実施例1において、植込み型医療装置であって、患者の副腎又は副腎周囲結合組織に係合するように構成されたリードレス本体部分と、リードレス本体部分と共に配置され、副腎内のクロム親和性細胞からのカテコールアミン放出を調節するための刺激エネルギを送達するように構成された少なくとも1つの電極と、を含む植込み型医療装置。
実施例2において、リードレス本体部分は、副腎の被膜又は副腎周囲結合組織に取り付けるように構成された実施例1の植込み型医療装置。
実施例3において、リードレス本体部分は、副腎周囲結合組織、副腎の被膜の外面、副腎の被膜の内面、及び副腎の被膜の内面と副腎の被膜の外面との間の少なくとも1つに取り付けるように構成されている、実施例2の植込み型医療装置。
実施例4において、リードレス本体部分は、それに対する機械的アタッチメント及び粘着的アタッチメントの少なくとも1つによって患者の副腎に係合するように構成された、実施例1から3のいずれかの植込み型医療装置。
実施例5において、リードレス本体部分は、それに対する機械的な取り付けのためのバーブ、剛性螺旋、及び少なくとも1つの爪の少なくとも1つをさらに含む、実施例4の植込み型医療装置。
実施例6において、リードレス本体部分が第1側面及び第2側面を備え、リードレス本体部分が、リードレス本体部分の第1側面及び第2側面の少なくとも一方に配置された複数の爪を備える実施例5の植込み型医療装置。
実施例7において、複数の爪は、展開システムからの展開に応じて副腎又は副腎周囲結合組織に係合するように展開形態に展開され、展開システム内への格納に応じて送達形態に折り畳まれるように構成された実施例6の植込み型医療装置。
実施例8において、複数の爪の少なくとも1つは、リードレス本体部分と共に配置され、副腎内のクロム親和性細胞からのカテコールアミン放出を調節する刺激エネルギを送達するように構成された電極である、実施例6の植込み型医療装置。
実施例9において、リードレス本体部分が第1側面及び第2側面を含み、少なくとも1つの電極が第1側面に配置され、リードレス本体部分は、リードレス本体部分の第2側面に配置されて副腎に機械的に取り付けられるように構成された複数の突起をさらに含む実施例1から8のいずれかの植込み型医療装置。
実施例10において、複数の突起がリードレス本体部分の第2側面に対して傾斜している実施例9の植込み型医療装置。
実施例11において、複数の突起がリードレス本体部分の第2側面に垂直である実施例9の植込み型医療装置。
実施例12において、リードレス本体部分が第1側面及び第2側面を含み、少なくとも1つの電極が第1側面に配置され、リードレス本体部分の第2側面は、副腎に機械的に取り付けるために副腎に係合するように構成された粗面を含む実施例1から11のいずれかの植込み型医療装置。
実施例13において、リードレス本体部分が、第1端部、第2端部、及び第1端部と第2端部との間の中間部を含み、第1端部及び第2端部は、中間部より大きな可撓性を有する実施例1から11のいずれかの植込み型医療装置。
実施例14において、リードレス本体部分の第1端部及び第2端部が、機械的な取り付けのために副腎との係合を強化するように構成された実施例13の植込み型医療装置。
実施例15において、少なくとも1つの電極が、個別に絶縁された複数の電極を有するコイル構造を備えるパッチ電極を含む、実施例1から14のいずれかの植込み型医療装置。
実施例16において、リードレス本体部分と、前記リードレス本体部分と共に配置され、患者の副腎又は副腎周囲結合組織と係合するように構成された機械的取り付け構造と、リードレス本体部分と共に配置され、副腎内のクロム親和性細胞からのカテコールアミン放出を調節するための刺激エネルギを送達するように構成された少なくとも1つの電極と、を含む植込み型医療装置。
実施例17において、機械的取り付け構造が、バーブ、剛性螺旋及び少なくとも1つの爪の少なくとも1つを含む、実施例16の植込み型医療装置。
実施例18では、リードレス本体部分は第1側面及び第2側面を含み、機械的取り付け構造はリードレス本体部分の第2側面に配置された複数の爪を含む実施例16の植込み型医療装置。
実施例19において、複数の爪は、展開システムからの展開に応じて副腎又は副腎周囲結合組織に係合するように展開形態に展開され、展開システム内への退避に応じて送達形態に折り畳まれるように構成された実施例18の植込み型医療装置。
実施例20において、複数の爪の少なくとも1つは、リードレス本体部分と共に配置され、副腎内のクロム親和性細胞からのカテコールアミン放出を調節する刺激エネルギを送達するように構成された電極である実施例18の植込み型医療装置。
実施例21において、リードレス本体部分が第1側面及び第2側面を含み、少なくとも1つの電極が第1側面に配置され、機械的取り付け構造は、リードレス本体部分の第2側面に配置されて副腎に機械的に取り付けられるように構成された複数の突起を含む実施例16のいずれかの植込み型医療装置。
実施例22において、複数の突起は、リードレス本体部分の第2側面に対して傾斜していること、及びリードレス本体部分の第2側面に垂直であること、の少なくとも一つを含む実施例21の植込み型医療装置。
実施例23において、リードレス本体部分が第1側面及び第2側面を含み、少なくとも1つの電極が第1側面に配置され、リードレス本体部分の第2側面は機械的取り付け構造を含み、機械的取り付け構造は、機械的取り付けのために副腎を係合するように構成された粗面を含む実施例16の植込み型医療装置。
実施例24において、リードレス本体部分が、第1端部、第2端部、及び第1端部と第2端部との間の中間部を含み、第1端部及び第2端部は、中間部より大きな可撓性を有する実施例16のいずれかの植込み型医療装置。
実施例25において、リードレス本体部分の第1端部及び第2端部が、機械的な取り付けのために副腎との係合を強化するように構成された実施例24の植込み型医療装置。
実施例26において、副腎刺激システムであって、電気刺激治療を患者に送達するように構成されたリードレス植込み型装置を含み、リードレス植込み型装置は本体部分と、前記リードレス本体部分と共に配置され、患者の副腎又は副腎周囲結合組織に係合するよう構成された機械的取り付け装置と、本体部分と共に配置され、副腎内のクロム親和性細胞からのカテコールアミン放出を調節する刺激エネルギを送達するように構成された少なくとも1つの電極と、少なくとも1つの生理的パラメータを測定し、それに応答して刺激エネルギを変更するように構成された生理学的センサと、を含む副腎刺激システム。
実施例27において、リードレス植込み型装置が、無線信号を通信するように構成された通信コンポーネントをさらに含む実施例26のシステム。
実施例28では、無線信号を通信コンポーネントに送信するように構成された共移植装置をさらに含み、無線信号が、カテコールアミンの代謝時間に基づくデューティサイクルで刺激エネルギを送達するように、少なくとも1つの電極に指示するデータを含む実施例27のシステム。
実施例29において、共移植装置は、刺激エネルギを送達するように少なくとも1つの電極に指示する無線信号を介して、2Hzと20kHzとの間の周波数でデータを送信するようにさらに構成された、実施例28のシステム。
実施例30において、生理学的センサは患者の心拍数、患者の心拍変動、患者の呼吸数、患者の活動度、患者のカテコールアミンレベル、患者のメタネフリンレベル、患者の体温、患者の心拍出量、及び患者の動脈圧の少なくとも一つを測定するよう構成される実施例26のシステム。
実施例31において、患者の副腎の治療を行う方法であって、その方法は、機械的な取り付け構造を含むリードレス植込み型医療装置を副腎に提供することと、リードレス植込み型医療装置を、機械的な取り付け構造を介して副腎又は腹腔全体の結合組織に取り付けることと、副腎内のクロム親和性細胞からのカテコールアミン放出を調節するために複数の電極リードレス植込み型医療装置の少なくとも1つを介して刺激エネルギを送達することと、を含む。
実施例32において、リードレス植込み型医療装置の一部を取り付けることは、リードレス植込み型医療装置の一部を副腎の被膜に取り付けることを含む、実施例31の方法。
実施例33において、リードレス植込み型医療装置の一部を被膜に取り付けることは、リード線本体を、副腎の被膜の外面、副腎の被膜の内面、及び副腎の被膜の内面と外面の間の少なくとも一つに取り付けることを含む、実施例32の方法。
実施例34では、機械的取り付け構造が、バーブ、剛性螺旋及び少なくとも1つの爪のうちの少なくとも1つを含む実施例31の方法。
実施例35では、機械的取り付け構造が、リードレス植込み型医療装置と共に配置された複数の突起を含む実施例31の方法。
