JP2019506529A - シャフト炉建設方法およびアセンブリ - Google Patents

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Abstract

シャフト炉を建設する方法、アセンブリおよびアセンブリのための固定構造が提供される。方法は、第1の位置において、中心軸線に沿って延びるリング壁部を含む炉セグメントを提供するステップと、セグメントを第2の位置へ搬送するステップと、セグメントをそこで1つまたは複数の別の高炉部分に作動的に取り付けるステップとを含む。方法は、さらに、前記セグメントを第2の位置へ搬送する間、セグメントが、セグメントの形状を決定する、壁部に取り付けられた複数の緊張させられた引張り部材を含む少なくとも1つの固定構造を有することを含む。

Description

技術分野
本開示は、シャフト炉、特に、高炉などの冶金炉を建設する分野に関する。建設とは、初期建設および/または修理、刷新、改修等の過程における(部分的)再建設の部分であってもよい。
背景
シャフト炉は、概して、軸線に沿って延びるリング壁部またはシェルを有する。壁部は、概して金属であり、運転中の炉の内部における極端な温度およびプロセス条件から壁部を保護するためにその内面の少なくとも一部に保護ライニングが設けられている。
従来、高炉において、冷却は、“ステーブクーラ”タイプまたは“プレートクーラ”タイプであってもよい。各タイプにおいて、ライニングは、耐火材料を含む。
ステーブクーラ構想において、耐火材料および冷却エレメントは、壁部に接続されておりかつ壁部に対して実質的に平行に延びたモジュールまたは“ステーブクーラ”に配置されている。隣接するステーブの間の空間およびステーブと壁部との間の空間は、モルタルおよび/またはその他の耐熱性材料が充填されている。
プレートクーラ構想において、壁部には、ライニング内へ延びておりかつ複数の水平面にグループ分けされていてもよい液冷式プレートが設けられている。ライニングは、さらに、壁部に沿って配置された耐火性エレメントから主に形成されており、それらの間にプレートクーラが散在させられている。耐火性エレメントは、それらの形状および重力下での積層以外の相互の固定なしに、壁部に沿って概して積層されたブロックであってもよい。壁部と耐火性エレメントとの間の空間には、モルタルが充填されていてもよい。冷却エレメントと耐火性材料との熱的接触は、ライニングの機能性および寿命のために必須である。
ライニングは摩耗することがある。ステーブは、数年間持続すると考えられる。プレートクーラライニングは、著しくより長く持続することがあり、数十年にも達する。したがって、ステーブ冷却式炉は、時々刷新されなければならず、このような炉は、プレートクーラタイプへ変換および再建設されてもよい。シャフト炉の(再)建設のために、壁部は、リング壁部を形成するようにつなぎ合わされる壁部分から組み立てられてもよい。
修理および/またはその他の建設作業によるシャフト炉の停止時間は、一般的に最小限に維持されなければならず、これは、初期建設の時間にも当てはまる。結果的に、建設方法における改良が要求されている。
国際公開第2006/092053号(WO 2006/092053)は、スプリットシェル円形炉および円形炉のための結合システムを開示しており、米国特許第3258510号明細書(US 3,258,510)は、炉および同様の容器をライニングする方法を開示しているが、建設方法のさらなる改良が要求されている。
概要
1つの態様において、シャフト炉、特に、高炉などの冶金炉を建設する方法が本発明により提供される。方法は、
中心軸線に沿って延びるリング壁部を含むシャフト炉セグメントを第1の位置に提供するステップと、
セグメントを第2の位置へ搬送し、セグメントをそこで1つまたは複数の別のシャフト炉部分に作動的に取り付けるステップとを含む。
方法は、さらに、前記のようにセグメントを第2の位置へ搬送する間、セグメントは、セグメントの形状を決定する、壁部に取り付けられた、リング壁部の内側における1つまたは複数の緊張させられた引張り部材、好適には、軸線に関して実質的に半径方向および/または接線方向の緊張させられた引張り部材、を含む少なくとも1つの固定構造を有する。
