JP2019212132A - 画像処理方法、画像処理装置、撮像装置、プログラム、および、記憶媒体 - Google Patents

画像処理方法、画像処理装置、撮像装置、プログラム、および、記憶媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】撮影画像から高精度に不要光成分を推定または低減することが可能な画像処理方法を提供する。【解決手段】画像処理方法は、不要光成分を含む入力画像の少なくとも一部の領域を取得する工程と、不要光成分に関して予め学習された学習情報を取得する工程と、学習情報を用いて領域における不要光成分を推定または低減する工程とを有し、不要光成分を推定または低減する工程は、Nを2以上の整数、nを1からNまでの整数とするとき、領域に対して、学習情報に基づく複数の線型関数のそれぞれによる第n線型変換と、非線型関数による第n非線型変換とをnが1からNになるまで順に実行することで中間データを生成する工程と、中間データに対して、学習情報に基づく少なくとも一つの線型関数による第N+1線型変換を実行する工程とを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、画像処理方法に関する。
入力画像を不要光成分と不要光以外の成分とに分離することで、撮影後の画像処理において様々な画像生成を行うことができる。具体的にはゴーストやフレアに代表される不要光成分を入力画像から分離することで、光の輝きを誇張した画像や、不要光成分の無い画像を生成することが可能である。
また、不要光成分の無い画像を生成できれば、コントラストの高い観賞用画像が得られる。更に、画像から被写体を認識する、または、ステレオ画像から距離を算出するなどの各種情報を得るような使い方においても精度の向上が見込まれる。したがって、画像から不要光成分の大きさや強度を推定する技術が必要となる。画像から不要光成分が推定できれば、画像から不要光成分を差し引くことで、不要光成分が除かれた画像が取得可能である。
非特許文献1には、ディープラーニングを用いて画面全体にかかるヘイズ量を推定または低減する方法が開示されている。これにより、画面全体のコントラストを若干向上させることができる。
"Investigating Haze−relevant Features in A Learning Framework for Image Dehazing" Ketan Tang, Jianchao Yang, Jue Wang Y.LeCun,et al., "Gradient−based Learning Applied to Document Recognition", Proc. of The IEEE, 1998. G.E.Hinton,et al., "A fast learning algorithm for deep belief nets", Neural Comput. 2006 Jul; 18(7): 1527−54. I.J.Goodfellow,et al., "Maxout networks", arXiv preprint arXiv:1302.4389 (2013). G.E.Hinton & R.R.Salakhutdinov (2006−07−28). "Reducing the Dimensionality of Data with Neural Networks", Science 313(5786): 504−507. N.Srivastava,et al., "Dropout: A simple way to prevent neural networks from overfitting", The Journal of Machine Learning Research, 15(1):1929−1958, 2014. A.Krizhevsky, "Learning Multiple Layers of Features from Tiny Images", 2009, https://www.cs.toronto.edu/〜kriz/learning−features−2009−TR.pdf
しかしながら、非特許文献1に開示されているヘイズ推定・低減方法では、ゴーストなどの入力画像の一部分で発生している不要光成分を推定ための学習工程が不足しており、不要光成分を低減することができない。
そこで本発明は、撮影画像から高精度に不要光成分を推定または低減することが可能な画像処理方法、画像処理装置、撮像装置、プログラム、および、記憶媒体を提供することを目的とする。
本発明の一側面としての画像処理方法は、不要光成分を含む入力画像の少なくとも一部の領域を取得する工程と、前記不要光成分に関して予め学習された学習情報を取得する工程と、前記学習情報を用いて前記領域における前記不要光成分を推定または低減する工程とを有し、前記不要光成分を推定または低減する工程は、Nを2以上の整数、nを1からNまでの整数とするとき、前記領域に対して、前記学習情報に基づく複数の線型関数のそれぞれによる第n線型変換と、非線型関数による第n非線型変換とをnが1からNになるまで順に実行することで中間データを生成する工程と、前記中間データに対して、前記学習情報に基づく少なくとも一つの線型関数による第N+1線型変換を実行する工程とを含む。
本発明の他の側面としての画像処理装置は、不要光成分に関する学習情報を記憶する記憶部と、前記学習情報を用いて入力画像の少なくとも一部の領域における前記不要光成分を推定または低減する画像処理部とを有し、前記画像処理部は、Nを2以上の整数、nを1からNまでの整数とするとき、前記領域に対して、前記学習情報に基づく複数の線型関数のそれぞれによる第n線型変換と、非線型関数による第n非線型変換とをnが1からNになるまで順に実行することで中間データを生成し、前記中間データに対して、前記学習情報に基づく少なくとも一つの線型関数による第N+1線型変換を実行する。
本発明の他の側面としての撮像装置は、被写体空間の像を入力画像として取得する撮像部と、前記画像処理装置とを有する。
本発明の他の側面としてのプログラムは、前記画像処理方法をコンピュータに実行させる。
本発明の他の側面としての記憶媒体は、前記プログラムを記憶している。