複数の実施形態が開示されているが、本開示のさらに他の実施形態は、本開示の例示的実施形態を示し、記載している以下の詳細な説明から当業者に明らかであろう。従って、図面及び詳細な説明は、本質的に例示的であり、限定的ではないと見なされるべきである。
本開示は様々な修正及び代替形態に変更可能であるが、特定の実施形態は図面の例として示されており、以下に詳細に説明される。しかしながら、その意図は記載される特定の実施形態に本開示を限定するものではない。逆に、本開示は、添付の特許請求の範囲によって定義される開示の範囲内に入る全ての修正、等価物、及び代替物をカバーすることが意図されている。
ここで使用される用語は、測定範囲(直前に開示されたものなど)に関して使用されるため、「約」及び「およそ」は交換可能に使用され、記載された測定値を含む測定値、及び記載された測定値に合理的に近い任意の測定値を含む測定値に言及するが、測定誤差、測定の違い及び/又は製造設備較正、測定値の読み取り及び/又は設定における人為的誤差、他の構成要素、特定の実施シナリオ、人又は機械によってオブジェクトの不正確な調整及び/又は操作などに関連する測定値の差異を考慮した、性能及び/又は構造パラメータを最適化するために行われる調整に起因するとして当業者に理解され又は容易に確認されるような、合理的に少ない量で異なり得る。
「ブロック」という用語は、ここでは例示的に使用される様々な要素を内包するために使用され得るが、ここで開示される様々なブロックのいずれかの要求、又はその間の特定の順序を意味するものとして解釈されるべきではない。同様に、例示的な方法は、1つ又は複数の図面(例えば、フロー図、通信フローなど)によって表され得るが、ここに開示された様々なステップのいずれかの要求又はその間の特定の順序を意味するものとして解釈されるべきではない。しかし、特定の実施形態では、本明細書に明示的に記載されているように、及び/又はステップ自体の性質から理解できるように(例えば、いくつかのステップの実行は、前のステップの結果に依存している)、特定のステップ間の特定のステップ及び/又は特定の順序を必要とすることがある。さらに、アイテム(例えば、入力、アルゴリズム、データ値など)の「セット」、「サブセット」又は「グループ」は、1つ又は複数のアイテムを含むことができ、同様に、アイテムのサブセット又はサブグループは、1つ又はそれ以上のアイテムを含み得る。「複数」は1つより多いことを意味する。
本開示の様々な態様は、患者の副腎の神経内分泌の調節に向けられた装置、方法及びシステムに関する。神経伝達物質又は神経ホルモン機能障害を伴う慢性疲労症候群及び線維筋痛症及び他の疾病状態の疼痛又は非疼痛の症状のための、クロマ親和性細胞膜の脱分極又は内臓神経のための刺激は、副腎髄質内で効果を奏する。副腎髄質内のクロム親和性細胞は、カテコールアミン(例えばノルエピネフリン、エピネフリン)を合成、貯蓄及び分泌する。副腎の刺激はいくつかのカテコールアミン生合成酵素活動の増加をもたらして又は遮断作用を産生して、カテコールアミンの生合成又はクロム親和性細胞のエキソサイトーシスの割合の増加又は減少をもたらし、それによりカテコールアミン又は他のクロム親和性細胞由来のクロム親和性顆粒成分の分泌又は遮断を引き起こす。
図1は、本開示の実施形態による、患者の副腎104の一部に取り付けられた植込み型医療装置(IMD)102を含む植込み型システムの概略図である。図1に示す解剖学的構造100は、患者の大静脈112及び大動脈114の両側に位置する患者の腎臓108,110の上に位置する副腎104,106(ゲロタ筋膜を含む)を含む。IMD102は、副腎104(又は副腎周囲結合組織)に係合するように構成されたリードレス本体部分116と、リードレス本体部分に配置された少なくとも1つの電極118とを含んでよい。電極118は、副腎104内のクロム親和性細胞からのカテコールアミン放出を調節するために刺激エネルギを送達するように構成されてよい。より具体的には、IMD102は、副腎の状態と関連する可能性が高いと識別される副腎の一部を含む治療場所を標的とするように構成されてよい。例えば、慢性疲労症候群、線維筋痛、起立不耐症、過敏性腸症候群(IBS)、クローン病、気分障害/うつ病、又は神経伝達物質又は神経ホルモン障害を伴う他の疾患状態などの障害の治療に使用される実施では、臨床医は障害に関連する患者の副腎104,106の一方又は両方の領域の近く又はその領域にIMD102を挿入し得る。IMD102は、電極118を介し、選択された領域に刺激エネルギを送達することができる。
図1に示すように、IMD102は、無線電極刺激器アセンブリである。システム100はまた、IMD102と通信するように構成されたコントローラ120を含んでよい。特定の例では、コントローラ120は共移植されてもよく、患者及び/又はコントローラ120に関する治療及び/又は診断データを提供してよい。他の例では、コントローラ120は、患者の外部に配置されてよい。IMD102は、副腎104の電気的活動を検知して分析し、ペーシング電気パルスを送達する必要があるかどうか/又は必要であるときを判断し、及び複数のIMD102(上記のように構成されている)を有する場合、そのIMD102によってパルスが送達される。複数のIMD102を有する実施形態では、IMD102は患者の他の副腎106の一部に取り付けられてよい。検知能力は、コントローラ120の物理的アセンブリ内に検知電極を含むことによって可能にし得る。特定の例では、IMD102は、検知能力を含むことができ、検知された情報を他のIMD102及びコントローラ120の少なくとも一方に伝達することができる。そのような場合、IMD102は、追加の電極122を含んでよい。電極118及び/又は追加電極122のいずれも、刺激エネルギを提供するように、又は副腎104について情報を感知するように構成され得る。特定の例では、IMD102は、2つ以上の追加の電極122を含んでよい。特定の例では、コントローラ120は、刺激エネルギトリガ信号、ペーシング振幅情報、及びパルス幅情報などの充電エネルギ及びデータを、無線周波(RF)通信、音響通信、誘導通信、電気通信、マイクロ波通信、導電通信などを介してIMD102に送信することができる。
特定の例では、IMD102のような植込み型システムは、単極、多極(例えば、双極、四極など)であってもよく、単極又は多極動作が選択され得るように構成可能であってよい。多極システムでは、IMD102の電極118と電極122のうちの一方が電気システムの1つの極として機能し、電気システムの第2極が電極から遠隔に配置されてよい。例えば、電気システムの第2極は、IMD102のハウジング上に、又はIMD102に接続されたワイヤ上に配置され得る。多極装置のための様々な他の形態は当技術分野で知られている。
双極システムでは、IMD102は、電極118及び電極122を使用してよい。例えば、電極118及び電極122は、先端電極及びリング電極としてIMD102の本体上に配置されてよい。電極118及び電極122は、IMD102の2つの電気ポールとして働くことができる。双極電極のための様々な他の形態が、当該技術分野において知られている。電極118及び電極122はまた、副腎104の特定の生理学的属性を感知するように構成されてよい。例えば、患者のカテコールアミンレベルは、電極118及び電極122のうちの一方によって受け取られ、遠隔地(例えば、コントローラ120)に送信されることが可能である。さらに、当技術分野で知られている他の検知機構は、IMD102内に、上に又はその近くに配置されてもよく、IMD102と直接通信することができ、及び/又はコントローラ120と直接通信することができるような例えば生理学的センサ、圧力センサ、動作センサ、活動センサ、姿勢センサなどを含んでよい。
場合によっては、IMD102は、送信機を含むコントローラ120からの通信及び/又はエネルギを受信することができる内部受信機を有する。コントローラ120は、IMD102に適切な時変エネルギ(例えば、電流又は電圧)を供給するパルス発生器を含むことができる。IMD102は、電気エネルギを蓄えるための電源を含むことができ、また、副腎に蓄えられた電気エネルギを送達するトリガ機構を有してよい。IMD102は、刺激エネルギがコントローラ120を介して送信され、IMD102に貯蓄され、コントローラ102からのプロンプトに応答して刺激されるようなパッシブ刺激器であってよい。他の例では、IMD102はアクティブ刺激器であってもよく、その中に含まれる制御回路(例えば、図2〜図3にさらに詳細に記載されるように)に基づいて刺激を提供してよい。
