JP2019513683A - 選択的マイクロ波加熱および能動冷却を用いてガラス積層板を熱的に焼き戻す方法 - Google Patents

選択的マイクロ波加熱および能動冷却を用いてガラス積層板を熱的に焼き戻す方法 Download PDF

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Abstract

コア層とコア層の両側に融合させたクラッド層とを含むガラス積層板を熱的に焼き戻すシステムおよび方法であって、ガラス積層板をコア層の焼鈍点と軟化点との間の温度に予熱するステップと、ガラス積層板を能動的に冷却すると共に、マイクロ波放射を用いてガラス積層板を選択的に加熱して、コア層とクラッド層との間に少なくとも約30℃の温度差を発生させるようにするステップと、を含む方法。

Description

優先権
本出願は、2016年4月18日に出願された米国仮特許出願第62/323941号に対する優先権の利益を主張するものであり、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本開示は、選択的マイクロ波加熱および能動冷却を用いてガラス積層板を熱的に焼き戻すシステムおよび方法に関する。
熱的焼き戻し、積層およびイオン交換は、ガラスを強化するための3つの周知の方法である。能動加熱をガラスに適用した後に急速冷却を行う場合、熱的焼き戻しが生じる。有効な圧縮応力を生じさせることによってガラスを強化するために、急速冷却を用いることができる。しかし、ガラスの厚さが減少すると圧縮応力も減少するが、このことによって熱的焼き戻しの有効性が限定される可能性がある。
コアの熱膨張係数(CTE)が合わせガラスのクラッドのものより大きい場合に表面圧縮応力が得られる、薄く、平坦なガラスを形成するための積層板融合プロセスが開発されてきた。合わせガラスの応力プロファイルはクラッド層およびコア層内で基本的に平坦であり、層の応力深さはクラッド厚さによって決定される。コア層とクラッド層の間の非常に大きなCTEの不一致は、クラッド層上の高圧縮応力を達成するために有益であり得る。しかし、他の望ましい特性と組み合わせて非常に大きなCTEの不一致を有するコアおよびクラッドの対を開発することは困難である可能性がある。したがって、非常に高い表面圧縮応力を達成する能力は限定される可能性がある。
したがって、合わせガラス、特に薄い合わせガラスを強化する、改良された方法の必要性がある。
本明細書において、合わせガラス物品を強化するためのシステムおよび方法が開示される。
各種実施形態によれば、コア層と前記コア層に融合させたクラッド層とを含むガラス積層板を熱的に焼き戻す方法であって、前記ガラス積層板を前記コア層の焼鈍点と軟化点との間の温度に予熱することと、前記ガラス積層板にマイクロ波放射を印加して、前記コア層が前記クラッド層よりも多くの前記マイクロ波放射を吸収するようにすることと、前記マイクロ波放射を印加すると共に前記ガラス積層板の外表面を冷却して、前記コア層の中心と前記ガラス積層板の前記外表面との間に少なくとも約30℃の温度差を発生させることと、を含む方法が提供される。
各種実施形態によれば、コア層と前記コア層の両側に融合させたクラッド層とを含むガラス積層板を熱的に焼き戻す方法であって、前記コア層が、前記コア層の焼鈍点と軟化点との間の温度範囲内で前記クラッド層のマイクロ波損失正接よりも少なくとも5倍大きいマイクロ波損失正接を有し、前記ガラス積層板を前記温度範囲内の温度に予熱することと、前記ガラス積層板にマイクロ波放射を印加して、前記コア層が前記クラッド層よりも多くの前記マイクロ波放射を吸収するようにすることと、前記マイクロ波放射の前記印加の間に前記ガラス積層板の表面を冷却して、前記ガラス積層板の前記表面において約100W/m℃から約700W/m℃の範囲に及ぶ熱伝達係数を発生させることと、を含む方法が提供される。
追加的な特徴および効果は、以下の発明を実施するための形態に記載され、部分的には、その記載から当業者にとって直ちに明らかであるか、または、以下の発明を実施するための形態と、特許請求の範囲と、添付の図面とを含む、本明細書に記載される通りの実施形態を実施することによって認識されるであろう。
前述の一般的な記載と以下の詳細な説明との両方は、単に例示的なものに過ぎず、特許請求の範囲の本質および特徴を理解するための概要または枠組みを提供することを意図するものであることを理解すべきである。添付の図面は、さらなる理解を提供するために含まれるものであって、本明細書の一部に組み込まれ、かつ本明細書の一部を構成するものである。図面は、1つ以上の実施形態を示すものであって、その記載と共に各種実施形態の原理および操作を説明する役割を果たすものである。
本開示の各種実施形態にかかる例示的なガラス融合プロセスを示す。 本開示の各種実施形態にかかる例示的なガラス積層板の断面図である。 本開示の各種実施形態にかかる、例示的なガラス積層板のマイクロ波吸収層のマイクロ波損失正接(tanδ)とマイクロ波透明層のマイクロ波損失正接(tanδ)とを示すグラフである。 本開示の各種実施形態にかかる、ガラス積層板を熱的に焼き戻すための例示的なシステムを示す概略図である。 本開示の各種実施形態にかかる、ガラス積層板を熱的に焼き戻すための別の例示的なシステムを示す概略図である。 本開示の各種実施形態にかかる、マイクロ波放射および能動冷却を用いてガラス積層板を熱的に焼き戻す例示的な方法を示すブロック図である。 本開示の各種実施形態にかかる、高アルカリガラスおよび低アルカリガラスについての測定損失正接データを示すグラフである。 本開示の各種実施形態にかかる、例示的なガラス積層板のコアからの距離に応じた、印加されたマイクロ波エネルギー(30GHzにおいて5KW)の抵抗損失をモデル化したグラフである。 本開示の各種実施形態にかかる、予熱、マイクロ波の印加、および強制対流冷却の条件の下で例示的なガラス積層板に印加されたマイクロ波エネルギー(175GHzにおいて5KW)の抵抗損失をモデル化したグラフである。 本開示の各種実施形態にかかる、予熱、マイクロ波の印加、および強制対流の初期条件の下におけるマイクロ波エネルギー(175GHzにおける5KW)の印加の間の例示的なガラス積層板の中心と表面との間の温度変化をモデル化したグラフである。 本開示の各種実施形態にかかる、各種のマイクロ波源設定値およびコア誘電特性についての例示的なガラス積層板の中心から表面までの温度変化量ΔΤをモデル化したグラフである。 本開示の各種実施形態にかかる、異なる熱伝達係数hにおける、マイクロ波コア層加熱による場合とよらない場合の、例示的なガラス積層板の表面からコアまでの温度変化量ΔΤをモデル化したグラフである。 本開示の各種実施形態にかかる、例示的なガラス積層板を700℃に均一に予熱した後、0.5秒間、異なる量のマイクロ波放射により加熱された例示的なガラス積層板の中心からの距離に対する温度をモデル化したグラフである。 本開示の各種実施形態にかかる、0.9mmのコア層と、0.1mmのクラッド層または0.05mmのクラッド層のいずれかを有する例示的なガラス積層板の、経時的なコアから表面までの温度変化量ΔΤをモデル化したグラフである。 本開示の各種実施形態にかかる、各種の量のマイクロ波エネルギーが印加された例示的なガラス積層板についての中心から表面までの温度変化量ΔΤをモデル化したグラフである。
ここで、添付の図面に示される例示的な実施形態を詳細に参照する。可能な場合はいつでも、図面の全体にわたって、同一または同種の部分を参照するために同一の参照符号が用いられる。図面の構成要素は、必ずしも一定の比率というわけではなく、それよりも、例示的な実施形態の原理を示すことに重点が置かれる。
