JP2019217842A - タイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】樹脂被覆コードを螺旋状に巻回したベルトを備えるタイヤにおいて、タイヤ径方向外側からの外力に起因するベルトの樹脂部分の割れを抑制する。【解決手段】タイヤ10では、タイヤ骨格部材25とトレッド36との間に、補強コード30を樹脂32で被覆した樹脂被覆コード34をタイヤ周方向に螺旋状に巻回して形成されたベルト26が配置されている。更に、ベルト26を構成する樹脂被覆コード34は、タイヤ径方向外側に凸のアーチ形状とされている。【選択図】図2
Description
本発明は、タイヤに関する。
特許文献1開示のタイヤは、タイヤ骨格部材の外側に環状のベルトを有しており、環状のベルトは、補強コードを樹脂で被覆して形成した樹脂被覆コードを螺旋状に巻回することで形成されている。
上記のようなタイヤにおいては、トレッドに対するタイヤ径方向外側からの外力により、ベルトを構成する樹脂被覆コードの樹脂部分に割れが発生する可能性がある。
本発明は、樹脂被覆コードを螺旋状に巻回したベルトを備えるタイヤにおいて、タイヤ径方向外側からの外力に起因するベルトの樹脂部分の割れを抑制することを目的とする。
第1の態様に係るタイヤは、カーカスを含んで構成されたタイヤ骨格部材と、ゴム材料で構成されたトレッドと、前記タイヤ骨格部材と前記トレッドとの間に配置され、補強コードを樹脂で被覆した樹脂被覆コードをタイヤ周方向に螺旋状に巻回して形成されたベルトと、を備え、前記樹脂被覆コードは、タイヤ径方向外側に凸のアーチ形状とされている、タイヤである。
第1の態様に係るタイヤでは、タイヤ骨格部材とトレッドとの間に、補強コードを樹脂で被覆した樹脂被覆コードをタイヤ周方向に螺旋状に巻回して形成されたベルトが配置されている。このため、タイヤ骨格部材(のクラウン部)が補強されている。
ここで、ベルトを構成する樹脂被覆コードは、長手方向に直交する断面形状がタイヤ径方向外側に凸のアーチ形状とされている。このため、タイヤ径方向外側から入力された力が、樹脂被覆コードのアーチ形状によりタイヤ幅方向(ベルト幅方向)に分散される。その結果、樹脂被覆コードの樹脂部分の割れが抑制される。
第2の態様に係るタイヤは、第1の態様に係るタイヤにおいて、前記補強コードは2本であり、前記2本の補強コードは、ベルト幅方向に並んで配置されている。
2本の補強コードがベルト幅方向に並んで配置されている場合は2本の補強コードの間の位置で樹脂部分が割れやすいが、第2の態様に係るタイヤでは、樹脂被覆コードがタイヤ径方向外側に凸のアーチ形状とされていることで、当該割れが抑制されている。
第3の態様に係るタイヤは、第1又は第2の態様に係るタイヤにおいて、ベルト幅方向に隣り合う前記樹脂被覆コード同士の接合界面が、タイヤ中心軸を通る断面でみて、ベルト幅方向に直交する方向に対して傾いた方向に沿って形成されている。
第3の態様に係るタイヤでは、ベルト幅方向に隣り合う樹脂被覆コード同士の接合界面が、タイヤ中心軸を通る断面でみて、ベルト幅方向に直交する方向に対して傾いた方向に沿って形成されている。このため、樹脂被覆コード同士の接合界面が、タイヤ中心軸を通る断面でみてベルト幅方向に直交する方向に沿って形成されている場合と比較して、樹脂被覆コード同士の接合強度が向上され、接合界面における割れが抑制されている。
本発明によれば、樹脂被覆コードを螺旋状に巻回したベルトを備えるタイヤにおいて、タイヤ径方向外側からの外力に起因するベルトの樹脂部分の割れを抑制することができる。
図面において、矢印R方向はタイヤ径方向を示し、矢印W方向はタイヤ幅方向を示す。タイヤ径方向とは、タイヤ回転軸(図示せず)と直交する方向を意味する。タイヤ幅方向とは、タイヤ回転軸と平行な方向を意味する。図面において、CLはタイヤ赤道面を示す。
図1〜図3を用いて、実施形態に係るタイヤ10について説明する。
