JP2019525129A - 放射線硬化型超音波洗浄システム - Google Patents

放射線硬化型超音波洗浄システム Download PDF

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Abstract

高放射性環境(例えば、洗浄放射済み核燃料アセンブリ)における使用のための水中超音波洗浄システムにおいて、各エネルギー生成トランスデューサと放射壁との間の接合を、Permabond PT326または3M DP−190接着剤のようなポリウレタン接着剤を用いて強化する。様々な診断テストにおいて、各トランスデューサのうちの1つ以上のトランスデューサをエネルギー伝送モードで動作させる一方、1つ以上の他のトランスデューサをエネルギー検出モードで動作させて、トランスデューサ/壁間の接合および/または作動流体の音響条件の弱化を検出する。

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許仮出願第62/341,452号(出願日:2016年5月25日、名称:「ULTRASONIC CLEANING」)に基づく優先権を主張し、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
様々な実施形態は、概して、核燃料アセンブリを超音波洗浄するための装置および方法に関する。
照射済み核燃料アセンブリを洗浄するための数多くの超音波洗浄システムが開発されている。そのような超音波洗浄システムの例が、例えば、米国特許第6,396,892号および第8,372,206号に記載されており、その全内容は参照により全体として本明細書に組み込まれる。
1つ以上の非限定的な実施形態は、内壁を有するフレームアセンブリを含む水中超音波洗浄システムを提供する。洗浄ゾーンは、内壁の内側に配置され、核燃料アセンブリをその内部に収容するように構成される。このシステムは、複数の超音波トランスデューサを含み、その各々がポリウレタン接着剤(例えば、放射線硬化型接着剤、Permabond PT326)または3M DP−190接着剤で内壁の1つに接合されて、複数の放射面を形成する。各放射面は、各トランスデューサからの超音波エネルギーを洗浄ゾーン内に伝送するように配列されている。
これらの実施形態の1つ以上によれば、複数のトランスデューサは、少なくとも10ワット/ガロンのバルク電力密度を洗浄ゾーンに伝送するように構成される。
これらの実施形態の1つ以上によれば、フレームアセンブリは複数の外壁を更に含み、外壁は内壁に接続し、内壁と外壁との間に配置された水密トランスデューサゾーンにおいて複数のトランスデューサを取り囲む。
これらの実施形態の1つ以上によれば、洗浄システムは、原子力プラントの水中環境に配置される。
1つ以上の非限定的な実施形態は、複数の超音波トランスデューサを利用して超音波エネルギーを作動流体内に伝送するシステムにおけるエネルギー伝送劣化を診断する方法を提供する。本方法は、第1の診断テストにおいて、エネルギー伝送モードで複数のトランスデューサのうちの第1のトランスデューサを動作させる一方、エネルギ検出モードで複数のトランスデューサのうちの第2のトランスデューサを動作させる工程と、第2の診断テストにおいて、エネルギー検出モードで複数のトランスデューサのうちの第1のトランスデューサを動作させる一方、エネルギー伝送モードで複数のトランスデューサのうちの第3のトランスデューサを動作させる工程と、(1)第1の診断テスト中に第2のトランスデューサおよび(2)第2の診断テスト中に第1のトランスデューサによってそれぞれ送信された電気信号を分析して、各トランスデューサのうち少なくとも1つのトランスデューサの、超音波エネルギーを作動流体内に送達する能力の低下を識別する工程と、を含む。
これらの実施形態の1つ以上によれば、各トランスデューサのうちの第2のトランスデューサと第3のトランスデューサは同一のトランスデューサである。
これらの実施形態の1つ以上によれば、本方法は、第1および第2の診断テストの前に、洗浄サイクルにおいてシステムを使用して物体を洗浄する工程を更に含み、前記使用は、エネルギー伝送モードで複数の超音波トランスデューサを動作させて超音波エネルギーを作動流体内に伝送することによって、作動流体内に少なくとも部分的に配置された物体を洗浄することを含む。
これらの実施形態の1つ以上によれば、各トランスデューサのうちの第2のトランスデューサと第3のトランスデューサとは互いに異なるトランスデューサである。
これらの実施形態の1つ以上によれば、本方法は、各トランスデューサのうち少なくとも1つのトランスデューサの、超音波エネルギーを作動流体内に伝送する能力の低下をユーザに示す工程を更に含む。
これらの実施形態の1つ以上によれば、本方法は、前記示すことに応答して、その示すことによって明らかにされた問題を解消することによって、システムが作動流体に送達することができるエネルギー量を増加させる工程を更に含む。
これらの実施形態の1つ以上によれば、本方法は、少なくとも10ワット/ガロンのバルク電力密度を洗浄ゾーンに提供するように複数のトランスデューサを動作させる工程を更に含む。
1つ以上の非限定的な実施形態は、複数の超音波トランスデューサを利用して超音波エネルギーを作動流体内に伝送するシステムにおけるエネルギー伝送劣化を診断する方法を提供する。本方法は、エネルギー伝送モードで複数の超音波トランスデューサのうちの1つ以上のトランスデューサを動作させると同時に、エネルギー検出モードで複数の超音波トランスデューサのうちの別の1つ以上のトランスデューサを動作させることによって一連の診断テストを行う工程と、各トランスデューサのうち少なくとも1つのトランスデューサの動作モードをエネルギー伝送モードからエネルギー検出モードおよび/またはエネルギー検出モードからエネルギー伝送モードへ変更する工程と、を含む。本方法はまた、一連の診断テスト中にエネルギー検出モードで動作させた時のトランスデューサによってそれぞれ送信された電気信号を分析して、各トランスデューサのうち少なくとも1つのトランスデューサの、超音波エネルギーを作動流体内に送達する能力の低下を識別する工程も含む。
