本開示は、概して、医療装置の分野に関する。より具体的には、本開示は、(1つまたは複数の)側分枝血管と液体連絡するためのカバードステント、ステントグラフトまたは内部人工器官である血管医療装置、およびそのような装置、たとえば、互いに対する組立のため、および患者内の標的部位での配置のための複数のカバードステントからなるシステムに関する。また、そのような装置およびシステムを配置するための医療処置を開示する。患者内の標的部位は、たとえば、患者の大動脈の少なくとも一部を含む。より具体的には、医療処置におけるそのような装置またはシステムの移植による患者の大動脈の少なくとも一部の治療を開示する。医療処置は、好ましくは最小限に侵襲性の血管修復である。
血管疾患、たとえば動脈瘤の治療または修復のために、モジュール式カバードステントまたはステントグラフトを使用することが知られている。特許文献1は、病気にかかった血管内の移植のための、カバードステントがカバードステントの中央部分に沿った開口部を有するモジュール式カバードステントからなるシステムを開示している。開口部は、追加のステントが主血管ステントからの開口部にて接続され得るように、主血管の分枝血管との整列のために使用される。開口部は、分枝血管の心門と正確に整列される必要がある。主血管ステントから、そして各開口部から分枝血管内へと追加のステントグラフトが突出する。
そのような既知の装置に関する望ましくない問題は、オペレータが、分枝血管と整列した主血管内にカバードステントを正確に移植することが困難であることである。開口部または主血管カバードステントからの枝は、主血管内で分枝血管の位置に対して正確に位置決めされなければならない。分枝血管は、主血管と、すなわち、分枝血管のカバードステントまたは分枝血管への腕部を備えるより大型のステントグラフトユニットの一部を通して液体連絡する。
主血管カバードステントは、拡張され、そのようにして主血管内に移植される。拡張され、配置されると、主血管カバードステントを位置変更することができない。開口部または枝付きカバードステントが分枝血管と不整列であると、たとえば、分枝血管カバードステントのキンクを引き起こし得る。このキンクによって、分枝血管への、望ましくない血流の減少が引き起こされ得る。これはまた、脈動流による、移植時のカバードステントの耐久性および寿命を悪化させ得る。これはまた、漏洩または主血管モジュール式カバードステントからの側枝カバードステントユニットの緩みを引き起こし得る。
さらに、モジュール式カバードステントを使用して分枝血管を見つけようとするときに、特にある程度の不整列が存在する場合に、血管を損傷するある程度の危険性がある。開口部は、多少なりとも、モジュール式ステントから横に向いている開環状の開口部であるため、開口部を備える先行技術のモジュール式カバードステントは、手術中に血管の壁を損傷するさらなる危険性をもたらす。そしてオペレータが、既に説明したように、そのような側分枝血管を所定位置へとナビゲートさせようとするときに、開口部は、血管の内部を移動させられるときに、繊細な血管の壁を引き裂くまたは損傷し、それによって血管の壁が破裂し、内出血を引き起こし得る。これは避けられるべきであり、改良されたカバードステント、または(モジュール式)カバードステントシステム、または後半の2つの移植処置は有利となる。
前述の整列に関する困難により、従来の既知の装置および医療処置を用いる手術時間は、多くの場合非常に長くなる。手術時間が長いと、患者への危険性およびそのような処置に関する潜在的な問題が増大する。これらの問題は、たとえば、手術中に発生する凝固の危険性の増加を含む。また、長時間の手術時間は、オペレータおよび患者の両方が曝露される、長時間のX線使用を意味する。さらに、造影剤が大量に使用される。
したがって、患者およびオペレータのためにX線照射量を減少させることもまた、望ましい。走査時間の短縮、または走査される位置の減少、ならびに患者の血液に注入される必要がある造影剤の使用量の減少が望ましい。したがって、患者の一次放射線およびオペレータの二次放射線の両方の放射線曝露の減少のために、そのような移植処置に必要とされる時間を短縮する必要がある。走査時間の短縮を容易にするためのカバードステント、カバードステントシステム、または処置を提供することは有利となる。以下において説明する本発明の例が、以下において説明するような利点を提供する。
既知の技術に関する、さらなる望ましくない問題は、カバードステント、特に複数の側分枝血管を覆うそのようなカバードステントからなる長尺の内部人工器官システムの移植は、複雑な手術であるということである。
既知の内部人工器官では、カバードステントは、カバードステントシステムの一回の配置で組み立てられる必要がある。たとえば、分枝血管に対する配置の際に、主要なカバードステントの側分枝血管開口部が誤って位置決めされた場合、主(血管)ステントの位置変更は非常に困難または不可能である。先行技術システムでは、主要ステントの分枝血管に対する位置異常に関する配置の際に、柔軟性がないか、許容量がほとんどない。そのようなステントを用いて分枝血管へと達するような柔軟性があることが望ましい。
ステントグラフトシステムのさらなる部分の、分枝血管に対する位置変更が有利に提供されるべきであり、配置処置が容易となる。したがって、新しいカバードステント、カバードステントシステムまたは移植処置は、1つまたは複数の分枝血管ステントグラフトの個別の位置決めを可能にすることが望ましい。以下において説明する本発明の例が、以下において説明するような利点を提供する。
最小限に侵襲性の内部人工器官の移植は、オペレータが、患者の内部で内部人工器官を組み立てるために、別々のカバードステントモジュールを患者の血管系内でどこに、およびどのように位置決めするかを視認できるように、従来の、X線による持続的な透視検査の走査を必要とする。
X線モダリティの走査角度を頻繁に変更するためには、オペレータが、3次元で、および主血管内での、カバードステントのカバードステントモジュールの開口部に対する関係において分枝血管を見つけることが可能であることが要求される。このために用いられる走査技術は、一度に一平面において、すなわち、2次元で、一度に一層において走査された本体を見ることのみを可能にする。
カバードステントの開口部に対する分枝血管の位置およびオリフィスを3次元的に視覚化するためには、X線透視法スキャナアームを、1つの平面から別の平面へと反復的に移動させ、そして再び最初の平面へと移動させることが必要とされる。これは、主血管内のカバードステントと側分枝血管との3次元の整列を保証するために必要である。構成要素が、患者内の移植部位にて正確な位置に設置されることが重要である。
複数の開口部および側分枝血管接続部が、主血管内の単一のカバードステントに対し整列される場合、この仕事は、特に複雑となる。
したがって、組立の複雑さを低減する必要がある。以下においてみられる本発明の例の本開示は、カバードステントの、より複雑さの低い組み立てを有利に提供する。X線時間の短縮および関連の照射量の減少は、患者および臨床人員の両方に対し有利となる。
したがって、より安全で、前述の既知のシステムおよび処置の欠点が回避される医療装置および/またはシステム、または医療処置が必要とされる。好ましくは、手術時間を短縮する装置および/またはシステムまたは方法が望ましい。処置は、オペレータによってより簡単に実行されることが望ましい。より簡素化された移植処置が望ましい。合併症の確率が減少されることが望ましい。患者の危険性が減少された新しい医療処置が望ましい。より単純な移植が望ましい。患者の危険査定において今日では避けられるという事実にもかかわらず、実行され得る医療処置が望ましい。たとえば、既知のステントシステムが、複雑さのために、危険性が高すぎると示されているため、および多数の患者、特に高齢の患者には開胸手術は選択肢にないため、そのような単純化された移植、または単純化された移植を容易にする装置が望ましい。処理中に必要なX線照射量がより少ないことも望ましい。したがって、患者の危険性を減少させることを意味する、新しい医療処置を提供することを可能にするということが望まれている。
それに応じて、本開示の例は、好ましくは、添付の独立請求項による医療装置、システム、および方法を提供することによって、上で特定されたもののような、当技術における1つまたは複数の不備、不利な点または問題を、単独でまたは任意の組み合わせで軽減、緩和または除去するよう努める。
本開示の新しいカバードステントシステムは、数ある中でも、分枝血管ステントの枝の個別の、単回のデリバリを可能にする。これにより、全体の動作時間が著しく短縮される。また、時間が短縮するにつれて患者の安全性が向上する、および/または1つの分枝血管ステントがオペレータによって配置されると、他の分枝血管が灌流されたままである。
新しいシステムは、今日では患者に対する危険性が高すぎることを意味する新しい医療処置を可能にする。たとえば、既知のステントシステムは、複雑さのため、危険性が高すぎることを意味するため、および多数の患者、特に高齢の患者には開胸手術は選択肢にないため、患者の危険査定において今日では回避される医療処置が、より単純な移植のおかげで実行可能である。
以下において説明する本発明の例は、有利に、処置の一部または全体の時間の短縮を可能にする。移植時間が、先行技術のシステムと比較して短縮され、したがって、たとえば、合計の照射量が有利に減少する。先行技術システムで必要とされるよりも、X線モダリティの角度を変更しなければならない頻度が少ない。必要な造影剤の量がより少ない。全体として、以下の開示は、患者に対する潜在的な副作用の低減をもたらす。さらに、処置のコストが減少する。
本明細書で説明するカバードステントは、一例では、自己拡張可能であり、または別の例では、膨張可能なバルーンなど別の装置によって拡張可能である。
第1の例によると、医療装置が提供される。装置は、本体、および本体に接続される少なくとも1つの横方向側枝を有するカバードステントである。横方向側枝は、湾曲可能かつ拡張可能である。
本開示の態様によると、システムが提供される。
装置および/またはシステムは、本明細書で説明する医療処置および方法に使用されてもよい。
本開示の態様は、限定されないが、以下を含む。
第1の態様では、本体と、および本体に接続される、1つ、2つ、または3つの枝を含む、少なくとも1つの枝と、を有しているカバードステントが提供される。カバードステントは、また、少なくとも1つの湾曲可能なおよび/または柔軟性を有するガイド要素を含み、ガイド要素は、少なくとも1つの枝の1つの内部に、接続点にて、好ましくは枝の遠位オリフィスにて、遠位側で持続的にまたは解放可能に付着される。ガイド要素は、本体の近位部分を通って、かつ近位部分に沿って内部に近接して配置され、そして、本体の近位開口部を通って近位に延びる。このようにして、デリバリカテーテルは、ガイド要素に亘って、本体を通って枝の遠位オリフィスに向けてガイドされ得る。
第2に、第1のカバードステントに接続される第2のカバードステントのデリバリのためのデリバリカテーテルを提供する。カテーテルは、第2のカバードステントの、第1のカバードステントの枝の標的部位におけるデリバリおよび配置のための遠位オリフィスを備えるデリバリ用内腔を有している。カテーテルは、枝にある接続点に遠位側で付着されるガイド要素を受容するように構成されるガイド接合部をさらに有している。これにより、カテーテルは、ガイド接合部上で、枝の開口部へと、ガイド要素に沿って摺動することが可能であり、第2のカバードステントの、カテーテルのデリバリ用内腔を通るデリバリおよび配置が可能になる。ガイド要素を受容するためのガイド接合部は遠位端部を有し、ガイド接合部の遠位端部が接続点と係合するときに、デリバリ用内腔は、接続点を超えて延びるように、遠位端部がデリバリ用内腔の遠位オリフィスから所定の距離で近位に位置する。
第1の態様によるカバードステント、および第2の態様のデリバリカテーテルからなるモジュール式システムは、ガイド要素を備え、ガイド要素は、第2のステントグラフトを、デリバリカテーテルを通して枝の標的部位へとデリバリするために、ガイド接合部を通るように配置される。第2のステントグラフトは、好ましくは、延長ステントグラフトである。
モジュール式カバードステントシステムは、複数のカバードステントを含み、カバードステントのうちの少なくとも1つは、好ましくは、本開示の第1の態様のカバードステントである。複数のカバードステントは、互いに対し相互接続されるように構成される。複数のカバードステントは、少なくとも2つの近位下流側出口枝に分枝した、単一の第1の遠位上流側入口を備える第1の主血管カバードステント、および少なくとも1つの横方向側枝オリフィスを備える少なくとも2つのカバードステントを含む。少なくとも2つのカバードステントのそれぞれは、第1の主血管カバードステントの下流側出口枝の1つに、遠位側で相互接続可能である、および主血管の分枝流血管に横方向に接続可能である。少なくとも2つのカバードステントは、少なくとも2つのカバードステントに平行に配置される血液導管を提供するために、下流側出口枝の1つと順次に相互接続されるように構成される。モジュール式システムは、単一の近位下流側出口に収束される、少なくとも2つの遠位上流側入口枝を有する第2の主血管カバードステントを含み、遠位入口枝のそれぞれは、少なくとも2つのカバードステントの1つの近位出口に相互接続される。
カバードステントを、血管の標的部位へとナビゲートする方法は、本開示の第1の態様のカバードステントを供給することを含む。方法は、カバードステントを、血管の標的部位へとデリバリすること、およびカバードステントの枝を、分枝血管内へと、または分枝血管に向けてナビゲートすることをさらに含む。方法は、本開示の第2の態様によるカテーテルを提供すること、およびカテーテルのガイド接合部を通してカバードステントに付着されたガイド要素を配置し、ガイド接合部に沿ってカテーテルを、その付着点がさらなる前進を停止するまで前進させることを含む。方法は、第2のステントグラフトまたはそのガイドワイヤを、デリバリカテーテルの内腔を通って、カバードステントの枝の標的部位へとデリバリすることを含み、第2のステントグラフトは、好ましくは延長ステントグラフトである。方法は、延長ステントグラフトを、近位側で枝に付着すること、および、遠位側で分枝血管内に付着することを任意に含む。
医療処置は、患者の血管である標的部位にアクセスすること、および第1のカバードステントを、デリバリカテーテルを通して、標的部位にある血管の内部にデリバリすることを含む。標的部位は、側分枝血管を有し、方法は、第2のカバードステントを第1のカバードステントにデリバリすること、および第1のカバードステントを、血流を側分枝血管に供給するために第2のカバードステントに接続することを含む。第2のカバードステントのデリバリは、カテーテルを、ガイド要素に沿って、第1のカバードステントの側枝の内腔の内部の位置へと摺動させることを含む。方法は、第2のカバードステントを、第1のカバードステントに接続するために拡張させることを含んでもよい。
医療処置は、患者の血管である標的部位にアクセスすること、および第1のカバードステントを、デリバリカテーテルを通して、標的部位にある血管の内部にデリバリすることを含む。標的部位は、側分枝血管を有し、方法は、側枝を拡張すること、および第2のカバードステントを、第1のカバードステントに、そして側枝を通して分枝血管へとデリバリすることを含む。方法は、血流を側分枝血管に供給するために、第1のカバードステントを第2のカバードステントに接続することを含む。
大動脈血管の復元のための医療処置は、カバードステントモジュールを特定の順番でデリバリすることを含む。方法は、3つの脚部を有するカバードステントを上行大動脈弓に移植することから開始してもよい。方法は、大動脈の下流方向に、それぞれ1つの側枝を備える2つの平行のカバードステントを大動脈弓にデリバリすること、および平行のカバードステントを、3つの脚部を有するカバードステントの脚部に、そして大動脈弓の分枝血管に順次に接続することを含む。方法は、平行のカバードステントを収束させるカバードステント大動脈の下流にデリバリすることを含む。たとえば、収束させることには、近位オリフィスを有する、単一の内腔を備える本体へと結合される2つの遠位脚部を提供すること、2つの遠位脚部を2つの平行のステントの1つの近位端部にそれぞれ接続することを含む。平行のカバードステントの数が2つ以外である場合、それに応じて脚部の数は変化する。中間の収束される数の脚部が、装置、システムおよび方法によって提供されてもよい。
本開示の追加の例が、従属請求項において定義され、本開示の第2、およびそれに続く態様の特徴は、第1の態様に関して必要な変更を加えたものである。
本開示のいくつかの例が、カバードステントまたは複数のカバードステントの、それぞれの、主血管からの側分枝血管におけるナビゲーションおよび組み立ての向上のために提供される。
この新しいシステム、装置および/または方法を用いれば、側枝接続部、特に複数の副血管(4つまでの側枝)、たとえば3つまたは4つ側枝を備えるカバードステントを位置決めする動作は、移植のために必要な時間が、著しく、従来必要である時間よりも数時間の範囲で短縮されると期待される。従来の、予め製造されるステントグラフトを使用すると、そのような処置にはより長い時間、約10時間またはそれ以上の動作時間がかかる。カバードステント装置/システムを位置決めするための手術時間の多大な短縮にもかかわらず、処置の安全性は失われない。それよりも、安全性は向上し得る。新しい装置およびシステムのデリバリは非常に信頼性が高い。移植の時間は、新しいモジュール式システム、および/またはその構成要素、および/またはシステムの機能により可能である移植のための処置によって、著しく減少される。これは、以下においてより詳細に説明される。
ライナまたはシェルを有する、液体不浸透性の布地または材料で囲繞されるステントを意味する。カバードステントは、部分的にまたは完全に被覆される。カバードステントは、ステントグラフトまたは内部人工器官とも呼称され得る。
側枝3は、横方向に拡張可能および/または畳むことが可能であってもよい。すなわち、側枝3は、側枝3に沿った長手方向軸の方向に拡張可能であり、その方向は、好ましくはカバードステント1の本体2に沿った長手方向軸に略直角の方向である。代替的に、またはそれに加えて、側枝3は、横方向に拡張可能であってもよい。すなわち、側枝3は、側枝3に沿った軸の方向を横切るように拡張可能であってもよい。側枝3は、カバードステントを備えてもよく、およびいくつかの例では、カバードステントであってもよい。
例では、側枝3は、横方向に1cm〜1.5cm拡張可能である。
側枝3は、一例では、本体2のカバードステントと側枝3のカバードステントとが一体であること、または本体2のカバーと側枝3のカバーとが一体であることによって本体2と一体である。一例では、本体2のカバーおよびカバードステントの両方が、側枝3のカバーおよびカバードステントと一体である。側枝3がカバードステントを備える場合、側枝3はより硬質であり、たとえば、任意の追加の被覆された延長カバードステントを配置および/または再配置するときの取扱いにより耐え得る。また、これにより、側枝3が、側枝3から出た、任意の追加の被覆された延長カバードステントとより強固な接続を形成することが可能になる。
「備える/備えている」という用語は、本明細書において使用される場合、記載される特徴、数、ステップまたは構成要素の存在を明示するが、1つまたは複数の他の特徴、数、ステップまたは構成要素またはそれらのグループの存在または追加を排除しないと取られることが強調されるべきである。
本開示の例が可能であるこれらの態様および他の態様、特徴および利点は、以下の本開示の例の説明から明白であり明らかにされ、添付の図面を参照する。
患者の大動脈弓および胸部大動脈の内部の移植のための、様々なカバードステントモジュールからなるシステムを示す概略図である。
患者の大動脈の内部に移植された時の図1のシステムを示す概略図である。
3つの脚部を有するカバードステント、ならびに3つの脚部すべてへのナビゲーションを容易にするためのナビゲーション要素および縫合糸の概略図である。
側枝を有するカバードステントの概略図である。
複数の側枝を有するカバードステントの例の概略図である。
複数の側枝を有するカバードステントの例の概略図である。
図6は、畳まれた状態から拡張形状へと自己拡張可能な側枝の一例の概略図である。
分枝血管を位置特定するために使用される、折り曲げられたまたは畳まれた側枝を有するカバードステントの概略図である。
側枝を有するカバードステント、および側枝を容易にナビゲートするためのカテーテルをガイドするためのガイド接合部を有するカテーテル概略図である。
拘束部材、および拘束部材を取り外すことによって畳まれた状態からから拡張形状へと自己拡張可能なカバードステントの概略図である。
拘束部材、および拘束部材を取り外すことによって畳まれた状態からから拡張形状へと自己拡張可能なカバードステントの概略図である。
拘束部材、および拘束部材を取り外すことによって畳まれた状態からから拡張形状へと自己拡張可能なカバードステントの概略図である。
カバードステントを畳んで、または折り曲げて保持し、カバードステントを、制御可能に、部分的または完全に解放するためのシースの概略図である。
カバードステントが完全に拡張される前および後のカバードステントの概略図である。
医療処置の一例のフローチャートである。
カバードステントを分枝血管へとナビゲートする方法の一例のフローチャートである。
単一の横方向側枝を有するモジュール式カバードステントの例の斜視図である。
単一の横方向側枝を有するモジュール式カバードステントの例の上面図である。
単一の横方向側枝を有するモジュール式カバードステントの例の側面図である。
単一の横方向側枝を有するモジュール式カバードステントの例の正面図である。
斜視図(図の下部)のデリバリ構成の横方向側枝を有するモジュール式カバードステント300の斜視図および断面図(図の上部)である。
図15Aのモジュール式カバードステント300の、本体の開放の前の、横方向側枝の配置の概略図である。
図15Aのモジュール式カバードステント300の、本体の開放の前の、横方向側枝の配置の概略図である。
二重内腔デリバリカテーテルの断面図である。
別のデリバリ構成の横方向側枝を有するモジュール式カバードステント300の斜視図および断面図である。
モジュール式カバードステント300の本体および横方向側枝の開放の概略図である。
ナビゲーションユニットを横方向側枝の拡張から解放するためのカテーテルツールの概略図である。
横方向側枝のステントのパターンの概略図である。
横方向側枝のステントの別のパターンの概略図である。
横方向側枝のステントの別のパターンの概略図である。
次に、本開示の詳細な例を、添付の図面を参照して説明する。しかし、本開示は、多数の様々な形態で具現化されてもよく、本明細書において明示される例に限定されるものと解釈されるべきではなく、むしろ、これらの例は、本開示が十分かつ完全となり、本開示の範囲を当業者に伝えるように提供される。添付の図面に示される例の詳細な説明において使用される用語は、本開示を制限するものであると意図されない。図面において、類似の番号は、類似の要素を参照する。
以下の説明は、本開示の医療装置に適用可能な例に、特に、少なくとも側分枝血管と連絡するカバードステントまたは複数のカバードステントのナビゲーションおよび組み立てを容易にするための医療装置に焦点を当てている。移植は、血管疾患、たとえば動脈瘤などの治療および/または修復のために使用され得る。実施例は、大動脈内における配置を用いて図示する。大動脈のような血管はさまざまな理由で構造的に損傷を受ける可能性があり、大動脈500の少なくとも一部に沿って修復が必要である。大動脈の修復のためには、上行大動脈501から大動脈弓502を経て下行大動脈503へ、そして腹部大動脈504に沿って腎動脈505を越えて、部分的にまたはその全体に亘る、広範囲にわたる内部人工器官が必要とされることがある。
モジュール式の実施形態を含むそのような内部人工器官および組み立ての一例を、図1および2、ならびに本明細書の対応する文書において説明する。大動脈の全体的な復元または修復は、図2に示すようにシステム全体が移植された場合に提供され得る。大動脈の部分的な復元または修復は、システムの選択されたサブモジュールのみの移植により提供されてもよい。しかし、他の解剖学的構造は、たとえば、限定されないが、末梢静脈、脚部動脈、脊髄血管、神経構造、リンパ系などを含み、治療のために、腹部カバードステント、末梢血管ステントグラフト、管腔内人工器官を含む本開示の装置および/またはシステムが提供されてもよい。
図1および2は、患者の大動脈弓502および腹部大動脈504内の移植のための様々なカバードステントモジュール200、300、310、320、400、410、420、430、600のシステムを示す。図2は、システムが患者の大動脈500内部に移植され、モジュールが互いに接続されている場合の図1のシステム100を示す。図1に示されていない追加の延長ステントグラフト600が接続され、図2に示されている。血液の確実な連絡が、主要な血管、ここでは大動脈500内の人工器官を通して、そして側枝血管、ここでは首の血管、腎動脈505などへと提供される。大動脈壁が、大動脈の置換/修復のための例示的なステントグラフトシステム100により提供される治療を必要とする、下行大動脈弓および腹部大動脈内の弱体化部分/動脈瘤とともに図示される例にみられる。
図示された例においては、複数のカバードステント1(本明細書においてまとめて引用される参照符号「1」は、たとえば、本明細書においてカバードステント200、300、310、320、400、410、420、430、600などとして開示される種類の「カバードステント」または「複数のカバードステント」の代用語と見なされ得る)は、システム100またはそのモジュール式サブシステムを形成するために、患者の大動脈の一部または全体の内部に適合するように組み立ておよび相互接続される。本明細書において説明するカバードステント1は、また、血管を通しての液体連絡のための血管の管路の修復および/または再構築のために、身体の他の標的箇所に移植可能である。
図1は、患者の大動脈弓502の、およびその周囲の血管の内部に適合する、モジュール式カバードステント1のシステム100の例示的な組み立てに使用され得る様々な種類のモジュール式カバードステント1を示す。システム100はインビボまたはインビトロで組み立てられてもよい。
代替的に、システムは、より多くの、またはより少ないカバードステントモジュールを含んでもよい。たとえば、大動脈弓のみが、カバードステント200、300、310、320、400、410のようなモジュールによって覆われてもよく、すべて治療箇所および治療に必要とされる物次第である。カバードステントモジュールの組み合わせの他の例は、a)200、2×300+2×600、400、そして任意で201内に600、b)420,310+任意で2×600、320+任意で2×600、および430、c)中間の410+例a)およびb)などである。
カバードステント1のいくつかは、血液の伝達をシステム中で、そして好ましくは分枝血管内へと拡張するために設けられる側枝3を有する。そのようなカバードステントの例は、モジュール式カバードステント300、310、320である。
カバードステント1のいくつかは脚部を有する、すなわち、カバードステント1の本体2は、2つまたはそれ以上の管状部分に分枝する。そのようなカバードステントの例は、モジュール式カバードステント200、400、420、430である。
代替的に、またはそれに加えて、図面には記されていないが、カバードステント1は、側枝3および脚部の両方を有してもよい。カバードステント200は、2つの脚部202、203および側枝201を有する例であると考慮され得る。現在の状況においては、脚部および側枝の両方が枝と考えられる。本明細書においては説明されず、示されないが、今日、一般的に使用されている他のカバードステントもまた、システム100に使用されてもよい。
モジュール式カバードステントシステム100は、複数のカバードステント1を備え、カバードステントのうちの少なくとも1つがカバードステント1である。複数のカバードステント1は、互いに相互接続可能であるように構成される。
