JP2019520255A - 悪天候アジリティスラスタならびに関連システムおよび方法 - Google Patents

悪天候アジリティスラスタならびに関連システムおよび方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019520255A
JP2019520255A JP2018563055A JP2018563055A JP2019520255A JP 2019520255 A JP2019520255 A JP 2019520255A JP 2018563055 A JP2018563055 A JP 2018563055A JP 2018563055 A JP2018563055 A JP 2018563055A JP 2019520255 A JP2019520255 A JP 2019520255A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
launch vehicle
thruster
vehicle
launch
lateral
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018563055A
Other languages
English (en)
Inventor
ジェフリー ピー ベゾス
ジェフリー ピー ベゾス
リチャード ジョーンズ
リチャード ジョーンズ
Original Assignee
ブルー オリジン エルエルシー
ブルー オリジン エルエルシー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ブルー オリジン エルエルシー, ブルー オリジン エルエルシー filed Critical ブルー オリジン エルエルシー
Publication of JP2019520255A publication Critical patent/JP2019520255A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B64AIRCRAFT; AVIATION; COSMONAUTICS
    • B64GCOSMONAUTICS; VEHICLES OR EQUIPMENT THEREFOR
    • B64G1/00Cosmonautic vehicles
    • B64G1/002Launch systems
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B64AIRCRAFT; AVIATION; COSMONAUTICS
    • B64GCOSMONAUTICS; VEHICLES OR EQUIPMENT THEREFOR
    • B64G1/00Cosmonautic vehicles
    • B64G1/22Parts of, or equipment specially adapted for fitting in or to, cosmonautic vehicles
    • B64G1/24Guiding or controlling apparatus, e.g. for attitude control
    • B64G1/26Guiding or controlling apparatus, e.g. for attitude control using jets
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B64AIRCRAFT; AVIATION; COSMONAUTICS
    • B64GCOSMONAUTICS; VEHICLES OR EQUIPMENT THEREFOR
    • B64G1/00Cosmonautic vehicles
    • B64G1/22Parts of, or equipment specially adapted for fitting in or to, cosmonautic vehicles
    • B64G1/40Arrangements or adaptations of propulsion systems
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B64AIRCRAFT; AVIATION; COSMONAUTICS
    • B64GCOSMONAUTICS; VEHICLES OR EQUIPMENT THEREFOR
    • B64G1/00Cosmonautic vehicles
    • B64G1/22Parts of, or equipment specially adapted for fitting in or to, cosmonautic vehicles
    • B64G1/62Systems for re-entry into the earth's atmosphere; Retarding or landing devices
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02KJET-PROPULSION PLANTS
    • F02K9/00Rocket-engine plants, i.e. plants carrying both fuel and oxidant therefor; Control thereof
    • F02K9/80Rocket-engine plants, i.e. plants carrying both fuel and oxidant therefor; Control thereof characterised by thrust or thrust vector control
    • F02K9/88Rocket-engine plants, i.e. plants carrying both fuel and oxidant therefor; Control thereof characterised by thrust or thrust vector control using auxiliary rocket nozzles

Abstract

悪天候アジリティスラスタ、ならびに関連システムおよび方法が開示される。代表的な航空宇宙システムは、第1の端部および第1の端部と全体として反対側の第2の端部を有する打ち上げ機を含み、打ち上げ機は、第1の端部と第2の端部との間に延びる機軸に沿って細長い。推進システムが打ち上げ機によって担持され、この推進システムは、打ち上げ機を打ち上げるよう打ち上げ機の第1の端部寄りに位置決めされた対応のノズルを備えた少なくとも1基の主エンジンを含む。少なくとも1基の側方に向けられたスラスタが打ち上げ機の第2の端部寄りに位置決めされている。本システムは、打ち上げ機と通信状態にあるコントローラを更に含み、コントローラには、実行されると、打ち上げ機を打ち上げ機上昇中に第1の方向に方向づけ、打ち上げ機下降中、打ち上げ機を第1の方向とは逆の第2の方向に方向づけ、少なくとも1基の側方向きスラスタの起動を方向づけて下降中、打ち上げ機を誘導する命令がプログラムされている。