1つ以上の非限定的な実施形態は超音波システムを提供し、この超音波システムは、フレームと、フレームに取り付けられ、超音波エネルギーを作動流体内に伝送するように配列された複数の超音波トランスデューサと、複数の超音波トランスデューサの各々に動作可能に接続されたトランスデューサモニタとを含む。モニタは、各トランスデューサのうちの選択されたトランスデューサをエネルギー伝送モードおよびエネルギー検出モードで交互に動作させ、エネルギー伝送モードで動作させている各トランスデューサによってそれぞれ送信された電気信号を分析することによって、各トランスデューサのうち少なくとも1つのトランスデューサの、超音波エネルギーを作動流体内に送達する能力の低下を識別するように構成される。
これらの実施形態の1つ以上によれば、モニタは、各トランスデューサのうち少なくとも1つのトランスデューサの、超音波エネルギーを作動流体内に送達する能力の低下をユーザに示すように構成された出力デバイスを含む。
1つ以上の非限定的な実施形態は超音波システムを提供し、この超音波システムは、フレームと、フレームに取り付けられ、超音波エネルギーを作動流体内に伝送するように配列された複数の超音波トランスデューサと、複数の超音波トランスデューサの各々に動作可能に接続されたトランスデューサモニタとを含む。モニタは、エネルギー伝送モードで各トランスデューサのうちの1つ以上のトランスデューサからなる第1のサブセットを動作させる一方、エネルギー検出モードで各トランスデューサのうちの1つ以上のトランスデューサからなる第2のサブセットを動作させるように構成される。モニタは、第2のサブセットによって送信された電気信号を分析することによって、超音波電力を作動流体に透過させることに影響を及ぼす作動流体の音響条件を識別するように構成される。
これらの実施形態の1つ以上によれば、モニタは、音響条件をユーザに示すように構成された出力デバイスを含む。
これらの実施形態の1つ以上によれば、音響条件には、作動流体中の油溶性ガス濃度、作動流体の温度、作動流体の静水圧、作動流体中の浮遊微粒子負荷、または作動流体の流体特性が含まれる。
本発明の様々な実施形態のこれらおよび/または他の態様の1つ以上、並びに関連する構造要素の動作方法および機能、そして製造における各部分の組み合わせと経済性については、添付図面を参照しつつ、以下の説明と添付の特許請求の範囲を検討することによってより明らかになるであろう。これらは何れも本明細書の一部を構成する。本明細書において、同様の参照符号は種々の図における対応部分を表す。一実施形態において、本明細書に例示される構造部品は、一律の縮尺に従って描かれている。ただし、図面は例示および説明のみを目的とし、本発明の限定事項の定義として意図されたものではないことが明白に理解されるべきである。更に、本明細書における任意の一実施形態に示される、または説明される構造的特徴は、他の各実施形態においても用いられ得ることが理解されるべきである。本明細書および特許請求の範囲において用いられる場合、単数形の「a」、「an」、および「the」には複数のものへの言及が含まれる。ただし、文脈によって別に解すべきことが明らかな場合にはこの限りでない。
本明細書において開示される全ての閉鎖式の値の範囲(例えば、「AとBの間」)および開放式の値の範囲(例えば、「Cより大きい」)は、その範囲内の全ての範囲を明示的に含む。例えば、1から10までと開示された範囲は、2から10まで、1から9まで、3から9まで、などの範囲をも開示しているものと理解される。
様々な実施形態並びにそれらの他の目的および更なる特徴をより理解するために、添付図面と共に用いられるべき以下の記載が参照される。
本発明の実施形態による超音波洗浄アセンブリの断面図である。
図1の線2’−2に沿った、図1の超音波洗浄アセンブリの断面図である。
図1の超音波洗浄アセンブリの側面斜視図である。
図1の超音波洗浄アセンブリの1つ以上の実施形態によるトランスデューサモニタの動作のフローチャートである。
図1から図3は、様々な実施形態による超音波洗浄システム100を示す。図1および図2に示されるように、システム100は内壁104aおよび外壁104bを有するモジュラーアセンブリフレーム104を含む。中央洗浄ゾーン106は、各内壁104aの内側に画定され、洗浄対象物体(例えば、照射済み核燃料アセンブリ)の少なくとも一部および洗浄対象物体の前記少なくとも一部が浸漬される作動流体(例えば、水、原子炉における燃料プール内の水)を収容するようになっている。様々な実施形態によれば、システム100および洗浄対象である燃料アセンブリの両方が、原子力プラントの水中環境(例えば、照射済み燃料アセンブリが貯蔵される原子炉の燃料プール、プラントの原子炉キャビティ、および/またはプラントの移送カナル)内に配置される場合、システム100は高放射性燃料アセンブリの洗浄に用いられる。
フレーム104に取り囲まれ、内壁104aと外壁104bとの間に配置された水密トランスデューサゾーン107内に、複数の平面超音波トランスデューサ102が設けられている。各トランスデューサ102のホーンは、各内壁104aが、超音波エネルギーを各トランスデューサ102から各壁104aを通って洗浄ゾーン106内に伝送するように構成された放射面を形成するように、内壁104aに接合される。ゾーン106内の物体(例えば、燃料アセンブリ)の洗浄中、各壁104aは、各トランスデューサ102とゾーン106内の作動流体との間の界面を画定する。この界面は、超音波エネルギーは透過させるが、ゾーン106内の作動流体が各壁104aを通ってトランスデューサゾーン107内に漏れ、各トランスデューサ102に達することを防止する。
洗浄中、洗浄対象物体(例えば、燃料アセンブリ)の少なくとも一部がゾーン106内に位置付けられる。システム100は、どちらの物体(例えば、システム100または燃料アセンブリ)を他方に対して移動させるかに応じて、洗浄対象物体をゾーン106内で所望の向きに案内するか、または逆にシステム100を燃料アセンブリ上に案内するのに役立つガイド108を備えてもよい。各トランスデューサの超音波エネルギーは、米国特許第8,372,206号に説明されているように、内壁104aを通って洗浄領域106内に、そして領域106内に配置された核燃料アセンブリ内に移動して燃料アセンブリの燃料棒を洗浄する。フレーム104および各トランスデューサ102の構造および配置は、参照により全体として本明細書に組み込まれる米国特許第8,372,206号に開示されたアセンブリのうちの何れかと類似または同一であってもよい。様々な実施形態によれば、システム100の各トランスデューサ102は洗浄領域106に、(1)少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、および/または500ワット/ガロン、(2)1000、900、800、700、600、500、400、および/または300ワット/ガロン未満、(3)10〜1000ワット/ガロンの間、100〜700ワット/ガロンの間、および/または200〜600ワット/ガロンの間、および/または(4)任意の2つのそのような値の間の任意の範囲内のバルク電力密度を提供する。
