JP2019214133A - インクジェットプリンタ - Google Patents

インクジェットプリンタ Download PDF

Info

Publication number
JP2019214133A
JP2019214133A JP2018110901A JP2018110901A JP2019214133A JP 2019214133 A JP2019214133 A JP 2019214133A JP 2018110901 A JP2018110901 A JP 2018110901A JP 2018110901 A JP2018110901 A JP 2018110901A JP 2019214133 A JP2019214133 A JP 2019214133A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink droplet
ink
nozzle
normal
nozzles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018110901A
Other languages
English (en)
Inventor
吉田 正樹
Masaki Yoshida
正樹 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Roland DG Corp
Original Assignee
Roland DG Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Roland DG Corp filed Critical Roland DG Corp
Priority to JP2018110901A priority Critical patent/JP2019214133A/ja
Publication of JP2019214133A publication Critical patent/JP2019214133A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】インク液滴の吐出速度のバラツキを抑制して安定して印刷することができるインクジェットプリンタを提供する。【解決手段】プリンタ10は、所定の電圧が印加される第1インクヘッド40Aと、第1ノズル41から吐出されたインク液滴に向けて光を照射するストロボ36と、第1ノズル41から吐出されたインク液滴を撮影するカメラ35と、これらを制御する制御装置50とを備えている。制御装置50は、基準インク液滴の第1吐出速度および通常インク液滴の第2吐出速度を算出する吐出速度算出部66と、第1吐出速度および複数の第2吐出速度を平均することによって第1インクヘッド40Aの第1ノズル41全体の第1平均吐出速度を算出する平均吐出速度算出部70と、第1平均吐出速度に基づいて、第1インクヘッド40Aに加える所定の電圧を調整する電圧調整部74と、を備えている。【選択図】図5

Description

本発明は、インクジェットプリンタに関する。
従来から、複数のノズルを有するインクヘッドを備え、インクジェット方式により記録媒体上に所定の印刷を行うインクジェットプリンタが知られている。かかるインクジェットプリンタでは、例えば、インクヘッドは主走査方向に移動可能に構成され、記録媒体は主走査方向と平面視で直交する副走査方向に移動可能に構成されている。
インクヘッドは、副走査方向に並ぶ複数のノズルと、複数のノズルが形成されたノズル面とを有している。インクヘッドに駆動パルス信号が供給されると、ノズルからインク液滴が吐出される。吐出されたインク液滴は、記録媒体に着弾する。これにより、記録媒体上に1つのドットが形成される。そして、このようなドットを記録媒体上に多数形成することにより、画像などが形成される。
ところで、インクジェットプリンタは、通常複数のインクヘッドを備えている。従来は、これら複数のインクヘッドに加える電圧を固定化していた。このため、インクヘッドによっては適切な電圧より高い電圧が加えられることになり、ノズルから吐出されるインク液滴の吐出速度が速くなりすぎることがあった。一方、インクヘッドによっては適切な電圧より低い電圧が加えられることになり、インク液滴の吐出速度が遅くなりすぎることがあった。このように、インクヘッドごとの性能のバラツキが十分に考慮されておらず、安定した状態で印刷することができない虞があった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、インクヘッドに加える電圧を適切な値に設定することによって、インク液滴の吐出速度のバラツキを抑制して安定して印刷することができるインクジェットプリンタを提供することである。
本発明に係るインクジェットプリンタは、所定の方向に並びかつインク液滴を吐出する複数のノズルと、複数の前記ノズルが形成されたノズル面とを有し、所定の電圧が印加されるインクヘッドと、前記ノズルから吐出されたインク液滴に向けて光を照射するストロボと、前記ストロボと同期して作動し、前記ノズルから吐出されたインク液滴を撮影する撮影装置と、前記インクヘッド、前記ストロボおよび前記撮影装置を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記撮影装置によって撮影された画像において、所定の大きさ未満のインク液滴を除き、前記所定の大きさ以上のインク液滴が表示された処理画像を作成する画像処理部と、前記処理画像において、複数の前記ノズルが並ぶ方向をX方向としかつ前記X方向と直交する方向をY方向としたとき、前記所定の大きさ以上のインク液滴のY方向の位置を取得する位置取得部と、前記処理画像の前記X方向の最も端に位置する前記ノズルであって、インク液滴として前記Y方向に連続する複数の基準インク液滴を吐出する前記ノズルを基準ノズルとし、かつ、前記基準ノズル以外の前記ノズルであって、インク液滴として前記Y方向に連続する複数の通常インク液滴を吐出する前記ノズルを通常ノズルとしたとき、前記基準インク液滴ごとかつ前記基準ノズルを起点として前記X方向に並ぶ前記ノズル順に、隣接する前記ノズル間において、前記基準インク液滴に対して前記Y方向に関して所定の第1閾値の範囲内に位置しかつ前記基準インク液滴の前記Y方向の位置に最も近い前記通常インク液滴を第1通常インク液滴として抽出し、かつ、隣接する前記ノズル間において、前記第1通常インク液滴に対して前記Y方向に関して前記所定の第1閾値の範囲内に位置しかつ前記第1通常インク液滴の前記Y方向の位置に最も近い前記通常インク液滴を第2通常インク液滴として抽出し、抽出された前記第1通常インク液滴および前記第2通常インク液滴と、前記基準インク液滴とを含むグループを前記基準インク液滴ごとに設定するグループ設定部と、前記グループごとに前記基準インク液滴および前記第1通常インク液滴および前記第2通常インク液滴の数を計数し、前記基準インク液滴および前記第1通常インク液滴および前記第2通常インク液滴の合計数が所定の数以上の前記グループの中から前記Y方向で前記ノズル面に1番目に近い第1グループと2番目に近い第2グループとを決定する決定部と、前記第1グループのインク液滴と前記第2グループのインク液滴とに基づいて、前記基準ノズルから吐出される前記基準インク液滴の第1吐出速度および前記通常ノズルから吐出される前記通常インク液滴の第2吐出速度を前記通常ノズルごとに算出する吐出速度算出部と、前記第1吐出速度および複数の前記第2吐出速度を平均することによって前記インクヘッドの前記ノズル全体の第1平均吐出速度を算出する平均吐出速度算出部と、前記第1平均吐出速度に基づいて、前記インクヘッドに加える前記所定の電圧を調整する電圧調整部と、を備えている。
