以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
1.ユーザの特性分析に基づいたアドバイス提供
図1Aは、組織におけるメンバーの特性を分析するために用いられるアンケート表10の一例を示す。
アンケート表10は、複数の質問を含んでおり、複数の質問は、概して、あるシーンにおいて選択する行動を問う質問、および、あるシーンに対する感じ方を問う質問である。組織における各メンバーは、各質問に対して、多肢選択式で回答する。例えば、アンケート表10の右端にチェックマークを記入して、該当する選択肢を選択することによって回答する。
本例では、仕事上の組織におけるメンバーの特性を分析することを説明する。あるシーンにおいて選択する行動を問う質問は、例えば、「これまでに社内で例のない新しい業務を担当してほしいと上司から言われました。他のメンバーは未定の状態です。どのような業務ならチャレンジしたいと思いますか?」という質問であり、「メディアで話題になりそうな案件」、「経験やスキルが活かせる案件」等の選択肢から回答させる。あるシーンにおいて選択する行動を問う質問は、例えば、「チームの業績目標に対して達成が難しい見通しとなっていることが分かりました。あなた自身の目標は達成の見直しの時、あなたはどうしますか?」という質問であり、「自分の当初の目標達成に向けて取り組む」、「チームのために自分の当初目標以上を目指す」等の選択肢から回答させる。
あるシーンに対する感じ方を問う質問は、例えば、「今期の目標設定に関して上司から話がありました。今期はチームも大きな目標をもつことになり、あなたにも高い目標を持ってほしい、出来るか分からないと感じるかもしれないが、一緒に頑張ろうと言われました。あなたは、前向きに取り組めそうですか?」という質問であり、「全くやる気が出ない」〜「全く問題なく取り組める」の5段階の選択肢から回答させる。
なお、アンケート表10の質問およびその選択肢は一例であり、他の質問および選択肢であってもよい。また、選択肢の数は、2以上の任意の数であり得る。
組織の各メンバーによるアンケート表10の回答結果は、本発明のコンピュータシステムに入力され、分析される。
図1Bおよび図1Cは、アンケート表10の回答結果を本発明のコンピュータシステムによって分析した結果を表示する結果表示画面20−1、20−2の一例を示す。結果表示画面20−1、20−2は、結果表示画面20−1を下にスクロールすると結果表示画面20−2が表示されるようにしてもよいし、別個の画面として表示されるようにしてもよい。
結果表示画面20−1、20−2は、一例として、アンケート表10に回答したAAAさんの回答結果を本発明のコンピュータシステムによって分析した結果を表示している。
結果表示画面20−1は、例えば、第1の表示部21、第2の表示部22、および第3の表示部23を含む。第1の表示部21は、AAAさんの回答結果から決定されたAAAさんの特性に基づいて、AAAさんが力を発揮するために意識した方がよいことに関するアドバイスを表示する部分である。第2の表示部22は、AAAさんの回答結果から決定されたAAAさんの欲求の特性を表示する部分である。ここでは、「仕事における欲求」という観点において、「難しい問題を解きたい」、「サポートしたい」、「影響力を発揮したい」、「オリジナリティを出したい」、「認められたい」、「目標達成したい」の項目を有するレーダーチャートで、AAAさんの欲求の特性を表示している。第3の表示部23は、AAAさんの回答結果から決定されたAAAさんの脳内伝達物質の特性を表示する部分である。ここでは、「どのような気持ちの時に仕事がはかどるか」という観点において、「“やらないといけない”と感じている時」、「“理解されている”という気持ちになっている時」、「“安心・安全”を感じている時」、「“やりたい”という気持ちになっている時」の項目を有するレーダーチャートで、AAAさんの脳内伝達物質の特性を表示している。
例えば、図1Bの第2の表示部22は、AAAさんが、例えば、「影響力を発揮したい」、「認められたい」、「目標達成したい」という仕事における欲求が高いことを示しており、図1Bの第3の表示部23は、AAAさんが、例えば、「“やらないといけない”と感じている時」、「“安心・安全”を感じている時」に仕事がはかどることを示している。
このような特性を有するAAAさんに対して、本発明のコンピュータシステムは、例えば、「仕事の背景や目的、意味合いについて情報を集めて深く理解すること」、「仕事の成果や進め方・考え方を周りの人に共有すること」、「業務のタスクとスケジュールを細かく設定し、着実に達成すること」が、AAAさんが力を発揮するために意識した方がよいことであると決定し、第1の表示部21に表示する。これにより、AAAさんは、アンケート表10に回答するだけで、自分が力を発揮するためにどのようなことに意識すべきかのアドバイスを受けることができる。
結果表示画面20−2は、例えば、第4の表示部24、第5の表示部25、および第6の表示部26を含む。第4の表示部24は、AAAさんの回答結果から決定されたAAAさんの特性に基づいて、AAAさんがストレスを少なくしながら働くために意識した方がよいことに関するアドバイスを表示する部分である。第5の表示部25は、AAAさんの回答結果から決定されたAAAさんの拘りの特性を表示する部分である。ここでは、「仕事を進めるうえで重視すること」という観点において、「気持ち」、「つながり」、「チームワーク」、「進捗管理」、「事実分析」、「完璧度」、「役割範囲」の項目を有する折れ線グラフで、AAAさんの拘りの特性を表示している。第6の表示部26は、AAAさんの回答結果から決定されたAAAさんのストレスの感じ方の特性を表示する部分である。ここでは、「ストレスを感じるポイント」という観点において、「定性的な目標」、「定量的な目標」、「手が届く目標」、「高い目標」、「業務のやり方が不明瞭」、「背景や理由が不明瞭」、「必要に応じて報告・相談」、「頻度の高い報告・相談」、「計画が変わる」、「計画を決めておく」、「長いスパンの業務」、「短いスパンの業務」、「同じ人と関わる」、「新しい人と関わる」、「誰かを巻き込む」、「自分で進める」の項目を有する面グラフで、AAAさんのストレスの感じ方の特性を表示している。
例えば、図1Cの第5の表示部25は、AAAさんが、例えば、「完璧度」、「事実分析」、「役割範囲」を仕事を進めるうえで重視することを示しており、図1Cの第6の表示部26は、AAAさんが、例えば、「頻度の高い報告・相談」、「計画が変わる」ことにストレスを感じることを示している。
このような特性を有するAAAさんに対して、本発明のコンピュータシステムは、例えば、「仕事の完成度の基準を明確にし、周囲の人と共有すること」、「状況に応じた報告、相談の頻度を上司に相談して設定すること」、「仕事の状況の変化を把握し、予め変更を見通した対応をすること」が、AAAさんがストレスを少なくしながら働くために意識した方がよいことであると決定し、第4の表示部24に表示する。これにより、AAAさんは、アンケート表10に回答するだけで、自分がストレスを少なくしながら働くためにどのようなことに意識すべきかのアドバイスを受けることができる。
上述した例では、本発明のコンピュータシステムがAAAさんの特性を決定し、AAAさんへのアドバイスを提供することを説明したが、本発明のコンピュータシステムは、AAAさん以外の組織の各メンバーに対しても、図1Bおよび図1Cに示されるように特性を決定し、その特性に基づいて、力を発揮するためにどのようなことに意識すべきかのアドバイス、および、ストレスを少なくしながら働くためにどのようなことに意識すべきかのアドバイスを提供することができる。
本発明のコンピュータシステムは、さらに、組織の各メンバーに対して決定された特性に基づいて、メンバー同士が共に仕事をするうえで力を発揮するためにどのようなことに意識すべきかのアドバイス、および、ストレスを少なくしながら働くためにどのようなことに意識すべきかのアドバイスも提供することができる。
図1Dは、アンケート表10の回答結果を本発明のコンピュータシステムによって分析した結果を表示する結果表示画面30の一例を示す。
結果表示画面30は、一例として、アンケート表10に回答したAAAさんの回答結果およびDDDさんの回答結果を本発明のコンピュータシステムによって分析した結果を表示している。
結果表示画面30は、例えば、第1の表示部31、第2の表示部32、および第3の表示部33を含む。第1の表示部31は、AAAさんの回答結果から決定されたAAAさんの特性およびDDDさんの回答結果から決定されたDDDさんの特性に基づいて、AAAさんおよびDDDさんが共に仕事をする際にお互いが力を発揮するために意識した方がよいことに関するアドバイスを表示する部分である。
第2の表示部32は、AAAさんの回答結果から決定されたAAAさんの欲求の特性およびDDDさんの回答結果から決定されたDDDさんの欲求の特性を表示する部分である。第2の表示部32は、図1Bの第2の表示部21と同様のレーダーチャートを用いてAAAさんの欲求の特性およびDDDさんの欲求の特性を表示している。AAAさんの欲求の特性とDDDさんの欲求の特性とは、異なる態様(例えば、異なる濃淡、色彩、明暗等)で表示されるようにしてもよく、AAAさんの欲求の特性とDDDさんの欲求の特性との重複部分も異なる態様で表示されるようにしてもよい。これにより、AAAさんの欲求の特性とDDDさんの欲求の特性との共通点および相違点を視覚的に容易に認識することができる。
