JP2019518582A - 流体を分配するための装置 - Google Patents

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Abstract

特に無菌条件下で流体を分配するための装置(1)およびその使用が提案されている。前記装置(1)は、搬送装置(2)と、可変の内容積を有する容器(3)とを有している。搬送装置(2)は、長手方向中心軸線(L)に沿って配置された少なくとも3つの一連の開口(5,6,7)を備えたシリンダ(4)を有していて、開口を介して前記流体が搬送可能である。搬送装置(2)はさらに、第1および第2のピストン(9,10)を有している。第1および第2のピストン(9,10)は、この場合、長手方向中心軸線に沿って摺動可能にシリンダ(4)内に配置されていて、シリンダ内壁(13)の一区分と共に、その端面(11,12)の間に可変の流体容積(14)を画定している。第1の開口(5)は、装置(1)の分配開口(15)に流体連通させることができ、第2の開口(6)は容器(3)に流体連通させることができる。第1および第2のピストン(9,10)はそれぞれ、長手方向でずらされて配置された少なくとも3つのシール部材(16,16’,16’’)を有していて、これらシール部材はシリンダ(4)を密閉する。1つのピストン(9,10)で互いに隣接するシール部材(16,16’もしくは16’,16’’)が有する内側間隔diは最大でも、互いに隣接する2つの開口(5,6もしくは6,7)の間の最短の間隔a1と同じ大きさである。

Description

本発明は、独立請求項の上位概念に記載の形式の、特に無菌条件下で流体を分配するための装置および該装置の使用に関する。
液状形態の医薬品作用物質の投与の際に、大抵、明確に規定された容量を患者に分配する必要がある。このために、薬剤を注射によって投与しなければならない場合も多い。この場合、非経口投与のために、注射器、ペン型注入器(いわゆるペン)、または薬剤ポンプが使用される。
特に、比較的長期間にわたって、かつ/または正確に予め規定された計画に沿って投与されなければならない製剤では、注射器およびペン型注入器は、ますます薬剤ポンプに取って代わられている。この場合、主要な適用分野は、糖尿病に罹患している患者へのインスリンの投与である。糖尿病患者には、しばしば著しく変化する条件のもとであっても、1日に数回、皮下注射によって所定のインスリン量を投与しなければならない。薬剤ポンプの使用は、薬剤ポンプによって投与がほぼ自動化可能であるので、生活の質の著しい改善を提供する。患者にとっての快適性が改善されるほか、このようなポンプの使用により、衛生状態が改善され、ひいては患者の安全性も高めることができる。インスリン調剤は、大部分の製造業者によって、できあがった注入溶液としてカートリッジで提供されるので、このために特に良好に適している。
製剤を比較的長期間にわたって連続的に投与するために、患者の体に取り付けるのに適した薬剤ポンプは、通常、容器と、容器から接続部へ、または注入システムへ流体を搬送する搬送装置とを有している。しかしながら、容器および搬送装置を、例えば注射器ポンプの形態の1つの構成要素にまとめることもできる。注入システムは、例えば、投与期間全体にわたって患者の体内に留まる留置カニューレを留置するのに適している。
このような薬剤ポンプは、通常、できあがった注入溶液を投与するためにしか適していない。したがって、このような薬剤ポンプは、分配したい薬物形態に関する自由度が比較的低い。
欧州特許出願第15152703.3号明細書(EP 15152703.3)に開示された調量装置は、少なくとも1つの搬送駆動装置によって駆動される、容器の内室から流体を搬送するための搬送装置を有している。流体は搬送装置によって容器から分配開口へと搬送可能である。搬送装置は、シリンダ内壁に少なくとも1つの吸込開口と、少なくとも1つの流出開口とを備えたシリンダと、第1のピストンおよび第2のピストンとを有している。第1のピストンおよび第2のピストンは、シリンダ内側に、長手方向摺動可能に収容されている。さらに、第1のピストンおよび第2のピストンは、シリンダ内壁の一区分と共に、これらピストンの端面の間に可変の流体容積を画定している。1つのシリンダと2つのピストンとを備えたこのような形式の搬送装置の使用により、記載した調量装置によって、単なる搬送機能の他に別の機能を利用することができる。すなわち、シリンダは、吸込開口と流出開口の他に、同様にずらされてシリンダに配置されているさらに別の複数の開口も有することができる。例えばこれにより、搬送される流体を分析する分析装置を搬送装置に接続することができる。また、複数の容器を異なる開口を介して搬送装置に接続することもでき、これにより、例えば凍結乾燥物を還元するために物質の混合も行うことができる。