固定構造は、搬送の間、セグメントを固定しかつ/またはセグメントの所定のリング形状を維持することを可能にする。引張り構造は、キャリングビームなどの圧縮負荷された構造よりも軽量であってもよい。これにより、セグメントおよび固定構造を含むアセンブリは、高炉の大きなサイズにおいてさえも(直径および/または高さが数メートル、数トン〜数百トンの重さである)、操作のために比較的軽量であってもよい。固定構造自体(の重さ)による変形は実質的に防止されてもよい。これにより、炉は、モジュール式に建設されてもよく、リング炉セグメント壁部は、一回で据え付けられてもよく、これにより、炉は、1つまたは複数のリングから建設される。これは、建設時間を短縮してもよい。また、ケーブル、チェーンなどの引張り部材は、例えば、変形させられた、例えば、束ねられたおよび/または折り畳まれた形状で貯蔵および搬送するために、フレキシブルであってもよい。
特に、方法は、セグメントを第2の位置へ搬送する前にセグメントに少なくとも1つの固定構造を提供し、後で固定構造を取り外すことを含む。
1つの実施の形態において、固定構造はハブを含み、引張り部材のうちの少なくとも幾つかはハブに取り付けられている。ハブは、軸線上にまたは軸線の近くに配置されていてもよい。中央に配置されたハブは、固定構造または引張り部材のうちの少なくとも1つまたは複数を配置するおよび/または緊張させることを容易にしてもよい。引張り部材のうちの1つまたは複数は、ハブに対して実質的に半径方向または接線方向に延びていてもよい。引張り部材のうちの1つまたは複数は、自転車の車輪のようなスポーク付き車輪におけるスポークと同様に、小さな軸方向成分と共にハブと壁部との間に延びていることが考えられる。
1つの実施の形態において、引張り部材のうちの少なくとも幾つかは、壁部における1つまたは複数の犠牲壁部分に取り付けられており、方法は、前記のようにセグメントを第2の位置、例えば、セグメントの第2の位置へ搬送した後、壁部から犠牲壁部分のうちの1つまたは複数(ひいては、いわゆる犠牲壁部分)を取り外し、これにより、壁部に開口を提供し、別のエレメントを開口に取り付けることを含む。
すなわち、引張り部材は、炉において後で他のエレメントのために使用される壁犠牲部分に取り付けられており、炉は、その後、引張り部材のためのコネクタ(の残り)によって影響されない。取り付けは、単純な構成であってもよく、小さな公差に固執する必要はない。
方法は、搬送の前、場合によっては引張りエレメントを犠牲壁部分に取り付ける前に、犠牲壁部分を部分的に切断および/または除去することを含んでもよい。すなわち、著しい時間および/または労力がかかることがある将来の残りの壁部分の選別を含む犠牲壁部分の除去が準備されてもよいのに対し、実際の除去は促進されてもよい。
準備作業のために、時間はほとんど制約なしでもよいのに対し、セグメントが元の場所にあり、犠牲壁部分および/または固定構造の除去が順序どおりあると、プロセス時間は最も重要であってもよい。
後者の考察を考慮すると、方法は、セグメントに第1の位置においてライニング材料、特に耐火材料エレメントを提供し、セグメントをライニング材料と一緒に第2の位置へ搬送することを含んでもよい。セグメントは、これにより、さらに完了の別の状態において第2の位置に提供される。
セグメントに第1の位置においてライニング材料、特に耐火材料エレメントを提供し、セグメントをライニング材料と一緒に第2の位置へ搬送するステップは、強化構造なしにまたは別のタイプの強化構造を用いて行われてもよいことに留意されたい。
1つの実施の形態は、ライニング材料、特に耐火材料エレメントを固定構造に固定することを含んでもよい。固定構造の除去の際、ライニング材料の固定も除去されてもよい。
ライニング材料を固定することは、互いに対する、耐火材料エレメントなどの、ライニング材料の所望の形状の確立および/または保存、例えばライニング材料部分の整列を含んでもよい。
特定の実施の形態において、方法は、異なる軸方向位置において壁部に取り付けられた複数の固定構造をセグメントに提供し、隣接する固定構造の間でライニング材料を締め付けることによってライニング材料を固定することを含む。そのために、それぞれの固定構造の1つまたは複数は、所望の締付力を確立するおよび/または特定のライニング形状を提供するために調節可能であってもよい締付け構造を有してもよい。締付けは、例えば、ボルト留め、溶接および/または接着剤の提供などの、多かれ少なかれ恒久的なマークを残すことがある他の固定方法を回避してもよい。
1つの実施の形態において、強化構造は、セグメントの壁部に沿って軸方向に配置されており、ライニング材料、例えば、プレートクーラおよび/または耐火材料エレメントに所望の締付力を確立するかつ/または特定のライニング形状を提供するために調節可能であってもよい締付け構造を有する。