第3の表示部33は、AAAさんの回答結果から決定されたAAAさんの脳内伝達物質の特性およびDDDさんの回答結果から決定されたDDDさんの脳内伝達物質の特性を表示する部分である。第3の表示部33は、図1Bの第3の表示部23と同様のレーダーチャートを用いてAAAさんの脳内伝達物質の特性およびDDDさんの脳内伝達物質の特性を表示している。AAAさんの脳内伝達物質の特性とDDDさんの脳内伝達物質の特性とは、異なる態様(例えば、異なる濃淡、色彩、明暗等)で表示されるようにしてもよく、AAAさんの脳内伝達物質の特性とDDDさんの脳内伝達物質の特性との重複部分も異なる態様で表示されるようにしてもよい。これにより、AAAさんの脳内伝達物質の特性とDDDさんの脳内伝達物質の特性との共通点および相違点を視覚的に容易に認識することができる。
例えば、図1Dの第2の表示部32は、AAAさんとDDDさんとの間で、例えば、「認められたい」、「難しい問題を解きたい」という仕事における欲求が共通しており、例えば、「目標達成したい」、「影響力を発揮したい」という仕事における欲求が相違していることを示している。図1Dの第3の表示部33は、AAAさんとDDDさんとの間で、例えば、「“安心・安全”を感じている時」という仕事がはかどるときが共通しており、例えば、「“やらないといけない”と感じている時」という仕事がはかどるときが相違していることを示している。
このような特性の共通点および相違点を有するAAAさんおよびDDDさんに対して、本発明のコンピュータシステムは、例えば、「共通の目的に向かって、お互いに補い合える役割を設定すること」、「お互いの考えや気持ちを自由に言える雰囲気を作ること」、「仕事の目的や納期を明確にして、随時確認すること」が、AAAさんおよびDDDさんが互いに力を発揮するために意識した方がよいことであると決定し、第1の表示部31に表示する。これにより、AAAさんおよびDDDさんは、アンケート表10に回答するだけで、共に仕事をするうえで力を発揮するためにどのようなことに意識すべきか、または、どのようなコミュニケーションをとるべきかのアドバイスを受けることができる。
図示していないが、本発明のコンピュータシステムは、図1Cの第4の表示部24、第5の表示部25、および第6の表示部26に対応する第4の表示部、第5の表示部、および第6の表示部を含む結果表示画面を表示するようにしてもよく、このとき、第4の表示部、第5の表示部、および第6の表示部には、それぞれ、AAAさんおよびDDDさんがストレスを少なくしながら働くために意識した方がよいことに関するアドバイス、AAAさんおよびDDDさんの拘りの特性、ならびに、AAAさんおよびDDDさんのストレスの感じ方の特性が表示されるようにしてもよい。これにより、AAAさんおよびDDDさんは、アンケート表10に回答するだけで、共に仕事をするうえでお互いがストレスを少なくしながら働くためにどのようなことに意識すべきか、または、どのようなコミュニケーションをとるべきかのアドバイスを受けることができる。
図1Dに示される例では、AAAさんとDDDさんとの関係におけるアドバイスを提供することを説明したが、組み合わせの相手を変更することにより、組織における任意のメンバー間の関係におけるアドバイスを提供することができる。
本発明のコンピュータシステムは、さらに、組織の各メンバーに対して決定された特性に基づいて、複数のメンバーから成るチームで仕事をするうえで力を発揮するためにどのようなことに意識すべきかのアドバイス、および、ストレスを少なくしながら働くためにどのようなことに意識すべきかのアドバイスも提供することができる。
図1Eは、アンケート表10の回答結果を本発明のコンピュータシステムによって分析した結果を表示する結果表示画面40の一例を示す。
結果表示画面40は、一例として、AAAさん、BBBさん、FFFさん、KKKさんから成るチームについて、アンケート表10に回答したAAAさん、BBBさん、FFFさん、KKKさんの回答結果を本発明のコンピュータシステムによって分析した結果を表示している。
結果表示画面40は、例えば、第1の表示部41、第2の表示部42、および第3の表示部43を含む。第1の表示部31は、AAAさんの回答結果から決定されたAAAさんの特性、BBBさんの回答結果から決定されたBBBさんの特性、FFFさんの回答結果から決定されたFFFさんの特性、KKKさんの回答結果から決定されたKKKさんの特性に基づいて、AAAさん、BBBさん、FFFさん、KKKさんから成るチームで仕事をする際にチームの各メンバーが力を発揮するために意識した方がよいことに関するアドバイスを表示する部分である。
第2の表示部42は、AAAさんの回答結果から決定されたAAAさんの欲求の特性、BBBさんの回答結果から決定されたBBBさんの欲求の特性、FFFさんの回答結果から決定されたFFFさんの欲求の特性、KKKさんの回答結果から決定されたKKKさんの欲求の特性を表示する部分である。第2の表示部42は、図1Bの第2の表示部21と同様のレーダーチャートを用いてチームの各メンバーの欲求の特性を表示している。チームの各メンバーの欲求の特性は、異なる態様(例えば、異なる濃淡、色彩、明暗等)で表示されるようにしてもよく、チームの各メンバーの欲求の特性の重複部分も異なる態様で表示されるようにしてもよい。これにより、チームの各メンバーの欲求の特性の共通点および相違点を視覚的に容易に認識することができる。
第3の表示部43は、AAAさんの回答結果から決定されたAAAさんの脳内伝達物質の特性、BBBさんの回答結果から決定されたBBBさんの脳内伝達物質の特性、FFFさんの回答結果から決定されたFFFさんの脳内伝達物質の特性、KKKさんの回答結果から決定されたKKKさんの脳内伝達物質の特性を表示する部分である。第3の表示部43は、図1Bの第3の表示部23と同様のレーダーチャートを用いてチームの各メンバーの脳内伝達物質の特性を表示している。チームの各メンバーの脳内伝達物質の特性は、異なる態様(例えば、異なる濃淡、色彩、明暗等)で表示されるようにしてもよく、チームの各メンバーの脳内伝達物質の特性の重複部分も異なる態様で表示されるようにしてもよい。これにより、チームの各メンバーの脳内伝達物質の特性の共通点および相違点を視覚的に容易に認識することができる。
例えば、図1Eの第2の表示部42は、チームの各メンバー間で、例えば、「難しい問題を解きたい」、「目標達成したい」という仕事における欲求が大きく相違していることを示している。図1Bの第3の表示部43は、チームの各メンバー間で、例えば、「“理解されている”という気持ちになっている時」という仕事がはかどるときが共通しており、例えば、「“やらないといけない”と感じている時」という仕事がはかどるときが大きく相違していることを示している。
このような特性の共通点および相違点を有するチームの各メンバーに対して、本発明のコンピュータシステムは、例えば、「目標を達成することで何を実現したいのかをすり合わせること」、「業務ごとで目指す達成水準をメンバーでお互いに合意すること」、「お互いの状況や考えを共有し、継続的に話し合う機会をもつこと」が、チームのメンバーが力を発揮するために意識した方がよいことであると決定し、第1の表示部41に表示する。これにより、チームの各メンバーは、アンケート表10に回答するだけで、チームで仕事をするうえで力を発揮するためにどのようなことに意識すべきか、または、どのようなコミュニケーションをとるべきかのアドバイスを受けることができる。
図示していないが、本発明のコンピュータシステムは、図1Cの第4の表示部24、第5の表示部25、および第6の表示部26に対応する第4の表示部、第5の表示部、および第6の表示部を含む結果表示画面を表示するようにしてもよく、このとき、第4の表示部、第5の表示部、および第6の表示部には、それぞれ、チームで仕事をする際にチームの各メンバーがストレスを少なくしながら働くために意識した方がよいことに関するアドバイス、チームの各メンバーの拘りの特性、ならびに、チームの各メンバーのストレスの感じ方の特性が表示されるようにしてもよい。これにより、チームの各メンバーは、アンケート表10に回答するだけで、チームで仕事をするうえでお互いがストレスを少なくしながら働くためにどのようなことに意識すべきか、または、どのようなコミュニケーションをとるべきかのアドバイスを受けることができる。
図1Eに示される例では、AAAさん、BBBさん、FFFさん、KKKさんから成るチームに対してアドバイスを提供することを説明したが、チームを構成するメンバーを変更することにより、組織における任意のメンバーから成るチームに対してアドバイスを提供することができる。
図2Aは、組織におけるメンバーが、本発明のコンピュータシステムを用いて、各メンバーの様子をマネージャ(管理者)に報告するための報告画面50の一例を示す。
報告画面50は、一例として、AAAさんがチームのメンバーの様子を報告するための画面を表示している。
報告画面50は、メンバー表示部51と、選択ボタン52と、「今は特にない」ボタン53とを含む。メンバー表示部51は、組織におけるメンバーを表示する部分である。組織におけるすべてのメンバーが表示されるようにしてもよいし、一部のメンバー、例えば、管理職を除くメンバーが表示されるようにしてもよい。