代替的に、またはそれに加えて、システムは、オペレータがカバードステントおよび/またはカバードステント1の側枝3をナビゲートし、側枝3を分枝血管と整列させることを可能にする長尺のナビゲーション要素20をさらに備える。長尺のナビゲーション要素20は、図1に示すように、好ましくはガイドワイヤである。
一例では、複数のカバードステントは、2つのカバードステントの間の接続部において液密の相互接続を提供するために、実質的に同一の直径を有する。
一例では、接続部において同一の直径を有するということは、カバードステントのうちの1つの接続部における外径が、もう一方のカバードステントの接続部における内径と、少なくともカバードステントの一部に沿って実質的に同一であるということである。同一の直径は、少なくとも、2つのカバードステントの、重なり合う部分がある場合、重なり合う部分に沿って維持される。したがって、2つのカバードステントは、たとえば、一方の管が接続された他方の管の内側に互いに重なり合うことによって、液体を運搬するように接続可能である。
カバードステントのステント構造は、カバードステントの一部である。ステント構造は、波状起伏などのパターンがあってもよい。パターンは、管のブレイディング、ウィービング、レーザ切断加工などによって形成されてもよい。構造は、構造を外側に支持するため、および実質的に管状の構造を提供し、適切な液密カバーが設けられ、それに覆われて移植されたときに管を通る血液の流動が乱されないように保証するための骨格である。
波状起伏またはパターンは、2つのカバードステントの確実な液密の接続のために、そして機械強度の向上により、重なり合う接続領域においてカバードステントの他の領域よりも密度が高くなり得る。
図19A、Bおよび20は、横方向側枝のいくつかの例示的なステントのパターン/波状起伏の概略図である。
図19Aのパターンは、外径を縮小させ、人工器官本体の傍でデリバリ構造へと畳まれることが容易である、波状の(ニチノール)ワイヤまたはレーザ切断された構造を示す。構造体は、カテーテルからの解放または拘束部材の取外しの際に、図19Bおよび図20の設計となるように、弾力的に長手方向に拡張する。
図19A、Bのパターンは、伸長人工器官600が重なる部分3bに、支持フレームのない領域を有する。フレームのパターンは、左右非対称の設計である。図中の点線3cは、ステントが畳まれることを促進する領域を示す。この設計では、畳むために必要とされる力が小さくなり、デリバリのために外側シース内に保管するために必要とされる空間が小さくなる。より長い支持フレームを備える部分(図面の左側)が、側枝内に留まる、または本体から径方向外側に向けられる、側枝の人工器官が充分な長さに拡張されることを確実にする。
図20のパターンは、有利に中間で畳まれるフレームのパターンの2つの半部を示す。また、この設計では、畳むのに必要とされる力が小さく、デリバリのため外側シース内に保管するために必要とされる空間が小さくなる。
カテーテルを通してデリバリするために側枝3を畳むことは、複数の方法で得られてもよい。側枝は、後方に折り曲げられ、カテーテルの内腔に沿って横方向に摺動されてもよい、または長手方向軸に沿って圧縮されてもよい。カバーが設けられる場合(図9など)、側枝およびカバードステントは畳まれ、カバー/拘束部材8の内部で保持される。拘束部材8は、PTFEなどの低摩擦材料製であってもよい。拘束部材8により、デリバリ中に配置されるまで拘束部材8内に囲まれるカバードステントのプル/プッシュリリースが可能になる。代替的に、またはそれに加えて、カテーテルの内部は、カバードステントが内腔に沿って標的部位へと移動することを容易にするために、摺動特性が良好である材料で設けられてもよく、拘束部材は、デリバリ中、最終的な配置まで、任意でカバードステントを覆う。
別の例では、同一の直径を有するということは、接続される2つのカバードステントは、接続部において、実質的に同一の内径を有し、重なり合わないように、たとえば端と端とが接続されている。追加の内側ライナが、2つのカバードステントの、接続部位に設けられてもよく、好ましくは、上流に位置するカバードステントから、下流の方向に向けられたカバードステントの内側に下流方向に入る。
一例では、相互接続される2つのカバードステントは、接続部において実質的に同一の内径および実質的に同一の外径の両方を有し、カバードステントは、カバードステントのうちの1つが部分的に畳まれた、または折り曲げられた状態であるときに、重なり合うことによって接続される。
同一または実質的に同一の直径の複数のカバードステントを有することによって、システム100の対応するカバードステントの部分の直径が類似であり、そしてオペレータは、特定の接続方法、ステントの形状、接続部位などに煩わされる必要がないため、オペレータが、様々なカバードステントを接続することが容易になる。つまり、オペレータは、1つ前のカバードステントが1つ、2つ、3つ、またはそれ以上の脚部を有するカバードステントであったかどうかのみを考慮する必要があるということである。これはまた、様々なカバードステントの接続部における直径がすべて同一であるため、カバードステントの生産を容易にする。例は、脚部202、203、カバードステント300の本体、およびカバードステント400の上流方向に向いた脚部の直径である。
重なり合った領域によって、モジュール式システムの長さの調節が可能になる。たとえば、モジュール式カバードステント400、410、420は、単一の一体型ユニットとして設けられてもよい。しかし、端部が分枝したカバードステント400、420とは別個の線形の中間部カバードステント410を設けることで、特定の患者の解剖学的構造(この例では、異なる長さの腹部大動脈)への調節が可能になる。中間部カバードステントの重なりは、適宜変化し得る。モジュール式カバードステントのシステムの長さ調節は、重なりを変化させ、移植の際の組立済みのモジュール式システム全長を決定するカバードステントの開口における重なり合う部分によりもたらされる。これにより、側分枝血管の延長カバードステント600の接続などに、必要な変更が加えられる。
先行技術においては、カバードステントモジュールのシステムには、直径が変化する、たとえばテーパ状のカバードステントが設けられる。それらは、第1の折り曲げられたテーパ状のカバードステントを、第2の拡張されたテーパ状のカバードステント内へと挿入することによって接続される。第1のカバードステントが拡張されると、2つのカバードステントが接続をなす。そのようなシステムは、オペレータに、全体の動作の間および最中にすべてのカバードステントモジュールが順番通りで、正しい方向に向けられていることを把握するだけでなく、これら2つの円錐体がどこで、およびいかに互いに嵌合するかを把握するという不要な仕事の追加をもたらす。これに対し、本開示の例は、より単純、安全かつ迅速な移植の手段を提供する。
実質的に同一の直径のカバードステント1を提供することによって、オペレータは、上記説明のように、またはオペレータが最適であると考える方向の例で各カバードステント1を移植することができるという利点がもたらされる。これにより、システム100を組み立てる、そして結果として動作に必要とされる時間が大幅に短縮される。
一例では、カバードステント1が、上記のように実質的に同一の直径を有し、拡張されると、またはカバードステント1の側枝3の脚部が拡張されると、カバードステント1中の流れは、カバードステント1を通して、大体変化しない。つまり、一方の側、たとえば本体2にて入る血液などの液体は、カバードステント1を通過し、たとえば、他方の側の2つの脚部を通って出る。そして、カバードステント1における拡張および同一の直径の接続により、入口および出口領域は実質的に同じである。これにより、オペレータは、一度に一つのカバードステント1、または脚などのカバードステント1の一部を接続することに集中することができる。オペレータは、カバードステント1が、カバードステント1もしくは血管中の流れまたはスループットを乱すことを心配する必要がない。
これにより、さらにシステム中で1つのカバードステントまたは複数のカバードステントを使用すること、および移植標的部位で組み立てること(すなわち、特定の患者向けに予め製造されていないこと)が可能になる。これは、既知のシステムに対して有利となる。既知のシステムは、従来の、予め組み立てられた、患者に特定の内部人工器官を含んでいた。通常、時間的に早い、標的部位、たとえば弱体化した大動脈を含む血管系をスキャンするために画像モダリティが使用される。そして、画像データに基づいて内部人工器官が製造され、移植のために外科医へと届けられる。この、患者に特定の内部人工器官の製造には通常数日から数週間かかり、望ましくない。この待ち時間中に、血管の解剖学的構造は変化し得る。結果として、製造された内部人工器官がもはや患者に適合しない可能性がある。また、患者は、たいていは、たとえば大動脈瘤破裂を避けるため、内部人工器官を早急に必要としているため、待ち時間は望ましくない。しかし、所望であれば、本開示のカバードステント特定の実施形態が患者に特定的に製造されてもよい。しかし、製造による待ち時間が回避されるため、移植に即座に利用可能である、さまざまなサイズからなる標準セットアップが好ましい。
モジュール式カバードステントシステム100は、縫合糸またはワイヤのようなガイド要素10をさらに備える。ガイド要素10に沿って、デリバリカテーテルがガイド要素10の遠位端部の近傍で縫われていてもよい。ガイド要素10は、カバードステントに遠位で付着される。たとえば、縫合糸が、糸結び、ステープル、溶接、接着剤、または類似の手段によって付着されてもよい。このようにして、ガイド要素10がカバードステントに固定される。好ましくは、ガイド要素10が遠位でカバードステントに固定される付着点は、内部、たとえばカバードステントの横方向側枝の位置にある。ガイド要素10は、好ましくは、カバードステントのデリバリカテーテルに予め装填される。使用時は、ガイド要素は、カテーテルのガイド接合部9のためのガイドとして動作する。ガイド要素10は、好ましくは湾曲性および/または柔軟性を有する。
実施形態においては、このようにしてガイド要素10は、枝、たとえば横方向側枝の内部に、たとえば接続点において、好ましくは遠位オリフィスにおいて、持続的または取り外し可能に、遠位で付着される。ガイド要素10は、本体2の近位部分または複数の枝3のうちの別の枝を通って、そしてそれに沿って、内部において近位側に配置され、本体2の近位開口部を通って近位側に延びる(たとえば、図3または8参照)。使用時は、このようにしてガイド要素は、カテーテルを、ガイド要素10に亘り、本体3を通って横方向側枝3の遠位オリフィスに向かってガイドするために動作する。
ガイド要素10、およびその対応する使用法、およびモジュール式ステントグラフトシステムにおける適用のより詳細な例に関しては、図3または8および以下の対応する本文を参照のこと。
代替的に、またはそれに加えて、ガイド要素10は、所望の標的位置にて患者の大動脈に遠位で付着され得る。
代替的に、またはそれに加えて、ガイド要素の遠位端部における付着は取り外し可能であってもよく、好ましくは、必要に応じて、移植処置の間にガイド要素を取り除くために、生体活動の外部から取り外し可能であってもよい。糸結びは取り外し可能であり、付着点におけるガイド要素の制御された分離のために、熱分離手段が提供されてもよい。代替的に、またはそれに加えて、ガイド要素は使用後に切り離されるように構成されてもよい。切り離しには、適切な道具が用いられてもよく、たとえば、ガイド要素に亘り、そしてそれに沿って付着点の方向に摺動する内側安全カッタを備え、カッタが作動してガイド要素が切り離されるシースが用いられてもよい。そして、ガイド要素が体外へと安全に、たとえばカッタを有するシース内で引っ込められてもよい、または単に、穿刺部位/イントロデューサーを介して脈管構造外へと引き出されてもよい。
しかし、ガイド要素10は、好ましくは、移植処置の完了の際に所定の位置に留置される。ガイド要素10は、使用(たとえば、延長ステントグラフトのデリバリのガイドおよび配置)後に所定の位置に留置され得る。ガイド要素10は、生分解性材料または生体吸収性材料で作製されてもよい。ガイド要素10は、いずれにしても、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、Monocrylおよびポリジオキサノンなどの吸収性物質、ならびにナイロン、ポリエステル、PVDFおよびポリプロピレン、PTFEまたはダクロンなどの非吸収性物質を含む生体適合性材料で作製される。ガイド要素10は、ニチノールまたはステンレススチールなどの金属材料、もしくは適切な金属合金で作製されてもよく、これは、移植中の耐久性の点から利点となり得る。モジュール式カバードステントシステムの移植処置の完了後にガイド要素が所定の位置に留置される場合、これは有利である。接続点にて、または接続点の近傍でガイド要素を分離または切り離す必要がないため、処置が短縮され得る。ガイド要素は、近位端部においてのみ切り離されてもよい、または切り離されなくてもよい。
以下で説明するように、デリバリカテーテル30は、たとえば、カテーテル上のガイド接合部9によって、ガイド要素10に沿ってガイド要素10の遠位端部に向かって移動させられてもよい(図8)。そして、このデリバリカテーテルを通して、別の要素、装置またはユニットのガイド要素10の遠位端部にある所望の部位へのデリバリが行われ得る。X線ガイド、プローブ、ナビゲーションの試行などが有利に減少または省略され得る。
この方法で、カテーテルは、蛍光透視によるガイドなしで、ガイド要素に沿ってガイド要素の遠位端部へと、または遠位端部に向かって移動させられ得る。この方法では、デリバリの信頼性および速度が向上し、その一方で放射線曝露は低減され得る。
そのようなデリバリカテーテル30が、延長ステントグラフト600のデリバリのために提供される。カテーテル30は、カバードステント1の横方向側枝3の標的部位における延長ステントグラフト600のデリバリおよび配置のための遠位オリフィスを備えるデリバリ用内腔を有する。
カテーテル30は、枝3の接続点に遠位に付着されたガイド要素10を受容するための、ガイド接合部9をさらに有する。したがって、カテーテル30は、延長ステントグラフト600などの要素の配置のために、ガイド要素10に沿って、カテーテルのデリバリ用内腔を通して、ガイド接合部9上で枝のオリフィスへと摺動するように構成される。
ガイド要素を受容するためのガイド接合部9は、デリバリ用内腔の遠位オリフィスから所定の距離で近位側位置決めされる遠位端部を有する。この方法で、ガイド接合部9の遠位端部が接続点に係合すると、デリバリ用内腔が接続点を超えて延びる。
たとえば、図8にみられるように、デリバリカテーテル30の遠位端部は、枝のオリフィスから分枝血管へと有利に入るように、予め曲げられてもよい。この方法により、操作時間が短縮され、患者および臨床の人材の透視による負担が低減され、移植がより安全かつ信頼性の高いものになる。
カバードステント1、およびガイド接合部9を通るように配置可能である、または配置されるガイド要素10を備えるデリバリカテーテル30を含むモジュール式ステントグラフトシステムが提供される。この方法により、このような延長ステントグラフト600は、デリバリカテーテル30を通って、枝3における標的部位へと有利にデリバリ可能である。
さらに、ガイド要素10の遠位端部は、たとえば、マーカ21の位置に配置される。代替的に、またはそれに加えて、ガイド要素10はそれ自体にマーカが設けられてもよい。マーカとは、適切な撮像手段により、移植処置を行う外科医に視覚化可能である基準マーカを意味する。マーカ21は、そのような脚部4の遠位オリフィスへ向けて、および/または遠位オリフィスを通って、たとえば、以下で説明するように主血管の側分枝血管へと、別のカバードステントのデリバリをガイドするために、好ましくはカバードステントの脚部4に配置される。マーカは、たとえば、ワイヤ/縫合糸/糸、および/または1つまたは複数のマーカバンドのマルチストランドからなる放射線不透過性ストランドとして、少なくともガイド要素10の長さの一部に沿って細長く、そして延びてもよい。
第1のカバードステントの脚部に対する別のカバードステントの位置決めをより容易にするために、マーカ21が、たとえば第1のカバードステントの脚部に設けられる。同様に、マーカ21は、カバードステント1の側枝3に設けられてもよく、それにより、分枝血管に対するカバードステント1の整列がより容易になる。それから、位置確認のためにX線が使用されてもよい。つまり、造影剤を用いての完全X線支援によるナビゲーションと比較して、使用量が減少することを意味する。
図示されているモジュール式カバードステントシステム100は、第1の主血管カバードステント200、420を含み、第1の上流側入口は、少なくとも2つの下流側出口枝へと分枝している。
さらに、モジュール式カバードステントシステム100は、本体、および本体に接続される少なくとも1つの横方向側枝を有するカバードステントの種類300、310、320を含む。横方向側枝は、好ましくは柔軟性を有し、かつ拡張可能である。カバードステントは、下流側出口枝の1つに相互接続可能であり、その横方向側枝を介して主血管の分枝血管に横方向に接続可能である。これにより、少なくとも2つのカバードステント300、310、320は、主血管カバードステント200の下流側出口の1つに順番に相互接続可能である。この方法により、血液導管が、少なくとも2つのカバードステントに平行に配置されて設けられ、オペレータにより1つずつ組み立てられる。平行の血液導管には、それぞれ1つまたは複数の側枝が設けられてもよい。代替的に、またはそれに加えて、カバードステントの形態の血液導管が設けられてもよく、血液導管には横方向側枝がなく、そして、たとえば1つまたは複数の横方向側枝を有するカバードステントと平行の直線の血液の流路を提供する。
カバードステントを平行に配置することには、いくつかの利点がある。複数の側枝が導管全体に亘る単一のカバードステントの場合と比較して、いくつかの平行のカバードステントの1つを位置変更することがより容易に行われる。1つまたは小数の枝を備える、複数の平行のカバードステントを順番に移植することは、多数の枝を備える1つの大きなカバードステントよりも容易である。カバードステント300、310、320の近位端部および遠位端部は、血管組織壁内へとステント装着されない。したがって、機械的な安定性および付着が、解剖学的構造に対して、特に動脈瘤にて弱体化している場合、より良好に制御される。平行のカバードステント300、310、320は、血管の移動をより良好に適応させ得るため、これは利点である。接触が減るため、組織血管を損傷する危険性が低下し、モジュール式システムの移植の長期安定性に良好な影響を及ぼす。移植において、解剖学的構造への適応は、回転および長手方向位置が手術中に調節可能であるため、外科医により容易に行われる。大動脈のクランピングが必要なく、心停止法が回避され、それにより患者への副作用が低減し、処置がより迅速になり、患者に対する危険性が減少する。平行のカバードステント300、301、320のそれぞれが、カバードステントが移植される血管よりも小さな直径を有するため、カバードステントの主要内腔から側枝への距離を設けることが可能である。そして、これにより、側分枝血管オリフィスに対する、カバードステントのナビゲーション用空間がもたらされる。したがって、カバードステントの側枝をオリフィスに対して位置決めすることが、既知のシステムの場合と比較すると重要ではなくなる。カバードステントの側枝と分枝血管のオリフィスとの間の距離により、たとえば、側枝を折り曲げることによって、および/または主血管から分枝血管内へと移植されるときに前述のものの後者の1つまたは両方をねじれさせることなく延長カバードステント600を折り曲げることによって、補償がもたらされる。
モジュール式カバードステントシステムは、下流側出口で収束する少なくとも2つの上流側入口枝を備える第2の種類の主血管カバードステント400、430をさらに含む。入口枝は、2つのカバードステントの1つの遠位出口、たとえば図1および2に示すように、カバードステントの種類300、310、320と相互接続可能である。
図1〜2に示すように、システム100の上部から始まり、3つの脚部を備える第1のカバードステント200が図示されている。このモジュールは、最初に、ガイドワイヤ20上で移植される。
なお、カバードステントモジュールは、上行大動脈弓において、3つの脚部を有するカバードステント200から始まって特定の順番でデリバリされる。さらに、カバードステントモジュールは、システム全体が移植されるまで標的部位へとデリバリされる。これは、非常に効率的かつ有利な方法で行われる。
たとえば、すべてのモジュールのなかで3つの脚部を有する200が最初に配置および移植される場合、これはガイドワイヤ20を介して、たとえば、大腿部にアクセスする方法で行われ得る。そして、追加の構成要素が脚部201、202、および/または203に接続され得る。
たとえば、カバードステント600は、図8を参照して説明する方法などで、ガイド要素10に沿って接続点11へと、または接続点11に向かって摺動するデリバリカテーテルを介して第1脚部201へとデリバリされ得る。そして、このカバードステント600は、血流を図2に示す第1の首部分枝血管内へと拡張し得る。カバードステント600は、分枝血管用の開口を有しないカバードステントである。延長ステントグラフト600は、第1の脚部201のオリフィスに位置する遠位部分に、近位側が結合するように、かつ液密に接続するように構成される。内部の液体のための、標的血管への連絡チャネルを提供するために、ステントグラフトを互いに接続させる技術において既知の適切な方法および適切な手段で、重なり合うように接続されてもよい。
したがってデリバリは2つの段階で提供可能である。第1に、側枝3が拡張される。そして、分枝血管カバードステント600が、拡張した側枝3を通して配置される。そして分枝血管カバードステント600の固定が行われる。人工器官全体は、側枝が最終的に挿管されるまで柔軟性を有している。すなわち、側枝カバードステント600は配置され、そして所定位置で「ロック」される。
カバードステント600のデリバリの間、残りの2つの脚部202、203は遮断されず、移植処置中、大動脈弓中の血流が確保され、これは重要な利点である。
ガイド要素10は、また、第3の脚部203の内部を延びる。これは、カバードステント600がデリバリされる同じガイド要素10およびデリバリカテーテル上で、側枝を備えるカバードステント300がデリバリ可能であることを意味する。
3つの脚部を有するカバードステント200をその標的部位へとデリバリするための最初のガイドワイヤ20が、カバードステント300を第2脚部202へとデリバリし、第2脚部202と接続するために使用される。
3つの脚部を有するカバードステント200の位置は、好ましくは、たとえば、MRI、CTまたはX線による撮像中に目視され得る基準マーカ21でマークされる。したがって、照射時間および照射量の減少が提供可能である。
ガイド要素10が第1脚部201の外へと延びると、3つの脚部のオリフィスにて、3つの脚部のすべてが位置し得る、および複数のモジュール式カバードステントが相互接続され得る。外科医による追加のナビゲーション、サーチ、またはプロービングが必要ないため、照射時間および照射量が減少される。
ガイド要素10は、後続のカバードステントが、直前に移植されたカバードステントに接続され得るように、ガイド要素10に沿って後続のカバードステントをガイドするためのものである。
それに加えて、または代替的に、ガイドワイヤなどのナビゲーション要素20が、システム100において、システム100のカバードステントすべてまたはほぼすべてをそれらの標的部位へとガイドするために、1つまたは複数のガイド要素10の代わりに、またはガイド要素10と共に使用される。
次に、システム100は、近位方向、大動脈の下流に、移植の際に大動脈弓502に位置決めされるそれぞれ1つの側枝を備える2つのカバードステント300を含む。2つのカバードステント300は、それぞれ、ガイド要素10およびガイドワイヤ20にガイドされる。これらのモジュール式カバードステント300を、たとえば図5a、6、7、8、10、11、14、15、17、19および20を参照してより詳細に説明する。カバードステント300のそれぞれは、3つの脚部を有するカバードステント200の脚部202、203に遠位側で接続される。側枝出口は、好ましくは拡張可能であり、拡張すると、首部血管と液体連絡する。追加のカバードステント600が、その近位端部とさらにそれぞれ接続され、残りの2つの血管内へとそれぞれ伸びる(図2参照)。これら追加のカバードステント600のデリバリは、ガイドワイヤおよび造影剤のフィードバックを用いて基準マーカのガイド(図示されず)により行われてよく、および/またはガイド要素10は、枝に接続されてもよく(図8参照)、追加のカバードステント600をカバードステント300の側枝のオリフィスを通過し、およびそれぞれの首部血管へとデリバリすることを容易にする。
各カバードステント300のデリバリおよび伸長は、順次行われる。これら2つのユニット300の最初の1つをデリバリする間に、3つの脚部を有するステント200の他の脚部は遮断されず、大動脈を通る血流が確保される。また、延長部を首部血管内へとデリバリすると、処置の間に大動脈の下流方向の、および首部血管への血流の両方が途切れない。
カバードステント300の両方が相互接続され、デリバリされると、大動脈を流れる平行の流れに、内腔径の(健康な)大動脈径に対する比率は高いために必要となる十分な血流が提供される。
側枝のオリフィスは、複数のカバードステント300が平行に配置されるために、標的部位血管の心門から離れて位置し得るため、互い(心門/オリフィス)に対する正確な位置は、既知のカバードステントの場合ほど重要ではない。キンクの危険性のない柔軟性が、延長カバードステント600により、または延長カバードステント600なしで提供される。
そして、大動脈の下流方向において、近位オリフィスを有する単一の内腔本体に結合される2つの遠位脚部を備えるカバードステント400が近位に存在する。カバードステント400の第1脚部は、カバードステント300の近位オリフィスとの相互接続のために、ガイド要素10に沿って延びるようにデリバリされ、そして、大動脈内に遠位に、および上流方向に配置され直前に移植されたカバードステント300の第3の脚部203に前もって遠位に相互接続される。カバードステント400の他の遠位脚部は、ガイドワイヤ20に沿ってデリバリされる。カバードステント400の他の遠位脚部は、他のカバードステント300の近位オリフィスに相互接続され、そして、大動脈内の遠位および上流の第2脚部202に前もって遠位に相互接続される。このようにして、平行のカバードステント300が、単一の内腔にまとまって収束される。
側枝または脚部のない追加のカバードステント410は、カバードステント400の近位オリフィスに遠位側で相互接続される。追加のカバードステント410が、ガイド要素10およびガイドワイヤ20の両方に亘ってデリバリされ、その両方は、それぞれカバードステント400の遠位脚部の1つを通ってカバードステント410内を延びる。カバードステント300が、以前に首部血管内への延長カバードステントに使用された1つまたは複数のガイド要素10を含む場合、これら1つまたは複数のガイド要素10もまた、カバードステント410の内腔を通って延びる。
カバードステント400、410、420の重なり合いは、移植中に、患者の大動脈の解剖学的構造に順応するように適応され得る。
次に、大動脈の下流方向にカバードステント420が移植/提供され、血流を直前に移植された遠位カバードステント410の近位オリフィスに相互接続可能である遠位共通内腔およびオリフィスから2つの脚部へと分枝させる。ガイド要素10は、第1脚部内部を延びる。ガイドワイヤ20は、他の脚部の内部を延びる。2つの脚部を有するステントが、デリバリカテーテル内で、以前に遠位にデリバリされたモジュールのデリバリのために使用されたものと同じであってもよい2つの後者に亘ってデリバリされる。
最後に、図面の下部にそれぞれ2つの側枝3を備える2つのカバードステント310、320が示されている。これら2つのカバードステント310、320は、それぞれ図5aおよび5bを参照して以下においてより詳細に説明する。
