JP2019509017A - 組換えpicpタンパク質及びこれに特異的に結合する抗体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、組換えPICPタンパク質及びこれ特異的に結合する抗体の製造方法に関するもので、より詳細には、PICPに特異的に結合する抗体又はその断片、これを含む酵素免疫分析キットと代謝性骨疾患診断用組成物、これを利用したPICPの検出方法、前記抗体又はその断片を符号化するポリヌクレオチドとそれを含む組換え発現ベクター、前記組換え発現ベクターで形質転換された細胞は、前記組換え発現ベクターを利用して、PICPに特異的に結合する抗体又はその断片を製造する方法と、組換えPICPタンパク質の製造方法に関するものである。本発明の方法を利用して、タンパク質複合体であるPICPを容易に高純度高収率で製造することができる。また、本発明に係る抗体又はその断片は、PICPに対する結合親和力と結合特異性が極めて高く、類似したポリペプチドに対する交差反応性がなく、抗原結合に重要なアミノ酸配列が特定されて抗体を容易に繰り返し大量生産することができる。本発明に係る抗体と方法を利用して、PICPを感知するためのキットやPICPを利用した診断試薬開発に有用に利用することができる。

Description

本発明は、組換えPICPタンパク質及びこれに特異的に結合する抗体の製造方法に関するもので、より詳細には、PICPに特異的に結合する抗体又はその断片、これを含む酵素免疫分析(ELISA)キットと代謝性骨疾患診断用組成物、これを利用したPICPの検出方法、前記抗体又はその断片を符号化するポリヌクレオチドとこれを含む組換え発現ベクター、前記組換え発現ベクターで形質転換された細胞、前記組換え発現ベクターを利用してPICPに特異的に結合する抗体又はその断片を製造する方法と、組換えPICPタンパク質の製造方法に関するものである。
本出願は、2015年12月30日に出願された大韓民国特許出願第10-2015-0189684号を優先権主張し、前記明細書全体は本出願の参考文献である。
コラーゲンは、動物の結合組織の細胞外基質の主要構成蛋白質である。哺乳類では最も多く発現されるタンパク質の一つで、総発現タンパク質の約25-35%を占めると推定される。コラーゲンは、繊維の形態を有するタンパク質で、靭帯、腱、皮膚などの繊維組織から主に発見される。
その中で第1型コラーゲンは、人体で最も多く発現されるコラーゲンでコラーゲン繊維を構成し、腱、靭帯、筋肉繊維、骨、真皮層、歯のデンチンなどで発現され、傷の再生過程で残る傷跡組織(scar tissue)からも多く見られる。第1型コラーゲンは、コラーゲンα1鎖(collagen alpha 1 chain又はalpha-1 type collagen)、さらに、第1型コラーゲンα2鎖(collagen alpha 2 chain)のポリペプチドが2:1の割合で互いに巻かれて、異種三量体の三重螺旋構造になっており、約285kDaの分子量を有する。第1型コラーゲンは、他のコラーゲンと同様にプロコラーゲンと呼ばれる前駆体から生成されるが、プロコラーゲンは三重螺旋構造を有するコラーゲンの他に、N-末端とC-末端に特定のプロテアーゼにより切り出されるプロペプチド(propeptide)を追加して含め得る。細胞内で合成されたα1、α2ポリペプチドは、小胞体からC-末端プロペプチドから三重螺旋の繊維構造を形成し始めて、三重螺旋構造を完成したプロコラーゲンは、細胞外部に分泌され、N-末端とC-末端のプロペプチドが細胞外基質のメタルロープロテナゼ(metalloproteinase)により除去されることにより、プロコラーゲンがコラーゲンに成熟するようになる。成熟したコラーゲンは、互いに架橋結合して、最終的にコラーゲン繊維を形成する。
プロコラーゲンがコラーゲンに成熟する過程で、N-末端とC-末端のプロペプチドが正常的に切断されなければ、コラーゲンの三重螺旋構造が非正常的になって、コラーゲンの機能に欠陥をもたらす。また、第1型コラーゲン繊維は、特に骨を構成して支持する重要な役割をするため、α1又はα2鎖に突然変異が生じた場合、脆弱性骨折(brittle bone diseases)など骨形成不全(osteogenesis imperfecta)を引き起こすことになる。第1型プロコラーゲンC-末端プロペプチドは、第1型プロコラーゲンが三重螺旋構造形成に必須的で、コラーゲン成熟過程で分離されて出てくるので、コラーゲンの代謝を測定する重要な指標となる。第1型プロコラーゲンは骨芽細胞、助演骨芽細胞(chondroblast)などで生成されて分泌され、骨と関節の形成と機能に重要なため、PICPは、骨の成長、骨多孔症、関節炎のような骨と関節の疾患のマーカーとして利用することができる。
従って、PICPを高い感度で検出できる技術の開発が必要である。
そこで、本発明者らはタンパク質複合体であるPICPの組換えタンパク質を初めて作製し、scFv phage libraryとyeast Fab libraryをスクリーニングして、組換えPICPタンパク質に特異的な抗体の断片を選別して、通常的に使用されるIgG形態に転換した新規抗体を開発して本発明を完成した。
従って、本発明の目的は、
配列番号1、配列番号13、配列番号25、及び配列番号37からなる群より選ばれたアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定部位1(CDR1);配列番号3、配列番号15、配列番号27、及び配列番号39からなる群よりら選ばれたアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定部位2(CDR2);配列番号5、配列番号17、配列番号29、及び配列番号41からなる群より選ばれたアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定部位3(CDR3)を含む重鎖可変領域(VH)及び配列番号7、配列番号19、配列番号31、及び配列番号43からなる群より選ばれたアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定部位1(CDR1);配列番号9、配列番号21、配列番号33、及び配列番号45からなる群より選ばれたアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定部位2(CDR2);配列番号11、配列番号23、配列番号35、及び配列番号47からなる群より選ばれたアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定部位3(CDR3)を含む軽鎖可変領域(VL)を含むPICP(procollagen type I C-terminal propeptide)に特異的に結合する抗体又はその断片を提供することである。
本発明の他の目的は、
本発明に係る抗体又はその断片を含む酵素免疫分析(ELISA)キットを提供することである。
本発明の他の目的は、
本発明に係る抗体又はその断片を含む代謝性骨疾患を診断用組成物を提供することである。
また、本発明の目的は、
本発明に係る抗体又はその断片で構成されている代謝性骨疾患診断用組成物を提供することである。
また、本発明の目的は、
本発明に係る抗体又はその断片で必須的に構成される代謝性骨疾患診断用組成物を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、
代謝性骨疾患診断用製剤を製造するための、本発明の抗体又はその断片の使用を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、
下記の段階を含む、個体の代謝性骨疾患の診断方法を提供することである:
(a)個体から生物学的試料を収得する段階;
(b)本発明の抗体又はその断片を利用して、前記生物学的試料内PICP蛋白質の水準を測定する段階;及び
(c)前記PICP蛋白質の水準を正常個体のPICP蛋白質の水準と比較する段階。
本発明のさらに他の目的は、
(1)試料を準備する段階;
(2)本発明に係る抗体又はその断片を、前記試料と接触させる段階;及び
(3)上記の抗体又はその断片を検出する段階を含むPICP特異的な検出方法を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、
本発明に係る抗体又はその断片を符号化するポリヌクレオチドを提供することである。
本発明のさらに他の目的は、
前記ポリヌクレオチドを含む組換え発現ベクターを提供することである。
本発明のさらに他の目的は、
前記組換え発現ベクターで形質転換された細胞を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、
(a)前記組換え発現ベクターで宿主細胞を形質転換する段階;
(b)形質転換された宿主細胞を培養して抗体又はその断片を生産する段階;及び
(c)宿主細胞から生産された抗体又はその断片を収得する段階を含むPICPに特異的に結合する抗体又はその断片を製造する方法を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、
(i)細胞外分泌を促進するシグナルペプチドと標識タンパク質が接合されたPICPα1鎖とPICPα2鎖を符号化するポリヌクレオチドを含む組換え発現ベクターを製造する段階;
(ii)前記PICPα1鎖を符号化するポリヌクレオチドを含む組換え発現ベクターとPICPα2鎖を符号化するポリヌクレオチドを含む組換え発現ベクターを混合して、細胞を共同形質転換(co-transfection)する段階;
(iii)前記空洞形質転換された細胞を培養する段階;及び
(iv)上記細胞から生成されたPICPタンパク質を収得する段階を含む組換えPICPタンパク質の製造方法を提供することである。
前記のような目的を達成するために本発明は、
配列番号1、配列番号13、配列番号25、及び配列番号37からなる群より選ばれたアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定部位1(CDR1);配列番号3、配列番号15、配列番号27、及び配列番号39からなる群より選ばれたアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定部位2(CDR2);配列番号5、配列番号17、配列番号29、及び配列番号41からなる群より選ばれたアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定部位3(CDR3)を含む重鎖可変領域(VH)及び配列番号7、配列番号19、配列番号31、及び配列番号43からなる群より選ばれたアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定部位1(CDR1);配列番号9、配列番号21、配列番号33、及び配列番号45からなる群より選ばれたアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定部位2(CDR2);配列番号11、配列番号23、配列番号35、及び配列番号47からなる群より選ばれたアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定部位3(CDR3)を含む軽鎖可変領域(VL)を含むPICP(procollagen type I C-terminal propeptide)に特異的に結合する抗体又はその断片を提供する。
本発明の他の目的を達成するために、本発明は、
本発明に係る抗体又はその断片を含む酵素免疫分析(ELISA)キットを提供する。
本発明のさらに他の目的を達成するために本発明は、
本発明に係る抗体又はその断片を含む代謝性骨疾患診断用組成物を提供する。
また、本発明の目的を達成するために、本発明は、
本発明に係る抗体又はその断片で必須的に構成される代謝性骨疾患診断用組成物を提供する。
また、本発明の目的を達成するために、本発明は、
本発明に係る抗体またはその断片で不可欠で構成されている代謝性骨疾患を診断するための組成物を提供する。
本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は、
代謝性骨疾患診断用製剤を製造するための、本発明の抗体又はその断片の使用を提供する。
本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は、下記の段階を含む個体の代謝性骨疾患診断方法を提供する:
(a)個体から生物学的試料を収得する段階;
(b)本発明の抗体又はその断片を利用して、前記生物学的試料内PICP蛋白質水準を測定する段階;及び
(c)前記PICP蛋白質の水準を正常個体のPICP蛋白質の水準と比較する段階。
本発明のさらに他の目的を達成するために本発明は、
(1)試料を準備する段階;
(2)本発明に係る抗体又はその断片を前記試料と接触させる段階;及び
(3)上記の抗体又はその断片を検出する段階を含むPICP特異的な検出方法を提供する。
本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は、
本発明に係る抗体又はその断片を符号化するポリヌクレオチドを提供する。
本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は、
前記ポリヌクレオチドを含む組換え発現ベクターを提供する。
本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は、
前記組換え発現ベクターで形質転換された細胞を提供する。
本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は、
(a)前記組換え発現ベクターで宿主細胞を形質転換する段階;
(b)形質転換された宿主細胞を培養して抗体またはその断片を生産する段階;及び
(c)宿主細胞で生産された抗体又はその断片を収得する段階を含むPICPに特異的に結合する抗体又はその断片を製造する方法を提供する。
本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は、
(i)細胞外分泌を促進するシグナルペプチドと標識タンパク質が接合されたPICPα1鎖とPICPα2鎖を符号化するポリヌクレオチドを含む組換え発現ベクターを製造する段階;