本発明に係るインクジェットプリンタによると、各ノズルから吐出されたインク液滴の第1吐出速度および第2吐出速度を平均することによって、第1平均吐出速度を算出する。そして、制御装置の電圧調整部は、第1平均吐出速度に基づいて、インクヘッドに加える所定の電圧を調整する。ここで、第1吐出速度および第2吐出速度を算出するために、ストロボによってノズルから吐出させたインク液滴に向けて光を照射し、撮影装置によってインク液滴を撮影して画像を得る。撮影された画像には、インク液滴の他にサテライト液滴が含まれる。通常は、サテライト液滴の大きさはインク液滴より十分に小さいため、制御装置の画像処理部によって、画像からサテライト液滴を除くことができる。しかしながら、ストロボから照射された光の反射の程度によって、画像処理部は、サテライト液滴をインク液滴と判断することがある。かかる場合に、2つのインク液滴に基づいて吐出速度を算出しようとすると、インク液滴とサテライト液滴とに基づいて吐出速度が算出されてしまい、正確な値を得ることができなくなってしまう。
そこで、グループ設定部は、基準インク液滴ごとに隣接するノズル間で所定の範囲内にあるインク液滴を抽出してグループを設定することにした。そして、制御装置の決定部は、インク液滴の合計数が所定の数以上のグループを決定することにした。サテライト液滴がメイン液滴として判断される頻度はあまり高くないため、誤って画像に残ったサテライト液滴が含まれるグループは、インク液滴の合計数が少なくなる。このため、合計数が所定の数以上のグループでは、インク液滴が確実に検出されていると推定することができる。そして、グループ設定部は、ノズル面に1番目に近い第1グループと2番目に近い第2グループとを決定する。これは、ノズル面に近いほど、風等の影響が少なくインク液滴の吐出速度をより正確に算出することができるためである。このように、第1吐出速度および第2吐出速度は、ノズル面に1番目に近い第1グループのインク液滴と、ノズル面に2番目に近い第2グループのインク液滴とに基づいて算出されるため、第1平均吐出速度をより正確に算出することができる。この結果、インクヘッドにより適切な電圧を印加することできるため、インク液滴の吐出速度のバラツキを抑制して安定して印刷することができる。
本発明によれば、インク液滴の吐出速度のバラツキを抑制して安定して印刷することができるインクジェットプリンタを提供することができる。
一実施形態に係るプリンタの正面図である。 一実施形態に係るキャリッジの記録媒体と対向する側の面の構成を示す模式図である。 一実施形態に係るプリンタの一部を示す平面図である。 一実施形態に係るプリンタのブロック図である。 一実施形態に係るインクヘッドの電圧を調整する手順を示したフローチャートである。 処理画像の一例を示す模式図である。 処理画像の一例を示す模式図である。 処理画像の一例を示す模式図である。 処理画像の一例を示す模式図である。 処理画像の一例を示す模式図である。 処理画像の一例を示す模式図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタ(以下、「プリンタ」という。)について説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら本発明を特に限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。
図1は、本実施形態に係るプリンタ10の正面図である。以下の説明では、プリンタを正面から見たときに、プリンタ10から遠ざかる方を前方、プリンタ10に近づく方を後方とする。左、右、上、下とは、プリンタ10を正面から見たときの左、右、上、下をそれぞれ意味するものとする。また、図面中の符号F、Rr、L、R、U、Dは、それぞれ前、後、左、右、上、下を意味するものとする。また、図面中の符号Yは主走査方向を示している。ここでは、主走査方向Yは左右方向である。符号Xは副走査方向を示している。ここでは、副走査方向Xは前後方向であり、平面視において主走査方向Yと直交している。ただし、上記方向は説明の便宜上定めた方向に過ぎず、プリンタ10の設置態様を何ら限定するものではなく、本発明を何ら限定するものでもない。
プリンタ10は、インクジェット式のプリンタである。プリンタ10は、家庭用のプリンタと比較すると主走査方向Yに長い、いわゆる大型のプリンタである。例えば、プリンタ10は業務用のプリンタである。本実施形態では、プリンタ10は、ロール状の記録媒体5を順次前方に移動させると共に、主走査方向Yに移動するキャリッジ30に搭載された第1インクヘッド40A、第2インクヘッド40Bおよび第3インクヘッド40C(図2参照)からインク液滴を吐出することによって、記録媒体5上に画像を印刷する。
記録媒体5は、例えば、記録紙である。ただし、記録媒体5は、記録紙に限定されない。例えば、記録媒体5には、PVC、ポリエステルなどの樹脂材料から形成されたシート、アルミや鉄等から形成された金属板、ガラス板、木材板等の比較的厚みを有するものが含まれる。
図1に示すように、プリンタ10は、プリンタ本体10aと、脚11と、操作パネル12と、プラテン16と、制御装置50とを備えている。プリンタ本体10aは、主走査方向Yに延びたケーシングを有する。脚11は、プリンタ本体10aを支持するものであり、プリンタ本体10aの下面に設けられている。操作パネル12は、例えばプリンタ本体10aの右側の前面に設けられている。ただし、操作パネル12の位置は特に限定されない。操作パネル12は、例えば、作業者が印刷に関する操作を行うものである。図示は省略するが、操作パネル12には、例えば、解像度、インクの濃さなどの印刷に関する情報や、印刷中のプリンタ10のステータスなどが表示される表示部、および、印刷に関する情報を入力するための入力部などが備えられている。
プラテン16は、記録媒体5への印刷の際、記録媒体5を支持するものである。プラテン16には、記録媒体5が載置される。記録媒体5への印刷は、プラテン16上で行われる。プラテン16は主走査方向Yに延びている。
