JP2019524834A - ビグアナイド系による発達障害の治療方法 - Google Patents

ビグアナイド系による発達障害の治療方法 Download PDF

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Abstract

ビグアナイド、例えば、メトホルミン、ブホルミン、フェンホルミン、またはこれらの医薬的に許容される塩によるアンジェルマン症候群、脆弱X症候群、脆弱X関連振戦/運動失調症候群(FXTAS)、自閉症スペクトラム症、自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害、小児期崩壊性障害、レット症候群、ランドウ・クレフナー症候群、プラダー・ウィリー症候群、遅発性ジスキネジア、てんかん発作性疾患、および/またはウイリアムズ症候群などの発達障害の治療方法が提供される。前記方法は、前記発達障害の1つまたはそれ以上の症状を改善させるために用いられる治療組成物を供する。【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、出典明示によりその全体が本明細書に取り込まれる2016年8月18日提出の米国仮出願第62/376,488号の利益を請求し、優先権を主張する。
技術分野
ビグアナイド系による発達障害の治療方法が提供される。
ビグアナイド系(例えば、メトホルミン、ブホルミン、およびフェンホルミンなど)は、糖尿病の治療において抗高糖血症薬として用いられている。メトホルミンは、肝臓グルコース産生を減少させ、グルコースの腸管吸収を抑え、末梢のグルコース取り込みおよび利用を高めることによりインスリン感受性を改善する。メトホルミン作用のメカニズム面は不明である。Pernicova and Korbonits, Nature Reviews Endocrinol., 2014;10:143-156を参照。メトホルミンはまた、PCOSによる女性の多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)および無排卵不妊症の治療に用いられている。例えば、Johnson, Ann. Transl. Med., 2014, 2(6):56を参照のこと。メトホルミンは、癌予防及び治療のために研究されている。例えば、Kasznicki et al., Ann. Transl. Med., 2014; 2(6):57を参照。メトホルミンの抗癌分子作用は、哺乳類ラパマイシン標的複合体1(mTORC1)の阻害に関連している。mTOR経路は、癌細胞の代謝、成長、および細胞増殖に重要な役割を果たす。メトホルミンは、mTORC1経路を阻害すると考えられている。
発達障害(例えば、自閉症スペクトラム症、レット症候群、アンジェルマン症候群、脆弱X症候群、および脆弱X関連振戦/運動失調症候群など)の治療は限られている。アンジェルマン症候群は、ユビキチンE3リガーゼをコードするUBE3A遺伝子の機能喪失によって引き起こされる神経発達障害である。運動機能障害は、アンジェルマン症候群に特有の特徴であるが、作用メカニズムも有効な治療戦略もいまだ見出されていない。
脆弱X症候群は、知的障害の最も一般的な遺伝学的要因および自閉症の最も一般的な単一遺伝子要因でありうる。脆弱X精神遅滞遺伝子(FMR1)における突然変異および脆弱X精神遅滞タンパク質の欠如によって引き起こされ、次に、多くのシナプスタンパク質の翻訳の阻害を減少させる。主な試みは、代謝型グルタミン酸受容体(mGluR)を標的とした治療に着目したものであったが、ガンマ−アミノ酪酸(GABA)系および標的治療としてのその可能性についての研究はほとんど注目されていない。脆弱Xマウスモデル(Fmr1−ノックアウト)は、脳の多くの領域において、GABAサブユニット受容体の減少、GABA合成の減少、GABA異化反応の亢進、およびGABA作動性入力の全体的な減少を示す。これらの症状は、自閉症および他の神経発達障害の患者でも見られ、それゆえ脆弱X症候群を標的とした治療は、他の神経発達症候群および自閉症の治療方法に追随するものである。可能性のあるGABA作動性治療薬、例えば、リルゾール、ガボキサドール、チアガビン、およびビガバトリンが検討されている。しかしながら、脆弱X症候群に対するGABA作動性治療薬の安全性および有効性を調べるためにはさらなる研究が必要とされている。
脆弱X関連振戦/運動失調症候群(FXTAS)は、通常、50才を過ぎて発症する後期発症障害である。FMR1遺伝子における突然変異は、FXTASを発症するリスクが高まる。前記変異は、FMR1遺伝子に広がるCGG三塩基反復として公知のDNA断片に関連する。通常、このDNA断片は、5〜約40回で繰り返される。FXTASの患者では、前記CGG断片が55〜200回で繰り返されうる。この突然変異は、FMR1遺伝子の前突然変異として知られている。200回を超える反復の広がり、すなわち、完全変異は、上記に記載の脆弱X症候群を引き起こす。FXTASは、典型的に、運動および思考能力による問題(認知不全)によって特徴付けられる。FXTASの兆候と症状は、通常、年とともに悪化していく。患っている個体は、運動を制御する脳の領域である小脳において損傷の領域を有する。FXTASの特徴は、自発的な動き(例えば、対象物に達することなど)を行おうとする時の手足の震えまたは揺れる企図振戦、ならびに調整とバランスの問題(運動失調)である。多くの罹患した個体は、他の動作の問題、例えば、パーキンソニズム(動いていない時の振戦(静止時振戦)、硬直、および異常に緩慢な動作(動作緩慢)を含む)を発症する。さらに、罹患した個体は、下肢における感覚の低下、しびれ感もしくはピリピリ感、疼痛、または筋力低下、および排尿もしくは排便の制御不可を示しうる。他の症状としては、慢性疼痛症候群(例えば、線維筋痛症および慢性片頭痛)、甲状腺機能低下症、高血圧症、不眠症、睡眠時無呼吸、めまい、嗅覚機能障、および難聴が挙げられ得る。FXTASの患者は、一般に、行動を計画し実行に移し、ならびに課題解決方法を開拓する能力である認識障害(例えば、短期記憶喪失および実行機能喪失など)を有する。この機能の喪失は、衝動制御、自己監視、適切な注意集中、および認知的柔軟性などの技能を失う。多くのFXTASに罹っている患者は、不安、うつ、不機嫌、または易怒性などの精神症状を経験する。
現在、FXTASの病理発生を抑制し、または反転させることができる標的治療介入は存在していない。しかしながら、可能性のある症状改善のための多くの治療アプローチが提案されている。プリミドン、ベータ−ブロッカー、例えば、プロパノロール、トピラメート、カルビドパ/レボドパ、およびベンゾジアゼピンは、FXTASに関連する振戦;ボツリヌス毒素は、不随意性筋活動(例えば、ジストニアおよび痙攣);カルビドパ/レボドパ、アマンタジンおよびブスピロンは、運動失調;コリンエステラーゼ阻害剤、例えば、ドネペジル、およびメマンチン(NMDAアンタゴニスト)は、失認および認知症;ならびに抗うつ薬および抗精神病薬は、精神症状を制御することが示唆されている。例えば、Hagerman, et al., Clin Interv Aging. 2008 Jun; 3(2): 251-262を参照のこと。
レット症候群は、一般的に女性が罹患する神経発達障害である。これは、正常な早期の成長と発達、その後、発達の遅延、手の意図的な使用の消失、特有の手の動き、脳と頭の成長の遅延、歩行に伴う問題、てんかん発作、および知的障害によって特徴付けられる。レット症候群のほとんど全ての症例は、メチルCpG結合タンパク質2またはMECP2遺伝子における突然変異によって引き起こされる。前記MECP2遺伝子は、脳の発生で用いられ、遺伝子発現を高めるか、または低下させることができる多くの生化学的スイッチのうちの1つとして作用するメチルシトシン結合タンパク質2(MeCP2)の合成のための指示を含む。主な診断基準もしくは症状としては、獲得した意図的な手の動きの一部のもしくは完全な消失、獲得した話し言葉の一部のもしくは完全な消失、繰り返される手の動き(例えば、手洗いもしくは手を揉むこと、握手もしくは擦り合わせることなど)、および歩行障害(つま先歩き、または不安定でがに股の強直性歩行を含む)が挙げられる。支持基準はレット症候群の診断に必要とされないが、ある患者には必要となり得る。さらに、子供によって重症度が異なるこれらの症状は、非常に幼い子供では見られないが、年齢とともに発症しうる。支持基準を有するが必須基準を有しない子供は、レット症候群を示さない。支持基準としては、脊柱側弯症、歯ぎしり、身長に対して小さく冷たい手足(small cold hands and feet in relation to height)、睡眠パターンの異常、筋緊張の異常、心臓異常、不適切な笑いと叫び、激しい目のコミュニケーション、および疼痛への反応の減少が挙げられる。
レット症候群に対する治療法は存在していない。前記障害の治療は、症候的であり、症状の管理に着目し、ならびに対症的であり、集学的アプローチを必要とする。薬物は、呼吸異常および運動困難のために必要とされ得、抗けいれん薬は、てんかん発作を制御するために用いられうる。
よって、発達障害、例えば、自閉症スペクトラム症、広汎性発達障害、自閉症、アンジェルマン症候群、脆弱X症候群、脆弱X関連振戦/運動失調症候群(FXTAS)、レット症候群、アスペルガー症候群、小児期崩壊性障害、注意欠陥多動障害(ADHD)、プラダー・ウィリー症候群、ランドウ・クレフナー症候群、ラスムッセン症候群、ドラベ症候群、遅発性ジスキネジア、ウイリアムズ症候群および/またはてんかん発作性疾患、例えば、ドゥーゼ症候群、CDKL5障害、ウエスト症候群、レノックス・ガストー症候群(LGS)、および大田原症候群の患者における有効な治療の必要性が存在している。
要旨
本明細書に記載の発達障害の治療方法は、ビグアナイドまたはその医薬的に許容される塩を、それを必要とする患者に投与して、前記障害の1つまたはそれ以上の症状における改善を供することを含む。実施態様において、本明細書に記載の発達障害の治療方法は、メトホルミンまたはその医薬的に許容される塩を、それを必要とする患者に投与して、前記障害の1つまたはそれ以上の症状における改善を供することを含む。実施態様において、本明細書に記載の発達障害の治療方法は、ビグアナイドまたはその医薬的に許容される塩を、それを必要とする患者に投与して、前記患者の翌日の機能の改善を供することを含む。実施態様において、本明細書に記載の発達障害の治療方法は、メトホルミンまたはその医薬的に許容される塩を、それを必要とする患者に投与して、前記患者の翌日の機能の改善を供することを含む。実施態様において、本明細書に記載の発達障害の治療方法は、ブホルミンまたはその医薬的に許容される塩を、それを必要とする患者に投与して、前記障害の1つまたはそれ以上の症状における改善を供することを含む。実施態様において、本明細書に記載の発達障害の治療方法は、フェンホルミンまたはその医薬的に許容される塩を、それを必要とする患者に投与して、前記障害の1つまたはそれ以上の症状における改善を供することを含む。実施態様において、本明細書に記載の発達障害の治療方法は、ブホルミンまたはその医薬的に許容される塩を、それを必要とする患者に投与して、前記患者の翌日の機能の改善を供することを含む。実施態様において、本明細書に記載の発達障害の治療方法は、フェンホルミンまたはその医薬的に許容される塩を、それを必要とする患者に投与して、前記患者の翌日の機能の改善を供することを含む。
実施態様において、前記発達障害は、自閉症スペクトラム症、広汎性発達障害、自閉症、アンジェルマン症候群、脆弱X症候群、脆弱X関連振戦/運動失調症候群(FXTAS)、レット症候群、アスペルガー症候群、小児期崩壊性障害、注意欠陥多動障害(ADHD)、ランドウ・クレフナー症候群、プラダー・ウィリー症候群、ラスムッセン症候群、ドラベ症候群、遅発性ジスキネジア、てんかん発作性疾患および/またはウイリアムズ症候群でありうる。実施態様において、前記発達障害は、てんかん発作性疾患、例えば、てんかん、全身性強直性間代性発作てんかん、ミオクロニー欠神てんかん、前頭葉てんかん、側頭葉てんかん、点頭てんかん(ウエスト症候群)、小児欠神てんかん、若年性ミオクローヌスてんかん(JME)、ワクチン関連脳症、難治性小児てんかん(ICE)、本態性振戦、急性反復性てんかん発作、良性ローランド型てんかん、てんかん重積状態、難治性てんかん重積状態、超難治性てんかん重積状態(SRSE)、PCDH19小児てんかん、てんかん発作活性の増加(連続もしくは群発てんかん発作とも呼ばれる)、または突破性てんかん発作でありうる。実施態様において、前記発達障害は、てんかん発作性疾患、例えば、ドゥーゼ症候群、CDKL5障害、ウエスト症候群、レノックス・ガストー症候群(LGS)および大田原症候群などでありうる。実施態様において、前記てんかん発作性疾患は、ナトリウムチャネルタンパク質1型サブユニットアルファ(Scn1a)関連障害に付随する。実施態様において、前記てんかん発作性疾患は、上記に記載の発達障害のいずれかに付随するか、または前記発達障害のいずれかから独立しうる。
