JP2019502647A - H2を生成するための混合物を得るための方法および装置、対応する混合物 - Google Patents

H2を生成するための混合物を得るための方法および装置、対応する混合物 Download PDF

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Abstract

H2を生成するための混合物を得る方法であって、前記混合物は金属ボロハイドライドMe(BH4)n、金属ヒドロキシドMe(OH)n、およびH2O(式中、Meは金属であり、nは金属イオンの価数である)を含む。H2Oは超純水UPWとして供給され、UPWは1μS/cm未満の電気コンダクタンスを有する。本方法は、金属ボロハイドライドおよび金属ヒドロキシドをUPWに溶解させてH2を生成するための混合物を得ることを含み、混合物の45ないし55モル%の範囲の量の金属ボロハイドライドのボロハイドライドBH4基、混合物の2ないし5モル%の範囲の量の金属ヒドロキシドのヒドロキシドOH基、および混合物の残部の少なくとも実質的にUPWを含む。【選択図】 なし

Description

発明の分野
[01]本発明は、H2を生成するための混合物を得る方法、ならびに対応するキット、混合物および装置に関する。本発明はさらに、水素を生成する方法、および対応する装置に関する。
発明の背景
[02]H2(水素といい、水素原子を原子状水素という)の生成、貯蔵および輸送に関わるかなりのコストが、その速やかで広範な採用を妨げている。その突破口は、水素の価格が、生成されるエネルギーの単位当たりの電気、ガソリン、ディーゼル、天然ガスなどの現在の価格レベル、たとえばメガジュール当たりのコスト(ユーロ/MJ)にまで一般に低下した場合にのみ起こると予想される。
[03]現在、水素を生成する3種類の生成方法が知られている。
−水素を放出するために必要とされるエネルギーが二次的に重要である、別の化学的方法の副産物として;
−水素を生成するのに必要とされるエネルギーが約140MJ/kgH(141.1kJ/モル)である水蒸気改質法;および
−水素を生成するのに必要とされるエネルギーが204.5MJ/kgH(206.1kJ/モル)である電気分解法。
[04]水素生成の環境CO2フットプリントを考慮したとき、ゼロCO2フットプリントは、たとえば風、水、地熱源および太陽などの起源によって生成した電気を使用することによってのみ得ることができる。原子力を代替手段として使用することができるが、その場合、燃料としてトリウムを使用することが環境上の理由から極めて好ましい。水蒸気改質法におけるバイオマスの利用はCO2ニュートラルと考えられている。
[05]水素はガス形態で用いられる。その熱への変換は一般に燃焼または触媒を使用して行われ、その電気エネルギーへの変換は一般に燃料電池を使用して行われる。以下の不都合が認められることがある。
−水素の低い比重量は、水素ガス燃料がキログラム当たり多くの空間を必要とすることを意味しており、これは道路によるまたは水上の輸送を高価にする;
−エネルギー生成のために水素の使用における核となる問題は現在の生成方法によるそのエネルギー損失である;および
−水素を冷却または圧縮する場合、水素貯蔵においてエネルギーが失われる。
[06]水素を液化することによって長距離の輸送問題を解決しようとする試みがなされてきた。実際の使用において、このような手法は、関連するコストおよび複雑さの形態で多くの不都合を示した。水素を液体の状態に保つのに十分に冷たく保つためには多くのエネルギーを必要とする。蒸発は、水素をデュワーに保管する場合には一般に約14日後に始まり、普通に分離された容器では即座に始まる。蒸発した水素は、たとえば、輸送に使用される船舶またはトラックに動力を供給するために燃料として使用することができる。経験に基づいて、実際の応用においては、十分な輸送範囲を得るために、圧縮された水素の圧力を300バールから700バールに上げていたが、これは輸送中その貯蔵のために約6%の水素の損失を伴う。
[07]言及した不都合を軽減する実用的な解決策は今までのところ提案されていない。
[08]本発明の目的は、公知の方法および技術の不都合をもたないかまたはほとんどもたない、H2を生成するための混合物を得るための方法および装置、対応する混合物、ならびにH2を生成するための方法および装置を提供することである。
[09]本発明の別のまたは代わりの目的は、アメリカ合衆国エネルギー省(US DoE)およびStorHyコンソーシアム(Hydrogen Storage Systems for Automotive Application)の要件を満たす液体H2燃料を、化学的に結合したH2の混合および放出のための任意の装置および/またはデバイスとともに提供することである。
[10]開示されている技術は、コンダクタンス<0.5μS/cmを有する水に溶解した金属ボロハイドライドがH2生成のための良好な反応を与えることを開示している国際公開第2010/087698号に開示されているH2生成方法を想定している。この反応は水およびハイドライドが利用可能な限り続き、完全に進行する。国際公開第2010/087698号に開示されている燃料を、本開示ではボロハイドライド燃料という。
[11]上記目的の少なくとも1つは、H2を生成するための混合物を得るための方法であって、前記混合物は金属ボロハイドライド、Me(BH4n、金属ヒドロキシド、Me(OH)n、およびH2O(式中、Meは金属であり、nは金属イオンの価数である)を含み、H2Oは超純水UPWとして供給され、前記UPWは1μS/cm未満の電気コンダクタンスを有し、前記方法は、前記金属ボロハイドライドおよび前記金属ヒドロキシドをUPWに溶解させてH2を生成するための混合物を得ることを含み、前記混合物の45ないし55モル%の範囲の量の前記金属ボロハイドライドのボロハイドライドBH4基、前記混合物の2ないし5モル%の範囲の量の前記金属ヒドロキシドのヒドロキシドOH基、および前記混合物の残部の少なくとも実質的にUPWを含む、方法によって達成される。
[12]本明細書において金属(Me)は、あらゆるアルカリ金属、遷移金属、錯体金属などを含めて、通常金属といわれるあらゆる材料を含む。例は、たとえば、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、マグネシウム(Mg)およびアルミニウム(Al)である。一般に、金属ボロハイドライドおよび金属ヒドロキシド中の金属は異なる金属でありうるが、好ましくは同一の金属である。混合物は、金属ボロハイドライドのみが反応して混合物のpH値により示される半減時間値を与える安定化混合物を与える。本発明によって提供される混合物は非常に安定なようであり、非常に低い温度まで使用することができ、高いエネルギー密度比を与える。混合物中に存在する水の量は、いくらかの追加の水が供給されて、応用上の環境下で混合物からH2を生成するほど十分多い。
[13]一実施形態において、本方法は、
−ある量の金属ヒドロキシドをH2Oに溶解させて、H2Oに溶解した金属ヒドロキシドの予備混合物を得る工程と、
−H2Oに溶解した金属ヒドロキシドの予備混合物に、ある量の金属ボロハイドライドを溶解させて、H2を生成するための混合物を得る工程と