図1に示すように、タイヤ10は、ビードコア12が埋設された一対のビード部20を備える。一方のビード部20と他方のビード部20との間には、1枚のカーカスプライ14からなるカーカス16が跨っている。なお、図1は、タイヤ10の空気充填前の自然状態の形状を示している。
カーカスプライ14は、タイヤ10のラジアル方向に延びる複数本のコード(図示せず)をコーティングゴム(図示せず)で被覆して形成されている。即ち、本実施形態のタイヤ10は、所謂ラジアルタイヤである。カーカスプライ14のコードの材料は、例えば、PETであるが、従来公知の他の材料であっても良い。
カーカスプライ14は、その端部分がビードコア12をタイヤ径方向外側に折り返されている。カーカスプライ14のうち、一方のビードコア12から他方のビードコア12に跨る部分が本体部14Aと呼ばれ、ビードコア12から折り返されている部分が折返し部14Bと呼ばれる。
カーカスプライ14の本体部14Aと折返し部14Bとの間には、ビードコア12からタイヤ径方向外側に向けて厚さが漸減するビードフィラー18が配置されている。なお、タイヤ10において、ビードフィラー18のタイヤ径方向外側端18Aからタイヤ径方向内側の部分がビード部20とされている。
カーカス16のタイヤ内側には、ゴム材料からなるインナーライナー22が配置されており、カーカス16のタイヤ幅方向外側には、ゴム材料からなるサイドゴム層24が配置されている。
ビードコア12、カーカス16、ビードフィラー18、インナーライナー22、及びサイドゴム層24によって、タイヤ10の骨格を成すタイヤ骨格部材25が形成されている。
タイヤ骨格部材25は、一対のビード部20と、一対のサイド部と、クラウン部と、から構成されているといえる。サイド部は、タイヤ10の側部を形成し、ビード部20からクラウン部に向かってタイヤ回転軸方向外側に凸となるように緩やかに湾曲している部分である。クラウン部は、一対のサイド部同士をタイヤ幅方向に繋ぐ部分であり、後述するトレッド36を支持する部分である。
(ベルト)
タイヤ骨格部材25のクラウン部の外側、言い換えればカーカス16のタイヤ径方向外側には、環状のベルト26が配置されている。ベルト26は、カーカス16の外周面に接合されている。図4に示すように、ベルト26は、2本の補強コード30を樹脂32で被覆した樹脂被覆コード34を螺旋状に巻回することで形成されている。なお、図1や図2では、図面の簡単のため、従来形状のベルト26及び樹脂補強コード34を図示しているが、本実施形態では、樹脂被覆コード34の断面形状及びベルト26の断面形状に特徴がある(図2及び図3参照)。樹脂被覆コード34及びベルト26の詳細については後述する。
タイヤ骨格部材25のクラウン部の外側、言い換えればカーカス16のタイヤ径方向外側には、環状のベルト26が配置されている。ベルト26は、カーカス16の外周面に接合されている。図4に示すように、ベルト26は、2本の補強コード30を樹脂32で被覆した樹脂被覆コード34を螺旋状に巻回することで形成されている。なお、図1や図2では、図面の簡単のため、従来形状のベルト26及び樹脂補強コード34を図示しているが、本実施形態では、樹脂被覆コード34の断面形状及びベルト26の断面形状に特徴がある(図2及び図3参照)。樹脂被覆コード34及びベルト26の詳細については後述する。
ベルト26の補強コード30は、カーカスプライ14のコードよりも太く、かつ、強力(引張強度)が大きいものを用いることが好ましい。ベルト26の補強コード30は、金属繊維や有機繊維等のモノフィラメント(単線)、又はこれらの繊維を撚ったマルチフィラメント(撚り線)で構成することができる。本実施形態の補強コード30は、スチールコードである。補強コード30としては、例えば、直径が0.225mmの“1×5”のスチールコードを用いることができるが、従来公知の他の構造のスチールコードを用いることもできる。