本明細書で用いられる場合、「約」という用語は、量、大きさ、定式化、パラメータならびに他の量および特性が正確でないか、正確である必要がないが、所望により、近似の、および/または、より大きいもしくはより小さい反射許容差、変換係数、丸め、測定誤差および同種のもの、ならびに当業者に知られている他の因子であってよいことを意味する。概して、量、大きさ、定式化、パラメータまたは他の量もしくは特性は、明示的にそのようであると述べられるか否かにかかわらず、「約」または「およそ」である。
本明細書で用いられる場合、「または」という用語は包含的であり、すなわち、「AまたはB」という句は、「A、BまたはAおよびBの両方」を意味する。本明細書において、排他的な「または」は、例えば、「AまたはBのいずれか」などの用語によって称される。また、本明細書に示される範囲は、明示的に別段の定めをした場合を除き、それらの両端を含む。さらに、量、濃度または他の値もしくはパラメータが、範囲、1つ以上の好ましい範囲、または高い方の好ましい値と低い方の好ましい値との一覧として与えられる場合、任意の高い方の範囲限界または好ましい値と任意の低い方の範囲限界または好ましい値との任意の対から形成される全ての範囲を、そのような対が別々に記載されるかどうかにかかわらず、具体的に開示するものとして理解すべきである。本発明の範囲は、範囲を定義する場合に列挙される特定の値に限定されない。本明細書において、「クラッド」および「コア」という用語は、相対的な用語である。
各種実施形態によれば、能動的にガラス積層板を冷却すると共にマイクロ波放射を用いてコア層を選択的に加熱することによってガラス積層板を熱的に焼き戻す方法が提供される。前記方法は、薄いガラスの表面上の著しくより大きい圧縮応力を生じさせることが可能であり、非常に薄いガラス積層板の有効な熱的焼き戻しを可能にすることができる。
各種実施形態によれば、合わせガラスの厚さにわたる温度を従来の方法よりも正確に制御するマイクロ波熱的焼き戻し方法が提供される。特に、合わせガラスの中心と表面との間で比較的大きい温度の差異が達成され、それによって、合わせガラスの表面層上の圧縮応力の増加が生じる。
図1は、例示的な積層板融合板引きプロセスを示す断面図であり、図2は、図1のプロセスを用いて形成され得る例示的なガラス積層板10の断面図である。図1のプロセスの詳細は、例えば、米国特許第4,214,886号、米国特許第7,207,193号、米国特許第7,414,001号、米国特許第7,430,880号、米国特許第7,681,414号、米国特許第7,685,840号、米国特許第7,818,980号、国際公開第2004094321号および米国特許公開第2009/0217705号の各明細書を含む本技術分野における利用可能な教示から直ちに収集することができる。しかし、本開示は、ガラス積層板を形成するいかなる特定の方法にも限定されるものではない。
図1および2を参照すると、例示的な積層板融合プロセスにおいて、溶融外層ガラスは、上部イソパイプ20からあふれ出て、底部イソパイプ30の堰レベルにおけるコアガラスと溶け込む。2つの側面が結合し、コア層14とクラッド層12とを含む3層の平坦なガラス積層板10がコアイソパイプのルート部で形成する。ガラス積層板10は、板形状および応力管理のためのいくつかの熱的区域を通過することが可能であり、次いで、板引きの底部で切断される。得られた平坦なガラス積層板10は、携帯デバイスやTVカバーガラスなどの用途のための三次元形状を有するように、さらに処理することができる。なお、いくつかの例において、クラッド層12は、仕上げられた積層板の最外側層でなくてもよい。いくつかの実施形態において、コア層14とクラッド層12との間の界面は、例えば、接着剤、コーティング層や、それぞれのクラッド層をコア層に接着するように添加または構成された任意の非ガラス材料などのいずれの結合材料も含まない。したがって、クラッド層12は、コア層14に直接融合されるか、またはコア層と直接隣接する。いくつかの実施形態において、ガラス積層板は、コア層とクラッド層との間に設けられた拡散層を含む。例えば、拡散層は、拡散層に隣接した各層の構成要素を含む混合領域(例えば、2つの直接隣接するガラス層の間の混合領域)であることができる。
本開示の各種実施形態によれば、ガラス積層板10は、コア層14またはクラッド層12の内の1つ以上であってよいマイクロ波吸収層と、吸収層の選択によって決定される通りのコア層14またはクラッド層12の内の1つ以上のいずれかであるマイクロ波透明層とを含む。例えば、本開示にしたがって作製されるガラス積層板は、マイクロ波透明外層の間に挟まれたマイクロ波吸収コア層を含んでもよい。例示だけの目的のために、それに限定されるものではないが、コア層14は、本明細書においてマイクロ波吸収層と称され、クラッド層12は、本明細書においてマイクロ波透明層と称される。ガラス積層板10は、1枚の合わせガラスを1つ以上の部分に切断することによって形成してもよい。すなわち、ガラス積層板は、非溶融状態であってもよい。
本明細書におけるマイクロ波「吸収」層または材料、およびマイクロ波「透明」層または材料に対する参照は、マイクロ波エネルギーの100%の吸収または伝送を必要とするためになされるべきではない。むしろ、前記用語は、「吸収」層/材料が「透明」層/材料よりも少ないマイクロ波放射を伝送し、逆もまた同じであるように、本明細書において相対的意味で利用される。例えば、ガラス積層板の示差加熱を容易にするために、マイクロ波吸収層は、少なくとも1つ以上の温度点で、マイクロ波透明クラッド層の損失正接(tanδ)より少なくとも5倍大きいマイクロ波損失正接(tanδ)を有することができる。
実際には、損失正接(tanδ)が、広い温度範囲にわたって損失正接(tanδ)よりも少なくとも5倍大きいことを確保することが有益であるかもしれない。ガラスの損失正接(tanδ)は、比誘電率で割った誘電損失の因子と定義され、ガラス内における電磁エネルギーの放散を定量するガラスのパラメータである。概して、比較的高いマイクロ波損失正接(tanδ)を有するガラスは、比較的大きな量のマイクロ波エネルギーを吸収することになるが、比較的低いマイクロ波損失正接(tanδ)を有するガラスは、比較的少ない量のマイクロ波エネルギーを吸収することになる。本明細書において、特定の温度範囲を有する所定の温度のガラス積層板内の2つの異なる材料のそれぞれの損失正接の間の差は、ガラス積層板10の損失正接差と称される。
本開示の実施形態により有用なマイクロ波吸収ガラス組成は、高いアルカリ含有量を有するものなど、本質的にマイクロ波吸収性であってもよいか、またはガラス組成への特定のマイクロ波吸収成分の組み込みによってマイクロ波吸収性にされてもよい。同様に、本開示の実施形態により有用なマイクロ波透明ガラス組成は、本質的にマイクロ波に透明であってもよいか、またはマイクロ波透明性を高めるように選択された成分の添加によって透明にされてもよい。本開示の概念は、特定のガラス組成に限定されるものではない。
各種実施形態によれば、例示的なガラス積層板10のクラッド層12の一方または両方は、マイクロ波放射に対して実質的に透明であってもよく、例示的なガラス積層板10のコア層14は、マイクロ波放射を吸収するように構成されてもよい。一例として、一方または両方のクラッド層12は、比較的低いアルカリ含有量を有してもよく、コア層14は、比較的高いアルカリ含有量を有してもよい。例えば、クラッド層12の一方または両方は、アルカリ金属を実質的に含まなくてもよいか、(例えば、約0.1モル%未満を含んでもよいか)、または全く含まない。
