JP2019503699A - インフルエンザに対する活性を有する化合物に対するアッセイ - Google Patents

インフルエンザに対する活性を有する化合物に対するアッセイ Download PDF

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Abstract

本発明は、インフルエンザウイルスリボ核タンパク質(RNP)複合体に含まれるRNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRp)の少なくとも1つの活性を阻害することができる物質を同定する方法であって、(a)上記RNP複合体を含む、精製されたインフルエンザウイルスの水性懸濁物を準備することと、(b)工程(a)の上記懸濁物に、(i)非イオン性又は双性イオン性の界面活性剤、及び(ii)還元剤を添加することと、(c)インフルエンザウイルス溶解物を得るため、工程(b)で得られた混合物をインキュベートすることと、(d)被験物質を、上記インフルエンザウイルス溶解物中に存在する上記RNP複合体に含まれる上記RdRpと相互作用させる条件下で、工程(c)で得られたインフルエンザウイルス溶解物を被験物質と接触させることと、(e)上記被験物質が、上記RdRpの少なくとも1つの活性を阻害するかどうかを判定することとを含む、又はそれらのみからなる、方法を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、インフルエンザウイルスリボ核タンパク質(RNP)複合体に含まれるRNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRp)の少なくとも1つの活性を阻害することができる物質を同定する方法であって、(a)上記RNP複合体を含む、精製されたインフルエンザウイルスの水性懸濁物を準備することと、(b)工程(a)の上記懸濁物に、(i)非イオン性又は双性イオン性の界面活性剤、及び、(ii)還元剤を添加することと、(c)インフルエンザウイルス溶解物を得るため、工程(b)で得られた混合物をインキュベートすることと、(d)被験物質を、上記インフルエンザウイルス溶解物中に存在する上記RNP複合体に含まれる上記RdRpと相互作用させる条件下で、工程(c)で得られた上記インフルエンザウイルス溶解物を上記被験物質と接触させることと、(e)上記被験物質が、上記RdRpの少なくとも1つの活性を阻害するかどうかを判定することとを含む、又はそれらのみからなる、方法を提供する。
本明細書において、特許出願及び製造者のマニュアルを含む多数の文書が引用される。これらの文書の開示は、本発明の特許性に関連するとは見なされないものの、引用することによりその全体が本明細書の一部をなす。より詳細には、参照される全ての文書は、各個々の文書が引用することにより本明細書の一部をなすと具体的に個々に指示された場合と同程度、引用することにより本明細書の一部をなす。
インフルエンザウイルスは、RNAウイルスのオルトミクソウイルス科に属する。インフルエンザウイルスは、ウイルスヌクレオカプシド及びマトリクスタンパク質の抗原性の違いに基づいて、インフルエンザA型ウイルス、B型ウイルス、及びC型ウイルスという名の3つの種類に更に分類される。全てのインフルエンザウイルスはエンベロープを有し、それらのゲノムは8個又は7個の一本鎖のネガティブ鎖(negative-sensed:マイナス鎖)RNAセグメントで構成される。これらのウイルスは、著しい罹患率及び死亡率を伴ってヒト及び動物において呼吸器疾患を引き起こす。1918年のインフルエンザ大流行、すなわちスペイン風邪で最大1億人が死亡したと考えられる。鳥インフルエンザRNAフラグメントとの循環ヒトウイルスとの遺伝子再集合は、1957年のH2N2「アジア型インフルエンザ」及び1968年のH3N2「香港型インフルエンザ」の他の2つの大流行を引き起こした。現在、世界中の人々は、様々な角度からインフルエンザの課題に直面し、季節性インフルエンザの流行は、年間250000人〜500000人に及ぶ死亡率を伴って、世界人口の約5%〜15%に影響を与えている。鳥インフルエンザ株、大半がH5N1の感染がアジア諸国で報告された。頻繁なヒトからヒトへの伝播は観察されていないが、鳥インフルエンザ感染は重篤であり、感染した人の最大60%の高い死亡率を伴う。2009年には、H1N1豚インフルエンザ感染が北アメリカで最初に出現し、新たな大流行へと発展した。現在、季節性三価インフルエンザワクチン、及びH5N1又は豚インフルエンザに特異的なワクチンが入手可能であるか、又は臨床試験中のいずれかである。予防処置は、インフルエンザウイルス感染及びその潜在的に重篤な合併症を予防するため、少なくとも一部の集団には有効な方法である。しかしながら、連続的なウイルスの抗原不連続変異及び抗原連続変異は、今後の循環インフルエンザ株を予測不能なものとする。さらに、大流行の間の比較的短期間のうちにワクチンを大量生産するには限度があるため、抗インフルエンザ薬等の他の抗インフルエンザアプローチが非常に望ましい。市場には、リン酸オセルタミビル(タミフル)及びザナミビル(リレンザ)等のノイラミニダーゼ阻害剤と、アマンタジン及びリマンタジン等のM2イオンチャネル遮断薬の入手可能な2種類の抗インフルエンザ薬が存在する。現在の抗インフルエンザ薬の有効性を増し、薬剤耐性ウイルスの出現を予防する又は減じるため、治療剤若しくは予防剤として単独で又は現在の抗インフルエンザ薬と組み合わせて使用され得る新たな抗インフルエンザ作用機構を有する化合物を発見することは非常に貴重である。
H5N1及び関連する高病原性鳥インフルエンザウイルスが突然変異を得ることで、より容易にヒト間で伝染可能になることは現実のようである。さらに、新たなA/H1N1はより有毒となるおそれがあり、単一の点突然変異だけでもオセルタミビルに対する耐性を与えるのに十分であると考えられる(非特許文献1)。これは、最近同定された幾つかの季節性H1N1株の場合に既に起こっている(非特許文献2、非特許文献3)。そのような場合、ワクチンの生成及び開発における避けられない遅れによって、人命及び社会的混乱において壊滅的に犠牲が大きくなり得る。
現在のパンデミック(pandemic)H1N1豚インフルエンザ、高病原性H5N1鳥インフルエンザ、及び薬剤耐性季節性インフルエンザの高い感染リスクの点からも、新たな抗インフルエンザ薬の開発の優先順位が高くなっている。
