JP2019517098A - ペロブスカイト膜およびペロブスカイト膜から離溶した粒子の触媒コーティング - Google Patents

ペロブスカイト膜およびペロブスカイト膜から離溶した粒子の触媒コーティング Download PDF

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Abstract

離溶したPrOxナノ粒子を備えるコンフォーマルな薄膜で構成されたハイブリッド触媒コーティング。コンフォーマルなPNM薄膜は、PrNi0.5Mn0.5O3(PNM)のペロブスカイト組成であることができる。薄いPNM膜が、中温固体酸化物燃料電池のカソードからのストロンチウム偏析を効果的に抑制する一方で、PrOxナノ粒子は、酸素空孔の高い濃度によって、酸素還元反応速度を劇的に高める。【選択図】図1

Description

本発明は、概して、固体酸化物燃料電池(solid oxide fuel cell)およびハイブリッド触媒コーティングに関し、より具体的には、離溶したプラセオジム酸化物ナノ粒子を備えるコンフォーマルペロブスカイト薄膜で構成されたハイブリッド触媒コーティングによって燃料電池のカソードの酸素還元反応速度および耐久性を高めることに関する。
クリーンで、安全で、経済的に競争力のあるエネルギーの需要は、効率的なエネルギー変換のための燃料電池に対する大きな関心を刺激している。すべてのタイプの燃料電池の中で、固体酸化物燃料電池(SOFC)は、優れた燃料順応性を備えた、最もクリーンで最も効率的な、化学から電気へのエネルギー変換システムである。しかしながら、SOFC技術の幅広い商業化は、高コストおよび限られたシステム寿命によって妨げられたままである。
酸素還元反応(ORR)による抵抗は、既存のSOFCにおけるエネルギー損失の最大の要因であり、低温ではより顕著となる。したがって、SOFCの性能を改善するキーとなる技術的なチャンスは、低温においてカソードのORR速度および耐久性を劇的に高めることである。
中温SOFCに対する最も有望なカソード候補のうちの1つとして、La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8(LSCF)は、その高い電子およびイオン伝導性ならびにORRに対する良好な触媒活性のために、広く研究されてきた。しかしながら、LSCFは、La1−xSrMnO(LSM)カソードよりも高い劣化率を示し、それは、表面で増加する正に荷電した酸素空孔の近傍の、負に荷電したAサイトドーパントの静電引力によって引き起こされる、表面または界面近傍のSrの偏析に起因する。Srリッチ相(表面におけるSrOアイランドのような)は、表面活性に有害であり、また、他の有害な第2の相(例えば、SrCO、Sr(OH)、SrCrOなど)の形成および成長を促進し、時間に依存する性能劣化をもたらす。
改善された燃料電池オペレーションへの1つの道は、Sr偏析に強い、新しいカソードの材料または構成を開発することである。Srフリーのカソード材料、例えば、ペロブスカイト、または、La(Ni,Fe)O3−δ、NdNiO、およびPrNiOのようなルドルスデン−ポッパー(Ruddlesden−Popper:RP)型ペロブスカイトのような材料が、SOFCカソード材料の候補として研究されてきた。現在まで、これらのような新しいカソード材料は、求められるすべての特性、すなわち高いORR活性、他の電池構成要素(例えば、電解質および配線(interconnect))との適切な適合性、および現実的な運転条件下における充分な耐久性、を有しているわけではない。
触媒活性なナノ粒子による表面修飾は、化学および電極触媒の触媒反応、ならびに、SOFCで用いられてきた。しかしながら、離散的な粒子は、Sr偏析を抑えることに対して限定的な効果しか持たないようである。最近、コンフォーマルペロブスカイトコーティング(例えばLa0.85Sr0.15MnO)がLSCF表面に成膜され、性能および安定性を高めることが示された。触媒の結晶構造がLSCFのそれに似ている場合、触媒コーティングは、効果的にSrの偏析を抑制し且つカソードの耐久性を高めるように、コンフォーマル且つ緻密となりうる。触媒コートされたLSCF電極にとって、薄い触媒コーティングが高められたORR活性および耐久性をもたらす一方で、多孔性のLSCFのバックボーンは、酸素イオンおよび電子(あるいは正孔)の両方の容易な輸送のための「ハイウェー」として役立つ。
そのため、ワンステップの浸透工程に由来するハイブリッド触媒のコンフォーマルコーティングを施すことによって、最新のLSCFカソードのORR速度および安定性の両方を劇的に高めることが、本発明の目的の1つである。望まれる触媒層は、コンフォーマルで、ORRに対して高い活性を有し、現実的な動作条件において遭遇する汚染物質に対して不活性でなければならない。
簡潔に記載すると、例示的な形式において、本発明は、イオン・電子混合伝導体と、前記伝導体の少なくとも一部の上の酸素還元触媒コーティングとを含む電極であって、前記触媒コーティングは、コンフォーマルペロブスカイト膜と前記ペロブスカイト膜から離溶した粒子とを含む、電極である。
前記コンフォーマルペロブスカイト膜は、プラセオジム、ニッケル、マンガン、および酸素の組成を含むことができる。前記コンフォーマルペロブスカイト膜は、PrNi0.5Mn0.5を含むことができる。前記コンフォーマルペロブスカイト膜は、PrNi0.5Mn0.54+δを含むことができる。前記コンフォーマルペロブスカイト膜は、Pr2−xNiMn1−y4+δを含むことができ、ここで、0≦x≦2、および、0≦y≦1である。前記Bは、Sr、CaまたはBaで置換することができる。前記コンフォーマルペロブスカイト膜は、PrNiMn12を含むことができる。前記コンフォーマルペロブスカイト膜は、PrNiMn12を含むことができる。
前記コンフォーマルペロブスカイト膜は、プラセオジム、マンガン、酸素、アルカリ土類金属、および遷移金属の組成を含むことができる。前記アルカリ土類金属は、カルシウム、ストロンチウム、およびバリウムからなる群より選ぶことができる。前記遷移金属は、ニッケル、コバルト、および鉄からなる群より選ぶことができる。
前記ペロブスカイト膜から離溶した前記粒子は、PrOナノ粒子を含むことができる。前記ペロブスカイト膜から離溶した前記粒子は、PrOナノ粒子を含むことができる。前記ペロブスカイト膜から離溶した前記粒子は、Pr12ナノ粒子を含むことができる。
前記触媒コーティングは、約1〜約50nmの範囲の厚さを有することができる。前記触媒コーティングは、約1〜約20nmの範囲の厚さを有することができる。前記触媒コーティングは、約10nmであることができる。
別の例示的な実施形態では、本発明は、アノード、イオン・電子混合伝導体と前記伝導体の少なくとも一部の上の酸素還元触媒コーティングであってコンフォーマルペロブスカイト膜および前記ペロブスカイト膜から離溶した粒子とを含む触媒コーティングとを含む電極を含むカソード、および、前記アノードと前記カソードの前記触媒コーティングとに隣接した電解質、を含む固体酸化物燃料電池である。
750℃において、前記カソードは、0.068Ωcm未満の分極抵抗を有することができる。750℃において、前記カソードは、およそ0.022Ωcmの分極抵抗を有することができる。
前記カソードは、0.88W/cmより大きいピーク電力密度を有することができる。前記カソードは、およそ1.21W/cmのピーク電力密度が有することができる。
750℃において、前記カソードは、5.7×10−4cm/sより大きい表面交換係数を有することができる。750℃において、前記カソードは、約7.50×10−3cm/s〜約1.77×10−2cm/sの範囲にある表面交換係数を有することができる。
前記コンフォーマルペロブスカイト膜は、プラセオジム、ニッケル、マンガン、および酸素の組成を含むことができる。前記コンフォーマルペロブスカイト膜は、PrNi0.5Mn0.5を含むことができる。前記コンフォーマルペロブスカイト膜は、PrNi0.5Mn0.54+δを含むことができる。前記コンフォーマルペロブスカイト膜はPr2−xNiMn1−y4+δを含むことができ、ここで、0≦x≦2、および、0≦y≦1である。前記Bは、Sr、Ca、またはBaで置換することができる。前記コンフォーマルペロブスカイト膜は、PrNiMn12を含むことができる。前記コンフォーマルペロブスカイト膜は、PrNiMn12を含むことができる。
前記コンフォーマルペロブスカイト膜は、プラセオジム、マンガン、酸素、アルカリ土類金属、および遷移金属の組成を含むことができる。前記アルカリ土類金属は、カルシウム、ストロンチウム、およびバリウムからなる群より選ぶことができる。前記遷移金属は、ニッケル、コバルト、および鉄からなる群より選ぶことができる。
前記ペロブスカイト膜から離溶した前記粒子は、PrOナノ粒子を含むことができる。前記ペロブスカイト膜から離溶した前記粒子は、PrOナノ粒子を含むことができる。前記ペロブスカイト膜から離溶した前記粒子は、Pr12ナノ粒子を含むことができる。
前記触媒コーティングは、約1〜約50nmの範囲の厚さを有することができる。前記触媒コーティングは、約1〜約20nmの範囲の厚さを有することができる。前記触媒コーティングは、約10nmであることができる。
別の例示的な実施形態では、本発明は、本発明は、離溶したPrOナノ粒子を備えるコンフォーマルな薄膜で構成されたハイブリッド触媒コーティングである。前記コンフォーマルな薄膜は、PrNi0.5Mn0.5(PNM)のペロブスカイト組成であることができる。中温固体酸化物燃料電池のカソードからのストロンチウム偏析を薄いPNM膜が効果的に抑制する一方で、PrOナノ粒子は、酸素空孔の高い濃度によってORR速度を劇的に高める。したがって、本発明のハイブリッド触媒コーティングは、カソードの安定性を著しく高める。