図1に示すように、プリンタ10は、キャリッジ30と、ヘッド移動機構31とを備えている。ヘッド移動機構31は、プラテン16に載置された記録媒体5に対してキャリッジ30を相対的に主走査方向Yに移動させる機構である。ヘッド移動機構31は、キャリッジ30を主走査方向Yに移動させる。なお、ヘッド移動機構31の構成は特に限定されない。ヘッド移動機構31は、ガイドレール20と、プーリ21と、プーリ22と、無端状のベルト23と、キャリッジモータ24とを備えている。ガイドレール20は、キャリッジ30の主走査方向Yへの移動をガイドするものである。ガイドレール20は、プラテン16の上方に配置されている。ガイドレール20は主走査方向Yに延びている。プーリ21は、ガイドレール20の左端部分に設けられている。プーリ22は、ガイドレール20の右端部分に設けられている。ベルト23は、プーリ21とプーリ22とに巻き掛けられている。右側のプーリ22には、キャリッジモータ24が接続されている。ただし、キャリッジモータ24は、左側のプーリ21に接続されていてもよい。ここでは、キャリッジモータ24が駆動して、プーリ22が回転することで、プーリ21とプーリ22との間においてベルト23が走行する。
キャリッジ30は、ベルト23に取り付けられている。キャリッジ30は、ガイドレール20に係合しており、ガイドレール20に摺動自在に設けられている。キャリッジ30には、第1インクヘッド40A〜第3インクヘッド40C(図2参照)が搭載されている。キャリッジモータ24の駆動によってベルト23が走行して、キャリッジ30が主走査方向Yに移動することに伴い、キャリッジ30に搭載された第1インクヘッド40A〜第3インクヘッド40Cは主走査方向Yに移動する。
プリンタ10は、媒体搬送機構32を備えている。媒体搬送機構32は、プラテン16に載置された記録媒体5をキャリッジ30に対して相対的に副走査方向Xに移動させるものである。ここでは、媒体搬送機構32は、プラテン16に載置された記録媒体5を副走査方向X(図2参照)に移動させる。なお、媒体搬送機構32の構成は特に限定されない。媒体搬送機構32は、グリットローラ25と、ピンチローラ26と、フィードモータ27(図4参照)とを備えている。グリットローラ25は、プラテン16に設けられている。ここでは、グリットローラ25の一部はプラテン16に埋設されている。ピンチローラ26は、記録媒体5を上から押え付けるものである。ピンチローラ26は、グリットローラ25と上下方向で対向するように、グリットローラ25の上方に配置されている。ピンチローラ26は、記録媒体5の厚みに応じて、上下方向に移動可能に構成されていてもよい。なお、グリットローラ25およびピンチローラ26のそれぞれの配置位置および数は特に限定されない。本実施形態では、グリットローラ25およびピンチローラ26は、プラテン16の左端部および右端部にそれぞれ配置されている。フィードモータ27は、グリットローラ25に接続されている。グリットローラ25とピンチローラ26との間に記録媒体5が挟まれた状態で、フィードモータ27が駆動してグリットローラ25が回転すると、記録媒体5は副走査方向Xに搬送される。
図2に示すように、第1インクヘッド40A、第2インクヘッド40Bおよび第3インクヘッド40Cは、前後方向の長さが左右方向の長さよりも長い形状に形成されている。第1インクヘッド40A〜第3インクヘッド40Cは、同じ形状かつ同じ大きさに形成されている。第1インクヘッド40A〜第3インクヘッド40Cは、副走査方向Xに並ぶ複数の第1ノズル41と、副走査方向Xに並ぶ複数の第2ノズル42と、第1ノズル41および第2ノズル42が形成されたノズル面43を備えている。本実施形態では、192個の第1ノズル41と192個の第2ノズル42が設けられている。なお、第1ノズル41および第2ノズル42の数は192個に限定されない。第1ノズル41内および第2ノズル42内は、負圧(大気圧より低い圧力)に設定されている。なお、第1ノズル41および第2ノズル42は微小であるため、図2では複数の第1ノズル41および複数の第2ノズル42を直線で表している。本実施形態では、第1インクヘッド40A〜第3インクヘッド40Cは、第1ノズル41および第2ノズル42の2種類のノズルを備えているが、3種類以上のノズルを備えていてもよい。第1ノズル41および第2ノズル42からは、例えば、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインク、ホワイトインク、ライトシアンインク、ライトマゼンタインク、ライトイエローインク等が吐出される。
第1インクヘッド40A〜第3インクヘッド40Cには、それぞれ所定の電圧が印加される。より詳細には、第1インクヘッド40A〜第3インクヘッド40Cの第1ノズル41および第2ノズル42ごとに、それぞれ所定の電圧が印加される。第1ノズル41および第2ノズル42に印加する電圧を変更することによって、第1ノズル41および第2ノズル42から吐出されるインク液滴の吐出速度が変更される。第1インクヘッド40A〜第3インクヘッド40Cの第1ノズル41および第2ノズル42に印加される電圧は同じであってもよいし異なっていてもよい。通常は、インクヘッド毎に性能にバラツキがあるため、プリンタ10において安定して印刷するためには、各第1ノズル41および第2ノズル42に印加される電圧を異ならせる必要がある。なお、ノズルに電圧を印加するとは、ノズルの上方に配置されたアクチュエータに電圧を印加することを意味する。
第1インクヘッド40A〜第3インクヘッド40Cの第1ノズル41および第2ノズル42からサイズの異なる3種類のインク液滴を吐出することができる。即ち、記録媒体5においてサイズの異なる3種類のドットを形成することができる。これら3種類のドットのことを、サイズの小さい方から順に、小ドット、中ドット、大ドットと称する。小ドットは、例えば、第1の液量(例えばインク質量が凡そ8ng〜凡そ10ng)の第1のインク液滴を第1ノズル41および第2ノズル42から吐出することによって形成される。中ドットは、例えば、第2の液量(例えばインク質量が凡そ12ng〜凡そ16ng)の第2のインク液滴を第1ノズル41および第2ノズル42から吐出することによって形成される。大ドットは、例えば、第3の液量(例えばインク質量が凡そ20ng〜凡そ24ng)の第3のインク液滴を第1ノズル41および第2ノズル42から吐出することによって形成される。
図1に示すように、プリンタ10は、カメラ35と、ストロボ36と、移動装置37とを備えている。カメラ35は、撮影装置の一例である。ストロボ36は、第1ノズル41(図2参照)および第2ノズル42(図2参照)から吐出されたインク液滴に向けて光を照射する。カメラ35は、ストロボ36と同期して作動する。カメラ35は、第1ノズル41および第2ノズル42から吐出されたインク液滴を撮影する。即ち、カメラ35は、ストロボ36から照射された光が第1ノズル41および第2ノズル42から吐出されたインク液滴に反射された瞬間(状態)を撮影するように構成されている。撮影された画像は、制御装置50に送信される。図3に示すように、カメラ35およびストロボ36は、副走査方向Xに移動する移動装置37に搭載されている。移動装置37は、副走査方向Xに延びるガイドレール38に係合している。移動装置37は、駆動モータ37A(図4参照)によってガイドレール38に沿って副走査方向Xに移動する。移動装置37の移動に伴って、カメラ35は第1インクヘッド40A〜第3インクヘッド40Cの右方を副走査方向Xに移動する。ガイドレール38は、プリンタ本体10aに設けられている。ガイドレール38は、キャリッジ30より下方に位置する。ガイドレール38は、プラテン16より右方に位置する。カメラ35およびストロボ36は、印刷時には、キャリッジ30より前方の位置に移動されるように構成されている。
