JP2019509301A - 医薬品 - Google Patents

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Abstract

本発明は、医薬品及び化粧品の分野に属し、一方では色素過剰、特に日光照射、好ましくは可視光照射によって引き起こされる色素過剰の阻害薬に関するもので、化粧品の点においては、またその非治療的使用についても述べる。

Description

本発明は、医薬品及び化粧品の分野に属し、一方では色素過剰、特に日光照射、好ましくは可視光照射によって引き起こされる色素過剰の阻害薬に関するもので、化粧品の点においては、またその非治療的(non-therapeutic)使用についても述べる。
多くの人は、皮膚の色素沈着の程度に関心がある。例えば、しみ又はそばかすを持った人々は、そうした色味がかった点がより目立たなくなることを望み得る。他の人は、日光への曝露によって引き起こされた皮膚の黒ずみを減らし、又は自然の肌の色を明るくすることを望み得る。集中した領域においては、皮膚は通常よりより明るく、又はより暗く見え得る。そのような色素沈着疾患は、体が多すぎる又は少なすぎるメラニンを生産することにより生じ、メラニンは皮膚中のメラノサイトにより生産される色素である。
ヒトの皮膚の色は、第一に基底表皮層中における、色素メラニンの量によって決定される。メラニン色素は、通常、色としては茶色から黒色であり、皮膚中のメラノサイト(色素生産細胞)において形成され、ケラチノサイトに伝達され、皮膚又は髪にその色を与える。ほ乳類においては、茶黒色のユメラニンが、はじめにL−チロシン及びL−DOPAのようなヒドロキシ置換芳香族アミノ酸から形成され、黄色から赤色のフェオメラニンが、含硫黄分子からさらに形成される(Cosmetics and Toiletries 1996, 111(5), 43−51)。L−チロシンから出発し、L−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン(L−DOPA)が銅含有鍵酵素のチロシナーゼによって形成され、次にチロシナーゼによってドーパクロムへと変換される。様々な酵素によって触媒される一連の段階により、ドーパクロムはメラニンを形成するよう酸化される。
皮膚は、基底層中のメラノソムの保持時間により、皮膚の一領域又は一部分にメラニンが集中する場合には、色素過剰となり得る。色素過剰は、また、太陽への過剰な曝露や様々な炎症の刺激の結果によっても生じ得る。増加したメラニン生産は、しばしば黒皮症、肝斑、又は日光黒子(加齢シミ)、日光黒子そばかす(そばかす)、及び色素沈着角化症と称される。黒皮症は、皮膚の黒ずみを表す一般的な用語である。肝斑は、一般的にホルモンによる皮膚の変色を表すのによく使われる。こうしたホルモンの変化は、通常は妊娠や、避妊ピル、又はエストロゲン置き換え療法の結果として生じる。日光黒子とは、太陽によって引き起こされた皮膚の黒ずんだ点を指す。こうした点は、無保護の太陽曝露の長い歴史を伴う成人に、かなり共通してみられる。皮膚の黒ずみ、茶色の点又は退色した部分の最も一般的な原因は無保護の太陽曝露である。最も一般的な皮膚の黒ずみ、茶色の点、又は変色した領域の原因は、無保護の太陽曝露であるが、色素過剰は、傷、外傷、又は発疹などの皮膚ダメージによっても生じ得る。
先行技術は、皮膚美白剤の適用による色素過剰を処置するための道筋を明らかにしている。代表的な皮膚美白剤は、ヒドロキノン及びビタミンCを含む。そのような薬剤は、典型的に、皮膚中のメラニン生成に関与するチロシナーゼ酵素の活動を阻害することで皮膚美白を行う。
例えば、欧州特許第1206241(A1)号は、皮膚美白の方法、例えば、皮膚の色素過剰領域の美白方法、及びある種のオキシム化合物を含む成分による皮膚中のメラニン成分を制御する皮膚美白の方法、に関するものである。
国際公開第12020070号は、メチマゾール誘導体を含む皮膚の脱色素成分について述べるものであって、皮膚色素沈着疾患は、色素過剰、黒皮症、炎症後色素過剰、黒子、そばかす、薬剤誘起色素過剰、光誘起色素過剰、及び化学誘起色素過剰から成る群から選択される。
Duteil L.らの、波長による可視光誘起色素沈着における違い(UVB曝露との比較の臨床的及び歴史的研究)(Pigment Cell Melanoma Res. 27、 822−826、 2014 John Wiley & Sons A/S)によると、可視光の皮膚色素沈着に関する影響についての研究はほとんど行なわれていない。Duteilらは、太陽光スペクトルの可視領域における様々な波長が、皮膚の色素沈着に異なる影響を与えることを示している。
本発明の第一の目的は、それゆえ、日光誘起の、特に可視光誘起の、皮膚領域における色素過剰、特にヒトの皮膚の色素過剰に対する、処置、予防、及び/又は改善に向けた成分、及びそれに関する方法を提供することであった。本発明の別の目的は、この目的に対し相乗効果のある活性な成分の混合物、及び活性な成分の目標とする応用に向けての特別な処方を提供することである。
本発明における第一の目的は、式(I)の少なくとも1つの化合物又は式(I)の化合物の薬学的に許容される塩又はこれらの化合物又はそれらの上記塩の2つ以上を含む混合物を含む、色素過剰の、好ましくは皮膚の色素過剰の、処置(treatment)、予防、及び/又は改善に使用するための医薬品である。
Figure 2019509301
[式中、RはH又はCHを示し、RはH又はCOOHを示す。]
式(I)の化合物は、通常の有機化学のプロセスにより得ることができる基本的に既知の化合物である。好ましくは、式(I)のこれらの化合物は、カルノシン、L−カルノシン、D−カルノシン、D/L−カルノシン、カルシニン、カルシニン塩酸(INCI:デカルボキシカルノシン塩酸)、アンセリン、D−アンセリン、L−アンセリン、並びにL−アンセリン硝酸及びそれらの混合物から成るグループから選択される。好ましいのは、L−カルノシン及び/又はカルシニン塩酸である。
驚くべきことに、式(I)の化合物、特にL−カルノシン及び/又はカルシニン塩酸の混合物又は式(I)の化合物の混合物が、医薬品が適用される皮膚領域における、日光誘起の、特に可視光誘起の色素沈着に、とりわけ医薬品が適用される皮膚領域又は部分における色素沈着の予防、処置及び/又は改善といった点において、影響を与えることが観察されている。
本発明によると、式(I)の化合物の塩は、好ましくは式(I)の化合物と無機酸との塩、特に好ましくは式(II)の塩であると理解される。:
Figure 2019509301
式(II)において、nは1,2,又は3を、AはHCl又はHNOを、RはH又はCHを、RはH又はCOOHを表す。好ましいのは、L−カルノシン及び/又はカルノシンの塩である。
好ましい実施形態において、本発明における医薬品は、色素過剰の処置、予防、及び/又は改善に使用するためのものであり、色素過剰は日光の照射によって引き起こされるもの、好ましくは100nmから1500nmの範囲の波長を伴っているもの、より好ましくは可視光の照射によって引き起こされる色素過剰であって、好ましくは380nmから750nmの範囲の波長、より好ましくは400nmから700nmの範囲の波長を伴うものによって引き起こされるものである。
それゆえ、本発明における意味においては、『色素過剰』は日光誘起の、さらに特には可視光誘起の色素過剰を意味する。
有利には、本発明における医薬品は、前記波長において、特に380nmから750nmの範囲の照射において、より好ましくは400nmから700nmの範囲における照射において、色素過剰の予防、処置、及び/又は改善に、非常に効果的である。
好ましい実施形態において、本発明における医薬品は、さらに少なくとも1つのUV−Aフィルター、UV−Bフィルター及び光保護顔料から成る群から選択されるUVフィルター、を含む。
式(I)の化合物(複数可)とUVフィルターの組み合わせは、相乗的に色素過剰の予防、処置、及び/又は改善を向上させ、そしてそれゆえ、予期せぬ形で式(I)の化合物(複数可)及び従来のUVフィルターのパフォーマンスを向上させる。
UVフィルター
式(I)の化合物、又はその塩のUVフィルターとの混合物は、日光の有害な効果に対する皮膚や髪の保護を相乗的に強化し、そしてそれゆえヒトの皮膚の色素過剰の処置、予防、及び/又は改善に有利である。
さらに、式(I)の化合物(複数可)とUVフィルターとの組み合わせは、耐性良好で、皮膚を赤くしたり、脱色したり、又は焼けを引き起こさず、ヒリヒリさせず、皮膚を乾燥させず、湿った、うろこのようにはげ落ちる、粉状の、又はドロドロとした膜を形成せず、ヒトの皮膚に適用しても皮膚を荒れさせることがない。これらのUVフィルターは、さらに下で説明する、UV−Aフィルター、UV−Bフィルター、顔料又はそれらの混合物であり得る。
UV−A及びUV−Bフィルター
UVフィルターは、例えば、室温で液体又は結晶性の有機物質(光フィルター)で、紫外線を吸収し、吸収したエネルギーを熱のような長波長放出といった形で放出することが可能な有機物質を指すものと理解される。通常、UVフィルターは、量にして0.05重量%〜50重量%及び好ましくは0.5重量%〜40重量%含まれる。UVBフィルターは油溶性又は水溶性であり得る。好適な油溶性物質の例は、以下のものを含む:
・ 3−ベンジリデンカンファー又は3−ベンジリデンノルカンファー及びそれらの誘導体、例えば3−(4−メチルベンジリデン)カンファー、
・ 4−アミノ安息香酸誘導体、好ましくは、4−(ジメチルアミノ)安息香酸−2−エチルヘキシルエステル、4−(ジメチルアミノ)安息香酸−2−オクチルエステル、及び4−(ジメチルアミノ)安息香酸アミルエステル、
・ 桂皮酸エステル、好ましくは4−メトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシルエステル、4−メトキシ桂皮酸−プロピルエステル、4−メトキシ桂皮酸−イソアミルエステル、及び2−シアノ−3,3−フェニル桂皮酸−2−エチルヘキシルエステル(オクトクリレン)、
・ サリチル酸エステル、好ましくはサリチル酸−2−エチルヘキシルエステル、サリチル酸−4−イソプロピルベンジルエステル、及びサリチル酸ホモメンチルエステル、
・ ベンゾフェノン誘導体、好ましくは2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、及び2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
・ ベンジマロン酸エステル、好ましくは4−メトキシベンジルマロン酸ジ−2−エチルヘキシルエステル、
・ トリアジン誘導体、例えば、2,4,6−トリアニリノ−(p−カルボ−2’−エチル−1’−ヘキシルオキシ)−1,3,5−トリアジン、及びオクチルトリアゾン又はオクチルブタミドトリアゾン(Uvasorb(登録商標)HEB)、
・ プロパン−1,3−ジオン、例えば、1−(4−tert−ブチルフェニル)−3−(4’−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン、及び
・ ケトトリシクロ(5.2.1.0)デカン誘導体。
好適な水溶性物質の例は、以下のものを含む:
・ 2−フェニルベンズイミダソール−5−スルホン酸、及びそのアルカリ、アルカリ土類、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウム、及びそれらのグルクアンモニウム塩、
・ 1H−ベンズイミダゾール−4,6−ジスルホン酸、2,2’−(1,4−フェニレン)ビス−ニナトリウム塩(NeoHeliopan(登録商標)AP)、
・ ベンゾフェノンのスルホン酸誘導体、好ましくは2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、及びその塩、
・ 3−ベンジリデンカンファーのスルホン酸誘導体、例えば、4−(2−オキソ−3−ボルニリデンメチル)ベンゼンスルホン酸、2−メチル−5−(2−オキソ−3−ボルニリデン)スルホン酸、及びその塩。
特に好適なUV-Aフィルターの典型的な例は、ベンゾイルメタン誘導体、例えば、1−(4’−tert−ブチルフェニル)−3−(4’−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン、4−tert−ブチル−4’−メトキシ−ジベンゾイルメタン(Parsol(登録商標)1789)、2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)−安息香酸ヘキシルエステル(Uvinul(登録商標) A Plus)、1−フェニル−3−(4’−イソプロピルフェニル)−プロパン−1,3−ジオン、並びにエナミン化合物。もちろん、前記UV-Aフィルター及びUV-Bフィルターはまた混合物としても用いることができる。桂皮酸エステル、好ましくは4−メトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシルエステル及び/又は4−メトキシ桂皮酸−プロピルエステル及び/又は4−メトキシ桂皮酸−イソアミルエステル、との組み合わせにおいて、特に好適な組み合わせは、ベンゾイルメタン誘導体、例えば、4−tert−ブチル−4’−メトキシ−ジベンゾイルメタン(Parsol(登録商標)1789)及び2−シアノ−3,3−フェニル桂皮酸−2−エチルヘキシルエステル(オクトクリレン)から成る。そのような組み合わせは、水溶性フィルター、例えば、2−フェニルベンズイミダソール−5−スルホン酸、及びそのアルカリ、アルカリ土類、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウム、及びそれらのグルクアンモニウム塩、との結びつきに有利である。
好ましい実施形態において、本発明の(化粧又は医薬)品は、少なくとも1つの以下のものから成る群から選択される、さらなるUV吸収物質を含む:
・ 3−(4’−トリメチルアンモニウム)ベンジリデンボルナン−2−オンメチル硫酸エステル
