JP2019515086A - 封入体を含む洗剤組成物 - Google Patents

Abstract

界面活性剤系と封入体とを含む液体洗剤組成物。このような洗剤を製造及び使用するための方法。

Description

本開示は、界面活性剤系と封入体とを含む液体洗剤組成物に関する。本開示は更に、このような洗剤の製造方法及び使用方法にも関する。

衣類を洗浄するとき、消費者は、布地がきれいに見えるようになり、かつ洗いたて感などの他の利点を有するよう希望することが多い。従来の洗剤は、これらが布地から汚れ及び染みを除去するように設計されており、他の有益剤を布地上に効果的に付着させることができないために、消費者が希望する所望の利点を有することができない。

異なる界面活性剤は、異なる汚れ除去能力を有する。例えば、アニオン性界面活性剤は、食品グリースで見られるトリグリセリド、脂肪及び油などの疎水性の汚れに特に良好な性能を提示し得るが、一方非イオン性界面活性剤は、ワックス、パラフィン及び脂肪酸などの汚れの懸濁、並びに汚れの除去においてより効果的であり得る。アニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤とを組み合わせることにより、アニオン性界面活性剤の汚れ除去効果が向上し、洗剤を硬度差に対してよりロバストにし、より低い温度での洗浄を可能にすることが知られている。このため、洗剤組成物が広範囲の消費者条件下で広い洗浄プロファイルを提供することができるように、種々の界面活性剤をかなりのレベルで有する洗剤組成物を提供することが望ましい場合がある。

布地などの表面上に付着する有益剤を含む封入体などの成分を含有する洗剤組成物を提供することが望ましい場合もある。例えば、封入体は、香料原料を含んでもよく、その場合、香料原料は経時的に放出される。有益剤の封入体は、付着効率を向上させることが知られている。コーティング封入体は、付着を更に向上させるが、付着効率は低いままであることが知られている。低付着効率は、特に洗剤組成物が界面活性剤を含むとき問題であり得る。界面活性剤は、典型的には、洗浄プロセスにおいて表面から材料を離脱させるため、封入体は目的とする表面に効率的に付着させることができない。

封入体を含む改善された洗浄組成物に対する要望がある。

本開示は、界面活性剤系と封入体とを含む液体洗剤組成物に関する。界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤を含むことができる。

本開示はまた、洗剤組成物の約８重量％〜約５０重量％の界面活性剤系を含む液体洗剤組成物に関し、界面活性剤系は、約１：１〜約４：１の重量比で存在するアニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤とを含み、アニオン性界面活性剤は、アニオン性サルフェート界面活性剤とアニオン性スルホネート界面活性剤とを約１：１〜約１０：１の重量比で含み、界面活性剤系は、洗剤組成物の約０重量％〜約４重量％の脂肪酸及び／又はその塩を更に含み、洗剤組成物は、組成物の約０．１重量％〜約５重量％の封入体を更に含み、封入体は、コアと、コアを少なくとも部分的に囲む壁とを含み、コアは有益剤を含み、壁は壁の外表面上にコーティングを含む。

本開示はまた、洗剤組成物の約１５重量％〜約５０重量％の界面活性剤系を含む液体洗剤組成物に関し、界面活性剤系は、約１：１〜約４：１の重量比で存在するアニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤とを含み、アニオン性界面活性剤は、アニオン性サルフェート界面活性剤とアニオン性スルホネート界面活性剤とを約１：１〜約１０：１の重量比で含み、洗剤組成物は、組成物の約０．１重量％〜約５重量％の封入体を更に含み、封入体は、コアと、コアを少なくとも部分的に囲む壁とを含み、コアは有益剤を含み、壁は壁の外表面上にコーティングを含む。

本開示は更に、このような洗剤組成物の製造方法及び使用方法に関する。例えば、本開示は、布地の処理方法に関し、本方法は、布地を本開示の洗剤組成物と接触させる工程を含む。

本明細書の図面は、事実上例示的なものであり、制限的であることを意図したものではない。
本開示による封入体１０を示す。

驚くべきことに、界面活性剤系における界面活性剤の特定の割合が、封入体含有洗剤組成物において付着効率を促進する助けとなり得ることを見出した。理論に束縛されるものではないが、アニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤との特定の組み合わせが、カプセル壁上のコーティングと相互作用して、洗浄プロセスを通じて封入体保持を増大させると考えられる。

本開示の組成物及びプロセスの構成要素は、以下により詳細に記載されている。

本明細書において使用する場合、特許請求の範囲で使用されるときの「ａ」及び「ａｎ」という冠詞は、特許請求又は記載されているもののうちの１つ又は２つ以上を意味すると理解される。本明細書において使用する場合、「含む（include）」、「含む（includes）」、及び「含んでいる（including）」という用語は、非限定的であることを意味する。本開示の組成物は、本開示の成分を含み、それらから本質的になり、又はそれらからなることができる。

本明細書では、用語「実質的に含まない（substantially free of）」又は「実質的に含まない（substantially free from）」が使用され得る。これは、指示される物質が最小限の量であり、組成物の一部を形成するように意図的に組成物に添加されない、又は、好ましくは、分析的に検出可能な濃度で存在しないことを意味する。それは、示された材料が意図的に含まれる他の材料の１つの中に不純物としてのみ存在する、組成物を含むことを意味する。示された材料は、もしある場合は、組成物の１重量％未満、又は０．１重量％未満、又は０．０１重量％未満、又は更には０重量％のレベルで存在してもよい。

本明細書で使用するとき、語句「布地ケア組成物」は、布地を処理するために設計された組成物及び調合物を含む。かかる組成物としては、洗濯洗浄組成物及び洗剤、布地用柔軟化組成物、布地用強化組成物、布地用消臭組成物、予洗い用洗剤（laundry prewash）、洗濯前処理剤、洗濯添加剤、スプレー製品、ドライクリーニング剤若しくは組成物、洗濯すすぎ添加剤、洗浄添加剤、すすぎ後布地トリートメント、アイロン助剤、単位用量処方、遅延送達処方、多孔性基材若しくは不織シート表面又は内部に含有される洗剤、及び本明細書の教示を考慮すると当業者には明白である場合がある他の好適な形態が挙げられるが、これらに限定されない。かかる組成物を洗濯前処理、洗濯後処理として使用してもよく、あるいは洗濯動作のすすぎ又は洗浄サイクル中に加えてもよい。

特に明記しない限り、成分又は組成物の濃度は全て、当該成分又は組成物の活性部分に関するものであり、かかる成分又は組成物の市販の供給源中に存在し得る不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は除外される。

本明細書における全ての温度は、特に断らない限り、摂氏（℃）を単位とする。特に規定がない限り、本明細書における全ての測定は、２０℃及び大気圧下で行う。

本開示の全ての実施形態において、全ての比率（％）は、特に記載のない限り、全組成物の重量に対するものである。別途記載のない限り、全ての比は重量比である。

本明細書の全体を通して記載される全ての最大数値限定は、それよりも小さい全ての数値限定を、かかるより小さい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように包含するものと理解すべきである。本明細書全体を通して与えられる全ての最小数値限定は、それよりも高い全ての数値限定を、かかるより高い数値限定があたかも本明細書に明示的に記載されているかのように含むことになる。本明細書全体を通して与えられる全ての数値範囲は、かかるより広い数値範囲内に含まれるより狭い全ての数値範囲を、かかるより狭い数値範囲があたかも全て本明細書に明示的に記載されているかのように含むことになる。

液体洗剤組成物
本開示は、洗剤組成物に関する。本洗剤組成物は、布地ケア組成物であってもよい。本組成物は、洗濯前処理として、又は洗浄サイクル中に使用されてもよい。本液体洗剤組成物は、強力な洗濯用洗剤であってもよい。ＴＩＤＥ、ＧＡＩＮ、及びＡＲＩＥＬは、Ｐｒｏｃｔｅｒ ＆ Ｇａｍｂｌｅ Ｃｏｍｐａｎｙ（Ｃｉｎｃｉｎｎａｔｉ，Ｏｈｉｏ，ＵＳＡ）から入手可能な、市販の強力な洗濯用洗剤の商標名の例である。

本洗剤組成物は液体であってもよい。本液体洗剤は、約１〜約２０００センチポアズ（１〜２０００ｍＰａ・ｓ）、又は約２００〜約８００センチポアズ（２００〜８００ｍＰａ・ｓ）の粘度を有し得る。粘度は、ブルックフィールド粘度計、２番スピンドルを使用し、６０ＲＰＭ／ｓで２５℃にて測定される。

本洗剤組成物は、単位用量形態であってもよい。単位用量物品は、特定用途のための、物品内に含有される組成物の、単一で使用が容易な用量を提供することを意図している。単位用量形態は、パウチ又は水溶性シートであってもよい。パウチは、少なくとも１つ、又は少なくとも２つ、又は少なくとも３つの区画を含むことができる。典型的に、本洗剤組成物は、区画の少なくとも１つの中に入れられる。区画は重ねて配置される方向、即ち、これらの区画が共通の壁を共有し、一方が他方の上部に位置するように配置されてよい。少なくとも１つの区画は、別の区画と重ねて置かれてもよい。あるいは、区画は並列の方向に、即ち一方が他方の隣に配向されるように位置してよい。区画は「タイヤ及びリム」配置で配向されてもよい。即ち、第１区画が第２区画の隣に配置されるが、第１区画は第２区画を少なくとも部分的に取り囲み、第２区画を完全に包囲はしない。あるいは、一方の区画が他方の区画内に完全に包囲されてもよい。

単位用量形態は、区画を形成し、洗浄剤組成物を封入する水溶性フィルムを含むことができる。好ましいフィルム材料は、ポリマー材料である。例えば、水溶性フィルムはポリビニルアルコールを含んでよい。フィルム材料を、当該技術分野において既知の、例えば、ポリマー材料の注型成形、吹込成形、押出成形、又は吹込押出成形によって得ることができる。好ましいフィルムには、Ｍｏｎｏｓｏｌ（Ｍｅｒｒｉｌｌｖｉｌｌｅ，Ｉｎｄｉａｎａ，ＵＳＡ）によって商品参照番号Ｍ８６３０、Ｍ８９００、Ｍ８７７９、Ｍ８３１０、及びＭ９４６７として供給されているものがある。フィルム及び／又はその中に含まれる組成物は、摂取を抑止するために、安息香酸デナトニウムなどの嫌悪剤を含んでもよい。

洗剤組成物は水を含んでよい。本組成物は、組成物の約１重量％〜約８０重量％の水を含み得る。組成物が強力液体洗剤組成物である場合、組成物は典型的には、約４０％〜約８０％の水を含む。組成物がコンパクト液体洗剤である場合、組成物は典型的には、約２０％〜約６０％、又は約３０％〜約５０％の水を含む。組成物が単位用量形態、例えば、水溶性フィルムに封入される場合、組成物は典型的には、２０％未満、又は１５％未満、又は１２％未満、又は１０％未満、又は８％未満又は５％未満の水を含む。組成物は、組成物の約１重量％〜２０重量％、又は約３重量％〜約１５重量％、又は約５重量％〜約１２重量％の水を含んでもよい。

界面活性剤系
本開示の洗剤組成物は、界面活性剤系を含む。界面活性剤系は、洗浄効果を提供することが知られている。しかしながら、特定の界面活性剤系の慎重な選択はまた、特定の封入体と組み合わせて使用する場合に、付着効果も提供し得ることも見出されている。

本開示の洗剤組成物は、所望の洗浄特性を付与するのに充分な量の界面活性剤系を含むことができる。本組成物は、組成物の約８重量％から、又は約１０重量％から、又は約１５重量％から、又は約１８重量％から、又は約２０重量％から、約５０重量％まで、又は約３０重量％まで、又は約２５重量％まで、又は約２０重量％までの界面活性剤系を含むことができる。

界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、双性イオン界面活性剤、両性界面活性剤、両性電解質面活性剤、及びこれらの混合物から選択される洗浄性界面活性剤を含んでもよい。当業者であれば、洗浄性界面活性剤は、汚れた布地に洗浄、染み除去、又は洗濯効果をもたらす、任意の界面活性剤又は界面活性剤の混合物を包含することを理解するであろう。本明細書で使用される場合、脂肪酸及びそれらの塩は、界面活性剤系の一部であることが分かる。

アニオン性界面活性剤／非イオン性界面活性剤の組み合わせ
界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤をある重量比で含むことができる。アニオン性界面活性剤の非イオン性界面活性剤に対する重量比の慎重な選択は、所望のレベルの洗浄及び封入体付着効果を提供する助けとなり得る。