(ii)PICPα1鎖を符号化するポリヌクレオチドを含む組換え発現ベクターとPICPα2鎖を符号化するポリヌクレオチドを含む組換え発現ベクターを混合して、細胞を共同形質転換(co-transfection)する段階;(iii)前記空洞形質転換された細胞を培養する段階;及び(iv)前記細胞から生成されたPICPタンパク質を収得する段階を含む組換えPICPタンパク質の製造方法を提供する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者らは、タンパク質三重複合体である組換えPICPタンパク質を成功的に製造し、ヒト由来scFv phage libraryとyeast Fab libraryをスクリーニングして、組換えPICPに特異的に結合する抗体の断片を選別した。選別された抗体の断片は、IgGの形態の抗体に変換された後も、PICPの結合親和力(affinity)と結合特異性(specificity)を維持して類似抗原に対する交差反応性も殆どないことを確認した。これにより、本明細書では、PICPに特異的で交差反応性が低いことが確認された重鎖と軽鎖の相補性決定部位(CDR)と、これらを含む重鎖可変領域(VH)と軽鎖可変領域(VL)のアミノ酸配列を含む抗体と抗体の製造方法、抗体を用いた検出方法を提供する。
本発明で“PICP”は、特異的エンドペプチダーゼのBMP1(bone morphogenic protein 1)によって切断されて生成される第1型プロコラーゲン(procollagen type 1)のC-末端部位断片を意味する。PICPは2つの第1型プロコラーゲンα1鎖(chain)と1つのα2鎖ポリペプチドで構成された三量体の球形蛋白質である。プロコラーゲンα1鎖は、ヒトからCOL1A1遺伝子に符号化されている1464個のアミノ酸で構成され蛋白質である。プロコラーゲンα2鎖はCOL1A2遺伝子に符号化されている1366個のアミノ酸で構成された蛋白質である。
本発明で“抗体(antibody)”とは、免疫グロブリン(immunoglobulin、Ig)とも称され、抗原に選択的に作用して、生体免疫に関与するタンパク質の総称である。自然の中で発見された全体抗体(whole antibody)は、一般的に複数のドメインから成るポリペプチドである軽鎖(light chain、LC)及び重鎖(heavy chain、HC)の2つのペアで成されるか、又はこれらHC/LCの2つのペアで成される構造を基本単位とする。哺乳類の抗体を構成する重鎖の種類は、ギリシャ文字のα、δ、ε、γ及びμで表示される5つの類型があり、重鎖の種類によって、それぞれIgA、IgD、IgE、IgG及びIgMなどの他の種類の抗体を構成することになる。哺乳類の抗体を構成する軽鎖の種類は、λ及びκで表示される2つの種類が存在する。
抗体の重鎖と軽鎖は、構造的にアミノ酸配列の可変性により可変領域と不変領域に区分される。重鎖の不変領域は、抗体の種類によりCH1、CH2及びCH3(IgA、IgD及びIgG抗体)及びCH4(IgE及びIgM抗体)など3又は4つの重鎖不変領域で構成されており、軽鎖は、1つの不変領域であるCLで構成されている。重鎖と軽鎖の可変領域は、それぞれ重鎖可変領域(VH)又は軽鎖可変領域(VL)のいずれかのドメインで構成されている。軽鎖と重鎖は、それぞれの可変領域と不変領域が並んで整列され、1つの共有二硫化結合(disulfide bond)によって連結され、軽鎖と結合した二つの分子の重鎖は、2つの共有二硫化結合を介して連結され、全体抗体の形態を形成する。全体の抗体は、重鎖及び軽鎖の可変領域を介して抗原に特異的に結合し、全体の抗体は、2つの重鎖と軽鎖の対(HC/LC)で構成されているので、一つの分子の全体の抗体は、二つの可変領域を通じて同じ2つの抗原に結合する2価の単一特異性を有するようになる。
抗体が抗原に結合する部位を含む可変領域は、配列可変性が少ない骨格部位(framework region、FR)と配列可変性が高い過可変性部位(hypervariable region)である相補性決定部位(complementary determining region、CDR)に細分される。VHとVLはそれぞれ3つのCDR及び4つのFRがN-末端からC-末端の方向にFR1-CDR1-FR2-CDR2-FR3-CDR3-FR4の順に配列されている。抗体の可変領域の中でも、配列可変性が最も高いCDRが抗原と直接結合する部位であり、抗体の抗原特異性が最も重要である。
本発明に係るPICPに特異的に結合する抗体は、
配列番号1、配列番号13、配列番号25、及び配列番号37からなる群から選ばれたアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定部位1(CDR1);配列番号3、配列番号15、配列番号27、及び配列番号39からなる群から選ばれたアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定部位2(CDR2);配列番号5、配列番号17、配列番号29、及び配列番号41からなる群から選ばれたアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定部位3(CDR3)を含む重鎖可変領域(VH)及び配列番号7、配列番号19、配列番号31、及び配列番号43からなる群から選ばれたアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定部位1(CDR1);配列番号9、配列番号21、配列番号33、及び配列番号45からなる群から選ばれたアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定部位2(CDR2);配列番号11、配列番号23、配列番号35、及び配列番号47からなる群から選ばれたアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定部位3(CDR3)を含む軽鎖可変領域(VL)を含む。
本発明に係るPICPに特異的に結合する抗体は、好ましくは、以下のような重鎖と軽鎖の可変領域のCDRの構成を有する抗体である:
配列番号1で表示されるアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定部位1、配列番号3で表示されるアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定部位2及び配列番号5で表示されるアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定部位3を含む重鎖可変領域(VH)及び配列番号7で表示されるアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定部位1、配列番号9で表示されるアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定部位2及び配列番号11で表示されるアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定部位3を含む軽鎖可変領域(VL)を含む抗体;又は
配列番号13で表示されるアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定部位1、配列番号15で表示されるアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定部位2及び配列番号17で表示されるアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定部位3を含む重鎖可変領域(VH)及び配列番号19で表示されるアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定部位1、配列番号21で表示されるアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定部位2と配列番号23で表示されるアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定部位3を含む軽鎖可変領域(VL)を含む抗体;又は
配列番号25で表示されるアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定部位1、配列番号27で表示されるアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定部位2及び配列番号29で表示されるアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定部位3を含む重鎖可変領域(VH)及び配列番号31で表示されるアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定部位1、配列番号33で表示されるアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定部位2及び配列番号35で表示されるアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定部位3を含む軽鎖可変領域(VL)を含む抗体;又は
配列番号37で表示されるアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定部位1、配列番号39で表示されるアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定部位2及び配列番号41で表示されるアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定部位3を含む重鎖可変領域(VH)及び配列番号43で表示されるアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定部位1、配列番号45で表示されるアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定部位2及び配列番号47で表示されるアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定部位3を含む軽鎖可変領域(VL)を含む抗体。
また、前記PICPに特異的に結合するCDRの構成を有する抗体は、配列番号49、配列番号53、配列番号57、及び配列番号61からなる群から選ばれたアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)と配列番号51、配列番号55、配列番号59、及び配列番号63からなる群から選ばれたアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含むことを特徴とする抗体でもある。
前記重鎖可変領域(VH)と軽鎖可変領域(VL)を含む抗体は、具体的には、配列番号69、配列番号73、配列番号77、及び配列番号81からなる群から選ばれたアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号71、配列番号75、配列番号79、及び配列番号83からなる群から選ばれたアミノ酸配列を含む軽鎖からなることを特徴とする抗体でもある。
最も好ましくは、配列番号69で表示されるアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号71で表示されるアミノ酸配列を含む軽鎖;配列番号73で表示されるアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号75で表示されるアミノ酸配列を含む軽鎖;配列番号77で表示されるアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号79で表示されるアミノ酸配列を含む軽鎖;配列番号81で表示されるアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号83で表示されるアミノ酸配列を含む軽鎖;を含む抗体である。
本発明に係るPICPに特異的に結合する抗体は、前記のCDRの組合わせや、VHとVL又は軽鎖と重鎖の構成を有するものであれば、その種類に制限はない。具体的には、IgG、IgA、IgM、IgE、およびIgDからなる群から選ばれる可能性があり、特にIgG抗体であることが望ましい。また、1つのB細胞から由来する単一クローン(monoclonal)抗体でもあって、複数のB細胞から由来する多クローン(polyclonal)抗体でもあり得るが、抗体の重鎖と軽鎖のアミノ酸配列が実質的に同一な抗体の集団である単一クローン抗体であることが望ましい。また、本発明の抗体又はその断片は、酵素、蛍光物質、放射線物質及びタンパク質などと接合されたものでもあるが、これに限定はされない。
本発明の抗体は、ヒトを含む哺乳動物、鳥類などを含む任意の動物から由来したものでもあるが、好ましくはヒトから由来したものであるか、又はヒトから由来した抗体の部分と異種の動物から由来した抗体の部分を含むキーメリック(chimeric)抗体でもある。
また、本発明で抗体の断片は、全体抗体の抗原特異的結合力を維持している抗体の断片を意味し、具体的には、Fab、F(ab)2、Fab'、F(ab')2、Fv、ディアボディ(diabody)、scFvなどの形態でもある。
Fab(fragment antigen-binding)は、抗体の抗原結合断片で、重鎖と軽鎖それぞれの一つの可変ドメインと不変ドメインで構成されている.F(ab')2は、抗体をペプシンで加水分解させて生成される断片であって、二つのFabが重鎖ヒンジ(hinge)で二硫化結合(disulfide bond)で連結された形態をしている。F(ab')は、F(ab')2断片の二硫化結合を還元して分離させたFabに重鎖のヒンジが付加された形態の単量体抗体断片である。Fv(variable fragment)は、重鎖と軽鎖それぞれの可変領域だけで構成さ抗体断片である。scFv(single chain variable fragment)は、重鎖可変領域と軽鎖可変領域が柔軟なペプチドリンカーで連結されている組換え抗体断片である。ディアボディは、scFvのVHとVLが極めて短いリンカーで連結されて互いに結合できず、同じ形態の他のscFvのVLとVHとそれぞれ結合して二量体を形成している形態の断片を意味する。