ある特定の例では、上述したように、複数のIMD102が植込まれ、両方の副腎104,106に刺激を加えることができる。コントローラ120は、刺激エネルギの1つのIMD102への送達を指示して、一度に副腎104,106のうちの一つを刺激してよい。さらに、コントローラ120は、(例えば、患者のフィードバックに基づいて、及び/又は患者のカテコールアミン又はカテコールアミン代謝物のレベルを測定することによって)IMD102のうちのどのIMD102が所望の応答を達成するかを判定するためにIMD102の間でテストしてよい。より具体的にある場合には、副腎104,106のうちの1つは、副腎104,106のうちの他の1つよりも刺激に対して良好に応答する可能性がある。従って、コントローラ120は、IMD102を介した刺激の送達を変更して、副腎104,106の一方又は両方を標的にして所望の応答を達成してよい。さらに、IMD102は、同時に、副腎104,106の両方を刺激してもよく、又はそれに適用される刺激を(例えば、デューティサイクルに従って)ずらしてよい。場合によっては、IMD102による副腎104,106の調整された刺激は、副腎104,106の適応/耐久力/疲労による経時的に有効性が低下する可能性を低下させ得る。
図2は、(例えば、図1に示すIMD102のような)IMD200と、共移植された装置202とを含むシステムのブロック概略図である。図2に示すように、IMD200は、構成要素のセット206に電気エネルギを提供する電源204を含む。構成要素のセット206は、コントローラ208、メモリ210、通信コンポーネント212、治療回路214、及び生理学的センサ216を含む。図2に示すように、治療回路214は、電極218及び220に結合され、刺激エネルギを電極に提供するように構成され、今度は電極が患者の身体(例えば、副腎)にエネルギを提供する。IMD200は、2つより多い電極を含んでよい。電源204は、電気エネルギを貯蓄するように構成され、生理学的センサ216は、電源204によって電力供給され、コントローラ208に結合される。電源204は、1つ又はそれ以上の電池、コンデンサなどを含んでよい。場合によっては、IMD200は、生理学的パラメータを感知するために、例えば、1つ又はそれ以上のセンサ及び/又は電極218及び220に結合された1つ又は複数のセンサ回路(図示せず)などの他の構成要素を含んでよい。
以下でさらに詳細に説明するように(例えば、図4を参照)、生理学的センサ216は、1つ又はそれ以上の生理学的信号を捕捉するように構成されてよい。生理学的信号には、患者の心拍数、患者の心拍変動(呼吸によるS1/S2振幅の変調など)、患者の呼吸数、患者の活動レベル、患者のカテコールアミンレベル(例えば化学センサ)、メタネフリンレベル、メタネフリン:クレアチニン(尿)比レベル、患者の体位、患者の体温、患者の心拍出量、及び患者の動脈圧、又はそれらの任意の組み合わせ(例えば、心拍数/呼吸数比)が含まれ得る。生理学的センサ216はまた、カテコールアミンレベルの他の現れを測定すること、すなわち線維筋痛(例えば、疲労によって示されるような)、慢性疲労、睡眠時無呼吸などの神経ホルモン又は神経伝達物質の機能不全を有する様々な疾患状態の疼痛もしくは非疼痛症状のような症状を測定してよい。上記の生理学的応答の変化は、カテコールアミンの代謝及びエキソサイトーシスの調節を必要とし得る。従って、生理学的センサ216は、治療回路214を介して電極218及び220を通じて提供される刺激エネルギを調節し得るコントローラ208に結合される。
共移植装置202は、IMD200と無線通信するための回路及び1つそれ以上の送信器及び/又は受信器を有する通信コンポーネント222を含む。IMD200の通信コンポーネント212は、1つ又はそれ以上の植込み型共移植装置(例えば、図1に示されたコントローラ120)を含む共移植装置202との無線通信228を容易にするために共に機能するトランシーバ224及びアンテナ226(又は複数のアンテナ)を含む。場合によっては、通信コンポーネント212は、例えば、IMD間の調整された動作を容易にするなど、他のIMD200(例えば、他のIMD)との通信を容易にし得る。通信コンポーネント212は、1つ又はそれ以上の送信機、受信機、トランシーバ、トランスデューサなどを含むことができ、例えば、無線周波数(RF)通信、マイクロ波通信、赤外線通信、音響通信、誘導通信、導電通信などの任意の数の異なるタイプの無線通信を容易にするように構成されてよい。通信コンポーネント222は、IMD200との無線通信(例えば、RF、マイクロ波、音響など)を容易にすることに加えて、プログラミング装置などの外部装置との無線通信を容易にすることができ、それにより情報が共移植された装置202に提供され又は外部装置に供給されてよい。特定の場合では、通信コンポーネント222は、共移植装置202上又はその中に、又は取り付けられたリード(図示せず)の遠位部分に配置されたアンテナを含んでよい。
一実施形態では、共移植装置202は、例えば、処理ユニット、パルス発生器などを含むコントローラ230を含む。コントローラ230は、プログラム可能なマイクロコントローラ又はマイクロプロセッサであってよく、1つ又はそれ以上のプログラム可能なロジック装置(PLD)又は特別仕様の集積回路(ASIC)を含んでよい。コントローラ230は、命令を実行し、命令によって特定された所望のタスクを行い得る。コントローラはまた、メモリ232に情報を記憶するように、及び/又はメモリ232から情報にアクセスするように構成されてよい。メモリ232は、揮発性及び/又は不揮発性メモリを含み、コントローラ230によって実行されると、方法及びプロセスが共移植装置202によって実行されるようにする命令を記憶することができる。例えば、コントローラ230は、IMD200による電気刺激療法の送達を制御するためにメモリ232に記憶された命令及び/又はデータを処理することができる。さらに、共移植装置202は、例えば、電極236及び238、センサ(図示せず)、又はこれらの組み合わせに結合することができるセンサ/治療回路234を使用して、生理学的パラメータを感知し、及び/又は治療を送達し得る。場合によっては、センサ/治療回路234は実際には複数の回路を含んでよい。メモリ232は、いくつかの実装形態に従って、刺激パラメータ及び検知された情報を記憶するために使用されてよい。共移植装置202はまた、共移植装置202の回路及び構成要素に電力を供給する電源(例えば、バッテリ)(図示せず)を含んでよい。いくつかの実装形態では、コントローラ230は、同様にメモリを含んでよい。本システムは、マイクロプロセッサベースのアーキテクチャを有する共移植装置202と関連して説明されているが、共移植装置202(又は他の装置)は、必要に応じて任意の論理ベースの集積回路アーキテクチャで実施され得ると理解される。
コントローラ230は、デジタル−アナログ(D/A)変換器、アナログ−デジタル(A/D)変換器、タイマ、カウンタ、フィルタ、スイッチなど(図示せず)を含んでよい。コントローラ230、センサ/治療回路234(例えば、検知回路)、メモリ232、及び通信コンポーネント222は共に動作して、共移植装置202と1つ又はそれ以上のリードレス電極アセンブリ(例えば、IMD200)との間の通信を制御して、副腎に刺激エネルギを提供することを容易にする。一実施形態では、コントローラ230は、IMD200に送信される固有の識別子、刺激エネルギ閾値情報、パルス幅情報、トリガ信号、要求刺激エネルギ情報、刺激エネルギタイミング情報などの情報を符号化することができる。
センサ/治療回路234に含まれる検出回路からの情報は、刺激又は通信パラメータを調整することに使用されてよい。検出回路は、患者の副腎の一方又は両方に結合されたセンサから感知された信号を増幅し及びフィルタリングすることができる。検出回路は、1つ又はそれ以上のA/D変換器を含むことができる。いくつかの実施形態では、組織に刺激エネルギを送達するIMD電極は、治療部位における局所的な電圧を感知するために使用される感知電極と同じである。これらの場合、刺激エネルギが送達されているときに検知が一時停止され得る。同様に、通信を受信する送信機/受信機は、いくつかの実装形態によれば、共移植装置202に感知された情報を送信し返す送信機/受信機と同じであってよい。このような場合、通信が受信されるときは送信が一時停止され得る。共移植装置202のセンサ/治療回路234は、例えば、共移植装置202の外面に配置された1つ又はそれ以上のカン又はハウジング電極を含んでよい。