詳細な説明
ビグアナイドまたはその医薬的に許容される塩による発達障害の治療方法が本明細書に記載される。多くの医薬製品は、固定用量として一定の間隔で投与されて、治療上の有効性を達成する。その作用期間は、その血漿半減期によって反映されうる。メトホルミンは、1.5時間〜6.2時間と報告されている血漿排出半減期(t1/2)を有する。例えば、Gong, et al., Pharmacogenet Genomics. 2012 Nov; 22(11): 820-827(5時間)を参照のこと。ブホルミンは、4時間と報告されているt1/2を有する。フェンホルミンは、10〜15時間と報告されているt1/2を有する。有効性は、多くの場合、中枢神経系内の十分な曝露に依存するため、半減期の短いCNS薬物の投与は、頻度の高い継続投薬を必要としうる。
有利なことに、ビグアナイド系、例えば、メトホルミン、ブホルミン、フェンホルミン、またはこれらの医薬的に許容される塩の投与による発達障害の治療方法が本明細書に記載される。例えば、実施態様において、約50mg〜約3000mgのメトホルミンまたはその医薬的に許容される塩を、それを必要とする患者に投与することを特徴とする、発達障害の治療方法であって、前記患者が、前記障害の1つまたはそれ以上の症状における改善を示すものである方法が供される。実施態様において、約50mg〜約3000mgのメトホルミンまたはその医薬的に許容される塩を、それを必要とする患者に投与することを特徴とする、発達障害の治療方法であって、前記患者が、前記患者への投与後6時間以上の前記障害の1つまたはそれ以上の症状における改善を示すものである方法が供される。実施態様において、約50mg〜約3000mgのメトホルミンまたはその医薬的に許容される塩を、それを必要とする患者に投与することを特徴とする、発達障害の治療方法であって、前記患者が、前記患者への投与後12時間以上の前記障害の1つまたはそれ以上の症状における改善を示すものである方法が供される。
実施態様において、約50mg〜約3000mgのメトホルミンまたはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物を、それを必要とする患者に投与することを特徴とする、発達障害の治療方法であって、前記組成物が、前記障害の1つまたはそれ以上の症状における改善を供するものである方法が供される。実施態様において、約50mg〜約3000mgのメトホルミンまたはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物を、それを必要とする患者に投与することを特徴とする、発達障害の治療方法であって、前記組成物が、前記患者への投与後6時間以上の前記障害の1つまたはそれ以上の症状における改善を供するものである方法が供される。実施態様において、約50mg〜約3000mgのメトホルミンまたはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物を、それを必要とする患者に投与することを特徴とする、発達障害の治療方法であって、前記組成物が、前記患者への投与後12時間以上の前記障害の1つまたはそれ以上の症状における改善を供するものである方法が供される。
実施態様において、前記発達障害は、自閉症スペクトラム症(ASD)、広汎性発達障害、自閉症、アンジェルマン症候群、脆弱X症候群、脆弱X関連振戦/運動失調症候群(FXTAS)、レット症候群、アスペルガー症候群、小児期崩壊性障害、注意欠陥多動障害(ADHD)、レノックス・ガストー症候群(LGS)、ランドウ・クレフナー症候群、プラダー・ウィリー症候群、大田原症候群、ラスムッセン症候群、ドラベ症候群、ドゥーゼ症候群、CDKL5障害、遅発性ジスキネジア、および/またはウイリアムズ症候群、および/またはウイリアムズ症候群である。実施態様において、前記発達障害は、自閉症、レット症候群、アンジェルマン症候群、および/または脆弱X症候群である。実施態様において、前記発達障害は、特定不能の広汎性発達障害(PDD−NOS)である。PDD−NOSの症状は、ある子供と別の子供では大きく異なりうる。概して、PDD−NOSの子供は、社会的相互関係の障害、自閉症性障害の子供より優れているが、アスペルガー症候群の子供ほどではない言語技術、アスペルガー症候群または自閉症性障害の子供より少ない繰り返し行動、およびより後期の発症を示すとして特徴付けることができる。
実施態様において、前記発達障害は、自閉症である。実施態様において、前記発達障害は、アンジェルマン症候群である。実施態様において、前記発達障害は、脆弱X症候群である。実施態様において、前記発達障害は、脆弱X関連振戦/運動失調症候群(FXTAS)である。実施態様において、前記発達障害は、レット症候群である。
実施態様において、前記発達障害は、てんかん発作性疾患、例えば、てんかん、全身性強直性間代性発作てんかん、ミオクロニー欠神てんかん、前頭葉てんかん、側頭葉てんかん、点頭てんかん(ウエスト症候群)、小児欠神てんかん、若年性ミオクローヌスてんかん(JME)、ワクチン関連性脳症、難治性小児てんかん(ICE)、本態性振戦、急性反復性てんかん発作、良性ローランド型てんかん、てんかん重積状態、難治性てんかん重積状態、超難治性てんかん重積状態(SRSE)、PCDH19小児てんかん、てんかん発作活性の増加(連続もしくは群発てんかん発作とも呼ばれる)、または突破性てんかん発作である。実施態様において、前記てんかん発作性疾患は、ドゥーゼ症候群、CDKL5障害、ウエスト症候群、レノックス・ガストー症候群(LGS)、および大田原症候群である。実施態様において、前記てんかん発作性疾患は、ナトリウムチャネルタンパク質1型サブユニットアルファ(Scn1a)関連障害に付随する。実施態様において、前記てんかん発作性疾患は、上記に記載の発達障害のいずれかに付随するか、または独立していてもよい。
本明細書に記載の実施態様は、それを必要とする患者が、ビグアナイドまたはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物を投与されることを供する。ビグアナイド系は、酸付加塩として供されてもよい。例えば、メトホルミン、ブホルミン、およびフェンホルミン酸付加塩としては、以下に限定されないが、塩酸、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、アスコルビン酸、コハク酸、シュウ酸、ビス−メチレンサリチル酸、メタンスルホン酸、エタン−ジスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、マンデル酸、ケイ皮酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、イタコン酸、グリコール酸、p−アミノ−安息香酸、グルタミン酸、ベンゼンスルホン酸またはテオフィリン酢酸付加塩、ならびに8−ハロテオフィリン、例えば、8−ブロモ−テオフィリンが挙げられ得る。実施態様において、無機酸付加塩としては、以下に限定されないが、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、または硝酸付加塩が用いられてもよい。脂肪酸(例えば、ラウリン酸、コハク酸、カプリン酸、パルミチン酸など)が用いられてもよい。ヒドロキシ酸塩(ヒドロキシ−脂肪族ジカルボン酸の塩(例えば、メゾ酒石酸、酒石酸、メソシュウ酸、および酸化マレイン酸の塩)を含む)が用いられてもよい。他の塩として、パモ酸塩、p−クロロフェノキシ酢酸塩、アセチルサリチル酸塩、ニコチン酸塩などが挙げられ得る。
薬物動態的(PK)、薬力学的(PD)、および毒性プロファイルを改善するための薬剤の重水素化は、あるクラスの薬物で以前から示されていた。よって、重水素豊富化されたビグアナイド系の使用が意図され、本明細書に記載の方法および組成物の範囲内である。重水素は、当該技術分野で公知の合成手順に従って、合成的に水素の代わりにいずれの位置に取り込むことができ、例えば、重水素は、交換可能なプロトンを有する様々な位置に、例えば、アミンN−−Hに、プロトン−重水素平衡交換により取り込まれてもよい。よって、重水素は、当技術分野で周知の方法により選択的もしくは非選択的に取り込まれて、重水素豊富化メトホルミンを供しうる。Journal of Labeled Compounds and Radiopharmaceuticals 19(5) 689-702 (1982)を参照のこと。
重水素豊富化ビグアナイド系は、分子中に水素の代わりに所定の位置で重水素の取り込み率によって記載されてもよい。例えば、所定の位置における1%の重水素豊富化は、所定の試料中の分子の1%が、特定の位置に重水素を含有することを意味する。前記重水素豊富化は、通常の分析方法、例えば、質量分析および核磁気共鳴分光法を用いて調べることができる。実施態様において、重水素豊富化ビグアナイド系は、前記特定の位置が、天然に存在する分布を超えて(すなわち、約0.0156%を超えて)重水素で豊富化されることを意味する。実施態様において、重水素豊富化は、特定の位置で約1%以上、約5%以上、約10%以上、約20%以上、約50%以上、約70%以上、約80%以上、約90%以上、または約98%以上の重水素である。
実施態様において、発達障害の治療方法は、約50mg〜約3000mgのメトホルミンまたはその医薬的に許容される塩を、それを必要とする患者に投与することを特徴とする。実施態様において、約50mg〜約3000mgのメトホルミンまたはその医薬的に許容される塩は、24時間で投与される。実施態様において、前記メトホルミンまたはその医薬的に許容される塩は、24時間かけて分割用量で投与される。
実施態様において、前記患者は、50mg〜75mg、75mg〜100mg、100mg〜125mg、125mg〜150mg、150mg〜175mg、175mg〜200mg、200mg〜225mg、225mg〜250mg、250mg〜275mg、275mg〜300mg、300mg〜325mg、325mg〜350mg、350mg〜375mg、375mg〜400mg、400mg〜425mg、425mg〜450mg、450mg〜475mg、475mg〜500mg、500mg〜525mg、525mg〜550mg、550mg〜575mg、575mg〜600mg、600mg〜625mg、625mg〜650mg、650mg〜675mg、675mg〜700mg、700mg〜725mg、725mg〜750mg、750mg〜775mg、775mg〜800mg、800mg〜825mg、825mg〜850mg、850mg〜875mg、875mg〜900mg、900mg〜925mg、925mg〜950mg、950mg〜975mg、975mg〜1000mg、1000mg〜1025mg、1025mg〜1050mg、1050mg〜1075mg、1075mg〜1100mg、1100mg〜1125mg、1125mg〜1150mg、1150mg〜1175mg、1175mg〜1200mg、1200mg〜1225mg、1225mg〜1250mg、1250mg〜1275mg、1275mg〜1300mg、1300mg〜1325mg、1325mg〜1350mg、1350mg〜1375mg、1375mg〜1400mg、1400mg〜1425mg、1425mg〜1450mg、1450mg〜1475mg、1475mg〜1500mg、1500mg〜1525mg、1525mg〜1550mg、1550mg〜1575mg、1575mg〜1600mg、1600mg〜1625mg、1625mg〜1650mg、1650mg〜1675mg、1675mg〜1700mg、1700mg〜1725mg、1725mg〜1750mg、1750mg〜1775mg、1775mg〜1800mg、1800mg〜1825mg、1825mg〜1850mg、1850mg〜1875mg、1875mg〜1900mg、1900mg〜1925mg、1925mg〜1950mg、1950mg〜1975mg、1975mg〜2000mg、2000mg〜2025mg、2025mg〜2050mg、2050mg〜2075mg、2075mg〜2100mg、2100mg〜2125mg、2125mg〜2150mg、2150mg〜2175mg、2175mg〜2200mg、2200mg〜2225mg、2225mg〜2250mg、2250mg〜2275mg、2275mg〜2300mg、2300mg〜2325mg、2325mg〜2350mg、2350mg〜2375mg、2375mg〜2400mg、2400mg〜2425mg、2425mg〜2450mg、2450mg〜2475mg、2475mg〜2500mg、2500mg〜2525mg、2525mg〜2550mg、2550mg〜2575mg、2575mg〜2600mg、2600mg〜2625mg、2625mg〜2650mg、2650mg〜2675mg、2675mg〜2700mg、2700mg〜2725mg、2725mg〜2750mg、2750mg〜2775mg、2775mg〜2800mg、2800mg〜2825mg、2825mg〜2850mg、2850mg〜2875mg、2875mg〜2900mg、2900mg〜2925mg、2925mg〜2950mg、2950mg〜2975mg、または2975mg〜3000mgのメトホルミンまたはその医薬的に許容される塩で投与される。