本発明の目的上、抗体の断片は、PICPに対する結合特異性を維持しているのであれば構造や形態の制限を受けないが、好ましくはscFvでもあり得る。つまり、本発明に係るscFvは、前記のPICPに特異的なCDR又はVHとVLの構成を有するものであり、好ましくは、配列番号65又は配列番号67で表示されるアミノ酸配列を含むものである。
また、本発明に係る抗体の断片は、Fabでもある。Fabは、配列番号57で表示されるアミノ酸配列を含むVH及び配列番号59で表示されるアミノ酸配列を含むVLを含むか、又は配列番号61で表示されるアミノ酸配列を含むVH及び配列番号63で表示されるアミノ酸配列を含むVLを含むことが望ましい。
本発明は、また本発明に係る抗体又はその断片を含む酵素免疫分析キット(ELISA)を提供する。
本発明の一実施例では、本発明に係る組換えPICPを利用して選別された抗体と断片を利用して、ELISA反応を実施した。特にscFvクローン2Dの可変領域を含むIgGを利用したサンドイッチエライザー(sandwich ELISA)反応では、検出限界は1ng/mlであってPICPを敏感に感知することができ、類似タンパク質のPIIICPには全く交叉反応性がなくELISAキットで効用性が高いことを確認した。そこで、本発明に係るPICPに特異的に結合する抗体又はその断片を利用して、PICPを定量的に感知することができる酵素免疫分析(ELISA)キットを提供する。
ELISAキットは、酵素(enzyme)と結合された抗体を利用して標的物質を検出したり、定量的に分析するために使用されるが、非特異的反応は減らし、抗原敏感性と結合特異性を高めるために通常的にsandwich ELISAの形態で製作される。Sandwich ELISAは標的物質を検出するために標的物質に特異的に結合する二種類の抗体を利用する方法では、最初の抗体(capture antibody)は、反応容器の表面に付着していて、発色反応のための酵素と結合されている2番目の抗体(detection antibody)は反応溶液に含まれている。まず、最初の抗体が固定されている反応容器に試料(又はサンプル)を添加して標的物質が最初の抗体と結合するように反応させ、再び第二の抗体を反応させて、最終的に抗体(capture)-標的物質-抗体(detection)のサンドイッチ状の複合体を形成することになる。最後に、第二の抗体に連結されている酵素の基質(substrate)を反応容器に添加して酵素の発色反応を行い、発色水準を測定して試料中に含まれている標的物質の存在有無と濃度等を確認することになる。試料中に標的物質の濃度が高いほど反応容器に付着した抗体(capture)-標的物質-抗体(detection)の複合体が多く形成され、発色反応をすることができる二番目の抗体が反応容器に多く存在するので、発色程度と標的物質の濃度は量の相関関係を有するようになる。標的物質の濃度を確認するために、多様な濃度の標準物質としてELISA反応行い、濃度による発色反応の標準曲線を作成して試料のELISA反応で測定した発色反応水準を標準曲線に対応して試料中の標準物質の濃度を導出することになる。
本発明に係るELISAキットは、このようにsandwich ELISAの形態で製造することができ、本発明に係る重鎖及び軽鎖可変領域を含むPICPに特異的に結合する抗体又はその断片が表面に固定されている反応容器、発色反応のための酵素が連結された抗体、発色反応のための酵素の基質、発色反応のための反応溶液、補助因子及びPICPの標準曲線を作成するための標準物質として、特定の濃度シリーズのPICPタンパク質などで構成することかできる。特に標準物質として、本発明の方法に従って製造した組換えPICPタンパク質を使用することができる。発色反応のための酵素としては、当業界でELISA反応のために通常的に利用され、PICPとの結合を阻害しないものであれば制限なく使用することができ、例えば、HRP(horse radish peroxidase)酵素と異議発色基質としてtetramethylbenzimidine(TMB)を使用することができる。TMBは、HRPの触媒作用によって酸化されて青色に発色され、発色水準は605nmの波長で吸光度を測定して確認することになる。一方、HRP酵素反応に硫酸(H2SO4)を添加すると、酵素作用が停止されて発色反応がそれ以上進行せず、反応溶液が青色から黄色に変わる。硫酸で安定化された黄色の反応溶液は、450nmの波長の吸光度を測定して確認することになる。
本発明は、また、本発明に係る抗体又はその断片を含む代謝性骨疾患診断用組成物を提供する。
また、本発明の目的を達成するために本発明は、
本発明に係る抗体又はその断片で構成される代謝性骨疾患診断用組成物を提供する。
また、本発明の目的を達成するために本発明は、
本発明に係る抗体又はその断片で必須的に構成される代謝性骨疾患診断用組成物を提供する。
本発明のさらに、他の目的を達成するために、本発明は代謝性骨疾患診断用製剤を製造するための本発明の抗体又はその断片の使用を提供する。
第1型コラーゲンは骨を構成する最も重要な有機物成分であって、第1型コラーゲンが生成される過程で切断されて血液など循環系に放出されるPICPは骨の形成と成長と密接に関連したコラーゲン合成の定量的な標識者として利用することができる。体液内PICPの水準は特に骨の轉換(turnover)や再生と関連が高い骨多孔症、甲状腺又は副甲状腺昂進症による骨多孔症、骨多孔症の前段階である骨減少症、骨成長障碍、骨癌、乳癌、肺癌、前立腺癌などの転移による骨転移癌などの転移による骨転移癌などの疾患などで増加しているものと報告されている。従って、本発明に伴うPICPに特異的に結合する抗体又はその断片を含む組成物は骨の転換又は再生と関連した代謝性骨疾患の診断に利用することができる。
本発明で代謝性骨疾患は具体的に骨多孔症、パゼト病(paget’s diseases)、骨異栄養症(osteodystrophy)、骨成長障碍(osteogenesis imperfecta)、骨癌、骨転移癌(metastatic bone disease)、骨軟化症(osteomalacia)、骨減少症(osteopenia)、骨萎縮(bone atrophy)、繊維性骨異形成症(fibrous dysplasia)、高カルシウム血症(hypercalcemia)、骨溶解(osteolysis)、骨関節炎(osteoarthritis)、歯槽疾患又はリウーマチ性関節炎でもあって、好ましくは骨多孔症、骨減少症、パゼト病、骨異栄養症、骨成長障碍、骨転移癌でもある。
本発明の用語“〜を含む(comprising)”とは、“含有する”又は“特徴とする”と同一に使用され、組成物又は方法において、言及していない追加的な成分要素又は段階などを排除しない。用語“〜で構成される(consisting of)”とは、別途に記載されていない追加的な要素、段階又は成分などを除外することを意味する。“必須的に構成される(essentially consisting of)”とは、組成物又は方法の範囲において記載された成分要素又は段階と共にこれの基本的な特性に実質的に影響を及ぼさない成分要素又は段階などを含むことを意味する。
さらに、本発明は
(1)試料を準備する段階;
(2)本発明に係る抗体又はその断片を前記試料と接触させる段階;及び
(3)前記抗体又はその断片を検出する段階を含むPICP特異的な検出方法を提供する。
前記(1)段階は本発明に係る抗体又はその断片を利用してPICPタンパク質の有無と濃度を測定するための試料を準備する段階である。
通常の技術者は抗体を利用してタンパク質を検出する公知の方法を適切に選択し、選択された方法に適した試料を準備することができる。さらに、試料は代謝性骨疾患の可否を診断しようとする彼検体から採取した生検などから得られた細胞や組織、血液、全血、血清、血漿、唾液、脳脊椎液などでもある。前記抗体を利用してタンパク質を検出する方法とは、これに制限はされないが、例えば、ウエスタンブロット、免疫ブロット、ドットブロット、免疫組織化学染色(immunohistochemistry)、酵素免疫分析(ELISA)、放射能免疫検定法(radioimmunoassay)、競争的結合分析、免疫沈殿などがある。例えば、ウエスタンブロットを実施するためには、PICPを含む試料又は細胞の溶解物に電気泳動に適したバッファを添加して煮沸などの方法で準備することができ、免疫組織化学染色のためには細胞や組織の切片を固定してブロッキング(blocking)するなどの前処理をすることができる。
前記(2)段階は(1)段階で準備した試料に本発明に係る抗体又はその断片を接触させる段階である。
本発明に伴う抗体は前述したCDR、VHとVL又は重鎖と軽鎖の構成を有するPICPに特異的に結合する抗体又はその断片である。前記抗体は好ましくはIgGでもあって、抗体の断片はscFv又はFabでもある。前記抗体又は断片の種類と範囲に対しては前述した通りである。
前記(3)段階で試料に接触した本発明に伴う抗体又はその断片を感知することにより試料内PICPはタンパク質の存在有無とその水準を測定する段階である。
前記(3)段階を行うための本発明に伴う抗体又は断片は当業界に公知された方法により蛍光、放射性同位元素、酵素などで直接標識されて別途の2次抗体無くても感知できる形態で製造されたものでもある。放射能は、例えば、シンチレーション計数(scintillation counting)により測定できて、蛍光は蛍光顕微鏡を利用して感知して定量することができる。さらに、前記酵素は例えば、ルシフェラーゼ(luciferase)、ペルオキシダーゼ(peroxidase)、ガラクトシダーゼ(galactosidase)などを含む。又は本発明に伴う抗体又はその断片は蛍光、放射能、酵素などで標識された2次抗体を利用して間接的に感知することができる。この他にも本発明に伴う抗体又はその断片はバイオチン(biotin)に接合された形態で製造され、適切に標識されたストレプトアビジン(streptavidin)と反応させて感知することができる。
本発明のさらに、他の目的を達成するために、本発明は下記の段階を含む個体の代謝性骨疾患診断方法を提供する。
(a)個体から生物学的試料を収得する段階;
(b)本発明の前記抗体又はその断片を利用して、前記生物学的試料内PICP蛋白質水準を測定する段階;及び
(c)前記PICP蛋白質の水準を正常個体のPICP蛋白質水準と比較する段階。
本明細書において、用語“生物学的試料”又は“試料”とは、血液及び生物学的起源のその他の液状試料、生検標本、組織培養のような固形組織試料又はこれより由来した細胞が含まれる。より具体的には、例えば、これに限定はされないが、組織、抽出物、細胞溶解物、全血、血漿、血清、唾液、眼球液、脳脊髄液、汗、尿、乳、腹水液、滑液、腹膜液などでもある。前記試料は動物、好ましくは哺乳動物から得ことができ、最も好ましくは、ヒトから得ことができる。前記試料は、検出に使用する前に前処理することができる。例えば、ろ過、蒸留、抽出、濃縮、妨害成分の不活性化、試薬の添加などを含むことができる。また、前記試料から核酸及びタンパク質を分離して検出することができる。
本発明の診断方法は、正常個体の生物学的試料内のPICP蛋白質の水準を、代謝性骨疾患の疑いがある個体の生物学的試料内のタンパク質水準と比較することにより、実際の疾患の発症可否を診断することができる。つまり、代謝性骨疾患と推定される個体の生物学的試料から、本発明の前記抗体又はその断片を利用してPICPタンパク質の水準を測定し、正常個体の生物学的試料から、本発明の抗体又はその断片を利用してPICP蛋白質水準を測定して両者を比較した後、疾患が疑わしい個体のPICP蛋白質の水準が正常個体のものより高いとこれを該当疾患と診断することができる。従って、前記の診断方法は、“(d)正常個体のPICP蛋白質水準より高い場合、代謝性骨疾患が発症したものと判定する段階”を追加的に含むことができる。これは、前述した通り、体液内PICP水準は、特に骨の転換(turnover)や再生と関連性の高い骨多孔症、甲状腺又は副甲状腺亢進症に因る骨多孔症、骨多孔症の前段階の骨減少症、骨成長障害、骨癌、乳癌、肺癌、前立腺癌などの転移による骨転移癌などの疾患などで増加していることが報告されていることに基づいている。代謝性骨疾患については、前述した通りである。
前記の診断方法は、PICPタンパク質と本発明の抗体又はその断片らの特異的抗原-抗体反応を介して達成されるものであり、前記反応によって生成される抗原-抗体複合体の生成量は、検出ラベル(detection label)のシグナルのサイズを通じて定量的に測定可能である。本発明において、用語“抗原-抗体複合体”とは、代謝性骨疾患のマーカーであるPICPタンパク質とこれに特異的な本発明の抗体及びその断片の結合物を意味する。
前記検出ラベル(標識)は酵素、蛍光物、リガンド、発光物、微小粒子(microparticle)、レドックス分子及び放射線同位元素からなるグループの中から選ぶことができて、必ずしもこれに制限されるものではない。検出ラベルとして酵素が使用される場合、利用可能な酵素には、β-グルクロニダーゼ、β-D-グルコシダーゼ、β-D-ガラクトシダーゼ、ウレアーゼ、ペルオキシダーゼ又はアルカラインホスファターゼ、アセチルコリンエステラゼ、グルコーズオキシダーゼ、ヘキソキナーゼとGDPase、RNase、グルルコーズオキシダーゼとルシフェラーゼ、ホスポープラックトキナーゼ、ホスホエノールピルベートカルボキシラーゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラゼ、ホスフェノールフィールベートデカボキシラーゼ、βーラタマゼなどがあり、これに制限されない。蛍光物には、フルオレシン、イソチオシアネート、ローダミン、ピコエリテリン、ピコシアニン、アロピコシアニン、o-フタルデヒド、フルオレスカミンなどがあり、これに制限されない。リガンドには、ビオチン誘導体などがあり、これに制限されない。発光物にはアクリジニウムエステル、ルシフェリン、ルシフェラーゼなどがあり、これに制限はされない。微小粒子には、コロイド金、着色されたラテックスなどがあり、これに限定されない。レドックス分子にはフェロセン、ルテニウム錯化合物、バイオローゼン、キノン、Tiイオン、Csイオン、ジイミド、1,4-ベンゾキノン、ハイドロキノン、K4W(CN)8、[Os(bpy)3]2+、[RU(bpy)3]2+、[MO(CN)8]4-などが含まれ、これに限定されない。放射線同位元素には、3H、14C、32P、35S、36Cl、51Cr、57Co、58Co、59Fe、90Y、125I、131I、186Reなどが含まれ、これに限定されない。