本発明は、最新のLSCFカソードのORR速度および耐久性を劇的に高め、SOFCのエネルギー効率を大幅に低下させる従来の遅いORRを克服する。750℃において、本願のハイブリッド触媒でコートされたLSCFカソードは、〜0.022Ωcmの分極抵抗を有し、すなわち、ベア(bare)のLSCFカソードのそれ(〜0.13Ωcm)の約17%である。さらに、本願のハイブリッド触媒でコートされたLSCFカソードを備えるアノードサポート型セルは、優れた耐久性(〜500時間で0.7V)を維持する一方で、顕著なピーク電力密度(〜1.21W/cm)を示す。準大気圧X線光電子分光法(NAP−XPS)およびX線吸収端近傍微細構造(NEXAFS)解析は、密度汎関数理論(DFT)計算と共に、PrOナノ粒子の酸素空孔リッチな表面はORRにおける電子移動の速度を大幅に加速するが、薄いPNM膜が、LSCF電極の表面の安定性を激増させる一方で迅速な酸化物イオン移動を促進すること、を示す。
別の例示的な実施形態では、本発明は、低コストのワンステップの浸透に由来する効果的な電極触媒コーティング(PrNi0.5Mn0.54+δ)を施すことによって、最新のLSCFカソードのORR速度および安定性を劇的に高める。LSCF上のコーティングは、コンフォーマルペロブスカイトPrNi0.5Mn0.5(PNM)膜、および、PNM膜から離溶した高活性なPrOナノ粒子で構成される。コンフォーマルな薄いPNM膜が、カソードの安定性を高めると共にLSCF表面へ酸素イオンを急速に輸送することができる一方で、酸素空孔濃度が高いPrOナノ粒子は劇的にORR速度を促進する。
他の例示的なコーティングはPr2−xA'Mn1−y4+δを含み、ここで、xは0から2まで変化してもよく、yは0から1まで変化してもよい。Aはアルカリ土類金属であることができ、また、A'は遷移金属であることができる。他の例示的な実施形態では、Aは、Sr、Ca、およびBaからなる群より選ばれ、A'は、Ni、Co、およびFeからなる群より選ばれる。
本願の合理的に設計されたSOFCカソードは、ORR速度を著しく増加させ、運転条件における永続的な出力を可能にする。触媒コーティングによるSOFC劣化率の減少は、SOFCコストを減少させ技術の商業化を可能にするするための主要な道であると、業界によって認識されてきた。
さらに、中温固体酸化物燃料電池(IT−SOFC)は、幅広い様々な燃料(水素から炭化水素、石炭ガス、および再生可能燃料まで)のコスト効率の良い利用に対して、最もクリーンで最も効率的な選択となる可能性があるので、それらは、分散した発電(それはスマートグリッドに統合されてもよい)、および移動体への適用(例えば電気自動車)に理想的に適している。しかしながら、IT−SOFCを経済的に競争力があり、商業ベースにのるようにするために、材料のいくつかの障害を克服しなければならない。それらのうちの1つは、耐久性があり低コストのカソード材料、および、中温においてORRに対して高い電極触媒活性を有するナノ構造体を造ることである。したがって、本発明の別の例示的な実施形態では、燃料電池用の劇的に高められたORR活性および耐久性を有する、高性能なハイブリッド触媒コートされた電極を作製するための有効な方策が開示される。触媒の溶液浸透による電極の表面修飾および本願のユニークなハイブリッド電極構造(コンフォーマルコーティング上の離溶したナノ粒子)のコンセプトは、エネルギーの他の貯蔵および変換システム(空気電池、スーパーコンデンサ、電解槽、染料増感太陽電池および光触媒反応を含む)に容易に適用可能である。
本発明の、これらおよび他の目的、特徴および利点は、添付の図面と共に、以下の明細書を読むことによってより明確になるだろう。
図1は、グリシン硝酸塩法およびそれに続く空気中における800℃で5時間の焼成に由来する粉末混合物による、異なる角度で散乱したX線の強度のX線回折パターン(XRDパターン)プロットである。その混合物は、PrO(Pr12、PDF# 01−071−0341)およびPNM(PrMnO、PDF# 01−085−2202からの誘導体)で構成されていた。 図2(a)および図2(b)は、パルスレーザ堆積法(PLD)のターゲットのXRDパターン(2Θ−ω走査)であり、図2(a)は本願のハイブリッド触媒のものであり、図2(b)はベアのLSCFのものである。本願のハイブリッド触媒およびLSCFのターゲットは、多孔性のハイブリッド触媒がコートされたLSCFカソードの相組成と同じ相組成を有する。 図3(a)および図3(b)は、XRDパターン(2Θ−ω走査)であり、図3(a)は、ガドリニウムがドープされた酸化セリウム(GDC)をバッファ層として備える、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)上の本願のハイブリッド触媒膜であり、図3(b)は、PLDによって成長したバッファ層としてGDCを備えるYSZ上のLSCFである。本願のハイブリッド触媒薄膜は、蛍石PrOおよびペロブスカイトPNM相の混合物であり、それらは多孔性のカソードと同じである。ターゲットは、パナリティカル社(Panalytical)の多目的回折計を用いてキャラクタライズされた。PLD薄膜は、2−bounce Ge(220)チャネルカットモノクロメータおよびCuのKα1線照射を備える、リガク社(Rigaku)のSmartlabシリーズの回折計を用いて、HR−XRDによって測定された。表面形態は、Veeco/Digital Instruments社のNanoscope IVを用いて、原子間力顕微鏡(AFM)によってキャラクタライズされた。AFM像は、Nanoscope softwareのバージョン5.31R1(Digital Instruments社)を用いて処理された。 図4(a)は、800℃で2時間焼成された、PNMコートされたLSCFペレットの高分解能透過型電子顕微鏡(TEM)像である。図4(b)は、 の電子ビーム方向からの制限視野電子回折(SAED)パターンを含む。上の3つのSAEDパターンは、LSCF結晶粒のみからのものであり、下の3つは、LSCFおよびPNM結晶粒の両方を含有するエピタキシャル薄膜領域からのものである。下付き添字「p」は、基本のペロブスカイト単位格子を意味する。図4(c)は、高角度環状暗視野(HAADF)走査型透過電子顕微鏡(STEM)像、および、800℃で2時間アニールする前後の、PNM−LSCFの、線に沿った元素のプロフィルである。図4(d)は、逆格子空間における、PNMおよびLSCFの単位格子を含む。図4(e)は、ベアのLSCF、およびPNMでコートされたLSCFカソードの、(750℃で500時間の試験の前後に)室温において大気中で収集された、典型的なラマンスペクトルである。
図5(a)は、コンフォーマルで緻密なPNMコーティングおよび離溶したPrOナノ粒子で修飾されたLSCF電極バックボーンの模式図である。図5(b)は、LSCF結晶粒に堆積したコンフォーマルなPNMコーティング上の2つのPrO粒子を示す高分解能TEM像である。挿入図は、ナノ粒子(位置1)、および、コンフォーマルなPNMコーティング(位置2)からの高速フーリエ変換(FFT)パターン、および、位置1および位置2からの電子エネルギー損失分光法(EELS)スペクトルであり、これは、ナノ粒子が主としてPrO(位置1)であり、コンフォーマルコーティングがPNM(位置2)であることを示唆している。図5(c)は、本願のハイブリッド触媒コートされたLSCFカソードの断面のHAADF−STEM像である。図5(d)は、図5(c)にマークされた矢印に沿って獲得されたEELSスペクトルであり、薄いコンフォーマルなコーティングがLSCF結晶粒のトップにあるPNMである一方で、離溶した粒子がPrOであることを示している。 図6(a)は、ベアのLSCF、ならびに、PNMで、PrOで、および、本願のハイブリッド触媒でコートされたLSCFの電極を備えるセルの典型的な電気化学インピーダンススペクトル(EIS)であり、それらは、開路電圧(OCV)条件で、外気中において750℃で測定された。図6(b)は、ベアのLSCFおよび触媒コートLSCFカソードの表面交換係数(k)の温度依存性を図示する。図6(c)は、典型的なI−V−Pカーブを示す。図6(d)は、ベアのLSCF、または、PNMで、PrOで、もしくは本願のハイブリッドPNM−PrO触媒でコートされたLSCFカソードを備えるNi−YSZアノードサポート型セルの安定性試験(0.7Vの定セル電圧)を示し、試験は、燃料として3%の加湿Hを用い、酸化剤として外気を用い、750℃で行われた。 図7(a)は、Smがドープされた酸化セリウム(SDC)のバッファ層の助けによって電解質の両面に接合する2つの同一のLSCFカソードバックボーンを備える対称的なセルの模式図である。図7(b)は、コンフォーマルな触媒コーティングおよびナノ粒子でコートされた、詳細なLSCFの模式図である。図7(c)は、作製されたまま(as−prepared)の単セルのSEM像であり、その単セルは、NiO−YSZアノードサポート、NiO−YSZ機能層(〜15μm)、YSZ電解質(〜15μm)、SDCバッファ層(2〜4μm)、および本願のハイブリッド触媒でコートされたLSCFカソード(50μm)の構成を備える。本願発明の触媒コーティングの厚さは非常に薄く(数nmから約20nmまで)、カソード(〜50μm)、電解質(〜15μm)、および、アノードサポート(〜800μm)といった他のセル構成要素よりもはるかに薄い。したがって、要求される触媒の量は非常に少なく、これは、Prベースの触媒が、商業的応用に対して経済的に競争力を持ちうることを示唆している。 図8(a)は、異なる触媒でコートされたLSCFカソードの界面分極抵抗(R)の、外気中でのOCV条件下における温度依存性のグラフであり、1はベア、2はLa0.4875Ca0.0125Ce0.52−δ(LCC)コートされたもの、3はPrSrCoMnO6−δ(PSCM)コートされたもの、および、4は本願のハイブリッドコートされたものである。図8(b)は、0.7Vにおける、異なる触媒でコートされたLSCFカソードを備えるセルの初期電力密度のグラフであり、燃料として3%の加湿Hを用い、酸化剤として外気を用いており、ベア、LSM、PSM、PSCM、PNM、PrO−LSCFおよび本願のハイブリッドについて示す。 図9(a)は、導電率緩和(ECR)カーブを測定するための実験設備の模式図である。