多くの場合、抗ウイルス医薬の開発は、ウイルスタンパク質の構造データの有効性によって促進され得る。インフルエンザウイルス表面抗原ノイラミニダーゼの構造データの有効性は、例えば、改善されたノイラミニダーゼ阻害剤の設計に結びついた(非特許文献4)。かかる構造データに基づいて開発された活性化合物の例として、ザナミビル(Glaxo)、及びオセルタミビル(Roche)が挙げられる。しかしながら、これらの医薬は疾患の持続期間の減少に結びつく場合があるものの、これらの疾患の治癒にも使用され得る改善された医薬が今なお緊急に必要とされている。
アマンタジン及びリマンタジン等のアダマンタン含有化合物は、インフルエンザを治療するために使用されてきた活性化合物の別の例である。しかしながら、アダマンタン含有化合物はしばしば副作用をもたらし、効果がないことがわかった症例の数も増えてきている(非特許文献5)。
より非特異的なウイルス薬がインフルエンザ及び他のウイルス感染の治療に使用されてきたが(非特許文献6)、それらの使用は副作用により制限されている(非特許文献7)。
上に記載されるようなオルトミクソウイルス科であるインフルエンザウイルスは、上に記載されるように、ネガティブ鎖ssRNAウイルスである。このグループのウイルスの他の例として、アレナウイルス科、ブニヤウイルス科、オフィオウイルス科、デルタウイルス、ボルナウイルス科、フィロウイルス科、パラミクソウイルス科、ラブドウイルス科、及びニヤミウイルス科(Nyamiviridae)が挙げられる。これらのウイルスは、それらの遺伝物質としてネガティブ鎖RNAを使用する。一本鎖RNAウイルスは、RNAのセンス又は極性に応じてポジティブ(positive:プラス)又はネガティブに分類される。転写の前に、RNAポリメラーゼの作用は、ネガティブウイルスRNAからポジティブRNAを産生するのに必要である。したがって、ネガティブ鎖ウイルスのRNA(vRNA)は、単独で非感染性とされる。
ポリメラーゼ塩基性タンパク質1(PB1)サブユニット、ポリメラーゼ塩基性タンパク質2(PB2)サブユニット、及びポリメラーゼ酸性タンパク質(PA)サブユニットからなる三量体ウイルスRNA依存性RNAポリメラーゼは、ウイルスRNAゲノムセグメントの転写及び複製を担う。PB2サブユニット中のmRNAキャップ結合ドメイン(非特許文献8)と、PAサブユニット中のエンドヌクレアーゼ活性部位(非特許文献9)のポリメラーゼの2つの重要なドメインの構造データが利用可能となった。
リボ核タンパク質(RNP)複合体は、インフルエンザウイルスの最小の転写及び複製の機構を表す。また、ポリメラーゼは、RNP複合体に含まれる場合、vRNP酵素と称される。複製の間、ウイルスRNAポリメラーゼは相補RNA(cRNA)複製中間体、すなわちvRNAの新たなコピーの合成用テンプレートとしてはたらくvRNAの全長相補体を生成する。
転写の間、RNP複合体に含まれるウイルスRNAポリメラーゼは、5’キャップ化RNAプライマーを使用してキャップ化され、ポリアデニル化されたmRNAを合成する。このプロセスは、キャップ転用(cap snatching)と呼ばれる機構を含む。インフルエンザポリメラーゼは、ウイルス転写産物の合成用プライマーとして宿主細胞転写産物(キャップ化mRNA前駆体)を使用する。核タンパク質は、ウイルス転写機構の必須の構成要素である。したがって、ウイルスmRNAへの一本鎖のネガティブ鎖ウイルスRNAの転写、及びウイルスmRNAの複製を担うポリメラーゼ複合体は、インフルエンザを治療するために使用され得る、新たなクラスの化合物の開発の有望な出発点である(非特許文献10)。この知見は、ポリメラーゼ複合体が、ウイルスに対する宿主として機能する細胞のタンパク質中に存在する、機能性部位と相当程度異なると予想される多くの機能的な活性部位を含むという事実によって補強される(非特許文献5)。一例として、他のポリメラーゼの活性に影響を及ぼさないインフルエンザA型及びB型のウイルスのキャップ依存性転写酵素を選択的に阻害する、置換2,6−ジケトピペラジンが同定された(非特許文献11)。さらに、リン酸化2’−デオキシ−2’−フルオログアノシンがニワトリ胚細胞においてインフルエンザウイルス複製を可逆的に阻害することが報告されている。インフルエンザウイルスRNAの一次及び二次転写が、低濃度の化合物であってもブロックされたのに対し、細胞タンパク質合成の阻害は高濃度の化合物であっても観察されなかった(非特許文献12)。
所与の標的分子の活性を変えること、多くの場合、阻害することのできる化合物を同定する目的で様々なアッセイの設計を利用することができる。細胞アッセイと生化学アッセイとの間には、確立された1つの相違が存在する。細胞アッセイはin vivoにより近い状況を模倣すると説明されるが、任意の候補化合物が、通常、第一段階で細胞膜を通過しなければならないという不利点に悩まされる。生化学アッセイは、その点ではより単純である。標的、典型的にはタンパク質は、水溶液中の濃縮形態又は精製された形態で提示され得る。かかるアッセイシナリオでは、メンブレンバリアは存在しないが、その条件は治療に供される生体内の環境とは更にかけ離れている可能性がある。
非特許文献13は、インフルエンザA型ウイルスポリメラーゼ阻害剤の同定のためのアッセイを記載している。そのアッセイは、リボ核タンパク質複合体の全体を使用する。無細胞アッセイであるが、純粋なポリメラーゼと比較して、標的はより複雑な環境にある。このアッセイは転写アッセイである。検出スキームはハイブリダイゼーションに基づく。放射能(Radioactivity:放射活性)は使用されない。
Neumann et al., Nature 2009, 18, 459(7249), 931-939 Dharan et al., The Journal of the American Medical Association, 2009, 301(10), 1034-1041 Moscona et al., The New England Journal of Medicine 2009, 360(10), 953-956 Von Itzstein et al., Nature 1993, 363, 418-423 Magden et al., Appl. Microbiol. Biotechnol. 2005, 66, 612-621 Eriksson et al., Antimicrob. Agents Chemother. 1977, 11, 946-951 Furuta et al., Antimicrobial Agents and Chemotherapy 2005, 981-986 Guilligay et al., Nature Structural & Molecular Biology 2008, 15(5), 500-506 Dias et al., Nature 2009, 458, 914-918 Fodor, Acta virologica 2013, 57, 113-122 Tomassini et al., Antimicrob. Agents Chemother. 1996, 40, 1189-1193 Tisdale et al., Antimicrob. Agents Chemother. 1995, 39, 2454-2458 Roch et al.(Assay and drug development technologies, 13, 388-506 (2015))
