JP2019514944A - ヒドロキシピリドナートアクチニド/ランタニド体外排出剤を用いる製剤および処置 - Google Patents

ヒドロキシピリドナートアクチニド/ランタニド体外排出剤を用いる製剤および処置 Download PDF

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Abstract

処置を必要とする被験体を処置する方法であって、治療有効量の1つまたは複数の薬学的組成物であって、1,2−HOPOキレート剤および/または3,2−HOPOキレート剤を含む薬学的組成物を、かかる処置を必要とする被験体に投与することを含む方法を本明細書中に提供する。被験体は、1種または複数種の既知または未知のアクチニドおよび/もしくはランタニド、またはその混合物に曝露されているか、曝露されることがある被験体であり得る。

Description

政府援助に関する陳述
本発明は、米国エネルギー省傘下研究所の契約番号DE−AC02−05CH11231の下、国立衛生研究所からの政府援助(NIAID/NIH、助成金番号RAI087604Z)を用いて実施した。合衆国政府は、本発明に一定の権利を有する。
発明の分野
本発明は、一般に、金属中毒の処置に関する。
関連技術の説明
偶発的に散乱されたか、放射線分散装置によって意図的に散乱されたか、原子力発電所の事故または原子力装置の爆発によって散布された放射性核種への曝露により、多くの人々が汚染され得る。内在化された放射性核種は毒性が高く、急性および慢性の放射線傷害の両方を生じ得るので、かかる汚染事象による公衆衛生上の影響は甚大になる。
キレート剤による体外排出は、取り込まれたある特定の同位体の曝露を減少させるための1つの方法であり、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)は、1950年代に米国原子力委員会によって開発および使用されて以来、アクチニド/ランタニド体外排出の標準治療となっている。
発明の概要
本明細書中の実施形態は、処置を必要とする被験体を処置する方法であって、治療有効量の1つまたは複数の、1,2−HOPOキレート剤および3,2−HOPOキレート剤を含む薬学的組成物を、かかる処置を必要とする被験体に投与するステップを含む方法を提供する。この方法は、1種または複数種の既知または未知のアクチニドおよび/もしくはランタニド、またはその混合物に対して曝露、接触、または汚染されているか、曝露、接触、または汚染されることがある被験体に対して実施する場合に特に有用である。
いくつかの実施形態では、被験体の重金属曝露を処置する方法を提供する。この方法は、治療有効量の、1,2−HOPOキレート剤を含む薬学的組成物を、過剰量の、ガドリニウム、鉛、スズ、イットリウム、スカンジウム、またはカドミウムのうち1つまたは複数を有する被験体に投与するステップを含み、ここで、投与するステップにより、被験体から該量のガドリニウム、鉛、スズ、またはカドミウムが体外排出されるか、排除されるか、または減少する。いくつかの実施形態では、被験体は、1種または複数種のアクチニドおよび/もしくはランタニド、またはその混合物に曝露、接触、または汚染されている。
いくつかの実施形態では、投与ステップにより、被験体の1つまたは複数の系または器官から上記量のアクチニドおよび/もしくはランタニド、またはその両方が体外排出されるか、排除されるか、減少する。
いくつかの実施形態では、1,2−HOPOキレート剤は、構造:

(式中、
Rは、ヒドロキシ基または
であり、
およびRは、H、−−CH、−−CHCH、および−−CH−−φからなる群から選択され、Xは、水素、アルカリ金属イオン、または第四級アンモニウムイオンのいずれかである)によって定義される。
いくつかの実施形態では、1,2−HOPOキレート剤は、