図2に示されている例示的なIMD200及び共移植装置202は、本明細書を通して開示された本開示の実施形態の使用又は機能の範囲に関するいかなる限定を示唆する意図ではない。また、例示的なIMD200及び共移植装置202は、その中に示された任意の単一の構成要素又は構成要素の組合せに関するいかなる依存又は要求を有すると解釈されるべきではない。例えば、実施形態では、例示的なIMD200は、例えばセンサ回路(図示せず)などの追加の構成要素を含むことができ、コントローラ208を含むことができる。さらに、図2に示されたあらゆる1つ又はそれ以上の構成要素は、いくつかの実施形態では、そこに示された様々な他の構成要素(及び/又は図示されていない構成要素)のうちの一つと一体化することができる。任意の数の他の構成要素又は構成要素の組合せを、図2に示す例示的なIMD200及び/又は共移植装置202と一体化することができ、これらの全ては、本開示の範囲内にあると考えられる。
図3は、本開示の実施形態の態様によるIMD300の概略ブロック図である。図3に示すように、IMD300は、IMD300の動作回路304を駆動する電源302を含む。動作回路304は、メモリ308に結合されたコントローラ306を含む。コントローラ306に結合された発振器310は、タイミング機能をコントローラ306に提供するためのクロック機構として使用することができる。特定の例では、発振器310と同様に、又はそれに加えて、他のタイプのクロック機構を使用することができる。動作回路304はまた、通信コンポーネント312、治療回路314、及び生理学的センサ316を含む。図3に示すように、治療回路314は、電極318及び320に結合され、刺激エネルギを電極に提供し、今度は電極が患者の副腎にエネルギを提供するよう構成される。IMD300は、2つより多い電極を含むことができる。さらに、通信コンポーネント312は、図2に示す通信コンポーネント212と同様であり、トランシーバ及びアンテナを含んでよい。特定の場合には、図3に示す任意の数の構成要素が、図2に示される同様の名前の構成要素と同様であってもよく、又は含んでいてよい。IMD300は、例えばセンサ回路のような任意の数の追加の構成要素を含むことができる。
以下でさらに詳細に説明するように(例えば、図4を参照)、生理学的センサ316は、1つ又はそれ以上の生理学的信号を捕捉するように構成されてよい。生理学的センサ316は、治療回路314を介し、電極318及び320を通じて提供される刺激エネルギを調節し得るコントローラ306に結合される。生理学的信号は、患者の心拍数、患者の心拍変動(呼吸を伴うS1/S2振幅の変調など)、患者の呼吸速度、患者の活動レベル、患者のカテコールアミンレベル(例えば化学センサ)、メタネフリンレベル、メタネフリン:クレアチニン(尿)比レベル、患者の身体位置、患者の体温、患者の心拍出量、及び患者の動脈圧、又はそれらの任意の組み合わせ(例えば、心拍数/呼吸速度比)を含む。生理学的センサ316はまた、カテコールアミンレベル、又は様々な疾患状態の疼痛又は非疼痛症状の他の現れを測定してよい。上記の生理学的応答の変化は、カテコールアミンの代謝及びエキソサイトーシスの調節を必要とし得る。
図4Aは、本開示の実施形態による例示的なリードレス植込み型医療装置400の図である。リードレス植込み型医療装置400は、患者の副腎414(図4Bに示す)と係合するように構成されたリードレス本体部分402を含むことができる。リードレス植込み型医療装置400はまた、リードレス本体部分402と共に配置された複数の電極404を含むことができる。さらに、リードレス植込み型医療装置は、無線信号を用いてコントローラ410に通信可能に接続されてよい(詳細は後述する)。コントローラ410は、リードレス植込み型医療装置400と共移植されてもよく、コントローラ410は、患者の入力を可能にする外部装置であってよい。さらに、リードレス植込み型医療装置400は、複数のコントローラ410に通信可能に接続されてもよく、又はリードレス植込み型医療装置400は、コントローラ410を含んでよい(例えば、図2、図3を参照して上述したように)。
1つ又はそれ以上の複数の電極404は、患者の副腎414内のクロム親和性細胞からのカテコールアミン放出を調節する刺激エネルギを送達するように構成されてよい。刺激エネルギは、一セットの刺激パラメータに従って、複数の電極404のうちの1つ又はそれ以上のパルス状の電気波形の形態であり得る。リードレス本体部分402は、そこにプログラムされ、リードレス本体部分402に含まれるコントローラ回路に送信され、制御回路に転送されるようなコントローラ回路(図2、図3を参照して上記にて詳細に説明したような)などを含むことができる。さらに、複数の電極404のうちの1つ又はそれ以上は、送達された刺激エネルギの結果として放出されたカテコールアミンを感知するように、又は送達された刺激エネルギによって影響を受けるバイオマーカを感知するように構成され得る。放出されたカテコールアミンの感知されたレベルは、所望のカテコールアミン放出レベルを達成するために刺激エネルギを変えることができるコントローラ回路にフィードバックとして提供されてよい。
複数の電極404のどれが、アノード(正)、カソード(負)、オン、オフ(ゼロ)、各電極に割り当てられた刺激エネルギのパーセンテージ(分断化電極形態)、及び/又はパルス振幅を規定する電気パルスパラメータ(コントローラ回路が複数の電極404の1つ又はそれ以上に定電流又は定電圧を供給するかどうかに依存してミリアンペア又はボルトで測定される)、パルス持続時間(マイクロ秒で測定)、脈拍数(パルス/秒で測定)、脈拍波形、及び/又はバースト速度(刺激オン持続時間X及び刺激オフ持続時間Yとして測定される)として活性化されているかを定義するような、例えば電極の組み合わせを刺激パラメータは含んでよい。制御回路は、複数のチャネル又は1つのチャネルのみにわたって複数の電極404の1つ又はそれ以上に刺激エネルギを送達することができる。刺激エネルギは、治療領域を同定するため、及び/又は同定された治療領域に刺激療法を提供するため、又は治療領域を経時的に変更して1つの場所での疲労を防ぐために使用され得る。
特定の例では、(コントローラ回路を介した)リードレス植込み型医療装置400は、複数の電極404の1つ又はそれ以上の異なる組み合わせによる刺激エネルギの送達を間欠的又は連続的に指示するように構成することができる。より具体的には、コントローラ回路は、カテコールアミンの代謝時間に基づくデューティサイクルで、複数の電極404のうちの1つ又はそれ以上を通る刺激エネルギの送達を指示することができる。デューティサイクルは、ある期間(例えば、分、時間、又は日)の25%で刺激を加え、その期間の75%(例えば、分、時間又は日)で刺激を保留することを含むことができる。複数の電極404のうちの1つ又はそれ以上を介しての連続的な刺激は、カテコールアミンの治療レベルに達するために必ずしも必要ではなくてよい。刺激エネルギの送達のデューティサイクル制御は、リードレス植込み型医療装置400によるバッテリ消費を低減し、副腎414(又は付加的なリードレス植込み型医療装置400が患者の他の副腎に植え込まれた場合には副腎)の適応又は疲労のために経時的に有効性が低下する可能性を減少させることができる。さらに、刺激エネルギは、2Hzと20kHzとの間の周波数で送達され得る。刺激エネルギは、2Hzと20kHzの間の周波数のパルス、又は連続的なパルス(例えば、2Hz〜50Hz、50Hz〜100Hz、100Hz〜500Hz、500Hz〜1kHz、1kHz〜5kHz、5kHz〜10kHz、10kHz〜20kHz、又はそれらの任意の組み合わせ)を含むエネルギのバーストとして供給され得る。さらに、印加される電流のレベルは、刺激エネルギを変化させるために変更されてよい。さらに、刺激エネルギの周波数及び/又はパルス幅は、時間の経過とともに連続的又は周期的に変更されてよい。周波数及び/又はパルス幅を変更することにより、副腎414の適応により経時的に刺激の有効性が低下する可能性が低減される。これらの場合のいずれにおいても、送達される刺激エネルギは、患者の身体的症状に基づく患者のフィードバックに応答して変更され得る。
より具体的には、送達される刺激エネルギは、患者の身体的症状に基づいて患者のフィードバックに応答して変更され得る。さらに、コントローラ410は、患者のフィードバックに基づいて、複数の電極404のうちの1つ又はそれ以上に提供される刺激エネルギの変更を指示することができる。治療は、身体的症状の変化に基づいて、又は生理学的センサ412によって得られたデータに基づいて、及び/又は刺激エネルギレベルを制御することができるコントローラ410と通信可能に接続された外部装置上の患者又は医師の入力に基づいて、カテコールアミン放出の目標レベルに較正することによってカスタマイズされてよい。患者は、自分自身の症状の認識に関連して治療を活性化/不活性化することができる(例えば、彼らが慢性疲労の症状を感じるとき、治療を活性化することができる)。これらのシナリオでは、コントローラ410は、患者が継続治療を要求してカテコールアミンの枯渇を引き起こすことができないように、カテコールアミンの枯渇を回避するための自己制限機構(例えば、コントローラ410がある期間後に刺激をダウンレギュレート又はオフにする)を含んでよい。