・ サリチル酸ホモメンチルエステル(Neo Heliopan(登録商標)HMS)
・ テレフタリリデンジボルナンスルホン酸及びその塩(Mexoryl(登録商標)SX)
・ 3−(4’−スルホ)ベンジリデンボルナン−2−オン及びその塩
・ 2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシル(Neo Heliopan(登録商標)303)
・ N−[(2及び4)−[2−(オキソボルン−3−イリデン)メチル]ベンジル]アクリルアミドポリマー
・ p−メトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル(Neo Heliopan(登録商標)AV)
・ p−アミノ安息香酸エチル(25mol)エトキシル化
・ p−メトキシ桂皮酸イソアミル(Neo Heliopan(登録商標)E1000)
・ 2−フェニルベンズイミダゾールスルホン酸(Neo Heliopan(登録商標)Hydro)及びその塩
・ 2,4,6−トリアニリノ(p−カルボ−2’−エチルヘキシル−1’−オキシ)−1,3,5−トリアジン(Uvinul(登録商標)T150)
・ フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(2−メチル−3(1,3,3,3−テトラメチル)−1−(トリメチルシリル)オキシ)ジシロキシアニル)プロピル),(Mexoryl(登録商標)XL)
・ 4,4’−[(6−[4−(1,1)−ジメチル)アミノカルボニル)フェニルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)ジイミノ]ビス(安息香酸2−エチルヘキシルエステル),(Uvasorb(登録商標)HEB)
・ 3−(4’−メチルベンジリデン)−d,l−カンファー(Neo Heliopan(登録商標)MBC)
・ サリチル酸2−エチルヘキシル(Neo Heliopan(登録商標)OS)
・ 4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル(Padimate O)
・ 4−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホナート(Benzophenone−4,Sulisobenzone)及びその塩
・ マロン酸ベンジリデン−ポリシロキサン(Parsol(登録商標)SLX)
・ アントラニル酸メンチル(Neo Heliopan(登録商標)MA)
又はそれらの混合物。
好ましい実施形態において、本発明における(化粧又は医薬)品は、1つ以上の式(I)及び/又は(II)の化合物(複数可)及び1つ以上のUVフィルターを含む。より好ましい実施形態においては、調合は、化合物(I)として、L−カルノシン及び/又はカルシニン塩酸及び前記の1つ以上のUVフィルターを含み、ここで各々のUVフィルターは、0.5重量%から15重量%の量で存在し、UVフィルターの合計は好ましくは調合に対して0.5重量%から40重量%の量で存在する。
光保護顔料
前記の溶解性物質に加え、不溶性の光保護顔料、例えば、微細に分散した金属酸化物又はその塩がまたこの目的に対して好適である。特に好適な金属酸化物の例は、亜鉛酸化物とチタン二酸化物で、並びに鉄、ジルコニウム、ケイ素、マンガン、アルミニウム、及びセリウム酸化物とそれらの混合物である。ケイ酸塩(タルク)、硫酸バリウム、又はステアリン酸亜鉛は好適な塩の例として用いることができる。前述の酸化物及びその塩はスケンケア用顔料、肌保護乳液、装飾用化粧品の形で利用される。この場合において、その粒子は平均で100nm未満、好ましくは5〜50nm、及び特に好ましくは15〜30nmの直径を持つべきである。形状は球状であり得るが、粒子は楕円形又はその形状が球状以外のものもまた用いることができる。顔料はまた表面処理が施されたもの、すなわち親水化又は疎水化した形でもあり得る。典型的な例は、コーティングされたチタン二酸化物、例えばチタン二酸化物 T 805(Deggusa)、Eusolex(登録商標)T2000、Eusolex(登録商標)T、Eusolex(登録商標)T−eco、Eusolex(登録商標)T−S,Eusolex(登録商標)T−Aqua、Eusolex(登録商標)T−45D(全てMerck)、及びUvinul TiO(BASF)である。この場合における好適な疎水化コーティング剤の例は、第一にシリコーン、特にトリアルコキシオクチルシラン、又はシメチコンである。いわゆるミクロ又はナノ顔料は好ましくは日焼け防止剤に用いられる。Z−COTE(登録商標)又はZ−COTE HP1(登録商標)のような微粉化亜鉛酸化物が好んで用いられる。
好ましい実施形態において、光保護顔料は超微細チタン二酸化物、亜鉛酸化物、超微細亜鉛酸化物から選択される。光保護顔料としてチタン酸化物が選択されると、調合中全量にして、0.1重量%〜10.0重量%の範囲であるという利点があり、1つ以上のトリアジン有機顔料(複数可)が選択されるとその調合の全量に基づき、その全量が0.1重量%から10.0重量%の範囲であるという利点がある。
好ましい実施形態において、本発明の医薬品はさらに少なくとも1つの皮膚美白剤を含む。
式(I)の化合物(複数可)と美白剤及び/又はUVフィルターの組み合わせは、相乗的に色素過剰の予防、処置、及び/又は改善の向上を与え、そしてそれゆえ予期せぬ形で式(I)の化合物(複数可)と従来の皮膚美白剤のパフォーマンスを向上させる。
皮膚美白剤
好適な例は、スクラレオリド(シノニム:(3aR,5aS,9aS,9bR)−デカヒドロ−3a,6,6,9a−テトラメチル−ナフタ−[2,1,b]フラン−2(1H)−オン、3a,4,5,5aa,6,7,8,9,9a,9ba−デカヒドロ−3aベータ,6,6,9aベータ−テトラメチル−ナフト[2,1−b]フラン−2(1H)−オン、[3aR−(3aa,5aベータ, 9aa, 9b ベータ)]−デカヒドロ−3a,6,6,9a−テトラメチル−ナフト[2,1−b]フラン−2(1H)−オン、ノルアンブレイノリド、(+)−ノルアンブレイノリド、(+)−スクラレオリド、(R)−(+)−スクラレオリド、13,14,15,16−テトラノルアブダノ−8a,12−ラクトン、ノルアンブレイノリド、ラリキソール、コウジ酸(5−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメンチル−4−ピラノン))、コウジ酸誘導体、好ましくはジパルミチン酸コウジ酸エステル、アルブチン、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、好ましくはアスコルビルリン酸マグネシウム、ヒドロキノン、ヒドロキノン誘導体、レゾルシノール、レゾルシノール誘導体、好ましくは4−アルキルレゾルシノール及び4−(1−フェニルエチル)1,3−ジヒドロキシベンゼン(フェニルエチルレゾルシノール)、シクロヘキシルカルバマート(好ましくは国際公開第2010/122178号及び国際公開第2010/09748号に公開されている1以上のシクロヘキシルカルバマート)、含硫黄分子、好ましくはグルタチオン又はシステイン、アルファ−ヒドロキシ酸(好ましくはクエン酸、乳酸、リンゴ酸)、塩及びそれらのエステル、N−アセチルチロシン及び誘導体、ウンデセノイルフェニルアラニン、グルコン酸、クロモン誘導体、好ましくはアロエシン、フラボノイド、1−アミノエチルホスフィン酸、チオウレア誘導体、エラグ酸、ニコチンアミド(ナイアシンアミド)、亜鉛塩、好ましくは塩化亜鉛又はグルコン酸亜鉛、ツヤプリシン及び誘導体、トリテルペン、好ましくはマスリン酸、ステロール、好ましくはエルゴステロール、ベンゾフラノン、好ましくはセンキュノリド、ビニルグアヤコル、エチルグアヤコル、二酸、好ましくはオクタデセン二酸及び/又はアゼライン酸、一酸化窒素合成阻害剤、好ましくはL−ニトロアルギニン及びそれらの誘導体、2,7−ジニトロインダゾール、又はチオシトルリン、金属キレート剤(好ましくはアルファ−ヒドロキシ脂肪酸、フィチン酸、フミン酸、バイル酸、バイル抽出物、EDTA,EGTA及びそれらの誘導体)、レチノイド、豆乳及びその抽出物、セリンプロテアーゼ阻害剤又はリポ酸又はその他の皮膚や髪美白に対し活性な合成又は天然成分、天然成分の好ましくは植物からの抽出物の形で使用されるもの、好ましくはベアベリー抽出物、米抽出物、パパイヤ抽出物、ターメリック抽出物、桑の実抽出物、ブンコアン抽出物、ハマスゲ抽出物、カンゾウ根抽出物又は濃縮成分又はそれらから単離したもの、好ましくはブルビリジン又はリコカルコンA、パンノキ抽出物、スイバ又はラムルス種抽出物、パイン種(マツ属)抽出物、ブドウ属抽出物又は単離されたスチルベン誘導体又はそれらの濃縮物、ユキノシタ抽出物、スクテルラリア抽出物、ブドウ抽出物及び/又は微細藻類抽出物、特にテトラセルミススエシカ抽出物である。
好ましい皮膚美白剤は、コウジ酸、フェニルエチルレゾルシノール、ベータ−及びアルファ−アルブチン、ヒドロキノン、ニコチンアミド、二酸、アスコルビルリン酸Mg及びビタミンC及びその誘導体、桑の実抽出物、ブンコアン抽出物、パパイヤ抽出物、ターメリック抽出物、ハマスゲ抽出物、天草抽出物(グリシルリチンを含む)、アルファ−ヒドロキシ−酸、4−アルキルレゾルシノール、4−ヒドロキシアニソール、スクラレオリド、ラリキソールである。
式(I)の化合物(複数可)との組み合わせにおいて、特に好ましいのは、スクラレオリド及び/又はフェニルエチルレゾシノール(SymWhite377(登録商標))であり、メラサイト中におけるメラニン形成に対し、重量比にして、およそ20:80〜およそ80:20、及び好ましくは40:60〜およそ60:40で用いられたときに、最も強い相乗的阻害活性を示し、特に好ましくは、L−カルノシン:スクラレオリドの場合である。好ましくはL−カルノシンのフェニルエチルレゾシノールに対する比は、10:90から75:25であり、好ましくは25:75から50:50で、メラノサイト中のメラニン形成に対する相乗的阻害活性が強い。式(I)の化合物(複数可)とUVフィルターの組み合わせにおいて好ましいのは、スクラレオリド及び/又はフェニルエチルレゾシノール(SymWhite377(登録商標))を含む調合である。
担体
次に示す医薬化粧品は、いずれも成分(c)として担体、又は、水、アルコール、エステル、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ペンチレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、カプリリルグリコール、デシレングリコール、エタノール、エトキシジグリコール、酢酸エチル、グリセロール、プロパノール、イソプロパノール、マクロゴール、プロピルプロピレングリコール(2)メチルエーテル、プロピルプロピレングリコール(3)メチルエーテル、炭酸プロピレン、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、イソパラフィン、酢酸アミル、安息香酸アミル、酢酸ベンジル、酢酸ブチル、ブチレングリコール、乳酸ブチル、安息香酸ブトオクチル、サリチル酸ブトオクチル、C10−C13アルカン、C14−C17アルカン、C11−C15シクロアルカン、酪酸カプリリル、イソパラフィン、ジアセチン、トリアセチンジカプリリルエーテル、マレイン酸ジカプリリル、及びそれらの混合物から選択される溶媒を含む。非常に好ましいのは、グリセロール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ペンチレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、カプリリルグリコール、デシレングルコールである。
本発明の内容は、特に日焼け防止剤として、医薬品と化粧品の境界にある。それゆえ以下において、医薬並びに化粧品が述べられる。
医薬品
本発明における好ましい医薬品は以下のものを含む:
(a)0.01重量%から10重量%、好ましくは0.02重量%から2重量%、及び特に好ましくは0.05重量%から0.2重量%の1つの式(I)の化合物又は式(I)の化合物の薬学的に許容される塩又はこれらの化合物又はそれらの上記塩の2つ以上を含む混合物、及び要すれば
(b1)0.05重量%から60重量%、好ましくは0.1重量%〜50重量%、及び特に好ましくは0.5重量%〜40重量%のUVフィルター、及び/又は
(b2)0.005重量%から20重量%、好ましくは0.01重量%〜10重量%の皮膚美白剤、及び要すれば
(c)0.2重量%から99重量%、好ましくは0.5重量%から20重量%、及び特に好ましくは1重量%から10重量%の担体、及び
(d)0.1重量%〜90重量%のさらなる添加物、
ここで化合物a)からd)までの重量パーセントは、その調合の全量に基づいており、全ての化合物の合計は100重量%に加算されている。
本発明による医薬品は、好ましくは、成分(a)及び成分(b1)を0.02:99.98〜99.5:0.5、特に0.04:99.96〜95:5、及び特に好ましくは0.2:99.8〜25:75の重量比で含む。その相乗効果は、2つの成分が1:80の重量比で用いられたとき、非常に顕著である。
本発明による医薬品は、好ましくは、成分(a)及び成分(b2)を0.05:99.95〜99.95:0.05、及び特に好ましくは1:99〜95:5の重量比で含む。その相乗効果は、2つの成分が1:1〜1:5の重量比で用いられたときに、非常に顕著である。
好ましい医薬品は、以下のものを含む:
(a)0.01重量%から10重量%、好ましくは0.02重量%から2重量%、及び特に好ましくは0.05重量%から0.2重量%の1つの式(I)の化合物、又は式(I)の化合物の薬学的に許容される塩、又はこれらの化合物又はそれらの上記塩の2つ以上を含む混合物。非常に好ましいのは、L−カルノシン及び/又はカルシニン塩酸である、及び