図9(b)は、700℃における、時間の関数としての、正規化された導電率のグラフであり、それぞれ、ベアのLSCF、LSCFにコートされた触媒(PrO、PNMおよび本願のハイブリッド)である。平衡に達する緩和時間は、ベアのLSCF棒状ペレットの場合、約7500秒であった。触媒がLSCF棒状ペレット上にコートされた場合、時間は1000〜2000秒に減少した。減少した緩和時間は、表面交換特性の増大に起因する。 導電率の測定では、実験の温度は300〜900℃の範囲にわたって調整された。各温度ポイントにおいて、漸増的な電流負荷が2本の電流線に加えられ、2つの電圧線における対応する電圧レスポンスは、ポテンショスタット装置およびイージーアンドジー社(EG&G社)の5210増幅器で記録された。その後、得られた直線の傾きから導電率の値が計算された。Dおよびkの決定については、550〜750℃の間において、50℃間隔でECRが行われた。極棒は、それらが周囲雰囲気(pO2=0.21気圧)と完全に平衡となることを確実にするために、まず、与えられた温度でおよそ1時間安定させた。その後、周囲雰囲気は、他の雰囲気(pO2=0.1気圧)に急に切り替えられ、それによって、導電率の変化をもたらした。時間による導電率の変化は、[σ(t)−σ(0)]/[σ(∞)−σ(0)]としてプロットされた。酸素の表面交換係数(k)は、ECRTOOLSによってECRカーブから計算された。 図10(a)〜図10(d)は、0.7Vのセル電圧で750℃の安定性試験中における、動作時間の関数としての、本願のハイブリッド触媒コートされたLSCFカソードの形態の変遷を示し、図10(a)は試験前、図10(b)は〜110時間、図10(c)は〜300時間、および図10(d)は〜500時間を示す。本質的な形態の特徴は変わらないままであり、電極の妥当な安定性を示している。 図11(a)および図11(b)は、線に沿った、本願のハイブリッド触媒コートされたLSCFのEELSスペクトルであり、図11(a)は750℃における〜500時間の安定性試験の前を示し、図11(b)は試験後を示す。 図12(a)および図12(b)は、本願のハイブリッド触媒コートされたLSCFの断面の線に沿った、エネルギー分散形X線分析法(EDS)のプロフィルであり、図12(a)は、750℃で〜550時間の安定性試験の前を示し、図12(b)は試験後を示す。信号は、安定性試験の後にわずかにノイズが多くなっており、これは、触媒層とLSCF基板との間の相互拡散が存在するかもしれないことを示唆している。しかしながら、各層の本質的な組成は概ね不変のままであり、これは、試験期間中の妥当な安定性を意味している。 図13(a)〜図13(d)は750℃で500時間の安定性試験前後のXPSスペクトルであり、図13(a)は本願のハイブリッド触媒コートされたLSCFのPrの3d、図13(b)は本願のハイブリッド触媒コートされたLSCFのOの1sを示し、図13(c)はベアのLSCFのSrの3d、図13(d)はベアのLSCFのOの1sを示す。本願のハイブリッド触媒コートされたLSCFの表面が、ベアのLSCFのそれよりもはるかに良好な安定性を有することが示されている。 図14(a)〜図14(d)は、ベアのLSCF、ならびに、PNMで、PrOで、および本願のハイブリッド触媒(PNM−PrO)でコートされたLSCFのモデル薄膜の表面電子構造を図示しており、これは、準大気圧XPSおよびNEXAFSを用いて、200mtorrのO環境において300℃および500℃でキャラクタライズした。図14(a)は、異なる膜のXPS価電子帯構造を示す。すべての価電子スペクトルの面積は、一単位に正規化された。図14(b)は、フェルミ準位領域近傍の価電子帯スペクトルの拡大図を示す。点線は、価電子帯端の線形フィッティングであり、破線は、ゼロ強度および結合エネルギーの位置をマークする。図14(c)は、ベアのLSCF、ならびに、PNMで、PrOで、および本願のハイブリッド触媒でコートされたLSCFの、OのK端吸収スペクトルを示す。LSCFのOのK端スペクトル中の3つの特徴は、ハイブリッド遷移金属TM(Co Fe)のd−Oの2p帯の非占有状態(特徴i)、Laの5d、Srの4d/Oの2p状態(特徴ii)、およびCoおよびFeのsp−Oの2p混成帯(特徴iii)に起因する。図14(c)中の挿入図は、プリエッジ(pre−edge)領域の拡大図である。図14(d)は本願のハイブリッド触媒(PNM−PrO)のMnのL端の吸収スペクトル、図14(e)は本願のハイブリッド触媒(PNM−PrO)のNiのL端の吸収スペクトルを示す。 図15(a)は、PrOで、PNMで、および本願のハイブリッド触媒でコートされたLSCFの、Prの4dのXPSスペクトルである。図15(b)はLSCFのCoのL端の吸収スペクトルであり、図15(c)はLSCFのFeのL端の吸収スペクトルである。曲線は、200mtorrの酸素中において、それぞれ300℃および500℃で収集されたデータである。図15(b)および図15(c)中の挿入図は、プリエッジ領域の図の拡大図である。 図16は、LSCFおよびの本願のハイブリッド触媒(PNM−PrO)の表面組成のグラフであり、300℃で200mtorrのO、500℃で200mtorrのO、および500℃で200mtorrの混合ガス(90%O+10%HO)という異なる条件下で測定された。比較のために、(La+Sr)/(Co+Fe)およびPr/(Ni+Mn)は、200mtorrのO中において300℃で得られた値によって正規化された。 図17は、図16に示された、LSCFおよび本願のハイブリッド触媒(PNM−PrO)薄膜(試験前後)のAFM像である。 図18(a)はOの1sのスペクトルであり、図18(b)はSrの3dのスペクトルであり、それらは、10%のHOが添加された200mtorrのO中における500℃でのLSCFのものである。図18(c)はOの1sのスペクトルであり、図18(d)はPrの4dのスペクトルであり、それらは、10%のHOが添加された200mtorrのO中における500℃での、本願のハイブリッドPNM−PrO触媒のものである。528.8eV近傍にあるメインピークは、LSCF中の格子のOに起因する。532eV近傍の小さなピークは、300℃の加熱によっては完全に除去されなかった、表面の吸着物質によるものであった。10%HO+90%Oにサンプルを露出した後において、530eVの近傍で強度の明らかな増加が観察されたが、これは−OHに起因する。同時に、10%HO+90%Oにサンプルを露出した後において、Srの3dスペクトル中のSr−OH(Sr非格子(non−lattice))に対応する成分が明らかに増加しており(図18(b))、これはOの1sスペクトル(図18(a))の変化と一致する。一方、10%HOへの露出の前後において、触媒(ピュア)表面のOの1sおよびPrの4dのピークには、変化がほとんど見られない(図18(c)および図18(d))。図19に示されるように、本願のハイブリッド触媒コートされたLSCFのOの1sおよびPrの4dのスペクトルも変化せず、これは、同様に、本願のハイブリッド触媒コートされたLSCFのサンプルの安定な表面を示している。 図19(a)はOの1sのスペクトルであり、図19(b)はPrの4dのスペクトルであり、それらは、10%のHOが添加された200mtorrのO中における500℃での、本願のハイブリッド触媒コートされたLSCFのものである。 図20(a)〜図20(c)は、酸素空孔の軌道の描写であり、図20(a)はPr欠損(VPr)なしの図であり、図20(b)はPr欠損(VPr)ありの図である。実線の矢印は、酸素の移動の軌道を表す。図20(c)は、本願のハイブリッド触媒(PrO/PNM)でコートされたLSCFカソードにおけるO還元の最も低エネルギーの経路、および、Pr欠損の導入によるPNM中の酸素空孔の増強されたバルク拡散を示す模式図である。 図21は、Pr偏析のないバルクのPNMを通る、酸素イオン伝導の軌道のグラフである。Pr偏析があるバルク拡散が、明確な移動障壁(0.45eV)なしで起こりうることが注目される。 図22(a)および図22(b)は、PrO/PNMの(001)表面を通る酸素イオン伝導の軌道を図示し、図22(a)はPr偏析なしの図であり、図22(b)はPr偏析ありの図である。 図23は、Pr偏析がない、PrO−Ni−PrO−Mn−で終端されたPNMの(110)表面への1MLのPrOの表面からの酸素イオン拡散の模式図である。図23(a)は拡散前を示し、図23(b)は拡散後を示す。Vは、酸素空孔を表す。 図24は、Pr偏析がある、PrO−Ni−PrO−Mn−で終端されたPNMの(110)表面への1MLのPrOの表面からの酸素イオン拡散の模式図である。図24(a)は拡散前を示し、図24(b)は拡散後を示す。VおよびVPrはそれぞれ、酸素空孔およびPr空孔を表す。
本発明の様々な実施形態の原理および特徴についての理解を容易にするために、様々な例示的な実施形態が以下に説明される。本発明の例示的な実施形態が詳細に説明されるが、他の実施形態が考えられることが理解されるべきである。したがって、本発明がその範囲において、以下の記載の中で述べられまたは図に示された、構成要素の構造および配置の詳細に限定されることを意図するものではない。本発明は、他の実施形態が可能であり、且つ、様々な方法で、実践または実行できる。また、例示的な実施形態について記載する際に、特定の技術用語が明確性のために用いられる。
また、明細書および添付の特許請求の範囲において使用される、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈が明らかにそうでないことを指示していない限り、複数についての言及を含むことに留意が必要である。例えば、1つの構成要素についての言及は、複数の構成要素の組成を含むように意図される。「1つの(a)」成分を含む組成についての言及は、指定されたものに加えて他の成分を含むように意図される。
また、例示的な実施形態について記載する際に、技術用語が明確性のために用いられる。意図されているのは、それぞれの語句が、当業者によって理解される最も広い意味を意図しており且つ同様の目的を達成するのに同様の方法で動作するすべての技術的な等価物を含むことである。
