JP2019216060A - ガス拡散電極の微多孔層を形成するための塗液の製造方法 - Google Patents

ガス拡散電極の微多孔層を形成するための塗液の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料電池用ガス拡散層の微多孔層における塗布欠点のないガス拡散電極が高収率で得られる、塗液の製造方法の提供。【解決手段】導電性粒子および撥水性樹脂を含む塗液の製造方法であって、前記塗液はガス拡散電極の微多孔層を形成するためのものであり、調製された前記塗液を脱泡する工程を有し、前記脱泡工程の完了の判定のため、溶存酸素量の測定手段を塗液中に漬け込み、その時間をゼロとして、判定までの時間を一定の時間に定め、これを判定時間としたとき、前記判定時間が経過した時点の溶存酸素の量によって定められる溶存酸素指数にて前記判定を行う、塗液の製造方法。【選択図】なし

Description

燃料電池は、水素と酸素を反応させて水が生成する際に生起するエネルギーを電気的に取り出す機構であり、エネルギー効率が高く、排出物が水しかないことから、クリーンエネルギーとしてその普及が期待されている。本発明は、燃料電池に用いられるガス拡散電極に関し、特に、燃料電池の中でも燃料電池車などの電源として使用される高分子電解質型燃料電池に用いるガス拡散電極の製造方法に関する。
高分子電解質型燃料電池に使用される電極は、高分子電解質型燃料電池において2つのセパレータで挟まれてその間に配置されるもので、高分子電解質膜の両面において、高分子電解質膜の表面に形成される触媒層と、この触媒層の外側に形成されるガス拡散層とからなる構造を有する。電極でのガス拡散層を形成するための個別の部材として、ガス拡散電極が流通している。そして、このガス拡散電極に求められる性能としては、例えばガス拡散性、触媒層で発生した電気を集電するための導電性、および触媒層表面に発生した水分を効率よく除去する排水性などがあげられる。このようなガス拡散電極を得るため、一般的に、ガス拡散能および導電性を兼ね備えた導電性多孔質基材が用いられる。
導電性多孔質基材としては、具体的には、炭素繊維からなるカーボンフェルト、カーボンペーパーおよびカーボンクロスなどが用いられ、中でも機械的強度などの点からカーボンペーパーが最も好ましいとされる。
上記のような導電性多孔質基材をそのままガス拡散電極として用いると、その繊維の目が粗いため、水蒸気が凝縮すると大きな水滴が発生し、フラッディングを起こしやすい。このため、撥水処理を施した導電性多孔質基材の上に、カーボンブラックなどの導電性微粒子を分散した塗液を塗布し乾燥焼結することにより、微多孔層と呼ばれる層(マイクロポーラスレイヤーともいう)を設ける場合がある。このほか微多孔層の役割としては、導電性多孔質基材の粗さを電解質膜に転写させないための化粧直し効果、また、導電性多孔質基材の空隙を適度に埋めて、触媒層とガス拡散層の接触抵抗(電気抵抗)を低下することなどがある。導電性多孔質基材の粗さ(算術平均粗さ)は通常10〜30μmあるため化粧直し効果を得るためには、基材上の微多孔層厚みは10〜80μmとウェットコーティングとしては大きな厚みを要する。このような厚みを確保するため、また、多孔質基材にしみこまないようにするため、前記微多孔層を形成するための塗液は、高粘度であることが求められる。
また、塗液は環境負荷低減の観点、およびコスト低減の観点から、上記塗液は水系であることが望ましい。溶媒としての水に疎水性の導電性微粒子を分散させる場合、分散剤として界面活性剤を添加することがある。また、塗液の粘度を高くするために、増粘剤として界面活性剤を加える場合がある。このように水系で界面活性剤を添加した塗液は気泡が発生しやすく、また高粘度であるため、一度発生した気泡は抜けにくい。気泡が塗液に含まれたまま塗布を行うと、塗膜に欠点を生じることになる。このため、塗液は塗布を行う前に十分に脱泡しておく必要がある。
一方、燃料電池車が普及するためには、コストをガソリン車並みに低くすることが重要であり、これを達成するために材料費、加工費等すべてのコストを低減しなければならず、ガス拡散層も例外ではない。
従い、微多孔層の塗液の製造工程における脱泡のための工程は極力短くすることが求められている。
