JP2019501878A - 白金抗がん剤 - Google Patents

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Abstract

本明細書では、とりわけ、がんを治療するのに有用な白金系化合物を開示する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2015年11月25日出願の米国仮出願番号62/259,842の利益を主張するものであり、その全体は、あらゆる目的において参照として本明細書に組み込まれる。
白金含有化合物は、様々な固形がんを単独でまたはその他薬剤と組み合わせて治療するために用いられる化学療法剤の主要なクラスを形成する。白金化合物は、DNAと結合してDNA複製を阻害し得る。これらの化合物は、がん細胞の殺傷において有効ではあるが、特異性を欠き正常な健常細胞を殺傷するため、治療量であったとしても患者に重度の毒性をもたらす。新規白金化合物の開発における主な目的は、腫瘍を選択的に標的とし健常細胞を避けることである。この目的のため、腫瘍内への白金の進入を促進させる一方で、がん細胞と比較して流入トランスポーターがより低レベルで発現する健常組織を避けることが大いに望まれている。更に、腫瘍細胞へと必須栄養素を届けるトランスポーターを標的とすることもまた大いに望まれ得る。腫瘍を殺傷するための複数の機構を有する最終構築分子もまた望まれ得る。葉酸は腫瘍細胞にとって不可欠であるため、葉酸を腫瘍細胞内へと届けるトランスポーターは、がん細胞増殖において重要となり得る。これらトランスポーターのうちの1種または複数種と相互作用する白金化合物を設計することによって、葉酸取り込み用のこれらトランスポーターを発現する腫瘍細胞の標的化が可能となり得る。これらリガンドが、DNAと複合体を形成してDNA複製を阻害し得る白金、及び、葉酸トランスポーター(細胞増殖に不可欠)などの葉酸経路においてタンパク質と相互作用し得る葉酸拮抗薬を含有しているため、これらリガンドは非常に効果的となり得る。葉酸拮抗薬部分が直接これらタンパク質を阻害することも可能であり、または、白金をタンパク質と接触させて白金付加物を形成させることも可能である。本明細書では、とりわけ、当該技術分野におけるこれら及びその他の課題に対する解決策を開示する。
[課題を解決するための手段]
一態様では、式、
Figure 2019501878
を有する化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
は独立して、水素、ハロゲン、−CY 、−CN、−OH、−NH、−COOH、−CONH、−NO、−SH、−SOH、−SOH、−SONH、−ONH、−NHC=(O)NHNH、−NHC=(O)NH、−NHSOH、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCY 、−OCHY 、−OCF、−SR、−OSO、−OSOH、−NHNH、−ONR、−NHC=(O)NR、−NR、−OC(O)R、−OC(O)NR、−OR、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、または、置換または非置換ヘテロアリールである。Rは独立して、ハロゲン、−CN、−OH、−NH、−COOH、−CONH、−NO、−SH、−SOH、−SOH、−SONH、−NHNH、−ONH、−NHC=(O)NHNH、−NHC=(O)NH、−NHSOH、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCY 、−OCHY 、−OCF、−CY 、−SO10、−SONR1112、−ONR1112、−NHC=(O)NR1112、−N(O)、−NR1112、−C(O)R13、−C(O)−OR13、−C(O)NR1112、−OR10、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、または、置換または非置換ヘテロアリールである。2個の隣接したR置換基は、任意選択的に結合して、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、または、置換または非置換ヘテロアリールを形成してもよい。Rは、非置換C−CアルキルまたはHである。R、R及びR32は独立して、ハロゲン、
Figure 2019501878
−OH、−NH、−NH、−OH、チオ硫酸、非置換アルキル(例えば、C−Cアルキル)、−N、−SCNまたは−CNである。R及びRは、任意選択的に結合して、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、または、置換または非置換ヘテロアリールを形成してもよい。R及びR32は、任意選択的に結合して、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、または、置換または非置換ヘテロアリールを形成してもよい。R及びR32は、任意選択的に結合して、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、または、置換または非置換ヘテロアリールを形成してもよい。R、R、R、R、R10、R11、R12及びR13は独立して、水素、ハロゲン、−CY 、−CN、−OH、−NH、−COOH、−CONH、−NO、−SH、−SOCl、−SOH、−SOH、−SONH、−NHNH、−ONH、−NHC=(O)NHNH、−NHC=(O)NH、−NHSOH、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCY 、−OCHY 、−CF、−OCF、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、または、置換または非置換ヘテロアリールである。同一の窒素原子に結合したR置換基及びR置換基は、任意選択的に結合して、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、または、置換または非置換ヘテロアリールを形成してもよく、同一の窒素原子に結合したR11置換基及びR12置換基は、任意選択的に結合して、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、または、置換または非置換ヘテロアリールを形成してもよい。記号zは、0〜4の整数である。記号uは独立して、1〜2の整数である。記号mは独立して、1〜2の整数である。記号qは独立して、0〜4の整数である。記号Y及びYは独立して、−Cl、−Br、−Iまたは−Fである。
第2の態様では、本明細書に記載の薬学的に許容される添加剤及び化合物、または、本明細書に記載の化合物の薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物を提供する。
一態様では、このような治療を必要とする患者のがんを治療するための方法を提供し、方法は、治療有効量の本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
更なる態様では、このような治療を必要とする患者のがんを治療するための方法を提供し、患者は、葉酸トランスポータータンパク質またはmRNAを発現するがん細胞を有し、方法は、治療有効量の本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
一態様では、このような治療を必要とする患者のがんを治療するための方法を提供し、患者は、有機アニオントランスポータータンパク質またはmRNAを発現するがん細胞を有し、方法は、治療有効量の本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
一態様では、細胞内におけるDNA複製を阻害する(例えば、DNAの架橋を生じさせることによる)ための方法を提供し、細胞は、葉酸トランスポータータンパク質またはmRNAを発現し、方法は、細胞を、有効量の本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩と接触させることを含む。
一態様では、細胞内におけるDNA複製を阻害する(例えば、DNAの架橋を生じさせることによる)ための方法を提供し、細胞は、有機アニオントランスポータータンパク質またはmRNAを発現し、方法は、細胞を、有効量の本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩と接触させることを含む。
更なる態様では、細胞内における細胞死を誘導するための方法を提供し、細胞は、葉酸トランスポータータンパク質またはmRNAを発現し、方法は、細胞を、有効量の本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩と接触させることを含む。
更なる態様では、細胞内における細胞死を誘導するための方法を提供し、細胞は、有機アニオントランスポータータンパク質またはmRNAを発現し、方法は、細胞を、有効量の本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩と接触させることを含む。
更なる態様では、細胞内における細胞死を誘導するための方法を提供し、細胞は、葉酸経路においてタンパク質を発現し、方法は、細胞を、有効量の本明細書に記載の化合物と接触させることを含む。
提案したSM−69の化学構造(R = CH)、白金−メトトレキサート複合体、[Pt(DMSO)メトトレキサート(Cl)]は、全ての立体異性体を包含するとみなされる。この構造は、白金錯体の脱離基上に、1個のジメチルスルホキシド(DMSO)配位子及び1個の塩素配位子を含む。メトトレキサートは、非脱離基の配位子である。SM−70(AT−70)の合成についても同様ではあるが、メトトレキサートの代わりにアミノプテリンを用いたため、R = Hである。メトトレキサート溶液にDMSOを加えない合成もまた行った。この合成の結果、生成物の構造は、配位子としてのDMSOを有さず、代わりに、白金錯体の脱離基上に2個の塩素配位子を有する。この生成物を、SM−69B(図1Bの式中、RはCH)またはSM−70B(図1Bの式中、RはH)と呼ぶ。 SM−69(AT−69)の細胞傷害性を減弱させるフォリン酸(1000μM)の効果を示す図である。 siRNAによるノックダウンの72時間後における、HEK293Tの増殖率(陰性対照、DHFR及びSLC19A1)を示す図である。SLC19A1の発現レベルを抑制することにより、SM−69(AT−69)の細胞傷害性が抑制される(三角)。DHFR(四角)(葉酸経路中のタンパク質)の発現レベルを抑制することにより、SM−69の細胞傷害性が亢進する。DHFRを阻害するSM−69の力価はメトトレキサートと比較してはるかに弱いが、この結果はメトトレキサートと類似している。 ICP質量分析計を用いて測定した、ゲノムDNAに結合したシスプラチン及びSM−69(AT−69)白金含有量を示す図である。メトトレキサート及び生理食塩水で治療したHEK293細胞は、シスプラチン及びSM−69(AT−69)と比較して、ゲノムDNAへの強い強度(結合)を示さなかった。 ゲノムDNAに結合したSM−69の白金含有量を示す図である。用量が多いほど、DNAに結合したSM−69の含有量が高い。 SM−69(AT−69)、SM−70(AT−70)及びシスプラチンの尾静脈注射後における血漿中の総白金濃度を示す図である。 SM−69(AT−69)、SM−70(AT−70)及びシスプラチンの尾静脈注射後における血漿中の総白金濃度を示す図である。SM−69 5mg/kg(5mpk)、及び、シスプラチン 2mg/kg(2mpk)は、等用量の総白金を含んでいる。等モル用量のSM−69(5mpk)及びシスプラチン(2mpk)において、SM−69は、より高い血漿中総白金濃度を示している。 24時間時点における単回投与の組織蓄積を示すヒストグラムである。図5Aは、Pt濃度(nmol/mg 組織)である。それぞれのヒストグラム群における試験濃度を、2.5mpkのAT−69(細かいチェック柄)、5mpkのAT−69(粗いチェック柄)、及び、2mpkのシスプラチン(水平なストライプ柄)とした。ビンは順に(左から右に)、肝臓、腎臓、骨髄、そして脳である。図5Bは、Pt分布(組織/血漿)である。それぞれのヒストグラム群における試験濃度を、2.5mpkのAT−69(細かいチェック柄)、5mpkのAT−69(粗いチェック柄)、及び、2mpkのシスプラチン(水平なストライプ柄)とした。ビンは順に(左から右に)、肝臓、腎臓、骨髄、そして脳である。図5Cは、Pt濃度(nmol/mg 組織)である。それぞれのヒストグラム群における試験濃度を、2.5mpkのAT−70(細かいチェック柄)、5mpkのAT−70(粗いチェック柄)、及び、2mpkのシスプラチン(水平なストライプ柄)とした。ビンは順に(左から右に)、肝臓、腎臓、そして骨髄である。図5Dは、Pt分布(組織/血漿)である。それぞれのヒストグラム群における試験濃度を、2.5mpkのAT−70(細かいチェック柄)、5mpkのAT−70(粗いチェック柄)、及び、2mpkのシスプラチン(水平なストライプ柄)とした。ビンは順に(左から右に)、肝臓、腎臓、そして骨髄である。 24時間時点における単回投与の組織蓄積を示すヒストグラムである。図5Aは、Pt濃度(nmol/mg 組織)である。それぞれのヒストグラム群における試験濃度を、2.5mpkのAT−69(細かいチェック柄)、5mpkのAT−69(粗いチェック柄)、及び、2mpkのシスプラチン(水平なストライプ柄)とした。ビンは順に(左から右に)、肝臓、腎臓、骨髄、そして脳である。図5Bは、Pt分布(組織/血漿)である。それぞれのヒストグラム群における試験濃度を、2.5mpkのAT−69(細かいチェック柄)、5mpkのAT−69(粗いチェック柄)、及び、2mpkのシスプラチン(水平なストライプ柄)とした。ビンは順に(左から右に)、肝臓、腎臓、骨髄、そして脳である。図5Cは、Pt濃度(nmol/mg 組織)である。それぞれのヒストグラム群における試験濃度を、2.5mpkのAT−70(細かいチェック柄)、5mpkのAT−70(粗いチェック柄)、及び、2mpkのシスプラチン(水平なストライプ柄)とした。ビンは順に(左から右に)、肝臓、腎臓、そして骨髄である。図5Dは、Pt分布(組織/血漿)である。それぞれのヒストグラム群における試験濃度を、2.5mpkのAT−70(細かいチェック柄)、5mpkのAT−70(粗いチェック柄)、及び、2mpkのシスプラチン(水平なストライプ柄)とした。ビンは順に(左から右に)、肝臓、腎臓、そして骨髄である。 24時間時点における単回投与の組織蓄積を示すヒストグラムである。図5Aは、Pt濃度(nmol/mg 組織)である。それぞれのヒストグラム群における試験濃度を、2.5mpkのAT−69(細かいチェック柄)、5mpkのAT−69(粗いチェック柄)、及び、2mpkのシスプラチン(水平なストライプ柄)とした。ビンは順に(左から右に)、肝臓、腎臓、骨髄、そして脳である。図5Bは、Pt分布(組織/血漿)である。それぞれのヒストグラム群における試験濃度を、2.5mpkのAT−69(細かいチェック柄)、5mpkのAT−69(粗いチェック柄)、及び、2mpkのシスプラチン(水平なストライプ柄)とした。ビンは順に(左から右に)、肝臓、腎臓、骨髄、そして脳である。図5Cは、Pt濃度(nmol/mg 組織)である。それぞれのヒストグラム群における試験濃度を、2.5mpkのAT−70(細かいチェック柄)、5mpkのAT−70(粗いチェック柄)、及び、2mpkのシスプラチン(水平なストライプ柄)とした。ビンは順に(左から右に)、肝臓、腎臓、そして骨髄である。図5Dは、Pt分布(組織/血漿)である。それぞれのヒストグラム群における試験濃度を、2.5mpkのAT−70(細かいチェック柄)、5mpkのAT−70(粗いチェック柄)、及び、2mpkのシスプラチン(水平なストライプ柄)とした。ビンは順に(左から右に)、肝臓、腎臓、そして骨髄である。 4週間にわたる週に1回の白金化合物を用いた治療後における、0日目を基準とした体重変化を示す図である。シスプラチン(5mpk)、SM−69(5mpk及び7.5mpk)、及び、AT−70(7.5mpk)を用いた治療後に、有意な体重低下(約30%の低下)が認められた。 図7Aは、異なる用量の白金剤を用いて4週間の治療を行った後のマウスにおける、血液尿素窒素(BUN)濃度を示す図である。5mg/kgのシスプラチンで治療したマウスでは、その他の群と比較してBUNに有意な上昇が認められた。図7Bは、異なる用量の白金剤を用いて4週間の治療を行った後のマウスにおける、血清クレアチニン濃度を示す図である。5mg/kgのシスプラチンで治療したマウスでは、その他の群と比較してクレアチニン濃度に有意な上昇が認められた。 生理食塩水、シスプラチン、SM−69(AT−69)及びSM−70(AT−70)で治療した、SKNDZ神経芽細胞腫(図8A)及びRMS13横紋筋肉腫(図8B)の異種移植片を有するマウスの腫瘍容積(治療群あたりN=10)を示す図である。0日目から開始し、マウスに、4週間にわたって週に1回尾静脈注射で5mg/kgを投与した。SM−69で治療したマウスの腫瘍容積に、大体20日目から、その他の群と比較して有意差が認められた。21日目に薬物を中止し、28日目にマウスを殺した。 高いSLC19A1(RFC)mRNA発現レベルが、53種のがん細胞株におけるSM−69の高い感受性と相関していることを示す図である。SLC19A1のmRNA発現レベルをCellMiner(商標) Build 1.0から入手し、GI50(50%だけ増殖を阻害するのに必要な濃度)をNCI Drug Therapeutic Programで測定した。発現レベルとGI50との間には有意な相関があり、SLC19A1(y軸)の高い発現レベルは低いGI50(x軸)と相関している(ピアソン係数、r=0.399、P値=0.0031)。 SLC19A1が媒介するSM69による3Hメトトレキサートの取り込みの阻害を示す図である。SM69のIC50は6.5μMであり、化合物がトランスポーターの強力な阻害剤であることを示していた。SM69は、DHFRをより少ない程度阻害する(25μMのSM69濃度では、わずか10%〜20%の酵素活性が阻害された)。SM69のLogIC50は、0.8121である。 AT−69及びAT−70は有意な体重低下を引き起こす。図11Aは、2.5mpkのAT−69(丸)、5mpkのAT−69(四角)、7.5mpkのAT−69(上向き三角)、及び、5mpkのシスプラチン(下向き三角)による、30日間にわたる体重(溶媒の%)を示す図である。図11Bは、2.5mpkのAT−70(丸)、5mpkのAT−70(四角)、7.5mpkのAT−70(上向き三角)、及び、5mpkのシスプラチン(下向き三角)による、30日間にわたる体重(溶媒の%)を示す図である。 AT−69及びAT−70の用量に依存する摂食量の変化。30日間にわたりマウスモデルの摂食量をモニターした。図12Aは、溶媒(丸)、2.5mpkのAT−69(四角)、5mpkのAT−69(上向き三角)、7.5mpkのAT−69(下向き三角)、及び、5mpkのシスプラチン(ダイヤモンド)による、経時的な累積摂食量(gm/マウス)を示す図である。図12Bは、溶媒(丸)、2.5mpkのAT−70(四角)、5mpkのAT−70(上向き三角)、7.5mpkのAT−70(下向き三角)、及び、5mpkのシスプラチン(ダイヤモンド)による、経時的な累積摂食量(gm/マウス)を示す図である。 AT−69及びAT−70により、SKNDZ異種移植モデルの生存率が有意に上昇することを示す図である。凡例:溶媒(実線)、5mpkのシスプラチン(点線)、5mpkのAT−69(等間隔の破線)、AT−70(長短交互の破線)。 AT−69及びAT−70により、RMS13異種移植モデルの生存率が有意に上昇することを示す図である。凡例:溶媒(実線)、5mpkのシスプラチン(点線)、5mpkのAT−69(等間隔の破線)、5mpkのAT−70(長短交互の破線)。 図15Aは、EV及びSLC19A1を一時的にトランスフェクションしたHeLa R1−11細胞における、SM−69の細胞傷害性を示す図である(IC50値は、HeLa R1−11(EV)で0.9695、HeLa R1−11(SLC19A1)で0.0284と記録されている)。図15Bは、EV及びSLC46A1を一時的にトランスフェクションしたHeLa R1−11細胞における、SM−69の細胞傷害性を示す図である(IC50値は、HeLa R1−11(EV)で1.095、HeLa R1−11(SLC46A1)で0.1594と記録されている)。図15Cは、EV及びSLC19A1を一時的にトランスフェクションしたHeLa R1−11細胞における、SM−69Bの細胞傷害性を示す図である(IC50値は、HeLa R1−11(EV)で2.989、HeLa R1−11(SLC19A1)で0.1094と記録されている)。図15Dは、EV及びSLC46A1を一時的にトランスフェクションしたHeLa R1−11細胞における、SM−69Bの細胞傷害性を示す図である(IC50値は、HeLa R1−11(EV)で3.373、HeLa R1−11(SLC46A1)で0.7024と記録されている)。 図15Aは、EV及びSLC19A1を一時的にトランスフェクションしたHeLa R1−11細胞における、SM−69の細胞傷害性を示す図である(IC50値は、HeLa R1−11(EV)で0.9695、HeLa R1−11(SLC19A1)で0.0284と記録されている)。図15Bは、EV及びSLC46A1を一時的にトランスフェクションしたHeLa R1−11細胞における、SM−69の細胞傷害性を示す図である(IC50値は、HeLa R1−11(EV)で1.095、HeLa R1−11(SLC46A1)で0.1594と記録されている)。図15Cは、EV及びSLC19A1を一時的にトランスフェクションしたHeLa R1−11細胞における、SM−69Bの細胞傷害性を示す図である(IC50値は、HeLa R1−11(EV)で2.989、HeLa R1−11(SLC19A1)で0.1094と記録されている)。図15Dは、EV及びSLC46A1を一時的にトランスフェクションしたHeLa R1−11細胞における、SM−69Bの細胞傷害性を示す図である(IC50値は、HeLa R1−11(EV)で3.373、HeLa R1−11(SLC46A1)で0.7024と記録されている)。
がん細胞内においてトランスポーターと相互作用する配位子と錯体を形成する白金類似体について、本明細書に記載する。類似体は、葉酸(葉酸塩など)のトランスポーター及び様々な有機アニオントランスポーターを含む葉酸経路において、タンパク質と相互作用する配位子を含む。実施形態では、トランスポーターは葉酸トランスポーターである。実施形態では、トランスポーターは有機アニオントランスポーターである。白金類似体の力価は、葉酸トランスポーター(例えば、SLC19A1)の発現レベルと相関しており、様々ながん細胞株(例えば、神経芽細胞腫、骨肉腫、横紋筋肉腫、卵巣がん、前立腺がん及び膵臓がん)において、シスプラチンよりも強い。理論または機序(例えば、方法または使用における化合物の作用機序)に束縛されるものではないが、とりわけ、疾患を治療するための化合物及びその化合物の使用方法について、本明細書に記載する。
I.定義
本明細書で使用する略語は、化学分野及び生物学分野におけるその通常の意味を有する。本明細書中に記載する化学構造及び式は、化学分野において周知の化学原子価の標準的な法則に従い構築する。
通常の化学式を用いて置換基を左から右へと記載して明記する場合、それらの式は同様に、構造を右から左へと記載することにより得られる化学的に同一な置換基を包含する(例えば、−CHO−は−OCH−と同等である)。
用語「アルキル」(それ自体または別の置換基の一部)とは、特に明記しない限り、直鎖(すなわち、非分枝鎖)または分枝鎖の非環式炭素鎖(または炭素)またはこれらの組み合わせのことを意味し、完全飽和、一価不飽和または多価不飽和であってもよく、また、指定の炭素原子数(すなわち、C−C10とは、1〜10個の炭素の意味)を有する二価ラジカルまたは多価ラジカルを含んでいてもよい。飽和炭化水素ラジカルの例としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、(シクロヘキシル)メチル、例えば、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチルなどの相同体及び異性体などの基が挙げられるがこれらに限定されない。不飽和アルキル基とは、1つまたは複数の二重結合または三重結合を有する基のことである。不飽和アルキル基の例としては、ビニル、2−プロペニル、クロチル、2−イソペンテニル、2−(ブタジエニル)、2,4−ペンタジエニル、3−(1,4−ペンタジエニル)、エチニル、1−及び3−プロピニル、3−ブチニル、ならびに、炭素数の多い相同体及び異性体が挙げられるがこれらに限定されない。アルコキシとは、酸素リンカー(−O−)を介して分子の残部と結合したアルキルのことである。アルキル部分はアルケニル部分であってもよい。アルキル部分はアルキニル部分であってもよい。アルキル部分は完全飽和であってもよい。アルケニルは、1つまたは複数の二重結合に加えて、2つ以上の二重結合及び/または1つまたは複数の三重結合を含んでいてもよい。アルキニルは、1つまたは複数の三重結合に加えて、2つ以上の三重結合及び/または1つまたは複数の二重結合を含んでいてもよい。
用語「アルキレン」(それ自体または別の置換基の一部)とは、特に明記しない限り、アルキルから誘導した二価ラジカルのことを意味し、限定するわけではないが例えば、−CHCHCHCH−が挙げられる。通常、アルキル(またはアルキレン)基は1〜24個の炭素原子を有しており、本発明においては、10個以下の炭素原子を有するアルキル(またはアルキレン)基が好ましい。「低級アルキル」または「低級アルキレン」とは、通常は8個以下の炭素原子を有する短鎖のアルキル基またはアルキレン基のことである。用語「アルケニレン」(それ自体または別の置換基の一部)とは、特に明記しない限り、アルケンから誘導した二価ラジカルのことを意味する。
用語「ヘテロアルキル」(それ自体または別の用語と組み合わせる場合)とは、特に明記しない限り、少なくとも1個の炭素原子及び少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、O、N、P、Si及びS)を含む、安定した直鎖もしくは分枝鎖の非環式鎖またはこれらの組み合わせのことを意味し、窒素原子及び硫黄原子は任意選択的に酸化されてもよく、また窒素ヘテロ原子は任意選択的に四級化されてもよい。ヘテロ原子(複数可)(例えば、O、N、P、S及びSi)は、ヘテロアルキル基内側の任意の位置に配置されてもよく、または、アルキル基が分子の残部と結合する位置に配置されてもよい。例としては、−CH−CH−O−CH、−CH−CH−NH−CH、−CH−CH−N(CH)−CH、−CH−S−CH−CH、−CH−CH、−S(O)−CH、−CH−CH−S(O)−CH、−CH=CH−O−CH、−Si(CH、−CH−CH=N−OCH、−CH=CH−N(CH)−CH、−O−CH、−O−CH−CH及び−CNが挙げられるがこれらに限定されない。最大2個または3個のヘテロ原子が連続してもよく、例えば、−CH−NH−OCH及び−CH−O−Si(CHなどである。ヘテロアルキル部分は、1個のヘテロ原子(例えば、O、N、S、SiまたはP)を含んでいてもよい。ヘテロアルキル部分は、任意選択的に異なる2個のヘテロ原子(例えば、O、N、S、SiまたはP)を含んでいてもよい。ヘテロアルキル部分は、任意選択的に異なる3個のヘテロ原子(例えば、O、N、S、SiまたはP)を含んでいてもよい。ヘテロアルキル部分は、任意選択的に異なる4個のヘテロ原子(例えば、O、N、S、SiまたはP)を含んでいてもよい。ヘテロアルキル部分は、任意選択的に異なる5個のヘテロ原子(例えば、O、N、S、SiまたはP)を含んでいてもよい。ヘテロアルキル部分は、任意選択的に異なる最大8個のヘテロ原子(例えば、O、N、S、SiまたはP)を含んでいてもよい。用語「ヘテロアルケニル」(それ自体または別の用語と組み合わせる場合)とは、特に明記しない限り、少なくとも1つの二重結合を含むヘテロアルキルのことを意味する。ヘテロアルケニルは、1つまたは複数の二重結合に加えて、2つ以上の二重結合及び/または1つまたは複数の三重結合を任意選択的に含んでいてもよい。用語「ヘテロアルキニル」(それ自体または別の用語と組み合わせる場合)とは、特に明記しない限り、少なくとも1つの三重結合を含むヘテロアルキルのことを意味する。ヘテロアルキニルは、1つまたは複数の三重結合に加えて、2つ以上の三重結合及び/または1つまたは複数の二重結合を任意選択的に含んでいてもよい。
同様に、用語「ヘテロアルキレン」(それ自体または別の置換基の一部)とは、特に明記しない限り、ヘテロアルキルから誘導した二価ラジカルのことを意味し、限定するわけではないが例えば、−CH−CH−S−CH−CH−及び−CH−S−CH−CH−NH−CH−が挙げられる。ヘテロアルキレン基において、ヘテロ原子はまた、分子鎖末端の一方またはその両方に存在していてもよい(例えば、アルキレンオキシ、アルキレンジオキシ、アルキレンアミノ、アルキレンジアミノなど)。また更に、アルキレン及びヘテロアルキレン連結基において、連結基の式を記載する方向は、連結基の向きを意味するものではない。例えば、式−C(O)R’−は、−C(O)R’−及び−R’C(O)−の両方を表す。上記のとおり、本明細書で使用する場合、ヘテロアルキル基としては、−C(O)R’、−C(O)NR’、−NR’R’’、−OR’、−SR’及び/または−SOR’などのヘテロ原子を介して分子の残部に結合するような基が挙げられる。「ヘテロアルキル」と記載した後、特定のヘテロアルキル基、例えば、−NR’R’’などを列挙する場合、用語ヘテロアルキル及び−NR’R’’は、重複または相互排他的ではないということを理解されたい。むしろ、特定のヘテロアルキル基は、明確性を増すために列挙される。したがって、本明細書において、用語「ヘテロアルキル」は、特定のヘテロアルキル基、例えば、−NR’R’’などを除外すると解釈されるべきではない。
用語「シクロアルキル」及び「ヘテロシクロアルキル」(それら自体または別の用語と組み合わせる場合)とは、特に明記しない限り、「アルキル」及び「ヘテロアルキル」の非芳香族環式タイプのことをそれぞれ意味し、1つの環または複数の環を構成する炭素は、全ての炭素の原子価が非水素原子との結合に関わることによって、必ずしも水素と結合する必要はない。加えて、ヘテロシクロアルキルにおいて、ヘテロ原子は、複素環が分子の残部と結合している位置に存在していてもよい。シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−シクロヘキセニル、3−シクロヘキセニル、シクロヘプチル、3−ヒドロキシ−シクロブタ−3−エニル−1,2−ジオン、1H−1,2,4−トリアゾリル−5(4H)−オン、4H−1,2,4−トリアゾリルなどが挙げられるがこれらに限定されない。ヘテロシクロアルキルの例としては、1−(1,2,5,6−テトラヒドロピリジル)、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−モルホリニル、3−モルホリニル、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、テトラヒドロチエン−2−イル、テトラヒドロチエン−3−イル、1−ピペラジニル、2−ピペラジニルなどが挙げられるがこれらに限定されない。「シクロアルキレン」及び「ヘテロシクロアルキレン」(単独または別の置換基の一部)とは、それぞれシクロアルキル及びヘテロシクロアルキルから誘導した二価ラジカルのことを意味する。ヘテロシクロアルキル部分は、1個の環ヘテロ原子(例えば、O、N、S、SiまたはP)を含んでいてもよい。ヘテロシクロアルキル部分は、任意選択的に異なる2個の環ヘテロ原子(例えば、O、N、S、SiまたはP)を含んでいてもよい。ヘテロシクロアルキル部分は、任意選択的に異なる3個の環ヘテロ原子(例えば、O、N、S、SiまたはP)を含んでいてもよい。ヘテロシクロアルキル部分は、任意選択的に異なる4個の環ヘテロ原子(例えば、O、N、S、SiまたはP)を含んでいてもよい。ヘテロシクロアルキル部分は、任意選択的に異なる5個の環ヘテロ原子(例えば、O、N、S、SiまたはP)を含んでいてもよい。ヘテロシクロアルキル部分は、任意選択的に異なる最大8個の環ヘテロ原子(例えば、O、N、S、SiまたはP)を含んでいてもよい。
用語「ハロ」または「ハロゲン」(それら自体または別の置換基の一部)とは、特に明記しない限り、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子のことを意味する。加えて、「ハロアルキル」などの用語は、モノハロアルキル及びポリハロアルキルを含むことを意味する。例えば、用語「ハロ(C−C)アルキル」としては、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、4−クロロブチル、3−ブロモプロピルなどが挙げられるがこれらに限定されない。
用語「アシル」とは、特に明記しない限り、−C(O)Rのことを意味し、式中、Rは、置換または非置換アルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、または、置換または非置換ヘテロアリールである。