蛋白質の水準を測定するための分析方法としては、ウェスタンブロット、ELISA、放射線免疫分析、放射免疫拡散法、オクタロニー免疫拡散法、ロケット免疫電気泳動、組織免疫染色(immunohistochemistry)、免疫沈殿分析法、補体固定分析法、FACS、タンパク質チップなどがあるが、これに制限されるものではない。前記分析方法を介して、正常対照群での抗原抗体複合体の形成量と代謝性骨疾患が疑われる患者での抗原-抗体複合体の形成量を比較することができ、PICP生成量増加の可否を判断して疾病が疑われる患者の実際代謝性骨疾患の発症可否を診断することができる。
本発明は、本発明に係る抗体又はその断片を符号化するポリヌクレオチドを提供する。
前記抗体を符号化するポリヌクレオチドは、本発明に係るPICPに特異的に結合するCDRの構成又は、VHとVL、又は重鎖と軽鎖の構成を有する抗体を符号化する塩基配列を意味する。前述の本発明に係るCDRを符号化するポリヌクレオチドは、配列番号2(重鎖CDR1)、配列番号4(重鎖CDR2)、配列番号6(重鎖CDR3)、配列番号8(軽鎖CDR1)、配列番号10(軽鎖CDR2)、配列番号12(軽鎖CDR3)、配列番号14(重鎖CDR1)、配列番号16(重鎖CDR2)、配列番号18(重鎖CDR3)、配列番号20(軽鎖CDR1)、配列番号22(軽鎖CDR2)、配列番号24(軽鎖CDR3)、配列番号26(重鎖CDR1)、配列番号28(重鎖CDR2)、配列番号30(重鎖CDR3)、配列番号32(軽鎖CDR1)、配列番号34(軽鎖CDR2)、配列番号36(軽鎖CDR3)、配列番号38(重鎖CDR1)、配列番号40(重鎖CDR2)、配列番号42(重鎖CDR3)、配列番号44(軽鎖CDR1)、配列番号46(軽鎖CDR2)、配列番号48(軽鎖CDR3)に記載されている。また、本発明に係るVHとVLを符号化するポリヌクレオチドは、配列番号50(VH)、配列番号52(VL)、配列番号54(VH)、配列番号56(VL)、配列番号58(VH)、配列番号60(VL)、配列番号62(VH)、配列番号64(VL)に記載されている。
本発明に係る重鎖と軽鎖の構成を有する抗体を符号化するポリヌクレオチドは、具体的には、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82及び配列番号84からなる群から選ばれた塩基配列でもある。抗体の重鎖を符号化するポリヌクレオチドは、配列番号70、配列番号74、配列番号78、及び配列番号82からなる群から選ばれ、抗体の軽鎖を符号化するポリヌクレオチドとして配列番号72、配列番号76、配列番号80及び配列番号84からなる群から選ばれる。
また、前記抗体の断片を符号化するポリヌクレオチドは、好ましくは、本発明に係るscFvを符号化する配列番号66又は配列番号68で表示される塩基配列を含むものでもある。又は配列番号58及び配列番号60で表示される塩基配列、又は配列番号62及び配列番号64で表示される塩基配列を含む、Fabを符号化するポリヌクレオチドでもある。
本発明は、本発明に係る抗体又はその断片を符号化するポリヌクレオチドを含む組換え発現ベクターを提供する。
本発明で“組換え(recombinant)”は、“遺伝子操作(genetic manipulation)”と互換して使用することができ、遺伝子に変形を加えて切断して連結するなど、分子的クローニング(molecular cloning)実験技法を利用して、自然の状態では存在しない形態の遺伝子を製造することを意味する。
本発明で“発現(expression)”とは、細胞からタンパク質又は核酸が生成されることを意味する。
本発明で“組換え発現ベクター”とは、適切な宿主細胞(host cell)で目的とするタンパク質又は核酸(RNA)を発現することができるベクターであって、ポリヌクレオチド(遺伝子)挿入物が発現されるように作動可能に連結された必須的な調節要素を含む遺伝子作成物を意味する。“作動可能に連結された(operably linked)”とは、一般的機能を遂行するように核酸発現調節配列と目的とするタンパク質又はRNAをコーディングする核酸配列が機能的に連結(functional linkage)されているもので、発現調節配列により、遺伝子が発現されるように連結されたことを意味する。前記“発現調節配列(expression control sequence)”とは、特定の宿主細胞から作動可能に連結されたポリヌクレオチド配列の発現を調節するDNA配列を意味する。そのような調節配列は、転写を実施するためのプロモーター、転写を調節するための任意のオペレーター配列、適切なmRNAリボソーム結合部位をコーディングする配列、転写及び解読の終結を調節する配列、開始コドン、終止コドン、ポリアデニル化シグナル及びエンハンサーなどを含む。
本発明の組換え発現ベクターは、クローニングの分野で通常的に使用されるベクターであれば、その種類は特に制限されず、その例としては、プラスミドベクター、コーズミドベクター、バクテリオファージベクター及びウイルスベクターなどを含むが、これに制限されない。前記プラスミドは、大腸菌由来のプラスミド(pBR322、pBR325、pUC118及びpUC119、pET-22b(+))、バチルスサブチリス由来のプラスミド(pUB110及びpTP5)及び酵母由来のプラスミド(Yep13、YEp24及びYCp50)などがあり、前記のウイルスはレトロウイルス、アデノウイルス、又はワクシニアウイルスなどの動物ウイルス、バキュロウイルスのような昆虫ウイルスなどが使用されることもあってpcDNAなどを使用することができる。
従って、本発明に係る組換え発現ベクターは、PICPに特異的に結合できるCDR、VHとVL又は重鎖と軽鎖の構成を有する抗体を符号化するポリヌクレオチドが、適切な宿主細胞から発現できるように作動可能に連結された遺伝子作成物を意味する。好ましくは本発明に係る組換え発現ベクターは、配列番号70、配列番号74、配列番号78、及び配列番号82からなる群から選ばれた抗体の重鎖を符号化する塩基配列を含むポリヌクレオチド、及び配列番号72、配列番号76、配列番号80及び配列番号84からなる群から選ばれた抗体の軽鎖を符号化するポリヌクレオチドを含むことである。本発明に係る抗体を製造するためには、次のような重鎖と軽鎖をそれぞれ符号化するポリヌクレオチドの対が発現するようにすることが最も望ましい:配列番号70と配列番号72、配列番号74と配列番号76、配列番号78と配列番号80、さらに、配列番号82と配列番号84。
本発明に係る抗体の重鎖と軽鎖を符号化するポリヌクレオチドは、それぞれ別個の組換え発現ベクターに含まれていることもあって、一つの組換え発現ベクターに含まれている場合もある。
また、本発明に係る組換え発現ベクターは、scFvを符号化する配列番号66又は配列番号68で表示される塩基配列を含むポリヌクレオチドを含むものでもある。又は配列番号58と配列番号60で表示される塩基配列又は配列番号62及び配列番号64で表示される塩基配列を含むFabを符号化するポリヌクレオチドを含むものでもある。
本発明は、本発明に係る抗体又はその断片を符号化するポリヌクレオチドを含む組換え発現ベクターで形質転換された細胞を提供する。
本発明の細胞は、本発明の組換え発現ベクターに含まれている抗体又はその断片を符号化するポリヌクレオチドを発現するために使用できる細胞であれば、その種類は特に制限されない。本発明に係る組換え発現ベクターで形質転換された細胞(宿主細胞)は、原核生物(例えば、大腸菌)、真核生物(例えば、酵母または他の菌類)、植物細胞(例えば、タバコ又はトマトの植物細胞)、動物細胞(例えば、ヒト細胞、サル細胞、ハムスター(hamster)細胞、ラット細胞(rat cell)、マウス細胞(mouse cell))、昆虫細胞、又はこれらから由来したハイブリドーマでもある。好ましくは、ヒトを含む哺乳類から由来した細胞でもある。例えば、HEK293F細胞などを利用することができる。
本発明に係るPICPに特異的に結合する抗体又はその断片のポリペプチドを発現することができる組換え発現ベクターは、当業界に公知された方法、例えば、これに限定はされないが、一時的形質感染(transient transfection)、微細注射、形質導入(transduction)、細胞融合、カルシウムホスフェート沈殿法、リポソーム媒介された形質感染(liposome-mediated transfection)、DEAEデキストラン媒介された形質感染(DEAE dextran-mediated transfection)、ポリブレン媒介された形質感染(polybrene-mediated transfection)、電気穿孔法(electroporation)、遺伝子銃(gene gun)及び細胞内に核酸を流入させるための公知の方法により抗体又はその断片を生産するための細胞内部に導入して形質転換することができる。前記本発明に係る組換え発現ベクターで形質転換された細胞は、本発明に係る抗体の重鎖、軽鎖又は抗体の断片を生産するようになる。
本発明は、また、
(a)本発明に係る組換え発現ベクターで宿主細胞を形質転換する段階;
(b)形質転換された宿主細胞を培養して抗体又はその断片を生産する段階;及び
(c)宿主細胞から生産された抗体又はその断片を収得する段階を含むPICPに特異的に結合する抗体又はその断片を製造する方法を提供する。
(a)段階は、本発明による抗体又はその断片を生産するために宿主細胞を、前記抗体又はその断片を符号化するポリヌクレオチドが作動可能に連結された組換え発現ベクターで形質転換する段階である。
通常の技術者は、選択された宿主細胞と、組換え発現ベクターにより前述した通り、適節な形質転換方法を選択して、本段階を実施することができる。最も好ましくは、配列番号70と配列番号72;配列番号74と配列番号76;配列番号78と配列番号80;又は配列番号82と配列番号84で表示される重鎖と軽鎖を符号化する塩基配列の対を含む組換え発現ベクターの中から選択して宿主細胞を形質転換させる。選ばれた塩基配列の対では、重鎖と軽鎖の塩基配列を含む組換え発現ベクターは、同じ宿主細胞に共同形質転換して重鎖と軽鎖が一つの細胞から発現されるようにすることもでき、重鎖と軽鎖の塩基配列を含む組換え発現ベクターを、それぞれ別個の宿主細胞に形質転換して重鎖と軽鎖が別々に発現されるようにすることもできる。
(b)段階は、前記形質転換された宿主細胞を培養して宿主細胞に導入された組換え発現ベクターから、本発明に係る抗体の重鎖、軽鎖、又は抗体の断片のポリペプチドが生産されるようにする段階である。
前記宿主細胞を培養するための培地造成と培養条件、培養時間などは、当業界で通常使用される方法により適切に選択することができる。宿主細胞で生産される抗体分子は、細胞の細胞質内に蓄積されるか、又は適切な信号配列によって細胞外又は培養培地に分泌
されるか、フェリープリズムなどで標的化(targeted)することができる。また、本発明に係る抗体がPICPに対する結合特異性を維持するように、当業界に公知されている方法を利用してタンパク質リフォールディング(refolding)させて機能性構造(conformation)を有するようにすることが望ましい。また、IgGの形態の抗体を生産する場合には、重鎖と軽鎖は、別の細胞から発現させ、別の段階で重鎖と軽鎖を接触させて、完全な抗体を構成するように製造することもでき、重鎖と軽鎖を同じ細胞で発現するようにして細胞内で完全な抗体を形成するようにすることもできる。
(c)段階は、宿主細胞で生産された抗体又はその断片を収得する段階である。
宿主細胞から生産された抗体又はその断片ポリペプチドの特性、宿主細胞の特性、発現方式又はポリペプチドの標的化の可否などを考慮して、通常の技術者は、収得方法を適切に選択及び調節することができる。例えば、培養培地に分泌された抗体又はその断片は、宿主細胞を培養した培地を得て、遠心分離して不純物を除去するなどの方法で抗体を回収することができる。必要に応じて、細胞内の特定小器官や細胞質に存在する抗体を細胞外に放出し、回収するために抗体又はその断片の機能的構造に影響を及ぼさない範囲で、細胞を溶解させることもできる。また、得られた抗体は、クロマトグラフィ、フィルタなどによる濾過、透析などの方法により不純物をさらに除去して濃縮する過程を追加して経ることができる。
本発明は、また、
(i)細胞外分泌を促進するシグナルペプチドと標識タンパク質が接合されたPICPα1鎖とPICPα2鎖を符号化するポリヌクレオチドを含む組換え発現ベクターを製造する段階;
(ii)PICPα1鎖を符号化するポリヌクレオチドを含む組換え発現ベクターとPICPα2鎖を符号化するポリヌクレオチドを含む組換え発現ベクターを混合して、細胞を共同形質転換(co-transfection)する段階;
(iii)前記共同形質転換された細胞を培養する段階;及び
(iv)前記細胞から生成されたPICPタンパク質を収得する段階を含む、組換えPICPタンパク質の製造方法を提供する。
本発明者らは、タンパク質三重複合体であるPICPに特異的に結合する抗体を開発するための抗原として組換えPICPタンパク質を成功的に製造した。PICPを構成するプロコラーゲンα1とα2鎖ポリペプチドを同じ細胞から共発現(co-expression)することにより、自然の状態のPICPと同様に2:1の割合で異種三量体(heterotrimer)を形成することを確認し、PICPタンパク質を高純度、高収率で収得できる向上した組換えPICPタンパク質の製造方法を提供する。
PICPは、3つのタンパク質の複合体で構成されており、自然の状態では、プロコラーゲンからプロテアーゼ作用により切断されて生成されるタンパク質であるので、組換えタンパク質として製作されたとき、自然状態と同じポリペプチドの構成で類似した立体構造を形成することができるか否かを予測することは難しい。PICPが単独で組換えタンパク質として発現を試みた例やPICPの正確な立体構造も報告されていない。