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施形態において説明される。
本発明によれば、撮影画像から高精度に不要光成分を推定または低減することが可能な画像処理方法、画像処理装置、撮像装置、プログラム、および、記憶媒体を提供することができる。
実施例1および実施例2における不要光成分を低減するネットワーク構造を示す図である。 実施例1および実施例3における撮像装置のブロック図である。 実施例1および実施例3における撮像装置の外観図である。 実施例1における不要光成分の低減処理を示すフローチャートである。 実施例1における学習情報の学習を示すフローチャートである。 実施例2における画像処理システムのブロック図である。 実施例2における画像処理システムの外観図である。 実施例2における不要光成分の低減処理を示すフローチャートである。 実施例3における不要光成分の推定処理を示すフローチャートである。 実施例3における不要光成分を推定するネットワーク構造を示す図である。 実施例3における学習情報の学習を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
実施例の具体的な説明へ入る前に、本発明の要旨を述べる。本発明では、ディープラーニング(深層学習)を用いて、撮影画像からゴーストやフレアに代表される不要光成分を推定または低減する。不要光成分は、光学系(結像光学系)中を光が被写体側から進入した際に、光学面や鏡筒部において設計時に意図しない反射により、本来結像に寄与しない光線が撮像センサ(撮像素子)に届いてしまい、被写体像に重畳されて写りこむ成分である。また、回折光学素子から発生する設計回折次数ではない回折光(不要回折光)も不要光成分の一種である。
一般的に、不要光成分は、画面内外に太陽などの強い光源が存在する場合に発生しやすい。不要光成分の発生位置は光源の位置に関係する。また、不要光成分の強度は、光源の強度に関係する。また、不要光成分の色は、光学系の透過率分布および光源そのものの色に関係する。不要光成分を推定または低減するため、不要光成分の有無が異なる画像を用いて、その対応関係をディープラーニングによって学習することで、不要光成分を高精度に推定または低減することができる。
まず、図2および図3を参照して、本発明の実施例1における撮像装置について説明する。図2は、撮像装置100のブロック図である。図3は、撮像装置100の外観図である。本実施例において、撮像装置100は、画像処理方法を実行し、不要光成分をディープラーニングにより低減する。
撮像装置100は、被写体空間の像を撮影画像(入力画像)として取得する撮像部101を有する。撮像部101は、被写体空間から入射する光を集光する結像光学系101aと、複数の画素を有する撮像素子101bとを有する。撮像素子101bは、例えば、CCD(Charge Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)センサである。
画像処理部102は、撮影画像(入力画像)に対して、不要光成分を低減する。画像処理部102は、学習部102aと補正部(不要光低減部)102bとを有する。記憶部103は、画像処理部102による不要光成分を低減する際に用いられる学習情報を記憶している。この処理の詳細については後述する。画像処理部102により不要光成分が低減された画像等の出力画像は、液晶ディスプレイなどの表示部104に表示されるか、または、記録媒体105に保存される。ただし、撮影画像を記録媒体105に保存し、任意のタイミングで不要光成分の低減処理を行ってもよい。撮影画像は、静止画だけでなく動画であってもよい。この場合、各フレームに対して不要光成分の低減処理を行う。以上の一連の制御は、システムコントローラ106により行われる。
次に、図4を参照して、画像処理部102による不要光成分の低減処理について説明する。画像処理部102は、不要光成分の低減処理の際に、事前に学習された学習情報を用いるが、この学習の詳細については後述する。図4は、不要光成分の低減処理を示すフローチャートである。図4の各ステップは、主に、画像処理部102の補正部102bにより実行される。
まずステップS101において、画像処理部102(補正部102b)は、不要光成分を含む撮影画像(入力画像)と学習情報とを取得する。不要光成分とは、ゴーストやフレアである。学習情報とは、撮影画像と不要光成分が低減された画像とを結び付けるために予め学習された情報である。続いてステップS102において、補正部102bは、撮影画像から、撮影画像の少なくとも一部の領域(部分領域)を取得する。不要光成分の低減処理は、この領域(部分領域)を単位として(部分領域ごとに)行われる。
続いてステップS103において、補正部102bは、学習情報を用いて部分領域から不要光成分が低減された部分領域である補正部分領域を生成する。ここで、図1を参照して、不要光成分の低減処理について詳述する。図1は、ディープラーニングの一つであるCNN(Convolutional Neural Network)のネットワーク構造を示している。ただし、ディープラーニングとして、CNN以外の手法、例えばDBN(Deep Belief Network)を用いても構わない。CNNおよびDBNの詳細はそれぞれ、非特許文献2および非特許文献3に説明されている。
CNNは、複数の層構造になっており、各層で学習情報を用いた線型変換と非線型変換とが実行される。nを1からNまでの整数とするとき、n番目の層を第n層、第n層における線型変換と非線型変換とをそれぞれ、第n線型変換と第n非線型変換と呼称する。ただし、Nは2以上の整数である。部分領域201に関しては、第1層において、複数のフィルタ202のそれぞれとのコンボリューション(複数の線型関数による第1線型変換)が実行される。その後、活性化関数(Activation Function)と呼ばれる非線型関数を用いて変換(第1非線型変換)が実行される。図1において、活性化関数をAFとして示している。また、部分領域201が複数枚描画されているのは、入力画像(撮影画像)が複数のチャンネルを有するためである。