本発明の基礎となる技術的課題は、インフルエンザウイルスのウイルスポリメラーゼの活性を妨げることができる化合物を同定する改善された方法の提供に見ることができる。この技術的課題は、各請求項に記載の発明の要旨によって解決される。
本発明は、インフルエンザウイルスリボ核タンパク質(RNP)複合体に含まれるRNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRp)の少なくとも1つの活性を阻害することができる物質を同定する方法であって、(a)上記RNP複合体を含む、精製されたインフルエンザウイルスの水性懸濁物を準備することと、(b)工程(a)の上記懸濁物に、(i)非イオン性又は双性イオン性の界面活性剤、及び、(ii)還元剤を添加することと、(c)インフルエンザウイルス溶解物を得るため、工程(b)で得られた混合物をインキュベートすることと、(d)被験物質を、上記インフルエンザウイルス溶解物中に存在する上記RNP複合体に含まれる上記RdRpと相互作用させる条件下で、工程(c)で得られたインフルエンザウイルス溶解物を被験物質と接触させることと、(e)上記被験物質が、上記RdRpの少なくとも1つの活性を阻害するかどうかを判定することとを含む、又はそれらのみからなる、方法に関する。
したがって、スクリーニング方法が提供される。より詳細に以下に検討されるように、上記方法は、ハイスループットなフォーマットでの実施に適している。また、その方法は、活性物質のIC50値の決定を可能とする。
「阻害する」の用語は、酵素又は結合する分子の活性を減少させるというその技術上確立された意味を有する。「活性」の用語は、酵素活性を含み、(好ましくは同族の)リガンドを結合する能力まで拡大する。「阻害する」は、少なくとも10−1倍、少なくとも10−2倍、少なくとも10−3倍、少なくとも10−4倍、少なくとも10−5倍、少なくとも10−6倍、少なくとも10−7倍、少なくとも10−8倍、少なくとも10−9倍の、及び/又は検出限界を下回る活性の減少を指す。
インフルエンザウイルスは、分節ネガティブ鎖ssRNAゲノムを有する。ウイルスのライフサイクルの間、複製及び転写の活性を与えるRNA依存性RNAポリメラーゼが必要とされる。そのポリメラーゼはウイルスにコードされる。ポリメラーゼ分子は各リボ核タンパク質複合体に含まれ、複数のリボ核タンパク質複合体がウイルスエンベロープによって包まれる。インフルエンザウイルス、リボ核タンパク質複合体、及びウイルスRNA依存性RNAポリメラーゼは、本明細書において上で検討され、適切な参照が引用される。本明細書において上に示されるこれらの用語の定義は、本発明に従う定義である。本発明による方法は、リボ核タンパク質複合体内に結合されるその形態でRNA依存性RNAポリメラーゼを使用する。ウイルスエンベロープは存在しない。
工程(a)により、RNPの水性懸濁物を準備する。懸濁物は、HEPESバッファー中にあることが好ましい。インフルエンザウイルスと併せて使用される「精製された」の用語は、ウイルスRdRp以外のポリメラーゼが存在しないことを意味する。特に、インフルエンザウイルスの作製に使用される宿主系のポリメラーゼが存在しない。好ましい宿主系は鶏卵である。したがって、上記宿主系を使用する場合、ニワトリポリメラーゼは上記精製されたインフルエンザウイルスには不在である。
好ましいウイルス精製手順は、ショ糖勾配精製であり、感染性尿膜腔液(AF)を各卵から採取する。その後、AFを接線流濾過(TFF:tangential flow filtration)によって濃縮し、ウイルスを遠心分離によってペレット化する。ペレットをHepes緩衝生理食塩水に再懸濁し、ショ糖段階勾配に入れ、遠心分離する。界面バンドを除去し、バッファー中で洗浄してショ糖を除去する。その後、ペレットをHepes緩衝生理食塩水に再懸濁し、比色タンパク質アッセイをバルク原料に対して行う。原料を、好ましくはバッファー中2mg/mlまで希釈し、標準インベントリー抗原(inventoried antigen)用に等分する。インベントリー生成物を、好ましくは赤血球凝集、EID50力価(ニワトリ胚50%感染価)、及びタンパク質濃度について試験する。赤血球凝集試験は、ウイルス粒子の濃度を示す。好ましいインフルエンザウイルスを以下に更に開示する。
工程(b)は、工程(a)の懸濁物に対する少なくとも2種類の薬剤の添加をもたらし、それら2種類の薬剤は各々単一の化合物であってもよく、2以上の化合物の混合物であってもよい。
薬剤(i)は非イオン性又は双性イオン性の界面活性剤である。本発明による好ましい界面活性剤は非変性である。
「非変性」の用語は、その技術上確立された意味を有し、タンパク質のアンフォールディング(unfolding)、凝集、及び/又は機能喪失を引き起こさない界面活性剤を指す。所与の界面活性剤が非変性であるかどうかは、特に、本発明の教示が与えられる場合、更に面倒な作業を伴うことなく(without further ado)当業者によって判定され得る。更に説明するため、本発明による方法は、任意の被験物質がない状態で行なわれた場合には、ポリメラーゼ活性に対するアッセイである。変性界面活性剤を使用する場合、ポリメラーゼ活性は減少される、又は消失される。非変性界面活性剤は、本明細書に含まれる実施例において与えられる条件下で化学分析され、界面活性剤としてTriton(商標)X−100の使用と比較された場合、RdRpの転写活性の50%未満の喪失を引き起こすものである。
下記表1及び表2に示される好ましい非イオン性界面活性剤及び双性イオン性界面活性剤は、それぞれ非変性要件を満たす。
薬剤(ii)は還元剤である。したがって、電子供与性官能基を有する化合物を薬剤(ii)として利用してもよい。還元剤は、レドックス反応において別の化学種に電子を供与することができる。上記化学種には、例えばタンパク質中に生じるジスルフィド結合が含まれる。言いかえれば、本発明による還元剤は、タンパク質のシステイン残基間の分子内及び分子間のジスルフィド結合の形成を妨げる。