第1のカバードステント310は、ガイド要素10(ガイド要素8上をカバードステント420の脚部へと摺動されるカテーテル)によってデリバリされる。この目的のため、ガイド要素が第1のカバードステント310を完全に通過するように延びるという点が異なるが、図8を参照して説明されるもののような追加のデリバリカテーテルが使用されてもよい。1つまたは複数の追加のガイド要素10は、図2参照の、移植されると分枝血管内へと伸長する延長カバードステント600のデリバリのために、第1のカバードステント310の側枝のうちの1つまたは複数に付着されてもよい。
第2のカバードステント320は、ガイドワイヤ20によってデリバリされる。デリバリカテーテルが、既に説明したように、再度この目的のために使用される。追加のガイド要素が、図2参照の、移植されると分枝血管内へと伸長する延長カバードステント600のデリバリのために、第2のカバードステント320の側枝のうちの1つまたは複数に付着されてもよい。
2つのカバードステント310、320の近位端部が、2つの脚部を有するカバードステント430の2つの遠位脚部に相互接続され、それによって液体流路を提供する。それに応じてガイドワイヤ20およびガイド要素10が、カバードステント430を通るように延びる。
したがって、すでに説明したように、システム100は図2に示すように位置決めされる。
一例では、インビボおよび/またはインビトロのいずれかで行われ得る、複数のカバードステントを相互接続させる手段が提供される。
一例では、組み立て前および/または組立中に、システム100のカバードステントは整理され、組み立てのための正しい順番に配置される。一例では、移植中に組み立てられる場合、説明したように、必要に応じて多数のカテーテル30が使用されてもよい。システムの構成要素は、外科医のために、移植を容易にするため、適切にナンバリングされたキットとして提供されてもよい。キットの構成要素および構成は、移植処置の前にコンピュータにより設置されてもよい。外科医および/または臨床の人員による処置を支援するために、ソフトウェアが提供されてもよい。外科医が、事前に処置を仮想的に計画してもよい。そして、好ましくはキットの構成要素の番号を有する構成要素、および処置ステップの順序が、移植処置中にソフトウェアによって提案されてもよい。使用された構成要素および実行されたステップのソフトウェアフィードバックに入力することによって、品質保証が提供されてもよい。X線撮像およびタイムスタンプおよび他の医療用装置測定または入力データが保存されてもよい。したがって、効率的に処置が実行され、同時に記載されてもよい。
図1に示されていないが、追加のナビゲーション要素20および/またはガイド要素10が、説明したように、側枝3のナビゲーション、および側枝3と分枝血管との整列のために設けられてもよい。特定のカバードステント、脚部または側枝へと向かうナビゲーション要素20またはガイド要素10を容易に見分けるために、実施例では、各ナビゲーション要素およびガイド要素はラベル付けされている。
システム100と共に説明したモジュール式カバードステントを次により詳細に説明する。上述のように、モジュール式ステントは、他のシステムにおいては、図面に示されたものとは異なって配置されてもよい。いくつかのモジュール式カバードステントが、既知のユニットとの接続のために個別に、または標的部位、治療の必要性および/または患者の病歴に応じて個別に設けられてもよい。
図3は、3つの脚部201、202、203を備えるカバードステント200、ナビゲーション要素20および3つの脚部のすべてへのナビゲーションを容易にするための、縫合糸の形態のガイド要素10を示す。図3および8は、カバードステントからなるシステム100の移植中に、縫合糸などの、1つまたは複数のガイド要素10(1つが示されている)が、いかにカバードステントを通って延び得るかの例を示す。
3つの脚部201、202、203は、1つは首の動脈内へ、そして2つは側分枝血管接続を備えるチャネル(組み立て時)を通って、3つの大動脈弓分枝血管への接続のために設けられる。3つの脚部201、202、203は、内腔の直径および長さが異なってもよい。カバードステント300、600の重なり合いは、移植処置中に、患者の解剖学的構造に応じて選択されてもよい。
予め付着された、1つの脚部(203)および別の脚部(201)内へと延びるガイド要素10によって、分枝血管の個別の挿管が可能になる。そのような移植の開放した脚部を備える側枝を位置特定するという困難なしに、人工器官のすべての側枝への直接のアクセスが提供される。これは、従来では、通常オペレータが分枝血管を目標とする場合に、感触がなく、デリバリカテーテルの長さのため、ナビゲートが困難であった。また、処理中の血流脈動、および側枝の挿管の処置における他の困難が、既知のカバードステントの場合よりも関連性が低い。3Dから2Dへの視覚化の難点が回避され、必要とされるX線照射量がより少なく、処置が、著しい時間が短縮され、患者の危険性が低減されて提供される。
ガイド要素10は、カバードステントが、カバードステントからなるシステム100となるように全体として接続され得るように、追加のカバードステントを接続位置へとガイドするために使用される。図8の詳細については以下に記載する。
一例では、図3に示すように、ナビゲーション要素20は、本明細書においてはガイドワイヤであり、脚部202を介して、3つの脚部を有するカバードステント200の内部を通って延びる。システム100の移植中、ナビゲーション要素20は、任意のカバードステントが所望の標的部位位置までナビゲーション要素20に随伴し得るように、血管内へ、十分に奥まで挿入される。
一例では、カバードステントは、デリバリカテーテル内でナビゲーション要素20に沿って摺動させられることによって、それぞれの位置へとガイドされる。遠位カテーテル端部の外へと開放されると、カバードステントは所定位置へと拡張し、その標的部位に移植される。拘束部材8が設けられてもよい。
図3は、さらに、縫合糸などの、1つまたは複数のガイド要素10は、カバードステント200に付着されてもよいことを示している。図面では、縫合糸10は、第2脚部4の内部に配置され、第3の脚部を通って外へと延びている。ガイド要素10は、既に説明したように、カバードステント100からなるシステムを形成するように接続され得るようにカバードステントをデリバリするために、デリバリカテーテルをガイドするというナビゲーション要素20の目的と類似の目的を持つ。
オペレータは、2つの脚部を容易に設置し、追加のカバードステントを2つの脚部のいずれかへとナビゲートすることが可能である。オペレータは、ガイド要素10を介して、第1の追加のカバードステント600を、ガイド要素10が付着される脚部201へとナビゲートすることが可能である。第1の追加のカバードステント600が正確に位置決めされ、3つの脚部を有するカバードステント200に接続されると、オペレータは、同じガイド要素10を介して、第2の追加のカバードステントを、縫合糸が3つの脚部を有するカバードステント200から近位に出ていく脚部203へとナビゲートする。ナビゲーション要素20は、オペレータが、図3に示すように第3の脚部の位置も特定すること、およびユニットを希望通りにその道筋でデリバリすることを確実にする。
概して、ガイドワイヤのようなナビゲーション要素20の代わりに、またはそれに加えて縫合糸のようなガイド要素10を使用することの利点の一つは、縫合糸またはワイヤが可撓性を有して提供され、破損することなく希望通りに折り曲げられ、操作され得ることである。ガイドワイヤである場合、ナビゲーション要素20は、通常、たとえば、穿刺部位から血管に沿って押し出すための、オペレータから遠位の力を加え得るように、より硬い。そしてカテーテルは、ガイドワイヤに亘って通されて、ガイドワイヤに沿って移動させられる。そしてガイドワイヤが、カテーテルを通してユニットをデリバリするために、カテーテルから取り除かれてもよい。
ガイド要素10の可撓性特性により、たとえば、カバードステントが、それぞれの位置に配置されること、および/またはたとえば、カバードステント中の角部、ならびに/または血管および/もしくは側枝3中の角部を迂回してナビゲートされることが可能になる。ガイド要素10は、実施形態において、デリバリカテーテルの内腔の外側を延び、内腔を通ってユニットをデリバリさせることが可能である。代替的に、またはそれに加えて、ガイド要素は、ユニットのデリバリのための内腔と同じ内腔を通って延びてもよい。
そして、好ましくは、カテーテル30の遠位先端部は、遠位オリフィスがガイド要素10の遠位端部の付着点を超えて延在する設計を有する。これは、たとえば、ガイド要素10が適合する、カテーテルの内腔壁内の長手方向の凹部(図示されず)によりもたらされ得る。そして、デリバリ用オリフィスを備えるカテーテル30の遠位端部は、付着点11を越えて突出してもよく、デリバリカテーテル30が遠位方向に押し出されると、凹部の近位端部が位置決めされる。凹部は長手方向スリットであってもよい。凹部は、ガイド要素10を凹部内により簡単に捉える、または導入させるために、少なくともV字形状部分を有してもよい。カテーテル30は、ガイド要素10を凹部に入らせるために、わずかに揺り動かされるおよび/または回転させられてもよい。
ガイド要素10に関して既に説明したように、ガイド要素10の遠位端部がカバードステントに持続的または解除可能に付着される位置11には、マーカが、たとえば、MRI、CTまたはX線による走査中に容易に視認され得るように、有利に設けられる。接続点11は、実体的な抵抗、およびデリバリ処置の間に外科医によってカテーテル30がさらに遠位に進められることを防止するために、ガイド要素10の停止ユニットとして機能する。
図4は、側枝を備えるカバードステント1を示し、例示的なシステム100(図1および2)の側枝3を備えるカバードステント300の一例である。
カバードステント1は、カバードステントである本体2、および本体2に接続される横方向側枝3を有する。側枝3は、本体2から外へと突出し、柔軟性を有しかつ拡張可能である。側枝3が柔軟性を有しかつ拡張可能であることの利点の一つは、本体2の移動に依存することなく、側枝3が少なくとも1つの次元で容易に移動可能であり、それによって分枝血管が見つかり、側枝3を用いて中へと入る移植中に、より容易に整列されることである。
図14A〜Dは、単一の横方向側枝を備えるモジュール式カバードステント300の例の斜視図、上面図、側面図および前面図である。代替的に、またはそれに加えて、カバードステント1は、図5aおよび5bに示すように、カバードステント310、320のような、複数の側枝3を有してもよい。接続部3aにより、枝3のある程度の移動がもたらされる。これは、長期安定性を向上させ、血栓の形成の防止に寄与してもよい。
代替的に、またはそれに加えて、カバードステント1は、複数の脚部を有し、脚部の少なくとも1つは側枝3を備える。したがって、一例(図示されず)では、カバードステント1は複数の脚部を有し、各脚部は、側枝3を備える。一例では、側枝3は収縮し、畳まれる、または折り曲げられ、図3の側枝3のようになってもよい。畳まれた状態には、径方向および/または長手方向に畳まれた状態が含まれ、デリバリのための横断面を減少させる。
一例では、畳まれた時の側枝3の形状は、ドーム型または略半球形状であってもよく、非制限の例については図7参照のこと。これにより、側枝3には、今日の既知の装置のような、分枝血管を切り裂き、引き裂き、または貫通し得る鋭い縁がまったくないため、カバードステント1は、今日の既知の装置よりも、動作中の挿入および/または分枝血管へのナビゲーションがより安全となる。しかし、分枝血管3は、たとえば図1、2、4、5a、5b、6、8、10、11、14、15B、C、20に示すように、好ましくは本体2から長手方向にのみ拡張可能であり、円筒形状である。
側枝3は、形状が分枝血管に適合するように変化され、たとえば、別のカバードステントまたはカバードステントとともにカバードステントの本体から離れて分枝血管内へとさらに伸長することを可能にするように構成される。そのような拡張状態は、特に、図4、5a、5b、9および10、11、14、15、17、19、20に概略的に示すような、枝3の長手方向に拡張した形状を含む。長手方向に畳まれた状態から拡張状態への移行は、図6に示すように、展開、引き伸ばし、ばねの効果または他の類似の枝3の動作によって行われてもよい。
図5a〜bは、拡張状態の複数の側枝を備えるカバードステントの2つの例を示す。図5aに示すカバードステント310は、同じ側から突出する2つの横方向側枝3を有する。図5bのカバードステント320もまた2つの側枝3を有するが、それらは両側から突出している。
側枝の他の構成が、標的部位における解剖学的理由からの必要に応じて提供される。一例では、側枝3は、本体2上の任意の望ましい位置に分配される。一例では、側枝3の位置は、カバードステント1が設置される血管、およびその分枝血管の配置に基づく。図示されないが、カバードステント1もまた、3つ以上の側枝3を有してもよい。側枝は、側枝に向かって傾斜する角度、すなわち、本体の長手方向軸からの、90度以外、たとえば約30または45度と90度との間の角度を有する。
以下においてより詳細に説明するように、横方向側枝3は、第1の突出長さまたはサイズから第2の突出長さまたはサイズへと拡張可能であってもよい。この拡張は、本体2の拡張に依存するものでなくてもよく、その逆もまた同様で、本体2の拡張は、側枝3の拡張に依存するものでなくてもよい。これは、側枝3を備えるカバードステント1が畳まれるまたは折り曲げられると、一例では、カバードステント1の本体2が拡張または展開されることなく、側枝3が拡張または展開され得ることを意味する。別の例では、側枝3が拡張または展開されることなく、カバードステント1の本体2が拡張または展開され得る。
ある実施形態においては、カバードステント1の側枝部分3が、伸長時に柔軟性を有するため、側分枝血管との整列が、従来のカバードステントの場合ほど重要でなくなり得る。柔軟性のおかげで、たとえば、図7および11に示される、側枝3の柔軟性により、移植中および移植された時の、側分枝血管へと向かう、および/または側分枝血管内へのナビゲーションが促進される。カバードステント1の本体における側枝3のオリフィスの分枝血管オリフィスに対するある程度の不整列は、柔軟性を有し横方向に延びる側枝3の経路によって修正されてもよい。側枝3の血液連絡路は、側枝3の遠位端部にて相互接続し、側分枝血管内へと伸長する追加のカバードステントまたはカバードステントグラフト係合することによって伸長され得る。
図6は、下部から上部に向かって、畳まれた形状から拡張形状へと自己拡張可能である側枝の例の図を示す。図6は、カバードステント1の一例を示している。本明細書において説明するカバードステントは、一例では、自己拡張可能である、または、別の例において、膨張可能なバルーン、プッシャユニットなど、別の装置によって拡張可能である。図6は、3つの異なる側枝3を異なる拡張長さで示している。
カバードステント1は、カバードステントである本体2、および本体2に接続される横方向側枝3を有する。側枝3は、本体2から外へと突出し、拡張可能であり、任意に、柔軟性を有する、および/または本体の長手方向軸に対する角度で傾斜可能である、および/または本体2から突出するときにそのような角度で配置される。側枝3が柔軟性を有しかつ拡張可能であることの利点の1つは、本体2の移動に依存することなく、側枝3が、少なくとも1つの次元で容易に移動可能であり、それによって、分枝血管が見つかり、側枝3内へと入るために移植中により容易に整列されることである。
一例では、カバードステント1は、複数の側枝3を有してもよい。一例では、カバードステント1は、複数の脚部を有し、脚部の少なくとも1つは側枝3を備える。したがって、一例では、カバードステント1は複数の脚部を有し、各脚部は、側枝3を備える。一例では、側枝3は収縮し、畳まれる、または折り曲げられ、図3の側枝3のようになってもよい。畳まれた状態には、径方向および/または長手方向に畳まれた状態が含まれる。
一例では、畳まれた時の側枝3の形状は、ドーム型または略半球形状であってもよく、非制限の例については図7参照のこと。これにより、側枝3には、今日の既知の装置のような、分枝血管を切り裂き、引き裂き、または貫通し得る鋭い縁がまったくないため、カバードステント1は、今日の既知の装置よりも、動作中の挿入および/または分枝血管へのナビゲーションがよりはるかに安全となる。
側枝3は、形状が分枝血管に適合するように変化され、たとえば、別のカバードステントまたはカバードステントとともにカバードステントの本体から離れて分枝血管内へとさらに拡張することを可能にするように構成される。そのような拡張状態は、特に、図4、5a、5b、6、8、9および10、11、14、15、17、19、20に概略的に示すような、枝3の長手方向に拡張した形状を含む。長手方向に畳まれた状態から拡張状態への移行は、図10に示すように、展開、引き伸ばし、ばねの効果または他の類似の枝3の動作によって行われてもよい。
一例では、拡張は、たとえば図10に示されるように、カバードステント1および/または側枝3のばねの効果によって得られてもよい。一例では、拡張は、血管内で平衡位置に至ってもよい。
横方向側枝3は、好ましくは、本体と一体的に形成される。いくつかの実施形態では、側枝には、側枝3を径方向に拡張することなく側枝3の長手方向に弾性的に自己拡張するばねが設けられる。ばねは、図15B、Cに示すように巻き上げられた、つる巻きばねであってもよい。ばね状構造体は、側枝の、人工器官本体からの拡張を補助するために、直角に、あるいは本体の長手方向軸から90度以外の別の角度で設けられる。
カバードステント1または側枝3は、カバードステントのステント/支持フレーム部分として適切に配置されるワイヤを含んでもよい。一例では、ワイヤは、カバードステントの長手方向にU字の形状を有してもよい。別の例では、ワイヤは、図10に示すように、らせん状に巻き上げられてもよい。さらに別の例では、それらはジグザグ形パターンなどのような、適切なパターンで配置されてもよい。
一例では、ワイヤは、外被を織り込んだワイヤであってもよい。ワイヤは、編み込みパターンまたは組みひものようなメッシュを形成してもよい。ワイヤは、また、ステント部分のばねのようなパターンを形成するようにレーザ切除されてもよい。
代替的に、またはそれに加えて、ワイヤ、または本装置の他の拡張可能な構成要素は、形状記憶素材で作製されてもよい。そのようなワイヤの形状記憶効果は、温度のような既知の誘因による、畳まれた形状から拡張形状へ、などの形状の変化に対する備えとなり得る。適切な素材には、ニチノール、CrMo合金、形状記憶ポリマなどが含まれる。そのような素材で作製される実施形態の構成要素の形状は、加熱処理によって提供されてもよい。そのような素材の実施形態の構成要素は、畳まれた構成または圧縮構成から拡張、開放構成への形状の変化に対し、弾性または超弾性特性(たとえばニチノール)にのみ依拠してもよい。
カバードステント1が、デリバリカテーテルを出る際に弾力性構成にされると、たとえば、以下において図10を参照して説明するように、カバードステントの本体から外へと弾性的に拡張する。
図7は、折り曲げられた、または畳まれた側枝を備えるカバードステントが、分枝血管を見つけるために以下に使用され得るかを示す。火山型の側枝3は、既に述べたように単なる例である。ガイドワイヤ20は、側枝を通過するように供給され、カテーテルは、ガイドワイヤに亘って通される。そして、側枝を通るデリバリ経路が提供される。
ガイドワイヤ20は、事前にガイド要素10によって、たとえば側枝3にある標的部位へとガイドされたカテーテル30を介して所定位置に持ちこまれてもよい。カテーテル30が引っ込められ、異なるカテーテルガイドワイヤに亘って通されてもよく、したがって、ガイドされたカテーテル30によって所定位置に設置されてもよい。
図8は、側枝3を備えるカバードステント300と、および側枝のナビゲーションを容易にするためにカテーテル30をガイドするための、ガイド接合部9を備えるカテーテルと、を示す。
図8に示される一例では、カテーテル30は、ガイド/ナビゲーション要素によって側枝3へとガイドされるときにガイド要素10上を移動するように構成されるガイド接合部9、および/またはナビゲーション要素20を備える。
この例では、ガイド接合部9は、カテーテル30に付着される1本の管である。代替的に、ガイド接合部9は、たとえば、カテーテルの管状部材の適切な押し出し加工によって、カテーテルと一体的に形成される。ガイド接合部は、内腔として形成されてもよく、および/またはカテーテル壁と一体であってもよい。ガイド接合部9は、カテーテルと一体であってもよく、あるいは、たとえば、接着、溶接、または他の機械的付着手段によってガイド要素10に適切に付着される別個の要素であってもよい。カテーテル30は、少なくとも1つの内腔を備える複数の内腔を有するカテーテルであってもよい。好ましくは、カテーテル30は、二重内腔カテーテルである。図16に一例が概略的に示される。第1の内腔30aは、第1の内腔の遠位オリフィスを通って配置可能であるユニットのデリバリのために設けられる。第2の内腔は、ガイド接合部9として、ガイド要素10の近位端部からその遠位端部および付着点に亘って通すために設けられる。第2の内腔は、好ましくは、第1のカテーテルの内腔の遠位オリフィスの近位に設けられるオリフィスを有する。この方法では、第1の内腔の遠位オリフィスは、ガイド要素10の付着点を超えて遠位に位置決め可能である。
代替的に、またはそれに加えて、ガイド接合部9は、ガイド要素10を通すためのリング、ハトメ、スナール、またはループを備える。ガイド接合部9の内径は、互いに沿っての摺動運動のために、2つの要素の間の過度の摩擦を避けるためのある程度の公差を有して、ガイド要素10の外径を受容するように適合される。
ガイド接合部9は、そこを通して、ガイド接合部9に沿ってガイド接合部の遠位端部へ、および遠位端部から摺動移動可能であるようにガイド要素10を嵌合して受容するためのユニットであり、好ましくはカバードステントに付着される。ガイド要素10は、ガイド接合部9に沿って摺動移動可能であるように、ガイド接合部9を通されるように構成される。患者の外部、ガイド接合部の近位端部にて、ガイド要素10が適切に通され、ガイド接合部は、可撓性のガイドユニット10を形成するために、たとえば編み合わせられたマルチフィラメントストランドからなるたとえば、縫合糸、糸、フィラメント、またはワイヤである。
代替的に、またはそれに加えて、ガイド接合部9は、二重(または多重)内腔カテーテルの内腔、またはガイド要素10上で摺動を可能にするように構成され、好ましくはガイド接合部がその内部で使用される血管または内腔を損傷しない他の任意の適切な要素であってもよい。
ガイド接合部9は、カテーテル30の遠位端部から適切な長さだけ離れて、すなわち近位に配置される遠位端部または開口を有利に有する。このようにして、カテーテル30の遠位端部または開口は、ガイド要素10および/またはナビゲーション要素20の終端位置、たとえば、縫合糸の結び目など固定部分にあるとき、ガイド接合部9よりもさらに遠位に進んでもよく、ガイド要素10および/またはナビゲーション要素20は、本明細書において説明および図示するように、カバードステントに、たとえば、オリフィスまたはその開口にて遠位に付着される。
したがって、ガイド接合部9は、好ましくはカテーテル30の遠位端部または遠位開口の近位の(離れた)カテーテルに配置される遠位端部または遠位開口を有する。
このようにして、カテーテル30の遠位端部が接続点11の遠位に位置決めされてもよいこと、たとえば、その内部でデリバリが行われる側枝をカテーテル、たとえば、カバードステントの内腔を通して分枝血管に入れること、固定点が位置する主血管カバードステントとの組み立ておよび相互接続を確実にする。このようにして、オペレータには3次元視覚化が必要でないため最小限のX線照射量で、分枝血管カバードステントが主血管カバードステントの正しい位置、すなわち枝開口にデリバリされ得る。
一例では、図8にも関連して、ガイド要素10は側枝3に付着される。これにより、最小限の労力で、かつ信頼性および患者安全性が向上されて、たとえば、側枝3と接続されるまたは側枝3の外へとデリバリされるために、ガイド接合部9を備えるカテーテル30を通って容易にデリバリされるように、任意の要素、好ましくはカバードステントをさらに移植することが可能になる。
図8に示すように、ガイド接合部9は、いくつかの実施形態では、カテーテル30の遠位端部から離れて設置される。カテーテル30の遠位端部から離れたガイド接合部9の利点の1つは、カテーテル30が、ガイド要素10の付着位置11よりも遠くに達し得ることである。たとえば、ガイド要素10が側枝3に付着される場合、カテーテルは、側枝3を通ってさらに外側へと到達し得る。これにより、たとえば、延長カバードステント600を側枝3にて位置決めおよび接続するための容易なアクセスが可能になる。
好ましくはガイド接合部9の遠位端部の遠位の、カテーテル30の遠位端部部分は、それに加えて、または代替的に、折り曲げられ得る(図8参照)。これにより、遠位端部における、望ましい出口角度、たとえば、本体300の長手方向軸に対して略直角の、デリバリカテーテル30のオリフィスが可能になる。
しかし、ガイド接合部9の遠位部分または端部は、いくつかの実施形態では、カテーテル30の遠位端部にまで達する。改良され、利点を有し、最小限に侵襲的である、側枝を通しての要素のデリバリがどのような場合においても確実となる。
たとえば、図9a、b、c、10および11、15および17に示す一例では、カバードステント1には、拘束部材の解放までカバードステント1が拡張することを防止する拘束部材8が設けられ、制御可能に拡張するカバードステント1が提供される。
一例では、拘束部材8は、PTFEまたはGore−Tex(登録商標)素材で作製されてもよい。拘束部材8は、デリバリのためにカバードステントの周りに解放可能に配置される、フラットシート、織物、または不織素材として設けられてもよい。代替的に、拘束部材には、体内に挿入され、容易に操作され得る他の任意の適切な生体適合性材料が選択されてもよく、また配置中に任意の血管または内腔をカバードステント1から保護する。
図9a〜cは、拘束部材の例を示し、たとえば、自己拡張可能のカバードステント200に、そのような拘束部材8が設けられてもよい。カバードステントは、拘束部材の取外しによって、制御可能に折り畳みから拡張形状へと移行する。
一例では、拘束部材8の取外しは、単にストリングを引っ張ると、カバードステントの周りに配置される1枚の拘束部材9を結合している縫合線が開放されることによって行われる。解放ストリングを引くことによって、拘束部材が、ストリングを引っ張った距離に応じて、縫合線に沿って開く。したがって、図9a〜cに示すように、拘束部材は、部分的または完全に開く。一例では、複数のストリング/縫合線が、どこで拘束部材8がカバードステントおよび/または側枝3の拘束から取り外されるかを選択するために使用される。
代替的に、またはそれに加えて、拘束部材8は、カバードステント1および/または側枝3の拡張が個別に選択され得るように、部分的に取り外されるように構成される。これは、図9aに示されており、カバードステントが拘束部材8によって完全に拘束されている。図9bでは、拘束部材8は部分的に開き、それによってカバードステントが部分的に拡張されて示されている。部分的に拡張したステントは、所望であれば、依然として位置変更されてもよい。
図9cの例は、カバードステントの複数部分を拘束するための複数の拘束部材8を示している。各拘束部材は、カバードステントの別々の部分、この例では3つの脚部を有するカバードステント200を拘束するために設けられる。このようにして、3つの脚部は、容易に、個別に、1つずつまたは同時に拡張され得る。同様に、側枝3を備えるカバードステント1は、たとえば、本体2の周りの拘束部材および側枝3の周りの別の拘束部材8から取り外すことによって、部分的または完全に拡張され得る。図18を参照して、一例を説明する。
折り畳み状態のユニット(図9a)が、既に説明したように、ガイド要素10に沿って摺動可能であるガイド接合部9を有してもよいデリバリカテーテルを通して標的部位へと導入される。図9に示す組立体(および他の類似のもの)は、たとえば図3に示すように、1つまたは複数のガイド接合部10自体を含んでもよい。(1つまたは複数の)ガイド要素10の後半は、カバードステント(ここでは200)から、拘束部材8の内部から外部へと、さらにカテーテルの近位端部へと向かって近位に、そして患者の外部へとナビゲートされる。したがって、追加の要素が、本明細書において説明するように、移植時に、カバードステントを通して有利にデリバリされてもよい。