出願人は、システム100の高放射線動作環境が、各トランスデューサ102のホーンと、各トランスデューサ102のホーンが取り付けられている内壁104aとの間の接合を弱める恐れがあることを発見した。このような劣化は、各トランスデューサ102の内壁104aからの部分的または完全な剥離につながり、エネルギーが各トランスデューサ102から壁104aを通って洗浄ゾーン106内に伝送されることを妨げる恐れがある。ゾーン106においては、ゾーン106内の核燃料アセンブリをより良く洗浄するために高エネルギー密度が好ましい。そこで、出願人は、各トランスデューサ102を内壁104aに取り付ける改良された方法を開発しようと努力した。
出願人は、2つの接着剤(Permabond PT326および3M DP−190)が超音波サービスに耐え、しかも900回の燃料アセンブリ洗浄(3×109レムのガンマ線)に曝されるのと同等の照射後に良好な接合強度を維持することを発見した。これらの材料は何れも超音波サービス(例えば、トランスデューサを接合することであって、その場合、超音波エネルギーが接着剤を透過する)に適していることは以前から知られておらず、また、高放射線環境(例えば、燃料アセンブリが洗浄ゾーン106内にある時の原子炉の燃料プール内のシステム100の動作環境において一般的であるように、少なくとも100、500、1000、104、105、および/または106レム/時間、および/または108、107、106、および/または105レム/時間未満のオーダーのガンマ線)における何れの性能についても公的に入手可能な信頼できる情報はなかった。
これらの結果は、PT326およびDP−190接着剤がトランスデューサ性能の所望の改善を達成するのに同様に適切であろうことを示唆した。1つの追加的なテストを行った。このテストにおいては、各材料を用いて作製したサンプルトランスデューサに1.5×109レムおよび3×109レムを照射し、その後、それぞれ200時間の運転時間で動作させ、最後に、照射と超音波サービスとを組み合わせて行った後のトランスデューサと壁との間の接合強度を測定するための破壊検査を行った。PT326接合の各トランスデューサは、200時間のテスト運転の間、正常に動作し、検査時に良好な接合完全性を示した。1.5×109レムに曝されたDP−190接合のトランスデューサは200時間のテスト運転を完了したが、その過程で75%を超える接合強度を失った。3×109レムに曝されたDP−190接合のトランスデューサは、200時間運転中に故障した。
これらのテストにより、いくつかの予期せぬ結果が明らかとなった。
第1の予期せぬ結果は、照射後のPT326接着剤の接合強度に大幅な向上があったことである。PT326の接合強度は、1.5×109レム曝露後に30%向上し、3×109レム曝露後にその元の強度のほぼ100%を保持したのに対し、本願において典型的に用いられている元の接着剤は、わずか1×109レム曝露後に作用しなくなった。この接合強度は、放射線曝露後のサンプル試料(シリンダをプレートに接合したもの)を用いて測定した。接合強度は、せん断(シリンダ軸に沿ったねじれ)およびシリンダ軸に沿った張力で測定した。
第2の予期せぬ結果は、放射線曝露および超音波サービスが、超音波洗浄システムにおいてトランスデューサを壁に接合する接着材料に相助作用的に損害を与える恐れがあり、その結果、照射後に良好な接合強度を維持し、しかも通常の動作条件下で超音波サービスに適していることが証明されている接着剤が超音波サービスと照射とを合わせた場合には適していない可能性があることである。PT326接着剤およびDP−190接着剤の性能が超音波サービスと照射との組み合わせ下で明確に異なることは、個々に検討された効果に関してそれぞれ同等の性能を有することを考えると、予期せぬものであった。
PT326の各特性は、超音波洗浄アセンブリにおいてトランスデューサを壁に接合するのにこれまで用いられてきた別の接着剤と比較して、トランスデューサ102(1つ以上の実施形態において200%以上の向上)およびシステム100の優れた動作寿命をもたらす。
Permabond PT326に加え、例えば、他の二液型ポリウレタン接着剤を含む他のポリウレタン接着剤も様々な代替的実施形態に従って用いてもよい。更に、3M DP−190(二液型エポキシ接着剤)の使用は、PT326ほど強固ではないが、それでも超音波洗浄アセンブリの構築にこれまで用いられてきた接着剤に勝っている。
様々な実施形態によれば、各トランスデューサ102と内壁104aとの間の接合は、(1)超音波エネルギーを各トランスデューサ102から壁104aに、そして壁104aを通って効果的に伝送し、(2)透過させている超音波エネルギーの機械的応力に耐えることができ、(3)システムの作業環境(例えば、照射済み燃料アセンブリが貯蔵される原子炉の燃料プール、または高放射性燃料アセンブリが配置される他の水中環境(例えば、原子力プラントの原子炉キャビティまたは移送カナル))における高レベル放射線からの放射線劣化の影響を受けにくく、および/または(4)核燃料アセンブリの洗浄における長寿命の使用サイクルに耐えることができる。
各トランスデューサ102に電力を供給する電子機器回路は、通常、トランスデューサ102に向かう総電力を報告する電力モニタ機能を含む。この報告された電力は、トランスデューサ102によって液体内に放射されている音響エネルギーの量の暗黙的基準である。しかし、出願人は、ある特定のトランスデューサ故障モードが、対応する電気負荷の減少を起こすことなく、作動流体への音響エネルギーの伝送を劣化させる可能性があることを発見した。このような劣化伝送は、例えば、トランスデューサ102が壁104aから部分的または完全に分離する場合に起こり得る。劣化エネルギー伝送は、トランスデューサ102を壁104aに取り付ける接着剤が放射線劣化の結果として弱くなり、トランスデューサ102から壁104aおよび洗浄ゾーン106への超音波エネルギーの伝送を減衰させる場合にも起こり得る。この伝送劣化が起こると、報告されたトランスデューサ102の電力は、洗浄ゾーン106内の流体へのエネルギーの効果的な伝送が100%未満であっても、100%のままであり得る。従って、標準条件モニタメトリクスが、洗浄ゾーン106内の作動流体の音響条件を十分に反映しない状況があり得たことになり、その結果、洗浄対象物体(例えば、核燃料アセンブリ)は標準モニタメトリクスレポートによって報告されているほどには洗浄されていない。