AAAさんは、メンバー表示部51から様子を報告したいメンバーを選択する。次いで、AAAさんは、そのメンバーの様子について、複数の状況のうちから1つを選択し、その状況がポジティブな状況(良い状況)にあるか、ネガティブな状況(悪い状況)にあるかを選択する。例えば、AAAさんが、CCCさんの様子について、業務のやり方や進め方に困っていそうだと感じたときは、メンバー表示部51からCCCさんを選択し、選択ボタン52のうちの「業務のやり方や進め方」の欄の「困っていそう!」ボタンを選択することにより、その旨をマネージャに報告することができる。例えば、AAAさんが、LLLさんの様子について、今の仕事を続けることに前向きになってきていると感じたときは、メンバー表示部51からLLLさんを選択し、選択ボタン52のうちの「今の仕事をつづけること」の欄の「前向きになってきている!」ボタンを選択することにより、その旨をマネージャに報告することができる。例えば、AAAさんは、自身の様子について自己申告で報告してもよい。この場合、メンバー表示部51からAAAさんを選択し、選択ボタン52のうちの該当するボタンを選択する。例えば、AAAさんは、現時点で何も感じていないときは、「今は特にない」ボタン53を選択することにより、報告画面50を終了することができる。
なお、報告画面50に表示される複数の状況は一例であり、他の状況であってもよい。また、良い状況にあるか悪い状況にあるかの2択に限定されず、選択肢の数は、2以上の任意の数であり得、多段階的に状況を評価して報告するようにしてもよい。
組織におけるあるメンバーの様子が、ポジティブな状況(良い状況)であることの報告は、マネージャ(管理者)およびそのメンバーに通知され得る。これにより、マネージャが組織におけるメンバーの状況を把握することができるとともに、そのメンバーのモチベーションを高めることもできる。組織におけるあるメンバーの様子が、ネガティブな状況(悪い状況)であることの報告は、そのメンバーには通知されず、マネージャ(管理者)に通知され得る。
図2Bは、組織におけるメンバーがネガティブな状況にあることを通知するための通知画面60の一例を示す。
通知画面60は、一例として、AAAさんが計画どおりに業務を進めることに困っているという状況にあることを通知するための画面を表示している。通知画面60は、例えば、報告画面50においてAAAさんがネガティブな状況にあることの報告がされたことをトリガとして、表示され得る。通知画面60は、例えば、マネージャ等の組織を管理する権限を有している者のみが閲覧可能とすることができる。
通知画面60は、報告者表示部61と、第1のフレーズ表示部62と、第2のフレーズ表示部63とを含む。
報告者表示部61には、AAAさんが計画どおりに業務を進めることに困っていそうと報告した人が表示される。ここでは3人のメンバー(BBBさん、FFFさん、KKKさん)が表示されている。報告者表示部61には、例えば、報告した人の数のみが表示されるようにしてもよいし、報告した人の名前および報告した時間が表示されるようにしてもよい。
第1のフレーズ表示部62には、AAAさんの特性を踏まえて、現在の状況のAAAさんに有効なフレーズまたはAAAさんに伝えるべきフレーズが表示される。現在の状況のAAAさんに有効なフレーズは、例えば、「あなたは期待されていますね」、「これだけの人が心配してくれてあなたは幸せですね」、「今を評価してくれる会社なのでまたチャンスがくるよ」等であり得る。
第2のフレーズ表示部63には、AAAさんの特性を踏まえて、現在の状況のAAAさんに有効でないフレーズまたはAAAさんに伝えるべきではないフレーズが表示される。現在の状況のAAAさんに有効でないフレーズは、例えば、「私一人では困難な仕事なので助けてもらえないか」、「最近調子が良いので次はこれに挑戦してみないか」、「先日の仕事が素晴らしかったので次もあなたにやってほしい」等であり得る。
第1のフレーズ表示部62に表示される有効なフレーズおよび第2のフレーズ表示部63に表示される有効でないフレーズは、AAAさんの特性およびAAAさんの状況に応じて変化する。これにより、有効なフレーズおよび有効でないフレーズは、人物の特性および現在の状況に合ったものとなるため、マネージャは、経験則や感覚に基づいたアドバイスではなく、人物の特性および現在の状況に合ったアドバイスを提供することができるようになる。
(ユーザ間のコミュニケーションの質の評価)
図3Aおよび図3Bは、組織におけるメンバーが、本発明のコンピュータシステムを用いて、組織における他のメンバーとのコミュニケーションを評価するための評価画面70−1、70−2の一例を示す。
評価画面70−1、70−2は、一例として、AAAさんが、組織における他のメンバーとのコミュニケーションを評価する画面を表示している。評価画面70−1は、AAAさんが組織における他のメンバーに対して行ったコミュニケーションをAAAさんが評価する画面であり、評価画面70−2は、組織における他のメンバーがAAAさんに対して行ったコミュニケーションをAAAさんが評価する画面である。
評価画面70−1は、評価対象者表示部71と、評価選択ボタン72とを含む。評価対象者表示部71は、評価対象者となり得る組織におけるメンバーを表示する部分である。評価対象者表示部71には、組織におけるすべてのメンバーが表示されるようにしてもよいし、一部のメンバー、例えば、管理職を除くメンバーが表示されるようにしてもよい。評価対象者表示部71には、AAAさんがコミュニケーションを評価する対象の人が表示されている。評価対象者は、例えば、候補の中から特定の人を選択することにより表示されるようにしてもよいし、先頭のBBBさんから順に表示されるようにしてもよい。評価選択ボタン72は、AAAさんが評価対象者に対して行ったコミュニケーションについて評価をするためのボタンである。相手との違いを意識したコミュニケーションが「全くできなかったと思う」〜「とてもできたと思う」の9段階から該当するボタンを選択することにより、評価対象者に対して行ったコミュニケーションを評価することができる。なお、9段階で評価することを例に説明したが、2段階評価、3段階評価、4段階評価等であってもよく、評価の段階は任意の数であり得る。また、「−3、−2、−1、0、1、2、3」等の単純な数値を用いた段階評価であってもよい。
例えば、AAAさんは、BBBさんに対して行ったコミュニケーションについて、相手との違いを意識したコミュニケーションができなかったと感じたときは、評価対象者表示部71にBBBさんを表示させ、評価選択ボタン72において「できなかったと思う」を選択する。例えば、AAAさんは、EEEさんに対して行ったコミュニケーションについて、コミュニケーションがほとんど無かったと感じたときは、評価対象者表示部71にEEEさんを表示させ、評価選択ボタン72において「コミュニケーションがほとんど無かった」を選択する。
評価画面70−2は、評価対象者表示部73と、評価選択ボタン74とを含む。評価対象者表示部73は、評価対象者となり得る組織におけるメンバーを表示する部分である。評価対象者表示部73には、組織におけるすべてのメンバーが表示されるようにしてもよいし、一部のメンバー、例えば、管理職を除くメンバーが表示されるようにしてもよい。評価対象者表示部73には、AAAさんがコミュニケーションを評価する対象の人が表示されている。評価対象者は、例えば、候補の中から特定の人を選択することにより表示されるようにしてもよいし、先頭のBBBさんから順に表示されるようにしてもよい。評価選択ボタン74は、評価対象者がAAAさんに対して行ったコミュニケーションについて評価をするためのボタンである。評価対象者が、自分との違いを意識してコミュニケーションをしてくれたと「全く感じない」〜「とてもそう感じる」の8段階から該当するボタンを選択することにより、評価対象者がAAAさんに対して行ったコミュニケーションを評価することができる。なお、8段階で評価することを例に説明したが、2段階評価、3段階評価、4段階評価等であってもよく、評価の段階は任意の数であり得る。また、「−3、−2、−1、0、1、2、3」等の単純な数値を用いた段階評価であってもよい。
例えば、AAAさんは、BBBさんがAAAさんに対して行ったコミュニケーションについて、BBBさんがAAAさんとの違いを意識してコミュニケーションをしてくれなかったと感じたときは、評価対象者表示部73にBBBさんを表示させ、評価選択ボタン74において「そう感じない」を選択する。例えば、AAAさんは、EEEさんがAAAさんに対して行ったコミュニケーションについて、EEEさんがAAAさんとの違いを意識してコミュニケーションをしてくれたと強く感じたときは、評価対象者表示部73にEEEさんを表示させ、評価選択ボタン74において「とてもそう感じる」を選択する。
このようにして、AAAさんと組織における他のメンバーとのコミュニケーションのAAAさんによる主観的評価および客観的評価が入力される。
上述した例では、AAAさんが評価することを説明したが、組織における他のメンバーも同様に、組織における各メンバーとのコミュニケーションを主観的および客観的に評価することができる。これにより、各メンバー同士のコミュニケーションに対する各メンバーの認識が明らかになる。
図3Cは、評価画面70−1、70−2で入力された評価に基づいて、組織の各メンバー間のコミュニケーションの質(クオリティ)を分析した結果を示す結果表示画面80を示す。