更なる薬剤を工程(b)で添加してもよいが、必ずしも添加しなくてもよい。工程(b)で添加される好ましい薬剤は安定剤であり、更に以下を参照されたい。添加される更なる好ましい薬剤は、RNアーゼ阻害剤である。添加される更なる好ましい薬剤は、実施例1に記載されるものである。
その後、工程(b)で得られた混合物をインキュベートして、インフルエンザウイルス溶解物を得る。特に時間及び温度の点で好適な条件は、当該技術分野において知られているか、又は更に面倒な作業を伴うことなく当業者によって決定され得る。好ましい条件を以下に更に示す。
本発明によれば、工程(c)で得られるインフルエンザウイルス溶解物は、精製に供されない。スクリーニングの標的としてRNP複合体を使用するものを含む従来技術のプロトコルは、一般的にはインフルエンザウイルス溶解物からRNP複合体を精製する。当該技術分野では、かかる精製は不可欠であろう、及び/又はかかる精製を為すことで、スクリーニングでより良好な結果が得られるであろうと考えられる。本発明者らは、驚いたことに、真実はその逆であることを見出した。インフルエンザウイルス溶解物からRNP複合体を精製することを省くことは、より良好な結果をもたらし、バイアスの導入がより少なく、材料の喪失を回避する。より具体的には、技術上確立されているプロトコル(例えば、Klumpp et al., Meth. Enzymol. 342, 451 (2001)を参照されたい)と比較して、本発明の方法は、かなり速く、より多くの酵素をもたらし、重要なことには、得られた材料が、特に化合物のスクリーニングに関して同じ質を示す。
工程(d)では、工程(c)で得られたインフルエンザウイルス溶解物を被験物質と接触させる。この接触は、その被験物質をRNA依存性RNAポリメラーゼと相互作用させる条件下で為される。好適な条件は、更に面倒な作業を伴うことなく当業者によって決定され得る。好ましい条件は緩衝液を含む。好ましいバッファーは、好ましくはpH=7.5のHEPESである。RNアーゼ阻害剤が存在することが好ましい。さらに条件は、好ましくはマグネシウム塩及び/又はマンガン塩、例えば、Mg(OAc)及び/又はMn(OAc)を含む。被験物質は、有機溶媒中の溶液又は水溶液として添加され得る。好適な有機溶媒は、化合物ライブラリに対して一般的に使用されるもの、例えばDMSOが挙げられる。実施例2及び実施例3に、特に好ましい条件を記載する。
工程(e)は、所与の被験物質がスクリーンで「ヒット」するかどうか、すなわちRdRpの少なくとも1つの活性を阻害することができる物質であるどうかの判定をもたらす。上記判定の好ましい実施は、評価されるRdRpの特定の活性に依存する。工程(e)の好ましい実施を以下に更に詳述する。
「被験物質」の用語は特に限定されない。被験物質は、本発明の方法の工程(d)の条件下で可溶性であることが理解される。被験物質又は被験物質のライブラリは、1つのRdRp活性を阻害する能力が予想され得るように、又は上記ライブラリの1以上のメンバーがかかる能力を示すと予想され得るように選択される。したがって、「被験物質」と「RdRpの少なくとも1つの活性を阻害することができる物質」との間には形式上の区別が存在し、被験物質は、かかる能力を有し得るが、必ずしもそうでなくてもよい。本発明の方法は、被験物質のうちでRdRpの少なくとも1つの活性を実際に阻害することができるそれらの物質の同定をもたらす。
好ましい被験物質は、好ましくは1000Da未満、900Da未満、700Da未満、600Da未満、又は500Da未満の分子量を有する小さな有機分子である。
本発明の方法の好ましい実施形態では、上記活性は、転写、キャップ結合、エンドヌクレアーゼ活性、複製及びポリメラーゼ活性から選択される。
ウイルスのライフサイクルにおけるRNA依存性RNAポリメラーゼの重要な活性は複製、すなわちウイルスゲノムコピーの合成、及び転写、すなわちウイルスmRNA転写産物の合成である。いずれの場合も、生成物はポリヌクレオチドである。したがって、標識化ヌクレオチド、好ましくは放射能標識化(radioactively labeled:放射性物質で標識した)ヌクレオチドの使用は、上記ヌクレオチド中への放射能標識(radioactive label:放射性標識)の組み込みを可能とする。
複製の間、RdRpに含まれるポリメラーゼ活性が関与する。転写の間、キャップ結合活性、エンドヌクレアーゼ活性、及びポリメラーゼ活性が関与する。
したがって、更に好ましい実施形態では、工程(e)における上記判定は、転写及び/又は複製を定量することを含む、又はそれらのみからなる。代替的には、転写のみ又は複製のみをそれぞれ判定又は定量する。
好ましい実施形態では、工程(e)は、(e1)少なくとも1つの放射能標識化ヌクレオチドを添加することと、(e2)放射能標識化ヌクレオチドが転写又は複製の生成物に組み込まれるように、転写及び/又は複製を起こさせることと、(e3)フィルター上に工程(e2)の生成物を沈降させることと、(e4)フィルター上に保持された生成物の放射能を、好ましくはシンチレーション計数によって定量することとを含む。
RdRpによって合成されるポリヌクレオチドがRNAである場合、上記放射能標識化ヌクレオチドはリボヌクレオチドである。放射能標識化ヌクレオチドは、ATP、CTP、UTP及びGTPのいずれか1つであってもよい。それほど好ましくはないものの、2種以上の放射能標識化ヌクレオチドを使用してもよい。典型的には1つの放射能標識化ヌクレオチドを使用する。同じ種類、例えばGTPの放射能標識化ヌクレオチドと非標識化ヌクレオチドとの混合物を使用してもよく、実施例2及び実施例3を参照されたい。
工程(e2)により転写及び/又は複製を起こさせることは、これらのプロセスが起こり得る条件の提供を含む。これらの条件は、当該技術分野において知られており、更に面倒な作業を伴うことなく当業者によって確立され得る。更なる指針を以下に示す。
また、「転写及び/又は複製を起こさせること」は、工程(e1)において、4種類全てのリボヌクレオチド、すなわちATP、CTP、UTP及びGTPの提供を含み、ここで、4種類のリボヌクレオチドの1以上を上に記載されるように放射能標識化してもよいと理解される。工程(e)が転写を定量することを含む場合、キャップ化mRNAを工程(e1)にて添加する。工程(e)が複製を定量することを含む場合、pppApG等のプライマーを工程(e1)にて添加する。