方法の1つの実施の形態は、存在するところで引張り部材の1つまたは複数の長さおよび/または引張り部材の1つまたは複数における張力を調節することによってセグメントの形状を幾分調節することを含んでもよい。複数の固定構造の場合、それぞれは、部分的な形状、例えば、異なる軸方向位置における異なる横断面形状の調節のために使用されてもよい。建設によっておよび/または使用によってシャフト炉は所望の形状から僅かに変形させられることがあることに留意されたい。この実施の形態により、セグメントの形状を修正することができるおよび/またはセグメントの形状を、セグメントが接続されるシャフト炉部分の実際の形状に適合させることができる。ある場合において可能な修正の量は、存在するところにおける壁部および/またはライニングの特性に依存してもよい。
本明細書に記載された方法および/またはアセンブリにおける使用のための固定構造は、軸方向に延びるリング壁部分への取付けのための引張り部材を含んでもよく、固定構造は、壁部にまたは壁部の近くにおいて実質的に軸方向に締付力を加えるための、例えば、引張り部材が緊張させられているときに耐火材料エレメントへ締め付けるためのクランプを有する。
耐火ブロックおよびプレートクーラを組み込んだ予め組み立てられたセグメントを使用することによってシャフト炉を再建設することは、従来行われていないことに留意されたい。その理由は、予め組み立てられたセグメントの場合、耐火ライニングの安定性、ライニングアセンブリの安定性および関連する据付け公差を保証することができないということである。本発明によって提供される技術は、この問題を解決し、このような再建設を容易にする。
上記によれば、1つの態様は、中心軸線に沿って延びるリング壁部を有しかつ少なくとも1つの固定構造を有する、シャフト炉セグメント、特に高炉などの冶金炉のためのセグメントを含むアセンブリを含む。固定構造は、壁部に取り付けられた、リング壁部の内側における1つまたは好適には複数の緊張させられた引張り部材、好適には、壁部に取り付けられ、セグメントの形状を決定するように構成された、軸線に対して実質的に半径方向および/または接線方向の緊張させられた引張り部材を含む。セグメントの形状を、固定構造により、規定することができるかつ/または搬送中に維持することができる。管状リング壁部セグメントなどの環状物体は、固定構造によって提供されてもよい圧縮力、例えば、引張り部材における調節する張力を受けたとき、より強くなってもよいことに留意されたい。
固定構造はハブを含んでもよく、引張り部材のうちの少なくとも幾つかはハブに取り付けられている。ハブは、セグメントに対して中央に配置されていてもよく、例えば、中心軸線を中心にして配置されている。セグメントおよびハブは、基本リング形状として円形であってもよいが、円形である必要はないことに留意されたい。
引張り部材のうちの少なくとも幾つかは、壁部における1つまたは複数の犠牲壁部分に取り付けられていてもよく、1つまたは複数の犠牲壁部分は、好適には、少なくとも部分的に予め切断された壁部分を含むかつ/または少なくとも部分的に予め切断された壁部分によって規定されており、壁部は、犠牲壁部分の除去によって提供される壁開口へのエレメントフィット(嵌め込みエレメント)の取付けのための1つまたは複数のマウントを有する。これは、セグメントからの固定構造の除去を容易にする。
1つの実施の形態において、セグメントは、冷却エレメント、特にプレートクーラを有してもよい。冷却エレメントの組立ては、セグメントが使用されるところ以外の別の場所で行われてもよい。これは、現場でセグメントを取り付ける時間を短縮する。
同様に、セグメントは、耐火材料エレメントを有してもよい。
1つの実施の形態において、アセンブリは、異なる軸方向位置において壁部に取り付けられた複数のこのような固定構造を有してもよく、耐火材料エレメントは、耐火材料エレメントと一緒にセグメントを第2の位置へ搬送するために、隣接する固定構造の間に固定されてもよく、例えば、締め付けられてもよい。
1つの実施の形態において、固定構造の少なくとも1つは、例えば、耐火材料エレメントへ締め付けるために、壁部においてまたは壁部の近くで実質的に軸方向に締付力を加えるための1つまたは複数の調節可能なクランプを有する。
さらに、引張り部材は、調節可能な張力のために設けられていてもよく、張力の弛緩によって容易に除去されてもよい。
記載された利点のうちの1つまたは複数を有する開示の様々な態様および/または実施の形態が、以下に示されている。
1つの態様は、シャフト炉、特に、高炉などの冶金炉を建設する方法であって、
第1の位置において、中心軸線に沿って延びるリング壁部分を有する炉セグメントを提供するステップと、
セグメントを第2の位置へ搬送し、そこでセグメントを1つまたは複数の別のシャフト炉部分へ作動的に取り付けるステップとを含み、
方法は、さらに、