用語「アリール」とは、特に明記しない限り、多価不飽和芳香族炭化水素置換基のことを意味し、単一の環、または、互いに縮合した(すなわち、縮合環アリール)または共有結合した複数の環(好ましくは、1〜3つの環)であってもよい。縮合環アリールとは、縮合環のうち少なくとも1つがアリール環である、互いに縮合した複数の環のことを意味する。用語「ヘテロアリール」とは、少なくとも1個のヘテロ原子(N、OまたはSなど)を含有するアリール基(または環)のことを意味し、窒素原子及び硫黄原子は任意選択的に酸化され、窒素原子(複数可)は任意選択的に四級化される。したがって、用語「ヘテロアリール」は、縮合環ヘテロアリール基(すなわち、縮合環のうち少なくとも1つが芳香族複素環である、互いに縮合した複数の環)を含む。5,6−縮合環ヘテロアリーレンとは、一方の環が5員環であり、もう一方の環が6員環であり、また少なくとも一方の環がヘテロアリール環である、互いに縮合した2つの環のことを意味する。同様に、6,6−縮合環ヘテロアリーレンとは、一方の環が6員環であり、もう一方の環が6員環であり、また少なくとも一方の環がヘテロアリール環である、互いに縮合した2つの環のことを意味する。6,5−縮合環ヘテロアリーレンとは、一方の環が6員環であり、もう一方の環が5員環であり、また少なくとも一方の環がヘテロアリール環である、互いに縮合した2つの環のことを意味する。炭素またはヘテロ原子を介して、ヘテロアリール基を分子の残部と結合してもよい。アリール基及びヘテロアリール基の非限定例としては、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、4−ビフェニル、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、3−ピラゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、ピラジニル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、2−フェニル−4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、3−イソキサゾリル、4−イソキサゾリル、5−イソキサゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、2−フリル、3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジル、4−ピリミジル、5−ベンゾチアゾリル、プリニル、2−ベンズイミダゾリル、5−インドリル、1−イソキノリル、5−イソキノリル、2−キノキサリニル、5−キノキサリニル、3−キノリル及び6−キノリルが挙げられる。上に記載したアリール環系及びヘテロアリール環系それぞれにおける置換基は、以下に記載する、条件に合う置換基の群から選択される。「アリーレン」及び「ヘテロアリーレン」(単独または別の置換基の一部)とは、それぞれアリール及びヘテロアリールから誘導した二価ラジカルのことを意味する。アリール基及びヘテロアリール基の非限定例としては、ピリジニル、ピリミジニル、チオフェニル、チエニル、フラニル、インドリル、ベンゾキサジアゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキサニル、チアナフタニル、ピロロピリジニル、インダゾリル、キノリニル、キノキサリニル、ピリドピラジニル、キナゾリノニル、ベンゾイソキサゾリル、イミダゾピリジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾチオフェニル、フェニル、ナフチル、ビフェニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピラジニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、フリルチエニル、ピリジル、ピリミジル、ベンゾチアゾリル、プリニル、ベンズイミダゾリル、イソキノリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、ピロリル、ジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ベンゾチアジアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾロピリミジニル、ピロロピリミジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンズオキサゾリル、または、キノリルが挙げられる。上記の例は置換または非置換であってもよく、上記例それぞれのヘテロアリールの二価ラジカルは、ヘテロアリーレンの非限定例である。ヘテロアリール部分は、1個の環ヘテロ原子(例えば、O、NまたはS)を含んでいてもよい。ヘテロアリール部分は、任意選択的に異なる2個の環ヘテロ原子(例えば、O、NまたはS)を含んでいてもよい。ヘテロアリール部分は、任意選択的に異なる3個の環ヘテロ原子(例えば、O、NまたはS)を含んでいてもよい。ヘテロアリール部分は、任意選択的に異なる4個の環ヘテロ原子(例えば、O、NまたはS)を含んでいてもよい。ヘテロアリール部分は、任意選択的に異なる5個の環ヘテロ原子(例えば、O、NまたはS)を含んでいてもよい。アリール部分は単一の環を有していてもよい。アリール部分は、任意選択的に異なる2つの環を有していてもよい。アリール部分は、任意選択的に異なる3つの環を有していてもよい。アリール部分は、任意選択的に異なる4つの環を有していてもよい。ヘテロアリール部分は1つの環を有していてもよい。ヘテロアリール部分は、任意選択的に異なる2つの環を有していてもよい。ヘテロアリール部分は、任意選択的に異なる3つの環を有していてもよい。ヘテロアリール部分は、任意選択的に異なる4つの環を有していてもよい。ヘテロアリール部分は、任意選択的に異なる5つの環を有していてもよい。
縮合環ヘテロシクロアルキル−アリールは、ヘテロシクロアルキルに縮合したアリールである。縮合環ヘテロシクロアルキル−ヘテロアリールは、ヘテロシクロアルキルに縮合したヘテロアリールである。縮合環ヘテロシクロアルキル−シクロアルキルは、シクロアルキルに縮合したヘテロシクロアルキルである。縮合環ヘテロシクロアルキル−ヘテロシクロアルキルは、別のヘテロシクロアルキルに縮合したヘテロシクロアルキルである。縮合環ヘテロシクロアルキル−アリール、縮合環ヘテロシクロアルキル−ヘテロアリール、縮合環ヘテロシクロアルキル−シクロアルキル、または、縮合環ヘテロシクロアルキル−ヘテロシクロアルキルは、それぞれ独立して、本明細書に記載する1個または複数個の置換基で非置換または置換されてもよい。
本明細書で使用する場合、用語「オキソ」とは、炭素原子と二重結合した酸素のことを意味する。
本明細書で使用する場合、用語「アルキルスルホニル」とは、式、−S(O)−R’を有する部分のことを意味し、式中、R’は、上で定義した置換または非置換アルキル基である。R’は、特定の数の炭素を有していてもよい(例えば、「C−Cアルキルスルホニル」)。
上記用語(例えば、「アルキル」、「ヘテロアルキル」、「シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」及び「ヘテロアリール」)のそれぞれは、示すラジカルの置換形態及び非置換形態の両方を含む。それぞれのタイプのラジカルにおける好ましい置換基については、以下で提供する。
アルキルラジカル及びヘテロアルキルラジカルの置換基(多くの場合アルキレン、アルケニル、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル及びヘテロシクロアルケニルと呼ばれる基を含む)は、限定するわけではないが、0〜(2m’+1)の範囲の数の(m’は、このようなラジカル中の炭素原子総数)−OR’、=O、=NR’、=N−OR’、−NR’R’’、−SR’、−ハロゲン、−SiR’R’’R’’’、−OC(O)R’、−C(O)R’、−COR’、−CONR’R’’、−OC(O)NR’R’’、−NR’’C(O)R’、−NR’−C(O)NR’’R’’’、−NR’’C(O)R’、−NR−C(NR’R’’R’’’)=NR’’’’、−NR−C(NR’R’’)=NR’’’、−S(O)R’、−S(O)R’、−S(O)NR’R’’、−NRSOR’、−NR’NR’’R’’’、−ONR’R’’、−NR’C=(O)NR’’NR’’’R’’’’、−CN、−NOから選択される様々な基のうちの1個または複数個であってもよい。R、R’、R’’、R’’’及びR’’’’のそれぞれは、好ましくは独立して、水素、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール(例えば、1〜3個のハロゲンで置換されたアリール)、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換アルキル、アルコキシ基またはチオアルコキシ基、または、アリールアルキル基のことを意味する。例えば、本発明の化合物が2個以上のR基を含むとき、これら基のうち2個以上が存在する場合、R基のそれぞれは独立して、それぞれR’、R’’、R’’’及びR’’’’基として選択される。R’及びR’’が同一の窒素原子に結合するとき、それらは、窒素原子と化合して、4、5、6または7員環を形成してもよい。例えば、−NR’R’’としては、1−ピロリジニル及び4−モルホリニルが挙げられるがこれらに限定されない。上の置換基に関する説明から、用語「アルキル」は、水素基以外の基、例えば、ハロアルキル(例えば、−CF及び−CHCF)及びアシル(例えば、−C(O)CH、−C(O)CF、−C(O)CHOCHなど)に結合した、炭素原子を含む基を包含することを意味することを当業者は理解するであろう。
アルキルラジカルについて記載した置換基と同様に、アリール基及びヘテロアリール基の置換基も様々であり、例えば、0〜芳香族環系の開殻原子価の総数の範囲の数の−OR’、−NR’R’’、−SR’、−ハロゲン、−SiR’R’’R’’’、−OC(O)R’、−C(O)R’、−COR’、−CONR’R’’、−OC(O)NR’R’’、−NR’’C(O)R’、−NR’−C(O)NR’’R’’’、−NR’’C(O)R’、−NR−C(NR’R’’R’’’)=NR’’’’、−NR−C(NR’R’’)=NR’’’、−S(O)R’、−S(O)R’、−S(O)NR’R’’、−NRSOR’、−NR’NR’’R’’’、−ONR’R’’、−NR’C=(O)NR’’NR’’’R’’’’、−CN、−NO、−R’、−N、−CH(Ph)、フルオロ(C−C)アルコキシ及びフルオロ(C−C)アルキルから選択され、式中、R’、R’’、R’’’及びR’’’’は、好ましくは独立して、水素、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、及び、置換または非置換ヘテロアリールから選択される。例えば、本発明の化合物が2個以上のR基を含むとき、これら基のうち2個以上が存在する場合、R基のそれぞれは独立して、それぞれR’、R’’、R’’’及びR’’’’基として選択される。
2個またはそれ以上の置換基を任意選択的に結合させて、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基またはヘテロシクロアルキル基を形成してもよい。このようないわゆる環形成置換基は、必ずとゆうわけではないが通常、環状基礎構造と結合するようである。一実施形態では、環形成置換基は、基礎構造の隣接要素と結合する。例えば、環状基礎構造の隣接要素と結合した2個の環形成置換基は、縮合環構造を形成する。別の実施形態では、環形成置換基は、基礎構造の単一の要素と結合する。例えば、環状基礎構造の単一の要素と結合した2個の環形成置換基は、スピロ環構造を形成する。更に別の実施形態では、環形成置換基は、基礎構造の非隣接要素と結合する。
アリール環またはヘテロアリール環の隣接原子上における置換基のうちの2個は、任意選択的に、式、−T−C(O)−(CRR’)−U−の環を形成してもよく、式中、T及びUは独立して、−NR−、−O−、−CRR’−または単結合であり、qは、0〜3の整数である。あるいは、アリール環またはヘテロアリール環の隣接原子上における置換基のうちの2個は、任意選択的に、式、−A−(CH−B−の置換基で置換されてもよく、式中、A及びBは独立して、−CRR’−、−O−、−NR−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)NR’−または単結合であり、rは、1〜4の整数である。そのように形成された新しい環における単結合のうちの1つは、任意選択的に、二重結合で置換されてもよい。あるいは、アリール環またはヘテロアリール環の隣接原子上における置換基のうちの2個は、任意選択的に、式、−(CRR’)−X’−(C’’R’’R’’’)−の置換基で置換されてもよく、式中、s及びdは独立して、0〜3の整数であり、X’は、−O−、−NR’−、−S−、−S(O)−、−S(O)−または−S(O)NR’−である。置換基R、R’、R’’ 及びR’’’は、好ましくは独立して、水素、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、及び、置換または非置換ヘテロアリールから選択される。
本明細書で使用する場合、用語「ヘテロ原子」または「環ヘテロ原子」とは、酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)、リン(P)及びケイ素(Si)を含むことを意味する。
本明細書で使用する場合、「置換基」とは、以下の部分から選択される基のことを意味する。
(A)オキソ、ハロゲン、−CF−、−CN、−OH、−NH、−COOH、−CONH、−NO、−SH、−SOH、−SOH、−SONH、−NHNH、−ONH、−NHC=(O)NHNH、−NHC=(O)NH、−NHSOH、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCF、−OCHF、非置換アルキル、非置換ヘテロアルキル、非置換シクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル、非置換アリール、非置換ヘテロアリール、ならびに、
(B)
(i)オキソ、ハロゲン、−CF−、−CN、−OH、−NH、−COOH、−CONH、−NO、−SH、−SOH、−SOH、−SONH、−NHNH、−ONH、−NHC=(O)NHNH、−NHC=(O)NH、−NHSOH、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCF、−OCHF、非置換アルキル、非置換ヘテロアルキル、非置換シクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル、非置換アリール、非置換ヘテロアリール、及び、
(ii)
(a)オキソ、ハロゲン、−CF−、−CN、−OH、−NH、−COOH、−CONH、−NO、−SH、−SOH、−SOH、−SONH、−NHNH、−ONH、−NHC=(O)NHNH、−NHC=(O)NH、−NHSOH、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCF、−OCHF、非置換アルキル、非置換ヘテロアルキル、非置換シクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル、非置換アリール、非置換ヘテロアリール、及び、
(b)オキソ、ハロゲン、−CF−、−CN、−OH、−NH、−COOH、−CONH、−NO、−SH、−SOH、−SOH、−SONH、−NHNH、−ONH、−NHC=(O)NHNH、−NHC=(O)NH、−NHSOH、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCF、−OCHF、非置換アルキル、非置換ヘテロアルキル、非置換シクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル、非置換アリール、非置換ヘテロアリールから選択される少なくとも1個または複数個の置換基で独立して置換されたアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、
から選択される少なくとも1個または複数個の置換基で独立して置換されたアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、
から選択される少なくとも1個の置換基で置換されたアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール。
本明細書で使用する場合、「サイズ限定置換基(substituent)」または「サイズ限定置換基(substituent group)」とは、「置換基」について上記した置換基のうち全てから選択される基のことを意味し、それぞれの置換または非置換アルキルは置換または非置換C−C20アルキルであり、それぞれの置換または非置換ヘテロアルキルは置換または非置換2〜20員環ヘテロアルキルであり、それぞれの置換または非置換シクロアルキルは置換または非置換C−Cシクロアルキルであり、それぞれの置換または非置換ヘテロシクロアルキルは置換または非置換3〜8員環ヘテロシクロアルキルであり、それぞれの置換または非置換アリールは置換または非置換C−C10アリールであり、またそれぞれの置換または非置換ヘテロアリールは置換または非置換5〜10員環ヘテロアリールである。
本明細書で使用する場合、「低級置換基(substituent)」または「低級置換基(substituent group)」とは、「置換基」について上記した置換基のうち全てから選択される基のことを意味し、それぞれの置換または非置換アルキルは置換または非置換C−Cアルキルであり、それぞれの置換または非置換ヘテロアルキルは置換または非置換2〜8員環ヘテロアルキルであり、それぞれの置換または非置換シクロアルキルは置換または非置換C−Cシクロアルキルであり、それぞれの置換または非置換ヘテロシクロアルキルは置換または非置換3〜7員環ヘテロシクロアルキルであり、それぞれの置換または非置換アリールは置換または非置換C−C10アリールであり、またそれぞれの置換または非置換ヘテロアリールは置換または非置換5〜9員環ヘテロアリールである。
一部の実施形態では、本明細書の化合物について記載したそれぞれの置換基は、少なくとも1個の置換基で置換される。更に具体的に、一部の実施形態では、本明細書の化合物について記載したそれぞれの置換アルキル、置換ヘテロアルキル、置換シクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、置換アリール、置換ヘテロアリール、置換アルキレン、置換ヘテロアルキレン、置換シクロアルキレン、置換ヘテロシクロアルキレン、置換アリーレン、及び/または、置換ヘテロアリーレンは、少なくとも1個の置換基で置換される。その他の実施形態では、これら基の少なくとも1個または全ては、少なくとも1個のサイズ限定置換基で置換される。その他の実施形態では、これら基の少なくとも1個または全ては、少なくとも1個の低級置換基で置換される。
本明細書の化合物に関するその他の実施形態では、それぞれの置換または非置換アルキルは置換または非置換C−C20アルキルであってもよく、それぞれの置換または非置換ヘテロアルキルは置換または非置換2〜20員環ヘテロアルキルであり、それぞれの置換または非置換シクロアルキルは置換または非置換C−Cシクロアルキルであり、それぞれの置換または非置換ヘテロシクロアルキルは置換または非置換3〜8員環ヘテロシクロアルキルであり、それぞれの置換または非置換アリールは置換または非置換C−C10アリールであり、及び/または、それぞれの置換または非置換ヘテロアリールは置換または非置換5〜10員環ヘテロアリールである。本明細書の化合物に関する一部の実施形態では、それぞれの置換または非置換アルキレンは置換または非置換C−C20アルキレンであり、それぞれの置換または非置換ヘテロアルキレンは置換または非置換2〜20員環ヘテロアルキレンであり、それぞれの置換または非置換シクロアルキレンは置換または非置換C−Cシクロアルキレンであり、それぞれの置換または非置換ヘテロシクロアルキレンは置換または非置換3〜8員環ヘテロシクロアルキレンであり、それぞれの置換または非置換アリーレンは置換または非置換C−C10アリーレンであり、及び/または、それぞれの置換または非置換ヘテロアリーレンは置換または非置換5〜10員環ヘテロアリーレンである。
一部の実施形態では、それぞれの置換または非置換アルキルは置換または非置換C−Cアルキルであり、それぞれの置換または非置換ヘテロアルキルは置換または非置換2〜8員環ヘテロアルキルであり、それぞれの置換または非置換シクロアルキルは置換または非置換C−Cシクロアルキルであり、それぞれの置換または非置換ヘテロシクロアルキルは置換または非置換3〜7員環ヘテロシクロアルキルであり、それぞれの置換または非置換アリールは置換または非置換C−C10アリールであり、及び/または、それぞれの置換または非置換ヘテロアリールは置換または非置換5〜9員環ヘテロアリールである。一部の実施形態では、それぞれの置換または非置換アルキレンは置換または非置換C−Cアルキレンであり、それぞれの置換または非置換ヘテロアルキレンは置換または非置換2〜8員環ヘテロアルキレンであり、それぞれの置換または非置換シクロアルキレンは置換または非置換C−Cシクロアルキレンであり、それぞれの置換または非置換ヘテロシクロアルキレンは置換または非置換3〜7員環ヘテロシクロアルキレンであり、それぞれの置換または非置換アリーレンは置換または非置換C−C10アリーレンであり、及び/または、それぞれの置換または非置換ヘテロアリーレンは置換または非置換5〜9員環ヘテロアリーレンである。一部の実施形態では、化合物は、以下の実施例セクション、図面または表に記載されている化学種である。
用語「薬学的に許容される塩」とは、本明細書に記載の化合物に見られる特定の置換基に応じて、比較的無毒な酸または塩基を用いて調製された活性化合物の塩を含むことを意味する。本発明の化合物が比較的酸性の官能性を有する場合、無溶媒または好適な不活性溶媒中のいずれかで、中性形態のこのような化合物を十分な量の望ましい塩基と接触させることによって、塩基付加塩を得ることができる。薬学的に許容される塩基付加塩の例としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩、有機アミノ塩もしくはマグネシウム塩、または類似の塩が挙げられる。本発明の化合物が比較的塩基性の官能性を有する場合、無溶媒または好適な不活性溶媒中のいずれかで、中性形態のこのような化合物を十分な量の望ましい酸と接触させることによって、酸付加塩を得ることができる。医薬的に許容される酸付加塩の例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、一水素炭酸、リン酸、一水素リン酸、二水素リン酸、硫酸、一水素硫酸、ヨウ化水素酸または亜リン酸などのような無機酸から誘導されるような酸付加塩に加えて、酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p−トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸などのような比較的無毒な有機酸から誘導される塩が挙げられる。アミノ酸、例えば、アルギニン酸などの塩、及び、有機酸、例えば、グルクロン酸またはガラクツロン酸などの塩もまた挙げられる(例えば、Berge et al.,Journal of Pharmaceutical Science 66:1−19(1977)を参照のこと)。本発明におけるある特定の化合物は、その化合物が塩基付加塩または酸付加塩のいずれかへと変換可能となるように、塩基性及び酸性の両方の官能性を有している。当業者に周知のその他薬学的に許容される担体は、本発明に好適である。塩は、対応する遊離塩基形態に比べて、水性溶媒またはその他プロトン溶媒により溶けやすい。その他のケースでは、1mM〜50mMのヒスチジン、0.1%〜2%のスクロース、2%〜7%のマンニトール中の凍結乾燥粉末(使用前に緩衝液と混合する)を4.5〜5.5の範囲のpHで調製してもよい。
それゆえ、本発明の化合物は、塩として、例えば、薬学的に許容される酸を含む塩として存在していてもよい。本発明はこのような塩を含む。このような塩の例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩(例えば、(+)−酒石酸塩、(−)−酒石酸塩、またはラセミ混合物を含むこれらの混合物)、コハク酸塩、安息香酸塩、及び、アミノ酸、例えば、グルタミン酸などを含む塩が挙げられる。これらの塩は、当業者に周知の方法を用いて調製することができる。
塩を塩基または酸と接触させてから、通常の方法で親化合物を単離することにより、中性形態の化合物を再生することが好ましい。親形態の化合物は、特定の物理的特性、例えば、極性溶媒中での溶解度などが様々な塩形態とは異なる。
本明細書では、プロドラッグ形態であってもよい薬剤(例えば、化合物、薬物、治療薬)を提供する。本明細書に記載の化合物のプロドラッグは、選択した生理学的条件下で容易に化学変化を受けて、最終薬剤(例えば、化合物、薬物、治療薬)を提供するような化合物である。加えて、エクスビボ環境において化学的方法または生化学的方法を用いて、プロドラッグを薬剤(例えば、化合物、薬物、治療薬)へと変換することができる。本明細書に記載のプロドラッグは、選択した生理学的条件下で容易に化学変化を受けて、生物学的機構(例えば、対象内の)へと薬剤(例えば、化合物、薬物、治療薬)を提供する化合物を含む。
本発明の特定化合物は、非溶媒和形態に加えて、水和形態を含む溶媒和形態で存在していてもよい。一般的に、溶媒和形態は非溶媒和形態と等しく、本発明の範囲内に包含される。本発明の特定化合物は、複数の結晶形態または非晶質形態で存在していてもよい。一般的に、全ての物理的形態は、本発明が想定する用途において同等であり、本発明の範囲内であることを意図している。
本明細書で使用する場合、用語「塩」とは、本発明の方法に用いる化合物の酸性塩または塩基性塩のことを意味する。許容される塩の実例は、鉱酸(塩酸、臭化水素酸、リン酸など)塩、有機酸(酢酸、プロピオン酸、グルタミン酸、クエン酸など)塩、第四級アンモニウム(ヨウ化メチル、ヨウ化エチルなど)塩である。
本発明の特定化合物は、非対称炭素原子(光学中心またはキラル中心)または二重結合、エナンチオマー、ラセミ体、ジアステレオマー、互変異性体、幾何異性体、絶対立体化学の点からアミノ酸の(R)または(S)、(D)または(L)と定義可能な立体異性体形態を有し、個々の異性体は本発明の範囲内に包含される。本発明の化合物は、合成及び/または単離するには不安定過ぎるような当業者に周知の化合物を含まない。本発明は、ラセミ形態の化合物及び光学的に純粋な形態の化合物を含むことを意味する。キラルシントンまたはキラル試薬を用いて、光学活性な(R)及び(S)異性体または(D)及び(L)異性体を調製してもよく、または、通常の手法を用いて分割してもよい。本明細書に記載の化合物が、オレフィン結合またはその他幾何学的な非対称中心を含む場合、また特に明記しない場合、化合物がE及びZ幾何異性体の両方を含むことを意図する。
本明細書で使用する場合、用語「異性体」とは、同じ数の原子及び同じ種類の原子を有する化合物のことを意味し、それゆえ、分子量は同じであるが、原子の構造的配置または構成については異なる。
本明細書で使用する場合、用語「互変異性体」とは、平衡状態で存在し、一方の異性体形態からもう一方の異性体形態へと容易に変換される、2種またはそれ以上の構造異性体のうちの1種のことを意味する。
本発明の特定化合物が互変異性体形態で存在可能であることは当業者にとって明らかであり、このような互変異性体形態の化合物全ては本発明の範囲内である。
特に明記しない限り、本明細書に記載する構造はまた、立体化学形態の構造全て、すなわち、それぞれの不斉中心のR配置及びS配置を含むことを意味する。それゆえ、本化合物の単一の立体化学異性体に加えて、エナンチオマー混合物及びジアステレオマー混合物は、本発明の範囲内である。
特に明記しない限り、本明細書に記載の構造はまた、同位体的に豊富な1個または複数個の原子の存在だけが異なる化合物を含むことを意味する。例えば、重水素または三重水素による水素の置換、または、13Cまたは14C豊富炭素による炭素の置換を除く本構造を有する化合物は、本開示の範囲内である。
本発明の化合物はまた、このような化合物を構成する1種または複数種の原子において、不自然な比率の原子同位体を含んでいてもよい。例えば、放射性同位体、例えば、三重水素(H)、ヨウ素125(125I)または炭素14(14C)などで化合物を放射能標識してもよい。本発明の化合物における全ての同位体バリエーションは、放射性であろうとなかろうと、本発明の範囲内に包含される。
記号
Figure 2019501878
は、分子の残部または化学式への化学部分の結合点を意味する。
本明細書で使用する場合、用語「a」または「an」とは、1つまたは複数のことを意味する。加えて、本明細書で使用する場合、語句「で置換」とは、特定の基を、指定した置換基のいずれかまたはその全てのうちの1個または複数個で置換してもよいということを意味する。例えば、基(アルキル基またはヘテロアリール基など)を「非置換C−C20アルキルまたは非置換2〜20員環ヘテロアルキルで置換」する場合、その基は、1個または複数個の非置換C−C20アルキル及び/または1個または複数個の非置換2〜20員環ヘテロアルキルを含んでいてもよい。更に、部分をR置換基で置換する場合、基を「R置換」と呼んでもよい。部分をR置換する場合、その部分は少なくとも1個のR置換基で置換され、それぞれのR置換基は任意選択的に異なる。
本発明の化合物に関する説明は、当業者に周知の化学結合原理に制限される。それゆえ、基を多数の置換基のうちの1個または複数個で置換してもよい場合、このような置換は、化学結合原理に従い、本質的に不安定ではない化合物を生成するように、及び/または、周囲条件下(水性条件、中性条件、及びいくつか周知の生理学的条件など)では不安定となる恐れがないと当業者に周知の化合物を生成するように、選択される。例えば、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリールは、当業者に周知の化学結合原理に従って、環ヘテロ原子を介して分子の残部と結合し、それにより、本質的に不安定な化合物となることが避けられる。
用語「治療する」または「治療」とは、損傷、疾患、病態または病状の治療または改善における、何らかの成功の兆候のことを意味し、症状を寛解、緩解、減少させること、損傷、病態または病状を患者にとってより許容できるものにすること、変性または減退速度を遅くすること、変性による最終的な衰弱を和らげること、患者の肉体的または精神的健康を改善することなどの、何らかの客観的または主観的パラメータを含む。症状の治療または改善は、客観的または主観的なパラメータ(理学的検査、神経精神検査及び/または精神鑑定の結果を含む)に基づいていてもよい。例えば、本明細書における特定の方法は、過剰増殖性障害、例えば、がん(例えば、膠芽腫、腎臓がん(kidney cancer)、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、結腸直腸がん、肝臓がん、腎臓がん(renal cancer)、腎細胞癌、膀胱がん、肺がん、非小細胞肺がん、卵巣がん、子宮がん、頸部がん、精巣がん、肛門がん、胆管がん、胆道がん、胃腸カルチノイド腫瘍、食道がん、胆嚢がん、虫垂がん、小腸がん、胃がん(stomach/gastric cancer)、膀胱がん、泌尿生殖器がん、子宮内膜がん、頭頸部がん、鼻咽頭がん、頭頸部扁平上皮細胞癌、中皮腫、リンパ腫、白血病、乳がんまたは前立腺がん)などを治療する。例えば、本明細書における特定の方法では、がんの発生、増殖、転移または進行を減少、抑制または予防することにより、または、がんの症状を減少、抑制または予防することにより、がんを治療する。がん(例えば、膠芽腫、腎臓がん、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、結腸直腸がん、肝臓がん、腎臓がん、腎細胞癌、膀胱がん、肺がん、非小細胞肺がん、卵巣がん、子宮がん、頸部がん、精巣がん、肛門がん、胆管がん、胆道がん、胃腸カルチノイド腫瘍、食道がん、胆嚢がん、虫垂がん、小腸がん、胃がん、膀胱がん、泌尿生殖器がん、子宮内膜がん、頭頸部がん、鼻咽頭がん、頭頸部扁平上皮細胞癌、中皮腫、リンパ腫、白血病、乳がんまたは前立腺がん)の症状は、周知であるか、または、当業者が同定してもよい。用語「治療する」及びその活用型は、損傷、病態、病状または疾患を予防することを含み、例えば、がん(例えば、膠芽腫、腎臓がん、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、結腸直腸がん、肝臓がん、腎臓がん、腎細胞癌、膀胱がん、肺がん、非小細胞肺がん、卵巣がん、子宮がん、頸部がん、精巣がん、肛門がん、胆管がん、胆道がん、胃腸カルチノイド腫瘍、食道がん、胆嚢がん、虫垂がん、小腸がん、胃がん、膀胱がん、泌尿生殖器がん、子宮内膜がん、頭頸部がん、鼻咽頭がん、頭頸部扁平上皮細胞癌、中皮腫、リンパ腫、白血病、乳がんまたは前立腺がん)の症状のうちの1つまたは複数の進行を妨げることを含む。
用語「白血病」とは、造血器官における進行性の悪性疾患のことを広く意味しており、一般的に、血液及び骨髄中において白血球及びそれらの前駆体の増殖及び成長に異常をきたすことを特徴とする。白血病は通常、(1)急性疾患または慢性疾患が続く期間及びそれら疾患の特徴、(2)関与する細胞の種類(骨髄性細胞(骨髄性)、リンパ性細胞(リンパ性)、または、単球性細胞)、及び、(3)白血病の血液または非白血病(亜白血病)の血液中における異常細胞数の増加または非増加、を基準として、臨床的に分類される。本明細書で提供する化合物、医薬組成物または方法を用いて治療可能な例示的な白血病としては、例えば、急性非リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、急性顆粒球性白血病、慢性顆粒球性白血病、急性前骨髄性白血病、成人T細胞性白血病、非白血性白血病、白血球血症性白血病、好塩基球性白血病、芽球性白血病、ウシ白血病、慢性骨髄性白血病、皮膚白血病、胎生細胞性白血病、好酸球性白血病、グロス白血病、毛様細胞性白血病、血芽球性白血病、血液芽球性白血病、組織球性白血病、幹細胞性白血病、急性単球性白血病、白血球減少性白血病、リンパ性白血病(lymphatic leukemia)、リンパ芽球性白血病、リンパ性白血病(lymphocytic leukemia)、リンパ性白血病(lymphogenous leukemia)、リンパ性白血病(lymphoid leukemia)、リンパ肉腫細胞性白血病、肥満細胞性白血病、巨核球性白血病、小骨髄芽球性白血病、単球性白血病、骨髄芽球性白血病、骨髄性白血病、骨髄顆粒球性白血病、骨髄単球性白血病、Naegeli型白血病、形質細胞性白血病(plasma cell leukemia)、多発性骨髄腫、形質細胞性白血病(plasmacytic leukemia)、前骨髄性白血病、リーダー細胞性白血病、シリング白血病、亜白血性白血病、または、未分化細胞性白血病が挙げられる。
用語「肉腫」とは一般的に、胎児結合組織のような組織で構成された腫瘍のことを意味し、通常は、筋原線維組織または均質組織内に埋め込まれ密につまった細胞で構成される。本明細書で提供する化合物、医薬組成物または方法を用いて治療可能な肉腫としては、軟骨肉腫、線維肉腫、リンパ肉腫、黒色肉腫、粘液肉腫、骨肉腫、アバーネシー肉腫、脂肪肉腫(adipose sarcoma)、脂肪肉腫(liposarcoma)、胞状軟部肉腫、エナメル上皮肉腫、ブドウ状肉腫、緑色腫肉腫、絨毛癌、胎児性肉腫、ウィルムス腫瘍肉腫、子宮内膜肉腫、間質肉腫、ユーイング肉腫、筋膜肉腫、線維芽細胞性肉腫、巨細胞肉腫、顆粒球性肉腫、ホジキン肉腫、特発性多発性色素沈着性出血性肉腫、B細胞の免疫芽球性肉腫、リンパ腫、T細胞の免疫芽球性肉腫、イェンセン肉腫、カポジ肉腫、クッパー細胞肉腫、血管肉腫、白血肉腫、悪性間葉肉腫、傍骨性肉腫、細網肉腫、ラウス肉腫、漿液嚢胞性肉腫、滑膜肉腫、または、毛細血管拡張性肉腫が挙げられる。