界面活性剤系は、約１：１〜約４：１、又は約１：１〜約３．６：１、又は約１：１〜約１：１〜約３．１：１、又は約１：１〜約２．５：１、又は約１：１〜約２：１の重量比で存在するアニオン性界面活性剤及びカチオン性界面活性剤を含んでもよい。好適なアニオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤については、以下により詳細に記載する。

アニオン性界面活性剤
本開示の界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤を含んでもよい。洗浄組成物の界面活性剤系は、界面活性剤系の約１重量％〜約８０重量％のアニオン性界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤系は、界面活性剤系の最高約８０重量％、又は最高約７５重量％、又は最高約６７重量％、又は最高約６０重量％、又は最高約５５重量％、又は最高約５０重量％のアニオン性界面活性剤を含んでもよい。

アニオン性界面活性剤は、布地などの表面を処理するために有用な従来のアニオン性界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤系中に存在するアニオン性界面活性剤は、アニオン性サルフェート界面活性剤とアニオン性スルホネート界面活性剤とを、ある重量比で含んでもよい。理論に束縛されるものではないが、サルフェート界面活性剤の量が界面活性剤系内に存在するスルホネート界面活性剤の量以上である場合には、封入体付着効率を向上させることができると考えられている。アニオン性界面活性剤は、アルカリ金属塩又は、モノエタノールアミン若しくはトリエタノールアミンのようなアルカノールアミンなどのアミン類で中和され得る。

アニオン性サルフェート界面活性剤とアニオン性スルホネート界面活性剤との重量比は、約１：１〜約１０：１、又は約１：１〜約５：１、又は約１：１〜約２：１、又は約１．５：１〜約２：１であってもよい。アニオン性サルフェート界面活性剤は、アルコキシル化アルキルサルフェート界面活性剤、又は更にはエトキシル化アルキルサルフェート界面活性剤（「ＡＥＳ」）を上述した割合のいずれかで含んでもよい。アニオン性サルフェート界面活性剤は、アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤、又は更には直鎖アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤（「ＬＡＳ」）を上述した割合のいずれかで含んでもよい。サルフェート及びスルホネート界面活性剤については、以下により詳細に議論される。

アニオン性サルフェート界面活性剤は、アルコキシル化アルキルサルフェート界面活性剤を含むことができる。アルコキシル化アルキルサルフェート界面活性剤は、界面活性剤系の主要部として存在してもよい。アルコキシル化アルキルサルフェート界面活性剤は、アルキルエーテルサルフェート又はアルキルポリエトキシレートサルフェートとしても既知のエトキシル化アルキルサルフェート界面活性剤を含んでもよい。エトキシル化アルキル硫酸塩の例としては、水溶性塩、特に約８個〜約３０個の炭素原子を含有するアルキル基並びにスルホン酸及びその塩を分子構造の中に有する有機硫黄反応生成物のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、及びアルキロールアンモニウム塩が挙げられる。（用語「アルキル」には、アシル基のアルキル部分が含まれる。）

アルキル基は、約８個〜約２０個の炭素、又は約１０個から、又は約１２個から、約１８個まで、又は約１６個まで、又は約１４個の炭素原子までを有してもよい。アニオン性アルコキシル化アルキルサルフェート界面活性剤としては、アルコキシル化Ｃ１０〜Ｃ１６、好ましくはＣ１２〜Ｃ１６、より好ましくはＣ１２〜Ｃ１４のサルフェート界面活性剤を挙げることができる。

アルコキシル化アルキルサルフェート界面活性剤は、アルコキシル化アルキルサルフェートとの混合物であってもよく、この混合物は、約８個〜約３０個の炭素原子、又は約８個〜約２０個、又は約１０個〜約１６個、又は約１２個〜約１６個、又は約１２個〜約１４個の炭素原子の範囲内の平均（相加平均）炭素鎖長を有する。

アルコキシル化アルキルサルフェート界面活性剤は、約１ｍｏｌ〜約５ｍｏｌのアルコキシ基の平均（相加平均）アルコキシル化度を有してもよい。エトキシル化アルキルサルフェートは、約１ｍｏｌ〜約５ｍｏｌ、又は約１〜約４、又は約１〜約３、又は約１．５〜約３のエトキシ基の平均（相加平均）エトキシル化度を有してもよい。言い換えれば、サルフェート界面活性剤は、約１〜約５、又は約１〜約４、又は約１〜約３、又は約１．５〜約３の平均エトキシル化度を有してもよい。平均エトキシル化度は、約１．８であってもよく、又はこれは約３であってもよい。

アニオン性アルコキシル化アルキルサルフェート界面活性剤は、約１．５〜約３のエトキシル化度を有するＣ１２〜Ｃ１５、又は更にはＣ１２〜Ｃ１４サルフェート界面活性剤とすることができる。

アニオン性サルフェート界面活性剤は、非アルコキシル化アルキル硫酸界面活性剤、例えば、より高次のＣ_８〜Ｃ_２０脂肪族アルコールを硫酸化することによって生成されるものを含んでもよい。一級アルキルサルフェート界面活性剤は、一般式：ＲＯＳＯ_３ ⁻Ｍ^＋を有し、式中、Ｒは典型的には、直鎖Ｃ_８〜Ｃ_２０ヒドロカルビル基であり（この基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよい）、Ｍは、水溶性化カチオンである。いくつかの例では、Ｒは、Ｃ_１０〜Ｃ_１５アルキルであり、Ｍは、アルカリ金属である。他の例では、Ｒは、Ｃ_１２〜Ｃ_１４アルキルであり、Ｍは、ナトリウムである。本明細書に記載の洗浄剤組成物は、もしあれば、界面活性剤系の５重量％以下の非アルコキシル化アルキル硫酸界面活性剤を含んでもよい。

アニオン性スルホネート界面活性剤は、アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤を含むことができる。アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤は、アルキル基が約９〜約１５個の炭素原子を直鎖（線状）又は分枝鎖の構成で含有するアルキルベンゼンスルホネートのアルカリ金属塩及び／又は（アルキロール）アミン塩を含んでもよい。アルキル基は、直鎖であってもよい。かかる直鎖アルキルベンゼンスルホネートは、「ＬＡＳ」として既知である。直鎖アルキルベンゼンスルホネートは、アルキル基中に約１１〜１４個の平均炭素原子数を有してもよい。線状直鎖アルキルベンゼンスルホネートは、アルキル基中約１１．８個の炭素原子の平均炭素原子数を有してもよく、Ｃ１１．８ ＬＡＳと略称される場合がある。本明細書に記載の洗浄剤組成物は、任意で、界面活性剤系の５重量％以下の、アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤、例えば直鎖アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤などのアルキルスルホネート界面活性剤を含んでもよい。

本開示の洗剤組成物は、脂肪酸及び／又はその塩を含んでもよい。理論に束縛されるものではないが、本組成物において、脂肪酸及び／又はそれらの塩が、洗剤組成物に複雑な硬度イオンを構築させ、洗浄及び染み除去に関与し、汚れを懸懸させて、かつ石鹸泡を抑制するように作用すると考えられている。しかしながら、脂肪酸レベルを最小限にすることに、又は更には脂肪酸を完全に排除することに、処理、コスト、及び安定性の利点があり得るために、本組成物では脂肪酸が必要とされないことがある。

本組成物は、組成物の約０．１重量％から、又は約０．５重量％から、又は約１重量％から、約２０重量％まで、約１０重量％まで、又は約８重量％まで、又は約５重量％まで、又は約４重量％まで、又は約３重量％まで、又は約２重量％までの脂肪酸及び／又はその塩を含むことができる。本組成物は、組成物の約０重量％、又は約０．１重量％から、約４重量％、又は約３重量％、又は約２重量％、又は約１重量％までの脂肪酸及び／又はその塩を含んでもよい。本洗剤組成物は、脂肪酸及びそれらの塩を実質的に含まなくてもよい（又は更には０％を含有する）。

好適な脂肪酸及び塩には、式Ｒ１ＣＯＯＭを有するものが含まれ、式中、Ｒ１は４〜３０個の炭素原子の一級又は二級アルキル基であり、Ｍは水素カチオン又は別の可溶化カチオンである。酸形態において、Ｍは水素カチオンであり；塩形態において、Ｍは水素ではない可溶化カチオンである。脂肪酸又は塩は、脂肪酸又は塩のｐＫａが非水性液体組成物のｐＨ未満となるように選択することができる。組成物は、６〜１０．５、又は６．５〜９、又は７〜８のｐＨを有してもよい。

Ｒ１で表されるアルキル基は鎖長の混合物であってもよく、飽和又は不飽和であってもよいが、Ｒ１基の少なくとも３分の２は、８〜１８個の炭素原子の鎖長を有することが好ましい。好適なアルキル基源の非限定例には、臭気を最小化する目的で、ヤシ油、タロー、トール油、菜種誘導体、オレイン酸、脂肪酸アルキルコハク酸、パーム核油、及びこれらの混合物から誘導される脂肪酸を含むが、主に飽和カルボン酸を使用することが望ましいことが多い。

可溶化カチオン、Ｍ（Ｍが水素カチオンではない場合）は、一般に一価部分が好ましいが、製品へ水溶性を付与するいずれかの陽イオンであってもよい。本開示で使用するのに好適な可溶化陽イオンの例としては、ナトリウム及びカリウムなどのアルカリ金属、及びモノエタノールアミン、トリエタノールアミン、アンモニウム、並びにモルホリニウムなどのアミン類が挙げられる。使用時には、組成物中に脂肪酸の大部分を中和塩形態で組み込むべきであるが、組成物中にある量の遊離脂肪酸を残存させることが好ましいことが多く、これが、特に、組成物が低水分含量、例えば２０％未満を有するとき、組成物の粘度維持の助けとなり得るためである。

非イオン性界面活性剤
本開示の界面活性剤系は、非イオン性界面活性剤も含んでもよい。非イオン性界面活性剤は、界面活性剤系の約１重量％から約５０重量％まで、又は約４０重量％まで、又は約３３重量％まで、又は約２５重量％まで、又は約２０重量％まで、又は約１０重量％までのレベルで界面活性剤系中に存在することができる。

本明細書で有用な好適な非イオン性界面活性剤は、任意の従来の非イオン性界面活性剤を含むことができる。これらとしては、アルコキシル化非イオン性界面活性剤及びアミンオキシド界面活性剤を挙げることができる。

アルコキシル化非イオン性界面活性剤としては、エトキシル化アルコール及びエトキシル化アルキルフェノールを挙げることができる。非イオン性界面活性剤は、式Ｒ（ＯＣ_２Ｈ_４）_ｎＯＨのものであってもよく、式中、Ｒは、約８〜約１５個の炭素原子を含有する脂肪族炭化水素ラジカル及びアルキル基が約８〜約１２個の炭素原子を含有するアルキルフェニルラジカルからなる群から選択され、ｎの平均値は、約５〜約１５である。非イオン性界面活性剤は、非イオン性アルコキシル化脂肪族アルコール界面活性剤、好ましくは非イオン性エトキシル化脂肪族アルコール界面活性剤であってもよい。非イオン性界面活性剤は、約１２〜約１４個の炭素原子の平均値と、アルコールの１モル当たり約７〜９モルのエチレンオキシドの平均エトキシル化度とを有してもよい。

本明細書で有用な、非イオン性界面活性剤の他の非限定例としては、Ｃ_１２〜Ｃ_１８アルキルエトキシレート（ＮＥＯＤＯＬ（登録商標）非イオン性界面活性剤（Shell）など）；Ｃ_６〜Ｃ_１２アルキルフェノールアルコキシレート（ここで、アルコキシレート単位はエチレンオキシ単位とプロピレンオキシ単位の混合物である）；Ｃ_１２〜Ｃ_１８アルコール、及びエチレンオキシド／プロピレンオキシドブロックポリマーとのＣ_６〜Ｃ_１２アルキルフェノール縮合物（Ｐｌｕｒｏｎｉｃ（登録商標）（ＢＡＳＦ）など）；Ｃ_１４〜Ｃ_２２中鎖分岐状アルコール；Ｃ_１４〜Ｃ_２２中鎖分枝状アルキルアルコキシレート（ＢＡＥ_ｘ、式中、ｘは１〜３０である）、アルキル多糖類、アルキルポリグリコシド；ポリヒドロキシ脂肪酸アミド；及びエーテル末端保護されたポリ（オキシアルキル化）アルコール界面活性剤；及びこれらの混合物が挙げられる。