補強コード30を被覆する樹脂32には、サイドゴム層24を構成するゴム、及び後述するトレッド36を構成するゴム材料よりも引張弾性率の高い樹脂材料が用いられている。補強コード30を被覆する樹脂32としては、弾性を有する熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー(TPE)、及び熱硬化性樹脂等を用いることができる。走行時の弾性と製造時の成形性を考慮すると、熱可塑性エラストマーを用いることが望ましい。
熱可塑性エラストマーとしては、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)、ポリアミド系熱可塑性エラストマー(TPA)、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPC)、動的架橋型熱可塑性エラストマー(TPV)等が挙げられる。
また、熱可塑性樹脂としては、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。さらに、熱可塑性樹脂材料としては、例えば、ISO75−2又はASTM D648に規定されている荷重たわみ温度(0.45MPa荷重時)が78°C以上、JIS K7113に規定される引張降伏強さが10MPa以上、同じくJIS K7113に規定される引張破壊伸びが50%以上、JIS K7206に規定されるビカット軟化温度(A法)が130°C以上であるものを用いることができる。
補強コード30を被覆する樹脂32の引張弾性率(JIS K7113:1995に規定される)は、50MPa以上が好ましい。また、補強コード30を被覆する樹脂32の引張弾性率の上限は、1000MPa以下とすることが好ましい。なお、補強コード30を被覆する樹脂32の引張弾性率は、200〜500MPaの範囲内が特に好ましい。
(トレッド)
ベルト26のタイヤ径方向外側には、クッションゴム(図示せず)を介してゴム材料からなるトレッド36が配置されている。トレッド36に用いるゴム材料は、従来一般公知のものが用いられる。トレッド36には、排水用の溝37が形成されている。また、トレッド36のパターンも従来一般公知のものが用いられる。
ベルト26のタイヤ径方向外側には、クッションゴム(図示せず)を介してゴム材料からなるトレッド36が配置されている。トレッド36に用いるゴム材料は、従来一般公知のものが用いられる。トレッド36には、排水用の溝37が形成されている。また、トレッド36のパターンも従来一般公知のものが用いられる。
ベルト26の幅BW(タイヤ幅方向に沿って計測する幅寸法)は、タイヤ幅方向に沿って計測するトレッド36の接地幅TWに対して75%以上とすることが好ましい。なお、ベルト26の幅BWは、接地幅TWに対して110%以下とすることが好ましい。
ここで、トレッド36の接地幅TWとは、タイヤ10をJATMA YEAR BOOK(2018年度版、日本自動車タイヤ協会規格)に規定されている標準リムに装着し、JATMA YEAR BOOKでの適用サイズ・プライレーティングにおける最大負荷能力(内圧−負荷能力対応表の太字荷重)に対応する空気圧(最大空気圧)の100%の内圧を充填し、静止した状態で水平な平板に対して回転軸が平行となるように配置し、最大の負荷能力に対応する質量を加えたときのものである。なお、使用地又は製造地において、TRA規格、ETRTO規格が適用される場合は各々の規格に従う。
(樹脂被覆コード及びベルトの詳細構造)
本実施形態の樹脂被覆コード34の断面構造(長手方向に直交する横断面)を図3に示す。図3に示されるように、樹脂被覆コード34は、その長手方向に直交する断面形状がアーチ形状である。この樹脂被覆コード34を螺旋状に巻回して形成したベルト26(スパイラルベルト)を図2に示す。図2に示されるように、ベルト26は、樹脂被覆コード34がタイヤ周方向に螺旋状に巻回され、溶着面34Y同士で溶着されることで形成されている。溶着により形成された接合界面を図2では点線で表している。