、および

(式中、l、m、およびnは、1と20との間の整数である)からなる群から選択される1つの分子によって定義される。いくつかの実施形態では、mは3である。いくつかの実施形態では、nは4である。いくつかの実施形態では、lおよびnは3であり、mは4である。いくつかの実施形態では、1,2−HOPOキレート剤は3,4,3−LI−1,2−HOPOである。いくつかの実施形態では、被験体は、過剰量の、ガドリニウム、鉛、イットリウム、スカンジウム、カドミウム、またはスズのうち1つまたは複数を有する。
いくつかの実施形態では、被験体の金属曝露を予防的に処置する方法を提供する。この方法は、治療有効量の、1,2−HOPOキレート剤を含む薬学的組成物を被験体に投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、1,2−HOPOキレート剤は3,4,3−LI−1,2−HOPOである。いくつかの実施形態では、金属は重金属である。いくつかの実施形態では、重金属は、ガドリニウム、鉛、スズ、カドミウム、イットリウム、スカンジウム、およびプルトニウムからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、金属は、アクチニド、ランタニド、またはその混合物である。
いくつかの実施形態では、MRI造影剤を被験体に投与する前または後に1,2−HOPOキレート剤を被験体に投与するステップを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、被験体は、MRI造影剤を受ける予定である被験体と確認される。いくつかの実施形態では、造影剤はGdを含む。いくつかの実施形態では、造影剤の量が100〜600μmol/kgである。いくつかの実施形態では、被験体がMRI造影剤を受ける前に、1,2−HOPOキレート剤を投与する。いくつかの実施形態では、被験体がMRI造影剤を受けた後に、1,2−HOPOキレート剤を投与する。いくつかの実施形態では、1,2−HOPOキレート剤は3,4,3−LI−1,2−HOPOである。いくつかの実施形態では、被験体は重篤な腎臓機能障害を有する。
図面の簡単な説明
当業者は、添付の図面と併せて通読した場合に、以下の例示的な実施形態の説明から前述の態様などを容易に認識するであろう。
図1は、5−LIO(Me−3,2−HOPO)(「5LIO」)および3,4,3−LI(1,2−HOPO)(「343LI」)の構造を示す。
図2は、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)の構造を示す。
図3は、単回遅延(single time-delayed)ipキレート化処置後7日間の23 Puの体内総含有量および分布を示す。
図4は、汚染から1時間後(A)、5時間後(B)、16時間後(C)、24時間後(D)、3日後(E)、または7日後(F)の単回遅延ipキレート化処置後の毎日の238Pu累積排泄量を示す。若年成体雌スイス・ウェブスターマウスにクエン酸プルトニウム(238Pu)をiv注射し;矢印で示すように、汚染から1時間後、5時間後、16時間後、24時間後、3日後、または7日後に食塩水または各種処置(3,4,3−LI(1,2−HOPO)(30μmol/kg)、5−LIO(Me−3,2−HOPO)(100μmol/kg)、またはCa−DTPA(30μmol/kg))を用いてip投与を行い;処置7日後にマウスを安楽死させた。各々5匹のマウス群の排出物をプールした。データを累積回収排泄量から計算するので、標準偏差は利用できない。
図5は、汚染から1時間後、5時間後、16時間後、24時間後、3日後、または7日後における単回の3,4,3−LI(1,2−HOPO)(AおよびB)、5−LIO(Me−3,2−HOPO)(CおよびD)、DTPA(EおよびF)、または食塩水(GおよびH)での遅延ipキレート化処置後の糞便中(左側のパネルA、C、E、G)および尿中(右側のパネルB、D、F、H)の238Puの毎日の排出量を示す。
図6A〜Cは、単回予防的キレート化処置を先行して実施した、汚染事象から3日後の238Puの体内総含有量および分布を示す。
図7は、単回の3,4,3−LI(1,2−HOPO)の予防的ipキレート化処置(左側のパネルAおよびC)またはpoキレート化処置(右側のパネルBおよびD)後の糞便中(上のパネルAおよびB)および尿中(下のパネルCおよびD)の238Puの毎日の排出量を示す。
図8A〜8Qは、実施例9由来の結果を示す。結果を、回収線量(recovered dose)の百分率(パーセントRD)としてプロットする。 図8A〜8Qは、実施例9由来の結果を示す。結果を、回収線量(recovered dose)の百分率(パーセントRD)としてプロットする。 図8A〜8Qは、実施例9由来の結果を示す。結果を、回収線量(recovered dose)の百分率(パーセントRD)としてプロットする。 図8A〜8Qは、実施例9由来の結果を示す。結果を、回収線量(recovered dose)の百分率(パーセントRD)としてプロットする。 図8A〜8Qは、実施例9由来の結果を示す。結果を、回収線量(recovered dose)の百分率(パーセントRD)としてプロットする。 図8A〜8Qは、実施例9由来の結果を示す。結果を、回収線量(recovered dose)の百分率(パーセントRD)としてプロットする。 図8A〜8Qは、実施例9由来の結果を示す。結果を、回収線量(recovered dose)の百分率(パーセントRD)としてプロットする。 図8A〜8Qは、実施例9由来の結果を示す。結果を、回収線量(recovered dose)の百分率(パーセントRD)としてプロットする。 図8A〜8Qは、実施例9由来の結果を示す。結果を、回収線量(recovered dose)の百分率(パーセントRD)としてプロットする。 図8A〜8Qは、実施例9由来の結果を示す。結果を、回収線量(recovered dose)の百分率(パーセントRD)としてプロットする。 図8A〜8Qは、実施例9由来の結果を示す。結果を、回収線量(recovered dose)の百分率(パーセントRD)としてプロットする。 図8A〜8Qは、実施例9由来の結果を示す。結果を、回収線量(recovered dose)の百分率(パーセントRD)としてプロットする。 図8A〜8Qは、実施例9由来の結果を示す。結果を、回収線量(recovered dose)の百分率(パーセントRD)としてプロットする。 図8A〜8Qは、実施例9由来の結果を示す。結果を、回収線量(recovered dose)の百分率(パーセントRD)としてプロットする。 図8A〜8Qは、実施例9由来の結果を示す。結果を、回収線量(recovered dose)の百分率(パーセントRD)としてプロットする。 図8A〜8Qは、実施例9由来の結果を示す。結果を、回収線量(recovered dose)の百分率(パーセントRD)としてプロットする。 図8A〜8Qは、実施例9由来の結果を示す。結果を、回収線量(recovered dose)の百分率(パーセントRD)としてプロットする。
種々の実施形態の詳細な説明
放射性物質に関する大きな事故が起こると、集団が大規模な外部被曝に見舞われるだけでなく、放射性核種の拡散や内部汚染を抑制することもできないという結果を招く可能性がある。放射線および核に関するインシデントに対する緊急時応答を計画する場合、汚染した個体の曝露後処置の必要性だけでなく、かかる事象の余波として、汚染された領域および患者と向き合う職業人を防御するための予防手段の必要性も考慮しなければならない。安全性、投与の容易さ、ならびに複数の放射性核種に対する広範囲の有効性およびチャレンジのレベルなどの曝露後処置についての望ましい基準を満たすことに加えて、理想的な予防対策は、即効性がなければならず、性能を低下させる副作用が最少であるか全くあってはならず;軍の化学、生物、放射性物質、核、および爆発物における現行の対策に適合しなければならず;且つ、運搬上の負荷が最小である必要がある。
ヒドロキシピリジノン系アクチニド体外排出剤は、懸念される種々の放射性核種(アクチニドであるプルトニウムおよびアメリシウムが含まれる)のための体外排出ストラテジーとして有望視されている。本明細書中に示したいくつかの結果は、初期の曝露前時点から非経口処置または経口処置による投与の7日後まで(すなわち、最初の数時間の緊急時応答を遥かに超えている)の2つのキレート剤である3,4,3−LI(1,2−HOPO)および5−LIO(Me−3,2−HOPO)についてのプルトニウムの体外排出の有効性範囲を精査している。汚染事象後の処置が遅延しているにもかかわらず、両リガンドは、調査した7日の処置後期間を通じて、プルトニウム排出を明らかに増強した。さらに、プルトニウムチャレンジの48時間前という早期の処置を使用した3,4,3−LI(1,2−HOPO)について顕著な予防有効性が認められた。本研究は、実験的アクチニド体外排出処置の適応および使用における新しい見解を提供する。
迅速な体外排出は、放射性物質汚染に由来する即時のおよび将来的な生物学的影響の両方の緩和に不可欠である。健康への有害作用には、組織損傷および種々のがんの発症が含まれ、この有害作用は、汚染物質の量および汚染の持続時間などの要因に依存する。内部汚染(すなわち、摂取、吸入、および創傷を介した吸収が含まれる経路を介した体内の放射性核種の沈着)は、放射線の局所への影響、全身への影響、またはその組み合わせを生じ得るので、特に危険である。
米国における潜在的な原子力事故およびテロリストの脅威に対応する緊急時の備えを強化するために、米国食品医薬品局(FDA)は、2004年に内部汚染後のプルトニウム、アメリシウム、およびキュリウムの排泄を促進するためのジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)の2つの形態(カルシウム(Ca−DTPA)および亜鉛(Zn−DTPA))を承認した。DTPAは上述の放射性元素の内部汚染を処置するための最初であり且つ唯一の承認薬物であるが、DTPAの有効性は、これらの元素のある特定の形態、投与経路、および投薬量に限定される。薬物の有効性は、同位体が他の物質と混合された場合に妨害され;胃腸管での薬物の吸収低下の結果として、薬物を汚染の経路に応じて静脈内に投与するか霧状にすることによる吸入によって投与する必要があり;薬物を大量に摂取しなければならない。実験により、Ca−DTPAが器官内へのプルトニウムの沈着後にその元素を有意にキレート化しないことも示されており、このことは、汚染後にできるだけ迅速に処置を施す必要があることを説明している。しかし、ラットおよびイヌにおいて実証されているように、非経口投与されたDTPAの大部分(the large molar percentage of)は血中および細胞外液中を占め得るにもかかわらず、肝臓における体外排出有効性を担う細胞内空間に到達するのはわずかであり得る。さらに、DTPAの副作用には身体からの亜鉛およびマグネシウムなどの必須金属の損失が挙げられ、代替的な体外排出治療の必要性がさらに強調される。
Ca−DTPAおよびZn−DTPAの制限に取り組んだ結果、八座ヒドロキシピリジノン系キレーターである3,4,3−LI(1,2−HOPO)は、非経口投与経路および経口投与経路で効力が高く且つ毒性が低いという有効性(薬物開発における好ましい品質)を示している。研究では、雄および雌のマウスの両方において有効性を試験することによって性差を考慮しただけでなく、3,4,3−LI(1,2−HOPO)が、生理学的pHで、ウラン、ネプツニウム、およびユウロピウムなどの他の同位体とともにDTPAによってキレート化された放射性物質の元素と安定且つ排泄可能な錯体を形成する能力も解明している。その有効性および安全性は、ヒトにおける有効性試験が倫理的に実施できないので、複数の動物モデルにおいて、FDAの動物有効性規定における基準を満たすことが証明されており、承認を受けている。内部放射性核種汚染を処置するための有望な候補である3,4,3−LI(1,2−HOPO)は、2014年8月にFDAより治験薬(IND)の指定を受け、第I相臨床試験が待たれている。
本明細書中に記載の実験で、内部プルトニウム汚染に対する腹腔内注射または経口投与による遅延処置および予防的処置の潜在性について確認している。現実的に、放射線学的インシデント後の集団のうちの大部分を最初の24時間の緊急時応答のあとまでに処置することはできないであろう;同様に、第一応答者および軍隊にとって予防は不可欠である。理想的な予防法は、複数の同位体およびチャレンジのレベルを広範に防御すべきである。いくつかの実施形態では、安全であること、有効であること、即効性があること、投与が容易であること、性能を低下させる副作用が最少であるか全く誘導されないこと、軍の化学、生物、放射性物質、および核(CBRN)における現行の対策に適合すること、および/または運搬上の負荷が最小であることも望まれる。結果的に、現状としてDTPA系製品には制約があること、および放射線学的物質への曝露前に利用可能な薬物が存在しないことが、3,4,3−LI(1,2−HOPO)などの新規の有効な体外排出治療の開発の重要性および緊急性を際立たせている。さらに、キレーターについての他の実施形態および適用(MRI造影剤に関連するリスクの低減のための使用など)も本明細書中に提供する。
以下の開示は、一連の簡単な定義を提供し、次いで、処置、予防、およびその他(本明細書中に提供したキレーターを含む)についての種々の実施形態に関するさらなる詳細を提供し、次いで、種々の実施形態に関する一連の実施例を提供する。
定義
用語「緊急事態」は、以下を含む:(a)任意の原子力事故に起因する環境中への放射性同位体の偶発的な放出事象。(b)環境中への有害な核種の任意の偶発的放出。(c)核降下物(実験、診断、または治療を目的とした通常の過程において生じる核降下物が含まれる)。(d)ヒトまたは動物の被験体による放射性核種のあらゆる種類の偶発的な取り込みおよび保持。(e)揮発性の放射性核種に対する他のあらゆる種類の曝露。(f)あらゆる種類の放射性物質事故。
用語「薬学的に許容され得る塩」は、本明細書中で使用される場合、特に、化合物の薬学的に許容され得る塩(3,4,3−LI(1,2−HOPO)が含まれる)について言及する場合、化合物の任意の薬学的に許容され得る塩をいい、好ましくは、化合物の酸付加塩をいう。
用語「純粋な」、「精製された」、「実質的に精製された」、および「単離された」は、本明細書中で使用される場合、実施形態の化合物は、その天然の状態で見出された場合、実施形態の化合物がその天然の状態では会合しているであろう他の異なる化合物を含まないことをいう。本明細書中に「純粋な」、「精製された」、「実質的に精製された」、または「単離された」と記載のある特定の実施形態では、化合物は、少なくとも0.5%〜1%、1%〜5%、5%〜10%、10%〜20%、20%〜50%、50%〜70%、70%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、および99%〜100%含まれ得る。いくつかの実施形態では、化合物の量は、所与の試料の集合体の少なくとも50重量%または75重量%である。「機能的純度」は、試料または生成物中の特定の化合物の機能に悪影響を及ぼし得る試料中の他の化合物に関する該試料または生成物中の特定の化合物の量の測定値である。したがって、上記化合物の活性を妨害しない試料中の他の成分(例えば、水)を、試料または生成物の純度の決定において使用しない。
用語「誘導体」、「バリアント」、または他の類似の用語は、他の化合物の類似体である化合物をいう。
用語「および/または」は、特定の状況において「および」の選択肢および「または」の選択肢の両方を示す。しかし、本明細書中に別段の指定がない限り、用語「または」または「および」を使用した場合、両選択肢の記載も含む。したがって、用語「または」の使用は、さらなる文脈で「および」の選択肢を排除すべきであると示されない限り、「および」の選択肢を排除すると解釈すべきではない(この定義は特許請求の範囲中の用語には適用されない)。別段の指示がない限り、用語の単数形および複数形の使用には、両方の選択肢(単数または複数)ならびに両方の選択肢の組み合わせ(単数および複数)が含まれる。
用語「阻害」は、本明細書中で使用される場合、金属の悪影響の任意の統計的に有意な減少(活性の完全な遮断が含まれる)をいう。例えば、「阻害」は、金属の悪影響の約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%の減少をいうことができる。
用語「患者」には、予防的処置または治療上の処置のいずれかを受けるヒトおよび他の哺乳動物の被験体が含まれる。