第1の位置においてセグメントにリング壁部分の内側に沿って耐火材料エレメントを提供するステップおよび/またはリング壁部分の内側に沿ってこのような耐火材料エレメントの位置を調節するステップと、
壁部に取り付けられた複数の緊張させられた引張り部材を有する少なくとも1つの固定構造を提供するステップと、
固定構造によって壁部に対して耐火材料エレメントを固定するステップとを含み、
セグメントを第2の位置へ搬送するステップは、耐火材料エレメントと一緒にセグメントを第2の位置へ搬送することを含む、方法である。
別の態様において、アセンブリは、シャフト炉セグメント、特に、高炉などの冶金炉のためのセグメントであって、中心軸線に沿って延びるリング壁部分を含みかつリング壁部分の内側に沿った耐火材料エレメントを含み、セグメントは、さらに、少なくとも1つの固定構造を有する、セグメントを含み、
固定構造は、壁部に対して耐火材料エレメントを固定する、壁部に取り付けられた複数の緊張させられた引張り部材を有する。
別の態様は、本明細書に記載された方法および/またはアセンブリにおける使用のための固定構造であって、軸方向に延びるリング壁部分への取付けのための引張り部材を有し、固定構造は、壁部においてまたは壁部の近くにおいて実質的に軸方向に締付力を加えるための、例えば、引張り部材が緊張させられているときに耐火材料エレメントへ締め付けるためのクランプを有し、引張り部材の緊張は引張り部材を緊張させることによって行われてもよい、固定構造である。
図面の簡単な説明
以下で、上述の態様が、例として複数の実施の形態を示している図面を参照しながらさらなる詳細および利点と共にさらに説明される。
高炉セグメントおよび2つの固定構造を含むアセンブリを示している。 示したように部分的に省略された、図1のアセンブリの斜視図である。 示したように部分的に省略された、図1のアセンブリの側面図である。 ローマ数字IVで示された図2の詳細図である。 高炉セグメントおよび固定構造を含むアセンブリの別の実施の形態の異なる図である。 高炉セグメントおよび固定構造を含むアセンブリの別の実施の形態の異なる図である。 高炉セグメントおよび固定構造を含むアセンブリの別の実施の形態の異なる図である。 シャフト炉を建設する1つの実施の形態の方法ステップを示している。 シャフト炉を建設する1つの実施の形態の方法ステップを示している。 シャフト炉を建設する1つの実施の形態の方法ステップを示している。 シャフト炉を建設する1つの実施の形態の方法ステップを示している。 別の実施の形態の詳細を断面図で示している。
実施の形態の詳細な説明
図面は概略的であり、必ずしも実寸ではなく、本発明を理解するために必要ない詳細は省略されていることがあることに留意されたい。“上方”、“下方”、“下”、“上”などの用語は、別段の定めがない限り、図面において向き付けられた実施の形態に関する。さらに、少なくとも実質的に同一であるまたは少なくとも実質的に同一の機能を有するエレメントは、同じ符号によって表されており、助けとなる場合は、アルファベット接尾辞またはプライム符号(’,’’)によって個別化されている。
図1は、アセンブリ1の平面図を示している。図2および図3はそれぞれ、図1に示された指示線A−Aに沿って部分的に省略された、アセンブリ1の斜視図および側面図である。図4は、“IV”で示されているように図2の詳細図である。アセンブリ1は、高炉セグメント3と、2つの固定構造5とを含み、固定構造5は、セグメント3の上部および下部の近くで壁部7にそれぞれ取り付けられている。固定構造5は、ネット、スパイダおよび/またはスパイダウェブと呼ばれる。
セグメント3はリング壁部7を有し、リング壁部7は、高炉シェルの一部となるものである。ここでは、壁部7は、横断面が概して円形であり、実質的に一定の形状およびサイズを有するが、別の実施の形態では、壁部は、例えば、円錐(台形)状にまたは壁部が幾分膨らみを帯びるように、可変の直径を有してもよい。セグメントは、中心軸線Cに沿って延びている。概して、使用時、軸線Cは鉛直に延び、壁部7は、下側縁部および上側縁部を有する。固定構造は、下側縁部と上側縁部との間に、好適にはこれらを超えることなく延びており、特に、下側縁部におけるまたは下側縁部の近くの位置から上側縁部におけるまたは上側縁部の近くの位置まで延びており、これは、好適には、下側縁部および上側縁部を他の炉部分への取付けのために解放させている。
各固定構造5は、中心軸線Cに対して実質的に半径方向の複数の引張り部材9を有しており、引張り部材9は、一方の側においては壁部7に、他方の側においては選択的なハブ11に取り付けられている。この場合、固定構造5は、中心軸線Cを中心として実質的に対称的に配置および形成されている。図示されていない別の実施の形態では、引張り部材9は、セグメント壁部7の円形に対する弦のように、セグメント壁部7および/または軸線Cに対して概して接線方向に延びていてもよく、好適には、同様に軸線Cを中心に実質的に対称的に配置および形成されている。