本発明による転写アッセイの好ましい実施を下記に示す。このin vitroアッセイは、インフルエンザA型又はB型のウイルスのキャップ結合、エンドヌクレアーゼ活性及びポリメラーゼ活性の阻害剤を同定することを可能とする。インフルエンザリボ核タンパク質複合体(RNP)は、ウイルスゲノムネガティブ株RNAのポジティブ株mRNA、及びポジティブ株cRNAへのそれぞれの転写及び複製を担う。転写は、PB2サブユニットによる細胞mRNAのキャップ結合、及びPAサブユニットによるキャップ化RNAの切断の2工程からなる「キャップ転用」機構によって開始される。典型的には、得られた9個〜13個のヌクレオチド長のキャップ化RNAオリゴは、ポリメラーゼサブユニットPB1によるウイルスmRNAの後の合成のプライマーとしてはたらく。mRNA合成の間、放射能標識化されたヌクレオチドは、mRNA生成物に組み込まれ、例えばトリクロロ酢酸(TCA)による沈降によって、特異的フィルタープレート上に捕捉される。その後、ヌクレオチド組み込みの効率は、好ましくはシンチレーション計数によってフィルタープレート上に捕捉されたmRNAを定量することにより特定される。より高速のmRNA合成は、より高いシグナルをもたらす。mRNAの重合に先立つキャップ結合及び切断反応の本質的な関与により、PAのエンドヌクレアーゼ活性部位又はPB2のキャップ結合部位のいずれかをブロックすることにより、転写を阻害することができる。エンドヌクレアーゼ及びキャップ結合の阻害剤の両方のIC50値も決定され得る。
本発明の好ましい複製アッセイの説明を下記に示す。このin vitroアッセイは、インフルエンザA型ウイルス、好ましくはインフルエンザA型のポリメラーゼ活性を標的とする阻害剤を同定することを可能とする。インフルエンザリボ核タンパク質複合体(RNP)は、ネガティブ鎖ウイルスゲノムRNA(vRNA)のポジティブ鎖mRNAへの転写のみならず、全長相補ゲノムRNA(cRNA)の複製も担う。pppApGジヌクレオチドは、cRNA合成を開始するため、RNPに与えられ、伸長プロセスの間、放射能標識化ヌクレオチドは、cRNA生成物に組み込まれ、TCA沈降によって特異的フィルタープレート上に捕捉される。その後、ヌクレオチド組み込みの効率は、好ましくはフィルタープレート上で、好ましくは補足されたcRNAのシンチレーション計数によって特定される。より高速のcRNA合成は、より高いシグナルをもたらす。cRNAの重合に対するポリメラーゼサブユニットの本質的な関与により、PB1のポリメラーゼ活性部位を直接ブロックするか、又はvRNAテンプレート上のポリメラーゼ複合体の再アラインメントに必要なRNPの構造変化を妨げるかのいずれかによって複製を阻害することができる。このアッセイは、複製阻害剤のIC50値を決定するために使用することができる。
工程(e3)により、工程(e2)の生成物がフィルター上に沈降する。
上記フィルターはミリポアフィルターであることが好ましい。好ましい孔径は、10μm未満、5μm未満、又は2μm未満である。1.2μm及び0.65μmの孔径が特に好ましい。フィルターメンブレンはガラスフィルターであってもよい。真空マニホールドを使用することが好ましい。TCA沈降に適合する96ウェル又は384ウェルのプレート等のマルチウェルプレートが好ましい。
工程(e4)は、フィルター上に保持される放射能の定量をもたらすことにより、次にRdRpの生成物となる放射能標識化ポリヌクレオチドを定量する。放射能を定量する好ましい方法は、シンチレーション計数である。
濾過プロセス(工程(e3)及び工程(e4))の特に好ましい実施を下記に示す。
ポリヌクレオチド、特に、転写反応に由来する合成mRNA生成物、又は複製反応に由来するcRNA生成物を、5分間〜1時間、好ましくは35分間、25℃未満、好ましくは4℃にて、5%〜30%TCA)、好ましくは10%TCAを使用してフィルタープレート上に沈降させた後、5%超のTCA及び50%超のエタノールで複数回、好ましくは真空マニホールドにおいて、10%TCAで3回、70%エタノールで1回洗浄する。フィルタープレートを十分風乾した後、シンチレーションカクテル、好ましくはMicrosint 20溶液をウェルに添加し、シンチレーションカウンター、好ましくはTopCount装置でシンチレーション計数を行う。用量反応曲線を、4−パラメーターカーブフィッティング法を使用して分析する。対照ウェルの阻害の50%阻害をもたらす試験化合物の濃度をIC50として報告する。
概して言えば、工程(e3)及び工程(e4)の濾過プロセスは、有利にはクロマトグラフィー又は電気泳動によるいずれの分離も含まず、ハイブリダイゼーションにも基づかない。したがって、濾過プロセスによって、本発明の方法が特にハイスループットに適用可能となる。技術上確立された方法として、電気泳動の分離の後のオートラジオグラフィー及びその関連する定量と比較して、ここで濾過工程及びその後のシンチレーション計数を使用する本発明は、試料分離、シグナルの可視化及び定量に対して、はるかに速く、労力がより少ないプロセスである。
主な実施形態によれば、工程(c)で得られたインフルエンザウイルス溶解物を被験物質と接触させる。したがって、工程(c)と工程(d)との間に介在する工程は存在せず、特に精製又は分離が介在しないことが理解される。上に示されるように、本発明者らは驚いたことに、RNP複合体の精製が必ずしも必要でないことを見出した。言いかえれば、上記方法は、ウイルス溶解物中に存在する他のウイルス成分からのRNP複合体の分離を含まない、及び/又は上記方法は、工程(d)の前に工程(c)の上記インフルエンザウイルス溶解物の精製を含まない。
本発明の方法の更に好ましい実施形態では、上記非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル、ポリオキシプロピレングリコールアルキルエーテル、グルコシドアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリコールオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレングリコールアルキルフェノールエーテル、グリセロールアルキルエステル、ポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステル、及びソルビタンアルキルエステル、又はこれらの化合物の少なくとも2つの混合物、好ましくはポリオキシエチレングリコールオクチルフェノールエーテルから選択され、及び/又は上記双性イオン性界面活性剤は、スルタイン(sultaines)、ベタイン、及びスルホベタイン、又はこれらの化合物の少なくとも2つの混合物から選択される。上記非イオン性界面活性剤はスルホベタインから選択されることが好ましい。