一例では、複数のストリングは、どこで拘束部材8がカバードステント1および/または側枝3から取り外されるかを選択するために使用される。
代替的に、またはそれに加えて、拘束部材の縫合線のストリングは、カバードステント200に付着される場合、(1つまたは複数の)ガイド要素10の1つである。そして、ガイド要素10は、カバードステントに遠位側で付着され、たとえば図3にあるように、近位側でカバードステント200のオリフィスの外に延びる。そして、ガイド要素10は折り返され、保護ユニット8の内部を延びる。再度、近位に向き、解放可能な縫合線を提供する。引っ張られ、縫合線から取り外されると、すなわち、拘束部材が解放されると、さらに引き戻され、ガイド要素10は、カテーテルガイドとして使用されるように留置される。この、ガイド要素10および保護ユニット/拘束部材8の縫合線の共働作用は、他の利点のなかでも、患者の外部へと引き出される必要のある構成要素の数が減少するという点で有利である。拘束部材8は、カバードステント1および/または側枝3の拡張が個別に選択され得るように、部分的に取外し可能であるように構成される。これは、図9aに示されており、カバードステント200が拘束部材8によって完全に拘束されている。図9bでは、拘束部材8は部分的に開き、それによってカバードステント200が、ここではその長さに沿って部分的に拡張されて示されている。
図9cには別の例が示されており、複数の拘束部材8が、3つの脚部を有するカバードステントの別々の部分を拘束するために使用されている。このようにして、たとえば、カバードステント200の3つの脚部のうちの1つまたは複数が、容易に、個別に、1つずつまたは同時に拡張され得る。同様に、側枝3を備えるカバードステント1は、たとえば、本体2の周りの拘束部材および側枝3の周りの別の拘束部材8(図示されず)から取り外すことによって、部分的または完全に拡張され得る。
図10は、いかに外被が、カバードステントを畳まれた、または折り曲げられた形態で保持するために、および制御可能にカバードステントを部分的または完全に解放するために使用されるかを示す。
図10は、いかにカバードステント1が、最初に、図10の上部(a)に示すように、拘束部材8から、一方の側、右手側から解放されるかを示す。図10の中央および下部(bおよびc)に示すように、カバードステント1の、側枝3を備える部分が次に解放される。これは、図11にてさらに示されており、カバードステント300は、側枝3を分枝血管に容易に適合させることを可能にするために、拘束部材8から部分的に解放されている。カバードステント300の、側枝3を備える部分が拘束部材8から解放されると、側枝3は、分枝血管と整列され、そして分枝血管内へと拡張される。そして、カバードステント300は、図11の下部に示すように、拘束部材8から完全に解放される。分枝血管内へとさらに伸長するカバードステント600が、本明細書において説明するように、デリバリおよび配置されて示されている。
図11は、分枝血管を見つけ出す簡単な手段で使用され得る、カバードステント1の一例を示す。カバードステント300は、カテーテルなどのデリバリ装置30の外へと完全に押し出され、カバードステント1の本体2が拡張される。
側枝3は、例では、外側に押し出されることによって拡張される、および/または既に説明したように、たとえば、図6、7および9に示すように、それ自体によって拡張するように構成される。
追加の押出し要素(図示されず)が、柔軟性を有する側枝3を、折り曲げられた、または畳まれた状態から拡張するように、所望の方向および外方向に押し出すために使用され得る。これは、側枝3が自己拡張可能でない場合に適用される。
自己拡張可能な側枝3の場合、側枝3は、デリバリカテーテル(30)から解放されると、および/または拘束ユニットが取り外されると即座に本体から径方向外側に拡張する。
分枝血管との整列をより容易にするために、カバードステントの側枝3には、たとえば、図3に示すように、マーカ21が設けられ得る。側枝3が分枝血管と水平になる、または整列するとマーカ21により、オペレータにそれが視認可能になる。側枝3にマーカを1つのみを有することによって、X線透視法において整列される必要がある複数のマーカを有する今日のカバードステントと比較して、X線などの撮像装置の使用により、カバードステント1をその所望の位置に整列させることがオペレータにとってより容易になる。マーカ21は、例では、MRI、X線、超音波などの撮像装置が保健医療またはカバードステントの設置に使用される場合、一般的な種類の下で視認可能である任意の基準マーカである。カバードステントの構造それ自体は、通常、たとえば、X線透視法においては視認することが難しい。マーカは、たとえば、そのような撮像において良好な視認性を可能にする、金または類似の材料で作製されてもよい。
一例では、側枝3は、縫合糸10などのガイド要素10によって折り曲げられるまたは畳まれ、拘束される。ガイド要素10は、たとえば、側枝3の周りで包囲され、側枝3の内部に解放可能に接続される、または側枝3に付着され、それによって解放可能に折り曲げられる、または畳まれる。そして、ガイド要素を近位に引くことによって、側枝3が折り畳まれた状態から拡張した状態へと解放される。ガイド要素10は、カテーテルのガイドとして使用されるために所定位置に留まる。
一例では、カバードステント1は、カバードステント1の本体2を、たとえば図9〜11に示すように移動させることによって、分枝血管と整列される。一例では、これは、カテーテル30の外へと部分的にのみ押し出される、および/またはすでに開示したように、拘束装置から部分的に解放されるカバードステント1によって達成され、それによって、カバードステント1が、カテーテル30を移動させることによって移動され得る、または、たとえば図9および10に示すプッシャワイヤによって移動され得る。好ましくは、側枝3は、自己拡張可能である。
一例では、カバードステント1は、側枝3のマーカ21が分枝血管と整列するまで上方向に移動させられる。そしてカバードステント1は、側枝3が分枝血管に入るまで回転させられる。側枝3が分枝血管に入ると、ガイド要素/たとえば、縫合糸10が解放され、側枝3が、それ自体によって、または外方向に押し出されることによって分枝血管内へと拡張される。
さらに別の例では、カバードステント1は、カバードステント1の本体2をナビゲートすることによって、およびカバードステント1の側枝3をナビゲートすることによって分枝血管と整列される。
図15Aは、デリバリ構造の横方向側枝を備えるモジュール式カバードステント300の斜視図および断面図である。図15Bおよび15Cは、本体の解放前の、図15Aのモジュール式カバードステント300の横方向側枝の配置の概略図である。人工器官/カバードステントを覆う外側拘束部材/シースの2つの層が存在する。側枝の外側拘束部材8aは、側枝人工器官のみを拘束する。外側拘束部材8aは、第1の外側拘束部材8の外部を包囲する。これは、人工器官全体の長さの1/3など、一部のみである。第1の外側拘束部材8は、側枝人工器官の飛び出しを可能にするように切り出された形状で人工器官の全体を覆う。最初に、側枝の外側拘束部材8aが、側枝ガイドワイヤおよび側枝人工器官を解放するために、開放される。側分枝血管の位置が特定されると、図15Bおよび15Cに示すように、第1の外側拘束部材8aが、人工器官本体を完全に暴露するために開放される。人工器官デリバリシステムが挿入され、側分枝血管に近接して、または側分枝血管の方向に向けられて側枝先端部と並ぶ。人工器官の位置は、必要であれば、たとえば基準マーカの手助けにより調節され、任意に、ガイドワイヤは、側枝の入口を見つけるために使用され得る。側枝の外側シース8が開く。外側側枝シース8aは、側枝人工器官を解放するために、完全に開き得る。側枝人工器官が完全に拡張する。そして、人工器官本体の外側シース8が開き、人工器官全体を解放する。2つの内腔カテーテル30が、接続人工器官デリバリシステムのために、別のガイドワイヤを側枝内に運ぶために、ガイド要素10上を運ばれる。内腔9のうちの1つが、側分枝血管へのアクセスを得るために側枝ガイド要素10上を延びる。2つの内腔カテーテル30が初期位置にくると、以下において、方法および手順を参照してより詳細に説明するように、より深い部分へのアクセスのために上方向に自由に移動し得る別のガイドワイヤが、内腔30aを通って側枝に導入される。
図17Aは、別のデリバリ構造の横方向側枝を備えるモジュール式カバードステント300の斜視図および断面図である。図17Bは、モジュール式カバードステント300の本体および横方向側枝の開放の概略図である。図18は、横方向側枝の拡張からナビゲーションユニットを解放するためのカテーテルツールの概略図である。
人工器官/カバードステント全体を覆う、外側シース8の単一の層が存在する。人工器官の曝露は、3つの段階に分けられ得る。
第1段階:外側シース8の遠位部分が開き、人工器官本体の約1/3を開放する。外側シース8は、人工器官本体の第1の部分を解放するためにゆっくりと開く。人工器官の位置の調節が行われ得る。
第2段階:外側シース8が、側枝人工器官3が完全に暴露されるまで持続的に開く。正確な位置が見つかると、側枝3を解放するために外側シース8の中間部分が開く。側枝3が拡張される。外側シース8が、側枝3人工器官が完全に暴露されるまでさらに開き、必要であればその位置が調節される。側枝人工器官の先端部を開くために、設けられたループが、ループを保持するバーから解放される。ループがロック機構から解放されると、カバードステントが、弾性的に、および/または形状記憶の効果により拡張する。外側シース8が、本体2が曝露されるまで持続的に開く。そして、外科医が延長カバードステント600を側分枝血管へとデリバリし得る。側枝を送り出す前に人工器官本体2の部分を拡張することは、ガイドワイヤを側分枝血管内に設置する際に、潜在的に外科医の助けとなってもよい。
最終段階:側枝人工器官が分枝血管内にあるまで、シース8が完全に開く。
図18は、横方向側枝の伸長からナビゲーションユニットを解放するためのカテーテルツールの概略図である。カテーテル30の遠位端部の内腔は、枝3の開放可能な付着のための遠位ユニットを含んでもよい。枝3は、たとえば、ループ35のような付着手段を含んでもよい。1つまたは複数のワイヤまたは糸ループ35のような付着手段が、人工器官の側枝3の遠位端部に付着され、掛止部38に解放可能に固定され得る。掛止部38は、たとえば、図18に示す遠位端部にあるフランジのような停止ユニットに対し上または下方向に移動させられ得る。掛止部は、長手方向に移動可能であり、ループ35と係合可能である1つまたは複数のロッドまたは支柱を含んでもよい。ロッドまたは支柱などを含む掛止部38は、たとえば、示されているもののような停止フランジへと上に移動すると、ループ35のような付着手段と解放可能に掛止され得る。付着手段への掛止ユニットの解放することは、枝3が開放され、カテーテルが近位に引き出され得るように、(1つまたは複数の)ロッドの移動を逆方向にすることによって提供されてもよい。中央空間39が、ガイドワイヤまたはカバードステントを通過させるために設けられる。このようにして、枝39は、枝に付着したときに、掛止ユニットを備えるカテーテル端部を移動させることによって移動させられ得る。移動は、好ましくは本体から離れて分枝血管へと向かうが、所望であれば、解剖学的状況に適応させるために、枝3を本体へと向かうように引き出すように提供されてもよい。カテーテルは、既に説明したように、ガイド要素10を用いてガイドされてもよい。
側枝人工器官300の実施例は以下のとおりであってもよい。
人工器官側枝3の長さは、約15mmであってもよい。
他の限定されない例示的寸法が図14に示される。
予め装填されるガイド要素10の特徴:
ガイド要素は側枝に固定され、好ましくは、ガイド要素10に係合するための、カテーテルの向きの操作を補助する位置に固定される。接続点は、ガイドカテーテル30が枝3の内腔を通り、分枝血管オリフィスまたは内腔に向かってナビゲートされ得るように、たとえば、枝3の遠位側に配向された内面にある。
予め装填されるガイド要素10は、分枝血管に達するための、カテーテル30、たとえば図16に示す二重内腔カテーテル用のガイドとして作用する。
予め装填されるガイド要素10は、好ましくは、人工器官から容易にアンロックされるように構成されている。
内臓側枝310の例は以下のとおりとなり得る。
人工器官側枝3は、外科医がカテーテル30を用いて分枝血管を入れる補助となるように、本体2の長手方向軸に対して特定の角度、たとえば約30度の角度または45度の角度を維持するために設けられ得る。
側枝の内径は、約7mmの範囲内であってもよい。
側枝人工器官3は、分枝血管に向かって様々な接続角度への調節を可能にするように、ある程度の移動を可能にするために設けられる
図12は、医療処置の2つの例のフローチャートを示す。
方法700は、患者の血管である標的部位にアクセスするステップ710と、第1のカバードステントを、デリバリカテーテルを通じて、側分枝血管を有する標的部位にある血管の内部へとデリバリするステップ720と、第2のカバードステントを第1のカバードステントへとデリバリするステップ730と、血流を側分枝血管に供給するために第1のカバードステントを第2のカバードステントに接続するステップ740と、を含む。第2のカバードステントのデリバリは、カテーテル30を、ガイド要素10に沿って、第1のカバードステントの側枝の内腔の内部の位置まで摺動させること、第2のカバードステントを第1のカバードステントに接続するために拡張することを含む。ガイド接合部9を備えるカテーテル30は、ガイドワイヤのデリバリのために使用され得る。ガイドワイヤが側枝内の所定位置にあり、その側枝がある分枝血管内へと充分な長さで延びると、カテーテル30は引っ込められてもよい。そして、延長カバードステント600は、ガイドワイヤに亘って分枝血管へとデリバリされ得る。
代替的に、またはそれに加えて、方法800が提供される。第2のカバードステントは、側枝3を有してもよい。方法は、第2のカバードステントを、第1のカバードステントの側枝3を通して分枝血管にデリバリすることを含む。方法800は、患者の血管である標的部位にアクセスするステップ810と、第1のカバードステントを、デリバリカテーテルを通じて、側分枝血管を有する標的部位にある血管の内部にデリバリするステップ820と、側枝3を拡張させるステップ830と、第2のカバードステントを第1のカバードステントに、そして側枝3を通して分枝血管にデリバリするステップ840と、血流を側分枝血管に供給するために第1のカバードステントを第2のカバードステントに接続するステップ850と、を含む。ガイド要素10を備えるカテーテル30が、上で説明したステップ830〜840の間で使用され得る。
特定の例では、方法は、既に説明したように、および図1および2に示す最終の設計でシステム100をデリバリすること、および組み立てることを含む。
この例では、方法は、軟質ガイドワイヤが患者の血管に挿入されることから始まる。軟質ガイドワイヤを使用することで、挿入中に血管のどの部分も損傷しないことが保証される。さらに、軟質ガイドワイヤは曲げることが可能であり、それによって患者の血管系を通って標的部位、この例においては上行大動脈へとナビゲートされ得る。既に説明したように、体内の他の標的部位が代わりに選択され得る。
そして、第1のカテーテルが軟質ガイドワイヤ上で患者の血管へと挿入され、標的部位に達するまでナビゲートされる。第1のカテーテルにガイドされ、そして、より硬質であるナビゲーション要素20がカテーテルに挿入され、患者の血管に挿入される。
この例における標的部位は、上行大動脈であり、そして、そこで3つの脚部を有するカバードステント200が、デリバリカテーテルを介して大動脈弓内に位置決めされる。大動脈弓内で追加の構成要素とともに組み立てられた、デリバリ済みの状態を図2に示している。
そして、3つの脚部を有するカバードステント200が、第1のカテーテル30の内部にフィットするように畳まれる、または折り曲げられ、カバードステントの主要部分の内部に延び、脚部201のうちの1つを通って外へと延びるナビゲーション要素/ガイドワイヤ20を用いて、第1のカテーテル30の内部に沿って押し出される。
3つの脚部を有するカバードステント200には、既に説明したように、他の脚部のうちの1つの内部に付着されるガイド要素10が設けられる。一例では、大動脈弓の近傍または左側の位置が好ましい。
各ガイド要素10およびナビゲーション要素20は、識別を容易にするために、近位端部にてラベル付され得る。近位にラベル付された端部は、移植中は患者の外部にあるように構成される。
続いて、標的部位の正しい位置にあるとき、カバードステント200は、カテーテル30の外へと押し出され、既に説明したように、完全にまたは部分的に、拡張するまたは開く。カバードステント200は、脚部が主血管および大動脈の首部分枝血管に適合するまで回転させられる。また、既に説明したように、この整列は様々な方法で行われ得る。
次に、3つの脚部を有するカバードステント200が所定位置にあるとき、システム100は、追加のモジュールとともに容易に組み立てられ得る。既に説明したように、これは、複数の方法で行われることが可能であり、この例では、図1および2を参照して既に説明したように、3つの脚部を有するカバードステント200に続いて、側枝3を有する2つのカバードステント1および分枝血管内へと延びるためのカバードステント600が配置される。
図1および2に示す例では、延長カバードステント600は、3つの脚部を有するカバードステント200の1つの脚部の内部に付着されるガイド要素10を介してナビゲートされ、3つの脚部を有するカバードステント200を通してナビゲートされ、脚部を通って外へと延び得るように位置決めされる。ここで、カバードステント200は、拡張され重なり合うように脚部へと接続される。
続いて、側枝3を備える第1のカバードステント300がガイド要素10に沿って所定位置へと摺動させられ、第3の脚部203に接続される。ガイド要素10に沿った配置の後、またはその前に、第2のカバードステント300は、ガイドワイヤ20に沿って摺動させられ、第2脚部202に接続される。
大動脈内の血流を停止させる大動脈クランプまたは心停止法を必要としない。大動脈および分枝血管内の血流は、カバードステント300の平行配置により処理中に遮られない。
カバードステントをデリバリするとき、同時に、側枝3は、カバードステントとともに所定位置へとナビゲートされ、分枝血管内へと、または少なくともその方向に拡張される。続いて、追加の任意の延長カバードステントが、必要性に基づいて、分枝血管内へとさらに伸びるように挿入され得る。
次に、2つの脚部を備えるカバードステント400が、畳まれた状態で、ガイドワイヤ20およびガイド要素10に沿って第1のカテーテル30の内部に移動させられる。カバードステント400は、脚部が既に接続されたカバードステント300に向かって位置決めされるように方向決めされる。各脚部は、前にあるカバードステント300のうちの1つへとガイドされ得るように、ガイド要素10およびガイドワイヤ20のうちの1つに沿ってガイドされる。カバードステント1は、所定位置にあるとき、カテーテル30から解放され、拡張が可能となる。
代替的に、収束型のカバードステント400が、側枝を接続する、および/または延長カバードステント600をデリバリする前に、分枝したカバードステント300の近位端部に接続されてもよい。
次に、脚部または側枝のない管状のカバードステント410が、カテーテル30を通して所定位置へと押し出され、類似の方法であるが、内部で延びるガイド要素10およびガイドワイヤ20の両方を有して、前のカバードステント400へとナビゲートされ、接続される。組み立てられた人工器官の長さは、これらの相互接続がなされているときに、移植中に外科医によって選択される、カバードステントの変更可能の重なりによって調節可能である。
そして、2つの脚部を有するカバードステント420が、同様に、管状のカバードステント1に接続される。2つの脚部を有するカバードステント420は、既に大動脈の上流に遠位に接続されているカバードステントから離れるように、脚部と共に方向決めされる。これらの脚部は、ガイド要素10およびガイドワイヤ20それぞれに沿って延びる。組み立てられた人工器官の長さは、これらの相互接続がなされているときに、移植中に外科医によって選択される、カバードステントの変更可能の重なりによって調節可能である。
2つの脚部を有するカバードステント420の接続後、2つの側枝3を備えるカバードステント310は、前にデリバリされたカバードステント300と類似の方法で、デリバリカテーテルを通して、ガイド要素10に沿ってガイドされる。カバードステントの本体がおよそ正しい位置にあるとき、側枝3のさらなるナビゲーションが、分枝血管に向けて回転して正しく方向決めされるために行われる。側枝3は、したがって、分枝血管と整列され、分枝血管内へと拡張される。遠位で、カバードステント310が、2つの脚部を有するカバードステント420の脚部1つと接続される。
そして、2つの側枝3を備えるカバードステント320、および追加のガイド要素10またはナビゲーション要素20が、カテーテル30を介してガイドされ、分枝血管と整列され、2つの脚部を有するカバードステント420の第2の脚部に接続される。
最後に、最後の2つの脚部を有するカバードステント430が位置決めされ、2つの脚部は、2つの側枝3を備える2つのカバードステント310、320に、既に説明したものと類似の方法で、デリバリカテーテル30を使用して接続され、ガイド要素10およびガイドワイヤ20それぞれに沿って延びる。
システム100が接続され、完成すると、すべての残りのナビゲーション要素20およびカテーテル30が、患者から取り除かれる。ガイド要素10は、遠位側で切断され、長さを残して、好ましくは、後の生分解のために、所定位置に留置される。
図2に示す一例では、完成したシステム100が、組み立てられ、患者の大動脈弓の内部に移植されて示されている。見ての通り、別々のカバードステント1が互いに接続されており、側枝3は分枝血管内へと伸長され、カバードステント1によってさらに伸長されている。
追加の近位カバードステントモジュール(図示されず)が、たとえば腸骨動脈の復元または修復のために提供され、カバードステント430の近位端部に接続されるなど、移植されてもよい。
図13は、カバードステント1を分枝血管へとナビゲートするための方法を示す。方法900は、カバードステント1を既に説明したように提供するステップ910と、横方向側枝3を移動させることによって、横方向側枝3を分枝血管内へとナビゲートするステップ920と、を含む。
一例では、これは、既に説明したように、細長のナビゲーション要素20を用いることによって行われる。一例では、これは、図8に関連して説明したように、ガイド要素10およびガイド接合部9を備えるカテーテル30を用いて行われる。
この方法は、横方向側枝3を、分枝血管の所望に位置へとナビゲートされたときに、畳まれた状態から分枝血管内へと拡張させるステップをさらに含んでもよい。たとえば、図9〜11に関連して説明したように、これは、カバードステント1をナビゲートすること、それによって、側枝3が分枝血管と整列され、側枝3が分枝血管内へと拡張され、最終的にカバードステント1の残りの部分が拡張されることによって行われる。
一例では、方法は、拡張要素を横方向側枝3にて、および分枝血管内へのさらなる伸長のために、分枝血管内へ相互接続するステップをさらに含む。拡張要素は、カバードステント1であってもよい。
方法および処置のさらなる例が以下に示される。カバードステントを分枝血管へとナビゲートするための方法が提供される。方法は、カバードステント200、300、310、320を提供すること、およびガイド要素10を用いて横方向側枝を移動させることによって、横方向側枝を、分枝血管内へと、または分枝血管に向けてナビゲートすることを含む。方法は、横方向側枝3を通してデリバリされたカバードステントを、分枝血管にある所定位置にナビゲートされたときに、畳まれた状態から、分枝血管へと拡張させることを含んでもよい。方法は、好ましくはカバードステントである拡張要素600を横方向側枝にて、および分枝血管内へのさらなる拡張のために、分枝血管内へと相互接続することを含む。
複数のカバードステントを相互接続するための方法が提供される。方法は、側枝の出口に接続される湾曲可能なガイド要素を有するカバードステントを提供することを含む。方法は、カテーテルを、ガイド接合部9を用いて、ガイド要素に沿って側枝の出口へと摺動することを含む、そのような複数のカバードステントを相互接続することと、カバードステントの相互接続のために、別のカバードステントを、カテーテルを通して、湾曲可能なガイド要素に沿ってデリバリすることと、を含んでもよい。カバードステントは、好ましくは、相互接続部にて同一の寸法を有する。
患者の血管である標的部位にアクセスするステップ710と、第1のカバードステントを、デリバリカテーテルを通じて、側分枝血管を有する標的部位にある血管の内部へとデリバリするステップ720と、第2のカバードステントを第1のカバードステントにデリバリするステップ730と、血流を側分枝血管に供給するために第1のカバードステントを第2のカバードステントに接続するステップ740と、を含む医療処置が提供され、第2のカバードステントのデリバリは、カテーテルを、ガイド要素10に沿って、第1のカバードステントの側枝の内腔の内部の位置まで摺動させること、第2のカバードステントを第1のカバードステントに接続するために拡張することを含む。
患者の血管である標的部位にアクセスするステップ810と、第1のカバードステントを、デリバリカテーテルを通して、側分枝血管を有する標的部位にある血管の内部にデリバリするステップ820と、側枝3を拡張させるステップ830と、第2のカバードステントを第1のカバードステントに、そして側枝3を通して分枝血管にデリバリするステップ840と、血流を側分枝血管に供給するために第1のカバードステントを第2のカバードステントに接続するステップ850と、を含む医療処置が提供される。
デリバリ処置の別の例は、以下のとおりである:
1.デリバリシステムを、イントロデューサーシースを介して患者の体内に挿入する。
2.外側シース9を開き、および人工器官の近位端部から側枝人工器官に向かう方向に取り外す。側枝人工器官が開放され、完全に拡張されるまで開けておく。
3.側枝人工器官が完全に暴露されるまで、開放を停止する。
4.最初の適合のために、人工器官の位置を調節する。
5.二重内腔カテーテル30を、予め装填されたガイド要素10に亘って挿入し、接続点11にある端に接するまで側枝人工器官への進行を可能にする。
6.追加のガイドワイヤを、二重内腔カテーテル30を介して挿入し、および側枝3から突出させる。
7.人工器官の位置のさらなる調節を任意に行う。
8.分枝血管の位置が特定され、確認されると、位置を確保するために、追加のガイドワイヤを前進させる。
9.追加のガイドワイヤが分枝血管内で固定されて留まると、二重内腔カテーテルを取り外し、追加のガイドワイヤを用いて接続用人工器官600をデリバリする。
10.接続用人工器官600が分枝血管内にあり、完全に拡張されると、前の人工器官のシース9の残りを取り外し、全体を解放する。
11.ガイド要素10を側枝人工器官からアンロックさせ、すべてのガイドワイヤおよびデリバリシステムを患者の体内から取り除く。
以上、本開示を、特定の例を参照して説明した。しかし、上で説明したもの以外の他の例が、本開示の範囲内で等しく可能である。上で説明したもの以外の、ハードウェアまたはソフトウェアによる方法を実行する異なる方法ステップが、本開示の範囲内で提供されてもよい。本開示の異なる特徴およびステップが、説明したもの以外の他の組み合わせで組み合わされてもよい。本開示の範囲は、添付の特許請求項によってのみ限定される。
本開示は、概して、医療装置の分野に関する。より具体的には、本開示は、(1つまたは複数の)側分枝血管と液体連絡するためのカバードステント、ステントグラフトまたは内部人工器官である血管医療装置、およびそのような装置、たとえば、互いに対する組立のため、および患者内の標的部位での配置のための複数のカバードステントからなるシステムに関する。また、そのような装置およびシステムを配置するための医療処置を開示する。患者内の標的部位は、たとえば、患者の大動脈の少なくとも一部を含む。より具体的には、医療処置におけるそのような装置またはシステムの移植による患者の大動脈の少なくとも一部の治療を開示する。医療処置は、好ましくは最小限に侵襲性の血管修復である。