現在までに主なPICPタンパク質収得方法は、細胞や体内で自然生成されたPICPを分離精製することであった。また、PICPを分離するにおいて、PICPとサイズと構造が極めて類似して、体内でPICPの次に高い水準で存在するPIIICPの汚染を除去することが難しい点であった。このPICPとPIIICPのmannose rich oligosaccharide side chainの差を利用した精製方法、PICP procollagenを先に分離して組換え酵素でPICPを切断する方法、コラーゲンを高水準で発現するヒトの繊維芽細胞(fibroblast)などの培養上澄み液に分泌されたPICPを収得する方法などが提案された。しかし、このような方法は、バクテリアで製造した組換えPICP切断酵素の正確性が落ちてPICP末端に変異が発生したり、PICP収率が極めて低いなどの問題点が多かった。
本発明で“タンパク質”は、“ポリペプチド(polypeptide)”又は“ペプチド(peptide)”と互換性を有して使用され、例えば、自然状態のタンパク質から一般的に発見されたように、アミノ酸残基の重合体を意味する。また、“断片(fragment)”とは、タンパク質の一部を意味する。
本発明で“ポリヌクレオチド(polynucleotide)”又は“核酸”とは、単一又は二重-鎖の形態でなされたデオキシリボヌクレオチド(DNA)又はリボヌクレオチド(RNA)を意味する。他の制限がない限り、自然的に生成されるヌクレオチドと類似した方法で核酸に混成化される自然的ヌクレオチドの公知されたアナログも含まれる。“mRNA”とは、タンパク質合成の過程で特定遺伝子の塩基配列の遺伝情報をポリペプチドを形成するリボソームに伝達するRNAである。
本発明に係る組換えPICPタンパク質の製造方法の(i)の段階は、細胞外分泌を促進するシグナルペプチドと標識タンパク質が接合されたPICPα1鎖とPICPα2鎖を符号化するポリヌクレオチドを含む組換え発現ベクターを製造する段階である。
前記PICPα1鎖とPICPα2鎖は、それぞれのプロコラーゲンα1鎖とα2鎖でPICPを構成する部分に該当するポリペプチドを意味する。前記組換え発現ベクターとは、具体的には、適切な宿主細胞で組換えPICPタンパク質が合成されて細胞の外部(つまり、細胞培養液に)に分泌することができるように、細胞の外部に分泌を促進するシグナルペプチド(信號ペプチド)及び標識タンパク質が接合されたPICPα1鎖とPICPα2鎖を符号化するポリヌクレオチドが発現調節配列などの必須的な調節要素が作動可能に連結された遺伝子作製物を意味する。前記標識タンパク質はPICPα1鎖とα2鎖タンパク質の検出や分離に有用なものであれば公知の標識タンパク質を制限なく使用することができ、例えば、His、C-mycなどを使用することができる。PICPα1鎖とα2鎖タンパク質は、それぞれ別の種類の標識タンパク質と接合されることが望ましい。また、PICPα1鎖とα2鎖タンパク質は、細胞培養液から容易に収得できるように、細胞外分泌を誘導するシグナルペプチドと接合させ、例えば、murine Ig k-chain V-J2-C signal peptideなどを使用することができる。前記(i)段階の細胞外分泌を促進するシグナルペプチドと標識タンパク質が接合されたPICPα鎖タンパク質の具体的な例としては、N-末端にmurine Ig k-chain V-J2-C signal peptide及びHis(PICPα1鎖)又はC-myc tag(PICPα2鎖)を含むPICPα1鎖とα2鎖タンパク質のアミノ酸配列は、それぞれ配列番号111と配列番号112に記載されている。当該分野の通常の技術者は、公知の遺伝子組換え技術を利用して前記信号ペプチドと標識タンパク質が接合されたPICP鎖を符号化するポリヌクレオチド及びこれを含む組換え発現ベクターを製作することができる。
前記PICPα1鎖とα2鎖を符号化するポリヌクレオチドは、好ましくは、ヒトを含む哺乳類から由来したものでもあって、最も好ましくは、それぞれ配列番号86と配列番号88で表示される塩基配列を含むことができる。前記塩基配列によって符号化されるPICPα1鎖とα2鎖のアミノ酸配列は、それぞれ配列番号85と配列番号87に記載されている。
前記(i)段階で製造した組換え発現ベクターは、(ii)段階で宿主細胞に共同形質転換される。
(i)段階で製造されたPICPα1鎖とα2鎖を符号化するポリヌクレオチドを含む組換え発現ベクターは、2:1のモル比(molar ratio)、すなわちPICPα1鎖の組換え発現ベクター2分子当たりPICPα1鎖の組換え発現ベクターが1分子になるように混合して同時に宿主細胞に導入されるようにすることが望ましい。同じ宿主細胞から発現されたPICPα1鎖とα2鎖タンパク質は、2:1の構成比で結合してPICPタンパク質を形成することになる。
宿主細胞の形質転換は、当業界に公知された細胞内ポリヌクレオチド伝達方法を適切に選択して実施することができる。例えば、生体外形質感染、注入又は微量注入法、電気穿孔法(electroporation)、熱衝撃法(heat shock)、原形質融合、リン酸カルシウム(CaPO4)沈殿法、塩化カルシウム(CaCl2)沈殿法、シリコン炭化物ウィスカー(silicon carbide whiskers)、炭化ケイ素繊維と一緒に振盪処理、超音波処理(sonication)、リポソームを利用した形質感染、受容体媒介形質感染、アグロバクテリア(Agrobacteria)媒介された形質転換、ポリエチルグリコール(polyethylenglycol)による沈殿法、ポリエチレンイミン(polyethylenimine)又はデキストランスルフェートを利用した方法、リポフェクタミン(lipofectamine)、微細粒子衝撃、粒子銃衝撃法(particle gun bombardment)などの方法が含まれるが、これらに限定されるものではない。
(iii)段階は、共同形質転換された細胞を、組換えPICPタンパク質生成に十分な時間をかけて培養する段階である。
通常の技術者は、組換えPICPの発現に十分な時間と、培養条件を適切に選択することができる。培養段階で時間帯別にPICPタンパク質を検出して合成効率を確認することができる。
(iv)段階では、共同形質転換された細胞から生成された組換えPICPタンパク質を収得する。
宿主細胞の特性、組換え発現ベクターの発現方式(例えば、プロモーターの特性)、ポリペプチドの標的化可否、細胞外部分泌などを考慮して通常の技術者は、宿主細胞から生成された組換えタンパク質の収得方法を適切に選択して最適化することができる。(i)段階で接合した細胞外分泌シグナルペプチドによって培養培地に分泌された組換えタンパク質は、宿主細胞を培養した培地を収得して、遠心分離して不純物を除去するなどの方法で回収することができる。必要に応じて、細胞内の特定小器官や細胞質に残留する組換えタンパク質を回収するために、タンパク質の機能的構造に影響を与えない方法で細胞を溶解することもできる。また、収得した組換えタンパク質は、クロマトグラフィー、フィルター等による濾過、透析などの方法により、不純物をさらに除去して濃縮する過程を追加して経ることができる。
このようにPICPタンパク質を遺伝子組換え技術で生産するようになると、分離されたプロコラーゲンを、組換え酵素で処理する場合、酵素の異常活性から発生するPICPの変化の問題点を予防することができ、組換えPICPタンパク質に特定tagを結合させて、他の汚染物質なく高純度のタンパク質産物を容易に得ることができ、自然生成されたPICPタンパク質を収得するよりは遥かに優れた収率を得ることができる。
本発明の方法を利用して、タンパク質複合体であるPICPを容易に高純度高収率で製造することができる。また、本発明に係る抗体又はその断片は、PICPに対する結合親和力と結合特異性が極めて高く、類似したポリペプチドに対する交叉反応性がなく、抗原認識と結合に重要な部位のアミノ酸配列が特定されていて、容易に抗体を繰り返して大量生産することができる。
図1は、組換えPICP抗原を発現するための予備実験の結果を示す。図1Aは、leucine zipperドメインを導入したPICPα1鎖の模式図を示す。図1Bは、leucine zipperドメインを追加したPICPα1鎖を含むPICP抗原の発現傾向を確認するためのクマシ染色したSDS-PAGEゲル写真を示す。ゲル写真で正方形で表示した部分がタンパク質複合体と予想されるバンドを示す。図面でLZはleucine zipperであり、Mはマーカーを示す。Fは、タンパク質と結合したresinをcolumnにローデイングしながら溶出されたバッファであり、Wはcolumn washingで溶出されたバッファを示す。 図2は、組換えPICP抗原を発現するための組換え発現ベクターの模式図を示す。Pcmvはプロモーター、SPはsignal peptide(murine Ig K-chain V-J2-C signal peptide)である。 図3は、HEK293F細胞で発現させた組換えPICP抗原タンパク質を確認するウエスタンブロットの結果を示す。 図4は、HEK293F細胞で発現させた組換えPICP抗原タンパク質を確認するSDS-CGEとBioanalyzer分析の結果を示す。図4Aは、組換えPICP又はPIIICPタンパク質のSDS-CGE結果である。図4Bは、マーカー(ladder)のSDS-CGEとBioanalyzer結果を示す。図4Cと図4Dは、それぞれPICPとPIIICPの非還元(Non-Reducing)又は還元(Reducing)の条件でのBioanalyzer分析結果を示す。 図5は、組換えPICPに特異的に結合するscFvを選別するためのindirect ELISAの結果を示す。図5Aは、PICPを利用したELISAの信号とPIIIPを利用したELISAの信号の比率(O.D. 450nmの比率; PICP/PIIICP)を示す。図5Bは、PICPを利用したELISAの信号と抗原の無い対照群ELISAの信号の比率(PICP/control)を示す。図5Cは、PIIICPを利用したELISAの信号と抗原の無い対照群ELISAの信号の比率(PIIICP/control)を示す。 図6は、2Dと4G scFvの抗原に対する結合親和力を確認するためのindirect ELISAの結果を示す。図6AはPICPを、図6BはPIIICPをそれぞれ抗原に実施したELISAの結果を示す。 図7は、293F細胞で発現させた2Dと4G IgGを確認するためのSDS-CGEとBioanalyzer分析結果を示す。図7Aは、IgGのSDS-CGE結果である。図7Bは、マーカー(ladder)のSDS-CGEとBioanalyzer結果を示す。図7Cと図7Dは、それぞれ2Dと4G IgGの非還元(Non-reducing)又は還元(Reducing)条件でのBioanalyzer分析結果を示す。 図8は、2Dと4G IgGの抗原に対する結合親和力を確認するためのindirect ELISA結果を示す。図8AはPICPを、図8BはPIIICPをそれぞれ抗原に実施したELISAの結果を示す。 図9は2D、4G、clone 1とclone 2のIgGを利用したsandwich ELISAの結果を示す。図9AはPICPを、図9BはPIIICPをそれぞれ抗原として実施したELISAの結果である。 図10は、2D IgGを利用したsandwich ELISAの標準曲線を示す。 図11は、2D IgGのPIIICPに対する交叉反応性を確認するためのsandwich ELISAの結果を示す。 図12はSPR方法を通じて2D IgGのPICPに対する結合力を定量的に確認した結果を示す。 図13はSPR方法を通じて4G IgGのPICPに対する結合力を定量的に確認した結果を示す。
以下、本発明を詳細に説明する。
但し、下記の実施例は、本発明を例示するのみ、本発明の内容が下記の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
組換えPICP抗原製作
<1-1>組換えPICP抗原を発現するための発現ベクター製作
PICPに特異的な抗体を製作するための抗原タンパク質として組換えPICPタンパク質を発現できる発現ベクターを製作した。PICPを構成する組換えプロコラーゲンα1鎖(PICP α1鎖)とα2鎖(PICP α2鎖)を発現するための組換え発現ベクターの構造は、図2に示した通りである。PICPタンパク質を精製して発現されたPICPが三重合体構造を正確に成したか否かを確認するためにα1鎖N末端には8×His(histidine)tagを接合してα2鎖N-末端にはc-Myc tagを接合した。追加的にN-末端にタンパク質が細胞外部に分泌されるように誘導するシグナルペプチド(signal peptide、SP)のmurine Ig K-chain V-J2-C signal peptideを接合させた。シグナルペプチドとHis又はMyc tagとシグナルペプチドが接合されたα1鎖とα2鎖を符号化するポリヌクレオチドはpSecTag2A発現ベクターに挿入した。
前記組替え発現ベクターを製造するために、先ず、プロコラーゲン1型α1とα2鎖の遺伝子を含むベクターからPICP部分をPCRを利用して増幅した。PICPα1鎖遺伝子は次のプライマーを利用して一つのPCR産物に増幅した:5'-AAAAGGCGCGCCCATCACCATCACCATCACCATCACGGCGCCGATGATGCCAATGTGGTTCG-3'(順方向、配列番号91); 5'-TTGGGCCCTTACTACAGGAAGCAGACAGGGC-3'(逆方向、配列番号92)、PICPα2鎖遺伝子はPICPα2鎖をN-末端断片とC-末端断片の二つの部分に分けてそれぞれ増幅した後、重疊延長PCR(overlap extension PCR)を利用してそれぞれ増幅された二つの部分が連結されて完全なPICPα2鎖の遺伝子で増幅されるようにした。PICPα2遺伝子にはクローニングに使用されるApaI制限酵素の認識部位が含まれていて、PICPα2遺伝子を増幅するためのプライマーにApaI認識部位を無くすための点突然変異を導入した(N-末端断片逆方向プライマー、太字で表示したアデニン)。PICPα2鎖の遺伝子を増幅するためのプライマーの塩基配列は次の通りである:5'-AAAAGGCGCGCCGAACAGAAACTGATCTCTGAAGAAGACCTGGGCGCCGACCAGCCTCGCTCAG-3'(N-末端断片、定方向、配列番号93);5'-GGATGTTTTCAGGTTGGGCACGGATACAGGTTTCGCC-3'(N-末端断片、逆方向、配列番号94);5’-GCCCAACCTGAAAACATCC-3’(C-末端断片、定方向、配列番号95); 5'-TTGGGCCCCTATTATTTGAAACACACTGGGCCAATG-3'(C-末端断片、逆方向、配列番号96)重疊延長PCRにはN-末端断片の定方向プライマー(配列番号93)とC-末端断片の逆方向プライマー(配列番号96)を利用した。全てのプライマーはマクロゲン社(korea)に依頼して製作した。
