JP2019525175A - 細胞集団の推定 - Google Patents

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Abstract

患者/対象における敗血症または重症の感染症の診断を補助するためのイムノアッセイであって、(i)場合により、患者由来の好中球を含む検査試料を、好中球を透過処理するまたは可溶化する薬剤と接触させるステップ、(ii)(i)と同時にまたは連続して、試料中のCD64に特異的に結合し、CD64−結合剤複合体aを形成する結合剤と試料を接触させるステップ、(iii)(i)及び/または(ii)と同時にまたは連続して、試料中の好中球数マーカー(NNM)に特異的に結合し、好中球マーカー−結合剤複合体bを形成する第2の結合剤と試料を接触させるステップ、(iv)複合体a及び複合体bの量を用いて、試料中のCD46の相対レベル及びNNMの相対レベルを決定するステップを含む、イムノアッセイ。【選択図】なし

Description

本明細書の分野は、概して、細胞生物集団の診断及び細胞生物集団のバイオマーカー発現レベルの推定である。より具体的には、新生児の対象を含めた対象において、好中球活性化、好中球活性化後の病態生理学的状態、及び特に、敗血症もしくは重症の感染症または敗血症もしくは重症の感染症を発生する危険性を特定またはモニタリングするために、アッセイ及びキットが提供される。本アッセイは、幅広いイムノアッセイ形式において適用可能であり、且つ迅速なポイントオブケアアッセイ及びデバイスから、変化したバイオマーカーレベルの統計的有意性を評価するためのアルゴリズムによるものを含み、病理学プラットフォームシステムと統合され得る出力データを公式化する、データを入力及び処理するためのハードウェア及びソフトウェアを用いる、よりデータが豊富な用途に及ぶ、アルゴリズムベースの診断アッセイのために開発される。
本明細書における参考文献の書誌の詳細も明細書の終わりに列挙される。
本明細書におけるいかなる従来技術への言及も、この従来技術が、いかなる国においても共通の一般的知識の一部を形成するという承認または任意の形態の示唆ではなく、且つそのようなものとして解釈されるべきではない。
対象の細胞を検出するために、様々な技法が、研究、分析、開発で、及び臨床的に使用される。手動のまたは自動化された技法が、試料中の細胞数の評価を可能にする特別に設計されたチャンバー中で、細胞を数えるのに利用可能である。細胞型を区別するために、特定の染色剤で細胞を染色することができる。試料中の細胞をさらに区別するために、組織化学的な技法を用いることができる。サイトカインを激増させるもしくは生成することによって特定の抗原に応答する、他の細胞に結合する、他の細胞を貪食する、または走化性によって移動する細胞の能力も診断に役立ち得る。細胞表面マーカーは、細胞型を区別する、ならびに試料中の特定の細胞の数及び試料中のそのような細胞の生物学的状態の変化を評価するのに特に有用である。多くの技法は、マーカーの存在を検出するために抗体を使用する。
フローサイトメトリーは、細胞を特定する及び数え上げるための強力なツールである。フローサイトメーターは、レーザービームを流れとなって通過する個々の細胞を検出し、数える。多数の細胞を調べることによって、フローサイトメトリーは、異なる分子、例えば、B細胞を特徴づける表面免疫グロブリン、CD3として知られるT−細胞受容体結合分子、ならびに主なT細胞サブセットを区別するCD4及びCD8補助受容体タンパク質を有する細胞の定量的データを百分率で与えることができる。混合集団中の個々の細胞は、蛍光色素で標識された特異的抗体でタグが付けられ、または、例えば、特異的抗体、それに続く標識された抗免疫グロブリン抗体によってタグが付けられる。次いで、標識された細胞の懸濁混合物は開口部を通して押し出され、これによって、間隔を置いて1つずつ配置された細胞を含む液体の細い流れが作られる。各細胞がレーザービームを通過するときに、細胞がレーザー光を散乱させ、細胞に結合した任意の色素分子が励起させられ、蛍光を発する。高感度の光電子増倍管は、細胞のサイズ及び粒度に関する情報を与える散乱光と標識された抗体の結合に関する情報、したがって各細胞による細胞表面タンパク質の発現に関する情報を与える蛍光放射の両方を検出する。2つ以上の抗体が使用され、それぞれが異なる蛍光色素に結合する場合、データは、2次元散布図の形態で、またはコンター図として示され得、この場合、一方の色素で標識された抗体の蛍光は第2のものに対してプロットされ、その結果、二次抗体とのその反応性に基づいて、一方の抗体で標識している細胞の集団をさらに細分できることになる。
イムノアッセイは、試料を分析し、その中の特定の成分を検出または定量化するために、抗体−抗原反応または他の結合相互作用の特異性、強度及び多様性を利用する、別の特に有用なアッセイ形態である。Wild D.“The Immunoassay Handbook”Nature Publishing Group,4th Edition,2013に記載されているもの、及びその後の新技術などの幅広いイムノアッセイ技法が利用可能である。
ラテラルフローアッセイならびにさらに最近では非ラテラルフロー及びマイクロ流体は、生物学的アッセイに対して有用な機構を提供する。そうしたアッセイは、定性的、定量的または半定量的であり得る。マイクロ流体デバイスでは、例えば、チップまたはカートリッジ中に作られたマイクロチャネルを通って、少量の液体が移動する。金属ナノ粒子、着色物質または発光物質を含めた幅広い検出試薬が利用可能である。バイオコンジュゲート金属ナノ粒子の共鳴増強吸着(REA)は、迅速な処理時間及び他の利点を提供する。これらのデバイスは、患者及び検査される分析物を特定するために、バーコード技術と組み合わされてきた。入力データを評価するためのコンピューターソフトウェア及びハードウェアも本開示に包含される。
特定の抗原に対する抗体の検出のための幅広い方法も知られている。例えば、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、ウエスタン及びドットブロットアッセイならびにラジオイムノアッセイ(RIA)は実験室で日常的に使用されている。アレイ及びハイスループットスクリーニング方法も用いられている。
中間診断または確定診断を提供する定性的アッセイは、状態を有する可能性が高い、またはその可能性が低いとして試料のスコア化を可能にする統合されたカットオフ、ゲートまたはウィンドウを必要とする。データを照合し、診断アルゴリズムまたは決定木を介してデータを処理するために、リーダー機器及びソフトウェアが用いられることが多い。
敗血症は世界的な医療問題であり、世界中で100000人あたり56〜91事例の年間発生率を有することが報告され、30%の死亡率が報告されている(Jawad,I.,et al..J.Glob.Health 2,010404(2012))。重症の感染症及び敗血症は重大な死因のままであり、急性のエピソードを切り抜けて生き残るヒトにおいて慢性の健康不良または身体障害をもたらすことが多い。敗血症に特徴的である突然の抗し難い感染は、そうでなければ健康な成人の間では比較的まれであるが、これは、免疫無防備状態の個体、集中治療中の重症患者、火傷の患者及び幼児において、危険性の増大となる。一部の事例では、明らかに治療可能な感染が、敗血症;腎不全及び呼吸不全、凝血異常、重度且つ無応答性の低血圧、ならびに約30%の事例で死亡をもたらす進行性循環虚脱に特徴づけられる、感染に対する調節不全の不適切な応答の発生につながる。敗血症または重症の感染症は、いずれの年齢の患者においても急速に致死性に成り得るが、小児で特に危険であり、新生児でさらにいっそう危険であり、早期産児で最も悪く、毎年、世界的な新生児の死亡のおよそ15%または100万例が新生児敗血症(重症の細菌感染症)に起因する(WHO Millennium Development Goal 4)。敗血症に対する適切な管理及び抗生物質治療の1つの障害は、敗血症の徴候もしくは症状の発生後の最初の数時間に、またはより好ましくは、最終的に敗血症をもたらす可能性がある感染の初期兆候後であるが、臓器不全などのより特有の特徴の発生の前に、感染個体と非感染個体を区別することである。敗血症の診断の難しさは、current consensus definition for sepsis(Singer,M.et al.JAMA 315,801(2016))により詳細に記載されている。いくつかの状況では、特定の診断がない場合に、敗血症様症状または重症の感染症様症状を示す患者に抗生物質を与えることがあるが、そのような治療は、症状が敗血症または重症の感染症を示さない大部分の患者にとって不必要であり得、そのような治療は、薬物副作用及び他の合併症の危険性、ならびに抗生物質耐性の出現の脅威に寄与する危険性と関係があり、一方で、敗血症または重症の感染症を有する他の患者は、特定の診断がない場合に、適時且つ適切な治療を受けられないことがあり得る。これらの問題点は新生児敗血症で最も深刻であり、この場合、急速な進行及び高い死亡率とともに、これらの患者における非特異的な徴候と症状の組み合わせは、最前線の医療従事者が救命し、生存者の長期罹患を防止することができる適切な判断を下すことを非常に難しくしている。
したがって、敗血症の高い可能性がある、または敗血症につながる可能性がある、もしくはその可能性がない重症の感染症の初期段階患者を同定するのに使用することができる有効な診断検査が必要であり、その検査は、最小の時間で結果を出すことができ、「24時間体制の」その使用及びリソースが乏しい状況下でのその使用を制限すると思われる複雑な検査法の必要がない、強力な検査性能を有している。好ましくは、そのような検査は、ポイントオブケア(POC)またはほぼPOCで使用するのに適用可能であると思われる。
感染性生物(細菌、酵母及び真菌)についての血液培養は、敗血症の特定の診断に対する「ゴールドスタンダード」である(Mancini,N.et al.Clin.Microbiol.Rev.23,235−51(2010))。しかし、この検査は、皮膚菌叢による汚染なしで大量の血液を適切に採取するための無菌技法及び静脈穿刺に関する看護職員の訓練、実験室、培養液を含む滅菌血液培養ボトルの調達、インキュベーター及び顕微鏡を必要とする。血液培養は、典型的には、結果を得るのに24〜48時間かかり、結果を解釈するために、訓練を受けた科学者または高性能の自動化された機器を必要とする。抗生物質療法を開始するまたは保留する判断は、敗血症の影響を受ける個体の命を救うために、これよりもはるかに早く行なわれなければならない。
敗血症に対するPOC診断を開発するためのアプローチは、ラテラルフローイムノクロマトグラフィーなどのPOC技術に適していると伝統的に考えられている単純な可溶性タンパク質バイオマーカーを含んでいた。バイオマーカー候補には、C反応性タンパク質(CRP)、プロカルシトニン、IL−10ならびに感染及び炎症の他の可溶性マーカーが含まれ、これらは調べられた(Wagner,T.A.et al.J.Glob.Health 1,210−23(2011))。しかし、これらの可溶性バイオマーカーのどれも、敗血症の疑いがある場合の臨床判断をガイドするスタンドアロン検査として有用であるための十分な感度、特異性または陽性的中率もしくは陰性適中率を示さなかった。例えば、CRPは敗血症の間の短期間だけ上昇し、外傷及び心筋梗塞などの多くの他の炎症状態でも上昇する。
血液学的マーカーの測定値、例えば、白血球数の増加もしくは減少または好中球数の増加もしくは減少は、敗血症の可能性に関するある種の指標を提供するが、これらのマーカーの測定も、自動分析器などの高性能機器または顕微鏡を使用する訓練を受けた科学者を必要とするが、それらだけでは、診断には十分でない。
本開示によれば、最も有望なバイオマーカーは、幅広い感染に対する先天性免疫応答の一部として誘導される受容体などの細胞表面バイオマーカーである可能性がある。理想的には、これらのバイオマーカーは、感染または敗血症の発症後早期に上昇し、かつ推定に基づく抗生物質治療による敏速すぎる影響を受けることがなく、その結果、たとえ患者が抗生物質を開始していても、さらなる支持及び管理を必要とすると患者を依然として特定することできる。
敗血症のバイオマーカーとして広く研究され、検証されている1つのそのような細胞表面バイオマーカーは、高親和性で免疫グロブリン(Ig)Gに結合する、高親和性FCガンマ受容体1(FCγR1)としても知られる細胞表面タンパク質CD64である。CD64は単球及びマクロファージの表面で構成的に発現している一方で、これは、感染症または敗血症がない場合の好中球で非常に低レベルしか発現していないが、感染症または敗血症の状態の間は、より高レベルの好中球発現が急速に誘導される。CD64はT細胞などの他の大量の血液細胞では発現しないが、より数が少ない樹状細胞では発現する。好中球と比較して循環樹状細胞の数が非常に少ないので、本明細書ではこれをさらに考慮しない。
好中球CD64インデックスに関するますます多くの研究が報告されており(Wagner,T.A.et al.(2011))、これは、敗血症、特に新生児敗血症に対するバイオマーカーとしてのその強力な価値を強調するものである。CD64は、高親和性で免疫グロブリン(Ig)Gに結合する、白血球の表面抗原、すなわちFCガンマ受容体1(FCγR1)である(Masuda,M.& Roos,D.J.Immunol.151,7188−95(1993))。CD64は、FCγRII(CD32)及びFCγRIII(CD16)を含む白血球FCγ受容体の3つの主要なクラスの一部である(Masuda,M.& Roos,D.(1993)、Hoffmann,J.J.M.L.Clin.Chem.Lab.Med.47,903−16(2009))。免疫グロブリン定常領域に対するリガンドとしてのFc受容体は、免疫において調整的役割を果たし、エンドサイトーシス、ファゴサイトーシス、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)及びサイトカイン産生などの機能を媒介する(van Vugt,M.J.et al.Blood 94,808−17(1999))。CD64は抗原提示細胞(単球、マクロファージ及び樹状細胞)で構成的に発現しており、より少ない程度で好酸球で構成的に発現しているが、非常に低い程度でしか静止好中球で構成的に発現していない(Masuda,M.& Roos,D.(1993)、Hoffmann,J.J.M.L.(2009)、van Vugt,M.J.et al.Blood 94,808−17(1999))。好中球細胞表面におけるCD64の発現及び提示のアップレギュレーションは、細菌感染に対する先天性免疫応答の初期段階であると考えられる(Davis,B.H.,Olsen,S.H.,Ahmad,E.& Bigelow,N.C.Arch.Pathol.Lab.Med.130,654−61(2006))。nCD64のレベルは、感染症の発症後約3日目から高いままである(Aikaterini,et al.CID(2014)。
多くの研究が、成人、小児及び新生児における敗血症の検出のための潜在的なバイオマーカー/インジケーターとして好中球のCD64発現に注目した。敗血症に対する好中球のCD64発現の診断精度を評価するために、13の研究を含む以前のメタアナリシスが2010年に発表され(Cid,J.,Aguinaco,R.,Sanchez,R.,Garcia−Pardo,G.& Llorente,A.J.Infect.60,313−9(2010))、26の研究の分析が2013年に発表された(Li,S.et al.Int.J.Infect.Dis.17,e12−23(2013))。これら2つの研究は、それぞれ0.79(95%信頼区間(CI)0.70〜0.86)及び0.76(95%CI 0.74〜0.78)の統合感度、ならびにそれぞれ0.91(95%CI 0.85〜0.95)及び0.85(95%CI 0.83〜0.86)の統合特異度を示した。包括的に多数の敗血症の事例を考えると、この低い控えめな感度は、有意な数の敗血症陽性対象を検出することができなかったことと一致する。
それにもかかわらず、結果は、感染した敗血症を非感染患者と極初期に区別するためのインジケーターとしてnCD64比を使用できることを示唆する。しかし、フローサイトメトリー、高性能機器及び経験を積み且つ十分に訓練を受けた職員の必要性が、現在まで、先進国においてでさえ、nCD64比の広範な採用を妨げてきており、リソースが乏しい状況下でのその使用をほとんど完全に拒んできた。nCD64比は、白血球の特定のサブセット(好中球)において特異的な表面タンパク質発現(CD64)を特定することを必要とするので、これは、POC敗血症検査の開発のための実行可能なバイオマーカーとして考えられていなかった。さらに、現行のフローベースの検査でさえも、敗血症のマーカーとしてのnCD64の感度は理想的でない。
The Alfred Hospital、Melbourneなどの高度な三次医療病院の状況でさえ、集中治療室(ICU)にいる強く疑われる敗血症患者のわずか約30〜40%しか、陽性の血液培養を示す検査結果が出ない。これは、病院、ICUに入院する前のGPまたは救急室による抗生物質への初期の暴露がおそらく原因である。しかし、nCD64値は抗生物質の曝露によって変化しない(Du, J. et al.PLoS One 9,e102647(2014)、Aikaterini et al.CID(2014))。加えて、一部の患者は、血液培養を使用して培養できない生物に感染している可能性がある。