Description

本技術は、悪天候アジリティスラスタ、ならびに関連システムおよび方法に関する。本技術の実施形態は、前方の側方に向けられたスラスタ付きのロケットブースタを含む。
〔関連出願の参照〕
本願は、2016年6月1日に出願された係属中の米国特許仮出願第62/344,288号の優先権主張出願であり、この米国特許仮出願を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする。
ロケット製造業者は、ペイロードを宇宙空間中に打ち上げるコストを減少させようとして常に努力している。かかるコストを減少させるための一方式は、ロケットを宇宙空間に推進するために用いられる1つまたは2つ以上のブースタ段を回収することである。特定の方式では、ブースタは、垂直に着陸し、次にもう一度打ち上げるために修繕される。
この方式の一欠点は、特定の条件下において着陸動作中にブースタを制御することが困難な場合があるということにある。したがって、当該技術分野において、向上したブースタ回収技術が依然として要望されている。
本発明の一観点によれば、航空宇宙システムであって、
第1の端部および第1の端部と全体として反対側の第2の端部を有する打ち上げ機またはビークルを含み、打ち上げ機は、第1の端部と第2の端部との間に延びる機軸に沿って細長く、
打ち上げ機によって担持された推進システムを含み、推進システムは、打ち上げ機を打ち上げるよう打ち上げ機の第1の端部寄りに位置決めされた対応のノズルを備えた少なくとも1基の主エンジンを含み、
打ち上げ機の第2の端部寄りに位置決めされた少なくとも1基の側方に向けられたスラスタを含み、
打ち上げ機と通信状態にあるコントローラを含み、コントローラには、実行されると、
打ち上げ機を打ち上げ機上昇中に第1の方向に方向づけ、
打ち上げ機下降中、打ち上げ機を第1の方向とは逆の第2の方向に方向づけ、
少なくとも1基の側方向きスラスタの起動を方向づけて下降中、打ち上げ機を誘導する命令がプログラムされていることを特徴とする航空宇宙システムが提供される。
本発明の別の観点によれば、航空宇宙システムを稼働させる方法であって、
システムの打ち上げ機またはビークルの第1の端部寄りに位置決めされた1基または2基以上の主エンジンからのスラストを用いて打ち上げ機を打ち上げるステップを含み、
打ち上げ機を方向づけて下降させるステップを含み、
(a)1基または2基以上の主エンジンのうちの少なくとも1基、および(b)少なくとも1基の側方に向けられたスラスタにより打ち上げ機の下降を制御するステップを含み、(c)少なくとも1基の側方向きスラスタは、少なくとも1基の主エンジンから打ち上げ機の長手方向機軸に沿って間隔を置いて配置され、
打ち上げ機を方向づけて少なくとも1基の主エンジンの対応のノズルが下方に向いた状態で打ち上げ機が着陸するようにするステップを含むことを特徴とする方法が提供される。
本発明の更に別の観点によれば、航空宇宙システムであって、
打ち上げ機またはビークルに作動可能に結合可能なコントローラを含み、コントローラには、実行されると、
打ち上げ機を1基または2基以上の主エンジンからのスラストにより打ち上げ機上昇中に第1の方向に方向づけ、
打ち上げ機下降中、打ち上げ機を第1の方向とは逆の第2の方向に方向づけ、
少なくとも1基の側方向きスラスタおよび1基または2基以上の主エンジンのうちの少なくとも1基の起動を方向づけて下降中、打ち上げ機を側方へ動かす命令がプログラムされており、少なくとも1基の側方向きのスラスタは、打ち上げ機の長手方向機軸に沿って少なくとも1基の主エンジンから間隔を置いて配置されていることを特徴とする航空宇宙システムが提供される。
本技術の実施形態に従って構成された側方に向けられているスラスタを備えた第1の段を有する多段打ち上げ機またはビークルを含むシステムの部分概略側面図である。 図1Aに示されている第1段の実施形態を示す図であり、着陸装置が本技術の一実施形態に従って展開された状態を示す図である。 図1Bに示された第1段の一部分を示す図であり、多数の側方向きスラスタが本技術の別の実施形態に従って位置決めされた状態を示す図である。 図1Aに示されたビークルの部分概略平面等角図である。 図1Bに示された第1段の部分略図である。 空気力学係数および関連の3次当てはめ曲線を示す図である。 空気力学係数および関連の3次当てはめ曲線を示す図である。 空気力学係数および関連の3次当てはめ曲線を示す図である。 本技術の実施形態に従って構成された代表的なビークルの部分略図である。 本技術の実施形態に従って種々の相対風条件に関する環境風速の関数としての達成可能な距離値を示す図である。 本技術の実施形態による側方向きスラスタおよび中央主エンジンを用いたビークルのシミュレーションからの結果を示す図である。 本技術の実施形態による側方向きスラスタおよび中央主エンジンを用いたビークルのシミュレーションからの結果を示す図である。 本技術の実施形態による側方向きスラスタおよびダウンウィンド形主エンジンを用いたビークルのシミュレーションからの結果を示す図である。 本技術の実施形態による側方向きスラスタおよびダウンウィンド形主エンジンを用いたビークルのシミュレーションからの結果を示す図である。 本技術の実施形態によるアップウィンド形主エンジンおよび側方向きスラスタを用いたビークルのシミュレーションからの結果を示す図である。 本技術の実施形態によるアップウィンド形主エンジンおよび側方向きスラスタを用いたビークルのシミュレーションからの結果を示す図である。 本技術の実施形態によるビークルのシミュレーションに基づいて相対風速の関数としてのピッチ角を示す図である。 本技術の実施形態によるビークルのシミュレーションに基づいて相対風速の関数としてのスラストベクトル制御角を示す図である。 本技術の実施形態によるビークルのシミュレーションに基づいて相対風速の関数としての側方向きスラスタ力を示す図である。 本技術の実施形態による空気力学的モデルで用いられたデータを生じさせるための4次および5次曲線当てはめを示す図である。 本技術の実施形態による空気力学的モデルで用いられたデータを生じさせるための4次および5次曲線当てはめを示す図である。 本技術の実施形態による空気力学的モデルで用いられたデータを生じさせるための4次および5次曲線当てはめを示す図である。 本技術の実施形態による中央主エンジンおよび側方向きスラスタを用いた作動に関して多数のビークルピッチ角について相対風の関数としてのスラストベクトル制御角を示す図である。 本技術の実施形態による中央主エンジンおよび側方向きスラスタを用いた作動に関して多数のビークルピッチ角について相対風の関数としての側方向きスラスタ力を示す図(B)である。 本技術の実施形態によるダウンウィンド形エンジンおよび側方向きスラスタを用いた作動に関して多数のビークルピッチ角について相対風の関数としてのスラストベクトル制御角を示す図である。 本技術の実施形態によるダウンウィンド形エンジンおよび側方向きスラスタを用いた作動に関して多数のビークルピッチ角について相対風の関数としての側方向きスラスタ力を示す図である。 本技術の実施形態によるアップウィンド形エンジンおよび側方向きスラスタを用いた作動に関して多数のビークルピッチ角について相対風の関数としてのスラストベクトル制御角を示す図である。 本技術の実施形態によるアップウィンド形エンジンおよび側方向きスラスタを用いた作動に関して多数のビークルピッチ角について相対風の関数としての側方向きスラスタ力を示す図である。 本技術の実施形態による中央主エンジンおよび側方向きスラスタを用いた作動に関して多数のビークルピッチ角について相対風の関数としてのビークルピッチ角を示す図である。 本技術の実施形態によるアップウィンド形エンジンおよび側方向きスラスタを用いた作動に関して多数のビークルピッチ角について相対風の関数としてのスラストベクトル制御角を示す図である。 本技術の実施形態によるダウンウィンド形エンジンおよび側方向きスラスタを用いた作動に関して多数のビークルピッチ角について相対風の関数としてのスラストレベルを示す図である。 本技術の実施形態に従って構成されたビークル用の主エンジンノズル、スラスタ、および隔離弁を示す図である。 本技術の実施形態に従って構成されたビークル用の主エンジンノズル、スラスタ、および隔離弁を示す図である。 本技術の実施形態による12基の前方取り付け型側方向きスラスタを有するビークル形態を示す図である。 本技術の実施形態による48基の前方取り付け型側方向きスラスタを有するビークル形態を示す図である。 本技術の実施形態に従って構成された制御ミキサを示す図である。
本明細書において開示する技術の実施形態は、前方の側方に向けられたスラスタを備えたロケットブースタ、ならびに関連システムおよび方法に関する。特定の実施形態では、ブースタは、ロケットを上昇中に上方に推進する1基または2基以上の主エンジン(ブースタの底部寄りに位置決めされている)を有する。加うるに、ブースタは、ブースタを動力式の垂直着陸操作中に安定化するために側方に差し向けられる(例えば、少なくとも部分的に)とともにブースタの底部から離れたところに位置決めされた1基または2基以上のスラスタを有するのが良い。ブースタが下降しているとき(ペイロードを上方に上昇させた後)、側方向きスラスタを発火してブースタを垂直「尾部下げ」着陸中に標的(例えば、直立)形態に差し向けまたは差し向けるのを助ける。特定の実施形態では、この構成により、ブースタには追加の安定性および制御が与えられ、ブースタの主エンジンをジンバリングする(gimballing)ことによって更に安定性および制御が得られる。
上述の構成は、多数の利点のうちの1つまたは2つ以上を提供することができる。例えば、予想される一利点は、ブースタが接地またはタッチダウンに先立って、側方により効果的に並進することができるということにある。特に、側方向きスラスタの助けにより、ブースタは、それ自体が標的着陸スポット上に直接位置するよう効果的に横方向に動くことができる。側方向きスラスタは、大形主エンジンよりも小形であり軽量でありかつ燃料使用量が少なく、したがって、燃料を少なくした状態でかつ/あるいは交差範囲を増大させた状態で側方並進操作を実施することができまたは実施するのを助けることができる。
上述の構成の別の予想される利点は、着陸中に得られる主エンジン動力が軸外し主エンジンより提供される場合であっても上述の構成によりブースタが着陸することができるということにある。例えば、多数の主エンジンを備えたブースタ上の典型的には中央エンジンは、ブースタの質量中心を軸方向に通って整列するスラストを提供する唯一のエンジンである。したがって、中央エンジンは、代表的には、ブースタの質量中心を通らないスラストベクトルを回避するようブースタを着陸させるために用いられる唯一の主エンジンである(または、変型例として、全ての主エンジンは、ブースタを着陸させるために用いられる)。多くの場合、中央エンジン以外の任意の単一のエンジン(例えば、機外側エンジン)は、ブースタを着陸操作のために直立に維持するのに足るほど遠くへジンバリングすることはない。したがって、中央エンジンは、ブースタを着陸させることができる唯一のエンジンであり、ブースタ全体は、中央エンジンが作動をし損ねた場合に失われる。しかしながら、側方向きスラスタにより提供される側方スラストの追加により、軸外しまたは機外側エンジンを用いると、例えば中央エンジンが再点火し損ねた場合、または違ったやり方で不作動状態である場合にブースタを安全に着陸させることができる。
上述の構成の更に別の予想される利点は、側方向きスラスタが、ブースタが転倒しないで安全に着陸することができる風条件のエンベロープを拡張することができるようにすることにある。特に、側方向きスラスタを突風に対応するものに足るほど迅速なレートで作動状態にしたり不作動状態にしたりすることができる。側方向きスラスタをブースタ段の頂部寄りに位置決めすることができるので、これら側方向きスラスタは、ブースタの質量中心に対して長いモーメントアームを提供することができ、したがって、これら側方向きスラスタが提供するスラストの大きさが比較的小さいのでその結果として、大きな再配向モーメントが得られる。さらに、側方向きスラスタにより提供される追加の安定性により、ブースタは、小形かつ軽量の着陸装置を採用することができ、と言うのは、着陸装置をこれが小さな最大傾斜角に対応するよう寸法決めすることができるからである。加うるに、側方向きスラスタは、ブースタがタッチダウンした後であっても作動して着陸状態のブースタが地面、海上着陸プラットフォーム、および/または他の着陸プラットフォームに固定されている状態で、着陸状態のブースタが強風によってひっくり返らないようにすることができる。
上述の特徴により、ブースタは、多種多様な環境条件で作動することができる(例えば、ブースタは、「全天候」および/または悪天候能力を有することができる)。加うるに、ブースタは、高い利用可能性を有することができ、このことは、かかるブースタが天候条件に関してだけでなく、エンジンアウトおよび/または他の非天候関連条件に対して広い作動エンベロープを有することができるということを意味している。