本実施例において、部分領域はRGB(Red、Green、Blue)の3チャンネルを有する。ただし、チャンネルの数はこれに限定されるものではないが、チャンネル数は2以上を有していることが好ましい。チャンネル数が1の場合、そのチャンネルで不要光成分が輝度飽和を起こすと本来の被写体の情報が失われるため、不要光成分のみを低減することができない。一方、複数のチャンネルを有する場合、いずれか1つのチャンネルが輝度飽和を起こしていなければ不要光成分の強度を推定することができ、不要光成分を低減することができる。後述のように、複数の撮影画像が入力された場合、部分領域は、入力された撮影画像に対応する数のチャンネル数を有していてもよい。また、部分領域が複数のチャンネルを有する場合でも、1チャンネルごとに個別にCNNへ入力しても構わない。
フィルタ202は複数存在する。補正部102bは、複数のフィルタ202のそれぞれと部分領域201とのコンボリューションを個別に算出する。フィルタ202の係数は、学習情報に基づいて決定される。学習情報は、フィルタ202の係数(フィルタ係数)そのもの、または、フィルタ202を所定の関数でフィッティングした際の係数でもよい。フィルタ202のそれぞれのチャンネル数は、部分領域201の数と一致する。部分領域201のチャンネル数が2以上の場合、3次元フィルタとなる(3次元目がチャンネル数を表す)。また、コンボリューションの結果に対して、学習情報から決定される定数(負もとり得る)を加算してもよい。
活性化関数f(x)の例として、以下の式(1)〜(3)が挙げられる。
式(1)はシグモイド関数、式(2)はハイパボリックタンジェント関数、式(3)はReLU(Rectified Linear Unit)と呼ばれる。式(3)中のmaxは、引数のうち最大値を出力するMAX関数を表す。式(1)〜(3)に示される活性化関数f(x)は、全て単調増加関数である。また、活性化関数としてMaxoutを使用してもよい。Maxoutは、第n線型変換の出力である複数の画像のうち、各画素で最大値である信号値を出力するMAX関数である。Maxoutの詳細は、非特許文献4に説明されている。
図1において、第1線型変換および第1非線型変換が施された部分領域を、第1変換部分領域203と呼称する。第1変換部分領域203の各チャンネル成分は、部分領域201と複数のフィルタ202のそれぞれとのコンボリューションから生成される。このため、第1変換部分領域203のチャンネル数は、フィルタ202の数と同じになる。
第2層では、第1変換部分領域203に対して、第1層と同様に学習情報から決定される複数のフィルタ204とのコンボリューション(第2線型変換)と、活性化関数による非線型変換(第2非線型変換)とを行う。第2層で用いられるフィルタ204は、一般的に、第1層で用いられるフィルタ202と同一ではない。フィルタ204のサイズや数も、フィルタ204と一致しなくてもよい。ただし、フィルタ204のチャンネル数と第1変換部分領域203のチャンネル数とは互いに一致する。補正部102bは、同様の演算を第N層まで繰り返す(第n線型変換および第n非線型変換(n=1〜N)を実行する)ことにより、中間データ210を取得する。
最後に、第N+1層において、中間データ210と複数のフィルタ211のそれぞれとのコンボリューションに定数を加算すること(第N+1線型変換)により、不要光成分が低減された補正部分領域212が取得される。ここで用いられるフィルタ211および定数もそれぞれ、学習情報に基づいて決定される。補正部分領域212のチャンネル数は、部分領域201と同じである。このため、フィルタ211の数も部分領域201のチャンネル数と同じである。補正部分領域212の各チャンネルの成分は、中間データ210とフィルタ211のそれぞれ(フィルタ211が一つの場合もある)とのコンボリューションを含む演算から求められる。なお、部分領域201と補正部分領域212とのサイズは互いに一致しなくてもよい。コンボリューションの際に、部分領域201の外側にはデータが存在しないため、データの存在する領域のみで演算すると、コンボリューション結果はサイズが小さくなる。ただし、周期境界条件などを設定することにより、サイズを保つこともできる。
また、コンボリューションを行う際に、入力画像を縮小して、縮小した入力画像の大きさに基づいてフィルタのサイズを決定してもよい。不要光成分はある程度大きな領域にまたがっているため、入力画像を大幅に縮小しても不要光成分の情報は残ることが多い。このため、元の大きさの10分の1や20分の1などに入力画像を縮小してからフィルタのサイズを決定して、その後にコンボリューションを行うことで処理の高速化を実現することができる。
ディープラーニングが高い性能を発揮できる理由は、非線型変換を多層構造によって何度も実行することにより、高い非線型性が得られるためである。仮に、非線型変換を担う活性化関数が存在せず、線型変換のみでネットワークが構成されていた場合、いくら多層にしてもそれと等価な単層の線型変換が存在するため、多層構造にする意味がない。ディープラーニングは、より多層にする方が強い非線型を得られるため、高い性能が出やすいと言われている。一般に、少なくとも3層以上を有する場合がディープラーニングと呼ばれる。
続いて、図4のステップS104において、補正部102bは、撮影画像のうち所定の領域(部分領域)の全てに対して不要光成分の低減が完了したか否かを判定する。所定の領域の全てに対して、不要光成分が低減された補正部分領域212が生成されている場合、ステップS105へ進む。一方、不要光成分の低減が完了していない領域(部分領域)が残っている場合、ステップS102へ戻り、補正部102bは、まだ不要光成分が低減されていない部分領域を撮影画像から取得する。
ステップS105において、補正部102bは、不要光成分が低減された画像(補正画像)を出力する。不要光成分が低減された画像は、生成された複数の補正部分領域212を合成することにより生成される。ただし、部分領域が撮影画像の全体である場合、補正部102bは、補正部分領域212をそのまま不要光成分が低減された画像として出力する。以上の処理により、不要光成分を低減した画像を取得することができる。