カチオン性界面活性剤
界面活性剤系は、カチオン性界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤系は、界面活性剤系の約０重量％〜約７重量％、又は約０．１重量％〜約５重量％、又は約１重量％〜約４重量％のカチオン性界面活性剤を、例えば補助界面活性剤として含んでもよい。カチオン性の非限定例としては、四級アンモニウム界面活性剤（最高２６個の炭素原子を有することができ、アルコキシル化四級アンモニウム（ＡＱＡ）界面活性剤、ジメチルヒドロキシエチル四級アンモニウム界面活性剤、及びジメチルヒドロキシエチルラウリルアンモニウムクロリド界面活性剤を含む）；ポリアミンカチオン性界面活性剤；カチオン性エステル界面活性剤、及びアミドプロピルジメチルアミン（ＡＰＡ）などのアミノ界面活性剤が挙げられる。

本開示の洗剤組成物は、カチオン性界面活性剤を実質的に含まなくてもよく、及び／又はｐＨ７未満又はｐＨ６未満でカチオン性となる界面活性剤を実質的に含まなくてもよい。

封入体
本開示の洗剤組成物は、封入体を含んでもよい。図１に概略的に示すように、封入体１０は、コア３０と、コア３０を少なくとも部分的に囲む壁２０とを含むことができる。コア３０は、香料などの有益剤を含んでもよい。壁２０は外表面２５を有してよく、外表面はコーティング４０を有してよい。コーティング４０は効率ポリマーを含むことができる。これらの要素について下記により詳細に述べる。

本組成物は、組成物の約０．１重量％〜、又は約０．２重量％〜、又は約０．３重量％〜、又は約０．４重量％〜、又は約０．５重量％〜、約５重量％まで、又は約２．５重量％まで、又は約２重量％まで、又は約１重量％までの封入体を含むことができる。本組成物は、約０．１重量％〜約１重量％の封入体を含むことができる。

封入体は壊れやすいものとすることができる。封入体の粒径は、マルバーン粒子径測定装置を使用するなどの当該技術分野では既知の一般的な方法によって測定することができる。封入体の平均粒径は、約１０マイクロメートルから約５００マイクロメートルまで、又は約２００マイクロメートルまで、又は約１００マイクロメートルまで、又は約５０マイクロメートルまで、又は約３０マイクロメートルであってもよい。複数の封入体が集合体を形成してもよい。

封入体は、約２〜約１０、約３〜約９、又は約４〜約８のｐＨでカチオン電荷を有することができる。

封入体は、少なくとも部分的にコアを囲むことができる壁を有してもよい。壁は、ポリエチレン、ポリアミド、ポリスチレン、ポリイソプレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアクリレート、アクリル、アミノプラスト、ポリオレフィン、多糖類、例えば、アルギネート及び／若しくはキトサン、ゼラチン、セラック、エポキシ樹脂、ビニルポリマー、非水溶性無機材料、シリコーン、及びこれらの混合物からなる群から選択される壁材料を含むことができる。壁材料は、アミノプラスト、アクリル、アクリレート、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。

壁材料はアミノプラストを含むことができる。アミノプラストは、ポリ尿素、ポリウレタン及び／又はポリウレアウレタンを含むことができる。アミノプラストは、アミノプラストコポリマー、例えば、メラミンホルムアルデヒド、尿素ホルムアルデヒド、架橋メラミンホルムアルデヒド、又はこれらの混合物を含んでもよい。壁材料は、メラミンホルムアルデヒドを含んでもよく、壁は、下記に述べるようなコーティングを更に含んでもよい。封入体は、香料を含むコアと、メラミンホルムアルデヒド及び／又は架橋メラミンホルムアルデヒドを含む壁とを有することができる。封入体は、香料を含むコアと、メラミンホルムアルデヒド及び／又は架橋メラミンホルムアルデヒド、ポリ（アクリル酸）及びポリ（アクリル酸−ｃｏ−ブチルアクリレート）を含む壁とを有することができる。

封入体の外壁は、コーティングを有することができる。特定のコーティングは、布地などの対象面上への封入体の付着性を向上させることができる。封入体のコーティングと壁との重量比は、約１：２００〜約１：２、又は約１：１００〜約１：４、又は更には約１：８０〜約１：１０とすることができる。

コーティングは効率ポリマーを含むことができる。コポリマーは、カチオン性効率ポリマーを更に含むことができる。カチオン性ポリマーは、多糖類、カチオン変性デンプン、カチオン変性グアー、ポリシロキサン、ポリジアリルジメチルアンモニウムハライド、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリドとビニルピロリドンとのコポリマー、アクリルアミド、イミダゾール、イミダゾリニウムハライド、イミダゾリウムハライド、ポリビニルアミン、ポリビニルホルムアミド、ポリアリルアミン、これらのコポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。コーティングは、ポリビニルアミン、ポリビニルホルムアミド、ポリアリルアミン、これらのコポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーを含むことができる。

コーティングはポリビニルホルムアミドを含むことができる。ポリビニルホルムアミドは、約５％〜約９５％、約７％〜約６０％、又は更には約１０％〜約４０％の加水分解度を有することができる。

効率ポリマーの１つ以上が、約１，０００Ｄａ〜約５０，０００，０００Ｄａ、約５，０００Ｄａ〜約２５，０００，０００Ｄａ、約１０，０００Ｄａ〜約１０，０００，０００Ｄａ、又は更には約３４０，０００Ｄａ〜約１，５００，０００Ｄａの平均分子質量を有することができる。効率ポリマーの１つ以上が、効率ポリマー１ｇ当たり約１ｍｅｑ〜約２３ｍｅｑ、効率ポリマー１ｇ当たり約１．２ｍｅｑ〜１６ｍｅｑ、効率ポリマー１ｇ当たり約２ｍｅｑ〜約１０ｍｅｑ、又は更には効率ポリマー１ｇ当たり約１ｍｅｑ〜約４ｍｅｑの電荷密度を有することができる。

封入体のコアは、有益剤を含むことができる。適当な有益剤には、香料原料、シリコーンオイル、ワックス、炭化水素類、高級脂肪酸、エッセンシャルオイル、脂質、皮膚冷却剤、ビタミン、日焼け止め剤、酸化防止剤、グリセリン、触媒、漂白剤粒子、二酸化ケイ素粒子、悪臭軽減剤、臭気制御材料、キレート剤、帯電防止剤、柔軟剤、昆虫及びガ駆除剤、着色剤、酸化防止剤、キレート剤、増粘剤、ドレープ及びフォーム調整剤、平滑剤、しわ抑制剤、衛生化剤、消毒剤、細菌抑制剤、カビ抑制剤、白カビ抑制剤、抗ウィルス剤、乾燥剤、耐汚染剤、汚れ放出剤、布地リフレッシュ剤及び洗いたて感維持剤、塩素漂白臭気抑制剤、染料固定剤、染料移染防止剤、色保持剤、蛍光増白剤類、色復元／再生剤、抗退色剤、白色増強剤、抗磨耗剤、耐磨耗剤、布地一体化剤、摩耗防止剤、けば立ち防止剤、抑泡剤、消泡剤、紫外線保護剤、日褪せ阻害剤、抗アレルギー剤、酵素、防水剤、布地快適剤、耐収縮剤、耐伸剤、伸縮回復剤、スキンケア剤、グリセリン、及び天然活性物質、抗菌活性物質、制汗剤活性物質、カチオン性ポリマー、染料、並びにこれらの混合物が含まれ得る。有益剤は香料原料を含むことができる。

封入体は、香料原料を含むコアと、メラミンホルムアルデヒド及び／又は架橋メラミンホルムアルデヒドを含む壁とを有してよく、壁は更に、壁の外表面上にコーティングを有し、コーティングはポリビニルアルコールなどの効率ポリマーを含む。

適当な封入体は、Ｅｎｃａｐｓｙｓ社（米国、ウイスコンシン州アップルトン）から入手することができる。洗浄剤組成物は、異なる封入体の混合物、例えば、異なる壁材料及び／又は有益剤を有する封入体の混合物を含むことができる。

本洗剤組成物は、ホルムアルデヒド捕捉剤を更に含んでもよい。このような捕捉剤は、特定の封入体、特にホルムアルデヒドを含み、かつ／又は放出する封入体において、又は封入体と使用するうえで有用であり得る。適当なホルムアルデヒドスカベンジャーには、亜硫酸水素ナトリウム、尿素、システイン、システアミン、リシン、グリシン、セリン、カルノシン、ヒスチジン、グルタチオン、３，４−ジアミノ安息香酸、アラントイン、グリコウリル、アントラニル酸、アントラニル酸メチル、メチル４−アミノベンゾエート、エチルアセトアセタート、アセトアセトアミド、マロンアミド、アスコルビン酸、１，３−ジヒドロキシアセトン二量体、ビウレット、オキサミド、ベンゾグアナミン、ピログルタミン酸、ピロガロール、メチルガラート、エチルガラート、プロピルガラート、トリエタノールアミン、スクシンアミド、チアベンダゾール、ベンゾトリアゾール、トリアゾール、インドリン、スルファニル酸、オキサミド、ソルビトール、グルコース、セルロース、ポリ（ビニルアルコール）、ポリ（ビニルアミン）、ヘキサンジオール、エチレンジアミン−Ｎ，Ｎ’−ビスアセトアセトアミド、Ｎ−（２−エチルヘキシル）アセトアセトアミド、Ｎ−（３−フェニルプロピル）アセトアセトアミド、リリアル、ヘリオナール、メロナール、トリプラール、５，５−ジメチル−１，３−シクロヘキサンジオン、２，４−ジメチル−３−シクロヘキセンカルボキシアルデヒド、２，２−ジメチル−１，３−ジオキサン−４，６−ジオン、２−ペンタノン、ジブチルアミン、トリエチレンテトラミン、ベンジルアミン、ヒドロキシシトロネロール、シクロヘキサノン、２−ブタノン、ペンタンジオン、デヒドロ酢酸、キトサン、又はこれらの混合物が含まれ得る。

外部構造化剤系
本開示の液体洗剤組成物は、外部構造化剤系を含むことができる。構造化剤系は、例えば、好適な流動粘度、相安定性、及び／又は懸濁能力を提供するために、組成物に十分な粘度を提供するために使用することができる。外部構造化剤系は、封入謡を懸濁させるために特に有用であり得る。

本開示の組成物は、０．０１重量％〜５重量％、又は更には０．１重量％〜１重量％の外部構造化剤系を含んでもよい。外部構造化剤系は、以下の（ｉ）及び（ｉｉ）からなる群から選択されてもよい：
（ｉ）非高分子系結晶質のヒドロキシ官能性構造剤及び／又は
（ｉｉ）ポリマー構造化剤。

このような外部構造化剤系は、組成物の洗浄性界面活性剤の任意の構造化効果とは独立して、すなわちこのような効果以外により、液体洗濯洗剤組成物を安定化させるのに十分な降伏応力又は低剪断粘度を付与することができるようなものであってよい。これらは、液体洗濯洗剤組成物に２１℃、２０ｓ^−１にて１〜１５００ｃｐｓの高剪断粘度及び５０００ｃｐｓを超える低剪断粘度（２１℃で０．０５ｓ^−１）を付与することができる。粘度は、直径４０ｍｍ及びギャップサイズ５００μｍで、平板の鋼製スピンドルを用いるＴＡ ｉｎｓｔｒｕｍｅｎｔｓ製のＡＲ ５５０レオメータを使用して測定される。２０^ｓ−１での高剪断粘度、及び０．５ｓ^−１での低剪断粘度は、２１℃で３分間の０．１ｓ^−１〜２５ｓ^−１の対数剪断速度掃引から得ることができる。

本組成物は、約０．０１重量％〜約１重量％の非ポリマー結晶性ヒドロキシル官能性構造化剤を含んでもよい。このような非高分子系結晶質のヒドロキシル官能性構造剤は、結晶化可能なグリセリドを含んでもよく、洗濯洗剤組成物の最終的な１回容量への分散を補助するためにこのグリセリドを前乳化することもできる。好適な結晶化可能なグリセリドとしては、液体洗剤組成物内で結晶化させることができるという条件で、硬化ヒマシ油又は「ＨＣＯ」又はこれらの誘導体が挙げられる。

