JP2019217187A - インプラント材 - Google Patents
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Description
特に歯科及び整形外科の領域でしばしば見られるが、以下に歯科領域におけるインプラント運用を例として説明する。
金属人工インプラント体を口腔の歯槽骨中に埋め込む方法は、歯の欠損に対してよく行われる従来の医療行為である。
インプラント体を歯槽骨に埋め込んだ後には、歯槽骨から派生する骨細胞とインプラント体が結合する過程において、オッセオインテグレーション(osseointegration)効果が達成される。
これにより、骨細胞が多孔構造に付着し、インプラント体と結合することを期待する。
けれども、従来の多孔構造は成形における大きさや深さの制御が難しく、しかも間隔が一定でないという問題が存在し、歯槽骨の初期派生の骨細胞とインプラント体との間の結合に不利である。
また、初期細胞は規模が小さすぎるため、通常は細胞が成長し穴サイズより大きくなる時でなければ、細胞が外へと延伸し、それら穴間で連結を生じることはない。
しかし、このオッセオインテグレーション過程には長い時間がかかり、これにより骨組織の治癒期間も長くなってしまう。
そこで、本発明の目的は、細胞増殖を助け、しかも治癒速度を加速するインプラント材を提供することである。
該インプラント体の表面には、複数の穴を形成し、インプラント体表面には、少なくともネジヤマ部で隣り合う任意の2個のネジヤマ間から外へと露出する本体表面を含む。
該各穴は、周壁を有し、しかも該周壁と該インプラント体表面のつながる位置には、端縁を形成し、該隣り合う穴の端縁は連接して、隣り合う周壁はつながり、こうして該隣り合う穴は連通して通路を形成する。
該隣り合う穴の連通により多数のつながった形態を形成し、こうして複数の通路を形成する。
つまり、インプラント材を結合固定位置に埋め込んだ後、結合固定位置から派生する細胞は各穴の端縁位置に簡単に付着し、各穴の各通路内に進入して迅速に付着して増殖し、増殖後の細胞は各穴、通路から外へと延伸し、他の穴及び通路に付着を継続する。
こうして、細胞の相互結合作用を形成し、細胞は短時間内で安定的にインプラント体上に付着され、インプラント体を包み定位する効果を達成できる。
よって、インプラント体と結合固定位置との間の結合効果を大幅に高め、治癒過程でのインプラント体の緩みやズレを回避できるばかりか、結合固定位置の組織の治癒期間を短縮できる。
(一実施形態)
本発明実施形態のインプラント材3は、主に医療インプラント領域に運用される。
例えば、歯科、整形外科等で、細胞増殖が必要な結合固定位置に運用される。
また、インプラント材3は、口腔内歯槽骨に埋め込まれる人工インプラント体とでき、或いは整形外科手術で使用される人工骨ネジ等のインプラント体とできる。
以下では、結合固定位置は口腔内の歯槽骨で、インプラント材3を歯槽骨に埋め込むインプラント体を例として説明する。
鎖合部311は、第一端E1位置に形成され、結合固定孔312は、インプラント体31の第二端E2に形成され、しかも鎖合部311と反対側にある。
インプラント体31上の、両端E1、E2の間には、螺旋状のネジヤマ部313を形成する。
例えば、ネジヤマ部313は、第一端E1から第二端E2位置まで延伸するネジヤマセクション3131を有する。
ネジヤマセクション3131の隣り合う任意の2個のネジヤマ間には、ネジヤマ距離P1を形成し、こうして一段式ネジヤマ構造を形成する(図1参照)。
ここでは、2個のネジヤマセクションを有する例を用いて説明する。
即ち、インプラント体31上には、インプラント体31の第一端E1から延伸するネジヤマセクション3131、及びネジヤマセクション3131から第二端E2間へと延伸するもう一つのネジヤマセクション3132を螺旋状に設置する。
ネジヤマセクション3131の隣り合う任意の2個のネジヤマ間には、ネジヤマ距離P1を形成し、もう一つのネジヤマセクション3132の隣り合う任意の2個のネジヤマ間には、ネジヤマ距離P2を形成する。なお、ネジヤマ距離P1、ネジヤマ距離P2は、同じでなくとも良い。
ネジヤマセクション3131のネジヤマ距離P1は好ましくは、もう一つのネジヤマセクション3132のネジヤマ距離P2より大きく、同時に第二端E2の最大外径OD2は、第一端E1の最大外径OD1と等しい(図3参照)、或いは第二端E2の最大外径OD2は、第一端E1の最大外径OD1より大きい(図2参照)。