なお本実施例では、撮影画像(入力画像)、および、不要光成分が低減された画像(出力画像)が共に1枚の場合を説明した。しかし、本実施例はこれに限定されるものではない。例えば、複数の撮影画像(複数の入力画像)を入力し、複数の撮影画像のそれぞれの不要光成分が低減された複数の出力画像が一括で取得することができるように、CNNのネットワークを構成してもよい。また、複数の撮影画像を入力し、1枚の不要光成分が低減された画像を取得するように構成してもよい。複数の撮影画像を入力する場合、視点または光源位置が異なる複数の画像を用いることが好ましい。視点や光源位置が変化すると被写体中での不要光成分が出現する位置が異なり、同一の被写体に対して、異なる不要光成分を含む複数の画像を入力することにより、精度を向上することができる。視点や光源位置が異なる複数の画像を用いる場合、撮像装置の位置を変えて同一の被写体を撮影する(構図を変えて撮影する)ことが簡単であるが、本発明はこれに限定されるものではない。また、入力する撮影画像として、複数の色のチャンネルを有する画像を用いることが好ましい。
次に、図5を参照して、本実施例における学習情報の学習について説明する。図5は、学習情報の学習を示すフローチャートである。図5の各ステップは、主に、画像処理部102の学習部102aにより行われる。ただし本実施例はこれに限定されるものではなく、学習情報の学習は、不要光成分を低減する前であれば、撮像装置100とは別の装置(演算装置)に設けられた学習部で行ってもよい。本実施例では、撮像装置100の学習部102aが学習情報を学習する場合について説明する。
まずステップS201において、学習部102aは、少なくとも一対の学習画像を取得する。一対の学習画像とは、不要光成分の有無が異なり、かつ同一の被写体が存在する画像である。不要光成分を含む画像は、不要光成分を含まない画像と一対一に対応しているか、または、1枚の不要光成分を含まない画像に対して複数枚存在していてもよい。後者の場合、不要光成分を含む画像は、被写体中における不要光成分の位置や量が異なる複数の画像である。
学習画像を用意する方法として、シミュレーションや実写画像を用いてもよい。シミュレーションを行う場合、様々な光源位置、光源強度、または、光源色の条件下で、不要光成分の形状または色が異なる複数の画像を生成すればよい。一方、実写画像を用いる場合、光源位置、光源強度、または、光源色が異なる条件で撮影された画像を使用すればよい。光源位置が異なる条件での画像の取得方法としては、撮像装置の位置を変えて同一の被写体を撮影すればよい。また、光源強度が異なる条件での画像の取得方法としては、調光機能を有する光源を用いて光源の強度を変えて撮影すればよい。
また、不要光成分を含む画像に対してディープラーニング以外の手法を用いて不要光成分が低減された画像を推定し、学習画像を用意してもよい。なお学習画像は、様々な不要光成分が含まれる画像を含むことが好ましい。学習画像に含まれない色または形状の不要光成分が存在する画像は、不要光成分を高精度に低減することができないためである。また、学習画像に含まれる不要光成分の有無が異なる画像は一対のみでもよいが、前述の理由により複数の画像を含むことが好ましい。
続いてステップS202において、学習部102aは、ステップS201にて取得した学習画像から、複数の学習ペアを取得する。学習ペアは、学習部分領域(学習領域)と学習補正部分領域とからなる。学習補正部分領域は不要光成分を含む画像から取得され、そのサイズはステップS102にて取得した撮影画像の部分領域と同じである。学習部分領域は不要光成分を含まない画像から取得され、学習部分領域の中心は画像において学習補正部分領域の中心と同じ位置である。そのサイズは、ステップS103にて生成された補正部分領域と同じである。前述と同様に、学習部分領域と学習補正部分領域のペア(学習ペア)は、一対一に対応している必要はない。一つの学習補正部分領域と、複数の学習部分領域とがペア(グループ)になっていてもよい。
続いてステップS203において、補正部102aは、複数の学習ペア(学習部分領域と学習補正部分領域)から、学習情報を学習によって取得(生成)する。学習では、不要光成分を低減するネットワーク構造と同じネットワーク構造を使用する。本実施例では、図1に示されるネットワーク構造に対して学習補正部分領域を入力し、その出力結果と学習部分領域との誤差を算出する。この誤差が最小となるように、例えば誤差逆伝播法(Backpropagation)などを用いて、第1乃至N+1層で用いる複数のフィルタのそれぞれの係数や加算する定数(学習情報)を更新して最適化する。各フィルタの係数および定数の初期値は任意に設定することができ、例えば乱数から決定される。または、各層ごとに初期値を事前学習するAuto Encoderなどのプレトレーニングを行ってもよい。Auto Encoderの詳細は、非特許文献5に説明されている。
学習ペアの全てをネットワーク構造へ入力し、それら全ての情報を使って学習情報を更新する手法をバッチ学習と呼ぶ。ただし、この学習方法は、学習ペアの数が増えるにつれて計算負荷が膨大になる。逆に、学習情報の更新に一つの学習ペアのみを使用し、更新ごとに異なる学習ペアを使用する学習手法をオンライン学習と呼ぶ。この手法は、学習ペアが増えても計算量が増大しないが、一つの学習ペアに存在するノイズの影響を大きく受ける。このため、これら2つの手法の中間に位置するミニバッチ法を用いて学習することが好ましい。ミニバッチ法は、全学習ペアの中から少数を抽出し、それらを用いて学習情報の更新を行う。次の更新では、異なる小数の学習ペアを抽出して使用する。これを繰り返すことにより、バッチ学習とオンライン学習の不利な点を小さくすることができ、高い不要光低減効果を得やすくなる。
続いてステップS204において、補正部102aは、学習された学習情報を出力する。本実施例において、学習情報は記憶部103に記憶される。以上の処理により、高精度に不要光成分を低減するための学習情報を学習することができる。