本洗剤組成物は、約０．０１重量％〜５重量％の天然由来及び／又は合成のポリマー構造化剤を含んでもよい。好適な天然に誘導されたポリマー構造化剤としては、セルロース繊維、ヒドロキシエチルセルロース、疎水変性ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、多糖誘導体、及びこれらの混合物が挙げられる。好適な多糖類誘導体としては、ペクチン、アルギネート、アラビノガラクタン（アラビアガム）、カラギーナン、ジェランガム、キサンタンガム、グアーガム、及びこれらの混合物が挙げられる。好適なセルロース繊維は、約５０〜約１００，０００、好ましくは約３００〜約１０，０００のアスペクト比（長さ対幅比）を有する繊維を含むことができ、鉱物繊維、発酵由来セルロース繊維、野菜、果実、種子、茎、葉及び／又は木材由来セルロース繊維などの単子葉植物若しくは双子葉植物由来の繊維、及びこれらの混合物が挙げられる。市販の例は、ＦＭＣ製のＡｖｉｃｅｌ（登録商標）、Ｆｉｂｅｒｓｔａｒ製のＣｉｔｒｉ−Ｆｉ、Ｈｅｒｂａｆｏｏｄ製のＨｅｒｂａｃｅｌ、及びＣＰ Ｋｅｌｃｏ製のＣｅｌｌｕｌｏｎ ＰＸである。好適な合成ポリマー構造化剤としては：ポリカルボキシラート、ポリアクリレート並びに疎水変性ポリアクリレート、疎水変性エトキシル化ウレタン、疎水変性非イオン性ポリオール、及びこれらの混合物が挙げられる。ポリカルボキシレートポリマーは、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、又はこれらの混合物であってよい。ポリアクリレートは、不飽和モノ−又はジ−炭酸と、（メタ）アクリル酸のＣ_１〜Ｃ_３０アルキルエステルとのコポリマーを含み得る。このようなコポリマーは、商品名Ｃａｒｂｏｐｏｌ（登録商標）Ａｑｕａ ３０でＮｏｖｅｏｎ ｉｎｃから入手可能である。

添加剤
本開示の洗剤組成物は、布地ケア効果を提供する添加剤などの他の好適な添加剤を含んでもよい。本開示の組成物は、１つの特定の界面活性剤が豊富にある界面活性剤系を有し得るために、このような添加剤は、より広範囲の洗浄プロファイル、又は柔軟性効果などの消費者に関連する他の効果を提供するために特に望ましい場合がある。好適な添加剤としては、酵素、増白剤、アルコキシル化ポリアルキレンイミンなどの洗浄ポリマー、汚れ放出ポリマー、ポリエーテルアミン、色相染料、及びこれらの組み合わせが挙げられる。典型的な使用量レベルは、蛍光増白剤又は色相染料等の添加剤については組成物の０．００１重量％ほど低い範囲から、ビルダー又は溶媒については、組成物の最高５０重量％の範囲である。いくつかの好適な添加剤を、以下に更に詳細に論じる。

酵素
本開示の洗浄組成物は、酵素を含んでもよい。布地の洗濯の際に遊離する染料移行を防止するため、並びに布地を修復するための、タンパク質系、炭水化物系、又はトリグリセリド系の染みの基質からの除去を含む多様な目的のために、酵素を本洗浄組成物に含有させてもよい。好適な酵素としては、植物、動物、細菌、真菌、及び酵母起源質などの任意の好適な起源物質からのプロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、カルボヒドラーゼ、セルラーゼ、オキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、マンナナーゼ、及びこれらの混合物が挙げられる。本明細書に記載の洗浄組成物中で使用され得る他の酵素としては、ヘミセルラーゼ、グルコ−アミラーゼ、キシラナーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ぺクチナーゼ、ケラタナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β−グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、又はこれらの混合物が挙げられる。酵素の選択は、ｐＨ活性及び／又は安定性の最適条件、熱安定性、及び活性洗剤、ビルダーなどに対する安定性などの要因に影響される。

いくつかの態様では、リパーゼを含有させてもよい。ある特定の態様において使用され得る付加的な酵素としては、マンナナーゼ、プロテアーゼ、及びセルラーゼが挙げられる。マンナナーゼ、プロテアーゼ、及びセルラーゼは、それぞれ、Ｎｏｖｏｚｙｍｅｓ（Ｄｅｎｍａｒｋ）からＭａｎｎａｗａｙ、Ｓａｖｉｎａｓｅ、及びＣｅｌｌｕｃｌｅａｎの商標名で購入することができ、それぞれ、１グラム当たり４ｍｇ、１５．８ｍｇ、及び１５．６ｍｇの活性酵素を提供する。

いくつかの態様では、本組成物は、少なくとも２つ、又は好ましくは少なくとも３つ、又は少なくとも４つの酵素を含む。いくつかの態様では、本組成物は、少なくともアミラーゼ及びプロテアーゼを含む。

酵素は、通常、「洗浄に有効な量」を提供するのに十分な濃度で洗浄組成物中に組み込まれる。語句「洗浄に有効な量」は、汚れ材料、例えば、布地、硬質面などに対して、洗浄、染み除去、汚れ除去、増白、脱臭、又は洗いたて感の改善効果を生じることが可能な任意の量を指す。いくつかの態様では、本洗剤組成物は、本洗浄組成物の約０．０００１重量％〜約５重量％、又は約０．００５重量％〜約３重量％、又は約０．００１重量％〜約２重量％の活性酵素を含んでもよい。酵素は、別個の単一成分として、又は２つ以上の酵素の混合物として、加えることができる。

増白剤
本明細書に記載の洗剤組成物は光学的増白剤を含んでもよい。蛍光増白剤としても知られている光学的増白剤も、当該技術分野において周知である。本発明の洗剤組成物は、組成物の約０．００５重量％から、又は約０．０１重量％から、約５重量％まで、又は約１重量％まで、又は約０．５重量％までの増白剤を含んでもよい。

光学的増白剤は、スチルベン、ピラゾリン、クマリン、カルボン酸、メチンシアニン、ジベンゾチオフェン−５，５−ジオキシド、アゾール、５員及び６員複素環、ベンゼン又はこれらの誘導体、及びこれらの混合物を含む化合物から選択される実質的に不溶性化合物であり得る。増白剤は、ベンゾキサゾール（benzoxozol）、ピラゾール、トリアゾール、トリアジン、イミダゾール、フラン基又はこれらの混合物を含む。

好適な増白剤としては、二ナトリウム４，４’−ビス｛［４−アニリノ−６−モルホリノ−ｓ−トリアジン−２−イル］アミノ｝−２，２’−スチルベンジスルホネート、二ナトリウム４，４’−ビス−（２−スルホストリル）ビフェニル；及び二ナトリウム４，４’−ビス｛［４，６−ジ−アニリノ−ｓ−トリアジン−２−イル］アミノ｝−２，２’−スチルベンジスルホネートが挙げられる。市販の増白剤としては、Ｃｉｂａ Ｇｅｉｇｙから入手可能な増白剤１５、増白剤３６、及び増白剤４９が挙げられる。

洗浄ポリマー
本組成物は、洗浄ポリマーを含んでもよい。例えば、本洗剤組成物は、布地及び表面からグリース粒子を除去するように、親水性と疎水性が釣り合うことができる両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマーを含んでよい。両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマーは、コア構造及びそのコア構造に結合した複数のアルコキシレート基（alkoxylate group）を含んでもよい。これらは、例えば、アルコキシル化ポリアルキレンイミンを含んでよい。このような化合物としては、エトキシル化ポリエチレンイミン、エトキシル化ヘキサメチレンジアミン、及びこれらを硫酸化したものが挙げられるが、これらに限定されない。ポリプロポキシル化誘導体も包含させることができる。多種多様なアミン及びポリアルキレンイミンを様々な程度にアルコキシル化することができる。有用な例としては、ＮＨ当たり２０ ＥＯ基までエトキシル化されている６００ｇ／モルのポリエチレンイミンコアがあり、ＢＡＳＦより入手可能である。アルコキシル化ポリアルキレンイミンは、内側ポリエチレンオキシドブロック及び外側ポリプロピレンオキシドブロックを有することができる。本明細書に記載の洗剤組成物は、洗剤組成物の約０．１重量％〜約１０重量％、いくつかの例では、約０．１重量％〜約８重量％、他の例では、約０．１重量％〜約６重量％のアルコキシル化ポリアミンを含み得る。

汚れ放出ポリマー（ＳＲＰ）
本開示の洗剤組成物は、汚れ放出ポリマーを含有してもよい。いくつかの態様では、本開示の洗剤組成物は、以下の構造（Ｉ）、（ＩＩ）、又は（ＩＩＩ）のうちの１つにより定義される構造を有する１つ以上の汚れ放出ポリマーを含んでもよい。
（Ｉ）−［（ＯＣＨＲ^１−ＣＨＲ^２）_ａ−Ｏ−ＯＣ−Ａｒ−ＣＯ−］_ｄ
（ＩＩ）−［（ＯＣＨＲ^３−ＣＨＲ^４）_ｂ−Ｏ−ＯＣ−ｓＡｒ−ＣＯ−］_ｅ
（ＩＩＩ）−［（ＯＣＨＲ^５−ＣＨＲ^６）_ｃ−ＯＲ^７］_ｆ
（式中、
ａ、ｂ及びｃは、１〜２００であり、
ｄ、ｅ及びｆは、１〜５０であり、
Ａｒは、１，４−置換フェニレンであり、
ｓＡｒは、５位がＳＯ_３Ｍｅにより置換された１，３−置換フェニレンであり、
Ｍｅは、Ｌｉ、Ｋ、Ｍｇ／２、Ｃａ／２、Ａｌ／３、アンモニウム、モノ−、ジ−、トリ−若しくはテトラアルキルアンモニウム（アルキル基は、Ｃ_１〜Ｃ_１８アルキル又はＣ_２〜Ｃ_１０ヒドロキシアルキルである）、又はこれらの混合物であり；
Ｒ^１、Ｒ^２、Ｒ^３、Ｒ^４、Ｒ^５、及びＲ^６は、独立して、Ｈ又はＣ_１〜Ｃ_１８ ｎ−若しくはイソ−アルキルから選択され、
Ｒ^７は、直鎖状若しくは分枝状Ｃ_１〜Ｃ_１８アルキル、又は直鎖状若しくは分枝状Ｃ_２〜Ｃ_３０アルケニル、又は５〜９個の炭素原子を有するシクロアルキル基、又はＣ_８〜Ｃ_３０アリール基、又はＣ_６〜Ｃ_３０アリールアルキル基である）。

好適な汚れ遊離ポリマーは、Ｒｅｐｅｌ−ｏ−ｔｅｘポリマー（例えば、Ｒｈｏｄｉａにより供給されているＲｅｐｅｌ−ｏ−ｔｅｘ ＳＦ、ＳＦ−２及びＳＲＰ６）などのポリエステル汚れ遊離ポリマーである。他の好適な汚れ遊離ポリマーとしては、Ｔｅｘｃａｒｅポリマー（例えば、Ｃｌａｒｉａｎｔにより供給されているＴｅｘｃａｒｅ ＳＲＡ１００、ＳＲＡ３００、ＳＲＮ１００、ＳＲＮ１７０、ＳＲＮ２４０、ＳＲＮ３００及びＳＲＮ３２５など）が挙げられる。他の好適な汚れ遊離ポリマーは、Ｍａｒｌｏｑｕｅｓｔポリマー（例えば、Ｓａｓｏｌにより供給されているＭａｒｌｏｑｕｅｓｔ ＳＬなど）である。

アミン
本明細書に記載の洗浄組成物は、アミンを含有してもよい。アミンの非限定例としては、エーテルアミン、環状アミン、ポリアミン、オリゴアミン（例えば、トリアミン、ジアミン、ペンタアミン、テトラアミン）、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に記載の組成物は、オリゴアミン、エーテルアミン、環状アミン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されたアミンを含んでもよい。

本組成物は、組成物の約０．１重量％〜約１０重量％、又は約０．２重量％〜約５重量％、又は約０．５重量％〜約４重量％、又は約０．１重量％〜約４重量％、又は約０．１重量％〜約２重量％のアミンを含んでもよい。当該アミンは、それが使用される洗浄媒体のｐＨに依存してプロトン化に供され得る。

好適なオリゴアミンの例としては、テトラエチレンペンタミン、トリエチレンテトラアミン、ジエチレントリアミン、又はこれらの混合物が挙げられる。エーテルアミン及び環状アミンについては、以下でより詳細に説明する。