図4に示すように、制御装置50は、記録媒体5への印刷を制御する装置である。制御装置50の構成は特に限定されない。制御装置50は、例えばマイクロコンピュータである。マイクロコンピュータのハードウェアの構成は特に限定されないが、例えば、ホストコンピュータなどの外部機器から印刷データなどを受信するインターフェイス(I/F)と、制御プログラムの命令を実行する中央演算処理装置(CPU:central processing unit)と、CPUが実行するプログラムを格納したROM(read only memory)と、プログラムを展開するワーキングエリアとして使用されるRAM(random access memory)と、プログラムや各種データを格納するメモリなどの記憶装置と、を備えている。図1に示すように、制御装置50は、プリンタ本体10aの内部に設けられている。ただし、制御装置50はプリンタ本体10aの内部に設けられていなくてもよい。例えば、制御装置50は、プリンタ本体10aの外部に設置されたコンピュータなどであってもよい。この場合、制御装置50は、有線または無線を介してプリンタ10と通信可能に接続されている。
図4に示すように、制御装置50は、操作パネル12と、ヘッド移動機構31のキャリッジモータ24と、第1インクヘッド40A〜第3インクヘッド40Cと、媒体搬送機構32のフィードモータ27と、ストロボ36と、カメラ35と、移動装置37の駆動モータ37Aと通信可能に接続しており、これらを制御する。
図4に示すように、制御装置50は、記憶部52と、ヘッド制御部54と、カメラ制御部56と、画像処理部58と、位置取得部60と、グループ設定部62と、決定部64と、吐出速度算出部66と、第1判定部68と、平均吐出速度算出部70と、第2判定部72と、電圧調整部74と、を備えている。これら各部は、プログラムによって実現されている。このプログラムは、例えばCDやDVDなどの記録媒体から読み込まれる。なお、このプログラムは、インターネットを通じてダウンロードされるものであってもよい。また、これら各部は、プロセッサおよび/または回路などによって実現可能なものであってもよい。
記憶部52は、カメラ35によって撮影された画像を記憶する。記憶部52は、画像処理部58によって作成された後述する処理画像58X(図6参照)を記憶する。記憶部52は、第1インクヘッド40A〜第3インクヘッド40Cに印加される電圧を記憶する。
図5は、第1インクヘッド40A〜第3インクヘッド40Cの電圧を調整する手順を示したフローチャートである。ここでは、第1ノズル41および第2ノズル42をそれぞれ副走査方向Xに10分割して10個のノズル群をそれぞれ作成し、10個のノズル群のそれぞれの位置Z後方から前方に向けて1〜10に設定する。Zが1〜9のときに測定対象とされるノズルの数は19であり、Zが10のときに測定対象とされるノズルの数は21である。なお、実際には、Zが1のときにはカメラ35によって22個のノズルが撮影され、Zが2〜10のときにはカメラ35によって24個のノズルが撮影されるが、撮影された画像の端に位置するノズルについては測定対象外としている。例えば、第1インクヘッド40Aの第1ノズル41、第1インクヘッド40Aの第2ノズル42、第2インクヘッド40Bの第1ノズル41、第2インクヘッド40Bの第2ノズル42、第3インクヘッド40Cの第1ノズル41、第3インクヘッド40Cの第2ノズル42の順に印加する電圧を調整する。以下の説明では、第1インクヘッド40Aの第1ノズル41に印加する電圧を調整する場合について説明する。処理開始前には、第1インクヘッド40Aの第1ノズル41には、第1電圧が印加されている。なお、第1インクヘッド40Aの第1ノズル41以外についても、同様の方法で電圧が調整される。
ステップS10において、制御装置50は、作業者からの指示に基づいて、第1インクヘッド40Aの第1ノズル41の電圧を調整する処理を開始する。このとき、制御装置50は、カメラ35の位置Zを1に設定する。
ステップS20において、カメラ制御部56は、移動装置37を制御してカメラ35を位置Z(最初はZ=1)に移動させる。このとき、カメラ制御部56は、位置Zのノズル群の測定対象となる第1ノズル41のうち最も前方に位置する第1ノズル41と最も後方に位置する第1ノズル41を用いてカメラ35のキャリブレーションを行う。例えば、Zが1のときには、1番目の第1ノズル41と19番目の第1ノズル41を用いる。
ステップS30において、ヘッド制御部54は、第1インクヘッド40Aの第1ノズル41からインク液滴を連続的に吐出させる。ここでは、ヘッド制御部54は、例えば、吐出周波数14kHzで、第3インク液滴(即ち大ドット)を第1ノズル41から吐出させる。そして、カメラ制御部56は、ストロボ36を制御して、第1ノズル41から吐出されたインク液滴に向けて光を照射させ、かつ、カメラ35を制御して、ノズル41から吐出された第3のインク液滴を撮影する。カメラ制御部56は、例えば、同一のノズル群について複数回(例えば8回)撮影する。
ステップS40において、画像処理部58は、カメラ35によって撮影された画像において、所定の大きさ未満のインク液滴を除き、所定の大きさ以上のインク液滴が表示された処理画像を作成する。図6は、処理画像58Xの一例である。なお、図6では、説明の便宜上、1番目の第1ノズル41から6番目の第1ノズル41のみを図示している。図7に示すように、画像処理部58は、さらに、処理画像58Xにおいて、各第1ノズル41から吐出されたインク液滴が含まれる領域58Aを設定する。第1ノズル41の領域58A内に存在するインク液滴が、該第1ノズル41から吐出されたインク液滴と推定される。また、画像処理部58は、各第1ノズル41の軸線58Bを処理画像58X内に設定する。これにより、各第1ノズル41から吐出されたインク液滴が下方に向かって真っすぐ吐出されているか、あるいは、曲がって吐出されているかを確認することができる。なお、図6〜図11における数字は、P(ここではPは1〜6)番目の第1ノズル41から吐出されたインク液滴を示す。
ステップS50において、位置取得部60は、処理画像58Xにおいて、複数の第1ノズル41が並ぶ方向をX方向(実際のプリンタ10では副走査方向X)としかつX方向と直交する方向をY方向(実際のプリンタ10では鉛直方向)としたとき、所定の大きさ以上のインク液滴のY方向の位置を取得する。位置取得部60は、ノズル面43を基準にして、処理画像58Xからインク液滴のY方向の位置を取得する。
ステップS60において、グループ設定部62は、基準インク液滴8Aごとにグループ9A、9B(図11参照)を設定する。ここでは、図8に示すように、処理画像58XのX方向の最も端(ここでは右端)に位置する1番目の第1ノズル41を基準ノズルとする。基準ノズルは、インク液滴としてY方向に連続する複数の基準インク液滴8Aを吐出する。また、基準ノズル以外の2番目の第1ノズル41〜6番目の第1ノズル41を通常ノズルとする。通常ノズルは、インク液滴としてY方向に連続する複数の通常インク液滴8Bを吐出する。