図3は、本開示の各種実施形態にかかる、例示的なガラス積層板のマイクロ波吸収層のマイクロ波損失正接(tanδ)とマイクロ波透明層のマイクロ波損失正接(tanδ)とを示すグラフである。図3を参照すると、マイクロ波吸収層の損失正接(tanδ)は、示された温度範囲全体にわたってマイクロ波透明層の損失正接(tanδ)よりも少なくとも5倍大きいことが示される。実際、損失正接(tanδ)は、図3に示される温度範囲の大部分にわたって損失正接(tanδ)よりも10倍大きいことが示される。さらに、図3は、損失正接(tanδ)と(tanδ)との間の差が、約600℃から約800℃の範囲にわたる温度で最も高いことを示す。
マイクロ波加熱は、反射空洞内の電磁界分布に曝露された材料によるマイクロ波エネルギーの吸収の結果である。それは、以下の式1を用いて決定され得る単位体積当たりの電力吸収Pに基づく:
Figure 2019513683
式1において、|E|は内部電界の大きさであり、ε”effは比実効誘電損率であり、εは自由空間の誘電率であり、fはマイクロ波振動数であり、σは総電気伝導率であり、ε’は比誘電率であり、tanδは損失正接(所定の量のエネルギーを保存するために必要なエネルギー損失)である。
温度と振動数との関数としてのガラスの誘電特性は、ガラスのマイクロ波処理にとって重要である。式1から分かるように、誘電特性は、材料によって吸収される電力の大きさにおいて著しい役割を果たす。吸収されるマイクロ波電力の大部分は、式2に示されるように、材料内で熱に変換される:
Figure 2019513683
式2において、Tは温度であり、tは時間であり、ρは密度であり、Cは熱容量であり、一方で残りの変数は、式1に定義される通りである。式2は、加熱速度がガラスの損失正接に正比例することを示す。このことは、積層ガラス板のマイクロ波吸収層の加熱速度が、そのマイクロ波透明層のものよりも非常に高いことを意味する。
誘電特性は、以下の式3を用いて決定され得る、マイクロ波が材料内に透過する深さを決定する際の重要なパラメータでもある:
Figure 2019513683
式3において、Dは、入射電力が半分に減少する透過の深さであり、λはマイクロ波波長であり、一方で残りの変数は、式1および2に定義される通りである。式3から分かるように、tanδおよびε’の値が大きくなればなるほど、特定の波長についての透過の深さは小さくなる。透過の深さは、材料の全体にわたる加熱の均一性を決定するので重要である。高振動数および誘電特性の大きい値は表面加熱をもたらし、低振動数および誘電特性の小さい値はより大きな容積加熱をもたらす。
本開示にしたがってガラス積層板を作製するために、この選択的マイクロ波加熱手法を用いて、マイクロ波吸収層の所定の領域において非常に局所的に熱を発生させてもよい。他の領域がマイクロ波放射に対して比較的透明であるガラスを含むので、このように印加されるエネルギーの量を慎重に制御し、集中させることができる。さらに、マイクロ波吸収層は、マイクロ波透明層よりも急速に加熱される。このように、用いられるエネルギーを減少させることが可能であり、サイクル時間を短くすることが可能であり、最終積層ガラス板の機械的性質およびその他の性質を各種の要件および用途に適合させて、最適化することができる。
各種実施形態によれば、マイクロ波放射および能動冷却を用いてガラス積層板を熱的に焼き戻すためのシステムおよび方法が提供される。特に、マイクロ波放射をマイクロ波吸収コア層に選択的に印加してもよく、一方で同時にまたは実質的に同時に能動冷却をクラッド層に適用して、合わせガラス板内に温度勾配を形成することができるようにしてもよい。
図4Aは、本開示の各種実施形態にかかる、ガラス積層板10を熱的に焼き戻すための例示的なシステムを示す概略図である。ガラス積層板10は、非溶融状態にある間に焼き戻してもよい。図4Aを参照すると、前記システムは、マイクロ波筐体100と、第1のマイクロ波源110と、第2のマイクロ波源112と、第1の冷却器120と、第2の冷却器122とを含んでもよい。各種実施形態において、1つ以上の別個のガラス積層板10のバッチ焼き戻しを行うために前記システムを構成してもよい。
筐体100は、金属(例えば、銅)や同種のものなどのマイクロ波反射材料で裏打ちされてもよいか、または作製されてもよい。したがって、筐体100は、ガラス積層板10に印加されるマイクロ波放射の漏出を防ぐように構成されてもよい。
マイクロ波源110、112は、筐体100の両側上に設けてもよい。例えば、マイクロ波源110、112は、筐体100の上面および底面上に設けてもよい。マイクロ波源110、112は、筐体100内に設けられたガラス積層板10の方へその両面からマイクロ波放射を方向づけるように構成されてもよい。例えば、マイクロ波源110、112は、筐体100の外側にまたは上に設けられた1つ以上のマイクロ波発生器からガラス積層板10の方へマイクロ波放射を導くように構成されたマイクロ波導波管であってもよい。別の場合、マイクロ波源110、112は、マイクロ波発生器およびマイクロ波導波管を含んでもよい。
マイクロ波源110、112は、マイクロ波領域(例えば、1〜300GHz)内の任意の振動数を有するマイクロ波放射を提供するように構成されてもよい。例えば、マイクロ波源110、112は、約0.3から約300GHz、約50から約300GHz、約100から約300GHz、または約175から約300GHzの範囲に及ぶ振動数を有するマイクロ波放射を提供するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、振動数は、約30から約175GHzの範囲に及んでもよい。いくつかの実施形態によれば、そして以下で考察されるように、マイクロ波吸収層のより一様な加熱(例えば、空洞共鳴の低下)の提供のため、より高いマイクロ波振動数、例えば約175から約300GHzが好ましい可能性がある。マイクロ波放射の電力レベルは、約2から約15kW、例えば、約2.5から約10kWの範囲に及んでもよい。
冷却器120、122は、ガラス積層板10の両側を支持し、かつ/または能動的に冷却するように構成されてもよい。冷却器120、122は、マイクロ波放射に対して実質的に透明である材料から形成されてもよい。いくつかの実施形態において、冷却器120、122は、アルミナ、溶融石英、ポリテトラフルオロエチレンまたは同種のものから形成されてもよい。例えば、冷却器120、122は、セラミック材料から形成される空気軸受でもよい。冷却器120、122は、ガラス積層板10を対流的に冷却するためにガラス積層板10の両側上へ冷却空気を流す(例えば、強制対流を発生させる)ように構成されてもよい。しかし、本開示は、いかなる特定の型の冷却装置にも限定されるものではない。
能動冷却によって、冷却速度は、自然対流と比較して非常に高いという結果になってもよい。強制対流は、熱がコア14からクラッド層12の外表面まで伝達され得るよりも急速にガラス積層板10の表面を冷却するように作用することによって、ガラス積層板10の厚さを通して温度勾配を生じさせるが、それは、ガラス積層板10内に圧縮応力を発生させるために用いることができる。例えば、約100から約700W/m℃の範囲に及ぶ対流熱伝達係数をガラス積層板10に適用してもよい。しかし、他の実施形態において、最高1000W/m℃の対流熱伝達係数を適用してもよい。