1つ以上の実施形態によれば、システム100は、故障または伝送劣化を起こしたトランスデューサ102を検出するトランスジューサモニタ120を含む。モニタ120は、適切なケーブル布線(例えば、トランスデューサ102の各々に電力を提供するそれぞれの電力ケーブル)を介してトランスデューサ102の各々に動作可能に接続する。モニタ120は、1つ以上のトランスデューサ102からなるエネルギー伝送サブセットに対して診断テストを行い、このテストは、(1)伝送サブセットに通電して、システム100を用いて物体(例えば、核燃料アセンブリ)を洗浄する場合と同じ方法で超音波エネルギーを生成し、伝送すること、および(2)1つ以上のトランスデューサ102からなる離散的検出サブセットを超音波エネルギー検出器として用い、伝送サブセットによって洗浄ゾーン106において音響エネルギーに効果的に変換されている電気エネルギーの量を検出することによって行う。各トランスデューサ102は、超音波トランスデューサを介して超音波エネルギーを検出するための既知の技術を用いてエネルギー検出モードで使用することができる。そのような既知の技術は、洗浄ゾーン106に送達されている超音波エネルギーの量を示す、検出トランスデューサ102からの電気信号に帰する。これにより、モニタ120は、伝送サブセットに供給される電気エネルギーを検出するのではなく、伝送サブセットによって洗浄ゾーン106に送達されるエネルギーを検出することによって、伝送劣化(例えば、トランスデューサ102の分離、またはトランスデューサ102を壁104aに取り付ける接着剤の弱化によって引き起こされる)を識別することができる。
モニタ120は、各トランスデューサ102からなる異なる各サブセットを伝送モードと検出モードの異なる組み合わせで順次動作させることによって、全てのトランスデューサ102をテストすることができる。従って、トランスデューサ102はそれぞれ、その伝送モードで動作されることもあれば、その検出モードで動作されることもある。
1つ以上の実施形態によれば、各トランスデューサ102からなる第1のサブセットが単一トランスデューサ102であるように、一度に1つのトランスデューサ102が伝送モードで動作される。他の各実施形態によれば、2つ、3つ、4つ、5つ、またはそれ以上のトランスデューサ102からなるサブセットは、それらの伝送モードで同時に動作される。
同様に、1つ以上の実施形態によれば、検出サブセットは単一トランスデューサ102であり得る。ただし、代替的な各実施形態によれば、検出サブセットは2つ、3つ、4つ、5つ、またはそれ以上のトランスデューサ102を含む。1つ以上の実施形態によれば、検出サブセットは、伝送モードで動作されているサブセット以外の全てのトランスデューサ102を含む。
様々な実施形態によれば、伝送サブセットおよび検出サブセットは、フレーム104の互いに対向する側に配置される。その結果、診断テスト中、伝送トランスデューサ102のホーンは、検出トランスデューサ102のホーン側に向けられる。例えば、図1の左側の3つのトランスデューサ102が、それらの伝送モードでテストおよび使用される場合、図1の右側の3つのトランスデューサをそのテストのための検出サブセットとして動作させることができ、その逆も可能である。図1の上部の3つのトランスデューサ102についても、図1の下部の3つのトランスデューサ102に対して同じことが可能である。このような対向する各トランスデューサ102は、超音波エネルギーが一方から他方へ移動する傾向があり、そのために高い信号対雑音比をもたらすので、対向する各トランスデューサ102から伝送劣化を検出するのによく適している可能性がある。ただし、様々な代替的実施形態によれば、伝送トランスデューサ102および検出トランスデューサ102は、フレーム104の互いに対向する側以外の位置に、互いに対して配置される。例えば、様々な実施形態によれば、(各)伝送トランスデューサ102は、(1)フレーム104の単一側の(各)受信トランスデューサ102に隣接するように、(2)伝送トランスデューサ102と受信トランスデューサ102とが互いに隣接する壁上にある(例えば、互いに90度ずれる)ように(各)受信トランスデューサ102に対して斜めに、(3)(各)受信トランスデューサ102に対して任意の他の位置にあるように、および/または(4)異なる相対的空間配置を組み合わせて(例えば、一部のトランスデューサ102が互いに対向する壁上に、他のトランスデューサ102が同じまたは互いに隣接する壁上に)、配置されてもよい。このような選択肢のいくつかは、(各)受信トランスデューサ102によって受信される信号の強度を低下させる可能性があるが、それでもこのような位置付けは、異なる(各)伝送/受信トランスデューサ102を異なる時に選択して、どこで劣化が起こったか(例えば、どのトランスデューサの取り付けが劣化しているか、どのトランスデューサが故障しているかなど)のより良い識別を容易にすることにおいて有利に柔軟性を広げやすくする可能性がある。
様々な実施形態によれば、モニタ120は、各トランスデューサ102からなる伝送サブセットおよび検出サブセットの特定の組み合わせについて、ベースライン診断データを(例えば、モニタ120のメモリに)記憶してもよい。例えば、モニタ120は、各トランスデューサ102が正しく連結され、全超音波電力を洗浄ゾーン106に送達する(そして、逆に全電力を検出する)ことができることが分かった時に、伝送サブセットのそれぞれについて検出サブセットのそれぞれからデータを収集してもよい。その後、モニタ120は、続いて得られる診断データをそのベースラインと比較して、伝送サブセットにおける伝送劣化を識別することができる。