PICPα1鎖の遺伝子は、pfuの重合酵素(ナノヘリックス、korea)を利用して重合酵素連鎖反応(PCR)を遂行して製作した(PCR cycle: PCRサイクル:95°Cで30秒、53°Cで30秒、72°Cで55秒反応を30回繰り返し)。PICPα2鎖の遺伝子は、それぞれ増幅された二つのPCR産物を1%アガロースゲルで電気泳動してアガロースゲル精製キット(intron、korea)利用して精製分離し、同一PCR条件で重疊延長PCRを実施して最終的にPICPα2鎖遺伝子産物を製作した。
前記製造されたPICPα1とα2鎖のPCR産物は、動物細胞発現ベクターのpSecTag2Aベクター(Invitrogen)にAscI/ApaI制限酵素を利用して挿入してpSecTag2A-PICP alpha 1ベクターとpSecTag2A-PICP alpha2ベクターを製作した。
また、PICPに対する比較抗原にPIIICP(procollagen type III C-terminal propeptide)を発現するためのベクターも類似した方法で製作した。
PIIICPはPICPと比較して、構成タンパク質が似ていて、極めて類似した異形三重抗体構造を形成するだけでなく、体内でPICPの次に多量存在する。従って、PICP抗体の特異性を判断するにおいて、PIIICPとの交叉反応性(cross-reactivity)を確認しなければならない。PIIICPタンパク質にはHis tagで接合されるようにした。PIIICP遺伝子を増幅するために使用したプライマーの塩基配列は下記の通りである:3'-AAAAGGCGCGCCCATCACCATCACCATCACCATCACGGCGCCGATGAACCAATGGATTTCAAAATC-5'(順方向、配列番号97)、3'-TTGGGCCCCTATTATAAAAAGCAAACAGGGCCAAC-5(逆方向、配列番号98)。
<1-2>組み換えPICP抗原製作効率のための予備実験
PICPはプロコラーゲン1型α1鎖2個とプロコラーゲン1型α2鎖1個が結合タンパク質の異種三重複合体(heterotrimer)であり、自然の状態では、プロコラーゲンのC-末端部位が切断されて生成されるので、組換えタンパク質として作製されたとき、自然状態と同じ抗原性を有する立体構造を形成することができるか否かを予測するのは難しい。また、PICPが単独で組換えタンパク質として製造された例やPICPの正確な3次元構造も報告されていない。
これにより、プロコラーゲンでPICPを構成するポリペプチドの部分(以下、PICPα1鎖又はPICPα2鎖と称する)だけを組換えタンパク質として発現したとき、正常的な三重合体構造を形成するようにleucine zipper(LZ)ドメインをPICPα1鎖に導入する戦略を試みた(図1A)。LZドメインは、タンパク質工学分野でタンパク質の二量体(dimer)又は三量体(trimer)を製作する際に利用される。PICPα1鎖に導入されたleucine zipperの作用で、まずPICPα1鎖のホモダイマーの形成が促進され、順次的にPICPα1鎖ホモダイマーにPICPα2鎖が結合してPICPの三重合体を形成するものと予想した。
LZドメインを導入したPICP組換えタンパク質の発現率を調べるために、実施例<1-1>で製作したPICPα1鎖を含むpSecTag2A-PICP alpha 1ベクターにGCN4 leucine zipperドメインを符号化する塩基配列を追加して、PICPα1鎖のN-末端部位に前記ドメインが接合されるようにした。
LZを含むか又は含まないpSecTag2A-PICP alpha 1ベクターとpSecTag2A-PICP alpha2ベクターを2:1のモル比(molar ratio)で混合し、HEK293F細胞に共同形質転換(co-transfection)した。形質転換した細胞は、7日間培養し、培養上澄み液を収得して、発現された組換えPICPをNi/NTA resin(GE、USA)を利用して精製した。Ni/NTA resinは上澄み液50ml当りNi/NTA resin 1.5mlになるように添加して50mlチューブで均一に混合し、イミダゾール(最終濃度10mM)を添加した後、4℃で1時間30分間4rpmで回転させてresinにPICPを固定させた。カラムをイミダゾールを含むPBS50mlで洗浄した後、イミダゾール(250mM)を含むPBS(20mM phosphate、137mM NaCl、2.7mM KCl、pH 7.4 250mMイミダゾール)で溶出した。溶出された分画物は、非還元条件でSDS-PAGEに電気泳動して、クマシ染色してタンパク質の発現傾向を確認した。PIIICPも同じ方法で発現、分離精製した。
図1Bと表1に示した通り、leucine zipperドメインを接合したPICPα1鎖とPICPα2鎖を発現させた細胞(LZ付きPICP PICP with LZ)では予想とは異なり、タンパク質の収得量が少なく、PICP三重抗体から予想されるタンパク質の分子量としては、説明し難いタンパク質のバンドらが確認された。むしろleucine zipperを含まないPICPα1鎖とPICPα2を発現した細胞(LZなしのPICP PICP without LZ)でPICP三重合体と予想されるタンパク質が高い水準で発現された。
<1-3>組換えPICP抗原の発現及び精製
実施例<1-2>で確認した通り、LZを含まない組換えPICPα1とα2鎖を符号化する塩基配列を含む発現ベクターを動物細胞で発現させて組換えPICP抗原タンパク質を生産して精製した。
pSecTag2A-PICP alpha 1ベクターとpSecTag2A-PICP alpha2ベクターを2:1のモル比で混合し、HEK293F細胞に共同形質転換(co-transfection)した。共同形質転換した細胞を7日間培養し、培養上澄み液を収得して実施例<1-2>と同じ方法でタンパク質を分離精製した。PIIICPタンパク質も同じ方法で発現して分離精製した。精製されたタンパク質のサイズと純度を還元又は非還元条件のSDS-PAGEとウエスタンブロット(western blotting、抗-His tag、抗-c-Myc tag)利用して分析した。
前記方法で培養上澄み液から収得した組換えPICPタンパク質の収率は、培養上澄み液100ml当り約1mgで、従来報告された自然生成されたPICPタンパク質を収得する場合より(1~3mg/1L)収率がはるかに優れていることが分かった(EP 0465104B1; US5698407; Pedersen BJ et al.、Clin Chem、40(5):811-816、1994)。
図3に示した通り、還元(Reducing)条件で電気泳動した場合には、組換えPICPのα1とα2鎖で構成された複合体の結合がIB:c-Myc解離され、それぞれHisとMyc抗体により分子量マーカー35kDa付近の単一タンパク質バンドとして感知された。PICPα1鎖に含まれたHisに結合する抗体を利用したウエスタンブロットでは(IB:His)35kDa付近で、PICPα2鎖に含まれたMycに結合する抗体を利用したウエスタンブロットでは(IB:His)約32kDa近くで単一バンドに観察された。PICPに対する比較抗原で製作したPIIICPも予想される分子量で発現されることを確認した。
一方、非還元(Non-reducing)条件で電気泳動した場合には、His抗体とMyc抗体を利用したウェスタンブロットで全て118kDaサイズの単一タンパク質バンドが感知されて、PICPが期待どおりに三重抗体を構成していることを確認した。
また、図4に示した通り、SDS-CGE(capillary gel electrophoresis)とBioanalyzer(Agilent 2100 Bioanalyzer)を利用したタンパク質分析でも、組換えPICP抗原が予想と符合する分子量を有するタンパク質(非還元条件での複合体、118.9kDa;還元条件でのPICPα1鎖、43.6kDa;還元条件でのPICPα2鎖、37.4kDa)で発現されたことを確認した。具体的なBioanalyzer分析の結果は、表2に記載した通りである。また、タンパク質の大きさが類似したPICPα1とα2鎖の濃度(アミノ酸濃度)がそれぞれ全体の67.5%と30.5%で、PICPα1とα2が自然状態と同様に2:1の割合でPICPのタンパク質複合体を構成していることを確認した。
<実施例2>
scFv libraryスクリーニング
<2-1>scFv phage選別
<実施例1>で製造した組換えPICP抗原タンパク質に特異的に結合するscFvを選別するためにHA tagで標識されたヒトのB細胞から由来したscFv phage libraryを利用したphage display panning実験を実施した。実施例で使用したphage libraryに対しては大韓民国登録特許10-0961392号に記載されている。
1mlの1X PBS溶液を含むImmuno-チューブに1〜10μgの抗原タンパク質を添加し、37℃、200rpmで1時間反応させ、チューブ内側表面に抗原をコーティングした。抗原溶液を注ぎ出して水道水で1回洗浄してコーティングされていない抗原を除去した。抗原タンパク質とphage間非特異的結合を防ぐためにimmunoチューブとscFv libraryをそれぞれ3%脱脂乳が含まれた1X PBST(0.05% tween20を含んでいるPBS)で1時間常温で反応させた。Immuno-チューブから脱脂乳を除去した後、scFv libraryを添加して、37℃、150rpmで1時間反応させてPICP抗原にscFv phageが結合するようにした。第1型プロコラーゲンに特異的に結合するscFvを捜すために、反応液に第3型プロコラーゲンを1〜5μg程度添加した。scFv phageをチューブで反応させた後、1XPBSTで2〜5回洗浄して結合していないscFv phageを除去した。
組換えPICP抗原に特異的に結合したscFv phageは常温でtriethylamine(100mM)1mlを添加して、10分以内に分離してTris(1M、pH 7.4)で中和させた。濾過したphage scFvをOD<1で培養したER2537 E.coliに添加して37℃、120rpmで1時間30分間培養しながら感染させた。phageに感染したE.coliは、遠心分離して培養上澄み液を一部削除した後再分散してアンピシリンとブドウ糖(2%)を含む直径15cmのアガロースプレートに塗布した。翌日5ml SB培地を塗布してプレートから育った細胞を全て収得して、glycerol(50%)を全体嵩の0.5倍になるように添加して混合して1mlずつ分注してー80℃に保管した(scFv panning stock)。前記製造したstock20μlを20ml SB溶液に接種して培養し、helper phageを利用して、次の段階のphage panningのためのscFv phage library(1ml)で製作した。PICP抗原に特異的なscFvを発現するphageを分離するための前記過程を2〜3回繰り返した。
<2-2>PICPに特異的に結合するscFv抗体選別
実施例<2-1>で選別されたphageが発現するscFvが、組換えPICP抗原タンパク質に特異的に結合するか否かをPICPとPIIICPを抗原とするindirect ELISAを実施して調査した。
Panningを3回繰り返して収得したscFv結果物を希釈して、直径10cmのアガロースプレートに塗布し、翌日、それぞれのクローンを選別して200μlのSB培地が含まれた96 wellプレートでそれぞれ培養した。全体的に増殖が良くできたことを確認し、IPTG(1mM)を添加して、30℃で16時間培養してscFvの生産を誘導した。翌日96 wellプレートを遠心分離して細胞だけを分離した後、TES溶液を利用して細胞を溶解させ、再び遠心分離して上澄み液のみを分離した。収得した上澄み液でindirect ELISAを実施して、組換えPICP抗原に特異的に結合するscFvを選別した。先の実施例で製造したPICP又はPIIICPでプレートをコーティングして、scFvを含む培養上澄み液を反応させた後、2次抗体として抗-HA-HRP抗体(Roche Applied Science)と反応させた。Tetramethylbenzimidine(TMB、Thermo scientific)を利用して発色反応した後、H2SO4(1M)を利用して発色反応を停止させ、ELISA readerで450nmで吸光度を測定した。PICP抗原を利用した実験で測定された吸光度をそれぞれPIIICPを利用した実験又は対照群の実験で測定された吸光度に対する割合(PICP/PIIICP又はPICP/control)で計算し、scFvを選別する指標とした。
図5に示した通り、クローン2D、4G、さらに、7Eで発現されたscFvがPIIICPに比べて高いPICP吸光度数値を示し(図5A、PICP/PIIICP)、PICPとPIIICPに差別的に反応してPICP抗原に特異的に結合するものと判断された。二重クローン7EのscFvは、対照群に対するPICP吸光度の数値(図5B、PICP/control)が相対的に低く、非特異的反応による背景信号(background)が高いと判断された。ここでPICP特異的なscFvを生産するためのphageクローンで2Dと4Gを選択した。
<2-3>PICPに特異的に結合するscFv抗体の結合力検証
クローン2Dと4GのscFvの抗原結合力(affinity)と結合特異性(specificity)をindirect ELISAを用いて調べた。
前述した実施例で製造したPICPとPIIICPを抗原としてマイクロタイタープレートに、それぞれ2μg/mlの濃度で、室温で1時間固定して、2%脱脂乳を含むPBSTで室温で1時間ブロッキング(blocking)した。30~2000ng/mlの範囲で順次希釈されたクローン2Dと4GのscFv(それぞれ2D scFVと4G scFvと称する)をブロッキングされたプレートにウェル当り100μlずつ添加し、室温で1時間反応させた。2次抗体で抗HA-HRP抗体(1:2,000)をウェル当り100μlずつ添加し、室温で1時間反応させた。抗体と反応したマイクロタイタープレートは、PBSTで3〜4回洗浄した後、TMB溶液をウェル当り50μlずつ添加して、常温で5〜10分間発色反応させた後、H2SO4で反応を停止させ、ELISA readerで450nmで吸光度を測定した。