用語「黒色腫」とは、皮膚及びその他器官におけるメラニン細胞系から生じる腫瘍のことを意味する。本明細書で提供する化合物、医薬組成物または方法を用いて治療可能な黒色腫としては、例えば、末端黒子型黒色腫、メラニン欠乏性黒色腫、良性若年性黒色腫、クラウドマン黒色腫、S91黒色腫、ハーディング−パッセー黒色腫、若年性黒色腫、悪性黒子型黒色腫、悪性黒色腫、結節性黒色腫、爪下黒色腫、または、表在拡大型黒色腫が挙げられる。
用語「癌」とは、周囲組織を浸潤して転移を誘発する傾向のある上皮細胞から構成される悪性新生物のことを意味する。本明細書で提供する化合物、医薬組成物または方法を用いて治療可能な例示的な癌としては、例えば、甲状腺髄様癌、家族性甲状腺髄様癌、小葉癌(acinar carcinoma)、小葉癌(acinous carcinoma)、腺様嚢胞癌(adenocystic carcinoma)、腺様嚢胞癌(adenoid cystic carcinoma)、腺様癌、副腎皮質の癌、肺胞癌、肺胞細胞癌、基底細胞癌(basal cell carcinoma)、基底細胞癌(carcinoma basocellulare)、類基底細胞癌、基底扁平細胞癌、細気管支肺胞上皮癌、細気管支癌、気管支原性癌、脳様癌、胆管細胞癌、絨毛癌、膠様癌、面皰癌、子宮体癌、篩状癌、鎧状癌、皮膚癌、円柱癌、円柱細胞癌、管癌(duct carcinoma)、管癌(ductal carcinoma)、硬性癌、胎児性癌、髄様癌(encephaloid carcinoma)、類表皮癌、上皮アデノイド、外方発育癌、潰瘍癌、線維癌、ゼラチン状癌(gelatiniforni carcinoma)、ゼラチン状癌(gelatinous carcinoma)、巨細胞癌、巨大細胞癌、腺癌、顆粒膜細胞癌、毛母癌、血様癌、肝細胞癌、ヒュルトレ細胞癌、硝子状癌、副腎様癌、乳児胎児性癌、上皮内癌(carcinoma in situ)、表皮内癌、上皮内癌(intraepithelial carcinoma)、クロムペッヘル癌、クルチツキー細胞癌、大細胞癌、レンズ状癌(lenticular carcinoma)、レンズ状癌(carcinoma lenticulare)、脂肪腫様癌、小葉癌(lobular carcinoma)、リンパ上皮癌、髄様癌(carcinoma medullare)、髄様癌(medullary carcinoma)、黒色癌、軟性癌(carcinoma molle)、粘液癌(mucinous carcinoma)、粘液分泌癌、粘液細胞癌、粘液性類表皮癌、粘液癌(carcinoma mucosum)、粘液癌(mucous carcinoma)、粘液腫様癌、鼻咽頭癌、燕麦細胞癌、骨化性癌、類骨癌、乳頭状癌、門脈周囲癌、浸潤前癌、有棘細胞癌、軟性癌(pultaceous carcinoma)、腎臓の腎細胞癌、予備細胞癌、肉腫様癌、シュナイダー癌、スキルス癌、陰嚢癌、印環細胞癌、単純癌、小細胞癌、バレイショ状癌、球状細胞癌、紡錘形細胞癌、海綿様癌、扁平上皮癌、扁平上皮細胞癌、数珠様癌、血管拡張癌、毛細血管拡張癌、移行上皮癌、結節癌(carcinoma tuberosum)、管状腺癌、結節癌(tuberous carcinoma)、疣贅癌、または、絨毛様癌が挙げられる。
「有効量」とは、明示した目的(例えば、投与効果を得ること、疾患を治療すること、酵素活性を抑制すること、酵素活性を増加させること、タンパク質の機能を抑制すること、疾患または病態の症状のうちの1つまたは複数を抑制すること)を達成するのに十分な量のことである。「有効量」の一例は、疾患における1つの症状または複数の症状の治療、予防または抑制に寄与するのに十分な量のことであり、また「治療有効量」とも呼ばれる。1つの症状または複数の症状の「抑制」(及びこの語句の文法上の等価物)とは、症状(複数可)の重症度または頻度を低下させること、または、症状(複数可)を排除することを意味する。「予防有効量」の薬物またはプロドラッグとは、対象に投与する際に、目的の予防効果(例えば、損傷、疾患、病態または病状の発症(または再発)を予防または遅延させること、または、損傷、疾患、病態もしくは病状またはそれらの症状の発症(または再発)の可能性を抑えること)を有する薬物またはプロドラッグの量のことである。完全な予防効果を1回の投与用量で生じさせる必要は必ずしもなく、連続的な用量の投与を行った後に初めて完全な予防効果が生じるようにしてもよい。それゆえ、予防有効量は、1回または複数回の投与で投与されてもよい。正確な量は治療の目的に応じて決まるが、当業者は、周知の手法を用いて確認することができる(例えば、Lieberman,Pharmaceutical Dosage Forms(vols.1−3,1992);Lloyd,The Art, Science and Technology of Pharmaceutical Compounding(1999);Pickar,Dosage Calculations(1999);及び、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Edition,2003,Gennaro,Ed.,Lippincott,Williams & Wilkinsを参照のこと)。
疾患(例えば、膠芽腫、腎臓がん、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、結腸直腸がん、肝臓がん、腎臓がん、腎細胞癌、膀胱がん、肺がん、非小細胞肺がん、卵巣がん、子宮がん、頸部がん、精巣がん、肛門がん、胆管がん、胆道がん、胃腸カルチノイド腫瘍、食道がん、胆嚢がん、虫垂がん、小腸がん、胃がん、膀胱がん、泌尿生殖器がん、子宮内膜がん、頭頸部がん、鼻咽頭がん、頭頸部扁平上皮細胞癌、中皮腫、リンパ腫、白血病、乳がんまたは前立腺がん)と関連する薬物、薬物活性または作用の文脈における、用語「関連した」または「と関連した」とは、疾患または疾患の症状が、薬物、薬物活性または作用(の全てまたは一部)により引き起こされることを意味する。本明細書で使用する場合、疾患と関連したと記載することは、原因物質である場合、疾患の治療における標的となり得る。例えば、DNA複製の阻害に効果的な薬剤(例えば、本明細書に記載の化合物)を用いて、がんを治療してもよい。
「対照」、「対照実験」または「基準対照」は、その全く通常の意味に従い用いられ、実験の対象または試薬を、手順及び試薬の省略または実験の調節項目を除いて、並行実験として扱う実験のことを意味する。一部の例においては、実験効果を評価するための比較基準として対照を用いる。
「接触させること」は、その全く通常の意味に従い用いられ、少なくとも2つの異なる種(例えば、生体分子を含む化合物、または細胞)を、反応、相互作用または物理的に接触するのに十分近づけさせるプロセスのことを意味する。しかしながら、得られる反応生成物は、添加試薬間の反応から直接生成可能であるか、または、反応用混合物内で生成可能な添加試薬のうち1種または複数種から生成した中間体から生成可能である、ということを理解すべきである。用語「接触させること」は、2つの種を反応、相互作用または物理的に接触させることを含んでいてもよく、2つの種は、本明細書に記載の化合物、及びタンパク質または酵素であってもよい。一部の実施形態では、接触させることは、本明細書に記載の化合物を、タンパク質または酵素と相互作用させることを含む。
本明細書で定義するとおり、タンパク質阻害薬(例えば、拮抗薬)相互作用に関する用語「阻害」、「阻害する」、「阻害すること」などは、阻害薬がない状態におけるタンパク質の活性レベルまたは機能レベルと比較して、タンパク質の活性レベルまたは機能レベルに負の影響を及ぼす(例えば、抑制する)ことを意味する。実施形態では、阻害とは、DNA複製または転写を抑制することを意味する。一部の実施形態では、阻害とは、疾患または疾患の症状(例えば、膠芽腫、腎臓がん、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、結腸直腸がん、肝臓がん、腎臓がん、腎細胞癌、膀胱がん、肺がん、非小細胞肺がん、卵巣がん、子宮がん、頸部がん、精巣がん、肛門がん、胆管がん、胆道がん、胃腸カルチノイド腫瘍、食道がん、胆嚢がん、虫垂がん、小腸がん、胃がん、膀胱がん、泌尿生殖器がん、子宮内膜がん、頭頸部がん、鼻咽頭がん、頭頸部扁平上皮細胞癌、中皮腫、リンパ腫、白血病、乳がんまたは前立腺がん)を抑制することを意味する。それゆえ、阻害は、刺激を少なくとも一部、部分的にまたは完全に遮断すること、活性を少なくとも一部、部分的にまたは完全に抑制、防止または遅延させること、または、シグナル伝達、酵素活性またはタンパク質量を少なくとも一部、部分的にまたは完全に不活化、脱感作または下方制御すること、を含んでいてもよい。
本明細書で定義するとおり、タンパク質活性薬(作動薬)相互作用に関する用語「活性化」、「活性化する」、「活性化させること」などは、活性薬(例えば、本明細書に記載の化合物)がない状態におけるタンパク質の活性または機能と比較して、タンパク質の活性または機能に正の影響を及ぼす(例えば、増加させる)ことを意味する。それゆえ、活性化は、疾患によって減少した刺激を少なくとも一部、部分的にまたは完全に増加させること、疾患によって抑制された活性を少なくとも一部、部分的にまたは完全に増加または有効化させること、または、疾患によって抑制されたシグナル伝達、酵素活性またはタンパク質量を少なくとも一部、部分的にまたは完全に活性化、感作または上方制御すること、を含んでいてもよい。活性化は、刺激を少なくとも一部、部分的にまたは完全に増加させること、活性を少なくとも一部、部分的にまたは完全に増加または有効化させること、または、シグナル伝達、酵素活性またはタンパク質量を少なくとも一部、部分的にまたは完全に活性化、感作または上方制御すること、を含んでいてもよい。
用語「調節因子」とは、標的分子の濃度または標的分子の機能を上昇または下降させる組成物のことを意味する。
本明細書で使用する場合、用語「がん」とは、哺乳動物に見られる全てのタイプのがん、新生物または悪性腫瘍(白血病、リンパ腫、癌及び肉腫を含む)のことを意味する。本明細書で提供する化合物、医薬組成物または方法を用いて治療可能な例示的ながんとしては、リンパ腫、肉腫、膀胱がん、骨がん、脳腫瘍、頸部がん、結腸がん、食道がん、胃がん、頭頸部がん、腎臓がん、骨髄腫、甲状腺がん、白血病、前立腺がん、乳がん(例えば、ER陽性、ER陰性、化学療法抵抗性、ハーセプチン抵抗性、HER2陽性、ドキソルビシン抵抗性、タモキシフェン抵抗性、管癌、小葉癌、原発性、転移性)、卵巣がん、膵臓がん、肝臓がん(例えば、肝細胞癌)、肺がん(例えば、非小細胞肺癌、扁平上皮細胞肺癌、腺癌、大細胞肺癌、小細胞肺癌、カルチノイド、肉腫、シスプラチン抵抗性肺がん、カルボプラチン抵抗性肺がん、白金系化合物抵抗性肺がん)、多形膠芽腫、神経膠腫または黒色腫が挙げられる。追加の例としては、甲状腺がん、内分泌系がん、脳がん、乳がん、頚部がん、結腸がん、頭頸部がん、肝臓がん、腎臓がん、肺がん、非小細胞肺がん、黒色腫がん、中皮腫がん、卵巣がん、肉腫がん、胃がん、子宮がんまたは髄芽腫がん、ホジキン病のがん、非ホジキンリンパ腫のがん、多発性骨髄腫がん、神経芽細胞腫がん、神経膠腫がん、多形膠芽腫がん、卵巣がん、横紋筋肉腫、原発性血小板増加症、原発性マクログロブリン血症、原発性脳腫瘍、がん、悪性膵島細胞腫、悪性カルチノイド、膀胱がん、前癌性皮膚病変、精巣がん、リンパ腫、甲状腺がん、神経芽細胞腫、食道がん、泌尿生殖器がん、悪性高カルシウム血症、子宮内膜がん、副腎皮質がん、内分泌膵臓または外分泌膵臓の新生物、髄様甲状腺がん(medullary thyroid cancer)、髄様甲状腺癌(medullary thyroid carcinoma)、黒色腫、結腸直腸がん、乳頭状甲状腺がん、肝細胞癌、乳頭のパジェット病、葉状腫瘍、小葉癌、管癌、膵星細胞のがん、肝星細胞のがん、または、前立腺がんが挙げられる。実施形態では、「がん」とは、抗がん剤治療(例えば、抗がん剤を用いた治療(例えば、ホルモン療法、ホルモン治療薬、タモキシフェン、トラスツズマブ、または、アロマターゼ阻害薬))に対して抵抗性を有するがんのことを意味する。
「それを必要とする患者」もしくは「それを必要とする対象」または「対象」とは、本明細書で提供する化合物または医薬組成物を投与すること、または、本明細書で提供する方法を用いることにより治療可能な疾患または病状を患うまたは患い易い生体のことを意味する。非限定例としては、ヒト、その他の哺乳類、ウシ、ラット、マウス、イヌ、サル、ヤギ、ヒツジ、雌ウシ、シカ、及び、その他の非哺乳類動物が挙げられる。一部の実施形態では、患者はヒトである。一部の実施形態では、対象はヒトである。
「疾患」または「病状」とは、本明細書で提供する化合物、医薬組成物または方法を用いて治療可能な患者または対象における、状態または健康状態のことを意味する。実施形態では、疾患はがんである。実施形態では、疾患は、膠芽腫、腎臓がん、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、結腸直腸がん、肝臓がん、腎臓がん、腎細胞癌、膀胱がん、肺がん、非小細胞肺がん、卵巣がん、子宮がん、頸部がん、精巣がん、肛門がん、胆管がん、胆道がん、胃腸カルチノイド腫瘍、食道がん、胆嚢がん、虫垂がん、小腸がん、胃がん、膀胱がん、泌尿生殖器がん、子宮内膜がん、頭頸部がん、鼻咽頭がん、頭頸部扁平上皮細胞癌、中皮腫、リンパ腫、白血病、乳がんまたは前立腺がんである。
「薬学的に許容される添加剤」及び「薬学的に許容される担体」とは、対象への活性剤の投与、及び対象による活性剤の吸収を補助する物質のことを意味し、重大な毒性副作用を患者にもたらすことなく、本発明の組成物中に含ませることが可能である。薬学的に許容される添加剤の非限定例としては、水、NaCl、生理食塩水、乳酸加リンゲル液、通常スクロース、通常グルコース、結合剤、充填剤、崩壊剤、滑沢剤、コーティング剤、甘味剤、風味剤、食塩水(リンゲル液など)、アルコール、油、ゼラチン、炭化水素(例えば、ラクトース、アミロースまたはデンプン、脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリジン)、及び、色素などが挙げられる。このような製剤を滅菌してもよく、必要に応じ、本発明の化合物と有害に反応しない、補助剤(滑沢剤、防腐剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を与える塩、緩衝剤、着色剤など)及び/または芳香族物質などと混合してもよい。当業者は、その他の医薬品添加剤が本発明に有用であることを理解するであろう。
用語「製剤(preparation)」とは、カプセルを提供する担体である封入材を有する活性化合物の製剤(formulation)を含むことを意味しており、その他の担体を含むかまたは含まない活性成分は、担体に取り囲まれているため、担体と結合する。同様に、カシェ剤及びロゼンジ剤も含まれる。錠剤、散剤、カプセル剤、丸剤、カシェ剤及びロゼンジ剤を、経口投与に好適な固体剤形として用いてもよい。
本明細書で使用する場合、用語「投与すること」とは、対象に、経口投与、座薬による投与、局所接触による投与、静脈内投与、非経口投与、腹腔内投与、筋肉内投与、病巣内投与、硬膜内投与、頭蓋内投与、経鼻投与もしくは皮下投与を行うこと、または、徐放デバイス(例えば、小型浸透圧ポンプ)を埋め込むことを意味する。投与は、非経口及び経粘膜(例えば、頬側、舌下、口蓋、歯肉、経鼻、腟、直腸または経皮)を含む任意の経路で行われる。非経口投与としては、例えば、静脈内、筋肉内、細動脈内、皮膚内、皮下、腹腔内、心室内及び頭蓋内が挙げられる。その他の送達方法としては、リポソーム製剤の使用、静脈内注射、経皮貼付剤などが挙げられるがこれらに限定されない。「同時投与」とは、本明細書に記載の組成物を、1種または複数種の別の治療薬を投与する直前または直後に、同時に投与することを意味する。本発明の化合物を単剤で患者に投与してもよく、または、同時投与してもよい。同時投与とは、化合物を単独でまたは組み合わせて(2種以上の化合物または薬剤)、同時投与または連続投与することを含むことを意味する。それゆえ、製剤はまた、必要に応じて、その他の活性物質と混合することも可能である(例えば、代謝分解を抑制するため、プロドラッグの分解を促進させるため、及び、薬物、検出可能物質を放出するため)。塗布用スティック、液剤、懸濁剤、エマルション剤、ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤、パスタ剤、ゼリー剤、塗布剤、粉末剤及びエアロゾル剤として製剤化した本発明の組成物を、局所経路で経皮的に送達させてもよい。経口製剤としては、患者による摂取に好適な錠剤、丸剤、散剤、糖衣錠、カプセル剤、液剤、ロゼンジ剤、カシェ剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁剤などが挙げられる。固形製剤としては、散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤、及び、分散性の顆粒剤が挙げられる。液状製剤としては、液剤、懸濁剤及びエマルション剤、例えば、水または水/プロピレングリコール溶液が挙げられる。本発明の組成物は、持続性放出及び/または快適性をもたらす成分を追加で含んでいてもよい。このような成分としては、高分子量の、アニオン性粘液模倣ポリマー、ゲル化多糖類、及び、微粉状薬物担体基剤が挙げられる。これらの成分については、米国特許番号4,911,920、5,403,841、5,212,162及び4,861,760に更に詳細に記載されている。これら特許の内容全体は、あらゆる目的において本明細書に参照として組み込まれる。本発明の組成物はまた、体内で持続放出させるためのミクロスフェアとして送達させることができる。例えば、薬物含有ミクロスフェアを皮内注射することにより、ミクロスフェアを投与してもよく、薬物含有ミクロスフェアは、皮下で(Rao,J.Biomater Sci.Polym.Ed.7:623−645,1995を参照のこと)、生分解性及び注射可能ゲル製剤として(例えば、Gao Pharm.Res.12:857−863,1995を参照のこと)、または、経口投与のミクロスフェアとして(例えば、Eyles,J.Pharm.Pharmacol.49:669−674,1997を参照のこと)、持続放出する。別の実施形態では、細胞膜と融合するかまたはエンドサイトーシスするリポソームを用いることによって、すなわち、リポソームと結合する受容体リガンド(細胞の表面膜タンパク質受容体に結合してエンドサイトーシスをもたらす)を採用することによって、本発明の組成物による製剤を送達させてもよい。特に、リポソーム表面が、標的細胞に特異的な受容体リガンドを有する場合、あるいは、特定の器官へと優先的に向かう受容体リガンドを有する場合、リポソームを用いることによって、本発明の組成物をインビボで標的細胞へと集中的に送達させることが可能となる(例えば、Al−Muhammed,J.Microencapsul.13:293−306,1996;Chonn,Curr.Opin.Biotechnol.6:698−708,1995;Ostro,Am.J.Hosp.Pharm.46:1576−1587,1989を参照のこと)。本発明の組成物はまた、ナノ粒子として送達させることができる。
本発明が提供する医薬組成物は、活性成分(例えば、実施形態または実施例を含む本明細書に記載の化合物)を治療有効量で、すなわち、その使用目的を達成するのに有効な量で含有することが可能な組成物を含む。特定用途に有効な実際の量は、とりわけ、治療する病状によって決まる。疾患を治療するための方法で投与する際、このような組成物は、望ましい結果(例えば、疾患症状の進行を抑制、排除または遅延させること)を得るのに有効な量の活性成分を含有する。本発明の化合物の治療有効量を決定することは、特に本明細書の詳細な開示を考慮すれば、十分に当業者の能力の範囲内である。
哺乳動物に投与する用量及び頻度(単回または複数回分の用量)は、様々な要因、例えば、哺乳動物が別の疾患にかかっているかどうか、その投与経路、レシピエントのサイズ、年齢、性別、健康、体重、ボディマス指数及び栄養、治療する疾患症状の性質及び程度、併用療法の種類、治療する疾患またはその他健康に関わる問題に起因する合併症、に応じて変えることができる。出願人らの発明における方法及び化合物と共に、その他の治療レジメンまたは治療薬を用いてもよい。設定用量の調節及び処理(例えば、頻度及び持続時間)を行うことは、十分に当業者の能力の範囲内である。
本明細書に記載する任意の化合物について、細胞培養アッセイを用いて最初に治療有効量を決定してもよい。標的濃度とは、本明細書に記載または当該技術分野において周知の方法を用いて測定する場合に、本明細書に記載の方法を達成可能な活性化合物(複数可)の濃度のことである。
当該技術分野において周知ではあるが、ヒトに適用される治療有効量もまた、動物モデルから決定してもよい。例えば、動物に有効であることが分かっている濃度となるように、ヒトに対する用量を配合してもよい。上記のとおり、化合物の有効性をモニターして用量を上下に調節することにより、ヒトに対する用量を調節してもよい。上記の方法及びその他の方法に基づき、用量を調節してヒトにおける最大効果を得ることは、十分に当業者の能力の範囲内である。
患者の条件及び用いる化合物に応じて、用量を変化させてもよい。本発明の文脈において、患者に投与する用量は、経時的に、患者に有益な治療反応を及ぼすのに十分でなければならない。用量サイズもまた、任意の副作用の存在、性質または程度によって決定される。個々の状態における適切な用量を決定することは、当業者の範囲内である。通常、適量化合物未満の少ない用量で治療を開始する。その後、状況下における最適効果に達するまで、用量を少しずつ増やしていく。
投与量及び投与間隔を個別に調節して、治療する個々の臨床的適応に有効な投与化合物の濃度をもたらしてもよい。このことにより、個々の病態の重症度に対応した治療レジメンが提供される。
本明細書が提供する教示を利用することによって、大して毒性を生じさせずに、個々の患者が示す臨床症状を治療するのになおも有効である、効果的な予防用または治療用の治療レジメンを設計することが可能となる。この設計には、化合物の力価、相対的生物学的利用能、患者の体重、副作用の存在及び重症度、選択した薬剤の好ましい投与方法及び毒性プロファイルなどの因子を考慮した、活性化合物の慎重な選択が必要となる。
本明細書に記載の化合物を、本明細書に記載の疾患(例えば、膠芽腫、腎臓がん、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、結腸直腸がん、肝臓がん、腎臓がん、腎細胞癌、膀胱がん、肺がん、非小細胞肺がん、卵巣がん、子宮がん、頸部がん、精巣がん、肛門がん、胆管がん、胆道がん、胃腸カルチノイド腫瘍、食道がん、胆嚢がん、虫垂がん、小腸がん、胃がん、膀胱がん、泌尿生殖器がん、子宮内膜がん、頭頸部がん、鼻咽頭がん、頭頸部扁平上皮細胞癌、中皮腫、リンパ腫、白血病、乳がんまたは前立腺がん)を治療するのに有効であることが知られるその他の活性剤(例えば、抗がん剤)と、または、単独では有効とならないが活性剤の有効性に寄与し得る補助剤と、互いに組み合わせて用いてもよい。
一部の実施形態では、同時投与は、1つの活性剤を、第2の活性剤(例えば、抗がん剤)から0.5、1、2、4、6、8、10、12、16、20、または、24時間以内に投与することを含む。同時投与とは、2つの活性剤を、一度に、ほぼ一度で(例えば、互いに約1、5、10、15、20、または、30分以内に)、または、任意の順序で連続的に、投与することを含む。一部の実施形態では、共配合することにより、すなわち、両方の活性剤を含有する単一の医薬組成物を調製することにより、同時投与を達成することができる。その他の実施形態では、活性剤を別々に製剤化させることも可能である。別の実施形態では、活性剤及び/または補助剤を、互いに結合またはコンジュゲートさせてもよい。実施形態では、第2の活性剤はフォリン酸である。
「抗がん剤」は、その全く通常の意味に従い用いられ、抗腫瘍特性、または、細胞の成長または増殖を抑制する能力を有する組成物(例えば、化合物、薬物、拮抗薬、阻害薬、調節因子)のことを意味する。一部の実施形態では、抗がん剤は化学療法剤である。一部の実施形態では、抗がん剤は、本明細書中で特定した、がんを治療するための方法に効果を有する薬剤である。一部の実施形態では、抗がん剤は、FDA、または、米国以外の国家における類似の監督機関により承認された、がんを治療するための薬剤である。抗がん剤の例としては、MEK(例えば、MEK1、MEK2、または、MEK1及びMEK2)阻害剤(例えば、XL518、CI−1040、PD035901、セルメチニブ/AZD6244、GSK1120212/トラメチニブ、GDC−0973、ARRY−162、ARRY−300、AZD8330、PD0325901、U0126、PD98059、TAK−733、PD318088、AS703026、BAY 869766)、アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド、イホスファミド、クロラムブシル、ブスルファン、メルファラン、メクロレタミン、ウラムスチン、チオテパ、ニトロソウレア、ナイトロジェンマスタード(例えば、メクロロエタミン、シクロホスファミド、クロラムブシル、メイファラン)、エチレンイミン及びメチルメラミン(例えば、ヘキサメチルメラミン、チオテパ)、アルキルスルホネート(例えば、ブスルファン)、ニトロソウレア(例えば、カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、ストレプトゾシン)、トリアゼン(ダカルバジン))、代謝拮抗物質(例えば、5−アザチオプリン、ロイコボリン、カペシタビン、フルダラビン、ゲムシタビン、ペメトレキセド、ラルチトレキセド、葉酸類似体(例えば、メトトレキサート)、またはピリミジン類似体(例えば、フルオロウラシル、フロクスウリジン、シタラビン)、プリン類似体(例えば、メルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチン)など)、植物アルカロイド(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン、ビンデシン、ポドフィロトキシン、パクリタキセル、ドセタキセルなど)、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、イリノテカン、トポテカン、アムサクリン、エトポシド(VP16)、リン酸エトポシド、テニポシドなど)、抗腫瘍抗生物質(例えば、ドキソルビシン、アドリアマイシン、ダウノルビシン、エピルビシン、アクチノマイシン、ブレオマイシン、マイトマイシン、ミトキサントロン、プリカマイシンなど)、白金系化合物または白金含有薬剤(例えば、シスプラチン、オキサロプラチン、カルボプラチン)、アントラセンジオン(例えば、ミトキサントロン)、置換ウレア(例えば、ヒドロキシウレア)、メチルヒドラジン誘導体(例えば、プロカルバジン)、副腎皮質抑制剤(例えば、ミトタン、アミノグルテチミド)、エピポドフィロトキシン(例えば、エトポシド)、抗生物質(例えば、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ブレオマイシン)、酵素(例えば、L−アスパラギナーゼ)、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼシグナル伝達の阻害剤(例えば、U0126、PD98059、PD184352、PD0325901、ARRY−142886、SB239063、SP600125、BAY 43−9006、ウォルトマンニンまたはLY294002)、Syk阻害剤、mTOR阻害剤、抗体(例えば、リツキサン)、ゴシポール、ゲナセンス、ポリフェノールE、クロロフシン、全トランス型レチノイン酸(ATRA)、ブリオスタチン、腫瘍壊死因子関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)、5−アザ−2’−デオキシシチジン、全トランス型レチノイン酸、ドキソルビシン、ビンクリスチン、エトポシド、ゲムシタビン、イマチニブ(Gleevec.RTM.)、ゲルダナマイシン、17−N−アリルアミノ−17−デメトキシゲルダナマイシン(17−AAG)、フラボピリドール、LY294002、ボルテゾミブ、トラスツズマブ、BAY 11−7082、PKC412、PD184352、20−エピ−1、25ジヒドロキシビタミンD3;5−エチニルウラシル;アビラテロン;アクラルビシン;アシルフルベン;アデシペノール;アドゼレシン;アルデスロイキン;全TK型拮抗薬;アルトレタミン;アンバムスチン;アミドックス;アミホスチン;アミノレブリン酸;アムルビシン;アムサクリン;アナグレリド;アナストロゾール;アンドログラホリド;血管新生阻害剤;拮抗薬D;拮抗薬G;アンタレリックス;抗背方化形態形成タンパク質1;抗アンドロゲン剤、前立腺癌薬;抗エストロゲン剤;抗新生物剤;アンチセンスオリゴヌクレオチド;グリシン酸アフィジコリン;アポトーシス遺伝子調節因子;アポトーシス調節因子;アプリン酸;ara−CDP−DL−PTBA;アルギニンデアミナーゼ;アスラクリン;アタメスタン;アトリムスチン;アキシナスタチン1;アキシナスタチン2;アキシナスタチン3;アザセトロン;アザトキシン;アザチロシン;バッカチンIII誘導体;バラノール;バチマスタット;BCR/ABL拮抗薬;ベンゾクロリン;ベンゾイルスタウロスポリン;βラクタム誘導体;βアレチン;βクラマイシンB;ベツリン酸;bFGF阻害剤;ビカルタミド;ビサントレン;ビスアジリジニルスペルミン;ビスナフィド;ビストラテンA;ビゼレシン;ブレフレート;ブロピリミン;ブドチタン;ブチオニンスルホキシミン;カルシポトリオール;カルホスチンC;カンプトテシン誘導体:カナリア痘IL−2;カペシタビン;カルボキサミド−アミノ−トリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール;CaRest M3;CARN 700;軟骨由来阻害剤;カルゼルシン;カゼインキナーゼ阻害剤(ICOS);カスタノスペルミン;セクロピンB;セトロレリクス;クロリン;クロロキノキサリンスルホンアミド;シカプロスト;シスポルフィリン;クラドリビン;クロミフェン類似体;クロトリマゾール;コリスマイシンA;コリスマイシンB;コンブレタスタチンA4;コンブレタスタチン類似体;コナゲニン;クランベシジン816;クリスナトール;クリプトフィシン8;クリプトフィシンA誘導体;クラシンA;シクロペンタントラキノン;シクロプラタム;シペマイシン;シタラビンオクホスファート;細胞溶解因子;サイトスタチン;ダクリキシマブ;デシタビン;デヒドロジデムニンB;デスロレリン;デキサメタゾン;デキシホスファミド;デキスラゾキサン;デクスベラパミル;ジアジクオン;ジデムニンB;ジドックス;ジエチルノルスペルミン;ジヒドロ−5−アザシチジン;9−ジオキサマイシン;ジフェニルスピロムスチン;ドコサノール;ドラセトロン;ドキシフルリジン;ドロロキシフェン;ドロナビノール;デュオカルマイシンSA;エブセレン;エコムスチン;エデルホシン;エドレコロマブ;エフロルニチン;エレメン;エミテフール;エピルビシン;エプリステリド;エストラムスチン類似体;エストロゲン作動薬;エストロゲン拮抗薬;エタニダゾール;リン酸エトポシド;エキセメスタン;ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フィルグラスチム;フィナステリド;フラボピリドール;フレゼラスチン;フルアステロン;フルダラビン;塩酸フルオロダウノルビシン;ホルフェニメクス;ホルメスタン;ホストリエシン;ホテムスチン;ガドリニウムテキサフィリン;ガリウム硝酸塩;ガロシタビン;ガニレリクス;ゼラチナーゼ阻害剤;ゲムシタビン;グルタチオン阻害剤;ヘプスルファム;ヘレグリン;ヘキサメチレンビスアセトアミド;ヒペリシン;イバンドロン酸;イダルビシン;イドキシフェン;イドラマントン;イルモホシン;イロマスタット;イミダゾアクリドン;イミキモド;免疫促進ペプチド;インスリン様成長因子1受容体阻害剤;インターフェロン作動薬;インターフェロン;インターロイキン;ヨーベングアン;ヨードドキソルビシン;4−イポメアノール;イロプラクト;イルソグラジン;イソベンガゾール;イソホモハリコンドリンB;イタセトロン;ジャスプラキノリド;カハラリドF;ラメラリン−Nトリアセテート;ランレオチド;レイナマイシン;レノグラスチム;レンチナン硫酸塩;レプトルスタチン;レトロゾール;白血病阻害因子;白血球αインターフェロン;ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン;リュープロレリン;レバミゾール;リアロゾール;直鎖ポリアミン類似体;親油性二糖ペプチド;親油性白金化合物;リッソクリナミド7;ロバプラチン;ロンブリシン;ロメトレキソール;ロニダミン;ロソキサントロン;ロバスタチン;ロキソリビン;ラルトテカン;ルテチウムテキサフィリン;リソフィリン;溶解性ペプチド;マイタンシン;マンノスタチンA;マリマスタット;マソプロコール;マスピン;マトリライシン阻害剤;マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤;メノガリル;メルバロン;メテレリン;メチオニナーゼ;メトクロプラミド;MIF阻害剤;ミフェプリストン;ミルテフォシン;ミリモスチム;ミスマッチ二本鎖RNA;ミトグアゾン;ミトラクトール;マイトマイシン類似体;ミトナフィド;マイトトキシン線維芽細胞増殖因子−サポリン;ミトキサントロン;モファロテン;モルグラモスチム;モノクローナル抗体、ヒト絨毛性ゴナドトロピン;モノホスホリルリピドA+ミオバクテリウム細胞壁sk;モピダモール;多薬剤耐性遺伝子阻害剤;多腫瘍抑制因子1系治療薬;マスタード抗がん剤;ミカペルオキシドB;マイコバクテリア細胞壁抽出物;ミリアポロン;N−アセチルジナリン;N置換ベンズアミド;ナファレリン;ナグレスチップ;ナロキソン+ペンタゾシン;ナパビン;ナフテルピン;ナルトグラスチム;ネダプラチン;ネモルビシン;ネリドロン酸;中性エンドペプチダーゼ;ニルタミド;ニサマイシン;一酸化窒素調節因子;窒素酸化物抗酸化剤;ニトルリン;O6−ベンジルグアニン;オクトレオチド;オキセノン;オリゴヌクレオチド;オナプリストン;オンダンセトロン;オンダンセトロン;オラシン;経口サイトカイン誘導物質;オルマプラチン;オサテロン;オキサリプラチン;オキサウノマイシン;パラウアミン;パルミトイルリゾキシン;パミドロン酸;パナキシトリオール;パノミフェン;パラバクチン;パゼリプチン;ペグアスパルガーゼ;ペルデシン;ペントサン多硫酸ナトリウム;ペントスタチン;ペントロゾール;ペルフルブロン;ペルホスファミド;ペリリルアルコール;フェナジノマイシン;フェニルアセテート;ホスファターゼ阻害剤;ピシバニール;塩酸ピロカルピン;ピラルビシン;ピリトレキシム;プラセチンA;プラセチンB;プラスミノーゲン活性化因子阻害剤;白金錯体;白金化合物;白金−トリアミン錯体;ポルフィメルナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニゾン;プロピルビス−アクリドン;プロスタグランジンJ2;プロテアソーム阻害剤;タンパク質A系免疫調節因子;プロテインキナーゼC阻害剤;プロテインキナーゼC阻害剤、微細藻類;タンパク質チロシンホスファターゼ阻害剤;プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤;プルプリン;ピラゾロアクリジン;ピリドキシル化ヘモグロビンポリオキシエチレン複合体;raf拮抗薬;ラルチトレキセド;ラモセトロン;rasファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤;ras阻害剤;ras−GAP阻害剤;脱メチル化レテリプチン;エチドロン酸レニウムRe186;リゾキシン;リボザイム;RIIレチンアミド;ログレチミド;ロヒツキン;ロムルチド;ロキニメックス;ルビギノンB1;ルボキシル;サフィンゴール;サイントピン;SarCNU;サルコフィトールA;サルグラモスチム;Sdi1模倣薬;セムスチン;老化誘導阻害剤1;センスオリゴヌクレオチド;シグナル伝達阻害剤;シグナル伝達調節因子;単鎖抗原結合タンパク質;シゾフラン;ソブゾキサン;ボロカプテイトナトリウム;フェニルアセテートナトリウム;ソルベロール;ソマトメジン結合タンパク質;ソネルミン;スパルホス酸;スピカマイシンD;スピロムスチン;スプレノペンチン;スポンジスタチン1;スクアラミン;幹細胞阻害剤;幹細胞分裂阻害剤;スチピアミ