好適なエーテルアミンは、式（Ａ）で表すことができる。

式中、各Ｒ基は、独立して、Ｈ、メチル基、及びエチル基からなる群から選択され、少なくとも１つのＲ基は、メチル基である。ｘは、約２〜約３００の範囲内であり、ｘは、ポリマーを構成する繰り返し単位又は基本的ビルディングブロックの平均数を示す。ｘは、整数又は分数であってもよい。ｘは、約２〜約２０、又は約２〜約１０の範囲内であってもよい。

好適なエーテルアミンは、式（Ｉ）で表すことができる。

式中、Ｒ_１〜Ｒ_６のそれぞれは、独立して、Ｈ、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、又はアリールアルキルから選択され、Ｒ_１〜Ｒ_６のうちの少なくとも１つはＨとは異なり、典型的には、Ｒ_１〜Ｒ_６のうちの少なくとも１つは、２〜８個の炭素原子を有するアルキル基であり、Ａ_１〜Ａ_６のそれぞれは、独立して、２〜１８個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキレンから選択され、Ｚ_１〜Ｚ_２のそれぞれは、独立して、ＯＨ又はＮＨ_２から選択され、Ｚ_１〜Ｚ_２のうちの少なくとも１つは、ＮＨ_２であり、典型的には、Ｚ_１及びＺ_２のそれぞれはＮＨ_２であり、ｘ＋ｙの合計は、約２〜約２００、又は約２〜約２０、又は約２〜約１０、又は約２〜約８、又は約３〜約８、又は約４〜約６の範囲内であり、ｘ≧１かつｙ≧１であり、ｘ_１＋ｙ_１の合計は、約２〜約２００、又は約２〜約２０、又は約２〜約１０、又は約２〜約８、又は約３〜約８、又は約２〜約４の範囲内であり、ｘ_１≧１かつｙ_１≧１である。

式（Ｉ）のエーテルアミンに関して、Ａ_１〜Ａ_６のそれぞれは、独立して、エチレン、プロピレン、又はブチレンから選択されてよく、典型的には、Ａ_１〜Ａ_６のそれぞれは、プロピレンであある。Ａ_１〜Ａ_６のそれぞれは、独立して、２〜１８個の炭素原子、又は２〜１０個の炭素原子、又は２〜５個の炭素原子を有する直鎖アルカンジイル基から選択されてもよく、Ａ_２、Ａ_３、Ａ_４、及びＡ_５のそれぞれは、２〜１８個の炭素原子、又は２〜１０個の炭素原子、又は２〜５個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルカンジイル基から選択されてもよい。式（Ｉ）のエーテルアミンに関して、Ｒ_１、Ｒ_２、Ｒ_５、及びＲ_６のそれぞれはＨであってよく、Ｒ_３及びＲ_４のそれぞれは、独立してＣ１〜Ｃ１６アルキル又はアリールから選択されてよく、典型的には、Ｒ_１、Ｒ_２、Ｒ_５、及びＲ_６のそれぞれは、Ｈであってよく、Ｒ_３及びＲ_４のそれぞれは、独立して、ブチル基、エチル基、メチル基、プロピル基、又はフェニル基から選択されてよい。式（Ｉ）のエーテルアミンに関して、Ｒ_３はエチル基であってよく、Ｒ_１、Ｒ_２、Ｒ_５、及びＲ_６のそれぞれはＨであってよく、並びにＲ_４はブチル基であってよい。式（Ｉ）のエーテルアミンに関して、Ｒ_１及びＲ_２のそれぞれはＨであってよく、Ｒ_３、Ｒ_４、Ｒ_５、及びＲ_６のそれぞれは、独立して、エチル基、メチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、又はＨから選択されてよい。

好適なエーテルアミンは、式（ＩＩ）で表されることができる。

Ｒ_７〜Ｒ_１２のそれぞれは、独立して、Ｈ、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、又はアリールアルキルから選択され、Ｒ_７〜Ｒ_１２のうちの少なくとも１つはＨとは異なり、典型的には、Ｒ_７〜Ｒ_１２のうちの少なくとも１つは、２〜８個の炭素原子を有するアルキル基であり、Ａ_７〜Ａ_９のそれぞれは、独立して、２〜１８個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキレンから選択され、Ｚ_３〜Ｚ_４のそれぞれは、独立して、ＯＨ又はＮＨ_２から選択され、Ｚ_３〜Ｚ_４のうちの少なくとも１つは、ＮＨ_２であり、典型的には、Ｚ_３及びＺ_４のそれぞれはＮＨ_２であり、ｘ＋ｙの合計は、約２〜約２００、又は約２〜約２０、又は約２〜約１０、又は約２〜約８、又は約３〜約８、又は約２〜約４の範囲内であり、ｘ≧１かつｙ≧１であり、ｘ_１＋ｙ_１の合計は、約２〜約２００、又は約２〜約２０、又は約２〜約１０、又は約２〜約８、又は約３〜約８、又は約２〜約４の範囲内であり、ｘ_１≧１かつｙ_１≧１である。

式（ＩＩ）のエーテルアミンに関して、Ａ_７〜Ａ_９のそれぞれは、独立して、エチレン、プロピレン、又はブチレンから選択されてよく、典型的にはＡ_７〜Ａ_９のそれぞれは、プロピレンであってよい。Ａ_９は、２〜１８個の炭素原子、又は２〜１０個の炭素原子、又は２〜５個の炭素原子を有する直鎖アルカンジイル基から選択されてもよく、Ａ_７及びＡ_８のそれぞれは、独立して、２〜１８個の炭素原子、又は２〜１０個の炭素原子、又は２〜５個の炭素原子を有する直鎖アルカンジイル基から選択されてもよい。式（ＩＩ）のエーテルアミンに関して、Ｒ_７、Ｒ_８、Ｒ_１１、及びＲ_１２は各々Ｈであってよく、Ｒ_９及びＲ_１０は各々独立してＣ１〜Ｃ１６アルキル又はアリールから選択されてよく、典型的には、Ｒ_７、Ｒ_８、Ｒ_１１、及びＲ_１２のそれぞれは、Ｈであってよく、Ｒ_９及びＲ_１０のそれぞれは、独立して、ブチル基、エチル基、メチル基、プロピル基、又はフェニル基から選択されてよい。式（ＩＩ）のエーテルアミンに関して、Ｒ_９はエチル基であってよく、Ｒ_７、Ｒ_８、Ｒ_１１、及びＲ_１２のそれぞれは、Ｈであってよく、並びにＲ_１０はブチル基であってよい。式（ＩＩ）のエーテルアミンに関して、Ｒ_７及びＲ_８のそれぞれは、Ｈであってよく、Ｒ_９、Ｒ_１０、Ｒ_１１、及びＲ_１２のそれぞれは、独立して、エチル基、メチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、又はＨから選択されてよい。

好適なエーテルアミンは、ＵＳ２０１４／０２９６１２７Ａ１及びＵＳ２０１５／００５７２１２Ａ１に更に記載されている。

好適な環状アミンは、式（Ｂ）で表されることができる。

置換基「Ｒ」は独立して、ＮＨ_２、Ｈ、及び１〜１０個の炭素原子の直鎖、分枝鎖アルキル又はアルケニルから選択され得る。本発明の目的のため、「Ｒ」は、Ｒ１〜Ｒ５を含む。「Ｒ」のうちの少なくとも１つは、ＮＨ_２である必要がある。残りの「Ｒ」は独立して、ＮＨ_２、Ｈ、及び１〜１０個の炭素原子を有する直鎖、分枝鎖アルキル又はアルケニルから選択され得る。ｎは、０〜３、又はｎは１である。

色相剤
組成物は、布地色相剤（時には、色合い剤、青味剤、又は白化剤と称される場合もある）を含んでもよい。典型的には、色相剤は、布地に青又は紫の色合いをもたらす。色相剤は、単独又は組み合わせのいずれかで使用して、特定の色調の色合いを作り出し、かつ／又は異なるタイプの布地に色合いをつけることができる。これは、例えば赤と緑−青の染料とを混合して青又は紫の色合いを生じさせることにより提供され得る。色相剤は、任意の既知の化学的部類の染料から選択されてよく、これには、アクリジン、アントラキノン（多環式キノンを含む）、アジン、予め金属化されたアゾを含むアゾ（例えば、モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾ、テトラキスアゾ、ポリアゾ）、ベンゾジフラン及びベンゾジフラノン、カロテノイド、クマリン、シアニン、ジアザヘミシアニン、ジフェニルメタン、ホルマザン、ヘミシアニン、インジゴイド、メタン、ナフタルイミド、ナフトキノン、ニトロ及びニトロソ、オキサジン、フタロシアニン、ピラゾール、スチルベン、スチリル、トリアリールメタン、トリフェニルメタン、キサンテン、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。

他の添加剤
本明細書に記載の組成物は、洗濯プロセスに好適であり得る他の添加剤材料を含んでいてもよい。好適な添加剤としては、ビルダー、キレート剤、染料移行抑制剤、分散剤、酵素安定剤、触媒材料、漂白剤、漂白剤触媒、漂白剤活性化剤、ポリマー分散剤、汚れ除去／再付着防止剤、例えばＰＥＩ６００ ＥＯ２０（例えば、ＢＡＳＦ）、ポリマー汚れ剥離剤、ポリマー分散剤、ポリマーグリース洗浄剤、増白剤、抑泡剤、染料、香料、構造弾性化剤、布地柔軟剤、担体、充填剤、ジドロトロープ、有機溶媒、抗菌剤及び／又は防腐剤、中和剤及び／又はｐＨ調整剤、加工助剤、乳白剤、真珠光沢剤、顔料、又はこれらの混合物が挙げられる。

本開示の洗剤組成物は、カチオン付着助剤ポリマーを含有してもよい。カチオン付着助剤ポリマーは、成分の標的表面への付着を容易にするために、洗剤組成物で使用されることがある。付着助剤ポリマーは、非多糖類ポリマーであってもよい。付着助剤ポリマーは、比較的低い重量平均分子量、例えば、約５ｋＤａｌから、又は約１０ｋＤａｌから、又は約１５ｋＤａｌから、約２００ｋＤａｌまで、又は約１５０ｋＤａｌまで、又は１００ｋＤａｌまで、又は約７５ｋＤａｌまで、又は約５０ｋＤａｌまで、又は約３５ｋＤａｌまで、又は約２５ｋＤａｌまでを有してもよい。重量平均分子量は、製造者の指示に従って使用される、示差屈折率検出（ＲＩ）を用いたサイズ排除クロマトグラフィー（ＳＥＣ）によって決定される。付着助剤ポリマーは、カチオン性モノマー単位を含んでもよく、カチオン性モノマー単位は、例えば、ジアリルジメチルジアリルアンモニウム塩（ＤＡＤＭＡＳ）、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩（ＡＰＴＡＳ）、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩（ＭＡＰＴＡＳ）、四級化ビニルイミダゾール（ＱＶｉ）、及びこれらの混合物から誘導される。このようなモノマー単位の塩は、塩化物塩（例えば、ＤＡＤＭＡＣ）であってもよい。カチオン性構造単位は、約５０モル％から、又は約６０モル％から、又は約７０モル％から、又は約７５モル％から、約１００モル％まで、又は約９５モル％まで、又は約９０モル％まで、又は約８５モル％までのレベルでポリマー中に存在してもよい。付着助剤ポリマーは、非イオン性モノマー単位、例えば、アクリルアミド及び／又はメタクリルアミド（一緒に「（メタ）アクリルアミド」）から誘導されたモノマー単位を含んでもよい。非イオン性構造単位は、約０モル％から、又は約５モル％から、又は約１０モル％から、又は約１５モル％から、約５０モル％まで、又は約４０モル％まで、又は約３０モル％までのレベルでポリマー中に存在してもよい。付着助剤ポリマーは、アニオン性モノマー単位を更に含んでいてもよい。付着助剤は、（メタ）アクリルアミドとＤＡＤＭＡＣとを含むカチオン性コポリマーであってもよい。

本明細書に記載の洗剤組成物は、界面活性剤系が、例えば封入体の付着を容易にするように慎重に選択されるために、任意で、封入体のコーティングの一部であり得るいかなるカチオン性ポリマーも除いて、０．１％以下のカチオン性付着助剤ポリマーを含有してもよい。本明細書に記載の洗剤組成物は、カチオン性付着助剤ポリマーを実質的に含まなくてもよく、例えば、０％のカチオン性付着助剤ポリマーを含有する。明確にするために、封入体のコーティングの一部であるいかなるカチオン性ポリマーも、カチオン性付着助剤ポリマーの量の算出には含まれるべきではない。このような付着助剤ポリマーとしては、カチオン性多糖類、例えばカチオン性ヒドロキシエチルセルロース、又はカチオン性モノマー単位、例えば、ジアリルジメチルジアリルアンモニウム塩（ＤＡＤＭＡＳ）、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩（ＡＰＴＡＳ）、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩（ＭＡＰＴＡＳ）、四級化ビニルイミダゾール（ＱＶｉ）、及びこれらの混合物から誘導されるカチオン性モノマー単位を含有するカチオン性合成ポリマーを挙げることができる。本明細書で使用される場合、カチオン性付着助剤ポリマーは、（アルコキシル化）ポリエチレンイミンポリマーなどの洗浄ポリマーを含めないものとする。