したがって、世界的に病院及びICUに入院している患者における重症の細菌感染症の何百万の症例について、最前線の医療従事者が照会及び治療を適時提供するのを援助することができ、且つ同様の徴候及び症状を有し得る他の疾患、例えば、マラリアまたはウイルス感染症の患者におけるそのような感染症の可能性を排除するために、敗血症または重症の感染症に対する迅速な診断検査が必要である。敗血症を診断するための時間及び好都合には費用も減らすことが可能であるならば、利点は明らかであり、すなわち、任意の年齢の患者における生存の増加及び罹患率の低下、入院の費用及び長さの低下、抗生物質への不必要な暴露及び抗生物質耐性の危険性の低下、ならびに新生児及び幼児期の敗血症の場合では、親の心配及び幼児の苦痛の軽減である。したがって、ポイントオブケアで実施することができる、敗血症に対する、新規で、急速で、手頃な価格で、高感度で、特異的な検査が大いに必要である。好中球CD64アッセイの実施のための現行のプラットフォームの感度の増強も本開示の有用な態様である。
文献で評価された多数の敗血症バイオマーカー候補を示す図である。 Burnet Instituteの本発明者らの何人かによって開発されたVisitect CD4検査(Omega Diagnostics、UKによる許可を受けて生成された)を示す図である。CD4T細胞検査では、単球及びマクロファージが、サンプルパッド(ウェル「A」)中で赤血球との凝集を引き起こすRosetteSep試薬(StemCell Technologies、Vancouver、Canada)との相互作用によって、全血試料(30μl)から除かれる。単球/マクロファージを除いて血漿及び白血球を含む残りの血液画分が検査ゾーンへ流れ、界面活性剤(トリトンX−100)と相互作用し、これによって、白血球が溶解され、試料中のT細胞において細胞結合性完全長CD4が可溶化される。次いで、細胞結合性CD4のみで見られ、血漿中の可溶性CD4の画分では見られないCD4の細胞質ドメインに対する結合試薬(モノクローナル抗体)である検査ラインを試料が流れ過ぎる。次いで、捕獲されたCD4は、CD4の細胞外ドメインに対する第2のモノクローナル抗体と複合体化されたコロイド金で検出され、これは、金結合パッド(ウェル「B」)に緩衝液を添加することによって開始される。したがって、検査ラインの強度は、試料中のT細胞結合性CD4の全量を表し、及び推論によって、CD4T細胞の数を表し、なぜなら、細胞あたりのCD4分子の量が実質的に一定であるからである。すなわち、CD4の量はCD4T細胞の数に正比例する。次いで、CD4T細胞の臨床的に適切なレベルを表す1つまたは複数の参照ライン(図では、HIV感染症における抗レトロウィルス療法の優先順位付けに関してWHOによって推奨されるμlあたり350個のT細胞の例)と対比して、視覚的にまたはリーダー機器によって検査シグナルが比較される。 CD4T細胞検査及びSepsiTest nCD64i検査の原理を示す図である。後天性免疫不全症候群(AIDS)へ進行するHIV感染症の条件では、CD4T細胞の数は減少するが、各残存細胞のCD4の量は一定のままである。したがって、CD4の量は、これらの中に存在するCD4T細胞の数に比例する。侵襲的感染または敗血症の条件では、好中球の数は、増加するか、減少するか、そのままであり得るが、CD64の発現レベル(細胞の表面上に青色の分子として示される)は実質的に増加する。好中球の数は、好中球と関係がある抗原、例えば限定されないが、好中球エラスターゼを使用して、T細胞の数と同じ方法で測定することができる。CD64の量はCD4と同じ方法で測定することができ、細胞結合性CD64または細胞結合性CD64及び可溶性CD64の両方のいずれかは、排他的に細胞に結合した膜貫通タンパク質(exclusively cell−associated transmembrane proteins)のための方法(米国特許第8,409,818号及び他のテリトリー)を含めた当技術分野で周知の方法を使用して測定することができる。しかし、CD64の場合には、細胞あたりの量は、健常個体で低いか、重症の感染症または敗血症の場合に上昇するかのいずれかであり、この違いは、CD64と好中球特異的タンパク質(本実施例では好中球エラスターゼ)の間の比の増加として検出される。 健常個体中の好中球エラスターゼ、CD64及び好中球数を示すグラフである。4Aは、ELISAの好中球エラスターゼ(好中球特異的マーカー)と好中球(顆粒球)数の間の良好な相関(R2=0.89609)を示す。4Bは、CD64/NE比(nCD64インデックス)と顆粒球数の間の良好な相関(R2=0.86146)を示すが、より低い好中球数において驚くほど高いレベルのCD64インデックスを示す。4Cは、全血可溶化液におけるCD64対顆粒球数の良好な相関(R2=0.9151)を示し、これは、より低い好中球(顆粒球)数を有する試料においてCD64量がより高いという予期しない観察をともない、これは、図4Bで見られる観察された可変性関係につながる。 CD64及びNE値を使用したnCD64インデックスに対する可能な診断カットオフの推定を示すグラフである。健常な成人ボランティア由来の単球を除いた全血においてNE及びCD64の全量を測定し、nCD64インデックス比を計算した。この結果は極めて有意な相関(P=.0166)を示し、再度、より低い好中球数においてより高いnCD64iをともなう可変性関係を示す。赤色の破線は、その関係に対する下限及び上限95%信頼区間を示し、測定したNE濃度に対して上限95%信頼区間より上に入るnCD64iを有する試料は敗血症の強い疑いがあるであろうことが予測される。 好中球CD64インデックスを測定する、敗血症に対するラテラルフローイムノクロマトグラフィーPOC検査の形式を示す図である。Visitect CD4検査(A)、提案されるnCD64インデックス検査の拡大図及び概略図(B、赤色のボックス)ならびにAxxin AX−2リーダー(C)。視覚的判定については、NEラインを越えるCD64ラインの強度は、診断的であると考えることができるが、Axxin AX−2リーダー(図6C)などのリーダーを使用する場合、カットオフは、好中球の全量(NE分量)に従って調整されると思われ、適切なカットオフが、本発明の患者試料について計算される。 健常対象に関する全血中のNE及びCD64に対するELISAの結果を示す図である。NE及びCD64は、健常対象(n=30)に関する全血においてELISAによって評価し、健常対象において、全血中のCD64の全量が全血中のNEの全量と密接に相関している(R2=0.74)ことを示す。 敗血症患者についての全血中のNE及びCD64に対するELISAの結果を示す図である。NE及びCD64は、図7に示す健常対象(青色のマーカー)とともに、敗血症患者(赤色のマーカー、n=11)に関する全血においてELISAによって評価した。 図7及び8と同じ結果を示すが、CD64について平均+2SD及びNEについて平均+3SDに基づくカットオフに従う、敗血症患者試料の4つの異なる分類を強調する図である。これらの判断基準によって、1人の患者はNEについてのみ陽性であり、5人の患者はNEとCD64の両方について陽性であり、4人の患者はCD64についてのみ陽性であるが、一方で、1人の患者はNEとCD64の両方について陰性であり、両方のマーカーについて非常に低い値であり、これは、この患者が低レベルの好中球を有し得ることを示唆するものである。 低い値のNEに関するCD64対NEの分析を示す図である。X軸はng/mlとしての全CD64を示し、X軸はμg/mLとしての全NEを示す。 低い値のNEに関するCD64対NEの分析を示す図である。X軸はng/mlとしての全CD64を示し、X軸はμg/mLとしての全NEを示す。 CD64対NEの健常レベルに対するゲートを示す図である。パネルA。 CD64対NEの健常レベルに対するゲートを示す図である。パネルB。 CD64対NEの健常レベルに対するゲートを示す図である。パネルC。 敗血症患者を特定するためのLeuko64と本アッセイ(ELASA形式)の比較の結果を示す図である。Leuko64は、健常コントロールに比べて、敗血症患者に対して極めて有意に高い値を示したが、製造者が推奨する1.2というカットオフを使用して、8/11の敗血症患者しかこの検査で特定されなく、これは、この方法について約70〜80%の感度を示す、文献における多くの報告と一致する。同様に、ELISAによる全血CD64単独の全量の検出は、健常コントロールに比べて、敗血症患者に対して極めて有意に高い値を示したが、平均+2SD(209ng/ml)カットオフを使用して、9/11の敗血症患者しかこの検査で特定されなかった。 図13でNEのレベルが最も低い患者である患者SEP009に対する本分析(図13)の結果を示す図である。パネルAでは、この患者由来の好中球は、Leuko64における極めて高い相対的CD64発現(パネルB)と一致する、高レベルのCD64の表面発現を有する(赤色のライン)が、細胞内のCD64を同様に検出する場合に、細胞あたりさらに高いレベルのCD64を有する(青色のライン)ことが示される。しかし、低レベルのNE(パネルD)及びこの患者について推定される低好中球数は、CD64単独(パネルC)に基づくカットオフより低いが、図8〜12で図示する及び本明細書に記載のアルゴリズムアプローチを使用して検出可能な全CD64の結果をもたらす。この結果は、低レベルのNEを有する患者にとって、この患者に対する非常に高いLeuko64の結果を考えれば、Leuko64アプローチまたは他の方法は、さらに有用であり得ることも示唆する。 図13でNEのレベルが最も低い患者である患者SEP009に対する本分析(図13)の結果を示す図である。パネルAでは、この患者由来の好中球は、Leuko64における極めて高い相対的CD64発現(パネルB)と一致する、高レベルのCD64の表面発現を有する(赤色のライン)が、細胞内のCD64を同様に検出する場合に、細胞あたりさらに高いレベルのCD64を有する(青色のライン)ことが示される。しかし、低レベルのNE(パネルD)及びこの患者について推定される低好中球数は、CD64単独(パネルC)に基づくカットオフより低いが、図8〜12で図示する及び本明細書に記載のアルゴリズムアプローチを使用して検出可能な全CD64の結果をもたらす。この結果は、低レベルのNEを有する患者にとって、この患者に対する非常に高いLeuko64の結果を考えれば、Leuko64アプローチまたは他の方法は、さらに有用であり得ることも示唆する。 CD64のレベルが上昇しているが、健常対象由来のCD64について平均+2SDに由来する図9のカットオフの直下である患者である患者SEP010に対する同じ分析を示す図である。この患者では、Leuko64における低い相対的CD64発現(パネルB)と一致するCD64の最少の表面染色(パネルA、表面染色について赤色のラインとアイソタイプコントロールを比較する)があったが、細胞内CD64を同様に染色した場合に高レベルのCD64が検出された(パネルA、青色のライン)。この観察と一致して、患者SEP010は、ELISAによると、控えめなレベルの全CD64を有していたが、依然として、平均+2SDに基づくと、全CD64に対するカットオフの直下であり(パネルC)、一方で、0.7というLeuko64の結果は、この検査に対する1.2という製造者のカットオフをはるかに下回っていた(パネルB)。しかし、NEを調べると、患者SEP010は、非常に高く上昇したレベルのNEを有するように見られ、これは、NEの平均+3SDに由来するカットオフを使用し、さらにトレンドライン方程式に由来するカットオフも使用する、敗血症の明確な診断を提供する。 CD64のレベルが上昇しているが、健常対象由来のCD64について平均+2SDに由来する図9のカットオフの直下である患者である患者SEP010に対する同じ分析を示す図である。この患者では、Leuko64における低い相対的CD64発現(パネルB)と一致するCD64の最少の表面染色(パネルA、表面染色について赤色のラインとアイソタイプコントロールを比較する)があったが、細胞内CD64を同様に染色した場合に高レベルのCD64が検出された(パネルA、青色のライン)。この観察と一致して、患者SEP010は、ELISAによると、控えめなレベルの全CD64を有していたが、依然として、平均+2SDに基づくと、全CD64に対するカットオフの直下であり(パネルC)、一方で、0.7というLeuko64の結果は、この検査に対する1.2という製造者のカットオフをはるかに下回っていた(パネルB)。しかし、NEを調べると、患者SEP010は、非常に高く上昇したレベルのNEを有するように見られ、これは、NEの平均+3SDに由来するカットオフを使用し、さらにトレンドライン方程式に由来するカットオフも使用する、敗血症の明確な診断を提供する。 CD64とNEの両方のレベルが上昇した患者である患者SEP011に対する同じ分析を示す図である。この患者では、Leuko64における高い相対的CD64発現(パネルB)と一致し、製造者のカットオフを十分に超える、細胞内と表面の両方のCD64の有意な表面染色(パネルA、表面染色について赤色のラインとアイソタイプコントロールを比較し、全体の染色について青色のラインとアイソタイプコントロールを比較する)があった。患者SEP011は、ELISAによると、非常に上昇したレベルの全CD64(パネルC)を、さらに非常に上昇したレベルのNE(パネルD)も有しており、これは、NEの平均+3SDに由来するカットオフ及びCD64の平均+2SDに由来するカットオフを使用し、さらにトレンドライン方程式に由来するカットオフも使用する、敗血症の明確な診断を提供する。 CD64とNEの両方のレベルが上昇した患者である患者SEP011に対する同じ分析を示す図である。この患者では、Leuko64における高い相対的CD64発現(パネルB)と一致し、製造者のカットオフを十分に超える、細胞内と表面の両方のCD64の有意な表面染色(パネルA、表面染色について赤色のラインとアイソタイプコントロールを比較し、全体の染色について青色のラインとアイソタイプコントロールを比較する)があった。患者SEP011は、ELISAによると、非常に上昇したレベルの全CD64(パネルC)を、さらに非常に上昇したレベルのNE(パネルD)も有しており、これは、NEの平均+3SDに由来するカットオフ及びCD64の平均+2SDに由来するカットオフを使用し、さらにトレンドライン方程式に由来するカットオフも使用する、敗血症の明確な診断を提供する。 van der Poel(2011)から改変した解説図である。健常個体において、低レベルのCD64(FcγR1)が細胞表面でどのように発現しているか、及びこれらは細胞シグナル伝達または抗原複合体の内部移行をもたらさないモノマーIgGで飽和していることを示す(図17A)。細菌感染症または敗血症と関係があるインターフェロンガンマまたは他の刺激による好中球の最初の刺激の際に、さらなるCD64が合成され、好中球の表面に移動させられ、膜マイクロドメインと結合し、一緒に、免疫複合体中の多量体Igの結合を可能にし、これが細胞シグナル伝達を導く(図17B)。 たとえ同じ上昇レベルの全CD64を有するとしても様々なレベルの表面CD64を有する活性化好中球を示す図である。左に、「健常な」好中球を、表面で発現している低レベルのCD64とともに、概略的に示す。これらの細胞は、少量のあらかじめ形成された細胞内CD64を含むこともできる。敗血症では、「活性化」好中球を右に示し、それぞれ、健常な好中球と比較して有意に増加しているが、表面の分布(患者試料SEP09、図14と類似している)、または表面と細胞内の間に均等に分布した分布(患者試料SEP011、図16と類似している)、または主に細胞内区画に分布した分布(患者試料SEP010、図15と類似している)をともなう、等しく多量のCD64を有する。したがって、細胞表面と細胞内の両方のCD64の検出を可能にする任意の方法が、敗血症診断の向上を可能にすると思われる。
本明細書全体にわたって、文脈上別段必要でない限り、単語「含む(comprise)」、または変形形態、例えば「含む(comprises)」または「含む(comprising)」は、記載された要素もしくは整数または要素もしくは整数の群の包含を意味するが、任意の他の要素もしくは整数または要素もしくは整数の群の排除を意味しないと理解される。「からなる」は、フレーズ「からなる」に続くものは何でも含み、それらに限定されることを意味する。したがって、フレーズ「からなる」は、列挙される要素が必要とされるか必須であり、他の要素が存在可能でないことを示す。「から本質的になる」は、このフレーズの後に列挙される任意の要素を含み、列挙される要素に対して本開示で明記される活性または作用を妨げないか、そうした活性または作用に寄与する他の要素に限定されることを意味する。
本明細書で使用する場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈において別段明記しない限り、複数の態様を含む。したがって、例えば、「組成物」への言及は、単一組成物及び2つ以上の組成物を含み、「薬剤」への言及は、1つの薬剤及び2つ以上の薬剤を含み、「本開示」への言及は、本開示の単一及び複数の態様を含む、などである。
広範な実施形態では、本明細書は、対象由来の生体試料において好中球CD64の上昇レベルまたは変化レベルを検出するのに、及び敗血症または重症の感染症の診断を補助するのに有用な、限定されないがポイントオブケアに適した、イムノアッセイ及び診断デバイスを可能にする。特に、例えば、ポイントオブケアラテラルフロー形式における視覚的判定に適した単純な形態、または器具類及びデータ処理ソフトウェアを必要とするより複雑な形態を含む、アルゴリズムベースのアッセイが記載される。一実施形態では、差次的に存在すると判定されたCD64を示す対象が敗血症/重症の感染症について治療される。抗生物質は、現在、敗血症に対する防御の第1選択であり、一般に広域スペクトル抗生物質が静脈内投与される。
本明細書における敗血症への言及は重症の感染症を含む。この用語は、感染症の危険性及び重症の感染症の危険性も包含する。活性化好中球は、必ずしも敗血症につながるとは限らないが、本発明において、その危険性がある重症の感染症を特定し、たとえ敗血症に進行しなくても、治療される必要がある重症の感染症を特定するカスケードの初期段階として、CD64の上昇を示す。