用語「処置する」または「防止する」には、全条件下での完全な処置または完全な防止を必要としない。障害もしくはその症状の発症の遅延または症状数の減少は、いくつかの実施形態において、適切な「防止」であり得る。同様に、障害の症状の重症度の低下も、障害の有効な処置であり得る。「予防的処置」は、化合物を有害化合物(例えば、プルトニウムなどの金属またはMRI画像化剤)への曝露前に投与することを示す。処置はまた、曝露に応答し得る(例えば、応答治療)。処置はまた、矯正、体外排出、および/または除染を含む。
「治療有効量」は、研究者、獣医師、医師、または他の臨床家によって探求される組織系、動物、またはヒトにおける生物学的応答または医学的応答(応答には、処置される疾患または障害の症状の軽減が含まれる)を誘発するキレート剤(3,4,3−LI(1,2−HOPO)、5−LIO(Me−3,2−HOPO)、および/またはDTPAなど)の量を意味する。生物学的応答または医学的応答の誘発に必要なキレート剤の特定量は、いくつかの要因(処置される疾患または障害、投与されるキレート剤、投与方法、および患者の状態が含まれるが、これらに限定されない)に依存する。
「哺乳動物」は、本明細書中で使用される場合、哺乳動物と見なされる任意の動物をいう。好ましくは、哺乳動物はヒトである。
用語「医薬品または薬物」は、本明細書中で使用される場合、患者に適切に投与された場合に所望の治療効果を誘導することができる化合物または組成物をいう。本明細書中の他の化学用語を、The McGraw−Hill Dictionary of Chemical Terms(Parker,S.,Ed.,McGraw−Hill,San Francisco(1985))(本明細書中で参考として援用される)に例示される当該分野における通常の用法にしたがって使用する。
用語「重金属」は、1つまたは複数の遷移金属、メタロイド、周期表の13族、14族、および15族内の金属元素、アクチニド、ならびに/またはランタニドを示す。重金属には、例えば、ガドリニウム、鉛、スズ、カドミウム、イットリウム、スカンジウム、およびプルトニウムが含まれる。
キレーターの使用方法
以前の研究により、キレート剤での迅速な処置またはわずかに遅延した処置(ほとんどの場合、汚染事象の最初の24時間以内)の後に放射性核種の排出が増強されることが明らかとなった。アクチニドでのヒト汚染のシナリオには、無数の未知の事項が含まれるが、不運なことに、処置を広範に実施することやインシデント後に迅速に大集団に利用できるようにすることはありそうにないようである。
以下の実施例に提供した実験の1つは、最初の24時間の緊急時応答を遥かに超える体外排出の有効範囲を確立し、処置の施行において最大7日間の遅延である。この場合、処置後7日間までの剖検時点の延長は、数日間にわたる(すなわち、アクチニド排出の速度がかなり遅延するまで)プルトニウム排泄パターンの比較に有用であった。核の緊急事態に備える場合、さらなる検討事項(特に軍事および第一応答者のために事象前の予防の必要性が含まれる)を考慮しなければならない。下記の別の研究では、アクチニド体外排出剤の潜在的な予防活性を探求するための異なる実験プロトコールを採用した。238Puチャレンジに先立つ時点で(汚染48時間前までの遅延)非経口または経口のいずれかで処置を施行した。この研究では、剖検時点を、処置時間と無関係に汚染3日後に設定した。
汚染後に提供した場合、遅延処置にもかかわらず、非経口での3,4,3−LI(1,2−HOPO)、5−LIO(Me−3,2−HOPO)、およびDTPAは全て、調査した7日間の処置後期間を通して238Pu排出を明確に増強した。
しかし、3,4,3−LI(1,2−HOPO)およびDTPAについての数日間にわたる公知且つ確認された排泄増強の持続が5−LIO(Me−3,2−HOPO)では認められなかったという点で、2つのHOPOリガンドは挙動が異なっていた。さらに、5−LIO(Me−3,2−HOPO)またはDTPAでの処置後に認められた238Puの排出速度は、3,4,3−LI(1,2−HOPO)注射後の排出速度よりも早期に減速した。
238Pu排出速度の増強における3,4,3−LI(1,2−HOPO)の優位性はまた、以下の予防プロトコールにおいて証明された:5−LIO(Me−3,2−HOPO)およびDTPAは、汚染6時間前以内に投与した場合の238Pu含有量の減少はわずかであったが、3,4,3−LI(1,2−HOPO)の有効性は顕著により高く、238Puチャレンジの48時間前という早期の処置でさえ有効性が認められた。
3,4,3−LI(1,2−HOPO)またはDTPAで形成された238Pu錯体は比較的迅速にクリアランスされ、24時間以内に身体から完全に排出される一方で、処置動物における持続的な排泄増強プロフィールがリガンドの細胞内取り込みおよびクリアランスの遅延に起因することが示唆されている。14C標識3,4,3−LI(1,2−HOPO)の薬物動態および生体内分布プロフィールが、最近幼若スイス・ウェブスターマウスモデルで特徴づけられた。非経口注射後、放射性標識された化合物は、血管の多い組織内に迅速に分布し、投与1時間後という早期に腎臓および肝臓で最高濃度が認められた。しかし、この高い濃度は一定にとどまり、より顕著には、24時間後に投与線量の約40%が種々の組織および器官に留まっていた。これらの結果は、3,4,3−LI(1,2−HOPO)の方が、滞留時間がより長いことを示す良好な指標であり、処置後のそれの作用の持続および予防時間枠の大きさの両方と十分に相関している。同様に、ほとんどの化合物が吸収されないままであり、24時間までに簡単に排泄されたので、放射性標識リガンドの経口投与後のクリアランスはより迅速であった。にもかかわらず、経口投与後の最初の6時間以内のリガンドの保持は有意であり、このことも経口投与後の3,4,3−LI(1,2−HOPO)がより短いが結果として予防活性を示すことを実証している。
図5中の糞便中および尿中の238Pu排出量の図によって証明されるように、いずれかのHOPOリガンドによって促進された238Pu排泄の主な経路が胆汁経路であることが、DTPAでの処置に起因する尿中排泄増強パターンと劇的に異なる。これらの相違は、以前に考察されており、おそらくそれぞれのリガンドおよびアクチニド錯体の物理化学パラメータ(溶解性、親油性、およびイオン化定数など)に基づく。さらに、非経口投与後または経口投与後のいずれかで14C標識3,4,3−LI(1,2−HOPO)の糞便中蓄積が高いことによって証明されるように、胆汁経路はマウスにおける3,4,3−LI(1,2−HOPO)の主な排出モードである。したがって、放射性核種の排泄通路はリガンド駆動のようである。汚染1時間前の3,4,3−LI(1,2−HOPO)予防非経口処置の1つの症例において、238Pu尿中排泄が糞便中レベルより3倍高いことが記述されたという事実が特に興味深い。14C標識リガンドの沈着プロフィールは、リガンド投与から4時間以内の初期の時点での尿中排泄量がより高いことも示し、これは、胆汁中排泄に関連する結腸通過時間がより長いことに起因していた。したがって、早期予防症例において認められた排泄パターンは、3,4,3−LI(1,2−HOPO)リガンドが体循環に入ったばかりの利用可能な238Pu画分をキレート化し、それにより、この画分が放射性核種沈着部位に到達するのを妨げることを示唆している。
上に詳述し、且つ以下の実施例で証明するように、238Pu排出増強は、汚染後7日まで遅延した3,4,3−LI(1,2−HOPO)、5−LIO(Me−3,2−HOPO)、またはDTPAでの非経口処置後に認められ、後者の2つのリガンドについては有効性がほぼ等価であったが、3,4,3−LI(1,2−HOPO)においては全身含有量および組織含有量が大きく且つ有意に低下した。しかし、体外排出有効性は、処置の遅延が増大するにつれて明確に低下する。本明細書中に提供した研究において明らかにされた3,4,3−LI(1,2−HOPO)リガンドの別の特質は、曝露48時間前という早期に予防的に投与した場合に体外排出有効性が高いことである。一方で、開発下のリードヒドロキシピリジノナートキレート剤である3,4,3−LI(1,2−HOPO)は、単回処置が曝露7日後に遅延した場合でさえも、汚染マウスからの238Puの有意な除去を促進し、この研究結果は、汚染後できるだけ短期間の遅延で体外排出処置を行うべきであることが確認されることは注目に値する。さらに、ここで予防活性範囲が長いことが明らかとなったことで、この体外排出処置の適応および使用において新規の展望が開ける。広範囲の非臨床研究により、ヒドロキシピリジノナートキレート剤の安全性および重篤な毒性の懸念がないことが強調されており、目下のところ、3,4,3−LI(1,2−HOPO)が予防的使用に有用であると見なすことができ、緊急の状況で長期間のトリアージ、評価、および意思決定の手順を必要とし得る知識よりもむしろ潜在的な汚染の疑いまたは防止に基づいて処置が決定される。したがって、これらの結果は、一般的にヒドロキシピリジノナートリガンド、特に3,4,3−LI(1,2−HOPO)についての利用可能な有効性データセットを補完し、並行臨床安全性解析と組み合わせて、238Pu体外排出のための治療選択肢の規定の一助となる。
上記態様の種々の適用を以下に提供する。
使用方法
いくつかの実施形態では、被験体の重金属曝露を処置する方法を提供する。この方法は、治療有効量の、1,2−HOPOキレート剤を含む薬学的組成物を、過剰量の、ガドリニウム、鉛、スズ、イットリウム、スカンジウム、および/またはカドミウムのうち1つまたは複数を有する被験体に投与するステップを含む。この投与により、被験体からガドリニウム、鉛、スズ、および/またはカドミウムが体外排出されるか、排除されるか、またはその量が減少する。
いくつかの実施形態では、被験体は、1種または複数種のアクチニドおよび/もしくはランタニド、またはその混合物に曝露されており、そして/または接触しており、そして/または曝露されるか汚染されることがある。いくつかの実施形態では、被験体は、過剰量の、ガドリニウム、鉛、イットリウム、スカンジウム、カドミウム、またはスズのうち1つまたは複数を有する。いくつかの実施形態では、被験体は、過剰量のガドリニウムを有する。いくつかの実施形態では、被験体は、過剰量の鉛を有する。いくつかの実施形態では、被験体は、過剰量のイットリウムを有する。いくつかの実施形態では、被験体は、過剰量のスカンジウムを有する。いくつかの実施形態では、被験体は、過剰量のカドミウムを有する。いくつかの実施形態では、被験体は、過剰量のスズを有する。過剰量は、通常のベースラインまたはバックグラウンドレベルを超える量であり得る。いくつかの実施形態では、過剰量は、被験体に不健康な量であり得る。いくつかの実施形態では、過剰量は、非曝露個体中に存在する重金属の量の少なくとも1、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、1000、10,000パーセントまたはそれを超える。すなわち、過剰量は、標準的環境に起因するベースラインより少なくとも1、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、1000、10,000パーセント高い。Gdの場合などのいくつかの実施形態では、異なる造影剤の平均用量は、70kgの成人において0.1mmol/kg、つまり、7mmolであり、これは、患者あたりおよそ1gのGdである。いくつかのMRIスキャンのために、患者は約1gのキレート化Gdを摂取し、Gdの数%が体内にとどまる。したがって、体内に残留するGdの量をこのレベル未満に低下させることは、被験体に有益であり得る。鉛(Pb)について、鉛はより有毒であるので、過剰量はさらに低いレベルであり得る。
いくつかの実施形態では、本方法は予防法である。金属曝露に対する被験体の予防的処置方法は、治療有効量の、1,2−HOPOキレート剤を含む薬学的組成物を被験体に投与するステップを含み得る。
いくつかの実施形態では、キレート剤は、本明細書中に提供した任意のキレート剤であり得る。いくつかの実施形態では、1,2−HOPOキレート剤は、3,4,3−LI−1,2−HOPOである。いくつかの実施形態では、3,4,3−LI−1,2−HOPO化合物を、曝露前または曝露後のいずれかでの重金属曝露の処置のために使用することができる。いくつかの実施形態では、重金属への曝露前または曝露後のいずれかでの重金属曝露の処置のための医薬の調製で3,4,3−LI−1,2−HOPOを使用することができる。いくつかの実施形態では、組成物は、曝露前または曝露後のいずれかでの重金属曝露の処置のための3,4,3−LI−1,2−HOPOを含むことができる。いくつかの実施形態では、組成物は、ガドリニウム系造影剤などのMRIからの造影剤の中和のための3,4,3−LI−1,2−HOPOを含むことができる。いくつかの実施形態では、ガドリニウム系造影剤(GBCA)の減少および/または除去のための医薬の調製のために3,4,3−LI−1,2−HOPOを使用することができる。
いくつかの実施形態では、被験体は、1種または複数種の重金属に曝露されているか、曝露されることがある。いくつかの実施形態では、被験体は、MRIを受ける予定であるか、受けるところである。いくつかの実施形態では、MRI手順では、ガドリニウム系造影剤(GBCA)(ガドテラート(ドタレム)、ガドジアミド(オムニスキャン)、ガドベナート(マルチハンス)、ガドペンテタート(マグネビスト)、ガドテリドール(プロハンス)、ガドホスベセット(アブラバー、旧名バソビスト)、ガドベルセタミド(OptiMARK)、ガドキセタート(エオビスト)、またはガドブトロール(ガダビスト)など)を投与する必要がある。いくつかの実施形態では、MRI造影剤由来の1つまたは複数の負の影響を、1つまたは複数の本明細書中に提供するキレーター、特に3,4,3−LI−1,2−HOPOの使用(予防的またはその他の使用)によって低下させることができる。いくつかの実施形態では、造影剤はGdを含む。いくつかの実施形態では、影響には、以下が含まれる:1)疼痛−うずき;灼熱痛、ひりひり、および/または刺痛(知覚異常);深部骨痛;典型的には、四肢または関節、時折、頭部のようなMRI実施部で認められる;2)皮膚の変化−かたい皮膚、発疹、色素沈着過剰など;ほとんどの場合、四肢で認められる;3)筋肉の問題点−れん縮−小さく、局所的で、迅速な収縮および脱力;4)眼の問題−視力低下、ドライアイ、充血した眼;5)認知症状;6)耳鼻咽喉−耳鳴り、嚥下、および声の問題;7)低体温;8)脱毛;9)皮膚のかゆみ(Itchy skin);10)平衡感覚の問題;11)四肢の腫脹(浮腫);および/または12)時折局在し、またある時にはより全身的な感情である、典型的には皮膚直下の感電するような、振動する、れん縮する感情の知覚。
いくつかの実施形態では、投与するステップにより、被験体の1つまたは複数の系および/または器官からアクチニドおよび/もしくはランタニドの量、またはその両方が体外排出されるか、排除されるか、減少する。いくつかの実施形態では、被験体に存在する重金属は、少なくとも1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98、99、または100パーセント減少する。いくつかの実施形態では、予防的に適用した場合、重金属は、被験体をより迅速に通過し、被験体内に実質的に蓄積する必要がなく、この方法が有益である。いくつかの実施形態では、重金属は、被験体がキレーターを受けていなかった場合より被験体中に10、20、30、40、50、60、70、80、または90%少ない時間存在する。いくつかの実施形態では、重金属は、被験体がキレーターを受けていなかった場合より、1.1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、100、1000、10,000倍、またはそれを超える速度で被験体から排泄される。
いくつかの実施形態では、本明細書中に記載のように、キレーターを、重金属へ曝露しているまたは曝露のリスクがある被験体に1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48時間前またはそれより前に投与する。
いくつかの実施形態では、金属は重金属である。いくつかの実施形態では、本明細書中に提供した任意の重金属は、健康に悪影響を及ぼし得るが、予防様式での本明細書中に提供した1つまたは複数のキレーターによって低減される。いくつかの実施形態では、重金属は、ガドリニウム、鉛、スズ、カドミウム、イットリウム、スカンジウム、およびプルトニウムからなる群のうちの少なくとも1つから選択される。いくつかの実施形態では、予防的キレート剤を、重金属、アクチニド、ランタニド、またはその混合物からの防御のために使用することができる。
いくつかの実施形態では、1,2−HOPOキレート剤は、構造:

によって定義される。
式中、
Rは、ヒドロキシ基または
であり、
およびRは、H、−−CH、−−CHCH、および−−CH−−φからなる群から選択され、Xは、水素、アルカリ金属イオン、または第四級アンモニウムイオンのいずれかである。
いくつかの実施形態では、1,2−HOPOキレート剤は、

、および

(式中、l、m、およびnは、1と20との間の整数である)からなる群から選択される1つの分子によって定義される。
いくつかの実施形態では、mは3であり、そして/またはnは4である。いくつかの実施形態では、lおよびnは3であり、mは4である。いくつかの実施形態では、1,2−HOPOキレート剤は3,4,3−LI−1,2−HOPOである。
適切な3,2−HOPOキレート剤には、以下の構造:
を有するキレート剤が含まれるが、これらに限定されない。
投与様式および薬学的製剤
薬学的組成物の適切な投与様式には、経口、局所、エアロゾル、噴霧による吸入、非経口、皮下、静脈内、筋肉内、腹膜間(interperitoneal)、直腸、および膣への投与が含まれるが、これらに限定されない。非経口という用語には、本明細書中で使用される場合、皮下注射技術、ならびに静脈内、髄腔内(intrathecal)、筋肉内、および胸骨内への注射または注入技術が含まれる。特定の投与様式は、キレート剤を被験体における放射性核種汚染の実際の部位(複数可)または潜在的部位(複数可)に運ぶ投与様式である。薬学的組成物は、固体形態、半固体形態、および/または液体形態であり得る。いくつかの実施形態では、任意の上記製剤を、本明細書中に提供した任意の金属(ガドリニウム、鉛、スズ、および/またはカドミウムが含まれる)および/または予防的使用のために使用することができる。
本明細書中に記載の薬学的に許容され得るキャリア(例えば、ビヒクル、アジュバント、賦形剤、および希釈剤)は、当業者に周知であり、且つ容易に利用可能である。いくつかの実施形態では、キャリアは、本キレート剤の化合物に対して化学的に不活性であり、使用条件下で有害な副作用や毒性がない。いくつかの実施形態では、薬学的に許容され得るキャリアは、発熱物質を含まない。使用することができる薬学的に許容され得るキャリアには、水、グルコース、ラクトース、アカシアゴム、ゼラチン、マンニトール、デンプンペースト、三ケイ酸マグネシウム、タルク、トウモロコシデンプン、ケラチン、コロイド状シリカ、ジャガイモデンプン、および尿素が含まれるが、これらに限定されない。
単回投与形態を生成するために薬学的に許容され得るキャリアと組み合わせることができるキレート剤の量は、処置される被験体および特定の投与様式に応じて変動する。キレート剤の適切な投薬レベルには、約1mg/kg体重/日〜約500mg/kg体重/日が含まれる。いくつかの実施形態では、適切な投薬レベルは、約20mg/kg体重/日〜約100mg/kg体重/日である。いくつかの実施形態では、3,4,3−LI−1,2−HOPOの適切な投薬レベルは、約10μmol/kg体重〜約100μmol/kg体重である。いくつかの実施形態では、5−LIO−Me−3,2−HOPOの適切な投薬レベルは、約30μmol/kg体重〜約200μmol/kg体重である。投薬単位形態は、一般に、約20mg〜約100mgのキレート剤を含む。さらに、薬学的組成物を、断続的に(すなわち、毎日、週2回、または毎週)投与することができる。しかし、特定の被験体のための特定の投与レベルは種々の要因に依存すると理解される。これらの要因には、使用される特定の化合物の活性;被験体の年齢、体重、全身健康状態、性別、および食事;キレート剤の投与時間および投与経路ならびに排泄速度;処置で使用されるキレート剤の組み合わせ;ならびに治療が模索される特定の疾患または容態の重症度が含まれる。
経口投与に適切な薬学的組成物には、(a)液体製剤;(b)カプセル、サシェ、錠剤、ロゼンジ、およびトローチ(それぞれ、所定量の有効成分を固体または顆粒として含む);(c)粉剤・散剤(powder);(d)懸濁剤;および(e)適切な乳剤が含まれるが、これらに限定されない。液体製剤には、希釈剤(水およびアルコールなど)、および、任意選択的に、薬学的に許容され得る界面活性剤を含み得る。カプセル形態は、例えば、界面活性剤、滑沢剤、および不活性充填剤を含む通常のハードシェルゼラチンタイプまたはソフトシェルゼラチンタイプの形態であり得る。錠剤形態は、ラクトース、スクロース、マンニトール、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、アルギン酸、微結晶性セルロース、アカシア、ゼラチン、グアールガム、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、およびステアリン酸などのうち1つまたは複数を含むことができる。錠剤は、1つまたは複数の着色剤、希釈剤、緩衝剤、崩壊剤、保湿剤、防腐剤、または香味剤を更に含むことができる。
薬学的組成物は、単独または他の適切な成分と組み合わせて、吸入投与のためのエアロゾル製剤にすることができる。これらのエアロゾル製剤を、許容可能な加圧噴射剤(ジクロロジフルオロメタン、プロパン、および窒素など)中または非加圧調製物(ネブライザー中またはアトマイザー中など)に入れることができる。被験体の感染部位(複数可)が肺である場合、好ましい投与様式は、経口用または経鼻用のエアロゾル製剤の吸入である。特に、エアロゾル製剤は、呼吸可能なサイズ(平均粒径5μm〜500μmが含まれるが、これらに限定されない)の粒子を含み得る。
薬学的組成物は、注射用製剤であり得る。注射用組成物に有効なキャリアの要件は、当業者に周知である(例えば、Pharmaceutics and Pharmacy Practice、J.B.Lippincott Company,Philadelphia,Pa.,Banker and Chalmers編、238−250ページ(1982)およびASHP Handbook on Injectable Drugs、Toissel、第4版、622−630ページ(1986)を参照のこと)。特定の実施形態では、注射用組成物を、静脈内投与する。非経口投与に適切な製剤には、抗酸化剤、バッファ、静菌剤、および製剤を意図するレシピエントの血液と等張にする溶質を含み得る水性および非水性で等張の滅菌注射溶液、ならびに懸濁化剤、可溶化剤、増粘剤、安定剤、および防腐剤を含み得る水性および非水性の滅菌懸濁液が含まれる。
薬学的組成物は、賦形剤をさらに含み得る。使用することができる賦形剤には、1つまたは複数のキャリア、界面活性物質、増粘剤または乳化剤、固体結合剤、分散助剤または懸濁助剤、可溶化剤、着色剤、香味剤、コーティング、崩壊剤、滑沢剤、甘味料、防腐剤、等張剤、およびその組み合わせが含まれる。適切な賦形剤の選択および使用は、Gennaro編、Remington:The Science and Practice of Pharmacy、第20版、(Lippincott Williams & Wilkins 2003)(その開示が本明細書中で参考として援用される)に教示されている。
いくつかの実施形態では、八座3,4,3−LI−1,2−HOPOは、in vivoでのPu、Np、Th、Am、およびCfのキレート化に非常に有効であり、その有効性は、低投薬量での現在のアクチニドキレート化標準物質CaNa−DTPAの有効性を遥かに凌ぐ。例えば、5つの異なるプロトコールにおけるマウス組織からの循環Puについての3,4,3−LI−1,2−HOPOの排除効率は、CaNa−DTPAの100倍(骨格)〜240倍(軟部組織)の範囲である。さらに、マウスからの新規に沈着したPu除去のための3,4,3−LI−1,2−HOPOの最適活性用量は、臨床的に使用されるCaNa−DTPAの用量の2.5%である。四座5−LIO−Me−3,2−HOPOは、Pu、U、Am、およびNpに対して潜在的治療価値を有し、マウス組織からの循環Puの排除効率は、CaNa−DTPAの5倍(骨格)〜15倍(肝臓)の範囲である。
経口活性。両化合物は、経口活性アクチニドキレーターである:Pu注射後のマウスまたはビーグル犬に経口投与した場合、3,4,3−LI−1,2−HOPOおよび5−LIO−Me−3,2−HOPOは、注射したPuをそれぞれ80%および60%まで除去することができる。さらに、14C標識リガンドを使用した薬物動態学的研究では、両化合物が代謝による分解に対して安定であり、マウスからの新規に沈着したPu、Np、Am、およびUの除去についてCaNa−DTPAより有意により有効であることを示している。
リガンドの組み合わせ。八座3,4,3−LI(1,2−HOPO)であるHOPO(1)は、Pu(IV)およびAm(III)のin vivoキレート化に非常に有効である。四座5−LIO(Me−3,2−HOPO)であるHOPO(2)は、構造上、Np(V)およびU(VI)のキレート化に適切である。
特定のMRI造影剤のためのキレート剤の適用
いくつかの実施形態では、1種または複数種の本明細書中に提供したキレート剤を使用して、ガドリニウム系造影剤に関連するリスクを低減することができる。いくつかの実施形態では、キレーターを、ガドリニウム系造影剤の使用前、使用と共に、または使用後に投与することができる。1988年の米国における臨床診療への導入以来、ガドリニウム系造影剤(GBCA)は、磁気共鳴画像法(MRI)に多大な影響を及ぼしていた。GBCAは、米国で各年実施される3000万回のMRIスキャンの半分超で使用されていると推定される。造影剤は安全と見なされており、関連する有害事象率は、全世界で100,000投与あたり14.4投与と報告されている。腎臓学者がGBCAの投与を腎性全身性線維症(NSF)と関連付けた最初の重篤な有害作用が報告されたのは使用から18年後のことで、これにより、2006年に米国食品医薬品局(FDA)は警告を発するよう促された。NSFの正確な病態生理学は依然として知られていないが、キレート化リガンドからのGdイオンの解離が主要病因として受け入れられている。キレートがin vivoで解離する時間を考慮すると、腎不全患者における排泄速度が低下しているので、この解離は腎機能が正常な患者よりも腎不全患者で起こる可能性が高い。文献に報告されたNSFのほとんどの症例が非イオン性直鎖ガドジアミド(オムニスキャン)の投与に関連しているが、報告には別の非イオン性直鎖薬剤であるガドベルセタミド(OptiMARK)による、およびイオン性直鎖薬剤であるガドペンテト酸ジメグルミン(マグネビスト)による実質的インシデントの記載もある。腎疾患患者の有効なスクリーニングおよび実質的な腎疾患を有する患者におけるGBCAの回避によって、またはより安定なGBCAの利用によってNSFの症例が極めて少数になったか存在しなくなったことと関連して、NSFは2009年以来ほぼ完全に排除されている。しかし、この2年間に、腎機能が正常な患者における神経組織内のGd沈着に関する多数の研究が発表されている。この沈着は、腎機能が正常な患者における非増強T1強調画像上の淡蒼球(globi pallidi)および/または歯状核内のシグナル強度の漸増が複数回のGBCA投与に関連するというMR画像化研究によって最初に想定された。NSFと同様に、この所見に最も関連する薬剤はガドジアミドであったが、この所見はその他の薬剤(ガドペンテト酸ジメグルミンが含まれる)を用いても示されている。
現在、FDA承認GBCAは9種あり、その全てが親水性である。これらのGBCAは、動態学的により安定な錯体を形成すると考えられる大環状薬剤と、その安定性、プロトン緩和速度を増強する能力、および分布が異なる。しかし、最も安定な大環状薬剤の1つであるガドブトロール(ガダビスト)は、脳沈着を生じることも示されている。これらの所見は、全てのGBCAを個別に評価すべきであり、その分子構造にもかかわらず、全てがいくらかのレベルのGdを放出し得ることを示唆している。ランタニド重金属であるGdは遊離イオンとして非常に有毒であり、内因性リガンドおよび金属結合部位(特にカルシウム、亜鉛、および鉄と会合する部位)との相互作用によってゆっくり排泄される。遊離Gd3+を(動物モデルに)投与した場合、1日あたりたった1%〜3%しか排出されず、残りは主に肝臓、腎臓、および骨に沈着する。遊離イオンは細胞過程を破壊し、伸展活性化イオンチャネルを阻害し、この遊離イオンは最も有効なカルシウムアンタゴニストの1つである。Gd組織沈着に関する多数の最近の報告のために、FDAは、現在、脳沈着のリスクおよび潜在的な有害作用について評価中であり、いくつかの臨床試験(ClinicalTrials.gov)では、本出願の時点で、Gdの長期保持および関連する有害作用を評価するための患者を募っている。
しかし、内在化Gdを除去するための実行可能な選択肢は存在しない。Gd沈着の健康上の影響を軽減するための唯一の実用的な治療は、排泄可能な錯体を形成するキレート剤を使用した処置であろう。とはいえ、Gdは、他の重金属と同様に、体外排出が最も困難な元素の1つである。