図示されたセグメント3は、図示された例において、自体公知の複数のプレートクーラ13を有し、プレートクーラ13は、壁部7を貫通して概して半径方向に延びており、セグメント3の周囲に沿ってプレートクーラの概して水平のリング配列を形成している。プレートクーラは、プレートに冷却液を通流させることによって液体冷却可能である。さらに、耐火材料エレメント15の層が壁部7に沿って配置されている。これにより、セグメント3にライニングが形成されている。
ここで図4も参照すると、図示された実施の形態における引張り部材9は、ロッドタイプであるが、ケーブル、チェーン等が可能であり、ハブ11(におけるフランジ19)へ接続するための選択的なコネクタ17と、第1の部分21と、第2の部分23とを有している。第1の部分21と、第2の部分23とは、例えばここでは第1および第2の部分21,23におけるねじ山にスパナ25を螺合させることによる、部材9の長さ調節のために、選択的なスパナ25によって互いに接続されているが、その他のタイプのスパナ、例えば、ラチェットスピンドルを備えるワインディングスパナも可能である。
引張り部材9は、ここで選択的なコネクタ27およびトング29を介して、セグメント3の壁部7に取り付けられている。ここでは、コネクタ17,27は、ロックボルト28を備えるジョーとして形成されており、ロックボルト28は、フランジ19(における孔)と、トング29とにそれぞれはめ込まれている。トング29は、壁部7自体から延びており、ここでは、溶接によって壁部分31に取り付けられている。トング29は、別の形状を有してもよく、隣接するトング29は、フレーム部分を形成するように互いに接続されていてもよい。壁部分31は犠牲的な部分であり、固定構造5がもはや必要なくなると、壁部分31は壁部7から切り取られる。このようにして形成された壁部7における開口に、別のプレートクーラ13またはその他の物体が取り付けられてもよく、プレートクーラ13またはその他の物体の間に介在する空間は、別の耐火ブロック15の挿入によって閉鎖されてもよい。
概略的に示されているように様々な適切な組成であってもよい耐火ブロック15は、壁部7へ緩く、すなわち、形状および重力以外の特定の固定なしに、積層されていてもよい。耐火ブロック15の移動を減じるまたは防止するために、トング29には、壁部7においてまたは壁部7の近くで実質的に軸方向の締付力を加えるための、例えば、耐火材料エレメント15に対して締め付けるための、調節可能なクランプ33が設けられている。
ここでは、クランプ33は、押付けプレート34を有しており、トング29に対する押付けプレート34の位置、向き、力および/または方向は、耐火ブロック15に対する締付力の関連する態様を調節することを許容するために、取付けボルト35を介して調節されてもよい。しかしながら、ラチェット、シザージャック等のその他の調節システムが採用されてもよい。互いに対する耐火材料エレメント15およびプレートクーラ13の正確な位置決めは、高炉の適切な働きのために非常に重要であることに留意されたい。ミリメートル公差および0.5mm以下などのミリメートル未満公差は、1メートル未満から数十メートルまでの高さおよび/または直径サイズおよび数十トンから数百トンまでの範囲またはさらには一千トンの重さの、耐火材料エレメント15およびプレートクーラ13を含むアセンブリを移送する際に達成可能であると考えられる。
0.5mm以下の範囲の極めて狭い製造公差および据付け公差は、高炉が安全性および頑強性のための基準および要求を満たすために、概して重要視されるべきであることに留意されたい。ここに示された技術は、搬送されるアセンブリの後処理なしにまたは少なくとも著しい後処理なしにこれを可能にする。
犠牲壁部分31の除去を容易にするために、犠牲壁部分31の一部は予め切断されていてもよい(図2および図3)。例えば、ここでは、プレートクーラ13のための完成した開口は、丸みづけられた端部37を有するべきであるのに対し、丸みづけられた端部の間において、開口は概して直線的な側部を有し、丸み付けられた端部37は壁部7を予め切断して形成されており、これにより、セグメント3の配置の後、直線的なエッジを切断するという比較的単純な行為が残る。これにより、セグメント3を備える高炉の最終的な組立てのための時間が短縮される。さらにまたは択一的に、その他の形状が壁部内へ予め切断されてもよいかつ/または他の予備的な手段が、建設中の炉において現場での最終的な処理および/または組立てのための時間を短縮するために採用されてもよいことに留意されたい(以下参照)。壁部7内への部品、例えばプレートクーラ13の取付けは、ライニングのハイパワー冷却のために望まれる多数の開口によって貫通された壁部の穴あき構造に対して壁部を幾分強化することに留意されたい。