本明細書に記載の洗剤組成物は、組成物の約０．１重量％〜約１０重量％、又は約１重量％〜約５重量％のシリコーン、例えばアミノシリコーンを含んでもよい。このようなシリコーンは、感触／柔軟性効果を布地に提供することができる。しかしながら、シリコーンは、布地の洗浄及び／又は白色度の損失にも寄与し得る。したがって、本洗剤組成物は、アミノシリコーンなどのシリコーンを実質的に含まなくともよい（例えば、０．３％未満、０．１％未満、０．０１％未満、又は更には０％のアミノシリコーンなどのシリコーンを含有する）。シリコーンが抑泡剤として洗剤中に存在してもよいことが認識され、このため、本洗剤は、低レベルのシリコーンを含むことができ、このレベルは、少なくともある程度の泡防止効果を提供するのに十分であるが、消費者が気付くほどの柔軟性効果を提供するほど十分ではない。洗剤製造業者は、所望の効果に応じて、シリコーンを含むか又は排除するよう選択することができる。

洗剤組成物の製造方法
本開示の洗剤組成物は、バッチ処理又は連続ループ処理を含む、従来の方法によって製造することができる。外部構造化系を使用する場合、外部構造化系は、封入体が添加された後に洗剤基剤に添加され、その後混合されてもよい。

洗剤組成物の使用方法
本開示は、布地などの表面を前処理又は処理する方法に関し、本方法は、表面（例えば、布地）を、本明細書に記載の洗浄剤組成物に接触させる工程を含む。接触工程は、水の存在下で行うことができ、水と洗浄剤組成物とは、洗浄液を形成することができる。接触は、洗浄工程中に行うことができ、水は、接触工程前に、接触工程中に、又は接触工程後に添加されてもよい。

洗浄工程に続いてすすぎ工程を行ってもよい。すすぎ工程中に、布地を布地柔軟化組成物と接触させてもよく、該布地柔軟化組成物は、布地柔軟化活性剤を含む。本明細書に記載の布地柔軟化活性剤は、四級アンモニウム化合物、シリコーン、脂肪酸若しくはエステル、糖、脂肪族アルコール、アルコキシル化脂肪族アルコール、ポリグリセリンエステル、油性糖誘導体、ワックスのエマルジョンを、脂肪酸グリセリド、又はこれらの混合物を含むことができる。ＤＯＷＮＹ（登録商標）、ＬＥＮＯＲ（登録商標）（両者ともにＴｈｅ Ｐｒｏｃｔｅｒ ＆ Ｇａｍｂｌｅ Ｃｏｍｐａｎｙから入手可能）、及びＳＮＵＧＧＬＥ（登録商標）（Ｔｈｅ Ｓｕｎ Ｐｒｏｄｕｃｔｓ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎから入手可能）の商標名で販売されているものなどの、好適な市販の布地柔軟剤を用いてもよい。布地に布地柔軟化組成物を接触させる工程は、水の存在下において、例えば、自動洗濯機のすすぎサイクル中に行うことができる。

例えば、トップローディング式又はフロントローディング式自動洗濯機の任意の好適な洗濯機を使用してもよい。当業者は、関連の洗浄作業に好適な洗濯機を認識するであろう。本開示の組成物は、布地用添加剤、布地柔軟剤、すすぎ補助剤などの他の組成物と組み合わせて使用してよい。

更に、本開示の洗剤組成物は、表面が手で処理／洗浄される既知の方法で使用してもよい。

組み合わせ
本開示の具体的に想到される組み合わせを、ここで以下の文字を付した段落に記載する。これらの組み合わせは、事実上例示的なものであり、制限的であることを意図したものではない。
Ａ．液体洗剤組成物であって、洗剤組成物の８重量％〜５０重量％の界面活性剤系を含み、界面活性剤系が、約１：１〜約４：１の重量比で存在するアニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤とを含み、アニオン性界面活性剤が、アニオン性サルフェート界面活性剤とアニオン性スルホネート界面活性剤とを約１：１〜約１０：１の重量比で含み、界面活性剤系が、前記組成物の０重量％〜約４重量％の脂肪酸及び／又はその塩を含み、洗剤組成物が、組成物の約０．１重量％〜約５重量％の封入体を更に含み、封入体が、コアと、コアを少なくとも部分的に囲む壁とを含み、コアが有益剤を含み、壁が、前記壁の外表面上にコーティングを含む、液体洗剤組成物。
Ｂ．組成物が、洗剤組成物の約１０重量％〜約３０重量％、又は約１０重量％〜約２５重量％、又は約１０重量％〜約２０重量％の界面活性剤系を含む、段落Ａに記載の液体洗剤組成物。
Ｃ．界面活性剤系が、約１：１〜約３．６：１、又は約３．１：１まで、又は約２：１までの重量比で存在する、アニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤とを含む、段落Ａ又はＢに記載の液体洗剤組成物。
Ｄ．アニオン性界面活性剤が、アニオン性サルフェート界面活性剤とアニオン性スルホネート界面活性剤とを、約１：１〜約５：１、又は約１：１〜約３：１、又は約１：１〜約２：１、又は約１．５：１〜約２：１の重量比で含む、段落Ａ〜Ｃのいずれか１つに記載の液体洗剤組成物。
Ｅ．アニオン性サルフェート界面活性剤が、アルコキシル化アルキルサルフェート界面活性剤、好ましくはエトキシル化アルキルサルフェート界面活性剤を含む、段落Ａ〜Ｄのいずれか１つに記載の液体洗剤組成物。
Ｆ．アニオン性スルホネート界面活性剤が、アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤、好ましくは直鎖アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤を含む、段落Ａ〜Ｅのいずれか１つに記載の液体洗剤組成物。
Ｇ．非イオン性界面活性剤が、エトキシル化脂肪族アルコール、アミンオキシド、又はこれらの組み合わせを含む、段落Ａ〜Ｆのいずれか１つに記載の液体洗剤組成物。
Ｈ．界面活性剤系が、カチオン性界面活性剤を更に含む、段落Ａ〜Ｇのいずれか１つに記載の液体洗剤組成物。
Ｉ．組成物が、約０．１％〜約３％の封入体を含む、段落Ａ〜Ｈのいずれか１つに記載の液体洗剤組成物。
Ｊ．有益剤が、香料原材料を含む、段落Ａ〜Ｉのいずれか１つに記載の液体洗剤組成物。
Ｋ．コーティングが、カチオン性効率ポリマー、好ましくは、多糖類、カチオン変性デンプン、カチオン変性グアー、ポリシロキサン、ポリジアリルジメチルアンモニウムハライド、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリドとビニルピロリドンとのコポリマー、アクリルアミド、イミダゾール、イミダゾリニウムハライド、イミダゾリウムハライド、ポリビニルアミン、ポリビニルホルムアミド、ポリアリルアミン、これらのコポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択されるカチオン性効率ポリマーを含む、段落Ａ〜Ｊのいずれか１つに記載の液体洗剤組成物。
Ｌ．コーティングが、ポリビニルアミン、ポリビニルホルムアミド、ポリアリルアミン、これらのポリマー、及びこれらの混合物、好ましくはポリビニルホルムアミドから選択されるカチオン性効率ポリマーを含む、段落Ａ〜Ｋのいずれか１つに記載の液体洗剤組成物。
Ｍ．壁が、アミノプラストコポリマー、アクリル、アクリレート、及びこれらの混合物からなる群から選択される壁材料を含む、段落Ａ〜Ｌのいずれか１つに記載の液体洗剤組成物。
Ｎ．壁材料が、アミノプラストコポリマー、好ましくは、メラミンホルムアルデヒド、尿素ホルムアルデヒド、架橋メラミンホルムアルデヒド、又はこれらの混合物から選択されるアミノプラストコポリマーを含む、段落Ａ〜Ｍのいずれか１つに記載の液体洗剤組成物。
Ｏ．組成物が、外部構造化剤を更に含む、段落Ａ〜Ｎのいずれか１つに記載の液体洗剤組成物。
Ｐ．組成物が、好ましくは組成物の約０．１重量％〜約４重量％の量で存在する脂肪酸又はその塩を更に含む、段落Ａ〜Ｏのいずれか１つに記載の液体洗剤組成物。
Ｑ．組成物が、任意で、封入体のコーティングの一部であり得るいかなるカチオン性ポリマーも除く、０．１％以下のカチオン性付着助剤ポリマーを含む、段落Ａ〜Ｐのいずれか１つに記載の液体洗剤組成物。
Ｒ．組成物が、酵素、増白剤、洗浄ポリマー、汚れ放出ポリマー、アミン、色相染料、又はこれらの組み合わせから選択される添加剤を更に含む、段落Ａ〜Ｑのいずれか１つに記載の液体洗剤組成物。
Ｓ．組成物が、アルコキシル化ポリアルキレンイミンを含む洗浄ポリマーを含む、段落Ａ〜Ｒのいずれか１つに記載の液体洗剤組成物。
Ｔ．布地を処理する方法であって、該方法が、布地を段落Ａ〜Ｓのいずれか１つに記載の液体洗剤組成物に接触させる工程を含む、方法。
Ｕ．液体洗剤組成物であって、洗剤組成物の約２０重量％〜約５０重量％の界面活性剤系を含み、界面活性剤系が、約１：１〜約４：１の重量比で存在するアニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤とを含み、アニオン性界面活性剤が、アニオン性サルフェート界面活性剤とアニオン性スルホネート界面活性剤とを約１：１〜約１０：１の重量比で含み、洗剤組成物が、組成物の約０．１重量％〜約５重量％の封入体を更に含み、封入体が、コアと、コアを少なくとも部分的に囲む壁とを含み、コアが有益剤を含み、壁が、壁の外表面上にコーティングを含む、液体洗剤組成物。
Ｖ．界面活性剤系が、約１：１〜約３．６：１、又は約３．１：１まで、又は約２：１までの重量比で存在するアニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤とを、含む、段落Ａ〜Ｕのいずれか１つ記載の液体洗剤組成物。
Ｗ．アニオン性界面活性剤が、アニオン性サルフェート界面活性剤とアニオン性スルホネート界面活性剤とを、約１：１〜約５：１、又は約１：１〜約３：１、又は約１：１〜約２：１、又は約１．５：１〜約２：１の重量比で含む、段落Ａ〜Ｖのいずれか１つに記載の液体洗剤組成物。
Ｘ．コーティングが、ポリビニルアミン、ポリビニルホルムアミド、ポリアリルアミン、これらのポリマー、及びこれらの混合物、好ましくはポリビニルホルムアミドから選択されるカチオン性効率ポリマーを含む、段落Ａ〜Ｗのいずれか１つに記載の液体洗剤組成物。
Ｙ．組成物が、酵素、増白剤、洗浄ポリマー、汚れ放出ポリマー、ポリエーテルアミン、色相染料、又はこれらの組み合わせから選択される添加剤を更に含む、段落Ａ〜Ｘのいずれか１つに記載の液体洗剤組成物。

試験方法
布地処理方法
封入体の付着及びヘッドスペースについて試験する前に、試験布地を、以下に記載の手順のうちの１つに従って調製及び処理する。布地は、典型的には、存在し得る任意の製造業者の完成品から「脱糊され」及び／又は「剥離され」（以下のＡに従って）、乾燥された後、トップローディング式洗濯機又はフロントローディング式洗濯機のいずれかで洗剤組成物で処理される（以下のＢ１又はＢ２に従って）。

Ａ．布地の脱糊方法新しい布地を、Ｋｅｎｍｏｒｅ ８０シリーズなどのトップローディング式洗濯機内でゼログレイン水を用いて、４９℃（１２０°Ｆ）で２サイクル洗浄することによって脱糊する。第２のサイクル後に、全ての布地を、Ｋｅｎｍｏｒｅシリーズ乾燥機内で綿／強設定で４５分間回転乾燥する。

