本開示の原理は、添付図面に示される以下の詳細な説明及び実施形態を参照することによってさらに理解され得る。特定の特徴が、詳細な実施形態に関して以下に示され、説明されるが、本開示は、以下に記載される実施形態に限定されないことを理解されたい。また、実施形態は、血液分離システムにおける使用に関連して説明される。これは単に説明のためのものであることに留意されたい。実施形態は、管又は他の導管を通る流体の移動を提供する任意のシステムにおいて使用され得る。
ここで、添付図面に示され、以下で説明される実施形態を参照して詳細に説明する。可能な限り、同じ参照番号は、図面及び説明において同じ又は同様の部分を指すために使用される。
図1は、実施形態において又は実施形態と共に使用可能な分離システム100の一実施形態を示す。ある実施形態では、分離システム100は、連続的な全血分離プロセスを提供する。一実施形態において、全血は、ドナーから採血され、略連続的に分離装置104に提供される。分離装置104において、血液は、種々の成分に分離され、それら成分のうちの少なくとも1つは、収集される。分離成分のうちの1又は複数の成分は、次の使用のために採取されたり、或いはドナーに戻される。実施形態において、血液はドナーから採血され、バッグ・チューブセット108を介して誘導される。バッグ・チューブセット108は、チューブ回路112と流体処理容器116とを有する。チューブ回路112と流体処理容器116とによって、閉鎖系無菌ディスポーザブルシステムが構成される。該セット108は、分離装置104に取り付けられるように構成される。分離装置104は、チューブ回路112と接続されるポンプ140A〜140Eと、流体処理容器116と接続される遠心分離アセンブリ124とを有する。
本発明の実施形態と共に使用されるシステムの基礎である分離システム(例えば、分離システム100)の例としては、Terumo BCT社(コロラド州 レイクウッド)によって製造されている、SPECTRA OPTIA(登録商標)アフェレーシスシステム、COBE(登録商標)スペクトラアフェレーシスシステム、TRIMA ACCEL(登録商標)自動血液採取システムが挙げられるが、これらに限定されない。
遠心分離アセンブリ124は、回転ロータアセンブリ132(例えば、遠心機)にチャネル128を有する。チャネル128は、流体処理容器(例えば、容器116)を保持するために使用される。ロータアセンブリ132は、回転して、遠心力場を形成する。ロータアセンブリ132は、細胞の分離、濃縮、及び/又は洗浄に使用されるチャンバを保持するように構成される。一例において、全血が処理される場合、血液の細胞成分が互いに分離され、血液の液体成分から分離される。
流体処理容器116は、チャネル128に嵌合される。一例において、血液は、ドナーからチューブ回路112を介して、回転する流体処理容器116内へ、略連続して流入可能である。流体処理容器116内において、血液は、種々の血液成分種に分離され、それら血液成分種のうちの少なくとも1つ(例えば、白血球、血小板、血漿、赤血球、又はそれらの組み合わせ)は、流体処理容器116から取り出され、さらに処理される。採取目的又は治療処置目的のための取り置きを行わない血液成分(例えば、赤血球、血小板、白血球及び/又は血漿)もまた、流体処理容器116から取り出され、チューブ回路112を介してドナーに戻される。
分離装置104の動作は、該装置に搭載された1又は複数のプロセッサによって制御される。該装置104は、コンピュータシステムの一部である複数の組み込まれたプロセッサを有してもよい。該コンピュータシステムは、複数の構成要素を含んでもよい。そのような構成要素としては、例えば、メモリ、記憶装置(RAM、ROM(例えば、CD−ROM、DVD)、磁気ドライブ、光学ドライブ、フラッシュメモリ)、通信/ネットワーク装置(モデム/ネットワークカードのような有線、Wi−Fiのような無線)、キーボード、タッチスクリーン、カメラ、及び/又はマイクロフォンのような入力装置、ディスプレイ、オーディオシステムのような出力装置が挙げられる。ある実施形態では、コンピュータシステムは、1又は複数の、ポンプ、バルブ、センサ等を制御する。システム100のオペレータとのインターフェースのために、分離装置104の実施形態は、インタラクティブタッチスクリーンを備えたディスプレイを有するグラフィカルユーザインターフェース136(図1参照)を有してもよい。