(b1)0.05重量%から60重量%、好ましくは0.01重量%〜50重量%、及び特に好ましくは0.5重量%〜40重量%のUVフィルター、及び
(c)0.2重量%から99重量%、好ましくは0.5重量%から20重量%、及び特に好ましくは1重量%から10重量%の、水、アルコール、エステル、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、エタノール、エトキシジグリコール、酢酸エチル、グリセロール、プロパノール、イソプロパノール、マクロゴール、プロピルプロピレングリコール(2)メチルエーテル、プロピルプロピレングリコール(3)メチルエーテル、炭酸プロピレン、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、イソパラフィン、酢酸アミル、安息香酸アミル、酢酸ベンジル、酢酸ブチル、ブチレングリコール、乳酸ブチル、安息香酸ブトオクチル、サリチル酸ブトオクチル、C10−C13アルカン、C14−C17アルカン、C11−C15シクロアルカン、酪酸カプリリル、イソパラフィン、ジアセチン、トリアセチンジカプリリルエーテル、マレイン酸ジカプリリル、及びそれらの混合物から成る群から選択される担体。非常に好ましいのは、グリセロール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ペンチレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、カプリリルグリコール、デシレングルコール、及びそれらの混合物である。及び
(d)0.1〜90重量%のさらなる添加物、
ここで化合物a)からd)までの重量パーセントは、その調合の全量に基づいており、全化合物の合計は100重量%に加算されている。
さらに好ましい医薬品は以下のものを含む:
(a)0.01重量%から10重量%、好ましくは0.02重量%から2重量%、及び特に好ましくは0.05重量%から0.2重量%の1つの式(I)の化合物、又は式(I)の化合物の薬学的に許容される塩、又はこれらの化合物又はそれらの上記塩の2つ以上を含む混合物。非常に好ましいのは、L−カルノシン及び/又はカルシニン塩酸である、及び、
(b1)0.05重量%から60重量%、好ましくは0.1重量%〜50重量%、及び特に好ましくは0.5重量%〜40重量%のUVフィルター、及び
(b2)0.005重量%から20重量%、好ましくは0.01重量%から10重量%の皮膚美白剤、及び
(c)0.2重量%から99重量%、好ましくは0.5重量%から20重量%、及び特に好ましくは1重量%から10重量%の、水、アルコール、エステル、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、エタノール、エトキシジグリコール、酢酸エチル、グリセロール、プロパノール、イソプロパノール、マクロゴール、プロピルプロピレングリコール(2)メチルエーテル、プロピルプロピレングリコール(3)メチルエーテル、炭酸プロピレン、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、イソパラフィン、酢酸アミル、安息香酸アミル、酢酸ベンジル、酢酸ブチル、ブチレングリコール、乳酸ブチル、安息香酸ブトオクチル、サリチル酸ブトオクチル、C10−C13アルカン、C14−C17アルカン、C11−C15シクロアルカン、酪酸カプリリル、イソパラフィン、ジアセチン、トリアセチンジカプリリルエーテル、マレイン酸ジカプリリル、及びそれらの混合物から成る群から選択される担体。非常に好ましいのは、グリセロール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ペンチレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、カプリリルグリコール、デシレングルコール、及びそれらの混合物である。及び
(d)0.1〜90重量%のさらなる添加物、
ここで化合物a)からd)までの重量パーセントは、その調合の全量に基づいており、全化合物の合計は100重量%に加算されている。
さらに好ましい医薬品は以下のものを含む:
(a)0.01重量%から10重量%、好ましくは0.02重量%から2重量%、及び特に好ましくは0.05重量%から0.2重量%の1つの式(I)の化合物、又は式(I)の化合物の薬学的に許容される塩、又はこれらの化合物又はそれらの上記塩の2つ以上を含む混合物。非常に好ましいのは、L−カルノシン及び/又はカルシニン塩酸である、及び、
(b1)0.05重量%から60重量%、好ましくは0.1重量%〜50重量%、及び特に好ましくは0.5重量%〜40重量%のUVフィルター。ここでUVフィルターは以下のものから成る群から選択されるUV吸収物質である:
・ 3−(4’−トリメチルアンモニウム)ベンジリデンボルナン−2−オンメチル硫酸エステル
・ サリチル酸ホモメンチル(Neo Heliopan(登録商標)HMS)
・テレフタリリデンジボルナンスルホン酸及びその塩(Mexoryl(登録商標)SX)
・ 3−(4’−スルホ)ベンジリデンボルナン−2−オン及びその塩
・ 2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシル(Neo Heliopan(登録商標)303)
・ N−[(2及び4)−[2−(オキソボルン−3−イリデン)メチル]ベンジル]アクリルアミドポリマー
・ p−メトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシル(Neo Heliopan(登録商標)AV)
・ p−アミノ安息香酸エチル(25mol)エトキシル化
・ p−メトキシ桂皮酸イソアミル(Neo Heliopan(登録商標)E1000)
・ 2−フェニルベンズイミダゾールスルホン酸(Neo Heliopan(登録商標)Hydro)及びその塩
・ 2,4,6−トリアニリノ(p−カルボ−2’−エチルヘキシル−1’−オキシ)−1,3,5−トリアジン(Uvinul(登録商標)T150)
・ フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(2−メチル−3(1,3,3,3−テトラメチル)−1−(トリメチルシリル)オキシ)ジシロキシアニル)プロピル),(Mexoryl(登録商標)XL)
・ 4,4’−[(6−[4−(1,1)−ジメチル)アミノカルボニル)フェニルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)ジイミノ]ビス(安息香酸2−エチルヘキシルエステル),(Uvasorb(登録商標)HEB)
・ 3−(4’−メチルベンジリデン)−d,l−カンファー(Neo Helipan(登録商標)MBC)
・ サリチル酸2−エチルヘキシル(Neo Helipan(登録商標)OS)
・ 4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル(Padimate O)
・ 4−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホナート(Benzophenone−4,Sulisobenzone)及びその塩
・ マロン酸ベンジリデン−ポリシロキサン(Parsol(登録商標)SLX)
・ アントラニル酸メンチル(Neo Heliopan(登録商標)MA)、及び
(b2)0.05重量%から20重量%、好ましくは0.01重量%から10重量%の、コウジ酸、フェニルエチルレゾルシノール、ベータ−及びアルファ−アルブチン、ヒドロキノン、ニコチンアミド、二酸、アスコルビルリン酸Mg及びビタミンC及びその誘導体、桑の実抽出物、ブンコアン抽出物、パパイヤ抽出物、ターメリック抽出物、ハマスゲ抽出物、天草抽出物(グリシルリチンを含む)、アルファ−ヒドロキシ−酸、4−アルキルレゾルシノール、4−ヒドロキシアニソール、スクラレオリド、ラリキソールから選択される皮膚美白剤。非常に好ましいのは、スクラレオリド及び/又はフェニルエチルレゾルシノールである、及び
(c)0.2重量%から99重量%、好ましくは0.5重量%から20重量%、及び特に好ましくは1重量%から10重量%の、水、アルコール、エステル、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、エタノール、エトキシジグリコール、酢酸エチル、グリセロール、プロパノール、イソプロパノール、マクロゴール、プロピルプロピレングリコール(2)メチルエーテル、プロピルプロピレングリコール(3)メチルエーテル、炭酸プロピレン、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、イソパラフィン、酢酸アミル、安息香酸アミル、酢酸ベンジル、酢酸ブチル、ブチレングリコール、乳酸ブチル、安息香酸ブトオクチル、サリチル酸ブトオクチル、C10−C13アルカン、C14−C17アルカン、C11−C15シクロアルカン、酪酸カプリリル、イソパラフィン、ジアセチン、トリアセチンジカプリリルエーテル、マレイン酸ジカプリリル、及びそれらの混合物から成る群から選択される担体。非常に好ましいのは、グリセロール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ペンチレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、カプリリルグリコール、デシレングルコール、及びそれらの混合物である。及び
(d)0.1〜90重量%のさらなる添加物、
ここで化合物a)からd)までの重量パーセントは、その調合の全量に基づいており、全化合物の合計は100重量%に加算されている。
さらに好ましい医薬品は以下のものを含む:
(a)0.01重量%から10重量%、好ましくは0.02重量%から2重量%、及び特に好ましくは0.05重量%から0.2重量%の1つの式(I)の化合物、又は式(I)の化合物の薬学的に許容される塩、又はこれらの化合物又はそれらの上記塩の2つ以上を含む混合物。非常に好ましいのは、L−カルノシン及び/又はカルシニン塩酸である、及び、
(b1)0.05重量%から60重量%、好ましくは0.1重量%〜50重量%、及び特に好ましくは0.5重量%〜40重量%のUVフィルター。ここでUVフィルターは以下のものから成る群から選択されるUV吸収物質である:
・ 3−(4’−トリメチルアンモニウム)ベンジリデンボルナン−2−オンメチル硫酸エステル
・ サリチル酸ホモメンチル(Neo Heliopan(登録商標)HMS)
・ テレフタリリデンジボルナンスルホン酸及びその塩(Mexoryl(登録商標)SX)
・ 3−(4’−スルホ)ベンジリデンボルナン−2−オン及びその塩
・ 2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシル(Neo Heliopan(登録商標)303)
・ N−[(2及び4)−[2−(オキソボルン−3−イリデン)メチル]ベンジル]アクリルアミドポリマー
・ p−メトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシル(Neo Heliopan(登録商標)AV)
・ p−アミノ安息香酸エチル(25mol)エトキシル化
・ p−メトキシ桂皮酸イソアミル(Neo Heliopan(登録商標)E1000)
・ 2−フェニルベンズイミダゾールスルホン酸(Neo Heliopan(登録商標)Hydro)及びその塩
・ 2,4,6−トリアニリノ(p−カルボ−2’−エチルヘキシル−1’−オキシ)−1,3,5−トリアジン(Uvinul(登録商標)T150)
・ フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(2−メチル−3(1,3,3,3−テトラメチル)−1−(トリメチルシリル)オキシ)ジシロキシアニル)プロピル),(Mexoryl(登録商標)XL)
・ 4,4’−[(6−[4−(1,1)−ジメチル)アミノカルボニル)フェニルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)ジイミノ]ビス(安息香酸2−エチルヘキシルエステル),(Uvasorb(登録商標)HEB)
・ 3−(4’−メチルベンジリデン)−d,l−カンファー(Neo Helipan(登録商標)MBC)
・ サリチル酸2−エチルヘキシル(Neo Helipan(登録商標)OS)
・ 4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル(Padimate O)
・ 4−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホナート(Benzophenone−4,Sulisobenzone)及びその塩
・ マロン酸ベンジリデン−ポリシロキサン(Parsol(登録商標)SLX)
・ アントラニル酸メンチル(Neo Heliopan(登録商標)MA)、及び(b2)0.005重量%から20重量%、好ましくは0.01重量%から10重量%の、コウジ酸、フェニルエチルレゾルシノール、ベータ−及びアルファ−アルブチン、ヒドロキノン、ニコチンアミド、二酸、アスコルビルリン酸Mg及びビタミンC及びその誘導体、桑の実抽出物、ブンコアン抽出物、パパイヤ抽出物、ターメリック抽出物、ハマスゲ抽出物、天草抽出物(グリシルリチンを含む)、アルファ−ヒドロキシ−酸、4−アルキルレゾルシノール、4−ヒドロキシアニソール、スクラレオリド、ラリキソールから選択される皮膚美白剤。非常に好ましいのは、スクラレオリド及び/又はフェニルエチルレゾルシノールである、及び