また、以上の処理に加えて、CNNの性能を向上させる工夫を併用してもよい。例えば、ロバスト性の向上のためネットワークの各層において、ドロップアウト(Dropout)やダウンサンプリングであるプーリング(pooling)を行ってもよい。または、学習精度の向上のため、学習画像の画素の平均値を0、分散を1に正規化し、隣接する画素の冗長性をなくすZCAホワイトニング(ZCA whitening)などを併用してもよい。ドロップアウトおよびZCAホワイトニングの詳細はそれぞれ、非特許文献6および非特許文献7に説明されている。
本実施例によれば撮影画像から高精度に不要光成分を低減することが可能な撮像装置を提供することができる。
次に、本発明の実施例2における画像処理システムについて説明する。施例の画像処理システムにおいて、不要光成分を低減する画像処理装置と、撮影画像を取得する撮像装置、および、学習を行うサーバが個別に設けられている。また本実施例では、不要光成分を含む領域(不要光領域)の大きさを判定することにより、使用する学習情報を切り替える。不要光領域の大きさに応じて、不要光成分の低減処理に使用する学習情報を個別に学習して使用することにより、より高精度な不要光成分の低減が可能となる。
図6および図7を参照して、本実施例における画像処理システムについて説明する。図6は、画像処理システム200のブロック図である。図7は、画像処理システム200の外観図である。図6および図7に示されるように、画像処理システム200は、撮像装置300、画像処理装置301、サーバ305、表示装置308、記録媒体309、および、出力装置310を備えて構成される。
撮像装置300の基本構成は、不要光成分の補正と学習情報の学習に関する画像処理部を除いて、図2を参照して説明した撮像装置100と同様である。撮像装置300を用いて撮影された撮影画像(入力画像)は、画像処理装置301に設けられた記憶部302に記憶される。画像処理装置301は、ネットワーク304と有線または無線で接続されており、ネットワーク304を介してサーバ305にアクセスすることができる。サーバ305は、撮影画像から不要光成分を低減するための学習情報を学習する学習部307と、学習情報を記憶する記憶部306とを有する。画像処理装置301に設けられた補正部303(画像処理部)は、サーバ305の記憶部306からネットワーク304を介して学習情報を取得し、撮影画像の不要光成分を低減する。補正部303により不要光成分が低減された画像等の出力画像は、表示装置308、記録媒体309、および、出力装置310の少なくとも一つに出力される。表示装置308は、例えば液晶ディスプレイやプロジェクタである。ユーザは、表示装置308を介して、処理途中の画像を確認しながら作業を行うことができる。記録媒体309は、例えば半導体メモリ、ハードディスク、ネットワーク上のサーバである。出力装置310は、例えばプリンタである。画像処理装置301は、必要に応じて現像処理やその他の画像処理を行う機能を有してもよい。
次に、図8を参照して、不要光成分の低減処理について説明する。図8は、不要光成分の低減処理を示すフローチャートである。図8の各ステップは、主に、画像処理装置301の補正部303(画像処理部)により実行される。
まずステップS301において、補正部303は、記憶部302から、撮影画像(入力画像)を取得する。続いてステップS302において、補正部303は、撮影画像に含まれる不要光領域の大きさを判定する。本実施例では、不要光領域の大きさを判定する方法として、以下に4つの例を示す。
第1の例は、同一の被写体について光源が存在する場合と存在しない場合の画像を用いる方法である。最も単純な手段として、光源を除去すればよい(光源がランプ等であれば電源を切る、太陽であれば太陽が写っている部分を遮光部材で覆い隠すなど)。これにより、光源が存在する場合と存在しない場合とで、不要光成分を含む画像および不要光を含まない画像を生成することが可能であり、それらの差分をとることで不要光成分の大きさを判定することができる。
第2の例は、絞り値が異なる複数の画像を用いる方法である。不要光領域の大きさは絞り値に応じて変化する。このため、絞り値が異なる条件で撮影をすることで、不要光領域の大きさが異なる画像を取得することができる。このため、絞り値が異なる複数の画像同士で差分をとることで、不要光の大きさを判定することができる。
第3の例は、視差画像を用いる方法である。視差が付くことで同じ被写体を撮影した場合でも不要光の強度分布は変化する。このため、視差が異なる条件で撮影をすることで、不要光領域の強度分布が異なる画像を取得することができる。そして、視差が異なる条件で撮影した画像同士の差分をとることで、不要光の大きさを判定することができる。
第4の例は、異なる結像光学系を用いる方法である。結像光学系が異なれば、結像光学系から発生する不要光成分の形状、強度、または、大きさが異なる。このため、異なる結像光学系で撮影した画像同士の差分をとることにより、不要光の大きさを判定することができる。本実施例では、不要光領域の大きさを、検出されたそれぞれの不要光領域における画素数(ピクセル数)で考える。
また、光源に応じて不要光領域の大きさが変わる場合があるため、撮影画像内の複数の位置に対して大きさを判定し、部分領域の位置に応じて学習情報を切り替えてもよい。
続いてステップS303において、補正部303は、ステップS302にて判定された不要光領域の大きさに基づいて、使用するネットワーク構造と学習情報、および、部分領域のサイズを決定する。本実施例において、補正部303は、図1に示されるCNNを利用して不要光成分を低減する。不要光領域が部分領域のサイズよりも大きいと、補正対象の被写体の情報が欠落してしまうため、高精度な不要光成分の低減を行うことができない。また、CNNでは各層でフィルタをコンボリューションして不要光成分を低減するため、それらのフィルタが影響する範囲を合わせた範囲が、撮影画像の不要光領域よりも小さいと、不要光成分を正しく低減することができない。例えば、全層数が2で、第1層のフィルタサイズが5×5、第2層のフィルタサイズが3×3である場合、ある画素の不要光成分の低減に使用できる範囲は、この画素を中心とした7×7画素である。このため、このネットワーク構造では、不要光領域の大きさが7画素以下になっていない場合、不要光成分を高精度に低減することができない。したがって、不要光領域の大きさに基づいて、ある画素の不要光成分の低減に使用される範囲(各層のフィルタのサイズに応じて決定される)を決定することが好ましい。