ポンプ140A〜140Eを使用して、チューブを通してポンプ輸送を行い、液体をシステム100の種々の部分及び/又はドナー/患者に移送させることができる。ポンプ140A〜140Eの一部に装填され且つ係合されるチューブループを有するチューブセットの例は、図2に関して以下に説明される。ポンプ140A〜140Eのいくつかの実施形態及びそれらの特徴のいくつかが以下に説明され、図面に示される。
実施形態と共に使用されるチューブセット(例えば、チューブセット108)の一実施形態が図2に示される。実施形態において、チューブセットは、カセット200と複数のチューブ/貯蔵アセンブリ202、204、206、208、210とを有する。また、チューブループ220、222、224、226、228は、分離装置(例えば、装置104)の蠕動ポンプ(例えば、ポンプ140A〜140E)に係合され、チューブ/貯蔵アセンブリを介して流体をポンピングする。チューブセットはさらに、容器216及びチャンバ218を有する。
実施形態において、図2に示されるチューブセットは、全血を成分に分離するために使用される。全血から分離された、いくつかの成分は、ドナーに戻されるか、1又は複数の貯蔵容器に保管されるか、又はさらに処理される。例えば、全血は、チューブセットのチューブを介して循環し、ロータアセンブリ(例えば、アセンブリ128)に取り付けられた流体処理容器216に流入する。チャンバ218は、ロータアセンブリに取り付けられてもよい。
流体処理容器216において、血液は、成分に分離される。いくつかの成分は、ドナーに戻され、他の成分はさらに処理される。例えば、チャンバ218を用いて、成分がさらに処理(濃縮又は分離)される。一実施形態では、血小板、血漿、及び白血球は、それらが容器(例えば、バッグ)に保存される前或いはドナーに戻される前に、さらに処理(濃縮、分離等)される場合、チャンバ218に移送される。これらの実施形態のいくつかでは、チャンバ218は、血小板を濃縮し、できるだけ少ない白血球の血小板製剤を生成するように設計されてもよい。他の実施形態では、全血から分離された赤血球をチャンバ218に導入し、濃縮して容器(例えば、バッグ)に保存することができる。これらは単にいくつかの例であり、実施形態は、全血又は他の複合流体の他の成分を分離及び濃縮することができる。
分離システムの様々な部分を接続する血液処理容器及びチューブセットを含む分離システム(実施形態で使用することができる)のいくつかの例は、2005年6月7日に発行された米国特許第6,902,539号明細書(タイトル:体外血液処理方法及び装置)、2003年9月2日に発行された米国特許第6,613,009号明細書(タイトル:体外血液処理方法及び装置)及び1997年12月30日に発行された米国特許第5,702,357号明細書(タイトル:体外血液処理方法及び装置)に記載されている。上記米国特許の全体は、ここでの開示により明確に本出願に組み込まれる。
図3〜図13は、いくつかの実施形態で実施することができるポンプ300(例えば、蠕動ポンプ)の実施形態の種々の部分を示す。例えば、ポンプ140A〜140Eは、ポンプ300の実施形態を用いて、実施される。いくつかの実施形態では、ポンプ300は、ポンプ300の静かな動作を可能にする特徴を含む。「静かな」とは、記載されている特徴を含まないポンプに関連するノイズ及び/又は振動が低減していることを意味する。
図3に示すように、ポンプ300は、第1部分304及び第2部分308を含む。理解されるように、実施形態では、第1部分304は、第2部分308に接続された状態で回転するように構成される。実施形態では、第1部分は、回転軸370を軸に回転する。第1部分304の少なくともある部分は、第1部分304が回転軸370の周りを回転する際、第2部分308内にある。チューブループ(例えば、220、222、224、226、228)は、第1部分304の周りを取り回し配置されることによって、第1部分304と第2部分308との間にフィットするように設計されてもよい。