グループ設定部62は、基準インク液滴8Aごとかつ基準ノズル(ここでは1番目の第1ノズル41)を起点としてX方向に並ぶ第1ノズル41順に、隣接する第1ノズル41間において、基準インク液滴8Aに対してY方向に関して所定の第1閾値Hの範囲内に位置しかつ基準インク液滴8AのY方向の位置に最も近い通常インク液滴8Bを第1通常インク液滴として抽出する。ここで、第1閾値Hとしては、インク液滴とサテライト液滴との距離より小さい値が採用される。図8に示す例では、基準インク液滴8Aのうちノズル面43に近い基準インク液滴8Aを8AAとしたとき、隣接する1番目の第1ノズル41および2番目の第1ノズル41間において、基準インク液滴8AAに対してY方向に関して所定の第1閾値Hの範囲内に位置しかつ基準インク液滴8AAのY方向の位置に最も近い通常インク液滴8Bを第1通常インク液滴8BAとして抽出する。また、基準インク液滴8Aのうちノズル面43から遠い基準インク液滴8Aを8ABとしたとき、隣接する1番目の第1ノズル41および2番目の第1ノズル41間において、基準インク液滴8ABに対してY方向に関して所定の第1閾値Hの範囲内に位置しかつ基準インク液滴8AAのY方向の位置に最も近い通常インク液滴8Bを第1通常インク液滴8BBとして抽出する。
グループ設定部62は、隣接する第1ノズル41間において、第1通常インク液滴8BA、8BBに対してY方向に関して所定の第1閾値Hの範囲内に位置しかつ第1通常インク液滴8BA、8BBのY方向の位置に最も近い通常インク液滴8Bを第2通常インク液滴として抽出する。図8に示す例では、隣接する2番目の第1ノズル41および3番目の第1ノズル41間において、第1通常インク液滴8BAに対してY方向に関して所定の第1閾値Hの範囲内に位置しかつ第1通常インク液滴8BAのY方向の位置に最も近い通常インク液滴8Bを第2通常インク液滴8BCとして抽出する。また、グループ設定部62は、隣接する2番目の第1ノズル41および3番目の第1ノズル41間において、第1通常インク液滴8BAに対してY方向に関して所定の第1閾値Hの範囲内に位置しかつ第1通常インク液滴8BAのY方向の位置に最も近い通常インク液滴8Bを第2通常インク液滴8BDとして抽出する。
図9に示す例では、グループ設定部62は、隣接する3番目の第1ノズル41および4番目の第1ノズル41間において、第2通常インク液滴8BCに対してY方向に関して所定の第1閾値Hの範囲内に位置しかつ第2通常インク液滴8BCのY方向の位置に最も近い通常インク液滴8Bを第3通常インク液滴8BEとして抽出しようとするが、上記第1閾値Hの範囲内に通常インク液滴8Bが存在しないため、第3通常インク液滴8BEとして、第2通常インク液滴8BCのY方向の位置と同じ位置に仮の第3通常インク液滴8BEを設定する。仮の第3通常インク液滴8BEは、4番目の第1ノズル41の軸線58B上に設定される。また、グループ設定部62は、隣接する3番目の第1ノズル41および4番目の第1ノズル41間において、第2通常インク液滴8BDに対してY方向に関して所定の第1閾値Hの範囲内に位置しかつ第2通常インク液滴8BDのY方向の位置に最も近い通常インク液滴8Bを第3通常インク液滴8BFとして抽出しようとするが、上記第1閾値Hの範囲内に通常インク液滴8Bが存在しないため、第3通常インク液滴8BFとして、第2通常インク液滴8BDのY方向の位置と同じ位置に仮の第3通常インク液滴8BFを設定する。仮の第3通常インク液滴8BFは、4番目の第1ノズル41の軸線58B上に設定される。
図10に示す例では、グループ設定部62は、隣接する4番目の第1ノズル41および5番目の第1ノズル41間において、第3通常インク液滴8BEに対してY方向に関して所定の第1閾値Hの範囲内に位置しかつ第3通常インク液滴8BEのY方向の位置に最も近い通常インク液滴8Bを第4通常インク液滴8BGとして抽出する。また、グループ設定部62は、隣接する4番目の第1ノズル41および5番目の第1ノズル41間において、第3通常インク液滴8BFに対してY方向に関して所定の第1閾値Hの範囲内に位置しかつ第3通常インク液滴8BFのY方向の位置に最も近い通常インク液滴8Bを第4通常インク液滴8BHとして抽出する。
図10に示す例では、グループ設定部62は、隣接する5番目の第1ノズル41および6番目の第1ノズル41間において、第4通常インク液滴8BGに対してY方向に関して所定の第1閾値Hの範囲内に位置しかつ第4通常インク液滴8BGのY方向の位置に最も近い通常インク液滴8Bを第5通常インク液滴8BIとして抽出する。また、グループ設定部62は、隣接する5番目の第1ノズル41および6番目の第1ノズル41間において、第4通常インク液滴8BHに対してY方向に関して所定の第1閾値Hの範囲内に位置しかつ第4通常インク液滴8BHのY方向の位置に最も近い通常インク液滴8Bを第5通常インク液滴8BJとして抽出する。このようにして、グループ設定部62は、1番目の第1ノズル41〜19番目の第1ノズル41について、第1通常インク液滴〜第18通常インク液滴を抽出する。
グループ設定部62は、抽出された第1通常インク液滴8BA〜第18通常インク液滴と、基準インク液滴8AAとを含むグループ9Aを設定する。また、グループ設定部62は、抽出された第1通常インク液滴8BB〜第18通常インク液滴と、基準インク液滴8ABとを含むグループ9Bを設定する。図10に示す例では、矢印で結ばれたインク液滴が1つのグループを形成し、合計2つのグループ9A、9Bが設定される(図11参照)。
ステップS70において、決定部64は、グループ設定部62によって設定されたグループ9A、9Bごとに基準インク液滴8AA、8ABおよび第1通常インク液滴8BA、8BB〜第18通常インク液滴の数を計数し、基準インク液滴8AA、8ABおよび第1通常インク液滴8BA、8BB〜第18通常インク液滴の合計数が所定の数以上のグループの中からY方向でノズル面43に1番目に近い第1グループと2番目に近い第2グループとを決定する。図11に示す例では、決定部64は、グループ9Aを第1グループとして決定し、グループ9Bを第2グループとして決定する。なお、上記合計数には、仮に設定された通常インク液滴8BE、8BFは含まれない。このため、図11に示す例では、第1グループ9Aおよび第2グループ9Bの合計数はいずれも5である。
ステップS80において、吐出速度算出部66は、第1グループ9Aのインク液滴8A、8Bと第2グループ9Bのインク液滴8A、8Bに基づいて、基準ノズルから吐出される基準インク液滴の第1吐出速度を算出する。ここでは、基準ノズルは、1番目の第1ノズル41であるため、1番目の第1ノズル41のインク液滴の第1吐出速度が算出される。吐出速度算出部66は、第1グループ9Aのインク液滴8A、8Bと第2グループ9Bのインク液滴8A、8Bに基づいて、通常ノズルごとに通常ノズルから吐出される通常インク液滴の第2吐出速度を算出する。ここでは、通常ノズルは、2番目の第1ノズル41
〜19番目の第1ノズル41であるため、2番目の第1ノズル41〜19番目の第1ノズル41のインク液滴の第2吐出速度がそれぞれ算出される。