前記の出願において説明されているように、シリンダ内に配置されているピストンは、ピストンからシリンダ内壁への移行部を密閉するために、1つ以上のシール部材を有していてよい。シール部材の使用は、シリンダおよびピストンに比較的僅かな製造誤差がある場合でも、高いシール作用を得ることができるという利点を有している。
しかしながら、ピストンにシール部材を有するこのような形式の調量装置は、シリンダにずらされて配置された2つ以上の開口が用いられる使用例では、大きな欠点を有することがわかった。すなわち例えば、シリンダに設けられた2つ以上の開口が、1つのピストンに設けられた2つのシール部材の間の中間室を介して互いに直接流体連通される、という事態が生じ得る。これにより、1つの開口から隣接する開口への流体の溢流が生じ得る。また、ピストンに複数のシール部材を離間して配置することによって、シリンダに設けられた1つの開口から隣接する開口への流体の溢流が阻止されている調量装置の構成であっても、間接的な溢流が生じる恐れがある。このようなことは、2つのシール部材の間の中間室内に存在している空気または別の気体が圧縮可能であって、これにより圧力下にある流体が中間室内に進入できることにより生じ得る。そして1つの開口への接続が遮断され、隣接する開口への接続が形成されると、中間室内の圧縮された混合物質が膨張して、隣接する開口から流出する恐れがある。このような問題は、このような形式の調量装置の機能性に対する明らかな障害である。
そこで本発明の課題は、先行技術の欠点を克服することである。
特に本発明の課題は、上述した形式の、多様に使用可能かつ構造的に簡単な、流体を分配するための装置であって、搬送装置のシリンダに設けられた複数の開口間での直接的なまたは間接的な溢流が阻止されるような装置を提供することである。この場合、搬送装置は確実に作動し、比較的高い流体圧を発生させるために適しているのが望ましい。
この課題は請求項1に記載の特徴を備えた装置により解決される。
特に無菌条件下で流体を分配するための装置は、搬送装置と、可変の内容積を有する容器とを有している。搬送装置は、長手方向中心軸線に沿って配置された少なくとも3つの一連の開口を備えたシリンダを有していて、これら開口を介して流体を搬送可能である。さらに、搬送装置は第1および第2のピストンを有していて、第1および第2のピストンは長手方向中心軸線に沿って摺動可能にシリンダ内に配置されている。第1および第2のピストンは、シリンダ内壁の一区分と共に、これらピストンの端面の間に可変の流体容積を画定している。第1の開口は、装置の分配開口に流体連通させることができ、第2の開口は容器に流体連通させることができる。第1および第2のピストンはそれぞれ、長手方向でずらされて配置された少なくとも3つのシール部材を有していて、これらシール部材はシリンダを密閉する。この場合、1つのピストンにおいて互いに隣接するシール部材が有する内側間隔は最大でも、互いに隣接する2つの開口の間の最短の間隔と同じ大きさである。
可変の内容積を有する容器とは、この関連では、少なくとも1つの壁区分が可動である内室を有する容器を意味する。これにより、容器の内容積を、その内部に含まれる流体の体積に適合させることができる。このことは特に、流体が、液体の形態である場合に有利である。これにより一方では、容器の通気孔を省くことができる。他方では、容器は、液体で完全に満たされていない場合に、気体を、特に空気を含まない。これにより、容器からの液体の搬送は搬送装置によって、重力に対する装置の向きに関わらず可能であり、この場合、搬送装置によって空気またはその他の気体が吸い込まれる危険はない。可変の内容積を有する容器とは、例えば、摺動ピストンを備えた注射器またはカートリッジであり、または液体袋(いわゆるバッグ)である。