図4〜図8に示されるように、第1部分304は、ローラー312A、ローラー312B、インジケータ316、及びインジケータ316に隣接する領域320を含む。ローラー312A、312Bは、一般には円筒形である(図5〜図7)。ローラー312Aは、上端部320A及び下端部324Aを含む。実施形態では、1又は複数の上端部320A及び/又は上端部320Bは、丸みのある縁を有する。同様に、ローラー312Bは、上端部320B及び下端部324Bを含む。実施形態では、1又は複数の上端部320A/320B及び/又は下端部324A/324Bは、丸みのある縁を有する。丸みのある縁は、チューブと係合する際に役に立つ。また、いくつかの実施形態では、ローラー312A/312Bが第2部分308(図9)のレースウェイ(raceway)350又は軌道(track)354と接触する際、丸みのある縁はノイズをより少なくすることができる。
図13は、丸みのある端部1304を有するローラー1300の一実施形態の正面図を示す。丸みのある端部1304は、中心線1308に向かって内側に傾斜した第1部分1312を含む。第2部分1316は、中心線1308に向かってさらに内側に傾斜している。ローラー1300が軌道(例えば、軌道354)及び/又はレースウェイ(例えば、レースウェイ350)と接触する場合、丸みのある端部1304は、ポンプの動作に関連するノイズをさらに低減することができる。いくつかの実施形態では、ローラー1300をローラー312A及び/又は312Bとして使用することができる。
図8を参照すると、ローラー312A、312Bのそれぞれは、例えばバネ332及び/又はバネ336(図8)によって力が加えられていてもよい(spring loaded)。バネ332、336は、ローラーを、回転軸370から径方向に離間するように押圧する。従って、ローラー312A、312Bは、ある可動範囲を有する(例えば、チューブがチャネル352にある場合では、バネ332及び/又はバネ336は圧縮される)。
図9及び図12は、第2部分308の斜視図である。第2部分は、レースウェイ350、軌道354及び曲線部分358を有する。第1部分304が第2部分308に接続され、第1部分が回転軸370の周りに回転すると、ローラー312A、312Bの少なくとも一部は軌道354と接触する。以下で詳細に説明するように、ローラー312A、312Bと軌道354との接触は、ポンプ300の静かな動作を可能にする。
図10は、線CC(図3)に沿ったポンプ300の断面図を示す。図10に示すように、第1部分304が第2部分308に接続された場合、ローラー312A/312Bとレースウェイ350との間には、空間、例えばチャネル352、が存在する。ポンプ300が作動しているとき、チューブ、(例えばチューブループ220、222、224、226、228)がこの空間(例えば、チャネル352)内に配置される。第1部分304の回転により、ローラーはチューブを圧迫し、チューブ内の流体を移動させる。図10に示すように、ポンプ内(即ち、レースウェイ350とローラーとの間の空間(例えば、チャネル352))にチューブがない場合でも、軌道354は、ローラーと接触したままの状態にある。
ローラー312A/313Bが軌道354と接触したままであるということは、ポンプ300の静かな動作をもたらす。軌道354がないと、チューブがレースウェイ350とローラー312A/312Bとの間の空間(例えば、チャネル352)に配置されていない場合、ローラーは(バネによって付勢されているため)移動する(バネ332/336によって半径方向外側に押し出される)。この場合、振動及び/又はノイズが発生する可能性がある。従って、軌道354は、ポンプ300の静かな動作を可能にする。また、曲線部分358は、軌道354のうち、ローラー312A/312Bがチューブに接触していない場合でも該ローラーの位置を維持するための部分を含んでもよい。他の実施形態では、軌道354は、曲線部分358と別体であってもよい。
理解されるように、実施形態では、ローラー312A/312Bは、異なるタイミングで、チューブと係合する。即ち、第1部分304が回転すると、ローラー312Aはチューブと係合し、ローラー312Bは係合しない。第1部分が回転し続けると、ローラー312Aはチューブと非係合になり(離間し)、ローラー312Bはチューブと係合する。
例えば、第1遷移ゾーン390では、ローラー(312A/312B)は、チューブと係合し、軌道354とは接触しない。即ち、チャネル352内のチューブは、ローラー(312A/312B)を押圧し、軌道354と接触しないようにしている。ローラー(312A/312B)がレースウェイ350を回って、第2遷移ゾーン394に入ると、ローラー(312A/312B)は、チューブと非係合となり、軌道354と接触し、ローラー(312A/312B)の径方向移動が制限される。