ステップS90において、第1判定部68は、ステップS30において撮影された全ての画像(ここでは8枚の画像)に対してステップS40〜ステップS80の処理が行われたかを判定する。全ての画像の処理が行われたと判定された場合には、ステップS100に進む。一方、全ての画像の処理が行われていないと判定された場合には、ステップS40に戻る。
ステップS100において、吐出速度算出部66は、8枚の画像から算出された1番目の第1ノズル41のインク液滴の第1吐出速度を平均し、得られた平均吐出速度から所定の第2閾値(例えば平均吐出速度の±15%)を超える第1吐出速度を除いた残りの第1吐出速度をさらに平均することによって、1番目の第1ノズル41のインク液滴の平均1吐出速度を算出する。吐出速度算出部66は、8枚の画像から算出された2番目の第1ノズル41〜19番目の第1ノズル41のインク液滴の第2吐出速度をそれぞれ平均し、各平均吐出速度から所定の第2閾値(例えば平均吐出速度の±15%)を超える第2吐出速度をそれぞれ除いた残りの第2吐出速度を平均することによって、2番目の第1ノズル41〜19番目の第1ノズル41のインク液滴の平均第2吐出速度をそれぞれ算出する。
ステップS110において、第2判定部72は、カメラ35が最終位置に位置するか(即ちZ=10であるか)を判定する。カメラ35が最終位置に位置すると判定された場合、ステップS120に進む。このとき、1番目の第1ノズル41〜192番目の第1ノズル41の全てにおいて、インク液滴の平均吐出速度が算出されている。一方、カメラ35が最終位置に位置しないと判定された場合、ステップS140に進む。
ステップS120において、平均吐出速度算出部70は、1番目の第1ノズル41〜192番目の第1ノズル41のインク液滴の平均吐出速度を平均することによって、インクヘッド40Aの第1ノズル41全体の第1平均吐出速度を算出する。そして、平均吐出速度算出部70は、第1平均吐出速度に対して所定の第3閾値(例えば平均吐出速度の±15%)を超える平均吐出速度を除いた残りの平均吐出速度を平均することによって、インクヘッド40Aの第1ノズル41全体の第2平均吐出速度を算出する。
ステップS130において、電圧調整部74は、平均吐出速度算出部70によって算出された第2平均吐出速度に基づいて、第1インクヘッド40Aの第1ノズル41に加える所定の電圧を調整する。より詳細には、電圧調整部74は、第1インクヘッド40Aの第1ノズル41に印加されている第1電圧と第2平均吐出速度とに基づいて、第1インクヘッド40Aの第1ノズル41の全体の吐出速度が、予め設定された所定の目標吐出速度となるように電圧を調整する。電圧調整部74は、第2平均吐出速度が目標吐出速度より遅い場合には、電圧を所定の値だけ高くする。一方、電圧調整部74は、第2平均吐出速度が目標吐出速度より速い場合には、電圧を所定の値だけ低くする。第2平均吐出速度と目標吐出速度との関係から、どの程度電圧を変更すればよいかは予め記憶部52に記憶されている。電圧の変更は、例えば、作業者が操作パネル12を操作することによって行われてもよい。
ステップS140において、制御装置50はカメラ35の位置Zの値に「1」を加算する。そして、ステップS20に戻る。
上述したステップS10〜S140の処理を第1インクヘッド40Aの第2ノズル42、第2インクヘッド40Bおよび第3インクヘッド40Cの第1ノズル41および第2ノズル42に対して行うことによって、第1インクヘッド40A〜第3インクヘッド40Cの第1ノズル41および第2ノズル42に印加される電圧をそれぞれ適切な値に設定することができる。これにより、吐出速度をより均一化することができる。
以上のように、本実施形態のプリンタ10によると、第1ノズル41から吐出されたインク液滴の第1吐出速度および第2吐出速度を平均することによって、第1平均吐出速度を算出する。そして、制御装置50の電圧調整部74は、第1平均吐出速度に基づいて、第1インクヘッド40Aに加える所定の電圧を調整してもよい。ここで、第1吐出速度および第2吐出速度を算出するために、ストロボ36によって第1ノズル41から吐出させたインク液滴に向けて光を照射し、カメラ35によってインク液滴を撮影して画像を得る。撮影された画像には、インク液滴の他にサテライト液滴が含まれる。通常は、サテライト液滴の大きさはインク液滴より十分に小さいため、制御装置50の画像処理部58によって、画像からサテライト液滴を除くことができる。しかしながら、ストロボから照射された光の反射の程度によって、画像処理部58は、サテライト液滴をインク液滴と判断することがある。かかる場合に、2つのインク液滴に基づいて吐出速度を算出しようとすると、インク液滴とサテライト液滴とに基づいて吐出速度が算出されてしまい、正確な値を得ることができなくなってしまう。
そこで、グループ設定部62は、基準インク液滴ごとに隣接する第1ノズル41間で所定の範囲内にあるインク液滴を抽出してグループ9A、9Bを設定することにした。そして、制御装置50の決定部64は、インク液滴の合計数が所定の数以上のグループ9A、9Bを決定することにした。サテライト液滴がメイン液滴として判断される頻度はあまり高くないため、誤って画像に残ったサテライト液滴が含まれるグループは、インク液滴の合計数が少なくなる。このため、合計数が所定の数以上のグループ9A、9Bでは、インク液滴が確実に検出されていると推定することができる。そして、グループ設定部62は、ノズル面43に1番目に近い第1グループ9Aと2番目に近い第2グループ9Bとを決定する。これは、ノズル面43に近いほど、風等の影響が少なくインク液滴の吐出速度をより正確に算出することができるためである。このように、第1吐出速度および第2吐出速度は、ノズル面43に1番目に近い第1グループ9Aのインク液滴と、ノズル面43に2番目に近い第2グループ9Bのインク液滴とに基づいて算出されるため、第1平均吐出速度をより正確に算出することができる。この結果、第1インクヘッド40Aにより適切な電圧を印加することできるため、インク液滴の吐出速度のバラツキを抑制して安定して印刷することができる。
なお、カメラ35によってインク液滴を撮影して画像を得る際には、プリンタ10によって実際に記録媒体5に画像を印刷するときのヘッドギャップ(即ちノズル面43と記録媒体5との上下方向の距離)を考慮し、第2グループ9Bのインク液滴の位置がノズル面43からヘッドギャップだけ下方に位置するように、第1グループ9Aおよび第2グループ9Bのインク液滴の撮影を行うとよい。これにより、プリンタ10によって実際に記録媒体5に画像を印刷するときのインク液滴の位置に基づいてインク液滴の吐出速度を適切に測定することができる。
本実施形態のプリンタ10では、グループ設定部62は、隣接する3番目の第1ノズル41および4番目の第1ノズル41間において、第2通常インク液滴8BCに対してY方向に関して所定の第1閾値Hの範囲内に位置する通常インク液滴8Bが存在しないとき、第3通常インク液滴として第2通常インク液滴8BCのY方向の位置と同じ位置に仮の第3通常インク液滴8BEを設定する。そして、隣接する4番目の第1ノズル41および5番目の第1ノズル41間において、仮の第3通常インク液滴8BEに対してY方向に関して所定の第1閾値Hの範囲内に位置しかつ仮の第3通常インク液滴8BEのY方向の位置に最も近い通常インク液滴8Bを第4通常インク液滴8BGとして抽出する。これにより、全ての第1ノズル41について通常インク液滴8Bが所定のグループに含まれるか否かの判断が行われる。