結果表示画面80は、例えば、マネージャ等の組織を管理する権限を有している者のみが閲覧可能とすることができる。結果表示画面80は、第1の表示部81と、第2の表示部82とを含む。第1の表示部81は、組織の各メンバー間のコミュニケーションのクオリティを0〜100点のスコアで表示する部分である。0点がコミュニケーションのクオリティが最悪であることを示しており、100点がコミュニケーションのクオリティが最高であることを示している。第2の表示部82は、各個人のコミュニケーションのクオリティを0〜100点のスコアで表示する部分である。個人のコミュニケーションのクオリティは、個人と組織の各メンバーとのコミュニケーションのクオリティに応じて決定され得る。
結果表示画面80は、コミュニケーションのクオリティが低いほど濃い色でスコアを表示している。これにより、結果表示画面80を閲覧する者は、誰と誰とのコミュニケーションが悪いという情報を視覚的に容易に認識することができる。
結果表示画面80は、組織のマネージャのコミュニケーションのクオリティ、および、マネージャと各メンバーとの間のコミュニケーションのクオリティも表示している。これにより、結果表示画面80を閲覧する者は、組織のメンバー間の関係のみならず、組織のメンバーとマネージャとの間の関係も定量的に把握することができ、その組織の状況を客観的に捉えることができる。
上述した例では、相手を意識したコミュニケーションができたかどうかの評価を行うことを説明したが、本発明はこれに限定されない。相手に対して行ったコミュニケーションについて、任意の観点から評価を行うことも本発明の範囲内である。例えば、TPOを考慮したコミュニケーションができたかどうかの評価を行うようにしてもよいし、コミュニケーションができたかどうかの漠然とした評価を行うようにしてもよい。
上述した例では、仕事上の組織におけるメンバーの特性を分析し、仕事上のコミュニケーションについてアドバイスを提供すること、および、仕事上のコミュニケーションのクオリティを評価することを説明したが、本発明はこれに限定されない。任意の組織におけるメンバーの特性を分析し、任意の場面におけるコミュニケーションについてのアドバイスを提供することができ、任意の場面におけるコミュニケーションのクオリティを評価することができる。例えば、スポーツチームにおけるメンバーの特性を分析し、スポーツの試合または練習の場におけるコミュニケーションについてのアドバイスを提供し、スポーツの試合または練習の場におけるコミュニケーションのクオリティを評価するようにしてもよい。例えば、学校のクラスのメンバーの特性を分析し、学校生活におけるコミュニケーションについてのアドバイスを提供し、学校生活におけるコミュニケーションのクオリティを評価するようにしてもよい。
以下では、上述したように、コミュニケーションについてのアドバイスを提供することができ、または、コミュニケーションの質を評価することができる本発明のコンピュータシステム100について説明する。
2.コンピュータシステム100の構成
図4Aは、コミュニケーションについてのアドバイスを提供することができ、または、コミュニケーションの質を評価することができる本発明のコンピュータシステム100の構成の一例を示す。
コンピュータシステム100は、インターフェース部110と、プロセッサ部120と、メモリ130部とを備える。コンピュータシステム100は、データベース部200に接続されている。
インターフェース部110は、コンピュータシステム100の外部と情報のやり取りを行う。コンピュータシステム100のプロセッサ部120は、インターフェース部110を介して、コンピュータシステム100の外部から情報を受信することが可能であり、コンピュータシステム100の外部に情報を送信することが可能である。インターフェース部110は、任意の形式で情報のやり取りを行うことができる。
インターフェース部110は、例えば、コンピュータシステム100に情報を入力することを可能にする入力部を備える。入力部が、どのような態様でコンピュータシステム100に情報を入力することを可能にするかは問わない。例えば、入力部がタッチパネルである場合には、ユーザがタッチパネルにタッチすることによって情報を入力するようにしてもよい。あるいは、入力部がマウスである場合には、ユーザがマウスを操作することによって情報を入力するようにしてもよい。あるいは、入力部がキーボードである場合には、ユーザがキーボードのキーを押下することによって情報を入力するようにしてもよい。あるいは、入力部がマイクである場合には、ユーザがマイクに音声を入力することによって情報を入力するようにしてもよい。あるいは、入力部がカメラである場合には、カメラが撮像した情報を入力するようにしてもよい。あるいは、入力部がデータ読み取り装置である場合には、コンピュータシステム100に接続された記憶媒体から情報を読み取ることによって情報を入力するようにしてもよい。あるいは、入力部が受信器である場合、受信器がネットワークを介してコンピュータシステム100の外部から情報を受信することにより入力してもよい。この場合、ネットワークの種類は問わない。例えば、受信器は、インターネットを介して情報を受信してもよいし、LANを介して情報を受信してもよい。
インターフェース部110は、例えば、コンピュータシステム100から情報を出力することを可能にする出力部を備える。出力部が、どのような態様でコンピュータシステム100から情報を出力することを可能にするかは問わない。例えば、出力部が表示画面である場合、表示画面に情報を出力するようにしてもよい。あるいは、出力部がスピーカである場合には、スピーカからの音声によって情報を出力するようにしてもよい。あるいは、出力部がデータ書き込み装置である場合、コンピュータシステム100に接続された記憶媒体に情報を書き込むことによって情報を出力するようにしてもよい。あるいは、出力部が送信器である場合、送信器がネットワークを介してコンピュータシステム100の外部に情報を送信することにより出力してもよい。この場合、ネットワークの種類は問わない。例えば、送信器は、インターネットを介して情報を送信してもよいし、LANを介して情報を送信してもよい。
プロセッサ部120は、コンピュータシステム100の処理を実行し、かつ、コンピュータシステム100全体の動作を制御する。プロセッサ部120は、メモリ部130に格納されているプログラムを読み出し、そのプログラムを実行する。これにより、コンピュータシステム100を所望のステップを実行するシステムとして機能させることが可能である。プロセッサ部120は、単一のプロセッサによって実装されてもよいし、複数のプロセッサによって実装されてもよい。
メモリ部130は、コンピュータシステム100の処理を実行するために必要とされるプログラムやそのプログラムの実行に必要とされるデータ等を格納する。メモリ部130は、コミュニケーションについてのアドバイスを提供するための処理、または、コミュニケーションを評価するための処理をプロセッサ部120に行わせるためのプログラム(例えば、後述する図5、図7、図8に示される処理を実現するプログラム)を格納してもよい。ここで、プログラムをどのようにしてメモリ部130に格納するかは問わない。例えば、プログラムは、メモリ部130にプリインストールされていてもよい。あるいは、プログラムは、ネットワークを経由してダウンロードされることによってメモリ部130にインストールされるようにしてもよい。この場合、ネットワークの種類は問わない。メモリ部130は、任意の記憶手段によって実装され得る。
データベース部200には、例えば、ユーザに提供されるアドバイスが格納されている。ユーザに提供されるアドバイスは、例えば、ユーザの特性と関連付けられて格納され得る。例えば、ユーザの特性が少なくとも4つの観点を含む場合、ユーザに提供されるアドバイスは、少なくとも4つの観点のうちの少なくとも1つと関連付けられて格納される。例えば、データベース部200には、各観点について、その観点の値が低いユーザのためのアドバイス、その観点の値が中程度のユーザのためのアドバイス、その観点の値が高いユーザのためのアドバイス等が格納されてもよい。例えば、データベース部200には、各観点について、その観点の値の差異が大きいユーザ/チームのためのアドバイス、その観点の値の差異が小さいユーザ/チームのためのアドバイス等が格納されてもよい。例えば、少なくとも4つの観点のそれぞれが複数の項目に細分される場合、ユーザに提供されるアドバイスは、少なくとも4つの観点のそれぞれの複数の項目のうちの少なくとも1つと関連付けられて格納される。例えば、データベース部200には、各観点の複数の項目のそれぞれについて、その項目の値が低いユーザのためのアドバイス、その項目の値が中程度のユーザのためのアドバイス、その項目の値が高いユーザのためのアドバイス等が格納されてもよい。例えば、データベース部200には、各観点の複数の項目のそれぞれについて、その項目の値の差異が大きいユーザ/チームのためのアドバイス、その項目の値の差異が小さいユーザ/チームのためのアドバイス等が格納されてもよい