図5〜図7は、高炉セグメント3’および固定構造5’を含むアセンブリ1’の別の実施の形態(の一部)の異なる図である。このセグメント3’および固定構造5’の基本構造は、図1〜図4の実施の形態のものと同様である(参照符号を比較されたい)。しかしながら、ここでは、壁部7’がより低く、壁部7’にはプレートクーラまたは耐火ブロックはまだ設けられていないが、それらのための(ここでは、プレートクーラの2つのリングのための)開口39が存在している。幾つかの場所において、固定構造5’の取付けのための、事前切断部37’から認識可能な、犠牲壁部分31’が残されている。この実施の形態では、クランプは存在せず、トング29’は、上述のものよりも単純な構成である。
高炉を建設する方法が図8〜図11に示されており、建設とは高炉の刷新を含む。既存の高炉100からセグメント101が除去される(図8、矢印参照)。下側部分104および上側部分102は保持され、適切に支持される。これらの工程の間または前に、交換セグメント3Aが、ここでは高くされた作業支持部S上で、炉100に隣接して位置決めされかつ固定構造5Aを用いて組み立てられる。次いで、セグメント3Aおよび固定構造5Aのアセンブリ1Aは、支持部S上で高炉100(の残り)へ搬送される(図9、矢印参照)。アセンブリ1Aは、次いで、持ち上げられ、一般的には上側部分102とセグメント3Aのそれぞれの壁部を溶接することによって、高炉100の残りの上側部分102に取り付けられる(図10、矢印参照)。取付け前、固定構造5Aの引張り部材の1つまたは複数における張力は、セグメント3Aを上側部分102に適合させるために調節されてもよい。取付け後、一方または両方の固定構造はセグメント3Aから除去されてもよい(図10)。
これらのステップは、第1のセグメント3Aに取り付けられる、固定構造5Bを備える高炉セグメント3Bの別のアセンブリ1Bに対して繰り返される(図10および図11、矢印参照)。
次いで、支持部Sが除去され、閉鎖リングとして作用する小さなセグメント(例えば、図5〜図7参照)が、支持部Sによって残されたスペースに挿入され、閉鎖されたシェルを提供するために、刷新された高炉(図示せず)の他の部分に取り付けられる。高炉を完成させるために、残りの固定構造および/または犠牲壁部分は除去され、ライニングは、不足のプレートクーラの取付けおよびモルタルおよび/またはキャスタブル耐火物を含んでもよい耐火材料による空所の充填によって完成させられ、その他の接続が完成される。
図12は、高炉セグメント3および固定構造5’’を含む別のアセンブリ1’’の一部を断面図で示している(図2および図3の切断平面の右側を参照)。このセグメント3の基本構造は、図1〜図4の実施の形態のものと同様である(参照符号を比較されたい)。しかしながら、ここでは、固定構造5’’は、実質的に軸方向に、セグメント3の壁部7に対して平行に延びる引張り部材9’’を有する点で異なる。引張り部材9’’は、互いに反対の側において、犠牲壁部分31に溶接された2つのトング29に接続(ここではボルト留め)されている。耐火エレメント15を締め付けるためのクランプ33がトング29に取り付けられている。この実施の形態において、耐火エレメント15に対する締付力は、トング29に対する締付けプレート34の調節および/または引張り部材9’’における張力の調節によって、例えば、それぞれ第1および第2の引張り部材部分21’’および23’’に螺合させられたスパナ25’’を調節することによって調節されてもよく、この場合、クランプ33の調節能力は省略されてもよく、これにより、より単純なクランプ設計を可能にする。
固定構造により、著しい量のライニング材料を備えて完成した壁部セグメントのアセンブリは、支持部S上で組み立てられてもよく、変形を生じることなくまたは少なくとも許容できる変形において、最終的な場所へ搬送されてもよい(例えば、図8〜図11参照)。したがって、高炉刷新の合計停止時間は、実質的に、炉を切断し、望ましくないセグメントを除去し、新たなセグメントを挿入し、セグメントが取り付けられる取付けゾーンにおいてまたは当該取付けゾーンの近くでライニングを仕上げるための時間によってのみ決定されてもよい。初期計算は、プレート冷却式高炉への既存のステーブ冷却式高炉の刷新および変換のために、停止時間は、ライニングの現場での据付、特に耐火ブロックの積層を不要にすることによって約20日短縮される場合があることを示している。