実施態様において、前記患者は、50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、225mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、375mg、400mg、425mg、450mg、475mg、500mg、525mg、550mg、575mg、600mg、625mg、650mg、675mg、700mg、725mg、750mg、775mg、800mg、825mg、850mg、875mg、900mg、925mg、950mg、975mg、1000mg、1225mg、1250mg、1275mg、1300mg、1325mg、1350mg、1375mg、1400mg、1425mg、1450mg、1475mg、1500mg、1525mg、1550mg、1575mg、1600mg、1625mg、1650mg、1675mg、1700mg、1725mg、1750mg、1775mg、1800mg、1825mg、1850mg、1875mg、1900mg、1925mg、1950mg、1975mg、2000mg、2025mg、2250mg、2275mg、2300mg、2325mg、2350mg、2375mg、2400mg、2425mg、2450mg、2475mg、2500mg、2525mg、2550mg、2575mg、2600mg、2625mg、2650mg、2675mg、2700mg、2725mg、2750mg、2775mg、2800mg、2825mg、2850mg、2875mg、2900mg、2925mg、2950mg、2975mg、または3000mgのメトホルミンまたはその医薬的に許容される塩で投与される。
実施態様において、発達障害の治療方法は、約50mg〜約3000mgのメトホルミンまたはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物を、それを必要とする患者に投与することを特徴とする。
実施態様において、前記医薬組成物には、50mg〜75mg、75mg〜100mg、100mg〜125mg、125mg〜150mg、150mg〜175mg、175mg〜200mg、200mg〜225mg、225mg〜250mg、250mg〜275mg、275mg〜300mg、300mg〜325mg、325mg〜350mg、350mg〜375mg、375mg〜400mg、400mg〜425mg、425mg〜450mg、450mg〜475mg、475mg〜500mg、500mg〜525mg、525mg〜550mg、550mg〜575mg、575mg〜600mg、600mg〜625mg、625mg〜650mg、650mg〜675mg、675mg〜700mg、700mg〜725mg、725mg〜750mg、750mg〜775mg、775mg〜800mg、800mg〜825mg、825mg〜850mg、850mg〜875mg、875mg〜900mg、900mg〜925mg、925mg〜950mg、950mg〜975mg、975mg〜1000mg、1000mg〜1025mg、1025mg〜1050mg、1050mg〜1075mg、1075mg〜1100mg、1100mg〜1125mg、1125mg〜1150mg、1150mg〜1175mg、1175mg〜1200mg、1200mg〜1225mg、1225mg〜1250mg、1250mg〜1275mg、1275mg〜1300mg、1300mg〜1325mg、1325mg〜1350mg、1350mg〜1375mg、1375mg〜1400mg、1400mg〜1425mg、1425mg〜1450mg、1450mg〜1475mg、1475mg〜1500mg、1500mg〜1525mg、1525mg〜1550mg、1550mg〜1575mg、1575mg〜1600mg、1600mg〜1625mg、1625mg〜1650mg、1650mg〜1675mg、1675mg〜1700mg、1700mg〜1725mg、1725mg〜1750mg、1750mg〜1775mg、1775mg〜1800mg、1800mg〜1825mg、1825mg〜1850mg、1850mg〜1875mg、1875mg〜1900mg、1900mg〜1925mg、1925mg〜1950mg、1950mg〜1975mg、1975mg〜2000mg、2000mg〜2025mg、2025mg〜2050mg、2050mg〜2075mg、2075mg〜2100mg、2100mg〜2125mg、2125mg〜2150mg、2150mg〜2175mg、2175mg〜2200mg、2200mg〜2225mg、2225mg〜2250mg、2250mg〜2275mg、2275mg〜2300mg、2300mg〜2325mg、2325mg〜2350mg、2350mg〜2375mg、2375mg〜2400mg、2400mg〜2425mg、2425mg〜2450mg、2450mg〜2475mg、2475mg〜2500mg、2500mg〜2525mg、2525mg〜2550mg、2550mg〜2575mg、2575mg〜2600mg、2600mg〜2625mg、2625mg〜2650mg、2650mg〜2675mg、2675mg〜2700mg、2700mg〜2725mg、2725mg〜2750mg、2750mg〜2775mg、2775mg〜2800mg、2800mg〜2825mg、2825mg〜2850mg、2850mg〜2875mg、2875mg〜2900mg、2900mg〜2925mg、2925mg〜2950mg、2950mg〜2975mg、2975mg〜3000mgのメトホルミンまたはその医薬的に許容される塩が含まれる。
実施態様において、前記医薬組成物には、50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、225mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、375mg、400mg、425mg、450mg、475mg、500mg、525mg、550mg、575mg、600mg、625mg、650mg、675mg、700mg、725mg、750mg、775mg、800mg、825mg、850mg、875mg、900mg、925mg、950mg、975mg、1000mg、1225mg、1250mg、1275mg、1300mg、1325mg、1350mg、1375mg、1400mg、1425mg、1450mg、1475mg、1500mg、1525mg、1550mg、1575mg、1600mg、1625mg、1650mg、1675mg、1700mg、1725mg、1750mg、1775mg、1800mg、1825mg、1850mg、1875mg、1900mg、1925mg、1950mg、1975mg、2000mg、2025mg、2250mg、2275mg、2300mg、2325mg、2350mg、2375mg、2400mg、2425mg、2450mg、2475mg、2500mg、2525mg、2550mg、2575mg、2600mg、2625mg、2650mg、2675mg、2700mg、2725mg、2750mg、2775mg、2800mg、2825mg、2850mg、2875mg、2900mg、2925mg、2950mg、2975mg、3000mgのメトホルミンまたはその医薬的に許容される塩が含まれる。
実施態様において、発達障害の治療方法は、約10mg〜約500mgのブホルミンまたはその医薬的に許容される塩を、それを必要とする患者に投与することを特徴とする。実施態様において、ブホルミンまたはその医薬的に許容される塩の量は、24時間で投与される。実施態様において、前記ブホルミンまたはその医薬的に許容される塩は、24時間かけて分割用量で投与される。
実施態様において、前記患者は、10mg〜15mg、15mg〜20mg、20mg〜25mg、25mg〜30mg、30mg〜35mg、35mg〜40mg、40mg〜45mg、45mg〜50mg、50mg〜55mg、55mg〜60mg、60mg〜75mg、75mg〜80mg、80mg〜85mg、85mg〜90mg、90mg〜95mg、95mg〜100mg、100mg〜110mg、110mg〜115mg、115mg〜120mg、125mg〜130mg、130mg〜135mg、135mg〜140mg、140mg〜145mg、145mg〜150mg、150mg〜155mg、155mg〜160mg、160mg〜165mg、165mg〜170mg、175mg〜180mg、180mg〜185mg、185mg〜190mg、190mg〜195mg、195〜200mg、200mg〜225mg、225mg〜250mg、250mg〜275mg、275mg〜300mg、300mg〜325mg、325mg〜350mg、350mg〜375mg、375mg〜400mg、400mg〜425mg、425mg〜450mg、450mg〜475mg、または475mg〜500mgのブホルミンまたはその医薬的に許容される塩を投与される。
実施態様において、前記患者は、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、110mg、115mg、120mg、125mg、130mg、135mg、140mg、145mg、150mg、155mg、160mg、165mg、170mg、175mg、180mg、185mg、190mg、195mg、200mg、225mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、375mg、400mg、425mg、450mg、475mg、または500mgのブホルミンまたはその医薬的に許容される塩を投与される。
実施態様において、発達障害の治療方法は、約10mg〜約500mgのブホルミンまたはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物を、それを必要とする患者に投与することを特徴とする。
実施態様において、前記組成物には、10mg〜15mg、15mg〜20mg、20mg〜25mg、25mg〜30mg、30mg〜35mg、35mg〜40mg、40mg〜45mg、45mg〜50mg、50mg〜55mg、55mg〜60mg、60mg〜75mg、75mg〜80mg、80mg〜85mg、85mg〜90mg、90mg〜95mg、95mg〜100mg、100mg〜110mg、110mg〜115mg、115mg〜120mg、125mg〜130mg、130mg〜135mg、135mg〜140mg、140mg〜145mg、145mg〜150mg、150mg〜155mg、155mg〜160mg、160mg〜165mg、165mg〜170mg、175mg〜180mg、180mg〜185mg、185mg〜190mg、190mg〜195mg、195〜200mg、200mg〜225mg、225mg〜250mg、250mg〜275mg、275mg〜300mg、300mg〜325mg、325mg〜350mg、350mg〜375mg、375mg〜400mg、400mg〜425mg、425mg〜450mg、450mg〜475mg、または475mg〜500mg、ブホルミンまたはその医薬的に許容される塩が含まれる。