図4Aに示される例では、データベース部200は、コンピュータシステム100の外部に設けられているが、本発明はこれに限定されない。データベース部200をコンピュータシステム100の内部に設けることも可能である。このとき、データベース部200は、メモリ部130を実装する記憶手段と同一の記憶手段によって実装されてもよいし、メモリ部130を実装する記憶手段とは別の記憶手段によって実装されてもよい。いずれにせよ、データベース部200は、コンピュータシステム100のための格納部として構成される。データベース部200の構成は、特定のハードウェア構成に限定されない。例えば、データベース部200は、単一のハードウェア部品で構成されてもよいし、複数のハードウェア部品で構成されてもよい。例えば、データベース部200は、コンピュータシステム100の外付けハードディスク装置として構成されてもよいし、ネットワークを介して接続されるクラウド上のストレージとして構成されてもよい。
図4Bは、プロセッサ部120の構成の一例を示す。
プロセッサ部120は、受信手段121と、出力手段122とを少なくとも備える。
受信手段121は、少なくとも1人のユーザの特性を受信する第1の受信手段1211を含み得る。第1の受信手段1211は、例えば、インターフェース部110を介してコンピュータシステム100に入力されたユーザの特性を、インターフェース部110から受信してもよいし、プロセッサ部120が備え得る決定手段123が決定したユーザの特性を、決定手段123から受信してもよい。このとき、決定手段123は、インターフェース部110を介してコンピュータシステム100に入力されたデータをインターフェース部110から受信し得る。
受信手段121は、ユーザが複数の状況のうちのある状況下にあることを示す通知を受信する第2の受信手段1212を含み得る。第2の受信手段1212は、例えば、インターフェース部110を介してコンピュータシステム100に入力されたデータに応じて、通知を受信し得る。ユーザが複数の状況のうちのある状況下にあることを示す通知は、例えば、ユーザが、良い状況にあることを示す通知、悪い状況にあることを示す通知を含む。複数の状況は、例えば、仕事をするうえで直面する複数の状況であり得、例えば、図2Aに示されるように、「計画通りに業務を進めることにおいて困っている状況」、「計画通りに業務を進めることにおいて順調に進んでいる状況」、「業務のやり方や進め方において困っている状況」、「業務のやり方や進め方において順調に進んでいる状況」等を含み得るがこれに限定されない。
受信手段121は、ユーザ間のコミュニケーションを評価した結果を受信する第3の受信手段1213を含み得る。第3の受信手段1213は、例えば、インターフェース部110を介してコンピュータシステム100に提供された入力に応じて、ユーザ間のコミュニケーションを評価した結果を受信し得る。ユーザ間のコミュニケーションを評価した結果は、例えば、自分が他人に対して行ったコミュニケーションを自身で評価した結果、他人が自分に対して行ったコミュニケーションを自身で評価した結果を含む。第3の受信手段1213は、自分が他人に対して行ったコミュニケーションを自身で評価した結果、他人が自分に対して行ったコミュニケーションを自身で評価した結果をまとめて受信するようにしてもよいし、別個に受信するようにしてもよい。別個に受信する場合には、第3の受信手段1213は、複数の受信手段によって構成されるようにしてもよい。
受信手段121の第1の受信手段1211、第2の受信手段1212、第3の受信手段1213は、同一の受信手段によって構成されてもよいし、複数の受信手段によって構成されてもよい。
出力手段122は、情報処理を行い、特定の出力を提供する。出力手段122からの出力は、インターフェース部110を介してコンピュータシステム100の外部に出力され得る。
出力手段122は、例えば、プロセッサ部120が備え得る比較手段124から提供された比較結果に基づいて出力を提供する。このとき、出力手段122は、比較手段124から提供された二人のユーザの特性の差異に基づいて、二人のユーザ間のコミュニケーションについてのアドバイスを出力してもよいし、比較手段124から提供された二人のユーザの特性の共通点に基づいて、二人のユーザ間のコミュニケーションについてのアドバイスを出力してもよい。出力手段122は、例えば、比較手段124から提供された比較結果を出力するようにしてもよい。このとき、出力手段122は、インターフェース部110を介して、比較結果を、例えば、図式的に出力してもよいし、文字で出力してもよいし、音声で出力してもよい。
出力手段122は、例えば、受信手段121から提供された通知が示す状況と、受信手段121から提供されたユーザの特性とに基づいて、出力を提供する。このとき、出力手段122は、受信手段121から提供された通知が示す状況におけるユーザに伝えるべきフレーズおよび伝えるべきではないフレーズを出力してもよい。出力手段122は、受信手段121から提供された通知が示す、通知のトリガとなった入力を行ったユーザの情報、例えば、ユーザの数、ユーザの名前等を出力してもよい。
出力手段122は、例えば、受信手段121から提供されたユーザ間のコミュニケーションを評価した結果に基づいて、出力を提供する。このとき、出力手段122は、ユーザ間のコミュニケーションの達成度と、コミュニケーションに対するユーザ間の認識の相違とを単一の指標で出力する。単一の指標は、例えば、0〜100等の数値であってもよく、◎○△●×等の段階を表す記号であってもよいが、好ましくは0〜100の数値であり得る。指標の高低を容易に認識することができるからである。単一の指標は、ユーザ間のコミュニケーションの質を表すことになる。
上述したように、プロセッサ部120は、決定手段123と、比較手段124とを備え得る。
決定手段123は、インターフェース部110を介してコンピュータシステム100に入力されたデータをインターフェース部110から受信し、そのデータからユーザの特性を決定する。決定手段123は、例えば、少なくとも4つの観点についてユーザの特性を決定する。4つの観点は、例えば、図1Bおよび図1Cを参照して上述した、欲求の特性、脳内伝達物質の特性、拘りの特性、ストレスの感じ方の特性であり得る。決定手段123は、上記4つの観点に変えて、または加えて、他の観点からユーザの特性を決定するようにしてもよい。
決定手段123に提供されるデータは、例えば、図1Aに示されるようなユーザに対する質問の回答結果を示すデータであってもよいし、例えば、ユーザの動作を示すデータであってもよい。ユーザの動作を示すデータは、例えば、カメラまたはマイクで捕捉されたデータから抽出され得る。カメラまたはマイクで捕捉されたデータからユーザの動作を示すデータを抽出する技術は、例えば、公知の動作認識技術、音声認識技術を用いて達成され得る。
比較手段124は、受信手段121から提供された少なくとも二人のユーザの特性を相互に比較する。比較手段124は、例えば、少なくとも4つの観点について、少なくとも二人のユーザの特性を相互に比較する。4つの観点は、例えば、図1Bおよび図1Cを参照して上述した、欲求の特性、脳内伝達物質の特性、拘りの特性、ストレスの感じ方の特性であり得る。比較手段124は、例えば、少なくとも二人のユーザの特性の共通点を特定するようにしてもよいし、少なくとも二人のユーザの特性の相違点を特定するようにしてもよい。比較手段124は、例えば、少なくとも二人のユーザの特性が共通する程度を算出するようにしてもよいし、少なくとも二人のユーザの特性の相違する程度を算出するようにしてもよい。
なお、上述したコンピュータシステム100の各構成要素は、単一のハードウェア部品で構成されていてもよいし、複数のハードウェア部品で構成されていてもよい。複数のハードウェア部品で構成される場合は、各ハードウェア部品が接続される態様は問わない。各ハードウェア部品は、無線で接続されてもよいし、有線で接続されてもよい。本発明のコンピュータシステム100は、特定のハードウェア構成には限定されない。プロセッサ部120をデジタル回路ではなくアナログ回路によって構成することも本発明の範囲内である。本発明のコンピュータシステム100の構成は、その機能を実現できる限りにおいて上述したものに限定されない。
3.コンピュータシステム100による処理
図5は、コンピュータシステム100において行われる、コミュニケーションについてのアドバイスを提供するための処理500の一例を示す。コンピュータシステム100は、処理500を行うことによって、二人のユーザがどのようなコミュニケーションをとるべきかのアドバイスを提供することができる。アドバイスは、例えば、その二人のユーザまたは組織の管理者に提供され得る。
ステップS501において、プロセッサ部120の受信手段121が、複数のユーザの特性を受信する。受信手段121は、インターフェース部110を介して入力された複数のユーザの特性を受信してもよいし、受信手段121は、インターフェース部110を介して入力されたデータに基づいて決定手段123が決定した複数のユーザの特性を受信してもよい。
ユーザの特性は、例えば、少なくとも4つの観点を有し得る。4つの観点は、例えば、欲求の特性、脳内伝達物質の特性、拘りの特性、ストレスの感じ方の特性であり得る。ユーザ特性は、例えば、少なくとも4つの観点についてインターフェース部110を介して入力されるようにしてもよいし、決定手段123によって少なくとも4つの観点について決定されるようにしてもよい。決定手段123は、例えば、インターフェース部110を介して入力されたデータと、少なくとも4つの観点とを関連付ける対応表を用いて、ユーザの特性を決定する。