ド;ストロメリシン阻害剤;スルフィノシン;超活性血管活性腸管ペプチド拮抗薬;スラジスタ;スラミン;スワインソニン;合成グリコサミノグリカン;タリムスチン;タモキシフェンメチオジド;タウロムスチン;タザロテン;テコガランナトリウム;テガフール;テルラピリリウム;テロメラーゼ阻害剤;テモポルフィン;テモゾロミド;テニポシド;テトラクロロデカオキシド;テトラゾミン;タリブラスチン;チオコラリン;トロンボポイエチン;トロンボポイエチン模倣薬;チマルファシン;チモポエチン受容体作動薬;チモトリナン;甲状腺刺激ホルモン;エチルエチオプルプリンスズ;チラパザミン;チタノセンビクロリド;トプセンチン;トレミフェン;全能性幹細胞因子;翻訳阻害剤;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシリビン;トリメトレキセート;トリプトレリン;トロピセトロン;ツロステリド;チロシンキナーゼ阻害剤;チルホスチン;UBC阻害剤;ウベニメクス;尿生殖洞由来増殖阻害因子;ウロキナーゼ受容体拮抗薬;バプレオチド;バリオリンB;ベクター系、赤血球遺伝子治療薬;ベラレソール;ベラミン;ベルディンス;ベルテポルフィン;ビノレルビン;ビンキサルチン;ビタキシン;ボロゾール;ザノテロン;ゼニプラチン;ジラスコルブ;ジノスタチンスチマラマー、アドリアマイシン、ダクチノマイシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、シスプラチン、アシビシン;アクラルビシン;塩酸アコダゾール;アクロニン;アドゼレシン;アルデスロイキン;アルトレタミン;アンボマイシン;酢酸アメタントロン;アミノグルテチミド;アムサクリン;アナストロゾール;アントラマイシン;アスパラギナーゼ;アスペルリン;アザシチジン;アゼテパ;アゾトマイシン;バチマスタット;ベンゾデパ;ビカルタミド;塩酸ビサントレン;ビスナフィドジメシレート;ビゼレシン;硫酸ブレオマイシン;ブレキナールナトリウム;ブロピリミン;ブスルファン;カクチノマイシン;カルステロン;カラセミド;カルベチマー;カルボプラチン;カルムスチン;塩酸カルビシン;カルゼルシン;セデフィンゴール;クロラムブシル;シロレマイシン;クラドリビン;メシル酸クリスナトール;シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;塩酸ダウノルビシン;デシタビン;デキソルマプラチン;デザグアニン;メシル酸デザグアニン;ジアジクオン;ドキソルビシン;塩酸ドキソルビシン;ドロロキシフェン;クエン酸ドロロキシフェン;プロピオン酸ドロモスタノロン;ズアゾマイシン;エダトレキサート;塩酸エフロルニチン;エルサミトルシン;エンロプラチン;エンプロマート;エピプロピジン;塩酸エピルビシン;エルブロゾール;塩酸エソルビシン;エストラムスチン;リン酸エストラムスチンナトリウム;エタニダゾール;エトポシド;リン酸エトポシド;エトプリン;塩酸ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フロクスウリジン;リン酸フルダラビン;フルオロウラシル;フルオロシタビン;ホスキドン;ホストリエシンナトリウム;ゲムシタビン;塩酸ゲムシタビン;ヒドロキシウレア;塩酸イダルビシン;イホスファミド;イイモホシン;インターロイキンIl(組換えインターロイキンII、または、rlL.sub.2を含む)、インターフェロンα2a;インターフェロンα2b;インターフェロンαn1;インターフェロンαn3;インターフェロンβ1a;インターフェロンγ1b;イプロプラチン;塩酸イリノテカン;酢酸ランレオチド;レトロゾール;酢酸ロイプロリド;塩酸リアロゾール;ロメトレキソールナトリウム;ロムスチン;塩酸ロソキサントロン;マソプロコール;マイタンシン;塩酸メクロレタミン;酢酸メゲストロール;酢酸メレンゲストロール;メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキサート;メトトレキサートナトリウム;メトプリン;メツレデパ;ミチンドミド;ミトカルシン;ミトクロミン;ミトギリン;ミトマルシン;マイトマイシン;ミトスペル;ミトタン;塩酸ミトキサントロン;マイコフェノール酸;ノコダゾイ;ノガラマイシン;オルマプラチン;オキシスラン;ペグアスパルガーゼ;ペリオマイシン;ペンタムスチン;硫酸ペプロマイシン;ペルホスファミド;ピポブロマン;ピポスルファン;塩酸ピロキサントロン;プリカマイシン;プロメスタン;ポルフィメルナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニムスチン;塩酸プロカルバジン;プロマイシン;塩酸プロマイシン;ピラゾフリン;リボプリン;ログレチミド;サフィンゴール;塩酸サフィンゴール;セムスチン;シムトラゼン;スパルホサートナトリウム;スパルソマイシン;塩酸スピロゲルマニウム;スピロムスチン;スピロプラチン;ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;スロフェヌル;タリソマイシン;テコガランナトリウム;テガフール;塩酸テロキサントロン;テモポルフィン;テニポシド;テロキシロン;テストラクトン;チアミプリン;チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン;クエン酸トレミフェン;酢酸トレストロン;リン酸トリシリビン;トリメトレキセート;グルクロン酸トリメトレキセート;トリプトレリン;塩酸ツブロゾール;ウラシルマスタード;ウレデパ;バプレオチド;ベルテポルフィン;硫酸ビンブラスチン;硫酸ビンクリスチン;ビンデシン;硫酸ビンデシン;硫酸ビネピジン;硫酸ビングリシナート;硫酸ビンレウロシン;酒石酸ビノレルビン;硫酸ビンロシジン;硫酸ビンゾリジン;ボロゾール;ゼニプラチン;ジノスタチン;塩酸ゾルビシン;G2−M期に細胞を停止させる及び/または微小管の形成または安定性を調節する薬剤、例えば、タキソール(商標)(すなわち、パクリタキセル)、タキソテール(商標)、タキサン骨格を含む化合物、エルブロゾール(すなわち、R−55104)、ドラスタチン10(すなわち、DLS−10及びNSC−376128)、イセチオン酸ミボブリン(すなわち、CI−980)、ビンクリスチン、NSC−639829、ディスコデルモライド(すなわち、NVP−XX−A−296)、ABT−751(Abbott、すなわち、E−7010)、アルトリルチン(例えば、アルトリルチンA及びアルトリルチンC)、スポンジスタチン(例えば、スポンジスタチン1、スポンジスタチン2、スポンジスタチン3、スポンジスタチン4、スポンジスタチン5、スポンジスタチン6、スポンジスタチン7、スポンジスタチン8、及び、スポンジスタチン9)、塩酸セマドチン(すなわち、LU−103793及びNSC−D−669356)、エポチロン(例えば、エポチロンA、エポチロンB、エポチロンC(すなわち、デスオキシエポチロンAまたはdEpoA)、エポチロンD(すなわち、KOS−862、dEpoB及びデスオキシエポチロンB)、エポチロンE、エポチロンF、エポチロンB N−オキシド、エポチロンA N−オキシド、16−アザ−エポチロンB、21−アミノエポチロンB(すなわち、BMS−310705)、21−ヒドロキシエポチロンD(すなわち、デスオキシエポチロンF及びdEpoF)、26−フルオロエポチロン)、アウリスタチンPE(すなわち、NSC−654663)、ソブリドチン(すなわち、TZT−1027)、硫酸ビンクリスチン;クリプトフィシン52(すなわち、LY−355703)、ビチレブアミド、ツブリシンA、カナデンソール、センタウレイジン(すなわち、NSC−106969)、オンコシジンA1(すなわち、BTO−956及びDIME)、フィジアノリドB、ラウリマリド、ナルコシン(NSC−5366としても周知)、ナスカピン、ヘミアステリン、バナドセンアセチルアセトネート、モンサトロール、イナノシン(すなわち、NSC−698666)、エロイテロビン(デスメチルエロイテロビン、デスアセチルエロイテロビン、イソエロイテロビンA、及び、Z−エロイテロビンなど)、カリバエオシド、カリバエオリン、ハリコンドリンB、ジアゾナミドA、タッカロノリドA、ジオゾスタチン、(−)−フェニラヒスチン(すなわち、NSCL−96F037)、ミオセベリンB、リン酸レスベラスタチンナトリウム、ステロイド(例えば、デキサメタゾン)、フィナステリド、アロマターゼ阻害薬、ゴセレリンまたはロイプロリドなどのゴナドトロピン放出ホルモン作動薬(GnRH)、副腎皮質ステロイド(例えば、プレドニゾン)、プロゲスチン(例えば、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、酢酸メドロキシプロゲステロン)、エストロゲン(例えば、ジエチルスチルベストロール、エチニルエストラジオール)、抗エストロゲン剤(例えば、タモキシフェン)、アンドロゲン剤(例えば、プロピオン酸テストステロン、フルオキシメステロン)、抗アンドロゲン剤(例えば、フルタミド)、免疫促進剤(例えば、Bacillus Calmette−Guerin(BCG)、レバミゾール、インターロイキン−2、αインターフェロンなど)、モノクローナル抗体(例えば、抗CD20、抗HER2、抗CD52、抗HLA−DR及び抗VEGFモノクローナル抗体)、免疫毒素複合体(例えば、抗CD33モノクローナル抗体−カリケアミシン複合体、抗CD22モノクローナル抗体−シュードモナスエキソトキシン複合体など)、放射免疫治療薬(例えば、111In、90Yまたは131Iにコンジュゲートした抗CD20モノクローナル抗体など)、トリプトリド、ホモハリングトニン、ダクチノマイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、トポテカン、イトラコナゾール、ビンデシン、セリバスタチン、ビンクリスチン、デオキシアデノシン、セルトラリン、ピタバスタチン、イリノテカン、クロファジミン、5−ノニルオキシトリプタミン、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、EGFR阻害剤、上皮成長因子受容体(EGFR)標的化療法または治療薬(例えば、ゲフィチニブ(Iressa(商標))、エルロチニブ(Tarceva(商標))、セツキシマブ(Erbitux(商標))、ラパチニブ(Tykerb(商標))、パニツムマブ(Vectibix(商標))、バンデタニブ(Caprelsa(商標))、アファチニブ/BIBW2992、CI−1033/カネルチニブ、ネラチニブ/HKI−272、CP−724714、TAK−285、AST−1306、ARRY334543、ARRY−380、AG−1478、ダコミチニブ/PF299804、OSI−420/デスメチルエルロチニブ、AZD8931、AEE788、ペリチニブ/EKB−569、CUDC−101、WZ8040、WZ4002、WZ3146、AG−490、XL647、PD153035、BMS−599626)、ソラフェニブ、イマチニブ、スニチニブ、ダサチニブ、ホルモン治療薬などが挙げられるがこれらに限定されない。
「類似体(analog)」及び「類似体(analogue)」は同じ意味で用いられ、化学及び生物学におけるそれらの全く通常の意味に従い用いられ、別の化合物(すなわち、いわゆる「参照」化合物)と構造的に類似してはいるが、組成が異なる(例えば、1個の原子が元素の異なる原子で置換されている、特定の官能基が存在する、1個の官能基が別の官能基で置換されている、または、参照化合物(その異性体を含む)の1つまたは複数のキラル中心の絶対立体化学)化合物のことを意味する。それゆえ、類似体とは、参照化合物の機能及び外観と類似または同等ではあるが、参照化合物の構造または原型ではない化合物のことである。
本明細書で使用する場合、用語「約」とは、明記した数値を含む数値の範囲のことを意味し、当業者であれば合理的に、明記した数値と同様に捉えるであろう。実施形態では、約とは、当該技術分野において通常許容される測定法を用いた標準偏差の範囲内であることを意味する。実施形態では、約とは、明記した数値の+/−10%に及ぶ範囲のことを意味する。実施形態では、約とは、明記した数値のことを意味する。
実施形態では、本明細書に記載の化合物は、R及び/またはその他変化形態の複数の例を含んでいてもよい。このような実施形態では、それぞれの変化形態は、任意選択的に異なっていてもよく、また適宜、それぞれの基をより明確に識別するために標識されてもよい。例えば、それぞれのRが異なる場合、それらをそれぞれ、例えば、R2.1、R2.2、R2.3及び/またはR2.4と呼んでもよく、Rの定義は、R2.1、R2.2、R2.3及び/またはR2.4に適用される。複数の例に見られて異なる、R及び/またはその他変化形態の定義に用いる変化形態は、適宜同様に、それぞれの基をより明確に識別するために標識されてもよい。一部の実施形態では、化合物は、本明細書に記載の化合物(例えば、態様、実施形態、実施例、請求項、表、スキーム、図面または図に記載の)である。
用語「有機アニオントランスポーター」とは、有機アニオン(例えば、葉酸)の細胞膜間輸送を媒介するタンパク質のことを意味する。実施形態では、「有機アニオントランスポーター」は、還元型葉酸担体(例えば、RFC、SLC19A1)、プロトン結合葉酸トランスポーター(PCFT)、有機アニオントランスポーター1(例えば、OAT1(SLC22A6))、有機アニオントランスポーター3(例えば、OAT3(SLC22A8))、または、有機アニオン輸送ポリペプチド1A2(例えば、OATP1A2(SLCO1A2))もしくは有機アニオン輸送ポリペプチド2B1(例えば、OATP2B1(SLCO2B1))である。
用語「葉酸トランスポーター」、「溶質担体ファミリー19(葉酸トランスポーター)、メンバー1」、「SLC19A1」、「RFC1」または「RFC」とは、葉酸化合物を輸送する有機アニオントランスポータータンパク質のことを意味する。用語「葉酸トランスポーター」とは、SLC19A1遺伝子がコードする、ヒト葉酸トランスポーターのヌクレオチド配列またはタンパク質配列(3種類の異なるアイソフォーム、RefSeq NM_001205206、GI:327199313、NP_001192135、及び/または、RefSeq NM_001205207、GI:327199316、NP_001192136、及び/または、RefSeq NM_194255、GI:34808710、NP_919231を有する)のことを意味し得る。用語「葉酸トランスポーター」は、ヌクレオチド配列またはタンパク質の野生型形態と、その任意の変異体との両方を含む。一部の実施形態では、「葉酸トランスポーター」は、野生型の葉酸トランスポーターである。実施形態では、「葉酸トランスポーター」は、1種または複数種の変異体形態である。実施形態では、葉酸トランスポーターは、ヒト葉酸トランスポーターである。実施形態では、葉酸トランスポーターは、参照番号GI:327199313に対応するヌクレオチド配列を有する。実施形態では、葉酸トランスポーターは、RefSeq NM_001205206.1に対応するヌクレオチド配列を有する。実施形態では、葉酸トランスポーターは、参照番号GI:327199314に対応するタンパク質配列を有する。実施形態では、葉酸トランスポーターは、RefSeq NP_001192135.1に対応するタンパク質配列を有する。
用語「プロトン結合葉酸トランスポーター」、「溶質担体ファミリー46(葉酸トランスポーター)、メンバー1」、「SLC46A1」または「PCFT」とは、葉酸化合物を輸送する有機アニオントランスポータータンパク質のことを意味する。用語「プロトン結合葉酸トランスポーター」とは、ヒトプロトン結合葉酸トランスポーターのヌクレオチド配列またはタンパク質配列(例えば、Entrez 113235、Uniprot Q96NT5、RefSeq NM_001242366、GI:530788235、RefSeq NP_001229295、及び/または、RefSeq NM_080669、GI:530788234、RefSeq NP_542400)のことを意味し得る。用語「プロトン結合葉酸トランスポーター」は、ヌクレオチド配列またはタンパク質の野生型形態と、その任意の変異体との両方を含む。一部の実施形態では、「プロトン結合葉酸トランスポーター」は、野生型のプロトン結合葉酸トランスポーターである。実施形態では、「プロトン結合葉酸トランスポーター」は、1種または複数種の変異体形態である。実施形態では、プロトン結合葉酸トランスポーターは、ヒトプロトン結合葉酸トランスポーターである。実施形態では、プロトン結合葉酸トランスポーターは、参照番号GI:530788235に対応するヌクレオチド配列を有する。実施形態では、プロトン結合葉酸トランスポーターは、RefSeq NM_001242366.2に対応するヌクレオチド配列を有する。実施形態では、プロトン結合葉酸トランスポーターは、参照番号GI:334688816に対応するタンパク質配列を有する。実施形態では、プロトン結合葉酸トランスポーターは、RefSeq NP_001229295.1に対応するタンパク質配列を有する。
用語「有機アニオントランスポーター1」または「OAT1」とは、葉酸化合物を輸送する有機アニオントランスポータータンパク質のことを意味する。用語「有機アニオントランスポーター1」とは、SLC22A6遺伝子がコードする、ヒト有機アニオントランスポーター1のヌクレオチド配列またはタンパク質配列(例えば、Entrez 9356、Uniprot Q4U2R8、RefSeq NM_004790、GI:332164709、RefSeq NP_004781、及び/または、RefSeq NM_153276、GI:332164711、RefSeq NP_695008、及び/または、RefSeq NM_153277、GI:24497478、RefSeq NP_695009、及び/または、RefSeq NM_153278、GI:24497480、RefSeq NP_695010、GI:20070188)のことを意味し得る。用語「有機アニオントランスポーター1」は、ヌクレオチド配列またはタンパク質の野生型形態と、その任意の変異体との両方を含む。一部の実施形態では、「有機アニオントランスポーター1」は、野生型の有機アニオントランスポーター1である。実施形態では、「有機アニオントランスポーター1」は、1種または複数種の変異体形態である。実施形態では、有機アニオントランスポーター1は、ヒト有機アニオントランスポーター1である。実施形態では、有機アニオントランスポーター1は、参照番号GI:332164709に対応するヌクレオチド配列を有する。実施形態では、有機アニオントランスポーター1は、RefSeq NM_004790.4に対応するヌクレオチド配列を有する。実施形態では、有機アニオントランスポーター1は、参照番号GI:20070188に対応するタンパク質配列を有する。実施形態では、有機アニオントランスポーター1は、RefSeq NP_004781.2に対応するタンパク質配列を有する。
用語「有機アニオントランスポーター3」または「OAT3」とは、葉酸化合物を輸送する有機アニオントランスポータータンパク質のことを意味する。用語「有機アニオントランスポーター3」とは、SLC22A8遺伝子がコードする、ヒト有機アニオントランスポーター3のヌクレオチド配列またはタンパク質配列(例えば、Entrez 9376、Uniprot Q8TCC7、RefSeq NM_001184732、GI:296080718、RefSeq NP_001171661、及び/または、RefSeq NM_001184733、RefSeq NP_001171662、GI:296080721、及び/または、RefSeq NM_001184736、RefSeq NP_001171665、GI:296080734、及び/または、RefSeq NM_004254、RefSeq NP_004245、GI:24497499)のことを意味し得る。用語「有機アニオントランスポーター3」は、ヌクレオチド配列またはタンパク質の野生型形態と、その任意の変異体との両方を含む。一部の実施形態では、「有機アニオントランスポーター3」は、野生型の有機アニオントランスポーター3である。実施形態では、「有機アニオントランスポーター3」は、1種または複数種の変異体形態である。実施形態では、有機アニオントランスポーター3は、ヒト有機アニオントランスポーター3である。実施形態では、有機アニオントランスポーター3は、参照番号GI:296080718に対応するヌクレオチド配列を有する。実施形態では、有機アニオントランスポーター3は、RefSeq NM_001184732.1に対応するヌクレオチド配列を有する。実施形態では、有機アニオントランスポーター3は、参照番号GI:296080719に対応するタンパク質配列を有する。実施形態では、有機アニオントランスポーター3は、RefSeq NP_001171661.1に対応するタンパク質配列を有する。
用語「有機アニオン輸送ポリペプチド1A2」、「OATP1A2」または「SLCO1A2」とは、葉酸化合物を輸送する有機アニオントランスポータータンパク質のことを意味する。用語「有機アニオン輸送ポリペプチド1A2」とは、SLCO1A2遺伝子がコードする、ヒト有機アニオン輸送ポリペプチド1A2のヌクレオチド配列またはタンパク質配列(例えば、Entrez 6579、Uniprot P46721、RefSeq NM_005075、GI:19913400、RefSeq NP_066580、及び/または、RefSeq NM_021094、NP_066580、GI:10835099、及び/または、RefSeq NM_134431、NP_602307、GI:19913403)のことを意味し得る。用語「有機アニオン輸送ポリペプチド1A2」は、ヌクレオチド配列またはタンパク質の野生型形態と、その任意の変異体との両方を含む。一部の実施形態では、「有機アニオン輸送ポリペプチド1A2」は、野生型の有機アニオン輸送ポリペプチド1A2である。実施形態では、「有機アニオン輸送ポリペプチド1A2」は、1種または複数種の変異体形態である。実施形態では、有機アニオン輸送ポリペプチド1A2は、ヒト有機アニオン輸送ポリペプチド1A2である。実施形態では、有機アニオン輸送ポリペプチド1A2は、参照番号GI:19913400に対応するヌクレオチド配列を有する。実施形態では、有機アニオン輸送ポリペプチド1A2は、RefSeq NM_005075.1に対応するヌクレオチド配列を有する。実施形態では、有機アニオン輸送ポリペプチド1A2は、参照番号GI:10835099に対応するタンパク質配列を有する。実施形態では、有機アニオン輸送ポリペプチド1A2は、RefSeq NP_066580.1に対応するタンパク質配列を有する。
用語「有機アニオン輸送ポリペプチド2B1」、「OATP2B1」または「SLCO2B1」とは、葉酸化合物を輸送する有機アニオントランスポータータンパク質のことを意味する。用語「有機アニオン輸送ポリペプチド2B1」とは、SLCO2B1遺伝子がコードする、ヒト有機アニオン輸送ポリペプチド2B1のヌクレオチド配列またはタンパク質配列(例えば、Entrez 11309、Uniprot O94956、RefSeq NM_001145211、GI:312176373、RefSeq NP_001138683、及び/または、GI:223634012)のことを意味し得る。用語「有機アニオン輸送ポリペプチド2B1」は、ヌクレオチド配列またはタンパク質の野生型形態と、その任意の変異体との両方を含む。一部の実施形態では、「有機アニオン輸送ポリペプチド2B1」は、野生型の有機アニオン輸送ポリペプチド2B1である。実施形態では、「有機アニオン輸送ポリペプチド2B1」は、1種または複数種の変異体形態である。実施形態では、有機アニオン輸送ポリペプチド2B1は、ヒト有機アニオン輸送ポリペプチド2B1である。実施形態では、有機アニオン輸送ポリペプチド2B1は、参照番号GI:312176373に対応するヌクレオチド配列を有する。実施形態では、有機アニオン輸送ポリペプチド2B1は、RefSeq NM_001145211.2に対応するヌクレオチド配列を有する。実施形態では、有機アニオン輸送ポリペプチド2B1は、参照番号GI:223634012に対応するタンパク質配列を有する。実施形態では、有機アニオン輸送ポリペプチド2B1は、RefSeq NP_001138683.1に対応するタンパク質配列を有する。
用語「白金系化合物」は、その通常の意味に従い用いられ、配位白金物質のことを意味する。例えば、白金系化合物は、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、サトラプラチン、ピコプラチン、ネダプラチン、トリプラチン、または本明細書に記載の化合物であってもよい。
II.化合物
一態様では、式、
Figure 2019501878
Figure 2019501878
を有する化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
は独立して、水素、ハロゲン、−CY 、−CN、−OH、−NH、−COOH、−CONH、−NO、−SH、−SOH、−SOH、−SONH、−ONH、−NHC=(O)NHNH、−NHC=(O)NH、−NHSOH、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCY 、−OCHY 、−OCF、−SR、−OSO、−OSOH、−NHNH、−ONR、−NHC=(O)NR、−NR、−OC(O)R、−OC(O)NR、−OR、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、または、置換または非置換ヘテロアリールである。実施形態では、Rは独立して、ハロゲン、−CY 、−CN、−SR、−OSO、−OSOH、−NHNH、−ONR、−NHC(O)NHNH、−C(O)R、−C(O)NR、−NHC(O)NR、−NR、−OC(O)R、−OC(O)NR、−OR、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、または、置換または非置換ヘテロアリールである。Rは独立して、ハロゲン、−CN、−OH、−NH、−COOH、−CONH、−NO、−SH、−SOH、−SOH、−SONH、−NHNH、−ONH、−NHC=(O)NHNH、−NHC=(O)NH、−NHSOH、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCY 、−OCHY 、−OCF、−CY 、−SO10、−SONR1112、−ONR1112、−NHC=(O)NR1112、−N(O)、−NR1112、−C(O)R13、−C(O)−OR13、−C(O)NR1112、−OR10、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、または、置換または非置換ヘテロアリールである。実施形態では、Rは独立して、ハロゲン、−CY 、−CN、−SO10、−SONR1112、−NHNH、−ONR1112、−NHC=(O)NHNH、−NHC=(O)NR1112、−N(O)、−NR1112、−C(O)R13、−C(O)−OR13、−C(O)NR1112、−OR10、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、または、置換または非置換ヘテロアリールである。2個の隣接したR置換基は、任意選択的に結合して、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、または、置換または非置換ヘテロアリールを形成してもよい。Rは、非置換C−CアルキルまたはHである。R、R及びR32は独立して、ハロゲン、
Figure 2019501878
−OH、−NH、−NH、−OH、チオ硫酸、非置換アルキル(例えば、C−Cアルキル)、−N、−SCNまたは−CNである。R及びRは、任意選択的に結合して、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、または、置換または非置換ヘテロアリールを形成してもよい。R及びR32は、任意選択的に結合して、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、または、置換または非置換ヘテロアリールを形成してもよい。R及びR32は、任意選択的に結合して、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、または、置換または非置換ヘテロアリールを形成してもよい。R、R、R、R、R10、R11、R12及びR13は独立して、水素、ハロゲン、−CY 、−CN、−OH、−NH、−COOH、−CONH、−NO、−SH、−SOCl、−SOH、−SOH、−SONH、−NHNH、−ONH、−NHC=(O)NHNH、−NHC=(O)NH、−NHSOH、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCY 、−OCHY 、−CF、−OCF、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、または、置換または非置換ヘテロアリールである。同一の窒素原子に結合したR置換基及びR置換基は、任意選択的に結合して、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、または、置換または非置換ヘテロアリールを形成してもよく、同一の窒素原子に結合したR11置換基及びR12置換基は、任意選択的に結合して、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、または、置換または非置換ヘテロアリールを形成してもよい。記号zは、0〜4の整数である。記号uは独立して、1〜2の整数である。記号mは独立して、1〜2の整数である。記号qは独立して、0〜4の整数である。記号Y及びYは独立して、−Cl、−Br、−Iまたは−Fである。
実施形態では、化合物は、式、
Figure 2019501878
を有する。
実施形態では、Rは独立して、ハロゲン、−SR、−OSO、−OSOH、−NHNH、−ONR、−NHC=(O)NHNH、−NHC=(O)NR、−NR、−OC(O)R、−OC(O)NR、−OR、−CHC=(O)NR、置換または非置換アルキル(例えば、C−Cアルキル、C−CアルキルまたはC−Cアルキル)、置換または非置換ヘテロアルキル(例えば、2〜10員環ヘテロアルキル、2〜8員環ヘテロアルキル、4〜8員環ヘテロアルキル、2〜6員環ヘテロアルキル、または、2〜4員環ヘテロアルキル)、置換または非置換シクロアルキル(例えば、C−Cシクロアルキル、C−CシクロアルキルまたはC−Cシクロアルキル)、置換または非置換ヘテロシクロアルキル(例えば、3〜8員環ヘテロシクロアルキル、4〜8員環ヘテロシクロアルキル、または、5〜6員環ヘテロシクロアルキル)、置換または非置換アリール(例えば、C−C10アリールまたはCアリール)、または、置換または非置換ヘテロアリール(例えば、5〜10員環ヘテロアリール、5〜9員環ヘテロアリール、または、5〜6員環ヘテロアリール)である。実施形態では、Rは水素である。
実施形態では、Rは独立して、ハロゲン、−CY 、−CN、−OH、−NH、−COOH、−CONH、−NO、−SH、−SOH、−SOH、−SONH、−ONH、−NHC=(O)NHNH、−NHC=(O)NH、−NHSOH、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCY 、−OCHY 、−OCF、−SR、−OSO、−OSOH、−NHNH、−ONR、−NHC=(O)NR、−NR、−OC(O)R、−OC(O)NR、−OR、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、または、置換または非置換ヘテロアリールである。実施形態では、Rは独立して、ハロゲン、−CY 、−CN、−SR、−OSO、−OSOH、−NHNH、−ONR、−NHC(O)NHNH、−C(O)R、−C(O)NR、−NHC(O)NR、−NR、−OC(O)R、−OC(O)NR、−OR、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、または、置換または非置換ヘテロアリールである。
実施形態では、Rは、置換または非置換ヘテロアルキルである。実施形態では、Rは、置換または非置換2〜10員環ヘテロアルキルである。実施形態では、Rは、置換または非置換4〜8員環ヘテロアルキルである。実施形態では、Rは、オキソ、−OH、−NH、−SH、−COOH、−CN、−CF、−NO、ハロゲン、非置換アルキル、非置換ヘテロアルキル、非置換シクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル、非置換アリール、または、非置換ヘテロアリールで置換される。