実施態様において、前記組成物には、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、110mg、115mg、120mg、125mg、130mg、135mg、140mg、145mg、150mg、155mg、160mg、165mg、170mg、175mg、180mg、185mg、190mg、195mg、200mg、225mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、375mg、400mg、425mg、450mg、475mg、または500mgのブホルミンまたはその医薬的に許容される塩が含まれる。
実施態様において、発達障害の治療方法は、約10mg〜約300mgのフェンホルミンまたはその医薬的に許容される塩を、それを必要とする患者に投与することを特徴とする。実施態様において、フェンホルミンまたはその医薬的に許容される塩の量は、24時間で投与される。実施態様において、前記フェンホルミンまたはその医薬的に許容される塩は、24時間かけて分割用量で投与される。
実施態様において、前記患者は、10mg〜15mg、15mg〜20mg、20mg〜25mg、25mg〜30mg、30mg〜35mg、35mg〜40mg、40mg〜45mg、45mg〜50mg、50mg〜55mg、55mg〜60mg、60mg〜75mg、75mg〜80mg、80mg〜85mg、85mg〜90mg、90mg〜95mg、95mg〜100mg、100mg〜110mg、110mg〜115mg、115mg〜120mg、125mg〜130mg、130mg〜135mg、135mg〜140mg、140mg〜145mg、145mg〜150mg、150mg〜155mg、155mg〜160mg、160mg〜165mg、165mg〜170mg、175mg〜180mg、180mg〜185mg、185mg〜190mg、190mg〜195mg、195〜200mg、200mg〜225mg、225mg〜250mg、250mg〜275mg、または275mg〜300mgのフェンホルミンまたはその医薬的に許容される塩で投与される。
実施態様において、前記患者は、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、110mg、115mg、120mg、125mg、130mg、135mg、140mg、145mg、150mg、155mg、160mg、165mg、170mg、175mg、180mg、185mg、190mg、195mg、200mg、225mg、250mg、275mg、または300mgのフェンホルミンまたはその医薬的に許容される塩で投与される。
実施態様において、発達障害の治療方法は、約10mg〜約300mgのフェンホルミンまたはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物を、それを必要とする患者に投与することを特徴とする。
実施態様において、前記組成物には、10mg〜15mg、15mg〜20mg、20mg〜25mg、25mg〜30mg、30mg〜35mg、35mg〜40mg、40mg〜45mg、45mg〜50mg、50mg〜55mg、55mg〜60mg、60mg〜75mg、75mg〜80mg、80mg〜85mg、85mg〜90mg、90mg〜95mg、95mg〜100mg、100mg〜110mg、110mg〜115mg、115mg〜120mg、125mg〜130mg、130mg〜135mg、135mg〜140mg、140mg〜145mg、145mg〜150mg、150mg〜155mg、155mg〜160mg、160mg〜165mg、165mg〜170mg、175mg〜180mg、180mg〜185mg、185mg〜190mg、190mg〜195mg、195〜200mg、200mg〜225mg、225mg〜250mg、250mg〜275mg、または275mg〜300mgのフェンホルミンまたはその医薬的に許容される塩が含まれる。
実施態様において、前記組成物には、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、110mg、115mg、120mg、125mg、130mg、135mg、140mg、145mg、150mg、155mg、160mg、165mg、170mg、175mg、180mg、185mg、190mg、195mg、200mg、225mg、250mg、275mg、または300mgのフェンホルミンまたはその医薬的に許容される塩が含まれる。
本明細書に記載の医薬組成物は、速放性、遅延放出性、徐放性、または改変放出性プロファイルで供されてもよい。実施態様において、異なる薬物放出プロファイルを有する医薬組成物を組み合わせて、二相もしくは三相放出プロファイルを作り出してもよい。例えば、医薬組成物は、速放性および徐放性プロファイルで供されてもよい。実施態様において、医薬組成物は、徐放性および遅延放出性プロファイルで供されてもよい。このような組成物は、パルス製剤、多層錠剤、またはカプセル剤(錠剤、ビーズ、顆粒剤などを含有)として供されてもよい。組成物は、安全かつ有効であると考えられている物質から構成される医薬的に許容される「担体」を用いて調製されてもよい。前記「担体」には、活性成分または成分以外の医薬製剤に存在する全ての構成要素が含まれる。用語「担体」には、下記に限定されないが、希釈剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、充填剤、およびコーティング組成物が含まれる。
実施態様において、本明細書に記載の医薬組成物は、1日1回、2回、または3回、1日4回、あるいは1日おきに投与されてもよい。実施態様において、本明細書に記載の医薬組成物は、朝に患者に供される。実施態様において、本明細書に記載の医薬組成物は、晩に患者に供される。実施態様において、本明細書に記載の医薬組成物は、晩に1回および朝に1回患者に供される。実施態様において、24時間で対象に投与されるメトホルミンまたはその医薬的に許容される塩の合計量は、50mg〜3000mgである。実施態様において、24時間で対象に投与されるメトホルミンまたはその医薬的に許容される塩の合計量は、100mg〜2550mgである。実施態様において、24時間で対象に投与されるメトホルミンまたはその医薬的に許容される塩の合計量は、500mg、600mg、750mg、800mg、850mg、1000mg、1200mg、1600mg、2000mg、または2550mgである。実施態様において、24時間で対象に投与されるメトホルミンまたはその医薬的に許容される塩の合計量は、1500mgである。
実施態様において、ビグアナイド、例えば、メトホルミン、ブホルミン、フェンホルミン、またはこれらの医薬的に許容される塩を含む医薬組成物を、それを必要とする患者に投与することを特徴とする発達障害の治療方法であって、前記患者が前記発達障害の少なくとも1つの症状における改善を示す方法が本明細書で提供される。症状には、以下に限定されないが、運動失調、歩行障害、発語障害、発声障害、認知不全、運動能力、臨床てんかん発作、無症候性てんかん発作、筋緊張低下、筋緊張亢進、摂取困難、流涎、おしゃぶり行動(mouthing behavior)、睡眠困難、手をぱたぱたさせる動き(hand flapping)、手を鳴らし続ける動き(hand ringing)、歯ぎしり、容易に誘発される笑い(easily provoked laughter)、および集中力の欠如が含まれ得る。実施態様において、認知不全における改善が本開示によって供される。認知不全は、知識と理解を得る際に関連する精神機能(例えば、思考、認識、想起、判断、および問題解決)を意味する。これらの脳の高次元機能には、言語、想像、知覚、および複雑な行動の計画と実行が含まれる。
実施態様において、ビグアナイド、例えば、メトホルミン、ブホルミン、フェンホルミン、またはこれらの医薬的に許容される塩を含む医薬組成物を、それを必要とする患者に投与することを特徴とする発達障害の治療方法であって、前記組成物が、前記医薬組成物の前記患者への投与後4時間以上の少なくとも1つの症状の改善を供する方法が本明細書で提供される。実施態様において、前記医薬組成物の前記患者への投与後6時間以上の少なくとも1つの症状の改善が本開示によって提供される。実施態様において、前記医薬組成物の前記患者への投与後、例えば、8時間、10時間、12時間、15時間、18時間、20時間、または24時間以上の少なくとも1つの症状の改善が本開示によって提供される。実施態様において、前記医薬組成物の前記患者への投与後少なくとも、例えば、8時間、10時間、12時間、15時間、18時間、20時間、または24時間の少なくとも1つの症状の改善が本開示によって提供される。実施態様において、前記医薬組成物の前記患者への投与後12時間の少なくとも1つの症状における改善が本開示によって提供される。
実施態様において、ビグアナイド、例えば、メトホルミン、ブホルミン、フェンホルミン、またはこれらの医薬的に許容される塩を含む医薬組成物を、それを必要とする患者に投与することを特徴とする、発達障害の治療方法であって、前記組成物が、前記患者に翌日の機能の改善を供する方法が、本明細書で提供される。
実施態様において、インビボ血漿プロファイルを供するビグアナイド、例えば、メトホルミン、ブホルミン、フェンホルミン、またはこれらの医薬的に許容される塩を、それを必要とする患者に投与することを特徴とする発達障害の治療方法であって、前記ビグアナイドまたはその医薬的に許容される塩の投与10時間後の前記患者のインビボ血漿プロファイルが、50%以上減少し、ならびに投与後10、12、14、16、18、20、22、または24時間以上の前記患者における改善を供する方法が提供される。実施態様において、インビボ血漿プロファイルを供する前記ビグアナイドまたはその医薬的に許容される塩を、それを必要とする患者に投与することを特徴とする発達障害の治療方法であって、前記ビグアナイドまたはその医薬的に許容される塩の投与10時間後の前記患者のインビボ血漿プロファイルが、55%以上減少し、ならびに投与後10、12、14、16、18、20、22、または24時間以上の前記患者における改善を供する方法が提供される。実施態様において、インビボ血漿プロファイルを供する前記ビグアナイドまたはその医薬的に許容される塩を、それを必要とする患者に投与することを特徴とする発達障害の治療方法であって、前記ビグアナイドまたはその医薬的に許容される塩の投与10時間後の前記患者のインビボ血漿プロファイルが、60%以上減少し、ならびに投与後10、12、14、16、18、20、22、または24時間以上の前記患者における改善を供する方法が提供される。実施態様において、インビボ血漿プロファイルを供する前記ビグアナイドまたはその医薬的に許容される塩を、それを必要とする患者に投与することを特徴とする発達障害の治療方法であって、前記ビグアナイドまたはその医薬的に許容される塩の投与10時間後の前記患者の前記インビボ血漿プロファイルが、65%以上減少し、ならびに投与後6、8、10、12、14、16、18、20、22、または24時間以上の前記患者における改善を供する方法が提供される。実施態様において、インビボ血漿プロファイルを供する前記ビグアナイドまたはその医薬的に許容される塩を、それを必要とする患者に投与することを特徴とする発達障害の治療方法であって、前記ビグアナイドまたはその医薬的に許容される塩の投与10時間後の前記患者の前記インビボ血漿プロファイルが、70%以上減少し、ならびに投与後6、8、10、12、14、16、18、20、22、または24時間以上の前記患者における改善を供する方法が提供される。
実施態様において、ビグアナイド、例えば、メトホルミン、ブホルミン、またはフェンホルミンを含む医薬組成物を、それを必要とする患者に投与することを特徴とする発達障害の治療方法であって、前記組成物が、約4μg/ml以下のCmaxを示すインビボ血漿プロファイルを供する方法が提供される。実施態様において、前記組成物は、前記患者への投与後6時間以上の改善を供する。
実施態様において、前記組成物は、例えば、約3.75μg/ml、約3.5μg/ml、約3.25μg/ml、約3μg/ml、約2.75μg/ml、約2.5μg/ml、約2.25μg/ml、約2μg/ml、約1.75μg/ml、約1.5μg/ml、約1.25μg/ml、約1μg/ml、約0.75μg/ml、または約0.5μg/ml以下のCmaxを示すインビボ血漿プロファイルを供し、前記組成物は、前記患者の翌日の機能の改善を供する。