図6は、ユーザの特性を決定するための対応表600の一例である。
対応表600は、図1Aに示されるアンケート表10における各質問の選択肢と、4つの観点についてのユーザの特性とを関連付ける。縦欄に各質問の選択肢が示されており、横欄に4つの観点についてのユーザの特性が示されている。
4つの観点の各々は、複数の項目に細分されている。例えば、欲求の特性は、「目標を達成したい」、「難しい問題を解きたい」等の6つの項目に細分されている。例えば、拘りの特性は、「気持ち」、「つながり」等の7つの項目に細分されている。これらの項目は、例えば、図1Bおよび図1Cの第2の表示部22、第3の表示部23、第5の表示部25、および第6の表示部26に表示される項目に対応し得る。
対応表600では、各質問の選択肢に、各項目に対する素点が割り振られており、各質問の選択肢に応じて、各項目に素点が加算されていくようになっている。例えば、質問1に対して「メディアで話題になりそうな案件」と回答すると、選択肢「メディアで話題になりそうな案件」に割り振られた素点が各項目に加算され、質問2に対して「チーム内で作戦会議を提案する」と回答すると、選択肢「チーム内で作戦会議を提案する」に割り振られた素点が各項目に加算されるようになっている。このようにして、すべての質問に対する回答された選択肢に割り振られた素点を加算することにより、その項目の点数が算出され、各項目の点数分布によってユーザの特性を決定することができる。なお、素点を加算する際に、点数の入りやすさを考慮して重みづけをすることにより、より精度よく点数を算出できるようになる。また、各質問の選択肢のそれぞれに、複数の項目が関連付けられて素点を割り振られている。これにより、ユーザが、妥当な回答や推奨される回答を意識して回答するようなバイアスのかかった回答を低減することができ、より精度を高くユーザの特性を決定できるようになっている。
対応表600における素点の割り振りは、組織毎に変更するようにしてもよいし、組織毎に不変であってもよい。また、組織の状況に応じて、または、経時的に変動するようにしてもよいし、不変であってもよい。質問の選択肢と各項目とが適切に相関するように素点を割り振るように留意すべきである。
図6に示される例では、図1Aに示されるアンケート表10における各質問の選択肢を4つの観点と関連付けることを説明したが、4つの観点と関連付けられる対象は、各質問の選択肢に限定されない。4つの観点と関連付けられる対象は、インターフェース部110を介して入力され得るデータからユーザの特性を決定できる限り任意のものであり得る。例えば、ユーザの動作が4つの観点と関連付けられ得る。例えば、ユーザの特定の発言、特定の所作等に、各項目に対する素点を割り振るようにしてもよい。これにより、例えば、ユーザをカメラおよびマイクを用いて観察し、特定の発言が認識されたときに、その特定の発言に割り振られた素点を加算し、特定の所作が認識されたときに、その特定の所作に割り振られた素点を加算することにより、その項目の点数が算出され、各項目の点数分布によってユーザの特性を決定することができる。
図5を再び参照して、受信手段121が複数のユーザの特性を受信すると、次いで、ステップS502において、プロセッサ部120の比較手段124が、複数のユーザのうちの二人のユーザの特性を相互に比較する。比較手段124は、例えば、少なくとも4つの観点について二人のユーザの特性を相互に比較する。ここで、少なくとも4つの観点は、決定手段123によって決定されたユーザ特性の少なくとも4つの観点と同一であってもよいし、異なるものであってもよい。少なくとも4つの観点の各々は、複数の項目に細分され得る。
比較手段124は、例えば、少なくとも4つの観点のそれぞれについて、二人のユーザ間で比較するようにしてもよいし、少なくとも4つの観点の各々の複数の項目のそれぞれについて、二人のユーザ間で比較するようにしてもよい。少なくとも4つの観点の各々の複数の項目のそれぞれが、対応表600を用いてユーザの特性が決定される場合のように点数化されている場合には、単純に点数を比較することができるため、比較が容易となる。
比較手段124は、例えば、少なくとも4つの観点のうち、二人のユーザ間で差異が最も大きい観点を決定し、差異の程度も決定するようにしてもよいし、少なくとも4つの観点のそれぞれについて、複数の項目のうち、二人のユーザ間で差異が最も大きい項目を決定し、差異の程度も決定するようにしてもよい。比較手段124は、例えば、少なくとも4つの観点のうち、所定の閾値を超える差異の程度を有する観点を決定するようにしてもよいし、少なくとも4つの観点の少なくとも1つについて、複数の項目のうち、所定の閾値を超える差異の程度を有する観点を決定するようにしてもよい。比較手段124は、少なくとも4つの観点を差異が大きい順に順位付けするようにしてもよいし、少なくとも4つの観点の少なくとも1つについて、複数の項目を差異が大きい順に順位付けするようにしてもよい。比較手段124は、例えば、少なくとも4つの観点のうち、二人のユーザ間で共通度が最も大きい観点を決定し、共通度の程度も決定するようにしてもよいし、少なくとも4つの観点のそれぞれについて、複数の項目のうち、二人のユーザ間で共通度が最も大きい項目を決定し、共通度の程度も決定するようにしてもよい。比較手段124は、例えば、少なくとも4つの観点のうち、所定の閾値を超える共通度の程度を有する観点を決定するようにしてもよいし、少なくとも4つの観点のそれぞれについて、複数の項目のうち、所定の閾値を超える共通度の程度を有する観点を決定するようにしてもよい。比較手段124は、少なくとも4つの観点を共通度が大きい順に順位付けするようにしてもよいし、少なくとも4つの観点の少なくとも1つについて、複数の項目を共通度が大きい順に順位付けするようにしてもよい。
ステップS503では、プロセッサ部120の出力手段122が、ステップS502での比較に基づいて、二人のユーザ間のコミュニケーションについてのアドバイスを出力する。出力手段122は、データベース部200に格納されているアドバイスを参照し、二人のユーザ間のコミュニケーションについてのアドバイスを出力する。出力手段122は、例えば、インターフェース部110を介して、コンピュータシステム100の外部にアドバイスを出力することができる。
例えば、出力手段122は、ステップS502で二人のユーザ間で差異が最も大きいと決定された観点、または、差異の程度が所定の閾値を超えると決定された観点に関連付けられたアドバイスをデータベース部200から取得し、出力する。例えば、出力手段122は、少なくとも4つの観点の少なくとも1つについて、ステップS502で二人のユーザ間で差異が最も大きいと決定された項目、または、差異の程度が所定の閾値を超えると決定された項目に関連付けられたアドバイスをデータベース部200から取得し、出力する。例えば、出力手段122は、ステップS502で二人のユーザ間で共通度が最も大きいと決定された観点、または、共通度の程度が所定の閾値を超えると決定された観点に関連付けられたアドバイスをデータベース部200から取得し、出力する。例えば、出力手段122は、少なくとも4つの観点の少なくとも1つについて、ステップS502で二人のユーザ間で共通度が最も大きいと決定された項目、または、共通度の程度が所定の閾値を超えると決定された項目に関連付けられたアドバイスをデータベース部200から取得し、出力する。
例えば、出力手段122は、ステップS502で二人のユーザ間で差異が大きいと決定された複数の観点の組み合わせに関連付けられたアドバイス、または、ステップS502で二人のユーザ間で差異が大きいと決定された複数の項目の組み合わせに関連付けられたアドバイスをデータベース部200から取得し、出力するようにしてもよい。例えば、出力手段122は、ステップS502で二人のユーザ間で共通度が大きいと決定された複数の観点の組み合わせに関連付けられたアドバイス、または、ステップS502で二人のユーザ間で共通度が大きいと決定された複数の項目の組み合わせに関連付けられたアドバイスをデータベース部200から取得し、出力するようにしてもよい。
このようにして出力されたアドバイスは、例えば、図1Dに示される結果表示画面30の第1の表示部31または図示しない第4の表示部に表示され得る。ステップS502での比較結果は、例えば、図1Dに示される結果表示画面30の第2の表示部32、第3の表示部33、または、図示しない第5の表示部、第6の表示部に表示され得る。ステップS502での比較結果は、例えば、レーダーチャート、折れ線グラフ、面グラフ、棒グラフ、円グラフ等の図式的表現、テキスト表現、音声表現等の任意の表現方法で表示され得る。
このように、二人のユーザの特性を比較し、比較に基づいてアドバイスを提供することにより、二人のユーザは、お互いの共通点または差異点を意識してコミュニケーションをすることができるようになる。これにより、二人のユーザ間のコミュニケーションが円滑になり、二人のユーザによる協働が促進され、ひいては、効率の改善につながる。また、組織のマネジメントを効果的にすることを促すことも可能である。
