記録の前に処理される。さらにより好ましい実施形態において、処理は脱水によって行われる。好ましい実施形態において、脱水は蒸発によって行われる。別の実施形態において、脱水は乾燥するまで行われる。
本明細書で使用される「生体液由来のサンプル」は、生体液の処理から得られる任意のサンプルに関する。好ましい実施形態において、生体液由来のサンプルは脱水生体液である。
本明細書で使用される「脱水生体液」は、水分の除去を示す生体液のサンプルに関する。好ましい実施形態において、水の除去が完了する。
別の好ましい実施形態において、脱水生体液は脱水血漿である。
別の好ましい実施形態において、サンプルは結晶化される。
好ましい実施形態において、脱水血漿は、CaFもしくはZnSe結晶または金属担体上に6〜100μLの量の血漿画分を広げ、10〜25℃、好ましくは15〜25℃の温度でそれを完全に蒸発乾固することを含むプロセスに従って調製される。
当業者であれば、サンプルの量は、例えばCaFもしくはZnSe結晶または金属担体等の担体の種類に依存することを理解する。好ましい実施形態において、血漿画分の量は、6〜14μLまたは10〜100μLである。より好ましい実施形態において、量は、10〜20μL、20〜30μL、30〜40μL、40〜50μL、50〜60μL、60〜70μL、70〜80μL、80〜90μL、または90〜100μLである。さらにより好ましい実施形態において、血漿画分の量は10μLである。
別の好ましい実施形態において、結晶または金属担体の表面は0.5〜2cm、好ましくは1cmである。
別の好ましい実施形態において、CaF結晶が使用される。
本明細書において「CaF結晶」は、300°Kで322cm−1の一次ラマン線を有する立方晶系結晶に関する。これは、遠紫外から中赤外域での高い透過率、低屈折率、高い耐化学薬品性および高いレーザ損傷閾値を示す。
本明細書において「ZnSe結晶」は、その極端に低いバルク損失、熱衝撃への高い耐性、および実質的にあらゆる環境での安定性故に、多くの光学用途において非常に有効で、容易に機械加工される、化学的に不活性で非吸湿性、かつ高純度の生成物に関する。
別の好ましい実施形態において、金属担体が使用され、好ましくは金属はAg、AuおよびCuである。表面の調製は、電気化学的粗面化、ナノ構造化基材の金属コーティング、または金属ナノ粒子の堆積によって行うことができる。
当該画分の量の蒸発乾固は、本発明の目的のためにサンプルの変化を観察することなく、10〜25℃の温度で行うことができる。より速いサンプル蒸発の目的のために、蒸発は好ましくは15〜25℃(両方の限界値を含む)で実施される。
一般的に、非限定的な方法で、非分画ヒト血液サンプルが最初に使用される場合、本発明のラマン分光分析に適した血液画分サンプル(好ましくは血漿サンプル)は、
a.通常使用される既知の遠心濾過血液分画プロセスのいずれかを用いて、先に入手したヒト末梢血サンプルから当該血液画分(好ましくは血漿画分)を得る工程と、
b.CaFもしくはZnSe結晶または金属担体の0.5〜2cm、好ましくは1cm角の表面に血漿画分を広げる工程と、
c.約10μLの先の画分の量を完全に蒸発乾固させて、1μgの当該画分の乾燥固体残渣を得、当該画分量の蒸発は比較的低温、具体的には10〜25℃、より好ましくは15〜25℃で行われる(両方の限界値を含む)、工程と
を含むプロセスに従って、分光データを取得する前に調製することができる。
本明細書において「スペクトル値」という用語は、スペクトルから得ることができ、いくつかのスペクトルを比較するために使用することができる任意の測定可能なパラメータを指す。本発明では、スペクトル値は強度値である。
「強度値」という用語は、所与の波数におけるピークの強度を指す。
本発明の範囲内で、「cm−1で表される周波数値付近のバンド」とは、vi±1cm−1により決定される周波数範囲においてその強度が得られるラマン振動スペクトルにおけるバンドを指し、Xは少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10cm−1、またはそれ以上の可変周波数値である。好ましい実施形態において、Xは2の値を有する。したがって、1256cm−1の周波数値付近のバンドは、1254〜1258cm−1の範囲で得られる最大バンドを指す。本明細書では、当該用語は、「cm−1で表される周波数値に近いバンド」と呼ぶこともできる。バンド周波数における±Xcm−1の増加は、周波数測定精度が異なるさまざまな分光計において測定され得る同じバンドの周波数範囲の振れ幅を定義するために示される。したがって、本明細書に現れる周波数値vは、使用される分光計に応じて当該周波数値に対して±Xcm−1変動し得ることが理解されなければならない。