いくつかの実施形態では、軌道354は、レースウェイの長さを含み、ローラー312A/312Bが移動する経路全体にわたって延在するループであってもよい。実施形態では、軌道354は、いくつかの位置において、レースウェイ350の少なくとも一部と同一面にあってもよい。他の実施形態では、軌道354は、部分ループであってもよく、ローラー312A/312Bが移動する経路の一部のみにわたって延在してもよい。これらの実施形態では、軌道354は、レースウェイ350の長さの一部のみに延在してもよい。例えば、軌道354は、実施形態では、遷移ゾーン390、394内を延在するだけであり、ローラー312A/312Bが移動する経路全体を完全には周回しない。
ポンプ300はまた、キャップ380に設けられたタブ384を含む(図8)。実施形態では、タブ384を使用して、チューブループ(例えば、ループ220、222、224、226、228)を自動的に装填することができる。第1部分304が回転軸370の周りを回転すると、タブ384は、チューブループを捕捉し、チューブループを第2部分308、ローラー312A/312Bへ向かってガイドし、チャネル352内に導く。いくつかの実施形態において含まれる追加のタブの設計及び構成については、図14及び図15に関して以下で説明される。
図10及び図11はまた、いくつかの実施形態における特徴を示す。(第1部分304の一部である)インジケータ316は、バネ346を用いてバネ付勢されている。図10は、第1部分304が開状態にあるときのインジケータ316を示す。実施形態では、第1部分304のキャップ380は、矢印360によって示されるように移動可能である。キャップ380を上方に移動して(開いた位置にして)、チューブをチャネル352における上部周辺にはめる(fit)ことができる。
図11は、第1部分304が閉状態にあるときのインジケータ316を示す。実施形態において、第1部分304のキャップ380は、矢印360によって示されるように移動可能である。キャップ380を下方に移動させ(閉位置)、チューブを固定し、チューブをレースウェイ350とローラーとの間の空間(例えば、チャネル352)内に移動させることができる。図10に示されるように、インジケータ316が上方に移動し、第1部分が閉位置にあることを示す。いくつかの実施形態では、インジケータ316の上部は、インジケータ316に隣接する第1部分304の領域320(図3)とは異なる色を有してもよい。例えば、オペレータがポンプ300の装填状態を容易に判断できるように、領域320を第1の色とし、インジケータ316の上部はそれと異なる色(例えば、黄色、緑色、青色、赤色、又は白色等)にしてもよい。いくつかの実施形態に含まれる他のインジケータの特徴を、図16A〜図16Cを参照して以下に説明する。
図14は、ポンプの第1部分1404の他の実施形態を示す。図14に示すように、第1部分1404は、第1部分304に関して上述したいくつかの特徴と同様の特徴を含む。いくつかの実施形態では、第1部分1404は、第2部分(例えば、第2部分308)内に嵌合し、回転軸1470の周りを回転して、チューブと係合し、チューブを通して流体を移動させる。例えば、第1部分1404は、ローラー1412A、1412B(図示せず)を含む。実施形態では、第1部分1404は、上述したポンプ300の第1部分304として使用することができる。
図14に示す実施形態では、第1部分1404は、複数のタブ、即ちタブ1484A、1484Bを有するキャップ1480を含む。図14に示されるように、タブ1484A、1484Bは、回転軸1470から離間するように径方向に延在している。さらに、タブ1484A、1484Bは、互いに正反対(diametric)に位置している。ここで「正反対」とは、第1部分1404をある直径に沿って(例えば、平面1460に沿って)切断した場合、その切断面が両方のタブ1484A、1484Bのそれぞれの少なくとも一部を通過するように、タブ1484A、1484Bが第1部分1404の両側に位置していること、を意味する。さらに、タブ1484Bは、より下側に(例えば、第2部分により近い位置に)ある。
