従来、燃料電池は、電気エネルギーを提供しかつ/または熱および電気を組み合わせるためのエネルギー源として開発された。溶融炭酸塩形燃料電池は、炭酸塩を形成し、次いでそのプロセスにおいて酸化体として作用するために、高温、典型的に約500℃〜約700℃と、CO2および酸素の供給源とを必要とし得る。従来の独立型作動モードでは、燃料電池アノードからのアウトプットは、燃料電池カソードへのインプットとして典型的に少なくとも部分的にリサイクルされる。この種類の作動モードでは、アノードアウトプット中の過剰の燃料は、典型的に、カソードに入る前に燃焼され、燃料電池のための熱を提供し、カソードのための濃縮二酸化炭素の供給源を提供する。従来の作動では、容易に好都合な二酸化炭素供給源がないため、このようなアノードからカソードへのリサイクルは必然的である。対照的に、PEMまたはSOFCシステムなどの他の燃料電池は、酸化体として空気を利用することができる。従来、アノードアウトプットおよびカソードインプット間の熱および化学組成に関するこのような関連は、実用的な電圧で作動しながら達成可能である燃料利用の範囲を制限する。
アノードアウトプットおよびカソードインプット間の関連が減少または最小化された(関連がないことも含む)MCFCを作動させることは、燃料利用の増加を可能にするために有益であり得ることが決定された。アノードおよびカソードのための(実質的に)別個の供給原料を使用することにより、従来のシステムに存在する固有の制限を克服することができ、効率を改善し、かつアノードからのCO2の捕捉の増強を可能にする作動を導く。
従来、高い燃料利用でMCFC燃料電池スタックを作動させることの困難の1つは、燃料電池の作動パラメータ内で燃料電池の温度を維持することであり得る。MCFC燃料電池における電気化学反応は、反応の理想的な電気化学ポテンシャルと電池によって生じる実際の電圧との間の差異に対応して排熱を生じる。さらに、この熱は、典型的に、アノード中の燃料、典型的にメタンを合成ガスに改質する吸熱反応によって部分的に相殺される。吸熱改質、発熱電気化学反応、アノード排出物生成物の燃焼を含むアノードからカソードへのリサイクルなどの典型的な作動における様々な熱インプットおよびアウトプットの組み合わせは、許容範囲内の熱バランスをもたらす燃料利用の非常に狭い範囲を生じ得る。典型的に、この値は、70%〜75%の燃料利用である。この範囲を超えて燃料利用を増加させることは、改質などの熱除去作動と比較して排熱の量を増加させ得、潜在的に許容範囲内の作動の範囲を超える作動温度の増加をもたらす。いくつかの態様では、80%以上の燃料利用による作動のための温度増加は、燃料電池内で実行される改質の量を増加させることによって減少または軽減可能である。これは、アノードに供給される供給原料の全てまたはほぼ全てが吸熱改質可能な燃料の形態であるような燃料電池の作動を含み得る。加えてまたは代わりに、温度増加は、排出物を介してMCFCから出る追加的な熱を輸送するために、増加したカソードフローレートを使用することによって減少または軽減可能である。いくつかの態様では、アノードインプット(および/またはアノードと関連する内部改質要素)への供給原料のH2含有量は、約5体積%以下、または約3体積%以下、または約1体積%以下であり得る。加えてまたは代わりに、アノードインプット(および/またはアノードと関連する内部改質要素)への供給原料のC2+炭化水素含有量は、約5体積%以下、または約3体積%以下、または約1体積%以下であり得る。
本明細書に記載される燃料電池作動戦略への追加、補完および/または代替として、溶融炭酸塩形燃料電池(燃料電池スタックまたはアセンブリなど)は、少なくとも約60%などの高いCO2利用値を有しながらも、少なくとも約80%、または少なくとも約82%、または少なくとも約84%などの増加した燃料利用値で作動され得る。十分に高いCO2利用値に関して、少なくとも約75%の燃料利用が適切であり得る。この種類の構成では、溶融炭酸塩形燃料は、CO2利用が有利に十分に高くなり得るため、炭素捕捉のために有効であり得る。さらに、アノードアウトプットから水素および/または他の燃料化合物を回収する試みに加えて、排出物中のこのような燃料化合物の量は、減少または最小化され得る。これは、アノードアウトプットの他の成分からのCO2の最終分離を単純化することに関する利益を提供することができる。加えてまたは代わりに、これは、アノード排出物の燃料含有量を最小化することに関して利益を提供し得る。約70%〜約75%の従来の燃料利用値で実質的な量の燃料値がアノード排出物中に残るが、燃料化合物をアノード排出物から分離する試みは、燃料値に対応する支出エネルギーを必要とし得る。結果として、アノード排出物は、典型的に、燃料ガスとして使用されるかまたは単純な熱値のために使用され、これは、より高値使用のための従来のアノード排出物中の水素を分離する試みと反対である。アノード排出物の熱料値を減少または最小化することにより、低値燃料ガスとして使用される燃料の量も減少させることができる。
燃料利用に加えてまたはその代わりに、定常状態においてアノードへのインプット供給原料に対するMCFC燃料電池の作動を特徴決定するために他の種類の値を使用することができる。1つの選択肢は、MCFCの改質可能な燃料余剰比率を特徴決定することであり得る。上記で定義されるように、改質可能な燃料余剰比率は、電気化学的動力の発生のために燃料中で酸化した水素の量に対する、アノードおよび/またはアノードの内部改質領域中に導入された改質可能な燃料の量を特徴付ける。MCFCの従来の作動中、改質可能な燃料余剰比率は、約1.30であり得る。対照的に、本明細書に記載の方法は、約1.00〜約1.25、例えば、約1.02〜約1.25、約1.05〜約1.25、約1.07〜約1.25、約1.10〜約1.25、約1.12〜約1.25、約1.15〜約1.25、約1.00〜約1.23、約1.02〜約1.23、約1.05〜約1.23、約1.07〜約1.23、約1.10〜約1.23、約1.12〜約1.23、約1.15〜約1.23、約1.00〜約1.21、約1.02〜約1.21、約1.05〜約1.21、約1.07〜約1.21、約1.10〜約1.21、約1.12〜約1.21、約1.15〜約1.21、約1.00〜約1.19、約1.02〜約1.19、約1.05〜約1.19、約1.07〜約1.19、約1.10〜約1.19、約1.12〜約1.19、約1.15〜約1.19、約1.00〜約1.17、約1.02〜約1.17、約1.05〜約1.17、約1.07〜約1.17、約1.10〜約1.17、約1.12〜約1.17、約1.00〜約1.15、約1.02〜約1.15、約1.05〜約1.15、約1.07〜約1.15、約1.10〜約1.15、約1.00〜約1.13、約1.02〜約1.13、約1.05〜約1.13、約1.07〜約1.13、約1.00〜約1.11、約1.02〜約1.11、約1.05〜約1.11、約1.07〜約1.11、約1.00〜約1.09、約1.02〜約1.09、約1.05〜約1.09、約1.00〜約1.07、約1.02〜約1.07、約1.00〜約1.05または約1.02〜約1.05の改質可能な燃料余剰比率を有するMCFC燃料電池の作動に対応し得る。
上記シミュレーション結果が、一般に、既存の燃料電池での使用のために適切である作動条件下でのMCFC燃料電池の作動に対応することにも留意される。例えば、シミュレーション結果におけるMCFC燃料電池の作動条件としては、約0.6Vより高い燃料電池作動電圧、約700℃未満のシステム中の最高気温、表1に示される少なくとも約700A/m2、例えば、少なくとも約750A/m2または少なくとも約800A/m2などの資本的支出を低く保持するために可能な限り大きくなり得る電流密度、ならびに表1に示される88%などの増加または最大化されたCO2捕捉の量が含まれる。
この議論では、MCFCにおけるアノード触媒またはカソード触媒の全触媒表面積は、アノード触媒/カソード触媒の全てを含み得る最小境界形状の表面積として定義される。境界形状の選択がアノード触媒/カソード触媒の幾何構造に基づいて明確でない場合、最小境界形状は、アノード触媒/カソード触媒の全てを含む最小平行四辺形として定義される。
この議論では、変性された触媒面積は、より高い触媒活性面積、またはより低い触媒活性面積に均一に包囲された全触媒表面面積内の面積として定義される。この定義の目的のため、変性された触媒面積は、最小境界形状によって定義された境界(または複数の境界)に隣接して形成され得ることに留意される。換言すると、3つの側面においてより高い触媒活性面積に包囲された全触媒表面積内の正方形面積、および最小境界形状の境界によって定義される第4の側面を有するものは、本明細書の変性された触媒面積の定義内に含まれる。(フローの方向などの)空間方向における触媒全体の活性の連続勾配を有するアノード触媒またはカソード触媒は、このような連続勾配が、典型的に、より高い触媒活性面積またはより低い触媒活性面積によって均一に包囲された触媒面積をもたらさないため、この定義から除外されることに留意される。
この議論では、溶融炭酸塩形燃料電池内のアノード触媒および/またはカソード触媒は、局所的に変性された触媒であり得る。局所的に変性された触媒は、本明細書では、a)触媒表面積の20%までが、触媒表面積の周囲部分よりも低い活性または高い活性を有するように変性された触媒面積に対応する、アノード触媒またはカソード触媒として定義される。局所的に変性された触媒は、b)全触媒表面積の少なくとも0.1%に対応する表面積を有する単一変性触媒面積、およびc)全触媒表面積の少なくとも1.0%に対応する組み合わされた表面積を有する複数の変性触媒面積の少なくとも1つを有するものとしてさらに定義される。
この議論では、MCFC中のカソード触媒および電解質間の境界面積は、炭酸イオンの輸送を可能にする電解質との境界面を形成するカソード触媒の全てを含み得る最小境界形状の面積として定義される。境界形状の選択がカソード触媒および/または電解質の幾何構造に基づいて明確ではない場合、最小境界形状は、電解質との境界を形成するカソード触媒の全てを含む最小平行四辺形として定義される。
この議論では、溶融炭酸塩形燃料電池内の電解質は、空間的に変性された電解質であり得る。局所的に変性された電解質は、本明細書では、a)カソード触媒および電解質間の境界面積の20%までが、炭酸イオンの輸送レートが実質的に減少して、不活性材料および/または他の材料を含有する境界面積に対応する、電解質として定義される。炭酸イオンの輸送レートの実質的に減少したレートは、大多数の電解質の輸送レートよりも少なくとも50%低い輸送レートを有することに対応し得る。輸送の実質的に減少したレートは、炭酸イオンの輸送を実質的に不可能にする材料を含むように定義される。局所的に変性された電解質は、b)全境界面積の少なくとも0.1%に対応する面積を有するカソード触媒および電解質間の境界の単一変性面積、ならびにc)全境界面積の少なくとも1.0%に対応する組み合わされた面積を有する境界の複数の変性面積の少なくとも1つを有するものとしてさらに定義される。
溶融炭酸塩形燃料電池の構成のために使用される材料の制限のため、MCFCスタックは、典型的に、約500℃〜約700℃の制限された温度範囲において作動可能である。燃料電池スタックのいずれかの点の最高温度および/または燃料電池スタック全体の最高温度と最低温度との差異(「デルタT」)は、全作動を制限し得る。一般に、反応速度がより速く、アノード中のメタンからアノード用の水素燃料への変換がより完全であり、かつ燃料電池電圧が増加するであろうため、より高い平均温度が好ましい。しかしながら、正常作動のためのデルタTは、典型的に、約50℃〜100℃またはそれを超え得るため、実際的な作動は、平均温度を制限する。さらに、従来の発電モードでは、MCFCスタックは正味の発熱であり得、したがっていくらかの温度増加があり、かつ変動が必要となり得る。本明細書に記載の方法は、燃料電池スタック内の温度変動を減少または最小化し得、したがってより均一な温度を可能にする。この均一性は、ほぼ全ての作動中に有用であり得る。これは、特に燃料利用が増加または減少している燃料電池スタックの作動のため、燃料利用が従来の燃料電池スタック作動と異なる場合に有用であり得る。低い燃料利用において、これは、低い利用における良好な全燃料転換および合成ガス製造を導くこともできる。それは、正常以上に高い燃料利用における作動を可能にすることができる。それは、カソードおよびアノードインレットおよびアウトレット流が互いと「未連結である」場合にも特に有利な作動を可能にする。
いくつかの態様では、本明細書に記載されるMCFC燃料電池スタックの作動により、約700℃以下、例えば、約690℃以下または約680℃以下の燃料電池スタック内の燃料電池の最大定常状態温度での燃料電池スタックの作動が可能となり得る。燃料電池スタック内の燃料電池の定常状態温度は、本明細書では燃料電池のアノードまたはカソード内の平均気温として定義される。アノードおよびカソード温度が異なる場合、より高い値が使用される。燃料電池スタックの最大定常状態温度は、スタック内の燃料電池の最大平均温度を意味する。加えてまたは代わりに、本明細書に記載されるMCFC燃料電池スタックの作動により、約40℃以下、例えば、約30℃以下、約20℃以下または約10℃以下の燃料電池アノードおよび/または燃料電池カソード内(すなわち燃料電池内)の最大温度差での燃料電池スタックの作動が可能となり得る。加えてまたは代わりに、本明細書に記載されるMCFC燃料電池スタックの作動により、約40℃以下、例えば、約30℃以下、約20℃以下または約10℃以下の燃料電池スタック内の最大温度差での燃料電池スタックの作動が可能となり得る。任意選択的に、MCFC燃料電池スタックを作動させるときの最大温度差は、少なくとも0.6Vの電圧および少なくとも約700A/m2(例えば、少なくとも約750A/m2または少なくとも約800A/m2)の電流密度において電気を発生させるときの最高温度に対応し得る。
温度変動を減少または最小化するための追加的または代わりの選択肢は、燃料電池内のフローフィールドを変性することであり得る。燃料電池内の流体混合量が限定され得ると考えられる。結果として、アノードおよび/またはカソードへのインプットフローがアノード/カソードの幅全体の濃度において変動を有する場合、フローは、アノード/カソード内で下流に進行するため、濃度における変動は少なくとも部分的に維持され得る。ホットスポットの位置が燃料電池アノードおよび/またはカソード内で識別される場合、対応する入口位置におけるインプットフローの組成は、燃料/CO2の濃度を減少するために変性可能である。この減少した濃度は前方へ進行し得、したがって、「ホットスポット」の位置は、燃料のより低い濃度を受け、より少ない反応に導く。アノードおよび/またはカソードへのインプットフローの濃度プロファイルを変性させることの一例は、望ましい入口点においてN2などの不活性(または非反応性の)ガスの追加の流体フローを導入することであり得る。これにより、インプットフローを局所的に希釈することができ、潜在的な「ホットスポット」におけるより低い反応速度がもたらされる。
温度変動を減少または最小化するための別の追加的または代わりの選択肢は、電解質全体の炭酸塩の輸送のために、抵抗が増加し、かつ/または電解質の利用可能性が減少するようにMCFC内の電解質を局所的に変性することであり得る。例として、「ホットスポット」の近辺では、不活性材料のパターンは、カソード内の境界において電解質中に導入され得る。(電解質の代わりに)不活性材料と境界を有するカソードの一部分が輸送のために利用可能でないことがあり得ることから、不活性材料が炭酸塩を輸送しないため、電解質全体の炭酸塩の輸送の局所的なレートを減少させ得る。
実際的な理由のため、MCFC燃料電池スタックの設計は、典型的に、スタック中のアノードおよびカソード間でクロスフロー熱交換が生じ得るようにアノードおよびカソードへのガスフローのマニホルディングを含む。加えて、燃料電池スタック中の所与の燃料電池のカソードおよび/またはアノード中の反応物の濃度は、種々の反応(例えば、メタンの吸熱改質および水素の発熱電気化学的酸化)の反応速度は、プレートのそれぞれの寸法全体で均一であり得ないため、スタックの「x」および「y」平面において連続的に変動可能である。これは、燃料電池スタック内での温度不均一性の位置を導き得る。MCFCスタック中のプレートは、典型的に、ホットスポットから熱を輸送するための熱伝導の能力を制限し得る腐食の問題のため、ステンレス鋼から構成され得る。加えて、燃料電池内のxおよびy方向に沿ってのフローは、対流によって熱を輸送する能力を制限し得る、いずれかの側面(軸方向)上の混合を制限すると考えられる。結果として、燃料電池内の不均一反応速度によって温度非均一性が導入される場合、温度非均一性は持続する傾向があり得、かつ反応速度における温度の影響のために潜在的に悪化し得る。アノードまたはカソード触媒の量および性質を操作することに加えてまたはその代わりに、スタック中のフローパターンは、特定の領域へのカソードまたはアノードガスのより高いまたはより低いフローをもたらすように変化させ得る。個々の燃料電池プレートの全ての間のフローが比較的類似である場合、この方法は特に効果的であり得る。
温度非均一性を有する燃料電池スタック内の位置は、種々の要因に依存し得る。要因としては、限定されないが、アノードおよび/もしくはカソードインプットマニフォールドへのインプットフローの性質、アノードおよび/もしくはカソードインプットマニフォールドへのインプットコンジットの幾何構造、アノードおよび/もしくはカソードインプットマニフォールドの幾何構造、アノードおよび/もしくはカソードの幾何構造、燃料電池スタックの幾何構造、または出口マニフォールドもしくはコンジットの幾何構造、またはその組み合わせが含まれ得る。他の要因としては、限定されないが、触媒利用可能性の変動、ならびに/またはアノードおよび/もしくはカソードにおける触媒表面の品質が含まれ得る。結果として、燃料電池スタック内の温度非均一性の位置を決定することは、特定の燃料電池スタック設置および/または構造の調査を必要とし得る。
燃料電池スタックの改善された温度均一性を提供するために、非均一温度の位置を決定するための(任意選択的に反復の)方法を使用することができる。最初に、燃料電池スタックの温度プロファイルを、従来の温度プローブまたはモデリングを有する機器使用を含む種々の手段のいずれかにより、例えば、CFDにより、全ての寸法(x、y、z)において測定することができる。1つの選択肢は、複数の温度測定を得ること、および測定された値を使用してモデル計算のためのデータを提供することなどの方法の組み合わせを使用することであり得る。位置の作用としての温度の「マッピング」を可能にするために、十分な数の測定および/またはモデル化された値を得ることができる。MCFCスタックが有意な「z」方向勾配を提供する要素(例えば、メタンを蒸気改質するプレート、吸熱反応)を含む場合、「z」方向は含まれ得、さもなければ、それは、x−y寸法を単にマッピングするために十分であり得る。これにより、燃料電池スタック全体の最大ΔTおよび平均ΔTを有する燃料電池スタックの「マップ」または温度プロファイルを作成することができる。
「マップ」または温度プロファイルを作成した後、温度プロファイルは、燃料電池内のアノードおよび/またはカソード反応の変性のための位置を決定するために使用することができる。これは、より高温の部位での発熱反応の反応速度を制限すること、ならびに/またはより低温の部位での反応速度および発熱を変性することを含み得る。低温部位の性質次第で、発熱反応の反応速度を増加させること、および/または(メタン改質などの)吸熱反応の反応速度を低下させることが望ましいことがあり得る。これを達成する方法の例としては、限定されないが、以下を含む。
A)触媒活性を変化させることによる反応速度の増加。燃料電池内で生じる電気化学的酸化反応のため、MCFC燃料電池のアノード側面は、多くの作動条件下で律速ではない。代わりに、MCFC燃料電池のカソード側面上の反応は、典型的に律速段階に対応し得る。結果として、アノード側面上の触媒活性の増加は、吸熱反応である改質の増加を導くことができるが、燃料電池内の電気化学反応の速度に対して減少または最小限された影響のみを有する。この種類の態様では、MCFC燃料電池スタックの選択された位置における触媒活性を増加させることは、改質活性の増加、したがって温度の減少を導くことができる。これにより、水蒸気改質活性触媒の改善が可能となり得、燃料電池内で識別されたホットスポットを減少させる。ホットスポットが温度プロファイル中に識別される場合、改善された水蒸気改質触媒をアノード中の対応する位置に適用または堆積させることができる。例えば、水蒸気改質触媒は、典型的に、Ni触媒である。活性度を変性するための1つの選択肢は、第VIII族貴金属などの種々の(より高い)触媒活性を有する追加的な触媒金属を局所的に堆積させることであり得る。加えてまたは代わりに、触媒および基礎支持体の局所的部分は、改善された分散および/または触媒表面積を提供する支持体上のNi触媒に置換され得る。
B)カソード活性の減少。上記の通り、カソードで生じる電気化学反応の部分は、典型的に、MCFCスタックにおける律速段階であり得る。温度プロファイルがホットスポットを示す場合、燃料電池のカソード側面上の触媒は、ホットスポットに対応する領域におけるCO2およびO2から炭酸イオンへの全変換のためのカソード触媒の活性を減少させるためにエッチング、マスキングまたは他の方法で変性され得る。この議論では、「パターン化」触媒を形成するための触媒の「パターン化」は、触媒の局所的活性を減少させるための触媒材料の除去および/またはマスキングを含むように定義される。(パターン化触媒を形成するための)触媒のパターン化のための選択肢としては、限定されないが、リソグラフィー、選択的マスキング、ストリッピング、「ドット」、「ストライプ」および他のパターンのパターン噴霧、ならびに/または局在的基準での触媒材料の選択的除去および/もしくはマスキングのためのいずれかの他の方法を含み得る。この種類の態様では、パターンまたはマスクは、スタック中の通常の熱伝達メカニズムが最小の局所的温度変動をもたらすであろう十分に小さい特徴的寸法を有し得る。触媒をパターン化するためのなお別の1つの選択肢は、カソード触媒の上部にカバーまたはバリア材料を添加することであり得る。
C)下流位置における所望の温度変化を生じるための上流位置での触媒変性。フローが典型的に層状であることから、フローがスタック中のアノードまたはカソードを通過するため、MCFCスタック内のフローパターンが少ない量の混合を有する傾向があり得ることが発見された。フローパターンの性質は、温度プロファイルを変性させるために燃料電池内の1つ以上の位置への反応物の送達を増加させるために使用することができる。例えば、アノードが温度プロファイルにおいて高温位置を有する場合、触媒を含まない1つ以上の選択的チャネルが高温位置から上流に作成され得るであろう。選択的チャネルにおける触媒との相互作用のため、アノード内で通常改質されるであろう任意のメタンは、次いで、わずかに反応するかまたは反応せずに下流に移動することができる。これにより、未反応のメタンが高温位置に達することが可能となり得、そこで、追加的なメタンは、次いで吸熱改質され得、高温位置における温度を減少させる。類似の種類の戦略は、カソード中の低温位置にも使用可能であろう。例えば、カソード中のより低い温度領域は、より低い温度領域に向かって追加的な反応物を送達することにより、温度が上昇可能である。加えてまたは代わりに、希釈燃料流がより低い温度領域に到達し、かつ過剰量の酸素と反応して熱を生じ得るように、希釈燃料の流れ(例えば、H2またはメタン)をカソード内のフロー中に導入することができる。
D)電解質輸送の変性。一領域における電気化学的層の抵抗を増加させるか、または(例えば、融解炭酸塩電気化学的層のスポットを有することによって)不活性である領域を作成することにより、電池の電気化学的抵抗を変性可能であり、かつ/またはホットスポットにおいて電気化学反応を最小化可能である。このようなスポットは、電気化学的マトリクスにおいて十分に小規模でパターン化される場合、より低い電気化学的活性の領域を生じるのみであり、かつホットスポットを減少させるであろう。
図27は、パターン化されたカソードプレート2710の例を示す。カソードプレート2710は、パターン化部分2732を含む。パターン化部分2732は、パターン化された領域の近辺の活性を減少または最小化するために、カソードがマスクおよび/または除去された領域を概略的に表す。これにより、パターン化された領域の近辺の温度を局所的に減少させることができる。別のパターン化の種類がパターン化部分2737によって概略的に示される。図27に示される例では、領域2739は、触媒の温度プロファイルのコールドスポットに対応し得る。図27に示される例では、フローの方向は、カソードへのインプットフローが、領域2739に遭遇する前にパターン化部分2737に遭遇するように方向付けられ得る。部分2737をマスキングすることにより、追加的な反応物(例えば、CO2および/またはO2)は、インプットフローが領域2739に到達したときに利用可能なままであり得る。これにより、領域2739の近辺で追加的反応が生じることが可能となり、したがって局所的温度の増加が可能となり得る。
いくつかの態様では、1つ以上のアノードおよび/またはカソードにおける触媒分布を変更することなどにより、MCFC燃料電池スタックにおける触媒分布を変更した後、変更された触媒分布を有する燃料電池スタックは、電力、製造、合成ガス製造および/またはCO2捕捉のために使用することができる。代わりに、温度プロファイルの作成および触媒分布の変更は、MCFC燃料電池スタック内の温度プロファイルをさらに改善するために相互に実行可能である。この種類の態様では、それぞれの反復は、スタック全体の、より小さい最大および/または平均デルタTを有する改善されたマップを潜在的に生じ得る。
なお他の態様では、温度プロファイルを作成することおよび触媒分布を変更することは、燃料電池スタックのなおさらに改善された作動を提供するための燃料電池作動条件の調整と組み合わせることができる。温度プロファイルに基づく触媒分布の変更後、スタックの温度プロファイルにおける変動の減少のため、燃料電池スタック上の設計作動限界を超えることなく、MCFC燃料電池スタックの平均作動温度を増加させることが可能であり得る。これにより、例えば、燃料電池スタック内の燃料利用を増加させるための作動条件の変更が可能である。これにより、例えば、局所的領域が最大許容温度を確実に超えないようにすることにより、高い燃料利用においてスタック全体でより大きい全発熱および温度上昇が可能である。他の選択肢としては、アノードおよび/またはカソードのインレット温度を増加させることなど、燃料電池スタックの1つ以上の作動条件の変更を含み得る。作動条件における変更の作成(および/またはモデル化)後、温度プロファイルは、任意選択的に、上記の反復プロセスの一部として測定および/または再びモデル化され得る。
実質的なメタン含有量を有する供給原料の種々の種類が、アノードインプット供給原料としての使用のために潜在的に適切であり得る。しかしながら、多くのメタン含有供給原料は、C2+炭化水素などの他の種類の改質可能な化合物も含有し得る。より一般に、メタン含有供給原料は、多くの場合、エタン、エチレン、プロパンおよび/または他のC2+炭化水素ならびに少量の不活性成分を含み得る。このようなC2+または「重質」炭化水素が、散発的でさえMCFCアノード内で改質される場合、改質は、アノード中のコークスの蓄積をもたらし得る。ニッケルなどの改質触媒は、エタンおよびプロパンなどのC−C結合をすでに含有する炭化水素から炭素析出(コークス形成)をする傾向があり得ることが周知である。コークス形成からアノード触媒を保護するために、典型的に、燃料電池の外部の触媒反応器である「プレリフォーマー」を使用することができる。このプレリフォーマーは、炭化水素流のいくらかを、H2およびCOを含む混合物に変換することができる改質触媒も有することができる。一般に、エタン、プロパンおよび他の高分子量炭化水素は、メタンより速く改質可能である。プレリフォーマーは燃料電池の外部デバイスであるため、触媒は、アノード触媒がコークス化した場合よりも単純に、容易に、効率的にかつ/または安価に交換可能である。したがって、プレリフォーマーは、アノード自体への「ガードベッド」の役割を果たすことができる。
プレリフォーマーの使用の1つの結果は、アノード燃料流の温度が、改質反応の吸熱特性のために低下され得ることであり得る。適切な供給原料温度を取り戻すために、流れは、プレリフォーマーのアウトレットおよびアノードのインレット間で再加熱可能である。(代わりに、プレリフォーマーへの供給原料は、「超加熱」が可能であるが、これは正味の同じ効果であり得、追加的な熱は、アノード入口前で流れに加えることができる。)従来通り、アノード流は、熱源としてカソード排出物を使用して、スタックの基部の熱交換器を経由して再加熱することができる。したがって、燃料がエタンおよび他の高級炭化水素を含有する場合、プレリフォーマーは、アノード触媒をコークス析出から保護することができるが、MCFCシステムにプレリフォーマーを含むことは、プレリフォーマーおよび関連する熱交換器の必要性のために複雑性の増加を導き得る。
プレリフォーマーの使用に関するさらなる困難は、改質不可能な燃料を含有する供給原料が燃料電池に送達されるときの燃料電池内の温度に対する影響と関連し得る。燃料電池内の温度上昇は、いくつかの影響:アノード燃料および流れの改質ならびに水性ガスシフトによって消費される熱、開路電位(約1.04V)から作動電池電位(典型的に、約0.7〜0.8Vであるが、より低いまたはより高いことも可能である)を減じた値に比例する、水素酸化によって発生する熱、流れの熱容量およびそのフローレートの両方に比例し得る、アノードおよびカソード流を加熱することによって消費される熱、ならびにアノードおよびカソードフローレートと一緒に上記の3つの影響の全体的な大きさを決定することができるスタックの電流密度のバランスによって左右され得る。
プレリフォーマーの使用により、MCFCアノード内のコークス形成を避けることができるが、このようなプレリフォーマーは、加えてまたは代わりに、アノードへの供給原料のH2含有量の増加を導き得る。スタックの外部の吸熱改質化学のいくつかを行い、次いでアノード燃料流を再加熱(または予熱)することにより、改質によって提供された冷却メカニズムのいくらかをスタックから除去することができる。これにより、スタック内の所与の温度上昇に対して燃料電池スタック内で生じ得る発熱反応の量を制限することができる。プロセス制御の観点から、燃料電池スタックのアノードへのフローレートは、典型的に、定常状態作動条件下で作動させるように試みる場合、ほぼ一定に保持され得る。アノードへの供給原料のフローレートがほぼ一定に保持される状態では、供給原料の一部がH2などの改質不可能な燃料を表す場合、供給原料の改質から生じ得る吸熱冷却の量を減少させることができる。
改質の全てがスタック内で生じ得る場合、所与のレベルの発熱反応におけるスタック全体の温度上昇は減少し得る。これは、次いで、それにより、温度増加を導き得る上記の全ての3つのメカニズムを増加させ得る全電流密度の増加に移され得る。その場合、燃料電池の全効率は、特に動力アウトプットおよび費用効果に関して増加し得る。
プレリフォーマーおよび関連熱交換器に加えて、従来の燃料電池スタックは、硫黄除去プロセスを含み得る。上記の通り、天然ガス(および他の燃料)は、典型的にppm範囲においてのみであるが、硫黄含有分子のいくらかの量を典型的に有し得る。すでに低濃度であるにもかかわらず、MCFCおよびSOFCのアノードは、硫黄に対して感応性であり得、したがって、燃料電池アノードへの供給原料中の硫黄の濃度はppb範囲であり得る。硫黄は、様々な方法で除去可能であるが、最も一般的には硫黄「トラップ」であり、これは、硫黄が吸着される再生可能な固体吸着剤を含み得る。定期的に、固体吸着剤は、処理のために除去され得、燃料電池システムに複雑さおよびコストを追加する。
スイング吸着は、値の範囲を通して吸着剤のベッドの1つ以上の作動パラメータをスイングまたはサイクルすることに依存する。スイング吸着プロセスの例としては、圧力スイング吸着(PSA)および温度スイング吸着(TSA)を含み得る。PSAプロセスでは、通常、汚染物質と見なされた1つ以上の成分がガス混合物から除去されるために選択的または比較的選択的である固体吸着剤の第1のベッド上に一定期間、圧力下でガス混合物を導入することができる。例えば、供給原料は、供給原料圧力においてPSA装置中に導入され得る。供給原料圧力において供給原料中のガスの1つ以上を選択的に(または比較的選択的に)吸着することができるが、他方、1つ以上の他のガスは、より低いまたは最小の吸着で通過することができる。選択的に吸着されたガスを供給原料の「重質」成分と呼ぶことができ、非選択的に吸着されたガスを供給原料の「軽質」成分と呼ぶことができる。便宜上、供給原料の「重質」成分に対する言及は、別途指定されない限り、選択的に吸着された全てのガスを示すことができる。同様に、「軽質」成分に対する言及は、別途指定されない限り、非選択的に吸着された全てのガスを示すことができる。一定期間後、PSA装置中への供給原料フローを停止することができる。供給原料フローは、事前に決定されたスケジュールに基づいて、重質成分の破過の検出に基づいて、吸着剤の全容量の少なくとも閾値百分率に対応する重質成分の吸着に基づいて、および/または他のいずれかの好都合な基準に基づいて停止することができる。次いで、反応器中の圧力は脱着圧力まで減少し、それにより選択的に吸着されたガスが吸着剤から放出され得る。任意選択的に、選択的に吸着されたガスの放出を促進するために、圧力の減少前、その間および/またはその後に1種以上のパージガスを使用し得る。サイクルの性質次第で、フルPSAサイクルは、任意選択的に、ほぼ一定の温度で実行可能である。
温度スイング吸着吸着(TSA)は、同様の原理に基づいて作動され得るが、吸着剤ベッドによる吸着および脱着を変性するための推進力として温度変動を使用する。当然ながら、スイング吸着は、温度および圧力の両方が吸着および脱着中のスイングのために使用可能である装置を使用して実行可能である。圧力スイング吸着の実行としてのプロセスまたは装置の記載が一定の温度作動を必要としないこと、および同様に温度スイング吸着が一定の圧力作動を必要としないことは理解される。
典型的に全てのベッドが連続的に同じサイクルを通過する完全サイクルを可能にするために、複数のベッドを使用することができる。第1のスイング反応器が、反応器における吸着剤が十分に飽和になる条件などの条件を満たす場合、供給原料フローは、第2の反応器に切り替えられ得る。次いで、第1のスイング反応器は、吸着されたガスを放出することによって再生可能である。連続的な供給原料フローを可能にするために、スイッチング反応器のための条件を満たす少なくとも1つの他のスイング反応器の前に、第1のスイング反応器が仕上再生可能であるように十分な数のスイング反応器および/または吸着剤ベッドを使用することができる。
分離を実行するために、天然ガス流(または別のメタン含有流)を圧力スイング吸着装置中に導入することができる。圧力スイング吸着装置、急速サイクル圧力スイング吸着装置またはいずれかの他の従来的な種類のスイング吸着装置など、いずれの好都合な種類の圧力スイング吸着装置も使用することができる。スイング吸着装置中に導入される供給原料の温度は、吸着剤の種類に基づいて選択することができる。いくつかの態様では、スイング吸着装置の作動温度は、約270°K〜約400°Kであり得、スイング吸着装置へのインプット流は、その範囲内の好都合な温度を有する。スイング吸着装置中に導入されるメタン含有供給原料の圧力は、スイング吸着装置へのインプット供給原料の性質に基づいて選択することができる。いくつかの態様では、スイング吸着装置への圧力は、供給原料の全圧力に基づいて選択し得、約80kPa〜約3500kPaの(またはそれを超える)圧力が適切である。例えば、スイング吸着装置中への供給原料の圧力は、約80kPa〜約3500kPa、例えば、約80kPa〜約2500kPa、約80kPa〜約1500kPa、約80kPa〜約1000kPa、約80kPa〜約500kPa、約100kPa〜約3500kPa、約100kPa〜約2500kPa、約100kPa〜約1500kPa、約100kPa〜約1000kPa、約100kPa〜約500kPa、約250kPa〜約3500kPa、約250kPa〜約2500kPa、約250kPa〜約1500kPa、約250kPa〜約1000kPa、約250kPa〜約500kPa、約500kPa〜約3500kPa、約500kPa〜約2500kPa、約500kPa〜約1500kPaまたは約500kPa〜約1000kPaであり得る。加えてまたは代わりに、スイング吸着装置への圧力は、除去が望ましい成分の供給原料中の部分圧力に基づいて選択することができる。例えば、エタンは、天然ガス供給原料中の非実質的成分でないことがあり得る。吸着装置がスイング条件下での吸着の所望の仕事能を有することができるように、スイング吸着装置への全供給原料圧力は、供給原料中のエタンの所望の部分圧力に基づいて選択され得る。このような態様では、供給原料の全圧力は、エタン、エテンおよび/またはプロパンなどの供給原料中の重質炭化水素成分の部分圧力が約10kPa〜約200kPa、例えば、約10kPa〜約150kPa、約10kPa〜約100kPa、約10kPa〜約70kPa、約50kPa〜約200kPa、約50kPa〜約150kPaまたは約50kPa〜約100kPaであるように選択することができる。
いくつかの態様では、メタン含有供給原料は、供給原料の重質炭化水素含有量を決定するために監視され得る。メタン含有供給原料の重質炭化水素含有量が全炭化水素含有量に対して少なくとも約1.0体積%または少なくとも約2.0体積%などの閾値よりも高い場合、供給原料は、MCFC燃料電池スタックへの供給に送達される前にスイング吸着装置を通過することができる(または少なくとも部分的に通過することができ、これは、供給原料の少なくとも一部分が通過し得ることを意味する)。供給原料が閾値未満の重質炭化水素を含有する場合、供給原料は、MCFC燃料電池スタックを直接通過することができる。加えてまたは代わりに、供給原料中で検出された重質炭化水素の量に基づき、いずれかの所望の方法で変動する百分率の供給原料がスイング吸着装置を通過することができるように、この種類の戦略上の変動が使用可能である。これにより、最初にスイング吸着装置に送達された百分率の連続変動、スイング吸着装置への百分率の変動のための複数の閾値、または重質炭化水素濃度に基づいてスイング吸着装置を通過する供給原料の量を決定するためのいずれかの他の好都合な方法が可能である。スイング吸着装置からの生成物メタン流は、全炭化水素含有量に対して少なくとも約95体積%、例えば、少なくとも約98体積%または少なくとも約99体積%のメタン含有量を有することができる。
作動中、1つ以上の他のスイング吸着装置を再生している間、少なくとも1つのスイング吸着装置によってメタン生成物アウトプットを製造することができるように複数のスイング吸着装置を任意選択的に使用することができる。スイング吸着装置の再生プロセスステップ中に生成したブローダウンおよびパージ生成物をいずれかの好都合な方法で使用することができる。例えば、ブローダウンおよび/またはパージ生成物中のC2+炭化水素は、燃料ガスとしての使用のために適切であり得る。
より重質の炭化水素からメタンを分離するためのいずれの好都合な吸着剤もスイング吸着装置中で使用することができる。適切な吸着剤の例としては、限定されないが、FAUフレームワークモレキュラーシーブ、例えば、ゼオライトXまたはゼオライトY、ゼオライトイミダゾレートフレームワーク材料(ZIF)、例えば、ZIF−7、ZIF−9、ZIF−1、EMM−19、EMM−19*またはその組み合わせが含まれ得る。
メタン含有供給原料中の重質炭化水素の少なくとも一部を除去することに加えて、スイング吸着装置は、供給原料中の硫黄の少なくとも一部も除去することができる。いくつかの態様では、メタン含有供給原料は、少なくとも約1wppm、例えば、少なくとも約5wppmまたは少なくとも約10wppmの硫黄含有量を有し得る。そのような態様では、スイング吸着プロセスから生成したメタン豊富生成物は、約1wppm未満、例えば、約100wppb未満の硫黄含有量を有し得る。
燃料電池スタックとともにスイング吸着装置を使用することは、潜在的に、様々な利点を提供することができる。潜在的な利点としては、単一ユニット(スイング吸着装置)における硫黄および重質炭化水素の除去、良好な熱集積化(予備改質は吸熱であり、これは、プレリフォーマーの生成物を燃料電池の作動温度まで再加熱する必要があることを意味する)、より単純な処理構造(重質炭化水素除去ステップを加えることにより、サイズ減少が可能であるか、または好ましくは硫黄トラップ、プレリフォーマー、プレリフォーマーと燃料電池との間の熱交換器および/もしくは燃料電池スタック内の改質ユニットを排除する)、またはその組み合わせを含み得る。
図28は、圧力スイング吸着装置などのスイング吸着装置の作動をMCFCと集積化するための構造の例を示す。図28では、供給原料2801は、スイング吸着装置2880および2890によって処理され得る。図28には2つのスイング吸着装置が示されるが、いずれの好都合な数のスイング吸着装置も供給原料2801を処理するために使用され得る。複数のスイング吸着装置を有することにより、例えば、最初にC2+炭化水素を除去するためにスイング吸着装置2880を使用し、次いでスイング吸着装置2880の再生中にスイング吸着装置2890に切り替えることにより、供給原料を連続的に処理することが可能となる。メタン豊富アウトプット2881および/または2891は、次いでMCFCアノードを通過することができる。アノード排出物2806およびカソード排出物2816を生じることが期待されるように、MCFCアノードおよびカソードは、他の方法で作動し得る。任意選択的に、(示されない)検出器をスイング吸着装置2880および2890の上流に配置することができる。任意選択的な検出器は、供給原料2801のC2+含有量を決定するために使用することができる。C2+含有量が十分に少ない場合、供給原料2801(または供給原料の少なくとも一部分)は、任意選択的に、スイング吸着装置2880および/または2890を回避し、MCFCアノード中を直接通過し得る。
従来、燃料電池は、電気エネルギーを提供するための動力源として開発された。酸化体として酸素を使用する燃料電池とは対照的に、酸化体として二酸化炭素および酸素を使用する溶融炭酸塩形燃料電池は、二酸化炭素源を必要とする。結果として、カソードインプット流中のCO2の濃度は、MCFCの作動に影響を与え得る。従来の独立型作動モードでは、燃料電池アノードからのアウトプットは、燃料電池カソードへのインプットとして典型的にリサイクルされる。典型的に、合成ガス(CO、CO2、H2O、H2)の混合物に対応し得るアノード排出物は、カソードインレット条件と適合性があるように十分加熱されたCO2および酸素が豊富なガス混合物を製造するように過剰量空気と反応し得る。カソードのために生成されたCO2は、メタンなどの追加の燃料の燃焼によって補足され得、慣習的に、電気化学反応のカソード部分のために必要とされるCO2を提供するために使用することができる。この種類の作動モードでは、アノードおよびカソードへの供給原料レートは、燃料電池の両側に対して加熱/反応物の均衡を維持するために均衡化され得る。このような流れの均衡化およびリサイクルは、典型的に水の数インチ以下の許容誤差内において、アノードおよびカソード間の圧力の均衡化を補助することができる。より一般には、MCFCは、典型的に独立型構造で作動可能であるため、従来のMCFC構造は、典型的に、類似の断面積を有するカソードおよびアノードフローパスを有することができる。換言すると、アノード断面積に対するカソード断面積の比率は、約2以下であり得る。カソードおよびアノード間の類似の断面積は、連結したアノードおよびカソードフローによる従来の作動を容易にすることができる。
図29は、個々の燃料電池フロープレートモジュール2910の例を示す。図29に示される例では、燃料電池フロープレートモジュール2910は、約5.2mmの長さ、約6.0mmの幅および約1.7mmの高さ2922を有する。処理のためのインプット供給原料は、流路2915を介して燃料電池フロープレートモジュール2910に通過し得る。燃料電池スタックにおいて見出され得るようなフローチャネルを生じるように流路2915を少なくとも部分的に整列させることにより、複数のフロープレートモジュール2910を組み立てることができる。フロープレートモジュール3050の組み立て群の例を図30に示す。
図30中の組み立てられたフローチャネルは、フロープレートモジュールの完全に整列された集合に対応しないことに留意される。代わりに、モジュール間の開口が、モジュールの完全に整列された集合の開口の約10%未満であるように、フロープレートモジュールを組み立てることができる。これは、フローチャネルを形成する場合、約10%のモジュール整列ミスマッチと呼ばれ得る。隣接したモジュール間のミスマッチがフロー方向に沿ってずれ得るようにモジュールを整列することができる。これにより、燃料電池モジュールの従来の構造を表すことができる。いくつかの整列ミスマッチを有するモジュールを組み立てることは、燃料電池スタックに構造完全性を提供することを補助することができる。フローパスに関して、平均整列ミスマッチは、フローパスにおけるモジュールの整列ミスマッチ値の平均に基づいて定義することができる。種々の態様では、カソードフローパスの平均整列ミスマッチは、少なくとも約5%、例えば、少なくとも約10%または少なくとも約15%であり得る。
図30に示されるフローチャネルの例に基づき、圧力低下の計算は、コンピュータ流体力学に基づいて実行した。フローチャネル全体の圧力低下は、フローチャネルを通る様々なフローレートに関して、および完全整列、約10%のミスマッチおよび約20%のミスマッチの整列マッチ(またはミスマッチ)の値に関して決定された。図31は、圧力低下計算の結果を示す。図31では、約5000lb/時間未満のフローレートは、燃料電池カソードを通した従来のフローレートに対応した。このようなフローレートにおいて、カソードフローパス全体の圧力低下の量は、全ての構造に関して約≦2インチH2Oであると計算された。しかしながら、フローレートが約5000lb/時間より高く、例えば、約10000lb/時間より高く増加すると、圧力低下は増加し始め、約5インチH2O以上の圧力低下が導かれた。約20000lb/時間などのなお高いフローレートにおいて、カソードフローパスの平均整列ミスマッチを減少することは、圧力低下を減少することができるが、整列ミスマッチがない状態でさえ、圧力低下は、なお約4インチH2Oであった。
より一般には、少なくとも約10000lb/時間、例えば、少なくとも約15000lb/時間、少なくとも約20000lb/時間、少なくとも約25000lb/時間または少なくとも約30000lb/時間、例えば、約50,000lb/時間まで、またはそれを超えるカソードインプットフローを処理することが望ましいことがあり得る。これは、約5000lb/時間以下(例えば、約3000lb/時間以下または約2000lb/時間以下、例えば、約1000lb/時間までまたは場合によりそれを下回り得る)、対応するアノードフローパスのフロー体積と対照的であり得る。望ましいインプットフローレートにおける差異は、約5〜約100、例えば、約10〜約100、約20〜約100、約30〜約100、約5〜約50、約10〜約50、約20〜約50、約30〜約50、約5〜約25または約10〜約25の、アノードインプットフローレートに対するカソードインプットフローレートの比率をもたらし得る。
燃料電池スタック中のフローパス全体で有意な圧力低下を有することにより、潜在的に様々な問題をもたらし得る。1つの課題は、圧力低下が、アノードおよびカソード間の圧力不均衡を導くことであり得る。従来の作動中、アノードアウトプットフローをカソードインプットフローと連結することは、アノードおよびカソード間の圧力低下の差異を減少または軽減することができる。このような連結がない場合、カソード全体の十分に大きい圧力低下の存在は、カソードおよびアノード圧力を均衡化する作動条件を選択する試みにおいて課題を提示し得る。アノードおよびカソード間の圧力差が増加すると、(より高い圧力の)カソードフローの一部が(圧力低下のためにより低い圧力である)アノードフロー中に漏出する可能性も増加し得る。カソードからアノードへの酸化体の漏出は、発電することなく加熱するアノード燃料の燃焼および作動/システム完全性を悪化させ得るホットスポットを潜在的に誘発するという結果をもたらし得る。別の課題は、次いで、効率損失をもたらし得る、カソード全体の圧力低下および/または発電などの上流プロセスユニットによって引き起こされる背部圧力によるエネルギー損失であり得る。図31に示されるように、燃料電池フローモジュールの整列を改善しようとする試みの従来的な解決策は、圧力低下における中程度のみの減少を提供することができる。
上記の困難を克服するために、いくつかの態様では、燃料電池スタック中のカソードフローパスの断面積を増加させ得る。カソードまたはアノードフローパスの断面積は、燃料電池スタック中のフローパスの平均断面積として定義され得る。これは、少なくとも約1.05のアノードフローパス断面積に対するカソードフローパス断面積の比率を導くことができる(すなわち、カソードフローパス断面積は、アノードフローパス断面積より少なくとも約5%大きい)。例えば、アノードフローパス断面積に対するカソードフローパス断面積の比率は、約1.05〜約6.00、約1.05〜約5.00、約1.05〜約4.00、約1.05〜約3.50、約1.05〜約3.00、約1.05〜約2.50、約1.05〜約2.00、約1.05〜約1.75、約1.05〜約1.50、約1.05〜約1.30、約1.10〜約6.00、約1.10〜約5.00、約1.10〜約4.00、約1.10〜約3.50、約1.10〜約3.00、約1.10〜約2.50、約1.10〜約2.00、約1.10〜約1.75または約1.10〜約1.50、約1.10〜約1.30、約1.20〜約6.00、約1.20〜約5.00、約1.20〜約4.00、約1.20〜約3.50、約1.20〜約3.00、約1.20〜約2.50、約1.20〜約2.00、約1.20〜約1.75、約1.20〜約1.50、約1.30〜約6.00、約1.30〜約5.00、約1.30〜約4.00、約1.30〜約3.50、約1.30〜約3.00、約1.30〜約2.50、約1.30〜約2.00、約1.30〜約1.75、約1.30〜約1.50、約1.40〜約6.00、約1.40〜約5.00、約1.40〜約4.00、約1.40〜約3.50、約1.40〜約3.00、約1.40〜約2.50、約1.40〜約2.00、約1.40〜約1.75、約1.50〜約6.00、約1.50〜約5.00、約1.50〜約4.00、約1.50〜約3.50、約1.50〜約3.00、約1.50〜約2.50、約1.50〜約2.00または約1.50〜約1.75であり得る。
種々の態様では、アノードおよびカソード間の断面積比の変化は、カソードおよびアノードのフローパスの平均高さの変化に対応し得る。カソードの長さおよび幅は、アノードに対して変更することができた。しかしながら、アノードおよびカソードモジュールの長さおよび幅は、融解炭酸塩層全体の炭酸イオンの効果的な輸送を可能にするために典型的に2倍未満で異なることができる。種々の態様では、アノードフローパスの平均高さに対するカソードフローパスの平均高さの比率は、断面積の比率と同様であり得、例えば、約1.05〜約6.00、約1.05〜約5.00、約1.05〜約4.00、約1.05〜約3.00、約1.05〜約2.00、約1.05〜約1.75、約1.05〜約1.50、約1.05〜約1.30、約1.10〜約6.00、約1.10〜約5.00、約1.10〜約4.00、約1.10〜約3.00、約1.10〜約2.00、約1.10〜約1.75、約1.10〜約1.50、約1.10〜約1.30、約1.20〜約6.00、約1.20〜約5.00、約1.20〜約4.00、約1.20〜約3.00、約1.20〜約2.00、約1.20〜約1.75、約1.20〜約1.50、約1.40〜約6.00、約1.40〜約5.00、約1.40〜約4.00、約1.40〜約3.00、約1.40〜約2.00、約1.40〜約1.75、約1.50〜約6.00、約1.50〜約5.00、約1.50〜約4.00、約1.50〜約3.00、約1.50〜約2.00、約1.50〜約1.75、約1.75〜約6.00、約1.75〜約5.00、約1.75〜約4.00、約1.75〜約3.00、約1.75〜約2.00、約2.00〜約6.00、約2.00〜約5.50、約2.00〜約5.00、約2.00〜約4.50、約2.00〜約4.00、約2.00〜約3.50、約2.00〜約3.00、約2.00〜約2.50、約2.50〜約6.00、約2.50〜約5.50、約2.50〜約5.00、約2.50〜約4.00、約2.50〜約3.50、約2.50〜約3.00、約3.00〜約6.00、約3.00〜約5.50、約3.00〜約5.00、約3.00〜約4.50、約3.00〜約4.00、約3.00〜約3.50、約3.50〜約6.00、約3.50〜約5.50、約3.50〜約5.00、約3.50〜約4.50、約3.50〜約4.00、約4.00〜約6.00、約4.00〜約5.50、約4.00〜約5.00、約4.00〜約4.50、約4.50〜約6.00、約4.50〜約5.50、約4.50〜約5.00、約5.00〜約6.00または約5.00〜約5.50である。
カソードのフローレートの増加に対して、カソードの断面積の実質的により小さい増加は、所望のレベルまでカソード全体の圧力低下を減少または最小化するために十分であり得ることに留意される。いくつかの態様では、アノードフローレートに対するカソードフローレートの比率の値は、アノード断面積に対するカソード断面積の比率の値の少なくとも約2倍、例えば、少なくとも約3倍、少なくとも約5倍または少なくとも約10倍、例えば、約50倍までであり得る。
しかしながら、この戦略における困難の1つは、典型的なタービンおよび/または他の燃焼供給源によって生じた排出物の乱流性であり得る。複数の燃料電池スタックを含有するハウジング中に燃焼排出物を通過させる場合、排出物中に存在する乱流は、潜在的に、排出物が種々の燃料電池スタックに達するときにもなお存在し得る。これにより、燃料電池のための設計基準より大きくなり得る燃料電池スタック内での圧力変動が生じ得る。
図33は、複数の燃料電池スタックを含有する共通体積構造(又は共通ボリューム構造又はコモン・ボリューム・コンフィギュレーション(common volume configuration))の例を示す。図33では、複数の燃料電池スタックは、インプットフローを燃料電池スタックのカソードに送達するためのマニフォールドを含まない。代わりに、カソードのインプットフローは、共通体積における圧力プロファイルに基づいて燃料電池スタック間で分布することができる。複数の燃料電池スタックのためのハウジング中へのタービンおよび/または他の燃焼供給源からの排出物(または排出物の少なくとも一部分)の通過を促進するために、排出物と燃料電池スタックのハウジングへの入口との間にサイレンサーを導入することができる。サイレンサーは、燃焼排出物の乱流または音響ノイズを燃料電池スタックでの処理に適切なレベルまで低下させることができる。
図32は、ガスタービンからの排出物コンジットと共通体積への入口との間にサイレンサーを導入するためのプロセスフローを概略的に示す。図32では、ガスタービン排出物コンジット3210は、ポイント1としても記載される。図32では、ガスタービン排出物コンジット3210からのフローは、次いで、図33に示される共通体積などの共通体積3240に入る前にサイレンサー3220およびダクトバーナー3230を通過し得る。種々の他の構造および/またはプロセスが図32のプロセスフローと集積化可能であることに留意される。例えば、ガスタービン排出物コンジット3210からの排出物フローの少なくとも一部は、サイレンサー3220を通過する前および/またはその後に熱回収蒸気発生装置(HRSG)を通過することができる。サイレンサー3220は、加えてまたは代わりに、図32に示されたダクトバーナー3230後など、共通体積3240への入口のより近くに配置され得る。
サイレンサーを含むことの利点をさらに例示するために、代表的なガスタービン排出物フローに対するMCFC燃料電池スタックのインプット必要条件における計算が実行された。計算の目標は、ガスタービン排出物中の圧力変動のため、燃料電池のカソードインレットが経験し得る圧力変動を決定することであった。計算中、ガスタービンノイズは、従来の推定値を提供するために約170dBと仮定された。この議論では、圧力変動、音およびノイズは、全て本質的に同義語であるが、それらの間には微妙な差異があることに留意される。
室温および圧力、「参照」条件では、音強度レベルおよび音圧力レベルは、両方ともシステムの一般的な「デシベル評価」によって記載される同じ値を有し得ることを示すことができる。高温のガスタービン排出物では、それらは完全に等しいことがあり得るが、これらの補正項は上記方程式に含まれていない。音動力レベルもデシベルで示されるが、音動力レベルは、強度レベルまたは音圧力レベルに等しくないことがあり得、かつそれらを使用して計算可能である。
ガスタービン排出物は、典型的なタービンアウトレットからの出口において望ましくない高い圧力変動を有し得るが、燃料電池での使用のためのフローを適合させることは、圧力変動に関するいくらかの軽減を提供することができる。例えば、燃料電池スタックのインプットマニフォールドに燃焼排出物を移送するためのダクトの作用は、ガス速度を約30ft/秒以下のガス速度などの指定されたレベルに限定する設計基準を有することができる。ガスタービン排出物の速度を所望のガス速度まで減少するために、排出物を運搬するコンジットは、ガスタービン排出物において約12フィートの半径を有する円から、それぞれの側面において約45フィート、または約2025ft2、または約188.1m2の正方形ダクトへ断面積を拡大することができる。ガスのこのような拡大は、音響を小量減衰させるように機能することができる。断面積が所望の断面積まで増加した位置は、図32ではポイント2として示される。
デシベル評価は約7単位のみ低下しているが、それは対数目盛であるため、この仕事にとって重要なパラメータである音響圧力は、面積の比率で約1/4.5だけ減少した。インプットマニフォールドの入口では、音響圧力は、約9〜12インチH2O(約2.2〜3.0kPa)であり得、それはなお望ましいものより大きい規模であった。
上記計算は、燃料電池インプットマニフォールドへの入口において、いずれの壁効果またはサイレンシング装置も不在のときにガスが示すことができた音響圧力を示す。それは、単一周波数および単一音響圧力として解釈された全音響エネルギーの上限であると考えることができる。
図33に示される構造の例に記載されるように、共通体積内の燃料電池スタックは、長方形の配列で配列され得る。コンピュータ流体力学シミュレーションを実行し、ガスタービンからの排出物が共通体積中に導入される場合の図33の構造内のフローパターンを調査した。
定性的に、共通体積への入口近くのスタックの第1セットは、直接ガスタービン排出物を受け取るが、この構造の全ての他のスタックは、ガスを間接的に、すなわち、それがフロントラインのスタックによって壁から反射されたかまたは「回転された」後などに受け取った。ガス速度が減少すると、音響圧力が減少し得ると考えられる。したがって、ガスが壁または他の材料から反射した後に圧力変動が減衰され得るため、圧力変動は、潜在的に、高速度ガスを経験するスタックのみの課題であり得る。
音響ノイズのための1つの潜在的な軽減選択肢は、燃焼排出物から、MCFC燃料電池スタックを収容するための共通体積への入口までのフローパスにおいてサイレンサーを含むことであり得る。サイレンサーは、ガスタービン用に商業的に利用可能であり、かつシングルサイクルおよび複合サイクルモードの両方で一般的に使用され、かつHRSG前の熱排出物および/またはHRSG後の冷却排出物上にあり得る。
いくつかの態様では、燃焼排出物における圧力変動は、燃料電池スタックを収容するための共通体積の前に減衰され得る。代わりに、減衰は、ダクトバーナーの前に実行され得る。上記の方程式を使用して、定義された音響圧力を達成するための第1の燃料電池スタックにおいて必要とされるノイズレベルを計算することは簡単であった。値の例を表2に示す。
表2に基づき、サイレンサー―を使用して、燃料電池スタックのための共通体積に入る前に排出物の音圧レベルを約150dB以下、例えば、約140dB以下または約130dB以下まで減少させることができる。任意選択的に、サイレンサーは、共通体積の上流にあるダクトバーナーの前に配置することができる。共通体積のためのインプットへの排出物アウトプットからの転移において生じ得る追加的な減衰により、減衰された排出物の音圧レベルは、共通体積におけるMCFC燃料電池スタックによる処理のために望ましいレベルまで低下することができる。
共通体積がコンジットより実質的に大きい断面積を有し得るため、かつ/または任意選択的なサイレンサーおよび/または音響ノイズを減少させるための他の構造の通過後、ガスの空塔速度は減少し得る。結果として、共通体積におけるCO2含有ガスの空塔速度は、約10.0m/秒以下、例えば、約5.0m/秒以下、約3.0m/秒以下、約2.0m/秒以下または約1.0m/秒以下であり得る。
合成ガスは、燃料、潤滑剤、化学製品および/または特産品の製造において有用な様々な製品および成分を製造するために利用することができる。合成ガスをこれらの製品に変換するための1つのプロセスには、合成ガスを高温および圧力において触媒と反応させて、長鎖炭化水素(または炭化水素様化合物)および酸素を製造することができるフィッシャートロプシュプロセスが含まれる。利用される最も共通の触媒は、鉄をベースとする触媒(いわゆる、高温−フィッシャー−トロプシュ合成用)およびコバルトをベースとする触媒(いわゆる、低温−フィッシャー−トロプシュ合成用)を典型的に含み得る。鉄をベースとする触媒は、他の関連する触媒とともに、水性ガスシフト反応がこれらの触媒上で容易に平衡化する傾向があるため、シフト型触媒と呼ばれることもできる。コバルト含有触媒および他の関連する触媒は、標準作動条件において水性ガスシフト平衡反応を実質的に実行および/または触媒するように見えないため、非シフト触媒と呼ばれることができる。
適切なフィッシャー−トロプシュ触媒の例は、促進剤、例えば、ルテニウム、レニウムおよび/またはジルコニウムの有無にかかわらず、担持されたもしくは担持されていない第VIII族、非貴金属、例えば、Fe、Ni、Ruおよび/またはCoを一般に含み得る。これらのフィッシャートロプシュプロセスは、固定床、流体床および/またはスラリー炭化水素合成を典型的に含み得る。いくつかの態様では、好ましいフィッシャートロプシュプロセスは、例えば、コバルトおよび/またはルテニウムをベースとし、好ましくは、少なくともコバルトおよび好ましくは促進されたコバルトを含むものなど、非シフト型触媒を利用するものであり得、促進剤は、他の促進剤金属が使用され得るが、ジルコニウムおよび/またはレニウム、好ましくはレニウムを含む。これらの触媒の活性は、任意選択的に触媒担体の一部として、銅、セリウム、レニウム、マンガン、白金、イリジウム、ロジウム、モリブデン、タングステン、ルテニウムまたはジルコニウムを含む様々な金属の添加によって向上させることができる。そのような触媒は周知であり、かつ好ましい触媒は、米国特許第4,568,663号明細書および欧州特許第0266898号明細書に記載されている。典型的なフィッシャートロプシュプロセスで使用される合成ガス供給は、H2:COが少なくとも約1.7、好ましくは少なくとも約1.75、より好ましくは1.75〜2.5、例えば、少なくとも約2.1のおよび/または約2.1以下の比率で存在する、HおよびCOの混合物を含み得る。
フィッシャートロプシュプロセスは、固定床、スラリー床および複数のチャネル設計などの様々なシステムで実施することができる。様々な態様では、フィッシャートロプシュプロセスは、小型反応器(例えば、1+バレル/日)、または超大型反応器(例えば、10,000〜50,000バレル/日以上)などの広範囲の種々の反応器において利用することができる。製品は、典型的に、炭化水素ワックスであるが、そのままで使用することができ、かつ/または様々な周知の化学プロセスにより、他の(例えば、液体)成分に変換することができる。
一般に、フィッシャートロプシュプロセスは、約150℃〜約320℃(302°F〜626°F)の温度範囲および約100kPaa〜約10MPaaの範囲の圧力で作動することができる。フィッシャートロプシュプロセス内の反応条件を変更することは、反応生成物の鎖長の少なくともいくらかの制御を含む、反応生成物の収率および/または組成に対する制御を提供することができる。典型的な反応生成物は、アルカン(主要な反応生成物)、ならびに1種以上の含酸素物、オレフィン、炭化水素と同様であるが、炭素および水素以外の1個以上のヘテロ原子を含有し得る他の炭化水素様化合物、ならびに様々な追加的な反応副生物および/または未反応供給成分を含み得る。これらの追加的な反応生成物および供給成分は、特に、H2O、未反応の合成ガス(COおよび/またはH2)およびCO2を含み得る。これらの追加的な反応生成物および供給成分は、プロセスによって発生するより典型的な(所望の)液体および/または炭化水素様化合物などの非気体生成物とは対照的に、気体の形態でフィッシャートロプシュプロセスの主要な反応生成物から分離することができるテールガスを形成することができる。フィッシャートロプシュプロセスの目標が、ナフサ供給、ディーゼル供給、または他の蒸留物沸点範囲分子としての使用のために適切な化合物などのより長鎖の分子の合成である場合、いくつかの少量の(C1〜C4)アルカン、オレフィン、含酸素物および/または他の炭化水素様化合物が、テールガスに組み込まれ得る。フィッシャー−トロプシュ合成からの主要な生成物は、直接使用することができ、かつ/または所望により、さらなる処理を受けることができる。例えば、蒸留物沸騰範囲分子を形成するためのフィッシャー−トロプシュ合成プロセスは、例えば、所望の鎖長、粘度およびコールドフロー特性を有する最終生成物を発生させるために、その後、脱ワックス化および/または水素化分解される1つ以上の生成物流を発生させることができる。
溶融炭酸塩形燃料電池とのフィッシャートロプシュプロセスの集積化は、合成プロセスおよび燃料電池間のプロセス流の集積化を可能にすることができる。フィッシャートロプシュプロセスのための初期の合成ガスインプットは、燃料電池と関連する改質段階によって発生させることができる。加えてまたは代わりに、フィッシャートロプシュプロセスによって製造されるテールガスは、燃料電池のアノードのための補助燃料流を提供するため、および/または燃料電池カソードのためのCO2の供給源を提供するためにリサイクルされ得る。MCFC/フィッシャー−トロプシュシステムは、さらに加えてまたは代わりに、ガスタービン動力プラントおよび炭素捕捉の使用と集積化され得、より大量の電気および液体燃料を製造する全体的なプラントを提供する。
いくつかの態様では、MCFCとのフィッシャートロプシュプロセスの集積化は、例えば、蒸気改質装置または自動熱改質装置を利用する従来のプロセスと異なる種類のプロセスフローを可能にすることができる。自動熱改質装置からの典型的な合成ガスアウトプットは、約2:1のH2:CO比を有することができる。その結果、従来のプロセスに関するH2対COの比率の変更が望ましい程度まで、変更は、例えば、約2:1まで、COの量に対するH2の量を増加させることに典型的に対応し得る。対照的に、様々な態様では、MCFCからのアノード排出物の組成は、少なくとも約2.5;1、例えば、少なくとも約3:1のH2:CO比を有することができる。いくつかの態様では、約2:1のH2:CO比、例えば、少なくとも約1.7、または少なくとも約1.8、または少なくとも約1.9、および/または約2.3以下、または約2.2以下、または約2.1以下の比率を有する合成ガスを形成することが望ましくなり得る。そのような態様では、所望の比率を達成するために、H2の量は、COの量に対して低下させることができる。これは、逆水性ガスシフト反応を使用して、(高純度)H2流を分離するために膜を使用して、またはH2:COの比率を変更する他のいずれかの好都合な方法によって達成することができる。
フィッシャー−トロプシュ合成は、MCFCシステムの多くの特徴から利益を得ることができる。典型的に、メタンからフィッシャー−トロプシュによって製造される合成ガスは、蒸気改質、自動熱改質、または空気からの純粋な酸素と反応したメタンの使用が関与する部分的な酸化によって製造することができる。そのようなシステムは、実質的な量の資本装置(空気分離器)を必要とし得、また、正確なH2/CO比の合成ガスを製造するために、事前および事後のガスクリーンアップのための様々なステップを利用しなければならず、また望ましくない不純物が含まれないことも必要である。これは特に、より多くの生産的なCo触媒ベースの(非シフト型)システムで真であり、それは硫黄などの毒物に感応性である。フィッシャー−トロプシュシステムは、実質的な熱管理および/または熱交換を必要とすることができ、比較的高温で生じ得る。
MCFCシステムは、電気を発生させるプロセスにおいて合成ガス製造を実行することができ、かつほとんどのフィッシャー−トロプシュ毒を許容することができ、かつ/または除去することができるアノード(典型的にNiをベースとする)に位置する大量の触媒の結果として、クリーンな合成ガスを製造することができる。その結果、ガス処理、熱交換および/またはクリーンアップは、MCFCで少なくとも部分的に実行され得る。加えて、アノード流出物が4つ全ての水性ガスシフト成分の十分な量を有し、かつ水および/またはCO2除去および/または追加的なWGS(または逆シフト)の組み合わせにより、単に調節することができるため、所望のH2/CO比を達成することが比較的容易にできる。
フィッシャー−トロプシュ反応器は、反応の発熱性性質のため、典型的に多量の蒸気を発生させることができる。蒸気の使用は、プラントの位置次第で生産的に困難となる。電気を発生させるMCFCシステムと組み合わせる場合、このシステムは、熱集積化がフィッシャー−トロプシュの過剰量の蒸気/熱を使用することができる多くの面積を提供することができる。潜在的な集積化の例としては、(低温除去後などの)CO2の除去後の反応物の加熱、それが低温CO2供給源か生じる場合、入ってくるカソード酸化剤(空気)の加熱、および/またはMCFCからの複合サイクル発電のためにすでに存在する熱回収蒸気発生システムへの集積化を含み得る。