特開2002−113303号公報 特開平4−256404号公報 特許第5148036号公報 液体の脱泡処理の一般的な方法としては、例えば減圧法が挙げられる。具体的には、減圧したタンク内に液体を静置する方法、または、減圧したタンク内にある液体を撹拌する方法がある。しかし、この方法では、特に粘性の高い液体の場合、いったん気泡が混入すると非常に抜けにくいため、バッチ処理では長時間の処理が必要になることがある。また、減圧状態で長時間保持すると、液体の成分によっては揮発によりその成分比が変化してしまう。液体の成分比が変化すると、それを使用する製品の性能が低下することにもなる。
そこで、従来の減圧法を改良すべく、粘性液体の効率的な脱泡方法が検討されている。特許文献1では、粘度が30Pa・s以上の高粘度溶液の脱泡について検討されている。より具体的には、減圧状態で液面が排気管に到達した場合は、減圧の排気バルブを閉止して容器内の圧力を上昇させる。そして、液面が低下したら、減圧を再開する。これを繰り返し、減圧しても液面が排気管に到達しなくなったら、撹拌回転数を単位体積当たりの所要動力が1/2になるような回転数に設定し、脱泡が完了するまで減圧下で撹拌する、という脱泡方法である。
特許文献2は、セラミック粒子を分散させた液体を容器内で真空引きすると共に、容器を水平面内で振盪させることで液体にせん断応力を作用させ、脱泡する方法が記載されている。
特許文献3には、ペーストを調製後、60torr以下の減圧下に保持する工程が開示されている。
しかしながら、上記特許文献1から3に記載の脱泡方法においては、脱泡が完了しているかどうかの判断が明確になされておらず、このため、所定の時間脱泡したにも関わらず気泡が残っていたり、目視では検出しにくい微細な気泡が塗布時に欠点となり、微多孔層付きのガス拡散電極の生産収率を低下させたり、追加で脱泡時間を追加させることから生産効率を低下させたりする場合があった。
本発明の目的は、微多孔層塗液の脱泡のレベルを定量的に判定し、気泡による塗布欠点の少ないガス拡散電極を提供するとともに、ガス拡散電極の生産時間、ひいては生産コストの低減に寄与することである。
本発明のガス拡散電極の製造方法は上記の課題を解決するため、次の構成を有する。
導電性粒子および撥水性樹脂を含む塗液の製造方法であって、
前記塗液はガス拡散電極の微多孔層を形成するためのものであり、
調製された前記塗液を脱泡する工程を有し、
前記脱泡工程の完了の判定のため、溶存酸素量の測定手段を塗液中に漬け込み、その時間をゼロとして、判定までの時間を一定の時間に定め、これを判定時間としたとき、
前記判定時間が経過した時点の溶存酸素の量によって定められる溶存酸素指数にて前記判定を行う、塗液の製造方法。
本発明の製造方法を用いることにより、ガス拡散層の微多孔層における塗布欠点のないガス拡散電極が高い収率で生産効率よく得られ、ガス拡散層、ひいては燃料電池の製造コストを低減することができる。
本発明の微多孔層塗液の脱泡に用いる装置の略図 本発明の対象となるガス拡散電極の構成を示す概略図。 本発明の微多孔層塗液の脱泡の実施例に用いた装置の略図 本発明の微多孔層塗液の塗布に用いた装置の略図
本発明の製造方法が対象とする塗液が主に用いられるガス拡散電極は、導電性多孔質基材の少なくとも片面に微多孔層を有する。 初めに導電性多孔質基材について説明する。
固体高分子型燃料電池において、ガス拡散電極は、セパレータから供給されるガスを触媒へと拡散するための高いガス拡散性、電気化学反応に伴って生成する水をセパレータへ排出するための高い排水性、発生した電流を取り出すため、高い導電性が要求される。このためガス拡散電極には、導電性を有し、通常10μm以上100μm以下の領域に細孔径のピークを有する多孔体からなる基材である導電性多孔質基材が用いられる。
導電性多孔質基材としては、具体的には、例えば、炭素繊維織物、炭素繊維抄紙体、炭素繊維不織布、カーボンフェルト、カーボンペーパー、カーボンクロスなどの炭素繊維を含む多孔質基材、発泡焼結金属、金属メッシュ、エキスパンドメタルなどの金属多孔質基材を用いることが好ましい。中でも、耐腐食性が優れることから、炭素繊維を含むカーボンフェルト、カーボンペーパー、カーボンクロスなどの多孔質基材を用いることが好ましく、中でも、電解質膜の厚み方向の寸法変化を吸収する特性、すなわち「ばね性」に優れることから、炭素繊維抄紙体を炭化物で結着してなる基材、すなわちカーボンペーパーを用いることが好適である。
ガス拡散電極のガス拡散性を高めて燃料電池の発電性能を極力高めるため、導電性多孔質基材には高い空隙率が求められる。空隙率は好ましくは80%以上、さらに好ましくは85%以上である。空隙率の上限としては導電性多孔質基材がその構造を保ちうる限界として95%である。