ある場合には、リードレス植込み型医療装置400は、副腎414(又は副腎周囲結合組織)に係合するように構成されたリードレス本体部分402と共に配置された機械的取り付け構造を含むことができる。図4Aに示すように、機械的取付け構造は、第1組の爪406と、第2組の爪408とを含む。特定の実施形態では、リードレス植込み型医療装置400は、単一の爪、爪の単一のセット、又は追加の爪を含むことができる。さらに、機械的取り付け構造は、(例えば、図5A、図5Bに示されるような)螺旋構造(例えば、剛性螺旋)又はバーブ構造をも含み得る。
リードレス本体部分402は、第1側面414及び第2側面416を含む。場合によっては、リードレス本体部分402とともに配置される機械的取り付け構造は、第1側面414又は第2側面416のうちの1つに配置され、複数の電極404は、第1側面414又は第2側面416の他方に配置されている。図4Aにてより具体的に示されるように、第1組の爪406及び第2組の爪408(まとめて複数の爪)がリードレス本体部分402の第1側面414に配置され、複数の電極404がリードレス本体部分402の第2側面416に配置される。リードレス植込み型医療装置400の装填、又はリードレス植込み型医療装置400の再配置の間、第1組の爪406及び第2組の爪408は、展開システム内への格納に応じて、リードレス本体部分402の第2側面416に向かって折り畳まれて送達構成にされてよい(例えば、図5A、図5Bにさらに詳細に示すように)。第1組の爪406及び第2組の爪408は、展開形態(図4A、図4Bに示す)まで飛び出して開くことができる。
機械的取り付け構造及び複数の電極404は、リードレス本体部分402の同じ側に配置されてよい。加えて、示されているように、第1組の爪406及び第2組の爪408は、共通の方向に湾曲していてよい。他の例では、第1組の爪406は第1方向に湾曲していてもよく、第2組の爪408は第2方向に湾曲していてよい。第1方向及び第2方向は、互いに反対であってよい(例えば、互いに対して180度)。他の例では、第1方向は第2方向に対して垂直であってよい。さらに、第1組の爪406は、第1方向に湾曲した1つの爪と、第2方向に湾曲した1つの爪とを有することができ、第2組の爪408は、第1方向に湾曲した1つの爪と、第2方向に湾曲した1つの爪とを有することができる。
リードレス植込み型医療装置400はまた、少なくとも1つの生理的パラメータを測定し、それに応答して刺激エネルギを変更するように構成された生理学的センサ412を含むことができる。図4Bにおいて別個の構成要素として示されているが、生理学的センサ412はリードレス本体部分402と一体化されていてよい。他の例では、生理学的センサ412は、(コントローラ410及びリードレス本体部分402と通信する)遠隔植込み型又は装着型監視システムであってよい。生理学的センサ412は、コントローラ410に接続する別個の検知リードであってよい。別個の検知リードは、患者の副腎から離れた別の標的からの信号を監視して、1つ又はそれ以上の生理学的信号(例えば、血圧を示す)を捕捉することができる。さらに、生理学的センサ412を上回るものを使用することができる。
図4Bは、本開示の実施形態による副腎414に取り付けられた図4Aに示すリードレス植込み型医療装置400の図である。より具体的には、リードレス植込み型医療装置400は、副腎414の被膜又は被膜周囲結合組織418と係合するように構成されてよい。被膜418は、副腎414を取り囲む。リードレス植込み型医療装置400は、被膜418の外面、被膜418内、被膜418の内面(例えば、被膜と副腎414の残りの部分との間)、又は腎筋膜、ゲロタ筋膜、腎臓周囲脂肪内、腎周囲腔又は前腎傍腔内に取り付けられてよい。
図4Bにおいて、複数の電極404は、副腎414に向かって内側に配置され、第1組の爪406及び第2組の爪408は、そこから外側に配置される。加えて、示されているように、リードレス植込み型医療装置400は、被膜418と副腎414との間に植え込まれて示されている。第1組の爪406及び第2組の爪408は、被膜418(例えば、腎筋膜、ゲロタ筋膜、腎臓周囲脂肪、腎周囲腔又は前腎傍腔)を穿刺し突き出て、リードレス植込み型医療装置400の移動を緩和する。他の例では、第1組の爪406及び/又は第2組の爪408は、リードレス本体部分402の第2側面414(リードレス本体部分402の複数の電極404と同じ側)に配置することができる。その結果、第1組の爪406及び/又は第2組の爪408は、副腎414を穿刺することができる。第1組の爪406及び/又は第2組の爪408は、被膜418の一部又は全体を介して副腎414を穿刺又は副腎414を直接穿刺することができる。さらに、第1組の爪406及び/又は第2組の爪408は、電極として構成されてよい。それにより、電極として構成された第1組の爪406及び/又は第2組の爪408のうちの1つ又はそれ以上は、複数の電極404で構成され、刺激エネルギを送達して患者の副腎414内のクロム親和性細胞からのカテコールアミン放出を調節する。他の例では、第1組の爪406及び/又は第2組の爪408は、(電極として構成された場合には)ニチノール(NiTi)又は導電性及び生体適合性の金属又はポリマーから形成されてよい。
特定の例では、リードレス植込み型医療装置400は、無線信号を通信するように構成された通信コンポーネント/回路(例えば、図2、図3を参照して上述した)を含むことができる。通信コンポーネント/回路は、リードレス植込み型医療装置400が、コントローラ410などの共移植装置と通信することを可能にする。ある場合には、生理学的センサ412は、別個の共移植装置であってよい。リードレス植込み型医療装置400、コントローラ410、及びオプションの別個の生理学的センサ412は、副腎刺激システムを形成することができる。
実施形態では、リードレス植込み型医療装置400、コントローラ410、及び生理学的センサ412の間の無線信号は、無線通信リンク、例えば、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11、専用ワイヤレスプロトコル、及び/又は同様のもののような、短距離無線リンクを介して又は含んで通信してよい。実施形態では、例えば、通信リンクは、Bluetooth(登録商標)低エネルギ無線(Bluetooth4.1)、又は同様のプロトコルを利用してもよく、2.40〜2.48GHzの範囲の動作周波数を利用してよい。用語「通信リンク」は、少なくとも2つの装置の間で少なくとも1つの方向で何らかのタイプの情報を通信する能力を指してもよく、直接的、持続的又は限定的な通信チャネルに限定されると理解すべきではない。すなわち、実施形態によれば、通信リンクは、持続的通信リンク、断続的通信リンク、アドホック通信リンク、及び/又は同様のものであってよい。通信リンクは、1つ又はそれ以上の装置間の直接通信、及び/又は少なくとも1つの他の装置(例えば、リピータ、ルータ、ハブなど)を介して1つ又は複数の装置間を移動する間接通信を指してよい。通信リンクは、リンクされた装置間の単方向通信及び/又は双方向通信を容易にすることができる。
リードレス植込み型医療装置400と同様に、共移植装置410は、リードレス植込み型医療装置400と無線通信するための回路及び1つ又は複数の送信器及び/又は受信器を有する通信構成要素を含む(図2、図3を参照して上記にて詳細に述べたように)。共移植装置410は、複数の電極404のうちの少なくとも1つに、刺激エネルギを送達するように指示する無線信号を介して、データを送信するように構成されてよい。共移植装置410は、複数の電極404のうちの少なくとも1つに、カテコールアミンの代謝時間に基づくデューティサイクルに基づいて刺激エネルギを送達するように指示することができる。他の例では、植込まれた装置410は、2Hzと20kHzとの間の周波数(例えば、2Hz〜50Hz、50Hz〜100Hz、100Hz〜500Hz、500Hz〜1kHz、1kHz〜5kHz、5kHz〜10kHz、10kHz〜20kHz、又はそれらの任意の組み合わせで)刺激エネルギを送達するように複数の電極404の少なくとも1つに指示することができる。