したがって、「cm−1で表される周波数値v付近で得られるラマン強度」という用語は、v±Xcm−1により決定される周波数範囲に現れるバンドの最大で得られるラマンスペクトルの強度値を指すと理解される。Xが2の値を有する場合、1256cm−1の周波数値付近で得られるラマン強度は、1254cm−1〜1258cm−1の周波数範囲で得られる最大の強度値に対応する。別の実施形態において、約1256cm−1の周波数は、1252cm−1〜1258cm−1の周波数範囲と考えられる。
スペクトル値を得るために、本発明による方法は、スペクトルの正規化およびデコンボリューションを試みる。
当業者であれば、本発明の方法によれば、好ましい実施形態において、強度値を決定するために、ラマンスペクトルのベースラインを補正し、その全領域に関してスペクトルを正規化することを試みることが好ましいと理解するであろう。
本明細書において「正規化」という用語は、測定値間の系統的差異の排除を指す。ラマンスペクトル測定における系統的誤差の最も重要な原因の1つは、全強度変動から生じる。正規化は、強度値の差が、アッセイされるサンプルの量の差に起因するか、または使用されるサンプルの品質のばらつきに起因することを避け、ラマン測定における系統的変動の望ましくない原因をなくすため等に有用であり得る。
当業者であれば、本発明の方法がラマンスペクトルの正規化を企図することを理解するであろう。正規化は、AD患者とADに罹患していない患者との間で変化しない任意のバンドを用いて行うことができる。好ましい実施形態において、対象となるピークのスペクトル値を完全なスペクトルの値で除することによって正規化を行うことができる。好ましくは、完全なスペクトル領域は、600〜3100cm−1の波長に含まれる。
強度値を得るために、上記の正規化値のいずれかが使用されることが理解されるであろう。基準値は、好ましくは、同じ正規化値を用いて正規化される。例えば、基準値が、対照患者(すなわち、ADに罹患していない患者)における約1256cm−1の周波数のラマンバンドの強度である場合、対照スペクトルのバンドの強度は、試験中のサンプルのバンドの強度と同じように正規化して得られる必要がある。この場合、バンドの強度が増加するか否かを判断するために工程c)で使用される基準値は、正規化された基準値である。好ましい実施形態において、基準値は、1252〜1258cm−1の周波数におけるラマンバンドの強度である。別の好ましい実施形態において、基準値は、1254〜1258cm−1の周波数におけるラマンバンドの強度である。
好ましい実施形態において、強度値は、ラマン曲線下の総面積に関してスペクトル値を正規化した後に決定される。
本明細書において「領域」という用語は、ピークを横切るベースラインを描き、ピークに囲まれた面積を測定することによって計算することができるスペクトルのピークによって画定される領域を指す。ベースラインは、通常、スペクトルのピーク前後の点に基づいて描かれる。一実施形態において、正規化に使用される領域は、600〜3100cm−1に含まれるスペクトル領域の面積である。
本発明において「デコンボリューション」という用語は、スペクトルがその構成要素に分解され、そうでなければマスクされたままの信号の識別を可能にする方法を指す。
本発明に記載の方法でより良好な結果を得るためには、問題のサンプルのラマンスペクトルを少なくとも部分的にマスクする、血液サンプルに含まれる生物学的物質によってスペクトル中に生成される蛍光信号を除去することが好都合である。使用されるマイクロ分光計を最適化することにより、可視スペクトルにおけるレーザ線を用いたラマン励起で生成されるラマンスペクトルの蛍光を最小限に抑えることができるが、蛍光抑制は100%にはできない。したがって、例えば、1064nmネオジム−YAGレーザ線のような、近赤外励起によるレーザ線を使用することによってスペクトルを得ることが好都合である。
好ましい実施形態において、ラマンスペクトルは、近赤外レーザ励起線750〜1400nmを使用して記録される。
本発明の方法の第二の工程は、工程a)で得られたラマンスペクトル値を対応する基準スペクトル値と比較することを含む。
本明細書において、基準スペクトル値は、サンプルから得られた値/データの基準として使用される実験室値に関する。基準値(または基準レベル)は、絶対値、相対値、上限および/もしくは下限を有する値、一連の値、平均値(average value)、中央値、平均値(mean value)または対照もしくは基準値を参照して表現される値であってよい。基準値は、個々のサンプルから得られた値、例えば、試験サンプルから得られるが、前の時点で得られた値等に基づくことができる。基準値は、サンプル個体群で得られるかまたは試験されるサンプルを含むもしくは含まないサンプルプールで得られる値等の多数のサンプルに基づくことができる。さらにより好ましい実施形態において、基準サンプルがサンプルプールから得られるとき、サンプルは、試験中の被検体から得られたサンプルと同じ種類のサンプルである。すなわち、試験中の被検体のラマンスペクトルが血漿から得られた場合、基準値は、血漿サンプルのプールから得られたラマンスペクトルから得られる。
