JP2019209699A - 航空機 - Google Patents
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Abstract
【課題】重量やコストの増大を抑制しつつ、被雷から機体構造を保護する。【解決手段】航空機は、機体構造120と、絶縁体で形成され、機体構造の外方に配された絶縁層122と、導電体で形成され、絶縁層に一体的、かつ、互いが離間して配された複数のスタッド124と、を備える。このように、複数のスタッドを離間させることで、重量やコストの増大を抑制し、絶縁層で絶縁しつつ、気中放電により雷電流を逃がすことで、被雷から機体構造を保護することが可能となる。【選択図】図2
Description
本発明は、被雷から機体構造を保護する航空機に関する。
航空機は、雲や雨の中を飛行するとき被雷することがある。そこで、航空機は、気象レーダーを通じ、雷雲を回避して飛行する。また、機体構造の外表面に導電層を形成し、被雷から航空機を保護する技術も開示されている(例えば、特許文献1)。
航空機における、特に燃料タンクを内装する翼では、過渡的な雷電流によりスパークが発生すると、燃料タンク内の燃料に引火するおそれがある。したがって、翼の機体構造には、導電性を改善するためのスリーブファスナや、スパークを飛散させないためのキャップシールが用いられ、機体構造の外表面に導電層を形成することで機体内部に電流を流れにくくしている。
しかし、上記の対応では、想定外の大きな雷により機体内部に電流が入り込み、機体を保護できない可能性がある。しかしながら、スリーブファスナやキャップシール等を不要に増設すると、重量およびコストが増大する。また、着雷箇所は予想不能なので、上記のような部分的な対応では、雷電流を確実に逃がすことができない。
本発明は、このような課題に鑑み、重量やコストの増大を抑制しつつ、被雷から機体構造を保護することが可能な航空機を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の航空機は、機体構造と、絶縁体で形成され、機体構造の外方に配された絶縁層と、導電体で形成され、絶縁層に一体的、かつ、互いが離間して配された複数のスタッドと、を備える。
スタッドは、その外周に、頂部が鋭角で形成された鋭角部を有するとしてもよい。
機体構造と絶縁層とは密着しているとしてもよい。
機体構造は翼であってもよい。
本発明によれば、重量やコストの増大を抑制しつつ、被雷から機体構造を保護することが可能となる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、航空機1の概略的な構成を説明するための説明図である。航空機1は、電流帰還網(カレントリターンネットワーク)110と、燃料タンク112とを含んで構成される。
電流帰還網110は、例えば、導電性の高い金属で構成される。電流帰還網110は、翼2等、航空機1の主要部位に延在して設置される。電流帰還網110は、複合材構造の機体において、装備電子機器の共通GNDとして使用される。また、電流帰還網110は、被雷によって航空機1の機体構造に流れる雷電流を流す目的がある。
燃料タンク112は、翼2における機体構造の内部に設けられる場合が一般的である。機体構造は、近年、軽量化や耐久性の観点から、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)といった複合材で構成されることがある。しかし、複合材は、金属と比較して導電率が1/1000と低いので、雷電流が、複合材を繋ぎとめる金属ファスナを経由して流れやすい。かかる金属ファスナと複合材との接点近傍で雷電流によりスパークが発生すると、燃料タンク112内の燃料に引火するおそれがある。
ここで、スリーブファスナを用いて機体構造の導電性を改善することもできる。しかし、このような部分的な対応では、着雷箇所が不明な雷電流を確実に逃がすことができないおそれがある。そこで、本実施形態は、機体構造の外表面を加工し、重量やコストの増大を抑制しつつ、被雷から機体構造を保護する。
図2は、航空機1の翼2の一部を示した縦断面図である。翼2の機体構造120は、燃料を収容する燃料タンク112として機能する。ただし、機体構造120自体は複合材で形成されている。
絶縁層122は、絶縁体で形成され、機体構造120の外方に重畳して配される。ここでは、機体構造120の外方に絶縁層122を配することで、機体構造120内への雷電流の侵入を回避するとともに、被雷による衝撃や熱も減衰させる。なお、絶縁層122は、平板として形成されてもよいし、機体構造120に絶縁材料を直接塗布して形成されてもよい。
絶縁層122には、複数の所定形状のスタッド124が一体的に配されている。かかる複数のスタッド124は、絶縁層122に埋設しつつ、その外表面は、絶縁層122の外表面と面一に(凸凹なく)形成される。こうして、翼2の空気抵抗を抑制することができる。
スタッド124は、アルミといった導電性の軽金属(導電体)を薄平板(または薄平膜)状にして形成される。複数のスタッド124は、翼2の外方の金属表面が露出した状態で、互いに離間して等間隔に配される。また、ここでは、複数のスタッド124が、縦横に整列された格子状に並べられている。
スタッド124は、隣接するいずれかのスタッド124が被雷を導き得る間隔で、かつ、後述するように、所定の面積を有するように形成される。したがって、スタッド124自体で雷を引き込むように構成されている。
また、絶縁層122の絶縁破壊電圧に比べ、気体(空気)の絶縁破壊電圧は極めて小さい。したがって、被雷による雷電流が、図2に示すように、気中放電(空気放電)によりスタッド124間を流れる。そして、雷電流は、スタッド124を介し、最終的に電流帰還網110に引き込まれる。ここでは、保護したい燃料タンク112から離隔した電流帰還網110に雷電流を引き込ませることで、雷電流の燃料タンク112への影響を最小限に抑えることができる。
また、上記のように、スタッド124は、軽金属の薄平板であり、かつ、隣接するスタッド124同士が離間して配されている。そうすると、翼2の外表面の単位面積当たりのスタッド124の重量は、互いに連結された金属で覆う場合より非常に小さくなる。したがって、航空機1で許容する範囲で翼2の全体にスタッド124を配することができる。こうして、着雷箇所は予想不能であるものの、翼2のいずれの箇所に着雷しても、スタッド124で受雷し、機体構造120に到達させることなく、雷電流を隣接するスタッド124を介して電流帰還網110に逃がすことができる。