Ｂ１．トップローディング式洗濯機における布地処理方法トップローディング式Ｎａｔｉｏｎａｌ ＮＡ−ＦＶ８１００洗濯機で標準洗浄設定を用いて、脱糊した布地を洗剤組成物で処理する。この洗濯機は、１２分の洗浄サイクル、２回の濯ぎサイクル、及び１〜３分のスピンサイクルで、洗浄及びすすぎサイクルの両方に２７℃（８１°Ｆ）の水を使用して、４９Ｌの充填容量を用いる。洗浄及びすすぎサイクルは、ガロン当たり６グレインの水を使用する。洗浄サイクルの開始時に水が充填された後に、洗剤組成物（５２．５ｇ）を洗濯機ドラムに添加し、次いで、脱糊した２．９ｋｇの１００％綿のテリータオル（３０．５ｃｍ×３０．５ｃｍ、Ｃａｌｄｅｒｏｎ Ｔｅｘｔｉｌｅｓ，ＬＬＣ ６１３１Ｗ ８０ｔｈ Ｓｔ Ｉｎｄｉａｎａｐｏｌｉｓ ＩＮ ４６２７８から入手可能なＲＮ３７０００−ＩＴＬ）を洗濯機のドラムに添加し、その後、水を満たす。処理された布地を、５０％ＲＨ及び２１℃（７０°Ｆ）の一定温度及び湿度の室内で２２〜２６時間乾燥させる。

Ｂ２．フロントローディング式洗濯機における布地処理方法脱糊された布地を、洗剤組成物を、Ｗｈｉｒｌｐｏｏｌ Ｄｕｅｔ Ｍｏｄｅｌ ９２００（Ｗｈｉｒｌｐｏｏｌ，Ｂｅｎｔｏｎ Ｈａｒｂｏｒ，Ｍｉｃｈｉｇａｎ，ＵＳＡ）などのフロントローディング式洗濯機の洗浄サイクルに投入することによって、本開示の組成物で処理する。洗剤組成物（６１．５ｇ）を、洗濯機の投入用引出しに添加し、３．６ｋｇの脱糊した１００％綿のテリータオル（３２ｃｍ×３２ｃｍ、Ｃａｌｄｅｒｏｎ Ｔｅｘｔｉｌｅｓ，Ｉｎｄｉａｎａｐｏｌｉｓ Ｉｎｄｉａｎａ、ＵＳＡからのＲＮ３７００２ＬＬなど）を洗濯機のドラムに添加する。脱糊した布地を、１２０ｍｇ／Ｌの炭酸カルシウム当量を有する水１８．９Ｌ及び３２℃の洗浄温度並びに１６℃のすすぎ温度による通常サイクルを用いて、洗剤組成物で処理する。処理された布地を、Ｋｅｎｍｏｒｅシリーズ乾燥機などの、米国の標準的な回転式乾燥機を用いて、綿／強設定で４５分間乾燥する。

布地ヘッドスペース分析方法
布地ヘッドスペース分析を、以下に記載した固相マイクロ抽出ガスクロマトグラフィー質量分析法（ＳＰＭＥ ＧＣ−ＭＳ）を用いて行う。典型的には、より大きい香料強度（ヘッドスペース分析によって測定）は、布地上のより高濃度の香料封入体に相関する。香料封入体ヘッドスペース分析を、上述した布地調製方法に従って調製かつ処理した１００％綿のテリータオル（３０．５ｃｍ×３０．５ｃｍ、ＲＮ３７０００ＩＴＬ、Ｃａｌｄｅｒｏｎ Ｔｅｘｔｉｌｅｓ，ＬＬＣ，Ｉｎｄｉａｎａｐｏｌｉｓ ＩＮ、ＵＳＡ）で行う。

ヘッドスペース分析は、２種の異なる洗浄サイクルからの６枚の処理された布地で、合計で１２枚の布地で行われる。各処理布は、空気プレス（Ｍａｎｕｆａｃｔｕｒｉｎｇ Ｓｕｐｐｌｉｅｒｓ Ｓｅｒｖｉｃｅｓ，Ｃｉｎｃｉｎｎａｔｉ，ＯＨから入手可能なＡｔｏｍ Ｃｌｉｃｋｅｒ Ｐｒｅｓｓ ＳＥ２０Ｃ）を用いて、１０枚の１．４ｃｍの直径の円形の試験片にダイカットされる。１０枚の試験片を、２０ｍＬのヘッドスペース試料バイアル（Ｒｅｓｔｅｋ，Ｂｅｌｌｅｆｏｎｔｅ，ＰＡから入手可能な＃２４６９４）中に定置させて、重量を記録し（１０枚の１．４ｃｍの円形片は約０．７０ｇ±０．０７ｇの重量であった）、バイアルをキャップする（Ｇｅｒｓｔｅｌ，Ｌｉｎｔｈｉｃｕｍ，ＭＤから入手可能な＃０９３６４０−０９４−００）。

次いで、試料バイアルをＧｅｒｓｔｅｌ ＭＰＳ２オートサンプラー（Ｇｅｒｓｔｅｌ Ｉｎｃ．，Ｌｉｎｔｈｉｃｕｍ，ＭＤ，ＵＳＡ）上に装填する。ヘッドスペースの分析前に、各試料を、機械内で６５℃で１０分間事前調整する。ヘッドスペースは、Ｓｕｐｅｌｃｏ ５０／３０マイクロメートルＤＶＢ／ＣＡＲ／ＰＤＭＳ ２３Ｇａを装備したＡｇｉｌｅｎｔ ７８９０Ｂ／５９７７Ａ ＧＣ−ＭＳシステム（Ａｇｉｌｅｎｔ Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｉｅｓ，Ｓａｎｔａ Ｃｌａｒａ，ＣＡ，ＵＳＡ）上に抽出される。固相マイクロ抽出繊維（Ｓｕｐｅｌｃｏ Ｉｎｃ．，Ｂｅｌｌｅｆｏｎｔｅ，ＰＡ，ＵＳＡ）。無極毛管カラム（ＤＢ−５ＭＳ ＵＩ、公称直径３０メートル、公称直径０．２５ミリメートル、厚さ２５マイクロメートル）でＧＣ分析を行い、質量分析法（ＥＩ、７０ｅＶ検出器）によってヘッドスペース成分（すなわち香料原材料）を監視する。香料原材料のシングルポイントキャリブレーションを利用してヘッドスペース強度を算出する。各バイアルの総ヘッドスペース濃度を、それぞれの検出された香料原材料の濃度の和から算出し、１２枚の処理された布地についてヘッドスペースを平均化する。ヘッドスペースの改善は、基準処理に対して決定することができる。

封入体付着方法
処理された布地上に付着した封入体の量の定量には、香料の封入体からの抽出を必要とする。香料マイクロカプセルの抽出は、Ａｃｃｅｌｅｒａｔｅｄ Ｓｏｌｖｅｎｔ Ｅｘｔｒａｃｔｏｒ（Ｄｉｏｎｅｘ ＡＳＥ ３５０（Ｔｈｅｒｍｏ Ｓｃｉｅｎｔｉｆｉｃ，Ｓｕｎｎｙｖａｌｅ，ＣＡ，ＵＳＡ）を用いて行われ、その後、以下に記載されるＧＣ−ＭＳ定量が行われる。上記ヘッドスペース法を用いて分析された２枚の布地をヘッドスペースバイアルから取り出し、５ｍＬのステンレス鋼抽出セル（＃２５９９７ ＆ ＃２５９９４、Ｒｅｓｔｅｋ，Ｂｅｌｌｅｆｏｎｔｅ，ＰＡから入手可能）内に、約１．４ｇ（±０．１４ｇ）の総質量で定置させる。

等質量の未処理の布地に、既知の量の既知の香料混合物を添加し、多点校正を作成する。１５分の抽出においてメタノール（６ｍＬ）及び熱（１２５℃）を利用するＤｉｏｎｅｘ ＡＳＥ ３５０（Ｔｈｅｒｍｏ Ｓｃｉｅｎｔｉｆｉｃ，Ｓｕｎｎｙｖａｌｅ，ＣＡ，ＵＳＡ）法を用いて、密閉した抽出セル内で処理された布地から香料を抽出する。１５分後に、窒素を用いて、溶媒を揮発性有機分析（ＶＯＡ）バイアル（＃１２−１００−１０２、Ｆｉｓｈｅｒ Ｓｃｉｅｎｔｉｆｉｃ，Ｐｉｔｔｓｂｕｒｇｈ，ＰＡ，ＵＳＡから入手可能）にパージする。ＶＯＡバイアル中で採集されたメタノールの５００マイクロリットルノアリコートを、２０ｍＬヘッドスペースバイアル（＃２４６９４、Ｒｅｓｔｅｋ，Ｂｅｌｌｅｆｏｎｔｅ，ＰＡから入手可能）中の脱イオン水溶液（５ｍＬの総溶液）中１０％ ＮａＣｌ溶液４．５ｍＬに添加する。

次いで、５ｍＬの溶液を含有する試料バイアルをＧｅｒｓｔｅｌ ＭＰＳ２オートサンプラー（Ｇｅｒｓｔｅｌ Ｉｎｃ．，Ｌｉｎｔｈｉｃｕｍ，ＭＤ，ＵＳＡ）上に装填する。ヘッドスペースの分析前に、各試料を、機械内で６５℃で１０分間事前調整する。ヘッドスペースは、Ｓｕｐｅｌｃｏ １００マイクロメートルＰＤＭＳ ２３Ｇａを装備したＡｇｉｌｅｎｔ ７８９０Ｂ／５９７７Ａ ＧＣ−ＭＳシステム（Ａｇｉｌｅｎｔ Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｉｅｓ，Ｓａｎｔａ Ｃｌａｒａ，ＣＡ，ＵＳＡ）上に抽出される。固相マイクロ抽出繊維（Ｓｕｐｅｌｃｏ Ｉｎｃ．，Ｂｅｌｌｅｆｏｎｔｅ，ＰＡ，ＵＳＡ）。無極毛管カラム（ＤＢ−５ＭＳ ＵＩ、公称直径３０メートル、公称直径０．２５ミリメートル、厚さ２５マイクロメートル）でＧＣ分析を行い、質量分析法（ＥＩ、７０ｅＶ検出器）によってヘッドスペース成分（すなわち香料原材料）を監視する。香料濃度を、添加された布地からの香料原材料の多点校正を利用して算出する。総付着は、布地の質量で割ったそれぞれの検出された香料原材料の和である。付着効率を、布地１グラム当たりの抽出された香料を、装填された布地の総質量で割られた洗濯機に供給された総封入香料で割ることによって算出され、百分率として報告される。

実施例１−サルフェート：スルホネート比の効果。
Ａ．調合物。液体洗剤組成物を、列記した成分を表１に示した比率で混合することによって調製する。調合物１Ａ〜１Ｆでは、非イオン界面活性剤のレベルを一定に保持し、アニオン界面活性剤の非イオン界面活性剤に対する割合を一定に保持し、サルフェート界面活性剤のスルホネート界面活性剤に対する割合を変化させる。実施例１Ａ及び１Ｆは、本開示の範囲外であるサルフェート：スルホネートの比を有する比較例である。各組成物はまた、香料原材料を封じ込めた被覆封入体も含有する。

^１ ＢＡＳＦ（Ｌｕｄｗｉｇｓｈａｆｅｎ，Ｇｅｒｍａｎｙ）より入手可能
^２ ＢＡＳＦ（Ｌｕｄｗｉｇｓｈａｆｅｎ，Ｇｅｒｍａｎｙ）より販売される、−ＮＨ当たり２０個のエトキシレート基を有する分子量６００ｇ／ｍｏｌのポリエチレンイミンコア。
^３ Ｅｌｅｍｅｎｔｉｓ Ｓｐｅｃｉａｌｔｉｅｓ（Ｈｉｇｈｓｔｏｗｎ，ＮＪ）社よりＴｈｉｘｉｎＲの商品名で入手可能。
^４ Ｅｎｃａｐｓｙｓ，Ａｐｐｌｅｔｏｎ，ＷＩから入手可能な、ポリ（ビニルホルムアミドコーティング）を有するアミノプラスト香料アコード封入体。
^５ Ｄｏｗ Ｃｏｒｎｉｎｇ，Ｍｉｄｌａｎｄ，ＭＩから入手可能。