生理学的センサ412はまた、リードレス植込み型医療装置400及びコントローラ410、ならびに生理学的センサ412と無線で通信してよい。特定の例では、生理的センサ412は、無線信号を介してデータを送信し、生理学的センサ412の測定に応答して刺激エネルギを変化させるように構成される。
特定の例では、生理学的センサ412は、患者の心拍数、患者の心拍変動(呼吸によるS1/S2振幅の変調など)、患者の呼吸速度、患者の活動レベル、患者のカテコールアミンレベル(例えば、化学センサ)、メタネフリンレベル、メタネフリン:クレアチニン(尿)比レベル、患者の身体位置、患者の体温、患者の心拍出量、患者の動脈圧、又はそれらの任意の組み合わせ(例えば、心拍数/呼吸速度比)の少なくとも1つを測定するよう構成されてよい。患者の活動レベルは、循環及びカテコールアミンの取り込みの増加のために刺激エネルギを変更(例えば増加)させるべきかどうかを、コントローラ412を介して直接又は間接的にリードレス植込み型医療装置400に知らせるのを助けることができる。特定の例では、生理学的センサ412は、膀胱又は尿路の他の領域(例えば、腎盂、尿管)に植込まれ、血漿エピネフリン及びノルエピネフリンレベルの指標となり得る、尿メタネフリン:クレアチニンレベルを決定することができる。上述の生理学的応答の変化は、必要な結果としての生理学的応答の変化のために、カテコールアミンのエキソサイトーシス又は代謝の調節を必要とすることがある。結果として、コントローラ412は、刺激エネルギを変更(増加又は減少)させて、副腎414からのカテコールアミンの放出を変更又は調節して、患者の所望のレベルのカテコールアミンを維持することができる。
特定の例では、生理学的センサ412は、患者の体温を測定するように構成されてよい。生理学的センサ606はまた、心拍出量、心臓のストローク量(例えば、収縮性を示すS1、又は交感神経活動による血圧の変化を示すS2)、心臓の収縮体、及び/又は患者の動脈圧力/脈圧/収縮期/拡張期の平均を測定するよう構成されてよい(動脈内又は動脈周囲のアプローチを介して)。生理学的センサ412はまた、線維筋痛(例えば、疲労によって示されるような)、慢性疲労、睡眠時無呼吸などの神経ホルモン又は神経伝達物質の機能不全伴う、カテコールアミンレベルの現れ、又は様々な疾患状態の疼痛又は非疼痛症状の他の症状を測定することもできる。いくつかの例では、生理学的センサ606は、体位性起立性頻拍症候群(POTS)、起立性低血圧(OH)、起立不耐症(OI)関連するカテコールアミンレベルの現れ、又は心不全及び片頭痛に関連するカテコールアミンレベルの現れを測定するように構成されてよい。これらはすべて、循環カテコールアミンレベルの変化による原因及び結果を有する。生理学的センサ412はまた、低下した呼気陽圧(PEP、positive expiratory pressure)、補正前左心室放出時間(LVET)の減少及び/又は心拍数に補正されたLVETの増加を測定することができる。上記の生理学的応答の変化は、カテコールアミンの代謝及びエキソサイトーシスの調節を必要とし得る。その結果、コントローラ410は、患者の所望のレベルのカテコールアミンを維持するために、副腎414からのカテコールアミンの放出を調節するために刺激エネルギを調節し得る。
このタイプの調整された刺激は、治療を最適化するために、全身性カテコールアミンの又は疾患状態の症状のマーカを使用する閉ループシステムを提供することができる。特定の場合では、リードレス植込み型医療装置400に閉ループ制御を提供し、必要な場合にのみ治療を提供する予測力を可能にし、そうでなければ改善された治療用量設定(例えば、刺激振幅、チャージ、持続時間)を可能にし、医療的結果を最適化する2つ以上の生理学的パラメータを含む。副腎414(又は副腎)の定常状態の欠損又は過剰、又は過渡的な欠損又は過剰(急速な上昇/下降の能力)に対処するために、システムは、リードレス植込み型医療装置に、上述したようにコントローラ410を介して直接的又は間接的に送信する1つより多くの生理学的センサ412を使用することができる。センサは、治療の最適化のための活性の関数としてのカテコールアミンレベル又は代謝物又は疾患状態のさらなる定量化、測定、追跡及び傾向分析を提供することができる。種々の生理学的センサの測定値は、リードレス植込み型医療装置400及び/又は複数の電極404を介して提供される刺激エネルギの送達を変更するために集められたコントローラ412によって収集されてよい。場合によっては、コントローラ412は、患者のカスタマイズに基づいてプログラムされてよい。例えば、患者はより低い全身性カテコールアミンに関連する刺激エネルギを好むかもしれない。従って、コントローラ412は、このように反復するように刺激をプログラムされてよい。別の患者は、より高い全身性カテコールアミンを有する状態を好むことがあり、これは異なる刺激エネルギをもたらし得る(例えば、より低い全身性カテコールアミンを好む患者と比較して)。コントローラ412は、刺激エネルギが活動レベル及び1日の時間(起床/睡眠)に基づいて変化し得るように、患者を参照してプログラムされてよい。バイオマーカーデータは、患者毎の閉ループシステムで全身カテコールアミンレベルの患者の嗜好(増減)を較正するために使用されてよい。
生理学的センサ412は、所与の定常状態の活動レベルで生理学的センサ412によって測定された生理学的応答を決定することによって、患者のカテコールアミンレベルの定常状態の不足又は過剰を測定することができる。一時的な不足又は過剰は、活動状態の遷移に関する「一時的な」生理学的センサ412の測定値を見ることによって監視することができる。場合によっては、所望の応答が患者のカテコールアミンレベルを維持することに関して、迅速かつより「アンダーダンプ」システムのように見えるが、性能が低いとオーバーダンプシステムのように見える。
特定の例として、生理学的センサ412は、心拍活動を監視するように構成されてよい。患者において、生理学的センサ412は、心拍数(HR)及び活動(運動)情報(例えば、加速器を使用して)、又は身体位置(例えば、起立不均衡)を連続的に記録し、データストリームを別個の活動帯に分解する。時間軸は、活動帯間に関して分離される。遷移前後のHRデータは、一時的な欠陥のメトリックを生成することがあるが、中間の遷移からのHRデータと遷移から十分に離れたHRデータは、定常状態の欠陥のデータを生成する可能性がある。場合によっては、患者の心拍数の監視の代わりに、又はそれに沿って、生理学的センサ412は心音を測定することができる。心音は、カテコールアミンのレベルの調節に影響を与えるため、患者が起きているか眠っているかの指標を提供することができる。より具体的には、患者が眠っているとき、コントローラ410は患者が起きているときと比較して、不眠症を回避するために複数の電極404を介して提供される刺激レベルを低下させることによってカテコールアミンレベルを最適化(低下)させるようにプログラムされてよい。刺激パラメータはまた、カテコールアミンレベルが下限値(低循環カテコールアミンレベルは、睡眠不能の患者の現在の課題に関連し得る)を上回り、又は上限を下回ることを確実にするように維持され得る。さらに、患者が運動しているとき、コントローラ410は、疼痛及び疲労を軽減するための最適レベルを確保し(例えば、運動又はストレスに対するベースラインの変化に基づいてレベルを変調する)、カテコールアミン濃度が下限値を上回るようにする(より高い循環レベルは、長期の活動に対するより低い耐性を伴う患者の現在の課題と関連し得る)。結果として、コントローラ410は、患者が運動しているとき、安静時に又はストレスの多い経験をしているときに変化し得るカテコールアミンレベルの適切な調節を確実にするように構成され得る。
図4A、図4Bに示す例示的な構成要素は、開示された主題の実施形態の使用又は機能の範囲に関する限定を示唆するようには意図されていない。また、例示的な構成要素は、その中に示されている任意の単一の構成要素又は構成要素の組合せに関するいかなる依存又は要求を有するものとして解釈されるべきではない。さらに、図4A、図4Bのいずれかに示された任意の1つ又はそれ以上の構成要素は、いくつかの実施形態では、そこに示された様々な他の構成要素(及び/又は図示されていない構成要素)と一体化されてもよく、そのすべてが開示される主題の範囲内にあると考えられる。例えば、リードレス植込み型医療装置400は、図2、図3を参照して説明した回路を含むことができる。さらに、リードレス植込み型医療装置400は、図5A、図5Bを参照して説明したシステムを使用して展開され得る。さらに、リードレス植込み型医療装置400は、第1組の爪406及び第2組の爪408の代わりに、又はそれに加えて、図5〜図9を参照して説明した任意の機械的取り付け機構を含むことができ、図1〜図3を参照して説明したように、複数の電極404が単一又は二重の電極形態を有してもよく、又は図10を参照して説明したようなコイル状の構造を有してよい。