本実施形態の樹脂被覆コード34の断面構造(長手方向に直交する横断面)を図3に示す。図3に示されるように、樹脂被覆コード34は、その長手方向に直交する断面形状がアーチ形状である。この樹脂被覆コード34を螺旋状に巻回して形成したベルト26(スパイラルベルト)を図2に示す。図2に示されるように、ベルト26は、樹脂被覆コード34がタイヤ周方向に螺旋状に巻回され、溶着面34Y同士で溶着されることで形成されている。溶着により形成された接合界面を図2では点線で表している。
なお、樹脂被覆コード34についての説明では、タイヤ完成状態でタイヤ径方向外側となる方向を上下方向上側、タイヤ径方向内側となる方向を上下方向下側、ベルト幅方向となる方向を幅方向として説明する。
図3に示すように、樹脂被覆コード34は、上側を向く外側面34Sを有する。外側面34Sは、タイヤ完成状態でベルト26の外周面を構成する。外側面34Sは、上側に凸の湾曲面とされている。具体的には、外側面34Sは、その幅方向中央部がその幅方向両端部よりも上側に位置しており、幅方向一方側部から幅方向中央部を経由して幅方向他方側部に至るまで滑らかな面と成っている。これにより、樹脂被覆コード34の外側面34Sは、上側に盛り上がった形状となっている。
樹脂被覆コード34は、下側を向く内側面34Uを有する。内側面34Uは、タイヤ完成状態でベルト26の内周面を構成する。内側面34Uは、上側に凸の湾曲面とされている。具体的には、内側面34Uは、その幅方向中央部がその幅方向両端部よりも上側に位置しており、幅方向一方側部から幅方向中央部を経由して幅方向他方側部に至るまで滑らかな面と成っている。これにより、樹脂被覆コード34の内側面34Uは、上側に凹んだ形状となっている。
樹脂被覆コード34は、その幅方向両側に一対の溶着面34Yを有する。溶着面34Yは、タイヤ完成状態で、幅方向に隣り合う樹脂被覆コード34と溶着される部分である。溶着面34Yは、上下方向に対して傾いた方向に延びる面とされている。これにより、タイヤ完成状態では、接合界面(図2の破線)がタイヤ幅方向に直交する方向(図2の上下方向)に対して傾いた方向に沿って形成される。その結果、上下方向に平行な面同士を溶着する場合と比較して、溶着面積を大きくとれる。また、溶着時にタイヤ径方向外側から押圧する力を溶着面34Y同士が接着する方向に適切に作用させることができる。また、一対の溶着面34Yは、互いに略平行に形成されている。
樹脂被覆コード34の補強コード30は、2本とされている。2本の補強コード30は、左右方向に並べられており、その上下位置が一致している。
(タイヤの製造方法)
次に、タイヤ10の製造方法の一例を説明する。
次に、タイヤ10の製造方法の一例を説明する。
まず、公知のタイヤ成形ドラム(不図示)の外周に、インナーライナー22、ビードコア12、ビードフィラー18、カーカスプライ14、及びサイドゴム層24からなる未加硫のタイヤ骨格部材25(タイヤケース)を形成する。
次に、別途形成したベルト26をタイヤ成形ドラム上のタイヤ骨格部材25の径方向外側に配置し、タイヤ骨格部材25を拡張してタイヤ骨格部材25の外周面、言い換えればカーカス16の外周面をベルト26の内周面に圧着する。
次に、ベルト26の外周面に、一般の空気入りタイヤと同様に未加硫のトレッド36を貼り付ける。これにより、生タイヤが完成する。
最後に、生タイヤを、一般の空気入りタイヤと同様に加硫成形モールドで加硫成形する。これにより、タイヤ10が完成する。
(ベルト26の製造方法)
次に、ベルト26の製造方法の一例を図3を用いて説明する。なお、図3では、図示の簡単のため、樹脂被覆コード34の断面形状を矩形状(従来形状)として現している。
次に、ベルト26の製造方法の一例を図3を用いて説明する。なお、図3では、図示の簡単のため、樹脂被覆コード34の断面形状を矩形状(従来形状)として現している。
まず、ベルト成形ドラム40の近傍にコード供給装置42、加熱装置50、押付ローラ60、及び冷却ローラ70を移動可能に配置する。
コード供給装置42は、樹脂被覆コード34を巻き付けたリール43と、このリール43から巻き出された樹脂被覆コード34をベルト成形ドラム40の外周に案内するためのガイド部材44と、を含んで構成されている。このガイド部材44は、筒状とされ、内部を樹脂被覆コード34が通過するようになっている。また、ガイド部材44の口部46からは、ベルト成形ドラム40の外周面に向かって樹脂被覆コード34が送り出される。