実施態様において、ビグアナイド、例えば、メトホルミン、ブホルミン、またはフェンホルミンを含む医薬組成物を、それを必要とする患者に投与することを特徴とする発達障害の治療方法であって、前記組成物が、約13μg・hr/ml以下のAUC0−∞を示す一貫したインビボ血漿プロファイルを供する方法が提供される。実施態様において、前記組成物は、前記患者の翌日の機能の改善を供する。実施態様において、前記組成物は、例えば、約12.75μg・hr/ml、約12.5μg・hr/ml、約12.25μg・hr/ml、約12μg・hr/ml、約11.75μg・hr/ml、約11.5μg・hr/ml、約11.25μg・hr/ml、約11μg・hr/ml、約10.75μg・hr/ml、約10.5μg・hr/ml、約10.25μg・hr/ml、約10μg・hr/ml、約9.75μg・hr/ml、約9.5μg・hr/ml、約9.25μg・hr/ml、約9μg・hr/ml、約8.75μg・hr/ml、約8.5μg・hr/ml、約8.25μg・hr/ml、約8μg・hr/ml、約7.75μg・hr/ml、約7.5μg・hr/ml、約7.25μg・hr/ml、または約7μg・hr/ml以下のAUC0−∞を示すインビボ血漿プロファイルを供し、ならびに前記組成物は、前記患者の翌日の機能の改善を供する。実施態様において、前記組成物は、投与後6時間以上の1つまたはそれ以上の症状における改善を供する。実施態様において、前記組成物は、前記患者への前記組成物の投与後、例えば、4時間、6時間、8時間、10時間、または12時間以上の前記患者の翌日の機能の改善を供する。
実施態様において、活性物質、例えば、メトホルミン、ブホルミン、またはフェンホルミンを含む医薬組成物を、それを必要とする患者に投与することを特徴とする発達障害の治療方法であって、前記組成物は、例えば、約6.75μg・hr/ml、約6.5μg・hr/ml、約6.25μg・hr/ml、約6μg・hr/ml、約5.75μg・hr/ml、約5.5μg・hr/ml、約5.25μg・hr/ml、約5μg・hr/ml、約4.75μg・hr/ml、約4.5μg・hr/ml、約4.25μg・hr/ml、または約4μg・hr/ml以下のAUC0−∞を示すインビボ血漿プロファイルを供する方法が提供される。実施態様において、前記組成物は、前記患者への前記組成物の投与後、例えば、投与後4時間、6時間、8時間、10時間、または12時間以上の前記患者の翌日の機能の改善を供する。
実施態様において、本明細書に記載の医薬組成物は、通常の放出、速放、遅延放出、または徐放プロファイルで供されてもよい。通常の(もしくは改変されていない)放出経口製剤、例えば、錠剤またはカプセル剤は、典型的に、錠剤もしくはカプセル殻が溶解すると胃もしくは腸に薬物を放出する。放出調節性(MR)製剤からの薬物放出パターンは、通常の製剤の放出パターンから意図的に変化させて、所望される治療目的および/または良好な患者コンプライアンスが達成される。MR薬物製品のタイプとしては、速放性、徐放性製剤、遅延放出性製剤(例えば、腸溶性)、およびパルス放出製剤を供する経口崩壊製剤(ODDF)が挙げられる。
ODDFは、舌に置かれると通常数秒以内で急速に崩壊する医薬物質または活性成分を含有する固形製剤である。ODDFの崩壊時間は、一般に、1もしくは2秒から約1分の範囲である。ODDFは、唾液と接触すると急速に崩壊し、または溶解するように設計されている。この投与様式は、身体的な衰弱または精神的な性質のいずれかで錠剤の嚥下に問題を有しうる患者に利益的でありうる。アンジェルマン症候群、脆弱X症候群、脆弱X関連振戦/運動失調症候群、またはレット症候群の患者は、このような性状を有しうる。ODDFの例としては、経口崩壊錠剤、カプセル剤、および速溶性フィルム剤、およびウエハー(wafers)が挙げられる。
徐放性製剤(ERDF)は、徐放プロファイルを示し、通常の製剤、例えば、溶液または改変されていない放出製剤によって提示される投薬頻度と比較して投薬頻度を少なくすることが可能である。ERDFは、薬物作用の持続した期間を供する。徐放プロファイルを供する適切な製剤は、当該技術分野で周知である。例えば、コーティング遅延放出ビーズもしくは顆粒剤(「ビーズ」および「顆粒剤」は本明細書で交換可能に用いられる)は、例えば、ビグアナイド、例えば、メトホルミン、ブホルミン、フェンホルミン、またはこれらの医薬的に許容される塩が、ビーズ、例えば、菓子用ノンパレイル(confectioners nonpareil)ビーズに適用され、次いで通常の放出遅延物質、例えば、ワックス、腸溶性コーティングなどで被覆される。実施態様において、ビグアナイド、例えば、メトホルミン、ブホルミン、フェンホルミン、またはこれらの医薬的に許容される塩は、薬物が浸出する塊(mass)を供する物質と混合されてビーズを形成していてもよい。実施態様において、前記ビーズは、コーティングまたは塊の性質(例えば、厚さ、多孔性、異なる物質の使用)を変化させることにより異なる放出速度を供するように改変されてもよい。異なる放出速度を有するビーズは、単一製剤中で合わされて、可変的もしくは継続的な放出を供しうる。前記ビーズは、カプセル剤に含まれるか、錠剤に圧縮されうる。実施態様において、メトホルミン徐放性製剤は、500mgまたは750mgのメトホルミン塩酸塩を活性成分として含有する。実施態様において、メトホルミン徐放性製剤には、二面性親水性ポリマーマトリックス系が含まれる。実施態様において、メトホルミン塩酸塩は、薬物放出制御ポリマーと合わせて「内部」層を形成し、次いで別の粒子として第2ポリマーの「外部」層に取り込まれる。投与後、胃腸(GI)管からの液が前記錠剤に入り、前記ポリマーを水和させ、膨脹させる。薬物は、pHとは実質的に無関係にゲルマトリックスを通過して拡散するプロセスにより前記製剤からゆっくり放出される。
実施態様において、本明細書に記載の調節製剤は、遅延放出プロファイルを有する遅延放出性製剤を含む。遅延放出性製剤には、遅延放出性錠剤または遅延放出性カプセル剤が含まれ得る。遅延放出性錠剤は、薬物(もしくは複数の薬物)(例えば、ビグアナイド、例えば、メトホルミン、ブホルミン、フェンホルミン、またはこれらの医薬的に許容される塩)を投与直後以外に放出する固形製剤である。遅延放出性カプセルは、前記薬物が、ゼラチンの適切な形態から作成された硬もしくは軟溶解性容器内に封入されており、薬物(もしくは複数の薬物)を投与直後以外に放出する固形製剤である。例えば、腸溶性コーティング錠剤、カプセル剤、粒子、およびビーズは、遅延放出性製剤の周知の例である。腸溶性コーティング錠剤、カプセル剤、粒子、およびビーズは、胃を通過し、薬物を腸で放出する。実施態様において、遅延放出性錠剤は、薬物(もしくは複数の薬物)を投与直後以外に放出する薬用粒子の集合体を含有する固形製剤である。実施態様において、前記薬用粒子の集合体は、薬物の放出を遅延させるコーティング剤で覆われている。実施態様において、遅延放出性カプセルは、薬物(もしくは複数の薬物)を投与直後以外に放出する薬用粒子の集合体を含有する固形製剤である。実施態様において、前記薬用粒子の集合体は、薬物の放出を遅延させるコーティング剤で覆われている。
遅延放出性製剤は当業者に公知である。例えば、コーティング遅延放出性ビーズもしくは顆粒剤は、例えば、ビグアナイド(例えば、メトホルミン、ブホルミン、フェンホルミン、またはこれらの医薬的に許容される塩など)がビーズ、例えば、菓子用ノンパレイル(confectioners nonpareil)ビーズに適用され、次いで通常の放出遅延物質、例えば、ワックス、腸溶性コーティングなどで被覆される。実施態様において、ビグアナイド(例えば、メトホルミン、ブホルミン、フェンホルミン、またはこれらの医薬的に許容される塩など)が、薬物が浸出する塊を供する物質と混合されるビーズが形成されうる。実施態様において、前記ビーズは、コーティングまたは塊の性質(例えば、厚さ、多孔性、異なる物質の使用)を変化させることにより異なる放出速度を供するように改変されてもよい。実施態様において、ビグアナイド(例えば、メトホルミン、ブホルミン、フェンホルミン、またはこれらの医薬的に許容される塩など)の腸溶性コーティング顆粒剤は、小腸で顆粒剤を放出する腸溶性コーティングカプセル剤もしくは錠剤中に含まれ得る。実施態様において、前記顆粒剤は、コーティング顆粒剤が少なくとも回腸に到達し、その後、結腸で薬物の遅延放出性を供するまで無傷のままであるコーティングを有する。適切な腸溶性コーティング物質は、当該技術分野で周知であり、例えば、メタクリル酸およびメタクリル酸メチルポリマーなどのEudragit(登録商標)コーティング剤である。前記顆粒剤は、カプセル剤に含まれるか、または錠剤に圧縮されうる。
実施態様において、ビグアナイド(例えば、メトホルミン、ブホルミン、フェンホルミン、またはこれらの医薬的に許容される塩など)は、遅延放出プロファイルを供する多孔性不活性担体に含まれる。実施態様において、前記多孔性不活性担体は、薬物が周辺の液体に拡散する経路または通路を包含する。実施態様において、ビグアナイド(例えば、メトホルミン、ブホルミン、フェンホルミン、またはこれらの医薬的に許容される塩など)は、イオン交換樹脂に取り込まれて、遅延放出プロファイルを供する。遅延作用は、薬物−樹脂複合体が胃腸の液体およびそこに溶解しているイオン成分と接触すると、薬物の樹脂からの所定の放出速度を生じうる。実施態様において、膜は、薬物含有リザーバーからの放出速度を制御するために利用される。実施態様において、液体調製物はまた、遅延放出プロファイルを供するために用いられてもよく、例えば、液体層に分散されている固形粒子(前記粒子は可溶性ではない)からなる液体調製物である。前記懸濁液は、製剤化されて、通常の製剤として(例えば、溶液または迅速に薬物を放出する通常の固形製剤として)供される薬物と比較して投薬頻度の少なくとも減少を可能とし、例えば、イオン交換樹脂構成成分またはマイクロビーズの懸濁液などである。
他で定義されていない限り、本明細書で用いられている全ての技術的および科学的用語は、本明細書の開示が属する技術分野における当業者に一般に理解される意味と同一の意味を有する。
本明細書で用いられる用語「約」または「およそ」は、当業者によって決定される特定の数値についての許容可能な誤差範囲内を意味し、一部は、数値が測定もしくは決定される方法(すなわち、測定系の限界)に依存するものである。例えば、「約」は、技術分野の実務によって、3以内もしくは3以上の標準偏差を意味しうる。あるいは、「約」は、所定の数値の20%以下、10%以下、5%以下、および/または1%以下の範囲を意味しうる。あるいは、特に、生物学的系もしくは過程について、前記用語は、数値の一桁以内、好ましくは、5倍以内、より好ましくは、2倍以内を意味しうる。
「改善」は、少なくとも1つの症状について評価されるアンジェルマン症候群、脆弱X症候群、脆弱X関連振戦/運動失調症候群、またはレット症候群などの発達障害の治療を意味する。
「翌日の機能の改善」または「翌日の機能の改善がある」は、少なくとも1つの症状の有益な効果が一定時間、例えば、6時間、12時間、24時間にわたり続く改善を意味する。
「PK」は、薬物動態学的プロファイルを意味する。Cmaxは、実験中に算出された最も高い血漿薬物濃度(ng/ml)として定義される。Tmaxは、Cmaxが推定される時間(min)として定義される。AUC0−∞は、薬物投与から薬物が排出されるまでの血漿薬物濃度時間曲線下の総面積(ng・hr/ml)である。前記曲線下の面積は、クリアランスによる影響を受ける。クリアランスは、単位時間あたりに薬物内容量が完全に除去される血液もしくは血漿の体積(ml/分)として定義される。
「治療する」または「治療」は、疾患または病気に罹患しうるか、もしくは罹患しやすいが、疾患または病気の臨床的もしくは亜臨床的症状をまだ経験していないか、もしくは示していない対象における疾患または病気の臨床的症状の出現を軽減するか、または遅延させることを意味する。ある実施態様において、「治療する」または「治療」は、疾患または病気に罹患しうるか、もしくは罹患しやすいが、疾患または病気の臨床的もしくは亜臨床的症状をまだ経験していないか、もしくは示していない対象における疾患または病気の臨床的症状の出現を抑制することを意味しうる。「治療する」または「治療」はまた、疾患または病気を抑制すること、例えば、その発症またはその少なくとも1つの臨床的もしくは亜臨床的症状を停止し、もしくは減少させることを意味する。「治療する」または「治療」は、疾患または病気を緩和すること、例えば、疾患または病気またはその臨床的もしくは亜臨床的症状の少なくとも1つの退縮を引き起こすことをさらに意味する。治療されるべき対象に対する利益は、統計学的に有意であり、数学的に有意であり、または対象および/または医師に少なくとも認識されるものであってもよい。それにもかからず、予防的(予防の)および治療的(治療の)処置は、2つの別々の本明細書に開示の実施態様である。