前記システムは、所望により予熱器130を含んでもよい。予熱器130は、ガラス積層板10を予熱するように構成された第1および第2の熱源140、142を含んでもよい。特に、熱源140、142は、一様にガラス積層板10を加熱するための赤外線熱源、対流熱源または伝導熱源として構成されてもよい。しかし、本開示は、いかなる特定の型の熱源にも限定されるものではない。
アルカリガラスの温度が増加するにつれて、アルカリガラスのマイクロ波損失正接は増加する可能性がある。このことは、温度が高くなるとガラス内におけるアルカリ金属の運動の自由が増大するためである可能性がある。したがって、予熱器130は、マイクロ波放射がより効率的に吸収される(例えば、マイクロ波吸収層に連結される)温度にガラス積層板10を予熱することによってシステムの効率性を向上させるために用いてもよい。例えば、予熱器130は、コア層14の焼鈍点(例えば、ガラスが1013.18ポアズの粘度を有する温度)と軟化点(例えば、ガラスが107.6ポアズの粘度を有する温度)との間の温度にガラス積層板10を予熱するように構成されてもよい。予熱後、焼き戻しのためのマイクロ波筐体100へガラス積層板10を搬送してもよい。
図4Bは、本開示の各種実施形態にかかる、ガラス積層板10を熱的に焼き戻すための別の例示的なシステムを示す概略図である。図4Bのシステムは図4Aのシステムと同様であり、よって、それらの間の差異だけを詳細に考察する。
図4Bを参照すると、前記システムは、仕切り156によって分離される第1のチャンバ152と第2のチャンバ154とを含む筐体150を含む。各種実施形態において、ガラス積層板10はガラスリボンの形態であってもよく、前記システムは、ガラスリボン10が前記システムを通して送られる際にガラスリボンを連続的に焼き戻すために構成されてもよい。第1のチャンバ152は、ガラス積層板10を予熱するように構成されてもよく、第2のチャンバ154は、ガラス積層板10を焼き戻すように構成されてもよい。第1および第2のチャンバ152、154の間にガラス積層板10を搬送して、予熱と熱的処理との間の時間を減少させることができるようにしてもよい。仕切り156は、マイクロ波および/または赤外線放射を遮断するように構成されてもよい。
図5は、本開示の各種実施形態にかかる、マイクロ波放射および能動冷却を用いてガラス積層板を熱的に焼き戻す方法を示すブロック図である。図5を参照して、ステップ500でガラス積層板を予熱してもよい。特に、コア層の焼鈍点と軟化点との間の温度にガラス積層板を均一に予熱してもよい。各種実施形態において、例えば、クラッド層の焼鈍点がコア層の焼鈍点よりも高い場合、クラッド層の焼鈍点と軟化点との間の温度にガラス積層板を均一に予熱してもよい。
例えば、ステップ500は、約550℃から約900℃、例えば、約600から約750℃や、約600℃から約700℃の範囲に及ぶ温度にガラス積層板を均一に予熱することを含んでもよい。しかし、予熱温度は、コア層および/またはクラッド層の組成に応じて変化する可能性がある。本明細書において、「均一に予熱すること」は、ガラス積層板の全ての層を実質的に同じ温度、例えば、互いの約5℃または10℃の範囲内に加熱する加熱プロセスを指す。
いくつかの実施形態において、マイクロ波放射を用いて予熱を行ってもよい。しかし、他の実施形態において、赤外熱源、対流熱源、伝導熱源などの非マイクロ波熱源を用いて、ステップ500の予熱を行ってもよい。特に、そのような熱源は、室温のガラス積層板などの相対的に冷たいガラス積層板をより一様におよび/または効率的に加熱してもよい。
ステップ502において、予熱されたガラス積層板にマイクロ波放射を印加して、コア層とクラッド層との間に温度勾配を確立するようにしてもよい。例えば、ガラス積層板の両側にマイクロ波放射を印加してもよい。コア層はクラッド層よりも高いマイクロ波損失正接を有するので、コア層はマイクロ波放射の内のより多くを吸収する可能性があり、したがって、コア層とクラッド層との間に温度勾配が確立される可能性がある。
例えば、いくつかの実施形態において、マイクロ波放射は、クラッド層よりも高い温度にコアを選択的に加熱して、その間で温度勾配を確立するように構成されてもよい。他の例示的な実施形態において、マイクロ波放射は、クラッド層が冷える一方で、コア層の温度を維持して、その間で温度勾配を確立するように構成されてもよい。他の例示的な実施形態において、マイクロ波放射は、コア層がクラッド層よりも遅い速度で冷えて、その間で温度勾配を確立するように構成されてもよい。
マイクロ波放射は、約1から約300GHz、約50から約300GHz、約100から約300GHz、または約175から約300GHzの範囲に及ぶ振動数を有してもよい。いくつかの実施形態において、振動数は、約30から約175GHzの範囲に及んでもよい。マイクロ波放射の電力レベルは、約2から約15kW、例えば、約2.5から約10kWの範囲に及んでもよい。
ステップ502は、ガラス積層板を能動的に冷却することも含んでもよい。特に、能動冷却およびマイクロ波加熱を同時に行ってもよい。能動冷却は、約100から約700W/m℃、例えば、約200から約650W/m℃、または約400から約600W/m℃の範囲に及ぶ、ガラス積層板の表面における熱伝達係数(「h」)を発生させてもよい。いくつかの実施形態において、能動冷却は、クラッド層を対流的に冷却するために、クラッド層の表面に冷却空気を供給することを含んでもよい。他の実施形態において、能動冷却は、冷却された不活性ガス(例えば、Heや同種のものなどの希ガス)をクラッド層の表面に供給することを含んでもよい。
マイクロ波加熱および能動冷却は、約2秒から約10秒の範囲に及ぶ時間以上、継続してもよい。例えば、マイクロ波加熱は、約2.5から約8秒、約3から約7.5秒、または約3から約6秒の範囲に及ぶ時間、継続してもよい。ガラス積層板がコア層の歪み点および/またはクラッド層の歪み点を下回るまで冷却されるまで、能動冷却およびマイクロ波加熱を適用してもよい。他の実施形態において、マイクロ波加熱および能動冷却は、ガラス基板が平衡温度に達するまで継続してもよい。いくつかの実施形態において、コア層の中心とクラッド層の表面との間で特定の温度差が確立されたならば、マイクロ波加熱を停止してもよく、能動冷却を継続してもよい。例えば、能動冷却は、ガラス積層板が室温に達するまで継続してもよい。他の例示的な実施形態において、能動冷却の間、所望の温度勾配を維持するように、マイクロ波放射の電力および/または振動数を徐々に低下させてもよい。
したがって、マイクロ波加熱および能動冷却の組み合わせによって、コア層とクラッド層との間に温度差を発生させてもよい。各種実施形態において、温度差は、コア層および/またはクラッド層の厚さに応じて少なくとも約30℃、約45℃または約50℃に達してもよい。例えば、マイクロ波放射および能動冷却は、約30℃から約80℃、約45℃から約75℃、例えば、約52℃から約66℃、または約52℃から約55℃の範囲に及ぶ最高温度差を発生させるように構成されてもよい。例えば、約0.7mmの厚さを有するガラス積層板は、約35℃から約45℃の範囲に及ぶ温度差を有してもよい。約1.0mmの厚さを有するガラス積層板は、約50℃から約67℃の範囲に及ぶ温度差を有してもよい。
温度差の大きさは、コア層およびクラッド層のマイクロ波損失正接、コア層およびクラッド層の厚さ、ガラス積層板の全厚、コア層およびクラッド層の厚さの比、マイクロ波放射の電力レベル、マイクロ波放射の振動数、および/またはガラス積層板の表面で発生した熱伝達係数(「h」)などの各種因子に依存する。