血管疾患、たとえば動脈瘤の治療または修復のために、モジュール式カバードステントまたはステントグラフトを使用することが知られている。特許文献1は、病気にかかった血管内の移植のための、カバードステントがカバードステントの中央部分に沿った開口部を有するモジュール式カバードステントからなるシステムを開示している。開口部は、追加のステントが主血管ステントからの開口部にて接続され得るように、主血管の分枝血管との整列のために使用される。開口部は、分枝血管の心門と正確に整列される必要がある。主血管ステントから、そして各開口部から分枝血管内へと追加のステントグラフトが突出する。
特許文献2には、見えない血管内へのステントグラフトの肢部の配置に有用である腔内ステントグラフト配置システムが開示されている。枝付きステントグラフトは、本体および本体から延びる肢部を有している。枝付きステントグラフトは、肢部内へと延びる別個の曲がるガイドワイヤを有する配置装置上に取り付けられる。枝付きステントグラフトを人間または動物の体内の見えない血管内へ配置する方法は、配置装置から肢部を解放すること、ガイドワイヤを肢部から見えない血管内へと拡張すること、ガイドワイヤによって補助されて、肢部を見えない血管に入れるために配置装置をわずかに引っ込めることによって配置装置を操作すること、およびステントグラフトを配置装置から解放することを含む。
そのような既知の装置に関する望ましくない問題は、オペレータが、分枝血管と整列した主血管内にカバードステントを正確に移植することが困難であることである。開口部または主血管カバードステントからの枝は、主血管内で分枝血管の位置に対して正確に位置決めされなければならない。分枝血管は、主血管と、すなわち、分枝血管のカバードステントまたは分枝血管への腕部を備えるより大型のステントグラフトユニットの一部を通して液体連絡する。
主血管カバードステントは、拡張され、そのようにして主血管内に移植される。拡張され、配置されると、主血管カバードステントを位置変更することができない。開口部または枝付きカバードステントが分枝血管と不整列であると、たとえば、分枝血管カバードステントのキンクを引き起こし得る。このキンクによって、分枝血管への、望ましくない血流の減少が引き起こされ得る。これはまた、脈動流による、移植時のカバードステントの耐久性および寿命を悪化させ得る。これはまた、漏洩または主血管モジュール式カバードステントからの側枝カバードステントユニットの緩みを引き起こし得る。
さらに、モジュール式カバードステントを使用して分枝血管を見つけようとするときに、特にある程度の不整列が存在する場合に、血管を損傷するある程度の危険性がある。開口部は、多少なりとも、モジュール式ステントから横に向いている開環状の開口部であるため、開口部を備える先行技術のモジュール式カバードステントは、手術中に血管の壁を損傷するさらなる危険性をもたらす。そしてオペレータが、既に説明したように、そのような側分枝血管を所定位置へとナビゲートさせようとするときに、開口部は、血管の内部を移動させられるときに、繊細な血管の壁を引き裂くまたは損傷し、それによって血管の壁が破裂し、内出血を引き起こし得る。これは避けられるべきであり、改良されたカバードステント、または(モジュール式)カバードステントシステム、または後半の2つの移植処置は有利となる。
前述の整列に関する困難により、従来の既知の装置および医療処置を用いる手術時間は、多くの場合非常に長くなる。手術時間が長いと、患者への危険性およびそのような処置に関する潜在的な問題が増大する。これらの問題は、たとえば、手術中に発生する凝固の危険性の増加を含む。また、長時間の手術時間は、オペレータおよび患者の両方が曝露される、長時間のX線使用を意味する。さらに、造影剤が大量に使用される。
したがって、患者およびオペレータのためにX線照射量を減少させることもまた、望ましい。走査時間の短縮、または走査される位置の減少、ならびに患者の血液に注入される必要がある造影剤の使用量の減少が望ましい。したがって、患者の一次放射線およびオペレータの二次放射線の両方の放射線曝露の減少のために、そのような移植処置に必要とされる時間を短縮する必要がある。走査時間の短縮を容易にするためのカバードステント、カバードステントシステム、または処置を提供することは有利となる。以下において説明する本発明の例が、以下において説明するような利点を提供する。
既知の技術に関する、さらなる望ましくない問題は、カバードステント、特に複数の側分枝血管を覆うそのようなカバードステントからなる長尺の内部人工器官システムの移植は、複雑な手術であるということである。
既知の内部人工器官では、カバードステントは、カバードステントシステムの一回の配置で組み立てられる必要がある。たとえば、分枝血管に対する配置の際に、主要なカバードステントの側分枝血管開口部が誤って位置決めされた場合、主(血管)ステントの位置変更は非常に困難または不可能である。先行技術システムでは、主要ステントの分枝血管に対する位置異常に関する配置の際に、柔軟性がないか、許容量がほとんどない。そのようなステントを用いて分枝血管へと達するような柔軟性があることが望ましい。
ステントグラフトシステムのさらなる部分の、分枝血管に対する位置変更が有利に提供されるべきであり、配置処置が容易となる。したがって、新しいカバードステント、カバードステントシステムまたは移植処置は、1つまたは複数の分枝血管ステントグラフトの個別の位置決めを可能にすることが望ましい。以下において説明する本発明の例が、以下において説明するような利点を提供する。
最小限に侵襲性の内部人工器官の移植は、オペレータが、患者の内部で内部人工器官を組み立てるために、別々のカバードステントモジュールを患者の血管系内でどこに、およびどのように位置決めするかを視認できるように、従来の、X線による持続的な透視検査の走査を必要とする。
X線モダリティの走査角度を頻繁に変更するためには、オペレータが、3次元で、および主血管内での、カバードステントのカバードステントモジュールの開口部に対する関係において分枝血管を見つけることが可能であることが要求される。このために用いられる走査技術は、一度に一平面において、すなわち、2次元で、一度に一層において走査された本体を見ることのみを可能にする。
カバードステントの開口部に対する分枝血管の位置およびオリフィスを3次元的に視覚化するためには、X線透視法スキャナアームを、1つの平面から別の平面へと反復的に移動させ、そして再び最初の平面へと移動させることが必要とされる。これは、主血管内のカバードステントと側分枝血管との3次元の整列を保証するために必要である。構成要素が、患者内の移植部位にて正確な位置に設置されることが重要である。
複数の開口部および側分枝血管接続部が、主血管内の単一のカバードステントに対し整列される場合、この仕事は、特に複雑となる。
したがって、組立の複雑さを低減する必要がある。以下においてみられる本発明の例の本開示は、カバードステントの、より複雑さの低い組み立てを有利に提供する。X線時間の短縮および関連の照射量の減少は、患者および臨床人員の両方に対し有利となる。
したがって、より安全で、前述の既知のシステムおよび処置の欠点が回避される医療装置および/またはシステム、または医療処置が必要とされる。好ましくは、手術時間を短縮する装置および/またはシステムまたは方法が望ましい。処置は、オペレータによってより簡単に実行されることが望ましい。より簡素化された移植処置が望ましい。合併症の確率が減少されることが望ましい。患者の危険性が減少された新しい医療処置が望ましい。より単純な移植が望ましい。患者の危険査定において今日では避けられるという事実にもかかわらず、実行され得る医療処置が望ましい。たとえば、既知のステントシステムが、複雑さのために、危険性が高すぎると示されているため、および多数の患者、特に高齢の患者には開胸手術は選択肢にないため、そのような単純化された移植、または単純化された移植を容易にする装置が望ましい。処理中に必要なX線照射量がより少ないことも望ましい。したがって、患者の危険性を減少させることを意味する、新しい医療処置を提供することを可能にするということが望まれている。
国際公開第2005/027784号明細書
国際公開第2004/019823号明細書
それに応じて、本開示の例は、好ましくは、添付の独立請求項による医療装置、システム、および方法を提供することによって、上で特定されたもののような、当技術における1つまたは複数の不備、不利な点または問題を、単独でまたは任意の組み合わせで軽減、緩和または除去するよう努める。
本開示の新しいカバードステントシステムは、数ある中でも、分枝血管ステントの枝の個別の、単回のデリバリを可能にする。これにより、全体の動作時間が著しく短縮される。また、時間が短縮するにつれて患者の安全性が向上する、および/または1つの分枝血管ステントがオペレータによって配置されると、他の分枝血管が灌流されたままである。
新しいシステムは、今日では患者に対する危険性が高すぎることを意味する新しい医療処置を可能にする。たとえば、既知のステントシステムは、複雑さのため、危険性が高すぎることを意味するため、および多数の患者、特に高齢の患者には開胸手術は選択肢にないため、患者の危険査定において今日では回避される医療処置が、より単純な移植のおかげで実行可能である。
以下において説明する本発明の例は、有利に、処置の一部または全体の時間の短縮を可能にする。移植時間が、先行技術のシステムと比較して短縮され、したがって、たとえば、合計の照射量が有利に減少する。先行技術システムで必要とされるよりも、X線モダリティの角度を変更しなければならない頻度が少ない。必要な造影剤の量がより少ない。全体として、以下の開示は、患者に対する潜在的な副作用の低減をもたらす。さらに、処置のコストが減少する。
本明細書で説明するカバードステントは、一例では、自己拡張可能であり、または別の例では、膨張可能なバルーンなど別の装置によって拡張可能である。
第1の例によると、医療装置が提供される。装置は、本体、および本体に接続される少なくとも1つの横方向側枝を有するカバードステントである。横方向側枝は、湾曲可能かつ拡張可能である。
本開示の態様によると、システムが提供される。
装置および/またはシステムは、本明細書で説明する医療処置および方法に使用されてもよい。
本開示の態様は、限定されないが、以下を含む。
第1の態様では、本体と、および本体に接続される、1つ、2つ、または3つの枝を含む、少なくとも1つの枝と、を有しているカバードステントが提供される。カバードステントは、また、少なくとも1つの湾曲可能なおよび/または柔軟性を有するガイド要素を含み、ガイド要素は、少なくとも1つの枝の1つの内部に、接続点にて、好ましくは枝の遠位オリフィスにて、遠位側で持続的にまたは解放可能に付着される。ガイド要素は、本体の近位部分を通って、かつ近位部分に沿って内部に近接して配置され、そして、本体の近位開口部を通って近位に延びる。このようにして、デリバリカテーテルは、ガイド要素に亘って、本体を通って枝の遠位オリフィスに向けてガイドされ得る。
第2の態様では、第1のカバードステントに接続される第2のカバードステントのデリバリのためのデリバリカテーテルを提供する。カテーテルは、第2のカバードステントの、第1のカバードステントの枝の標的部位におけるデリバリおよび配置のための遠位オリフィスを備えるデリバリ用内腔を有している。カテーテルは、枝にある接続点に遠位側で付着されるガイド要素を受容するように構成されるガイド接合部をさらに有している。これにより、カテーテルは、ガイド接合部上で、枝の開口部へと、ガイド要素に沿って摺動することが可能であり、第2のカバードステントの、カテーテルのデリバリ用内腔を通るデリバリおよび配置が可能になる。ガイド要素を受容するためのガイド接合部は遠位端部を有し、ガイド接合部の遠位端部が接続点と係合するときに、デリバリ用内腔は、接続点を超えて延びるように、遠位端部がデリバリ用内腔の遠位オリフィスから所定の距離で近位に位置する。
第1の態様によるカバードステント、および第2の態様のデリバリカテーテルからなるモジュール式システムは、ガイド要素を備え、ガイド要素は、第2のステントグラフトを、デリバリカテーテルを通して枝の標的部位へとデリバリするために、ガイド接合部を通るように配置される。第2のステントグラフトは、好ましくは、延長ステントグラフトである。
モジュール式カバードステントシステムは、複数のカバードステントを含み、カバードステントのうちの少なくとも1つは、好ましくは、本開示の第1の態様のカバードステントである。複数のカバードステントは、互いに対し相互接続されるように構成される。複数のカバードステントは、少なくとも2つの近位下流側出口枝に分枝した、単一の第1の遠位上流側入口を備える第1の主血管カバードステント、および少なくとも1つの横方向側枝オリフィスを備える少なくとも2つのカバードステントを含む。少なくとも2つのカバードステントのそれぞれは、第1の主血管カバードステントの下流側出口枝の1つに、遠位側で相互接続可能である、および主血管の分枝流血管に横方向に接続可能である。少なくとも2つのカバードステントは、少なくとも2つのカバードステントに平行に配置される血液導管を提供するために、下流側出口枝の1つと順次に相互接続されるように構成される。モジュール式システムは、単一の近位下流側出口に収束される、少なくとも2つの遠位上流側入口枝を有する第2の主血管カバードステントを含み、遠位入口枝のそれぞれは、少なくとも2つのカバードステントの1つの近位出口に相互接続される。
カバードステントを、血管の標的部位へとナビゲートする方法は、本開示の第1の態様のカバードステントを供給することを含む。方法は、カバードステントを、血管の標的部位へとデリバリすること、およびカバードステントの枝を、分枝血管内へと、または分枝血管に向けてナビゲートすることをさらに含む。方法は、本開示の第2の態様によるカテーテルを提供すること、およびカテーテルのガイド接合部を通してカバードステントに付着されたガイド要素を配置し、ガイド接合部に沿ってカテーテルを、その付着点がさらなる前進を停止するまで前進させることを含む。方法は、第2のステントグラフトまたはそのガイドワイヤを、デリバリカテーテルの内腔を通って、カバードステントの枝の標的部位へとデリバリすることを含み、第2のステントグラフトは、好ましくは延長ステントグラフトである。方法は、延長ステントグラフトを、近位側で枝に付着すること、および、遠位側で分枝血管内に付着することを任意に含む。
医療処置は、患者の血管である標的部位にアクセスすること、および第1のカバードステントを、デリバリカテーテルを通して、標的部位にある血管の内部にデリバリすることを含む。標的部位は、側分枝血管を有し、方法は、第2のカバードステントを第1のカバードステントにデリバリすること、および第1のカバードステントを、血流を側分枝血管に供給するために第2のカバードステントに接続することを含む。第2のカバードステントのデリバリは、カテーテルを、ガイド要素に沿って、第1のカバードステントの側枝の内腔の内部の位置へと摺動させることを含む。方法は、第2のカバードステントを、第1のカバードステントに接続するために拡張させることを含んでもよい。
医療処置は、患者の血管である標的部位にアクセスすること、および第1のカバードステントを、デリバリカテーテルを通して、標的部位にある血管の内部にデリバリすることを含む。標的部位は、側分枝血管を有し、方法は、側枝を拡張すること、および第2のカバードステントを、第1のカバードステントに、そして側枝を通して分枝血管へとデリバリすることを含む。方法は、血流を側分枝血管に供給するために、第1のカバードステントを第2のカバードステントに接続することを含む。
大動脈血管の復元のための医療処置は、カバードステントモジュールを特定の順番でデリバリすることを含む。方法は、3つの脚部を有するカバードステントを上行大動脈弓に移植することから開始してもよい。方法は、大動脈の下流方向に、それぞれ1つの側枝を備える2つの平行のカバードステントを大動脈弓にデリバリすること、および平行のカバードステントを、3つの脚部を有するカバードステントの脚部に、そして大動脈弓の分枝血管に順次に接続することを含む。方法は、平行のカバードステントを収束させるカバードステント大動脈の下流にデリバリすることを含む。たとえば、収束させることには、近位オリフィスを有する、単一の内腔を備える本体へと結合される2つの遠位脚部を提供すること、2つの遠位脚部を2つの平行のステントの1つの近位端部にそれぞれ接続することを含む。平行のカバードステントの数が2つ以外である場合、それに応じて脚部の数は変化する。中間の収束される数の脚部が、装置、システムおよび方法によって提供されてもよい。
本開示の追加の例が、従属請求項において定義され、本開示の第2、およびそれに続く態様の特徴は、第1の態様に関して必要な変更を加えたものである。
本開示のいくつかの例が、カバードステントまたは複数のカバードステントの、それぞれの、主血管からの側分枝血管におけるナビゲーションおよび組み立ての向上のために提供される。
この新しいシステム、装置および/または方法を用いれば、側枝接続部、特に複数の副血管(4つまでの側枝)、たとえば3つまたは4つ側枝を備えるカバードステントを位置決めする動作は、移植のために必要な時間が、著しく、従来必要である時間よりも数時間の範囲で短縮されると期待される。従来の、予め製造されるステントグラフトを使用すると、そのような処置にはより長い時間、約10時間またはそれ以上の動作時間がかかる。カバードステント装置/システムを位置決めするための手術時間の多大な短縮にもかかわらず、処置の安全性は失われない。それよりも、安全性は向上し得る。新しい装置およびシステムのデリバリは非常に信頼性が高い。移植の時間は、新しいモジュール式システム、および/またはその構成要素、および/またはシステムの機能により可能である移植のための処置によって、著しく減少される。これは、以下においてより詳細に説明される。
ライナまたはシェルを有する、液体不浸透性の布地または材料で囲繞されるステントを意味する。カバードステントは、部分的にまたは完全に被覆される。カバードステントは、ステントグラフトまたは内部人工器官とも呼称され得る。
側枝3は、横方向に拡張可能および/または畳むことが可能であってもよい。すなわち、側枝3は、側枝3に沿った長手方向軸の方向に拡張可能であり、その方向は、好ましくはカバードステント1の本体2に沿った長手方向軸に略直角の方向である。代替的に、またはそれに加えて、側枝3は、横方向に拡張可能であってもよい。すなわち、側枝3は、側枝3に沿った軸の方向を横切るように拡張可能であってもよい。側枝3は、カバードステントを備えてもよく、およびいくつかの例では、カバードステントであってもよい。
例では、側枝3は、横方向に1cm〜1.5cm拡張可能である。
側枝3は、一例では、本体2のカバードステントと側枝3のカバードステントとが一体であること、または本体2のカバーと側枝3のカバーとが一体であることによって本体2と一体である。一例では、本体2のカバーおよびカバードステントの両方が、側枝3のカバーおよびカバードステントと一体である。側枝3がカバードステントを備える場合、側枝3はより硬質であり、たとえば、任意の追加の被覆された延長カバードステントを配置および/または再配置するときの取扱いにより耐え得る。また、これにより、側枝3が、側枝3から出た、任意の追加の被覆された延長カバードステントとより強固な接続を形成することが可能になる。
「備える/備えている」という用語は、本明細書において使用される場合、記載される特徴、数、ステップまたは構成要素の存在を明示するが、1つまたは複数の他の特徴、数、ステップまたは構成要素またはそれらのグループの存在または追加を排除しないと取られることが強調されるべきである。
本開示の例が可能であるこれらの態様および他の態様、特徴および利点は、以下の本開示の例の説明から明白であり明らかにされ、添付の図面を参照する。
患者の大動脈弓および胸部大動脈の内部の移植のための、様々なカバードステントモジュールからなるシステムを示す概略図である。
患者の大動脈の内部に移植された時の図1のシステムを示す概略図である。
3つの脚部を有するカバードステント、ならびに3つの脚部すべてへのナビゲーションを容易にするためのナビゲーション要素および縫合糸の概略図である。
側枝を有するカバードステントの概略図である。
複数の側枝を有するカバードステントの例の概略図である。
複数の側枝を有するカバードステントの例の概略図である。
図6は、畳まれた状態から拡張形状へと自己拡張可能な側枝の一例の概略図である。
分枝血管を位置特定するために使用される、折り曲げられたまたは畳まれた側枝を有するカバードステントの概略図である。
側枝を有するカバードステント、および側枝を容易にナビゲートするためのカテーテルをガイドするためのガイド接合部を有するカテーテル概略図である。
拘束部材、および拘束部材を取り外すことによって畳まれた状態からから拡張形状へと自己拡張可能なカバードステントの概略図である。
拘束部材、および拘束部材を取り外すことによって畳まれた状態からから拡張形状へと自己拡張可能なカバードステントの概略図である。
拘束部材、および拘束部材を取り外すことによって畳まれた状態からから拡張形状へと自己拡張可能なカバードステントの概略図である。
カバードステントを畳んで、または折り曲げて保持し、カバードステントを、制御可能に、部分的または完全に解放するためのシースの概略図である。
カバードステントが完全に拡張される前および後のカバードステントの概略図である。
医療処置の一例のフローチャートである。
カバードステントを分枝血管へとナビゲートする方法の一例のフローチャートである。
単一の横方向側枝を有するモジュール式カバードステントの例の斜視図である。
単一の横方向側枝を有するモジュール式カバードステントの例の上面図である。
単一の横方向側枝を有するモジュール式カバードステントの例の側面図である。
単一の横方向側枝を有するモジュール式カバードステントの例の正面図である。
斜視図(図の下部)のデリバリ構成の横方向側枝を有するモジュール式カバードステント300の斜視図および断面図(図の上部)である。
図15Aのモジュール式カバードステント300の、本体の開放の前の、横方向側枝の配置の概略図である。
図15Aのモジュール式カバードステント300の、本体の開放の前の、横方向側枝の配置の概略図である。
二重内腔デリバリカテーテルの断面図である。
別のデリバリ構成の横方向側枝を有するモジュール式カバードステント300の斜視図および断面図である。
モジュール式カバードステント300の本体および横方向側枝の開放の概略図である。
ナビゲーションユニットを横方向側枝の拡張から解放するためのカテーテルツールの概略図である。
横方向側枝のステントのパターンの概略図である。
横方向側枝のステントの別のパターンの概略図である。
横方向側枝のステントの別のパターンの概略図である。
次に、本開示の詳細な例を、添付の図面を参照して説明する。しかし、本開示は、多数の様々な形態で具現化されてもよく、本明細書において明示される例に限定されるものと解釈されるべきではなく、むしろ、これらの例は、本開示が十分かつ完全となり、本開示の範囲を当業者に伝えるように提供される。添付の図面に示される例の詳細な説明において使用される用語は、本開示を制限するものであると意図されない。図面において、類似の番号は、類似の要素を参照する。
以下の説明は、本開示の医療装置に適用可能な例に、特に、少なくとも側分枝血管と連絡するカバードステントまたは複数のカバードステントのナビゲーションおよび組み立てを容易にするための医療装置に焦点を当てている。移植は、血管疾患、たとえば動脈瘤などの治療および/または修復のために使用され得る。実施例は、大動脈内における配置を用いて図示する。大動脈のような血管はさまざまな理由で構造的に損傷を受ける可能性があり、大動脈500の少なくとも一部に沿って修復が必要である。大動脈の修復のためには、上行大動脈501から大動脈弓502を経て下行大動脈503へ、そして腹部大動脈504に沿って腎動脈505を越えて、部分的にまたはその全体に亘る、広範囲にわたる内部人工器官が必要とされることがある。
モジュール式の実施形態を含むそのような内部人工器官および組み立ての一例を、図1および2、ならびに本明細書の対応する文書において説明する。大動脈の全体的な復元または修復は、図2に示すようにシステム全体が移植された場合に提供され得る。大動脈の部分的な復元または修復は、システムの選択されたサブモジュールのみの移植により提供されてもよい。しかし、他の解剖学的構造は、たとえば、限定されないが、末梢静脈、脚部動脈、脊髄血管、神経構造、リンパ系などを含み、治療のために、腹部カバードステント、末梢血管ステントグラフト、管腔内人工器官を含む本開示の装置および/またはシステムが提供されてもよい。
図1および2は、患者の大動脈弓502および腹部大動脈504内の移植のための様々なカバードステントモジュール200、300、310、320、400、410、420、430、600のシステムを示す。図2は、システムが患者の大動脈500内部に移植され、モジュールが互いに接続されている場合の図1のシステム100を示す。図1に示されていない追加の延長ステントグラフト600が接続され、図2に示されている。血液の確実な連絡が、主要な血管、ここでは大動脈500内の人工器官を通して、そして側枝血管、ここでは首の血管、腎動脈505などへと提供される。大動脈壁が、大動脈の置換/修復のための例示的なステントグラフトシステム100により提供される治療を必要とする、下行大動脈弓および腹部大動脈内の弱体化部分/動脈瘤とともに図示される例にみられる。
図示された例においては、複数のカバードステント1(本明細書においてまとめて引用される参照符号「1」は、たとえば、本明細書においてカバードステント200、300、310、320、400、410、420、430、600などとして開示される種類の「カバードステント」または「複数のカバードステント」の代用語と見なされ得る)は、システム100またはそのモジュール式サブシステムを形成するために、患者の大動脈の一部または全体の内部に適合するように組み立ておよび相互接続される。本明細書において説明するカバードステント1は、また、血管を通しての液体連絡のための血管の管路の修復および/または再構築のために、身体の他の標的箇所に移植可能である。
図1は、患者の大動脈弓502の、およびその周囲の血管の内部に適合する、モジュール式カバードステント1のシステム100の例示的な組み立てに使用され得る様々な種類のモジュール式カバードステント1を示す。システム100はインビボまたはインビトロで組み立てられてもよい。
代替的に、システムは、より多くの、またはより少ないカバードステントモジュールを含んでもよい。たとえば、大動脈弓のみが、カバードステント200、300、310、320、400、410のようなモジュールによって覆われてもよく、すべて治療箇所および治療に必要とされる物次第である。カバードステントモジュールの組み合わせの他の例は、a)200、2×300+2×600、400、そして任意で201内に600、b)420,310+任意で2×600、320+任意で2×600、および430、c)中間の410+例a)およびb)などである。
カバードステント1のいくつかは、血液の伝達をシステム中で、そして好ましくは分枝血管内へと拡張するために設けられる側枝3を有する。そのようなカバードステントの例は、モジュール式カバードステント300、310、320である。
カバードステント1のいくつかは脚部を有する、すなわち、カバードステント1の本体2は、2つまたはそれ以上の管状部分に分枝する。そのようなカバードステントの例は、モジュール式カバードステント200、400、420、430である。
代替的に、またはそれに加えて、図面には記されていないが、カバードステント1は、側枝3および脚部の両方を有してもよい。カバードステント200は、2つの脚部202、203および側枝201を有する例であると考慮され得る。現在の状況においては、脚部および側枝の両方が枝と考えられる。本明細書においては説明されず、示されないが、今日、一般的に使用されている他のカバードステントもまた、システム100に使用されてもよい。