(c)0.2重量%から99重量%、好ましくは0.5重量%から20重量%、及び特に好ましくは1重量%から10重量%の、水、アルコール、エステル、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、エタノール、エトキシジグリコール、酢酸エチル、グリセロール、プロパノール、イソプロパノール、マクロゴール、プロピルプロピレングリコール(2)メチルエーテル、プロピルプロピレングリコール(3)メチルエーテル、炭酸プロピレン、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、イソパラフィン、酢酸アミル、安息香酸アミル、酢酸ベンジル、酢酸ブチル、ブチレングリコール、乳酸ブチル、安息香酸ブトオクチル、サリチル酸ブトオクチル、C10−C13アルカン、C14−C17アルカン、C11−C15シクロアルカン、酪酸カプリリル、イソパラフィン、ジアセチン、トリアセチンジカプリリルエーテル、マレイン酸ジカプリリル、及びそれらの混合物から成る群から選択される担体。非常に好ましいのは、グリセロール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ペンチレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、カプリリルグリコール、デシレングルコール、及びそれらの混合物である。及び
(d)0.05重量%〜5重量%の多官能性化合物。それらは、1,3−プロパンジオール、メチルプロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,2−デカンジオール、エチルヘキシルグリセリン、ヘキソキシ−プロパン−1,2−ジオール、ヘプトキシ−プロパン−1,2−ジオール、オクトキシ−プロパン−1,2−ジオール、3−フェノキシ−プロパン−1,2−ジオール、3−ベンジルオキシ−プロパン−1,2−ジオール、3−フェニルエチルオキシ−プロパン−1,2−ジオール、3−フェニルプロピルオキシ−プロパン−1,2−ジオール、3−メチルベンジルオキシ−プロパン−1,2−ジオール、カプリル酸ソルビタン、トリクロサン、クリムバゾール、オクトピロクス(1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2(1H)−ピリドン、2−アミノエタノール)、キトサ、ファルネソール、2−ブチルオクタン酸、2−ベンジル−ヘプタン−1−オール、モノラウリン酸グリセロール、ビス(2−ピリジルチオ)亜鉛1,1'-ジオキシド、N,N'−(デカン−1,10−ジルジピリジン−1−イル−4−イリデン)−ジオクタン−1−アミンジヒドロクロリド(オクテニジンジヒドロクロリド)、チモイル、オイゲノ−ル、4−イソプロピル−3−メチルフェノール、ベンジルアルコール、2−フェニルエチルアルコール、3−フェニルプロパノール、2−フェノキシエタノール、1−フェノキシ−プロパン−2−オール、3−フェノキシプロパノール、ベンジルオキシメタノール、カプリル酸グリセリル、カプリン酸グリセリル、ラウリン酸グリセリル、ヒドロキシアセトフェノン、及びそれらの混合物、好ましくは2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオール、ヒドロキシアセトフェノン、及びそれらの混合物から選択されるものである。
ここで化合物a)からd)までの重量パーセントは、その調合の全量に基づいており、全化合物の合計は100重量%に加算されている。
化粧品
本発明における好ましい化粧品は以下のものを含む:
(a)式(I)の少なくとも1つの化合物、又は式(I)の化合物の薬学的に許容される塩、又はこれらの化合物又はそれらの上記塩の2つ以上を含む混合物
Figure 2019509301
(b)RがH又はCH及びRがH又はCOOH、又はそれら塩を示すという条件の下、及び要すれば
(b1)少なくとも1つのUVフィルター、及び/又は
(b2)少なくとも1つの皮膚美白剤、及び要すれば
(c1)担体、
(c2)油成分、及び/又は
(c3)乳化剤。
UVフィルター、皮膚美白剤、担体に関し、医薬品の下での前記公開及び選好は、ここでまた化粧品及び利用へ向けても適用し、それゆえここでともに包含される。
好ましい化粧品は以下のものを含む
(a)0.01重量%から10重量%、好ましくは0.02重量%から2重量%、及び特に好ましくは0.05重量%から0.2重量%の1つの式(I)の化合物、又は式(I)の化合物の薬学的に許容される塩、又はこれらの化合物又はそれらの上記塩の2つ以上を含む混合物。及び、
(b1)0.05重量%から60重量%、好ましくは0.1重量%から50重量%、及び特に好ましくは0.5重量%から40重量%のUVフィルター、及び/又は
(b2)0.005重量%から20重量%、好ましくは0.01重量%から10重量%、の皮膚美白剤、及び
(c1)担体、及び/又は
(c2)油成分、及び/又は
(c3)乳化剤、
ここで化合物(c1)〜(c3)までの全量は共にして調合に対し1重量%〜50重量%、好ましくは5重量%〜40重量%まで加算され、化合物(a)から(c1〜c3)までの重量パーセントは、その調合の全量に基づいており、全化合物の合計は100重量%に加算されている。
本発明による調合は、好ましくはクリーム、ローション、ゲル、ペースト、又はカプセルの形であり、特にスキンケア剤、日焼け防止剤、又はヘアケア剤を構成する。
成分(a+b1)が全組成に対し、0.1重量%〜40重量%の量で存在していることがさらに好ましい。この場合、上記と同様の好ましい重量比が適用される。
成分(a+b2)が全組成に対し、0.1重量%〜10重量%の量で存在していることがさらに好ましい。この場合、上記と同様の好ましい重量比が適用される。
式(I)の化合物又は式(I)の化合物の薬学的に許容される塩は、軽減させ、遅らせ、抑制する、及び/又は日光誘起の色素過剰、特に可視光誘起の色素過剰に対して保護する活性な量で、医薬品、化粧品各々の利用において存在している。
式(I)の化合物(複数可)の、色素過剰を軽減させ、遅らせ、抑制する、各々、皮膚領域の、好ましくはヒトの皮膚の、色素過剰を処置し、予防し、及び/又は改善させる『活性な量』という表現は、色素沈着における変化が所望される皮膚表面の領域をカバーするのに十分な、微量な量を指す。
化粧品及び/又は治療的(therapeutic)な軽減、遅延、及び/又は抑制、各々、色素過剰の処置、予防、改善に向けた好ましい方法においては、本発明における、式(I)の化合物(複数可)又は式(I)の化合物の塩の『活性な量』において用いられる濃度は、0.01重量%から10重量%、好ましくは0.02重量%から2重量%及び特に好ましくは0.05重量%から0.2重量%の範囲であり、各々の場合において、化粧又は医薬製造品の全量に基づく。
化粧及び医薬品
本発明による化粧、医薬品(薬剤)は、同様の添加物を含み得る。例えば、脂肪滴や乳化剤である。それゆえ、化粧品と医薬品の境界は、流れの中にあり、1つの応用に引用される成分は他の応用へ、文字通りの繰り返しなしに、変更すべきところは変更して、勧められるものであるということは理解すべきである。
本発明による化粧品及び医薬品は、前記のとおり、典型的な補助剤やさらなる添加剤を含み得る。典型的な補助剤や添加剤は、例えば、温和な界面活性剤、油成分、乳化剤、パール化ワックス、粘稠剤、増粘剤、過脂剤、安定剤、ポリマー、シリコーン化合物、油脂、ワックス、レシチン、リン脂質、保湿剤、生物起源の薬剤、酸化防止剤、皮膜形成剤、膨潤剤、昆虫忌避剤、セルフタンニング剤、チロシン阻害剤(脱色素剤)、ヒドロトロープ剤、可溶化剤、防腐剤、香油、染料などである。
界面活性剤
好適な界面活性剤が含まれ得る例は、アニオン性、非イオン性、カチオン性及び/又は両性又は双性の界面活性剤であり、通常試薬中、およそ1〜70、好ましくは5〜50、及び特に10〜30重量%含まれる。アニオン性界面活性剤の一般的な例は、石けん、アルキルベンゼンスルホン酸エステル、アルカンスルホン酸エステル、オレフィンスルホン酸エステル、アルキルエーテルスルホン酸エステル、グリセロールエーテルスルホン酸エステル、α−メチルエステルスルホン酸エステル、スルホ脂肪酸、アルキル硫酸エステル、アルキルエーテル硫酸エステル、グリセロールエーテル硫酸エステル、脂肪酸エーテル硫酸エステル、ヒドロキシ混合エーテル硫酸エステル、モノグリセリド(エーテル)硫酸エステル、脂肪酸アミド(エーテル)硫酸エステル、モノ−及びジアルキルスルホコハク酸エステル、モノ−及びジアルキルスルホコハク酸エステル、スルホトリグリセリド、アミドせっけん、エーテルカルボン酸及びその塩、脂肪酸イセチオナート、脂肪酸サルコシナート、脂肪酸タウリド、N−アシルアミノ酸、例えば、アシル乳酸塩、アシル酒石酸塩、アシルグルタミン酸塩、及びアシルアスパラギン酸塩であり、アルキルオリゴグリコシド硫酸エステル、タンパク質脂肪酸縮合物(特にコムギ由来の植物生成物)、及びアルキル(エーテル)リン酸エステルである。アニオン性界面活性剤がポリグリコールエーテル鎖を含む場合、従来の同族体分布を示し得るが、好ましくは狭い同族体分布を示し得る。非イオン性界面活性剤の典型的な例は、脂肪族アルコールポリグリコールエーテル、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、脂肪酸ポリグリコールエステル、脂肪酸アミドポリグリコールエーテル、脂肪酸アミンポリグリコールエーテル、アルコキシル化トリグリセリド、混合エーテル又は混合ホルマール、要すれば部分酸化したアルキ(ケニ)ルオリゴグリコシド、又はグルクロン酸誘導体、脂肪酸N−アルキルグルカミド、タンパク質加水分解物(特にコムギ由来の植物生成物)、ポリオール脂肪酸エステル、糖エステル、ソルビタンエステル、ポリソルベート、及びアミン酸化物である。非イオン性界面活性剤がポリグリコールエーテル鎖を含む場合、従来の同族体分布を示し得るが、好ましくは狭い同族体分布を示し得る。カチオン性界面活性剤の典型的な例は、第四級アンモニウム化合物、例えば、塩化ジメチルジステアリルアンモニウム、及びエステルクワット、特に四級化脂肪酸トリアルカノールアミンエステル塩である。典型的な両性又は双性界面活性剤の例は、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミノプロピオン酸塩、アミノグリシン酸塩、イミダソリニウムベタイン、及びスルホベタインである。上記界面活性剤は、専ら既知の化合物である。特に好適な温和な界面活性剤、すなわち特に皮膚耐性良好なものの典型的な例は、脂肪族アルコールポリグリコールエーテル硫酸エステル、モノグリセリド硫酸エステル、モノ−及び/又はジアルキルスルホコハク酸エステル、脂肪族イセチオナート、脂肪酸サルコシナート、脂肪酸タウリド、脂肪酸グルタミン酸エステル、α−オレフィンスルホン酸エステル、エーテルカルボン酸、アルキルオリゴグリコシド、脂肪酸グルカミド、アルキルアミドベタイン、及び両性アセタール及び/又はタンパク質脂肪酸縮合物であり、タンパク質脂肪酸縮合物は、好ましくはコムギタンパク質由来である。
油成分
好適な油成分は、例えば、6〜18個、及び好ましくは8〜10個の炭素原子を有する脂肪族アルコール由来のガルベアルコール、直鎖C〜C22脂肪酸の直鎖又は分岐鎖C〜C22脂肪族アルコールとのエステル、又は分岐鎖C〜C13カルボン酸の直鎖又は分岐鎖C〜C22脂肪族アルコールとのエステル、例えば、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸ミリスチル、ステアリン酸ミリスチル、イソステアリン酸ミリスチル、オレイン酸ミリスチル、ベヘン酸ミリスチル、エルカ酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸セチル、イソステアリン酸セチル、オレイン酸セチル、ベヘン酸セチル、エルカ酸セチル、ミリスチン酸ステアリル、パルミチン酸ステアリル、ステアリン酸ステアリル、イソステアリン酸ステアリル、オレイン酸ステアリル、ベヘン酸ステアリル、エルカ酸ステアリル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソステアリル、オレイン酸イソステアリル、ベヘン酸イソステアリル、オレイン酸イソステアリル、ミリスチン酸オレイル、パルミチン酸オレイル、ステアリン酸オレイル、イソステアリン酸オレイル、オレイン酸オレイル、ベヘン酸オレイル、エルカ酸オレイル、ミリスチン酸ベヘニル、パルミチン酸ベヘニル、ステアリン酸ベヘニル、イソステアリン酸ベヘニル、オレイン酸ベヘニル、ベヘン酸ベヘニル、エルカ酸ベヘニル、ミリスチン酸エルシル、パルミチン酸エルシル、ステアリン酸エルシル、イソステアリン酸エルシル、オレイン酸エルシル、ベヘン酸エルシル及びエルカ酸エルシルである。また好適なのは、直鎖C〜C22脂肪酸の分岐鎖アルコール、特に2−エチルヘキサノールとのエステル、C18〜C38アルキルヒドロキシカルボン酸の直鎖又は分岐鎖C〜C22脂肪族アルコールとのエステル、特にリンゴ酸ジオクチル、直鎖及び/又は分岐鎖脂肪酸の多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、ジオール二量体又はトリオール三量体)及び/又はゲルベアルコールとのエステル、C〜C10脂肪酸由来のトリグリセリド、C〜C18脂肪酸由来の液体モノ−/ジ−/トリグリセリド混合物、C〜C22脂肪族アルコール及び/又はゲルベアルコールの芳香族カルボン酸、特に安息香酸とのエステル、C〜C12ジカルボン酸の1〜22個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルコール又は2〜10個の炭素原子及び2〜6個のヒドロキシル基を有するポリオールとのエステル、植物油、分岐鎖第一級アルコール、置換シクロヘキサン、直鎖又は分岐鎖C〜C22脂肪族アルコール炭酸エステル、例えば、炭酸ジカプリリル(Cetiol(登録商標)CC)、6〜18個、好ましくは8〜10個の炭素原子を有する脂肪族アルコールに由来するガルベ炭酸エステル、安息香酸の直鎖及び/又は分岐鎖C〜C22アルコールとのエステル(例えば、Finsolv(登録商標)TN)、例えば、ジカプリリルエーテル(Cetiol(登録商標)OE)などのアルキル基ごとに6〜22個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖、対称又は非対称のジアルキルエーテル、エポキシ化脂肪酸エステルとポリオールとの開環生成物、シリコーンオイル(シクロメチコン、シリコーンメチコンなど)及び/又は、例えば、スクアラン、スクアレン又はジアルキルシクロヘキサンなどの脂肪族又はナフテン系炭化水素、である。