図5Aは、本開示の実施形態による例示的なリードレス植込み型医療装置500及び展開システム502の図である。リードレス植込み型医療装置500は、患者の副腎、副腎の被膜、又は被膜周囲結合組織と係合するように構成されたリードレス本体部分500を含むことができる。リードレス植込み型医療装置500は、機械的取り付け構造を介して副腎、副腎の被膜、又は被膜周囲結合組織に取り付けるように構成されてよい。図5Aに示すように、機械的取付け構造は、ある実施形態ではリードレス本体部分500の第1側面506に配置されたバーブ510である。単一のバーブ510が示されているが、リードレス本体部分500は、複数のバーブ510又は他の類似の機械的取り付け構造を有してよい。リードレス植込み型医療装置500はまた、リードレス本体部分500の第2側面508に配置された複数の電極512(図5Bに示す)を含むことができる。複数の電極512のうちの1つ又はそれ以上は、患者の副腎内のクロム親和性細胞からのカテコールアミン放出を調節するための刺激エネルギを送達するよう構成されてよい。展開システム502は、リードレス植込み型医療装置500を患者の副腎に送達するように構成されてよい。さらに、バーブ510は、電極として構成されてよい。従って、バーブ510は、電極として構成された場合、患者の副腎内のクロム親和性細胞からのカテコールアミン放出を調節するために刺激エネルギを送達するために、複数の電極512で構成され得る。バーブ510は、(電極として構成された場合には)ニチノール(NiTi)又は導電性及び生体適合性の金属又はポリマーから形成されてよい。
図5Bは、本開示の実施形態による図5Aに示された例示的なリードレス植込み型医療装置500及び展開システム502の断面図である。図5Bに示すように、展開システム502は、リードレス植込み型医療装置500と共に配置されたループ構造514、及びフック構造516によって、リードレス植込み型医療装置500に取り外し可能に結合されてよい。フック構造516は、展開ライン518に取り付けられてよい。フック構造516及びフック構造516は、リードレス植込み型医療装置500を展開するために臨床医によって操作されてよい。展開システム502はまた、シース520を含んでよい。シース520は、リードレス植込み型医療装置500が展開される開口部522を含む。展開過程(例えば、腹腔鏡的又は経皮的処置、後腹膜アプローチであり得る)の間、シース522は、患者の副腎に送られる。医師は、展開ライン518を操作することによって、シース520からリードレス植込み型医療装置500を押し出すことができる。
リードレス植込み型医療装置500がシース520から少なくとも部分的に展開された後に、バーブ510が開口522から延在するように、医師は、展開ライン518を操作して、リードレス植込み型医療装置500を副腎に向かって前進させ、そこでバーブ510と係合させてよい。特定の例では、バーブ510は、副腎周囲結合組織、被膜の外面、被膜内、被膜の内面(例えば、被膜と副腎の残りの部分との間)に取り付けられてよい。バーブ510は、リードレス植込み型医療装置500の第1側面506に向かって押圧されて送達形態に折り畳まれ、開口部522から外に前進するリードレス植込み型医療装置500に対応して(図5Bに示されるように)、展開形態まで飛び出して開くことができる。
シース520の開口部522は、被膜を穿刺し、かつ、リードレス植込み型医療装置500をその中に位置決めするように構成されたテーパ(例えば、図5Aに示すような)を有することができる。医師は、リードレス植込み型医療装置500の配置を支援するために動的超音波を使用してよい。リードレス植込み型医療装置500の複数の電極512、バーブ510、又は他の部分は、リードレス植込み型医療装置を視覚化するのを助けるために放射線不透過性であってよい。リードレス植込み型医療装置500が副腎又は副腎周囲結合組織と係合した後、展開システム502を患者の体から取り外すことができる。複数のリードレス植込み型医療装置500が(例えば、各副腎に)植込まれる場合、医師は、リードレス植込み型医療装置500のうちの別のものを展開システム502内に装填することができる。展開システム502は、標的位置(例えば、他の副腎)に向かって前進され、追加のリードレス植込み型医療装置500が移植され得る。
ある場合には、展開システム502は、植込まれたリードレス植込み型医療装置500の再配置又は除去のために使用されてよい。図5Bに示すように、展開ライン518及びフック構造516は、リードレス植込み型医療装置500とともに配置されたループ構造514に解放可能に結合されてよい。フック構造518は、植込まれたリードレス植込み型医療装置500と係合するために使用され、臨床医は展開ライン518(シース520に沿って患者の外の医師まで延びることができる)を操作することによって、リードレス植込み型医療装置500を展開システム502内に格納できる。リードレス植込み型医療装置500を展開システム内に格納する際に、バーブ510は、シース520の開口522に接触することによって、展開形態(図5Bに示す)から送達形態に向かって折り畳まれてよい。
図5A、図5Bに示す例示的な構成要素は、開示された主題の実施形態の使用又は機能の範囲に関する限定を示唆するようには意図されていない。また、例示的な構成要素は、その中に示されている任意の単一の構成要素又は構成要素の組合せに関するいかなる依存又は要求を有するものとして解釈されるべきでもない。さらに、図5A、図5Bのいずれかに示された任意の1つ又はそれ以上の構成要素は、実施形態では、その中に示された様々な他の構成要素(及び/又は図示されていない構成要素)と一体化することができ、これらのすべては、開示される主題の範囲内にあるとみなされる。例えば、展開システム502は、本明細書で説明したリードレス植込み型医療装置のいずれかを展開するために使用されてよい。
図6は、本開示の実施形態による機械的取り付け構造を有する例示的リードレス植込み型医療装置600の図である。リードレス植込み型医療装置600は、第1側面604及び第2側面606を有するリードレス本体部分602を含み、機械的取り付け機構が第1側面604及び第2側面606のいずれか一方又は両方に配置される。
図6に示すように、機械的取り付け機構は、患者の副腎に取り付けるように構成された第1組の突起608及び第2組の突起610を含む。いくつかの例では、第1組の突起608及び第2組の突起610は、被膜の外面又は被膜周囲結合組織(副腎を取り囲む)、被膜内、被膜の内面(例えば、被膜と副腎の残りの部分との間)、又は副腎の皮質に取り付けられるよう構成されてよい。
第1組の突起608及び第2組の突起610(複数の突起を形成する)は、リードレス本体部分602の第2側面606に対して傾斜していてよい。第1組の突起608及び第2組の突起610は、共通の方向に、又は異なる方向に傾斜していてよい。場合によっては、第1組の突起608及び第2組の突起610は、リードレス本体部分602の中心に向かって傾斜してもよく、他の例では、第1組の突起608及び第2組の突起610はリードレス本体部分602の中心に向かって角度を付けられてもよく、他の第1組の突起608及び第2組の突起610は、リードレス本体部分602の頂部に向かって角度が付けられてよい。場合によっては、第1組の突起608及び第2組の突起610は、第2側面606に対して0度より大きく90度未満の間の角度で配置されてよい。さらに、第1組の突起608及び第2組の突起610は、第2側面606に配置されることに加えて、又はこれと代替的に、リードレス本体部分602の第1側面604に配置することができる。さらに、第1組の突起608及び第2組の突起610を第1側面604又は第2側面606に配置することができ、第1組の突起608及び第2組の突起610のうちの他方は、第1側面604又は第2側面606の他方に配置することができる。本体部分602は、長方形の形状であり、他の形状も考えられる(例えば、楕円形、シリンダー状)。
図示されていないが、リードレス植込み型医療装置600は、第1側面604及び/又は第2側面606に配置された1つ又はそれ以上の電極を含み、副腎内のクロム親和性細胞からのカテコールアミン放出を調節する刺激エネルギを送達するように構成されている。より具体的には、リードレス植込み型医療装置600は、副腎の状態(慢性疲労症候群、線維筋痛、起立不耐症、過敏性腸症候群(IBS)、クローン病、気分障害/うつ病、又は神経伝達物質又は神経ホルモン機能障害を伴う他の疾患状態などの障害)に関連しそうと識別される副腎の一部を含む治療場所を標的とするように構成されてよい。