用語「差次的に存在する」などは、バイオマーカーのレベルを説明するために本明細書で使用され、コントロール対象またはコントロール集団で検出される量と比較した、検査試料の検出されたCD64及び/またはNNMの量の増加または減少を指し、参照試料と比較して、検査試料中のバイオマーカーのより高いまたはより低いレベルを包含する。ある種の実施形態では、CD64及び/またはNNMは、検査対象から得られた血液を含む生体試料中のそのレベルが、コントロール対象またはコントロール集団から得られた参照試料の対応するCD64及び/またはNNMの少なくとも110%、120%、130%、140%、150%、160%、170%、180%、190%、200%、300%、400%、500%、600%、700%、800%、900%もしくは1000%、または約95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、0.01%、0.001%もしくは0.0001%以下の量または活性である場合、差次的に存在する。ある種の実施形態では、CD64及び/またはNNMは、敗血症または重症の感染症を診断するための本明細書に記載のアルゴリズムのアプリケーションによって判定される場合に、差次的に存在する。
いくつかの実施形態では、CD64の全量が決定される。いくつかの実施形態では、CD64及びNNMの全量が決定される。したがって、これらの実施形態では、アッセイ及び診断は、CD64またはCD64及びNNMの全体の(すなわち、内部及び外部の)量が決定されるように、好中球を透過処理するまたは可溶化する薬剤と試料を接触させることを含む。
用語「コントロール試料」は、参照データを確立するのに使用することができる任意の試料及びあらかじめ決定されたコントロールCD64、ならびに適切な場合は、「健常」であると決定されたまたは既知の疾患状態を有する対象由来のNNMレベルを含む。一実施形態では、コントロール試料は、健常コントロール試料または健常対象の選択された参照集団由来の健常コントロール試料である。NNMが用いられる場合のいくつかの実施形態では、本明細書に開示される結果から明らかになるように、コントロール集団由来の試料は、適切なウィンドウにわたって健常対象由来の試料に見られる、CD64とNNMレベルの間の密接な関係を示す。
CD64及びNNMバイオマーカーへの言及は、それらの改変形態または相同体形態を含む。改変形態は、誘導体、多形変異体、トランケート形態(トランケート)及び凝集もしくは多量体形態または伸長要素(例えば、アミノ酸伸長要素)を有する形態を含む。好中球活性化及び敗血症診断の判定に関する従来技術のイムノアッセイ方法は、インタクト細胞の細胞表面CD64の評価を使用した。本発明の特定の一態様によれば、細胞表面結合(細胞外)と内部(細胞内)の両方のCD64である、CD64(またはCD64及びNNM)の全レベルが検出される場合、敗血症診断の向上が達成されることが、予想外に確認された。さらに、細胞の表面(CD64)または細胞の表面もしくは内部(NNM)から血漿画分へ流された任意の可溶性CD64またはNNMも検出される。
「変化」レベルは、CD64及び/またはNEのレベルまたは比の増加もしくは上昇または減少または低下を意味する。バイオマーカーのレベルを決定することによって、コントロールに対するレベルまたは比に基づいて、診断ルールの確立が可能になる。あるいは、診断ルールは、統計学、分散分析及び/または機械学習の手順の適用に基づく。そのようなアルゴリズムは、バイオマーカーと疾患状態またはコントロール対象で観察される健常状態との間の関係を使用して関係を推測し、次いで、これを使用して、不明な状態を有する患者の状態を予測する。患者が敗血症について示されない、または敗血症もしくは重症の感染症について示される確率の視覚的に検出可能なスコアまたはインデックスを提供するアルゴリズムを用いることができる。いくつかの実施形態では、アルゴリズムは、多変量または一変量分析関数を実行する。
好中球マーカー、好中球数マーカー及びNNMという用語は互換的に使用される。マーカーは試料中の好中球の数を表すために選択され、健常コントロール患者においてCD64レベルと密接な相関を示すことが期待される。
一実施形態では、CD64のレベル及び好中球数マーカー(NNM)のレベルは、CD64またはNNMにそれぞれ結合し、視覚的にまたは機器によって定量化することができる検出可能なシグナルを直接的または間接的に発生する結合剤、例えば、限定はされないが、抗体または抗体の抗原結合性断片を使用して検出される。用語「レベル(level)」または「レベル(levels)」は、バイオマーカーのレベル(複数可)の比も包含する。
本明細書で使用する場合、「イムノアッセイ」は、所望のバイオマーカーを検出及び定量することができる免疫性アッセイ、排他的ではないが、典型的には、サンドイッチアッセイを指す。イムノアッセイは、当業者に既知の様々な免疫性アッセイ形式のうちの1つでもよい。
ECLIA、ELISA及びLuminex LabMAPイムノアッセイは、バイオマーカーのレベルを検出するのに適したアッセイの例である。一例では、第1の結合試薬抗体が支持表面に結合し、検出可能な基を含む第2の結合試薬/抗体が一次抗体に結合する。検出可能な基の例としては、例えば、限定はされないが、以下のものが挙げられる:蛍光色素、酵素、第2の結合試薬に結合するためのエピトープ(例えば、第2の結合試薬/抗体がマウス抗体である場合、これは、蛍光標識された抗マウス抗体で検出される)、例えば、抗原または結合対のメンバー、例えばビオチン。表面は、典型的なグリッド型アレイ(例えば、限定はされないが、96ウェルプレート及び平面状マイクロアレイ)の場合などの平面状表面でもよく、各ビーズ「種」が、例えば、蛍光色素で標識されているコーティングビーズアレイ技術(例えば、米国特許第6,599,331号、第6,592,822号及び第6,268,222号に記載されているLuminex技術)または量子ドット技術(例えば、米国特許第6,306.610号に記載されている)のように非平面状表面でもよい。そうしたアッセイは、実験室情報管理システム(LIMS)と見なすこともできる。
ビーズ型イムノアッセイでは、Luminex LabMAPシステムを利用することができる。LabMAPシステムは、スペクトル的に異なる2つの蛍光色素で内部染色されているポリスチレンミクロスフェアを実装する。これらの蛍光色素の正確な比を使用して、特定のスペクトルアドレスを有する様々なミクロスフェアセットからなるアレイが作製される。各ミクロスフェアセットは、その表面に異なる反応物を有することができる。ミクロスフェアセットをそれらのスペクトルアドレスによって区別することができるので、これらを組み合わせることができ、これによって、単一の反応器中で最大で100個までの異なる分析物を同時に測定することが可能になる。レポーター分子に結合した第3の蛍光色素は、ミクロスフェアの表面で生じた生体分子の相互作用を定量化する。ミクロスフェアは、それらがLuminex分析器の2つの別々のレーザーを通り過ぎるときに、急速に流れる流体の流れの中で個々に調べられる。高速デジタルシグナルプロセッシングは、ミクロスフェアをそのスペクトルアドレスに基づいて分類し、試料あたり数秒で表面上の反応を定量化する。
適切な生体試料としては、全血またはある種の血液細胞もしくは白血球、例えば、単球及びマクロファージが除かれた血液が挙げられる。一実施形態では、単球及びマクロファージは当該分野において認識された方法、例えば、赤血球凝集または磁気ビーズアプローチによって、実質的に除かれている。
本明細書で意図される対象は一般にヒト対象であり、患者、個体または受容者とも呼ばれ得る。ヒト対象は、男性または女性の新生児もしくは幼児、小児、青年、ティーンエージャー、若年成人、成人または高齢成人でもよい。コントロール対象は、対象/患者の集団と呼ばれる、対象の選択された群であることが多い。検査試料は、一般に、敗血症を有する疑いがある、または敗血症の危険性がある対象由来であるが、試料は、敗血症または重症の感染症の危険性を排除するための個体または一般集団のスクリーニングにおける対象から採取することもできる。コントロール試料は、新生児の対象などの様々なサブグループを反映することができる。免疫無防備状態集団または老齢集団などの「非健常」対象を含めて、任意の対象群をコントロール集団として有用に用いることができる。
結合剤は、好都合には、抗体でもよいし、その抗原結合性断片でもよい。他の適切な結合剤は当技術分野で既知であり、抗原結合コンストラクト、例えば、アフィマー、アプタマーまたは適切なCD64もしくは好中球マーカーリガンドもしくはそれらの一部が挙げられる。
用語「結合剤」及び同様の用語は、任意の化合物、特異的にまたは実質的に特異的に(すなわち、限られた交差反応性で)バイオマーカーのエピトープに結合することができる組成物または分子を指す。「結合剤」は、一般に、単一特異性を有する。それにもかかわらず、2つ以上バイオマーカーに対して複数の特異性を有する結合剤も本明細書で意図される。結合剤(またはリガンド)は、典型的には、抗体、例えばモノクローナル抗体、またはその誘導体もしくは類似体であるが、これには、限定はされないがFv断片、単鎖Fv(scFv)断片、Fab’断片、F(ab’)2断片、ヒト化抗体及び抗体断片、ラクダ化抗体及び抗体断片、ならびに前述のものの多価バージョンも含まれる。必要に応じて、多価結合試薬も使用することができ、これには、限定はされないが、単一特異性または二重特異性抗体、例えば、ジスルフィド安定化Fv断片、scFvタンデム[(scFv)2断片]、ダイアボディ、トリボディまたはテトラボディが含まれ、これらは、典型的には、共有結合しているか、または安定化(すなわち、ロイシンジッパーまたはヘリックス安定化)scFv断片である。「結合剤」としては、当技術分野で説明されているようなアプタマーも挙げられる。
抗体ならびにその誘導体及び類似体ならびにアプタマーを含めた抗原特異的結合剤の作製方法は当技術分野で周知である。ポリクローナル抗体は、動物の免疫化によって生成することができる。モノクローナル抗体は、標準的な(ハイブリドーマ)方法に従って調製することができる。ヒト化抗体を含めて、抗体の誘導体及び類似体は、標準的な方法に従って、モノクローナル抗体をコードするDNAからDNA断片を単離し、適切なV領域を適切な発現ベクターにサブクローニングすることによって、組換えで調製することができる。ファージディスプレイ及びアプタマー技術は文献に記載されており、非常に親和性で低い交差反応性を有する抗原特異的結合試薬のインビトロクローン増幅を可能にする。ファージディスプレイの試薬及びシステムは市販されており、これには、Piscataway,New JerseyのAmersham Pharmacia Biotech, Inc.から市販されているRecombinant Phage Antibody System(RPAS)及びMarco Island,FloridaのMoBiTec,LLCから市販されているpSKAN Phagemid Display Systemが含まれる。アプタマー技術は、例えば、限定はされないが、米国特許第5,270,163号、第5,475,096号、第5,840,867号及び第6,544,776号に記載されている。
広範な一実施形態では、イムノアッセイは、(i)好中球活性化に対するマーカーとしてCD64のレベルを評価すること、及び(ii)好中球数マーカー(NNM)のレベルを評価し、データ/レベルを処理して、診断スコアを得ることを含む。いくつかの実施形態では、さらなるステップは、(iii)試料中の好中球の数に対して、あるいはコントロール対象から決定されたレベルに由来するあらかじめ選択された閾値に対して、(i)及び(ii)からのレベルを分析して、対象が敗血症または重症の感染症を有する可能性が高いか、その可能性が低いかどうかを示すスコアを得る。特に、一実施形態では、本明細書に記載のようなCD64とNNMの間の観察された非線形正相関によって、敗血症または重症の感染症の診断のための本明細書に記載される決定木が作成された。
さらなる実験では、敗血症または重症の感染症を診断するためのアッセイの能力を向上させるために、健常患者のNEレベルとCD64レベルの間で、密接な相関を決定した(図7)。これによって、これら2つのマーカーについて健常レベルの「ゲート」がもたらされ、敗血症患者はこの健常「ゲート」から外れる。細胞(またはNEの単位)あたりのCD64レベルはより低い値のNEでより高く、約2.5〜5.0μg/mlのNEでプラトー値に達するという観察も決定木において制御することができる。
したがって、1つのオプションは、図5で予測するように、nCD64i対NEの算術的な関係を決定することであるが、図7に図示する上記の観察に照らして、さらなるゲーティングアプローチを開発した。
同様の結果を目的とする様々なゲーティングストラテジーを当業者なら設計することができるであろう。
1つの例示的決定木またはアルゴリズムでは、敗血症は以下の1つまたは複数によって特定される:
(1)健常コントロール集団の平均+2(またはそれ以上)標準偏差を超える、全CD64の上昇、
(2)健常コントロール集団の平均+3標準偏差を超える、NEの上昇、
(3)NEに対するCD64の上昇(この場合、NEレベルが約5μg/ml未満、またはより好ましくは約2.5μg/ml未満であり(図10、図11)、それによって、健常対象についてのCD64対NEに関する最良適合方程式に関連してCD64の正常レベルの上限が規定され、1.5などの適切な係数を乗じ(図11)、好中球減少性と定義されると思われ、したがって、(1)で検出される全CD64の上昇をもたらすのに十分な好中球を有さない患者を含む)。
一実施形態では、CD64(平均+2SD)及びNE(平均+3SD)の「単純な」カットオフが、CD4に関する前述の検査及び本発明者らの何人かによるアラニンアミノトランスフェラーゼ(例えば、国際公開第WO2008/037026号を参照されたい)と同じ方法での視覚的判定によるPOC検査に特によく適しているが、「複雑な」カットオフ(NE/NNM及びアルゴリズムを使用して、好中球数に対して調整される)は、Axxin AX−2xなどの自動化されたリーダー機器により適している。
本アッセイ及びキットの実施形態は、検査試料におけるCD64とNEの上昇のレベルを、健常コントロール試料で見られるそれらのレベルに対して比較するによって記載される。したがって、コントロールと比較した上昇レベルは、活性化好中球及び敗血症を示す。当業者に明らかな同等のアプローチは、コントロールの「健常」レベルとのアライメントを探索することによって、検査試料において非敗血症対象を特定することであると思われる。
あるいは、NEの任意の所与の値に対するCD64のカットオフレベルは、y=−0.0137x4+0.6094x3−9.857x2+65.776x(R=0.74)の4要因多項方程式として図12Cに表される、健常対象についてのCD64対NEに関する最良適合方程式を乗じた、1.6または1.5などの適切な倍数として表すことができる。この方程式は、平均+3標準偏差の使用によく似た、NEの上方レベルに対するカットオフをもたらすので、適切なカットオフを得るために、(図12A及び12B)または図12Cのいずれかの方法を単独でまたは組み合わせて使用することができる。
本開示及び発明による、敗血症または重症の感染症またはこれらの危険性に対する陽性のスコアは、適切な場合は、抗生物質の即時投与を可能にする。したがって、本開示は、本明細書に開示するイムノアッセイに従って、及びアッセイの結果に応じて、対象をスクリーニングすること、抗生物質を対象に投与することを含む、治療及び予防の方法まで及ぶ。したがって、別の表現では、本開示は、敗血症もしくは重症の感染症またはこれらの危険性の診断及び治療及び/または予防における本明細書に開示するアッセイ及びキット及びアルゴリズムの使用を教示する。
本アッセイ及びキット及び診断及び関連するアルゴリズムは、敗血症または重症の感染症の治療及び/または予防で使用するためのものである。そのような方法は、十分に当業者または管理する医師の範囲内である。
したがって、一実施形態では、本明細書は、敗血症または重症の感染症の診断を補助するのに適した、検査試料の好中球活性化を評価するためのイムノアッセイを提供し、このアッセイは
(i)場合により、好中球を透過処理するまたは可溶化する薬剤と試料を接触させるステップ、
(ii)(i)と同時にまたは連続して、試料中のCD64に特異的に結合し、CD64−結合剤複合体aを形成する結合剤と試料を接触させるステップ、
(iii)(i)及び/または(ii)と同時にまたは連続して、試料中の好中球数マーカー(NNM)に特異的に結合し、好中球マーカー−結合剤複合体bを形成する第2の結合剤と試料を接触させるステップ、
(iv)複合体a及び複合体bの量を用いて、試料中のCD46の相対レベル及びNNMの相対レベルを決定するステップ
を含む。
一実施形態では、本明細書は、敗血症または重症の感染症の診断を補助するのに適した、検査試料の好中球活性化を評価するためのイムノアッセイを提供し、このアッセイは、
(i)場合により、好中球を透過処理するまたは可溶化する薬剤と試料を接触させるステップ、
(ii)(i)と同時にまたは連続して、試料中のCD64に特異的に結合し、CD64−結合剤複合体aを形成する結合剤と試料を接触させるステップ、
(iii)(i)及び/または(ii)と同時にまたは連続して、試料中の好中球数マーカー(NNM)に特異的に結合し、好中球マーカー−結合剤複合体bを形成する第2の結合剤と試料を接触させるステップ、
(iv)複合体a及び複合体bの量を用いて、試料中のCD46の相対レベル及びNNMの相対レベルを決定するステップ、ならびに
(v)コントロール(例えば、健常)または超正常レベルの好中球CD64/活性化を含むとして、試料を直接的または間接的にスコア化するステップ
を含む。
別の関連する実施形態では、患者/対象における敗血症または重症の感染症の診断を補助するためのイムノアッセイが記載され、このアッセイは、
(i)場合により、患者由来の好中球を含む検査試料を、好中球を透過処理するまたは可溶化する薬剤と接触させるステップ、
(ii)(i)と同時にまたは連続して、試料中のCD64に特異的に結合し、CD64−結合剤複合体aを形成する結合剤と試料を接触させるステップ、