好ましい実施形態において、基準スペクトル値は、対照患者、より詳細には、アルツハイマー病に罹患していない被検体、より好ましくは健康な被検体から得られたサンプルのスペクトル値である。さらにより好ましい実施形態において、上述の対照患者から得られた基準サンプルが、試験中の被検体から得られたサンプルと同じ種類のサンプルである。すなわち、試験中の被検体のラマンスペクトルが血漿から得られた場合、基準値は、対照被検体の血漿サンプルから得られたラマンスペクトルから得られる。別の実施形態において、基準スペクトル値は、試験中の患者から得られるが、前の時点で、特に患者が疾患のいかなる症状も示さなかった時点で得られたサンプルのスペクトル値である。さらにより好ましい実施形態において、上述の前の時点で患者から得られた基準サンプルが、試験中の被検体から得られたサンプルと同じ種類のサンプルである。すなわち、試験中の被検体のラマンスペクトルが血漿から得られた場合、基準値は、前の時点の同じ被検体の血漿サンプルから得られたラマンスペクトルから得られる。
本発明の方法によれば、当該ラマンバンド強度の値の増加は、被検体がアルツハイマー病に罹患していることを示す。
ラマンバンド強度の値は、「増加した」とみなされ、対応する基準スペクトル値と比較した約1256cm−1のバンドのラマンバンド強度の値は、少なくとも1.5%、少なくとも2%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも100%、少なくとも110%、少なくとも120%、少なくとも130%、少なくとも140%、少なくとも150%、またはそれ以上である。
血漿サンプル分析のための装置
別の態様において、本発明は、
a)血漿サンプルを受容する容器と、
b)少なくとも1つのラマン分光計と、
c)本発明による診断方法を実施する手段を備えたコンピュータシステムと
を備える血漿サンプル分析のための装置に関する。
ラマン分光計を形成する装置は、現況技術では、基本的にレーザおよびCCD(電荷結合素子)として知られている。機器は、1つの光源のみによって、または光学ヘッドに光を導く励起光ファイバに接続された2つ以上の交換可能な単色光源(例えば、He−Neレーザ、Arレーザおよびレーザダイオード)によって形成することができ、後者は、サンプル上に集光できる。同じ光学ヘッドを通って、収集光ファイバによって収集される、サンプルによって散乱した光は、空間的およびスペクトル的にこの光を分離するモノクロメータに導かれる。CCDは、モノクロメータによって回折された信号を検出し、散乱光光子をデジタル電気信号に変換し、スペクトルはコンピュータに転送される。
あるいは、分散型分光計の場合、光は、コリメート光学系を通して回折格子に導かれ、回折格子は、CCDにスペクトルを投影するために光を分散させる。
本発明の装置のコンピュータシステムの目的は、とりわけ、散乱ラマン信号の取得と、数学的処理を含むそれに続く分析とを制御することである。コンピュータシステムは、とりわけ、CCDのパラメータ、レーザビームの集束システムおよびその出力の制御も行う。コンピュータシステムはさらに、スペクトルのある程度の操作、例えば、とりわけ、ベースラインの補正、いくつかのスペクトルの比較、領域およびフーリエ変換の計算、分析されるサンプルのスペクトル値の基準スペクトル値との比較、アルツハイマー病に関連する血液サンプルとアルツハイマー病に関連する血液サンプルとの区別を可能にする値の多変量解析比較をさらに可能にすることができる。
別の特定の実施形態において、本発明の装置は、顕微鏡をさらに備える。別の好ましい実施形態において、本発明の装置は、光をウェブカメラおよびラマンヘッドの両方に向けることを可能にするビームスプリッタを有するビデオ顕微鏡をさらに備える。レーザを集束させ、ラマン光を平行にするために、顕微鏡の対物レンズが使用される。
本発明の診断方法の文脈において詳細に記載される用語ならびにその定義および詳細は、本発明のこの態様に等しく適用される。
コンピュータプログラムおよびデータ媒体
別の態様において、本発明は、本発明による診断方法を実行するのに適したコードを含むコンピュータプログラムに関する。
別の態様において、本発明は、本発明によるコンピュータプログラムを含むデータ媒体に関する。
別の態様において、本発明は、本発明による診断方法を実施する手段を備えたコンピュータシステムに関する。コンピュータシステムは、
(a)(i)患者のサンプルに関するラマンスペクトルデータを受信すること、および(ii)患者を健康な被検体またはアルツハイマー病患者として、被検体のサンプルから得られたスペクトルと基準被検体のスペクトルとの同一性に基づいて割り当てることを含む方法を実施するコンピュータシステムの動作を制御するのに適した少なくとも1つのコンピュータプログラムを含む少なくとも1つのメモリと、
(b)コンピュータプログラムを実行する少なくとも1つのプロセッサ
を備えることができる。
本発明の別の態様は、本発明の方法による工程を実行するコンピュータシステムを制御するためのコンピュータプログラムに関する。