実施形態では、Rは、置換または非置換アルキル(例えば、C−Cアルキル、C−CアルキルまたはC−Cアルキル)、置換または非置換ヘテロアルキル(例えば、2〜10員環ヘテロアルキル、2〜8員環ヘテロアルキル、4〜8員環ヘテロアルキル、2〜6員環ヘテロアルキル、または、2〜4員環ヘテロアルキル)である。実施形態では、Rは、置換または非置換C−Cアルキルである。実施形態では、Rは、置換または非置換C−Cアルキルである。実施形態では、Rは、置換または非置換C−Cアルキルである。実施形態では、Rは、置換または非置換2〜10員環ヘテロアルキルである。実施形態では、Rは、置換または非置換2〜8員環ヘテロアルキルである。実施形態では、Rは、置換または非置換4〜8員環ヘテロアルキルである。実施形態では、Rは、置換または非置換2〜6員環ヘテロアルキルである。実施形態では、Rは、置換または非置換2〜4員環ヘテロアルキルである。実施形態では、Rは、置換または非置換5員環ヘテロアルキルである。
実施形態では、Rは、置換アルキル(例えば、C−Cアルキル、C−CアルキルまたはC−Cアルキル)、置換ヘテロアルキル(例えば、2〜10員環ヘテロアルキル、2〜8員環ヘテロアルキル、4〜8員環ヘテロアルキル、2〜6員環ヘテロアルキル、または、2〜4員環ヘテロアルキル)である。実施形態では、Rは、置換C−Cアルキルである。実施形態では、Rは、置換C−Cアルキルである。実施形態では、Rは、置換C−Cアルキルである。実施形態では、Rは、置換2〜10員環ヘテロアルキルである。実施形態では、Rは、置換2〜8員環ヘテロアルキルである。実施形態では、Rは、置換4〜8員環ヘテロアルキルである。実施形態では、Rは、置換2〜6員環ヘテロアルキルである。実施形態では、Rは、置換2〜4員環ヘテロアルキルである。実施形態では、Rは、置換5員環ヘテロアルキルである。実施形態では、Rは、オキソ、−OHまたは−COOHで置換される。実施形態では、Rは、オキソで置換される。実施形態では、Rは、−OHで置換される。実施形態では、Rは、−COOHで置換される。
実施形態では、Rは−C(O)NRである。実施形態では、Rは−C(O)NHRである。実施形態では、Rは、置換C−Cアルキルである。実施形態では、Rは、置換C−Cアルキルである。実施形態では、Rは、置換C−Cアルキルである。実施形態では、Rは、置換C−Cアルキルである。実施形態では、Rは、オキソ、−OHまたは−COOHで置換される。実施形態では、Rは、オキソで置換される。実施形態では、Rは、−OHで置換される。実施形態では、Rは、−COOHで置換される。
実施形態では、Rは、以下の基、
Figure 2019501878
から選択される。
実施形態では、Rは、オキソ、−OH、−NH、−SH、−COOH、−CN、−CF、−NO、ハロゲン、非置換アルキル(例えば、C−Cアルキル)、非置換ヘテロアルキル、非置換シクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル、非置換アリール、または、非置換ヘテロアリールで置換される。実施形態では、Rは、オキソ、−OHまたは−COOHで置換される。
実施形態では、Rは独立して、ハロゲン、−CY 、−SR、−OSO、−OSOH、−NHNH、−ONR、−NHC(O)NHNH、−C(O)R、−C(O)NR、−NHC(O)NR、−NR、−OC(O)R、−OC(O)NR、−OR、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、または、置換または非置換ヘテロアリールである。
実施形態では、Rは独立して、ハロゲン、−SR、−OSO、−OSOH、−NHNH、−ONR、−NHC=(O)NHNH、−NHC=(O)NR、−NR、−OC(O)R、−OC(O)NR、−OR、R14置換または非置換アルキル、R14置換または非置換ヘテロアルキル、R14置換または非置換シクロアルキル、R14置換または非置換ヘテロシクロアルキル、R14置換または非置換アリール、または、R14置換または非置換ヘテロアリールである。
実施形態では、Rは独立して、ハロゲン、−SR、−OSO、−OSOH、−NHNH、−ONR、−NHC=(O)NHNH、−NHC=(O)NR、−NR、−OC(O)R、−OC(O)NR、−OR、R14置換または非置換アルキル(例えば、C−Cアルキル、C−CアルキルまたはC−Cアルキル)、R14置換または非置換ヘテロアルキル(例えば、2〜10員環ヘテロアルキル、2〜8員環ヘテロアルキル、4〜8員環ヘテロアルキル、2〜6員環ヘテロアルキル、または、2〜4員環ヘテロアルキル)、R14置換または非置換シクロアルキル(例えば、C−Cシクロアルキル、C−CシクロアルキルまたはC−Cシクロアルキル)、R14置換または非置換ヘテロシクロアルキル(例えば、3〜8員環ヘテロシクロアルキル、4〜8員環ヘテロシクロアルキル、または、5〜6員環ヘテロシクロアルキル)、R14置換または非置換アリール(例えば、C−C10アリールまたはCアリール)、または、R14置換または非置換ヘテロアリール(例えば、5〜10員環ヘテロアリール、5〜9員環ヘテロアリール、または、5〜6員環ヘテロアリール)である。
14は独立して、オキソ、ハロゲン、−CF、−CN、−OH、−NH、−COOH、−CONH、−NO、−SH、−SOH、−SOH、−SONH、−NHNH、−ONH、−NHC=(O)NHNH、−NHC=(O)NH、−NHSOH、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCF、−OCHF、R15置換または非置換アルキル(例えば、C−Cアルキル、C−CアルキルまたはC−Cアルキル)、R15置換または非置換ヘテロアルキル(例えば、2〜8員環ヘテロアルキル、2〜6員環ヘテロアルキル、または、2〜4員環ヘテロアルキル)、R15置換または非置換シクロアルキル(例えば、C−Cシクロアルキル、C−CシクロアルキルまたはC−Cシクロアルキル)、R15置換または非置換ヘテロシクロアルキル(例えば、3〜8員環ヘテロシクロアルキル、4〜8員環ヘテロシクロアルキル、または、5〜6員環ヘテロシクロアルキル)、R15置換または非置換アリール(例えば、C−C10アリールまたはCアリール)、または、R15置換または非置換ヘテロアリール(例えば、5〜10員環ヘテロアリール、5〜9員環ヘテロアリール、または、5〜6員環ヘテロアリール)である。実施形態では、R14はグルタミン酸である。実施形態では、R14はオキソである。実施形態では、R14は−COOHである。実施形態では、R14は−OHである。実施形態では、R14は−CHである。
実施形態では、R14は、オキソ、−OH、−NH、−SH、−COOH、−CN、−CF、−NO、ハロゲン、非置換アルキル、非置換ヘテロアルキル、非置換シクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル、非置換アリール、または、非置換ヘテロアリールである。
実施形態では、化合物は、式、
Figure 2019501878
を有し、式中、R、z、R、R、R及びR32は、本明細書に記載のとおりである。記号n1は、0〜8の整数である。記号n1は、1〜8の整数である。記号n1は、2〜8の整数である。実施形態では、n1は、2〜6の整数である。実施形態では、n1は、2〜4の整数である。実施形態では、n1は2である。
実施形態では、化合物は、式、
Figure 2019501878
を有し、式中、R、z、R、R、R及びR32は、本明細書に記載のとおりである。
実施形態では、Rは独立して、ハロゲン、−CY 、−CN、−SO10、−SONR1112、−NHNH、−ONR1112、−NHC=(O)NHNH、−NHC=(O)NR1112、−N(O)、−NR1112、−C(O)R13、−C(O)−OR13、−C(O)NR1112、−OR10、置換または非置換アルキル(例えば、C−Cアルキル、C−CアルキルまたはC−Cアルキル)、置換または非置換ヘテロアルキル(例えば、2〜8員環ヘテロアルキル、2〜6員環ヘテロアルキル、または、2〜4員環ヘテロアルキル)、置換または非置換シクロアルキル(例えば、C−Cシクロアルキル、C−CシクロアルキルまたはC−Cシクロアルキル)、置換または非置換ヘテロシクロアルキル(例えば、3〜8員環ヘテロシクロアルキル、4〜8員環ヘテロシクロアルキル、または、5〜6員環ヘテロシクロアルキル)、置換または非置換アリール(例えば、C−C10アリールまたはCアリール)、または、置換または非置換ヘテロアリール(例えば、5〜10員環ヘテロアリール、5〜9員環ヘテロアリール、または、5〜6員環ヘテロアリール)である。2個の隣接したR置換基は、任意選択的に結合して、置換または非置換シクロアルキル(例えば、C−Cシクロアルキル、C−CシクロアルキルまたはC−Cシクロアルキル)、置換または非置換ヘテロシクロアルキル(例えば、3〜8員環ヘテロシクロアルキル、4〜8員環ヘテロシクロアルキル、または、5〜6員環ヘテロシクロアルキル)、置換または非置換アリール(例えば、C−C10アリールまたはCアリール)、または、置換または非置換ヘテロアリール(例えば、5〜10員環ヘテロアリール、5〜9員環ヘテロアリール、または、5〜6員環ヘテロアリール)を形成してもよい。
実施形態では、Rは、非置換アルキル(例えば、C−Cアルキル、C−CアルキルまたはC−Cアルキル)、非置換ヘテロアルキル(例えば、2〜8員環ヘテロアルキル、2〜6員環ヘテロアルキルまたは2〜4員環ヘテロアルキル)、非置換シクロアルキル(例えば、C−Cシクロアルキル、C−CシクロアルキルまたはC−Cシクロアルキル)、非置換ヘテロシクロアルキル(例えば、3〜8員環ヘテロシクロアルキル、4〜8員環ヘテロシクロアルキル、または、5〜6員環ヘテロシクロアルキル)、非置換アリール(例えば、C−C10アリールまたはCアリール)、または、非置換ヘテロアリール(例えば、5〜10員環ヘテロアリール、5〜9員環ヘテロアリール、または、5〜6員環ヘテロアリール)である。2個の隣接したR置換基は、任意選択的に結合して、非置換シクロアルキル(例えば、C−Cシクロアルキル、C−CシクロアルキルまたはC−Cシクロアルキル)、非置換ヘテロシクロアルキル(例えば、3〜8員環ヘテロシクロアルキル、4〜8員環ヘテロシクロアルキル、または、5〜6員環ヘテロシクロアルキル)、非置換アリール(例えば、C−C10アリールまたはCアリール)、または、非置換ヘテロアリール(例えば、5〜10員環ヘテロアリール、5〜9員環ヘテロアリール、または、5〜6員環ヘテロアリール)を形成してもよい。実施形態では、Rは、非置換アルキル(例えば、C−Cアルキル、C−CアルキルまたはC−Cアルキル)、または、非置換ヘテロアルキル(例えば、2〜8員環ヘテロアルキル、2〜6員環ヘテロアルキル、または、2〜4員環ヘテロアルキル)である。
実施形態では、Rは非置換ブチルである。実施形態では、Rは非置換プロピルである。実施形態では、Rは非置換エチルである。実施形態では、Rは非置換メチルである。実施形態では、Rは水素である。
実施形態では、R、R及びR32は独立して、ハロゲン、
Figure 2019501878
−OH、−NH、−NH、−OH、チオ硫酸、−N、−SCNまたは−CNである。実施形態では、R及びRは、任意選択的に結合して、置換(例えば、独立して、1個または複数個の置換基、サイズ限定置換基または低級置換基で置換)または非置換シクロアルキル、置換(例えば、独立して、1個または複数個の置換基、サイズ限定置換基または低級置換基で置換)または非置換ヘテロシクロアルキル、置換(例えば、独立して、1個または複数個の置換基、サイズ限定置換基または低級置換基で置換)または非置換アリール、または、置換または非置換ヘテロアリールを形成してもよい。実施形態では、R及びR32は、任意選択的に結合して、置換(例えば、独立して、1個または複数個の置換基、サイズ限定置換基または低級置換基で置換)または非置換シクロアルキル、置換(例えば、独立して、1個または複数個の置換基、サイズ限定置換基または低級置換基で置換)または非置換ヘテロシクロアルキル、置換(例えば、独立して、1個または複数個の置換基、サイズ限定置換基または低級置換基で置換)または非置換アリール、または、置換(例えば、独立して、1個または複数個の置換基、サイズ限定置換基または低級置換基で置換)または非置換ヘテロアリールを形成してもよい。実施形態では、R及びR32は、任意選択的に結合して、置換(例えば、独立して、1個または複数個の置換基、サイズ限定置換基または低級置換基で置換)または非置換シクロアルキル、置換(例えば、独立して、1個または複数個の置換基、サイズ限定置換基または低級置換基で置換)または非置換ヘテロシクロアルキル、置換(例えば、独立して、1個または複数個の置換基、サイズ限定置換基または低級置換基で置換)または非置換アリール、または、置換(例えば、独立して、1個または複数個の置換基、サイズ限定置換基または低級置換基で置換)または非置換ヘテロアリールを形成してもよい。実施形態では、R及びRは、任意選択的に結合して、非置換シクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル、非置換アリール、または、置換または非置換ヘテロアリールを形成してもよい。実施形態では、R及びR32は、任意選択的に結合して、非置換シクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル、非置換アリール、または、非置換ヘテロアリールを形成してもよい。実施形態では、R及びR32は、任意選択的に結合して、非置換シクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル、非置換アリール、または、非置換ヘテロアリールを形成してもよい。
実施形態では、Rは、ハロゲンまたは
Figure 2019501878
である。実施形態では、Rはハロゲンである。実施形態では、RはClである。実施形態では、R
Figure 2019501878
である。実施形態では、Rは、ハロゲンまたは
Figure 2019501878
である。実施形態では、Rはハロゲンである。実施形態では、RはClである。実施形態では、R
Figure 2019501878
である。実施形態では、R32は、ハロゲンまたは
Figure 2019501878
である。実施形態では、R32はハロゲンである。実施形態では、R32はClである。実施形態では、R32
Figure 2019501878
である。実施形態では、R及びRは、ハロゲンであり、R32は、
Figure 2019501878
である。実施形態では、R及びRは、Clであり、R32は、
Figure 2019501878
である。
実施形態では、Rは、ハロゲン、ジメチルスルホキシド、−HO、−N、−NH、−NH、−SCN、−CN、−OH、チオ硫酸、または、非置換アルキル(例えば、C−Cアルキル)である。実施形態では、Rは、ハロゲンまたはジメチルスルホキシドである。実施形態では、Rはハロゲンである。実施形態では、Rは−HOである。実施形態では、Rはジメチルスルホキシドである。実施形態では、Rは−Clである。実施形態では、Rは−NHである。実施形態では、Rは−NHである。
実施形態では、Rは、ハロゲン、ジメチルスルホキシド、−HO、−N、−NH、−NH、−SCN、−CN、−OH、チオ硫酸、または、非置換アルキル(例えば、C−Cアルキル)である。実施形態では、Rは、ハロゲンまたはジメチルスルホキシドである。実施形態では、Rはハロゲンである。実施形態では、Rは−HOである。実施形態では、Rはジメチルスルホキシドである。実施形態では、Rは−Clである。実施形態では、Rは−NHである。実施形態では、Rは−NHである。
実施形態では、R32は、ハロゲン、ジメチルスルホキシド、−HO、−N、−NH、−NH、−SCN、−CN、−OH、チオ硫酸、または、非置換アルキル(例えば、C−Cアルキル)である。実施形態では、R32は、ハロゲンまたはジメチルスルホキシドである。実施形態では、R32はハロゲンである。実施形態では、R32は−HOである。実施形態では、R32はジメチルスルホキシドである。実施形態では、R32は−Clである。実施形態では、R32は−NHである。実施形態では、R32は−NHである。
実施形態では、R及びRは、任意選択的に結合して、シュウ酸、シクロブタンジカルボン酸、または、シス−1,2−ジアミノシクロヘキサンを形成してもよい。実施形態では、R及びR32は、任意選択的に結合して、シュウ酸、シクロブタンジカルボン酸、または、シス−1,2−ジアミノシクロヘキサンを形成してもよい。実施形態では、R32及びRは、任意選択的に結合して、シュウ酸、シクロブタンジカルボン酸、または、シス−1,2−ジアミノシクロヘキサンを形成してもよい。
実施形態では、Rは、−Clであり、Rは、ジメチルスルホキシドである。実施形態では、Rは、ジメチルスルホキシドであり、Rは、−Clである。実施形態では、R及びRは、結合して、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、または、置換または非置換ヘテロアリールを形成する。実施形態では、上記のとおりにR及びRが結合することで形成された部分は、Pt原子、ならびに、Pt原子とRとの間の結合及びPt原子とRとの間の結合を含まず、また、R及びRが結合することで形成された置換基であるにもかかわらず、Pt原子とRとの間の結合及びPt原子とRとの間の結合は、PtとR及びRとの間に存在するということを理解されたい。例えば、R及びRが結合して置換シクロアルキルを形成する場合、置換シクロアルキルは、Pt原子との結合を形成することに加えて、シクロアルキル環状の置換を含むと理解されたい。別の例としては、R及びRが結合して非置換ヘテロシクロアルキルを形成する場合、得られた非置換ヘテロシクロアルキルは、非置換環からPt原子への結合を含む。実施形態では、R及びRは、結合して、置換または非置換ヘテロシクロアルキルを形成し、置換または非置換ヘテロシクロアルキルは、環ヘテロ原子としてPt原子を含み、Pt原子とRとの間の結合及びPt原子とRとの間の結合は、置換または非置換ヘテロシクロアルキル内の環結合である。R、R及びPt原子が結合することで形成された置換または非置換ヘテロシクロアルキルは、別の環ヘテロ原子もまた包含してもよいが少なくともPt環原子を包含するため、ヘテロシクロアルキル環であると理解されたい。
実施形態では、Rは、−Clであり、R32は、ジメチルスルホキシドである。実施形態では、Rは、ジメチルスルホキシドであり、R32は、−Clである。実施形態では、R及びR32は、結合して、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、または、置換または非置換ヘテロアリールを形成する。実施形態では、上記のとおりにR及びR32が結合することで形成された部分は、Pt原子、ならびに、Pt原子とRとの間の結合及びPt原子とR32との間の結合を含まず、また、R及びR32が結合することで形成された置換基であるにもかかわらず、Pt原子とRとの間の結合及びPt原子とR32との間の結合は、PtとR及びR32との間に存在するということを理解されたい。例えば、R及びR32が結合して置換シクロアルキルを形成する場合、置換シクロアルキルは、Pt原子との結合を形成することに加えて、シクロアルキル環状の置換を含むと理解されたい。別の例としては、R及びR32が結合して非置換ヘテロシクロアルキルを形成する場合、得られた非置換ヘテロシクロアルキルは、非置換環からPt原子への結合を含む。実施形態では、R及びR32は、結合して、置換または非置換ヘテロシクロアルキルを形成し、置換または非置換ヘテロシクロアルキルは、環ヘテロ原子としてPt原子を含み、Pt原子とRとの間の結合及びPt原子とR32との間の結合は、置換または非置換ヘテロシクロアルキル内の環結合である。R、R32及びPt原子が結合することで形成された置換または非置換ヘテロシクロアルキルは、別の環ヘテロ原子もまた包含してもよいが少なくともPt環原子を包含するため、ヘテロシクロアルキル環であると理解されたい。
実施形態では、Rは、−Clであり、R32は、ジメチルスルホキシドである。実施形態では、Rは、ジメチルスルホキシドであり、R32は、−Clである。実施形態では、R及びR32は、結合して、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、または、置換または非置換ヘテロアリールを形成する。実施形態では、上記のとおりにR及びR32が結合することで形成された部分は、Pt原子、ならびに、Pt原子とRとの間の結合及びPt原子とR32との間の結合を含まず、また、R及びR32が結合することで形成された置換基であるにもかかわらず、Pt原子とRとの間の結合及びPt原子とR32との間の結合は、PtとR及びR32との間に存在するということを理解されたい。例えば、R及びR32が結合して置換シクロアルキルを形成する場合、置換シクロアルキルは、Pt原子との結合を形成することに加えて、シクロアルキル環状の置換を含むと理解されたい。別の例としては、R及びR32が結合して非置換ヘテロシクロアルキルを形成する場合、得られた非置換ヘテロシクロアルキルは、非置換環からPt原子への結合を含む。実施形態では、R及びR32は、結合して、置換または非置換ヘテロシクロアルキルを形成し、置換または非置換ヘテロシクロアルキルは、環ヘテロ原子としてPt原子を含み、Pt原子とRとの間の結合及びPt原子とR32との間の結合は、置換または非置換ヘテロシクロアルキル内の環結合である。R、R32及びPt原子が結合することで形成された置換または非置換ヘテロシクロアルキルは、別の環ヘテロ原子もまた包含してもよいが少なくともPt環原子を包含するため、ヘテロシクロアルキル環であると理解されたい。
実施形態では、化合物は、式、
Figure 2019501878
を有し、式中、Rは、本明細書に記載のとおりである。実施形態では、化合物は、式、
Figure 2019501878
を有し、式中、Rは、本明細書に記載のとおりである。
実施形態では、化合物は、式、
Figure 2019501878
を有する。実施形態では、化合物は、式、
Figure 2019501878
を有する。
実施形態では、化合物は、式、
Figure 2019501878
を有する。実施形態では、化合物は、式、
Figure 2019501878
を有する。
実施形態では、化合物は、式、
Figure 2019501878
を有し、式中、R、R及びRは、実施形態を含む本明細書に記載のとおりである。実施形態では、RはHである。実施形態では、Rは−CHである。
実施形態では、化合物は、式、
Figure 2019501878
を有し、式中、R、R、R及びR32は、実施形態を含む本明細書に記載のとおりである。実施形態では、RはHである。実施形態では、Rは−CHである。
実施形態では、化合物は、式、
Figure 2019501878
を有し、式中、R、R、R及びR32は、実施形態を含む本明細書に記載のとおりである。実施形態では、RはHである。実施形態では、Rは−CHである。
実施形態では、化合物は、式、
Figure 2019501878
を有し、式中、R、R、R及びR32は、実施形態を含む本明細書に記載のとおりである。実施形態では、RはHである。実施形態では、Rは−CHである。
実施形態では、化合物は、式、
Figure 2019501878
を有し、式中、R、R、R及びR32は、実施形態を含む本明細書に記載のとおりである。実施形態では、RはHである。実施形態では、Rは−CHである。
実施形態では、化合物は、式、
Figure 2019501878
を有し、式中、R、R、R及びR32は、実施形態を含む本明細書に記載のとおりである。実施形態では、RはHである。実施形態では、Rは−CHである。
実施形態では、化合物は、式、
Figure 2019501878
を有し、式中、R、R、R及びR32は、実施形態を含む本明細書に記載のとおりである。実施形態では、RはHである。実施形態では、Rは−CHである。
実施形態では、化合物は、式、
Figure 2019501878
を有する。
実施形態では、化合物は、式、
Figure 2019501878
を有する。
実施形態では、化合物は、式、
Figure 2019501878
を有する。
実施形態では、化合物は、式、
Figure 2019501878
を有する。
実施形態では、化合物は、式、
Figure 2019501878
を有する。
実施形態では、化合物は、式、
Figure 2019501878
を有する。
実施形態では、化合物は、式、
Figure 2019501878
を有する。
実施形態では、化合物は、式、
Figure 2019501878
を有する。
実施形態では、化合物は、式、
Figure 2019501878
を有する。
実施形態では、化合物は、式、
Figure 2019501878
を有する。
実施形態では、化合物は、式、
Figure 2019501878
を有する。
実施形態では、化合物は、式、
Figure 2019501878
を有する。
実施形態では、化合物は、式、
Figure 2019501878
を有する。
実施形態では、化合物は、式、
Figure 2019501878
を有する。
実施形態では、R、R、R、R、R10、R11、R12及びR13は独立して、水素、置換または非置換アルキル(例えば、C−Cアルキル、C−CアルキルまたはC−Cアルキル)、置換または非置換ヘテロアルキル(例えば、2〜8員環ヘテロアルキル、2〜6員環ヘテロアルキルまたは2〜4員環ヘテロアルキル)、置換または非置換シクロアルキル(例えば、C−Cシクロアルキル、C−CシクロアルキルまたはC−Cシクロアルキル)、置換または非置換ヘテロシクロアルキル(例えば、3〜8員環ヘテロシクロアルキル、4〜8員環ヘテロシクロアルキル、または、5〜6員環ヘテロシクロアルキル)、置換または非置換アリール(例えば、C−C10アリールまたはCアリール)、または、置換または非置換ヘテロアリール(例えば、5〜10員環ヘテロアリール、5〜9員環ヘテロアリール、または、5〜6員環ヘテロアリール)である。実施形態では、同一の窒素原子に結合したR置換基及びR置換基は、任意選択的に結合して、置換または非置換ヘテロシクロアルキル(例えば、3〜8員環ヘテロシクロアルキル、4〜8員環ヘテロシクロアルキル、または、5〜6員環ヘテロシクロアルキル)、または、置換または非置換ヘテロアリール(例えば、5〜10員環ヘテロアリール、5〜9員環ヘテロアリール、または、5〜6員環ヘテロアリール)を形成してもよく、同一の窒素原子に結合したR11置換基及びR12置換基は、任意選択的に結合して、置換または非置換ヘテロシクロアルキル(例えば、3〜8員環ヘテロシクロアルキル、4〜8員環ヘテロシクロアルキル、または、5〜6員環ヘテロシクロアルキル)、または、置換または非置換ヘテロアリール(例えば、5〜10員環ヘテロアリール、5〜9員環ヘテロアリール、または、5〜6員環ヘテロアリール)を形成してもよい。
実施形態では、Rは独立して、水素、オキソ、ハロゲン、−CF、−CN、−OH、−NH、−COOH、−CONH、−NO、−SH、−SOH、−SOH、−SONH、−NHNH、−ONH、−NHC=(O)NHNH、−NHC=(O)NH、−NHSOH、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCF、−OCHF、R16置換または非置換アルキル(例えば、C−Cアルキル、C−CアルキルまたはC−Cアルキル)、R16置換または非置換ヘテロアルキル(例えば、2〜8員環ヘテロアルキル、2〜6員環ヘテロアルキル、または、2〜4員環ヘテロアルキル)、R16置換または非置換シクロアルキル(例えば、C−Cシクロアルキル、C−CシクロアルキルまたはC−Cシクロアルキル)、R16置換または非置換ヘテロシクロアルキル(例えば、3〜8員環ヘテロシクロアルキル、4〜8員環ヘテロシクロアルキル、または、5〜6員環ヘテロシクロアルキル)、R16置換または非置換アリール(例えば、C−C10アリールまたはCアリール)、または、R16置換または非置換ヘテロアリール(例えば、5〜10員環ヘテロアリール、5〜9員環ヘテロアリール、または、5〜6員環ヘテロアリール)である。
16は独立して、オキソ、ハロゲン、−CF、−CN、−OH、−NH、−COOH、−CONH、−NO、−SH、−SOH、−SOH、−SONH、−NHNH、−ONH、−NHC=(O)NHNH、−NHC=(O)NH、−NHSOH、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCF、−OCHF、R17置換または非置換アルキル(例えば、C−Cアルキル、C−CアルキルまたはC−Cアルキル)、R17置換または非置換ヘテロアルキル(例えば、2〜8員環ヘテロアルキル、2〜6員環ヘテロアルキル、または、2〜4員環ヘテロアルキル)、R17置換または非置換シクロアルキル(例えば、C−Cシクロアルキル、C−CシクロアルキルまたはC−Cシクロアルキル)、R17置換または非置換ヘテロシクロアルキル(例えば、3〜8員環ヘテロシクロアルキル、4〜8員環ヘテロシクロアルキル、または、5〜6員環ヘテロシクロアルキル)、R17置換または非置換アリール(例えば、C−C10アリールまたはCアリール)、または、R17置換または非置換ヘテロアリール(例えば、5〜10員環ヘテロアリール、5〜9員環ヘテロアリール、または、5〜6員環ヘテロアリール)である。
実施形態では、Rは独立して、水素、オキソ、ハロゲン、−CF、−CN、−OH、−NH、−COOH、−CONH、−NO、−SH、−SOH、−SOH、−SONH、−NHNH、−ONH、−NHC=(O)NHNH、−NHC=(O)NH、−NHSOH、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCF、−OCHF、R18置換または非置換アルキル(例えば、C−Cアルキル、C−CアルキルまたはC−Cアルキル)、R18置換または非置換ヘテロアルキル(例えば、2〜8員環ヘテロアルキル、2〜6員環ヘテロアルキル、または、2〜4員環ヘテロアルキル)、R18置換または非置換シクロアルキル(例えば、C−Cシクロアルキル、C−CシクロアルキルまたはC−Cシクロアルキル)、R18置換または非置換ヘテロシクロアルキル(例えば、3〜8員環ヘテロシクロアルキル、4〜8員環ヘテロシクロアルキル、または、5〜6員環ヘテロシクロアルキル)、R18置換または非置換アリール(例えば、C−C10アリールまたはCアリール)、または、R18置換または非置換ヘテロアリール(例えば、5〜10員環ヘテロアリール、5〜9員環ヘテロアリール、または、5〜6員環ヘテロアリール)である。実施形態では、Rは、R18置換C−Cアルキルである。実施形態では、Rは、R18置換C−Cアルキルである。実施形態では、Rは、R18置換C−Cアルキルである。実施形態では、Rは、R18置換C−Cアルキルである。実施形態では、Rは、オキソ、−OHまたは−COOHで置換される。実施形態では、Rは、オキソで置換される。実施形態では、Rは、−OHで置換される。実施形態では、Rは、−COOHで置換される。
18は独立して、オキソ、ハロゲン、−CF、−CN、−OH、−NH、−COOH、−CONH、−NO、−SH、−SOH、−SOH、−SONH、−NHNH、−ONH、−NHC=(O)NHNH、−NHC=(O)NH、−NHSOH、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCF、−OCHF、R19置換または非置換アルキル(例えば、C−Cアルキル、C−CアルキルまたはC−Cアルキル)、R19置換または非置換ヘテロアルキル(例えば、2〜8員環ヘテロアルキル、2〜6員環ヘテロアルキル、または、2〜4員環ヘテロアルキル)、R19置換または非置換シクロアルキル(例えば、C−Cシクロアルキル、C−CシクロアルキルまたはC−Cシクロアルキル)、R19置換または非置換ヘテロシクロアルキル(例えば、3〜8員環ヘテロシクロアルキル、4〜8員環ヘテロシクロアルキル、または、5〜6員環ヘテロシクロアルキル)、R19置換または非置換アリール(例えば、C−C10アリールまたはCアリール)、または、R19置換または非置換ヘテロアリール(例えば、5〜10員環ヘテロアリール、5〜9員環ヘテロアリール、または、5〜6員環ヘテロアリール)である。
実施形態では、Rは独立して、水素、オキソ、ハロゲン、−CF、−CN、−OH、−NH、−COOH、−CONH、−NO、−SH、−SOH、−SOH、−SONH、−NHNH、−ONH、−NHC=(O)NHNH、−NHC=(O)NH、−NHSOH、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCF、−OCHF、R20置換または非置換アルキル(例えば、C−Cアルキル、C−CアルキルまたはC−Cアルキル)、R20置換または非置換ヘテロアルキル(例えば、2〜8員環ヘテロアルキル、2〜6員環ヘテロアルキル、または、2〜4員環ヘテロアルキル)、R20置換または非置換シクロアルキル(例えば、C−Cシクロアルキル、C−CシクロアルキルまたはC−Cシクロアルキル)、R20置換または非置換ヘテロシクロアルキル(例えば、3〜8員環ヘテロシクロアルキル、4〜8員環ヘテロシクロアルキル、または、5〜6員環ヘテロシクロアルキル)、R20置換または非置換アリール(例えば、C−C10アリールまたはCアリール)、または、R20置換または非置換ヘテロアリール(例えば、5〜10員環ヘテロアリール、5〜9員環ヘテロアリール、または、5〜6員環ヘテロアリール)である。
20は独立して、オキソ、ハロゲン、−CF、−CN、−OH、−NH、−COOH、−CONH、−NO、−SH、−SOH、−SOH、−SONH、−NHNH、−ONH、−NHC=(O)NHNH、−NHC=(O)NH、−NHSOH、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCF、−OCHF、R21置換または非置換アルキル(例えば、C−Cアルキル、C−CアルキルまたはC−Cアルキル)、R21置換または非置換ヘテロアルキル(例えば、2〜8員環ヘテロアルキル、2〜6員環ヘテロアルキル、または、2〜4員環ヘテロアルキル)、R21置換または非置換シクロアルキル(例えば、C−Cシクロアルキル、C−CシクロアルキルまたはC−Cシクロアルキル)、R21置換または非置換ヘテロシクロアルキル(例えば、3〜8員環ヘテロシクロアルキル、4〜8員環ヘテロシクロアルキル、または、5〜6員環ヘテロシクロアルキル)、R21置換または非置換アリール(例えば、C−C10アリールまたはCアリール)、または、R21置換または非置換ヘテロアリール(例えば、5〜10員環ヘテロアリール、5〜9員環ヘテロアリール、または、5〜6員環ヘテロアリール)である。
実施形態では、Rは独立して、水素、オキソ、ハロゲン、−CF、−CN、−OH、−NH、−COOH、−CONH、−NO、−SH、−SOH、−SOH、−SONH、−NHNH、−ONH、−NHC=(O)NHNH、−NHC=(O)NH、−NHSOH、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCF、−OCHF、R22置換または非置換アルキル(例えば、C−Cアルキル、C−CアルキルまたはC−Cアルキル)、R22置換または非置換ヘテロアルキル(例えば、2〜8員環ヘテロアルキル、2〜6員環ヘテロアルキル、または、2〜4員環ヘテロアルキル)、R22置換または非置換シクロアルキル(例えば、C−Cシクロアルキル、C−CシクロアルキルまたはC−Cシクロアルキル)、R22置換または非置換ヘテロシクロアルキル(例えば、3〜8員環ヘテロシクロアルキル、4〜8員環ヘテロシクロアルキル、または、5〜6員環ヘテロシクロアルキル)、R22置換または非置換アリール(例えば、C−C10アリールまたはCアリール)、または、R22置換または非置換ヘテロアリール(例えば、5〜10員環ヘテロアリール、5〜9員環ヘテロアリール、または、5〜6員環ヘテロアリール)である。