動作中、第1部分1404は、ポンプの一部として、第2部分(例えば第2部分308)内にある。チューブループ(例えばチューブループ220、222、224、226、228)は、第1部分1404の周りに配置される。第1部分1404が回転軸1470の周りに回転すると、チューブループは、タブ1484A、1484Bによって、キャップ1480に沿って下側に向かってガイドされ、第1部分1404(例えば、ローラー1412A)と協働してチャネル(例えば、チャネル352)を形成する第2部分に向かう。チューブループは、先ずタブ1484Aの底部に引っ掛かり、チューブループを下方に誘導し、そして、タブ1484Bがチューブループを捕捉し、キャップ1480に沿ってさらに下方に導くことができる。このようにして、タブ1484A、1484Bは、チューブループをポンプチャネルに自動的に搭載する際の助けとなる。
実施形態では、タブ1484A、1484Bは、異なるサイズを有する。例えば、図14に示す実施形態では、タブ1484Aは、タブ1484Bよりもキャップ1480からさらに外側に延在する。これは、チューブループをポンプの第2部分に向かって下方に動かすのを助けることができる。何故なら、タブ1484Bが小さいサイズの場合は、タブ1484Bがさらに延在する場合に比べて、チューブループがタブ1484Bの下に容易に滑り込むこと(及びチャネルに向かって下方に容易に導かれること)を可能にするからである。
図15は、ポンプの第1部分1504のさらに他の実施形態を示す。図15に示すように、第1部分1504は、第1部分304に関して上述したいくつかの特徴と同様の特徴を含む。いくつかの実施形態では、第1部分1504は、第2部分(例えば、第2部分308)内に嵌合し、回転軸1570を中心に回転して、チューブに係合し、チューブを通して流体を移動させる。例えば、第1部分1504は、ローラー1512A、1512B(図示せず)を含む。実施形態では、第1部分1504は、上述したポンプ300の第1部分304として使用することができる。
図15に示す実施形態では、第1部分1508は、複数のタブ(即ちタブ1584A、1584B、1584C)を有するキャップ1580を含む。図15に示すように、タブ1584A、1584B、1584Cは、回転軸1570から離間するように径方向に延在する。さらに、タブ1584A、1584Cは、互いに正反対に位置している。上述したように、「正反対」とは、第1部分1504をある直径に沿って(例えば、平面1560に沿って)切断した場合、その切断面が両方のタブ1584A、1584Cのそれぞれの少なくとも一部を通過するように、タブ1584A、1584Cが第1部分1504の両側に位置していること、を意味する。さらに、タブ1584Bは、タブ1584Aの近傍に位置し、但し、キャップ1580において、より下側に(例えば、第2部分により近い位置に)ある。タブ1584B、1584Cも正反対に位置している。
動作中、第1部分1504は、ポンプの一部として、第2部分(例えば第2部分308)内にある。チューブループ(例えばチューブループ220、222、224、226、228)は、第1部分1504の周りに配置される。第1部分1504が回転軸1570の周りに回転すると、チューブループは、タブ1584A、1584Cによってキャッチされ、キャップ1580に沿って下側に向かってガイドされ、第1部分1504と協働してチャネル(例えば、チャネル352)を形成するポンプの第2部分に向かう。チューブループがキャップ1580に沿って下方に移動すると、タブ1584Bがチューブループをキャッチし、第2部分に向かって、さらに下方に導くことができる。このようにして、タブ1584A、1584B、1584Cは、チューブループをポンプに自動的に搭載する際の助けとなる。
図14及び図15に示す異なるタブの設計、形状、レイアウト、位置等についての上記の説明は、例示的な目的のためにのみ提供される。他の実施形態では、第1部分は2つより多い数の又は3つより多い数のタブを含んでもよい。それらタブのうちのいくつかは異なる形状、サイズ及び位置を有する。例えば、第1部分1508では、いくつかの実施形態は、タブ1584A、1584B、1584Cを含むことに加えて、タブ1584Bと同様に、1584Cに隣接し且つキャップ1580に沿って下方にある追加のタブを含んでもよい。これは単に1つの追加例であり、他の設計も本発明の範囲内である。