本実施形態のプリンタ10では、電圧調整部74は、第2平均吐出速度に基づいて、第1インクヘッド40Aに加える所定の電圧を調整する。第2平均吐出速度の値は、第1平均吐出速度の値に比べて信頼度が高いため、第1インクヘッド40Aにより適切な電圧を印加することできる。これにより、インク液滴の吐出速度のバラツキを抑制して安定して印刷することができる。
本実施形態のプリンタ10は、副走査方向Xに移動可能に構成され、ストロボ36およびカメラ35が搭載された移動装置37を備えている。これにより、第1ノズル41の数が比較的多く一度に全ての第1ノズル41を撮影することができない場合であっても、第1ノズル41を所定の数(例えば10)に分割して撮影することができる。
本実施形態のプリンタ10では、カメラ35は、インク液滴として第1ノズル41から吐出された第3のインク液滴を撮影する。ここで、第3のインク液滴によって記録媒体5に大ドットを形成することができる。これにより、画像処理部58においてインク液滴を見分ける基準となる所定の大きさをより大きくすることができるため、画像処理部58によって、画像からより精度よくサテライト液滴を除くことができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明した。しかし、上述の実施形態は例示に過ぎず、本発明は他の種々の形態で実施することができる。
上述した実施形態では、平均吐出速度算出部70は、第1平均吐出速度に対して所定の第3閾値(例えば平均吐出速度の±15%)を超える平均吐出速度を除いた残りの平均吐出速度を平均することによって、インクヘッド40Aの第1ノズル41全体の第2平均吐出速度を算出するが、所定の第3閾値を超える平均吐出速度の数が所定の数以上(例えば20以上)の場合には、吐出速度の算出に失敗したと判断し、その旨を、例えば操作パネルを介して作業者に通知するように構成されていてもよい。
10 プリンタ(インクジェットプリンタ)
35 カメラ(撮影装置)
36 ストロボ
40A 第1インクヘッド
41 第1ノズル
43 ノズル面
50 制御装置
58 画像処理部
60 位置取得部
62 グループ設定部
64 決定部
66 吐出速度算出部
70 平均吐出速度算出部
74 電圧調整部

Claims (6)

  1. 所定の方向に並びかつインク液滴を吐出する複数のノズルと、複数の前記ノズルが形成されたノズル面とを有し、所定の電圧が印加されるインクヘッドと、
    前記ノズルから吐出されたインク液滴に向けて光を照射するストロボと、
    前記ストロボと同期して作動し、前記ノズルから吐出されたインク液滴を撮影する撮影装置と、
    前記インクヘッド、前記ストロボおよび前記撮影装置を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    前記撮影装置によって撮影された画像において、所定の大きさ未満のインク液滴を除き、前記所定の大きさ以上のインク液滴が表示された処理画像を作成する画像処理部と、
    前記処理画像において、複数の前記ノズルが並ぶ方向をX方向としかつ前記X方向と直交する方向をY方向としたとき、前記所定の大きさ以上のインク液滴のY方向の位置を取得する位置取得部と、
    前記処理画像の前記X方向の最も端に位置する前記ノズルであって、インク液滴として前記Y方向に連続する複数の基準インク液滴を吐出する前記ノズルを基準ノズルとし、かつ、前記基準ノズル以外の前記ノズルであって、インク液滴として前記Y方向に連続する複数の通常インク液滴を吐出する前記ノズルを通常ノズルとしたとき、前記基準インク液滴ごとかつ前記基準ノズルを起点として前記X方向に並ぶ前記ノズル順に、隣接する前記ノズル間において、前記基準インク液滴に対して前記Y方向に関して所定の第1閾値の範囲内に位置しかつ前記基準インク液滴の前記Y方向の位置に最も近い前記通常インク液滴を第1通常インク液滴として抽出し、かつ、隣接する前記ノズル間において、前記第1通常インク液滴に対して前記Y方向に関して前記所定の第1閾値の範囲内に位置しかつ前記第1通常インク液滴の前記Y方向の位置に最も近い前記通常インク液滴を第2通常インク液滴として抽出し、抽出された前記第1通常インク液滴および前記第2通常インク液滴と、前記基準インク液滴とを含むグループを前記基準インク液滴ごとに設定するグループ設定部と、
    前記グループごとに前記基準インク液滴および前記第1通常インク液滴および前記第2通常インク液滴の数を計数し、前記基準インク液滴および前記第1通常インク液滴および前記第2通常インク液滴の合計数が所定の数以上の前記グループの中から前記Y方向で前記ノズル面に1番目に近い第1グループと2番目に近い第2グループとを決定する決定部と、
    前記第1グループのインク液滴と前記第2グループのインク液滴とに基づいて、前記基準ノズルから吐出される前記基準インク液滴の第1吐出速度および前記通常ノズルから吐出される前記通常インク液滴の第2吐出速度を前記通常ノズルごとに算出する吐出速度算出部と、
    前記第1吐出速度および複数の前記第2吐出速度を平均することによって前記インクヘッドの前記ノズル全体の第1平均吐出速度を算出する平均吐出速度算出部と、
    前記第1平均吐出速度に基づいて、前記インクヘッドに加える前記所定の電圧を調整する電圧調整部と、を備えている、インクジェットプリンタ。
  2. 前記グループ設定部は、隣接する前記ノズル間において、前記基準インク液滴に対して前記Y方向に関して前記所定の第1閾値の範囲内に位置する前記通常インク液滴が存在しないとき、前記第1通常インク液滴として前記基準インク液滴の前記Y方向の位置と同じ位置に仮の第1通常インク液滴を設定し、かつ、隣接する前記ノズル間において、前記仮の第1通常インク液滴に対して前記Y方向に関して前記所定の第1閾値の範囲内に位置しかつ前記仮の第1通常インク液滴の前記Y方向の位置に最も近い前記通常インク液滴を前記第2通常インク液滴として抽出する、請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
  3. 前記グループ設定部は、隣接する前記ノズル間において、前記第1通常インク液滴に対して前記Y方向に関して前記所定の第1閾値の範囲内に位置する前記通常インク液滴が存在しないとき、前記第2通常インク液滴として前記第1通常インク液滴の前記Y方向の位置と同じ位置に仮の第2通常インク液滴を設定し、かつ、隣接する前記ノズル間において、前記仮の第2通常インク液滴に対して前記Y方向に関して前記所定の第1閾値の範囲内に位置しかつ前記仮の第2通常インク液滴の前記Y方向の位置に最も近い前記通常インク液滴を第3通常インク液滴として抽出する、請求項2に記載のインクジェットプリンタ。
  4. 前記平均吐出速度算出部は、前記第1平均吐出速度に対して所定の第2閾値内に含まれない前記第1吐出速度および/または前記第2吐出速度を除いた残りの前記第1吐出速度および/または前記第2吐出速度を平均することによって前記インクヘッドの前記ノズル全体の第2平均吐出速度を算出し、