コンピュータシステムは、特定の目的を有する1つまたは複数の汎用プロセッサ、ならびに揮発性および不揮発性のメモリデバイスを含む関連するメモリを含むことができる。
本発明のいくつかの実施形態において有用な機械で読み取り可能な物理記録媒体としては、任意の機械で読み取り可能な物理記録媒体、例えば、固体記憶装置(例えば、フラッシュメモリ)、機械で読み取り可能な磁気記録媒体および光学記録媒体、および他の持続性記録技術を用いたメモリを挙げることができる。いくつかの実施形態において、機械で読み取り可能な媒体は、コンピュータがコンピュータプログラムおよびデータにアクセス可能な任意の有形の媒体であってもよい。機械で読み取り可能な媒体としては、情報、例えば、機械で読み取り可能な命令、プログラムモジュール、プログラム、データ、データ構造およびデータベース情報を保存することができる任意の方法または技術で実施される書き換え可能または書き換え不能の有形の揮発性および不揮発性の媒体を挙げることができる。本発明のいくつかの実施形態において、機械で読み取り可能な媒体としては、限定されないが、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリーメモリ)、EPROM(書き換え可能なプログラマブルリードオンリーメモリ)、EEPROM(電気的に書き換え可能なプログラマブルリードオンリーメモリ)、フラッシュメモリまたは他のメモリ技術、CD−ROM(コンパクトディスクリードオンリーメモリ)、DVD(デジタルバーサタイルディスク)または他の光学記録媒体、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置または他の磁気記憶媒体、他の種類の揮発性および不揮発性のメモリ、ならびに上述の任意の適した組み合わせを含め、情報を保存するために使用することができ、機械で読み取り可能な任意の他の有形の媒体を挙げることができる。
本発明は、自律型コンピュータで、またはネットワークコンピュータシステムの一部として実行することができる。
本発明のいくつかの実施形態において、基準として使用するラマンスペクトルを使用し、電気的に、またはデジタルで記録し、登録し、検索することができる。
本発明のこの態様および他のすべての態様の実施形態において、システムは、基準データを決定モジュールにおいて決定されたスペクトルと比較する操作比較のために利用可能な種々のソフトウエアフォーマットおよびプログラムを使用することができる「比較モジュール」において、データを比較することができる。別の実施形態において、比較モジュールは、1つまたは複数の入力の配列の情報と、もう1つの基準データパターンとを比較するためにパターン認識技術を用いるように構成される。比較モジュールは、パターンを比較するために既存の市販または使い捨てのソフトウエアを使用するように構成でき、行われる特定のデータ比較のために最適化することができる。
いくつかの実施形態において、比較モジュールは、予め定義した基準によって、またはユーザが定義した基準によって、機械で読み取り可能な形態で処理可能な機械で読み取り可能な比較結果を提供し、表示モジュールを用いてユーザによって要求されるように保存し、アクセスすることができる比較結果に部分的に基づく内容を含む報告を提供する。いくつかの実施形態において、表示モジュールは、ユーザのための比較結果に部分的に基づく内容を表示することができ、この内容は、対象患者のサンプルから得られるスペクトルと、健康な被検体のスペクトルとを比較した結果の指標となる報告である。
いくつかの実施形態において、表示モジュールは、エンドユーザのための比較結果に部分的に基づく報告または内容を表示することができ、この内容は、患者のスペクトルと基準スペクトルとを比較した結果の指標となる報告である。本発明のこの態様および他のすべての態様の実施形態において、比較モジュール、または本発明の任意の他のモジュールは、関係データベース管理システム、ワールドワイドウェブアプリケーション、ワールドワイドウェブサーバが動くオペレーションシステム(例えば、UNIX、Windows)を含んでいてもよい。ワールドワイドウェブアプリケーションは、データベース言語命令[例えば、標準クエリ言語(SQL)命令]を作成するために必要な実行可能なコードを含んでいてもよい。
コンピュータの命令は、ソフトウエア、ファームウエアまたはハードウエアで実行されてもよく、情報処理システムのモジュールによって行われる任意の種類のプログラム化工程を含んでいてもよい。コンピュータシステムを、ローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイドエリアネットワーク(WAN)に接続してもよい。
本発明のこの態様および他のすべての態様のいくつかの実施形態において、比較モジュールは、予め定義された基準またはユーザが定義した基準によって機械で読み取り可能な様式で処理可能な機械で読み取り可能なデータを与え、表示モジュールを用いてユーザによって要求されるように保存し、アクセスすることができる検索内容を提供する。