図6で確認した通り、2Dと4G scFvは、低濃度でもPICP抗原に敏感に結合し、scFv濃度500ng/mlの以上では反応が飽和されたものと観察された(図6A)。4G scFvが2DよりもPICPの抗原結合力がやや強いことが示された。一方、2Dと4G scFvは全てPIIICPには全く結合しないのでPICPに対する結合特異性が極めて優れていることが分かった(図6B)。
<2-4>scFv抗体のIgGへの転換
先に選別された2Dと4G scFvをより一般的に使用される抗体であるIgGの形態に変換させた。
先ず、クローン2Dと4G phageの誘電体からscFvを符号化するポリヌクレオチドをPCRで増幅した。2Dと4G scFvのVH領域の遺伝子増幅に使用したプライマーの塩基配列は、次の通りである:5'-AGAGAGTGTACACTCCCAGGCGGCCGAGGTGCAGCG-3'(順方向、配列番号99);5'-CGCCGCTGGGCCCTTGGTGGAGGCTGAGCTCACGGTGACCAG-3'(逆方向、配列番号100)。2Dと4GのscFvのVL領域の遺伝子増幅に使用したプライマーの塩基配列は、以下の通りである:5'-AAGCGGCCGCCACCATGGGATGGAGCTGTATCATCCTCTTCTTGGTAGCAACAGCTACAGGTGTACACTCCCAGTCTGTGCTGACTCAG-3'(順方向、配列番号101); 5'-CGCCGCCGTACGTAGGACCGTCAGCTTGGT-3'(逆方向、配列番号102)。クローン2D又は4G phage DNA(50ng)を鋳型として前記プライマー(それぞれ10pmol)を利用して、95℃/3min;95℃/30sec、60℃/30sec、72℃/30sec、30 cycles;72℃/5minの条件でPCRを行い、2Dまたは4G scFvのVH又はVL遺伝子を増幅した。PCR産物は、制限酵素を利用してIgGの生産に使用されるベクターのpcDNA3.4ベクターに挿入した。IgGの重鎖と軽鎖のタンパク質は、別個のプラスミドで個別的に発現されるようにした。
前記製造された2D又は4G scFvの可変領域を含むIgG(以下、それぞれ2D IgGと4G IgGと称する)の軽鎖と重鎖を符号化するDNAを含むベクターは、freestyle 293F細胞に共同形質転換させて軽鎖と重鎖が細胞内で一緒に発現されるようにした。形質転換された293F細胞に37℃、8% CO2の条件で7日間培養して上澄み液を収得した。上澄み液は、cellulose acetate membrane filter(pore size 0.22um、Corning)で濾過してCaptivAPriMAB protein A column(Repilgen、USA)を使用して精製した。収得した抗体の濃度は、BCA kit(Pierce、23225)を利用して測定し、Bioanalyzer(Agilent 2100 Bioanalyzer)を利用して、還元と非還元条件で生産されたIgG抗体タンパク質を分析した。
図7に示した通り、2D IgGと4G IgGの軽鎖と重鎖が予想される分子量で、全てが良く発現されていることを確認した。具体的なBioanalyzer分析の結果は、表3に示した通りである。非還元条件で2D IgGと4G IgGは、それぞれ170.8kDaと169.6kDaの分子量を有するものに示され、還元条件下では、2D IgGの重鎖は60.8kDa、軽鎖は26.3kDa、さらに、4G IgGの重鎖は62.0kDa、軽鎖は26.8kDaの分子量で観察された。また、発現されたIgGの重鎖の濃度(アミノ酸の濃度)は、軽鎖の約2倍に測定され、軽鎖より約2倍のアミノ酸配列を有する重鎖が軽鎖と1:1の割合で存在することが分かった。つまり、二つの分子の重鎖が二分子の軽鎖と複合体を形成してIgGを構成していることを知ることができた。
<2-5>変換されたIgGのPICP結合力検証indirect ELISA
前記実施例で製造した2Dと4G scFvの可変領域を含むIgGの抗原結合力(affinity)と結合特異性(specificity)をindirect ELISAを用いて調べた。
<実施例1>で製造したPICPとPIIICP抗原をそれぞれ2μg/mlの濃度でマイクロタイタープレートに常温で1時間固定し、2%脱脂乳を含む1XPBSTで室温で1時間blockingした。2D IgGと4G IgGを15.625~1000ng/mlの範囲で順次希釈して、それぞれblockingされたプレートにウェル当り100μlずつ添加して室温で1時間反応させた。2次抗体として抗human IgG-HRP抗体(Millipore、1:2000)をウェル当り100μlずつ入れて常温で1時間反応させた。反応されたマイクロタイタープレートを1X PBSTで3〜4回洗浄した後、TMB溶液をウェル当り50μlずつ添加して、常温で5〜10分間発色反応を行った。H2SO4(1M)を利用して、発色反応を中止させた後、ELISA readerで450nmで吸光度を測定した。
図8で確認した通り、2D IgGと4G IgGは全て低濃度でもPICP抗原に敏感に結合することが観察された(図8A)。IgGの場合には、クローン2Dの可変領域を含むIgGが4GよりもPICPに対する抗原結合力が高いことが分かった。一方、クローン2Dと4Gの可変領域を含むIgGは全てPIIICPには全く結合しないのでPICPに対する結合特異性が極めて優れていることが分かった(図8B)。
<2-6>変換されたIgGのPICP結合力検証SPR
精製した抗体タンパク質(2D IgG及び4G IgG)と抗原(PICP)に対する定量的な結合力をBiacore2000 SPR(Surface Plasmon esonance)(GE healthcare、USA)バイオセンサーを利用して測定した。PICP抗原をセンサーチップ(sensor chip CM5)(GE healthcare、USA)に固定させたて、HES緩衝液(10mM HEPES、pH7.4、150mM NaCl、3mM EDTA、0.005% surfactant P20)に順次希釈した抗体(6.25~100nM)のタンパク質を3分間30μl/minの速度で流して、1M NaCl/20mM NaOHを3分間30μl/minの速度で流すことにより抗原に結合されたタンパク質解離を誘導した。具体的な実験条件は次の通りである;
Immobilized Antigen:PICP
Immobilized level:185 RU
Antibody:2D IgG、4G IgG、
Running buffer:HBS-EP buffer
Regeneration:2 M NaCl、20 mM NaOH(flow 30μl/min 1min)
binding concentration:2D、4G = 100 nM→50 nM→25 nM→12.5 nM→6.25 nM
前記表4は、Biacore 2000 SPRを利用して測定した2D IgG、4G IgGの運動速度定数と平衡解離定数を示したものである。BIA evaluation ver.3.2ソフトウェアを利用して、親和度を運動速度定数(ka及びkd)と平衡解離定数(KD)で得た。
図12及び図13は、それぞれ2D IgG、4G IgGのSPRグラフ結果を示す。このことから、前記の2D IgG、4G IgGは、高いPICPに特異的に高い結合力を有することを確認した。
<実施例3>
Yeast Fab libraryスクリーニング
<3-1>Yeast Fab選別
ヒトのFabを発現するyeast Fab libraryをスクリーニングして<実施例1>で製造した組換えPICP抗原タンパク質に特異的に結合するFabを発現するyeast cloneをスクリーニングした。
Yeast Fab libraryでPICPタンパク質に特異的に結合するクローンを選別した方法は次の通りである。抗原であるPICPタンパク質と類似タンパク質のPIIICPを、本発明の方法で99%以上の純度で準備した。PICPタンパク質はkitを利用してビオチンと接合(EZ-LINKTMSulfo-NHS-LC-Biotinylationkit、Pierce Inc.、USA)させた。以後構築されたライブラリをMACS及びFACSを利用し選別し、導出されたpoolを分析する過程を繰り返した。これにより、抗体Fabの発現の程度とビオチン化されたPICP(biotinylated PICP)に対する結合能を分析することができる。
ビオチン化されたPICP(500nM)を酵母細胞表面に発現されたFabライブラリと25℃で1時間結合させた。PICPと反応したFab libraryをStreptavidin-Microbead(Miltenyi Biotec Inc.、Germany)と4℃で10分間結合させた後、MACS(magnetic-activated cell sorting)を利用してbiotinylated PICPと結合したクローンを選別した。次に、PICPを酵母細胞表面に発現されたFabライブラリと25℃で1時間結合させた後、PEが接合されたstreptavidin(Sterptavidin-R-phycoerythrin conjugate(SA-PE)、Invitrogen)とAlexa 488が接合された抗-IgG抗体(goat Alexa 488-conjugated anti-Fc antibody、SIGMA-ALDRICH co.、USA)を4℃で20分間結合させた後、FACS(fluorescence-activated cell sorting)を利用して、Fabの発現量が高く、biotinylated PICPと結合力が高いクローンを選別した。以後同様の方法で250nM、100nM濃度のbiotinylated PICPを利用して、FACS過程を2回繰り返した。前記2次、3次FACS過程でbiotinylated PICPの競争タンパク質としてビオチンと接合していないPICPを2次FACS遂行時には10倍、3次FACS遂行時には20倍高い濃度で競争させてPICPに結合する個別のクローンらを選別した。
最終的にPICPに特異的に結合するものにclone 1とclone 2を選別し、それぞれの酵母細胞からDNAを収得して配列を分析し、Fabに該当する塩基配列及びアミノ酸配列を確認した。
<3-2>FabのIgGへの転換
実施例<3-1>で選別されたclone 1とclone 2 FabをIgGに転換し、動物細胞で発現するために、前記のクローンから分離したDNAからFabのVHとVLを符号化する塩基配列を確認してクローニングし、mouse IgG2aの軽鎖と重鎖を含むpcDNA3.4ベクターにそれぞれ挿入した。
具体的には、VH部分はプライマー(順方向5'-AATGTACACTCCGAAGTGCAATTGGTGGAGTCTG-3'、配列番号103; 逆方向5'-GACCGATGGGGCTGTTGTTTTGGCGGAAGAGACGGTAACC-3'、配列番号104)を利用してPCRで増幅した。マウスIgG2aのCH1、CH2、CH3を含むベクターからプライマー(順方向 5'-GCCAAAACAACAGCCCCATCGGTC-3'、配列番号105;逆方向5'-ATATCCAAGCTTCTACTATTTACCCGGAGTCCGGGAG-3'、配列番号106)でPCRを行い、重鎖切片を増幅した。以後、配列番号103、配列番号106のプライマーを使用して、重疊延長PCRを行い、chimeric IgG2aの重鎖DNAを製作して、適切な制限酵素で処理してIgGの生産に使用されるベクターのpcDNA3.4に導入した。
VL部分はプライマー(順方向5'-CTCGGTCATAATGTCCAGAGGAGATATTCAGATGACACAGTCTCC-3'、配列番号107; 逆方向5'-TTCGTACGCTTAATCTCCACCTTC-3'、配列番号108)利用してPCRを行い切片を増幅した。マウスの軽鎖kappa chainを含むベクターからプライマー(順方向5'-CTTTTACATTCGGCCAGGGAACGAAGGTGGAGATTAAGCGT-3'、配列番号109; 逆方向5'-ATCCAAGCTTCTACTAACACTCATTCCTGTTGAAG-3'、配列番号110)を使用して軽鎖切片を増幅した。以後、配列番号107、配列番号110のプライマーを使用して、重疊延長PCRを行い、chimeric IgG2aの軽鎖DNAを製作し、適切な制限酵素で処理してIgGの生産に使用されるベクターのpcDNA3.4に導入した。
<3-3>転換されたIgGのPICP結合力検証
clone 1とclone 2のVHとVLを有するIgG(clone 1 IgGとclone 2 IgGと称する)のPICPの結合特異性をsandwich ELISAで確認した(図9)。sandwich ELISAの抗原としてPICPとPIIICPを使用し、前記実施例で製造した2D IgGと4G IgGと一緒にELISA反応を遂行して、新たに製造したIgGの結合親和性と結合特異性と比較した。
2D、4G、clone 1、clone 2 IgG antibodyをcapture antibodyにしてmicrotiter plateをcoatingし、抗原としてPICPとPIIICPをそれぞれ濃度別に100μlずつ各wellに入れて1時間反応させた。1XPBST(0.05% Tween 20)で洗浄し、detection antibody(polycolonal PICP antibody)を1X PBSTで希釈して 100μlずつ入れて1時間反応させた。再び1X PBSTで洗浄し、rabbit-HRP(millipore)antibodyを1X PBSTで希釈して100μlずつ入れて1時間反応させた。1X PBSTで洗浄した後、TMB solutionを各wellに50μlずつ入れて発色反応を確認した後、2N stop solution(H2SO4)を50μlずつ入れて反応を中止させた。ELISA reader機を利用して450nmの波長で吸光度を測定した(reference 620nm)。