また、カーボンペーパーなどの導電性多孔質基材の厚みを薄くすることによっても、ガス拡散電極のガス拡散性を高めることができるので、カーボンペーパーなどの導電性多孔質基材の厚みは220μm以下が好ましく、150μm以下がさらに好ましく、さらに好ましくは120μm以下である。導電性多孔質基材の厚み下限を50μmとすると、機械的強度を保ち、製造工程でのハンドリングを容易とできるので好ましい。導電性基材の厚みを薄くすることは、燃料電池としたときの厚み方向の電気抵抗を低減する意味でも有効である。
上記導電性多孔質基材を用いてガス拡散電極を効率よく製造するためには、導電性多孔質基材を長尺に巻いた状態のものを巻き出して、巻き取るまでの間に連続的に微多孔層を形成することが好ましい。
導電性多孔質基材は、排水性を高めるため撥水処理が施されていても良い。撥水処理は、フッ素樹脂などの撥水性樹脂を用いて行うことが好ましい。フッ素樹脂としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)(たとえば“テフロン”(登録商標))、FEP(四フッ化エチレン六フッ化プロピレン共重合体)、PFA(ペルフルオロアルコキシフッ化樹脂)、ETFA(エチレン四フッ化エチレン共重合体)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PVF(ポリフッ化ビニル)等が挙げられるが、強い撥水性を発現するPTFE、あるいはFEPが好ましい。
撥水性樹脂の量は特に限定されないが、導電性多孔質基材の全体100質量%中に0.1質量%以上20質量%以下が好ましい。この範囲であると、撥水性が十分に発揮され、一方、撥水性樹脂がガスの拡散経路あるいは排水経路となる細孔を塞いでしまったり、電気抵抗が上がったりする可能性が低い。
導電性多孔質基材を撥水処理する方法は、一般的に知られている撥水性樹脂を含むディスパージョンに導電性多孔質基材を浸漬する処理技術のほか、ダイコート、スプレーコートなどによって導電性多孔質基材に撥水性樹脂を塗布する塗布技術も適用可能である。また、フッ素樹脂のスパッタリングなどのドライプロセスによる加工も適用できる。なお、撥水処理の後、必要に応じて乾燥工程、さらには焼結工程を加えても良い。
次いで、微多孔層について説明する。 微多孔層は、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、炭素繊維のチョップドファイバー、グラフェン、黒鉛などの導電性微粒子を含んだ層である。導電性微粒子としては、コストが低く、安全性や製品の品質の安定性の点から、カーボンブラックが好適に用いられる。微多孔層中に含まれるカーボンブラックとしては、不純物が少なく触媒の活性を低下させにくいという点でアセチレンブラックが好適に用いられる。
また、微多孔層には、導電性、ガス拡散性、水の排水性、あるいは保湿性、熱伝導性といった特性、さらには燃料電池内部のアノード側での耐強酸性、カソード側での耐酸化性が求められるため、微多孔層は、導電性微粒子に加えて、フッ素樹脂をはじめとする撥水性樹脂を含むことが好ましい。微多孔層に含まれるフッ素樹脂としては、導電性多孔質基材を撥水する際に好適に用いられるフッ素樹脂と同様、PTFE、FEP、PFA、ETFA等が上げられる。撥水性が特に高いという点でPTFE、あるいはFEPが好ましい。
ガス拡散電極が微多孔層を有するためには、導電性多孔質基材に、微多孔層を形成するための塗液、すなわち微多孔層形成用塗液(以下、塗液という)を塗布することが一般的である。塗液は通常、前記した導電性微粒子と水やアルコールなどの分散媒を含むが、環境負荷低減、塗布乾燥工程の簡略化の観点から水を溶媒として用いることが好ましい。導電性微粒子を分散するための分散剤として、界面活性剤などが配合されることが多い。また、微多孔層に撥水性樹脂を含ませる場合には、塗液には予め撥水性樹脂を含ませておくことが好ましい。
導電性多孔質基材上に微多孔層を形成する方法としては、導電性多孔質基材に塗液を塗布する方法が好ましい。
塗液中の導電性粒子の濃度は、塗液の生産性の点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。粘度、導電性粒子の分散安定性、塗液の塗布性などが好適であれば濃度に上限はない。導電性粒子としてアセチレンブラックを用いた場合には、水系塗液の場合、塗液中のアセチレンブラックの濃度は25質量%またはその周辺を上限とするのが好ましく、この好ましい範囲であると、アセチレンブラック同士が再凝集して、いわゆるパーコレーションが発生することはなく、急激な粘度増加で塗液の塗布性が損なわれる可能性が低い。