22は独立して、オキソ、ハロゲン、−CF、−CN、−OH、−NH、−COOH、−CONH、−NO、−SH、−SOH、−SOH、−SONH、−NHNH、−ONH、−NHC=(O)NHNH、−NHC=(O)NH、−NHSOH、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCF、−OCHF、R23置換または非置換アルキル(例えば、C−Cアルキル、C−CアルキルまたはC−Cアルキル)、R23置換または非置換ヘテロアルキル(例えば、2〜8員環ヘテロアルキル、2〜6員環ヘテロアルキル、または、2〜4員環ヘテロアルキル)、R23置換または非置換シクロアルキル(例えば、C−Cシクロアルキル、C−CシクロアルキルまたはC−Cシクロアルキル)、R23置換または非置換ヘテロシクロアルキル(例えば、3〜8員環ヘテロシクロアルキル、4〜8員環ヘテロシクロアルキル、または、5〜6員環ヘテロシクロアルキル)、R23置換または非置換アリール(例えば、C−C10アリールまたはCアリール)、または、R23置換または非置換ヘテロアリール(例えば、5〜10員環ヘテロアリール、5〜9員環ヘテロアリール、または、5〜6員環ヘテロアリール)である。
実施形態では、R10は独立して、水素、オキソ、ハロゲン、−CF、−CN、−OH、−NH、−COOH、−CONH、−NO、−SH、−SOH、−SOH、−SONH、−NHNH、−ONH、−NHC=(O)NHNH、−NHC=(O)NH、−NHSOH、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCF、−OCHF、R24置換または非置換アルキル(例えば、C−Cアルキル、C−CアルキルまたはC−Cアルキル)、R24置換または非置換ヘテロアルキル(例えば、2〜8員環ヘテロアルキル、2〜6員環ヘテロアルキル、または、2〜4員環ヘテロアルキル)、R24置換または非置換シクロアルキル(例えば、C−Cシクロアルキル、C−CシクロアルキルまたはC−Cシクロアルキル)、R24置換または非置換ヘテロシクロアルキル(例えば、3〜8員環ヘテロシクロアルキル、4〜8員環ヘテロシクロアルキル、または、5〜6員環ヘテロシクロアルキル)、R24置換または非置換アリール(例えば、C−C10アリールまたはCアリール)、または、R24置換または非置換ヘテロアリール(例えば、5〜10員環ヘテロアリール、5〜9員環ヘテロアリール、または、5〜6員環ヘテロアリール)である。
24は独立して、オキソ、ハロゲン、−CF、−CN、−OH、−NH、−COOH、−CONH、−NO、−SH、−SOH、−SOH、−SONH、−NHNH、−ONH、−NHC=(O)NHNH、−NHC=(O)NH、−NHSOH、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCF、−OCHF、R25置換または非置換アルキル(例えば、C−Cアルキル、C−CアルキルまたはC−Cアルキル)、R25置換または非置換ヘテロアルキル(例えば、2〜8員環ヘテロアルキル、2〜6員環ヘテロアルキル、または、2〜4員環ヘテロアルキル)、R25置換または非置換シクロアルキル(例えば、C−Cシクロアルキル、C−CシクロアルキルまたはC−Cシクロアルキル)、R25置換または非置換ヘテロシクロアルキル(例えば、3〜8員環ヘテロシクロアルキル、4〜8員環ヘテロシクロアルキル、または、5〜6員環ヘテロシクロアルキル)、R25置換または非置換アリール(例えば、C−C10アリールまたはCアリール)、または、R25置換または非置換ヘテロアリール(例えば、5〜10員環ヘテロアリール、5〜9員環ヘテロアリール、または、5〜6員環ヘテロアリール)である。
実施形態では、R11は独立して、水素、オキソ、ハロゲン、−CF、−CN、−OH、−NH、−COOH、−CONH、−NO、−SH、−SOH、−SOH、−SONH、−NHNH、−ONH、−NHC=(O)NHNH、−NHC=(O)NH、−NHSOH、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCF、−OCHF、R26置換または非置換アルキル(例えば、C−Cアルキル、C−CアルキルまたはC−Cアルキル)、R26置換または非置換ヘテロアルキル(例えば、2〜8員環ヘテロアルキル、2〜6員環ヘテロアルキル、または、2〜4員環ヘテロアルキル)、R26置換または非置換シクロアルキル(例えば、C−Cシクロアルキル、C−CシクロアルキルまたはC−Cシクロアルキル)、R26置換または非置換ヘテロシクロアルキル(例えば、3〜8員環ヘテロシクロアルキル、4〜8員環ヘテロシクロアルキル、または、5〜6員環ヘテロシクロアルキル)、R26置換または非置換アリール(例えば、C−C10アリールまたはCアリール)、または、R26置換または非置換ヘテロアリール(例えば、5〜10員環ヘテロアリール、5〜9員環ヘテロアリール、または、5〜6員環ヘテロアリール)である。
26は独立して、オキソ、ハロゲン、−CF、−CN、−OH、−NH、−COOH、−CONH、−NO、−SH、−SOH、−SOH、−SONH、−NHNH、−ONH、−NHC=(O)NHNH、−NHC=(O)NH、−NHSOH、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCF、−OCHF、R27置換または非置換アルキル(例えば、C−Cアルキル、C−CアルキルまたはC−Cアルキル)、R27置換または非置換ヘテロアルキル(例えば、2〜8員環ヘテロアルキル、2〜6員環ヘテロアルキル、または、2〜4員環ヘテロアルキル)、R27置換または非置換シクロアルキル(例えば、C−Cシクロアルキル、C−CシクロアルキルまたはC−Cシクロアルキル)、R27置換または非置換ヘテロシクロアルキル(例えば、3〜8員環ヘテロシクロアルキル、4〜8員環ヘテロシクロアルキル、または、5〜6員環ヘテロシクロアルキル)、R27置換または非置換アリール(例えば、C−C10アリールまたはCアリール)、または、R27置換または非置換ヘテロアリール(例えば、5〜10員環ヘテロアリール、5〜9員環ヘテロアリール、または、5〜6員環ヘテロアリール)である。
実施形態では、R12は独立して、水素、オキソ、ハロゲン、−CF、−CN、−OH、−NH、−COOH、−CONH、−NO、−SH、−SOH、−SOH、−SONH、−NHNH、−ONH、−NHC=(O)NHNH、−NHC=(O)NH、−NHSOH、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCF、−OCHF、R28置換または非置換アルキル(例えば、C−Cアルキル、C−CアルキルまたはC−Cアルキル)、R28置換または非置換ヘテロアルキル(例えば、2〜8員環ヘテロアルキル、2〜6員環ヘテロアルキル、または、2〜4員環ヘテロアルキル)、R28置換または非置換シクロアルキル(例えば、C−Cシクロアルキル、C−CシクロアルキルまたはC−Cシクロアルキル)、R28置換または非置換ヘテロシクロアルキル(例えば、3〜8員環ヘテロシクロアルキル、4〜8員環ヘテロシクロアルキル、または、5〜6員環ヘテロシクロアルキル)、R28置換または非置換アリール(例えば、C−C10アリールまたはCアリール)、または、R28置換または非置換ヘテロアリール(例えば、5〜10員環ヘテロアリール、5〜9員環ヘテロアリール、または、5〜6員環ヘテロアリール)である。
28は独立して、オキソ、ハロゲン、−CF、−CN、−OH、−NH、−COOH、−CONH、−NO、−SH、−SOH、−SOH、−SONH、−NHNH、−ONH、−NHC=(O)NHNH、−NHC=(O)NH、−NHSOH、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCF、−OCHF、R29置換または非置換アルキル(例えば、C−Cアルキル、C−CアルキルまたはC−Cアルキル)、R29置換または非置換ヘテロアルキル(例えば、2〜8員環ヘテロアルキル、2〜6員環ヘテロアルキル、または、2〜4員環ヘテロアルキル)、R29置換または非置換シクロアルキル(例えば、C−Cシクロアルキル、C−CシクロアルキルまたはC−Cシクロアルキル)、R29置換または非置換ヘテロシクロアルキル(例えば、3〜8員環ヘテロシクロアルキル、4〜8員環ヘテロシクロアルキル、または、5〜6員環ヘテロシクロアルキル)、R29置換または非置換アリール(例えば、C−C10アリールまたはCアリール)、または、R29置換または非置換ヘテロアリール(例えば、5〜10員環ヘテロアリール、5〜9員環ヘテロアリール、または、5〜6員環ヘテロアリール)である。
実施形態では、R13は独立して、水素、オキソ、ハロゲン、−CF、−CN、−OH、−NH、−COOH、−CONH、−NO、−SH、−SOH、−SOH、−SONH、−NHNH、−ONH、−NHC=(O)NHNH、−NHC=(O)NH、−NHSOH、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCF、−OCHF、R30置換または非置換アルキル(例えば、C−Cアルキル、C−CアルキルまたはC−Cアルキル)、R30置換または非置換ヘテロアルキル(例えば、2〜8員環ヘテロアルキル、2〜6員環ヘテロアルキル、または、2〜4員環ヘテロアルキル)、R30置換または非置換シクロアルキル(例えば、C−Cシクロアルキル、C−CシクロアルキルまたはC−Cシクロアルキル)、R30置換または非置換ヘテロシクロアルキル(例えば、3〜8員環ヘテロシクロアルキル、4〜8員環ヘテロシクロアルキル、または、5〜6員環ヘテロシクロアルキル)、R30置換または非置換アリール(例えば、C−C10アリールまたはCアリール)、または、R30置換または非置換ヘテロアリール(例えば、5〜10員環ヘテロアリール、5〜9員環ヘテロアリール、または、5〜6員環ヘテロアリール)である。
30は独立して、オキソ、ハロゲン、−CF、−CN、−OH、−NH、−COOH、−CONH、−NO、−SH、−SOH、−SOH、−SONH、−NHNH、−ONH、−NHC=(O)NHNH、−NHC=(O)NH、−NHSOH、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCF、−OCHF、R31置換または非置換アルキル(例えば、C−Cアルキル、C−CアルキルまたはC−Cアルキル)、R31置換または非置換ヘテロアルキル(例えば、2〜8員環ヘテロアルキル、2〜6員環ヘテロアルキル、または、2〜4員環ヘテロアルキル)、R31置換または非置換シクロアルキル(例えば、C−Cシクロアルキル、C−CシクロアルキルまたはC−Cシクロアルキル)、R31置換または非置換ヘテロシクロアルキル(例えば、3〜8員環ヘテロシクロアルキル、4〜8員環ヘテロシクロアルキル、または、5〜6員環ヘテロシクロアルキル)、R31置換または非置換アリール(例えば、C−C10アリールまたはCアリール)、または、R31置換または非置換ヘテロアリール(例えば、5〜10員環ヘテロアリール、5〜9員環ヘテロアリール、または、5〜6員環ヘテロアリール)である。
15、R17、R19、R21、R23、R25、R27、R29及びR31は独立して、オキソ、ハロゲン、−F、−Cl、−Br、−I、−CF、CCl、−CN、−OH、−NH、−COOH、−CONH、−NO、−SH、−SOCl、−SOH、−SOH、−SONH、−NHNH、−ONH、−NHC=(O)NHNH、−NHC=(O)NH、−NHSOH、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCF、−OCHF、非置換アルキル(例えば、C−Cアルキル、C−CアルキルまたはC−Cアルキル)、非置換ヘテロアルキル(例えば、2〜8員環ヘテロアルキル、2〜6員環ヘテロアルキル、または、2〜4員環ヘテロアルキル)、非置換シクロアルキル(例えば、C−Cシクロアルキル、C−CシクロアルキルまたはC−Cシクロアルキル)、非置換ヘテロシクロアルキル(例えば、3〜8員環ヘテロシクロアルキル、4〜8員環ヘテロシクロアルキル、または、5〜6員環ヘテロシクロアルキル)、非置換アリール(例えば、C−C10アリールまたはCアリール)、または、非置換ヘテロアリール(例えば、5〜10員環ヘテロアリール、5〜9員環ヘテロアリール、または、5〜6員環ヘテロアリール)である。
実施形態では、記号zは、0〜4の整数である。実施形態では、zは1である。実施形態では、zは2である。実施形態では、zは3である。実施形態では、zは4である。zが0である実施形態では、Rは水素であることを理解されたい。実施形態では、記号uは1である。実施形態では、記号uは2である。実施形態では、記号mは1である。実施形態では、記号mは2である。実施形態では、記号qは、0〜4の整数である。実施形態では、qは1である。実施形態では、qは2である。実施形態では、qは3である。実施形態では、qは4である。実施形態では、Yは−Clである。実施形態では、Yは−Brである。実施形態では、Yは−Iである。実施形態では、Yは−Fである。実施形態では、Yは−Clである。実施形態では、Yは−Brである。実施形態では、Yは−Iである。実施形態では、Yは−Fである。実施形態では、Yは−Clである。実施形態では、Yは−Brである。実施形態では、Yは−Iである。実施形態では、Yは−Fである。実施形態では、n1は1である。実施形態では、n1は2である。実施形態では、n1は3である。実施形態では、n1は4である。実施形態では、n1は5である。実施形態では、n1は6である。実施形態では、n1は7である。実施形態では、n1は8である。
本明細書に記載の化合物について、白金に結合した窒素が正に荷電し得ることを、当業者は直ちに理解するであろう。白金に結合した窒素とは、以下の構造、
Figure 2019501878
中にある、アスタリスクで示す窒素のことを指す。実施形態では、窒素は、配位配位子として白金に結合している。その他の実施形態では、窒素は、対イオンとして白金に結合している。窒素が対イオンとして白金に結合している場合、窒素が形式的に正に荷電することを、当業者は直ちに理解するであろう。
実施形態では、化合物は、式、
Figure 2019501878
を有する。R、R、R、R及びRは、本明細書に記載のとおりである。Xは対イオンであり、記号A及びnは独立して、0〜2の整数である。実施形態では、対イオンは、ハロゲン、酢酸、樟脳スルホン酸、ギ酸、フマル酸、マレイン酸、メシル酸、シュウ酸、リン酸、酒石酸、チオシアン酸、硝酸、硫酸、PF、BF、BPh、トリフルオロメタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、過塩素酸、または、フッ素化テトラアリールホウ酸である。
実施形態では、化合物は、式、
Figure 2019501878
Figure 2019501878
を有する。
一態様では、式、
Figure 2019501878
Figure 2019501878
Figure 2019501878
Figure 2019501878
を有する化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。実施形態では、Rは独立して、ハロゲン、−CY 、−CN、−OH、−NH、−COOH、−CONH、−NO、−SH、−SOH、−SOH、−SONH、−ONH、−NHC=(O)NHNH、−NHC=(O)NH、−NHSOH、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCY 、−OCHY 、−OCF、−SR、−OSO、−OSOH、−NHNH、−ONR、−NHC=(O)NR、−NR、−OC(O)R、−OC(O)NR、−OR、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、または、置換または非置換ヘテロアリールである。実施形態では、Rは独立して、ハロゲン、−CN、−OH、−NH、−COOH、−CONH、−NO、−SH、−SOH、−SOH、−SONH、−NHNH、−ONH、−NHC=(O)NHNH、−NHC=(O)NH、−NHSOH、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCY 、−OCHY 、−OCF、−CY 、−SO10、−SONR1112、−ONR1112、−NHC=(O)NR1112、−N(O)、−NR1112、−C(O)R13、−C(O)−OR13、−C(O)NR1112、−OR10、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、または、置換または非置換ヘテロアリールである。2個の隣接したR置換基は、任意選択的に結合して、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、または、置換または非置換ヘテロアリールを形成してもよい。実施形態では、Rは、非置換C−Cアルキルまたは水素である。実施形態では、R及びRは独立して、ハロゲン、ジメチルスルホキシド、−HO、−N、−NH、−SCN、−CN、−OH、チオ硫酸、または、非置換アルキル(例えば、C−Cアルキル)である。R及びRは、任意選択的に結合して、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、または、置換または非置換ヘテロアリールを形成してもよい。実施形態では、R、R、R、R、R10、R11、R12及びR13は独立して、水素、ハロゲン、−CY 、−CN、−OH、−NH、−COOH、−CONH、−NO、−SH、−SOCl、−SOH、−SOH、−SONH、−NHNH、−ONH、−NHC=(O)NHNH、−NHC=(O)NH、−NHSOH、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCY 、−OCHY 、−CF、−OCF、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、または、置換または非置換ヘテロアリールである。同一の窒素原子に結合したR置換基及びR置換基は、任意選択的に結合して、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、または、置換または非置換ヘテロアリールを形成してもよく、同一の窒素原子に結合したR11置換基及びR12置換基は、任意選択的に結合して、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、または、置換または非置換ヘテロアリールを形成してもよい。記号zは、0〜4の整数である。記号uは独立して、1〜2の整数であり、記号mは独立して、1〜2の整数であり、また記号qは独立して、0〜4の整数である。記号Yは独立して、−Cl、−Br、−Iまたは−Fである。記号Yは独立して、−Cl、−Br、−Iまたは−Fである。記号Yは独立して、−Cl、−Br、−Iまたは−Fである。
本明細書に記載の化合物について、白金に結合した2個の窒素が正に荷電し得ることを、当業者は直ちに理解するであろう。白金に結合した2個の窒素とは、以下の構造、
Figure 2019501878
中にある、アスタリスクで示す窒素のことを指す。実施形態では、窒素は、配位配位子として白金に結合している。その他の実施形態では、窒素は、対イオンとして白金に結合している。窒素が対イオンとして白金に結合している場合、窒素が形式的に正に荷電することを、当業者は直ちに理解するであろう。
実施形態では、化合物は、式、
Figure 2019501878
を有する。R、R、R、R及びRは、本明細書に記載のとおりである。Xは対イオンであり、記号A及びnは独立して、0〜2の整数である。実施形態では、対イオンは、ハロゲン、酢酸、樟脳スルホン酸、ギ酸、フマル酸、マレイン酸、メシル酸、シュウ酸、リン酸、酒石酸、チオシアン酸、硝酸、硫酸、PF、BF、BPh、トリフルオロメタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、過塩素酸、または、フッ素化テトラアリールホウ酸である。
実施形態では、化合物は、式、
Figure 2019501878
Figure 2019501878
を有する。R及びXは、本明細書に記載のとおりである。
実施形態では、化合物は、式、
Figure 2019501878
を有する。R及びXは、本明細書に記載のとおりである。
実施形態では、化合物は、式、
Figure 2019501878
Figure 2019501878
を有する。R、R、R、X、A及びnは、本明細書に記載のとおりである。
実施形態では、白金系化合物(例えば、本明細書に記載の化合物)は、+2の酸化状態または+4の酸化状態のいずれかで、1個の白金イオンを含む。Ptイオンに結合する配位子の性質は、イオン結合、または、供与/共有配位結合であってもよい。実施形態では、イオン結合は、架橋配位子中に存在してもよく、または、上記架橋ユニット中の白金イオンが関与しないPt含有化合物及び対イオン中に存在してもよい。
実施形態では、Rは、−NHではない。実施形態では、Rは、−NHではない。実施形態では、Rは、−HOではない。実施形態では、Rは、−HOではない。実施形態では、R及びRは、−NHではない。
実施形態では、化合物は、
Figure 2019501878
ではなく、式中、Rは、本明細書に記載のとおりであり、R及びRは、NHである。
実施形態では、化合物は、
Figure 2019501878
ではなく、式中、Rは、本明細書に記載のとおりであり、R及びRは、NHである。
一態様では、式、
Figure 2019501878
を有する化合物を提供する。R、R及びRは、本明細書に記載のとおりである。
実施形態では、化合物は、式、
Figure 2019501878
を有する。R、R、R、X、A及びnは、本明細書に記載のとおりである。
実施形態では、化合物は、非遊離部位で白金と錯体を形成する(R、R及びR32との結合以外の結合を介して)。実施形態では、白金、ならびに、R、R及びR32を含まない化合物の残部は、細胞内において解離しない。実施形態では、白金、ならびに、R、R及びR32を含まない化合物の残部は、細胞内において非常にゆっくりと解離する。実施形態では、化合物は、100μMまたはそれより優れたIC50(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90もしくは100μM、またはそれより優れた(低IC50))で、細胞によるメトトレキサートの取り込み(例えば、葉酸トランスポーターを介して)を阻害する。実施形態では、化合物は、10μMまたはそれより弱い解離定数(Kd)(例えば、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900もしくは1000μM、またはそれより弱い)で、DHFRと結合する。実施形態では、化合物は、DHFRに対して10μMまたはそれより弱いKm(例えば、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900もしくは1000μM、またはそれより弱い)を有する。
実施形態では、本明細書に記載の化合物の毒性は、ホリニン酸により弱まる。実施形態では、本明細書に記載の化合物は、白金−DNA付加化合物を形成することができる。実施形態では、本明細書に記載の化合物は、葉酸トランスポーターの調節因子である。実施形態では、本明細書に記載の化合物は、葉酸トランスポーターの調節因子ではない。実施形態では、本明細書に記載の化合物は、葉酸トランスポーターの阻害剤である。実施形態では、本明細書に記載の化合物は、葉酸トランスポーターの阻害剤ではない。実施形態では、本明細書に記載の化合物は、DHFRの調節因子である。実施形態では、本明細書に記載の化合物は、DHFRの調節因子ではない。実施形態では、本明細書に記載の化合物は、DHFRの阻害剤である。実施形態では、本明細書に記載の化合物は、DHFRの阻害剤ではない。実施形態では、本明細書に記載の化合物は、葉酸を利用または修飾する細胞経路における構成要素の調節因子である。実施形態では、本明細書に記載の化合物は、葉酸を利用または修飾する細胞経路における構成要素の調節因子ではない。実施形態では、本明細書に記載の化合物は、葉酸を利用または修飾する細胞経路における構成要素の阻害剤である。実施形態では、本明細書に記載の化合物は、葉酸を利用または修飾する細胞経路における構成要素の阻害剤ではない。本明細書に記載の化合物、医薬組成物及び方法は、特定の反応機構に限定されるものではなく、本明細書に記載の反応機構に加え、別のまたは未知の反応機構を介して機能してもよい。
実施形態では、化合物は、
Figure 2019501878
であり、式中、R、R、z、R、R及びRは、実施形態を含む本明細書に記載のとおりである。実施形態では、RはHである。実施形態では、Rは−CHである。実施形態では、RはClである。実施形態では、R及びRは、Clである。実施形態では、Rは、Clであり、Rは、ジメチルスルホキシドである。
実施形態では、化合物は、
Figure 2019501878
であり、式中、R、R及びRは、実施形態を含む本明細書に記載のとおりである。実施形態では、RはHである。実施形態では、Rは−CHである。実施形態では、RはClである。実施形態では、R及びRは、Clである。実施形態では、Rは、Clであり、Rは、ジメチルスルホキシドである。実施形態では、RまたはRは、ジメチルスルホキシド(DMSO)である。実施形態では、化合物は、
Figure 2019501878
である。実施形態では、化合物は、
Figure 2019501878
である。
実施形態では、化合物は、
Figure 2019501878
であり、式中、Rは、実施形態を含む本明細書に記載のとおりである。実施形態では、RはHである。実施形態では、Rは−CHである。実施形態では、化合物は、
Figure 2019501878
である。実施形態では、化合物は、
Figure 2019501878
である。
実施形態では、化合物は、
Figure 2019501878
であり、式中、Rは、実施形態を含む本明細書に記載のとおりである。実施形態では、RはHである。実施形態では、Rは−CHである。実施形態では、化合物は、
Figure 2019501878
である。実施形態では、化合物は、
Figure 2019501878
である。
実施形態では、化合物は、
Figure 2019501878
であり、式中、Rは、実施形態を含む本明細書に記載のとおりである。実施形態では、RはHである。実施形態では、Rは−CHである。実施形態では、化合物は、
Figure 2019501878
である。実施形態では、化合物は、
Figure 2019501878
である。
実施形態では、化合物は、
Figure 2019501878
であり、式中、Rは、実施形態を含む本明細書に記載のとおりである。実施形態では、RはHである。実施形態では、Rは−CHである。実施形態では、化合物は、
Figure 2019501878
である。実施形態では、化合物は、
Figure 2019501878
である。
実施形態では、化合物は、
Figure 2019501878
であり、式中、R及びRは、実施形態を含む本明細書に記載のとおりである。実施形態では、RはHである。実施形態では、Rは−CHである。実施形態では、化合物は、
Figure 2019501878
であり、式中、Rは、本明細書に記載のとおりである。実施形態では、化合物は、
Figure 2019501878
であり、式中、Rは、本明細書に記載のとおりである。
実施形態では、化合物は、
Figure 2019501878
であり、式中、Rは、実施形態を含む本明細書に記載のとおりである。実施形態では、RはHである。実施形態では、Rは−CHである。実施形態では、化合物は、
Figure 2019501878
である。実施形態では、化合物は、
Figure 2019501878
である。
実施形態では、化合物は、
Figure 2019501878
であり、式中、Rは、実施形態を含む本明細書に記載のとおりである。実施形態では、RはHである。実施形態では、Rは−CHである。実施形態では、化合物は、
Figure 2019501878
である。実施形態では、化合物は、
Figure 2019501878
である。
実施形態では、化合物は、
Figure 2019501878
であり、式中、R、R及びRは、実施形態を含む本明細書に記載のとおりである。実施形態では、RはHである。実施形態では、Rは−CHである。実施形態では、RはClである。実施形態では、R及びRは、Clである。実施形態では、Rは、Clであり、Rは、ジメチルスルホキシドである。実施形態では、化合物は、
Figure 2019501878
である。実施形態では、化合物は、
Figure 2019501878
であり、式中、R及びRは、実施形態を含む本明細書に記載のとおりである。実施形態では、RはClである。実施形態では、R及びRは、Clである。実施形態では、Rは、Clであり、Rは、ジメチルスルホキシドである。
実施形態では、化合物は、
Figure 2019501878
であり、式中、R、R及びRは、実施形態を含む本明細書に記載のとおりである。実施形態では、RはHである。実施形態では、Rは−CHである。実施形態では、RはClである。実施形態では、R及びRは、Clである。実施形態では、Rは、Clであり、Rは、ジメチルスルホキシドである。
実施形態では、化合物は、
Figure 2019501878
であり、式中、R、R及びRは、実施形態を含む本明細書に記載のとおりである。実施形態では、RはHである。実施形態では、Rは−CHである。実施形態では、RはClである。実施形態では、R及びRは、Clである。実施形態では、Rは、Clであり、Rは、ジメチルスルホキシドである。
実施形態では、化合物は、
Figure 2019501878
であり、式中、R、R及びRは、実施形態を含む本明細書に記載のとおりである。実施形態では、RはHである。実施形態では、Rは−CHである。実施形態では、RはClである。実施形態では、R及びRは、Clである。実施形態では、Rは、Clであり、Rは、ジメチルスルホキシドである。
実施形態では、化合物は、
Figure 2019501878
であり、式中、R、R及びRは、実施形態を含む本明細書に記載のとおりである。実施形態では、RはHである。実施形態では、Rは−CHである。実施形態では、RはClである。実施形態では、R及びRは、Clである。実施形態では、Rは、Clであり、Rは、ジメチルスルホキシドである。
III.医薬組成物
別の態様では、本明細書に記載の薬学的に許容される添加剤及び化合物またはその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物を提供する。
医薬組成物は、本明細書で開示する化合物の光学異性体、ジアステレオマーまたは薬学的に許容される塩を含んでいてもよい。医薬組成物中に含まれる化合物は、担体部分と共有結合していてもよい。あるいは、医薬組成物中に含まれる化合物は、担体部分と共有結合していなくてもよい。
本発明の化合物は、多種多様な経口剤形、非経口剤形及び局所投与剤形で、調製及び投与することが可能である。経口製剤としては、患者による摂取に好適な錠剤、丸剤、散剤、糖衣錠、カプセル剤、液剤、ロゼンジ剤、カシェ剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁剤などが挙げられる。本発明の化合物はまた、注射、すなわち、静脈内、筋肉内、皮膚内、皮下、十二指腸内、または、腹腔内で投与することができる。同様に、本明細書に記載の化合物は、吸入、例えば、経鼻で投与することができる。加えて、本発明の化合物は、経皮的に投与することができる。複数の投与経路(例えば、筋肉内、経口、経皮的)を用いて、本発明の化合物を投与することもまた想定される。それゆえ、本発明はまた、本明細書に記載の薬学的に許容される添加剤及び1種または複数種の化合物を含む、医薬組成物を提供する。
本発明が提供する医薬組成物は、活性成分を治療有効量で、すなわち、その使用目的を達成するのに有効な量で含有する組成物を含む。特定用途に有効な実際の量は、とりわけ、治療する病状によって決まる。疾患を治療するための方法で投与する際、このような組成物は、望ましい結果(例えば、標的分子の活性を調節すること、及び/または、がん症状の進行を抑制、排除または遅延させること)を得るのに有効な量の活性成分を含有する。本発明の化合物の治療有効量を決定することは、特に本明細書の詳細な開示を考慮すれば、十分に当業者の能力の範囲内である。
哺乳動物に投与する用量及び頻度(単回または複数回分の用量)は、様々な要因、例えば、哺乳動物が別の疾患にかかっているかどうか、その投与経路、レシピエントのサイズ、年齢、性別、健康、体重、ボディマス指数及び栄養、治療する疾患(例えば、がん、神経芽細胞腫、骨肉腫、横紋筋肉腫、卵巣がん、前立腺がんもしくは膵臓がん、または、葉酸トランスポーターまたは有機アニオントランスポーターを発現するその他のがん)における症状の性質及び程度、併用療法の種類、治療する疾患またはその他健康に関わる問題に起因する合併症、に応じて変えることができる。本明細書に記載の方法及び化合物と共に、その他の治療レジメンまたは治療薬を用いてもよい。設定用量の調節及び処理(例えば、頻度及び持続時間)を行うことは、十分に当業者の能力の範囲内である。
特定化合物における毒性と治療効果との比率は、その治療指数であり、LD50(集団の50%が死に至る化合物の量)とED50(集団の50%に効果が現れる化合物の量)との間の比率で表すことができる。高い治療指数を示す化合物が好ましい。細胞培養アッセイ及び/または動物実験から得た治療指数データを、ヒトに用いる用量範囲を配合するのに利用することができる。このような化合物の用量は、ED50(ほとんど毒性がないかまたは非毒性)を含む血漿濃度の範囲内に収まることが好ましい。用量は、採用する剤形及び利用する投与経路に応じ、この範囲内で変化し得る。例えば、Fingl et al.,In:The Pharmacological Basis of Therapeutics,Ch.1,p.l,1975を参照のこと。正確な配合、投与経路及び用量については、患者の病状及び化合物を用いる特定の方法を考慮して、個々の医師が選択してもよい。