ピストンに設けられた隣接するシール部材の記載した間隔と、シリンダに設けられた2つの隣接する開口間の最も短い間隔との関係により、シール部材間の中間室を介した、一方の開口から他方の開口への流体の直接的な溢流は阻止される。この場合、記載した装置は、流体の単純な搬送を越えた様々な用途のために、例えば分析装置による流体の付加的な分析、または凍結乾燥物の還元のために、多面的に使用可能である。
簡単な構成では、搬送装置は、長手方向中心軸線に沿って配置されたちょうど3つの一連の開口を備えた1つのシリンダと、および両ピストンにそれぞれ設けられたちょうど3つのシール部材とを有している。
ピストンに設けられたシール部材は等間隔に配置されていてよい。これにより、良好なシール作用と、シリンダ内でのピストンの良好な滑り特性とが得られる。
第1の開口と第2の開口との間の間隔は、ピストンにおいて隣接する2つのシール部材の間の側方間隔と少なくとも同じ大きさであってよい。これにより、第2の開口から第1の開口への流体の間接的な溢流を阻止することができる。このようなことは特に、流体が第2の開口へと搬送されるべき場合に、第2の開口で正圧が形成される場合に必要である。これは例えば、第2の開口に弾性的なバッグが接続されている場合である。
シール部材は、シリンダにおける開口の長手方向の延在と、特に直径と少なくとも等しい幅を有していてよい。これにより、流体が、個々の開口を介してシール部材の一方の側から他方の側へと溢流する可能性が回避される。
第1のピストンおよび第2のピストンはそれぞれ少なくとも、シリンダが有している開口の数と同じ数の、長手方向でずらされて配置されたシール部材を有していてよい。このような最小数のシール部材によって、シリンダにおける個々の開口それぞれには常に、2つのシール部材の間に形成される中間室が提供され、この中間室により、流体の流出または溢流は阻止されることが保証され得る。
搬送装置は、長手方向中心軸線に沿って配置された4つの一連の開口を備えたシリンダを有していてよく、これら開口を介して流体を搬送可能である。第3の開口は、容器に、特に凍結乾燥物を含む小型瓶に流体連通可能であってよく、第4の開口は、容器に、特に溶剤を含む小型瓶に流体連通可能であってよい。これにより、特に凍結乾燥物の還元を無菌条件下で、使用者にとって簡単かつ確実な方法で可能とする装置が提供される。
搬送装置は、少なくとも1つの搬送駆動装置によって駆動可能であってよく、好適には第1のピストンは第1の搬送駆動装置によって、第2のピストンは第2の搬送駆動装置によって、駆動可能であってよい。特に、互いに独立的な2つの搬送駆動装置を使用することにより、用途に関する装置の柔軟性がさらに高められる。
本発明による装置は、患者に流体を、好適には連続的に、皮下に投与するための注入装置を有していてよい。注入装置の使用により、患者への流体の皮下投与をほぼ自動化することができる。これにより患者は、前記装置を、医療関係者の存在に依存することなく、極めて快適かつ安全に使用することができる。
本発明による装置は、使用者によって接続可能、かつ/または互いに分離可能に形成されている駆動モジュールと分配モジュールとを有していてよい。駆動モジュールは、場合によっては搬送駆動装置の少なくとも一部を、特に回転駆動装置を、かつ/または場合によっては注入装置の装着駆動装置を含んでいてよい。さらに駆動モジュールは、駆動装置に供給するためのバッテリ、ならびに装置を、特に駆動装置を制御するための制御ユニットも含んでいてよい。駆動モジュールには通信手段も設けられていてよく、この通信手段を介して外部の操作ユニットを制御ユニットに接続することができる。分配モジュールは、少なくとも容器と、搬送装置と、場合によっては注入装置とを有していてよい。
駆動モジュールと分配モジュールとは、駆動装置が相応の連結手段を介して簡単に直接的にまたは間接的に搬送装置および/または注入装置に連結可能であるように構成されていてよい。このためには例えば、形状接続的なかつ/または摩擦接続的な、プラグ式カップリングを使用することができる。両モジュールは簡単な交換のために、例えばスナップ式カップリングを介して互いに連結可能かつ/または分離可能であってよい。
これは、衛生に関係ない構成要素を含む駆動モジュールを、最初の使用前に、殺菌したりクリーンルームにおいて組み立てたりする必要がないという利点を有している。これにより装置の製造コストおよび購入コストを低減することができる。さらに、駆動モジュールは問題なく再利用可能であるので、これにより装置の運転コストも減じられる。さらにこのような構成は、構造的に改造する場合に、より柔軟性を提供する。全体的に衛生に関連する構成要素を含む分配モジュールは確かに殺菌しなければならない。しかしながら、分配モジュールは過剰に複雑な構成要素を含んでいないので、僅かなコストで製造可能であり、一度の使用後に廃棄することができる。