ここで、範囲は、「約」または「およそ」または「実質的に」1つの特定の値から、および/または、「約」または「およそ」または「実質的に」別の特定の値までのものとして表現されるかもしれない。そのような範囲が表現される場合、他の例示的な実施形態は、1つの特定の値から、および/または、別の特定の値まで、を含む。
同様に、ここで使用される、何かが「実質的にない(free)」または「実質的に純粋な(pure)」および同様の特性記述は、何かが「少なくとも実質的にない」または「少なくとも実質的に純粋な」、および、何かが「完全にない」または「完全に純粋な」ことの両方を含むことができる。
「含む(comprising)」または「含有する(contain)」または「含む(including)」という語句は、少なくとも指定された化合物、元素、粒子、または方法ステップが、組成または物品または方法の中にあることを意味するが、他の化合物、物質、粒子、方法ステップがあることを除外せず、それはたとえ他のそのような化合物、物質、粒子、方法ステップが指定されたものと同じ機能を持っているとしてもである。
また、1つ以上の方法ステップについての言及は、追加の方法ステップまたはそれらの明白に特定されたステップ間の中間の方法ステップの存在を排除しないことが理解されるべきである。同様に、組成中の1つ以上の成分についての言及は、明白に特定されたもの以外の追加の成分の存在を排除しないことが理解されるべきである。
本発明の様々な要素を構成するように記載された物質は、例示的であり且つ限定的ではないものであると意図される。ここに記載された物質と同じまたは同様の機能を奏する多くの適切な物質が、本発明の範囲内に包含されることが意図される。ここに記載されないそのような他の物質は、例えば、本発明の開発時の後に開発された物質を含むことができる(ただしそれに限定されない)。
RPタイプの層状ペロブスカイト(例えばPrNiO4+δ、δ=0.15〜0.22)は、そのユニークな酸素イオン輸送特性のために、SOFC用の可能性のあるカソードとして研究されてきた。多孔性のLSCFカソードの表面を覆う触媒として、PrNi0.5Mn0.54+δの化学式を意図してMnがドープされたPrNiO4+δを用いた場合、実際には、多孔性のLSCFカソードへの触媒の溶液浸透の条件下において、PrO相(Pr12の組成の可能性がある)および単一のペロブスカイト相PrNi0.5Mn0.5(PNM)(図1)で触媒層が構成されることが分かった。離溶プロセスに由来するナノ粒子の利点であって、他の従来の成膜技術(たとえばナノ粒子の溶液浸透)に由来するものに対する利点は、粒径、分散性、および形態安定性に対するよりよいコントロールを含む。
性能向上のメカニズムについて説明するために本願のハイブリッド触媒の表面化学および電子構造を調べるため、平らで緻密なLSCF電極を備えるモデルセルに、PLDを用いて触媒の薄膜が成膜された(図2〜図3)。
PNMの結晶構造とLSCFのそれとの類似性は、各LSCF結晶粒上における、PNMの緻密でコンフォーマルなコーティングの容易なエピタキシャル成長を促進し(図4)、Sr偏析の抑制に対する、および、それによるLSCFカソードの安定性および耐久性の強化に対する効果の評価を可能にする。
[触媒コートされた電極の構成]
図5(a)は、多孔性のLSCF電極バックボーン(焼結された大きなLSCF結晶粒)上の本願のハイブリッド触媒コーティングの表面形態を模式的に示し、それはすなわち、PrOナノ粒子で修飾されたPNM膜を含むコンフォーマルコーティングである。図5(b)は、PNMコーティング上の2つのPrO粒子のTEM像を示す。図5(b)の中の2つの挿入図は、それぞれ、PrOナノ粒子(蛍石構造)およびPNMコーティング(ペロブスカイト構造)のFFTパターンである(図4(a)および図4(b))。2つの位置(図5(b)の1および2)から得られた、図5(b)に示されるEELSスペクトルと共に、ナノ粒子のFFTパターン(図5(b)の挿入図)は、それらのナノ粒子が主としてPrOであることをさらに示している。
FFTパターン中の超格子スポット(図5(b)の位置1)は、PrO内で配列した酸素空孔の形成によって引き起こされた可能性が最も高い。図5(c)に示されるのは、本願のハイブリッド触媒コートされたLSCFの断面図(HAADF−STEM像)である。図5(c)に印された線に沿って得られたEELSスペクトル(図5(d))は、薄いPNM層(厚さ〜10nm)がLSCF表面上にコンフォーマルにコートされる一方で、離溶した粒子がPrOであることを明確に示している。
[電気化学的性能]
図6(a)に示されるのは、ベアのLSCF、PNMでコートされたLSCF、PrOでコートされたLSCF、および本願のハイブリッド触媒(PNMおよびPrO)でコートされたLSCFの電極を備える対称的なセル(図7(a)および7(b))について、OCV条件で外気中において750℃で得られた、典型的なEISである。これらの電極の750℃におけるRは、ベアのLSCF、PNMでコートされたLSCF、PrOでコートされたLSCF、および本願のハイブリッド触媒でコートされたLSCFについて、それぞれ、0.134、0.068、0.030および0.022Ωcmである。
明らかに、本願のハイブリッド触媒(PNMおよびPrO)の薄膜でコートされたLSCFは、検討されたすべてのカソードの中で最も低いRを示し、先に報告された他の優れた2つのカソード、すなわちLCCでコートされたLSCFおよびPSCMでコートされたLSCF、よりもはるかに良好であった(図8)。
この結果は、本願のハイブリッド触媒(PNMおよびPrO)がLSCF上で最も高いORR活性を有することを示唆する。さらに、これらのカソードの表面交換速度も、ECR測定から決定された(図6(b)および図9)。750℃において、ベアのLSCFの表面交換係数(k)は、〜5.68×10−4cm/sであった。それは、LSCFについて以前に報告された値と一致している。PrOで、PNMで、および、本願のハイブリッド触媒でコートされたLSCF電極のkは、〜1.77×10−2、7.58×10−3、および7.50×10−3cm/sに増加した。PrO−LSCF電極の最も高いkは、酸素交換に対してPrOが最も活性であることを示唆している可能性がある。しかしながら、本願のハイブリッド触媒コートされたLSCF電極は、対称的なセルにおいて最も低いRを示し、これは、カソードプロセスの全体的な速度が、ORRに関連したイオン輸送の速度のような他の要因にも依存することを示唆している。後に詳述されるように、PNMのコンフォーマルコーティングは、LSCFへの迅速な酸素イオン輸送を促進する際に重大な役割を果たす。
図6(c)に示されるのは、アノードサポート型セル(図7(c))の、750℃における、ベアのLSCFカソードまたは触媒コートされたLSCFカソードに基づく、典型的なI−V−Pカーブである。1.21W/cmのピーク電力密度(Pmax)が、本願のハイブリッドPNM−PrO触媒でコートされたLSCFを備えるセルによって達成され、PrO−LSCFの1.09W/cm、PNM−LSCFの0.88W/cm、およびベアのLSCFの0.79W/cmよりもずっと高かった。図6(d)に示されるのは、異なるカソードを備えるアノードサポート型セルの、0.7Vの一定のセル電圧において750℃で〜500時間作動したときの、電力密度である。明らかに、本願のハイブリッド触媒でコートされたLSCF電極を有するセルは、最も高い電力密度だけでなく最良の耐久性も示した。
なお、初期(〜110時間)で増加する性能は、ナノPrO粒子(図10(a)および図10(b))の離溶のためである可能性が最も高い。110時間の後の、性能における優れた耐久性は、長期間の安定性試験後における、本願のハイブリッド触媒コートされたLSCF電極の、形態、組成、および構造における観察された安定性に起因する(図10(c)、図10(d)および図11〜図13)。
[性能および安定性向上の要因]
本願のハイブリッド触媒の2つの相、すなわちPrOおよびPNMが、カソードのORR活性および耐久性に相乗的に寄与した可能性が最も高い。酸素は、高活性のPrO粒子によって容易に取り込まれることができる。PNMコーティングを備えるセルは、最初はより低い性能(PrOコーティングおよび本願のハイブリッド触媒コーティングと比較した場合)を示したが、時間とともに、顕著な活性挙動を示した。検討されたカソードの組み合わせの中で、本願のハイブリッド触媒でコートされたLSCFは、最も低いR、最も高い電力出力、および最良の安定性を示し、これは、コンフォーマルな薄いPNM膜が安定性を高める一方でPrOナノ粒子が劇的にORR速度を促進することを示唆している。この仮説をテストするために、ベアのLSCF(〜100nm)、PNMで、PrOで、および本願のハイブリッド触媒(〜10nm)でコートされたLSCF(〜100nm)薄膜モデル電極システムの表面の電子構造および組成を、NAP−XPSおよびNEXAFSを用いて調査した。
[速いORR速度:PrOにおける表面酸素空孔および電荷移動能]
カソード表面から酸素分子への電子移動は、ORRにとって重要なステップである。
フェルミ準位(E)の近傍の状態密度(DOS)は、電子移動の容易さをキャラクタライズするために用いられる、簡単な記述語(descriptor)である。Z.H. Cai, Y. Kuru, J.W. Han, Y. Chen, B. Yildiz, J Am Chem Soc, 133 (2011) 17696-17704、および、P.J. Feibelman, D.R. Hamann, Phys. Rev. Lett., 52 (1984) 61-64。
価電子帯(VB)のX線光電子スペクトルは、満たされた状態に関する情報を提供する(図14(a))。ベアのLSCF、ならびに、PNMで、PrOで、および本願のハイブリッド触媒でコートされたLSCFのフェルミ準位近傍のVB構造を、図14(b)に示す。すべてのサンプルのVBスペクトルの面積が1に正規化されているので、スペクトルの強度は、VB中のDOSを表す。PrO−LSCFおよび本願のハイブリッド−LSCFのEにおけるDOSは、ベアのLSCFおよびPNM−LSCFのいずれかのそれよりも高く(図14(b))、これは、PrO−LSCFおよび本願のハイブリッド−LSCFの表面から、吸着された酸素分子までの、より容易な電荷移動を示している。