上述の特徴および関連システム(以下に詳細に説明する)は、従来型宇宙ビークルに関して用いられる典型的な反応制御システム(RCS)装置とは異なっている。かかるRCS装置は、宇宙の真空内で作動するよう設計されており、この場合、外力、例えば風および重力は、本明細書において開示するブースタが再使用前に着陸する陸環境とは対照的に、存在せずまたは大幅に少ない。その結果、従来型RCS装置は、比較的低レベルのスラストを生じさせ、尾部下げ着陸を容易にするようには位置決めされておらず、しかも/あるいは断続的かつ/あるいは可変荷重、例えば風により生じる荷重に応答するようには構成されていない。加うるに、従来型RCS装置は、典型的には、宇宙ビークルを1本または2本以上の軸線回りに回転させるよう構成されている。これとは対照的に、本技術に実施形態は、ブースタを例えば側方に並進させてこれを尾部下げ着陸操作の最終段階の間、着陸場所と適正に整列させるよう位置決めされるとともに制御されるスラスタを含む。かかる場合、ブースタを再配向させるのではなくブースタを並進させることが有利な場合がある。例えば、宇宙ビークルを再配向する従来型技術は、典型的には、第1の角度再配向、次に新たなベクトルに沿う移動、次に元の姿勢に戻す第2の角度再配向を必要とする。側方向きスラスタを1基または2基以上の主エンジンと組み合わせて用いることによってブースタを単に並進させることにより、ビークルを少ないステップで適正に位置決めすることができる。(a)地面に対するブースタの近接度、および/または(b)搭載された燃料の制限された量が所与の場合、この結果は重要な場合があり、(a)と(b)の両方の要因は、ブースタを操作する機会を制限する場合がある。
別の例では、側方並進は、長手方向並進(例えば、上方並進)を伴う。両方の実施例において、宇宙ビークルの姿勢は、これが並進を行っているときでも全体として同一の状態を保つことができる。例えば、宇宙ビークルは、これを並進させているときに上方に向けられたままの状態を保つことができる。上述したように、この方式は、所望の側方運動を達成するために宇宙ビークルをその初期姿勢から遠ざかって回動させ、次に例えば尾部下げ着陸のために宇宙ビークルを逆方向に回動させてその元の姿勢に戻す必要性をなくすことができる。操作中、姿勢が僅かに変わる場合があるが、初期または標的姿勢から2°以内の範囲にあることが予測される(すなわち、全体として同一である)。標的姿勢は、垂直(例えば、平坦面上における着陸のために)であっても良く非垂直(例えば、ピッチング/ローリング中の船舶甲板上への着陸のために)であっても良い。
1.0 代表的なシステム
図1A〜図1Eは、本技術の実施形態に従って構成された代表的なシステム100を示している。システム100は、多段構成を備えたビークル110(例えば、打ち上げ機)を含むのが良い。したがって、ビークル110は、第1段111、第2段112、およびフェアリング114によって包囲されたペイロード113(図1Aに概略的に示されている)を有するのが良い。第1段111および第2段112は、ペイロード113を宇宙空間中に方向づけるようブースタとして作動する。他の実施形態では、ビークル110は、単一のブースタまたは3基以上のブースタを有するのが良い。これら実施形態のいずれにおいても、ブースタのうちの少なくとも1基(例えば、第1段111)は、尾部下げ形態で地球に戻されるよう構成され、次に、次の打ち上げの際に再使用される。
第1段111は、推進システムを有するのが良く、この推進システムは、第1または中央の主エンジン115aおよび多数の機外側主エンジン115b,115cとして図示された1基または2基以上の主エンジン115を含むのが良い。打ち上げの際、主エンジン115は、ビークル110を上方に方向づける主要な原動力を提供する。尾部下げ再突入の際、主エンジン115により提供されるスラストを1基または2基以上の第1段側方向きスラスタ116によって増強することができる。側方向きスラスタ116は、尾部下げ下降中に第1段111の質量中心(第1段111の底部寄りに位置している)に対して大きなモーメントアームを提供するよう主エンジン115よりも相当な距離上方に位置したところに配置されるのが良い。側方向きスラスタ116を第1段111の周囲周りの多数の場所に位置決めすることができ、かかる場所としては、第1の場所117a、第2の場所117b、第3の場所(図1Aでは見えない)、および第4の場所117dを含む。各場所は、1基または2基以上の側方向きスラスタを受け入れることができる。例えば、第1の場所117aは、第1の側方向きスラスタ116a1、第2の側方向きスラスタ116a2、および第3の側方向きスラスタ116a3として示された3基の側方向きスラスタを収容することができる。他の実施形態では、各場所は、他の数の側方向きスラスタを収容することができ、これについては後述する。
図1Bは、着陸装置119が展開された状態で第1段111を示している。図1Cは、図1Bに示された第1段111の詳細部分を示しており、特に、3つの側方向きスラスタ116a1,116a2,および116a3を示している。各側方向きスラスタは、対応のノズル118a1,118a2,および118a3を有する。ノズルの出口は、共通出口平面120内に位置決めされるのが良く、各ノズルがビークル外面121から突き出る程度は、ビークル外面121の曲率に起因して様々であって良い。ノズルは、幾つかの実施形態では、固定された位置を有することができ、他の実施形態では、可変位置を有することができる。これら実施形態のうちの任意のものに関し、ノズルによって方向づけられたスラストの少なくとも一部分(例えば、全てまたは相当な部分)は、側方に、例えば第1段111の長手方向軸線に対して横方向に(かつ/あるいは非ジンバリング向きにあるときに主エンジンがスラストを方向づける軸線に対して横方向に)方向づけられている。したがって、本明細書で用いられる「側方向きスラスタ」という用語は、一般に、主エンジンとは異なり、かつ少なくとも側方成分を含むスラストを方向づけるスラスタを意味している。特定の実施形態では、側方向きスラスタは、より多くのスラストを長手方向ではなく側方の方向に方向づける。他の側方スラスト発生エンジン(例えば、長手方向軸線に沿って互いに間隔を置いて設けられた別の側方向きスラスタ、および/またはジンバリングされた主エンジン)と組み合わせて用いられた場合、側方向きスラスタは、ビークル110を側方に(例えば、純粋に側方である経路または垂直成分をも含む経路に沿って)並進させてビークルを尾部下げ着陸可能に位置決めすることができる。
側方向きスラスタ116は、多くの適当な形態のうちの任意の形態を取ることができる。例えば、側方向きスラスタは、ポンプ輸送および/または圧力供給式過酸化水素系を有するのが良い。特に、側方向きスラスタ116は、ポンプ供給式スラスタまたは圧力供給式スラスタを有するのが良い。他の実施形態では、側方向きスラスタは、「温かいガス」圧力供給式スラスタまたは「温かいガス」圧力供給式エジェクタ型スラスタを有するのが良い。特に、一実施形態では、適当な性能およびフォールトトレランスを提供する小形の印刷可能圧力供給式エジェクタ型スラスタを含む。
図1Dおよび図1Eは、それぞれ、図1Aおよび図1Bに示されたビークル110および第1段111の平面等角図であり、図1Dと図1Eの両方は、コントローラ123を概略的に示している。本明細書において説明するビークル実施形態のうちの任意の実施形態に関し、制御機能をコンピュータまたはコンピュータ利用コントローラによって管理することができる。したがって、以下に説明する技術の多くの実施形態は、プログラム可能コンピュータまたはコントローラによって実行されるルーチンを含むコンピュータ実行可能またはコントローラ実行可能命令の形態を取るのが良い。当業者であれば理解されるように、この技術を図示するとともに以下に説明するコンピュータ/コントローラシステム以外のコンピュータ/コントローラシステムで実施できる。この技術は、以下に説明するコンピュータ実行可能命令のうちの1つまたは2つ以上を実行するよう特別にプログラムされ、構成され、または構造化された特定目的向けコンピュータ、コントローラ、またはデータプロセッサで具体化できる。したがって、本明細書において一般的に用いられる「コンピュータ」および「コントローラ」という用語は、任意のデータプロセッサを意味し、そしてコンピュータおよびコントローラとしては、少なくとも幾つかの実施形態では、インターネット家電および手持ち型装置(パームトップコンピュータ、ウェアラブルコンピュータ、セルラーフォンまたはモバイルフォン、マルチプロセッサシステム、プロセッサ利用またはプログラム可能消費者エレクトロニクス、ネットワークコンピュータ、ミニコンピュータなど)を含むことができる。これらコンピュータによって取り扱われる情報をCRTディスプレイまたはLCDを含む任意適当なディスプレイ媒体に提供するのが良い。
本技術はまた、分散型環境においても実施でき、この場合、タスクまたはモジュールは、通信ネットワークを介して連携されているリモート処理装置によって実施される。分散型コンピュータ計算環境では、プログラムモジュールまたはサブルーチンがローカルおよびリモート記憶装置内に配されるのが良い。分散型環境は、ビークル上にかつ/あるいはビークル外に支持される装置を含むことができる。以下に説明する技術の諸観点を磁気および光可読またはリムーバブルコンピュータディスクを含むコンピュータ可読媒体上に記憶しまたは分散させることができるとともにネットワークにより電子的に分散させることができる。本技術の諸観点に特有のデータの構造および伝送もまた、本技術の実施形態の範囲内に含まれる。
幾つかのコンピュータ利用シミュレーションは、全体として図1A〜図1Eを参照して上述した構成と同様な構成を有するロケットビークル形態の実行可能性および有効性を評価するよう実施された。第1の組をなすシミュレーションが作動可能な中央主エンジンまたはダウンウィンド形主エンジンまたはアップウィンド形主エンジンと関連して垂直尾部下げ着陸操作中にビークルの姿勢を変更するよう前方取り付け型側方向きスラスタを有する代表的な形態の能力を判定するよう実施された。第2のシミュレーションは、着陸中にビークルの姿勢を変更するよう同一の方向に向いた多くの側方向きスラスタの能力を分析するよう実施された。第3のシミュレーションが12基のスラスタ(各々が可変スラストレベルを有する)を用いた結果を、48基のスラスタ(これらスラスタの各々は、2値スラストレベルを有する)を用いた結果と比較するよう実施された。上述のシミュレーションを以下に次々と説明する。
2.0 第1のシミュレーション
本項は、代表的なロケット形態の制御権限ならびに特定の実施形態に従って種々の相対風を受けた状態におけるロケットの第1段を着陸させる予想ロバストネス要件および制限に取り組んでいる。本項は、公称中央主エンジンか非中央主エンジン(例えば、再始動する上で中央主エンジンが故障した場合)かのいずれかを用いて着陸性能を評価する。軌道およびビークル姿勢制御は、主エンジンスラスト変化、制限スラストベクトル制御(TVC)角度、および側方向きスラスタによって容易になる。
この分析は、終端スラスト=重量(T=W)条件に集中して向けられている。ビークルに関して非線形であるが、単純化された3自由度(3DOF)平面上空気力学的モデルが曲線当てはめコンピュータ計算流体力学(CFD)分析から開発された。オプティマイザがビークルの姿勢を漸変相対向かい風に対して変更して、姿勢変更された垂直着陸のための所要のTVC角度、主エンジンスラスト、および側方向きスラスタ力を見出すよう用いられた(例えば、固定されていても良くまたは変化していても良い着陸プラットフォームデッキ角度をマッチさせるために固定されまたは変化しているピッチで)。次に、オプティマイザを用いて選択された(例えば、最適の)ピッチ角度およびTVC角度を見出して低い(例えば、最小限の)側方向きスラスタ要件を達成して漸変相対向かい風に対して姿勢変更するよう用いられた。この方式は、T=W操作中にビークルの交差範囲能力を評価するために用いられた。これらのやり方を中央主エンジンおよびアップウィンド形とダウンウィンド形機外側主エンジンの場合の両方について繰り返し実施して中央エンジン故障に対するシステムのロバストネスを判定する。
この分析で用いられる単純化された空気力学的モデルおよび重心(CG)の場所は、低亜音速においてビークル‐X軸(下降の際)回りに極めて安定性があった。したがって、ビークルは、横風中ではウェザーコックとなる傾向があり(大きなピッチングモーメントによって)、それにより側方向きスラスタ貢献が得られたとしても制限されたTVC権限が所与の場合、着陸ビークルを垂直の向きに姿勢変更するのが困難である。これらの限度は、オフセンタ主エンジンが用いられる場合には特に困難である。横風に起因したピッチングモーメントおよび制限されたTVC権限はまた、ピッチ角が着陸のためにある値に固定されていない場合であっても、ビークルを姿勢変更することができる最も大きな相対横風に上界を置く。
2.1 仮定
近似された空気力学的モデルを開発する目的で、1組の制限されたCFDデータを用いた。空気力学係数を代表的なCG場所に参照させた。空気力学係数は、単純化のためおよび空気力学的モデルへの書き込みのために3次方程式(図2A,図2B,図2C)に当てはめられた。基準迎え角(AOA)の変化を用いて曲線当てはめを助けた。この新たな基準は、図2Dに示されているように相対風ベクトルとビークルの正のZ軸(α0と呼ばれる)との角度として定められたAOAを用いている。図2Dに示されている第1段111は、図1A〜図1Eに示された第1段と全体としてほぼ同じであるが、フィン122を更に有する。注目されるべきこととして、通常のビークルAOAは、相対風とビークルの正のX軸(αと呼ばれる)とのなす角度として定義される。
3自由度(3DOF)方程式を以下に示されているように姿勢変更および基本ビークルモデルを達成するよう釣り合わされた。
以下の分析は、相対風に基づいており、その相対風は、環境風および慣性速度を含む。単純な幾何学的形状および一定速度に基づく図3は、読者が相対風能力を位置誤差是正能力(フィートで表わされている)の関数としてマッピングするのを助けてアップウィンドから着陸プラットフォームに接近する利点を実証している。
2.2 着陸中における側方向きスラスタの利点の説明