1種または複数種の葉酸トランスポータータンパク質用基質として同定された、本明細書に記載の分子、組成物及び化合物、例えば、白金系化合物または薬物は、葉酸輸送タンパク質または核酸を発現するがんの治療に有用である。治療適用において、本発明の白金系化合物または薬物を単独で投与してもよく、または、通常の化学療法、放射線療法、ホルモン療法及び/または免疫療法と組み合わせて同時投与してもよい。
塩を塩基または酸と接触させてから、通常の方法で親化合物を単離することにより、中性形態の化合物を再生してもよい。親形態の化合物は、特定の物理的特性、例えば、極性溶媒中での溶解度などが様々な塩形態とは異なるが、それ以外の点において、塩は、本発明の目的における親形態の化合物と同等である。
本発明における本明細書に記載の特定組成物は、非溶媒和形態に加えて、水和形態を含む溶媒和形態で存在していてもよい。一般的に、溶媒和形態は非溶媒和形態と等しく、本発明の範囲内に包含されることを意味する。本発明の特定化合物は、複数の結晶形態または非晶質形態で存在していてもよい。一般的に、全ての物理的形態は、本発明が想定する用途において同等であり、本発明の範囲内であることを意図している。
別の実施形態では、本発明の組成物は、非経口投与、例えば、静脈内(IV)投与、または、体腔内または器官の内腔内への投与などに有用である。投与用の剤形は通常、薬学的に許容される担体中に溶解させた本発明の組成物の溶液を含む。使用可能で許容される溶媒(vehicles)及び溶媒(solvents)としては、水及びリンゲル液、生理食塩液が挙げられる。加えて、滅菌固定油を、通常、溶媒または懸濁媒として用いてもよい。この目的のために、合成モノグリセリドまたは合成ジグリセリドを含む任意の無刺激固定油を用いてもよい。加えて、脂肪酸(例えば、オレイン酸など)を同様に用いて、注射剤を調製してもよい。これらの溶液は滅菌されており、通常、望ましくない物質を含まない。通常のよく知られた滅菌法を用いて、これらの製剤を滅菌してもよい。製剤は、生理学的条件に近づけるのに必要な薬学的に許容される補助物質、例えば、pH調整剤及びpH緩衝剤、毒性調整剤(例えば、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウムなど)などを含有していてもよい。これら製剤中における本発明の組成物の濃度は広く様々であってもよく、選択した特定の投与方法及び患者の条件に従い、主に、液量、粘度、体重などに基づいて選択される。IV投与用に、製剤を、滅菌注射用製剤(例えば、滅菌注射用の水性懸濁液または油性懸濁液など)としてもよい。この懸濁液は、好適な分散剤または湿潤剤及び沈殿防止剤を用いた周知の技術に従い製剤化されてもよい。滅菌注射用製剤はまた、1,3−ブタンジオール溶液などの非毒性で非経口条件に合った希釈剤または溶媒中の滅菌注射用液剤であってもよい。
医薬製剤は、単位投与剤形であることが好ましい。このような剤形において、製剤は、適切な量の活性成分を含有する単位用量へと細分される。単位投与剤形は包装製剤であってもよく、その包装には、別々の量の製剤(例えば、小包装とした錠剤、カプセル剤、及び、バイアルまたはアンプル中の散剤など)が含まれる。同様に、単位投与剤形は、カプセル剤、錠剤、カシェ剤またはロゼンジ剤そのものであってもよく、または、包装剤形に入れた適切な数のこれらの内のいずれかあってもよい。
本明細書に記載の化合物を、葉酸トランスポーターを発現する細胞に関連した疾患(例えば、膠芽腫、腎臓がん、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、結腸直腸がん、肝臓がん、腎臓がん、腎細胞癌、膀胱がん、肺がん、非小細胞肺がん、卵巣がん、子宮がん、頸部がん、精巣がん、肛門がん、胆管がん、胆道がん、胃腸カルチノイド腫瘍、食道がん、胆嚢がん、虫垂がん、小腸がん、胃がん、膀胱がん、泌尿生殖器がん、子宮内膜がん、頭頸部がん、鼻咽頭がん、頭頸部扁平上皮細胞癌、中皮腫、リンパ腫、白血病、乳がんまたは前立腺がん)を治療するのに有効であることが知られるその他の活性剤と、または、単独では有効とならないが活性剤の有効性に寄与し得る補助剤と、互いに組み合わせて用いてもよい。
実施形態では、白金系組成物及び本明細書に記載の化合物を、アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド、イホスファミド、クロラムブシル、ブスルファン、メルファラン、メクロレタミン、ウラムスチン、チオテパ、ニトロソウレアなど)、代謝拮抗物質(例えば、5−フルオロウラシル、アザチオプリン、メトトレキサート、ロイコボリン、カペシタビン、シタラビン、フロクスウリジン、フルダラビン、ゲムシタビン、ペメトレキセド、ラルチトレキセドなど)、植物アルカロイド(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン、ビンデシン、ポドフィロトキシン、パクリタキセル、ドセタキセルなど)、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、イリノテカン、トポテカン、アムサクリン、エトポシド(VP16)、リン酸エトポシド、テニポシドなど)、抗腫瘍抗生物質(例えば、ドキソルビシン、アドリアマイシン、ダウノルビシン、エピルビシン、アクチノマイシン、ブレオマイシン、マイトマイシン、ミトキサントロン、プリカマイシンなど)、その他白金系化合物(例えば、シスプラチン、オキサロプラチン、カルボプラチン、本明細書に記載の第2の白金系化合物)などを含む、通常の化学療法剤と同時投与してもよい。
本明細書に記載の白金系化合物または薬物をまた、通常のホルモン治療薬(ステロイド(例えば、デキサメタゾン)、フィナステリド、アロマターゼ阻害薬、タモキシフェン、及び、ゴセレリンなどのゴナドトロピン放出ホルモン作動薬(GnRH)を含むがこれらに限定されない)と同時投与してもよい。
更なる実施形態では、本明細書に記載の白金系化合物または薬物を、通常の放射線治療薬(任意選択的に、腫瘍抗原に向かう抗体とコンジュゲートした、47Sc、64Cu、67Cu、89Sr、86Y、87Y、90Y、105Rh、111Ag、111In、117mSn、149Pm、153Sm、166Ho、177Lu、186Re、188Re、211At及び212Biなどの放射性核種を含むがこれらに限定されない)と同時投与してもよい。
通常のよく知られた滅菌法を用いて本発明の医薬組成物を滅菌してもよく、または、滅菌条件下で本発明の医薬組成物を製造してもよい。使用用に水溶剤を包装してもよく、または、無菌条件下で水溶剤を濾過してから凍結乾燥してもよく、投与前に、凍結乾燥製剤を滅菌水溶液と混合する。組成物は、pH調整剤及びpH緩衝剤、等張化剤、湿潤剤など、生理学的条件に近づけるのに必要な薬学的に許容される補助物質、例えば、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、ソルビタンモノラウレート及びオレイン酸トリエタノールアミンを含有していてもよい。
経口投与に好適な製剤は、(a)液剤(希釈剤(例えば、水、生理食塩水またはPEG400)中に懸濁させた有効量の包装白金系化合物または薬物など)、(b)カプセル剤、サッシェ剤または錠剤(それぞれが、所定量の白金系化合物または薬物を、液体、固体、顆粒またはゼラチンとして含有)、(c)適切な液体中の懸濁剤、及び、(d)好適なエマルション剤を含んでいてもよい。錠剤形態は、ラクトース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、リン酸カルシウム、コーンスターチ、ポテトスターチ、微結晶セルロース、ゼラチン、コロイド状の二酸化ケイ素、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ならびに、その他の添加剤、着色剤、充填剤、結合剤、希釈剤、緩衝剤、湿潤剤、防腐剤、風味剤、染料、崩壊剤、及び、薬学的に相溶性のある担体のうちの1種または複数種を含んでいてもよい。ロゼンジ剤形態は、風味剤(例えば、スクロース)中の白金系化合物または薬物に加え、不活性基剤(例えば、ゼラチン及びグリセリンのエマルション剤、ゲル剤、または、スクロース及びアカシアのエマルション剤、ゲル剤など)中のポリペプチド断片またはペプチド断片を含むパステル剤(ポリペプチドまたはペプチドに加え、当該技術分野において周知の担体を含有)を含んでいてもよい。
選択した白金系化合物または薬物を、単独でまたはその他の好適な成分と組み合わせて、吸入で投与されるエアゾール製剤に製造してもよい(すなわち、エアゾール製剤を「霧状」にしてもよい)。加圧された許容される噴射剤(例えば、ジクロロジフルオロメタン、プロパン、窒素など)中に、エアゾール製剤を入れてもよい。
直腸投与に好適な製剤としては、例えば、坐剤基剤を含有する有効量の包装白金系化合物または薬物を含む坐剤が挙げられる。好適な坐剤基剤としては、天然または合成のトリグリセリドまたはパラフィン系炭化水素が挙げられる。加えて、基剤(例えば、液体トリグリセリド、ポリエチレングリコール及びパラフィン系炭化水素を含む)を含有する、選択した白金系化合物または薬物の組み合わせを含有するゼラチン直腸カプセル剤を用いることもまた可能である。
例えば、関節内(関節の内部)経路、静脈内経路、筋肉内経路、腫瘍内経路、皮膚内経路、腹腔内経路及び皮下経路などによる非経口投与に好適な製剤は、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤、及び、製剤を目的のレシピエントの血液と等張とする溶質を含有し得る水性及び非水性の等張性滅菌注射用液剤、ならびに、沈殿防止剤、可溶化剤、増粘剤、安定剤及び防腐剤を含有し得る水性及び非水性の滅菌懸濁剤を含む。注射用液剤及び注射用懸濁剤はまた、滅菌した粉末、顆粒及び錠剤から調製してもよい。本発明の実施に際し、例えば、静脈内注射、経口、局所、腹腔内、膀胱内または硬膜内で、組成物を投与してもよい。好ましい投与方法は、非経口投与、経口投与及び静脈内投与である。アンプル及びバイアルなど単位用量または複数回用量の密閉容器で、化合物の製剤を調製してもよい。
医薬製剤は、単位投与剤形であることが好ましい。このような剤形において、製剤は、適切な量の活性成分(例えば、白金系化合物または薬物)を含有する単位用量へと細分される。単位投与剤形は包装製剤であってもよく、その包装には、別々の量の製剤(例えば、小包装とした錠剤、カプセル剤、及び、バイアルまたはアンプル中の散剤など)が含まれる。同様に、単位投与剤形は、カプセル剤、錠剤、カシェ剤またはロゼンジ剤そのものであってもよく、または、包装剤形に入れた適切な数のこれらの内のいずれかあってもよい。組成物はまた、必要に応じて、その他相溶性のある治療薬を含有していてもよい。
IV.使用方法
一態様では、このような治療を必要とする患者のがんを治療するための方法を提供し、方法は、治療有効量の本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
実施形態では、がんは、膠芽腫、腎臓がん、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、結腸直腸がん、肝臓がん、腎臓がん、腎細胞癌、膀胱がん、肺がん、非小細胞肺がん、卵巣がん、子宮がん、頸部がん、精巣がん、肛門がん、胆管がん、胆道がん、胃腸カルチノイド腫瘍、食道がん、胆嚢がん、虫垂がん、小腸がん、胃がん、膀胱がん、泌尿生殖器がん、子宮内膜がん、頭頸部がん、鼻咽頭がん、頭頸部扁平上皮細胞癌、中皮腫、リンパ腫、白血病、乳がんまたは前立腺がんである。実施形態では、がんは、膠芽腫、腎臓がん、頸部がん、卵巣がん、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫または骨肉腫である。
実施形態では、がんは、骨肉腫、神経芽細胞腫または横紋筋肉腫である。実施形態では、がんは、乳がん、中枢神経系がん、結腸がん、白血病、黒色腫、肺がん(例えば、非小細胞肺がん)、卵巣がん、前立腺がんまたは腎臓がんである。
実施形態では、がんは、葉酸トランスポーターを発現する。実施形態では、がんは、膠芽腫、腎臓がん、神経芽細胞腫、骨肉腫、横紋筋肉腫、頸部がん、卵巣がん、前立腺がんまたは膵臓がんである。実施形態では、疾患は神経芽細胞腫である。実施形態では、疾患は骨肉腫である。実施形態では、疾患は横紋筋肉腫である。実施形態では、疾患は卵巣がんである。実施形態では、疾患は前立腺がんである。実施形態では、疾患は膵臓がんである。
実施形態では、治療するための方法は、患者由来の試料中のトランスポーター濃度を測定するための方法を含む。実施形態では、トランスポーターは葉酸トランスポーターである。実施形態では、トランスポーターは有機アニオントランスポーターである。実施形態では、治療するための方法は、患者由来の試料中の葉酸トランスポーター濃度を測定するための方法を含む。一部の実施形態では、患者由来の試料は、がん細胞を含む。実施形態では、がん細胞は、トランスポーターを発現する。実施形態では、トランスポーターは葉酸トランスポーターである。一部の実施形態では、治療するための方法は、患者由来の試料中のがん細胞内における葉酸トランスポーター濃度を測定するための方法を含む。一部の実施形態では、治療するための方法は、本明細書に記載の化合物を投与することを含む。
実施形態では、本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩は、DNAと結合する。実施形態では、本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩は、細胞内におけるDNA合成を抑制する。実施形態では、本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩は、DNA内における鎖間架橋及び鎖内架橋の両方を形成する。実施形態では、本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩は、DNA内の架橋を誘導または形成する。実施形態では、本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩は、細胞内におけるDNA複製及び/または転写を阻害する。実施形態では、本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩は、細胞内におけるDNA複製及び/または転写を抑制する。実施形態では、本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩は、細胞内における増殖的なDNA複製及び/または転写を中断させる。実施形態では、本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩は、細胞内における正確なDNA複製及び/または転写を減少させる。実施形態では、がん細胞は、葉酸経路に関与する遺伝子を発現する。実施形態では、本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩は、葉酸経路の構成要素(例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素、チミジル酸合成酵素、及び/または、ホリルポリグルタミン酸合成酵素)を調節する。実施形態では、本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩は、葉酸経路の構成要素(例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素、チミジル酸合成酵素、及び/または、ホリルポリグルタミン酸合成酵素)を阻害する。実施形態では、本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩は、葉酸経路の構成要素(例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素、チミジル酸合成酵素、及び/または、ホリルポリグルタミン酸合成酵素)を活性化する。実施形態では、本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩は、葉酸経路の構成要素(例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素、チミジル酸合成酵素、または、ホリルポリグルタミン酸合成酵素)と付加化合物を形成する。実施形態では、本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩は、葉酸経路の構成要素(例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素、チミジル酸合成酵素、または、ホリルポリグルタミン酸合成酵素)と複合体を形成する。実施形態では、本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩は、DHFRと弱く相互作用する。実施形態では、ホリニン酸を同時投与することにより、本明細書に記載の化合物の細胞毒性(例えば、がん細胞毒性)が抑制される。実施形態では、本明細書に記載の化合物は、DHFRを阻害しない。実施形態では、本明細書に記載の化合物は、酵素を弱く阻害する(例えば、IC50>50μM)。
更なる態様では、細胞内における細胞死を誘導するための方法を提供し、方法は、細胞を、有効量の本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩と接触させることを含む。
実施形態では、方法は、本明細書に記載の化合物の使用を含む。実施形態では、細胞死はアポトーシスを介する。実施形態では、細胞はトランスポーターを発現する。実施形態では、トランスポーターは葉酸トランスポーターである。実施形態では、トランスポーターは、SLC19A1、SLC46A1、OAT1、OAT3、OATP1A2、または、OATP2B1である。実施形態では、細胞は葉酸トランスポーターを発現する。実施形態では、トランスポーターは有機アニオントランスポーターである。一部の実施形態では、細胞は有機アニオントランスポーターを発現する。一部の実施形態では、細胞はがん細胞である。一部の実施形態では、細胞は転移性がん細胞である。実施形態では、トランスポーターはSLC19A1である。実施形態では、トランスポーターはSLC46A1である。実施形態では、トランスポーターはOAT1である。実施形態では、トランスポーターはOAT3である。実施形態では、トランスポーターはOATP1A2である。実施形態では、トランスポーターはOATP2B1である。
一態様では、このような治療を必要とする患者のがんを治療するための方法を提供し、患者は、葉酸トランスポータータンパク質またはmRNAを発現するがん細胞を有し、方法は、治療有効量の本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
実施形態では、治療するための方法は、実施形態を含む本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む。実施形態では、がんは、膠芽腫、神経芽細胞腫、骨肉腫、横紋筋肉腫、頸部がん、卵巣がん、前立腺がんまたは膵臓がんである。実施形態では、方法は、患者由来の試料中の葉酸トランスポータータンパク質またはmRNAの量を測定するための方法を含む。実施形態では、試料はがん細胞を含む。実施形態では、がん細胞は、葉酸トランスポータータンパク質またはmRNAを発現する。実施形態では、がん細胞は、有機アニオントランスポーターを発現する。実施形態では、がん細胞は、葉酸トランスポーターを発現する。
一態様では、このような治療を必要とする患者のがんを治療するための方法を提供し、患者は、有機アニオントランスポータータンパク質またはmRNAを発現するがん細胞を有し、方法は、治療有効量の本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
実施形態では、治療するための方法は、本明細書に記載の化合物を投与することを含む。実施形態では、がんは、膠芽腫、神経芽細胞腫、骨肉腫、横紋筋肉腫、頸部がん、卵巣がん、前立腺がんまたは膵臓がんである。実施形態では、方法は、患者由来の試料中の有機アニオントランスポータータンパク質またはmRNAの量を測定するための方法を含む。実施形態では、試料はがん細胞を含む。実施形態では、がん細胞は、葉酸トランスポータータンパク質またはmRNAを発現する。
一態様では、細胞内におけるDNA複製を阻害するための方法を提供し、方法は、細胞を、有効量の本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩と接触させることを含む。
一態様では、細胞内のDNAを架橋するための方法を提供し、方法は、細胞を、有効量の本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩と接触させることを含む。
一態様では、細胞内におけるDNA複製を阻害するための方法を提供し、細胞は、葉酸トランスポータータンパク質またはmRNAを発現し、方法は、細胞を、有効量の本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩と接触させることを含む。
一態様では、細胞内におけるDNA複製を阻害するための方法を提供し、細胞は、有機アニオントランスポータータンパク質またはmRNAを発現し、方法は、細胞を、有効量の本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩と接触させることを含む。
実施形態では、方法は、本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を用いて、ジヒドロ葉酸還元酵素を阻害することを含む。実施形態では、方法は、本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を用いて、ジヒドロ葉酸還元酵素を阻害することを含まない。
実施形態では、方法は、細胞を、本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩と接触させることを含む。実施形態では、方法は、本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用を含む。実施形態では、細胞はがん細胞である。実施形態では、細胞は神経芽細胞腫がん細胞である。実施形態では、細胞は膠芽腫がん細胞である。実施形態では、細胞は頸部がん細胞である。実施形態では、細胞は卵巣がん細胞である。実施形態では、細胞は腎臓がん細胞である。実施形態では、細胞は横紋筋肉腫がん細胞である。実施形態では、細胞は骨肉腫がん細胞である。実施形態では、細胞は脳がん細胞である。実施形態では、細胞は転移性がん細胞である。
一態様では、細胞内における細胞死を誘導するための方法を提供し、細胞は、葉酸トランスポータータンパク質またはmRNAを発現し、方法は、細胞を、有効量の本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩と接触させることを含む。
更なる態様では、細胞内における細胞死を誘導するための方法を提供し、細胞は、葉酸経路(例えば、合成経路もしくは代謝経路、または、反応分子または前駆体分子として葉酸/葉酸塩を用いる経路)においてタンパク質を発現し、方法は、細胞を、有効量の本明細書に記載の化合物と接触させることを含む。実施形態では、本明細書に記載の化合物は、葉酸経路(例えば、合成経路もしくは代謝経路、または、反応分子または前駆体分子として葉酸/葉酸塩を用いる経路)の構成要素を阻害する。実施形態では、本明細書に記載の化合物は、葉酸経路(例えば、合成経路もしくは代謝経路、または、反応分子または前駆体分子として葉酸/葉酸塩を用いる経路)の構成要素濃度を低下させる。実施形態では、本明細書に記載の化合物は、葉酸経路(例えば、合成経路もしくは代謝経路、または、反応分子または前駆体分子として葉酸/葉酸塩を用いる経路)の構成要素活性レベルを低下させる。実施形態では、構成要素はDHFRである。実施形態では、構成要素はDHFRではない。実施形態では、化合物は、葉酸経路(例えば、合成経路もしくは代謝経路、または、反応分子または前駆体分子として葉酸/葉酸塩を用いる経路)の構成要素のうち2種以上を調節する。
一態様では、細胞内における細胞死を誘導するための方法を提供し、細胞は、有機アニオントランスポータータンパク質またはmRNAを発現し、方法は、細胞を、有効量の本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩と接触させることを含む。
実施形態では、方法は、細胞を、有効量の本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩と接触させることを含む。実施形態では、細胞はがん細胞である。実施形態では、細胞死はアポトーシスを介する。実施形態では、細胞は転移性がん細胞である。
実施形態では、患者は、葉酸経路(例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)、チミジル酸合成酵素(TYMS)、または、ホリルポリグルタミン酸合成酵素(FPGS))に関与する遺伝子を発現するがん細胞を有する。実施形態では、患者は、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)を発現するがん細胞を有する。実施形態では、患者は、チミジル酸合成酵素(TYMS)を発現するがん細胞を有する。実施形態では、患者は、ホリルポリグルタミン酸合成酵素(FPGS)を発現するがん細胞を有する。実施形態では、がん細胞は、対照(例えば、非がん細胞)と比較してより高濃度で、DHFRを発現する。実施形態では、がん細胞は、対照(例えば、非がん細胞)と比較してより高濃度で、TYMSを発現する。実施形態では、がん細胞は、対照(例えば、非がん細胞)と比較してより高濃度で、FPGSを発現する。
V.実施形態
実施形態P1:式、
Figure 2019501878
Figure 2019501878
Figure 2019501878
Figure 2019501878
を有する化合物またはその薬学的に許容される塩であって、
式中、Rは独立して、ハロゲン、−SR、−OSO、−OSOH、−NHNH、−ONR、−NHC=(O)NHNH、−NHC=(O)NR、−NHR、−OC(O)R、−OC(O)NR、−OR、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、または、置換または非置換ヘテロアリールであり、Rは独立して、ハロゲン、−CY 、−CN、−SO10、−SONR1112、−NHNH、−ONR1112、−NHC=(O)NHNH、−NHC=(O)NR1112、−N(O)、−NR1112、−C(O)R13、−C(O)−OR13、−C(O)NR1112、−OR10、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、または、置換または非置換ヘテロアリールであり、2個の隣接したR置換基は、任意選択的に結合して、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、または、置換または非置換ヘテロアリールを形成してもよく、Rは、非置換C−CアルキルまたはHであり、R及びRは独立して、ハロゲン、ジメチルスルホキシド、N、SCNまたはCNであり、R、R、R、R、R10、R11、R12及びR13は独立して、水素、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、または、置換または非置換ヘテロアリールであり、zは、0〜4の整数であり、uは独立して、1〜2の整数であり、mは独立して、1〜2の整数であり、qは独立して、0〜4の整数であり、Yは独立して、−Cl、−Br、−Iまたは−Fである、前記化合物またはその薬学的に許容される塩。
実施形態P2:式中、Rは、置換または非置換ヘテロアルキルである、実施形態P1に記載の化合物。
実施形態P3:式中、Rは、置換または非置換2〜10員環ヘテロアルキルである、実施形態P1に記載の化合物。
実施形態P4:式中、Rは、置換または非置換4〜8員環ヘテロアルキルである、実施形態P1に記載の化合物。
実施形態P5:式中、Rは、オキソ、−OH、−NH、−SH、−COOH、−CN、−CF、−NO、ハロゲン、非置換アルキル、非置換ヘテロアルキル、非置換シクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル、非置換アリール、または、非置換ヘテロアリールで置換される、実施形態P1から実施形態P4のいずれか1つに記載の化合物。
実施形態P6:式中、R及びRは独立して、ハロゲンまたはジメチルスルホキシドである、実施形態P1から実施形態P5のいずれか1つに記載の化合物。
実施形態P7:式中、R及びRは独立して、−Clである、実施形態P1から実施形態P5のいずれか1つに記載の化合物。
実施形態P8:式中、R及びRは独立して、ジメチルスルホキシドである、実施形態P1から実施形態P5のいずれか1つに記載の化合物。
実施形態P9:式中、zは0である、実施形態P1から実施形態P8のいずれか1つに記載の化合物。
実施形態P10:薬学的に許容される添加剤、及び、実施形態P1から実施形態P9のいずれか1つに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物。
実施形態P11:このような治療を必要とする患者のがんを治療するための方法であって、前記方法は、治療有効量の実施形態P1から実施形態P9のいずれか1つに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、前記方法。
実施形態P12:前記がんは、膠芽腫、腎臓がん、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、結腸直腸がん、肝臓がん、腎臓がん、腎細胞癌、膀胱がん、肺がん、非小細胞肺がん、卵巣がん、子宮がん、頸部がん、精巣がん、肛門がん、胆管がん、胆道がん、胃腸カルチノイド腫瘍、食道がん、胆嚢がん、虫垂がん、小腸がん、胃がん、膀胱がん、泌尿生殖器がん、子宮内膜がん、頭頸部がん、鼻咽頭がん、頭頸部扁平上皮細胞癌、中皮腫、リンパ腫、白血病、乳がんまたは前立腺がんである、実施形態P11に記載の方法。
実施形態P13:前記患者は、葉酸トランスポータータンパク質、葉酸トランスポーター、または、有機アニオントランスポーターを発現するがん細胞を有する、実施形態P11から実施形態P12のいずれか1つに記載の方法。
実施形態P14:前記患者由来の試料内における、葉酸トランスポーターの濃度を測定するための方法を更に含む、実施形態P11から実施形態P13のいずれか1つに記載の方法。
実施形態P15:前記試料はがん細胞を含む、実施形態P14に記載の方法。
実施形態P16:前記化合物またはその薬学的に許容される塩は、DNAと結合する、実施形態P11から実施形態P15のいずれか1つに記載の方法。
実施形態P17:前記患者は、葉酸経路(例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)、チミジル酸合成酵素(TYMS)、または、ホリルポリグルタミン酸合成酵素(FPGS))に関与する遺伝子を発現するがん細胞を有する、実施形態P11から実施形態P16のいずれか1つに記載の方法。
VI.別の実施形態
実施形態1:式、
Figure 2019501878
を有する化合物またはその薬学的に許容される塩であって、
式中、Rは独立して、ハロゲン、−CY 、−CN、−SR、−OSO、−OSOH、−NHNH、−ONR、−NHC(O)NHNH、−C(O)R、−C(O)NR、−NHC(O)NR、−NR、−OC(O)R、−OC(O)NR、−OR、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、または、置換または非置換ヘテロアリールであり、
は独立して、ハロゲン、−CY 、−CN、−SO10、−SONR1112、−NHNH、−ONR1112、−NHC=(O)NHNH、−NHC=(O)NR1112、−N(O)、−NR1112、−C(O)R13、−C(O)−OR13、−C(O)NR1112、−OR10、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、または、置換または非置換ヘテロアリールであり、
2個の隣接したR置換基は、任意選択的に結合して、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、または、置換または非置換ヘテロアリールを形成してもよく、
は、非置換C−CアルキルまたはHであり、
、R及びR32は独立して、ハロゲン、
Figure 2019501878
−N、−SCNまたは−CNであり、
、R、R、R、R10、R11、R12及びR13は独立して、水素、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、または、置換または非置換ヘテロアリールであり、
zは、0〜4の整数であり、
uは独立して、1〜2の整数であり、
mは独立して、1〜2の整数であり、
qは独立して、0〜4の整数であり、
及びYは独立して、−Cl、−Br、−Iまたは−Fである、
前記化合物またはその薬学的に許容される塩。
実施形態2:式中、Rは、置換または非置換ヘテロアルキルである、請求項1に記載の化合物。
実施形態3:式中、Rは、置換または非置換2〜10員環ヘテロアルキルである、請求項1に記載の化合物。
実施形態4:式中、Rは、置換または非置換4〜8員環ヘテロアルキルである、請求項1に記載の化合物。
実施形態5:式中、Rは、オキソ、−OH、−NH、−SH、−COOH、−CN、−CF、−NO、ハロゲン、非置換アルキル、非置換ヘテロアルキル、非置換シクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル、非置換アリール、または、非置換ヘテロアリールで置換される、請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の化合物。
実施形態6:式、
Figure 2019501878
を有する、請求項1に記載の化合物。
実施形態7:式中、Rは、−CHまたはHである、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の化合物。
実施形態8:式中、R、R及びR32は独立して、ハロゲンまたは
Figure 2019501878
である、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の化合物。
実施形態9:式中、R、R及びR32は独立して、Clである、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の化合物。
実施形態10:式中、R、R及びR32は独立して、
Figure 2019501878