駆動モジュールと分配モジュールとが接続可能に、かつ/または互いに分離可能に構成されているので、使用者による分配装置の使用は依然として簡単なままであると考えられる。その結果として、操作の容易性および患者の安全性を維持しながら、装置の購入コストおよび運転コストを下げることができる。
本発明はさらに、特に無菌条件下で流体を分配するための上記説明した装置の使用に関する。
本発明のさらなる利点および個々の特徴は、以下の実施例の説明および図面により明らかである。
従来技術による搬送装置を示す図である。 従来技術による搬送装置の別の例を示す図である。 従来技術による搬送装置の別の例を示す図である。 本発明による装置の斜視図である。 本発明による装置の搬送装置を簡略化して示す図である。 本発明による装置の搬送装置を簡略化して示す図である。 図4に示した本発明による装置の斜視断面図である。 図4および図6に示した搬送装置の平面図である。 図4、図6、および図7に示した搬送装置の側面図である。 本発明による装置により凍結乾燥物を還元するステップの順序を示す斜視図である。 本発明による装置により凍結乾燥物を還元するステップの順序を示す斜視図である。 本発明による装置により凍結乾燥物を還元するステップの順序を示す斜視図である。 本発明による装置により凍結乾燥物を還元するステップの順序を示す斜視図である。 本発明による装置により凍結乾燥物を還元するステップの順序を示す斜視図である。 本発明による装置により凍結乾燥物を還元するステップの順序を示す斜視図である。
図1には、従来技術による搬送装置が示されている。前記搬送装置はシリンダ4を有していて、このシリンダ内にはピストン9,10が長手方向摺動可能に収容されている。ピストン9,10は、これらピストンの端面11,12とシリンダ内壁13とによって、可変の流体容積14を取り囲んでいる。ピストン9,10はそれぞれ3つのシール部材16,16’,16’’を有しており、これらシール部材は、シリンダ内壁13との摺接領域を密閉している。ピストン9,10は、ピストンロッド17,18によって駆動される。シリンダ4には、長手方向軸線Lに沿ってずらされて配置された2つの開口5,6が設けられている。シール部材16,16’は、シール部材16と16’との間に形成される中間室19の位置に応じて、開口5と6との間で直接接続が形成されるように、ピストン9,10に互いに間隔を置いて配置されることがわかる。これにより、図示したように、例えば開口6から開口5への流体の制御されない直接的な溢流が生じる恐れがある。
図2および図3は、従来技術による搬送装置の別の欠点に関するものである。前記装置は、第1のステップで、シリンダ4に設けられた開口7から流体を吸引して、開口6を介して容器3に流体を搬送することができるように設計されている。第2のステップでは、容器3から開口5への流体の搬送が行われる。容器3に流体が充填されるとき、開口6では、流体圧、例えば静水圧が形成される。図2では、前記装置が、開口7から開口6へ同じ方向に同時にピストン9,10を摺動させる状態で示されている。このような過程において、開口6は、シール部材16と16’との間に形成された中間室19に流体連通されることがわかる。中間室19には気体が、通常は空気が充填されている。気体は圧縮可能であり、開口6には流体圧がかけられるので、気体が圧縮され、流体が中間室19へと進入する。図3には、中間室14から容器3への流体の流出が示されている。この場合、ピストン9は定置に保持され、一方、ピストン10は、ピストン9,10の間に形成されている容積14を減じるように、ピストン9に向かって動かされる。シール部材16,16’の間に形成された中間室19は今や開口5に流体連通されることがわかる。図2に示したステップでは、容積19内にまだ圧縮された流体混合物が存在しているので、開口5から制御されない流出が生じる。したがって、全体として、開口6から開口5への流体の制御されない間接的な溢流が生じる。