また、ここでは、積極的に気中放電を利用しているので、雷電流は、図2に示すように、絶縁層122よりさらに外方を流れる。したがって、スタッド124同士を直接電気的に接続するより雷電流を外方に退けることができるので、雷電流による機体構造120への影響をより抑制することができる。
なお、図2に示すように、機体構造120と絶縁層122とは密着(密接)して形成される。かかる構成により、機体構造120と絶縁層122との間に空間が生じず、機体構造120からのアークを防ぎ、絶縁層122の絶縁破壊を起こしにくくすることができる。こうして、絶縁層122から機体構造120への雷電流の影響を抑制することが可能となる。なお、機体構造120と絶縁層122との間に空間が生じ得る場合、絶縁材料で空間を満たすとしてもよい。
図3は、スタッド124の形状を説明するための図である。例えば、図3(a)のように、スタッド124を、その外周において4方向に突出させ、頂部が鋭角で形成された鋭角部124aを有するように形成する。そして、隣接するスタッド124同士の鋭角部124aが対向するように、複数のスタッド124を格子状に配置する。ここでは、隣接するスタッド124同士の鋭角部124aの先端間の電界が高くなるので、その位置で気中放電を起こしやすい。したがって、縦横左右方向、例えば、図3(a)に矢印で示す右方向に雷電流が進行し易くなる。
また、図3(b)のように、スタッド124を、矩形状に形成し、複数のスタッド124を格子状に配置する。ここでは、隣接するスタッド124同士の角部124bの先端間(角と角)の電界が高くなるので、その位置で気中放電を起こしやすい。したがって、縦横左右方向、例えば、図3(b)に矢印で示す右方向に雷電流が進行し易くなる。
同様に、図3(c)のように、スタッド124を、円形状に形成し、複数のスタッド124を格子状に配置する。ここでは、隣接するスタッド124同士の距離が近い部分で電界が高くなり、その位置で気中放電を起こしやすい。したがって、縦横左右方向、例えば、図3(c)に矢印で示す右方向に雷電流が進行し易くなる。
図4は、スタッド124の配置を説明するための図である。ここでは、図3(a)で説明した、4方向に鋭角部124aが設けられたスタッド124を用いている。ただし、スタッド124が配された面を広範囲に見ると、破線で囲まれた所定の絶縁領域130において、スタッド124の鋭角部124aを設けていない(意図的に除いている)。この場合、雷電流は、より電界が高い鋭角部124aの先端間を進行するので、図4のように、絶縁領域130を回避して進行する。このように絶縁領域130を設けることで、絶縁領域130により隔てられた領域同士を絶縁することが可能となる。
以上のように、複数のスタッド124を離間させることで、重量やコストの増大を抑制し、絶縁層122で絶縁しつつ、気中放電により雷電流を逃がすことで、被雷から機体構造120を保護することが可能となる。
なお、上述した絶縁層122は絶縁性(材質や厚み)が高いほどよく、スタッド124もその面積が大きいほど、また、スタッド124同士の距離は短いほどよい。ただし、回避を要する雷の大きさが想定できる場合、両者はトレードオフの関係にあるので、両者の重量やコストを考慮して、適切に設計することができる。例えば、絶縁層122を厚く形成することが可能であれば、その分、スタッド124間の距離を長くし、スタッド124の密度を低くすることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、被雷から機体構造を保護する航空機に利用することができる。
1 航空機
2 翼
110 電流帰還網
112 燃料タンク
120 機体構造
122 絶縁層
124 スタッド
124a 鋭角部
2 翼
110 電流帰還網
112 燃料タンク
120 機体構造
122 絶縁層
124 スタッド
124a 鋭角部
Claims (4)
- 機体構造と、
絶縁体で形成され、前記機体構造の外方に配された絶縁層と、
導電体で形成され、前記絶縁層に一体的、かつ、互いが離間して配された複数のスタッドと、
を備える航空機。 - 前記スタッドは、その外周に、頂部が鋭角で形成された鋭角部を有する請求項1に記載の航空機。
- 前記機体構造と前記絶縁層とは密着している請求項1または2に記載の航空機。
- 前記機体構造は翼である請求項1から3のいずれか1項に記載の航空機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018104275A JP2019209699A (ja) | 2018-05-31 | 2018-05-31 | 航空機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018104275A JP2019209699A (ja) | 2018-05-31 | 2018-05-31 | 航空機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2019209699A true JP2019209699A (ja) | 2019-12-12 |
Family
ID=68846273
Family Applications (1)
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JP2018104275A Pending JP2019209699A (ja) | 2018-05-31 | 2018-05-31 | 航空機 |
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JP (1) | JP2019209699A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021107698A (ja) * | 2019-12-27 | 2021-07-29 | 島根県 | 風車の耐雷装置及びそのガイド部 |
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2018
- 2018-05-31 JP JP2018104275A patent/JP2019209699A/ja active Pending
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JP2021107698A (ja) * | 2019-12-27 | 2021-07-29 | 島根県 | 風車の耐雷装置及びそのガイド部 |
JP7391304B2 (ja) | 2019-12-27 | 2023-12-05 | 島根県 | 風車の耐雷装置 |
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