検出トランスデューサ102が他の(各)トランスデューサ102によって洗浄ゾーン106に送達されるエネルギーを検出する能力はまた、検出トランスデューサ102と壁104aとの間の劣化接合によっても損なわれる。接合が弱化すると、検出トランスデューサ102は、洗浄ゾーン106において実際に受信されているよりも少ないエネルギーを検出することになる。そのため、各検出トランスデューサ102から受信される電気信号は、各伝送トランスデューサ102および各検出トランスデューサ102の両方における伝送劣化の検出に寄与し得る。以下でより詳細に説明するように、モニタ120は、検出トランスデューサ102および伝送トランスデューサ102の異なる組み合わせを用いて複数の異なるテストを行うことによって、モニタ120が、(1)各伝送トランスデューサ102からゾーン106へのエネルギー伝送における障害と(2)各検出トランスデューサ102によるそのようなエネルギーの検出における障害とを区別するのに役立てる。
様々な実施形態によれば、モニタ120は、大規模な一連の診断テストにおいて、各伝送サブセットと各検出サブセットの多数の組み合わせを用いてもよい。トランスデューサ102のそれぞれは、多数の伝送サブセットおよび/または多数の検出サブセットに含まれてもよい。モニタ120は、多数の組み合わせについて診断データを比較して、診断テスト中の周囲動作条件の差異を説明するためにベースラインデータを調整することができる。
伝送トランスデューサ102および検出トランスデューサ102の異なる連続的な組み合わせを用いることはまた、エネルギー読み取り値の低下が(各)伝送トランスデューサ102の伝送劣化から生じるのか、または(各)検出トランスデューサ102の検出劣化から生じるのかを識別するのにも役立ち得る。
洗浄サイクル中、全てのトランスデューサ102が、典型的には伝送モードで同時に動作されて洗浄ゾーン106に送達される洗浄エネルギーを増加させる。様々な実施形態によれば、モニタ120は、そのような各洗浄サイクルの合間に、各トランスデューサ102に対して診断テストを行う。ただし、代替的な各実施形態によれば、各トランスデューサ102からなるサブセットを検出モードで動作させることは、洗浄されている物体に送達されている超音波エネルギーを低減させる(すなわち、一部のトランスデューサ102がそれらの検出モードで動作され、そのため、洗浄ゾーン106に洗浄エネルギーを送達しなくなるため)が、そうすることによって洗浄動作中に診断テストを行うことができる。
例示的な実施形態において、モニタ120は、フレーム104とは物理的に別個のものとして図示されている。そのような各実施形態において、モニタ120は、各トランスデューサ102に電力を提供する電力ケーブルを含む適切な配線/ケーブル布線を介して、各トランスデューサ102に接続してもよい。モニタ120は、各トランスデューサ102用トランスデューサ電源と共に設置されてもよい。モニタ102は、各トランスデューサ102に組み込まれてもよい。代替的に、モニタ120は、トランスデューサゾーン107内に配置されてもよい。
モニタ120は、各トランスデューサ102の履歴診断テストからのデータを記憶して、システム100の洗浄サイクルごとの経時劣化の検出を容易にしてもよい。
様々な実施形態によれば、モニタ120は、診断テスト中のエネルギー伝送に影響を及ぼす作動流体の他の音響条件(例えば、作動流体中の油溶性ガス濃度、作動流体の温度、作動流体の静水圧、作動流体中の浮遊微粒子負荷、または作動流体の流体特性(例えば、蒸気圧)など)を識別するのに用いられる。様々な実施形態によれば、検出サブセットおよび伝送サブセットの重複セットの多数の組み合わせを用いることは、モニタがそのような非トランスデューサ依存性要因を検出するに役立つ。そのような非トランスデューサ依存性要因の影響は、その後、フィルタリング除去することができ、それにより、モニタ120は(1)トランスデューサ102と壁104aとの間の弱化または崩壊した接合に起因する伝送劣化、または(2)伝送トランスデューサ102によるエネルギー生成の弱化の何れかを示すであろうトランスデューサ依存性変化に的を絞ることができる。
様々な実施形態によれば、モニタ120を、例えば、トランスデューサ特有の伝送劣化(例えば、故障した各トランスデューサの弱化接合を介した)の影響をフィルタリング除去することによって、洗浄ゾーン106内の作動流体の特性を特徴付けるのに代替的に用いることができる。検出された作動流体の特性は、キャビテーション強度、ひいては作動流体によるエネルギー減衰に影響を及ぼす油溶性ガス含有量を含んでもよい。様々な実施形態によれば、検出された特性は、追加的および/または代替的に、診断テスト中のエネルギー伝送に影響を及ぼす作動流体の任意の1つ以上の音響条件(例えば、作動流体中の油溶性ガス濃度、作動流体の温度、作動流体の静水圧、作動流体中の浮遊微粒子負荷、または作動流体の流体特性(例えば、蒸気圧)など)を含んでもよい。
様々な実施形態によれば、システム100は、洗浄サイクル中に作動流体が用いられる前に、洗浄ゾーン106内の作動流体を脱気するのに用いられてもよい。このような脱気は、作動流体(例えば、水)から気体を追い出すために、洗浄ゾーン106内の作動流体中にエネルギーを向けるように動作されてもよい各トランスデューサ102によって達成されてもよい。モニタ120は、そのような脱気中に(またはそのような脱気の合間の間欠的な停止中に)、流体が十分に脱気された時を検出して、洗浄ゾーン106内に挿入される物体(例えば、核燃料アセンブリ)の良好な洗浄を容易にするのに用いられてもよい。
様々な実施形態によれば、モニタ120は、コンピュータと、各トランスデューサ102に送達されている電力を制御する電力管理装置と、個々のトランスデューサ102(エネルギー検出モードで運転時)から受信される検出信号を受信および変換し、それらの信号をモニタ120のコンピュータのプロセッサに提供するA/D変換器と、データストレージと、ユーザがシステム100およびモニタ120を制御することを可能にするユーザ・インターフェースと、ディスプレイと、可聴表示システム(例えば、スピーカ)と、を含んでもよい。