SOFCカソードについては、酸素空孔の濃度も、速い酸素交換に対する決定的な要因である。M. Pavone, A.M. Ritzmann, E.A. Carter, Energy Environ. Sci., 4(2011) 4933-4937、Y.-L. Lee, D. Lee, X.R. Wang, H.N. Lee, D. Morgan, Y. Shao-Horn, The Journal of Physical Chemistry Letters, 7 (2016) 244-249、Y.L. Lee, J. Kleis, J. Rossmeisl, Y. Shao-Horn, D. Morgan, Energy Environ. Sci., 4 (2011) 3966-3970、および、Z.A. Feng, F. El Gabaly, X. Ye, Z.-X. Shen, W.C. Chueh, Nat Commun, 5 (2014)。
温度の関数としての、VBスペクトル中のE近傍の強度およびX線吸収スペクトル(XAS)の変化は、酸素空孔が、昇温された温度においてPrO中に容易に形成されることを示しており、これは、PrOナノ粒子が、恐らく、本願のハイブリッド触媒でコートされたLSCFカソード中のORRに対して活性相であることを示唆している。
NEXAFSは、満たされていない電子状態を調査する。ベアのLSCFについて、OのK端のXAS(図14(c))中の特徴iは、Oの2p−遷移金属(TM)の3dの混成帯の非占有状態に起因する。温度の上昇に伴って、より多くの酸素空孔がLSCF表面で生じ、これは、フェルミ準位近傍の電子状態の占有率をもたらし、それによって、e吸収特性強度が減少する。
2g吸収特性はわずかに増加し、これは、共有結合性の変化に起因する。Y. Orikasa, T. Ina, T. Nakao, A. Mineshige, K. Amezawa, M. Oishi, H. Arai, Z. Ogumi, Y. Uchimoto, Phys. Chem. Chem. Phys., 13 (2011) 16637-16643、および、D.N. Mueller, M.L. Machala, H. Bluhm, W.C. Chueh, Nature Communications, 6 (2015)。
遷移金属(TM)のL端のXASから、Feの価電子状態が同じままだった一方で、共有結合状態のわずかな減少が観察された(図15)。PrO−LSCFについて、OのK端のXAS(図14(c))は、立方晶のPrOのそれと同様であり、XRDで定量されたPrOの立方晶構造(図3〜図4)と一致している。LSCFと同様に、PrO−LSCFのOのK端のXAS中の特徴iの強度(Prの4f−Oの2p混成帯に対応する)は、温度と共に著しく減少した。そのような減少は、恐らく、占有されていないPrの4f−Oの2p帯に過剰の電子を満たしておく酸素空孔の形成による。本願のハイブリッドPNM−PrO触媒でコートされたLSCFのOのK端のXASの変化は、PrOでコートされたLSCFのそれと同じ傾向となった。一方、PNM−LSCFは、OのK端のXASの検知できる変化を示さなかった。
上記のOのK端のXASの変化と一致して、温度の上昇に伴って、PrO−LSCFのVBスペクトル中のフェルミ準位近傍の強度が増加し、VBのトップはフェルミ準位に向かって上方にシフトする(図14(b))。そのような変化は、恐らく、高温におけるPrO−LSCF中の酸素空孔の形成(フェルミ準位近傍の状態の生成をもたらす)によるものである。本願のハイブリッドPNM−PrOコートされたLSCFのVBは、PrO−LSCFのVBの挙動に倣い、一方で、VBのトップの変化はPNM−LSCFより少なかった(図14(b))。さらに、本願のハイブリッド触媒のNiおよびMnのL端のスペクトル(図14(d)および図14(e))は共に、温度による顕著な変化を示さず、これは、NiおよびMnの価電子状態に変化がなかったことを示している。これらの結果はすべて、温度に伴って、本願のハイブリッドPNM−PrO触媒のVB構造およびOのK端のXASの温度依存性の変化が、PrO中の酸素空孔の形成から生じることを示している。我々のXPSおよびXASの測定から推定される酸素空孔の有効性に基づいて、PrOは、速い酸素交換プロセスに対する、本願のハイブリッド触媒コートされたLSCF表面における、活性相である。
[高められた耐久性:本願のハイブリッドコーティングの固有の化学的安定性]
本願のハイブリッドPNM−PrO触媒でコートされたLSCFの高い安定性のメカニズムを理解するために、LSCFの表面化学が調査され、本願のハイブリッド触媒、および本願のハイブリッド触媒コートされたLSCFのモデル薄膜が、昇温した温度で、反応性ガス(O、HO)に露出された。すべてのサンプルは、最初に200mtorrのO中において300℃で炭素が除去され、次に、O中において500℃に加熱された。続いて、温度を500℃に維持しながら、10%のHOがOガス環境に加えられた。図16に示されるのは、測定条件の関数としての、LSCFの(La+Sr)/(Co+Fe)比(Laの3d、Srの3d、Coの2pおよびFeの2pのピーク面積から定量された)、および、本願のハイブリッド触媒のPr/(Ni+Mn)比(Prの4d、Niの3pおよびMnの3pから定量された)である。明らかに、O中で温度が300から500℃に上昇するとともに、または、10%のHOが500℃で導入されたときに、LSCFの(La+Sr)/(Co+Fe)比は著しく増加した。対照的に、本願のハイブリッド触媒のPr/(Ni+Mn)比は、同様の条件下で、わずかだけ変化した。さらに、LSCFの表面は、LSCFの(La+Sr)/(Co+Fe)比の大きな増加に伴い、大きな凝結粒子の形成によってはるかに粗くなった。
対照的に、本願のハイブリッド触媒の表面形態は、ほとんど変化しないままであった(図17)。これらの結果はすべて、SOFCの工程に関連するガスに高温でさらされたときに、本願のハイブリッド触媒の表面が、LSCFよりも化学的により安定であることを証明している。Oの1s、Srの3dおよびPrの4d光電子スペクトルは、本願のハイブリッド触媒がLSCFよりも良好な安定性を有するということをサポートする証拠をさらに提供する(図18〜図19)。
[計算によって調査されたORRの加速のメカニズム]
酸素吸着、空孔形成および酸素輸送過程を調査することによって、本願のハイブリッド触媒コーティングにおける向上されたORRおよび安定性のメカニズムに対するより多くの見識を得るために、周期的密度汎関数理論(DFT)のシミュレーションが行われた。以下に示されるが、DFT計算によって予測された強い酸素吸着およびより容易な空孔形成は、上に述べたXPSおよびXASから得られた結果と一致している。さらに、これらの計算に基づいて、離溶したPrO粒子による速い酸素輸送、および、コンフォーマルなPNMコーティングによるより安定した表面を予想することができ、後者は、上記のXPSの結果と一致している。
PrO上の酸素吸着エネルギー、および、PrO中の酸素空孔形成エネルギーが、PBE+Uを用いて計算された。Y. Choi, M.C. Lin, M. Liu, Angewandte Chemie International Edition, 46 (2007) 7214-7219。そして、比較のための優れたモデル触媒リファレンスとしてCeOが選ばれた。
表1は、バルクのPrOおよびCeOの計算された格子定数、平均酸素空孔形成エネルギー、ならびに、PrOおよびCeOの(111)表面上のOの吸着エネルギーを示す。示されるように、真っ向の構成(end−on configuration)で、バルクのPrOおよびCeOの計算された酸素空孔形成エネルギー(EVO)(それぞれ、1.04eVおよび4.69eV)は、PrO(111)およびCeO(111)の表面上のOの吸着エネルギー(それぞれ、−1.19および〜0.00eV)である。これらの量は、表面の酸素交換およびバルクの酸素拡散速度がどのぐらい速いかを示す特性である。
CeOと比較して、PrOのより強いO吸着およびはるかに低い酸素空孔形成エネルギー(EVO)が、カソードの条件下におけるPrO表面での酸素の取り込みの容易化および非常に優れたORR速度をサポートしている。PrOへの酸素分子の強い吸着(恐らく化学吸着)は、上記のXASおよびXPSによって見出された、PrOにおけるより容易な電荷移動と一致している。
PrOの計算されたEVO(1.04eV)は、PNM(3.63eV)およびLSCF(2.38eV)のそれよりもはるかに小さい(表2)。これも、上記のXPSおよびXASの測定からPrOで見出された、より多量の酸素空孔と一致している。
表2は、バルクのPNMおよびLSCFの計算された格子定数および平均酸素空孔形成エネルギーを示す。さらに、PrO離溶プロセスの間において、薄膜PNM相中に局所的な酸素空孔輸送チャネルが形成される可能性があり、これは、PrO/PNM−LSCF電極系を通る速い酸素輸送を可能にする。PrOナノ粒子の局所的な成長(図6)は、必然的に、元のPNMコーティング中の局所的なPr欠損をもたらすかもしれない。PNMのバルク相中のPr欠損の影響を理解するために、酸素拡散に対する移動障壁が計算された(以前の研究と同様である)。
化学量論的なバルクのPNM構造は1.26eVの移動障壁(E)を有し、一方、Pr欠損がある構造は、0.45eVというはるかに低い障壁を有する(表3)。
表3は、バルクのPNMの計算された平均酸素空孔形成エネルギー(EOV)、移動エネルギー(E)、および、バルクの拡散障壁(E)を示す(GGA−PBEにおいて、PrNiMn12およびPrNiMn12で斜方晶形の構造が用いられた)。