である、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の化合物。
実施形態11:式中、R及びRは、ハロゲンであり、R32は、
Figure 2019501878
である、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の化合物。
実施形態12:式中、zは0である、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の化合物。
実施形態13:式、
Figure 2019501878
を有する、請求項1に記載の化合物。
実施形態14:式、
Figure 2019501878
を有する、請求項1に記載の化合物。
実施形態15:薬学的に許容される添加剤、及び、請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物。
実施形態16:このような治療を必要とする患者のがんを治療するための方法であって、前記方法は、治療有効量の請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、前記方法。
実施形態17:前記がんは、膠芽腫、腎臓がん、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、結腸直腸がん、肝臓がん、腎臓がん、腎細胞癌、膀胱がん、肺がん、非小細胞肺がん、卵巣がん、子宮がん、頸部がん、精巣がん、肛門がん、胆管がん、胆道がん、胃腸カルチノイド腫瘍、食道がん、胆嚢がん、虫垂がん、小腸がん、胃がん、膀胱がん、泌尿生殖器がん、子宮内膜がん、頭頸部がん、鼻咽頭がん、頭頸部扁平上皮細胞癌、中皮腫、リンパ腫、白血病、乳がんまたは前立腺がんである、請求項16に記載の方法。
実施形態18:前記がんは、骨肉腫、神経芽細胞腫または横紋筋肉腫である、請求項16に記載の方法。
実施形態19:前記がんは、乳がん、中枢神経系がん、結腸がん、白血病、黒色腫、非小細胞肺がん、卵巣がん、前立腺がんまたは腎臓がんである、請求項16に記載の方法。
実施形態20:前記がんは膠芽腫である、請求項16に記載の方法。
実施形態21:前記患者は、葉酸トランスポータータンパク質、葉酸トランスポーター、または、有機アニオントランスポーターを発現するがん細胞を有する、請求項16から請求項19のいずれか1項に記載の方法。
実施形態22:前記患者由来の試料内における、葉酸トランスポーターの濃度を測定するための方法を更に含む、請求項16から請求項21のいずれか1項に記載の方法。
実施形態23:前記試料はがん細胞を含む、請求項22に記載の方法。
実施形態24:前記化合物またはその薬学的に許容される塩は、DNAと結合する、請求項16から請求項23のいずれか1項に記載の方法。
実施形態25:前記患者は、葉酸経路に関与する遺伝子を発現するがん細胞を有する、請求項16から請求項24のいずれか1項に記載の方法。
インビトロ増殖抑制
白金錯体は、がん、特に固形がんの治療に最も広く用いられている薬物の一部である。あいにく、それらの組織分布は、非特異的であるか、または、適切な細胞傷害効果を発揮するように適切な選択的蓄積をもたらすには十分に特異的でないかのいずれかである。腫瘍または新生物を含む様々な体内組織内への白金錯体の分布は、特定の流入輸送機構に対する高い親和性を白金錯体に付与する配位子の設計に影響を受ける。この高い親和性は、特定の流入輸送機構を発現する組織内へと白金を多く滞留させることにつながる。高い組織蓄積性は、(i)高い抗がん性、及び、(ii)副作用の低い可能性(副作用が生じると白金が組織から排出されるため)につながる。
SM−69及びSM−70の合成。マイクロアレイ発現データに基づき、正常組織と比較して腫瘍において高い発現レベルを有する選択した流入トランスポーターを標的とするように、白金化合物を設計及び合成した。
水、エタノール及びDMSO(それぞれ、4:1:1)の混合液中のメトトレキサート溶液を、1当量のテトラクロロ白金酸カリウム(KPtCl)で処理した。混合液を室温で最大24時間攪拌し、その後、形成された沈殿物を濾過した。濾過ケーキを、メタノール(10mL/mmol、4回)及び氷冷水(10mL/mmol、4回)で続けて洗浄した。固形分を0.5mmHgの気圧下、室温で一晩乾燥させて、SM−69(AT−69)を得た(メトトレキサートから)。図1Aにおいて、R = CHである。提案したSM−69の化学構造(R = CH)、白金−メトトレキサート複合体、[Pt(DMSO)メトトレキサート(Cl)]は、全ての立体異性体を包含するとみなされる。この構造は、白金錯体の脱離基上に、1個のDMSO配位子及び1個の塩素配位子を含む。メトトレキサートは、非脱離基の配位子である。SM−70(AT−70)の合成についても同様ではあるが、メトトレキサートの代わりにアミノプテリンを用いたため、図1A及び図1Bにおいて、R = Hである。メトトレキサート溶液にDMSOを加えない上記合成もまた行った。この合成の結果、生成物の構造は、配位子としてのDMSOを有さず、代わりに、白金錯体の脱離基上に2個の塩素配位子を有する。この生成物を、SM−69B(図1Bの式中、RはCH)またはSM−70B(図1Bの式中、RはH)と呼ぶ。
元素分析(CHN)、プロトンNMR及び質量分析計を実施して、化学構造を確認した。1H−NMRデータは、SM69が単一の純粋な化合物からなることを示している。H−NMRは、メトトレキサートが白金上の配位子として存在することを決定的に明らかにしている。特に、N−CHプロトン及びメチレンプロトンにおいて、H、195Ptのカップリングが観察されている。このカップリングは、図1A及び図1Bに示す配位部位を示している。芳香族NHピークの大きなシフトはまた、これらの水素原子が白金中心部に極めて接近していることを示している。化合物SM−69(AT−69)を図1A及び図1Bに示す。195Pt NMRスペクトルでは、−2964ppmにピークが観測されている。このピークは、DMSOに結合した白金化合物に関する既報告研究(Transition Metal Chemistry,December 1992,Volume 17,Issue 6,pp 579−582;Inorganica Chimica Acta 319(2001)95−108)に基づき、DMSOがSM−69と結合しているという結論を支持する。ESI−MS(ポジティブモード)はm/z 763.3に主なピークを示している。SM−69のトランス異性体は、SM−69のシス異性体と比較してより好ましい化合物である。その理由としては、シス異性体が16kcal/molだけ安定性に欠けるからである。更に、シス異性体はDMSOとメトトレキサートとの間により多くのNOEクロスピークを示すはずであり、これは観測されなかった。
スペクトルの分子量及び構造同位体パターンに基づき、分子イオンは、カチオン種[Pt(メトトレキサート)(DMSO)Cl](C2229SClPt)と一致している。ESI−MS(ネガティブモード)はm/z 797.2に主なピークを示しており、このことは、ESIポジティブモードの構造と比較して、Cl原子が追加されていることを示している。スペクトルの分子量及び構造同位体パターンに基づき、分子イオンは、アニオン種[Pt(メトトレキサート)(DMSO)Cl](C2229SClPt)と一致している。IRスペクトルでは、1128cm−1にピークが観測されている。この振動モードは、図1Aに示す白金−配位結合DMSO配位子上のS=Oストレッチに起因する可能性が最も高い。遊離DMSOは1055cm−1にS=Oストレッチングモードを有しており、これは、IRスペクトルでは観測されていなかった。元素分析結果により、S原子及びPt原子が、SM69内に約1:1の原子比率で存在していることが確認されている。H−NMRデータは、SM−69Bが単一の純粋な化合物からなることを示している。ESI−MS(ポジティブモード)はm/z 721.69に主なピークを示している。H NMRスペクトルの分子量及び構造同位体パターンに基づき、分子イオンは、カチオン種[Pt(メトトレキサート)Cl(C2022ClPt)と一致している。SM−69とは異なり、IRスペクトルでは、1128cm−1にはピークが観測されなかった。このことは、SM−69Bが白金配位DMSO配位子を有していないことから予測された。
異核多結合相関(HMBC)2−D NMR実験では、2つ、3つまたはそれ以上の結合により分離された炭素とプロトンとの間に相関が見られた。直接1結合相関は抑制されている。このスペクトル結果は、白金核がCH(メチル基)とカップリングすることにより、フェニレン基に隣接する窒素原子に白金が結合するはずであることを示している。SM−69のNOESY NMR実験の証拠は、H及びCHが空間を介して(<4Å離れて)相関していることを示している。理論に束縛されるものではないが、データは、白金への二座結合が本明細書で開示する特定化合物には見られそうにないことを示している。SM−69のトランス異性体(図1A)は、SM−69のシス異性体(図1B)と比較してより安定した化合物である。その理由としては、シス異性体が、理論計算に従い16kcal/molだけ安定性に欠けるからである。更に、シス異性体はDMSOとメトトレキサートとの間により多くのNOEクロスピークを示すはずであり、これは観測されなかった。
NCI−60ヒト腫瘍細胞株のスクリーニング。SM69は、合成後、NCI−60細胞株パネルに対するスクリーニングを行うために、国立がん研究所(NCI)創薬プログラム(DTP)に送付した化合物のうちの1つである。DTPが用いた方法については、DTPのウェブサイト:(https://dtp.nci.nih.gov/discovery_development/nci-60/methodology.htm)上に記載されている。
細胞培養。ヒトがん細胞株を、UCSF細胞培養施設(CCF)から購入、または、物質移動を介して入手した。以下の表1に、細胞株、それらの腫瘍タイプ、及び、それらの培養条件のリストを示す。これらの細胞株を用いて、SM−69(及びSM−70)の細胞傷害性を測定した。
Figure 2019501878
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ICP−MSによる白金−DNA付加化合物の測定。白金−DNA付加化合物をICP−MSで定量する方法については、上に記載している(5、6)。端的に言うと、HEK293細胞を6ウェルポリ−D−リジンプレートに播種した(細胞密度 = 0.5 x 106個の細胞/ウェル)。翌日、暖めたハンクス緩衝液(HBSS)で細胞を2度洗浄し、SM69(10μM)、シスプラチン(10μM)(陽性対照)、生理食塩水、及び、メトトレキサート(10μM)(陰性対照)を用いて、37℃で2時間処理した。2時間後、冷やしたHBBSで細胞を2度洗浄した。他の箇所で説明したとおりに、ゲノムDNAと結合した白金含有量を測定した。ゲノムDNA精製キット(Promega)を用いてゲノムDNAを細胞ペレットから単離してから、DNA結合白金をICP−MSで測定し、その測定値を総DNA含有量(260nmの吸収分光分析により測定)に正規化した。
細胞傷害試験。表1に記載する別々の細胞株を用いた96ウェルプレートでの標準的な発光細胞生存アッセイ(CellTiter−Glo(登録商標))により、SM−69及びSM−70の細胞傷害性を測定した。細胞を播種(約3000細胞/ウェル)して一晩インキュベートした後、培養液のみ、シスプラチン、SM−69、または、SM−70を、培地に加えた。試験に用いた白金の濃度範囲は、5μM〜100μMである。治療の72時間後、培養液を除去して、50μLの培養液に加え50μLのCellTiterGlo試薬に置換した。培養液中の生存細胞数は、存在するATP(活性細胞数の指標)の定量に基づいて測定する。GraphPad Prismソフトウェアを用いて、それぞれの化合物における濃度反応グラフを作成した。シグモイド用量反応用のカーブフィッティングを用いてグラフを解析し、IC50値を導出した。標準誤差を含む平均IC50値で結果を表した。
SM−69及びSM−70のインビボ薬物動態及び最大許容毒性。2.5mg/kg及び5mg/kgのSM−69及びSM−70を用いて、薬物動態試験及び毒性試験を実施した。シスプラチン(2mg/kg)(SM−69(AT−69)と等モル)を、薬物動態試験及び毒性試験に用いた。SM−69(AT−69)及びSM−70(AT−70)の薬物動態試験設計について、表2に記載した。
表3に示す投与レジメンを用いて、SM−69及びSM−70の最大耐量(MTD)試験を実施した。MTDに用いたマウスに、添加葉酸を含有しない標準的な固形飼料(低葉酸食餌)を与えた(Leamon CP et al.,J.Pharmacol.Exp.Ther.327:918−925を参照のこと)。Leamon et al.(2008)は、ヒトの血清葉酸濃度と比較してマウスの血清葉酸濃度がはるかに高かった(>5倍の高さ)ということを報告している。Leamon et alは、低葉酸食餌の6週間後に、血清葉酸濃度及び赤血球葉酸濃度が、ヒトの濃度と同様の定常状態に達することを示した。SM−69及びSM−70が、シスプラチンに結合した葉酸様構造を有していることから、本発明者らは、低葉酸食餌を与えて6週間治療した後のマウスを用いるインビボ効果試験を設計し、治療期間中にわたりこの食餌を継続した。それゆえ、本発明者らはまた、低葉酸食餌を与えて治療したマウスを用いたMTD試験を設計した。合計36匹(36)のCR nu/nuマウスを用い、表3に示す治療群に割り当てた。注射前日(−1日目)の摂食量を記録し、その後1日おきに摂食量をモニターした。毒性の重大な徴候を示すマウス、及び/または、瀕死状態と認められたマウスについては、計画屠殺の前に安楽死させた。可能な限り臨床化学用の血液を採取した。肝臓、腎臓及び骨髄を採取した。先々の組織構造解析用にそれぞれの組織(骨髄を除く)の片面を4〜10%ホルマリンで固定し、残りの組織については、細かく切断して急速凍結し、解析まで−80℃で保存する。採取後1時間以内に、臨床化学用の血液試料を4℃で10分間遠心分離(8000rpm)にかけた。血漿を1.5mLエッペンドルフチューブに回収し、解析まで−80℃で保存した。測定パラメータは、アラニントランスアミナーゼ(ALT)、アスパラギン酸トランスアミナーゼ(AST)、アルカリホスファターゼ(ALP)、総ビリルビン、グルコース、血液尿素窒素(BUN)、クレアチニン及び電解質であった。全ての試験は、12時間の明暗サイクルで、ウイルスフリーで室温制御された施設内において実施した。
Figure 2019501878
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インビボ抗腫瘍効果。SM−69及びSM−70のインビボ効果を評価するために、本発明者らは、神経芽細胞腫及び横紋筋肉腫の異種移植片(表4)を宿すヌードマウスを用いた試験を実施した。SK−N−DZ(神経芽細胞腫、30 x 10個の細胞/動物)及びRMS13(横紋筋肉腫、20 x 10個の細胞/動物)を、雄Charles River Laboratories nu/nuマウス(7〜8週齢、体重約20g)の右脇腹に皮下注射することにより、異種移植試験を実施した。腫瘍サイズが50〜100mmに達したところで、表4に示す様々な群へとマウスをランダムに割り当てた。4週間にわたって週に1回尾静脈注射を行い、マウスを治療した。週に2回、腫瘍サイズ及び体重をモニターした。以下の式:容積 = 高さ x 重量 x 長さ x 0.5236に従い、腫瘍容積を計算した。
Figure 2019501878
インビトロ増殖抑制試験。SM−69及びSM−70を用いて、様々な細胞株を72時間インキュベートした。本発明者らはまた、陽性対照として、シスプラチンを用いた試験を設定した。様々ながん細胞株に対するSM−69(AT−69)のIC50(シスプラチンと比較)について、表5に示す。SM−70(AT−70)についてもまた試験した。SM−69が葉酸経路において遺伝子と相互作用してその毒性を発揮するかどうかを明らかにするため、本発明者らは、フォリン酸に加え、SLC19A1をノックダウンするsiRNA及びDHFR(ジヒドロ葉酸還元酵素)の存在下で、SM−69細胞傷害性が減弱するかどうかを明らかにした(図2A及び図2Bを参照のこと)。フォリン酸は、HEK293−T(図2A)及びその他の細胞株(T98G及びU251)において、SM−69の細胞傷害性を有意に抑制した。SM69の力価(その細胞内総濃度ではない)はフォリン酸に依存し、このことは、この化合物が葉酸経路において役割を果たし、過量投与時、フォリン酸によって救援され得ることを示唆している。SLC19A1の発現レベルをsiRNAで抑制することにより、SM−69(AT−69)の細胞傷害性が抑制される(図2B、三角)。更に、DHFR(図2B、四角)の発現レベルをsiRNAで抑制することにより、SM−69の細胞傷害性が亢進する。DHFRを阻害するSM−69の力価はメトトレキサートと比較してはるかに弱いが、この結果はメトトレキサートと類似している。
Figure 2019501878
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ICP−MSによる白金−DNA付加化合物の測定。白金化合物(シスプラチン及びオキサリプラチンなど)は、DNAと共有結合してDNA付加化合物を形成することが知られており、白金化合物が、DNA複製を阻害することにより細胞傷害性を生じさせて細胞死をもたらすのは、この機構によるものである。本発明者らは、SM−69が、シスプラチンと同程度効果的にDNAに結合し得ることを示すために、ICP−MSで白金−DNA付加化合物含有量を測定した。図3Aは、SM−69が、シスプラチンと同様に、白金−DNA付加化合物を形成していることを示している。
SM−69及びSM−70のインビボ薬物動態及び最大許容毒性。マウスへの単回i.v.投与後における、血漿中の総白金(SM−69、SM−70及びシスプラチン)の時間経過を図4A及び図4Bに示す。総白金の時間経過ごとの濃度は、マウスの2−コンパートメントモデルに従った。SM−69の平均血漿中濃度は、等モル用量の2種の化合物で、シスプラチンよりも有意に高かった(図4B)。24時間時点での血漿濃度に正規化後、組織(肝臓、腎臓及び骨髄)中における総白金濃度は、SM−69とSM−70との間で類似していた。肝臓及び腎臓中におけるシスプラチン濃度は、等モル用量のSM−69と比較して、わずかに上昇していた(血漿中白金濃度に正規化後)(図5)。10mg/kgのSM−69(i.v.で1週間に1回)をC57BL/6マウスに投与すると致死的であるが、5mg/kg用量だとそうとはならないという実験に基づき、本発明者らは、著しい毒性を生じさせないSM−69の最大用量を決定するために、2.5、5及び7.5mg/kgの用量範囲を選択した。最大耐量試験において、本発明者らは、全てのマウスに低葉酸食餌による体重低下を認めた(図6)。しかしながら、この体重低下は、生理食塩水治療と、溶媒治療と、低用量のSM−69及びSM−70(2.5mg/kg)との間で類似していた(図6)。SM−69(5mg/kg、7.5mg/kg)及びSM−70(7.5mg/kg)で治療したマウスは、シスプラチン(5mg/kg)と比較して類似の体重低下プロファイルを示している(約30%の体重低下)。本発明者らは、SM−69及びSM−70を最大投与量の7.5mg/kgで投与した際であっても、血液尿素窒素(BUN)濃度及び血清クレアチン濃度に有意差を認めなかった。しかしながら、5mg/kgのシスプラチンでは、BUN濃度及び血清クレアチニン濃度に、腎毒性を示唆する有意な上昇が認められた(図7A及び図7B)。表6及び表7に記載する臨床化学試験の数値は、高用量のSM−69(7.5mpk)、SM−70(7.5mpk)及びシスプラチン(5mpk)で治療したマウスを除いて正常範囲内であった。加えて、化合物の血液毒性は、5mpkのシスプラチンで治療したマウスにおける一部の数値を除いて顕著ではなかった。総合的に言えば、結果は、動物実験におけるSM−69及びSM−70の最大耐量が約5mg/kgであることを示している。
Figure 2019501878
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インビボ抗腫瘍効果。SM−69及びSM−70のインビボ効果について試験し、シスプラチンと比較した。表4に示す一覧表に従い治療を実施した。結果を図8A及び図8Bに示した。総合的に言えば、SM−69(5mg/kg)で治療した異種移植マウスの腫瘍容積は、SM−70(5mg/kg)と比較して有意に減少した。
Figure 2019501878
白金化合物の効果
Figure 2019501878
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SM−69がNCI60細胞株に対する効果を保持し、そのGI50がSLC19A1発現レベルと有意に相関していることは、表9から明らかである(図9)。SLC19A1の発現レベルは、市販のマイクロアレイデータ、CELLMINER(商標) Build 1.0(ウェブサイト discover.nci.nih.govicellminer/)から入手する。流入トランスポーターSLC19A1がSM−69細胞傷害性の決定因子であることを確認するために、本発明者らは、SLC19A1に作用するsiRNAをトランスフェクションしたHEK−293T細胞において、SM−69の力価が有意に低下することを証明した(対照細胞のIC50=0.6μMと比較して、IC50=0.2μM)(図2B)。この実験において、本発明者らは、siRNA(ヒトSLC19A1に作用するDharmacon ON_TARGETplus SMARTpool)を用いた、SLC19A1 mRNAレベルの>90%ノックダウンを達成することができた。SM−69はそれ自体に結合したメトトレキサート分子を有しているが、SM−69は、メトトレキサート(主にDHFR阻害を介してその薬理作用を発揮する)と比較して、(ウェブサイト:www.sigmaaldrich.com 文書cs0340bul.pdf)に記載の方法を用いたジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)の弱い阻害を示した。25μMのSM−69では、DHFR活性はわずか10〜20%だけ低下したが、それに対し、10μMのメトトレキサートでは、DHFR活性は>80%だけ低下した。この結果は、SM−69が白金様細胞傷害機構(例えば、DNAへの結合)を有していることを示唆している。
骨肉腫、横紋筋肉腫及び神経芽細胞腫の異種移植モデルにおける効果
マウスにおける腫瘍増殖及び腫瘍生存率に対する、生理食塩水治療と比較した開示化合物の効果を検証した。以下の表10に要約したとおり、3種の異なる小児期腫瘍由来の9種の細胞株における、AT−69及びAT−70の50%増殖阻害(GI50)を測定した。SLC19A1の相対的mRNAレベルについてもまた測定した。
Figure 2019501878
図8A及び図8Bに示すとおり、AT−69は、シスプラチン及び溶媒と比較してNB腫瘍の増殖を有意に抑制している。図13に示すとおり、AT−69及びAT−70は、SKNDZ異種移植モデルの生存率を有意に上昇させている。AT−69、AT−70及びシスプラチンで治療したマウスと溶媒で治療したマウスとの間の生存率に有意差が認められた。図8Bに示すとおり、AT−69は、シスプラチン及び溶媒と比較してRMS腫瘍の増殖を有意に抑制している。図14に示すとおり、AT−69及びAT−70は、RMS13異種移植モデルの生存率を有意に上昇させている。
この例における測定値は、AT−69及びAT−70ならびにシスプラチンが、溶媒治療マウスと比較して、横紋筋肉腫及び神経芽細胞腫の異種移植モデルの生存率を上昇させることを示している。AT−69は、シスプラチンと比較して、RMS13腫瘍保有マウスの生存率を有意に上昇させた。AT−69及びAT−70ならびにシスプラチンは、横紋筋肉腫及び神経芽細胞腫の異種移植モデルにおける腫瘍増殖を阻害した。RMS13及びSKNDZの腫瘍増殖を阻害する上で、AT−69がシスプラチンよりも強力であることが認められた。
本研究は、これら新規抗がん剤を用いて治療する上で、葉酸代謝に関与する特定のトランスポーター及び/または酵素の発現レベルに基づいて患者を選別するための薬理ゲノミクス的基盤をもたらすものであり、個別化治療を目指している。実質的な治療効果の向上及び全身毒性の低下が、これら抗がん化合物の望ましい特徴である。
Figure 2019501878
本明細書に記載の実施例及び実施形態は、単に例示目的のためであること、それらにかんがみた様々な調整または変更は当業者に想起されること、本出願の趣旨及び範囲、ならびに、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることを理解されたい。本明細書で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願は、あらゆる目的においてそれら全体が本明細書に参照として組み込まれる。
参照文献
1.Zhao,R.et al.The proton−coupled folate transporter:impact on pemetrexed transport and on antifolates activities compared with the reduced folate carrier.Mol Pharmacol 74,854−62 (2008).2.Uwai,Y.,Okuda,M.,Takami,K.,Hashimoto,Y.&Inui,K.Functional characterization of the rat multispecific organic anion transporter OAT1 mediating basolateral uptake of anionic drugs in the kidney.FEBS Lett 438,321−4(1998).3.Badagnani,I.et al.Interaction of methotrexate with organic−anion transporting polypeptide 1A2 and its genetic variants.J Pharmacol Exp Ther 318,521−9(2006).4.Covell,D.G.,Huang,R.&Wallqvist,A.Anticancer medicines in development:assessment of bioactivity profiles within the National Cancer Institute anticancer screening data.Mol Cancer Ther 6,2261−70(2007).5.More,S.S.et al.Organic cation transporters modulate the uptake and cytotoxicity of picoplatin,a third−generation platinum analogue.Mol Cancer Ther 9,1058−69(2010).6.Zhang,S.et al.Organic cation transporters are determinants of oxaliplatin cytotoxicity.Cancer Res 66,8847−57(2006).7.Mendelsohn,L.G.et al.The role of dietary folate in modulation of folate receptor expression, folylpolyglutamate synthetase activity and the efficacy and toxicity of lometrexol.Adv Enzyme Regul 36,365−81(1996).8.Raghunathan,K.,Schmitz,J.C.&Priest,D.G.Disposition of leucovorin and its metabolites in dietary folic acid−deplete mice−comparison between tumor,liver,and plasma.Cancer Chemother Pharmacol 40,126−30(1997).9.Worzalla,J.F.,Shih,C.&Schultz,R.M.Role of folic acid in modulating the toxicity and efficacy of the multitargeted antifolate,LY231514.Anticancer Res 18,3235−9(1998).

Claims (25)

  1. 式、
    Figure 2019501878
    を有する化合物またはその薬学的に許容される塩であって、
    式中、Rは独立して、水素、ハロゲン、−CY 、−CN、−SR、−OSO、−OSOH、−NHNH、−ONR、−NHC(O)NHNH、−C(O)R、−C(O)NR、−NHC(O)NR、−NR、−OC(O)R、−OC(O)NR、−OR、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、または、置換または非置換ヘテロアリールであり、
    は独立して、ハロゲン、−CY 、−CN、−SO10、−SONR1112、−NHNH、−ONR1112、−NHC=(O)NHNH、−NHC=(O)NR1112、−N(O)、−NR1112、−C(O)R13、−C(O)−OR13、−C(O)NR1112、−OR10、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、または、置換または非置換ヘテロアリールであり、
    2個の隣接したR置換基は、任意選択的に結合して、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、または、置換または非置換ヘテロアリールを形成してもよく、
    は、非置換C−CアルキルまたはHであり、
    、R及びR32は独立して、ハロゲン、
    Figure 2019501878
    −N、−SCNまたは−CNであり、
    、R、R、R、R10、R11、R12及びR13は独立して、水素、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、または、置換または非置換ヘテロアリールであり、
    zは、0〜4の整数であり、
    uは独立して、1〜2の整数であり、
    mは独立して、1〜2の整数であり、
    qは独立して、0〜4の整数であり、
    及びYは独立して、−Cl、−Br、−Iまたは−Fである、
    前記化合物またはその薬学的に許容される塩。
  2. 式中、Rは、置換または非置換ヘテロアルキルである、請求項1に記載の化合物。
  3. 式中、Rは、置換または非置換2〜10員環ヘテロアルキルである、請求項1に記載の化合物。
  4. 式中、Rは、置換または非置換4〜8員環ヘテロアルキルである、請求項1に記載の化合物。
  5. 式中、Rは、オキソ、−OH、−NH、−SH、−COOH、−CN、−CF、−NO、ハロゲン、非置換アルキル、非置換ヘテロアルキル、非置換シクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル、非置換アリール、または、非置換ヘテロアリールで置換される、請求項1に記載の化合物。
  6. 式、
    Figure 2019501878
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  7. 式中、Rは、−CHまたはHである、請求項1に記載の化合物。
  8. 式中、R、R及びR32は独立して、ハロゲンまたは
    Figure 2019501878
    である、請求項1に記載の化合物。
  9. 式中、R、R及びR32は独立して、Clである、請求項1に記載の化合物。
  10. 式中、R、R及びR32は独立して、
    Figure 2019501878
    である、請求項1に記載の化合物。
  11. 式中、R及びRは、ハロゲンであり、R32は、
    Figure 2019501878
    である、請求項1に記載の化合物。
  12. 式中、zは0である、請求項1に記載の化合物。
  13. 式、
    Figure 2019501878
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  14. 式、
    Figure 2019501878
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  15. 薬学的に許容される添加剤、及び、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物。
  16. このような治療を必要とする患者のがんを治療するための方法であって、前記方法は、治療有効量の請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、前記方法。
  17. 前記がんは、膠芽腫、腎臓がん、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、結腸直腸がん、肝臓がん、腎臓がん、腎細胞癌、膀胱がん、肺がん、非小細胞肺がん、卵巣がん、子宮がん、頸部がん、精巣がん、肛門がん、胆管がん、胆道がん、胃腸カルチノイド腫瘍、食道がん、胆嚢がん、虫垂がん、小腸がん、胃がん、膀胱がん、泌尿生殖器がん、子宮内膜がん、頭頸部がん、鼻咽頭がん、頭頸部扁平上皮細胞癌、中皮腫、リンパ腫、白血病、乳がんまたは前立腺がんである、請求項16に記載の方法。
  18. 前記がんは、骨肉腫、神経芽細胞腫または横紋筋肉腫である、請求項16に記載の方法。
  19. 前記がんは、乳がん、中枢神経系がん、結腸がん、白血病、黒色腫、非小細胞肺がん、卵巣がん、前立腺がんまたは腎臓がんである、請求項16に記載の方法。
  20. 前記がんは膠芽腫である、請求項16に記載の方法。
  21. 前記患者は、葉酸トランスポータータンパク質、葉酸トランスポーター、または、有機アニオントランスポーターを発現するがん細胞を有する、請求項16に記載の方法。
  22. 前記患者由来の試料内における、葉酸トランスポーターの濃度を測定するための方法を更に含む、請求項16に記載の方法。
  23. 前記試料はがん細胞を含む、請求項22に記載の方法。
  24. 前記化合物またはその薬学的に許容される塩は、DNAと結合する、請求項16に記載の方法。
  25. 前記患者は、葉酸経路に関与する遺伝子を発現するがん細胞を有する、請求項16に記載の方法。
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