(iii)(i)及び/または(ii)と同時にまたは連続して、試料中の好中球数マーカー(NNM)に特異的に結合し、好中球マーカー−結合剤複合体bを形成する第2の結合剤と試料を接触させるステップ、
(iv)複合体a及び複合体bの量を用いて、試料中のCD46の相対レベル及びNNMの相対レベルを決定するステップ
を含む。
一実施形態では、患者/対象における敗血症または重症の感染症の診断を補助するためのイムノアッセイが記載され、このアッセイは、
(i)場合により、患者由来の好中球を含む検査試料を、好中球を透過処理するまたは可溶化する薬剤と接触させるステップ、
(ii)(i)と同時にまたは連続して、試料中のCD64に特異的に結合し、CD64−結合剤複合体aを形成する結合剤と試料を接触させるステップ、
(iii)(i)及び/または(ii)と同時にまたは連続して、試料中の好中球数マーカー(NNM)に特異的に結合し、好中球マーカー−結合剤複合体bを形成する第2の結合剤と試料を接触させるステップ、
(iv)複合体a及び複合体bの量を用いて、試料中のCD46の相対レベル及びNNMの相対レベルを決定するステップ、ならびに
(v)試料を直接的または間接的にスコア化し、それにより、敗血症もしくは重症の感染症について示されていないとして、または敗血症または重症の感染症について示されるとして患者をスコア化するステップ
含む。
特定の実施形態では、ステップ(i)は、CD64の全体の(すなわち、内部及び外部の)量が決定されるように、好中球を透過処理するまたは可溶化する薬剤と試料を接触させることを含む。
一実施形態では、試料は全血液細胞試料である。別の実施形態では、試料は、単球またはマクロファージなどの1種または複数の白血球が除かれるか、除かれている。
一実施形態では、ステップ(v)は、検査試料中のCD64及び/またはNNMのレベルを、コントロールの健常試料からあらかじめ決定されたそれぞれのCD64及び/またはNNMレベルと比較することを含む。
一実施形態では、ステップ(v)は、検査試料からCD64とNNMの比(CD64:NNM)を決定することを含む。
一実施形態では、ステップ(v)は、CD64レベルが健常コントロール集団のあらかじめ決定された平均+2またはそれ以上の標準偏差を超える場合、好中球活性化または敗血症もしくは重症の感染症をスコア化することを含む。
一実施形態では、ステップ(v)は、NNMレベルが健常コントロール集団のあらかじめ決定された平均NNMレベル+3またはそれ以上の標準偏差を超える場合、好中球活性化または敗血症をスコア化することを含む。
一実施形態では、ステップ(v)は、選択されたコントロール集団のCD64対NNMに対する最良適合線のあらかじめ決定された倍数と比較して、検査試料由来のNNMレベルに対してCD64が上昇している場合、好中球活性化または敗血症もしくは重症の感染症をスコア化することを含む。
一実施形態では、本明細書は、患者/対象における敗血症または重症の感染症の診断または予後を補助するためのイムノアッセイを提供し、このアッセイは、
(i)場合により、患者由来の好中球を含む検査試料を、好中球を透過処理するまたは可溶化する薬剤と接触させるステップ、
(ii)(i)と同時にまたは連続して、試料中のCD64に特異的に結合し、CD64−結合剤複合体aを形成する結合剤と試料を接触させるステップ、
(iii)(i)及び/または(ii)と同時にまたは連続して、試料中の好中球数マーカー(NNM)に特異的に結合し、好中球マーカー−結合剤複合体bを形成する第2の結合剤と試料を接触させるステップ、
(iv)複合体a及び複合体bの量を用いて、試料中のCD46及びNNMの(相対)レベルを決定するステップ、ならびに
(v)試料を直接的または間接的にスコア化し、それにより、敗血症もしくは重症の感染症について示されていないとして、または敗血症または重症の感染症について示されるとして患者をスコア化するステップであって、(i)コントロール集団に対して平均+2またはそれ以上の標準偏差を超えるCD64の上昇、(ii)コントロール集団に対して平均+3またはそれ以上の標準偏差を超えるNNMの上昇、及び(iii)NNMに対するCD64の上昇の1つまたは2つまたは3つを含むとして、検査試料をスコア化することを含む、ステップ
を含む。
一実施形態では、ステップ(i)は、CD64の全体の(すなわち、内部及び外部の)量が決定されるように、好中球を透過処理するまたは可溶化する薬剤と試料を接触させることを含む。
一実施形態では、選択されたコントロール集団は新生児対象の集団である。
一実施形態では、アッセイは、CD64/NNM比が、検査試料中のNNMの量の関数としてあらかじめ決定されたカットオフレベル(好中球数に対して内部補正される)を超える場合、超正常量の好中球CD64/活性化を有するとして対象を診断することを含む。
一実施形態では、試料中のCD64対NNMの比は、試料中のNNMのレベルを使用して決定された試料中の好中球の数に対して内部補正される。
一実施形態では、NNMは、好中球エラスターゼ(NE)、ラクトフェリン、ミエロペルオキシダーゼ及びヒト好中球リポカリンから選択される。
一実施形態では、アッセイはポイントオブケアアッセイである。
一実施形態では、アッセイは、酵素結合免疫吸着(ELISA)型、フローサイトメトリー、ビーズアレイ、ラテラルフロー、カートリッジ、マイクロ流体またはイムノクロマトグラフィーベースの方法などである。
一実施形態では、結合剤は、抗体またはそれらの抗原結合性断片もしくは誘導体、抗原結合コンストラクト、例えば、アフィマー、アプタマーまたはリガンドまたはそれらの結合部分である。
一実施形態では、結合剤は支持体上に固定化される。
一実施形態では、ステップ(ii)において、イムノアッセイデバイスの試料部に試料を加えることによって、試料をステップ(ii)及び(iii)の結合剤と接触させ、ここで、デバイスの試料部は、デバイスの間隔をおいて配置された捕獲部に作動可能に連結され、これによって、試料の成分がデバイスの試料部からデバイスの捕獲部へ流れ、及びデバイスの捕獲部を通って流れ、ここで、1つの捕獲部が、試料中のCD64に特異的に結合する結合剤を含み、その結果、CD64が結合剤によって捕獲されて、捕獲部で結合剤−CD64複合体が形成され、第2の捕獲部が、試料中のNNMに特異的に結合する結合剤を含み、その結果、NNMが結合剤によって捕獲されて、捕獲部で結合剤−好中球数マーカー複合体が形成される。
一実施形態では、CD64複合体の量及びNNM結合剤複合体の量は、それぞれCD64またはNNMに結合し、視覚的にまたは機器によって定量化することができる検出可能なシグナルを直接的または間接的に発生する、抗体もしくは抗原結合性断片、リガンド、アプタマーまたはアフィマーなどの結合剤を使用して検出される。
一実施形態では、CD64及びNNMの観察される量/レベルに基づくデータを入力する、及び場合により、先行する特許請求の範囲で定義されたものなどの本明細書に開示する診断アルゴリズムに従って、コントロール対象/集団由来のデータを含むデータベースに対してデータを管理する/処理するために、ソフトウェアを含む機器が使用される。
一実施形態では、結合剤は、検出可能なシグナルを発生する、検出可能なマーカーまたは検出可能なマーカーを含むマイクロ粒子にコンジュゲートしている。
一実施形態では、捕獲部は検査ラインである。
一実施形態では、敗血症は新生児敗血症である。
別の態様では、本開示は、(i)試料部に作動可能に連結されたマイクロチャネルまたは多孔性膜、2つ以上の捕獲(検査)部、ならびに場合により、以下;コンジュゲート(検出マーカー)部、吸着部、適切なコントロール部及び細胞溶解、希釈、可溶化剤部を含むイムノアッセイ(例えば、POC)デバイスの1つまたは複数、ならびに(ii)試料中のCD64に特異的に結合し、CD64−結合剤複合体を形成する結合剤、及び試料中のNNMに特異的に結合し、NNM−結合剤複合体を形成する第2の結合剤(ここで、結合剤は別々の捕獲部に固定化される、及び/またはコンジュゲート部内に含まれる)、ならびに(iii)場合により、敗血症または重症の感染症の診断を補助するのに適した好中球活性化について検査試料を評価するためにキットまたは成分を使用するための指示書を含む、診断のキットまたは成分を可能にする。
本態様の一実施形態では、試料部は、好中球溶解薬剤/溶液を含むか使用時に含む。
別の実施形態では、結合剤は、抗原結合コンストラクト、例えば、アフィマー、アプタマー、リガンド、あるいは抗体またはそれらの抗原結合性断片もしくは誘導体である。
一実施形態では、キットまたは診断は、本明細書に開示するアッセイのすべての部分を実施するのに使用するためのものである。
一実施形態では、本開示は、本明細書で開示及び特許請求の範囲のアッセイを実施することができるポイントオブケアデバイスを可能にし、提供する。
別の広範な態様では、本明細書は、試料中の好中球(白血球)の表面上の細胞表面CD64のレベルを測定することによって試料の好中球(白血球)活性化を評価する、アッセイの感度及び/または特異性を増強するためのアッセイステップを可能にし、このステップは、CD64結合剤を使用して試料中の細胞内及び表面のCD64(全CD64)の検出を可能にするために、好中球(白血球)を透過処理する/可溶化することによって、試料中のCD64の全レベルを測定することを含む。
一実施形態では、試料中の好中球(白血球)の表面上の細胞表面CD64のレベルを測定することによって試料の好中球(白血球)活性化を評価する、アッセイの感度及び/または特異性を増強するためのアッセイステップは、試料中の細胞内及び表面のCD64及びNNMの検出を可能にするために、好中球(白血球)を透過処理する/可溶化することによって、試料中のCD64及びNNMの全レベルを測定することを含む。
一実施形態では、アッセイステップは、フローサイトメトリー定量化技法(例えば、蛍光ミクロビーズ)、マイクロ流体、カートリッジ、IFA、ELISA型及びラテラルフローデバイスなどの1つまたは複数を、場合により、好中球活性化を評価するためのリーダー機器及び/または関連するソフトウェアとともに用いるアッセイのものである。
別の表現では、本明細書で記載及び特許請求の範囲のアッセイまたはステップを実施すること、ならびにアッセイの結果によって示される場合、敗血症または重症の感染症のための治療または予防を対象に施すことを含む治療または予防の方法が提供される。
一実施形態では、敗血症または重症の感染症を診断するための診断または予後のキットの製造における、CD64及びNNMに対する結合剤の使用が提供される。
一実施形態では、敗血症または重症の感染症を診断するための診断または予後のキットの製造における、CD64に対する結合剤及び好中球溶解溶液の使用が提供される。
別の実施形態では、敗血症または重症の感染症を診断するための診断または予後のキットの製造における、CD64に対する結合剤及びNEに対する結合剤及び好中球溶解溶液の使用が提供される。
本明細書に記載のアッセイ及び診断は、迅速なポイントオブケアアッセイ及びラテラルフローデバイスなどのデバイスに適しており、この場合、例えば、本明細書に記載の単純なアルゴリズムを、バイオマーカーのレベルを表す、視覚的に検出可能なまたは機器検出可能な検査ラインという媒体を通して配備することができる。
本明細書に記載のアッセイは、現行のまたは新しく開発される病理アーキテクチャまたはプラットフォームシステムへの統合を可能にする。例えば、本明細書に記載の方法は、使用者が、好中球活性化と関係がある病態生理学的状態、例えば、敗血症または重症の感染症について対象の状態を判定できるようにし、アッセイは、
(a)通信ネットワークを介して、使用者から、検査試料中のCD64及びNNMのレベルの形態のデータを受け取ること、
(b)CD64及びNNMのレベル及び/または比をあらかじめ決定されたコントロールレベル由来のものと比較することによって、スコアまたは疾患インデックス値を提供するアルゴリズムを介して、対象データを処理すること
を含む。
いくつかの実施形態では、使用者への対象の状態の指標が通信ネットワークを介して伝達される。一例では、端末局は、インターネットなどの通信ネットワークを介して対象データを基地局に伝達することができ、且つ報告を受け取ることができる携帯式デバイス、例えば、PDA、携帯電話などでもよいことも認識されるであろう。サーバが使用される場合は、これは、一般にクライアントサーバ、またはより詳細には、シンプルオブジェクトアプリケーションプロトコル(SOAP)である。
特に、実施例1及び図3〜6に記載されている実施形態は、CD64及びNEの相対レベルの測定に基づいて敗血症に対するカットオフを決定する1つの方法を提供する。さらなる実施例及び図は、最初の独自の発見に基づく、単純化した分析方法を例示し、これは、健常患者におけるNEレベルとCD64レベルの間の密接な相関(図7)が、これらの2つのマーカーに対する健常レベルの「ゲート」を提供し、敗血症患者はこの健常な「ゲート」から外れるが、それでも、細胞(またはNEの単位)あたりのCD64レベルが、より低いNE値でより高く、約2.5〜5.0μg/mlのNEでプラトー値に達することが観察される。
一実施形態では、敗血症が、(1)健常コントロール集団の平均+2(またはそれ以上)の標準偏差を超える全CD64の上昇、(2)健常コントロール集団の平均+3標準偏差を超える、NEの上昇、(3)NEに対するCD64の上昇(この場合、NEレベルが約5μg/ml未満、またはより好ましくは約2.5μg/ml未満であり(図10、図11)、それによって、健常対象についてのCD64対NEに関する最良適合方程式に関連してCD64の正常レベルの上限が規定され、1.5などの適切な係数を乗じ(図11)、好中球減少性と定義されると思われ、したがって、(1)で検出される全CD64の上昇をもたらすのに十分な好中球を有さない患者を含む)の1つまたは複数によって特定される、「決定木」またはアルゴリズムが教示される。この分析は主成分分析を用いることができるが、2つのマーカーしか必要としない。
あるいは、NEの任意の所与の値に対するCD64のカットオフレベルは、y=−0.0137x4+0.6094x3−9.857x2+65.776x(R=0.74)の4要因多項方程式として図12Cに表される、健常対象についてのCD64対NE/NNMに関する最良適合方程式を乗じた、1.6または1.5などの適切な倍数によって表すことができる。平均+3標準偏差の使用によく似た、NEの上方レベルに対するカットオフをもたらすので、適切なカットオフを得るために、(図12A及び12B)または図12Cのいずれかの方法を単独でまたは組み合わせて使用することができる。
本開示の態様は、様々な範囲の数値を提供する。記載された範囲の上下の軽微な変動を、範囲内の値と実質的に同じ結果を得るのに使用することができる。また、これらの範囲は、最小値と最大値の間のすべての値を含む連続的な範囲として意図される。さらに、本開示は、好中球活性化、敗血症または重症疾患の状態と関連する数値を提供するCD64レベルとNEレベルの比まで及ぶ。
一実施形態では、正確な好中球数を提供するために、NNMに対するスコア化または診断の必要はない。
一実施形態では、単球/マクロファージ細胞、例えばCD163に対するマーカーがコントロールとして必要とされないことが明らかにされ得る。
上記の概要は、本開示のすべての実施形態の網羅的な記述ではなく、決してそのようなものとしてみなされるべきではない。
別段定義されない限り、本明細書で使用するすべての技術用語及び科学用語は、本開示が属する分野の当業者が通常理解するものと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと同様または均等な任意の材料及び方法を、本開示を実施または試験するのに使用することができる。実務者は、本技術及び当業者に既知の他の方法の定義及び用語について、特に、Wild D.“The Immunoassay Handbook”Nature Publishing Group,4th Edition,2013及びAusubel et al.,Current Protocols in Molecular Biology,Supplement 47,John Wiley & Sons,New York,1999、Colowick and Kaplan, eds.,Methods In Enzymology,Academic Press,Inc.、Weir and Blackwell,eds.,Handbook of Experimental Immunology,Vols.I−IV,Blackwell Scientific Publications,1986を参照されたい。イムノアッセイは、当技術分野で既知の任意の好都合な形式で行うことができる。
抗体は、抗体を大量に生成できること及び生成物の均一性の理由で、イムノアッセイで使用されることが多い。モノクローナル抗体生成のためのハイブリドーマ細胞株の調製は、不死化細胞株と目的の抗原に対して感作されたリンパ球を融合することによって得られるか、当業者に周知の技法によって行うことができる(例えば、Douillard and Hoffman,Basic Facts about Hybridomas,in Compendium of Immunology Vol.II,ed.by Schwartz,1981、Kohler and Milstein,Nature 256:495−499,1975、European Journal of Immunology 6:511−519,1976またはより最近の参考文献、Sambrook,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,3rd Edition,CSHLP,CSH,NY,2001を参照されたい)。抗体をコードするDNAをインビトロで操作し、リンパ系細胞株に再び導入ことができ、こうして、遺伝子操作された抗体の生成が可能になる。過去10年間で、天然の複雑なタンパク質の生成に関する一過的哺乳類発現システムの使用が増加しており(S.Geisse,B.Voedisch Methods Mol.Biol.,899(2012),pp.203−219を参照されたい)、効率的なトランスフェクションプロトコルに関する刊行物及び高密度で増殖する懸濁細胞が利用できることによって後押しされている。一過的発現については、主にHEK−293及びCHO−K1細胞株が用いられている。両方の細胞株を懸濁培養に適合させることができ、高細胞密度で合成培地中で増殖するサブクローンが利用可能である。そのトランスフェクションの容易さ、高発現収率及び天然のヒトグリコシル化が理由で、ヒト胎児由来腎臓293細胞株を使用することができる。