フィッシャートロプシュプロセスは、通常、液体生成物に容易に組み込まれないC1〜C4炭化水素の量(場合によりC1〜C4含酸素物を含む)を製造することができない。そのようなC1〜C4炭化水素の量および/またはC1〜C4含酸素物は、直接、または事前の改質装置によってMCFCにリサイクルされ得、かつ電力を製造するためおよび/または合成ガスをリサイクルするために使用され得る。
複合フィッシャー−トロプシュ溶融炭酸塩形燃料電池(FT−MCFC)システムのためのアノードインプットは、新しいメタン供給、別の種類の炭化水素もしくは炭化水素様化合物供給、フィッシャー−トロプシュ反応器および/もしくはその後の処理ステップからの1種以上のCO、CO2、H2および軽炭化水素を含有する1つ以上のリサイクル流をベースとする供給、またはその組み合わせを含み得るかまたはそれらであり得る。好ましくは、アノード供給は、天然ガスおよび/またはメタンを含み得るか、またはそれであり得る。MCFCシステムからのアノードアウトレットは、直接使用することができるか、またはより一般的に、フィッシャー−トロプシュ合成のために最適化するために、H2/CO比を調節し、かつ/または水およびCO2含有量を低下させるために、様々なプロセスを受けることができる。そのような調節プロセスは、分離、水性ガスシフト反応、縮合および吸収など、ならびにその組み合わせを含み得る。
MCFC燃料利用条件は、合成ガスアウトプットと比較して、電気エネルギーの所望の量を提供するために調節することができる。実質的な電気の必要性がある用途(例えば、非常に大型の沖合粗製石油採掘装置と一緒の少量のガス発生)に関して、FT−MCFCシステムは、比例的により多くの電力を発生させ得る。実質的なインフラが存在する大規模な変換をベースとする作動は、様々な電気的/化学的混合物を製造することができて、ローカルでの必要性をベースとして、アウトプットを変化させ得る。
図6は、フィッシャー−トロプシュ合成を実行するための反応システムとの溶融炭酸塩形燃料電池(例えば、溶融炭酸塩形燃料電池のアレイ)の集積化の実施例を概略的に示す。図6では、溶融炭酸塩形燃料電池610は、燃料電池のための関連する改質段階とともに、1つ以上の燃料電池(例えば、燃料電池積層または燃料電池アレイ)を概略的に表す。燃料電池610は、アノードインプット流605、例えば、改質可能燃料流およびCO2含有カソードインプット流609を受け取ることができる。燃料電池610からのカソードアウトプットは、図6に示されない。燃料電池610からのアノードアウトプット615は、次いで、任意選択的であるが好ましくは、CO2、H2Oおよび/またはH2分離段階を含み得る1つ以上である分離段階620、および/または1つ以上である水性ガスシフト反応段階を、以下に記載され、かつ図1および2にさらに例示されるような、いずれかの望ましい順番で通過することができる。分離段階は、CO2アウトプット流622、H2Oアウトプット流624および/またはH2アウトプット流626に対応する1つ以上の流れを製造することができる。分離段階は、フィッシャー−トロプシュ反応段階630のためのインプットとしての使用のために適切な合成ガスアウトプット625を製造することもできる。
フィッシャー−トロプシュ反応段階630は、直接に使用することができるか、または追加的な水素化などの処理をさらに受けることができるフィッシャー−トロプシュ生成物635を製造することができる。フィッシャー−トロプシュワックスの水素化は、必要に応じて、ディーゼルブレンドストックおよび/または潤滑油ベースストックなどの有用な製品であり得る材料(例えば、少なくとも1つの非気体製品)を製造するために、水素の存在下で、高温および圧力において典型的に達成することができる。フィッシャー−トロプシュ反応段階630は、加えてまたは代わりに、例えば、燃料電池610のアノードおよび/またはカソード部分のためのリサイクルされた燃料645として使用するために任意選択的にリサイクルされ得るテールガス637を発生させることができる。ほとんどの場合、この流れを、少なくとも、残留燃料成分(CO、H2および軽炭化水素)が混合され得、かつ酸化剤(空気)によって燃焼されて、カソードインプットのために適切な温度を達成し得るカソードへリサイクルすることが好ましい。任意選択的に、分離段階620からのCO2アウトプット622は、燃料電池610のカソードのためのインプットの一部分(図示せず)として使用され得るが、これは一般に好ましくない。
ほとんどの実施形態では、MCFCシステムからの合成ガスアウトプットは、フィッシャートロプシュプロセスのために合成ガスの供給源として利用され得る。シフト型FT触媒(例えば、Feをベースとする触媒)の場合、シフト型触媒は、フィッシャー−トロプシュ生成物を製造する反応条件下での水性ガスシフト反応(または逆水性ガスシフト反応)により、従来の2:1と異なる場合でも、H2/CO比を調節することができる。特定の実施形態では、より低いH2:CO比率が所望であり得るが、個々のシステムは、シフト型触媒への曝露前にこの比率を調節するかまたは調節しないことを選択することができる。いくつかの態様では、シフト型触媒を使用する場合、導入より前のCO2の除去は、低下または最小化することができる。コバルトをベースとするフィッシャー−トロプシュ合成触媒(または別の種類の非シフト型触媒)を使用する場合、合成触媒は、典型的に、フィッシャー−トロプシュ反応条件で水性ガスシフト反応を実行するために意味がある活性を有しない。その結果、非シフト型フィッシャー−トロプシュ触媒に暴露された合成ガス流に存在するCO2は、主に希釈剤として作用し、したがって、フィッシャー−トロプシュ反応に実質的に干渉し得ないが、希釈のため反応器生産性が低下する傾向がある。しかしながら、非シフト型触媒の性質のために、触媒は、フィッシャー−トロプシュ反応器に入る合成ガスのH2:CO比を容易に調節することができない。
図7は、フィッシャー−トロプシュ合成を実行するための反応システムと溶融炭酸塩形燃料電池(例えば、溶融炭酸塩形燃料電池のアレイ)の集積化の別の実施例を概略的に示す。図7に示される構成は、例えば、より大規模なシステムのために適切であり得る。図7では、溶融炭酸塩形燃料電池710は、燃料電池のための関連する改質段階とともに、1つ以上の燃料電池(例えば、燃料電池積層または燃料電池アレイ)を概略的に表す。燃料電池710は、アノードインプット流705、例えば、改質可能燃料流およびCO2含有カソードインプット流709を受け取ることができる。カソードインプット流709は、燃焼を動力とするタービンからの排出物ガス、集積化されたフィッシャー−トロプシュ/MCFCシステムの別のガス流からのリサイクル流、燃焼されて熱を発生させるメタン流、および/または燃料電池のために所望の温度でCO2を提供することができる別の好都合な流れに対応し得る。カソードインプット流709は、典型的に、酸素含有流の一部の分を含み得る。燃料電池710からのアノードアウトプット715は、最初に、アノード排出物のH2:COの比率を変更するために逆水性ガスシフト段階740を通過することができる。変更されたアノード排出物745は、次いで、CO2およびH2O分離段階を含み得る、1つ以上の分離段階720を通過することができる。分離段階は、CO2アウトプット流722および/またはH2Oアウトプット流724に対応する1つ以上の流れを製造することができる。任意選択的であるが好ましくは、フィッシャートロプシュプロセスに用いられる分離段階からのアウトプットは、アノード排出物のCO2濃度の半分未満のCO2濃度、アノード排出物のH2O濃度の半分未満のH2O濃度、またはその組み合わせを有することができる。いくつかの、または全部のフィッシャー−トロプシュ反応プロセス中の所望のインプット圧力を達成するため、分離段階720後、圧縮器(図示せず)を使用することができる。任意選択的に、H2アウトプット流(図示せず)は、加えてまたは代わりに発生することができる。分離段階は、非シフト型フィッシャー−トロプシュ合成触媒などのフィッシャー−トロプシュ反応段階730のためのインプットとしての使用のために適切となることができる合成ガスアウトプット725を典型的に製造することができる。フィッシャー−トロプシュ反応段階730は、フィッシャー−トロプシュ液体生成物735、より低沸点のC2〜C4化合物732およびテールガス737を製造することができる。より低沸点のC2〜C4化合物は、液体生成物から分離することができ、次いで、製品および/またはさらなる反応の原材料として使用するために、さらに単離することができる。加えてまたは代わりに、C2〜C4化合物は、テールガス737と一緒に残留し得、例えば、熱およびCO2を燃料電池カソードに提供するための燃焼後、カソードにリサイクルされ得る。
フィッシャー−トロプシュ合成は、超大規模で実行する場合、従来から最も実際的だった。これは、主として、空気分離、メタンから合成ガスへの改質、(例えば、自動熱改質、触媒部分酸化など)、および炭化水素合成反応器を含むコアプロセスのいくつかの規模の経済によるものであった。従来は、単一プロセス「トレイン」は、10,000バレル製品/日より多くを製造することができ、3万〜15万バレル/日からの全プラントサイズが商業的に実施されていた。このサイズの作動のために、超大型のガス鉱床が必要とされ、これは、技術の適用を、経済的に適切な意味でほんの少数のガス貯蔵器のみに制限した。
そのような従来の大規模作動とは対照的に、いくつかの態様では、好都合により小型のガス鉱床に適用することができる効率的なシステムにおいて、フィッシャー−トロプシュ合成を使用するための方法およびシステムが提供される。このプロセスおよびシステムは、フィッシャー−トロプシュ反応器に供給するための合成ガスを製造するために、MCFCを利用することができ、必ずしも従来の大規模なプラントの多くの複雑さを含む必要がない。MCFCシステムは、合成ガスから液体生成物への非常に高い炭素変換を生成しながら、圧縮器およびポンプなどの様々なサブシステムのための電力の少なくとも一部分(および潜在的に全て)を発生させ得る。それは、様々な構成において、シフト型または非シフト型触媒のいずれを用いても使用することができ、高温または低温フィッシャートロプシュプロセスのいずれにも適切であり得る。
上記の通り、適切なフィッシャー−トロプシュ触媒の例は、促進剤、例えば、ルテニウム、レニウムおよび/またはジルコニウムの有無にかかわらず、担持されたもしくは担持されていない第VIII族、非貴金属、例えば、Fe、Ni、Ruおよび/またはCoを一般に含み得る。これらのフィッシャートロプシュプロセスは、固定床、流体床および/またはスラリー炭化水素合成などの反応器を使用して実施することができる。いくつかのフィッシャートロプシュプロセスは、例えば、コバルトおよび/またはルテニウムをベースとし、好ましくは、少なくともコバルトおよび好ましくは促進されたコバルトを含むものなど、非シフト型触媒を利用することができ、促進剤は、ジルコニウムおよび/またはレニウムを含むか、またはそれらであり、好ましくはレニウムを含むか、またはそれである。そのような触媒は周知であり、かつ好ましい触媒は、米国特許第4,568,663号明細書および欧州特許第0266898号明細書に記載されており、これらの特許は、そのような触媒およびその物理化学的特徴の記載に関して、参照によって本明細書に組み込まれる。フィッシャートロプシュプロセスで使用される合成ガス供給は、H2:COが少なくとも約1.7、好ましくは少なくとも約1.75、より好ましくは1.75〜2.5、例えば、少なくとも約2.1のおよび/または約2.1以下の比率で存在する、H2およびCOの混合物を含み得る。非シフト型触媒に関して、MCFCによって製造される合成ガスは、典型的に、約2:1より十分高いH2:CO比で開始することができ、追加的なプロセスを使用して、合成ガス混合物を約2:1の従来のH2:CO比の近くに「シフト」することができる。
代わりに、シフト型触媒(例えば、Feをベースとする触媒)を使用することができる。シフト型触媒の生成物分布および全体的生産性は、ときに非シフト型システムより劣っていると考えられ得るが、シフト型触媒をベースとするシステムは、より広範囲の合成ガス混合物(より広範囲のH2:CO比を有する者)を利用することができるという異なった利点を有することができる。従来は、シフト型触媒は、主として、典型的に約0.7〜約1.5のH2:CO比を有する石炭を供給源とする合成ガスに適応するために使用されていた。対照的に、本明細書に利用される合成ガス混合物は、過剰量のH2を含有することができるが、また大部分のCO2を含有することができる。シフト型触媒を組み込むシステムは、有利には、これらの混合物を「逆シフト」することができ、H2をCO2と反応させ、フィッシャー−トロプシュ反応器のために追加的なCOを製造し、いくつかの実施形態では、約2:1のH2:CO比まで反応物を予めシフトする必要がない。
分散処理環境では、フィッシャートロプシュプロセスは、約150℃〜約330℃(約302°F〜約626°F)の温度範囲および約100kPaa〜約10MPaa(約1bara〜約100bara)の圧力範囲で作動することができる。フィッシャートロプシュプロセス内の反応条件を変更することは、反応生成物の鎖長の少なくともいくらかの制御を含む、反応生成物の収率および/または組成に対する制御を提供することができる。典型的な反応生成物は、アルカン(主要な反応生成物)、ならびに1種以上の含酸素物、オレフィン、炭化水素と同様であるが、炭素もしくは水素以外の1個以上のヘテロ原子を含有し得る他の炭化水素様化合物、ならびに/または様々な追加的な反応副生物および/もしくは未反応供給成分を含み得る。これらの追加的な反応生成物および供給成分は、存在する場合、H2O、未反応の合成ガス(COおよび/またはH2)、CO2およびN2の1種以上を含み得る。これらの追加的な反応生成物および供給成分は、加えてまたは代わりに、フィッシャートロプシュプロセスの主要な反応生成物から分離することができるテールガスを形成することができる。フィッシャートロプシュプロセスの目標が、ナフサ供給、ディーゼル供給、および/または他の蒸留物沸点範囲分子としての使用のために適切な化合物などのより長鎖の分子の合成である場合、いくつかの少量の(C1〜C4)アルカン、オレフィン、含酸素物および/または他の炭化水素様化合物が、テールガスに組み込まれ得る。フィッシャー−トロプシュ合成からの主要な生成物は、直接使用することができ、かつ/またはさらなる処理を受けることができる。例えば、蒸留物沸騰範囲分子を形成するためのフィッシャー−トロプシュ合成プロセスは、所望の鎖長、粘度およびコールドフロー特性を有する最終生成物を発生させるために、その後、脱ワックス化および/または水素化分解される1つ以上の生成物流を発生させることができる。
典型的な作動条件では、MCFCアノード排出物における代表的なガス組成物は、約2.5:1〜約10:1の範囲であり得、ほとんどの実施形態では、約3:1〜約5:1の範囲に包含されるH2:CO比を有し得る。このアノード排出物組成物は、水およびCO2の有意な量を含有することもできる。
集積化されたMCFC−FTシステムは、従来のフィッシャー−トロプシュの典型的なプロセスを回避して、有利に使用され得るいくつかの別の構成の1つ以上のいずれかを可能にすることができる。従来の構成とのいくつかの類似点がある態様では、アノード排出物からの合成ガスは、2:1のH2:CO比(例えば、約2.5:1〜約1.5:1、約1.7:1〜約2.3:1、約1.9:1〜約2.1:1、約2.1:1〜約2.5:1、または約2.3:1〜約1.9:1)の付近までシフトされ得、ほとんど(少なくとも半分)のCO2およびH2Oは除去され得る。代わりに、別の構成では、アノード排出物からの合成ガスは、そのまま、組成におけるいずれの変更もないが、適切なフィッシャー−トロプシュ触媒条件に温度および圧力を単純に調節して使用され得る。さらに別の構成では、アノード排出物からの合成ガスは、(水性ガス)シフトされることなく使用し得るが、水を凝縮して、ほとんど除去することができ、H2、COおよびCO2を含み、少量(典型的に<5%)の他のガスを有する合成ガスを製造する。さらに別の構成では、水は任意選択的に除去することができ、次いで、アノード排出物からの合成ガスは、水性ガスシフト反応器で反応して、シフトプロセスを「逆転させる」ことができ、したがって、より多くのCO2がCOに変換され、約2:1により近いH2:CO比(例えば、約2.5:1〜約1.5:1、約1.7:1〜約2.3:1、約1.9:1〜約2.1:1、約2.1:1〜約2.5:1、または約2.3:1〜約1.9:1)に再び釣り合う。別の構成では、シフトプロセスは、炭素捕捉のためのCO2を提供するため、および/またはアノード排出物からの合成ガスにおけるCO2希釈を低下させるために、いくつかのCO2の分離がその後に実行されるか、またはそれに先行することができる。
従来のフィッシャートロプシュプロセスでは、未反応の合成ガスを含有するテールガスは、メタンおよび他のC1〜C4ガスとともに、未使用の反応物および低価値の生成物を表すことができる。非常に大規模な装置に関して、これらの軽質ガスは、追加的な処理(例えば、プラスチック用にC2およびC3分子からオレフィンへの分解、液化されたプロパンガスまたはブタンの回収など)を調整し得る。未変換の合成ガスおよびメタンをフィッシャー−トロプシュ合成反応器にリサイクルすることができ、これは、効率損失および反応器スループットの損失を表す。分散処理システム環境では、液体を製造するために変換されていない、いくつかの、または全ての軽質ガスは、燃料電池のアノードのための供給として、より有利に使用され得、かつ/または燃料電池カソードのためのCO2の供給源を提供するためにより有利に使用され得る。
分散環境におけるMCFC−FTシステムのためのプロセスフローの一例では、MCFCからのアノード排出物は、低下または最小化された量の処理後、フィッシャー−トロプシュ反応システムへのインプットとして使用することができる。フィッシャー−トロプシュ触媒がシフト型触媒である場合、アノード排出物は、フィッシャー−トロプシュ反応のために適切な圧力まで圧縮することができる。圧縮プロセスにより、偶然的におよび/または意図的に水のいくらかの分離/除去がもたらされ得る。フィッシャー−トロプシュ触媒が非シフト型触媒である場合、追加的な逆水性ガスシフト反応を、典型的に圧縮前に、アノード排出物中の合成ガスH2:CO比を調節するために、実行することができる。任意選択的に、逆水性ガスシフト反応に加えてまたはその代わりに、水素透過性膜、他のガス透過性膜または他の分離技術を使用して、アノード排出物中のH2:CO比を調節することの一部として(高純度)H2流を分離することができる。他の場合、アノード排出物の追加的な分離および/または変更を回避して、アノード排出物を、最小限の処理でフィッシャー−トロプシュシステムで使用し得る。アノード排出物がCO2の実質的な含有量を有することができるため、フィッシャートロプシュプロセスのためのンプットとしてアノード排出物の一部分を使用する前に分離および/または変更の数を低下または最小化することにより、CO2の実質的な含有量も含有することができるフィッシャー−トロプシュインプット流を有する結果を得ることができる。例えば、フィッシャー−トロプシュインプット流のCO2の濃度(体積パーセントなど)は、アノード排出物中少なくとも約60%の濃度、または少なくとも約65%、または少なくとも約70%、または少なくとも約75%、または少なくとも約80%、または少なくとも約85%、または少なくとも約90%であり得る。MCFCからのアノード排出物のCO2含有量のため、ならびに独立してCO2の実質的な量を発生させるフィッシャー−トロプシュシステムの傾向のため、CO2の非常に考慮すべき濃度が、フィッシャー−トロプシュ生成物流出物にあることができる。このCO2は、分離/捕捉、さらなる処理、および/または1種以上の他のプロセスでの使用のために、フィッシャー−トロプシュシステムの他の生成物から、少なくとも部分的に分離され得る。
図8は、フィッシャー−トロプシュ合成を実行するための反応システムとの溶融炭酸塩形燃料電池(例えば、溶融炭酸塩形燃料電池のアレイ)の集積化の実施例を概略的に示す。図8の構成は、小規模または他の分散環境セッティングのために適切であり得る。図8では、溶融炭酸塩形燃料電池810は、燃料電池のための関連する改質段階とともに、1つ以上の燃料電池(例えば、燃料電池積層または燃料電池アレイ)を概略的に表す。燃料電池810は、アノードインプット流805、例えば、改質可能燃料流およびCO2含有カソードインプット流809を受け取ることができる。アノードアウトプット815は、任意選択的な逆水性ガスシフト段階840を通過することができる。例えば、フィッシャー−トロプシュ反応段階830がシフト型触媒を含む場合、水性ガスシフト段階840を省略することができる。次いで、フィッシャー−トロプシュ反応段階830に望ましいインプット圧力を達成するために、任意選択的にシフトされたアノード排出物845は圧縮器860を通過することができる。任意選択的に、圧縮860前、その間および/そのまたは後に、任意選択的にシフトされたアノード排出物845に存在する水の一部分は除去864され得る。フィッシャー−トロプシュ反応段階830は、直接に使用することができるか、または追加的な水素化などの処理をさらに受けることができるフィッシャー−トロプシュ生成物835を製造することができる。フィッシャー−トロプシュ反応段階830は、燃料電池810のカソード部分のためのリサイクルされた燃料845として使用するためにリサイクルされ得るテールガス837も発生させることができる。リサイクル前にテールガス837に存在するCO2の少なくとも一部分862は、テールガスから分離することができる。代わりに、CO2の分離は、テールガス837からフィッシャー−トロプシュ生成物835の分離前、その間および/またはその後に実行することができる。
実施例1 − 小規模FT処理システムとのMCFCの集積化
本実施例は、フィッシャートロプシュプロセスのための合成ガスインプットを提供するためのMCFCの作動と集積化される、小規模フィッシャートロプシュプロセスの作動を記載する。本実施例のフィッシャートロプシュプロセスは、1日あたり約6000バレルのフィッシャー−トロプシュ液体生成物を発生させることができる。本実施例のフィッシャートロプシュプロセスとのMCFCの集積化のための構成は、図8に示される構成の変形であった。したがって、本実施例では、低下または最小化された量の分離または変更は、フィッシャートロプシュプロセスにアノード排出物を導入する前に、アノード排出物において実行することができる。本実施例では、シミュレーション結果は、CO2が捕捉のためにフィッシャー−トロプシュテールガスから分離された事例、および捕捉が実行されなかった事例に関して示される。本実施例では、アノードインプットは、新しいメタン(例えば、小規模なローカル供給源からのメタン)を含んだ。本実施例のカソードインプットは、任意選択的に、CO2の分離後、カソードインプットを形成するためのテールガスの燃焼の使用ベースとした。しかしながら、カソードインプットは、いずれかの好都合な供給源によって提供され得る。
図9は、いくつかの異なるセットの条件で実行されるシミュレーションからの結果を示す。図9では、最初の2つの欄は、フィッシャー−トロプシュ反応のためのCoをベースとする(非シフト型)触媒の使用からのシミュレーション結果を示すが、第3および第4の欄は、Feをベースとする(シフト型)触媒の使用からの結果を示す。Coをベースとする触媒に関して、追加的な「逆」水性ガスシフトをアノードアウトプット流において実行し、所望の2:1比により近い値までH2:CO比を低下させた。この追加的なシフト反応は、Feをベースとする触媒を使用する場合、アノードアウトプット流の一部分をフィッシャー−トロプシュシステムに導入する前に、アノードアウトプットにおいて実行されなかった。第1および第3の欄は、CO2捕捉のないシステムからのシミュレーション結果を示すが、第2および第4の欄は、CO2がフィッシャー−トロプシュテールガスから分離されたシステムからのシミュレーション結果を示す。除去されるCO2の量は、第2および第4の欄に関して比較できるが、カソード排出物において少なくとも約1%のCO2含有量を維持するために、カソードにおいてなお十分なCO2を提供するように選択された。これらのシミュレーションの全てにおいて、アノードにおける燃料利用は約35%であった。メタンの約40%が燃料電池で改質され、メタンの残りの部分は、より初期の集積化された改質段階において改質された。アノード供給における蒸気対炭素比は約2であった。蒸気タービンからの動力に対応する列は、カソード排出物からの熱回収によって発生する追加的な動力を表す。
蒸気改質装置と異なり、MCFCは電気動力を発生させることができるが、また燃料を改質し、かつカソードインプット流からのCO2の分離を促進することができる。その結果、小規模フィッシャートロプシュシステムに関してさえも、集積化されたMCFC−FTシステムは、インプット炭素量と比較して適切な正味の効率を提供することができる。図9に示すように、システムおよび燃料電池アノードを加熱するためのバーナーへの正味の炭素インプットに対して、フィッシャー−トロプシュ液体の製造の全プラント効率は、約60%〜約70%、例えば、少なくとも約63%であった。全プラント効率は、全インプットに対するプラントの組み合わされた電気的および化学的(フィッシャー−トロプシュ液体生成物)アウトプットをベースとする効率を表す。
実施例2 − FT処理システムとのMCFCの集積化
本実施例は、フィッシャートロプシュプロセスのための合成ガスインプット提供するためのMCFCの作動と集積化されたフィッシャートロプシュプロセスの作動を記載する。燃焼タービンも、MCFCのカソードへのインプットとしてタービンからの排出物を使用することにより、本プロセスと集積化された。MCFCをフィッシャートロプシュプロセスと集積化するための構成は、図7に示される構成の変形であった。本実施例では、結果は、CO2が、フィッシャートロプシュプロセスへのインプットより前にアノード排出物から分離された第1の構成に関して、およびCO2が、その代わりにフィッシャー−トロプシュテールガスから分離された第2の構成に関して示された。両構成は非シフト型触媒を使用し、逆水性ガスシフトは両シミュレーションにおいて、H2:CO比を調節するために実行された。本実施例では、アノードインプットは、新しいメタンを含んだ。
図10は、実行されたシミュレーションからの結果を示す。図10に示されるシミュレーションにおいて、約30%の燃料利用が燃料電池のために使用された。組み合わされた電力発生およびフィッシャー−トロプシュ生成物の生成に関する全効率は約61%であり、これは、実施例1からのシミュレーションに関する効率と同様であった。しかしながら、全効率の約40%は、本実施例では、電力発生に対応した。
メタノール中間体および最終生成物の製造との集積化
メタノールは、高圧力および温度で合成ガス混合物、例えば、CO、H2および任意選択的にCO2を含む混合物から典型的に製造することができる。従来では、メタノールプラントの大部分は、原料として天然ガスを利用することができ、蒸気改質、自動熱改質または部分的酸化などの一般的なプロセスによって合成ガスを発生させることができる。最も一般的な構成は、1回の通過あたり比較的低い変換を生じ得、かつ様々なオフガスおよびパージ流れの製造とともに、実質的なリサイクルが関与することができる触媒を利用する。
溶融炭酸塩形燃料電池とのメタノール合成の集積化により、より高い効率および/またはより低い排出のために設計される新規の構成を可能にすることができる。メタノール合成中、一酸化炭素および水素を触媒上で再反応させ、メタノールを製造することができる。商業的なメタノール合成触媒は高度に選択的であり得、最適化された反応条件下で99.8%より高い選択性が可能である。典型的な反応条件は、約5MPa〜約10MPaの圧力および約250℃〜約300℃の温度を含み得る。メタノール合成のための合成ガスインプットに関して、H2対COの好ましい比率(約2:1のH2:CO)は、蒸気改質によって発生する典型的な比率とは適合しない。しかしながら、合成ガスからメタノール形成を促進する触媒は、ときに水性ガスシフト反応を追加的に促進することができる。その結果、下記の反応スキームは、メタノールを形成するためにCO2を使用することもできることを示す。
2H2+CO=>CH3OH
3H2+CO2=>CH3OH+H2O
メタノール合成反応に関して、合成ガスインプットの組成物は、モジュール値Mによって特徴付けることができる。
M=[H2−CO2]/[CO+CO2]
2付近のモジュール値、例えば、少なくとも約1.7、または少なくとも約1.8、または少なくとも約1.9、および/または約2.3未満、または約2.2未満、または約2.1未満であるMの値は、メタノールの製造のために一般に適切である。H2対COの比率に加えて、上記のモジュール値方程式で示され得るように、合成ガスのCO対CO2の比率は、メタノール合成反応の反応速度に影響を与えることができる。
作動中、溶融炭酸塩形燃料電池は、発電を可能にする内部反応の一部として、燃料電池のカソード側からアノード側へCO2を移送することができる。したがって、溶融炭酸塩は、電気エネルギーの形態の追加的な動力を提供することができ、ならびにメタノール合成のための合成ガスインプットとしての使用のために調節することができるアノード排出物を提供することができる。電力は、高い効率で、圧縮器、ポンプおよび/または他のシステムに動力を供給するために典型的に使用することができる。いくつかの態様では、MCFCシステムの全サイズは、必要とされるその場所での動力の少なくとも一部分の(または潜在的に全て)を提供するように構成され得るか、または任意選択的に追加的な動力は配管網のために発生することができる。その場所での動力の発生は、送電損を低下させるか、最小化することのために、より効率的であり得る。加えてまたは代わりに、電力は、AC、DCまたは2つの混合物として、任意選択的に複数の電圧および電流において容易に提供され得る。これは、変換器、および/または電気効率をさらに低下することができる他の動力電子機器の必要性を排除することができる。さらに加えてまたは代わりに、異なるサイト外の動力源からの動力の発生とは対照的に、MCFC電力は、CO2を捕捉することができるインプット燃料材料から発生することができる。この動力は、合成ガス製造および様々なパージまたはオフガス流の処理と集積化することができる方法で発生することができる。
MCFCアノードからのアウトプット流は、COの比較的低い濃度とともに、比較的高いH2、CO2および水の濃度を含有することができる。分離、(逆)水性ガスシフト反応、および/または他の好都合な機構の組み合わせを通して、アノード排出物、および/またはアノード排出物から誘導/回収される流れの組成を調節することができる。組成の調節には、過剰量の水および/またはCO2の除去、H2:COの比率の調節、モジュール値Mの調節、またはその組み合わせが含まれる。例えば、典型的なMCFCアノードアウトプットは、全燃料利用が約30%〜約50%の範囲にある場合、約4:1のH2:CO比を有し得る。アノード排出物が、いくらかのCO2を除去する段階(例えば、単純な低温分離)を通過する場合、CO2濃度は、「M」価値が約2に近くなるまで、下方向に調節され得る。利点として、この種類のプロセスは、精製されたCO2流を製造することができ、これは他のプロセスに使用することができ、かつ/またはプラントの全体的なCO2排出を低下するために除去することができる。
溶融炭酸塩形燃料電池をメタノール合成と集積化するための様々な構成および戦略を使用することができる。1つの構成では、H2Oおよび/またはCO2の分離、および/または水性ガスシフト反応を使用して、アノード排出物のM値を変更することができ、かつ/またはガス流などのアノード排出物の一部分をアノード排出物から、例えば、所望のM値に近づくように、回収することができる。加えてまたは代わりに、燃料電池によるH2製造は、例えば、燃料利用を低下させることによって増加/最大化することができ、例えば、追加的なH2流は、アノード排出物から、および/または回収された合成ガス流から分離することもできる。
典型的なメタノールプラントでは、大部分の反応器排出物は、1回の通過あたりの低い変換のため、メタノール液体の回収後、リサイクルすることができる。高リサイクル量を特徴とするほとんどの構成と同様に、プロセスへの不活性物質(例えば、メタン)の蓄積は、非反応性成分が豊富であり得る有意なパージ流を必要とすることができる。最良でも、従来の構成は熱集積化のためにパージ流を燃焼させ得るか、またはより高い可能性でパージ流は単に環境に排出され得る。なお、この種類の従来の構成では、メタノールに組み込まれない炭素は、典型的に環境に排出され得、潜在的に高CO2排出をもたらす。
図11は、MCFCをメタノール合成プロセスと集積化することができる構成の実施例を概略的に示す。図11に示される構成は、従来のシステムの不備の1つ以上を改善することができる。例えば、いくつかの構成では、MCFCからのホットアウトプットは、MCFCからの電気アウトプットに加えて、電気を発生させる熱回収蒸気発生プロセス(HRSG)に供給され得る。加えてまたは代わりに、合成ガスのM値を調節するプロセスは、CO2が豊富な分離された生成物を生じ得、これは、燃料電池カソードへの部分的リサイクルのために使用され得、かつ/または別々の純度が増加したCO2生成物に精製され得る。
いくつかの構成では、メタノール合成反応からのアウトプットは、液体アルコール生成物、リサイクル合成ガス流れと排出されたパージに分離され得る。排出されたパージは、合成ガス成分、燃料成分(例えば、メタン)および活性物質を含有することができる。排出されたパージの少なくとも一部は、アノードおよび/またはカソード供給成分として使用することができる。液体アルコール生成物に関して、典型的に、収集された液体生成物は、蒸留カラムなどの分離システムに配置することができ、ここで、精製されたメタノールを回収することができ、底部生成物(例えば、高級アルコールから構成される)は、廃棄流として製造され得る。従来のシステムでは、排出されたパージおよび/または廃棄物流は、合成ガス製造を加熱するための蒸気を生じるために使用することができる。従来のシステムにおけるこのような使用は、蒸気がメタノール合成プロセスにリサクルされる場合、一部では、潜在的な不活性物質の蓄積に関する懸念に基づき得る。対照的に、様々な態様では、メタノール合成プロセスのいずれの副産物(例えば、排出されたパージ、および/または重質アルコール、例えば、2個以上の炭素を含有するもの)をMCFCシステムで使用して、より多くの合成ガスを製造することができ、かつ/または炭素供給源として(燃焼後)、例えば、カソードのためのCO2を製造することができる。改質可能ではないカソードに導入される不活性物質(例えば窒素)を排出することができるが、過剰量の燃料分子は、熱に、およびカソード内で容易に使用できるCO2に変換することができる。その結果、メタノール合成プロセスとのMCFCの集積化により、MCFCが不活性物質の過度の蓄積を回避することができるため、メタノール合成からの二次的な生成物の改善された集積化が可能となり、同時に燃料成分の使用を可能にし、同様に、アノード排出物などのより高濃度のアウトプット流へのCO2の分離を可能にする。
任意選択的であるが好ましくは、メタノール合成との溶融炭酸塩形燃料電池の集積化は、ガスタービンなどのタービンとの集積化を含み得る。メタノール合成が、(M値で示すように)少なくともいくつかのCO2から利益を得ることができるため、燃料電池のカソードインレットのためのCO2の外部供給源を有することは、追加的な利点を提供することができる。メタノール合成は、高い電力量を必要とすることができ、そのうちの少なくとも一部分(または場合により全て)は、MCFCおよび/またはガスタービンによって提供することができる。電力がMCFCによって提供される場合、装置の少なくとも一部分(ポンプおよび圧縮器)はDC動力上で動作することができる。加えてまたは代わりに、ガスタービンが使用される場合、ガスタービンは蒸気発生を可能にすることができ、かつタービンからの蒸気を圧縮器およびメタノールリサイクルのための駆動体として使用することができる。集積化されたシステムの一例として、アノードインレットのためのインプット流は、メタン改質によって(および/または別の改質可能な燃料の改質によって)発生させることができる。カソードインレットのためのCO2は、同じ位置に配置されたタービンから、アノード排出物からのCO2分離から、および/または別の供給源から発生させることができる。なお、ガスタービンなどの供給源からカソードインレットのためのCO2を提供することは、アノード排出物からCO2をリサイクルすることとは対照的に、加圧/圧縮サイクルの必要性を回避することができる。さらに加えてまたは代わりに、メタノール合成反応器からの低レベルの熱を、例えば、加湿のためにMCFCの前面末端で使用することができるように、熱集積化を使用され得る。
図12は、メタノール合成を実行するための反応システムとの溶融炭酸塩形燃料電池(例えば、溶融炭酸塩形燃料電池のアレイ)の集積化の実施例を概略的に示す。図12では、溶融炭酸塩形燃料電池1210は、燃料電池のための関連する改質段階とともに、1つ以上の燃料電池(例えば、燃料電池積層または燃料電池アレイ)を概略的に表す。燃料電池1210からのアノードアウトプット1215は、次いで、CO2、H2Oおよび/またはH2分離段階を含み得る1つ以上である分離段階1220、ならびに水性ガスシフト反応段階を、以下に記載され、かつ図1および2にさらに例示されるような、いずれかの望ましい順番で通過することができる。分離段階は、CO2アウトプット流1222、H2Oアウトプット流1224および/またはH2アウトプット流1226に対応する1つ以上の流れを製造することができる。なお、いくつかの態様では、CO2アウトプット流1222およびH2アウトプット流1226は、合成ガスアウトプットにおけるMの所望の値を達成するための燃料電池作動パラメータの調節のために存在しなくてもよい。分離段階はメタノール合成反応段階1230のためのインプットとしての使用のために適切な合成ガスアウトプット1225を製造することができる。メタノール合成段階1230は、直接使用することができ、かつ/またはさらなる処理を受けることができるメタノール生成物1235を製造することができ、例えば、メタノール−オレフィンおよび/またはメタノール−ガソリン反応システムなどのさらなるプロセスにおける供給としての使用が含まれる。任意選択的に、分離段階1220からのCO2アウトプット1222は、燃料電池1210のカソードのためのインプット少なくとも一部分として使用することができる(図示せず)。
アノード排出物からの合成ガス流の製造および/または回収の一例として、一態様では、アノードからの流出物または排出物を最初に冷却して、次いで、MeOH合成圧力、例えば、約700psig(約4.8MPag)〜約1400psig(約9.7MPag)の圧力まで加圧することができる。合成ガス流のための所望のM値を達成するための、例えば、低温分離によるCO2の分離は、合成そのような圧力においてより容易であり得る。加えてまたは代わりに、Mの比率が所望の値から逸脱する場合、M値は、例えば、アノードインプットループを通した過剰量の合成ガスのリサイクル(パージ)によって調節することができる。場合によっては、CO2はループをリサイクルにおいて蓄積され得、これは同様に(低温)分離ループでリサイクルされ得る。
図11は、MCFCおよびメタノール合成プロセスを含む集積化されたシステムの別の実施例を示す。図11では、一例として、構成は集積化されたMCFC−触媒反応器システムとの、天然ガス/メタンからメタノールへの変換のために適切であり得る。この種類の構成では、MCFCはメタノール製造のための触媒反応器に供給することができる中間体合成ガスを製造することができる。典型的なメタノール型天然ガスプロセスでは、合成ガスは自動熱反応器(ATR)におけるメタン蒸気改質によって発生することができる。ATRからの熱は、残りのプロセスのための電気および蒸気を製造するために回収することができる。SRI Process Economics Program Report 49C on Methanol(Apanel,George J.,Methanol−Report No.39C.SRI Consulting,March 2000を参照のこと)には3つの商業的なプロセスが記載されている。この報告書からの2段階プロセスは、メタノール合成プロセスの代表的な例として使用することができる。この2段階プロセスは、本明細書に記載されるシミュレーションのための比較基準として使用された。
図11は、集積化されたプロセスの図を示す。ベントガス1101および変換反応器からの重質(C2+)アルコール副産物1102およびカソード排出物からのフラクション1103を、MCFCカソード供給バーナー1190に戻すことができる。空気1104、メタン1105、ベントガス1101、アルコール副産物1102およびカソード排出物1103を燃焼して、ホットカソード供給1106を製造することができる。アノードメタン供給1107を予熱することにより、カソード供給1106はインレット動作温度まで冷却することができて、次いで、カソードに供給され得る。アノード(メタン)供給1107および蒸気1108は、アノードに供給され得る。MCFC1130は、CO2が欠乏したホットカソード排出物1109、および主にH2/CO2/COと水を含有することができるホットアノード排出物1110を製造することができる。MCFC1130は、低下した燃料利用、例えば約50%以下の燃料利用による条件を含む、様々な条件で動作することができる。カソード排出物1109は、アノードメタンおよび/または他の燃料供給1107を部分的に予熱することによって冷却することができ、次いで、プロセス間により多くの熱を回収し、かつ/または蒸気を発生させるため、熱回収蒸気発生システム(HRSG)1162に送達することができる。冷却されたカソード排出物1124は、カソード供給バーナーにリサイクルすることができる流れ1103、および雰囲気に排出され得、かつ/または必要に応じて(示されない)、さらに処理され得る流れ1121に分離され得る。1121の残りの熱は、HRSG1164で回収することができる。アノード排出物1110は、HRSG1162などのHRSGに送達することができる。冷却されたアノード排出物は、流れ1111および1112に分離または分割することができ、流れ1111は、水性ガスシフト反応器1140に供給されて、シフトされた分割された流れ1113を製造することができる。シフトされた分割された流れ1113を、第2の分割された流れ1112と組み合わせて、分離器1150に送達することができ、ここで、脱水され1114、合成ガス流に分離され1115、ここでM=約2である。残りの流れ1116は主にCO2を含有することができる。CO2含有流1116を圧縮することができ、使用のために販売することができ、かつ/または分離設備に送達され得る。流れ1111および1112間での分離は、合成ガス1115がメタノール変換反応器供給のために所望のM値を有することができるように決定することができる。合成ガス1115は、反応器リサイクル流1117と組み合わせることができる。組み合わせた流れを圧縮することができ、加熱することができ、変換反応器1170に供給して、流出物1118を製造することができる。流出物1118は、例えば、反応器リサイクル流1117および生成物流1119を回収するためにフラッシュすることができる。メタノール1123を生成物流1119から回収することができるが、副産物として、ベントガス1101および重質アルコール副産物(2個以上の炭素を含有する)1102を製造することもできる。
MCFCプロセスは、メタノール変換反応器のために必要な合成ガス供給を製造するためにサイズ設定され得る。本実施例で提供される計算において、MCFCは、選択された代表的なプロセスをベースとして、1日あたり約2500トン(tpd)のメタノール変換反応器のための合成ガスを製造するようにサイズ設定された。質量および熱バランスを考慮して実行される計算をベースとして、MCFCは約176MWを製造することが算出された。プロセスフローについての追加的な詳細は図13に示され、それは図11の構成内のフローの組成を示す。それぞれの欄の見出しの数は、図11における識別子に対応する。MCFCによって発生する動力の一部分を合成ガスの分離および圧縮のために使用することができるが、残りの部分は、プロセスの他の部分で使用され、および/または輸送され得る。加えて、計算をベースとして、MCFCアノードおよびカソード流出物流から回収される熱は、少なくとも約3146tpdの高圧蒸気を発生させ、これは、計算でモデル化された代表的なメタノール合成プロセスの蒸気および熱需要に応ずるのに十分であった。なお、MCFCが関与する計算に関して、自動熱改質に関連するいずれの利用も、MCFCが合成プロセスのためのインプットを提供することができる場合、決定において考慮されなかった。分離されたCO2含有流1116が、使用のために販売および/または分離することができるという仮定において、図11に示される集積化されたプロセスは、従来のプロセスと比較して低下したCO2排出を伴って、天然ガス(メタン)からメタノールを製造する方法提供することができる。表3は、図11の構成をベースとして算出された低下したCO2排出とともに、選択された文献の比較構成から排出されるものとして算出されたCO2の量を示す。以下の表5のベース事例の計算に関して、自動熱改質装置からのベントおよび天然ガス煮沸器からの排出物が最大の排出供給源であったことが仮定された。
なお、メタノール合成プロセス中、いくらかのジメチルエーテル(DME)およびブタノール(C4H9OH)が発生することができる。ジメチルエーテルは、メタノール合成プロセスにおいて発生したメタノールを使用して製造することができる、その後の生成物の一例であり得る。より一般に、メタノールは、様々な追加的な生成物、例えば、ジメチルエーテル、オレフィン、燃料、例えば、ナフサおよび/またはディーゼル、香料および他の産業的に有用な生成物、ならびにその組み合わせを発生させるために使用することができる。MCFCは、加えてまたは代わりに、メタノール合成プラントからのアウトプットを別の生成物の製造のための追加的な反応システムに通過させる合成プロセスに集積化することができる。そのような集積化は、メタノール合成プロセスとの集積化に関して上記された通り、合成ガスインプットを提供すること、電気をシステムに提供すること、より低価値のアウトプット流を処理すること、および/またはCO2の増加した濃度を有するアウト流を分離することを含み得る。
窒素含有中間体および最終生成物の製造との集積化
アンモニアは、典型的に、高温および圧力において、ハーバー−ボッシュプロセスにより、H2およびN2から製造することができる。従来、インプットは、a)蒸気メタン改質、水性ガスシフト、水の除去、およびメタン化による微量酸化炭素のメタンへの変換を典型的に必要とすることができるマルチステッププロセスから製造することができる精製されたH2、ならびにb)圧力スイング吸着によって空気から典型的に誘導され得る精製されたN2であり得る。このプロセスは、複雑で、エネルギー消費型であり得、プロセス装置は、規模の経済から強く利益を得ることができる。溶融炭酸塩形燃料電池を利用するアンモニア合成プロセスは、従来のプロセスと比較して、限定されないが、追加的な動力発生、複雑さの低下および/またはより良好なスケーラビリティを含む、1つ以上の利点を提供することができる。加えてまたは代わりに、溶融炭酸塩形燃料電池を利用するアンモニア合成プロセスは、CO2生成を低下させ、かつ/または他のプロセスでの使用のためにCO2を発生させる機構を提供することができる。
様々な態様では、MCFCシステムは、アウトプットとして合成ガスを発生させることができる。この合成ガスは、除去を必要とする硫黄などのいずれの不純物もほとんど含まず、合成ガスは、アンモニア合成のためのH2の供給源を提供することができる。アノード排出物は、COと比較して、H2の量を最大化するために、水性ガスシフト反応器で最初に反応させることができる。水性ガスシフトは周知の反応であり、かつ典型的に「高」温(約300℃〜約500℃)および「低」温(約100℃〜約300℃)で実行することができ、より高温の触媒は、より急速な反応速度を与えるが、より高い出口CO含有量を有し、より高いH2濃度までさらに合成ガスをシフトするために、低温反応器が、その後、存在する。これに従って、ガスは、H2を精製するために、1種以上のプロセスによって分離を受けることができる。これには、例えば、水の凝縮、CO2の除去、H2の精製、次いで、酸化炭素を可能な限り排除し得ることを確実にするために、高圧での最終的なメタン化ステップ(典型的に、約15barg〜約30barg、または約1.5MPag〜約3MPag)が関与することができる。従来のアンモニアプロセスでは、H2流の精製中に発生する水、CO2およびメタン流、ならびにアンモニア合成プロセスからの追加的なオフガスは、非常に低価値の廃棄物流を表すことができる。対照的に、いくつかの態様では、様々な「廃棄物」ガスは、さらなるプロセスにおいて有用であり得る、さらに他の流れを潜在的に発生させながら、MCFC−アンモニアシステムの他の部分で使用することができる流れを作成することができる。最後に、H2流を、約60barg(約6MPag)〜約180barg(約18MPag)のアンモニア合成条件まで圧縮することができる。典型的なアンモニアプロセスは、約350℃〜約500℃、例えば、約450℃未満で実行することができ、かつ1回の通過あたり低い変換(典型的に約20%未満)および大きいリサイクル流をもたらすことができる。
アンモニア合成との溶融炭酸塩形燃料電池の集積化の一例として、アノードインレットへの燃料流は、H2、CH4(または他の改質可能炭化水素)および/またはCOを含有し得る(任意選択的であるが好ましくは)アンモニア合成プロセスからのリサイクルオフガスとともに、改質可能燃料および/またはH2の新しい供給源に対応し得る。アンモニアプロセスは、大きいリサイクル比および希釈剤(例えば、全ての酸化炭素を除去するためのメタン化によって製造されるメタン)の存在のために、有意なパージおよび廃棄物流を生成することができる。これらの流れの大部分は、それらが酸素などの反応性酸化剤を含有しない限り、燃料電池アノードインレットと適合性であり得る。アノードインレットは、加えてまたは代わりに、水素精製からの分離ガスを含み得、これらのガスは、典型的に、H2、CO、CO2、H2O、およびアノードと適合性のある潜在的な他のガスを含む混合物を含有することができる。次いで、アノード排出物は、水性ガスシフト反応およびH2分離を使用して処理され、高純度H2流を形成することができる。そのようなH2流の少なくとも一部分は、次いで、アンモニア合成プロセスのためのインプットとして使用することができる。任意選択的に、高純度H2流において分離を実行することに加えて、アンモニア合成のために使用する前に、H2流はメタン化装置(methanator)を通過することができる。分離および/または精製の1つ以上の目標は、高められた純度を有するH2流の少なくとも一部分をアンモニア合成のためのインプットとして使用することができるように、H2流の純度を増加させることであり得る。
カソードインレット流のため、CO2およびO2は、いずれかの好都合な供給源、例えば、同じ位置に配置された外部CO2供給源(例えば、ガスタービンおよび/または煮沸器排出物流)、アノード排出物から分離されるリサイクルされたCO2、カソード排出物からのリサイクルされたCO2および/またはO2、水素精製の一部として分離される炭素含有流、および/またはアンモニア合成プラントのアウトプットから分離されるCO2から提供され得る。典型的に、これらの流れの混合物は、有利に使用され得、流れのいずれの残留燃料価も、例えば、カソードインレット流温度をMCFCインレット温度まで高めるために熱を提供するために使用され得る。例えば、分離および/またはアンモニアプロセスからのオフガスである燃料流は、カソードでCO2と反応させて炭酸イオンを形成するために十分な酸素を提供しながらも、実質的に全ての残留燃料成分を燃焼させるために十分な酸化剤(空気)と混合することができる。カソード排出物流は、これらのガスが反応して炭酸塩を形成することができ、それはアノード流に輸送され得るため、CO2およびO2の低下した濃度を有することができる。MCFCがカソードインレット流のCO2およびO2含有量を低下させることができるため、カソード排出物は、乾燥基準で空気と比較して、向上した窒素濃度を有することができる。CO2を効果的に分離するように設計されたシステムに関して、カソード排出物は、乾燥基準で、約10%未満、または約5%未満、または約1%未満のCO2濃度を有し得る。酸素含有量は、加えてまたは代わりに、乾燥基準で、約15%未満、または約10%未満、または約5%未満であり得る。N2濃度は、典型的に、乾燥基準で約80%もしくは約85%より高いことができるか、または約90%より高いことができる。この流れの熱値の捕捉後(例えば、熱のための蒸気発生、他のプロセス流との熱交換、および/または追加的な電気による)、カソード排出物は、アンモニア合成での使用のための高純度N2流を形成するために、任意選択的であるが有利に使用され得る。純粋な窒素を発生させるための典型的な分離方法のいずれも、この流れにおいてより効率的に実施することができる。任意選択的に、増加した純度のN2流を発生させるために、1つ以上の分離プロセスまたは精製プロセスをN2流において実行することができる。増加した純度を有するN2の少なくとも一部分は、次いで、任意選択的であるが有利には、アンモニア合成のためにインプットとして使用することができる。作動中、燃料電池は、水素(および/または合成ガス)製造と比較して、電気製造の選択されたより低いまたはより高い量などのアンモニア合成の必要性に適合させるために作動させることができる。
従来のシステム(例えば、米国特許第5,169,717号明細書に記載されるもの)と比較して、上記集積化方法は、精製されたH2およびN2インプット流を発生させるために、別々のフロントエンドシステムの必要性を低下させることができるか、または排除することができる。例えば、専用の蒸気改質装置およびその後のクリーンアップ段階を有する代わりに、MCFCは、電気動力も発生させながら、精製されたH2を提供するために改質可能燃料の十分な量を改質するために作動させることができる。典型的に、これは典型よりも低い燃料利用で燃料電池を作動させることによって実行することができる。例えば、燃料利用は、約70%以下、例えば、約60%以下、または約50%以下、または約40%以下であり得る。従来のMCFC作動では、約70〜80%の燃料利用が典型的であり得、アノードによって製造される残留合成ガスは、カソードおよび/またはアノードに入る流れを加熱する燃料として使用され得る。従来の作動では、空気と反応した後にCO2をカソードに提供するためにアノード排出物流を使用することが必要となり得る。対照的に、いくつかの態様では、単純な燃焼およびリサイクルのために、アノード排出物からの合成ガスを使用することは必要とされない。アンモニア合成プロセスは、利用され得る多くの廃棄物またはパージ流を提供することができ、アンモニア合成のために利用可能な合成ガスの量を最大化する。同様に、上記したように、MCFCからのカソード排出物は、より高純度の初期の流れを、精製されたN2流を形成するために提供することができる。MCFCおよび関連する分離段階においてアンモニア合成のためにインプット流の発生を集中することにより、装置フットプリントを減少することができ、かつ様々なプロセスのための改善された熱集積化を提供することができる。
尿素は、アンモニアとCO2との反応によって製造され得る別の大きい化学生成物である。1922年に開発された基本プロセスは、その発見者にちなんで、ボッシュ−マイヤー尿素プロセスとも呼ばれる。様々な尿素プロセスは、尿素形成が生じる条件および未変換の反応物がさらに加工される方法によって特徴付けることができる。このプロセスは、反応物の不完全な変換による、2つの主要な平衡反応からなることができる。反応のための正味の熱バランスは、発熱性であり得る。第1の平衡反応は、液体アンモニアとドライアイス(固体CO2)との発熱性反応であり得、アンモニウムカルバメート(H2N−COONH4)を形成する。
2NH3+CO2<=>H2N−COONH4
第2の平衡反応は、尿素および水へのアンモニウムカルバメートの吸熱性分解であり得る。
H2N−COONH4<=>(NH2)2CO+H2O
尿素プロセスは、プロセスインプットとして高圧で液化されたアンモニアおよびCO2を使用することができる。従来技術のプロセスでは、二酸化炭素は、それが高圧まで圧縮されなければならない外的供給源から典型的に提供される。対照的に、本プロセスは、図6に示すように、液体アンモニア生成物との反応のために適切な高圧液化二酸化炭素流をアンモニア合成反応から製造することができる。
様々な態様では、尿素製造は、多数の別々のシステムの必要性を排除しながら、1種以上のインプット(例えば、電気、熱、CO2、NH3、H2O)を提供すること、および/またはMCFCから1種以上のアウトプット(例えばH2O、熱)を受け取ることによって改善することができる。加えて、実質的な生成物除去およびリサイクルが関与するほとんどの平衡プロセスと同様に、パージまたは廃棄物流が発生することができる。これらのパージまたは廃棄物流は、副反応およびリサイクルループ内の不純物の蓄積の結果であり得る。典型的な独立型プラントでは、これらの流れは、多くの場合に低価値であり得、潜在的に、リサイクルのために、追加的なプロセスおよび装置によるさらなる精製を必要とし得る。対照的に、様々な態様では、パージまたは廃棄物流は、有利にはかつ非常により単純な方法で使用され得る。アノードインレットは、いずれの改質可能燃料および/または合成ガス組成物を消費することができる。燃焼することができる材料、例えば、アンモニアなどの窒素化合物で希釈される流れは、空気と反応してN2、水および熱を生成することができ、これは、残留するCO2、COおよびH2を含有するいずれかの流れと一緒に、カソードインレットの一部として使用することができる。MCFCシステムは、低圧力(約10bargまたは約1MPag未満、多くの場合に近大気条件)で典型的に作動され得るため、パージまたは廃棄物流のいずれも、これらのプロセス流はMCFC使用のために十分に加圧され得るため、再圧縮する必要性を低下または最小化することができる。
加えて、尿素プロセスは、アンモニア合成プロセスとの複合システムに集積化することができる。この集積化されたアプローチは、アンモニアプラント(蒸気改質装置、水性ガスシフト、H2+空気分離プラントを製造する圧力スイング吸着)および典型的に離れて製造されて、次いでプラントへ輸送される冷CO2(ドライアイス)の別々の供給を必要とする従来のアプローチから多くのプロセスを低下および/または排除することができる。本システムは、これらのプロセスの多くを排除することができ、それは高圧のCO2流を分離することができるため、有利な条件で必要な反応物を提供することができる。具体的には、遠く離れた尿素プラントで使用するためのドライアイスとしてCO2を輸送するよりも、二酸化炭素は、液化された形態でMCFCアノード排出物から誘導される流れの分離から提供することができ、したがって、適切な反応圧力に容易に圧縮することができる。これは、CO2の冷却、輸送および再圧縮における実質的なエネルギー非効率性を回避することができる。
上記の通り、MCFCは、追加的な装置の量を低下または最小化しながら、アンモニア製造のためのアンモニアプラントと集積化することができる。加えてまたは代わりに、CO2の供給源を提供するために、MCFCシステムからのアノード排出物において分離を実行することができる。CO2のこのような供給源は、次いでさらに分離さおよび/または精製することができ、CO2の少なくとも一部分を尿素合成プロセスのために使用することができる。例えば、CO2分離は、低温分離を含むプロセスを使用して実行することができる。これは、冷CO2の別々の製造および/または輸送の必要性を低下させることができるか、または排除することができる。さらに加えてまたは代わりに、MCFCシステムは電力を提供することができ、かつ/またはMCFCインプット/アウトプット流との熱交換により、および/または分離システムによる熱交換により熱を提供または消費することができる。
図16は、アンモニア合成および/または尿素合成を実行するための反応システムとの溶融炭酸塩形燃料電池(例えば、溶融炭酸塩形燃料電池のアレイ)の集積化の実施例を概略的に示す。図16では、溶融炭酸塩形燃料電池1610は、燃料電池のための関連する改質段階とともに、1つ以上の燃料電池(例えば、燃料電池積層または燃料電池アレイ)を概略的に表すことができる。燃料電池1610は、アノードインプット流1605、例えば、改質可能燃料流およびCO2含有カソードインプット流1609を受け取ることができる。図16では、アノードインプット流1605は、アンモニア合成プロセス1640によって製造されるオフガス1647の任意選択的なリサイクルされた部分を含み得る。図16では、カソードインプット流1609は、分離段階1620において燃料電池1610のアノードおよび/またはカソードアウトプットから分離されたCO2の任意選択的なリサイクルされた部分1629を含み得る。燃料電池1610からのアノードアウトプット1615は、次いで、CO2、H2Oおよび/またはH2分離段階を含み得る1つ以上の分離段階1620、ならびに任意選択的に水性ガスシフト反応段階を、以下に記載され、かつ図1および2にさらに例示されるような、いずれかの望ましい順番で通過することができる。分離段階は、CO2アウトプット流1622、H2Oアウトプット流1624および高純度H2アウトプット流1626に対応する1つ以上の流れを製造することができる。分離段階は、任意選択的な合成ガスアウトプット1625を製造することもできる。カソードアウトプット816は、1つ以上の分離段階1620を通過することができる。典型的に、カソードアウトプットのために使用される分離段階は、アノードアウトプットのための分離段階と異なることができるが、図16に示すように、分離から得られた流れは、任意選択的に組み合わせることができる。例えば、CO2はカソードアウトプット1616から分離され得、1つ以上のCO2アウトプット流1622に添加され得る。カソードアウトプット1616から分離される最大の生成物は、高純度N2流1641であり得る。高純度H2アウトプット流626および高純度N2流1641は、アンモニアアウトプット流1645を発生させるためのアンモニア合成段階1640のための反応物として使用することができる。任意選択的に、アンモニアアウトプット流の一部分を、分離段階620からのCO2流622とともに、尿素製造1650のためにインプット1651として使用して、尿素アウトプット1655を発生させることができる。任意選択的に、尿素製造1650のためのインプットアンモニア流1651は、異なる供給源からであり得る。任意選択的に、アンモニア製造段階1640または尿素製造段階1650を構成から省略することができる。
発酵による生物燃料および化学製品の製造との集積化
生物燃料または生物化学製品は、多くの場合、作物、例えば、トウモロコシ、糖またはリグノセルロース物質様エネルギーグラスから誘導される炭水化物の発酵のプロセスによって製造することができる。このプロセスの最も一般的な例は、トウモロコシなどからのエタノール製造を含む。このプロセスは、典型的に、(蒸留のための)熱のインプット、(一般的なプラント作動のための)電気、および(処理原材料、クリーニングおよび他のプロセスのための)水を必要とし、かつ標準生成物に加えてCO2を製造することができる。CO2は、糖(C6H12O6)が2C2H5OH(エタノール)+2CO2に変換され得る発酵反応によって製造され得る。他の生成物、例えば、ブタノール、高級アルコール、他の含酸素物などへの発酵によって同様の生成物を製造することができ、同様のインプットを必要とすることができる。プラントの温室効果ガス排出および全体的経済の側面は全て、これらのインプットおよびアウトプットを製造および/または提供する際の効率によって影響され得る。炭水化物または糖の他の供給源は、所望のバイオ生成物を得るための同様のプロセスを通過することができ、かつ最初の炭水化物から糖へのいくらかの変換をもたらすことができる。
様々な態様では、改質可能燃料として天然ガスを使用するMCFCシステムなどのMCFCシステムと、エタノール製造との組み合わせは、様々な利点を提供することができる。これは部分的に、MCFCシステムは、エタノールプラントからのCO2アウトプットを消費しながらも、本質的に全ての必要とされたインプットを提供することができるという事実によることができる。これは、温室効果ガス排出を低下することができ、水の必要条件を低下させることができ、かつ/または全体的な効率を増加させることができる。
エタノールプラントは、作動に動力を供給するためにMCFCからの電気、および蒸留などのプロセスに熱を提供するためにMCFCからの余熱を使用することができる。プラントの正確な必要条件(電気への熱の混合)は、MCFCプラントの全体的な燃料利用を調節することにより、例えば、電気アウトプットと比較して多少の熱を提供するための媒体として追加の水素/合成ガスを製造することにより管理することができる。代わりにまたは加えて、例えば、アノード供給として発酵生成物のいくつかを使用することにより、および/またはインプットとして非発酵性バイオマスなどの関連するインプットからの熱および/または生成物を使用することにより、MCFCへの燃料供給源を調節して、所与のプラント構成および所与のインプットのセットのためのインプットおよびアウトプットの釣合いをとることができる。電気化学的プロセスは、典型的に炭酸塩イオンと水素との反応によって水を生成することができ、この水は、アノードアウトレットから凝縮され得る。追加的な水は、過剰な合成ガスの製造において、例えば、水性ガスシフト反応を通して製造され得る。次いで、水は非常に純粋で、不純物を含まない傾向があるため、プラントでのプロセス用の水として水を使用することができる。水が使用する例には、限定されないが、水が粉砕されたトウモロコシに添加される乾燥ミリングプロセス、および/またはトウモロコシが酸および水の溶液に浸漬される湿潤ミリングプロセスが含まれる。発酵CO2アウトプットをカソードインプットとして使用することができ、かつ必要に応じて、アノードアウトレットCO2のリサイクルにより、かつ/または追加的な熱を発生させるための新しい燃料(メタンおよび/または天然ガス)の燃焼を通して補足される。エタノールプラントの全ての熱プロセスが典型的に比較的低温(例えば、100℃未満の蒸留)であり得たため、MCFCシステムのほぼ全ての廃熱を効率的に消費することができる。
異なる構成のセットは、特定のプラント構成および供給ストック次第で、MCFCインプットおよびアウトプットのために使用され得る。いくつかの構成に関して、このプロセスは、アノードインプット燃料として水と混合されたエタノール生成物を使用することができ、したがって、必要とされる天然ガスの量を回避するか、低下させることができる。発酵で製造されたエタノールは、例えば、約1H2O:1EtOH〜約4:1、例えば、約1.5:1〜約3:1、または約2:1のモル比まで、部分的に蒸留され、分離され、または抽出され得る。この混合物は、燃料電池内および/または外の熱によって次いで改質され得、次いでアノードへのインプットであり得る水素ガスを含む混合物を製造する。エタノールの全体的なプラントアウトプットは低下し得るが、非生物学をベースとするインプットの量を低下またはプロセスから排除することができ、より低いライフサイクルCO2排出をもたらすことができる。
いくつかの構成に関して、リグニン供給源、例えば、トウモロコシストーバー、木材および/またはシュガーバガスを燃焼させることにより、メタンなどの従来の炭化水素燃料のインプットを捕捉および/または置き換えることができる。これにより、プラントは、エネルギーを自給自足できるようになり、かつライフサイクル排出の欠点を被るサプライチェーンに集積化する必要性を低下させることができる。これらの構成に関して、リグニン供給源は熱を発生させることができ、部分的に合成ガスを含む気体の混合物に酸化される場合、合成ガスをMCFCシステムへのインプットとして使用することができる。リグニン供給源を燃焼および使用して、(蒸気発生および蒸気タービンによって)いくらかの電気を提供することができるが、一方、プロセスからの排出物ガスは、CO2インプットをMCFCシステムに提供することができる。
いくつかの構成に関して、カソードインレットのためのインプットCO2は、アノードアウトプット合成ガス混合物からのCO2の分離から誘導することができる。この分離は、様々なプロセスのための熱を製造するために流れを使用することができる前または後に(蒸気発生による追加的な発電を含む)、および/またはプロセスに水素を提供するため、および/または熱を提供するために流れが使用される前または後に生じ得る。典型的に、この種類のアプローチは、それがCO2を捕捉するために望ましくなり得る場合に使用され得る。例えば、アノードアウトレットをCO2分離段階に通過させ、そこで大部分のCO2が捕捉され、かつ残留する合成ガスは、次いで、熱、電気、および/または化学的プロセスのために使用され得る。これらのプロセスからのアウトプットは、次いで、潜在的に添加されたメタンおよび/または酸化剤(空気)とともにカソードに戻されて、適当な温度およびガス組成を有するカソードインレットを提供することができる。
代わりに、CO2捕捉が望まれなくてもよいいくつかの構成に関して、発酵システムからのCO2アウトプットを、酸化剤(空気)と混合して、適当なインレット温度まで高めた場合、カソードのための(全体ではないが)CO2供給源の少なくとも一部として使用することができる。これらの構成に関して、アノードアウトプットは、熱、電気、および/または化学的目的のために使用され得、燃焼した合成ガスを含有する得られる最終的な流れは排気され、かつ/またはカソードインレットへの供給として部分的に戻され得る。プラント構成およびCO2排出の必要条件次第で、これらの構成のいずれか1つまたは組み合わせが望ましくなり得る。例えば、発酵からのいくらかのCO2は、様々な熱、電気、および/または化学的プロセスのための使用後の残留合成ガス流と組み合わせることができ、組み合わせた流れを酸化剤(空気)と反応させ、カソードへの酸素を提供することができ、かつカソードインレット流の温度を高めることができる。