また、図16A〜図16Cは、様々な状態のポンプ1600を示す。ポンプ1600は、第1部分1604及び第2部分1608を含む。動作中、第1部分は、第2部分1608内において回転軸を中心に回転する。第1部分1604は、キャップ1680及びインジケータピン1616を含む。インジケータピン1616は、上述したインジケータ316(図3)と同様に動作することができる。図16A〜図16Cに示される実施形態では、(キャップ1680の頂部に対する)インジケータピン1616の高さが、ポンプ1600の装填状態を示している。
実施形態では、ポンプ1600にチューブループが装填されていないとき、インジケータピン1616は、図16Aに示すように、キャップ1680の頂部よりも下の高さレベルに位置付けられる。即ち、インジケータ1616は、キャップ1680内に位置する高さにある。これによって、ポンプ1600に装填されていないことをオペレータに視覚的に示すことができる。
いくつかの実施形態では、ポンプ1600に対してチューブループが不十分に及び/又は誤った状態で装填されると、インジケータピン1616は、図16Bに示すように、キャップ1680の頂部よりも高い位置に位置付けられる。即ち、インジケータピン1616は、少なくとも一部がキャップ1680よりも実質的に高くなるような高さにある。これにより、ポンプ1600に対して不十分に及び/又は誤った状態で装填されていることをオペレータに視覚的に示すことができる。
さらに他の実施形態では、ポンプ1600に対してチューブループが完全且つ適切に装填された場合、インジケータピン1616は、図16Cに示すように、キャップ1680の頂部と略同一面に位置付けられる。即ち、インジケータピン1616は、インジケータピン1616の頂部がキャップ1680の頂部と略同じ高さになるような高さにある。これにより、ポンプ1600に対して完全且つ適切に装填されたことをオペレータに視覚的に示すことができる。
インジケータピン1616の高さに加えて、さらに視覚的に示すために、インジケータピン1616の側壁に、いくつかの目立たせるための機能を設けることができる。例えば、ピン1616の側壁を、ピン1616の頂部及びキャップ1680と異なる色にする。そのように色を異ならせることによって、オペレータは、ポンプ1600が不完全装填及び/又は誤装填状態にあることを識別することが容易になる。何故なら、そのような状態では、側壁の少なくとも一部が目に見えるからである(図16B参照)。
ここで、インジケータピン1616の「高さ」は、キャップ1680に対しての高さである。即ち、実施形態では、インジケータピン1616の実際の高さは変化しないが、キャップが動くので、インジケータピン1616の高さは、キャップに対して変化する。他の実施形態では、インジケータピン1616は、実際に高さを変えてもよい。
図17は、ポンプを動作させるために、本発明の実施形態において実行されるフローチャート1700を示す。以下、フローチャート1700のステップを実行するための具体的な装置について説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。例えば、いくつかのステップは、ポンプの第1部分又は第2部分によって実行されるものとして説明される。これは単に説明目的のために行われており、フローチャート1700は特定の装置によって実行されることに限定されない。
フローチャート1700は、ポンプを動作させるための本発明の一実施形態に係るプロセスを示す。実施形態では、フローチャート1700は、システム100(図1)等の分離システムで使用されるポンプによって実施することができる。しかしながら、他の実施形態では、ポンプは異なる用途で使用されてもよい。
フローチャート1700は1704から始まる。フローは1704からステップ1708に移行し、チューブループがポンプに自動的に装填される。実施形態では、チューブループは、分離装置(例えば、アフェレーシス装置)と接続されるディスポーザブルセットと関連付けられる。ステップ1708の前に、他のステップが実行されてもよい。例えば、オペレータは、フロー1700を開始する前に、又はステップ1708の前に、ポンプの一部の周りにチューブループを配置することができる。
ステップ1708は、ステップ1708の一部として実行されるいくつかの任意のサブステップを含むことができる。例えば、任意のサブステップ1712において、ポンプの第1部分(例えば、第1部分304、1404、1504、1604)が回転軸を中心に回転する。実施形態では、第1部分の回転によって、ポンプのさらなる動作のためにチューブループが配置されるチャネルに、チューブループを移動させることができる。