各種実施形態によれば、図4A、4Bおよび5のシステムおよび方法など、本開示のマイクロ波熱的焼き戻しシステムおよび方法は、コア層と単一のクラッド層とを有するガラス積層板に適用してもよい。そのような実施形態において、システムおよび方法は、ガラス積層板のクラッド側上においてガラス積層板の反対側と比較してより高い圧縮応力を提供する可能性がある非対称性熱的焼き戻しをもたらす可能性がある。
図6は、Corning Incorporated(ニューヨーク州コーニング)からCorning Gorilla(登録商標)ガラスとして入手可能なアルカリアルミノケイ酸ガラスと、Corning Incorporated(ニューヨーク州コーニング)からCorning(登録商標) Eagle2000(商標)ガラスとして入手可能なアルカリ土類ホウ素−アルミノケイ酸ガラスとについての測定損失正接データ(上記式2で定義される、所定の量のエネルギーを保存するために必要とされるエネルギー損失)を示すグラフである。グラフは、マイクロ波振動数の効果も示す。測定値は、空胴摂動法を用いて得られた。図6に示されるように、試験された全振動数において、GorillaガラスとEagle2000ガラスとの間に最高で2桁の大きさの損失正接の差が存在する。損失正接の差は、温度の増加と共に増加する。したがって、図6は、アルカリを実質的に含まないか、またはアルカリを全く含まないガラス層、およびアルカリ金属を含むガラス層を含むガラス積層板について、アルカリを実質的に含まないか、またはアルカリを全く含まない層内においてほとんどエネルギー吸収がないアルカリ含有層を選択的に加熱するために、マイクロ波放射を用いることができることを示す。
図7は、本開示の各種実施形態にかかる、1mmの厚さの例示的なガラス積層板のコアからの距離に応じた、印加されたマイクロ波エネルギー(30GHzにおいて5kW)の抵抗損失をモデル化したグラフである。グラフは、700℃に均一に予熱され、かつ、「Gorilla」ガラス(登録商標)の0.9mmの厚さコア層と「Eagle2000」(商標)ガラスの2つの対向する0.05mmの厚さのクラッド層とを含む例示的なガラス積層板に基づくものである。マイクロ波放射の印加は、例示的なガラス積層板の両側にマイクロ波放射を印加するように構成された2つのマイクロ波源の使用に基づく。マイクロ波の印加の間、500W/m℃の実効熱伝達係数で、例示的なガラス積層板の両側の表面に強制対流冷却を適用する。
図7を参照すると、約0.45mmにおける抵抗損失の低下は、コア層とクラッド層との間の界面と一致する。したがって、コア層は、クラッド層と比較して、そのより高い損失正接および対応するより高いマイクロ波吸収速度のために優先的に加熱される可能性があることが分かる。
図8は、本開示の各種実施形態にかかる、上記の予熱、マイクロ波の印加、および強制対流冷却の条件の下で1mmの厚さの例示的なガラス積層板に印加されたマイクロ波エネルギー(175GHzにおいて5kW)の抵抗損失をモデル化したグラフである。図8を参照すると、コア層は、そのより高い損失正接のために優先的に加熱されることを示す。約0.45mmにおける低下は、コア層とクラッド層との間の界面と一致する。さらに、より高い振動数(すなわち、30GHzと比較して175GHz)のマイクロ波放射の使用は、著しくより高い抵抗損失(例えば、より高い熱発生)をもたらした。コア層における2つのピークは、コア層がマイクロ波場のための共振空洞として作用することを示す。
図9は、本開示の各種実施形態にかかる、上記の予熱、マイクロ波の印加、および強制対流の初期条件の下におけるマイクロ波エネルギー(175GHzにおける5kW)の印加の間の、図7に関して記載されている寸法を有する例示的なガラス積層板の中心と表面との間の温度変化をモデル化したグラフである。図9を参照すると、線900は、ガラス積層板の中心の温度を表し、線902は、ガラス積層板の表面の温度を表す。表面は、クラッド層よりも多くのマイクロ波放射を吸収するコア層のために、例示的なガラス積層板の中心よりも急速に冷えることが分かる。
図10は、本開示の各種実施形態にかかる、各種のマイクロ波源設定値およびコア誘電特性についての、図7に関して記載されている通りの寸法を有する例示的なガラス積層板の中心から表面までの温度変化量ΔΤをモデル化したグラフである。図10を参照すると、線1000は、マイクロ波加熱が行われない場合の温度変化量を表し、線1002は、175GHzにおける5kWのマイクロ波加熱についての温度変化量を表し、線1004は、175GHzおよび1.5×マイクロ波損失正接における5kWのマイクロ波加熱についての温度変化量を表し、線1006は、175GHzおよび1.5×マイクロ波損失正接における10kWのマイクロ波加熱についての温度変化量を表す。1.5×マイクロ波損失正接は、ガラス誘電率の損失成分の50%の増加に相当する。いくつかの実施形態、および図10において、1.5×損失正接は、tanδ=0.0195に相当する。
線1000、すなわち、マイクロ波加熱に曝露させなかった例示的なガラス積層板に示されるように、温度差は、1秒未満で最高43℃に達し、約7.5秒で速やかに0に低下する。マイクロ波加熱を行った線1002から1006に示されるように、より高い温度変化量ΔΤに達する可能性があり、より長い期間持続する可能性もある。
例えば、線1002および1004は、5kWのマイクロ波電力を用いる場合、ピーク温度変化量ΔΤは約52℃であることを示す。このことは、マイクロ波加熱を行わずに対流冷却のみによって熱的焼き戻しを行う場合(線1000)と比較して、温度差が20%超増加することを表す。線1006に示されるように、マイクロ波電力が10kWに増加した場合、コアの損失正接は50%増加し、中心と表面との間のピーク温度変化量ΔΤは約65℃である。このより高い温度変化量ΔΤは、熱的焼き戻し応力の予想外の増加を提供する可能性がある。
図11は、本開示の各種実施形態にかかる、異なる表面熱伝達係数hにおける、マイクロ波加熱による場合とよらない場合の、図7に関して記載されている通りの寸法を有する例示的なガラス積層板の表面からコアまでの温度変化量ΔΤをモデル化したグラフである。グラフは、700℃に一様に予熱される例示的なガラス積層板に基づく。図11を参照すると、線1100は、マイクロ波加熱を行わず、表面熱伝達係数hが500m℃である場合の温度変化量を表し、線1102は、マイクロ波加熱を行わず、表面熱伝達係数hが800m℃である場合の温度変化量を表し、線1104は、マイクロ波加熱を行わず、表面熱伝達係数hが1000m℃の場合の温度変化量を表し、線1106は、174GHzで10kWのマイクロ波源を用いた、表面熱伝達係数hが500m℃である場合の温度変化量を表す。
線1106は、表面を冷却して500W/m℃の熱伝達係数hを生じさせると共に10kWで175GHzのマイクロ波源によりガラス積層板を加熱することによって、コア層のマイクロ波加熱を行わずに1000W/m℃の熱伝達係数hを適用する(線1104)場合と同じピーク温度差を達成することができることを示す。1000W/m℃の熱伝達係数hは、達成することが非常に困難である可能性がある。したがって、本明細書に記載されるマイクロ波加熱は、そのような高い表面冷却速度の達成を必要とすることなく温度差の増加を可能にすることができる。マイクロ波加熱を印加する場合の平衡温度差が、マイクロ波加熱を印加しない場合の平衡温度差と比較して大きい点にも留意する必要があるが、このことによって、より長い時間ガラス積層板のコアと表面との間の温度差を維持することができるので、追加的な利益を提供することができる(図10、11参照)。