本発明のいくつかの実施形態によれば、コンピュータ化システムは、表示モジュール、例えば、コンピュータモニタ、タッチスクリーンまたはビデオ表示システムを含むか、またはこれらに操作可能に接続してもよい。表示モジュールは、ユーザインタフェースの一部として、ユーザの指示をシステムユーザに提示することができ、ユーザがシステムの入力を見ることができ、このシステムは、ユーザに結果を示すことができる。コンピュータ化システムは、所望により、システムによって出力される情報の印刷複写物を製造するための印刷デバイスを含んでいてもよく、または印刷デバイスに操作可能に接続していてもよい。
本発明のいくつかの実施形態において、ワールドワイドウェブブラウザを使用し、ユーザが情報を入力するためにシステムと対話し、要求を作成し、検索した内容を示すことができるためのユーザインタフェースを提供できる。さらに、システムの種々の機能モジュールは、ユーザインタフェースを提供するためにウェブブラウザを用いるように構成できる。ウェブブラウザを用いることによって、ユーザは、データソース(例えば、データベース)からデータを検索するための要求を作成することができ、比較モジュールと対話し、比較およびパターンマッチングを行うことができる。ユーザは、システムと対話し、システムが本発明の方法を行うためにグラフィカルユーザインタフェースで従来から使用されるユーザインタフェース要素(例えば、ボタン、ドロップダウンメニュー、ディスプレイスメントライン等)を示し、クリックすることができる。ユーザウェブブラウザを用いて作成された要求は、ネットワークからウェブアプリケーションに送信され、作成したスペクトル、検索された内容に関連する関連情報を提供するために使用可能な1つ以上のデータベースに問い合わせを行うための要求を処理し、フォーマット化し、この情報を処理し、結果を作成することができる。
本発明の診断方法の文脈において詳細に記載される用語ならびにその定義および詳細は、本発明のこの態様に等しく適用される。
個別療法
別の態様において、本発明は、被検体のアルツハイマー病の治療に用いるためのアルツハイマー病の治療に適した療法に関し、本発明の方法により当該被検体が選択または診断される。
あるいは、本発明は、アルツハイマー病の治療に適した化合物を、当該化合物が必要な被検体に投与することを含む、被検体のアルツハイマー病を治療する方法に関し、本発明の方法により当該被検体が選択される。
あるいは、本発明は、アルツハイマー病の治療に適した化合物が必要な被検体の治療用薬剤の調製のための、当該化合物の使用に関し、本発明の方法により当該被検体が選択される。
本明細書において、「アルツハイマー病を治療するのに適した療法」という用語は、「アルツハイマー病を治療するのに適した化合物」とれてもよい。
「アルツハイマー病を治療するのに適した療法(化合物)」は、アルツハイマー病を治療することができる任意の薬物および治療、すなわち、ADの症状を減らし、改善させ、またはなくすための治療を含む。
好ましい実施形態において、アルツハイマー病を治療するのに適した療法は、コリンエステラーゼ阻害剤、N−メチル−D−アスパルテート(NMDA)受容体アンタゴニスト、抗β−アミロイド免疫療法、γセクレターゼ阻害剤、および抗タウ療法からなる群から選択される。
「コリンエステラーゼ阻害剤」は、コリンエステラーゼまたはアンチコリンエステラーゼを阻害し、放出したアセチルコリンの破壊を防ぎ、それによって、その濃度を増加させ、神経伝達物質の効果を持続させる化学化合物を指す。2種のコリンエステラーゼは、アセチルコリンエステラーゼ(ACHE)およびブチリルコリンエステラーゼ(BCHE)である。ヒトのコリンエステラーゼの全配列は、Uniprotデータベースの寄託番号P06276を有する(2016年1月20日)。
好ましい実施形態において、本発明により使用される化合物は、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤である。
前臨床試験およびヒトにおけるいくつかの試験から、コリンエステラーゼの阻害が、ADの発病に関与する基本的なプロセスに影響を与えるという証拠が存在する。例えば、アセチルコリンエステラーゼ(AChE)の阻害は、AChEアイソフォームの発現に影響を与え、ニコチン受容体の発現を増やすことができ、両方とも、AD患者の認知の向上と相関関係がある。AChE阻害が、アミロイド前駆体タンパク質(APP)の処理に影響を与え、Aβ産生の妨害、Aβ 1−40およびAβ 1−42のレベルの変化、およびこのアミロイド前駆体タンパク質の可溶性形態の生成を含む機構によって、Aβによって誘発される毒性を弱めることも示されている。したがって、非限定的な説明によって、軽度から中程度のADの治療に適した療法は、とりわけ、コリンエステラーゼ阻害剤、例えば、Cognex(登録商標)(タクリン)、Aricept(ドネペジル)、Exelon(登録商標)(リバスチグミン)、またはRazadine(登録商標)(ガランタミン)である。中程度から重度のADは、NMDAアンタゴニスト受容体として作用するNamenda(登録商標)(メマンチン)を用いて治療することができる。NMDAアンタゴニストは、コリンエステラーゼ阻害剤とは異なる働きをするため、この両方の種類の薬剤を組み合わせて処方することができる。これらの薬剤は、ADの症状が悪化するのを遅らせるか、または防ぐのに役立ち得る。本発明の療法としては、とりわけ、音楽療法、理学療法、精神運動性の教育、作業療法または動物を用いた療法がさらに挙げられる。