ビークルの前方端部への1基または2基以上の側方向きスラスタの追加は、かかるスラスタを備えていない同様のビークルと比較して、(a)横風中での姿勢変更された垂直着陸および/または(b)着陸中の厳密な位置制御を可能にすることが期待される。側方向きスラスタを備えていないビークルは、典型的には、ジンバリングされた軸方向エンジンおよび/または主エンジンが傾動し(または、ビークルを傾動させるよう押す風力に対抗し)またはビークルを向ける主エンジンのTVC能力を用いることによって並進するとともに相対向かい風に対して操作する。次に、いったん向けられると、TVCは、全体として、ビークル重心と整列し(ピッチングモーメントに対抗するのに必要なことを除き)、その結果、加速度ベクトルがビークル本体と整列する。概念的に説明すると、かかるビークルは、ビークルを向ける軸方向エンジンスラストおよびTVCと軸方向エンジンスラストの組み合わせを用い、ビークル姿勢は、横速度および垂直速度を制御するために用いられる。
これとは対照的に、本技術の分析の主題であるビークルは、側方向きスラスタを有し、これら側方向きスラスタは、横力およびピッチングトルクをもたらすよう余剰制御エフェクタを提供する。これは、少なくとも2つの観点のうちの一方または両方においてビークルのためになり、第1に、ビークルは、相対横風(並進速度または環境風に起因する)と関連した力およびモーメントを特定の(しかしながら制限された)ピッチ角に姿勢変更することができ、それによりビークルが位置制御を維持しながら適正な姿勢で着陸することができるようにする。第2に、側方分散および外乱を、ビークル本体を再び向ける必要なく、直接的横力により軽減することができ(組み合わせ状態の主エンジンTVCと側方向きスラスタを用いてピッチングモーメントの釣り合いを取りながら横力を作る)。これは、厳密かつ時機を得た制御応答を外乱および側方オフセットにもたらし、そして着陸制御精度を向上させる(例えば、最大にする)ことが見込まれる。
2.3 制限ビークル特性
横風に起因したピッチングモーメントは、圧力中心に対する低い重心に起因している。ブースタビークルは、代表的には、負の本体X軸回りに極めて安定性がある。その結果、ブースタビークルは、着陸のT=W部分中に並進しているとき(例えば、下降速度Vx=−7フィート/s(−2.13m/s)で)かつ相当強い横風に当たったときにピッチング力を作る場合が多い。このピッチングモーメントは、TVCおよび側方向きスラスタの使用により克服されるべきであり、それによりビークルの制御を維持する。特に、組み合わせ状態のz方向におけるTVC力と側方向きスラスタ力は、並進および風に起因した横力(CN_Windからの)に打ち勝つべきである。
2.4 分析結果
2.41 着陸時における姿勢変更条件(固定ピッチ)
着陸時、着陸プラットフォームデッキ角(これは、安定化された着陸プラットフォームについてはゼロである)に一致するピッチ角でビークルの姿勢を定常風に対して変更することが必要な場合がある。非線形オプティマイザが用いられた(所要の側方向きスラスタ力およびTVC角度を求めてビークルの姿勢を特定のピッチ角で一定の相対的横風(−Vz方向)に対して変えるための上述の非線形空気力学的モデルを用いて)。図4Aおよび図4Bは、中央主エンジン(これだけ)が作動している状態の結果を示し、図5Aおよび図5Bは、ダウンウィンド形主エンジン(これだけ)が作動している状態の結果を示し、図6Aおよび図6Bは、アップウィンド形主エンジン(これだけ)が作動している状態の結果を示している。本願におけるこれらの図および他の図の垂直軸線上のスラスト値は、固定ベース値に対してスケール変更されている。
図4Aおよび図4Bは、モデル化された形態が中央エンジン(図4A)および側方向きスラスタ(図4B)を用いて最大±4°(破線の垂直線によって示されている)までの種々のピッチ角で最高47ノットまでの相対風に対して姿勢変更することができることを示している。したがって、着陸中におけるデッキ姿勢および動作を予測するための適当な方法を用いることによって着陸プラットフォームピッチ/ロール要件を更に4°緩和させることができる。相対風に対するこの上限により、代表的には、着陸軌道を変更することによって風を検討するとともにこれに順応して高い風速条件でアップウィンド(ストレートダウンまたはダウンウィンドとは対照的に)からプラットフォームに接近することが要求される。
図5Aおよび図5Bならびに図6Aおよび図6Bは、中央主エンジンが利用可能ではない場合、相対風がない場合であってもTVC角を飽和させる前に±1°未満のピッチ範囲に対して姿勢変更することができるに過ぎないビークルについての結果を示している。図5Aおよび図5Bは、オフセンタ主エンジンだけを用いた場合、ゼロピッチ姿勢変更条件がゼロ相対風で−3°を超えるTVCを必要とするが、ビークルがゼロピッチ角で姿勢変更するのが良い相対向かい風に関する上界が47ノット(図4Aおよび図4B)から36ノット(点線の垂直線)に減少することを示している。図6Aおよび図6Bは、アップウィンド形オフセンタ主エンジンだけを用いることにより、ゼロ風の場合であっても3°を超えるTVCが必要であることを示している。
2.42 側方向きスラスタ要件を緩和するための最適ピッチ角での姿勢変更
次に上述の姿勢変更分析をビークルピッチ角に対して制約条件なしで繰り返した。この分析は、ビークルピッチ角を用いて操縦を助ける最終の着陸段階に先立ってT=W期間を調べている。TVC角は、この場合もまた、±4°に制約される。この分析を次の条件、すなわち、中央主エンジンだけの発火条件、アップウィンド形主エンジンだけの発火条件、およびダウンウィンド形主エンジンだけの発火条件について完了させた。結果が図7A〜図7Cに示されている。中央主エンジンの場合、例示のビークルが−7°まで縦揺れすることを条件として、かかる例示のビークルが側方向きスラスタを全く必要としないで32ノットの相対風に対して姿勢変更することができるということが理解できる。32ノットを超えると、TVC姿勢変更権限がない状態になり(例えば、最大4°では)、側方向きスラスタがこの追加の相対風誘起ピッチングモーメントを釣り合わせるために必要になる。
アップウィンド形主エンジンだけを用いた場合、側方向きスラストおよび主エンジンTVCの完全4°が、ビークルが−1.7°まで縦揺れした状態で、ゼロ相対風速であってもビークルの姿勢を変更するために必要になる。前方相対速度が増大すると、側方向きスラスタからの大きな力が必要とされる。
ダウンウィンド形主エンジンおよび完全−4°TVCだけを用いた場合、側方向きスラスト(上述の場合とは逆の方向における)がゼロ相対風および1.7°ピッチ角の場合であってもビークルの姿勢を変更するのに必要とされる。相対風が増大すると、側方向きスラスタからの小さな力が約42ノットの風速まで必要とされ、かかる風速の時点において必要なものはなくなり、姿勢変更がTVCおよびピッチ角単独で維持される。
2.5 第1のシミュレーションからの結論
・特定の実施形態では、TVC権限のある部分が制御について保たれるのが良い(例えば、姿勢変更範囲が±4°である)。
・着陸方式が起動を着陸プラットフォームのアップウィンド側にバイアスさせた場合、強風条件における交差範囲を向上させることができる(例えば、最大にすることができる)。
・特定の実施形態では、許容可能な着陸風条件は、着陸デッキ角度要件にマッチするのに必要な最大姿勢変更可能速度まで制限される。
・外側の主エンジンだけを用いて(例えば、中央エンジンが故障している場合)ビークルが横風の際に着陸するために垂直に姿勢変更することができる能力がダウンウィンド形主エンジンを用いた場合には低下する。この問題は、ビークルを横揺れさせて利用可能な外側主エンジンを整列させてダウンウィンド形ではなくアップウィンド形にすることによって回避できる。
3.0 第2のシミュレーション
より詳細な6DOF非線形静的姿勢変更モデルを開発し、そして、相対風と整列していない機外側主エンジンを用いた場合に、ベースライン形態(図1A〜図1Eに示されているように12基の側方向きスラスタを有する)および姿勢変更条件を分析するためにかかるモデルを用いた。このモデルは、ビークルがゼロピッチ姿勢に命じられるとともにこれが最適姿勢を自由に見出すことができる場合、中央、アップウィンド形、およびダウンウィンド形主エンジンを用いて様々な相対風の中におけるビークル形態の姿勢変更可能性を分析するために用いられた。特定の試験事例を分析したが、これら試験事例は、制限されたTVC範囲、そして適当な姿勢変更応答を求めるために制限された側方向きスラスタ権限範囲、および特定の側方向きスラスタ故障を含んでいた。
3.1 3DOF分析に関する仮定
近似的な空気力学的モデルを開発する目的で、空気力学係数を単純化のために4次および5次多項式曲線(図8A〜図8C)に当てはめた。基準迎え角(AOA)の範囲を用いて曲線当てはめを助けた。この新たな基準は、相対風ベクトルとビークル位置Z軸(α0と呼ばれる)とのなす角度として定義されたAOAを用いている。注目されるべきこととして、通常のビークルAOAは、相対風とビークルの正のX軸(αと呼ばれる)とのなす角度として定義される。姿勢変更および基本ビークルモデルを達成するために釣り合わされなければならない(3DOF)モデルおよび方程式について表題2.0の下で上述した。
3.2 新たな形態に関するDOF分析
3.21 着陸時における姿勢変更条件(固定ピッチ)
少なくとも1つの実施形態に従って着陸の際の歯車負荷を減少させるため、ビークルの姿勢を着陸プラットフォームデッキ角(これは、安定化された着陸プラットフォームについてはゼロである)に一致したピッチ角で定常風に対して変更する。図9Aおよび図9Bは、中央主エンジンを用いた場合の代表的な結果を示し、図10Aおよび図10Bは、ダウンウィンド形主エンジンが用いられた場合の代表的な結果を示し、図11Aおよび図11Bは、アップウィンド形主エンジンを用いた場合の代表的な結果を示している。次に上記の図の各々を用いて変更することができるのがどの固定ピッチ角であるかを求める。
図9Aおよび図9Bは、モデル化された形態が中央主エンジンおよび側方向きスラスタを用いて最大±4°(図9Aの破線の垂直線によって示されている)までのビークルピッチ角で最高59ノットまでの相対風に対して姿勢変更することができることを実証している。したがって、適当なデッキ姿勢および動作予測を開発して着陸の際に用いると、着陸プラットフォームピッチ/ロール要件を更に±4°緩和させることができる。これは、ビークルに設けられた側方向きスラスタを用いることによって図4Aおよび図4Bに示されている結果と比較した場合に相対風の能力が更に12ノット追加されたという改良結果を表わしている。
図10Aおよび図10Bならびに図11Aおよび図11Bは、相対風がない場合であってもTVC角を飽和させない状態で±1°未満のピッチ範囲までしか姿勢変更することができないビークルについての結果を示している。図10Aおよび図10Bは、ダウンウィンド形機外側主エンジンだけを用いた場合、ゼロピッチ姿勢変更条件がゼロ相対風で−3°を超えるTVCを必要とするが、ビークルがゼロピッチ角で姿勢変更するのが良い相対向かい風に関する上界が46ノット(点線の垂直線)であることを示している。相対風に対するこの上限により、着陸軌道を変更することによって風を検討するとともにこれに順応して高い風速条件でアップウィンドからプラットフォームに接近することが要求される。図11Aおよび図11Bは、アップウィンド形機外側主エンジンだけを用いることにより、ゼロ風の場合であっても3°を超えるTVCが必要であることを示している。これらの事例の両方は、エンジンTVC角をビークルCGに向かって整列させ、次に側方向きスラスタを用いて合力としての横力を相殺する傾向がある。
3.22 側方向きスラスタ要件を緩和するために最適ピッチ角での3DOFの姿勢変更分析
次に上述の姿勢変更分析をビークルピッチ角に対して制約条件なしで繰り返した。この分析は、ビークルピッチ角を用いて操縦を助ける最終の着陸段階に先立ってT=W期間を調べている。TVC角は、この場合もまた、±4°に制約される。中央主エンジン条件、アップウィンド形主エンジン条件、およびダウンウィンド形主エンジン条件について完了させた。結果として得られた曲線が図12A〜図12Cに示されている。中央主エンジンの場合、ビークルが−7°まで縦揺れすることを条件として、かかるビークルが側方向きスラスタを全く必要としないで43ノットの相対風に対して姿勢変更することができるということが理解できる。43ノットを超えると、TVC姿勢変更権限がない状態になり(例えば、最大4°では)、側方向きスラスタがこの追加の相対風誘起ピッチングモーメントを釣り合わせるために必要になる。
アップウィンド形主エンジンだけを用いた場合、ビークルが−1.7°まで縦揺れした状態で、ゼロ相対風速であってもビークルの姿勢を変更するためにスラストおよび幾分かのTVCが必要になる。
ダウンウィンド形主エンジンおよび完全−4°TVCだけを用いた場合、側方向きスラスト(上述の場合とは逆の方向における)がゼロ相対風および1.7°ピッチ角の場合であってもビークルの姿勢を変更するのに必要とされる。相対風が増大すると、側方向きスラスタからの小さな力が約55ノットの風速まで必要とされ、この時点で、最適解が僅かにピッチングアップされた角度から−10°ピッチ角に切り替わる(限度が最適化の際に用いられる)。
3.23 ベースライン12スラスタ形態を用いたDOF姿勢変更試験事例