モジュール式カバードステントシステム100は、複数のカバードステント1を備え、カバードステントのうちの少なくとも1つがカバードステント1である。複数のカバードステント1は、互いに相互接続可能であるように構成される。
代替的に、またはそれに加えて、システムは、オペレータがカバードステントおよび/またはカバードステント1の側枝3をナビゲートし、側枝3を分枝血管と整列させることを可能にする長尺のナビゲーション要素20をさらに備える。長尺のナビゲーション要素20は、図1に示すように、好ましくはガイドワイヤである。
一例では、複数のカバードステントは、2つのカバードステントの間の接続部において液密の相互接続を提供するために、実質的に同一の直径を有する。
一例では、接続部において同一の直径を有するということは、カバードステントのうちの1つの接続部における外径が、もう一方のカバードステントの接続部における内径と、少なくともカバードステントの一部に沿って実質的に同一であるということである。同一の直径は、少なくとも、2つのカバードステントの、重なり合う部分がある場合、重なり合う部分に沿って維持される。したがって、2つのカバードステントは、たとえば、一方の管が接続された他方の管の内側に互いに重なり合うことによって、液体を運搬するように接続可能である。
カバードステントのステント構造は、カバードステントの一部である。ステント構造は、波状起伏などのパターンがあってもよい。パターンは、管のブレイディング、ウィービング、レーザ切断加工などによって形成されてもよい。構造は、構造を外側に支持するため、および実質的に管状の構造を提供し、適切な液密カバーが設けられ、それに覆われて移植されたときに管を通る血液の流動が乱されないように保証するための骨格である。
波状起伏またはパターンは、2つのカバードステントの確実な液密の接続のために、そして機械強度の向上により、重なり合う接続領域においてカバードステントの他の領域よりも密度が高くなり得る。
図19A、Bおよび20は、横方向側枝のいくつかの例示的なステントのパターン/波状起伏の概略図である。
図19Aのパターンは、外径を縮小させ、人工器官本体の傍でデリバリ構造へと畳まれることが容易である、波状の(ニチノール)ワイヤまたはレーザ切断された構造を示す。構造体は、カテーテルからの解放または拘束部材の取外しの際に、図19Bおよび図20の設計となるように、弾力的に長手方向に拡張する。
図19A、Bのパターンは、伸長人工器官600が重なる部分3bに、支持フレームのない領域を有する。フレームのパターンは、左右非対称の設計である。図中の点線3cは、ステントが畳まれることを促進する領域を示す。この設計では、畳むために必要とされる力が小さくなり、デリバリのために外側シース内に保管するために必要とされる空間が小さくなる。より長い支持フレームを備える部分(図面の左側)が、側枝内に留まる、または本体から径方向外側に向けられる、側枝の人工器官が充分な長さに拡張されることを確実にする。
図20のパターンは、有利に中間で畳まれるフレームのパターンの2つの半部を示す。また、この設計では、畳むのに必要とされる力が小さく、デリバリのため外側シース内に保管するために必要とされる空間が小さくなる。
カテーテルを通してデリバリするために側枝3を畳むことは、複数の方法で得られてもよい。側枝は、後方に折り曲げられ、カテーテルの内腔に沿って横方向に摺動されてもよい、または長手方向軸に沿って圧縮されてもよい。カバーが設けられる場合(図9など)、側枝およびカバードステントは畳まれ、カバー/拘束部材8の内部で保持される。拘束部材8は、PTFEなどの低摩擦材料製であってもよい。拘束部材8により、デリバリ中に配置されるまで拘束部材8内に囲まれるカバードステントのプル/プッシュリリースが可能になる。代替的に、またはそれに加えて、カテーテルの内部は、カバードステントが内腔に沿って標的部位へと移動することを容易にするために、摺動特性が良好である材料で設けられてもよく、拘束部材は、デリバリ中、最終的な配置まで、任意でカバードステントを覆う。
別の例では、同一の直径を有するということは、接続される2つのカバードステントは、接続部において、実質的に同一の内径を有し、重なり合わないように、たとえば端と端とが接続されている。追加の内側ライナが、2つのカバードステントの、接続部位に設けられてもよく、好ましくは、上流に位置するカバードステントから、下流の方向に向けられたカバードステントの内側に下流方向に入る。
一例では、相互接続される2つのカバードステントは、接続部において実質的に同一の内径および実質的に同一の外径の両方を有し、カバードステントは、カバードステントのうちの1つが部分的に畳まれた、または折り曲げられた状態であるときに、重なり合うことによって接続される。
同一または実質的に同一の直径の複数のカバードステントを有することによって、システム100の対応するカバードステントの部分の直径が類似であり、そしてオペレータは、特定の接続方法、ステントの形状、接続部位などに煩わされる必要がないため、オペレータが、様々なカバードステントを接続することが容易になる。つまり、オペレータは、1つ前のカバードステントが1つ、2つ、3つ、またはそれ以上の脚部を有するカバードステントであったかどうかのみを考慮する必要があるということである。これはまた、様々なカバードステントの接続部における直径がすべて同一であるため、カバードステントの生産を容易にする。例は、脚部202、203、カバードステント300の本体、およびカバードステント400の上流方向に向いた脚部の直径である。
重なり合った領域によって、モジュール式システムの長さの調節が可能になる。たとえば、モジュール式カバードステント400、410、420は、単一の一体型ユニットとして設けられてもよい。しかし、端部が分枝したカバードステント400、420とは別個の線形の中間部カバードステント410を設けることで、特定の患者の解剖学的構造(この例では、異なる長さの腹部大動脈)への調節が可能になる。中間部カバードステントの重なりは、適宜変化し得る。モジュール式カバードステントのシステムの長さ調節は、重なりを変化させ、移植の際の組立済みのモジュール式システム全長を決定するカバードステントの開口における重なり合う部分によりもたらされる。これにより、側分枝血管の延長カバードステント600の接続などに、必要な変更が加えられる。
先行技術においては、カバードステントモジュールのシステムには、直径が変化する、たとえばテーパ状のカバードステントが設けられる。それらは、第1の折り曲げられたテーパ状のカバードステントを、第2の拡張されたテーパ状のカバードステント内へと挿入することによって接続される。第1のカバードステントが拡張されると、2つのカバードステントが接続をなす。そのようなシステムは、オペレータに、全体の動作の間および最中にすべてのカバードステントモジュールが順番通りで、正しい方向に向けられていることを把握するだけでなく、これら2つの円錐体がどこで、およびいかに互いに嵌合するかを把握するという不要な仕事の追加をもたらす。これに対し、本開示の例は、より単純、安全かつ迅速な移植の手段を提供する。
実質的に同一の直径のカバードステント1を提供することによって、オペレータは、上記説明のように、またはオペレータが最適であると考える方向の例で各カバードステント1を移植することができるという利点がもたらされる。これにより、システム100を組み立てる、そして結果として動作に必要とされる時間が大幅に短縮される。
一例では、カバードステント1が、上記のように実質的に同一の直径を有し、拡張されると、またはカバードステント1の側枝3の脚部が拡張されると、カバードステント1中の流れは、カバードステント1を通して、大体変化しない。つまり、一方の側、たとえば本体2にて入る血液などの液体は、カバードステント1を通過し、たとえば、他方の側の2つの脚部を通って出る。そして、カバードステント1における拡張および同一の直径の接続により、入口および出口領域は実質的に同じである。これにより、オペレータは、一度に一つのカバードステント1、または脚などのカバードステント1の一部を接続することに集中することができる。オペレータは、カバードステント1が、カバードステント1もしくは血管中の流れまたはスループットを乱すことを心配する必要がない。
これにより、さらにシステム中で1つのカバードステントまたは複数のカバードステントを使用すること、および移植標的部位で組み立てること(すなわち、特定の患者向けに予め製造されていないこと)が可能になる。これは、既知のシステムに対して有利となる。既知のシステムは、従来の、予め組み立てられた、患者に特定の内部人工器官を含んでいた。通常、時間的に早い、標的部位、たとえば弱体化した大動脈を含む血管系をスキャンするために画像モダリティが使用される。そして、画像データに基づいて内部人工器官が製造され、移植のために外科医へと届けられる。この、患者に特定の内部人工器官の製造には通常数日から数週間かかり、望ましくない。この待ち時間中に、血管の解剖学的構造は変化し得る。結果として、製造された内部人工器官がもはや患者に適合しない可能性がある。また、患者は、たいていは、たとえば大動脈瘤破裂を避けるため、内部人工器官を早急に必要としているため、待ち時間は望ましくない。しかし、所望であれば、本開示のカバードステント特定の実施形態が患者に特定的に製造されてもよい。しかし、製造による待ち時間が回避されるため、移植に即座に利用可能である、さまざまなサイズからなる標準セットアップが好ましい。
モジュール式カバードステントシステム100は、縫合糸またはワイヤのようなガイド要素10をさらに備える。ガイド要素10に沿って、デリバリカテーテルがガイド要素10の遠位端部の近傍で縫われていてもよい。ガイド要素10は、カバードステントに遠位で付着される。たとえば、縫合糸が、糸結び、ステープル、溶接、接着剤、または類似の手段によって付着されてもよい。このようにして、ガイド要素10がカバードステントに固定される。好ましくは、ガイド要素10が遠位でカバードステントに固定される付着点は、内部、たとえばカバードステントの横方向側枝の位置にある。ガイド要素10は、好ましくは、カバードステントのデリバリカテーテルに予め装填される。使用時は、ガイド要素は、カテーテルのガイド接合部9のためのガイドとして動作する。ガイド要素10は、好ましくは湾曲性および/または柔軟性を有する。
実施形態においては、このようにしてガイド要素10は、枝、たとえば横方向側枝の内部に、たとえば接続点において、好ましくは遠位オリフィスにおいて、持続的または取り外し可能に、遠位で付着される。ガイド要素10は、本体2の近位部分または複数の枝3のうちの別の枝を通って、そしてそれに沿って、内部において近位側に配置され、本体2の近位開口部を通って近位側に延びる(たとえば、図3または8参照)。使用時は、このようにしてガイド要素は、カテーテルを、ガイド要素10に亘り、本体3を通って横方向側枝3の遠位オリフィスに向かってガイドするために動作する。
ガイド要素10、およびその対応する使用法、およびモジュール式ステントグラフトシステムにおける適用のより詳細な例に関しては、図3または8および以下の対応する本文を参照のこと。
代替的に、またはそれに加えて、ガイド要素10は、所望の標的位置にて患者の大動脈に遠位で付着され得る。
代替的に、またはそれに加えて、ガイド要素の遠位端部における付着は取り外し可能であってもよく、好ましくは、必要に応じて、移植処置の間にガイド要素を取り除くために、生体活動の外部から取り外し可能であってもよい。糸結びは取り外し可能であり、付着点におけるガイド要素の制御された分離のために、熱分離手段が提供されてもよい。代替的に、またはそれに加えて、ガイド要素は使用後に切り離されるように構成されてもよい。切り離しには、適切な道具が用いられてもよく、たとえば、ガイド要素に亘り、そしてそれに沿って付着点の方向に摺動する内側安全カッタを備え、カッタが作動してガイド要素が切り離されるシースが用いられてもよい。そして、ガイド要素が体外へと安全に、たとえばカッタを有するシース内で引っ込められてもよい、または単に、穿刺部位/イントロデューサーを介して脈管構造外へと引き出されてもよい。
しかし、ガイド要素10は、好ましくは、移植処置の完了の際に所定の位置に留置される。ガイド要素10は、使用(たとえば、延長ステントグラフトのデリバリのガイドおよび配置)後に所定の位置に留置され得る。ガイド要素10は、生分解性材料または生体吸収性材料で作製されてもよい。ガイド要素10は、いずれにしても、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、Monocrylおよびポリジオキサノンなどの吸収性物質、ならびにナイロン、ポリエステル、PVDFおよびポリプロピレン、PTFEまたはダクロンなどの非吸収性物質を含む生体適合性材料で作製される。ガイド要素10は、ニチノールまたはステンレススチールなどの金属材料、もしくは適切な金属合金で作製されてもよく、これは、移植中の耐久性の点から利点となり得る。モジュール式カバードステントシステムの移植処置の完了後にガイド要素が所定の位置に留置される場合、これは有利である。接続点にて、または接続点の近傍でガイド要素を分離または切り離す必要がないため、処置が短縮され得る。ガイド要素は、近位端部においてのみ切り離されてもよい、または切り離されなくてもよい。
以下で説明するように、デリバリカテーテル30は、たとえば、カテーテル上のガイド接合部9によって、ガイド要素10に沿ってガイド要素10の遠位端部に向かって移動させられてもよい(図8)。そして、このデリバリカテーテルを通して、別の要素、装置またはユニットのガイド要素10の遠位端部にある所望の部位へのデリバリが行われ得る。X線ガイド、プローブ、ナビゲーションの試行などが有利に減少または省略され得る。
この方法で、カテーテルは、蛍光透視によるガイドなしで、ガイド要素に沿ってガイド要素の遠位端部へと、または遠位端部に向かって移動させられ得る。この方法では、デリバリの信頼性および速度が向上し、その一方で放射線曝露は低減され得る。
そのようなデリバリカテーテル30が、延長ステントグラフト600のデリバリのために提供される。カテーテル30は、カバードステント1の横方向側枝3の標的部位における延長ステントグラフト600のデリバリおよび配置のための遠位オリフィスを備えるデリバリ用内腔を有する。
カテーテル30は、枝3の接続点に遠位に付着されたガイド要素10を受容するための、ガイド接合部9をさらに有する。したがって、カテーテル30は、延長ステントグラフト600などの要素の配置のために、ガイド要素10に沿って、カテーテルのデリバリ用内腔を通して、ガイド接合部9上で枝のオリフィスへと摺動するように構成される。
ガイド要素を受容するためのガイド接合部9は、デリバリ用内腔の遠位オリフィスから所定の距離で近位側位置決めされる遠位端部を有する。この方法で、ガイド接合部9の遠位端部が接続点に係合すると、デリバリ用内腔が接続点を超えて延びる。
たとえば、図8にみられるように、デリバリカテーテル30の遠位端部は、枝のオリフィスから分枝血管へと有利に入るように、予め曲げられてもよい。この方法により、操作時間が短縮され、患者および臨床の人材の透視による負担が低減され、移植がより安全かつ信頼性の高いものになる。
カバードステント1、およびガイド接合部9を通るように配置可能である、または配置されるガイド要素10を備えるデリバリカテーテル30を含むモジュール式ステントグラフトシステムが提供される。この方法により、このような延長ステントグラフト600は、デリバリカテーテル30を通って、枝3における標的部位へと有利にデリバリ可能である。
さらに、ガイド要素10の遠位端部は、たとえば、マーカ21の位置に配置される。代替的に、またはそれに加えて、ガイド要素10はそれ自体にマーカが設けられてもよい。マーカとは、適切な撮像手段により、移植処置を行う外科医に視覚化可能である基準マーカを意味する。マーカ21は、そのような脚部4の遠位オリフィスへ向けて、および/または遠位オリフィスを通って、たとえば、以下で説明するように主血管の側分枝血管へと、別のカバードステントのデリバリをガイドするために、好ましくはカバードステントの脚部4に配置される。マーカは、たとえば、ワイヤ/縫合糸/糸、および/または1つまたは複数のマーカバンドのマルチストランドからなる放射線不透過性ストランドとして、少なくともガイド要素10の長さの一部に沿って細長く、そして延びてもよい。
第1のカバードステントの脚部に対する別のカバードステントの位置決めをより容易にするために、マーカ21が、たとえば第1のカバードステントの脚部に設けられる。同様に、マーカ21は、カバードステント1の側枝3に設けられてもよく、それにより、分枝血管に対するカバードステント1の整列がより容易になる。それから、位置確認のためにX線が使用されてもよい。つまり、造影剤を用いての完全X線支援によるナビゲーションと比較して、使用量が減少することを意味する。
図示されているモジュール式カバードステントシステム100は、第1の主血管カバードステント200、420を含み、第1の上流側入口は、少なくとも2つの下流側出口枝へと分枝している。
さらに、モジュール式カバードステントシステム100は、本体、および本体に接続される少なくとも1つの横方向側枝を有するカバードステントの種類300、310、320を含む。横方向側枝は、好ましくは柔軟性を有し、かつ拡張可能である。カバードステントは、下流側出口枝の1つに相互接続可能であり、その横方向側枝を介して主血管の分枝血管に横方向に接続可能である。これにより、少なくとも2つのカバードステント300、310、320は、主血管カバードステント200の下流側出口の1つに順番に相互接続可能である。この方法により、血液導管が、少なくとも2つのカバードステントに平行に配置されて設けられ、オペレータにより1つずつ組み立てられる。平行の血液導管には、それぞれ1つまたは複数の側枝が設けられてもよい。代替的に、またはそれに加えて、カバードステントの形態の血液導管が設けられてもよく、血液導管には横方向側枝がなく、そして、たとえば1つまたは複数の横方向側枝を有するカバードステントと平行の直線の血液の流路を提供する。
カバードステントを平行に配置することには、いくつかの利点がある。複数の側枝が導管全体に亘る単一のカバードステントの場合と比較して、いくつかの平行のカバードステントの1つを位置変更することがより容易に行われる。1つまたは小数の枝を備える、複数の平行のカバードステントを順番に移植することは、多数の枝を備える1つの大きなカバードステントよりも容易である。カバードステント300、310、320の近位端部および遠位端部は、血管組織壁内へとステント装着されない。したがって、機械的な安定性および付着が、解剖学的構造に対して、特に動脈瘤にて弱体化している場合、より良好に制御される。平行のカバードステント300、310、320は、血管の移動をより良好に適応させ得るため、これは利点である。接触が減るため、組織血管を損傷する危険性が低下し、モジュール式システムの移植の長期安定性に良好な影響を及ぼす。移植において、解剖学的構造への適応は、回転および長手方向位置が手術中に調節可能であるため、外科医により容易に行われる。大動脈のクランピングが必要なく、心停止法が回避され、それにより患者への副作用が低減し、処置がより迅速になり、患者に対する危険性が減少する。平行のカバードステント300、301、320のそれぞれが、カバードステントが移植される血管よりも小さな直径を有するため、カバードステントの主要内腔から側枝への距離を設けることが可能である。そして、これにより、側分枝血管オリフィスに対する、カバードステントのナビゲーション用空間がもたらされる。したがって、カバードステントの側枝をオリフィスに対して位置決めすることが、既知のシステムの場合と比較すると重要ではなくなる。カバードステントの側枝と分枝血管のオリフィスとの間の距離により、たとえば、側枝を折り曲げることによって、および/または主血管から分枝血管内へと移植されるときに前述のものの後者の1つまたは両方をねじれさせることなく延長カバードステント600を折り曲げることによって、補償がもたらされる。
モジュール式カバードステントシステムは、下流側出口で収束する少なくとも2つの上流側入口枝を備える第2の種類の主血管カバードステント400、430をさらに含む。入口枝は、2つのカバードステントの1つの遠位出口、たとえば図1および2に示すように、カバードステントの種類300、310、320と相互接続可能である。
図1〜2に示すように、システム100の上部から始まり、3つの脚部を備える第1のカバードステント200が図示されている。このモジュールは、最初に、ガイドワイヤ20上で移植される。
なお、カバードステントモジュールは、上行大動脈弓において、3つの脚部を有するカバードステント200から始まって特定の順番でデリバリされる。さらに、カバードステントモジュールは、システム全体が移植されるまで標的部位へとデリバリされる。これは、非常に効率的かつ有利な方法で行われる。
たとえば、すべてのモジュールのなかで3つの脚部を有する200が最初に配置および移植される場合、これはガイドワイヤ20を介して、たとえば、大腿部にアクセスする方法で行われ得る。そして、追加の構成要素が脚部201、202、および/または203に接続され得る。
たとえば、カバードステント600は、図8を参照して説明する方法などで、ガイド要素10に沿って接続点11へと、または接続点11に向かって摺動するデリバリカテーテルを介して第1脚部201へとデリバリされ得る。そして、このカバードステント600は、血流を図2に示す第1の首部分枝血管内へと拡張し得る。カバードステント600は、分枝血管用の開口を有しないカバードステントである。延長ステントグラフト600は、第1の脚部201のオリフィスに位置する遠位部分に、近位側が結合するように、かつ液密に接続するように構成される。内部の液体のための、標的血管への連絡チャネルを提供するために、ステントグラフトを互いに接続させる技術において既知の適切な方法および適切な手段で、重なり合うように接続されてもよい。
したがってデリバリは2つの段階で提供可能である。第1に、側枝3が拡張される。そして、分枝血管カバードステント600が、拡張した側枝3を通して配置される。そして分枝血管カバードステント600の固定が行われる。人工器官全体は、側枝が最終的に挿管されるまで柔軟性を有している。すなわち、側枝カバードステント600は配置され、そして所定位置で「ロック」される。
カバードステント600のデリバリの間、残りの2つの脚部202、203は遮断されず、移植処置中、大動脈弓中の血流が確保され、これは重要な利点である。
ガイド要素10は、また、第3の脚部203の内部を延びる。これは、カバードステント600がデリバリされる同じガイド要素10およびデリバリカテーテル上で、側枝を備えるカバードステント300がデリバリ可能であることを意味する。
3つの脚部を有するカバードステント200をその標的部位へとデリバリするための最初のガイドワイヤ20が、カバードステント300を第2脚部202へとデリバリし、第2脚部202と接続するために使用される。
3つの脚部を有するカバードステント200の位置は、好ましくは、たとえば、MRI、CTまたはX線による撮像中に目視され得る基準マーカ21でマークされる。したがって、照射時間および照射量の減少が提供可能である。
ガイド要素10が第1脚部201の外へと延びると、3つの脚部のオリフィスにて、3つの脚部のすべてが位置し得る、および複数のモジュール式カバードステントが相互接続され得る。外科医による追加のナビゲーション、サーチ、またはプロービングが必要ないため、照射時間および照射量が減少される。
ガイド要素10は、後続のカバードステントが、直前に移植されたカバードステントに接続され得るように、ガイド要素10に沿って後続のカバードステントをガイドするためのものである。
それに加えて、または代替的に、ガイドワイヤなどのナビゲーション要素20が、システム100において、システム100のカバードステントすべてまたはほぼすべてをそれらの標的部位へとガイドするために、1つまたは複数のガイド要素10の代わりに、またはガイド要素10と共に使用される。
次に、システム100は、近位方向、大動脈の下流に、移植の際に大動脈弓502に位置決めされるそれぞれ1つの側枝を備える2つのカバードステント300を含む。2つのカバードステント300は、それぞれ、ガイド要素10およびガイドワイヤ20にガイドされる。これらのモジュール式カバードステント300を、たとえば図5a、6、7、8、10、11、14、15、17、19および20を参照してより詳細に説明する。カバードステント300のそれぞれは、3つの脚部を有するカバードステント200の脚部202、203に遠位側で接続される。側枝出口は、好ましくは拡張可能であり、拡張すると、首部血管と液体連絡する。追加のカバードステント600が、その近位端部とさらにそれぞれ接続され、残りの2つの血管内へとそれぞれ伸びる(図2参照)。これら追加のカバードステント600のデリバリは、ガイドワイヤおよび造影剤のフィードバックを用いて基準マーカのガイド(図示されず)により行われてよく、および/またはガイド要素10は、枝に接続されてもよく(図8参照)、追加のカバードステント600をカバードステント300の側枝のオリフィスを通過し、およびそれぞれの首部血管へとデリバリすることを容易にする。
各カバードステント300のデリバリおよび伸長は、順次行われる。これら2つのユニット300の最初の1つをデリバリする間に、3つの脚部を有するステント200の他の脚部は遮断されず、大動脈を通る血流が確保される。また、延長部を首部血管内へとデリバリすると、処置の間に大動脈の下流方向の、および首部血管への血流の両方が途切れない。
カバードステント300の両方が相互接続され、デリバリされると、大動脈を流れる平行の流れに、内腔径の(健康な)大動脈径に対する比率は高いために必要となる十分な血流が提供される。
側枝のオリフィスは、複数のカバードステント300が平行に配置されるために、標的部位血管の心門から離れて位置し得るため、互い(心門/オリフィス)に対する正確な位置は、既知のカバードステントの場合ほど重要ではない。キンクの危険性のない柔軟性が、延長カバードステント600により、または延長カバードステント600なしで提供される。
そして、大動脈の下流方向において、近位オリフィスを有する単一の内腔本体に結合される2つの遠位脚部を備えるカバードステント400が近位に存在する。カバードステント400の第1脚部は、カバードステント300の近位オリフィスとの相互接続のために、ガイド要素10に沿って延びるようにデリバリされ、そして、大動脈内に遠位に、および上流方向に配置され直前に移植されたカバードステント300の第3の脚部203に前もって遠位に相互接続される。カバードステント400の他の遠位脚部は、ガイドワイヤ20に沿ってデリバリされる。カバードステント400の他の遠位脚部は、他のカバードステント300の近位オリフィスに相互接続され、そして、大動脈内の遠位および上流の第2脚部202に前もって遠位に相互接続される。このようにして、平行のカバードステント300が、単一の内腔にまとまって収束される。
側枝または脚部のない追加のカバードステント410は、カバードステント400の近位オリフィスに遠位側で相互接続される。追加のカバードステント410が、ガイド要素10およびガイドワイヤ20の両方に亘ってデリバリされ、その両方は、それぞれカバードステント400の遠位脚部の1つを通ってカバードステント410内を延びる。カバードステント300が、以前に首部血管内への延長カバードステントに使用された1つまたは複数のガイド要素10を含む場合、これら1つまたは複数のガイド要素10もまた、カバードステント410の内腔を通って延びる。
カバードステント400、410、420の重なり合いは、移植中に、患者の大動脈の解剖学的構造に順応するように適応され得る。
次に、大動脈の下流方向にカバードステント420が移植/提供され、血流を直前に移植された遠位カバードステント410の近位オリフィスに相互接続可能である遠位共通内腔およびオリフィスから2つの脚部へと分枝させる。ガイド要素10は、第1脚部内部を延びる。ガイドワイヤ20は、他の脚部の内部を延びる。2つの脚部を有するステントが、デリバリカテーテル内で、以前に遠位にデリバリされたモジュールのデリバリのために使用されたものと同じであってもよい2つの後者に亘ってデリバリされる。