好ましい実施形態では、上記還元剤は、ジチオスレイトール、2−メルカプトエタノール、トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィンHCl(TCEP)、システイン、及びび2−メルカプトエチルアミン、又はこれらの化合物の少なくとも2つの混合物から選択される。上記還元剤は、ジチオスレイトールと2−メルカプトエタノールとの混合物であることが好ましい。
混合物を使用する場合、これらは、例えば1つはポリオキシエチレングリコールオクチルフェノールエーテル、及び1つはポリオキシエチレングリコールアルキルエーテルといった、異なるクラスの化合物の混合物であってもよく、又は例えば2以上のポリオキシエチレングリコールオクチルフェノールエーテルといった、同じ化合物のクラスに由来する2以上の化合物の混合物であってもよい。また、1以上の双性イオン性界面活性剤との混合物では、1以上の非イオン性界面活性剤を使用することができる。
上に示されるように、本発明では、典型的には、非変性界面活性剤を使用する。好ましい非イオン性界面活性剤及び双性イオン性界面活性剤を下記表1及び表2にそれぞれ示す。
好ましい還元剤を表3に提示する。
更に好ましい実施形態では、工程(b)において、更に(iii)安定剤、好ましくは凍結防止剤を添加し、該凍結防止剤が好ましくはグリセロール、エチレングリコール、又はそれらの混合物である。
保存用にインフルエンザウイルス溶解物を凍結させることが意図される場合、凍結防止剤が有用である。
更に好ましい実施形態では、工程(b)で得られる界面活性剤の濃度は、約0.05%〜約5%(重量/体積)、好ましくは約0.1%〜約2%(重量/体積)である。約1%(重量/体積)の界面活性剤の濃度が特に好ましい。更に予想される濃度は、約3%及び約4%(重量/体積)である。
更に好ましい実施形態では、工程(b)で得られる還元剤の濃度は、約0.5mM〜約100mM、好ましくは約10mM〜約25mMである。約20mMの還元剤の濃度が特に好ましい。
更に好ましい実施形態では、工程(b)で得られる安定剤の濃度は、存在する場合、約0.5%〜約60%(重量/体積)、好ましくは約1%〜約50%(重量/体積)、より好ましくは約2%〜約25%(重量/体積)である。約5%(重量/体積)の安定剤の濃度が特に好ましい。更に予想される濃度は、約10%、約15%及び約20%(重量/体積)である。
更に好ましい実施形態では、(i)、(ii)、及び存在する場合には(iii)は、溶液、好ましくは水溶液に含まれ、その溶液を工程(b)において上記懸濁物に添加する。緩衝水溶液が好ましい。好ましいバッファーはTrisである。
代替的には、(i)、(ii)及び(iii)の2つのみを単一の溶液に含み、存在する場合、第3の成分が別の溶液に存在していてもよい。さらに、各々(i)、(ii)、及び(iii)をそれぞれ含む3つの別々の溶液を使用することも意図される。
更に好ましい実施形態では、工程(c)における上記インキュベートが約5分間〜約180分間、好ましくは約15分間〜約60分間、より好ましくは約30分間である。
更に好ましい実施形態では、工程(c)における上記インキュベートが、約5℃〜約35℃、好ましくは約15℃〜約30℃、より好ましくは約25℃の温度である。
したがって、約25℃で約30分間、インキュベートを行うことが特に好ましい。
上記RNP複合体は、ウイルスから得られた天然のRNP複合体であることが好ましい。また代替的には、RNP複合体は、突然変異体又はそのホモログであってもよい。また、かかる突然変異体又はホモログはウイルスから得られてもよく、又は例えば遺伝子操作法によって人工的に作製されてもよい。突然変異体又はホモログが本発明の方法に対して使用される場合、突然変異体又はホモログのRNP複合体に含まれるRNA依存性RNAポリメラーゼは、少なくとも1つ、好ましくは全てのキャップ結合、エンドヌクレアーゼ及びポリメラーゼの活性を示すと理解される。
更に好ましい実施形態では、インフルエンザウイルスは、インフルエンザA型ウイルス、又はインフルエンザB型ウイルスである。
インフルエンザA/PR/8/34であるインフルエンザA型ウイルスが特に好ましい。インフルエンザA/PR/8/34は、Charles River Vaccine Services(米国マサチューセッツ州ウィルミントン)カタログ番号10100374より入手可能である。インフルエンザB\Lee\40)であるインフルエンザB型ウイルスが特に好ましい。インフルエンザB\Lee\40は、Charles River Vaccine Services(米国マサチューセッツ州ウィルミントン)カタログ番号10100379より入手可能である。
更に好ましい実施形態では、上記方法はハイスループット法である。
「ハイスループット」の用語は、当該技術分野においてよく知られている。一連のハイスループット法では、少なくとも100個の試験化合物、好ましくは少なくとも1000個の試験化合物、及びより好ましくは少なくとも10000個の被験物質を試験する。1日当たり少なくとも10000個の被験物質を試験することが好ましい。
ハイスループットアッセイは、一般的には、マイクロタイタープレートのウェルにおいて行われ、各プレートは96ウェル、384ウェル、又は1536ウェルを備え得る。周囲温度以外の温度でのインキュベーション、及び試験化合物をアッセイ混合物と接触させることを含むプレートの取扱いは、ピペッティング装置を備える1以上のコンピュータ制御ロボットシステムによって為されることが好ましい。試験化合物の大きなライブラリがスクリーニングされる場合、及び/又はスクリーニングが短時間で為される場合、例えば10個、20個、30個、40個、50個又は100個の試験化合物の混合物を各ウェルに添加してもよい。ウェルが生物活性を示す場合、その活性を生じさせる上記混合物中の1以上の試験化合物を同定するため、試験化合物の上記混合物をデコンヴォルーション(de-convoluted)してもよい。
更に好ましい実施形態では、本発明の方法は、(f)上記活性の50%を阻害する上記被験物質の濃度(IC50)を決定することを更に含む。
有利には、本発明の方法は、上記RdRpの少なくとも1つの活性を阻害する試験化合物のIC50値の決定を可能とする。
本明細書、特に特許請求の範囲において特徴づけられる実施形態について、従属項で言及される各実施形態は、その従属項が従属する各請求項(独立又は従属)の各実施形態と組み合わせられる。例えば、3つの選択肢A、B及びCを列挙する独立項1、3つの選択肢D、E及びFを列挙する従属項2、並びに請求項1及び請求項2に従属し、3つの選択肢G、H及びIを列挙する請求項3の場合、明細書は、別段の具体的な言及がない限り、A、D、G;A、D、H;A、D、I;A、E、G;A、E、H;A、E、I;A、F、G;A、F、H;A、F、I;B、D、G;B、D、H;B、D、I;B、E、G;B、E、H;B、E、I;B、F、G;B、F、H;B、F、I;C、D、G;C、D、H;C、D、I;C、E、G;C、E、H;C、E、I;C、F、G;C、F、H;C、F、Iの組み合わせに対応する実施形態を明白に開示することが理解される。