一部の実施形態において、モニタ120のコンピュータは、本明細書に記載されている機能を果たすようにプログラムされた1つ以上のコンピューティング装置を含んでもよい。各コンピューティング装置は、1つ以上のコンピュータプログラム指示でプログラムされた1つ以上の物理的プロセッサまたは他のプロセッサ、および/または他のコンポーネントを含んでもよい。各コンピューティング装置は、ネットワーク(例えば、イーサネット、インターネットなど)または他のコンピューティング・プラットフォームとの有線または無線技術(例えば、イーサネット、光ファイバ、同軸ケーブル、WiFi、ブルートゥース、近距離無線通信、または他の技術など)を介した情報交換を可能にする通信回線またはポートを含んでもよい。各コンピューティング装置は、共同動作して各コンピューティング装置の機能性をモニタ120に提供する複数のハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェア・コンポーネントを含んでもよい。例えば、各コンピューティング装置は、各コンピューティング装置として共同動作する多数のコンピューティング・プラットフォームによって実現されてもよい。
モニタ120のデータストレージは、情報を電子的に記憶する非一時的ストレージメディアを含んでもよい。電子ストレージの電子ストレージメディアは、モニタ120のコンピュータと一体に(例えば、実質的に着脱不能に)設けられたシステムストレージ、または、例えば、ポート(例えば、USBポート、ファイヤーワイヤーポート等)やドライブ(例えば、ディスクドライブ等)を介してコンピュータに着脱可能に接続可能な着脱可能ストレージの一方または両方を含んでもよい。データストレージは、光学的に読み取り可能なストレージメディア(例えば、光学ディスク等)、磁気的に読み取り可能なストレージメディア(例えば、磁気テープ、磁気ハードドライブ、フロッピードライブ等)、電荷型ストレージメディア(例えば、EEPROM、RAM等)、ソリッドステート・ストレージメディア(例えば、フラッシュドライブ等)、および/または他の電子的に読み取り可能なストレージメディア、のうちの1つ以上を含んでもよい。データストレージは、1つ以上の仮想ストレージリソース(例えば、クラウドストレージ、仮想プライベート・ネットワーク、および/または他の仮想ストレージリソース)を含んでもよい。データストレージは、ソフトウェア・アルゴリズム、コンピュータの各プロセッサによって決定された情報、ユーザ・コンピューティング・プラットフォームから受信される情報、または、コンピュータが本明細書に記載されているように機能することを可能にする他の情報を記憶してもよい。
モニタ120のコンピュータの(各)プロセッサは、コンピュータにおける情報処理能力を提供するようにプログラムされてもよい。このように、各プロセッサは、デジタルプロセッサ、アナログプロセッサ、情報処理用のデジタル回路、情報処理用のアナログ回路、ステートマシン、および/または電子的に情報を処理するための他のメカニズム、のうちの1つ以上を含んでもよい。一部の実施形態において、各プロセッサは複数の処理ユニットを含んでもよい。これらの処理ユニットは物理的に同一の装置内に配置されてもよく、または各プロセッサが、協調して動作する複数の装置の処理機能性を示してもよい。各プロセッサは、モニタ120または他のサブシステムの本明細書に記載されている機能を果たすというコンピュータプログラム指示を実行するようにプログラムされてもよい。各プロセッサは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、何らかの方法で組み合わされたソフトウェア、ハードウェア、またはファームウェア、および/または各プロセッサに処理能力を構成するための他の機構を用いてコンピュータプログラム指示を実行するようにプログラムされてもよい。本明細書に記載されたモニタ120によって提供される機能性の説明は、例示を目的とし、限定することを意図するものではないことが理解されるべきである。
様々な実施形態によれば、モニタ120は、各トランスデューサ102の診断テストの結果を様々な1つ以上の方法の何れかでユーザに提供する情報出力デバイスを含む。1つ以上の実施形態によれば、モニタ120は、ユーザアクセス可能なコンピュータ(例えば、スマートフォン、PC、タブレット)に診断テストの結果を示す信号を(例えば、ネットワーク、無線または有線接続を介して)提供し、各トランスデューサ102が故障している(例えば、トランスデューサ102と壁104aとの間の接合の弱化により、トランスデューサ102が所望の量の超音波エネルギーを生成しないことにより)と識別されているか否か、およびそれはどのトランスデューサ102かを確認する。この信号はまた、劣化の程度を開示してもよい。これらまたは代替的な各実施形態の1つ以上によれば、モニタ120は、診断テストの結果を視覚的に表示する視覚ディスプレイ(例えば、LCDスクリーン、モニタ、TVなど)を含む。これらまたは代替的な各実施形態の1つ以上によれば、モニタ120は、(例えば、トランスデューサ102の故障を識別することによる)診断テストの結果をユーザに可聴的に警告する可聴警告システム(例えば、スピーカ)を含む。追加的および/または代替的に、モニタ120が、システム100におけるエネルギー伝送劣化が所定の閾値(例えば、洗浄ゾーンに送達されると見込まれるエネルギーの5、10、15、20、25、30、35%減)を超えると判断した場合、モニタ120は、情報出力デバイスを介してユーザに警告し、エネルギー伝送劣化の問題が軽減されるまでシステム100が洗浄サイクルに用いられないようにしてもよい。モニタ120は、劣化時にシステム100が動作しないようにすることによって、システム100によって洗浄されている各物体(例えば、核燃料アセンブリ)の不十分な洗浄を回避してもよい。
診断テストが、トランスデューサ102または各トランスデューサ102の組み合わせの伝送劣化が所定の閾値(例えば、5、10、15、20%)を超えることを示す場合、モニタ120は、出力デバイスを介して(例えば、ディスプレイ、可聴警告、別個のユーザアクセス可能なコンピュータに転送される情報を介して)ユーザに情報を提供してもよい。その情報は、影響を受けた各トランスデューサ102の更なる分析が、劣化の原因が弱化したトランスデューサ/壁間の接合にあるのか、あるいはトランスデューサ102自体の内部の故障にあるのか、の何れを示すかに依存して、1つ以上のトランスデューサ102をより確実に壁104aに取り付け、固定し、および/または取り替える必要があることを示す。