微多孔層の役割としては、(1)触媒の保護、(2)目の粗い導電性多孔質基材の表面が電解質膜に転写しないようにする化粧直し効果、(3)カソードで発生する水蒸気を凝縮防止の効果などである。上記のうち、化粧直し効果を発現するためには、微多孔層がある程度の厚みを有することが好ましい。
微多孔層の厚みは、現状の導電性多孔質基材の粗さを考慮すれば、乾燥膜厚で10μmより大きく60μm以下であることが好ましい。微多孔層の厚みが10μm以下であると、前記した化粧直し効果が不足することがあり、60μmを超えるとガス拡散電極自体のガス拡散性(透過性)が低下したり、電気抵抗が高くなったりすることがある。ガス拡散性を高める、あるいは電気抵抗を下げるという観点からは、微多孔層の厚みは、好ましくは50μm以下、より好ましくは40μm以下である。
塗液は、前記したように分散剤を用いて導電性微粒子を分散して調製する。導電性微粒子を分散させるためには、分散剤として界面活性剤を用いて分散させることが好ましい。この分散を長時間安定させて塗液粘度の上昇を防ぎ、液が分離したりしないようにするために、分散剤の添加量は、塗液中の導電性微粒子の10質量%以上であることが好ましい。10質量%未満では、塗液の分散安定が確保できず、粘度の低下などの変化を起こしやすい。
また、前記したように微多孔層の厚みを乾燥後の塗膜として10μmより大きくする場合、塗液の粘度を少なくとも1000mPa・s以上に保つことが好ましい。塗液の粘度がこれより低いと、塗液が導電性多孔質基材の表面上で流れて所望の厚みを確保できないことがあったり、導電性多孔質基材の細孔に塗液が流入して裏抜けを起こしてしまったりすることがある。逆に、塗液を高粘度にしすぎると、塗布性が低下することがあるため、上限は25Pa・sまたはその周辺である。塗液の好ましい粘度は、3000mPa・s以上20Pa・s以下、より好ましくは5000mPa・s以上15Pa・s以下である。上記の上限のいずれかと下限のいずれかの組み合わせによる範囲であってもよい。
上記のように塗液の粘度を高粘度に保つためには、増粘剤を添加することが有効である。ここで用いる増粘剤は、一般的に良く知られたもので良い。例えば、メチルセルロース系、ポリエチレングリコール系、ポリビニルアルコール系などが好適に用いられる。
これらの分散剤や増粘剤は、同じ物質に二つ以上の機能を持たせても良く、またそれぞれの機能に適した素材を選んでも良い。ただし、増粘剤と分散剤を別個に選定する場合には、導電性微粒子の分散系および撥水性樹脂であるフッ素樹脂の分散系を壊さないものを選ぶことが好ましい。上記分散剤と増粘剤は、ここでは界面活性剤と総称する。塗液の高粘度、分散安定を保つために、界面活性剤の総量が、導電性微粒子の添加質量の10質量%以上が好ましく、より好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは100質量%以上である。界面活性剤の添加量の好ましい上限としては、通常導電性微粒子の添加質量の500質量%以下であり、この好ましい範囲であると後の焼結工程において蒸気や分解ガスが発生しにくく、安全性、生産性を確保できる。
これらの成分を含んだ塗液は、各種の分散装置で分散することができるが、上記のような成分を含む塗液は、分散を進めすぎると粘度が低下する場合が多く、固形分で粘度を調整しても多孔質基材に塗液が滲みこむ傾向がある。このため、分散を低いレベルで留めておき、これを保つことが必要となる場合がある。従い、塗液調製後、基材へ塗布するまで、導電性微粒子の分散状態を変化させるようなせん断力を極力かけないことが好ましい。
上記のように、調製された塗液は、水系で界面活性剤が添加されているため、攪拌などの操作により気泡が発生しやすい。気泡が塗液に含まれたまま基材に塗布されると、気泡の存在する部分に塗膜が形成されずに、いわゆる塗布抜けと言う現象が置き、その部分は微多孔層の機能が低下してしまう恐れがある。そこで、塗液は塗布前に十分脱泡しておく必要がある。
本発明に係る脱泡方法としては、気泡を含んだ粘性液体を入れる容器と、容器内の圧力を制御する手段と、粘性液体を撹拌する撹拌翼と、を少なくとも備える脱泡装置を用いることが好ましい。
上記脱泡装置は図1に示すように、内圧が減圧される容器1に塗液4が配置される。そして、粘性液体4は撹拌機構2の撹拌翼21により撹拌される。容器1は減圧手段(不図示)と減圧手段接続口3で接続されており、容器1の内圧は真空ポンプ等の減圧手段により制御される。容器1内には、塗液の撹拌状態を調整する邪魔板が設けられていても良い。邪魔板については後述する。