いくつかの実施形態では、オプションのステップ1716を実行して、チューブをタブによってチャネル内にガイドすることができる。例えば、第1部分のキャップ上の1又は複数のタブを使用して、チューブをチャネル内に案内するのを助けることができる。図14及び図15に関して上述したように、様々なタブの設計、位置及び/又は配置は、チューブループをポンプのチャネルに導く助けとなる。
ステップ1708の後、フローはステップ1720に移行し、ここでチューブはローラーと係合する。実施形態において、ローラーは、ポンプの第1部分の一部である。ステップ1720において、ポンプの第2部分(例えば、第2部分308、1608)の一部であるレースウェイにチューブを押し付けることによって、ローラーは、チューブに係合する。いくつかの実施形態では、ポンプを使用して、チューブを通して流体を移動させる場合、任意のステップ1724がステップ1720の一部として実行される。言い換えれば、チューブをレースウェイに押し付け、第1部分を回転軸の周りに回転させることによって、流体は、チューブを通って移動する。
実施形態において、ポンプは、ローラーを回転軸から径方向外側に押すために圧力を加えるバネ(例えば、バネ332、336)を含む。このバネによって、ローラーは移動してチューブと係合し、チューブをレースウェイに押し付けるが、ローラーがチューブと係合していない時は、ローラーは径方向外側に移動することができる。
ステップ1732において、ローラーの径方向外側への移動が制限される。上述したように、いくつかの実施形態では、ローラーが径方向に押し出されると、ローラーが移動する量に応じて増幅されるクリック音が発生する場合がある。ステップ1732を行うことによって、チューブと非係合になった後のローラーの動きが制限され、その結果、ローラーはそれほど動かず、従って大きなクリック音も発生しない。
実施形態では、ステップ1732は、サブステップを含むことができる。例えば、ステップ1732は、チューブとの係合が解除された後のローラーの動きを制限する軌道を使用して実行される。軌道は、例えば、上述した軌道354と同様であってもよい。第1遷移ゾーンでは、ローラーはチューブと係合し、軌道と接触しない。ローラーがレースウェイを回転して、第2遷移ゾーンに入ると、ローラーはチューブと非係合になり、軌道に接触し、ローラーの径方向における動きが制限される。
フロー1700は、オプションのステップ1740を含んでもよい。該ステップでは、ポンプの装填状態が示される。実施形態では、ポンプにチューブが装填されていないか、装填されているか、不完全に/誤った状態で装填されているかどうかが、視覚的、音声的、触覚的に示される。一実施形態では、任意のサブステップ1744は、インジケータピンを使用してステップ1740を実行することができる。例えば、ポンプ1600に関して上述したように、キャップに対するインジケータピンの高さを使用して、ポンプにチューブが装填されていないか、装填されているか、不完全に/誤った状態で装填されているかどうかを示すことができる。フロー1700は1748で終了する。
フロー1700は、特定の順序で列挙されたステップで説明されているが、本発明はそれらに限定されない。他の実施形態では、ステップは、異なる順序で、並行して、又は任意の異なる回数で(例えば、別のステップの前後に)実行されてもよい。また、上に示したように、フロー1700はいくつかの任意のステップ/サブステップを含む。しかしながら、任意であると示されていない上記のステップは、本発明に必須であるとみなすべきではなく、本発明のある実施形態では実行されるが、他の実施形態では実行されなくてもよい。
当業者であれば、本発明の範囲を逸脱することなく、本発明の実施形態に対して種々の変形及び変更を行えることは理解できよう。従って、本発明は、上記の特定の実施形態に限定されないと理解されるべきである。むしろ、本発明は、以下の請求項及びそれらの等価物の範囲内において、変形形態及び変更形態をも含むことが意図されている。
本発明の実施形態及び適用例が示され説明されてきたが、本発明は、上記した構成及び用途に制限されないと理解されるべきである。当業者に明らかな種々の変形、変更等は、本発明の範囲を逸脱することなく、本発明の構成、動作、また特徴的構成要素の詳細において行うことが可能である。