3,4,3−LI(1,2−HOPO)の作用機序は、化合物が標的化アクチニドに結合して、排泄経路によって排出することができる安定な錯体を形成するキレート化機序である。標的化アクチニド金属イオンに対するキレート剤の親和性が潜在的な生物学的リガンド(タンパク質および骨基質など)の親和性より高い場合、および、キレート剤の標的化アクチニド金属イオンに対する親和性が2価の必須金属イオンに対する親和性よりも特異的である場合に、キレート化は臨床的に有効である可能性がある。キレート剤の有効性を予想し、キレート剤のアクチニドキレート化の潜在性を確認するための定量的ツールは、in vitroでの対応するアクチニド錯体の安定度定数の決定である。以下の実施例2で概説するように、これらの定数を、Pu(IV)(Logβ110>41.5)またはCm(III)(Logβ110=21.8)などの金属について評価した。この定数は、3,4,3−LI(1,2−HOPO)によるキレート化作用機序を支持している。プロトン化およびGd(III)について決定した安定度定数(Logβ110=20.5)は、3,4,3−LI(1,2−HOPO)が生理学的pHで公知のいくつかの最も安定なGd錯体を形成することを示唆している。この高親和性はin vivo Gd除去率が高いと解釈すべきであり、この除去率は、マウスモデルにおけるEu(III)、Am(III)、およびCm(III)などの他の元素を用いて認められた除去率に匹敵する。
いくつかの実施形態では、3,4,3−LI(1,2−HOPO)を用いたキレート化処置は、Gd沈着の遥か後の排出を増強することができる。いくつかの実施形態では、この処置は、Gd沈着の排出を、10、20、30、40、50、100%、またはそれを超えて増強することができる。
いくつかの実施形態では、投与したGBCAからのGd放出の潜在的な健康への影響を低下させる別の方法は、沈着の防止による方法である。
3,4,3−LI(1,2−HOPO)は、造影剤の前またはそれと同時に1回投与した場合にGd沈着を防止する。いくつかの実施形態では、1、2、3、4、5、またはそれを超える用量のキレーターを、Gd含有化合物の投与前または投与と重複させて投与することができる。
重篤な腎臓機能障害(eGFR<30)を有する患者へのGBCA投与に関連するリスクが存在する。腎臓機能が正常な患者は、最初、GBCA由来のGdの保持リスクが無いと考えていた;しかし、造影剤の各用量由来のいくらかのGdは、GBCAに曝露された患者全員の体内に保持され得る。FDA(その国立毒性研究センター(NCTR)が含まれる)ならびにいくつかのアカデミックな研究グループおよび産業の研究グループは、Gdの保持機序を理解し、健康への有害な作用の範囲を決定するために積極的に研究している。しかし、GBCA投与に関連する沈着Gdの除去またはGd沈着の防止のための実行可能な選択肢は現在のところ存在しない。したがって、GBCA注射前または注射後の体外排出ストラテジーの開発は、臨床MR画像化実行の理論的枠組みを変化させる潜在性を有する重要な研究ニーズである。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書中に提供したキレーターを、重篤な腎臓機能障害のリスクを有するか、この障害を既に有する被験体に投与することができる。これは予防的治療または症状に応じた治療であり得る。
3,4,3−LI(1,2−HOPO)は、動物研究におけるアクチニドイオンの体外排出においてDTPAより最大で30倍高い効力を示し、経口で利用可能であり且つ予防的処置として非常に有効であるという利点を有する。重要なことに、14C標識3,4,3−LI(1,2−HOPO)を使用して実施した最近の吸収、分布、代謝、および排泄の研究により、投与から数日後のラットの脳内に微量のリガンドが見出されたので、そのリガンドが血液脳関門を透過することができることが明らかとなっている。この性質は、特に、脳内に沈着した標的Gdに関連する。
いくつかの実施形態では、任意の1種または複数種の本明細書中に提供したキレーター(3,4,3−LI(1,2−HOPO)など)を、宿主内のGd残存リスクを低減するために、Gd系画像化剤(画像化剤の投与前、それと共に、またはそれの投与後のいずれか)と組み合わせて使用することができる。投与される3,4,3−LI(1,2−HOPO)の量は、Gdの残存レベルを所望の量まで低下させるのに十分である。いくつかの実施形態では、宿主に残留するGdの量は、1.1、10、20、30、40、50、60、70、80、90、95、98、99%、またはそれを超えて(例えば、100%)低下する。被験体におけるGd系造影剤の使用に関連するNSFまたは他の障害のリスクもしくは症状または持続時間を低下させるためにキレート剤を投与することができる。金属中毒は、精神および身体の発達に重度に影響し得る。低レベルの重金属への曝露でさえ、特に小児において経時的に損傷を引き起こし得る。脳の発達に対するリスクが大きく、この損傷は不可逆に起こり得る。より高いレベルでは、小児および成人の両方において、腎臓および神経系を損傷し得る。いくつかの実施形態では、特定の症状には、以下が含まれ得る:1)疼痛−うずき;灼熱痛、ひりひり、および/または刺痛(知覚異常);深部骨痛;典型的には、四肢または関節、時折、頭部のようなMRI実施部で認められる;2)皮膚の変化−かたい皮膚、発疹、色素沈着過剰など;ほとんどの場合、四肢で認められる;3)筋肉の問題点−れん縮−小さく、局所的で、迅速な収縮および脱力;4)眼の問題−視力低下、ドライアイ、充血した眼;5)認知症状;6)耳鼻咽喉−耳鳴り、嚥下、および声の問題;7)低体温;8)脱毛;9)皮膚のかゆみ;10)平衡感覚の問題;11)四肢の腫脹(浮腫);および/または12)時折局在し、またある時にはより全身的な感情である、典型的には皮膚直下の感電するような、振動する、れん縮する感情の知覚。
いくつかの実施形態では、キレート剤は、被験体に投与する必要はないが、そのかわりに、1種または複数種の流体(気体または液体)中の重金属の量を低下させることを目的として、該1種または複数種の流体の精製のために使用することができる。
本発明が記載の特定の実施形態に制限されず、従って、勿論、変動し得ると理解すべきである。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ制限されるので、本明細書中で使用した専門用語は特定の実施形態を説明することのみを目的とし、且つ本発明を制限することを意図しないことも理解すべきである。
値の範囲を提供する場合、その範囲の上限と下限との間に介在する各々の値も、文脈上そうでないと明確に示されない限り、下限の単位の1/10まで具体的に開示されると理解される。任意の記載の値または記載の範囲内の介在する値と、上記の記載の範囲内の任意の他の記載の値または介在する値との間のそれぞれのより小さな範囲が本発明内に包含される。これらのより小さな範囲の上限および下限は、独立してその範囲内に含まれても除外されてもよく、且つ、記載された範囲内の任意の具体的に除外された限度を条件として、このより小さな範囲に、いずれかもしくは両方の限度が含まれるか、どちらも含まれない場合の各範囲も本発明内に包含される。記載の範囲が限度の一方または両方を含む場合、含まれる限度のいずれかまたは両方を除外した範囲も本発明に含まれる。
別段の定義が無い限り、本明細書中で使用した全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者が一般に理解している意味と同じ意味を有する。本明細書中に記載の方法および材料に類似するか等価な任意の方法および材料を本発明の実行または試験で使用することができるが、好ましい方法および材料をここに記載する。本明細書中で言及した全ての刊行物は、刊行物の引用に関連する方法および/または材料を開示および説明するために、本明細書中で参考として援用される。
本明細書中および添付の特許請求の範囲で使用する場合、単数形「a」、「and」、および「the」には、文脈上そうでないと明確に示されない限り、複数形が含まれることに留意しなければならない。したがって、例えば、したがって、例えば、「キレート剤(a chelating agent)」という言及には、複数のかかるキレート剤などが含まれる。
本発明を説明してきたが、本発明を例示するために以下の実施例を提供する。本実施例は例示を目的としており、本発明の制限を目的としない。
実施例1
3,4,3−LI(1,2−HOPO)および5−LIO(Me−3,2−HOPO)の投与時間枠を調査することを目的とした2組の研究を本明細書中に示す。予防的な腹腔内処置または経口処置のための汚染から48時間前もの早期、および遅延腹腔内処置のためのチャレンジから7日後もの後期にプルトニウム排出の増強が記述される。これらの研究と以前に報告された研究との間の整合性を確実にするために、単回静脈内注射によって可溶性クエン酸プルトニウム(238Pu)による汚染を実施し、動物モデルとして若年成体雌スイス・ウェブスターマウスを選択した。これらの手順の利点は、組織試料および排泄物試料における正確な計数統計を得るために少量の放射線学的汚染物質しか必要としないこと、大量の放射性核種の在庫が回避されること、および取り扱う放射性物質の量が低減されることである。
2.材料と方法
2.1汚染物質およびリガンドの溶液
4M HNO中の硝酸プルトニウム(238Pu)の保存溶液をEckert and Ziegler Isotope Products(Valencia,CA,USA)から購入し、注射液の調製のために使用した。汚染線量は、0.008Mクエン酸ナトリウムおよび0.14M NaCl(pH4)中に0.74kBq(1.16ng)の238Puを含む溶液の0.2mLアリコートからなる。以前に記載のように[19]、リガンド3,4,3−LI(1,2−HOPO)および5−LIO(Me−3,2−HOPO)を、Synthetech、Inc.(Albany,OR,USA)およびAlbany Molecular Research、Inc.(Albany,NY,USA)によってそれぞれ調製した。DTPAをSigma−Aldrich(St.Louis,MO,USA)から入手し、CaCOおよびNaOHを使用してCa−DTPAとして製剤化した。このCa−DTPAは、Hameln Pharmaceuticals gmbh(Hameln,Germany)から市販されていた以前に入手可能であった医薬品に類似する。選択された投薬量(Ca−DTPAについては30μmol/kg、3,4,3−LI(1,2−HOPO)については30または100μmol/kg、および5−LIO(Me−3,2−HOPO)については100または200μmol/kg)を0.5mLの0.14M NaClに含め、1N NaOHでpH7.4〜8.4に調整することによってリガンド溶液を調製した。投与前に全ての溶液を濾過滅菌した(0.22μm)。各溶液の濃度を、公開された方法の修正版に従った高速液体クロマトグラフィによって検証した。
2.2動物および一般的手順
記載のin vivo研究で使用した全ての手順およびプロトコールは、ローレンス・バークレー国立研究所の動物実験委員会によって審査および承認され、AAALAC認定施設で実施した。使用動物は、若年成体(遅延処置実験のためには86±6日齢、および予防的処置実験のためには90±3日齢)の雌(遅延処置実験のためには30.7±4.0g、および予防的処置実験のためには30.8±1.6g)のスイス・ウェブスターマウス(Simonsen Laboratories,Gilroy,CA,USA)であった。これらのマウスの全体の身体および組織組成、血漿、細胞外液、ならびに全身、主要な組織および器官の赤血球量(インタクトまたはマウスの総血液量の25〜40%を出血させた)は事前に決定している。マウスを、温度(18〜22℃)および相対湿度(30〜70%)を制御した12時間明周期下に維持し、水および飼料を自由に与えた。各マウス群を、尿および糞便を分離するための高吸収性の低灰分ペレット化セルロース床敷(ALPHA−dri(登録商標))を0.5cmの層として敷き詰めたプラスチック製のストックケージに収容した。温めた側尾静脈への静脈内(iv)注射、腹腔内(ip)注射、経口投与(po、胃挿管による)、および安楽死を、イソフルラン麻酔下で実施した。マウスの体重に基づいて処置用量体積を調整した(35gマウスに対応して0.5mLの体積を用いる)。遅延処置の影響を調べるために、5匹からなるマウス群に、単回用量のクエン酸プルトニウム(238Pu)をiv注射し、リガンド溶液またはコントロール食塩水溶液を、以下の汚染処置時間後に1回ip投与した:1時間、5時間、16時間、24時間、3日間、7日間。排泄物を、7日間にわたって毎日回収した。処置7日後に動物を安楽死させた。予防的処置の影響を調べるために、5匹からなるマウス群に、リガンド溶液またはコントロール食塩水溶液を以下の汚染前処置時間にipまたはpoで1回最初に投与した:−1時間、−6時間、−16時間、−24時間、−30時間、−40時間、−48時間。次いで、マウスに単回用量のクエン酸プルトニウム(238Pu)をiv注射し、排泄物を、3日間にわたって毎日回収した。汚染3日後(72時間)に動物を安楽死させた。マウスをその各ケージ上で頸椎脱臼によって安楽死させて死亡時に排泄した尿を回収し、直ちにプラスチックに包み、その後の解剖のために凍結した。