図4には、本発明による装置1が示されている。前記装置1は、搬送装置2と容器3とを有しており、容器3はこの場合、折り畳み可能なバッグとして形成されている。搬送装置2はシリンダ4から成っていて、このシリンダ内には両ピストン9,10が長手方向摺動可能に収容されている。ピストン9,10はこの図では見えていない。しかしながら、ピストンに接続されたピストンロッド17と18とは見えている。図示した実施例では、シリンダ4は、長手方向でずらされて配置された全部で4つの開口5,6,7,8を有している。開口8’はこの場合、袋孔であって、この袋孔では、シリンダ4の壁は貫通されていない。搬送装置2の構成に応じて、開口8および/または開口8’における貫通部が設けられてよい。開口5は通路21を介して分配開口15に流体接続されている。開口6は容器3に流体連通している。開口7,8も容器に、特に小型瓶に、流体連通することができる。
図5aおよび図5bには、本発明による装置1のための搬送装置2が単純化されて示されている。図5aでは、シール部材16と16’との間の、もしくは16’と16’’との間の内側間隔diが最大でも、第2の開口6と第3の開口7との間の間隔a1と同じであるように選択されている。開口6と開口7との間の直接的な流体接続はこれにより形成され得ず、これにより流体の意図しない溢流は阻止される。図5bによりわかるように、第1の開口5と第2の開口6との間の間隔a2は、シール部材16と16’との間の側方間隔ds以上であるように選択されている。これにより、たとえ開口6に流体圧がかけられたとしても、開口6から開口5への流体の意図しない間接的な溢流を阻止することができる。したがって図5aおよび図5bに示された搬送装置2は、第1のステップで、第3の開口7から第2の開口6へと流体を搬送するのに適している。第2のステップでは、流体を第2の開口6から第1の開口5へと搬送することができる。本発明による装置1では、第1の開口5は装置1の分配開口に流体連通させることができ、第2の開口6は容器に流体連通させることができる。
図6により、図4に示した搬送装置2のいくつかの詳細が示されている。シリンダ4は全部で4つの開口5,6,7,8を有しており、ここではそのうちの開口6と7だけが見えている。開口8’は袋孔として構成されている。両ピストン9,10は弾性的な材料から成っていて、ピストンロッド17,18の上に被せ嵌められている。各ピストンには4つのシール部材16,16’,16’’,16’’’が一体的に形成されている。説明した図面では、2つのシール部材の間の内側間隔diと、側方間隔dsとが示されている。さらに個々のシール部材16,16’,16’’,16’’’が幅bを有していることがわかる。
図7には、図4および図6に示した本発明による装置1の搬送装置2の平面図が示されている。このような視点からは4つ全ての開口5,6,7,8を見ることができる。さらに、開口8’が袋孔として構成されていることも明らかである。第2の開口6と第3の開口7との間の間隔a1は、第3の開口7と第4の開口8との間の間隔に等しい。第1の開口5と第2の開口6との間の間隔a2は、間隔a1よりも大きい。図8は、図7に示した搬送装置2を選択的な側面図で示している。この図面では、ピストンロッド17,18における歯列成形部20がよくわかる。この歯列成形部20を介して、本明細書においては詳しく説明しない送り駆動装置がピストンロッド17,18に作用することができる。
図9には、図4、図6、図7、図8に示した本発明による装置1が示されており、この装置には、凍結乾燥物を有した第1の容器22と、溶剤を有した第2の容器23とが、連結エレメント24,25を介して接続されている。図10に示した図では、容器23内に存在している溶剤が、容器22内に存在している凍結乾燥物を溶解させるために、搬送装置2によって開口8から開口7へと搬送される。図11ではこのような過程が終了する。全ての溶剤が容器23から容器22へと搬送され、容器22では凍結乾燥物が完全に溶解されている。図12では、容器22内に保持されている溶液が、搬送装置2によって開口7から開口6へと、ひいては容器3へと搬送される。このために装置1は180°回転(上下反転)されて、容器22内に存在している溶液を完全に搬送装置2により吸い出すことができる。図13では、容器22から、ここでは折り畳み可能なバッグとして形成されている容器3への溶液の搬送が終了している。容器3は明らかに膨らんでいることがわかる。容器22と23ならびに連結エレメント24と25は、図14に示されているように、装置1から取り外すことができる。溶液を、例えば患者に実際に分配するための装置1の取り扱いは、この装置1がより嵩張らないものとなるので著しく簡単になる。実際の分配の際には、溶液の搬送は、容器3から開口6を介して開口5へ、ひいてはさらに通路21を介して分配開口15へと行われる。