また、不要光成分の大きさは、絞り値やズーム位置など、撮影に使用する結像光学系の撮影条件に応じて異なる。このためフィルタのサイズは、撮影条件に基いて決定されることが好ましい。
より詳細には、以下の条件式(4)を満足するように、各層のフィルタのサイズを決定することが好ましい。
条件式(4)において、dは撮影画像(入力画像)の画素に対する不要光領域の大きさであり、不要光領域の1次元方向における長さを画素数で表している。N+1は全層数である。s(m=1〜N+1)は、第m線型変換で使用するフィルタのサイズ(第m線型変換(m=1〜N+1)のそれぞれにおけるフィルタの1次元サイズ)である。第m線型変換で複数のサイズのフィルタが混合して使用される場合、sは最大のフィルタサイズである。条件式(4)の上限は、ある画素の不要光成分の低減に使用できる範囲が、不要光領域の大きさ以上であることを示している。一方、条件式(4)の下限は、理論的に超えることができない。
ネットワーク構造は、各層で使用するフィルタのサイズだけでなく、一つの層で使用されるフィルタの数や層数なども含む。不要光成分を高精度に低減するには、不要光領域が大きいほど層数やフィルタの数を増やす必要がある。学習情報は、不要光領域の大きさごとに学習されており、その中から撮影画像に含まれる不要光領域の大きさに対応した学習情報を使用する。これにより、より精度の高い不要光成分の低減が可能となる。なお、学習の詳細に関しては後述する。
続いてステップS304において、補正部303は、撮影画像から部分領域(撮影画像の少なくとも一部の領域)を取得する。続いてステップS305において、補正部303は、ステップS303にて決定された学習情報に基づいて、補正部分領域を生成する。続いてステップS306において、補正部303は、撮影画像のうち所定の領域(部分領域)の全てに対して不要光成分の低減処理が完了したか否かを判定する。所定の領域の全てに対して不要光成分の低減が完了した場合、ステップS307へ進む。一方、不要光成分の低減が完了していない領域(部分領域)が残っている場合、ステップS304へ戻り、補正部303は、まだ不要光成分が低減されていない部分領域(新たな部分領域)を撮影画像から取得する。ステップS307において、補正部303は、不要光成分が低減された画像を出力する。
なお、撮影画像中の位置に応じて不要光領域の大きさが大きく異なる場合、補正部303は、ステップS304をステップS302、S303の前に実行することが好ましい。このとき補正部303は、ステップS302、S303において、撮影画像の局所領域に対して不要光領域の大きさを取得し、対応する学習情報などを取得する。
次に、サーバ305の学習部307により行われる学習情報の学習に関して説明する。本実施例において、学習部307は、不要光領域の大きさに応じて異なる学習情報を学習する。また、撮影に使用する結像光学系の光学ごとに、発生する不要光成分は異なるため、撮影に使用する結像光学系ごとに異なる学習情報を有することが好ましい。学習方法は、図5を参照して実施例1にて説明した方法と基本的に同様であるが、学習画像の用意の仕方によりその前処理が異なる。
まず、不要光成分の有無が異なる学習画像をシミュレーションにより生成する場合に関して説明する。この場合、光源の位置や強度などの不要光領域の形状や大きさに関するパラメータを設定して不要光成分を含まない画像から不要光成分を含む画像を生成し、一対の学習画像を得る。学習部307は、取得した学習画像に対してステップS201乃至S204を実行し、その後、異なる不要光領域の大きさに対して同様の手順を繰り返す。また、学習画像のうち不要光成分を含まない画像は、同一の被写体を異なる絞り値、視差、光源の有無、または、異なる結像光学系で撮影して得られた画像である。この理由は、ステップS302にて説明した内容と同じである。
次に、不要光成分を含む画像から不要光成分を含まない画像を求めて、学習画像を生成する場合に関して説明する。この場合、不要光成分を含まない画像を求める際に不要光成分のみの不要光画像を取得することができ、不要光領域の大きさが求まるため、これにより学習画像を複数のグループに分ける。グループ分けは画像単位で行うことができる。1枚の不要光成分を含む画像内で不要光領域の大きさが変化している場合、画像を分割してグループ分けを行ってもよい。各グループは不要光領域の大きさが近いものが含まれているため、グループごとにステップS201乃至S204を実行して、学習情報を生成する。
本実施例によれば、撮影画像から高精度に不要光成分を低減することが可能な画像処理システムを提供することができる。
次に、本発明の実施例3における撮像装置について説明する。本実施例の撮像装置は、撮影画像(入力画像)から不要光成分(不要光領域)を推定する。なお、本実施例における撮像装置の構成および外観は、図2および図3を参照して実施例1にて説明した撮像装置100と同様である。ただし本実施例の撮像装置には、画像処理部として、補正部102bに代えて推定部が設けられている。
図9を参照して、撮影画像(入力画像)から不要光成分(不要光領域)を推定する処理について説明する。図9は、不要光領域の推定処理を示すフローチャートである。図9の各ステップは、主に、画像処理部102の推定部により実行される。
まずステップS401において、画像処理部102(推定部)は、撮影画像(入力画像)と学習情報とを取得する。学習情報の学習に関しては後述する。この学習により、撮影画像の部分領域と部分領域に生じている不要光領域とを結び付ける学習情報が取得されている。続いてステップS402において、推定部は、撮影画像から、不要光領域を推定するための部分領域を取得する。本実施例において、推定部は、部分領域に含まれる画素(例えば中心画素)に不要光成分が存在するか否かを、その周辺画素(部分領域に含まれている画素)の情報も利用して推定する。