抗体ならびにscFv及びFab断片などのそのより小さな形式は、当技術分野で既知の任意の細胞型において生成することができる。インビトロ翻訳とも称される無細胞タンパク質合成は、生細胞を用いない翻訳機構を利用することによって、所与の標的タンパク質の生成を容易にする。無細胞システムは、タンパク質ライブラリーのハイスループット生成及び選択された標的タンパク質の高収率合成に首尾よく使用されている。特に、直鎖状のDNA鋳型の使用は無細胞翻訳システムの容易さ及び速度に寄与し、これは、時間のかかるクローニングステップがタンパク質生成より前に必要とされないからである。所与の標的タンパク質の抗体はおよそ1日から2日を要するが、クローニング手順及び細胞形質転換を含めた細胞ベースの発現は、最大で2週を要し得る。ファージディスプレイ技術は、抗体断片のインビトロ選択及びインビトロ進化に最も一般に使用される技法である。
特異的結合剤としての抗体の代替物は文献に記載されており、特に、アッセイの再現性及び安定性を向上させるためのそれらの潜在力について本分野で認められている。抗体代替物の総説は、本明細書に組み込まれるMcLeod et al The Scientist February 2016によって提供され、アプタマー及びアフィマーが含まれる。任意のそのような結合剤を、過度の実験なしで本アッセイ及びキットで用いることができる。
複合体の存在は、ELISA型の手順を使用して評価することができる。米国特許第4,016,043号、第4,424,279号及び第4,018,653号を参照することにより分かるように、幅広いイムノアッセイ技法が利用可能である。これらは、非競合型の単一部位及び2部位または「サンドイッチ」アッセイと従来の競合的結合アッセイの両方を含む。既知の標識システムの選択及び実施は日常的な実験しか必要としないことを当業者なら認識するであろう。
サンドイッチアッセイは中でも最も有用であり、一般に使用されているアッセイである。サンドイッチアッセイ技法のいくつかの変形が存在し、すべてが本発明に包含されることが意図される。手短に言えば、典型的なフォワードアッセイでは、結合剤を固体または半固体の基材上に固定化し、検査される試料を結合分子と接触させる。結合剤−抗原複合体を形成させるのに十分な期間にわたる適切なインキュベーション期間後、次いで、検出可能なシグナルを発生することができるレポーター分子で標識された、抗原特異的な第2の結合剤を加え、インキュベートし、結合剤−抗原−標識結合剤の別の複合体を形成させるのに十分な時間を与える。いかなる未反応物質も洗い流し、検出可能なマーカー(レポーター分子)が発生するシグナルを観察することによって、マーカーの存在を決定する。結果は可視シグナルの単純な観察による、定性的なものもしくは定量的なものであり得、または既知の量のマーカーを含むコントロール試料と比較することによって定量化することができる。フォワードアッセイの変形としては、試料と標識された結合剤の両方が、結合した結合剤に同時に加えられる、同時アッセイが挙げられる。容易に明らかになる任意の軽微な変形を含めて、これらの技法は当業者に周知である。本発明によれば、試料は、一般に、生体液を含む生体試料であり、最も好都合には、抗凝血薬で処理することができる、毛細血管血または静脈血などの全血試料である。
典型的なフォワードサンドイッチアッセイでは、マーカーに特異性を有する第1の結合剤は、固体または半固体の支持体に共有結合的にまたは受動的のいずれかで結合している。支持体は、典型的にはガラスまたはポリマーであり、最も一般に使用されるポリマーは、ニトロセルロース、セルロース、ポリアクリルアミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレンまたはこれらの混合物もしくは誘導体である。固体支持体は、チューブ、ビーズ、ディスクもしくはマイクロプレートの形態でもよく、またはイムノアッセイを行うのに適した任意の他の表面でもよい。結合方法は当技術分野で周知であり、一般に、ポリマー−結合剤複合体を固体の表面に架橋結合させる、共有結合させる、または物理的に吸着させることからなり、次いで、これを検査試料に備えて洗浄する。次いで、検査される試料の一定分量を固相複合体に加え、十分な期間(例えば、2〜40分、またはより好都合であれば一晩)にわたって、適切な条件(例えば、25℃を含めて、室温〜約37℃)下でインキュベートして、結合剤中に存在する任意のサブユニットを結合させる。インキュベーション期間に続いて、結合剤サブユニット固相を洗浄し、抗原の一部に対して特異的な第2の結合剤とともにインキュベートする。第2の結合剤は、抗原への第2の結合剤の結合を示すのに使用される検出可能なマーカーに連結している。
代替方法は、標的分子を生体試料中に固定化し、次いで、固定化された標的を、検出可能なマーカーで標識されていても、されていなくてもよい特異的結合剤に曝露することを含む。標的の量及び検出可能なマーカーからのシグナルの強度に応じて、結合した標的は、結合剤で直接標識することによって検出可能であり得る。あるいは、第1の結合剤に特異的な第2の標識された結合剤を標的−第1の結合剤の複合体に曝露して、標的−第1の結合剤−第2の結合剤の三次複合体を形成する。複合体は、レポーター分子が発するシグナルで検出される。ビーズベースの方法の著しい改善は、各ライブラリーメンバーのアミノ酸配列の特定を容易にするために、各ビーズを特有の識別子タグ、例えば、オリゴヌクレオチドまたは電気泳動的タグでタグを付けることを含む。これらの改善されたビーズベースの方法は、国際公開第WO93/06121号に記載されている。
他の実施形態では、方法は液相方法である。液相イムノアッセイ(例えば、米国特許第6,632,603号を参照されたい)の一例では、試料を、マーカーに結合することができる薬剤及び視覚的に検出可能な薬剤、例えば、コロイド金または銀標識されたものを含む検出薬剤と接触させる。検査試料は、マーカーとその標的の間で、存在する場合は結合物質及び検出物質とともに形成される複合体は通り抜けられないが、所望の標的の非存在下で複合体が形成されない間は、結合物質及び検出器物質が通り抜けることができる孔径を有する不溶性の多孔性支持フィルムの定められたゾーンに流すことによって、加える。標的が検査検体中に存在する場合は、検出物質が標的及び結合物質と結合して、視覚的に検査することができる複合体を多孔性支持フィルムの表面に形成する。検査試料を多孔性支持体に加えた後、多孔性支持体の表面を色について視覚的に検査して、アッセイされるマーカーの存在及び分量または非存在を決定する。
別のアッセイでは、マーカーに結合する磁気抗体が、マーカーにタグを付けるのに使用され、高Tc超伝導量子干渉デバイスが、標的タンパク質の量を測定するのに使用される。リポソームイムノミグレーション、液相競合ストリップイムノアッセイが、例えば、Glorio−Paulet et al J Agric Food Chem 48(5):1678−1682,2000に記載されている。
様々な形式のELISAの実施に関する一般的な形式及びプロトコルが当技術分野で開示されおり、診断の分野の当業者に知られている。例えば、本明細書に組み込まれる、Chapter 11 of Ausubel(Ed)Current Protocols in Molecular Biology,5th Edition,John Wiley & Sons,Inc,NY,2002.、Rundstrom,G et al.describe lateral Flow immunoassay using Europium(III)Chelate Microparticles and Time−Resolved Fluorescence for eosinophils and neutrophils in Whole Blood.Clinical Chemistry 53,342−348(2007)を参照することができる。
必要に応じて、血液から単球または赤血球を除くための様々な方法が利用可能である。いくつかの実施形態では、試料中の単球は、固体または半固体支持体に結合している抗CD14または他の適切な抗体と試料を接触させることによって除かれる。別の実施形態では、試料中の赤血球は、固体または半固体支持体に結合している抗グリコホリンA抗体と試料を接触させることによって除かれる。
いくつかの実施形態では、方法の成分の毛細管流動を可能にするまたは容易にする孔径を有する材料を含むクロマトグラフィーデバイスが提供される。いくつかの実施形態では、デバイスは、異なる孔径の材料または非多孔性材料を含む部分を含み、該材料は第1の材料と近接しており、試料を受け取る、または方法の成分を受け取るもしくは保存するように設計されている。いくつかの実施形態では、クロマトグラフィーデバイスのこれらの部分は、分離している、近接している、もしくは重複している、または使用時に一体となるように設計されている。
いくつかの実施形態では、サンプルパッドはクロマトグラフィ−によってデバイスの検査部に連結されており、検査部は、結合剤、例えば、抗体またはその抗体結合断片、抗原結合コンストラクト、例えば、アフィマーまたはリガンドまたはそれらの一部を含む。例示的一実施形態では、対象は哺乳動物であり、検査部が、適切な条件下でCD64を認識しこれに結合する、抗体またはアフィマーを含む。例示的一実施形態では、対象は哺乳動物であり、第2の検査部が、適切な条件下でNEなどの好中球特異的マーカーを認識しこれに結合する、抗体またはアフィマーを含む。
いくつかの実施形態では、サンプルパッドはクロマトグラフィ−によってデバイスの検査部に連結されており、検査部は、抗体もしくはその抗体結合断片、アフィマー、アプタマーまたはリガンドまたはこれらの一部を含む。例示的一実施形態では、対象は哺乳動物であり、検査部は、適切な条件下で好中球特異的マーカーを認識しこれに結合する抗体を含む。
いくつかの実施形態では、検査される試料のクロマトグラフィ−的に活性な部分が、サンプルパッドから検査部へ移動し、及び検査部を通って移動し、NE及びCD64がデバイスの検査部またはコントロール部で捕獲され、サンプルパッドから流れる試料の残部は捕獲されない。いくつかの実施形態では、検査試料の捕獲されない成分は、検査部に対して任意の配向で位置する吸収パッド中にクロマトグラフィ−によって採取される。
対象試料の成分、例えば、赤血球または特定の白血球は、例えば、適切なメッシュもしくは孔径のパッドを選択することによって、及び/またはこれらの成分に結合しこれらの成分を保持するために、抗体またはレクチンなどの特定の試薬を包含することによって、サンプルパッド中に保持され得る。例えば、単球は、抗CD14抗体を使用して保持され得る。赤血球を保持する/除去するために、抗グリコホリン抗体を使用することもできる。
いくつかの実施形態では、イムノクロマトグラフィーデバイスの検査部が対象試料中のCD64及び好中球特異的マーカーに一旦曝露されると、方法は、検査部と検出結合剤の間の結合を可能にすることによって進行する。いくつかの実施形態では、キットの別の部分に保存される。
いくつかの実施形態では、検出マーカーは視覚的に検出可能なレポーター分子を含み、陽性結果は、イムノクロマトグラフィーデバイスの検査部及び/またはコントロール部で、本質的に直ちに観察することができる。
透過処理用の薬剤及び溶液も白血球細胞の溶解、固定、可溶化を引き起こすことができ、この用語は、好ましい場合、これらのイベントを包含するように本明細書で広く使用される。透過処理は、細胞内(内部)の細胞マーカーにアクセスしやすくするために実施される。
細胞の透過処理は、当技術分野で既知の任意の適切な方法によって実施することができる。これらの方法としては、限定されないが、界面活性剤(例えば、CHAPS、コール酸、デオキシコール酸、ジギトニン、n−ドデシル−βD−マルトシド、ラウリル硫酸、グリコデオキシコール酸、n−ラウロイルサルコシン、サポニン及びトリトンX−100)への暴露が挙げられる。他の透過処理方法は、膜透過性にするある種のペプチドまたは毒素の使用を含む。透過処理は、細胞への有機アルコールの添加によって実施することもできる。適切な透過処理剤及び緩衝液の選択は、必要に応じて、当業者が容易に実施することができる。透過処理は、固定ステップと同時に生じ得る。固定溶液としては、例えば、Cytofix/Cytoperm(BD Biosciences)が挙げられる。一般に使用される細胞固定剤としては、限定されないが、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、酢酸、ピクリン酸、メタノール、エタノール及びアセトンが挙げられる。全血試料に適した例示的固定緩衝液はPhosflow Lyse /Fix Buffer(BD Biosciences)である。固定剤は、表面抗原と細胞内抗原の両方の検出に使用されている。アルコール及びホルムアルデヒド/パラホルムアルデヒドを含む固定剤もある。例示的固定剤は、米国特許第5,422,277号及び米国特許第5,597,688号に記載されている。
他の実施形態では、さらなる検出プロトコル及びデバイス、例えば、当業者に周知であろうものなどを使用して、検出マーカーを検出することができる。例えば、コロイド金属または金属酸化物粒子またはコロイド非金属粒子または色素または着色ラテックスが都合よく使用される。
実施例1に記載されている初期の実験では、診断ゲートまたはカットオフは、CD64対NNMの比を評価することによって決定した。
一実施形態では、アッセイは、
(i)場合により、好中球を溶解するまたは可溶化する薬剤と試料を接触させること、
(ii)試料中のCD64に特異的に結合し、CD64−結合剤複合体を形成する結合剤、及び試料中の好中球マーカーに特異的に結合し、好中球マーカー−結合剤複合体を形成する第2の結合剤と試料を接触させること、ならびに
(iii)ステップ(ii)由来の各複合体の相対量を測定及び決定して、試料中の好中球あたりのCD64の平均量を示すまたは表す修正CD64インデックス(CD64対NNMの比)を得ること
を含む。
別の初期の実施形態では、ステップ(iii)由来のCD64インデックスは、ステップ(iii)で測定された好中球マーカー−結合剤複合体の量によって決定された試料中の好中球の数に対して補正される。
一実施形態では、アッセイは、CD64インデックスが、超正常量の好中球CD64が試料中に示されるカットオフレベルを超える場合、新生児の対象を含めた対象を、新生児敗血症を含めた敗血症を有する、または新生児敗血症を含めた敗血症を発生する危険性があるとして診断することをさらに含む。カットオフレベルは、特に対象の年齢に応じて変更することができる。
一実施形態では、ステップ(iii)由来のCD64インデックスは、ステップ(iii)で測定された好中球マーカー−結合剤複合体の量によって決定された試料中の好中球の数と比較されるか、この数に対してプロットされ、カットオフnCD64インデックスは、試料中の好中球の数に対して補正される。図4Cに示すように、健常ドナーにおいて、全CD64と好中球数の間に強い相関がある。しかし、低好中球数の試料では、発現しているCD46の全量は、実際にはより高い。これは、驚いたことに、敗血症または敗血症の危険性を示すカットオフnCD4比は、精度を高めるためには、一定の値である必要はないが、代わりに、試料中の好中球の総数(例えば、細胞/体積として表される好中球)に対して個別的に補正される必要があることを意味する。インデックスの値が好中球数の関数であり得るので、より高い精度は、カットオフを調整することによって得られ、これは、別の参照方法がない場合のようにフローサイトメトリー単独で使用する場合は不可能であり、フローサイトメトリーによって絶対的な好中球数を得る方法はない。一実施形態では、好中球数の任意の所与の値についてカットオフ値を設定するために、単純なアルゴリズムが組み込まれるか、リーダー機器を介して利用可能である。例えば、一実施形態では、カットオフ値は、図3Bに示すように、CD64/NE比に対する最良適合線の95%信頼区間を超える。これは、図5で図示される。
一実施形態では、結合剤は支持体上に固定化される。適切な支持体は、本明細書に記載のように当技術分野で周知である。
いくつかの実施形態では、アッセイが実施され、ここで、ステップ(ii)において、イムノクロマトグラフィーデバイスまたはマイクロ流体デバイスの試料部に試料を加えることによって、試料をステップ(ii)の結合剤と接触させ、ここで、デバイスの試料部は、デバイスの間隔をおいて配置された捕獲部に作動可能に連結され、これによって、試料の成分がデバイスの試料部からデバイスの捕獲部へ流れ、及びデバイスの捕獲部を通って流れ、ここで、1つの捕獲部が、試料中のCD64に特異的に結合する結合剤を含み、その結果、CD64が結合剤によって捕獲されて、捕獲部で結合剤−CD64複合体が形成され、第2の捕獲部が、試料中の好中球マーカーに特異的に結合する結合剤を含み、その結果、好中球マーカーまたはその結合部分が結合剤に捕獲されて、捕獲部で結合剤−好中球マーカー複合体が形成される。
一実施形態では、CD64複合体及び好中球−マーカー結合剤複合体の量は、CD64または好中球マーカーにそれぞれ結合し、視覚的にまたは蛍光測定を含めた光度計測的に(リーダー機器によって)定量化することができる検出可能なシグナルを直接的または間接的に発生する結合剤、例えば、抗体または抗原結合性断片を使用して検出される。