1つ以上の実施形態によれば、モニタ120のコンピュータは、図4に示すアルゴリズム/フローチャートを用いて、複数のトランスデューサ102に対して一連の診断テストを行う。このアルゴリズムは、モニタ120のコンピュータの(各)プロセッサによって実施されるプログラム/コードとして実施されてもよい。代替的に、アルゴリズムはデジタルまたはアナログ回路として実施されてもよい。様々な実施形態によれば、アルゴリズムは、伝送トランスデューサ102の伝送電力および/または周波数(例えば、トランスデューサの共振周波数付近の異なる周波数)を経時的に変化させ、そのような電力および/または周波数変化が(各)受信トランスデューサによって受信される信号にどのように影響するかをモニタしてもよい。例えば、アルゴリズムは、まず、伝送トランスデューサ102に100%電力で伝送させ、続いて、伝送トランスデューサ102に50%電力で伝送させてもよい。(各)受信トランスデューサ102によって受信される信号における、結果として得られる電力および/または周波数に基づく差異は、特定の劣化モードまたは問題を示す可能性がある。例えば、トランスデューサ/壁間の接着剤の劣化は、伝送トランスデューサ102が特定の電力レベルまたは周波数で動作される場合に、別の電力レベルまたは周波数で動作される場合よりも、伝送電力の比較的より大きな低減をもたらす可能性がある。
工程200において、モニタ120は、伝送モードおよび検出モードでそれぞれ各トランスデューサ102サブセットの選択された組み合わせを動作させる。工程210において、モニタ120は、その後、エネルギー検出モードで動作されているトランスデューサ102サブセットからの検出信号を受信し、記憶する。この工程において、モニタ120はまた、各伝送トランスデューサ102から(例えば、目標動電力レベルを維持するトランスデューサの力を反映するデータのような伝送トランスデューサ自身の動作に関する)データを収集して、信号の直接的な比較を容易にしてもよい。工程220において、モニタは、モニタ120が全ての所望の組み合わせについての検出信号を受信および記憶するように、トランスデューサ102サブセットの全ての所望の組み合わせがテストされたか否かを判定する。否の場合には、アルゴリズムは工程230に進み、そこでモニタ120が、伝送モードおよび検出モードでそれぞれ次の所望の各サブセットの組み合わせを動作させ、工程210に戻る。工程200から工程230においてモニタ120によって行われる診断テストの過程で、各トランスデューサ102のうちの1つ、複数、大多数、または全てが、伝送モードおよび検出モードのそれぞれにおいて交互に用いられてもよい。従って、工程200から工程230における異なる診断テストに亘って、各トランスデューサ102のうちの1つ、いくつか、または全てが各モード(エネルギー伝送およびエネルギー検出)において動作されることになる。
各トランスデューサ102サブセットの全ての所望の組み合わせがテストされると、アルゴリズムは工程240に進み、そこでモニタ120は、多数のテストされた各サブセットの組み合わせからの検出信号を分析して、各トランスデューサ102のうちの1つ以上のトランスデューサ102のエネルギー伝送が劣化したか否か、またはその程度を判定する。様々な実施形態によれば、この分析は、検出された信号を記憶されたベースライン信号(例えば、各トランスデューサ102が正しく動作し、壁104aに完全に取り付けられていることが分かっていたテスト中に得られた信号、所定の閾値)と比較することを含んでもよい。
工程250において、モニタ120は、出力デバイス(例えば、上述のディスプレイ、スピーカ、コンピュータに送信された信号)を介してユーザに情報を提供する。この情報は、1つ以上のトランスデューサ102が診断テスト中に劣化エネルギー伝送を呈したか否か、またはその程度を示す。
様々な実施形態によれば、モニタ120は診断テストを行うたびに、システム100のトランスデューサ102の各々の伝送劣化を評価する。代替的に、モニタ120は診断テストを行うたびに、各トランスデューサ102のうち一部のトランスデューサのみを評価し、異なる一連の診断テストによって、各トランスデューサ102のうち残りのトランスデューサ102を評価してもよい。全てのトランスデューサ102の評価が各一連の診断テスト中に行われることが好ましいが、例えば、利用可能な診断時間が限られている場合(例えば、一連の核燃料アセンブリの各洗浄の合間)、全て未満のトランスデューサ102の評価が行われてもよい。
例示的な実施形態において、モニタ120は、超音波洗浄システム100の各トランスデューサ102におけるトランスデューサのエネルギー伝送劣化を診断するのに用いられる。ただし、代替的な各実施形態によれば、モニタ120は、多数の超音波トランスデューサを含む任意の他のシステムにおけるトランスデューサのエネルギー伝送劣化を診断するのに用いられてもよい。
上記の例示的な各実施形態は、様々な実施形態の構造的および機能的な原理を示すために与えられたものであって、限定することを意図したものではない。むしろ、本発明の原理は、その任意および全ての変更、改変、および/または代替(例えば、以下の特許請求の範囲の趣旨および範囲内にある任意の改変)を含むことを意図している。

Claims (20)

  1. 内壁を含み、前記内壁の内側に、核燃料アセンブリをその内部に収容するように構成された洗浄ゾーンが配置されるフレームアセンブリと、
    各々がポリウレタン接着剤で前記内壁の1つに接合されて、複数の放射面を形成する複数の超音波トランスデューサと、を備え、
    前記複数の放射面が前記複数のトランスデューサからの超音波エネルギーを前記洗浄ゾーン内に伝送するように配列されている、水中超音波洗浄システム。
  2. 前記ポリウレタン接着剤が放射線硬化型接着剤を含む、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記ポリウレタン接着剤がPermabond PT326を含む、請求項1に記載のシステム。
  4. 前記複数のトランスデューサが、少なくとも10ワット/ガロンのバルク電力密度を前記洗浄ゾーンに伝送するように構成される、請求項1に記載のシステム。
  5. 前記フレームアセンブリが複数の外壁を更に含み、前記外壁は前記内壁に接続し、前記内壁と前記外壁との間に配置された水密トランスデューサゾーンにおいて前記複数のトランスデューサを取り囲む、請求項1に記載のシステム。
  6. 前記洗浄システムが、原子力プラントの水中環境に配置される、請求項1に記載のシステム。