を含む。
[14]一実施形態において、H2を生成するための混合物は、3ないし4モル%の範囲の量の金属ヒドロキシドのヒドロキシド基を含む。
[15]一実施形態において、H2を生成するための混合物は、48ないし53モル%の範囲の量の金属ボロハイドライドのボロハイドライド基を含む。
[16]別の態様において、本発明は、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法を実施するためのキットであって、金属ボロハイドライド、金属ヒドロキシドおよびUPWの少なくとも1つを含むキットを提供する。
[17]さらに別の態様において、本発明は、H2を生成する混合物であって、前記混合物は、H2Oに溶解した、金属ボロハイドライドMe(BH4n、および金属ヒドロキシドMe(OH)n(式中、Meは金属であり、nは金属イオンの価数である)を含み、H2Oは超純水UPWとして供給され、UPWは1μS/cm未満の電気コンダクタンスを有し、前記混合物は、前記混合物の45ないし55モル%の範囲、任意に48ないし53モル%の範囲の量の金属ボロハイドライドのボロハイドライドBH4基、前記混合物の2ないし5モル%の範囲、任意に3ないし4モル%の範囲の量の金属ヒドロキシドのヒドロキシドOH基、および前記混合物の残部の少なくとも実質的にUPWを含む、混合物を提供する。
[18]一実施形態において、混合物は上述した方法によって得られる。
[19]一実施形態において、UPWは、0.5μS/cm未満、任意に0.1μS/cm未満、任意に0.06μS/cm未満の電気コンダクタンスを有すること、およびエレクトロニクス・半導体グレード水ASTMタイプE−1グレード以上を有することの少なくとも1つを満たす。
[20]一実施形態において、金属Meは、とりわけ最適な重量エネルギー密度比を提供する、リチウムLi、ナトリウムNa、およびカリウムKの少なくとも1種である。
[21]さらに別の実施形態において、金属MeはナトリウムNaであり、H2を生成する混合物は、混合物の58ないし72重量%の範囲、任意に62ないし69重量%の範囲の量のナトリウムボロハイドライドNaBH4、および混合物の3ないし7重量%の範囲、任意に4ないし6重量%の範囲の量のナトリウムヒドロキシドNaOHを含む。
[22]別の態様において、本発明は、上記方法のいずれか1つを実施するための装置を提供する。
[23]本発明のさらなる特徴および利点は、非限定的で非排他的な実施形態による本発明の説明から明らかとなろう。これらの実施形態は保護の範囲を制限すると解釈すべきではない。当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の他の代替物および等価な実施形態を考え出して実施に移すことができることがわかるであろう。添付の図面を参照して本発明の実施形態について記載するが、類似または同一の参照符号は、類似、同一または対応する部分を示す。
図1は、UPW中のNaBH4およびNaOHの安定化混合物のpH値の、NaBH4の半減時間値への影響のグラフを示す。 図2は、UPWに加えたNaOHおよびNaBH4の量の、混合物の凝固点TFへの影響のグラフを示す。 図3は、一定量の水素を貯蔵するのに必要とされる体積の、NaBH4(ナトリウムボロハイドライド)の濃度への依存性のグラフを示す。 図4は、酸反応器タイプの概略図を示す。 図5は、触媒反応器タイプの概略図を示す。 図6は、二重反応器タイプの概略図を示す。 図7は、酸反応器タイプのプロセスフローの概略図を示す。 図8は、触媒反応器タイプのプロセスフローの概略図を示す。 図9は、二重反応器タイプのプロセスフローの概略図を示す。 図10は、一般化された反応器タイプの概略図を示す。 図11は、一般化された反応器タイプの概略図を示す。 図12は、様々なプロセスパラメーターおよびそれらのプロセスへの影響の概説を示す。 図13は、実施した実験の反応構成を概略的に表す。 図14は、実施した実験の反応構成の写真を示す。 図15は、実施した実験の反応構成の写真を示す。 図16は、実施した実験の反応構成の写真を示す。 図17は、実施した3つの実験でモニターした温度および圧力のグラフを示す。 図18は、実施した3つの実験でモニターした温度および圧力のグラフを示す。 図19は、実施した3つの実験でモニターした温度および圧力のグラフを示す。 図20は、実験で得た固体残渣を示す。 図21は、実験で生成したガスについて実施したガスクロマトグラフィー(GC)測定から得たGCグラフを示す。 図22は、図20に示した残渣について実施したX線回折(XRD)測定で得たXRDグラフを示す。
[24]本説明は、参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2010/087698号に開示された技術および装置を出発点とする。この国際公開は、<0.5μS/cmのコンダクタンスを有する水に金属ボロンハイドライドMeBH4を溶解させる、H2の生成方法を開示している。こうした低いコンダクタンスを有する水の質はASTMタイプE−1グレード水(エレクトロニクス・半導体グレード水)として適格であり、本明細書では超純水UPWという。本説明におけるUPWとは、上記品質グレードを満足する水および/または<1μS/cm、とりわけ<0.5μS/cm、さらにとりわけ<0.1μS/cm、さらにとりわけ<0.06μS/cmのコンダクタンスを有する水を意味する。また、<0.06μS/cmのコンダクタンスを有する水は、25℃で18.2MΩ/cm以上の抵抗率を有するとも特定される。さらに、こうした溶液およびこうしたボロンハイドライド燃料の使用は、一般に、周囲空気の湿気およびCO2とのいかなる反応をも回避するために窒素雰囲気中にある。以下、金属ボロンハイドライド燃料を用いるH2の生成のためのいくつかの重要なパラメーターを検討する。
[25]本説明は主に、金属ボロハイドライドとして、ナトリウムボロハイドライド(NaBH4)に言及する。金属ボロハイドライドの他の例はリチウムボロハイドライド(LiBH4)およびカリウムボロハイドライド(KBH4)である。しかし、本発明による方法は、Me(BH4と表すことができるいかなる金属ボロハイドライドにも適用可能であり、ここでMeは金属であり、それに結合した数yのボロハイドライド基BH4を有する。金属は、アルカリ金属、遷移金属および錯体金属を含む、一般に金属といわれるあらゆる材料を含む。
酸性度および反応速度
[26]H2の生成における反応速度はボロハイドライド水溶液の酸性度レベル(pH値)に依存する。アリゾナ州立大学は、2005年に、NaBH4の水との反応速度に関する実験を発表しており(Don Gervasio, Michael Xu and Evan Thomas; Arizona State University; Tempe, AZ; 26 July 2005; http://fsl.npre.illinois.edu/Project%20Presentation/fuel%20cell%20project_files/July%20workshop%20presentations/uiuc-talk-25July2005.pdf)、結果を図1に示す。図はアリゾナ州立大学により発表された結果の表に基づいて作成した。図1は、水へのNaBH4の安定化溶液のpH値の、溶液中のNaBH4の半減時間値t1/2に及ぼす影響を示している。金属ヒドロキシド(Meヒドロキシド)を安定剤として使用している。溶液の安定性は、pH値の増加とともに増しており、半減時間値のpH値への対数(10log)の依存性を示している。垂直軸に沿って半減時間を秒(s)で示し、グラフ中においてそれらの測定点を秒(s)、分(m)、時間(h)および日(d)の半減時間値によって識別している。