上述した例では、ステップS502で二人のユーザの特性を比較し、ステップS503で二人のユーザ間のコミュニケーションについてのアドバイスを出力することを説明したが、本発明は、これに限定されない。例えば、三人以上のユーザの特性を比較して、三人以上のユーザ間のコミュニケーションについてのアドバイスを出力することも本発明の範囲内である。例えば、ステップS502の代わりのステップS502’において、プロセッサ部120の比較手段124が、複数のユーザのうちの追加のユーザの特性を二人のユーザの特性と相互に比較し、ステップS503の代わりのステップS503’において、プロセッサ部120の出力手段122が、ステップS502’での比較に基づいて、二人のユーザおよび追加のユーザの間のコミュニケーションについてのアドバイスを出力するようにしてもよい。このようにして出力されたアドバイスは、例えば、図1Eに示される結果表示画面40の第1の表示部41または図示しない第4の表示部に表示され得る。ステップS502’での比較結果は、例えば、図1Eに示される結果表示画面40の第2の表示部42、第3の表示部43、または、図示しない第5の表示部、第6の表示部に表示され得る。ステップS502’での比較結果は、例えば、レーダーチャート、折れ線グラフ、面グラフ、棒グラフ、円グラフ等の図式的表現、テキスト表現、音声表現等の任意の表現方法で表示され得る。
図7は、コンピュータシステム100において行われる、コミュニケーションについてのアドバイスを提供するための処理700の一例を示す。コンピュータシステム100は、処理700を行うことによって、特定の状況下のユーザに対してどのようなコミュニケーションをとるべきかのアドバイスを提供することができる。アドバイスは、例えば、マネージャ等の組織の管理者に提供され得る。
ステップS701において、プロセッサ部120の受信手段121が、ユーザの特性を受信する。受信手段121は、インターフェース部110を介して入力されたユーザの特性を受信してもよいし、受信手段121は、インターフェース部110を介して入力されたデータに基づいて決定手段123が決定したユーザの特性を受信してもよい。ステップS701の処理は、ステップS501の処理と同様である。
ユーザが複数の状況のうちのある状況下にあることの報告がインターフェース部110を介してコンピュータシステム100に入力されると、ステップS702において、プロセッサ部120の受信手段121が、ユーザが複数の状況のうちのある状況下にあることを示す通知を受信する。
ユーザが複数の状況のうちのある状況下にあることの報告は、例えば、図2に示される報告画面50における選択ボタン52を選択することによって入力され得る。図2を参照して上述したように、報告は、組織における他のメンバーに関するものであってもよいし、自身に関するものであってもよい。
ユーザが複数の状況のうちのある状況下にあることを示す通知は、例えば、状況についての情報、報告を入力したユーザの情報(例えば、ユーザの数、ユーザの名前)等を含み得る。
ステップS703において、プロセッサ部120の出力手段122は、状況とユーザの特性とに基づいて、ユーザに伝えるべきフレーズおよびユーザに伝えるべきではないフレーズを出力する。出力手段122は、データベース部200に格納されているアドバイスを参照し、ユーザに伝えるべきフレーズおよびユーザに伝えるべきではないフレーズを出力する。出力手段122は、例えば、インターフェース部110を介して、コンピュータシステム100の外部にユーザに伝えるべきフレーズおよびユーザに伝えるべきではないフレーズを出力することができる。
例えば、複数の状況のそれぞれにユーザの特性が関連付けられており、ステップS502で受信された通知が示すユーザの状況に関連付けられているユーザの特性に関連付けられたアドバイスをデータベース部200から取得し、ユーザに伝えるべきフレーズおよびユーザに伝えるべきではないフレーズとして出力する。ユーザの特性が上述したように複数の項目に細分される場合には、例えば、複数の状況のそれぞれにユーザの特性の複数の項目のうちの少なくとも1つが関連付けられ得、ステップS502で受信された通知が示すユーザの状況に関連付けられている複数の項目のうちの少なくとも1つに関連付けられたアドバイスをデータベース部200から取得し、ユーザに伝えるべきフレーズおよびユーザに伝えるべきではないフレーズとして出力する。なお、複数の状況のそれぞれにユーザの特性の複数の項目のうちの2以上の項目が関連付けられていることが好ましい。2以上の項目の組み合わせに関連付けられたアドバイスを取得することができるため、よりユーザの特性に合ったアドバイスを提供することができるようになるからである。
例えば、計画どおりに業務を進めることに困っているという状況は、ユーザの特性のうち、欲求の特性の「目標達成したい」の項目、拘りの特性の「進捗管理」の項目、拘りの特性の「完璧度」の項目、ストレスの感じ方の特性の「計画を決めておく」の項目、ストレスの感じ方の特性の「頻度の高い報告・相談」の項目に関連付けられ得る。ステップS502で受信された通知が示すユーザの状況が、計画どおりに業務を進めることに困っているという状況である場合、ユーザの特性のうち、欲求の特性の「目標達成したい」の項目、拘りの特性の「進捗管理」の項目、拘りの特性の「完璧度」の項目、ストレスの感じ方の特性の「計画を決めておく」の項目、ストレスの感じ方の特性の「頻度の高い報告・相談」の項目の値を参照し、それぞれの項目の値に関連付けられたアドバイスをデータベース部200から取得し、ユーザに伝えるべきフレーズおよびユーザに伝えるべきではないフレーズとして出力することができる。
このようにして出力されたアドバイスは、例えば、図2Bに示される通知画面60の第1のフレーズ表示部62および第2のフレーズ表示部63に表示され得る。ステップS502で受信された通知が示すユーザ情報は、例えば、図2Bに示される通知画面60の報告者表示部61に表示され得る。
このように、ユーザが置かれている状況と、ユーザの特性とに基づいてアドバイスを提供することにより、特定の状況下のユーザに対してどのようなコミュニケーションをとるべきかのアドバイスを提供することができる。組織の管理者は、経験則や感覚、主観的な認識等の不確定な変動要素に基づくのではなく、客観的な分析に基づいたアドバイスを受けることにより、組織のメンバーとの適切なコミュニケーションをすることができるようになる。これにより、組織の管理者と組織のメンバーとのコミュニケーションが円滑になり、組織のメンバーによる協働が促進され、ひいては、効率の改善につながる。また、組織のマネジメントを効果的にすることを促すことも可能である。
なお、処理700では、ステップS701の後にステップS702を行うように説明したが、ステップS701とステップS702との順序はこれに限定されず、ステップS702の後にステップS701を行うようにしてもよい。
なお、上述した例では、ステップS703において、ユーザに伝えるべきフレーズおよびユーザに伝えるべきではないフレーズの2種類のフレーズを出力することを説明したが、本発明はこれに限定されない。これらのフレーズに加えて他のフレーズを出力するようにしてもよいし、これらのフレーズを細分化して出力するようにしてもよい。例えば、ステップS703において、ユーザに伝えなければならないフレーズ、および、ユーザに伝えてはいけないフレーズを出力するようにしてもよい。例えば、ステップS703において、ユーザが力を発揮できるようにするためにユーザに伝えるべきフレーズ、ユーザがストレスを少なくしながら働くことができるようにするためにユーザに伝えるべきフレーズ、ユーザが力を発揮できるようにするためにユーザに伝えるべきではないフレーズ、ユーザがストレスを少なくしながら働くことができるようにするためにユーザに伝えるべきではないフレーズを出力するようにしてもよい。
図8は、コンピュータシステム100において行われる、コミュニケーションを評価するための処理800の一例を示す。コンピュータシステム100は、処理800を行うことによって、ユーザ間のコミュニケーションの質を評価することができる。コミュニケーションの質の評価結果は、例えば、組織の管理者に提供され得る。
ステップS801において、プロセッサ部120の受信手段121が、第1のユーザが第2のユーザに対して行ったコミュニケーションを第1のユーザが評価した第1の結果と、第1のユーザが第2のユーザに対して行ったコミュニケーションを第2のユーザが評価した第2の結果とを受信する。受信手段121は、インターフェース部110を介して入力された第1の結果および第2の結果を受信する。第1の結果は、例えば、図3Aに示される第1のユーザ(AAAさん)のための評価画面70−1における評価選択ボタン72を選択することによって入力され得る。第2の結果は、例えば、図3Bに示される評価画面70−2対応する第2のユーザ(BBBさん)のための評価画面における評価選択ボタンを選択することによって入力され得る。
第1の結果および第2の結果が受信されると、ステップS802において、プロセッサ部120の出力手段122が、第1の結果および第2の結果に基づいて、第1のユーザと第2のユーザとの間のコミュニケーションの達成度と、第1のユーザと第2のユーザとの間のコミュニケーションに対する認識の相違とを単一の指標で出力する。出力手段122は、例えば、インターフェース部110を介して、コンピュータシステム100の外部に指標を出力することができる。