本実施形態に関連して、検出可能なシグナルを発生する、検出可能なマーカーまたは検出可能なマーカーを含むマイクロ粒子に結合剤をコンジュゲートすることができる。例示的粒子及び方法は、Rundstrom,G et al.Lateral Flow Immunoassay Using Europium(III)Chelate Microparticles and Time−Resolved Fluorescence for Eosinophils and Neutrophils in Whole Blood.Clinical Chemistry 53,342−348(2007)に記載されている。
一実施形態では、捕獲部は検査ラインである。
一実施形態では、視覚的または光度計測的/機器計算されたCD64検査ライン由来シグナルと視覚的または光度計測的/機器計算された好中球マーカー検査ライン由来シグナルとの比は、試料中の好中球あたりのCD64の量を示す修正好中球CD64インデックスを提供する。
イムノクロマトグラフィー検査キットは明確に意図され、本明細書の別の態様は、(i)試料部に作動可能に連結された多孔性膜、2つ以上の捕獲(検査)部、及び場合により、以下;コンジュゲート(検出マーカー)部、吸着部、適切なコントロール部及び細胞溶解または可溶化部の1つまたは複数を含むクロマトグラフィーデバイス、ならびに(ii)試料中のCD64に特異的に結合し、CD64−結合剤複合体を形成する結合剤、及び試料中の好中球マーカー(NNM)に特異的に結合し、好中球マーカー−結合剤複合体を形成する第2の結合剤(ここで、結合剤は別々の捕獲部に固定化される、及び/またはコンジュゲート部内に含まれる)、ならびに(iii)場合により、修正好中球CD64インデックス及び/または敗血症の評価を決定するためにデバイスを使用するための指示書を含むキットを提供する。
一実施形態では、キットは、リバースまたはラテラルフローイムノクロマトグラフィー形式に適する。
一実施形態では、結合剤は、抗体またはその抗原結合性断片もしくは誘導体、リガンドまたはその受容体結合部分、あるいは抗原結合コンストラクト、例えばアフィマーである。
例示的結合剤としては、1つまたは複数のエピトープ結合ドメインに連結しているタンパク質スキャフォールドを含む抗原結合コンストラクトが挙げられ、ここで、抗原結合コンストラクトは少なくとも2つの抗原結合部位を有し、それらの少なくとも1つはエピトープ結合ドメイン由来であり、それらの少なくとも1つは対になったVH/VLドメイン由来である。
一実施形態では、好中球特異的マーカーは、好中球エラスターゼ、ラクトフェリン、ミエロペルオキシダーゼ及びヒト好中球リポカリンを含む群、または好中球におけるその量が好中球細胞数と有効に相関する同等の細胞マーカーから選択される。
一実施形態では、好中球特異的マーカーは、好中球エラスターゼ、ラクトフェリン及びヒト好中球リポカリンを含む群、または好中球におけるその量が好中球細胞数と有効に相関する同等の細胞マーカーから選択される。
好中球数の正確な指標として働くためのマーカーに必要とされる線形または再現できる非線形相関のレベルは、用いられるマーカー及びアッセイによって変動する。一般に、約70%以上の相関が有効である。71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%のレベルが意図される。
実施例2に例示するように、本明細書は、NNMが、好中球数との強い絶対相関なしで、好中球の数について有用な補正を提供できることを教示する。これは、NNMの有用性が、好中球数に十分に相関していることに必ずしも依存しているではなく、むしろ、好中球CD64レベルと相関していること、及び好中球数と関連していることに依存しているからである。
したがって、いくつかの実施形態では、NNMバイオマーカーは約70%未満の好中球数と正の相関を有し得るが、約70%以上の好中球特異的CD64との相関を有し得、これは有効である。
「約」は、参照の測定値、分量、レベル、活性、値、数、頻度、パーセンテージ、寸法、サイズ、量、重量または長さに対して10、9、8、7、6、5、4、3、2または1%程度変動する、測定値、分量、レベル、活性、値、数、頻度、パーセンテージ、寸法、サイズ、量、重量または長さを意味する。
本明細書の各実施形態は、別段明確に記載がない限り、他のすべての実施形態に必要な変更を加えて適用される。
一実施形態では、本明細書は、修正好中球CD64インデックスを決定するための、対象から得られた全血試料または赤血球、単球及びマクロファージの1つもしくは複数が実質的に除かれた全血試料料に関して実施されるポイントオブケア用途に適したイムノアッセイを可能にする。
本明細書で使用する場合、フレーズ「実質的に除かれた」は、細胞、例えば、単球及びマクロファージを、少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%含んでいないことを意味する。
いくつかの実施形態では、対象はヒトであり、新生児のヒトを含む。しかし、本発明は、霊長類、家畜動物、実験試験動物、伴侶動物及び鳥類ならびに非哺乳動物、例えば爬虫類に及ぶ。したがって、アッセイは、ヒト、家畜、獣医学及び野生生物の療法及び診断に適用性がある。
全血は、本質的に、対象由来の未処理の血液試料を指し、一般に、血液が静脈採取によって得られる場合、抗凝血薬が加えられており、またはこれは、血液がフィンガープリックまたはフィンガースティック採取によって得られ、ポイントオブケアで遅延なく使用される場合は、省略してもしなくてもよい。
特に実施例1及び図1〜6に記載されているアッセイ及びキットの実施形態を記載する番号付けした条項も以下のように提供する。
1.修正好中球CD64インデックスを決定するための、対象から得られた全血試料または赤血球、単球及びマクロファージの1つもしくは複数が実質的に除かれた全血試料料に関して実施されるポイントオブケア用途に適したイムノアッセイであって、
(ii)場合により、好中球を溶解するまたは可溶化する薬剤と前記試料を接触させること、
(iii)前記試料中のCD64に特異的に結合し、CD64−結合剤複合体を形成する結合剤、及び前記試料中の好中球マーカーに特異的に結合し、好中球マーカー−結合剤複合体を形成する第2の結合剤と前記試料を接触させること、ならびに
(iV)ステップ(ii)由来の各複合体の相対量を測定及び決定して、前記試料中の好中球あたりのCD64の平均量を示す修正CD64インデックス(比)を得ること
含む、前記アッセイ。
2.前記CD64インデックスが、前記試料中の超正常量の好中球CD64を示すカットオフレベルを超える場合、超正常量の好中球CD64を有するとして前記対象を診断することをさらに含み、前記カットオフレベルが、ステップ(iii)で測定された前記好中球マーカー−結合剤複合体の量の関数として決定される、条項1に記載のアッセイ。
3.前記CD64インデックスが、前記試料中の超正常量の好中球CD64を示すカットオフレベルを超える場合、敗血症を有するまたは敗血症を発生する危険性を有するとして前記対象を診断することをさらに含み、前記カットオフレベルが、ステップ(iii)で測定された前記好中球マーカー−結合剤複合体の量の関数として決定される、条項1に記載のアッセイ。
4.前記CD64インデックスがステップ(iii)で測定された好中球マーカー−結合剤複合体の量によって決定された前記試料中の好中球の数に対して補正される、条項1に記載のアッセイ。
5.酵素結合免疫吸着(ELISA)型、フローサイトメトリーまたはイムノクロマトグラフィー方法である、条項1〜4のいずれか一項に記載のアッセイ。
6.前記結合剤が、抗体またはその抗原結合性断片、抗原結合コンストラクト、例えば、アフィマーまたはリガンドまたはそれらの結合部分である、条項1〜5のいずれか一項に記載のアッセイ。
7.酵素結合免疫吸着(ELISA)型またはクロマトグラフィー方法であり、前記結合剤が支持体上に固定化される、条項5または6に記載のアッセイ。
8.ステップ(ii)において、イムノクロマトグラフィーデバイスの試料部に前記試料を加えることによって、前記試料をステップ(ii)の前記結合剤と接触させ、ここで、前記デバイスの試料部が、前記デバイスの間隔をおいて配置された捕獲部に作動可能に連結され、これによって、前記試料の成分が前記デバイスの試料部から前記デバイスの捕獲部へ流れ、及び前記デバイスの捕獲部を通って流れ、ここで、1つの捕獲部が、前記試料中のCD64に特異的に結合する結合剤を含み、その結果、前記CD64が前記結合剤によって捕獲されて、前記捕獲部で結合剤−CD64複合体が形成され、第2の捕獲部が、前記試料中の好中球に特異的に結合する結合剤を含み、その結果、前記好中球またはその結合部分が前記結合剤に捕獲されて、前記捕獲部で結合剤−好中球マーカー複合体が形成される、条項1〜7のいずれか一項に記載のアッセイ。
9.CD64複合体の量及び好中球−マーカー結合剤複合体の量が、CD64または前記好中球マーカーにそれぞれ結合し、視覚的にまたは蛍光測定を含めた光度計測的に(リーダー機器によって)定量化することができる検出可能なシグナルを直接的または間接的に発生する結合剤、例えば、抗体もしくは抗原結合性断片、リガンドまたはアフィマーを使用して検出される、条項1〜8のいずれか一項に記載のアッセイ。
10.前記結合剤が、検出可能なシグナルを発生する、検出可能なマーカーまたは検出可能なマーカーを含むマイクロ粒子にコンジュゲートしている、条項9に記載のアッセイ。
11.前記捕獲部が検査ラインである、条項8〜10のいずれか一項に記載のアッセイ。
12.視覚的または光度計測的に計算された、CD64検査ライン由来のシグナルと視覚的または光度計測的に計算された、好中球マーカー検査ライン由来のシグナルの比が、前記試料中の好中球あたりのCD64の量を示す前記修正好中球CD64インデックスを提供する、条項11に記載のアッセイ。
13.前記好中球特異的マーカーが、好中球エラスターゼ、ラクトフェリン及びヒト好中球リポカリンを含む群、または好中球におけるその量が好中球細胞数と相関する同等の細胞マーカーから選択される、条項1〜12のいずれか一項に記載のアッセイ。
14.単球及びマクロファージが、例えば赤血球凝集によって実質的に除かれる、条項1〜12のいずれか一項に記載のアッセイ。
15.(i)試料部に作動可能に連結された多孔性膜、2つ以上の捕獲(検査)部、及び場合により、以下;コンジュゲート(検出マーカー)部、吸着部、適切なコントロール部及び細胞溶解または可溶化部の1つまたは複数を含むクロマトグラフィーデバイス、ならびに(ii)前記試料中のCD64に特異的に結合し、CD64−結合剤複合体を形成する結合剤、及び前記試料中の好中球に特異的に結合し、好中球マーカー−結合剤複合体を形成する第2の結合剤(ここで、前記結合剤は別々の捕獲部に固定化される、及び/またはコンジュゲート部内に含まれる)、ならびに(iii)場合により、修正好中球CD64インデックス及び/または敗血症の評価を決定するために前記デバイスを使用するための指示書を含む、キット。
16.リバースまたはラテラルフローイムノグラフィー形式に適した、条項14に記載のキット。
17.前記結合剤が抗原結合コンストラクト、例えば、アフィマー、リガンドまたは抗体もしくはその抗原結合性断片である、条項14または15に記載のキット。
18.前記結合剤がアフィマーである、条項17に記載のキット。
19.前記好中球特異的マーカーが、好中球エラスターゼ、ラクトフェリン及びヒト好中球リポカリンを含む群、または好中球におけるその量が好中球細胞数と相関する同等の細胞マーカーから選択される、条項14〜17のいずれか一項に記載のキット。
20.条項1〜1のいずれか一項に記載のアッセイで使用するための、条項15〜19のいずれか一項に記載のキット。
以下のキット/試薬は、本明細書に記載のアッセイの開発で使用する試薬の例示である。
使用するELISAキット:
商品銘柄:Human FCGR1A/CD64キット
カタログ番号:LS−F4795
企業名:LS Bio
商品銘柄:PMN Elastase Human ELISAキット
カタログ番号:ab119553
企業名:Abcam
使用する抗体及び組換えタンパク質:
商品銘柄:好中球エラスターゼ、組換えタンパク質
カタログ番号:MBS957715
企業名:MyBioSource
商品銘柄:Supplyヒト好中球エラスターゼ
カタログ番号:INHE
企業名:Cardinal Bioresearch
商品銘柄:抗好中球エラスターゼ抗体マウスモノクローナル
カタログ番号:ab41179
企業名:Abcam
商品銘柄:抗好中球エラスターゼ抗体ウサギポリクローナル
カタログ番号:ab126154
企業名:Abcam
商品銘柄:抗好中球エラスターゼ抗体(ビオチン)
カタログ番号:ab79962
企業名:Abcam
商品銘柄:組換えヒトCD64
カタログ番号:1257−FC
企業名:R&D Systems
商品銘柄:抗CD64抗体[10.1](ビオチン)
カタログ番号:ab27928
企業名:Abcam
商品銘柄:抗CD64抗体ウサギポリクローナル
カタログ番号:ab95244
企業名:Abcam
商品銘柄:抗CD64抗体[3D3]マウスモノクローナル
カタログ番号:ab140779
キット、ステップ及びアッセイの実施形態は、以下の例示的実施例を用いてさらに確認される。
実施例1
ポイントオブケア(POC)に有用な、フローサイトメトリーベースの好中球活性化アッセイの代替法の開発。CD64対NNMの比を使用する、イムノアッセイカットオフの評価。
好中球活性化(nCD64i)を測定するためのPOC検査は大きな臨床的有用性を有するであろうことを認識したので、POCにおける測定に単独で適しているマーカーの組み合わせに対するアルゴリズム及び値を使用して、フローサイトメトリーnCD64i値の類似物また均等物の測定を可能にすると思われる新規方法を本明細書に記載のように考案した。
いくつかの点で、本アプローチは、CD4T細胞を測定するためのラテラルフロー、POC検査の開発(米国特許第8,409,818号及び他のテリトリー)における本発明者らの何人かの経験を利用する。
CD4 POC検査についての本発明者らの経験から、細胞あたりのCD4の量は一定であり、したがって、CD4の量はCD4T細胞の数に正比例することが分かった。これに対して、好中球のCD64の量は可変性(敗血症で上昇する)であり、フローサイトメトリーによって測定したnCD64i値は、好中球あたりのタンパク質CD64タンパク質の平均量を表す(これは、平均蛍光インデックスとして表されることもある)。したがって、nCD64iを数値分数(単球及びマクロファージが除かれた血液中の全CD4)/(好中球の総数)またはCD64/好中球として表すことができる。フローサイトメーターでは、これはそれぞれの個々の細胞に対する蛍光強度として測定され、次いで、サンプリングされた好中球の全数(典型的には、50,000細胞または100,000細胞)について平均化される。
本発明者(ら)は、例えば、CD4検査の実施例で示される同じ方法を使用して、単球及びマクロファージを除去した後に、全血中のCD64の全量を測定することができるならば、それが、CD64/好中球画分の分数の分子を与えるであろうと予測した。CD64のこの測定は、単純な実験室施設しか使用しない酵素結合免疫吸着測定法(ELISA型アッセイはめったに酵素を使用しないが、依然としてELISAと呼ばれる)などの方法によって、またはより好ましくは、Visitect CD4T細胞検査のCD4T細胞の実施例に従うラテラルフローイムノクロマトグラフィーなどのPOC方法によって、達成することができる。
本発明者(ら)は、CD64/好中球画分の分数の分母を表す好中球の数を、各好中球について一定のレベルまたは予測可能なレベルの発現を示すタンパク質(その結果、そのようなタンパク質の量が好中球の数に比例する)に基づいて、CD4T細胞検査と同じ方法を使用して測定することができることをさらに認識した。一例として、好中球特異的タンパク質の好中球エラスターゼ(NE)を測定することができるが、中でも、ラクトフェリン及びミエロペルオキシダーゼなどの他のタンパク質を使用することもできる。好酸球とともに好中球を検出する及び数え上げるための例示的ラテラルフロー方法及びラジオイムノアッセイ方法は文献に報告されており、これは、タンパク質の好酸球タンパク質X(EPX)及びヒト好中球リポカリン(HNL)を使用し、従来の細胞計数方法と許容可能なレベルの一致を示す(Rundstrom,G et al.Lateral Flow Immunoassay Using Europium(III)Chelate Microparticles and Time−Resolved Fluorescence for Eosinophils and Neutrophils in Whole Blood.Clinical Chemistry 53,342−348(2007))。
NEを検出するための従来技術の方法は血漿または細胞培養で使用され、この場合、これらの方法は、好中球の脱顆粒の結果放出されたNEを検出する。これに対して、本アッセイでは、全NEが、内部のインタクトな好中球を含む全血で測定される。血漿中の量ははるかに低く、細胞内の量と比較して本質的に重要でない。
NEはそれ自体で敗血症のマーカーとして考えられているが、血漿/血清の量だけであり、これは、全血の量が代わりに好中球数のマーカーとして働くからである。NEは感染に応じて放出されるが、放出とターンオーバーの間のバランスは、敗血症のマーカーとして有用なものにするにはあまりにも可変的でありすぎると考えられる。
したがって、全血中の好中球CD64の全量と好中球の絶対数(例えば、マーカーとして好中球エラスターゼを使用する)の両方の平行測定(同じアッセイで同時に実施する)のために、ラテラルフローイムノクロマトグラフィーイムノアッセイなどのイムノアッセイを使用して、CD64/NEの簡単な算術的な分数を得ることができ、これが、nCD64インデックス(nCD64比とも呼ばれる)というポイントオブケア(POC)フレンドリーな代替の測定値を提供するであろうことが予測された。CD4T−細胞数を数え上げるための検査(Visitect CD4)及び本明細書に記載されるPOCフレンドリーなnCD64i検査(SepsiTestと呼ぶこともできる)の原理を図3に示す。