図12は、本開示の各種実施形態にかかる、例示的なガラス積層板を700℃に均一に予熱した後、0.5秒間、異なる量のマイクロ波放射により加熱された、図7に関して記載される通りの寸法を有する例示的なガラス積層板の中心からの距離に対する温度をモデル化したグラフである。線1200は、マイクロ波加熱を行わない場合を表し、線1202は、175GHzで5kWのマイクロ波源による、名目上の損失正接におけるマイクロ波加熱を表し、線1204は、175GHzで5kWのマイクロ波源による、1.5×マイクロ波損失正接におけるマイクロ波加熱を表し、線1206は、175GHzで10kWのマイクロ波源による、1.5×マイクロ波損失正接におけるマイクロ波加熱を表す。
図12において分かるように、マイクロ波放射によって加熱された例示的なガラス積層板は、マイクロ波放射によって加熱されなかった例示的なガラス積層板と比較して、非常により高い温度および温度勾配を示す。より高い温度勾配によって、焼き戻し応力の増加が可能になるので、図12は、マイクロ波放射の印加によって焼き戻し応力の増加の利益が提供されることを示す。
図13は、本開示の各種実施形態にかかる、異なるクラッド厚さを有する場合を除く、図7に関して記載される通りの例示的なガラス積層板についての、経時的なコアから表面までの温度変化量ΔΤをモデル化したグラフである。175GHzで2.5kWのマイクロ波源によってガラス積層板を加熱した。線1300は、0.05mmの厚さのクラッド層についての温度変化量を表し、線1302は、0.1mmの厚さのクラッド層についての温度変化量を表す。図13に示されるように、クラッド層の厚さを増加させることによって、経時的にΔΤが増加した。さらに、線1302は、2.5kWの比較的低いマイクロ波電力でも、0.1mmのクラッド層を有する例示的なガラス積層板において、大きいΔΤが達成される可能性があることを示すことを注記しておく。
熱的焼き戻しにおける応力プロファイルを正確に推定するためには、液体状態から固体状態にガラスを冷却する場合の応力緩和について考えなければならない。このプロセスは非常に複雑であり、温度を伴う材料特性が必要である。図10から12のモデルから得られた結果は、マイクロ波加熱を印加する場合におけるガラス内のより大きい温度勾配を示す。そのことは、マイクロ波電力をオンにすると実効熱伝達係数が2倍になる可能性があるという点で、図11において示される通りの冷却速度の増加としてみなされる可能性がある。本明細書において、実効熱伝達係数は、マイクロ波加熱を適用しない場合にコア層とクラッド層との間で同じ温度差を達成するために充分な熱伝達係数に相当する。
より高い冷却速度は、より高い表面圧縮応力を提供する。中心/表面温度差の増加によって表面圧縮応力におけるほぼ直線的な利益を得ることができるということが期待される。実効熱伝達係数が400W/mKから1000W/mKに増加すると、圧縮応力は、おおよそ50%増加することが期待される(図11参照)。
0.7mm以下の厚さを有する薄いガラス物品内において温度勾配を発生させることは困難である可能性がある。しかし、本開示は、0.7mm以下の厚さ、例えば、約0.3mmから約0.7mmの範囲に及ぶ厚さを有するガラス積層板を熱的に焼き戻すために適用してもよい。本開示は、0.7mmを超える厚さを有するガラス積層板にも適用してもよい。
図14は、本開示の各種実施形態にかかる、各種の量のマイクロ波エネルギーが印加された例示的なガラス積層板についての中心から表面までの温度変化量ΔΤをモデル化したグラフである。グラフは、0.7mmの全厚と、0.6mmのコア層厚さと、0.05mmのクラッド層厚さとを有する、700℃に予熱された例示的なガラス積層板に基づくものである。予熱後、500W/mKの対流熱伝達係数が適用される。線1400は、マイクロ波加熱を行わない場合の温度変化量を表し、線1402は、175GHzで5kWのマイクロ波源についての温度変化量を表し、線1404は、175GHzで8kWのマイクロ波源についての温度変化量を表し、線1406は、175GHzで10kWのマイクロ波源についての温度変化量を表す。
図14に示されるように、マイクロ波放射のより高い電力レベルは、著しいΔΤの増加を提供した。特に、ピークΔΤ差は、マイクロ波加熱を印加しない場合(線1400)は27℃から、10kWの電力レベルによる175GHzにおけるマイクロ波加熱を印加する場合(線1406)は45℃超に増えた。すなわち、マイクロ波加熱は、ピークΔΤの67%の増加を提供することを示す。
再び図2を参照すると、各種実施形態によれば、ガラス積層板10のための上記のマイクロ波吸収特性に加えて、コア層14は、クラッド層12よりも高い熱膨張係数(CTE)を有してもよい。例えば、クラッド層12は、Eagle2000ガラスから形成されてもよく、コア層14は、Gorillaガラスから形成されてもよい。しかし、本開示は、いかなる特定のガラス組成にも限定されるものではない。
Gorillaガラスは、例えば、約900℃から約912℃の範囲に及ぶ軟化点と、約628℃から約646℃の範囲に及ぶ焼鈍点と、約574℃から約596℃の範囲に及ぶ歪み点とを有してもよい。Eagle2000ガラスは、約971℃の軟化点と、約722℃の焼鈍点と、約669℃の歪み点とを有してもよい。
各種実施形態において、コア層14の両側にクラッド層12を融合してもよい。ガラス積層板10を切断してガラス物品を形成してもよい。
いくつかの実施形態において、ガラス積層板10は、少なくとも約0.1mm、少なくとも約0.5mm、少なくとも約1.0mm、少なくとも約2.0mm、または少なくとも約3.0mmの厚さを有してもよい。例えば、ガラス積層板10は、約0.2mmから約5mm、約1mmから約5mm、または約1.5mmから約4mmの厚さを有してもよい。
いくつかの実施形態において、ガラス積層板10の厚さに対するコア層14の厚さの比は、少なくとも約0.7、少なくとも約0.8、少なくとも約0.85、少なくとも約0.9、または少なくとも約0.95である。いくつかの実施形態において、第2の層の厚さ(例えば、クラッド層12の各々)は、約0.01mmから約0.3mmである。いくつかの実施形態において、クラッド層12の各々はコア層14よりも薄い。
各種実施形態によれば、クラッド層12は、マイクロ波放射に対して実質的に透明であってもよく、コア層14は、マイクロ波放射を吸収するように構成されてもよい。特に、クラッド層12は、比較的低いアルカリ含有量を有してもよく、コア層14は、比較的高いアルカリ含有量を有してもよい。例えば、クラッド層12は、アルカリ金属を実質的に含まなくてもよい(例えば、約0.1モル%未満含んでもよい)か、または全く含まなくてもよい。
いくつかの実施形態において、クラッド層12のガラス組成は、コア層14のガラス組成よりも異なる平均熱膨張係数(CTE)を含む。例えば、クラッド層12は、コア層14よりも低い平均CTEを有するガラス組成から形成されてもよい。CTEの不一致(すなわち、クラッド層12の平均CTEとコア層14の平均CTEとの間の差)によって、ガラス積層板10の冷却の際、および本明細書に記載される通りの任意の熱的焼き戻しの前に、クラッド層12内における圧縮応力とコア層14内における引張応力との形成が生じる。本明細書で用いられる場合、「平均熱膨張係数」または「平均CTE」という用語は、0℃と300℃との間の所定の材料または層の平均線熱膨張係数を指す。本明細書で用いられる場合、「熱膨張係数」または「CTE」という用語は、特に明記しない限り、平均熱膨張係数を指す。CTEは、例えば、ASTM E228“Standard Test Method for Linear Thermal Expansion of Solid Materials With a Push−Rod Dilatometer”またはISO7991:1987“Glass−−Determination of coefficient of mean linear thermal expansion”に記載されている手法を用いて決定することができる。