より興味深いことには、化学量論的な構造が、空孔と近傍のイオンとの間の強い相互作用を有する一方で、非化学量論的な構造は、滑らかに曲がった空孔軌道を示す(図20(a)〜図20(b))。表3にまとめられたように、バルクの拡散障壁Eは、移動障壁(E)および酸素空孔形成エネルギー(EOV)の合計である。
事実、この系では、バルクの拡散障壁はPr欠損によって4.89eVから1.62eVまで低下した(図21)。Prが欠損したPNM中のバルクの拡散障壁の67%の低下は、薄いPNM層を通る速い酸素輸送の可能性を支持する。さらに、PrO表面からPrが欠損したPNM表面下への酸素の移動エネルギーが調査された。その問題を単純化するために、PrOで終端されたPNM表面は、PrO粒子からPNMへの酸素移動を表すと評価された。表面エネルギー計算は、PrOで終端された表面が、NiおよびMnで終端されたものよりもより安定なことを示した。
図22に示されるように、PNM中にPr欠損のない構成では、表面下へ拡散するには0.21eVの障壁が要求され、それに続き、酸素空孔に到達するためには、0.93eVの移動障壁を克服しなければならない。しかしながら、PNM中にPr欠損がある場合、酸素は、障壁なしに表面下へ即座に取り込まれ、その後、それは、0.82eVの障壁の克服によってホップする。移動障壁の12%の減少、および、取り込み障壁がないことは、PNM中のPr欠損が、バルク層への、およびバルク層を通る酸素輸送を高める重大な要因でありえることを明確に示している。
全体として、表面およびバルクの計算に基づいて、本願のハイブリッド触媒でコートされたLSCFカソードの高められたORRおよび速いバルク拡散を、図20(c)に図示する。気相の酸素は、PrOナノ粒子またはPrOで終端されたPNM表面のいずれかに優先的に吸着し、それに解離が続く。続いて、単原子の酸素は、PrO表面またはPrOバルクを通って拡散し、PNMへ、およびカソード/電解質界面へ下方移動する。
最後に、PNMとLSCFとの間の格子のミスマッチはわずか0.4%であり、LSCF上へのコンフォーマルなPNMコーティングの形成を可能にし(図5(c)に示される)、PNM層は化学的な劣化から表面を保護する。Aサイト元素(例えばSr)の偏析および相析出は、LSCFおよびペロブスカイト関連の物質の性能に対して有害なものであると、文献では広く受け入れられている。Y. Chen, W.C. Jung, Z. Cai, J.J. Kim, H. Tuller, B. Yildiz, Energy Environ. Sci., 5 (2012) 7979-7988、および、J.W. Han, B. Yildiz, Energy Environ. Sci., 5 (2012) 8598-8607。確かに、LSCF性能の連続的な劣化(図6(d))は、図16に示されるようにLSCF上のSr偏析に起因する。
Sr偏析の1つの推進力は、酸素空孔の優先的な形成による、表面における正味の正電荷である。高い酸素空孔形成エネルギー(表2)を備えるコンフォーマルなハイブリッド触媒層によるカバーは、LSCF/PNM界面における酸素空孔の集中を抑制することができ、その結果、Sr偏析の推進力を減少させることができる。この主張と一致して、本願のハイブリッド触媒の表面は、反応性ガスに高温でさらされたときに、電気化学的(図6)および化学的(図16)の両方において、LSCF表面よりもはるかに安定していることが分かった。
要約すると、ORR活性および最新のLSCFカソードの安定性の両方が、コンフォーマルなPNM膜および離溶したPrOナノ粒子で構成された、電極触媒的に活性で丈夫なハイブリッド触媒コーティングによる表面修飾によって、効果的に高められた。分散したPrOナノ粒子は、より容易な電子移動、および、表面における酸素空孔のより高い濃度のために、ORR速度を著しく加速する。
本質的により安定したPNM膜は、LSCFからのSr偏析を抑制することによって、カソードの耐久性を大幅に高める。2つの別個の相の特有な特性の組み合わせ、および、それらのユニークな形態および構成は、最新の電極バックボーンの電極触媒性能および長期耐久性の劇的な強化をもたらす。そのプロセスは、シンプルなワンステップの表面修飾を含む。表面強化の実証されたアプローチは、中温SOFCにとってだけでなく他のタイプのエネルギーの変換および貯蔵システム(クリーンな燃料の合成のための膜反応器および水素製造のための電解セルを含む)にとっても、魅力的である。
[実験]
[浸透用のPNM、PrO、および本願のハイブリッドコーティング溶液の調製]
0.1MのPrNi0.5Mn0.54+δ(意図した化学式)、PrNi0.5Mn0.5MnO(PNM)およびPr(NOの溶液を形成するために、化学量論量の、高純度の硝酸プラセオジム水和物、硝酸ニッケル水和物、硝酸マンガン水和物(すべてAlfa Aesar社)が、脱イオン水/エタノール混合物(体積比は1:1)に溶解された。5重量%ポリビニルピロリドン(PVP)が界面活性剤として溶液に加えられ、化学量論量のグリシンが、錯化剤および後の自己燃焼の燃料として加えられた。5μLの原液(stock solution)が、多孔性のLSCFカソードの表面に置かれた。コーティングは、セルの動作開始段階(start−up stage)の間に800℃で1時間焼成された。PNM粉末は、溶液燃焼法によって調製された。その後、灰分は、800℃で5時間焼成された。PNM粉末の相組成は、XRDによって特定された(図1)。
[PLDモデル薄膜の作製および特性評価]
表面の微細構造によって導入される複雑化を回避するために、PLDによって調製された薄膜が、多孔質電極の代わりのモデルシステムとして用いられた。PrO、PNMおよび本願のハイブリッド触媒の薄層(約10nmの厚さ)によって覆われたLSCF薄膜を、8mol%のYがドープされたZrO(YSZ)の(001)単結晶基板上に成長させた。PLD成長は、10mTorrの酸素圧力下において700℃で行われた。248nmの波長、1パルス当たり400mJのエネルギー、10Hzのパルス周波数のKrFエキシマレーザーが、成膜に用いられた。ターゲット基板の距離は、7cmに設定された。膜は、2Torrの酸素圧力中において、5℃/分の冷却速度で室温に冷却された。望まない化学反応を回避するために、YSZとLSCFとの間にGDCバッファ層を成膜した。PrO、PNM、LSCF、およびハイブリッドの単層も、比較のために、同じ条件下で成長させた。図2〜図3に示されるように、PLD薄膜は、本願のハイブリッド触媒でコートされたLSCFの多孔性カソードの典型である。
NAP−XPSおよびNEXAFSは、バークリー(Berkeley)のAdvanced Light Sourceにおいて、部分的電子収量検出モードで、ビームライン11.0.2およびビームライン9.0.3で行われた。すべての特性評価の前に、炭素のコンタミネーションを除去するために、サンプルは、200mtorrの酸素中において300℃で1時間加熱された。
[対称的なセルおよび単セルの作製]
YSZのペレットは、市販のYSZ粉末(第一稀元素社、日本)を一軸プレスすることによって調製し、続いて、〜98%の比重を達成するために、1450℃で5時間焼結した。LSCF(Fuelcell Materials社、米国)のグリーンテープが、テープキャスティングによって調製され、それは次に、SDC(バッファ層としても機能する)のスラリーを用いて、YSZ電解質ペレットの両面に固定された。なお、薄膜モデルセルの作製において、バッファ層としてGDCが用いられた。両方の場合で、YSZ電解質とLSCFカソードとの間の高温での化学反応を防ぐために、セリア系酸化物(GDCまたはSDCのいずれか)の薄層が、バッファとして用いられた。その後、セルは、多孔性のLSCF電極(面積は0.316cm)をYSZ上に形成するために、1080℃で2時間同時焼成(co−fire)した。SDC粉末は、化学的な共沈法を用いて合成された。次に、SDC粉末は、バインダであるV−006A(ヘレウス社(Heraeus)、米国)と共に、アセトン中に分散され、安定なSDCスラリーを形成するために、ボールミルに24時間かけられた。
[アノードサポート型の完全なセルの作製]
最初に、テープキャスティングされたNiO/YSZアノードサポートを作製し、850℃で2時間予備焼成(pre−fire)した。次に、粒子懸濁液塗布法(particle suspension coating process)およびそれに続く1400℃で5時間の同時焼成によって、NiO/YSZ機能層(〜15μm)およびYSZ電解質(〜15μm)を、順にアノードサポート上に成膜した。次に、対称的なセルの作製について先に記載されたのと同じ手順を用いて、YSZ電解質にLSCFカソードを加えた。
[カソードの相組成および微細構造の特性評価]
750℃で550時間の試験をする前後において、混合されたベアのLSCFおよびPNM−LSCF電極について、514nmのレーザー励起を用いて、ラマン分光(レニショー社(Renishaw)、RM1000)が行われた。触媒コーティングを備えた/備えないLSCFペレットの微細構造および形態について、走査型電子顕微鏡(SEM、LEO 1530)を用いて観察した。表面元素の電子構造は、X線光電子分光法(Thermo K−Alpha XPS、サーモフィッシャーサイエンティフィック社(Thermo Fisher Scientific))を用いて、評価された。
[電気化学的測定]
2つの電極の対称的セル構成について、集電体として2つの銀メッシュを用いて(触媒活性に対する起こりうる影響を回避するためにPtペーストなしで)、500〜800℃で、カソードの面積抵抗率(ASR)を測定した。EG&G社のPARポテンショスタット、モデル273Aに接続されたSolartron社の1255 HF周波数応答アナライザを用いて、100kHzから0.01Hzまでの周波数範囲において、10mVのAC振幅で、インピーダンススペクトルを得た。燃料として加湿水素(3%のHO)を用い、酸化剤として外気を用いて750℃で燃料電池を試験するために、ボタンセル(button cell)がアルミナ支持チューブに取り付けられた。セルの性能は、アルビン社(Arbin)の多チャンネル電気化学テストシステム(MSTAT)でモニタされた。
[計算方法]