MCFCからのアノードアウトレット流を、様々な異なるプロセスのために使用することができる。1つの構成では、この流れは、熱を蒸留に提供するために使用され得、かつ蒸留プロセスのための追加的な熱を発生させるために、アノードアウトレットにおいて残留合成ガスの燃焼が関与し得る。この構成に関して、酸化剤(空気)をアウトレット流に添加することができ、熱の著しい流れおよび燃焼の熱を典型的に使用して、次いで蒸留のためのエネルギーを提供するために使用することができる蒸気を発生させることができる。任意選択的に、このプロセスからの排出物は、発酵プロセスの追加の有無にかかわらず、CO2のいくつかの任意選択的な分離前および/またはその後にカソードインレットとして使用することができる。
いくつかの構成に関して、シフト反応後および/または水素供給源としてのいくらかのCO2の分離後、アノードアウトレットガスを、さらなる処理をせずに、水素の供給源として使用することができる。様々なプロセスに水素を使用することができる。これらのプロセスには、限定されないが、追加的なほとんど炭素を含まない、水素タービンにおける燃焼による電気の製造が含まれ得る。加えてまたは代わりに、水素を他の生物燃料生成物を処理することなどの化学的プロセスのために使用することができる。例えば、発酵に適さないリグノセルロース物質(例えば、コーンストーバーおよび/またはシュガーバガス)に熱分解などの熱化学的処理を行って、燃料のために適さない不安定な高酸素生成物を製造することができる。熱分解、急速熱分解および/または水素化熱分解などの様々なプロセスが使用され得、それらのいずれか/全ては触媒の有無にかかわらず完成され得る。典型的に、これらの生成物は、生成物熱値を低下することができる残留酸素を含有することができ、多くの場合に貯蔵、輸送および使用時にその安定性を非常に低下させ得る。これらの種類の生成物は水素によって有利に処理されて、生物燃料の全体的な製造を増加させるために、発酵生成物と任意選択的にブレンドすることができる燃料適合性ブレンドストック(熱分解油)を製造することができる。
水素の別の用途は、バイオディーゼル材料の共生産にあることができる。典型的に、デンプン供給源(例えば、トウモロコシ、糖)を使用して、ガソリン燃料で使用するためのエタノールを製造することができるが、大豆またはパームなどの他の作物重質「油」(例えばトリアシルグリセリド)を使用して、そのまま、および/または改良後に、ディーゼル燃料および/またはジェット燃料のために適切であり得る長鎖分子を製造することができる。他の再生可能な資源は、そのまま、および/または改良後に、潤滑剤および/または重質燃料、例えば、バンカー/マリン燃料、および/または家庭用暖房オイルのために適切であり得る、なお長鎖の分子を含有することができる。これらの材料は、典型的に、特に、所望の生成物がほとんど酸素を含まない場合、例えば、脂肪酸メチルエステル(FAME)生成物の代わりに水素処理された植物油の場合、水素が関与するいくつかの処理を必要とすることができる。生物燃料生成物および作物はほぼ同じ位置に配置され得、水素の利用可能性は様々な処理スキームにおいて補助し得る。
いくつかの態様では、集積化されたMCFCおよび発酵システムの目標は、発酵プラントからの全体的なCO2製造を低下させること、または最小化することであり得る。そのようなシステムの例では、バイオマス供給は発酵プラントに入ることができて、発酵のための材料の調製(例えば、粉砕、水処置)のために、任意選択的なプロセスを受けることができる。プロセスのための電気エネルギーおよび水は、燃料電池アウトプットによって少なくとも部分的に(全体でない場合)提供され得る。発酵プロセスは、生物燃料および二次生成物(例えば、蒸留酒製造業者の乾燥グレイン)、およびCO2の比較的高い量を含むガス流を製造することができる。適切な量の水と混合された発酵プラントからの生物燃料生成物は、MCFCへのアノードインプット燃料として使用することができる。態様次第で、生物燃料生成物は、発酵生成物の少なくとも一部、発酵の残留または二次生成物から誘導された生物ガスまたは他の燃料の少なくとも一部、またはその組み合わせに対応し得る。MCFCアノードアウトレットからの合成ガスは、少なくともいくらかの(全てではないにしても必要とされる)熱を、蒸留を含む全てのプラントプロセスに提供するために燃焼することができる。アノードアウトレット生成物を、CO2分離プロセス前および/またはその後に使用することができる。代わりに、アノードアウトプット流のいくつかを使用して、発酵プラントプロセスのための少なくともいくらかの熱を提供するが、第2の流れを使用して、カソードインプット流の予熱などの異なる目的のために熱を提供することができるように、アノードアウトレットを分離することができる。得られたCO2含有流のいくつかを空気と組み合わせて、カソードインレット流として使用することができる。全体的なプロセスは、外部エネルギー源を有利に使用することなく、典型的に、生物学的プロセスから誘導されるCO2のみ排出することができる。代わりに、CO2分離スキームを、アノード後および/または全てのCO2流が組み合わせられた後などの様々な時点のいずれか1つ以上において添加することができる。この段階は、分離のため、および/またはいくつかの他の使用のための実質的に純粋なCO2アウトプット流を提供することができる。この構成では、生物学的に誘導されたCO2は、比例して少しの(無しの)外部炭素をベースとする燃料インプットによる分離のために除去され得るため、ライフサイクル基準からの全体的なプラントCO2排出はマイナスであり得る(生成した正味のCO2が0未満である)。
図15は、エタノール合成などのアルコール合成を実行するための反応システムとの溶融炭酸塩形燃料電池(例えば、溶融炭酸塩形燃料電池のアレイ)の集積化の実施例を概略的に示す。図15では、溶融炭酸塩形燃料電池1510は、燃料電池のための関連する改質段階とともに、1つ以上の燃料電池(例えば、燃料電池積層または燃料電池アレイ)を概略的に表すことができる。燃料電池1510は、アノードインプット流1505、例えば、改質可能燃料流およびCO2含有カソードインプット流1509を受け取ることができる。任意選択的に、アノードインプット流は、追加的な供給源1545からの燃料、例えば、燃焼およびその後のメタン化によるリグニンおよび/またはコーンストーバーから誘導されるメタンを含み得る。任意選択的に、カソードインプット流1509は、エタノール(または別の発酵生成物)を製造するための発酵中に発生するCO2から誘導される追加的なCO2含有流1539を含み得る。燃料電池1510からのカソードアウトプットは、図15に示されない。燃料電池1510からのアノードアウトプット1515は、次いで、CO2、H2Oおよび/またはH2の1種以上の分離段階を含み得る1つ以上の分離段階1520、および/または1つ以上の水性ガスシフト反応段階を、以下に記載され、かつ図1および2にさらに例示されるような、いずれかの望ましい順番で通過することができる。分離段階は、CO2アウトプット流1522、H2Oアウトプット流1524および/またはH2(および/または合成ガス)アウトプット流1526に対応する1つ以上の流れを製造することができる。H2および/または合成ガスアウトプット流(集合的に1526)は、存在する場合、例えば、エタノール処理プラント1560によるエタノールの蒸留のための燃料を提供するために使用することができる。H2Oアウトプット流1524は、存在する場合、エタノール処理プラント1560のための水を提供することができる。加えてまたは代わりに、MCFC1510はエタノール処理プラント1560により用いられる電力1502を発生させることができる。エタノール処理プラント1560は、エタノール(および/または他のアルコール)アウトプット1565を発生させることができ、これは、好ましくは少なくとも部分的に蒸留されて、生成物のアルコール濃度を高めることができる。なお、図15の構成または上記の他の構成のいずれも、リグニン供給源の使用または他の生物燃料の共生産などのいずれかの他の構成と組み合わせることができる。
集積化されたMCFCおよび発酵システムの実施例
本実施例は、低CO2排出で、エタノール、水素および電気を発生させるための、集積化されたMCFCおよびセルロースエタノール発酵プロセスを実証する。本実施例の1つの焦点は、MCFCシステムとの集積化の態様にあることができる。エタノール発酵などの発酵プロセスは、従来の発酵方法に対応し得る。実施例を提供する目的のため、エタノール発酵法を詳細することがある程度必要となるため、代表的な発酵プロセスを提供するために文献参照が使用された(Humbird,et al.,Process Design and Economics for Biochemical Conversion of Lignocellulosic Biomass to Ethanol,NREL.May 2011を参照のこと)。この参照文献に記載されるベースのエタノール発酵プロセスは、約520トン/日の発酵プラントに対応する。しかしながら、他のいずれかの好都合な発酵プロセスも、蒸気実施例と置き換えることができた。本実施例では、エタノールは、ストーバー原料の発酵から製造することができる。発酵プロセスから排出された生物ガスおよびバイオマスは、プロセスのための流れおよび動力を発生させるために燃焼することができるが、過剰量の動力は配管網へ販売され得る。本集積化されたMCFC−発酵プロセスでは、MCFCは、アノード供給としてメタン流混合物を使用することができ、かつカソード供給として発酵システムからのCO2ガスの混合物を使用することができる。ホットMCFCアノード排出物は、蒸留カラム加熱需要を提供するのに十分低い圧力蒸気を発生させるために、蒸気システムと集積化することができる。なお、これは、既存の蒸気タービン/HRSGシステムによって蒸気速度を増加させることもできる。アノード排出物は、H2およびCO2生成物流にシフトおよび分離され得る。MCFCは、アノード排出物ガス分離およびパイプライン条件へのガスの圧縮のために少なくとも十分な動力を発生させることができる。
図14は、構成のMCFC部分の実施例を示す。図14では、蒸気1401および予熱されたメタン1402を、MCFC1450のアノードに供給することができる。MCFC1450は、高温で主にH2/CO/CO2の混合物1403を製造することができる。態様次第で、MCFCは、約25%〜約60%の低燃料利用、例えば、少なくとも約30%、または少なくとも約40%、または約50%以下、または約40%以下の燃料利用で作動することができる。加えてまたは代わりに、MCFCは、約70%以上の従来の燃料利用で作動することができるが、アノード排出物から回収することができる潜在的なH2の量が、より高い燃料利用において減少するため、これは好ましくない。熱は混合物1403から、例えば、インプット水流1407から低圧蒸気1408を生成するために、熱交換器1460において回収することができる。インプット水流1407は、いずれかの好都合な供給源、例えば、カソードアウトレット流1414および/またはアノードアウトレット流1403から回収される水からでも誘導することができる。低圧蒸気は、例えば、図14の示されるビアカラム1442のための熱などの蒸留のための熱を提供するために使用することができる。冷却されたアノード排出物1404はシフトされ、水性ガスシフト反応器1470で主にH2/CO2の混合物を製造することができる。これらのガスは、1つ以上の分離段階1480では、H2流1405およびCO2流1406に分離することができる。H2流1405およびCO2流1406は、使用のために圧縮および販売することができる。加えてまたは代わりに、CO2流の少なくとも一部分を分離に向けることができる。低CO2排出が必要とされない別の好ましくない構成では、CO2流1406を雰囲気に排出することができる。カソード供給1409は、発酵プロセスのオフガス流の混合物から構成され得る。図14に示される実施例では、カソード供給1409は、ベントスクラバーオフガス1431および生物ガス燃焼室オフガス1433から構成され得、これは、発酵プロセスから排出されるCO2の約94%を占め得る。加えてまたは代わりに、カソード供給1409は、セルロースシード発酵体オフガス1435、セルロース発酵体オフガス1437、好気性ダイジェスターオフガス1439、および/または他のいずれかの発酵体および/またはダイジェスターオフガスを含み得る。カソード供給を前処理するために、オフガスをガスクリーンアップシステム1448に通過させ得る。オフガス混合物1409は、バーナー1490で燃料(CH4)1410および酸化剤(空気)1411と組み合わせて、かつカソード供給をMCFC動作温度まで加熱するために燃焼することができる。バーナーアウトプット1412の追加的な熱は、メタンアノード供給1402を予熱するために使用することができる。カソード排出物1414は、いずれかの熱を回収するためにHRSGに送達することができて、次いで雰囲気に排出され、かつ/または必要に応じてさらなる処理のために送達され得る。
表4は、集積化されたMCFCシステムを使用することのない同じ従来の発酵プロセスを実行することとの比較において、図14と同様の構成に関するCO2排出の減少量の実施例を示す。表4に示される計算のために、システムで使用される全ての炭素が、最初に生体供給源から誘導される炭素に対応したことが仮定された。表4に示すように、MCFCシステムとの発酵プロセスの集積化は、エタノール発酵から実質的にCO2排出を低下させるための潜在性を有することができる。発酵プロセスによって発生するCO2が雰囲気に脱出することを可能にする代わりに、カソードインレット流のいくつかまたは全てを形成するために、そのようなCO2の少なくとも一部分を使用することは、そのようなCO2の大部分が、比較的純粋なアノードアウトレット流に分離されることを可能にする。次いで、CO2を効率的な方法でアノードアウトレット流から分離することができ(例えば、少なくとも約90%、例えば、少なくとも約95%のCO2を分離する)、CO2の分離がもたらされる。特に、炭素の最初の供給源が考慮され、最初に生体供給源から誘導される炭素がシステムへの炭素インプットに考慮されなくてもよい場合、集積化されたシステムからの正味のCO2排出は、実際にマイナスであり得る。これは、植物によって雰囲気から最初に消費された炭素(生体炭素)が、CO2として捕捉され、そのようなプロセスにおいて分離され、環境からの炭素の正味の除去がもたらされるという事実を反映することができる。
藻類成長およびプロセスとの集積化
バイオディーゼルを製造するために提案された藻類ファーム(光合成藻類)は、いくつかのインプット:水、CO2、日光、養分、主として窒素、場合により熱を必要とする。一態様では、溶融炭酸塩形燃料電池を、藻類ファームの要求(および潜在的に他のプロセス)と集積化して、費用が低減し、CO2排出が低下した、より効率的な全体的なプロセスを提供することができる。
一態様では、藻類ファームのためのCO2供給源として、MCFCによって製造されるCO2を使用することができる。加えてまたは代わりに、MCFCからインプットおよびアウトプットは、1つ以上の以下を実行するために、藻類ファームと集積化することができる:1)藻類のための構成水として、MCFCアノード排出物から生成した水を使用すること、2)夕方/低温期中に池を暖めるために発生した熱を使用すること、3)循環デバイスおよび他のプロセスを動作するためにMCFCによって発生した電気を使用すること、4)MCFCのための燃料/メタンの供給源としてバイオマスオフガス(例えば、嫌気性ダイジェスター)を使用すること、5)アノードのためのH2/COの供給源としてガス化後の異なるバイオマス(藻類バイオマス、リグニン)を使用すること、6)アノードにおける分離によってCO2を捕捉し、次いで、CO2を分離後に藻類に移送するため、カソードのためのCO2供給源として、CO2を発生させるバイオプロセス(例えば、発酵)を使用すること(例えば、トウモロコシから発生したCOをエタノールと一緒にして、これを他の生成物を製造するための藻類成長のために使用する)、ならびに7)窒素含有化合物(例えば、NH3、尿素)を製造するためにMCFCによって生成したH2および/またはN2を、藻類製造のための必須養分としての使用のために使用すること。
上記態様の1つの利点は、MCFCプロセスおよびその後の分離は、発電所流出物などの排出物流または他のCO2供給源に典型的な汚染物質を実質的に含まない非常に「クリーンな」CO2を製造し得ることであり得る。上記の集積化の利点は、加えてまたは代わりに、構成次第で、多数の集積化された部分が適合することを可能にする。例えば、MCFCの使用は、CO2生成プロセスおよびCO2消費プロセス中に相乗効果的を形成することができる。そのような相乗効果的なプロセスでは、MCFCは、効率的な方法でCO2を濃縮、分離および使用する中間体として作用することができる。MCFCは、さらに加えてまたは代わりに、MCFCが、使用が容易な形態で、藻類成長環境へのCO2のa)濃縮、b)精製、およびc)送達のために使用可能であるように、典型的な外部CO2供給源(例えば、動力プラント、タービン)とともに構成され得る。これは、単に藻類に汚染物質とともに希薄なCO2を通過させること以上の注目に値する改善であり得る。
セメント製造との集積化
コンクリートおよび鉄鋼は、主要なインフラ建設プロジェクトでは、質量、費用および二酸化炭素排出の大部分を占め得る重要なインフラ建設材料である。例えば、コンクリートは現在、世界のCO2排出の約5%の原因である。全排出のうち、セメント、例えば、ポートランドセメントの製造は、最終生成物からの全排出の約95%を示す。CO2は、2つの供給源:炭酸カルシウムから酸化カルシウムおよびCO2への分解、ならびに燃料としての石炭とともに典型的に行われる約1800℃程度の高温までのセメント窯の加熱から主として発生し得る。セメントは、何百ものプラント(米国で約150〜200)で、成分の岩が発見される採石場の典型的に付近で製造される。
セメントの製造には、典型的に、材料の混合物を非常に高い温度まで加熱するステップが関与する。主要成分としては、1種以上のシリカ(砂)、鉄鉱石、アルミナ(頁岩、ボーキサイト、他の鉱石)および/または他の材料に加えて、石灰石(CaCO3)を含み得る。成分を破砕および混合し、その後、それらを、非常に高い温度で、かつ典型的に少なくとも約1400℃の温度で、例えば少なくとも約1800℃、かつときに約2000℃以上までの温度で、典型的に空気中で、窯に導入することができる。これらの条件で、クリンカーと呼ばれる生成物を製造することができる。クリンカーは、商業的なセメントを形成するために典型的に粉砕された安定性ある生成物であり得る。この説明では、クリンカーをセメント生成物と呼ぶことができる。セメント生成物を形成するプロセスは、1つの有意な化学変化:CaOおよびCO2への石灰石の分解を典型的にもたらすことができる。酸化物として出発した他の鉱石は、典型的に化学的に変化しない。いくらかの冷却後、セメント生成物を石膏などの他の成分と典型的に混合して、かつ任意選択的に粉砕して、セメント用途および/またはコンクリートの製造のために適切な最終的な所望の特徴を達成することができる。
一般には、カソードのためのインプットとして、セメント製造プロセスからのCO2を使用することにより、CO2の管理のための資源としてMCFCを使用することができる。従来のセメント製造によって排出されるCO2の量は、典型的に、CaCO3の分解からの少なくとも約50%、および炭素含有燃料の燃焼をベースとする加熱のための約50%以下であり得るが、この量は潜在的に個々の製造作業の特徴次第で変化する。加えてまたは代わりに、コンクリートおよびセメント製造は、全体的なプロセス中、電気および機械的エネルギーを必要とし得る。鉱物産出のための採石場などのローカル資源と典型的に同じ位置にまたは密接に配置される場合、輸送、粉砕、セメント製造工程と関連する様々な機械プロセスは、大量の電気を消費し得る。これらのエネルギーの必要性は、セメントプラントと集積化されるMCFCによって発生する電気によって少なくとも部分的に満たすことができる。さらに加えてまたは代わりに、アノード排出物に関して実行される分離ステップでは水を生じ得、この水は、典型的なセメントプラントの水の必要性を軽減および/または満たすために使用することができる。任意選択的に、MCFCは、燃料としての水素を提供するために、低燃料利用で作動することができ、これは、またさらに加えてまたは代わりに、燃料燃焼によるCO2排出を除去または軽減することができる。
一態様では、MCFCシステムは、生産プラントに動力を供給するためにMCFC熱および電気を使用しながら、CO2供給源としてのセメント流出物を使用するために、セメント生産プラントと集積化することができる。この第1の構成は、CO2の主要供給源を消費することができ、かつ熱および電気需要によるCO2の第2の供給源のいくつかを軽減することもできる。正味の結果は、炭素捕捉の可能性を有する、より低い炭素排出セメント製造プロセスであり得る。
追加的または代わりの構成では、MCFCインレット流の全てなどのMCFCインレット流の1つ以上を予熱するために、減少された量の追加的な燃料が必要とされるか、または追加的な燃料が必要とされないように、MCFCシステムは、セメント製造作業と熱集積化することができる。例えば、窯からのいくらかのCO2含有流出物と、十分な酸素を提供するための追加的な(冷)酸化剤(空気)とを含み得るカソードインレットは、窯アウトプットとの熱交換によって約500℃〜約700℃の典型的なカソードインレット温度まで完全に予熱することができる。加えてまたは代わりに、典型的に石炭を燃焼させることによって提供される窯のための熱は、代わりに、MCFCシステムからのアノード排出流出物を燃焼させることにより、部分的にまたは完全に提供することができ、これは、石炭より低い炭素強度の供給源から誘導される場合、全体的なCO2排出を低下させることができる。
別の追加的または代わりの構成では、MCFCシステムは、全体的なプラント炭素排出の実質的な大多数を回避するように構成することができる。この構成では、MCFCシステムアノードアウトレットは、典型的にCO2、CO、H2および水を含有する流れであって、分離/捕捉のためにCO2を分離するため、同じもしくは異なる分離プロセスにおいて水を除去するため、かつ/または水性ガスシフトガスを「シフトして」、水素が高度に濃縮された流れを生じるために設計された一連のプロセスを受けることができる。次いで、この水素流を窯の加熱インプット(燃焼時)として使用して、減少または最小化された炭素排出を生じ得る。任意選択的に、燃料価を含有するいずれのオフガスも、アノードにリサイクルすることができる(例えば、オフガスを含有するCO)。さらに加えてまたは代わりに、アノード排出物からの水は、粉砕、混合またはローカル供給源から得ることができる他のセメントプロセスに使用されるいずれの水を補うためにも使用することができる。セメント、コンクリートおよび/または採石場作業の少なくとも部分的または全体に必要とされる電気は、MCFCによってその場で提供され得る。これは、送電損を低下または最小化することができ、また電気配管網を経由して電気を提供するために使用される燃料からの対応するCO2排出を低下させることができる。次いで、全体的なプロセスは、従来の鉱業および製造作業と比較して、より高い全体的な熱効率で作動しながら、実質的に低下し得る「ライフサイクル」CO2排出を示すことができる。
これらの構成では、アノードへのインレットの燃料は、任意選択的に、いくらかの軽燃料成分を含有するオフガスおよび/もしくは他の廃棄流とともに、かつ/または水性ガスシフト成分とともに、天然ガス、メタンおよび/または他の軽炭化水素の供給源によって典型的に提供され得る。アノードへの燃料は、容認できる量で窒素などの他の不活性ガスを含有し得るが、好ましくは酸素の実質的な量を含有せず、例えば、故意に添加された酸素を含有しない。アノードインレットは、加えてまたは代わりに、これらの材料が最初に改質可能燃料に変換される場合、石炭を含む他の炭化水素材料を含み得、かつ/またはそれから誘導され得る。これらの変換のために、かつ任意選択的にアノードインレットを予熱するために必要とされる少なくとも一部分の熱(場合により全ての熱)は、窯排出ガスまたは生成物との接触からの熱交換によって有利に提供することができる。熱交換は直接であり得、かつ/または蒸気などの熱伝達媒体を通して間接的であり得る。そのような熱交換プロセスのための水(蒸気)、および/またはセメント製造と関連する他のプロセスに使用される水は、アノード排出物流からの分離後にアノード化学および電気化学反応によって生じた水を使用して少なくとも部分的に提供することができる。
カソードインレット流は、CO2が豊富であり得る窯排出物から少なくとも部分的に誘導することができる。この流れは、MCFCへの導入のために適切ではない、ほこり、泥、鉱物および/または他の固体物質を含有し得る。そのような不適当な物質は、例えば、フィルターによって除去することができる。加えてまたは代わりに、典型的に、セメントプラントは、窯からの粒状排出を低下、最小化および/または実質的に排除するためのシステムを含有することができ、同様のシステムは、MCFCと集積化されるシステムで利用することができる。窯排出物および/または窯排出物の少なくとも一部を分含有するカソードインレット流は、カソードに対して無害ないくらかの残留ガスを含有し得る。そのような残留ガスの例には、窒素、酸素および/または他の空気成分、ならびに容認できる濃度(例えば、不純物汚染物質次第で、約100vppm未満、または約50vppm未満、または約25vppm未満)で存在する場合、酸化窒素などの不純物汚染物質の任意選択的な少量が含まれることができる。カソードは、加えてまたは代わりに、十分な酸素濃度を得るために新たな空気の使用を必要とすることができる。好ましくは、カソードアウトレットの酸素濃度は、少なくともカソードアウトレットにおけるCO2濃度であり得るが、CO2濃度の少なくとも約半分の酸素濃度が容認可能である。任意選択的に、カソードインレットの酸素濃度は、少なくともカソードインレットにおけるCO2濃度であり得る。多くのMCFCシステムでは、カソードインレット流を加熱するために、いくらかの燃料を燃焼させることが必要となり得る。しかしながら、上記の構成に関して、窯ガスの排出物および/または固体生成物との熱交換により、カソードインレット流の1つ以上を加熱するために必要とされる熱の少なくとも一部分、または熱の実質的に全てを提供することができる。これは、カソードインレット流に追加的な熱を提供するための燃料の燃焼の必要性を低下、最小化、または場合により排除することができる。
アノードアウトレット流は、ほとんどの従来の発電MCFCシステムでは、CO2および熱を提供するために、カソードに典型的に部分的にまたは完全にリサイクルすることができる。本発明によるこれらの構成では、このアノード排出物は、その目的のために必要とされず、代わりに、任意選択的であるが好ましくは、熱を窯に提供するためなどの別の目的のために使用される。有利には、アノード排出物が、シフトおよび/もしくは分離ステップとともに、またはそれらがなく使用される場合、作動温度まで窯を上げるために必要な熱の少なくとも一部分(または全て)を提供することができるように、MCFCは減少された燃料利用で作動することができる。加えてまたは代わりに、有利には、全電力アウトプットが、直接的なセメント製造、ならびに関連するコンクリート、採石場および他の作動を含み得るローカル動力の必要性の少なくとも一部分(または全て)に十分であり得るように条件を選択することができる。燃料利用を変化することにより、システムが両必要条件を満たすことができるようにMCFCシステムを設計することができ、かつ燃料利用、槽電圧および電流、ならびに/または他のパラメータを調節することにより、その必要条件の可変性に対応し得る。
カソードインレット流と比較して減少されたCO2およびO2濃度を典型的に含むカソード排出物流は、窒素などの不活性(空気)成分とともに、典型的に雰囲気に排出され得るが、代わりに排出前に1つ以上の後処置に最初に暴露され得る。
図17は、より低いCO2排出セメントを生じるために、セメント製造プラントと集積化されたMCFCシステムの実施例を示す。セメントプラントの2つの最大CO2供給源は、典型的に、ロータリー式窯などの窯の加熱のための化石燃料の燃焼、および窯におけるCaCO3からCaOへの分解からである。図17に示される構成では、集積化されたプロセスは、代わりに、窯においてMCFCから生じるH2を燃焼させることができる。加えてまたは代わりに、分解CO2オフガスをカソード供給として使用することができる。
図17に示される構成では、メタン1701および蒸気1702のガスフローを、MCFC1720のアノードに供給することができる。H2、CO、CO2およびH2Oの混合物を含み得るアノード排出物1703は、熱回収蒸気発生器(HRSG)1722で冷却することができ、かつ水性ガスシフト反応器(図示せず)でシフトされ、主にH2およびCO2の混合物1704が生じる。この場合、流れ1704を脱水1760および分離1750することができ、H2含有流1706およびCO2含有流1707となる。流れ1707を圧縮することができて(かつ使用のために販売および遠位使用のために輸送することができ)、かつ/または分離設備に送ることができる。流れ1706は、ロータリー式窯1740において裸火の燃料として(酸化剤/空気1741とともに)使用することができる。窯1740で形成される「クリンカー」生成物を、クリンカー冷却器1770に通過させることができる。システムにおける他のプロセスに熱を提供するために、様々な熱交換を、窯1740、クリンカー生成物および/またはクリンカー冷却器1770によって実行することができる。窯1740では、CaCO3が分解すると、CO2が排出することができる。CO2を火炎排出ガスと組み合わせて、窯オフガス1708として窯1740の上部から排出させることができる。窯オフガス1708をクリーン化および/または脱水1730して、水および/または不純物流1709ならびにCO2含有流1710を形成することができ、これをMCFC1720のカソードの前に戻すことができる。流れ1710を空気1711および任意選択的にカソード排出物1712の一部分と混合することができ、カソードへのCO2供給需要を満たすことを補助することができる。CO2が欠乏したカソード排出物は、任意選択的にリサイクルされるフラクション1712およびHRSGに送られる別のフラクション1724によって分離することができ、かつ雰囲気1713に排出される(さらなる加工のために送られない場合、図示されない)。
ロータリー式窯からの熱必要条件およびCO2生成の一例として、値はEnergy and Emissions from the Cement Industry(Choate,William T.Energy and Emissions Reduction Opportunities for the Cement Industry.U.S.Department of Energy,December 2003)から採用された。これらの代表的な値をベースとして、ロータリー式窯においてクリンカーを約300トン/時間で処理できるような大きさで集積化されたプロセスの実施例のための計算が実行された。図17と同様の構成のための質量およびエネルギーバランス計算をベースとするフロー値を図18の表に示す。図18では、それぞれの欄の上部の数は、図17の構成からの対応する要素を示す。全てのMCFCインレット流を作動温度まで予熱するために図17に示されるクリンカー冷却器1770の大きい熱量を使用し得ることを示すために、計算を使用することができる。窯のためのH2燃料に加えて、MCFCは約176MWの動力を生じることもでき、これを窯供給のための原材料の粉砕など他のエネルギー消費型プロセスに使用することができる。表5は、図18に示される計算をベースとして算出された追加的な発電および減少されたCO2排出の概要を示す。表5に示すように、ロータリー式窯のための代表的な値を使用する図17と同様の構成のための計算は、セメントプロセスとのMCFCの集積化により、CO2排出を約90%減少させながら、追加的な電力を提供し得ることを示す。
上記したように、典型的なセメントプロセスからのCO2排出の約半分は、熱を窯に提供するための燃料の燃焼による。そのような燃焼プロセスは、通常、酸素の供給源を提供するために空気を使用し、一部では、空気中に存在する大量のN2のため、CO2濃度が比較的希薄である燃焼からのオフガスが生じる。希薄なCO2(例えば10体積%以下のCO2)を含有する流れからCO2を分離するための従来の選択肢は、モノエタノールアミンをベースとするアミン洗浄などのアミン洗浄の使用である。比較のために、希薄なCO2流(例えば約10体積%以下のCO2を有する流れ)からのCO2の捕捉のためにモノエタノールアミン(MEA)をベースとするアミン洗浄を使用するための典型的な予想されるエネルギー費用は、約3GJ/トンCO2であることが推定された。この予想されるエネルギー費用をベースとして、MCFCを使用する代わりに、CO2捕捉のためにアミン洗浄を使用することは、実質的なエネルギー費用も受けながら、MCFCによって発生する追加的な電気エネルギーを排除することができる。
鉄または鉄鋼製造との集積化
様々な態様では、鉄および/または鉄鋼の製造をMCFCシステムの使用と集積化するプロセスが提供される。鉄は、鉄鉱石に存在する酸化鉄の還元から製造することができる。反応は、高温、例えば、2000℃まで、より典型的に約800℃〜約1600℃、および鉄金属を製造するために溶鉱炉で使用することができる、強く結合した酸素を酸化鉄から除去することができる還元剤を必要とし得る。最も広範囲に使用される方法には、コークを製造し、その後、主要な化学還元剤としてCOを含む溶鉱炉ガスを製造するための石炭の加工が関与する。このプロセスは、その基本的プロセス自体、および鉄鋼製造プロセスの両方において、実質的な熱量および多くの場合に電気の有意な量を典型的に必要とし得る。電気必要条件は、ポンプ、バルブおよび他の機械を作動させるための典型的なプラント要求、ならびに直接還元鉄処理、電気炉製鋼および同様のプロセスのためなどの大きい直接的な電気インプットを含み得る。水の実質的な量は、単に冷却するために使用される水の他に、石炭を処理するため、鉄鋼からスケールを直接除去するため、蒸気発生、水力学および他のシステムのために水を使用することができるため、製鋼において必要となり得る。
従来の鉄製造プロセスでは、炉ガスは、有意な量のCO、ならびにいくらかの量のH2、H2O、N2、任意選択的であるが典型的に硫黄(例えば、H2S)、および任意選択的であるが典型的に、石炭から誘導される1種以上の他の様々なガスを含み得る。鉄は有効な水性ガスシフト触媒であり得るため、水性ガスシフト分子(CO、CO2、H2O、H2)は、典型的に、このプロセスにおいて平衡にあるか、またはそれに近くなり得る。COは酸化鉄と反応し、CO2および還元鉄を製造することができるが、いくつかの炭素を還元鉄に組み込む。この炭素は、次いで、例えば、様々なグレードの鉄および鉄鋼製品を製造するために望ましいレベルまで制御された酸化によって部分的に除去され得る。従来の鉄製造プロセスにおける石炭およびコークの役割は、2つであり得る。第1に、石炭またはコークは、酸化鉄から鉄への変換のための還元剤を提供することができる。第2に、石炭またはコークは、非常に高い炉温度を維持するために熱を提供するために燃焼することができる。このプロセスは、典型的に、気圧下またはその付近で生じ得る。従来のプロセスでは、流出物溶鉱炉ガスは、なお、追加的な熱のために次いで燃焼することができる可燃性材料のいくらかの量を典型的に含有することができる。
従来のプロセスの不都合は、製造される鉄または鉄鋼の1トンあたりの大量のCO2の製造を含み得る。プロセスに使用される石炭およびコークに加えて、フラックス(典型的に、炭酸塩、例えば、CaCO3または炭酸塩と他の材料の混合物)は、追加的なCO2を排出するプロセスにおいて分解され得る。炉から排出するCO2の量を捕捉するか、または低下させることは、様々な排出物システムからのCO2の分離を必要とし得るが、これは困難であり得、かつ多数の回収、濃縮およびクリーンアップステップが関与し得る。
様々な態様では、溶融炭酸塩形燃料電池の作動を、鉄および/または鉄鋼製造のためのプロセスと集積化することは、限定されないが、効率の増加、製造される生成物の1トンあたりの炭素排出の減少、および/または集積化されたシステムの一部分として炭素排出の単純化された捕捉を含むプロセス改善を提供することができる。燃料供給資源における適応性、ならびにプロセスに動力を与えるために必要とされる様々な化学、熱および電気アウトプットを提供しながら、別々のプロセスの数および全体的な製造システムの複雑さを減少させることができる。
追加的または代わりの態様では、組み合わせられたMCFCおよび鉄製造システムは、加熱における適応性を提供しながらも、より単純なシステムによる炭素の効率的な回収を可能にすることができる。加えてまたは代わりに、組み合わせられたMCFCおよび鉄製造システムは、プラントへの全電気インプットの一部分として利用することができる電気の直接発生を組み込むことができる。電気がその場で発生すると、送電損を低下または最小化することができる、かつACをDC動力に変換するときに生じるポテンシャル損失は、加えてまたは代わりに回避さすることができる。さらにまた、電気を発生させるために利用される燃料中の炭素は、溶鉱炉排出物(または鉄もしくは鉄鋼製造のために使用される別の種類の炉からの排出物)から二酸化炭素の捕捉のために使用されるものと同じ炭素捕捉システムに組み込まれることができる。提案されたシステムは、還元剤(CO)、熱および電気アウトプットの様々な製造のために設計することができ、同じコア成分を使用する、より広範囲の鉄および製鋼プロセスおよび技術に適応させることが可能となる。
一態様では、MCFCシステムは、過剰量のH2および/またはCO(合成ガス)を含有するアノード排出物流を形成するために使用することができる。MCFCアノード排出物からの過剰量の合成ガスを回収することができて、コークの使用を低下、最小化、または排除して、鉄または鉄鋼製造を実行することができる。MCFCからのアノード排出物は、約500kPag以下、例えば約400kPag以下、または約250kPag以下の圧力で排出することができる。例えば、合アノード排出物から成ガスを製造または回収することができ、COからH2の少なくとも一部分を分離することができ、H2を用いて炉を燃焼することができ、COを用いて鉄の還元を実行することができ、次いで、鉄製造プロセスから得られたCO2をMCFCにおいて消費し、それを捕捉することができ、プロセスからのCO2排出の実質的な減少を導くことができる。そのような態様では、MCFCは、酸化炭素の管理システム(COの供給源、CO2の吸収)として、鉄または鉄鋼製造プロセスへの補足的なインプットの供給源として、例えば、加熱、効率のためにインプットおよび排出物流による熱交換、炭素捕捉および/またはクリーンなプロセス水の生成のためにH2を提供することによって機能することができる。なお、様々な鉄鋼プロセスは、加えてまたは代わりに、MCFCシステムによって提供され得る電気エネルギーを使用することができる。例えば、鉄鋼製造には、アーク炉の使用が関与することができ、かつ鉄の直接的還元を電流によって実行することができる。様々な態様では、MCFCを含む集積化されたシステムにおいて使用される炉は、電気的加熱され得るか、または回避される炉内での合成ガスの燃焼を一般に可能にすることができる他の間接的な方法によって加熱され得る。
鉄または鉄鋼を製造するための反応システムにおける溶融炭酸塩形燃料電池の集積化の一例として、溶鉱炉への還元剤ガスは、最初にメタンまたは他の改質可能燃料をMCFCアノードに導入することによって提供することができ、MCFCは、アノードアウトプットから電気(例えば、プラントによる使用のため)および合成ガスを製造するために使用することができる。MCFCシステムのサイズは、好ましくは、製造される合成ガスの量が、鉄または鉄鋼製造プロセスのために必要とされるCO還元剤の全て、または実質的に全てを提供するために十分であり得るように設定することができる。任意選択的に、鉄または鉄鋼製造プロセスのためのCOの一部分は、加えてまたは代わりに、炉への鉄鉱石または他の酸化鉄供給の一部分として導入され得る。より大きい量の電気(例えば、直接還元製鋼プロセスに関して)、またはより小さい量の電気を必要とし得る、関与するプロセスの種類次第で、プラントからのエネルギーインプットの釣合いをとるために、電気は配管網に戻され得るか、または配管網から得られ得る。代わりに、MCFCのサイズは、必要とされる全ての電気エネルギーおよび還元剤を製造することができるように設定され得、MCFCは、プラント必要条件に適するように2つの主要なアウトプットの釣合いをとる燃料利用で作動される。システムの適応性により、所与のプラント内でのプロセス条件の変化に適応させるために、この比率を調節し得る(他の変更の中でも、燃料利用、電圧および/またはインプット/アウトプット温度を調節することにより)。
任意選択的であるが好ましくは、鉄または鉄鋼製造と集積化されたMCFCシステムは、アノード排出物から製造/回収するために利用可能な合成ガスの量を増加させるため、低燃料利用で作動させることができる。これは必要でなくてもよいが、ほとんどのMCFC作動は、典型的に、合成ガスを含むアノード流出物を製造することができるため、ときにアノード合成ガスの製造を最大化することが好ましくなることができる。例えば、燃料利用は、少なくとも約25%、例えば、少なくとも約30%もしくは少なくとも約35%、または少なくとも約40%であり得る。加えてまたは代わりに、燃料利用は、約60%以下、例えば、約55%以下、または約50%以下、または約45%以下、または約40%以下であり得る。低燃料利用値の使用により、アノードアウトプットにおけるH2およびCO含有量の増加を可能にすることができる。アノードアウトプットは次いで、溶鉱炉のための還元性ガスの供給源として使用することができる。必要に応じて、合成ガスアウトプットが全体的なプラントの電気必要条件と平衡状態であり得るように、燃料利用を調節することができる。これにより、別々の配管網動力の必要を潜在的に回避することができ、かつ単一動力発生システムに供給する単一燃料供給源のみによるプラントへのエネルギー自足を提供することができ、そのような状態でのMCFCは、プラント作動のために必要とされる電気および化学的構成要素を提供することができるであろう。代わりに、プラントは、いくつかの電力を両システムによって発生することができるように、かつMCFCシステムが合成ガス製造のために最適化され得るように、MCFCシステムとともにタービンなどの別々の電気発生システムを利用し得る。サイズ、利用可能な燃料供給源、固有の電気需要および他の因子は、(最も)効率的および/または経済的に有利な取り合わせであるこれらの組み合わせのいずれかをもたらし得る。
様々な態様では、集積化された鉄または鉄鋼製造システムにおけるMCFCのための燃料インプットは、好ましくはメタンもしくは天然ガスを含むか、またはメタンもしくは天然ガスであるが、実際に、MCFCと適合性であるいずれの炭化水素材料も可能である。MCFCで直接に改質され得ない炭化水素材料(例えば、C2〜C5軽質ガス)に関して、インプット燃料をメタンさらに合成ガス混合物に変換するために予備改質装置を利用することができる。そのような状態では、好ましくは、アノードインプットガスは改質可能なガスの大きい、または支配的パーセントを含有することができ、合成ガス成分および不活性物質の量を含有し得る。アノードインプットは、好ましくは、除去される硫黄などの不純物を有することができ、これは、従来のシステムによって達成され得、かつインプット燃料の供給源および純度次第で変動し得る。最初に、不純物が除去される改質可能な燃料を含む混合物に変換される場合、石炭および/または他の固形燃料のようなインプット燃料を使用することができる。カソードへのインプットは、鉄還元プロセス排出物から主として誘導され得、1種以上のCO2、H2O、O2および不活性物質を含有する他の流れを含有し得る。空気/酸素を含有する流れは、カソードに十分な酸素を提供するために添加され得、全体的なカソード排出物中の酸素量が全CO2量より多いことを典型的に必要とし得る。
アノードアウトレットからの合成ガス流出物を、CO2および場合によりいくらかの水が流れから除去され得る分離プロセスに送達することができる。分離システムは、溶鉱炉において鉄還元プロセス条件での平衡時、他のガス成分と比較して適切な量のCOを有することができる合成ガス組成物を製造するために十分なH2OおよびCO2を除去するように設計され得る。従来のプロセスとは対照的に、製造されるCOは、硫黄などの不純物をほとんど含まないことができ、石炭および/またはコークを利用するときに通常必要とされる全体的な鉄または鉄鉱製造プラントの周囲での汚染物質制御システムの必要性を単純化する。鉄還元プロセスにおけるCOの消費後、CO2はプロセスからの流出物中に製造され得る。このCO2濃縮流出物流は、次いで、必要に応じて、適切な熱交換後にMCFCカソードへのインプットとして使用することができる。これには、典型的に、蒸気発生が関与することができ、次いで、蒸気タービンからの第2の電気発生を供給することができる。例えば、排出物ガスは、空気または酸素の添加によってさらなる熱を発生させるために次いで燃焼することができる可燃性材料を含有し得る。発生した熱は、様々なプラントプロセスにおいて使用することができるが、燃焼によって発生したCO2は燃焼ガスに残存することができ、その後、カソードに導入されるときに、MCFCシステムによって効果的に濃縮/捕捉することができる。
MCFCシステムを加熱するための燃料の別々の燃焼は、熱交換のための十分な廃熱が鉄または鉄鋼製造プロセスから典型的に利用可能でなければならないため、上記システムのいずれかにおいて低下、または最小化することができる。好ましくは、そのような条件で作動させることにより、利用される燃料電池アレイあたりのより高いCO発生および利用されるMCFCアレイあたりのより大きい炭素捕捉をもたらすことができるため、より低い燃料利用を利用することができる。溶鉱炉オフガスは、加えてまたは代わりに、MCFCインレット/アウトレットと熱集積化され得る。溶鉱炉オフガスの一部分は、カソード供給の少なくとも一部分(または潜在的に全て)として使用することができ、溶鉱炉オフガスの残部は、雰囲気に排出され、かつ/または低CO2排出鉄または鉄鋼製造スキームにおけるCO2分離のために圧縮され得る。
別の実施形態では、H2およびCOは、アノードにおける発生後、分離することができ、H2は、任意選択的であるが好ましくは、様々なプラントプロセスに炭素を含まない加熱を提供するために使用することができ、COは、任意選択的であるが好ましくは、鉄還元において使用することができる。これは全プラントにおけるより少ないCO2供給源を可能にし、CO2回収を、カソード供給ガスとしての導入のために単純化し得る。
アミン捕捉などの従来の炭素捕捉システム以上のMCFCシステムの利点には、アノードから比較的高いパーセント(例えば、少なくとも約90体積%、または少なくとも約95体積%)のCO2を捕捉するためのCO2分離システムのための臨界の欠如を含み得る。従来の捕捉技術とは対照的に、捕捉されないいずれの炭素(COまたはCO2として)もCO2に変換することができ、鉄還元プロセスからカソードインレットにリサイクルすることができ、次いで(典型的に)MCFC膜を通ってアノードへ輸送され、そこでCO2分離プロセスを受ける炭酸塩イオンにほとんど変換することができる。そのような構成のシステムからの唯一のCO2排出は、カソード排出物から生じ得る。プラントの全体的なCO2捕捉効率は、カソードインプットCO2濃度と比較した、カソードを出るCO2濃度の比率をベースとして調節することができ、これは、例えば、MCFCアレイの作動段階の数を調節すること、および/または利用可能な燃料電池面積を増加させるためにMCFC電池の数を調節することによって容易に変更することができる。
図19は、鉄還元プロセスとともに作動される溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)のために適切な構成の実施例を示す。図19の構成は、酸化鉄、例えば、様々な種類の鉄鉱石において見出されるFe2O3および/または他の酸化鉄を銑鉄(約95%Fe)へ還元するために適切であり得る。図19では、蒸気1901および予熱されたメタン1902をMCFC1940のアノードに供給することができる。任意選択的であるが好ましくは、メタン1902を、溶鉱炉オフガスから誘導される流れ1907から熱を回収することにより、熱交換器1991によって予熱することができる。MCFC1940、例えば、約30%の燃料利用で作動されるMCFCは、アノード排出物1903において還元性ガス(例えば、COおよびH2)を生じ得、これは、溶鉱炉に送られ得る。アノード排出物1903は、例えば、熱交換器1992において溶鉱炉オフガス1906からの熱のいくらかを回収することにより、任意選択的であるが好ましくは加熱され得る。加熱されたアノード排出物1904は、予熱器1993において溶鉱炉インレットガス温度(例えば、約1200℃)まで加熱することができ、インレットガス流1905が得られる。溶鉱炉1950の上部への酸化鉄の固体粒子の導入1952のために、従来方法を使用することができる。任意選択的に、酸化鉄の粒子のインプットフロー1952は、鉄生成物から容易に分離することができるスラグの形成を促進することができるフラックス剤、例えばCaCO3とともに導入し得る。酸化鉄の粒子のインプットフロー1952は、溶鉱炉1950の逆流を通って還元性ガス1905まで流動することができ、これは、典型的により底部の方への位置で溶鉱炉1950に入ることができる。還元されたFeは底部フロー1956として炉を出ることができ、CO2およびH2Oを含む炉オフガスは、1906として炉を出ることができる。炉オフガス1906は、熱交換器1992においてアノード排出物1903を加熱するため、かつ/または熱交換器1991においてアノードインプットフロー1902を予熱するためのプロセスと集積化することができる。これらの熱回収プロセスにより、冷却された炉オフガス流1908をもたらすことができる。任意選択的に、さらなる熱は、熱回収蒸気発生器(HRSG)を使用して、炉オフガス流1908から除去することができる。冷却されたオフガス流1908から冷却器1994において水を凝縮することができ、プロセス水1909および比較的高濃度CO2を有するガス1910が生じる。ガス1910は、任意選択的にいくらかのメタンを含有することもできる。ガス流1910のフラクションをバーナーへの供給流1912として分離することができ、かつ酸化供給源(空気)1913および燃料(メタン)1914を使用して燃焼させ、カソード供給1915のために適切な温度で十分なCO2を生じ得る。残りのガス1910は、例えば、使用および/もしくは分離のためのパイプライン品質CO2を製造するために、または雰囲気に排出するために、CO2分離器/圧縮システムに送達1911することができる。加えてまたは代わりに、流れ1912、1913および1914の燃焼からのいくらかの熱は、流れ1904を加熱するために使用され得る。熱回収蒸気発生器(HRSG)は、カソードに送達される前に1915におけるいずれの追加的な熱も除去するために、かつ顆粒の鉄鋼製造プロセスのための蒸気を発生させるために、使用することができる。MCFCは、CO2の好都合なまたは所望の部分、例えば、1915におけるCO2の少なくとも約50%または少なくとも約70%を除去することができ、CO2低下排出物流1916を生じ得る。排出物流1916を雰囲気に排出することができ、かつ/またはカソードインプット流1915の一部分としてリサイクルすることができる。
溶鉱炉とのMCFCの集積化のための構成の実施例
本実施例は、Fe2O3を銑鉄(95%Fe)に還元させる鉄溶鉱炉と集積化されたMCFCシステムを実証する。この実施例のための反応システム構成は、図19に示される構成と同様であった。本実施例の場合、MCFCシステムは、溶鉱炉のための還元性ガスを生じるために、アノードへのメタン蒸気供給によって30%の燃料利用で作動された。溶鉱炉オフガスは、MCFCインレット/アウトレットと熱集積化され、かつそのフラクションをカソード供給として使用することができ、一方、残りは雰囲気に排出することができるか、または低CO2排出鉄/鉄鋼製造スキームにおけるCO2分離のために圧縮することができる。
集積化されたMCFCプロセスのサイズは、約2.8Mトン/年の鉄鋼プラントの溶鉱炉を作動させるために十分な還元性ガスを生じるように設定された。アノード排出物をベースとする溶鉱炉のための還元性ガス供給を発生させることに加えて、MCFCは、鉄鋼プラントの動力他の部分に動力を供給するために、パイプライン輸送(例えば、図19に示すCO2流1911)のためのCO2の分離および圧縮に動力を供給するため、および/または配管網へ戻すために使用することができる約233MWの動力を発生させた。図20は、図19に示される構成と同様の構成を有するシステムにおける様々な位置のフロー組成物の代表的な値を示す。便宜上、図19に示される流れの名称を図20中の流れを示すためにも使用した。なお、アノードアウトプット流1903の組成物は、約30%のアノードでの燃料利用をベースとした。流れ1904および1905の相対的な組成の変化は、水性ガスシフト反応を通した平衡によるものであった。なお、溶鉱炉オフガス1906の組成物は、溶鉱炉における約100%の還元性ガスのシミュレーションされた消費をベースとし、メタンは炉で消費されなかった。実際的なシステムでは、場合により、過剰量の還元性ガスがプロセス安定性を提供するために使用されるであろう。加えて、少量のメタンは、以前に還元された鉄との反応を通して溶鉱炉で消費され、潜在的に、鉄への少数の追加的な炭素の導入、ならびに追加的なH2の生成を導くであろう。しかしながら、溶鉱炉オフガス1906の組成物のこの理想的な計算は、エネルギー含有量および組成物に関する代表的な値を提供する。
なお、同様のサイズの鉄鋼プラントのための従来の構成は、Arastoらによる雑誌の論文(題名:Post−combustion capture of CO2 at an integrated steel mill−Part I:Technical concept analysis;Antti Arastoa,Eemeli Tsuparia,Janne Kaerkia,Erkki Pisilae,Lotta Sorsamaekia,International Journal of Greenhouse Gas Control,16(2013),p.271−277)で報告された。Arastoらの構成では、従来の石炭バーナーおよび溶鉱炉から熱を回収するHRSG−タービンシステムによって135MWが発生した。これは、約2.8Mトン/年の鉄鋼プラントを作動させるために、電気をローカルコミュニティに提供するために、かつ配管網にいくらかを輸送するために十分な動力であった。対照的に、メタン供給における発電のためにMCFCを使用することにより、鉄鋼プラントの過剰量の熱から動力を発生させることとは対照的に、MCFCは、本実施例では、約233MWの動力を発生させた。Arastoらにおいて報告される従来の鉄鋼プラント構成と比較して、集積化されたMCFC−溶鉱炉システムは、より多くの動力を発生させることができて、CO2排出を少なくとも65%低下させることもできる。
精製装置の水素使用および「炭素を含まない」水素とのMCFCの集積化
水素は、様々なプロセスの精製装置内で使用することができる。ほとんどの精製装置は、いくつかのプロセス(例えば、芳香族化合物を製造するためのガソリン改質)において水素を発生させ、かつ他のプロセス(例えば、ガソリンおよびディーゼルブレンド流からの硫黄除去)のために水素を使用する。加えて、精製装置はエネルギーを必要とする反応器を加熱するために、多数の煮沸器、炉および/または他のシステムを有することができる。水素は典型的に、他の燃料供給源よりも有用であり得るため、かつほとんどの精製装置が、全体的な基準で、水素の正味の導入物であるため、これらの加熱および/またはエネルギー発生システムは一般に水素を利用しない。一般に、水素導入は、その場で構築することにより、および/または全体的な精製装置に釣り合いをもたらすために水素の付近の供給源/パイプライン供給源に接近することにより実行され得る。
ほとんどの精製装置プロセスは典型的に高温で実行され、通常、様々な種類の煮沸器(ならびにプロセス蒸気)によって提供される熱を必要とするため、精製装置は一般に多数の加熱システムを含む。これは、サイズが広範囲に渡ることができるCO2の多数の点源をもたらすことができる。接触分解などのいくつかは多量のCO2を発生させることができる一方、他方は適度の量を発生させることができる。CO2のこれらの点源のそれぞれは、全体的な精製装置CO2生成に寄付することができる。ほとんどの集積化された精製装置は、粗製油を生成物に変換することに関して、全体的な基準で、典型的に約70〜95%熱的に効率的であり、典型的に、粗製油または他のインプットにおける精製装置に入った炭素の約5〜30%は、CO2として(空気に)排出され得る。これらの排出の低下は、製造される生成物の単位あたりの精製装置温室効果ガス排出を改善することができる。
様々な態様では、精製装置水素供給とのMCFCシステムの集積化により、全体的な精製装置作動における水素の制約を低減、最小化、または排除することができる。加えてまたは代わりに、それらを「クリーンな」軽質ガスおよび合成ガス混合物に変換することができる限り、このMCFCシステムは、インプットとして、広範囲の種々のオフガスおよび/または他の流れのいずれも使用することができる。なお、軽質ガスおよび/または合成ガス混合物は、存在する不活性物質(例えば、N2、CO2など、およびその組み合わせ)の量に対する制限がそれほどなく、使用することができる。この「インプット集積化」は、加えてまたは代わりに、精製装置作動において全体的効率を合理化する特徴であり得る。より一般に、MCFCシステムは、精製装置作動の4つまでの(または潜在的により多くの)態様に、単一の集積化された解決案を提供することができる:プロセスユニットのための熱の生成、反応物としての水素の生成、炭素の回収および分離、ならびに様々なプロセスからのオフガスおよびパージ流の効率的な利用。
いくつかの態様では、H2は、CO2排出点源を低減、最小化または排除するため、精製装置のバーナーにおいて燃料として使用することができる。H2の集中化した供給は、両目的のため、燃料および反応物の数および種類を減少させることによって全体的な精製装置作動を単純化することができ、1つのみの材料がこれらの目的のために分配され得る。例えば、水素は様々な温度および圧力で使用することができる。MCFCシステムは、水およびCO2の(任意選択的な)分離、および圧力スイング吸着などのいずれかの従来の方法を通したさらなる(任意選択的な)精製後、アノード排出物流から水素を生成することができる。典型的な精製装置必要条件、例えば、少なくとも約80体積%、または少なくとも約90体積%、または少なくとも95体積%または少なくとも98体積%のH2の純度(乾燥基準)まで精製すると、水素含有流は、プロセス使用のために適切な圧力まで加圧することができ、任意選択的なプロセスにパイプ輸送/輸送することができる。水素含有流は複数の流れに分離され得、ここで、より低い純度および/またはより低い圧力の流れをいくつかのプロセスまたはバーナーに送達し得、一方、より高い純度および/またはより高い圧力の流れを他のプロセスに送達し得る。
集積化されたシステムは、加えてまたは代わりに、典型的に有利に電気を発生させることができる。電気発生は、MCFC関連のシステム、例えば、分離システムまたは圧縮器に少なくとも部分的に動力を供給するために、ならびに精製装置の電気需要の少なくとも一部分(例えば、全てまで)に動力を供給するために使用され得る。この電気は、送電損がほとんどないか、または送電損がなく、比較的高い効率で発生させることができる。加えて、電気のいくらかまたは全ては、任意選択的に直流(DC)電気であり得、例えば、DC動力は、変圧器/変換器における通常の損失がなく、いくつかのシステムの作動のために好ましいであろう。いくつかの態様では、MCFCシステムのサイズは、精製装置で必要な動力の一部分(または全て)を提供することができるように、またはさらには、過剰な動力が提供され得るように設定することができる。加えてまたは代わりに、MCFCシステムのサイズは、所望のH2/熱負荷に、および/または電気的負荷に対して設定することができる。さらにまた、システムは、条件範囲を超えて作動され得、電気および水素需要の両方の可変量を許容する。
CO2を発生させる精製装置プロセスの少なくとも一部分、例えば、CO2発生プロセスの大部分またはCO2発生プロセスの全てから回収して、カソードインレットのためのガスのいくつか、または全てとして使用することができる。必要に応じて、これらのガスは、カソードインレットに適切なCO2および酸素の両方とのガス混合物を含むように、空気または他の酸素含有流と混合することができる。これらの流れに存在する燃料成分は、カソードインレットの予熱を提供するために、過剰量の酸素/空気によって典型的に燃焼することができる。全体的なカソードインレットのCO2濃度は、広範囲に変動可能であり、典型的に少なくとも約4体積%、例えば、少なくとも約6体積%、少なくとも約8体積%、または少なくとも約10体積%であり得る。回収された流れが、MCFC作動のために十分なCO2濃度を含有しない場合(または含有する場合でも)、次いで、アノード排出物の分離において、および/または分離プロセスからの1つ以上のオフガスまたはパージ流れから発生するCO2を、カソードインレットにリサイクルすることができる。カソードインレット流のための加熱は、これらの流れのオフガスの燃焼、熱交換および/または可燃性燃料成分の添加から生じ得る。例えば、いくつかの態様では、MCFCシステムは、コークまたはペットコークなどの高炭素材料、および/または石油プロセスからの他の「底部材料」を使用して、インレット流に熱を提供することができ、その材料からの燃焼生成物をカソードのためのCO2供給源として使用することができる。
加えてまたは代わりに、カソードインレット流のためのCO2の少なくとも一部分は、燃焼タービン、例えば、燃料として、メタン/天然ガスを使用することができるタービンによって提供され得る。この種類の構成では、触媒クラッキングなどのプロセスによって発生するCO2は軽減されなくてもよいが、加熱器、煮沸器および/または他のバーナーで発生するCO2は、MCFCによって発生するH2を使用することにより低下または最小化させることができる。
アノードアウトレット流は、高濃度の二酸化炭素、ならびに他の合成ガス成分を含有することができる。典型的に、CO2を効率的にこの流れから除去することができ、様々な他のプロセスのために使用することができるCO2生成物を生成することができる。精製装置から生成される二酸化炭素の有意なフラクションを、MCFCアノードから出すことができるため、CO2の回収は、効率的であり得、かつ非常に単純化され得る。単一点源としてのCO2の回収は、次いで、他の作動(例えば、油田付近の場合のEOR、ガス井への再圧入)のために使用することができ、および/または捕捉/分離することができる。H2生成および電気使用のために、全CO2負荷の大部分、例えば、少なくとも約70%、または少なくとも約80%の除去は、精製装置の作動の温室効果ガスの影響を実質的により低くすることができ、かつ単一プロセス内での電気、水素および熱の効率の高い供給源を追加することにより、全体的な精製装置効率(粗製物から生成物への変換)を改善することができる。
MCFCシステムが精製装置において水素送達システムと集積化される態様では、MCFCシステムのためのアノードインプットは、C2+を低下させるために予め改質された軽質ガス、メタン、ガス化コークまたはビチューメンなどのガス化重質材料、合成ガス、ならびに/または硫黄および他の有害な不純物をクリーニングすることができる他のいずれかの炭化水素材料、ならびにその組み合わせなどの様々な精製装置プロセスから利用可能な多種多様な材料から選択することができる。したがって、MCFCシステムは、適当な事前のクリーンアップにより、各種のインプットのための「処理」として機能することができ、それは、他の場合、精製装置における効率的および有効な使用を有し得る。任意選択的に燃料として燃焼された後、最終的に雰囲気に排出される代わりに、これらの「廃棄物」、「パージ」または他の望ましくない流れにおける炭素の支配的量を、システムによって分離されたCO2として効果的に濃縮/捕捉することができる。カソードインプットは、CO2オフガスを含有するいずれかの精製装置流と、熱交換のために使用され得るアノード排出物または燃焼された新しいメタンからのいずれかのリサイクルであり得るか、またはそれらを含み得る。ほとんどの精製装置は、様々な温度で作動する広範囲の種々のプロセスを有し、適切な精製装置プロセスは、例えば、クリーンアップ冷却および加熱を管理するために、いくつかの熱集積化に関して選択され得る。カソード排出物は、一般に雰囲気に排出され得る。アノード排出物は、そのままで、任意選択的に、いくつかの成分を分離した後、使用することができ、および/またはほとんど全てH2である流れを生成するために、分離および水性ガスシフトを実行することができる。そのような流れの燃焼は、炭化水素燃料の燃焼と比較して、酸化炭素の排出の低下をなおもたらすことができるため、高H2含有量流は、様々な反応プロセスのために望ましい濃度まで精製することができ、一方、燃焼H2は、残留CO、CO2などのより高い濃度を含有することができる。アノード排出物から分離されたCO2は、任意選択的に、例えば、カソードへのインプットとしての使用のためにリサイクルすることができる。加えてまたは代わりに、アノードへの供給は、高CO2含有量を有する天然ガスなど、高CO2不純物を有するものを含み得る。通常の精製装置作動に関して、この種類の流れは、熱または水素発生のいずれかのために使用される場合、精製装置からのCO2排出を増加させることができる。しかしながら、MCFCシステムのアノードに供給する場合、分離段階により、アノード排出物の他のCO2の除去の一部分としてこの追加的なCO2を効果的に除去することができる。
精製装置において異なるCO2供給源から炭素を捕捉することの追加的な問題点は、多くの場合に精製装置流に存在する低濃度CO2であり得る。一般には、ガス流からのCO2の分離のために必要とされるエネルギーは、流れのCO2の濃度に高度に依存する。低CO2濃度、例えば、約10体積%以下のCO2濃度のガス流を発生させるプロセスに関して、高純度CO2流を形成するために、流れからCO2を分離するために実質的なエネルギーが必要となり得る。対照的に、いくつかの態様では、MCFC含有システムの特徴は、比較的低濃度の流れ(例えばカソードインレット流)から、比較的高濃度の流れ(例えば、アノード排出物)までCO2を伝達し得ることであり得る。これは、高純度CO2ガス流を形成するためのエネルギー必要量を低下させることができる。その結果、MCFCは、例えば、分離のためにCO2含有流を形成することを試みる場合に実質的なエネルギー節減を提供することができる。
MCFCによって直接的に発生するアウトプット電気は、典型的に、DC動力としてであり得るが、様々な電流および電圧の組み合わせにおいて、DCおよび/またはAC電源のいずれの好都合な混成も作成するように構成することができる。典型的に、精製装置のための発電所/インプット電気は、共通の高電圧AC電流(例えば約960V)であり得る。溶融炭酸塩形燃料電池が構成される方法のために、いずれのDC電流/電圧および逆に様々なAC電圧を本質的に生成することができる。局所的に生成されたDCは、長距離送電線で典型的な送電損を負う必要はなく、考慮すべき費用およびいくらの効率損失とともに、変換器を必要としない。これにより、圧縮器、ポンプおよび他の構成要素を設計する際、いくらかの適応性を提供することができ、かつ/または送電網および/もしくは局所的電気非効率性を排除することができる。
精製装置内での使用に加えて、水素は、燃焼時に水蒸気のみを生成するため、広範囲の種々の生成物およびプロセスのためにより一般に有用であり得る。しかしながら、水素を生成するためのほとんどの従来のアプローチは、大量の炭素排出を必要とする。例えば、メタンの蒸気改質からの水素の生成は、典型的に、CO2(メタンの炭素から)および廃熱を生成することができる。電気分解からの水素の生成は、化石燃料製造の混合物から電気送電網まで典型的に誘導され得る電気を必要とすることができる。これらの製造システムは、CO2を含む流出排出物を全てもたらすことができる。この流出物は、炭素捕捉が必要な場合、より広範囲にわたる精製装置作動へのいずれの好都合な集積化を用いずに、典型的に、その様々な供給源における別々の炭素捕捉システムを伴う。典型的に、これらの供給源は実際に精製装置ゲートの外側にあることができ、様々な化学、電気および熱インプットおよびアウトプットの相乗効果的な生成/消費がほとんどないか、またはない。
加えてまたは代わりに、本発明によるMCFC含有システムは、分離および水素精製ステップの必要不可欠な部分として、プロセスから効率的にCO2を分離するための手段を提供することができる。次いで、CO2を捕捉することができ、および/または他の有用なプロセスのために使用することができる。これにより、特に小規模でかつ可変負荷下において、正味の水素送出を生成する従来の手段よりはるかに高い全システム効率をもたらすことができる。
電力または熱を発生させ得るその後のプロセスに使用するための水素の生成のためのMCFCシステムの使用により、比較的高効率でかつ低い(最小値)炭素排出による比較的低排出の生成を可能にすることができる。MCFCシステムは、化学エネルギー生成対電気エネルギー生成の比率を調節することにより、水素に関する可変的な要求に動的に応えることができ、過剰量の水素のない純粋な電気生成から高い水素生成まで変化する、負荷および需要がほぼ一定ではあり得ない使用のために理想的であり得る。さらにまた集積化されたMCFCシステムは、メタン蒸気改質装置などのより大規模なシステムよりも、比較的高い効率で、広範囲にわたる用途において規模を設定することができる。
MCFC−水素生成システムは、燃料価のために水素を再利用することにより、炭素捕捉をせずに、従来のシステムよりも低い正味のCO2排出を生成することができるという長所を有することができ、固有のシステムCO2分離の使用により、さらにより低い排出を生成することができる。これは、様々な用途で有用となることができる。水素は、低温/低圧水素を使用することができる燃料電池自動車のために生成することができる。水素および電気の量は、全体的に高いシステム効率を維持する全体的な需要次第で変更することができる。煮沸器および/または他の組み合わせられた熱および動力システムへの送出のための水素は、加熱器/煮沸器および同様のシステムにおけるその後の燃焼による水素の生成により、炭素を含まない可変量の熱とともに、電気の一定の発生、例えば、独立型発生を可能にする。例えば、設置により、夏季は、空調システムのための主として電気を発生させることができ、一方、冬季は、暖房作動のための主として化学エネルギーの混合に切り替えることができるであろう。他の用途には、電気エネルギーの必要性とともに、ある程度の水素が有利であり得る実験室、ならびに他の技術的および製造施設などにおいて、その場で水素を提供するように設計されたシステムが含まれることができる。