最後に、図面の下部にそれぞれ2つの側枝3を備える2つのカバードステント310、320が示されている。これら2つのカバードステント310、320は、それぞれ図5aおよび5bを参照して以下においてより詳細に説明する。
第1のカバードステント310は、ガイド要素10(ガイド要素8上をカバードステント420の脚部へと摺動されるカテーテル)によってデリバリされる。この目的のため、ガイド要素が第1のカバードステント310を完全に通過するように延びるという点が異なるが、図8を参照して説明されるもののような追加のデリバリカテーテルが使用されてもよい。1つまたは複数の追加のガイド要素10は、図2参照の、移植されると分枝血管内へと伸長する延長カバードステント600のデリバリのために、第1のカバードステント310の側枝のうちの1つまたは複数に付着されてもよい。
第2のカバードステント320は、ガイドワイヤ20によってデリバリされる。デリバリカテーテルが、既に説明したように、再度この目的のために使用される。追加のガイド要素が、図2参照の、移植されると分枝血管内へと伸長する延長カバードステント600のデリバリのために、第2のカバードステント320の側枝のうちの1つまたは複数に付着されてもよい。
2つのカバードステント310、320の近位端部が、2つの脚部を有するカバードステント430の2つの遠位脚部に相互接続され、それによって液体流路を提供する。それに応じてガイドワイヤ20およびガイド要素10が、カバードステント430を通るように延びる。
したがって、すでに説明したように、システム100は図2に示すように位置決めされる。
一例では、インビボおよび/またはインビトロのいずれかで行われ得る、複数のカバードステントを相互接続させる手段が提供される。
一例では、組み立て前および/または組立中に、システム100のカバードステントは整理され、組み立てのための正しい順番に配置される。一例では、移植中に組み立てられる場合、説明したように、必要に応じて多数のカテーテル30が使用されてもよい。システムの構成要素は、外科医のために、移植を容易にするため、適切にナンバリングされたキットとして提供されてもよい。キットの構成要素および構成は、移植処置の前にコンピュータにより設置されてもよい。外科医および/または臨床の人員による処置を支援するために、ソフトウェアが提供されてもよい。外科医が、事前に処置を仮想的に計画してもよい。そして、好ましくはキットの構成要素の番号を有する構成要素、および処置ステップの順序が、移植処置中にソフトウェアによって提案されてもよい。使用された構成要素および実行されたステップのソフトウェアフィードバックに入力することによって、品質保証が提供されてもよい。X線撮像およびタイムスタンプおよび他の医療用装置測定または入力データが保存されてもよい。したがって、効率的に処置が実行され、同時に記載されてもよい。
図1に示されていないが、追加のナビゲーション要素20および/またはガイド要素10が、説明したように、側枝3のナビゲーション、および側枝3と分枝血管との整列のために設けられてもよい。特定のカバードステント、脚部または側枝へと向かうナビゲーション要素20またはガイド要素10を容易に見分けるために、実施例では、各ナビゲーション要素およびガイド要素はラベル付けされている。
システム100と共に説明したモジュール式カバードステントを次により詳細に説明する。上述のように、モジュール式ステントは、他のシステムにおいては、図面に示されたものとは異なって配置されてもよい。いくつかのモジュール式カバードステントが、既知のユニットとの接続のために個別に、または標的部位、治療の必要性および/または患者の病歴に応じて個別に設けられてもよい。
図3は、3つの脚部201、202、203を備えるカバードステント200、ナビゲーション要素20および3つの脚部のすべてへのナビゲーションを容易にするための、縫合糸の形態のガイド要素10を示す。図3および8は、カバードステントからなるシステム100の移植中に、縫合糸などの、1つまたは複数のガイド要素10(1つが示されている)が、いかにカバードステントを通って延び得るかの例を示す。
3つの脚部201、202、203は、1つは首の動脈内へ、そして2つは側分枝血管接続を備えるチャネル(組み立て時)を通って、3つの大動脈弓分枝血管への接続のために設けられる。3つの脚部201、202、203は、内腔の直径および長さが異なってもよい。カバードステント300、600の重なり合いは、移植処置中に、患者の解剖学的構造に応じて選択されてもよい。
予め付着された、1つの脚部(203)および別の脚部(201)内へと延びるガイド要素10によって、分枝血管の個別の挿管が可能になる。そのような移植の開放した脚部を備える側枝を位置特定するという困難なしに、人工器官のすべての側枝への直接のアクセスが提供される。これは、従来では、通常オペレータが分枝血管を目標とする場合に、感触がなく、デリバリカテーテルの長さのため、ナビゲートが困難であった。また、処理中の血流脈動、および側枝の挿管の処置における他の困難が、既知のカバードステントの場合よりも関連性が低い。3Dから2Dへの視覚化の難点が回避され、必要とされるX線照射量がより少なく、処置が、著しい時間が短縮され、患者の危険性が低減されて提供される。
ガイド要素10は、カバードステントが、カバードステントからなるシステム100となるように全体として接続され得るように、追加のカバードステントを接続位置へとガイドするために使用される。図8の詳細については以下に記載する。
一例では、図3に示すように、ナビゲーション要素20は、本明細書においてはガイドワイヤであり、脚部202を介して、3つの脚部を有するカバードステント200の内部を通って延びる。システム100の移植中、ナビゲーション要素20は、任意のカバードステントが所望の標的部位位置までナビゲーション要素20に随伴し得るように、血管内へ、十分に奥まで挿入される。
一例では、カバードステントは、デリバリカテーテル内でナビゲーション要素20に沿って摺動させられることによって、それぞれの位置へとガイドされる。遠位カテーテル端部の外へと開放されると、カバードステントは所定位置へと拡張し、その標的部位に移植される。拘束部材8が設けられてもよい。
図3は、さらに、縫合糸などの、1つまたは複数のガイド要素10は、カバードステント200に付着されてもよいことを示している。図面では、縫合糸10は、第2脚部4の内部に配置され、第3の脚部を通って外へと延びている。ガイド要素10は、既に説明したように、カバードステント100からなるシステムを形成するように接続され得るようにカバードステントをデリバリするために、デリバリカテーテルをガイドするというナビゲーション要素20の目的と類似の目的を持つ。
オペレータは、2つの脚部を容易に設置し、追加のカバードステントを2つの脚部のいずれかへとナビゲートすることが可能である。オペレータは、ガイド要素10を介して、第1の追加のカバードステント600を、ガイド要素10が付着される脚部201へとナビゲートすることが可能である。第1の追加のカバードステント600が正確に位置決めされ、3つの脚部を有するカバードステント200に接続されると、オペレータは、同じガイド要素10を介して、第2の追加のカバードステントを、縫合糸が3つの脚部を有するカバードステント200から近位に出ていく脚部203へとナビゲートする。ナビゲーション要素20は、オペレータが、図3に示すように第3の脚部の位置も特定すること、およびユニットを希望通りにその道筋でデリバリすることを確実にする。
概して、ガイドワイヤのようなナビゲーション要素20の代わりに、またはそれに加えて縫合糸のようなガイド要素10を使用することの利点の一つは、縫合糸またはワイヤが可撓性を有して提供され、破損することなく希望通りに折り曲げられ、操作され得ることである。ガイドワイヤである場合、ナビゲーション要素20は、通常、たとえば、穿刺部位から血管に沿って押し出すための、オペレータから遠位の力を加え得るように、より硬い。そしてカテーテルは、ガイドワイヤに亘って通されて、ガイドワイヤに沿って移動させられる。そしてガイドワイヤが、カテーテルを通してユニットをデリバリするために、カテーテルから取り除かれてもよい。
ガイド要素10の可撓性特性により、たとえば、カバードステントが、それぞれの位置に配置されること、および/またはたとえば、カバードステント中の角部、ならびに/または血管および/もしくは側枝3中の角部を迂回してナビゲートされることが可能になる。ガイド要素10は、実施形態において、デリバリカテーテルの内腔の外側を延び、内腔を通ってユニットをデリバリさせることが可能である。代替的に、またはそれに加えて、ガイド要素は、ユニットのデリバリのための内腔と同じ内腔を通って延びてもよい。
そして、好ましくは、カテーテル30の遠位先端部は、遠位オリフィスがガイド要素10の遠位端部の付着点を超えて延在する設計を有する。これは、たとえば、ガイド要素10が適合する、カテーテルの内腔壁内の長手方向の凹部(図示されず)によりもたらされ得る。そして、デリバリ用オリフィスを備えるカテーテル30の遠位端部は、付着点11を越えて突出してもよく、デリバリカテーテル30が遠位方向に押し出されると、凹部の近位端部が位置決めされる。凹部は長手方向スリットであってもよい。凹部は、ガイド要素10を凹部内により簡単に捉える、または導入させるために、少なくともV字形状部分を有してもよい。カテーテル30は、ガイド要素10を凹部に入らせるために、わずかに揺り動かされるおよび/または回転させられてもよい。
ガイド要素10に関して既に説明したように、ガイド要素10の遠位端部がカバードステントに持続的または解除可能に付着される位置11には、マーカが、たとえば、MRI、CTまたはX線による走査中に容易に視認され得るように、有利に設けられる。接続点11は、実体的な抵抗、およびデリバリ処置の間に外科医によってカテーテル30がさらに遠位に進められることを防止するために、ガイド要素10の停止ユニットとして機能する。
図4は、側枝を備えるカバードステント1を示し、例示的なシステム100(図1および2)の側枝3を備えるカバードステント300の一例である。
カバードステント1は、カバードステントである本体2、および本体2に接続される横方向側枝3を有する。側枝3は、本体2から外へと突出し、柔軟性を有しかつ拡張可能である。側枝3が柔軟性を有しかつ拡張可能であることの利点の一つは、本体2の移動に依存することなく、側枝3が少なくとも1つの次元で容易に移動可能であり、それによって分枝血管が見つかり、側枝3を用いて中へと入る移植中に、より容易に整列されることである。
図14A〜Dは、単一の横方向側枝を備えるモジュール式カバードステント300の例の斜視図、上面図、側面図および前面図である。代替的に、またはそれに加えて、カバードステント1は、図5aおよび5bに示すように、カバードステント310、320のような、複数の側枝3を有してもよい。接続部3aにより、枝3のある程度の移動がもたらされる。これは、長期安定性を向上させ、血栓の形成の防止に寄与してもよい。
代替的に、またはそれに加えて、カバードステント1は、複数の脚部を有し、脚部の少なくとも1つは側枝3を備える。したがって、一例(図示されず)では、カバードステント1は複数の脚部を有し、各脚部は、側枝3を備える。一例では、側枝3は収縮し、畳まれる、または折り曲げられ、図3の側枝3のようになってもよい。畳まれた状態には、径方向および/または長手方向に畳まれた状態が含まれ、デリバリのための横断面を減少させる。
一例では、畳まれた時の側枝3の形状は、ドーム型または略半球形状であってもよく、非制限の例については図7参照のこと。これにより、側枝3には、今日の既知の装置のような、分枝血管を切り裂き、引き裂き、または貫通し得る鋭い縁がまったくないため、カバードステント1は、今日の既知の装置よりも、動作中の挿入および/または分枝血管へのナビゲーションがより安全となる。しかし、分枝血管3は、たとえば図1、2、4、5a、5b、6、8、10、11、14、15B、C、20に示すように、好ましくは本体2から長手方向にのみ拡張可能であり、円筒形状である。
側枝3は、形状が分枝血管に適合するように変化され、たとえば、別のカバードステントまたはカバードステントとともにカバードステントの本体から離れて分枝血管内へとさらに伸長することを可能にするように構成される。そのような拡張状態は、特に、図4、5a、5b、9および10、11、14、15、17、19、20に概略的に示すような、枝3の長手方向に拡張した形状を含む。長手方向に畳まれた状態から拡張状態への移行は、図6に示すように、展開、引き伸ばし、ばねの効果または他の類似の枝3の動作によって行われてもよい。
図5a〜bは、拡張状態の複数の側枝を備えるカバードステントの2つの例を示す。図5aに示すカバードステント310は、同じ側から突出する2つの横方向側枝3を有する。図5bのカバードステント320もまた2つの側枝3を有するが、それらは両側から突出している。
側枝の他の構成が、標的部位における解剖学的理由からの必要に応じて提供される。一例では、側枝3は、本体2上の任意の望ましい位置に分配される。一例では、側枝3の位置は、カバードステント1が設置される血管、およびその分枝血管の配置に基づく。図示されないが、カバードステント1もまた、3つ以上の側枝3を有してもよい。側枝は、側枝に向かって傾斜する角度、すなわち、本体の長手方向軸からの、90度以外、たとえば約30または45度と90度との間の角度を有する。
以下においてより詳細に説明するように、横方向側枝3は、第1の突出長さまたはサイズから第2の突出長さまたはサイズへと拡張可能であってもよい。この拡張は、本体2の拡張に依存するものでなくてもよく、その逆もまた同様で、本体2の拡張は、側枝3の拡張に依存するものでなくてもよい。これは、側枝3を備えるカバードステント1が畳まれるまたは折り曲げられると、一例では、カバードステント1の本体2が拡張または展開されることなく、側枝3が拡張または展開され得ることを意味する。別の例では、側枝3が拡張または展開されることなく、カバードステント1の本体2が拡張または展開され得る。
ある実施形態においては、カバードステント1の側枝部分3が、伸長時に柔軟性を有するため、側分枝血管との整列が、従来のカバードステントの場合ほど重要でなくなり得る。柔軟性のおかげで、たとえば、図7および11に示される、側枝3の柔軟性により、移植中および移植された時の、側分枝血管へと向かう、および/または側分枝血管内へのナビゲーションが促進される。カバードステント1の本体における側枝3のオリフィスの分枝血管オリフィスに対するある程度の不整列は、柔軟性を有し横方向に延びる側枝3の経路によって修正されてもよい。側枝3の血液連絡路は、側枝3の遠位端部にて相互接続し、側分枝血管内へと伸長する追加のカバードステントまたはカバードステントグラフト係合することによって伸長され得る。
図6は、下部から上部に向かって、畳まれた形状から拡張形状へと自己拡張可能である側枝の例の図を示す。図6は、カバードステント1の一例を示している。本明細書において説明するカバードステントは、一例では、自己拡張可能である、または、別の例において、膨張可能なバルーン、プッシャユニットなど、別の装置によって拡張可能である。図6は、3つの異なる側枝3を異なる拡張長さで示している。
カバードステント1は、カバードステントである本体2、および本体2に接続される横方向側枝3を有する。側枝3は、本体2から外へと突出し、拡張可能であり、任意に、柔軟性を有する、および/または本体の長手方向軸に対する角度で傾斜可能である、および/または本体2から突出するときにそのような角度で配置される。側枝3が柔軟性を有しかつ拡張可能であることの利点の1つは、本体2の移動に依存することなく、側枝3が、少なくとも1つの次元で容易に移動可能であり、それによって、分枝血管が見つかり、側枝3内へと入るために移植中により容易に整列されることである。
一例では、カバードステント1は、複数の側枝3を有してもよい。一例では、カバードステント1は、複数の脚部を有し、脚部の少なくとも1つは側枝3を備える。したがって、一例では、カバードステント1は複数の脚部を有し、各脚部は、側枝3を備える。一例では、側枝3は収縮し、畳まれる、または折り曲げられ、図3の側枝3のようになってもよい。畳まれた状態には、径方向および/または長手方向に畳まれた状態が含まれる。
一例では、畳まれた時の側枝3の形状は、ドーム型または略半球形状であってもよく、非制限の例については図7参照のこと。これにより、側枝3には、今日の既知の装置のような、分枝血管を切り裂き、引き裂き、または貫通し得る鋭い縁がまったくないため、カバードステント1は、今日の既知の装置よりも、動作中の挿入および/または分枝血管へのナビゲーションがよりはるかに安全となる。
側枝3は、形状が分枝血管に適合するように変化され、たとえば、別のカバードステントまたはカバードステントとともにカバードステントの本体から離れて分枝血管内へとさらに拡張することを可能にするように構成される。そのような拡張状態は、特に、図4、5a、5b、6、8、9および10、11、14、15、17、19、20に概略的に示すような、枝3の長手方向に拡張した形状を含む。長手方向に畳まれた状態から拡張状態への移行は、図10に示すように、展開、引き伸ばし、ばねの効果または他の類似の枝3の動作によって行われてもよい。
一例では、拡張は、たとえば図10に示されるように、カバードステント1および/または側枝3のばねの効果によって得られてもよい。一例では、拡張は、血管内で平衡位置に至ってもよい。
横方向側枝3は、好ましくは、本体と一体的に形成される。いくつかの実施形態では、側枝には、側枝3を径方向に拡張することなく側枝3の長手方向に弾性的に自己拡張するばねが設けられる。ばねは、図15B、Cに示すように巻き上げられた、つる巻きばねであってもよい。ばね状構造体は、側枝の、人工器官本体からの拡張を補助するために、直角に、あるいは本体の長手方向軸から90度以外の別の角度で設けられる。
カバードステント1または側枝3は、カバードステントのステント/支持フレーム部分として適切に配置されるワイヤを含んでもよい。一例では、ワイヤは、カバードステントの長手方向にU字の形状を有してもよい。別の例では、ワイヤは、図10に示すように、らせん状に巻き上げられてもよい。さらに別の例では、それらはジグザグ形パターンなどのような、適切なパターンで配置されてもよい。
一例では、ワイヤは、外被を織り込んだワイヤであってもよい。ワイヤは、編み込みパターンまたは組みひものようなメッシュを形成してもよい。ワイヤは、また、ステント部分のばねのようなパターンを形成するようにレーザ切除されてもよい。
代替的に、またはそれに加えて、ワイヤ、または本装置の他の拡張可能な構成要素は、形状記憶素材で作製されてもよい。そのようなワイヤの形状記憶効果は、温度のような既知の誘因による、畳まれた形状から拡張形状へ、などの形状の変化に対する備えとなり得る。適切な素材には、ニチノール、CrMo合金、形状記憶ポリマなどが含まれる。そのような素材で作製される実施形態の構成要素の形状は、加熱処理によって提供されてもよい。そのような素材の実施形態の構成要素は、畳まれた構成または圧縮構成から拡張、開放構成への形状の変化に対し、弾性または超弾性特性(たとえばニチノール)にのみ依拠してもよい。
カバードステント1が、デリバリカテーテルを出る際に弾力性構成にされると、たとえば、以下において図10を参照して説明するように、カバードステントの本体から外へと弾性的に拡張する。
図7は、折り曲げられた、または畳まれた側枝を備えるカバードステントが、分枝血管を見つけるために以下に使用され得るかを示す。火山型の側枝3は、既に述べたように単なる例である。ガイドワイヤ20は、側枝を通過するように供給され、カテーテルは、ガイドワイヤに亘って通される。そして、側枝を通るデリバリ経路が提供される。
ガイドワイヤ20は、事前にガイド要素10によって、たとえば側枝3にある標的部位へとガイドされたカテーテル30を介して所定位置に持ちこまれてもよい。カテーテル30が引っ込められ、異なるカテーテルガイドワイヤに亘って通されてもよく、したがって、ガイドされたカテーテル30によって所定位置に設置されてもよい。
図8は、側枝3を備えるカバードステント300と、および側枝のナビゲーションを容易にするためにカテーテル30をガイドするための、ガイド接合部9を備えるカテーテルと、を示す。
図8に示される一例では、カテーテル30は、ガイド/ナビゲーション要素によって側枝3へとガイドされるときにガイド要素10上を移動するように構成されるガイド接合部9、および/またはナビゲーション要素20を備える。
この例では、ガイド接合部9は、カテーテル30に付着される1本の管である。代替的に、ガイド接合部9は、たとえば、カテーテルの管状部材の適切な押し出し加工によって、カテーテルと一体的に形成される。ガイド接合部は、内腔として形成されてもよく、および/またはカテーテル壁と一体であってもよい。ガイド接合部9は、カテーテルと一体であってもよく、あるいは、たとえば、接着、溶接、または他の機械的付着手段によってガイド要素10に適切に付着される別個の要素であってもよい。カテーテル30は、少なくとも1つの内腔を備える複数の内腔を有するカテーテルであってもよい。好ましくは、カテーテル30は、二重内腔カテーテルである。図16に一例が概略的に示される。第1の内腔30aは、第1の内腔の遠位オリフィスを通って配置可能であるユニットのデリバリのために設けられる。第2の内腔は、ガイド接合部9として、ガイド要素10の近位端部からその遠位端部および付着点に亘って通すために設けられる。第2の内腔は、好ましくは、第1のカテーテルの内腔の遠位オリフィスの近位に設けられるオリフィスを有する。この方法では、第1の内腔の遠位オリフィスは、ガイド要素10の付着点を超えて遠位に位置決め可能である。
代替的に、またはそれに加えて、ガイド接合部9は、ガイド要素10を通すためのリング、ハトメ、スナール、またはループを備える。ガイド接合部9の内径は、互いに沿っての摺動運動のために、2つの要素の間の過度の摩擦を避けるためのある程度の公差を有して、ガイド要素10の外径を受容するように適合される。
ガイド接合部9は、そこを通して、ガイド接合部9に沿ってガイド接合部の遠位端部へ、および遠位端部から摺動移動可能であるようにガイド要素10を嵌合して受容するためのユニットであり、好ましくはカバードステントに付着される。ガイド要素10は、ガイド接合部9に沿って摺動移動可能であるように、ガイド接合部9を通されるように構成される。患者の外部、ガイド接合部の近位端部にて、ガイド要素10が適切に通され、ガイド接合部は、可撓性のガイドユニット10を形成するために、たとえば編み合わせられたマルチフィラメントストランドからなるたとえば、縫合糸、糸、フィラメント、またはワイヤである。
代替的に、またはそれに加えて、ガイド接合部9は、二重(または多重)内腔カテーテルの内腔、またはガイド要素10上で摺動を可能にするように構成され、好ましくはガイド接合部がその内部で使用される血管または内腔を損傷しない他の任意の適切な要素であってもよい。
ガイド接合部9は、カテーテル30の遠位端部から適切な長さだけ離れて、すなわち近位に配置される遠位端部または開口を有利に有する。このようにして、カテーテル30の遠位端部または開口は、ガイド要素10および/またはナビゲーション要素20の終端位置、たとえば、縫合糸の結び目など固定部分にあるとき、ガイド接合部9よりもさらに遠位に進んでもよく、ガイド要素10および/またはナビゲーション要素20は、本明細書において説明および図示するように、カバードステントに、たとえば、オリフィスまたはその開口にて遠位に付着される。
したがって、ガイド接合部9は、好ましくはカテーテル30の遠位端部または遠位開口の近位の(離れた)カテーテルに配置される遠位端部または遠位開口を有する。
このようにして、カテーテル30の遠位端部が接続点11の遠位に位置決めされてもよいこと、たとえば、その内部でデリバリが行われる側枝をカテーテル、たとえば、カバードステントの内腔を通して分枝血管に入れること、固定点が位置する主血管カバードステントとの組み立ておよび相互接続を確実にする。このようにして、オペレータには3次元視覚化が必要でないため最小限のX線照射量で、分枝血管カバードステントが主血管カバードステントの正しい位置、すなわち枝開口にデリバリされ得る。
一例では、図8にも関連して、ガイド要素10は側枝3に付着される。これにより、最小限の労力で、かつ信頼性および患者安全性が向上されて、たとえば、側枝3と接続されるまたは側枝3の外へとデリバリされるために、ガイド接合部9を備えるカテーテル30を通って容易にデリバリされるように、任意の要素、好ましくはカバードステントをさらに移植することが可能になる。
図8に示すように、ガイド接合部9は、いくつかの実施形態では、カテーテル30の遠位端部から離れて設置される。カテーテル30の遠位端部から離れたガイド接合部9の利点の1つは、カテーテル30が、ガイド要素10の付着位置11よりも遠くに達し得ることである。たとえば、ガイド要素10が側枝3に付着される場合、カテーテルは、側枝3を通ってさらに外側へと到達し得る。これにより、たとえば、延長カバードステント600を側枝3にて位置決めおよび接続するための容易なアクセスが可能になる。
好ましくはガイド接合部9の遠位端部の遠位の、カテーテル30の遠位端部部分は、それに加えて、または代替的に、折り曲げられ得る(図8参照)。これにより、遠位端部における、望ましい出口角度、たとえば、本体300の長手方向軸に対して略直角の、デリバリカテーテル30のオリフィスが可能になる。
しかし、ガイド接合部9の遠位部分または端部は、いくつかの実施形態では、カテーテル30の遠位端部にまで達する。改良され、利点を有し、最小限に侵襲的である、側枝を通しての要素のデリバリがどのような場合においても確実となる。
たとえば、図9a、b、c、10および11、15および17に示す一例では、カバードステント1には、拘束部材の解放までカバードステント1が拡張することを防止する拘束部材8が設けられ、制御可能に拡張するカバードステント1が提供される。
一例では、拘束部材8は、PTFEまたはGore−Tex(登録商標)素材で作製されてもよい。拘束部材8は、デリバリのためにカバードステントの周りに解放可能に配置される、フラットシート、織物、または不織素材として設けられてもよい。代替的に、拘束部材には、体内に挿入され、容易に操作され得る他の任意の適切な生体適合性材料が選択されてもよく、また配置中に任意の血管または内腔をカバードステント1から保護する。
図9a〜cは、拘束部材の例を示し、たとえば、自己拡張可能のカバードステント200に、そのような拘束部材8が設けられてもよい。カバードステントは、拘束部材の取外しによって、制御可能に折り畳みから拡張形状へと移行する。
一例では、拘束部材8の取外しは、単にストリングを引っ張ると、カバードステントの周りに配置される1枚の拘束部材9を結合している縫合線が開放されることによって行われる。解放ストリングを引くことによって、拘束部材が、ストリングを引っ張った距離に応じて、縫合線に沿って開く。したがって、図9a〜cに示すように、拘束部材は、部分的または完全に開く。一例では、複数のストリング/縫合線が、どこで拘束部材8がカバードステントおよび/または側枝3の拘束から取り外されるかを選択するために使用される。
代替的に、またはそれに加えて、拘束部材8は、カバードステント1および/または側枝3の拡張が個別に選択され得るように、部分的に取り外されるように構成される。これは、図9aに示されており、カバードステントが拘束部材8によって完全に拘束されている。図9bでは、拘束部材8は部分的に開き、それによってカバードステントが部分的に拡張されて示されている。部分的に拡張したステントは、所望であれば、依然として位置変更されてもよい。
図9cの例は、カバードステントの複数部分を拘束するための複数の拘束部材8を示している。各拘束部材は、カバードステントの別々の部分、この例では3つの脚部を有するカバードステント200を拘束するために設けられる。このようにして、3つの脚部は、容易に、個別に、1つずつまたは同時に拡張され得る。同様に、側枝3を備えるカバードステント1は、たとえば、本体2の周りの拘束部材および側枝3の周りの別の拘束部材8から取り外すことによって、部分的または完全に拡張され得る。図18を参照して、一例を説明する。