乳化剤
好適な乳化剤の例には、以下の群の少なくとも1種に由来する非イオン性界面活性剤を含む。
・ 2〜30モルのエチレンオキシド及び/又は0〜5モルのプロピレンオキシドの8〜22個の炭素原子を有する直鎖脂肪族アルコール、12〜22個の炭素原子を有する脂肪酸、アルキル基において8〜15個の炭素原子を有するアルキルフェノール並びにアルキル残基において8〜22個の炭素原子を有するアルキルアミンへの付加生成物、
・ アルキ(ケニ)ル残基において8〜22個の炭素原子を有するアルキル及び/又はアルケニルオリゴグリコシド及びそのエトキシル化類縁体、
・ 1〜15モルのエチレンオキシドのヒマシ油及び/又は硬化ヒマシ油への付加生成物、
・ 15〜60モルのエチレンオキシドのヒマシ油及び/又は硬化ヒマシ油への付加生成物、
・ グリセロール及び/又はソルビタンの、12〜22個の炭素原子を有する不飽和、直鎖又は飽和、分岐鎖脂肪酸及び/又は3〜18個の炭素原子を有するヒドロキシカルボン酸との部分エステル及びそれらの1〜30モルのエチレンオキシドとの付加物、
・ ポリグリセロール(平均自己縮合度2〜8)、ポリエチレングリコール(分子量400〜5000)、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリット、糖アルコール(例えば、ソルバイト)、アルキルグリコシド(例えば、メチルグリコシド、ブチルグリコシド、ラウリルグリコシド)並びにポリグリコシド(例えば、セルロース)の、12〜22個の炭素原子を有する飽和及び/又は不飽和、直鎖又は分岐鎖脂肪酸、及び/又は3〜18個の炭素原子を有するヒドロキシカルボン酸との部分エステル、並びにそれらの1〜30モルのエチレンオキシドとの付加物、
・ ペンタエリスリット、脂肪酸、クエン酸及び脂肪族アルコールの混合エステル及び/又は炭素原子6〜22個を含む脂肪酸、メチルグルコース及びポリオール、好ましくはグリセロール又はポリグリセロールの混合エステル。
・ モノ、ジ−及びトリアルキルリン酸エステル、並びにモノ、ジ−及び/又はトリ−PEGアルキルリン酸エステル並びにその塩、
・ ウールワックスアルコール、
・ ポリシロキサン/ポリアルキル/ポリエーテルコポリマー又は対応する誘導体、
・ ブロックコポリマー、例えば、ジポリヒドロキシステアリン酸ポリエチレレングリコール−30、
・ ポリマー乳化剤、例えば、Goodrich製Pemulenポリマー(TR−1、TR−2)又はCognis製Cosmedia(登録商標)SPなどのもの、
・ ポリアルキレングリコール、及び、
・ 炭酸グリセロール。
以下において、特に好適な乳化剤がさらに詳細に述べられる。
アルコキシル化物。エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドの脂肪族アルコール、脂肪酸、アルキルフェノール、又はヒマシ油に対する付加生成物は、既知の市販の生成物を構成する。これらは、その平均アルコキシル化度が、付加反応が行われる基質に対するエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドの量の比に相当する、同族体混合物である。エチレンオキシドのグリセロールに対する付加生成物のC12/18脂肪酸モノ及びジエステルは、化粧料用の再脂化剤として既知である。
アルキル及び/又はアルケニルオリゴグリコシド。アルキル及び/又はアルケニルオリゴグリコシド並びにその製造及び使用は、先行技術から公知である。特に、それらは、グルコース又はオリゴ糖を8〜18個の炭素原子を有する第一級アルコールと反応することによって生成する。グリコシド残基に関しては、環状糖残基が脂肪族アルコールとグリコシド結合しているモノグリコシドと、好ましくはおよそ8のオリゴマー化度を有するオリゴマーグリコシドはいずれも好適である。この場合において、オリゴマー化度は、そのような工業的生成物に対して通常の同族体分布に基づく平均な統計値である。
部分グリセリド。好適な部分グリセリドの典型的な例は、ヒドロキシステアリン酸モノグリセリド、ヒドロキシステアリン酸ジグリセリド、イソステアリン酸モノグリセリド、イソステアリン酸ジグリセリド、オレイン酸モノグリセリド、オレイン酸ジグリセリド、リシノール酸モノグリセリド、リシノール酸ジグリセリド、リノール酸モノグリセリド、リノール酸ジグリセリド、リノレン酸モノグリセリド、リノレン酸ジグリセリド、エルカ酸モノグリセリド、エルカ酸ジグリセリド、酒石酸モノグリセリド、酒石酸ジグリセリド、クエン酸モノグリセリド、クエン酸ジグリセリド、リンゴ酸モノグリセリド、リンゴ酸ジグリセリド及びそれらの製造プロセス由来の少量のトリグリセリドを二次的に含み得る工業用混合物である。1〜30モル、好ましくは5〜10モルのエチレンオキシドのまた、前記部分グリセリドに対する付加生成物もまた好適である。
ソルビタンエステル。好適なソルビタンエステルの例は、モノイソステアリン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、ジイソステアリン酸ソルビタン、トリイソステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、ジオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノエルカ酸ソルビタン、セスキエルカ酸ソルビタン、ジエルカ酸ソルビタン、トリエルカ酸ソルビタン、モノリシノール酸ソルビタン、セスキリシノール酸ソルビタン、ジリシノール酸ソルビタン、トリリシノール酸ソルビタン、モノヒドロキシステアリン酸ソルビタン、セスキヒドロキシステアリン酸ソルビタン、ジヒドロキシステアリン酸ソルビタン、トリヒドロキシステアリン酸ソルビタン、モノ酒石酸ソルビタン、セスキ酒石酸ソルビタン、ジ酒石酸ソルビタン、トリ酒石酸ソルビタン、モノクエン酸ソルビタン、セスキクエン酸ソルビタン、ジクエン酸ソルビタン、トリクエン酸ソルビタン、モノマレイン酸ソルビタン、セスキマレイン酸ソルビタン、ジマレイン酸ソルビタン、トリマレイン酸ソルビタン及びそれらの工業用混合物を含む。1〜30モル、好ましくは5〜10モルのエチレンオキシドの前記ソルビタンエステルに対する付加生成物もまた好適である。
ポリグリセロールエステル。好適なポリグリセロールエステルの典型的な例は、ジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル−2(Dehymuls(登録商標)PGPH)、ジイソステアリン酸ポリグリセロール−3(Lameform(登録商標)TGI)、イソステアリン酸ポリグリセリル−4(Isolan(登録商標)GI34)、オレイン酸ポリグリセリル−3、ジイソステアリン酸ジイソステアロイルポリグリセリル−3(Isolan(登録商標)PDI)、ジステアリン酸ポリグリセリル−3メチルグルコース(Tego Care(登録商標)450)、ポリグリセリル−3ミツロウ(Cera Bellina(登録商標))、カプリン酸ポリグリセリル−4(カプリン酸ポリグリセロールT2010/90)、ポリグリセリル−3セチルエーテル(Chimexane(登録商標)NL)、ジステアリン酸ポリグリセリル−3(Cremophor(登録商標)GS32)及びポリリシノール酸ポリグリセリル(Admul(登録商標)WOL1403)、ダイマー酸イソステアリン酸ポリグリセリル、並びにそれらの混合物である。さらに好適なポリオールエステルの例は、1〜30モルのエチレンオキシドと要すれば反応させた、トリメチロールプロパン又はペンタエリトリトールのラウリン酸、ヤシ脂肪酸、獣脂脂肪酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸などとのモノ、ジ及びトリエステルである。
アニオン性乳化剤。典型的なアニオン性乳化剤は、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸又はベヘン酸などの12〜22個の炭素原子を有する脂肪族脂肪酸、並びに、例えば、アゼライン酸又はセバシン酸などの12〜22個の炭素原子を有するジカルボン酸である。
両性及びカチオン性乳化剤。さらに、双性イオン界面活性剤は、乳化剤として使用してもよい。分子内に少なくとも1つの第四級アンモニウム基及び少なくとも1つのカルボキシレート基及び1つのスルホナート基を有する界面活性剤化合物は、双性イオン界面活性剤と称する。特に好適な双性イオン界面活性剤は、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシナート、例えば、ココナツアルキルジメチルアンモニウムグリシナート、N−アシルアミノプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシナート、例えば、ココナツアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシナート、アルキル基又はアシル基にそれぞれ8〜18個の炭素原子を有する2−アルキル−3−カルボキシメチル−3−ヒドロキシエチルイミダゾリン、及びココナツアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシナートなどの、いわゆるベタインである。CTFA名コカミドプロピルベタインで既知の脂肪酸アミド誘導体が特に好ましい。さらに好適な乳化剤は、両性界面活性剤である。両性界面活性剤は、分子内の1つのC8/18アルキル基又はアシル基に加えて、少なくとも1つの遊離アミノ基及び少なくとも1つの−COOH基又は−SOH基を含み、内部塩を形成することができる界面活性剤化合物を指すと理解される。好適な両性界面活性剤の例は、アルキル基中にそれぞれおよそ8〜18個の炭素原子を有する、N−アルキルグリシン、N−アルキルプロピオン酸、N−アルキルアミノ酪酸、N−アルキルイミノジプロピオン酸、N−ヒドロキシエチル−N−アルキルアミドプロピルグリシン、N−アルキルタウリン、N−アルキルサルコシン、2−アルキルアミノプロピオン酸及びアルキルアミノ酢酸である。特に好ましい両性界面活性剤は、N−ココナツアルキルアミノプロピオナート、ココナツアシルアミノエチルアミノプロピオナート及びC12/18アシルサルコシンである。最後に、カチオン性界面活性剤もまた乳化剤として好適であり、エステルクワット型のカチオン性界面活性剤、好ましくはメチル四級化ジ脂肪酸トリエタノールアミンエステル塩が特に好ましい。
脂肪及びワックス
脂肪の典型的な例は、グリセリド、すなわち、高級脂肪酸の混合グリセロールエステルから本質的になる固体又は液体の植物又は動物製品である。好適なワックスは、例えば、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、モクロウ、エスパルトワックス、コルクワックス、グアルマワックス、コメ種子油ワックス、サトウキビワックス、オウリクリワックス(ouricury wax)、モンタンワックス、ミツロウ、セラックワックス、鯨ロウ、ラノリン(ウールワックス)、尾脂、セレシン、オゾケライト(固体パラフィン)、ペトロラタム、パラフィンワックス、マイクロワックス、化学改質ワックス(硬質ワックス)、例えば、モンタンエステルワックス、サゾールワックス、水添ホホバワックスといったもの、並びに、例えば、ポリアルキレンワックス及びポリエチレングリコールワックスなどといった合成ワックスである。脂肪に加えて、レシチン及びリン脂質などの脂肪様物質もまた好適な添加剤である。当業者はレシチンという用語を、脂肪酸、グリセロール、リン酸、及びコリンからエステル化によって形成されるグリセロリン脂質を指すものと理解している。それゆえ、レシチンは、専門家によって多くの場合、ホスファチジルコリン(PC)と称される。好適な天然レシチンの例は、セファリンを含み、これはまたホスファチジン酸とも称され、1,2−ジアシル−sn−グリセロール−3−リン酸の誘導体である。対照的に、リン脂質は、通常、一般的には脂肪として分類される、リン酸のグリセロールとのモノ−及び好ましくはジエステル(リン酸グリセロール)であると理解されている。さらに、スフィンゴシン又はスフィンゴ脂質もまた好適である。
好適なパール化ワックスの例は、アルキレングリコールエステル、具体的にはジステアリン酸エチレングリコール、脂肪酸アルカノールアミド、具体的にはココナツ脂肪酸ジエタノールアミド、部分グリセリド、具体的にはステアリン酸モノグリセリド、要すればヒドロキシ置換した多価カルボン酸の、6〜22個の炭素原子を有する脂肪族アルコールとのエステル、具体的には酒石酸の長鎖エステル、脂肪物質、例えば、全部で少なくとも24個の炭素原子を有する脂肪族アルコール、脂肪族ケトン、脂肪族アルデヒド、脂肪族エーテル、及び脂肪族カーボネートといったもの、具体的にはラウロン及びジステアリルエーテル、脂肪酸、例えば、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、又はベヘン酸、12〜22個の炭素原子を有するオレフィンエポキシドの、12〜22個の炭素原子を有する脂肪族アルコール及び/又は2〜15個の炭素原子及び2〜10個のヒドロキシル基を有するポリオールとの開環生成物、並びにそれらの混合物を含む。
冷汗剤