いくつかの実施形態において、コア層14のCTEとクラッド層12のCTEとは、少なくとも約1×10−7−1、少なくとも約2×10−7−1、少なくとも約3×10−7−1、少なくとも約4×10−7−1、少なくとも約5×10−7−1、少なくとも約10×10−7−1、少なくとも約15×10−7−1、少なくとも約20×10−7−1、少なくとも約25×10−7−1、少なくとも約30×10−7−1、少なくとも約35×10−7−1、少なくとも約40×10−7−1、または少なくとも約45×10−7−1異なる。追加的にまたは代替的に、コア層14のCTEとクラッド層12のCTEとは、多くても約100×10−7−1、多くても約75×10−7−1、多くても約50×10−7−1、多くても約40×10−7−1、多くても約30×10−7−1、多くても約20×10−7−1、多くても約10×10−7−1、多くても約9×10−7−1、多くても約8×10−7−1、多くても約7×10−7−1、多くても約6×10−7−1、または多くても約5×10−7−1異なる。例えば、いくつかの実施形態において、コア層14のCTEとクラッド層12のCTEとは、約1×10−7−1から約10×10−7−1、または約1×10−7−1から約5×10−7−1異なる。いくつかの実施形態において、クラッド層12は、多くても約90×10−7−1、多くても約89×10−7−1、多くても約88×10−7−1、多くても約80×10−7−1、多くても約70×10−7−1、多くても約60×10−7−1、多くても約50×10−7−1、多くても約40×10−7−1、または多くても約35×10−7−1のCTEを含む。追加的にまたは代替的に、クラッド層12は、少なくとも約10×10−7−1、少なくとも約15×10−7−1、少なくとも約25×10−7−1、少なくとも約30×10−7−1、少なくとも約40×10−7−1、少なくとも約50×10−7−1、少なくとも約60×10−7−1、少なくとも約70×10−7−1、少なくとも約80×10−7−1、または少なくとも約85×10−7−1のCTEを含む。追加的にまたは代替的に、コア層14は、少なくとも約40×10−7−1、少なくとも約50×10−7−1、少なくとも約55×10−7−1、少なくとも約65×10−7−1、少なくとも約70×10−7−1、少なくとも約80×10−7−1、または少なくとも約90×10−7−1のCTEを含む。追加的にまたは代替的に、コア層14は、多くても約120×10−7−1、多くても約110×10−7−1、多くても約100×10−7−1、多くても約90×10−7−1、多くても約75×10−7−1、または多くても約70×10−7−1のCTEを含む。
各種実施形態において、ガラス層の相対的な厚さは、所望の強度特性を有するガラス物品を達成するように選択することができる。例えば、いくつかの実施形態において、コア層14およびクラッド層12のガラス組成は、所望のCTE不一致を達成するように選択され、ガラス層の相対的な厚さは、所望のCTE不一致と組み合わせて、クラッド層内の所望の圧縮応力とコア層内の引張応力とを達成するように選択される。
いかなる理論によっても束縛されることを望むものではないが、ガラス物品の強度プロファイルは、主にガラス層の相対的な厚さとクラッド層内の圧縮応力とによって決定することができ、ガラス物品の破壊パターンは、主にガラス層の相対的な厚さとコア層内の引張応力とによって決定することができると考えられる。したがって、ガラス層のガラス組成および相対的な厚さは、所望の強度プロファイルおよび/または破壊パターンを有するガラス物品を達成するように選択することができる。
いくつかの実施形態において、コア14とクラッド層12との間のCTE不一致は、マイクロ波加熱および能動冷却と組み合わせて、ガラス積層板10の表面において圧縮応力を予想外に増加させるように作用してもよい。例えば、クラッド層12の圧縮応力は、多くても約800MPa、多くても約500MPa、多くても約350MPa、または多くても約150MPaであってもよい。追加的にまたは代替的に、クラッド層12の圧縮応力は、少なくとも約10MPa、少なくとも約20MPa、少なくとも約30MPa、少なくとも約50MPa、または少なくとも約250MPaである。追加的にまたは代替的に、コア層14の引張応力は、多くても約150MPa、または多くても約100MPaである。追加的にまたは代替的に、コア層14の引張応力は、少なくとも約5MPa、少なくとも約10MPa、少なくとも約25MPa、または少なくとも約50MPaである。
本発明の精神または範囲を逸脱することなく各種の改変および変更を行うことができることは、当業者にとって明らかである。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物を除いて制限されないものとする。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
コア層と前記コア層に融合させたクラッド層とを含むガラス積層板を熱的に焼き戻す方法であって、
前記ガラス積層板を前記コア層の焼鈍点と軟化点との間の温度に予熱するステップと、
前記ガラス積層板にマイクロ波放射を印加して、前記コア層が前記クラッド層よりも多くの前記マイクロ波放射を吸収するようにするステップと、
前記マイクロ波放射を印加すると共に前記ガラス積層板の外表面を冷却して、前記コア層の中心と前記ガラス積層板の前記外表面との間に少なくとも約30℃の温度差を発生させるステップと、
を含む方法。
実施形態2
前記コア層が、所定の温度で、前記クラッド層のマイクロ波損失正接よりも大きいマイクロ波損失正接を有する、実施形態1に記載の方法。
実施形態3
前記ガラス積層板が約1.3mm未満の厚さを有し、
前記温度差が少なくとも約50℃である、実施形態1または2に記載の方法。
実施形態4
前記ガラス積層板が、約0.3mmから約0.7mmの厚さを有し、
前記温度差が、約30℃から約45℃の範囲に及ぶ、実施形態1または2に記載の方法。
実施形態5
前記冷却によって、前記ガラス積層板の前記外表面において、約100W/m℃から約700W/m℃の熱伝達係数が生じる、実施形態1から4のいずれかに記載の方法。
実施形態6
前記冷却によって、前記ガラス積層板の前記外表面において、約400W/m℃から約600W/m℃の熱伝達係数が生じる、実施形態1から5のいずれかに記載の方法。
実施形態7
前記マイクロ波放射の前記印加が、マイクロ波放射を前記ガラス積層板の両側に印加するステップを含む、実施形態1から6のいずれかに記載の方法。
実施形態8
前記マイクロ波放射が、約30GHzから約300GHzの振動数と、約2.5kWから約10kWの電力レベルとを有する、実施形態1から7のいずれかに記載の方法。
実施形態9
前記マイクロ波放射が、約30GHzから約175GHzの振動数と、約2.5kWから約10kWの電力レベルとを有する、実施形態1から8のいずれかに記載の方法。