[27]これらの結果は、長期貯蔵では金属ボロハイドライドを好ましくは乾燥形態で、したがって水に溶解しないで貯蔵するという裏付けを示している。数日または数週以内の使用のためには、好ましくは実際の使用の直前に、MeBH4を水に溶解させることによって液体の金属ボロハイドライドを調製することができる。燃料の使用と同時に、約数秒以内に、水性金属ボロハイドライドのpH値は、好ましくはそのpH値の代わりに約pH=7に低下する。こうしたpH値を有する混合物は図1に示した解除反応状態RRにあるということができる。反応に移行する前に高いpH値を有する混合物は図1に示したプレ反応状態PRにあるということができる。図1に示したRR状態およびPR状態は例示目的のためのみである。こうした状態に結び付く実際のpH範囲は具体的な用途に依存するであろう。これは、既に生成しているH2が出口に向かって通過することができる反応器空間に燃料が入る直前の空間で行うことができる。
溶解性および温度
[28]金属ボロハイドライド、たとえばNaBH4の超純水UPWへの溶解度は、とりわけ温度に依存する(https://en.wikipedia.org/wiki/Solubility_table(sodium borohydride))。次の表は、100グラムUPW当たりのNaBH4の溶解度をグラムで示す。
[29]これは、ボロハイドライド燃料に関して、温度によってはこの燃料が3313重量%の濃度でもスラリーであるかもしれないことを意味している。この燃料は6623重量%の濃度では常にスラリーであろう。
[30]燃料電池中での反応中に生成する水を考慮して、この燃料が様々なタイプの燃料電池に適しているべきであるため、この6623重量%という選択肢は好ましい。燃料電池によって生成するH2Oは燃料と混合して、燃料混合物中において所望量のH2Oに達することができる。燃料は、それが使用されようとする用途、たとえばモバイル用途に適した仕方で調製する必要がある。
防霜
[31]使用すべきボロハイドライド濃度についての水性金属ボロハイドライド燃料の防霜は、水性燃料中において適切な金属ボロハイドライド対安定剤の比を適用することによって与えることができる(本説明では燃料は燃料混合物または燃料溶液ともいう)。一般的に、必要とされるpH値に対して必要であるよりも高い安定剤濃度を考慮すべきである(Progress in the catalysts for H2 generation from NaBH4 fuel; V.I. Simagina; https://www.google.nl/webhp?sourceid=chrome-instant&rlz=1C1CHWA_nlNL615NL615&ion=1&espv=2&ie=UTF-8#q=Progress+in+the+catalysts+for+H2+generation+from+NaBH4+fuel+V.I.+Simagina%2C+O.V.+Netskina%2C+O.V.+Komova+and+A.M.+Ozerova)。アメリカ合衆国エネルギー省(US DoE)によって規定された温度範囲は−40℃ないし60℃である。
[32]凝固点温度の低下は次式を用いて計算することができる。
式中、
水について、K=−1.86;
NaOHについて、M=39.99711g/mol、
20℃でのNaOHの溶解度1,070g/l;
NaBH4について、M=37,833g/mol、
20℃でのNaBH4の溶解度550g/l。
ある量のNaOHを加えること、および排出率を制御することによる反応に起因して混合物中に存在するNaOHの重量分率を制御することの少なくとも1つによって、NaOHが増大するにつれてUPWの分率が同じ量で減少する。結果として、NaBH4の重量分率も増大し、図2に示したように凝固点温度の低下を引き起こす。図は、x重量%の量のNaOHを、水に加える、水中33.3重量%NaBH4の溶液に加える、および最終混合物中の33.3重量%NaBH4を維持しつつ水中NaBH4の溶液に加えることによる凝固温度の低下を示している。
[33]この水性ボロハイドライド燃料中に存在する変動量のMeOHは、pH値を要求されるレベルに維持するために、反応器がpH値に関してアクティブ制御制御を必要とすることを意味している。
[34]ボロハイドライド燃料、たとえばナトリウムボロハイドライド燃料は、約33重量%NaBH4の濃度をもつ33%混合物として使用することができ、これは、たとえば以下のようにと記述することができ(濃度または混合物に関するすべてのパーセンテージは重量によるパーセンテージ(重量%)である)、
33.33%NaBH4+5%NaOH+61.67%UPW
または以下のように記述することができる。
33.33%NaBH4+10%NaOH+56.67%UPW。
[35]MeBH4、MeOHおよびUPW(H2O)のボロハイドライド燃料混合物は、混合物が所定の凝固点を有するように最適化することができる。成分の比率はより高い温度での使用について以下のように定義することができ、
aNaBH4+bNaOH+cUPW、
式中、
30%<a<37%、3%<b<7%、60%<c<63%、
a+b+c=100%、
好ましくはa=33%、b=5%、c=62%、
この比率は比較的低い温度、たとえば、−40℃までの使用について以下のように定義することができる。
dNaBH4+eNaOH+fUPW、
式中、
30%<d<37%、7%<e<13%、50%<f<63%、
d+e+f=100%、
好ましくはa=33%、b=10%、c=57%)。
[36]約67%の濃度をもつ、より高濃度の67%混合物の燃料が想定される。これらは、たとえば、以下の組成を有するであろう。
67%NaBH4+5%NaOH+28%UPW
または
67%NaBH4+10%NaOH+23%UPW。
[37]33%および67%混合物のいくつかの例は次の通りである。
[38]約pH=13での半減時間値t1/2は図1および2によると約42.6日である。pH=13.5への上昇は、約t1/2=213日の半減時間値を与え、これは燃料の調製後の経過時間に応じて燃料からのNaBH4の以下の損失を伴う。
[39]上記表は、その調製後約1週間以内に、燃料から約214%の量のNaBH4が失われることを示している。したがって、燃料は反応器で使用する直前にのみ調製するのが有利である。即時の使用のために、きっかりより少量の燃料を調製してもよい。UPWおよびMeOHたとえばNaOHの混合物は事前に調製することができる。