  7. 内壁を含み、前記内壁の内側に、核燃料アセンブリをその内部に収容するように構成された洗浄ゾーンが配置されるフレームアセンブリと、
    各々が3M DP−190接着剤で前記内壁の1つに接合されて、複数の放射面を形成する複数の超音波トランスデューサと、を備え、
    前記複数の放射面が前記複数のトランスデューサからの超音波エネルギーを前記洗浄ゾーン内に伝送するように配列されている、水中超音波洗浄システム。
  8. 複数の超音波トランスデューサを利用して超音波エネルギーを作動流体内に伝送するシステムにおけるエネルギー伝送劣化を診断する方法であって、
    第1の診断テストにおいて、前記複数のトランスデューサのうちの第1のトランスデューサをエネルギー伝送モードで動作させる一方、前記複数のトランスデューサのうちの第2のトランスデューサをエネルギ検出モードで動作させる工程と、
    第2の診断テストにおいて、前記複数のトランスデューサのうちの前記第1のトランスデューサを前記エネルギー検出モードで動作させる一方、前記複数のトランスデューサのうちの第3のトランスデューサを前記エネルギー伝送モードで動作させる工程と、
    (1)前記第1の診断テスト中に前記第2のトランスデューサによって、および(2)前記第2の診断テスト中に前記第1のトランスデューサによってそれぞれ送信された電気信号を分析して、前記複数のトランスデューサのうち少なくとも1つのトランスデューサの、超音波エネルギーを前記作動流体内に送達する能力の低下を識別する工程と、を含む方法。
  9. 前記複数のトランスデューサのうちの前記第2のトランスデューサと前記第3のトランスデューサが同一のトランスデューサである、請求項8に記載の方法。
  10. 前記第1および第2の診断テストの前に、洗浄サイクルにおいて前記システムを使用して物体を洗浄する工程を更に含み、
    前記使用は、前記エネルギー伝送モードで前記複数の超音波トランスデューサを動作させて超音波エネルギーを前記作動流体内に伝送することによって、前記作動流体内に少なくとも部分的に配置された前記物体を洗浄することを含む、請求項8に記載の方法。
  11. 前記複数のトランスデューサのうちの前記第2のトランスデューサと前記第3のトランスデューサとが互いに異なるトランスデューサである、請求項8に記載の方法。
  12. 前記複数のトランスデューサのうち前記少なくとも1つのトランスデューサの、超音波エネルギーを前記作動流体内に伝送する能力の前記低下をユーザに示す工程を更に含む、請求項8に記載の方法。
  13. 前記示すことに応答して、前記示すことによって明らかにされた問題を解消することによって、前記システムが前記作動流体に送達することができるエネルギー量を増加させる工程を更に含む、請求項12に記載の方法。
  14. 少なくとも10ワット/ガロンのバルク電力密度を前記洗浄ゾーンに提供するように前記複数のトランスデューサを動作させる工程を更に含む、請求項8に記載の方法。
  15. 複数の超音波トランスデューサを利用して超音波エネルギーを作動流体内に伝送するシステムにおけるエネルギー伝送劣化を診断する方法であって、
    前記複数の超音波トランスデューサのうちの1つ以上のトランスデューサをエネルギー伝送モードで動作させると同時に、前記複数の超音波トランスデューサのうちの別の1つ以上のトランスデューサをエネルギー検出モードで動作させることと、
    前記複数のトランスデューサのうち少なくとも1つのトランスデューサの動作モードを、前記エネルギー伝送モードから前記エネルギー検出モードに、および/または前記エネルギー検出モードから前記エネルギー伝送モードに変更することと、によって一連の診断テストを行う工程と、
    前記一連の診断テスト中に前記エネルギー検出モードで動作させた時のトランスデューサによってそれぞれ送信された電気信号を分析して、前記複数のトランスデューサのうち少なくとも1つのトランスデューサの、超音波エネルギーを前記作動流体内に送達する能力の低下を識別する工程と、を含む方法。
  16. フレームと、
    前記フレームに取り付けられ、超音波エネルギーを作動流体内に伝送するように配列された複数の超音波トランスデューサと、
    前記複数の超音波トランスデューサの各々に動作可能に接続されたトランスデューサモニタと、を備え、前記モニタが、前記複数のトランスデューサのうちの選択されたトランスデューサをエネルギー伝送モードおよびエネルギー検出モードで交互に動作させ、前記エネルギー伝送モードで動作させている前記トランスデューサによってそれぞれ送信された電気信号を分析することによって、前記複数のトランスデューサのうち少なくとも1つのトランスデューサの、超音波エネルギーを前記作動流体内に送達する能力の低下を識別するように構成される、超音波システム。
  17. 前記モニタが、前記複数のトランスデューサのうち少なくとも1つのトランスデューサの、超音波エネルギーを前記作動流体内に送達する能力の前記低下をユーザに示すように構成された出力デバイスを含む、請求項16に記載のシステム。
  18. フレームと、
    前記フレームに取り付けられ、超音波エネルギーを作動流体内に伝送するように配列された複数の超音波トランスデューサと、
    前記複数の超音波トランスデューサの各々に動作可能に接続されたトランスデューサモニタと、を備え、前記モニタが、前記複数のトランスデューサのうちの1つ以上のトランスデューサからなる第1のサブセットをエネルギー伝送モードで動作させる一方、前記複数のトランスデューサのうちの1つ以上のトランスデューサからなる第2のサブセットをエネルギー検出モードで動作させ、前記第2のサブセットによって送信された電気信号を分析することによって、超音波電力の前記作動流体中での伝送に影響を及ぼす前記作動流体の音響条件を識別するように構成される、超音波システム。
  19. 前記モニタが、前記音響条件をユーザに示すように構成された出力デバイスを含む、請求項18に記載のシステム。
  20. 前記音響条件には、前記作動流体中の溶存ガス濃度、前記作動流体の温度、前記作動流体の静水圧、前記作動流体中の浮遊微粒子含有量、または前記作動流体の流体特性が含まれる、請求項18に記載のシステム。
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