アルツハイマー病を治療するための3種類のコリンエステラーゼ阻害剤は、現在、世界的に販売されており、具体的には、ドネペジル、ガランタミンおよびリバスチグミンである。ドネペジル(1−ベンジル−4−[(5,6−ジメトキシ−1−インダノン)−2−イル]−メチル−ピペリジン)は、可逆性アセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害剤である。ガランタミン([4aS−(4aα,6β,8aR)]−4a,5,9,10,11,12−ヘキサヒドロ−3−メトキシ−11−メチル−6H−ベンゾフロ[3a,3,2−ef]ベンザアゼピン−6−オール)は、スノードロップ(Galanthus nivalis)から単離されたアルカロイドである。ガランタミンは、非常に選択的で、可逆性で、競争型のアセチルコリンエステラーゼ阻害剤である。リバスチグミン((S)−N−エチル−3−[1−(ジメチルアミノ)エチル]−N−メチル−フェニル−カルバメート)は、可逆性の非競争型のアセチルコリンエステラーゼおよびブチリルコリンエステラーゼ阻害剤である。
他のコリンエステラーゼ阻害剤、具体的には、塩酸タクリン、(Cl−970、THA.HCl)、フペルジンA、アコチアミド、ジメボリン、DEBIO 9902、IN 101、酒石酸フェンセリン、R−フェンセリン、塩酸スタコフィリン(S−9977、S−9977−2)、NP−61、ビスノルシムセリン、COL−204、SPH 1371、SPH 1373、SPH 1375、SP 04、CM 2433、メトリホナート、7−メトキシタクリン(7 MEOTA)、P 11149、アリスガシン、FR 152558、HUP 13、イソバニフペルジンA(IVHA)、MHP 133、NP 7557、P 10358、P 11012、サリチル酸フィゾスチグミン、マレイン酸ベルナクリン(HP−029、P83−6029A)、酒石酸エパスチグミン(L−693487)、イピダクリン、ザナペジル、ガンスチグミン、マレイン酸イコペジル(CP−118954、CP−118954−11)、KW 5092、キロスチグミン(HP−290、NXX−066)、SM 10888、T 82、TAK 802、ジフロシロンMDL−73745)、BGC 201259、CHF 2060、Cl 1002、E 2030、ER 127528、ET 142、F 3796、フプリンX、MF 247、MF 268酒石酸水素塩、MF 8615、P 26、PD 142012、RO 465934、SS 20、チアトルセリン、酒石酸トルセリン、UR 1827(ADIS R&D Insight、25/02/2010)のための臨床治験および/または前臨床治験も行われ、上述のものを本発明のADを治療するために使用することができる。
コリンエステラーゼを阻害するためのさらなる化合物、例えば、エドロホニウム、デメカリウム、アンベノニウム、ネオスチグミンブロミド、デヒドロエボジアミンクロリド、エセロリン、インペラトリン、スコポレチン(SCT)、フペルジンA(Hup A)、酒石酸ヘプチルスチグミン(MF−201)、マレイン酸スロナクリン(HP−128)、UCB−1 1056、ベルベリンヨージド、ノルピリドスチグミン、キロスチグミン(HP−290、NXX−066)、THB−013、PD−142676、酒石酸テレスチグミン(CHF−2060)、チアシムセリン、MF−8615、MF−268酒石酸水素塩、塩酸アンセクリン(KA−672.HCl)、塩酸エンサクリン、マレイン酸イコペジル(CP−118954)、サリチル酸エゼリン、サリチル酸フィゾスチグミン、JWS−USC−75IX、P11467、P−10358、ビス(7)−タクリン、HMR−2420、CP−126998、TV−3279、MSF、THA−C8、スベルゴルグ酸、スベロゴージン(suberogorgin)、SPH−1286、フペルジンB(Hup B)、ピリドスチグミンブロミド(Ro−1−5130)、フプリンY、コロナリジン、RS−1233、コボフェノールA、ビス(12)−フペリン、RS−1259、ITH−4012、TK−19、T−81、TH−171、TH−185、ジスチグミンブロミド(BC−51)、(−)−9−デヒドロガランタミニウムブロミド、メモキン、スコポレチン7−O−β−D−グルコピラノシド(NSC−404560)、スコポリン(SCN)、スコポロシド、BW−284c51、ウィタフェリンA(NSC−101088)、ウィタフェリン(NSC−273757)、(+)−コリノリン、コリノリン、(S)−(−)−オキシポイセダニン、オキシポイセダニン、(−)−ボアカンギン、カルボメトキシイボガイン、ボアカンギン、ジェクトール、フロロフコフロエコール(PFF)、フロロフコフロエコールA、(−)−3−0−アセチルスペクタリン塩酸塩およびラフィアサポニン(rhaphiasaponin)1、またはこれらの塩、遊離塩基、ラセミ体またはエナンチオマーが記載されており、本発明に従ってADを治療するために使用することができる。