図9の結果から確認した通り、clone 1 IgGとclone 2 IgGもPICPについて敏感に反応し、先に選別された4G IgGと2D IgGと比較してPICPに対する結合親和力は多少低く示された(図9A)。IgG抗体の2D IgGが抗原結合力が最も優れていた。また、clone 1 IgGとclone 2 IgG全てのPIIICPに対しては全く結合していないので、PICPに対する結合特異性が極めて優れていることが確認された(図9B)。
<実施例4>
IgGを利用したELISA効率
選別されたIgG抗体の内、抗原結合力が最も高い2D IgGで追加的にsandwich ELISAを実施してELISA効率を調べた。
2D IgGを16μg/mlの濃度で2時間、室温でマイクロタイタープレート(96 well)に固定し、1%BSAを含む1X PBSTをウェル当り300μlずつ添加して、常温で30分間blockingした。1X PBST200μlで3回ずつ洗浄し、2%sucroseをウェル当り200μlずつ添加して10分間安定化した。10分後、sucrose溶液を注ぎ出して、常温で10分間乾燥させる。PICP抗原又は濃度を測定するサンプルを1X PBSTに濃度別に希釈してウェル当り100μlずつ添加して、常温で30分間反応させた。反応溶液を除去し、感知抗体(detection antibody)でrabbit抗-PICP抗体を2μg/mlの濃度でウェル当り100μlずつ添加し、常温で30分間反応させた。2次抗体としてgoat抗-rabbit IgG-HRP抗体(Millipore)をウェル当り100μlずつ添加して、常温で1時間反応させた。1X PBSTで4回洗浄し、TMB溶液をウェル当り50μlずつ添加して、室温で5〜15分間発色反応を行った。H2SO4をウェル当り50μl添加して発色反応を中止し、ELISA readerで450nmで吸光度を測定した。測定された吸光度は、4-parameter方式で濃度に転換して、標準溶液(standard)とサンプルの濃度を確認した。
図10にPICP抗原の濃度に応じた吸光度を示した標準曲線(standard curve)を図示した。標準曲線に使用された吸光度測定値は表5に、標準曲線に基づいて換算されたPICPと関連データは表6にそれぞれ記載したとおりである。2D IgGを用いたELISAの検出限界(limit of detection、LOD)は1ng/mlのあることが確認された。精度(accuracy)は抗原濃度ごとに測定した変動係数(coefficient of variation、CV)が20%以下であることと、recoveryは80〜120%の範囲であることが確認された。
また、図11に示すように、2D IgGはPIIICPには全く結合していないPIIICPに交差反応性(cross-reactivity)もないことが確認された。
以上述べた通り、本発明を利用して、タンパク質複合体であるPICPを容易に高純度、高収率で製造し、これに特異的な抗体を製造することができる。本発明に係る抗体と方法などはPICPを感知して、コラーゲンの合成やコラーゲン関連代謝作用を確認するための医薬用、化粧品効能測定用など、多様な使用のPICP検出用キット又は診断試薬開発に有用に利用することができる。

Claims (21)

  1. 配列番号1、配列番号13、配列番号25、及び配列番号37からなる群から選ばれたアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定部位1(CDR1);配列番号3、配列番号15、配列番号27及び配列番号39からなる群から選ばれたアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定部位2(CDR2);配列番号5、配列番号17、配列番号29、および配列番号41からなる群から選ばれたアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定部位3(CDR3)を含む重鎖可変領域(VH)と
    配列番号7、配列番号19、配列番号31及び配列番号43からなる群から選ばれたアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定部位1(CDR1);配列番号9、配列番号21、配列番号33及び配列番号45からなる群から選ばれたアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定部位2(CDR2);配列番号11、配列番号23、配列番号35及び配列番号47からなる群から選ばれたアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定部位3(CDR3)を含む軽鎖可変領域(VL)
    を含むPICP(procollagen type I C-terminal propeptide)に特異的に結合する抗体又はその断片。
  2. 前記抗体又はその断片は、
    配列番号1で表示されるアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定部位1、配列番号3で表示されるアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定部位2及び配列番号5で表示されるアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定部位3を含む重鎖可変領域及び配列番号7で表示されるアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定部位1、配列番号9で表示されるアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定部位2及び配列番号11で表示されるアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定部位3を含む軽鎖可変領域;
    配列番号13で表示されるアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定部位1、配列番号15で表示されるアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定部位2及び配列番号17で表示されるアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定部位3を含む重鎖可変領域及び配列番号19で表示されるアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定部位1、配列番号21で表示されるアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定部位2と配列番号23で表示されるアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定部位3を含む軽鎖可変領域;
    配列番号25で表示されるアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定部位1、配列番号27で表示されるアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定部位2及び配列番号29で表示されるアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定部位3を含む重鎖可変領域及び配列番号31で表示されるアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定部位1、配列番号33で表示されるアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定部位2及び配列番号35で表示されるアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定部位3を含む軽鎖可変領域;
    さらに、配列番号37で表示されるアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定部位1、配列番号39で表示されるアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定部位2及び配列番号41で表示されるアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定部位3を含む重鎖可変領域及び配列番号43で表示されるアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定部位1、配列番号45で表示されるアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定部位2及び配列番号47で表示されるアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定部位3を含む軽鎖可変領域
    からなる群から選ばれた重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含むことを特徴とする請求項1記載の抗体又はその断片。
  3. 前記重鎖可変領域は、配列番号49、配列番号53、配列番号57、及び配列番号61からなる群から選ばれたアミノ酸配列を含み、前記軽鎖可変領域は、配列番号51、配列番号55、配列番号59及び配列番号63からなる群から選ばれたアミノ酸配列を含むことを特徴とする請求項1記載の抗体又はその断片。
  4. 前記抗体は、配列番号69、配列番号73、配列番号77、及び配列番号81からなる群から選ばれたアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号71、配列番号75、配列番号79、及び配列番号83からなる群から選ばれたアミノ酸配列を含む軽鎖からなることを特徴とする請求項1記載の抗体又はその断片。
  5. 前記抗体は、IgG、IgA、IgM、IgE、及びIgDからなる群から選ばれ、前記断片は、ディアボディー、Fab、Fab'、F(ab)2、F(ab')2、Fv及びscFvからなる群から選ばれることを特徴とする請求項1記載の抗体又はその断片。
  6. 前記scFvは、配列番号65又は配列番号67で表示されるアミノ酸配列を含むことを特徴とする請求項5記載の抗体又はその断片。
  7. 前記Fabは、配列番号57、及び配列番号59、又は配列番号61及び配列番号63で表示されるアミノ酸配列を含むことを特徴とする請求項5記載の抗体又はその断片。
  8. 請求項1乃至請求項7の内、いずれか一つの項の抗体又はその断片を含む酵素免疫分析キット。
  9. 請求項1乃至請求項7の内、いずれか一項の抗体又はその断片を含む代謝性骨疾患診断用組成物。
  10. 前記代謝性骨疾患は骨多孔症、パージェット病(Paget's diseases)、骨異栄養症(osteodystrophy)、骨成長障害(osteogenesis imperfecta)、骨癌、骨転移癌(metastatic bone disease)、骨軟化症(osteomalacia)、骨減少症(osteopenia)、骨萎縮(bone atrophy)、繊維性骨異形成症(fibrous dysplasia)、高カルシウム血症(hypercalcemia)、骨溶解(osteolysis)、骨関節炎(osteoarthritis)、歯周疾患及びリウマチ関節炎からなる群から選ばれたことを特徴とする請求項9記載の組成物。
  11. (1)試料を準備する段階;
    (2)請求項1乃至請求項7のいずれか一つの項の抗体又はその断片を、前記試料と接触させる段階;及び
    (3)前記抗体又はその断片を検出する段階を含むPICP特異的な検出方法。
  12. 請求項1乃至請求項7の内、いずれか一つの項の抗体又はその断片を符号化するポリヌクレオチド。
  13. 前記ポリヌクレオチドは、配列番号66又は配列番号68で表示される塩基配列を含むことを特徴とする請求項12記載のポリヌクレオチド。
  14. 前記ポリヌクレオチドは、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、及び配列番号84からなる群から選ばれた塩基配列を含むことを特徴とする請求項12記載のポリヌクレオチド。
  15. 請求項12のポリヌクレオチドを含む組換え発現ベクター。
  16. 請求項15の組換え発現ベクターで形質転換された細胞。
  17. (a)請求項15の組換え発現ベクターで宿主細胞を形質転換する段階;
    (b)形質転換された宿主細胞を培養して抗体又はその断片を生産する段階;及び
    (c)宿主細胞から生産された抗体又はその断片を収得する段階を含むPICPに特異的に結合する抗体又はその断片を製造する方法。
  18. (i)細胞外分泌を促進するシグナルペプチドと標識タンパク質が接合されたPICPα1鎖とPICPα2鎖を符号化するポリヌクレオチドを含む組換え発現ベクターを製造する段階;
    (ii)前記PICPα1鎖を符号化するポリヌクレオチドを含む組換え発現ベクターとPICPα2鎖を符号化するポリヌクレオチドを含む組換え発現ベクターを混合して、細胞を共同形質転換(co-transfection)する段階;
    (iii)前記共同形質転換された細胞を培養する段階;及び
    (iv)前記細胞から生成されたPICPタンパク質を収得する段階を含む組換えPICPタンパク質の製造方法。
  19. 前記PICPα1鎖を符号化するポリヌクレオチドとPICPα2鎖を符号化するポリヌクレオチドは、それぞれ配列番号86及び配列番号88で表示される塩基配列を含むことを特徴とする請求項18記載の製造方法。
  20. 代謝性骨疾患診断用製剤を製造するための、請求項1乃至請求項7の内、いずれか一つ項の抗体又はその断片の使用。
  21. 下記の段階を含む、個体の代謝性骨疾患の診断方法:
    (a)個体から生物学的試料を収得する段階;
    (b)請求項1乃至請求項7の内、いずれか一つの項の抗体又はその断片を利用して、前記生物学的試料内PICP蛋白質水準を測定する段階;及び
    (c)前記PICP蛋白質水準を正常個体のPICP蛋白質水準と比較する段階。
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