Ｂ．付着分析。布地（１００％綿のテリータオル）を脱糊し、表１に見られる調合物１Ａ〜１Ｆを用いて、上記の布地処理方法（トップローディング式洗濯機）に従って処理した。次に、布地を上記で提供された付着試験方法に従って分析し、その結果を表２に示す。更に、非被覆封入体が被覆封入体の代わりに用いられた追加の試験も、調合物１Ａ、１Ｃ、及び１Ｅでも実行された。これらの結果も表２に示す。

表２の結果から見ることができるように、全体のレベル及び非イオン界面活性剤レベルを一定に保持する場合、サルフェート界面活性剤のスルホネート界面活性剤に対する比を変化させることは、被覆封入体の付着効率に大きな影響を及ぼす可能性がある。より具体的には、本開示による調合物（調合物１Ｂ、１Ｃ、１Ｄ、及び１Ｅなど）は、比較調合物（調合物１Ａ及び１Ｆ）と比べて、被覆封入体の改善された付着効率をもたらす。特に、１．５：１〜５：１の範囲内のサルフェート：スルホネート比は、優れた付着効率を示している。表２のデータはまた、被覆封入体が、試験された調合物において、非被覆封入体よりもはるかに効率的に付着することも示している。更に、界面活性剤系の変化は、非被覆封入体の付着には大きな影響を有するようには思われない。

実施例２−アニオン性：非イオン性の比の効果（１）。
Ａ．調合物液体洗剤組成物を、列記した成分を表３に示した比率で混合することによって調製する。下記調合物において、界面活性剤の総量は一定に保たれ、サルフェート界面活性剤のスルホネート界面活性剤に対する比（１：１）は一定に保たれ、そして非イオン性界面活性剤の量が変化している。調合物２Ａ及び２Ｅは、本開示の範囲外であるアニオン性：非イオン性の比を有する比較調合物である。各組成物は、香料原材料を封じ込めた被覆封入体を含有する。

^１ ＢＡＳＦ（Ｌｕｄｗｉｇｓｈａｆｅｎ，Ｇｅｒｍａｎｙ）より入手可能
^２ ＢＡＳＦ（Ｌｕｄｗｉｇｓｈａｆｅｎ，Ｇｅｒｍａｎｙ）より販売される、−ＮＨ当たり２０個のエトキシレート基を有する分子量６００ｇ／ｍｏｌのポリエチレンイミンコア。
^３ Ｅｌｅｍｅｎｔｉｓ Ｓｐｅｃｉａｌｔｉｅｓ（Ｈｉｇｈｓｔｏｗｎ，ＮＪ）社よりＴｈｉｘｉｎＲの商品名で入手可能。
^４ Ｅｎｃａｐｓｙｓ，Ａｐｐｌｅｔｏｎ，ＷＩから入手可能な、ポリ（ビニルホルムアミドコーティング）を有するアミノプラスト香料アコード封入体。
^５ Ｄｏｗ Ｃｏｒｎｉｎｇ，Ｍｉｄｌａｎｄ，ＭＩから入手可能。

Ｂ．付着及びヘッドスペースの分析。布地（１００％綿のテリータオル）を脱糊し、表３に見られる調合物２Ａ〜２Ｅを用いて、上記の布地処理方法（トップローディング式洗濯機）に従って処理した。次に、布地を上記で提供された付着及びヘッドスペース分析試験方法に従って分析し、その結果を表４に示す。乾燥布地ヘッドスペースの結果は、調合物２Ａに比べて相対強度として報告される。少なくとも約１．５〜２．０の相対強度が、消費者が気付くことができると考えられる。

表４に示す結果から見ることができるように、調合物２Ｂ、２Ｃ、及び２Ｄ（これらのそれぞれが本開示による調合を有する）は、比較調合物２Ａ及び２Ｅと比べて、改善された付着及びヘッドスペース効果を提供する。

実施例３−アニオン性：非イオン性の比の効果（２）。
Ａ．調合物。液体洗剤組成物を、列記した成分を表５に示した比率で混合することによって調製する。調合物３Ａは、本開示の範囲外であるアニオン性：非イオン性の比を有する比較調合物である。各組成物は、香料原材料を封じ込めた被覆封入体を含有する。

^１ ＢＡＳＦ（Ｌｕｄｗｉｇｓｈａｆｅｎ，Ｇｅｒｍａｎｙ）より入手可能
^２ ＢＡＳＦ（Ｌｕｄｗｉｇｓｈａｆｅｎ，Ｇｅｒｍａｎｙ）より販売される、−ＮＨ当たり２０個のエトキシレート基を有する分子量６００ｇ／ｍｏｌのポリエチレンイミンコア。
^３ Ｅｌｅｍｅｎｔｉｓ Ｓｐｅｃｉａｌｔｉｅｓ（Ｈｉｇｈｓｔｏｗｎ，ＮＪ）社よりＴｈｉｘｉｎＲの商品名で入手可能。
^４ Ｅｎｃａｐｓｙｓ，Ａｐｐｌｅｔｏｎ，ＷＩから入手可能な、ポリ（ビニルホルムアミドコーティング）を有するアミノプラスト香料アコード封入体。
^５ Ｄｏｗ Ｃｏｒｎｉｎｇ，Ｍｉｄｌａｎｄ，ＭＩから入手可能。
^６ −ＮＨあたり２４個のエトキシレート基と−ＮＨあたり１６個のプロポキシレート基とを有する、分子量６００ｇ／ｍｏｌのポリエチレンイミンコア。ＢＡＳＦ（Ｌｕｄｗｉｇｓｈａｆｅｎ，Ｇｅｒｍａｎｙ）から入手可能。

Ｂ．ヘッドスペース分析布地（１００％綿のテリータオル）を脱糊し、表５に見られる調合物３Ａ及び３Ｂを用いて、上記の布地処理方法（フロントローディング式洗濯機）に従って処理した。次に、布地を上記で提供されたヘッドスペース分析試験方法に従って分析し、その結果を表６に示す。

表６で見ることができるように、本開示による界面活性剤比を有する調合物３Ｂは、比較調合物３Ａに比べて優れた乾燥布地ヘッドスペースの結果を提供する。

本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に指示がない限り、かかる各寸法は、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「４０ｍｍ」として開示される寸法は、「約４０ｍｍ」を意味するものとする。

相互参照される又は関連する全ての特許又は特許出願、及び本願がその優先権又は利益を主張する全ての特許出願又は特許を含む、本願に引用される文献はいずれも、明示的に除外又は別の方法で限定されない限りにおいて、その全体が本明細書に参照により組み込まれる。いかなる文献の引用をも、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献（１つ又は複数）と組み合わせたときに、そのような任意の発明を教示、示唆、又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することにより本明細書に援用された文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。

本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそのような全ての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。

Claims (17)

1. 液体洗剤組成物であって、
   前記洗剤組成物の８重量％〜５０重量％の界面活性剤系を含み、
   前記界面活性剤系が、１：１〜４：１の重量比で存在するアニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤とを含み、
   前記アニオン性界面活性剤が、アニオン性サルフェート界面活性剤とアニオン性スルホネート界面活性剤とを１：１〜１０：１の重量比で含み、
   前記界面活性剤系が、前記組成物の０重量％〜４重量％の脂肪酸及び／又はその塩を含み、
   前記洗剤組成物が、前記組成物の０．１重量％〜５重量％の封入体を更に含み、
   前記封入体が、コアと、前記コアを少なくとも部分的に囲む壁とを含み、
   前記コアが有益剤を含み、
   前記壁が、前記壁の外表面上にコーティングを含む、液体洗剤組成物。
2. 前記組成物が、前記洗剤組成物の１０重量％〜３０重量％、又は１０重量％〜２５重量％、又は１０重量％〜２０重量％の界面活性剤系を含む、請求項１に記載の液体洗剤組成物。
3. 前記界面活性剤系が、１：１〜３．６：１、又は３．１：１まで、又は２：１までの重量比で存在する、前記アニオン性界面活性剤と前記非イオン性界面活性剤とを含む、請求項１又は２に記載の液体洗剤組成物。
4. 前記アニオン性界面活性剤が、前記アニオン性サルフェート界面活性剤と前記アニオン性スルホネート界面活性剤とを、１：１〜５：１、又は１：１〜３：１、又は１：１〜２：１、又は１．５：１〜２：１の重量比で含む、請求項１〜３のいずれか一項に記載の液体洗剤組成物。
5. 前記アニオン性サルフェート界面活性剤が、アルコキシル化アルキルサルフェート界面活性剤、好ましくはエトキシル化アルキルサルフェート界面活性剤を含む、請求項１〜４のいずれか一項に記載の液体洗剤組成物。
6. 前記アニオン性スルホネート界面活性剤が、アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤、好ましくは直鎖アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤を含む、請求項１〜５のいずれか一項に記載の液体洗剤組成物。
7. 前記非イオン性界面活性剤が、エトキシル化脂肪族アルコール、アミンオキシド、又はこれらの組み合わせを含む、請求項１〜６のいずれか一項に記載の液体洗剤組成物。
8. 前記界面活性剤系が、カチオン性界面活性剤を更に含む、請求項１〜７のいずれか一項に記載の液体洗剤組成物。
9. 前記組成物が、０．１％〜３％の前記封入体を含む、請求項１〜８のいずれか一項に記載の液体洗剤組成物。
10. 前記有益剤が、香料原材料を含む、請求項１〜９のいずれか一項に記載の液体洗剤組成物。
11. 前記コーティングが、カチオン性効率ポリマー、好ましくは、多糖類、カチオン変性デンプン、カチオン変性グアー、ポリシロキサン、ポリジアリルジメチルアンモニウムハライド、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリドとビニルピロリドンとのコポリマー、アクリルアミド、イミダゾール、イミダゾリニウムハライド、イミダゾリウムハライド、ポリビニルアミン、ポリビニルホルムアミド、ポリアリルアミン、これらのコポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択されるカチオン性効率ポリマーを含む、請求項１〜１０のいずれか一項に記載の液体洗剤組成物。
12. 前記コーティングが、ポリビニルアミン、ポリビニルホルムアミド、ポリアリルアミン、これらのポリマー、及びこれらの混合物、好ましくはポリビニルホルムアミドから選択されるカチオン性効率ポリマーを含む、請求項１〜１１のいずれか一項に記載の液体洗剤組成物。
13. 前記壁が、アミノプラストコポリマー、アクリル、アクリレート、及びこれらの混合物、好ましくは、アミノプラストコポリマー、より好ましくは、メラミンホルムアルデヒド、尿素ホルムアルデヒド、架橋メラミンホルムアルデヒド、又はこれらの混合物から選択されるアミノプラストコポリマー、からなる群から選択される壁材料を含む、請求項１〜１２のいずれか一項に記載の液体洗剤組成物。
14. 前記組成物が、任意で、前記封入体の前記コーティングの一部であり得るいかなるカチオン性ポリマーも除く、０．１％以下のカチオン性付着助剤ポリマーを含む、請求項１〜１３のいずれか一項に記載の液体洗剤組成物。
15. 前記組成物が、酵素、増白剤、アルコキシル化ポリアルキレンイミンを好ましくは含む洗浄ポリマー、汚れ放出ポリマー、アミン、色相染料、外部構造化剤、脂肪酸若しくはその塩、又はこれらの組み合わせから選択される添加剤を更に含む、請求項１〜１４のいずれか一項に記載の洗剤組成物。
16. 布地を処理する方法であって、前記方法が、布地を請求項１〜１５のいずれか一項に記載の洗剤組成物に接触させる工程を含む、方法。
17. 液体洗剤組成物であって、
    前記洗剤組成物の２０重量％〜５０重量％の界面活性剤系を含み、
    前記界面活性剤系が、１：１〜４：１、好ましくは１：１〜３．６：１、又は３．１：１まで、又は２：１までの重量比で存在するアニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤とを含み、
    前記アニオン性界面活性剤が、アニオン性サルフェート界面活性剤とアニオン性スルホネート界面活性剤とを１：１〜１０：１、好ましくは１：１〜５：１、又は１：１〜３：１、又は１：１〜２：１、又は１．５：１〜２：１の重量比で含み、
    前記洗剤組成物が、前記組成物の０．１重量％〜５重量％の封入体を更に含み、
    前記封入体が、コアと、前記コアを少なくとも部分的に囲む壁とを含み、
    前記コアが有益剤を含み、
    前記壁が、前記壁の外表面上にコーティングを含み、好ましくは、前記カチオン性効率ポリマーが、ポリビニルアミン、ポリビニルホルムアミド、ポリアリルアミン、これらのコポリマー、及びこれらの混合物から選択され、好ましくは、ポリビニルホルムアミドである、液体洗剤組成物。

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