出力手段122は、例えば、第1の結果または第2の結果が高いほど指標が高くなり、かつ、第1の結果と第2の結果との差異が小さいほど指標が高くなるように、指標を決定する。第1の結果または第2の結果が高いほど第1のユーザと第2のユーザとの間のコミュニケーションの達成度が高いと言え、かつ、第1の結果と第2の結果との差異が小さいほど第1のユーザと第2のユーザとの間のコミュニケーションに対する認識の差異が小さいと言えるからである。第1のユーザと第2のユーザとの間のコミュニケーションの達成度が高く、かつ、第1のユーザと第2のユーザとの間のコミュニケーションに対する認識の差異が小さいほど、コミュニケーションの質が高いと言える。出力手段は、例えば、上述した関係で第1の結果と第2の結果とを関連付ける対応表を用いて指標を決定し、出力することができる。
図9は、指標を決定するための対応表900の一例を示す。
対応表900は、第1の結果と第2の結果とを関連付ける。縦欄に第1の結果(第1のユーザが評価した結果)が示されており、横欄に第2の結果(第2のユーザが評価した結果)が示されている。表中の値が、第1の結果と第2の結果との組み合わせによって決定される指標を示している。対応表900は、第1の結果が高いほど指標が高くなり、第2の結果が高いほど指標が高くなり、第1の結果と第2の結果との差異が小さいほど指標が高くなるように構成されている。なお、第1の結果または第2の結果が0であることは、コミュニケーションがなかったことを示し、コミュニケーションを評価するに値しないので、意図的に低い指標としている。また、第1の結果および第2の結果の両方が0であることは、コミュニケーションが全くなかったことを示し、コミュニケーションを評価できないので、ブランクとなっている。
例えば、ステップS801で、第1のユーザが第2のユーザに対して行ったコミュニケーションを第1のユーザが−5〜+5の11段階のうちの−1と評価し、第1のユーザが第2のユーザに対して行ったコミュニケーションを第2のユーザが+4と評価した場合、第1の結果−1と、第2の結果+4とを受信する。このとき、対応表900において、(第1の結果,第2の結果)=(−1,+4)に対応する値は42であるので、指標が42であると決定され、出力される。
このようにして出力された指標は、例えば、図3Cに示される結果表示画面80の第1の表示部81に表示され得る。この指標は、第1のユーザが第2のユーザに対して行ったコミュニケーションの質を表し得る。
上述した例では、第1のユーザが第2のユーザに対して行ったコミュニケーションを第1のユーザまたは第2のユーザが評価した結果に基づいて指標を出力することを説明したが、第1のユーザが第2のユーザに対して行ったコミュニケーションを第1のユーザまたは第2のユーザが評価した結果に加えて、第2のユーザが第1のユーザに対して行ったコミュニケーションを第1のユーザまたは第2のユーザが評価した結果に基づいて指標を出力するようにしてもよい。双方向のコミュニケーションに対する評価に基づいて指標を出力するようになるので、出力される指標の精度の向上させることができる。
この場合、ステップS801の代わりのステップS801’において、第1の結果および第2の結果を受信することに加えて、第2のユーザが第1のユーザに対して行ったコミュニケーションを第2のユーザが評価した第3の結果と、第2のユーザが第1のユーザに対して行ったコミュニケーションを第1のユーザが評価した第4の結果とを受信する。受信手段121は、インターフェース部110を介して入力された第3の結果および第4の結果を受信する。第3の結果は、例えば、図3Aに示される評価画面70−1に対応する第2のユーザ(BBBさん)のための評価選択ボタンを選択することによって入力され得る。第4の結果は、例えば、図3Bに示される評価画面70−2における評価選択ボタン74を選択することによって入力され得る。
第1の結果および第2の結果に加えて、第3の結果および第4の結果が受信されると、ステップS802の代わりのステップS802’において、プロセッサ部120の出力手段122が、第1の結果、第2の結果、第3の結果、および第4の結果に基づいて、第1のユーザと第2のユーザとの間のコミュニケーションの達成度と、第1のユーザと第2のユーザとの間のコミュニケーションに対する認識の相違とを単一の指標で出力する。出力手段122は、例えば、インターフェース部110を介して、コンピュータシステム100の外部に指標を出力することができる。出力手段122は、例えば、上述した対応表900を用いて指標を決定し、出力することができる。
例えば、ステップS801’で、第1のユーザが第2のユーザに対して行ったコミュニケーションを第1のユーザが−5〜+5の11段階のうちの−3と評価し、第1のユーザが第2のユーザに対して行ったコミュニケーションを第2のユーザが−2と評価し、第2のユーザが第1のユーザに対して行ったコミュニケーションを第2のユーザが+2と評価し、第2のユーザが第1のユーザに対して行ったコミュニケーションを第1のユーザが+1と評価した場合、第1の結果−3と、第2の結果−2と、第3の結果+2と、第4の結果+1とを受信する。このとき、対応表900において、(第1の結果,第2の結果)=(−3,−2)に対応する値は43であるので、第1の結果および第2の結果に基づく第1の指標が43であると決定される。また、対応表900において、(第3の結果,第4の結果)=(+2,+1)に対応する値は68であるので、第3の結果および第4の結果に基づく第2の指標が68であると決定される。
出力手段122は、決定された第1の指標および第2の指標に基づいて、指標を決定する。例えば、出力手段122は、第1の指標および第2の指標を平均することにより指標を決定するようにしてもよい。あるいは、出力手段122は、第1の指標および第2の指標のうちの大きい方または小さい方を指標として決定するようにしてもよい。例えば、上述した例では、出力手段122は、第1の指標43と第2の指標68を平均して、指標が56であると決定してもよいし、指標が43または68であると決定してもよい。
このようにして出力された指標は、第1のユーザと第2のユーザとの間のコミュニケーションの質を表し得、例えば、図3Cに示される結果表示画面80の第1の表示部81に表示され得る。1人のユーザについて、各ユーザとの間の指標を平均したものが、その人のコミュニケーションの質であり、図3Cに示される結果表示画面80の第2の表示部82に表示され得る。
上述した例では、第1のユーザと第2のユーザとの間のコミュニケーションの質を表す指標を出力することを説明したが、組織における他のメンバーにもコミュニケーションを評価させ、評価結果を処理することにより、組織における他のメンバー間のコミュニケーションの質を表す指標を出力することができる。
このように、組織におけるユーザ間のコミュニケーションの質を単一の指標で出力することにより、複数の結果を突き合わせて判断する必要性が排除され、組織内の誰と誰とのコミュニケーションがうまくいっていないかを容易に理解することができる。また、ユーザ間のコミュニケーションの質を単一の指標で、かつ、点数で出力することにより、チーム全体のスコアの算出、メンバー同士のスコアの比較、メンバーとマネージャとのスコアの比較、および、他のチームとの相対的な比較も容易になる。これにより、組織の管理者は、組織の状態を容易に把握することができるようになり、コミュニケーションがうまくいっていない人には優先してアドバイスを提供する等の措置を講じることができる。また、組織のマネジメントを効果的にすることを促すことも可能である。
上述した処理500、700、800のうちの少なくとも2つは、相互に独立して行われてもよいし、並行して、または連続して行われてもよい。例えば、処理500と処理700とが並行してまたは連続して行われる場合には、ステップS501とステップS701とは統合されて1つのステップとして行われてもよい。
例えば、処理500または処理700と処理800とが並行してまたは連続して行われる場合、処理500または処理700のステップS501またはステップS701で受信されたユーザの特性と、処理800のステップS802によって出力された指標とに基づいて、組織におけるメンバーの最適な組み合わせを導出することができる。例えば、チームを編成する際にチームメンバーを決めるとき、回帰分析等を行うことにより、各メンバーの特性がより共通し、かつ、各メンバー間の指標がより高くなるメンバーの組み合わせを導出することができる。例えば、チームのマネージャを決める際に、回帰分析等を行うことにより、チームの他のメンバーと特性がより共通し、かつ、チームの他のメンバーとの間の指標がより高くなるメンバーを導出することができる。例えば、あるマネージャのもとにメンバーを異動させる際に、回帰分析等を行うことにより、そのマネージャと特性がより共通し、かつ、そのマネージャとの間の指標がより高くなるメンバーを導出することができる。
このように、処理500、700、800の結果は、適切な組織編成に応用することができる。
図5、図7、図8を参照して上述した例では、図5、図7、図8に示される各ステップの処理は、プロセッサ部120とメモリ部130に格納されたプログラムとによって実現することが説明されたが、本発明はこれに限定されない。図5、図7、図8に示される各ステップの処理のうちの少なくとも1つは、制御回路などのハードウェア構成によって実現されてもよい。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。