容器は密閉可能に構成されており、その内圧は減圧手段により制御される。また、脱泡処理の対象となる塗液はこの容器内に配置される。容器の大きさや形状は特に制限されるものでは無い。例えば、円筒形の直胴部と鏡型の底面とを有する槽などを用いることができる。容器の天面の形状にも制限はなく、平板状や鏡板状の天面を採用することができる。天面は蓋状の構造として、開閉が可能、あるいは取り外しが可能とする事もなんら制限はない。容器の材質も特に制限はなく、塗液の性状に応じて自由に選定できる。
容器は、減圧手段と接続するための減圧手段接続口を有することが望ましい。減圧手段接続口と減圧手段(例えば真空ポンプ)とを接続することにより、容器内を大気圧以下の圧力に減圧することができる。減圧手段接続口の大きさや形状に制限は無い。また、減圧手段としては、真空ポンプに限らず、容器内の圧力を制御できる公知の機器を使用することができる。
容器には、前記減圧手段接続口のほかに、塗液の供給部や排出部を設けても良い。また、減圧状態から大気圧状態に戻す際にガスを供給するためのガス供給接続口を別途設けてもよい。塗液の温度管理が必要な場合は、塗液中にコイル状の熱媒配管を浸して温調することも可能である。または、容器をジャケット構造にし、このジャケット部に熱媒を流して温度調整を行うこともできる。または、容器の側面などにヒーターを取り付け、温度制御可能に構成することも可能である。
容器中の塗液は、好ましくは前記撹拌機構により撹拌される。したがって、容器中には、撹拌機構の構成部である撹拌翼が少なくとも収納されることが好ましい。撹拌機構は、容器内の塗液を撹拌するものであれば、特に制限はなく、公知の撹拌装置を使用することができる。例えば、パドル翼やタービン翼といった撹拌翼を撹拌軸に固定したタイプの撹拌機構を使用することができる。撹拌翼は撹拌軸に1段で設けられていても良いし、2段以上で設けられていてもよいが、塗液の場合は、ヘリカルリボン翼と呼ばれる撹拌翼を使用することが好ましい。また、構造が単純であるため品種切り替え時の洗浄作業が容易に行えるという観点から、“マックスブレンド”(登録商標)翼(住友重機械プロセス機器社)や“フルゾーン”(登録商標)翼(神鋼環境ソリューション社)など、一般的に大型翼と呼ばれる撹拌翼を使用しても良い。
また、容器内に撹拌機構を設置する位置は、塗液を撹拌できれば、特に制限はない。撹拌機構の材質も特に制限は無く、塗液の性状に応じて適宜選択できる。
また、上述のとおり、本発明において、撹拌機構の構成部として、容器内に邪魔板を設けることもできる。邪魔板の形状には特に制限はなく、平板状や円柱状などの公知形状を使用することができる。邪魔板の数にも特に制限は無いが、2本または4本設置することが好ましく、容器の鉛直方向の中心線を軸として軸対象に設置することがより好ましい。邪魔板の材質に制限は無く、塗液の性状に応じて自由に選定できる。
邪魔板は、容器の内壁面との間に実質的に液体の流れが発生する隙間を有して設置されていることがより好ましい。内壁面と前記邪魔板との間に実質的に液体の流れが発生する隙間を有することで、液体中に浮遊する気泡の滞留・停滞を防ぐことができるため、より効率よく脱泡することができる。
塗液の脱泡は上記のような方法、装置を用いて行い、通常、泡が実用上問題ないレベルになるまでの時間を測定して脱泡工程の時間設定を行う。しかし、脱泡の程度は脱泡前にどれだけ塗液が気泡を含んでいるかに依存し、また気泡の大きさが小さいと脱泡しにくく、所定時間で脱泡しきれない場合も発生する。
そこで、気泡のレベルが実用上問題ないレベルに対応する溶存酸素指数(後述する)が、所定の値以下になるまで脱泡を行う。
以下、溶存酸素指数について述べる。液体の溶存酸素濃度を測定する手段として、溶存酸素計が市販されている。測定の原理・方式としては、センサーに種類別にガルバニ電池式、蛍光式などがある。液体の溶存酸素を測定する場合、液温一定の条件下でセンサープローブを大気中から対象とする液に漬けこむと、溶存酸素にセンサーが感応し、その出力値が変化して、溶存酸素濃度に対応する値にて飽和して一定になる。この飽和値を、その液体の溶存酸素の指標とすることも可能ではある。