折り畳み状態のユニット(図9a)が、既に説明したように、ガイド要素10に沿って摺動可能であるガイド接合部9を有してもよいデリバリカテーテルを通して標的部位へと導入される。図9に示す組立体(および他の類似のもの)は、たとえば図3に示すように、1つまたは複数のガイド接合部10自体を含んでもよい。(1つまたは複数の)ガイド要素10の後半は、カバードステント(ここでは200)から、拘束部材8の内部から外部へと、さらにカテーテルの近位端部へと向かって近位に、そして患者の外部へとナビゲートされる。したがって、追加の要素が、本明細書において説明するように、移植時に、カバードステントを通して有利にデリバリされてもよい。
一例では、複数のストリングは、どこで拘束部材8がカバードステント1および/または側枝3から取り外されるかを選択するために使用される。
代替的に、またはそれに加えて、拘束部材の縫合線のストリングは、カバードステント200に付着される場合、(1つまたは複数の)ガイド要素10の1つである。そして、ガイド要素10は、カバードステントに遠位側で付着され、たとえば図3にあるように、近位側でカバードステント200のオリフィスの外に延びる。そして、ガイド要素10は折り返され、保護ユニット8の内部を延びる。再度、近位に向き、解放可能な縫合線を提供する。引っ張られ、縫合線から取り外されると、すなわち、拘束部材が解放されると、さらに引き戻され、ガイド要素10は、カテーテルガイドとして使用されるように留置される。この、ガイド要素10および保護ユニット/拘束部材8の縫合線の共働作用は、他の利点のなかでも、患者の外部へと引き出される必要のある構成要素の数が減少するという点で有利である。拘束部材8は、カバードステント1および/または側枝3の拡張が個別に選択され得るように、部分的に取外し可能であるように構成される。これは、図9aに示されており、カバードステント200が拘束部材8によって完全に拘束されている。図9bでは、拘束部材8は部分的に開き、それによってカバードステント200が、ここではその長さに沿って部分的に拡張されて示されている。
図9cには別の例が示されており、複数の拘束部材8が、3つの脚部を有するカバードステントの別々の部分を拘束するために使用されている。このようにして、たとえば、カバードステント200の3つの脚部のうちの1つまたは複数が、容易に、個別に、1つずつまたは同時に拡張され得る。同様に、側枝3を備えるカバードステント1は、たとえば、本体2の周りの拘束部材および側枝3の周りの別の拘束部材8(図示されず)から取り外すことによって、部分的または完全に拡張され得る。
図10は、いかに外被が、カバードステントを畳まれた、または折り曲げられた形態で保持するために、および制御可能にカバードステントを部分的または完全に解放するために使用されるかを示す。
図10は、いかにカバードステント1が、最初に、図10の上部(a)に示すように、拘束部材8から、一方の側、右手側から解放されるかを示す。図10の中央および下部(bおよびc)に示すように、カバードステント1の、側枝3を備える部分が次に解放される。これは、図11にてさらに示されており、カバードステント300は、側枝3を分枝血管に容易に適合させることを可能にするために、拘束部材8から部分的に解放されている。カバードステント300の、側枝3を備える部分が拘束部材8から解放されると、側枝3は、分枝血管と整列され、そして分枝血管内へと拡張される。そして、カバードステント300は、図11の下部に示すように、拘束部材8から完全に解放される。分枝血管内へとさらに伸長するカバードステント600が、本明細書において説明するように、デリバリおよび配置されて示されている。
図11は、分枝血管を見つけ出す簡単な手段で使用され得る、カバードステント1の一例を示す。カバードステント300は、カテーテルなどのデリバリ装置30の外へと完全に押し出され、カバードステント1の本体2が拡張される。
側枝3は、例では、外側に押し出されることによって拡張される、および/または既に説明したように、たとえば、図6、7および9に示すように、それ自体によって拡張するように構成される。
追加の押出し要素(図示されず)が、柔軟性を有する側枝3を、折り曲げられた、または畳まれた状態から拡張するように、所望の方向および外方向に押し出すために使用され得る。これは、側枝3が自己拡張可能でない場合に適用される。
自己拡張可能な側枝3の場合、側枝3は、デリバリカテーテル(30)から解放されると、および/または拘束ユニットが取り外されると即座に本体から径方向外側に拡張する。
分枝血管との整列をより容易にするために、カバードステントの側枝3には、たとえば、図3に示すように、マーカ21が設けられ得る。側枝3が分枝血管と水平になる、または整列するとマーカ21により、オペレータにそれが視認可能になる。側枝3にマーカを1つのみを有することによって、X線透視法において整列される必要がある複数のマーカを有する今日のカバードステントと比較して、X線などの撮像装置の使用により、カバードステント1をその所望の位置に整列させることがオペレータにとってより容易になる。マーカ21は、例では、MRI、X線、超音波などの撮像装置が保健医療またはカバードステントの設置に使用される場合、一般的な種類の下で視認可能である任意の基準マーカである。カバードステントの構造それ自体は、通常、たとえば、X線透視法においては視認することが難しい。マーカは、たとえば、そのような撮像において良好な視認性を可能にする、金または類似の材料で作製されてもよい。
一例では、側枝3は、縫合糸10などのガイド要素10によって折り曲げられるまたは畳まれ、拘束される。ガイド要素10は、たとえば、側枝3の周りで包囲され、側枝3の内部に解放可能に接続される、または側枝3に付着され、それによって解放可能に折り曲げられる、または畳まれる。そして、ガイド要素を近位に引くことによって、側枝3が折り畳まれた状態から拡張した状態へと解放される。ガイド要素10は、カテーテルのガイドとして使用されるために所定位置に留まる。
一例では、カバードステント1は、カバードステント1の本体2を、たとえば図9〜11に示すように移動させることによって、分枝血管と整列される。一例では、これは、カテーテル30の外へと部分的にのみ押し出される、および/またはすでに開示したように、拘束装置から部分的に解放されるカバードステント1によって達成され、それによって、カバードステント1が、カテーテル30を移動させることによって移動され得る、または、たとえば図9および10に示すプッシャワイヤによって移動され得る。好ましくは、側枝3は、自己拡張可能である。
一例では、カバードステント1は、側枝3のマーカ21が分枝血管と整列するまで上方向に移動させられる。そしてカバードステント1は、側枝3が分枝血管に入るまで回転させられる。側枝3が分枝血管に入ると、ガイド要素/たとえば、縫合糸10が解放され、側枝3が、それ自体によって、または外方向に押し出されることによって分枝血管内へと拡張される。
さらに別の例では、カバードステント1は、カバードステント1の本体2をナビゲートすることによって、およびカバードステント1の側枝3をナビゲートすることによって分枝血管と整列される。
図15Aは、デリバリ構造の横方向側枝を備えるモジュール式カバードステント300の斜視図および断面図である。図15Bおよび15Cは、本体の解放前の、図15Aのモジュール式カバードステント300の横方向側枝の配置の概略図である。人工器官/カバードステントを覆う外側拘束部材/シースの2つの層が存在する。側枝の外側拘束部材8aは、側枝人工器官のみを拘束する。外側拘束部材8aは、第1の外側拘束部材8の外部を包囲する。これは、人工器官全体の長さの1/3など、一部のみである。第1の外側拘束部材8は、側枝人工器官の飛び出しを可能にするように切り出された形状で人工器官の全体を覆う。最初に、側枝の外側拘束部材8aが、側枝ガイドワイヤおよび側枝人工器官を解放するために、開放される。側分枝血管の位置が特定されると、図15Bおよび15Cに示すように、第1の外側拘束部材8aが、人工器官本体を完全に暴露するために開放される。人工器官デリバリシステムが挿入され、側分枝血管に近接して、または側分枝血管の方向に向けられて側枝先端部と並ぶ。人工器官の位置は、必要であれば、たとえば基準マーカの手助けにより調節され、任意に、ガイドワイヤは、側枝の入口を見つけるために使用され得る。側枝の外側シース8が開く。外側側枝シース8aは、側枝人工器官を解放するために、完全に開き得る。側枝人工器官が完全に拡張する。そして、人工器官本体の外側シース8が開き、人工器官全体を解放する。2つの内腔カテーテル30が、接続人工器官デリバリシステムのために、別のガイドワイヤを側枝内に運ぶために、ガイド要素10上を運ばれる。内腔9のうちの1つが、側分枝血管へのアクセスを得るために側枝ガイド要素10上を延びる。2つの内腔カテーテル30が初期位置にくると、以下において、方法および手順を参照してより詳細に説明するように、より深い部分へのアクセスのために上方向に自由に移動し得る別のガイドワイヤが、内腔30aを通って側枝に導入される。
図17Aは、別のデリバリ構造の横方向側枝を備えるモジュール式カバードステント300の斜視図および断面図である。図17Bは、モジュール式カバードステント300の本体および横方向側枝の開放の概略図である。図18は、横方向側枝の拡張からナビゲーションユニットを解放するためのカテーテルツールの概略図である。
人工器官/カバードステント全体を覆う、外側シース8の単一の層が存在する。人工器官の曝露は、3つの段階に分けられ得る。
第1段階:外側シース8の遠位部分が開き、人工器官本体の約1/3を開放する。外側シース8は、人工器官本体の第1の部分を解放するためにゆっくりと開く。人工器官の位置の調節が行われ得る。
第2段階:外側シース8が、側枝人工器官3が完全に暴露されるまで持続的に開く。正確な位置が見つかると、側枝3を解放するために外側シース8の中間部分が開く。側枝3が拡張される。外側シース8が、側枝3人工器官が完全に暴露されるまでさらに開き、必要であればその位置が調節される。側枝人工器官の先端部を開くために、設けられたループが、ループを保持するバーから解放される。ループがロック機構から解放されると、カバードステントが、弾性的に、および/または形状記憶の効果により拡張する。外側シース8が、本体2が曝露されるまで持続的に開く。そして、外科医が延長カバードステント600を側分枝血管へとデリバリし得る。側枝を送り出す前に人工器官本体2の部分を拡張することは、ガイドワイヤを側分枝血管内に設置する際に、潜在的に外科医の助けとなってもよい。
最終段階:側枝人工器官が分枝血管内にあるまで、シース8が完全に開く。
図18は、横方向側枝の伸長からナビゲーションユニットを解放するためのカテーテルツールの概略図である。カテーテル30の遠位端部の内腔は、枝3の開放可能な付着のための遠位ユニットを含んでもよい。枝3は、たとえば、ループ35のような付着手段を含んでもよい。1つまたは複数のワイヤまたは糸ループ35のような付着手段が、人工器官の側枝3の遠位端部に付着され、掛止部38に解放可能に固定され得る。掛止部38は、たとえば、図18に示す遠位端部にあるフランジのような停止ユニットに対し上または下方向に移動させられ得る。掛止部は、長手方向に移動可能であり、ループ35と係合可能である1つまたは複数のロッドまたは支柱を含んでもよい。ロッドまたは支柱などを含む掛止部38は、たとえば、示されているもののような停止フランジへと上に移動すると、ループ35のような付着手段と解放可能に掛止され得る。付着手段への掛止ユニットの解放することは、枝3が開放され、カテーテルが近位に引き出され得るように、(1つまたは複数の)ロッドの移動を逆方向にすることによって提供されてもよい。中央空間39が、ガイドワイヤまたはカバードステントを通過させるために設けられる。このようにして、枝39は、枝に付着したときに、掛止ユニットを備えるカテーテル端部を移動させることによって移動させられ得る。移動は、好ましくは本体から離れて分枝血管へと向かうが、所望であれば、解剖学的状況に適応させるために、枝3を本体へと向かうように引き出すように提供されてもよい。カテーテルは、既に説明したように、ガイド要素10を用いてガイドされてもよい。
側枝人工器官300の実施例は以下のとおりであってもよい。
人工器官側枝3の長さは、約15mmであってもよい。
他の限定されない例示的寸法が図14に示される。
予め装填されるガイド要素10の特徴:
ガイド要素は側枝に固定され、好ましくは、ガイド要素10に係合するための、カテーテルの向きの操作を補助する位置に固定される。接続点は、ガイドカテーテル30が枝3の内腔を通り、分枝血管オリフィスまたは内腔に向かってナビゲートされ得るように、たとえば、枝3の遠位側に配向された内面にある。
予め装填されるガイド要素10は、分枝血管に達するための、カテーテル30、たとえば図16に示す二重内腔カテーテル用のガイドとして作用する。
予め装填されるガイド要素10は、好ましくは、人工器官から容易にアンロックされるように構成されている。
内臓側枝310の例は以下のとおりとなり得る。
人工器官側枝3は、外科医がカテーテル30を用いて分枝血管を入れる補助となるように、本体2の長手方向軸に対して特定の角度、たとえば約30度の角度または45度の角度を維持するために設けられ得る。
側枝の内径は、約7mmの範囲内であってもよい。
側枝人工器官3は、分枝血管に向かって様々な接続角度への調節を可能にするように、ある程度の移動を可能にするために設けられる
図12は、医療処置の2つの例のフローチャートを示す。
方法700は、患者の血管である標的部位にアクセスするステップ710と、第1のカバードステントを、デリバリカテーテルを通じて、側分枝血管を有する標的部位にある血管の内部へとデリバリするステップ720と、第2のカバードステントを第1のカバードステントへとデリバリするステップ730と、血流を側分枝血管に供給するために第1のカバードステントを第2のカバードステントに接続するステップ740と、を含む。第2のカバードステントのデリバリは、カテーテル30を、ガイド要素10に沿って、第1のカバードステントの側枝の内腔の内部の位置まで摺動させること、第2のカバードステントを第1のカバードステントに接続するために拡張することを含む。ガイド接合部9を備えるカテーテル30は、ガイドワイヤのデリバリのために使用され得る。ガイドワイヤが側枝内の所定位置にあり、その側枝がある分枝血管内へと充分な長さで延びると、カテーテル30は引っ込められてもよい。そして、延長カバードステント600は、ガイドワイヤに亘って分枝血管へとデリバリされ得る。
代替的に、またはそれに加えて、方法800が提供される。第2のカバードステントは、側枝3を有してもよい。方法は、第2のカバードステントを、第1のカバードステントの側枝3を通して分枝血管にデリバリすることを含む。方法800は、患者の血管である標的部位にアクセスするステップ810と、第1のカバードステントを、デリバリカテーテルを通じて、側分枝血管を有する標的部位にある血管の内部にデリバリするステップ820と、側枝3を拡張させるステップ830と、第2のカバードステントを第1のカバードステントに、そして側枝3を通して分枝血管にデリバリするステップ840と、血流を側分枝血管に供給するために第1のカバードステントを第2のカバードステントに接続するステップ850と、を含む。ガイド要素10を備えるカテーテル30が、上で説明したステップ830〜840の間で使用され得る。
特定の例では、方法は、既に説明したように、および図1および2に示す最終の設計でシステム100をデリバリすること、および組み立てることを含む。
この例では、方法は、軟質ガイドワイヤが患者の血管に挿入されることから始まる。軟質ガイドワイヤを使用することで、挿入中に血管のどの部分も損傷しないことが保証される。さらに、軟質ガイドワイヤは曲げることが可能であり、それによって患者の血管系を通って標的部位、この例においては上行大動脈へとナビゲートされ得る。既に説明したように、体内の他の標的部位が代わりに選択され得る。
そして、第1のカテーテルが軟質ガイドワイヤ上で患者の血管へと挿入され、標的部位に達するまでナビゲートされる。第1のカテーテルにガイドされ、そして、より硬質であるナビゲーション要素20がカテーテルに挿入され、患者の血管に挿入される。
この例における標的部位は、上行大動脈であり、そして、そこで3つの脚部を有するカバードステント200が、デリバリカテーテルを介して大動脈弓内に位置決めされる。大動脈弓内で追加の構成要素とともに組み立てられた、デリバリ済みの状態を図2に示している。
そして、3つの脚部を有するカバードステント200が、第1のカテーテル30の内部にフィットするように畳まれる、または折り曲げられ、カバードステントの主要部分の内部に延び、脚部201のうちの1つを通って外へと延びるナビゲーション要素/ガイドワイヤ20を用いて、第1のカテーテル30の内部に沿って押し出される。
3つの脚部を有するカバードステント200には、既に説明したように、他の脚部のうちの1つの内部に付着されるガイド要素10が設けられる。一例では、大動脈弓の近傍または左側の位置が好ましい。
各ガイド要素10およびナビゲーション要素20は、識別を容易にするために、近位端部にてラベル付され得る。近位にラベル付された端部は、移植中は患者の外部にあるように構成される。
続いて、標的部位の正しい位置にあるとき、カバードステント200は、カテーテル30の外へと押し出され、既に説明したように、完全にまたは部分的に、拡張するまたは開く。カバードステント200は、脚部が主血管および大動脈の首部分枝血管に適合するまで回転させられる。また、既に説明したように、この整列は様々な方法で行われ得る。
次に、3つの脚部を有するカバードステント200が所定位置にあるとき、システム100は、追加のモジュールとともに容易に組み立てられ得る。既に説明したように、これは、複数の方法で行われることが可能であり、この例では、図1および2を参照して既に説明したように、3つの脚部を有するカバードステント200に続いて、側枝3を有する2つのカバードステント1および分枝血管内へと延びるためのカバードステント600が配置される。
図1および2に示す例では、延長カバードステント600は、3つの脚部を有するカバードステント200の1つの脚部の内部に付着されるガイド要素10を介してナビゲートされ、3つの脚部を有するカバードステント200を通してナビゲートされ、脚部を通って外へと延び得るように位置決めされる。ここで、カバードステント200は、拡張され重なり合うように脚部へと接続される。
続いて、側枝3を備える第1のカバードステント300がガイド要素10に沿って所定位置へと摺動させられ、第3の脚部203に接続される。ガイド要素10に沿った配置の後、またはその前に、第2のカバードステント300は、ガイドワイヤ20に沿って摺動させられ、第2脚部202に接続される。
大動脈内の血流を停止させる大動脈クランプまたは心停止法を必要としない。大動脈および分枝血管内の血流は、カバードステント300の平行配置により処理中に遮られない。
カバードステントをデリバリするとき、同時に、側枝3は、カバードステントとともに所定位置へとナビゲートされ、分枝血管内へと、または少なくともその方向に拡張される。続いて、追加の任意の延長カバードステントが、必要性に基づいて、分枝血管内へとさらに伸びるように挿入され得る。
次に、2つの脚部を備えるカバードステント400が、畳まれた状態で、ガイドワイヤ20およびガイド要素10に沿って第1のカテーテル30の内部に移動させられる。カバードステント400は、脚部が既に接続されたカバードステント300に向かって位置決めされるように方向決めされる。各脚部は、前にあるカバードステント300のうちの1つへとガイドされ得るように、ガイド要素10およびガイドワイヤ20のうちの1つに沿ってガイドされる。カバードステント1は、所定位置にあるとき、カテーテル30から解放され、拡張が可能となる。
代替的に、収束型のカバードステント400が、側枝を接続する、および/または延長カバードステント600をデリバリする前に、分枝したカバードステント300の近位端部に接続されてもよい。
次に、脚部または側枝のない管状のカバードステント410が、カテーテル30を通して所定位置へと押し出され、類似の方法であるが、内部で延びるガイド要素10およびガイドワイヤ20の両方を有して、前のカバードステント400へとナビゲートされ、接続される。組み立てられた人工器官の長さは、これらの相互接続がなされているときに、移植中に外科医によって選択される、カバードステントの変更可能の重なりによって調節可能である。
そして、2つの脚部を有するカバードステント420が、同様に、管状のカバードステント1に接続される。2つの脚部を有するカバードステント420は、既に大動脈の上流に遠位に接続されているカバードステントから離れるように、脚部と共に方向決めされる。これらの脚部は、ガイド要素10およびガイドワイヤ20それぞれに沿って延びる。組み立てられた人工器官の長さは、これらの相互接続がなされているときに、移植中に外科医によって選択される、カバードステントの変更可能の重なりによって調節可能である。
2つの脚部を有するカバードステント420の接続後、2つの側枝3を備えるカバードステント310は、前にデリバリされたカバードステント300と類似の方法で、デリバリカテーテルを通して、ガイド要素10に沿ってガイドされる。カバードステントの本体がおよそ正しい位置にあるとき、側枝3のさらなるナビゲーションが、分枝血管に向けて回転して正しく方向決めされるために行われる。側枝3は、したがって、分枝血管と整列され、分枝血管内へと拡張される。遠位で、カバードステント310が、2つの脚部を有するカバードステント420の脚部1つと接続される。
そして、2つの側枝3を備えるカバードステント320、および追加のガイド要素10またはナビゲーション要素20が、カテーテル30を介してガイドされ、分枝血管と整列され、2つの脚部を有するカバードステント420の第2の脚部に接続される。
最後に、最後の2つの脚部を有するカバードステント430が位置決めされ、2つの脚部は、2つの側枝3を備える2つのカバードステント310、320に、既に説明したものと類似の方法で、デリバリカテーテル30を使用して接続され、ガイド要素10およびガイドワイヤ20それぞれに沿って延びる。
システム100が接続され、完成すると、すべての残りのナビゲーション要素20およびカテーテル30が、患者から取り除かれる。ガイド要素10は、遠位側で切断され、長さを残して、好ましくは、後の生分解のために、所定位置に留置される。
図2に示す一例では、完成したシステム100が、組み立てられ、患者の大動脈弓の内部に移植されて示されている。見ての通り、別々のカバードステント1が互いに接続されており、側枝3は分枝血管内へと伸長され、カバードステント1によってさらに伸長されている。
追加の近位カバードステントモジュール(図示されず)が、たとえば腸骨動脈の復元または修復のために提供され、カバードステント430の近位端部に接続されるなど、移植されてもよい。
図13は、カバードステント1を分枝血管へとナビゲートするための方法を示す。方法900は、カバードステント1を既に説明したように提供するステップ910と、横方向側枝3を移動させることによって、横方向側枝3を分枝血管内へとナビゲートするステップ920と、を含む。
一例では、これは、既に説明したように、細長のナビゲーション要素20を用いることによって行われる。一例では、これは、図8に関連して説明したように、ガイド要素10およびガイド接合部9を備えるカテーテル30を用いて行われる。
この方法は、横方向側枝3を、分枝血管の所望に位置へとナビゲートされたときに、畳まれた状態から分枝血管内へと拡張させるステップをさらに含んでもよい。たとえば、図9〜11に関連して説明したように、これは、カバードステント1をナビゲートすること、それによって、側枝3が分枝血管と整列され、側枝3が分枝血管内へと拡張され、最終的にカバードステント1の残りの部分が拡張されることによって行われる。
一例では、方法は、拡張要素を横方向側枝3にて、および分枝血管内へのさらなる伸長のために、分枝血管内へ相互接続するステップをさらに含む。拡張要素は、カバードステント1であってもよい。
方法および処置のさらなる例が以下に示される。カバードステントを分枝血管へとナビゲートするための方法が提供される。方法は、カバードステント200、300、310、320を提供すること、およびガイド要素10を用いて横方向側枝を移動させることによって、横方向側枝を、分枝血管内へと、または分枝血管に向けてナビゲートすることを含む。方法は、横方向側枝3を通してデリバリされたカバードステントを、分枝血管にある所定位置にナビゲートされたときに、畳まれた状態から、分枝血管へと拡張させることを含んでもよい。方法は、好ましくはカバードステントである拡張要素600を横方向側枝にて、および分枝血管内へのさらなる拡張のために、分枝血管内へと相互接続することを含む。
複数のカバードステントを相互接続するための方法が提供される。方法は、側枝の出口に接続される湾曲可能なガイド要素を有するカバードステントを提供することを含む。方法は、カテーテルを、ガイド接合部9を用いて、ガイド要素に沿って側枝の出口へと摺動することを含む、そのような複数のカバードステントを相互接続することと、カバードステントの相互接続のために、別のカバードステントを、カテーテルを通して、湾曲可能なガイド要素に沿ってデリバリすることと、を含んでもよい。カバードステントは、好ましくは、相互接続部にて同一の寸法を有する。
患者の血管である標的部位にアクセスするステップ710と、第1のカバードステントを、デリバリカテーテルを通じて、側分枝血管を有する標的部位にある血管の内部へとデリバリするステップ720と、第2のカバードステントを第1のカバードステントにデリバリするステップ730と、血流を側分枝血管に供給するために第1のカバードステントを第2のカバードステントに接続するステップ740と、を含む医療処置が提供され、第2のカバードステントのデリバリは、カテーテルを、ガイド要素10に沿って、第1のカバードステントの側枝の内腔の内部の位置まで摺動させること、第2のカバードステントを第1のカバードステントに接続するために拡張することを含む。
患者の血管である標的部位にアクセスするステップ810と、第1のカバードステントを、デリバリカテーテルを通して、側分枝血管を有する標的部位にある血管の内部にデリバリするステップ820と、側枝3を拡張させるステップ830と、第2のカバードステントを第1のカバードステントに、そして側枝3を通して分枝血管にデリバリするステップ840と、血流を側分枝血管に供給するために第1のカバードステントを第2のカバードステントに接続するステップ850と、を含む医療処置が提供される。
デリバリ処置の別の例は、以下のとおりである:
1.デリバリシステムを、イントロデューサーシースを介して患者の体内に挿入する。
2.外側シース9を開き、および人工器官の近位端部から側枝人工器官に向かう方向に取り外す。側枝人工器官が開放され、完全に拡張されるまで開けておく。
3.側枝人工器官が完全に暴露されるまで、開放を停止する。
4.最初の適合のために、人工器官の位置を調節する。
5.二重内腔カテーテル30を、予め装填されたガイド要素10に亘って挿入し、接続点11にある端に接するまで側枝人工器官への進行を可能にする。
6.追加のガイドワイヤを、二重内腔カテーテル30を介して挿入し、および側枝3から突出させる。
7.人工器官の位置のさらなる調節を任意に行う。
8.分枝血管の位置が特定され、確認されると、位置を確保するために、追加のガイドワイヤを前進させる。
9.追加のガイドワイヤが分枝血管内で固定されて留まると、二重内腔カテーテルを取り外し、追加のガイドワイヤを用いて接続用人工器官600をデリバリする。
10.接続用人工器官600が分枝血管内にあり、完全に拡張されると、前の人工器官のシース9の残りを取り外し、全体を解放する。
11.ガイド要素10を側枝人工器官からアンロックさせ、すべてのガイドワイヤおよびデリバリシステムを患者の体内から取り除く。
以上、本開示を、特定の例を参照して説明した。しかし、上で説明したもの以外の他の例が、本開示の範囲内で等しく可能である。上で説明したもの以外の、ハードウェアまたはソフトウェアによる方法を実行する異なる方法ステップが、本開示の範囲内で提供されてもよい。本開示の異なる特徴およびステップが、説明したもの以外の他の組み合わせで組み合わされてもよい。本開示の範囲は、添付の特許請求項によってのみ限定される。