加熱装置50は、熱風を樹脂被覆コード34に吹き当てて、吹き当てた部分を加熱し溶融させるものである。なお、本実施形態では、電熱線(不図示)で加熱した空気をファン(不図示)で発生させた気流で吹出し口52から吹き出し、この吹き出した熱風を樹脂被覆コード34に吹き当てるようになっている。なお、加熱装置50の構成は、上記構成に限定されず、熱可塑性樹脂を加熱溶融できれば、どのような構成であってもよい。例えば、樹脂被覆コード34の側面に熱鏝を接触させて側面を加熱溶融させてもよく、輻射熱で加熱溶融させてもよく、赤外線を照射して加熱溶融させてもよい。
押付ローラ60は、後述する樹脂被覆コード34をベルト成形ドラム40外周面に押し付けるものであり、押付力Fを調整できるようになっている。また、押付ローラ60のローラ表面には、溶融状態の樹脂材料の付着を防ぐための加工が施されている。そして、押付ローラ60は、回転自在となっており、樹脂被覆コード34をベルト成形ドラム40の外周に押し付けている状態では、ベルト成形ドラム40の回転方向(矢印A方向)に対して従動回転するようになっている。
また、冷却ローラ70は、押付ローラ60よりもベルト成形ドラム40の回転方向下流側に配置され、樹脂被覆コード34をベルト成形ドラム40の外周面に押し付けつつ、樹脂被覆コード34を冷却するものである。この冷却ローラ70は、押付ローラ60と同様に、押付力を調整でき、かつ、ローラ表面に溶融状態の樹脂材料の付着を防ぐための加工が施されている。さらに、冷却ローラ70は、押付ローラ60と同様に、回転自在となっており、樹脂被覆コード34をベルト成形ドラム40の外周面に押し付けている状態では、ベルト成形ドラム40の回転方向(矢印A方向)に対して従動回転するようになっている。また、冷却ローラ70は、ローラ内部を液体(例えば、水など)が流通するようになっており、この液体の熱交換によりローラ表面に接触した部材(本実施形態では、樹脂被覆コード34)などを冷却することができる。なお、溶融状態の樹脂材料を自然冷却させる場合には、冷却ローラ70を省略してもよい。
次に、ベルト成形ドラム40を矢印A方向に回転させると共にコード供給装置42の口部46から樹脂被覆コード34をベルト成形ドラム40の外周面に向けて送り出す。
そして、加熱装置50の吹出し口52から樹脂被覆コード34に向かって熱風を吹き出して加熱し樹脂32の表面を溶融させながら、樹脂被覆コード34をベルト成形ドラム40に付着させつつ、樹脂被覆コード34を押付ローラ60でベルト成形ドラム40の外周面に押し付ける。この押付ローラ60によって樹脂被覆コード34は、側部がタイヤ回転軸方向に膨出するように変形(押し潰しによる変形)して、樹脂32のタイヤ回転軸方向に隣接する側面同士が接触して溶着する。
その後、樹脂32の溶融部分は、冷却ローラ70に接触して固化され、隣接する樹脂被覆コード34同士の溶着が完了する。
その後、樹脂32の溶融部分は、冷却ローラ70に接触して固化され、隣接する樹脂被覆コード34同士の溶着が完了する。
このようにして、樹脂被覆コード34をベルト成形ドラム40の外周面に螺旋状に巻き付けると共に該外周面に押し付けていくことで、ベルト成形ドラム40の外周面にベルト26が形成される。
(作用効果)
次に、本実施形態のタイヤ10の作用効果を説明する。
次に、本実施形態のタイヤ10の作用効果を説明する。
本実施形態のタイヤ10では、タイヤ骨格部材25とトレッド36との間に、補強コード30を樹脂32で被覆した樹脂被覆コード34をタイヤ周方向に螺旋状に巻回して形成されたベルト26が配置されている。このため、タイヤ骨格部材25(のクラウン部)が補強されている。