ここでは、第二端E2の最大外径OD2は、第一端E1の最大外径OD1より大きい例を用いて説明する。即ち、もう一つのネジヤマセクション3132が位置するインプラント体31の外径は、第二端E2へ向かい徐々に大きくなり、これによりもう一つのネジヤマセクション3132のネジヤマ外径は、鎖合部311と反対方向へと徐々に拡大し、迅速、かつ堅固な結合設置の効果を達成できる。
各穴32の孔径の大きさ、及び形状には、制限がない。
表面Sとは、外に露出しているインプラント体31上のあらゆる表面を含む。
例えば、インプラント体表面Sは、本体表面S1を含む。
本体表面S1は、第一端E1より軸方向に第二端E2へと延伸し、外に露出する外表面で。ここでは、外表面は、ネジヤマ部313の隣り合う任意の2個のネジヤマ間で露出する、しかも外表面は、ネジヤマセクション3131よりに第一端E1へと延伸し、外に露出。
或いは、インプラント体表面Sは、本体表面S1及びネジヤマ部313の全部或いは局部ネジヤマのネジヤマ表面S2を含み、インプラント体31の外に露出する局部エリア或いは全部エリアには、各穴32を形成する。
図1の一段ネジヤマ構造を例とすると、ネジヤマセクション3131の隣り合うネジヤマ間に露出する本体表面S1には、穴32を設(図4A参照)け、或いは本体表面S1、ネジヤマセクション3131のネジヤマの任意のネジヤマ表面S2(上、下ネジヤマ面或いは両ネジヤマ面等)には、すべて穴32を設ける(図4B参照)。
或いは図4C、図4Eに示す通り、本体表面S1及び一方のネジヤマセクション3131のネジヤマの任意のネジヤマ表面S2には、穴32を設ける。
或いは図4D、図4Fに示す通り、本体表面S1、ネジヤマセクション3131ともう一つのネジヤマセクション3132のネジヤマの任意のネジヤマ表面S2(上、下ネジヤマ面或いは両ネジヤマ面等)には共に、穴32を設ける。
周壁321は、インプラント体表面Sからインプラント体31内部へと延伸する壁面で、取り囲んで穴32を形成する。
周壁321とインプラント体表面Sは、端縁322において相互につながり、任意の1個の穴32の端縁322ともう一つの隣り合う穴32の端縁322は相互につながり、これにより隣り合う周壁321は相互に連接する。
こうして、隣り合う穴32は1個ずつつながり連通を呈し、通路323を形成する。複数の穴32の周壁321から形成される通路323の壁面は凹凸に形成されることが望ましい。
インプラント体31は、複数の穴32の連通により多数のつながった形態を形成し利用して、複数の通路323を形成する。
その連通状態は、図5A〜図5Cに示す状態である(説明は後述する)。
図5Aの立体図を図6に示す。
同時に図4A〜図4Hの穴32も、図5Aの状態を例として示す。
さらに、各穴32の端縁322は好ましくは、非平坦状で、例えば周壁321とインプラント体表面Sが相互につながる辺縁位置には、凸凹に交差する非平滑ラインを形成する。
これにより、端縁322はラフ状態を呈する。
以下は、端縁322がラフ状である例を用いて説明する。
例えば、隣り合う穴32が、インプラント体表面S(図中に示すX方向へ向かうなど)を取り囲んで横につながるなら、インプラント体31内には、複数の独立した横方向の通路323が形成され、図5A及び図6に示す通り、横方向連通空間を呈する。
隣り合う穴32もまた、図中のY方向(軸方向)に向かい連接し、複数の独立した縦方向の通路323を形成し、図5Bに示す通り、縦方向連通空間を形成する。
隣り合う穴32もまたX、Y方向へと連接し、これにより隣り合う独立の通路323は相互に連通する。
こうして、縦横交差の貫通形態を形成し、図5Cに示す通り、縱、横方向の連通空間を形成する。
各連通配置により、細胞は付着、増殖過程において、均一かつ規則的な分布を形成し、こうして相互に結合し、インプラント体31を堅固に包囲し、インプラント体31を定位する。
以下では図5Aの状態を用いて説明する。
インプラント手術時には、先ず手術器具(図示なし)を結合固定孔312中に挿入し、鎖合部311を歯槽骨5上に予め開設した埋め込み孔51内に定位する。手術器具を結合固定孔312に作動し、ネジヤマ部313を連動させて、歯槽骨5のプレドリル孔51の壁面に対して切削とねじ込みを行い、埋め込み定位を行う。
インプラント体31が2個のネジヤマセクション3131,3132を備える際(図8参照)には、ドリル過程において、比較的大きいネジヤマ距離P1のネジヤマセクション3131が、先に壁面と、大面積を呈して接触し、切削壁面により、プレドリル孔51中にねじ込まれ、続いて比較的小さいネジヤマ距離P2のもう一つのネジヤマセクション3132は、ネジヤマセクション3131の螺旋軌跡に沿って、切削を継続してねじ込まれる。