水素生成および電力発生が関与する態様では、アノードインレットは、新しいメタン、別の適切な炭化水素燃料、および/または新しい燃料と、様々なプロセスからリサイクルされたCOおよび/またはH2との組み合わせによって供給することができる。H2および/またはCOを含むアノードアウトレット流は、水素を生成する成分を提供することができる。これは、反応、分離および精製ステップのいくつかの組み合わせを通して、典型的に実行することができる。一例は、反応H2O+CO=H2+CO2によって可能な限り多くのCOをH2へシフトするための水性ガスシフトを利用する第1の段階、それに続く、H2からH2OおよびCO2を除去して、適切な純度の生成物を提供する、第2の(その後の)段階であろう。そのような段階は、個々にまたは組み合わせでPSA、低温分離、膜、および他の既知の分離方法を含み得る。これらのステップからのオフガスは、リサイクルすることができ、および/またはインレット流のための熱を提供するために使用することができる。分離されたCO2は、リサイクル流として使用することができ、および/または他のプロセスのために捕捉および/または使用することができる。カソードインレットは、全体的なプロセスからリサイクルされたCO2、および/またはインレット流に熱を提供するために使用される新しい(またはリサイクルされる)燃料の燃焼によって生成されたCO2から構成され得る。カソード流出物は、典型的に、任意選択的であるが好ましくは、例えば、他のプロセス流のための熱を提供するため、および/または組み合わせられた循環電気発生において熱回収後、雰囲気に排出され得るが、必要に応じて、カソード流出物は、任意選択的であるが、より好ましくはないが、さらなる処理のために送達され得るであろう。
炭素を含まない熱および動力用途に集積化されたMCFCシステムを、より低い水素生成による燃料利用(例えば、60〜70%)から、高い水素生成のためのより低い燃料利用(例えば、20〜30%)までの範囲の作動条件の範囲において使用することができる。個々の用途の正確な作動範囲は、用途によりおよび時間とともに広範囲に変更され得る。この動作範囲に適応させる能力は、望ましい利点であり得る。分離段階の数および/または達成された純度は、最終的な用途次第であり得る。低排出熱のための水素の単純な生成は、水素中の適度の不純物に耐性であり得、数パーセントのCO2および/またはCOさえも非常に低い全排出をもたらし得る。燃料電池自動車および/または実験室用水素などの高精製用途は、純度仕様を達成するために、複数のステップ(例えば、PSAがその後に続く低温分離)を必要とし得る。
水素を複数の精製装置プロセスに提供することの一例として、MCFCは、電気、ならびにH2、CO2およびH2Oを含有するアノード排出物を発生させるために作動させることができる。アノード排出物から(または代わりに、アノード排出物から誘導されるガス流から)CO2および/またはH2Oを分離するために、1つ以上の分離を使用することができる。これは、アノード排出物と比較して、増加したH2の体積パーセントを有する第1のガス流をもたらすことができる。次いで、分離は、第1のガス流より高いH2の体積パーセントを有する第2のガス流を形成するために、第1のガス流において実行することができる。第1のガス流の残りの部分は、次いで、水素に関してより厳しくない必要条件のプロセスで使用するために、第1の圧力まで圧縮することができ、一方、第2のガス流は、より高い圧力および/またはより高い純度の水素インプットを必要とするプロセスにおいて使用するために、第2の圧力まで圧縮することができる。
実施例 − 精製装置水素供給とのMCFCの集積化
下記の実施例では、エネルギー供給源として燃料の燃焼を使用する、様々なバーナー、煮沸器および/または他のユニットに供給するための水素供給源としてMCFCシステムが使用された構成に関して、計算を実行した。以下の実施例は、燃焼反応に水素を供給することに焦点を合わせたが、MCFCによって発生する水素は、加えてまたは代わりに、燃焼以外の目的のために水素を使用することができる1つ以上のプロセス(例えば、複数のプロセス)に供給するために使用され得るであろう。例えば、MCFCによって発生する水素は、精製装置内の1つ以上の水素化反応器において使用することができる。
以下の実施例では、カソードに関するCO2は、CO2の外部供給源を使用することに基づいて算出された。便宜のため、炭素の潜在的な点源のそれぞれに対して従来のアミン洗浄を使用することなどの別の方法によってCO2の捕捉を試みることと比較して、CO2排出の低下のためにMCFCを使用するエネルギー利点を実証する際に選択を実行した。比較のために、比較的希薄なCO2流(例えば、約10体積%以下のCO2を有する流れ)からCO2を捕捉するためにモノエタノールアミン(MEA)を使用することをベースとするアミン洗浄を使用するための典型的な予想されるエネルギー費用は、約3GJ/トンCO2であった。このエネルギー費用の実質的な部分は、アノード排出物流におけるCO2を濃縮するためにMCFCを使用することによって回避することができる。なお、CO2が、カソードインプットの一部分として使用するために、精製装置内の様々な点源から回収される実施形態では、いくつかの追加的なエネルギー費用は、MCFCにCO2流を送達するために必要とされ得る。しかしながら、その費用は、別々のアミン洗浄が中心アミン洗浄へのCO2の供給のために同様の費用を受ける必要がある従来の構成のために必要とされる追加的なエネルギー非効率性により、かつ/またはCO2の点源のそれぞれに別々のアミン洗浄を有することによって受けられる追加的なエネルギー非効率性により、少なくともほとんどまたはほぼ相殺されるもの(超過しない場合)であり得る。
以下の構成実施例は、精製装置における消費のために水素を提供するためにMCFCを作動させるための2つの代替案を提供する。第1の構成のための計算において、ガスタービンは電気を発生させて、カソードインプットのためのCO2の供給源を提供するために使用された。第2の構成のための計算において、追加的なメタンは、燃料電池を作動させるために熱およびCO2を提供するために燃焼された。両構成では、アノード排出物は、CO2(例えば、分離のため)をH2(精製装置において燃料のために使用される)から分離する1つ以上の分離段階において処理された。
これらの実施例では、計算は、約500kbdの原油を処理することができる典型的な精製装置の熱必要条件を供給するために実行された。捕獲/分離機構が使用されないならば、約500kbdの精製能力を有する精製装置は、加熱システムに約118Mscf/日の天然ガス(または1日あたり約3.34×106m3)を使用することができ、これにより、捕捉/分離機構が使用されない場合、燃焼からほぼ118Mscf/日のCO2排出を生成することができる。以下の実施例は、MCFCプロセスを、低CO2排出による分配された加熱を提供するために約500kbdシステムで精製装置ガス燃焼加熱器システムと集積化する。
図21は、燃焼ガスタービン、MCFCシステム、およびH2を燃焼させる精製装置広範囲燃焼加熱器と集積化された処理のためのシステムの実施例を概略的に示す。図21のシステムは、タービンが、精製装置加熱システムを動作するためにMCFCシステムにおいて十分なH2を生成するために、カソードにおいて必要とされるCO2供給を発生させることができるように構成される。空気2101およびメタン2102は、燃焼ガスタービン2150に供給されて、燃焼され、ホットカソード供給2103を生成した。ホットカソード供給2103の過剰量の熱は、アノードメタン供給2104を予熱するために使用され、これは次いでMCFC2140のカソードに供給2105され得る。アノードメタン供給2104および蒸気2106は、MCFC2140のアノードに供給された。MCFCは、高温で低CO2含有量カソード排出物2107を生成することができる。態様に従って、MCFCは、低燃料利用(例えば、約25%〜約60%、例えば、少なくとも約30%、または少なくとも約40%、または約50%以下、または約40%以下の燃料利用)で作動することができる。加えてまたは代わりに、MCFCは、より従来の燃料利用で作動され得る(例えば、約70%以上であるが、従来の燃料利用は、典型的に70%〜75%であり得る)が、アノード排出物から回収され得る潜在的なH2の量が低下し得るため、これは好ましくない。熱は、カソード排出物が雰囲気に排出される(またはさらに処理される)前に、HRSG(Heat Recovery Steam Generationシステム)においてカソード排出物2107から回収することができる。アノード排出物2108をHRSGにおいて冷却することができ、かつ/または水性ガスシフト反応段階2160においてシフトすることができる。シフトされたガス2109は、主にH2およびCO2であって、分離ユニット2170を通過させることができ、CO2流2110およびH2流2111を生成することができる。CO2流2110を圧縮することができ、使用のために販売および/または分離することができる。H2流2111は、加熱燃料として精製装置加熱器に分配され得る。H2流2111のそれぞれの部分的流れは、精製装置の1つ以上の位置に配置することができるバーナー2180において酸化剤(空気)2112によって燃焼することができ、それによって実質的にCO2排出のない熱を提供することができる。図21と同様の構成に関して、図22は、構成内のフロー体積に関する代表的な値を示す。
図23は、MCFCシステム、ならびにメタンおよび水素バーナーを有する精製装置燃焼加熱器と集積化された処理のためのシステムの別の実施例を概略的に示す。このシステムは、メタンバーナーが、残りの水素バーナーを動作するためにMCFCシステムにおいて十分なH2を生成するためにカソードにおいて必要とされるCO2供給を発生させることができるように構成された。メタン2301および酸化剤(空気)2302は、メタンバーナー2390に分配することができる。オフガス2303をメタンバーナーから回収することができて、供給予熱器2345に送ることができる。メタン2304、酸化剤(空気)2305およびオフガス2303を予熱器2345で燃焼し、ホットカソード供給2306を生成することができる。2306の過剰量の熱は、アノード(メタン)供給2307を予熱するために使用することができて、2308においてカソードに供給され得る。予熱されたメタン2309および蒸気2310は、アノードに供給された。MCFC2350は、比較的高温で、低CO2含有量カソード排出物2311を生成することができる。熱は、雰囲気に排出されるか、またはさらなる処理(図示せず)のために送達される前に、HRSGにおいてカソード排出物2311から回収することができる。アノード排出物2312は、HRSGにおいて冷却することができて、2360においてシフトされ得る。シフトされたガス2313は、主にH2およびCO2であって、分離ユニット2370を通過させることができ、CO2流2314およびH2流2315を生成することができる。H2流2315は、水素バーナー2380に分配され得る。それぞれの部分的流れは、精製装置の1つ以上の位置に配置することができるバーナー2380において酸化剤(空気)2316によって燃焼することができ、それによって実質的にCO2排出のない熱を提供することができる。図23と同様の構成に関して、図24は、構成内のフロー体積に関する代表的な値を示す。
図21および23と同様の構成をベースとして、かつ図22および24と同様のプロセスフローをベースとして、相対的な正味の動力発生は、MCFCと集積化された精製装置に関して、炭素を分離するために算出された。これは、アミン洗浄システムがそれぞれの点源に関する炭素捕捉のために使用される従来の精製装置システムのための正味の動力発生に関する計算と比較された。上記の通り、典型的な希薄な精製装置流(例えば、約2体積%〜約8体積%のCO2を含有する流れ)からCO2を捕捉するために代表的なアミン洗浄(例えば、MEAによる)を使用することにより、約3GJ/トンのCO2を捕捉することができる。表6は、従来のアミン洗浄法と比較して、図21および23と同様の本発明の構成(流れ2110または流れ2314などのCO2流をもたらすことができる)に関する比較を示す。表6の比較に関して、%CO2排出低下は、MCFCのアノードを通過する炭素のパーセントを表す。表6に示される算出された値をベースとし、精製装置バーナーのためのH2を提供し、CO2を中央に分離するMCFCの使用は、追加的な利用可能な動力の発生をもたらすことができる。これは特に、従来の構成を使用してCO2を分離するための実質的な動力必要条件と対照的であり得る。
MCFCシステムと集積化された低温燃焼排出物供給源
低温燃焼排出物供給源は、燃料電池における使用前に冷却することを必要とする、CO2およびO2(または場合により空気の添加とともにCO2のみ)を含有するいずれの流れも含み得る。一般に、これは、カソードにおいてNi触媒を汚染するいくつかの汚染物質(例えば、硫黄、金属)を有する直接的な結果であり得る。これらの目的のために、少量のNOxまたはSOxは、典型的にカソードNi触媒に対して有害であるとは考えられない。高濃度の汚染物質を含有する燃焼排出物供給源に関して、最初の燃焼流出物は、不純物を除去することができる温度まで冷却される必要があり、次いで、例えば、カソード流出物との熱交換により、MCFC作動温度まで再加熱することができる。
低温燃焼排出物供給源の例には、石炭発電所などの石炭燃焼供給源、ならびに木材および他のバイオマス燃焼からなどのリグニン燃焼を含み得る。他の「汚染した」燃料としては、石油様バンカー燃料、またはクリーンアップが必要とされるには十分な不純物が存在する他の重質マリン燃料から誘導される重質燃料を含み得る。
複合システムは、他の場合に可能であるよりもクリーンに複数の作動を実行する能力を提供することができる。例えば、リグニン(例えば、セルロースエタノール製造から)を燃焼して、CO2を生成し、不純物が除去されるように十分冷却するように熱交換して、次いで、CO2流をカソードインレットとして発酵からのCO2オフガスと組み合わせることができる。このCO2は、次いで(アノードのメタンとともに)プラントの作動に動力を供給するための電力、および生物燃料用のより低温における他の反応器に動力を供給するための余熱を発生させる。残留CO2を分離/捕捉することができ、次いで、これによりプラントからの全体的な排出が改善される。重質燃料油を使用する船上システムに関して、船用の必須電力は、熱とともに、かつデフォルトで、非常によりクリーンな全排出物とともに(たとえCO2が排出されるとしても)提供され得る。石炭燃焼に関して、利点は、CO2排出の低下への潜在性をベースとすることができるが、これ(および他の事例)のための過剰量の合成ガスを発生させる能力も、「汚染した」材料の主要な燃焼における燃焼補助として使用することもできる。そのような態様では、燃焼補助として使用されたH2またはH2/COは、より低品質燃料の燃焼特徴を改善することができ、第1によりクリーンで/より効率的な燃焼を可能にする。加えて、H2などの過剰量の合成ガスを、実際にいずれかの追加的な装置を構築することなく必要な構成要素を提供する事前の材料のクリーンアップ操作(例えば、水素化脱硫)において使用することができる。
カソードインプットは、冷却、汚染物質除去および熱交換による再加熱後、燃焼供給源であり得る。燃焼する材料の事前のクリーンアップいくつかは、H2がMCFCから誘導される水素処理によって実行され得る。カソードインプットは、リーンな条件での新しいメタン燃焼、またはより多くのO2が必要である場合、空気で補足され得る。カソードアウトプットは、雰囲気に排出され得る。アノードインプットは、メタン、天然ガスまたは他の改質可能燃料であり得るが、存在する場合、部分的にガス化された材料(ガス化されたバイオマスまたは石炭)および事前に改質された軽質炭化水素によって増加されることもできる。アノード排出物のH2は、分離および/またはリサイクルされ得る。
水素タービンとの集積化
いくつかの態様では、低炭素動力を発生させることの目的は、高いCO2捕捉効率を維持しながら、かつ/または効率的に既存のシステムを利用しながら、全電力アウトプットを増加または最大化することであり得る。従来のシステムでは、ガスタービンが、カソードに熱およびCO2を提供するカソードインレットの成分として役立つCO2を含む排出物流を生成するように、ガスタービンをMCFCシステムに接続することができる。この構成に関して、文献で既知であるように、CO2は従来の手段によって捕捉することができ、MCFCシステムは、通常の作動条件でMCFC内の熱バランスを維持するために、比較的高い燃料利用(典型的に約70%〜約80%、または約75%より高い)で作動させることができる。
MCFCの効率的な利用は、過剰量の燃料、例えば、メタンを処理するため、かつ排出物としての過剰量の合成ガスを生成するための燃料利用を低下させることによって改善することができる。この排出物/流出物は、様々な化学的および工業的目的のために有用であり得る合成ガス流を与えるために、様々な分離を受けることができる。しかしながら、合成ガスが供給源量として有用ではない場合、および/または発電が主な目標であり得る場合、合成ガス流の生成は追加的な低炭素動力を提供し得ない。
様々な態様では、任意選択的であるが好ましくは、一貫した高炭素捕捉を提供しながら、固定されたMCFCシステムからの電力の増加した、または最大化された量を発生させるためのシステムおよび方法が提供される。いくつかの態様では、そのようなシステムは、MCFCカソードのためのCO2供給源として従来のガスタービンの使用、合成ガスの高い量の生成のための低い燃料利用、ならびにMCFCアノード排出物から誘導される水素の増加する生成を可能にすることができる分離および/または変換システムの組み合わせを組み合わせることによって提供することができる。次いで、アノード排出物から誘導されるこの水素流は、第2の水素タービンに導入することができ、そこで、追加的な動力は、CO2の低下または最小化された排出とともに発生させることができる。第2のタービンは、アノード排出物から誘導される水素含有流によって駆動され得るため、第2のタービンに動力を供給するために発生させた追加的なCO2の量は、例えば、水素含有流における酸化炭素および炭素燃料残留成分に限定され得る。加えてまたは代わりに、アノード排出物からの水素は、他の方法では、例えば、電気を発生させるために次いで使用することができる蒸気を発生させるために水素を燃焼させることにより、電気を発生させるために使用され得る。さらに加えてまたは代わりに、アノード排出物から誘導される水素の一部分は、第1の(従来の)タービンのためのインプットとして使用することができる。これは例えば、第1のタービンのための炭素含有燃料が不活性物質、例えば、CO2および/またはN2の高い含有量を有する場合に有利となることができる。
精製装置内での使用に加えて、水素は燃焼時に水蒸気のみを生成するため、より一般に、広範囲の種々の生成物およびプロセスに有用であり得る。しかしながら、水素を生成するほとんどの従来のアプローチは、炭素の多量の排出を必要とすることができる。例えば、メタンの蒸気改質からの水素の発生は、CO2(メタン中の炭素から)および廃熱を発生させることができる。電気分解からの水素の生成は、化石燃料の混合物の燃焼をベースとする電気配管網に関して典型的に発生する電気を必要とすることができる。これらの製造システムは全て、典型的に、CO2を含む流出物排出物をもたらすことができる。燃料電池自動車などの用途は、高純度水素を利用する低温燃料電池を必要とすることができる。この車両はそれほど多くの炭素排出を生成しないが、車両のための水素の生成は能率が悪くなることができ、より小さい規模に容易に適応されず、かつ有意な炭素排出を生成することができる。
いくつかの追加的または他の態様では、本明細書のシステムおよび方法は、分離および水素精製ステップの必要不可欠な部分として、プロセスから効率的にCO2の分離を促進することができる。次いで、CO2は、他の有用なプロセスのために捕捉および/または使用することができる。これは、正味の水素生成/送出を実施する従来の手段と比較して、特に小規模でかつ可変性の負荷下において、高い全システム効率で生じ得る。
電力および/または熱を発生させ得るその後のプロセスに用いられる水素生成のためのMCFCシステムの使用は、高い効率でかつ低下または最小化された炭素排出を伴って、低排出エネルギーの発生を可能にすることができる。MCFCシステムは、化学エネルギー生成対電気エネルギー生成の比率を調節することにより、水素に関する可変的な要求に動的に応えることができ、かつ過剰量の水素が少ないかまたは過剰量の水素がない高い電気生成から高い水素生成まで変化する、負荷および需要が一定ではあり得ない使用のために適切であり得る。加えて、集積化されたシステムは、メタン蒸気改質などのより大規模なシステムと比較して、高い効率で、広範囲にわたる用途において規模を設定することができる。これにより、例えば、他の使用、燃例えば、料電池自動車システムのため、および可変性の電力のため、または単に電力アウトプットを変化させるための水素の共生産が可能となる。
例えば、いくつかの作動構成では、異なる電気および水素生成値が得られるようにMCFCシステムを可変的な燃料利用で動作しながら、ベースガスタービン(例えば、炭素含有燃料の燃焼によって駆動されるタービン)は一定の高効率条件で動作され得、それにより全システムからの電気アウトプットを制御し得る。全体的な高いシステム効率を維持しながら、水素および電気の量は、全体的な需要次第で変更することができる。煮沸器および/または他の組み合わせられた熱および動力システムへの送出のための水素は、加熱器/煮沸器および/または同様のシステムにおけるその後の燃焼による水素の生成により、炭素を含まない可変性の量の熱とともに、電気の一定の発生、例えば、独立型発生を可能にする。例えば、設置により、夏季は、空調システムのための主として電気を発生させることができ、一方、冬季は、暖房作動のための主として化学エネルギーの混合に切り替えることができるであろう。高い電気需要中、増加された水素は、最大化された電気発生のために水素タービンに送られ得る。他の用途には、電気エネルギーの必要性とともに、いくらの水素が必要とされ得る実験室、ならびに他の技術的および製造施設などにおいて、その場で水素を提供するように設計されたシステムが含まれることができる。
水素生成および電力発生が関与する態様では、アノードインレットは、新しいメタン、別の適切な炭化水素燃料、および/または新しい燃料と、様々なプロセスからリサイクルされたCOおよび/またはH2との組み合わせによって供給することができる。H2および/またはCOを含むアノードアウトレット流は、水素を生成する成分を提供することができる。これは、反応、分離および精製ステップのいくつかの組み合わせを通して、典型的に実行される。一例は、反応H2O+CO=H2+CO2によって可能な限り多く(ほぼ全て)のCOをH2へシフトするための水性ガスシフトを利用する第1の段階、それに続く、H2からH2Oおよび/またはCO2を除去して、適切な純度の生成物を提供することができる、第2の(潜在的にその後の)段階であり得る。そのような段階は、個々にまたは組み合わせでPSA、低温分離、膜、および/または他の既知の分離方法を含み得る。これらのステップからのオフガスは、リサイクルすることができ、かつ/またはインレット流のための熱を提供するために使用することができる。分離されたCO2は、リサイクル流として使用することができ、かつ/または他のプロセスのために捕捉および使用することができる。カソードインレットは、全体的なプロセスからリサイクルされたCO2、および/またはインレット流に熱を提供するために使用される新しい(またはリサイクルされる)燃料の燃焼によって生成されたCO2から構成され得る。いくつかの好ましい態様では、カソードインレットは、第1の従来の燃焼タービンからの燃焼排出物の少なくとも一部分を含み得る。カソード流出物は、典型的に、任意選択的であるが好ましくは、例えば、他のプロセス流のための熱を提供するため、および/または組み合わせられた循環電気発生において熱回収後、雰囲気に排出され得るが、必要に応じて、カソード流出物は、さらなる処理のために、任意選択的であるが、好ましくはないが、送達され得るであろう。
炭素を含まない熱および動力用途に集積化されたMCFCシステムを、低い水素生成による高い燃料利用(例えば、約60〜約70%)から、増加した水素生成による低い燃料利用(例えば、約20〜約60%)を含む作動条件の範囲において使用することができる。低い燃料利用の例には、少なくとも約20%、例えば、少なくとも約30%、および/または約60%以下、例えば、約50%以下を含み得る。個々の用途の正確な作動範囲は、用途によりおよび時間とともに広範囲に変更することができる。この動作範囲に適応させる能力は、望ましい利点であり得る。分離段階の数および達成された純度は、最終的な用途次第であり得る。低排出熱のための水素の単純な生成は、水素中の適度の不純物に耐性であり得、排出された流れにおける数パーセントのCO2および/またはCOさえも非常に低い全炭素排出をもたらし得る。燃料電池自動車および/または実験室用水素などの高精製用途は、純度スペックを達成するために、複数のステップ(例えば、PSAがその後に続く低温分離)を必要とし得る。
他の構成では、熱および/または動力を提供するために過剰量のアノードアウトレット燃料を使用して、燃料利用下でMCFCを作動させることができる。両方の場合、固定されたガスタービンおよびMCFCシステムの「ベース負荷」動力アウトプットは、ほぼ一定のままであり得るが、全体的なプロセス、水素タービンの小さいサブセクションは、可変的負荷のために使用し得ることが利点であり得る。可変的燃料利用および可変的水素タービン供給の組み合わせにより、明確に一貫した作動条件でプラントの主要サブシステムを作動しながら、全体的なプラントが、熱、電気および/または水素需要の多種多様な必要に対処することを可能にすることができる。
図25は、好都合な炭素含有燃料、例えば、天然ガスおよび/またはメタンから低CO2排出動力を発生させることができる集積化された発電MCFCプロセスの実施例のフローシートを示す。このスキームでは、天然ガス燃焼タービン2540は、酸化剤(空気)2501およびメタン/天然ガス2502を燃焼させることができ、動力および排出物ガス流2503を発生させる。排出物2503は、MCFC2530のカソードに供給され得る。MCFC2530のアノードには、追加的燃料(メタン/天然ガス)2505および蒸気2506を供給することができる。電気化学的反応を通して、MCFC2530は動力を発生させることができ、CO2欠乏カソード排出物2504を生成することができ、かつH2/CO2/COを含有するアノード排出物2507を生成することができる。熱はカソード排出物2504から回収され得、次いで、必要に応じて、カソード排出物2504を雰囲気に排出し、かつ/またはさらなる処理を受け得る。アノード排出物2507は、H2濃度を増加させるために、水性ガスシフト反応器2560でシフトされ得る。シフト反応器流出物は、水2508を除去するために分離2570を受けることができ、CO2 2509を回収することができ、H2を含有する分離された流れ2510を形成することができる。CO2含有流2509はパイプライン条件に圧縮され得、次いで使用のために販売され得、異なるプロセスのために使用され得、かつ/または分離され得る。分離された流れ2510は、酸化剤(空気)2511と組み合わせることができ、かつ追加的な動力を発生させるために、水素タービン2550に送ることができる。水素タービン2550からの排出物2512は、主に水およびN2であり得、必要に応じて雰囲気に排出され得、かつ/またはさらなる処理を受け得る。
一例として、図25に示されるシステムと同様の構成を使用して、シミュレーションを実行した。水素タービンが含まれないシステムに関して、比較のシミュレーションも実行した。比較のシミュレーションにおいて、アノード排出物からの燃料(水素を含む)は、代わりに従来のタービンの燃焼領域にリサイクルされた。なお、従来のタービンのサイズは、シミュレーションにおいて一定に保持され、アノード排出物からの燃料のリサイクルは、従来のタービンに送達される新しい天然ガスの量の低下をもたらした。
シミュレーションの結果を図26に示す。図26の結果は、従来の燃料利用、例えば約75%の燃料利用において、第2の水素タービンの使用が有利であり得ないことを示すように見えた。約75%の燃料利用において、この結果は、第2の水素タービンの使用は、発生される正味の動力を低下させながら、電力の発生の全体的な効率を低下させ得ることを示すように見えた。
約50%の燃料利用に関して、図26のシミュレーション結果は、第2の水素タービンで作動することの利点を示すように見えた。第2の水素タービンを有するシステムの全体的な効率は、全体的な効率が、比較例に関してシミュレーションされた約55%に対して約50%であったため、なお、低いように見えた。しかしながら、このシミュレーションは、約50%の燃料利用で作動することにより、比較例のいずれよりも大きい量の動力発生(約624MW)がもたらされることを示すように見え、比較例のいずれと比較しても、1MWhrあたりのCO2のより低い排出(約144lbs/MWhr)を有するようにも見える。約30%の燃料利用におけるシミュレーションは、より低い燃料利用で作動させることにより、より大きい水素体積を生じることのなお大きい利点さえも示すように見えた。このシミュレーションは、有意にCO2排出の量(約113lbs/MWhr)を低下させながら、有意に増加した動力発生(約790MW)を示すように見えた。増加した動力および低下したCO2排出の組み合わせは、シミュレーションにおいて、一部は、捕捉されるCO2の増加した量(約50%燃料利用において、約1.92Mトン/年、約30%燃料利用において、約2.56Mトン/年)のため、達成されるように見えた。その結果、このシミュレーションは、増加した電気エネルギー発生を提供しながら、水素タービンの使用は、約60%以下、例えば、約50%以下の燃料利用と組み合わせて、発生するエネルギーの単位あたり予想外に低いCO2排出を提供し得ることを示すように見えた。
追加的な燃料電池作動戦略
本明細書に記載される燃料電池作動戦略の追加、補足、および/または代替として、燃料電池のために所望の熱比率を達成するために、酸化の量と比較して改質の量を選択することができるように、溶融炭酸塩形燃料電池を作動させることができる。本明細書で使用される場合、「熱比率」は、燃料電池アセンブリで生じる改質反応の吸熱性熱需要で割られた燃料電池アセンブリでの発熱性反応によって発生した熱として定義される。数学的に表すと、熱比率(TH)=QEX/QENであり、QEXは発熱性反応によって発生する熱の合計であり、QENは、燃料電池内で生じる吸熱性反応によって消費される熱の合計である。なお、発熱性反応によって発生する熱は、改質反応、水性ガスシフト反応および電池内での電気化学反応によるいずれかの熱に対応する。電気化学反応によって発生する熱は、燃料電池の実際の出力電圧を差し引いた、電解質全体での燃料電池反応の理想電気化学ポテンシャルをベースとして算出することができる。例えば、MCFCの反応の理想電気化学ポテンシャルは、電池で生じる正味の反応をベースとし、約1.04Vであると考えられている。MCFCの作動中、電池は様々な損失のため、1.04V未満の出力電圧を典型的に有する。例えば、共通の出力/作動電圧は、約0.7Vであり得る。発生する熱は、電池の電気化学ポテンシャル(すなわち約1.04V)から作動電圧を引いたものに等しい。例えば、電池において電気化学反応によって発生する熱は、約0.7Vの出力電圧の場合、約0.34Vである。したがって、このシナリオで、電気化学反応は、約0.7Vの電気および約0.34Vの熱エネルギーを生じる。そのような実施例では、約0.7Vの電気エネルギーは、QEXの一部として含まれない。換言すると、熱エネルギーは電気エネルギーではない。
様々な態様では、熱比率は、燃料電池積層、燃料電池積層内の個々の燃料電池、集積化された改質段階を有する燃料電池積層、集積化された吸熱性反応段階を有する燃料電池積層、またはその組み合わせなどのいずれの好都合な燃料電池構造のためにでも決定することができる。熱比率は、燃料電池または燃料電池積層のアセンブリなどの燃料電池積層内で、異なるユニットに関して算出され得る。例えば、熱比率は、単一燃料電池内の単一アノード、燃料電池積層内のアノード部分、または熱集積化の観点から集積化されるアノード部分に十分に近い、集積化された改質段階および/もしくは集積化された吸熱性反応段階要素とともに燃料電池積層内のアノード部分に関して算出され得る。本明細書で使用される場合、「アノード部分」は、共通のインレットまたはアウトレットマニフォールドを共有する燃料電池積層内でのアノードを含む。
本発明の様々な態様では、燃料電池の作動は、熱比率をベースとして特徴付けることができる。燃料電池が所望の熱比率を有するように作動される場合、溶融炭酸塩形燃料電池は、約1.5以下、例えば約1.3以下、または約1.15以下、または約1.0以下、または約0.95以下、または約0.90以下、または約0.85以下、または約0.80以下、または約0.75以下の熱比率を有するように作動させることができる。加えてまたは代わりに、熱比率が、少なくとも約0.25、または少なくとも約0.35、または少なくとも約0.45、または少なくとも約0.50であり得る。加えてまたは代わりに、いくつかの態様では、燃料電池は、約40℃以下、例えば約20℃以下または約10℃以下のアノードインプットとアノードアウトプットとの間での温度上昇を有するように作動させることができる。さらに加えてまたは代わりに、燃料電池は、アノードインレットの温度より約10℃低温から約10℃高温までのアノードアウトレット温度を有するように作動させることができる。なおさらに加えてまたは代わりに、燃料電池は、アノードアウトレット温度より高い、例えば、少なくとも約5℃高いか、または少なくとも約10℃高いか、または少なくとも約20℃高いか、または少なくとも約25℃高いアノードアウトレット温度を有するように作動させることができる。なおさらに加えてまたは代わりに、燃料電池は、アノードアウトレット温度より約100℃以下まで、例えば、約80℃以下まで、または約60℃以下まで、または約50℃以下まで、または約40℃以下まで、または約30℃以下まで、または約20℃以下まで高いアノードアウトレット温度を有するように作動させることができる。
本明細書に記載される燃料電池作動戦略の追加、補足、および/または代替として、カソード排出流において燃料電池を出るCO2の量を減少または最小化させながらも、合成ガス(または水素)の生成を増加させて、溶融炭酸塩形燃料電池(例えば、燃料電池アセンブリ)を作動させることができる。合成ガスは、様々なプロセスの間の有用なインプットであり得る。燃料価を有することに加えて、例えば、フィッシャー−トロプシュ合成および/またはメタノール合成プロセスのためのインプットとして合成ガスを使用することにより、他のより高い値の生成物を形成するための原材料として、合成ガスを使用することができる。合成ガスを製造するための1つの選択肢は、炭化水素または炭化水素様燃料、例えば、メタンまたは天然ガスを改質することであり得る。工業プロセスの多くの種類に関して、2:1に近い(またはより低い)H2対COの比率を有する合成ガスは、多くの場合に望ましいことができる。水性ガスシフト反応は、アノードで生じるものなどの追加的なCO2が利用可能である場合、合成ガス中のH2対COの比率を低下させるために使用され得る。
溶融炭酸塩形燃料電池を使用して合成ガス発生を集積化することによって提供される全体的な利点を特徴付けることの1つの方法は、カソード排出物中で燃料電池から出るCO2の量に関する、アノード排出物中で燃料電池から出る合成ガスの正味の量の比率をベースとすることができる。この特徴は、低排出および高効率(電気および化学の両方)を有する動力発生の有効性を測定する。本記載では、アノードインレットにおいて存在するH2およびCOの量が差し引かれた、アノード排出物中の合成ガスの正味の量は、アノード排出物において存在する組み合わせられたH2のモル数およびCOのモル数として定義される。比率はアノード排出物における合成ガスの正味の量をベースとするため、単なるアノード中への過剰量のH2の通過では比率の値は変化しない。しかしながら、アノードおよび/またはアノードと関連する内部改質段階における改質によって発生するH2および/またはCOは、比率のより高い値を導くことができる。アノードで酸化される水素は、比率を下げることができる。なお、水性ガスシフト反応は、COに関してH2を交換することができるため、合成ガス中のH2対COの最終的な所望の比率に関係なく、H2およびCOの組み合わせられたモルは、アノード排出物における全体の潜在的合成ガスを表す。次いで、アノード排出物(H2+CO)の合成ガス含有量を、カソード排出物のCO2含有量と比較することができる。これにより、炭素捕捉の量を説明することができる一種の効率価値を提供することができる。これは、以下の等式と同等に表され得る。
アノード排出物中の正味の合成ガス対カソードCO2の比率=(H2+CO)ANODEの正味のモル/(CO2)CATHODEのモル
様々な態様では、アノード排出物中の正味の合成ガスのモル対カソード排出物中のCO2のモルの比率は、少なくとも約2.0、例えば、少なくとも約3.0、または少なくとも約4.0、または少なくとも約5.0であり得る。いくつかの態様では、アノード排出物中の正味の合成ガス対カソード排出物中のCO2の量の比率は、なお高く、例えば、少なくとも約10.0、または少なくとも約15.0、または少なくとも約20.0であり得る。加えてまたは代わりに、約40.0以下、例えば約30.0以下、または約20.0以下の比率値を達成することができる。カソードインレットにおけるCO2の量が約6.0体積%以下、例えば、約5.0体積%以下である態様では、少なくとも約1.5の比率値は十分/現実的であり得る。アノード排出物中の正味の合成ガス対カソード排出物中のCO2の量のそのようなモル比値は、従来の作動された燃料電池に関する値より大きくなることができる。
本明細書に記載される燃料電池作動戦略の追加、補足、および/または代替として、高いCO2利用値、例えば、少なくとも約60%を有しながらも、減少された燃料利用値、例えば、約50%以下の燃料利用で、溶融炭酸塩形燃料電池(例えば、燃料電池アセンブリ)を作動させることができる。この種類の構成では、溶融炭酸塩形燃料電池は、CO2利用が有利に十分に高いことができるため、炭素捕捉のために有効であり得る。電気効率を最大化することを試みるよりはむしろ、この種類の構成では、燃料電池の全体の効率を、組み合わせられた電気および化学効率をベースとして改善することができるか、または増加させることができる。化学効率は、他のプロセスで使用されるためのアウトプットとしてのアノード排出物から水素および/または合成ガス流を引き抜くことをベースとすることができる。電気効率が、いくつかの従来の構成と比較して低下し得るとしても、アノード排出物における化学エネルギーアウトプットを利用することは、燃料電池に関して望ましい全体効率を可能にすることができる。
様々な態様では、燃料電池アノードにおける燃料利用は、約50%以下、例えば、約40%以下、または約30%以下、または約25%以下、または約20%以下であり得る。様々な態様では、少なくともいくらかの電力を発生させるため、燃料電池における燃料利用は、少なくとも約5%、例えば、少なくとも約10%、または少なくとも約15%、または少なくとも約20%、または少なくとも約25%、または少なくとも約30%であり得る。加えてまたは代わりに、CO2利用は、少なくとも約60%、例えば、少なくとも約65%、または少なくとも約70%、または少なくとも約75%であり得る。
本明細書に記載される燃料電池作動戦略の追加、補足、および/または代替として、場合により電気生成および電気効率を損失して、合成ガス生成を増加または最大化する条件で溶融炭酸塩形燃料電池を作動させることができる。燃料電池の電気効率を改善または最大化するために燃料電池の作動条件を選択する代わりに、場合によりアノードに通過される改質可能燃料の量を含む動作条件を、燃料電池の化学エネルギーアウトプットを増加させるために確立することができる。これらの作動条件は、燃料電池のより低い電気効率をもたらし得る。電気効率の低下にもかかわらず、任意ではあるが、好ましくは、作動条件は、燃料電池の組み合わせられた電気効率および化学効率をベースとして、燃料電池の全効率の増加を導くことができる。アノード中に導入される改質可能燃料対実際にアノードにおいて電気化学的に酸化される燃料の比率を増加させることにより、アノードアウトプットにおける化学エネルギー含有量を増加させることができる。
いくつかの態様では、アノードおよび/またはアノードに関連する改質段階に送達されるインプット流中の改質可能燃料の改質可能水素含有量は、アノードにおいて反応する水素の正味の量より少なくとも約50%多く、例えば、少なくとも約75%多く、または少なくとも約100%多くなることができる。加えてまたは代わりに、アノードおよび/またはアノードに関連する改質段階に送達されるインプット流中の燃料の改質可能水素含有量は、アノードにおいて反応する水素の正味の量より少なくとも約50%多く、例えば、少なくとも約75%多く、または少なくとも約100%多くなることができる。様々な態様では、燃料流中の改質可能燃料の改質可能水素含有量対アノードにおいて反応する水素の量の比率は、少なくとも約1.5:1、または少なくとも約2.0:1、または少なくとも約2.5:1、または少なくとも約3.0:1であり得る。加えてまたは代わりに、燃料流中の改質可能燃料の改質可能水素含有量対アノードにおいて反応する水素の量の比率は、約20:1以下、例えば、約15:1以下、または約10:1以下であり得る。一態様では、アノードインレット流の改質可能水素含有量の100%未満を水素に変換することができると考えられる。例えば、アノードインレット流の改質可能水素含有量の少なくとも約80%、例えば、少なくとも約85%、または少なくとも約90%を、アノードおよび/または関連する改質段階で水素に変換することができる。加えてまたは代わりに、アノードに送達される改質可能燃料の量は、アノードで酸化された水素のLHVと比較して、改質可能燃料の低位発熱量(LHV)をベースとして特徴付けることができる。これを、改質可能燃料過剰比率と呼ぶことができる。様々な態様では、改質可能燃料過剰比率は、少なくとも約2.0、例えば、少なくとも約2.5、または少なくとも約3.0、または少なくとも約4.0であり得る。加えてまたは代わりに、改質可能燃料過剰比率は、約25.0以下、例えば、約20.0以下、または約15.0以下、または約10.0以下であり得る。
本明細書に記載される燃料電池作動戦略の追加、補足、および/または代替として、燃料電池の組み合わせられた電気効率および化学効率を改善または最適化することができる条件でも溶融炭酸塩形燃料電池(例えば、燃料電池アセンブリ)を作動させることができる。燃料電池の電気効率を最大化するための従来の条件を選択する代わりに、作動条件は、燃料電池のアノード排出物における過剰量の合成ガスおよび/または水素のアウトプットを可能にすることができる。合成ガスおよび/または水素は、化学合成プロセスおよび「クリーン」燃料として使用するための水素の回収を含む様々な用途で使用することができる。本発明の態様では、燃料電池のための燃料インプットのエネルギー値と比較して、生成される合成ガスおよび/または水素の化学エネルギー値をベースとする化学効率を含む高い全体効率を達成するために、電気効率を低下させることができる。
いくつかの態様では、燃料電池の作動は、電気効率をベースとして特徴付けることができる。燃料電池を低い電気効率(EE)を有するように作動させる場合、溶融炭酸塩形燃料電池を、約40%以下の電気効率、例えば、約35%以下のEE、約30%以下のEE、約25%以下のEE、または約20%以下のEE、約15%以下のEE、または約10%以下のEEを有するように作動させることができる。加えてまたは代わりに、EEは、少なくとも約5%、または少なくとも約10%、または少なくとも約15%、または少なくとも約20%であり得る。さらに加えてまたは代わりに、燃料電池の作動は、燃料電池の組み合わせられた電気効率および化学効率などの全燃料電池効率(TFCE)をベースとして特徴付けることができる。燃料電池を高い全燃料電池効率を有するように作動させる場合、溶融炭酸塩形燃料電池は、約55%以上、例えば、約60%以上、または約65%以上、または約70%以上、または約75%以上、または約80%以上、または約85%以上のTFCE(および/または組み合わせられた電気効率および化学効率)を有するように作動させることができる。なお、全体燃料電池効率ならびに/または組み合わせられた電気効率および化学効率に関して、燃料電池によって発生する過剰量の熱の使用から発生するいずれの追加的な電気も効率計算から排除することができる。
本発明の様々な態様では、燃料電池の作動は、約40%以下の所望の電気効率および約55%以上の所望の全体燃料電池効率をベースとして特徴付けることができる。燃料電池が、所望の電気効率および所望の全体燃料電池効率を有するように作動される場合、溶融炭酸塩形燃料電池は、約55%以上のTFCEとともに約40%以下の電気効率、例えば、60%以上のTFCEとともに約35%以下のEE、約65%以上のTFCEとともに約30%以下のEE、約70%以上のTFCEとともに約25%以下のEE、または75%以上のTFCEとともに約20%以下のEE、80%以上のTFCEとともに約15%以下のEE、または約85%以上のTFCEとともに約10%以下のEEを有するように作動され得る。
本明細書に記載される燃料電池作動戦略の追加、補足、および/または代替として、増加した電力密度を提供することができる条件で溶融炭酸塩形燃料電池(例えば、燃料電池アセンブリ)を作動させることができる。燃料電池の電力密度は、実際の作動電圧VAに電流密度Iを乗算した値に対応する。電圧VAで作動される溶融炭酸塩形燃料電池に関して、燃料電池は、電流密度Iを提供する燃料電池に関するVAと理想電圧V0との間の差異をベースとして(V0−VA)*Iとして定義される廃熱も発生させる傾向があることができる。この廃熱の一部分は、燃料電池のアノード内での改質可能燃料の改質によって消費され得る。この廃熱の残りの部分は、包囲する燃料電池構造およびガスフローによって吸収され得、燃料電池全体で温度差がもたらされる。従来の作動条件で、燃料電池の電力密度は、燃料電池が燃料電池の完全性を悪化させることなく耐えることができる廃熱の量をベースとして制限され得る。
様々な態様では、燃料電池が耐えることができる廃熱の量は、燃料電池内で吸熱性反応の有効な量を実行することによって増加させることができる。吸熱性反応の一例には、燃料電池アノード内および/または関連する改質段階、例えば、燃料電池積層における集積化された改質段階において改質可能燃料の蒸気改質が含まれる。追加的な改質可能燃料を燃料電池のアノード(または集積化された/関連する改質段階)に提供することにより、追加的な廃熱を消費することができるように追加的な改質を実行することができる。これにより、燃料電池全体での温度差の量を低下させることができ、したがって、廃熱の量を増加させた作動条件で燃料電池を作動させることが可能となる。電気効率の損失は、合成ガスおよび/またはH2などの追加的な生成物流の生成によって相殺され得、これを、システムの動力範囲をさらに延在させる追加的な発電を含む様々な目的のために使用することができる。
様々な態様では、燃料電池によって発生する廃熱の量、上記で定義された(V0−VA)*Iは、少なくとも約30mW/cm2、例えば、少なくとも約40mW/cm2、または少なくとも約50mW/cm2、または少なくとも約60mW/cm2、または少なくとも約70mW/cm2、または少なくとも約80mW/cm2、または少なくとも約100mW/cm2、または少なくとも約120mW/cm2、または少なくとも約140mW/cm2、または少なくとも約160mW/cm2、または少なくとも約180mW/cm2であり得る。加えてまたは代わりに、燃料電池によって発生する廃熱の量は、約250mW/cm2未満、例えば、約200mW/cm2未満、または約180mW/cm2未満、または約165mW/cm2未満、または約150mW/cm2未満であり得る。
発生する廃熱の量が比較的高くなることができるが、そのような廃熱が、低い効率で燃料電池を作動させることを必ずしも表し得るというわけではない。代わりに、廃熱は、増加した電力密度で燃料電池を作動させることによって発生することができる。燃料電池の電力密度を改善することの一部分は、十分に高い電流密度で燃料電池を作動させることを含み得る。様々な態様では、燃料電池によって発生する電流密度は、少なくとも約150mA/cm2、例えば、少なくとも約160mA/cm2、または少なくとも約170mA/cm2、または少なくとも約180mA/cm2、または少なくとも約190mA/cm2、または少なくとも約200mA/cm2、または少なくとも約225mA/cm2、または少なくとも約250mA/cm2であり得る。加えてまたは代わりに、燃料電池によって発生する電流密度は、約500mA/cm2以下、例えば450mA/cm2以下、または400mA/cm2以下、または350mA/cm2以下、または300mA/cm2以下であり得る。
様々な態様では、発電を増加させ、廃熱の発生を増加させて、燃料電池を作動させることを可能にするために、吸熱性反応(例えば、改質反応)の有効な量を実行することができる。代わりに、アノード作動とは無関係な他の吸熱性反応を使用して、流体連通ではなく熱連通する燃料電池配列に「プレート」または段階を散在させることにより、廃熱を利用することができる。吸熱性反応の有効な量は、吸熱性反応を実行するための関連する改質段階、集積化された改質段階、集積化された積層要素、またはその組み合わせにおいて実行することができる。吸熱性反応の有効な量は、燃料電池インレットから燃料電池アウトレットへの温度上昇を、約100℃以下、例えば、約90℃以下、または約80℃以下、または約70℃以下、または約60℃以下、または約50℃以下、または約40℃以下、または約30℃以下まで低下させるために十分な量に対応し得る。加えてまたは代わりに、吸熱性反応の有効な量は、約100℃以下、例えば、約90℃以下、または約80℃以下、または約70℃以下、または約60℃以下、または約50℃以下、または約40℃以下、または約30℃以下、または約20℃以下、または約10℃以下の燃料電池インレットから燃料電池アウトレットまでの温度減少を生じるのに十分な量に対応し得る。燃料電池インレットから燃料電池アウトレットへの温度減少は、吸熱性反応の有効な量が、発生する廃熱より多い場合に生じ得る。加えてまたは代わりに、これは、吸熱性反応(例えば、改質および別の吸熱性反応の組み合わせ)が、燃料電池によって発生する廃熱の少なくとも約40%を消費すること、例えば、廃熱の少なくとも約50%、または廃熱の少なくとも約60%、または廃熱の少なくとも約75%を消費することに対応し得る。さらに加えてまたは代わりに、吸熱性反応は、約95%以下の廃熱、例えば、約90%以下の廃熱、または約85%以下の廃熱を消費することができる。
本明細書に記載される燃料電池作動戦略の追加、補足、および/または代替として、減少された作動電圧および低い燃料利用に対応する条件で溶融炭酸塩形燃料電池(例えば、燃料電池アセンブリ)を作動させることができる。様々な態様では、燃料電池を、約0.7ボルト未満、例えば、約0.68V未満、約0.67V未満、約0.66V未満または約0.65V以下の電圧VAで作動させることができる。加えてまたは代わりに、燃料電池を、少なくとも約0.60、例えば、少なくとも約0.61、少なくとも約0.62、または少なくとも約0.63の電圧VAで作動させることができる。そのような場合、他の場合には高電圧において電気エネルギーとして燃料電池から出るエネルギーは、電圧が低下されるため、熱として電池に残存することができる。この追加的な熱により、吸熱性反応の増加が生じることが可能となり、例えば、合成ガスへのCH4変換を増加させる。
定義
合成ガス:本記載では、合成ガスは、いずれかの比率でのH2とCOとの混合物として定義される。任意選択的に、H2Oおよび/またはCO2が合成ガスに存在し得る。任意選択的に、不活性化合物(例えば、窒素)および残留する改質可能燃料化合物が合成ガスに存在し得る。H2およびCO以外の成分が合成ガスに存在する場合、合成ガス中のH2およびCOの組み合わせられた体積パーセントは、合成ガスの全体積と比較して、少なくとも25体積%、例えば、少なくとも40体積%、または少なくとも50体積%、または少なくとも60体積%であり得る。加えてまたは代わりに、合成ガス中のH2およびCOの組み合わせられた体積パーセントは、100体積%以下、例えば、95体積%以下、または90体積%以下であり得る。
改質可能燃料:改質可能燃料は、H2を発生させるために改質可能炭素−水素結合を含有する燃料として定義される。アルコールなどの他の炭化水素化合物のように、炭化水素は改質可能燃料の例である。COおよびH2Oは、水素を形成するための水性ガスシフト反応に関与することができるが、COはこの定義での改質可能燃料とは考えられない。
改質可能水素含有量:燃料の改質可能水素含有量は、燃料を改質して、次いで、H2生成を最大化するために水性ガスシフト反応を完了させることにより、燃料から誘導することができるH2分子の数として定義される。なお、本明細書では、H2自体は改質可能燃料として定義されないが、定義によるH2は1の改質可能水素含有量を有する。同様に、COは1の改質可能水素含有量を有する。COは厳密には改質可能ではないが、水性ガスシフト反応を完了させることにより、H2に対するCOの交換がもたらされる。改質可能燃料に関する改質可能水素含有量の例として、メタンの改質可能水素含有量は4H2分子であり、エタンの改質可能水素含有量は7H2分子である。より一般に、燃料が組成CxHyOzを有する場合、100%の改質および水性ガスシフトにおける燃料の改質可能水素含有量は、n(H2最大改質)=2x+y/2−zである。この定義をベースとして、電池内の燃料利用は、次いで、n(H2ox)/n(H2最大改質)として表することができる。当然ながら、成分の混合物の改質可能水素含有量は、個々の成分の改質可能水素含有量をベースとして決定することができる。酸素、硫黄または窒素などの他のヘテロ原子を含有する化合物の改質可能水素含有量も同様の方法で算出することができる。
酸化反応:本考察では、燃料電池のアノード内の酸化反応は、CO3 2−との反応によってH2OおよびCO2を形成する、H2の酸化に対応する反応として定義される。なお、炭素−水素結合を含有する化合物が、H2およびCOまたはCO2へ変換されるアノード内での改質反応は、アノードにおける酸化反応のこの定義から排除される。水性ガスシフト反応は、酸化反応のこの定義の他は同様である。さらになお、燃焼反応への参照は、燃焼発電機の燃焼領域などの非電気化学的バーナーにおいて、H2または炭素−水素結合を含有する化合物がO2と反応して、H2Oおよび酸化炭素を形成する反応への参照として定義される。
本発明の態様は、燃料電池のための所望の作動範囲を達成するために、アノード燃料パラメータを調節することができる。アノード燃料パラメータは、直接、および/または1つ以上の比率の形態で他の燃料電池プロセスに関して、特徴付けることができる。例えば、アノード燃料パラメータは、燃料利用、燃料電池発熱量利用、燃料過剰比率、改質可能燃料過剰比率、改質可能水素含有量燃料比率、およびその組み合わせを含む1つ以上の比率を達成するために、制御することができる。
燃料利用:燃料利用は、燃料電池に関する燃料利用を定義するために使用することができるインプット流の改質可能水素含有量と比較して、酸化された燃料の量をベースとするアノードの作動を特徴付けるための選択である。本考察では、「燃料利用」は、(上記の通り)電気の発生のためにアノードで酸化された水素の量と、アノードインプットの改質可能水素含有量(いずれかの関連する改質段階も含む)との比率として定義される。改質可能水素含有量は、上記の通り、燃料を改質して、次いで、H2生成を最大化するために水性ガスシフト反応を完了させることにより、燃料から誘導することができるH2分子の数として定義される。例えば、アノードに導入され、かつ蒸気改質条件に暴露されるそれぞれのメタンにより、最大生成で4H2分子当量の発生をもたらされる(改質および/またはアノード条件次第で、改質生成物は、その代わりにH2分子の1つ以上がCO分子の形態で存在する非水性ガスシフト生成物に対応し得る)。したがって、メタンは、4H2分子の改質可能水素含有量を有するものとして定義される。他の例として、この定義では、エタンは7H2分子の改質可能水素含有量を有する。
アノードにおける燃料の利用は、アノードおよび/またはアノードと関連する改質段階まで送達される全ての燃料の低位発熱量と比較して、燃料電池アノード反応によってアノードで酸化された水素の低位発熱量の比率をベースとする発熱量利用を定義することによっても特徴付けることができる。本明細書において使用される場合、「燃料電池発熱量利用」は、燃料電池アノードに出入りする燃料成分のフローレートおよび低位発熱量(LHV)を使用して計算することができる。そのようなものとして、(LHV(anode_in)−LHV(anode_out))/LHV(anode_in)として燃料電池発熱量利用を計算することができる。式中、LHV(anode_in)およびLHV(anode_out)は、それぞれ、アノードインレットおよびアウトレット流またはフローにおける燃料成分(例えば、H2、CH4および/またはCO)のLHVを指す。この定義では、流れまたはフローのLHVは、インプットおよび/またはアウトプット流の各燃料成分の値の合計として計算され得る。合計に対する各燃料成分の寄与は、燃料成分のLHV(例えば、ジュール/モル)を乗算した燃料成分のフローレート(例えば、モル/時間)に対応し得る。
低位発熱量:低位発熱量は、気相の完全に酸化された生成物(すなわち、気相のCO2およびH2O生成物)への燃料成分の燃焼のエンタルピーとして定義される。例えば、アノードインプット流に存在するいずれのCO2も、CO2はすでに完全に酸化されるため、アノードインプットの燃料含有量に寄付しない。この定義に関して、アノード燃料電池反応によってアノードにおいて生じる酸化の量は、上記で定義されるように、アノードの電気化学的反応の一部としてのアノードにおけるH2の酸化として定義される。
なお、アノードインプットフローにおける唯一の燃料がH2である特別な場合に関して、アノードにおいて生じ得る燃料成分が関与する唯一の反応は、H2からH2Oへの変換を表す。このような特別な場合、燃料利用は、(H2−レート−イン(rate−in)−H2−レート−アウト(rate−out))/H2−レート−インとして単純化される。そのような場合、H2は唯一の燃料成分であり、H2のLHVは方程式から相殺される。より一般的な場合、アノード供給は、例えば、様々な量でCH4、H2およびCOを含有し得る。これらの種がアノードアウトレットにおいて異なる量で典型的に存在することができるため、要約は上記の通り、燃料利用を決定するために必要である。
燃料利用の代わりにまたはそれに加えて、燃料電池内の他の反応物の利用を特徴付けることができる。例えば、燃料電池の作動は、加えてまたは代わりに、「CO2利用」および/または「酸化剤」利用に関して特徴付けることができる。CO2利用および/または酸化剤利用のための値は、同様の方法で明示することができる。
燃料過剰比率:溶融炭酸塩形燃料電池における反応を特徴付けるさらに別の方法は、燃料電池アノード反応によってアノードにおいて酸化された水素の低位発熱量と比較して、アノードおよび/またはアノードと関連する改質段階まで送達される全ての燃料の低位発熱量の比率をベースとする利用を定義することによる。この量は、燃料過剰比率と呼ばれる。そのようなものとして、燃料過剰比率を、(LHV(anode_in)/(LHV(anode_in)−LHV(anode_out))として計算することができる。式中、LHV(anode_in)およびLHV(anode_out)は、それぞれ、アノードインレットおよびアウトレット流またはフローにおける燃料成分(例えば、H2、CH4および/またはCO)のLHVを指す。本発明の様々な態様では、溶融炭酸塩形燃料電池を、少なくとも約1.0、例えば少なくとも約1.5、または少なくとも約2.0、または少なくとも約2.5、または少なくとも約3.0、または少なくとも約4.0の燃料過剰比率を有するように作動させることができる。加えてまたは代わりに、燃料過剰比率は、約25.0の以下であり得る。
なお、アノードのためのインプット流の改質可能燃料の全てが改質され得るというわけではない。好ましくは、アノード(および/または関連する改質段階)へのインプット流の改質可能燃料の少なくとも約90%、例えば、少なくとも約95%、または少なくとも約98%がアノードを出る前に改質可能である。いくつかの別の態様では、改質される改質可能燃料の量は、約75%〜約90%、例えば、少なくとも約80%であり得る。
燃料過剰比率に関する上記の定義は、電力の発生のために燃料電池アノードにおいて消費される燃料の量と比較して、アノードおよび/または燃料電池と関連する改質段階の範囲内で生じる改質の量を特徴付ける方法を提供する。
任意選択的に、燃料過剰比率は、燃料がアノードアウトプットからアノードインプットまでリサイクルされる状態を占めるように変更することができる。燃料(例えば、H2、COおよび/または未改質もしくは部分的に改質された炭化水素)がアノードアウトプットからアノードインプットまでリサイクルされる場合、そのようなリサイクルされた燃料成分は、他の目的のために使用することができる改質可能または改質された燃料の過剰量を表さない。代わりに、そのようなリサイクルされた燃料成分は、燃料電池における燃料利用を低下させることの希望を単に示すのみである。
改質可能燃料過剰比率:改質可能燃料過剰比率を算出することは、そのようなリサイクルされた燃料成分が、改質可能燃料のLHVのみがアノードへのインプット流に含まれるように過剰燃料の定義を限定することを示す1つの選択である。本明細書で使用される場合、「改質可能燃料過剰比率」は、燃料電池アノード反応によってアノードにおいて酸化された水素の低位発熱量と比較して、アノードと関連するアノードおよび/またはアノードと関連する改質段階まで送達される改質可能燃料の低位発熱量として定義される。改質可能燃料過剰比率のための定義では、アノードインプットのいずれのH2またはCOのLHVも排除される。改質可能燃料のそのようなLHVは、燃料電池アノードに入る実際の組成物を特徴付けることによってなお測定することができ、リサイクルされた成分と新たな成分との間での区別は必要とされない。いくつかの未改質または部分的に改質された燃料もリサイクルされ得るが、ほとんどの態様では、アノードにリサイクルされる大部分の燃料は改質された生成物(例えば、H2またはCO)に対応し得る。数学的に表すと、改質可能燃料過剰比率(RRFS)=LHVRF/LHVOHであり、式中、LHVRFは、改質可能燃料の低位発熱量(LHV)であり、LHVOHは、アノードで酸化される水素の低位発熱量(LHV)である。アノードで酸化される水素のLHVは、アノードインレット流のLHVからアノードアウトレット流のLHVを差し引くことによって算出され得る(例えば、LHV(anode_in)−LHV(anode_out))。本発明の様々な態様では、溶融炭酸塩形燃料電池は、少なくとも約0.25、例えば、少なくとも約0.5、または少なくとも約1.0、または少なくとも約1.5、または少なくとも約2.0、または少なくとも約2.5、または少なくとも約3.0、または少なくとも約4.0の改質可能燃料過剰比率を有するように作動させることができる。加えてまたは代わりに、改質可能燃料過剰比率は約25.0以下であり得る。なお、アノードにおける酸化の量と比較してのアノードに送達される改質可能燃料の量をベースとするこのようなより狭い定義により、低燃料利用を有する燃料電池作動方法の2つの種類を識別することができる。いくつかの燃料電池は、アノードアウトプットからアノードインプットへの実質的な部分をリサイクルすることによって低燃料利用を達成する。このリサイクルにより、アノードインプットにおけるいずれかの水素を、アノードにインプットとして再び使用し得る。これによって改質の量を低下させることができ、燃料利用が燃料電池の単回通過に関して低い場合でも、その後の通過において、未使用の燃料の少なくとも一部分はリサイクルされる。したがって、広範囲の種々の燃料利用値を有する燃料電池は、アノード改質段階に送達される改質可能燃料対アノード反応において酸化される水素の同じ比率を有し得る。アノードにおける酸化の量に関するアノード改質段階に送達される改質可能燃料の比率を変化させるため、非改質可能燃料の本来の含有量を有するアノード供給が識別される必要があるか、もしくはアノードアウトプットにおける未使用の燃料が他の用途のために回収される必要があるか、または両方である。
改質可能水素過剰比率:燃料電池の作動を特徴付けるためのさらにもう1つの選択肢は、「改質可能水素過剰比率」をベースとする。上記で定義される改質可能燃料過剰比率は、改質可能燃料成分の低位発熱量をベースとして定義される。改質可能水素過剰比率は、燃料電池アノード反応によってアノードで反応する水素と比較した、アノードおよび/またはアノードと関連する改質段階に送達される改質可能燃料の改質可能水素含有量として定義される。そのようなものとして、「改質可能水素過剰比率」は、(RFC(reformable_anode_in)/(RFC(reformable_anode_in)−RFC(anode_out))として計算することができ、式中、(RFC(reformable_anode_in)は、アノードインレット流またはフローの改質可能燃料の改質可能水素含有量を指し、RFC(anode_out)は、アノードインレットおよびアウトレット流またはフローの燃料成分(例えば、H2、CH4および/またはCO)の改質可能水素含有量を指す。RFCは、モル/秒、モル/時間などで表すことができる。アノード改質段階に送達される改質可能燃料対アノードの酸化の量の大きい比率を有する燃料電池を作動させる方法の例は、燃料電池における熱の発生および消費を釣り合わせるために、過剰の改質が実行される方法であり得る。H2およびCOを形成するために改質可能燃料を改質することは、吸熱性プロセスである。この吸熱性反応は、燃料電池における電流の発生によって対抗することができ、これは、アノード酸化反応および炭酸塩形成反応によって発生する熱量と流の形態で燃料電池を出るエネルギーとの差異に(おおよそ)対応する過剰量の熱を生じることもできる。アノード酸化反応/炭酸塩形成反応に関与する水素のモルあたりの過剰量の熱は、改質によって水素のモルを発生されるために吸収した熱よりも大きくなり得る。その結果、従来条件で作動される燃料電池は、インレットからアウトレットまでの温度増加を示すことができる。この種類の従来の作動の代わりに、アノードと関連する改質段階において改質される燃料の量を増加させることができる。例えば、発熱性燃料電池反応によって発生する熱が、改質において消費される熱によって(おおよそ)釣り合うことができるように、または改質によって消費される熱が、燃料酸化によって発生する過剰量の熱より大きくなることができ、燃料電池全体での温度低下がもたらされるように追加的な燃料を改質することができる。これにより、電力発生のために必要とされる量と比較して、水素の実質的な過剰をもたらすことができる。一例として、燃料電池のアノードインレットまたは関連する改質段階への供給は、実質的に純粋なメタン供給などの改質可能燃料から実質的に構成され得る。そのような燃料を使用する発電のための従来の作動中、溶融炭酸塩形燃料電池は約75%の燃料利用で作動することができる。これは、次いで、アノードにおいて、炭酸塩イオンと反応して、H2OおよびCO2を形成する水素を形成するために、アノードに送達される燃料含有量の約75%(または3/4)が使用されることを意味する。従来の作動では、燃料含有量の残りの約25%は、燃料電池でH2に改質され得(または燃料のいずれのCOまたはH2に関して未反応の燃料電池を通過し得)、次いで燃料電池の外側で燃焼され、H2OおよびCO2を形成し、燃料電池にカソードインレットのための熱を提供する。この状態における改質可能水素過剰比率は、4/(4−1)=4/3であり得る。
電気効率:本明細書で使用される場合、「電気効率」(EE」)という用語は、燃料電池への燃料インプットの低位発熱量(「LHV」)の率で割られる、燃料電池で生じる電気化学的動力として定義される。燃料電池への燃料インプットには、アノードに送達される燃料、ならびに燃料電池の温度を維持するために使用されるいずれの燃料、例えば、燃料電池と関連するバーナーに送達される燃料の両方が含まれる。本記載では、燃料によって生じる動力は、LHV(el)燃料率に関して記載され得る。
電気化学的動力:本明細書で使用される場合、「電気化学的動力」またはLHV(el)という用語は、燃料電池でカソードをアノードに連結する回路および燃料電池の電解質を通る炭酸塩イオンの移動によって発生する動力である。電気化学的動力は、燃料電池から生じるか、上流または下流装置で消費される動力を排除する。例えば、燃料電池廃棄物流における熱から生じる電気は、電気化学的動力の一部分として考えられない。同様に、燃料電池の上流のガスタービンまたは他の装置で発生する動力は、発生する電気化学的動力の一部分でない。「電気化学的動力」は、燃料電池の作動中に消費される電力、または直流から交流への変換によって生じるいずれの損失も考慮しない。換言すると、燃料電池作動を供給するため、または他に燃料電池を作動させるために使用される電力は、燃料電池によって生じる直流動力から差し引かれない。本明細書で使用される場合、電力密度は電圧を乗算した電流密度である。本明細書で使用される場合、全燃料電池動力は、燃料電池面積を乗算した電力密度である。
燃料インプット:本明細書で使用される場合、LHV(anode_in)として示される「アノード燃料インプット」という用語は、アノードインレット流中の燃料の量である。LHV(in)として示される「燃料インプット」という用語は、アノードインレット流内の燃料の量および燃料電池の温度を維持するために使用される燃料の量の両方を含む燃料電池に送達される燃料の全体の量である。燃料は、本明細書に提供される改質可能燃料の定義をベースとして、改質可能および非改質可能燃料を含み得る。燃料インプットは、燃料利用と同じではない。