ここで、図2及び図3に示すように、ベルト26を構成する樹脂被覆コード34は、タイヤ径方向外側に凸のアーチ形状とされている。このため、図2に示すように、タイヤ径方向外側から入力された力(矢印F1参照)が、樹脂被覆コード34のアーチ形状によりタイヤ幅方向(ベルト幅方向)に分散される(矢印F2参照)。その結果、樹脂被覆コード34の樹脂32部分の割れが抑制される。
特に、図5に示す比較例の樹脂被覆コード134のように、2本の補強コード30がベルト幅方向に並んで配置されている場合は2本の補強コード30の間の位置で樹脂32部分が割れやすい(符号C参照)。この点、本実施形態では、樹脂被覆コード34がタイヤ径方向外側に凸のアーチ形状とされていることで、当該割れが効果的に抑制されている。
また、樹脂被覆コード34の溶着面34Yが上下方向に対して傾いた方向に延びているので、溶着面積が拡大され、ベルト幅方向で隣り合う樹脂被覆コード34の接合強度が向上されている。別の説明をすると、ベルト幅方向に隣り合う樹脂被覆コード34同士の接合界面(図2の破線)が、タイヤ中心軸を通る断面(例えば図2の断面)でみて、ベルト幅方向に直交する方向(図2の上下方向)に対して傾いた方向に沿って形成されている。このため、樹脂被覆コード34同士の接合界面が、タイヤ中心軸を通る断面でみてベルト幅方向に直交する方向に沿って形成されている場合(例えば図5の比較例の場合)と比較して、樹脂被覆コード34同士の接合強度が向上され、接合界面における割れが抑制されている。
また、補強コード30を被覆している樹脂32の引張弾性率が50MPa以上とされ、厚みも0.7mm以上確保されているので、ベルト26のタイヤ幅方向の面内剪断剛性を十分に確保することができる。
また、ベルト26の幅BWをトレッド36の接地幅TWの75%以上としているので、ショルダー39付近の剛性を高めることができる。
[補足説明]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
上記では、ベルト幅方向に隣接する樹脂被覆コード34同士を溶着により接合する例を説明したが、接着剤により接合してもよい。
上記では、樹脂被覆コード34が、2本の補強コード30を樹脂32で被覆したものである例を説明したが、樹脂被覆コード34は1本の補強コード30を樹脂32で被覆したものであってもよく、3本以上の補強コード30を樹脂32で被覆したものであってもよい。
上記では、溶着面34Yが上下方向(タイヤ径方向)に対して傾いた方向に延びている例を説明したが、溶着面34Yの形状は特に限定されない。例えば、溶着面34Yを上下方向に平行に(つまりベルト幅方向に直交する方向に)延びるように形成してもよい。
上記では、ベルト26が、タイヤ回転軸を通る断面で見たときにタイヤ幅方向に直線状に延びる形状である例を説明した。しかし、ベルト26の形状は、タイヤ回転軸を通る断面で見たときに、タイヤ幅方向中央部がタイヤ径方向外側へ凸となる形状であってもよい。
上記では、タイヤ10が一般的な空気入りタイヤである例を説明したが、サイド部を補強ゴムで補強したランフラットタイヤとしてもよい。
10…タイヤ、16…カーカス、25…タイヤ骨格部材、26…ベルト、30…補強コード、32…樹脂、34…樹脂被覆コード、36…トレッド
Claims (3)
- カーカスを含んで構成されたタイヤ骨格部材と、
ゴム材料で構成されたトレッドと、
前記タイヤ骨格部材と前記トレッドとの間に配置され、補強コードを樹脂で被覆した樹脂被覆コードをタイヤ周方向に螺旋状に巻回して形成されたベルトと、
を備え、
前記樹脂被覆コードは、長手方向に直交する断面形状がタイヤ径方向外側に凸のアーチ形状とされている、
タイヤ。 - 前記補強コードは2本であり、
前記2本の補強コードは、ベルト幅方向に並んで配置されている、
請求項1に記載のタイヤ。 - ベルト幅方向に隣り合う前記樹脂被覆コード同士の接合界面が、タイヤ中心軸を通る断面でみて、ベルト幅方向に直交する方向に対して傾いた方向に沿って形成されている、
請求項1又は請求項2に記載のタイヤ。
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