こうして、インプラント体31は迅速に歯槽骨5中にねじ込まれ、手術中の患者の不快感を減らせ、埋め込みの堅固な定位を達成できる。
各穴32の端縁322はラフ状であるため、骨細胞BCは迅速かつ順調に各端縁322に付着し、各穴32内に入り、さらに各穴32内、外において、付着及び増殖を行う。
言い換えれば、各骨細胞BCは、各端縁322に沿って各穴32に進入し着床後、各通路323中の周壁321上に迅速に付着し、細胞は増殖、分化を行うことができる。
各通路323の内部連通空間を通して、増殖した骨細胞BCは、周壁321に沿って付着、延伸を続け、各通路323中に広がり、さらに通路323、穴32から伸び出て、表面Sに沿って、他の通路323、穴32中へと付着する。
こうして、各骨細胞BCは相互に緊密に結合し、インプラント体31全体を包む。
これにより、インプラント体31は歯槽骨5中に堅固に定位され緩みやズレを回避できる。
よって、インプラント体31と歯槽骨5との間のオッセオインテグレーション効果を達成できる。
さらに、骨細胞BCは、各通路323内で付着を継続し、迅速に均一に分布し、加えて各通路323の内部の連通空間によっても、インプラント体31と骨細胞BCの間は大きな接触面積を呈するため、細胞の付着及び成長能力向上に有利である。
こうして、骨細胞BCは迅速付着、増殖及び緊密結合作用を生じ、インプラント後のオッセオインテグレーション効果を高めるばかりか、骨組織の治癒速度を加速し、治癒期間を短縮できる。
これにより、インプラント体が埋め込まれる結合固定位置から派生する細胞は、各穴に順調に付着し、各通路中に進入し迅速に付着し、分布して増殖する。
増殖後の細胞は各穴、通路の間で相互に結合し、細胞は短時間内にインプラント体上に付着し、インプラント体を包んで堅固な定位を呈する。
こうして、インプラント体と結合固定位置の結合効果を高め、インプラント体の緩みやズレを回避できるばかりか、結合固定位置の治癒速度を加速できる。
31 インプラント体
32 穴
311 鎖合部
312 結合固定孔
313 ネジヤマ部
3131 ネジヤマセクション
3132 ネジヤマセクション
321 周壁
322 端縁
323 通路
E1 第一端
E2 第二端
P1 ネジヤマ距離
P2 ネジヤマ距離
OD1 第一端の最大外径
OD2 第二端の最大外径
5 歯槽骨
51 プレドリル孔
BC 骨細胞
S インプラント体表面
S1 本体表面
S2 ネジヤマ表面
Claims (8)
- インプラント材であって、
第一端、及び前記第一端に相対する第二端を有するインプラント体を有し、
前記インプラント体は、
前記第一端に設置される鎖合部、前記第二端に設置される結合固定孔、及び前記第一端と前記第二端間に螺旋状に設置されるネジヤマ部を有し、
前記インプラント体表面には、複数の有底の穴が形成され、
前記インプラント体表面には、前記ネジヤマ部の隣り合う任意の2個のネジヤマ間に外へと露出する本体表面が含まれ、
前記各穴は、周壁を有し、前記周壁と前記インプラント体表面は、端縁において相互につながり、複数の相互に隣り合う穴の端縁及び周壁は、連接を呈し、これにより前記隣り合う穴は1個ずつつながり通路を形成する、
ことを特徴とする、
インプラント材。 - 前記各穴の端縁は、ラフ状態を呈する
ことを特徴とする、
請求項1に記載のインプラント材。 - 前記インプラント体表面には、前記ネジヤマ部が有するネジヤマ表面が含まれ、
ことを特徴とする、
請求項1または2に記載のインプラント材。 - 前記ネジヤマ部は、少なくとも2個のネジヤマセクションを有し、
前記各ネジヤマセクションの隣り合う任意の2個のネジヤマ間には、ネジヤマ距離をそれぞれ形成し、前記各ネジヤマセクションのネジヤマ距離は異なる
ことを特徴とする、
請求項1〜3のいずれか一つに記載のインプラント材。 - 前記第二端の最大外径は、前記第一端の最大外径より大きい
ことを特徴とする、
請求項1〜4のいずれかに一つに記載のインプラント材。 - 前記隣り合う穴の端縁は、横方向へ向かい連接し、横方向に貫通した独立した通路を形成する
ことを特徴とする、
請求項1〜5のいずれか一つに記載のインプラント材。 - 前記隣り合う穴の端縁は、縦方向へ向かい連接し、縦方向に貫通した独立した通路を形成する
ことを特徴とする、
請求項1〜5のいずれか一つに記載のインプラント材。 - 前記隣り合う穴の端縁は、横方向、縦方向へ連接し、これにより前記各隣り合う通路は相互に連通し、縦横に交差した貫通形態を形成する
ことを特徴とする、
請求項1〜5のいずれか一つに記載のインプラント材。
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