上記の溶存酸素測定を前記微多孔層用の塗液の脱泡の判定に適用すると、塗液が高粘度であるために、測定値が大気中での値から液中の溶存酸素濃度に対応する値に到達するまでに数十分ないし数時間要する場合が有り、塗液の脱泡レベル測定として適当でない。しかし、本発明者らが検討した結果、微多孔層塗液中にセンサー等の溶存酸素量の測定手段を漬け込んでから、値が飽和する前であっても、あらかじめ定めた所定時間経ったあとの測定値が、塗液中の気泡の存在レベルに対応し、この測定値を溶存酸素指数(単位:mg/L)とすることで、脱泡完了の見極めに応用できることが分かった。
即ち、溶存酸素計のセンサーを温度が一定している大気中に放置しておき、酸素の℃値が一定になっていることを確認し、次いで、対象とする塗液に測定手段(センサー)を漬け込み、このときの時間をゼロとする。このとき、センサーをどこまで沈めるかは、測定器の種類、形式によって定められている。好ましくは測定深さを一定に保ったまま時間を計測する。測定手段を漬け込んだ時から所定時間経って判定を行う時の溶存酸素量の計測値を溶存酸素指数として、本発明における脱泡レベルの指標とする。本発明においては、この判定までの時間を一定の時間に定める(以下、判定時間とする)。判定時間として複数時間を設定してもよく、例えば5分ごとに判定を行い、塗液中の泡数の推移を見てもよい。また、判定時間は測定開始前にあらかじめ設定することが好ましいが、必ずしも測定前でなくてもよく、測定中に塗液中の泡数の状況・推移を見て定めてもよい。
溶存酸素量は、塗液につけ込んでからの時間が長ければ長いほど飽和値に近づくが、あまり長いと、その測定が脱泡工程の脱泡完了の判定手段としてふさわしくないものとなる。また、判定までの時間が短すぎると、測定値のバラツキが大きい。この観点から、塗液につけ込んでから判定までの好ましい時間は3分以上20分以下、さらに好ましくは5分以上10分以下である。上記の上限のいずれかと下限のいずれかの組み合わせによる範囲であってもよい。
例えば、判定時間を5分とした場合、5分の判定時間における溶存酸素指数が5.5mg/L以下になったときに脱泡工程完了と判定することが可能である。また、判定時間を10分とした場合、10分の判定時間における溶存酸素指数が5.0mg/L以下になったときに脱泡工程完了と判定することが可能である。
溶存酸素指数が低いレベルであると、塗液が気泡を巻き込んでも、溶存酸素の飽和濃度までは気泡を液中に溶解させることができ、即ち気泡を消滅させることができる。このようなことから、本発明に係る溶存酸素指数は、塗液の溶存酸素量の飽和値ではないにも関わらず、脱泡レベルの指標となり得るものと考えられる。
真空脱泡後に溶存酸素測定を行う場合、塗液を真空から大気圧に開放したあと、なるべく早く測定を行うことが望ましい。好ましくは、大気圧に到達後、10分以内に測定を開始する。さらに好ましくは5分以内に測定を開始する。センサーが出力する大気中の酸素濃度値が一定となっている状態で、センサーを塗液に対して所定の深さまで差し込む瞬間を測定開始とする。
溶存酸素濃度は温度に対して敏感に変化するため、塗液の製造工程において塗液温度を一定とすることが好ましく、より好ましくは製造現場の雰囲気温度を塗液の温度と同一かつ一定となるよう調整する。
上記のようにして調製、脱泡された塗液は、導電性多孔質基材に塗布され、ガス拡散電極が製造される。
塗液の導電性多孔質基材への塗布は、市販されている各種の塗布装置を用いて行うことができる。塗布方式としては、スクリーン印刷、ロータリースクリーン印刷、スプレー噴霧、凹版印刷、グラビア印刷、ダイコーター塗布、バー塗布、ブレード塗布、ロールナイフコーター塗布などが使用できるが、導電性多孔質基材の表面粗さによらず塗布量の定量化を図ることができるため、ダイコーターによる塗布が好ましい。また、燃料電池にガス拡散電極を組み込んだ場合に触媒層との密着を高めるため塗布面の平滑性を求める場合には、ブレードコーターやロールナイフコーターによる塗布が好適に用いられる。以上のとおり示した塗布方法はあくまでも例示のためであり、必ずしもこれらに限定されるものではない。
塗液を塗布した後、必要に応じ、塗液の分散媒(水系の場合は水)を乾燥除去する。塗布後の乾燥の温度は、分散媒が水の場合、室温(20℃前後)から150℃以下が望ましく、さらに好ましくは60℃以上120℃以下が好ましい。上記の上限のいずれかと下限のいずれかの組み合わせによる範囲であってもよい。この分散媒(たとえば水)の乾燥は後の焼結工程において一括して行なっても良い。
塗液を塗布した後、塗液に用いた界面活性剤を除去する目的および撥水性樹脂を一度溶解して導電性微粒子を結着させる目的で、焼結を行なうことが一般的である。