ベースライン側方向きスラスタおよび主エンジン形態が図13Aおよび図13Bに示されている。側方向きスラスタ(基数が1〜12)の各々は、限定された範囲にわたって線形制御されると仮定される。各側方向きスラスタもまた、オフにすることができる。この形態はまた、隔離弁130(図13B)を含むのが良く、かかる隔離弁を用いると、3基の側方向きスラスタへの推進役流れを止めて側方向きスラスタが開放位置で働かなくなった場合に推進剤の損失を阻止することができる。名目上、この形態は、Y軸およびZ軸方向に適当なスラストを発生させることができる。
スラスタ故障に対するロバストネスを含むこの形態を分析するため、Mathematica (イリノイ州所在のウォルフラム・リサーチ・オブ・シャンペイン(Wolfram Research of Champagne )から入手できる)を用いて完全6DOF静的力バランスモデルを開発した。このモデルは、主エンジン(各試験事例について1つだけ用いる)および12基の側方向きスラスタを含んでいた。非線形オプティマイザを用いて、着陸操作の最終部分(これについて、T=W、Vx=−7フィート/s(−2.13m/s))の間、表題2.0の元で説明した3DOFモデルおよび上述の空気力学的曲線当てはめから導き出された機体y方向から来た相対風(正のz軸ヨーイングモーメントを生じさせる)からの空気力学的力およびトルクに対してビークルの姿勢を変えた。非線形オプティマイザは、必要なピッチ角、TVC角、ビークルの姿勢を変更するための適当な力およびトルクを生じさせるのに必要な側方向きスラスタ命令を見出すために用いられた。種々の特定の事例は、この形態(所与の限定を含む)が0ノット、20ノット、40ノット、および60ノットの見かけの風に対して姿勢変更することができるかどうかを判定するために分析された。事例は、傾斜角がゼロであることが必要であること(固定水平プラットフォーム上へのタッチダウンについて必要とされる)とビークル傾斜角を最適化して側方向きスラスタ要件を最小限に抑えることができるということの両方を含んでいる。かかる事例は、中央エンジンのみ、アップウィンド形エンジンのみ、およびダウンウィンド形エンジンのみを用いることを含んでいる。また、中央エンジンを利用するが、故障した列をなす側方向きスラスタ(これらは、最も困難である結合された事例であるよう選択されるのが良い)を有する事例が含まれていた。
分析目的のため、2つの代表的な形態、すなわち、(1)側方向きスラスタが各々スロットル調整可能な状態の形態、および(2)側方向きスラスタのいずれもがオフでありまたは高い範囲でスロットル調整可能である状態の形態を分析した。第2の形態(スラストについて高い範囲を有しまたは完全にオフである)は、最高(212−1)極小値を有する最適化空間を有する。
3.3 6DOF姿勢変更試験事例の説明
種々の試験事例を実施した(t基の側方向きスラスタがゼロポンド‐フィートスラストまで下方に線形的にスロットル調整することを仮定している)。事例は、(1)固定水平プラットフォーム上へのタッチダウンについて必要とされる傾斜角がゼロ(ピッチ=0)であることが必要であるということ、および(2)ビークル傾斜角を最適化して側方向きスラスタ要件を最小限に抑える一方で最大交差範囲速度を提供しまたは横風に対して姿勢変更することができるということの両方を含む。これら事例は、中央エンジンのみ、アップウィンド形エンジンのみ、およびダウンウィンド形エンジンのみを用いることを含んでいる。
中央エンジンが作動状態であるがピッチ角が制約されている完全6DOFモデルを利用した結果は、上述したより単純な3DOF分析からの結果と一致しており、かかる結果は、ベースライン12基側方向きスラスタ事例がビークルの姿勢を広範な相対風の中で変えることができるということを示している。追加の事例は、ビークルピッチ角が制約されておらず、最適化されている場合、必要とされる側方向きスラスタが少ないと言うことを実証した。
ベースラインとは異なり、TVCジンバルを各々が±4°の範囲に制約された2つの垂直軸ジンバル(y機体軸およびz機体軸に関して)としてモデル化した。この分析のため、簡単な2軸回転を仮定してオプティマイザの収束の問題をなくす。
幾つかの事例は、側方向きスラスタの故障に対する形態のロバストネスを実証するために中央エンジンを利用したが、故障した列をなす側方向きスラスタ(スラスタ2,4,6)をシミュレートした。
3.4 第2のシミュレーションからの結論
・上述の静的分析に基づき、弱風から中程度の風の中で中央主エンジンを用いることは、比較的容易である。強風の事例および機外側主エンジン着陸は、制御自由度(姿勢と並進)を結合し、多数の(例えば、全ての)制御エフェクタを用いてビークル回転トルクと並進力を釣り合わせるためには一体型の制御割り当て解決策を必要とする。これは、着陸の際のTVCおよび垂直速度制御のためにスラストでビークル姿勢を大々的に制御する既存の制御方式とは異なっている。
・本明細書において説明する代表的な形態に関し、機外側主エンジンだけを用いて作動する際の固定非ゼロデッキ角における姿勢変更された垂直着陸が制限される。ビークルを配向してアップウィンド方向において機外側主エンジンを整列させることにより、相対風に対して最も大きなゼロピッチ角姿勢変更能力を提供される。
・中央主エンジンだけが作動中である12基の側方向きスラスタ形態は、(3基の)側方向きスラスタの故障した列が存在する場合であってもビークルの姿勢を着陸の際に変えることができる。
・高能率制御割り当てミキサをリアルタイムで実施するための方法について表題4.0の下で更に説明する。
・多数の風条件においてビークルの高精度の着陸は、高いロバストネスおよびシステムアベーラビリティを提供することが望ましい。強風の中における着陸の際の厳密なビークル姿勢制御(例えば、着陸装置要件を減少させまたは最小限に抑えるため)および中央主エンジン故障に対する裕度は、ビークル自由度を結合し、それにより多数の(例えば、全ての)自由度を強調された仕方で制御するためのアクチュエータ命令を発生させる側方向きスラスタおよび一体型制御方式の必要性が推進される。上述の分析は、その可能性を実証している。多くの小形のオン/オフ側方向きスラスタを用いた側方向きスラスタ概念は、例えば、以下の表題4.0の下で説明する重量およびコスト上の利益を提供する。
4.0 第3のシミュレーション
本項は、TVC、主エンジンスラスト、および高精度着陸の際に使用される候補としての側方向きスラスタ配列のための命令を生じさせる代表的な制御ミキサについて説明する。2つの基本的な側方向きスラスタ配列について説明する。第1は、デッドバンドを備えた12基の線形スラスタを含み、第2は、多くの(特に、48基の)小形のオン/オフ(「2値」)スラスタを含む。
この制御ミキサ構成を3基の特定の側方向きスラスタ形態について開発した。第1の形態は、各々がゼロスラストまで下方に直線的にスロットル調整することができる12基の「線形」スラスタを含む。第2の形態は、同じ12基のスラスタを含み、各スラスタのスラスト範囲は、ゼロまたはスラスタの何らかの高い範囲であるが、最小スラストとゼロスラストとの間で線形的にスロットル調整可能ではないように制限される。第3の形態は、48基のオン/オフ「2値」スラスタを含む。
疑似6DOFシミュレーションをSimulink(マサチューセッツ州所在のマスワークス・オブ・ナティック(Mathworks of Natic)から入手できる)において開発して長期に及んだ試験事例に対して制御ミキサの挙動を確証して実証したが、この長期に及んだ試験事例は、僅かであるが迅速な並進操縦を命じて調整を行い、それにより0〜60ノットの横(相対)風外乱を阻止する。
4.1 仮定
ビークル形態および質量特性は、表題2.0の下で上述したビークル形態および質量特性であり、空気力学的効果モデルは、表題3.0の下で上述した空気力学的効果モデルと同一である。注目されるべきこととして、以下の分析は、横向きスラスタおよび前方フィンレイアウトがビークルのyおよびz機体軸線と整列していることを前提としている。他の実施形態では、側方向きスラスタおよびフィンは、機体y‐zフレーム内で45°回転してある。この変化は、シミュレートされた応答の特定の結果を変更するが、全体的結論またはミキサ特性を変更することはない。
4.2 第1の実施形態‐12基スラスタ形態
側方向きスラスタおよび主エンジン形態の第1の実施形態が図14Aに示されており、この形態は、図13Aに示されている形態と同一である。静的制御割り当て姿勢変更解決策を表題3.0の下で上述したようにこの形態について開発した。本項は、表題3.0の下で説明した最適化問題をリアルタイムで解決する動的最適化利用制御割り当てミキサを説明している。12基の側方向きスラスタが線形であり、次にデッドバンドと一線をなすと仮定してこのミキサを最初に実証した。
4.3 第2の実施形態‐48基の2値スラスタ形態
48基の2値スラスタを用いた側方向きスラスタ形態の第2の実施形態が図14Bに示されている。この形態では、12基スラスタ形態における個々のスロットル調整側方向きスラスタの各々は、同一方向に配向させられかつ機体x軸および交差軸(指し示す方向から)中で互いにオフセットしている4基の小形のスラスタで置き換えられている。これらの側方向きスラスタをオン/オフ「2値」方式でしか作動させることができず、したがって、パルス列が合力としての制御力(かかる力は、経時的に積分される)を変化させるために用いられることが前提とされている。
この形態の一利点は、単一の側方向きスラスタが故障した場合、利用可能な力が1基の小形のスラスタの力だけによって減少することにある。加うるに、他の潜在的な故障、例えばスラスタ弁が動かなくなって開いた状態になることは、かかる1基のスラスタによる外乱という悪影響を別のスラスタで打ち消し、そして結果としての(比較的僅かな)推進剤損失を吸収することによって対応できる。
かかる形態は、複雑ではあるが、事実、安価でありかつ/あるいは高い耐故障性を提供するとともに/あるいは高い帯域幅スラスタを用いることによって制御性能を向上させることができる。これら「多くの」スラスタの基数、サイズ、配置場所および配向状態をロケットシステムの全体的形態を含む適当な変数に依存するやり方で選択することができる。
この形態における弁の2値性状に起因して、この形態は、一般に、真の定常状態姿勢変更条件において作動することはない。これとは異なり、弁をオンオフにディザリングすることができ、それによりこれら弁がほぼ所望の姿勢変更条件で(例えば、その近くで)作動する。したがって、動的モデルが姿勢変更状態に対応した疑似定常状態に達するために必要とされる場合がある。
4.4 制御ミキサ問題
高度に結合されたシステムに関する制御割り当て問題、例えば強い横風の中におけるビークルおよび/または機外側主エンジンでの着陸は、自明ではない問題である。幾つかの方法がかかる問題に歴史的に適用された。考えられる一解決策は、制御有効性行列を「反転」させて全ての利用可能な制御エフェクタを用いて全部で6つの必要とされる力およびトルクを発生させるが、結果としての制御指令を制約して達成可能であるようにする(例えば、TVC命令は、限度内になければならず、スラストは、常時正でなければならないことなど)ことである。所望の制御自由度よりも多くの制御エフェクタを有するシステムに関し、制御有効性行列は、直交ではない(システムは、過剰に設定される)。かかるシステムに監視、疑似反転方式を用いると、1組の制御命令を作ることができ、かかる制御命令は、理論的には、全ての6DOF内の所望の加速度を達成する。多くの場合、この解決策は、全ての制御部に命令を出してこれが達成可能な限度内にあるようにするために(例えば、限度内のTVC命令、正のスラスト命令のみなど)制御有効性行列(エフェクタが互いに争いまたは相殺することに起因して正味の加速度がほとんどないようにしまたはゼロにするパルスの組み合わせ)のゼロ空間内に追加の制御命令ベクトルを追加することによって変更されなければならない。
4.5 制御割り当てミキサブロック図および疑似6DOFシミュレーション
本明細書において提供される最適化ミキサは、制御方式問題を解決する上で基本的に異なる方式である。この最適化ミキサは、数値フィードバックループ(これが含む実際の物理的動的要素はゼロである)を用いてアクチュエータ制約内で逆問題を解決する。また、このやり方により、互いに異なる形式の制御エフェクタ、例えば線形TVCおよびオン/オフ側方向きスラスタについて一体化された制御命令発生が可能である。この方式の説明は以下の通りである。
制御エフェクタが線形であると仮定し、そしてそれ自体図15に示され、プラントモデルおよび外側ループ比例積分および微分(PID)コントローラのない制御割り当てミキサだけを調べると、この制御ミキサは、予想加速度を生じさせるためにアクチュエータ命令と計画された加速度および角加速度(「B行列」としてブロック図に示されている)との関係の積分モデルを用いている。予想加速度は、所望加速度から減算され、結果としての誤差が加速度空間からアクチュエータ空間に戻るようマップされ(BTWを経て)そして積分される。このフィードバックループは、予想加速度と所望加速度との誤差を指数収束によりゼロにする。
正の有限(実数の正の固有値のみを有する)6×6重み行列Wが制御ミキサとビークルとの相互作用を減少させる(例えば、最小限に抑える)ために、制御されるべきシステムの帯域幅よりも極めて大きなレートで迅速な収束を提供するよう選択されるのが良い。代表的な実施形態では、対角行列が用いられ、各要素は、他の要素に対して6つの制御された自由度の各々の重要性を重み付けする。