周期的密度汎関数理論(DFT)の計算が、Vienna ab−initio simulation package(VASP)を用いて、射影補強波(projector−augmented−wave(PAW))法で行われた。LSCFおよびPNMのような2つのBサイトカチオンの2つの有効なUパラメータ(Ueff)の同時最適化は、正しくない結果をもたらすかもしれないため、LSCFおよびPNMに対してPerdew−Burke−Ernzerhof(PBE)の交換相関汎関数を用いながら、一般化勾配近似(GGA)でスピン偏極法を行った。しかしながら、Ueffが5.0eVおよび6.0eVであるCeおよびPrの4f電子の強いオンサイト(on−site)のクーロン斥力を正確に記述するために、PBE+Uアプローチが、蛍石型構造のCeOおよびPrOのバルクおよび表面の特性の比較に適用された。酸素欠損のペロブスカイトLSCFおよびPNMをシミュレートするために、斜方晶の構造は、平面波基底系に対して415eVの運動エネルギーカットオフ(kinetic energy cutoff)で構築された。(3×3×3)および(3×3×1)のMonkhorst−Pack法のメッシュが、それぞれ、バルクおよび表面の計算に用いられた。
表2に、LSCFおよびPNMの最適化された格子定数を要約する。この検討において、LSCFは、LSCFカソード上のPNMの全面コーティングを理解するために形成された。イオンの拡散は(110)方向に起こる可能性が最も高いかもしれないということが報告されているため、最も可能性が高い表面を得るために、PNMの(110)表面の安定性が調査された。2次元表面計算のスラブは、15Åの真空空間によって隔てられた。
表4は、PNM(110)の計算された表面エネルギーを示す。(Pr12NiMn16のPNM(110)は、10Åの真空空間で適用された。表面エネルギーは、以前の研究と同様に計算された。)
表4に要約されるように、Mn−PrO−Ni−PrO、Ni−PrO−Mn−PrO、PrO−Mn−PrO−Ni、およびPrO−Ni−PrO−Mnを含む、4つのタイプのPNM(110)が得られる。この定性的な調査のために、PrOの1つの単層が、PrO−Ni−PrO−Mnで終端されたPNM(110)上に成膜された(図23〜図24)。高度にCPUを必要とする最適化およびそれに続く遷移探索計算(transition−search calculations)は、解離した酸素が、表面の酸素空孔に取り込まれ、その後、バルク相中の酸素空孔サイトに到達する、と推定した。この検討では、酸素空孔形成エネルギー(EOV)は、EOV=E[欠陥を有する表面]+1/2E[O]−E[完全な表面]で計算された。ここで、E[欠陥を有する表面]、E[完全な表面]およびE[O]は、それぞれ、欠陥を有するおよび完全なバルク構造、ならびに気相の三重項Oの、予測された電子エネルギーである。表面へのOの吸着エネルギー(Ead)は、Ead=E[O・表面]−E[表面]−E[O]で計算された。ここで、E[O・表面]およびE[表面]は、それぞれ、表面に吸着されたO種およびベアの表面に対して予測された電子エネルギーである。バルクの拡散障壁Eは、E=E+EOVで計算された。ここで、Eは、バルク相を通る酸素イオンの移動障壁である。Eは、クライミングイメージ−ナッジドエラスティックバンド(climbing image−nudged elastic band (CI−NEB))法によって、決定された。
図4(a)中の点線は、LSCFとPNMとの間の界面を強調している。コートされたPNM層は、厚さが10nm程度である。PNMとLSCFとの間のエピタキシャルな関係は、HRTEM像で明確に見ることができる。右上および右下のSAEDパターンは、それぞれ、純粋なLSCF結晶粒および界面領域から生じたものである。矢印は、PNM相から生じた超格子回折スポットを示している。異なる薄膜領域からのFFTによって明らかにされているように、PNM膜層中でドメインを特定することは可能であるが、LSCFおよびPNMは共に、同じ基本ペロブスカイト型構造を共有し、その構造は、SAEDパターン中の強い回折スポットに対応している。
図4(b)は、
の電子線方向からの、制限視野電子回折(SAED)パターンを示す。上の3つのSAEDパターンはLSCF結晶粒のみからのものであり、一方、下の3つのものは、LSCFおよびPNM結晶粒の両方を含有するエピタキシャル薄膜領域からのものである。下付き添字の「p」は基本のペロブスカイト単位格子を意味する。図4(c)は、PNMコーティングを備えるLSCFの、800℃で500時間アニールされる前後のHAADF−STEM像を示す。EELSおよびEDSの解析は、触媒層(厚さ10nm)とLSCFバックボーンとの間で拡散がほとんど生じなかったことを示している。
図4(d)は、逆格子空間におけるPNMおよびLSCFの単位格子を示す。PNMは斜方晶の構造である(空間群:P n m a、空間群番号:62、a=5.3950Å、b=7.6520Å、およびc=5.4460Å)。図4(e)は、ベアのLSCFおよびPNMでコートされたLSCFを備えるセル(試験の前後)について、空気中において室温で収集された典型的なラマンスペクトルを示す。本来の斜方晶のLSCFの振動モードはラマン活性ではないので、ベアのLSCF電極は、はっきりとしたラマンバンドを示さない。歪みは、徐々の性能劣化を引き起こす可能性がある望まれない構造変化として、予見されるかもしれない。本来のPNMがコートされたLSCFは、活性なPNM表面コーティングに由来する、2本のはっきりとしたバンドを示した。〜650cm−1のバンドは、PNM格子中のMn−O結合の振動であると考えられ、一方、〜524cm−1のバンドは、PNM格子中のPr−O振動の結果である。セル試験の後、PNMコーティングのラマンバンドは顕著な変化を示さない。また、LSCF基板に対応する新しいバンドは見られず、これは、PNMコートされたLSCFの構造的安定性および丈夫さを示唆している。
[ECR測定]
触媒コートされたLSCFの表面の交換速度が、ECR測定によって評価された。緻密なLSCF極棒ペレットは、市販のLSCF粉末を300MPaで乾式プレスし、1250℃で5時間焼結することによって得た(比重は>95%)。焼結された極棒を、1200メッシュのSiC研磨紙によって、およそ2×2×13mmの寸法に研磨し、エタノール中で超音波洗浄した。触媒溶液(0.01M、硝酸塩前駆体およびグリシンが、50体積%のエタノールおよび50体積%の水の溶液に溶解された)は、800℃で2時間の焼成工程によって、研磨された表面全体に、10nmの突状のコート厚(L=VCM/ρSで見積もられた)でコートされた。ここで、Vは溶液の体積であり、Cは溶液濃度であり、Mはコーティングに用いられた触媒の分子量であり、ρは浸透物質の理論的な密度であり、Sは、溶液でコートされたLSCF極棒の表面積である。
導電率は、四探針DC法によって測定された。定電流(10mA)が2つの電流線に送られ、電圧レスポンスが、ポテンショスタット装置(MSTAT)によって記録された。測定は、600の〜700℃の温度範囲にわたって行われた。その後、サンプルは、750℃に加熱され、平衡のために1時間保持された。ガスpO2は、アルゴン(超高純度、99.999%、Airgas社、GA、米国)で酸素流を希釈することによって変化させ、同じ測定流量の2つの流れの間のガスのスイッチングは、導入ラインに接続された四方弁を用いて行われた。流量は、290mL/分に維持された。
ECRの技法では、サンプルのトータルの導電率は、一定温度において、酸素分圧(pO2)の瞬間的なステップ状の変化の間に測定される。ガスpO2は、窒素で酸素流を希釈することによって変化させた。複数のガス経路がシステムに含まれており、2つの異なるpO2値が同時に実現可能となるように、それぞれの経路は、アルゴン流をベースとする酸素流を伴う。それぞれのpO2流のガス流量は、マスフローコントローラで設定された。導電率の変化は、電荷担体の濃度の比例する変化によって、pO2と直接関係がある。p形の導体について、正孔の濃度は直接的にpO2に伴って減少し、その結果、バルクの酸素の非化学量論的増加に伴って、減少した導電率をもたらす。導電率は、式(1)に従ってそれぞれのpO2スイッチについて正規化し、フィックの第2法則(式2〜式4)の解法にフィットさせた。フィットにおける変動パラメータは、cm/sで測定された表面交換係数kchem、および、cm/sで測定されたバルク拡散係数Dchemである。
ここでtは秒単位の時間であり、σは正規化された導電率(相対的な導電率、g(t))であり、σは時間tの瞬間の導電率であり、σは初期の導電率であり、σは与えられたpO2に対する平衡時の導電率であり、x、y、zはセンチメートル単位のサンプルの寸法である。β、γ、Φは、式(4)の、正の、ゼロではない根である。すべての計算は、ECRデータからのkおよびDの推定、および、推定されたパラメータの質の評価を可能にする、自由に入手可能なMATLAB toolboxのECRTOOLSで行われた。
導電率の測定では、実験の温度は、300〜900℃の範囲にわたって調整された。各温度ポイントにおいて、漸増的な電流負荷が2本の電流線に加えられ、2つの電圧線における対応する電圧レスポンスは、ポテンショスタット装置およびイージーアンドジー社(EG&G社)の5210増幅器で記録された。その後、得られた直線の傾きから導電率の値が計算された。Dおよびkの決定については、550〜750℃の間において、50℃間隔でECRが行われた。極棒は、それらが周囲雰囲気(pO2=0.21気圧)と完全に平衡となることを確実にするために、まず、与えられた温度でおよそ1時間安定させた。その後、周囲雰囲気は、他の雰囲気(pO2=0.1気圧)に急に切り替えられ、それによって、導電率の変化をもたらした。時間による導電率の変化は、[σ(t)−σ(0)]/[σ(∞)−σ(0)]としてプロットされた。酸素の表面交換係数(k)は、ECRTOOLSによってECRカーブから計算された。