冷感剤は、皮膚に冷涼感をもたらす化合物である。一般に、冷感剤は、メントール化合物であり、基礎成分であるメントールそれ自体に加えて、例えば、メントールメチルエーテル、メントングリセリルアセタール(FEMA GRAS 3807)、メントングリセリルケタール(FEMA GRAS 3808)、乳酸メンチル(FEMA GRAS 3748)、炭酸メントールエチレングリコール(FEMA GRAS 3805)、炭酸メントールプロピレングリコール(FEMA GRAS 3806)、N−エチルオキサミン酸メンチル、コハク酸モノメチル(FEMA GRAS 3810)、グルタミン酸モノメンチル(FEMA GRAS 4006)、メントキシ−1,2−プロパンジオール(FEMA GRAS 3784)、メントキシ−2−メチル−1,2−プロパンジオール(FEMA GRAS 3849)、及びメンタンカルボン酸エステル及びアミドWS−3、WS−4、WS−5、WS−12、WS−14、及びWS−30、並びにそれらの混合物からなる群から選択される物質を含む。尚、FEMAは『Flavor and Extracts Manufacturers Association、』を表し、GRASは『Generally Regarded As Safe』として定義されているものである。FEMA GRASの表示は、この方法により確認された物質が標準法により試験済であり、毒性について問題がないと評価されていることを意味する。
これらの物質の第一に重要な代表は、コハク酸モノメンチル(FEMA GRAS 3810)である。コハク酸エステル及び類似のグルタル酸モノメンチル(FEMA GRAS 4006)は、ジ−及びポリカルボン酸に由来するモノメンチルエステルの重要な代表を構成する。
Figure 2019509301
これらの物質の適用例は、例えば、国際公開第2003043431号(Unilever)又は欧州特許第1332772(A1)(IFF)号の文献に見ることができる。
本発明の文脈において好ましいメントール化合物の次に重要な群は、メントール及びグリコール、グリセロール又は炭水化物を含むポリオールの炭酸エステル、例えば、炭酸メントールエチレングリコール(FEMA GRAS 3805=Frescolat(登録商標)MGC)、炭酸メントールプロピレングリコール(FEMA GRAS 3784=Frescolat(登録商標)MPC)、炭酸メントール2−メチル−1,2−プロパンジオール(FEMA GRAS 3849)又は対応する糖誘導体である。また好ましいのは、メントール化合物である乳酸メンチル(FEMA GRAS 3748=Frescolat(登録商標)ML)、及び特にメントングリセリルアセタール(FEMA GRAS 3807)又はメントングリセリルケタール(FEMA GRAS 3808)であり、それらはFrescolat(登録商標)MGAの名称で販売されているものであるが、シュウ酸メンチルエチルアミド、Frescolat(登録商標)X−coolの名称で販売されているもの、である。これらの物質の中でも、メントングリセリルアセタール/ケタール、乳酸メンチル、炭酸メントールエチレングリコール、シュウ酸メンチルエチルアミド又は炭酸メントールプロピレングリコールが特に有利であることが発見されており、これらはFrescolat(登録商標)MGA、Frescolat(登録商標)ML、Frescolat(登録商標)MGC、Frescolat(登録商標)X−cool及びFrescolat(登録商標)MPCの商標名で販売されている。
3位にC−C結合を有するメントール化合物(そのうちの一連の代表もまた、使用することができる)は、1970年代に初めて開発された。これらの物質は、一般にWS型と称される。基礎となる成分は、ヒドロキシル基がカルボキシル基に置換されたメントール誘導体(WS−1)である。全ての他のWS型、例えば、好ましい化学種のWS−3、WS−4、WS−5、WS−12、WS−14及びWS−30などは、この構造から誘導される。
粘稠剤及び増粘剤
好適な粘稠剤は、第一に12〜22個、好ましくは16〜18個の炭素原子を有する脂肪族アルコール又はヒドロキシ脂肪族アルコール、並びに部分グリセリド、脂肪酸又はヒドロキシ脂肪酸である。これらの物質と、同一の鎖長を有するアルキルオリゴグリコシド及び/又は脂肪酸N−メチルグルカミド及び/又はポリ−12−ヒドロキシステアリン酸ポリグリセリルとの組み合わせが好ましい。好適な増粘剤の例は、例えば、Aerosilグレード(親水性ケイ酸)、多糖類、特にキサンタンガム、グアーガム、寒天、アルギン酸塩及びチロース、カルボキシメチルセルロース及びヒドロキシエチル−及びヒドロキシプロピルセルロース、並びにさらに高分子量の脂肪酸のポリエチレングリコールモノ−及びジエステル、ポリアクリル酸エステル(例えば、Goodrich製のCarbopole(登録商標)及びPemulen製品、Sigma製のSynthalene(登録商標)、Kelco製のKeltrol製品、Seppic製のSepigel製品、Allied Colloids製のSalcare製品)、ポリアクリルアミド、ポリマー、ポリビニルアルコール、及びポリビニルピロリドンである。例えば、Bentone(登録商標)Gel VS−5PC(Rheox)などのベントナイトもまた特に有効であることが判明しており、これは、シクロペンタシロキサン、ジステアルジモニウムヘクトライト、及びプロピレンカーボネートの混合物を含む。また好適なのは、例えば、エトキシル化脂肪酸グリセリド、脂肪酸の、例えば、ペンタエリスリット又はトリメチロールプロパンなどのポリオールとのエステル、狭い同族体分布を有する脂肪族アルコールエトキシラート、又はアルキルオリゴグリコシドなどの界面活性剤、並びに食卓塩及び塩化アンモニウムなどの電解質である。
過脂剤及び安定剤
好適な過脂剤の例は、例えば、ラノリン及びレシチン、並びにポリエトキシル化又はアシル化ラノリン及びレシチン誘導体、ポリオール脂肪酸エステル、モノグリセリド、及び脂肪酸アルカノールアミドなどの物質であり、脂肪酸アルカノールアミドは、同時に泡安定剤としても機能する。
脂肪酸の金属塩、例えば、マグネシウム、アルミニウム及び/又は亜鉛のステアリン酸塩又はリシノール酸塩などは、安定剤として使用してもよい。
ポリマー
好適なカチオン性ポリマーの例は、例えば、Polymer JR400(登録商標)の名称でAmercholから入手できる四級化ヒドロキシエチルセルロースのようなカチオン性セルロース誘導体、カチオン性デンプン、ジアリルアンモニウム塩とアクリルアミドとのコポリマー、例えば、Luviquat(登録商標)(BASF)などの四級化ビニルピロリドン/ビニルイミダゾールポリマー、ポリグリコールとアミンとの縮合生成物、例えば、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン(Lamequat(登録商標)L/Gruenau)などの四級化コラーゲンポリペプチド、四級化コムギポリペプチド、ポリエチレンイミン、例えば、アモジメチコンなどのカチオン性シリコーンポリマー、アジピン酸とジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミンとのコポリマー(Cartaretine(登録商標)/Sandoz)、アクリル酸と塩化ジメチルジアリルアンモニウムとのコポリマー(Merquat(登録商標)550/Chemviron)、ポリアミノポリアミド及びそれらの架橋水溶性ポリマー、例えば、要すれば微結晶に分散させる四級化キトサンなどのカチオン性キチン誘導体、例えば、ジブロモブタンなどのジハロアルキレンと、例えば、ビス−ジメチルアミノ−1,3−プロパンなどのビス−ジアルキルアミンとの縮合生成物、例えば、Celanese製のJaguar(登録商標)CBS、Jaguar(登録商標)C−17、及びJaguar(登録商標)C−16などのカチオン性グアーガム、並びに、例えば、Miranol製のMirapol(登録商標)A−15、Mirapol(登録商標)AD−1、及びMirapol(登録商標)AZ−1などの四級化アンモニウム塩ポリマーである。
好適なアニオン性、双性イオン性、両性、及び非イオン性ポリマーの例は、例えば、酢酸ビニル/クロトン酸コポリマー、ビニルピロリドン/アクリル酸ビニルコポリマー、酢酸ビニル/マレイン酸ブチル/アクリル酸イソボルニルコポリマー、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマー及びそのエステル、未架橋ポリアクリル酸及びポリオールで架橋されたポリアクリル酸、塩化アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム/アクリル酸コポリマー、オクチルアクリルアミド/メタクリル酸メチル/メタクリル酸tert−ブチルアミノエチル/メタクリル酸2−ヒドロキシプロピルコポリマー、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、ビニルピロリドン/メタクリル酸ジメチルアミノエチル/ビニルカプロラクタムターポリマー、及び要すれば誘導体化したセルロースエーテル及びシリコーンを含む。
シリコーン化合物
好適なシリコーン化合物は、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状シリコーン及びアミノ、脂肪酸、アルコール、ポリエーテル、エポキシ、フッ素、グリコシド、及び/又はアルキル修飾したシリコーン化合物であり、それらは室温で液体又は樹脂状のいずれかで存在することができる。また好適なのはシメチコーンであり、平均鎖長200〜300のジメチルシロキサン部位を有するジメチコーンと水素化ケイ酸塩との混合物である。
保湿剤
保湿剤は、組織の知覚特性をさらに最適化し、皮膚の水分を調節するために使用される。同時に、本発明に従った調製物の低温安定性は、特にエマルジョンの場合において増大している。保湿剤は、通常、0.1〜15重量%、好ましくは1〜10重量%、及び特に5〜10重量%の量で含まれる。
本発明に従った好ましい保湿剤の例は、アミノ酸、ピロリドンカルボン酸、乳酸及びその塩、ラクチトール、尿素及び尿素誘導体、尿酸、グルコサミン、クレアチニン、コラーゲンの切断生成物、キトサン又はキトサン塩誘導体、及び特にポリオール及びポリオール誘導体(例えば、グリセロール、ジグリセロール、トリグリセロール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エリスライト、1,2,6−ヘキサントリオール、PEG−4、PEG−6、PEG−7、PEG−8、PEG−9、PEG−10、PEG−12、PEG−14、PEG−16、PEG−18、及びPEG−20などのポリエチレングリコール)、糖及び糖誘導体(フルクトース、グルコース、マルトース、マルチトール、マンニトール、イノシトール、ソルビトール、ソルビチルシランジオール、スクロース、トレハロース、キシロース、キシリトール、グルクロン酸及びその塩を含む)、エトキシル化ソルビトール(ソルベス−6、ソルベス−20、ソルベス−30、ソルベス−40)、蜂蜜及び硬化蜂蜜、硬化デンプン加水分解物、並びに硬化コムギタンパク質及びPEG−20/酢酸コポリマーの混合物を含む。発明に従う好ましい好適な保湿剤は、グリセロール、ジグリセロール、トリグリセロール、及びブチレングリコールである。
生物起源の薬剤及び酸化防止剤
生物起源の活性成分は、例えば、トコフェロール、酢酸トコフェロール、パルミチン酸トコフェロール、アスコルビン酸、(デオキシ)リボ核酸及びその断片化生成物、β−グルカン、レチノール、ビサボロール、アラントイン、フィタントリオール、パンテノール、AHA酸、アミノ酸、セラミド、プソイドセラミド、精油、及び、例えば、ショウガ根抽出物、エキナセア抽出物、プルーンエキス、バンバラナッツエキスなどの植物抽出物、ビタミン複合体及びベンジリデンジメトキシジメチルインダノンを指すと理解される。
酸化防止剤は、紫外線が皮膚を貫通するときに引き起こされる光化学反応連鎖を阻害する。酸化防止剤の典型的な例は、アミノ酸(例えば、グリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)及びその誘導体、イミダゾール(例えば、ウロカニン酸)及びその誘導体、カロテノイド、カロテン(例えば、α−カロテン、β−カロテン、リコペン)及びその誘導体、クロロゲン酸及びその誘導体、リポ酸及びその誘導体(例えば、ジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシル及び他のチオール(例えば、チオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、システアミン及びそれらのグリコシル、N−アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチル及びラウリル、パルミトイル、オレイル、γ−リノレイル、コレステリル及びグリセリルエステル)、並びにその塩、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジステアリル、チオジプロピオン酸及びその誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシド及び塩)、並びに非常に低い耐用量(例えば、pmol〜μmol/kg)のスルホキシイミン化合物(例えば、ブチオニンスルホキシイミン、ホモシステインスルホキシイミン、ブチオニンスルホン、ペンタ、ヘキサ、ヘプタチオニンスルホキシイミン)、並びに(金属)キレート化剤(例えば、α−ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、及びラクトフェリン)、α−ヒドロキシ酸(例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTA及びその誘導体、不飽和脂肪酸及びその誘導体(例えば、γ−リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸及びその誘導体、ユビキノン及びユビキノール及びそれらの誘導体、ビタミンC及びその誘導体(例えば、パルミチン酸アスコルビル、アスコルビルリン酸Mg、酢酸アスコルビル)、トコフェロール及び誘導体(例えば、酢酸ビタミンE)、ビタミンA及びその誘導体(パルミチン酸ビタミンA)、並びにベンゾインの安息香酸コニフェリル、ルチン酸及びその誘導体、α−グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログア樹脂酸、ノルジヒドログアイアレチン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸及びその誘導体、マンノース及びその誘導体、スーパーオキシドジスムターゼ、亜鉛及びその誘導体(例えば、ZnO、ZnSO)、セレン及びその誘導体(例えば、セレンメチオニン)、スチルベン及びその誘導体(例えば、スチルベンオキシド、trans−スチルベンオキシド)、並びに本発明に従う上記活性成分の好適な誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチド、及び脂質)である。