全燃料電池効率:本明細書で使用される場合、「全燃料電池効率」(「TFCE」)という用語は、燃料電池によって発生する電気化学的動力に、燃料電池によって生じる合成ガスのLHVの率を足したものを、アノードへの燃料インプットのLHVの率で割ったものとして定義される。換言すると、TFCE=(LHV(el)+LHV(sg net))/LHV(anode_in)であり、式中、LHV(anode_in)は、燃料成分(例えばH2、CH4および/またはCO)がアノードに送達されるときのLHVを指し、かつLHV(sg net)は、合成ガス(H2、CO)がアノードで生じる率を指し、これは、アノードへの合成ガスインプットとアノードからの合成ガスアウトプットとの間の差異である。LHV(el)は、燃料電池の電気化学的発電を記載する。全燃料電池効率は、燃料電池の外側で有利に使用される、燃料電池によって発生する熱を排除する。作動において、燃料電池によって発生する熱は、下流の装置において有利に使用され得る。例えば、熱は追加的な電気を発生させるか、または水を加熱するために使用され得る。これらの用途は、それらが燃料電池と離れて生じる場合、本出願で使用される用語のような全燃料電池効率の一部分でない。全燃料電池効率は、燃料電池作動のみに関し、動力発生または上流もしくは下流での燃料電池の消費を含まない。
化学効率:本明細書で使用される場合、「化学効率」という用語は、燃料インプットまたはLHV(in)で割られる、燃料電池のアノード排出物におけるH2およびCOの低位発熱量、またはLHV(sg out)として定義される。
電気効率も全システム効率も、上流または下流のプロセスの効率を考慮に入れない。例えば、燃料電池カソードのためのCO2の供給源としてタービン排出物を使用することは有利であり得る。この配置では、タービンの効率は、電気効率または全燃料電池効率の計算の一部分として考慮されない。同様に、燃料電池からのアウトプットは、燃料電池へのインプットとしてリサイクルされ得る。単回通過モードで電気効率または全燃料電池効率を算出する場合、リサイクルループは考慮されない。
生成した合成ガス:本明細書で使用される場合、「生成した合成ガス」という用語は、アノードへの合成ガスインプットとアノードからの合成ガスアウトプットとの間の差異である。合成ガスは、少なくとも部分的に、アノードのためのインプットまたは燃料として使用され得る。例えば、システムは、天然ガスまたは他の適切な燃料で補足されて、アノード排出物からアノードインレットまで合成ガスを戻すアノードリサイクルループを含み得る。生成した合成ガスLHV(sg net)=(LHV(sg out)−LHV(sg in))であり、LHV(sg in)およびLHV(sg out)は、アノードインレットの合成ガスのLHVおよびアノードアウトレット流またはフローの合成ガスのLHVをそれぞれ指す。なお、アノード内での改質反応によって生じた合成ガスの少なくとも一部分は、典型的に、電気を生じるためにアノードで利用され得る。電気を生じるために利用される水素は、アノードから出ないため、「生成した合成ガス」の定義に含まれない。本明細書で使用される場合、「合成ガス比率」という用語は、アノードへの燃料インプットのLHVで割られた、生成した正味の合成ガスのLHV、またはLHV(sg net)/LHV(anode in)である。合成ガスおよび燃料のモルフローレートは、LHVの代わりに、モルベースの合成ガス比率およびモルベースの生成した合成ガスを表すために使用することができる。
蒸気対炭素比率(S/C):本明細書で使用される場合、蒸気対炭素比率(S/C)は、フロー中の蒸気対フロー中の改質可能炭素モル比である。COおよびCO2の形の炭素は、この定義における改質可能炭素として含まれない。蒸気対炭素比率は、システムの異なる点で測定および/または制御することができる。例えば、アノードインレット流の組成は、アノードにおいて改質するために適切なS/Cを達成するように修正することができる。S/Cは、燃料、例えば、メタン中の炭素原子の数を乗算した燃料のモルフローレートの積で割られる、H2Oのモルフローレートとして与えられ得る。したがって、S/C=fH2O/(fCH4×#C)であり、式中、fH2Oは水のモルフローレートであり、fCH4は、メタン(または他の燃料)のモルフローレートであり、かつ#Cは燃料中の炭素の数である。
EGR比率:本発明の態様は、燃料電池と協力してタービンを使用することができる。組み合わせられた燃料電池およびタービンシステムは、排出物ガスリサイクル(「EGR」)を含み得る。EGRシステムでは、タービンで発生する少なくとも一部分の排出物ガスは、熱回収発電機に送られ得る。排出物ガスの別の部分は、燃料電池に送られ得る。EGR比率は、燃料電池に送られる排出物ガス対燃料電池または熱回収発電機に送られる全排出物ガスの量を記載する。本明細書で使用される場合、「EGR比率」は、燃料電池結合部分および熱回収発電機に送られる回収結合部分に関する組み合わせられたフローレートで割られた、排出物ガスの燃料電池結合部分のためのフローレートである。
本発明の様々な態様では、溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)を使用して、追加的な電力を発生させながら、CO2含有流からのCO2の分離を促進することができる。CO2分離は、燃料電池のカソード部分にインプット供給の少なくとも一部分を提供することができる燃焼ベース発電機との相乗効果を利用することによってさらに向上させることができる。
燃料電池および燃料電池構成要素:本考察では、燃料電池は、電解質によって分離されるアノードおよびカソードを有する単電池に対応し得る。アノードおよびカソードは、電解質全体で電荷を輸送して、電気を発生させるために、それぞれのアノードおよびカソード反応を促進するためのインプットガスフローを受け取ることができる。燃料電池積層は、集積化されたユニットで複数の電池を表すことができる。燃料電池積層は複数の燃料電池を含み得、燃料電池は典型的に並列に連結され得、それらが集合的により大きい径の単一燃料電池を表すように(ほぼ)機能し得る。インプットフローが燃料電池積層のアノードまたはカソードに送達される場合、燃料積層は、積層中のそれぞれの電池間のインプットフローを割るためのフローチャネルおよび個々の電池からのアウトプットフローを組み合わせるためのフローチャネルを含み得る。本考察では、燃料電池アレイは、直列、並列、または他のいずれかの好都合な方法(例えば、直列および並列の組み合わせで)で配置される複数の燃料電池(例えば、複数の燃料電池積層)を指すために使用することができる。燃料電池アレイは、第1の段階からのアノード/カソードアウトプットは、第2の段階のためのアノード/カソードインプットとして役立ち得る、燃料電池および/または燃料電池積層の1つ以上の段階を含み得る。なお、燃料電池アレイのアノードは、アレイのカソードと同じ方法で連結されなくてもよい。便宜のために、燃料電池アレイの第1のアノード段階へのインプットは、アレイのためのアノードインプットと呼ばれ得、燃料電池アレイの第1のカソード段階へのインプットは、アレイへのカソードインプットと呼ばれ得る。同様に、最終アノード/カソード段階からのアウトプットは、アレイからのアノード/カソードアウトプットと呼ばれ得る。
本明細書における燃料電池の使用の言及は、典型的に、個々の燃料電池から構成される「燃料電池積層」を示し、より一般に、流体連通における1つ以上の燃料電池積層の使用を指すことは理解されるべきである。個々の燃料電池要素(プレート)は、「燃料電池積層」と呼ばれる長方形アレイで一緒に典型的に「積層」され得る。この燃料電池積層は、典型的に、全ての個々の燃料電池間に流れを供給することができ、かつ反応物を分配することができ、次いで、これらの要素のそれぞれから生成物を収集することができる。ユニットとして見ると、作動中の燃料電池積層は、多くの(多くの場合に十または何百)の個々の燃料電池要素から構成されるとしても、一体としてみなすことができる。これらの個々の燃料電池要素は、同様の電圧(反応物および生成物濃度が同様)を典型的に有することができ、全動力アウトプットは、要素が直列に電気的に連結される場合、電池要素の全部の電流の合計から生じ得る。積層は、高電圧を生じるために、直列で配置されることもできる。並列の配列は、電流を高めることができる。十分に大きい体積燃料電池積層が所与の排出物フローを処理するために利用可能であるならば、本明細書に記載されるステムおよび方法は単一の溶融炭酸塩形燃料電池積層で使用することができる。本発明の他の態様では、様々な理由のために、複数の燃料電池積層は望ましくあり得るか、または必要とされ得る。
本発明の目的のために、他に明記しない限り、「燃料電池」という用語は、燃料電池が実際に典型的に利用される方法として単一のインプットおよびアウトプットがある、1つ以上の個々の燃料電池要素から構成される燃料電池積層を指すものとしても理解されるべきであり、および/またはそれを参照することを含むものとして定義される。同様に、燃料電池(複数)という用語は、特に明記しない限り、複数の個々の燃料電池積層を指すものとしても理解されるべきであり、および/またはそれを含むものとして定義される。換言すると、本明細書の範囲内の全ての参照は、具体的に示されない限り、「燃料電池」としての燃料電池積層の作動に交換可能に適用することができる。例えば、商業的なスケールの燃焼発電機で発生する排出物の体積は、従来の径の燃料電池(すなわち単一積層)による処理に関して大きくなり得る。完全に排出物を処理するために、それぞれの燃料電池が燃焼排出物の同等の部分を処理することが(ほぼ)できるように、複数の燃料電池(すなわち、2以上の個々の燃料電池または燃料電池積層)を並列に配置することができる。複数の燃料電池を使用することができるが、燃料電池は典型的に、一般に同様の方法で、燃焼排出物の所与のその(ほぼ)同等の部分で作動され得る。
「内部改質」および「外部改質」:燃料電池または燃料電池積層は、1つ以上の内部改質部分を含み得る。本明細書で使用される場合、「内部改質」という用語は、燃料電池(燃料電池積層)の本体の範囲内で、または他の場合に燃料電池アセンブリ内で生じる燃料改質を指す。外部改質は、燃料電池とともに多くの場合に使用されるが、燃料電池積層の外側に位置する装置の個々において生じる。換言すると、外部改質装置の本体は、燃料電池または燃料電池積層の本体との直接的な物理的接触がない。典型的な構成では、外部改質装置からのアウトプットを、燃料電池のアノードインレットに供給することができる。特に具体的に明記されない限り、本出願で記載される改質は内部改質である。
内部改質は、燃料電池アノード内で生じ得る。内部改質は、加えてまたは代わりに、燃料電池アセンブリ内で集積化される内部改質要素内で生じ得る。集積化された改質要素は、燃料電池積層内の燃料電池要素間に位置し得る。換言すると、積層のトレイの1つは、燃料電池要素の代わりに改質部分であり得る。一態様では、燃料電池積層内のフロー配列は、内部改質要素に、次いで、燃料電池のアノード部分に燃料を向ける。したがって、フローの観点から、内部改質要素および燃料電池要素は、燃料電池積層内で直列に配置され得る。本明細書で使用される場合、「アノード改質」は、アノード内で生じる燃料改質である。本明細書で使用される場合、「内部改質」という用語は、アノード部分ではなくて、集積化された改質要素内で生じる改質である。
いくつかの態様では、燃料電池アセンブリに対して内部である改質段階は、燃料電池アセンブリのアノードと関連するものとして考慮することができる。いくつかの別の態様では、アノードと関連する(例えば複数のアノードと関連する)ことができる燃料電池積層の改質段階に関して、改質段階からのアウトプットフローが少なくとも1つのアノードに通過されるように、フローパスは利用可能でありえる。これは、電解質と接触しておらず、代わりに改質触媒として役立つことができる燃料電池プレートの初期部分を有することに対応し得る。関連する改質段階の別の選択肢は、燃料電池積層の要素の1つとして、集積化された改質段階からのアウトプットを燃料電池積層の燃料電池の1つ以上のインプットサイドに戻すことができる、別々の集積化された改質段階を有することであり得る。
熱集積化の観点から、燃料電池積層の特徴的な高さは、個々の燃料電池積層要素の高さであり得る。なお、別々の改質段階および/または別々の吸熱性反応段階は、燃料電池と異なる積層の高さを有することができるであろう。そのようなシナリオでは、燃料電池要素の高さは、特徴的な高さとして使用され得る。いくつかの態様では、集積化された吸熱性反応段階は、集積化された吸熱性反応段階が吸熱性反応のための熱供給源として燃料電池から熱を使用することができるように、1つ以上の燃料電池と熱集積化される段階として定義され得る。そのような集積化された吸熱性反応段階は、集積化された段階に熱を提供するいずれの燃料電池からの積層要素の高さの5倍未満の高さで配置されるものとして定義され得る。例えば、集積化された吸熱性反応段階(例えば改質段階)は、熱集積されたいずれの燃料電池からの積層要素の高さの5倍未満、例えば、積層要素の高さの3倍未満の高さで配置され得る。本考察では、燃料電池要素に隣接する積層要素を表す集積化された改質段階および/または集積化された吸熱性反応段階は、隣接する燃料電池要素から約1つ分の積層要素高さ以下であるものとして定義することができる。
いくつかの態様では、燃料電池要素と熱集積化される別々の改質段階は、燃料電池要素と関連する改質段階に対応し得る。そのような態様では、集積化された燃料電池要素は、熱の少なくとも一部分を関連する改質段階に提供することができ、関連する改質段階は、改質段階アウトプットの少なくとも一部分を燃料流として集積化された燃料電池に提供することができる。他の態様では、別々の改質段階は、燃料電池と関連することなく、熱伝達のために燃料電池と集積化することができる。この種類の状態では、別々の改質段階は、燃料電池から熱を受け取ることができるが、改質段階のアウトプットを燃料電池へのインプットとして使用しないことを決定することができる。代わりに、アノード排出物流へのアウトプットの直接添加などの別の目的のため、および/または燃料電池アセンブリから別々のアウトプット流を形成するために、そのような改質段階のアウトプットを使用することを決定することができる。
より一般に、集積化された燃料電池積層要素によって提供される廃熱を利用することができる吸熱性反応のいずれかの好都合な種類を実行するために、燃料電池積層の別々の積層要素を使用することができる。炭化水素流において改質反応を実行するために適切なプレートの代わりに、別々の積層要素は、別の種類の吸熱性反応に触媒作用を及ぼすために適切なプレートを有することができる。マニフォールドまたは燃料電池積層におけるインレットコンジットの他の配列は、適切なインプットフローをそれぞれの積層要素に提供するために使用することができる。加えてまたは代わりに、同様のマニフォールドまたはアウトレットコンジットの他の配列が、アウトプットフローをそれぞれの積層要素から回収するために使用され得る。任意選択的に、積層の吸熱性反応段階からのアウトプットフローは、アウトプットフローを燃料電池アノードに通過させることなく、燃料電池積層から回収することができる。そのような任意選択的な態様では、発熱性反応の生成物は、したがって、燃料電池アノードに通過させることなく、燃料電池積層から出ることができる。燃料電池積層の積層要素において実行することができる他の種類の吸熱性反応の例には、限定されないが、エチレンおよびエタンクラッキングを形成するエタノール脱水が含まれることができる。
リサイクル:本明細書に定義されるように、燃料電池インレットへの燃料電池アウトプットの一部分(例えば、アノード排出物またはアノード排出物から分離または回収される流れ)のリサイクルは、直接的または間接的なリサイクル流に対応し得る。燃料電池インレットへの流れの直接的なリサイクルは、中間プロセスを通過することのない流れのリサイクルとして定義され、間接的なリサイクルには、1つ以上の中間プロセスに流れを通過させた後のリサイクルが関与する。例えば、アノード排出物がリサイクル前にCO2分離段階を通過する場合、これはアノード排出物の間接的なリサイクルと考えられる。アノード排出物から回収されるアノード排出物の一部分、例えば、H2流が、燃料電池への導入のために適切な燃料へ石炭を変換するためのガス化装置を通過する場合、これも間接的なリサイクルと考えられる。
アノードインプットおよびアウトプット
本発明の様々な態様では、MCFCアレイには、例えば、水素および炭化水素、例えば、メタン(または代わりに、CおよびHと異なるヘテロ原子を含有し得る炭化水素もしくは炭化水素様化合物)を含む、アノードインレットで受け取られる燃料が供給され得る。アノードに供給される大部分のメタン(または他の炭化水素もしくは炭化水素様化合物)は、典型的に新しいメタンであり得る。本記載では、新しいメタンなどの新しい燃料は、別の燃料電池プロセスからリサイクルされない燃料を指す。例えば、アノードアウトレット流からアノードインレットにリサイクルされるメタンは、「新しい」メタンとは考えられず、代わりに、回収されたメタンと記載することができる。使用された燃料供給源は、CO2含有流をカソードインプットに提供するために燃料供給源の一部分を使用するタービンなどの他の構成要素と共有され得る。燃料供給源インプットは、水素を発生させる改質部分において炭化水素(または炭化水素様)化合物を改質するために、燃料に対して適切な割合で、水を含み得る。例えば、メタンがH2を発生させるために改質するための燃料インプットである場合、水対燃料のモル比は、約1:1〜約10:1、例えば少なくとも約2:1であり得る。4:1以上の比率は外部改質に関して典型的であるが、内部改質に関してはより低い値が典型的であり得る。H2が燃料供給源の一部分である範囲まで、いくつかの任意選択的な態様では、アノードにおけるH2の酸化が、燃料を改質するために使用することができるH2Oを生じる傾向があり得るため、追加的な水は燃料に必要とされなくてもよい。燃料供給源は、燃料供給源に重要ではない成分を任意選択的に含有することもできる(例えば、天然ガス供給は、追加的な成分としてCO2のいくらかの含有量を含有することができる)。例えば、天然ガス供給は、追加的な成分として、CO2、N2および/または他の不活性(不活性)ガスを含有することができる。任意選択的に、いくつかの態様では、燃料供給源は、アノード排出物のリサイクルされた部分からのCOなどのCOを含有し得る。燃料電池アセンブリへの燃料におけるCOのための追加的、または代わりの潜在的供給源は、燃料電池アセンブリに入る前に燃料において実行される炭化水素燃料の蒸気改質によって発生するCOであり得る。
より一般に、様々な種類の燃料流は、溶融炭酸塩形燃料電池のアノードのためのインプット流としての使用のために適切であり得る。いくつかの燃料流は、CおよびHと異なるヘテロ原子を含み得る炭化水素および/または炭化水素様化合物を含有する流れに対応し得る。本考察では、特に明記されない限り、MCFCアノードのための炭化水素を含有する燃料流の参照は、そのような炭化水素様化合物を含有する燃料流を含むように定義される。炭化水素(炭化水素様を含む)燃料流の例としては、天然ガス、C1〜C4炭素化合物(例えば、メタンまたはエタン)を含有する流れ、およびより重質のC5+炭化水素(炭化水素様化合物を含む)を含有する流れ、ならびにその組み合わせを含み得る。アノードインプットに用いられる潜在的燃料流のさらに他の追加的または代わりの例としては、生物ガス型の流れ、例えば、有機材料の天然(生物学的)分解から生じるメタンを含み得る。
いくつかの態様では、希釈剤化合物の存在のため、低エネルギー含有量で、天然ガスおよび/または炭化水素流などのインプット流を処理するために、溶融炭酸塩形燃料電池を使用することができる。例えば、メタンおよび/または天然ガスのいくつかの供給源は、O2、または窒素、アルゴンもしくはヘリウムなどの他の不活性分子の実質的な量を含み得る供給源である。CO2および/または不活性物質の高められた量の存在のために、供給源をベースとする燃料流のエネルギー含有量を低下させることができる。(燃焼動力タービンに動力を供給するためなどの)燃焼反応に、低いエネルギー含有量燃料を使用することは、問題点を提起し得る。しかしながら、溶融炭酸塩形燃料電池は、燃料電池の効率に対する影響が少ないか、または影響を及ぼすことなく、低エネルギー含有量燃料供給源をベースとする動力を発生させることができる。追加的なガス体積の存在は、改質および/またはアノード反応のための温度まで燃料温度を高めるために追加的な熱を必要とすることができる。加えて、燃料電池アノード内の水性ガスシフト反応の平衡性質のために、追加的なCO2の存在は、アノードアウトプットに存在するH2およびCOの相対量に影響を有することができる。しかしながら、不活性化合物は、他の場合、改質およびアノード反応に対して最小限の直接的な影響のみを有することができる。溶融炭酸塩形燃料電池のための燃料流におけるCO2および/または不活性化合物の量は、存在する場合、少なくとも約1体積%、例えば、少なくとも約2体積%、または少なくとも約5体積%、または少なくとも約10体積%、または少なくとも約15体積%、または少なくとも約20体積%、または少なくとも約25体積%、または少なくとも約30体積%、または少なくとも約35体積%、または少なくとも約40体積%、または少なくとも約45体積%、または少なくとも約50体積%、または少なくとも約75体積%であり得る。加えてまたは代わりに、溶融炭酸塩形燃料電池のための燃料流におけるCO2および/または不活性化合物の量は、約90体積%以下、例えば約75体積%以下、または約60体積%以下、または約50体積%以下、または約40体積%以下、または約35体積%以下であり得る。
アノードインプット流のための潜在的供給源のなお別の例は、精製装置および/または他の工業プロセスアウトプット流に対応し得る。例えば、コーキングは、より重質の化合物を、より低沸騰範囲に変換するための多くの精製装置の共通プロセスである。コーキングは、典型的に、COおよび様々なC1〜C4炭化水素を含む室温でガスである様々な化合物を含有するオフガスを生じる。このオフガスは、アノードインプット流の少なくとも一部分として使用することができる。他の精製装置オフガス流は、加えてまたは代わりに、アノードインプット流での含有のために適切であり得、例えば、クラッキングまたは他の精製装置プロセス中に発生する軽質留分(C1〜C4)である。さらに他の適切な精製装置流は、加えてまたは代わりに、H2および/または改質可能燃料化合物も含有するCOまたはCO2を含有する精製装置流を含み得る。
アノードインプットのためのさらに他の潜在的供給源は、加えてまたは代わりに、増加した含水量を有する流れを含み得る。例えば、エタノールプラント(または別の種類の発酵プロセス)からのエタノールアウトプット流は、最終的な蒸留前にH2Oの実質的な部分を含む。そのようなH2Oは、典型的に、燃料電池の作動に対して最小限の影響のみを生じ得る。したがって、アルコール(または他の発酵生成物)と水との発酵混合物を、アノードインプット流の少なくとも一部分として使用することができる。
生物ガスまたはダイジェスターガスは、アノードインプットのための別の追加的または代わりの潜在的供給源である。生物ガスは、メタンおよびCO2を主として含み得、典型的に有機物質の分解または消化によって生じる。有機物質を消化し、生物ガスを生じるために、嫌気性菌が使用され得る。アノードインプットとしての使用前に、不純物(例えば硫黄含有化合物)は生物ガスから除去され得る。
MCFCアノードからのアウトプット流は、H2O、CO2、COおよびH2を含み得る。任意選択的に、アノードアウトプット流は、追加的なアウトプット成分として、供給に未反応燃料(例えば、H2もしくはCH4)または不活性化合物を有することもできるであろう。改質反応のための熱を提供するための燃料供給源として、または電池を加熱するための燃焼燃料として、このアウトプット流を使用する代わりに、別のプロセスへのインプットとして潜在的値を有する成分(例えばH2またはCO)からCO2を分離するために、1つ以上の分離をアノードアウトプット流において実行することができる。H2および/またはCOは、化学合成のために合成ガスとして、化学反応のための水素の供給源として、および/または減少された温室効果ガス排出を有する燃料として使用することができる。
様々な態様では、アノードからのアウトプット流の組成は、いくつかの因子によって影響され得る。アノードアウトプット組成に影響することができる因子には、アノードへのインプット流の組成、燃料電池で発生する電流の量、および/またはアノードの出口の温度を含み得る。アノード出口の温度は、水性ガスシフト反応の平衡性質のため、関連することができる。典型的なアノードでは、アノードの壁を形成するプレートの少なくとも1つは、水性ガスシフト反応に触媒作用を及ぼすために適切であり得る。その結果、a)アノードインプット流の組成は既知であり、b)アノードインプット流の改質可能燃料の改質の範囲は既知であり、かつc)(発生する電流の量に対応する)カソードからアノードまで輸送される炭酸塩の量は既知である場合、アノードアウトプットの組成は、水性ガスシフト反応に関する平衡定数をベースとして決定することができる。
Keq=[CO2][H2]/[CO][H2O]
上記の方程式で、Keqは、所与の温度および圧力における反応のための平衡定数であり、[X]は成分Xの分圧である。水性ガスシフト反応をベースとして、アノードインプットにおけるCO2濃度の増加は、追加的なCO形成(H2を犠牲にして)をもたらす傾向があることができ、H2O濃度の増加は、追加的なH2形成(COを犠牲にして)をもたらす傾向があることができる。
アノードアウトプットにおける組成を決定するために、アノードインプットの組成を出発点として使用することができる。この組成は、アノード内で生じ得るいずれの改質可能燃料の改質の範囲も反映するように、次いで変性することができる。そのような改質により、水素およびCO2の増加と引きかえに、アノードインプットの炭化水素含有量を低下させることができる。次に、発生する電流量をベースとして、アノードインプットにおけるH2の量は、追加的なH2OおよびCO2と引きかえに低下することができる。この組成は、次いで、H2、CO、CO2およびH2Oの出口濃度を決定するために、水性ガスシフト反応のための平衡定数をベースとして調節することができる。
表7は、典型的な種類の燃料に関する異なる燃料利用におけるアノード排出物組成を示す。アノード排出物組成は、アノード改質反応、水性ガスシフト反応およびアノード酸化反応の組み合わせられた結果を反映することができる。表7のアウトプット組成値は、蒸気(H2O)対炭素(改質可能燃料)の約2:1の比率のアノードインプット組成を仮定することによって算出された。改質可能燃料は、水素に100%改質されることが仮定されたメタンであると仮定された。アノードインプットの初期のCO2およびH2濃度は無視することができると仮定され、インプットN2濃度は約0.5%であった。燃料利用Uf(本明細書に定義される通り)は、表に示すように、約35%〜約70%で変動可能であった。燃料電池アノードのための出口温度は、平衡定数のための正確な値を決定する目的のため、約650℃であることが仮定された。
表7は、特定の組み合わせの条件およびアノードインプット組成のためのアノードアウトプット組成を示す。より一般に、様々な態様では、アノードアウトプットは、約10体積%〜約50体積%のH2Oを含み得る。アノードのH2Oはアノード酸化反応によって生じ得るため、H2Oの量は非常に変動することができる。改質のために必要とされるよりも多いH2Oの過剰量がアノードに導入される場合、過剰量のH2Oは、燃料改質および水性ガスシフト反応のために、消費される(または発生する)H2Oを除き、主に未反応のまま典型的に通過することができる。アノードアウトプットにおけるCO2濃度も広範囲に変動することができ、例えば、約20体積%〜約50体積%のCO2であり得る。CO2の量は、発生する電流の量、ならびにアノードインプットフローのCO2の量の両方によって影響を受けることができる。アノードアウトプットのH2の量は、加えてまたは代わりに、アノードの燃料利用次第で、約10体積%のH2〜約50体積%のH2であり得る。アノードアウトプットにおいて、COの量は、約5体積%〜約20体積%であり得る。なお、所与の燃料電池のためのアノードアウトプットのH2の量と比較してのCOの量は、燃料電池に存在する温度および圧力における水性ガスシフト反応のための平衡定数によって部分的に決定可能である。アノードアウトプットは、さらに加えてまたは代わりに、5体積%以下の様々な他の成分、例えば、N2、CH4(または他の未反応炭素含有燃料)、および/または他の成分を含み得る。
任意選択的に、1つ以上の水性ガスシフト反応段階が、必要に応じて、アノードアウトプットにおいてCOおよびH2OをCO2およびH2へ変換するために、アノードアウトプット後に含まれることができる。アノードアウトプットに存在するH2の量は、例えば、より低い温度で水性ガスシフト反応器を使用することにより、アノードアウトプットに存在するH2OおよびCOをH2およびCO2へ変換して、増加させることができる。代わりに、温度を増加させて、水性ガスシフト反応を逆にし、H2およびCO2からより多くのCOおよびH2Oを生じ得る。水は、アノードで生じる反応のアウトプットであることが予想され、アノードアウトプットは、典型的に、アノードアウトプットに存在するCOの量と比較して、過剰量のH2Oを有することができる。代わりに、H2Oを、アノード出口後であるが、水性ガスシフト反応前に流れに添加され得る。COは、改質条件またはアノード反応中に存在するいずれかの条件下で、改質中の不完全な炭素変換のため、および/またはH2O、CO、H2およびCO2間の反応の釣合いをとる平衡(すなわち、水性ガスシフト平衡)のために、アノードアウトプットに存在することができる。水性ガスシフト反応器は、COおよびH2Oを犠牲にして、CO2およびH2を形成する方向に、さらに平衡を進める条件下で作動され得る。より高い温度は、COおよびH2Oの形成をもたらす傾向があることができる。したがって、水性ガスシフト反応器を作動させるための1つの選択肢は、適切な温度、例えば、約190℃〜約210℃で、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化亜鉛上の銅などの適切な触媒にアノードアウトプット流を曝露させることであり得る。任意選択的に、水性ガスシフト反応器は、アノードアウトプット流におけるCO濃度を低下させるために、2つの段階を含み得、第1の高温段階は、少なくとも約300℃〜約375℃の温度で作動され、第2の低温段階は、約225℃以下、例えば、約180℃〜約210℃の温度で作動される。アノードアウトプットに存在するH2の量を増加させることに加えて、水性ガスシフト反応は、加えてまたは代わりに、COを犠牲にしてCO2の量を増加させることができる。これにより、除去が困難な一酸化炭素(CO)を、縮合(例えば、低温除去)、化学反応(例えば、アミン除去)および/または他のCO2除去方法によってより容易に除去することができる二酸化炭素と交換することができる。加えてまたは代わりに、H2対COの所望の比率を達成するために、アノード排出物において存在するCO含有量を増加させることが望ましいことがあり得る。
任意選択的な水性ガスシフト反応段階を通過した後、アノードアウトプットは、アノードアウトプット流からの水および/またはCO2の除去のために、1つ以上の分離段階を通過することができる。例えば、1つ以上のCO2アウトプット流は、個々にまたは組み合わせで1つ以上の方法を使用して、アノードアウトプットにおいてCO2分離を実行することによって形成され得る。そのような方法を使用して、90体積%以上のCO2含有量、例えば、少なくとも95%体積%のCO2、または少なくとも98体積%のCO2を有するCO2アウトプット流を発生させることができる。そのような方法は、アノードアウトプットのCO2含有量の少なくとも約70%、例えば、アノードアウトプットのCO2含有量の少なくとも約80%、または少なくとも約90%を回収することができる。代わりに、いくつかの態様では、アノードアウトプット流のCO2の一部分のみを回収することが望ましくあり得、CO2の回収された部分は、アノードアウトプットのCO2の約33%〜約90%、例えば、少なくとも約40%、または少なくとも約50%であり得る。例えば、所望の組成がその後の水性ガスシフト段階において達成され得るように、アノードアウトプットフローにいくらかのCO2を保持することが望ましくあり得る。適切な分離方法は、物理的溶媒(例えば、Selexol(商標)またはRectisol(商標))、アミンまたは他の塩基(例えば、MEAまたはMDEA)、冷凍(例えば、低温分離)、圧力スイング吸着、真空スイング吸着、およびその組み合わせの使用を含み得る。低温CO2分離器は、適切な分離器の一例であり得る。アノードアウトプットが冷却されて、アノードアウトプットの水の大部分は、凝縮された(液)相として分離することができる。アノードアウトプットフローの他の残りの成分(例えば、H2、N2、CH4)は、容易に凝縮された相を形成する傾向がないため、次いで、水欠乏アノードアウトプットフローのさらなる冷却および/または圧力負荷によって高純度CO2を分離することができる。低温CO2分離器は、作動条件次第で、フローに存在するCO2の約33%〜約90%を回収することができる。
CO2分離実行前、その間またはその後の1つ以上の水のアウトプット流を形成するアノード排出物からの水の除去は、有利であり得る。アノードアウトプットの水量は、選択される作動条件次第で変動することができる。例えば、アノードインレットで確立される蒸気対炭素の比率は、アノード排出物の含水量に影響を及ぼすことができ、高い蒸気対炭素の比率では典型的に大量の水が生じ、これは未反応のまま、および/またはアノードにおける水性ガスシフト平衡によってのみ反応して、アノードを通過することができる。態様次第で、アノード排出物の含水量は、アノード排出物の体積の約30%以上までに対応し得る。加えてまたは代わりに、含水量はアノード排出物の体積の約80%以下であり得る。そのような水は圧縮および/または冷却することによって除去されて、凝縮が得られ得るが、このような水の除去は、追加の圧縮器動力および/または熱交換表面面積および過度の冷却水を必要とすることができる。この過剰量の水の一部分を除去する1つの有利な方法は、湿潤したアノード流出物から湿度をとることができる吸着剤ベッドの使用をベースとすることができ、次いで、追加的な水をアノード供給に提供するために、乾燥アノード供給ガスを使用して、「再生」することができる。HVACスタイル(加熱、換気および空気調節)吸着ホイール設計は、アノード排出物およびインレットが圧力で同様であり得、かつ1つの流れから他への軽度の漏れが、全体的なプロセスに対して最小限の影響を有することができるために適用可能であり得る。CO2除去が低温プロセスを使用して実行される実施形態では、CO2除去中またはその前の、トリエチレングリコール(TEG)系および/または乾燥剤による除去を含む水の除去は望ましくあり得る。対照的に、CO2除去のためにアミン洗浄が使用される場合、水は、CO2除去段階の下流でアノード排出物から除去され得る。
CO2アウトプット流および/または水アウトプット流の代わりにまたはそれに加えて、アノードアウトプットは、所望の化学または燃料生成物を含有する1つ以上の生成物流を形成するために使用することができる。そのような生成物流は、合成ガス流、水素流または合成ガス生成物および水素生成物流の両方に対応し得る。例えば、少なくとも約70体積%のH2、例えば、少なくとも約90体積%のH2、または少なくとも約95体積%のH2を含有する水素生成物流を形成することができる。加えてまたは代わりに、組み合わせたH2およびCOの少なくとも約70体積%、例えば、H2およびCOの少なくとも約90体積%を含有する合成ガス流を形成することができる。1つ以上の生成物流は、アノードアウトプットにおいて組み合わせられたH2およびCOガス体積の少なくとも約75%、例えば、組み合わせられたH2およびCOガス体積の少なくとも約85%または少なくとも約90%に対応するガス体積を有することができる。なお、生成物流のH2およびCOの相対的な量は、生成物間で変換する水性ガスシフト反応段階の使用をベースとするアノードアウトプットのH2対COの比率と異なり得る。
いくつかの態様では、アノードアウトプットに存在するH2の一部分を除去するか、または分離することが望ましいことができる。例えば、いくつかの態様では、アノード排出物のH2対COの比率は、少なくとも約3.0:1であり得る。対照的に、フィッシャー−トロプシュ合成などの合成ガスを利用するプロセスは、異なる比率(例えば2:1により近い比率)で、H2およびCOを消費し得る。1つの代替案は、アノードアウトプットの含有量を所望の合成ガス組成により近いCO比率にH2を有するように変性するために、水性ガスシフト反応を使用することであり得る。別の代替案は、H2およびCOの所望の比率を達成するために、アノードアウトプットに存在するH2の一部分を除去するために膜分離を使用すること、またはなお代わりに膜分離および水性ガスシフト反応の組み合わせを使用することであり得る。アノードアウトプットのH2の一部分のみを除去するために膜分離を使用する1つの利点は、所望の分離を比較的穏やかな条件で実行し得ることであり得る。1つの目標は、なお実質的なH2含有量を有する残留物を生じることであり得るため、高純度の水素の透過が、過酷な条件を必要とすることなく、膜分離によって発生することができる。例えば、膜の透過サイドにおいて約100kPaa以下(例えば、周囲の圧力)の圧力を有することよりも、透過サイドが周囲と比較して、なお膜分離を実行するために十分な推進力を有しながら、高い圧力であり得る。加えてまたは代わりに、メタンなどの掃去ガスを、推進力を膜分離に提供するために使用することができる。これによってH2透過流の純度を低下させることができるが、透過流の所望の使用次第で有利であり得る。
本発明の様々な態様では、アノード排出物流の少なくとも一部分(好ましくは、CO2および/またはH2Oの分離後)を、燃料電池および関連する改質段階の外部のプロセスのための供給として使用することができる。様々な態様では、アノード排出物は、約1.5:1〜約10:1、例えば、少なくとも約3.0:1、または少なくとも約4.0:1、または少なくとも約5.0:1のH2対COの比率を有することができる。合成ガス流は、アノード排出物から発生することができるか、または回収され得る。アノード排出物ガスは、任意選択的にCO2および/またはH2Oの分離後、かつ任意選択的に、過剰量の水素を除去するために、水性ガスシフト反応および/または膜分離を実行した後、H2および/またはCOの実質的な部分を含有している流れに対応し得る。COの比較的低い含有量を有する流れに関して、例えば、H2対COの比率が少なくとも約3:1である流れにおいて、アノード排出物は、H2供給として使用するために適切であり得る。H2供給から利益を得ることができるプロセスの例としては、限定されないが、精製装置プロセス、アンモニア合成プラント、もしくは(異なる)発電システムのタービン、またはその組み合わせを含み得る。用途次第で、なおより低いCO2含有量が望ましくなることができる。約2.2対1未満の、および約1.9:1を超えるH2対COの比率を有する流れに関して、流れは合成ガス供給として使用するために適切であり得る。合成ガス供給から利益を得ることができるプロセスの例としては、限定されないが、ガストゥーリキッド(gas−to−liquid)プラント(例えば、非シフティング触媒を用いるフィッシャートロプシュプロセスを使用するプラント)および/またはメタノール合成プラントを含み得る。外部プロセスのための供給として使用されるアノード排出物の量は、いずれかの好都合な量であることもできる。任意選択的に、アノード排出物の一部分が外部プロセスのための供給として使用される場合、アノード排出物の第2の部分は、アノードインプットにリサイクルされ得、かつ/または燃焼動力発電機のための燃焼領域にリサイクルされ得る。
異なる種類のフィッシャー−トロプシュ合成プロセスのために有用なインプット流は、アノードアウトプットから発生させるために望ましくあり得る異なる種類の生成物流の例を提供することができる。鉄をベースとする触媒などのシフティング触媒を使用するフィッシャー−トロプシュ合成反応に関して、反応系への所望のインプット流は、H2およびCOに加えてCO2を含み得る。CO2の十分な量がインプット流に存在しない場合、水性ガスシフト活性を有するフィッシャー−トロプシュ触媒は、追加的なCO2を発生させるためにCOを消費することができ、COのない合成ガスが生じる。MCFC燃料電池によるそのようなフィッシャートロプシュ法の集積化のために、アノードアウトプットのための分離段階は、合成ガス生成物におけるCO2(および任意選択的にH2O)の所望の量を保持するように作動させることができる。対照的に、非シフティング触媒をベースとするフィッシャー−トロプシュ触媒に関して、生成物流に存在するいずれのCO2も、フィッシャー−トロプシュ反応系において不活性成分として役立つことができる。
メタン掃去ガスなどの掃去ガスによって膜が掃去される態様では、メタン掃去ガスは、アノード燃料として、または異なる低圧プロセス、例えば、煮沸器、炉、ガスタービンもしくは他の燃料消費デバイスにおいて使用されるメタン流に対応し得る。そのような態様では、膜を通した低濃度のCO2透過は、最小限の結果を有することができる。膜を透過し得るそのようなCO2は、アノード内での反応に対して最小限の影響を有することができ、そのようなCO2は、アノード生成物に含有されて残ることができる。したがって、透過によって膜を通して損失したCO2は(存在する場合)、MCFC電解質を通って再び転送される必要はない。これは、水素透過膜の分離選択性必要条件を有意に低下させることができる。これにより、例えば、より低い選択性を有する、より高い透過性の膜の使用が可能となり、これにより、より低い圧力および/または減少した膜表面面積の使用が可能となる。本発明のそのような態様では、掃去ガスの体積は、アノード排出物の水素の体積の何倍も大きいことができ、これにより、透過サイドにおける有効な水素濃度をゼロ付近に維持することが可能となる。そのようにして分離された水素は、タービン供給メタンに組み込まれることができ、それにより上記の通りタービン燃焼特徴を向上させることができる。
なお、アノードで生じる過剰量のH2は、温室効果ガスがすでに分離された燃料を表すことができる。アノードアウトプットにおけるいずれのCO2も、アミン洗浄、低温CO2分離器、および/または圧力もしくは真空スイング吸収プロセスなどにより、アノードアウトプットから容易に分離することができる。アノードアウトプットの成分のいくつか(H2、CO、CH4)は容易に除去されないが、CO2およびH2Oは通常容易に除去することができる。実施形態次第で、アノードアウトプットのCO2の少なくとも約90体積%を分離して、比較的高純度のCO2アウトプット流を形成することができる。したがって、アノードで発生するいずれのCO2も効率的に分離することができ、高純度CO2アウトプット流が形成される。分離後、アノードアウトプットの残りの部分は、主として、CO2および/またはH2Oの量が低下して、化学および/または燃料値を有する成分に対応し得る。最初の燃料(改質前)によって発生するCO2の実質的な部分を分離することができるため、アノードアウトプットの残りの部分のその後の燃焼によって発生するCO2の量を低下させることができる。特に、アノードアウトプットの残りの部分の燃料がH2である範囲まで、追加的な温室効果ガスは、この燃料の燃焼によって典型的に形成され得ない。
アノード排出物は、水性ガスシフトおよび互いからの成分の分離を含む、様々なガス処理の選択肢を受けることができる。2つの一般的なアノード処理スキームを図1および2に示す。
図1は、化学合成プロセスに関連して溶融炭酸塩形燃料電池の燃料電池アレイを作動させるための反応系の実施例を概略的に示す。図1では、燃料流105は、燃料電池120、例えば、燃料電池アレイの燃料電池積層の一部分である燃料電池のアノード127と関連する改質段階110に提供される。燃料電池120と関連する改質段階110は、燃料電池アセンブリの内部であり得る。いくつかの任意選択的な態様では、外部改質段階(図示せず)を、燃料電池アセンブリにインプット流を通過させる前に、インプット流において改質可能燃料の一部分を改質するために使用することもできる。燃料流105は、好ましくは、改質可能燃料、例えば、メタン、他の炭化水素、および/または他の炭化水素様化合物、例えば、炭素−水素結合を含有する有機化合物を含み得る。燃料流105は、任意選択的に、H2および/またはCO、例えば、任意選択的なアノードリサイクル流185によって提供されるH2および/またはH2を含有することもできる。なお、アノードリサイクル流185は任意であり、多くの態様では、リサイクル流は、直接的にまたは燃料流105もしくは改質された燃料流115との組み合わせを通して間接的にアノード排出物125からアノード127に提供されない。改質後、改質された燃料流115を、燃料電池120のアノード127に通過させることができる。CO2およびO2含有流119をカソード129に通過させることもできる。燃料電池のカソード部分129からの炭酸塩イオン122、CO3 2−のフローは、アノード燃料電池反応のために必要とされる残りの反応物を提供する。アノード127における反応をベースとして、得られるアノード排出物125は、H2O、CO2、1つ以上の不完全に反応した燃料に対応する成分(H2、CO、CH4、または改質可能燃料に対応する他の成分)、ならびに任意選択的に1つ以上の追加的な非反応性成分、例えば、N2、および/または燃料流105の一部分である他の汚染物質を含み得る。アノード排出物125を、次いで、1つ以上の分離段階に通過させることができる。例えば、CO2除去段階140は、低温CO2除去システム、CO2などの酸性ガスの除去のためのアミン洗浄段階、またはCO2アウトプット流143をアノード排出物から分離するためのCO2分離段階の別の適切な種類に対応し得る。任意選択的に、アノード排出物を水性ガスシフト反応器130に最初に通過させて、(いくらかのH2Oに加えて)アノード排出物に存在するいずれのCOも、任意選択的に水性ガスシフトされたアノード排出物13においてCO2およびH2に変換することができる。CO2除去段階の性質次第で、水縮合または除去段階150は、アノード排出物からの水アウトプット流153を除去するために望ましいことがあり得る。CO2分離段階140後の図1に示されるが、それは、その代わりにCO2分離段階140前に任意選択的に位置し得る。加えて、H2の高純度透過流163を発生させるために、H2分離のための任意選択的な膜分離段階160を使用することができる。得られた保留物流166は次いで、化学合成プロセスへのインプットとして使用することができる。流れ166は、加えてまたは代わりに、H2、COおよびCO2含有量を異なる比率に調節するために第2の水性ガスシフト反応器131においてシフトされ得、化学合成プロセスにおけるさらなる使用のためのアウトプット流168を生じる。図1では、アノードリサイクル流185は、保留物流166から回収されるように示されるが、アノードリサイクル流185は、加えてまたは代わりに、様々な分離段階またはその間の他の有利な位置から回収され得る。分離段階およびシフト反応器は、加えてまたは代わりに、異なる順番および/または並列構成で構成され得る。最終的に、カソード129からのアウトプットとして、CO2 139の低下した含有量を有する流れが発生することができる。単純さのために、本プロセスにおいて有用であり得る圧縮および熱添加/除去の様々な段階、ならびに蒸気添加または除去は示されない。
上記の通り、アノード排出物において実行される様々な種類の分離は、いずれの好都合な順番でも実行することができる。図2は、アノード排出物において分離を実行するための別の順番の実施例を示す。図2では、アノード排出物125を、最初に、アノード排出物125から水素含有量の一部分263を除去するための分離段階260に通過させることができる。これにより、例えば、2:1により近いH2:COの比率で保留物266を提供するように、アノード排出物のH2含有量の減少を可能にすることができる。次いで、H2対COの比率は、水性ガスシフト段階230において所望の値を達成するために調節することができる。水性ガスシフトされたアウトプット235を、次いで、CO2分離段階240および水除去段階250に通過させ、所望の化学合成プロセスへのインプットとしての使用のために適切な流れ275を生じ得る。任意選択的に、アウトプット流275を、追加的な水性ガスシフト段階(図示せず)に暴露させることができる。アウトプット流275の一部分は、任意選択的にアノードインプットへリサイクルされ得る(図示せず)。当然ながら、分離段階のさらに他の組み合わせおよび配列は、所望の組成を有するアノードアウトプットをベースとする流れを発生させるために使用することができる。単純さのために、プロセスにおいて有用であり得る様々な段階の圧縮および熱添加/除去、ならびに蒸気添加または除去は示されない。
カソードインレットおよびアウトプット
従来、溶融炭酸塩形燃料電池は、アノードに送達される燃料流における燃料のいくらかの部分を消費しながら、所望の負荷を引き出すことをベースとして作動され得る。次いで、燃料電池の電圧は、負荷、アノードへの燃料インプット、カソードに提供される空気およびCO2、ならびに燃料電池の内部抵抗によって決定することができる。カソードへのCO2は、従来、カソードインプット流の少なくとも一部分としてアノード排出物を使用することにより、部分的に提供され得る。対照的に、本発明はアノードインプットおよびカソードインプットのための別々の/異なる供給源を使用することができる。アノードインプットフローおよびカソードインプットフローの組成物のいずれの直接的な関連も除去することにより、追加的な選択肢は、燃料電池を作動させるために利用可能になり、例えば、過剰量の合成ガスを発生させ、二酸化炭素の捕捉を改善し、および/または特に、燃料電池の全体効率(電気および化学動力)を改善する。
溶融炭酸塩形燃料電池では、燃料電池における電解質を通る炭酸塩イオンの輸送は、第1のフローパスから第2のフローパスへCO2を輸送し、より低い濃度(カソード)からより高い濃度(アノード)への輸送を可能にし、したがって、CO2の捕捉を促進することができる方法を提供することができる。CO2分離のための燃料電池の選択性の一部分は、電池が電力を発生させることを可能にする電気化学的反応をベースとすることができる。燃料電池内での電気化学的反応に効果的に関与しない非反応性種(例えば、N2)に関して、反応およびカソードからアノードまでの輸送に重要ではない量が存在することができる。対照的に、カソードとアノードとの間のポテンシャル(電圧)差は、燃料電池を通って強い推進力を炭酸塩イオンの輸送に提供することができる。その結果、溶融炭酸塩形燃料電池中の炭酸塩イオンの輸送は、比較的高選択性で、CO2が、カソード(より低いCO2濃度)からアノード(より高いCO2濃度)まで輸送されることを可能にする。しかしながら、二酸化炭素除去のために溶融炭酸塩形燃料電池を使用することにおける課題は、燃料電池が比較的希薄なカソード供給から二酸化炭素を除去するために限られた能力を有することであり得る。約2.0体積%未満までCO2濃度が低下すると、炭酸塩形燃料電池によって発生する電圧および/または動力は急速に低下を開始することができる。さらにCO2濃度が、例えば、約1.0体積%未満まで低下すると、ある点で、燃料電池の電圧は、炭酸塩の輸送がほとんど生じないか、またはもはや生じず、燃料電池が機能を停止するほど十分に低くなることができる。したがって、少なくともいくらかのCO2は、場合により、商業的に実行可能な作動条件で燃料電池のカソード段階からの排出物ガスに存在する。
燃料電池カソードに送達される二酸化炭素の量は、カソードインレットのための供給源のCO2含有量をベースとして決定することができる。カソードインプットフローとしての使用のために適切なCO2含有流の一例は、燃焼供給源からのアウトプットまたは排出物フローであり得る。燃焼供給源の例には、限定されないが、天然ガスの燃焼、石炭の燃焼、および/または他の炭化水素型燃料(生物学的に誘導された燃料を含む)の燃焼をベースとする供給源が含まれる。追加的、または代わりの供給源には、他の種類の煮沸器、燃焼された加熱器、炉、および/または別の物質(例えば、水または空気)を加熱するために炭素含有燃料を燃焼させる他の種類のデバイスを含み得る。第1の概算に対して、燃焼供給源からのアウトプットフローのCO2含有量は、フローの少数部分であり得る。より高いCO2含有量排出物フロー、例えば、石炭燃焼供給源からのアウトプットに関して、ほとんどの商業的な石炭燃焼発電所からのCO2含有量は、約15体積%以下であり得る。より一般に、燃焼供給源からのアウトプットまたは排出物フローのCO2含有量は、少なくとも約1.5体積%、または少なくとも約1.6体積%、または少なくとも約1.7体積%、または少なくとも約1.8体積%、または少なくとも約1.9体積%、または少なくとも約2体積%、または少なくとも約4体積%、または少なくとも約5体積%、または少なくとも約6体積%、または少なくとも約8体積%であり得る。加えてまたは代わりに、燃焼供給源からのアウトプットまたは排出物フローのCO2含有量は、約20体積%以下、例えば、約15体積%以下、または約12体積%以下、または約10体積%以下、または約9体積%以下、または約8体積%以下、または約7体積%以下、または約6.5体積%以下、または約6体積%以下、または約5.5体積%以下、または約5体積%以下、または約4.5体積%以下であり得る。上記で示される濃度は、乾燥基準である。なお、より低いCO2含有量値は、いくつかの天然ガスまたはメタン燃焼供給源、例えば、排出物ガスリサイクルループを含んでもよいか、または含まなくてもよい発電システムの一部分である発電機からの排出物において存在することができる。
カソードインプット流のための他の潜在的な供給源は、加えてまたは代わりに、生物的に生じたCO2の供給源を含み得る。これは、例えば、バイオ誘導化合物の処理中に発生するCO2、例えば、エタノール生成中に発生するCO2を含み得る。追加的または代わりの例は、生物的に生じた燃料の燃焼、例えば、リグノセルロースの燃焼によって発生するCO2を含み得る。さらに他の追加的または代わりの潜在的なCO2供給源は、様々な工業プロセスからのアウトプットまたは排気物流、例えば、鉄鋼、セメントおよび/または紙の製造のためにプラントによって発生するCO2含有流に対応し得る。
CO2のさらに別の追加的または代わりの潜在的な供給源は、燃料電池からのCO2含有流であり得る。燃料電池からのCO2含有流は、異なる燃料電池からのカソードアウトプット流、異なる燃料電池からのアノードアウトプット流、カソードアウトプットから燃料電池のカソードインプットへのリサイクル流、および/またはアノードアウトプットから燃料電池のカソードインプットへのリサイクル流に対応し得る。例えば、従来の条件で独立モードにおいて作動されたMCFCは、少なくとも約5体積%のCO2濃度を有するカソード排出物を発生させることができる。そのようなCO2含有カソード排出物は、本発明の態様によって作動されるMCFCのためのカソードインプットとして使用することができる。より一般に、加えてまたは代わりに、カソード排出物からCO2アウトプットを発生させる他の種類の燃料電池を使用することができ、ならびに他の種類のCO2含有流が「燃焼」反応および/または燃焼発電機により発生しない。任意選択的であるが好ましくは、別の燃料電池からのCO2含有流は、別の溶融炭酸塩形燃料電池からであり得る。例えば、カソードに関して直列に連結される溶融炭酸塩形燃料電池に関して、第1の溶融炭酸塩形燃料電池のカソードからのアウトプットを、第2の溶融炭酸塩形燃料電池のカソードへのインプットとして使用することができる。
燃焼供給源以外の供給源からの様々な種類のCO2含有流に関して、流れのCO2含有量は広範囲に変動することができる。カソードへのインプット流のCO2含有量は、少なくとも約2体積%、例えば、少なくとも約4体積%、または少なくとも約5体積%、または少なくとも約6体積%、または少なくとも約8体積%のCO2を含有することができる。加えてまたは代わりに、カソードへのインプット流のCO2含有量は、約30体積%以下、例えば、約25体積%以下、または約20体積%以下、または約15体積%以下、または約10体積%以下、または約8体積%以下、または約6体積%以下、または約4体積%以下であり得る。いくつかのさらにより高いCO2含有量流に関して、CO2含有量は、約30体積%より高いことができ、例えば、流れは、CO2と、他の化合物の重要ではない量のみから実質的に構成される。一例として、排出物ガスリサイクルのないガス燃焼タービンは、約4.2体積%のCO2含有量を有する排出物流を生じ得る。EGRにより、ガス燃焼タービンは、約6〜8体積%のCO2含有量を有する排出物流を生じ得る。メタンの化学量論的な燃焼は、約11体積%のCO2含有量を有する排出物流を生じ得る。石炭の燃焼は、約15〜20体積%のCO2含有量を有する排出物流を生じ得る。精製装置オフガスを使用する燃焼加熱器は、約12〜15体積%のCO2含有量を有する排出物流を生じ得る。いずれのEGRも用いない、低BTUガスにおいて作動されるガスタービンは、約12体積%のCO2含有量を有する排出物流を生じ得る。
CO2に加えて、カソードインプット流は、カソード反応のために必要な成分を提供するために、O2を含まなければならない。いくつかのカソードインプット流は、成分として空気を有することをベースとすることができる。例えば、燃焼排出物流は、空気の存在下で、炭化水素燃料を燃焼させることによって形成することができる。そのような燃焼排出物流、または別の種類の空気の含有をベースとする酸素含有量を有するカソードインプット流は、約20体積%以下、例えば約15体積%以下、または約10体積%以下の酸素含有量を有することができる。加えてまたは代わりに、カソードインプット流の酸素含有量は、少なくとも約4体積%、例えば少なくとも約6体積%、または少なくとも約8体積%であり得る。より一般に、カソードインプット流は、カソード反応を実行するために適切な酸素の含有量を有することができる。いくつかの態様では、これは、約5体積%〜約15体積%、例えば、約7体積%〜約9体積%の酸素含有量に対応し得る。多くの種類のカソードインプット流に関して、CO2およびO2の組み合わせられた量は、インプット流の約21体積%未満、例えば、流れの約15体積%未満または流れの約10体積%未満に対応し得る。酸素を含有する空気流を、低酸素含有量を有するCO2供給源と組み合わせることができる。例えば、石炭を燃焼させることによって発生する排出物流は、カソードインレット流を形成するために空気と混合することができる低酸素含有量を含み得る。
CO2およびO2に加えて、カソードインプット流は、N2、H2Oおよび他の典型的な酸化剤(空気)成分などの不活性/非反応性な種から構成されることもできる。例えば、燃焼反応からの排出物から誘導されるカソードインプットに関して、燃焼反応のために酸化剤供給源の一部として空気が使用される場合、排出物ガスは、空気の典型的な成分、例えば、N2、H2Oおよび空気に存在する少量の他の化合物を含み得る。燃焼反応のための燃料供給源の性質次第で、燃料供給源をベースとする燃焼後に存在する追加的な種としては、H2O、窒素(NOx)および/または硫黄(SOx)の酸化物、ならびに燃料に存在し、および/または燃料に存在する部分的もしくは完全燃焼生成物、例えば、COである他の化合物の1つ以上が含まれ得る。これらの種は、全体的なカソード活性を低下させ得るが、カソード触媒表面を損なわない量で存在し得る。そのような性能の低下は容認可能であり得、またはカソード触媒と相互作用する種は、既知の汚染物質除去技術によって容認可能な濃度まで低下され得る。
カソードインプット流(例えば、燃焼排出物をベースとするインプットカソード流)に存在するO2の量は、有利には、燃料電池においてカソード反応のために必要とされる酸素を提供するために十分であり得る。したがって、O2の体積パーセントは、有利には、排出物のCO2の量の少なくとも0.5倍であり得る。任意選択的に、必要に応じて、追加的な空気は、カソード反応のために十分な酸化剤を提供するために、カソードインプットに添加され得る。いくつかの形態の空気が酸化剤として使用される場合、カソード排出物中のN2の量は、少なくとも約78体積%、例えば少なくとも約88体積%、および/または約95体積%以下であり得る。いくつかの態様では、カソードインプット流は、加えてまたは代わりに、汚染物質として一般に見られる化合物、例えば、H2SまたはNH3を含有することができる。他の態様では、カソードインプット流は、そのような汚染物質の含有量を低下または最小化するためにクリーン化され得る。
電解質を通る輸送のために炭酸塩イオンを形成する反応に加えて、カソードにおける条件は、酸化窒素から硝酸塩および/または硝酸塩イオンへの変換のために適切であることもできる。以下、便宜のために硝酸塩イオンのみが記載される。得られる硝酸塩イオンも、アノードにおける反応のために電解質を通って輸送され得る。カソードインプット流のNOx濃度は、典型的にppmの規模であり得るため、この硝酸塩輸送反応は、電解質を通って輸送される炭酸塩の量に対して最小限の影響を有することができる。しかしながら、NOx除去のこの方法は、NOx排出を低下させる機構を提供することができるため、ガスタービンからの燃焼排出物をベースとするカソードインプット流に関して有利であり得る。カソードにおける条件は、加えてまたは代わりに、(カソードインプット流のO2と組み合わせて)未燃焼炭化水素から典型的な燃焼生成物、例えば、CO2およびH2Oへの変換のために適切であり得る。
MCFCの作動のための適切な温度は、約450℃〜約750℃、例えば、少なくとも約500℃、例えば、約550℃のインレット温度および約625℃のアウトレット温度であり得る。カソードに入る前に、必要に応じて、例えば、他のプロセス、例えば、アノードのために燃料インプットを改質するプロセスに熱を提供するため、熱を燃焼排出物に添加、または除去することができる。例えば、カソードインプット流のための供給源が燃焼排出物流である場合、燃焼排出物流は、カソードインレットのための所望の温度より高い温度を有し得る。そのような態様では、カソードインプット流としての使用前に熱を燃焼排出物から除去することができる。代わりに、燃焼排出物は、例えば、石炭燃焼煮沸器の湿式ガススクラバー後、非常に低温であり得、そのような場合、燃焼排出物は約100℃未満であり得る。代わりに、燃焼排出物は、複合サイクルモードで作動されたガスタービンの排出物からであり得、その場合、追加的な発電のために蒸気を生じさせて、蒸気タービンを動作することによってガスを冷却することができる。この場合、ガスは約50℃未満であり得る。所望よりも冷たい燃焼排出物に熱を添加することができる。
燃料電池配列
様々な態様では、燃料電池(例えば、複数の燃料電池積層を含有する燃料電池アレイ)のための構成選択肢は、複数の燃料電池間でCO2含有流を分割することであり得る。CO2含有流のいくつかの種類の供給源は、個々の燃料電池の能力と比較して、大きい体積フローレートを発生させることができる。例えば、工業用の燃焼供給源からのCO2含有アウトプット流は、典型的に、適切な径の単一MCFCのために望ましい作動条件と比較して大きいフロー体積に対応し得る。単一MCFCで全フローを処理する代わりに、それぞれのユニットのフローレートが所望のフロー範囲内にあることができるように、通常そのなかの少なくともいくつかが並列であり得る複数のMCFCユニット間にフローを分割することができる。
第2の構成の選択肢は、フロー流からCO2を連続的に除去するために、直列に燃料電池を利用することであり得る。CO2含有流を並列に分配することができる初期の燃料電池の数に関係なく、それぞれの初期の燃料電池は、さらに追加的なCO2を除去するために、直列の1つ以上の追加的な電池が続くことができる。カソードアウトプットにおけるCO2の所望の量が十分に低い場合、単一燃料電池または燃料電池段階において所望の濃度までカソードインプット流からCO2を除去することを試みることにより、燃料電池のための低いおよび/または予測不可能な電圧アウトプットが導かれることができるであろう。単一燃料電池または燃料電池段階において所望の濃度までCO2を除去することを試みるよりも、CO2は所望の濃度を達成することができるまで、連続した電池において除去され得る。例えば、燃料電池の直列のそれぞれの電池を使用して、燃料流に存在するCO2のいくらかのパーセント(例えば、約50%)を除去することができる。そのような例では、3つの燃料電池が直列に使用される場合、CO2濃度を低下させることができる(例えば、存在する最初の量の約15%未満まで、これは、直列の3つの燃料電池のコース上で約6%から約1%未満までCO2濃度を低下させることに対応し得る)。
別の構成では、作動条件は、所望のアウトプット電圧を提供するために、直列のより早い燃料段階において選択され得るが、段階のアレイは、炭素分離の所望の濃度を達成するために選択され得る。一例として、燃料電池のアレイは、直列に3つの燃料電池で使用され得る。直列の最初の2つの燃料電池は、所望のアウトプット電圧を維持しながら、CO2を除去するために使用され得る。次いで、最終的な燃料電池は、所望の濃度までであるが、より低い電圧で、CO2を除去するために作動され得る。
なお別の構成では、燃料電池アレイにおいてアノードおよびカソードに関して別々の接続性があることができる。例えば、燃料電池アレイが直列に連結される燃料カソードを含む場合、対応するアノードは、いずれかの好都合な方法で連結され得、例えば、その対応するカソードと同じ配列に必ずしも適合しない。これには、例えば、それぞれのアノードが同種類の燃料供給を受け取るように、並列にアノードを連結すること、および/またはアノードの最高燃料濃度が最低CO2濃度を有するそのカソードに対応し得るように逆直列でアノードを連結することが含まれることができる。
さらに別の構成では、1つ以上のアノード段階まで送達される燃料の量および/または1つ以上のカソード段階まで送達されるCO2の量は、燃料電池アレイの性能を改善するために制御することができる。例えば、燃料電池アレイは、直列に連結される複数のカソード段階を有することができる。直列に3つのカソード段階を含むアレイでは、これは、第1のカソード段階からのアウトプットは、第2のカソード段階のためのインプットに対応し得、第2のカソード段階からのアウトプットは、第3のカソード段階のためのインプットに対応し得ることを意味する。この種類の構成では、CO2濃度は、それぞれの連続したカソード段階で減少することができる。この低下したCO2濃度の埋め合わせをするために、追加的な水素および/またはメタンを、その後のカソード段階に対応するアノード段階まで送達することができる。その後のカソード段階に対応するアノードの追加的な水素および/またはメタンは、低下したCO2濃度によって生じる電圧および/または電流の損失を少なくとも部分的に相殺することができ、これによって燃料電池によって生じる電圧、したがって正味の動力を増加させることができる。別の実施例では、燃料電池アレイのカソードは、部分的に直列かつ部分的に並列に連結させることができる。この種類の実施例では、第1のカソード段階においてカソード中に全燃焼アウトプットを通過させる代わりに、燃焼排出物の少なくとも一部分は、その後のカソード段階中に通過させることができる。これにより、その後のカソード段階においてCO2含有量の増加を提供することができる。アノード段階またはカソード段階のいずれかまで可変的な供給を使用するためのさらに他の選択肢は、必要に応じて使用することができる。
上記の通り、燃料電池のカソードは、燃料電池のアレイからの複数のカソードに対応し得る。いくつかの態様では、燃料電池アレイは、カソードからアノードまで転送される炭素の量を改善または最大化するために作動させることができる。そのような態様では、(典型的に直列配列を少なくとも含むか、または最終的なカソードおよび初期のカソードが同じである)アレイ配列における最終的なカソードからのカソードアウトプットに関して、アウトプット組成物は、約2.0体積%以下のCO2(例えば、約1.5体積%以下または約1.2体積%以下)、および/または少なくとも約0.5体積%のCO2、または少なくとも約1.0体積%、または少なくとも約1.2体積%、または少なくとも約1.5体積%を含み得る。この限定のために、溶融炭酸塩形燃料電池使用時のCO2除去の正味の効率は、カソードインプットにおけるCO2の量に依存することができる。約6体積%より高く、例えば、少なくとも約8体積%のCO2含有量を有するカソードインプット流に関しては、除去することができるCO2の量の限定は厳しくない。しかしながら、典型的にガスタービンで見られるような、過剰量の空気とともに燃料として天然ガスを使用する燃焼反応に関して、燃焼排出物のCO2の量は、約5体積%未満のカソードインプットにおけるCO2濃度に対応するのみであり得る。排出物ガスリサイクルの使用により、カソードインプットにおけるCO2の量を少なくとも約5体積%、例えば少なくとも約6体積%まで増加させることができる。約6体積%より高いCO2濃度を生じるために燃料として天然ガスを使用するときにEGRが増加する場合、次いで、燃焼室における可燃性を減少させることができ、ガスタービンは不安定化し得る。しかしながら、H2が燃料に添加される場合、可燃性範囲は有意に増加し得、少なくとも約7.5体積%または少なくとも約8体積%のカソードインプットにおけるCO2の濃度が達成可能となるように、排出物ガスリサイクルの量をさらに増加させることができる。一例として、カソード排出物における約1.5体積%の除去限界をベースとして、約5.5体積%から約7.5体積%までカソードインプットにおけるCO2含有量を増加させることは、最終的なCO2分離のために燃料電池を使用して捕捉することができ、かつアノードループへ輸送することができるCO2の量の約10%増加に対応し得る。カソードアウトプットにおけるO2の量は、加えてまたは代わりに、典型的に除去されるCO2の量と比例した量で低下させることができ、それにより、カソード出口における他の(非カソード反応性)種の量の小さい対応する増加をもたらすことができる。
他の態様では、燃料電池アレイは、燃料電池のエネルギーアウトプット、例えば、全エネルギーアウトプット、電気エネルギーアウトプット、合成ガス化学エネルギーアウトプットまたはその組み合わせを改善または最大化するために作動させることができる。例えば、溶融炭酸塩形燃料電池は、例えば、化学合成プラントに用いられる合成ガス流の発生のため、および/または高純度水素流の発生のために、様々な状態において過剰量の改質可能燃料を用いて作動させることができる。合成ガス流および/または水素流は、合成ガス供給源、水素供給源として、クリーンな燃料供給源として、および/または他のいずれかの好都合な用途のために使用することができる。そのような態様では、カソード排出物のCO2の量は、カソードインプット流におけるCO2の量、および燃料電池エネルギーアウトプットを改善または最大化するための所望の作動条件でのCO2利用に関連することができる。