組織試料採取および処理
凍結したマウスの部分的解凍後、肝臓および腎臓を解剖し、腹部残余組織(ATR、インタクトな胃腸(GI)管、生殖器官、脾臓、膀胱、および腹部脂肪を含む)を除去した。肝臓、腎臓、ATR、および部分的に臓器摘出した屠殺体を、個別の試料として管理した。糞便試料を、尿で汚れたセルロース床敷から手作業で分離し、群の試料(ケージあたり1群)として処置した。全試料を100℃で乾燥させ、575℃で乾式灰化を行った。灰化試料を、濃HNOで処理した。次いで、これらの酸性化溶液を希HNO中でホモジナイズし、液体シンチレーションカウンティング(Packard Tri−CarbモデルB4430,Perkin Elmer)による放射性核種の検出のためにUltima Gold(Perkin Elmer,Shelton,CT,USA)と混合した。
データの管理および解析
全実験で汚染物質として放射性238Puを使用し、したがって、全ての組織および排泄物を放射能分析する代謝平衡研究として管理した;放射性化学物質の平均回収率は全て、95%注入用量(ID)を超えていた。実験データを、放射性核種の割合(注入した238Puに対するパーセント(%ID)として示す)として報告し、値は算術平均±SDである。体外排出研究において群間で値を比較する場合、用語「有意な」を、統計的意味で使用し、それは、一元配置分散分析(ANOVA)およびその後の適切な事後解析によってp<0.01を示す。ダネット多重比較検定を使用してキレート剤で処置した動物群と食塩水を投与した対応コントロール群とを比較した一方で、テューキー公正有意差(HSD)多重比較検定を使用してキレート剤で処置した全群間を対比較した。両検定を、99%信頼区間レベルで設定した。全統計解析を、GraphPad Prism 5(GraphPad Software,Inc.,San Diego,CA,USA)を使用して行った。
結果
実験的体外排出剤3,4,3−LI(1,2−HOPO)および5−LIO(Me−3,2−HOPO)のうちの1つでの単回の非経口投与または経口投与によって促進されたプルトニウム排出の増強を、処置上の投与時間に応じて若年成体雌スイス・ウェブスターマウスにおいて調査した。第1の研究では、キレート化処置を汚染から1時間後〜7日後の種々の期間でチャレンジ事象後に非経口で1回施行し、処置7日後にマウスを安楽死させた。第2の研究では、汚染の48時間前〜1時間前の種々の期間に非経口または経口のいずれかで単回処置を予防的に行い、汚染事象の3日後にマウスを安楽死させた。両研究では、主要有効性評価項目は、食塩水処置コントロール群と比較した安楽死時点の放射性核種の体内含有量の減少であった。非経口処置症例について、比較はDTPA処置群で引き出すこともできる。両研究のin vivo部分を、インシデントを使用せずに行った。以前に報告された結果から予想されるように、実験的リガンド3,4,3−LI(1,2−HOPO)および5−LIO(Me−3,2−HOPO)の用量レベルでは、いかなる識別可能な有害作用も生じなかった。
遅延非経口キレート化処置
汚染から1時間後と7日後との間にマウスを処置し、処置から7日後に安楽死させる研究のために、異なる剖検時間での体内総238Pu含有量および分布の結果を、統計解析に供し、図3に示す。汚染から1時間後〜16時間後の範囲の処置時点で、単回非経口用量の3,4,3−LI(1,2−HOPO)または5−LIO(Me−3,2−HOPO)のいずれかにより、食塩水処置コントロールと比較して、238Puの排出率が有意に増加し、かつ全身負荷量および組織含有量が明確に減少した。しかし、前述の時点にて3,4,3−LI(1,2−HOPO)でキレート化した群のみで238Pu含有量が減少し、DTPA処置後に認められた減少より有意に良好であった。さらに、3,4,3−LI(1,2−HOPO)は、汚染から24時間後〜7日後の遅延した時点で処置を施した場合に238Pu排出が有意に増強される唯一のキレート化の選択肢であった。3,4,3−LI(1,2−HOPO)はまた、全ての試験した処置時点で238Pu骨格含有量を有意に低下させる唯一のリガンドであった。体外排出有効性は、処置の遅延の増加とともに減少した。
図3は、単回遅延ipキレート化処置から7日後の238Puの体内総含有量および分布を示す。若年成体雌スイス・ウェブスターマウスにクエン酸プルトニウム(238Pu)をiv注射し;食塩水または処置(3,4,3−LI(1,2−HOPO)(30μmol/kg)、5−LIO(Me−3,2−HOPO)(100μmol/kg)、またはCa−DTPA(30μmol/kg))を汚染から1時間後、5時間後(A)、16時間後、24時間後(B)、3日後、または7日後(C)にip投与し;処置の7日後にマウスを安楽死させた。データを、各々5匹のマウス群についての注射した238Pu線量の百分率(%ID、平均±SD)として示す。コントロールマウスよりも保持が有意に低い群をまたは**(p<0.05またはp<0.01、事後ダネット多重比較検定を使用した一元配置ANOVA)によって示し、一方、Ca−DTPA処置マウスより保持が有意に低い群をまたは##(p<0.05またはp<0.01、事後テューキーHSD多重比較検定を使用した一元配置ANOVA)によって示す。
それにもかかわらず、図4に示すように、排出速度は、汚染と処置との間の経過した時間に応じて異なる動態に従った。それぞれ5−LIO(Me−3,2−HOPO)または3,4,3−LI(1,2−HOPO)について、HOPOリガンドでの迅速なキレート化処置(汚染1時間後)によって注入線量の80%を超える即時型排泄が促進された一方で、排出速度は処置後2日または3日までコントロール動物において認められた排出速度より遅くなった。遅延処置(汚染7日後)による排泄増強の促進はそれほど顕著ではなかった;しかし、いずれかのHOPOリガンドでの処置後7日間で認められた排出速度は、コントロール動物で認められた排出速度に依然として匹敵するかまたはそれより速かった。3,4,3−LI(1,2−HOPO)は全ての時点で5−LIO(Me−3,2−HOPO)より非常に良好な有効性を示していた一方で、排出速度も両リガンド間で著しく異なっていた:処置後24時間以内に認められたリガンドの最初の即効作用を過ぎると、5−LIO(Me−3,2−HOPO)は3,4,3−LI(1,2−HOPO)またはDTPAと対照的に有意な持続作用を示さなかった。図4に示した累積排泄パターンは、これらの相違を視覚的に明示している。16時間と7日間との間の処置時点について、DTPAの持続作用は処置後数日間にわたって明らかで、排泄パターンは曲線状であり、処置後4日目まで5−LIO(Me−3,2−HOPO)と類似の(1ケースではさらに高い)排泄レベルに到達した。同様に、3,4,3−LI(1,2−HOPO)の長期有効性はこの研究の7日の排泄物回収期間にわたって明らかであり、3,4,3−LI(1,2−HOPO)が最も有効なだけでなく、238Pu汚染を最も迅速に減少させる処置選択肢でもあることが明らかとなった。
各キレート化処置についての糞便中および尿中の毎日の排泄率も試験し、図5に示す。これらのパネルは、DTPA処置と異なり、汚染後の処理時間と無関係に、3,4,3−LI(1,2−HOPO)および5−LIO(Me−3,2−HOPO)の両方が主に胆汁経路によって系統的に排泄を増強し、尿中成分は微量でしかなかったことを示す。汚染から1時間後、5時間後、16時間後、24時間後、3日後、または7日後における単回の3,4,3−LI(1,2−HOPO)(AおよびB)、5−LIO(Me−3,2−HOPO)(CおよびD)、DTPA(EおよびF)、または食塩水(GおよびH)での遅延ipキレート化処置後の糞便中(左側のパネルA、C、E、G)および尿中(右側のパネルB、D、F、H)の238Puの毎日の排出量。若年成体雌スイス・ウェブスターマウスにクエン酸プルトニウム(238Pu)をiv注射し;汚染から1時間後、5時間後、16時間後、24時間後、3日後、または7日後に食塩水または処置(3,4,3−LI(1,2−HOPO)(30μmol/kg)、5−LIO(Me−3,2−HOPO)(100μmol/kg)、またはCa−DTPA(30μmol/kg))を用いてip投与を行い;処置7日後にマウスを安楽死させた。各々5匹のマウス群の排出物を毎日プールした。データを群回収排泄量から計算するので、標準偏差は利用できない。
3.2予防的な非経口または経口のキレート化処置
汚染の1時間前と48時間前との間に予防的にマウスを処置するこの研究のために、汚染3日後の238Puの体内総含有量および分布の結果を統計解析に供し、図6に示す。図6のパネルAに示すように、5−LIO(Me−3,2−HOPO)またはDTPAの非経口投与は、非常に短い予防時間枠(それぞれ、1時間および6時間)で238Puの身体負荷量および組織負荷量を有意に低下させて有効であった。対照的に、3,4,3−LI(1,2−HOPO)は、汚染48時間前に1回注射した場合でさえ、顕著な予防活性を示した(図6のパネルB)。全ての動物は、3,4,3−LI(1,2−HOPO)で非経口処置した群が、対応する食塩水処置群およびDTPA処置群と比較して、全身、骨格、肝臓、軟部組織、および腎臓内の238Pu含有量を非常に有意に低下させることを示した。予想通り、体外排出有効性は、処置と汚染との間の遅延の増大に伴って減少した。それにもかかわらず、汚染48時間前の3,4,3−LI(1,2−HOPO)注射後に認められた有効性レベル(3日以内の50%までの238Puの排出)は、予防時間枠をさらに拡大することができることも示唆している。経口投与後の3,4,3−LI(1,2−HOPO)および5−LIO(Me−3,2−HOPO)の予防有効性も調べた(図6のパネルC)。6時間の予防時間枠においていずれかのリガンドで処置した群は、食塩水コントロール群と比較して、全身、骨格、および肝臓の238Pu含有量の有意な低下を示した。しかし、3,4,3−LI(1,2−HOPO)の経口生物学的利用能の低さは、より早期の処置に関する体外排出有効性の欠如を反映していた。
上述のとおり、図6は、単回予防的キレート化処置を先行して実施した、汚染事象から3日後の238Puの体内総含有量および分布を示す。若年成体雌スイス・ウェブスターマウスにクエン酸プルトニウム(238Pu)をiv注射し;汚染の1時間前、6時間前、16時間前、24時間前、30時間前、40時間前、または48時間前に食塩水または処置(3,4,3−LI(1,2−HOPO)(30μmol/kg ipまたは100μmol/kg po)、5−LIO(Me−3,2−HOPO)(100μmol/kg ipまたは200μmol/kg po)、またはCa−DTPA(30μmol/kg ip))をip(5−LIO(Me−3,2−HOPO)およびDTPAについてはAならびに3,4,3−LI(1,2−HOPO)についてはB)またはpo(C)投与し;汚染から3日後にマウスを安楽死させた。データを、各々5匹のマウス群についての注射した238Pu線量の百分率(%ID、平均±SD)として示した。コントロールマウスよりも保持が有意に低い群をまたは**(p<0.05またはp<0.01、事後ダネット多重比較検定を使用した一元配置ANOVA)によって示し、一方、Ca−DTPA処置マウスより保持が有意に低い群をまたは##(p<0.05またはp<0.01、事後テューキーHSD多重比較検定を使用した一元配置ANOVA)によって示す。パネルBでは、全ての個別の組織含有量のバーに**##(−1時間〜−24時間)または**(−30時間〜−48時間)を示すべきであるが、明確にするために記号を省略した。
最後に、非経口または経口の3,4,3−LI(1,2−HOPO)の予防的投与後の糞便中および尿中の毎日の排出量を図7に示す。全てのパネルは、汚染後1日目を超えると排出増強が急速に喪失することを示す。1つを除いた全ての処置レジメンについて、238Pu排泄も主に糞便中である。しかし、汚染直前(−1時間の時点)の3,4,3−LI(1,2−HOPO)での非経口処置の場合、尿中に検出された238Puレベルは、糞便中排出量の3倍高かった。図7中の結果について、若年成体雌スイス・ウェブスターマウスにクエン酸プルトニウム(238Pu)をiv注射し;汚染の1時間前、6時間前、16時間前、24時間前、30時間前、40時間前、または48時間前に3,4,3−LI(1,2−HOPO)(30μmol/kg ipまたは100μmol/kg po)をipまたはpo投与し;汚染から3日後にマウスを安楽死させた。各々5匹のマウス群の排出物を毎日プールした。データを群回収排泄量から計算するので、標準偏差は利用できない。