膜形成剤、ふけ防止剤、及び膨潤剤
一般的な膜形成剤の例は、キトサン、微晶質キトサン、四級化キトサン、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマー、アクリル酸系のポリマー、四級セルロース誘導体、コラーゲン、ヒアルロン酸又はその塩、及び類似化合物を含む。
好適なふけ防止剤の例は、ピロクトンオラミン(1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2−(1H)−ピリジノンモノエタノールアミン塩)、Baypival(登録商標)(クリンバゾール)、Ketoconazol(登録商標)、(4−アセチル−1−{−4−[2−(2,4−ジクロロフェニル)r−2−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−1,3−ジオキシラン−c−4−イルメトキシフェニル}ピペラジン、ケトコナゾール、エルビオール、二硫化セレン、コロイド硫黄、モノオレイン酸硫黄ポリエチレングリコールソルビタン、硫黄リシノールポリエトキシラート、硫黄タール留分、サリチル酸(又はヘキサクロロフェンとの組み合わせ)、ウンデシレン酸モノエタノールアミドスルホコハク酸Na塩、Lamepon(登録商標)UD(タンパク質−ウンデシレン酸縮合物)、亜鉛ピリチオン、アルミニウムピリチオン、及びマグネシウムピリチオン/ジピリチオン−硫酸マグネシウムである。
水相用として好適な膨潤剤の例は、モンモリロナイト、粘土鉱物、Pemulen、並びにアルキル修飾Carbopol製品(Goodrich)を含む。さらに好適なポリマー又は膨潤剤は、R.Lochheadの総説Cosm.Toil.108,95(1993)において見ることができる。
昆虫忌避剤
好適な昆虫忌避剤は、N,N−ジエチル−m−トルアミド、1,2−ペンタンジオール、又はブチルアセチルアミノプロピオン酸エチルである。好適な自己タンニング剤は、ジヒドロキシアセトンを含む。好適なチロシン阻害剤、メラニンの形成を防止し、脱色素剤として使用されるものであるが、その例は、アルブチン、フェルラ酸、コウジ酸、クマル酸、及びアスコルビン酸(ビタミンC)を含む。
ヒドロトロープ
さらに、ヒドロトロープ、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、又はポリオールなどを、流動特性を改善するために使用することができ、これらの物質は、はじめに記した担体と大部分同等である。この場合において、好適なポリオールは、好ましくは2〜15個の炭素原子、及び少なくとも2個のヒドロキシル基を有する。ポリオールはまた、他の官能基、特にアミノ基を含んでいてもよいか、又は窒素で修飾されていてもよい。典型的な例は、
・ グリセロール、
・ アルキレングリコール、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、並びに平均分子量が100〜1,000ドルトンのポリエチレングリコール、
・ 1.5〜10の自己縮合度を有する工業用オリゴグリセロール混合物、例えば、ジグリセリン含有量が40〜50重量%の工業用ジグリセロール混合物など、
・ メチロール化合物、特にトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリスライト、及びジペンタエリスライトなど、
・ 低級アルキルグルコシド、特にアルキル残基中に1〜8個の炭素原子を有するもの、例えば、メチル及びブチルグリコシドなど、
・ 5〜12個の炭素原子を有する糖アルコール、例えば、ソルビトール又はマンニトールなど、
・ 5〜12個の炭素原子を有する糖、例えば、グルコース又はサッカロースなど、
・ アミノ糖、例えば、グルカミンなど、
・ ジアルコールアミン、例えば、ジエタノールアミン又は2−アミノ−1,3−プロパンジオールなど
である。
防腐剤
好適な防腐剤の例は、フェノキシエタノール、ホルムアルデヒド溶液、パラベン、ペンタンジオール、又はソルビン酸、並びにSurfacine(登録商標)の名称で既知の銀錯体及びCosmetics Ordinanceの付録6、パートA及びBに列挙されているさらなる物質クラスを含む。
好ましいのは、O−シメン−5−オール、安息香酸及びパラ−ヒドロキシ安息香酸、それらのエステル又は塩、安息香酸ベンジル、プロピオン酸及びその塩、レブリン酸及びその塩、アニシン酸及びその塩、ペリル酸及びその塩、桂皮酸及びその塩、ホルムアルデヒド及びパラホルムデヒド、4−ヒドロキシベンズアルデヒド、オルト−、メタ−、及びパラ−アニスアルデヒド、シンナムアルデヒド、シンナムアルコール、2−ヒドロキシビフェニルエーテル及びその塩、2−亜鉛−スルフィドピリジン N−オキシド、無機亜硫酸及び二亜硫酸塩、ヨウ化ナトリウム、クロロブタノルム、4−エチル水銀−(II)5−アミノ−1,3−ビス(2−ヒドロキシ安息香酸)、その塩及びそのエステル、10−ウンデシル酸及びその塩、5−アミノ−1,3−ビス(2−エチルヘキシル)−5−メチル−ヘキサヒドロピリミジン、5−ブロモ−5−ニトロ−1,3−ジオキサン、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール、2,4−ジクロロベンジルアルコール、N−(4−クロロフェニル)−N’−(3,4−ジクロロフェニル)−ウレア、4−クロロ−m−クレゾール、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシ−ジフェニルエーテル、4−クロロ−3,5−ジメチルフェノール、1,1’−メチレン−ビス(3−(1−ヒロキシメチル−2,4−ジオキシイミダゾリン−5−イル)ウレア)、ポリ−(ヘキサメチレンジグアニド)ヒドロクロリド、(ベンジルオキシメトキシ)−メタノールヘキサメチレンテトラミン、1−(3−クロロアリル)−3,5,7−トリアザ−1−アゾニア−アダマンタンクロリド、1−(4−クロロフェノキシ)−1−(1H−イミダゾール−1−イル)−3,3’−ジメチル−2−ブタノン、1,3−ビス−(ヒドロキシメチル)−5,5−ジメチル−2,4−イミダゾリデンジオン、1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタン、2,2’−メチレン−ビス(6−ブロモ−4−クロロフェノール)、ブロモクロロフェン、5−クロロ−2−メチル−3(2H)−イソチアゾリノン、2−メチル−3(2H)−イソチアゾリノン、塩化マグネシウム、窒化マグネシウムの混合物、2−オクチル−2H−イソチアゾール−3−オン、1,2−ベンズイソチアゾール−3(2H)−オン、2−ベンジル−4−クロロフェノール、3−(4−クロロフェノキシ)−1,2−プロパンジオール(クロルフェネシン)、2−クロロアセトアミド、クロルヘキシジン、酢酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、クロルヘキシジンヒドロクロリド、N−アルキル(C12−22)トリメチル−臭化及び塩化アンモニウム、4,4−ジメチル−1,3−オキサゾリジン、N−ヒドロキシ−メチル−N−(1,3−ジ(ヒドロキシメチル)−2,5−ジオキソイミダゾリジン−4−イル)−N’−ヒドロキシ−メチルウレア、1,6−ビス(4−アミジノ−フェノキシ)−n−ヘキサン及びその塩、グルタルアルデヒド、5−エチル−1−アザ−3,7−ジオキサビシクロ(3.3.0)オクタン、3−(4−クロロフェノキシ)−1,2−プロパンジオール、ヒアミン、アルキル−(C8−C18)−ジメチル−ベンジル−塩化アンモニウム、アルキル−(C8−C18)−ジメチル−ベンジル−臭化アンモニウム、アルキル−(C8−C18)−ジメチル−ベンジル−サッカリン酸アンモニウム、ベンジルヘミホルマル、3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバマート、ヒドロキシメチル−アミノ酢酸ナトリウム又はヒドロキシメチル−アミノ酢酸ナトリウム、イミダゾリジニルウレア、ジアゾリジニルウレア、ヒドロキシメチルグリシン酸ナトリウム、DMDMヒダントイン、トロポロン、(エチレンジオキシ)ジメタノール、2−ブロム−2−(ブロムメチル)ペンタンジニトリル、N−(3−アミノプロピル)−N−ドデシルプロパン−1,3−ジアミン、α,α’,α’’−トリメチル−1,3,5(2H,4H,6H)−トリエタノール、ピリジン−2−チオール−1−オキシド、ナトリウム塩、テトラヒドロ−1,3,4,6−テトラキス(ヒドロキシメチル)イミダゾ[4,5−d]イミダゾール−2,5(1H,3H)−ジオン、1,3−(ビスヒドロキシメチル)−1−(1,3,4−トリス(ヒドロキシメチル)−2,5−ジオキソイミダゾリジン−4−イル)ウレア(ジアゾリジニルウレア)、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−5,5−ジメチルイミダゾリジン−2,4−ジオン、3−アセチル−2−ヒドロキシ−6−メチル−4H−ピラン−4−オン、セチルピリジウムクロリド、N−アルファ−ドデカノイル−L−アルギン酸エチルヒドロクロリド、カプリルヒドロキシアミン酸、ソルボヒドロキシアミン酸、及びそれらの混合物からなる群から選択される防腐剤である。
多官能性物質
本発明における化粧又は医薬品は、特に式(I)の少なくとも1つの化合物、又は式(I)の化合物の化粧品的に許容される塩、又はこれらの化合物又はそれらの上記塩の2つ以上を含む混合物であって、1,3−プロパンジオール、メチルプロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,2−デカンジオール、エチルヘキシルグリセリン、ヘキソキシ−プロパン−1,2−ジオール、ヘプトキシ−プロパン−1,2−ジオール、オクトキシ−プロパン−1,2−ジオール、3−フェノキシ−プロパン−1,2−ジオール、3−ベンジルオキシ−プロパン−1,2−ジオール、3−フェニルエチルオキシ−プロパン−1,2−ジオール、3−フェニルプロピルオキシ−プロパン−1,2−ジオール、3−メチルベンジルオキシ−プロパン−1,2−ジオール、カプリル酸ソルビタン、トリクロサン、クリムバゾール、オクトピロクス(1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2(1H)−ピリドン、2−アミノエタノール)、キトサン、ファルネソール、2−ブチルオクタン酸、2−ベンジル−ヘプタン−1−オール、モノラウリン酸グリセロール、ビス(2−ピリジルチオ)亜鉛1,1'-ジオキシド、N,N'−(デカン−1,10−ジルジピリジン−1−イル−4−イリデン)−ジオクタン−1−アミンジヒドロクロリド(オクテニジンジヒドロクロリド)、チモイル、オイゲノ−ル、4−イソプロピル−3−メチルフェノール、ベンジルアルコール、2−フェニルエチルアルコール、3−フェニルプロパノール、2−フェノキシエタノール、1−フェノキシ−プロパン−2−オール、3−フェノキシプロパノール、ベンジルオキシメタノール、カプリル酸グリセリル、カプリン酸グリセリル、ラウリン酸グリセリル、ヒドロキシアセトフェノン、及びそれらの混合物、から選択される、いわゆる多官能性物質と併用するものを含む。
好ましいのは、L−カルノシン及び/又はカルシニン塩酸と、2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオール、ヒドロキシアセトフェノン、及びそれらの混合物との組み合わせである。式(I)の化合物(複数可)と多官能性物質との組み合わせは、日光、好ましくは可視光誘起の色素過剰の処置に、特に有利である。#
香油及び香料
好適な香油の例は、天然又は合成香料の混合物を含む。天然香料は、花の抽出物(ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミン、ネロリ、イランイラン)、茎及び葉(ゼラニウム、パチョリ、プチグレン)、果実類(アニス、コリアンダー、カラウェー、ジュニパー)、果皮(ベルガモ、レモン、オレンジ)、根(ナツメグ、アンゼリカ、セロリ、カルダモン、コスツス、アヤメ、カルマス)、木材(パイン樹、サンダル樹、グアヤク樹、シダー樹、バラ樹)、香草及び草本(タラゴン、レモングラス、セージ、タイム)、針状葉及び枝(トウヒ、モミ、パイン、ハイマツ)、樹脂及びバルサム(ガルバヌム、エレミ、ベンゾイン、ミルラ、オリバナム、オポポナックス)。動物性原料、例えば、シベット及び海狸などをまた用いてもよい。典型的な合成香料化合物は、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコール、及び炭化水素型の生成物である。エステル型の香料化合物の例は、酢酸ベンジル、イソ酪酸フェノキシエチル、シクロヘキシル酢酸p−tert−ブチル、酢酸リナリル、酢酸ジメチルベンジルカルビニル、酢酸フェニルエチル、安息香酸リナリル、ギ酸ベンジル、グリシン酸エチルメチルフェニル、シクロヘキシルプロピオン酸アリル、プロピオン酸スタイラリル、及びサリチル酸ベンジルである。エーテルはベンジルエチルエーテルを含み、一方アルデヒドは8〜18の炭素原子を含む直鎖のアルカナ−ル、シトラール、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアール、ボージョナールを含む。好適なケトンの例は、イオノン、α−イソメチルイオノン、及びメチルセドリルケトンである。好適なアルコールは、アネトール、シトロネロ−ル、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、リナロオール、フェニルエチルアルコール、テルピネオールである。炭化水素は、主としてテルペン及びバルサムを含む。しかしながら、異なる香料の混合物は心地よい芳香をともに生み出すことが好ましい。その他の好適な香油は、低揮発性の、多くの場合、アロマ成分として使用されるエッセンシャルオイル、例えば、セージ油、カモミール油、クローブ油、メリッサ油、ミント油、シナモンリーフ油、リンデンフラワー油、ジュニパーベリー油、ベチベル油、オリバナム油、ガルバヌム油、ラブダナム油及びラバンジン油を含む。好ましくは、個々に又は混合物の形で、ベルガモット油、ジヒドロミルセノール、リリアール、ライラール、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、α−ヘキシルシンナムアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロール、ボアザンブレンフォルト、アンブロキサン、インドール、ヘジオン、サンデリス、シトラス油、マンダリン油、オレンジ油、グリコール酸アリルアミル、シクロベルタール、ラバンジン油、クラリー油、β−ダマスコン、ゼラニウム油ブルボン、サリチル酸シクロヘキシル、Vertofix Coeur、イソ−E−スーパー、Fixolide NP、エバーニル、イラルデインガンマ、フェニル酢酸、酢酸ゲラニル、酢酸ベンジル、ローズオキシド、Romilat、Irotyl及びFloramatが用いられる。