閉ループフィードバック行列(−WBBT)の固有値は、常時負の実数であり(これは、負の有限である)、大域的指数収束を保証する。制御ミキサループは、純粋に、数学的ループであり、これらを含む物理的要素は、ゼロである。したがって、連続システムでは、有効ループ利得を恣意的に高く作ることができ、それにより収束が極めて迅速に起こるようにする。しかしながら、実現問題(別々の実現に起因する)は、フィードバック利得を制限する。これとは異なり、重み行列Wは、フィードバック行列(−WBBT)の閉ループ固有値を(a)制御されているビークルとの相互作用を軽減するためにビークルの剛体力学よりも極めて(例えば、少なくとも3倍)迅速であるようにするが、(b)妥当なフレームレートで抽出データシステムにおいて実現されるのに足るほど低いようにするよう選択されるのが良い。この制御ミキサ構成は、制御エフェクタが線形であると仮定して、重み付け制御有効行列(√(W)B)の疑似逆数に収束するよう示されるのが良い。
本発明者がフィードバックループ内に単調非線形要素、例えば、TVC限度(±5°)、主エンジン制限(スラストの20%〜100%)および側方向きスラスタ限度を導入した場合、このフィードバックループは、限度内で実行可能である限り、依然として指数収束を維持する。収束中、制御限度に達した場合、制御命令は、一方が存在しまたはアクチュエータ限度によって境界付けられた最も近い(重み付けされた2ノルム方向)解決策に収斂した場合、解決に達するまでその制限に「乗る」。この概念を12基の線形スラスタ形態に適用した。
本発明者が制御ミキサフィードバックループ内により複雑で単調な非線形性、例えばデッドバンドを導入した場合、本発明者は、制御ミキサ事例について解を求めることができ、この場合、側方向きスラスタによってもたらされる力は、ゼロでありまたはある範囲をカバーする。これは、制御ミキサフィードバック経路内の各側方向きスラスタについてスラストのデッドバンドまたは「キープアウトゾーン」を含む制限要素を作ることによって達成される。このデッドバンドに起因して、最小問題がアクチュエータデッドバンド内に存在する場合に、指数収束を例外なく保証することができない。しかしながら、このループは、リプシッツ安定であり、すなわち、解決に関して狭い範囲に収束するよう示されるのが良い。制御エフェクタのデッドバンド内の解決策が所与の場合、ミキサは、デッドバンドの中または外でディザリングする命令を発生させることができ、積分領域(時間に関して)が必要とされる制御効果と均等な状態で変更されたパルス命令を作る。僅かな所要命令の場合、このシステムは、パルス(周波数とパルス幅の両方)変調器として働く。この方式は、例えば、デッドバンド形態を備えた12基の線形スラスタに適用できる。
最後に、本発明者が2値(オン/オフ)である側方向きスラスタだけを想定している場合、単調な非線形性は、単調な履歴またはヒステリシスで置き換えられるのが良い。かかるミキサは、平均で、必要とされる力を発生させるパルス命令を生じさせる。この場合もまた、このループは、最適制御割り当てに関してリプシッツ安定性であることが示されるのが良い。この方式は、例えば、48基2値スラスタ形態に適用できる。
上述した形態の全てに関し、TVCおよび主エンジンスラスト命令は、線形であるが制限されたものとして処理された(TVCについては±5°、主エンジンについては20%〜100%)。
4.6 分析事例の説明
MATLAB/Simulinkにおいて疑似6DOFモデルを開発して上述の構成例を試験するとともに実証した。図15に示されている単純化されたモデルは、6DOFの慣性運動方程式およびサロゲート重力および空気力学的効果として作用するためにビークル姿勢および位置命令、制御ミキサおよび単純な外乱を発生させるために使用できるPIDコントローラを含む。ミキサ構成を実証するため、ビークルに命令を与えてこれがホバリングし(T=W)、そしてyおよびz方向に数フィート(例えば、5フィート(1.52m)および10フィート(3.05m))並進し、サロゲート風効果は、10秒後、0〜60ノットの風から変化する。
このシミュレーションでは、ビークルに作用する唯一の外力は、重力および単純な空気力学的外乱(ピッチング、軸方向、および垂直力)である。この単純化されたモデルは、ビークル運動を空気力学的力に結合することはしないで、これとは異なり、純粋な外乱として空気力学的力を概算する。この空気力学的外乱は、空気力学的力を標題3.0の下で説明した非線形曲線当てはめ空気力学的モデルから導き出せる。このシミュレーションでは、ビークルは、−7フィート(−2.13m)/s(典型的な着陸速度)の垂直流れ場の中にある。ビークルがこの流れ場においてホバリングする(垂直位置を維持する)試験事例は、着陸段階を代表し、他方、疑似6DOFシミュレーションの欠点(例えば、ビークル運動と結合されない空気力学的現象に起因する)を軽減することが見込まれる。説明を単純化するため、この疑似6DOFはまた、詳細なアクチュエータ力学、センサ力学、システム遅れ、スロッシング力学、「本末転倒」効果、可撓体効果およびパラメータ不確実性を欠いている。しかしながら、このモデルは、より複雑なシミュレーションと関連する制御ミキサ挙動を実証する(適当なやり方で)よう設計されている。
試験シミュレーションを上述の3基の側方向きスラスタ形態について、中央主エンジンだけを用い、機外側アップウィンド形主エンジンだけを用い、そして機外側ダウンウィンド形主エンジンだけを用いて実施した。ダウンウィンド形事例は、煩雑にするのを避ける目的でここには提供されていないが、アップウィンド形事例と同様である。
上述の制御ミキサ構成は、例えば、TVCおよび主エンジンスラストと組み合わせて12基スラスタ(線形)および12基スラスタ(デッドバンドを備えた線形)形態に命令を出してビークルを単純な操縦でかつ代表的な風外乱に対して制御することができる。この制御ミキサ構成はまた、機外側主エンジンの使用と関連した結合力学を受けると、その仕事を実行することができる。
制御ミキサはまた、多くのオン/オフスラスタに単独でまたはTVCおよびエンジンスラスト命令と組み合わせて指令を出し、それにより同じ操縦を達成するよう使用されるのが良い。かかる形態は、多くのスラスタを利用するが、線形スラスタ構成と比較して利点を有することができる。特に、作動弁は、極めて簡単かつ安価であると言える。加うるに、潜在的に複雑な隔離配管設備(図13Bを参照して上述した)をなくすことができ、ただし、システム(および推進剤)が単一のスラスタ(開放または閉鎖)の故障を残りのスラスタを用いて軽減することができるよう寸法決めされるのが良いことを条件とする。加うるに、小形の高い帯域幅スラスタ弁は、大形の線形スラスタ制御弁よりも厳密な制御を提供することができる。
別の実施形態では、高帯域幅スラスタのうちの幾つかは、ビークルx軸に沿ってすらすと分布をもたらすよう構成されるのが良い。その結果、かかるスラスタは、垂直方向に高い帯域幅「バーニヤ」制御を提供するよう使用されるのが良い(主エンジンスラストと組み合わせて)。これを高精度ナビゲーションおよびデッキ動作予測と組み合わせると、着陸の際に正確なデッキ動作補償が可能である。また、厳密な垂直速度制御は、最終のアプローチまたは着陸の際に非垂直飛行経路角度の実現を可能にし、それにより広範な着陸および捕捉形態の実現を容易にすることができる。
5.0 別の実施形態
本技術の幾つかの実施形態による航空宇宙システムは、第1の端部および第1の端部と全体として反対側の第2の端部を有する打ち上げ機を含み、打ち上げ機は、第1の端部と第2の端部との間に延びる機軸に沿って細長い。推進システムが打ち上げ機によって担持され、この推進システムは、打ち上げ機を打ち上げるよう打ち上げ機の第1の端部寄りに位置決めされた対応のノズルを備えた少なくとも1基の主エンジンを含む。少なくとも1基の側方に向けられたスラスタが打ち上げ機の第2の端部寄りに位置決めされ、本システムは、打ち上げ機と通信状態にあるコントローラを含む。コントローラには、実行されると、打ち上げ機を打ち上げ機上昇中に第1の方向に方向づけ、打ち上げ機下降中、打ち上げ機を第1の方向とは逆の第2の方向に方向づけ、少なくとも1基の側方向きスラスタの起動を方向づけて下降中、打ち上げ機を誘導する命令がプログラムされている。
別の特定の実施形態では、少なくとも1基の側方向きスラスタは、多数の側方向きスラスタのうちの1基である。個々の側方向きスラスタは、対応の個々のノズルを有するのが良く、対応の個々のノズルは、対応のノズル出口を有し、個々のノズルのノズル出口は、同一平面上に位置している。個々のスラスタは、4つの互いに異なる方向に方向付けられるのが良く、本システムは、同一方向に向けられた多数の(例えば、3基の)スラスタを含むのが良い。個々の側方向きスラスタは、垂直軸線に対して側方成分を有し、特定の実施形態では非側方成分を有するスラストを方向づけるよう位置決めされるのが良い。側方向きスラスタは、多数の非ゼロスラスト設定値または2値の組をなすスラスト設定値(オフとオン)相互間で制御可能であるのが良い。コントローラには、打ち上げ機を方向づけて打ち上げ機が少なくとも1基の主エンジンによって提供される力と組み合わせて少なくとも1基の側方向きスラスタによって提供される力を受けて側方に並進するようにする命令がプログラムされるのが良い。少なくとも1基の主エンジンは、中央主エンジンおよびオフセンタ主エンジンを含むのが良く、コントローラは、打ち上げ機を方向づけて打ち上げ機がオフセンタ主エンジン(例えば、オフセンタ主エンジンだけ)および少なくとも1基の側方向きスラスタによって提供される動力を受けて下降するようにするのが良い。コントローラは、少なくとも1つの側方向きスラスタに命令を出して打ち上げ機が着陸スタ後にかつ/あるいは打ち上げ機に加わる外力(例えば、風力)に応答して打ち上げ機の向きを制御するのが良い。幾つかの実施形態では、コントローラは、打ち上げ機の走行方向である着陸場所の傾斜角に対応した入力に応答して少なくとも1つの側方向きスラスタに命令を出し、それにより少なくとも部分的にその入力に応答して打ち上げ機の向きを制御することができる。少なくとも1つの側方向きスラスタは、少なくとも1つの主エンジンと組み合わさって、打ち上げ機を側方成分を含む方向に、特定の実施形態では、側方の方向に打ち上げ機を推進することができる。打ち上げ機は、単段ビークルであっても良く、多段ビークルであっても良い。
本技術の幾つかの実施形態による航空宇宙システムは、打ち上げ機に作動的に結合可能でありかつ実行されると、打ち上げ機を1基または2基以上の主エンジンからのスラストにより打ち上げ機上昇中に第1の方向に方向づけ、打ち上げ機下降中、打ち上げ機を第1の方向とは逆の第2の方向に方向づけ、少なくとも1基の側方向きスラスタおよび1基または2基以上の主エンジンのうちの少なくとも1基の起動を方向づけて下降中、打ち上げ機を側方へ動かす命令がプログラムされたコントローラを含む。少なくとも1つの側方向きスラスタは、打ち上げ機の長手方向ビークル軸線に沿って少なくとも1つの主エンジンから間隔を置いて配置されている。1基または2基以上の主エンジンのうちの第1のエンジンは、下降中不作動状態にあるとき、命令は、1基または2基以上のエンジンのうちの第2のエンジンの作動を指示することができる。命令は、少なくとも1つの側方向きスラスタおよび1基または2基以上の主エンジンのうちの少なくとも1基の作動を打ち上げ機に加わる様々な風荷重に応答して指示することができる。
航空宇宙システムを作動させる代表的な方法は、システムの打ち上げ機の第1の端部寄りに位置決めされた1基または2基以上の主エンジンからのスラストを用いて打ち上げ機を打ち上げるステップと、打ち上げ機を方向づけて下降させるステップと、(a)1基または2基以上の主エンジンのうちの少なくとも1基、および(b)少なくとも1基の側方に向けられたスラスタにより打ち上げ機の下降を制御するステップとを含む。少なくとも1基の側方向きスラスタは、少なくとも1基の主エンジンから打ち上げ機の長手方向機軸に沿って間隔を置いて配置される。本方法は、打ち上げ機を方向づけて少なくとも1基の主エンジンの対応のノズルが下方に向いた状態で打ち上げ機が着陸するようにするステップを更に含むのが良い。別の特定の実施形態では、打ち上げ機を打ち上げるステップは、1基または2基以上の主エンジンのうちの少なくとも第1の主エンジンを用いて実施され、打ち上げ機の下降を制御するステップは、1基または2基以上の主エンジンのうちの第1のエンジンではなく第2のエンジン(例えば、第2のエンジンだけ)を用いて実施される。打ち上げ機の下降を制御するステップは、打ち上げ機を側方に動かす一方で打ち上げ機の姿勢が、全体として同一のままであり、例えば初期姿勢または標的姿勢の±2°の範囲内にあるようにするステップを含むのが良い。
上述のことから、本技術の特定の実施形態を例示目的で本明細書において説明したが、本技術の範囲から逸脱することなく種々の改造を行うことができるということは明らかであろう。例えば、代表的な打ち上げ機は、具体的に図示するとともに本明細書において説明した形態とは異なる形態を有することができる。主エンジンは、具体的に上述した形態および/またはスラストベクトル化能力を有することができる。側方向きスラスタは、用途に応じて、異なる形態、スラスト能力、および/または他の特性(例えば、固定された位置および回動形態)を有することができる。本明細書において説明したシミュレーションは、他の実施形態において他の仮定および方法論に従って実施できる。特定の実施形態との関連で説明した技術のある特定の観点を他の実施形態で組み合わせることができる。さらに、本技術のある特定の実施形態と関連した利点をこれら実施形態との関連で説明したが、他の実施形態もまた、かかる利点を示すことができ、全ての実施形態が必ずしも本技術の範囲に含まれるかかる利点を示す必要はない。したがって、本開示内容および関連技術は、明示的に図示されておらずまたは本明細書において説明されていない他の実施形態を含むことができる。
参照により引用した任意の技術文献が本開示内容とコンフリクトする程度まで、本開示内容は、その保護範囲を定める。