実施形態10
前記予熱が、非マイクロ波熱源を用いて実質的に同じ温度に前記コア層および前記クラッド層を予熱するステップを含む、実施形態1から9のいずれかに記載の方法。
実施形態11
前記マイクロ波放射の前記印加が、前記ガラス積層板の両側の方へマイクロ波放射を方向づけるように構成されたマイクロ波源を含む筐体内に前記ガラス積層板を設けるステップを含む、実施形態1から10のいずれかに記載の方法。
実施形態12
前記予熱が、筐体の第1のチャンバ内に前記ガラス積層板を設けるステップを含み、前記第1のチャンバが、前記ガラス積層板を予熱するように構成された非マイクロ波熱源を含み、
前記マイクロ波放射の前記印加が、前記筐体の第2のチャンバ内に前記ガラス積層板を設けるステップを含み、前記第2のチャンバが、前記ガラス積層板の両側の方へマイクロ波放射を方向づけるように構成されたマイクロ波源を含み、
前記冷却が、前記ガラス積層板の前記両側上に設けた実質的マイクロ波透明空気軸受を用いて、前記ガラス積層板の前記外表面の方へ冷却流体を方向づけるステップを含む、実施形態1から11のいずれかに記載の方法。
実施形態13
コア層と前記コア層の両側に融合させたクラッド層とを含むガラス積層板を熱的に焼き戻す方法であって、前記コア層が、前記コア層の焼鈍点と軟化点との間の温度範囲内で前記クラッド層のマイクロ波損失正接よりも少なくとも5倍大きいマイクロ波損失正接を有し、
前記ガラス積層板を前記温度範囲内の温度に予熱するステップと、
前記ガラス積層板にマイクロ波放射を印加して、前記コア層が前記クラッド層よりも多くの前記マイクロ波放射を吸収するようにするステップと、
前記マイクロ波放射を印加するステップの間に前記ガラス積層板の表面を冷却して、前記ガラス積層板の前記表面において約100W/m℃から約700W/m℃の熱伝達係数を発生させるステップと、
を含む方法。
実施形態14
前記コア層が、前記温度範囲内の全ての温度で前記クラッド層のマイクロ波損失正接よりも大きいマイクロ波損失正接を有する、実施形態13記載の方法。
実施形態15
前記マイクロ波放射の前記印加と前記冷却とが、前記コア層の中心と前記ガラス積層板の前記表面との間に少なくとも約35℃の温度差を発生させるように構成される、実施形態13または14記載の方法。
実施形態16
前記温度差が、約50℃から約66℃の範囲に及ぶ、実施形態15記載の方法。
実施形態17
前記熱伝達係数が、約400W/m℃から約600W/m℃の範囲に及ぶ、実施形態13から16のいずれかに記載の方法。
実施形態18
前記マイクロ波放射が、約30GHzから約300GHzの振動数と、約2.5kWから約10kWの電力レベルとを有する、実施形態13から17のいずれかに記載の方法。
実施形態19
前記予熱が、非マイクロ波熱源を用いて実質的に同じ温度に前記コア層および前記クラッド層を予熱するステップを含む、実施形態13から18のいずれかに記載の方法。
実施形態20
前記マイクロ波放射の前記印加が、前記ガラス積層板の両側にマイクロ波放射を印加するステップを含み、
前記冷却が、前記ガラス積層板の前記両側上に設けられた実質的マイクロ波透明空気軸受を用いて、前記ガラス積層板の前記表面の方へ冷却流体を方向づけるステップを含む、実施形態13から19のいずれかに記載の方法。
10 ガラス積層板
12 クラッド層
14 コア層
20 上部イソパイプ
30 底部イソパイプ
100 マイクロ波筐体
110 第1のマイクロ波源
112 第2のマイクロ波源
120 第1の冷却器
122 第2の冷却器
130 予熱器
140 第1の熱源
142 第2の熱源
150 筐体
152 第1のチャンバ
154 第2のチャンバ
156 仕切り
900、902、1000、1002、1004、1006、1100、1102、1104、1106、1200、1202、1204、1206、1300、1302、1400、1402、1404、1406 線

Claims (10)

  1. コア層と前記コア層に融合させたクラッド層とを含むガラス積層板を熱的に焼き戻す方法であって、
    前記ガラス積層板を前記コア層の焼鈍点と軟化点との間の温度に予熱するステップと、
    前記ガラス積層板にマイクロ波放射を印加して、前記コア層が前記クラッド層よりも多くの前記マイクロ波放射を吸収するようにするステップと、
    前記マイクロ波放射を印加すると共に前記ガラス積層板の外表面を冷却して、前記コア層の中心と前記ガラス積層板の前記外表面との間に少なくとも約30℃の温度差を発生させるステップと、
    を含む方法。
  2. コア層と前記コア層の両側に融合させたクラッド層とを含むガラス積層板を熱的に焼き戻す方法であって、前記コア層が、前記コア層の焼鈍点と軟化点との間の温度範囲内で前記クラッド層のマイクロ波損失正接よりも少なくとも5倍大きいマイクロ波損失正接を有し、
    前記ガラス積層板を前記温度範囲内の温度に予熱するステップと、
    前記ガラス積層板にマイクロ波放射を印加して、前記コア層が前記クラッド層よりも多くの前記マイクロ波放射を吸収するようにするステップと、
    前記マイクロ波放射を印加するステップの間に前記ガラス積層板の表面を冷却して、前記ガラス積層板の前記表面において約100W/m℃から約700W/m℃の熱伝達係数を発生させるステップと、
    を含む方法。
  3. 前記ガラス積層板が約1.3mm未満の厚さを有し、
    前記温度差が少なくとも約50℃である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記ガラス積層板が、約0.3mmから約0.7mmの厚さを有し、
    前記温度差が、約30℃から約45℃の範囲に及ぶ、請求項1または2に記載の方法。
  5. 前記冷却によって、前記ガラス積層板の前記外表面において、約100W/m℃から約700W/m℃の熱伝達係数が生じる、請求項1から4のいずれか一項記載の方法。
  6. 前記マイクロ波放射の前記印加が、前記ガラス積層板の両側にマイクロ波放射を印加するステップを含む、請求項1から5のいずれかに一項記載の方法。
  7. 前記マイクロ波放射が、約30GHzから約300GHzの振動数と、約2.5kWから約10kWの電力レベルとを有する、請求項1から6のいずれか一項記載の方法。
  8. 前記予熱が、非マイクロ波熱源を用いて実質的に同じ温度に前記コア層および前記クラッド層を加熱するステップを含む、請求項1から7のいずれか一項記載の方法。
  9. 前記マイクロ波放射の前記印加が、前記ガラス積層板の両側の方へマイクロ波放射を方向づけるように構成されたマイクロ波源を含む筐体内に前記ガラス積層板を設けるステップを含む、請求項1から8のいずれか一項記載の方法。
  10. 前記予熱が、筐体の第1のチャンバ内に前記ガラス積層板を設けるステップを含み、前記第1のチャンバが、前記ガラス積層板を予熱するように構成された非マイクロ波熱源を含み、
    前記マイクロ波放射の前記印加が、前記筐体の第2のチャンバ内に前記ガラス積層板を設けるステップを含み、前記第2のチャンバが、前記ガラス積層板の両側の方へマイクロ波放射を方向づけるように構成されたマイクロ波源を含み、
    前記冷却が、前記ガラス積層板の前記両側上に設けた実質的マイクロ波透明空気軸受を用いて、前記ガラス積層板の前記外表面の方へ冷却流体を方向づけるステップを含む、請求項1から9のいずれか一項記載の方法。
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