焼結の温度は、添加されている界面活性剤の沸点あるいは分解温度にもよるが、250℃以上、400℃以下で行なうことが好ましい。さらに好ましくは、300℃以上、380℃以下である。焼結の温度がこの好ましい範囲であると、界面活性剤の除去が十分に達成でき、一方、撥水性樹脂の分解が起こる可能性も低い。
微多孔層に関して図2を用いてより詳細に説明する。微多孔層の厚みについては、導電性多孔質基材の粗さの化粧直し効果を発現させるために、前述の通り微多孔層の合計の厚みが10μmより大きいことが好ましい。ただし、ガス拡散性を確保する必要性から、微多孔層の厚みの上限は60μmであることが好ましい。
なお、塗液を導電性多孔質基材の表面に塗布して微多孔層を形成することから、導電性多孔質基材の空孔に該塗液が浸み込んでしまい、導電性多孔質基材中に微多孔層の染み込み部分203が形成される場合があるが、各微多孔層の厚みは、この浸み込み部分は除いて、導電性多孔質基材の外側に存在する部分の厚みのみで評価する。
上記の微多孔層の塗布においては、ダイコーター、各種のロールコーター、各種のバーコーター、各種ナイフコーターなどを用いて行う。上記の各種塗布方法については、「コンバーティングのすべて」((株)加工技術研究会編)など、既存の多数の文献に記載されている。
以下に実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
(a)塗液の調製
電気化学工業(株)製“デンカブラック”(登録商標)10質量部、
PTFEディスパージョン(ダイキン工業(株)製 “ポリフロン”(登録商標)D−210C)7.5質量部、
界面活性剤(ナカライテスク(株)製、“TRITON”(登録商標) X−100)10質量部、
イオン交換水 72.5質量部をプラネタリーミキサーで混練した。
(b)塗液の泡立て
作成した塗液40Lを、概略図3に示す脱泡専用容器に移液し、減圧装置に取り付けた。減圧装置の撹拌翼は、ヘリカルリボン翼を使用した。その後、減圧は行わずに回転させ、泡を巻き込ませた。このとき回転数および回転時間を調整することにより、溶存酸素指数の値を変化させた塗液を調製した。この塗液について、後述する(c)に示す方法で泡数を測定したところ、4〜60個/0.2gであった(表1参照)。
(b)粘度測定
スペクトリス社製ボーリン回転型レオメーターの粘度測定モードにおいて、直径40mm、傾き2°の円形コーンプレートを用いプレートの回転数を増加させながら(せん断速度を上昇させながら)応力を測定していく。このとき、せん断速度17(1/s)における粘度の値aを読み取り、塗液の粘度とした。
(c)塗液中の泡数測定
一辺15cmの正方形状で、厚み0.5cmのガラス板を2枚用意し、1枚の四隅にフッ素テープ(中興化成工業社製 ASF−110FR)を貼付し、液体サンプル0.2gを上下から挟んで30分間静置した。その後、オーツカ光学社製 ILLMINATED MAGNIFIERS OSL−1を用いて観察したサンプルについて、デジタルカメラ等で撮影し、画像中の泡数を目視でカウントした。この作業を20回行い、得られた数の算術平均値を、塗液中の泡数とした。
(d)実際の塗布における気泡の確認(塗布テスト)
準備された微多孔層塗液を図3のようなタンクに仕込み、図4のような配管系を組み、ダイコータ(厚み50μm 0.15MPaで加圧時)に塗布量を120g/mとして10分間塗布を行い、目視にて、気泡による欠点が塗膜上に発生しないかどうかを確認した。塗布に当たっては、配管内の空気を排除するために、容器底部からダイコータまでを真空引きして塗液を送り、塗布開始後十分に液を吐出してから、泡の評価を行った。また、液温は、23℃±1℃以内で管理した。
10分間の塗布において、目視確認できる泡の数が1個までは実用的に問題ないものと判断した。
(e)溶存酸素指数
室温23℃±1℃において、WTW社製、蛍光式DO電極FDO925(登録商標)をWTW社製携帯用マルチ水質測定器に接続した。
電源を入れたあと、上記室温に5分以上晒して大気中の酸素濃度表示値を一定させた後、測定対象の塗液(23℃)にセンサー先端から7cmまでを漬けこんだ瞬間の時間をゼロとして、1分ごとに溶存酸素計の指示値を読み取り、5分後あるいは10分後の値を溶存酸素指数とした(単位:mg/L)。
(実施例1)