Claims (31)

  1. 航空宇宙システムであって、
    第1の端部および前記第1の端部と全体として反対側の第2の端部を有する打ち上げ機を含み、前記打ち上げ機は、前記第1の端部と第2の端部との間に延びる機軸に沿って細長く、
    前記打ち上げ機によって担持された推進システムを含み、前記推進システムは、前記打ち上げ機を打ち上げるよう前記打ち上げ機の前記第1の端部寄りに位置決めされた対応のノズルを備えた少なくとも1基の主エンジンを含み、
    前記打ち上げ機の前記第2の端部寄りに位置決めされた少なくとも1基の側方に向けられたスラスタを含み、
    前記打ち上げ機と通信状態にあるコントローラを含み、前記コントローラには、実行されると、
    前記打ち上げ機を打ち上げ機上昇中に第1の方向に方向づけ、
    打ち上げ機下降中、前記打ち上げ機を前記第1の方向とは逆の第2の方向に方向づけ、
    前記少なくとも1基の側方向きスラスタの起動を方向づけて下降中、前記打ち上げ機を誘導する命令がプログラムされている、航空宇宙システム。
  2. 前記少なくとも1基の側方向きスラスタは、前記打ち上げ機の前記第2の端部寄りに位置決めされた多数の側方向きスラスタのうちの1基である、請求項1記載のシステム。
  3. 個々の側方向きスラスタは、対応の個々のノズルを有し、前記対応の個々のノズルは、対応のノズル出口を有し、前記個々のノズルの前記ノズル出口は、同一平面上に位置している、請求項2記載のシステム。
  4. 前記多数の側方向きスラスタのうちの4基は各々、異なる方向に向けられたスラスト軸線を有する、請求項2記載のシステム。
  5. 前記多数の側方向きスラスタのうちの3基は、同一方向に向けられたスラスト軸線を有する、請求項2記載のシステム。
  6. 前記少なくとも1基の側方向きスラスタは、前記機軸に対して側方成分を含むスラストを方向づけるよう位置決めされている、請求項1記載のシステム。
  7. 前記少なくとも1基の側方向きスラスタは、前記機軸に対して非側方成分を含むスラストを方向づけるよう位置決めされている、請求項1記載のシステム。
  8. 前記少なくとも1基の側方向きスラスタは、2値の組をなすスラスト設定値、すなわちオフとオンを有する、請求項1記載のシステム。
  9. 前記少なくとも1基の側方向きスラスタは、多数の非ゼロのスラスト設定値を有する、請求項1記載のシステム。
  10. 前記コントローラには、実行されると、前記打ち上げ機を方向づけて前記打ち上げ機が前記少なくとも1基の主エンジンによって提供される力と組み合わせて前記少なくとも1基の側方向きスラスタによって提供される力を受けて側方に並進するようにする命令がプログラムされている、請求項1記載のシステム。
  11. 前記少なくとも1基の主エンジンは、中央主エンジンおよびオフセンタ主エンジンを含み、前記コントローラには、実行されると、
    前記打ち上げ機を方向づけて前記打ち上げ機が前記オフセンタ主エンジンおよび前記少なくとも1基の側方向きスラスタによって提供される動力を受けて下降するようにする命令がプログラムされている、請求項1記載のシステム。
  12. 前記コントローラには、実行されると、前記少なくとも1基の側方向きスラスタを方向づけて前記打ち上げ機が着陸した後に、前記少なくとも1基の側方向きスラスタが、前記打ち上げ機の向きを制御するようにする命令がプログラムされている、請求項1記載のシステム。
  13. 前記コントローラには、実行されると、前記打ち上げ機に加えられた外力に対応した入力を受け取って前記少なくとも1基の側方向きスラスタを方向づけて少なくとも部分的に前記入力に応答して前記打ち上げ機の向きを制御するようにする命令がプログラムされている、請求項1記載のシステム。
  14. 前記コントローラには、実行されると、前記打ち上げ機に加えられた風力に対応した入力を受け取って、前記少なくとも1基の側方向きスラスタを方向づけて少なくとも部分的に前記入力に応答して前記打ち上げ機の向きを制御するようにする命令がプログラムされている、請求項1記載のシステム。
  15. 前記コントローラには、実行されると、前記打ち上げ機の移動先である着陸場所の傾斜角に対応した入力を受け取って前記少なくとも1基の側方向きスラスタを方向づけて前記少なくとも部分的に前記入力に応答して前記打ち上げ機の向きを制御するようにする命令がプログラムされている、請求項1記載のシステム。
  16. 前記命令は、実行されると、前記少なくとも1基の側方向きスラスタおよび前記少なくとも1基の主エンジンの起動を方向づけて前記打ち上げ機を側方成分を含む方向に推進するようにする、請求項1記載のシステム。
  17. 前記命令は、実行されると、前記少なくとも1基の側方向きスラスタおよび前記少なくとも1基の主エンジンの起動を方向づけて前記打ち上げ機を側方の方向に推進する、請求項1記載のシステム。
  18. 前記打ち上げ機は、第1のブースタ段を有し、前記システムは、前記第1の段によって解除可能に担持された第2の段を更に含む、請求項1記載のシステム。
  19. 航空宇宙システムを稼働させる方法であって、
    前記システムの打ち上げ機の第1の端部寄りに位置決めされた1基または2基以上の主エンジンからのスラストを用いて前記打ち上げ機を打ち上げるステップを含み、
    前記打ち上げ機を方向づけて下降させるステップを含み、
    (a)前記1基または2基以上の主エンジンのうちの少なくとも1基、および(b)少なくとも1基の側方に向けられたスラスタにより前記打ち上げ機の下降を制御するステップを含み、(c)前記少なくとも1基の側方向きスラスタは、前記少なくとも1基の主エンジンから前記打ち上げ機の長手方向機軸に沿って間隔を置いて配置され、
    前記打ち上げ機を方向づけて前記少なくとも1基の主エンジンの対応のノズルが下方に向いた状態で前記打ち上げ機が着陸するようにするステップを含む、方法。
  20. 前記打ち上げ機を打ち上げる前記ステップは、前記1基または2基以上の主エンジンのうちの少なくとも第1の主エンジンを用いて実施され、前記打ち上げ機の下降を制御する前記ステップは、前記1基または2基以上の主エンジンのうちの前記第1のエンジンではなく第2のエンジンを用いて実施される、請求項19記載の方法。
  21. 前記打ち上げ機の下降を制御する前記ステップは、前記打ち上げ機に加わる漸変風荷重に対応するステップを含む、請求項19記載の方法。
  22. 前記少なくとも1基の側方向きスラスタは、複数の側方に向けられたスラスタを含む、請求項19記載の方法。
  23. 前記少なくとも1基の側方向きスラスタを2つだけのスラスタ設定値、すなわちオフとオンに交互に切り替えることによって前記少なくとも1基の側方向きスラスタを制御するステップを更に含む、請求項19記載の方法。
  24. 前記少なくとも1基の側方向きスラスタを方向づけて多数の非ゼロスラストレベルのうちの任意のレベルを生じさせることによって前記少なくとも1基の側方向きスラスタを制御するステップを更に含む、請求項19記載の方法。
  25. 前記打ち上げ機の下降を制御する前記ステップは、前記打ち上げ機を前記打ち上げ機の前記長手方向機軸に整列しておらずかつ側方成分および垂直成分を含むベクトルに沿って動かすステップを含む、請求項19記載の方法。
  26. 前記打ち上げ機の下降を制御する前記ステップは、前記打ち上げ機の姿勢が全体として同一のままである状態で前記打ち上げ機を側方へ動かすステップを含む、請求項19記載の方法。
  27. 前記打ち上げ機の下降を制御する前記ステップは、前記打ち上げ機の姿勢が全体として同一のままである状態で前記打ち上げ機を側方かつ垂直に動かすステップを含む、請求項19記載の方法。
  28. 航空宇宙システムであって、
    打ち上げ機に作動可能に結合可能なコントローラを含み、前記コントローラには、実行されると、
    前記打ち上げ機を1基または2基以上の主エンジンからのスラストにより打ち上げ機上昇中に第1の方向に方向づけ、
    打ち上げ機下降中、前記打ち上げ機を前記第1の方向とは逆の第2の方向に方向づけ、
    前記少なくとも1基の側方向きスラスタおよび前記1基または2基以上の主エンジンのうちの少なくとも1基の起動を方向づけて下降中、前記打ち上げ機を側方へ動かす命令がプログラムされており、前記少なくとも1基の側方向きのスラスタは、前記打ち上げ機の長手方向機軸に沿って前記少なくとも1基の主エンジンから間隔を置いて配置されている、航空宇宙システム。
  29. 前記打ち上げ機を更に含む、請求項28記載の航空宇宙システム。
  30. 前記1基または2基以上の主エンジンのうちの第1の主エンジンは、下降中不作動状態にあり、前記命令は、実行されると、前記1基または2基以上の主エンジンのうちの第2の主エンジンの起動を方向づける、請求項28記載の航空宇宙システム。
  31. 前記命令は、実行されると、前記打ち上げ機に加わる漸変風荷重に対応した入力に応答して前記少なくとも1基の側方向きスラスタおよび前記1基または2基以上の主エンジンのうちの少なくとも1基の主エンジンの起動を方向づける、請求項28記載の航空宇宙システム。
JP2018563055A 2016-06-01 2017-06-01 悪天候アジリティスラスタならびに関連システムおよび方法 Pending JP2019520255A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201662344288P 2016-06-01 2016-06-01
US62/344,288 2016-06-01
PCT/US2017/035448 WO2018057068A2 (en) 2016-06-01 2017-06-01 Severe weather agility thrusters, and associated systems and methods