加えてまたは代わりに、作動条件次第で、MCFCは、約5.0体積%以下、例えば、約4.0体積%以下、または約2.0体積%以下、または約1.5体積%以下、または約1.2体積%以下までカソード排出物流のCO2含有量を低下させることができる。加えてまたは代わりに、カソード排出物流のCO2含有量は、少なくとも約0.9体積%、例えば、少なくとも約1.0体積%、または少なくとも約1.2体積%、または少なくとも約1.5体積%であり得る。
溶融炭酸塩形燃料電池の作動
いくつかの態様では、燃料電池は、単回通過または貫流モードで作動され得る。単回通過モードでは、アノード排出物の改質された生成物はアノードインレットに戻されない。したがって、アノードアウトプットから直接、アノードインレットに合成ガス、水素またはいくつかの他の生成物をリサイクルすることは、単回通過作動では行われない。より一般に、単回通過作動では、アノード排出物の改質された生成物は、例えば、その後、アノードインレットに導入された燃料流を処理するために改質された生成物を用いることにより、アノードインレットに間接的にも戻されない。任意選択的に、アノードアウトレットからのCO2は、単回通過モードのMCFCの作動中、カソードインレットにリサイクルされ得る。より一般に、いくつかの別の態様では、アノードアウトレットからカソードインレットへのリサイクルは、単回通過モードで作動するMCFCに関して生じ得る。アノード排出物またはアウトプットからの熱は、加えてまたは代わりに、単回通過モードにおいてリサイクルされ得る。例えば、アノードアウトプットフローは熱交換器を通過し得、そこで、アノードアウトプットは冷却されて、別の流れ、例えばアノードおよび/またはカソードのためのインプット流が加温される。アノードから燃料電池まで熱をリサイクルすることは、単回通過または貫流モード作動における使用と調和する。任意選択的であるが、好ましくはないが、アノードアウトプットの成分は、単回通過モード中、燃料電池に熱を提供するために燃焼され得る。
図3は、電力の発生のためのMCFCの作動の概略的実施例を示す。図3では、燃料電池のアノード部分は、インプットとして燃料および蒸気(H2O)を受け取ることができ、水、CO2、ならびに任意選択的に過剰量のH2、CH4(または他の炭化水素)および/またはCOがアウトプットである。燃料電池のカソード部分は、インプットとしてCO2およびいくつかの酸化剤(例えば、空気/O2)を受け取ることができ、アウトプットはO2欠乏酸化剤(空気)における減少した量のCO2に対応する。燃料電池内で、カソードサイドで形成されるCO3 2−イオンは電解質を通って輸送され得、アノードで生じる反応のために必要とされる炭酸塩イオンを提供し得る。
図3に示される実施例の燃料電池などの溶融炭酸塩形燃料電池内で、いくつかの反応が生じ得る。改質反応は任意であり得、十分なH
2がアノードに直接提供される場合、減少させるかまたは排除し得る。以下の反応はCH
4をベースとするが、他の燃料が燃料電池で使用される場合、同様の反応が生じ得る。
反応(1)は、燃料電池のアノードにおける使用のためにH2を発生させるための基本的な炭化水素改質反応を表す。反応(1)で形成されるCOは、水性ガスシフト反応(2)によってH2に変換され得る。反応(1)および(2)の組み合わせは、反応(3)として示される。反応(1)および(2)は、燃料電池の外部で生じ得、および/または改質はアノードの内部で実行し得る。
反応(4)および(5)は、それぞれアノードおよびカソードにおいて、燃料電池内で電力発生をもたらすことができる反応を表す。反応(4)は、供給に存在するか、または反応(1)および/もしくは(2)によって任意選択的に発生するH2を炭酸塩イオンと組み合わせ、H2O、CO2および回路への電子を形成する。反応(5)は、O2、CO2および回路からの電子を組み合わせ、炭酸塩イオンを形成する。反応(5)によって発生する炭酸塩イオンは、反応(4)のために必要とされる炭酸塩イオンを提供するために、燃料電池の電解質を通って輸送され得る。電解質を通る炭酸塩イオンの輸送と組み合わせて、閉じた電流ループが、アノードとカソードとの間の電気接続を提供することによって次いで形成され得る。
様々な実施形態では、燃料電池を作動させる目標は、燃料電池の全体の効率、および/または燃料電池と、集積化された化学合成プロセスの全体の効率を改善することであり得る。これは、目標が、電力の発生のために電池に提供される燃料を使用するための高電気効率を有する燃料電池を作動させることであり得る、従来の燃料電池の作動とは典型的に対照的である。上記で定義されるように、全体の燃料電池効率は、燃料電池の電気アウトプットおよび燃料電池アウトプットの低位発熱量を、燃料電池のためのインプット成分の低位発熱量によって割ることによって決定され得る。換言すると、TFCE=(LHV(el)+LHV(sg out))/LHV(in)であり、式中、LHV(in)およびLHV(sg out)は、燃料電池に送達された燃料成分(例えば、H2、CH4および/またはCO)、ならびにアノードアウトレット流またはフローの合成ガス(H2、COおよび/またはCO2)のLHVを指す。これは、燃料電池および/または集積化された化学プロセスによって発生する電気エネルギーおよび化学エネルギーの尺度を提供することができる。なお、全効率のこの定義の下、燃料電池内で使用され、かつ/または集積化された燃料電池/化学合成システム内で使用される熱エネルギーは、全効率に寄付することができる。しかしながら、交換されるかまたは他の場合には燃料電池もしくは集積化された燃料電池/化学合成システムから回収されるいずれの過剰量の熱も、この定義から排除される。したがって、燃料電池からの過剰量の熱が、例えば、蒸気タービンによる発電のために蒸気を発生させるために使用される場合、そのような過剰量の熱は全効率の定義から排除される。
いくつかの操作パラメータは、過剰量の改質可能燃料によって燃料電池を作動させるために修正され得る。いくつかのパラメータは、燃料電池作動に現在推奨されるものと同様であり得る。いくつかの態様では、燃料電池へのカソード条件および温度インプットは、文献で推奨されるものと同様であり得る。例えば、所望の電気効率および所望の全燃料電池効率は、溶融炭酸塩形燃料電池のために典型的な燃料電池動作温度の範囲で達成され得る。典型的な作動では、燃料電池を通って温度を増加させることができる。
他の態様では、燃料電池が、アノードインレットからアノードアウトレットへ、および/またはカソードインレットからカソードアウトレットへの温度低下を可能にするように作動されるように、燃料電池の操作パラメータは、典型的な条件から逸脱することができる。例えば、炭化水素をH2およびCOに変換する改質反応は、吸熱性反応である。電流を発生させる水素の酸化の量と比較して、十分な量の改質が燃料電池アノードで実行される場合、燃料電池における正味の熱バランスは吸熱性であり得る。これは、燃料電池のインレットとアウトレットとの間での温度低下を生じ得る。吸熱性作動中、燃料電池において電解質が溶融状態で残存するように、燃料電池の温度低下は制御され得る。
現在推奨されるものと異なるようにする方法で修正することができるパラメータには、アノードに提供される燃料の量、アノードに提供される燃料の組成、および/またはアノード排出物からアノードインプットもしくはカソードインプットのいずれかへの合成ガスの有意なリサイクルを伴わないアノードアウトプットの合成ガスの分離および捕捉を含み得る。いくつかの態様では、アノード排出物からのアノードインプットまたはカソードインプットのいずれかへの合成ガスまたは水素のリサイクルは、直接的にまたは間接的に生じさせないことができる。追加的または別の態様では、リサイクルの限定的な量を生じ得る。そのような態様では、アノード排出物からアノードインプットおよび/またはカソードインプットへのリサイクルの量は、アノード排出物の約10体積%未満、例えば、約5体積%未満、または約1体積%未満であり得る。
加えてまたは代わりに、燃料電池を作動させる目標は、電力の発生を可能にすることに加えて、燃焼反応またはCO2アウトプット流を生じる別のプロセスのアウトプット流からCO2を分離することであり得る。そのような態様では、組み合わせられた発電機/燃料電池システムによって発生する大部分の動力を提供することができる、1つ以上の発電機またはタービンに動力を供給するために、燃焼反応を使用することができる。燃料電池による発電を最適化するために燃料電池を作動させるよりも、このシステムは、代わりに、二酸化炭素を捕捉するために必要とされる燃料電池の数を減少または最小化しながら、燃焼動力発電機からの二酸化炭素の捕捉を改善するために作動され得る。燃料電池のインプットおよびアウトプット動力フローのために適切な構成を選択すること、ならびに燃料電池のために適切な作動条件を選択することにより、全効率および炭素捕捉の望ましい組み合わせを可能にすることができる。
いくつかの実施形態では、燃料電池アレイの燃料電池は、燃料電池(例えば、燃料電池積層)の単一段階のみが存在することができるように配置することができる。この種類の実施形態では、単一段階中のアノード燃料利用は、アレイのアノード燃料利用を表すことができる。別の選択肢は、燃料電池アレイが、アノードの複数段階およびカソードの複数段階を含有し得ることであり、それぞれのアノード段階は同範囲内の燃料利用を有し、例えば、それぞれのアノード段階は、明示された値の10%以内、例えば、明示された値の5%以内の燃料利用を有する。さらに別の選択肢は、それぞれのアノード段階が、明示された値と同等または明示された値未満の燃料利用を有し得ることであり、例えば、それぞれのアノード段階は、5%以下、例えば、10%以下、明示された値より大きくない。実例となる実施例として、複数のアノード段階を有する燃料電池アレイは、50%燃料利用の約10%の範囲内であるそれぞれのアノード段階を有することができ、これは、約40%〜約60%の燃料利用を有するそれぞれのアノード段階に対応する。他の例として、複数の段階を有する燃料電池アレイは、最大偏差が約5%未満で、60%アノード燃料利用より高くないそれぞれのアノード段階を有することができ、これは、約55%〜約60%の燃料利用を有するそれぞれのアノード段階に対応する。さらに別の実施例では、燃料電池アレイの燃料電池の1つ以上の段階は、約30%〜約50%の燃料利用で作動され得、例えば、約30%〜約50%の燃料利用でアレイにおいて複数の燃料電池段階が作動される。より一般に、上記の種類の範囲のいずれも、本明細書に明示されるアノード燃料利用値のいずれとも組み合わせることができる。
さらに別の追加的または代わりの選択肢は、全てではないアノード段階に関する燃料利用を明示することを含み得る。例えば、本発明のいくつかの態様では、燃料電池/積層は、1つ以上の直列配列で少なくとも部分的に配置され得、アノード燃料利用は、直列の第1のアノード段階、直列の第2のアノード段階、直列の最終的なアノード段階、または直列の他のいずれかの好都合なアノード段階のために明示され得る。本明細書で使用される場合、直列の「第1の」段階は、インプットが燃料供給源から直接供給される段階(または配列が同様に並列の段階を含有する場合、段階の組み合わせ)に対応し、その後の(「第2の」、「第3の」、「最終的な」など)段階は、それぞれの燃料供給源から直接の代わりに、1つ以上の前の段階からのアウトプットが供給される段階を表す。前の段階からのアウトプットおよび燃料供給源からの直接インプットの両方が段階に同時供給される状況では、「第1の」(組み合わせの)段階および「最後の」(組み合わせの)段階が存在することができるが、他の段階(「第2の」、「第3の」など)は、その中で順番を確立するために、より慎重を要することができる(例えば、そのような場合、順番は、複合インプット供給組成物における1つ以上の成分、例えばCO2の濃度により、最も高い濃度「第1」から最も低い濃度「最後」まで決定され得、ほぼ同様の組成差が同様の順番を表す)。
さらに別の追加的または代わりの選択肢は、特定のカソード段階に対応するアノード燃料利用を明示することであり得る(再び、燃料電池/積層が1つ以上の直列配列で少なくとも部分的に配置され得る)。上記の通り、アノードおよびカソード内のフローの方向をベースとして、第1のカソード段階は、(同じ燃料電池膜を通って)第1のアノード段階に対応しなくてもよい。したがって、本発明のいくつかの態様では、アノード燃料利用は、直列の第1のカソード段階、直列の第2のカソード段階、直列の最終的なカソード段階、または直列の他のいずれかの好都合なカソード段階のために明示され得る。
なおさらに別の追加的または代わりの選択肢は、燃料電池アレイの全燃料電池における燃料利用の全平均を明示することであり得る。様々な態様では、燃料電池アレイのための燃料利用の全平均は、約65%以下、例えば、約60%以下、約55%以下、約50%以下または約45%の以下であり得る(加えてまたは代わりに、燃料電池アレイのための全平均燃料利用は、少なくとも約25%、例えば、少なくとも約30%、少なくとも約35%または少なくとも約40%であり得る)。そのような平均燃料利用は、燃料電池のアレイが所望の燃料利用を満たす限り、いずれかの単一段階における燃料利用を必ずしも限定する必要はない。
捕捉後のCO2アウトプットのための用途
本発明の様々な態様では、上記のシステムおよび方法により、加圧流体としての二酸化炭素の生成を可能にすることができる。例えば、低温分離段階から発生するCO2は、最初、少なくとも約90%、例えば、少なくとも約95%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の純度を有する加圧されたCO2液体に対応し得る。この加圧されたCO2流は、例えば、二次石油採集においてなど、さらに油またはガス回収を向上させるためのウェルへの注入に使用され得る。ガスタービンを包含する設備の付近で実行される場合、全体的なシステムは、電気/機械的動力の使用における追加的な相乗効果から、および/または全体システムとの熱集積化を通して利益を得ることができる。
代わりに、強制石油回収(EOR)用途のためのシステムに関して(すなわち、厳密な成基準を有するパイプラインシステムにおいて混合されない)、CO2分離必要条件は実質的に緩和され得る。EOR用途はO2の存在に感応性であり得るため、いくつかの実施形態では、EORに関して意図されたCO2流からO2は不在であり得る。しかしながら、EOR用途は、溶解されたCO、H2および/またはCH4に対して低い感応性を有する傾向あることができる。また、CO2を輸送するパイプラインは、これらの不純物に感応性であり得る。その溶性ガスは、典型的に、EORに使用されるCO2の可溶化能力に対してわずかな影響のみを有することができる。CO、H2および/またはCH4などの注入ガスは、EORガスとして、燃料価回復のいくらかの損失をもたらすことができるが、そのようなガスは、他の場合、EOR用途と適合性であり得る。
加えてまたは代わりに、加圧された液体としてのCO2の潜在的な用途は、藻類成長/収穫などの生物学的プロセスにおける養分としてであり得る。CO2分離のためのMCFCの使用により、確実に、生物学的に有意な汚染物質を容認できる低濃度まで低下させることができ、光合成有機体の成長に実質的に悪影響を及ぼさないような少量の他の「汚染物質」ガス(CO、H2、N2などおよびその組み合わせ)のみを有するCO2含有流をもたらす。これは、重金属などの潜在的に高度に毒性の材料を多くの場合に含有することができるほとんどの工業用供給源によって発生するアウトプット流とは際立った対比であり得る。
本発明のこの種類の態様では、アノードループにおけるCO2の分離によって発生するCO2流は、生物燃料および/または化学製品、ならびにその前駆体を製造するために使用することができる。さらに加えてまたは代わりに、CO2は高密度流体として生じられ得、例えば、光合成有機体の大きい領域への距離を通したより容易なポンプ輸送および輸送が可能となる。従来の排出供給源は、他のガスおよび汚染物質と混合された適度の量のCO2(例えば、約4〜15%)を含有するホットガスを排出することができる。これらの材料は通常、藻類の池または生物燃料「ファーム」に希薄なガスとしてポンプ輸送される必要がある。対照的に、本発明によるMCFCシステムは、濃縮CO2流(乾燥基準で約60〜70体積%)を生じ得、これは、さらに95%+(例えば、96%+、97%+、98%+または99%+)まで濃縮可能であり、かつ容易に液化可能である。次いで、この流れを比較的低コストにおいて長距離上で容易にかつ効率的に輸送することができて、広い領域上で効果的に分配することができる。これらの実施形態では、燃焼供給源/MCFCから余熱は、同様に全システムに集積化され得る。
CO2供給源/MCFCおよび生物学的/化学的製造サイトが同位置に配置される別の実施形態は適用し得る。その場合、最小限の圧縮のみが必要とされ得る(すなわち、生物学的生成において使用される十分なCO2圧力、例えば、約15psig〜約150psigを提供する)。いくつかの新しい配列は、そのような場合、可能であり得る。二次改質は、任意選択的に、CH4含有量を低下させるためにアノード排出物に適用され得、水性ガスシフトは、任意選択的に、加えてまたは代わりに、いずれかの残りのCOをCO2およびH2にするために存在し得る。
アノードアウトプット流および/またはカソードアウトプット流からの成分は、様々な目的のために使用することができる。1つの選択肢は、上記の通り、水素の供給源としてアノードアウトプットを使用することであり得る。精製装置と集積化されるか、または同位置に配置されるMCFCに関して、水素化などの様々な精製装置プロセスのための水素供給源として水素を使用することができる。別の選択肢は、加えてまたは代わりに、燃焼からのCO2が既に「捕捉」された燃料供給減として水素を使用することであり得る。そのような水素は、精製装置または他の工業用装置では、煮沸器、炉、および/または燃焼された加熱器用の燃料として使用され得、かつ/またはタービンなどの発電機のための供給として水素が使用され得る。MCFC燃料電池からの水素は、さらに加えてまたは代わりに、場合により燃料電池によって動力を供給される車両を含む、インプットとして水素を必要とする他の種類の燃料電池のためにインプット流として使用することができる。なお別の選択肢は、加えてまたは代わりに、MCFC燃料電池からのアウトプットとして発生する合成ガスを、発酵インプットとして使用することであり得る。
別の選択肢は、加えてまたは代わりに、アノードアウトプットから発生する合成ガスを使用することであり得る。当然ながら、燃料として燃焼させたときに合成ガスをベースとする燃料がいくらかのCO2に生成をなお導くことができるが、合成ガスは燃料として使用することができる。他の態様では、合成ガスアウトプット流を、化学合成プロセスのためのインプットとして使用することができる。1つの選択肢は、加えてまたは代わりに、フィッシャー−トロプシュ型プロセスおよび/またはより大きい炭化水素分子が合成ガスインプットから形成される別のプロセスのために合成ガスを使用することであり得る。別の選択肢は、加えてまたは代わりに、メタノールなどの中間生成物を形成するために合成ガスを使用することであり得る。メタノールは、最終生成物として使用することができるが、他の態様では、合成ガスから発生するメタノールは、より大きい化合物、例えば、ガソリン、オレフィン、芳香族化合物および/または他の生成物を発生させるために使用することができる。なお、少量のCO2は、メタノール合成プロセス、および/またはシフティング触媒を利用するフィッシャートロプシュプロセスへの合成ガス供給において容認可能とすることができる。ヒドロホルミル化は、合成ガスインプットを利用することができるさらに別の合成プロセスの追加的または代わりの例である。
なお、合成ガスを発生させるMCFCの使用に関する1つの変形形態は、沖合石油採掘装置または最終的な市場からかなりの距離である他の製造システムによって回収されたメタンおよび/または天然ガスの処理のためのシステムの一部としてMCFC燃料電池を使用することであり得る。ウェルから気相アウトプットを輸送することを試みる代わりに、または長期間、気相生成物を貯蔵することを試みる代わりに、ウェルからの気相アウトプットを、MCFC燃料電池アレイへのインプットとして使用することができる。これは、様々な利点を導くことができる。第1に、燃料電池アレイによって発生する電力を、プラットホームのための動力供給源として使用することができる。加えて、燃料電池アレイからの合成ガスアウトプットを、製造サイトにおいてフィッシャートロプシュプロセスのためのインプットとして使用することができる。これにより、製造サイトから、例えば、陸上設備まで、またはより大きいターミナルまで、パイプライン、船または鉄道車両により、より容易に輸送される液体炭化水素生成物の形成が可能となる。
さらに他の集積化の選択肢は、加えてまたは代わりに、高純度の加熱された窒素の供給源としてカソードアウトプットを使用することを含み得る。カソードインプットは空気の大部分を多くの場合に含み得、これは、窒素の実質的な部分がカソードインプットに含まれ得ることを意味する。燃料電池は、電解質を通ってカソードからアノードまでCO2およびO2を輸送することができ、カソードアウトレットは、CO2およびO2のより低い濃度、したがって、空気に見られるよりも高いN2の濃度を有することができる。残留するO2およびCO2のその後の除去により、この窒素アウトプットを、アンモニアまたは他の窒素含有化学製品、例えば、尿素、硝酸アンモニウムおよび/または硝酸の製造のためのインプットとして使用することができる。なお、尿素合成は、加えてまたは代わりに、アノードアウトプットとは別のCO2をインプット供給として使用することができるであろう。
集積化実施例:燃焼タービンとの集積化のための用途
本発明のいくつかの態様では、動力を発生させるため、およびCO2含有排気物を排気するための燃焼供給源は、溶融炭酸塩形燃料電池の作動と集積化させることができる。適切な燃焼供給源の一例は、ガスタービンである。好ましくは、ガスタービンは、追加的な効率のために蒸気発生および熱回収と集積化された複合サイクルモードにおいて天然ガス、メタンガスまたは他の炭化水素ガスを燃焼させることができる。現代の天然ガス複合サイクル効率は、最大および最新の設計に関して、約60%である。得られるCO2含有排出物ガス流は、MCFC作動との適合性を有する高温、例えば、約300℃〜700℃、例えば約500℃〜650℃で生成することができる。ガス供給源は、任意選択的であるが好ましくは、タービンに入る前に、MCFCに悪影響を及ぼし得る硫黄などの汚染物質をクリーニングすることができる。代わりに、ガス供給源は、排出物ガスが典型的に、排出物ガスの汚染物質のより高い濃度のため、燃焼後にクリーニングされる発電機であり得る。そのような代替案では、ガスへの/ガスからのいくらかの熱交換は、より低い温度でのクリーンアップを可能にするために必要とされ得る。追加的または代わりの実施形態では、CO2含有排出物ガスの供給源は、煮沸器、燃焼室、または炭素の豊富な燃料を燃焼させる熱供給源からのアウトプットであり得る。他の追加的または代わりの実施形態では、CO2含有排出物ガスの供給源は、他の供給源と組み合わせた生物学的に生成されたCO2であり得る。
燃焼供給源との集積化のために、燃料電池アノードの処理のためのいくつかの他の構成が望ましくなることができる。例えば、他の構成が、燃料電池アノードからの排出物の少なくとも一部分を燃料電池アノードのインプットにリサイクルすることであり得る。MCFCアノードからのアウトプット流には、主なアウトプット成分として、H2O、CO2、任意選択的にCO、かつ任意選択的であるが典型的に未反応の燃料(例えば、H2またはCH4)が含まれることができる。別のプロセスとの集積化のための外部燃料流および/またはインプット流として、このアウトプット流を使用する代わりに、1つ以上の分離を、潜在的燃料価を有する成分、例えば、H2またはCOからCO2を分離するために、アノードアウトプット流において実行することができる。次いで、燃料価を有する成分は、アノードのインプットへリサイクルすることができる。
この種類の構成は、1つ以上の利点を提供することができる。第1に、低温CO2分離器を使用することなどにより、CO2をアノードアウトプットから分離することができる。アノードアウトプットの成分のいくつか(H2、CO、CH4)は容易に凝縮可能な成分ではないが、CO2およびH2Oは、凝縮された相として個々に分離することができる。実施形態次第で、アノードアウトプットのCO2の少なくとも約90体積%を分離することができ、比較的高純度のCO2アウトプット流を形成することができる。代わりに、いくつかの態様では、より少ないCO2をアノードアウトプットから除去することができ、アノードアウトプットのCO2の約50体積%〜約90体積%、例えば約80体積%以下、または約70体積%以下を分離することができる。分離後、アノードアウトプットの残りの部分は、主として燃料価を有する成分、ならびにCO2および/またはH2Oの減少した量に対応し得る。分離後のアノードアウトプットのこの部分は、追加的な燃料に加えて、アノードインプットの一部分として使用するためにリサイクルすることができる。この種類の構成では、MCFCを通る単回通過の燃料利用が低いとしても、未使用の燃料は、アノードを通る別の通過のために有利にリサイクルされ得る。その結果、単回通過燃料利用は減少されたレベルであり得るが、一方、環境への未燃焼燃料の損失(排出)を回避することができる。
アノード排出物の一部分をアノードインプットへリサイクルすることに加えてまたはその代わりに、別の構成の選択肢は、タービン、または煮沸器、炉および/もしくは燃焼加熱器などの他の燃焼デバイスの燃焼反応のためのインプットとして、アノード排出物の一部分を使用することであり得る。アノードインプットにリサイクルされ、および/または燃焼デバイスへのインプットとしてのアノード排出物の相対的な量は、いずれかの好都合なまたは望ましい量であり得る。アノード排出物がアノードインプットおよび燃焼デバイスの1つのみにリサイクルされる場合、リサイクルの量は、いずれかの好都合な量であることもでき、例えば、CO2および/またはH2Oを除去するためのいずれかの分離後に残留するアノード排出物の100%までの部分であり得る。アノード排出物の一部分が、アノードインプットおよび燃焼デバイスにリサイクルされる場合、定義による全体のリサイクルされた量は、アノード排出物の残留部分の100%以下であり得る。他の場合、ノード排出物のいずれの好都合な分割も使用することができる。本発明の様々な実施形態では、アノードインプットへのリサイクルの量は、分離後に残留するアノード排出物の少なくとも約10%、例えば、少なくとも約25%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約75%、または少なくとも約90%であり得る。加えてまたは代わりに、その実施形態では、アノードインプットへのリサイクルの量は、分離後に残留するアノード排出物の約90%以下、例えば、約75%以下、約60%以下、約50%以下、約40%以下、約25%以下または約10%以下であり得る。さらに加えてまたは代わりに、本発明の様々な実施形態では、燃焼デバイスへのリサイクルの量は、分離後に残留するアノード排出物の少なくとも約10%、例えば、少なくとも約25%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約75%、または少なくとも約90%であり得る。加えてまたは代わりに、その実施形態では、燃焼デバイスへのリサイクルの量は、分離後に残留するアノード排出物の約90%以下、例えば、約75%以下、約60%以下、約50%以下、約40%以下、約25%以下、または約10%以下であり得る。
本発明のさらに他の態様では、燃焼デバイスのための燃料は、加えてまたは代わりに、不活性であり、かつ/または他の場合、燃料中で希釈剤として作用する成分の高められた量を有する燃料であり得る。CO2およびN2は、燃焼反応中、比較的不活性であり得る天然ガス供給の成分の一例である。燃料供給における不活性成分の量が十分なレベルに達する場合、タービンまたは他の燃焼供給源の性能に影響を与えることができる。この影響は、部分的に、燃焼反応をクエンチする傾向があり得る熱を吸収する不活性成分の能力によるものであり得る。十分なレベルの不活性成分を有する燃料供給の例には、少なくとも約20体積%のCO2を含有する燃料供給、または少なくとも約40体積%のN2を含有する燃料供給、または同様のクエンチ能力を提供するために十分な不活性熱容量を有するCO2およびN2の組み合わせを含有する燃料供給を含み得る。(なお、CO2はN2より大きい熱容量を有し、したがって、より低濃度のCO2は、より高濃度のN2と同様の影響を有することができる。CO2は、N2より容易に燃焼反応に関与することもでき、その際、燃焼からH2を除去する。H2のこのような消費は、火炎速度を低下させて、空気と燃料混合物の可燃性範囲を限定することにより、燃料の燃焼への大きい影響を有することができる)。より一般に、燃料供給の可燃性に影響を与える不活性成分を含有する燃料供給に関して、燃料供給の不活性成分は、少なくとも約20体積%、例えば、少なくとも約40体積%、または少なくとも約50体積%、または少なくとも約60体積%であり得る。好ましくは、燃料供給の不活性成分の量は、約80体積%以下であり得る。
不活性成分の十分な量が燃料供給に存在する場合、得られる燃料供給は、供給の燃料成分に関する可燃性領域の外にあることができる。この種類の状態では、アノード排出物のリサイクルされた部分から発電機のための燃焼領域へのH2の添加は、燃料供給およびH2の組み合わせに関する可燃性領域を拡張することができ、これにより、例えば、少なくとも約20体積%のCO2または少なくとも約40体積%のN2(またはCO2およびN2の他の組み合わせ)を含有する燃料供給が問題なく燃焼され得る。
燃焼領域に送達される燃料供給およびH2の全容量と比較して、可燃性領域を拡張するためのH2の量は、燃料供給およびH2の全容量の少なくとも約5体積%、例えば、少なくとも約10体積%、および/または約25体積%以下であり得る。可燃性領域を拡張するために添加するH2の量を特徴付けるための別の選択肢は、H2添加前に燃料供給に存在する燃料成分の量をベースとすることができる。燃料成分は、メタン、天然ガス、他の炭化水素および/または従来から燃焼動力タービンもしくは他の発電機の燃料として見なされる他の成分に対応し得る。燃料供給に添加されるH2の量は、燃料供給における燃料成分(1:3のH2:燃料成分の比率)の体積の少なくとも約3分の1、例えば、燃料成分の体積の少なくとも約半分(1:2の比率)に対応し得る。加えてまたは代わりに、燃料供給に添加されるH2の量は、燃料供給における燃料成分の体積とほぼ同等(1:1の比率)以下である。例えば、約30体積%のCH4、約10体積%のN2および約60体積%のCO2を含有する供給に関して、約1:2のH2対CH4の比率を達成するために、アノード排出物の十分な量を燃料供給に添加することができる。H2のみを含有する理想的なアノード排出物に関して、1:2の比率を達成するためのH2の添加により、約26体積%のCH4、13体積%のH2、9体積%のN2および52体積%のCO2を含有する供給をもたらすことができる。
排出物ガスリサイクル
CO2の捕獲および最終的な分離のために燃料電池アレイに排出物ガスを提供することを除き、排出物ガスの追加的または代わりの潜在的用途は、CO2含有量を増加させるための燃焼反応へのリサイクルを含み得る。燃焼電池アレイのアノード排出物からの水素などの水素が燃焼反応への添加のために利用可能である場合、燃焼反応の範囲内でCO2含有量を増加させるためにリサイクルされた排出物ガスを使用することから、さらなる利点を得ることができる。
本発明の様々な態様では、発電システムの排出物ガスリサイクルループは、燃焼から排出物ガスの第1の部分を受け取ることができ、燃料電池アレイは第2の部分を受け取ることができる。発電システムの燃焼領域にリサイクルされる、燃焼からの排出物ガスの量は、いずれかの好都合な量、少なくとも約15体積%、例えば、少なくとも約25体積%、少なくとも約35体積%、少なくとも約45体積%、または少なくとも約50体積%などであることもできる。加えてまたは代わりに、燃焼領域に再循環される燃焼排出物ガスの量は、約65体積%以下、例えば約60体積%以下、約55体積%以下、約50体積%以下、または約45体積%以下であり得る。
本発明の1つ以上の態様では、酸化剤(例えば、空気および/または酸素富化空気)と燃料との混合物を燃焼し、かつ(同時に)リサイクルされた排出物ガスの流れと混合することができる。CO2などの燃焼の生成物を一般に含み得るリサイクルされた排出物ガスの流れを、燃焼の温度、および後続する膨張器に入ることができる排出物の温度を制御、調節または他の方法で変更するための希釈剤として使用することができる。酸素富化空気を使用することの結果として、リサイクルされた排出物ガスは、増加したCO2含有量を有することができ、それにより、同じインレットおよび排出温度に関してより高い膨張比さえも膨張器を作動させることが可能となり、それにより動力発生を有意に増加させることが可能となる。
ガスタービンシステムは、システムの性能を向上させるためにリサイクルされた排出物ガスを使用することができる発電システムの一例を表すことができる。ガスタービンシステムは、シャフトを介して膨張器に連結された第1の/主要な圧縮器を有することができる。シャフトは、いずれの機械的、電気的、または他の動力カップリングであることもでき、それにより、膨張器によって発生する機械的エネルギーの一部分によって主要な圧縮器を駆動することが可能となる。ガスタービンシステムは、燃料および酸化剤の混合物を燃焼させるように構成される燃焼室を含むこともできる。本発明の様々な態様では、燃料は、合成ガス、天然ガス、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ナフサディーゼル、ケロシン、航空燃料、石炭誘導燃料、生物燃料、酸素化炭化水素原料またはそれらのいずれかの組み合わせなどのいずれの適切な炭化水素ガス/液体も含み得る。酸化剤は、いくつかの実施形態では、燃焼室に流動的に連結され、かつ供給酸化剤を圧縮するために適応された第2のまたはインレット圧縮器から誘導され得る。本発明の1種以上の実施形態では、供給酸化剤は、大気空気および/または富化空気を含み得る。酸化剤が富化空気のみ、または大気空気と富化空気との混合物を含む場合、富化空気は、インレット圧縮器(混合物の場合、大気空気と混合される前または後)によって圧縮され得る。富化空気および/または空気富化空気混合物は、少なくとも約25体積%、例えば、少なくとも約30体積%、少なくとも約35体積%、少なくとも約40体積%、少なくとも約45体積%、または少なくとも約50体積%の全酸素濃度を有することができる。加えてまたは代わりに、富化空気および/または空気富化空気混合物は、約80体積%以下、例えば、約70体積%以下の全酸素濃度を有することができる。
富化空気は、いくつかの供給源のいずれか1つ以上から誘導することができる。例えば、富化空気は、膜分離、圧力スイング吸着、温度スイング吸着、窒素プラント副産物流および/またはその組み合わせなどの分離技術から誘導することができる。富化空気は、加えてまたは代わりに、圧力維持または他の目的のために窒素を生成するために、空気分離ユニット(ASU)、例えば、低温ASUから誘導することができる。本発明の特定の実施形態では、そのようなASUからのレジェクト流は、酸素が豊富であり得、約50体積%〜約70体積%の全酸素含有量を有し、富化空気の少なくとも一部分として使用され得、必要に応じて、その後、所望の酸素濃度を得るために未処理の大気空気によって希釈され得る。
燃料および酸化剤に加えて、燃焼室は、主としてCO2および窒素成分を有する排出物ガス再循環などの圧縮リサイクル排出物ガスを任意選択的に受け取ることもできる。圧縮リサイクル排出物ガスは、例えば、主要な圧縮器から誘導され得、例えば、燃焼生成物の温度を緩和することにより、酸化剤および燃料の燃焼を促進するために適応され得る。認識され得るように、排出物ガスを再循環させることは、CO2濃度を増加させるために役立ち得る。
膨張器のインレットに向けられる排出物ガスは、燃焼反応の生成物として発生することができる。排出物ガスは、リサイクルされた排出物ガスの燃焼反応への導入を少なくとも一部分でベースとする高CO2含有量を有することができる。排出物ガスはで膨張器を通って膨張するため、それは主要な圧縮器を駆動するため、発電機を駆動するため、および/または他の設備に動力を供給するための機械的動力を発生させることができる。
発電システムは、多くの実施形態では、排出物ガス再循環(EGR)システムを含むこともできる。本発明の1つ以上の態様では、EGRシステムは、蒸気ガスタービンに流動的に連結された熱回収蒸気発生器(HRSG)および/または別の同様のデバイスを含み得る。少なくとも1つの実施形態では、HRSGおよび蒸気ガスタービンの組み合わせは、動力発生閉鎖ランキンサイクルとして特徴付けることができる。ガスタービンシステムと組み合わせて、HRSGおよび蒸気ガスタービンは、天然ガス複合サイクル(NGCC)プラントなどの複合サイクル動力発生プラントの一部分を形成することができる。ガス排出物は、蒸気および冷却された排出物ガスを発生させるため、HRSGに導入することができる。HRSGは、排出物流から水を分離および/または凝縮するための、蒸気を形成するために熱を伝達するための、および/または流れの圧力を所望のレベルまで変更するための様々なユニットを含み得る。特定の実施形態では、蒸気は、追加的な電力を発生させるために、蒸気ガスタービンに送られ得る。
HRSGの通過および少なくともいくらかのH2Oの任意選択的な除去後、CO2含有排出物流は、いくつかの実施形態では、燃焼反応へのインプットとしての使用のためにリサイクルすることができる。上記の通り、排出物流は、燃焼反応のために容器内で所望の反応圧力に適合させるために、圧縮(または減圧)することができる。
集積化されたシステムの実施例
図4は、タービンに動力を供給するために、CO2を含有するリサイクルされた排出物ガスおよび燃料電池アノード排出物からのH2またはCOの両方の燃焼反応への導入を含む、集積化されたシステムの実施例を概略的に示す。図4では、タービンは、圧縮器402、シャフト404、膨張器406および燃焼領域415を含み得る。酸素供給源411(例えば、空気および/または酸素富化空気)を、リサイクルされた排出物ガス498と組み合わせ、かつ燃焼領域415に入る前に圧縮器402において圧縮することができる。CH4などの燃料412、および任意選択的にH2またはCO187を含有する流れを、燃焼領域まで送達することができる。燃料および酸化剤は、領域415において反応することができ、かつ任意選択的であるが好ましくは、電力を発生させるために、膨張器406に通過させることができる。膨張器106からの排出物ガスは、2つの流れ、例えば、CO2含有流422(燃料電池アレイ425のためのインプット供給として使用することができる)および別のCO2含有流492(例えば、蒸気タービン494を使用して、追加的な電気の発生を可能にすることができる、熱回収および蒸気発生器システム490のためのインプットとして使用することができる)を形成するために使用することができる。CO2含有流からのH2Oの一部分の任意選択的な除去を含む、熱回収システム490を通過した後、アウトプット流498は、圧縮器402または図示されない第2の圧縮器における圧縮のためにリサイクルすることができる。CO2含有流492のために使用される膨張器406からの排出物の割合は、燃焼領域415への添加のためのCO2の所望の量をベースとして決定することができる。
本明細書で使用される場合、EGR比率は、燃料電池結合部分および熱回収発電機に送られる回収結合部分に関する組み合わせられたフローレートで割られた、排出物ガスの燃料電池結合部分のフローレートである。例えば、図4に示されるフローのためのEGR比率は、流れ422および492の組み合わせられたフローレートで割られた流れ422のフローレートである。
CO2含有流422は、溶融炭酸塩形燃料電池アレイ425のカソード部分(図示せず)を通過させることができる。燃料電池アレイ425内の反応をベースとして、CO2を流れ422から分離することができて、燃料電池アレイ425のアノード部分(図示せず)に輸送することができる。これにより、CO2の欠乏したカソードアウトプット流424をもたらすことができる。カソードアウトプット流424は、次いで、蒸気タービン454(前記の蒸気タービン494と任意選択的に同じであり得る)を使用して、熱交換の発生および/または追加的な発電のために、熱回収(および任意選択的な蒸気発生器)システム450を通過させることができる。熱回収および蒸気発生器システム450を通過した後、得られた燃焼ガス流456を周囲に排出することができ、および/またはアミンスクラバーなどの他の種類の炭素捕捉技術を通過させることができる。
燃料電池アレイ425のカソードサイドからアノードサイドへのCO2輸送後、アノードアウトプット435を水性ガスシフト反応器470に任意選択的に通過させることができる。水性ガスシフト反応器470を使用して、アノードアウトプット435に存在するCO(およびH2O)を消費して、追加的なH2およびCO2を発生させることができる。任意選択的な水性ガスシフト反応器470からのアウトプットを、次いで、1つ以上の分離段階440、例えば、コールドボックスまたは低温分離器に通過させることができる。これにより、アノードアウトプットの残りの部分から、H2O流447およびCO2流449を分離することができる。アノードアウトプット485の残りの部分は、改質によって発生するが、燃料電池アレイ425で消費されない未反応のH2を含み得る。H2含有流485の第1の部分445は、燃料電池アレイ425においてアノードのためのインプットにリサイクルされ得る。流れ485の第2の部分487は、燃焼領域415のためのインプットとして使用することができる。第3の部分465は、別の目的のためにそのままで使用され得、かつ/またはその後のさらなる使用のために処理され得る。図4および本明細書の記載には最大で3つの部分が概略的に記載されているが、本発明に従って、これらの3つの部分の1つのみを利用し得ること、2のみを利用し得ること、または3つ全てを利用し得ることが考えられる。
図4では、排出物ガスリサイクルループのための排出物は、第1の熱回収および蒸気発生器システム490によって提供されるが、第2の熱回収および蒸気発生器システム450を使用して、燃料電池アレイ425のカソードアウトプットからの過剰量の熱を捕捉することができる。図5は、排出物ガスリサイクルループが、燃料電池アレイアウトプットを処理するために使用される同じ熱回収蒸気発生器によって提供される別の実施形態を示す。図5では、リサイクルされた排出物ガス598は、燃焼ガス流556の一部分として、熱回収および蒸気発生器システム550によって提供される。これにより、タービンと関連する別々の熱回収および蒸気発電機システムを排除することができる。
本発明の様々な実施形態では、本プロセスは、燃焼反応によって発生する熱および/または圧力を、力の別の形態に変換することができる、タービン、内燃機関または別のシステムに動力を供給するための燃焼反応によって始動するものとしてアプローチされる。燃焼反応のための燃料は、水素、炭化水素および/またはエネルギーを放出するために酸化(燃焼)され得る炭素を含有する他のいずれかの化合物を含み得るか、またはそれらであり得る。燃料が水素のみを含有する場合を除いて、燃焼反応からの排出物ガスの組成物は、反応の性質次第でCO2含有量の範囲(例えば、少なくとも約2体積%〜約25体積%以下)を有することができる。したがって、燃料が炭素質である特定の実施形態では、排出物ガスのCO2含有量は、少なくとも約2体積%、例えば、少なくとも約4体積%、少なくとも約5体積%、少なくとも約6体積%、少なくとも約8体積%、または少なくとも約10体積%であり得る。加えてまたは代わりに、そのような炭素質の燃料実施形態では、CO2含有量は、約25体積%以下、例えば、約20体積%以下、約15体積%以下、約10体積%以下、約7体積%以下、または約5体積%以下であり得る。(炭素質燃料に関して)より低い相対的なCO2含有量を有する排出物ガスは、リーン(lean)な(過剰空気)燃焼による天然ガスなどの燃料における燃焼反応からの排出物ガスに対応し得る。(炭素質燃料に関して)より高い相対的なCO2含有量排出物ガスは、最適化された天然ガス燃焼反応、例えば、排出物ガスリサイクルを有するもの、および/または石炭などの燃料の燃焼に対応し得る。
本発明のいくつかの態様では、燃焼反応のための燃料は、少なくとも約90体積%、例えば、少なくとも約95体積%の5個以下の炭素を含有する化合物を含有することができる。そのような態様では、排出物ガスのCO2含有量は、少なくとも約4体積%、例えば、少なくとも約5体積%、少なくとも約6体積%、少なくとも約7体積%、または少なくとも約7.5体積%であり得る。加えてまたは代わりに、排出物ガスのCO2含有量は、約13体積%以下、例えば、約12体積%以下、約10体積%以下、約9体積%以下、約8体積%以下、約7体積%以下、または約6体積%以下であり得る。排出物ガスのCO2含有量は、燃焼発電機の構成次第で、値の範囲を表すことができる。排出物ガスのリサイクルは、少なくとも約6体積%のCO2含有量を達成するために有利であり得るが、燃焼反応への水素の添加により、少なくとも約7.5体積%のCO2含有量を達成するために、CO2含有量のさらなる増加を可能にすることができる。
他の構成 − 高過酷度NOxタービン
ガスタービンは、いくつかの因子によってその作動で制限され得る。1つの典型的な制限は、規制排出限界を満たすために、酸化窒素(NOx)の十分に低い濃度を達成するため、燃焼領域における最大温度が特定の限界より低く制御され得ることであり得る。規制排出限界は、燃焼排出物を環境に出すときに、燃焼排出物が約20vppm以下、可能であれば10vppm以下のNOx含有量を有することを必要とすることができる。
天然ガス燃料燃焼タービンにおけるNOx生成は、温度および残留時間の関数であり得る。NOxの形成をもたらす反応は、約1500°Fの火炎温度以下では重要性が低く、および/または最小限であり得るが、温度がこの点を超えて増加すると、NOx生成が迅速に増加することができる。ガスタービンでは、初期の燃焼生成物は、約1200°F付近の温度まで混合物を冷却するために、追加の空気と混合することができ、温度は、膨張器ブレードの冶金学によって制限され得る。初期のガスタービンは、典型的に、約1500°Fより十分高い温度で化学量論的領域を有した拡散火炎において燃焼を実行し、より高いNOx濃度をもたらす。最近では、「乾燥低NOx」(DLN)バーナーの電流発生は、より冷たいリーンな(化学量論より燃料の少ない)条件で天然ガスを燃焼させるために、特別な予混合されたバーナーを使用することができる。例えば、より多くの希釈空気を初期の火炎に混合することができて、後期はより少ない量を混合することができ、約1200°Fのタービン−膨張器インレット温度まで温度を低下させることができる。DLNバーナーの不都合は、ターンダウン、より高い維持、狭い作動範囲、および低い燃料適応性における低い性能を含み得る。DLNバーナーを様々な品質の燃料に適用させることがより困難である(または少しでも液体燃料に適用することが困難である)ことができるため、後者は懸念となることができる。CO2の高含有量を含有する燃料などの低BTU燃料に関して、DLNバーナーは典型的に使用されず、代わりに、拡散バーナーを使用することができる。加えて、ガスタービン効率は、より高いタービン−膨張器インレット温度を使用することにより、増加させることができる。しかしながら、希釈空気の量の制限があることができるため、またこの量は、タービン−膨張器インレット温度の増加によって減少することができるため、DLNバーナーは、ガスタービンの効率が改善しても、低NOxを維持することに関して、あまり有効になることができない。
本発明の様々な態様では、炭素捕捉のためにガスタービンを燃料電池と集積化するシステムは、追加的なNOx排出を低下および/または最小化し、DLNバーナーとは現在適合性ではないタービン燃料の使用によるDLNと同様のNOx節減を可能にしながら、より高い燃焼領域温度の使用を可能にすることができる。そのような態様では、タービンは、より高い動力(すなわち、より高い温度)で動作することができ、より高いNOx排出がもたらされるが、より高い電力出力および潜在的により高い効率ももたらされる。本発明のいくつかの態様では、燃焼排出物のNOxの量は、少なくとも約20vppm、例えば、少なくとも約30vppm、または少なくとも約40vppmであり得る。加えてまたは代わりに、燃焼排出物のNOxの量は、約1000vppm以下、例えば、約500vppm以下、または約250vppm以下、または約150vppm以下、または約100vppm以下であり得る。規制によって要求される濃度までNOx濃度を低下させるために、得られるNOxは、気相における単純な熱分解、燃料電池アレイにおけるニッケルカソード触媒からの触媒作用による分解、および/または少量のアンモニア、尿素もしくは他の還元剤の注入による燃料電池より前の促進された熱分解などのいくつかの機構の1つを通して、熱NOx分解を介して平衡化され得る(排出物流における平衡濃度までのNOx濃度の低下)。これは、アノード排出物から誘導される水素の導入によって促進することができる。燃料電池のカソードにおけるNOxのさらなる低下は、NOxをカソード表面で反応させることができて、分解することができる電気化学的分解を介して達成することができる。これは、膜電解質を通って、アノードへのいくらかの窒素輸送をもたらすことができ、そこでアンモニアまたは他の還元窒素化合物が形成され得る。MCFCが関与するNOx低下法に関して、燃料電池/燃料電池アレイからの予想されるNOx低下は、燃料電池カソードへのインプットにおけるNOxの約80%以下、例えば、約70%以下、および/または少なくとも約5%であり得る。なお、硫化物腐食作用も温度を制限することができ、従来のシステムではタービンブレード冶金学に影響を及ぼすこともできる。しかしながら、MCFCシステムの硫黄制限は、典型的に、硫化物腐食作用と関連する懸念を低下または最小化する、低下された燃料硫黄濃度を必要とすることができる。低燃料利用でMCFCアレイを作動させることは、例えば、燃焼反応のための燃料の一部分がアノード排出物からの水素に対応する態様では、そのような懸念をさらに軽減することができる。
追加的な実施形態
本群の実施形態はグループAである。「上記実施形態のいずれか」という指示は、本群内の他の実施形態のみを参照することを意味する。
実施形態1
アノードおよびカソードを含む溶融炭酸塩形燃料電池を使用して、電気、および水素または合成ガスを発生させる方法であって、改質可能燃料を含む燃料流を、溶融炭酸塩形燃料電池のアノード、アノードと関連する内部改質要素、またはその組み合わせに導入するステップと、CO2およびO2を含むカソードインレット流を、溶融炭酸塩形燃料電池のカソードに導入するステップと、約65%以下(例えば、約60%以下、約55%以下、約50%以下、約45%以下、約40%以下、約35%以下、約30%以下、約25%以下または約20%以下)の燃料利用において、かつ電池作動電圧対電池最大電圧の比率が約0.65以下(例えば、約0.64以下、約0.63以下、約0.62以下または約0.61以下)である電池作動電圧において、溶融炭酸塩形燃料電池内で電気を発生させるステップと、溶融炭酸塩形燃料電池のアノードアウトレットからアノード排出物を発生させるステップと、アノード排出物から、H2含有流、合成ガス含有流、またはその組み合わせを分離するステップとを含む方法。
実施形態2
改質可能燃料を改質するステップをさらに含み、溶融炭酸塩形燃料電池のアノード、溶融炭酸塩形燃料電池のアノードと関連する内部改質要素、またはその組み合わせに導入される改質可能燃料の少なくとも約90%が、溶融炭酸塩形燃料電池のアノードを通る単回通過において改質される、実施形態1の方法。
実施形態3
アノード、アノードと関連する内部改質要素またはその組み合わせに導入された改質可能燃料の改質可能水素含有量が、電気を発生させるために酸化された水素の量より少なくとも約75%多い(例えば、少なくとも約100%多い)、実施形態1または2の方法。
実施形態4
カソードのCO2利用が少なくとも約50%(例えば、少なくとも約60%)である、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態5
アノード燃料流が、少なくとも約10体積%の不活性化合物、少なくとも約10体積%のCO2、またはその組み合わせを含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態6
アノード排出物が、約1.5:1〜約10.0:1(例えば、約3.0:1〜約10:1)のH2:COのモル比を有するH2およびCOを含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態7
H2含有流が、少なくとも約90%のH2(例えば、約95体積%のH2、または約98体積%のH2)を含有する、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態8
カソードインレット流が、約20体積%以下のCO2(例えば、約15体積%以下のCO2、または約12体積%以下のCO2)を含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態9
H2含有流の少なくとも一部分を燃焼タービンにリサイクルするステップをさらに含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態10
改質可能燃料の少なくとも約90体積%がメタンである、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態11
溶融炭酸塩形燃料電池が、約0.25〜約1.5(例えば、約0.25〜約1.25、約0.25〜約1.0、約0.25〜約0.9または約0.25〜約0.85)の熱比率で作動される、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態12
アノード排出物における合成ガスの正味のモル対カソード排出物におけるCO2のモルの比率が、少なくとも約2.0:1(例えば、少なくとも約2.5:1、または少なくとも約3:1)である、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態13
アノードにおける燃料利用が、約50%以下(例えば、約45%以下、約40%以下、約35%以下、約30%以下、または約25%以下、または約20%以下)であり、かつカソードにおけるCO2利用が、少なくとも約60%(例えば、少なくとも約65%、少なくとも約70%、または少なくとも約75%)である、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態14
溶融炭酸塩形燃料電池を作動させて、少なくとも約150mA/cm2の電流密度において電力および少なくとも約40mW/cm2(例えば、少なくとも約50mW/cm2、少なくとも約60mW/cm2、少なくとも約80mW/cm2、または少なくとも100mW/cm2)の廃熱を発生させ、約100℃以下(例えば、約80℃以下または約60℃以下)のアノードインレットとアノードアウトレットとの間の温度差を維持するために吸熱性反応の有効な量を実行するステップをさらに含み、任意選択的に吸熱性反応を実行することにより、廃熱の少なくとも約40%(例えば、少なくとも約50%、少なくとも約60%、または少なくとも約70%)が消費される、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態15
溶融炭酸塩形燃料電池の電気効率が、約10%〜約40%であり、かつ溶融炭酸塩形燃料電池の全燃料電池効率が、少なくとも約55%である、上記実施形態のいずれかの方法。
本群の実施形態はグループBである。「上記実施形態のいずれか」という指示は、本群内の他の実施形態のみを参照することを意味するのに対して、「上記実施形態の群のいずれか」という指示は、1つ以上の他の群からの実施形態のいずれかの個々または組み合わせを参照することを意味する。
実施形態1
上記実施形態の群のいずれかに加えてまたはその代わりに、電気を発生させる方法であって、H2を含むリサイクルされたアノード排出物燃料流、少なくとも約30体積%の1種以上の不活性ガスを含む低エネルギー含有量燃料流、およびO2含有流を、燃料領域に導入するステップと、燃焼領域において燃焼反応を実行し、燃焼排出物を発生させるステップと、改質可能燃料を含むアノード燃料流を、溶融炭酸塩形燃料電池のアノード、溶融炭酸塩形燃料電池のアノードと関連する内部改質要素、またはその組み合わせに導入するステップと、CO2およびO2を含むカソードインレット流を、溶融炭酸塩形燃料電池のカソードに導入するステップと、溶融炭酸塩形燃料電池内で電気を発生させるステップと、溶融炭酸塩形燃料電池のアノードアウトレットから、H2を含むアノード排出物を発生させるステップと、アノード排出物の少なくとも一部分を分離して、リサイクルされたアノード排出物燃料流れを形成するステップとを含む方法。
実施形態2
低エネルギー含有量燃料流が、少なくとも約35体積%を含む、実施形態1の方法。
実施形態3
低エネルギー含有量燃料流中の1種以上の不活性ガスが、CO2、N2またはその組み合わせである、実施形態1または2の方法。
実施形態4
溶融炭酸塩形燃料電池のアノードの燃料利用が、約65%以下(例えば、約60%以下)である、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態5
溶融炭酸塩形燃料電池のアノードの燃料利用が約30%〜約50%である、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態6
アノード排出物流のアノード−リサイクル部分を、1種以上の燃料電池アノードにリサイクルするステップをさらに含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態7
改質可能燃料がCH4を含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態8
カソードインレット流が、燃焼排出物の少なくとも一部分を含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態9
燃焼排出物が、約10体積%以下のCO2(例えば、約8体積%以下のCO2)を含み、かつ燃焼排出物が、少なくとも約4体積%のCO2を任意選択的に含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態10
アノード排出物流が、少なくとも約5.0体積%(例えば、少なくとも約10体積%または少なくとも約15体積%)のH2を含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態11
アノード排出物流の少なくとも一部分を分離するステップ前にアノード排出物流を水性ガスシフト触媒に暴露し、リサイクルされたアノード排出物燃料流を形成するステップをさらに含み、シフトされたアノード排出物流のH2含有量が、曝露前のアノード排出物流のH2含有量より高い、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態12
リサイクルされたアノード排出物燃料流を燃焼領域に通過させる前に、リサイクルされたアノード排出物燃料流を、低エネルギー含有量燃料流と組み合わせる、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態13
カソード排出物流が、約2.0体積%以下(例えば、約1.5体積%以下または約1.2体積%以下)のCO2含有量を有する、上記実施形態のいずれかの方法。
本群の実施形態はグループCである。「上記実施形態のいずれか」という指示は、本群内の他の実施形態のみを参照することを意味するのに対して、「上記実施形態の群のいずれか」という指示は、1つ以上の他の群からの実施形態のいずれかの個々または組み合わせを参照することを意味する。
実施形態1
上記実施形態の群のいずれかに加えてまたはその代わりに、燃焼供給源から二酸化炭素を捕捉する方法であって、燃料流およびO2含有流を燃焼領域に導入するステップと、燃焼領域において燃焼反応を実行して、CO2を含む燃焼排出物を発生させるステップと、1つ以上の溶融炭酸塩形燃料電池の燃料電池アレイにより、燃焼排出物の少なくとも第1の部分を含むカソードインレット流を処理して、燃料電池アレイの少なくとも1つのカソードアウトレットからカソード排出物流を形成するが、1つ以上の溶融炭酸塩形燃料電池が1つ以上の燃料電池アノードおよび1つ以上の燃料電池カソードを含み、1つ以上の溶融炭酸塩形燃料電池が、少なくとも1つのカソードインレットを介して燃焼領域に有効に接続されているステップと、1つ以上の燃料電池アノード内で、1つ以上の燃料電池カソードからの炭酸塩をH2と反応させ、電気と、燃料電池アレイの少なくとも1つのアノードアウトレットからのCO2およびH2を含むアノード排出物流とを発生させるステップと、1つ以上の分離段階においてCO2をアノード排出物流から分離して、CO2欠乏アノード排出物流を形成するステップと、CO2欠乏アノード排出物流の少なくとも燃焼リサイクル部分を燃焼領域に通過させるステップと、CO2欠乏アノード排出物流の少なくともアノードリサイクル部分を、1つ以上の燃料電池アノードへリサイクルするステップとを含む方法。
実施形態2
1つ以上の燃料電池アノードにおける燃料利用が約65%以下(例えば、約60%以下)である、実施形態1の方法。
実施形態3
1つ以上の燃料電池アノードの燃料利用が約30%〜約50%である、実施形態2の方法。
実施形態4
1つ以上の燃料電池アノードが複数のアノード段階を含み、かつ1つ以上の燃料電池カソードが複数のカソード段階を含み、複数のアノード段階における低利用アノード段階が、65%以下(例えば、約60%以下)のアノード燃料利用を有し、低利用アノード段階が、複数のカソード段階の高利用カソード段階に対応し、高利用カソード段階が、複数のカソード段階のいずれかの他のカソード段階のカソードインレットにおけるCO2と同程度またはそれより高いカソードインレットにおけるCO2含有量を有する、実施形態2の方法。
実施形態5
低利用アノード段階の燃料利用が、少なくとも約40%(例えば、少なくとも約45%または少なくとも約50%)である、実施形態4の方法。
実施形態6
複数のアノード段階のそれぞれのアノード段階の燃料利用が、約65%以下(例えば、約60%以下)である、実施形態4の方法。
実施形態7
CO2欠乏アノード排出物流の燃焼リサイクル部分が、CO2欠乏アノード排出物流の少なくとも約25%を構成し、かつCO2欠乏アノード排出物流のアノードリサイクル部分が、CO2欠乏アノード排出物流の少なくとも約25%を構成する、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態8
1つ以上の燃料電池アノードに、CH4を任意選択的に含む炭素含有燃料を通過させるステップをさらに含む、実施形態7の方法。
実施形態9
炭素含有燃料の少なくとも一部分を改質して、H2を発生させるステップと、1つ以上の燃料電池アノードに、発生したH2の少なくとも一部分を通過させるステップとをさらに含む、実施形態8の方法。
実施形態10
1つ以上の燃料電池アノードに入る前に、炭素含有燃料を改質段階に通過させることなく、炭素含有燃料を1つ以上の燃料電池アノードに通過させる、実施形態8の方法。
実施形態11
燃焼排出物が、約10体積%以下のCO2(例えば、8体積%以下のCO2)を含み、少なくとも約4体積%のCO2を任意選択的に含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態12
少なくとも約6体積%のCO2を任意選択的に含む燃焼排出物の第2の部分を、燃焼領域にリサイクルするステップをさらに含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態13
燃焼排出物の第2の部分を燃焼領域にリサイクルするステップが、燃焼排出物の第2の部分およびH2O含有流間で熱を交換して、蒸気を形成するステップと、燃焼排出物の第2の部分から水を分離して、H2O欠乏燃焼排出物流を形成するステップと、H2O欠乏燃焼排出物の少なくとも一部分を燃焼領域に通過させるステップとを含む、実施形態12の方法。
実施形態14
アノード排出物流が、1つ以上の分離段階においてアノード排出物流からのCO2の分離ステップ前に少なくとも約5.0体積%のH2(例えば、少なくとも約10体積%または少なくとも約15体積%)を含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態15
アノード排出物流を、水性ガスシフト触媒に暴露して、1つ以上の分離段階におけるアノード排出物流からのCO2の分離ステップ前に、シフトされたアノード排出物流を形成するステップをさらに含み、水性ガスシフト触媒への曝露後のシフトされたアノード排出物流のH2含有量が水性ガスシフト触媒への曝露より前のアノード排出物流のH2含有量より高い、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態16
CO2欠乏アノード排出物流の燃焼リサイクル部分を燃焼領域に通過させる前に、CO2欠乏アノード排出物流の燃焼リサイクル部分を燃料流と組み合わせる、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態17
カソード排出物流が約2.0体積%以下(例えば、約1.5体積%以下または約1.2体積%以下)のCO2含有量を有する、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態18
1つ以上の分離段階におけるアノード排出物流からのCO2の分離ステップが、アノード排出物流から水を任意選択的に分離して、H2O欠乏アノード排出物流を任意選択的に形成するステップと、任意選択的なH2O欠乏アノード排出物流を冷却して、凝縮されたCO2の相を形成するステップとを含む、上記実施形態のいずれかの方法。
本群の実施形態はグループDである。「上記実施形態のいずれか」という指示は、本群内の他の実施形態のみを参照することを意味するのに対して、「上記実施形態の群のいずれか」という指示は、1つ以上の他の群からの実施形態のいずれかの個々または組み合わせを参照することを意味する。
実施形態1
上記実施形態の群のいずれかに加えてまたはその代わりに、燃焼供給源から二酸化炭素を捕捉する方法であって、燃焼燃料流およびO2含有流を燃焼領域に導入するステップと、燃焼領域において燃焼反応を実行して、CO2を含む燃焼排出物を発生させるステップと、1つ以上の溶融炭酸塩形燃料電池の燃料電池アレイにより、燃焼排出物の少なくとも第1の部分を含むカソードインレット流を処理して、燃料電池アレイの少なくとも1つのカソードアウトレットからカソード排出物流を形成するが、1つ以上の溶融炭酸塩形燃料電池が1つ以上の燃料電池アノードおよび1つ以上の燃料電池カソードを含み、1つ以上の溶融炭酸塩形燃料電池が、少なくとも1つのカソードインレットを介して燃焼領域に有効に接続されているステップと、1つ以上の燃料電池アノード内で、1つ以上の燃料電池カソードからの炭酸塩をH2と反応させ、電気と、燃料電池アレイの少なくとも1つのアノードアウトレットからのCO2およびH2を含むアノード排出物流とを発生させるステップと、1つ以上の分離段階においてCO2をアノード排出物流から分離して、CO2欠乏アノード排出物流を形成するステップと、CO2欠乏アノード排出物流の少なくとも燃焼リサイクル部分を燃焼領域に通過させるステップとを含む方法。
実施形態2
CO2欠乏アノード排出物流のアノードリサイクル部分を1つ以上の燃料電池アノードにリサイクルするステップをさらに含む、実施形態1の方法。
実施形態3
1つ以上の燃料電池アノードに、CH4を任意選択的に含む炭素含有燃料を通過させるステップをさらに含む、実施形態2の方法。
実施形態4
1つ以上の燃料電池アノードに、炭素含有燃料を通過させるステップが、炭素含有燃料の少なくとも一部分を改質して、H2を発生させるステップと、1つ以上の燃料電池アノードに、発生したH2の少なくとも一部分を通過させるステップとをさらに含む、実施形態3の方法。
実施形態5
1つ以上の燃料電池アノードに入る前に、炭素含有燃料を改質段階に通過させることなく、炭素含有燃料を1つ以上の燃料電池アノードに通過させる、実施形態3の方法。
実施形態6
燃焼排出物が、約10体積%以下のCO2(例えば、8体積%のCO2)を含み、少なくとも約4体積%のCO2を任意選択的に含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態7
少なくとも約6体積%のCO2を任意選択的に含む燃焼排出物の第2の部分を、燃焼領域にリサイクルするステップをさらに含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態8
燃焼排出物の第2の部分を燃焼領域にリサイクルするステップが、燃焼排出物の第2の部分およびH2O含有流間で熱を交換して、蒸気を形成するステップと、燃焼排出物の第2の部分から水を分離して、H2O欠乏燃焼排出物流を形成するステップと、H2O欠乏燃焼排出物の少なくとも一部分を燃焼領域に通過させるステップとを含む、実施形態7の方法。
実施形態9
アノード排出物流が、1つ以上の分離段階においてアノード排出物流からのCO2の分離ステップ前に少なくとも約5.0体積%の水素(例えば、少なくとも約10体積%または少なくとも約15体積%)を含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態10
アノード排出物流を、水性ガスシフト触媒に暴露して、1つ以上の分離段階におけるアノード排出物流からのCO2の分離ステップ前に、シフトされたアノード排出物流を形成するステップをさらに含み、シフトされたアノード排出物流のH2含有量が水性ガスシフト触媒への曝露より前のアノード排出物流のH2含有量より高い、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態11
1つ以上の燃料電池アノードの燃料利用が、約45%〜約65%以例えば、約60%以下)である、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態12