本発明において、「NMDA受容体アンタゴニスト」は、一次侵害受容線維(nociceptive primary afferent fiber)の多シナプス性放電によって作られる反応を阻害する化学化合物を指す。アンタゴニストの中でも、メマンチン(3,5−ジメチルトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−アミンまたは3,5−ジメチルアダマンタン−1−アミン)が顕著である。
他のNMDAアンタゴニストは、ニモジピン(3−(2−メトキシエチル)5−プロパン−2−イル 2,6−ジメチル−4−(3−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカルボキシレート)、ジゾシルピン、AP−5(2−アミノ−5−ホスホノペンタン酸)、AP−7(2−アミノ−7−ホスホノヘプタン酸)、CHF 3381(n−(2−インダニル)−グリシンアミド塩酸塩])およびイフェンプロジル(4−[2−(4−ベンジルピペリジン−1−イル)−1−ヒドロキシプロピル]フェノール)であり、本発明に従ってADを治療するために使用することができる。
本発明において、「抗β−アミロイド免疫療法」は、β−アミロイド蓄積によって引き起こされる損傷を遅らせるか、または止めるための免疫系を用いた療法を指す。当該免疫療法は、抗β−アミロイド抗体の投与を含む。本発明の治療に有用な抗β−アミロイド抗体としては、アミロイド斑を直接的に破壊するもの(ミクログリアは、免疫化によって刺激され、既に以前に生成していたアミロイド斑を貪食する)、アミロイドを捕捉するもの(末梢血内での抗原抗体複合体の生成によって、脳から出たアミロイドを捕捉し、沈着を防ぐ)、または凝集を阻害するもの(抗原抗体複合体の生成によって、アミロイドが老人斑で凝集するのを防ぐ)が挙げられる。あるいは、抗β−アミロイド免疫療法は、1種類または数種類のβ−アミロイドペプチド(例えば、Aβ(1−5)、Aβ(1−6)、Aβ(1−12)、Aβ(13−28)、Aβ(25−35)、Aβ(35−42)、Aβ(33−42)およびAβ(33−40))を含む免疫原性組成物の使用を含む(Aβ(X−Y)という表現は、Y位のアミノ酸に対してX位のアミノ酸からなるβ−アミロイドペプチドから誘導されるペプチドを指す)。β−アミロイドペプチドを、接合体(例えば、KLHまたはアルブミンに対して接合した)形態、またはアジュバント(例えば、Freundの完全アジュバント、Freundの不完全アジュバント、QS21、水酸化アルミニウムゲル、MF59、リン酸カルシウム、リポシン、サポニン、スクアレン、L121、Emulsigen中のモノホスホリル脂質A(MPL)、ポリソルベート80、コレラ毒素(CT)、LTKおよびLTK63)を含む組成物の形態で投与してもよい。例示的実施例として、本発明で有用なワクチンは、ヒトβ−アミロイドタンパク質の人工複製物であるβA42からなるAN−1972ワクチンであり、注射すると、免疫系を刺激し、病気のげっ歯類の脳から異常な沈着物が除去される。これにより、老人斑に付着する抗体の生成を刺激し、免疫系の細胞成分(ミクログリア、アストロサイト)によって後に消化される。
あるいは、γセクレターゼ阻害剤を使用することが可能であり、γセクレターゼは、βアミロイド合成に関与する酵素である。
本明細書において化合物に使用する「γセクレターゼ阻害剤」は、βアミロイド合成に関与する酵素であるγセクレターゼを阻害する。本発明に有用なγセクレターゼ阻害剤は、とりわけ、LY−450139(CAS番号425386−60−3)であり、Semagacestat、DAPT(CAS番号208255−80−5)、CTS−21166またはMK 8931とも呼ばれる。
「抗タウ療法」は、細胞外斑に対して抗アミロイドβ免疫療法と類似している。このような療法としては、タウキナーゼの阻害、微小管安定性を向上させるためのホスファターゼ活性の増強、タウの過剰リン酸化の変化または阻止、タウ凝集および線維形成の減少または阻害が挙げられる。好ましい実施形態において、化合物は抗タウ抗体、例えば、Yanamandra K.ら,Annals of clinical and translational Neurology Volume 2,Issue 3,pages 278−288,March 2015に開示されたものである。