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019520255A true JP2019520255A (ja) 2019-07-18

Family

ID=60483158

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018563055A Pending JP2019520255A (ja) 2016-06-01 2017-06-01 悪天候アジリティスラスタならびに関連システムおよび方法

Country Status (6)

Country Link
US (1) US20170349301A1 (ja)
EP (1) EP3464069A4 (ja)
JP (1) JP2019520255A (ja)
CN (1) CN109641671A (ja)
RU (1) RU2018146302A (ja)
WO (1) WO2018057068A2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022014694A1 (ja) 2020-07-17 2022-01-20 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 ロケット制御システム、及びロケットの着陸動作の制御方法

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10669045B1 (en) * 2016-06-22 2020-06-02 United States Of America As Represented By The Administrator Of The Nasa Affordable vehicle avionics system
EP3650358A1 (en) * 2018-11-06 2020-05-13 Pangea Aerospace, S.L. Return to base space launch vehicles, systems and methods
JP7451209B2 (ja) * 2020-02-13 2024-03-18 三菱重工業株式会社 推進装置、飛行体及び推進方法
US11518547B1 (en) * 2021-06-18 2022-12-06 AT Space Pty Ltd Booster system for launch vehicle

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3702688A (en) * 1971-01-04 1972-11-14 Nasa Space shuttle vehicle and system
US4834324A (en) * 1983-11-07 1989-05-30 Criswell David R Multiconfiguration reusable space transportation system
RU2053168C1 (ru) * 1993-03-19 1996-01-27 Мишин Василий Павлович Ракетный блок многоразового использования
US5873549A (en) * 1996-09-25 1999-02-23 Mcdonnell Douglas Corporation Vehicle rotation and control mechanism
US6695251B2 (en) * 2001-06-19 2004-02-24 Space Systems/Loral, Inc Method and system for synchronized forward and Aft thrust vector control
RU2242407C2 (ru) * 2002-08-21 2004-12-20 Антоненко Сергей Владимирович Способ эксплуатации ракет-носителей и комплект ракетных ускорителей для его осуществления
FR2897841B1 (fr) * 2006-02-27 2009-02-27 Univ Paris Curie Engin spatial et procede pour faire fonctionner l'engin spatial.
FR2907422B1 (fr) * 2006-10-20 2009-12-18 Astrium Sas Aeronef a vol mixte aerodynamique et spatial, et procede de pilotage associe.
US7871044B2 (en) * 2007-05-23 2011-01-18 Honeywell International Inc. Method for vertical takeoff from and landing on inclined surfaces
EP2401204A4 (en) * 2009-02-24 2017-07-05 Blue Origin, LLC Launch vehicles with fixed and deployable deceleration surfaces, and/or shaped fuel tanks, and associated systems and methods
US20100275576A1 (en) * 2009-05-04 2010-11-04 Technion - Research & Development Foundation Ltd. System and method for maneuvering rockets
WO2010148025A1 (en) * 2009-06-15 2010-12-23 Blue Origin, Llc Compensating for wind prior to engaging airborne propulsion devices
US8306674B2 (en) * 2009-10-01 2012-11-06 Raytheon Company System and method for divert and attitude control in flight vehicles
US8878110B2 (en) * 2010-12-14 2014-11-04 Raytheon Company Projectile that includes propulsion system and launch motor on opposing sides of payload and method
CN103253372A (zh) * 2012-02-20 2013-08-21 罗才德 飞碟航天器
RU2627902C2 (ru) * 2012-07-31 2017-08-14 Олег Александрович Александров Способ и устройство для многократного вывода в космос и возвращения негабаритного груза и способ использования негабаритного груза на других планетах

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022014694A1 (ja) 2020-07-17 2022-01-20 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 ロケット制御システム、及びロケットの着陸動作の制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN109641671A (zh) 2019-04-16
WO2018057068A3 (en) 2018-06-28
RU2018146302A (ru) 2020-07-09
EP3464069A4 (en) 2019-12-04
WO2018057068A9 (en) 2018-05-24
US20170349301A1 (en) 2017-12-07
EP3464069A2 (en) 2019-04-10
WO2018057068A2 (en) 2018-03-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2019520255A (ja) 悪天候アジリティスラスタならびに関連システムおよび方法
JP6656380B2 (ja) 宇宙機の動作を制御する方法及びシステム、宇宙機
US6481672B1 (en) Gimbaled thruster control system
US8436283B1 (en) System and method for guiding and controlling a missile using high order sliding mode control
RU2737644C2 (ru) Энергоэффективное маневрирование спутника
US20080315039A1 (en) System and methods for space vehicle torque balancing
JP2020515459A (ja) 宇宙機、及び宇宙機の動作を制御する制御システム
CN109911249B (zh) 低推重比飞行器的星际转移有限推力入轨迭代制导方法
US9429105B2 (en) Rocket vehicle with integrated attitude control and thrust vectoring
US10934025B2 (en) Model predictive control of spacecraft
US3940096A (en) Re-orientation of a spacecraft relative to its angular momentum vector
Chen et al. Design of a multi-vectored thrust aerostat with a reconfigurable control system
Sagliano et al. Guidance and control strategy for the CALLISTO flight experiment
Polsgrove et al. Human Mars Entry, Descent, and Landing Architecture Study: Rigid Decelerators
Cianciolo et al. Low lift-to-drag morphing shape design
Napior et al. Controllable solid propulsion for launch vehicle and spacecraft application
Jackson et al. Downsizing an orbital space robot: A dynamic system based evaluation
Wang et al. Thrust vector control of upper stage with a gimbaled thruster during orbit transfer
Scarritt et al. Advances in Orion's On-Orbit Guidance and Targeting System Architecture
Hima et al. Motion generation on trim trajectories for an autonomous underactuated airship
Rooz et al. Design and modelling of an airship station holding controller for low cost satellite operations
Thrasher et al. Orion's exoatmospheric burn guidance architecture and algorithm
Dillman et al. Low lift-to-drag morphing shape design
Tragesser et al. Autonomous intact abort system for the X-34
Carpenter Power-optimal steering of a space robotic system driven by control-moment gyroscopes