[40]上ではいくつかの例を示しているにすぎない。H2を生成するのに非常に好適な混合物は、混合物の58ないし72重量%の範囲、任意に62ないし69重量%の範囲の量のナトリウムボロハイドライドNaBH4、および混合物の3ないし7重量%の範囲、任意に4ないし6重量%の範囲の量のナトリウムヒドロキシドNaOHを有するようである。燃料混合物の残部は超純水である。一般的な金属ボロハイドライドについてこれをモルパーセンテージ(モル%)によって記述することができる。一般的に、H2を生成するのに非常に好適な混合物は、混合物の45ないし55モル%の範囲の量の金属ボロハイドライドのボロハイドライドBH4基、混合物の2ないし5モル%の範囲の量の金属ヒドロキシドのヒドロキシドOH基、および混合物の残部の少なくとも実質的にUPWを含む。
[41]燃料混合物のpH値を低下させるか、または燃料混合物を触媒上に通過させることによって、反応速度を促進させることができる。燃料混合物のpH値を上昇させることによって、反応を減速させることができる。
体積貯蔵
[42]図3は、Ying Wuによる結果(Hydrogen Storage via Sodium Borohydride, Current status, Barriers and R&D roadmap; Ying Wu; 14 April 2005; https://gcep.stanford.edu/pdfs/hydrogen_workshop/Wu.pdf)に従って様々な量の水素を貯蔵するのに様々なナトリウムボロハイドライド(SBH、NaBH4)濃度で必要とされるSBHの体積を示す。結果は、ナトリウムボロハイドライドについて重量貯蔵に対する体積比を示す。30重量%NaBH4混合物は約63gH2/リットルである。比較として、液体H2は約71gH2/リットルであり、圧縮されたH2は5,000psiおよび10,000psiの圧力でそれぞれ約23gH2/リットルおよび39gH2/リットルである。したがって33.3重量%のNaBH4混合物はH2の貯蔵量において液体H2とほぼ同等である。NaBH4燃料混合物の利点は、冷却する必要がなく、高い圧力を必要としないことである。以上は、次の反応における化学量論比を仮定している。
NaBO2は乾燥残渣であり、プロセス中に除去するのが難しいことを理解されたい。
促進剤
[43]金属ボロハイドライドの水との反応を促進する様々な促進剤を使用することができる。
促進触媒
[44]NaBH4を超純水(UPW)に溶解する場合、NaBH4を混入する前に、UPWを緩衝して塩基性の溶液を得る必要がある。NaBH4溶液を触媒上で循環させてNaBH4からH2を放出させる。このプロセスでNaBH4はH2の放出によりナトリウムボリックオキサイド(NaBxy)に変換される。好ましくは、白金、コバルト、ルテニウムまたはこれらの組合せを含む表面層で被覆された担体、たとえばAl23を有する触媒を使用する。
促進酸
[45]好ましくは、酸を使用してUPWとともに起こる加水分解反応を促進する(MFTH_110805_DPElectronicS;Phys.Chem.Chem.Phys.,2011,13,17077-17083)。ナトリウムがベース金属である場合、かなり安価で、効率的で広く使用されている酸であるため、塩酸(HCl)を使用することができる。UPWに溶解したHClはH+およびCl-イオンを与える。ボロハイドライドとの化学反応は次の通りでありうる。
BH4 -+H++3H2O→B(OH)3+4H2
化学量論比の場合、これは次のように読むことができるであろう。
2BH4 -+2H++3H2O→B23+8H2
これは、Na+およびCl-イオンを、溶液中に同量で残す。溶液中の残りのUPWは化学反応で放出される反応熱のため蒸発して、様々なボロンオキサイドとともにNaClを与えるであろう。
[46]何人かの科学者は(Progress in the catalysts for H2 generation from NaBH4 fuel; V.I. Simagina; https://www.google.nl/webhp?sourceid=chrome-instant&rlz=1C1CHWA_nlNL615NL615&ion=1&espv=2&ie=UTF-8#q=Progress+in+the+catalysts+for+H2+generation+from+NaBH4+fuel+V.I.+Simagina%2C+O.V.+Netskina%2C+O.V.+Komova+and+A.M.+Ozerova)、B26に変換されるBH3が生成しうることを示している。B26は水と反応してH2を放出してボロンアシッドを生成し、このことは反応において過剰量の水を使用する別の理由を与える。
[47]酸を使用する反応器中において混合物のpH値を中性にすることができ、その後酸を加えて反応時間をさらに短縮する。加えるべき酸の量は基本的に混合物中のMeOHの量に等しい。
酸および触媒の使用の比較
[48]酸の使用は利点としてかなり高い反応速度を与える一方で、不都合はプロセスに追加の要素を有すること、コストおよび重量の増大、ならびに材料のより困難な再使用である。触媒の使用はコストおよび重量を有利に節約する一方で、不都合はより遅い反応速度を有することである。触媒と酸の両方を使用することによって、より高い反応速度を有するという利点を、プロセスに追加の要素を有すること、コストおよび重量の増大、ならびに材料のより困難な再使用という不都合に対して釣り合わせることができる。
[49]得失をバランスさせながら、用途ごとに所望の選択がなされる。国際公開第2010/087698号に関しては、選択は貯蔵されるガスの量に影響がある。
反応生成物
[50]金属ボロハイドライドの反応からの反応生成物は、いわゆる使用済燃料をもたらす。多量のUPWの場合、次の反応生成物が存在する(Don Gervasio, Michael Xu and Evan Thomas; Arizona State University; Tempe, AZ; 26 July 2005; http://fsl.npre.illinois.edu/Project%20presentation/fuel%20cell%20project_files/July%20workshop%20presentations/uiuc-talk-25July2005.pdf)。
*アリゾナ州立大学のX線回折データは、NAB(OH)4が加水分解反応の副生物であることを示している(Don Gervasio, Michael Xu and Evan Thomas; Arizona State University; Tempe, AZ; 26 July 2005)
**Progress in the catalysts for H2 generation from NaBH4 fuel; V.I. Simagina (Hydrogen on Demand)。
反応プロセス
[51]最大の反応は、H2Oの金属ボロハイドライド(Me(BH4y)、たとえばNaBH4中のボロハイドライド基(BH4)に対する比が少なくとも5ないし2であるプロセスである。これは、オランダ特許出願第NL2015742号の優先権を主張する2016年3月6日に出願されたオランダ特許出願に記載されている。好ましくは、より多量の水を使用して反応後の混合物を液体状態に保つ。一例として1kgのH2をNaBH4において使用する。33.33重量%のNaBH4および5重量%のNaOHのありうるボロハイドライド燃料組成物は以下からなる。