本発明の診断方法の文脈において詳細に記載される用語ならびにその定義および詳細は、本発明のこの態様に等しく適用される。
本発明は、本発明の範囲の非限定的な説明によって与えられる以下の実施例に基づき、以下に説明する。
実施例1
サンプル調製
血漿サンプルは、血漿をCaFの1cm角の表面に広げた後、ラマン分光法によって分析した。わずか2分後にサンプルは乾燥し、分析の準備がなされた。
ラマン分光法
ラマン分光法は、785nmのレーザを照射されるBWS465−785Sラマン分光計を用いて行った。検出は、2048画素の線形CCDおよびラマンプローブヘッドを用いて行った。スペクトル分解能は912nmで4.5cm−1であり、分光計はBAC 151Bビデオ顕微鏡に光ファイバで接続されている。CFI LU Plan FLUOR EPI 100X Nikon対物レンズを使用し、直径26μmのレーザスポットを可能にした。サンプルへの出力は、血漿が熱損傷しないように制御された。スペクトルは、NIST SRM2241標準を用いて較正した。
結果
ヨーロッパ各地の14の異なる施設が関与する進行中の多施設共同研究では、250人の患者サンプルで詳細なラマン試験が実施された。分析から得られたラマンスペクトルを用いて、本発明者らは、対象となるスペクトル領域内のすべてのスペクトル特徴を得るために、スペクトルの正規化およびデコンボリューションを行った(図1)。
分光パラメータに基づく患者の分類は重要であることが判明している。図2は、ADと健康な患者との間の約1256cm−1のバンドの強度の差を示す。
高い確率でアルツハイマー病患者の分類を可能にする分光パラメータは、約1256cm−1の周波数におけるラマンバンドの強度値である(図3)。

Claims (14)

  1. a)被検体の生体液または前記生体液由来のサンプルのラマンスペクトルにおける、約1256cm−1の周波数におけるラマンバンドの強度値を決定する工程と、
    b)工程a)で得られた前記強度値を基準値と比較する工程とを含んでなり、
    前記基準値に対する前記ラマンバンド強度の値の増加が、前記被検体がアルツハイマー病に罹患していることを示すものとする、
    被検体のアルツハイマー病を診断するための振動分光法。
  2. 前記ラマンスペクトルが、近赤外レーザ励起線を用いて記録される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記生体液が血漿である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記生体液由来のサンプルが脱水血漿である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記脱水血漿が、CaFもしくはZnSe結晶または金属担体に前記血漿サンプルを広げ、蒸発乾固することによって調製されるものである、請求項4に記載の方法。
  6. 前記血漿サンプルの量が6〜100μLであり、および/または、前記蒸発乾固が10〜25℃の温度で行われる、請求項5に記載の方法。
  7. 前記サンプルが血漿画分であり、分析される量が10μLである、請求項6に記載の方法。
  8. 前記基準値が、対照患者における約1256cm−1の周波数におけるラマンバンドの強度値である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記強度値が、ラマン曲線下の総面積に関してスペクトル値を正規化した後に得られるものである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. a)血漿サンプルを受容する容器と、
    b)少なくとも1つのラマン分光計と、
    c)請求項1〜9のいずれか一項に記載の診断方法を実施する手段を備えたコンピュータシステムと
    を備える、血漿サンプル分析のための装置。
  11. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の診断方法を実行するのに適したコードを含む、コンピュータプログラム。
  12. 請求項11に記載のコンピュータプログラムを含む、データ媒体。
  13. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の診断方法により被検体が選択される、被検体のアルツハイマー病の治療に用いるためのアルツハイマー病の治療に適した療法。
  14. 前記療法が、コリンエステラーゼ阻害剤、N−メチル−D−アスパルテート(NMDA)受容体アンタゴニスト、抗β−アミロイド免疫療法、γセクレターゼ阻害剤、抗タウ療法、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項13に記載の療法。
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