また同様に、独立項及び/又は従属項が選択肢を列挙しない場合には、従属項が複数の先行する請求項を参照する場合、先行する請求項によって包含される発明の要旨の任意の組み合わせが明示的に開示されると考えられると理解される。例えば独立項1、請求項1を参照する従属項2、及び請求項2と請求項1の両方を参照する従属項3の場合、請求項3と請求項2と請求項1との発明の要旨の組み合わせと同様に、請求項3と請求項1との発明の要旨の組み合わせが、明らかに明白に開示されることとなる。さらに、請求項1〜請求項3のいずれか一項を参照する従属項4が存在する場合、請求項4と請求項3と請求項2と請求項1との発明の要旨の組み合わせと同様に、請求項4と請求項1、請求項4と請求項2と請求項1、請求項4と請求項3と請求項1との発明の要旨の組み合わせが、明確かつ一義的に開示されることとなる。
実施例は、本発明を説明するものである。しかしながら、本出願の範囲がそれらに限定されることを意図するものではない。
実施例1
天然インフルエンザvRNP複合体を含むウイルス溶解物の作製
インフルエンザ精製ウイルス(インフルエンザA/PR/8/34、インフルエンザB\Lee\40)をHEPESバッファー中の懸濁物としてCharles River Laboratories International Inc.から得た。ウイルス粒子を、40mM Tris−HCl、pH8、5mM MgCl、200mM KCl、100mM NaCl、10mMジチオスレイトール[DTT]、5%グリセロール、40U/ml RNアーゼ阻害剤、10mM 2−メルカプトエタノール、及び2mg/mlリゾレシチンを含むバッファー中、室温にて30分間、等量の2%Trition X−100とのインキュベーションによって破壊した。ウイルスの溶解物を等分し、アリコートで−80℃にて保存した。
実施例2
インフルエンザA型又はB型のフィルターRNP転写アッセイ
ウイルス溶解物(H1N1インフルエンザ株A/PR/8/34、Charles River、カタログ番号10100374、インフルエンザB\Lee\40、Charles River、カタログ番号10100379)を、24mM HEPES(pH7.5)、118mM NaOAc、1mM Mg(OAc)、0.1mM Mn(OAc)、0.1mM EDTA、2mM DTT、0.3U RNアーゼ阻害剤(Riboguard)、70mM ATP/CTP/UTP、14mM GTP、及び0.175μCi 33P−GTPを含む反応バッファー中、30℃で30分間、被験物質と共に予備インキュベートした。その後、キャップ化RNA基質を0.07μMで反応混合物に添加した(5’mG−ppp−GAA UAC UCA AGC UAU GCA UC−3’、5’−三リン酸化RNAをFidelity Systemsから購入し、CellScript製のScriptCap Capping Systemを使用して、キャップ化反応を行った)。キャップ転用及び後のmRNA合成反応を、30℃で90分間行ってから、EDTAの添加によって反応を終了させた。実施例4に記載されるように、合成されたmRNA生成物をフィルタープレート(Millipore)上に沈降させ、処理した。
実施例3
インフルエンザRNPベースの複製アッセイ
別段の言及がなければ、濃度は最終濃度を指す。被験物質を、40%DMSO中に4倍に段階希釈し、2μlの希釈した被験物質を、0.35nM vRNP酵素、好ましくはインフルエンザA型vRNP酵素、20mM HEPES(pH7.5)、100mM NaOAc、1mM Mg(OAc)、0.1mM Mn(OAc)、0.1mM EDTA、2mM DTT、0.25U RNアーゼ阻害剤(Epicentre)、70μM ATP/CTP/UTP、1.4μM GTP、及び0.175μCi 33P−GTPを含む反応混合物17μlに30℃で30分間、添加した。pppApGジヌクレオチドを、最終濃度75μMで反応混合物に添加した。反応を30℃で3時間行った後、最終濃度56mMまでEDTAを添加することによって停止した。複製反応に由来する合成されたcRNA生成物を、実施例4に記載されるようにフィルタープレート(Millipore)上に沈降させ、処理した。
実施例4
フィルターRNP転写アッセイと複製アッセイの両方に対する濾過工程
転写反応に由来する合成されたmRNA生成物、又は複製反応に由来するcRNA生成物を、10%TCAを使用して4℃で35分間、フィルタープレート上に沈降させた後、真空マニホールドにおいて、10%TCAで3回、70%エタノールで1回洗浄した。フィルタープレートを十分に風乾した後、Microsint 20溶液をウェルに添加し、シンチレーション計数をTopCount装置で行った。用量反応曲線を、4−パラメーターカーブフィッティング法を使用して分析した。対照ウェルの阻害の50%阻害をもたらす試験化合物の濃度をIC50として報告した。
実施例5
HTSスクリーン及び結果
本発明の、特に先の実施例に開示される方法を使用して、ハイスループットスクリーニング作戦を行った。多数のヒットが見出された。例えば、「ピリミジン及びピリジン誘導体、並びにウイルス性疾患の治療、寛解又は予防におけるそれらの使用(Pyrimidine and pyridine derivatives and their use in the treatment, amelioration or prevention of a viral disease)」と題され、本出願と同日にSIPOにおいて同じ譲受人によって出願されたPCT出願を参照されたい。
ヒット例として以下が挙げられる。
(−)−(1R,2S,4R,5S,6S,7S)−7−((5−フルオロ−2−(5−フルオロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)トリシクロ[3.2.2.02,4]ノナン−6−カルボン酸
(−)−N−[(1R,2S,4R,5S)−4−[[5−フルオロ−2−(5−フルオロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル)ピリミジン−4−イル]アミノ]−2−ビシクロ[3.1.0]ヘキサニル]ベンズアミド
これらの化合物は、0.2nM及び0.112μMのIC50値をそれぞれ有すると特定された。