・9.38kgのNaBH4(これは248.05モル)
・1.41kgのNaOH(これは35.19モル)
・17.36kgのUPW(これは936.69モル)
2O:NaBH4の比2:1については、17.36kgのUPWで十分である。H2O:NaBH4の比を5:1にするには22.34kgの量のUPWが必要である。こうした量を得るために、供給されたUPWは燃料電池から理論的に生成する水の70%、すなわち6.25kgで補充されるべきである。定置用途においては、これが問題を起こすことはない。
反応器
[52]水素ガスを生ずる金属ボロハイドライドの反応に様々な反応器の実施形態を使用することができる。金属ボロハイドライド燃料(MeBH4/MeOH/UPW混合物)は説明および図面中でH2FUELともいわれる。
反応器の実施形態1:促進酸を有する反応器の実施形態
[53]図4および7は、酸Ac、たとえばHClが供給される第1の典型的な反応の概略図を示す。酸を水とともに供給してもよい。燃料を、反応器Raにおいて、酸Ac、この例ではHCLを含む促進剤、およびUPWと混合する。速い応答を与える、1Cl+H++OH-;3H2Oに対するNax含有分子の最大の混合比は、低い全重量パーセンテージのH2を生成している。これは定置用途では不都合ではないが、コストを上昇させるであろう。混合物のpH値での半減時間に等しい応答を与える最小の混合比は、NaOH:HCL=1:1であり、少なくとも2.5H2Oを放出する。
[54]ある量の水を正確に投入させるためには、添加部分の水を燃料電池FCからの液体から取り戻す。混合を混合チャンバーで行い、適正な混合を得て、濃縮された場所で熱収率を得て、熱をより良好に排出できるようにする。熱は反応器において1kgH2当たり53.8MJの量で生成し、これは冷却流体によって排出される。排出された熱は別の用途で、または合成で使用することができる。ボロンオキサイドは他の反応生成物とともに使用済燃料混合物SF1として排出される。
[55]図4および7はある実施形態の酸反応器のプロセスの概略図を表す。図7は、酸/UPW混合物(酸AcとUPWの混合物)の原料10;乾燥MeBH4の原料20;MeOHの原料30;MeOH/UPW混合物の原料40;MeOHとUPWの混合物を与える第1の混合チャンバーM1;乾燥MeBH4およびMeOH/UPW混合物の別々の供給元からのMeBH4、MeOHおよびUPWの混合物を第2の混合チャンバーM2へ供給して、選択されたパーセンテージ(重量による)のMeBH4およびMeOHを有するMeBH4/MeOH/UPW燃料混合物を与える第2の混合チャンバーM2;H2ガスおよび使用済燃料SF1のためのそれぞれのバッファチャンバーを有する酸反応器チャンバーRa;使用済燃料SF1のための貯蔵タンク51;ならびに燃料電池FCを示す。あるいは、UPW、酸および金属ヒドロキシドの全て別々の原料を使用し、使用中に混合して所望の混合比に達するようにしてもよい。
[56]セミダイレクト用途においては、MeOH、UPWおよびMeBH4の混合を「ガス」(燃料供給)ステーションで行ってもよい。図4は、酸Ac、金属ボロハイドライド(この例ではNaBH4)、H2Oおよび金属ヒドロキシド(この例ではNaOH)を反応器Raに供給することを一般的に示し、これを必要に応じて反応プロセスに供することができる。酸を供給してH2生成プロセスを促進し加速することができ、金属ヒドロキシドを供給してプロセスを減速または停止することができる。また、望ましい他の反応生成物を生成するためにこれらを供給してもよい。図7の酸反応器プロセスの実施形態は、酸/UPW混合物をMeBH4/MeOH/UPW燃料混合物H2FUELと混合させる反応器チャンバーRaを備えている。得られる混合物を反応器チャンバー内で循環させる。MeBH4/MeOH/UPW燃料混合物のpH値は、酸/UPW混合物と混合することによって、たとえばpH=6−7のpH値に低下し、既に述べたように、H2を発生させる反応時間が適用可能な半減時間値に即して十分に速くなる。
[57]生成したH2を、O2とのH2Oへの反応による電気エネルギーの生成のために燃料電池FCに通す。燃料電池における化学反応の結果得られるH2Oは一般に超純水(UPW)として適格であり、第1の混合チャンバーM1に通して、選択したパーセンテージ(重量による)のMeOHを有するMeOH/UPW混合物を与える。生成したH2OがUPWでない場合、ろ過するか他の方法で処理してUPWにすることができる。燃料電池からのH2Oを使用することによって、UPWの別の貯蔵器を保持する必要はなく、これは重量、空間およびコストを節約する。
[58]使用済燃料SF1を、反応器チャンバーRaから、より大きいタンク50の一部でありうる使用済燃料貯蔵タンク51へ通す。使用済燃料をリサイクルすることができる。
反応器の実施形態2:促進触媒を有する反応器の実施形態
[59]図5および8は、促進剤として触媒を使用する第2の典型的な反応プロセスの概略図を示す。反応器は、実際の反応が起こる反応チャンバーRcを含んでいる。反応は、金属ボロハイドライドから水素ガスを放出する触媒上で起こる。反応速度を増大するためには、図1に従って燃料混合物H2FUELのpH値を下げることが好ましい。各々の成分を、それ自身の適切な仕方で放出する。したがって、酸Acの供給源を利用できる。
[60]H2FUELを循環させることによって反応チャンバー内の触媒上で連続した混合が起こる。使用済燃料SF2の受け入れチャンバーへの開放排出に対する圧力低下を測定し、動力供給し、モニターする。各々の部分がそれ自身の測定および制御を有していてもよい。国際公開第2010/087698号で検討されているように、水素ガスの排出を別のより高いレベルで行う。
[61]図8は、触媒反応器プロセスの実施形態の概略図を表す。図から明らかなように、触媒反応器のプロセスの実施形態は、図7の酸反応器プロセスの実施形態とかなりの数の要素を共有しており、その機能は同一である。触媒反応器のプロセスは触媒反応器チャンバーRcを含んでいる。MeBH4/MeOH/UPW燃料混合物H2FUELをミキサーM3において酸/UPW混合物とインラインで混合して、燃料混合物の所望のpH値、たとえば、pH=7−9、好ましくは7を得て、続いて触媒反応チャンバーRc中に供給する。また、MeOH/UPW混合物を(比較的遅い)触媒反応チャンバーRcへも供給し、追加の金属ヒドロキシドを加えることによって反応速度を減速させる。図8の触媒反応器のプロセスの実施形態は、たとえばコバルトを含む担体をベースとした触媒を有する触媒反応器チャンバーRcを備えている。MeBH4を含む燃料混合物を、たとえば燃料混合物を数回触媒上に通すことによって、十分な時間触媒上を循環させてH2を得るのがよい。燃料混合物のpH値を、たとえばpH=7に低下させることによって、合計のプロセス所要時間を短縮させる。酸型反応器からの使用済燃料と比較して、異なる組成の使用済燃料SF2が得られるであろう。触媒反応器Rcからの使用済燃料SF2を、より大きいタンク50の一部であってもよい使用済燃料貯蔵タンク52において収集する。
反応器の実施形態3:促進剤としての酸および触媒の組合せを有する反応器の実施形態