    前記調整部は、前記第2平均吐出速度に基づいて、前記インクヘッドに加える前記所定の電圧を調整する、請求項1から3のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタ。
  5. 前記所定の方向に移動可能に構成され、前記ストロボおよび前記撮影装置が搭載された移動装置を備えている、請求項1から4のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタ。
  6. 前記インクヘッドは、前記ノズルから第1の液量の第1インク液滴と、前記第1の液量より多い第2の液量の第2のインク液滴と、前記第2の液量より多い第3の液量の第3のインク液滴を吐出可能に構成され、
    前記撮影装置は、前記インク液滴として前記ノズルから吐出された前記第3のインク液滴を撮影する、請求項1から5のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタ。
JP2018110901A 2018-06-11 2018-06-11 インクジェットプリンタ Pending JP2019214133A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018110901A JP2019214133A (ja) 2018-06-11 2018-06-11 インクジェットプリンタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018110901A JP2019214133A (ja) 2018-06-11 2018-06-11 インクジェットプリンタ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019214133A true JP2019214133A (ja) 2019-12-19

Family

ID=68918276

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018110901A Pending JP2019214133A (ja) 2018-06-11 2018-06-11 インクジェットプリンタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019214133A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20230081122A1 (en) * 2020-02-18 2023-03-16 Ricoh Company, Ltd. Test apparatus

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20230081122A1 (en) * 2020-02-18 2023-03-16 Ricoh Company, Ltd. Test apparatus

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8342629B2 (en) Liquid ejecting apparatus and controlling method of the same
US10214031B2 (en) Inkjet print apparatus and recovery method of inkjet print apparatus
JPH11240146A (ja) 記録装置
US20090085947A1 (en) Inkjet recording device, image forming method and recording device
US9050840B2 (en) Printing apparatus and method for correcting printing position shift
JP2008044273A (ja) ライン位置算出方法、補正値取得方法及びプログラム
US8783817B2 (en) Recording device and recording method
US7758139B2 (en) Liquid ejecting apparatus and transport method
JP2007276264A (ja) インクジェット記録装置およびその制御方法
JP2019214133A (ja) インクジェットプリンタ
US20080079766A1 (en) Correction value determining method, correction value determining apparatus, and storage medium having program stored thereon
JP2010076113A (ja) 印刷装置および印刷方法
US7578571B2 (en) Correction value determining method, correction value determining apparatus, and storage medium having program stored thereon
JP6516503B2 (ja) インクジェット記録装置
JP2010228286A (ja) 印刷制御装置、ラインヘッド型の印刷装置、およびドットサイズ決定方法
US20080192270A1 (en) Transport amount correcting method, transport amount correcting apparatus, and storage medium having program stored thereon
US20060038845A1 (en) Inkjet recording apparatus and method for estimating the amount of waste ink in the inkjet recording apparatus
JP2008114435A (ja) 液滴吐出装置、液滴吐出装置の制御方法及びコンピュータのプログラム
JP6236073B2 (ja) 検査装置、検査方法、および、制御装置
US20220088952A1 (en) Liquid ejecting device and method for adjusting liquid ejecting device
JP2009234191A (ja) 液滴吐出装置、液滴吐出方法、及び液滴吐出プログラム
JP5393061B2 (ja) 吐出制御装置及び吐出制御方法
US7387357B2 (en) Calibration method for printing apparatus
JP5957898B2 (ja) 印刷装置、及び、補正方法
US20150158292A1 (en) Inkjet printer and computer-readable recording medium containing program therefor