Claims (14)

  1. インフルエンザウイルスリボ核タンパク質(RNP)複合体に含まれるRNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRp)の少なくとも1つの活性を阻害することができる物質を同定する方法であって、
    (a)前記RNP複合体を含む、精製されたインフルエンザウイルスの水性懸濁物を準備することと、
    (b)工程(a)の前記懸濁物に、
    (i)非イオン性又は双性イオン性の界面活性剤、及び、
    (ii)還元剤、
    を添加することと、
    (c)インフルエンザウイルス溶解物を得るため、工程(b)で得られた混合物をインキュベートすることと、
    (d)被験物質を、前記インフルエンザウイルス溶解物中に存在する前記RNP複合体に含まれる前記RdRpと相互作用させる条件下で、工程(c)で得られた前記インフルエンザウイルス溶解物を前記被験物質と接触させることと、
    (e)前記被験物質が、前記RdRpの少なくとも1つの活性を阻害するかどうかを判定することと、
    を含む、又はそれらのみからなる、方法。
  2. 前記活性が、転写、キャップ結合、エンドヌクレアーゼ活性、複製及びポリメラーゼ活性から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 工程(e)における前記判定が、転写及び/又は複製を定量することを含む、又はそれらのみからなる、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 工程(e)が、
    (e1)少なくとも1つの放射能標識化ヌクレオチドを添加することと、
    (e2)前記放射能標識化ヌクレオチドが転写又は複製の生成物に組み込まれるように、転写及び/又は複製を起こさせることと、
    (e3)フィルター上に工程(e2)の前記生成物を沈降させることと、
    (e4)前記フィルター上に保持された生成物の放射能を、好ましくはシンチレーション計数によって定量することと、
    を含む、請求項2又は3に記載の方法。
  5. 前記方法が、前記ウイルス溶解物中に存在する他のウイルス成分からのRNP複合体の分離を含まない、及び/又は前記方法が、工程(d)の前に工程(c)の前記インフルエンザウイルス溶解物の精製を含まない、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. (i)前記非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル、ポリオキシプロピレングリコールアルキルエーテル、グルコシドアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリコールオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレングリコールアルキルフェノールエーテル、グリセロールアルキルエステル、ポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステル、及びソルビタンアルキルエステル、又はこれらの化合物の少なくとも2つの混合物から選択され、好ましくは前記非イオン性界面活性剤がポリオキシエチレングリコールオクチルフェノールエーテルから選択され、及び/又は、
    前記双性イオン性界面活性剤がスルタイン、ベタイン、及びスルホベタイン、又はこれらの化合物の少なくとも2つの混合物、好ましくはスルホベタインから選択され、及び/又は、
    (ii)前記還元剤がジチオスレイトール、2−メルカプトエタノール、トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィンHCl(TCEP)、システイン、及び2−メルカプトエチルアミン、又はこれらの化合物の少なくとも2つの混合物から選択され、好ましくは前記還元剤が、ジチオスレイトールと2−メルカプトエタノールとの混合物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 工程(b)において、更に(iii)安定剤、好ましくは凍結防止剤を添加し、該凍結防止剤が好ましくはグリセロール、エチレングリコール、又はそれらの混合物である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 工程(b)で得られる濃度について、
    (i)前記界面活性剤が約0.05%〜約5%(重量/体積)、好ましくは約0.1%〜約2%(重量/体積)であり、
    (ii)前記還元剤が約0.5mM〜約100mM、好ましくは約10mM〜約25mMであり、及び/又は、
    (iii)前記安定剤が、存在する場合は、約0.5%〜約60%(重量/体積)、好ましくは約1%〜約50%(重量/体積)、より好ましくは約2%〜約25%(重量/体積)である、
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. (i)、(ii)、及び存在する場合は(iii)が、1以上の溶液、好ましくは1以上の水溶液に含まれ、該溶液が工程(b)において前記懸濁物に添加される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 工程(c)における前記インキュベートが約5分間〜約180分間、好ましくは約15分間〜約60分間、より好ましくは約30分間である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 工程(c)における前記インキュベートが、約5℃〜約35℃、好ましくは約15℃〜約30℃、より好ましくは約25℃の温度である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記インフルエンザウイルスが、インフルエンザA型ウイルス、又はインフルエンザB型ウイルスである、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記方法がハイスループット法である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. (f)前記活性の50%を阻害する前記被験物質の濃度を決定することを更に含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
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