[62]図6および9は、上記反応器の実施形態1および2の組合せである、組合せすなわち二重型の反応器Rdの概略図を示す。第3の反応器のプロセスの実施形態は、実際にはそのまま示していないが、入口に2つの別々のミキサーを含んでいる。両方のミキサーの水素ガス出口は、1つの出口を有する共通のガス貯蔵器に排出する。両方のミキサーの使用済燃料を、各々がそれ自身の出口を備えた2つの別々の使用済燃料貯蔵器51、52、または1つの共通の使用済燃料貯蔵器50に流すことができる。
[63]図9は、2つの反応チャンバー、酸反応チャンバーおよび触媒反応チャンバーを有する二重反応器Rdを含む二重反応器タイプの概略図を表す。こうした二重反応器タイプは、酸反応器と比較して触媒反応器の遅い応答時間を補うように有利でありうる。図から明らかなように、二重反応器タイプの実施形態も、図7の酸反応器タイプの実施形態および図8の触媒反応器タイプの実施形態とかなりの数の要素を共有しており、その機能は既に記載したのと同一である。
[64]反応器Rcとたとえば燃料電池におけるその使用との間により大きいH2ガス貯蔵器を設けることによって、比較的遅い応答時間を補うことができる。図9に示したような二重反応器系Rdを使用することによっても、遅い応答を補うことができる。触媒反応器での触媒プロセスにおいて水素原子はH2Oに由来するヒドロキシドにより置き換えられ、燃料混合物のpH値の上昇を引き起こす。このことは、反応速度の半減時間値を増大させ(図1参照)、反応の減速をもたらす。さらに、H2OとMeBH4の反応のためにpH値が上昇し、約pH=7から約pH=11へのpH値の上昇をもたらすかもしれない。このように両方の機構が燃料混合物H2FUELのpH値を上昇させ、このため反応速度を減速させる。所望の反応速度を得るように、pH値をあるレベルまで再び低下させるために、ある量の酸を加えることによって、反応速度を一定のレベルに保つか、または所望の反応に制御することができる。たとえばpH=11からpH=9へのpH値の低下は、反応速度に対して既に大きい影響を有しているであろう。また、H2生成における急激な増大が必要とされる場合に、反応器の応答時間を増大させるために酸を使用してもよい。
[65]触媒および二重反応器タイプでは様々な触媒を使用することができる。いくつかの例は、インダンスレンゴールドオレンジ、ペリレンTCDA、ペリレンジイミド、Co粉末、インダンスレンイエロー、Znフタロシアニン、インダンスレンブラック、キナクリドン、ピラントレンジオン、イソビオラントロン、インジゴ、インダンスレン、Niフタロシアニン、触媒なし、Cuフタロシアニン、ジトリデシル−3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸ジイミド、ジメトキシビオラントロン、ポリ(メチルメタクリレート)、1,4−ジ−ケト−ピロロ(3,4−C)ピロール、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド、およびリン酸緩衝液pH11である。しかし、このリストは完全からほど遠い。
[66]二重反応器は水素ガスおよび使用済燃料のためのそれぞれの緩衝チャンバーを有していてもよい。二重反応器タイプの使用済燃料SF1、SF2のための貯蔵タンク50は、それぞれ酸および触媒反応からの使用済燃料を貯蔵するために別々のタンク51、52または共通のタンク50を有していてもよい。
[67]図10および11は、より一般化した反応器および反応物質の供給源を示す。反応器Rは酸型反応器Ra、触媒型反応器Rcまたは二重型反応器Rdでありうる。金属ボロハイドライド、図10の例ではNaBH4を、図10に示したようにそのまま供給してもよいが、図11にH2Fuelとして示したように混合物として供給してもよい。H2Fuelは金属ボロハイドライドの任意の適切な混合物、たとえばNaBH4/NaOH/H2O燃料混合物のような、金属ヒドロキシドで安定化した、金属ボロハイドライドとH2Oとの混合物でよい。また、図10および11において、酸ACおよび金属ヒドロキシドNaOHを、たとえばH2Oとの混合物として供給してもよい。
燃料混合物の調製
[68]図12は、金属ボロハイドライドからH2を生成する反応に影響を及ぼす様々なパラメーターの概説を示す。乾燥貯蔵のMeBH4は、それを湿気のない条件下で保持した場合、劣化を起こすことなく数年間乾燥形態で貯蔵できるので長期間にわたって好ましい。さらに、乾燥状態で、それを実使用のための場所に容易に供給することができる。実使用の場所で、燃料混合物を所望の要件に従って調製することができる。
[69]乾燥金属ボロハイドライドを出発点として、第1の工程は超純水UPWを金属ヒドロキシドと混合して、所望のpH値をもつ混合物を得ることであろう。水の純度レベルは、国際公開第2010/087698号に開示されているように、ハイドライド中の水素原子および水の水素原子の反応におけるH2の放出において重要な役割を果たす。混合物の所望のpH値は、とりわけ、所望の反応速度RRおよび反応時間、反応で使用する前の貯蔵時間、使用時および貯蔵における温度、および/または燃料混合物の定置またはモバイル用途に依存して選択される。金属ヒドロキシドは、溶液がいかなる粒子もフレークも含まないような仕方で、UPWに加えて混合する。金属ヒドロキシドの形態の選択はそのコストレベルにも依存するであろう。
[70]金属ヒドロキシドは、後の時点で混合物に加える金属ボロハイドライドのための安定剤として作用する。UPWに加える金属ヒドロキシドおよび金属ボロハイドライドの量は、燃料混合物の凝固点、したがって夏らしい、冬らしいまたは他の種類の条件下での使用の好適性を決定する。また、加える金属ボロハイドライドの量を、その溶解度Sに基づいて決定すべきである。
[71]適切な酸を加えることによってpH値(酸性度のレベル)を変化させることができる。HClは良好な選択であり得るが、任意の他の好適な酸を使用してもよい。燃料混合物の全ての構成成分を別々に貯蔵し、必要なときに別々の構成成分である金属ボロハイドライド、金属ヒドロキシド、酸およびUPWから燃料混合物を調製してもよい。触媒を使用する場合、好ましくは定常状態で酸を使用しない。というのは、これはコストを増加させ、触媒を劣化させることがあるからである。図12はさらに、反応器に影響をもつパラメーターを示す。反応が起こる反応器の温度TRは反応速度に関してその影響がある。温度Tも、pHレベルおよび溶解度Sに応じた反応についてのパラメーターとして示している。
[72]金属ボロハイドライドおよび金属ヒドロキシド中の金属Meは最も好ましくは同一の金属である。本説明は主にNaBH4、NaOHおよびNaClに言及する。しかし、Naを任意の他の金属で置き換えることができ、その金属は一般に本説明中の化学式においてMeとして言及されている。金属Meは、アルカリ金属、遷移金属、錯体金属などを含み、通常は金属といわれるあらゆる材料をいう。こうした金属のさらなる例は、たとえば、リチウム(Li)、カリウム(K)、マグネシウム(Mg)およびアルミニウム(Al)である。
実験
[73]以下、H2を生成するための燃料混合物の調製およびその燃料混合物からのH2の生成に関する実験および実験結果を検討する。使用した材料、反応構成、実験およびその結果の詳細を示す。
材料
[74]Pure Water Groupから入手した超純水(UPW)を除いて、化学薬品は全てSigma-Aldrichから購入した。次の化学薬品を使用して燃料および活性化剤溶液を調製した。