図3のタンクに塗液を40L仕込み、液温を23±1℃に保った。脱泡前の溶存酸素指数(5分値)を測定したところ、8.1mg/Lであった。減圧手段(真空ポンプ)により、容器内の圧力を大気圧の状態から0.5分かけて−0.09MPa(ゲージ圧)とし、減圧状態、すなわち−0.090〜−0.095MPa(ゲージ圧)に保ちながら脱泡して塗液を得て、1.50時間後に大気開放して、溶存測定を行った後、容器底部から図4の模式図に示すような配管系にてPETフィルム上に10m塗布を行った。塗布開始に当たっては、配管内の空気を極力排除するため、真空引きを行い、さらに最初の測定終了後、−0.09MPa(ゲージ圧)に真空度を戻し、さらに0.5時間脱泡を行った(トータル2.0時間)後に溶存酸素指数測定およびPETフィルム上に10m塗布を行った。さらに再び−0.09MPa(ゲージ圧)に真空度を戻し、さらに0.5時間脱泡を行った(トータル2.5時間)後に溶存酸素指数測定およびPETフィルム上に10m塗布を行った。
脱泡完了時間、脱泡完了後の塗液の物性および気泡の数は、それぞれ表1に示すようになった。
(実施例2)
脱泡前の溶存酸素指数(5分値)が7.3mg/Lの塗液を使用し、溶存酸素指数測定の時間を、脱泡開始からのトータル時間として1.50時間、1.75時間、2.00時間とした以外はすべて実施例1と同様にテストを行った。
(実施例3)
脱泡前の溶存酸素指数(5分値)が5.9mg/Lの塗液を使用し、溶存酸素指数測定の時間を、脱泡開始からのトータル時間として1.00時間、1.15時間、1.50時間とした以外はすべて実施例1と同様にテストを行った。
(実施例4)
脱泡前の溶存酸素指数(10分値)が7.0mg/Lの塗液を使用した以外はすべて実施例1と同様にテストを行った。
(実施例5)
脱泡前の溶存酸素指数(10分値)が6.5mg/Lの塗液を使用した以外はすべて実施例2と同様にテストを行った。
(実施例6)
脱泡前の溶存酸素指数(10分値)が5.6mg/Lの塗液を使用した以外はすべて実施例3と同様にテストを行った。

各実施例の脱泡前後の溶存酸素指数、粘度、塗布時の気泡起因の欠点の発生の有無の判定結果を表1にまとめる。この表より、たとえば実施例1の塗液に対して、脱泡工程を仮に2時間と定めた場合(溶存酸素指数が6.1mg/L(5分値))に、実際に塗布してみると塗布時に欠点が生じる可能性がある。溶存酸素指数が5.5mg/L(5分値)あるいは5.0mg/L(10分値)のレベルであれば、塗布時に気泡による欠点が発生していない。このことから脱泡工程の終了判断を溶存酸素指数を用いて行えば、短時間の測定であっても、前記したような気泡による欠点の発生を未然に防ぐことが可能となる。
Figure 2019216060
本発明の製造方法はガス拡散層の微多孔層塗液を製造する上で有効であり、脱泡時間を短縮できるため、製造コストの低減を図ることができる。
1 容器
2 撹拌機構
21 撹拌翼
22 撹拌軸
3 減圧手段接続口
4 粘性液体
101 導電性多孔質基材(カーボンペーパー)
102 巻き出し機
103 ガイドロール(非駆動)
104 ダイコーターA
105 ダイコーターB
106 バックロール(駆動)
107 乾燥機
108 焼結炉
109 巻き取り機
110 合い紙
111 合い紙巻き出し機
112 塗液タンク
113 送液ポンプ
114 フィルター
115 浸漬槽
202 微多孔層
203 導電性多孔質基材への微多孔層の浸み込み。

Claims (5)

  1. 導電性粒子および撥水性樹脂を含む塗液の製造方法であって、
    前記塗液はガス拡散電極の微多孔層を形成するためのものであり、
    調製された前記塗液を脱泡する工程を有し、
    前記脱泡工程の完了の判定のため、溶存酸素量の測定手段を塗液中に漬け込み、その時間をゼロとして、判定までの時間を一定の時間に定め、これを判定時間としたとき、
    前記判定時間が経過した時点の溶存酸素の量によって定められる溶存酸素指数にて前記判定を行う、塗液の製造方法。
  2. 前記判定時間を3分以上20分以下とする、請求項1に記載の塗液の製造方法。
  3. 前記判定時間を5分以上10分以下とする、請求項1に記載の塗液の製造方法。
  4. 前記判定時間を5分として、5分の判定時間における溶存酸素指数が5.5mg/L以下になったときに脱泡工程完了と判定する、請求項1ないし3のいずれかに記載の塗液の製造方法。
  5. 前記判定時間を10分として、10分の判定時間における溶存酸素指数が5.0mg/L以下になったときに脱泡工程完了と判定する、請求項1ないし3のいずれかに記載の塗液の製造方法。
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