実施例2
GBCAからのGd放出レベルの決定を目的としたヒトおよび動物における最近の研究は、主に、Gd検出に最適な方法としてMR画像化を使用して行われていた。MRIは非侵襲性の技術である一方で、分解能の増強は主にGdをキレート化した場合に達成され、このキレート化によって水素−プロトン緩和時間が短縮され、遊離Gdの検出感度が制限される。より以前の少数の研究では、マウスおよびラットにおける放射性標識GBCAの生体内分布、測定精度の改善、およびGd放出の予想範囲よりも広いことの証明について記載している。しかし、これらの研究は、γカウンティングによって検出される低エネルギーγ放射体である153Gd同位体を使用していた。ここでは、α放出体148Gdを使用する。次いで、この148Gdを、公開されたプロトコールにしたがった液体シンチレーションカウンティング(感度が遥かに高い方法)によって検出する。さらに、放射性トレーサの決定とMR測定との組み合わせにより、本発明者らは確実にin vivoで遊離Gdをキレート化Gdと区別することができる。最後に、高親和性キレーター3,4,3−LI(1,2−HOPO)へのアクセスにより、任意の他の既存のおよび利用可能なリガンドと比類のない体外排出が見込まれる。
遊離148Gdおよびキレート化148Gdを注射した樹立マウスモデルにおいて比較非臨床試験を行う。これらの試験の目的は、3,4,3−LI(1,2−HOPO)によるGdのin vivo除去を決定することおよびGBCA MR画像強調に及ぼす予防的3,4,3−LI(1,2−HOPO)の影響を決定することである。以下の各試験について、排泄物および数種の組織を回収および解析して、金属レベルを決定する。使用される技術的方法の詳細の大部分は公開されており、リガンド溶液、動物、動物への注射手順、剖検手順、排泄物の回収、試料調製、放射能分析、およびデータ管理が含まれる。動物コントロール群を含むベースライン試験も行う。一連の試験は、以下の異なる化学的形態下でのGdの投与前または投与後のスイス・ウェブスターマウスからの148Gdの排出速度を増加させる3,4,3−LI(1,2−HOPO)の効力を調べる:遊離イオンを模倣するためのクエン酸溶液の形態または直鎖DTPA−BMA(ガドジアミド)リガンドもしくは大環状DO3A(ガドテラート)リガンドのいずれかとのキレート化形態。注射したGBCAの有効性に及ぼす3,4,3−LI(1,2−HOPO)処置の影響を調べるためのMR画像も取得する。実験手順の詳細を、以下に記載する。
検査システム:若年成体スイス・ウェブスターマウス。3,4,3−LI(1,2−HOPO)を使用して以前に実施された放射性核種の体外排出有効性研究の大多数は、実験用マウスを用いて行われていた。マウスはより大きな哺乳類についての適切な小規模急性モデルであるので、代謝研究および毒性研究のために一般にマウスが使用されている。Puの代謝およびキレート作用がこの動物で既に研究されているが、考慮すべき他の要因も存在していたので、マウスを一部で使用した。予備調査のために選択した動物は、若年成体雌スイス・ウェブスターマウス(サイズが安定しており、且つ挙動が従順な非近交系統)であった。11〜15週齢で体重が30±3gのマウスを使用した。その年齢で、マウスの骨格はほぼ成熟しており、長骨は最大長の98%に達していた。成熟した骨格を有する動物モデルは、骨リモデリングの程度および範囲に関して成人とさらに酷似している。キレート化治療の結果の解釈において重要な考慮事項が存在し、この考慮事項は、骨格などの部位における金属生物動力学および沈着動力学に有意に影響を及ぼす。放射性トレーサを使用した金属キレート剤研究に特有の最後の重要な利点は、放射能で汚染された廃棄物の生成が遥かに少量であることである。
試験チャレンジ:クエン酸塩と錯体を形成した148GdであるDTPA−BMA(ガドジアミド)またはDO3A(ガドテラート)。Gd3+イオンは、その化学的形態に依存して、異なる生物動力学を示し得る。したがって、有効性試験における考慮事項のパラメータおよび変数には、適切なコントロール群および比較群を含むべきである。DTPA−BMAは、最も低いGd錯体の安定度定数の1つを示し、且つ観察される脳への沈着の大部分をもたらす直鎖薬剤であり、DO3Aは、最も安定な大環状キレーターの1つであるので、ガドジアミドおよびガドテラートを基準GBCAとして使用する。金属溶液を、臨床的に関連するGBCA用量レベルを模倣するために公開されたプロトコールにしたがって製剤化し、静脈内注射によって雌若年成体スイス・ウェブスターマウスに投与する。可溶性放射性トレーサの系統的注射は、高度に再現性のある同位体負荷を用いて動物を汚染させることが示されており、これは、正確な様式でキレート剤の有効性を評価するのに重要である。148Gdを、米国エネルギー省国立アイソトープ開発センターから商業的に得る。全てのリガンドおよび造影剤は市販されている。表1は、研究デザインをまとめている。
処置レジメン。Gdの汚染前または汚染後の24時間から1時間の範囲の8つの時点で、キレーター3,4,3−LI(1,2−HOPO)を用いた処置を、非経口(腹腔内−ip−注射)または経口(po、胃挿管)で施行する。非経口および経口の両処置レジメンは、金属汚染の24時間後から開始する複数の投与レジメンにおけるアクチニドの体外排出について最適化されている。選択された非経口および経口の用量レベル(それぞれ、100μmol/kgおよび600μmol/kg)は、この特定のマウスモデルを使用した以前の最適化研究に基づいている。表1にまとめたように、各148Gd形態試験のために、72匹の雌および72匹の雄の動物を、18処置群のうちの1つに無作為に割り当てる(4匹/群、脊椎動物使用の項に提供される統計的正当化(statistical justification))。マウスを、尿および糞便の分離を容易にするための吸収性の低灰分ペレット化セルロース床敷を敷き詰めた使い捨てのストックケージに群ごとに収容する。これらの試験における全ての動物を、健康への有害な作用についてモニタリングし、Gd注射の72時間後に安楽死させる。尿および糞便を、汚染から剖検まで毎日回収する。完全な剖検を行い、全ての試料を熱処理および化学的処理、ならびに液体シンチレーションカウンティングによるその後の分析のために回収する。
エンドポイントおよび成功基準。有効性は、体外排出剤の投与後の種々の時点での糞便および/または尿を介した放射性トレーサの排出の直接測定に基づき得る。動物有効性試験においてキレート剤の投与後に金属含有量が減少すると、一般的にGd毒性が防止されたと解釈される。これらの予防的有効性試験では、金属体外排出有効性を、汚染から72時間後の単一の時点での放射性トレーサの排出の直接測定に基づいて評価する。首尾の良い体外排出を、コントロール群(汚染動物およびビヒクル処置動物が含まれる)と比較した放射性トレーサの体内含有量の有意な減少および身体排出の有意な増加と特徴づける。Gd注射後の4時間の範囲における予防的3,4,3−LI(1,2−HOPO)で処置した群(MR画像に及ぼす3,4,3−LI(1,2−HOPO)の影響を調べるため)および剖検直前の群(MR画像を放射性核種分布の結果と相関させるため)についてMR画像化を行う。
したがって、これらの試験により、Gdについての3,4,3−LI(1,2−HOPO)の潜在的な体外排出有効性の明確な証拠が提供される。体外排出剤としての3,4,3−LI(1,2−HOPO)の適応を、Gdを含めるために拡大する。
実施例3
Gdを含むMRI造影剤を受ける予定の被験体を同定する。被験体は、重篤な腎臓機能障害を有する。被験体に、有効な予防量の3,4,3−LI(1,2−HOPO)(1マイクロモル/Kgと1000マイクロモル/Kgとの間)を投与し、次いで、ある量のGd系MRI造影剤を受ける。MRIから2日後の被験体におけるGd造影剤の量は、被験体がキレート剤を投与されなかった場合より低い。
実施例4
Gdを含むMRI造影剤(constrast agent)を受ける予定の被験体を同定する。被験体に、Gd系MRI造影剤を投与する。投与から7日以内に、有効量の3,4,3−LI(1,2−HOPO)を被験体に投与する。その後の数日にわたる被験体内のGd造影剤の量は、被験体がキレート剤を受けなかった場合より低い。
実施例5
鉛、スズ、カドミウム、スカンジウム、およびイットリウムのうちの1つが含まれる重金属に曝露する可能性がある環境におかれる予定の被験体を同定する。被験体に、有効な予防量の3,4,3−LI(1,2−HOPO)(1マイクロモル/Kgと1000マイクロモル/Kgとの間)を投与する。次いで、被験体は、その後2日以内は、重金属をキレート化して被験体から排泄する能力が増強された状態で重金属への曝露に直面し得る。
実施例6
ガドリニウム、鉛、スズ、および/またはカドミウムに曝露されている被験体を同定する。被験体に、有効量の3,4,3−LI(1,2−HOPO)(1マイクロモル/Kgと1000マイクロモル/Kgとの間)を投与する。その後数日間にわたる被験体内のガドリニウム、鉛、スズ、および/またはカドミウムの量は、被験体がキレート剤を受けなかった場合より低い。代わりに、被験体がガドリニウム、鉛、スズ、および/またはカドミウムに曝露されてから1、2、3、4、5、6、または7日後に3,4,3−LI(1,2−HOPO)を投与することができる。
実施例7
環境汚染由来の鉛に慢性的に曝露されている被験体を同定する。被験体に、有効量の3,4,3−LI(1,2−HOPO)(1マイクロモル/Kgと1000マイクロモル/Kgとの間)を投与する。必要な場合、キレート剤をくり返し投与する。その後数日間にわたる被験体内の鉛の量は、被験体がキレート剤を受けなかった場合より低い。
実施例8
過去にGdを使用した1回または複数回のMRIスキャンを受けた被験体を同定する。被験体に、有効量の3,4,3−LI(1,2−HOPO)(1マイクロモル/Kgと1000マイクロモル/Kgとの間)を、1用量または複数用量投与する。その後数日間にわたる被験体内のGdの量は、被験体がキレート剤を受けなかった場合より低い。
実施例9
本実施例は、種々の分子(3,4,3−LI(1,2−HOPO)およびDTPAが含まれる)の金属除去有効性の評価である。試験した計画(arrangements)(化合物、汚染前または汚染後に、どのくらいの量、どのくらいの期間、化合物が投与されたなど)の概要を、表9.1に示す。
表9.1中の種々の試験計画の結果を、図8A〜8Qに詳述する。データを回収線量の百分率(%RD)としてプロットし、動物全体および特定組織の同位体含有量を固有の時点(金属チャレンジ後の4日間)で決定する一方で、排泄物を剖検まで毎日決定する。結果から、予防的および曝露後の両方で注射した場合に、マウスからのGd−153の除去において3,4,3−LI(1,2−HOPO)の有効性が証明された。実際に、予防的に24時間までに投与された用量でさえ、高く且つほぼ定量的レベルで体外排出された。曝露から48時間も遅延して投与した場合、3,4,3−LI(1,2−HOPO)は、Gd−153除去に非常に有効であり、曝露からたった1時間後にDTPAで処置する場合と類似のGd−153の除去量であった。3,4,3−LI(1,2−HOPO)は、腎臓からのGd−153の除去がDTPAより有効であり、これは、腎臓機能障害などの状態を事前に有する患者には重要な特徴である。3,4,3−LI(1,2−HOPO)の排泄経路がほぼ独占的に糞便排泄経路であることもDTPA(尿中)のそれと顕著に異なる。3,4,3−LI(1,2−HOPO)のさらなる有意な利点の1つは、骨格からGd−153を除去する能力である。図8A〜8Cは、結果の総括を示す。図8Dは、身体対排泄物における回収線量の比較分析を示す。図8E〜8Pは、組織の種類毎(脳(図8E)、胸腺(図8F)、心臓(図8G)、肺(図8H)、脾臓(図8I)、腎臓(図8J)、腹部残存組織(ART、図8K)、全ての他の軟部組織(SOFT、図8L)、肝臓(図8M)、および骨格(SKEL、図8N)が含まれる)の分析を示す。図8Oおよび8Pは、剖検時の総尿中排泄および糞便中排泄を示す。図8Qは、毎日の排泄物を示す。種々の図を通して認められるように、Gdへの曝露前および曝露後の両方でGdを体外排出することができる。
本発明をその好ましい特定の実施形態と併せて記載しているが、前述の説明は例示を意図しており、本発明の範囲を制限することを意図していないと理解すべきである。本発明の範囲内の他の態様、利点、および修正は、本発明が属する分野の当業者に自明である。
本明細書中で言及した全ての特許、特許出願、および刊行物は、その全体が本明細書中で参考として援用される。