「医薬的に許容される」は、「一般に安全とされる」、例えば、生理学的に忍容性があり、ヒトに投与されても、典型的に、アレルギーまたは同様の有害反応(例えば、急性胃蠕動など)を生じない化合物および組成物を意味する。実施態様において、この用語は、FDAによる市販前審査および承認に付される連邦食品・医薬品・化粧品法のセクション204(s)および409下のGRASリストもしくは同様のリストとして、動物、特に、ヒトにおける使用のための米国薬局方または別の一般的に知られる薬局方として、連邦規制当局または州政府によって認可された化合物および組成物を意味する。
「有効な量」または「治療上の有効量」は、治療される障害、疾患、または病気の1つまたはそれ以上の症状を軽減するために、または所望される薬理学的および/または生理学的効果を供するために十分な用量を意味する。
「それを必要とする患者」には、例えば、自閉症、アンジェルマン症候群、脆弱X症候群、脆弱X関連振戦/運動失調症候群(FXTAS)、レット症候群、および/またはてんかん発作性疾患を含む発達障害と診断されている個体が含まれ得る。前記方法は、いずれの個体(例えば、前記対象が、新生児、幼児、小児患者(6ヶ月〜12才)、青年期患者(年齢12〜18才)、または成人(18才を超えた)を含む)に供されてもよい。
本明細書で供される実施例は、単に本明細書の開示の理解のためだけに含まれるものであって、なんら限定するものと解されるべきではない。
実施例1
遅延放出性メトホルミンのバイオアベイラビリティ
この実験は、20人の健常なボランティアにおいて、1日1回用量の遅延放出性メトホルミンの効果を速放性メトホルミンおよび徐放性メトホルミンと比較した。Buse et al., Diabetes Care, August 2015を参照のこと。該試験は、第I相、無作為化、第4期交差試験であった。1日2回投与した1,000mgの遅延放出性メトホルミンのバイオアベイラビリティは、速放性メトホルミンおよび徐放性メトホルミンの〜50%であった。別の12週の第II相、多施設共同、プラセボ対照、用量設定試験を、1日1回投与の遅延放出性メトホルミンの600mg、800mg、または1,000mg;盲検プラセボ;または非盲検徐放性メトホルミンの1,000mgまたは2,000mgを受けるように無作為に分けた2型糖尿病の240人の対象に実施した。1日1回の600mg、800mg、および1,000mgの遅延放出性メトホルミンは、プラセボと比較して12週間にわたり空腹時血漿グルコースレベルの持続的な減少を生じ、徐放性メトホルミンと比較して〜40%の薬効の増加を生じた。
実施例2
アンジェルマン症候群の患者におけるメトホルミンの有効性のプロスペクティブ評価
この実験は、メトホルミンまたはその医薬的に許容される塩がアンジェルマン症候群の1つまたはそれ以上の症状における改善を生じるかどうかを決定するために設計されている。参加者を6つの別々の治療群(A−F)に無作為に分ける。無作為化のための組み入れ基準は、各参加者が以前に臨床的評価によってアンジェルマン症候群と診断されているか、あるいは参加者がアンジェルマン症候群の主要基準および小基準の1つまたはそれ以上で診断されていることが必要とされる。
主要基準には:
・機能的に重度の発達遅延
・発語障害;全くもしくはほとんど言葉を話せない
・動作またはバランス障害
・行動異常、高頻度の笑い/ほほ笑み、興奮しやすい人格、手をぱたぱたさせる動き(hand flapping)、集中力の欠如
が含まれる。
小基準には:
・頭囲成長の鈍化(出生後)
・てんかん発作(ミオクローヌス、欠神、失立、強直性間代)
・異常なEEG(ASを示唆するパターン、またはヒプスアリスミア)
・睡眠障害
・水に対する関心または強い興味
・流涎
が含まれる。
無作為化後、参加者を6つの別々の治療群(A−F)およびプラセボ群に分ける。治療群Aは、朝に500mgのメトホルミンを摂取する。治療群Bは、朝に850mgのメトホルミンを摂取する。治療群Cは、朝に500mgのメトホルミンおよび晩に500mgのメトホルミンを摂取する。治療群Dは、朝に1000mgのメトホルミンを摂取する。治療群Eは、朝に1000mgのメトホルミンおよび朝に1000mgのメトホルミンを摂取する。治療群Fは、朝に1200mgのメトホルミンおよび晩に1200mgのメトホルミンを摂取する。
参加者は、メトホルミン投与がアンジェルマン症候群の1つまたはそれ以上の症状における改善を生じるかどうかを決定するために治療期間を通して評価する。数種類の行動領域;コミュニケーション、注意力、不適応な行動、および過度の興奮を評価する。コミュニケーション行動を数値化するため、参加者は、言語および非言語コミュニケーション試行を引き出すための不定形の遊びの会に参加する。子供による言語試行を音声転写し、非言語(non-speech)および前言語(pre-speech)音声(原音(protophones))、ならびに母音、子音、および音節に分類化するStark Assessment of Early Vocal Development−Revised(SAEVD−R)(Nathani, Ertmer et al. 2006)を用いて、5つの異なるタイプの発声障害に分類化する。
歩行障害は、アンジェルマン症候群のほとんどの症例で生じる。よって、5つの主要な時空間パラメータを分析する:歩調、歩行速度、歩隔、歩幅、およびパーセント位置(percent stance)。各パラメータについて、主成分分析を用いて対象の評価のための歩行指標を設定する。
さらに、評価されうる主要評価項目には:
I.Bayley Scales of Infant and Toddler Development, 3rd edition(またはより段階的に進行した対象におけるMullen Scales of Early Learning);
II.Vineland Adaptive Behavior Scales, 2nd edition(標準スコアのみ);
III.Preschool Language Scale, 4th edition;
IV.Aberrant Behavior Checklist − Community version;および
V.Clinical Global Impressions Severity Scale Scoreにおける基準からの変化
の基準と試験終了後との間の生のスコアもしくは標準スコアにおける変化が含まれる。
副次評価項目には、メトホルミン投与後の結果と基準の結果とを比較する場合の脳波(EEG)特徴の標準化が含まれ得る。
実施例3
アンジェルマン症候群の患者におけるメトホルミンの有効性のプロスペクティブ評価
この実験は、メトホルミンが、アンジェルマン症候群(AS)の1つまたはそれ以上の症状における改善を生じるどうかを決定するために設計されている。アンジェルマン症候群は、重症度に幅があり、発達遅延、動作および/またはバランス障害、ならびに手足の振戦様運動を含む数種類の異なる特徴として現れる。恐らく最も特異的な行動の特徴は、幸せな態度、笑顔、および笑い発生の高頻度の組み合わせである。さらに、これらの患者は、手をぱたぱたさせる動き(hand flapping)または波状運動によって示される容易に興奮しやすい性格を有する。従って、これらの患者は、特徴的な異常な脳波(EEG)パターンを伴い、重度の睡眠障害、発声障害、および高頻度のてんかん発作を患う。AS症状の全ての主要領域(睡眠、全体のおよび微細な運動能力、行動、およびコミュニケーション)は、適当なアンケート調査、日記、または行動データを用いて調べる。主要な着眼点として、運動能力および睡眠が含まれうる。十分に確立されたスケールが用いられ、睡眠および運動機能のためのより革新的な評価項目によって補われうる。ASにおける行動についての潜在的な交絡因子は自閉症の共存である(Peters et al., Clin Genet, 2004;66[6]:530-6)。スクリーニング時に、対象は自閉症診断観察検査(ADOS)を用いてこの共存する症状について評価され、可能性がある場合を排除しうる。
この実験の第1の目的は、異なる用量レベルにわたる2つの投薬スケジュールにおいて、AS成人対象におけるメトホルミンの基準ラインから第6週および第12週までの安全性および忍容性を評価することでありうる。下記の投薬スケジュールをプラセボに対して試験しうる:(1)1日1回(o.d.):朝の用量、忍容性を示さないとされない限り、1500mgの標的用量まで漸増する;および(2)1日2回(b.i.d.):朝と晩の用量、忍容性を示さないとされない限り、1500mgの標的用量まで漸増する1500mgの朝投与および1000mgの晩投与の標的用量まで漸増する。
この実験に関する安全性エンドポイントには:(1)有害事象(AE)の頻度と重症度、ならびに重度の有害事象;(2)バイタルサイン(体重、血圧、体温);(3)研究室パラメータ(電解質、脂質、グルコース、肝臓および膵臓機能試験、血液、クレアチニン);(4)ABC易怒性サブスケールにより評価される自殺傾向;(5)EEG(バックグラウンド頻度における変化、てんかん型放電の強度);および/または(6)介護者は電子てんかん発作日誌(睡眠記録と同一のデバイス)を継続しうることが含まれ得る。
この実験の第2の目的として、後の有効性試験のために、成人AS対象におけるメトホルミンの有効性を最も良く特徴付けうる一組のパラメータの同定が含まれうる。これらの試験は、成人AS患者に対する試験を実施するために、適切に訓練された専門家によって4回の全日施設訪問で投与されうる(スクリーニング、基準、治療の途中、および終了時)。評価は、直接観察と介護者からの入力に基づいて行われうる。調査されうる有効性評価として、全体の運動能力/機能および微細な運動能力/機能が含まれる。全体の運動能力/機能の評価として、対象がZeno Walkway上を歩行する際に評価する、空間時間および機能的な歩行測定(Zeno WalkwayおよびPKMASソフトウェア解析、ProtoKinteticsから提供)およびModified Performance Oriented Mobility Assessment−Gait(MPOMA−G)スケールが含まれうる。微細な運動能力/機能の評価として、Pediatric Evaluation of Disability Inventory(PEDI−CAT)の分析;ADL(微細な運動機能の文書化)および内容のバランスのとれた(より広範な)バージョンの運動領域を含み得る。
睡眠の評価として:(1)睡眠潜時(SOL);(2)全睡眠時間(TST);(3)入眠後の覚醒(WASO)=入眠後覚醒期の合計回数;(4)夜間覚醒(NA);および/または(5)睡眠効率=就床時間(TIB)のうちの全睡眠時間(TST)を測定するためのアクティグラフィーによる分析を含み得る。睡眠のさらなる評価として:(1)就寝時間;(2)入眠の時間;(3)覚醒の回数および持続時間;(4)妨害行動の回数;(5)最後の覚醒の時間;および(6)日中の眠気を含み得る睡眠パターンの患者/介護者記録の分析が含まれ得る。この実験は3つの治療群を含み得る。例えば、合計約75人の対象が登録され、試験終了時には、3つの治療群:1)単回朝投与、2)朝晩投与、および3)プラセボの各々において約25人の対象が存在し得る。
全ての対象は、全治療期間中、朝投与(活性またはプラセボいずれか)および晩投与(活性またはプラセボいずれか)を受け得る。例えば、メトホルミンの2つの投薬スケジュールが試験され得る:単回朝投与(o.d.;スケジュールA)およびより持続した曝露を供するように設計した朝と晩投与(b.i.d;スケジュールB)。スケジュールCは朝および晩のプラセボである。全ての対象は、この標的用量が忍容性でないとされない限り、標的用量まで漸増され得る(下記に記載の漸増例)。全ての対象は、最適な忍容用量で最大12週間の治療を受け得る。
用量は、スケジュールAおよびBでは3回の錠剤晩投与、およびスケジュールBでは2回の錠剤朝投与の標的用量まで500mgの増加量(活性またはプラセボ)で段階的に増加し得る。各用量漸増は、適切な忍容性が介護者および研究者によって評価された後に行われうる。例えば、治療開始1日目は、晩に1つの500mg錠剤(活性(Act)またはプラセボ(Plc))である。その後、目的の漸増が3日目(ウィンドウ+2日)に開始され得る:試験薬物に関連した有害事象(AE)が介護者および/または研究者によって観察されない場合、さらなる500mg錠剤(活性またはプラセボ)を晩に加える。さらに、7日目(ウィンドウ+2日)、10日目(ウィンドウ+2日)、および14日目(ウィンドウ+2日)に、試験薬物に関連したAEが介護者および/または研究者によって観察されない場合、さらなる錠剤(活性またはプラセボ)を朝に加える。下記表Iは、漸増スケジュールを図示する。
表I.