nCD64インデックスの代替の測定値としてCD64/NEの簡単な算術的な分数を得ることができる予測を試験するために、ELISAを使用して、健常ボランティア由来の全血中の好中球エラスターゼ(NE)及びCD64の全量を測定した。これらの初期の実験(図4)については、単球及びマクロファージの総数が好中球の数よりもはるかに小さく、そのため、これらの細胞の効果が問題になるとは予想されないので、単球及びマクロファージを最初に除去しなかったが、最終的な検査では、単球及びマクロファージが、実質的に/場合により、除かれることが予想される。
ELISAを使用する実験データ(図4を参照されたい)は、健常ドナーにおいて好中球特異的タンパク質、好中球エラスターゼ(NE)の全量と好中球(顆粒球)数との間の強い相関を示す(図4A、p=0.0002、R2=0.896)。
同様に、健常ドナーにおいて全CD64と好中球(顆粒球)数との間に強い相関がある(図4C、p=0.0003、R2=0.915)。しかし、健常個体における細胞あたりのCD64の量は一定ではないが、代わりに、好中球/顆粒球の総数の影響を受けるという驚くべき観察が行われた。すなわち、(好中球減少症のレベルに近づく)低レベルの好中球を有する試料では、CD64の全量は実際にはより高く、これは、これらの健常個体においてでさえ、細胞あたりのCD64のより高い量を示すものである。本発明者らが知る限り、これは以前に観察されていない。
したがって、CD64とNEの比は、図4Bに示すnCD64インデックスを提供する。CD64の相対量は、より低い総好中球数を有する試料において、より高いので、nCD64インデックスに対する計算値において、低好中球数の試料に対するより高いnCD64i値と同様の関係がみられる(R2=0.861)。この新規な観察は、CD64の発現に基づくより有効な敗血症検査の開発において、強い臨床的意義を有する可能性があり、これは、この観察が、nCD64iに対するカットオフ比が、Leuko64フローサイトメトリーキットで推奨されるように一定の値である必要はないが、各実験室で個々に最適化する必要があることを示唆するからである[Beckman Coulter−Trillium Diagnostics LLCの名目の米国特許公開第2013/0230867号を参照されたい−このキットは、CD64(FITCコンジュゲート化)及びCD163(フィコエリトリンコンジュゲート化)に特異性を有する3種のモノクローナル抗体のカクテル、ならびに機器のキャリブレーションならびにヒト血中白血球における白血球CD64及びCD163の発現の標準化に使用される専売の蛍光ビーズ懸濁液を含む。このキットは、赤血球溶解溶液濃縮物も含む]。
むしろ、カットオフは、本発明の各試料中の総好中球数に応じて、可変値であるべきである。当技術分野で周知の方法を使用して、好中球数の任意の所与の値についてカットオフ値を設定するためにアルゴリズムを構築することができ、例えば、図3Bに示すCD64/NE比に対する最良適合線の95%信頼区間を超えるようにカットオフを設定する。この計算の例を図5に示し、この場合、nCD64インデックスは、単球を除いた後の健常コントロール試料のより大きなセットについて計算され、(好中球数を表す)様々な量のNEで推定されたnCD64インデックスに対する下限及び上限95%信頼区間を赤色の点線として示す。上限の例示的95%信頼区間よりも高いnCD64iの任意の値は、したがって、敗血症を表すことについて高い疑いがあると思われる。
いくつかの実施形態では、カットオフは約90%から99%の間の任意の値より上に設定される。カットオフの選択は、拡大された臨床研究及び受信者動作特性(ROC)分析によって決定されると思われる。
好中球濃度に応じた、観察されるCD64レベルの変動に照らして、カットオフ値を補正することは、当技術分野で既知の様々なアプローチによって行うことができる。一実施形態では、補正因子が、例えば、それを片対数比にするか、または好中球数の逆数をそれに乗じることによって、CD64インデックスに適用される。あるいは、カットオフ数値は、同じ効果を有するように調整される。
CD64及びNEに対する個々のELISAアッセイをラテラルフローイムノアッセイなどのPOC検査に変換する方法は、当技術分野で周知であり、Rundstrom et al(Rundstrom,G et al.Lateral Flow Immunoassay Using Europium(III)Chelate Microparticles and Time−Resolved Fluorescence for Eosinophils and Neutrophils in Whole Blood.Clinical Chemistry 53,342−348(2007))によって記載されているVisitect CD4検査及び好中球/好酸球検査は、その全体が本明細書に組み込まれる適切な実施例である。
nCD64インデックスを計算する目的でラテラルフローイムノクロマトグラフィーまたは他のPOC方法を使用するために、図6に概略的に示すもののような単純な装置が有効であろうと予測される。この予測的実施例では、検査は、Visitect CD4T細胞検査と同様の形式を、その検査に組み込まれている赤血球、単球及びマクロファージの実質的な除去方法を含めて、有するであろう。しかし、CD4の検査ライン及び350個のCD4T細胞のカットオフを表す参照ラインの代わりに、一実施形態では、2つの検査ラインが存在し、1つはCD64の量を測定し、もう1つはNEまたは他の好中球特異的マーカーの量を測定する。カットオフを決定するために、次いで、2つのラインの測定強度間の算術比が、目視検査またはAxxin AX−2機器などのリーダー機器(例えば、その全体が参照により組み込まれる米国公開第2013/0162981号を参照されたい)のいずれかによって計算され、個々の試料に対するカットオフが、NEまたは他の好中球特異的マーカーの測定量から計算されるであろう。次いで、測定したnCD64iが、健常試料についての上限95%信頼区間などの本発明のNE依存的カットオフと比較され、「敗血症の可能性が高い」または「敗血症の可能性が低い」ことについての判定が報告されるであろう。
実施例2
さらなる開発を記載し、特に、全CD64及び全NNMレベル(すなわち、内部及び外部のレベル)の有用性及び敗血症の診断における異なるカットオフの決定を記載する。
(図4C)では、NE(ELISAによって測定したnCD64i)と比較したCD64の量が、より低い好中球/顆粒球数を有する試料においてより高かったことを図示し、これは、敗血症の診断におけるCD64の使用を向上させるために、NE値の関数としてのCD64iに対する可変性カットオフを必要とすることを新規に示唆する(図5も参照されたい)。特に、その実験の結果は、磁気ビーズを使用して単球/マクロファージが除かれた全血を使用して得られた。
さらなる研究では、これらの観察を広げ、単球/マクロファージを除くことがない、全血由来のNE及びCD64の値の使用のみを必要とする単純化した方法を記載する。単球/マクロファージを除くことは、特に、単球/マクロファージCD64の相対的寄与が、より高いNEの値を有する試料よりも高いと思われる低い値のNEを有する試料、例えば、全血において約1.0μg/ml NE未満または約0.5μg/ml NE未満のNE値を有する患者試料に対する任意のステップである。
改良法では、nCD64i(好中球あたりのCD64)を計算し、その数をNEの絶対値と比較するのではなく(図5)、CD64の絶対値をNEの絶対値との比較に使用する。すなわち、この方法は、実施例1に記載されている研究に由来するが、システムへのさらなる洞察を提供し、幅広いイムノアッセイのおける高感度の診断としてCD64及びNNMを一緒に使用するためのさらなるストラテジーを提供する。NNMの量を好中球/顆粒球絶対数と関連させるのではなく、健常対象におけるCD64とNNMの間の密接な相関を使用して、NNMの任意の所与のレベルについてCD64の閾値「健常」レベルを定める。
図7は、健常対象(n=30)に関する全血におけるNE及びCD64に対するELISAの結果を示し、健常対象において、全血中のCD64の全量が全血中のNEの全量と密接に相関している(R2=0.74)ことを示す。これは、好中球/顆粒球数とのNEの相関を反映する可能性があるが、本発明者らのアッセイの目的では、NEと好中球/顆粒球数のこの相関は必要ではなく、NE濃度それ自体(または、NEの代わりになり得る他の好中球数マーカー(NNM))が重要である。既知の技術と比較して新規であるが、図4Cの本発明者らの観察と一致して、CD64のレベルは、NEが約5μg/mlに達した時にプラトーに達し、これは、NEレベル(及び、おそらく好中球数)が正常値のより高い範囲中にある、または健常対象における正常値を超えて上昇している場合にCD64の発現を制限し得るフィードバック機構を示唆するものである。この図から、敗血症患者はそれぞれの患者の試料中に存在するNEの量と比較して上昇したレベルのCD64を有するであろうこと、及び健常試料の平均+2標準偏差というCD64に対する推定的なカットオフ(209ng/ml)が、平均またはより高いレベルのNEを有する試料について意図され得ることが予測される。
図8は、敗血症患者(赤色のマーカー、n=11)に関する全血中のNE及びCD64に対するELISAの結果を、図7に示す健常対象(青色のマーカー)とともに示す。実際に、9/11の敗血症患者が、平均+2SDを超える、非常に上昇したレベルのCD64を有することが見られる。しかし、予想外に、6/11の敗血症患者は、健常対象の平均+3D(17.6μg/ml)より高いNEレベルを有することも分かり、これは、敗血症について、NEレベルに基づくさらなるカットオフを示唆するものである。このさらなるNEカットオフは、209ng/mlのCD64カットオフの直下にあったさらなる試料を明確に特定する。
図9は、同じ結果を示すが、CD64について平均+2SD及びNEについて平均+3SDに基づくカットオフに従う、敗血症患者試料の4つの異なる分類を強調する。これらの判断基準によって、1人の患者はNEについてのみ陽性であり、5人の患者はNEとCD64の両方について陽性であり、4人の患者はCD64についてのみ陽性であり、一方で、1人の患者はNEとCD64の両方について陰性であり、両方のマーカーについて非常に低い値であり、これは、この患者が低レベルの好中球を有し得ることを示唆するものである。この結果は、NEとCD64の組み合わせが、敗血症の診断について、NEまたはCD64単独の使用よりも高感度であることを強調し、これは、おそらく、NEの超正常レベルが増大するにつれて、健常対象で観察されるように、敗血症におけるCD64の発現の誘導がフィードバック機構によっていくらか制限され得るという新規な観察と関係がある。これらの結果は、NE及びCD64に対する単純なカットオフが、全血中に正常なまたは上昇レベルのNEを、及び推論によって、正常なまたは上昇した好中球数を有する患者における敗血症の診断のための非常に高感度な方法を提供するであろうことを示唆するが、低好中球数(好中球減少症)を有する、敗血症のまたは敗血症の危険性が高い多くの患者、例えば、多くの新生児及びがん治療のために化学療法または放射線療法を受けたことがある患者が存在する。
これらの好中球減少患者にとって、NEレベルが低い場合でさえ、健常対象におけるNE対CD64の密接な相関から利点を得ることができる。図10に示すように、NE対CD64の分析が≦2.5μg/mlのNEを有する健常対象に限定される場合、非常に強い相関が見られ(R2=0.88)、図8及び9のNE及びCD64カットオフを使用して特定されなかった単一敗血症患者(赤色のマーカー)は、健常対象(青色のマーカー)に比べて、NEと比較してより高いレベルのCD64を有することが見られた。図11でこれをさらに図示し、ここでは、CD64に対する代替カットオフを健常対象におけるCD64対NEについてのトレンドラインの倍数として計算される。この場合、倍数はトレンドラインの1.6倍であり、トレンドラインは方程式y=5.6953x2+45.769xによって記載され、式中、yはCD64(ng/ml)でありxはNE(μg/ml)である。このカットオフを、これが、図8及び9と同様の平均+2SDという単純なカットオフによって記載されるCD64の同じレベルに達するまでは、またはアッセイの特異性を向上させるために所望され得る場合は、平均+3SDまたはそれ以上などのより高いレベルに達するまでは、外挿することができることは明らかであろう。
これに基づいて、NEとCD64マーカーの組み合わせを使用して、以下の1つまたは複数の条件が満たされる場合に敗血症が示されるアルゴリズムを使用して、敗血症を診断することができる:CD64>健常対象の平均+2SD、またはNE>健常対象の平均+3SD、またはCD64>2.5μg/mlより低いNEのレベルもしくは5μg/mlのようなより高い量のレベルを有する健常対象に対するトレンドラインによって予測されるCD64のレベルの1.6倍。
しかし、倍数が1.6であり、トレンドラインが方程式y=−0.0137x4+0.6094x3−9.857x2+65.776x(式中、yはCD64(ng/ml)であり、xはNE(μg/ml)である)によって記載される図12Aに示すように、健常対象におけるNE対CD64に対する多項式トレンドラインの倍数によってCD64カットオフを記載することもできるという観察によって、より単純なアルゴリズムが示唆される。本実施例では、赤色の陰影領域は、CD64及びNEの「健常」(非敗血性)レベルを表す値の「ゲート」を規定し、NEの上方レベルは健常対象の平均+3SDを表す。図12Bは、このモデルに載せられる敗血症患者を示し、11/11(100%)の敗血症患者が正確に特定された。
さらにいっそう単純なアルゴリズムは、CD64対NEに対するトレンドラインの倍数によって得られるカットオフをさらに外挿することによって得られる。図12Cに示すように、倍数が1.6であり、方程式y=−0.0137x4+0.6094x3−9.857x2+65.776x(式中、yはCD64(ng/ml)であり、xはNE(μg/ml)である)によってトレンドラインが記載されるカットオフの外挿は、図12Bで得られたものに、同様の、CD64対NEの健常レベルの「ゲート」を与える。したがって、敗血症は、CD64(ng/ml)>1.6×(−0.0137x4+0.6094x3−9.857x2+65.776x)(式中、xはNE(μg/ml)である)である任意の対象において示されるであろう。全血に由来するNE及びCD64の値を使用して、高感度且つ特異的な敗血症の診断を達成するために、計算されたこれらの様々なカットオフの任意の組み合わせまたは修正を使用することができること、ならびにトレンドライン方程式で使用される実際の値及び倍数の選択は、健常対象由来の試料及びNEまたは他の好中球特異的マーカーと組み合わされたCD64ならびに任意の代替方法、ならびにこれらのそれぞれの分析物を測定するためのELISAの任意の適切なセットを使用して決定することができることは、当業者に明らかであろう。
実施例3
本明細書に記載されるアッセイの有用性をより良く理解ために、敗血症患者及び健常対象のサブセットを、好中球におけるCD64の細胞表面発現をフローサイトメトリーによって測定する市販のLeuko64アッセイを使用して調べた。
Leuko64キット[例えば、Beckman Coulterを参照されたい−Trillium Diagnostics LLCの名目の米国特許公開第2013/0230867号を参照されたい]は、表面CD64(FITCコンジュゲート化)及び表面CD163(フィコエリトリンコンジュゲート化)に特異性を有する3種のモノクローナル抗体のカクテル、ならびに機器のキャリブレーションならびにヒト血中白血球における白血球CD64及びCD163の発現の標準化に使用される専売の蛍光ビーズ懸濁液を含む。このキットは、赤血球溶解溶液濃縮物も含む。Accellix CD64カートリッジ及びリーダー(LeukoDx)などのこのキットの変形形態が利用可能である。
図13に示すように、Leuko64は、健常コントロールに比べて、敗血症患者に対して極めて有意に高い値を示したが、キットの製造者が推奨する1.2のカットオフを使用して、8/11の敗血症患者しかこの検査で特定されなく、これは、この方法について約70〜80%の感度を示す、文献における多くの報告と一致する。同様に、ELISAによる全血CD64単独の全量の検出は健常コントロールに比べて、敗血症患者に対して極めて有意に高い値を示したが、平均+2SDのカットオフ(209ng/ml)を使用して、9/11の敗血症患者しかこの検査で特定されなかった。全CD64及びNE値を市販のキットとともに提供される参照標準(検量線)と比較することによって決定し、各アッセイの実施で検査し、次いで、アッセイで使用される試料希釈に対して調整する。
次いで、個々の敗血症患者試料をより詳細に調べ、これは、Leuko64(表面CD64のみ)で検出されるCD64の量を、Leuko64(表面CD64のみ)と同じ方法で細胞を染色する、または細胞表面と細胞内の両方のCD64の検出を可能にする界面活性剤を含む好中球溶解溶液を使用して細胞を最初に透過性にした後に細胞を染色する標準的なフローサイトメトリー方法に対して比較することによって行った。
図14は、本発明者らの初期分析においてNEのレベルが最も低い患者である患者SEP009に対する本分析の結果を示す。パネルAでは、この患者由来の好中球は、Leuko64における極めて高い相対的CD64発現(パネルB)と一致する、高レベルのCD64の表面発現を有する(赤色のライン−中央のピーク)が、細胞内のCD64を同様に検出する場合に、細胞あたりさらに高いレベルのCD64(右手側の青色のライン−全体−ピーク)を有することが示される。しかし、この患者に関する低レベルのNE(パネルD)及び推定される低好中球数は、CD64単独(パネルC)に基づくカットオフより低いが、アルゴリズムアプローチ(図8〜12)を使用して検出可能な全CD64の結果をもたらす。この結果は、低レベルのNEを有する患者にとって、この患者に対する非常に高いLeuko64の結果を考えれば、Leuko64アプローチまたは他の方法は、さらに有用であり得ることも示唆する。