続いてステップS403において、推定部は、ステップS401にて取得した学習情報に基づいて、不要光領域を推定する。本実施例において、推定部は、図10に示されるネットワーク構造を使用して推定を行う。図10は、本実施例における不要光領域を推定するネットワーク構造を示す図である。図10において、中間データ410の生成までの工程は、図1を参照して実施例1で説明した工程と同様であるため、それらの説明を省略する。すなわち、図10の部分領域401、フィルタ402、第1変換部分領域403、フィルタ404、および、中間データ410はそれぞれ、図1の部分領域201、フィルタ202、第1変換部分領域203、フィルタ204、および、中間データ210に相当する。
本実施例では、第N+1層における第N+1線型変換として、フルコネクション411を実行する。フルコネクション411は、入力される中間データ410の全信号の線型結合をとる。この際、各信号にかかる係数と加算される定数は、学習情報によって決定される。また、係数と定数は複数種類が存在し、それぞれの係数と定数に対して線型結合が計算され、複数の結果が出力される。フルコネクション411で出力された複数の値は、活性化関数によって変換され(第N+1非線型変換)、ソフトマックス412に入力される。ソフトマックス412は、以下の式(5)で表されるソフトマックス関数を計算する。
式(5)において、ベクトルxは第N+1非線型変換で出力された複数の値を成分とする列ベクトル、ベクトルwは学習情報から決定される係数を成分とした列ベクトルである。ベクトルwの右肩に付いたTは、転置を表す。式(5)によって、部分領域401に含まれる不要光成分(不要光領域)が、分布413a〜413d(413e以降は省略)のいずれであるかの確率を求めることができる。ここで分布とは、部分領域に不要光成分が存在するか否かを示したものであり、白い部分は不要光成分が存在し、黒い部分は不要光成分が存在しないことを示している。式(5)のKは分布の総数、jとkは分布の番号を示すインデックスである。
続いて、図9のステップS404において、推定部は、撮影画像のうち所定の領域(部分領域)の全てに対して不要光領域の推定が完了したか否かを判定する。所定の領域の全てに対して推定が完了した場合、ステップS405へ進む。一方、推定が完了していない領域(部分領域)が残っている場合、ステップS402へ戻り、推定部は、まだ不要光領域が推定されていない部分領域(新たな部分領域)を撮影画像から取得する。
ステップS405において、推定部は、所定の領域内の各部分領域における不要光領域の推定結果を出力する。不要光領域の推定結果は、不要光成分が生じた被写体表面の状態を解析するためや、撮影画像から不要光成分を低減するため等に用いることができる。不要光成分を低減する場合、ディープラーニング以外の手法を用いてもよい。
また、不要光成分の発生位置、強度、または、色は、光源の位置、強度、または、色などの光源情報に応じて異なる。このため、不図示であるが、別途光源情報を取得する工程を更に有していることが好ましい。光源情報とは、光源の位置、強度、または、色などの情報であるが、光源に関する情報であればこれらに限定されるものではない。光源情報を用いることにより、不要光成分の位置や大きさをより高精度に推定することができる。光源情報を取得する手法としては、例えば使用する結像光学系よりも広角な光学系で別途撮影して、画面外の光源も含めた画像を用意する方法がある。または、画面内の光源の場合、光源の部分が輝度飽和しない程度に露出を抑えて撮影する方法がある。このような方法により、光源の形状や色情報を取得することが可能である。
また本実施例において、分布413a〜413dなどの不要光成分の特徴に関する情報(不要光特徴情報)を取得する工程を更に有することがより好ましい。不要光成分は様々な色や形状が考えられるが、代表的な形状を有しているものも多い。例えば楕円形状や放射形状をした光芒などである。このような形状の不要光成分は事前に不要光特徴情報として記憶部103などに記憶しておき、不要光領域の学習や推定に利用することで不要光成分の位置や大きさを高精度に推定することができる。
以上の処理により、不要光成分を含む撮影画像から、不要光領域を高精度に推定することができる。
次に、図11を参照して、本実施例における学習情報の生成に関して説明する。図11は、学習情報の学習を示すフローチャートである。図11の各ステップは、主に、画像処理部102の学習部102aにより行われる。ただし本実施例はこれに限定されるものではなく、学習情報の学習は、撮像装置100とは別の装置(演算装置)に設けられた学習部で行ってもよい。本実施例では、実施例1と同様に、撮像装置100の学習部102aが学習情報を学習する場合について説明する。
まずステップS501において、学習部102aは、学習画像を取得する。本実施例では、シミュレーションにより作成した不要光成分の有無が異なる画像を学習画像とする。学習画像は単数でも複数でもよい。ただし、不要光領域を精度よく推定するには、異なる不要光成分が学習画像に含まれている必要がある。
続いてステップS502において、学習部102aは、ステップS501にて取得した学習画像から、複数の学習ペアを取得する。本実施例において、学習ペアは、学習画像(不要光成分を含む画像)の部分領域(学習用不要光部分領域)、および、この部分領域に作用している不要光成分(分布)に関する情報(不要光特徴情報)である。分布に関する情報とは、複数の変形分布のうち特定の分布を示す番号である。複数の分布は、図10に示される分布413a〜413d(413e以降は省略)であり、これらは事前に用意されて記憶部103に記憶されている。
続いてステップS503において、学習部102aは、学習ペア(不要光成分に関する情報と学習用不要光部分領域)に基づいて、学習情報を生成する。学習情報の生成には、図10のネットワーク構造が用いられる。続いてステップS504において、学習部102aは、生成された学習情報を出力する。本実施例において、実施例2と同様に、不要光領域の大きさごとに学習情報を用意してもよい。
本実施例によれば、撮影画像から高精度に不要光成分(不要光領域)を推定することが可能な撮像装置を提供することができる。
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施例の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