Claims (10)

  1. 特に無菌条件下で、流体を分配するための装置(1)であって、搬送装置(2)と、可変の内容積を有する容器(3)とを有しており、前記搬送装置(2)は、シリンダ(4)であって、長手方向中心軸線(L)に沿って配置された少なくとも3つの一連の開口(5,6,7,8)を備えていて、前記開口を介して前記流体を搬送可能であるシリンダ(4)と、第1および第2のピストン(9,10)とを有しており、前記第1および第2のピストン(9,10)は、前記長手方向中心軸線(L)に沿って摺動可能に前記シリンダ(4)内に配置されており、シリンダ内壁(13)の一区分と共に、前記ピストンの端面(11,12)の間に可変の流体容積(14)を画定している、流体を分配するための装置(1)において、
    第1の開口(5)が前記装置(1)の分配開口(15)に、第2の開口(6)が前記容器(3)に流体連通可能であり、前記第1および第2のピストン(9,10)はそれぞれ、長手方向でずらされて配置された少なくとも3つのシール部材(16,16’,16’’)を有しており、前記シール部材は前記シリンダ(4)を密閉しており、1つのピストン(9,10)における互いに隣接するシール部材(16,16’もしくは16’’,16’’’)が有する内側間隔(di)は最大でも、2つの隣接する開口(5,6もしくは6,7)の間の最短の間隔(a1)と同じ大きさであることを特徴とする、流体を分配するための装置(1)。
  2. 前記シール部材(16,16’,16’’)は前記ピストン(9,10)に等間隔に配置されている、請求項1記載の装置(1)。
  3. 前記第1の開口(5)と前記第2の開口(6)との間の間隔(a2)は、前記ピストン(9,10)における互いに隣接する2つのシール部材(16,16’もしくは16’,16’’)の間の側方間隔(ds)と同等以上の大きさである、請求項1または2記載の装置(1)。
  4. 前記シール部材(16,16’,16’’)は、前記開口(5,6,7,8)の長手方向の延在長さ(d)と、特に直径と同等以上の幅(b)を有している、請求項1から3までのいずれか1項記載の装置(1)。
  5. 前記第1および第2のピストン(9,10)はそれぞれ少なくとも、前記シリンダ(4)が有している開口(5,6,7,8)の数と同じ数の、長手方向でずらされて配置されたシール部材(16,16’,16’’)を有している、請求項1から4までのいずれか1項記載の装置(1)。
  6. 前記搬送装置(2)は、長手方向中心軸線(L)に沿って配置された4つの一連の開口(5,6,7,8)を備えたシリンダ(4)を有していて、前記開口を介して前記流体を搬送可能であり、第3の開口(7)は容器(22)に、特に凍結乾燥物を保持する小型瓶に流体連通可能であり、第4の開口(8)は、容器(23)に、特に溶剤を保持する小型瓶に流体連通可能である、請求項1から5までのいずれか1項記載の装置(1)。
  7. 前記搬送装置(2)は、少なくとも1つの搬送駆動装置によって駆動可能であり、好適には前記第1のピストン(9)は第1の搬送駆動装置によって、前記第2のピストン(10)は第2の搬送駆動装置によって、駆動可能である、請求項1から6までのいずれか1項記載の装置(1)。
  8. 患者に流体を、好適には連続的に、皮下に投与するための注入装置を有している、請求項1から7までのいずれか1項記載の装置(1)。
  9. 使用者によって接続可能かつ/または互いに分離可能に形成された駆動モジュールおよび分配モジュールを有しており、前記駆動モジュールは場合によっては、前記搬送装置の少なくとも一部を、特に回転駆動装置を、かつ/または場合によっては注入装置の装着駆動装置を含み、前記分配モジュールは、少なくとも前記容器(3)と、前記搬送装置(2)と、場合によっては前記注入装置とを含む、請求項1から8までのいずれか1項記載の装置(1)。
  10. 特に無菌条件下での、流体の分配のための、請求項1から9までのいずれか1項記載の装置(1)の使用。
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