試験の最初の〜110時間において、元のコーティングから、より多くのPrO粒子が離溶したと思われ、そのことは、PrOナノ粒子の酸素空孔リッチな表面がORR速度を加速する可能性があるため、性能強化に有益である。しかしながら、110時間の試験後は、形態がかなり安定になった。これは、電力出力が、〜110時間の運転後に安定したという観察(図6(d))と一致している。
多数の特性および利点が、構造および機能の詳細と共に、先の記載で述べられた。本発明がいくつかの形式で開示されている一方で、以下の特許請求の範囲で述べられるような本発明およびその等価物の趣旨および範囲から外れることなく、本発明に対して、多くの改良、追加、および削除(特に部品の形状、サイズおよび配置に関して)をなすことが可能であることは、当業者に明らかである。したがって、ここでの教示で示唆されているかもしれないような他の変更または実施形態は、添付の請求項の広さおよび範囲内にあるとして、特に留保される。

Claims (58)

  1. イオン・電子混合伝導体と、
    前記伝導体の少なくとも一部の上の酸素還元触媒コーティングと、を含み、
    前記触媒コーティングは、コンフォーマルペロブスカイト膜と前記ペロブスカイト膜から離溶した粒子とを含む、電極。
  2. 前記コンフォーマルペロブスカイト膜は、プラセオジム、ニッケル、マンガン、および酸素の組成を含む、請求項1に記載の電極。
  3. 前記コンフォーマルペロブスカイト膜は、プラセオジム、マンガン、酸素、アルカリ土類金属、および遷移金属の組成を含む、請求項1に記載の電極。
  4. 前記ペロブスカイト膜から離溶した前記粒子は、PrOナノ粒子を含む、請求項1に記載の電極。
  5. 前記触媒コーティングは、約1〜約50nmの範囲の厚さを有する、請求項1に記載の電極。
  6. 前記コンフォーマルペロブスカイト膜は、PrNi0.5Mn0.5を含む、請求項2に記載の電極。
  7. 前記コンフォーマルペロブスカイト膜は、PrNi0.5Mn0.54+δを含む、請求項2に記載の電極。
  8. 前記コンフォーマルペロブスカイト膜は、PrNiMn12を含む、請求項2に記載の電極。
  9. 前記コンフォーマルペロブスカイト膜は、PrNiMn12を含む、請求項2に記載の電極。
  10. 前記コンフォーマルペロブスカイト膜は、Pr2−xNiMn1−y4+δを含み、
    0≦x≦2、および、
    0≦y≦1である、請求項2に記載の電極。
  11. 前記アルカリ土類金属は、カルシウム、ストロンチウム、およびバリウムからなる群より選ばれる、請求項3に記載の電極。
  12. 前記遷移金属は、ニッケル、コバルト、および鉄からなる群より選ばれる、請求項3に記載の電極。
  13. 前記ペロブスカイト膜から離溶した前記粒子は、PrOナノ粒子を含む、請求項4に記載の電極。
  14. 前記ペロブスカイト膜から離溶した前記粒子は、Pr12ナノ粒子を含む、請求項4に記載の電極。
  15. 前記触媒コーティングは、約1〜約20nmの範囲の厚さを有する、請求項5に記載の電極。
  16. 前記触媒コーティングは、約10nmの厚さを有する、請求項5に記載の電極。
  17. 前記Bは、カルシウム、ストロンチウム、およびバリウムからなる群より選ばれる元素で置換される、請求項10に記載の電極。
  18. アノードと、
    請求項1に記載の前記電極を含むカソードと、
    前記アノードと前記カソードの前記触媒コーティングとに隣接した電解質と、を含む固体酸化物燃料電池。
  19. 750℃において、前記カソードは、0.068Ωcm未満の分極抵抗を有する、請求項18に記載の固体酸化物燃料電池。
  20. 750℃において、前記カソードは、およそ0.022Ωcmの分極抵抗を有する、請求項18に記載の固体酸化物燃料電池。
  21. 前記カソードは、0.88W/cmより大きいピーク電力密度を有する、請求項18に記載の固体酸化物燃料電池。
  22. 前記カソードは、およそ1.21W/cmのピーク電力密度を有する、請求項18に記載の固体酸化物燃料電池。
  23. 750℃において、前記カソードは、5.7×10−4cm/sより大きい表面交換係数を有する、請求項18に記載の固体酸化物燃料電池。
  24. 750℃において、前記カソードは、約7.50×10−3cm/s〜約1.77×10−2cm/sの範囲にある表面交換係数を有する、請求項18に記載の固体酸化物燃料電池。
  25. 前記コンフォーマルペロブスカイト膜は、プラセオジム、ニッケル、マンガン、および酸素の組成を含む、請求項18に記載の固体酸化物燃料電池。
  26. 前記コンフォーマルペロブスカイト膜は、プラセオジム、マンガン、酸素、アルカリ土類金属、および遷移金属の組成を含む、請求項18に記載の固体酸化物燃料電池。
  27. 前記ペロブスカイト膜から離溶した前記粒子は、PrOナノ粒子を含む、請求項18に記載の固体酸化物燃料電池。
  28. 前記触媒コーティングは、約1〜約50nmの範囲の厚さを有する、請求項18に記載の固体酸化物燃料電池。
  29. 前記コンフォーマルペロブスカイト膜は、PrNi0.5Mn0.5を含む、請求項25に記載の固体酸化物燃料電池。
  30. 前記コンフォーマルペロブスカイト膜は、PrNi0.5Mn0.54+δを含む、請求項25に記載の固体酸化物燃料電池。
  31. 前記コンフォーマルペロブスカイト膜は、PrNiMn12を含む、請求項25に記載の固体酸化物燃料電池。
  32. 前記コンフォーマルペロブスカイト膜は、PrNiMn12を含む、請求項25に記載の固体酸化物燃料電池。
  33. 前記コンフォーマルペロブスカイト膜は、Pr2−xNiMn1−y4+δを含み、
    0≦x≦2、および、
    0≦y≦1である、請求項25に記載の固体酸化物燃料電池。
  34. 前記アルカリ土類金属は、カルシウム、ストロンチウム、およびバリウムからなる群より選ばれる、請求項26に記載の固体酸化物燃料電池。
  35. 前記遷移金属は、ニッケル、コバルト、および鉄からなる群より選ばれる、請求項26に記載の固体酸化物燃料電池。
  36. 前記ペロブスカイト膜から離溶した前記粒子は、PrOナノ粒子を含む、請求項27に記載の固体酸化物燃料電池。
  37. 前記ペロブスカイト膜から離溶した前記粒子は、Pr12ナノ粒子を含む、請求項27に記載の固体酸化物燃料電池。
  38. 前記触媒コーティングは、約1〜約20nmの範囲の厚さを有する、請求項28に記載の固体酸化物燃料電池。
  39. 前記触媒コーティングは、約10nmの厚さを有する、請求項28に記載の固体酸化物燃料電池。
  40. 前記Bは、カルシウム、ストロンチウム、およびバリウムからなる群より選ばれる元素で置換される、請求項33に記載の固体酸化物燃料電池。
  41. アノードと、
    カソードと、
    前記アノードと前記カソードとに隣接した電解質と、
    前記電解質に隣接した前記カソードの一部の触媒コーティングであって、約1〜約50nmの範囲の厚さを有する触媒コーティングと、を含み、
    前記触媒コーティングは、コンフォーマルペロブスカイト膜と前記ペロブスカイト膜から離溶した粒子とを含み、
    前記コンフォーマルペロブスカイト膜は、プラセオジム、ニッケル、マンガン、および酸素の組成を含み、
    前記ペロブスカイト膜から離溶した前記粒子は、PrOナノ粒子を含む、固体酸化物燃料電池。
  42. 750℃において、前記カソードは、0.068Ωcm未満の分極抵抗を有する、請求項41に記載の固体酸化物燃料電池。
  43. 750℃において、前記カソードは、およそ0.022Ωcmの分極抵抗を有する、請求項41に記載の固体酸化物燃料電池。
  44. 前記カソードは、0.88W/cmより大きいピーク電力密度を有する、請求項41に記載の固体酸化物燃料電池。
  45. 前記カソードは、およそ1.21W/cmのピーク電力密度を有する、請求項41に記載の固体酸化物燃料電池。
  46. 750℃において、前記カソードは、約7.50×10−3cm/s〜約1.77×10−2cm/sの範囲にある表面交換係数を有する、請求項41に記載の固体酸化物燃料電池。
  47. 前記コンフォーマルペロブスカイト膜は、PrNi0.5Mn0.5を含む、請求項41に記載の固体酸化物燃料電池。
  48. 前記コンフォーマルペロブスカイト膜は、PrNi0.5Mn0.54+δを含む、請求項41に記載の固体酸化物燃料電池。
  49. 前記コンフォーマルペロブスカイト膜は、PrNiMn12を含む、請求項41に記載の固体酸化物燃料電池。
  50. 前記コンフォーマルペロブスカイト膜は、PrNiMn12を含む、請求項41に記載の固体酸化物燃料電池。
  51. 前記コンフォーマルペロブスカイト膜は、Pr2−xNiMn1−y4+δを含み、
    0≦x≦2、および、
    0≦y≦1である、請求項41に記載の固体酸化物燃料電池。
  52. 前記ペロブスカイト膜から離溶した前記粒子は、PrOナノ粒子を含む、請求項41に記載の固体酸化物燃料電池。
  53. 前記ペロブスカイト膜から離溶した前記粒子は、Pr12ナノ粒子を含む、請求項41に記載の固体酸化物燃料電池。
  54. 前記触媒コーティングは、約1〜約20nmの範囲の厚さを有する、請求項41に記載の固体酸化物燃料電池。
  55. 前記触媒コーティングは、約10nmの厚さを有する、請求項41に記載の固体酸化物燃料電池。
  56. 前記カソードは、ランタンストロンチウムマンガナイト(LSM)、ランタンストロンチウムコバルトフェライト(LSCF)、ストロンチウムがドープされたサマリウムコバルタイト(SSC)、バリウムストロンチウムコバルトフェライト(BSCF)、プラセオジムバリウムコバルト(PBC)、およびそれらの誘導体からなる群より選ばれたイオン・電子混合伝導体を含む、請求項41に記載の固体酸化物燃料電池。
  57. 前記触媒コーティングは連続的な膜である、請求項41に記載の固体酸化物燃料電池。
  58. 前記Bは、カルシウム、ストロンチウム、およびバリウムからなる群より選ばれる元素で置換される、請求項51に記載の固体酸化物燃料電池。
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