[75]30.837グラムのUPWをビーカーにとり、2.505グラムのNaOHを加え、得られた混合物を全てのNaOHペレットが完全に溶解するまで撹拌することによって、アルカリ性の溶液を調製した。
[76]濃塩酸を同量の超純水と混合することによって、活性化剤溶液を調製した。75.637グラムの濃塩酸を秤量してビーカーに入れた。75.633グラムのUPWを秤量して別の(異なる)ビーカーに入れ、塩酸をUPWに加えた。両方のビーカーを溶液でフラッシュして均一な溶液を確保した。
[77]3.331グラムのアルカリ性溶液を1.666グラムのナトリウムボロハイドライドと混合することによって、5グラムの燃料(燃料混合物または燃料溶液ともいう)を調製した。溶液中に固体が残らなくなるまで混合物を撹拌した。混合物の短い加熱(加熱プレート上で数秒)が固体の溶解に役立った。燃料溶液のpH値を測定したところ、pH=13.5であった。実験で使用したH2生成燃料の最終組成を以下に示す。
反応構成
[78]反応構成を図13ないし16に示す。反応器構成はテフロン(登録商標)インサート2を有するステンレス鋼反応器1(182.4±1.5mlの体積を有する)を含む。テフロン(登録商標)インサート2は実際の反応混合物の容器であり、各反応で新しいものに交換する。反応器の上に、圧力センサー3、それぞれ気相および液相用の温度センサー4、5(熱電対)、隔膜6ならびにバルブ7を備えている。センサー3、4および5をデータ収集コンピューターに接続した。
[79]使用した圧力センサーおよび温度センサーの仕様を以下に示す。
[80]センサーを校正し、校正ログを以下の表に示す。
[81]バルブ7を四方コネクター8に接続する。各々50mlの2つのガスクロマトグラフィー(GC)バイアル9、10をバイアルとコネクターの間のそれぞれのバルブにより四方コネクター8に接続する。さらに、反応器1へのガスおよび反応器1からのガスの添加および排出を可能にする別のバルブ11を四方コネクター8に接続する。
[82]実験を開始する前に、配管およびGCバイアルを真空にした。その中に燃料を含むインサートを反応器1に入れたら、配管および反応器に大気圧で窒素(純度N50グレード、Air Liquide)を充填した。交互に、3連続回のあいだ、窒素(5バール)を加え、真空を適用した後、窒素(5バール)で加圧し、最後に反応器内部の圧力が周囲の圧力と等しくなるまで排気バルブを開放することによって空気を除去した。反応構成が燃料を含有し、窒素で充填されたら、構成は、隔膜6を貫通して反応器1内部のインサート2の中に入るシリンジ12による活性化剤注入の準備ができている。
実験の実施
[83]オランダTNO研究所のプロトコル15EM/0678に従って2015年10月29日にH2生成実験を3回行った。燃料をインサート2に装入し、既に記載したように反応器1に窒素を充填する。活性化剤溶液を加えるために、以下の工程を実施した。最初に、清浄な使い捨てシリンジ12(体積2ml)に、使い捨てステンレス鋼針(内径0.9mm)を備え付けた。シリンジを活性化剤溶液でフラッシュし、シリンジまたは針の中に空気を残さないようにした。フラッシュしたシリンジの質量を測定した。残りをシリンジとともに秤量し、シリンジに所要量の活性化剤(活性化剤溶液または活性化剤混合物ともいう)を充填した。シリンジプラス活性化剤の質量を測定した。次に、隔膜6を通して注入することによって、シリンジまたは針にガスを入れることなく、シリンジから中味をゆっくり(20−40秒の過程で)テフロン(登録商標)インサート2中に出した。活性化剤の添加が完了したらシリンジを取り出して秤量した。加えた活性化剤の正確な量を、シリンジと活性化剤の合わせた質量から空にしたシリンジの重量を差し引くことによって決定した。実験で添加した燃料および活性化剤の正確な量を以下に示す。
[84]反応器内の圧力が安定だとみなしてから約30分後(通常、活性化剤の添加が完了してから約15分後)、GCバイアルを反応器からのガス混合物で充填した。実験YPEvG119は、データ収集ソフトウェアの不具合のため早期に停止した。活性化剤の添加の瞬間からの合計データ記録時間は1,610秒(26.7分)であった。実験は、反応器内の安定な圧力を示し、それゆえ実験は成功したとみなした。GCバイアルを、これらのバイアルを四方コネクターおよび反応器に接続するバルブを開くことによって充填した。バイアル内で維持した真空のため、それぞれのバルブを開いたとき、それらは急速に気相で充填された。充填したバイアルを5分間平衡化させた後、それぞれのバルブを閉じ、ガスクロマトグラフィー(GC)によって分析するためにバイアルを送った。
[85]GCバイアルを充填した後、反応器内の過剰の圧力を解放し、反応器を開いた。テフロン(登録商標)インサートを取り出した。インサート2内に残った固体を30℃の真空ストーブで乾燥した。
圧力および温度プロファイル
[86]実験YPEvG119、YPEvG120およびYPEvG121の圧力および温度プロファイルをそれぞれ図17ないし19に示す。反応は活性化剤溶液を加えたときに始まり、これは図17ないし19において、測定の開始後の時間(秒)とともに、Sによって示されている。これは、液体の温度(Tliq)における急速な上昇を伴い、75−77℃にピークをもつ。同時に、ガス圧力が急速な上昇を示し、ガスの生成を示していた。結果として生じた安定な圧力および対応する温度、ならびに開始圧力および温度を以下に示す。
[87]ガス温度(Tgas)の上昇は、反応器壁との相互作用による急速な冷却のため、はるかに著しくない。
ガスクロマトグラフィー(GC)の結果
[88]実験YPEvG−121について、ガスクロマトグラフィー(GC)分析のプロットを例として図21に示す。オランダTNO研究所のレポート15EM/0712に分析を報告している。以下の表は、図21のプロットの分析からの結果を示す。
[89]ガスクロマトグラフィー測定から誘導された水素(H2)および窒素(N2)濃度を以下の表に示す。
[90]構成を各々の試験の前に窒素でフラッシュするので、分析における他のガスは、ほとんど反応器内での反応から生じる。上記表からわかるように、GC測定ではほとんどもっぱら水素ガスおよび窒素ガスが検出された。少量の水および酸素も検出された。酸素および潜在的により少ない程度の水は、燃料と活性化剤溶液を混合する前に既に存在しており、したがって開始圧力に含まれている。
X線回折(XRD)の結果
[91]乾燥する前の反応残渣は灰色の固体である。真空中での乾燥後に白色の固体が得られる。実験YPEvG119から得られた固体を図20に示す。この実験YPEvG119からの白色残渣を、X線回折(XRD)を用いて分析した。
[92]実験による固体残渣をXRDによって定性的に評価した。XRDは結晶性化合物の同定に限定する。どのディフラクトグラムも大量の非晶質化合物を示していない。測定したXRDディフラクトグラムパターンを図22に示す。3つのライブラリーパターンが測定したパターンとよく重なることがわかった。これらのライブラリーパターンに対応する、同定した結晶性固体を以下の表に示す。