CO2欠乏アノード排出物流の燃焼リサイクル部分を燃焼領域に通過させる前に、CO2欠乏アノード排出物流の燃焼リサイクル部分を燃焼燃料流と組み合わせる、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態13
カソード排出物流が約2.0体積%以下(例えば、約1.5体積%以下または約1.2体積%以下)のCO2含有量を有する、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態14
1つ以上の分離段階におけるアノード排出物流からのCO2の分離ステップが、アノード排出物流を冷却して、凝縮されたCO2の相を形成するステップを含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態15
1つ以上の分離段階におけるアノード排出物流からのCO2の分離ステップが、凝縮されたCO2の相を形成するステップ前にアノード排出物流から水を分離するステップをさら含む、実施形態14の方法。
実施形態16
圧縮器を含む燃焼タービンであって、圧縮器が酸化剤インプットを受け取り、かつ燃焼領域と流体連通し、燃焼領域が、少なくとも1つの燃焼燃料インプットをさらに受け取り、燃焼領域が、排出物アウトプットを有する膨張器と流体連通する燃焼タービンと、膨張器排出物アウトプットの第1の部分と燃焼領域との間で流体連通を提供する排出物ガス再循環システムと、1つ以上の燃料電池アノードおよび1つ以上の燃料電池カソードを含む溶融炭酸塩形燃料電池アレイであって、溶融電池形燃料電池アレイが、少なくとも1つのカソードインプット、少なくとも1つのカソードアウトプット、少なくとも1つのアノードインプットおよび少なくとも1つのアノードアウトプットを有し、膨張器排出物アウトプットの第2の部分が、少なくとも1つのカソードインプットと流体連通する燃料電池アレイと、アノードリサイクルループアウトプットを形成するためにアノード排出物流を分離するための1つ以上の二酸化炭素分離段階を含むアノードリサイクルループであって、アノードリサイクルループアウトプットの第1の部分が、燃焼燃料インプットとして燃焼領域に提供されるアノードリサイクルループとを含む、発電のためのシステム。
実施形態17
アノードリサイクルループアウトプットの第2の部分が、少なくとも1つのアノードインプットに提供される、実施形態16のシステム。
実施形態18
アノードリサイクルループが、水性ガスシフト反応段階をさらに含み、アノード排出物流が、1つ以上の二酸化炭素分離段階の少なくとも1段階より前に水性ガスシフト反応段階を通過する、実施形態16または17のシステム。
実施形態19
排出物ガス再循環システムが、熱回収蒸気発生システムをさらに含む、実施形態16〜18のいずれかのシステム。
実施形態20
排出物ガス再循環システムが、膨張器排出物アウトプットの第1の部分を圧縮器に通過させることにより、膨張器排出物アウトプットの第1の部分と燃焼領域との間で流体連通を提供する、実施形態16〜19のいずれかのシステム。
本群の実施形態はグループEである。「上記実施形態のいずれか」という指示は、本群内の他の実施形態のみを参照することを意味するのに対して、「上記実施形態の群のいずれか」という指示は、1つ以上の他の群からの実施形態のいずれかの個々または組み合わせを参照することを意味する。
実施形態1
上記実施形態の群のいずれかに加えてまたはその代わりに、燃焼供給源から二酸化炭素を捕捉する方法であって、燃焼供給源から、酸素および二酸化炭素を含むアウトプット流を捕捉するステップと、1つ以上の溶融炭酸塩形燃料電池の燃料電池アレイにより、捕捉されたアウトプット流を処理して、燃料電池アレイの少なくとも1つのカソードアウトレットからカソード排出物流を形成するが、1つ以上の燃料電池が1つ以上の燃料電池アノードおよび1つ以上の燃料電池カソードを有し、1つ以上の溶融炭酸塩形燃料電池が、少なくとも1つのカソードインレットを通して燃焼供給源から捕捉されたアウトプット流に有効に連結されるステップと、1つ以上の燃料電池アノード内で、1つ以上の燃料電池カソードからの炭酸塩をH2と反応させ、電気、ならびに燃料電池アレイの少なくとも1つのアノードアウトプットからCO2およびH2を含むアノード排出物流を発生させるステップと、任意選択的に、アノード排出物流を水性ガスシフト反応段階に通過させ、任意選択的に、シフトされたアノード排出物流を形成するステップと、1つ以上の分離段階において任意選択的にシフトされたアノード排出物流から二酸化炭素を分離して、CO2欠乏アノード排出物流を形成するステップと、CO2欠乏アノード排出物流の少なくとも一部分を、1つ以上の燃料電池アノードにリサイクルして、炭酸塩と反応させるH2の少なくとも一部分が、CO2欠乏アノード排出物流のリサイクルされた少なくとも一部分からのH2を含むステップとを含む方法。
実施形態2
アノード排出物流のH2含有量が少なくとも約10体積%(例えば、少なくとも約20体積%)である、実施形態1の方法。
実施形態3
1つ以上の燃料電池アノードの燃料利用が約60%以下(例えば、約50%以下)ある、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態4
1つ以上の燃料電池アノードの燃料利用が少なくとも約30%(例えば、少なくとも約40%)ある、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態5
カソード排出物が約2.0体積%以下(例えば、約1.5体積%以下)のCO2含有量を有する、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態6
1つ以上の燃料電池アノードに炭素含有燃料を通過させるステップをさらに含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態7
炭素含有燃料が、少なくとも1つの改質段階および燃料電池アレイを含むアセンブリの内部の少なくとも1つの改質段階において改質される、実施形態6の方法。
実施形態8
CO2欠乏アノード排出物流のリサイクルされた少なくとも一部分からのH2が、アノードインプット流の少なくとも約5体積%を構成する、実施形態6または7の方法。
実施形態9
1つ以上の燃料電池アノードに入る前に改質段階に炭素含有燃料を通過させることなく、炭素含有燃料が1つ以上の燃料電池アノードを通過する、実施形態8の方法。
実施形態10
炭素含有燃料がメタンを含む、実施形態6〜9のいずれかの方法。
実施形態11
アノード排出物流の少なくとも一部分を、1つ以上のアノードに直接的または間接的にリサイクルすることなく、CO2欠乏アノード排出物流の少なくとも一部分が1つ以上のカソードにリサイクルされる、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態12
捕捉されたアウトプット流が少なくとも約4体積%のCO2を含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態13
捕捉されたアウトプット流が約8体積%以下のCO2を含む、上記実施形態のいずれかの方法。
本群の実施形態はグループFである。「上記実施形態のいずれか」という指示は、本群内の他の実施形態のみを参照することを意味するのに対して、「上記実施形態の群のいずれか」という指示は、1つ以上の他の群からの実施形態のいずれかの個々または組み合わせを参照することを意味する。
実施形態1
上記実施形態の群のいずれかに加えてまたはその代わりに、アノードおよびカソードを含む溶融炭酸塩形燃料電池を使用して、電気、および水素または合成ガスを発生させる方法であって、改質可能燃料を含むアノード燃料流を、溶融炭酸塩形燃料電池のアノード、アノードと関連する内部改質要素、またはその組み合わせに導入するステップと、CO2およびO2を含むカソードインレット流を、溶融炭酸塩形燃料電池のカソードに導入するステップと、溶融炭酸塩形燃料電池内で電気を発生させるステップと、溶融炭酸塩形燃料電池のアノードアウトレットからアノード排出物を発生させるステップと、アノード排出物から、H2含有流、合成ガス含有流、またはその組み合わせを分離するステップとを含み、溶融炭酸塩形燃料電池のアノード、溶融炭酸塩形燃料電池のアノードと関連する内部改質要素、またはその組み合わせに導入される改質可能な燃料の量が、少なくとも約2.0(例えば、少なくとも約2.5、または少なくとも約3.0)の改質可能燃料過剰比率を提供する方法。
実施形態2
上記実施形態の群のいずれかに加えてまたはその代わりに、アノードおよびカソードを含む溶融炭酸塩形燃料電池を使用して、電気、および水素または合成ガスを発生させる方法であって、改質可能燃料を含むアノード燃料流を、溶融炭酸塩形燃料電池のアノード、アノードと関連する内部改質要素、またはその組み合わせに導入するステップと、CO2およびO2を含むカソードインレット流を、溶融炭酸塩形燃料電池のカソードに導入するステップと、溶融炭酸塩形燃料電池内で電気を発生させるステップと、溶融炭酸塩形燃料電池のアノードアウトレットからアノード排出物を発生させるステップと、アノード排出物から、H2含有流、合成ガス含有流、またはその組み合わせを分離するステップとを含み、アノード燃料流が、電気を発生させるために溶融炭酸塩形燃料電池のアノードにおいて酸化されたH2の量より少なくとも50%多い改質可能水素含有量を有する方法。
実施形態3
溶融炭酸塩形燃料電池のアノード、溶融炭酸塩形燃料電池のアノードと関連する内部改質要素またはその組み合わせに導入された改質可能燃料の改質可能水素含有量が、電気を発生させるために溶融炭酸塩形燃料電池のアノードにおいて酸化されたH2の量より少なくとも約75%多い(例えば、少なくとも約100%多い)、実施形態1または2の方法。
実施形態4
改質可能燃料を改質するステップをさらに含み、溶融炭酸塩形燃料電池のアノード、溶融炭酸塩形燃料電池のアノードと関連する内部改質要素、またはその組み合わせに導入される改質可能燃料の少なくとも約90%が、溶融炭酸塩形燃料電池のアノードを通る単回通過において改質される、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態5
カソードのCO2利用が少なくとも約50%である、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態6
アノード燃料流が、少なくとも約10体積%の不活性化合物、少なくとも約10体積%のCO2、またはその組み合わせを含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態7
合成ガス含有流が、約3.0:1〜約1.0:1(例えば、約2.5:1〜約1.0:1、約3.0:1〜約1.5:1、または約2.5:1〜約1.5:1)のH2:COのモル比を有する、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態8
アノード排出物が、約1.5:1〜約10:1(例えば、約3.0:1〜約10:1)のH2:COのモル比を有する、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態9
a)アノード排出物の10体積%未満、b)単回通過において溶融炭酸塩形燃料電池のアノードで生じるH2の10体積%未満、またはc)合成ガス含有流の10体積%未満が、溶融炭酸塩形燃料電池のアノード、または溶融炭酸塩形燃料電池のカソードに直接的または間接的にリサイクルされる、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態10
アノード排出物のいずれの部分も溶融炭酸塩形燃料電池のアノードに直接的もしくは間接的にリサイクルされず、溶融炭酸塩形燃料電池のカソードに直接的もしくは間接的にリサイクルされず、またはその組み合わせである、実施形態1〜8のいずれかの方法。
実施形態11
i)アノード排出物、ii)水素含有流、およびiii)合成ガス含有流の1つまたは組み合わせから、CO2およびH2Oの少なくとも1つを分離するステップをさらに含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態12
水素含有流が、少なくとも約90体積%のH2(例えば、約95体積%のH2、または約98体積%のH2)を含有する、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態13
カソードインレット流が、約20体積%以下のCO2(例えば、約15体積%以下のCO2、または約12体積%以下のCO2)を含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態14
溶融炭酸塩形燃料電池が、約0.67ボルト以下(例えば、約0.65ボルト以下)の電圧VAで作動される、上記実施形態のいずれかの方法。
本群の実施形態はグループGである。「上記実施形態のいずれか」という指示は、本群内の他の実施形態のみを参照することを意味するのに対して、「上記実施形態の群のいずれか」という指示は、1つ以上の他の群からの実施形態のいずれかの個々または組み合わせを参照することを意味する。
実施形態1
上記実施形態の群のいずれかに加えてまたはその代わりに、アノードおよびカソードを有する溶融炭酸塩形燃料電池を使用して、電気、および水素または合成ガスを発生させる方法であって、改質可能燃料を含むアノード燃料流を、溶融炭酸塩形燃料電池のアノード、アノードと関連する内部改質要素、またはその組み合わせに導入するステップと、CO2およびO2を含むカソードインレット流を、溶融炭酸塩形燃料電池のカソードに導入するステップと、溶融炭酸塩形燃料電池内で電気を発生させるステップと、溶融炭酸塩形燃料電池のアノードアウトレットからアノード排出物を発生させるステップと、アノード排出物から、水素含有流、合成ガス含有流、またはその組み合わせを分離するステップとを含み、溶融炭酸塩形燃料電池の電気効率が約10%〜約40%であり、かつ燃料電池の全燃料電池効率の少なくとも約55%である方法。
実施形態2
合成ガス含有流が、約3.0:1〜約1.0:1(例えば、約2.5:1〜約1.0:1、約3.0:1〜約1.5:1または約2.5:1〜約1.5:1)のH2対COのモル比を有する、実施形態1の方法。
実施形態3
溶融炭酸塩形燃料電池の電気効率が約35%以下(例えば、約30%以下、約25%以下または約20%以下)である、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態4
溶融炭酸塩形燃料電池の全燃料電池効率が、少なくとも約65%(例えば、少なくとも約70%、少なくとも約75%または少なくとも約80%)である、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態5
改質可能燃料を改質するステップをさらに含み、溶融炭酸塩形燃料電池のアノード、溶融炭酸塩形燃料電池のアノードと関連する内部改質要素、またはその組み合わせに導入される改質可能燃料の少なくとも約90%が、溶融炭酸塩形燃料電池のアノードを通る単回通過において改質される、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態6
溶融炭酸塩形燃料電池のアノード、溶融炭酸塩形燃料電池のアノードと関連する内部改質要素またはその組み合わせに導入された改質可能燃料の改質可能水素含有量が、電気を発生させるために溶融炭酸塩形燃料電池のアノードにおいて酸化されたH2の量より少なくとも約75%多い(例えば、少なくとも約100%多い)、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態7
アノード燃料流が、少なくとも約10体積%の不活性化合物、少なくとも約10体積%のCO2、またはその組み合わせを含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態8
a)アノード排出物の10体積%未満、b)単回通過において溶融炭酸塩形燃料電池のアノードで生じるH2の10体積%未満、またはc)合成ガス含有流の10体積%未満が、溶融炭酸塩形燃料電池のアノード、または溶融炭酸塩形燃料電池のカソードに直接的または間接的にリサイクルされる、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態9
アノード排出物のいずれの部分も溶融炭酸塩形燃料電池のアノードに直接的もしくは間接的にリサイクルされず、溶融炭酸塩形燃料電池のカソードに直接的もしくは間接的にリサイクルされず、またはその組み合わせである、実施形態1〜7のいずれかの方法。
実施形態10
i)アノード排出物、ii)水素含有流、およびiii)合成ガス含有流の1つまたは組み合わせから、CO2およびH2Oの少なくとも1つを分離するステップをさらに含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態11
カソードインレット流が、約20体積%以下のCO2(例えば、約15体積%以下、約12体積%以下、または約10体積%以下)を含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態12
溶融炭酸塩形燃料電池が、約0.67ボルト以下(例えば、約0.65ボルト以下)の電圧VAで作動される、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態13
アノード排出物が、約1.5:1〜約10:1(例えば、約3.0:1〜約10:1)のH2対COのモル比を有する、上記実施形態のいずれかの方法。
本群の実施形態はグループHである。「上記実施形態のいずれか」という指示は、本群内の他の実施形態のみを参照することを意味するのに対して、「上記実施形態の群のいずれか」という指示は、1つ以上の他の群からの実施形態のいずれかの個々または組み合わせを参照することを意味する。
実施形態1
上記実施形態の群のいずれかに加えてまたはその代わりに、溶融炭酸塩形燃料電池を使用して、電気、および水素または合成ガスを発生させる方法であって、改質可能燃料を含むアノード燃料流を、溶融炭酸塩形燃料電池のアノードのアノードインレットに導入するステップと、CO2およびO2を含むカソードインレット流を、溶融炭酸塩形燃料電池のカソードのカソードインレットに導入するステップと、約1.3以下(例えば、約1.15以下、または約1.0以下)の熱比率で電気を発生させるように溶融炭酸塩形燃料電池を作動させるステップと、溶融炭酸塩形燃料電池のアノードアウトレットからアノード排出物を生成するステップと、アノード排出物から、水素含有流、合成ガス含有流またはその組み合わせを分離するステップとを含む方法。
実施形態2
カソードのCO2利用が少なくとも約50%である、実施形態1の方法。
実施形態3
溶融炭酸塩形燃料電池が、1つ以上の集積化された吸熱性反応段階をさらに含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態4
1つ以上の集積化された吸熱性反応段階の少なくとも1つの集積化された吸熱性反応段階が、集積化された改質段階を含み、アノードインレットに導入されるアノード燃料流が、アノードインレットに入る前に、集積化された改質段階を通過する、実施形態3の方法。
実施形態5
溶融炭酸塩形燃料電池が、約0.67ボルト以下(例えば、約0.65ボルト以下)の電圧VAで作動される、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態6
i)アノード排出物、ii)水素含有流、およびiii)合成ガス含有流の1つまたは組み合わせから、CO2およびH2Oの少なくとも1つを分離するステップをさらに含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態7
熱比率が約0.85以下であり、アノードインレットの温度より約5℃〜約50℃低いアノードアウトレットの温度を維持するために溶融炭酸塩形燃料電池に熱を供給するステップをさらに含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態8
熱比率が少なくとも約0.25である、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態9
アノードアウトレットの温度が、アノードインレットの温度より約40℃以下で高い、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態10
アノードインレットの温度が、アノードアウトレットの温度とは約20℃以下で異なる、実施形態1〜8のいずれかの方法。
実施形態11
アノードアウトレットの温度が、アノードインレットの温度より約10℃〜約80℃低い、実施形態1〜8のいずれかの方法。
実施形態12
a)アノード排出物の10体積%未満、b)単回通過において溶融炭酸塩形燃料電池のアノードで生じるH2の10体積%未満、またはc)合成ガス含有流の10体積%未満が、溶融炭酸塩形燃料電池のアノード、または溶融炭酸塩形燃料電池のカソードに直接的または間接的にリサイクルされる、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態13
アノード排出物のいずれの部分も溶融炭酸塩形燃料電池のアノードに直接的もしくは間接的にリサイクルされず、溶融炭酸塩形燃料電池のカソードに直接的もしくは間接的にリサイクルされず、またはその組み合わせである、実施形態1〜11のいずれかの方法。
実施形態14
合成ガス含有流が、約3.0:1〜約1.0:1(例えば、約2.5:1〜約1.0:1、約3.0:1〜約1.5:1、または約2.5:1〜約1.5:1)のH2対COのモル比を有する、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態15
アノード排出物が、約1.5:1〜約10:1(例えば、約3.0:1〜約10:1)のH2対COのモル比を有する、上記実施形態のいずれかの方法。
本群の実施形態はグループJである。「上記実施形態のいずれか」という指示は、本群内の他の実施形態のみを参照することを意味するのに対して、「上記実施形態の群のいずれか」という指示は、1つ以上の他の群からの実施形態のいずれかの個々または組み合わせを参照することを意味する。
実施形態1
上記実施形態の群のいずれかに加えてまたはその代わりに、アノードおよびカソードを含む溶融炭酸塩形燃料電池を使用して、電気を発生させる方法であって、改質可能燃料を含むアノード燃料流を、溶融炭酸塩形燃料電池のアノード、アノードと関連する内部改質要素、またはその組み合わせに導入するステップと、CO2およびO2を含むカソードインレット流を、溶融炭酸塩形燃料電池のカソードに導入するステップと、溶融炭酸塩形燃料電池内で電気を発生させるステップと、溶融炭酸塩形燃料電池のアノードアウトレットからアノード排出物を発生させるステップとを含み、アノード排出物の合成ガスの正味のモル対カソード排出物のCO2のモルの比率が少なくとも約2.0である方法。
実施形態2
上記実施形態の群のいずれかに加えてまたはその代わりに、アノードおよびカソードを含む溶融炭酸塩形燃料電池を使用して、電気を発生させる方法であって、改質可能燃料を含むアノード燃料流を、溶融炭酸塩形燃料電池のアノード、アノードと関連する内部改質要素、またはその組み合わせに導入するステップと、CO2およびO2を含むカソードインレット流を、燃料電池のカソードに導入するが、カソードインレット流におけるCO2濃度が約6体積%以下であるステップと、溶融炭酸塩形燃料電池内で電気を発生させるステップと、溶融炭酸塩形燃料電池のアノードアウトレットからアノード排出物を発生させるステップとを含み、アノード排出物の合成ガスの正味のモル対カソード排出物のCO2のモルの比率が少なくとも約1.5である方法。
実施形態3
カソードインレット流のCO2濃度が約5体積%以下である、実施形態2の方法。
実施形態4
アノード排出物の合成ガスの正味のモル対カソード排出物のCO2のモルの比率が少なくとも約3.0(例えば、少なくとも4.0)である、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態5
アノード排出物から、H2含有流、合成ガス含有流またはその組み合わせを分離するステップをさらに含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態6
アノード排出物から合成ガス含有流を分離する前に、アノード排出物から、少なくとも約90体積%のH2(例えば、少なくとも約95体積%のH2、または少なくとも約98の体積%のH2)を含有するH2含有流を分離するステップをさらに含む、実施形態5の方法。
実施形態7
合成ガス含有流が、約3.0:1(例えば、約2.5:1以下)〜約1.0:1(例えば、少なくとも約1.5:1)のH2対COのモル比を有する、実施形態5または6の方法。
実施形態8
i)アノード排出物、ii)H2含有流、およびiii)合成ガス含有流の1つまたは組み合わせからCO2およびH2Oの少なくとも1つを分離するステップをさらに含む、実施形態5〜7のいずれかの方法。
実施形態9
合成ガス含有流から、少なくとも約90体積%のH2を含有する流れを分離するステップをさらに含む、実施形態5〜8のいずれかの方法。
実施形態10
アノード排出物が、約1.5:1(例えば、少なくとも約3.0:1)〜約10:1のH2対COの比率を有する、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態11
アノード燃料流が、少なくとも約10体積%の不活性化合物、少なくとも約10体積%のCO2またはその組み合わせを含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態12
a)アノード排出物の10体積%未満、b)単回通過において溶融炭酸塩形燃料電池のアノードで生成するH2の10体積%未満、またはc)合成ガス含有流の10体積%未満が、溶融炭酸塩形燃料電池のアノードまたは溶融炭酸塩形燃料電池のカソードへ直接的または間接的にリサイクルされる、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態13
アノード排出物のいずれの部分も、溶融炭酸塩形燃料電池のアノードに、直接的もしくは間接的にリサイクルされず、溶融炭酸塩形燃料電池のカソードに直接的もしくは間接的にリサイクルされず、またはその組み合わせである、実施形態1〜11のいずれかの方法。
実施形態14
カソードインレット流が、燃焼によって動力が供給される発電機からの燃焼排出物流を含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態15
溶融炭酸塩形燃料電池が、約0.67ボルト以下の電圧VAで作動される、上記実施形態のいずれかの方法。
本群の実施形態はグループKである。「上記実施形態のいずれか」という指示は、本群内の他の実施形態のみを参照することを意味するのに対して、「上記実施形態の群のいずれか」という指示は、1つ以上の他の群からの実施形態のいずれかの個々または組み合わせを参照することを意味する。
実施形態1
上記実施形態の群のいずれかに加えてまたはその代わりに、アノードおよびカソードを含む溶融炭酸塩形燃料電池を使用して、電気、および水素または合成ガスを発生させる方法であって、改質可能燃料を含むアノード燃料流を、溶融炭酸塩形燃料電池のアノード、アノードと関連する内部改質要素、またはその組み合わせに導入するステップと、CO2およびO2を含むカソードインレット流を、溶融炭酸塩形燃料電池のカソードに導入するステップと、溶融炭酸塩形燃料電池内で電気を発生させるステップと、溶融炭酸塩形燃料電池のアノードアウトレットからアノード排出物を発生させるステップと、H2含有流、合成ガス含有流またはその組み合わせを分離するステップとを含み、アノードの燃料利用が約50%以下であり、かつカソードのCO2利用が少なくとも約60%である方法。
実施形態2
溶融炭酸塩形燃料電池のアノード、溶融炭酸塩形燃料電池のアノードと関連する内部改質要素またはその組み合わせに導入された改質可能燃料の改質可能水素含有量が、電気を発生させるために溶融炭酸塩形燃料電池のアノードにおいて酸化されたH2の量より少なくとも約75%多い、実施形態1の方法。
実施形態3
カソードインレット流が、約20体積%以下のCO2(例えば、約15体積%以下のCO2、または約12体積%以下のCO2)を含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態4
溶融炭酸塩形燃料電池のアノードの燃料利用が、約40%以下(例えば、約30%以下)である、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態5
溶融炭酸塩形燃料電池のカソードのCO2利用が、少なくとも約65%(例えば、少なくとも約70%)である、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態6
アノード燃料流が、少なくとも約10体積%の不活性化合物、少なくとも約10体積%のCO2またはその組み合わせを含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態7
合成ガス含有流が、約3.0:1(例えば、約2.5:1以下)〜約1.0:1(例えば、少なくとも約1.5:1)のH2対COのモル比を有する、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態8
アノード排出物が、約1.5:1(例えば、少なくとも約3.0:1)〜約10:1のH2対COのモル比を有する、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態9
a)アノード排出物の10体積%未満、b)単回通過において溶融炭酸塩形燃料電池のアノードで生成するH2の10体積%未満、またはc)合成ガス含有流の10体積%未満が、溶融炭酸塩形燃料電池のアノードまたは溶融炭酸塩形燃料電池のカソードへ直接的または間接的にリサイクルされる、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態10
アノード排出物のいずれの部分も、溶融炭酸塩形燃料電池のアノードに、直接的もしくは間接的にリサイクルされず、溶融炭酸塩形燃料電池のカソードに直接的もしくは間接的にリサイクルされず、またはその組み合わせである、実施形態1〜8のいずれかの方法。
実施形態11
i)アノード排出物、ii)H2含有流、およびiii)合成ガス含有流の1つまたは組み合わせからCO2およびH2Oの少なくとも1つを分離するステップをさらに含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態12
H2含有流が、少なくとも約90体積%のH2(例えば、少なくとも約95体積%、または少なくとも約98の体積%)を含有する、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態13
カソードインレット流が、燃焼によって動力が供給される発電機からの燃焼排出物流を含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態14
溶融炭酸塩形燃料電池が、約0.67ボルト以下(例えば、約0.65ボルト以下)の電圧VAで作動される、上記実施形態のいずれかの方法。
本群の実施形態はグループLである。「上記実施形態のいずれか」という指示は、本群内の他の実施形態のみを参照することを意味するのに対して、「上記実施形態の群のいずれか」という指示は、1つ以上の他の群からの実施形態のいずれかの個々または組み合わせを参照することを意味する。
実施形態1
上記実施形態の群のいずれかに加えてまたはその代わりに、溶融炭酸塩形燃料電池を作動させる方法であって、改質可能燃料を含むアノード燃料流を、溶融炭酸塩形燃料電池のアノードのアノードインレットに導入するステップと、CO2およびO2を含むカソードインレット流を、溶融炭酸塩形燃料電池のカソードのカソードインレットに導入するステップと、少なくとも約150mA/cm2の電流密度を提供する第1の作動条件で溶融炭酸塩形燃料電池を作動させ、電力および少なくとも30mW/cm2の廃熱を発生させるステップと、溶融炭酸塩形燃料電池のアノードアウトレットからアノード排出物を生成させるステップと、約100℃以下のアノードインレットとアノードアウトレットとの間の温度差を維持するために有効な量の吸熱性反応を実行するステップとを含む方法。
実施形態2
上記実施形態の群のいずれかに加えてまたはその代わりに、溶融炭酸塩形燃料電池を作動させる方法であって、改質可能燃料を含むアノード燃料流を、溶融炭酸塩形燃料電池のアノードのアノードインレットに導入するステップと、CO2およびO2を含むカソードインレット流を、溶融炭酸塩形燃料電池のカソードのカソードインレットに導入するステップと、少なくとも約150mA/cm2の電流密度を提供し、対応するベースライン作動条件を有する第1の作動条件で溶融炭酸塩形燃料電池を作動させ、電力を発生させるステップと、溶融炭酸塩形燃料電池のアノードアウトレットからアノード排出物を生成させるステップと、約80℃以下のアノードインレットとアノードアウトレットとの間の温度差を維持するために有効な量の吸熱性反応を実行するステップとを含み、ベースライン作動条件で溶融炭酸塩形燃料電池を作動させることにより、アノードインレットとアノードアウトレットとの間で少なくとも約100℃の温度増加が生じ、溶融炭酸塩形燃料電池のためのベースライン作動条件が、ベースライン作動条件が、約75%の溶融炭酸塩形燃料電池のアノードの燃料利用を含み、かつベースライン作動条件のアノード燃料流が、少なくとも約80体積%のメタンを含むことを除き、第1の作動条件と同じ作動条件と定義される方法。
実施形態3
上記実施形態の群のいずれかに加えてまたはその代わりに、溶融炭酸塩形燃料電池を作動させる方法であって、改質可能燃料を含むアノード燃料流を、溶融炭酸塩形燃料電池のアノードのアノードインレットに導入するステップと、CO2およびO2を含むカソードインレット流を、溶融炭酸塩形燃料電池のカソードのカソードインレットに導入するステップと、第1のアノードインレット温度、第1のアノードインレット流速、第1のアノード燃料分圧、第1のアノード水分圧、第1のカソードインレット流速、第1のカソードインレットCO2分圧および第1のカソードインレットO2分圧を含み、対応する最大動力作動条件を有する第1の作動条件で溶融炭酸塩形燃料電池を作動させ、第1の電力密度で電力および廃熱を発生させるステップと、溶融炭酸塩形燃料電池のアノードアウトレットからアノード排出物を生成させるステップと、約80℃以下のアノードインレットとアノードアウトレットとの間の温度差を維持するために有効な量の吸熱性反応を実行するステップとを含み、第1のアノードインレット温度、第1のアノードインレット流速、第1のアノード燃料分圧、第1のアノード水分圧、第1のカソードインレット流速、第1のカソードインレットCO2分圧および第1のカソードインレットO2分圧を含む作動条件のための最大動力密度を発生させる作動条件に対応する最大動力作動条件で燃料電池アセンブリを作動させることにより、第1の電力密度とは約20%未満異なる電力密度が生じる方法。
実施形態4
最大動力作動条件の電力密度が第1の電力密度とは約15%未満異なる、実施形態3の方法。
実施形態5
吸熱性反応の有効量を実行することによって発生する1つ以上の反応生成物を含む生成物流を溶融炭酸塩形燃料電池から回収するステップをさらに含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態6
生成物流を溶融炭酸塩形燃料電池のアノードに通過させることなく溶融炭酸塩形燃料電池から回収される、実施形態5の方法。
実施形態7
溶融炭酸塩形燃料電池が1つ以上の集積化された吸熱性反応段階をさらに含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態8
1つ以上の集積化された吸熱性反応段階の少なくとも1つの集積化された吸熱性反応段階が、集積化された改質段階を含み、アノード燃料流が、溶融炭酸塩形燃料電池のアノードのアノードインレットに導入される前に、集積化された改質段階を通過する、実施形態7の方法。
実施形態9
吸熱性反応の有効量を実行するステップが改質可能燃料を改質するステップを含む、実施形態7または8の方法。
実施形態10
吸熱性反応の有効量を実行するステップが、第1の作動条件で溶融炭酸塩形燃料電池を作動させることによって発生する廃熱の少なくとも約40%を消費する吸熱性反応を実行するステップを含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態11
アノードアウトレットの温度がアノードインレットの温度より50℃未満高い、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態12
溶融炭酸塩形燃料電池が、少なくとも約40mW/cm2(例えば、少なくとも約50mW/cm2または少なくとも約60mW/cm2)の廃熱を発生させるように作動される、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態13
第1の作動条件が少なくとも約200mA/cm2の電流密度を提供する、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態14
溶融炭酸塩形燃料電池が、約0.7ボルト未満(例えば、約0.67ボルト以下または約0.65ボルト以下)の電圧VAで作動される、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態15
アノード排出物のいずれの部分もアノードに直接的もしくは間接的にリサイクルされず、カソードに直接的もしくは間接的にリサイクルされず、またはその組み合わせである、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態16
アノード排出物の10体積%未満が、溶融炭酸塩形燃料電池のアノードまたは溶融炭酸塩形燃料電池のカソードへ直接的または間接的にリサイクルされる、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態17
アノード排出物から、H2含有流、合成ガス含有流、またはその組み合わせを分離するステップをさらに含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態18
単回通過において溶融炭酸塩形燃料電池のアノードで生じるH2の10体積%未満が、溶融炭酸塩形燃料電池のアノード、または溶融炭酸塩形燃料電池のカソードに直接的または間接的にリサイクルされる、実施形態17の方法。
実施形態19
合成ガス含有流の10体積%未満が、溶融炭酸塩形燃料電池のアノード、または溶融炭酸塩形燃料電池のカソードに直接的または間接的にリサイクルされる、実施形態17の方法。
本群の実施形態はグループMである。「上記実施形態のいずれか」という指示は、本群内の他の実施形態のみを参照することを意味するのに対して、「上記実施形態の群のいずれか」という指示は、1つ以上の他の群からの実施形態のいずれかの個々または組み合わせを参照することを意味する。
実施形態1
上記実施形態の群のいずれかに加えてまたはその代わりに、アノードおよびカソードを有する溶融炭酸塩形燃料を使用して、電気を発生させる方法であって、燃焼燃料流およびO2含有流を燃焼領域に導入するステップと、燃焼領域において燃焼反応を実行し、少なくとも約20vppmのNOxを含む燃焼排出物を発生させるステップと、改質可能燃料を含むアノード燃料流を、溶融炭酸塩形燃料電池のアノード、溶融炭酸塩形燃料電池のアノードと関連する内部改質要素、またはその組み合わせに導入するステップと、燃焼排出物の少なくとも一部分を含み、CO2、O2および少なくとも約20vppmの酸化窒素を含むカソードインレット流を、溶融炭酸塩形燃料電池のカソードに導入するステップと、a)溶融炭酸塩形燃料電池において電気を発生させ、b)H2およびCO2を含むアノード排出物を発生させ、かつc)カソードインレット流のNOx含有量の約半分未満を含むカソード排出物を発生させるステップと、アノード排出物の少なくとも一部分を分離して、アノード排出物より高いCO2含有量を有するCO2富化アノード排出物流、およびアノード排出物より低いCO2含有量を有するCO2欠乏アノード排出物流を形成するステップとを含む方法。
実施形態2
カソード排出物が、約15vppm以下のNOxを含む、実施形態1の方法。
実施形態3
カソードインレット流が、約500vppm以下のNOxを含む、実施形態1または2の方法。
実施形態4
燃焼排出物が、約10体積%以下(例えば約8つの体積%以下)のCO2を含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態5
燃焼領域が、少なくとも約1200°Fの温度で作動される、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態6
CO2欠乏アノード排出物流の少なくとも一部分を、燃焼領域に、溶融炭酸塩形燃料電池のアノードに、またはその組み合わせにリサイクルするステップをさらに含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態7
アノード排出物流からCO2を分離する前に、アノード排出物流を水性ガスシフト触媒に暴露するステップをさらに含み、シフトされたアノード排出物流のH2含有量が、曝露前のアノード排出物流のH2含有量未満である、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態8
燃焼排出物からの燃焼排出物リサイクル部分を燃焼領域にリサイクルするステップをさらに含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態9
カソード排出物流が、約2.0体積%以下(例えば、約1.5体積%以下、または約1.2の体積%以下)のCO2含有量を有する、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態10
アノード燃料流が、少なくとも約10体積%の不活性化合物、少なくとも約10体積%のCO2、またはその組み合わせを含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態11
アノード排出物流が、約3.0:1〜約10.0:1のモル比でH2およびCOを含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態12
燃焼領域への燃焼燃料流が炭化水素であり、カソードインレット流のNOxに対するカソードインレット流のCO2の比率が約100〜約10,000である、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態13
上記実施形態の群のいずれかに加えてまたはその代わりに、電気を発生させる方法であって、1種以上の燃料流およびO2含有流を反応領域に導入するステップと、燃焼領域において燃焼反応を実行し、少なくとも約20vppmのNOxを含む燃焼排出物を発生させるステップと、改質可能燃料を含むアノード燃料流を、溶融炭酸塩形燃料電池のアノード、アノードと関連する内部改質要素、またはその組み合わせに導入するステップと、燃焼排出物の少なくとも一部分を含み、約20vppm〜約500vppmの酸化窒素含有量の酸化窒素を含むカソードインレット流を、溶融炭酸塩形燃料電池のカソードに導入するステップと、溶融炭酸塩形燃料電池において電気を発生させるステップと、カソードインレット流の酸化窒素含有量の半分未満の酸化窒素含有量を有するアノード排出物を発生させるステップとを含む方法。
実施形態14
燃焼領域への燃料流が炭化水素であり、カソードインレット流のNOxに対するカソードインレット流のCO2の比率が約100〜約10,000である、実施形態13の方法。
本群の実施形態はグループNである。「上記実施形態のいずれか」という指示は、本群内の他の実施形態のみを参照することを意味するのに対して、「上記実施形態の群のいずれか」という指示は、1つ以上の他の群からの実施形態のいずれかの個々または組み合わせを参照することを意味する。
実施形態1
上記実施形態の群のいずれかに加えてまたはその代わりに、電気を発生させる方法であって、改質可能燃料を含む燃料流を、溶融炭酸塩形燃料電池のアノード、アノードと関連する内部改質要素、またはその組み合わせに導入するステップと、CO2およびO2を含むカソードインレット流を、溶融炭酸塩形燃料電池のカソードに導入するステップと、約60%以下の燃料利用で作動された溶融炭酸塩形燃料電池内で電気を発生させるステップと、H2、COおよびCO2を含むアノード排出物を発生させるステップと、アノード排出物の少なくとも一部分から、少なくとも約80体積%(例えば、少なくとも約90体積%)のH2を含む第1のH2豊富ガス流を分離するステップと、第1のH2豊富ガス流の少なくとも一部分を燃焼させて、電気を発生させるステップとを含む方法。
実施形態2
(i)アノード排出物、アノード排出物の少なくとも一部分もしくはその組み合わせにおいて水性ガスシフトプロセスを実行するステップ、(ii)アノード排出物、アノード排出物の少なくとも一部分もしくはその組み合わせからCO2および/もしくはH2Oを分離するステップ、または(iii)(i)および(ii)の両方をさらに含む、実施形態1の方法。
実施形態3
分離ステップが、アノード排出物またはアノード排出物の少なくとも一部分において水性ガスシフトプロセスを実行して、シフトされたアノード排出物部分を形成するステップと、シフトされたアノード排出物部分からH2OおよびCO2を分離して、第1のH2豊富ガス流を形成するステップとを含む、実施形態1または2の方法。
実施形態4
燃焼ステップが、燃焼によって発生する熱から蒸気を発生させて、発生した蒸気の少なくとも一部分から電気を発生させるステップを含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態5
燃焼ステップが、タービンにおいて第1のH2豊富ガス流の少なくとも一部分を燃焼するステップを含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態6
カソードインレット流が、燃焼タービンにける炭素含有燃料の燃焼からの排出物を含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態7
炭素含有燃料が、少なくとも5体積%の不活性ガス、少なくとも約10体積%のCO2、および少なくとも約10体積%のN2の1つ以上を含む、実施形態6の方法。
実施形態8
アノード排出物が、少なくとも約2.5:1(例えば、少なくとも約3.0:1、少なくとも約4.0:1、または少なくとも約5.0:1)のH2:COの比率を有する、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態9
アノード排出物、アノード排出物の少なくとも一部分、第1のH2豊富ガス流またはその組み合わせから第2のH2含有流を形成するステップと、第2のH2含有流の少なくとも一部分を燃焼タービンにリサイクルするステップとをさらに含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態10
改質可能燃料の少なくとも約90体積%がメタンである、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態11
溶融炭酸塩形燃料電池が、約0.25〜約1.5(例えば、約0.25〜約1.3、約0.25〜約1.15、約0.25〜約1.0、約0.25〜約0.85、約0.25〜約0.8、または約0.25〜約0.75)の熱比率で電気を発生させるように作動される、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態12
アノード、アノードと関連する内部改質要素またはその組み合わせに導入された改質可能燃料の量が、電気を発生させるために溶融炭酸塩形燃料電池において反応する水素の量より少なくとも約50%多い(例えば、少なくとも約75%多い、または少なくとも約100%多い)、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態13
アノード排出物における合成ガスの正味のモル対カソード排出物におけるCO2のモルの比率が、少なくとも約2.0:1(例えば、少なくとも約3.0、少なくとも約4.0、少なくとも約5.0、少なくとも約10.0、または少なくとも約20.0)であり、かつ任意選択的に約40.0以下(例えば、約30.0以下、または約20.0以下)である、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態14
アノードにおける燃料利用が、約50%以下(例えば、約30%以下、約25%以下、または約20%以下)であり、かつカソードにおけるCO2利用が、少なくとも約60%(例えば、少なくとも約65%、少なくとも約70%、または少なくとも約75%)である、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態15
溶融炭酸塩形燃料電池を作動させて、少なくとも約150mA/cm2の電流密度において電力および少なくとも約40mW/cm2(例えば、少なくとも約50mW/cm2、少なくとも約60mW/cm2、少なくとも約80mW/cm2、または少なくとも100mW/cm2)の廃熱を発生させ、約100℃以下(例えば、約80℃以下または約60℃以下)のアノードインレットとアノードアウトレットとの間の温度差を維持するために吸熱性反応の有効な量を実行するステップをさらに含み、かつ任意選択的に吸熱性反応を実行することにより、廃熱の少なくとも約40%(例えば、少なくとも約50%、少なくとも約60%、または少なくとも約75%)が消費される、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態16
溶融炭酸塩形燃料電池の電気効率が、約10%〜約40%(例えば、約10%〜約35%、約10%〜約30%、約10%〜約25%、約10%〜約20%)であり、かつ燃料電池の全燃料電池効率が、少なくとも約50%(例えば、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、または少なくとも約80%)である、上記実施形態のいずれかの方法。
本群の実施形態はグループPである。「上記実施形態のいずれか」という指示は、本群内の他の実施形態のみを参照することを意味するのに対して、「上記実施形態の群のいずれか」という指示は、1つ以上の他の群からの実施形態のいずれかの個々または組み合わせを参照することを意味する。
実施形態1
上記実施形態の群のいずれかに加えてまたはその代わりに、炭化水素化合物を合成する方法であって、改質可能燃料を含む燃料流を、溶融炭酸塩形燃料電池のアノード、アノードと関連する内部改質要素、またはその組み合わせに導入するステップと、CO2およびO2を含むカソードインレット流を、溶融炭酸塩形燃料電池のカソードインレットに導入するステップと、溶融炭酸塩形燃料電池内で電気を発生させるステップと、H2、CO、H2Oおよび少なくとも約20体積%のCO2を含むアノード排出物を発生させるステップと、シフト型フィッシャー−トロプシュ触媒(例えば、Feを含むもの)の存在下、有効なフィッシャー−トロプシュ条件でアノード排出物の少なくとも一部を反応させ、少なくとも1つの気体生成物および少なくとも1つの非気体生成物を生成するが、アノード排出物の少なくとも一部分におけるCO2濃度が、アノード排出物のCO2濃度の少なくとも80%であるステップと、少なくとも1つの気体生成物の少なくとも一部分をカソードインレットにリサイクルするステップとを含む方法。
実施形態2
上記実施形態の群のいずれかに加えてまたはその代わりに、炭化水素化合物を合成する方法であって、改質可能燃料を含む燃料流を、溶融炭酸塩形燃料電池のアノード、アノードと関連する内部改質要素、またはその組み合わせに導入するステップと、CO2およびO2を含むカソードインレット流を、溶融炭酸塩形燃料電池のカソードインレットに導入するステップと、溶融炭酸塩形燃料電池内で電気を発生させるステップと、H2、CO、H2Oおよび少なくとも約20体積%のCO2を含むアノード排出物を発生させるステップと、シフト型フィッシャー−トロプシュ触媒(例えば、Feを含むもの)の存在下、有効なフィッシャー−トロプシュ条件でアノード排出物の少なくとも一部を反応させ、少なくとも1つの気体生成物および少なくとも1つの非気体生成物を生成するが、アノード排出物の少なくとも一部分におけるCO2濃度が、アノード排出物のCO2濃度の少なくとも80%であるステップとを含み、アノード、アノードと関連する内部改質要素、またはその組み合わせに導入される改質可能燃料の量が、少なくとも約1.5の改質可能燃料過剰比率を提供する方法。
実施形態3
気体生成物の少なくとも一部分を、アノードインレット、カソードインレット、またはその組み合わせにリサイクルするステップをさらに含む、実施形態2の方法。
実施形態4
アノード排出物のH2:COの比率が、少なくとも約2.5:1(例えば、少なくとも約3.0:1、少なくとも約4.0:1、または少なくとも約5.0:1)である、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態5
リサイクルするステップが、少なくとも1つの気体生成物からCO2を除去し、CO2含有流と、CO2含有流が少なくとも1つの気体生成物のCO2含有量より高いCO2含有量を有するように、CO2、COおよびH2を含む分離された合成ガス流出物とを製造するステップと、任意選択的に、分離された合成ガス流出物の少なくとも一部分を酸化させるステップと、次いで、分離され、任意選択的に酸化された合成ガス流出物の少なくとも一部分をカソードインレットにリサイクルするステップとを含む、実施形態1および3〜4のいずれかの方法。
実施形態6
有効なフィッシャー−トロプシュ条件でアノード排出物の少なくとも一部分を反応させる前に、アノード排出物、アノード排出物の少なくとも一部分、またはその組み合わせを圧縮するステップをさらに含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態7
アノード排出物流の少なくとも一部分を水性ガスシフト触媒に暴露して、シフトされたアノード排出物を形成するステップと、次いで、シフトされたアノード排出物の少なくとも一部分から水およびCO2を除去するステップをさらに含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態8
カソードインレット流が、燃焼タービンからの排出物を含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態9
アノード、アノードと関連する内部改質要素、またはその組み合わせに導入される改質可能燃料の量が、電気を発生させるために溶融炭酸塩形燃料電池で反応する水素の量より少なくとも約50%多い(例えば、少なくとも約75%多い、または少なくとも約100%多い)、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態10
アノード排出物の合成ガスの正味のモル対カソード排出物のCO2のモルの比率が、少なくとも約2.0:1(例えば、少なくとも約3.0、少なくとも約4.0、少なくとも約5.0、少なくとも約10.0または少なくとも約20.0)、かつ任意選択的に約40.0以下(例えば、約30.0以下または約20.0以下)である、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態11
アノードにおける燃料利用が、約50%以下(例えば、約30%以下、約25%以下、または約20%以下)であり、かつカソードにおけるCO2利用が、少なくとも約60%(例えば、少なくとも約65%、少なくとも約70%、または少なくとも約75%)である、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態12
溶融炭酸塩形燃料電池を作動させて、少なくとも約150mA/cm2の電流密度において電力および少なくとも約50mW/cm2(例えば、少なくとも約50mW/cm2、少なくとも約60mW/cm2、少なくとも約80mW/cm2、または少なくとも100mW/cm2)の廃熱を発生させ、約100℃以下(例えば、約80℃以下または約60℃以下)のアノードインレットとアノードアウトレットとの間の温度差を維持するために吸熱性反応の有効な量を実行するステップをさらに含み、かつ任意選択的に吸熱性反応を実行することにより、廃熱の少なくとも約40%(例えば、少なくとも約50%、少なくとも約60%、または少なくとも約75%)が消費される、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態13
溶融炭酸塩形燃料電池の電気効率が、約10%〜約40%(例えば、約10%〜約35%、約10%〜約30%、約10%〜約25%、約10%〜約20%)であり、かつ燃料電池の全燃料電池効率が、少なくとも約50%(例えば、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、または少なくとも約80%)である、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態14
溶融炭酸塩形燃料電池が、約0.25〜約1.5(例えば、約0.25〜約1.3、約0.25〜約1.15、約0.25〜約1.0、約0.25〜約0.85、約0.25〜約0.8、または約0.25〜約0.75)の熱比率で作動される、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態15
少なくとも1つの気体生成物が、(i)未反応のH2、(ii)未反応のCO、ならびに(iii)C4−炭化水素および/またはC4−酸素化化合物の1つ以上を含むテールガス流を含む、上記実施形態のいずれかの方法。
本群の実施形態はグループQである。「上記実施形態のいずれか」という指示は、本群内の他の実施形態のみを参照することを意味するのに対して、「上記実施形態の群のいずれか」という指示は、1つ以上の他の群からの実施形態のいずれかの個々または組み合わせを参照することを意味する。
実施形態1
上記実施形態の群のいずれかに加えてまたはその代わりに、炭化水素化合物を合成する方法であって、改質可能燃料を含む燃料流を、溶融炭酸塩形燃料電池のアノード、アノードと関連する内部改質要素、またはその組み合わせに導入するステップと、CO2およびO2を含むカソードインレット流を、溶融炭酸塩形燃料電池のカソードインレットに導入するステップと、溶融炭酸塩形燃料電池内で電気を発生させるステップと、H2、CO、CO2およびH2Oを含み、かつ少なくとも約2.5:1(例えば、少なくとも約3.0:1、少なくとも約4.0:1または少なくとも約5.0:1)のH2対CO比率を有するアノード排出物を発生させるステップと、アノード排出物の少なくとも一部のH2対COの比率を、約1.7:1〜約2.3:1の比率に低下させ、アノード排出物のCO2濃度の少なくとも60%であるCO2濃度を有する古典的な合成ガス流を形成するステップと、非シフト型フィッシャー−トロプシュ触媒(例えば、Co、Rh、Ru、Ni、Zrまたはその組み合わせを含むもの)の存在下、有効なフィッシャー−トロプシュ条件で古典的な合成ガス流を反応させ、少なくとも1つの気体生成物および少なくとも1つの非気体生成物を生成するステップと、少なくとも1つの気体生成物の少なくとも一部分をカソードインレットにリサイクルするステップとを含む方法。
実施形態2
上記実施形態の群のいずれかに加えてまたはその代わりに、炭化水素化合物を合成する方法であって、改質可能燃料を含む燃料流を、溶融炭酸塩形燃料電池のアノード、アノードと関連する内部改質要素、またはその組み合わせに導入するステップと、CO2およびO2を含むカソードインレット流を、溶融炭酸塩形燃料電池のカソードインレットに導入するステップと、溶融炭酸塩形燃料電池内で電気を発生させるステップと、H2、CO、CO2およびH2Oを含み、かつ少なくとも約2.5:1(例えば、少なくとも約3.0:1、少なくとも約4.0:1または少なくとも約5.0:1)のH2対CO比率を有するアノード排出物を発生させるステップと、アノード排出物の少なくとも一部のH2対COの比率を、約1.7:1〜約2.3:1の比率に低下させ、アノード排出物のCO2濃度の少なくとも60%であるCO2濃度を有する古典的な合成ガス流を形成するステップと、非シフト型フィッシャー−トロプシュ触媒(例えば、Co、Rh、Ru、Ni、Zrまたはその組み合わせを含むもの)の存在下、有効なフィッシャー−トロプシュ条件で古典的な合成ガス流を反応させ、少なくとも1つの気体生成物および少なくとも1つの非気体生成物を生成するステップとを含み、アノード、アノードと関連する内部改質要素、またはその組み合わせに導入される改質可能燃料の量が、少なくとも約1.5の改質可能燃料過剰比率を提供する方法。
実施形態3
少なくとも1つの気体生成物の少なくとも一部分を、カソードインレットにリサイクルするステップをさらに含む、実施形態2の方法。
実施形態4
古典的な合成ガス流のH2対COの比率を低下させるステップが、(i)古典的な合成ガス流において逆水性ガスシフトを実行するステップ、(ii)アノード排出物から、古典的な合成ガス流から、もしくはその組み合わせから、H2を含むガス流を回収するステップ、または(iii)(i)および(ii)の両方を含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態5
リサイクルするステップが、少なくとも1つの気体生成物からCO2を除去し、CO2含有流と、CO2、COおよびH2を含む分離された合成ガス流出物とを製造するステップと、任意選択的に、分離された合成ガス流出物の少なくとも一部分を酸化させるステップと、次いで、分離され、任意選択的に酸化された合成ガス流出物の少なくとも一部分をカソードインレットにリサイクルするステップとを含む、実施形態1および3〜4のいずれかの方法。
実施形態6
有効なフィッシャー−トロプシュ条件で古典的な合成ガス流を反応させる前に、アノード排出物、古典的な合成ガス流、またはその組み合わせを圧縮するステップをさらに含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態7
カソードインレット流が、燃焼タービンからの排出物を含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態8
アノード、アノードと関連する内部改質要素、またはその組み合わせに導入される改質可能燃料の量が、電気を発生させるために溶融炭酸塩形燃料電池で反応する水素の量より少なくとも約50%多い(例えば、少なくとも約75%多い、または少なくとも約100%多い)、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態9
アノード排出物の合成ガスの正味のモル対カソード排出物のCO2のモルの比率が、少なくとも約2.0(例えば、少なくとも約3.0、少なくとも約4.0、少なくとも約5.0、少なくとも約10.0または少なくとも約20.0)、かつ任意選択的に約40.0以下(例えば、約30.0以下または約20.0以下)である、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態10
アノードにおける燃料利用が、約50%以下(例えば、約30%以下、約25%以下、または約20%以下)であり、かつカソードにおけるCO2利用が、少なくとも約60%(例えば、少なくとも約65%、少なくとも約70%、または少なくとも約75%)である、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態11
溶融炭酸塩形燃料電池を作動させて、少なくとも約150mA/cm2の電流密度において電力および少なくとも約40mW/cm2(例えば、少なくとも約50mW/cm2、少なくとも約60mW/cm2、少なくとも約80mW/cm2、または少なくとも100mW/cm2)の廃熱を発生させ、約100℃以下(例えば、約80℃以下または約60℃以下)のアノードインレットとアノードアウトレットとの間の温度差を維持するために吸熱性反応の有効な量を実行するステップをさらに含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態12
吸熱性反応を実行することにより、廃熱の少なくとも約40%(例えば、少なくとも約50%、少なくとも約60%、または少なくとも約75%)が消費される、実施形態11の方法。
実施形態13
溶融炭酸塩形燃料電池の電気効率が、約10%〜約40%(例えば、約10%〜約35%、約10%〜約30%、約10%〜約25%、約10%〜約20%)であり、かつ燃料電池の全燃料電池効率が、少なくとも約50%(例えば、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、または少なくとも約80%)である、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態14
溶融炭酸塩形燃料電池が、約0.25〜約1.5(例えば、約0.25〜約1.3、約0.25〜約1.15、約0.25〜約1.0、約0.25〜約0.85、約0.25〜約0.8、または約0.25〜約0.75)の熱比率で作動される、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態15
少なくとも1つの気体生成物が、(i)未反応のH2、(ii)未反応のCO、ならびに(iii)C4−炭化水素および/またはC4−酸素化化合物の1つ以上を含むテールガス流を含む、上記実施形態のいずれかの方法。
本群の実施形態はグループRである。「上記実施形態のいずれか」という指示は、本群内の他の実施形態のみを参照することを意味するのに対して、「上記実施形態の群のいずれか」という指示は、1つ以上の他の群からの実施形態のいずれかの個々または組み合わせを参照することを意味する。
実施形態1
上記実施形態の群のいずれかに加えてまたはその代わりに、炭化水素化合物を合成する方法であって、改質可能燃料を含む燃料流を、溶融炭酸塩形燃料電池のアノード、アノードと関連する内部改質要素、またはその組み合わせに導入するステップと、CO2およびO2を含むカソードインレット流を、溶融炭酸塩形燃料電池のカソードに導入するステップと、溶融炭酸塩形燃料電池内で電気を発生させるステップと、H2、COおよびCO2を含み、かつ少なくとも約2.5:1のH2対CO比率を有し、かつ少なくとも約20体積%のCO2含有量を有するアノード排出物を発生させるステップと、アノード排出物の少なくとも一部分から水およびCO2を除去し、アノード排出物の水の濃度の半分未満の水の濃度を有するか、アノード排出物のCO2の濃度の半分未満のCO2の濃度を有するか、またはその組み合わせであり、かつ約2.3:1以下のH2対COの比率を有するアノード流出物ガス流を生成するステップと、非シフト型フィッシャー−トロプシュ触媒(例えば、Co、Rh、Ru、Ni、Zrまたはその組み合わせを含むもの)上でアノード流出物ガス流の少なくとも一部分を反応させて、少なくとも1つの気体生成物および少なくとも1つの非気体生成物を生成するステップと、任意選択的に、気体生成物の少なくとも一部分をアノードインレット、カソードインレットまたはその組み合わせにリサイクルするステップとを含む方法。
実施形態2
リサイクルするステップが、気体生成物からCO2を除去し、CO2濃縮流と、CO2、COおよびH2を含む分離された合成ガス生成物とを製造するステップと、任意選択的に、分離された合成ガス生成物の少なくとも一部分を酸化させるステップと、次いで、分離された合成ガス生成物の少なくとも一部分をアノードインレット、カソードインレットまたはその組み合わせにリサイクルするステップとを含む、実施形態1の方法。
実施形態3
気体生成物が、(i)未反応のH2、(ii)未反応のCO、ならびに(iii)C4−炭化水素および/またはC4−酸素化化合物の1つ以上を含むテールガス流を含む、実施形態1または2の方法。
実施形態4
アノード排出物流の少なくとも一部分を水性ガスシフト触媒に暴露して、シフトされたアノード排出物(これは、アノード排出物におけるH2対COのモル比より低いH2対COのモル比を任意選択的に有することができる)を形成するステップと、次いで、シフトされたアノード排出物の少なくとも一部分から水およびCO2を除去して、精製されたH2流を生成するステップをさらに含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態5
アノード流出物ガス流の少なくとも一部分を水性ガスシフト触媒に暴露して、シフトされたアノード流出物(これは、アノード流出物ガス流におけるH2対COのモル比より低いH2対COのモル比を任意選択的に有することができる)を形成するステップをさらに含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態6
カソードインレット流が燃焼タービンからの排出物を含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態7
アノード排出物が、少なくとも約3.0:1(例えば、少なくとも約4.0:1、約3.0:1〜約10:1、または約4.0:1〜約10:1)のH2:COの比率を有する、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態8
アノード、アノードと関連する内部改質要素、またはその組み合わせに導入される改質可能燃料の量が、電気を発生させるために溶融炭酸塩形燃料電池で反応する水素の量より少なくとも約50%多い(例えば、少なくとも約75%多い、または少なくとも約100%多い)、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態9
アノード排出物の合成ガスの正味のモル対カソード排出物のCO2のモルの比率が、少なくとも約2.0(例えば、少なくとも約3.0、少なくとも約4.0、少なくとも約5.0、少なくとも約10.0または少なくとも約20.0)、かつ任意選択的に約40.0以下(例えば、約30.0以下または約20.0以下)である、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態10