Claims (23)

  1. 被験体の重金属曝露を処置する方法であって、治療有効量の、1,2−HOPOキレート剤を含む薬学的組成物を、過剰量の、ガドリニウム、鉛、スズ、イットリウム、スカンジウム、またはカドミウムのうち1つまたは複数を有する被験体に投与するステップを含み、ここで、投与するステップにより、該被験体から該量のガドリニウム、鉛、スズ、またはカドミウムが体外排出されるか、排除されるか、または減少する、方法。
  2. 前記被験体が、1種または複数種のアクチニドおよび/もしくはランタニド、またはその混合物に曝露、接触、または汚染されている、請求項1に記載の方法。
  3. 前記投与ステップにより、前記被験体の1つまたは複数の系または器官から前記量のアクチニドおよび/もしくはランタニド、またはその両方が体外排出されるか、排除されるか、または減少する、請求項1に記載の方法。
  4. 前記1,2−HOPOキレート剤が、構造:

    (式中、
    Rは、ヒドロキシ基または
    であり、
    およびRは、H、−−CH、−−CHCH、および−−CH−−φからなる群から選択され、Xは、水素、アルカリ金属イオン、または第四級アンモニウムイオンのいずれかである)によって定義される、請求項1に記載の方法。
  5. 前記1,2−HOPOキレート剤が、

    、および
    (式中、l、m、およびnは、1と20との間の整数である)からなる群から選択される1つの分子によって定義される、請求項1に記載の方法。
  6. mが3である、請求項5に記載の方法。
  7. nが4である、請求項5に記載の方法。
  8. lおよびnが3であり、mが4である、請求項5に記載の方法。
  9. 前記1,2−HOPOキレート剤が3,4,3−LI−1,2−HOPOである、請求項1に記載の方法。
  10. 前記被験体が、過剰量の、ガドリニウム、鉛、イットリウム、スカンジウム、カドミウム、またはスズのうち1つまたは複数を有する、請求項1に記載の方法。
  11. 被験体の金属曝露を予防的に処置する方法であって、治療有効量の、1,2−HOPOキレート剤を含む薬学的組成物を被験体に投与するステップを含む、方法。
  12. 前記1,2−HOPOキレート剤が3,4,3−LI−1,2−HOPOである、請求項11に記載の方法。
  13. 前記金属が重金属である、請求項11に記載の方法。
  14. 前記重金属が、ガドリニウム、鉛、スズ、カドミウム、イットリウム、スカンジウム、およびプルトニウムからなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
  15. 前記金属が、アクチニド、ランタニド、またはその混合物である、請求項14に記載の方法。
  16. MRI造影剤を被験体に投与する前または後に1,2−HOPOキレート剤を該被験体に投与するステップを含む方法。
  17. 前記被験体が、前記MRI造影剤を受ける予定である被験体と確認される、請求項16に記載の方法。
  18. 前記造影剤がGdを含む、請求項16に記載の方法。
  19. 造影剤の量が100〜600μmol/kgである、請求項18に記載の方法。
  20. 前記被験体が前記MRI造影剤を受ける前に、前記1,2−HOPOキレート剤を投与する、請求項16に記載の方法。
  21. 前記被験体が前記MRI造影剤を受けた後に、前記1,2−HOPOキレート剤を投与する、請求項16に記載の方法。
  22. 前記1,2−HOPOキレート剤が3,4,3−LI−1,2−HOPOである、請求項16に記載の方法。
  23. 前記被験体が重篤な腎臓機能障害を有する、請求項16に記載の方法。
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