漸増スケジュール
Figure 2019524834
試験治療期間の終了日
ゆっくりした漸増または遅らせた漸増は、忍容性が上記で詳述した日(3、7、10、14)のいずれかで即時のさらなる用量漸増が可能でない場合に許容される。忍容性が先の漸増ステップ後または12週間の治療過程中に許容されない場合(例えば、傾眠、めまい、行動の変化)の漸減では、用量を前のレベルまでまたはさらに減少させることができる。しかし、一旦忍容可能な用量に達すれば、治療期間中一定に保たれるべきである。一旦目的の用量に達すれば、治療は継続し得る。例えば、14日目(目的の用量が達成されうる最も早い日)(朝に3つの錠剤と晩に2つの錠剤)では、非忍容性により漸減が必要とならない限り、対象は治療訪問終了(第12週)まで安定したままでありうる。
全ての対象は、最初の用量投与28日前までに実験参加についてスクリーニングされる。組み入れ基準として、以下の1つまたはそれ以上が含まれ得る:(1)年齢≧18才、≦40才;(2)発達遅延、動作またはバランス障害、および発語障害の2005年の共通基準によるASの臨床的診断を受けていなければならない;(3)ASの過去または現在の分子実証を有していなければならない;(4)対象は、基準日前に少なくとも4週間の安定した併用医薬(抗てんかん薬、サプリメントおよび特別な食事を含む)の投薬を受け、これらを試験期間中維持できなければならない。
除外基準としては、以下のうちの1つまたはそれ以上が含まれ得る:(1)(上記のように)運動能力/機能の評価のための試験を実施できない歩行不能な対象(例えば車いすを必要とする対象);(2)1週間当たり>3回の非存在型発作および/または1ヵ月当たり>1回の主要てんかん発作エピソードとして定義される管理不良のてんかん発作;(3)心血管、呼吸器疾患の併発;肝疾患の併発(アラニンアミノトランスフェラーゼまたはアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼの正常な上限値(ULN)の>2.5x);(4)腎疾患の併発(ULCを越えるクレアチニン);(5)血液疾患(絶対的な好中球数>2×10/Lまたは血小板数<50×10/Lまたはヘモグロビン<80g/L)の併発;(6)他の遺伝障害;(7)基準日の4週間前と試験中のミノサイクリン、レボドパ、睡眠薬の併用および何らかの治験用の薬、装置、および/または治験方法のいずれか他の併用;(8)ABC易怒性サブスケールに基づく自殺のリスク。
記述統計学は、治療群による全ての主要および副次エンドポイントならびに基準変数をまとめるために用いられ得る。連続変数について、n、欠測値の数、平均、標準偏差、中央値、最小値および最大値が供される。カテゴリー変数について、頻度およびパーセンテージが、各カテゴリーについて示される。信頼区間(CI)は有意な場合に供される。全てのCIは両側95%信頼区間である。
実施例4
アンジェルマン症候群の患者におけるメトホルミンの有効性のプロスペクティブ評価
この実験は、低用量のメトホルミンが、臨床的に重症度が低いと評価される症状の若い患者における改善を生じるかどうかを決定するために設定されている。例えば、青年期患者(年齢10〜18才)は、成人個体と同様の臨床症状および基準の疾患特徴を有し得るが、歩行の低下は重度であることはあまりない。これらの患者において、メトホルミンの標的とする利益としては、運動失調の低下および歩行機能の改善が含まれると予想される。
小児患者(6ヶ月〜12才)では、アンジェルマン症候群の診断は、発達状態の重要な遅延および最終的に起こり続けるてんかん発作に基づいて1歳頃になされる。子供が年齢を重ねるにつれ、さらなる神経学的欠損が運動失調および歩行障害をもたらす疾患症状に寄与する。これらのプロスペクティブ参加者について、無作為化および評価手順のための組み入れ基準は、上記に記載されるものと同様である。
無作為化後、参加者を6つの別々の治療群(A−F)およびプラセボ群に分ける。治療群Aは、朝に250mgのメトホルミンを摂取する。治療群Bは、朝に500mgのメトホルミンを摂取する。治療群Cは、朝に500mgのメトホルミンおよび朝に250mgのメトホルミンを摂取する。治療群Dは、朝に500mgのメトホルミンおよび晩に500mgのメトホルミンを摂取する。治療群Eは、朝に1000mgのメトホルミンおよび晩に500mgのメトホルミンを摂取する。治療群Fは、朝に1000mgのメトホルミンおよび晩に1000mgを摂取する。
実施例5
脆弱X症候群の患者におけるメトホルミンの有効性のプロスペクティブ評価
この実験は、メトホルミンが、脆弱X症候群の1つまたはそれ以上の症状における改善を生じるかどうかを決定するために設計されている。参加者を6つの別々の治療群(A−F)に無作為に分ける。無作為化のための組み入れ基準は、脆弱X症候群と診断されている患者に必要である。例えば、患者は、少なくとも4つのClinical Global Impression Severityスコアに基づいて少なくとも軽度に疾患に罹っており、ABC−CおよびIQ検査で認定(qualifying)スコアを有する。
無作為化後、参加者を6つの治療群(A−F)およびプラセボ群に分ける。治療群Aは、朝に500mgのメトホルミンを摂取する。治療群Bは、朝に850mgのメトホルミンを摂取する。治療群Cは、朝に500mgのメトホルミンおよび晩に500mgのメトホルミンを摂取する。治療群Dは、朝に1000mgのメトホルミンを摂取する。治療群Eは、朝に1000mgのメトホルミンおよび朝に1000mgのメトホルミンを摂取する。治療群Fは、朝に1250mgのメトホルミンおよび晩に1250mgのメトホルミンを摂取する。
参加者は、メトホルミンの投与が、脆弱X症候群の1つまたはそれ以上の症状における改善を生じるかどうかを調べるために治療期間を通じて評価する。特に、患者は、1つまたはそれ以上の主要および副次評価項目を用いて評価する。主要評価項目には:
Aberrant Behavior Checklist−Community Edition(ABC−CFX)合計スコアを用いる脆弱X症候群の行動症状における基準からの変化;
Clinical Global Impression−Improvement(CGI−I)スコアを用いる脆弱Xにおける症状の全般的な改善;
ABC−CFX合計の個々のサブスケールにより評価される易刺激性、嗜眠/離脱、常道行動、多動性、不適切な発語および社会的回避における基準からの変化;
Repetitive Behavior Scale−Revised(RBS−R)スコアを用いて評価される反復行動における基準からの変化;
視覚的アナログスケール(行動);Expressive Vocabulary Test;Vineland Adaptive Behavior Scale−II(VABS−II)適応行動合成スコア、ならびに
Aberrant Behavior Checklist−Community Edition(ABC−C)合成スコア
が含まれ得る。
実施例6
脆弱X症候群の患者におけるメトホルミンの有効性のプロスペクティブ評価
この実験は、低用量のメトホルミンが、臨床的に重症度が低いと評価される症状の若年患者における改善を生じるかどうかを決定するために設定されている。これらの参加者については、無作為化および評価方法のための組み入れ基準は上記に記載されるものと同様である。
無作為化後、参加者を6つの別々の治療群(A−F)およびプラセボ群に無作為に分ける。治療群Aは、朝に250mgのメトホルミンを摂取する。治療群Bは、朝に500mgのメトホルミンを摂取する。治療群Cは、朝に500mgのメトホルミンおよび朝に250mgのメトホルミンを摂取する。治療群Dは、朝に500mgのメトホルミンおよび晩に500mgのメトホルミンを摂取する。治療群Eは、朝に1000mgのメトホルミンおよび晩に500mgのメトホルミンを摂取する。治療群Fは、朝に1000mgのメトホルミンおよび晩に1000mgを摂取する。
実施例7
脆弱X関連振戦/運動失調症候群の患者におけるメトホルミンの有効性のプロスペクティブ評価
このプロトコールは、前FXTASまたはFXTAS症状(ニューロパチー、中枢性疼痛症状、不眠症、および認知低下に関連することが多い振戦および運動失調に関連する完全なFXTASを含む)を有する症候性前変異キャリア(symptomatic permutation carrier)を治療することに関する。
これは二施設試験である。参加者は、前変異およびFXTASを有する個体である。FMR1 CGG反復長は、通常の方法を用いて全ての対象で定量する。FXTASは、公表されている基準に従って診断する(Bacalman et al., Clin Psychiatry 2006, 67:87-94; Jacquemont et al., Lancet Neurol 2003, 6:45-55)。当該研究は、3ヵ月間のメトホルミンの対照試験、続いて3ヵ月間のオープンラベルを含むものであって、最初の3ヵ月をメトホルミンで治療した個体は、次の3ヵ月間も継続し、プラセボによる個体は次の3ヵ月間メトホルミンを続ける。各施設は、1年当たり20名の患者を登録し、各施設では2年間で合計40名であり、両施設で80名の患者の参加である。
メトホルミンまたはプラセボを含む同一の形状の錠剤を投与する。無作為化後、参加者を別々の治療群およびプラセボ群に無作為に分ける。治療群Aは、朝に500mgのメトホルミンを摂取する。治療群Bは、朝に850mgのメトホルミンを摂取する。治療群Cは、朝に500mgのメトホルミンおよび晩に500mgのメトホルミンを摂取する。治療群Dは、朝に1000mgのメトホルミンを摂取する。治療群Eは、朝に1000mgのメトホルミンおよび朝に1000mgのメトホルミンを摂取する。治療群Fは、朝に1250mgのメトホルミンおよび晩に1250mgのメトホルミンを摂取する。
基準では、その後3ヵ月、さらに6か月において、下記の実験を実施する:疼痛指数を用いる疼痛の重症度の評価および疼痛タイプの文書記録化;ならびに睡眠日誌を実施する。定量的測定は、1週間にわたる睡眠障害の重症度を観察するためにアクトメーターを用いて行う。神経心理学的測定としては、情動改善の測定のためのMini−Mental State Examination(MMSE)、Behavioral Dyscontrol Scale(BDS−II)、Wechsler Memory Scale IV、California Verbal Learning Test 2(CVLT−2)、Repeatable Battery for the Assessment of Neuropsychological Status(RBANS)およびSCL−90が含まれる。MMSE、BDS−II、および事象関連電位(ERP)実験(特に、N4 Repetition Paradigm)、ならびに海馬の容積変化における改善を評価する。運動評価は、FXTASの運動評価における異常を、他の運動障害と比較してどの程度であるかでなされる。FXTAS評定尺度を用いる。DTIによる3Tesla MRIのMRI容積測定実験がなされる。阻害パラダイムを見る視標追跡測定で評価する。6ヵ月にわたるP6反復効果が評価される。これらの測定の全ては、基準、3ヵ月、および6か月になされる。Wechsler ScaleおよびWAIS−IVを用いるベースライン認知試験もまた行う。これは1年後に繰り返され得るが、典型的にはすぐではない。ニューロパチーの改善は、神経診断試験または電気生理学的試験を用いる臨床検査により検出し追跡しうる。
実施例8
脆弱X関連振戦/運動失調症候群の患者におけるメトホルミンの有効性のプロスペクティブ評価
この実験は、メトホルミンが認知症状、すなわち、脆弱X関連振戦/運動失調症候群(FXTAS)に関連する実行機能/機能不全の基礎となる注意過程における改善をもたらすか決定するために設計されており、プラセボ−対照、二重盲検、無作為化臨床試験および聴覚「オドボール」課題に関する。参加者は、FXTASを患う個体である。FMR1 CGG反復長は、通常の方法を用いて全ての対象で定量する。FXTASは、公開されている基準で診断する(Bacalman et al., Clin Psychiatry 2006, 67:87-94; Jacquemont et al., Lancet Neurol 2003, 6:45-55)。主なメトホルミン試験のために、200名の可能性のある参加者を適格性についてスクリーニングする。プラセボまたはメトホルミンのいずれかへの無作為化は、1年間の試験期間終了まで全ての試験人員、研究者および参加者に盲検される。参加者は、聴覚「オドボール」/事象関連電位(ERP)実験に参加する。
メトホルミンまたはプラセボを含む同一の形状である錠剤を投与する。無作為化後、参加者を6つの別々の治療群(A−F)およびプラセボ群に無作為に分ける。治療群Aは、朝に500mgのメトホルミンを摂取する。治療群Bは、朝に850mgのメトホルミンを摂取する。治療群Cは、朝に500mgのメトホルミンおよび晩に500mgのメトホルミンを摂取する。治療群Dは、朝に1000mgのメトホルミンを摂取する。治療群Eは、朝に1000mgのメトホルミンおよび朝に1000mgのメトホルミンを摂取する。治療群Fは、朝に1250mgのメトホルミンおよび晩に1250mgのメトホルミンを摂取する。
聴覚「オドボール」実験において、患者は、非標的標準音の連続中に組み込まれた頻度の低い「オドボール」音を検出するように指示される。対象は、検出した各標的に対してボタンを押し、さらにこの実験ブロック中に標的の数を心の中で数え続ける。同一の「オドボール」パラダイムを用いる前変異キャリアにおける以前の研究では、それらの実行機能不全を追跡するFXTAS患者における前頭部P300(P3)ERP成分の変化が示された。Yang et al., Ann Neurol 74, 275-283 (2013);Yang et al., Cereb Cortex 23, 2657-2666 (2013)を参照のこと。これらの研究等では、N100潜時の延長およびP200(P2)振幅の減少の初期の異常はまた、主に男性FXTAS群で見られるが、無症候FXTAS9の女性前変異キャリアでは見られなかった。