図15は、CD64のレベルが上昇しているが、健常対象由来のCD64について平均+2SDに由来する図9のカットオフの直下である患者である患者SEP010に対する同じ分析を示す。この患者では、Leuko64における低い相対的CD64発現(パネルB)と一致するCD64の最少の表面染色(パネルA、表面染色について赤色のラインとアイソタイプコントロールを比較する)があったが、細胞内のCD64を同様に染色した場合に高レベルのCD64が検出された(パネルA、青色のライン、右手のピーク)。この観察と一致して、患者SEP010は、ELISAによると、控えめなレベルの全CD64を有していたが、依然として、平均+2SDに基づくと、全CD64に対するカットオフの直下であり(パネルC)、一方で、0.7というLeuko64の結果は、この検査に対する1.2という製造者のカットオフをはるかに下回っていた(パネルB)。しかし、NEを調べると、患者SEP010は、非常に高く上昇したレベルのNEを有することが見られ、これは、NEの平均+3SDに由来するカットオフを使用し、さらにトレンドライン方程式に由来するカットオフも使用する、敗血症の明確な診断を提供する。
図16は、CD64とNEの両方のレベルが上昇した患者である患者SEP011に対する同じ分析を示す。この患者では、Leuko64における高い相対的CD64発現(パネルB)と一致し、製造者のカットオフを十分に超える、細胞内と表面の両方のCD64の有意な表面染色(パネルA、表面染色について赤色のラインとアイソタイプコントロールを比較し、全体の染色について青色のライン(中央のピーク)とアイソタイプコントロールを比較する)があった。患者SEP011は、ELISAによると、非常に上昇したレベルの全CD64(パネルC)を、さらに非常に上昇したレベルのNE(パネルD)も有しており、これは、NEの平均+3SDに由来するカットオフ及びCD64の平均+2SDに由来するカットオフを使用し、さらにトレンドライン方程式に由来するカットオフも使用する、敗血症の明確な診断を提供する。
図13、14、15及び16の結果は、本方法のさらなる利点が、ELISAまたは他の方法、及びLeuko64または他の方法を使用して慣習的に実施されるような細胞表面CD64だけではなく、可溶化した全血または透過性にしたインタクト細胞を使用する、全CD64の検出であることを示す。
この新規な観察についての可能性のある生物学的説明は、可変比率のCD64のみが任意の所与の時間で好中球の表面に存在することである。これを、図17及び18に概略的に図示する。van der Poel 2011から改変した図17では、健常個体において、低レベルのCD64(FcγR1)が細胞表面で発現しており、これらは細胞シグナル伝達または抗原複合体の内部移行をもたらさないモノマーIgGで飽和している(図17A)。細菌感染症または敗血症と関係があるインターフェロンガンマまたは他の刺激による好中球の最初の刺激の際に、さらなるCD64が合成され、好中球の表面に移動させられ、膜マイクロドメインと結合し、一緒に、免疫複合体中の多量体Igの結合を可能にし、これが細胞シグナル伝達を導く(図17B)。
しかし、CD64のさらなる機能は、抗原のプロセシング及び提示を可能にするための、そのような免疫複合体中の抗原の内部移行である。図18に示すように、これは、たとえ同じ上昇レベルの全CD64を有するとしても様々なレベルの表面CD64を有する活性化好中球をもたらすことができる。左に、「健常な」好中球を、表面で発現している低レベルのCD64とともに、概略的に示す。これらの細胞は、少量のあらかじめ形成された細胞内CD64を含むこともできる。敗血症では、「活性化」好中球を右に示し、それぞれ、健常な好中球と比較して有意に増加しているが、表面の分布(患者試料SEP09、図14と類似している)、または表面と細胞内の間に均等に分布した分布(患者試料SEP011、図16と類似している)、または主に細胞内区画に分布した分布(患者試料SEP010、図15と類似している)をともなう、等しく多量のCD64を有する。したがって、細胞表面と細胞内の両方のCD64の検出を可能にする任意の方法が、敗血症診断の向上を可能にするであろう。
細胞の表面から血漿画分に流された可溶性CD64及び活性化好中球から放出されたNE(好中球細胞外トラップまたはNETとして知られることもある)を同様に検出するのに本方法を使用することができることも言及され、これは、CD64及びNEの全血分析に関する本発明者らの方法のさらなる利点であり得る。既知の技術では、可溶性NE及びCD64は、血清画分または血漿画分のいずれかにおいて測定されたが、インタクト細胞と活性化及び脱顆粒の様々な段階にある細胞の両方を含むと思われる全血画分においては測定されていない。
したがって、本開示は、敗血症のバイオマーカーとしてCD64を検出するためのフローサイトメトリー及び他の方法の感度を向上させる目的で全CD64の染色を可能にするために、好中球の透過処理/溶解/固定の使用を提供する。
本開示の広範な一般的範囲から逸脱することなく、上記の実施形態に対して多数の変形及び/または修正を行うことができることが、当業者に理解されよう。したがって、本実施形態は、すべての点で例示的であり、限定的でないと見なされるべきである。
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Claims (34)

  1. 敗血症または重症の感染症の診断を補助するのに適した、検査試料の好中球活性化を評価するためのイムノアッセイであって、
    (i)場合により、好中球を透過処理するまたは可溶化する薬剤と前記試料を接触させるステップ、
    (ii)(i)と同時にまたは連続して、前記試料中のCD64に特異的に結合し、CD64−結合剤複合体aを形成する結合剤と前記試料を接触させるステップ、
    (iii)(i)及び/または(ii)と同時にまたは連続して、前記試料中の好中球数マーカー(NNM)に特異的に結合し、好中球マーカー−結合剤複合体bを形成する第2の結合剤と前記試料を接触させるステップ、
    (iv)複合体a及び複合体bの量を用いて、前記試料中のCD46の相対レベル及びNNMの相対レベルを決定するステップ、ならびに
    (v)コントロール(例えば、健常)または超正常レベルの好中球CD64/活性化を含むとして、前記試料を直接的または間接的にスコア化するステップ
    を含む、前記アッセイ。
  2. 患者/対象における敗血症または重症の感染症の診断を補助するためのイムノアッセイであって、
    (i)場合により、前記患者由来の好中球を含む検査試料を、好中球を透過処理するまたは可溶化する薬剤と接触させるステップ、
    (ii)(i)と同時にまたは連続して、前記試料中のCD64に特異的に結合し、CD64−結合剤複合体aを形成する結合剤と前記試料を接触させるステップ、
    (iii)(i)及び/または(ii)と同時にまたは連続して、前記試料中の好中球数マーカー(NNM)に特異的に結合し、好中球マーカー−結合剤複合体bを形成する第2の結合剤と前記試料を接触させるステップ、
    (iv)複合体a及び複合体bの量を用いて、前記試料中のCD46の相対レベル及びNNMの相対レベルを決定するステップ、ならびに
    (v)前記試料を直接的または間接的にスコア化し、それにより、敗血症もしくは重症の感染症について示されていないとして、または敗血症または重症の感染症について示されるとして、前記患者をスコア化するステップ
    を含む、前記アッセイ。
  3. ステップ(i)が、CD64の全体の(すなわち、内部及び外部の)量が決定されるように、好中球を透過処理するまたは可溶化する薬剤と前記試料を接触させることを含む、請求項1または2に記載のアッセイ。
  4. 前記試料が全血液細胞試料である、請求項1または2または3に記載のアッセイ。
  5. 前記試料が、単球またはマクロファージなどの1種または複数の白血球が除かれるか、除かれている、請求項1または2に記載のアッセイ。
  6. ステップ(v)が、前記検査試料中のCD64及び/またはNNMのレベルを、コントロールの健常試料からあらかじめ決定されたそれぞれのCD64及び/またはNNMレベルと比較することを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のアッセイ。
  7. ステップ(v)が、前記検査試料からCD64とNNMの比(CD64:NNM)を決定することを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のアッセイ。
  8. ステップ(v)が、CD64レベルが健常コントロール集団のあらかじめ決定された平均+2またはそれ以上の標準偏差を超える場合、好中球活性化または敗血症もしくは重症の感染症をスコア化することを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のアッセイ。
  9. ステップ(v)が、NNMレベルが健常コントロール集団のあらかじめ決定された平均NNMレベル+3またはそれ以上の標準偏差を超える場合、好中球活性化または敗血症をスコア化することを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のアッセイ。
  10. ステップ(v)が、選択されたコントロール集団のCD64対NNMに対する最良適合線のあらかじめ決定された倍数と比較して、前記検査試料由来のNNMレベルに対してCD64が上昇している場合、好中球活性化または敗血症もしくは重症の感染症をスコア化することを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載のアッセイ。
  11. 患者/対象における敗血症または重症の感染症の診断または予後を補助するためのイムノアッセイであって、
    (i)場合により、前記患者由来の好中球を含む検査試料を、好中球を透過処理するまたは可溶化する薬剤と接触させるステップ、
    (ii)(i)と同時にまたは連続して、前記試料中のCD64に特異的に結合し、CD64−結合剤複合体aを形成する結合剤と前記試料を接触させるステップ、
    (iii)(i)及び/または(ii)と同時にまたは連続して、前記試料中の好中球数マーカー(NNM)に特異的に結合し、好中球マーカー−結合剤複合体bを形成する第2の結合剤と前記試料を接触させるステップ、
    (iv)複合体a及び複合体bの量を用いて、前記試料中のCD46及びNNMの(相対)レベルを決定するステップ、ならびに
    (v)前記試料を直接的または間接的にスコア化し、それにより、敗血症もしくは重症の感染症について示されていないとして、または敗血症または重症の感染症について示されるとして患者をスコア化するステップであって、(i)コントロール集団に対して平均+2またはそれ以上の標準偏差を超えるCD64の上昇、(ii)コントロール集団に対して平均+3またはそれ以上の標準偏差を超えるNNMの上昇、及び(iii)NNMに対するCD64の上昇の1つまたは2つまたは3つを含むとして、前記検査試料をスコア化することを含む、ステップ
    を含む、前記アッセイ。
  12. ステップ(i)が、CD64の全体の(すなわち、内部及び外部の)量が決定されるように、好中球を透過処理するまたは可溶化する薬剤と前記試料を接触させることを含む、請求項11に記載のアッセイ。
  13. 前記選択されたコントロール集団が新生児対象の集団である、請求項11または12に記載のアッセイ。
  14. CD64/NNM比が、前記検査試料中の前記NNMの量の関数としてあらかじめ決定されたカットオフレベル(好中球数に対して内部補正される)を超える場合、超正常量の好中球CD64/活性化を有するとして前記対象を診断することを含む、請求項1に記載のアッセイ。
  15. 前記試料中のCD64対NNMの比が、前記試料中のNNMのレベルを使用して決定された試料中の好中球の数に対して内部補正される、請求項7に記載のアッセイ。
  16. 前記NNMが、好中球エラスターゼ(NE)、ラクトフェリン、ミエロペルオキシダーゼ及びヒト好中球リポカリンから選択される、請求項1から15のいずれか一項に記載のアッセイ。
  17. ポイントオブケアアッセイである、請求項1から16のいずれか一項に記載のアッセイ。
  18. 酵素結合免疫吸着(ELISA)型、フローサイトメトリー、ビーズアレイ、ラテラルフロー、カートリッジ、マイクロ流体またはイムノクロマトグラフィーベースの方法などである、請求項1から17のいずれか一項に記載のアッセイ。
  19. 前記結合剤が、抗体またはそれらの抗原結合性断片もしくは誘導体、抗原結合コンストラクト、例えば、アフィマー、アプタマーまたはリガンドまたはそれらの結合部分である、請求項1から18のいずれか一項に記載のアッセイ。
  20. 前記結合剤が支持体上に固定化される、請求項1から19のいずれか一項に記載のアッセイ。
  21. ステップ(ii)において、イムノアッセイデバイスの試料部に前記試料を加えることによって、前記試料をステップ(ii)及び(iii)の前記結合剤と接触させ、ここで、前記デバイスの試料部が、前記デバイスの間隔をおいて配置された捕獲部に作動可能に連結され、これによって、前記試料の成分が前記デバイスの試料部から前記デバイスの捕獲部へ流れ、及び前記デバイスの捕獲部を通って流れ、ここで、1つの捕獲部が、前記試料中のCD64に特異的に結合する前記結合剤を含み、その結果、前記CD64が前記結合剤によって捕獲されて、前記捕獲部で結合剤−CD64複合体が形成され、第2の捕獲部が、前記試料中のNNMに特異的に結合する前記結合剤を含み、その結果、前記NNMが前記結合剤によって捕獲されて、前記捕獲部で結合剤−好中球数マーカー複合体が形成される、請求項1から20のいずれか一項に記載のアッセイ。
  22. CD64複合体の量及びNNM結合剤複合体の量が、それぞれCD64またはNNMに結合し、視覚的にまたは機器によって定量化することができる検出可能なシグナルを直接的または間接的に発生する、抗体もしくは抗原結合性断片、リガンド、アプタマーまたはアフィマーなどの結合剤を使用して検出される、請求項1から21のいずれか一項に記載のアッセイ。
  23. CD64及びNNMの観察される量/レベルに基づくデータを入力する、及び場合により、先行請求項で定義されたものなどの本明細書に開示する診断アルゴリズムに従って、コントロール対象/集団由来のデータを含むデータベースに対して前記データを管理する/処理するために、ソフトウェアを含む前記機器が使用される、請求項22に記載のアッセイ。
  24. 前記結合剤が、検出可能なシグナルを発生する、検出可能なマーカーまたは検出可能なマーカーを含むマイクロ粒子にコンジュゲートしている、請求項1から23のいずれか一項に記載のアッセイ。
  25. 前記捕獲部が検査ラインである、請求項21〜24のいずれか一項に記載のアッセイ。
  26. 前記敗血症が新生児敗血症である、請求項1〜25のいずれか一項に記載のアッセイ。
  27. (i)試料部に作動可能に連結されたマイクロチャネルまたは多孔性膜、2つ以上の捕獲(検査)部、ならびに場合により、以下;コンジュゲート(検出マーカー)部、吸着部、適切なコントロール部及び細胞溶解、希釈、可溶化剤部の1つまたは複数を含むイムノアッセイ(例えば、POC)デバイス、ならびに(ii)前記試料中のCD64に特異的に結合し、CD64−結合剤複合体を形成する結合剤、及び前記試料中のNNMに特異的に結合し、NNM−結合剤複合体を形成する第2の結合剤(ここで、前記結合剤は別々の捕獲部に固定化される、及び/またはコンジュゲート部内に含まれる)、ならびに(iii)場合により、敗血症または重症の感染症の診断を補助するのに適した好中球活性化について検査試料を評価するためにキットまたは成分を使用するための指示書を含む、診断のキットまたは成分。
  28. 前記試料部が好中球溶解薬剤/溶液を含むか使用時に含む、請求項27に記載のキットまたは診断。
  29. 前記結合剤が、抗原結合コンストラクト、例えば、アフィマー、アプタマー、リガンド、あるいは抗体またはそれらの抗原結合性断片もしくは誘導体である、請求項27または28に記載のキットまたは診断。
  30. 請求項1〜26のいずれか一項に記載のアッセイで使用するための、請求項27〜29キットまたは診断。
  31. 請求項27または28の一項に記載の診断の成分を含む、ポイントオブケアデバイス。
  32. 試料中の好中球(白血球)の表面上の細胞表面CD64のレベルを測定することによって、試料の好中球(白血球)活性化を評価するアッセイの感度及び/または特異性を増強するためのアッセイステップであって、CD64結合剤を使用して前記試料中の細胞内及び表面のCD64(全CD64)の検出を可能にするために、好中球(白血球)を透過処理する/可溶化することによって、前記試料中のCD64の全レベルを測定することを含む、前記アッセイステップ。
  33. 試料中の好中球(白血球)の表面上の細胞表面CD64のレベルを測定することによって、試料の好中球(白血球)活性化を評価するアッセイの感度及び/または特異性を増強するためのアッセイステップであって、前記試料中の細胞内及び表面のCD64及びNNMの検出を可能にするために、好中球(白血球)を透過処理する/可溶化することによって、前記試料中のCD64及びNNMの全レベルを測定することを含む、アッセイステップ。
  34. 前記アッセイステップが、フローサイトメトリー定量化技法、マイクロ流体、カートリッジ、IFA、ELISA型及びラテラルフローデバイスの1つまたは複数を、場合により、好中球活性化を評価するためのリーダー機器及び/または関連するソフトウェアとともに用いるアッセイのものである、請求項32または33に記載のアッセイ。
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