開示は、上述の実施の形態に限定されず、上述の実施の形態は請求項の範囲で多くの形式で変更することができる。例えば、より多い、より少ないおよび/または異なる形状のセグメントが、炉の(再)建設のために使用されてもよい。固定構造において、より多い、より少ないおよび/または異なる形状の引張り部材が設けられてもよい。固定構造は互いに接続されてもよく、例えば、隣接する固定構造のハブは互いに接続されてもよく、半径方向固定構造が1つまたは複数の軸方向固定構造と組み合わされてもよく、例えば、図1〜図4および図12の実施の形態5および5’’がそれぞれ組み合わされてもよく、異なる向きの引張り部材9および9’’が1つのトング29に接続されてもよい。セグメントはサブアセンブリから構成されてもよい。様々な固定構造は、引張り部材の数、配置、設計および/または構成に関して異なっていてもよい。引張り部材は、例えば“X”形状または“Y”形状を有するように分岐させられていてもよい。引張り部材のコネクタは、異なっていてもよく、例えばワイヤループおよび/またはシャックルであってもよい。ライニング材料を調節および/または固定するための別の支持部および/またはクランプが設けられてもよく、例えば、(将来の)プレートクーラおよび/またはその他の物体のための開口に接続されたインサートマウントとして取り付けられてもよい。
特定の実施の形態のためにまたは特定の実施の形態に関して説明されたエレメントおよび態様は、明示的に別段の定めがない限り、他の実施の形態のエレメントおよび態様と適切に組み合わされてもよい。

Claims (15)

  1. シャフト炉(100)、特に高炉などの冶金炉を建設する方法であって、
    第1の位置において、中心軸線(C,C’)に沿って延びるリング壁部(7,7’,7’’)を有するシャフト炉セグメント(3,3’,3’’,3A,3B)を提供するステップと、
    前記セグメント(3,3’,3’’,3A,3B)を第2の位置へ搬送し、前記セグメント(3,3’,3’’,3A,3B)をそこで1つまたは複数の別のシャフト炉部分(102,104)に使用できるように取り付けるステップと、を含み、
    前記セグメント(3,3’,3’’,3A,3B)を前記第2の位置へ搬送する間、前記セグメント(3,3’,3’’,3A,3B)は、少なくとも1つの固定構造(5,5’,5’’,5A,5B)を有し、該固定構造(5,5’,5’’,5A,5B)は、前記セグメント(3,3’,3’’,3A,3B)の形状を決定する、壁部(7,7’,7’’)に取り付けられた、前記リング壁の内側における1つまたは複数の緊張させられた引張り部材(9,9’,9’’)、好適には、軸線(C,C’)に関して実質的に半径方向および/または接線方向の緊張させられた引張り部材(9,9’,9’’)を含む、
    シャフト炉(100)、特に高炉などの冶金炉を建設する方法。
  2. 前記固定構造(5,5’,5’’,5A,5B)は、ハブ(11,11’)を有しており、前記引張り部材(9,9’,9’’)の少なくとも幾つかは、前記ハブ(11,11’)に取り付けられている、請求項1記載の方法。
  3. 少なくとも幾つかの前記引張り部材(9,9’,9’’)は、前記壁部(7,7’,7’’)における1つまたは複数の犠牲壁部分(31)に取り付けられており、
    前記方法は、前記セグメント(3,3’,3’’,3A,3B)を前記第2の位置へ搬送した後、前記壁部(7,7’,7’’)から前記犠牲壁部分(31)を除去し、これにより、前記壁部(7,7’,7’’)に開口を設け、該開口に別のエレメントを取り付けることを含み、前記方法は、好適には、前記犠牲壁部分(31)に引張り部材(9,9’,9’’)を取り付ける前に前記犠牲壁部分(31)の1つまたは複数を部分的に切断および/または除去することを含む、請求項1または2記載の方法。
  4. 前記別のエレメントは、冷却エレメント、特にプレートクーラ(13)を含む、請求項3記載の方法。
  5. 前記第1の位置において前記セグメント(3,3’,3’’,3A,3B)にライニング材料(15)、特に耐火材料エレメント(15)を取り付け、前記セグメント(3,3’,3’’,3A,3B)を前記ライニング材料(15)と一緒に前記第2の位置へ搬送することを含む、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  6. 前記ライニング材料(15)、特に耐火材料エレメント(15)を前記固定構造(5,5’,5’’,5A,5B)に固定することを含む、請求項5記載の方法。