各実施例によれば、撮影画像から不要光成分を高精度に推定または低減することが可能な画像処理装置、撮像装置、画像処理方法、プログラム、および、記憶媒体を提供することができる。
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されたものではなく、その要旨の範囲内で様々な変形、及び変更が可能である。
102 画像処理部
102b、303 補正部(画像処理部)
103、302 記憶部
301 画像処理装置

Claims (20)

  1. 不要光成分を含む入力画像の少なくとも一部の領域を取得する工程と、
    前記不要光成分に関して予め学習された学習情報を取得する工程と、
    前記学習情報を用いて前記領域における前記不要光成分を推定または低減する工程と、を有し、
    前記不要光成分を推定または低減する工程は、Nを2以上の整数、nを1からNまでの整数とするとき、
    前記領域に対して、前記学習情報に基づく複数の線型関数のそれぞれによる第n線型変換と、非線型関数による第n非線型変換とをnが1からNになるまで順に実行することで中間データを生成する工程と、
    前記中間データに対して、前記学習情報に基づく少なくとも一つの線型関数による第N+1線型変換を実行する工程と、を含むことを特徴とする画像処理方法。
  2. 前記不要光成分を推定または低減する工程において、光源の位置、強度、または、色に基づいて前記不要光成分を推定または低減することを特徴とする請求項1に記載の画像処理方法。
  3. 前記不要光成分を含む不要光領域の大きさを取得する工程を更に有し、
    前記領域の大きさまたは前記学習情報は、前記不要光領域の大きさに基づいて決定されることを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理方法。
  4. 前記不要光領域の大きさは、前記入力画像とは異なる絞り値、視差、光源の有無、または、異なる結像光学系で得られた画像を用いて算出されることを特徴とする請求項3に記載の画像処理方法。
  5. 前記第n線型変換(n=1〜N)のそれぞれは、前記学習情報に基づく複数のフィルタの各々とのコンボリューションを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像処理方法。
  6. 前記領域における前記不要光成分を低減する工程において、前記第N+1線型変換は、前記学習情報に基づくフィルタとのコンボリューションを含むことを特徴とする請求項5に記載の画像処理方法。
  7. 前記フィルタのサイズは、前記コンボリューションを行う前に縮小した前記入力画像の大きさに基づいて決定されることを特徴とする請求項6に記載の画像処理方法。
  8. 前記第n線型変換(n=1〜N)および前記第N+1線型変換のそれぞれにおける前記フィルタのサイズは、不要光領域の大きさに基づいて決定されることを特徴とする請求項6または7に記載の画像処理方法。
  9. 前記第n線型変換(n=1〜N)および前記第N+1線型変換のそれぞれにおける前記フィルタのサイズは、撮影条件に基づいて決定されることを特徴とする請求項6に記載の画像処理方法。
  10. 前記入力画像の画素に対する不要光領域の大きさをd、前記第n線型変換(n=1〜N)および前記第N+1線型変換のそれぞれにおける前記フィルタの1次元サイズをs(m=1〜N+1)とするとき、

    なる条件式を満足することを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項に記載の画像処理方法。
  11. 前記学習情報は、前記不要光成分の有無が異なり、かつ同一の被写体が存在する少なくとも一対の学習画像を用いて学習された情報であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の画像処理方法。
  12. 前記学習情報は、光源の位置、強度、または、色に基づいて学習された情報であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の画像処理方法。
  13. 前記学習情報は、前記不要光成分の特徴に関する不要光特徴情報を用いて学習された情報であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の画像処理方法。
  14. 前記学習情報は、撮影に使用する結像光学系に応じて異なることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の画像処理方法。
  15. 前記学習画像のうち前記不要光成分を含まない画像は、同一の被写体を異なる絞り値、視差、光源の有無、または、異なる結像光学系で撮影して得られた画像であることを特徴とする請求項11に記載の画像処理方法。
  16. 前記学習画像は、シミュレーションにより生成された画像であることを特徴とする請求項11に記載の画像処理方法。
  17. 不要光成分に関する学習情報を記憶する記憶部と、
    前記学習情報を用いて入力画像の少なくとも一部の領域における前記不要光成分を推定または低減する画像処理部と、を有し、
    前記画像処理部は、Nを2以上の整数、nを1からNまでの整数とするとき、
    前記領域に対して、前記学習情報に基づく複数の線型関数のそれぞれによる第n線型変換と、非線型関数による第n非線型変換とをnが1からNになるまで順に実行することで中間データを生成し、
    前記中間データに対して、前記学習情報に基づく少なくとも一つの線型関数による第N+1線型変換を実行する、ことを特徴とする画像処理装置。
  18. 被写体空間の像を入力画像として取得する撮像部と、
    請求項17に記載の画像処理装置と、を有することを特徴とする撮像装置。
  19. 請求項1乃至16のいずれか1項に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
  20. 請求項19に記載のプログラムを記憶していることを特徴とする記憶媒体。
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