アノードにおける燃料利用が、約50%以下(例えば、約30%以下、約25%以下、または約20%以下)であり、かつカソードにおけるCO2利用が、少なくとも約60%(例えば、少なくとも約65%、少なくとも約70%、または少なくとも約75%)である、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態11
溶融炭酸塩形燃料電池を作動させて、少なくとも約150mA/cm2の電流密度において電力および少なくとも約40mW/cm2(例えば、少なくとも約50mW/cm2、少なくとも約60mW/cm2、少なくとも約80mW/cm2、または少なくとも100mW/cm2)の廃熱を発生させ、約100℃以下(例えば、約80℃以下または約60℃以下)のアノードインレットとアノードアウトレットとの間の温度差を維持するために吸熱性反応の有効な量を実行するステップをさらに含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態12
吸熱性反応を実行することにより、廃熱の少なくとも約40%(例えば、少なくとも約50%、少なくとも約60%、または少なくとも約75%)が消費される、実施形態11の方法。
実施形態13
溶融炭酸塩形燃料電池の電気効率が、約10%〜約40%(例えば、約10%〜約35%、約10%〜約30%、約10%〜約25%、約10%〜約20%)であり、かつ燃料電池の全燃料電池効率が、少なくとも約50%(例えば、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、または少なくとも約80%)である、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態14
溶融炭酸塩形燃料電池が、約0.25〜約1.5(例えば、約0.25〜約1.3、約0.25〜約1.15、約0.25〜約1.0、約0.25〜約0.85、約0.25〜約0.8、または約0.25〜約0.75)の熱比率で作動される、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態15
アノード、アノードと関連する内部改質要素、またはその組み合わせに導入される改質可能燃料の量が、少なくとも約1.5(例えば、少なくとも約2.0、少なくとも約2.5、または少なくとも約3.0)の改質可能燃料過剰比率を提供する、上記実施形態のいずれかの方法。
本群の実施形態はグループSである。「上記実施形態のいずれか」という指示は、本群内の他の実施形態のみを参照することを意味するのに対して、「上記実施形態の群のいずれか」という指示は、1つ以上の他の群からの実施形態のいずれかの個々または組み合わせを参照することを意味する。
実施形態1
上記実施形態の群のいずれかに加えてまたはその代わりに、炭化水素化合物を合成する方法であって、改質可能燃料を含む燃料流を、溶融炭酸塩形燃料電池のアノード、アノードと関連する内部改質要素、またはその組み合わせに導入するステップと、CO2およびO2を含み、任意選択的に燃焼タービンからの排出物を含むカソードインレット流を、燃料電池のカソードに導入するステップと、溶融炭酸塩形燃料電池内で電気を発生させるステップと、H2、COおよびCO2を含むアノード排出物を発生させるステップと、アノード排出物の少なくとも一部分からCO2を分離して、アノード流出物ガス流を生成するステップと、メタノール合成触媒の存在下、メタノールを形成し、少なくとも1つのメタノール含有流、および気体または液体生成物を含む1つ以上の流れを生成するために有効な条件で、アノード流出物ガス流の少なくとも一部分を反応させるステップと、気体または液体生成物を含む1つ以上の流れの少なくとも一部分をリサイクルして、カソードインレット流の少なくとも一部分を形成するステップとを含む方法。
実施形態2
約1.7〜約2.3(例えば、約1.8〜約2.3、約1.9〜約2.3、約1.7〜約2.2、約1.8〜約2.2、約1.9〜約2.2、約1.7〜約2.1、約1.8〜約2.1、または約1.9〜約2.1)の、M=[H2−CO2]/[CO+CO2]として定義されるアノード流出物ガス流のモジュール値Mを達成するために、(例えば、それからCO2を除去することにより、逆水性ガスシフトプロセスを実行することにより、またはその組み合わせにより)アノード排出物、アノード流出物ガス流体またはその組み合わせの組成を調節するステップをさらに含む、実施形態1の方法。
実施形態3
調節するステップが、アノード排出物またはアノード流出物ガス流を分割して、第1の分割された流れおよび第2の分割された流れを形成するステップと、第1の分割された流れにおいて逆水性ガスシフトを実行して、第1のシフトされた流れを形成するステップと、第1のシフトされた流れの少なくとも一部分を、第2のシフトされた流れの少なくとも一部分と組み合わせて、調節されたアノード排出物または調節されたアノード流出物ガス流体を形成するステップとを含む、実施形態2の方法。
実施形態4
アノード排出物が、少なくとも約3.0:1(例えば、少なくとも約4.0:1、または少なくとも約5.0:1)、かつ任意選択的に約10:1以下のモル比を有する、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態5
メタノール合成触媒の存在下で反応させる前に、アノード流出物ガス流の少なくとも一部分を圧縮するステップをさらに含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態6
気体または液体生成物を含む1つ以上の流れが、(i)C2+アルコールを含む少なくとも1つの流れ、(ii)H2、CO、改質可能燃料もしくはその組み合わせを含む少なくとも1つの流れ、または(iii)(i)および(ii)の両方を含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態7
反応させるステップが、メタノール合成触媒の存在下で反応させるためにリサイクルされる合成ガスを含む少なくとも1つの流れをさらに生成する、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態8
改質可能燃料の少なくとも約90体積%がメタンである、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態9
燃料流が、少なくとも5体積%(例えば、少なくとも約10体積%、少なくとも約20体積%、少なくとも約30体積%、少なくとも約35体積%または少なくとも約40体積%)の(例えば、CO2および/またはN2を含む)不活性ガスを含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態10
有効なメタノール合成条件が、約5MPag〜約10MPagの圧力および約250℃〜約300℃の温度を含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態11
アノード排出物、アノード流出物ガス流またはその組み合わせからH2Oを分離するステップをさらに含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態12
溶融炭酸塩形燃料電池が、約0.25〜約1.5(例えば、約0.25〜約1.3、約0.25〜約1.15、約0.25〜約1.0、約0.25〜約0.85、約0.25〜約0.8、または約0.25〜約0.75)の熱比率で作動される、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態13
アノード、アノードと関連する内部改質要素、またはその組み合わせに導入される改質可能燃料の量が、少なくとも約1.5(例えば、少なくとも約2.0、少なくとも約2.5、または少なくとも約3.0)の改質可能燃料過剰比率を提供する、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態14
アノード排出物の合成ガスの正味のモル対カソード排出物のCO2のモルの比率が、少なくとも約2.0(例えば、少なくとも約3.0、少なくとも約4.0、少なくとも約5.0、少なくとも約10.0または少なくとも約20.0)、かつ任意選択的に約40.0以下(例えば、約30.0以下または約20.0以下)である、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態15
アノードにおける燃料利用が、約50%以下(例えば、約30%以下、約25%以下、または約20%以下)であり、かつカソードにおけるCO2利用が、少なくとも約60%(例えば、少なくとも約65%、少なくとも約70%、または少なくとも約75%)である、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態16
溶融炭酸塩形燃料電池を作動させて、少なくとも約150mA/cm2の電流密度において電力および少なくとも約40mW/cm2(例えば、少なくとも約50mW/cm2、少なくとも約60mW/cm2、少なくとも約80mW/cm2、または少なくとも100mW/cm2)の廃熱を発生させ、約100℃以下のアノードインレットとアノードアウトレットとの間の温度差を維持するために吸熱性反応の有効な量を実行するステップをさらに含み、吸熱性反応を実行することにより、廃熱の少なくとも約40%が任意選択的に消費される、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態17
溶融炭酸塩形燃料電池の電気効率が、約10%〜約40%(例えば、約10%〜約35%、約10%〜約30%、約10%〜約25%、約10%〜約20%)であり、かつ燃料電池の全燃料電池効率が、少なくとも約50%(例えば、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、または少なくとも約80%)である、上記実施形態のいずれかの方法。
本群の実施形態はグループTである。「上記実施形態のいずれか」という指示は、本群内の他の実施形態のみを参照することを意味するのに対して、「上記実施形態の群のいずれか」という指示は、1つ以上の他の群からの実施形態のいずれかの個々または組み合わせを参照することを意味する。
実施形態1
上記実施形態の群のいずれかに加えてまたはその代わりに、改質可能燃料を含む燃料流を、溶融炭酸塩形燃料電池のアノード、アノードと関連する内部改質要素、またはその組み合わせに導入するステップと、CO2およびO2を含むカソードインレット流を、溶融炭酸塩形燃料電池のカソードに導入するステップと、溶融炭酸塩形燃料電池内で電気を発生させるステップと、H2およびCO2を含むアノード排出物を生成させるステップと、アノード排出物において分離(例えば、膜を使用して)を実行し、アノード排出物のCO2含有量より高いCO2含有量を有するCO2豊富ガス流、ならびにアノード排出物のCO2含有量より低いCO2含有量を有し、任意選択的にH2豊富ガス流および合成ガス流を含むCO2欠乏ガス流を形成するステップと、CO2欠乏ガス流を、1つ以上の第2の精製装置プロセスに送達するステップとを含む、精製装置において水素を発生させる方法。
実施形態2
カソードインレット流が、1つ以上の第1の精製装置プロセスから直接または間接的に誘導される1つ以上のCO2含有流を含む、実施形態1の方法。
実施形態3
溶融炭酸塩形燃料電池が、約0.25〜約1.5(例えば、約0.25〜約1.3、約0.25〜約1.15、約0.25〜約1.0、約0.25〜約0.85、または約0.25〜約0.75)の熱比率で作動される、実施形態1または2の方法。
実施形態4
1つ以上の分離段階において、アノード排出物、CO2欠乏流、およびCO2豊富流の少なくとも1つからH2Oを分離するステップをさらに含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態5
アノード、アノードと関連する内部改質要素、またはその組み合わせに導入される改質可能燃料の量が、少なくとも約1.5(例えば、少なくとも約2.0、少なくとも約2.5、または少なくとも約3.0)の改質可能燃料過剰比率を提供する、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態6
アノード排出物における合成ガスの正味のモル対カソード排出物におけるCO2のモルの比率が、少なくとも約2.0(例えば、少なくとも約3.0、少なくとも約4.0、少なくとも約5.0、少なくとも約10.0、または少なくとも約20.0)であり、かつ任意選択的に約40.0以下(例えば、約30.0以下、または約20.0以下)である、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態7
アノードにおける燃料利用が、約50%以下(例えば、約45%以下、約40%以下、約35%以下、約30%以下、約25%以下、または約20%以下)であり、かつカソードにおけるCO2利用が、少なくとも約60%(例えば、少なくとも約65%、少なくとも約70%、または少なくとも約75%)である、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態8
少なくとも約150mA/cm2の電流密度を提供する第1の作動条件で溶融炭酸塩形燃料電池が作動されて、電力および少なくとも約50mW/cm2(例えば、少なくとも約80mW/cm2、または少なくとも100mW/cm2)の廃熱が発生し、かつ吸熱性反応の有効な量が、約100℃以下(例えば、約80℃以下または約60℃以下)のアノードインレットとアノードアウトレットとの間の温度差を維持するために実行される、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態9
吸熱性反応を実行することにより、廃熱の少なくとも約40%(例えば、少なくとも約50%、少なくとも約60%、または少なくとも約75%)が消費される、実施形態8の方法。
実施形態10
溶融炭酸塩形燃料電池の電気効率が、約10%〜約40%(例えば、約10%〜約35%、約10%〜約30%、約10%〜約25%、または約10%〜約20%)であり、かつ溶融炭酸塩形燃料電池の全燃料電池効率が、少なくとも約55%(例えば、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、または少なくとも約80%)である、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態11
1つ以上の第1の精製装置プロセスの少なくとも1つのプロセスが、1つ以上の第2の精製装置プロセスのプロセスであること、燃料流が、1つ以上の第3の精製装置プロセスから誘導されること、およびアノード排出物が、少なくとも約3.0:1のH2対COのモル比を有し、かつ少なくとも約10体積%のCO2含有量を有することの1つ以上が満たされる、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態12
燃料流の少なくとも一部分が、アノードに導入される前に予備改質段階を通過する、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態13
燃料流の少なくとも一部分が、アノードに導入される前に脱硫段階を通過する、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態14
水性ガスシフトプロセスを使用して、アノード排出物、CO2豊富ガス流、およびCO2欠乏ガス流の1つ以上のH2含有量を変更するステップをさらに含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態15
CO2欠乏ガス流が、第1のH2純度を有する第1のH2豊富流および第2のH2純度を有する第2のH2豊富流にさらに分離され、第2のH2豊富流が、第1のH2豊富流より高い圧力まで圧縮される、上記実施形態のいずれかの方法。
本群の実施形態はグループUである。「上記実施形態のいずれか」という指示は、本群内の他の実施形態のみを参照することを意味するのに対して、「上記実施形態の群のいずれか」という指示は、1つ以上の他の群からの実施形態のいずれかの個々または組み合わせを参照することを意味する。
実施形態1
上記実施形態の群のいずれかに加えてまたはその代わりに、窒素含有化合物を合成する方法であって、改質可能燃料を含む燃料流を、溶融炭酸塩形燃料電池のアノード、アノードと関連する内部改質要素、またはその組み合わせに導入するステップと、CO2およびO2を含むカソードインレット流を、燃料電池のカソードに導入するステップと、溶融炭酸塩形燃料電池内で電気を発生させるステップと、H2およびCO2を含むアノード排出物を発生させるステップと、アノード排出物の少なくとも一部分からCO2を分離して、アノード排出物のCO2含有量より高いCO2含有量を有するCO2富化流と、アノード排出物のH2含有量より高いH2含有量を有するCO2欠乏ガス流を生成するステップと、アンモニア合成プロセスにおいて、CO2欠乏ガス流の少なくとも一部分を使用するステップおよび/または有機窒素含有化合物(例えば尿素)を形成するための第2の合成プロセスにおいて、CO2富化流の少なくとも一部分を使用するステップとを含む方法。
実施形態2
CO2欠乏ガス流の少なくとも一部分を使用するステップが、少なくとも1つのアンモニア含有流および気体または液体生成物を含む1つ以上の流れ(これは、H2および/またはCH4を含む少なくとも1つの流れを含む気体または液体生成物を含む1つ以上の流れを含み得る)を形成するように、有効なアンモニア合成条件で、CO2欠乏ガス流の少なくとも一部分を触媒に暴露するステップと、任意選択的に、少なくとも気体または液体生成物を含む1つ以上の流れの少なくとも一部分をリサイクルし、カソードインレット流の少なくとも一部分を形成するステップとを含む、実施形態1の方法。
実施形態3
CO2が分離される前のアノード排出物、アノード排出物の少なくとも一部分、アンモニア合成プロセスに使用される前のCO2欠乏ガス流、CO2欠乏ガス流の少なくとも一部分、またはその組み合わせの組成を調節するステップをさらに含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態4
組成を調節するステップが、(i)水性ガスシフトプロセスを実行するステップ、(ii)逆水性ガスシフトプロセスを実行するステップ、(iii)組成物の含水量を低下させるために分離を実行するステップ、および(iv)組成物のCO2含有量を低下させるために分離を実行するステップの1つ以上を含む、実施形態3の方法。
実施形態5
CO2欠乏ガス流の少なくとも一部分が、CO2欠乏ガス流からH2濃縮流を分離することによって形成され、分離されたH2濃縮流が、少なくとも約90体積%のH2(例えば、少なくとも約95体積%のH2、少なくとも約98体積%のH2または少なくとも約99体積%のH2)を含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態6
アノード排出物が、少なくとも約3.0:1(例えば、少なくとも約4.0:1)、また任意選択的に約10:1以下のモル比を有する、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態7
カソード排出物から、N2を含むガス流を回収するステップと、アンモニア合成プロセスにおいてN2の供給源として、N2を含む回収されたガス流の少なくとも一部分を使用するステップとをさらに含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態8
第2の合成プロセスが、アンモニア合成プロセスからのアンモニアを使用して、有機窒素含有化合物を形成するステップをさらに含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態9
改質可能燃料の少なくとも約90体積%がメタンである、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態10
有効なアンモニア合成条件が、約6MPag〜約18MPagの圧力および約350℃〜約500℃の温度を含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態11
カソードインレット流が燃焼タービンからの排出物を含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態12
酸素富化オフガス流の少なくとも一部分がカソードインレットに送達されるように、かつ窒素富化生成物流の少なくとも一部分がアンモニア合成プロセスに送達されるように、空気をPSA装置に通過させ、窒素富化生成物流および酸素富化オフガス流を発生させる空気分離ステップから、カソードインレット流中のO2の少なくとも一部分が誘導される、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態13
カソード排出物から、N2を含むN2富化ガス流を回収するステップと、(例えば、N2富化ガス流の少なくとも一部分を有効な合成条件で合成触媒に曝露することにより)アンモニア合成プロセスにおけるN2の供給源としてN2富化ガス流の少なくとも一部分を使用するステップとをさらに含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態14
アンモニア合成プロセスにおけるN2の供給源としてカソード排出物流の少なくとも一部分を使用するステップが、N2の濃度を増加させるためにN2富化ガス流における分離プロセスおよび精製プロセスの少なくとも1つを実行するステップと、次いで、増加したN2濃度を有するN2富化ガス流の少なくとも一部分をアンモニア合成プロセスに通過させるステップとを含む、実施形態13の方法。
実施形態15
アノード排出物、CO2富化ガス流、CO2欠乏ガス流およびカソード排出物の少なくとも1つからH2Oを分離するステップをさらに含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態16
CO2富化ガス流、CO2欠乏ガス流およびアノード排出物流の少なくとも一部分の1つ以上を水性ガスシフト触媒に曝露するステップをさらに含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態17
カソードインレット流が燃焼タービンからの排出物を含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態18
アノード排出物の10体積%未満が、アノードまたはカソードに直接的または間接的にリサイクルされる、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態19
アノード排出物のいずれの部分もアノードに直接的または間接的にリサイクルされない、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態20
アノード排出物のいずれの部分もカソードに直接的または間接的にリサイクルされない、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態21
単回通過でアノードにおいて生成したH2の10体積%未満が、アノードまたはカソードに直接的または間接的にリサイクルされる、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態22
改質可能燃料を改質するステップをさらに含み、アノード、アノードと関連する改質段階、またはその組み合わせに導入される改質可能燃料の少なくとも約90%がアノードの単回通過によって改質される、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態23
アノード、アノードと関連する改質段階、またはその組み合わせに導入される改質可能燃料の改質可能水素含有量が、電気を発生させるために反応する水素の量より少なくとも約50%(例えば、少なくとも約75%、または少なくとも約100%)多い、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態24
改質可能燃料過剰比率が、少なくとも約2.0(例えば、少なくとも約2.5、または少なくとも約3.0)である、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態25
カソードのCO2利用が少なくとも約50%(例えば、少なくとも約60%)である、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態26
溶融炭酸塩形燃料電池の電気効率が約10%〜約40%(例えば、約10%〜約35%、約10%〜約30%、約10%〜約25%、または約10%〜約20%)であり、かつ溶融炭酸塩形燃料電池の全燃料電池効率が、少なくとも約55%(例えば、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、または少なくとも約80%)である、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態27
溶融炭酸塩形燃料電池が、約0.25〜約1.5(例えば、約0.25〜約1.3、約0.25〜約1.15、約0.25〜約1.0、約0.25〜約0.85、または約0.25〜約0.75)の熱比率で作動される、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態28
アノード排出物の合成ガスの正味のモル対カソード排出物のCO2のモルの比率が、少なくとも約2.0(例えば、少なくとも約3.0、少なくとも約4.0、少なくとも約5.0、少なくとも約10.0または少なくとも約20.0)、かつ任意選択的に約40.0以下(例えば、約30.0以下または約20.0以下)である、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態29
アノードにおける燃料利用が、約50%以下(例えば、約45%以下、約40%以下、約35%以下、約30%以下、約25%以下、または約20%以下)であり、かつカソードにおけるCO2利用が、少なくとも約60%(例えば、少なくとも約65%、少なくとも約70%、または少なくとも約75%)である、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態30
溶融炭酸塩形燃料電池が、少なくとも約150mA/cm2の電流密度を提供する第1の作動条件で作動されて、電力および少なくとも約50mW/cm2(例えば、少なくとも100mW/cm2)の廃熱を発生させ、約100℃以下(例えば、約80℃以下または約60℃以下)のアノードインレットとアノードアウトレットとの間の温度差を維持するために吸熱性反応の有効量が実行される、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態31
吸熱性反応を実行するにより、廃熱の少なくとも約40%(例えば少なくとも約50%、少なくとも約60%または少なくとも約75%)が消費される、実施形態30の方法。
本群の実施形態はグループVである。「上記実施形態のいずれか」という指示は、本群内の他の実施形態のみを参照することを意味するのに対して、「上記実施形態の群のいずれか」という指示は、1つ以上の他の群からの実施形態のいずれかの個々または組み合わせを参照することを意味する。
実施形態1
上記実施形態の群のいずれかに加えてまたはその代わりに、改質可能燃料を含む燃料流を、溶融炭酸塩形燃料電池のアノード、アノードと関連する内部改質要素、またはその組み合わせに導入するステップと、CO2およびO2を含むカソードインレット流を、溶融炭酸塩形燃料電池のカソードに導入するステップと、溶融炭酸塩形燃料電池内で電気を発生させるステップと、約500kPag以下の圧力を有するアノード排出物から、COを含む第1のガス流を回収するステップと、アノード排出物から回収された第1のガス流を、鉄および/または鉄鋼の製造のためのプロセスに導入するステップとを含む、鉄および/または鉄鋼の製造方法。
実施形態2
鉄および/または鉄鋼の製造プロセスに熱を提供するために、発生した電気を使用するステップをさらに含む、実施形態1の方法。
実施形態3
アノード排出物からH2を含む第2のガス流を回収するステップと、鉄および/または鉄鋼の製造プロセスを加熱するための燃料として、第2のガス流を使用するステップとをさらに含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態4
アノード排出物、アノード排出物から回収された第1のガス流、またはその組み合わせから水を分離するステップと、分離された水を使用してプロセススラグを洗浄するステップとをさらに含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態5
カソードインレット流が、鉄および/または鉄鋼の製造プロセスによって生成されたCO2含有排出物の少なくとも一部分を含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態6
鉄および/または鉄鋼の製造プロセスによって生成されたCO2含有排出物からCO2を分離するステップをさらに含む、実施形態5の方法。
実施形態7
鉄および/または鉄鋼の製造プロセスに回収された第1のガス流を導入する前に、第1の回収されたガス流を、有効な水性ガスシフト条件下で、水性ガスシフト触媒に暴露するステップをさらに含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態8
溶融炭酸塩形燃料電池が、約1.0以下の熱比率で電気を発生させるように作動され、鉄および/または鉄鋼の製造プロセスから(例えば、炉から)の熱を溶融炭酸塩形燃料電池に、熱を伝達するステップをさらに含み、アノード排出物の温度が、アノードインレットの温度より高い、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態9
熱を伝達するステップが、アノードインレット流と、鉄および/または鋼鉄製造プロセス炉、ならびに鉄および/または鋼鉄製造プロセス排出物の少なくとも1つとの間で熱交換を実行するステップを含み、熱交換を実行するステップが、任意選択的に、アノードインレット流の温度を少なくとも約100℃(例えば、少なくとも約150℃)増加させるステップを含む、実施形態8の方法。
実施形態10
鉄および/または鉄鋼の製造プロセスにガス流を導入する前に、回収されたガス流を、有効な水性ガスシフト条件下で、水性ガスシフト触媒に暴露するステップをさらに含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態11
アノード排出物、回収された第1のガス流、またはその組み合わせから水を分離するステップと、分離された水を使用してプロセススラグを洗浄するステップとをさらに含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態12
アノードに、アノードと関連する内部改質要素に、またはその組み合わせに導入される改質可能燃料の量が、少なくとも約1.5(例えば、少なくとも約2.0、少なくとも約2.5、または少なくとも約3.0)の改質可能燃料過剰比率を提供する、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態13
改質可能燃料を改質するステップをさらに含み、アノードに、アノードと関連する内部改質要素に、またはその組み合わせに導入される改質可能燃料の少なくとも約90%が、アノードを通して単回通過で改質される、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態14
燃料電池アノード排出物における合成ガスの正味のモル対燃料電池カソード排出物におけるCO2のモルの比率が、少なくとも約2.0(例えば、少なくとも約3.0、少なくとも約4.0、少なくとも約5.0、少なくとも約10.0、または少なくとも約20.0)、かつ任意選択的に約40.0以下(例えば、約30.0以下、または約20.0以下)である、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態15
アノードにおける燃料利用が、約65%以下(例えば、約60%以下、約50%以下、約40%以下、約30%以下、約25%以下、または約20%以下)であり、かつカソードにおけるCO2利用が、少なくとも約50%(例えば、少なくとも60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、または少なくとも約75%)である、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態16
溶融炭酸塩形燃料電池の電気効率が、約10%〜約40%(例えば、約10%〜約20%、約10%〜約25%、約10%〜約30%、約10%〜約35%)であり、かつ燃料電池の全燃料電池効率が、少なくとも約50%(例えば、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、または少なくとも約80%)である、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態17
アノード排出物が、少なくとも約3.0:1(例えば、少なくとも約4.0:1、約3.0:1〜約10:1、または約4.0:1〜約10:1)のH2:COのモル比を有する、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態18
改質可能燃料の少なくとも約90体積%がメタンである、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態19
単回通過においてアノードで生成するH2の10体積%未満が、アノードまたはカソードに直接的または間接的にリサイクルされる、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態20
アノード、アノードと関連する改質段階、またはその組み合わせに導入される改質可能燃料の改質可能水素含有量が、電気を発生させるために反応する水素の量よりも、少なくとも約50%多い(例えば、少なくとも約75%多い、または少なくとも約100%多い)、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態21
溶融炭酸塩形燃料電池が、1つ以上の集積化された吸熱性反応段階をさらに含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態22
集積化された吸熱性反応段階の少なくとも1つが、集積化された改質段階を含み、アノードに導入される燃料流が、アノードに入る前に、任意選択的に、集積化された改質段階の少なくとも1つを通過する、実施形態21の方法。
実施形態23
少なくとも約150mA/cm2の電流密度を提供する第1の作動条件で溶融炭酸塩形燃料電池を作動させて、電力および少なくとも約30mW/cm2(例えば、少なくとも約40mW/cm2、少なくとも約50mW/cm2、または少なくとも100mW/cm2)の廃熱が発生し、かつ吸熱性反応の有効な量が、約100℃以下(例えば、約80℃以下または約60℃以下)のアノードインレットとアノードアウトレットとの間の温度差を維持するために実行される、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態24
吸熱性反応を実行することにより、廃熱の少なくとも約40%(例えば、少なくとも約50%、少なくとも約60%、または少なくとも約75%が消費される、実施形態23の方法。
実施形態25
溶融炭酸塩形燃料電池を、約0.68V未満(例えば、約0.67V未満、約0.66V未満、または約0.65V以下)、かつ任意選択的に少なくとも約0.60V(例えば、少なくとも約0.61V、少なくとも約0.62V、または少なくとも約0.63V)の電圧VAで作動させる、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態26
改質可能燃料を改質するステップをさらに含み、アノード、アノードと関連する改質段階、またはそれの組み合わせに導入される改質可能燃料の少なくとも約90%が、アノードを通して単回通過で改質される、上記実施形態のいずれかの方法。
本群の実施形態はグループWである。「上記実施形態のいずれか」という指示は、本群内の他の実施形態のみを参照することを意味するのに対して、「上記実施形態の群のいずれか」という指示は、1つ以上の他の群からの実施形態のいずれかの個々または組み合わせを参照することを意味する。
実施形態1
上記実施形態の群のいずれかに加えてまたはその代わりに、発酵生成物を製造する方法であって、改質可能燃料を含む燃料流を、溶融炭酸塩形燃料電池のアノード、アノードと関連する内部改質要素、またはその組み合わせに導入するステップと、CO2およびO2を含むカソードインレット流を、燃料電池のカソードに導入するステップと、溶融炭酸塩形燃料電池内で電気を発生させるステップと、アノード排出物からH2含有流、合成ガス含有流またはその組み合わせを分離するステップと、バイオマスを処理して、少なくとも1つの発酵生成物および発酵排出物を生成するステップと、少なくとも1つの発酵生成物を蒸留するが、蒸留のための熱の少なくいくつかが、アノード排出物との熱交換、合成ガス含有流の燃焼、H2含有流の燃焼、溶融炭酸塩形燃料電池内で発生する電気を使用する電気的加熱、またはその組み合わせによって提供されるステップとを含み、以下の1つ以上をさらに含む方法:a)カソードインレット流は、発酵排出物の少なくとも一部分を含む、b)処理ステップは、アノード排出物から分離されたH2O、合成ガス含有流から分離されたH2O、H2含有流から分離されたH2O、またはその組み合わせの存在下で実行される、c)改質可能燃料は、発酵生成物の一部分を含み、改質可能燃料は、任意選択的に、発酵生成物の少なくとも50体積%(例えば、少なくとも60体積%または少なくとも70体積%)を含有し、発酵生成物の一部分は、任意選択的に、約1.5:1〜約3.0:1(例えば、約1.5:1〜約2.5:1)の水対炭素比を有する発酵生成物の蒸留部分である、d)処理ステップは、実質的に発酵性バイオマス部分を実質的に非発酵性バイオマス部分から分離するステップを含み、実質的に非発酵性バイオマス部分は、H2含有ガス流の少なくとも一部分、合成ガス含有流の少なくとも一部分、またはその組み合わせの存在下で、1つ以上の熱的、化学的および/または熱化学的プロセスで処理される、e)溶融炭酸塩形燃料電池のアノード、溶融炭酸塩形燃料電池のアノードと関連する内部改質要素、またはその組み合わせに導入される改質可能な燃料の量は、少なくとも約2.0の改質可能燃料過剰比率を提供する、f)溶融炭酸塩形燃料電池のアノード、溶融炭酸塩形燃料電池のアノードと関連する内部改質要素、またはその組み合わせに導入される改質可能燃料の改質可能水素含有量は、電気を発生させるために酸化された水素の量よりも少なくとも約50%多い(例えば、少なくとも約75%多い、または少なくとも約100%多い)、g)溶融炭酸塩形燃料電池の電気効率は、約10%〜約40%(例えば、約10%〜約35%、約10%〜約30%、または約10%〜約25%)であり、かつ燃料電池の全燃料電池効率は、少なくとも約55%(例えば、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%または少なくとも約80%)である、h)溶融炭酸塩形燃料電池は、約0.25〜約1.5(例えば、約0.25〜約1.3、約0.25〜約1.15、約0.25〜約1.0、約0.25〜約0.85、または約0.25〜約0.75)の熱比率で作動される、i)アノード排出物の合成ガスの正味のモル対カソード排出物のCO2のモルの比率は、少なくとも約2.0:1(例えば、少なくとも約3.0、少なくとも約4.0、少なくとも約5.0、少なくとも約10.0または少なくとも約20.0)、かつ任意選択的に約40.0以下(例えば、約30.0以下または約20.0以下)である、j)溶融炭酸塩形燃料電池のアノードにおける燃料利用は、約50%以下(例えば、約40%以下、約30%以下、約25%以下、または約20%以下)であり、かつカソードにおけるCO2利用が、少なくとも約60%(例えば、少なくとも約65%、少なくとも約70%、または少なくとも約75%)である、k)溶融炭酸塩形燃料電池は、少なくとも約150mA/cm2の電流密度を提供する第1の作動条件で作動されて、電力および少なくとも約100mW/cm2の廃熱を発生させ、約80℃以下(例えば、約60℃以下)のアノードインレットとアノードアウトレットとの間の温度差を維持するために吸熱性反応の有効量が実行される、l)溶融炭酸塩形燃料電池は、約0.60ボルト〜約0.67ボルト(例えば、約0.60ボルト〜約0.65ボルト、約0.62ボルト〜約0.67ボルト、または約0.62ボルト〜約0.65ボルト)の電圧VAで作動される溶融炭酸塩形燃料電池は、任意選択的に約65%以下の燃料利用で作動される、m)カソードインレット流は、燃焼タービン排出物の少なくとも一部分を含み、アノード排出物の少なくとも一部分はアノードにリサイクルされる、n)カソードインレット流は、燃焼タービン排出物の少なくとも一部分を含み、アノード排出物の少なくとも一部分は、アノードリサイクル燃焼タービンの燃焼領域の燃料として使用され、燃焼タービンの燃焼領域のための任意選択的な第2の燃料流は、任意選択的に、少なくとも約30体積%のCO2および/または少なくとも約35体積%のCO2と不活性物質との組み合わせ(例えば、少なくとも約40体積%のCO2と不活性物質との組み合わせ、少なくとも約45体積%のCO2と不活性物質との組み合わせ、または少なくとも約50体積%のCO2と不活性物質との組み合わせ)を含む、o)カソードインレット流は、燃焼タービン排出物の少なくとも一部分を含み、アノード排出物の少なくとも第1の部分は、アノードリサイクル燃焼タービンの燃焼領域の燃料として使用され、かつアノード排出物の少なくとも第2の部分は、溶融炭酸塩形燃料電池のアノードにリサイクルされる、p)カソードインレット流は、燃焼タービン排出物の少なくとも一部分を含み、カソードインレット流は、少なくとも約20vppmのNOxを含み、かつカソード排出物は、カソードインレット流のNOx含有量の約半分未満を含む、q)上記方法は、H2含有ガス流の少なくとも一部分を燃焼して、電気を発生させるステップをさらに含み、燃焼するステップが、任意選択的に、第2のタービンの燃焼領域において実行され、かつカソードインレット流が、任意選択的に、炭素含有燃料の燃焼によって生成する燃焼タービン排出物の少なくとも一部分を含む、r)上記方法は、メタノール合成触媒の存在下、メタノールを形成し、少なくとも1つのメタノール含有流、および気体または液体生成物を含む1つ以上の流れを生成するために有効な条件で、合成ガス含有流の少なくとも一部分を反応させるステップと、任意選択的に、気体または液体生成物を含む1つ以上の流れの少なくとも一部分をリサイクルして、カソードインレット流の少なくとも一部分を形成するステップをさらに含む、s)上記方法は、1つ以上の第1の精製装置プロセスから誘導される1つ以上のCO2含有流をカソードインレットに任意選択的に送達するステップと、アノード排出物の少なくとも一部分からCO2を分離して、アノード排出物のCO2含有量より高いCO2含有量を有するCO2富化ガス流と、アノード排出物のCO2含有量より低いCO2含有量を有するCO2欠乏ガス流とを形成し、CO2欠乏ガス流を1つ以上の第2の精製装置プロセスに送達するステップとをさらに含む、t)上記方法は、アノード排出物の少なくとも一部分からCO2を分離して、アノード排出物のCO2含有量より高いCO2含有量を有するCO2富化流と、アノード排出物のH2含有量より高いH2含有量を有するCO2欠乏ガス流を生成するステップと、アンモニア合成プロセス、有機窒素含有化合物合成プロセス、または両方において、CO2欠乏ガス流の少なくとも一部分を使用するステップとをさらに含む、u)上記方法は、約500kPag以下の圧力を有するアノード排出物から、COを含む第1のガス流を回収するステップと、アノード排出物から回収された第1のガス流を、鉄および/または鉄鋼の製造のためのプロセスに導入するステップと、任意選択的に、アノード排出物からH2を含む第2のガス流を回収するステップと、回収された場合、鉄および/または鉄鋼の製造プロセスを加熱するための燃料として、第2のガス流を使用するステップとをさらに含む、v)上記方法は、H2,CO、H2O,および少なくとも20体積%のCO2を含むアノード排出物を生成するステップと、シフト型フィッシャー−トロプシュ触媒の存在下、有効なフィッシャー−トロプシュ条件でアノード排出物の少なくとも一部を反応させ、少なくとも1つの気体生成物および少なくとも1つの非気体生成物を生成し、アノード排出物の少なくとも一部分におけるCO2濃度が、アノード排出物のCO2濃度の少なくとも80%であるステップと、少なくとも1つの気体生成物の少なくとも一部分をカソードインレットにリサイクルするステップをさらに含む、w)上記方法は、H2、CO、CO2およびH2Oを含み、かつ少なくとも約2.5:1のH2対CO比率を有するアノード排出物を発生させるステップと、アノード排出物の少なくとも一部のH2対COの比率を、約1.7:1〜約2.3:1の比率に低下させ、アノード排出物のCO2濃度の少なくとも60%であるCO2濃度を有する古典的な合成ガス流を形成するステップと、非シフト型フィッシャー−トロプシュ触媒の存在下、有効なフィッシャー−トロプシュ条件で古典的な合成ガス流を反応させ、少なくとも1つの気体生成物および少なくとも1つの非気体生成物を生成するステップと、任意選択的に少なくとも1つの気体生成物の少なくとも一部分をカソードインレットにリサイクルするステップとをさらに含む、x)上記方法は、H2、COおよびCO2を含み、かつ少なくとも約2.5:1のH2対CO比率を有し、かつ少なくとも約20体積%のCO2含有量を有するアノード排出物を発生させるステップと、アノード排出物の少なくとも一部分から水およびCO2を除去し、アノード排出物の水の濃度の半分未満の水の濃度を有するか、アノード排出物のCO2の濃度の半分未満のCO2の濃度を有するか、またはその組み合わせであり、かつ約2.3:1以下のH2対COの比率を有するアノード流出物ガス流を生成するステップと、非シフト型フィッシャー−トロプシュ触媒上でアノード流出物ガス流の少なくとも一部分を反応させて、少なくとも1つの気体生成物および少なくとも1つの非気体生成物を生成するステップとをさらに含む。
実施形態2
カソードインレット流が、アノード排出物、アノード排出物から回収されるいかなるガス流体の少なくとも一部分でもまたはその組み合わせの少なくとも一部分を含む、実施形態1の方法。
実施形態3
カソードインレット流が、燃焼反応からの排出物の少なくとも一部分、燃焼タービンからの排出物またはその組み合わせを含む、実施形態1または2の方法。
実施形態4
CO2が、アノード排出物から、アノード排出物から回収されたいずれかガス流から、またはその組み合わせから分離され、分離されたCO2の少なくとも一部分が、任意選択的に、発酵排出物の少なくとも一部分と組み合わされる、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態5
H2Oが、アノード排出物から、アノード排出物から回収されたいずれかのガス流から、またはその組み合わせから分離される、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態6
H2Oをアノード排出物から分離するステップと、バイオマスの処理中に分離されたH2Oを使用して、少なくとも1つの発酵生成物を生成するステップとをさらに含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態7
溶融炭酸塩形燃料電池内で電気を発生させるステップが、バイオマスの処理の電気需要、バイオマスの処理の熱需要、および発酵生成物の蒸留の熱需要の少なくとも1つをベースとして選択される燃料利用において燃料電池を作動させるステップを含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態8
改質可能燃料が、バイオマスの処理によって生成されるバイオマス残渣の嫌気性消化により、バイオマスから誘導される、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態9
改質可能燃料の少なくともいくつかが、バイオマスの処理によって生成したバイオマス残渣の部分的酸化および/またはガス化によってバイオマスから誘導される、実施形態8の方法。
実施形態10
少なくとも1つの発酵生成物がエタノールを含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態11
CO2富化流をアノード排出物から分離するステップと、光合成藻類成長プロセスの一部としてCO2富化流を使用するステップとをさらに含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態12
改質可能燃料が、藻類成長池で発生する藻類バイオマスから誘導される、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態13
CO2富化流をアノード排出物から分離するステップと、カソードインレットにCO2富化流れの少なくとも一部分を送達するステップとをさらに含む、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態14
蒸留のための熱の少なくともいくらかが、発酵生成物の燃焼をベースとして提供される、上記実施形態のいずれかの方法。
実施形態15
アノード排出物が、少なくとも約3.0:1のH2:COのモル比を有する、上記実施形態のいずれかの方法。
本群の実施形態はグループXである。「上記実施形態のいずれか」という指示は、本群内の他の実施形態のみを参照することを意味するのに対して、「上記実施形態の群のいずれか」という指示は、1つ以上の他の群からの実施形態のいずれかの個々または組み合わせを参照することを意味する。
実施形態1
アノードおよびカソードを含む溶融炭酸塩形燃料電池(又は溶融カーボネート燃料電池(molten carbonate fuel cell))を使用して電気を生成する方法であって、
燃料を含む燃料流を溶融炭酸塩形燃料電池のアノード、溶融炭酸塩形燃料電池のアノードと関連する内部改質要素(internal reforming element)またはその組み合わせに導入するステップ(または工程)と、
CO2およびO2を含むカソードインレット流(cathode inlet stream)を溶融炭酸塩形燃料電池のカソードに導入するステップ(または工程)と、
溶融炭酸塩形燃料電池内で電気を発生させるステップ(または工程)と、
溶融炭酸塩形燃料電池のアノードアウトレット(anode outlet)からアノード排出物(anode exhast)を発生させるステップ(または工程)と
を含み、
i)約80%〜約99%の燃料利用(率)(fuel utilization)で溶融炭酸塩形燃料電池内で電気を発生させるステップ(または工程)であって、
a)少なくとも約0.6Vの燃料電池作動電圧(fuel cell operating voltage)で溶融炭酸塩形燃料電池内で電気を発生させるか、
b)アノード排出物流が、水を含まない基準(又はウォーターフリー基準(water-free basis))に基づいて、少なくとも約75体積%の(CO+CO2)を含むか、または
c) a)およびb)の組み合わせ
である、ステップ(または工程)、
ii)約75%〜約99%の燃料利用および少なくとも約80%のCO2利用で溶融炭酸塩形燃料電池内で電気を発生させるステップ(または工程)であって、カソードインレット流中のCO2の少なくとも約60%が、アノードアウトレットと流体連通(fluid communication)していない供給源(source)からのものである、ステップ(または工程)、
iii)メタン含有供給原料(methane-containing feed)に対してスイング吸着プロセス(swing adsorption process)を実行してメタン豊富生成物(methane-enriched product)を製造することにより、燃料を含む燃料流を生成するステップ(または工程)であって、前記燃料流が前記メタン豊富生成物の少なくとも一部を含み、前記メタン含有供給原料が、前記メタン含有供給原料の全炭化水素含有量(total hydrocarbon content)に対して、少なくとも約2.0体積%のC2+炭化水素含有量を有し、前記メタン豊富生成物が、前記メタン豊富生成物の全炭化水素含有量に対して、前記メタン含有供給原料の前記C2+炭化水素含有量よりも低いC2+炭化水素含有量を有し、前記スイング吸着プロセスが任意選択的に圧力スイング吸着プロセス(pressure swing adsorption process)を含む、ステップ(または工程)、
iv)一定のカソードフローレート(a cathode flow rate)でカソード中にカソードインレット流を導入するステップ(または工程)であって、アノードフローパス断面積(anode flow path cross-sectional area)に対するカソードフローパス断面積(cathode flow path cross-sectional area)の比率が約1.05〜約6.00または約2.25〜約6.00であり、アノードフローレート(anode flow rate)に対するカソードフローレートの比率が少なくとも約5である、ステップ(または工程)、および
v)第1の燃料電池スタック(fuel cell stack)の定常状態(steady-state operation)での作動中に第1の燃料電池スタック内の複数の位置で温度を測定するステップ(または工程)であって、第1の燃料電池スタックが定常状態での作動中に平均燃料電池スタック温度(average fuel cell stack temperature)を有する、ステップ(または工程)、
第1の燃料電池スタックの温度プロファイル(temperature profile)を作成(又は展開(developing))するステップ(または工程)であって、温度プロファイルが、第1の燃料電池スタックの平均燃料電池スタック温度とは異なる最大温度を含み、最大温度が、第1の燃料電池スタックのアノードおよびカソードの少なくとも1つにおける位置におけるものである、ステップ(または工程)、
アノードおよびカソードの少なくとも1つに関して、最大温度を有する位置に基づいて、局所的に変性されたアノード触媒、局所的に変性されたカソード触媒、および局所的に変性された電解質の少なくとも1つを生成するステップ(または工程)、および
定常状態において、溶融炭酸塩形燃料電池を含む第2の燃料電池スタックを作動させるステップ(または工程)であって、溶融炭酸塩形燃料電池が、局所的に変性された(locally modified)アノード触媒、局所的に変性されたカソード触媒、および局所的に変性された電解質の少なくとも1つを含み、定常状態での作動中の第2の燃料電池スタックの平均燃料電池スタック温度が、第1の燃料電池スタックの平均燃料電池スタック温度よりも高い、ステップ(または工程)
の1つ以上をさらに含む、方法。
実施形態2
溶融炭酸塩形燃料電池スタック(molten carbonate fuel cell stack)であって、
アノードフローパス(anode flow paths)を有する複数の燃料電池アノードと、カソードフローパス(cathode flow paths)を有する複数の燃料電池カソードと、
複数の燃料電池アノードと流体連通しているアノードマニフォールド(anode manifold)と
を含み、
i)局所的に変性されたカソード触媒を含む少なくとも1つの燃料電池カソード、
ii)局所的に変性されたアノード触媒を含む少なくとも1つの燃料電池アノード、
iii)局所的に変性された電解質との境界面(又は境界又は界面又はインターフェース(interface))を有する少なくとも1つの燃料電池カソード、
iv)約2.25〜約6.0である、アノードフローパス断面積に対するカソードフローパス断面積の比率、および
v)アノードマニフォールドと流体連通している少なくとも1つのスイング吸着装置アウトレット(swing adsorber outlet)を含むスイング吸着装置
の1つ以上をさらに含み、少なくとも1つのスイング吸着装置アウトレットと、1つ以上の溶融炭酸塩形燃料電池スタックのアノードマニフォールドとの流体連通が、任意選択的に、介在するリフォーマー(intervening reformer)を通過しないものであり、スイング吸着装置が、任意選択的に、圧力スイング吸着装置である、溶融炭酸塩形燃料電池スタック。
実施形態3
電気を発生させるためのシステム(system)であって、
少なくとも1つのアノードインレット(anode inlet)、少なくとも1つのアノードアウトレット(anode outlet)、少なくとも1つのカソードインレット(cathode inlet)、および少なくとも1つのカソードアウトレット(cathode outlet)を含む溶融炭酸塩形燃料電池スタックと、
少なくとも1つのカソードインレットと流体連通しているCO2供給源であって、流体連通が、任意選択的に、少なくとも部分的に、燃料電池スタックを共通体積(又は共通ボリューム又はコモン・ボリューム(common volume))に配置(又は位置)することによって提供され、流体連通が、任意選択的に、少なくとも部分的に、燃料電池スタックマニフォールド(fuel cell stack manifold)を介して提供され、流体連通が、任意選択的に、少なくとも部分的に、1つ以上の追加の燃料電池スタックと共通のマニフォールド(manifold in common)によって提供され、CO2供給源が任意選択的にタービンおよび/または燃焼源であり、流体連通が、任意選択的に、少なくとも部分的に、CO2供給源から、共通体積および/または燃料電池スタックマニフォールドへのコンジット(又は導管(conduit))によって提供され、コンジットが任意選択的にサイレンサー(silencer)を含む、CO2供給源と、
前記少なくとも1つのアノードインレットと流体連通している燃料供給源であって、任意選択的に、メタン含有燃料供給源およびメタン含有燃料流を製造するためのスイング吸着装置の少なくとも1つであり、前記流体連通が、任意選択的に、前記燃料電池スタックと熱的に一体化(thermally integrated)されていないリフォーマー(reformer)を通過することなく提供される、燃料供給源と、
少なくとも1つのアノードアウトレットと流体連通しているCO2セパレーター(又はCO2分離器(CO2 separator))であって、任意選択的に、低温セパレーター(又は低温分離器(cryogenic separator))、スイング吸着装置(又はスイング吸着器(swing adsorber))およびアミンベースセパレーター(又はアミン系分離器(amine-based separator))の少なくとも1つであり、アノードアウトレットとCO2セパレーターとの流体連通が任意選択的に水セパレーター(又は水分離器又はウォーターセパレーター(water separator))および/または水性ガスシフト触媒(又はウォーターガスシフト触媒(water gas shift catalyst))をさらに含み、CO2セパレーターが、CO2貯蔵デバイス(又はCO2貯蔵装置(CO2 storage device))、および当該システムから分離されたCO2を使用するためのプロセス(又は処理又は工程又は方法(process))の少なくとも1つとさらに流体連通している、CO2セパレーターと、
任意選択的に、少なくとも1つのカソードインレットと流体連通しているO2供給源であって、任意選択的に、空気供給源(又はエアソース(air source))であるO2供給源と
を含み、
燃料電池スタックが、任意選択的に、
i)局所的に変性されたカソード触媒を含む少なくとも1つの燃料電池カソード、
ii)局所的に変性されたアノード触媒を含む少なくとも1つの燃料電池アノード、
iii)局所的に変性された電解質との境界面(又は境界又は界面又はインターフェース(interface))を有する少なくとも1つの燃料電池カソード、および
iv)約2.25〜約6.0である、アノードフローパス断面積に対するカソードフローパス断面積の比率
の1つ以上を含み、
当該システムが、任意選択的に、
a)少なくとも1つのカソード排出物と流体連通しているCO2セパレーター、
b)アノードアウトレットと流体連通している、H2を使用するためのプロセス(又は方法又は工程(process))であって、流体連通が、任意選択的に、CO2セパレーターを介して提供され、H2を使用するためのプロセスが任意選択的に燃焼タービンである、H2を使用するためのプロセス、
c)熱回収蒸気発生装置(heat recovery steam generator)であって、CO2供給源と少なくとも1つのカソードインレットとの流体連通が、少なくとも部分的に、熱回収蒸気発生装置を介するものである、熱回収蒸気発生装置、
d)少なくとも1つのアノードアウトレットと流体連通している熱回収蒸気発生装置、および
e)排出物ガスリサイクル(exhaust gas recycle)を含むCO2供給源
の1つ以上をさらに含む、システム。
実施形態4
少なくとも約0.6Vの電圧および少なくとも約700A/m2の電流密度で電気を発生させるときの溶融炭酸塩形燃料電池スタック内の最大温度差が約40℃以下、または約30℃以下、または約20℃以下、または約10℃以下である、実施形態2または実施形態3のシステムまたは溶融炭酸塩形燃料電池スタック。
実施形態5
溶融炭酸塩形燃料電池内または溶融炭酸塩形燃料電池スタック内で電気を発生させるステップ(または工程)が、約80%〜約94%、または約80%〜約90%、または約82%〜約99%、または約82%〜約94%、または約82%〜約90%、または約84%〜約99%、または約84%〜約94%、または約86%〜約99%、または約86%〜約94%の燃料利用で電気を発生させるステップ(または工程)を含む、実施形態1〜4のいずれかのシステム、燃料電池スタックまたは方法。
実施形態6
溶融炭酸塩形燃料電池内または溶融炭酸塩形燃料電池スタック内で電気を発生させるステップ(または工程)が、約60%〜約99%、または少なくとも約65%、または少なくとも約70%、または少なくとも約75%、または少なくとも約80%、または少なくとも約85%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%のCO2利用で電気を発生させるステップ(または工程)を含む、実施形態1〜5のいずれかのシステム、燃料電池スタックまたは方法。
実施形態7
溶融炭酸塩形燃料電池内または溶融炭酸塩形燃料電池スタック内で電気を発生させるステップ(または工程)が、
少なくとも約0.6Vの電圧で電気を発生させるステップ(または工程)を含むか、
約700℃以下、もしくは690℃以下、もしくは680℃以下の平均燃料電池作動温度で電気を発生させるステップ(または工程)を含むか、
溶融炭酸塩形燃料電池内で電気を発生させるステップ(または工程)が、約40℃以下、もしくは約30℃以下、もしくは約20℃以下、もしくは約10℃以下の燃料電池アノードおよび/または燃料電池カソード内の最大温度差で電気を発生させるステップ(または工程)を含むか、または
その組み合わせ
を含むか、または
上記全ての組み合わせ
を含む、実施形態1〜6のいずれかのシステム、燃料電池スタックまたは方法。
実施形態8
a)平均アノードフローレートに対する平均カソードフローレートの比率が、少なくとも約5であるか、
b)アノードフローパス断面積に対するカソードフローパス断面積の比率が、約1.05〜約6.00または約2.25〜約6.00であるか、
c)アノードフローレートに対するカソードフローレートの比率の値が、アノードフローパス断面積に対するカソードフローパス断面積の比率の値の少なくとも2倍であるか、
d)平均アノード高さに対する平均カソード高さの比率が、約1.05〜約6.00であるか、
e)カソードフローパスの平均整列ミスマッチ(average alignment mismatch)が、少なくとも約5%、もしくは少なくとも約10%、もしくは少なくとも約20%であるか、または、
f)その組み合わせ
であるか、または
g)上記全ての組み合わせ
である、実施形態1〜7のいずれかのシステム、燃料電池スタックまたは方法。
実施形態9
局所的に変性されたアノード触媒が、変性された触媒面積(modified catalyst area)の約0.1%〜約20%を構成するか、または
局所的に変性されたカソード触媒が、変性された触媒面積の約0.1%〜約20%を構成するか、または
局所的に変性された電解質が、カソードとの境界面積(又はインターフェース面積又はインターフェースエリア(interface area))の約0.1%〜約20%を構成するか、または
第2の燃料電池スタックが、第1の燃料電池スタックと実質的に同じ構造を有するか、または
その組み合わせ
である、実施形態1〜8のいずれかのシステム、燃料電池スタックまたは方法。
実施形態10
燃料流のH2含有量が約5体積%以下であるか、または
燃料流のC2+炭化水素含有量が約5体積%以下であるか、または
燃料流のメタン含有量が全炭化水素含有量に対して少なくとも約95体積%、もしくは少なくとも約98体積%、もしくは少なくとも約99体積%であるか、または
その組み合わせ
である、実施形態1または5〜9のいずれかの方法。
実施形態11
燃料流が改質可能燃料(reformable fuel)を含み、燃料流が、任意選択的に、約1.00〜約1.25または約1.05〜約1.21の改質可能燃料余剰比率(reformable fuel surplus ratio)を有する、実施形態1または5〜10のいずれかの方法。
実施形態12
メタン含有供給原料が、
a)メタン含有供給原料の全炭化水素含有量に対して、少なくとも約5.0重量%もしくは少なくとも約10.0重量%のC2+炭化水素含有量を有するか、
b)メタン含有供給原料の全炭化水素含有量に対して、少なくとも約2.0重量%もしくは少なくとも約5.0重量%のC2炭化水素含有量を有するか、
c)メタン含有供給原料の全炭化水素含有量に対して、少なくとも約1.0重量%もしくは少なくとも約2.0重量%のC3炭化水素含有量を有するか、
d)少なくとも約5wppmの硫黄含有量を有し、なおかつメタン豊富生成物が約1wppm以下の硫黄含有量を有するか、または
e)その組み合わせ
である、または
f)上記全ての組み合わせ
である、実施形態1または5〜11のいずれかの方法。
実施形態13
アノード排出物流が、水を含まない基準に基づいて、少なくとも約75体積%、または少なくとも約80体積%、または少なくとも約85体積%の(CO+CO2)を含む、実施形態1または5〜12のいずれかの方法。
実施形態14
カソードインレット流中のCO2の少なくとも約60%が、アノードアウトレットと流体連通していない供給源からのものである、実施形態1または5〜13のいずれかの方法。
実施形態15
アノード排出物から、CO2含有流、H2を含むガス流、H2およびCOを含むガス流またはその組み合わせを分離するステップ(または工程)をさらに含む、実施形態1または5〜14のいずれかの方法。
実施形態16
カソードインレット流が、約8体積%以下、または約6体積%以下、または約5体積%以下、または約4体積%以下のCO2を含む、実施形態1または5〜15のいずれかの方法。
実施形態17
カソード排出物が、約1.5体積%以下、または約1.0体積%以下、または約0.5体積%以下、または約0.4体積%以下のCO2を含む、実施形態1または5〜16のいずれかの方法。
実施形態18
カソード排出物中のCO2のモル(数)に対するアノード排出物中の合成ガス(syngas)の正味(net)のモル(数)の比率が、約0.05〜約3.00、または約0.05〜約1.50、または約0.05〜約1.00、または約0.50〜約3.00、または約0.50〜約1.50、または約0.50〜約1.00、または約1.00〜約3.00、または約1.00〜約2.00、または約1.00〜約1.50である、実施形態1または5〜17のいずれかの方法。
実施形態19
溶融炭酸塩形燃料電池が、共通体積(又は共通ボリューム又はコモン・ボリューム)(common volume)内の複数の燃料電池スタック内に配置される燃料電池であり、当該方法が、
燃焼排出物の少なくとも一部をサイレンサーに通過させて、減衰された燃焼排出物(dampened combustion exhaust)を形成するステップ(または工程)であって、減衰された燃焼排出物の音圧レベルが約150dB以下、または約140dB以下、または約130dB以下である、ステップ(または工程)と、
減衰された燃焼排出物の少なくとも一部を共通体積に導入するステップ(または工程)であって、共通体積が複数の燃料電池スタックを含み、複数の燃料電池スタックのそれぞれが複数の燃料電池を含み、複数の燃料電池スタックが少なくとも約20の燃料電池スタックを含む、ステップ(または工程)と、
複数の燃料電池スタックを作動させて、複数の燃料電池スタックのカソードフローパス中で、導入されたガスの少なくとも一部を処理するステップ(または工程)と
をさらに含み、複数の燃料電池スタックのカソードフローパスで処理される減衰された燃焼排出物の少なくとも一部を、共通体積から、介在するマニフォールド(intervening manifold)を通過することなく、複数の燃料電池スタック中に通過させる、実施形態1または5〜18のいずれかの方法。
実施形態20
減衰された燃焼排出物の少なくとも一部が、CO2含有ガスを含むか、または
共通体積中の減衰された燃焼排出物の少なくとも一部が、約5.0m/秒以下、もしくは約3.0m/秒以下、もしくは約2.0m/秒以下の空塔速度(superficial velocity)を有するか、または
減衰された燃焼排出物の少なくとも一部の実質的に全てが、複数の燃料電池スタックの燃料電池カソードで処理されるか、または
その組み合わせ
である、実施形態19の方法。
本発明を特定の実施形態に関して記載したが、そのように限定されることはない。特定の条件下での作動のための適切な変更形態/修正形態は、当業者に明白であろう。したがって、以下の特許請求の範囲は、本発明の真の趣旨/範囲内に含まれる全てのそのような変更形態/修正形態を包括するものとして解釈されることが意図される。