  7. 前記方法は、前記セグメント(3,3’,3’’,3A,3B)に、異なる軸方向位置において前記壁部(7)に取り付けられた複数のこのような固定構造(5,5’,5’’,5A,5B)を提供し、隣接する前記固定構造(5,5’,5’’)の間に前記ライニング材料(15)を締め付けることによって該ライニング材料(15)を固定することを含む、請求項6記載の方法。
  8. 前記引張り部材(9,9’,9’’)のうちの1つまたは複数における長さおよび/または張力を調節することによって前記セグメント(3,3’,3’’,3A,3B)の形状を調節することを含む、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
  9. シャフト炉セグメント(3,3’,3’’,3A,3B)、特に高炉(100)などの冶金炉のためのセグメント(3,3’,3’’,3A,3B)を含むアセンブリ(1,1’,1’’)であって、中心軸線(C,C’)に沿って延びる、少なくとも1つの固定構造(5,5’,5’’,5A,5B)を有するリング壁部(7,7’,7’’)を含み、
    前記固定構造(5,5’,5’’,5A,5B)は、前記壁部(7,7’,7’’)に取り付けられておりかつ前記セグメント(3,3’,3’’,3A,3B)の形状を決定するように構成された、前記リング壁部の内側における1つまたは複数の緊張させられた引張り部材(9,9’,9’’)、好適には、軸線(C,C’)に関して実質的に半径方向および/または接線方向の緊張させられた引張り部材(9,9’,9’’)を含む、
    アセンブリ(1,1’,1’’)。
  10. 前記固定構造(5)は、ハブ(11)を含み、少なくとも幾つかの前記引張り部材(9)は前記ハブ(11)に取り付けられている、請求項9記載のアセンブリ(1,1’,1’’)。
  11. 少なくとも幾つかの前記引張り部材(9,9’,9’’)は、前記壁部(7)における1つまたは複数の犠牲壁部分(31)に取り付けられており、前記1つまたは複数の犠牲壁部分(31)は、好適には、少なくとも部分的に予め切断された壁部分(37)を含むかつ/または少なくとも部分的に予め切断された壁部分(37)によって形成されており、前記壁部(7)は、前記犠牲壁部分(31)の除去によって提供される壁開口への嵌め込みエレメントの取付けのための1つまたは複数のマウントを有する、請求項9または10記載のアセンブリ(1,1’,1’’)。
  12. 前記セグメント(3,3’,3’’,3A,3B)は、冷却エレメント(13)、特にプレートクーラ(13)および/または耐火材料エレメント(15)を含む、請求項9から11までのいずれか1項記載のアセンブリ(1,1’,1’’)。
  13. 異なる軸方向位置において前記壁部(7,7’,7’’)に取り付けられた1つまたは複数の固定構造(5,5’,5’’,5A,5B)を含み、前記耐火材料エレメント(15)は、前記セグメント(3,3’,3’’,3A,3B)を前記耐火材料エレメント(15)と一緒に第2の位置へ搬送するために、前記固定構造(5,5’,5’’,5A,5B)によって、特に隣接する固定構造(5,5’,5’’,5A,5B)の間に固定されている、例えば、締め付けられている、請求項9から12までのいずれか1項記載のアセンブリ(1,1’,1’’)。
  14. 前記固定構造(5,5’,5’’,5A,5B)のうちの少なくとも1つは、前記壁部(7,7’,7’’)においてまたは前記壁部(7,7’,7’’)の近くにおいて実質的に軸方向に締付力を加えるための、例えば、耐火材料エレメント(15)に対して締め付けるための、1つまたは複数の調節可能な締付け部分(33)を有する、請求項9から13までのいずれか1項記載のアセンブリ(1,1’,1’’)。
  15. 請求項1から8までのいずれか1項記載の方法においておよび/または請求項9から14までのいずれか1項記載のアセンブリ(1,1’,1’’)において使用するための固定構造(5,5’,5’’,5A,5B)であって、軸方向に延びるリング壁部(7,7’,7’’)へ取り付けるための引張り部材(9,9’,9’’)を備え、前記固定構造(5,5’,5’’,5A,5B)は、前記壁部(7,7’,7’’)においてまたは前記壁部(7,7’,7’’)の近くにおいて実質的に軸方向に締付力を加えるための、例えば、前記引張り部材(9,9’,9’’)が緊張させられたときに耐火材料エレメント(15)に対して締め付けるためのクランプ(33)を有する、固定構造(5,5’,5’’,5A,5B)。
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