上の表の最初の欄の整数は図22において対応するパターンのピークを識別するのに使用している。したがって「2」によって識別されたピークはNaClに対応するパターンPDF00−005−0628に対応する。XRD分析の分析レポートも、オランダTNO研究所のレポート15EM/0712に報告している。
検討
[93]GCの結果は、全ての実験において、生成したガスがほとんど完全に水素ガスであることを示している。したがって、(低圧のために適用可能である、理想気体の法則を適用して)圧力上昇を、生成した水素ガスの絶対値を決定するために用いることができる。水素ガスのモル量、ならびに窒素ガスの出発モル量を計算する。両方をそれぞれの体積パーセンテージに変換し、GCの結果と比較する。これらの、水素および窒素の、計算したモル量および体積パーセンテージを下記表に示す。
[94]計算した体積パーセンテージの結果は、GC実験で測定された体積パーセンテージと一致している。水素に関するGC結果はより低い濃度の水素ガスを示している。したがって、圧力値から計算された水素量は最大値と見るべきであろう。
[95]下記表では、計算した水素量を、燃料中に使用したNaBH4の質量を用いて反応式に従ってナトリウムボロハイドライドから生成することができる水素の理論的な最大量と比較している(比を収率として割り当てている)。
NaBH+2HO → NaBO+4H
これは、ナトリウムボロハイドライドの分解反応の理想的な反応式である。(XRDの結果によっても示したように)実際の反応は異なりうる。しかし、理論的な最大値との比較のためには、これは適切な反応式である。また、下記表は、生成した水素ガスの質量と適用した燃料および活性化剤溶液の全質量との比(効率として割り当て)も示している。
[96]得られた収率は理論的な最大の100%に近い。実験YPEvG119は他の2つの実験より収率が低い。直接の理由はわからないが、いくらかのH2の漏れがありそうである。図14でもわかるように既にかなりの時間にわたって圧力が一定であった(反応が完了した)ので、これが短い測定時間に関連していることはありそうもない。
結論
[97]実験の目的は、活性化剤溶液と接触したときに燃料混合物H2燃料が水素ガスを生成するかどうかを確認することであった。
[98]GC分析は、主に水素ガスが生成することを示している。窒素および水素ガスが少量の酸素および水とともに検出されている。圧力上昇はH2生成に帰することができ、それにより生成したH2の量を定量するのに使用することができる。得られる値は最大値と見るべきである。
[99]活性化剤溶液との反応において、燃料は、理論的最大の平均96モル%で(NaBH4の仕様のために実際上の最大は98モル%であるが)、および混合した燃料および活性化剤溶液の全質量に関して2.5重量%の効率で、水素ガスを生成する。この場合、注入後に最短の可能な時間で最大の水素変換を得るために、酸および水に対して過量供給を与える。
[100]XRD分析は、反応後にナトリウムボロハイドライドも他の結晶性ボロハイドライドも残らないことを示している。検出されたミネラルは主に食塩およびナトリウムボレートであった。これは反応が完了に達したことを示している。

Claims (11)

  1. 2を生成するための混合物を得る方法であって、前記混合物は金属ボロハイドライド、Me(BH4n、金属ヒドロキシド、Me(OH)n、およびH2O(式中、Meは金属であり、nは金属イオンの価数である)を含み、H2Oは超純水UPWとして供給され、前記UPWは1μS/cm未満の電気コンダクタンスを有し、前記方法は、前記金属ボロハイドライドおよび前記金属ヒドロキシドをUPWに溶解させてH2を生成するための混合物を得ることを含み、前記混合物の45ないし55モル%の範囲の量の前記金属ボロハイドライドのボロハイドライドBH4基、前記混合物の2ないし5モル%の範囲の量の前記金属ヒドロキシドのヒドロキシドOH基、および前記混合物の残部の少なくとも実質的にUPWを含む、方法。
  2. 前記方法は、
    −ある量の金属ヒドロキシドをH2Oに溶解させて、H2Oに溶解した金属ヒドロキシドの予備混合物を得る工程と、
    −H2Oに溶解した金属ヒドロキシドの予備混合物に、ある量の金属ボロハイドライドを溶解させて、H2を生成するための混合物を得る工程と
    を含む、先行する請求項に記載の方法。
  3. 前記H2を生成するための混合物は、3ないし4モル%の範囲の量の前記金属ヒドロキシドのヒドロキシド基を含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  4. 前記H2を生成するための混合物は、48ないし53モル%の範囲の量の前記金属ボロハイドライドのボロハイドライド基を含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  5. 先行する請求項のいずれか1項に記載の方法を実施するためのキットであって、前記キットは金属ボロハイドライド、金属ヒドロキシドおよびUPWの少なくとも1つを含む、キット。
  6. 2を生成するための混合物であって、前記混合物は、H2Oに溶解した、金属ボロハイドライドMe(BH4n、および金属ヒドロキシドMe(OH)n(式中、Meは金属であり、nは金属イオンの価数である)を含み、H2Oは超純水UPWとして供給され、前記UPWは1μS/cm未満の電気コンダクタンスを有し、前記混合物は、前記混合物の45ないし55モル%の範囲、任意に48ないし53モル%の範囲の量の前記金属ボロハイドライドのボロハイドライドBH4基、前記混合物の2ないし5モル%の範囲、任意に3ないし4モル%の範囲の量の前記金属ヒドロキシドのヒドロキシドOH基、および前記混合物の残部の少なくとも実質的にUPWを含む、混合物。
  7. 前記混合物は、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法によって得られる、先行する請求項に記載の混合物。
  8. 前記UPWは、0.5μS/cm未満、任意に0.1μS/cm未満、任意に0.06μS/cm未満の電気コンダクタンスを有すること、およびエレクトロニクス・半導体グレード水ASTMタイプE−1グレード以上を有することの少なくとも1つを満たす、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法、キットまたは混合物。
  9. 前記金属Meは、リチウムLi、ナトリウムNa、およびカリウムKの少なくとも1種である、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法、キットまたは混合物。
  10. 前記金属MeはナトリウムNaであり、前記H2を生成するための混合物は、前記混合物の58ないし72重量%の範囲、任意に62ないし69重量%の範囲の量のナトリウムボロハイドライドNaBH4、および前記混合物の3ないし7重量%の範囲、任意に4ないし6重量%の範囲の量のナトリウムヒドロキシドNaOHを含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法、キットまたは混合物。
  11. 先行する請求項のいずれか1項に記載の方法を実施するための装置。
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