好適な香料の例は、ペパーミント油、スペアミント油、アニス油、スターアニス油、カラウェー油、ユーカリ油、フェンネル油、シトラス油、冬緑油、クローブ油、など含む。
染料
化粧料目的のために適切かつ承認された物質、例えば、Farbstoffkommission der Deutschen Forschungsgemeinschaft[ドイツ研究財団色素検査委員会]の出版物、『化粧料染料』,Verlag Chemie,Weinheim,1984,pp.81−106に記載されている物質を染料として使用してもよい。例えば、コチニールレッドA(CI16255)、パテントブルーV(CI42051)、インジゴチン(CI73015)、クロロフィリン(CI75810)、キノリンイエロー(CI47005)、二酸化チタン(CI77891)、インダスレンブルーRS(CI69800)及びアリザリンレッド(CI58000)である。ルミノールもまた、発光染料として含むことができる。これらの染料は、通常、混合物全体の量に基づいて0.001〜0.1重量%の濃度で使用される。
これらの補助剤及び添加剤の全量は、薬剤に対し、1〜50、好ましくは5〜40重量%であり得る。薬剤は、一般的な冷温プロセス又は高温プロセスによって製造することができ、転相温度法が好ましい。
本発明における重要な側面は、日光誘起の、好ましくは可視光誘起の色素過剰の処置のための非治療的方法について述べるものであり、以下の工程を含む:
(i)式(I)の少なくとも1つの化合物又は式(I)の化合物の化粧品的に許容される塩、又はこれらの化合物又はそれらの上記塩の2つ以上を含む混合物の供給、及び、
Figure 2019509301
[式中、RはH又はCHを示し、RはH又はCOOHを示す。]
(ii)前記化合物(複数可)又は混合物(複数可)のヒトの皮膚への適用。
特に、本方法は、式(I)の化合物は、カルノシン、L−カルノシン、D−カルノシン、D/L−カルノシン、カルシニン、カルシニン塩酸、アンセリン、D−アンセリン、L−アンセリン、並びにL−アンセリン硝酸及びそれらの混合物の群から選択される式(I)の化合物(複数可)に向けられたものである。
好ましいのは、化粧品がさらに少なくとも1つのUVフィルターを含み、UVフィルターが、UV−Aフィルター、UV−Bフィルター、及び光保護顔料から成る群から選択される方法である。
また好ましいのは、化粧品がさらに少なくとも1つの皮膚美白剤を含む方法である。好ましい実施形態において、スキンケア又は日焼け防止剤を代表する調合は、クリーム、ローション、ジェル、ペースト又はカプセルの形態である。
また好ましいのは、式(I)の化合物(複数可)又は式(I)の化合物の化粧品的に許容される塩が、軽減させ、遅らせ、抑制する及び/又は日光誘起の、好ましくは可視光誘起の色素過剰に対し保護する活性な量で存在していることである。
本発明のさらなる側面は、式(I)の化合物(複数可)又は式(I)の化合物の化粧品的に許容される塩又はこれらの化合物又はそれらの上記塩の2つ以上を含む混合物の色素沈着の変化に効果的な量を管理することによる、ほ乳類の、ほ乳類の皮膚の色素沈着における効果的な変化を含む前記方法の、好ましくはヒトの皮膚の、化粧品的、非治療的処置の別の方法である。
好ましくは、式(I)の化合物(複数可)の色素沈着の変化に効果的な量は、局所的に管理される。
好ましくは、1つの式(I)の化合物又は式(I)の化合物の化粧品的に許容される塩、又はこれらの化合物又はそれらの上記塩の2つ以上を含む混合物は、L−カルノシン及び/又はカルシニン塩酸である。
本発明のさらなる別の側面は、色素過剰を軽減、遅延、及び/又は抑制する、各々、皮膚の色素過剰の形成を処置、予防及び/又は改善する、局所的な式(I)の化合物(複数可)又はその/それらの塩を含む(医薬又は化粧)品の適用、及び日光誘起の、好ましくは可視光誘起の、ヒトの色素過剰化した組織へのさらなる添加物を含む、方法である。
要すれば、さらなる化合物(b1)0.05重量%から60重量%、好ましくは0.1重量%〜50重量%、及び特に好ましくは0.5重量%〜40重量%のUVフィルター、及び/又は(b2)0.005重量%〜20重量%、好ましくは0.01重量%〜10重量%の皮膚美白剤が、本発明の調合中に存在する。ここで化合物a)からd)までの重量パーセントは、その調合の全量に基づいており、全化合物の合計は100重量%に加算されている。
最後に、本発明は、式(I)の少なくとも1つの化合物又は式(I)の化合物の化粧品的に許容される塩又はこれらの化合物又はそれらの上記塩の2つ以上を含む混合物の、色素過剰の処置、予防及び/又は改善のための利用に向けられている。
Figure 2019509301
[式中、RはH又はCHを示し、RはH又はCOOH、又はその塩を示す。]
実施例1
ヒト表皮の黒色腫細胞A375を6ウェルプレートで培養した。KG1フィルターを備えたHydrosun 750で、細胞に可視光(480J/cm)を照射した。照射前及び照射後48時間で、細胞毒性のない濃度で、細胞をテスト化合物で処理した。メラノサイトはNaOH溶液中で溶解させた。メラニンを405nmにおける吸収測定により定量し、計算はメラニン標準曲線に基づく。
Figure 2019509301
Figure 2019509301
重要度:
## p<0.01(対処置なし)、
** p<0.01、*** p<0.001(対可視光照射)
驚くべきことに、L−カルノシンは、基底メラニン形成には効果がない一方で、可視光誘起の色素過剰を著しく阻害した。
実施例2
下の調合を、フォトタイプ IV(Fitzpatric尺度)のドナーの腹部手術由来のヒト皮膚組織片に、生体外で、適用した。48時間後に薬剤をコットンパッドから除いた。KG1フィルターを備えたHydrosun 750で、皮膚組織片に可視光(480J/cm)を照射した。その後、調合を再度適用した。48時間後、皮膚領域を用意し、メラニンをFontana−Masson染色で染みこませた。メラニンの定量を画像分析によって行った。
Figure 2019509301
Figure 2019509301
重要度:
### p<0.001(対処置なし)、
*** p<0.001(対偽薬)
以下の例は、本発明による薬剤を含む、様々な日焼け防止製品の調合を示す。全量は重量%を示しているものとして理解されるべきである。
Figure 2019509301
Figure 2019509301
Figure 2019509301
Figure 2019509301
Figure 2019509301
Figure 2019509301

Figure 2019509301

Figure 2019509301

Figure 2019509301

Figure 2019509301
Figure 2019509301

Claims (15)


  1. Figure 2019509301
    [式中、RはH又はCHを示し、RはH又はCOOHを示す。]
    式(I)の少なくとも1つの化合物又は式(I)の化合物の薬学的に許容される塩又はこれらの化合物又はそれらの上記塩の2つ以上を含む混合物を含む、色素過剰の処置、予防、及び/又は改善に使用するための医薬品。
  2. 前記色素過剰が、日光の照射によって誘起されるものである、請求項1に記載の医薬品。
  3. 前記色素過剰が、可視光の照射によって誘起されるものである、請求項1に記載の医薬品。
  4. 前記式(I)の化合物が、カルノシン、L−カルノシン、D−カルノシン、D/L−カルノシン、カルシニン、カルシニン塩酸、アンセリン、D−アンセリン、L−アンセリン、並びにL−アンセリン硝酸及びそれらの混合物の群から選択されるものである、請求項1に記載の医薬品。
  5. 前記医薬品が、さらに少なくとも1つの、UV−Aフィルター、UV−Bフィルター、及び光保護顔料から成る群から選択されるUVフィルター、を含むものである、請求項1に記載の医薬品。
  6. 前記医薬品が、さらに少なくとも1つの皮膚美白剤を含むものである、請求項1に記載の医薬品。
  7. 前記式(I)の化合物(複数可)又は式(I)の化合物(複数可)の薬学的に許容される塩が、日光、好ましくは可視光照射によって引き起こされる色素過剰を、軽減させ、遅らせ、抑制及び/又は保護する活性な量で存在しているものである、請求項1に記載の医薬品。
  8. (a)0.01重量%から10重量%の式(I)の1つの化合物又は式(I)の化合物の薬学的に許容される塩、又はこれらの化合物又はそれらの上記塩の2つ以上を含む混合物、及び要すれば、
    (b1)0.05重量%から60重量%のUVフィルター、及び/又は
    (b2)0.005重量%から20重量%の皮膚美白剤、及び要すれば、
    (c)0.2重量%から99重量%の、水、アルコール、エステル、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、エタノール、エトキシジグリコール、酢酸エチル、グリセロール、プロパノール、イソプロパノール、マクロゴール、プロピルプロピレングリコール(2)メチルエーテル、プロピルプロピレングリコール(3)メチルエーテル、炭酸プロピレン、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、イソパラフィン、酢酸アミル、安息香酸アミル、酢酸ベンジル、酢酸ブチル、ブチレングリコール、乳酸ブチル、安息香酸ブトオクチル、サリチル酸ブトオクチル、C10−C13アルカン、C14−C17アルカン、C11−C15シクロアルカン、酪酸カプリリル、イソパラフィン、ジアセチン、トリアセチンジカプリリルエーテル、マレイン酸ジカプリリル、及びそれらの混合物から成る群から選択される担体、
    (d)0.1重量%〜90重量%のさらなる添加物、
    ここで化合物a)からd)までの重量パーセントは、その調合の全量に基づいており、全化合物の合計は100重量%に加算されている、
    を含む、色素過剰の処置、予防、及び/又は改善に利用するための医薬品。
  9. (a)式
    Figure 2019509301
    [式中、RはH又はCHを示し、RはH又はCOOH、又はそれらの塩を示す。]
    式(I)の少なくとも1つの化合物又は式(I)の化合物の化粧品的に許容される塩又はこれらの化合物又はそれらの上記塩の2つ以上を含む混合物、及び要すれば
    (b1)少なくとも1つのUVフィルター、及び/又は
    (b2)少なくとも1つの皮膚美白剤、及び要すれば、
    (c1)担体、
    (c2)油成分、及び/又は
    (c3)乳化剤、
    を含む、化粧用組成物。
  10. クリーム、ローション、ジェル、ペースト又はカプセルの形態で存在している、請求項9に記載の組成物。
  11. (i)式
    Figure 2019509301
    [式中、RはH又はCHを示し、RはH又はCOOHを示す。]
    式(I)の少なくとも1つの化合物又は式(I)の化合物の化粧品的に許容される塩又はこれらの化合物又はそれらの上記塩の2つ以上を含む混合物を提供する工程、及び
    (ii)前記化合物(複数可)又は混合物(複数可)をヒトの皮膚へ適用する工程、
    を包含する色素過剰の処置の、非治療的な方法。
  12. 前記式(I)の化合物が、カルノシン、L−カルノシン、D−カルノシン、D/L−カルノシン、カルシニン、カルシニン塩酸、アンセリン、D−アンセリン、L−アンセリン、並びにL−アンセリン硝酸及びそれらの混合物の群から選択されるものである、請求項11に記載の方法。
  13. その調合が、さらに少なくとも1つの、UV−Aフィルター、UV−Bフィルター、及び光保護顔料から成る群から選択されるUVフィルターを含むものである、請求項11に記載の方法。
  14. その調合が、さらに少なくとも1つの皮膚美白剤を含むものである、請求項11に記載の方法。

  15. Figure 2019509301
    [式中、RはH又はCHを示し、RはH又はCOOH、又はその塩を示す。]
    式(I)の少なくとも1つの化合物又は式(I)の化合物の化粧品的に許容される塩又はこれらの化合物又はそれらの上記塩の2つ以上を含む混合物の、色素過剰の処置、予防、及び/又は改善のための使用。
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