神経心理学的試験は各患者のEEGを試験することに関する。よって、二刺激聴覚オドボール実験中のEEGは薄暗い防音室で記録する。低周波数(113Hz)および高周波数(200Hz)の純音を、4つのブロックにおいて個々の聴力レベルを超える40dBで供し、各々は100の音を含み、刺激開始の非同期性は1.0〜1.5秒のジッターである。各ブロックの前に、対象は、頻度の低い(25%と等しい確率)「オドボール」音(ブロック間で均衡化される高いか、または低い標的音)に応答するように指示される。二重の課題が用いられ、対象は、各標的音に対してボタンを押し、さらに各ブロック中の標的の数を心の中で数え続けるように指示される。標的音の暗算は、各ブロック終了直後に報告される。32チャネルEEGを、Nicolet−SM−2000増幅器(バンドパス=0.016〜100Hz、250Hzでサンプリング)で記録する。データ分析は、各ブロックにおける|カウント−ヒット|不一致(すなわち、ブロック内で標的音に対する正確なボタンを押す回数と標的音の暗算した数との相違の絶対値)に関連し、オドボール課題中の注意/作業記憶能力の逆測定(すなわち、より低い値がより高い能力を表す)として各参加者について算出される。まばたき、眼球移動、過剰な筋肉活動または増幅器妨害が混入した事象に固定された(event-locked)EEGセグメントは、半自動化コンピューターアルゴリズムを用いて除外する。1024msの人為現象を含まないEEGセグメント(100msの刺激前基準時間および924msの刺激後発生)は、ERPを得るための実験条件によって平均化する。4つのERP成分の平均振幅および局所ピーク潜時は、下記の時間ウィンドウで定量化する:N100(N1、70〜150ms)、P2(160〜260ms)、N200(N2、170〜300ms)およびP3(300〜650ms)。標的音および標準音の両方への波形を用いてN1を測定する。P2は、EPRから標準音まで測定する。N2成分は、差波(標的から標準を引いたERP)から定義する。P3は、差波およびERP波形の両方から標的まで測定する。ERP測定は、治療の対象間因子ならびに訪問および電極の対象内因子を用いて反復測定ANOVA(SPSS22,IBM)に付される。N1およびP2の分析として、4つの前方−中央電極(Fz、Cz、FC1/2)が含まれる。5つの中央チャネル(Cz、FC1/2、CP1/2)をN2分析のために用いる。P3分析を26個の頭皮電極(FP1/2を除いた全て)で行う。Greenhouse−Geiser補正は、必要に応じて、球面性の違反を調整するために用いる。P2成分におけるメトホルミンの調節効果をさらに特徴付けるために、慣れ分析(habituation analysis)をP2振幅に対して行う。最初の30の標準音の応答におけるP2平均振幅を、各試験の最初のブロック内で、治療の対象間因子、ならびに訪問、試験位置および電極の対象内因子を用いて、最後の30の標準音への応答の振幅と比較する。16人の年齢が適合した正常な対照群からのデータ(各々が1のERP記録のみを受けている)を用いて、正常な慣れ効果を示す。線形回帰を用いて、著しい治療効果を示すための|カウント−ヒット|不一致とEPR測定における変化との間の相関関係(1年の追跡結果から基準値を差し引く)を試験する。P2の局所ピーク振幅(30Hzの低パスフィルタの適用後に測定)とCGG反復との間の相関関係を試験する。
実施例9
レット症候群の患者におけるメトホルミンの有効性のプロスペクティブ評価
この実験は、メトホルミンまたはその医薬的に許容される塩が、レット症候群の1つまたはそれ以上の症状における改善を生じるかどうかを決定するために設計されている。参加者を6つの別々の治療群(A−F)に無作為に分ける。無作為化のための組み入れ基準は、各参加者が以前に臨床的評価によってレット症候群と診断されているか、あるいは参加者がレット症候群の必須および支持基準の1つまたはそれ以上で診断されていることが必要とされる。遺伝学的試験はまた、レット症候群の診断の確認を補助するために用いられ得る。レット症候群と臨床的に診断された全ての症例のうち、80〜97%は、MECP2遺伝子における突然変異を有することが見出されている(遺伝学的試験「陽性」)。
必須基準には:
・6〜18ヶ月までの正常な発達期間
・繰り返される手の動き(手洗い、手を揉むことおよび手を握ることを含む)
・出生時に正常な頭囲、続いて年齢とともに頭部の成長の遅延(子供が6ヶ月から4才の間に始まる)
・著しく障害のある表出性および受容性言語
・特に子供が混乱または激越している時の手足を伴いうる胴部の震え
・不安定でがに股の強直性歩行(時々、つま先歩き)
が含まれる。
支持基準には:
・てんかん発作
・呼吸異常(例えば、無呼吸、過換気、および空気嚥下など)
・異常な睡眠パターンおよび易怒性
・筋硬直または痙攣
・易怒性または激越
・脳波(EEG)異常
・脊柱側弯症(脊椎の湾曲)
・咀嚼および/または嚥下の困難
・歯ぎしり
・体脂肪および筋肉量の減少
・冷たい青みがかった赤色の下肢の血行不良
・年齢とともに運動性の低下
が含まれる。
無作為化後、参加者を6つの別々の治療群(A−F)およびプラセボ群に分ける。治療群Aは、朝に500mgのメトホルミンを摂取する。治療群Bは、朝に850mgのメトホルミンを摂取する。治療群Cは、朝に500mgのメトホルミンおよび晩に500mgのメトホルミンを摂取する。治療群Dは、朝に1000mgのメトホルミンを摂取する。治療群Eは、朝に1000mgのメトホルミンおよび朝に1000mgのメトホルミンを摂取する。治療群Fは、朝に1200mgのメトホルミンおよび晩に1200mgのメトホルミンを摂取する。
参加者は、メトホルミン投与がレット症候群の1つまたはそれ以上の症状における改善を生じるかどうかを決定するために治療期間を通して評価する。数種類の行動領域;コミュニケーション、注意力、不適応な行動、および過剰な興奮を評価する。コミュニケーション行動を数値化するため、参加者は、言語および非言語コミュニケーション試行を引き出すための不定形の遊びの会に参加する。子供による言語試行を音声転写し、非言語(non-speech)および前言語(pre-speech)音声(原音(protophones))、ならびに母音、子音、および音節に分類化するStark Assessment of Early Vocal Development−Revised(SAEVD−R)(Nathani, Ertmer et al. 2006)を用いて、5つの異なるタイプの発声障害に分類化する。
歩行障害はレット症候群の多くの場合に生じる。よって、5つの主要な時空間パラメータを分析する:歩調、歩行速度、歩隔、歩幅、およびパーセントスタンス(percent stance)。各パラメータについて、主成分分析を用いて対象の評価のための歩行指標を設定する。
さらに、評価されうる主要評価項目には:
VI.Bayley Scales of Infant and Toddler Development, 3rd edition(またはより段階的に進行した対象におけるMullen Scales of Early Learning);
VII.Vineland Adaptive Behavior Scales, 2nd edition(標準スコアのみ);
VIII.Preschool Language Scale, 4th edition;
IX.Aberrant Behavior Checklist − Community version;および
X.Clinical Global Impressions Severity Scale Scoreにおける基準からの変化
の基準と試験終了後との間の生のスコアもしくは標準スコアにおける変化が含まれる。副次評価項目には、メトホルミン投与後の結果と基準の結果とを比較する場合の脳波(EEG)特徴の標準化が含まれ得る。
実施例10
レット症候群の患者におけるメトホルミンの有効性のプロスペクティブ評価
この実験は、低用量のメトホルミンが、臨床的に重症度が低いと評価される症状の若い患者における改善を生じるかどうかを決定するために設定されている。例えば、青年期患者(年齢10−18才)は、成人個体と同様の臨床症状および基準の疾患特徴を有し得るが、歩行の低下はあまり重度であることはない。これらの患者において、メトホルミンの標的とする利益としては、運動失調の低下および歩行機能の改善が含まれると予想される。
幼児患者(6ヶ月〜12才)において、レット症候群の診断は、通常、実施例9で説明される必須および支持基準に基づいて約18ヶ月後になされる。子供が年齢を重ねるにつれ、さらなる神経学的欠損が運動失調および歩行障害をもたらす疾患症状に寄与する。これらのプロスペクティブ参加者について、無作為化および評価手順のための組み入れ基準は、上記に記載されるものと同様である。
無作為化後、参加者を6つの別々の治療群(A−F)およびプラセボ群に分ける。治療群Aは、朝に250mgのメトホルミンを摂取する。治療群Bは、朝に500mgのメトホルミンを摂取する。治療群Cは、朝に500mgのメトホルミンおよび朝に250mgのメトホルミンを摂取する。治療群Dは、朝に500mgのメトホルミンおよび晩に500mgのメトホルミンを摂取する。治療群Eは、朝に1000mgのメトホルミンおよび晩に500mgのメトホルミンを摂取する。治療群Fは、朝に1000mgのメトホルミンおよび晩に1000mgを摂取する。
当業者は、本明細書に記載の具体的な実施態様に対する多くの均等物を認識し、または単に通常の実験を用いて確認することができる。このような均等物は、特許請求の範囲に含まれるものとされる。

Claims (28)

  1. メトホルミン、ブホルミン、フェンホルミン、およびこれらの医薬的に許容される塩からなる群から選択されるビグアナイドの治療上の有効量を、治療を必要とする患者に投与することを特徴とする発達障害の治療方法であって、前記障害の1つまたはそれ以上の症状における改善を供する方法。
  2. 前記発達障害が、自閉症スペクトラム症、広汎性発達障害、自閉症、アンジェルマン症候群、脆弱X症候群、脆弱X関連振戦/運動失調症候群(FXTAS)、レット症候群、アスペルガー症候群、小児期崩壊性障害、ランドウ・クレフナー症候群、プラダー・ウィリー症候群、遅発性ジスキネジア、てんかん発作性疾患、およびウイリアムズ症候群からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記発達障害が、アンジェルマン症候群である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記発達障害が、脆弱X症候群である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記発達障害が、脆弱X関連振戦/運動失調症候群(FXTAS)である、請求項1に記載の方法。
  6. 前記発達障害が、レット症候群である、請求項1に記載の方法。
  7. 前記てんかん発作性疾患が、てんかん、全身性強直性間代性発作てんかん、ミオクロニー欠神てんかん、前頭葉てんかん、側頭葉てんかん、点頭てんかん(ウエスト症候群)、小児欠神てんかん、若年性ミオクローヌスてんかん(JME)、ワクチン関連脳症、難治性小児てんかん(ICE)、本態性振戦、急性反復性てんかん発作、良性ローランド型てんかん、てんかん重積状態、難治性てんかん重積状態、超難治性てんかん重積状態(SRSE)、PCDH19小児てんかん、てんかん発作活性の増加、または突破性てんかん発作である、請求項2に記載の方法。
  8. 前記てんかん発作性疾患が、ナトリウムチャネルタンパク質1型サブユニットアルファ(Scn1a)関連障害である、請求項2に記載の方法。
  9. 前記患者が、約50mg〜約3000mgのメトホルミンまたはその医薬的に許容される塩を投与される、請求項1に記載の方法。
  10. 前記患者が、約500mg〜約2500mgのメトホルミンまたはその医薬的に許容される塩を24時間で投与される、請求項1に記載の方法。
  11. 前記患者が、約10mg〜約500mgのブホルミンまたはその医薬的に許容される塩を投与される、請求項1に記載の方法。
  12. 前記患者が、約10mg〜約500mgのブホルミンまたはその医薬的に許容される塩を24時間で投与される、請求項1に記載の方法。
  13. 前記患者が、約10mg〜約300mgのフェンホルミンまたはその医薬的に許容される塩を投与される、請求項1に記載の方法。
  14. 前記患者が、約10mg〜約300mgのフェンホルミンまたはその医薬的に許容される塩を24時間で投与される、請求項1に記載の方法。
  15. 前記ビグアナイドまたはその医薬的に許容される塩の投与10時間後の前記患者のインビボ血漿プロファイルが、50%以上減少し、ならびに前記患者の翌日の機能の改善を供する、請求項1に記載の方法。
  16. 前記ビグアナイドまたはその医薬的に許容される塩の投与10時間後の前記患者のインビボ血漿プロファイルが、50%以上減少し、ならびに投与後10、12、14、16、18、20、22、または24時間以上の前記患者における改善を供する、請求項1に記載の方法。
  17. 運動失調、歩行障害、発語障害、発声障害、認知不全、運動能力、臨床てんかん発作、無症候性てんかん、筋緊張低下、筋緊張亢進、摂取困難、流涎、おしゃぶり行動、睡眠困難、繰り返される手の動き、手をぱたぱたさせる動き、手を鳴らし続ける動き、胴部の震え、無呼吸、過換気および空気嚥下、筋硬直、痙攣、歯ぎしり、下肢の血行不良、容易に誘発される笑い、および集中力の欠如からなる群から選択される少なくとも1つの症状における改善を供する、請求項1に記載の方法。
  18. 前記患者における改善を6時間以上供する、請求項1に記載の方法。
  19. 前記患者における改善を8時間以上供する、請求項1に記載の方法。
  20. 前記患者における改善を少なくとも12時間供する、請求項1に記載の方法。
  21. 約10mg〜約1000mgの前記ビグアナイドまたはその医薬的に許容される塩を含む組成物が、前記患者に投与される、請求項1に記載の方法。
  22. 約500mg〜約1000mgのメトホルミンまたはその医薬的に許容される塩を含む組成物が、前記患者に投与される、請求項1に記載の方法。
  23. 前記組成物が、500mg、850mg、または1000mgのメトホルミン塩酸塩を含む、請求項21に記載の方法。
  24. 前記組成物が、500mgまたは750mgのメトホルミン塩酸塩を含む、請求項21に記載の方法。
  25. 前記組成物が、徐放性製剤である、請求項21に記載の方法。
  26. 前記組成物が、遅延放出性製剤である、請求項21に記載の方法。
  27. 前記組成物が、速放性製剤である、請求項21に記載の方法。
  28. 前記組成物が、通常の放出製剤である、請求項21に記載の方法。
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