図7は、本開示の実施形態による別の例示的な機械的取り付け構造を有する例示的なリードレス植込み型医療装置700の図である。リードレス植込み型医療装置700は、第1側面704及び第2側面706を有するリードレス本体部分702を含む。図7に示すように、機械的取り付け機構は、患者の副腎に取り付けるように構成された複数の突起708を含む。いくつかの例では、複数の突起708は、被膜の外面(副腎を取り囲む)、被膜内、又は被膜の内面(例えば、被膜と副腎の残りの部分との間)に取り付けられるよう構成される。
複数の突出部708は、リードレス本体部分702の第2側面706に対して垂直であってよい。さらに、複数の突出部708は、リードレス本体部分702の第1側面704上に配置され、それに加えて、又は代替的に第2側面706に配置されてよい。さらに、図示されていないが、リードレス植込み型医療装置700は、第1側面704及び/又は第2側面706に配置され、副腎内のクロム親和性細胞からのカテコールアミン放出を調節するよう刺激エネルギを送達するように構成された1つ又はそれ以上の電極を含んでよい。
図8は、本開示の実施形態による別の例示的な機械的取り付け構造を有する例示的リードレス植込み型医療装置の図である。リードレス植込み型医療装置800は、第1側面804及び第2側面806を有するリードレス本体部分802を含む。図8に示すように、機械的取り付け機構は、患者の副腎に取り付けるように構成された粗面808を含む。いくつかの例では、粗面808は、被膜の外面(副腎を取り囲んでいる)、被膜内、又は被膜の内面(例えば、被膜と副腎の残りの部分との間)に取り付けられるよう構成される。
粗面808は、スコアマーキング又はそうでなければリードレス本体部分702の第2側面706の変更によって形成することができる。粗面808は、リードレス本体部分702の第2側面706にディボットを配置するように形成することができる。さらに、粗面808は、リードレス本体部分702の第1側面704上に配置され、それに加えて、又は代替的に第2側面706に配置されてよい。加えて、図示されていないが、リードレス植込み型医療装置800は、第1側面804及び/又は第2側面806に配置され、副腎内のクロム親和性細胞からのカテコールアミン放出を調節するよう刺激エネルギを送達するように構成された1つ又はそれ以上の電極を含んでよい。他の例では、機械的取り付け機構に加えて、又はその代わりに、組織接着剤、接着剤、及び/又はヒドロゲル又はヒドロゲル/ポリマータイプを、リードレス植込み型医療装置800の副腎への接着取り付けのために、リードレス植込み型医療装置800に適用されてよい。
図9Aは、本開示の実施形態による可撓性部分を有するリードレス本体部分902を含む例示的なリードレス植込み型医療装置900の図である。リードレス本体部分902は、第1端部904と、第2端部908と、それらの間の中間部906とを有することができる。第1端部904及び第2端部908は、中間部906より大きな可撓性を有することができる。中間部906と第1端部904、中間部906及び第2端部908との間の移行部910,912は、リードレス本体部分902が湾曲して患者の副腎916の周りに順応させることを可能にする(図9Bに示す様に)。第1端部904及び第2端部908(より可撓性)及び中間部906(より柔軟性が低い)の剛性の差は、リードレス本体部分902を移行部910,912で湾曲させ、副腎916に適合させる。
特定の例では、リードレス植込み型医療装置900は、リードレス植込み型医療装置900を副腎916への取り付けをさらに強化するために、本明細書で説明したバーブ、剛性螺旋及び/又は爪又は他の機械的取り付け機構を含むことができる他の例では、機械的取り付け機構に加えて、又はその代わりに、縫合糸、組織接着剤、接着剤、及び/又はヒドロゲルを、副腎916への接着取り付けのためにリードレス本体部分902に適用することができる。
さらに、リードレス植込み型医療装置900は、複数の電極914を含むことができる。複数の電極914は、副腎内のクロム親和性細胞からのカテコールアミン放出を調節するための刺激エネルギを送達するように構成され得る。より具体的には、リードレス植込み型医療装置900は、副腎の状態(慢性疲労症候群、線維筋痛、起立不耐症、過敏性腸症候群(IBS)、クローン病、気分障害/うつ病、又は神経伝達物質又は神経ホルモン機能障害を伴う他の疾患状態などの障害)に関連するであろうと識別される副腎の一部を含む治療場所を標的とするように構成されてよい。
図9Bは、図9Aに示された本開示の実施形態による、患者の副腎916の一部分に配置され(及びこれに適合する)例示的なリードレス植込み型医療装置900の図である。リードレス植込み型医療装置900は、リードレス本体部分902を副腎916に適応させるように、副腎916を囲む被膜内に、又は被膜の内面(例えば、被膜と副腎916の残りの部分との間)又は副腎周囲結合組織に取り付けられ得る。リードレス植込み型医療装置900は、副腎916に隣接して(例えば、背側筋に又はそれに隣接して)、筋肉内に配置されてよい。その結果、リードレス本体部分902の第1端部904及び第2端部908は、機械的な取り付けのため、副腎916との係合を強化するように構成され得る。さらに、第1端部904、第2端部908、及び中間部906の1つ又はそれ以上は、リードレス本体部分902が湾曲して副腎916に順応し、かつ、湾曲形態にとどまる(図9Bに示す)ような形状記憶特性を有している。これにより、リードレス本体部分902が副腎916の表面領域を捕捉することが可能になり、これにより、複数の電極914によって印加される刺激の深さが強化され得る。
図10は、本開示の実施形態によるリードレス植込み型医療装置1000の別の例を示す図である。リードレス植込み型医療装置1000は、リードレス本体部分1002及びパッチ電極1004を含むことができる。パッチ電極1004は、個別に絶縁された複数の電極を形成するコイル構造を有してよい。パッチ電極1004は、金属射出成形、スクリーン印刷、又は他の印刷回路基板製造機構によってリードレス本体部分1002上に配置されてよい。パッチ電極1004は、腹腔鏡処置を用いて配置することができる。パッチ電極1004のエッジは、パッチ電極1004を副腎に取り付けるための組織接着剤、接着剤、及び/又はヒドロゲル又はヒドロゲル/ポリマータイプを含むことができる。
特定の例では、パッチ電極1004は、患者の副腎内のクロム親和性細胞からのカテコールアミン放出を調節するために刺激エネルギを送達するように構成され得る。より具体的には、リードレス植込み型医療装置1000は、副腎の状態(慢性疲労症候群、線維筋痛、起立不耐症、過敏性腸症候群(IBS)、クローン病、気分障害/うつ病、又は神経伝達物質又は神経ホルモン機能障害を伴う他の疾患状態などの障害のような、運動系に影響し得る疾病)に関連しそうと識別される副腎の一部を含む治療場所を標的とするように構成されてよい。ある場合には、パッチ電極1004は湾曲して表面に適合してよい。従って、パッチ電極1004は、副腎に適合することを強化し得る。
図6〜図10に示す例示的な構成要素は、開示された主題の実施形態の使用又は機能の範囲に関する限定を示唆するようには意図されていない。また、例示的な構成要素は、その中に示されている任意の単一の構成要素又は構成要素の組合せに関するいかなる依存又は要求を有するものとして解釈されるべきではない。さらに、図6−10のいずれかに示された任意の1つ又はそれ以上の構成要素は、実施形態では、その中に示されている様々な他の構成要素(及び/又は図示されていない構成要素)と一体化することができ、これらのすべては、開示される主題の範囲内にあるとみなされる。例えば、リードレス植込み型医療装置600,700,800,900,1000は、図2、図3を参照して説明した回路を含むことができる、(図1、図2及び図4を参照して説明したように)コントローラ及び/又は生理学的センサ(図4を参照して説明する)に結合することができる。さらに、リードレス植込み型医療装置600,700,800,900,1000は、図5A、図5Bを参照して説明したシステムを使用して展開され得る。
本開示の範囲から逸脱することなく、説明された例示的な実施形態に対して、様々な変更及び追加を行うことができる。例えば、上述の実施形態は特定の特徴を指すが、本開示の範囲は、記載された特徴の全てを含まない特徴及び実施形態の異なる組合せを有する実施形態も含む。従って、本開示の範囲は、そのようなすべての均等物と共に、請求項の範囲内にあるそのような代替物、改変物及び変形物のすべてを包含することを意図する。